社会労働委員会 第24号
- 発言数
- 137 件
- 登壇者
- 12 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1971/05/14
会議録
○倉成委員長 これより会議を開きます。 厚生年金保険法等の一部を改正する法律案を議題とし、審査を進めます。 この際、念のために申し上げます。 本案については去る七日質疑を終局いたしております。 これより本案を討論に付するのでありますが、別に申し出もありませんので、直ちに採決いたします。 厚生年金保険法等の一部を改正する法律案について賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○倉成委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。 —————————————
○倉成委員長 この際、伊東正義君、田邊誠君、大橋敏雄君及び田畑金光君より、本案について附帯決議を付すべしとの動議が提出されておりますので、その趣旨の説明を求めます。田邊誠君。
○田邊委員 私は、自由民主党、日本社会党、公明党及び民社党を代表いたしまして、本動議について御説明申し上げます。 案文を朗読して説明にかえさせていただきます。 厚生年金保険法等の一部を改正する法律案に対する附帯決議 政府は、次の事項につき、適切な措置を講ずるよう努力すべきである。 一 年金額については、さらに増額するとともに、物価の上昇、生活水準等を十分勘案してすみやかにスライド方式の確立に努めること。 一 積立金の運用については、被保険者の福祉が最優先するようにするとともに、拠出者の意向が十分反映するよう民主的な運用に努めること。 一 五人未満事業所の従業員に対する厚生年金保険の適用については、他の社会保険制度との関連も考慮しつつ、すみやかにこれが実現するよう努力すること。 なお、日雇労働者に対しては、その雇用の実態を勘案し、これが適用についても引き続き検討すること。 なお、本改正案審議の過程において、年金額引き上げの実施時期についてはこれをさらに繰り上げるべきであるとの意見があったことを付言いたします。 以上であります。 何とぞ委員各位の御賛同をお願いいたします。
○倉成委員長 本動議について採決いたします。 本動議のごとく決するに賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○倉成委員長 起立総員。よって、本案については伊東正義君外三名提出の動議のごとく附帯決議を付することに決しました。 この際、厚生大臣より発言を求められておりますので、これを許します。厚生大臣内田常雄君。
○内田国務大臣 ただいま厚生年金保険法等の一部を改正する法律案を御可決いただきまして、ありがとうございました。 付帯して御決議のありました諸事項につきましては、その趣旨を尊重いたしまして、政府としてもでき得る限りの努力をいたす所存でございます。 ————◇—————
○倉成委員長 次に、児童手当法案を議題とし、審査を進めます。 他に御発言もないようでありますので、これにて本案についての質疑は終了いたしました。 —————————————
○倉成委員長 次に、本案を討論に付するのでありますが、別に申し出もありませんので、直ちに採決いたします。 児童手当法案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○倉成委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。 —————————————
○倉成委員長 この際、伊東正義君、田邊誠君、大橋敏雄君及び田畑金光君から、本案について附帯決議を付すべしとの動議が提出されておりますので、その趣旨の説明を求めます。伊東正義君。
○伊東委員 私は、自由民主党、日本社会党、公明党及び民社党を代表いたしまして、本動議について御説明申し上げます。 案文を朗読して説明にかえさせていただきます。 児童手当法案に対する附帯決議 政府は、児童手当制度の創設の経緯とその重要性にかんがみ、次の事項につき、すみやかに検討し、改善を図るべきである。 一 児童憲章の精神にのっとり、児童の福祉の増進を期するため、さらに児童手当制度の充実を図るとともに、児童福祉対策の大幅な拡充に努めること。 二 児童手当の額は、児童養育費の増嵩の傾向を勘案して、今後さらに引き上げるよう努めるとともに、その改訂の時期については他の社会保障制度との関連を考慮すること。 三 支給要件児童の十八歳未満という制限は、一定程度以上の心身の障害のある児童については、これを緩和することを検討すること。 四 第三子以降の児童となっている支給対象児童は、将来できるだけ早急に拡大するよう努めること。 五 児童収容施設に収容されている措置児童についても、児童手当の支給要件児童とするよう努めること。 六 児童手当の支給についての所得制限をさらに緩和すること。 七 児童手当の認定、支払等については、生活の実情に即して、その運用について万全を期すること。 八 特別児童扶養手当制度の支給の対象となる障害の範囲を拡大するよう努めること。以上であります。 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
○倉成委員長 本動議について採決いたします。 本動議のごとく決するに賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○倉成委員長 起立総員。よって、児童手当法案については、伊東正義君外三名提出の動議のごとく附帯決議を付することに決しました。 この際、厚生大臣より発言を求められておりますので、これを許します。内田厚生大臣。
○内田国務大臣 多年懸案となっておりました児童手当法が、今回当委員会において御可決をいただきましてまことにありがとうございました。 ただいま御決議がございました諸事項につきましては、その御趣旨を十分尊重いたしまして、政府といたしましても今後において努力をいたしてまいる所存でございます。 —————————————
○倉成委員長 おはかりいたします。 ただいま議決いたしました両案に関する委員会報告書の作成等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○倉成委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。 ————————————— 〔報告書は附録に掲載〕 ————◇—————
○倉成委員長 次に、視能訓練士法案を議題とし、提案理由の説明を聴取いたします。内田厚生大臣。 —————————————
○内田国務大臣 ただいま議題となりました視能訓練士法案について、その提案の理由を御説明申し上げます。 最近における眼科医療の著しい進歩によりまして、斜視、弱視などにより両眼視機能に障害のある者を幼少時の段階で矯正治療することが可能となってまいりました。 全国の児童のうち、この矯正が可能な者は約四十万人と推定されておりますが、これらの児童が現状のまま放置されるならば、正しい遠近感を欠き、対象を立体的に見ることができず、日常生活上または教育上種々の悪影響を受けることになります。 したがって、これらの児童に医学の進歩の成果を享受させ、早急にその障害を矯正治療することが急務であります。 この矯正治療にあたっては、眼科医がその全部をみずから行なう必要はなく、長期間にわたる矯正訓練やこれに必要な検査は、眼科医の指示のもとに、一定の知識技能を修得した専門技術者に行なわせるのが効率的であり、また現にこのような技術者を養成する要望がきわめて高いのであります。 このような現状にかんがみ、新たに視能訓練士の資格制度を定めることとし、ここにこの法律案を提出した次第であります。 以下、その内容について概略を御説明申し上げます。 第一に、この法律案におきましては、視能訓練士の資格を定めるとともに、その業務が適正に運用されるように規律し、もって医療の普及及び向上に寄与することを目的としております。 第二に、この法律案において視能訓練士とは、厚生大臣の免許を受けて視能訓練士という名称を用いて、医師の指示のもとに、両眼視機能に障害のある者に対する機能回復のための矯正訓練及びこれに必要な検査を行なうことを業とする者をいうこととしております。 第三に、視能訓練士になるためには、視能訓練士国家試験に合格し、厚生大臣の免許を受けなければならないこととし、国家試験の受験資格を、文部大臣が指定した学校または厚生大臣が指定した養成所において、高等学校卒業者については三年以上、短期大学の卒業者等については一年以上、視能訓練士として必要な知識技能を修得した者に与えることとしております。 なお、この法律が施行された際、現に病院または診療所において、医師の指示のもとに、両眼視機能の回復のための矯正訓練及びこれに必要な検査業務に従事している者で、その業務に従事した期間が五年以上あること等の要件を満たしたものは、昭和五十一年三月三十一日までは受験資格の特例を認めることとしております。 第四に、視能訓練士にその名称を独占させ、視能訓練士でない者は視能訓練士という名称またはこれにまぎらわしい名称を用いてはならないこととしております。 以上がこの法律案を提出する理由でありますが、何とぞ慎重に御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願い申し上げます。 —————————————
○倉成委員長 質疑の申し出がありますので、これを許します。川俣健二郎君。
○川俣委員 視能訓練士法、一般社会から見ると、目新しいことばで耳なれない法案でございますが、しかし、その対象になる人方はおそらくかなり心待ちに待っておる法案でもあるかと思います。そこで私は、具体的な質問に入る前に、私は専門でもございませんので、ただ眼科医師会方の代表の声をここに質問として用意してございますので、そういったものを中心に伺っていきたいと思います。 最近こういった身体障害者、それから精神病、成人病対策の進展の一環として、いわゆるリハビリテーション業務の重要性が特に高まってきたと思います。そこで、こういう業務に従事する各種の医療従事者のいわゆる制度化でございますが、これに対して厚生省はどういう基本的なお考えを持っておるか、まず大臣にお伺いしたいと思います。
○内田国務大臣 川俣さんも御承知のように、近年、医療ということばの概念がかなり広まってまいりまして、病気になったその現象を治療するということだけではなしに、病後の社会復帰、機能回復ということに医療の重点が向けられるようになってまいってきたことは御承知のとおりでございます。さような意味から、リハビリテーション業務の重要性というものが各方面から唱えられ、したがってまた、このリハビリテーション業務を担当する専門の職種につきましていろいろの御提言がこれまでもございました。たとえば、昭和三十八年の厚生省にございました医療制度調査会におきましても、そのような見地からリハビリテーションに従事する専門職種として、機能療法士あるいは物理療法士もしくは理学療法士、また職能訓練士とか職能療法士、さらにまた言語療法士、難聴訓練士、弱視訓練士、こういうような専門職種の名前をあげまして、これらのものについての教育とか養成とかその業務内容を確立すべきことを意見具申をしてまいられました。これらのうちには、川俣さんが御承知のように、名前はいまの名前と違いますけれども、理学療法士とかあるいはまた作業療法士でありますとか、いわゆるOT、PT、そういう職種として制度化されたものもございまして、それの一環としての考え方が、ただいま御提案を申し上げておりますこの両眼視機能のリハビリを仕事とする視能訓練士についての法制でございます。 でございますので、時代の変遷に応じまして、リハビリテーションというものを重視すると同時に、そのための専門職種についての法制、養成ということも、私どもはつとめることを計画をいたしておるわけでございまして、まだたとえば言語療法士あるいは耳のほうの難聴訓練士、これは今後どういうことばになるか知りませんが、そういう方面の職種には手がついておらないわけでありますけれども、これらにつきましても、厚生省はすでに十分の調査やまた施策についての準備を進めておるような状況でございますので、こういう面につきましても、川俣さんの御発言の御趣旨に対応して充足をはかってまいりたいと考えている次第でございます。
○川俣委員 そういう大方針のもとに当局はおやりになったと思うのですが、そうしますと局長、こういった各種の訓練士はかなり多岐にわたるんだろう、各種にわたるんだろうと思います。そこで、これがもし制度化されれば、例のOT、PT、それからまあこれはORTですか、こういったような略称でいっておるとすれば、まだいま大臣がおっしゃったように言語と難聴、いわゆるST、AT、こういったものの方向づけというか、検討中なのか、その辺も伺いたい。
○松尾政府委員 ただいま御指摘の残された問題といたしましての言語療法士あるいは難聴訓練士、この関係につきましても、昭和四十年以来、本日議題にしていただいております視能訓練士と同時に研究会を発足させまして、各専門家の方々の部門別の御検討をいただいてまいっております。大体におきましてこういう業務を早く区分すべきである、また、どの程度の資格であり、どういうカリキュラムであれば大体可能であろうかということについては、大体の整理は専門的に立てていただいておるわけであります。ただ御承知のとおり、言語関係あるいは難聴関係につきましては、視能訓練のように単に医療機関の中だけで事を解決するわけにはいかないような事情がたくさんございまして、たとえば特殊教育関係というようなところにこういう方々の仕事があるわけでございますので、そういったようなことについてさらにもう少し調整した上でやるべきではないか、こういう段階にただいま到着しておるような状況でございます。
○川俣委員 それではORT、ST、ATと三つに分けた場合に、一体一億の人口の中に占める対象者というのはどのくらいいるものなのか、教えていただきたいのです。
○松尾政府委員 言語障害と難聴のほうにつきましては、視能訓練の対象になりますもののような精密な調査をまだ実施いたしておりません。したがいまして、確実に全国的に幾らあるかということはお答えできないような状況でございます。視能訓練の対象につきましては、ただいま提案理由の中にもございましたように、各種の調査をもとにいたしまして、中学校以下という人口にかけ合わせますと約四十万、こういうように推定をされておる次第でございます。
○川俣委員 私は、自分だって全然資料ががあるわけではないから、斜視、弱視の四十万人以上に難聴でかなり弱っている人を見受けるわけだ。そういったことを考えると、もう少し局長に聞きたいのだけれども、さっき大臣がこういう進展とともにこういうのを検討するようになったのだというのだが、ST、AT、ORT三つの中でこれだけをなぜ先にピックアップして制度化しようとしておるのか。いますぐに次々と来るというのなら話はわかる。ST、ATというのはまだ全然対象人員もつかまえていないということであれば、私はまだ検討の段階ではないだろうかと思うのです。そこを聞きたいのです。
○松尾政府委員 御指摘ごもっともだと思います。ただAT、STにつきましては、先ほど申しましたように、教育関係といったようなものとの調整をもう少しはかる必要があろうということでおくれたような次第でございまして、私どもは、気持ちといたしましては、かなり近い機会に引き続いて御検討をお願いするように運びたい、こういうように考えておるわけであります。その基本になりますいろいろな行政制度その他につきましては、先ほど申し上げましたように、ほぼ内容を固めていただいておる、こういう段階でございます。
○川俣委員 答弁に満足はしていませんが進みますけれども、視能訓練士というのは、斜視、弱視の対象人口四十万人を訓練するのにどのくらい訓練士を必要とするのか。そうして、これから発足してすぐに制度化されてどういう経過措置をしていこうというのか、その辺も聞きたいと思います。
○松尾政府委員 ただいま申し上げました四十万人というのは、中学校以下の推定対象でございますが、御承知のとおり視能訓練というものを実施いたすわけでございますので、きわめて若年の幼児というようなものでございますと、実際上の訓練対象としてはなかなか扱いがたいという性質もございます。したがいまして、一応比較的訓練の容易な五歳以上というものを直接の対象として考えてまいりました。 そういう子供の中で、ほんとうはどの程度の方が全部そういう訓練を受けていただくかということの詰めが一番むずかしい問題ではございますけれども、一応そういう五歳以上というものを想定いたしまして、一人のORTがどのくらいの所要時間が一人の子供にかかるかといったようなことも、大体実績を参考にしながら計算をいたしますと、約四千人の視能訓練士をとりあえず必要とする、こういうふうに大体推定をされるわけでございます。医療機関で現実にこういう仕事に従事いたしております人が約九百七十人調査によって浮かび上がっております。そのほかに国立の小児病院に、ただいますでに養成中でございますが、養成機関がございます。こういったようなものを差し引きまして新しく養成をしなければならないという数字は約千名であろうかと考えております。したがいまして、私どもは従来の従事しておられる方の経過措置というもの以外に、新たに千名程度のものを早急に養成する計画を立てる必要がある。私どもはこの制度ができましたならば、できるならば四十七年度から四カ年計画をもちまして約千人の養成ができる養成所の建設整備ということにつとめたい、かように考えておる次第でございます。
○川俣委員 そうすると、一人の訓練士が年間にどれくらいの子供を見られるものなのかということを伺いたいと思います。
○松尾政府委員 一人の年間の稼働時間数を約千五百六十時間とおいておりますが、それで一人当たり一週間に三時間子供にかかるということを計算いたしますと、一人の視能訓練士が年間に約二十二人というものを対象にし得るであろう、それを根拠にいたしまして先ほどのような数字を出しておる次第でございます。
○川俣委員 そうすると、いまの九百七十人、約千人は経過措置で教育して国家試験を受ければなるだろう、あとの千人は四カ年計画でやると二千人になるわけだ。そうすると、年間に四万四、五千人をやるわけですね。そうすると現在の四十万人をどういうふうに対象とするのか。 それから、これは医学的な問題に入ると思うのだけれども、やはり中学校、義務教育を終わってしまうとなおらないものなのか。それから、早くなおしたほうがいいんだろうから、そうしますと、四十万人という義務教育以下の人口よりも、一年間に生まれた者のうちの何割ぐらいが斜視人口になっているのか、その辺を聞きたいと思います。
○松尾政府委員 先ほどのお答えでまさに一年間に約四万三千人程度というものが一応消化されていくという計算になっております。その基本になりましたのは、五歳未満というような子供は四十万人の中から実際上の対象としてははずすべきであろう、こういう計算をしたものでございますから、四十万を全部こなすには少し低くなっておるという実態になっておるわけでございます。しかしながら、中学校を卒業したような段階になればもはやなおらないのかということでございますけれども、これは必ずしもなおらないとは申し上げにくいと思います。ただし、子供のときからこういう障害を持っておりまして、そのまま放置いたしますと、固定をいたしましてたいへんなおりにくいという実態になるわけでございます。したがいまして、幼児の時期あるいは小学校の時期というふうに、できるだけ早い時期にこの訓練を開始することが必要であるというふうに考えておるわけでございます。
○川俣委員 それでは、次に問題の養成機関の話に移りますけれども、この法案はこういうように理解していいですか。コースが大体三つあって、普通高校を出たあと三年間ぴっちり養成する、そして国家試験、これがAコース。それからBコースは、高校を出たあと最小限度二年間くらいの大学を出て、その間に厚生大臣が必要科目を指定して、それを受けた者は、今度は養成施設に一年間入る。そして国家試験を受ける。三つ目は、外国でそういう教育を受けてきた者はそれに準ずるんだと思いますが、これでいいのかどうか。
○松尾政府委員 養成のコースとしては、ただいま御指摘の前二つのものが国内における養成でございます。
○川俣委員 そこで、つい先ごろ、OT、PTの例の期限を延長するという——議員立法でしたから、私らのほうの立場なんだけれども、これについて非常に迷惑をした。というのは、もう延長をしないでくれという陳情団と延長をしてくれという陳情団と、これはコンピューターにかけたわけじゃないけれども、半々なんです。国会議員というのは何でもやるべきかもしれませんけれども、どうもその辺、厚省生の行政指導の結果がそうなってきたのか……。 そこで、九百七十人の話に移りますが、九百七十人はそういう教育を受けておるであろうから、すぐさま国家試験を通って、三、四年後には視能訓練士になるであろうという、その辺の自信のほどと、それから、一体どういう教育を受けておるのか、実際問題として日本にそういう施設は幾つあるのか、その辺を少し詳しく教えてもらいたいと思うのです。
○松尾政府委員 おっしゃるように、現に従事しておられる方が九百七十人おられるわけでございまして、この方々に一定の特例の道を開いておる、こういうことになっておりまして、それにはやはり一定の講習を受けて国家試験を受けるということになるわけでございます。その講習会といたしましては、関係学会等の御意見も承りまして、大体百二十時間程度の講習というものを私ども予定いたしておるわけでございます。 さて、そういうことによりまして、先般御迷惑をかけましたようなことがぼっと起こるかどうかという問題でございますけれども、ただいまの九百七十人の方の経歴を見ますと、その中で大学卒業者が百十七名、短大の卒業者が四百八十五名、高等学校を卒業した者が三百四十九名ということでございまして、あと中卒だけが十九名で、ただし、これは准看護婦だけに限っておるわけでございます。そういう状況でございますので、学歴と申しますか、基本的に教養の高い人が現実にこういう仕事に従事しておるという実態でございます。また一面、眼科学会等におきましては、こういう方々の制度ができていない時代でございましたので、みずからの手でいろいろと訓練をしてくるという努力をしていただいてきたわけでございます。そういうことを考慮いたしますれば、経過期間中にこの方々にはかなりの高い率で合格をしていただけるのではないか、万々御迷惑はかけなくて済むのではないかというふうに私どもは考えておる次第でございます。
○川俣委員 そうしますと、現在、九百七十人というのは、眼科のお医者さんについて助手みたいなことをやっているというように理解していいものなんですか。
○松尾政府委員 大体さようなことでございます。
○川俣委員 視能訓練士はあくまでも医者ではなくて訓練士だと思います。そこで、医者一人ではどうにもならないので、診察は医者がして、それからこういうテクニックをやりなさいと医者が指図してやらせる。実際問題としてそうやっておる。ただし、これではちょっと国家的な資格がないから心細いというので、資格を与えてくれという要求が強く出たからこういうことになったのか。 もう一つは雇用関係ですが、国家試験を受けたとはいうものの、受けただけじゃ就職にならない。国家試験を受けたあと、その雇用主はあくまでも医者とか診療所、病院とかいうものになるわけですね。その辺どうですか。
○松尾政府委員 もともと、この九百七十名の方々等は、きちっとした身分のもとで仕事をやるべきだという御要望があったことも事実でございます。もう一つは、眼科学会等そういう専門家の間でも、きちっとした身分、資格を持った人によってこういう新しい仕事を正確に展開すべきであるという専門的な御意見があって、それらが両々相まった次第でございます。 〔委員長退席、増岡委員長代理着席〕 それから、こういう方々は国家試験を通りましたあとでどういうふうな雇用関係になるかということでございますが、これはあくまで医療機関においてお働きになる、こういうように私どもは考えております。
○川俣委員 そうしますと、養成機関をつくって訓練士をつくる、そこまでは当局の責任でやるということで、今度は、資格を与えたあとに、処遇というか、給与面でも一応格づけをされるわけですか。
○松尾政府委員 この制度が発足をいたしましたならば、特に国立の機関につきましてはそういう位置づけというものが確立をするはずでございます。
○川俣委員 はずというよりも、もう格づけするわけでしょう。
○松尾政府委員 そのとおりでございます。
○川俣委員 それから、いつもこういう制度のときには思い出すのですけれども、沖繩の場合は、さっき言った経過措置——もう一ぺん経過措置を確認します。私はこういうように法律からとりました。九百七十人というのは、実際に少なくとも五年以上の業務経験がなければだめだ。二つ目は、高卒でなければだめだ。ただし、准看の場合はこの限りにあらず。三つ目は、大臣が指定した講習会を受けた者であればよろしい。こういうのが大体九百七十人くらいいるであろう。それに国家試験を受けさして、視能訓練士にするんだ。これが経過措置だ。こういった場合、沖繩に住んでいる人方もこれと同じ対象にできるのかどうか。
○松尾政府委員 沖繩におきましては、現在私どもがつかんでいる範囲では、このような九百七十名に相当される方はいないという状況でございます。しかしながら、制度的に考えていきますならば、復帰の時点でもしおられるとすれば同様な取り扱いをする、こういう方針になるわけでございます。
○川俣委員 それから、うしろに諸外国の資料も若干ついておりますけれども、局長、これはかなり先進国であり、医学的にかなり進歩しているところでないとだめだというような資料に見えるのですが、やはりそういうものなんでしょうか。
○松尾政府委員 私も、やはり大体そういうような背景がないと、こういうことは育ちにくいと考えております。
○川俣委員 そうすると、少し詳しく聞きますと、これはどうしても機械にたよるものがあると思います。そうしますと、ある眼科医が視能訓練士を一人雇って、そして機械設備を入れる。機械設備そのものにはどのくらいの費用がかかるものなんですか。
○松尾政府委員 いろいろな機械がございまして、それをどの程度組み合わせるかということでございますから、一がいに全部というわけにいかぬかと存じますけれども、必要とされるもの全部集めてしまうということにいたしますと、約七百万程度かかるであろうと思っております。
○川俣委員 それから、ぼつぼつ結論的になりますが、さっき一番先に話したように、リハビリテーション業務というのは、これからかなり重要なあれを占めてくると思います。治療する、そして復帰させるということだと思います。その場合に、日本の場合は、世界的に見た場合、医学的な進歩の度合いとこのリハビリテーション業務というものが一体並行しているものなのかどうなのか。それともリハビリテーションだけがおくれて医学がうんと進歩しているのか。それから諸外国の情勢、その辺も聞かしてください。特に視能訓練士に限ってでもけっこうです。
○松尾政府委員 総括的に申し上げますと、日本におきます医学の進歩に比べますと、かような社会復帰関係、リハビリ関係というものは非常におくれていると私どもは思っています。その証拠といたしまして、たとえば先ほど来大臣もお答えがございましたように、理学療法士とか作業療法士とかいう職種自体が昭和四十年に生まれておるということで、たいへんおそまきでございます。また、先ほど来先生も御指摘のように、OT、PTにつきましても、ほかの国におきましては二千名とか三千名とか資格を持った人が相当おるというにもかかわらず、まだ日本ではいまからスタートしなきゃならない、こういうことから見まして、率直にいって、医学の進歩に比べれば、こういう施策は非常におくれているというふうに私は考えております。
○川俣委員 そのおくれているというところなんですが、結局こういうことだと思うのです。くどいようですけれども、さっきのOT、PTの問題のときに、私は私なりに両方の言い分を聞いてみた。両方の陳情団がわんさわんさ来たわけだが、そうすると、片一方のほうは、いまのあんまさんとかマッサージ師なんかを国家試験受けさしてやらしたところで、かえって患者を悪くしてたいへんな事故が起きていますよと言う。これは極端かもしらぬけれども、そういうあれがかなりある。それから、こちらのほうの期限を延長してくれという人方は、いままで試験は一回しか受ける機会がなかった、また一回も受けることがなかった、まだ三千人もいるのだ、だから五年間じゃ経過措置は足りないから、もっと延ばしてくれたっていいじゃないか、こういう言い分なんです。そこで問題は、やはり厚生省当局に来ると思うのです。こういう訓練士を養成する機関がぴちっとしていなければ、いつまでたったってこういうことになると思うのです。そこで、どういう学校をどこにどのように建てる気なのか、あるいはいまある医学部等にそういうものをつける気持ちなのか、そして、こういう予算的なものはどうなっているのか、その辺もお聞きしたいのです。
○松尾政府委員 御指摘のとおり、こういう制度ができましても、それに見合うだけの人をつくっていく、十分に必要な量をこなすだけの数を養成するということがまことに緊急不可欠な問題でございます。先ほど私どもが四十七年から着手したいと申しました計画を簡単に申し上げたわけでございますが、私どもの計画といたしましては、一年コースを四つ、それから三年コースを八つという程度、合計十二というようなものを一応頭に置いていろいろと計画を進めたい、こういうように考えております。 その中で、ただいまは国立小児病院に一年コースが一カ所だけでございますけれども、今後はどういうところにこれを設置するのか。これはやはり設置する側のいろいろな意向も聞かなければならない問題でございます。ただいままでに私どものところに、こういう法律ができるということで、そういう可能性を持って引き合いをいろいろとしてきているところが国立大学関係で三カ所もございます。それから、県独自でそういうものをつくりたいというところもさらに一カ所ほど、いろいろと打ち合わせのためと申しますか、いろいろな情報を聞きたいということで出てまいっておるわけでございますので、私どもやはりこういう従来の経験から見まして、できるならば国立の大学等の付属ということが一つ、それから各都道府県等の公立のものを置きたい、また、国立病院もすでに持っておりますけれども、国立病院等にもこういう養成施設をつけるということで大体こういうものを消化したいと念願をいたしておるわけでございます。したがいまして、これは文部省との所管の問題もございますけれども、今後の具体的な実施の中においては、そういうような予算措置も十分講じてまいりたいと思っておるわけでございます。
○川俣委員 大臣、最後にお伺いしたいのですが、きのうの児童手当にしろ、この新制度にしろ、大臣いろいろと御苦心のほどが見えますが、新制度を発足して、問題は今後のアフターケアだと思います。そこで、いま局長も言っておりますが、やはりこれだけの国立大学の付属がほしい、養成所がほしい、こういうことです。そうすると文部省との関係がある、したがって大蔵省との関係もある。こういったものに対する話し合いがある程度できておるのかどうか。 それから、せっかく最後に立っていただくので時間がないですから……。日本の場合はリハビリテーションがかなりおくれておる、医学が進歩しているわりあいにリハビリテーションはおくれておるということに対して、再度大臣からお話を聞きたいのです。
○内田国務大臣 リハビリテーションがおくれておるということは、専門的に医務属長からも先ほど述べたとおりであり、また、私からも申し上げたとおりでありますが、これは私ども厚生省あるいはまた医療を担当する学会その他の方面の意識をも含めて、今日ではこの問題が非常に重要性をもって取り上げられてきておるということは、私はまことにけっこうなことであると思います。しかしその場合に、リハビリテーションの性格上、それは医師が全部やらなければならないものではなしに、医師の指導のもとにいろいろの分野における専門職種というものがそろっていかなければ、理論的にリハビリテーションの重要性に関する意識が上がりましてもこれが動きませんので、したがって私どもは、こういう今日のいま申しましたような認識のもとに、おくればせではございますが、専門職種の分野というものを確立し、そしてこれを養成していこう、こういう努力をいたそうとするものでございますので、おくれたものはおくれたものとして放置をすべきではない、かように考えます。 その際、養成所の設置等につきましてはもちろん資金を要することでございますし、予算もかかることでございましょうが、当面、現に国立の小児病院にはその一つのサンプルのようなものもできておりますので、同じような仕組みを他の国立の病院あるいは国立大学付属病院というようなものに広めるということはそんなにむずかしいことではない。したがいまして、それは将来さらに、私などの野望としては、医科大学にそういう学部さえもできるというような時代も必ず来ることを所期いたしつつ、当面はこの養成所の新設、充実ということでまいりたい。そのことにつきましては、各方面と着々と打ち合わせを進めた上でこの法律案を出している次第でございます。
○川俣委員 終わります。
○増岡委員長代理 次に、古寺宏君。
○古寺委員 非常にリハビリテーションがおくれているわが国の医療制度の中に、こういう新しい視能訓練士という制度ができるということは、非常にけっこうなことだと思うのですが、こういう視能訓練士ができた場合のいろいろな問題に対して、やはり今後対処していく必要があると思いますので、二、三の点についてお伺いをしたいと思います。 最初に、最近は農薬による疾患が非常にふえております。さきの予算委員会の際にも総理がおっしゃっておりました佐久の眼病の件ですが、この研究費についてはその後どういうふうになっているか、まず承りたいと思います。
○松尾政府委員 佐久地方において燐の系統の農薬によるものと思われる学童の視野狭窄、こういう疾患が指摘されていることは事実でございます。ところが、この問題につきましては、先生も御専門で御存じかと思いますが、たぶんことしの春であったと思いますが、春の学会におきましても、その原因につきましてはほかの面から反論が出たというのも事実でございます。私どもといたしましては、ただいま担当の科学技術参事官を中心にいたしまして、そういうような二つの説があるわけでございますが、この問題についてはいずれにしてもとにかく結着をつけると申しますか、研究を進める必要があるということで、ただいまその研究費を出したいということで、眼科学会と私どもの科学技術参事官がいろいろ打ち合わせを始めておる、こういう段階になっております。
○古寺委員 それはできるだけ早い機会に決定をしていただきたいと思います。 そこで、この視能訓練士ができまして視能訓練を始めるわけでございますが、先ほどのお話によりますと、五歳以上の児童を対象にするというお話でございました。そこで、この視能訓練を始める前には視力の検査を行なわなければならないわけでございますが、現在は小学校入学時以降において視力の検査というものが行なわれておるようでございますが、保育所あるいは幼稚園において視力検査を行なう必要があるんじゃないか、こういうように思うのですが、この点についてはどうでしょうか。
○坂元政府委員 保育所につきましては、確かに学校に入学するまでの子供さんがだいぶおるわけでございますので、ただいま御指摘のように、保育所の中の子供の健康管理という立場から、従来いろいろな予算も、保健指導、保健衛生という形で計上はいたしておりますが、残念ながら、現在のところ適確な視力の検査等を保育所においては実はやっていないわけでございます。したがいまして、こういう視能訓練士法というものが制定されるときでもございますので、今後保育所の保健衛生の管理等につきましては、保母さん等の監察指導というようなことをもう少し現実面においてうまくやってもらうように指導をやってみたい、こういうふうに考えているわけでございます。
○西村説明員 五歳児以下の視力の検査につきまして、幼稚園についてお尋ねがございましたけれども、幼稚園につきましては、学校保健法に基づきまして定時または臨時の健康診断をするということになっておりまして、これを実施しております。 なお、就学前の児童につきまして健康診断をするという規定が学校保健法施行令に定められて実施しておる、そういうわけであります。
○古寺委員 文部省にお尋ねしますが、学校教育法に基づいて幼稚園あるいは学童に対して行なっている視力の測定は、どういう方法でやることになっておりますか。
○西村説明員 学校保健法の施行規則にその方法が書いてあるわけでございますが、「方法及び技術的基準」というのがございまして、第一条の第六号「視力は、万国式視力表を用いて左右各別に裸眼視力を検査する。その結果裸眼視力が一・〇未満の者については、矯正視力を検査し、屈折異常の種別を明らかにする。」、以上のような方法によりまして検査をしているわけでございます。
○古寺委員 その裸眼視力でございますが、この場合に板つきレンズを使うわけですか。
○西村説明員 私、専門家でございませんけれども、専門家の意見によりますと、それを使うというぐあいになっているということでございます。
○古寺委員 その学校教育法で定められたような視力の測定をやっている学校は非常に限定されていると思います。ほとんどの学校では、レンズを用いない普通の裸眼の測定だけをやっております。また、一以下の人に対しても、矯正視力の測定というものはほとんど行なわれていない、こういうのが実情でございます。そのために、今回のこの法案の参考資料にも載っておりますが、わが国には四十万人以上の弱視の対象者がいる、こういうふうになっておりますが、そういう人たちが現在放置されている、こういう実情でございます。 そこで、文部省では、今後こういう新しい制度ができますが、この線に沿ってどういう測定方法を行ない、どういう対策を考えておられるか、承りたいと思います。
○西村説明員 現在、学校保健法に基づきまして、定期または臨時の健康診断をいたしておるわけでございますけれども、学校の立場といたしましては、その健康診断によりましてよく児童生徒の実情を掌握をいたしまして父兄に連絡をとる、そうして健康相談をする、必要に応じて精密検査を行ない、専門医の手当てを受けるというような指導をやっているわけでございますけれども、こういう新しい制度ができました場合に、やはり学校といたしましては、健康診断を活用して、そういった視力等の健康状況を把握をいたしまして、的監な健康相談を行ないまして、こういった新しい制度の視能訓練士等の措置を受けるというようなことが検討されてしかるべきであるというように考えております。
○古寺委員 そこで今後は厚生省にお尋ねするのですが、この制度ができましても、この施設あるいはこういう機器に非常にお金がかかります。しかもほとんどの機械は外国からの輸入品でございます。こういう施設に対しては厚生省としてはどういう対策をお考えになっていらっしゃるのですか。
○松尾政府委員 国立機関自体でございますれば、その中の予算によって整備をしていくということでございます。一般の民間の医療機関でかようなものを整備したい、こういう場合につきましては、医療金融公庫の融資の中でこの問題は取り扱うことといたしております。そういうようなことで促進をはかりたいと思っております。
○古寺委員 この視能訓練を行なった場合には、大体どの程度の回復が期待されますか。
○松尾政府委員 学会の定説とされているものによりますと、一般の弱視の場合には大体二〇%から三〇%くらいは正常視力、すなわち一・〇というところまで到達をする。しかし、この一・〇まで到達をしない者を含めましても、大体全体で八〇%が改善される、こういう結論になっております。それからまた、弱視の場合でも、それよりやや正常視になる率は高うございまして、約四〇%近くは一・〇まで到達することができる。そういう者を含めましてやはり八〇%がきわめて大きな視力の改善ができる、こういうことになっております。
○古寺委員 この法案によりますと、医師の指示に基づいて業務を行なうことになっていますが、独立して業務を行なうというようなことも考えられますか。
○松尾政府委員 独立してこの方々が業務を行なうということは考えておりません。あくまで医師の指示のもとに働くということでございますので、この働く場所は病院と診療所の中、こういうことでございます。
○古寺委員 この視能訓練士が往診をしたり、あるいはまた巡回診療と申しますか、そういうような立場で訓練を行なったり、あるいは先ほど申し上げましたように、学校にそういう対象者が非常に多くて、学校へ出向いてそういう訓練を行なうというようなことも認められているわけでございますか。
○松尾政府委員 先ほど申し上げましたように、医者の指示によってこの業務が行なわれるわけでございますから、医者がそういうような場所におもむきましてそこでやっておるという場合には、その視能訓練士の方がそういう場所で仕事をするというようなことはあり得るわけでございます。理屈の上ではそのとおりあり得ると考えております。ただ現実の問題としましては、先ほど来先生も御指摘のように、この訓練のために相当の設備を必要といたしておるわけでございますので、外に出向いてその設備を使うということはきわめて大きな制約を受けるということでございまして、事実上はほとんど不可能に近いのではないかと考えております。
○古寺委員 第十八条に、視能訓練士は、厚生省令で定める矯正訓練または検査を医師の具体的指示がなければ行なってはならない、こういうふうにございますが、これはどういう場合を想定しているわけでございますか。
○松尾政府委員 一般的に申し上げれば、医師が患者を十分に診察をして、その状態に応じてきわめて個別的、具体的な指示をしなければ危険である、こういうことを想定しておるわけでございまして、たとえば、例といたしましては、目の検査をいたしますために散瞳薬を使う、点眼薬を使う、こういうようなことが可能な場合もございますが、これは先生も御承知のとおり、たとえば緑内障の傾向があるといたしましたならば、そうむやみに点眼をするということはそれを増悪させる危険がございます。したがいまして、そういう場合には、あらかじめ医者が眼圧測定その他の方法によって、きちんとその薬剤の処理まできめるということを具体的にいたさなければきわめて危険であろうと思います。そのほか眼底の写真を撮影する場合でございますが、この場合でも、やはり未熟児等の場合にいたずらにそれをやるということは危険があります。それから網膜の働作電流といったようなことについても、やはりそういう可能性がある、こういうことでございます。 また、矯正訓練につきましても、たとえば融像訓練法とかいうような特殊な、あるいは眩惑刺激法のごとき強い光を当てて網膜の一部分を見えなくするというようなことも、やはり医者が患者についての診断をした上で、具体的にこういうことを指示しなければ危険である、こういったものをすべてこの十八条の中で規定をしたい、こういうふうに考えております。
○古寺委員 そこで、この新しい制度ができまして、病院の施設のあるところでは、こういう矯正を受けられるわけですが、地方の場合にはその施設が非常に少ないために、こういう恩恵を受けられないわけですが、そういう地域差を解消する対策としてはどういうふうにお考えでしょうか。
○松尾政府委員 御指摘のとおり、かなり高度の設備等を持ち、またそういう医者の方面におきましても、相当エキスパートのいるようなところからこういうものが進んでくるということでございますので、勢い大きな病院においてこういうものが最初に進展するであろうということは、御指摘のとおりでございます。また、そういうことのために、そういう機能の高い病院が比較的大きい都市に集中するということから、地方都市あるいは地方のいなかのほうでは、なかなかそういう機会に恵まれないというようなおそれがあることは私どもも同感でございます。 ただ、こういう視能訓練士というのが、先ほど来のように養成によって相当多く出るということが一つ。また、私どもが国立病院その他におきましても、そういうことを十分考慮しながらこういう整備をしていくということでカバーする、こういうことが第二点。それからまた、先生も御承知のように、全国の眼科の先生方が相当方々におられるわけでございますが、こういう方々もこういう問題については非常に熱意をもっていままで推進をしてきていただいているという背景もございまして、御指摘のような点がいろいろ起こってくるということは当分あるかと思いますけれども、それはただいま申し上げましたようなことを考慮いたしまして、地方におきましても、できるだけそういう子供たちが訓練を受けられるような機会の拡充ということにつとめてまいりたいと思います。
○古寺委員 それから、特例経過措置の中に、国家試験の受験資格としては高校卒であるということが一つの条件になっておりますが、高校卒でないところの准看護婦の場合はどうなるでしょうか。
○松尾政府委員 原則以外に厚生大臣が定める場合が掲げてあるわけでございまして、私どもはやはり准看護婦につきましても、これは高卒でない准看でございましても、准看の教育課程の実態及びその後のいろいろの仕事というものを勘案いたしますれば、当然こういう場合の受験資格として認めていい対象になるであろう、かように判断しておりますので、准看護婦はこの中に加えるつもりでございます。
○古寺委員 次に文部省に対してお尋ねしたいのですが、こういうふうに訓練をすることによって弱視というものは矯正ができるわけです。こういう点については学校ではどういうような指導を実際になさっているんでしょう。
○西村説明員 先ほど申し上げました健康診断によりまして、ひとつ早期発見につとめたいということでございます。そうして、学校自体が直ちに手当てをする、治療をするというようなたてまえになっておりませんので、父兄とよく相談をいたしました上で専門医の指導を受けるというような措置をなるべく迅速に、的確にやるというような指導をやってまいりたいというふうに考えております。
○古寺委員 実際には中学校へ入ってから、あるいは高校入学当時になってから視力障害があるということが発見されている事例が多いわけですね。そういう面からいって、やはり学校における視力の検査というものをもっと厳重に徹底をしてやりませんと手おくれになってしまう、こういうことも考えられますので、今後こういう面については文部省としてはどういう方針で措置をなさるか、もう一度お伺いしたい。
○西村説明員 学校には学校医等が置かれることになっておりまして、その学校医がいまのような迅速な措置を的確にやっていただくということが必要であると思うわけでございまして、その面の指導を徹底いたしますと同時に、弱視の者につきましては、現在弱視学級というようなものが置かれるような状況になっておりまして、学校医等の研究会にもそういったような問題の取り扱いが議題になるというような状況でございますが、そういうところの研究というものをもっと進めるようにいたしまして、われわれもまた御指摘のような的確な手当てが迅速になるべく早い機会にできるというような措置が、そういうような研究会等を通じましてできますように、今後指導してまいりたいというように考えている次第でございます。
○古寺委員 弱視学級というのは全国でどのくらいございますか。
○西村説明員 現在は小学校の場合二十二学級、中学校で四学級という状況でございまして、これは現在教育上特別な配慮をする視力障害者に対してはかなり少ない数であるというように考えております。
○古寺委員 東北では、私が知っているのは一カ所ございますが、非常に少ないんですね。そういうところへ、東北の六県なら六県の弱視の子供を集めてそれで矯正をするなんということはとうてい不可能だと思います。ですから、今後この弱視の学級は大幅にふやしていただきたいし、また、治療の時間の問題がございます。学校からセンターへ行って治療を受ける時間というのは非常にかかるわけでございますが、そういう時間の配慮の問題、それからもう一つは、非常にリハビリの点数は安いのですが、長い期間になりますと相当の父兄負担になるわけです。そういう時間の問題と、父兄負担の軽減の問題については、文部省としてはどういうふうにお考えでしょうか。
○西村説明員 時間の問題につきましては、ひとつそういったハンディキャップを持っている子供に対する指導上いろいろ教員の特別な配慮というものが必要であろうと思いますし、学力が他の生徒と比べておくれをとらないようにということで指導を特別に考えていくというような配慮が必要であろうと思います。 また、費用の問題につきましては、特に医療保護、準要保護の児童生徒につきまして、これも国が、弱視というような形ではございませんが、一般的に医療保護というものの財政的な援助という中でもってやるというようなことになっておるわけでございます。
○古寺委員 文部省はほんとうは何もやってないですね。そういう指導も徹底されておりません。ですから、この制度の発足と同時に、そういう面の指導を徹底いたしまして、それで弱視はなおるということをひとつ教えていただきたいわけです。弱視はなおるんだ、矯正することができるんだということを希望を与えていただきたいと思うのです。そのことによって次代の日本を背負って立つ学童がりっぱに矯正されていく機会を与えられるわけですから、そういう面については特に配慮していただきたいと思いますし、また、医療保護を受けている人だけがそういう恩恵を受けるのだという考え方ではなしに、何かしら父兄負担の軽減の方向というものを見出して、そしてすべての視力の弱い子供がこういう機会を与えられるように考えていただきたいと思います。いかがでしょうか。
○西村説明員 御趣旨の線に沿って努力をしてまいりたいと存じます。
○古寺委員 次に、厚生省にお尋ねしたいのですが、今回の法案に出ているのは、いわゆる機能の障害、機能弱視の場合でございますが、今度は先天性の場合がございます。いろいろな目の疾患がございます。その中でも特にグリオーマ、これは現在小児ガンが盛んに問題になっておりますが、これもガンの一種でございますけれども、これに対しては厚生省はどういうような援助をしてくださっているのでしょうか。
○松尾政府委員 その問題につきましては、小児ガンの例の研究費のカテゴリーの中で処理をするというふうになっているはずでございます。
○古寺委員 それから未熟児の大体一六%に出現するといわれている水晶体後線維増殖症というのがございます。これは大体一六%発現するというようにいわれておりますが、この治療は光凝固法という治療法があるわけでございます。しかしその機械が非常に少ないことと、一回の治療費が非常に高いのですが、この水晶体後線維増殖症について、厚生省はどういう対策をお考えになっているのでしょうか。
○松尾政府委員 特殊なそういうもの自体について特別に未熟児の目の光凝固装置というものを整備するとか、そういう具体的なそのものずばりには措置はいたしておりません。
○古寺委員 これは初期のうちに治療いたしますと相当の効果があるわけなんですが、こういう面も考慮いたしまして、今後積極的に援助をしていただきたいと思います。 そこで、科学技術庁にお願いしたいのですが、この光凝固法という治療法のための機械、あるいは今度のこの視能訓練士がいろいろ使いますところの機器でございますが、こういうものがすべて外国からの輸入でございます。こういう面については、やはりGNP第二位であるとか経済大国というふうに日本はいわれているわけですから、こういう面の開発促進というものが一番大事なことではないか。日本の将来にとって、また国民の生命、健康を守るという立場からいっても、最も大事なことではないか、こういうふうに思うのですが、そういう点について科学技術庁はどういうふうにお考えでしょうか。
○小久保説明員 ただいま先生御指摘のような問題につきましては、まず第一次的には厚生省のほうでお考えいただくべき問題かと存じます。科学技術庁としましては、その試験研究経費の見積もり方針の調整、そういったものを通じまして、そういったものが充実するように強力な推進をはかってまいりたいと思っております。 そのほかに、先生御承知と存じますが、私どもに特別研究促進調整費という予算がございます。これはごく簡単に御説明申し上げますと、各省庁が一緒になってやったほうがいい、そういった総合研究と申しておりますが、そういったものの経費、それから緊急研究と申しますか、年度途中において、つまり前年度の概算要求当時には予見できなかった新しい事態が発生した、しかも次の概算要求まで待っておれない、そういった緊急事態が発生した場合に備えましてお預かりしている経費でございますが、そういった調整費を支出することが研究の推進の大幅な向上になるというようなことであれば、私のほうも喜んでそういったような面にも協力さしていただきたいと存じております。いずれにしましても、具体的には詳しい事情を私ども承知しておりませんので、厚生省のほうとよく相談いたしまして、できる範囲で、できる分から取り上げてまいりたいと思っております。
○古寺委員 こういうようないろいろな非常に大事な機器の開発がおくれております。せっかくりっぱな技術者や専門家がおりましても、そういう施設や機器がなければやはり思うように治療の効果というものをあげることができないわけでございますので、今後こういう面の機器の開発促進については厚生省がもっと積極的に取り組んでいただきたいと思うのですが、そういう点については大臣はどういうふうにお考えでしょうか。
○内田国務大臣 全く同感でございます。昨日も人工じん臓の開発についての御意見がございましたが、あれはきわめて高度であり、また規模も大きいものでございましょうけれども、視能障害の是正というような機械につきましては、趣を異にする面もありましょうけれども、そういうものが外国依存であるということは、私はいかにも情けないように思います。今日におきましては医療器具の開発研究、また製造というようなことにつきましては、私はもっとさらに力を入れるべきである。単にそれを買うときに、お医者さんに対して医療金融公庫のお金を融資するというようなことでは足りないのであって、もっともとへさかのぼっての処置が必要だと思いますので、つとめてまいりたいと思います。
○古寺委員 兵器をたくさんつくるよりも、むしろこういう人類のために役立つような機器を開発促進いたしまして、むしろ日本から外国に輸出をしていくというような気がまえというものが私は必要ではないかと思います。 そういうことは特に大臣にお願いいたしておきまして、この育成医療というのがございますが、目の病気でも育成医療の対象になっている病気がたくさんございますが、いろいろと所得制限がございまして、そういう恩恵を受けられない先天性の白内障にいたしましても、あるいは牛眼にいたしましても、そういう子供を持った親の心情というものは実に悲惨なものでございます。 〔増岡委員長代理退席、委員長着席〕 ところがいろいろな制約段階がある、さらにはまた育成医療という、こういう制度というものがPRされておらない、よく国民に浸透していない、そういうためにそういう制度の恩恵も受けられないで、一生不幸な人生を送らなければならないという子供さんがたくさんいるわけです。そういう点については児童家庭局のほうではどういうPR、指導というものを行なっていらっしゃるのか、承りたいと思います。
○坂元政府委員 育成医療制度につきましては、確かに基本的問題ではございます。私ども自身もPRが十分でないということを認めざるを得ない点がございます。この間御質問ございました先天性の心臓疾患等につきましては、ある程度PRも行き届いているかと思いますが、視力障害、聴覚障害等のいわゆる器官障害の児童につきましての育成医療の制度自体の認識等につきまして、まだ非常に不十分なところがあることは事実でございます。私どももそういった面のPR方策というものを各都道府県なりあるいは関係団体等を通じまして今後積極的にやってまいりたい、かように思っているわけでございます。 それからいろいろな所得制限等の制約があるという御指摘でございますが、これも国のほうではいろいろな徴収制度、負担能力のある大ぜいの方からの徴収制度というものを、育所医療だけでなくて医療福祉施策全般の企画として考えておりますので、そういう所得制限はある程度やむを得ないと思いますが、問題は各都道府県等に予算等が非常に不十分なためにいろいろな制約を加えている、こういうことを御指摘になっているのだろうと思いますが、これは先天性の心臓疾患の場合も御指摘がございましたので、私どもとしましては今後こういった育成医療の国の予算自体をもっと大幅に増額していく、これがやはり一番基本だろうと思います。そういう予算を大幅に増額していくことに伴いまして、各都道府県のほうのやり方もまたおのずから変わってくるだろうと思います。今後ともそういった育成医療関係の予算の増額につきましては積極的に努力をいたしたい、こういうように考えているわけでございます。
○古寺委員 いまお話がございましたように、非常に育成医療のワクが少ないために、せっかくそういう制度があっても、目が見えないで一生終わらなければならないとか、あるいは不幸な転帰をとる子供もたくさんいらっしゃるわけでございます。そういう点については今後強力にそのワクを大幅にふやしていただきたいし、さらにまたこのリハビリの問題につきましては日本は非常におくれている、こういうふうにいわれております。この面についても特に力を入れて社会復帰ができるように、あるいはこういう視力の問題にいたしましても、四十万人という次代の日本を背負って立つ子供さんが視力の回復ができるわけでございますので、こういう点についても特に力を入れていただきたいし、そうしてまた昨日来申し上げましたように、老人医療とあわせて、老人に生きがいを与えるための老人の医療の無償化は、ぜひこれは実現していただきたいと同時に、次代の日本を背負って立つこういう子供さんの医療の問題については、今後いままでの何十倍も積極的に取り組んでいただきたい、こういうふうに思うわけでございますが、最後に大臣の御決意を承って終わりたいと思います。
○内田国務大臣 老人医療の取り上げ方あるいはまた小児、乳幼児についての育成医療などを含む医療対策の取り上げ方につきましては、実は私も昨日当委員会におきまして私の積極的な姿勢を申し述べたところでございますが、ただいま古寺さんのお話は、私が昨日述べました考え方と同じ線を述べられたものと私には感ぜられるものでございますので、私もあなたも全く同意見だ、そういう方向で努力いたしたいと考えます。
○倉成委員長 次に田畑金光君。
○田畑委員 初めに一つ局長にお尋ねしますが、斜視、弱視による両眼視機能障害を矯正治療する、こういうことでございますが、斜視とか弱視というのはどういう症状なのか、先天的なものなのか、あるいは後天的なものなのか、特に最近はテレビの普及で朝から晩まで子供たちはテレビを見ておる、こういう生活環境の影響などがあるのかないのか、局長は特にすぐれたお医者さんですから、そういうようなところをひとつ教えていただきたい、こう思うのです。 第二にはいまいろいろ質問の中にありましたように、視能訓練をやるについても、この医療機械等は外国に依存しなければならない。いかにもおくれておるわけで、日本の医学の水準というものは高度なところまできておるとわれわれは理解しているわけでありますが、こういう面でどうしてこのようにおくれがあるのか。 第三の点としてお尋ねしたいのは、いま申し上げたように、視能訓練は両眼視機能に障害があるものを矯正訓練を行なうことを主眼としているわけですが、放置することによって具体的にどういうような結果が生まれてくるのか。まずこの三点についてお答えを願いたいと思います。
○松尾政府委員 弱視、斜視の原因につきましては先天的なものもかなり多いわけでございますが、必ずしもすべてが先天性だけだとは言い切れないようでございます。しかし子供の場合でございますので、かなり生まれつきの斜視であるとか、あるいは片一方の目に生まれつきの非常に大きな障害がございまして、たとえば一方の目だけが非常に強度の乱視だとか遠視だとかいうような形を持っておる者、こういったような者がかなり多いわけでございます。しかし、必ずしもすべてが先天性だというふうに割り切ることはできないという実情でございます。 お話しの第三の点はこれに関連をいたしますので、恐縮でございますが、そちらのほうから先にお答え申し上げたいと思います。こういうような斜視、弱視というものを放置した場合に一体どういうふうになるかということでございますが、私どもがものを正確に見るということは、御承知のとおり、両方の目が十分働いてはじめてものの形を正確につかみ、また立体感をとることができます。また同時に、距離感ということも両方の目で初めてできるわけでございます。 したがいましてそういう機能が衰えたという場合には、たとえば子供の場合で申し上げますと、まず学校の子供であれば、本を読んだり勉強したりということが非常にきらいになってまいります。それからまた子供全体を通じましても、距離感が非常に不徹底でございますので、ちょっとしたでこぼこ道でもひっくり返る、あるいは階段をおりていてもすぐにつまずく、落ちる、こういったような問題が出てまいります。さらに運動競技について申し上げますれば、たとえば特に距離感と立体感と申しますか、そういうものを組み合わせて判断しておるようなボールを使うような競技というものは、きわめて不得意になってまいります。 そういったようなことから、さらにこのまま放置いたしますれば、おとなになってまいりましても同じ状態が残ってまいります。たとえば最近一番問題になります交通事故といったようなものについても、距離の判断を誤る。あるいは職業を選択いたします場合に、精密機械等の組み立てというようなことになりますと、当然これはデリケートな立体感が必要なのでございますので、そういっような職業の選択というような面でも道を閉ざされる。こういうようないろいろな、目の障害が起こったためにおとなになりましても制約を受けるという結果になろうかと存じます。 それから第二点で御指摘になりましたリハビリテーションはなぜ日本でおくれているかという点でございますが、私は率直に申しまして、一つは日本の医学自体のものの考え方にもあったろうかと思います。要するに、目の前にございます病気というものをなおすということだけが医学であるという考え方、そういったものがかなり専門家の間にもあったということが、一つは進歩させる障害になったのではないか、こう考えるわけでございます。しかしもともと医療自体が、病んでいる人たちを早く正常な状態に戻すといういまの大きな意味でのリハビリという性格を持っていたわけでありますけれども、しかしそういう特殊な技術、特殊な問題を展開することによってもっとその機能を回復させるという点については、関係者自体のいわば関心が薄いという点があったように私は感じております。 また同時に大事な点は、そういったようなものについては、本日御提案申し上げておりますようなそれぞれの特殊な技能を持った、資格を持った人々というものが関与することが効果的に大きく浸透させることでございます。そういった点におくれがあったということ。それから第三点は、おそらく経済的な面から申し上げましてこういう仕事が十分に促進されるような体制になっていなかった。こういうことが合わさって日本のリハビリのおくれを来たしておるのではないかというように考えられるわけでございます。そういったことを逆に打開していくことが、またリハビリを進展させる一つのポイントにもなろうかと考えておる次第でございます。
○田畑委員 この法律の十七条を見ますと、視能訓練士は「診療の補助として両眼視機能の回復のための矯正訓練及びこれに必要な検査を行なう、」こうなっております。眼科の看護婦とのこういう両面における競合というようなことも考えられるわけでありますが、そういうような心配はないのかどうか、その点ひとつ明らかにしてもらいたいと思います。
○松尾政府委員 両者とも同じくこのリハビリに基づきました診療の補助ということでございますので、理屈の上ではおっしゃるような重複ということも起こり得ると考えるわけでございますけれども、御承知のとおり看護婦というものの診療補助は、一般に広く行なっておるものでございます。また今回の視能訓練士は非常に特殊な領域というものについての専門家としての養成をいたしておるわけでございますので、実際問題としてはその両者の間に競合関係が起こって困るということは、私はないと考えております。
○田畑委員 昭和四十年に先ほど来のお話のございましたように理学療法士及び作業療法士法ができてOT、PTの資格というものが明確になったわけでありますが、今回さらに視能訓練士が制度化され、資格がはっきりしてきて、その業務の内容が明確な位置づけをされた。今後さらにこのリハビリテーションの分野においてどういうような方向にこの制度を充実強化していこうというのか、あるいはまた年度計画等に基づくそのような構想があるならば、この際それをひとつ明らかにしていただきたいと思うのです。
○松尾政府委員 先ほど来も御議論がありましたように、今回視能訓練士というものが実現しようとしているわけでございますが、リハビリ問題につきましては残された領域がまだ残っております。特に言語治療あるいは難聴訓練といったようなものも大部分子供の問題に関係する問題でございますけれども、こういったような問題がまだ穴のあいた制度として残されたわけでございます。これを私どもも、視能訓練とともに言語治療あるいは難聴訓練というものについてのいろいろな制度化の検討を考えながら並行して進めてまいっております。したがいまして、近い将来に、残った部分につきましてもいろいろと御検討賜わるような機会を持つようになるだろうと予測をいたしておるわけでございます。 なおこういうORTの視能訓練制度ができましても、十分にこれが働き得るような、多くの人々に対応できるような数をつくっていくということは何よりも必要でございます。先ほどもお答え申し上げておりますように、この制度が発足いたしましたならば、四カ年計画等をもって養成施設の充実ということもはかってまいりたい、かように考えておるわけでございます。
○田畑委員 この経過措置に定められておる厚生大臣の指定する講習会は、どの程度の内容を考えているのか。また、この講習会を受講した程度で国家試験に合格するというような能力の付与ができるのかどうか、この点お答え願いたい。 それと関連して、先ほどの質問にもあったと思うのですが、昭和四十年、例の理学療法士及び作業療法士法の附則第四項で、御承知のようにこの法律施行の際、現に病院、診療所その他省令で定める施設において、理学療法、作業療法に従事していた者等については、昭和四十六年三月三十一日まで受験資格が付与されていたわけだが、実際は国家試験を受けてみても多くの者が国家試験に受からない。こういうわけで先般法律改正で三年の延長措置が講じられておるわけです。この視能訓練士法を見ましても、昭和五十一年三月三十一日までに国家試験を受けて云々という規定がございますが、はたしてこの期限の中で一体国家試験に合格し得るのかどうか、こういうような感じを受けるわけでありますが、この辺についてどのように見通しておられるのか、この点もあわせてお答えを願いたい。
○松尾政府委員 厚生大臣の指定いたします講習会といたしましては、ただいまのところ大体百二十時間程度の内容を考えております。もちろんこの重点になりますのは、目の斜視の問題あるいは弱視についての総論及び各論ということがこの大部分を占めるわけでございます。またそれに関連して目の生理解剖あるいは生理光学あるいは目の病気の問題、眼科看護といったようなこともあわせてその基礎的な問題としてこの中に織り込みたい。そのほか若干の余裕をもちまして、心理でございますとか精神衛生でございますとか、そういったようなものを織り込んで、総体といたしまして百二十時間程度の講習を考えております。もちろんこの実施にあたりましては、現に働いておられる方々が受講するわけでございますので、十分その便がはかられるような配慮をいたしたいと考えておるわけでございます。 この程度でもってはたして国家試験に合格するかどうかという問題でございますが、一応これらの講習内容についても専門家の間の御検討を経た問題でございます。先ほども申し上げましたように、現在九百七十名の方々が従事しておられますけれども、この方々の過去の学歴は非常に高い状態でございました。先ほど申し上げましたように大学卒が百十七、短大卒が四百八十五、高校卒が三百四十九というような状態でございまして、これは全部短大以上あるいは高等学校というような資格を持った人が現に従事しておられますので、そういう意味からは、こういう特殊な領域における理解も講習会において非常に早く得られるもの、こう期待しておりますので、おそらくはその経過期間の中でこれらの方々がほとんど全部合格し得るのじゃないか、私はかように理解をしておりまして、そういう点でOT、PTの場合とは基本的条件がかなり違っておりますので、そういう実態に即して講習等もできるだけ行なって、なるべく多くの者が資格を取得できるような方向に持っていきたい、かように考えております。
○田畑委員 近視とか遠視の矯正ということはやはり視能訓練士の業務の範囲の中に入るのかどうか、この点……。
○松尾政府委員 通例の近視あるいは遠視というものにつきましては、これは水晶体自体の屈折異常でございますので、私どものようにめがねをかけて矯正をするということだけで尽きてくるわけでございますので、通例の近視、遠視というものは視能訓練の対象にはなるまい、こういうように考えます。
○田畑委員 この条文に即してお尋ねをいたしますが、第四条の絶対的欠格事由、第五条の相対的欠格事由、こうなっておりますが、絶対的欠格事由はわかりますけれども、相対的欠格事由という場合、たとえば五条第四号に、精神病者云々とありますね。この精神病者云々というような場合、相対的欠格事由に該当するというのは、これはどういうような場合、どの程度の障害の場合を予定しているのか、この点について。
○松尾政府委員 精神疾患のために要件を欠くという場合でございますが、精神病も御承知のとおりいろいろ程度がございまして、その精神病という状態が出てまいりまして業務ができないという状態になれば、これは当然それをとりはずすべきでございます。 ただ御指摘の問題はおそらく、精神病というものがありながら、これが絶対的条件ではなくて相対的欠格条件ということでいいかというようなお気持ちもあろうかと存じます。これは御承知のとおり、精神病でございましてもいろいろな種類もございます。また治療によりまして十分にこれは回復することもあり得るわけでございますので、そういう意味からは相対的な欠格事由にとどめておるわけでございます。
○田畑委員 精神病者でも治癒すればこれはもちろん欠格事由からはずされるわけですが、精神病者である限りにおいては、このような医療行為の補助業務ということを認めることが適切かどうかということは、非常な疑問を感ずるわけですね。これは単にこの法律だけではなくて、理学療法士及び作業療法士法を見ましても、四条の第四号には精神病者云々は欠格条項として指摘しているわけですね。あるいは衛生検査技師法を見てもそうなんです。あるいはまた、保健婦助産婦看護婦法を見ても同じような規定があるのですね。ところが理容師法、美容師法を見ますと精神的な欠陥というものは免許を与えられないと、こうなっておりますね。ところがこの医療行為の補助として行なうこういう分野において、精神病者云々が相対的な欠格事由でとどめておるということについては、私はいささか不安と疑念を持つわけでありまするが、この点についてはむしろ私はこういう分野こそ欠格条項の面においてはきちっとすべきじゃないか、このように感ずるわけでありますが、この点どうですか。
○松尾政府委員 私は実態としてはまさにそのとおりであろうと存じます。特に精神の異常を来たした人が診療の補助に従事することはまことに危険でございます。したがいましてそういう状態であれば、これはやはり相対的な欠格条件といいながらも、この状態のときにはその資格をはずすということが当然であろうと思います。 ただ全般といたしまして、精神病でございましても十分治癒し得るという方法がある以上は、こういう相対的な形に入るということもやむを得ないのじゃないかと考えておるわけでございます。実際上の問題としましては、御指摘のとおり厳密に判断すべき問題であると思います。
○田畑委員 最後に大臣にちょっと希望意見、そして大臣の見解だけを承りまして、——視能訓練士その他のリハビリテーション関係の医療従事者の確保の問題、あるいは施設の充実の問題、あるいはこういうところで働く人方の待遇の改善の問題等については、これは一番大事な問題ではないか、こう思うのですね。先ほど来の質疑応答でも明らかなように、視能訓練従事者は現在九百七十名。しかし視能訓練の対象者は四十万といわれておるし、毎年二万ないし三万ふえていくであろうと当局は見通しておるわけですね。視能訓練士が絶対数において足りないということは、これは明らかなんです。また、この養成施設を見ましても、まことに養成施設は不足しておる。資料を見ますと、諸外国のそれにおいては相当な施設の整備がなされておる。それに比べてわが国は著しく立ちおくれておる。こういう点については、せっかく今回視能訓練士法というものを提案されて、やがて成立を見るわけでありますが、こういう面について格段の御努力を政府として願わなければ、幾ら法律をつくっても、真に法律の目的を達成することはできない、こう考えておるわけでありますが、この点についての大臣の所見を承って、私の質問を終わりたいと思います。
○内田国務大臣 ただいま田畑さんがお述べになりましたような趣旨をもちまして、実は今回この法律を制定していただくことにいたしました。したがいまして、この法律の制定を機といたしまして、仰せられましたことはあらためて私どもも見直しまして、関係者の処遇の改善、充実また施設の充足等にもつとめてまいる所存でございます。
○倉成委員長 これにて本案についての質疑は結局いたしました。 —————————————
○倉成委員長 次に、本案を討論に付するのでありますが、別に申し出もありませんので、直ちに採決いたします。 視能訓練士法案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○倉成委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。 —————————————
○倉成委員長 この際、増岡博之君、田邊誠君、大橋敏雄君及び田畑金光君より、本案について附帯決議を付すべしとの動議が提出されておりますので、その趣旨の説明を求めます。増岡博之君。
○増岡委員 私は、自由民主党、日本社会党、公明党及び民社党を代表いたしまして、本動議について御説明申し上げます。 案文を朗読して説明にかえさせていただきます。 視能訓練士法案に対する附帯決議 政府は、リハビリテーションの重要性にかんがみ、特に次の事項について、その実現に努力すべきである。 一 視能訓練士その他のリハビリテーション関係医療従事者の養成確保に努め、あわせてその処遇の改善を図ること。 一 リハビリテーション関係施設の整備拡充に努めるとと。 以上であります。 何とぞ委員各位の御賛同をお願いいたします。
○倉成委員長 本動議について採決いたします。 本動議のごとく決するに賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○倉成委員長 起立総員。よって、本案については増岡博之君外三名提出の動議のごとく附帯決議を付することに決しました。 この際、厚生大臣より発言を求められておりますので、これを許します。厚生大臣内田常雄君。
○内田国務大臣 ただいま御決議がありました事項につきましては、政府といたしましても極力これが実現に努力いたす所存であります。 —————————————
○倉成委員長 おはかりいたします。 本案に関する委員会報告書の作成等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○倉成委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。 ————————————— 〔報告書は附録に掲載〕 ————◇—————
○倉成委員長 次に、健康保険法等の一部を改正する法律案を議題とし、提案理由の説明を聴取いたします。内田厚生大臣。 —————————————
○内田国務大臣 ただいま議題となりました健康保険法等の一部を改正する法律案につきまして、その提案の理由を御説明申し上げます。 医療保険制度の抜本改正につきましては、つとにその必要性が指摘され、政府といたしましても、鋭意検討を進めてまいったところでありまして、昭和四十四年に社会保険審議会及び社会保障制度審議会に抜本改正の諮問を行なったところであります。しかしながら御承知のとおり、この問題はきわめて広範多岐にわたるため、両審議会の熱心な御審議にもかかわらず、なおその結論を得るに至っておりません。されど、政府といたしましては、さきの本法改正の際、二年後には抜本改正に着手すべき旨を明らかにした経緯もあり、一方、政府管掌健康保険の財政状況は、この間にも悪化の一途をたどり、このまま放置することは許されない事態となっておりますので、昭和四十六年度からこれが抜本改正の第一歩に着手することといたしました。 すなわち、老齢者に対する医療を中心として給付の漸進的改善をはかるとともに、抜本改正にあたっては避けて通ることができない政府管掌健康保険のこれまでの多額の累積赤字の処理について、思い切った措置として、これを健康保険の負担外にたな上げすることといたし、また、これとともに新たに国庫補助の定率制を採用するなど、財政の長期的安定を確保するなど所要の対策を含めて抜本改正の第一着手としての改正を行なうこととし、ここにこの法律案を提案いたすこととした次第であります。以下、その内容について概略を御説明いたします。 まず、健康保険法の改正について申し上げます。 第一は、退職者継続医療給付制度の創設であります。すなわち、健康保険に十五年以上加入していた者が、五十五歳以後に退職した場合には、退職後少くとも五年間は従前の健康保険に引き続き加入し得るものとして、退職前と同様十割の療養の給付を行なうことができることとするものであります。 第二は、七十歳以上の被扶養者の給付割合を現行の五割から七割に引き上げようとするものであります。 第三は、埋葬料につきまして、一万五千円の最低保障額を設けるとともに、家族煙弾料の額を現行の二千円から七千五百円に引き上げようとするものであります。 第四は、十割給付を受ける被保険者本人につきましては、再診を受ける際に百円の一部負担金を六カ月間に限り支払うこととするとともに、入院時一部負担金を現行の一カ月間一日当たり六十円から六カ月間一日当たり百五十円に改めようとするものであります。 第五は、標準報酬制度の合理化の措置であります。すなわち、現行の標準報酬の区分は最近における給与の実態と著しくかけ離れるに至っておりますので、給与の実情に即してその区分を改めるとともに、前年に支給された賞与の一部を報酬月額に加えて標準報酬を決定することとするものであります。 第六は、社会保険庁長官は、昭和四十七年度以降、政府管掌健康保険事業に要する費用に過不足を生じたときは、社会保険審議会の意見を聞いて千分の八十を最高限度として保険料率を弾力的に調整できることとするものであります。 第七は、さきにも申し述べましたとおり、政府管掌健康保険に対する従来の定額補助のたてまえを改め、画期的な財政措置として、新たに定率制の国庫補助のたてまえを法律上導入することとしております。 次に、船員保険法の改正について申し上げます。 船員保険につきましても、健康保険制度の改正に準じて、退職者継続医療給付制度の創設、七十歳以上の被扶養者の給付割合の改善を行なうほか、健康保険の例により再診時一部負担金及び入院時一部負担金の設定、保険料率の弾力的調整、標準報酬月額の上限の改定等を行なうこととするものであります。 次に、厚生保険特別会計法の改正について申し上げます。 この改正は、さきにも申し述べましたとおり、政府管掌健康保険におけるこれまでの多額の累積赤字を昭和四十六年度限り保険の負担外にたな上げ処理し、これを一般会計からの繰り入れによって補てんするための処理、並びに新規の借り入れ限定等の措置を規定せんとするものであります。 なお、この法律の実施時期につきましては、昭和四十六年十月一日からとしております。ただし、保険料率の弾力的調整及び厚生保険特別会計法に関する改正は、昭和四十七年四月一日からとしております。 以上が、この法律案を提案する理由でありますが、何とぞ慎重に御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
○倉成委員長 次回は来たる十七日月曜日午後零時三十分委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。 午後一時二十一分散会