社会労働委員会 第21号
- 発言数
- 367 件
- 登壇者
- 23 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1971/05/10
会議録
○倉成委員長 これより会議を開きます。 中高年齢者等の雇用の促進に関する特別措置法案を議題とし、審査を進めます。 質疑の申し出がありますので、これを許します。田畑金光君。
○田畑委員 今度提案されております中高年齢者等の雇用の促進に関する特別措置法案は、失対問題調査研究会の昨年十二月の中間報告を基礎としてつくられておるわけです。ところで昭和三十八年のいわゆる失対二法の改正も、同じように失業対策問題調査研究会の報告に基づいて行なわれておるわけです。昭和三十八年当時、この報告に基づく法改正によって失対事業が刷新改善されるものと政府は非常な宣伝、強調をやって今日にきておるわけです。ところがまたまた法律の改正をやらねばならぬ、こういうふうなことになったわけでありますが、どういう事情でこのような結果になったのか、その辺の事情をしかと御説明を願いたいと思うわけです。
○住政府委員 御指摘のように昭和三十八年に、当時の雇用失業情勢等を考えまして、職業安定法、緊急失業対策法の改正を行ないまして、失業対策の刷新改善を行なったわけでございます。その後、わが国経済は、先生御承知のように非常に高い成長を遂げてきております。雇用失業情勢もそれに伴いまして改善を見ておるところでございます。一方、失業対策事業の状況を見ますと、その間就労者の固定化、老齢化というものが進んでおります。そういうような状況でございまして、失業対策事業のあり方そのものについても検討を行なわなければならない。そこで昨年、この問題に非常に学識経験の豊富な方々にお願いいたしまして、今後の失業対策のあり方についていろいろ研究していただきましてその報告を受けたところでございますが、私どもそういった報告の内容その他十分検討いたしました。 一つは、今後の雇用失業情勢の見通しの上に立ちまして、現在でも労働力不足が非常に深刻化しておるのでございますが、今後の経済成長を考えてみますときに、労働力需要というものが相当堅調である、これに対しまして労働力供給は労働力人口の伸びの鈍化等もございまして減少の一途をたどり、年を追うごとに不足がはなはだしくなる。特に問題になりますのは、新規学卒の供給が絶対的に減少をしていくことでございます。需要が引き続く堅調の中にあって学卒が減ってまいりますと、当然労働力の供給といたしましては中高年あるいは婦人の労働力に期待せざるを得なくなるわけでございまして、私どもそういうような見通しの上に立って今後の失業対策の重点を中高年齢者に置きまして、こういった方々の能力に適合した職業についていただく、このために必要な促進措置をこの法案に盛り込みまして、今後の雇用対策の万全を期していかなければならない、こういうように考えましてこの法案を提案いたしておる次第でございます。
○田畑委員 局長の答弁は長々と今日の雇用失業情勢並びに今後の見通し等に触れておりますが、私のお尋ねしたのは、昭和三十八年に緊急失業対策法、職業安定法、二法を改正することによって失対事業についての刷新強化が行なわれた、このように政府は言ってきたが、刷新強化が行なわれたというのはどういう面をさしておるのか。 さらに昭和三十八年の法改正によって刷新強化されたはずの失対事業が今日また再検討を余儀なくされたということになっておるわけでありますが、さすれば、このような事態を招いたのは政府の責任なのか、あるいは事業主体である地方公共団体の責任なのか、あるいはその事業に働く失対労務者の責任なのか、この点について政府の見解を承っておきたい。
○住政府委員 三十八年の失業対策法の一部改正に基づきまして、私ども失対事業の運営の正常化をはかる観点から特に運営管理規程等を事業主体につくっていただきまして、失対事業の運営の正常化につとめてまいったところでございます。事業主体によって事業運営にいろいろ差がありますけれども、それ以前の状態と比べますと失対事業の運営というものはかなり正常になったものというように私ども考えております。しかしながらその後の七、八年の経過を見ておりますと、先ほども申し上げましたように、就労者の固定化とか老齢化あるいは女性化の現象が目立ってなかなか民間の雇用に復帰できない、こういうようなことも考えられました。 そこで今回の法案の提出の運びになったのでございますが、と同時に、そういうような正常化の努力にもかかわらず、就労者のそういう層の変化によりまして正常化についての限界も見えてきておるわけでございます。責任はもちろん政府にもあると思う、あるいは事業主体、これは非常にまじめにやっていただいておるところもあるわけでございますが、一部、短時間就労とかあるいは不就労に対する賃金の支払いとか、そういうような現象もあとを断っておりません。そういう点についてなお不十分な点もございますけれども、法改正によりましてそれ以前と比べますとかなりの改善が行なわれたというように考えております。
○田畑委員 いまのお話は結局、政府も事業主体である地方公共団体もそれから失対労務者もそれぞれ責任の一半を負わねばならぬ、こういう説明であったと思いますが、いずれその問題は後ほどまた触れることにしまして、昭和三十八年の職業安定法、緊急失業対策法の一部改正がなされて、失対制度は失業者就労事業それから高齢失業者等就労事業、こういう形で実施することになり、失業者就労事業の就労者は従来の失業対策事業の失業者のほか、原則として職業安定法の改正により創設された虫高年齢失業者等就職促進の措置を受けた者でなければならぬ、こういうように法律改正がなされたわけでありますが、現実の運用というものはこの法律の趣旨に従ってなされたのかどうか、この点はどうですか。
○住政府委員 就職促進の措置につきまして制度創設以来現在まで、約十五、六万の方々がこの措置をお受けになっておられます。大部分が措置の効果によりまして民間就職でございますが、なお一部はその措置の期間を過ぎてなかなか民間就職ができない、そういうことでやむを得ず失対事業に就労する、こういうようなことになっておりますけれども、私ども、その問題におきまして若干のトラブルはあったのでございますが、措置そのものといたしましては相当の効果をあげておる、こういうように考えます。
○田畑委員 相当の効果をあげておるというお話ですが、高齢失業者等就労事業というものが明文化されたわけです。これが設けられた事情あるいは目的というものは那辺にあったのか、そして現実に高齢失業者等就労事業の運営というものがなされてきたのかどうか。なされてきたとすればどういう形で運用されてきたのか、この点……。
○住政府委員 高齢者就労事業は三十八年の法改正によりまして設けられた制度でございます。法律にも書いてございますように、その対象となるのは高齢の失業者あるいはこれに類する体力の失業者でございまして、そういう者に対する事業として実施する、こういうのが趣旨でございます。 そこで、実はその法律制度といたしましてこういった高齢者就労事業に働く者の賃金でございますが、これは先生御承知のように、一般失業者就労事業の同一地域における類似の作業に従事する労働者に支払われる賃金という基準のほかに、社会保障制度による給付の水準、こういうものを考慮して賃金を定めろということになっております。そこでわれわれ法改正と同時に高齢者就労事業を実施したいというふうに考えたのでございますが、この法律制度によりまして高齢者就労事業の賃金というものは大幅に減るおそれがある、こういうこと等もございまして一部就労者団体から非常に強い反対がございました。私ども、事業主体にも指導いたしまして実はこの事業の計画をつくるようにいろいろ努力したのでございますが、なかなかその間の関係がうまくいきません。そういうような状態のまま現在に及んでおるのが実情でございます。
○田畑委員 せっかく法律を改正して高齢者失業対策事業ということを設けておきながら、これを実施すればいろいろ、賃金が低くなる、そういうようなことで実施ができないまま今日に来ておる、こういうわけですね。しかし法改正の当時においてすでに、高齢失業者等就労事業というのは何といってもその能率の面から、あるいは事業効果の面等々から賃金というものはきまってくるわけだから、高齢失業者についての賃金はおのずからその他に比べてみると低くなるということはあなた方自身も承知の上で法律の改正をやり、そして特別の高齢失業者等就労事業を制度として設けたはずです。にもかかわらずこの制度が生かされないまま今日に来ておるということは見通しの誤りなのか、あるいは現実にできない条件があって実行しなかったのか、明らかにこれは政府の責任じゃございませんか。労働大臣、この点どのようにお考えですか。 三十八年の法律改正のときに失対事業を分けて高齢失業者等就労事業というものを制度として設けておきながら、いまの局長の答弁をお聞きになればおわかりのとおり、これをやると賃金が低くなるから、こういう理由で実施できないままに今日に来た。賃金が低くなるということはその当時、改正法案を出した時点ですでに承知の上で出しているはずなんです。にもかかわらず、実行されないままに今日に来ておる。そしてまた今度新しく、名前もりっぱな中高年齢者等の雇用の促進に関する特別措置法案、これを出しておるわけですね。幾ら法律を改正しても、改正した法律の制度をみずからが実行せぬで、みずから放棄していて、また今度は別のものを出してくる。不見識もはなはだしいと思うのです。こんなやる気のない法律改正ならば、幾らやってもこれは無意味です。そうお考えになりませんか。その点ひとつ労働大臣からしかと考え方を承っておきたいと思う。
○野原国務大臣 御指摘のように、いろいろの情勢の変化等があらわれてまいりました。これは、そういう情勢に対して的確に政府の施策が十分な機能を果たし得なかったことは遺憾でございますが、これは政府の責任のみに帰するわけにはいかないので、わが国の経済事情全体がそういうようなきわめて発展過程にあったということが、ついに今日のような情勢になったと思うのでありますが、それだけに今回の法律案はそうした情勢を踏まえて、中高年齢者の雇用促進のために特段の対策を講ずる必要があるということを感じまして提案をしたわけでございまして、過去のことにつきましては遺憾な点もあったということと同時に、そのことはやむを得ないいろいろな事情からそうあったと思うのでありまして、あらためてこの法案の御審議をお願いしておるような状況でございます。
○田畑委員 大臣の答弁は焦点がぼけておるのです。また私の質問に対する答えにはなっていないのです。私のお尋ねしておるのは、昭和三十八年の緊急失業対策法の改正のときに、高齢失業者等就労事業という制度を新しく設けられた。この制度によれば、六十歳以上の失業者は高齢失業者等就労事業に就労ができる措置が講ぜられておるわけです。そしてこの事業は各地方自治体の長が事業の申請をすれば労働大臣が認可し、これを実施する、こういうことになっておるわけです。にもかかわらず、この制度が法律の改正趣旨に従って運用されないままに今日に来ておるということは、どういう理由なのか。この点を明らかにせずして幾ら法律改正をまたやっても、政府や労働省自身がその法律の精神を正しく実行する熱意と気魄と勇断を持っていない限り、こういう法律改正は無意味なことだと思うのです。私はその点の責任は労働省、政府が負うべきだと思うのです。明確に責任を自覚して、いままでのやり方は間違っていた、あるいは勇気が足りなかった、あるいは法の趣旨の運営を怠っていた、このことを率直に認めた上で、今回の中高年齢者等の雇用促進特別法案を出したのかどうか、この点をひとつ明確にしていただきたいと思うのです。大臣、これはどうですか。
○野原国務大臣 緊急失対法の改正の当時と経済事情が著しく変わってきております。そこで、それに対する今回の改正案は、雇用失業情勢がたいへん変わってまいっておるいまならば、中高年齢者雇用促進のために思い切った対策をやるならば十分効果を発揮し得るという情勢にもなったというふうに判断をしたわけでございまして、いままでの対策が必ずしも十分ではなかったということはいなめない事実でございますが、この新しい雇用情勢の変化に対応いたしまして、今回の中高年齢者の雇用促進を積極的に講じよう、こういう意図で進めておるわけでございまして、従来のものにつきましては御指摘の点も十分反省すべきものであろう、かように考えております。
○田畑委員 昨年十二月の失業対策問題調査研究中間報告を見ましても、局長並びに大臣、こういうことをいっております。「三八年の法改正により主としてこれらの者を移行させることを意図して新設された高齢失業者等就労事業は、一部就労者団体の強い反対などもあって実施されていないが、」こういうことばがございます。こういうことなどは当然三十八年の法律改正のときにもあなた方としては十分承知の上で、そうして先ほど局長の答弁の中にもありましたように、運営管理規程なども明確に失対法の中にうたっておるわけですね。こういう点等については、これが実施できなかったということは明らかに政府の責任だ、指導監督よろしきを得なかったという点においてあなた方は責任を負うべきである、このように考えますが、その点は率直に自己の非を認めるかどうか、この点を明らかにしてもらいたいと思います。
○住政府委員 高齢者就労事業をなぜ実施しなかったのか、こういういきさつ等については御説明申し上げたのでございますが、この中間報告に御指摘がありますように、一つは賃金の問題等もございまして、就労者団体からの強い反発等もございまして実施できなかったことは、先ほど大臣からも申し上げましたが、非常に遺憾なことであると思います。当初、改正後そういうような情勢であったのでございますが、その後数年たちまして、わが国の雇用失業情勢も変化してまいっております。私どもまず中高年齢の方々の再就職を民間雇用において十分実現していく、またいかなければならない、こういう観点からこの提案をいたしておるわけでございます。過去の点についても十分反省し、その経験も生かして、この法案の円滑な実施に努力していけば、中高年齢者の方々の再就職の問題も解決できるというように考えておる次第でございます。
○田畑委員 先ほど私が申し上げたように、また局長の答弁にもありましたように、大臣、昭和三十八年の法律改正により失対事業の管理監督体制が整備されることとなって、事業主体は運営管理規程を設けることが義務づけられているわけです。緊急失対法の十一条を見れば明らかです。さらにまた、予算措置としても管理監督費が別個に計上されておるわけです。昭和四十六年度の予算単価は九十七円五十二銭。こうして今日に至っているわけです。にもかかわらず、先ほど申し上げた失対問題調査研究中間報告によれば、不適切な労務管理が行なわれておる、こう指摘されておるのですね。緊急失業対策法の施行規則の八条を見れば、作業規律の保持ということがはっきりうたわれておる。また労働省の失業対策事業運営管理規程準則というものを見れば、失対事業のあり方というものについて明確な指針を与えておる。にもかかわらずこれが正しく行なわれないままに、先ほど私が指摘申し上げたように、この失対問題調査研究の中間報告では問題点を指摘しておるということですね。これはやはり労働省自身が責任を負うべきだと思うのです。幾ら法律を改正しても、やる気のない労働省が雇用失業問題の処理にあたる限りにおいては、このような指摘を繰り返すのみだ、こう思うのです。この点について大臣はどのように考えておいでか。それから補佐される職業安定局長は、このような中間報告の警告に対して、今後どういう反省の上に立って法のりっぱな遂行に当たろうとするのか、この辺をひとつ明らかにしてもらいたい、こう思うのです。
○野原国務大臣 過去の経験等の反省の上に立って、今回の中高年齢者雇用促進法案の提案を見たわけでありまして、新しい雇用情勢に対応しての中高年齢者雇用促進という問題は、政府もあらゆる力を尽くしてその対策を講ずる方針でございますので、その点は十分御信頼をいただきたい。われわれ過去においては十分でない点もあったと思うのでありますが、そのことを反省いたしまして、これからの虫高年齢者の問題につきましては積極的な施策を講じてまいるという決意のもとに提案を見たわけでございます。
○住政府委員 中間報告にも指摘してあるわけでございますが、失対事業の事業計画なり事業運営が適正を欠いておる、その原因についてもいろいろ指摘を受けております。そこでそういうような結果に基づきまして、中間報告では今後の失対事業につきまして、むしろいまの事業とは別な暫定的な事業の実施というようなお考えも示されておられるわけでございますが、この法案では現在の就労者については引き続き失対事業の就労をはかっていく。そうしてこの中間報告に御指摘をいただいているような点の解消をはかっていかなければならないことは当然でございまして、私ども従来努力が至りませんでこういうような指摘を受けたことをまことに申しわけないと思っておるのでございますが、今後は私どもが努力することはもちろんでございますが、事業主体、就労者の全面的な協力を得まして、こういった指摘されているような問題点の解消につきまして努力をいたしてまいりたいというように考えております。
○田畑委員 若干あとに戻りますが、高齢失業者等就労事業の対象とするのは、労働力政策の対象とならない者、すなわち労働市場に対する適応性を欠く者である、こういうように、今回の失業対策問題調査研究報告によれば、労働力政策の対象の下限を四十五歳、上限を六十五歳、こういうようにしているわけですね。そうしますと、いわゆる高齢失業者等就労事業の対象になる者は、いままでの法律改正、昭和三十八年の緊急失業対策法の改正では六十歳以上の失業者、こういうことにしておりますが、今度の法律改正後は六十五歳以上、こういうことになるわけですね。その点どうですか。
○住政府委員 御承知のように、この法案の附則におきまして、現在の緊急失業対策法は、現在失対事業に就労している者について効力を有する、こういうようなことになっておるわけでございます。したがいまして、今後の問題といたしまして、緊急失業対策法が効力を有するというのは現在の就労者に対してでございますから、高齢者就労事業を実施するといたしましても、現在の失対事業の就労者の中から、やるとすれば対象者、希望者を募ってやる、こういうことになろうかと思っております。 そこで、今後の問題としましては、先生先ほど御指摘のように、失業対策をいろいろやらぬといかぬわけでございますが、その場合、この中間報告では、労働力政策としての性格を貫徹すべきだ、そこで、労働市場に対する適応性を持たない者、こういう者を失業対策の対象にすることはかえって制度の混乱や運用上の弊害を生じて失業対策そのものの機能もそこなうことになる、こういうような御指摘をいただいておるわけでございまして、私どもそういう意味で、この法案に盛られておりますように、今後の中高年齢失業者に対する対策といたしまして、種々の援護措置を講じまして民間の再就職を促進していこう、そのためには、基本となる柱は手帳制度でございますが、それを軸にして各種の、失業者なりあるいは雇おうとする事業主に対する特別措置を講じて再就職を促進していこう、こういうことになっておるわけでございまして、そういう意味では、今後の高齢者就労事業は現在の就労者について考える、こういうことになると思います。
○田畑委員 そこで私は、今度のこの特別措置法によれば、この法律の対象としている中高年齢者というものは、四十五歳以上六十五歳までを対象にするわけですね。そこで、時の問題として出ておりまする日米繊維交渉の結末として、繊維業界が自主規制を宣言しておるわけです。また、ガットの特恵供与等によって繊維産業とか食器産業、こういう企業等においてはどうしても転廃業というものが出てくることは、これは明らかですね。そうしてまた、これらの企業というのは中小企業である。ここで働いておる人方は婦人が相当多数にのぼっておる、こういうことですね。局長のさっきの答弁にもありましたように、今後のわが国の雇用失業問題で、大事な対象が中高年齢層であり、特に婦人層である、こういうことを考えたとき、今回虫局年齢者については、この特別措置法で、いまお話しのように就職促進措置を講ずる、あるいは就職促進のための手当を支給する等等の措置が講じられておるが、これは女子については一体どうなのか、こういう問題が考えられるわけですね。でありまするから、中高年齢層の年齢ワクについては四十五歳から六十五歳とこの法律は対象を考えておりますけれども、いま申し上げたようなもろもろの、これこそわが国の社会経済の変動からくる特定な分野の離職者、その中の婦人労働力等々については、この四十五歳というのをもっと実情に即して、あるいは三十五歳に引き下げるとか、四十歳にするとか、こういうやはりきめこまかな措置を講ずることによって初めて、わが国の今後の雇用失業問題に対処し得る特別措置法と私は言えると思うのでありますが、こういう点については検討をしなかったのか、あるいは今後検討するのか、こういう点についてひとつ御答弁を願いたい、こう思うのです。
○住政府委員 今後の失業対策の中心、これは中高年齢層、婦人を含めての中高年齢層を対象としていかなければならないということについては、先ほど申し上げたとおりでございます。そこで、その範囲をどのように考えるか、こういうことでございます。この法案では、定義のところにもございますように、中高年齢失業者等の定義で、その年齢の範囲とかあるいはその他就職が困難な者、これは労働省令で定めることにいたしております。そういう意味で、法律上の制度として特に固定をいたしていないわけでございます。と同時に、雇用審議会の答申におきましても、原則として四十五歳以上六十五歳未満で差しつかえないけれども、情勢の変化に応じて対処できるような配慮をしておく必要がある、こういう御答申をいただいております。省令をきめるにあたりましては、そういう事情を原則として、私ども四十五歳以上六十五歳、こういうように考えておるわけでございますが、審議会の答申の趣旨をもくみまして、雇用失業情勢に対処して弾力的に取り扱いができるように、こういうような考え方はとらなければならないのではないかというように考えておるところでございます。
○田畑委員 この特別措置法を読めばそのようなことにもなっておりますので、私がさっき問題としてあげた女子労働力等については、十分ひとつ弾力的な運用で救済措置が講じられるよう御努力を願いたいと思います。この点は局長、よろしいですな。
○住政府委員 いまも御説明申し上げましたように、雇用審議会の答申等もございますので、そういった点を十分含んで省令をつくっていきたい。いずれ省令をつくるときには審議会の御意見等も聞くことになりますので、そういう点を含めまして十分御趣旨の点くみまして対処するつもりでございます。
○田畑委員 今回のこの特別措置法で最大の疑義ないし問題は、何といってもこの法律の附則第二条だと、こう思うのです。その二条によれば、この間来各委員から指摘されたように、「夏季又は年末に臨時に支払われる賃金は、緊急失業対策法第十条の二の規定にかかわらず、支払わないものとする。」こうなっております。そもそもこれは、昭和三十八年の法律改正によって、それまで単なる予算措置で支給されてきた夏季、年末の臨時の賃金を、緊急失対法に明文化したわけでしょう。そういういきさつがあるにかかわらず、今度はまた、臨時の賃金の支給には問題があるとしてこれを支給しないということは、首尾一貫しない態度これに過ぎるものなしと、私はこう思うのです。この点、大臣はそのようにお考えになりませんか。
○野原国務大臣 夏季、年末に支給されております臨時の賃金につきましては、一般の屋外日雇い労働者にあまり例を見ません。しかも就労日数や作業内容を反映しないで一律に支給しておるということが問題となっておりまして、世論の批判も臨時の賃金に特に強いものがあるわけでございます。そこで、こうした悪平等というか、そういうものを是正することがむしろ至当ではないかと考えておりまして、臨時の賃金につきましては、審議会の御答申にも、これを十分検討していくようにということでございますので、いかにして適切、妥当な臨時の賃金を支払いをするかという問題につきまして、慎重に検討する必要がございます。そこで、前にも答弁をしたと思うのでありますが、この夏の分は従来のとおり、これはやむを得ないと思います。この年末の分につきましては、そういった面を考えて、いかにしたならば最も適切、妥当な賃金としてその臨時の賃金を支払うことができるかという点でございます。過去において、いままでその臨時の賃金をもらっておったという事実からして、生活上いろいろな激変を与えてもいけないのでありますから、そういう面につきましては十分考慮する必要もございます。しかしいままでのとおりの画一的な行き方でいいかどうかという問題につきましては、十分慎重に考えて、あらゆる方面の御意見を伺った上で慎重に検討して支払いを行なう。これは予算では一応見ておるわけでございますが、そういう面では、いままでの一律の行き方のほうがむしろ画一的でおもしろくないという批判もございますので、その点は今回、臨時の賃金という形で支払うことは一応取りやめて、それを各個人に対して適切な、妥当な支払い方法に改めようということで検討しておるということでございます。
○田畑委員 いまの大臣の御答弁は、要すれば、従来のような一律の支給は臨時の賃金についてはやらない、能率の点とかあるいは稼動日数であるとか、こういうような労働の質、量ともに考慮して、これからは臨時の賃金を支払いをしていくんだ、こういうことに理解してよろしいわけですか、それが第一点。 しかし、じゃあなぜ、今日まで一律支給をしていたのが、これからその内容を変えなければならないのかということですね。いままでの、現行の緊急失業対策法のもとでは、一律支給しか方法がないのか、あるいはいま大臣の答弁の、その他の要件も顧慮しながら、臨時の賃金は支給するのかしないのか。この点、局長からも答弁を願いたいと思うんですがね。現行緊急失業対策法の十条の二を見れば、その第二項では、「夏季又は年末に臨時に支払われるものについて特別の定めをする場合」ということを現行でもはっきりうたっておるわけですね。ならば、別に法律を改めなくても、現行法のもとでも、臨時の賃金については特別の定めをするということが十条の二の二項にはっきりうたわれておるじゃございませんか。なぜいまあわててこの臨時の賃金については改変を加えなければならぬのか、立法制度としても非常に問題がある、疑問があると、こう私は思うのです。この点どうお考えですか。
○野原国務大臣 第一の点の御指摘は、そのとおりでございます。いろいろ問題があって臨時の賃金という形では支給しないということにするわけでございますが、これはいままでやったのがいろいろな点で矛盾がある。はなはだしく実情と合わない。そういう点で画一的な悪平等的なものは改めたい。改めることがいいと思います。いままでもそれを改める考えもあったと思うのでありますが、いろいろな批判もございまして、そういうものを従来のとおり支給することはどうも非常な矛盾があるという点で、今回は率直にこれを改めていきたいということでございます。詳しくは局長からお答えいたさせます。
○住政府委員 臨時の賃金、先ほど大臣からも申し上げましたように、一般の屋外日雇い労働者にほとんど例を見ない制度でございます。そういうような観点から、この法案では臨時の賃金の制度としてはこれを廃止していこう。しかしながらこれは従来いろいろ、先生も御指摘ございましたように、経緯がございます。そういうような経緯もございまして、制度としては廃止するけれども、しかしそれが就労者の生活にも非常に関係の深いものであるだけに、全部、制度も実質もこれを廃止するということになりますといろいろ問題がございます。そこで、そういう観点から、雇用審議会の答申におきましても、就労者の生活に激変を与えないように適切な方策を考えていけ、こういうような御趣旨もいただいておりますので、ただいま大臣から御説明がございましたように、いろいろそういう従来の問題点を除去する、合理化をはかっていく、こういう観点から検討を加えまして給付を行なっていく、こういうようにいたしたいと考えておるわけでございます。
○田畑委員 明晰な答弁をしばしばなされておる局長の、この問題に関する答弁というものはまことにあいまいで、何を言わんとするのかわからないのですね。第一に指摘したいのは、この臨時の賃金というのは、振り返ってみますと、就労者の生活の実態にかんがみて、昭和二十七年の冬から年末の特別措置が講じられ、今度は昭和二十八年夏からは夏季特別措置が講ぜられて、ずうっと昭和二十七年から支給されていたわけですね。それを昭和三十八年の緊急失対法の改正によって臨時の賃金として法制化されたというのは、あなた方じゃございませんか。あなた方がこういう予算措置によって特別措置を講じておいて、予算措置ではいろいろな問題があるということで、昭和三十八年の法律改正で、臨時の賃金というものをはっきりと法制化されて今日に来ておるわけでしょう。さらに雇用審議会の答申を見ましても、「臨時の賃金については、これまでの経過、期末手当の社会的慣行等に留意する必要がある。」しかし、運営に問題があるので、「支給条件等の改善について検討を加えること。」なるほどこう指摘しております。また中央職業安定審議会の建議では、「臨時の賃金については、従来の経緯にかんがみ、実質的にはこの給付が継続すると同様の方途を講ずること。」いずれもとにかくこの制度をなくしろとは書いておりませんね。ところが附則第二条においては、「夏季又は年末に臨時に支払われる賃金は、緊急失業対策法第十条の二の規定にかかわらず、支払わないものとする。」明確にこれは打ち切るとなっておりますね。この附則二条の条文は、両審議会の答申の趣旨から見ても反しておる、ましてやこの臨時の賃金が制度化された経過は、あなた方自身がこれを法文化しようというわけで三十八年の改正で入れられておる制度なんですね。それにもかかわらず、先ほど来の労働大臣の答弁を聞いていても、いまの局長の答弁を聞いていても、特に局長の答弁の中で、制度も実質も廃止するようなことでは当該対象者が気の毒だというのですね。制度を廃止するならば実質が消えていくのはあたりまえじゃございませんか。制度と実質はうらはらだと思うのですね。やはりこの制度を残すなら残す。残すが、その運用について問題があるならば問題のないようにすればいいのです。しかも先ほど私が申し上げたように、現行の十条の二の二項を見れば、「夏季又は年末に臨時に支払われるものについて特別の定めをする場合」、これを想定しておるじゃございませんか。 そういうことを考慮するなら、大臣、この際明確にしていただきたいと私は思うのです。この附則で臨時の賃金は支払わないと明示しておりますが、しかし大臣の答弁を聞きましても局長の答弁を聞きましても、附則第二条に書いた文章とあかた方の答えは違っておるのです。ならばこの際、法律の内容をあなた方の答弁のとおりに変えることが、この委員会の審議を混乱させない一番大事な点だと私は思うのですね。この条文をあなた方の答弁どおり改めるか、それともあなた方の答弁を改めるか。どうですか。
○住政府委員 臨時の賃金につきましては、失業者就労事業就労者の賃金として十条の二に規定しておるわけでございます。そこでは失業対策事業に就労する失業者に支払われるべき賃金は労働大臣が定めるとなっている。それで臨時の賃金も賃金でございますので、当然第一項の賃金の中に入るわけでございます。したがいまして、そういう意味で制度としてきめておりますのは第一項の規定であろうかと思います。そこで第二項の規定は、これは賃金をきめる場合の基準なりあるいは決定方法等について規定しておるわけでございまして、そういう意味で制度としての根拠は十条の二の第一項にある。 そこで先ほどから御説明申し上げておりますように、臨時の賃金という制度は屋外日雇い労働者にも例を見ない制度でありますので、失業対策事業賃金審議会等におきましてもいろいろ御指摘を受けておるわけでございます。中間報告にもその点が書かれておりますが、そういうようなこともございまして、これは制度としては廃止しようというのがこの附則の二条の趣旨でございます。 しかし先生ただいま御指摘のように、雇用審議会の答申なり職業安定審議会の建議もございます。実質的に給付が継続するような方途を講じろ、こういうことになっておりますので、私どもとしましては、制度としては臨時の賃金の制度を廃止するけれども、こういう御答申なり建議の趣旨をくんで実質的にその給付が継続できるような措置をとりたい、そういう意味で予算上の措置も講じておる、こういうことに考えておるわけでございます。
○田畑委員 私はその辺の局長の答弁は混乱しておると思うのですよ。第十条の二は、賃金は労働大臣がきめる、こう書いてあるだけで、臨時の賃金も当然それは賃金の中に入っているわけで、その賃金は労働大臣が失業対策事業賃金審議会の意見を聞きながらきめていくというわけであります。そうしてその場合一般の就労者の、失対事業に働く人方の賃金と臨時の賃金のきめ方については、第十条の二の第二項を見れば、「夏季又は年末に臨時に支払われるものについて特別の定めをする場合」もあり得るということもこの条文の中からはっきり出ておるわけです。 しかし言いたいことは、臨時の賃金も含めてこれは賃金なんです。それで、それが長い間慣行としてこの事業に働く労働者の生活の安定に寄与しているわけですね。そのことは雇用審議会も職業安定審議会も明確に認めておるわけです。その支給の運営については考慮を払えといっているけれども、それを打ち切れとはいっていないわけです。またあなた方の答弁を聞いても、打ち切るとは言っていない。だとすれば第二条についてはあなた方の答弁のとおりに、これは文章を書きかえることが当然の措置だ、こう思うのです。まあ、しかし提案しておる政府の側だからそうだとも言えぬでございましょうが、私の言っていることはもっともだという答えをいただけばそれでよろしいが、労働大臣どうですか。
○野原国務大臣 どうも非常に微妙な御質問でおそれ入りましたが、ただいまのところはあくまでも臨時の賃金はこれを廃止をするということで、最も公正妥当な支給方法に改めるということを考えておりますが、これはいずれこの法案の御審議を通じ、この委員会において皆さま方の統一された何らかの見解が出ますると、それを十分考慮をしていきたいというふうに考えます。
○田畑委員 まあ、それでけっこうです。大臣の答弁はそれでよくわかりましたが、局長もひとつ大臣の答弁をくんで善処することを私は希望して、次の問題に移ります。 今回のこの法律は中高年齢者の雇用促進を前面に打ち出していますが、求職手帳の発給を除いては、すべて現行の雇用対策法や職業安定法の規定を移しかえてこれを一本にまとめただけにすぎないのですね。中高年齢者の雇用促進についての新しい施策というものは、求職手帳の発給以外に何があるのか。私は幾ら読んでも、いまの雇用対策法と職業安定法の規定を見ればもうそれで十分だと思うのですね。何か新しいものがありますか。
○住政府委員 一つは今後の雇用失業情勢にかんがみまして、失業対策の対象を中高年齢者に重点を置いて考えていきたい。そのためにいろいろ、御指摘のように現在職業安定法等に規定されております規定も盛り込んでおりますけれども、これを総合的な法律としてまとめまして、総合的な対策を講ずる、そして対策の実効性を確保していこう、これが一つはこの法案のねらいでございます。 具体的に特にこの法律で従来の対策と違っておりますのは、御指摘のように、手帳制度に基づいてこれを積極的に中高年齢失業者の求職活動なり、あるいは職業訓練、そういったものを援助していこう、こういうことでございます。そのほか、そういう手帳を交付し、手当を支給しながら失業者の求職活動を援助していくわけでございますが、そういったことにもかかわらずなお就職できない、こういう方々が産炭地、過疎地域、そういったところにも出ることが考えられるわけでございまして、そういう意味で特定地域対策ということをこの法律で規定しております。 それから、いろいろ事業主に対する規定といたしまして、これは主として第二章に規定しておりますが、求人者等に対する指導、援助とか、あるいは雇用率の問題、それから事業主に対する給付、こういうような事業主に対する援助措置についても、従来よりもさらに強化した規定あるいは新しい規定を置いておるというようなことを盛り込んでおるわけでございまして、こういうことを一本の法律にまとめまして、総合的な対策を実施し、中高年齢者の再就職の促進をはかっていく、こういうことを考えておるわけであります。
○田畑委員 まあ結局、局長の答弁を聞いておりましても、この法律の目新しいのは、求職手帳と、そしてそれを持っておる人々に手当を支給して就職活動を促進する、これが要すればこの特別措置法のすべてですよ。あんたのその他の説明というのは、職業安定法を見ても、あるいは雇用対策法を見ても、全部その中に入っておることだけなんです。そういう雇用対策法や職業安定法の中にあるものを、全部ひっくるめて今度の特別措置法に持ってきただけにすぎないのです。中間報告では、中高年齢者の雇用奨励金制度を新設する必要があると指摘しているわけです。しかるにこの法案では、職場適応訓練制度だけでごまかしておる。なぜ雇用奨励金などを制度化できなかったのか。求職手帳をやり、手当を支給する、同時にやっぱり雇用奨励金制度をやるということで初めてそれが生きてくる、こう思うのです。なぜこれをやらなかったのか。言うまでもなく炭鉱離職者を見ても駐留軍離職者も中高年齢者であり、また四十歳以上の特定繊維工業離職者についても雇用奨励金制度が制度として設けられているわけですね。なれば私は、せっかく中高年齢者のための特別措置法を設けるならば、雇用奨励金制度くらいは取り入れてしかるべきだったと思うのです。どうしてこれを入れなかったのですか。当初のあれにはあるではございませんか。
○住政府委員 中高年齢者につきましては、特に長年の職業経験なり技能もございます。そういう意味で中高年齢者が再就職をします場合に、新しい職場、作業環境に入るわけでございます。そういう場合に、作業手順とか知識経験とかあるいは技能を実地について習得していただく、こういう意味で中高年齢者の再就職対策といたしまして職場適応訓練、これがきわめて有効な対策であるというように考えたわけでございます。その場合に、もちろん事業主に対しまして非常に負担をかけることになりますので、そういった職場適応訓練をやっていただく事業主に対しまして、一般の場合に比べましてより充実した謝金を支出する、こういうことで考えているわけでございまして、雇用奨励金で雇用を促進するということよりも、むしろ職場適応訓練を実施し、それに対する事業主の謝金を一般の場合よりも充実していくほうが、かえって中高年齢者の再就職を促進するのに効果がある、こういうように考えて、法案に書いてございますように、給付金の額について特別の配慮を加える、こういうように規定をいたしているわけでございます。
○田畑委員 その点は私は異論がございます。せっかく中高年齢者のための特別措置法であるならば、謝金もわかりますが、やはりその他の特別措置法にもありますように、雇用奨励金を制度化することが必要であり、言うなれば画龍点睛を欠くきらいもなきにしもあらず、今後の検討課題として、ひとつなるべく早い機会等にこの法律の改正を考えていただきたい、この点は希望を申し上げておきます。 さらにこの法律の第二の問題点は、やはり附則第二条でございますが、緊急失業対策法は、現在の失対就労者についてのみ当分の間効力を有することとなっております。何度も質問し、何度も大臣がお答えになっておりますので、まあこの辺の質疑応答はお得意だと思いますから、当分の間とは何年くらいを予測しているのか、もう一度説明を聞かせていただきたい、こう思うのです。
○野原国務大臣 当分の間というのは、お説のとおり法律上の意味合いでは、あくまでも当分の間ということについて期限を付したものではございません。そうかといって、これが何十年もということにもならぬと考えますので、その辺は失対労働者の方々がそれに依存をしていかなければ生活できないということ、また一面においては、社会保障制度等が充実をされて現在以上にその面で十分な生活をやっていただけるということになるまでは、ということも考えております。そういう点はわが国の社会保障制度の今後の展開がどうなりますか、まあ現在の失対の方々が生活上あまり御不安のないような情勢になるまではこれを続けていくという意味に考えておるわけでございます。
○田畑委員 いまの大臣の御答弁をすなおに受け取れば、われわれが当分の間という、その社会常識から判断する期間とおよそ違っておるようですね。じゃ大臣のおことばのとおりにこの法律の文章を書くとすれば、これもまた「当分の間」ということばは削除したほうがわかりいいと思うのですね。どうも皆さんは、説明しておることとこの条文の内容とがまるっきり違っていることを答えておるんです。この条文では、附則第二条で「当分の間」というならば、三年なのか五年なのか、まあこのあたりが当分の間ということでしょうね。ところが大臣の答弁をお聞きしますると、この事業に依存しておる人方の生活が安定するまでは、あるいは社会保障その他の措置が充実することによって安定するまではこの制度を続けていくというならば、この「当分の間」ということばは無用な摩擦を招いておるだけですね。やはり条文というのは、文章というのは、あなた方のお答えの実体に即して書き改めるということが、これは当然のことじゃないかと思うのです。大臣もすなおにそのようにやはりお認めになったらどうかと私は思うのですが、どうでしょうか。
○野原国務大臣 「当分の間」というのはまあ官庁の通用語と考えておりますが、むしろ当分の間というのが非常に味があると考えております。これはやはりあまり年限をはっきりさして十年間だとかあるいは五年とかということをいわないほうが――そうかといって二十年、三十年ということもできないと思う。したがって、「当分の間」というのはかなりいろいろ使われておるらしいのであります。その辺を考えますとやはり「当分の間」としておいたほうがむしろいいんではないかというふうな考え方に立っております。
○田畑委員 味のあるのも時と場合によりけりで、あまり味のあることばを使い過ぎて混乱を巻き起こし不安を巻き起こしておるとすれば、やはりそれも考え直すべきじゃないか、こう思うのですね。あなたのお話のようにまあ生活の安定の道が確保されるまでとすれば、やはりそれはいつ確保されるかなかなかはかり知れないものがあるわけで、また何が安定といえるのか、その内容がまた議論の余地があるし、それは議論していくと幾多問題が混雑、混乱するわけですね。だけれども、大臣並びに局長のこの間からの答弁を聞いておりますと、失業対策事業に依存している人方が、それにかわって生活の安定の道が講ぜられるまではこの制度は続けていくんだとすれば、何でいま波風をここで一つのことばで起こす必要があるのか。大臣ほどの政治家であり、政治的な判断でものをしておられる人がなぜこんなことにとらわれるのか。やっぱりすなおに現状に即して、法律は客観的な事情に即しながら動いていくというところに、また改めるならば現実の事情に即して改めていくというところに生きた法律がある、こう思うのですね。そういうことを考えるならば、過般来しばしばこの委員会で問題になっておるように、「当分の間」などという、なぜこんな愚かなことをなされたのか。別に審議会の中でもそんな答申は出ておりません。この点大臣、やっぱり現状に即してこの条文は書くべきであったなという反省ぐらい私はお持ちになっておられると思うのですが、どうですか。そういうような反省はございませんか。反省の意思さえあれば私はもうこれでこの問題は終わって、次の問題に移りたい。どうですか。
○野原国務大臣 同感の面もございます。まあしかし、これはやはり「当分の間」としておいたほうがむしろ、かえっていいのではないかというふうな判断があったわけでございますが、この辺は今日この委員会において皆さま方の御審議を通じて、こういう問題の扱い方については最終的な結論を待ちたいと考えております。
○田畑委員 次に私は移りますが、この特定地域開発就労事業ですね。これはどういう性格のものかということもこの間来いろいろ言われておりますが、これはあまり深く入る時間の余裕もございません。ただ私ここで心配することは、現行の失対事業については、いまここに就労しておる人方だけを収容して、今後新しく出る中高年齢離職者等については今度の措置法によっていく。体系が二つに分かれてはっきりするようであります。まあこれ自体にもいろいろ問題がありますけれども、私ちょっとこの法律改正に関連して心配することは、沖繩の問題です。 来年四月一日に沖繩が返還されるという情勢がいま動いております。来年の四月と申しますと、ちょうど四十七年度の予算年度が始まる、区切りもいいわけであります。御承知のごとく沖繩においては、基地の縮小なりあるいは撤収なり基地労働者の離職という問題が深刻な問題になってきたわけですね。ことに政府の沖繩返還の方針を見れば、本土並みの返還ということを強く主張しておるわけで、それが額面どおりにいくかどうかということは今後の問題でございまするが、いずれにしましても沖繩については相当の離職者が発生することは必至であります。こういうことを考えてみた場合に、やがてすべての面で本土の法、本土の制度と一緒になって運用されていく沖繩について、今後発生する離職者というものは一体どうなるのか。一般失対事業でいくのかあるいは今度の特定地域開発就労事業のようなものでいくのか、あるいは沖繩のために特別の立法措置をやるのかどうか。このあたりはどのように整理をされるおつもりなのか聞かしてもらいたい、こう思うのです。
○住政府委員 沖繩の雇用失業情勢、先生の御指摘のようにアメリカ軍の撤退に伴う基地の縮小とかあるいは復帰に伴ういろいろな影響を受けまして、かなりの摩擦的な失業を生ずることが予想されます。現在関係各省間で沖繩の開発、振興につきましていろいろ検討をいたしております。沖繩の産業基盤なり社会基盤というものをどのようにして整備をしていくかということが非常に大きな問題でございます。そういうような整備をするためには、相当の事業の実施も予想されておるところでございます。 それから復帰に伴いまして、あるいは本土の企業が沖繩に進出する、沖繩でも復帰後一般的な企業活動も相当活発になってくる、こういうことも考えられまして、いまのところそういういろいろな要素がございまして、今後の雇用失業情勢がどうなっていくかということについてまだ確たる結論を出すに至っておりません。しかし、確かに御指摘のような問題点がございます。失業対策も充実していかなければならないということも当然予想されるところでございます。いろいろな一般的な再就職対策、失業対策に加えまして、こういった開発就労事業も必要に応じて実施していかなければならないというように考えておりますけれども、そういうような総合対策の結論いかんによって、また今後の雇用失業情勢がどうなるか、こういうことから適当な結論を出して対策実施等を考えていきたいというように考えております。
○田畑委員 これから沖繩で起きるであろう雇用失業問題というのは、ある面からいうと、ちょうど緊急失業対策法が昭和二十四年にできたような状況も想定されないでもないわけであります。したがいまして沖繩のこのような問題等については十分ひとつ、今回の法改正のいかんにかかわらず特別の配慮をいまから準備し、制度としても立法としても予算措置の面等においても十分配慮すべきであるし、その準備をなさるべきであるが、私はこれは何といっても労働省の大事な仕事だと思うのですね。私はこの点労働大臣からも一言承っておきたい、こう思うのです。
○野原国務大臣 沖繩の問題につきましては全く御同感でございまして、沖繩復帰後においては沖繩の開発促進あるいは経済基盤、社会基盤の整備というふうな点、あらゆる点で特別対策を講じていく必要がある。したがって雇用失業情勢等が深刻であるということになりますれば、当然失業対策事業等も別個に考え、特別開発事業等も実施を検討していくということでございまして、これが復帰後における大きな沖繩の地域の開発のために役立つ対策を、労働面からも積極的に講じていきたいというふうに考えておる次第でございます。
○田畑委員 これは局長からでけっこうですが、先ほどのことで一つ質問を落とした点がございますが、要すれば、臨時の賃金については払い方は違うけれども支給する、こういう原則だけ私は先ほどの答弁でわかりましたが、たとえば人事院の勧告に基づいて、公務員についてあるいは期末手当など引き上げ措置が講じられておりますね。たとえば〇・二カ月増額の勧告が出されたような場合は、この失対労働者の諸君については〇・二カ月の場合は二日分であるとか、〇・一カ月増額の勧告があった場合は一日分とか、このように従来は人事院勧告に基づいて公務員の引き上げ措置が講ぜられると、おのずから失対労務者の臨時の賃金についてもはね返っておりましたが、このような慣行などは当然今後も尊重されて処理されていくものだと私は見ておりますが、この点についてひとつ局長から御答弁を願っておきたいと思うのです。
○住政府委員 現在臨時の賃金、これは日数できめておりまして、年間通じまして三十一・五日でございます。夏が九日、暮れが二十二・五、こういうことになっております。たしかこの日数はたとえば国家公務員の期末、勤勉手当等が増額になった際にふえて現在のような日数になっているわけで、そこで、そういう経緯はございますけれども、これは私ども、何もその場合には必ずそうなるのだということではなくて、そういう機会に日数の増をはかっていこうということで実施してきておるのでございますが、現在支給日数も相当の日数になっておりますし、それから日数できめております関係上、賃金のアップがきまれば同一日数でもその分だけ上がる、こういうような仕組みにもなっております。そういうようなことから、まあ従来機会を見まして増額につとめておったのでございますが、今後そのことをどうするかということについてでございますが、いろいろ失業対策事業賃金審議会等の御意見も聞きながら対処していきたいというように考えておるところでございます。
○田畑委員 局長、この点について両審議会の答申も、従来の経緯を尊重すべしとか、従来の慣行はやはり守るべしとか、また失対事業に働く人方の生活水準がいま以下に低下することがないようにということは答申の大原則なんですね。いま以下に低下してはならぬというのが、たとえば国民生活の水準とか公務員の給与とか、そういうものとの比較検討の面から見て、いま以下に低下させないようにというのがこの答申の趣旨であることは、局長よくおわかりのとおりです。なるほど賃金が上がればかりに三十一・五日分であっても臨時の賃金が総体として上がることはもちろんでありますが、しかし公務員の給与も上がる、民間の賃金も上がるということになれば、やはりそれに応じてその比較水準が下がらぬようにというのが両審議会の答申であるとするならば、やはり私はその答申を尊重して、従来の慣行を尊重していくことが、労働行政のとるべき失対問題に対する施策であってしかるべきだ、こう思うのですね。賃金審議会の意見を聞くことは当然でありましょう。しかし聞く前に、その諮問案としてはそのような頭で臨むことが大切であると思いますが、私がいま言ったような趣旨で、従来の慣行を尊重しながらこの臨時の賃金については配慮していかれるかどうか、もう一度局長の答弁を願い、同時に私がいままで申し上げた点を十分頭に置いて善処を願いたい、こう思いますが、局長の答弁をもう一度承ります。
○住政府委員 この臨時の賃金の日数をどうするかということは、まあいろいろ問題がありますことは御承知のとおりだと思います。非常に困難な問題であるかと思いまして、先生の御趣旨も頭に入れて対処をし、賃金審議会等とも相談してまいりたいと考えております。
○田畑委員 私はこれで質問は終わりますが、最後に指摘申し上げたいことは、先ほどの大臣の答弁で、附則第二条については十分われわれのこの委員会における意見を尊重される、こういうことでありまするからこれ以上触れませんが、ぜひそうしていただきたいと思いまするし、またそうでなければ、附則第二条で大きな制度の改革をやるなんということは、私は条文のていさいから見てもどうかと思うのです。それだけの制度改革をやるなら、附則第二条ではなくて本文でやるべきなんです。これ自体が因循こそくな手段だと私は思うのでありますが、しかし幸いに附則第二条の矛盾については大臣の答弁で明らかにされましたので、私はこれ以上追及はいたしません。願わくは、この委員会でこれまでしばしば各委員から出された意見を、政府としても十分に尊重されることを希望するものであります。 なおまた私は、もう一つ申し上げておきたいことは、たとえば石炭対策特別会計というのは昭和四十八年度で終わりますね。いまの石炭特別会計の中には、産炭地域の緊急就労事業がありますし、また産炭地域開発就労事業というのがあるわけです。さらに今回は、特定地域開発就労事業、あるいは一般失対事業の問題が取り上げられておるわけです。 しかし私が特に石炭特別会計について申し上げたいことは、四十八年度までこの制度は残るわけでありますが、それ以降はどうするかという問題もこれから出てくるわけですね。大臣すでに御承知のように、先般石油輸出国機構が原油の値上げを各国に求めてきている。そうしてわが国の石油精製業者は石油製品の値上げをあげて消費者に転嫁してきた、こういうことですね。この問題については、今後の経済運営の大きなかなめの問題でもありますだけに、政府としても適切な指導をやっていくと思いますが、しかし原油の値上げは結局消費者に転稼されていく、まことに残念だと思います。 この問題に関連いたしまして私が申し上げたいのは、石炭対策特別会計の財源は、御承知のように原重油の輸入関税をこれに充てておるわけです。そこで、この値上げ攻勢をかわすためには、原重油関税自体についてこれから検討しようというようなこともいわれておるやさきでありますから、したがって、原重油関税を財源にした石炭特別会計が今後存続できるかどうかということは非常に大きな問題だ、こういうことを私は見ておるわけです。そうなってまいりますと、この石炭特別会計の中で産炭地域の就労事業あるいは産炭地域開発就労事業、これだけでも九十五億の予算措置が講ぜられておるわけです。やがてはこれを一般会計でまかなうかどうかの問題にもなってくるわけです。 こういうような問題等も十分配慮しながら、今後わが国の雇用失業状況に即した失業対策制度をきめこまかくなされることが大事な課題ではなかろうか、こういうことを私は見ております。どうぞそういう問題等について、政府としては――今回特に中高年者のためにはこういうような特別措置をなされましたが、これも一つの分野でありましょうけれども、全体のわが国の今後の雇用失業問題等について適切な処理施策を講ぜられるように私は強く要望申し上げまして、私の質問を終わることにいたします。
○倉成委員長 この際、午後一時まで休憩いたします。 午後零時十三分休憩 ――――◇――――― 午後一時十六分開議
○倉成委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 労働関係の基本施策に関する件について調査を進めます。 おはかりいたします。 本件特に政府関係特殊法人に関する問題について、日本住宅公団総裁南部哲也君及び同じく理事川口京村君に本日参考人として御出席願い、意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○倉成委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。 ―――――――――――――
○倉成委員長 それでは本件に関し質疑に入ります。 まず最初に、社会労働委員長の立場から、労働災害の防止対策の観点から労働大臣にお伺いいたしたいと思います。 去る五月七日発生した日立造船所神奈川工場における労働災害に関連し所信をお伺いしたいと思います。 労働災害は、その直接の被害者だけでも年間延べ百七十万に及び、交通災害を上回り、被害者の家族に及ぼす影響その他社会経済的な影響を考えると、国民全体にとってきわめて重大な問題であります。労働災害の絶滅こそ労働行政の一番大きな目標でなければなりません。しかるに、さきに長崎三菱造船所、佐世保船舶工業における事故に引き続き、今回の造船所における事故はまことに遺憾であります。しかもこの災害がきわめて日常の作業の中に起こった点を指摘しなければならないと思います。この事故絶滅のため労働大臣はいかなる具体的措置を講じられておられるか、承りたい。時間の関係上簡潔に、次の数点についてお答えをいただきたいと思います。 第一、労働災害の現況、死傷者の数、特色、これについてお伺いしたい。 第二点、労働省、特に労働大臣の災害絶滅に対してとられておる措置、これについてお伺いしたい。 第三、この種の災害の犠牲者は地方出身の人々の多い下請企業において多いと思うが、この点についてどうお考えになっておるか。すなわち、弱い者に災害がしわ寄せしておるのではないかという感じがするのでありますが、この点についての御所見を承りたい。 第四点、監督の立場にある各地の基準監督署の体制を見ますと、これは十分でないと思うけれども、限られた人員で複雑な生産工程の安全を確保するためには、監督のあり方について特別のくふうを要すると思うが、この点についてお伺いしたい。 以上四点について簡潔に御答弁をいただきたいと思います。
○野原国務大臣 このたびの災害によりまして、八名の方が死亡いたしまして、三名の方が重傷を負われたのであります。まことに遺憾なことでありまして、なくなられた方々の御冥福をお祈りするとともに、重傷を負われた方々が一日も早く全快、回復されんことを念願するものであります。 今回の事故は、日立造船株式会社神奈川工場において、修理船に乗船するためタラップを通行中タラップがはずれまして、タラップとともにドック底に墜落したものであります。事故の発生後直ちに現地に本省から中央産業安全専門官等の係官を派遣いたしまして、その原因の調査に当たりました。その徹底的な究明を指示したところであります。 今後の対策としては、同工場のみならず、主要造船所に対しまして労働災害防止のための特別な監督を実施する予定でございます。 また、被災されました方々に対する労災補償につきましては、すみやかに支給することができるよう万全の措置を講じておるわけでございます。 なお、このたびの災害は、御指摘のとおり下請が非常に多いのでありまして、全般的に見ましても、造船業界は最近下請企業に依存する度合いが多くなっておりまして、下請の災害は元請の二倍以上となっておるのでございますが、労働省におきましても、かねてから労働災害防止実施計画を立てまして造船業を最重点の業種として取り上げまして、墜落災害、クレーン災害、爆発災害、有機溶剤中毒等を中心といたしまして監督指導を行なうとともに、下請の災害防止を主眼として親企業が積極的に総合的な安全管理を推進するよう強力に指導してきたところであります。 特に本年度は、造船業をはじめとする下請混在企業の災害防止を強力に推進するために、総合安全管理に関する具体的な監督指導の方策をあらためて通達したところでありまして、今後かくのごとき災害の絶滅を期しまして、全省あげまして災害防止に取り組む決意でございます。 今回の災害はまことに遺憾でございました。この事後措置につきましては万全を期して行なうつもりでございます。
○倉成委員長 私の提起した問題に関する答弁としてはいまだ不十分と思いますが、あらためてお伺いすることとし、特にこの際、労働災害の絶滅について、労働大臣を先頭に全力をあげて努力されるよう強く要望いたしておきます。 次に、島本虎三君。
○島本委員 春闘というその中で、いま民間と公労協その他を問わず重大な段階になってきておるわけであります。 きょうこの委員会で労働大臣並びに関係の皆さんにお伺いしたいことは、国が指導している政府関係特殊法人労働組合協議会、いわゆる政労協というのでありますけれども、公庫、公団、事業団約三万名を擁しておるところであります。そういうような事業体で、だんだん年を経るごとに争議がふえ長期化してきている。今回の場合も、四月の二十八日に十単組がストをやっておる。五月の十二日にも二十単組以上がそういうような計画を持たれておる。二十日には、これまたいよいよ最後の詰めに参りましても政府側の体制がどうしてもきつければ、かつてないような最大限のスト、こういうようなことも計画されているようであります。これを見る場合には、やはり何かこの問題に対する誠意と申しますか、その問題に対する一つの圧迫と申しますか、こういうようなものが、ある場合はない、あるものはある、こういうような微妙な関係にあるということを指摘しなければならないのでありますが、一体政労協に対してどういうような状態になっているのであるか、この問題についてはっきり答弁願いたいと思います。まずこれは労政局長のほうからお願いします。
○石黒政府委員 政労協につきましては、御指摘のごとく、本年におきましては四月二十八日に第一波、それから十二日に第二波、それから二十日に第三波というようなストライキの計画を持っておりまして、自主交渉の促進を中心とした要求を出しております。 ここ数年来政労協におきましては、春闘段階において賃金問題を解決することを目標に運動をいたしておりますが、当局側といたしましては、種種の観点から、公務員に準拠する方式でいきたいということで争いが続いておりまして、今年度におきましてもこの争いが尾を引いて、なかなか解決が困難な状況にあるというのが現状でございます。
○島本委員 大臣、これは解決が困難な状態にあるということになっております。なるほどそうだと思います。しかし、この解決を困難にならしめている原因の一つには、内閣そのものが政労協に対して特別の考えや指導をしているんじゃないか、こういわざるを得ないのでありますが、この点どうですか。政府は、もう去年の春以来国会の場所で、政労協の賃金決定問題については、自主交渉で、それから自主決定の方向に向けて段階的改善をするものだとして言明してきておるのであります。にもかかわらず、去年具体的な前進が何ら見られなかった。ことしになっても去年と同じような状態をまた繰り返しておる。どういう障害があったのか。これはやはり大きい問題じゃないかと思うのです。もちろん団交権は認められております。団交権を認められ、労働三権を認められていながらも、なぜ自主交渉ができないのか、なぜその決定ができないのか。 〔委員長退席、増岡委員長代理着席〕 これは自主交渉を認められているはずなのに、その結論も出せない。団交権はじめ労働権も認められているのに、その結論を出し得ない。ここに重大な行政上の手落ち、指導の手落ち、こういうようなものがあるのじゃないかと思うのです。大臣、この問題に対しては大臣の責任でありますが、大臣の見解を聞かしてください。
○野原国務大臣 政府側としましては、従来から政府関係特殊法人の事業の特殊性、公共性を踏まえながら、なるべく早期に自主的、円満な解決ができることを期待しておりまして、その方向に沿って、たとえばいわゆる内示の時期を早めるとか、内示の内容を弾力的にするとかの努力を積み重ねてまいっておるわけであります。今年の給与改定にあたりましても、政府側としましては、従来と同様の態度で臨むつもりでありますが、ただ組合側の言うように春闘時にすべて解決するということは、実際問題としていろいろ問題があるようでありますので、労使関係者の意見を十分に聞きながら慎重に研究してまいる考えでございます。
○島本委員 これは、そうすると大臣と労政局長の答弁はまただんだん退歩してきております。これはどうですか。内示とか回答についてはできるだけ自主性がこの制度の上で発揮できるような、縛りをできるだけ少なくするというようなことでやりたい。根本問題はいろいろな面から検討しなければならない。これは労働省の松永労政局長が去年の六月十日に衆議院の社会労働委員会で発言しているのです。大臣はいま、春闘の場合にこれをやることはなかなか困難であると言いながらも、これはできるだけすみやかに自主的にある程度事をきめるという幅を持たせていきたいと思います。これも去年の十月九日に衆議院の社会労働委員会で言っているのです。双方ともこれはやると言いながらも、一たんその場所になったら、これはできない、こういうようなことがとりもなおさずこの解決を困難にする、そういうような結果をもたらすことになるじゃありませんか。私どもこれは政府の姿勢、ことに労働省が積極的にここで発言しながら、社労委員会で答弁しながら、それを実行しないところに問題の根幹があるのじゃないか、こういわざるを得ないのです。このときにちゃんと答弁しています。ではこの答弁で、自主的にやらせたい、だんだんやっていきますということは、これはうそなことに大臣なってしまうじゃありませんか。これは労働組合だけの問題ではありません。労働問題全体の問題としても大きい問題なんです。どうも前言をひるがえしてだんだん困難なほうにやるということは無責任です。こんな無責任なことはやっちゃならないと思います。日にちがはっきりして、そして発言した委員会まではっきりしているのですから、こういうような問題については責任をもって指導すべきだこういうように思います。これは大臣と労政局長の言であります。これは現にやってないということじゃありませんか。これだからなおさら紛争が長引くことになっちゃいます。これは一体どういうことですか。
○石黒政府委員 ことばが足りなかったかもしれませんが、労働省といたしましては、自主交渉で解決されることが望ましいというたてまえにつきましては、少しも変更ございません。ただ、それを実現するにつきましては、非常にむずかしい問題がたくさんある。そのむずかしい状況の中において、実情に即して少しずつでも前進させるように努力いたしたいという趣旨のことを昨年、一昨年も申してまいりましたし、現在もその心境に変わりはないということを申し上げている次第でございます。
○島本委員 大臣も同様ですか。
○野原国務大臣 同様の努力を積み重ねてまいりたいと考えております。
○島本委員 大臣は同様だと言いながら、自主的にある程度幅を持たせていきたいと去年言っているのですが、ことしは全然幅がない。去年と同じなんです。どこで幅を持たせてありますか。それから労政局長、あなたのほうでも、これは内示とか回答について自主性がこの制度の上で発揮できるように縛りをできるだけ少なくするというようなことでやりたい、これまた言っているわけです。ことばが少し俗なことばでそのとおり言っただけなんです。これでは大臣もあなたも、自主交渉は認める、望ましい、むずかしい問題がある、段階的に解決する、大臣は幅を持たしてやりたい、こう言っていながら、去年とことしは何ら変わっておらない。これは皆さん方が努力していないということになってしまうじゃありませんか。その原因はどこにあるのですか。大蔵省ですか、それとも公団当局の自主性のなさですか。皆さんの指導を聞かないということなんですか。原因はどこにあるのですか。
○石黒政府委員 逐次自主性を増していきたい、そのためには弾力性も持たしていきたいということで、御承知のごとく一昨年は初任給につきまして若干の弾力性を持たしたわけでございます。昨年につきましては、その点について非常にはっきりした形では出ておりませんが、公社当局の実情を反映するように大蔵当局も非常に努力をしてくれたと思っております。四十六年の賃金につきましては、まだこれからの問題でございますけれども、何らかの形におきまして、前年よりも前進させるようにできる限り私どもさらにいろいろ研究をし努力をしてまいりたいと考えておる次第でございます。
○島本委員 どうもことばはいいんですが、さっぱり実効があがっておらないのです。木村副長官来ておりますか。一時三十分に到着することになっていますが……。
○増岡委員長代理 間もなく参られます。
○島本委員 それでは来たらばやりましょう。 これは、政府が自主的に決定を持っていくとか、または政府の約束を前進的にこれを指導するとかいろいろ言っているわけです。しかしながら、政労協の賃金紛争は依然として長期化している。私はそれがわからぬのです。どういうことですか。 〔増岡委員長代理退席、伊東委員長代理着席〕 これは労使関係の紛糾の度がむしろ深くなってきている。そして異常にこれが長引いてきている。こういうようなことは改善の具体策がないということなんですか。この点について参考人でございます南部総裁並びに川口理事からも伺いたいと思うのです。これは異常に長引いてきている。紛争もそういうような状態になってきているということは、改善の具体策がないからこういうことになっているのですか。それともほかから圧力があってできないのですか。自主交渉をやるように指導なさっておる、なさっておってもできないという。何が壁なんですか。そこをはっきりしてください。それとも自主能力がないのですか。
○川口参考人 お答えいたします。 現在政府関係特殊法人といいますのが百幾つかあるわけですけれども、その大部分が給与の基準については監督官庁の認可を必要としております。ですから、われわれといたしましては、その認可がどういう基準で認可されるかというのが明らかでない場合には、有額回答というものが実際には出せないということでございます。そういう状態でございます。なお、現在長期化しておるということでございますけれども、こういう事情を組合に説明して納得を得るように努力している次第でございます。
○島本委員 その認可というものは、いまおっしゃったのは法的なことばで何というのですか。
○川口参考人 法的なことばでやはり認可でございます。これは監督官庁に協議することになっております。
○島本委員 給与改定については政府の承認が必要だ、こういうことですね。そうして政府の承認基準、これがいわゆる内示だ。それが示されるまでは具体的に回答が出されないのだ、したがって、政府がこれを承認しない以上、いかにやりたくても、皆さんのほうでは具体的な団交に応じて自主的に決定はできない、こういうようなことだということですか。それとも内示というものは承認基準ですが、それがすなわち承認なんですか。これはいずれなんですか、内示を示して、そのあとで承認を受けるのですか。
○川口参考人 通常内示を受けまして、それに基づいてわれわれのほうで俸給表その他をきめまして団体交渉するわけでございます。それで団体交渉がまとまり次第認可を受けるわけでございます。そういう手続になっております。
○島本委員 大蔵省関係来ておりますね。承認と認可、この問題に対しては具体的にはっきりしないといけないと思います。法何条によってこの承認がきめられ、法何条によってこの内示がきめられているのか、これをこの際明確にしておいてもらいたいと思います。
○谷口説明員 先ほど住宅公団の川口理事から答えがありましたように、非常にたくさんの法人がございます。いま例としてたまたま住宅公団ということであがっておりますので、住宅公団の法律の条文を引かせていただきます。日本住宅公団法の五十四条「給与及び退職手当の支給の基準」というのがございます。「公団は、その役員及び職員に対する給与及び退職手当の支給の基準を定め、又は変更しようとするときは、建設大臣の承認を受けなければならない。」こういうふうに書いてございます。これが給与及び退職手当の支給基準の規定でございます。それから六十一条「大蔵大臣等との協議」という条文がございます。「建設大臣は、次の場合には、あらかじめ、大蔵大臣と協議しなければならない一その第一項の第二号でございます。第一号は省略いたしますが、「第四十七条第一項及び第五十四条の規定による承認をしようとするとき。」したがいまして、この五十四条で建設大臣の承認を受けるという形になっており、六十一条で大蔵大臣への協議という形になっております。
○島本委員 そうしたならば、五十四条、六十一条によって政労協は、今後といえども、自主交渉並びに労働基本権は認められておりながらも、政府のこういうような拘束によって自主解決もできない、今後はだんだん争議が長引くだけである、こういうようなことになってしまうのですが、これに対して大蔵当局は具体的にどういうふうにしたら一番いいと思っておりますか。これは大臣でなく大蔵当局。
○谷口説明員 非常にむずかしい御質問でございますが、先ほども引用させていただきました条文に即して、現在大蔵省の給与課といたしましては、各主務官庁から協議がありましたものにつきましてそれの協議をするという形になって、そのあとで法律的には承認がされて支給規程がきまるということになるわけですが、実は先生先ほど来御質問のように、政府関係機関の職員につきましては、御案内のとおりに労働三法の適用があるという形になっております。そういう形で、当然のことながら、労使間の団体交渉による労働協約というものが締結されるというたてまえにはなっておりますが、先ほどこれは住宅公団のところで述べましたけれども、ほかの政府関係特殊法人について大体同じような規定になっておりますが、これらの特殊法人は、御案内のとおりに、その業務の公共性とか公益性とかあるいは特殊性ということがございまして、政府の出資によって設立されておるとか、あるいは業務の運営についても財政投融資資金が出ておるとか、あるいは政府の交付金、補助金等が出されておるとか、あるいは経費について予算として国会の審議を仰ぐ、こういうような状況にございます。 そこで、そういった一方において労働三法があり、一方において政府関係がいわゆる民間とは違うという二つの問題がいわば非常に交錯しておるという状況かと思います。そこで私どもといたしましては、そういった業務運営や給与の決定については先ほどのような手続になっておりますが、これは、結局はとりもなおさずそういう二つの問題をどうやって現実に調和するかということがこの問題解決への方法ではないか、こんなふうに考えております。 そこで、先ほど労働大臣あるいは労政局長がお話しになりましたように、一昨年は初任給の問題につきまして当時非常に大きな問題で労使間に交渉が行なわれておりましたが、私どももその問題の重要性から、この初任給につきましては、御案内のとおりに一昨年は、二百円のアローアンスということで問題の解決への一歩といたしました。御案内のとおりに当時三万二千円という初任給が支配的でございましたが、それを四千円、いわば三千八百円プラス二百円という形でもって三万六千円、あるいは三万五千八百円プラス二百円という形で初任給の大学卒の基準を上げておりますが、こういったようなものはそういった問題解決への一つの方法である、こういうふうに考えております。 そこで、昨年実はどうしたかということで先ほど来労政局長から御答弁があったわけでございますが、ふえん的に申し上げますと、御案内のとおりに、この政府関係特殊法人については、先ほど来申し上げておりますように、そういう事情から初任給について公務員の給与に準じたような形で従来運営させていただいておりますが、去年はたしか公務員給与が八月十五日に勧告がございまして、八月二十五日に、閣議決定におきまして公務員給与の実施ということを一応きめていただいたわけでございますが、その日の直後、具体的には二十五日、二十六日と、こういう日から数回理事あるいは主務官庁の方々とお会いをいたしたり、あるいはその以前からも、いつかこの席上でも御答弁申し上げましたが、組合の人たちにも話を聞きましたり、このような過程を経まして、御案内のとおりにおととしは、たしか十一月の終わり近いころに、いろいろな事情でちょうど最終的な話に入りましたけれども、去年はそれが給与勧告の閣議決定をしてからわずか一カ月とちょっと、十月の九日という日からこういう実施した状況に入っております。いわばこういう問題も一つの前進である、私どもはこのように考えておりますし、同時に、その過程におきましていろいろな方と議論をし、かついろいろ勉強させていただいた、こういうことも私どもはやはり前進への一つの姿勢だ、こういうふうに御理解いただければ非常にありがたいと思います。
○島本委員 長々とりっぱな日本語で答弁していましたが、要は大蔵省が承認を与えた中でこれをのめば一番簡単だということなんでしょう。大蔵省が与えたその範囲内であなたたちのみなさいよ、これが円満解決への道だ、労働基本権を持ちながら、団交権も持ちながら、そして自主交渉も大いにやりなさい、自主解決もやりなさい、政府がこれを指導しながら、大蔵省が認めたものをのまないじゃこれは解決にならないんだ、こういうような一つのやり方が、いまいみじくもあなたの口からいろいろ出されましたけれども、これは諸外国に信を失うもとですよ。何が調和ですか。いま産業との調和ということはもう公害でもなくなっちゃった。あなたのほうが、あらためて大蔵省、何と調和するのですか。いまもうすでに産業との調和は公害にはない字句なんです。いまあなたは、すでに大蔵省との調和を持ち出して、これはまさに産業との調和でしょう、こういうようなことは公害でなくなったのと同時に、これは今後の大蔵省にもないことばだ、こういうように理解しなければいけません。大蔵省は数字になかなかたんのうであっても、頭の回転のほうは、時代はもうだいぶ進んでいるようだ。もう少しあなたのほうはこの点を現実に即応するように今後はやってもらわないといけないと思う。あなたのほうで承認したやつでないと、初めにこれをのむのでないと解決がおそいぞ、こういうのはどうかつというのです。だめです、こんなことでは。 それと同時に、官房副長官、せっかくおいでなさいましてありがとうございました。それで、あなたのほうではおととしの五月十四日の衆議院の社会労働委員会に出ていただきまして、その席でやはり政労協の問題に端を発して、自主交渉がどういうような制約でできないのか、いろいろこれを探求し、答弁されたことばの中で、「毎年続けてはいけないというような前提のもとに、」「法律上の制約の、事実上の制約内において、できるだけ自主性を発揮するようなくふうを、政府並びに当事者同士でぜひ協議、努力をしたい、」こういうようなことをはっきり言っているわけです、議事録によりますと。それと同時に今度は、去年の八月五日に、これはいろいろこの団体の長の人とお会いになって、その席上で、内示については一挙に廃止するということはむずかしい事情にあるので、昨年一つ、ことし一つ、こういうように一つずつ解決していくようにしたい、こういうように言っているわけです。そうすると、段階を追ってこの内示制は廃止していくのだ、そして自主解決、それから自主交渉、この上に立っての一つずつの解決を促進するのだ、労働大臣も労政局長もこの辺でおるのです。あなたもそう言っているのです。しかし去年に比べてことしは何も進歩していない。一つ一つやっていく、こうあなたもおっしゃっている。さっぱりこれは進んでいないのです。あなた自身も責任を持たなければいかぬと思うのです。政労協のこの内示の問題、承認の問題、こういうようなものは、労働基本権を認めながら、これは余分な拘束を与えている結果になるのじゃないか。これに対してどのような考慮を払い、今後どのような努力をするつもりですか、この際国民の前にそれを明示してもらいたいと思います。
○木村政府委員 自主解決のために漸次改善をしていきたい、また、そのために努力することはいまも変わりはございませんが、ただこの政府関係特殊法人の特殊性、また公務員給与との関連性、その時期等から考えますと、やはり一挙にこれを自主解決の線に持っていきますにはまだまだ困難があると思います。したがいまして、先ほど大蔵省の事務当局から説明がありましたとおり、一昨年からはこの初任給についてアローアンスを認めるようになったのも一つの改善の点だと思いますが、ただ、できればその内示の時期を早めていきたいということはきわめて必要であろうと思いますので、昨年は公務員給与が時期ともに完全実施いたしましたので内示の時期を早められたのでありますが、ことしも公務員給与については完全実施の線が早く出るだろうというような見通しがありますので、その点については内示の時期を早めることについて努力をさらに重ねたいと思います。また、このアローアンスの幅につきましても、昨年、先ほど説明いたしましたとおり、二百円の幅を認めたのでございますが、これについてもできるだけそのアローアンスの幅を認めていくように努力を続けたい、こう考えております。
○島本委員 いわゆるこの政府関係特殊法人労働組合協議会、政労協です。この政労協の場合には、これはもう法的にも公務員準拠、これが正しいのだというふうにしてこれは明記されていないですね。あくまでもこれは運用上の問題で、これに準拠してやらせているようですね、副長官。そういうふうにしてやってみると、仕事の内容そのものを見ると民間の仕事と同じですね。身分とて労働組合法上の制限は、いわゆる労働三法の適用を受けていますね。そういうふうにしてみると、これはやはり労働三権の適用を受け、賃金は労使の自主決定のほうが望ましいと労働省は指導している。こういうようなことになるならば、なぜこれは、自主決定だけは、内示をしてそのあと承認を受けるようなこういう手続をしなければできないのか、こういうふうなことをやっておくのはおかしいじゃないか。 〔伊東委員長代理退席、委員長着席〕 ましてこれは、段階的に解決していくんだ、こういうふうな一つの明言があったわけです。もう初任給はやった。ことしは何でやるんですか。来年はどういうふうにしてやるんですか。そうして、年次計画を立ててこれが年次解決というのです。場当たりでこれをやっても、この趣旨に沿うことにはならないと思います。それがとりもなおさずだんだん争議を長引かせる結果になると思うのです。 いまのようなことをやらない以上、これは解決にならないし、政府の怠慢であり、大蔵省の一つの権限行使のもとに屈服しているのじゃないか、こういわざるを得ないじゃないかと思うのです。そのためには、育英労というところでは、一九六八年には百四十五日もこれは争議が続いておる。それから次の年六九年には二百八十日、七〇年、去年には二百八十八日とだんだん長くなってきているのです。それから今度は、ジェトロ労働組合のほうでは、やはり一九六八年には百五十五日、一九六九年には二百六十一日だ。それから去年、七〇年には二百四十五日、これもだんだん延びてきているのです。こういうふうなものは特例だと思っていたら、そうじゃないのです。他の組合でもみんなそういうような傾向が出てきているのです。これは農地開発機械公団、ここでも一九六八年には百五十六日だ。ところが次の年は二百七十一日、それから去年では二百九十四日、これもだんだん長引いてきておる。そのほか農林漁業団体職員共済組合、これにも同じ傾向が見られます。一九六八年には百六十二日、次の年は二百六十七日、こういうふうにふえてきている。それで去年は二百四十七日、これは若干減っております。 こういうふうにしてみますと、各団体のこういうふうな経過はだんだん長くなってきております。ほかのほうは交渉によってだんだん早まってくる。鉄鋼なんか一発回答だ、こういうふうなことになってきているのに、より一そう民間に近い政労協のほうがだんだん長まってきている。こういうふうなことは、やはりどこかおかしいのじゃないか。やり方に対しても、必ずどこかに重大な欠陥があるのじゃないか。まして副長官あたりは、一歩一歩自主決定に持っていく、こういうふうなことをはっきりお約束なさっている。しかしながら、政府の約束にもかかわりませず、今度は政労協のいわゆる賃金紛争、こういうふうなものは、依然としていま言ったようにして長期化の傾向がある。こういうふうなことになってくると、労使関係はむしろ異常に紛糾しているということになり、改善の具体策については、もう責任をもって政府がいま言ったような自主解決、自主交渉、この線に乗ってやらせるよりしようがないじゃないか。そうでない以上、いかに大蔵省が何と言っても、労働省の指導があっても、だんだん長引いていっているのです。これをもってだんだん解決していったという結果にはならないと思います。これはどういうことでしょうか。この点については高邁なる労働大臣と副長官お二人の御高見を賜わりたいと思います。
○野原国務大臣 政府関係の特殊法人につきましては、従来からそうでありますが、なるべく自主的な円満な解決ができるように、当事者能力を付与して回答も早く出してもらい、あるいはまた弾力的な回答を出したいというふうに考えておりますが、どうもきわめて困難な事情もございまして、そういうようになっていないところに御指摘の問題があると思うのでございますが、しかし、いつまでもそういう状態は好ましくございませんので、できるだけ早くそういった自主回答ができますように、今後も重ねて努力を続けてまいりたいと考えております。
○島本委員 副長官のほうから答弁がないようですが、大体同じだと思うのです。そうなりますと、これはやはり政労協の使用者側の最近の動き、こういうふうなものは注目しなければならないのですが、何か大蔵省やそういうようなのが、頭から予算に関係して圧力をかけているのじゃないかというふうな傾向が見られるのです。もしそういうようなことがある場合には、副長官あたり、き然たる態度をもって、あまり労働運動の中に、いかに金の大もとを握っている大蔵省であっても、あまり関与するというのは好ましくないんだというようなふうにして、はっきり指導しなければならないのではないかと、私こう思うのです。中にはこういうような傾向がございます。使用者の中には、最近は、賃金は本来春の段階で自主的に解決すべきである、こういうようなことを言っている方もあるようです。それと同時に、いわゆる内示は廃止すべきである、こういうようなことを使用者の中でも言っているのです。こういう考えが、もう自然と出てくるようになってきているんです。したがって、政府としても、関係官庁の指図を受けなくとも、みずからの判断と責任で自主的に賃金をきめようとする、この使用者側のこういうような前向きの姿勢に対して、これを尊重すべきじゃないのか。もちろん、これを尊重すべきであり、こういうように指導するというのが労働省の考え方です。段階的に解決していくというのが去年の副長官の答弁であります。そうすると、使用者もこれを望んでいるわけであります。使用者も望んでいるのに、だんだん争議が長期化してくるということは、これは重大な欠陥がどこかにあるということであります。そういうようなのは、大蔵省なり政法連なりが、何かこれに対して待ったをかけるような現象がないかどうか。そして、自主交渉を妨げている、こういうようなことがあったならば、これはおかしいんじゃないかと私ども思うわけです。どうもこの点は私釈然としないわけです。ことに政府、大蔵省、こういうようなものが保障を与えるのが正しいわけですけれども、これ以上の、権限、たてまえを逸脱して各省間に圧力をかけるというようなことは、これはやるべきじゃない、自主交渉にまかすべきだ、こういうふうに思うのでありますが、この点については副長官、どのようにお考えでしょう。
○木村政府委員 制度的に一挙にこれを解決するのはなかなか困難でございます。これは、率直に私申し上げたい。ただ、実質面で漸次これを段階的に改善するということは当然やらなければならないことであります。昨年せっかく公務員給与の閣議決定を早くやりまして、しかも十月六日に内示時期がおくれたというのも、これはよく私事情を聞いてみますと、大蔵当局が非常に各関係省の話をよく聞いてくれた――当然のことでございます。そういう実質的な面の改善があってのおくれだったということのように私聞いております。そういう意味におきまして、政府部内で当然これは大蔵省、関係各省との話し合い、あるいは当事者とのいろいろな協議がございます際には、できるだけいま申し上げた趣旨を織り込んで、政府のほうからも話し合いに臨みたい、こういうふうに考えております。
○大原委員 関連して。 きょうは労働大臣も副長官も大蔵省もおられる。それで、一言だけ関連質問するんですが、政労協関係の職員が非常に不満に思っているのは、私は二つあると思うのです。その一つは、総裁とか理事長とかいう名前がついておりますね。それは民間の企業の給与に匹敵するような高い賃金を取っているわけです。これは主として天下りです。関連企業へ高級公務員が横すべりをしているんです。それは、同じような企業やあるいは公務員のベース以上の給与をもらっているわけですよ、総裁や理事は。だから、それの天下りとかそれの特別待遇、それは、公務員の年金をもらいながら高い給与を取っているんですよ。総裁も理事もそうじゃないですか。違いますか。これが一つ、まずあるのです。それに対して政府は、一般の職員に対しては公務員に準ずるというワクをがっとかけるのです。 それからもう一つの不満は何かというと、たとえば農林金融公庫その他政府関係の政労協の中の金融機関のものは、同じような銀行とか生命保険とか証券とかという金融機関の同じような条件の人の給与を見るわけです。それとある程度匹敵しないといい人がこっちへ来ないわけです。それから、たとえば住宅公団その他でしたら、土建業その他の技術関係のそういう職場との関係を見るわけです。公務員と同じような技術を持ち、経歴や資格や経験を持っておる民間の企業の人と比較をするわけです。そこで非常に差があるのでいい人が集まらない。そういう二つの大きな不満があるから私は、公団自体の運営というものが非常に大きな問題に逢着していると思うのです。それで、いまの島本委員の熱心な質問にもかかわらず、具体的な内容についての前進がないのです。政府関係機関が成立いたしましてからかなり時間がたったわけですから、かなりの経験も得、技術を得てきておるわけですので、そのことからいいましても、その点に対しては新しい方針を政府全体として立てて、そして政府関係の企業が当事者能力を持つように、従業員が納得できるようにしなければいかぬ。これは当然だと私は思うのです。そのことを漫然といままでどおりで、大蔵省が握る、関係の各省が握る、そういうことで締めつけておったのでは問題は解決しないと思うのです。私はその点について再検討すべき時期にきていると思うのですが、官房長官いかがですか。
○木村政府委員 特殊法人の役員の給与あるいは職員の給与はいろいろ問題がございます。ただ、特殊法人の成り立ちから申しまして、できるだけそういう民間の有識者を中へ入れたいというので、給与関係もそのようにきまっております。 ただ、一般の国家公務員に比べますと特殊法人の職員の給与ベースが非常に高いというのは事実でございます。したがいまして、特殊法人の役員の給与もそれだけベースを高くしなければいけないという実情もございます。しかしながら、いま御指摘のとおり、特殊法人の役員にいわゆる天下りと申しますか、公務員の就職が多いという実態――いま特殊法人が全体で百十二くらいございますが、その常勤役員の数が全部で七百四十七名でございます。その中でいわゆる公務員からの天下りの数は二百五十三名、大体三分の一という現状でございます。私ども、特殊法人の役員にはできるだけ部内の登用者あるいは民間からの人材を入れたいといろいろ努力しておりますが、しかしながらこれが言うべくしてなかなかむずかしい。特に民間の方の採用を私ども各省に言っておりますが、いまの経済状況が非常に活況を呈しておるという点で民間に人材が払底しておるということから見まして、有能な人材がなかなか御推薦願えないという現実の困難がございます。 そういう面で、実はただいま特殊法人のいわゆる公務員出身者の数がなかなか減らせないというジレンマにあることは率直に申しましてあるわけでございます。したがいまして、今後の特殊法人全体の制度的な改革ということは別問題にいたしまして、現在問題になっております政労協の賃金の問題につきましても、先ほど島本委員にもお答えいたしましたように、制度的にこれを一挙に解決することは、特殊法人の特殊性からいいましてきわめて困難なことでございますが、その実質面での改善は段階的に積み上げていこうという意味で、ことしもいよいよ春闘が始まっておりますけれども、春闘の中でこれを早期に取り上げるのは、はっきり申し上げてなかなか困難がございますので、できるだけ早く公務員の給与ベースを決定した上で、これとの関連において大蔵省あるいは関係各省、また当事者との話し合いで政府がそこへ入りまして解決していきたいと考えております。
○島本委員 春闘で解決するのが一番いいんじゃないかと思うのですね。これは回答するのが悪い。これは天と地の違いなんで、やはり春闘で解決してやるのがみんなが納得する最大の便法じゃありませんか。それを、春闘で解決するのは望ましくないという考え方がよくわからない。 それともう一つは、いま言ったように、使用者の中には、内示体制は不当だ、賃金については今後は全面的に自主交渉により決定すべきである、こういうようなことを、もうすでに海外技術協力事業団の関係者が協定書で協定して署名捺印しております。それだけじゃありません。去年の八月二十七日に、アジア経済研究所東畑会長とジェトロの原理事長が福田大蔵大臣と鳩山主計局長をたずねた際に、特殊法人は労働三権が保障されているのであるから、将来も内示を続けては困る、早急に廃止すべきじゃないかというのに対して、福田大蔵大臣も、事情はよく理解したので今後努力すると約束しておるわけです。大蔵大臣が努力すると約束されたのですから、いまだに承認が必要だ、協議が必要だというような考え方こそ官僚の独走じゃないか、こういうように思うわけなんです。望ましくないというのは、このやり方が望ましくないので、春闘でこれを解決するのが望ましいのです。この点少し主客転倒しているようでありますが、この際長官にこの点をはっきりしておいてもらいたいと思うわけなんですが、いかがでしょうか。例をあげれば数限りなくたくさんありますが、いま言ったようなことで自主交渉が望ましい。使用者の中にもこれをやってくれという声が高くなってきている。こういう点からしてこれを行なわせる、しかも春闘の中でこれをやらせる、これが正しいと思います。春闘の中でやると悪いという論拠を示してもらいたい。
○木村政府委員 私が申しましたのは、政府関係特殊法人の特殊性から申しまして、国家公務員の給与との関連性が断ち切れないという点で申し上げたのであります。ただ、おっしゃるとおり労働三権の認められておる政府関係特殊法人、それと政府関係特殊法人の特殊性とのちょうど接点にありますので、そういうことからして、いま申し上げましたとおりの自主交渉をできるだけ実質的に解決していきたい、こういうような努力をしてまいりたいと思います。
○島本委員 その方面とあわせて、内閣の扇のかなめの役をつとめている副長官としても、今後大原委員が指摘されたように、公団そのものの中に不満をもたらすようないろいろな原因がある。いわゆる天下り人事、総裁、理事長というような人たちは給与が高い。それに比べて従業員のほうは公務員ベースに右へならえさせられる。民間と同じような労働三権の適用を受けながら、これじゃ自分らの立場はあんまりひどいじゃないか、こういうようなやり方がほんとうだとするならば不満が起きるのは当然であります。したがって、こういうような問題の解決もあわせて副長官考えないといけないと思います。これは今後の問題であろうと思いますが、これに対してどのようにお考えでしょうか。
○木村政府委員 先ほど大原委員の指摘されました特殊法人の制度的な面、したがいまして、またそれから由来しております特殊法人関係の賃金の決定の問題、これらは総合して今後制度的または実質面において改善の努力をしていく、こういう考えでおります。
○島本委員 しかし、使用者がいまの段階で自主的な有額回答を示すということは、いまの制度のもとで十分やれるのです。政府がやらせないだけなんです。それと同時に、中労委の会長もこのことを認めているわけです。ですから、労働関係では労働大臣を中心にして、やはり行き方に沿うようにして解決をはかったらどうでしょう。この問題について特に中労委の石井会長のほうでは、制度上自主的な賃金決定に制限が課せられているのではなく、内示は運用上、事実上の制約であって、これは制度上の制限ではないんだ、したがって使用者には管理運営の権限があるべしとの判断を持つべき責任がある、こういうふうにはっきり言っているわけなんです。もうすでに労働慣行としてもこういうふうになってきている。それにもかかわらず、やはり依然として承認だ、協議だ、こういうようなことをやる以上、確かに政府と使用者の間の承認行為は内示によってスムーズになるかもしれません。それは、しかしながらそのために労使間の紛争が長期化しておるのです。それと同時に激化しているのです。それと同時に事業運営上の打撃、これは関係者や国民大衆にも迷惑は当然かかることになるわけです。スムーズにいくのは、政府と使用者の間だけだ。一番激化してくるのは、これは労働運動の中でこれが激化してくる。これは望ましくないということはあたりまえなんです。こういうようなことに対して一体どうなのか。労働大臣、官房副長官、それから南部、川口両参考人の御意見を賜わっておきたいと思います。これは重大です。
○野原国務大臣 島本さんの御主張、まことにごもっともでございます。今後できるだけ政府関係法人に対する回答等が自主的に行なえるよう最善の努力を尽くす考えでございます。
○島本委員 それから直接その運営に当たっている使用者側の代表も来ておりますが、南部総裁並びに川口理事両参考人の意見も承りたいのです。
○南部参考人 いま労働問題としては、先生御指摘のように、一番むずかしい立場にあるのが政府関係特殊法人の理事者であります。組合側には労働三法が完全に保障されております。使用者側には給与の変更について主務大臣の認可を必要とするという制度上の縛りがございます。これは、もちろん特殊法人としての性格に由来して法律でそのように法定されておる。われわれは、そういった縛りの中で、いかにして組合側と自主的な交渉を発展さしていくかということにここ数年来絶えず苦労をしてきているわけでございます。それは先ほど来大蔵省から御説明があったように、逐次自主的な交渉の範囲とか、あるいはその時期を早くするとかいうことで改善されてきていると思っておりますが、ここで一挙に春闘までそれを飛躍するという体制までには、なかなか全体としていってないと私どもは考えております。できるだけ政府関係機関としての特殊性の中で円滑なる労使関係が醸成されていくようにわれわれとしては今後とも努力していきたい、このように考えている次第でございます。
○木村政府委員 繰り返して同じことでございますが、できるだけいま申されましたことについて努力したいと思います。
○島本委員 時間のようでありまして、残念でありますが、いままでの答弁は、前回とほぼ同じような答弁です。徐々にやると言いながら、改善のあとが何ら示されないということ、それから、もうすでにいままでのようなやり方では、これは言うのも残念でありますが、政府と使用者との間の承認行為は、内示によってスムーズにいっても、労働組合のほうとはなお激化する、こういうような傾向を招来するだけにすぎない問題である、こういうようなことは私は残念であります。しかし、この改革の必要なことは、いまいろいろ申し上げました。これに対して的確に対処しなければなりませんが、答弁は答弁として承っておきます。その答弁は、あえて言うと、私は全部満足できません。もっともっとほかに方法があるはずであります。したがって労働大臣、副長官をはじめとして皆さんのほうで、今後政府に対しても、特殊法人のこの賃金が、労働三法の趣旨にのっとって労使の自主交渉できめられるように、これが規制の撤廃や緩和を今後大いにはかるように努力をしてもらいたい。そして、だんだん長期化してきたいまのような政労協の争議の激化の傾向をここで是正をしてもらいたい。そのためには事務能力の幅、自主交渉、自主解決、こういうようなものも十分考えて指導すべきである、このことは強く私は申し入れておきたいと思います。これに対して代表して労働大臣の答弁を承って、私の質問は、残念ながら終わらざるを得ないのであります。大臣、いま私が言ったのに対して端的に答弁していただきます。
○野原国務大臣 いままでの御意見、まことにごもっともと拝聴したわけでございますが、この問題につきましては、今後最善の努力を尽くしておこたえしていくよりないというふうに考えますので、これからも一生懸命努力を続けてまいります。
○島本委員 終わります。
○倉成委員長 南部、川口両参考人には、御多用中御出席いただき、ありがとうございました。御退席いただいてけっこうでございます。 ――――◇―――――
○倉成委員長 次に、中高年齢者等の雇用の促進に関する特別措置法案を議題とし、質疑を続けます。後藤俊男君。
○後藤委員 いま大臣が陳情でしばらく退席されましたので、この労働省の職業安定局長から職発第十号、四十六年一月十三日に各都道県知事あてに書面が出ているわけですが、この書面の中の基本方針の第三並びに第四でございますが、これにつきまして、ひとつ簡潔に御説明いただきたいと思います。 〔委員長退席、佐々木(義)委員長代理着席〕
○遠藤政府委員 御指摘の本年一月十三日の都道府県知事あての通達の第三項目でございますが、これは四十六年度の上半期の失業対策事業の吸収計画についての指示をいたしたものでございます。これは昭和四十六年度におきましては失対事業の吸収人員が予算上十二万人ということで策定されておりますので、これをもとにいたしまして上半期の事業吸収計画を策定するように指示をいたしたものでございます。その中で、月間の失対事業就労者の就労日数を二十日。これは緊急失業対策法に基づきます失業対策事業の就労予定日数のたてまえを一応ここで明示いたしまして、その二十二日と申しますのは、民間事業、公共事業に就労できない場合に、失対事業に紹介するというたてまえに相なっておりますので、こういう民間、公共、失業対策事業を含めまして月間二十二日の就労日を確保できるように計画を策定するように指示いたしたものでございます。 それから第四番目の日雇労働者雇用奨励制度でございますが、これは現在失対事業に就労しております十九万人の人たちの中にも、なおかつ民間の常用の職場に就職できるといった可能性を持っておる人たちがかなり就労しておられますので、こういう人たちにつきましては、各種の就職支度金制度でございますとか、雇用奨励金制度だとか、こういったいろいろな援護措置をできるだけ活用することによって常用就職をする、あるいは自営業につくとか、そういうふうに自立の促進ができるような計画をするように指示いたしたものでございます。
○後藤委員 いま説明されましたが、そういう意味の通達だと私も読んだわけです。そこで問題になりますのは、現在各都道府県におきまして二十二日分については国が負担する、さらに残りの二日、三日、合計二十五日ぐらいは月のうちの働く日を保障しておるという県もあると思うのです。さらに二十二日のワク内に入れておる県もあると思うのです。これを一律に二十二日のワク内に自治体なり公共事業の分も入れてしまう、そういうことになりますと、失対で働いておる人は賃金が安いわけなんです。たとえば千円としますると二万二千円になるわけなんです。これではとても生活はできない金額です。これを二十二日のワク内に入れてしまうということはよけい労働条件を悪くしてしまうことになるわけです。自治体におきましては、二十二日では気の毒だというので二十三日、二十五日働かしておったところもあると思います。この一片の通達によって二十二日以上はだめだ、そういう気持ちのある自治体におきましては二十二日の中に入れるのだぞ、一口に言ってそういう通達ではないかと私は思うわけでございますけれども、これは昭和四十六年度の予算が二万人減っておる。ですから、この予算を減らすための一つの便法として、この国会で失対の中高年云々の法律案がきまるだろうから、それを前提にして先食いのような形でこういう通達が出されておるのではないかというふうに私は考えるわけでございます。妥当な正しいやり方ではない。少なくとも失対で働いておる人は今度上がって千百三十七円ですか、これは先ほど言いましたように、二十二日働いたところで三万円にならぬわけなんです。これらの人の稼働日数をふやす方向にやるというのなら話はわからぬことはないのですが、二十二日のワクの中に全部入れてしまえ、こういうことにつきましてはまことに冷たいやり方だというふうに私は思うわけでございますが、この点いかがでしょうか。
○遠藤政府委員 失業対策事業の就労日数の確保の問題につきましては、これは従来からも民間事業に就職、就労させる、それから、その日民間に就労の予定がない場合には公共事業に紹介をする、こういった民間事業なり公共事業に就労ないしは就職できない場合に、初めてそれぞれの失対事業の現場に紹介する、こういうたてまえになっております。したがいまして、月間二十二日と申しますのは、こういった民間事業なり公共事業、失対事業を含めて月間二十二日の就労実績を確保する、こういうたてまえで事業の運営を行なっております。 したがいまして、ただいま先生が御指摘のように、県なり市町村で単独の事業を起こしてこれに失対事業の就労の資格を持っておる人たちを働かせるという事例がございますが、こういった県なり市町村、地方公共団体の単独事業も公共事業の一部になるわけでございます。したがいまして、そういった事業が行なわれる場合には、そういった事業に優先的に紹介をした上でなおかつ就労できない人を失対事業に就労させる、こういう方式をとってまいっておりますので、したがいまして、そういう単独事業の就労日数が月間二十二日の就労確保のワク内に含まれることは、たてまえ上当然のことでございます。 ただ、実際問題としまして、ただいま先生御指摘のように、一部の地方公共団体におきましては、この二十二日の上積みのような形で単独事業を起こして就労をしてまいりました実例もございます。これはたてまえに反しますので、できるだけそういうことのないように指導はしてまいっておりますが、一部の特殊な事情のあるものにつきましては、これはケース・バイ・ケースでそういうものを容認してまいった例も従来ございます。私ども今回の通達におきまして、これをそういった一律に形式的に処理しようというわけではございませんで、そういった過去の事例も十分考えながら、たてまえを一応尊重しながら組むように、こういう指示をいたしたわけでございます。
○後藤委員 いま説明がありましたが、たとえばここに三重県の就労の状況を持っておるわけなんです。これによりますと、大体男は一カ月に二十二日半、女は二十三・二になっておるわけです。この中身として失業者就労事業として十八日くらいですね。それから、地方失対応急事業として三くらい、公共、民間事業として一くらい、これを合計しますと三重県においては二十二・五になっておるわけです。ところが、すべての県がそういうことをやっておるかというと、そうではなしに、二十二日の上に上積みをしておる県もあるわけです。それがいままでやってきたやり方なんです。これを四十六年一月十三日の第十号の通達で二十二日以上上積みは一切許しません、そういう気持ちがあるなら二十二日の中へ入れなさい、不足分だけ失対事業で補います、これがこの通達の趣旨だと私は思うわけです。そうなってまいりますと、地方で失対で働いておる人は、県によっては毎月二十四日から二十五日働いておった人が二十二日以上働けなくなってしまう。そこへ賃金は安いということになれば、ますます生活は苦しくなるわけなんです。なぜ一体そういうふうな通達をお出しになったのか。これはこの通達の中にも書いてありますように、本年度の予算につきましては十四万人から十二万人に大幅に減少をしておる。ですから、労働省としては予算がない。予算がないから、いままでのようなやり方をしておったのでは金が足らなくなる。足らなくなるから、苦しかろうけれども二十二日で押えてくれ、失対で働いている人は苦しかろうとなかろうと二十二日で生活してくれ。非常に冷たいというか、失対で働いておる人たちに対する過酷な通達である、私はこう読んだわけなんです。いかがですか。
○遠藤政府委員 全国の各都道府県の失対就労の実績を見ますと、ただいま先生御指摘のように、確かに月間二十二日を上回っている分もかなりございます。実績として残っております。これはいろいろ理由がございまして、民間事業に主として就労しておるというような人たちが十九万人の中に含まれております。こういう人たちにつきましては、月間必ずしも二十二日にこだわらずに、相当数長期にわたって民間に就労しておる人がおりますので、当然こういう人たちにつきましては二十二日をこえることになります。それからそのほかに、ただいま御指摘のような単独事業なんかの関係で、計画としては二十二日という計画を予定いたしておりましても、事業の執行の関係で二十二日をこえるような場合がしばしば出てまいります。こういったものにつきまして、それを通り一ぺんに形式的に規制するというようなことを私ども考えておるわけでは決してございませんで、この通達で指示いたしましたのは、一応計画といたしましては、先ほど申し上げましたような民間事業、公共事業、こういったものに紹介して、なおかつ就労できないような人たち、いわゆるあぶれた人たちを失対に就労させる、こういうたてまえでございますので、一応計画を策定いたします場合には、民間事業にどれくらい見込みがある、公共事業にどれくらい紹介できる見込みがあるかということを一応計算した上で、その残りの分を二十二日確保できるようなたてまえで失対事業の吸収計画をつくれ、こういう指示をいたしたわけでございまして、何が何でも二十二日に押えろという趣旨のものではございません。この趣旨につきましては、ことしに限ったことではございません。従来とも失対事業の年度初めの計画をつくります場合は、こういう考え方で一応の四半期ごとの計画をつくるように指示をしてまいっておりますので、従来と特別に変わった指示をしたわけではございません。 前段の、十四万が十二万に大幅に減った、だからこういうことを指示したのではないかという御質問でございますが、それは別個の問題でございまして、十二万人に減ったということにつきましては、これはただいま御審議いただいております中高年法案が成立いたしますと、その時点におきまして自立可能な人たちにつきましてはできるだけ就職援助措置を講じまして、常用就職なりあるいは自営業なりによって自立していただくような方策をとってまいりたい、そういうことを一応予定いたしておりますので、上半期の事業吸収計画につきましては別途考える、こういう趣旨でございまして、二十二日のたてまえでいまの問題とは全然別個の問題として実は私ども考えておるわけでございます。
○後藤委員 そうしますと、この通達というのは、二十二日にこだわることなく、いままでやってきたのと同じようにやればいいんだ、こういうふうに解釈していいわけですか。確認をしていいわけですか。
○遠藤政府委員 計画を立てる場合には、あらかじめ計画をする場合には、一応月間二十二日を最小限確保するというたてまえで計画を立てる。しかし、先生御指摘のように、結果的に二十二日を上回るものにつきまして、上回ったから切り捨てる、一律に切り捨てにする、そういう趣旨のものではございません。
○後藤委員 だから、あなたもさっき言われましたように、この通達そのものが急に変わったわけではない、中身はいままでと一緒だ、こういうふうに言われるんですから、いままでどおりの考え方でやっていけばいいんですか。そのことをお尋ねしておるわけなんです。
○遠藤政府委員 月間二十二日を最低限確保するというたてまえは従来どおりでございまして、したがってそういうことで事業計画を組みなさい、こういう趣旨でございます。
○後藤委員 最低二十二日をたてまえとして計画をしてやっていきなさい。こういうことでいままでと何ら変わりはないのだ、そういうことで確認をいたします。 それからその次は、話はあっちへ飛んだりこっちへ飛んだりしますけれども、失対事業の夏期、年末手当の問題です。昭和四十二年ごろから現在どれくらい夏期手当なり年末手当が支給されておるのか、これを御説明いただきたいと思います。
○住政府委員 昭和四十二年から夏、年末についてそれぞれ国の分について申し上げたいと思います。 四十二年から四十五年まで夏の分はいずれも九日になっております。 それから年末の分につきましては四十一年が二十・五日、それから四十一年が二十一・五日、四十二年も同じく二十一・五日、四十四年が二十二・五日、四十五年が二十二・五日、こういうようになっております。
○後藤委員 そうしますと、いま説明がありました昭和四十二年が二十一・五、四十三年が二十一・五、四十四年が二十二・五、四十五年が二十一・五、こういう説明ですね。これが増額されておりますのは公務員の賃金が引き上げになったときでございますが、これを機会に、たとえば〇・一ふえたときには一日ふやす、こういうことがたてまえでいままで増額をしておられる、こう私は聞いておるわけでございますが、これは間違いないでしょうか。
○住政府委員 両制度の間には直接関係のないことはもとよりでございますが、従来国家公務員の期末、勤勉手当等が増額になった場合に、現在の失対事業の就労者の生活実態等から考えまして、そういう機会をとらえて増額の措置をとってきておる、こういう経過だと存じます。
○後藤委員 そういう御説明ですと、四十五年には期末手当が公務員は〇・二ふえておるのです。四十五年に〇・二ふえておるわけなんです。なぜ失対で働いておる人の年末手当は増額されないのか、お尋ねします。
○住政府委員 四十五年の国家公務員の給与改定で夏に支払われる期末、勤勉手当の増加があった。冬に支払われる分については従来どおりでございます。そういうようなことが一つの理由。さらにいろいろ失対就労者に支払われる臨時の賃金について相当の増額になっておる。その制度自体についてもいろいろ問題があるというような関係から、昨年の年末につきましては、四十四年の年末と同じように二十二・五日、こういうことで支給をいたしておるわけであります。
○後藤委員 それなら先ほど局長が説明されました公務員関係の期末手当がふえたときには、たとえば〇・一ふえれば一日増加する。それなら四十三年には〇・二ふえておるものなら二十四・五、こういうふうに改正するのが当然じゃないですか。なぜ一体これは増額しないのですか。夏期手当もやはり九日分です。夏期手当は昭和四十年からずっと九日分です。それから、いま言いました年末手当につきましては、四十年が二十・五、それから今日までにおいて二日ふえておるだけなんです。いまあなたが説明されましたように、公務員の関係の期末手当が昭和四十五年には〇・二ふえておるとするのなら二十四・五にするのがあたりまえの話なんです。なぜ一体これは増額しないのかという点です。増額しませんでしたでは通らぬ話なんです。なぜ一体増額しなくてもよかったのか、何か理屈があると思うのです。その説明をいただきます。
○住政府委員 最も大きな理由といたしまして国家公務員の期末、勤勉手当の増額は、四十五年度の場合は夏について行なわれておるわけであります。冬については従来どおりでございます。冬の措置分については、従来どおり二十二・五日、こういうことにいたしておるわけでございます。
○後藤委員 それならあなたの答弁はますます質問の出る答弁ばかりで、それでは夏期手当をなぜふやさなかったのですか。夏期手当はいま申し上げましたように昭和四十年から九日分です。今日も九日分ということなんです。いまあなたが説明された、昭和四十五年には公務員関係は夏期手当が上がって年末手当が上がらなかったからふやしませんでした。それなら夏期手当がふえたら、この失対で働いておる人の夏期手当も増額するのがあたりまえじゃないですか。なぜ一体増額されなかったのですか。
○住政府委員 実は期末、勤勉手当を国家公務員に対してふやすという決定が、たしか昨年の十二月であったかと思います。そういうようなことで、失対就労者の臨時の賃金につきましてすでに相当期間が経過しておるというようなこともございまして、夏についてすでに九日を支給しておりましたので、そのままにいたしておるわけでございます。それではことしの夏についてどうするか、こういうことになろうかと思うわけでございますが、この点につきましては、私ども今後の問題といたしまして、失業対策事業賃金審議会等の御意見あるいは各方面の御意見を聞いて対処してまいりたい、こういうように考えております。
○後藤委員 いま局長の言われましたことしの分については、それはそういうことだと思うのです。去年の分については、公務員の夏期手当が年末ということはないと思うのです。夏期手当ですからこれは夏期に支給されておるわけなんです。それが増額されておるのでしょう。それが増額されておるものなら、慣例としていままでやってまいりました公務員が大体〇・一増加すれば一日分ふやす、こういうことで――四十年ではない、だいぶ昔から、昭和三十年ごろからずっとやっておられるわけであります。それだったら、去年の夏期手当がふえておるものなら、九日というのを十日分にする、十一日分にする、これはもうごく常識的なことだと私は思うわけです。しかも、いまあなたが言われました公務員の夏期手当が年末にきまるということはないわけであります。公務員は夏にちゃんと手当をもらっておるわけであります。それが増額しておるなら、失対で働いておる人たちも夏期手当が〇・一ふえておるなら一日分、〇・二ふえておるならば二日分の手当を増額する。これは昭和三十年以来ずっと統計を見ますとそういう増額のしかたをされておるわけなんであります。なぜ一体去年はそれをやらなかったのか、その点を私は聞いておるわけであります。
○住政府委員 実は昨年の国家公務員の期末、勤勉手当の支給の問題でございますが、これは人事院勧告を受けまして政府でその増額を決定しましたのは、昨年の年末に、さかのぼって公務員の夏期の分を増額しておる、こういう事情でございます。失対就労者の場合はすでに夏期に支払っておるわけであります。それから従来の経緯等も、そういうような場合には、当該年度における支給についてはさかのぼって支給するというような経緯にはなっておりませんので、私どもといたしましては、そういう従来の経緯等、あるいは臨時の賃金そのものの性格等も考え合わせまして、特に公務員の夏期の期末、勤勉手当の増額がさかのぼって支給されたのでございますが、そういうような関係で失対就労者についてはさかのぼって支給するというようなことをいたさなかったわけでございます。
○後藤委員 まあいろいろと説明のしかたはあろうと思いますけれども、少なくとも失対で働いておられる労働者の皆さんの賃金というのは非常に安いわけなんです。これは間違いないんです。それとあわせて私は、いま言いましたように、公務員関係の増額と見合ったところの夏期手当、年末手当――見合ったと言うとおかしいのですが、増額の率によっていままで増額されてこられたわけなんです。それが四十五年につきましては、公務員のほうはいま説明がありましたように年末に夏期にさかのぼって〇・二の増額をした。それならそれで、失対で働いておる人に対しましても、夏期手当をさかのぼって二日分追給すればいいじゃないですか。これはやろうと思えばやれることでしょう。公務員よりかいま失対で働いておる人のほうが賃金が非常に安いんです。生活は非常に苦しいわけなんです。いままでもずっと、公務員の賃金がふえるたびに夏期手当、年末手当を増額しておるわけなんです。去年は、さかのぼったかしらぬけれども公務員は夏期に〇・二増額しておるわけなんです。それだったら、生活の苦しい失対事業で働いておられるこの人々に対し、〇・二に見合うところの二日分の夏期手当を増額する。公務員は年末に、遡及して支払いをされた。それなら失対で働いておる人々にだって二日分は遡及して支払いをするということはできるんじゃないですか。やろうと思えばやれる問題だと思うのです。今度の国会で法律の改正がいろいろ出てきましょうけれども、せめていままでの法律の中で精一ぱいやっていただくのが非常に愛情のある政治だと私は思うわけなんです。わけても相手が失対で働いておられる千何ぼという非常に安い賃金の人じゃないですか。その人に対しましていままでずっと上げてこられたのに、去年に限って、おくれたから遡及することができません、公務員だけは遡及していただきましたが、失対のほうは上げませんでして今日に至っておりますと、こういう説明なんですよ、いまの御説明は。それじゃあまりにも――非常に苦労して苦しい生活をしておられる人に対しまして、あなた方がやる気になればやれることをなぜ一体おやりにならなかったのかと私は追及したいわけなんです。ことしの分につきましてはこれからの相談だと思いますけれども、少なくとも去年の分につきましては、そういう関係になっておるなら二日分夏期手当として追給するのがあたりまえだと思うのです。これは大臣いかがですか。
○野原国務大臣 お話、昨年の分についてはどうも私もこの辺はよくわからなかったのですが、そういう扱いをしたという説明をいま聞きまして、これは御指摘のような面もあろうかと思っておりますが、今後につきましては十分考えていかなければならぬというふうに考えます。
○後藤委員 そうしますと、いま大臣の言われましたことは、いままでのいきさつが十分わからぬので、一ぺん大臣として検討してみる、そういうことですね。そういうことは具体的にいえば、いままで公務員関係の増額に基づいて夏期手当、年末手当を支給してこられました失対事業の人に対して何日分という手当なんです。去年実際に公務員が〇・二支給したかせぬかは別問題として、夏期手当として増額しておるものなら、去年の四十五年度の失対で働いておる人の夏期手当二日分というものを一ぺん検討をしてみる、こういうことになるのです、大臣は簡単に言われましたけれども。そういうふうに解釈してよろしいですか。
○野原国務大臣 もう去年のことは過ぎたことですから、おそらく予算もないと思いますし、それは過ぎたことはいまさら何ともしようがない。今後の問題につきましては、前向きにひとつ研究をしていくべき問題ではあろうかと考えます。
○後藤委員 そうすれば、私が聞いたことの答弁にはならぬわけなんです。これからのことは、局長もさっき言われましたように、これからきまっていくのですからね。四十五年度の夏期手当として二日分増額すべきものである、それが増額されておらぬわけなんです。まあそれは過ぎ去ったことだから、おまえいまさら言うたってしょうがないぞ、こういう言い方なんですが、それで一体いいんでしょうか。これは局長だって、関係の皆さんだって、いままでの過去の実例に基づいてやろうと思えば二日分の夏期手当なり年末手当の増額はできたわけなんです。公務員は夏期手当がふえたのですから、それをやらずに、非常に失礼な言い方かもしれませんが、いわばサボっておいて、もう今日は年度が変わったから、おまえ去年のことを言うたって、そんなものはあかんぞ、こういう話ですね、大臣の言われるのは。そうしますと、理屈が通ろうと通るまいと、去年のことはいまさら一切言うな、おれがやってきたことが正しいのだ、こうなってしまうわけであります。だから私が言わんとするのは、そうではなしに、少なくとも局長が言われましたように、去年公務員が〇・二増額しておるならば、その〇・二のいわゆる二日分については、話は去年のことであったけれども、一ぺん検討をしてみる、何か最善の方法があるなら考えてみる、こういうことなら私も聞けぬ話じゃないと思うのです。これは局長も、去年のことだからだめですと耳打ちしておるけれども、十九万四千人という二日分をもらわなかった人々がおるのですよ。いままで慣例として増額してきて、なぜ去年増額しなかったのか。これは十九万四千人を対象にしてやっておるわけなんです。去年のことは去年のことだからそれで済んでしまった、これは大臣のお答えとしてはいかにもおそまつといおうか、愛情がないといおうか、木で鼻をくくったといおうか、もう少し考え方があるように私は思うのです。それとも、そんなものは増額する必要がなかったから増額しなかったのだという理由があれば、これははっきりしていただけばいいわけなんです。私は一時間しか質問時間がないが、半分ほど費やしたのですけれども、さっきから局長だって、部長だって言うておられるのです。夏期手当なり年末手当の過去の経過を考えたら、公務員が〇・一ふえれば、〇・一に見合って一日ふやします、それなら四十五年度なぜふやしておらぬかということです。去年のことだからあきまへん、大臣、一体これで話が通りますか。少なくとも普通の生活をしておられる人ならまた考え方もあると私は思うのです。四十六年の四月から一日千百三十七円ですね。ちょっといいところの賃金なら一時間分ですよ。それくらい苦しい生活をしておる人々に対して、なぜこういうようなおそまつなことをやらなければいけないか、できることをなぜ一体おやりにならなかったかということを私は追及しておるわけなんです。大臣、いかがですか。
○遠藤政府委員 臨時賃金の経緯について御説明申し上げます。 従来夏期、年末の臨時の賃金につきましては、御指摘のとおり日雇い失対事業就労者の実情にかんがみまして、国家公務員の期末、勤勉手当が増額された機会に、これをある程度勘案しながら増額をしていくというのが実情でございます。ただ、それぞれ夏期なり年末に国家公務員の手当が増額されました場合、たとえば四十年の例をあげますと、四十年に国家公務員の夏の手当が〇・一増額された、その場合にはさかのぼって支給するという慣例は過去においてもございませんで、翌年から支給しておるというのが実情であります。したがいまして、昨年の場合も夏〇・二勤勉手当が増額になりましたが、その分はさかのぼって支給することはいたしませんということで昨年は支給しなかった。従来の慣例にそのまま従って処理いたしました、こういう経緯に相なっております。
○後藤委員 そんなことはないですよ、あなたいいかげんなことを言いなさんなよ。昭和三十九年は十九・五日ですよ、それから四十年が二十・五日で、公務員が〇・一ふえたから四十年からちゃんと一日ふえておるのですよ。あなた、そんなごまかしを言うたってごまかされませんよ。この問題ははっきりしておるのだから。ただ問題は、四十五年度になぜ二日分をふやさなかったかということなんです。
○遠藤政府委員 いままでの実績は先ほど申し上げたとおりでありますが、年末の分はそのときの支給に間に合いますので、その年の支給の際に増額して支給しております。夏の分は、これは過去にさかのぼりますので、その当該年度においては支給いたしておりませんで、翌年度からそれを繰り入れる、こういう形をとっております。
○後藤委員 それなら、四十年が夏として九日分でしょう。四十一年も九日分ですよ。四十二年、四十三年、四十四年、四十五年全部九日分ですよ。あなたが言われた四十年に〇・一公務員がふえておるというなら四十一年には十日分にならなければいけないわけです。それもでたらめな説明だ。これははっきりしていますよ。
○遠藤政府委員 四十年の際も夏の分は翌年からやりまして、冬の分だけはその当該年度に支給したというように相なっております。
○後藤委員 これは夏期手当の分は四十年は九日分でしょう。年末手当は四十年二十・五です。四十一年も二十・五です。夏期手当も九日で変わっておらぬわけです。あなたが言われたことは、翌年からということにはなっておらぬわけです。冒頭にあなたの説明を聞いて、私の資料と全然違わぬ、どんぴしゃりで合っておるわけです。それだったら、はっきり四十五年に上げなければいけないのが上げることができませんでした、どういう理由で上げることができなかったか、その分につきましては今後の問題として一ぺん検討いたしたい、こういうふうに言われるなら話はわかるわけなんです。そのことを言わずに、前がこうだったからああだったからと理屈をつけて説明をされたところで、そういうふうにはなっておらぬのだ。私は正確な資料をここに持っておるのです。はっきりしておるのです。公務員を〇・一上げれば一日ふやす、〇・二上げれば二日ふやす、それを四十五年はサボって、二日分を上げるべきところを上げなかった、十九万四千人の失対労働者に対しては申しわけなかった、こういうことになるのです。そうじゃないという確固たる説明があるならはっきりやりなさい。
○遠藤政府委員 国家公務員につきましては三十九年に夏の〇・一の増額の勧告が出まして、それが四十年から実施されたわけであります。したがいまして、失対の就労者につきましても三十九年の勧告の夏の分はそのまま支給いたしませんで四十年から一日分を増額しておる、こういうことでございます。
○後藤委員 この問題はどうこうやっておりますと時間がなくなってしまいますので、これは大臣どうでしょうかな。この問題については、四十五年度についてはいずれにしても公務員は夏期手当〇・二ふえておる。これは局長もさっき説明されたとおりです。それだったら、遡及とかいろいろな問題は公務員にあったと思いますけれども、〇・二ふえておるのなら、夏期手当の問題につきましても二日分ふやす、これは過去の慣例からいってもそのとおりでございます。そのことにつきましては、十分一ぺん検討をしてみる、前向きの姿勢で大臣として十分検討をしてみる、そういうことに大臣としては気持ちがきまりませんか。
○野原国務大臣 過ぎたことですから、どうなりますかわかりませんですけれども、とにかく一応検討してみたいと思います。
○後藤委員 いま言われましたように、ひとつ検討をしていただきますようにお願いしたいと思います。 それから、失対問題研究会から労働大臣に対して、答申と申しましょうか、あったわけですね。それに基づいて今度の法律案がその趣旨でもって提案されておる。その中で指摘いたしておる問題は、第一番として企業の七割以上が五十五歳の定年制を設けているが、この定年制の年齢を引き上げる必要があるんじゃないか。これもやはり答申の中で明確に打ち出しておるわけなんです。それから二つ目の問題としましては、国民年金制度の問題です。国民年金制度の問題につきましては、金額の引き上げあるいは支給開始年齢の引き下げ、これが二つ目としていえると思うのです。それから三つ目の問題といたしましては、これは老齢福祉年金の引き上げの問題です。さらに支給年齢の引き下げの問題です。これは今度の国会で老齢福祉年金につきましては、三百円引き上げて二千三百円になりました。身体障害者なり寝たきりのお年寄りにつきましては、六十五歳から、これは一歩前進の決定だと私は思っておるわけです。いま申し上げましたような三つの問題ですね。これらにつきましても、社会的機運の醸成をはかるように政府としては考えていけ、これが答申の中ではっきりいわれておるわけです。 そこで、お尋ねしたいのは、この定年制の問題あるいは厚生年金、国民年金制度の改善の問題、さらには老齢福祉年金の――この間きまりましたけれども、この三つの問題に対して、社会的機運の醸成をはかるためにどういうふうに今後労働省なり厚生省あたりが働きかけていかれるか。特に定年制の問題につきましてはどういうふうにお考えになっておるか、この点をお尋ねいたしたいと思います。
○野原国務大臣 定年制の問題につきましては、産業労働懇話会におきまして、労使あるいは中立側の委員からそれぞれ御意見がございました。やはり平均年齢がたいへん延びたという現状、それからまた、労働力不足の現状等を考えまして、五十五歳定年制というものはもういまや相当延長すべきものではないかということの意見がほとんど一致しております。これに対しましては、何歳ぐらいの延長をするかとか、あるいはまた、年功序列賃金をどういう形にして、これに定年制延長と結びつけていくかというふうな問題につきましては、それぞれ御意見があるようでございます。今後、やはりこういった問題を真剣に各方面の御意見を伺いまして、できるだけ早く定年制延長の実現をはかりたいというふうに考えております。
○後藤委員 あとの国民年金の問題なり老齢福祉年金等の問題もありますが、ただ、今回の失対問題研究会の中でも、四十五歳から六十五歳というような言い方をしております。そうしますると、現在老齢福祉年金は一般には七十歳ですから五年間というギャップがある。これもやはり一つの問題点である。これも答申の中では指摘をしておるところです。こういうような点等もありますので、いま申し上げましたところの定年制の問題なり、国民年金制度の改善なり、老齢福祉年金の問題につきましては、今回の法律案と無関係だとは言えないと思うのです。特にこれらの点につきまして十分留意をしていただく、このことはぜひひとつお願いをいたしたいと思います。 それからその次は、もう一ぺんボーナスの問題に戻りますけれども、午前中も田畑委員のほうからいろいろお話がございました。この附則の第二条を読んでみますると、「夏季又は年末に臨時に支払われる賃金は、緊急失業対策法第十条の二の規定にかかわらず、支払わないものとする。」こういうふうに書かれておるわけです。ところが、今回出ておりますところのこの中間報告なり答申等を読んでみますると、たとえば失対研究会の中間報告、それから中央職業安定審議会の答申にしましても、あるいは雇用審議会の答申にしましても、臨時の賃金を支払わないというような、端的にはっきり書いた答申はないと思うのです。三つながらそうじゃございません。ところが、この附則の第二条を読んでみますと、だれが見ましてもよくわかるように、はっきり端的に支払わないということが明確に書かれておるわけなんです。ところが、午前中の質問を聞いておりますと、何らかの形で実質の生活に激変を与えないように考えていく、こういうような説明をしておられるわけなんです。そうなりますと、この附則の第二条をこのままにしておいて、そういう臨時賃金の支払いが一体できるのかどうか、この点なんです。 それから、二つ目の問題としてお尋ねしたいのは、この委員会でああでもないこうでもないといういろいろな審議が行なわれたから、臨時の賃金は支払わない決意で提案したけれども、やむを得ずこれは何らかの形で支給したいという気持ちに変わったのかどうか、提案の趣旨が私にはわからないわけなんです。その辺の説明をひとつしていただきたいと思います。
○住政府委員 臨時の賃金につきまして、現在の制度としましては、緊急失業対策法の十条の二の条文に基づいて、制度としてもはっきり明文化され、それに基づいて支給が行なわれておるわけでございます。そこで、失業対策問題研究会の報告等におきまして、この臨時の賃金につきましていろいろ問題点の指摘がございました。結論的な意見といたしまして、現行の失対事業の就労者に支払われるような臨時の賃金は、適切なる方策を講じて支給しないようにすべきだ、こういうことの御指摘がございます。私どもそういう意見を参考にいたしまして検討しました結果、臨時の賃金は、制度として廃止したい。ところが、雇用審議会とかあるいは中央職業安定審議会の建議、意見等もございますので、制度としては臨時の賃金は廃止するけれども、それを実質的に廃止するならば、就労者の生活に非常に影響を与える、こういうことにもなりますので、適切な方策に基づきまして実質的に給付を続けていきたい、こういうように申しておるわけでございます。
○後藤委員 そうしますと、いま局長が説明されたことは、この附則の第二条をこのまま置いておいても実行できるのかどうか。このままにしておいて、いまあなたが説明されたことが実行に移せるのかどうか、この点をお尋ねします。
○住政府委員 賃金といたしましてはいろいろの支給方法があろうかと思うわけでございます。その一つの方法といたしまして、たとえばそういう実質的な措置を講ずる。就労日数等に応じまして賃金の積み上げということも考えられるわけでございまして、臨時の賃金としては支給できませんけれども、そういうような措置によりまして実質的には賃金として支給することができる、こういうように考えておるわけでございます。
○後藤委員 そうしますと、いまの説明は、局長の言われたそのまま聞きますと、臨時の賃金はなくしますけれども、それに見合うところの日給のベースアップをいたします、こういうふうに私聞こえたんです。そういうお考えですか。
○住政府委員 私、一つの考えられる例としてその措置を申し上げたのでございますが、いずれにしても、実質的に給付できるようにしたいと考えておるわけでございます。その方法はどうするか、これは賃金審議会の意見とかあるいは就労者団体とか事業主体の意見を聞いた上で適切な措置を考えてみたい、こういうように思っておる次第であります。
○後藤委員 それで第二条の問題につきましては、これは多くの議員が質問しまして、いわゆる疑義のある点だと私思うんです。だから、あなたのほうとして、はっきりこうしますということをいま言える段階でもないかもわかりませんが、いずれにしても、冒頭に私わずか〇・二の二日分の話をしましたけれども、夏期手当なり年末手当というのは、これは失対で働いておる人々といたしましては、それがなければ生活がささえていけないというくらい苦しい生活をしておられると思うのです。四十六年の四月に、一日千百三十七円です。まるきり三十日、寝ずにではないが、休まずに働きましても三万円余りなんですね。あなた方がどこかに出張して帰ってこられる旅費なんです。旅費は大体そのくらいだろうと思うのですが、そのくらい苦しい生活をしておられる人ですから、いまあなたの立場でこれをどうするこうするということははっきり言えないかもわかりませんけれども、委員会としての結論が出ると思いますが、ぜひひとつこの臨時の賃金の問題につきましては十分考えて、いままでよりよくなることがあっても悪くなるようなことは一切ないように十分御検討いただく。これだけはひとつ大臣いかがでしょうか、お約束いただきたいと思うのですが……。
○野原国務大臣 御指摘のような方向で考えたい。しかし、従来のような行き方がいいかどうか、これはやはり実情に即してもっと公正妥当な方法ありやいなやという点で、これからもいろいろな方面の意見を伺いまして、最も公正な方法で支給をするということに考えていきたいと思います。
○後藤委員 その次は、これは特に雇用審議会から佐藤総理大臣あてに報告という形で書面が出ておりますね。その中でいっておりますのは、高齢者の問題なんです。大体六十五歳以上になれば社会保障制度が充実しておればその面で生活ができるわけでございますけれども、今日の情勢から考えていきますと、それも十分でない。さらにまた、六十五歳以上になりましても働きたいというお年寄りもたくさんおられる。こういう人に対しましては適職を与える。その仕事としては社会保障制度の中の地方自治体が中心でやるべきではないか。さらに国が大きく援助すべきである。こういうようなことが特に総理大臣あてに出ておると思うのです。答申の中にも書いてあると思うのです。このことが今度の法案改正のかなり大きなウエートを占めておるのではないかというふうに考えるわけですけれども、当面この問題につきましてはどういうふうにお考えになっておるか、この点をお尋ねいたします。
○加藤政府委員 先生御指摘の高齢者の就業対策の問題でございますが、私どもといたしましては、来年度の厚生省の予算要求の最大の眼目といたしまして老人対策を取り上げるということで、この点につきましても、さっき先生もちょっとお触れになりましたように、年金問題、特に福祉年金の大幅な増額という問題と、それから老人医療の問題を取り上げて四十七年度から実施に移してまいりたいということで現在検討いたしておるところでございます。 それから就労の問題につきましては、確かに老人も六十五歳を過ぎましても健康である限りは、適当な働く場所を見つけて働くということが、老人の生きがいとして非常に重要であろうと考えております。それで、厚生省といたしましても、現在二十カ所に高齢者の無料職業紹介所を設置いたしまして非常に喜ばれております。就職率も三六%、非常に高率でございます。これを今後も大幅にふやしまして、働ける限りの老人には適当な職場で働いていただくということに全力を尽くしてまいりたいと思います。
○後藤委員 いま申し上げました問題につきましては、今後の問題としましても政府として非常に真剣に取り組まなければいけない問題であろうと思いますので、ぜひひとつ強力に推し進めていただきますようにお願いをいたしたいと思います。 それからその次は、今回の中高年齢者の雇用促進特別措置法が、現在のところいつこの委員会で採決になるかわからぬと思うわけですけれども、これだけいろいろと疑義があり、さらには失対が廃止になるのかどうかというようなことで世の中が騒いだ問題でありますので、最終的にいつかわかりませんが、これらの法律が制定された場合には、国会においてはこういう審議を経てこういうふうになったのであるということを各地方自治体に明確にわかるように徹底をしていただく、このことが私は非常に大事なことではないだろうかというふうに思うわけでございますが、その点、当面どういうふうにお考えになっておるか、お尋ねいたしたいと思います。
○住政府委員 御審議の結果、法律として制定されますならば、私ども、今後の失業対策という観点からもその周知徹底は非常に大事であろうと思います。同時にまた、現在の失対事業就労者の方方、十九万人おられる方々もこの法案に非常に関心を持っておられる。ということは、事業主体としても当然そのことについてその趣旨を十分わかっていただかなければ――今後依然として失対事業を続けていくわけで、そういう意味におきまして非常に大事なことであると思います。御趣旨のように、その趣旨の徹底については万全の配慮をしてまいりたいと思っております。
○後藤委員 その次は、いま失対事業をやっておられるところは、その事業の監督さんとか、いろいろ事務関係の人がおろうと思うのですけれども、こういう人方は地方公務員の特別職ですか、そういう形でやられておるんではないかというふうに思うのですが、この点どうなっておるのでしょうか。
○住政府委員 先生御指摘のいわゆる監督ということになりますと、一般職の地方公務員、こういうことになっておると思います。
○後藤委員 監督以外には、失対へつとめておる公務員の特別職というのはないのですか。
○住政府委員 失対事業の運営につきまして、現場等におきまして就労者の指導、その他労務管理、いろんな問題があるわけでございますが、そういう意味で、地方公務員の一般職の方々が現場の監督者――何も一カ所一人という場合のみではございません。一カ所に何人というような配置にもなっておると思いますが、そういう一般職の方方に事業の監督、運営に当たっていただいておる、こういうことでございます。その監督を補佐するという意味で、現在の就労者の中で副監督という制度を置いておりますが、そういう方々は特別職の地方公務員ということに身分上はなるわけでございます。
○後藤委員 それで自治体等で、一般職の業務の職場にも失対職員が増大して、いわば自治労の労働組合にも加入できない労働者をつくることになってしまう、ですからこの点は十分考えていただいて、失対関係者が自治体の一般職の職場に配置されないように十分考えてもらいたい、こういう意見がありますが、時間の関係がございますので、詳しいことにつきましては、また後ほど関係者と十分相談をいたしたいと思います。 その次は沖繩の問題ですが、沖繩のほうは失対事業は一体どういうことになるんでしょうか。
○住政府委員 現在沖繩においても失業対策事業が実施されておるわけでございますが、その失業対策事業の根拠となる法律は、ちょうど昭和三十八年改正前の緊急失業対策法に似た法律がございまして、それが根拠になって現在失業対策事業が実施されております。 大体の状況を申し上げますと、事業主体といたしましては三十一市町村。これは琉球政府の直営はございません。それから、対象者といたしまして千六百八十七人、一日平均吸収人員といたしまして千二百五十二人、予算額といたしまして約二億二千万円、こういうような規模で失業対策事業が実施されております。
○後藤委員 そうすると、沖繩が復帰しますとその予算についてはどういうことになるのでしょうか。本土関係と沖繩関係ですね、こういうのは予算的に別個に措置されておるのか、あるいは現在の国内における予算の中で沖繩の失対問題についても消化をしていくということになるのか、その辺、簡潔でけっこうでございますから、お答えいただきたいと思います。
○住政府委員 現在は、先ほど申し上げましたような沖繩におきます失対事業については大体、各県に対して補助をいたしておりますが、その補助に見合うものを援助費の中に組みまして援助をいたしております。復帰後の失業対策はどうなるかという問題でございますが、現在、その他の制度とも関連いたしましていろいろ検討をいたしておるわけでございます。私どもとしましては、やはり本土並みになるわけでございますから、本土並みの失業対策事業の実施、こういうような方向で考えるのが当然ではなかろうかというように考えておりますが、現在いろいろ検討中でございます。補助等の問題につきましても、内地の各府県に対するものと同じようなことになるのではなかろうかというようにも考えておるわけでございます。
○後藤委員 終わります。
○佐々木(義)委員長代理 次に、小林進君。
○小林(進)委員 大臣にお伺いいたします。 野党の各位からそれぞれ優秀な質問があったものでございますから、私はつとめて重複を避けるようにいきたいと思いますが、いままでの質問をお伺いいたしておりまして、どうしてもやはり政府側のほうが無理じゃないかと思われる点が、私の考えでは大体六点ばかりあるのでございます。 第一点は、新規の失業者のために窓口を全部コンクリートしてしまっても、失業者を一〇〇%職業につけしめることができるというこの政府側の確信、これはどうも私納得がいきません。 第二点は、人間にはやはり適性ともいうものがありますから、一たん民間事業に入っていった場合、性格上どうしてもその職場には合わないというときに、その人たちは一体どこへ行くのか。もはや二度と失対というふうな事業に返ってくる道がないのですから、そういう人たちを一体どうしてくれるのか、これが私はどうしてもふに落ちない第二点です。 それから第三番目ですが、これは企業組合としてときには独立させるというふうなお考えも、多くの八百か九百くらいある失対事業の中にそういうお考えがあるそうですけれども、企業組合として独立した場合に、これには採算というものがついて回ります。採算が合わないときには事業を縮小していかなければならない。そのときにはまたそこで、失業者のための企業の中に失業問題が生まれてくるが、採算の合わない事業を縮小したときに生まれた失業者を一体どういうふうに処置されるか、これも私がわからない第三点です。 それから第四番目ですが、特定の地域に開発事業というものをおやりになるといっているのだが、その特定の地域は労働大臣が指定されるようになっておりまするけれども、どういう基準で一体特定地域を指定され、開発事業をおやりになるのか。 〔佐々木(義)委員長代理退席、委員長着席〕 全国で、いまの産炭地のように福岡に一カ所、北海道に一カ所というような、全国わずか数カ所で終わるのか。あるいは、いまの失対事業というものは全国三千市町村の中に八百から九百、千近くあるそうでございますが、これをそのまま認める形で千カ所も二千カ所も開発事業所というものを認めていただけるのか。この数と場所と指定の条件が、まだなかなか私にはのみ込めません。これが第四番目でございます。 それから五番目でございますが、いままでの臨時手当というものを名称を変えて存続されるというおことばはしばしば承っておりまするが、これは政府側、大臣の御答弁等、私どもは十分御信頼申し上げていいと思っておりまするけれども、内容は変えるのだとおっしゃる。内容を変えるという、その内容をどんなぐあいにお変えになるのか。これもあまり能率給的におやりになりますというと、また非常に厳格なものになってしまいまして、大きな犠牲が生まれるのではないか。これはたしか一年か二年ばかり前だと思いますが、労働省がやはりこの能率給に基づくような臨時手当というものを計画されて、国会へお出しになるような原案をおつくりになりながら、それをおやめになったこともあったはずです。一回その作業をおやりになったのですから、その作業もひとつ比べて、今度はこれをどうおやりになっているのか。いま少し具体的にお示しを願いたいというのが五点です。 六番目がいわゆる求職手帳の問題でございます。いままでも失対手帳というものをもらうために、いかに失対の窓口で労働者が泣いてきたか。お出しにならないのですから。申請書の書類もくれないのですから。一年も二年も三年も、失対手帳をもらうために通うための、その通う申請の紙までくれない。そういうことをおやりになったのですから、今度は失対手帳といわないで求職手帳とおっしゃるのだそうですが、交付条件をどんなぐあいにおやりになるのか。私も法案は見ております。大臣も――十五条か十六条にいろいろ規定を設けておりますけれども、具体的に一体失対手帳の厳格なような形をそのまま踏襲されるのかどうか。以上の六点が私のふに落ちないのであります。 そこで、いま六つの問題をその項目だけをお示しをしておいて、これから徐々に第一点から、時間の許す範囲内――四時半だそうでございますので、四時半まで御質問を申し上げていきたいと思うのでございます。 その第一点は、新しい窓口を全部コンクリートしてしまって、新しく失業した者の落ちていく失対の窓口をふさいでしまわれるのだが、政府はことしの失業者を一体延べ何百万人くらいを予定されておられるか。その人たちを一体どれだけ求職で受け入れる見込みか。これは予算問題ですから、もうちゃんと原案ができていると思いますけれども、お聞かせをいただきたいと思うのでございます。中高年齢者だけでございますよ。中高年齢者のうちで、四十六年度の求人と求職の関係をお伺いしているわけです。四十六年度の虫高年の新規求職の申し込み者を一体延べ何百万人を予定されているか。そのうち完全に就職し得るという人数をどのくらい予定されているか。これは予算がついて回るのですから、大臣、いかがでございましょうか。大臣、なかなか頭脳明晰でいらっしゃいまするし、たいへん勉強されて労働行政にエキスパートになられたようでございますから、もうおわかりになるのじゃないかと思います。
○野原国務大臣 数字のことは、まあ事務当局にひとつ……。
○小林(進)委員 私はなるべく官僚の答弁はやめにして、大臣に御答弁いただきたいと思っているのでございますが……。
○野原国務大臣 小林さんの御質問、なかなか微に入り細にわたっての質問でございますが、どうも数字に弱いのでございまして、やはりこれは事務当局にやらせたほうが間違いないと思います。大ざっぱな点は私がお答えするとして、一応事務当局から説明をさせます。
○住政府委員 まず、現在安定所に求職の申し込みをしておられる方は、大体四十五年度で月平均三十八万、こういうように考えておるわけでございますが、このうち三十五歳以上の者といたしまして、大体十三万程度の者が三十五歳以上である。そこで、この中でいわゆる就職促進の措置を申請する者、これは大体延べといたしまして――就職指導手当でどれだけ払うかという計算になるわけでございますが、就職指導手当といたしまして月一万八千六百十三人、それから訓練といたしまして――訓練手当を払わぬといかぬのでございますが、その方々が月三万九千三百四十人、そういうようなことで、就職促進措置によりまして手当を支給しながら就職指導なり職業訓練を進めていく、こういうように予算上の積算をいたしておるわけでございます。
○小林(進)委員 これは労働省から出た資料じゃございませんかな。「中高年齢失業者等就職促進措置の実施状況」というのでございますが、これはちょっと資料が古いようですけれども、四十四年度でこれを見ますると、申請書の受付件数、これは中高年齢者ですから三十五歳から六十五歳までのものでございましょうが、一万二千九百八十七人、そのうちいわゆる高年齢失業者として認定された件数は一万一千九百三十九人、そのうち指示件数が一万二千百四十一、これは前年度からの集積なので数字は多少違いますけれども一万二千百四十一、そこで就職の件数が一万六百十三、こうなっておりまして、四十四年度の中高年齢者の新規求職申し込み、これは延べ数でしょうけれども、一年間で百三十一万二千二百七十件、そのうちの就職件数がいま申し上げましたように一万六百十三ですから、その比率は一%まで行っていません、〇・九一%、いわゆる中高年齢者の新規の求職申し込みに対する皆さま方から就職をごあっせん願う数、そのうち中高年の失業者であるという認定を受けました数はわずかに一%に満たないということです。こんな数字が出ているのですが、それからまた、その中から就職のお世話を願ったものはまた数が減ってくるわけでありますから、中高年齢者の失業者の中から職安を通じて就職をごあっせんいただいた数は、まことにりょうりょうたるものに過ぎないというこの数字、これはほんとうなんですかどうですか。これを私はお尋ねをいたしているわけでございますが、違いますか。これおたくさんの資料だと思いますが、これを私はいま申し上げたのですが…… 〔小林委員、資料を示す〕
○倉成委員長 小林委員、速記の関係がありますから自席でお願いします。
○小林(進)委員 それからいま一つお伺いいたしますが、これは四十四年の十月の統計でございますが、全国統計、五十一歳から五十五歳までの月間、月の有効求職者数、これは四万三百四十九人、これに対する求人数が二万三千二百十四人、それに対して就職の件数、おたくさんの職安を通じて就職をあっせんしていただいた方が三千六百六十六人、だからその求職者に対する就職率は九・一%、これも一割まで行っていません。求職を願い出ました五十一歳から五十五歳までの老人の方が、求職のお願いに参りましてそしてその月でようやく就職をあっせんしていただいた者が一割に満たない、九・一%という数字。今度は五十六歳以上の方で同じく求職のお願いに来た人が、これは多いですね、八万三千三百六十六人、それに対する求人側は一万三千八百五十三人、その中で皆さん方の御苦労で就職をあっせんしていただいて、ようやく職についた人が四千七百五十五人、これは求職の希望者に対する就職率は五・七%です。これが五十六歳以上の老人の場合ですからね。五十一歳から五十五歳までも五十六歳から七十歳に至るまでも、みんな求職の希望に対する就職率は一割弱でございます。そうするとこの表によれば、九〇%以上の方は就職の希望を持っていそいそと職安所を訪れながらも希望が満たされなかった、こういうことになります。これもひとつ間違いないかどうか。これはあなた方の資料のはずでございますから、いかがでございます。
○住政府委員 ただいま御指摘の数字、私どもの職業紹介状況といたしましてそういうことになっておるわけでございます。そこでまあいろいろ業務取り扱いの一つの数字でございますので、若干の解釈を申し上げておきたいと思いますが、実は月間有効求職なり月間有効求人、この問題でございますが、これは大体、ある人が求職の申し込みをする、そうしますとその求職の申し込みが二カ月有効である、こういうことになっております。また求人についてもしかりでございます。そこでその二カ月間、私ども有効な求人、求職といたしまして職業の紹介なりあっせんを求職者、事業主に対してやるわけでございますが、現実の問題といたしまして、たとえば求人側にいたしましても他の方法によって人を埋めておる、あるいは求職者につきましても他の縁故等による自己就職がございます。そういうような関係から若干この数字が低目に――求人、求職の結合という観点から見ますと低目に出ているきらいもあるかと思いますけれども、この数字に傾向としてあらわれておりますように、年齢が高くなるにつれまして再就職がむずかしくなる、こういうような事実は否定できないと思います。
○小林(進)委員 私はそういう申し込みの求職と就職との若干のズレはあると思いますけれども、ただこの数字はいつでもこうやってずれていくのです。そうするとその間にいつも一〇〇%の申し込みに対して一〇%という就職しかつかない、この開きがいつまでも続く限りは、いまここで計画されているような、求職者を全部民間の企業や開発事業のほうに吸収し得るとおっしゃる皆さん方の自信の中に、こういう数字を根拠に考えてみれば、どうしても若干の不安が残る、これを私は第一に申し上げたいわけであります。皆さん方は、いや求職者はもう百人が百人とも全部、民間の事業場なりあるいは開発事業の中におさめられるとおっしゃるが、私はいままでの過去の経験からいっても一〇〇%というものは困難じゃないか、そういうためにこの数字を申し上げているのですが、しかし自信がおありになるというのなら、まあひとつお手並みを拝見という以外にないと思いますけれども、これは私はこの法案の中の一番の弱点だと思っております、一番問題点だと思っております。 そこでこの問題にこだわっていると時間がありませんけれども、ちょうどいいことに、いま全国で何カ所か知りませんけれども、県の社会福祉協議会なんかで高齢者の無料職業紹介所というものをやっている。これは国とは関係ありませんね。若干補助が出ておりますけれども(「出てない」と呼ぶ者あり)出ておりませんか――これが先進県なんかでやられているのです。 これは新潟県の例ですが、新潟県の社会福祉協議会内に高齢者無料職業紹介所というものを設けている。これは昨年の十月から開所をしているのでありますが、その一年間の実績がここで報道されているのです。この紹介所は職安でおやりにならない世話をやる。職安は大体六十五歳で年齢を切られるものでありますから、この無料の老人の職業紹介所は六十五歳以上の方を中心に置いて職業のあっせんをしているのです。大臣、ひとつ私の話を聞いてください。いま全国の先進県でやっているわけですが、昨年の十月から半年間の実績を申し上げますと、そこに半年の間に四百四十七人の老人のいわゆる求職の申し込みがあったのです。それに対して求人が百六十件。まあ延べにしますと五百十六件になりますけれども口としては百六十件で、これに対しましてことしの三月までに就職の決定いたしました者が四百四十七人のうち百九十七人です。その百九十七人の人たちの就職をした内容を申し上げますと、賃金が、男性で百九十七人の大体六割は二万円から三万円です。職種別には、技能職が一番高くて四万五千円、一般事務が三万五千円、雑役が二万五千円から三万円、女性の場合は大体一万五千円から二万五千円。こういう範囲です。 この訪れた四百四十七人の人たちに、何のために働きたいのかということを聞いてみますと、そのうちの二割は生活のためだ、三割は老人だから退屈だからどこかへ就職したい、残りの五割、半分は小づかい銭がほしいから働きたいのだ。こういうことでございますが、小づかい銭がほしいということも、これは解釈のしかたでしょうけれども、小づかいに不自由しているんですからやはりこれも生活問題であると切り上げてみれば、就職を依頼に来た人たちの七割は生活のために新しい職業を求めにきている、三割は遊んでいるのが退屈だからということで就職を求めにきている、こういう勘定になってくるのです。中高年層の、まあ六十歳もいますけれども、特に六十五歳以上の老人が主ですから、ほんとうの高年齢者の就職を求めにくる内容は、生活のためだという者がまず七割と見なくちゃいけない。 その年齢をいまここで申し上げますと、六十歳から六十四歳までの求職者が半年の間に四百四十七人のうちの百八十人。そのうちの就職率は四二・八%です。五八%は残念ながら適当な職業がなくて希望に応じかねる。六十五歳から六十九歳までの求職者が百八十二人で、そのうちの就職率が五三・三%ですが、四七%が希望をいれられずしてまだ職につけない。七十歳から七十四歳までの求職の方々が四百四十七人のうち六十九人いるのです。この人たちの就職率は三〇・四%で、七割は希望をいれられずして失業のままです。七十五歳以上の求職者が四百四十七人のうち十四人いるのです。これは就職率は一割二分の一二・五%。七十七歳以上の求職希望者がこの中に二人いるのです。これは一〇〇%就職いたしました。一人は雑役です。一人は宿直です。こういう形なんです。これが皆さん方の職安の窓口から追い出されて扱ってくれないいわゆる高齢者が、なおかつ生活のために就職を求めてきた実態です。そして一生懸命につとめながらも、なおかつこうやって六割以上の人たちが希望を満たされず失業の苦難をしょっている。七十歳以上になって生活に苦しみながら就職の道を求めて、まだそれの希望もいれられずして悩んでいる。 そこへ希望しに来た人たちの前歴は一体何だというと、いろいろな人がおりますが、特に高い人たちだというと会社の社長さんがあります。警察署長があります。官庁の課長さんがいる。学校の校長さんがいるという実態です。これはその四百四十七人のうちでもハイクラスの人たちで、こういう人たちが六十五歳、七十歳になって就職を求めている。これは生活のためじゃないかもしれません。退屈だから来たという人の三割の中に入っているかもしれませんが、こういう実態です。いまお進めになっているこの中高年齢者の法案の中で、この人たちを一体どう処置をしてくださるという考え方なのか。これは職安行政の範囲じゃない、労働省の範囲じゃないとおっしゃるかもしれませんが、政府の一員として大臣、そうはいきません。一体これをどう扱っていただけましょうか。お考えはいかがでありましょう。
○野原国務大臣 小林さんのただいまあげられましたことは、老人の方々が非常に生きがいを求めておるということの証左であろうと思います。必ずしも生活に困ってないという方もあるようでありますが、働く以上はある程度の小づかい銭がほしいということでもありましょう。しかし最も多くの問題はやはり人生を無為に過ごしたくない、何か社会に自分の持てる力をもって生きる生きがいがほしいという方々であろうと思います。そういうことで、これは現在の失対の方と同一に論ずるわけにいかないと存ずるのでありますが、そうした風潮は年を経るに従ってますます濃厚になるんじゃないか。これからはそうした生きがいを求める方々が非常にふえる。その人たちの願望にこたえて、一つの社会制度として、こういった方々に対してあまり無理な勤労という形でなしに生きがいを与えるという、軽い意味の勤労に従事してもらうというふうな発想が当然必要となってまいると思うのであります。 今後は特に老人対策という問題が最も重大な問題でございます。おそらく今後平均年齢が延びるに従って、ますますその傾向は著しくなる。そういった方々に対しては、どうして生きがいのある人生を送っていただけるかということも、これからはわが国の労働対策というよりも、むしろ最も大きな社会政策として取り上げていくべきではないだろうかというふうに考えまして、これはその意味からも関係の閣僚ともとくと相談してみたいというふうに考えます。
○小林(進)委員 大臣のおっしゃるように、生きがいのある人生を送りたいということで七十歳になり七十三歳になって職業を求めていらっしゃる方もあるでしょうけれども、私は先ほどから申し上げているように、その心境を聞いてみれば生活が苦しいからなんだと答えている人がそのうちの二割だ。しかし、小づかいがほしいのだ、だから働きたくないがやむを得ず来るんだという人が五割、それでもう七割です。あとの三割が退屈だからというのです。この三割は、いま大臣がおっしゃるように、もっと生きがいのある人生を送りたいというのかもしれません。無理に働きたくはないが、しかし遊んでいるのはもったいないからという希望でございましょうけれども、七割は働きたくはないが小づかい銭がほしい、生活が苦しいから、こういうことで来ていらっしゃる。それが、いまおっしゃるようなことなら、これもひとつあなたにお見せしたいと思います。そういうことですから、それがいまおっしゃるように、ひとつ社会問題として、老人対策としておやりになるならけっこうですが、そういう施策ができない前には、やはりこういう人たちのことも、社会労働行政ということでこれは前向きに考えていただきたい。これは職安の窓口に来ているのですから、老人の職業あっせん相談所に来ているのですから、やはり労働行政の一環としてこれを扱っていただかなければならないのではないか。そのためには窓口を全部ふさいでしまって、コンクリートで壁を塗ってしまうのは、どうも少し残酷ではないだろうかということが、私の第一点の質問の趣旨でございますけれども、労働省もがんこでいらっしゃいますから、なかなか私のそういうことも聞いてくださらぬから、これは将来の問題として一つ問題を提起しておきます。 だんだん時間が迫ってきましたから、私は条文に従って、ちょっと不審の点がありますから、条文を追うて御質問していきたいと思いますが、第一条の「目的」は、いま申し上げました問題で尽きております。一体現在の失対に働いている人たちの実態をほんとうに研究してみて、もう失対をなくしても民間の事業所の中へ全部入れられる、そういう自信のついた上でこういう雇用促進法という法律をおつくりになったかどうか。第一条の目的を達成する意味においては、まだまだ現在の失業者に対する実態というものの研究が足りないのではないか。これは私はこの法案全部に対する最も中心的な疑念の存するところであります。 それから次に第一の問題は質問が長過ぎましたから、第二条のところにまいりますが、第二条の第三項の特定地域ということをおっしゃるのですけれども、この特定地域というものを、これは先ほどからも申上げましたが、一体全国でどれくらいのものを予定せられているのか、これが私は非常に疑点なんです。特定地域を設けるとおっしゃいますけれども、これが全国でほんの一、二カ所であっては、これはどうにもならないわけでございまして、これは法の第二十一条でございましょうか、(特定地域における措置)「労働大臣は、特定地域に居住する中高年齢失業者等について、職業紹介、職業訓練等の実施、雇用の機会の増大を図るための措置その他これらの者の雇用を促進するため必要な事項に関する計画を作成し、その計画に基づき必要な措置を講ずるものとする。」とあるのですが、労働大臣がこの特定地域の指定をされることになっておりますけれども、一体どういう基準でされるのか。産炭地域の指定なんかは、これはわかります。石炭が出なくなって失業者が出たから指定されたのでありますけれども、こういう雇用促進のための特定地域というものをどんな基準でおやりになるのかわからない。この点をひとつお聞かせいただきたいと思います。
○住政府委員 いまも御指摘ございましたように、特定地域とは中高年齢者である失業者が就職することが著しく困難である地域、こういうことになっておるわけであります。より具体的に申し上げますと、たとえば、これは安定所の管轄区域できめていきたい、こういうことでございます。と申しますのは、安定所における求職者の状況がどうであるか、それでその求職者が全国の状況から見て非常に高い、こういうようなことが第一。それから第二点、この法律は四十五歳から六十五歳未満、こういうことを対象にするわけでございますが、そういう状況の求職者がおられるわけです。そういう求職者に対する求人の比率、これが全国の状況から見て非常に高い、こういうこと。それから第三点といたしまして、失業保険の資料等によりまして、初回受給者の被保険者に対する割合、これは失業率になるかと思うのでございますが、そういった率が全国平均から比べて高い、さらに他の地域に住所を移して就労する状況等もございますが、そういうようなことが可能であるかどうか、こういうような観点から特定地域を、これは中央職業安定審議会の意見を聞いて定めることになっておりますが、定める場合には、そういう基準によって特定地域を考えていきたい、こういうことでございます。具体的に数字はどれだけになるであろうか、こういうことでございますが、私ども必ずしも正確に検討をいたしておりませんけれども、少なくとも百カ所以上にはなるであろう。特に特定地域開発就労事業等の実施につきましては、現在の失対就労者で体力、能力が高い者、こういう方々で開発就労事業も実施していこう、こういうことも考えておりますので、そこらあたりは失対事業の実施地域、事業主体の数でございますが、そういうこと等も兼ね合わせて数をきめていきたいと思っている次第であります。
○小林(進)委員 開発事業の地域、これは職業安定所の地域を中心におやりになるといまおっしゃったのですが……。 〔委員長退席、増岡委員長代理着席〕 今後これから新しく出てくる失業者というのは、特に過疎地帯で、大臣が最も得意とせられる農村あたりで、だんだん家庭が過疎化してしまって、子供や老人たちを捨てて町に出ていって、しかも老人は働けない、しかし失業対策の対象にはならない、生活保護の対象にもならない、しかもそういうところには職安もない、また失業者の多発地帯でもない、こっちでばらばら、あっちでばらばら、こういうぽつねんとした、孤立したような失業者が、むしろ都会よりは過疎地帯、農村地帯に出てくると思うのです。そういうものをどう一体失業対策の対象にして救い上げられるか。大臣、あなたはこういうことをお考えになったことがありますか。私はこれは新しい失業の型だと思います。都会ではない、農村に出てまいりますよ。しかし、たまたま局長が言われたように、そういう開発事業ができたところで、長年住みついたところで家もあり、住みなれたところである場合には、全国で百カ所ということになれば、やはり自分のふるさとを捨てて、そこまで行くには土地を捨てていかなかればならないが、そういうことが一体可能かどうか、そういうことも出てくるでありましょう。私は率直に言えば、全国で三千市町村あるが、その三千市町村に全部開発事業をやっていただければ、まことにありがたい、それならば問題はない。私はこの法案に双手をあげて賛成いたしますが、三千ある市町村の中で百カ所、それもいま失対事業のある市町村は千くらいありましょうか、三分の一くらいの市町村にあるんじゃないでしょうか、それでもまだまだその失対事業に吸収できなくて、孤立の失業者が顕在している状況の中では、これが百カ所を千カ所くらいに広げていただきたい。そうでなければ、こういう過疎地帯にぽつねんと取り残された失業者は、一体どこへ行って働けばいいのか、これをひとつお聞きしたい。
○住政府委員 先ほども申し上げましたように、特定地域の指定、これは安定審議会の御意見を聞いてきめることになると思いますが、いまのところ、考え方といたしまして、安定所の管轄区域を単位としてきめていく。御承知のように安定所は全国に四百七十あるわけです。そういうような数から考えてみまして、先ほどのような数字は範囲としてはそんなに狭いものではない。ただ御指摘のように安定所の管轄区域は広うございます。ある安定所の管轄区域であっても、ある地域で開発就労事業を実施すると、遠く通わないといかぬ、こういうような問題も出ると思いますが、これは事業として実施するわけでございまして、失業者が一人でもあれば直ちに事業を実施する、こういうことにはなかなかまいらぬかと思います。現在の失対でも、多数の失業者が発生した場合に臨時に失業対策事業をやるのだ、こういうことになっておりますので、そこらあたりは失業者の発生状況等ともにらみ合わせて事業の実施地域をきめていく、こういうことになろうかと思います。
○小林(進)委員 これは開発事業の対象になりません。でも大臣、こういうぽつねんぽつねんとある農村の過疎地帯に新しい失業者が出てくるのをどう措置されようとお考えですか。これはお得意の場面ですから、どうぞ大臣お聞かせください。
○野原国務大臣 過疎状態の地域にはそういうことも確かに起こり得ると思います。しかし、ぽつりぽつりとある農村で、あそこの部落に一人いた、この部落に三人いたというふうなところで開発事業というようなことはちょっとむずかしいのであって、それには別個の一つの対策が必要じゃないか。それは大きくいうなら、厚生省の所管される社会保障制度の拡充強化にまつ以外にはないだろうというふうに考えますが、しかし、そういうこともこれからは十分注意して、そうした過疎現象の中にはたして何人ぐらいそういうものがあるか。この特定開発事業も実は産炭地域であるとか、あるいは同和地域であるとか、あるいは過疎地域、農村地域などもそういったことを一応対象に入れておりますが、小林さんのおっしゃるような現象はこれからきわめて深刻な問題として、特に農村地域では非常に起こり得る現象であろう。ただ、それに対して中高年齢者雇用促進措置法が果たすべき役割りというのはおのずから限定されておるので、そういった非常に疎外されたような状況の中で、はたしてそういった方々をどう処理していくかという問題については、一段と検討を要する問題ではなかろうかと考えます。
○小林(進)委員 大臣がいみじくもお答えになったとおりなんですよ。私は、いまの失対法というものをむしろ拡充して、そういう人たちも受け入れるような方向へ実は行ってもらいたかったわけです。ところが大臣は、いまのところは限度があるから社会保障のほうだろう、厚生省の管轄だろうとおっしゃった。その厚生省の管轄が何にもできていない。できていないから、こういう法改正は少し早過ぎるのじゃないか。向こうのほうで老人を受け入れる、生活保護も完成している、老人年金も完成しているというその形ができていないときに、こういうことをおやりになる。おれの管轄じゃない、厚生省の管轄だと言ったところで、厚生省は何も手がありません。そうすれば結局新しい失業者を見殺しにするだけの話ではないか。私はこれがいかにも残念でたまらないのです。 もはや政党間の妥協話もできたようでございますから、きょうは意地の悪い質問はやめますけれども、大臣、こういう新しい失業者もこの新しい失対事業の中で吸収してもらう以外には、いまはどうにもならない。こういう新しい過疎地帯に失業者が生まれているということだけは、ぜひとも念頭に置いておいていただきたいと思うのでございます。 それから次には、第四条なんかもほんとうはこういう画期的な法案をおやりになるためには――「適職の研究等」という条項ですけれども、中高年齢者の能力に適合した職業だとか、労働能力の開発方法だとか、そういうことに対する調査研究及び資料の整備というのは、もはや雇用対策法でもちゃんとできていなければならないはずなんです。これほどの画期的な法案をお出しになるならできていなければならないはずだけれども、まだ労働省としてはおできになっていないはずでございます。一体能力に適合した職業だとか、労働能力の開発の方法だとか、こういうことに対する具体的な案でもあったらここでお示しをいただきたいと思うのでございます。
○住政府委員 実は、私どももこの点に関する研究なり調査を進めておるわけでございまして、雇用促進事業団の一つの機関といたしまして職業研究所が設置されております。これはたしか四十四年に設置された機関でございますが、そういう機関でいろいろ調査研究を行なっておりまして、それなりの研究資料の整備ができております。現在そういったものをできるだけ一般の事業主その他の方々に提供いたしまして、虫高年齢者の雇用促進に資していただく、こういう政策をやっておるわけでございますが、これは実は幾ら研究しても足りない問題であろうかと私は思っております。特にこれから新規労働力が減っていく、雇用需要というものが非常に多い、結局中高年齢者の能力をどのように活用していくか、発揮していただくか、これは非常に重要な問題になっていくのだと思います。従来、わが国の場合に、労働力過剰時代の惰性から、とにかく仕事が中心になって考えられていた。また、それに必要な労働力が確保できた。これからはそうはまいらぬわけでございまして、むしろ人の能力に応じてどういうふうに仕事をやらしていくか、もう一ぺんこういうことの見直しも必要になってくるかと思います。そういうようなことにつきまして、この条文を根拠にいたしまして、さらに積極的に作業を進め、その成果を広く提供いたしまして、雇用の促進をはかっていく、こういう趣旨の規定でございます。
○小林(進)委員 私も中高年者の能力に適合した職業の開発だとか、労働能力の開発の方法というのは非常に興味がありますので、資料もお持ちだそうでございますから、これは法案が済んでからでもいいですから、ひとつ現存するものを私のほうまで御提供いただきたいと思います。ぜひ見せていただきたいと思います。 それから次に、時間がありませんから先に飛びますけれども、求職手帳の発給でございます。これはいままでの失業手帳とは違いますから、内容が違いますけれども、条文を拝見いたしますと非常にめんどうな規定がございまして、この手帳をちょうだいするについては、公共職業安定所に求職の申し込みをしていることが一つ、誠実かつ熱心に就職活動を行なう意欲を有すると認められることが第二の条件、第三番目は、労働大臣が計画作成する就職促進の措置を受ける必要があると認められること、生活の状況その他の事項について、労働大臣が中央職業安定審議会の意見を聞いて定める要件のいずれにも該当することが一つ、むずかしい要件が四つ当てはまらぬと、これはやはり職安所へ行っても求職手帳をちょうだいできないというやかましい規定があるのでございますが、これは一体そんなに狭いものなのかどうか、この点をひとついま一回私は承っておきたいと思うのでございまして、私どもできれば、まあ職安でもからかってやろうとか、いまは職業があるんだけれどももっといい職業へつきたいとか、あるいはまたなまけ者がのこのこ職安所へでも行って遊んでいて求職手当でももらいたいとかいう、そういう者があらわれてくるのをチェックするということは、これは当然あってしかるべきですけれども、原則としては私は、就職の希望を有する者はあまねくひとつ求職手帳を差し上げるというくらいの基本路線を持ってもらわなければならないというふうに考えているのでございますが、いかがでございましょう。
○住政府委員 大体趣旨といたしましては先生の御指摘のような趣旨でこの法文を考えておるわけでございまして、書いてあることは一々そんなむずかしいことではないと思います。まず求職の申し込みをしていただかなければならない、これはもう当然のことかと存じます。それからそういう方々に対して、十五条に書いてございますように職業指導、職業紹介あるいは職業訓練、職場適応訓練、そういうようなことを、これは求職者の希望等をも考え合わせましてそういう措置をとる必要があるかどうか、こういうことも当然必要なことであるわけでございます。ちょっと抽象的ではございますが、第二号に「誠実かつ熱心に就職活動を行なう意欲を有すると認められること。」こういうことが書いてございます。これも実は私ども現行の制度を運営するにあたりましても、客観的に明白な事実に基づいてこういう意欲があるかどうか認定していこう。と申しますのは、たとえばいろいろ職業紹介、職業指導をする、あるいは職業訓練を指示をする、そのために安定所に出てきていただきたい、こういうようなことを申し上げる場合があるわけでございますが、そういう場合に正当な理由なく断わられる。あるいは適性検査を受けてみなさい、こういうような指導に対して、正当な理由なくお断わりになる。あるいはいろいろな書類等も必要な場合があるわけでございますが、安定所が出していただきたいという場合に、ゆえなく出していただけないとか、そういう表にあらわれた事実、これをきめておきまして、そういう事実によってこの二号の運用をしていくつもりでおります。そういう意味で特に安定所長の恣意にわたることがないように、これは十分指導をしていくつもりでおりますので、趣旨といたしましては先生のおっしゃるとおりでございまして、そういう意味でこの条文は運営していくべきであるというように考えておるところでございます。
○小林(進)委員 そうすると、この求職手帳の交付はいままでの失対手帳の交付とは本質的に違うということでございますね。いままではずいぶん厳重におやりになりまして、なかなか、ちょうだいするために三年かかったけれどもだめだったというような話がありましたけれども、そんなのはなくなるというのは非常にけっこうでございまして、これはつとめてひとつやっていただきたいと思います。おやりにならなければ雇用促進になりませんからね。一生懸命やっていただいて雇用を促進していただくように、これはまあ将来大事なことですから、私は念を押して、ひとつ間違いのないようにしていただきたい。 それから、私はまだたくさんございますけれども、時間を見ながら問題を提起していくのでありますけれども、この法案を見ながら一番心配なのは、やはり雇用率の設定といま一つは民間の企業者に対する、たとえていえばまあ五条でいうと、これは二項ですが、「公共職業安定所は、中高年齢者を雇用し、又は雇用しようとする者に対して、雇入れ、配置、作業の設備又は環境等中高年齢者の雇用に関する技術的事項について、必要な助言その他の援助を行なうことができる。」といって、これを読んでいきますと相当私企業に対する国家権力の干渉らしくなるのじゃないかという、こういう感じが私はするのです。この点は、これは考えようによっては憲法上の問題になってきます。これはどうなんでございますか。そんなことは法文を作成されるときは官側としてはお考えになったことがなかったかどうか、お尋ねをしておきたいと思うのでございます。
○住政府委員 求職者につきまして職業選択の自由、これはもう憲法なり職業安定法で規定されております。これは当然のことでございます。それから、雇用者には雇い入れの自由というものがある。その意味で私どもこの法案作成にあたりまして、そういった自由に触れるようなことはできるだけつとめて避けてまいったつもりでございますが、いろいろその点につきましては、むしろ今後若年労働力が減っていくのだから、中高年齢者の雇用促進をはかるためにさらにこれよりももっと強い制度を考えてはどうか、こういうような御意見もあったわけでございますが、御指摘のように雇い入れの自由ということも考えまして、たとえば第五条におきまして、あまり若年労働者若年労働者ということで求人を申し込まれても紹介もできない。なおかつ、中高年齢者でむしろ若年よりもより能率をあげてもらえるような職場もある、こういうことも現実にございますのでもそういう場合にはその年齢その他についての求人条件についていろいろ御相談を申し上げ、指導も申し上げる、こういうような趣旨でございます。 それから第二項につきましては、先ほど申し上げましたように、今後やはり若年労働力ばかりに頼っておれない。中高年齢者の雇用もしなければ労働力確保はできない。しかしその場合にいろいろ仕事等の関係で中高年齢者をどのように配置していくか、あるいはその場合にいろいろな作業環境なりそういうものも整備変更をしなければならぬような場合も起きてくるわけであります。そういうことについて四条の中高年齢者の労働能力の開発方法等の成果等も利用しまして御指導を申し上げる。そして場合によっては金銭的な援助も含めまして援助も申し上げるというようなことで規定しておりますので、特に事業主側の雇い入れの自由をそこなうものではないというように考えておるわけでございます。
○小林(進)委員 第九条には「雇入れの要請」がございますね。これに対しては「労働大臣は、」云云という規定があるわけでございますが、その末尾のほうに、「当該職種の中高年齢者である労働者の数が同項の規定により算定した数以上となるようにするために必要な措置をとることを要請することができる。」要請ですが、これは相当強い感じが、どうもこの文章を読んでいると、労働大臣が、私企業の営業の自由権にまでも、雇用の自由にまでも一歩入り過ぎて干渉しているのじゃないかという感じを受けるのですが、これがどうもあなたの説明ちょっと私は了承できない。 それからいま一つは、拒否した場合、やはり中高年齢者よりは若いほうがいいんだと拒否した場合、一体労働大臣はどうされるのか。それはあとのほうで金を貸し付けないとか、あるいは雇用促進事業団が金のめんどうを見ないとか、若干規定はあるけれども、事業主に対する給付金をくれることになっているが、その金もくれないんだろうけれども、それ以外に何か一体具体的な処置があるのかどうか。拒否された場合、大臣の面目まるつぶれになるのですけれども、そういう場合にどうされますか。大臣にお尋ねしたほうがいいのじゃないかと思うのです。第九条の問題ですが……。
○野原国務大臣 事業主にもやはり中高年齢の方々をできるだけ多く雇っていただく。そのためには事業主が必要とするような施設等についても思い切って融資をするとか、あるいは雇用あっせんのためには援助の手も講じようということで、一にも二にも中高年齢者をできるだけ多く雇用していただくために、側面から雇用主に対して国が援助するという趣旨でございまして、何も雇用主の自由を特に拘束するとか、そういう意味ではない。出発点がですね。 そこで、これからは、それにもかかわらず中高年齢者はいやだ、若い者がほしいという者に対しては、そういうような事業場に対しては、若い人だけをあっせんしてくれと言われても、お話のとおり、それはできない、その趣旨を十分考えていただいたほうが、事業をやる方も安定した雇用ができるという面で利益が多かろう、そういう意味で、何も努力目標をお願いしておるとか、いろいろな面で国は――この政策に対するほんとうの理解のある態度でいってもらうならば何らの不都合はないというふうに考えておる、こういう次第でございます。
○小林(進)委員 私はやはり原則としては、身体障害者の雇用促進のように官庁とか公社とか、国の機関に、これだけの雇用率というものを設けて、雇いなさい、おやりなさい、これは一向差しつかえないと思う。しかし、私企業ということになりますと、そんなわけで、金も貸してやる、あるいは金もあげる、いろいろのめんどうを見てあげるから、雇用率に基づいて雇いなさい、こういうふうにおやりになることは、私は決して悪いとは言いませんけれども、これは一歩間違うと、若干不景気になって人間が過剰なんということになりますと、経営者は圧力を感ずる、国からそういうものを押しつけられてくるわけですから。その辺のかね合いは、私は非常に微妙だと思うのです。だからここら辺は、法の運営の過程において十分御研究をして、注意してもらわなければならぬ問題じゃないか、こう考えるわけです。官庁はけっこうですよ。電電公社でも、郵政省でも、おまえのところは何名使え、これだけ使え、それはそれでけっこうです。雇用率を設けて、やってもらいたいと思うのですが、民間の企業の場合には、国の圧力を感じて、いやいやながら雇わせるようなことのないように、これは運営面において相当慎重にかまえてもらわなければならぬ点があると思います。ひとつこれは注意を喚起しておきます、将来の問題として。 それからいま一つは、これは飛び飛びになりますけれども、時間を見ながらやるのですが、二十二条、これは開発事業の問題です。労働大臣は特定地域における就労の状況等から見て、その特定地域において計画されておる公共事業の中に――国がやる、あるいは地方公共団体がやる事業に一定率の中高年齢者層を雇い入れろ、こういう指示をおやりになることが定めてあるのです。これは今度は、公共事業の立場から言うのじゃありません。そういう一般の公共事業の中に一定の比率を設けて中高年齢者層、老人層がぶち込まれた場合に、一般の人たちと一緒に働かなくてはならない。事業所が一つだから、公共事業が一つだから。その場合には、私はついていけないのじゃないかと思うのです。こういう中高年齢者層だけの特定の事業所を設けて、そこで働いてもらうような――いまの失対事業でありますけれども、一般の公共事業の中にぶち込まれて、ついていけない。あいつはなまけ者だ、遊んでばかりいるじゃないか、能率があがらない、そういう問題が必ず出てくるのじゃないか。これでは中高年齢者層は非常に気の毒じゃないかと思うのですが、具体的に一体どういうふうにお考えになっているのか。同じ公共事業の中でも老人だけの仕事は別にして、そこでは庭はきや雑役等に使う、こういう思いやりのある考え方がこの二十二条の中に含まれているのかどうか。これをひとつお伺いしておきたいと思います。
○住政府委員 現在の公共事業の失業者吸収率、これは全国的にあるわけでございます。ところが非常に労働力不足になってまいりまして、一般の地域においては必ずしも当初のような効果を発揮していない、こういうようなことになっております。ところがこういう特定地域、特に失業吸収の悪いところが第一になるわけでございますから、いろいろ雇用機会等との関係もありまして、特定地域に従来の失業者吸収率を残しておく、こういう趣旨でございます。しかし、公共事業の現状を見ますと、非常に作業が機械化され、あるいは近代化、合理化されておる、こういうことで必ずしも中高年齢者に適する職場がすべてである、こういうようなことにないことも事実でございます。そこで吸収率をきめるにあたりましては、中高年齢者に向く職種と申しますか、そういう場所ですね、そういうことをよく考えまして、適正な吸収率をきめてまいりたいというように考えております。
○小林(進)委員 いまの御答弁が一番大切なんでございまして、一般の公共事業の中へ中高年齢者層がぶち込まれて、近代化の仕事の中に巻き込まれたのじゃ、これはとてもついていかれるものじゃない。それは十分めんどうを見てもらわなければいけないと思います。これはどうですか。二十一条の特定地域における措置と第二十二条とは――第二十一条は中高年齢者だけの特定の地域の開発事業で、第二十二条のほうは一般の公共事業の中に中高年齢者を特に並列させるというか、合同して仕事をさせる、こういうところにねらいがあるのじゃないか。私のこの解釈は違いますか、ちょっと教えてください。どうも私もこの点が不安定なものですから……。
○住政府委員 先生の御指摘のとおりでございます。
○小林(進)委員 そうでございましょう。そうすると、どうもこの二十二条のほうは運営が非常に心配になってくるわけですから、これは運営面において十分ひとついまの御答弁のとおりにやっていただいて、老人向きの職種にひとつ就労させるようにお願いいたしたいと思います。 約束の時間がちょうど参りましたものですから、これで私やめますけれども、いま一つは、もう皆さんからもだいぶ質問が出ましたからお答えいただかぬでもよろしいですけれども、臨時手当の問題は、お残しいただくということでございますから、これは非常に私はけっこうだと思っております。ただ、しかし内容は変えますというのは、これはぴっぴっと来まして、先ほども申し上げましたように、どうも、形は残すが内容は変えるという大臣の御答弁が、実は私としては強く響いてくるわけでございまして、先ほどからも申し上げましたように、たしか労働省は、この臨時手当を能率給的に支給するという案を立案されたことがあったはずです。ありましたね。――それを、しかし途中で日の目を見ないでおやめになったはずです。相当反撃が強かったわけです。働く者も働かざる者も同じ、一日出た者も十五日出た者も同じ臨時手当というのは、どう考えてみても悪平等のようにも考えますので、若干その働きに基づくそういう臨時手当を支給されるという考え方も私はまあまあ至当だと思いますが、だからといって、それに便乗しまして、生活を――これは、この人たちが生きるためのやはり最低の生活費なんですね。臨時手当とはいいながら、最低の生活費なんです。それをあまりむざんに奪い去るようなことのないように処置をしていただきたい。これがお願いです。私どものような高給をはんでおる者が能率によりさっさと差をつけられるのは、これはたいして痛くありませんけれども、こういう人たちのこの臨時給なんというものは全く生活給です。生きるための最低線なんですから、それを一般の能率給のような形で、賞与のような形であんまり格差をつけられますと、これは生きていかれませんから、くれぐれもその点はお間違いのないように、血も涙もある御処置をひとつやっていただくことをお願いいたしまして、私の質問を終わります。時間が参りましたから……。
○増岡委員長代理 次に、大橋敏雄君。
○大橋(敏)委員 きょうは朝からずっとの質疑応答でかなりお疲れになっていると思いますけれども、答弁だけはひとついいかげんなものでないように、最初に御要望申し上げておきます。 私は、初めに雇用失業情勢の問題から入ってみたいと思いますが、何人かの委員の質問、その答弁を聞いておりまして、大体の方向は理解できたわけでございます。経済の高度成長が続き、雇用は確かに拡大はされました。しかしながら、その雇用情勢というものは非常にアンバランス的な要素を生じております。いわゆる若年労働者は労働力不足ということであるし、また中高年齢者の雇用の不安定、就職難というものはきわめて深刻な問題となっているわけでございます。そういう状態だからこそ労働省は今回の法案を出したのだと、このようにおっしゃるでありましょう。だけれども、われわれは非常に疑問を抱くのであります。 確かに中高年齢者の問題、この雇用の促進というものは非常に重要な問題でありまして、それそのものに私は異論はありません。当然のことであろうと思いますけれども、欺瞞的な中身があるということですね。なぜならば、表面的には就職促進対策をばっちりと掲げている、しかしながら中身を見てまいりますと、非常に薄弱といいますか、またお粗末といいますか、しかもその附則において緊急失対法の形骸化をはかっている。こういうことになれば中高年齢者の雇用の促進じゃなくて、失対事業の打ち切りだ、このようにいわれてもいたし方ないと思う。われわれは、こういう中身を見ながら黙って引き下がるわけにいきません。労働省としてみれば、こういう重要な中高年齢者の雇用の問題だから、何とかこれを賛成してほしいという気持ちであろうけれども、いま申し上げましたように中身が問題であります。たとえば、法案の中心になっていると思われるのは、まず求職手帳でございますね。求職手帳の問題、あるいは雇用率の設定の問題、いまも質疑応答がなされておりましたけれども、この求職手帳の問題も、考えてみれば従来の職安法に定められております就職促進措置、この問題と同じであるし、また雇用率の設定にしても、すでに雇用対策法に定められて実施中ではありませんか。こういうことから、表面はあくまでも就職促進対策のように見せかけて、その一方では附則でもって緊急失対法の形骸化、事実上失対事業の廃止をもくろんでいる。「当分の間」とかなんとかいっておりますけれども、こういうことではわれわれは納得いかないのであります。 そこでお尋ねいたしますけれども、現在一体完全失業者はどのくらいいるのか、また不完全失業者といわれております、つまり季節労働者だとかあるいはパートタイマー、臨時あるいは社外工、このような方々、いわゆる不安定職業についておる人が非常にふえてきておる今日、こういうものも含めて当然考えていかなければ雇用失業対策が完全なものにならないと思うのでありますが、今後の雇用失業対策の方向を労働省としてはどのようにとらえて手を打とうとなさっているのか、まずお伺いしたいと思います。
○野原国務大臣 今後の雇用失業対策の基本的な考え方としまして、まず第一に雇用の安定をはかりまして失業の発生を防止することが重要であると考えております。このために産業合理化、離職者の発生が予想される事態に対しては、でき得る限り雇用面への影響を防止するため、事業主に対しまして指導援助をつとめてまいりたい。それにもかかわらずやむを得ないで発生する失業者に対しましては、その早期再就職の促進をはかるため、求職手帳等の制度を活用いたしまして、職業紹介体制の充実強化等の諸対策を強力に推進してまいる考えでございます。
○大橋(敏)委員 私は、一般論から見ても、要するに今後発生するであろう失業者、これをできる限り押えていくということがまず大事じゃないかと思う。失業者を出さない体制にすること。それからかりに失業者が出た場合は、安定雇用への再就職を促進する。失業者が出たらばもう直ちに安定した職業につかしめるということ。また、その失業期間中は安心して生活ができる。ここに今後の雇用失業対策の方向が決定づけられていかなかったならば、これはもう堂々めぐりだと思うのですね。そこは認めますか。
○野原国務大臣 まさに御指摘のとおりでございまして、いかにして失業者を出さないかという問題と、失業になった場合においては直ちにその方々が再就職できるような体制をつくり上げてまいりたい。そのためには強力な対策を講ずる必要がある。それがこの法案の提案いたしました趣旨でもあるわけでございます。
○大橋(敏)委員 どうも私が聞いておるのと少しばかり方向が違うようでありますが、新たな失業者の発生を防ぐためには一体どうやったらいいかということですね。この法案そのものが中高年齢者を特に何とかしなければならぬということで出されているようでございますが、それとともに身体障害者などの雇用の義務づけが、まず国としての方向がはっきりしなければならぬ。いまもずいぶんと議論がなされていたようでございますけれども、この中高年齢者あるいは身体障害者に対する雇用の義務づけを、今後どのようになさろうとしておるのかということが一つですね。これは安定局長のほうがむしろその中身については承知であろうと思いますので、お尋ねしたいわけですがね。 まず身体障害者の雇用率は、雇用促進法に基づいて原則として官公庁では一・七%、それから民間企業では一・三%と定まっているやに聞いております。中高年齢の雇用率のほうは安定法に基づきまして国あるいは地方公共団体等において三十三職種にわたって設定されているということを聞いているわけですが、これをさらに充実されていく雇用率になさるのかどうかということですね。これを聞いているわけです。
○住政府委員 身体障害者の雇用促進の問題、これは身体障害者雇用促進法に基づいて諸般の対策を実施いたしております。その中に、御指摘のように、身体障害者の雇用率の規定がございます。官公庁については一・七%、それから民間の企業については一・三%、こういうことで四十三年の十月から、それまでの率を引き上げて新しい目標を設定いたしまして、身体障害者の雇用を促進しております。しかし、この規定は強制的なものではございません。努力義務として規定されておるわけでございます。私ども、どうしたらそういう規定がうまく円滑に守られるかということで、身体障害者を雇い入れる事業主に対しまして、各種の融資その他雇用奨励金の支給等の援護措置を実施いたしまして、その率の達成につとめておるわけでございます。四十三年の十月に新しい率に改定いたしまして、大体本年度前半にはこの率を達成したい。それで、今後さらに高い率を設定しまして、新しく身体障害者雇用促進のための努力を続けていきたいというように考えておるわけでございます。 それから、一般の中高年の雇用率につきましては、御承知のように、官公庁につきまして三十三職種、閣議決定に基づきまして雇用率をつくって、各省それぞれその達成につとめていただいております。これは大体職種によって率が違いますけれども、全体として見た場合に九〇%強の達成を示しておるのではないだろうか、こういうように考えております。そこで、民間につきましては現在まだ実施されておりません。現在やっておりますものは、中高年齢者に向く適職というものはどういうものがあるだろうか、こういうことを民間の事業主その他学識経験者等の御意見を承りまして、七十九職種ばかりだったと思いますが、そういう職種をきめておりまして、そういう職種に中高年齢者を雇い入れようではないか、こういう機運の醸成につとめておるわけでございますが、いよいよ民間事業所につきましても雇用率を設定すべく、この法律通過後にはいたしたい、こういうように考えておるわけでございます。その場合少なくとも三十三職種よりは広げたい。現に適職として私ども民間にその職種に雇い入れていただくようにお願いしております職種は七十九か八十くらいあるわけでございまして、できるだけ多くの職種につきまして雇用率をつくる。そうすれば、官公庁についても現在の三十三職種ということではなくて、もう少し広げるのもこれは当然なことになってまいりますので、そういう意味で、この法律が通過いたしますならば、さっそく具体的な作業に入りまして雇用率をつくり、雇用の促進をはかっていきたいというように考えております。
○大橋(敏)委員 非常に前向きな答弁だったと思いますが、これもやはり労働大臣の最終的決定が大事ですから、これも含めてあとで答弁をお願いしますよ。 もう一つは、定年制の問題なんですね。御承知のとおりに、現在の平均寿命は男性で六十九歳、女性で七十四歳になっております。そういうときに、現在いまなお定年制が五十五歳というのがほとんどなんですね。これは問題だと思うのです。この前もある委員がこの定年制の問題を質問しておりましたが、大臣はそのときに、六十歳というところにまで引き上げるべきであるというような御答弁をなさっていたように私は耳に残っているわけですが、それは具体的にお進めになるお気持ちがありますか。もちろん定年制という問題は企業と労働者の間で協定の上できまっていく問題ではありますけれども、当然そうした問題を監督、指導していく労働省でありますし、そういう立場から、大臣として、先ほどの問題と定年制の問題、それからもう一つお尋ねしたいことは、新たな失業者の発生を防ぐためには、どうしても考えなければならぬことは、労働時間の短縮ですね、賃金を減らさないでですよ。いままで週間四十八時間制を四十時間に短縮せよという声がいま非常に出ておるわけでございますが、これもやはり失業者を出さない一つの重要な要件ではなかろうかと私は考えるわけです。それも含めて、いま三点になりますけれども、お答え願いたいと思います。
○野原国務大臣 先に、前の質問でございましたが、身障者の雇用率につきましては、これをこの際引き上げたいというふうに考えております。 次に、中高年齢者の雇用率につきましては、法案の通過後最終的に具体的作業に入りまして、ぜひこれも明確にいたしたいというふうに考えております。 それから、ただいま御質問の定年制の問題でございます。これは労働問題の懇話会におきまして、使用者側及び労働側、それと学識経験者からなる委員によりまして、たまたまこの問題の相談がございました。各方面とも、今日の定年制は当然延長すべきものであるという御意見でございました。これに対しまして、今後あらゆる方面の御意見を総合してまとめていくわけでございますが、何歳にするかという問題は、まだそこまでいっておりませんので、それらの方々の御意見等をまとめた上でできるだけ早くきめたいと思いますが、ただ問題は、年功序列賃金というものをはたしてどういう形に変えていったらいいかというふうな問題もございまして、労使の間にそれらの問題についての最後の詰めをお願いするということでございまして、いずれにいたしましても、先ほど御指摘がございましたように、平均寿命が著しく伸びた以上は、五十五歳の定年が大部分でございますが、そういうものをそのまま続けるという段階ではないというふうでございまして、当然定年制の延長はきわめて近いうちに結論を出したいというように考えております。 なお、労働時間につきましては目下検討しておりますが、これも前向きにひとつ検討を進めていこうということでございます。
○大橋(敏)委員 定年制の問題は早期に解決したい問題である、現状のままでは、五十五歳なんということはやはり問題だとおっしゃいましたけれども、確かに五十五歳で定年になりますと、そのまま失業でしょう。それから就職とこうくるわけですから、これは問題なんですね。しかも、いま定年の到達者は年間推定七万人といわれております。これは労働省の調査でですよ。しかも、定年到達者のうち四分の三がようやく雇用される。しかも一八%は無職になるというのですね。この一八%の無職の中で、病気なので働けないのは二一%だ、あと七六%は、仕事がしたい、就職したい、このように望んでいる人ばかりだというのですね。また、もう一つの問題は、かりに定年後再就職しましても、収入ががたんと減るということですね。七六%は定年前よりも収入が低くなるというのです。かりに定年前の収入の七割程度もらえる人がどのくらいいるかといえば、わずかに四二%。また定年前の収入よりも半分以下になる人が一七%もおるというのですから、これは賃金の問題もともに考えて定年制の問題は監督、指導していってもらいたい。もう一つ申し上げました労働時間の短縮の問題は、これも重要な事柄でございます。これもあわせて対策に乗り出していただきたい。 そこで次の問題に移りますけれども、まず安定雇用への再就職の促進についてですけれども、最近は技術革新が非常に伸展しておりますが、それに即応した職業教育といいますかあるいは訓練の中身が非常に薄弱である。これの抜本的な拡充と、受講する権利といいますかその保障がまずなされなければならない。これが肝心であろうと思うのです。要するに一番問題になるのはやはり中高年齢者に対する、それに適応する職業訓練職種、訓練職種そのものを拡大していくことが肝心ではないか。もう一つは訓練内容とともに、その期間ですね。半年とか一年とかというので、はたして技術の習得ができるかどうかという疑問が私にはございますので、そういう訓練内容と期間。そして技能が十分習得できる、安心して習得できるように、やはりその期間の手当、これを改善しなければならぬ、抜本的な改善をはかることが必要であろう、このように私は考えるわけでございますが、この点について労働省としてはどうお考えになっておりますか。
○野原国務大臣 最近における技能労働力不足の深刻化という問題、技術革新の伸展に対処しまして、職業訓練の抜本的の拡充をはかるために、職業訓練法第五条の規定に基づきまして、中央職業訓練審議会、関係行政機関の長及び都道府県知事の意見を聞いて、去る四月十日に職業訓練基本計画を策定いたしまして、これを十三日、閣議にも報告をいたしました。 この基本計画は昭和四十六年度を初年度とする向こう五カ年間の計画でございまして、職業訓練に関する施策の基本となるべき事項を定めたものでありますが、この計画の骨子は公共職業訓練、事業内訓練も含め、新規学卒者に対する養成訓練等を約三倍と飛躍的に拡充することといたしまして、在職労働者に対する成人職業訓練を倍増いたしまして、技能検定職種を二百職種にする等、拡充強化を実施することにしておりまして、今後この計画を実現するように公共職業訓練、事業内訓練を含め、その抜本的な拡充をはかってまいりたいというふうに考えております。
○大橋(敏)委員 私冒頭に申し上げましたように、今回の法案の中身が、中高年齢者に対する雇用の促進の中身が非常にあいまいである、あるいは薄弱であると言ったのは、こういう訓練職種そのものがほんとうに貧弱であります。実際に見にいったら、現在の技術革新に即応したものではないということ、もう手にとるようにわかります。たとえばあばら家に住んでいる人をきれいなりっぱなおうちに引っ越してくださいというならば、だれでも、ああそうですか、ありがとうございますということになるけれども、今回の、いままでの労働省のあり方を見ていきますと、あばら家に住んでいるのはそのままにして、さらに引っ越しさせるほうのおうちも非常にあばら家である、ようやくそこに突っぱりを入れた程度のところに引っ越しをさせようとするところに、不安があるわけですね。いまいろいろと職業訓練所の増設だとか、あるいは職種の内容等の検討がなされているようでございますけれども、これは口先だけではなく現実に早期にやらないと、これは問題でございます。そのことを十分にわきまえた上で、本気になって対策に乗り出していただきたい。 また、もう一つの問題は、措置を受けた、訓練が終了する、ところが安定雇用へはたしてどの程度就職できていっているか。つまり就職を確保すること、これが問題なんですね。私がいまから言うことは一部の問題かもしれませんけれども、三十八年以降の就職促進措置の実績を見てみますと、半年から一年にわたって職業訓練やあるいは職業指導を受けた失業者の三割前後が、就職できないで残っているという事実。これは全体ではないかもしれませんけれども、こういう事実が一部でも二部でもあるという問題は、これは大いに反省をしてもらいたいですね。そういう点から、訓練を受けた、またそういう措置を受けた者は、ほとんど就職できていけるという中身の充実をはかる必要があろうと思うのです。この点についてもう一度納得いく答弁をお願いします。
○渡邊(健)政府委員 職業訓練を受けました人の安定就職をはかるべきは当然のことでございまして、われわれも従来そのために努力をいたしておるところでございます。三十八年以降三割も就職できなかったとかいうことは、一部にはあるいはそういうこともあるかと存じますが、私ちょっとどこのところを指摘しておられるのかわかりませんけれども、たとえば昨年三月に四十四年度の訓練を終了いたしました者について申し上げますと、就職促進措置を受けて訓練を終了いたしました者が、訓練終了時で八五%が就職をいたしております。その後につきましては全般の調査は特にいたしておりませんけれども、能力再開発訓練を受けた人を抽出して調査をいたしますと、訓練終了時以後も一、二カ月たつに従いまして、その後に就職した人もふえておりますので、おそらく昨年能力再開発訓練を受けた人につきましては、九〇%以上の人が就職し、あるいは自営の職につき得ている、私どもかように考えておるところでございます。今後とも一そうそういう人たちの就職促進については努力いたしまして、訓練につきましても就職が可能なように内容、期間ともに充実してまいりたい、かように考えている次第でございます。
○大橋(敏)委員 それでは職業訓練関係の施設、それからそういう関係したものというのは、現状で大体間に合うという判断でしょうか、それとも倍くらいふやさなければならぬのか、その点はどのように考えておられますか。
○渡邊(健)政府委員 現在職業訓練を受けました者の就職状況は先ほど申し上げたとおりでございますが、職業訓練につきましては、わが国の労働力不足が今後ますます深刻化していくこと、当然それに対しましては労働力の質を高めていかなければならない。それからまた技術革新が非常に急速に伸展をいたしておりまして、一度職業訓練を受けて技能を身につけました者でも、やがてその技能が陳腐化していく、こういうような事例が非常に多いこと、こういうことを考えますならば、やはり労働力の質の確保及び労働者の職業人としての生活、雇用の安定ということを達成するためには、まだまだ職業訓練を大幅に拡充していかなければならない、かように考えておるわけでございます。そこで先ほど大臣からお話し申し上げましたように、このたび四十六年度を初年度といたします職業訓練基本計画を立てまして、今後五年間に養成訓練については三倍、成人訓練、これは新しくことしから始めるわけでございますが、これも現在行なわれておるものの二倍程度に大幅に拡充する。そのためには公共訓練につきましても施設の増加、訓練職種の増大あるいは民間の企業内訓練についてもその大幅な拡充をはかっていこう、かように考えておるところでございます。
○大橋(敏)委員 時間に制限がございますので、たくさん聞きたいことがありますから、次に移ります。 今度は、話が変わりまして手当の支給額でございます。そうした措置を受けて訓練手当をもらっている人の額が非常に低いということですね。とにかく中高年齢者というものは必ず二人か三人の子供、家族と一緒に生活をしている方がほとんどであろうと思うのですけれども、今度四十六年度の予算の中身を見てみますと、職業指導中、月平均してみますと一万九千円ですか、また訓練中のその中身を見ますと月に二万五千円です。これじゃ安心してそうした訓練を受ける気持ちになれない、こう思うのです。こういう手当の額というものは、家族を含めたいわゆる生計費及び訓練受講、就職活動に必要な経費、そういうものを基準として定めていかなければならない。こういう低い金額では安心した家庭生活は望めないという気持ちで一ぱいなんですけれども、この手当の増額について、いまずいぶん各委員が質問しましたけれども、私もこういう安いことでは話にならぬ、こう思っているのですけれども、どうですか。
○住政府委員 御承知のように、就職促進手当なり職業訓練手当、これは基本手当、扶養加算。就職指導手当のほうは求職活動加算がございます。訓練手当のほうは技能習得手当がございます。現在の額は先生ただいまおっしゃいましたように、就職促進のほうは平均いたしまして一万九千円、訓練のほうは二万五千三百円程度でございます。級地によって差がございますけれども、平均しますとそういうことになっております。この手当、決して現在の額で十分であるとは思っておりません。これは毎年毎年かなりの額の引き上げをはかっておるわけでございますが、結果としてはいま申し上げましたように必ずしも十分であるとは申し上げかねる点もあるわけであります。まあ少しではございますけれども、毎年毎年拡充、増額をはかっておるのでございます。中高年齢者の雇用促進の対策、これは今後の最重点の政策になっていくというように考えるわけでございます。先ほど来先生がおっしゃっておられますように就職活動が十分できるような額、あるいは職業訓練を安んじて受けられるような額、こういうものを目ざして充実につとめなければならないように考えております。
○大橋(敏)委員 その額がきまるまでは、少なくとも失業保険を併給するというような考えはどうなんですか。私は再就職するまで、こういう訓練を受ける間は、言うなれば失業と同じような考えでいるわけです。当然、失業保険というのはそういうときに家族の生活を安定させるために支給されるというようになっていますので、わずか平均一万九千円だとか二万五千円、これはいま局長も安心した金額ではないとおっしゃるのですから、せめて失業保険を併給する、併給していけばそれがカバーされるのじゃないか、こういうふうに考えるのですけれども、その点はどうです。
○住政府委員 御承知のように、失業保険金は前職賃金のおおむね八〇%を基準として支給しております。大体諸外国の水準、わが国のいろいろな制度等から考えまして、失業者の失業中の生活のための金額としてはそういうことになっておるわけでございます。ただ、求職活動をするとか職業訓練、特に特定職種について技能を習得するというような場合については、現在失業保険の給付といたしましてそれぞれ失業保険金に加算されてそういうものが支給できるようになっております。したがいまして、失業保険を受けておられる方々については、現在の失業保険の給付で十分とは申し上げられませんけれども措置されておりますので、さらに一般会計でそういう失業保険の受給者にその上併給する、こういうようなことにつきましてはなかなか困難であろうかと思うわけでございます。
○大橋(敏)委員 そういう立場ならば、先ほどおっしゃったとおりに現在の手当の額が適当でないというふうに認めていらっしゃるのですから、これはやはり早急にそうした中身を前向きで検討し、早急に決定さるべきである、これを強く要望しておきます。 それから次ですけれども、手帳の発給の手続の問題の質問が先ほども出ておりました。場合によれば二カ月、三カ月かかるそうですね。これは問題です。迅速化ができないのかという問題ですけれども、これはいろいろと要件等があってなかなかきびしいそうでございますが、これはあくまでも担当職員の主観が大きく左右するのでなかなかむずかしい問題であろうと思うのです。それだけにこの期間というものは問題だと思うのです。というのは、決定されるまでの生活安定が保障されないのですね。とにかくこれは二カ月も三カ月もかけるものではなくて、一週間程度で認定するかしないかをきめる、このくらいの決心で仕事を進めるべきではないか、私はこう思うのですけれども、これはどうでしょうか。
○住政府委員 現在の就職促進措置の手続関係は、大体先生御指摘のようなことになっておると思います。それで、今後この法案による取り扱いの問題でできるだけ早く手続を進めるべきである、こういうことでございますが、私ども申請の受理にあたりましては、現在かなり期間を要しておるわけでございます。それは申請書とかあるいは所得要件等必要最小限度の書類を整えられれば申請を受理する、申請を受理したあとで発給要件に該当するかどうか、こういう手続が要るわけでございます。これも法律の十二条に要件を掲げておりますけれども、たとえば第十二条の二号の「誠実かつ熱心に就職活動を行なう意欲を有すると認められること。」これにつきましても安定所の所長の恣意にわたることがないように、ひとつ事実と申しますか、客観的に明白な事実、こういうものをきめまして、そういう事実に該当しない限りこの要件が満たされるというようなこと等をもきめまして認定の迅速化をはかっていく、個々の、具体的な個人に関することでございますので、一律に一週間とかあるいは一月とか、こういうことにはまいらないかと思いますけれども、少なくとも努力目標としましては、従来のような長い期間ではなくて、できるだけ間隔を詰めるように全般的に努力をしていくつもりでございます。ただ、例外的な場合もあり得るので、一がいに何日以内に出せるということにつきましては必ずしも断言できないところでございますけれども、できるだけ迅速に手続を進めていきたいというふうに考えております。
○大橋(敏)委員 いま「誠実かつ熱心に就職活動を行なう意欲」があるかないか、ここが非常に問題であるというような話もあったようでございますけれども、私は思うのですが、実際にそういう意欲があるかないかということは、当たってみなければわからぬことでありますから、したがいまして、中高年齢の失業者であれば、要するに求職の申し込みをした、そして生活の状況から見てこれは措置を受ける必要がある、こう判断すれば求職手張を発給する。このようにもう少し迅速化――ほんとうに二カ月も三カ月もかかるんでなしに、少なくとも一週間、というとちょっと無理かもしれない。いまあなたのおっしゃる気持ちもわかりますが、しかし二カ月とか三カ月というようなことではなくて、ほんとうにこれならば無理はなかろうと思われるように期間を縮める。これは大臣頼みますよ、大事な問題ですからね。ここで非常に困ってるのです。あまり認定が長いものですから、その間の生活手段がなくなってしまっているわけですから、これは最小限に縮めるべきである。大臣のほうからひとつお答えを伺っておきましょう。
○野原国務大臣 手帳の交付にあたっては、一週間ということばなかなか無理だと思いますが、二カ月も三カ月もというふうなことにはいたしたくない。できるだけ早く交付ができるように事務的に処理いたしまして便宜をはかりたいと考えております。
○大橋(敏)委員 それでは、職業訓練所の問題になりますけれども、実は先般奄美大島に行ってきたのですけれども、ここはひどいところでございました。ほんとうに中高年齢者の失業者が続々ですよ。しかも働く意欲は大いにある。こういうところに職業訓練所が一つもないわけですね。これは特例措置で早急に訓練所を設置すべきである、これが聞きたい第一点でございます。 まず職業相談体制が非常に不備であるという感じを受けました。つまり、現在は職業安定所内だけでそうした相談を受けるだけでございます。少なくとも奄美群島は五つありますから、職安の職員が巡回してでもそうした相談を受けて就職促進に当たる、このくらいの熱意を持つべきではないか。つまり奄美大島というのは、いつも政治の谷間といいますか、谷間どころか忘れ去られているのですね。政府はすべて沖繩、沖繩といって、すべての目が沖繩に向いているわけで、奄美大島などは完全に忘れ去られたと言っても過言ではありません。私はここはかわいそうなところだと思いまして、今度の委員会のときには、ぜひともこの問題を取り上げたいということできょう取り上げているわけですが、この点について、まず職業相談体制を拡充強化されるかどうか。いま言ったように、巡回してでもやられる意思があるかどうかという問題と、それから職業訓練所の設置についてお答え願いたいと思います。
○住政府委員 御承知のように、奄美大島を管轄する安定所といたしまして名瀬市の職業安定所、出張所といたしまして瀬戸内と徳之島に置いております。御指摘のように、これだけではなかなか十分な職業相談、職業紹介の体制は整っておりません。そういうことで、従来からも必要に応じて巡回職業相談等もやっておったわけでございますが、さらに御指摘のようなことでございますれば、そういう巡回相談の回数をふやすとか、そのためにいろいろな人の問題あるいは予算の問題等がございますけれども、特に離島対策としてもきわめて重要なことでございますので、そういう点については、実情に基づきまして至急措置をいたしていきたいというように考えております。
○渡邊(健)政府委員 奄美大島の職業訓練校の設置につきましては、いま御指摘のように、現地では職業訓練を受講する希望者もかなり多いということで、かねて鹿児島県のほうから職業訓練校を設置したいという要望がございまして、私どももその実情から見まして設置の必要があると考えました。実は昨年来、鹿児島県と私どものほうで奄美大島の名瀬に訓練校を設置するということで協議を進めておりまして、われわれも設置の方向でこれを考えておったわけですが、実は予算決定後の最終段階におきまして、県のほうから、地元で訓練校の設置を予定しておったのが埋め立て地であるということで、その埋め立ての工事が四十六年度中にどうも間に合いそうもないということで、名瀬市などとも相談の結果、今年度は見送りたい、延ばしてほしいということを県当局のほうから言ってまいりましたので、私どもも、非常に残念でございましたが、本年は一応設置を見送ることにしたわけでございます。しかし、県、市ともに、設置するということについては強い希望を持ち、そして、そのつもりでおるようでございますので、私どもも今後県、市と十分協議いたしまして、できるだけ近い機会に設置の方向で考えてまいりたい、かように考えておる次第でございます。
○大橋(敏)委員 訓練校の問題についても、あなたおっしゃったとおりに、これは全島の希望ですよ。全島の希望でもあるし、鹿児島県でもその必要を認めているのですけれども、用地の問題でひっかかっているのですね。これは労働省としてはもっと本格的な特段の措置で何とか援助してあげるべきであると私たち思うのですね。ただ現地がああだこうだというのではなくて、むしろああやればいいのではないか、こうやればいいのではないかと、こう具体的に指導すべきである、こう思うのです。私はこれは非常に重要な問題だと思います。 時間があればゆっくり現地の模様を話したいところですけれども、一、二中身を話しておきますと、これは安定局長も聞いておってもらいたいのですが、これは名瀬の公共職業安定所の調査です。学卒者を除いたわけですけれども、月間有効求職者数が四十四年度で二万二十二人、そして求人は五千七百三十七です。ようやく就職できた数が千百八十六ですよ。これでは話にならないですね。それから一般と学卒者の地域別の就職状況、同様名瀬公共職業安定所の調べを見ますと、学卒者、昭和四十六年度三月卒業者で九五・四%が県外なんですよ、県内はわずか四・六%です。それから一般の方で四十五年度の中身を見ますと、県外就職が八四・四%、そして県内就職が一五・六%と、職業安定所があるなしは別としても、これは通産省だとかあるいは自治省の問題になるわけでございますが、とにかく仕事そのものがないということですね。同時に、本土に就職してもまた帰ってきている人がかなりあるという、いろいろ複雑な問題がございますので、特に奄美大島の問題について関心を深めてもらって今後の対策を急いでもらいたい、強く要望しておきます。 時間がありませんので、次に移りますが、就職仕度金の問題ですけれども、この前の答弁では、五万円を十五万円、三倍にしたのだから、精一ぱいの手当だとおっしゃっておりましたけれども、話によればそれも一定の期間それに応じた人にのみ渡すという話だったのですね。 〔増岡委員長代理退席、伊東委員長代理着席〕 もしそのように就職促進の効果をあげるためのものであるならば、私はもっとこの中身を大幅に支給すべきである、十五万円やったから精一ぱいであるなんて言わないで、それ以上に二十万でも三十万でも渡していくべきである、それが期間を限定した措置ではなかろうか、こう思うのですけれども、どうでしょうか。
○住政府委員 就職支度金でございますが、いまもお話しのように、実は五万円ということであったわけでございますが、長年失対の事業に就労されておられる方々で、この際積極的に民間の常用就職、自営業に踏み切られるという方々につきまして、いま特に期間を限って三倍というような、私どもとしては非常に努力した結果そういうことになったと思うのでございますが、これをさらに引き上げろということでございます。実はこの額の決定にあたりましての経緯等からいたしまして、この額をさらに引き上げるということについては非常に困難な問題があろうかと思っておるわけでございます。
○大橋(敏)委員 それは安易には上げられないことはわかります。 〔伊東委員長代理退席、増岡委員長代理着席〕 いまも言いましたように、就職促進を効果的に行なうための一つの措置だということでございますから、しかも先ほど言いましたように、一定の期間に限ってという問題ですから、これは特段の配慮をさらに加えるべきである、私はこう思うわけでございます。大臣はどうですか、この問題について局長は、どうも精一ぱいなんだと言っておりますけれども……。
○野原国務大臣 局長の答弁を聞いていましたが、非常に努力して、今日の段階ではこの程度ということのようであります。しかし、御指摘の点を考えますと、やはりもっと手段があるならばある程度何とか増額の点を検討してみたい。すぐ実現可能かどうかわかりませんが、そういう努力をしてみたいと思います。
○大橋(敏)委員 局長、大臣は努力していこうと言っているのですから、これでどうにもならないというような考えはこの際捨てて、いまの大臣の気持ちに沿う立場で、いわゆる前向きでこの問題も検討してほしいと思います。 それからもう一つの問題ですが、開発就労事業の問題ですけれども、実は私のほうの九州で、今度日炭若松が閉山になりまして、現実にいま困っております。これがはたしてどの程度――もう二千名程度の従業員が失業しておるわけでございますが、これがどのようになろうとしておるのか。また就労開発事業をここには当然起こすべきであろうと思いますけれども、その見通しはどうですか。その点を含めて答弁してもらいたいと思います。
○住政府委員 日炭若松の閉山問題、これに伴いまして離職者が約二千四百名出るという大型閉山になっております。現在、四月末で求職を受け付けた数が二千二百五十九人ということでありまして、この中ですでに就職されておる方が二百三十一名、訓練を受けておられる方々が七十五名、したがいまして、それを除いた数の方々の再就職なり訓練というものを考えていかなければならぬわけでございます。 実は率直に申し上げまして、合理化事業団からの交付金が五月末に交付になる、こういうようなことで、全体としまして離職者の求職活動は必ずしも活発でないような状況にもあります。そういう問題も関連いたしておるわけでありますが、私どもといたしましては、この再就職対策につきまして県、安定所あげて努力をいたしております。この離職者に対する求人の確保にもつとめておるわけでありますが、大体求人数といたしまして一万六千人以上の求人がまいっております。離職者の数が二千四百でございますから、それに対しましてかなりの求人がきておるような状況にも相なっております。 そこで、私どもといたしまして、従来の炭鉱離職者の再就職促進の経験等も生かしながら、民間の安定雇用への再就職の促進ということに全力をあげていくつもりでございますが、なおなかなか就職できない方も出てくるかというような状態も考えられるわけでございます。それで、先生御承知のように、そういう場合には特定の地域の開発就労事業、こういうことの実施も十分考えられると思うのでございますが、離職者の再就職の状況等を考えまして対策を講じてまいりたいと考えております。
○大橋(敏)委員 日炭若松の従業員の問題は、五月以降にならないとはっきりしないということのようであったのですが、確かに現在私が調べたところでは二千名中四百名までは大体めどがついている、ところが、あとはまだまだ右往左往している状態であるということでございました。この前の本会議の私の質問に対して労働大臣は、特段の配慮をもって万全を期しますということでありましたけれども、八幡の職安がいま会社側あるいは労働者側とタイアップしてやってはいますけれども、私が見る目からは、大臣がおっしゃったような決意ほどの熱意を入れた中身ではまだないように思います。これは失礼な言い方かもしれませんけれども、もっと力を入れて再就職の問題に当たっていただきたい。 それから、これは実例でありますけれども、福岡県の飯塚市ですが、飯塚市の安定所の調査を見ますと、四十五年十月、四十六歳以上の求職者が二千八百五十一人もおります。それに対して求人数が百八十八名、だから求職倍率が一五・一になっておりますけれども、こういうことを考えますと、産炭地域というのは、もう想像以上に中高年齢者の仕事がないところですから、開発就労事業というものは重要な役割りになるわけですね。したがいまして私は、今度の法案の中に明文化されていないけれども、これはどうしても法律の上にうたってもらいたい、こういう気持ちで一ぱいでございますが、この点はどうですか。
○住政府委員 飯塚は代表的な産炭地域で、その後の地域開発も進んでいないというようなことから、求職者が非常に多くて求人が少ない、これはもう御指摘のとおりだと思います。ただ、先生おっしゃいました求職者二千八百数名の中には、これは産炭地域開発就労事業等に就労しておられる方々も含まれておるわけです。つまり民間就職を希望するけれども就職の場がないということで、産炭地域開発就労事業に就労していただいておる、こういう方々も求職者になっておる。そこで、いずれにいたしましても、失業情勢は非常に悪いところでございます。現在も産炭地域開発就労事業とか、緊急就労対策事業あるいは失業対策事業等公共事業、それから鉱害復旧事業等をもあわせまして、そういう方々の就業の機会をできるだけふやそう、こういうことにいたしておるわけでございますが、なお十分でないということであるならば、これはもう当然特定地域になる地域でございまして、この法案に基づきまして特定地域開発就労事業も実施する、そして各種事業を総合して雇用の機会をつくり出していく、そして民間就職ができるまでそういうところで働いていただく、こういう体制をとっていかなければならないことは当然でございまして、今後もそういうようなものを総合的、計画的に考えて対処していかなければならないと思っております。
○大橋(敏)委員 それで、私はその産炭地域の状況を他の人よりもよく知っているだけに、開発就労事業の役割りというのは非常に重要だ、だからこれは少なくとも法律にそういうものをやっていくのだということを明文化してほしいと、こう言っているわけです。それをいま言ったわけです。これは大臣でなければ答えられないと思うのですけれども、どうでしょう。
○野原国務大臣 この中高年齢者雇用促進特別措置法の提案理由の中に、実は産炭地域あるいは同和地域あるいは過疎地域等、こういう地域についてはこういった開発就労事業を起こすということをはっきり申し上げておるわけでございますが、法律では二十一条に「特定地域に居住する中高年齢失業者等について、雇用の機会の増大を図るための措置その他これらの者の雇用を促進するため必要な事項に関する計画を作成し、その計画に基つき必要な措置を講ずる」ということになっておりまして、どこどこということははっきり明文化はしておりませんが、御指摘のような諸点を考えまして、提案理由にもはっきりとそういうことをうたったわけでございます。それで十分ではないかと考えておるわけでございます。
○大橋(敏)委員 それでは十分でないから言っているのでありまして、もう少し具体的にそういう点を明文化してほしい、こういうわけです。 それで、もう私の時間が過ぎたようでございますので、最後に一問聞きますけれども、これはもういままでずいぶんと質疑応答がなされてはっきりしてきたと思うのですけれども、ほんとうに労働省に血も涙もあるというならばあの「当分の間」という問題ですね、そこにうたわれている「当分の間」は非常に不安を与えております。これはただことばの上だけであって問題じゃないのだという答弁まで出ているのですから、それならはずせ、削除しろ。それから、臨時のいわゆるボーナスですね、夏季手当あるいは年末の手当、そういう問題についても何とかそれを侵害するようなことをいたしませんとまで言っているのですからね、それならば、そういう心配がないように、従来どおり支給いたしますと、はっきり言ったほうがいいじゃないですか、その点はどうですか。それだけはっきりおっしゃればぼくはやめますよ。
○野原国務大臣 「当分の間」の問題と臨時の賃金の問題等につきましては、当委員会における最終的な案が固まった際においては、十分それを尊重して善処するということを申し上げます。
○大橋(敏)委員 終わります。
○増岡委員長代理 次に、古寺宏君。
○古寺委員 最初に、いま大橋委員からも質問がございましたが、附則二条の夏季手当、年末手当の問題でございますが、これを今度は廃止することになっておりますが、これを廃止した場合にはどういう方法でこれは支給する方針でございますか。
○住政府委員 支給の方法といたしまして、たとえば日々の賃金に積み上げるというようなことも考えられるのでございますが、現在のところ、具体的にどうするという成案は持っておりません。いずれにいたしましても、実質的にはその給付が継続するように、こういう趣旨で対処してまいりたいと思っておるわけでございます。そのやり方につきましては、失業対策事業賃金審議会の御意見、同時に就労者団体とかあるいは事業主体の意見を伺った上で具体的な適切な方策をつくり上げていきたいというように考えております。
○古寺委員 そこでお尋ねしますが、昭和四十四年度の年末の手当でございますが、青森市の場合を例にとりますと、四万八千三百円でございます。ところが、奈良とか東京の例を見ますと、奈良の場合は九万八千八百十二円、東京の場合は九万四千百円になっております。こういうような非常に地域の格差があるわけでございますが、これはどういうふうにして上積みしていくわけですか。
○住政府委員 現在臨時の賃金の支給方法、国の分でございますが、これは夏が九日、暮れが二十二・五日、こういうことにいたしております。そこで、それは日額に対して九日分あるいは二十二・五日分、こういうことになっておるわけでございまして、そもそもの日額が、御承知のように各県、各事業主体によって格差がございます。その格差は私ども現在の賃金日額を定める場合の基準、つまり類似の作業に従事している労働者に支払われている賃金について地域格差がある、そういうことの反映として日々支払う日額についての差が出てくるわけでございまして、その日額にかける日数分になりますので、国の分としても格差がございますけれども、それはそれなりにバランスがとれたものであると考えております。 ただ、従来国が支払う臨時の賃金のほかに、府県とか、あるいは市町村が単独で社会福祉的な措置といたしまして支払っているものがございます。これは事業主体によってかなりの差がございます。そういうようなことで、ただいま御指摘のような格差というものが、両方含めて考えてみた場合に一そう大きくなっていく、こういうようなことになっているのではないかと思っております。
○古寺委員 その格差はどういうふうに是正していきますか。
○住政府委員 非常にこれはむずかしい問題でございまして、私どもその地方事業主体が単独で措置する分、これが賃金ということになりますと、実は緊急失業対策法の十条の二の規定に違反することになります。あるいはまた地方自治法にも違反することになるわけであります。そういう賃金と解釈されるものであるならば、これは違法な支出、こういうことになるわけでありますけれども、そうでなくて、地方公共団体の失対就労者のための福祉的な措置であるというような解釈をとるならば、それは非常に差があるということはまずいことでございますけれども、そしてまた、それを是正するようなことも必要かと思いますけれども、一方的に、それはいかぬ、こういうようなことには必ずしもならないのではないかというように考えております。
○古寺委員 こういうふうに現在国の支給分では不十分なために県や市が単独で上乗せして、社会福祉的な立場から支給をしているわけです。こういう手当をカットした場合には、当然働く意欲というものがなくなってしまうと思うのです。こういうものについては当然もっと国の支給の額を高めて、そして働く意欲を持たせるような、そういう支給を考えるべきであって、今回の附則二条においては、支給しない、これは非常に失対に対するいわゆる政府の姿勢というものが、失対労務者を自滅させるような考え方でこういう附則二条というものがつくられているのじゃないか、私はこういうふうに考えるのですが、ひとつどうでしょうか。
○住政府委員 この臨時の賃金の問題は、失業対策問題研究委員会の報告にもございますように、実は一般の民間の屋外日雇い労働者についてほとんど例を見ない、こういうような点もございます。そういうことから、これを制度として残すのは非常に問題である、こういうような御意見、報告をもいただいておるわけでございます。そういう意味で、私どもこれは制度としては廃止したほうが適当である、こういう判断に立ちまして、臨時の賃金としては支払わない、こういうことにしたのでございますが、しかしながら、現在までの経緯等にもかんがみまして、従来の実績等をも考慮して、実質的な給付ができるような措置を講じていこうというように考えておりますが、その方法は、最初に申し上げましたように、各方面の意見を聞いて適切な方策を講じてまいりたいというように考えております。
○古寺委員 そこで、この附則二条の「当分の間」というのがございます。この「当分の間」というのはどういう意味でございますか。
○住政府委員 法律上の表現といたしましては、「当分の間」といいますのは、新しい立法措置によりまして緊急失業対策法を廃止する、こういう手続が必要になってくるのでございます。それは未来永劫という意味ではなくて、ある期間ということを想定しまして、それを法律上の表現として「当分の間」というようにあらわしたのでございますが、実質的にそれじゃどういうように考えるか、こういう問題でございますが、これは雇用審議会の答申にもございますように、現在失対就労者が失業対策事業に就労することによって営んでおる生活の程度と同様な内容のものが、社会保障対策とか老人に対する仕事の対策が進んで満たされる、こういうような段階になるまで、これがその実質的な意味であろうと考えております。
○古寺委員 専門家のいろいろな御意見を承りますと、この「当分の間」ということは、通達一本で失対を打ち切ることができる、こういうような説をおっしゃっている方もございますが、この点についてはどうですか。
○住政府委員 ただいまも申し上げましたとおり、失対事業の制度を廃止するということは、やはり新たな立法措置によって緊急失業対策法の効力を否定する以外にはできない、こういうように考えております。
○古寺委員 しかし、法制局やいろいろそういう関係者の方々の御意見を承っても、この「当分の間」というのは、いろいろいま御説明がございました。しかし、法律的な立場でいった場合には、通達一本でこれは中止することができる、こういう解釈がございますが、どうですか。
○住政府委員 それは、現在の緊急失業対策法におきまして、労働大臣が一定の計画を定めて失業対策事業を実施する、こういうことになっております。現実問題といたしまして、いままで失業対策事業を実施していた事業主体が、就労者が少なくなってきた、あるいは就労者が民間就職をしたというようなことから、その事業主体で失対事業を廃止する、こういうようなことがございます。これは事業主体と労働大臣と協議をしてその是非を決定する、こういう法律上のたてまえになっております。ところが、失業対策事業という制度そのものとしては、一本の通達ではこれは否定できない、立法措置を要するということになると思います。
○古寺委員 こういうような手当の問題にいたしましても、あるいは「当分の間」にいたしましても、この附則二条というものは、現在失対で働いている方々に対して非常に不安を与えております。また、いろいろな心配がございます。そういう点からいって、当然第二条はカットすべきじゃないか、削除すべきではないか、こういうふうに考えるのですが、大臣はいかがですか。
○野原国務大臣 これは、前々から実はお答えをしておるのでありまして、言外の意味を御理解いただければよくわかると思います。当委員会において何らかの結論が出たということについては、その結論を尊重したいということでお答えにかえておきます。
○古寺委員 それでは、尊重するということは、委員会でもしそういうような結論が出た場合には、これは削除するというふうに承っていいですね。 次には第十二条の二号でございますが、第十二条の二号の中に「誠実かつ熱心に就職活動を行なう意欲を有すると認められること。」こういうのがございます。こういうような非常に主観によって判定するような条文というものは、法律的な立場からいってこれは非常に好ましくない、こういうふうにいわれておりますが、どういうわけでこういうような条文を今回提案してこられたのか、その考え方をひとつ承りたいと思います。
○住政府委員 いままで御説明も申し上げておるところでございますが、この中高年齢者に対しまして民間の常用雇用につくことを促進するために、この法案で一番大きな柱であります求職手帳制度を創設したわけでございます。そこで、そういう方々、当然のことでございますが、それは誠実かつ熱心に就職活動をしていこうという意欲を持たれる方々でなければ、幾ら手帳を発給して措置を講じましてもむだになるわけでございます。それでこの十二条の二号の規定はそういった当然のことをここに規定したのでございますが、しかしこの表現は、御指摘のように非常に抽象的である点も否定できません。そこで、繰り返して申し上げておりますように、これを安定所長の主観的な判断によって左右するようなことは避けていかなければならないと考えておるわけでございまして、安定所長が、この意欲を有するかどうかという判断をするにあたっては、客観的な明白な事実に基づいて判断するように指導していきたい。それで、その明白な事実と申しますのは、たとえば安定所から職業相談、職業紹介のために出頭を求められる、そういう場合に、正当な理由なく出頭を拒む、あるいは安定所で職業紹介のために適性検査とか職業相談をやるわけでございますが、そういう場合に、やはり正当な理由なく断わるというようなこと、あるいは安定所からいろいろな書類の提出等を求める場合があるわけでございますが、これも正当な理由なく断わる、たとえばそういう事実に基づいてこの二号を認定するように、こういう指導をきちっとしていきたいと思いますので、御心配のようなことがないというように考えておるわけでございます。
○古寺委員 こういう条文というのはいままでの法律にはないわけですね。初めて今度出てきた条文でございます。職安法なんかを見ましても、こういうような非常に主観を交えるような条文はないわけです。どういうわけでこういうものを入れたか非常に疑問があるわけですが、これはぜひひとつこの条文を改正するなり、あるいはもっとまぎらわしくないような条文に訂正すべきじゃないか、こういうふうに考えるのですが、いかがでしょうか。
○住政府委員 現在の法律におきましても、これは制度は違うのでございますけれども、やはり誠実かつ熱心に就職活動を行なうというような規定があるわけでございます。そういうような観点から、この手帳制度にも取り入れたわけでございまして、私ども必ずしもこれは不適当であるというふうには考えておらないところでございます。
○古寺委員 不適当と考えないというのですが、私は不適当だと考えるのです。そういう点を検討していただきたいと思うのです。 それから、この手帳の交付を受けられない人が当然出てきますね。そういう人に対してはどういうふうに取り扱うつもりですか。
○住政府委員 これは一般の求職者と同様に職業紹介、職業指導等をすることはもちろんでございますが、ただ手帳の発給、それに基づく手当の支給、こういうことがないだけになると思います。
○古寺委員 手帳の有効期間中に就職ができない人はどうなりますか。
○住政府委員 手帳の有効期間といたしまして原則としては六カ月、こういうことでございますが、さらに期間内で就職が困難であるというものにつきましては六カ月、あるいは特定地域の中高年齢失業者についてはさらに六カ月というようなことで、その人あるいはその地域の状況に応じまして手帳の有効期間を延長し得るような制度にいたしております。私どもその期間内においてほんとうに就職する意欲、能力があるならば就職させることができるというように考えておるのでございますが、なお特定地域等におきましては、その期間が終わっても就職ができない、こういうこともあると考えておりますので、それにつきましては特定地域の開発就労事業等を実施することによりまして、そこに就労させ、生活の安定をはかっていくというように考えております。
○古寺委員 六カ月というのは非常に短過ぎると思うのです。少なくとも二年くらいまで延長するような考えはないのですか。
○住政府委員 現在の就職促進の措置は大体二カ月ないし六カ月ということになっております。必ずしも十分ではございませんけれども、その期間内でかなりの就職を見ております。それから、失業保険の受給者の平均受給月数をとってみましても四カ月、長期受給資格者の平均受給月数でも六カ月、こういうことになっておりますので、私ども原則としては六カ月で再就職はほとんどの方々が可能になると思うのでございますが、先ほども申し上げましたように、その期間内で就職できない者もございますので、手帳の有効期間の延長をはかっておるのでございますが、御指摘のように再就職期間としてはその程度になるように、この期間を定めるにあたっては十分検討をしてまいりたいというように考えております。
○古寺委員 次に、失対の方々が働いておる休憩所の問題です。休憩所がバラックみたいな休憩所で、青森県の場合なんかもう非常に寒い。こういう休憩所に対しては、労働省としては年間どのくらい措置しているのでしょうか。
○住政府委員 作業現場におきます休憩小屋の施設につきましては、事業主体の申請に基づきまして必要な補助をいたしております。それで、四十五年度におきましては七百十一カ所、四十四年度におきましては六百三カ所、四十三年度におきましては六百三十三カ所、こういうようなことで、最初に申し上げましたように、事業主体の申請に基づきましてできるだけ設置につとめておるわけでございます。
○古寺委員 坪数と補助額は大体どのくらいでございますか。
○住政府委員 休憩小屋につきましても、木造とかプレハブとかそれぞれの単価が違っておりますが、補助率といたしましては三分の二ということにいたしております。
○古寺委員 休憩所の建物に対する補助は、玄関とかあるいは便所、こういうものに対する補助はないというのですね。補助金が非常に少ないために、バラックみたいな非常にお粗末な休憩所をつくっているわけですね。そのために、働いている方々は相当の中高年齢者が多いわけですから、健康上もよくないし、また休憩所としての役割りも果たしていない。そういうような実情になっているのですが、こういう点について労働省は実態をお知りでございますか。
○住政府委員 実態全部を知っておるかというと、必ずしも自信はないのでございますが、ただいま休憩小屋については申し上げたとおりでございますが、実は同様なことを便所等についても実施いたしております。そこで先生御指摘の休憩小屋に便所が必要だ、こういうことになれば、これは小屋及び便所合わせて補助の対象にできることになりますので、事業主体等とも相談いたしまして、できるだけそういう施設の改善充実をはかっていきたいというふうに考えております。
○古寺委員 それから作業の管理人がおりますね。監督の数が非常に少ないために、結局大ぜいの人数の人で作業をしなければならないことになるわけです。そういう場合に、輸送するためのマイクロバス、こういうものが必要ですが、そういう点についてはどういうふうになっておりますか。
○住政府委員 いま現場が非常に遠い、そういうようなことがあることは事実でございます。私どもそういう場合に事業主体がマイクロバスを購入して輸送する、こういうものにつきましても補助をいたしております。できるだけそういう設備、施設の充実につとめてきておるのでございますが、今後ともそういう点については十分配慮をいたしていきたいというように考えます。
○古寺委員 北海道、東北とか北越地方なんかは非常に雪も降ります。そのために高齢者は途中でころんでけがをしたり事故が発生しておりますので、こういう点については十分に配慮すべきである、こういうふうに思いますので、特に要望を申し上げておきます。 次は、先ほどの附則二条の「当分の間」の件で問題になったのですが、社会保障が充実された段階でというようなお話があったようでございますが、それは厚生省とは連絡がとれているわけでございますか。
○住政府委員 いろいろ雇用審議会の答申等もございます。それから、その点に関しましては、特に雇用審議会の会長から内閣総理大臣に対する意見も提出されております。私どもといたしましては、厚生省とも十分連絡をしているわけでございますが、今後非常に重要な問題でもございますので、さらに十分連絡をとって対処をしていかなければならないというように考えておるわけでございます。
○古寺委員 そこで厚生省にお尋ねいたしますが、老人の社会保障の充実に対して厚生省は現在プロジェクトチームをつくっていろいろやっていらっしゃるということは先ほど承ったのですが、具体的に来年度から実施できるものはどういうものでございましょうか。
○加藤政府委員 厚生省といたしましては、高齢者の就労対策等につきましては、労働省とも緊密な連絡をとって、厚生省の立場からもできるだけの努力をしてまいりたいと思っております。老齢者の福祉全般につきまして、これは来年度の厚生省予算の一番の重要な項目として、現在省をあげて研究班をつくって検討いたしております。 いろいろ問題ございますが、私ども一番重要視いたしておりますのは老人の医療の問題、それから老人の年金の問題、所得保障の問題、それから老人に生きがいを与えていく問題、それから老人の福祉施設、老人ホームとかあるいは居宅におけるサービス、そういう問題に焦点を合わせまして現在それぞれ部会をつくって検討をいたしております。まだその結論が出ませんので、具体的には申し上げかねる段階でございますが、私ども来年度の予算におきましてぜひ実現いたしたいと思いますのは、老人の医療対策の問題とそれから年金、ことに福祉年金、これを大幅に引き上げる。ことしは二千円を二千三百円程度に引き上げたようでございますが、そんなささいな金額じゃなくて、相当大幅な引き上げをいたしたいということでございます。 そのほか失対の問題にからみましては、高齢者の就労の無料相談所、これは現在も二十カ所設けておりますが、非常に好評でございます。就職率も三六%ということで非常に好評でございますし、また都道府県あるいは市あたりから、来年度あるいは今年度設置したいということで補助申請の要求も非常にたくさん来ております。そういうことで四十六年度ではさらに十カ所追加いたしますとともに、四十七年度以降におきましても、これは一つの老人の生きがい対策の一環といたしまして、高齢者の就労対策の予算要求をしてまいりたいというぐあいに考えております。
○古寺委員 この医療費は無償にするわけですか。
○加藤政府委員 その最終的な方針は現在まだ省として固まっておりませんので、いまこの段階で全部無料にするかどうかということは申し上げかねますけれども、御承知のように、国民健康保険の被保険者である老人は三割の自己負担がございますし、被用者保険の家族である老人につきましては五割の負担がございます。それから、入院と外来があるわけでございますが、それを全部無料にしてしまうかどうか、一部負担というものも全然なくするかどうかということにつきましても目下検討中でございますが、私どもといたしましては、この施策を進める以上は、やはり老人が安んじて医療にかかれる程度、そういう制度にしなければ意味がないわけでございますので、そういう方向で検討いたしておるところでございます。
○古寺委員 それから老齢福祉年金でございます。ことしのように三百円というようなみみっちい引き上げではなくて大幅な引き上げをするのだ、こういうようなお話がございましたが、大体金額としてはどのくらいをお考えになっておるのでしょうか。
○加藤政府委員 これは年金局所管の問題でございまして、所管にこだわって申しわけございませんが、社会局の所管でございませんので、私がこの際にはっきり申し上げる権限もございませんし、また、事実幾らにするかということはまだきまっておりません。これはやはりプロジェクトチームの最重要問題の一つといたしまして、医療問題と並んで大幅に引き上げようということでございまして、三百円とか四百円というものじゃない。そうすればそれじゃ何千円にするのか、四千円にするのか、五千円にするのかということになりますと、まだそこまでは固まっておりませんけれども、少なくとも四十六年度に比べましては相当大幅な引き上げをいたしたい、こういうことでございます。
○古寺委員 それから高齢者の無料職業紹介所でございますが、これが東北では仙台に一カ所しかないわけですね。これは今後どのくらい全国的に設置する予定でございますか。本年度の予算は大体聞きましたが、来年度以降どのくらいずつ毎年ふやしていくお考えですか。
○加藤政府委員 現在二十カ所でございますが、予算といたしましては四十六年度にさらに十カ所入っております。したがって、四十六年度末には三十カ所になるわけでございますが、一応いまのところは、都道府県全部に一カ所ずつは設けようということで、この無料職業紹介所のない県を優先的に設置するという方針で進めておりますが、四十七年度以降におきましては、これをさらに大幅に増額いたしたい。四十六年度十カ所増を二十カ所にするか、三十カ所にするかということはまだきまっておりませんけれども、これは非常に要望が強いわけでございます。四十六年度ですでに申請が十九件出ております。設置したいという県が十九県も出ているという現状でございますので、四十七年度以降は、この点につきましても格段の努力を払って予算要求をいたしたいというぐあいに考えております。
○古寺委員 これは労働大臣の認可の要る問題でございますが、この十九カ所の現在申請されているものについては、全部ひとつ認可をして、今年度じゅうに設置したほうがいいと思うのですが、労働大臣としてはいかがお考えでしょうか。
○野原国務大臣 御要望については、全部認可して御協力いただきたいと考えております。
○古寺委員 次に、就職支度金の問題でございますが、これが今度十五万円になる、こういうお話でございますが、この十五万円というのは、国から出るのが十五万円でございますか。
○住政府委員 大体その三分の一国が持つ、こういうことで従来からもやっております。十五万円についてもそのように考えておるわけでございます。
○古寺委員 そうしますと、十五万円の三分の一でございますので、五万円ということでございますか。
○住政府委員 そのとおりでございます。
○古寺委員 そうしますと、いままでの、これは四十五年の資料で見ましても、就職支度金の措置状況を見ますというと、北海道の場合には国から五万円、それから時限の期間がきまった場合は、時限増といいますか、その場合にはさらに五万円増額されて、道から五万円、市から十万円で合計二十五万円出ております。それから青森の場合は国から五万円、時限増が五万円、市から五万円で十五万円、こうなっております。そうすると、いままでと何ら変わりがないのじゃないですか。
○住政府委員 ちょっと実情がよくわからぬのでございますが、五万円の場合は五万円の三分の一、十五万円にした場合は十五万円の三分の一、こういうことになると思いますが、それ以外の分につきましては、さらに県なり市が独自措置によって配慮をした分というように考えております。
○古寺委員 そうしますと、十五万円にアップする、こう言っておりますが、実際に国から出るのは三分の一でございますね。五万円ですね。そうしますと全然変わりがないわけです。いままでも五万円出ておるわけです。何ら変わりがないというふうに解釈していいのですか。
○住政府委員 ちょっと説明が足りなかったかと思うのでございますが、いままでの五万円、国の実際やっております五万円というのは、仕度金として就労者に渡す金額が五万円、それでその五万円のうちの三分の一を補助対象としておる、これが現在までの制度でございます。ただ、過去におきましてそれを十万円にふやした場合がございますが、その場合でもその三分の一が国の負担分、こういうことでございます。それで、いままでの五万円についても、三分の二は事業主体で負担していただいておったわけでございますが、そのほかに、かりに総額十五万円払われておったとするならば、さらに十万円というものを事業主体で負担している、こういうことになろうかと思いますが、制度といたしましては、五万円、あるいは十五万円になった場合は十五万円、そういう額の三分の一、こういうことにいたしておるわけでございます。
○古寺委員 そうしますと、いままでと何ら変わりがないですね。いままでも五万円でしょう。国から五万円支給されておりますね。これからもまた、十五万円にするとは言うけれども、三分の一だけが国の負担になるのだ、こういうお話ですから、五万円ですね。そうすると、いままでも五万円、今後も五万円ということになれば、これは全然アップされませんですよ。
○住政府委員 どうも御説明が足りぬで恐縮でございますが、いままで五万円というのは、就労者に渡る金額が五万円でございまして、その内訳といたしまして、三分の一が国の負担、三分の二が事業主体の負担、こういうことで総額として五万円が支度金の額であった、こういうことでございます。それを今度十五万円にするというのは、五万円の総額が十五万円になる。ですから渡る金額としては、いままで五万円であったものが、今度は十五万円になる。ただ、その十五万円なり五万円の負担割合というものが、いま申し上げましたように、五万円の場合でも十五万円の場合でも三分の一である、こういうことでございます。
○古寺委員 これは四十五年の四月の資料でございますが、ずっと申し上げますと、北海道の帯広市というところの場合は五十万円です。それから今度石川県の加賀市が五十四万円、低いところでは青森市なんというのは十五万円、こういうふうに就職支度金の金額というものがものすごい格差があるのです。これはどういうわけなんですか。
○住政府委員 たとえば帯広にいたしましても加賀市にいたしましても、それぞれ失対事業就労者の福祉促進という観点から、それぞれの市におきまして、国の正規の五万円以外にそれだけの金額をつけ足されたものである、こういうように考えておりますが、これはそれぞれの事業主体である市の考え方の差によるものであるというように考えております。
○古寺委員 さらに、この支度金のほかに特別報償金制度というものを実施しているところもあります。私が申し上げたいのは、たまたま死亡をした場合、あるいは現在病気で入院中の人は、こういうような就職支度金というものの恩恵を受けられないわけです。こういう方々のためにもやはり退職金制度なりそういうものをつくって、いままで長い間失対で一生懸命働いてこられたのですから、そういう方々の功労に報いるという意味においてもそういう制度を当然考えなければいけないのじゃないか、こういうふうに思うのでございますが、いかがでございますか。
○住政府委員 就職支度金の趣旨は、これはもう御承知のとおり、失対事業の就労者が自営業を開始する、あるいは民間に就職をする、そういう場合に当面の生活費とかあるいは就職あるいは自営業開業の当面の経費、そういう観点から五万円なり十五万円なりというものを貸し付ける、こういう制度になっております。そこで一年たてばその債務を免除する、こういうような制度になっておるわけでございまして、先生御指摘のように、これはいわゆる退職金ではございません、あくまでも自立を促進するための援助措置である、こういうようにお考えいただきたいと思うわけでございます。そこで、それでは退職金のようなものは考えられないか、こういうことになるわけでございますけれども、失対事業就労者というものはやはり民間の常用雇用につくまでの間暫定的に就労の機会を与える、しかもそういう場合において日々紹介、その日その日そういう状態にあるかどうかということを判断して失業対策事業に就労させる、これがたてまえになっております。そういう意味で、常用雇用を前提とするような退職金制度、あるいは勤続期間が長ければ長いほど退職金の額がふえるというような退職金制度というものは、失業対策事業の本質からいってそれはなじまない制度でございますので、私どもそういう措置はとれないというように考えておりまして、そのかわりに、民間就職をするなり自営業をする場合に就職支度金というものを貸し付けましてその援助をしたい、こういう趣旨でつくられておるものでございます。
○古寺委員 もう時間ですから結論を申し上げますが、休憩所にしましても、あるいはマイクロバスの件にいたしましても、労働省は現在の失対労務者に対して私は非常に冷たいと思います。地方へ参りますと、もう長い人は二十年以上もこの失対事業に従事をいたしまして、毎日まじめに一生懸命その仕事をいままで続けてこられた方々が非常に多いわけです。そういう方々に対して、支度金の内容を見ても非常に全国的に格差がある、しかも今度値上げをするとおっしゃっておりますけれども、お話を承りますと、三分の一が五万円でございますと、これは全然値上げになっていないわけです。さらにまた、こういう退職金の問題にしましても、ある自治体においては特別報償金制度というものをつくって、そしてそういう方々の御労苦に報いておられるわけです。こういう観点からいって、労働省としても当然この支度金の増額なり、あるいはまた退職金の問題を考えてあげて、そして病気で療養している人、あるいはまた不幸にして死亡なさったような方々に対しても報いてあげるような、そういうあたたかい制度というものをむしろ前向きの姿勢で考えてあげるべき・ではないか、こう私は思うのですが、労働大臣の決意を最後にお伺いいたしまして終わりたいと思います。
○野原国務大臣 今後そういった失対の方々に対する措置について、あたたかい思いやりのある対策を講じていきたい、今後十分検討してみたいと考えております。
○古寺委員 では終わります。 〔増岡委員長代理退席、委員長着席〕
○倉成委員長 次に、寺前巖君
○寺前委員 どうもお待たせしました。 このいわゆる失対の法案に対して、審議もいよいよ最後の段階になりました。この問題をめぐっていろいろ審議されるべき内容もありましたけれども、主として三つの点でいろいろ疑問が起こってきたというように思います。 その第一は、失業保障制度というのが、新法ができ上がると、その附則で、片方では従来の緊急失対法が打ち切られていくという内容がある。そうすると、全体として失業保障制度が日本の国ではなくなるのではないか、これが大きな問題として全国の人たちの疑問の問題点となっていると思う。また最近、年配の方々、お年寄りの方々の自殺率というのが、女性の場合でしたら世界で第二番といわれるほど非常に困難な状態になってきている。したがって老人問題が政治上大問題になっている中で、一方で、社会保障制度もないのに、憲法でいうところの勤労権が年寄りに限って与えられないということになるのではないか。そういう意味においては、新しい立法というのは、今日の社会問題に対してこれにこたえるところの態度ではないのではないか。これが第一の疑問として多くの人々の間で問題にされている点だと思います。 第二の問題点は、中高年齢者、大臣の答弁によると四十五歳から六十五歳の人々に対する特別な職業の安定のための施策を講ずるのだとおっしゃっております。ところが、出されてきている法案がはたしてその年齢の人たちに対する答えになる法律であるかどうか。従来から就職促進のための措置がとられてきた、あの措置では結局救われていない。今度の法律によってそれが救われることになるのだろうか。この点が第二番目の疑問点として出されている問題です。 第三の問題は、長い間いわゆる失対という制度の中で仕事をしてきた人たち、この人たちに対して、もうこの問題は当分の間で終わりだ、あるいは社会の常識として、長いこと公共事業その他の仕事についてきたけれども、二束三文のごとき取り扱いでもってほうり出してしまおうというのがこの法律のことばじりにも出てきているではないか。こういう三つの点がなかんずく大きな問題となって社会の中で話題になってきたと思います。 そうすると、私たちは、立法府というのは社会の発展のためにこそ法律はつくられるべきものが、逆にそのことによって社会不安を増長させることになるのではないか。私は、そういう意味において、社会の人が提起しておられる疑問点というのは当然の疑問だといわざるを得ないと思うのです。 そこで、まず第一に私は、失業保障制度が奪われていくということの多くの人たちの疑問の中でも、最も弱い分野であるお年寄りに対する問題についてお聞きをしたいと思います。大臣、この法律では中高年齢の措置を四十五歳から六十五歳という年齢を対象にして特別措置が要るんだということが基本的なお考えだろうと思うのです。そうすると、六十五歳以上の人々に対してはどういうふうに勤労権を保障しようとおっしゃるのですか。その点をお聞きしたいと思うのです。
○野原国務大臣 高齢者の方々は、長い職業経験、生活の経験を持っておりますので、これを職場で生かすことは、高齢者自身にとっても、また経済社会の発展をはかる上からも、きわめて大切であろうと存じます。高齢者にふさわしい職業の開発をするとともに、公共職業安定所における高齢者コーナーの設置とか人材銀行の活用をはかる。社会福祉法人による高齢者を対象とした無料職業紹介の積極的推進によって職業紹介体制の強化につとめると同時に、高齢者の就職促進には十分配慮してまいる考えでございます。 そうした観点から、同時に六十五歳以上の方々でも、まだ健康であって働きたいという御要望が非常に強い、それらの方々は働くことに生きがいを感ずるというような情勢であると存じますが、こうした方々は労働市場での対象としてはいささか無理がございますので、これらの方々は、老齢者に生きがいのある人生をお世話するという意味で、老齢者コーナーなりあるいは人材銀行なりでそれらの方々の経験知識を生かしてまいりたい。そして、もっぱら四十五歳から六十五歳までの中高年齢者に対しては、一般企業への就職のあっせん、そのためには職業の訓練であるとか、いろいろな技術の開発であるとか、そういった面でできるだけのお世話を申し上げるということによって、これがやはり生きがいのある人生、また国の経済の発展に大きく貢献していただく。同時に、自分自身が豊かな生活を続けて行なえるような対策を講じていく、それが中高年齢者就職促進特別措置法であるというふうに考えまして、一応六十五歳以上の御年配の方々は別にして考えておるわけであります。そういう点においては何ら矛盾したことではないというふうに考えます。
○寺前委員 六十五歳以上の方々が生きがいのある生活をと、こう言っておられますが、生きがいどころか、毎日の生活を送らなければならない事態になってきているというのが、今日の一つの特徴点になっているのじゃないでしょうか。八百万人からのお年寄りがおられます。そのうち現在までにいろいろな職業コーナーとかなんとかいわれるところへ行って仕事が与えられたというのが、厚生省の資料を読んでみますと、絶対数で一万三千人だというふうに書いてある。多くの人たちは、それはそうです。四十五歳から六十五歳までの人の間でさえも、特別な措置をしないことには就職が非常に困難になってきている。特別措置が要るんだ。そうすると、もう六十五歳以上、年齢的にも、身体の上においても、精神的においても非常に困難な事態になってきた人、しかしその人たちが今日の社会生活ではめしを食わなければならないという問題において、大臣、福祉年金は一体何ぼもらえると思うのです。今度、月二千三百円でしょう。こんなもの、どないして生活しますのや。生活するための特別の手だてが要るんでしょう。働くという手だてが要るんです。六十五歳になったんだから、おまえさんはもう年寄りだから使い道がないからちょんだでは済まぬ。だから自殺という問題が起こるのじゃないですか。何ぼ年寄りであっても、身体的にも精神的にも困難な段階になればなるほど、それにふさわしい仕事というのは国家として保障していいんじゃないでしょうか。それとも、六十五歳以上はもう無理です、あなたは残念ながらもう労働対象じゃございません、かってにしなさい、こうおっしゃるのですか。従来の法律の中におけるところの高齢者失対といわれている問題点は、法律にちゃんと書いてある。身身体的に、精神的に困難になってきているということがちゃんと法律に書いてある。そのための特別な就労が要るんだ、かつて法律にそう書いたものが、今日の時点ではもうそういうことは必要ないとおっしゃるのですか。大臣、どうです。六十五歳以上の人の問題、四十五歳から六十五歳を考えなければならぬとすれば、もっともっと、民間雇用ではないところのやり方ででも保障しなければ、保障の道がないじゃないですか。それこそ国家的な保障が要るのじゃないですか。私は大臣の答弁を聞きたいと思います。
○住政府委員 御指摘の問題につきましては、失業対策問題研究会の中間報告にもありますように、失業対策はあくまでも労働力政策としての性格を貫徹すべきである、労働市場に対する適応性のない者を対象にすることはかえって制度の混乱とか雇用上の弊害を生ずる、ひいては失業対策の機能そのものもおかしくしていく、こういうような指摘がございます。私どもそういう観点から、六十五歳までの方々を一応年齢によりまして労働市場に対する適応性がある、このように判断をしておるわけです。ただ、六十五歳以上の方々でも、働きたい、仕事につきたい、こういう方々につきましては、先ほども大臣が申されましたようにいろんな施策を講じてもきております。また、これからもそういった施策の充実をはかっていきたいと思っております。と同時に、主として厚生省でございますが、関係各省とも十分連絡いたしまして、そういう老人の方々の福祉の増進をはかっていく、これはもう当然のことであると考えております。
○寺前委員 私は大臣に聞きたいのですよ。要するに六十五歳以上は労働につけるという対象にするのかしないのか。しないんだったらもう知らぬのじゃ、あるいは厚生省にまかすんじゃというのか。憲法でいうところの勤労権として、どんな年齢になってもそれなりの仕事の保障をしてやるべきではないのか。この二つの基本的考え方において大臣はどうなんです。
○野原国務大臣 さっき私が申し上げたのは、四十五歳から六十五歳までの方々は、一般の労働市場で、職業の訓練なり開発等をやれば、就職も十分可能であるというふうに考えます。六十五歳より上の方々は、健康であって働く意欲を持っておるという方に対しては、その方々があくまでも生がいのある人生、自分の経験を生かして職を求める、そういう方々がおるならば、もちろんそれもきわめて大事でありますから、そういう方々のためにもできるだけのお世話を申し上げようということで、現在それらの方々に対しましてもさまざまな施策を講じておるわけであります。その方々、まあ今度の中高年齢の施策をもっております四十五歳――六十五歳までの方々はおのずから違うといえば違う。労働市場というものを対象としないで、本人が就職しやすいような適職を求めて、またお世話して、それらの方々が生がいのある人生を送っていただくということで十分に足りるのではないか。ただしそれは社会保障制度がだんだん完備して、老人の方々が安んじて老後を養う、しかし自分はまだ健康である、働きたいという方は、やはりいままでの経験知識等を生かして働いてもらうことも必要である。それが生きがいがある人生であろうというふうで、その方々の御要望にも十分こたえてまいりたいということでありまして、六十五歳以上になったら一切かまわないということでは絶対ございません。
○寺前委員 それじゃあなた、具体的な保障の制度をつくらなかったらだめじゃないですか。ことばで何ぼ言ったって、具体的に保障するのは何か。民間雇用とか労働市場としては経験を生かせる範囲はあるかもしれない。それは部分です。大部分の人たちに対しては、毎日のおまんまを食べなければならないという問題においては、具体的な制度によって保障しなければ保障したということはいえないじゃありませんか。どうするんです。具体的な保障制度をすぐに出すのですか。社会保障制度ではだめだから現在の失対制度は当分の間は残しますと、こういっているのでしょう。社会保障制度ではやれぬということをあなた自身が言っておるのじゃないか。あなた自身が、社会保障制度でやれない、それじゃ違った形でやりますという。じゃ制度を出さなかったら保障したことにならないじゃないですか。民間雇用ではなかなか困難であろうという問題ははっきりわかりますよ。だからそれにふさわしい公共的な事業を提起する。これでもって保障します。その賃金についても、生活をささえる賃金としてやらなければならない。その制度をつくります、具体的に提起をしなかったらだれも信用できませんよ、口頭で言われたって。具体的に提起する用意があるのですか。
○野原国務大臣 具体的にいま提示する用意はございません。ただし、われわれは将来やはり社会保障制度が一段と拡充強化されて、六十五歳以上の方々が必ずしも働かなくとも毎日毎日の生活が不安のない十分従来のとおりやっていけるということになるまでは、この失対制度というものは存続していこうということで、そのために「当分の間」というのをつけたわけでございますが、これは理想であって、いまいつになったらできるかというスケジュールはきまったわけじゃない。今後わが国の発展過程において国の経済がだんだんよくなって十分に老人に対する対策、あるいは社会保障制度の拡充強化、それができるまではしばらくはこういう失対事業も継続していこうということの方向でお答えをしたわけでございます。
○寺前委員 だから、老人対策についての具体的施策なしに、もう直ちに新しい法律でもって既存のああいうものはなくなっていくとなれば、失業保障制度というものは全くなくなる、だから問題だと社会の人が言うのは当然のことじゃないですか。 時間の関係がありますので、次に移ります。 二番目は、具体的に執行しようという中高年齢者に対する特別措置です。これがはたしてうまいこといくのかどうかという問題です。従来も特別措置というのがありました。ところが、あったけれども、先ほどからの質問にも出ておったとおり、行ってみたけれども、半年、一年間、なかなか措置に乗せてくれないという問題があったじゃないですか。いやおまえはどうのこうのと、入口のところでなかなか措置に乗らないのでしょう。ばんと乗せるのかどうか、私は決定的問題だと思います。ところが、今度の法律の第十二条を読むと、公共職業安定所長は、中高年齢失業者等であって、次の各号に該当するものに対して、その者の申請に基づき、手帳を発給する、と条件が書いてあって、「誠実かつ熱心に就職活動を行なう意欲を有すると認められること。」こう書いてある。受付の条件の中にこれが入ってしまうということになったらどうにでもなるということになるじゃありませんか。従来、これだけ明確に受付段階にこういうものでなければならないのだということでもって受付条件をきめるということになってないはずですよ。ともかく受け付けて、それからその問題が指示事項として問題になる。たてまえは少なくともそうなっておる。そのたてまえのときでもなかなか乗せてくれなかった。それが初めからこういう形で前面に出されておったならば、四十五歳から六十五歳のこの対象の人たちが、ほんとうにまじめに当局によって救われる、生きる道を一緒になってさがしてもらうということになるのかどうか、これは疑問に思うのは当然だろうと思う。無条件にまず失業者を受け入れる。それは失業保険をもらうときに無条件にまずいきますがな。同じようにあるべきじゃないか。そういう点から見るならば、これは入口でもうすでにこういうふうにやっておるという印象を持つのは私は当然だと思うのですが、局長どうです。
○住政府委員 手帳を発給いたしまして、積極的に、その期間手当を支給しながら、職業紹介、職業指導あるいは職業訓練、こういうことをやっていこうとするわけでございます。そういう意味で、求職者自身が、誠実かつ熱心な求職活動をするということは、私ども当然の前提であろうと思います。そういう意味で、従来も就職の意欲ということを問題にしておったわけでございまして、その点は当然のことであろう。ただ、これを恣意的に判断する、これは非常にいけないことでございまして、先ほども御説明申し上げたのでございますが、こういうような判定にあたりましては、客観的に、明白な事実に基づいて安定所長が判断する。その事実とは何だということにつきましてはたとえば安定所から職業相談に出てこい、こういうような場合に、ゆえなく出てこない。それから、かりに適性検査をするという場合にも、ゆえなく拒む、あるいは安定所から提出を求められた書類等があった場合、それについてもゆえなく拒む、こういうようなことでは、私ども、その後におきまして職業相談等もできないわけでございますので、そういうようなことからいたしましても、この規定は当然だ。ただ恣意に流れないように、これは厳重に事実を示して指導をしていく、こういうように考えております。
○寺前委員 恣意に流れないようにやるといっても、事実は、過去の歴史が、措置に乗らなかったという歴史があるから、これが問題になるのは当然だ。だから、まず明確に受け入れる。そこからあとの指導の問題としていろいろの問題が出てくるというふうに、立場を明確にしないと、初めからそれが条件のごとく出てしまうと問題になるのはあたりまえだというふうにいえると私は思うのです。 ちょっとここで聞きたいのですけれども、この措置の期間中に、あるいは済んでから、一定の特定開発地域の開発事業をやるということがいろいろ起こるのです。しかし、この間にどうにもならなかった人に対してはどうするんですか。開発就労事業にも行けない、仕事も結局うまくいかない、こういう事態が起こることがあるんですよ。その場合はどうするんですか。
○住政府委員 私ども、いろいろの事態を想定いたしまして、この手帳の有効期間というのは原則として六カ月ということを考えておりますが、さらに事情によって有効期間を延ばしていく、そして、その間再就職の促進をはかっていく、こういうように考えております。しかし、御指摘のように漏れる場合がございます。そういう場合は、特定地域等におきましては、開発就労事業等に吸収をはかっていくということでございますが、それではある地域において一人漏れた、こういう場合にどうするか、こういうことだと思うのですが、その場合、一人のために開発就労事業ができるかどうか、こういう問題もあると思うのでございますが、そういう場合には手帳の有効期間が切れる、すぐ直ちには再発行できませんけれども、たとえば、一年たってなおそういう状態が続くという場合には、さらに手帳を発行して就職促進の努力を続けていく、こういうことで対処していきたいと考えております。
○寺前委員 その間どうしますか。一年間待った間、その間でも働く権利というのを保障してやるというのが国家の仕事じゃないんですか。その点はどうなんですか。
○住政府委員 現在の制度におきましても、その点は変わりないと思うのでございますが、できるだけそういうことのないように私ども処置してまいりたいと考えておるのでございますけれども、ほんとうに一人でどうしようもない、こういう方方につきましては、その事情等も考慮いたしまして、さらに手帳の発給をして就職活動を続けていっていただく、こういうようなことも考えられるかと思うわけでございます。一般的には、私どもは従来御説明申し上げておりますようなそういう対策で十分事足りるというように考えております。
○寺前委員 引き続いて発給させるという意味ですか。引き続いて保障するところまでいくという意味ですか。
○住政府委員 私ども、そういう事態は万々ないと思いますが、必ずしも、その場合どうするということについて具体的には現在考えておりませんけれども、そういう方があった場合、そういう方方の生活事情を十分考慮いたしまして対処していきたいと思っております。
○寺前委員 時間がないので、残念ですが、次に行きます。 大臣、現在のいわゆる失対労働者といわれる人たちに対して、当分の間これは続ける、あるいは臨時手当を出さないということが提起されたことが非常に大きな国民的な問題になりました。おたくのほうの資料によっても、四十五年の九月現在で、就労人員が十九万二千四百六十五人で、平均就労期間が十三年二カ月、平均年齢が五十七・六歳という数字が出ております。考えてみたら、確かに日々雇用の労働者かもしれません。だけれども、日本の公共事業の大きな部分を占めてきたところの労働者です。この人たちに対して不安を呼び起こすようなことを提起したということは私は問題だと思うのです。平均十三年二カ月間も、一定のそういう地域の、まさにそれこそ地域の開発とかあるいは清掃その他の分野において大きな役割りをしてきたところの労働者です。だから、事実上においては特別公務員としてその地域のために大きな役割りをしてきたのですから、普通の常識からいうならば、これらの人々に対して、おやめになるときには退職金的なものを出すべきじゃないかと思うのです。それにふさわしい取り扱いをしなければいけないと思う。また、長期にわたってこういうような仕事をしておられる人たちは、事実上の常用雇用的な性格を持ってきている。そうすると、当然年休のごときものは出さなければならないだろう。当然日本の社会制度にあるところの臨時賃金のようなものを出さなければならないだろう。これは私は常識だと思うのです。大臣どうでしょう。長期にわたってこのような状態の活動をしておられる人たちに対する基本的な考え方として、そういうふうに取り扱うべきだと思うのですが、御意見を聞きたいと思います。
○野原国務大臣 失対問題がいろいろ論議されている中に、各委員からの御質問等で、ようやく失対対策というか失対問題との関連を非常に理解いたしました。したがって、そういう点で、当分の間という問題やら、あるいは臨時の賃金というふうな問題についても、当委員会において皆さま方の御意見がもしもまとまるならば、その御意見をできるだけ尊重していこうという心境で先ほど来お答えをしたわけでございます。そういう面においては今後の対策上非常に参考になったという面がたくさんございます。そういう方向で進みたいと考えております。
○寺前委員 もう一つだめ押しをしますが、考え方の上において事実上常用雇用的性格を持ってきているんだから、年休とか退職金とか、そういうようなものの考え方を確立しなければならない。その一環としての臨時手当の問題は十分に検討していただきたい。もう一度大臣の答弁をいただきたいと思います。
○野原国務大臣 失対の方々の常用雇用的な考え方というものはちょっとどうかと思います。そういう点で常用雇用というふうな見方でおりません。ただ、従来の慣行もございまして、夏期あるいは年末の臨時の手当等を出しておった。それもいささか画一的な悪平等的なものであったにしても出しておったという事実、同時にそれが生活費をまかなっておった従来の経緯を考えますと、これはやはり十分に尊重さるべきものである。答申の線もございますので、こういう面からこれは検討をする問題であろうと考えます。
○寺前委員 時間が来たようですから、私はもう質問ができないのは残念に思いますが、いま政府が出しておられるところのこの法案について、基本的に失業保障制度を日本の労働者階級から奪うという性格を持っているから賛成するわけにはいかない非常に大事な問題だ。なかんずくお年寄りが自殺をたくさんしておられるという今日の実態から考えてみたときに、私は、お年寄りに対する問題について特別な措置を考えていただきたいということをまず第一点として申し上げたいと思います。 第二番目に、やられようとしている中高年齢のこの措置です。この措置が十分に中高年齢者に対する保障となるように積極的にその賃金の分についても――いまの賃金程度では非常に少ないのです。家族をささえていくにふさわしい賃金にならないと思うのです。こういう点も改善をしてもらわなければだめだと思うし、しかも一定期間の間しか保障されないということで、事実上また放置されていくという結果にならないように改善をしてもらわなければならないと思います。 それから、なおかつ今日まで日本の各自治体において大きな役割りをしてこられたところの失対の労働者に対する取り扱いの態度において、あの法案に示されているような「当分の間」で、臨時賃金もやらないんだ、終わりだといって、これをないがしろにするような態度は率直に改めてもらって、常用雇用的な考え方で、ほんとうにこの人たちによくやってくれたという態度を労働大臣自身が示されるように、その内容の改善について要望し、私の発言を終わりたいと思います。
○倉成委員長 次に、田邊誠君。
○田邊委員 ただいま提案をされております法案につきましては、各委員各党からそれぞれの立場からの質問がありました。大かたのことについて政府側の答弁もありましたが、この際質問を終了するにあたって、これを集約いたしまして、政府の明快率直な態度を表明してもらいたいという立場から簡潔に質問いたしますので、答弁も明瞭簡潔にお願いをいたしたいと思います。 終戦後における失対事業の意義についてはすでに御案内のとおりであります。混乱から再建、そして高度成長へと日本の経済は進んでまいりました。しかし雇用失業の情勢は、今後において必ずしも楽観を許されるとは思われません。政府の楽観的な見通しにもかかわらず、今後いろいろな変動の中で憂慮すべき事態を私どもは予測をしなければならぬと思います。特に問題なのは、この中高年齢層に対するところの雇用条件というものが、今後急角度でよくなるというふうに見ることは、われわれは早計だろうと思うわけであります。そういう状態の中で今回この法案が提起をされておるわけでありますけれども、私は、中高年齢層の雇用促進のための措置をとるというこの法案が、ほんとうの意味においていわゆる抜本的な将来にわたるところの確固たる対策の法案とはどうしても言いがたいと思うのであります。かなり部分的なもの、あるいは手直し的なものがあると思うのであります。四十六年度の予算を見ても必ずしも予算措置が十分とはいえないと思います。したがって政府は、この法案を提起しながらも、なおかつ今後において中高年齢層の雇用問題については、さらに制度的にも予算的にも抜本的な措置をとるというその決意と対策がなければ国民の納得するところにならない、私はこのように判断をするわけでありますけれども、この際ひとつ、政府の態度を明確にお示しをいただきたいと思います。
○野原国務大臣 わが国の経済の高度成長に伴い、雇用失業情勢は著しく改善され、中高年齢者の再就職は次第に容易になってきております。真に労働の意思と能力を有する限りは、中高年齢者といえどもこの法案に規定する手厚い援護措置を講ずるならば、民間企業への就職は可能になるものと考えております。また、産炭地域等雇用の機会が乏しく、中高年齢者の雇用が特に困難な地域においては、このような手厚い援護措置を講じても民間企業に就職できない者がある程度生ずることも予想されますが、このような者については特定地域開発就労事業を実施してこれに就業させることにしておりますので、中高年齢者の雇用促進対策としては万全を期し得るものと考えております。 なお、法案に規定する施策の実効性を期するため、その裏づけとなる予算につきましては、今後とも一そうの充実につとめてまいる考えであります。
○田邊委員 今回の中高年齢層を対象とした措置については、中高年齢失業者の範囲については四十五歳以上六十五歳未満、こういうふうに限定をしたのでありますけれども、これは現行のいわゆる就職促進措置から比べますならば明らかに後退であるといわなければならぬと思う。したがってわれわれは、今後これらの情勢を踏まえながら、弾力的にその情勢に応じた措置が必要である、こういうように考えておりますけれども、いかがですか。
○住政府委員 中高年齢失業者の範囲につきましては労働省令で定めることにいたしております。そこで、雇用失業情勢の変動に応じ、弾力的に対処できるというように考えております。今後雇用失業情勢が著しく変動し、中高年齢者の労働力需給についても著しい変化が見られるような場合には、すみやかに労働省令を改正いたしまして、中高年齢失業者の年齢の範囲を変更する、そして情勢の変化に的確に対処してまいりたいと考えております。
○田邊委員 次に、今回の求職手帳の問題については種々論議がありましたけれども、私は、その中で特に現在の事務手続、現在の発行の状態等を比べてみたときに、この要望する人たちに応ずるためには、発給手続はきわめて簡素化して、できるだけ迅速にしなければならぬと思います。できるならば一週間程度に縮めてこの発給をすべきである。こういう考え方を持っておるわけでありますけれども、政府の前向きのお答えをひとついただきたい、このように思います。
○住政府委員 手帳の発給手続につきましては、安定所長は申請書その他必要最小限の書類を備えていれば申請を受理することにいたしたいと思っております。と同時に、申請から手帳の発給に至るまでの期間でございますが、手帳を発給する必要があるかいなかの判断が求職者の事情によりまちまちでございますし、調査のため日数も要するので、一律に規定することは困難でありますが、少なくとも一カ月以内ぐらいで発給できるように迅速化をはかってまいりたいと考えております。
○田邊委員 さらに、手帳の発給の要件及び失効要件のうちでもって、法律に規定をされておる「誠実かつ熱心に就職活動を行なう意欲を有すると認められること。」という要件というものは、きわめて抽象的であると同時に、これが判断というものを公共職業安定所長の裁量にまかせることはきわめて危険であると思います。きわめて独断的な主観におちいるおそれがある、このように考えておるわけでありますから、ひとつこの独断を防ぐ意味合いから、客観的な基準というものを設け、そういう中でもってあくまでもこれが一方的な独断措置に終わらないように、公平な措置がとれるようにすべきである、こういうことが強く要望されておるわけでありまするけれども、この点に対してひとつ明確にお答えをいただきたいと思います。
○野原国務大臣 誠実かつ熱心に就職活動を行なう意欲を有するかどうかの判断は、公共職業安定所長の主観的な心証によって行なわれるべきものではなくて、手帳の申請者の求職活動等の状況に見られる客観的に明白な事実に基づいて行なわれなければならないこととする考えでありまして、このため客観的な判断基準を設け、公共職業安定所長の判断が恣意に流れることを防止し、また、その他の手帳の発給要件及び失効要件と求職促進の措置の指示につきましても、同様の趣旨により、公共職業安定所長の独断におちいることなく、公正妥当に行われますよう厳正に指導をしてまいりたいと考えております。
○田邊委員 次に、本委員会でわが党の島本委員が指摘をしておりまするように、現在実施されておる就職促進措置の実施状況というものは、利用者がきわめて少なくて利用率も低下しておるのであります。中高年齢層はまだまだ就職難であるという現状から見て、このことは非常におかしいわけであります。その原因の中に、中高年齢層が扶養家族をかかえて生活が苦しいという実情があるにかかわらず、安心して就職活動、訓練活動ができない、こういうことが災いしていると思うのでありまして、この手当の額というものは、就職指導を受ける場合に一万九千円、訓練を受ける場合に二万五千円という程度でありまするけれども、この程度ではこの制度を活用するということ、そして再就職をはかることができ得ない、こう思うわけでありまするから、この手当について、労働者の生活の実態を考慮して額を大幅に引き上げるべきである、こういうようにわれわれは主張していきたいと思うのでありまするけれども、政府もひとつこれに対して同調して前進的な考え方をこの際示してもらいたい、このように思います。
○野原国務大臣 求職手帳を持った者の手当は、中高年齢失業者等が就職促進の措置を受けることに専念し得るようにするために支給されるものであり、その額は、賃金水準、物価水準の上昇、他の同様の給付との均衡等を考慮して年々引き上げられてきておりますが、就職活動を容易にし、かつ生活の安定をはかるための手当としては必ずしも十分であるとはいい得ないのであります。今後とも手当の支給の趣旨に即してその増額につとめてまいりたいと考えております。
○田邊委員 今回特定地域開発就労事業というものを行なうことになったわけでありますが、これはやはり新たな中高年齢失業者に対して就職を促進をする意味から、非常に実は重要な事業であると思うわけであります。これを真に中高年齢失業者の生活を保障し、仕事を与え、そして、あわせて地域の開発に役立つ事業にするためには、この際やはり法律に明記すべきである、こういうようにわれわれは考えておるわけであります。さらにはこの実施地域を拡大をしていくという必要があると思うのでありますけれども、これに対するところの政府の考え方を示してもらいたいと思います。 さらには、この開発就労事業の事業内容及び運営方針について、この際政府の態度を端的にお示しをいただきたいと思うのであります。
○野原国務大臣 この事業の実施地域につきましては、開発の可能性の有無について厳格に過ぎることなく、必要に応じ弾力的にこの事業を実施するようにしたいと考えております。 また、事業内容及びその運営の方針につきましては、この法律の成立を待って具体的に定めることになりますが、これを定めるにあたっては、この事業に就労する虫高年齢者にとって無理のないものとする等、雇用審議会の答申の趣旨を十分尊重してまいる考えであります。
○田邊委員 次に、この事業を行ないあるいは就職促進の措置を行なう場合に、やはり重要な事項は、あらかじめ中央職業安定審議会の意見を聞くことが当然であり、また必要であると思うわけでありまするけれども、そのことで個々の事項について政府から確約の答弁をいただきたい、こういうように考えておるわけでありまするけれども、大臣の所信を承りたいと思います。
○野原国務大臣 この法律の施行に関する事項で重要なもの、たとえば中高年齢失業者等の年齢や範囲、手帳の有効期間及びその延長期間、特定地域の指定、特定地域開発就労事業の事業内容及び運営、雇用率の設定、その他労働省令で定めるような事項等は、職業安定行政における重要事項でありますので、特に法律に中央職業安定審議会の意見を聞くべきことが明記されていなくても、あらかじめ中央職業安定審議会の意見を聞くことといたしておりまして、このことを明らかにするため、この法律の附則第五条により、労働省設置法の一部を改正して、この法律の施行に関する重要事項を中央職業安定審議会の調査審議事項とすることとしております。
○田邊委員 今度の法律の提起の中で一番心配をされてきたのは、現在失対事業に働いている労働者の諸君の今後についてであります。これは各委員からすでに質問がありましたとおりでありまするから、あえてつけ加える必要はないと思っておるのでありまするけれども、しかしやはり国民の不安を除去するという意味合いから、私はあえて最終段階でもう一度念を押しておきたいと思います。 現在の失対事業に就労している者については、社会保障対策や高年齢者の仕事に対する対策が充実するまでの間は、必ずいままでの失対事業に就労し得るよう配慮する、こういうように私どもは考えておりまするけれども、ひとつ労働大臣、あなたの明快な御答弁をいただきたいと思います。
○野原国務大臣 現在失業対策事業に就労している方々につきましては、雇用審議会の答申を尊重し、現在の就労者が失業対策事業に就労することにより維持されている程度の生活内容が、社会保障対策や高年齢者の仕事に関する対策によって充足されるようになるまでの間、引き続き就労できるように配慮してまいる所存であります。
○田邊委員 現在失対事業に携わっておる人たちに対して支払われておるところの夏期、年末の臨時の賃金については、これはいろいろ意見がありましたけれども、私どもはいままで支払われておったところの意味合いからいって、当然引き続き支払わるべきである、こういう考え方に立っておるわけであります。これを廃止することは、失対就労者の生活に著しい変化を与え、はかり知れない不安におとしいれる、こういう意味合いから、われわれとしては反対であります。この際、すべての国民の生活の安定と福祉を願っている政府として、これらのいままでの既得権益であるところの夏期、年末の臨時の賃金については引き続きこれを支払う、こういう旨の大臣からの確約をいただいておきたいと思います。
○野原国務大臣 夏期、年末に支給される臨時の賃金は、一般の屋外日雇い労働者にあまり例を見ないものがあります。就労実績や就労者の労働能力を反映せず一律に支給されている等、種々問題がありますが、国会論議も十分踏まえて、就労者の生活に激変を与えないよう、かつ、就労の状況に応じた公正妥当な合理的な改善措置を講じてまいりたいと考えております。
○田邊委員 現在、失対事業には約十九万の人たちが就労しておるわけでありますけれども、この人たちがみずからの努力によって自立への道を開こうとする場合に、政府はこれに対するあたたかい援助措置をすることは当然でありますが、この援助措置が非常に不十分である。この際政府は、この自立しようとする人たちに対する就職支度金の額を大幅に引き上げることが必要であるとわれわれは考えておりますけれども、考え方をお聞かせいただきたいと思います。
○野原国務大臣 お説のとおり、就職支度金は自立する失対就労者に対する援助措置であって、多額であるほど望ましいとしましても、貸し付けにはおのずから限度があると考えられますし、また、他の類似の制度との均衡上も種々問題があり、大幅に増額することはなかなか困難であると考えますが、予算の範囲内で最大限の引き上げをはかるよう、御趣旨を尊重しまして十分検討してまいりたいと考えております。
○田邊委員 中高年齢層に対する就職促進の措置は必要でありますけれども、その中でも特に問題なのは、労働市場における適応性の乏しい高年齢層、これに対してどうするかということであります。社会保障制度によるところの給付の充実をはかって、無理な就労の必要がないようにすることが必要であるとともに、希望に応じて負担の軽い仕事に従事する、そしてその職場に生きがいを見出すことができるような機会をできるだけ用意することについて新しい対策を確立する必要があると思うのでありますけれども、この高齢者に対するところの今後の対策について、ひとつこの際端的にお伺いしておきたいと思います。
○野原国務大臣 今後のわが国の人口構成の一そうの高齢化や雇用失業情勢の動向にかんがみ、高齢者に対する対策がますます重要になるので、お説のとおり雇用審議会の答申の趣旨を十分に尊重しまして、高齢者に対する社会保障対策の充実や、新たな仕事に関する対策の確立に、閣僚の一員として一そう努力してまいる考えであります。
○田邊委員 現在の失対就労者の安定雇用への再就職を促進するために、失対事業への就労資格を保持したままで、転職訓練あるいは職場適応訓練の制度というものがあるわけでありますけれども、今後ともこの制度を十分に充実させ、活用させていくことは当然のことであると思いますけれども、いかがですか。
○住政府委員 現在でも公共職業安定所のあっせんによりまして公共職業訓練を受ける者に対しましては、失対事業紹介対象者としての資格を留保して、安心して訓練が受けられるようにしております。今後とも引き続きこのような取り扱いを続けまして、就労者の自立の促進につとめてまいりたいと考えております。
○田邊委員 いま地方自治体では、政府の施策がきわめて不十分であるということにかんがみ、失対就労者の就労日数を増加するために単独で行なっている事業があります。これは、地方自治体がいわば政府の不十分な施策を補うという形でやっておるわけでありまして、きわめて注目をすべきでありますけれども、これは当然今後とも従来どおり実施することについて政府はこれを認めていくべきである、このように考えておりますが、そのとおりですね。
○住政府委員 失業対策事業就労者の就労日数でございますが、これは民間事業、公共事業の就労日数を含みまして、月間二十二日とする原則でございます。この二十二日には、地方単独措置に基づく地方失業対策事業の就労日数をも含めることといたしておりますが、従来から地方の実情に応じまして例外的な取り扱いを認めてきたところでございます。今後におきましても、この原則の上に立ち、地方の実情を考慮しながら対処してまいりたいと考えております。
○田邊委員 いろいろと各委員から質問が展開されてまいりました。その中から明らかなとおり、政府の今後の雇用失業に対するところの考え方は、さらに十分な改善が必要であるということが明らかになってまいったのであります。特に中高年齢層に対するところの今後の雇用問題は、非常に重要な、国の施策のいわば中心的な柱になるであろう、こういうように私は思っておるわけでありますから、種々不十分な点あるいは欠陥が指摘されましたことを謙虚に聞いて、これが改善をはかるとともに、今後におけるところの抜本的な対策に、労働大臣をはじめとして、政府は勇断をもって対処されることを、私は国民を代表する立場で心からお願いをいたしまして、私の質問を終わります。(拍手)
○倉成委員長 これにて本案についての質疑は終局いたしました。 ―――――――――――――
○倉成委員長 ただいままでに委員長の手元に、佐々木義武君、田邊誠君、大橋敏雄君及び田畑金光君から本案に対し修正案が提出されております。 ―――――――――――――
○倉成委員長 修正案の趣旨の説明を聴取いたします。田邊誠君。
○田邊委員 私は自由民主党、日本社会党、公明党及び民社党を代表いたしまして、四党共同提案にかかる修正案について提案理由を御説明申し上げます。 第一は、原案では、特定地域の中高年齢失業者等の雇用の機会を増大するために事業を実施することが必ずしも明確ではないので、特に事業を実施することを法律上明確にいたしたことであります。 第二は、現在の失業対策事業就労者の実態にかんがみ、緊急失業対策法が効力を有する期間を特に定めないこととしたことであります。 第三は、失業対策事業就労者に対し夏季または年末に臨時に支払われる賃金は、従来の経緯等にかんがみ、これを支払うこととしたことであります。 委員各位の御賛同をお願いいたします。
○倉成委員長 修正案について御発言はありませんか。 ―――――――――――――
○倉成委員長 なければ、これより本案及びこれに対する修正案を一括して討論に付するのでありますが、別に申し出もありませんので、これより中高年齢者等の雇用の促進に関する特別措置法案及びこれに対する修正案について採決いたします。 まず、佐々木義武君外三名提出の修正案について採決いたします。 本修正案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○倉成委員長 起立総員。よって、本修正案は可決いたしました。 次に、ただいまの修正部分を除く原案について採決いたします。 これに賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○倉成委員長 起立総員。よって、本案は修正議決すべきものと決しました。 ―――――――――――――
○倉成委員長 この際、佐々木義武君、田邊誠君、大橋敏雄君及び田畑金光君より、本案について附帯決議を付すべしとの動議が提出されておりますので、その趣旨の説明を求めます。佐々木義武君。
○佐々木(義)委員 私は、自由民主党、日本社会党、公明党及び民社党を代表いたしまして、本動議について御説明申し上げます。 案文を朗読して説明にかえさせていただきます。 中高年齢者等の雇用の促進に関する特別措置法案に対する附帯決議 労働力不足基調のもとにおいても中高年齢者等の就業は必ずしも容易でないという状況の急速な改善は、困難であり、かつ、労働力の高齢化は、今後一層進行することにかんがみ、政府は、本法施行にあたり、特に次の諸点について適切な措置を講じ、中高年齢者等の就職促進に万全を期すべきである。 一、中高年齢者等の年齢の範囲については、雇用失業情勢の変動に応じ弾力的に運用できるよう配慮すること。 一、中高年齢失業者等求職手帳(以下「手帳」という。)の発給手続を簡素化し、少なくとも一カ月以内に手帳を発給するように措置すること。 一、手帳に基づき中高年齢失業者等就職促進の措置を受ける者に対する手当の額を定めるにあたっては、労働者の生活の実態を考慮し、その充実に努めること。 一、手帳の有効期間及びその延長の期間を定めるにあたっては、中高年齢失業者等の就職の状況等に応じた十分な期間とすること。 一、第二十一条の就業の機会の増大を図るための事業として行なう特定地域開発就労事業及び公共事業のうち特に特定地域開発就労事業については、その実施地域、事業内容及び運営方針を定めるにあたって、同事業が中高年齢失業者等に対する対策であることに留意し、雇用失業情勢に応じた弾力的な運用を図るとともに、就労者の安定した雇用への再就職について配慮すること。 一、本法案に規定された事項のほか、中高年齢者等の雇用の促進に重要な関係を有する事項については、あらかじめ中央職業安定審議会の意見を聞くこと。、人口の高齢化が今後急速に進行することにかんがみ、すみやかに社会保障対策や高年齢者の仕事に関する対策の充実に努めること。 一、現在失業対策事業に就労している者については、社会保障対策や高年齢者の仕事に関する対策が充実されるまでの間は、同事業に就労し得るよう配慮すること。 一、現在失業対策事業に就労している者のうち自立を希望する者に対する就職支度金等の自立援護措置をさらに充実するように努めること。 一、中高年齢者の雇用を促進するためには、職業訓練がきわめて重要であることにかんがみ、中高年齢者向けの訓練の飛躍的改善を図るとともに、訓練修了者に対する安定雇用への就職を確保すること。 以上であります。 何とぞ委員各位の御賛同をお願いいたします。
○倉成委員長 本動議について採決いたします。 本動議のごとく決するに賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○倉成委員長 起立総員。よって、本案については、佐々木義武君外三名提出の動議のごとく附帯決議を付することに決しました。 この際、労働大臣より発言を求められておりますので、これを許します。野原労働大臣。
○野原国務大臣 ただいま御決議をいただきました附帯決議につきましては、その御趣旨を十分尊重いたしまして善処してまいる所存でございます。 ―――――――――――――
○倉成委員長 おはかりいたします。 ただいま議決いたしました本案に関する委員会報告書の作成等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○倉成委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。 ――――――――――――― 〔報告書は附録に掲載〕 ――――◇―――――
○倉成委員長 次に、労働組合法の一部を改正する法律案起草の件について議事を進めます。 本件について伊東正義君より発言を求められておりますので、これを許します。伊東正義君。
○伊東委員 本件につきましては、自由民主党、日本社会党、公明党、民社党、四党委員の協議に基づく試案がございます。各委員のお手元に配付してありますが、四党を代表して、私からその趣旨を御説明申し上げます。 中央労働委員会の委員の定数は、現行の労働組合法上、使用者委員、労働者委員及び公益委員それぞれ七人と定められておりますが、最近、係属事件は増加の傾向にあり、特に不当労働行為事件については、事案がふくそうし、その処理も著しく遅滞し、ために、労使双方に多大の不便を与えつつある実情にあります。 この試案におきましては、このような現状にかんがみ、中央労働委員会の使用者を代表する委員、労働者を代表する委員及び公益を代表する委員の定数を各七人から各八人に改め、その機能を十分に発揮させようとするものであります。 この際、私は四党を代表いたしまして、動議を提出いたしたいと思います。 お手元に配付してあります試案を成案とし、これを本委員会提出の法律案と決定されんことを望みます。 委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
○倉成委員長 ただいまの伊東正義君、田邊誠君、大橋敏雄君及び田畑金光君の動議に関し、御発言はありませんか、――御発言がありませんので、この際、本案は予算を伴う法律案でありますので、衆議院規則第四十八条の二の規定により、内閣の意見があればお述べ願いたいと存じます。労働大臣野原正勝君。
○野原国務大臣 労働組合法の一部を改正する法律案に対する内閣の意見を申し上げます。 労働組合法の一部を改正する法律案につきましては、最近における中央労働委員会の取り扱い事件の状況にかんがみ、政府としましてはやむを得ないものと認める次第でございます。 ―――――――――――――
○倉成委員長 本動議について採決いたします。伊東正義君外三名提出の動議のごとく、お手元に配付した草案を成案とし、これを委員会提出の法律案とするに賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○倉成委員長 起立総員。よって、さよう決しました。 なお、本法律案の提出手続き等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○倉成委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。 次回は公報をもってお知らせすることとし、本日はこれにて散会いたします。 午後八時三十八分散会