P政策ポータルPOLICY PORTALウォッチ
65回国会衆議院1971/03/02

商工委員会 第5号

発言数
135
登壇者
14
会派数
4
開催日
1971/03/02

会議録

八田貞義自由民主党

○八田委員長 これより会議を開きます。  特定電子工業及び特定機械工業振興臨時措置法案を議題といたします。  質疑の申し出があります。これを許します。石川次夫君。

石川次夫日本社会党

○石川委員 きょうの法案に直接触れる前に、実はたいへん恐縮でありますけれども、電波監理局の方に来ていただいておるので、エレクトロニクスの関係がございます関係で、たいへんしろうとじみた質問で恐縮なんでありますけれども、宇宙開発等の関係がありまするし、この法案とも全然無関係ではないという意味で、最初にそのことだけを大体伺っておきたいと思うのです。  ということは、地上の電波が相当いっぱいになってしまって、どうしても静止通信衛星というものを打ち上げなければいかぬ、宇宙開発の第一項目ということになっておったわけなんでございますけれども、最近それほどの必要性もなくなり、気象衛星というものが前面に出てきておるという現状になっておるのではなかろうかと思うのでありますけれども、しからば、その地上におけるところの電波関係の高周波化、多重化、それから固定化というものがだんだんに進んでおる。ギガヘルツでいえば四ギガヘルツ、六ギガヘルツ、十一ギガヘルツというようなものが大体実用化をされておるし、電電公社の関係では十五ギガヘルツ、十八ギガヘルツというようなサブミリ波が実用実験には成功しておるという段階ではないかと思うのでありますけれども、それと合わせて将来は、ミリ波、レーザー波というものもいま実現の段階にまで行っているかいないかということでありますけれども、実現の期待が持てる、こういうような現状ではなかろうかと思うのであります。  電子関係と機械関係と一体化するというのが今度の法案の趣旨でありますけれども、何といいましても、一昨年の統計でいいますと、日本の総生産の中で五千億円ほどがエレクトロニクスの関係で輸出をされておるというような関係で、今後とも将来が非常に有望視されておるわけでございますけれども、日本の国内におけるそういう実施、普及、研究状態というものはどうなって、将来一体どういうふうになるかということを、私、専門家ではございませんですから、たいへんしろうとの質問で恐縮でありますが、わかりやすくひとつ現状を御説明をいただきたいと思うのです。

野村康雄郵政省電波監理局技術調査課長

○野村説明員 電波監理局技術調査課の野村でございます。いまの石川先生のお尋ねに対しましてお答え申し上げます。  先生御指摘になりましたように、現在すでに四ギガ、六ギガ、十一ギガサイクル等は実用になっております。たとえば電電公社の公社回線で広く使われております。なお、十五ギガサイクル、十八ギガサイクル、ここらは現在、電電公社等で、実用化の実験を鋭意行なっております。またミリ波につきましては、現在、先生御指摘のとおり実験段階でございまして、私ども、郵政大臣の諮問機関でございます電波技術審議会におきましても、いかに使われるべきであるかということを現在鋭意検討いたしております。またレーザー波につきましても、すでに新聞等で報道されておりますとおり、各メーカーあるいは各研究機関におきまして現在鋭意実験が行なわれております。  また、先生先ほどお触れになりました宇宙開発におきましても、従来、十ギガサイクルまではいろいろと実験され使われてきておりますが、現在行なわれております国際会議、あるいはことしの六月予定されております世界無線通信主管庁会議、こういったものにおきましても、十ギガサイクル以上の導入がはからるべきであるとして、特に日本からも四十ギガサイクルくらいまでの実用化をはかるべきであるという提案は行なっております。  以上のとおりで、今後ますます低いほうが混雑してまいりますので、高い周波数帯の開発、利用が進められるというふうに考えております。

石川次夫日本社会党

○石川委員 これは科学技術のほうでまたあらためて質問をしたいことでありますので、ここで質問するのは必ずしも当を得ないと思うのでございますけれども、一応念のために伺いたいのでありますが、レーザー波の研究は、茨城県十王町のほうで導波管をつくってやっておるというようなうわさを、私、聞いたわけです。実はそこで電話を入れてみたところが、全然それはやっておらぬというものですから、行って見てくるのをやめたわけなんでありますけれども、ミリ波、レーザー波の関係は一体どの程度まで実験が具体的しておるか、それを参考までにひとつ教えてもらいたいと思うのです。

野村康雄郵政省電波監理局技術調査課長

○野村説明員 現在、私どもの電波研究所あるいは電電公社の通研と申しますか、そういうところでそれぞれ基礎実験が行なわれております。また各メーカー、たとえば日本電気等でいろいろな電波実験等が行なわれております。なお、国際電電ではそういう実験が行なわれていることは聞いていないわけであります。

石川次夫日本社会党

○石川委員 それじゃ端的に伺います。静止宇宙衛星というものが必要なんだということで、たいへん緊急性が叫ばれておったわけでありますけれども、最近になりますと、グローバルの静止衛星がどんどん打ち上げられておるというようなこととも関係しておると思うのでございますが、それほど緊急ではないような現状になってきたということは、この地上における、こういうふうなギガヘルツの多重高周波化というふうなものがだんだん開発されつつある、必ずしも通信衛星がなければ、地上において、ことばは悪いのでありますが、もう電波が満ぱいになってしまったというようなことではなくて、通信衛星なしでも、相当程度はこの開発によって補うことができるというような見通しが出てきたのではなかろうか。それにかわって気象衛星というようなものが正面に出てきたというような印象を受けるのでありますけれども、この点ちょっと教えていただきたいと思うのです。

野村康雄郵政省電波監理局技術調査課長

○野村説明員 お答え申し上げます。  ただいま先生の御指摘でございますけれども、私どもとしましては、地上の通信網は遠からず満ぱいになるであろう。したがいまして、昨年の宇宙開発審議会の審議の過程でも御報告いたしましたように、たとえば昭和五十年代の前半では、離島関係の通信でございますとか、あるいは国内的にも非常に苦しくなるであろう。したがいまして、通信衛星の導入ということが非常に必要であろうというふうに考えております。なお、宇宙におきましてもだんだん低い周波数帯が混雑してまいりまして、先ほど御報告いたしましたように、準ミリ波あるいはミリ波の導入も必要であろうということで、現在、郵政省を中心として審議を進めております。電電公社、KDD、NHK、こういった機関によって、準ミリ波、ミリ波を使う通信衛星の研究というものも大いに進めているところであります。

石川次夫日本社会党

○石川委員 これは、この法案の審議と離れますからこの程度にしておきたいと思うのですけれども、どうも通信衛星の緊急性というものは、地上の発達で、少なくとも時期的にはかなりずれてもいいんだというような印象を受けているわけですよ。特にレーザー波というようなものは実験段階ですけれども、かなり有望視されている。これはもし成功すれば——これもなかなか成功はむずかしいと思いますけれども、これができれば、相当程度までこれが活用の範囲は広まっていくという感じがするものですから、私は実をいいますと、これは宇宙開発の関係なんですけれども、それほどこのことのために、緊急に通信衛星を打ち上げなくちゃならぬのだというようなことには、つながってこないのではなかろうか。いま少しじっくり自主開発ということで取り組んでいってもいい性質のものではなかろうかというような感じを受ける。これはあとはそちらの専門じゃないかもしれませんが、ソー・デルタの技術はアメリカから導入するというようなこともいわれておりますけれども、これは大体三百五十キログラムから五百キログラムがせいぜいだろうと思うのです。ところが最近の仮説上は、アメリカにおいてもそうなんでありますけれども、通信衛星は一トン、一千キログラムないと大体採算が合わないというようなことになってきておるように思うわけなんです。こうなりますと、ソー・デルタではどうしても不十分だということになりますと、アトラス・セントールというようなものも使わなければならぬだろう。この間の技術のつなぎ目をどうするかというふうな問題もあります。これはここでの質問の対象じゃございませんけれども、いまのソー・デルタ関係ぐらいで五百キロ、三百五十キロぐらいになるかと思いますけれども、その程度の通信衛星で、いわゆる地上が満ぱいであるということの不足を補うことに十分なのか。あと一つは、その程度のもので採算が一体電電公社でとれるというお見通しなのか。それとも、そういうふうなことを急がなくても、ある程度ずれていっても、地上でもってある程度それを補うことができるというふうにお考えなのか。その点の結論だけでけっこうでございますから、教えてもらいたいと思うのです。

野村康雄郵政省電波監理局技術調査課長

○野村説明員 お答え申し上げます。  先生御指摘の、いまのソー・デルタクラスでは三百五十キログラムまでではないか、これで十分なのかということでございますが、現在インテルサットのほうでいろいろ討議いたしております。現在、計画ございません。四号まででございますが、その後、確かに先生御指摘のように、一トンぐらいのが必要ではないかという検討が実は行なわれていたわけでございますけれども、最近になりまして、あまり大型の衛星を打ち上げますと、衛星の間を離さなければならない。そのほうがいいのか。あるいは、現在考えられております数百キログラムぐらいのものを、一トンのものに比べまして数多く上げたほうがいいのかということで、五号系以後の計画は現在検討中のようでございます。私どもといたしましても、どこまでの衛星を上げるべきであるかというのは現在検討中でございます。  なお、三百五十キログラムぐらいで採算がとれる見通しかという御質問でございますけれども、地上のマイクロ網が遠からず一ぱいになるということでございます。それでその上に、電電公社といたしましては、先ほど申し上げました離島間の通信でございますとか、あるいは先年、地上災害で北海道回線が全滅したというような非常の場合のバックアップとして必要になるということで、地上マイクロ、あるいは宇宙通信、あるいは海底ケーブル、こういったもの全部をまぜて総合的な通信網をつくる必要があろうということで検討を進めておられる段階でございます。

石川次夫日本社会党

○石川委員 電波監理局の関係の方は、いずれあらためて科学技術の委員会のほうでいろいろお伺いすることが多いと思いますから、きょうはこの程度でお引き取りいただいてけっこうでございます。御苦労さんでございました。  それでは重工業局長に、大臣がいらっしゃいませんので伺いたいと思うのでありますけれども、質問のていさいといいますか、そういうことで伺うのでありますけれども、いままでこの法案は、二つになって時限立法になっておったわけであります。これを一本にして、七年間というあらためての時限立法にした。これはこの間、自民党のほうからの御質問で重工業局長が御回答になりましたので、大体了解はいたしております。したがって、ごく簡単でけっこうでございますが、簡潔に一本にした理由、そして七年間という時限立法にした理由、これだけちょっと伺いたいのです。

赤澤璋一通商産業省重工業局長

○赤澤政府委員 従来の機振法、電振法を一本にいたしましたのは、主として二つの理由だと思います。  一つは機振法は、従来、欧米水準への技術のキャッチアップということを主としてねらいといたしまして、七年間実施をし、さらに延長をしてまいりました。その後の実態を見てまいりますと、漸次、電子関係につきましても技術の水準が高まってまいりまして、この電振法制定当時に比べますと、格段の技術革新が行なわれ、かつ水準の向上が行なわれてきた、こういう意味合いから、いわば機振法でねらっておりましたような、合理化を主とした各種の施策というものに近づいてまいった、こういった業界の実態と申しますか、こういった点があろうかと思います。  それから第二点といたしましては、これはさらに基本的な点でございますが、最近におきましては、たとえば安全の確保、公害の防止あるいは省力化、こういった面におきまして、いわゆる狭義の機械と電子というものが一体化をして、一つのシステムを組んでこれらの需要に応じていかなければならない、こういう状態になってまいりました。きわめて卑近な一例でございますが、たとえばNC工作機械といったようなものがその適例であろうかと思います。こういったような状態が出てまいりますし、これからもさらに、機械と電子機器というものが有機的に組み合わされて、双方の技術者なりあるいは業界というものが相協力してこれらの新しい方向に向かっていかなければならない、こういう事態が出てまいりました。こういった実態的な問題並びに基本的な考え方といったものをあわせまして、今回一本の法律にしたということでございます。  さらに、第二点として、七年間の時限立法という点でございますが、御承知のように、今回の施策の中で、従来からもとっておりましたいわゆる指示カルテルというものを、一つの施策の中に大きく取り込んでおります。これは独禁法のいわゆる例外規定ということでもございますので、こういったものをいつまでも恒久的に独禁法の例外として存置することはいかがか、こういう観点も一つございます。そういったような観点も含めまして、いわば一つの目標を与えて、その期間内に機械、電子両業界がそれぞれ目標とするところに向かって一応の成果をあげるということの必要性がございまするので、従来の電振法の期限としておりました七年間というものをとりまして、時限立法ということにいたした次第であります。

石川次夫日本社会党

○石川委員 御説明よくわかるのです。それでこの機械工業の関係は、全体の生産の中で現在は輸出関係が一四%程度でありますけれども、将来はこれは一七%にも伸ばさなければならぬということでもあるし、エレクトロニクスの関係は特に、頭脳集中産業というもので日本が伸びていかなければならぬ。すなわち御承知のように、後進国のキャッチアップということもあるし、それから労働集約産業では太刀打ちできないという面が相当露呈されてきたということで、このエレクトロニクスとコンバインしたいわゆる省力化産業というふうなものが、労働力の不足を補うという意味も兼ねて輸出産業を大いに伸ばす一番のホープであるということで、こういう法案を出されたということの意義は私も理解できないことはないわけなんですが、これは、将来の日本の産業、それから輸出産業にとってきわめて重要な案件であるし、また私はもちろんこういう法案はつくらなければならぬ性質のものであったと思うので、これは合理化カルテルというものの条項がなければ恒久的な立法にしてもよかったのではないか。合理化カルテルの点は若干ひっかかってまいりますが、こういう点を野放しにできないということがあるのですけれども、もしこの合理化カルテルという面がなければ恒久立法だということでどんどんやる、必要がなければはずすというぐらいのかまえがむしろ必要だったのではないか、こういう感じがしないでもないわけであります。そういう点で、公害対策とかなんとかという面でのものもありますけれども、むしろ重点は、私は、省力化、いわゆる流れ作業的な、オートメーション的なものは、コンピューターと一体化した省力化というものをよほど積極的に進めていかなければ、外国におくれをとるし、またおくれを現在とっておるわけですから、そういう点では恒久立法としたほうがよかったのではないか、こういう感じがしないでもないのですが、その点どうお考えになりますか。

赤澤璋一通商産業省重工業局長

○赤澤政府委員 私どもも、いま石川委員の御指摘のような点は十分考えてみました。当初私どもといたしましても、できればこれを時限立法でない形で考えていきたい、こういうことでずいぶんいろんな議論も繰り返してまいりましたが、やはり従来の機振法あるいは電振法両法案とも、それぞれ五年及び七年の時限立法ということで目標を与え、機振法の場合には三十六年当時におきまして、いわゆる物の自由化ということの新しい目標を与えてさらに延長し、四十一年におきましては、さらに外国、国際的な水準への到達と資本の自由化、こういったものの目標を与えましてさらに延長をしてまいったのであります。こういったようなことも過去の歴史にございまするので、一応の目標を与えて、その目標年限内に可能な限り私どもも努力をし、業界のほうも一つの目標を限って努力をしていただく、こういったことも、機械並びに電子両業界の構造を高度化していく上での主たる方法であろうかと思います。こういった点も考えまして、私どもとしては、とにかく一応七年という目標のもとにあらゆる施策を集中的に行なってみて、その段階において、もしいろんな当時の内外の情勢、技術の水準内容、こういったものから見てさらにこれを延長する必要があるというときには、国会の御審議を得まして、さらに延長していくことも考えていいのではなかろうか、こういうたてまえでございまするので、私どもとしても、いま御指摘の点は十分考えまして、今後あらゆる努力をこの七年間でやってみた上で、さらに御審議をお願いもし、十分御意見も拝聴してみたい、かように考えておるわけでございます。

石川次夫日本社会党

○石川委員 実はこの法案ができた根拠になっているのは、産業構造審議会の「今後の機械産業政策に関する答申」、これがもとになっていると理解をするわけなんですが、これは「一九七〇年代の機械産業の進むべき道」ということで、電子というものと機械というものは一体化をしなければならぬし、基礎技術を振興しなければならぬというような、いろんな意見がこの中に盛られておる。この七年の時限立法だと、これはあと三年残っちゃうのです。これは七年間の遠大な計画を立てたのだけれども、これを時限立法でいくと七年で切れちゃうということだとすると、この答申とは食い違うというほどじゃないかもしれないが若干のズレが出てきているのではないかという感じがしないでもないわけです。  そういう点で私は、これはいままでの伸びを見ても、電子エレクトロニクスの関係は七年間で生産が四倍になっているし、輸出関係は実に十七倍になっている。しかもこれからは、第二次産業の中でも、頭脳集約産業というものに相当の重点を置かざるを得ないという宿命をになっている日本としては、この過去の実績以上にこれを伸ばしていかなければ日本の繁栄というものは維持できないという宿命があると思うのです。そういう点では、これは七年間でまた見直すということは、さらにそれを前進させるというためへの見直しになろうかと思うのでありますけれども、これは時限立法でなくてもよかったのではないか、こういう意見を一応念のために申し上げておきたいと思うのです。  それから、この中に省力化ということが相当強くうたわれておるわけなんですけれども、このもとをただしますと、電子情報処理審議会、それから機械工業審議会、この二つあったわけですね。その電子情報処理審議会の中の電子だけを取り出して、それで機械工業審議会と一緒にして電子・機械工業審議会というものができるという、こういう予想になっておるわけなんですけれども、これはもともと別々のものであったものが一緒になったということで、この運用というものはこれから先の問題でありましょうけれども、若干の問題を残すんではなかろうか、こういう懸念がないわけでもないわけであります。  いわば、電子情報処理審議会の中から電子をとったということになりますと、純然たるソフトだけを残してハードを全部一体にした、こういうことであろうと思うのであります。そのハードの中で、省力化という問題が特に強調され、あるいはシステム化ということの配慮規定というものがここに出ておるわけなんでありますけれども、この法案の内容を見ますと、電子の関係と機械関係、この高度化というものは別々に何か計画を立てるようになっているわけですね。せっかくこの二つの法律を一本にしたというのなら、省力化というものが進んでいくという、あるいはシステム化を進めるのだということになるのであるならば、この二つは一本にして不離一体をはかるということにならなければほんとうの効果を発揮できぬのではないか。ほんとうのシステム化というものは、この不離一体の関係の中で初めて生まれてくるものであるし、省力化というものも、この両方が一体となって初めて従前の効果をあげるということから考えると、これは両方、ばらばらに出ておるということになると、一体化というものを一体どこでとるのかというような懸念がなきにしもあらず。  それからあと一つは、電子情報処理審議会の中から電子だけをとり、そして機械工業審議会と一本にするというようなことで、これからこの審議会というものをつくるわけですね。従来通りのばらばらなセクトというものはそのまま残ってしまって一体化できない。この法案自体もやっぱり別々に高度化というものの指示をしているということになると、この法案が一体化をねらったということの効果をほんとうにこれで十分に発揮できるのだろうかという懸念があるわけなんです。この点はどう対処されるおつもりですか。

赤澤璋一通商産業省重工業局長

○赤澤政府委員 いま御指摘になりました点が、実はこれからこの法案を実施してまいります私どもとしても、一番重要なポイントになる点だと存じます。  最初に、なぜ第三条の業種の指定といいますか、この条項で電子と機械と分けたか、こういう点でございますが、いわゆる狭義の機械工業と電子工業というものの現実を見てまいりますと、それぞれやはり違った性質を持っておるということであります。したがいまして、これを一本にまとめられる段階かといいますと、やはりその業界の実態、技術の内容、その及ぼします範囲、こういったものがそれぞれ特色を持って違っております。特に電子関係につきましては、非常に技術革新の度合いが早いものでございますし、また業界として共通的な分野、また他のものに比べて非常に基礎的な分野、こういったものが非常にたくさんございます。こういった面から、特に電子の面につきましては、生産技術に関する試験研究、あるいはそれから始まります工業生産の開始、こういった段階におきましては相当の期間を要する、こういった面もございます。  こういった点から、どうしてもこの二つを一つの形でまとめてしまうということには、業界の実態からいたしまして、ややどうも無理があるのではないか、こういう点を考えまして、一応立て方としては、電子の面と機械の面と両方、それぞれ特定電子工業、特定機械工業ということで書き分けたのでございます。ただ実際は、こういうふうに法文上書き分けてございますが、第三条の三項にもございますように、業種の指定をし、高度化計画を立てるにあたりましては、何とかしてこれを一体のものとして考えていきたい、こういうことでございます。  たとえば、先ほど申し上げましたが、工作機械といったものも今後、漸次と申しますか、急速な形でMC化してまいります。また、先ほども省力化という問題がございましたが、私どもは、将来の工場というものの一番の最高のねらいはやはり無人化工場である、こういうことであります。特に当面倉庫あたりは、もう無人倉庫というもので進むべきではないか、こういうことでございまして、そうなってまいりますと、それらに使われます機械というものは、どうしても単なる機械、従来の狭い意味の機械ということからはずれてまいりまして、電子機器と一体となった機械装置、いわば一つのシステム、こういうことになってまいるわけでございます。  こういった観点から、一応この法文の上では、特定機械工業、特定電子工業というふうに分けまして、それぞれの特性に応じた面も十分生かしてまいらなければなりませんが、あわせて、いま御指摘のような形の一体化したシステム、こういったものを大きく今度の業種の中でどういうふうに書き分けられるか、実施上は今後いろいろ検討してまいらなければなりませんが、極力そういうものを中心に高度化計画というものを設定していく、こういう考え方で今後の実施に当たってまいる所存でございます。

石川次夫日本社会党

○石川委員 そのとおりだろうと思うのです。しかし内容では、システム化ということを相当重視しているわけですね。システム化ということは、電子と機械というものは不離一体の関係になるということだと思うのですよ。そうでなければほんとうの意味のシステム化は不可能だし、いま言った省力化のための無人工場をつくるといっても、ほんとうのオートメーション工場なんか、これは無人化するということを労働力対策上からいっても急速にやらなければならぬと私は思うので、これからの研究課題だということはよくわかります。これは法案をつくったばかりでございますし、方向をつけたばかりでございますから、いまの段階でどんぴしゃりの回答を求めることはちょっと無理だということは百も承知なんですが、しかし両方に計画を立てて、この結びつきは、特定のもので別々なんだということをいつまでも持続していると、せっかく不離一体のものにしてシステム化を進めるというのが空文になってしまうという可能性が濃いのではないかということを心配するわけなんです。  そこで、念のために伺いますけれけれども、ハード関係の電子・機械工業審議会というものをつくりまして、その中の部会というものは一体どういうふうにおつくりになるか。その部会のつくり方によって、不離一体の関係を一体にするということも可能になってくる。いままでのようにばらばらのものをそのまま併置するというかっこうになりますと、せっかく一体化しシステム化して省力化をはかるという意義がなくなってしまうということで、具体的に部会というものをどういうふうにつくりあげていくかということの構想が、大体この法案をつくる段階ではできていなければまずかったのではないかと思うので、その点をちょっと伺いたいと思うのです。

赤澤璋一通商産業省重工業局長

○赤澤政府委員 いま御指摘のこの審議会の運用につきましても非常に重要な問題でございます。特に今度の法案では、いろいろなことをいたします場合、この審議会に諮問をし、その意見を十分聞くたてまえになっておりますので、この審議会の運用は、御指摘のようにきわめて重要であろうと思います。  従来、機械、電子それぞれ審議会がございまして、それを今度一本にして電子・機械の審議会、こういうことにいたすわけでございますが、先ほど申し上げましたように、特に機械の分野であろうと思いますが、特にこの三条の一項二号のロにございますように、非常に基礎的なもの、あるいは汎用的なもの、こういったもので、いわば一種のシステムのモジュールになるような部品とか、あるいは基礎的な機械製品、こういったものも、システムを組んでいく場合に、システムそのものに着目いたしますが、同時にそのモジュールになる機械というものも軽視はできない、こういう考え方も持っております。こういった面もございますので、私ども、まだ部会の構成まで考えておりませんが、おそらくいまの段階での考え方といたしましては、たとえば機械、電子両方を通ずる、特に学識経験者を中心にいたしました総合部会的なもの、これが一つ要ると思います。それから、高度化計画をつくります場合のいわば計画をつくる部会、計画を審議する部会、こういった部会がやはり要ろうかと思います。こういった計画部会の中に、全体計画を見るものと、特に機械あるいは電子といったようなもので、他と直接的には関係のない、いま申し上げたような基礎的な機械部品、こういったものを扱う単独の分科会と申しますか、専門委員会と申しますか、そういったものをその下に置いたらどうだろうか、こういうような考えを持っております。御指摘のように、電子は電子、機械は機械といったような別個の部会を設けてやるというような運営のしかたでは、せっかく一本化いたしまして今後システム的な機械を中心に進行してまいりたいということと離れてまいりますので、いまのところ、申し上げましたような運営のしかたでもって、極力両方の面から意見が出され、そうして電子、機械一体化したシステムというものに大きく目を向けていくような審議会構成をとってまいりたい、こう考えておるところでございます。

石川次夫日本社会党

○石川委員 これから先の検討案件であると思いますが、いま言ったような構想で、ばらばらでなくて——高度化計画は法律上はばらばらになっておりますから、これを統合してシステム化の方向に進め得るという体制だけはぜひつくらなければ、新しい法案の意議がなくなってしまうという点で、早急にその点を十分考えられた上での部会の構成ということをひとつ御検討願いたい、そうして実現させてもらいたいということをお願いしておきたいと思います。  それから、ちょっと話がわき道にそれるようでありますけれども、この設備資金の関係で開発銀行のほうから百十億、これは機械と電子と両方融資をするというかっこうになっております。それから中小企業金融公庫のほうは、五十億円というワクがございますけれども、これは機械だけなんですね。電子のほうは入っておらぬと思うのです。  そこで、きょうは長官は来ておられませんけれども、中小企業の場合で私がまた非常に心配しておりますのは、ハードウエア、ソフトウエアを含めての話でありますけれども、近い将来ではありませんが、クレジットカードでもってだんだん取引ができる、品物が買えるということになる時代は、そう遠い将来ではないと思うのです。そういうようなことになった場合に、中小企業はそれだけの設備というものを一体仕入れることができるかどうか。あるいはまた、それだけの人材というもの、技術というものを保ち得るかどうかということが、たいへんな問題になるのではないかと思っておるのです。そういう場合に、中小企業金融公庫の貸し出しを見ると、機械関係だけで電子のほうはさっぱり考えられていないという現状であるということになりますと、将来たいへんな問題になってくるのではないか。電子も含めていわゆる情報化に備え得るような体制でこのほうの融資というものを考えていかなければいけないのではないかという点で、これは片手落ちになっておるのではないかという感じがするのですが、私の考え違いならば幸いですが、この点についてちょっと伺いたいと思います。

赤澤璋一通商産業省重工業局長

○赤澤政府委員 電子工業につきましては、従来におきましても、特別融資ワクというものを中小企業金融公庫では設けておりません。これは全部あげて開銀の運用でやっおるわけであります。こういったことは、実は電子工業におきましては、従業員数あるいはその資本金の規模、こういったものが、一般の機械工業に比べますと非常に大きい。あるいは非常に急成長部門でありますので、一時そういう形でありましても、やはりそれが相当大きくなっていく。こういったこともありまして、またその反面、電子の場合には、設備投資の金額が、一般の機械の部品企業等に比べますと比較的多額の設備投資金額を要する。こういったような実態もございまして、どうも中小企業金融公庫によります一企業当たりの貸し付け限度額等からはみ出るケースが非常に多い、こういったような実態でございます。こういったことも考えまして、従来とも電子関係につきましては、中小公庫に特別ワクを設けていなかったのでございます。しかし同時に、こういったような実態でございまするので、開発銀行のほうを極力積極的に利用していく、こういう体制で従来ともやっております。今後とも、いま申し上げましたような考え方を引き続きとってまいるつもりでございまして、私ども電子工業の関係につきましては、いま申し上げたように、一企業当たりの設備投資額は多いという実態から、開発銀行の融資ワクというものを積極的に活用してまいりたいと考えておる次第でございます。

石川次夫日本社会党

○石川委員 開発銀行の貸し付け対象は中小企業はほとんど論外というのが現実ですね。しかし今後は中小企業といえども、ハードウェア、ソフトウエアあるいはクレジットカードの活用によるところの取引というものが除外されると、明らかに脱落をします。その点で、これは設備資金ではありますけれども、中小企業金融公庫の関係が、機械だけということで電子も含めないということになりますと、コンピューターは除外されるという——これは製造工場ですから若干違いますけれども、こういう点での配慮がちょっと私心配なんで、将来は中小企業といえどもコンピューターが活用できる。あるいは共同でもってやらなければならないかしれませんけれども、単独ではなかなか容易でないということになるだろうと思いますけれども、これが脱落をすれば、中小企業は全滅をする、ほんとうの零細企業だけしか残れないという可能性も多いにあるので、この点をどうするかということをいまから十分配慮をしてもらわなければ、非常な禍根を残すのではないかと思うのです。ぜひこの点は、今後の運用ということでお考えおきを願わなければならぬ重要な問題である、こうひとつ御記憶を願いたいと思うのです。  それから、合理化カルテルの問題でございますけれども、第六条第一項、第二項で指示カルテル制を今度は使うわけなんですけれども、これがどうしても必要なのかどうか、これは独禁法だけにまかせることができなかったのかどうかという点の御説明を簡単に願いたいと思います。

赤澤璋一通商産業省重工業局長

○赤澤政府委員 御承知のように独禁法におきましては、合理化カルテルという一つの制度が設けられております。この合理化カルテルの運用と、従来の機振法、電振法等におきますいわゆる指示カルテル、こういったものとの違いと申しますか、合理化カルテルを越えてさらにこういった指示カルテルが要るのではないか、こういった点につきましては、従来から実はいろいろと議論のあるところでございます。  私どもといたしましては、この指示カルテルの前提になります、この法案によりますと、高度化計画をまず十分練り上げまして、その高度化計画に定める合理化目標を達成するためには、国家経済的に見て、従来の合理化カルテル、つまり業界の自主的なカルテル結成の機運というだけではどうしても不十分であろう。やはり高度化計画というものをつくる段階で、まず業界の意思を統一し、また政府としての政策目標を定め、そしてその定めた目標を十全に達成させる、こういったためには、やはり政府の意思でもってカルテルの指示をする、こういった制度が必要ではないだろうか。こういった考えから「共同行為の実施に関する指示」ということを置いたわけであります。  しかし、従来と違いまして、こういった点につきましても、ただ、独禁法の合理化カルテルをはずれるわけでございますけれども、書き分けてございまして、この法案にもございますように、第一項の「規格の制限又は技術の制限に係る共同行為」、第二項におきます「品種の制限」、「部品又は原材料の購入方法」、「生産施設の利用」、こういったものにかかわる共同行為との間では、その要件を変えております。すなわち、第一項の「規格の制限又は技術の制限」についてはゆるやかに、第二項の「共同行為」につきましてはきわめて要件を厳重にいたしまして、こういった厳重なる要件のもとに、いわゆる独禁法の合理化カルテルを越える一つの共同行為ができる、こういう体制をとっておるわけでございます。いずれにいたしましても、高度化計画というものに基づく一つの特殊な共同行為である、こういうことで従来の合理化カルテル以上のものをこの法案の中に盛り込んだ、こういう次第でございます。

石川次夫日本社会党

○石川委員 この問題は中谷委員のほうからも質問があると思いますから、私のほうはその程度にしておきますが、ただ念のために伺いますと、第六条の一、二、三とこう書いてありますけれども、一のほうは独禁法というものとの関係は出てまいりますけれども、二、三というのは、いずれもきわめて抽象的な条項になってくるわけですね。これは実際は一と同じなのかどうなのか。現実の場合としてどういうことが考えられるのか。これは、特に必要があると認められた場合には規格の制限と品種の制限をする、ということになっておるわけなんでありますけれども、それは別として、二と三は独禁法の対象にはならないわけなんで、それをことさらにここでもって規定をするということの現実の必要性と、どういう場合にこういうことか出てくるかということを、ひとつ御説明願いたいと思います。

赤澤璋一通商産業省重工業局長

○赤澤政府委員 この点につきましては、従来の電振法あるいは機振法で指示カルテルをやっております実情を簡単にちょっとお聞き取りを願いたいと思いますが、現行法でカルテルの指示が行なわれております業種は、電振法では電子計算機の周辺装置、これは磁気ドラム等八品目でございます。こういったものがございます。こういった分野におきまして、生産分野の制限カルテル、こういったものを行なっておるわけであります。それから機振法におきましては、軸受け、建設機械等々九業種につきまして、やはり生産分野の制限カルテルを実施し、また木工機械、繊維機械等五機種につきまして規格制限カルテルを行なっておるのでございます。たとえば化学機械の生産分野の調整カルテルの例を申し上げますと、四十四年の十二月から六十二種、これは全体の生産シェアの約九割ございますが、ここでたとえばろ過器等の五機種につきまして、原則として四十五年度に生産規模が満足なものになるように、またそうでないものにつきましては生産を中止をするように、というような内容のカルテルを実施をいたしました。その結果、現在までで延べ品種といたしまして、四割、四〇%のものが現にもう削減をされました。     〔委員長退席、武藤委員長代理着席〕 全体の十九品種のうちの十四品種の平均生産規模が、ほぼ私どもが考えておりますような適正生産規模に倒達することになった、こういったような状態でございます。いまのは一例でございますが、こういったふうに、多数の企業というものが乱立をして少量多品種の生産をするということにつきまして、需要の動向その他を十分見ていわば品種の制限をする、こういうのが現状でございまして、カルテルの効果も、いま申し上げましたように、化学機械等においては非常にうまくこれが行なわれて効果を発揮しておるという状態でございます。  こういったような実情が現にございますけれども、この第二項にございますように、そういった実情を踏まえながらも、こういったものがいわゆる独禁法の合理化カルテルのワクをはずれまして行なわれるということであれば、それなりの理由が必要でございますので、第二項におきましては、従来の例に比べましてより厳重な該当要件というものを指定してまいっておるわけでございます。  特に第三項の規定は、いわゆるユーザーの面、そういった機械を使います面で、なかなかメーカー側だけのサイドでは、いま申し上げました規格制限をすることが比較的むずかしいという機種がございます。たとえば機械の部品等でございますと、どちらかというと、中堅企業あるいは中小企業といったものが生産をしておりますが、ユーザーとしては、組み立てを行ないますので比較的大企業でございます。そうしますと、いわば中堅、中小の企業がみずからの力で規格制限をしようと思っても、これを使っていただく大メーカーのほうでいろいろな要求が出てまいりまして、簡単に規格の制限を許してもらえないといった実情が出てまいりまするので、こういった点を防ぎまして、ユーザーサイドにおいてもそういったことをやってもらう。こういうことが、やはり規格の制限をし、生産のロットを高めて生産費を低くし、合理化をしていくということのために必要になってくるわけでございます。こういった点に着目いたしましたのがこの第三項の規定でございます。

石川次夫日本社会党

○石川委員 第六条の中に第一項に「特に必要があると認めるとき」、それから第二項に「やむを得ない必要があると認めるとき」というような、非常に抽象的なことばが並んでいるわけです。基準がぴしっとしてないわけです。過当競争を避けて専門化をするのだというその意図はわかるんです。生産分野の確定をやってむだを避けるというような気持ちも理解できないことはないのでありますけれども、それだけ過度の行政介入ということになるのじゃないかという懸念なきにしもあらず。いままでの実績を見ますと、かなり生産分野の制限は行なわれておりますね。人造絹糸、軸受け、それから化学繊維、プラスチック、試験機、工業計器、船舶用内燃機関というようなことで、かなりの生産分野の制限があってそれぞれ効果をあげたと思うのです。思うのですけれども、かなり抽象的な制限規定になっておるものですから、過度の行政介入になる可能性があるのではないかという懸念を持っているという点で、ひとつこの点は、十分運用でそういうことの弊害の出ないようにお願いをしたいということを強く要望をしておきたいと思うのです。  それから、時間がだいぶたってしまいましたので、あとはしょって申し上げますと、この答申の中には、この両方を一緒にしたということの理由として「産業のシステム化の動きを反映して、インターディシプリナリーな技術を含めて技術の総合化が要請され」、あるいはまた、非常な技術の革新が進められなければならぬとか、いろいろなこと、かたくさん書いてあります。書いてありますけれども、これを一緒にして、この関係の電子・機械というふうな、総合化された、省力化された、システム化されたこの機械が将来の日本の輸出産業のホープにならなければならぬ、どうしても中核にならなければならないということを考えますときに、この指導ということの中身を現実化するためには、テクノロジーアセスメントということが盛んにいわれているわけです。これを一体行政が直接介入してやるということについてはいろいろな問題があろうと思うのです。アセスメントが行なわれない限りは、いま言ったような、第十条とか第六条の発動というふうなものについても、いろいろな過度の介入ということにも、裏返しで出てこないわけではないわけなんで、このテクノロジーアセスメントをどういう形でやろうとしておるのか、その点をひとつお聞かせ願いたいと思うのです。

赤澤璋一通商産業省重工業局長

○赤澤政府委員 いま御指摘のテクノロジーアセスメントという問題は、先ほど御指摘になりましたような審議会においても議論の出たところでございます。ただ、これは非常にむずかしい問題でございまして、いわば科学技術の進歩あるいは経済の発展に伴いまして、かえって、健康の問題であるとか、環境の破壊であるとか、こういったことが出てきてはよくない、これを何かの方法でチェックをし、あるいはそういった面の技術的な弊害を除去していく、こういうことがどうすればできるかということが、いわゆるテクニカルアセスメントといわれておるものの中心であろうかと思います。  こういったようなテクニカルアセスメントを行ないますための技術自身が、実はまだ非常に未熟でございまして、どういう技術方法をもってすれば、いまのようなチェックあるいは弊害の除去が行なわれるかということ自身が、実はまだ未開拓の分野でございます。もちろんこの点につきましては、アメリカあたりではこちらより一段と進んでおりまして、私の聞いておるところでも、ある種の法案がすでに提出をされて、アメリカの議会では議論もされておるというふうに聞いております。こういったような現状をやはりわが国としても踏まえまして、今後深刻な問題になってまいります、いま申し上げたような生活の問題、環境の問題、健康の問題、こういったようなものを技術面から追及していかなければならぬということは、アメリカよりも日本の場合はより深刻であるかもしれない、こう思います。ただ何ぶんにも、そういったテクニカルアセスメント自身の技術開発というものが、世界的にもそうでございますが、特に日本の場合にはまだ十全でない、こういう考えを持っておりまして、こういった点は、機械工業、電子工業にかかわらず、全産業にかかわる技術に関連をする問題だと思いますので、こういった点は、別個の機関で十分審議もし、また必要とあれば、そういった技術開発のために国としての大きな援助と支援をしていく、こういう体制が望ましいのではないかと考えております。

石川次夫日本社会党

○石川委員 これは商工委員会の議題の対象でないかもしらぬのです。むしろ科学技術のほうで統一的にやったほうがいいかもしらぬ問題だろうと思いますけれども、いまのところ、アメリカあたりでいわれているテクノロジーアセスメントの問題は、ビッグサイエンスについて主としていわれているわけなんです。ところが、ビッグサイエンスといっても、よくいわれるような、宇宙開発、海洋開発、あるいはまた情報化の問題、こういう問題は全部エレクトロニクスが中核になるのですね。これが中核となってのこういうビッグサイエンスということになっておるわけなんで、そうなりますと、その中核になるこの産業それ自体が、やはりテクノロジーアセスメントをどうするかということを真剣に固めてもらわないと、いきなり大きな宇宙開発とか海洋開発のテクノロジーアセスメントといっても、なかなかこれは問題が広範になってしまってまとまりにくいという面が出てくる。したがって、この法案をせっかくまとめられた以上は、これが中核になるのだというような点で、これを中心として、この範囲でテクノロジーアセスメントをどうするのだということを真剣に討議してもらうということが、ひいてはビッグサイエンスに対するテクノロジーアセスメントの中核になっていくという点で、これはひとつ真剣にこの点についての——これはいまのところ暗中模索だと思いますよ、率直に言って。思いますけれども、ひとつ検討してもらわなければならぬ重大な課題であるということを指摘しておくことにとどめたいと思うのです。  それからあと、こまかい点でたくさんございますけれども、あと二点ばかり、きわめて大ざっぱに御質問したいと思うのであります。  規格制限命令というのは十条に出ておりますね。この十条の一の中で、「相当の比率を占めているとき。」という、「相当の比率」というのは一体何だという疑問が一つ出てまいります。それから四の中で「国民経済の健全な発展に著しい支障を生ずるおそれがあると認められるとき。」というのは、全くそのとおりだと思うのですけれども、一体これはどういうことが具体的にいわれておるのかという点が、どうも法律を見ただけではぴんとこないわけですね。そういうことがあって、それがあいまいにされたままで規格の制限を行なわれるということについては将来弊害が出てくるのではないか。これはいままで一度も発動していないはずですね、この点については。しかもこれは電振法のほうではなかった規定ですね。それが今度新たに、機械のほうだけではなくて電振法のほうにも適用されるということになると、なぜ電振法にまでこれが適用されることになったのかという疑問があらためて出ないわけではない。  それとあと一つは、これは公正取引委員会との協議というものが必要になっておらないわけであります。しかしながら、中小企業団体組織法第五十六条の二の規格制限命令と同様に、これは協議事項にしなければいけないのではなかろうか、こういう疑問が出てくるわけなんで、この点についての御説明を願いたいと思うのです。

赤澤璋一通商産業省重工業局長

○赤澤政府委員 まず指示カルテルから始まりまして、あと規格制限命令、こういう段取りで施策が進んでまいるわけでございますが、このいわゆる規格制限命令と申します規定は、実は機振法におきましては、昭和三十六年の改正時に挿入をされた規定でございます。これは実態から申しまして、従来の機振法でも、製品あるいは使用する部品、原材料の規格の制限に関する指示カルテル、それから事業者の面に対する規格の制限に関する指示カルテルがあるわけでございますが、第一に多数のものがカルテルに参加する意思がございましても、一部のものがカルテルに参加をしないというようなことが間々ございます。  それからもう一つは、機械工業では中小企業が多くございまして、いわゆる部品屋さんとアッセンブルをやる企業との企業格差が大きいということから、なかなか規格の統一につきましても事業者側の協力が必ずしも得られない、こういったことからカルテルの締結に至らないというような実情が間々ございます。こういったことから、このような事態を克服するためにはいろんな条件はございますけれども、規格制限の命令をつけ加えたほうがいいということから、三十六年の改正時に追加をされたということでございます。  従来まだ一度も発動していないという御指摘はそのとおりでございまして、従来まだ発動いたしておりません。私どもの感じから申しますと、いわば一種の伝家の宝刀と申しますか、最終的にはいろいろ要件はございましても、主務大臣が規格制限命令が出せるぞというかまえで指示カルテルの運用をし、あるいは業界の意思統一をはかっていくということが望ましいのでございまして、先ほども申し上げたような、いわゆる一種の伝家の宝刀的なものということもあって、従来はこれを発動していないわけであります。ただ実際問題として、私ども行政の第一線におりますと、こういった命令があるかないかということは、実際の行政指導の面におきましては非常に大きな違いでございまして、こういったような命令権があるということ自身が、いろんな業界の合理化を進めていく場合に非常に大きな影響力を持っておるということは、これは御理解をいただけると存じます。  それから、電子のほうに従来なかったものが今回入ってきたということでございますが、これは先ほども、両法の一体化の際申し上げましたように、電子関係も試験研究、開発の段階から漸次量産化といったような段階に進んでまいりまして、いわば狭義の意味の機械関係のものと非常に近いように、現実の事業の実態というものが備わってきたという面もございますので、この際両法を一体化するにあたりまして、特に電子だけ除外をするという必要はあるまい、こういう判断のもとに、両業界、あるいは特に両業界が一本になってつくるようなシステムの問題こういった面も考えまして、今回、特に電子の面にもこれが及ぶというような形にしたわけでございます。  さらに第三点といたしまして、この十条の命令に関しては公正取引委員会との協議が行なわれないのではないか、こういうことでございますが、その点は御指摘のとおりでございます。この点につきましては、いわばこの規格制限命令をいたします場合には、この条項等にもございますように相当程度、これは常識的に申しまして、五〇%以上というのがおそらく相当程度ということになるのではないかと思いますが、こういったような業界におきまして、従来まず指示カルテルということで、高度化計画の目標を達成するために関係業界において一つのカルテルを結ぶわけでありますが、そういったことがなかなかうまくいかないというときに初めてこの規格制限命令ができるわけであります。まず前段のほうの規格制限に関する指示カルテルを行ないます場合には、公正取引委員会と十分協議をするたてまえになっておりますので、その段階でまず協議をするわけであります。そういった協議をした結果やりました指示カルテルがどうもうまく動かない、これはどうしてもやはり規格制限の命令が必要である、こういったときに初めて命令が出せるわけでありますので、まず事前の指示カルテルの段階で十分公正取引委員会と御協議を申し上げておけば、その実態を備えさせるための命令、こういうことでございますので、いわば独禁法のたてまえからいたします観点は、すでに事前の協議が行なわれておる、これをうまくやるといいますか、完全にするための命令、こういう段階でございますので、後段の段階では特に公取とは必要があるまい、こういうふうなたてまえで法案上は協議事項からはずされておる、こういうことでございます。

石川次夫日本社会党

○石川委員 私の質問した中で、「相当の比率」、「国民経済の健全な発展に著しい支障を生ずるおそれがあると認められる」というこの基準について答弁がなかったわけなんですけれども、それはいいでしょう。大体私のほうでも見当はつきますから、時間もございませんから省略いたします。  最後に一つ、十三条の「勧告」であります。これは言わずと知れた外資に対する対策というものが含まれておるというふうに理解されるわけなんですけれども、今度は資本が自由化をされるという機運がだんだん国際的な環境からいっても濃くなってくるわけです。その中で、これはひとつ具体的に伺いたいのでありますけれども、コンピューターの周辺機器は若干自由化されるというふうなことを聞きましたが、コンピューターそれ自体は、いまの段階で自由化というのには時期尚早ではないかと私は考えているわけなんです。その点が一体どうかということが一点です。  それから、コンピューターに限らず、こういうエレクトロニクスの関係が資本の自由化、たとえばテキサス・インスツルメンツなんかは一〇〇%の外資の子会社でなければだめだというふうなことを強硬にいってきているわけで、これはいまのところ許可しないという方向にあることは間違いないことなんですけれども、ともかく資本が自由化をされ、しかも特許によらないノーハウというふうなことでいろいろ上陸をして、品物をつくって日本の市場を席巻をするという可能性がなきにしもあらずという情勢になってくると思うのです。その場合に、何を基準としてこの勧告を行なうかというその基準の問題でありますけれども、これはどういうふうにお考えになっておられるか、その点を最後に伺っておきたいと思うのです。

赤澤璋一通商産業省重工業局長

○赤澤政府委員 コンピューター関係の資本の自由化につきましては、先般たしか予算委員会でございましたかにおきましても、通産大臣が、第四次の資本自由化に際して、コンピューター関係のものについては、これをネガリストに入れるという方向で検討しております、ということの御答弁をいたしました。私ども事務当局といたしましても、いま御指摘のように、コンピューター関係のものにつきましては、あまりにも技術格差、企業格差等が大きいというふうに考えておりまして、こういった点から、いま大臣が答弁されましたことを引用さしていただきましたが、そういった観点で慎重に検討してまいりたい、こう考えておるところでございます。もちろんただいまの資本自由化の私どもの全体の考え方は、いわゆる五〇%、フィフティー・フィフティーまでの自由化というものがまず大原則でございまして、これは欧米と日本との産業構造の違い、あるいは風俗習慣の違い、各種制度の違い、こういったものからいたしまして、やはりまずは五〇対五〇というのを一つの原則にして、日本の産業に無用の混乱を与えないように自由化を進めていくというのが基本原則でございます。ただ、そうでない面もございますから、もちろん将来におきましては、一〇〇%の自由化に向かっても漸次進んでいく必要があるというふうに考えております。  十三条の「勧告」の規定につきましては、いま御指摘がございましたように、これは何も外資対策だけを目標にしたものではございませんが、当然今後、資本の自由化に伴いまして出てまいります外資というものについても、国内の場合と同様、この規定が大きぐかぶっていくことになるわけでございます。  そこで、この十三条の「勧告」の前提といたしましては、この法案に書いてございますように、二つ三つの要件がございます。  第一の要件は、当該事業にかかわる高度化計画、これに従いまして、事業の共同化または生産すべき品種の専門化を実施しておるというのが一つの前提でございます。つまり言ってみれば、業界が、まずは共同化をしたり、あるいは専門化をするということで、自助努力と申しますか、自分自身でもそういう努力をしておる、こういうことが一つの要件でございます。  それから第二といたしましては、ここにもございますように、こういった事業の共同化を実施しているものの生産額、これが相当の比率を占めておる、こういったような場合でなければいけないということになっております。これが第二の要件であります。  同時にまた、第三の要件といたしまして、その共同化に参加していないもの、これは外資の場合もあろうかと思いますが、こういったものが大規模な事業の開始あるいは拡大をする、こういったことから、せっかく事業共同化をやっておるその事業共同化自身がこわれてしまう、全く無意味になってしまうことがある、そういうことの認定が必要である、こういうことであります。  同時に、そういったことによりまして、これは非常に抽象的な概念でございまして、説明は具体的にと言われますと、なかなか問題があるわけでありますが、そういったことから日本経済の健全な発展に大きく影響がある、これでは経済全般にわたってもよくない影響を及ぼすであろう、こういったような判断、こういったような場合に初めてこの勧告をするということになっておるわけであります。同時に、少し説明が長くなりまして恐縮でございますが、第二項におきまして、一般の消費者あるいは関連事業者の利益を不当に害してはいけない、こういう制限を設けられております。  こういった彼此両方の面を勘案をいたしまして、この勧告を行なうということでございます。個々の具体的なケースにつきましては非常にむずかしい問題もございまするので、先ほどお話がございましたような審議会にもはかりまして、大ぜいの方々の御意見を十分聞いた上で勧告に踏み切る、こういうことにしたいと考えております。

石川次夫日本社会党

○石川委員 たいへん懇切な答弁なんで、時間がたいへん超過してしまいまして、申しわけないと思っております。  とにかく今後の日本の産業並びに輸出の中核になり、また日本のビッグテクノロジー、ビッグサイエンスの中核になるという意味で、このハードウエアの発達といいますか、促進といいますか、これが非常に重要な課題になってくるだろうと思うのでありますけれども、この法案自体では、まだまだこれからの検討にゆだねられている部分がたくさんあると思うのです。テクノロジーアセスメントもそうでございますし、勧告の面も、これはソフトウェアがどうなるかということも含めて重大な課題でありますし、せっかく一本にしたということの意義は十分評価をするけれども、一体、十分に一体化した運営というものができるかどうかというような課題も残されておるわけでございますけれども、この法案自体は十分に運用のよろしきをはかっていただいて、この産業の発展のために寄与するようにひとつ御配慮を願いたいということを申し上げて、私の質問を終わります。

武藤嘉文自由民主党

○武藤委員長代理 中谷鉄也君。

中谷鉄也日本社会党

○中谷委員 石川委員から総論的な点の質問が各般にわたって行なわれましたので、三点ばかりについてお尋ねをいたしたいと思います。  法案の三条を拝見いたしましても、三条の一のイ、ロ、二のイ、ロ、それぞれ政令に委任されておる部分が相当部分ございます。そうして本法案の仕組みの中で、本法案が四月一日に効力を発生するという前提で、政令、規則、そうして指示カルテル等がどのように動いていくのか、そのスケジュール等について御答弁をいただきたい。

赤澤璋一通商産業省重工業局長

○赤澤政府委員 幸いにしてこの法案が御審議の結果可決をしていただきますと、私ども最初に考えなければならぬと思いますのは、審議会の構成をまず考えたいと思っております。現在準備をいたしておりますが、まず審議会を成立をさせまして、発足をいたしまして、そしてまずこの法案の全体の今後の実施についての意見交換を十分行なうこと。それから第二点といたしましては、先ほど来石川委員からも御指摘ございましたように、この法案の精神に沿いまして部会の構成等も行なうこと。そしてその部会の構成を受けて、今後、この特定電子工業あるいは特定機械工業、こういったものについての業種指定をまず行なっていく、こういうことであります。引き続きまして、このあと指示カルテルの面その他の面につきまして、従来のことも考え、またこれから先の七年間というものも考えまして、高度化計画というものをその業種について策定をし、かつそれを審議会にはかり決定をしていく、こういうことでございますので、実は私どもいま手順としては、まずは審議会の構成をして、この法案が運営できるような体制をとるということを心がけてまいりたいと思っております。

中谷鉄也日本社会党

○中谷委員 おっしゃるとおりでございますね。審議会を構成して、そうして審議会に対して政令については諮問しなければならない。したがいまして、御答弁の前提としては、諮問するのは政令原案を示して諮問されるのかどうか、その点よくわかりませんが、いずれにいたしましても、四月一日に法が効力を発生して、政令が令として姿をあらわしてくるのは、一体四月一日プラス何日後あるいは何カ月後というふうな、そういう手順であります。さらに、その法に基づいて規則をつくっていく。その規則に基づいて特定機関についての指示カルテルをつくっていく。したがいまして、指示カルテルの指示が行なわれるのは一体四月一日以降どのくらいなのか。施行令、規則そうして指示カルテルまで前提としての高度化計画の遅滞なき作成と、そうしてそれの告示、こういうことに相なりますね。それをスケジュールとして、手順はお伺いいたしましたが、いつごろどうなるのかということを御答弁いただきたい。

赤澤璋一通商産業省重工業局長

○赤澤政府委員 これは法律をつくりました段階からいろいろと準備も進めておりますので、私どもとしては、なるべく空白期間がないようにやってまいりたいと思います。  いま、審議会に政令原案をはかるかという御指摘でございますが、これは政令原案をもって審議会にはかりたいと考えておりまして、私どもは、政令の制定につきましては、できればこの法律が発効いたしました以後、一カ月以内ぐらいにはまず業種指定の政令を出していきたい、こう思っております。  それからもう一つ、あとの高度化計画あるいはいわゆる指示カルテル等の面でございますが、こういったものは、やはり業種によって相当内容がこまかく違っておりますので、そう簡単に計画内容あるいは指示カルテルの内容等がきめられない面があろうかと思います。従来のものを単純に引き継ぎますのであれば、これはもう直ちにそのまますぱっとかければいいのでありますが、今度はこういったような新しい観点からやはりふるいをかけていきたいというと大げさでございますが、特に機械の面等では、新しいニーズに着目した指定、内容等も盛ってまいりたい、こう思っておりますので、この点は、法律の発効以後やはり二カ月とか三カ月くらい時間をかけませんと内容が固まってこないのじゃなかろうか、こう思っております。しかし、いずれにしても従来からの引き続きのものも一部あろうかと思いまするので、こういった空白期間がないように、できるだけ時間を詰めて努力をしてまいる所存でございます。

中谷鉄也日本社会党

○中谷委員 配付された資料の「機械工業振興臨時措置法 電子工業振興臨時措置法の運用状況四十五年九月十日」の「第2表 共同行為の実施状況」について。公取をお待たせしておいては非常に失礼でございますので、順序が狂いますが、まずこの点からお尋ねしていきたいと思います。  法律問題としてどのように理屈づけをしておられるかという点であります。生産分野制限として八つの生産分野制限をしておられます。そこで、局長のほうからただいま御答弁がありましたとおり、この指示カルテルは、特に必要があると認めてなされたところの指示カルテルでございますね。そうして法案六条の第二項による指示カルテルは、「やむを得ない必要がある」としてなそうとするところの指示カルテルでございますね。まあ前提を飛ばしていいと思いますけれども、機振法と電振法は、法及び施行令、規則は三月の三十一日をもって廃止される運命にある。この法案が四月一日効力を発生すれば廃止される運命にある。したがって、機振法、電振法によるところの指示カルテルについては、全部それはなくなるというふうに理解をいたします。といたしますと、特に「やむを得ない必要」としての指示カルテルとしてつながっていく場合もあるでしょうし、つながっていかない場合もあると思います。施行令策定に一カ月、指示カルテルの指示をするのにさらに二カ月ないし三カ月。もう法の効力が発生以後二カ月ないし三カ月ということになってまいりますと、この二カ月ないし三カ月の空白期間は同じ内容の指示カルテル——ただ法がなくなったために状態が継続しているという場合と若干違うと思います。その指示カルテルの状態が続いていくということ、現行法によって指示された指示カルテルの状態が続くということは、どういうふうなことでそのことが許容されるというふうに理屈づけ——まあ、理屈づけということはでいいと思いますけれども、理論構成とまではいかないでしょうが、理屈づけをしておられるのでしょうか。御答弁をいただきたい。

吉田文剛公正取引委員会事務局長

○吉田(文)政府委員 御答弁いたします。  二、三カ月のブランク期間があるんじゃないか、その間に前の機振法、電振法によるカルテル、これが一体どうなるのか。そのままほっておけば、これは法律が、適用除外法がなくなるわけですから、違反になるおそれがあるんじゃないかという趣旨のお尋ねではないかと思います。  これは法律的な独禁法との関連で申し上げますが、ブランク期間中にも、三月末に切れました従来のカルテル、このカルテル制限を守るように拘束をお互いに加えるということになりますと、独禁法違反の問題が生じてまいりますけれども、合理化カルテルというのは、不況カルテルと違いまして構造対策である。したがって、長期的な効果をねらったものでございますので、拘束によらないで、各自の自粛によって、従来からありましたカルテルの効果が相当期間残っているということになりましても、特に独禁法上問題にはならないのじゃないかというふうに考えます。     〔武藤委員長代理退席、委員長着席〕 したがって、御心配になるようなことは、独禁法で云々という問題は、実際問題として起こってはこないのじゃなかろうか。ただ、拘束を加えて、従来の法律がなくなったもの、その内容を維持しようということになれば、これは問題はございますけれども、そうでない限りは効果として残る。それも、各自が自粛的に行なっているというものである限りは、問題はないのじゃないかというふうに考えます。

中谷鉄也日本社会党

○中谷委員 公取の事務局長に、その御答弁について念のためにもう一点だけお尋ねをしておきますけれども、そうすると、新しい分野制限に関するところの指示カルテルは、「やむを得ない必要がある」ということでの指示カルテル、現行の法によるところの指示カルテルは、「特に必要」ということに基づくところの指示カルテル。しかし御答弁は、それはとにかく特に必要としてきめた指示カルテルの効果が残っておるということであるのだから、それは何ら独禁法の違反の問題は生じないのだとおっしゃったと思うのです。そういう趣旨に私は理解いたします。そうすると、特にこの法案が「やむを得ない必要がある」として、要するに、しぼりをかけてきているということとの関係においても、問題は生ずる余地はないと理解してよろしいですね。

吉田文剛公正取引委員会事務局長

○吉田(文)政府委員 私が先ほど申し上げました点は、要件は直接関係がないわけでございまして、ただ従来、合理化カルテルを独禁法の適用除外として認めておりましたそのもとの法律がなくなりまして、その間新しいカルテルができるまでの空白期間があるわけでございます。したがいまして、その独禁法の適用除外法に基づかないカルテルを、お互いに拘束して守ろう——拘束かあってカルテルを守ろうということになると、これは独禁法でいいます不当な取引制限になるおそれが、全部なるというわけではございませんけれども、合理化カルテルにございますので、出てまいりますが、相当期間、法律がなくなりましても、これは構造的なものでございますので、効果が残っている。事実上効果はやはり数カ月ぐらい残るであろう。その間に、各自の自粛的な心がまえでそれを守っている、従来の残存効果を各自の自粛で守っているということであれば、拘束がないので、独禁法上は拘束がなければ問題にならないであろう、こういうことでございます。

中谷鉄也日本社会党

○中谷委員 もう少しいまの問題をお聞きしておいたほうがいいかもしれませんが、別の問題に移ります。  非常に実務的なといいますか、そういう質問ですけれども、そうすると、機械工業振興臨時措置法施行規則の二条による「共同行為の届出事項」の、共同行為を廃止した場合の届け出というのは、本法が死んでしまうわけだから、この廃止届け出は行政指導上させる必要がない、こういうお考えでございますね。

赤澤璋一通商産業省重工業局長

○赤澤政府委員 御意見のとおりでございます。

中谷鉄也日本社会党

○中谷委員 次に、もとへ戻りまして三条の問題についてお尋ねをいたします。公取に対する私の質問は六条関係だけでございますから、公取に対する質問はございません。  三条についてお尋ねをいたしたいと思います。最初に三条の一項二号のロです。二号のイでカッコでくくって「以下「危害の防止等」」とありますから、二号のロの「危害の防止等に資するため」というのは、二号のイの「危害の防止若しくは」以下の文言を含むものであることは明らかであります。そこで、「危害の防止等に資するため」と記載されたことは、全体の傾向として、従前の機振法の場合に比較をいたしまして、指定される機械がふえるのか減るのか。最初は非常にばく然としたお尋ねをいたします。どういうことになるのでしょうか。——じゃもうちょっと質問を続けます。というのは、通産省の御答弁ですけれども、しぼりをかけたんです、三条は要件の厳格性を求めた規定であります、ということであります。はたしてそうなのだろうかという疑問が前提にあります。全体の傾向として、指定される特定機械の数は減るのかふえるのか、こういう質問であります。

赤澤璋一通商産業省重工業局長

○赤澤政府委員 非常に端的な御質問でございますので、実は私ども、この今後の機種の指定については、まだいろいろな角度から検討しておりまして、結論を得ておりませんので、減るかふえるかという御質問になってくると、私の感じから言うと、やはり減るという感じでお答えをしておいたほうがいいと思います。  ただ、従来のようなつかみ方と、今回のように、ただいま御指摘の第三条の一項二号のようなつかまえ方とでは、機械に対するとらえ方自身が変わってきておりますから、したがって、機種の数だけ、あるいは業種の数だけで申して、直ちに減るということもちょっと言いにくいと思います。ただ、同じ業種の中でも、この機電以外の問題もあり、かつ、こういったような一つの目的意識といいますか、機械に対するニーズという観点から見てまいりますので、その意味ではやはりしぼりをかけたというふうなことで御理解をいただいてよろしいのではなかろうかと思います。

中谷鉄也日本社会党

○中谷委員 そこで、じゃ現行法の関川係との対比、比較の中でお尋ねをいたしたいと思います。  要するに、原案を作成された通産省は、この三条一項二号の「危害の防止等に資する」ということについて非常に意欲的だと言われているわけです。そうだとすると、現行機振法の、機械工業振興臨時措置法施行規則別表第一条の「自動車部品」のところで御説明をいただきたいと思います。御承知のとおり、ここには、法案三条一項二号のロと相応するところの別表であると理解をいたしますが、(1)ないし(42)の自動車部品が指定されております。そうすると、「危害の防止」ということが新しく加わってきたことによって、さらに当然追加されるだろうと言われる部品はどういうものが予想されますか。また、「生活環境の保全」ということで当然追加されると理解される部品にはどのようなものがありますか、これが質問です。

赤澤璋一通商産業省重工業局長

○赤澤政府委員 きわめて具体的な御質問でございますが、ただいまの別表に記載しております自動車部品関係の中で、私どもやはり、いまの危害の防止あるいは安全、公害、こういった観点から、直接関係のないものにつきましては、幾つかこれを削除してまいるつもりでおります。しかし同時に、新しく加えたいというような一、二の例を申し上げますと、たとえば、自動車が衝突いたします場合の一次衝撃の緩衝装置、あるいはこれも衝突いたしましたときの人命を守りますためのエアバッグ、こういったもの。それから車高の制御装置、これはやはり一定の高さで走ってまいらなければなりませんから、そういったようなことが、今後の安全あるいは公害といった面で新しくいま製品としてできかかっております。こういったものは、おそらく今後の指定にあたりまして追加をしていくというようなものの例ではないかと考えております。

中谷鉄也日本社会党

○中谷委員 そうすると、こういうふうに三条の一項二号を、かなり重点的な施策との対応において、「危害の防止等に資するため」という条件をつけられたという点で、私はもう少し詰めてお尋ねをしておいたほうがいいと思いますのでお尋ねをいたしますが、そうすると、現行法に基づく施行規則の中で、「危害の防止若しくは生活環境の保全」ということに該当をして、そうして他の要件を満たしたものについては当然存置される。そうすると、あとの「危害の防止若しくは生活環境の保全」については、したがって別表自動車部品のこの(1)ないし(42)にプラスアルファされてくるものが何点かあるということは理解できました。そうすると、その余の条件を満たさないということで削除されていくものは、現在御検討中ではありましょうけれども、どんなものが考えられておられるわけでしょうか。あるいは、このものについては検討というふうなものは、どの程度のものがあるのでしょうか。

赤澤璋一通商産業省重工業局長

○赤澤政府委員 現行の指定いたしましたこの部品関係で、いまお話しのように、危害の防止あるいは安全、こういった面から関係のないものは落とすという考えでございますが、同時に、この法案にもございますように、云々、云々に資するため特に促進する必要がある、こういうことになっておるわけです。したがって、従来指定をしておりまして、一応その面につきましては一段落をしたと申しますか、ほぼ目的を達したために、もうやめてもいいというものも出てまいります。そういった両方の観点から実は整理してまいるつもりでありまするし、同時に、ただいま御答弁申したように、新しいものもつけ加えていきたい、こう思っております。  整理するものの一、二の例ということで、これはまだ十分練っておるわけではございませんが、たとえば窓わくでありますとか、あるいは車輪でありますとか、こういったものも、従来自動車部品として別表に掲げられておりますが、こういったものはもうそろそろよろしいのではないか。また、たとえば窓ワク等についていえば、危害の防止等についてもあまり大きな影響はないのではないか、こういったことから、あるいは削除してよろしい品目の一つとして検討しておるという段階でございます。

中谷鉄也日本社会党

○中谷委員 いずれにしても、私は実務、実態についてさらに詳細な知識を持って質問しなければいけない問題であろうかと思いますけれども、現行機振法によれば、第二条の一項の二号は、「生産費を低下させる必要がある」ということで切れているわけでございます。ところが法案は、それにプラスアルファして、「その他生産の合理化を特に促進する必要がある」ということ。局長の答弁されたとおり、もし、そのような文言が加えられていることは要件の厳格性を求めるということだとするならば、これはむしろ要件としては拡大をしたということに相なるわけであります。しかも「生産の合理化を特に促進する必要がある」ということは、非常に現行法よりも幅の広いものになってくる。  そうすると、もう一度もとに戻ってお尋ねをするわけですけれども、これは感じとしての質問をいたしますが、三条はごちゃごちゃいろんなことをお書きになっているけれども、現行法の規定とこの新法とは、そんなに特定機械の指定その他にあたって変わってこないのじゃないでしょうか。前のほうで「資するため」ということでしぼったと思ったら、うしろのほうで「特に促進する必要がある機械」というふうに、右を見たと思ったら左を見ておられる。結局、現行法どおり、ただ何か新しい文言だけが出ているというふうにしか私は理解できないのですけれども、法律的に詰めてみないから、そう思うんだと言われればそれまでですけれども、そんな感じもするのですが、それは感じとしてひとつお答えください。

赤澤璋一通商産業省重工業局長

○赤澤政府委員 たいへん突っ込んだ御質問でございますが、実はまだこの業種の指定等にあたって十分な体制ができておりませんので、いま感じで言いますとという、ありがたいおことばでございますので、そういう感じでひとつお答えさしていただきます。  確かにおっしゃるように、一応「資するため」ということでしぼったわけでございますが、同時にまた、ロのほうでは、「性能又は品質の改善、生産費の低下その他生産の合理化」ということで、前のよりももう少し範囲が広くなってきている。しかし、私のほんとうの考え方と申しますか、この法案を施行する気持ち、あるいは方針とまでまいりませんが、そういったような、実際これを施行してまいる責任者としての考え方からいいますと、私は、内容について厳格にと申すとあれでございますが、できるだけやはり重点的に扱っていきたい、こういう気持ちを持っております。したがって、この「資するため」というほうのしぼりのほうに、できるだけウエートを置いて業種の指定をはかっていくというような考え方を、いまのところ持っておるという次第でございます。

中谷鉄也日本社会党

○中谷委員 条文の書き方と、それから従来与党委員に対してお答えになったところの答弁、それから先ほどの石川委員の質問に対するところの答弁などで、感じとしてはわかりますけれども、それならそういう感じを強く条文の上でもさらに一くふうあって出せたのではないか。これは非常に雑なことになりますけれども、三条二号のイ、特にロについて質問をするということでありましたので、そういうふうなことを申し上げておきたいと思います。  次に、これはひとつ念のためにお聞きしておきたいと思いますが、三条一号のイでありますが、現行の電振法の施行令第一条一ないし十六記載のうち、生産技術が確立されていないものというのは、この施行令の中にあるのでしょうか。

赤澤璋一通商産業省重工業局長

○赤澤政府委員 現行の電子工業振興臨時措置法施行令第一条の一項におきまして、電振法第三条第一項第一号の電子機器を十六指定しております。これはやはりまだ確立していないものがこの中に含まれておるというふうに御了解願いたいと思います。

中谷鉄也日本社会党

○中谷委員 ですから、どれとどれか、仕分けをしてくださいと申し上げているのです。現行法の規定を受けてこの法案の規定が出ておって——別にこれは変わったところじゃございませんが、一ないし十六の中の仕分けをしていただきたい。生産技術が確立していないもの、その水準が外国の水準に比べて著しく低いもの、これはどういう仕分けになりますかと聞いているのです。

赤澤璋一通商産業省重工業局長

○赤澤政府委員 一、二の例を申し上げたいと思いますが……。

中谷鉄也日本社会党

○中谷委員 番号で言っていただけませんでしょうか。何番、何番がそうだというように。

赤澤璋一通商産業省重工業局長

○赤澤政府委員 ちょっと担当課長から答えさせます。

関山吉彦通商産業省重工業局電子機器電機課長

○関山説明員 御説明申し上げます。  このいわゆる一号機種と称しておりますものの中には、性能の目標ということをいままで逐年洗いがえしておりまして、その目標のグレードアップをはかっているわけでございます。したがいまして、特に電子計算機関係であるとか集積回路関係とかいうものにつきましての内容をさらにグレードアップする。その意味で、まだ十分技術が確立していないという目標を、それぞれ逐年掲げまして運用しているわけでございます。

中谷鉄也日本社会党

○中谷委員 そうじゃないのですよ。そんなむずかしい質問をしているのではないのです。一から十六を、新法でいえば三条一号イは二つ区分がありますから、番号でその二つを仕分けしてください、こう言っているのです。

赤澤璋一通商産業省重工業局長

○赤澤政府委員 現行の電振法第三条の第一項第一号で「わが国において製造技術が確立されていないか又は」云々、この確立されていないものはどれか、こういう御質問でございます。施行令の第一条に十六書いてございますが、これは非常に大づかみなつかまえ方でございまして、それぞれの十六のものにつきまして、言ってみれば、ほとんど全部のものがまだ確立していないというふうに考えてもよろしいかと思います。ただ、同じ何号という番号の中でも、ものによっては確立されているものもある、こういうことでありまして、必ずしも号によって、これが確立されている、これが確立されていないという区分けにはならないと思います。

中谷鉄也日本社会党

○中谷委員 なるほど、同じ一号の中にも、確立していないものと著しく水準に達していないものとがある、だから番号で言えといってもそれは無理な話だ、こういうふうな答弁になってくるという御趣旨の御答弁でございますね。  そこで、そういうことでけっこうだということにしまして、お尋ねをいたしますけれども、その水準が外国の水準に比べて著しく低い電子機器、あるいは五の「ロケット若しくは人工衛星に装備し、若しくはとう載し、又はこれらの追跡の用に供する電子機器」というふうなのが一条の五号にございますね。そこで、最近私、防衛問題を少しやり始めましたけれども、協定に伴う秘密保護法等の関係において技術の内容が秘密にされている、要するにわが国のある部分だけがその技術を知っておる、ことに軍事目的の場合知っているというふうな場合には、著しくおくれているかどうかということの判断は、通産省としてはできない場合があり得るのではないでしょうか。たとえばロケット等については、秘密保護法によってその相当高等な技術が防衛庁に提供されているに違いない。そういうふうな状態の中で、著しくという判断は、多数の情報があるけれども重要な情報が欠落をしているというふうな場合には、はたして判断し得るだろうかどうだろうか。こういうふうな問題については、どういうふうなことに相なるのでしょうか。

赤澤璋一通商産業省重工業局長

○赤澤政府委員 厳密に言えば、御指摘の点はまさにそのとおりだと思います。ただ、実際問題として、関係の業界におきまして、あるいは関係の企業におきまして、いろいろと外国企業との技術の交流もあり、またある面によりましては、技術の導入をしたりして、非常に縁の深い会社がございます。技術的にもそうでございます。こういったようなところから、全体判断をいたしまして、まずはおくれておるのではないか、こういったような判断からいまの面は運用していると思います。  また、御指摘のロケット云々の面でございますが、こういった面につきましても、必ずしも十分な技術水準の調査が行なわれているとは思いませんので、厳密な意味で申しますと、比較考量は非常にむずかしい。しかし、いろいろな情報等を総合してみて、まず関係の技術グループにおいて、これはおくれておるとか、あるいはあるところまで近づいてきておるとかいうような、ある程度の技術的な判断は可能であろうと思っております。

中谷鉄也日本社会党

○中谷委員 もう大体質問を終わってもいいと思うのですけれども、あと新法の十条、これは現行法と同じ規定といいますか、特に変わったことはないし、すでに現行法制定当時論議をされているところでありまするけれども、やはり何と申しましても十条は、十八条によって罰則を受けておる規定でございますので、石川委員に引き続いて疑義はただしておいたほうがいいと思います。  十条の一号の「相当の比率」というのについては、すでに石井委員等もお尋ねがあったようでございまするけれども、この場合は「相当の比率」というのは、数量的にあらわすならばどの程度になるのでしょうか。それとも、単純に数量的にはあらわせないということなのでしょうか。

赤澤璋一通商産業省重工業局長

○赤澤政府委員 これはやはり数量的に考えていく筋合いのものだと思います。そして私どもとしては、これはある種の常識的な判断でもございますが、総生産額に対して少なくとも五割以上の比率を占めておる、こういう状態を「相当の比率」というふうに考えたいと思います。

中谷鉄也日本社会党

○中谷委員 五割をこえているものが相当な比率だというふうにお答えになったあなたの裏を返して言うと、五割をこえておらなければ「相当の比率」にならないんだということにもなり得る場合があります。そういたしますと、たとえば、一社三割あとは全部一分、二分、一%なり二%というような場合であっても、五割をこえている、一社五〇%という場合——だから、相手のあることですから、他社のあることですから、やはり「相当の比率」というのは、同僚委員の質問に五〇%とお答えになったことについて、これはそういうふうに限定的に有権解釈を示しておられると、問題が起こってくる可能性はないでしょうか。

赤澤璋一通商産業省重工業局長

○赤澤政府委員 いまの御指摘、たいへんありがとうございました。私が五割というふうに申し上げましたのは、通常の場合というふうな言い方がよかったと思います。いま御指摘のように、すでに一社で五割をこえるものがあるとか云々というような若干特異な例であろうかと思いますが、あるいは一社で三割をもうすでに占めておるとか、そういったような例につきましては、やはり「相当の比率」という点については、実施上考えていくべき筋だろうと思います。  私は一般的に、多数企業があって、特に一社あるいは一、二社というものが相当大きな比率でない場合、こういった場合には、通常、少なくとも五割以上というのが「相当の比率」ということで考えてよろしいのじゃなかろうか。ただケースによっていろいろ違ってくる場合があり得るということは、これは御指摘のとおりだと思います。

中谷鉄也日本社会党

○中谷委員 ですからケース・バイ・ケースで、「相当の比率」というものを固定的に有権解釈的なものを示されると将来問題が出てくる。しかし、十八条によって罰則をもって制裁を加えるというふうなものは、ケース・バイ・ケース、社会的通念、相当な程度の能力をもって考えよ、まあ相当なというふうな——わかりにくいというのは、同僚委員から質問がありましたけれども、そういうわかりにくい、あるいはまた、あいまいなという表現をされた方もおりましたけれども、そんなことではたしていいのだろうかどうだろうか。要するに、行政処分としての命令があった場合、命令違反で直ちに十八条が発動されて罰則ということになってくる場合に、だから、「相当の比率」ということについて統一見解といいましょうか、ケース・バイ・ケースとおっしゃらずに——具体的な比率でなしに、相当の比率」といえば、私が政府委員の場合で言えば、社会通念上見て何とかかんとかとか、同じようなことが「相当の比率」のお話になるだろうと思うんですけれども、これは現行法にもあることばですけれども、もう少しこういう話はかっちりしておきたいと思いますので、「相当の比率」とは何かという点について、有権的な解釈を、通産省としての御見解を示していただきたい。それはまたあと、私のほうの同僚委員の質問のときにでもお答えになってください。  同じく、それはそう書いてあるとおりだということなのかもしれませんけれども、「著しく障害となっているとき」というのは、石川委員御指摘のとおり、これもどうでも評価できることばではなかろうかと思うわけです。そのことと罰則との関係というのはかなりあろうかと思います。  そこで、これは昨日、通産省の政府委員の人に法案の説明を受けたときに討議をいたしましたけれども、この十三条の「勧告の定義」というのは、もうすでに確定をいたしておりまするけれども、これを「勧告」以上のものにするというふうなことは考えられなかったのかどうか。もしそれ以上のものにすればどういうような場合があるか。いろいろな場合を全然お考えにならなかったとしても、法律問題としてはあり得ると思うのです。そういうようなものが法律的には可能ではないのか。可能だけれどもやはり勧告が妥当なんだとか、いろいろな考え方があろうと思います。十三条の「勧告」の規定がすでにもう明定されているわけですけれども、そのあたりの原案作成の段階で討議された点について、お答えをいただきたいと思います。

赤澤璋一通商産業省重工業局長

○赤澤政府委員 まず最初に、十条の「相当の比率」あるいは「著しく障害となっている」といったような抽象的な規定につきまして、特に「相当の比率」について有権解釈を示せということでございます。この点は、法律上の問題と実体上の問題と両方あろうかと思いますので、次回までにその点は一ぺんよく詰めてきちっとした御答弁をさしていただきたいと思います。  それから十三条でございますが、この「勧告」につきましては、実は御指摘のようにいろいろと議論がございました。で、表向きにはこれは外資対策ということにはなっておりませんが、しかし、外資の場合もあり得るという規定でございますので、もう少し資本の自由化等を進めていきます場合に強い姿勢が必要ではないかということから、まあいわばこの法案の最初の原案の段階におきましては、むしろ「勧告」よりももう少し強い制度を頭に描いておったのでございます。その後省内におきましても、また関係方面といろいろとすり合わせもいたしましたが、やはり、基本的な権利として認められております営業の自由というものと、産業政策の目的というものと、どこかで一つの調和点をはかっていかなければいけない、こういった意味から、あまりこれを産業政策の目的のみでより強い制度を設けるということもやはり問題があろうかと、こういうことでございます。と同時に、従来、通産省の持っておりますようないわば一種の行政指導権というものの行使の態様等を考えてみますると、この勧告という規定が法律上認められておるということ自体が、実際問題としてはいろいろな意味で役に立つのではないか、より通産省の行政指導力を高める意味で役に立つのではないか、こういうふうなことも考えまして、最終的には、命令ではなくて、法的な強制力のない「勧告」ということにとどめた次第でございます。

中谷鉄也日本社会党

○中谷委員 勧告と命令との間の中間的な制度というものについてはどういうふうな御検討をされましたか。

赤澤璋一通商産業省重工業局長

○赤澤政府委員 厳密に法律的な立場からいいますと若干問題はあろうかと思いますが、命令、指示、勧告——この指示というのをどういうふうに解釈するかでございますが、厳密に法律的にいえば、指示と命令とは非常に違うし、それから指示と勧告の間にはニュアンスの違いはあるが、いずれにしても、指示そのものに強制力を持たせるということにはこれまた問題があるということでございますので、まあ、どちらかといえば、やわらかい表現のほうの「勧告」ということに落ちついたということでございます。

中谷鉄也日本社会党

○中谷委員 意見だけを申し上げておきたいと思います。  この点は、どの法案でもそうでしょうけれども、何年もかかって検討されたものだと思いますから、にわかに自説を固執するわけではありませんけれども、やはり私は外資の問題等を頭の中に描きながらでございますけれども、命令ということが営業の自由との関係において憲法上の問題を生ずることはないだろうと私は思うけれども、妥当、不妥当の問題を生ずる可能性はあるとしても、「指示」というふうなことばを「勧告」に変えるべきじゃなかっただろうかというふうな感じがするわけであります。「指示」ということばについて、六条に「共同行為の実施に関する指示」が出てまいりますから、この点のものと同じ指示だと思いますが、私はやはりその点については、私の感じであって、同じ通産省の行政指導権を生かすという意味においては、何か「勧告」よりも、かりにいろいろなものにおいてでも、やや強いもの程度くらいのことについて配慮があったほうがよかったのではないか、こんな感じを持ちます。  大体時間ですので、この程度で質問は終わりたいと思います。

八田貞義自由民主党

○八田委員長 午後二時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。     午後零時四十六分休憩      ————◇—————     午後二時十八分開議

八田貞義自由民主党

○八田委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  質疑を続行いたします。岡本富夫君。

岡本富夫公明党

○岡本委員 特定電子工業及び特定機械工業振興臨時措置法案を審議するにあたりまして、最初にお聞きしたいことは、この電振法あるいは機振法が三月に一応失効になる、あるいは廃止になるということでありますけれども、この機振法あるいは電振法によりまして、わが国の機械産業が、戦後ある一部においては目ざましいところの発展を遂げてきておりますけれども、しかし、これの指定業種を見ますと、まだまだ伸びてない、まだそのてこ入れをしなければならぬというようにも考えられるわけでありますが、そうした出おくれたところの業種に対してはこのまま捨てていくのか。あるいはまた、この特定電子工業あるいは特定機械工業の法案の中に織り込まれるのか、こういうことをひとつお聞きしたいと思います。

赤澤璋一通商産業省重工業局長

○赤澤政府委員 ただいま機振法、電振法で指定をしてまいりまして、それぞれ十五年ないし十四年間、その目的のためにいろんな施策を講じたわけでございますが、その中でも一応の目的を達したものもあり、またそうではなくて、いま出おくれたというお話がございましたが、まだ国際競争力その他の面から見て十分でないと思われるものもあるわけでございます。こういったふうな観点に加えまして、今回は御提案申し上げております法案の第三条にございますように、特定電子工業あるいは特定機械工業、こういった面で、それぞれこの第三条に規定いたしておりますような観点から、さらに十分その点を審査、検討いたしまして、いまお話しのように、まだまだ不十分であり、かつ、今回のこの法案第三条の第一項に示しておりますような方向に向かっておりますものにつきましては、あらためて指定をしていく、こういうことになるわけでございます。

岡本富夫公明党

○岡本委員 この第三条第一項の政令で定めるところの製造業ですが、この法案を読みますと、大体、電算機と機械とがシステム化、組み合わせが必要であるからこういう法案が出てきたようにも読めますが、あなたの御答弁を聞きますと、電振法あるいは機振法、特に機振法で出おくれたところの業種、そういうものもこの「政令で定めるものを製造する事業」、この中に取り込むことができるのか。  なお、もう一つお聞きしたいのですが、政令委任いたしますと、あと一つ一つ調べてみますと、非常に不合理なものがいままであったわけです。法案審議のときと政令で定めたときとが非常に食い違っている場合を、私はたくさん発見しました。そこで、この政令で定める製造事業、これの業種を明らかにしていただきたい。

赤澤璋一通商産業省重工業局長

○赤澤政府委員 この第三条の政令によりまして、いわゆる特定電子工業あるいは特定機械工業を指定いたすわけでございますが、電子工業につきましては、この第一号にございますように、三つに区分してそれぞれ政令指定をいたしたいと考えております。このほうは、従来からも引き続きまして、まだまだ技術水準におきましても、諸外国にキャッチアップしていかなければならないというようなものでございまするし、かつまた、きわめて共用性のあると申しますか、広い意味の機械産業のベースになるような技術が中心になった電子機器類、こういったものが数多くあるわけでございます。  一方、機械のほうでございますが、この点につきましては、従来の機振法と違いまして、特に私どもといたしましては危害の防止、つまり安全の問題、さらに生活環境の保全、これは公害の問題、こういったような点を十分重視をいたしまして、そういった観点から、従来の機種の見直し、また新たなる機種の追加、こういったことをこの第二号に基づいてやっていきたいと考えております。したがいまして、現段階でどういうものがこれに取り入れられ、またどういうものがこれからはずれていくかということにつきましては、まだこまかい詰めまではいたしておりません。しかし、いずれにいたしましても、従来の機振法と違いまして、この二号のイ、ロにございますような、新しい観点からの機種の見直し、追加等をいたしまして、できるだけ早急に審議会にはかって政令を定めていく、こういうことをいたしたいと考えております。

岡本富夫公明党

○岡本委員 私、非常にその点が不満足であるように思うのです。なぜかならば、先国会、要するに公害国会のときにも、たくさん法案を出した。十四法案を出してきたけれども、あと全部政令委任である。大体昔は、法案を出してくるときには、政令で定めるというものに対してはある程度——ある程度というよりも、ほとんどもうがっちりといろいろな審議が行なわれ、また検討も行なわれて、その上において法律が出てきたように思うのです。ですから、この法律が出てきましても、今度はあと政令委任の点がはっきり固まっていないということでありますと、これはとんでもないことになる。たとえば公害紛争の処理法案なんというのは、ぼくらがいろいろと委員会で審議をしたときには、典型公害は全部入るというような言い方であったのに、結局あとの政令事項によりまして、水と大気だけになっておる。こういうような一つを見ますと、これはこの法案とは違いますけれども、そういう観点から見ますと、やはり政令事項というものはあとできめるんだ、それであればこれは官僚の思うままになる、そんな法案の出し方を最近はやっているわけですけれども、これでは許されないんではないか。やっぱり従来の姿に立って、法案を出したときには、この政令はこういうようになる、それによってこうだということがはっきりわかるんですけれども、これから審議会にはかってやるということでは、ちょっと承服しがたい。  そこで、大体、政令で定める製造事業というものはどういうものであるか、もう少し明らかにしてもらいたいのと、それからもう一つは、先ほど私言いましたように、特に機振法で、いままで機振法があったけれども、出おくれているところの業種がある。これは取り入れるのかどうか。この法案を見ますと、それは全部、いままで出おくれたからしかたがないんだと、捨てられていくように感ずるわけです。ですから、この二点についてひとつお聞きしたい。

赤澤璋一通商産業省重工業局長

○赤澤政府委員 政令で指定いたします業種につきまして、現在のところまだ確たる案がない。これからある程度の案を練りまして、審議会にかけて、いわゆる学識経験者等、第三者の方々の御意見も十分伺った上で最終決定をしていくという段階でございますので、詳しい表をお手元まで出せないことはまことに、残念に存じます。  ただ従来、機振法の面におきましても、たとえば機振法の施行令にございますように、現状の機振法第二条第一項第二号、いわゆる合理化機種、二号機種といっておりますが、これが御存じのように三十三ございます。この三十三ございます中でも、たとえば「自動車部品」というふうに簡単に書いてございますが、これがまた別表によりまして非常にたくさんの部品が指定をされております。こういう非常にこまかいことになってまいりますので、現状の中で、その全部を網羅したいわゆる政令指定予定というものをここでつくり上げますことは、ちょっと実際問題としても困難かと存ずるのでございます。  けさほども、中谷委員の御質問に応じまして、一例として自動車部品についてお答えを申し上げましたが、自動車部品の中でも、現在から見て、いわゆる安全問題、こういった観点からいたしまして、もはや必要でないと思われるような部品が数種類ございますし、また、新たに加えたほうがよいと思われますものに、たとえばエアバッグでございますとか、あるいは衝突時の衝撃の緩衝装置でございますとか、そういった新たなものも出てまいります。こういったことは、私どもはもちろんそれぞれ個別の業界に当たりまして、現在における開発の状態、今後の合理化の目標、こういったものを十分個別の業界ごとに審議もし、また討論もしてもらいまして、その上に立って私どもも十分実情を踏まえた上で政令指定をしていく、こういうことをいたしたいと考えております。  そういったことから、実はそう言いましたような個別の業種、その業種を生産する企業グループあるいは業界、こういったものの手順がいろいろとございまして、また、そういったことを踏まなければ、実際、業種の指定をいたしましてもこれがなかなか実行に移れない、こういうこともございますので、あくまで実施可能になりますようにこういった手順を踏む。こういった関係もございまして、現状ではそういった一覧表のようなものを差し上げる段階になっていないわけでございます。ただ何ぶんにも、いま申しましたように、現状で横板法の二号機種三十三ございますが、それぞれの三十三の機種がまたこまかく内訳を持っておりますので、いま申し上げました自動車部品の例でおわかりいただけますように、私どもとしては、あるものはけずり、あるものは追加をする、こういうような新しい観点からの見直し作業も鋭意続けてまいりたい、こう考えておる次第でございます。

岡本富夫公明党

○岡本委員 局長さん、この法案をおつくりになるにつきましては、いつごろから準備をなさり、この機振法あるいはまた電振法、これの廃止あるいは期限切れというものははっきりしておるわけですから、それに見合うものを出してこられたのですが、相当あわてて、いろいろな審議もなさらずに、まず一応この案を出して、それからあとでやろうというようなことでは、いよいよこの実施を政令でやる場合において、この法がもしも案外間違っておる——間違っておるといってはおかしいけれども、制約されることになったら、あなたのおっしゃるような、これから見直しするといいますが、一応こうしたきちっとしたものができますと、制約されてほんとうにきめのこまかい実施にあたっては、非常にそごを来たす場合もあるのではないか。  同時に、この法案をお出しになる前の経過といいますか、いつごろからこの法案をつくる準備をされたのか。おそらく私は、一年ぐらい前からやはりいろいろと研究をこの機振法、電振法の廃止に伴ってやっていたと思うのですが、いまこの電振法あるいは機振法がなければ、新しい法律案だからこれから一ぺんやってみようということもありましょうけれども、すでにこの法律によって、中には、三十三年と比べて四十四年の生産量が三・五倍、あるいはまた輸出が八倍に達しているというような大きな発展もしているわけですけれども、その反面また出おくれている。要するにほとんど伸びていないというようなものもあるわけですが、そういうことは通産省のほうで全部わかるはずなんですね。大体の腹案というもの、あるいはまた、こうしなければならぬというようなデータを持った上において出してきた法律であれば、これは間違いないと思いますけれども、これをつくっておいて、それから政令でこれから見直していろいろ皆さんの意見を聞くのだというのでは、こういう法案の立て方というものは非常に考えなければならぬ。これは通産省だけでなくて、最近こういうふうになってしまっておる。通れば何とかなるのだというような審議のしかた、あるいは審議過程において——これは先国会において、政令をどうするのだ、政令事項をみな出してくれということを言ったら、これは質問のときに聞いてもらう、こういうことだったのですが、これは先国会の話ですけれども、それが固まっていないというようなことではまことにお粗末千万である、こういうふうに考えられるわけであります。だからそれについて、いまのようなあやふやな、これから審議会にかけて、あるいはこれから検討していくというようなことでは承服しがたい。ある程度あなたのほうで検討があるはず、それが一点。それから、先ほど申しました、出おくれたものに対してはどうするか、この二点のお答えをもう一回はっきりしてもらいたい。

赤澤璋一通商産業省重工業局長

○赤澤政府委員 この法案の準備を始めましたのは、一昨年の十二月に産業構造審議会に、七〇年代の機械工業政策はいかにあるべきか、こういう諮問をいたしまして、昨年の七月に答申をいただいております。約七カ月にわたります産業構造審議会における各般の方々の御意見が、この法案の基礎にあるわけでございます。そういったような基礎になりす考えをもとに、七月以降、法案の準備作成段階に入ってまいったわけでございますが、その段階におきましてもなお、答申としてはいわゆる機電一体化政策という政策を指向されておりますが、はたして法体系としてこれをどう扱うかというのはまた別個の問題でございます。こういった観点から、実は機振法、電振法というものを両方いかに法体系として整理をしていくか、またその際に、答申に盛られましたような新しい方向をどういうふうに法律として打ち出していくか、こういった点の審議をいたしましたのが八月以降の段階でございます。  いまお話がございましたように、この法案自体は、業種につきましては政令指定——これは前の機振法、電振法ともそうでございますが、そういうスタイルをとっておりますので、その政令の内容をいかにするかということで、この点についても、私ども全く審議をしないというか、考え方がないというわけではございません。一応の考え方は詰めております。  そこで、その点について、これもあるいは御満足がいかない答弁かとも思いますが、法第三条の第一項第二号、ここには三つの要件を規定しております。その第一であります「危害の防止」または「生活環境の保全」ということでまいりますと、まず、最初に浮かんでまいりますものが、いわゆる公害防止の機器、それから安全、公害防止のための自動車部品、さらには鍛圧機械等でも、安全、公害といった点に新たな装置をし、また新たなくふうをした機械、こういったものがあがってまいるわけであります。また第二の「省力化」等の面におきましては、これは御存じの数値制御の工作機械、それから自動車組み立て機あるいはロボット、こういったふうなものが出てまいると思います。それから第三の点でございますが、これはいわゆる「基盤の強化」という字句が使われておりますが、こういったものにつきましては、たとえば油圧機器あるいは空圧機器、こういったものの新しい分野のものが、いわゆる基盤強化のための汎用基礎的な機械である、こういうふうに考えております。  出おくれたと申しますか、従来、機振法にも指定がなくて今回新たに加わるものというようなものが、やはり詰めてまいりますと出てくると思います。こういったものにつきましては、今回新たな立法の趣旨に照らしまして、その現段階をよく踏まえた上で機種の指定を行なっていきたい、こう考えております。

岡本富夫公明党

○岡本委員 もうちょっとはっきりしないのですが、これでは審議は進みませんからあれしますけれども、要するに機振法、電振法、特に機振法で出おくれたものに対して、もう一ぺん念を押しておきますけれども、これは今度の法案の中にその業種は入れるのかどうか。公害防止機器あるいは安全機器が入る、これはよくわかります。わかりますけれども、これだけが指定業種の中にふえると思うのですよ。しかし、現在までの機振法の中にある業種はセレクトされて消えてしまうのか、それともそれを全部入れるのか、この考え方についてひとつお聞きしたいと思います。

赤澤璋一通商産業省重工業局長

○赤澤政府委員 先ほど申し上げましたように、たとえば現行機振法のいわゆる二号、機種は三十三規定をしてございますが、その三十三が告示をもって内容がさらにこまかく規定をされております。そういったことでございますので、一がいに申せませんが、先ほどもちょっと一例を自動車部品にとって申し上げましたように、現状の指定されたものにつきまして、すでに機振法段階でほぼその目的を達したものと思われるものにつきましては、私は削除をしたいと思います。しかし、まだそこまでいっていない、機振法を実行いたしましても十分な効果を上げていないと認定される分野につきましては、引き続き今度の新法の精神に照らして判断をいたしますが、引き続き指定をしていく。さらに、いまお話のございました、機振法段階でもまだ指定をされていないが、現状においては、ここにございますように、「危害の防止」、「生活環境の保全」等々、こういった観点から申しましても、きわめて重要なものであると考えられるものにつきましては新しく加えていく、こういうふうに考えておりまして、いま出おくれた機械分野、こういうことでございましたが、出おくれた機械分野であって、かつ、ここにございますように、「危害の防止等」ということばでくくられておりますが、こういった趣旨に該当するものにつきましては積極的に指定をしてまいりたい、こう思います。     〔委員長退席、橋口委員長代理着席〕

岡本富夫公明党

○岡本委員 大体考え方がわかりましたが、そこで、歯車製造業者あるいはネジ製造業者等が、近促法適用が一カ年間延長が認められた。この両製造業については、近促法に基づくところの構造改善五カ年計画の立案に取り組んでいたけれども、あとまた二年延長になるというような異例の措置が講ぜられたように聞いておりますけれども、これはどういうわけで二年間延長したのか。これは中小企業庁長官にお聞きしたほうがよろしいか、それとも重工業局長で返事をいただけるか、どちらでもけっこうです。

赤澤璋一通商産業省重工業局長

○赤澤政府委員 ネジ、歯車の業界でございますが、御存じのように、ネジにつきましては、全国で企業数も二千七百余りございまして、いわゆる中小企業性の業種でございます。歯車につきましても、これはそれほど多くはございませんが、やはり三百三十余りの企業がございまして、やはりネジと似たような中小企業性を持った業種でございます。この両方につきましては、ただいまお話しのように、近促法に基づきまして、三十八年度、業種指定を行ない、一応三十九年から四十三年までを目標にして近代化をやってまいりました。その後の実情でございますが、ある程度グループ化をし、あるいは共同事業会社をつくるということで着々と実績をあげておりますが、なお全体で見ますると、いま申し上げましたような非常に中小企業性の高いものであり、かつまた、最近いろいろな機械のシステム化等が進展をしてまいりまして、いわゆる需要の変化と申しますか、ユーザー側からの変動がございまして、そういったことも踏まえて考えますと、なおこの期間を二年ばかり延長いたしまして、こういった情勢の変化に対応する施策を講ずるのが適当ではないか、こういう判断に立ちまして、四十五年度までこれを二年間延長するということを決定をした次第でございます。

岡本富夫公明党

○岡本委員 科学技術庁の局長さんが、参議院へ行かなければならぬということですので、この問題はあとにしまして、先に伺います。  私のほうの調べによりますと、三十三年から機振法あるいは電振法によっていろいろとわが国の機械産業が伸びておりますけれども、半面非常におくれておる。それは技術開発が非常におくれておるのではないか。そこで、この技術開発の面をよく調べますと、外国から技術を導入しておるのが件数にしても七千件。これは四十四年の年末の調査ですけれども、機械産業の五五%が外国の技術の導入の依存度を示しておる。したがって、依存度を防ぐためにはどうしても技術開発に力を入れなければならぬ、こういう点で私はお聞きをするわけでございますけれども、科学技術庁においては、どういうような技術の開発をやっておるのか。私、一つずつ調べてまいりますと、科学技術庁の働きというものは少ないのではないか、こういうようにも感ずるわけですが、その点についてひとつお聞きしたい。

楢林愛朗科学技術庁計画局長

○楢林政府委員 お答えいたします。  い事先生から御指摘の技術導入に関連してのわが国の科学技術、御指摘のとおり、技術輸出と技術輸入を比較いたしますと、技術輸出の割合は一三%でございまして、これから見ましても、まだまだ欧米諸国との間に格差が残されているということを考えております。したがいまして、今後さらに経済その他の国際化の進んでおります現在に対処しまして、わが国といたしましては、やはり自主技術というものの開発力を涵養していくことが大切であろうかというふうに考えておりまして、政府といたしましても、その技術開発力のもとになります大学あるいは国立研究機関におきまする研究の実績、そういうものを通じて研究活動を活発化させていくとともに、あるいはビッグサイエンス等を推進いたしまして、わが国の自主技術開発力を高揚させたい、そういうふうに考えております。  なお、科学技術会議におきまして、かかる情勢から、現在の一九七〇年代の科学技術政策はどうあるべきかということもいま諮問をしておりまして、現在審議中でございますが、その答申が出ましたら、そういう趣旨が答申の中にも盛り込まれると考えておりますので、その線に沿ってさらにわが国の科学技術開発というものを推進していきたいというふうに考えております。

岡本富夫公明党

○岡本委員 局長さん、科学技術庁は大体何をやっておるんですか。たとえば公害機器の開発あるいはまた機械でも一つずつ調べていきますと、どういうことを科学技術庁はやっておるのか。外国は相当科学技術については進んでおるのに、わが国の科学技術はあらゆる分野でおくれをとっておる。いままでも話があったように、外国からこれだけたくさんの技術導入をしなければならない。いつごろこの科学技術庁ができたのか。——それはできたのはわかっておりますけれども、その後どういう計画を立ててやっておるのか、非常に私たち疑問に感ずるわけです。製造業、あるいはまたそうした民間の方が、利益を追求するためにいろいろと技術を開発する、それは非常に進んでおる。ところが、国のほうの技術開発というものは全然進んでおらない、こういうようにも言われてもしかたがないんじゃないかと思うのですが、いままで何をやったか、あるいはどういうことをするのか、こういうことをひとつ明白にしていただきたい。いま、あなたに聞きますと、一九七〇年代の科学技術の振興については答申を受けておりますというが、そんななまぬるいことでは話にならないと思うんですよ。もう少し明確にしてもらわないといかぬと思うのです。

楢林愛朗科学技術庁計画局長

○楢林政府委員 科学技術庁といたしましては、御案内のとおり、科学技術を総合的に推進するための計画を立案しあるいは調整をやっております。特に各省庁におきましても、それぞれ科学技術の振興に努力されておるところでございますけれども、当庁といたしましては、科学技術の特性から見まして、総合化して進めるべきものは相互に調整いたしまして効率的な推進をはかるという点について、現在、科学技術庁は調整あるいは企画立案等をして、その面からまた各省庁の研究活動を推進してまいっております。特に研究につきましては、先生も御指摘のとおり、将来の技術開発力につながる研究活動、これは基礎研究から開発研究にまでつながるものでございますけれども、その研究活動のための研究投資というものが一番大きなファクターを持つものでございますので、当庁といたしましては、研究投資の拡大というようなところを指向いたしまして、従来努力を続けているところでございます。

岡本富夫公明党

○岡本委員 どうもお聞きをしておりましても、あまりぴんとこないんです。たとえば事例をもって話しますと、機振法で、これは通産省の関係になりますけれども、機振法の指定業種になった包装機械一つとりましても、四十三年の生産額は二百四十五億円に対して、一昨年、四十四年は三百七億円、二五%の成長率を示しておる。しかし、その中を見ますと、包装工程全自動化の開発が、欧米先進国から比較すると非常におくれておる。その部品を輸入に依存しておる、こういう現状なのでありますけれども、この一つ例をとりましても、何か縦割り行政で、これは通産省の関係だ、私ども関係ないのだと考えていらっしゃるのか。いま聞いていると、ただ調整をしておる。そんなのでは、科学技術庁という名前があっても何にもならないじゃないか。ただたまに研究するときに金を出すというようなことでは、これは話にならぬと思うのですが、こうした小さい例でありますけれども、科学技術庁はこういうものに対しては、どういうような姿勢、あるいはまたどういうようなやり方でもって科学技術の振興、またわが国の産業に貢献しておるのか、この点をひとつはっきりしていただきたいのです。

楢林愛朗科学技術庁計画局長

○楢林政府委員 科学技術庁の役割りといたしましては、先ほども申し上げましたが、当庁といたしましては、科学技術の水準、これは全般的に水準を高めるということが一番肝要でございまして、そういう意味から申し上げまして、先ほどの研究投資の向上という点について、マクロ的ではございますけれども、科学技術を総合的に推進するという立場から、科学技術庁はその点に重点を指向してまいっておるわけでございます。なおやはり私は、研究活動を通じていろいろな技術水準が向上し、それが各機械製品その他に反映すると考えておりまして、特に当庁のつとめといたしましては、そういう基礎的な部門からこれを推進していくということが一番大切なことではなかろうか、そういう考え方で現在実施しておるわけでございます。

岡本富夫公明党

○岡本委員 どうも何を聞いているのか、さっぱりわからないわけですが、局長さんもう一ぺん、この科学技術庁の——原子力のほうはよくわかります。しかし、わが国のほかの産業について、科学技術庁ではどういうふうに考えておるというとおかしいけれども、考えておるだけでは話にならぬ。科学技術庁ができてからもう相当間があるのですから。たとえば、いまの包装機械のこうした技術導入をしておるものに対して、科学技術庁はどういうように手を打っていくのか、どういう技術開発に力を入れていくのか、現実的な立場からひとつ話をしてください。あなたのような、そんな大まかな、答弁のための答弁のようなのでは、これは納得、承服できないのですがね。それとも、これは通産省の仕事だから私らは関係ないのだとあなたはおっしゃっているのか。じゃ科学技術庁は何をやっているのか、こういうことを聞きたい。  それともう一つは、この今度の法案の中に公害防止機器あるいは安全機器が入るということになっておりますけれども、いま公害防止機器の完全なものがないわけですよ。いま開発している。こういうものを、科学技術庁でもっともっと前進的に技術開発をして防止をしていくことにしなければ、あなたのほうでもっと研究をしなければ、公害を出していくほうの技術はどんどん進んでいるわけです。いつもおくれているわけです。こういうことを考えますと、科学技術庁は何をしているか。今度の法案、私はたくさん審議したけれども、いろいろ法律が出てきますけれども、科学的に、技術的にこれが可能なのかといったら、不可能なんです。そういう法案がずいぶん出てきておった。ですから、こういうのは一にかかって科学技術庁の責任であると私は思うのです。ひとつその点について、現在どういうふうにやっておるのか、あるいは今後どういうふうにやっていくのか、この二点についてひとつお聞きしたい。

楢林愛朗科学技術庁計画局長

○楢林政府委員 科学技術庁の任務といたしましては、科学技術は非常に多岐の分野にわたりますし、また科学技術自体によっては、各省庁それぞれ所管しておりますけれども、私どものは、そういう各省庁の科学技術研究に関する活動について見積もりを行ないましたり、あるいは必要に応じて研究に対する調整費用を支出しまして、極力、各省庁におきまする科学技術活動を推進するということが非常に大切な仕事と思っておりまして、そういう点について、従来重点的に各省庁と緊密な連絡のもとに推進をはっております。先生の御指摘のような問題につきましても、今後とも科学技術庁は、そういう科学技術庁の任務の中から最大の努力を払って科学技術の向上に努力したい、そういうふうに考えております。

赤澤璋一通商産業省重工業局長

○赤澤政府委員 いま例としてお出しになりました包装機械の問題につきまして、私からも簡単に若干の御説明を申し上げておきたいと思います。  御承知のように、包装機械は昭和三十年以降非常に急成長した業種でございまして、その面ではいわゆる成長機種であったわけであります。しかし反面、その企業は中小のものがたくさんございまして、急成長してきたものの、やはりそれなりの欠陥をまだ持っておるわけでございます。特に資本の脆弱性といった面からも量産体制が十分でございませんので、いわゆる一品生産的な注文生産体制というのが続いておる業種でございまして、そのためにコストダウンが十分行なわれないというような欠陥がございます。いま御指摘の技術の面から申しましても、たとえば、自動制御技術でございますとか、あるいは輸送装置の技術でございますとか、こういったものが、実は外国と比べましてもまだまだ見劣りのする技術でございます。こういった点からいたしまして、いまのところ私どもの指導のしかたとしましては、この需要業界と包装技術のメーカーとの間で共同研究をやってもらったらどうか。これはどうしても需要業界のほうが、こういう包装技術がほしい、機械がほしいということで、それなりに需要業界でも技術の研究をしております。こういったところとできるだけ共同研究をするような指導をいたしております。  それからもう一つは、いま申しましたような、たとえば自動制御の問題等でございますれば、これは包装機械のメーカーと関連いたしております各種の機械メーカー、あるいはコンピューターのメーカー、こういったところの関連をつけまして、これらが一貫したシステム化に向かいますような指導もいたしておりまして、こういった面でいわば企業間のシステム化と申しますか、そういった方向から、いま外国品に比べて非常におくれております自動制御面あるいは輸送の装置面、こういった面を今後さらに技術的にも伸ばしていきたい、こういうふうに考えております。

岡本富夫公明党

○岡本委員 科学技術庁の局長さん、参議院があるでしょうから、また次の機会にあなたにこまかい問題をお聞きしますから、きょうは退席してください。  そこで、現実の立場に立ってきょうは質問をさせていただきますけれども、機振法、電振法、これが廃止になって、今度は特定電子工業及び特定機械工業振興臨時措置法ができますけれども、これは一般中小企業者の皆さんにどういうように周知徹底をしていくのか。私、この審議会のメンバー、あるいはこれを見ておりまして、こういう法律があるんだということを一般の中小企業の方はわからないのじゃないか。大企業の方はおわかりになると思うのですが、こういうような周知徹底、これをどういうふうにやっていくか、これをひとつお聞きしたいと思うのです。

赤澤璋一通商産業省重工業局長

○赤澤政府委員 この法案が成立いたしました暁におきましては、私ども重工業局関係で、機械を中心にしましておもな団体だけで大体七十余りあろうかと思います。そのほか、協同組合でありますとか、私どものほうで一応各関連の機械のそういった団体を拾いますと、優に百をこえる団体がございます。こういった団体ごとに、この法律の趣旨、今後の施策の方針、考え方というものを、まずは徹底するように指導してまいりたいと考えております。さらに、これができますと、各通産局を通じまして、それぞれの中小企業関係の横割りと申しますか、そういった関係の団体にも十分周知徹底をするようにつとめてまいる所存でございます。

岡本富夫公明党

○岡本委員 そこで、先ほどのほうに戻るわけですけれども、一つの現実をとらえて先ほど包装機械の問題についてお聞きしたわけですが、こういった業種がさくさんあると思うのです。いよいよ外資の進出があるということでありますが、こういった外国から技術を導入しなければいけないというような業種は、包装機械を見ましてもほとんど中小メーカーで占められておるわけですが、もしも外資の進出があってやっていった場合に相当業界にも混乱があるのではないか、そういう不測の事態も考えられるわけであります。そこで体制の整備が必要であろう。そのためにこの法案を出しているのだといえばそれまでですけれども、この体制の整備を促進し、企業規模を拡大し、あるいはまた専門化体制を確立することが、現実にこれでできるのかどうか、その自信があるかどうか。これをひとつお聞きしたいのです。

赤澤璋一通商産業省重工業局長

○赤澤政府委員 いまお示しのように、機械工業におきましては、大企業もございますが、特にその大きな分野を占めておりますのは、何と申しましても中堅ないし中小の企業でございます。これらの企業は、ある面では自己技術というものを開発をいたしまして、いわば専門化と申しますか、そういった形で進んでおるもの、それからもう一つはいわゆる下請的な形に進んでおるもの、こういったものにいろいろ区分けができるわけでございます。こういったような専門化あるいは下請系列化といった両面がございますが、いずれにしても、従来の機振法等によりまして、グループ化をし、あるいは共同会社をつくりといったような施策が進められております。一例を申し上げますと、ネジ業界におきましては現在十三のグループができておりますし、歯車におきましても十一のグループ、さらには六つの共同事業会社が設立されております。こういったことで、従来の機振法、電振法、それぞれ各業界の体制整備につきましては有効に作動しておるものと私は存じております。今後、十分過去のこういった実績を踏まえながら、いよいよ資本の自由化が進んでまいりますので、こういった高度化計画というものの中に、いま申し上げましたようなグループ化あるいは共同化、さらには、この共同行為の実施によります各種の品種の制限あるいは規格の制限といったことによりましていわゆる量産効果をあげていく、過当競争を防いでいく、こういうことを実施してまいりたいと考えております。  もちろん、これだけがいわゆる外資対策の全部ではございませんので、一般的にいわれておりますように、やはりこれを中心にしながら、なお一般的ないわゆる外資対策というものも十全に活用していくということで、今後ますます進展の予想されます国際化の波に対処をしていきたい、こう考えておる次第でございます。

岡本富夫公明党

○岡本委員 特に中小企業対策については、中小企業庁とよく横の連絡をとっていかなければならない。私の調べたところによりますと、歯車とかネジとか、そういう非常におくれている分野は、一面は、中小企業庁との、また重工業局の各課との横の連絡が若干徹底されてなかった、こういうことを言っている人もいますけれども、その点もひとつ考慮に入れていただかなきゃならぬ。これは要望しておきます。  そこで次に、近促法と機振法の指定業種にあって、しかもまだ合理化、構造改善がおくれているものがある。これは先ほど言いましたように、歯車とか、あるいはまたネジとか、あるいは金型、鋳物、バルブ、これも入ると思うのですが、また木工機械などが、この機振法ではことしで十年目になる。しかしまだ合理化がおくれておる。調べますと、適正な生産規模にも到達していない。これでまだうまくいかぬからというのでカルテルを実施している、こういう面があるわけです。十年もたってまだはっきりしないというようなことがあるわけですが、このほうの指導育成というものは、通産省としてどういうふうにやっておるのか、ひとつお聞きしたい。

赤澤璋一通商産業省重工業局長

○赤澤政府委員 機振法が成立いたしましてから今日まで、ちょうど十五年余りになるわけでございまして、その間、先ほどお話し申し上げましたように、いろいろな機種を指定し、そのそれぞれの基本計画によりまして、共同化あるいはグループ化、こういったことを進めてまいりますほかに、いわゆる共同行為の指示をいたしまして、合理化カルテルを結ばせておるというような実態でございます。このほかに、いまもお話ございましたように、私ども中小企業庁とも十分相談をいたしましても、中小企業のほうの近促法の指定も行なっております。  いまお話ございましたような、たとえばネジ、歯車、包装機械等々、九業種につきましては、近促法と機振法と両方でダブル指定をいたしております。ダブルで指定をいたしまして、それぞれ近促法の持っておりますいろいろなやり方、また、こちらのほうが基本計画を立てまして、合理化の目標に向かっていろいろ行政指導もし、必要があればいまのように指示カルテルもつくらせる、こういったようなことでございます。  こういったようなことで、両方が相まちましてやってきておりますが、何ぶんにも、一つには中小企業が多い分野で、かつまた技術革新が相当進んでおる業種もございます。ただいま一、二の例をお話しになりましたが、そういった業種は、まさにそういったような点に該当するものでございまして、十年やってまいったからもうよかろうと申しましても、実はその十年間にいろいろ内容の変化があるわけであります。こういったことから、私どもまだまだ十分でないと思われるものがございまするので、そういった点につきましては新しく見直しも行ない、また今後の進むべき方向につきましても、必要があれば、十分業界の実態も踏まえながら指導をしてまいりたいと考えております。なお、今後とも中小企業庁当局とは十分連絡がとれますように鋭意つとめてまいる所存でございます。

岡本富夫公明党

○岡本委員 これについてもっと詰めたいと思うのですけれども。  その次に、風水力機械、ポンプ、こういうものの業界の現状を見ますと、順調に伸びておりますが、ただ一部にはまだ規格制限カルテルがある。こういったカルテル行為というものは、独禁法との関係でどういうようにお考えになっているのか、これをひとつお聞きしたい。

赤澤璋一通商産業省重工業局長

○赤澤政府委員 風水力機械、ポンプ、圧縮機、送風機、こういったものでございますが、これは機振法に基づきまして第三次のグループとして指定をいたしておりまして、この中ではいろいろなグループを結成いたしまして、そのグループごとに品種調整あるいは技術開発、部品の共同購入、こういったようなことをいたしております。したがいまして、これは現行の機振法に基づいてやっておりますので、機振法による独禁法の除外規定がこれに該当いたします。そういうことで、独禁法とは関係なくこういったようなことをいま実施しておるということでございます。

岡本富夫公明党

○岡本委員 そこで、それはそれとして、今度は、こうした風水力機械のメーカーの資本力、あるいは技術力、あるいは製品の品質、性能、価格の点、こういうことで外国の企業との格差というのが非常に大きいのではないか、おくれているのではないか。たとえばバイロンジャクソン、アリスチャーマー、ズルシャ、こういうところがわが国の主要メーカーと技術提携をして、一〇〇%の直接投資、合弁会社の設立あるいは株式の購入、資本の参加をしようという可能性が非常に多いと思うのですけれども、こういうことに対して通産省はどういうことを考えておるか、あるいはそういう事実はどうなのか、これをひとつお聞きしたいのです。

赤澤璋一通商産業省重工業局長

○赤澤政府委員 いまお話しのように、この業種につきましては全企業の約七〇%が中小企業でございます。こういった点から、お話のように、資本力あるいは技術開発力、品質、性能等におきまして、やはり海外との格差というものは非常に大きいと私ども考えております。そういったことから、先ほど申し上げましたように、それぞれグループをつくりまして、品種調整あるいは部品の共同購入等をいたしておりまして、こういった施策をなお十分今後とも続けていくことが必要だと考えております。  いま最後にお話しの外資の関係でございますが、私どもといたしましては、これは外資全般の問題でございますけれども、一応日本の国情に応じまして、五〇%の合弁企業というものを外資対策の基本に置いております。ただ、これもいつまでというわけにはまいりませんので、随時業界の実態に応じながら、できるだけ早い機会に、一〇〇%外資が入っても十分対抗し得る企業というものを目標に指導してまいりたいと考えております。  なお、具体的な一、二の事例をいまお話ございましたが、この点につきましては、担当の課長から事実につきまして御報告申し上げます。

宗像善俊通商産業省重工業局産業機械課長

○宗像説明員 お答えいたします。  風水力関係の外資の進出の問題でございますが、ただいま先生御指摘のバイロンジャクソン、アリスチャーマーというような欧米の有力なポンプメーカーが、わが国の市場の有望性に着目しまして資本の進出を希望しておるといううわさは、われわれ承っておりますけれども、まだわれわれのところには話が参っておりません。先ほど局長からお話しになりましたように、資本自由化政策にのっとりまして、日本の企業の現状から考えて妥当な範囲内では、国際化の波にさをさして合弁も認めていかなければならないかとも思いますけれども、企業に不当に影響を与え、技術開発力をそこなうというようなおそれのあるときには、これは押えていかなければならないというふうに考えております。

岡本富夫公明党

○岡本委員 そこで十三条です。「経済の健全な発展に著しい支障を生ずるおそれがあると認めるときは、当該事業の開始又は拡大をしようとする者に対し、勧告することができる。」ということになってはおりますけれども、この勧告ではたしてわが国の企業を防衛し、保護し、擁護することができるのかどうか、この勧告権についてどれぐらいの力があるのか、ひとつこれをお聞きしたい。

赤澤璋一通商産業省重工業局長

○赤澤政府委員 けさほども、他の委員の御質問の際若干御説明を申し上げましたが、この「勧告」という条項につきましては、実は私ども当初、命令あるいは指示といったような強いいわば効力を持った条文も検討をいたしたのでございます。ただ何ぶんにもやはり、営業の自由、こういったような問題ともかね合いがございますので、命令権まで通産大臣が持つということにつきましてはいろいろな面で問題があろうか、こういうふうに考えております。こういったことから、最終的には、主務大臣がこういった各種の要件のもとに勧告をする。その勧告については、あとのほうの条文にございますが、あらかじめ審議会の意見を聞くということにいたしております。こういったようないろいろ勧告をするということになりますと、審議会の場でいろんな各方面の意見を聴取して、この場合、その共同化等をしておる事業につきまして、共同事業以外のものが大規模な新規参入をする、あるいは大規模な事業拡大をする、こういうことがどうも適当でない、こういうときに初めてこの勧告が行なわれるわけでありまするので、いわばそういった広い、第三者の意見も聞き、国民的な世論と申しますか、そういったことも踏まえて初めて勧告が行なわれる、こういうことでもございまするので、必ずしもこれが万全な措置だとは思いませんが、私どもとしては、この勧告ができるという規定を十分踏まえて、まずは事前に行政指導を行ない、さらにそれに追っかけて、必要があるときには勧告もできる、こういうことで、外資に限りませんが、いわば当該業界の円滑な発展と、また国民経済の今後の進展というものにまずは対処できるのではなかろうか、かような考えでおるわけでございます。

岡本富夫公明党

○岡本委員 どうもこの勧告権というものは、もう一つ私もぴっとこない。まあ、自由化に備えて国際関係もあろうと思いますけれども、いまの答弁も非常に苦しいような御答弁だった。まあまあ、これ以上追及しませんけれども、要は、勧告をしなくても外資に対抗できるような中小企業の育成が大事ではなかろうかと私は思うのです。  そこで次に、わが国ではやはり過当競争という独特な現象がちょいちょい起こるわけでありますけれども、外国の企業が入ってきますと、大企業と中小企業と外国企業、こう三つどもえになって日本国内でいろいろ競争がある。その場合、二流、三流の企業は、その外資と組んで事業をやるという場合に、おそらく中小企業ぐらいでありますと、とうとう外資にやられてしまって、身売りというような事態が起こらないとはいえない。また乗っ取り問題があらわれるということも考えられるわけでありますけれども、これは貿振局長にお聞きしたいのですけれども、その場合の対策としてどういうような対策を考えておるのか、ひとつその点についてお聞きしたいのです。あるいは重工業局長でもいいですが……。

赤澤璋一通商産業省重工業局長

○赤澤政府委員 外資によります乗っ取りの防止、あるいはわが国の企業が外資に身売りをする、こういったようなケースについての対策でございますが、これはなかなかいろいろな面でむずかしい点がございます。  まず乗っ取りの面から申しますと、一つには、外資が入ってくること自身がいけないというふうには、これは世界の国際的な関係からいたしましてできないことでもございまするし、また反面は、外資系の企業ができることによって、わが国の技術進歩あるいは業界の体制の改善、こういったことにいろいろな刺激を与えて、わが国の産業がますます今後よくなっていくという面も見のがすことができないと思います。こういったことから、いま私どもといたしましては、外資の自由化政策を進めながらも、先ほども申し上げましたように、やはりまずは、国情が違い、制度が違い、慣習が違うというところで外資が活動するわけでありまするので、いずれにしても、まず五〇%原則というものを一つの考え方として取り入れていくということでございます。そのほかになお、ことしの秋に予定をされております第四次の自由化におきましても、いわゆるネガリスト制度と申しますか、こういったものにつきましては、一件ずつ審査をする。こういう審査の過程におきまして、いまお話しのような乗っ取り防止、こういうことを十分配慮をしていく必要があろうかと思います。  反面、これも先生の御指摘のとおりでございますが、外資か参りましても十分対抗し得るだけの中小企業対策、あるいは、この新しい今回の法律によりますところの高度化計画に基づきまして行ないます各種の共同行為の実施、こういったもので、日本の企業自身あるいは企業のグループがより強力な体制を整えるということも必要不可欠な外資対策であろうと思います。  こういった両面を通じまして、私ども、今後の外資による乗っ取りあるいは身売り、こういったものを両面とも防止をしてまいるように十全の努力を続けてまいりたいと考えております。

岡本富夫公明党

○岡本委員 そこで、時間があれですから先へ急ぎますけれども、私は一つの提案としまして、英国の例をとりますと、IRCですか、要するにそうして乗っ取りを受けられるような企業の株式を一応政府で買い上げて、そして育成し、ひとり立ちできるようになったらそれをまた返していくというような、こういう制度を持って非常に効果をあげているということでありますが、これはわが国の政策としてやはり考慮しなければならぬじゃないか、こういうように考えられるのですがね。これについて御意見を伺いたい。

赤澤璋一通商産業省重工業局長

○赤澤政府委員 ただいまの御提案でございますが、たいへん重要な御提案だと存じます。これはもちろん今後の資本自由化の進展に伴いまして、いろいろなケースが日本にも出てまいるわけでございますので、そういったようなケースの分析も行ないながら、当然いま御提案のようなことについても慎重に検討してまいる必要があると思います。なおこのほかに、昨年法制審議会で結論が出ております、たとえば商法の改正、あるいは証券取引法の改正、こういった面も、これは外資対策というわけではございませんが、一面から見ますと、外資の面についても十分活用し得る規定、こういうふうにも私ども存じております。ただいまの御提案、非常に重要な問題を多数含んでおると思いますので、今後とも私どもといたしまして慎重に検討さしていただきたいと存じます。

岡本富夫公明党

○岡本委員 貿振局長に先ほど聞きかけてそのままになっているのですが、逆に今度は、わが国の企業が輸出した場合、要するに長期輸出入の取引について、ポンドあるいはフランの切り下げ、こういうことによって損失を受ける場合がある。外国へ輸出するとなかなかすぐには金になりませんから、三年も五年もかかって入ってくるわけですが、その為替リスクですね。この性格が最近になって相当一変してきておると思うのです。そうした損失を防ぐために、三菱とか、あるいは住友とか、そういうところでは積み立て金をつくっておる。しかし、それができないところにおいては、どういうようにしてこの機械、プラント類の輸出の長期延べ払いによって受ける損失をカバーするか、これについて対策があれば対策をひとつお聞きしたい。

後藤正記通商産業省貿易振興局長

○後藤政府委員 お答え申し上げます。  貿易規模が年ごとに拡大をいたしまして、しかも輸出構造が漸次重化学化の度を加えてまいる、高度化してまいると、仰せのように、特にプラント類輸出等が輸出総体の中のシェアを多く占めてまいることになってまいります。こういった多額の金額にのぼりまするプラント輸出につきましては、延べ払い輸出という形になるのが通常の例でございます。したがいまして、国際的に為替相場が非常に不安定な状態におきましては、その為替リスクをどこが負担をするかということが問題になってまいるわけでございます。しかしながら、二面これを考えますると、たとえばポンドの切り下げ、フランの切り下げ、あるいはマルクの切り上げ等々、そういった問題が出てまいりますと、そのときどきに応じまして、日本サイドから見ますると、輸出の場合と輸入の場合とでちょうど逆になってまいる。したがいまして、国全体といたして見ますると、たとえばフラン建てで輸出をいたしました場合に、フランが切り下げられました場合には、これは日本の輸出業者にとって損失になります。しかしながら、輸入業者にとってみますると、その分は円貨の価値がそれだけ大きくなってくるということで、これはその分がプラスになってくるということで、国全体としてまいりますと、その為替相場の変動というものは大体スクエアになるというのが普通の状態でございます。したがって、この損失を民間の企業が全部かぶるか、あるいはまた国で負担するかという論議が国際金融論上出てまいるわけでございますが、いろいろ議論はございますけれども、現在の時点におきましては、まだ国としてこの為替損失というものを負担するという方針が立っておりません。  幸いにいたしまして、最近の国際金融情勢というものは、しかも国際為替相場というものは、一時に比べまして相当鎮静化いたしておりまして、今後急速な変動は起こらないという状態でございますが、これをただ単に輸出の立場から見まするならば、たとえば日本の現在の輸出総額、四十四年度で約百六十八億ドル、四十五年度でおそらく二百億ドル台になるかならぬか。現在の政府見通しでは百九十九億五千万ドルという数字になっておりますが、そのうちの約一〇%ちょっとぐらいが延べ払い輸出とプラント類の輸出ということになって、プラント輸出が全部延べ払いということではございませんが、そういう状態になっております。したがいまして、これに対しまして現在、しかも従来行なってまいりました長期の対外債権というものは、これは昨年の中ごろでございますが、大きな企業約十五、六社を集計いたしましたところ、約二兆五、六千億あるわけであります。したがって、これが為替相場の変動によってその債権分が円貨に換算した場合に著しく減価するという事態は、たいへんむずかしい問題でありますし、輸出企業にとりましては大きな痛手になってまいるということでございます。各企業によりまして、それぞれ社内留保といたしまして準備金を積み立てるという事態が法的にも認められますならば非常にけっこうでございますが、ちょうど四十六年度の税制改正におきまして、通産省といたしましては、長期輸出入取引準備金構想というものを提案いたしたわけでございますが、法制的にはこれは認められませんで、ただ実際の運営上におきまして、期末におきます簿価と期末におきます時価との差額を考えて、そうしてこれに対する手当てをするということで落ちついたというのが現状でございます。基本的には、何らか国家的な保証があるといいと、通産省の輸出振興の立場からは考えますが、現在そこまで機は熟していない、かように考えております。

岡本富夫公明党

○岡本委員 その構想は、一つは大蔵省の反対があったらしいのですけれども、やはり業界が待望しておるわけですから、もう一つ突っこんだ検討をしていただきたい。これは要望しておきます。  それで、あとの問題は、通産大臣に一ぺん来ていただいて、それでもう少しこまかい問題を残しまして、きょうはこれで質問を終わります。

橋口隆自由民主党

○橋口委員長代理 吉田泰造君。

吉田泰造民社党

○吉田(泰)委員 この特定電子工業及び特定機械工業振興臨時措置法案、この法律につきましては、この前の委員会以来、いろいろな同僚委員の質問で大体よく理解できるのでございますが、二、三の点を伺います。  まず第一は、機械産業の現状といいますか、その点についての通産当局の考え方、現状をどういうふうに認識しておられるか。ちょうど四十五年七月に、「今後の機械産業政策のあり方」という審議会の答申が出されております。その答申をとらえて現在の法案が提案されたと思います。この機械産業の現状をとらえて、ちょうど七年の時限立法になっておりますけれども、日本の置かれた機械産業の特色といいますか、アメリカに比べ、あるいは西ドイツに比べて、いろいろな欠点あるいは弱みがあると思うのです。その弱みの是正ということが一つの大きな目標であろうと思います。この時限立法七年間の終わりごろには、機械産業全般をどのように通産省が持っていかれようとしておるかという展望ですね。現状のとらえ方、これは私は、答申の現状に全く同感ですが、それをとらえてどういうふうなビジョンを持っておられるか、それをまず冒頭にお伺いをいたします。

赤澤璋一通商産業省重工業局長

○赤澤政府委員 日本の機械産業を通観をいたしますと、過去十年くらいの間に非常に大きな伸びを見せてきております。たとえて申しますと、たとえば生産額で見ますと、昭和四十四年の生産額が十七兆七千億円、対前年の伸び率が実に二四%ということでありまして、一般の産業の中でも特段にこの成長率が高く、かつ非常に重要な地位を占めておるわけでございます。輸出の面でも同様でございまして、昭和四十四年の輸出額は約七十一億ドルでございますから、全体の輸出百六十五ドルに比べますと半分まではまいりませんが、四十数%と非常に大きな地位を占めておるわけでございます。また、最近の状態をずっとトレースいたしてまいりましても、四十二年におきましては、その生産額はすでにアメリカに次ぎ世界第二位、また輸出面におきましては、アメリカ、西ドイツ、イギリスに続きます第四位というようなことでありまして、この十年間くらいにおきます機械産業の伸展ぶりというものは、まことに目ざましいものがあるわけでございます。  今後、私どもといたしましては、資源中心の産業形態から、特に、機械産業の中でも、技術先端といわれておりますようなものに日本の産業構造自身が特化をしていかなければならぬ、こういうふうに大きな構想を描いておるわけでございまして、特にその中の機械産業におきましても同様でございます。  この点は、従来、機械産業がいかに伸展をいたしましょうとも、やはり欧米のそれと比べてみますと、どちらかというと、軽機械類、労働集約的なもの、こういったものに非常に大きなウエートがかかっておるということが第一点。第二点は、やはり自主技術の開発力というものが、欧米に比べますとまだまだおくれております。この点は特に、電子工業の面が何といたしましてもおくれ出てまいっておりますので、この点はおおうべくもないわが国機械工業の欠陥だと思います。こういったような、いわゆる軽機械、労働集約面への特化といった面を克服しながら、片一方では技術の面、特に今後重要な部面をにないますソフトウェアの問題、ソフトエンジニアリングの問題こういった点を十分踏まえながら機械産業というものを伸ばしていきたいと考えておるわけであります。  ちなみに、これは私どものほんとうの大ざっぱな試算ではございますが、昭和五十年度でどのくらいの規模になるかということを大ざっぱに推定をいたしてみますと、先ほど申し上げましたように、約十七兆円強の機械工業というものが、五十年度にはおそらく四十三兆円という規模になるであろうと思われます。輸出の面におきましても同様でございまして、現在七十一億ドルという輸出の規模でございますが、これが昭和五十年におきましては約二百億ドル、三倍近い伸びになる。また、このくらいな形の機械工業というものを日本が持つことが、日本全体の産業経済のためにも必要である。こういうビジョンのもとに各種の施策を鋭意行なってまいりたいと考えておる次第でございます。

吉田泰造民社党

○吉田(泰)委員 機械産業の大体の見通しはいま局長から御答弁をいただきました。  次は、具体的な質問をさせていただきたいと思いますが、まず電子工業の点についてお伺いいたします。電子工業につきましては、アメリカとの技術格差が現在非常にございますが、特にコンピューター産業にしぼってお伺いいたしたいと思います。  アメリカと比べて技術的に非常におくれている。と同時に、日本の開発研究の問題、研究の集約化が行なわれていない。あるいは頭脳が分散をされておる。国もことしの予算で、大型プロジェクトで大型のコンピューターを開発しようとしておる。国と民間との関係、民間会社にも、その発足過程、企業規模からいろいろ格差がございます。また技術的にプロセスが違います。これほどむずかしい技術問題しかもアメリカと非常に格差がある。現在そのこと自身は、収益性からいってあまりもうかっていない。ところが将来のビジョンとしては、電子工業、特にコンピューター産業の占めるウエートというのはどうしても非常に重くなる。国と民間との関係、これをどういうふうにしようとしておるのか。いまのままでは、極論すれば、子供のおもちゃではございませんが、行き当たりばったり的な指導ではいけないんだ。ほんとうに集約化を行なう、ほんとうに民間と国が頭脳の集約をする、そういう姿勢があるかどうか。そうしなければ——私はこれは後段で質問させていただきますが、ほんとうに格差を縮めて、新しい産業としてどうしても開発の迫られておるところのコンピューター産業という、ものはやっていけるのか。国がいま何を考えておるか。その基本的な問題 コンピューター産業のみについてひとつお答えをいただきたいと思います。

赤澤璋一通商産業省重工業局長

○赤澤政府委員 コンピューターは御存じのように、初めのうちは全部向こうからの輸入でございましたが、この十数年来、電振法等にも指定をいたしまして、鋭意努力してまいりました結果、昨今に至りましては、大体需要の半分が輸入で半分が国産というところまで、日本のコンピューターも成長してまいりました。しかしながら、その過程をずっとたどってまいりますと、国産の技術を中心にしたものと、それから、外国の技術を導入しながら、それをさらに消化して改良していったもの、こういったふうな技術に大別ができるわけであります。いまお話しのように、コンピューター産業と申しますのは、何と申しましても今後の電子工業の中核をなすものでございますし、また、昨年のこの国会で御審議をいただきましたような、今後の情報化社会というもののこれまた基盤をなすものでございます。こういった面から、私どもといたしましては、やはりコンピューター産業の育成強化というものに非常な熱意と努力を傾けておるところでございます。  そこで、お示しのような、いわゆる頭脳の分散状態、これをむしろ集約化する方向はないか、こういった点でございますが、これは実は私どもも考えておりますが、なかなかむずかしい問題でございます。といいますのは、現在コンピューターメーカー六社ございまして、こういった六社のままの体制であのジャイアンツのようなIBMに対抗できないじゃないか、もう少し何か集約化の方向はないかということが、私どもの常に念頭にある課題でございます。ところが、よくよく考えてみますると、現在まだコンピューター関係につきましては、物の面の自由化も資本の面の自由化もいたしておりません。ある程度防波堤を設けております。そういった防波堤の中であまり早目に集約化をいたしますと、かえって各社の持っております技術開発力をそぐことになるのではなかろうか。むしろ、ある程度防波堤のあるうちに、その中でできるだけ競争状態に置いて、そしてお互いの技術を競い合わせるということも、コンピューターの技術開発の促進のしかたとしては、そういったやり方も一つの考え方ではないかと思います。そういったことでここ十年来やってまいりました。  ただ、国際化の進展と申しますか、そういった世界全体の波の中で、いつまでもこの自由化を温存をしておくというわけにもまいりません。こういったことから、漸次自由化の日程が浮かび、上がってくるにつれまして、いまお話しのように、むしろ、競争から協力へ、あるいは協調へというようなムードが業界にも出てまいりましたし、私どももやはり、その自由化の目標をある程度明らかにすることとあわせて、そういった方向に業界の指導方針を切りかえていかなければならぬ、こういう点をいま痛感をいたしておりまして、その点はまさに古田委員の御指摘のとおりでございます。  こういったようなことの一つのあらわれといたしまして、四十年から四十六年まで六年間にわたりまして、御承知のように、超高性能のコンピューター開発を行ないました。ことしの秋にはいよいよそれがとにかく動くところまでまいりました。これの関係の技術と申しますものは、国が行ないましたものでございますから、国の特許あるいは国の持っておるノーハウということになります。こういったことを今後大型コンピューターの開発のために各社が使ってまいるとすれば、当然国から特許権の許諾等が必要になってくる、こういうことでもございます。また、ただいまも御指摘のありましたように、ことしから五十三年までにわたりまして、いわゆる第四世代のコンピューターといいますか、パターン認識の情報処理ができますコンピューターの開発もいま計画をいたして、ことしからその第一歩を踏み出します。これまた国がやります一つの計画でございます。こういったところから、この計画自身も、私どもの電子総研を中心といたしまして、広く民間の頭脳を請い、集約化をいたしますので、ある意味では、今後の大型コンピューター、あるいは第四世代の新しいコンピューター、こういったものには、お示しのような集約化の一端があらわれており、かつ、こういったような集約化の実績を通じまして、今後自由化にも対処して、コンピューター業界の体制の整備と申しますか、そういった方向に私はぜひ指導していきたい、かように考えておるわけでございます。

吉田泰造民社党

○吉田(泰)委員 いまの御答弁で、現状のコンピューター産業に対する処置としては、私はそれでいいと思います。ただ、ここで問題にしなければならないのは、国が大型のコンピューターの開発をしてパテントを持つ、あるいはノーハウを持っていますね。いま、六社ある。このおい立ちとか企業の規模も違う。また企業の中におけるコンピューター部門の役割りも違いますね。ウエートも違いますね。ところが、それを通産当局としては、もう少しロングランな、長い形で明確なる目標と方針を与えてやる、そういうことでないと、私はちょうどこの前、局長に航空機産業のことで質問いたしましたが、同じような方向をたどるのじゃないかと思うのです。  私は、航空機産業が正しいあり方だとは思ってないから言うのです。局長にいやなことを言いますが、正しくはない。やり方は間違っているじゃないか。それはどこがやり方が間違っておるかといいますと、現状の認識と現状の解決はよくても、将来に対する方針を明確に示してやれ、どうやるんだということを、ということなんです。業者はみんなやりたいと思うのです。みんなやはりねらっているのです。それを通産当局がパテントを取るとノーハウも持つのだから、はっきりした方針を示して、少し長い期間で明確なる目標と生産計画を立てていく、そういうふうに指導しなければ、またぞろ利権みたいにうようよ集まってきて、これは収拾つかなくなる。このことを非常に心配するのです。いまの時点の話ではなくて、第四世代の開発までしようというのですから。私はしろうとだからよくわかりませんが、もう少し長い形の、いわゆるどう持っていくんだという——局長、どういうふうに持っていかれようとしておるのですか。いまの処置を聞いているのじゃないのです。もっと先の処置を聞いておるのです。

赤澤璋一通商産業省重工業局長

○赤澤政府委員 コンピューターにつきましての考え方、私がいま申し上げましたが、これもまたちょっとことば足らずであったかと思いますが、私は、やはり頭脳の集約化の一つのあらわれとしての大型プロジェクト、そういったものが一つの頭脳集約化の集中的な表現であり、そういうものを長きにわたって、やはり今後八年とかというふうにやってまいりますことによりまして長期のビジョンが示されてくるのじゃないか、また示すべきだと思います。この点はもう吉田委員の御指摘のとおりでございまして、私どもも同じような考えでございます。  今回の新法によりまして、コンピューターは、いずれにしても私どもは指定業種として指定をしてまいりたい、こう思っております。したがって、そういう意味合いから、この法律によります高度化計画というものをつくるわけでございます。この高度化計画の中身といたしまして、いまお話しのようにロングレンジの開発の目標、こういったガイドポストをこの計画の中でしっかりと立てていくということで業界の指導をはかってまいりたいと考えております。

吉田泰造民社党

○吉田(泰)委員 いま局長御答弁のように、再度私は要望をまじえてお話を申し上げますけれども、各社それぞれの思惑とか、そんなことを通産当局は考えなくて、ほんとうに思い切った基本的な、少し長い計画を指導の中に盛り込んでもらう。そうしなければ、この頭脳集約化、研究の集約化、アメリカとの格差を縮めていくということは、言うべくしてなかなかむずかしいんではなかろうか。思い切った処置が望ましい。これは要望をまじえてお話を申し上げておきます。答弁は要りません。  次に、やはりコンピューター産業に関係ございますが、私はシステムエンジニアリングの振興という問題でちょっとお伺いをしたいのです。これは人材の問題です。人の問題です。現状の政府の考え方、施策では、私は、システム技術の開発に役に立つような、そういういわゆる人材養成ができないと思うのですがね。これは局長どうですか。このままでよろしいでしょうかね。

赤澤璋一通商産業省重工業局長

○赤澤政府委員 システムエンジニアリングの問題は、御指摘のように、今後の非常に重要な問題であり、機械産業を考えます場合に忘れてはならないキーポイントだと思います。その点はもう吉田委員御指摘のとおりでございます。ただ、この法律でもってシステムエンジニアリングというのをどういうふうに扱っていくか、この点はまた、法律の体系といたしましても、なかなかむずかしいところでございまして、法律自身は一つのいわばハードの面をとらまえておりますので、いきなりこのシステムエンジニアリングというものが表には出てまいりません。ただ、ハードの面のつかまえ方によりましては、それを組み立て、あるいは総合して一つの装置、システムとしてつくっていくということを考えますと、当然、そういったものの裏にはシステムエンジニアリングなしには、それが不可能でございます。したがって、機種の指定等を行ないますにあたりまして、当然その裏側にあると申しますか、そういう機種が成り立っていくのに不可欠である、当然それが前提となっておるシステムエンジニアリングというものを私ども十分検討の対象といたしまして、そして、この法案による機電一体の方向で、いまお話しのようなシステムエンジニアリングにつきましても、この法案の施行にあたって十分今後配慮もし、また振興をしてまいりたい、こういう考え方でございます。

吉田泰造民社党

○吉田(泰)委員 時間があまりありませんので、どんどん質問を先に済まさしていただきます。  いま大体、民間会社が個々にいわゆる研究開発をしておりますけれども、国もナショナルプロジェクトで大型を開発しようとしている。しかし私は、国がやることはやはり相当思い切った施策でやらなければ意味がないんだ、人材養成にしても民間と同じような考え方ではいけないぞ、国は国らしくやらなければいけない、民間に引っぱられてもいけない、そういう基本的な考え方でものを言っておるのです。したがって、いまのいわゆる民間から上がってくる考え方を集約した形でやるのではなくて、思い切った考え方を通産当局としても出して指導するように、将来これは非常にむずかしい産業でございますので、思い切った取り組み方をしていかないといけないのじゃないか。新しい角度で新しい取り組み方を、この電子工業についてはおやりいただきたいと心から望んでおきます。  次は、同僚委員から何回も同じような質問が出されたと思うのですが、資本の自由化の問題でございます。これは、いま局長の御答弁の中で、自由化に至るまで防波堤をつくっておいて、国内で体制整備をやっていくんだ、あるいは企業の整備をやっていくんだというお話がございましたが、競争をさしてそれをやっていく、頭脳集約化の前段にそれをやるんだ、その時期はまだわからない、長期的な計画はまだないんだというような意味でしたね。そういう防波堤の中で競争をさして、ある時期をとらえたならば、これは航空機産業の発想と同じことです。通産省の局長の考え方は同じような考え方ですね。ところが私は、こういう非常な巨大な研究費用が要る——国民のたいへんな税金をそういうことにぶち込むわけですよ。したがって、そういうむだな回り道があったら、国としてよろしくない。民間の競争だけでむだな投資はすべきでない。国は国がやるのですから、それがまず基本的な線で動いてほしいと思うのです。  それで、貿易の自由化の問題ですが、いま防波堤があるからよろしいけれども、やはり早晩は自由化せねばなるまい。そのときに、企業は競争さして体制をつけていく、この法案の施行によってだんだん体質を強化していく。強化していったときに、いわゆる十三条の勧告とのからみの問題、これをするならもう少し早くできないか。私は前段の第一回の質問と同じなんです。どうせそういう経緯を通っていくと思うんです。いまは競争をさして、集約化の時代じゃない、集約化はもっと先なんだ。ある時期になると集約化の方向に向いていこうとしますね、当然個々分散した投資じゃもったいないから。そうすると、いつの時点にかやっていく。それを十三条の「勧告」でおやりになられるだろうと思うのですが、そうですか。そのからみをあとで御答弁いただきたいんですが、それとは関係ないんですか。最初からなぜ方針を示されないんだ。自由化でIBMあたりの巨大企業に対してどう対処するかということですね。いまのままで対処できるかどうか。一たまりもないような気がするんですがね、現状のままでは。これはどうでしょうかね。

赤澤璋一通商産業省重工業局長

○赤澤政府委員 若干答弁が重複になるかもしれませんが、私どもが考えておりますのは、特にコンピューターにつきましては、何と申しましても、IBMという世界的な巨大企業がございまして、全世界の七割近くもこれが占めておるという状態でございますし、また非常に多数の特許も持っておりまするし、またその売り上げ高におきましても比較にならない大企業でございます。こういったような企業がある一方におきまして、日本のコンピューターメーカー六社が、それぞれ過去十数年にわたって、ある面では外国の技術を導入し、またある面ではそれを改良をし、またある面では自社特有の技術を発展をさしていくということで、営々として努力をしてまいったわけであります。私は、今日までの通産省の一つの政策といいますか、考え方が、こういったようなものの自由化、資本の自由化を行なわない状態のもとに、あまり過度にわたる外国製品、外国技術のフラッドと申しますか、こういったものを防ぎながらも、お互いの間ではひとつ十分技術の開発力を競争状態のもとに出し切ってもらいたい、こういう指導をしてきたと思います。  しかし同時に、それだけではいけませんので、御承知のようにJECCといっておりますが、日本電子計算機株式会社をつくりまして、いわゆるレンタル式の供給につきましては財政資金をここに使いまして、そしてIBMの資本力に対抗できるような基盤をつくっていく、こういうこともやり、またいずれかの時期、これは何もそう遠い将来ではございませんが、自由化になる、これに備えての研究の集約化という体制をつくる一つの考え方として、先ほど申し上げましたような大型プロジェクトによる研究開発も進めてきた、こういうことでございます。  したがって、漸次こういった競争体制のもとにつくり上げられた各社特有の技術を基盤にいたしまして、いよいよ大型のコンピューター——いままだ、大型コンピューターのできるところにいきますまでには、ちょっと各社戸惑った状態であります。ほんとうの意味の大型コンピューターということになってきますと、どうしてもこの段階ではいまや分散技術でやっていくというわけにはまいらなくなる状態が目に見えております。こういったことも踏まえ、自由化の促進の時期も踏まえ、両面からして私は、いま申し上げたように、通産省としては、従来の競争による技術の開発力の培養から、今度はできるだけ集約化を行なっていくという方向へ政策を大きく変えていく必要がある、こう思っております。その変えていく政策のガイドポストとしては、この新法による高度化計画というものが一番いい政策の進め方だと思います。このガイドポストを立てます高度化計画につきましては、いま御指摘がありましたように、必ずしも業界の意見ばかりにこだわらないで、十分第三者、非常に長期にわたる問題でもありますから、高名な、学識経験を持った方々から構成をされる審議会等でも十分な御審議を願って、私どもの政策が一方においてはいわば実情に即しておりますと同時に、一方においては、やはり長い五年、十年先を見た政策ということを、十分両面兼ね合わせた計画ということで、これを業界の今後の長期にわたる指針といいますか、そういったものとして活用してまいりたい、こう考えておるわけでございます。

吉田泰造民社党

○吉田(泰)委員 それでは局長、これはちょうど時限立法で七年間になっておりますね。この七年間というのはどこに根拠があるのかないのか。そのことはあとで伺いますが、少なくとも七年間のこの法律が四月に法案が通って施行されて、これが期日になる七年後には、局長のお考えになっている日本のコンピューター産業というものはどのようになっておるであろうか。国がどうような役割りを果たし、生産量がどれくらいになるか。これは非常にむずかしい質問で恐縮ですが、いまのいろいろな企業があります。日立をはじめいろいろな企業、各六社ありますね。それを含めてIBMとの関係、日本の電子産業のたどりつく七年後の想定、これは非常にむずかしい質問かもしれませんが、やはり聞きたいのです。どういうふうになるべきであろうと思いますか。民間会社を含めて、国の立場も含めて、IBMを見て何か想定があるはずですね。世の中は変わってきますよ。だんだん変わってきて、技術革新も行なわれ、いろいろなファクターがあるでしょう。そのことはよろしい。通産省が考えておられる七年後の、この法案の終わるころはどうなっておるであろう、またどうなるべきであろう、民間会社がどうなったら一番いい、国がどうなったら一番いいか。そのときにIBMとのシェアの関係は、日本はどこまで食い下がっておれるか。そのことがあるはずですね、何かビジョンが。これはどうですか。

赤澤璋一通商産業省重工業局長

○赤澤政府委員 非常にむずかしい御質問でございまして、実はいろいろと私としては——まあ個人と申し上げると恐縮ですけれども、実はいろいろと考えていることもございます。

吉田泰造民社党

○吉田(泰)委員 個人でいいです。言うてください。

赤澤璋一通商産業省重工業局長

○赤澤政府委員 ただ、これは一つには、資本の自由化なり物の自由化の時期をいつにするかという想定が一方に立っておりませんと、なかなか言いにくい問題でございます。こういうような自由化の時期がいつかということをある程度頭に描きませんと、それに対抗して国内はこうなる、あるいは自由化の時期を明示すれば、その自由化までの時期においては、少なくとも業界としても国としても、これだけのことをしなければならぬという政策の外貌が比較的浮き彫りになってまいるわけでございます。他に例を引いて恐縮でございますが、この四月から実は自動車の関係の資本の自由化をすることになっております。この件につきましては、実はこれも御承知のとおりでございますが、おととしこの自動車については、一般の資本自由化計画にかかわらず時期の明示をいたしました。こういったようなことから、時期の明示に従って業界も体制を整え、通産省もその自由化の時期までに必要な政策をできるだけ打っていくという努力をしたことは御案内のとおりでございます。  したがって、いまのコンピューターについてどういうふうになるか、どういうふうにしたいかということになってまいりますと、何となく自由化の時期をいつにするつもりかということを申し上げないと、なかなか御理解がいただけないと思いますが、この点は実はことしの秋に予定されております資本自由化の第四次の自由化におきましては、通産大臣が申し上げておるように、コンピューター関係についてはネガリストに入れる方向でいま検討しております。ただ、ネガリストに入れるだけではなくて、ちょうどこういうネガリストに入れる機会をつかまえて、コンピューターについての、いまお話がございましたような、今後のいわば長期の考え方、その指導のしかた、また業界として好ましいと思われる方向、こういったものについては、ネガリストに入れるという一つの機会をつかまえて世の中に明示をしてまいりたいと思っております。そういったことから、現段階ではいまお話しのことにちょっと的確にお答えすることは暫時御猶予いただきたい、こう思っておる次第でございます。

吉田泰造民社党

○吉田(泰)委員 いま七年後の想定ということを局長にお伺いしたのですが、非常にむずかしい質問であろうということは重々承知をして聞いたわけです。ただ、その一番大きなファクターが自由化になると言って局長は御答弁を逃げられましたが、私はそれは非常に不本意なんです。なぜかなら、七年後には自由化になっておるであろうと思うのです。私、ことしのことを言うておるのではないのです。七年後のことを聞いておるのです。ことしのことを聞いておるのではないですよ。ことしのことを聞いておるのなら、その答弁はよろしいでしょう。それが最大のネックで答弁できないということなら、これは是とできます。ところが、この法案が七年後にはどうなっておるかということを、私は聞いておるのです。自由化の多少の差があっても——多少の差はあるでしょう、七年後に行き着く先は。しかし、そのことに関係なく、通産省が考えておられる、七年後どうなるであろうかということくらいはなかったら、コンピューター産業の指導はできないじゃないですか。違いますか。自由化の問題ではないです。自由化の問題はわかります。わからないことはわからないでペンディングにしてもけっこうです。しかし、多少の差があっても、目標があってしかるべきでしょう。

赤澤璋一通商産業省重工業局長

○赤澤政府委員 私がお答え申し上げましたのも、今日の問題を言っておるのではございませんで、この法律の施行期間中にはたして自由化をするか、あるいは七年後においてもなお困難な面があるか、こういったことについての明確なお答えをいま申し上げるのは、ちょっといかにも時期尚早であろうと思われます。しかも、自由化という一つのことをつかまえまして、先ほど申し上げましたように、非自由化の中における技術開発力競争というものから、自由化を前提としたいわば協調、集約化の体制へというふうに、現に指導的な考え方を変えてきております。  こういったふうな指導的な考え方のもとに七年後どうなるかということでございますが、もちろん自由化とは非常に大きな関係はございますが、これとかりに切り離して考えてみた場合どうなるかということでございますが、各社の機種、大中小いろいろあります。大はそれほどございませんが、中小いろいろございます。こういったようなものが、ある意味では機種の調整と申しますか、そういったような形を通じて各企業間の体制の整備といいますか、集約化と申しますか、そういったことが行なわれるような方向で今後の施策を進めてまいるのがいいのではないか、私はこういうふうに考えております。ただ、実際問題としていまあります多数の各社の機種というものを幾つにする気か、どうするかということまでまいりますと、これはいまの段階ではちょっと一がいには申し上げられない。ただ方向としては、いまお話しのような趣旨も十分考えて今後の政策を進めてまいりますし、また、その点につきましては、いま申し上げましたように、秋の第四次自由化ということを前にいたしまして、私どもとしては、ある程度長期にわたるピジョンというものを世に出して問うてみたい、こう思っておるわけでございます。  なお、これは蛇足になるかもしれませんが、この機種の調整なり集約化なりということの場合、一番大きな問題点になりますのはやはりソフトウエアだと思います。これは昨年も御審議をいただきまして、私どもいま一生懸命その実施をはかっております情報処理振興事業協会等に関する法律、あれでも十分御質疑等いただきましたように、今後ソフトウェアのギャップというものがどういう形でいつごろ埋まっていくかということが、私どもとしては最大の問題でございまして、このソフトウエアギャップの是正というものを、どの時点までに可能にするような方策を行ない得るか、この点が、いまお話しのように、七年後どうか、企業の体制、産業体制はどうかということを言われることの裏側として、最大の重点を置いた検討を進めてまいりたい、こう考えておるわけでございます。

吉田泰造民社党

○吉田(泰)委員 いま局長のほうからソフトウエアの問題が出ましたけれども、ソフトウエアの開発、これも私、質問をしたいことがあったのですが、時間がないので、最後に一点だけ、もう一度くどいようですが。自由化ができない場合、非自由化の場合でもけっこうです。  現在のコンピューター産業が、七年後に単純にとらえて——非常にむずかしい条件がいろいろあると思います。それをやはり単純化して、大体どのくらいの製品量になっていますか、そのくらいのことは展望が出ていますね。何にもものさしがないのではちょっとわかりませんので、非自由化の場合と自由化の場合とどういう違いがあるのかということと、非自由化の場合に生産量が七年後にどのくらいになっておるのかということを伺いたい。課長でもけっこうです。

赤澤璋一通商産業省重工業局長

○赤澤政府委員 先ほど、五十年度におきますところの機械工業の展望といたしまして、機械、電子、輸送機械まで含めまして、全体で四十三兆円ということを申し上げましたが、この作業の一環として、実は電子機械、特にコンピューターについての想定もいたしております。コンピューターにつきましては、自由化の場合、いまお話しのようにいろいろなファクターがあって、実はむずかしいのでございますが、私ども、五十年度におけるコンピューターの生産額を一応九千億円。これは現状が約二千億余りでございますから、それから見まして約四倍半くらい、四倍強というような形に考えております。こういったような大ざっぱな見当はつけておりますが、さてこの時代に、金額はともかくといたしまして、一体どういうふうに情報化社会というものが組み立てられ、その面から来るニーズといいますか、要請というものにどの程度国産コンピューターが耐えていけるか、こういうことになってまいりますので、これはいま御指摘もございましたが、私どもとしては、技術の問題の一番ポイントであるソフトウエアというもの、さらにそのソフトウエアの一番重要なポイントになる人材の養成、技術者の養成、こういったことに馬力をかけて追いつきませんと、なかなかここまでもいきにくい。金額はともかくとして、実際必要な社会、経済のニーズというものに対応するところまでついていけない、こういう気がいたします。大ざっぱに金額をお示しすると、五十年度で九千万円というふうな金額を頭に置いておりますので、七年後ということになりますと、これから少し下がった金額になろうかと思います。いずれにいたしましても、こういった金額を達成するについては、一番最大のポイントとしてソフトウエア、さらにソフトウエアを実際につくります。人間の頭脳の養成というものが最大のポイントであり、ここに今後とも施策の重点を指向していきたい、こう思っております。

吉田泰造民社党

○吉田(泰)委員 もう一問でやめます。  もう一回。局長、いま五十年度、五年後で大体九千位というような線が出ましたけれども、それはいろいろなファクターがあってむずかしい——おおよその数字であろうと思います。それはそういうふうに理解をいたしまして、その間に国もずいぶん予算をとると思うのですね。大型プロジェクトの開発にも出しておりますからね。いまその九千億という大まかな線が出ましたけれども、そのころの国と民間会社との関係、それはどうなっているということを想定しているのですか。いまの競争場裏にあるコンピューターメーカーをそのままの競争をさせておくということですか。業界に対して何か指導をするのですか。あるいはもう少し各社の、名前は必要ないですが、機種によって大別して分けようとか、何か指導方針があるはずですね。九千億という算定を通産省のどなたかがはじいたんだと思いますから、その九千億を出されたときに、国の果たす役割り、業界がどうなっているかということは想定されて出されていると思うのです。その点を伺っておきたい。

赤澤璋一通商産業省重工業局長

○赤澤政府委員 実は九千億という想定をいたしますのは、いろいろな数字から出てきておりまして、たとえばコンピューターの設置額対GNPの比率、こういったものが、昨年のアメリカで申しますと二・三%、GNPに対しましてコンピューターが大体二・三%の割合で設置をされている、こういう数字がございます。日本の場合はここまでもちろんいっておりませんが、かりに五年後ぐらいのところでやってみたらどうなるか、こういったきわめてマクロの推定があるわけでございます。しかも、私どもとしては、そういった時点では、いまあまりございません大型機、超小型機、こういったもののシェアがいまよりずっとふえていくだろう、こう思っております。  特に大型機の分野につきましては、国の役割りといたしまして、先ほど来申し上げましたように、過去六年にわたりまして、いわば超大型電算機の開発を進めてまいりました。この特許を国が持っております。今後八年かけまして、第四世代のコンピューター、パターン認識情報処理といっておりますが、こういったコンピューターの開発につきましても、全額国が支出をいたしまして、八年間に三百五十億円程度といま考えております。そうしてこれを各社の協力のもとに進めていく。これを開発します過程におきまして、当然各社の頭脳がそこへ持ち寄られてくる。そうしてそういうような特許の実施権を通じて、また各社が超大型のあるいは第四世代のコンピューターを、それぞれの社の特色に応じてつくっていくということになってまいります。そういった段階で私どもとしては、いわゆる企業の合併とか統合とかいうことにつきましては、コンピューター専業者もございますが、大部分のものは専業者ではなくて、非常に大きな企業のワンパートでございます。したがって、やはり企業合併とかということにはなかなか進みにくい面もございますから、むしろ今回御提案申し上げておりますような、新法にもあります機種の制限といいますか、調整と申しますか、分野の調整、こういったことを通じて、各社の間の調整をできるだけはかっていって、そうしてあまり多品種少量生産ということではなしに、あるまとまったロットがその企業で生産をされ、その企業には当然他の企業の技術力も入っておるというような形での集約化の方向と申しますか、そういった方向に指導をしていきたいと思います。その指導する一つの手ずるとしては、いまのような国が持っております特許というようなものを有効に活用していくべきではなかろうか、こう考えておる次第でございます。

吉田泰造民社党

○吉田(泰)委員 これで質問を終わりますが、最後に、私は要望だけしておきます。  局長のいろいろな御答弁でまだ私も十分納得はできませんが、また次の機会に譲らしていただきまして、何ににしても非常に特異な産業でありますし、それだけに非常な頭脳の集約化も要るし、あるいはまた資金の集約化も要ると思うのです。それだけに、国が思い切って抜本的な長い意味の指導方針を持ってかからないと、だんだん交通整理がむずかしくなるという気がいたします。したがって、当初から相当基本的に、いろいろな問題があっても思い切った集約化の方向の線を打ち出してもらう、そのほうがわが国の電子工業にとっては、いまいろいろな利害があってもむしろ将来のために大きなプラスになる、私は個人的にはそう信じています。そういう意味で特に思い切った施策が望ましいということを要望しまして、きょうの質問を終わります。

橋口隆自由民主党

○橋口委員長代理 次回は、明三日午前十時理事会、午前十時三十分委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。     午後四時三十分散会。

国会会議録検索システムで原文を見る ↗