社会労働委員会 第16号
- 発言数
- 175 件
- 登壇者
- 11 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1971/04/21
会議録
○倉成委員長 これより会議を開きます。 中高年齢者等の雇用の促進に関する特別措置法案を議題とし、審査を進めます。 質疑の申し出がありますので、これを許します。島本虎三君。
○島本委員 三月九日に、衆議院の本会議でこの中高年齢者等の雇用の促進に関する特別措置法案がかかったのであります。それ以来、法案を中心にしていろいろな疑問と、また猜疑心と申しますか、これがいま交錯して渦巻いている状態である、こういうふうに言っても差しつかえないと思います。 それで大臣にお伺いいたしますが、ちょうど一つの区切りとして、かつて昭和三十八年ごろにいわゆる失対二法も改められましたが、その際にも、政府のほうでは失業対策問題調査研究会といういわば私的なグループを設置して、その意見に基づいたとして失対二法の改正を強行したわけです。今回の場合も、労働大臣の言明に見られるように、同じ名前の私的研究グループの報告に基づいて公的な制度の廃止を打ち出す、このことについては前回三十八年の問題と同等のやり方である。こういうような考え方からして、それが疑問になり、猜疑心になり、それが交錯して現在いろいろな話題を生み出しているというふうに思うわけなんであります。 こういうような私的グループで、それも中間報告の線でもう打ち切るというような線まで出して、中間報告をいわば最終報告に読みかえてこれを断行したということはいろいろな意味で問題があろうかと思うのであります。この点等についてひとつ明らかにしておいてもらいたいのです。どうしてそれだけ急がなければならなかったのか。手段、方法等によってはこれ以上のものがなかったのか。前回の反省の上に立って、もっと各機関を民主的に動員した上で、もっと誤解を避けたような行き方でできなかったのかどうか。この点をひとつ解明しておいてもらいたい、こう思います。
○住政府委員 先生御承知のように、現在の失業対策事業制度のもとになっております緊急失業対策法でございますが、これは昭和二十四年に、多数の失業者の発生に対処しまして、民間事業になかなか就職できないそういう失業者に暫定的に就労の機会を与える、そして失業者の生活の安定をはかっていこう、こういう趣旨のもとに制定されたものでございます。 その後、雇用失業情勢が非常に変わってまいりまして、昭和三十八年に、そういった変化の事態に着目いたしまして職業安定法、緊急失業対策法の一部の改正を行なったわけでございますが、その後の状況がちょうどわが国が高度経済成長期に入る、雇用失業情勢の変化というものが非常に急激であるというような観点から、現在の失業対策事業を見ました場合に、就労者の状況は非常に老齢化あるいは固定化等の顕著な現象が見られるに至ったわけでございます。そこで、現在さらには今後の雇用失業情勢に着目いたしまして、今後の失業対策のあり方というものについて真剣に検討する段階にきた、こういうように私ども判断いたしたわけでございます。 そこで、これは非常に重要な問題でございますので、私ども行政当局がそういう問題について掘り下げた検討をするのは当然でございますが、さらに慎重を期するという観点から、この問題に関する専門的な知識をお持ちの先生方にお願いいたしまして、そういうことについての調査研究をしていただく、そして、その調査研究を参考として今後の失業対策に関する労働省の基本的な構想をまとめ上げる、まあ慎重の上にも慎重に検討する意味合いにおきまして、そういう専門家方の経験、知識をおかりいたしたわけでございます。私どもその報告を受けまして労働省としての考え方をまとめ、さらにその考え方についての御意見を正式に聞くということで、総理大臣の諮問機関でございます雇用審議会に労働大臣から御諮問を申し上げ、御審議をいただき、そうして二月の十二日でございますか御答申をいただきました。その御答申の趣旨に沿って法案を作成し、そうして国会に提案をいたしたわけでございまして、非常に大事な問題であるだけに、慎重の上にも慎重な検討と手続をとったつもりでございます。
○島本委員 いまの御答弁で二つの点がまだ疑問であります。これは大臣も十分御承知でありますけれども、なるほど雇用の変化、これは急激である、それから失対労働者が老齢化している、この現実の上に立っていまのような法案を出したのだ、しかし、それを出す前に二つの点で私はやはり解明しておかなければならないと思います。その一つは、全体的な視野に立って、基本的な政策が欠如をしていないかどうか。もう一つは、いま言ったように、総理の諮問機関である雇用審議会のほうに労働大臣からも諮問し、二月十二日に答申を受けた、その趣旨に沿って法案を作成して出した、こういうようなことであります。この二つの点では、やはり私はまだまだ追及し解明してもらわなければならない点があるわけです。 まず前段の、全体的視野に立って基本的な政策が欠如していないかどうか、この点はやはり重大な問題の一つです。いま雇用と失業情勢、これあたりは労働省は専門ですから、一番よくつかんでいるのが労働省です。しかしこれでも、雇用状況では一般に労働力が不足だ、こういわれているのは私もそれを肯定するにやぶさかではないのです。しかし、若年労働者が不足であり、それを求める声は高いのでありますけれども、中高年齢者は依然として就職難、そうして、特に五十歳以上ではおそらく四倍、五倍、六倍、七倍、十倍くらいの求職倍率を示しておる、こういうふうな状態ではないか。そういうような中でこれを出して、はたしてどうなんだろうか、こう考えております。 第二番目は、雇用状態のほうでは、三百万以上の臨時日雇い労働者の存在、二百万人にのぼるような出かせぎ農漁民、それから六十万人の完全失業者の存在、こういうような構造的な不安が依然として解明されないままに置いて、はたして本法案を出すことによっての効果は何と見るのか。そうして、現在起こりつつあるこの情勢の変化は、石炭や工業または基地周辺、こういうような特定の産業部門、こういうようなところでは急激に失業者が増大する傾向があります。おそらくは何日に一つぐらいずつ閉山廃山、そうして基地の問題は全駐労の御承知のとおりの状態であります。そうすると、雇用状態がよくなっているということはおくびにも出せない。そのほかに繊維や電機や自動車、こういうような産業部門の内外のいろいろな需要の停滞は最近著しい一つの現象になってあらわれてきている。そうなると、その関連下請の倒産というようなものを含めて、労働事情は、雇用の問題とあわせて不安定をだんだん促進しているのです。安定の線へ行かないで不安定を促進している、こういうような状態ではないか。 こういうようにして年齢別な、産業別な、また地域別な雇用形態別に、これは景気の波動の影響というものが全般的にあらわれてきているわけです。こういうように失業の危険率は拡大しつつあるのにかかわらず、労働力不足であるという一般的な傾向を理由にして、いまこの法案をそのまま実施されようとすることは、対策に的確性を欠く結果にならないか。それと専門的視野に立つ基本的な政策の欠如がこれによって露骨にあらわれないか。これは重大な問題であります。これはどう思うのです。
○住政府委員 ただいま御指摘がございましたように、私ども、一つは今後の長期的と申しますか、中期的と申しますか、そういうような観点からの雇用失業の見通しをごく簡単に申し上げますと、今後労働力の供給が非常に減ってくる。これは先生も御承知のように四十年から四十三年までの労働力人口の伸びは一・八、こういうような状況でございますが、今後はそれが一・一というように供給が非常に鈍化する、しかもそれは年を経るに従って供給数が減っている、しかも経済の安定成長が続く、こういうことを考えますと、雇用需要というものは依然として根強い、こういうような見方ができるし、私どもそういう観点に立っておるわけでございます。 そこで、ただいまいろいろな問題の御指摘がありましたが、年齢別の状況等を見てみますと、御指摘のように、年齢が高くなるにつれて求人、求職のバランスがくずれておる。要するに求職者のほうが求人を上回っておる、こういう事態は事実ございます。しかしながら、それもいままでの経過から数字を追ってみますと、現在でもたとえば関東とか中部とか近畿というような労働力の需要地域におきましては、すでに昭和三十八年ごろから求職よりも求人のほうが上回ってきておる。年齢別に見ましても、現在そういう地域においては五十五歳以下ではむしろ求人のほうが上回っておる。しかしながら、たとえば東北とか四国、九州においては、依然として求職のほうが上回っておる。全体としては求職者のほうが少ないのでございますが、地域別に見た場合に、そういうような年齢別とかみ合わせた関係においてもアンバランスが出ておることは事実でございます。しかし、この過去からの経過をたどってみますと、だんだんとその関係が年齢の高いほうに移っていっておる。今後の全般的な労働力の需給の関係から考えてみますと、年齢の高い層においても、その適性に応じて働いていただき、そうして、その職場で有効に能力を発揮していただく、こういう政策がきわめて必要になってくるという意味で、今後の雇用対策の重点というものを中高年齢層に置いて、中高年齢層の方々に対して、能力に応じた職業についていただく、そうして雇用の安定をはかっていく、こういうことがきわめて必要であるという考え方でございまして、そういう意味でこの法案は、今後の雇用失業情勢あるいは雇用失業対策の重点をどこに置くか、こういうような観点から考えてぜひ必要な法案であるというように考えておるわけでございます。 なお、いろいろ景気の鎮静化に伴う問題その他につきましてはお答えしてもよろしいのでございますが、全般的にはそういうような観点からこの法案を提出したという考え方に立っておるわけでございます。
○島本委員 どうもいまの答弁は、おそらくはデータによって答弁されたに相違ない。ある部分は確かにおっしゃったとおりだ。しかし、ある部分は全然反対だ。法律を出せば全国全般にこれが通用する、こういうような立場の場合には、これはよほど考えて慎重にやるのでなければならないはずです。 それで、なるほどそういうような面もあるけれども、総体的には求人のほうが多いといっても、部分的には求職のほうが多い。こういう過密、過疎の関係のあらわれが一つの政治のひずみ、しわ寄せのようにはっきりあらわれておる。むしろそういうような政治の体制そのものが問題なんです。あらわれたものは、それを幾らやるといったって、そこで絶対的な効果を生むわけにはまいらないし、おそらくはそれは逆になるのじゃないか、こういわざるを得ないわけです。 まさに昭和三十年代のあの後半の重化学産業中心の高度経済成長、それに伴って急速な生産拡大、それと一つの技術革新、こういうものが行なわれてまいりましたから、若年労働力が不足してきていた。これに対処しなければならない動きが当然出ておったわけであります。そうなりますと、これらの産業の独占的大企業の要請にこたえて若年労働者供給部門、それを優先的に配置するためにいろいろ考えられた結果が、この一つの法案のあらわれなんじゃないか。それと同時に、広域の職業紹介、その体制の強化というか安上がり労働力の要請、こういうような意味のいわば職業訓練の拡大というようなものとあわせて、これは前に言った三十八年の失対二法を改めたその結果だとか、あるいは失業保険法を改正したその結果なんかに見られるように、失業者のよりどころをなくして、そして労働力の流動化政策を進めるものである。その結果、この雇用の不安定構造はだんだん拡大していっている。そして、中高年齢者の労働条件はだんだん低下してきている。それと失業保険、それから失対事業などの分野では、給付制限だとか、また失対流入阻止、こういうような行政措置が行なわれている。それとまた、最低賃金制だとか社会保障制度の改善、こういうようなものは逆に何ら行なわれない。こういうような結果を生み出しているわけです。おそらくは、この中でやっても、その前に政府は当然やらなければならない問題が多いのです。それをやらないで、そうして若年労働者の供給のために、いまや失対の現場、これをなくしてしまうようなこういうような法案を出してくる。これでは一つの政策のしわ寄せ、こういうようなものの自分の責任を回避するために失対労務者をほうり出してしまう結果になるのじゃないか。その前にやることはありませんか。もしいままでの答弁がほんとうだとすると、雇用安定はもう現在は完全になっているという発想のもとにこれは行なわれているのかどうか。この点も一つの重大な疑問であります。ひとつ解明願います。
○住政府委員 いろいろ御指摘のように雇用失業の問題、たとえば景気の鎮静化に伴う雇用、失業へのあらわれ方、あるいは先ほども御指摘がございましたように、炭鉱離職者問題とかあるいは駐留軍の離職者問題、あるいは雇用形態から見た日雇いとか臨時の問題、いろいろ解決しなければならない雇用問題があるということは私どもも承知しております。また、そういうような問題に対処して、たとえば炭鉱離職者につきましては炭鉱離職者臨時措置法、駐留軍労務者につきましては駐留軍離職者のための臨時措置法、そういうような方策を講じまして、できるだけ雇用問題、失業者の就職の促進、あるいはさらに雇用関係に入った場合の条件の改善ということにつきまして総合的に対策を講じておる。不十分な点があるかもしれないのでございますが、私どもとしましては、できるだけそういう配慮をしながら対策を積極的に進めている、こういうように考えております。 同時に、現在の雇用失業情勢あるいは将来の見通しということから考えてみまして、やはり今後の雇用対策の一つの大きな重点は中高年齢者の雇用をどのようにして促進し、その雇用を安定していくか、こういうことにあることもまた否定し得ない事実であろうかと思います。そういう観点から従来のいろいろな問題に対しましても今後とも積極的な対策を講ずることはもちろんでございますが、新たに今後予想される大きな問題としまして、中高年齢者に対する雇用の問題、こういう観点からこの法案を提案いたしておる次第でございます。
○島本委員 それはわかるのですが、じゃ大臣、この法案を出すことによっていま問題になっている雇用の安定の基本的な対策、これはやらなくてもいいというふうに考えますか。それはそれとして十分やって、なおかつ不十分な点は、こういうような法律をもってそれを補うのだ、こう考えますか。いままでの答弁では私は納得できない。具体的に雇用の安定の基本政策、こういうようなものに対してはやらなくてもいいのか。やらなければならないのか。それを認めながらもやってないじゃないですか。そうしてこういう法律を出すのです。大臣、雇用安定の基本政策はやらなくてもいいのですか。
○野原国務大臣 雇用安定のための施策は今後もきわめて必要でありまして、これに対しましては、今後引き続いて強力な施策を講ずると同時に、それのみではないのでありまして、職業訓練であるとかそういった問題もあわせ講じ、あらゆる労働政策はそういった中高年齢者の雇用を中心としまして強力な展開を要するというふうに考えております。
○島本委員 ことばとしてはそれは受けとめます。しかし、はたしてそれは具体的にどういうふうなことをやるのか。それをはっきりさせないと、幾らやっても、ことばはきちっとされているけれども、やりますやります、何かやったならば、それはもう努力したんだ、こういうことになって成果はさっぱりあがらないというようなことになっては困る。 大臣、じゃ具体的に聞きますが、雇用の安定の基本施策、労働力の流動化とともに、雇用安定の基本施策はきちっとしておかなければならないものである、それはわかりました。今後努力するというならば、臨時的な雇用制限、こういうようなものをなくするために、二カ月以上同一の事業所で働いているような者、これはすべて常用雇用にすべきである。大臣、これはできるじゃありませんか。雇用安定の基本施策の一つです。いまあまりにも社外工、臨時工、それからパートタイマー、こういうものが多くて、安上がり雇用が横行しているんです。したがって、雇用安定の基本的な考え方、これを行なっているとは思えない。したがって、いま言ったようにして、二カ月以上同一事業所で働く者はすべて常用雇用にする。もし、いま言ったことばがほんとうだとするなら、大臣、これはできるのです。これをどう考えます。やるべきじゃないですか。
○住政府委員 できるだけ安定した雇用を実現していく、これは御指摘のとおりでございます。二カ月以上の臨時雇用についてはすべて常用雇用にするかどうかということでございますが、たとえばそういった臨時的な雇用につきましても、一つは労働者側の事情というものもあると思います。出かぜぎがいいというわけではございませんが、たとえば農業等の兼業をしながら出かせぎに出る方々につきましては、それは期間雇用という形態を、労働者の立場からもそういうような条件と申しますか、そういう関係も出てくると思うわけでございます。したがいまして、すべての二カ月以上の期間雇用は全部常用にしていいのかどうか、こういうことにつきましては、やはりそういった労働者側の条件とか、さらには事業主側の条件、もちろんその事業主側の条件につきましては合理的なものでなければならぬと思うわけでございますが、ごく大まかに言いましても、そういう二つの条件等をもかみ合わせながら対処していかなければならない問題も非常に多いのじゃないか、こう思います。ただ方向として、労働者の関係から見て、そのほうが合理的だということであるならば、当然先生の御指摘のとおり安定した雇用が望ましいわけでございますから、そういう政策については大いに事業主等に勧奨をして安定した雇用にする、こういう政策を進めていくべきだというように考えます。
○島本委員 最後の答弁で、安定した雇用を進めていくべきであろうと思う、これでいいようでありますが、不安定雇用を進んで望む、身分の不安定なことを望む労働者が日本にいるんですか。それをいいというふうに解釈してやる、こういう労働省としての基本的な発想が間違っているんじゃありませんか。大臣、こういうような考え方でいいのですか。自分で進んで不安定雇用を望む人はいませんよ。あたかもそれが当然なように考えているなんというのは間違いです。そういうばかなやり方はあり得ないと私は思います。 それでは石炭、それから工業、こういうような特定の斜陽産業部門、それから基地関連の失業、こういうようなものの雇用の保障や生活の保障制度は完全になっていますか。
○住政府委員 石炭離職者あるいは駐留軍関係離職者等の就職対策につきましては、先ほども申し上げましたが、たとえばそれぞれ特別法に基づきまして、あるいは石炭については手帳制度の措置をもいたしまして、その再就職の促進ということに全力をあげております。私ども従来の実績から見ましても、離職者の再就職の状況は、十分とはいえませんけれども、かなり成果をあげておるというように考えております。そういう意味で、離職した場合に必ず別のところに雇用を保障するかどうか、こういうことになりますと、ちょっと考え方と申しますか、次元の違う問題になるかと思うのでございますが、私どもとしましては、離職者の方々でほんとうに再就職の意欲のある方につきましては、徹底的な就職のお世話をし、そしてその方々に適当な職業の紹介をする、そして再就職していただく、こういうことの政策は従来もやってきておりますし、これからもますます強化していかなければならないと思うわけでございます。 それからなお、先ほどの問題でございますが、二カ月以上の臨時雇用はすべて常用雇用にしろ、こういうことで私お答えしたわけでございますが、常用雇用というものは、年間を通じてずっと雇用されていく、こういうことであるならば、それは労働者側の条件というものもあるということを申し上げたわけでございまして、決して不安定雇用がいいということではございません。そういう場合、期間を定めた雇用であってもそれなりに安定した雇用というものがある、こういう観点から安定雇用を進めていくべきである、こういうように考えておるわけでございます。
○島本委員 そうしたら、期間をきめたパートタイマーや社外工、臨時工、こういうようなものの賃金が本工よりも高くて、そっちのほうがむしろ生活の安定につながる、こういうような状態に現在ありますか。
○住政府委員 賃金の額の問題、これは主観的に見て、その額が望ましい収入であるかどうか、これはいろいろ考え方があると思いますけれども、最近の全般的な雇用情勢の改善等に伴いまして、賃金格差等も従来と違いましてよほど改善をされてきておる。そしてまた、今後の雇用情勢の推移から考えても、その関係が行政施策の浸透と相まって改善されていく、また改善されていかなければならない、このように考えております。
○島本委員 変えていかなければならないということは変えていくということですか。そういうふうにしてやるということですか。また、そういうような趨勢を、それだけを、批評家の態度でそのまま言っているのですか。どうもその辺がはっきり読み取れない。こういうようなことで時間を費やすのも、まだまだ私としては聞きたいことがあるのです。どうもいままでの答弁では納得できません。それでそれはあとに回すことにして、大臣に次の問題について伺っていきたいと思います。 それは、失業問題調査研究中間報告をもとにしていろいろと原案を作成された、それを二つの審議会にはかって出した、こういうようなことであります。これは答申の点を尊重して立法されたのかどうか、またはこの二つの審議会からの答申をそのまま受けて立法されているのかどうか、この点はなかなか疑問のあるところでありますが、大臣はどういうような態度で立法されましたか。また、これは二つの審議会から意見または建議が出ているはずでありますが、これを十分尊重してその中に組み入れて立法されましたか。
○野原国務大臣 審議会の答申を願いまして、それを十分に尊重して作成したというふうに考えております。
○島本委員 十分尊重したのですか。十分尊重したのであれば、大臣、これはどういうようなことになりますか。雇用審議会の答申の中で「対策の対象とする中高年令失業者の範囲を年令により画一的に固定化することは、失業情勢への弾力的対応に欠くる場合を生ずることもあるので、原則は四十五才以上六十五才未満でさしつかえないが、情勢によっては、例外的な取扱いができるようにしておく必要があること。」こういうように雇用審議会の答申が出ております。 それから中央職業安定審議会の建議、これも「中高年齢失業者等求職手帳の発給基準、特定地域の指定基準等を定めるにあたっては、あらかじめ本審議会の意見を聞くこと。」こういうように建議されているわけであります。しかし、出された法律案は雇用審議会の答申を十分尊重してこれを出してありますか。
○住政府委員 ただいまの答申、御指摘のとおりでございまして、法案ではこの答申の趣旨を受けまして、第二条の「定義」のところにおきまして、「この法律において「中高年齢者」とは、労働省令で定める年齢以上の者をいう。」それからまた、第二項におきまして、「「中高年齢失業者等」とは、労働省令で定める範囲の年齢の失業者その他就職が特に困難な労働省令で定める失業者」、御指摘のように私ども、この年齢につきましては、第一項につきましては四十五歳以上、それから第二項につきましては四十五歳以上六十五歳未満、こういうように考えておるわけでございますが、この答申にもございますように、原則は四十五歳以上六十五歳未満で差しつかえないが、情勢によっては、弾力的な取り扱いができるような配慮をしろ、こういうことでございますので、この点は法律に明記しないで、労働省令に譲りまして、この雇用失業情勢に応じて弾力的な取り扱いができるようにということで、「労働省令で定める」、こういうような法律構成をとっておるわけでございます。 それと同時にこの中央職業安定審議会の建議に関連してまいりますが、いろいろの基準を定めるにあたっては、あらかじめ中央職業安定審議会の意見を聞く、こういうことになっておる点につきましては、この法案におきましても、要するに中高年齢者等の雇用の促進に関する特別措置法の運用の重要事項につきましては、中央職業安定審議会への諮問を行なう、こういうような法律構成をとっておりますので、そういう点につきましては、審議会の意見をさらにお伺いしまして、具体的な基準をきめる、こういうことにいたしておりますので、御答申の趣旨は十分尊重したものであるというように考えておるわけであります。
○島本委員 十分尊重しているということでありますが、どうも私どものほうでは、答申そのものとそれから出されてきたこの法律案を見て、はたしてこれが尊重しているのかどうか疑問な点が多々あるのです。それは雇用審議会の答申の中で「現在の失業対策事業就労者についての対策」、これは「失業対策事業就労者の自立については、地方公共団体の行なう事業の受託ができるようにする等地方公共団体の積極的協力を求めるとともに、各種の就職援護措置を活用すること。2 現在失業対策事業に就労している者で自立しえない者については、この事業に就労することによって維持されてきた程度の生活内容が、社会保障対策や高年令者の仕事に関する対策によって充足されるようになるまでの間、引続き就労できるようにすること。3 失業対策事業に就労する者に対する臨時の賃金については、これまでの経過、期末手当の社会的慣行等に留意する必要がある。しかし、現在の運営には問題があるので、就労者の生活に激変を与えない範囲において、支給条件等の改善について検討を加えること。地方単独措置によるいわゆる手当についても同様であること。」こういうようにいわれて、そのほかずっとあるのです。しかしながら、この労働省の失業対策制度に関する基本構想の中には、地方単独措置によるいわゆる手当についても規制するように適切な措置をせい、こういうようなことをちゃんといってある。これでは審議会の答申、それから中央職業安定審議会の建議、これらと別なことを、結局は労働省の「今後の失業対策制度に関する基本構想」の中でいってやってある。こういうようなことになってしまって、これでも尊重するということにはなるということは私は理解し得ない。 それともう一つは、この「緊急失業対策法の効力、」この中で結局は「失業対策事業に就労する者に対する臨時の賃金については、これまでの経過、期末手当の社会的慣行等に留意する必要がある。しかし、現在の運営には問題があるので、就労者の生活に激変を与えない範囲において、支給条件等の改善について検討を加えること。」こういうようなこと、「支払わないものとする。」こういうふうなものとは全然食い違っているのではないか。これで、答申をはっきり尊重している、こういうようなことをどうして言えるのだろうか。大臣、これはほんとうに尊重しているのですか。
○住政府委員 雇用審議会等の答申の関係で第一点の問題でございますが、たとえば地方公共団体の行なう事業の受託ができるようにする等、公共団体の積極的な協力を求める、あるいは援護措置を活用する、この点につきましては、これは法律事項ではなくて、私どもが御諮問申し上げました基本構想に関連いたしまして、その基本構想の考え方を実際に展開していく場合にこういうことを十分配慮しろ、こういう趣旨と受けとめまして、そういうような問題につきましては、今後の法案通過後の運営にあたりましてこの趣旨は十分尊重していきたいというように考えておるわけでございます。 それから第二の点でございますが、私どもこの答申の趣旨を受けまして、法律上の表現といたしまして「当分の間」という表現を使ったのでございます。そこでその「当分の間」はどういう意味かということにつきましては、この答申の御趣旨のとおり、この事業に就労することによって維持されてきた程度の生活内容が、社会保障対策や高年齢者の仕事に関する対策によって充足されるまでの間だ、実質的にはこの答申に盛られております趣旨と同意味である、こういうように考えておるわけでございます。その表現を法律上「当分の間」という表現を使ったということでございます。 それから第三点の臨時の賃金の問題でございますが、この点につきましては、まあいろいろ失対就労者に対する臨時の賃金の制度というものは、類似の労働者につきましてはほとんど例を見ない制度である。そういうような観点から、法律上はこの臨時の賃金は支払わない。しかしながら、この答申にもございますように、従来盆暮れに九日ないし二二・五日の臨時の賃金が支払われておった。こういう経過もございますので、この点につきましては、答申にもございますように、就労者の生活に激変を与えない範囲で支給条件等の改善について検討を加えるという観点から、制度といたしましては臨時の賃金は支払わない、こういうことにいたしておりますが、事実問題といたしまして、この答申の趣旨に沿いまして従来の臨時の賃金が実質的に確保できるような措置をとってまいりたい。現に本年度の予算措置においてもその点の配慮を行なっておるところでございます。そういう意味で答申の趣旨には反しないものである、こういうように考えておる次第でございます。
○島本委員 大臣、その辺はどうなんですか。臨時の賃金の廃止は、まあこれは廃止するが、就労者の生活に激変を与えないような方策を講ずることを考えているんだ。廃止はするが、やるんだということはどういうことですか。廃止するなら廃止する、やるならやる、いずれかなんです。これは大臣、廃止するけれどもやるんだということは、具体的にどういうことですか。どっちのほうなんでしょう。これはこの際はっきりさしておいたほうがいいと思います。
○野原国務大臣 臨時の賃金については、制度としてはこれはもう支給しない。しかし、生活の影響がございますし、従来から引き続いてきた経緯等を考えますと、生活に激変を与えないという答申の趣旨を尊重いたしまして、予算にも要求しておりますし、これはより適切な方法で労務者の方々に差し上げるというふうに考えております。
○島本委員 これは後藤俊男議員の本会議の質問に対して大臣言っていることです。これも手当を支給しないのは雇用審議会の答申を無視するものじゃないか、こういうように聞いているのですけれども、まあ大臣は、答申を尊重して適切な措置をとるんだ、現行と同じような予算措置も講じるんだ、こういうように答えているわけです。そうすると具体的にはどのような措置をするということなのか、少しわからないじゃないですか。わからないけれどもわかるだろうと言えばわかりますよ。しかしながら、これではどうなのか、ちょっと暗中模索をしてみてくれ、こういうようなことと同じなんです。現行と同じような予算措置だとすると、その意味は、いままでの手当を変えないんだ、そういうように当然考えられるわけです。そういうようなことですね、大臣。
○住政府委員 これはまさしく答申に書かれておりますとおりでございまして、大臣申し上げましたように、制度としては廃止する。しかし、これまでの経過なり、期末手当の社会的慣行等に留意する必要があるというのが審議会の答申の骨子でございます。それと同時に、現在の運営に問題があるので、就労者の生活に激変を与えない範囲において、支給条件等の改善について検討を加える、こう答申には書かれておるわけでございます。そういう意味で、制度としては廃止はするけれども、この答申に書かれておりますように、制度としても廃止し、現実に支給もしないけれども、こういうことになりますと就労者の生活に激変を与える、こういうことになりますので、制度としては廃止するけれども、激変を与えてはいけないわけでございますので、激変を与えないように適切な措置を講ずる、こういうことでございます。そしてまた、予算の原資としては従来どおりの額が計上されておる、こういうことになっております。
○島本委員 やはりこれは、大臣を指名しても、大臣のそばから職安局長が答弁してしまうのです。この大臣無視は許されない。大臣が答弁しようとすると、あなたが答弁を横から取ってしまう、こういうようなことは、まああなたの場合は、官僚随一の職安局長だが、官僚が大臣を無視するということは、答申無視よりもっとひどいんだ。こういうことをしちゃいけません。いま田邊理事から委員長を通じてこの点についてははっきり進言を申し上げております。進んで大臣も答弁して、補足をするという程度ならいい。全部答弁を取ってしまう、こういうようなことは、ちょっと私も国会議員としてそういうような態度は認められないので、今後はひとつ慎んだほうがいいだろう。もし残念だったならば、あなたも選挙に出て、そして当選して大臣になればいい。 それで、これははっきりもう一回聞くのですが、この手当を支給しないのは雇用審議会の答申を無視するものではないかという、後藤君の本会議の質問です。それに対して大臣ははっきり、答申を尊重して適切な措置をとるんだ、現行と同じような予算措置も講じるんだ、こういうふうにはっきり言っているわけなんですから、現行と同じような予算措置という意味は、今回きりのものではない、それと同時に、いままでの手当を変えないような措置なんだ、当然こういうふうに理解できるわけなんです。もしそうだとするならば、これはあらためてめんどうくさいことを言う必要はないわけです。やはりこの答申の線に沿うて、これはもう手当はできる限り支給すればいいということになるわけです。答申の線に沿うてこれはもう尊重して適切な措置をする、しかし現行と同じような予算措置も講ずる。何だか二重、三重に輪をかけて、自分自身で自縄自縛になってしまっているようなおそれがあるわけです。ですから最後にもう一回聞きますが、これはいままでの手当を変えないんだというふうに理解していいですね、大臣。
○野原国務大臣 答申の趣旨を尊重しておるわけでございまして、ただ内容、方法等については答申でもやはり適切な方法を講じたほうがいいということになっております。そこで従来のような行き方だけがいいのか、あるいはどういうことにしたのが最も公正であるか、これはやはり今後十分検討いたしまして、至急にひとつ、方式等は変えるとしましても、総額においては従来と同程度の臨時の手当というものは支給する、各自に支払われる内容等については検討の必要があれば検討して、よりよい方法で支給が行なわれるというふうに考えてよろしいと思います。
○島本委員 どうもこのままでわかるような気もするんですがね。今度は職安局長、あなたを指名します。具体的な方法はどうするのですか。
○住政府委員 現に方針としては、私どもこの答申の趣旨は尊重したいということは申し上げたとおりでございますが、具体的にどのようなことであったか。これは本年の夏につきましては従来どおりの考え方で実施したい。ただ、この法律通過後の時期の問題でございますが、これは年末の問題になります。この措置をどうするかということになりますが、方向としては、この答申の趣旨でございますけれども、具体的なやり方につきましては、失業対策事業賃金審議会等の御意見を伺いまして対処してまいりたいというふうに考えております。
○島本委員 じゃ、具体的方法はあるということですか。まだないということですか。これから考えるということですか。それとも考え及ばずして審議会のほうの御意見を聞いて再び対処するということですか。こればかりにとどまっているのは理解できないからなんです。ばく然とはわかるような気がするのだけれども、そのままにしておいたらどうなるかわからぬからあらためて聞いておるのです。ですから、これはいままでの手当を変えないのだと理解してもよろしいということなら一発パーです。何かそうでありそうでなさそうで、どうもその辺のあやがわからぬからしつこく聞いている。今度はあなたを指名して、じゃ具体的な方法はどうなんだと聞いているのですが、大臣がわからぬと言うならいいのです。当事者がわからぬと言うのじゃ困る。ですからもう一回、この問題については、いままでの手当を変えないのだと理解してもよろしい、こういうように言うならばこれで終わりです。少しはっきりさせませんか。
○住政府委員 制度としては廃止するけれども、具体的な支給条件等については検討を加える。これは法案が通過いたしますれば本年の年末からそういう措置をとる。そこで、それじゃそのときとられる具体的な内容は何か、こういうことにつきましては、現在具体案は持っておりません。先ほども申し上げましたように、失業対策事業賃金審議会の意見とか、組合あるいは事業主体、こういった関係者の意見等をも聞いた上で結論を出して対処することにいたしたいと考えております。
○島本委員 今度は大臣です。答申を尊重して適切な措置をとるのだ、現行と同じような予算措置も講じるのだ、これもはっきり本会議の議事録に載っていることばです。いま、まだわからぬような、若干進んだような答弁がありました。しかし現行と同じような予算措置、ここが重点ですよ。現行と同じような予算措置ならば、いままでの手当と変わりないのだというふうに当然考えられるわけです。無理やりに動かさなくてもいい、すなおに、流れるがごとくに——現行と同じような予算措置という意味は、いままでの手当を変えない、こういうような理解の上に立って、具体策についてはいろいろ検討するのだ、これぐらいなら私が大臣だったら言えるのですがね。むしろほんとうに答申を尊重するといえばその辺までですよ。それをまた動かすと答申を尊重していないということにいってしまう。ですから、いま言ったように、現行と同じような予算措置という意味は、いままでの手当を変えない。そういう理解の上に立って、具体的な問題は審議会に聞いてその上できめるのだ、こういうようなことならわかりますがね。どうですか、大臣。
○野原国務大臣 審議会の御意見を尊重して従来と同じような額を予算では要求して認められております。その支給の方法については、この夏は従来のとおりでいいと思います。ただあとはどうしたならば一番公正に行なわれるか、これは従来のとおりというのは非常に問題があるようでございます。実は必ずしも喜ばれてはいない。ですから、はたして従来のとおりが公正妥当であるかどうかという点は、この際各方面の御意見等も十分お聞きして、どうせ支給するのでございますから、皆さん方に喜んでもらって、ほんとうに役立つような形で支給するのが一番いいだろう。結局従来どおりになるかもしれないし、あるいは多少改善を加えるかもしれないし、その辺は、支給をすることは間違いないわけでございますが、その方法については、この機会ですからもう少し具体的に検討させていただいて、より公正妥当な支給に改めたいというか、改善を加えたいというふうに考えております。
○島本委員 そのことばは議事録にとどまりますから、それで私は一応は理解しておきたいと思います。従来のとおりになるかもしれないし、それ以上によくなるかもしれない、こういうような答弁でありますから、その辺が私は一つの前進的な答弁だと思います。 ただ大臣、これはお考えはどうですか。いままでのような支給は喜ばれていない向きがある、こういうように言いますが、喜ばれている向きが多いということではありませんか。喜ばれていない向きがあるというのはそうじゃなくて、いままでの手当方式がいいからこれを継続してくれというのですから、これはやはり喜ばれていないということではない、喜ばれているのです。今度の場合も、それ以上りっぱに、なお喜ばれるような措置を考えたいのだというような意味に理解して次へ移りたいと思いますが、大臣それでよろしゅうございますか。
○野原国務大臣 私もよくわかりませんが、臨時の手当についてははなはだしく悪平等的なものであるということがございます。一日出てももらう権利がある。したがって、ずっと連続してまじめに出ておった人も同じだということはどう考えてもおかしいのでございます。その辺、同じ支給するのならばまじめな方々にできるだけその労に報いる。悪平等、画一的な行き方というのはこの機会に検討をしたほうがいいのではないかという御意見の方がかなりあるようでございますから、その辺も十分伺いまして、支給については最もいい方法、妥当な方法を講じたいというふうに考えておるわけでございます。
○島本委員 同じ後藤俊男議員の本会議の質問で、また老齢年金についての質問があったわけですが、総理はその充実を約束されました。そうして労働大臣の答弁では、現行失対事業と同程度に生活が維持できる社会保障の方向が「当分の間」の解釈に関連して示された。先ほどの答弁でもこれは理解されました。しかし、一体どの程度の充実、どれくらいの期間のうちに充実させるのか、これがやはり一つのものさしになるわけです。大臣、これが大事なところなんです。ことばだけよく出しておけばあとは野となれ山となれ、こういうようなことでは決してないはずです。この老齢年金制度、これに対しては、いま労働省でも老人対策は重大な問題の一つなんです。そういうような点からしても、現行失対事業と同程度に生活が維持できる社会保障の方向がはっきりできるまでの間、これが「当分の間」なんだという解釈のようであります。ですから、一体どの程度の充実をどれくらいの期間のうちにやるのか、やらせるのか、これは本会議では再質問できませんから、当然本人は聞きたかったけれども聞き得なかった問題点の一つだと思いますが、大臣、これはどういうようなことでございますか。
○野原国務大臣 社会保障制度の拡充強化、老齢年金の充実、そういったものによって老齢の方々が安んじて生活を営めるという段階が望ましいわけでございまして、私ども、極力そういう国の施策が講ぜられることを期待しておるわけであります。そういう対策が一方において講ぜられるまでは、この失対事業というものは、名前は変わりましても、中高年齢者雇用促進の政策の一部として当然継続されるべきものであろうというふうに考えておりますので、これは、その社会保障や老齢者対策がいつになったら十分な対策が講ぜられるかということは、日本経済の今後の動向によってきまるわけでございまして、一がいに、ここで私がどうこう言ってもいたし方のないところでございます。まあできるだけ早く、せめて十年後くらいにはそういう対策が十分に講ぜられることを期待しておりますが、決してそれは三年や五年ではなかなか容易でないのではないかというふうに考えております。したがって、この現在の失対の方々については、一部は中高年齢者雇用対策でそのほうに移行する方もございましょうけれども、従来からの関係の方々の多くは、そういった制度が十分にできるまではこの事業は継続を見るであろうということを考えております。
○島本委員 これはやはり社会保障が完全にできるまでの間は廃止しません、こういうようなことであります。ただ、大臣も思い出してもらいたいのでありますが、老齢年金、社会保障、この問題で——いま日本のGNPは自由主義国世界第二番目だ、こういうようにいわれておりますから、この点は言う必要もないでしょう。あの三十五年、当時の池田総理が、三十五年以後にはっきり出した方針があります。高度経済成長、これによって皆さん国民が潤う、国民が潤うからそれによって社会保障も充実させる、これほどいいものはないじゃないか、こういうように言っていたのです。それからもう十年過ぎているのです。いまや生産力においては世界第二位です。そういうようになって、当然社会保障ももうすでに手の届くところにあって、やれば実現できるようなところにありながら、西欧先進国よりもいまだ十年もおくれている、それなのにこういう法律案を出してきた、こういうようなことになると、その十年間のズレ、当時の総理大臣の言明、こういうようなことは、やはり国民を欺いておったということになってしまうじゃありませんか。当分、これからどれほど続くかわかりませんけれどもと言っても、もうすでに生産力においては自由主義国第二番目ですから、その点から見れば、十年をこえてそれぞれ所得は倍増していく、当時そういうことでありましたけれども、賃金の動向から見れば、もうすでにその点までいっているでしょう。そうなりますと、社会保障はそれによって充実する。その社会保障の一端として老齢関係の年金を含めて、老齢保障、社会保障、その点だけは当然やらなければならないのにやっておらない、こういうようなことになってしまうじゃありませんか。閣僚の一人である野原労働大臣も、この点ではやはり責任の一端を負わなければならない立場にあろうかと思うのです。それをいまのように、まあいつの日になるかわからぬけれどもというようなことでは困るのでありまして、社会保障だけは完全にあなたのほうで責任をもってやらせるようにしなければならない。むしろ、いままでの失対事業は社会保障の肩がわりであり、社会保障の補完の一端としてこれがあったのではないか。それをもうやめてしまうということになりますと、ここにまた問題点が発生する。こういうようなことからして、いまの社会保障の十年前のことから説き起こして、この点重大な一つの提案をしておかなければならない時点に来たわけなんです。これは大臣、あなたも早く、老齢保障を含めて、社会保障の完備は手の届くところにあるのですから、もうすでに西欧先進国より十年おくれているのですから、これは早く完成しなければならない。これは厚生省のほうでおれのほうじゃない、あなたはそういうふうに言える立場じゃないはずですから、この点はもっとはっきり大臣としての見識を明らかにしておかなければならない問題だ、こういうふうに思います。御所見を承りたい。
○野原国務大臣 非常に重大な問題でございまして、私どもも一日も早くそうした政策が確立されて老齢の方々に対する社会保障の対策が講ぜられることを期待しておるわけでございますが、それに対しましては私一存でどうにもなることではございません。しかし、こういう考え方のもとに鋭意努力してまいりたいと考えております。 〔委員長退席、増岡委員長代理着席〕 日本の経済は、御承知のとおり非常な成長であり発展であったわけでございますが、しかし、何と申しましても戦後のわが国の社会投資、公共投資というようなものはばく大なものでありまして、そういった面でまだまだかなりおくれている向きがあるわけでございます。そういったおくれを取り戻して、ほんとうに国民生活の安定向上が完ぺきにまでなし得るという段階になかなか到達しませんので私どもは苦慮しておりますが、こういったことも、最近におけるわが国の経済の動向から見まして、非常に経済の内容もよくなっておりますので、意外に早くいけるのではないか。したがって、国民所得とあるいは勤労者の所得の問題、あるいは社会、公共のための施設、福祉政策等も漸次拡充強化されていく、また、そうあって初めて日本の戦後における経済成長が実を結んだということになると思うのでありますが、そういった努力を積み重ねてまいる。これは閣僚の一人としてそうした政策に対しては不断の努力をし、あらゆる機会に勤労者の生活の安定あるいは老人対策というふうなものについては十分努力してまいりたい考えでございます。
○島本委員 それはわかりました。 大臣は年齢からしてどの層に属しますか。老人ですか、壮年ですか、青年ですか。これは私は私なりで、戸籍上の年齢ははっきりしている。肉体年齢は三十歳代である、精神年齢はいまやまだ十八歳である。私はそれだけの確信はある。ただし知能年齢はもっと下がるかもしれないし、上がるかもしれません。しかし、それにしてみても、この年齢制限の問題は本法案の一つの特徴になっておりまして、四十五歳以上を中高年齢者だ、こういうふうにしているわけですが、その根拠を明らかにしてもらいたいわけであります。 そのうちの中年層というのは四十五歳から何歳ぐらいまでが中年層であり、四十五歳未満はそれではどういうことになるのか。それから、社会通念上のことも含めていろいろおありだと思うのですが、この点は、おそらくわからないで中高年齢ということで四十五から六十五まで、こうきめたわけでは断じてなかろうと思います。これは大臣、四十五歳以上を中高年齢だ、こういっているその内訳をもう少しはっきりさせてくださいませんか。
○野原国務大臣 いろいろな見方があると思うのであります。まあ私のことを聞かれたわけですが、まさしく老齢者に該当いたします。けれども、私の精神年齢というか、まだ自分では若いつもりでおります。(島本委員「十八歳」と呼ぶ)十八歳でもないが、中年層程度ではあろうと思います。しかし、大体日本の平均寿命が著しく延びてまいりましたので、昔のような概念で考えることも適切でないということで、すでに定年制の延長などという問題も、私はあらゆる機会に力説しておるわけでございますが、四十五歳以上が中高年齢ということに対しては、むしろ五十くらいまでは一般に扱っていったらどうだという議論もあるくらいでございます。従来は三十五歳以上ということに一応考えておったのでございますが、最近の労働力不足という現象から、四十五歳程度までは一般に扱って、四十五歳以上を一応の中年層として、就職が多少困難になる年代であろうと考えまして、今度の中高年齢者雇用対策の問題には、四十五歳から六十五歳未満ということに考えております。おそらく日本の一般の年齢が延びるに伴いまして、やがてこれはおのずから変わってくるのじゃないか。健康で働きたい、働くことができ、より豊かな生活をしたいというふうな方々のためには、年はとっても自分の適するお仕事に従事してもらうということは当然必要でございます。そういった面から、今回は特に中高年齢者の雇用促進という問題を通じまして、新たにそうした中年の方々にも職業の再訓練をやるとか、再開発を行なうとかいうふうなことで、できるだけ適職についてもらう、あるいは各事業所等にも、中高年齢者の雇用率などを考えまして、できるだけ大ぜいそういう方々に従事してもらう、社会もそれをできるだけ懇切に受け入れるような風潮をつくりたいというふうに考えております。やはり若年労働者というか、若い人ばかりほしいという風潮が非常に強いのでありますが、そういった若い者ばかり要求するということは困難でございますので、そういった年齢を考えますときに、できるだけ中年の方々あるいはお年をとった方々にも進んで職業についてもらう必要もある、そういう線でこれからも進めてまいりたいと考えております。
○島本委員 大臣が言うのもわからぬわけじゃないけれども、聞いているのは、中年と高年の区別はどの辺なんだということです。中高年といっているのですが、中高年で四十五から六十五まで、それなら中年と高年の区別はどの辺なんだ。そして、やはり年齢がだんだん上がってきている。こういうようなことでも、すでに定年制の問題等、十分考えなければならない問題もこの中にあるわけです。それで、中高年、こういうふうにはっきりしないままの表現を使うとどうもわからない。大臣なんかだったらまだ青年かもしれない。戸籍上の年齢だけは老人だ、こういうようなことになるわけです。この点なんかもあわせて、中高年齢は、戸籍上の年齢からしてみて中年はこの辺、高年はこの辺、この区別は事務当局ではっきりしているのですか。ただばく然と中高年、こうやっているのですか。では四十歳代は何と呼ぶんですか。これは事務当局……。
○住政府委員 中年と高年とその境はどうだ、こういうことでございますが、この法案でその差をどこでつけるかというようなことにも関連してくるわけでございますが、私ども一応、高年者ということばが直ちに妥当かどうか非常に疑問があると思うのでございますが、五十五歳以上から六十五歳未満、四十五歳から五十五歳未満、これは中年、あわせまして中高年齢者、こういうふうに考えておるわけでございます。
○島本委員 六十五歳以上は何というのですか。四十歳代は何というのですか。
○住政府委員 六十五歳以上をどう呼ぶか、この法案の趣旨はあくまで失業対策というものが労働力政策である、こういうような観点から特に年齢に重点を置きまして、ある程度年齢の高い方々に対して特別な措置を講ずる、こういう趣旨で法案をつくっておりますので、特に六十五歳以上の方々をどう呼ぶかということにつきまして、法律上の用語の問題になりますと、これはいろいろ簡単にはいかぬ点も出てくるかと思いますが、俗なことばでいえば老人と呼んでいいのじゃなかろうか。それから、四十五歳以下とかいうことになりますと、それは壮年であり、青年であり、幼年である、こういうようなとらえ方もできるんじゃないだろうかというように考えております。
○島本委員 やはり四十五歳から六十五歳まで中高年とするということは何かあいまいさがある。これは社会通念上からも合致しないようなところがある。そうなるとこれは、結局はいろいろな問題で労働省自身もあいまいにしておかなければならない理由があるのですか。むしろ上げてやるならちゃんと上げて、中年は六十五歳までである、高年はそれ以上の者である、こういうふうにはっきりできないのですか。できないことが独占や大企業に有利なんです。ですからあなたたちが企業べったりになるような考えを持ってはいけないからそれを質問しているのです。どうですか大臣、これに対してはっきりした例証もあるんですがね。ここで中高年ということでばく然としておっても、これもあいまいなんだし、社会通念上からもどうも合致しないようです。ですから、六十五以上の人、それを高年といえばいい。六十五まではみな中年でいいじゃないですか。四十五歳以下は壮年です。そういうようにしてみて労働力というならばけっこうじゃありませんか。そして定年制なんというのも、それぞれ気をつけて改正してやらなければいけない時期にきているのです。老人対策に対しては定年制の問題もあるわけであります。ですから、あいまいにしておくということは、とりもなおさずこれは中高年齢者を粗末にすることになるわけです。この点についての考え方は大臣どうなんですか。いま私が言ったように六十五歳以上が高年だ。労働力だと認めるならば、四十五から六十五までは、大臣も含めて中年でいいじゃないですか。そして、それにはいろいろな手厚い対策を講じてあげる、こういうような考え方なんかはどういうものですか。
○野原国務大臣 対策を講ずることは大賛成でございますが、やはり中年は四十五歳から五十五歳ぐらいまでで、五十五歳以上六十五歳ぐらいまでが高年。二十五歳から四十五歳ぐらいまでは壮年というふうなことで、その以下の十七歳から二十五歳ぐらいまでは青年という概念が社会通念上あるじゃないか。ただし六十五以上、たとえば七十歳でも七十五歳でも、老人コーナーやその他で人材銀行等ではそういう方々も、経験豊富でございますから、就職のあっせん等もしておりますし、かなり就職している方もございます。やはり人によって個人差が非常にございまして、七十歳になっても壮年を負かすような元気はつらつたる方もございますれば、六十歳ぐらいになるとよぼよぼしてしまうという人も中にはあるわけでございます。それを一がいに六十五歳までを中年というふうな解釈もどうか。これはいろいろな方面の御意見等をできるだけ聞いて、やはり島本先生のおっしゃるようなそういう一つの概念が設定されていくということが好ましいのじゃないか。これはただ労働市場というものを対象にして、一般の労働市場にお世話するという観点からいいまして六十五歳まで、それ以上の者は特別な老人対策として手厚い対策を別個に講じていくということでいいのじゃないかというふうに考えております。
○島本委員 まあ念のためなんですけれども、これは老人対策、そういうようなことでなくて、一つの社会的流れとして、いまやはり五十五歳が定年だという考えが一般にあるわけです。それを若干長くするとか短くするとか、そういうような動きもいまあるわけです。しかし労働省は当然その線で指導しなければならないわけです、社会の情勢を見ながら。それで中高年はどの辺なんだというとさっぱりその点があいまいなんです。社会的通念がどの辺までいっているのかわからぬような状態で指導するなんていうことは、少しあいまいさがある。 それで大臣、これはもうこの際、中高年齢者のいろいろな仕事上の不安を取り除く、こういうようなことになる場合には、その一つの効果ある施策としては、五十五歳定年を、思い切って六十五歳定年までしてみたらどうかというこういうような考えもあるわけです。当然六十五歳までは働けば働けるわけです。そして、それだけ指導できるからいま四十五から六十五までと、こういうふうにするわけでございます。したがってこの際、一般の定年を六十五歳まで延長したらどうか、これらをほかの企業にも全面的に実施させるように指導するように、法的な規制あたりしてみたらどうなんだ。それが一つの側面的な社会不安というか深刻になる老人対策に対してのあたたかい手を差し伸べることにもつながるのではないか、こういうふうに思うわけです。 それと同時に、大臣もまあ答弁されておるとおりでありますから、これはもう厚生、それから国民、こういうふうな年金制度をやはり思い切って改善して、そして支給年齢の引き下げをはかってやる。そういうようなことによって案外この辺の六十五歳ぐらいの人たち、また六十歳ぐらいの人たち、この人たちは生活の安定が逆にもたらされるわけです。それも考えないでやっておいて、そしてただ単に将来のことに希望をつながせるようにして、ただこの法案を出してきた。この辺で六十五歳までは働けるのだ、こういうようなことを言うならば、一般の企業の定年は六十五歳でいいじゃないか。労働省がやって、中高年齢としてこれはちゃんと指導できる範囲が六十五なんだから、六十五まで定年を上げなさい。上げるような措置を指導すべきだ、こういうふうに思うわけです。 それと同時に、国民年金、厚生年金、こういうものの支給の年齢を引き下げていって、不安を与えないようにしてやる。そして、どこへ行っても、せっかくILO条約の批准なんかもはっきりもうしてしまったんですから、条約によって日本もようやく一人前になったんですから、この際全国一律の最低賃金制を実施してやる。これをやることによってパートタイマーだとか、先ほどいろいろ苦しい答弁をしておりましたけれども、社外工であるとか臨時工であるとか、こういうふうな者の生活も安定するのですよ。口では何とか言ったって、全国全産業一律の最低賃金制でないということが、現在こういうようないろいろな手当てをしても効果があがらないという結果になっているのですから、その根本的なものが全国全産業一律の最低賃金制だ、こういうようなことになるわけですから、定年制を六十五歳まで上げて、社会保障の厚生、国民年金、こういうものに対してはちゃんと手当てをして、それで最低賃金制の実現をはかってやる、こういうようにすることがまず何よりも先に手当てをしなければならない一つの考え方じゃないですか。大臣はそれを考えないわけじゃないと思うのです。それでいま年齢のことも聞いたのです。しかし引き出せない。引き出せなくても四十五から六十五までというならば、それは労働の可能性のある限界なんで、それだけ労働の可能性があるならば、六十五までは労働人口だ、当然そうですから一般の企業でも六十五まで定年を引き上げる、こういうことがりっぱな一つの施策になって生きると思います。この際ですから大臣、その決意を承っておきたい。
○野原国務大臣 定年制の延長についてはかねがね私も強く主張しております。現在は五十五歳定年が大部分でございます。これを一気に六十五歳までというのはなかなかむずかしいと思いますが、近くそういった問題について御意見がまとまってくると思います。各方面の御意見を総合いたしましても定年制の延長には反対はしていないわけでございますから、まあ六十五歳に一気になりますかどうかはきわめて疑問でございますが、延長になることは確実だと考えます。同時に、社会保障制度等も、できるだけ支給年齢を引き下げることについては私も賛成でございます。手厚い社会福祉対策、これはもともと国の理想でございまして、そういう方向に持っていきたい。ただ、定年制を政府が指導して強力にやると申しましても、一気にはなかなかむずかしい。問題は、御承知のとおり年功序列の賃金制度であるとかいろいろな問題がございまして、やはり企業の中においても各方面の御意見は必ずしも一致してないという点で、ある程度その辺も考えていかなければならぬいろいろな問題があろうと思います。 いずれにしましても、国民人口の年齢が非常に伸びた以上は、当然まだ健康で働けるうちは大いに働こうというお気持ちの方が多いのでありますから、そういったことを考えて、その人たちに進んで社会参加を願って、より豊かな生活を送れるようにいたしたい。同時にまた、国の社会保障も拡充強化をする必要があるというふうに考えております。そういった方向で今後はなお一そうの努力を続けてまいりたいと考えております。
○島本委員 じゃ、一般の五十五歳定年制を六十五歳の線まで引き上げるように努力していきたい、こういうように理解してもいいですか。
○野原国務大臣 まあ当面のところは六十五歳まで飛躍するわけにはいかないと思うのです。私は、できるならば、これは企業の自主的な決定でありますが、まあとりあえず六十歳までぐらいのところをねらいとして定年制の延長に努力をいたしたいと考えております。
○島本委員 それから、全国全産業一律の最低賃金制の実施についてはどうお考えですか。
○野原国務大臣 最低賃金制の際に御答弁申し上げましたが、私も実は、でき得ることなら全国全産業一律制が一日も早く達成できますように努力したい。ただ、現在の状況で見ますと、業種別にかなり格差があり、地域によっても現実に格差があるという点から、直ちに採用はできないという点で問題があるわけでございますが、日本経済の発展の中でそういった問題を漸次解決していって、なるべく早く全国全産業一律制が実施できるようなことを私は期待しております。そういう努力を今後も続けてまいるつもりでございます。
○島本委員 大臣のほうで六十まで、これを目標に努力する、これはわかった。私は、労働省が、これは大臣のもとにそれぞれの部門に分かれてやっておりますけれども、との定年制の問題は、いわば六十五までを中高年齢層だ、こういうように言いながらも、やはり指導のあいまいさがある。大企業にはかってないことをさせてもいい、中小企業のほうでは、むしろ困っているんだから、その場合にはいろいろとあっせんしてやって、そのために困らないようにはしてやるんだ、ただし大企業のほうは何をやってもそれはやむを得ないんだ、こういう考えではないと思うのです。ただ、私の手元にある一つの具体的な例として、日鋼室蘭の下請会社につとめている老齢労働者がいま首切りの不安におののいているわけです。というのは、いままで働いておった二十数人の六十五歳の人が、もう首切りを余儀なくされるわけです。それは、下請会社に対して本社のほうから、六十二歳以上の労働者は日鋼構内で働かせるな、こういう通達を出してあるわけです。これは安全と能率向上のためだ、こういうようなことを言われているわけです。大企業のこういうような点を皆さん見て見ないふりをしているのか、黙ってこれを認めておられるのか知りませんけれども、六十二歳といったら、六十五までにまだ三年間も労働人口としては若いのですよ。労働力として三年間若々しいですよ。すでに民間では六十二歳に達した者は構内に入れるな、こういうような指導をしておる。この日鋼の下請企業は約五十社ある、二千七百人働いているわけです。この大部分は日鋼構内に作業現場を持っておるわけです。そして、この四、五年間にわたっての労働力不足の深刻化で、ついにこの下請企業は、定年退職者や老齢者を、まさに労働省の意思に沿うがごとくにこれを雇い入れて労働力不足をカバーしていたわけです。こうして六十歳以上の労働者の数はもう五、六百人いるという。それに対して、六十二歳以上の労働者は日鋼構内で働かせないようにしてください、ただし役職者は除きます、こういうような通達が出ている。これによると、六十二歳以上の労働者を解雇します、下請ではそういうような一つの強権を発動しているわけです。そうなりますと、もうすでにこういうような企業では、六十二歳以上の人は、能率が上がらないし、それに安全ではないんだというようなことからこれを解雇するというような具体的な手に出ているのです。こういうような点をもっともっと早くつかんで、もっともっと的確な指導が必要なんじゃありませんか。いまや六十五歳までは労働人口として認めるんだと言いながらも、これら大企業では、六十二歳になった人をもう雇うなということに指導している。こういうようなばかなばらばら行政がありますか。これは事務局知っていますか。室蘭の日鋼です。六十二歳以上の人を構内で働かせるなという通達を流した、そのまま六十二歳以上の人は首切りだ。いままで定年退職者を雇って労働力をカバーしていた。それに対して今度急にそれの首切りを出してきた。しかし、労働省では六十五歳までの人たちを安全な職場につけるように指導していく、この辺の考え方と指導が具体的にずれているじゃありませんか。これはちょっと私としては許せないと思うのです。大臣、これは大企業ですから、これに対してはあなたの権力の及ぶところですから、これは具体的なこういう措置の撤回をさせるべきだと思うのです。そうでないと、せっかく出した法律案が死んでしまいますよ。これはちょっと困る。
○住政府委員 実は、いま先生御指摘の日鋼室蘭の六十二歳以上の労働者の解雇の問題は初めてお伺いしたような状況でございます。御指摘にもございましたように、安全と能率向上、特に日鋼室蘭のそういう六十二歳以上の方々の働かれる職場、仕事の内容というものと高齢者の安全問題、これはよく検討してみなければいかぬと思うわけでございますが、私ども、この法案におきまして、特に中高年齢者はやはり一般的には、体力と申しますか、そういう点に年齢の若い者と比べると格差が出ておる、こういうことでございます。しかし、中高年齢者に向く職種、職場というものも非常に多いというように考えておるわけでございまして、そういった職場なり仕事に中高年齢者に働いていただく。もう中高年齢者の能力を発揮する上からも、また事業主にとってみれば労働力不足、労働者の適正配置というような観点からも非常に望ましいということで、この法律でも職種を選びまして雇用率を設定する、こういう考え方もとっておるわけでございまして、私ども、安全の観点から見て、年齢の高い方々に不適な職種というものももちろん出てくると思いますが、そういう職種ではなくて、かえって中高年齢者を雇うほうが能率の発揮ができるというような職種については、雇用率をつくって大いに中高年齢者の雇用を促進していこう、こういうように考えておるわけでございます。そういう点から考えまして、日鋼室蘭の具体的な職場あるいは作業環境というものを十分把握しなければちょっと結論は出にくい問題でなかろうかと考えます。
○島本委員 そういうことじゃないんですよ。六十五までちゃんと労働人口としてやれるというのに、大企業がかってに六十二歳という線を引いて首切りをやっている、こういうようなことについて的確な指導をしなさいということなんです。もうすでに労働省は六十五歳まで労働人口として認めるなら、これは働ける人なんです。本人なんかも、新聞によるともうはっきり言っているわけです。六十二歳になる人が、私はまたまだ働ける、どこから六十二歳が出てきたのかわからぬ、若い者にも体力や能力の劣る人はいるはずなんだ、当面失業保険はあるけれども、働かなければ生活が苦しいんだ、こういうように訴えているわけですよ。大企業にこういうようなことをかってにやらしておいて、指導できる点の手を抜いておいて、そうして六十五歳までは労働人口なんだ、こういうように言っておるから、その間に何か作為するものがあるのじゃないか、こういうように思われるわけです。この点等よく調べてこの点は厳重に対処しないといけないと思う。それを知らないというのも少し——何のためにコンピューターでやっているのですか。こういうような点なんかも、もっともっと的確な情報を把握しないとだめだ。ほんとうに知らないのですか、これ。他の部下の皆さん、だれも知らぬのか。基準局知らぬのか、基準局長どうですか。
○岡部(實)政府委員 現在までのところ、私の手元にまだ報告が参っておりませんので、私は承知しておりません。下部の機関で知っているかどうかは調べてみなければわかりません。
○島本委員 それで、いわゆる日鋼の労働関係の部長代理は、そんな文書は流さないと言っているようです。しかし、流さないと言っているけれども、具体的に下請は全部が六十二歳の線で統一して首切りをやっているようです、数百人を。どうもその辺がおかしい。こういうような大事なものは、いま法律案が出ているのですから、他の局も協力してひとつそういうふうな落ちこぼれのないように、十分に相携えてやらぬからばらばら行政だといわれるのだ。これに対してだってまだあるのです。やはり親会社として、親会社の立場からすれば安全管理上、能率面からいっても下請会社の健全経営のために勧告することはあると、いみじくも言っているわけですよ。こういうように、勧告していないと言いながらも、勧告することはあると言っている。全部六十二歳の線で統一して数百名首になっている。どうもこれはおかしいのです、政府の考え方と実際行なわれている大企業のやり方とは。ですから、この辺は的確に指導しなければだめだ。ちゃらんぽらんじゃないですか。大臣、いけませんよ。十分これを調べて、そしてこの具体的な事実についてどうなっておるのか、これをひとつ……。きょうだって電話かけたらいいですよ、ダイヤル即時ですから……。ですから、すぐもうこれをやって調査してもらいたい。それでなければ、一方において企業がこんなことをやりながら、皆さんのほうで六十五まで労働人口だ、いかにこう言ったってから念仏だ、これは。ですから、こういうようなことをさせないためにも、ぜひともこの点早く調べて、午後のトップにでもこういう事情をはっきり解明してもらいたい、これを要求しておきます。いいですか。委員長から特に言っておいてほしいと思います。
○住政府委員 至急実態を調べてみたいと思います。ただ時間的にやはりそう簡単に——調査が行なわれておるかどうか。現に末端機関がそういう事実を把握しておれば簡単だと思うのでございますが、把握していないとするならばいろいろ調査にも手間取ると思いますが、いずれにいたしましても、私どもの承知していないことで、たいへん残念なことだと思います。至急調査いたしまして対策を講じたいと思います。
○島本委員 いち早く他官庁に先がけてコンピューターを持って、この職安関係では最も進歩的な行政を実施している、こう言いながらも、こんなものを関知していない、こういうのはまことに残念であります。早く調べて報告してもらうように、これは要請しておきます。 それから次は、この新しい法律案が出されている、中高年齢者雇用促進法ですが、この法的根拠についてちょっと聞きたいわけです。 この法案の内容、これはほとんどがもう職安法の中にある。「中高年齢失業者等に対する就職促進の措置」こういういままでの法律の内容の改善でできるものが、新法になって提出されているわけです。いままでの法律の改善でできるものを、なぜ新法にして出さなければならなかったのか、その法的根拠はどうなんだ、これをひとつ伺いたいわけであります。
○住政府委員 従来からも中高年齢者の対策は、御指摘のように職業安定法に規定されております。法の体系から考えてみますと、職業安定法は、職業指導なり職業紹介に関する一般法でございまして、たとえば駐留軍労働者とかあるいは石炭離職者あるいは身体障害者、こういうように再就職なり就職が次に困難な対象者につきましては、それぞれ特別の法律をもって特別の措置を規定いたし、対策を講じておるわけでございます。 先ほども申し上げましたように、今後の雇用失業情勢を考えてみますときに、何としても中高年齢者に対する対策、これがきわめて重要になってくると考えまして、私ども、従来の安定法に盛られております対策をさらに拡充する、あるいはその他盛られてない対策をも含めまして、一本の特別措置法をつくり、そういった法律に基づいて、問題になってきます中高年齢者の対策を積極的に進めてまいりたい、こういう考え方からこの法案を提案いたしておる次第でございます。
○島本委員 積極的にやるのは、行政の一つの姿勢でしょう。ですからこれは、中高年齢失業者等に対する就職促進の措置、こういうのはいままでの法律の内容の改善でもできる。それなのにこれをあらためて新法案として提出した法的な根拠はどうなんだということです。ただ、よくやりたい、こういうなら旧法のままでもできるわけです。新法にしなくてもできるわけです。何かこの辺に一つわだかまりがある、こういうように思うのは当然なんです。ですから、新法でやらなくても、現在ある法律でもできるのに、あらためて重点を置いて今度新法を出してきたその根拠は何なんだ、意図はどこなんだ、こういうことであります。 それから、現在の失対事業の継続期間、こういうようなものが緊急失対法の効力について附則の形でつけ加わっていますが、これはどういう理由ですか。
○住政府委員 繰り返しになるようで恐縮でございますが、従来の対策を拡充するにいたしましても、拡充するとする場合に、従来の法律体系の中でやるか、あるいはこういう特別措置法でやるか、一つは立法政策の問題になるかと思うのでございますが、いまも申し上げましたように、今後の重要対策の重点はやはり中高年齢者に対する対策である、そういう観点から、従来の対策に加えて新しいものも加わっておりますが、そういうものを一本の法律にまとめまして、積極的に対策を講ずるほうがより効果的である、こういう観点からこの法案を提案いたしておるわけでございます。 それから第二点の、緊急失業対策法の効力に関する附則の規定の問題でございますが、今後の失業対策、これもまあ立法技術の領域に入る部門もあるかと思うのでございますが、今後の失業対策を進めていく場合におきまして、主として対策の重点を向けなければならないのは中高年齢者、その中高年齢者に対して、あるいはそれを雇う事業主に対する規定、あるいはその中高年齢の失業者等がいろいろ就職活動をする、あるいはそのための訓練を受けるというような場合に、援護措置を手厚く講じていく、こういうことによりまして今後の失業者は民間の雇用につけていく、失対事業には就労しなくてもいいように民間雇用を促進していく、このことが中高年に対する雇用促進に関する特別対策の法案の骨子になっておるわけでございます。したがいまして、法案の附則におきまして、緊急失業対策法の効力を現在の失業対策就労事業の就労者に限る、こういうような意味で附則でその規定を置いておるわけでございますが、この点は若干立法技術の問題等もあったわけでございますが、趣旨は全体の中高年の対策を進めていく、これを積極的にやっていこう、こういう趣旨に出ておるわけでございます。
○島本委員 そうすると、大臣、これはいままでの答弁を総合してみますと、やはり法的な根拠やその発想の根拠、こういうようなものを見ますと、現行法でもできるものをちょっと手直しして新法にした、こういうようなことでありますけれども、それからいろんなかっこうで法的技術として、附則の中で現行失対法の継続期間などを入れてあるのだ、こういうようなことのようであります。そうすると、特に必要とされるような法的な根拠は薄弱だ。それと現行失対事業の制度を何か変革するのがねらいであるというふうにはっきりとれるのじゃないか。このことに対して私は十分聞いておきたかったのですが、やはりいま私が疑問を持って聞いたその解明がなされないわけです。そうすると、特に必要とされる法的根拠というものはないし、少しは見てやりましょうという程度のものである。現行失対事業の制度を法的に変えていこうとするのがねらいである、こういうようなことになる。そうすると、大臣、失業保障制度、この後退はだれが責任を持つのですか。やはり大臣としても、失業保障制度の後退の責任、こういうようなものに対しては自覚しなければならないのじゃないかと思うわけです。いまこれをやることによって社会保障制度、失業保障制度、これは前進したというふうにはならないわけです。したがって、この点については、やはり閣僚の一人としても失業保障制度の後退の責任、これだけはもうはっきり持たなければならないのじゃないかと思いますけれども、この点は、大臣、どうですか。軽い気持ちでもいいです。
○野原国務大臣 まあいろいろ見方がありましょうが、これを失業対策事業の後退というふうには受け取っていないわけでございます。あくまでも中高年齢者の雇用の促進ということで出されたものであると考えております。
○島本委員 新法と緊急失対法との関係、これをまずお伺いしますが、緊急失対法では失対事業とともに公共事業にもできるだけ多くの失業者を吸収することが義務づけられておるわけであります。そうすると、現在公共事業がどのくらい国または地方公共団体の直営事業で実施されているのか、この割合でいいですから、去年からことしにかけての実施状況、これを知らしてもらいたい。
○住政府委員 公共事業の実施状況、ちょっといま数字を調べまして御報告申し上げたいと思います。 それから法律の問題でございますが、現在緊急失業対策法に公共事業の吸収率の規定がございます。そこでこの点につきましては、一般に公共事業関係では非常に労働力不足になってきております。そういう観点から、一般的には吸収率の制度というものがそういう雇用情勢の影響を受けまして、制度としましてはございますけれども、かなり実効と申しますか、そういう点から疑問の持たれるような事態も生じてまいっております。ところが、全般的にはそうでございますが、たとえば産炭地域とかあるいは農村地域その他の地域におきまして、なお公共事業がその地域における雇用機会という観点から見ますと、非常に重要なウエートを持っていることも否定できないところでございまして、そういう観点から従来の失業者吸収制度というものを特定地域には残しておく。そうして予算措置として実行いたします特定地域の開発就労事業とも関連させながら、雇用機会の増進をはかっていく。そういう意味で従来の公共事業に対する吸収制度というものを残しておく必要がございますので、この法律ではそのような意味で特定地域について公共事業の失業者吸収制度を残した、こういうことにいたしておるわけでございます。
○島本委員 この義務づけられている、公共事業にもできるだけ多くの失業者を吸収することというこれが、いわゆる国または地方公共団体の直営事業でどれだけ実施されているのか、その割合だけでもいいからということなんです。これはほとんどないのじゃないですか。あるのですか、ないのですか、それをはっきり聞きたいわけなんです。義務づけられているのをやはり義務づけられているとおりにやらなければならないはずですから、この割合は去年の実施状況とあわせてどれくらいになっていますかということを聞いているわけです。
○住政府委員 安定所で把握しております公共事業の就労者のうち、安定所の紹介によります就労者の数は、四十三年度におきましては、就労延べ数四千二百八十万でございますが、それに対しまして紹介した就労延べ数が七百二十万、割合は一六・八%、四十四年度におきましては、就労延べ数が四千十五万、これに対しまして安定所紹介の就労延べ数が六百三十六万、それで割合は一五・八%。二年間比べましても逐次こういうように吸収割合が減少してきておるのでございます。
○島本委員 最近の動きのように民間業者への請負、こういうようなものがだんだん進んでいる中での緊急失対法のいわゆる失業者吸収の義務、こういうようなのが生かされているかどうかということだったのですが、どうもいろいろな数字をあげられましたけれども、答えは簡単じゃないですか。生かされているのだ、生かされていないのだ。りっぱにやっているのだ、やっていないのだ、これでいいのじゃないかと思うんですが、どうもそういう数字をばっと出しても——あとでこれに続いて、では数字をもってこの問題ではお目見えしていきたいと思います。私は、これはまことに残念な結論を皆さんから引き出さなければならないわけでありまして、この点等ではまことに残念です。午後からあらためて数字をもってこの点ではお目見えしてまいりたい、こういうように思います。いま大体大きい点で大まかに聞いておりますから、その具体的な内容について少し——いまの時点で了解したのではありませんが、省略しておきます。 それと、今後の雇用の情勢の見通しなんですが、これは先ほどからいろいろ答弁があったのですが、特にわが党の後藤俊男議員が先月の九日に本会議で質問されております。雇用状態は構造的に不安定であり、失業の危険は拡大しつつある、こういうように指摘したのですけれども、佐藤総理のほうでは、これはもう雇用の機会は拡大して改善を見てるんだ、労働力逼迫基調も変わらないんだ、こういうような答弁だったと思うのです。大臣はそばにおりましたから知っておられると思います。 それでは、雇用機会は拡大し、改善を見てる、そうして労働力逼迫基調も変わらないんだ、こうであるならば、年齢別に、産業別に、地域別に求職倍率と就職希望者の数、それから追加就業希望者の数、転職希望者の数、これはどれくらいあるのか、そしてその中でどれくらいが就業できたのか。これは古いことは要らないけれども、去年の実績によって、就業できなかった数字も含めて、ちょっと発表してもらいたいと思うのです。これによると、いまの本会議の答弁の内容が具体的になるわけであります。これはことばではなくて、ほんとうに今後の雇用失業情勢の見通しの中の根本的な一つの数字になりますから、この点についてはやはり明らかにしてもらわなければなりません。これは数字はすぐわかりますか。
○住政府委員 まず産業別の雇用の問題でございますが、産業全体といたしまして、たとえば四十四年の平均で見ますと、前年に対しまして雇用の伸びが三・四%、四十五年が四十四年に対しまして三・一%、こういうようになっております。産業別に見ますと、建設業におきましては四十四年が四十三年に対しまして六・八%の伸び、それから四十五年が四十四年に対しまして七%の伸び、製造業では同様に四十四年平均で三・五%、四十五年で三・二%、それから卸売小売業では、四十四年が三・四%、四十五年が三・三%、金融保険業では四十四年が三・九、四十五年が四・三、運輸通信業におきましては一・五、〇・四、こういうように産業によっては若干凹凸がございますが、それぞれ雇用が各産業において伸びておる、こういうことがいえるかと思います。 それから次が地域別の問題でございますが、たとえば学卒を除きます求職倍率でございますが、全国といたしまして、四十一年におきましては求職倍率が一・〇でございましたが、四十四年においては〇・六になっております。要するに求職者より求人が上回っておる、こういうことでございます。四十四年の全国平均〇・六の求職倍率の地域別の状況でございますが、たとえば関東では〇・四、中部では〇・三、それから近畿では〇・五というように、非常に工業化されております地域におきましては求職者に比べまして求人が多い。それに反しまして、北海道におきましては求職倍率が一・三、四国におきましては一・五、九州におきましては二・三ということで、こういう地域においては求職者に対して求人数が少ない、こういうような地域別の不均衡の状況がございます。 それから次が臨時労働者、日雇労働者の問題でありますが、これは労働力調査について申し上げますと、臨時労働者につきましては、昭和四十四年度の実数が百六十一万、四十五年が百六十二万、こういうことになっております。対前年の増減率でございますが、四十四年は四十三年に対しまして一・九%、四十五年は四十四年に対しまして〇・六、こういうようにふえてまいっております。それから日雇労働者につきましても、大体四十四年が百六万、四十五年が百九万、こういうような状況になっております。 それから最後に、いわゆる転職希望者等の問題でございますが、これも就業構造基本調査の数字でございますが、現在職についておるけれども、他にいい仕事があったならば転職したい、そして求職活動もしておる、こういう転職希望者の数字でございますが、これは四十年の調査では、転職希望者が五十六万四千でございます。これが四十三年の調査によりますと七十万六千にふえておる。それから次が、現在仕事をしておるけれども、さらに働きたいという追加就業希望者でございますが、これは四十年では三十六万五千、四十三年では三十九万九千。それからもう一つの類型といたしまして、現在非労働力でございますけれども、新しく働きたい、そしてまた求職活動をしておるという新規就業希望者でございますが、これが四十年が九十一万七千、四十三年が約十万ほどふえまして百一万七千人というような状況でございます。
○島本委員 それでなお就業できなかった人たちは、どういうような方面に吸収されておりますか。そうしてどういうような業種、職種、どういうような仕事のほうに就業されているのか、その傾向をひとつ説明してもらいたい。同じように、最近十年間の雇用弾性値というのがあるんですね、生産の伸び率に対する雇用の伸び率の変化、労働省のほうではこれははっきりつかんでいると思うのですが、それとあわせて今後の見通しもちょっと示してもらいたいわけです。この今後の見通しは中高年齢者層のこの基礎になる問題でもあるし、重要であります。——これは資料もだいぶありますから、よく調べておいて、日鋼室蘭の件とあわせて午後の当初にこの点を明らかにしてもらいたいと思います。
○増岡委員長代理 この際、午後二時まで休憩いたします。 午後一時一分休憩 ————◇————— 午後二時三十七分開議
○倉成委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続けます。島本虎三君。
○島本委員 午前中にいろいろ質問し、二点にわたって調査方の依頼と答弁の要請をしておきました。一つは、新法案と緊急失対法との関係であります。もう一つは、室蘭の日鋼のあの六十二歳で首を切っておったというこの事実に対する調査、これがまだ報告ありませんので、冒頭においてこれは報告することになっておりますので、あらためて要請いたします。
○住政府委員 第一点のこの特別措置法案と緊急失業対策法の効力の問題でございますが、これは先ほども御説明申し上げましたように、今後の失業対策の重点は中高年齢者の再就職、雇用の安定をどうやってはかっていくか、これが重点になる。そういう観点から、今回のこの特別措置法案によりまして、中高年齢者に対する雇用の促進を積極的に講じていく。そういう意味において、今後の失業対策といたしましては、失対事業に依存するようなやり方は変えていきたい、こういう考え方のもとに、緊急失業対策法の効力につきましては、附則におきまして現在の就労者に対して効力を有しておる、こういうことをはっきりさせたわけでございます。そういう意味で私ども立法技術といたしましても別に問題はない、また趣旨からいってもそういうことになるというように考えておるわけでございます。 それから第二点の日鋼室蘭の事件でございますが、実はできるだけ全貌把握につとめるべく現地と連絡をとったのでございますが、まだ十分な、御説明申し上げるような事実は把握できておりません。大体の問題の内容につきましては先ほど先生の御指摘のあったとおりでございますが、たとえば離職票がはたして安定所に提出されておるのかどうなのか、あるいは離職票の離職事由がどういうように書かれておるのか、そういう点につきましてはなお現地の室蘭の安定所のほうとも連絡をとらぬといけませんので、この点につきましてはできるだけ早く全貌の把握につとめたいと思っておりますが、非常に残念なことでございますが、まだそこまでつかめないような状況でございますが、できるだけすみやかに状況を把握しますとともに対策を講じてまいりたい、こういうように考えております。
○島本委員 念のために第一点を明らかにしていただきます。 それは現行の緊急失対法では、失対事業とともに公共事業にもできるだけ多くの失業者を吸収することといって、これが義務づけられているんだけれども、現在の公共事業がどれくらい国または地方公共団体の直営——直営です。直営の事業で実施されているのか、このことなんです。先ほど答弁があったけれども、あれは総体でありまして、あれはすべて民間業者の請負、こういうようなものも含んでおるわけでありますから、これは答弁としては総合的な答弁であって、私の聞いていることに対しては率直な答弁ではないのであります。その点はまことに残念なのでありますけれども、この点はいかがですか。
○住政府委員 公共事業の吸収率の実施状況でございますが、これは先ほど申し上げましたように私ども労働省で集約しておりますしかたは、先ほど申し上げましたように直轄事業、請負事業を含めまして就労者のどの程度が安定所紹介による失業者であるか、この数字について申し上げたのでございますが、さらにその数字の中で直轄事業がどれだけで請負事業がどれだけであるという集計はいたしておりませんので、非常に申しわけないことでございますが、その実情は必ずしもはっきりすることができないのは非常に残念でございます。 それからなお午前の質問で、一体どういうところに新規のものが産業別に入職したのか、こういう御質問につきましても答弁を漏らしておりましたが、その概要について申し上げますと、たとえば就業構造基本調査、これも総理府でやっておる統計でございますが、昭和四十年に第一次産業に新しく就職した者が十一万人、それが四十三年には十万人、第二次産業につきましては四十年が八十九万三千に対しまして四十三年が九十七万五千人、この第二次産業のうちの大部分は申し上げるまでもなく製造業でございますが、製造業につきましては四十年が七十四万八千、四十三年が八十三万九千、こういう状況になっております。第三次産業につきましては四十年の入職者が九十八万二千に対しまして四十三年が百二十一万三千人、こういう状況になっております。総じて申し上げますと第一次産業に入職した者の全体の割合、これは四十三年におきまして総数が約二百三十万程度でございますが、そのうち第一次産業が四・七%、第二次産業が四二・四%、第三次産業が五二・八%、こういうような状況になっております。さらにどういう職業に就職しておるか、こういうことを見ますと、四十四年におきまして、たとえば事務職種に就職した者が約二割、技能工、生産工程従事者に就職した者が約四三%足らず、こういうのがおもなところでございます。
○島本委員 どうもピントが合わないようであります。 では最後にこの点一つ聞いておきます。緊急失対法の失業者吸収の義務、これは生かされておりましたか、生かされておりませんでしたか、これだけ一つ。
○住政府委員 先ほども申し上げましたように、非常に雇用失業情勢がまだ改善されてない段階におきましては、失業者の公共事業における吸収制度、これは失業者の就職の機会といたしまして非常に効果があったと思うのでございますが、御承知のように建設業の労働力需要も非常に伸びてきておる、そういうような情勢が年々高まってまいりました。そういう意味でだんだんと吸収制度の効果というものが薄くなってきた、こういうことがいえると思います。しかしながら先ほども申し上げましたように、非常にそういう就業機会の乏しい地域がまだあるわけでございまして、そういう地域においてはなお失業者の就業機会という意味で公共事業が大きな役割りを果たしておる、こういうように考えております。
○島本委員 先ほど六十二歳の室蘭の日鋼の例をあげましたけれども、それはそれで十分調査してあとから出してもらいます。それと同時に、この六十五歳以上の高齢者を一律に援護措置から排除するということは、これは答申無視になるんじゃないか。それと同時に、これは不当じゃないか。まして社会保障制度の完備するまでという、これにまだ該当しないということになると、六十五までと、こういうように言うこと自身が答申無視であり現状に即さない、こういうようなことに相なると思います。それで六十五という上限を取り去るか、またはこの点十分配慮する必要が法の性質上当然あると思います。そうでなければ、いままでの答申、それから大臣の答弁、それから社会的慣習、こういうようなものから全部はずれてしまうおそれがある、こういうように思いますが、やはり四十五−六十五、これにこだわりますか。具体的には六十五の上限をとってしまったほうがいいんじゃないか、こう思われる節が多いわけでありまして、またそれを主張するのですが、この点は大臣、どう思われますか。
○野原国務大臣 先ほど申しましたように、やはり定年の延長ということが問題になっておりますし、したがって中高年齢者の雇用の促進という問題を考えるときに、やはり現在のあらゆる角度から検討した結果は、四十五歳以上六十五歳までを対象としてこの法律をつくって今後雇用対策を進めていこうという政策がきわめて妥当であるというふうに考えております。
○島本委員 これはどうですか、中高年齢者の受け入れですけれども、これは雇用率の設定という、こういうような一つの線を法案の中へぶち出してあります。この実績について聞きたいわけです。後ほどこの問題もう少し掘り下げたいと思っておりましたけれども、まあ浅く、なおかつ具体的に聞きます。 中高年齢者の雇い入れを官公庁の場合に義務づけられないかどうか、また一般事業所でも、特に困難がない場合には受け入れを義務づけるような方法を考えてはどうだろうか。これも一つの雇用率の設定の実績にはなるのじゃないか。それと同時に、他でも身体障害者その他は、ゆるい規定だけれども、これをやっているのじゃないか。真に雇用率の設定の意義をここに問うならば、やはり官公庁も率先して、労働省あたりでもこの点あたりやってみたらどうなんだろうか。これも一つの方法だが、これはもう考えられませんか、大臣。
○野原国務大臣 御趣旨はまことにごもっともだと思います。まあこれは強制された義務の履行という見地からでなく、中高年齢者の適性とか労働条件などを考慮して雇用するという意味で、たとえば使用される中高年齢者がこの職場になじみ、労働意欲を十分に発揮することができませんと、中高年齢者にとっても官公庁にとっても得策ではないと考えますので、わが国の社会経済の仕組み、現状から見まして法律による雇用の義務づけはそぐわない。 〔委員長退席、伊東委員長代理着席〕 しかし、それは行政指導等によりましてつとめて中高年齢者の雇用をひとつ進めていきたい、そのために雇用率というものを一応の目標として掲げてこれの実現に努力したい、そう考えております。
○島本委員 これはちょっとまた先ほどの、いろいろな答申に対して無視するあるいはそれを軽視する、そういうようなことはない、こういうようなことなんですけれども、具体的な問題として、これはどういうふうに大臣はじめ事務当局では考えられたか。それは、雇用奨励制度の問題なんですが、労働省の構想に出ている雇用奨励制度の新設は一体どうなったのか、この問題なんであります。労働省が雇用審議会に対する諮問の構想の中で、中高年齢者、これには雇用奨励制度を新設する、そして雇用奨励金の支給をいっていたはずだと思いましたが、法案に見るとこれは職場適応訓練の委託費の特例としてあげられているわけであります。これは対象範囲が違うんじゃないか。雇い入れたら雇用主に金を出す。それを新法は雇い入れにならない訓練に金を出す、こういうようなことになると、これは雇用奨励金、事業主が雇い入れてそれから賃金の足しまえをする、こういうようなのがすでに訓練委託費の特例になってしまっている、こういうようなことになるじゃないか。それは雇用ワクを設けた事業所で雇い入れられる中高年齢者、これ全部に適用するという意図なのか、それとも審議会の答申の中のいい点だけをとって、この点において少しすりかえをやったのか、この点はまことに明快を欠いているわけであります。この点はどうなっているのでしょうか。雇用奨励制度、この中では少し私も不可解なものを感じますので、ひとつ説明を願いたいと思います。法案では、高齢者の職場適応訓練の委託費の引き上げと福祉施設融資の優遇だけ、こういうふうなことになっているはずでありますが、この点いかがなものでしょうか。
○遠藤政府委員 私どもは今回の法案を作成するにあたりまして、先ほどから御指摘のとおり、雇用審議会の答申あるいは職業安定審議会の建議、こういったものを十分取り入れまして立法的な措置につきましては法案の中に盛り込んでおります。その他行政措置、予算措置あるいは実際の行政指導の面に盛り込むべきものは、それぞれこの答申を取り入れて今度の制度を実施してまいりたい、かように考えております。 その中で、ただいま御指摘の雇用奨励制度につきましては、この雇用奨励という制度のやり方にはいろいろな方法がございます。たとえば炭鉱離職者臨時措置法によります雇用奨励制度におきましては、炭鉱離職者を雇った事業主に対して雇用奨励金を支給する、事業主がこういう人たちを雇い入れやすくするというような方法をとっております。あるいは従来の中高年の雇用奨励制度におきましては、こういった中高年齢者の人たちは、若年労働者に比較いたしまして、新しい職場になかなか適応しにくいような実情にございますので、こういう人たちにつきましては単にそれを雇った事業主に奨励金を支給してやるということで雇用奨励をやりますよりも、こういった職場になじみにくい中高年齢者を、雇用予約制度をとりまして、一定期間その職場の作業に習熟させるような期間を設けて、その期間内にその職場の作業になれさせて、そうして一定期間過ぎたら雇い入れさせる、こういう制度をとったほうが、こういう中高年齢者ないしは比較的高年齢の人たちにとっては、より定着性をはかることが可能ではないか、こういう考え方によりまして、今回の中高年齢の失業者につきましては、むしろ雇用奨励金だけを支給するよりも、職場適応訓練という制度をより活用いたすことによりまして雇用奨励、雇用促進をはかっていくことのほうがより妥当である、こういう考え方でございますので、本人につきましては職業訓練手当を、一人平均二万五千円程度でございますが、これを支給しますと同時に、事業主に対しましては雇用奨励金と同じような性格の謝金を特に増額支給いたすことによりまして、この雇用奨励制度を拡充いたしたい、こういうふうに考えた次第でございます。
○島本委員 端的にいって、雇用審議会の答申、中央職業安定審議会の建議、これでは不満であるから、労働省の考えのほうがより一そう充実し、正しいからこういうふうにして取り上げたのだ、こういうふうなことになるのですか。
○遠藤政府委員 審議会の答申なり建議の内容を十分検討いたしました上で、そのほうがより内容的に充実したいい制度になる、こういうふうに考えた次第でございます。
○島本委員 それがより一そう充実したものであるということの認定は、だれがしたのですか。それは審議会のほうに、それはもうそのとおりだというような確認をとってありますか。それとも、あなたの独断ですか。
○遠藤政府委員 従来の炭鉱離職者あるいは駐留軍離職者の就職の状況から考えまして、こういった比較的若年の、三十歳、四十歳代の人を含んだ炭鉱離職者の場合は、ただいま御指摘の雇用奨励金制度でも十分であるかと思いますが、それ以上に五十歳あるいは六十歳以上といったような比較的高年に属する人たちにつきましては、やはりいきなり雇用という形で、あとの定着状況が十分確認されないままに就職させるよりも、一定期間その職場になれさせるような制度をとったほうが、こういう人たちにとってより懇切であり、定着性を求めるためにはそのほうがより適切である、こういうふうに実績から判断いたした次第でございます。
○島本委員 あなたが考えてやったというのはわかりました。私が言っているのは、この審議会の答申や建議、これに沿うているかどうか、こういうふうなことなんです。しかし沿うているかのように見えて、それよりりっぱな案として出した、こういうようなことばのようであります。それでは独善じゃありませんか。少なくともそれに沿うて出したならば、沿うて出した、それでことばはいいのです。それにのっとって、それよりりっぱにして出したというのは、審議会をあなたは軽視しておる。どうもその辺は納得できない。まあしかし、この点はどうですか。現行の就職促進の措置、これを利用する失業者がほとんど少ないようなんであります。現行の就職促進措置を利用するのが少なくて、今度の中高年雇用促進の、これが完ぺきだ、こういうようなことに一挙に客観情勢と方法が変わるということは、これを扱うのが同じ労働省であるたてまえから、どうもこの点は飛躍があり過ぎるんではないか、こういうふうに思います。それより現行制度の運用をもっと十分検討して改善をはかって、失業者が積極的にそれを利用できるようになぜしないのか、それをすべきじゃないのか、こういうふうに思うわけなんであります。したがって、ここでちょっと聞いてみたいのは、昭和四十五年四月から十二月までの九カ月間、これで奈良では、もう何人を就職促進措置を講じたか、これをひとつ発表してください。
○遠藤政府委員 ただいま先生御指摘の奈良県の実績につきましては、ただいま手元に資料を持ち合わせておりませんが、昭和三十八年に法律改正が行なわれまして、中高年の就職促進措置制度が発足しまして今日までの状況を簡単に御説明申し上げますと、三十八年十月から四十五年の十二月まで、昨年末までの認定申請の受理件数が十六万五千件でございます。そのうちで認定されましたのが十二万九千五百件、その認定を受けました者の中で、職業訓練なり職場適応訓練あるいは職業講習、それから就職指導、こういった四つの種類の就職のための指示を受けました者が十二万三千六百件でございます。この中で就職いたしました者が八万九百五十三件、それから認定を受けまして就職するまでの間に、いろいろそれぞれ個人的な理由によりまして認定を取り消した人たちが一万三千七百件、その残りの一万六千九百十四名が失業対策事業に就労いたしております。四十五年の年末現在で、なお措置の進行中の者が四千六十三名おりまして、以上で見ますると、大体認定申請をした者の七二%が就職いたしております。その他の残りが失対事業に就労し、あるいは現在引き続いて指示を受けておる、こういう状況になっております。中高年就職促進措置につきましては、必ずしもその内容は十分ではございませんけれども、大体ほぼ現在の状況では所期の目的を達しておるのではないか、こういうふうに考えておる次第でございます。
○島本委員 委員長から注意してやってほしい。こっちのほうが聞いたとおりの答弁をしてもらいたい。その答弁をするかのように見えて、失対事業の功績をここに輪をかけて発表してもらいたくないのです。それくらいわかっていますから……。こっちの聞きたいと思うのは、具体的に言っていますから——じゃ、これだけのやつを言ってください。四十五年の四月から十二月までの九カ月の間に奈良県、香川県、大分県、岡山県、この措置を受けた者の結果はどうなっているか。就職促進の措置、これは現行の職業安定法第二章の二の実施状況でわかっているはずですから、これは発表していただきます。
○遠藤政府委員 御指摘の各県別の指示の状況は、ただいま手元に資料がございませんので、後ほど資料を作成いたしまして御提出申し上げたいと思います。
○島本委員 肝心の不利なやつになると資料がないんですよ。これは四十五年四月から十二日までの九カ月の間に中高年失業者に対する就職促進の措置、これは実施状況で、九カ月の間には奈良県はゼロですよ。なぜゼロなのか私はわからぬのですよ。香川県はただ一人ですよ。大分県もたった一人ですよ。岡山県は二人ですよ。こういうふうにして、当然やるべきものもやらないでおいて、その点を聞くと資料がないというんじゃ、少し国会軽視じゃありませんか。なければ私のほうに資料があるし——これは労働省職業安定局の資料じゃありませんか。職業安定業務月報によってはっきりしている資料じゃありませんか。自分のほうで出しておいて、資料がないというのはどういうわけなんですか。これは少し島虎を甘く見ているんじゃないのかな。
○遠藤政府委員 いま島本先生御指摘の月報、ここに持ち合わせておりませんからちょっと……。
○島本委員 持ち合わせていないというんならこれはやむを得ません。ただ、はっきり出先を言っておきます。資料の出所は、職業安定業務月報、労働省職業安定局発行、四十五年、カッコして四十五年の四月から十二月まで九カ月間、これは中高年失業者等に対する就職促進の措置実施状況。各県別に全部出ております。まあ資料がないというんならこれはやむを得ませんけれども、こういうのは、自分で出したやつは頭の中に入っているはずです。奈良県はゼロであります。香川県は一であります。大分県一であります。岡山県二なんです。予算も、単価の上昇にもかかわらず、これが減少しているというようなこの事態は、まさに何か意図があるんじゃないだろうか、こういうようなことが考えられます。この制度を職安自身が積極的に活用しようという意図がないんじゃないだろうか。そうでなければ、求職者へのPRが不足なんじゃないのか。それでなければ、申請を制限しているんじゃないのか。そうでなければ、不当な制限があるんじゃないのか、こういうようなことが考えられるわけです。したがって、措置の内容にも改善を要する問題点がある、こういうようなことを示しているんじゃなかろうかと思うわけです。そうなりますと、やはりいままである法によってできないで、今度の法によってできる、ある日こつ然としてこれが可能だということは、非科学的であります。この点については少し、資料がないというならこれはやむを得ませんから、資料を十分出して、次回においてこの資料によってもう少しやらなければならないと思います。この点は強く要請しておきます。こういうようなことじゃいけません。それから、申請者が一人もなかったのか、それとも、すでにあったんだけれども、いま言ったような理由で、これはもう全然やってなかったのか、その辺の解釈はどうですか。
○遠藤政府委員 中高年の就職促進措置の申請がございました場合に、ある程度求職の申し込みをした上で措置を申請をいたすわけでございます。したがいまして、こういうような人につきましては、その人の適性に応じた就職あっせんをいたします。なおかつ一定の期間に就職あっせんができなかった場合に認定をするというようなたてまえになっております。したがいまして、最近非常に雇用情勢が好転してまいりまして、全般的に見ますと、先ほど先生御指摘のとおり、申請あるいは認定、指示の件数が減ってきてまいっておりますが、これはそういった関係で申請者が、認定するまでもなく就職をして、認定するに至らないというのが一般的な情勢でございます。したがいまして、先生御指摘のように、この申請者に対して無理やりに認定をしないとか、あるいは申請を受理しないとか、そういったことでなくて、一般的に就職をすることによって認定の件数が減ってまいっておるというのが実情でございます。
○島本委員 一般的なことを私は聞いたんじゃなく、いま言ったように、例をあげたこれを聞いておるわけなんです。一般的なやつはよく理解いたしました。わかりました。ただ、いま言った特定の場合はどうなんだ。求職が求人数をこえている、こういうようなところの中に入っているじゃありませんか、愛媛なんて。それなのにゼロだ。これではおかしいじゃありませんか。ですから、こういう資料によって、私のほうはでたらめを言っているのじゃありませんから、この資料は労働省の資料なんですから、労働省の資料によってやるのだけれども、これに対しても的確に答弁をいただけないということは私はまことに残念なんです。鳥取だとか愛媛だとか、こういうのは過疎地帯であります。求職者の数が求人者の数の約二倍前後もある府県です。それなのにこれが全部いっているのはどうも私はわからない。これはどうですか、今度は局長……。
○住政府委員 全般的な状況につきましては申し上げたとおりでございますが、各県によってやはり措置の申請、認定の事情が違うこともまたあり得るかと思います。私どものほうで特に措置の申請を抑制するとかあるいは認定に何らかの制約を加える、こういうようなことはいたしておらないのでございます。おそらく御指摘のような県におきまして措置の申請なり認定が少なかったというのは、先ほど失対部長から御説明を申し上げましたように、措置の認定に至らないままに紹介就職が行なわれたのじゃないか、こういうふうに考えます。
○島本委員 なおこの点についてはあとで、いかなる理由によるものかということを資料に基づいて調べた上で、文書でもいいからはっきりした答弁をしていただきたい。これは資料によったほうがいいと思います。いま資料がないというならやむを得ませんから、それは次回にはっきりさせるように要請しておきます。
○伊東委員長代理 ちょっと委員長から……。いまの点はいいですね。
○住政府委員 御指摘の趣旨に沿いまして資料を作成し、御提出し、御説明を申し上げたいと思います。
○島本委員 就職指導手当や訓練手当、一連のこういうような手当制度が今度やられるようであります。しかし訓練手当、就職指導手当、こういうふうにしてみます場合には、どうも生活保護基準と失対賃金と就職指導手当と訓練手当、これは昭和三十八年から四十六年までの間に生活保護基準は二・七倍、失対賃金は二・五倍、就職指導手当は二・一倍、訓練手当は二、二倍、こういうふうになって、せっかくあるものにかかわらず、就職指導手当や訓練手当は一般賃金の水準や生活保護基準、こういうのに比べて相対的に低下している。家族をかかえる中高年齢者の生活を保障するには、全然ほど遠いものになっている。これは求職手帳が効果をあげるためにも大幅な改善が必要だ、こういうようなことになるのじゃないかと思うわけです。このためにも失業者の生計費と求職活動の費用を基準にして、中央職業安定審議会の意見を聞いて当然これは改めるべきじゃないだろうか。これは積極的な意見です。というのは、手当が低過ぎる。三十八年に失対二法が改正された当時は、まず大体失対は一万円、それから指導手当は九千百五十円と一割くらい下げる。それから訓練の費用の場合には一万二千五百五十円、こういうふうになっておったわけですけれども、四十六年度現在では失対賃金が大体二万五千円とすると訓練手当も二万五千円、指導手当は一万八千九百七十五円。この順位がどういうわけか全部変わってきているわけです。これはとりもなおさずいままでこの方面にほとんど無関心であるか、これを進んで取り上げないからこういう結果になってくるのじゃないか、こう思うのですが、どうして以前昭和三十八年制定した当時とこれらの割合が現在まで約七年間の間に変わってきているのか、この推移についてちょっと伺っておきたいわけです。 これは中高年齢者の家族をかかえている失業者が安心してやれるだけ支給をしてやるのでないと、これはもう困るのじゃないか。したがって、当然食っていける手当を出しなさい。それにもかかわらず率においてだんだん下がってきているじゃないか、こういうようなことに相なろうかと思います。この点、率が変わってきている点はどういうような意図に基づくものなのか、この点私自身わかりませんので、ひとつ解明願いたいと思います。
○住政府委員 この就職指導手当あるいは職業訓練手当でございますが、まず就職指導手当につきましては、これは従来の就職促進の措置が、就職困難な中高年齢者が求職活動をする際に、その求職活動を容易にするかたわら、その方々の生活の安定にできるだけ資していく、こういう趣旨で手当制度、手当額がきめられておるのでございますが、いろいろ年によってアップ率の差がございます。たとえば本年度は一〇・三%のアップになっております。四十五年度におきましては七・九%、四十四年度においては一一%、四十三年度においては八・二%、大体そういうような経緯でございます。御指摘のように必ずしも十分な引き上げが行なわれていないのでございますが、私ども今後この法案ができますならば、従来と違いましてやはり対象というものが明瞭になってくる。たとえば四十五歳から六十五歳未満、こういうことになりますと、それだけ対策の充実が期せられることになると考えますので、今後ともこの点につきましては十分努力をいたして適当な額にしていきたい、こういうように考えております。
○島本委員 大臣、先ほどいろいろ事務当局の答弁がありました中に、社会保障が充実するまで「当分の間」というような、これがいろいろ論議されました。ただ「当分の間」という、この就労者に対する現在の法律の中で「当分の間」というようなことばがどうしても抵抗を感ずるか、疑問を持たれる。これについてやはりこの機会ですからはっきり「当分の間」とはどういうことなんだ、それを大臣のほうから申していただきたいわけです。というのは、社会保障制度などの充実によって保障されない限り就労させることなんだ、私はそういうように答弁として承りました。失対事業制度をこれまでどおり活用していくのだ、こういうように受け取りました。したがって「当分の間」というのは法令上の用語であって、内容は九十九年、いわば一人も現行の失対者がいなくなるまで、こういうような意味なんだというふうに私は解釈していたのです。当然そうだと思いますが、この際、大臣のほうから明確なる答弁をこれに対してしておいてほしいと思います。
○野原国務大臣 「当分の間」というのでございますが、雇用審議会の答申の趣旨を尊重しまして、社会保障対策や高年齢者の仕事に関する対策の充実によりまして、現在まで失業対策事業に就労することによって維持されてきた、同程度の生活が維持できるようになるまでの間という意味において「当分の間」失業対策事業に就労し得ることとしたものでありまして、三年とか五年とかいうふうなことを考えているのじゃないという点で、先ほど御答弁申し上げましたように考えておるわけでございますが、「当分の間」というのは、何か、私もどうもはっきりわかりませんけれども、法律的にこういう表現を用いたのではないかと思っております。格別の意味を、それほど重要な意味を持っているのじゃないというふうに考えます。ただ、先ほどお話しの、九十九年間というふうなことになるまいと思います。「当分の間」でございますから、やがて日本の社会保障も先進国と同様に、これはよくなることは間違いないのでありまするから、それによって老人対策が十分講ぜられるという日もそう遠くはないというふうに考えておりますので、その間、この仕事は引き続いて続いていくものと解釈してよろしかろうと考えております。
○島本委員 したがって、社会保障制度の充実によって保障されるまでの間、すなわち社会保障制度なんかの充実によって、もう十分保障が行き届いた、こうなるまでの間これは存在するんだ。「当分の間」というのは法律用語であっても、九十九年たったならばどうなるかといったって、租借地とかそういうものは、半ば永久的な意味で九十九年といっている。したがって、手当の点は先ほどわかりました。問題は、なぜ「当分の間」を入れるか。どこかで大臣、三年とか五年とかという、この年限が議論になったことがある。それがまた年限づきの廃止になるのじゃないかということで、これまた一つの不安を投げかけているのです。そうじゃないんだという、これだけははっきりさせておくのが法の精神でありますから、それがまだあいまいである以上はこれは困る。ほぼいままであいまいになっているけれども、何かそこに書いたものなんて読むからわからなくなるのじゃないですか。大臣はそれを読まないで、「当分の間」というものは、とにかく失対に現在いる人が死んでしまって、一人もいなくなるまでの間が「当分の間」なんだ、だから決して心配ないんだ——そういう縁起の悪いことを言うのが悪ければ、社会保障制度の充実によって何も心配が要らなくなって、それを廃止してもいいというまで、それまではこれは「当分の間」なんだ、こういうふうにして、「当分の間」の定義とは申しませんが、この「当分の間」に対する考え方と愛情をこの際示しておいてほしいわけなんです。五年と言ったことがあるのです。はたしてそうかといったら、そうじゃないんです。それについて変わってきたのがいまの表現です。どこで出たことばかわかりません。しかし五年ということば、三年ということばがもしあるとするならば、心のどこかにもしそういうのがあり、それが一たん通ってしまった場合にはそれが行政措置化する、このおそれなしとしないわけです。すべて政令、省令にまかされるから、そうなった場合に、そのことばは法律の運営に対して一つの重大なポイントになりますから、いまこの「当分の間」というやつは——大臣、この際もう少し愛情を持って、これに対してはきわめて常識的に説明しておいたほうがいいと思います。書いた紙、読まぬほうがいいです。
○野原国務大臣 現在までの失対に従事してこられた方々の将来について、そうした生活の不安、心配等がなくなるための社会保障制度がやがて拡充され、安心して、失対に従事しなくてもいいという日がそう遠くはないうちに来るだろう、それまでは、失対の方々はできるだけこういうことでやっていただく、というふうに考えております。
○島本委員 どうも、わかるようでわからぬから、もう少しこれは事務的に聞いたほうがいい。今度は失対部長、これに対してどういうふうな見解を持っていますか。
○遠藤政府委員 ただいま大臣からお答えを申し上げましたように、また雇用審議会の答申等にもございますように、現在失対事業に就労している人たらが、社会保障制度ないしは老齢年金の充実、そういったことによりまして、現在程度の生活が不安なく保障されるような事態になりますまで、この失対事業を続けるという意味で「当分の間」ということばを使用したわけでございます。
○島本委員 それならば、そういうふうになったという認定はどなたがなさるようになりますか。
○遠藤政府委員 関係者はもちろん、世間一般がそういうふうになったと認められた時点において、スムースに移行できるような状態が確認された時点で、この「当分の間」ということになるわけでございます。
○島本委員 どなたが確認いたしますか。
○遠藤政府委員 実は、この「当分の間」ということばが法律上明確に使用されております以上は、これがなくなるということは、法律改正によって、この「当分の間」あるいはこの制度をなくすことになります。そういう事態にもしなったといたしますならば、当然この国会に法律改正を提案することになります。したがいまして、この手続といたしましては、雇用審議会にその手続について御諮問申し上げまして、雇用審議会でそれはけっこうであるという御答申をいただいて国会に改正法案を提出いたすことになりますので、したがって審議会なりあるいは国会で、そういう状態が実現したという御確認の上で法律改正が行なわれるということになるんではなかろうか、こういうふうに考えております。
○島本委員 じゃ、それは初めからそういうような認定、そういうような決定をするのは審議会である、したがって軽々に労働省は単独でそれらを決定するものじゃない、労働省としては、前に言ったように、社会保障制度が十分確立して、そして心配のない状態になるまで、いわば、年限をいうならば、そうならない限りにおいては九十九年、これだけのものも考えているんだ、こういうふうに私は考えながら、安心して次へ進みたいと思うが、この点について最後のだめ押しをするが、これも失対部長。
○遠藤政府委員 御趣旨のとおりでございます。
○島本委員 では自立促進の措置について、目玉商品でありますけれども、これをひとつお伺いいたしたいと思います。 これまでの実績で、かなりの人たちが再び失業して、日雇いなどの不安定な就業状態に放置されたままになっておる。一たん失業すると、もう再び失対事業に就労できないということ、これはかえって再就職をためらわせ、阻害しているんじゃないか。したがって、失対事業への再就労を保障する必要があるのじゃないか。そうすることがとりもなおさず、再就職促進の一つの基盤になるんじゃないか、こう考えるわけです。いままでも、一たん出たら帰れない、そういうようなことになると、出ていきたくても心配で出ていけない。ことに最近のような不況または企業が沈滞ムード、または下請、こういうふうなものが首切り、こういうようなことがある限りにおいては、いわば心配で出ていけない。それが再就職を一そう困難にする、こういうような結果になっているんじゃないか、こういうふうに思うわけです。この件については一体どういうふうにお考えでしょうか。これは大臣ですね。
○遠藤政府委員 先生御承知のとおり、緊急失業対策法は失業者が再就職するまでの間、失業対策事業に就労させることによってその間の生活の安定を得させる、こういうことでいまの制度が実施されておるわけでございます。 〔伊東委員長代理退席、委員長着席〕 したがいまして私どもは、現在の失業対策事業の就労者につきましては、できるだけその人たちの適性に応じた安定した職業につけるように就職あっせんをいたしてまいっておるわけでございますが、しかし、その場合といえども、職業選択の自由が保障されておりますので、私どもは、就職あっせんにつきましては、本人の意思に反して就職させるようなことは、従来ともいたしてまいっておりませんし、就職支度金その他雇用奨励のための措置をとるにいたしましても、本人の希望に応じて就職する場合に、こういう就職支度金その他就職しやすいようによりよくするための援護措置をいろいろ充実してまいっております。お説のように、失対から離れて就職した、しかしいろいろと事情によってまたそこを失業せざるを得ないようなはめになった場合に、もとの失対に入れるようにすればより就職しやすくなるのではないかというお話でございますけれども、私どもはできるだけそういった、再び失業するような憂いのないような職場をあっせんするように努力をいたしておるわけでございます。不幸にしてそういう人たちが一たん就職いたしまして再び失業するような事態になりました場合には、今回の法律によりまして、そういう人たちに新しく求職手帳制度によりまして、さらに手当を支給しながら就職あっせんを続けていく。そうして、どうしても就職できないような事態に立ち至った場合には、新しい開発就労事業という制度によりまして、ここに就労することによって、就労するまでの生活全般の安定、就労をはかっていく、こういう制度を新しく設けることにいたしましたので、この新しい制度によって十分こういった人たちの就職あっせん並びに失業期間中の生活の安定というものはできるものというふうに確信をいたしておるわけでございます。
○島本委員 特定地域の開発事業、これにも入れないで手帳が切れてしまった、期限が切れてしまった、こうなったらどうしますか。
○遠藤政府委員 手帳の期限が切れました場合に、これは手帳制度で、先ほど来御説明申し上げておりますが、一定の期間、就職困難の人につきましてはさらに手帳の有効期間を延長するというような措置をとるように実は考えておるわけでございます。なおかつ、特定地域につきまして手帳の有効期間を延長してなお就職できないというような場合には、特定地域開発就労事業というものを設けましてここに就労させる、こういうような制度に実は進んでおるわけでございますが、就職できないような場合には特定地域開発事業で就労をはかっていく、こういう制度になっております。
○島本委員 その就労事業に入れなかった場合はどうしますか。
○遠藤政府委員 一般的に雇用情勢、就職状況のいいところでは、あえて特定地域開発事業というような事業を起こさなくても、手厚いこういった求職手帳制度によって就職あっせんが可能であるというように考えておりますが、失業情勢が悪く、雇用情勢が悪化したところでは、特定地域開発就労車業を実施してここに吸収していく、こういうたてまえをとっておるわけであります。
○島本委員 そこへ入れると言ったって、はいれなかった場合はどうするんだ。必ずしもそこにあるとは限らない。手帳が切れたなら、もう一年待たないと次の手帳出ないでしょう。二年で切れちゃう。そういうような場合は、やはり一年間野放しじゃないか。ましてこの特定地域開発事業がそこにない場合があったらどうなるんだ。やはり失対に入るよりしようがないじゃないか。一体そうなったらどうする。
○遠藤政府委員 先生御指摘のように、求職手帳制度により就職できない人たちがある一定の数いるという場合には、開発就労事業の実情に沿った弾力的な運用をしてまいりまして、そういう人たちの雇用を確保していきたい、こういうふうに考えておるわけでございます。
○島本委員 開発就労事業の場合には、これははっきりいって、大体の構想としては千六百円以上支給するような、こういうような構想じゃないかと思いますけれども、そういうふうになると、重労働に耐えられないような人たちは、そこへ行ってもまたすぐ首になってしまう。首になったらどうなるか。またそこへ入れる。入れては首になり、入れては首になり、賽の川原の石を積み上げるようなことをしてはどうにもならぬから、その辺はどうしますか。
○遠藤政府委員 実は先生の御質問の趣旨を誤解しておったわけでございますが、開発就労事業と申しましても、実はそれと類似の事業を現在の炭鉱離職者関係で実施しております。これも事業内容は今回の特定地域開発事業とほぼ同様のものでございまして、道路の改良、舗装あるいは河川の改修、あるいは団地の造成、こういった事業が特定地域開発就労事業のおもな事業内容と考えておりますが、その場合にも、先生御指摘のような重労働、重作業ばかりではございませんで、たとえば工場団地、住宅団地の造成にいたしましても、その中にはかなりな重作業もありますと同時に、雑役程度の、比較的軽作業も現在行なわれております。したがいましてそれに就労する人たちは、それぞれの体力、年齢に応じた作業に従事させるということで、現在もそういった比較的高年齢の、体力の比較的劣った人たちも、現在の開発就労事業に従事いたしておりますので、その点は、そういうことのために就労できないというような事態になることは万々ない、かように確信いたしております。
○島本委員 普通の場合と、いわば失対並みの簡単な仕事、これと二つある。そうしたら、中の賃金は、どういうふうな構想ですか。
○遠藤政府委員 現在の開発就労事業の事例をとってみますと、たとえば福岡県で実施されております団地造成等の賃金は、平均的に見ますと、大体千八百円前後になっております。その中で、男女別あるいは作業内容別に、軽作業、重作業によりまして前後四、五百円の開きはあるようでございます。たとえば女子の軽作業の場合は千三百円から四百円程度、男子の重作業の場合は二千円から二千三、四百円というような賃金になっておりますので、比較的体力の劣った高齢者の場合も、そういった軽作業に従事することによって就労は確保できる、かように考えております。
○島本委員 交通費並びに家族手当、こういったようなものを見込んだ額ですか、それとも別々にした額ですか。
○遠藤政府委員 開発就労事業の場合は、現在行なっております失対事業の賃金の場合と異なっておりまして、これは雇うほうの事業主と雇われる就労者と、この労使の間で賃金その他の労働条件が決定される一般の民間のたてまえをそのまま踏襲することになっております。したがいまして労使の話し合いで、賃金は幾らにきまるか、その中で交通費等どうなるかということ等も一切労使の話し合いにゆだねられることになっております。
○島本委員 労使の話し合いでするならば、開発就労事業の施行者はだれになるのですか。
○遠藤政府委員 事業主体は、都道府県、市町村、いわゆる地方公共団体でございます。そこから委託を受けた請負施工業者、民間の請負業者が施行主体でございます。
○島本委員 それではその賃金をきめる相手は、都道府県ですか、それともその委託を受けた事業者ですか。
○遠藤政府委員 委託を受けた業者とその就労者の間で賃金が決定されることになります。
○島本委員 具体的な例として、そういったようなものはうまくいっていますか。
○遠藤政府委員 従来の緊急就労対策事業と産炭地域開発就労事業につきましては、おおむね順調に賃金決定が行なわれておるようでございます。一部、賃金の話し合いがつかずに仮払いというような形で、三、四カ月たって話し合いがついて追加払いがされるというような例があるようでございます。
○島本委員 そういう仮払いというようなのは好ましくない例ですが、そういうようなことによって、いわば公の都道府県が主体になってやらせているそういうような事業の中に、失対というような事業に携わる人はわりあいに恵まれない、ほとんど恵まれない人たちですから、そういうような人たちがそのために何カ月ももらえないというようなことがないように、きちんと指導してやらなければだめだ。そうなった場合には、直接委任される都道府県、労働省のかわりにやる都道府県が、相当の権限と相当の発言力をもってこれは解決させなければならない責任があるのじゃないか。責任はとらない、ただトンネルだけだ、あとはやるのは個人の下請だけだ、こういうのでは責任回避もはなはだしい。そういうようなことじゃないと思うけれども、いまの例によると、そういうようなこともあるようですから、この点は大臣、いまのような点、運用の点では十分今後考えていかないとだめな問題がかなりこの中にあります。都道府県から個人に委託する。個人が交渉の相手になって賃金をきめる。その中には交通費も家族手当もこういうようなものを全部含めてきめるから、案外こっちからやった二千円というのも、二千円でないかもしれない。また少なくなるかもしれない。団体交渉をやる、もらえない場合もある、こういうようなことのようです。そういうようなことのないように、都道府県を通じて十分あたたかい措置を講じなければならないと思いますが、いま聞いてみたら、そういうような例もあるようです。実施に対してこれは十分気をつけていかなければならない一つの重要なポイントです。この点、大臣、どうです。
○野原国務大臣 これは失業対策という観点からも、実は行政指導を徹底してやりたい。しかも請負事業といいながら、そこに働く人たちがある程度作業の能率もあがるというような場合には、当然相当高い賃金が支払われている場合もあろうと思います。したがって、現在の失業対策で支給されてきた賃金よりも相当上回る賃金になろうかと思います。それは事業請負者の方と就労者の方々がお互いに話し合いをして、できるだけ能率的に作業を進めていくということになりますれば、意外にいい結果を生むのではないか、私はそう期待しております。
○島本委員 この就職支度金は一定の期間を限って増額するようなやり方がとられるようでありますけれども、この新しい法律案では施行後一定期間、現行五万円を十五万円にする計画だ、こういうようなことであります。ほんとうに安定雇用につけるためには支度金十五万円程度ということでは不足ではないか。この支度金はもっと増額をして支給してやる必要があるのじゃないか。そして一定の期間を区切らないで、少なくともそこに働いている人は、あるいは俗にはニコヨンといわれあるいは失対労務者といわれても、身分からすれば現行では非常勤の特別職の地方公務員なんだから、えらいのだから、そういうものに対してはやはり退職金的な一つの効果、退職金的な運営というものを含めてこれから十分検討してやるべきじゃないか。額を上げて、そして年限を区切らずに退職金的な運営を含めてあたたかい措置を考えてやるべき時期じゃないか、こう思いますが、この点についてはひとつはっきり見解を承っておきたいのであります。
○遠藤政府委員 実は就職支度金という制度につきましては、御承知のとおり従来五万円ということで、就職をしあるいは自営を開始するという人たちにつきまして支給してきたわけでございます。今回法律改正の機会に十五万円に引き上げることにいたしておりますが、先ほど来「当分の間」という先生の御指摘がございまして、「当分の間」ということについて御説明申し上げたとおりでございますが、従来、失対に就労しておる人たちの実情を見てまいりますと、ややもすれば就職はしたい、安定した職場に再就職したいという意欲はありましても、いろいろな事情からなかなかふん切りがつかないという人たちがかなり多い実情にあるように見受けられます。したがいましてこういう人たちに、この機会にできるだけ就職支度金を増額いたしまして、言ってみますればスプリングボードといいますか、ふん切りをつけてこの機会に安定した就職をさせてあげたい、こういうことで実は就職支度金の増額をはかってまいったわけでございます。 こういう就職支度金の制度を先生御説のように退職金というような制度にしてはどうかという御指摘でございますけれども、失対に就労している人たちの生活は、御承知のように緊急失業対策法のたてまえから申しましても、再就職するまでの間、失業している人たちに就労の場を与えることによってその生活を安定させる。その間に就職あっせんをすることによってできるだけ早く就職をさせるというたてまえになっております。その間の就労につきましては、失業している間、毎日毎日一定の現場に就労させるというたてまえになっておりまして、一般的な地方公務員その他民間の常用労働者と違いまして、日々雇用というたてまえをとっております。実態もそのとおりでございます。こういう人につきまして退職金という制度は制度的になじまないものだと私ども考えておりますので、今後とも退職金という制度を失対の人たちにつきまして導入する考え方は持っておりません。 また、支度金を増額いたしますにつきましても、五万円を十五万円に上げたということは私どもといたしましては精一ぱい努力をいたしたつもりでございますが、これをさらに増額をするということになりますと、その点につきましては他の類似の制度との均衡等もございまして、なかなか困難な問題ではないか、実はかように考えておる次第でございます。
○島本委員 あなた、がんこでだめだ。そんなことじゃないのだ。実際日々雇用だ日々雇用だと言っていながら、いま平均五十七歳でしょう。五十七歳なら三十年間も日々雇用している。三十年間も日々雇用していたら、もらうのは日給であっても、これは日給月給ですよ。それまでは手当もちゃんとついている。こういうようなことになれば長期雇用、そういうような不完全な状態で就労させていたのが労働省だということになって、自分の非をさらすことになってしまう。長期雇用ですよ。日々雇用じゃない。三十五年つとめたら三十五年の長期雇用じゃないか。あなた、失対法によってというけれども、身分はどうなんです、非常勤の特別職の地方公務員じゃないか、失対労務者は。いいほうを見なさい、あなた悪いほうばかり見ないで。そういうような人たちに対して今度五万円を十五万円にしたというのが悪いというのじゃない。それはよくやった。それを二十万円にする努力をして、今後やはり一定の期間をもっと広げるなり、またそれをうんと広げたら退職金的性格のそれに近づくことになるから、そういうような努力は当然してやるべきだ。理論的に当然じゃありませんか。あなたみたいな事務ばかりやる人は困る。これはやはり局長。
○住政府委員 就職支度金制度でございますが、従来の制度はただいま御説明申し上げましたように五万円、こういうことでございます。それは一つは、あるいは再就職するあるいは自立をする場合にいろいろな出費も必要であろう、そういうような出費のために民間への再就職の意欲がそがれると非常に問題であるし、それは緊急失業対策法の趣旨からいっても適当でない。緊急失業対策法の趣旨はできるだけ民間雇用を促進していく、こういうことにあるわけでございますから、そのためにはそういった再就職の促進とか自立の促進、こういう意味で五万円という金額を従来貸し付けし、一年間の雇用が続いた場合に債務を免除する、こういう制度をとっておるわけです。今回これを法律改正の機会に引き上げる、こういうことの措置をとろうとしておるわけでございますが、実はこの十五万円という金額につきましては非常に他の制度との関係等もございまして、これを引き上げるにつきまして私ども、大臣以下、そういう意味で非常な障害も多かったのでございますが、思い切ってそこまで引き上げた。しかしそういうような特別の臨時的な措置でございますので、これを期間の制限のない一般的な制度にするということにつきましても非常に問題があろうかというように考えておるわけでございます。ただいま申し上げましたとおり一定期間を限ってしかも十五万円、こういうような考え方で実施をいたしていきたい。
○島本委員 そこを考えてもらえないか。考えないというのか。じゃ少しは考えるというのか。いままでと同じで、全然考える余地がないのだ。五万を十五万にしたのだからおれの腕前を高く評価せい、こういうふうに聞こえてくる。今後またいまの趣旨に沿って十分考えるくらいの一つの幅の広さを持たぬのか。どうも大臣がうんと言わないとだめのようですね、これは。緊急失対の人だってはっきり言うと、日々雇用だというけれども、三十五年も四十年もつとめている。日々雇用と言いながら長期雇用です。普通の企業であれば三十年表彰を受ける人です。そういうような人たちもたくさんいる。それをやめるのだけれども、日々雇用じゃだめだ。日々雇用のまま長くつとめさせておくのは困ったことになる。こういうようなことはあまり大きい声で言えない。ただ法によってこのものが認められたままで、そうして三十五年も四十年もおるから、それはあえて言うと長期雇用であって、日給であっても月給と同じようにもらっているんですから、日給月給の制度であって長期雇用である。そうなった場合には非常勤の特別職の地方公務員、こういうようなことにもなりますから、退職金的なこういうような考えを少しでも持ってあげたらどうですか。これでやめていく人ですよ。やめていく人なのだから、それぐらいのやつは十分考えてやる愛情ぐらいあってしかるべきじゃないかと私は思います。私はその点についてもっと幅のある、あたたかみのある答弁がほしいのです、大臣。
○野原国務大臣 就職支度金の問題につきましてはずいぶんと努力をした結果、ようやくにして十五万円に引き上げになったという経緯もございます。まあしかし、これで必ずしも十分であるかどうかという点については、御指摘の点も十分考えなければならない。したがって、いまにわかにこれを引き上げるとか増額は非常に困難だと思うわけでございますが、将来に向かってはひとつ努力してみたいというふうに考えております。
○島本委員 将来に向かって努力してもらいたい。そのことばに期待して前のほうへ進みます。努力を心から期待いたします。 それで、現在の失対の中にこれを残すようになりますけれども、一種、二種、三種の現場がございます。そして一種の場合はこれは高度で、資材費も高くて一人当たり二百八十円、二種の場合は中程度で百円、三種の場合は軽程度で十円くらい。六大都市の場合についてはこれは六〇%三種にせよと、こういうようなことのようでありますが、そのほかの地域は四〇%程度三種にしておる、こういうような指令ですか指示ですか、これを流しておるようであります。問題は、三種にいる人たらはいわば軽労働の、ほんとうにもう社会保障の恩恵を最大限度受けなければならないような人たらですから、この資材費が一番問題じゃなかろうか。一人で十円、これではどのようにくふうしても、高齢者に合ったいろいろな事業を導入することは不可能じゃないか。たとえばポリエチレンの袋、こういうようなのをやらせるにしても、これにはやはり金がかかる。高齢者向きのものは金がかかるからやれないということになる。やれないから結局黙って遊ばしておくということになる。遊ばしておくから、こんなものは必要ないといって、労働力の流用に名をかりて今度はいまいろいろなことを考えるようになるわけです。したがってこの十円という、これにあまり制約されることはよくないと思うのです。この十円についても、特に今後老人、第三種の現場のためにも当然あたたかく考えてやるべきじゃなかろうか、こういうように思いますが、この点についてひとつ大臣の、先ほどのようなあたたかい答弁を期待いたします。
○遠藤政府委員 失業対策事業の運営につきましては先生御指摘のように一種、二種、三種と、三種類の事業を実施いたしております。これは就労者の年齢構成なり体力なりに応じた事業を実施することによって、就労者の就労の安定をはかっていきたい、こういう趣旨でございます。就労者の構成を見ますると、六十歳以上の人たちはもうその半ばに達しておりまして、こういう人たちにつきましては屋外の道路作業とかあるいは団地造成とか、そういった体力を必要とする重労働に従事させることはいかがかというふうに考えまして、そういった老人の人たち、比較的体力の劣った、あるいは病弱者、そういった人たちにつきましては三種の軽易な、あるいは屋内作業、こういったものに主として従事していただくような事業計画を都道府県、市町村に対して指示いたしたわけでございます。その四〇%とかあるいは六〇%といいますのは、各都道府県のそういった就労者構成の実情に応じて、できるだけこういった軽易な作業を拡大していって、こういう人たちにそういう軽い作業に従事していただくという趣旨から出たものでございまして、各県あるいは各市町村一律にこういったものを強制しているわけでは決してございません。したがいまして実情に応じた事業計画を組んでもらうように、都道府県、市町村にお願いしておるわけでございます。 そこで、こういった三種の事業につきまして、確かに御指摘になりましたように資材費は十円でございます。これは一人当たり十円という平均単価で実施いたしておりますが、屋内作業とかそういった事業をやります場合には、必ずしも、御指摘のように十円という資材費単価では十分でないことはもちろんでございます。こういう三種のいろいろな資材費、と申しますよりはいわゆる器材費を必要とする事業につきましては、それぞれ必要な器材費補助をいたしております。たとえば屋内でいろいろな、先ほど御指摘のポリエチレン袋をつくるとかそういった作業の場合に、それに必要な補助をいたす。そのほか公園の維持管理あるいは病院の給食施設の補助員とか、そういった点につきましては資材費をほとんど必要としませんので、その実情に応じて事業の遂行に必要な補助をいたすようにいたしておるわけであります。
○島本委員 これは十円にこだわらないで、事業に必要な資材費は、現在のままでやっているんだ、やれるんだ、こういうようなことですか。じゃ、第三種の軽労働の部分、十円は、これにこだわらない、今後上がることもあり得る、その方面に向かって検討する、こういうようなことですか。御答弁をあらためて……。
○遠藤政府委員 資材費につきましては、もちろん毎年資材費の値上がりに応じて単価を引き上げてまいっておりますが、一種、二種、三種ともそういった資材費は実情に応じて事業の遂行に必要なものを極力確保していくように今後とも努力していきたい、かように考えております。
○島本委員 じゃ、いままで事業に見合わない不必要なものを十円として出しておった、こういうようなことになるのですか。十円で十分だ、見合うものとして出しておった、こういうことになるのですか。官僚答弁としてはなかなかそつのない、うまいことばかり言うからだめなんだ。十円では安いということはわかっているんだから、これからどうするんだこうするんだということを、そこを失敗してもいいから、ばっしり出すのだよ。だから官僚の答弁はだめなんだ。これは大臣だ。——大臣を指名しておるのに、そばから官僚はよけいなことをしてはだめだ。
○野原国務大臣 私、実情がよくわかっていませんのであれですが、十分実情を調査しまして、増額する必要があれば思い切ってふやしたいと考えます。
○遠藤政府委員 ただいま御説明申し上げましたように、三種の事業の相当部分は、公共施設の維持管理、清掃、雑役といったようなたぐいの仕事が大部分でございます。こういうものにつきましては、先生御承知のとおり資材費というのはさほど必要でございませんで、平均的には現在の一人当たり十円ということで十分な面もあるわけであります。ただ三種事業と申しましてもいろいろその他にもございまして、屋内でいろいろな作業をやらせるというような場合につきましては、これは器材費の補助というような形で従来とも必要なものを補助いたしてまいっておりますし、今後ともできるだけそういった種類の作業を拡大するようにお願いいたしております。そういうものにつきましてはそういった必要な器材費等の補助はいたしてまいりたい、こういうふうに考えておるわけであります。
○島本委員 偶然にも大臣の答弁とうらはらになって一致しました。それでこの次を期待して、一つ一つ実績を今度チェックいたします。どこの場所へ行っても、第三種何ぼいっているか、これは場所、行く先行く先全部チェックして歩きますから、ふえていない場合はただでおきません。 じゃ次、市町村で、これは独自に就労日数を増すための単独事業をいたしているところ、こういうようなところに対してはこれを制限しようとするような通達を出したようであります。これはもう従来の行き方を認めるのが妥当じゃなかろうか、こう思いますが、やはりこれは強力なる制限をするつもりですか。制限をするとするとこれは審議会の意向に反することになりますが、この点いかがですか。
○遠藤政府委員 失業対策事業につきましては全就労者について、民間、公共事業を含めて月間二十二日の就労を確保するというたてまえを従来とってまいりまして、現在も二十二日の就労確保という点につきましては現在確保してまいっておるつもりでございます。この月間二十二日の就労と申しますのは、御承知のとおり緊急失対法のたてまえでまいりますと、一般的にはこの失業就労者の人たちに民間事業へまず就職あっせんをする、その次には公共事業に就労あっせんをする、それでなおかつ、就労の場がない場合に市町村営の失業対策事業にあっせんする、こういうたてまえになっておりまして、二十二日と申しますのは、こういった民間事業なり公共事業なりの就労日数を含めて一カ月間に二十二日というのが現在のたてまえでございますし、一般的に行なわれているところでございます。先生いま御指摘の、市町村が単独事業で事業を実施してそれに就労者を就労させるという点でございますが、この市町村単独で行ないます事業も一種の公共事業的なものでございます。したがいまして、これに就労した日数は当然その月間二十二日の中に含まれるわけでございますので、私どもはこの市町村営の事業に就労することをいけないというわけじゃございませんで、その日数を含めて失業対策事業就労者の月間二十二日の就労を確保するというたてまえを従来とって、その線で努力してまいっておるわけでございます。
○島本委員 現在、県単位または市町村単位でこういうふうにして事業主体が単独の経費をもってそれぞれ二十二日に上積みをしている、そういうような都府県もあるわけです。そういうようなことに対して、それをやるなということはちょっとおかしいのじゃないか。現にいままでやっているし、やって喜ばれているし、それによってまた質も向上させている。にもかかわらず、それをやるなというのが正しいということはこれはちょっといただけない。これはやはりいままでどおりに認めてやるのが妥当だ。法の精神からしても、審議会のほうでもこの点ではちゃんと触れておりますから、それはやはり審議会の精神を尊重するというのが態度でなければならないと思います。この審議会の精神の尊重、これは大臣も言っているから、これも地方でやっているやつを打ち切らせるというのは無情でありますから、審議会の答申を尊重して今後運営したほうがいいと思います。ひとつ大臣の御答弁を伺いたいと思います。
○野原国務大臣 地方公共団体等ができるだけ単独事業への就労の日数をふやそうということは、要するにまた失対の事業が非常に効果をあげておる証拠であろうと思います。そういうところに対してはできるだけ失対の方々のためにも、また地方のためにも、その持っておる能力を十分に発揮して、できるだけ多く就労の機会を与え、またその方々の所得をふやすということは賛成でございます。したがって、それを制限するようなことは、これはいたしたくないというふうに考えます。
○島本委員 理事間の申し合わせもあり、そして質問はまだまだあるのであります。これは次に行なわれる山本委員のほうにすべて譲って、私は答弁はいろいろまだ不満もあり、まだ留保している面もありますけれども、それは次回に答弁してもらうことにして、この中高年齢者等の雇用の促進に関する特別措置法案、この問題についての私の質問については、きょうは一応これで終わっておきたいと思います。ただ、答弁全体に満足してこれはやめるのじゃございません。この点だけは重々に賢明なる委員長において含んでおいてほしい、このように思います。あとの問題は山本委員のほうに引き継いで慎重に十分検討してもらいたい、こういうふうに思いますので、私の質問はこれで終わります。 ————◇—————
○倉成委員長 次に、労働関係の基本施策に関する件について調査を進めます。 質疑の申し出がありますのでこれを許します。島本虎三君。
○島本委員 私はあす、あさってもうすでにストライキを予定し、いろいろ交渉しております、あるいはまた行動に移っております三公社五現業の賃上げ問題について、政府としてどのように対処するつもりなのか、これを聞きたいわけであります。 労働大臣の賃上げ幅の格差を避けよというこの声明、談話、それと同時に、今月中に有額回答をするという政府の方針、この方針がもうすでに報ぜられておるわけであります。したがって、政府のほうとしてはどのようにこれに対処するつもりなのか、大臣の御所見をはっきり承っておきたいと思います。
○野原国務大臣 三公社五現業の職員の給与問題につきましては、現に関係労使間で交渉中であります。生計費、国家公務員給与、民間賃金その他の事情を労使で検討し、十分話し合いを煮詰めることを期待しております。いわゆる当事者能力という問題につきましては政府としても十分考慮しておりまして、各当局の意向等も参酌し、昨年同様の努力をいたしたいと考えております。ただ本年は、ここ数年と異なりまして、経済事情も悪く、一部の企業体では経営上きわめて困難な問題をかかえているので、この点につきましては労組も十分御理解をいただきたいと考えております。 なお、もしも労使の自主交渉によって解決がきわめてむずかしいといった事態に立ち至った場合は、公労委の調整により事態の収拾をはかってまいりたいというふうに考えております。
○島本委員 やはりこの話し合いなどによって煮詰めるのだ、昨年同様の努力をする、こういうふうなお話しであり、お考えのようであります。そうすると、当事者能力についてはいままで本委員会でも田邊理事をはじめとして政府に対して強く要請し、その実行を迫ってまいりました。政府はその回復をはかりたいと言明してきたのでありますけれども、ほんとうに、この当事者能力を与えて自主的に賃金交渉を解決していく路線をさらに進めるように、これは当然すべきじゃないかと思うのですが、そういうふうにしているのですか。または、これは第三者にまかしているのですか。これは、政府はどういうような基本的な考えでおられるのですか。
○石黒政府委員 三公社五現業が公労法の適用を受けておりますたてまえから申しますと、当事者能力を十二分に発揮されることがきわめて望ましいことは、先先の御指摘のとおりでございます。私どもその方向に向かいまして、少しでも前進させるようにいろいろな点からくふうをこらしながら努力をいたしておるというのが労働省の考えであります。
○島本委員 いま言ったようにこれは当事者能力の発揮が望ましいし、その方向で前進させる、あるゆるくふうをこらして努力しておられる、これはそのまま私はちょうだいいたします。この成果を早くあげるように期待しておきたいと思います。したがって、いま労政局長が言った立場に立てば、本年も早く有額回答を行なって、そして当局と組合側の交渉を促進させるようにするのが妥当だと思うのですが、この点までまだいかないのではないかと思います。これはどうなんですか。
○石黒政府委員 有額回答につきましても、できるだけ早くそれを出してもらうことが望ましいというのが労働省の考え方でございます。ただ、先ほども大臣から申し上げましたように、ことしは一般経済事情が苦しい以外に、三公社五現業のうちでも経理事情が非常に苦しいというところもございまして、なかなかこれを調整するのにむずかしい点がございます。私どもといたしましては、そういういろいろな困難を何とか克服して早く回答ができるように努力いたしたいと思います。
○島本委員 具体的にいつ有額回答ができるように指導するんですか。
○石黒政府委員 いつという点がなかなかむずかしいわけでございますが、労働大臣は、新聞にも出ておりましたように、できれば四月中でもというふうな御方針を持っておられます。四月中も、できればその中でも早い時期のほうがよろしいんじゃないかと思っておりますが、関係当局というのが非常にたくさんございまして、その調整が非常にむずかしゅうございますので、私どもは労働大臣の意を体して努力していきたいと思っております。
○島本委員 聞くところによりますと、自主交渉を行なっているのは全専売と専売局、それから電電公社と全電通、かなり交渉が煮詰められまして、そして現状では有額回答がなければもうそれ以上進まないところまで話し合いを煮詰めている、交渉も進んでいる、こういうふうにいわれているんです。これに対して、当然早く回答を行なえば労使間もうまくいく、こういうことになると思うのです。どうも私どものほうでは、これはほかのほうにいろいろと累を及ぼし、一つの問題を、解決できる問題でも、それをやらないで全体の足並みを、交渉あるなしにかかわらず、また一括して何かによりながら解決しようとするいわばいままでの行き方、それをまた労働省は指導されるんじゃないか、こういうふうに思うのです。もしそうだとすると、それは民主的じゃありません。そうだとすると、それは自主交渉ではありません。そうだとすると、いままでの指導はここでまた一つの転機に立つわけです。私、そういうふうな時点からして、やはり賃上げ問題を解決するには、もう額の提示をさせていいのではないか。一体その辺まで労使紛争を激化させる方向はとらないほうの指導がむしろ労働省としてとるべきじゃないかと思います。そこまでもう行っているというふうに私どもは聞いておりますが、行っているのですか、行っていないのですか。電電公社並びに専売局、来ていると思いますが、この交渉の経過を発表してもらいたいと思います。
○三角説明員 お答えいたします。 すでに全専売のほうから三月一日に要求書が出されておりますが、三月十一日以降十数回にわたりまして団交なり小委員会で交渉をやっておるわけでございます。そういう経過でかなり交渉も煮詰まってまいってきていると思いますが、何ぶんにも民間の賃上げと申しますか、そういう趨勢がかなりおくれている情勢にございますので、判断をいたしますにおきましても相当慎重にやらなければいけないというような状態でございます。
○玉野説明員 電電公社のほうにつきましては、全電通から三月十五日に要求が出てまいりまして、今日まで約十二、三回団体交渉をやっておりますが、その中で基礎になる消費者物価の方向とか、ないしは私のほうの経営状況とか、いろいろなことを説明して、前提条件をいろいろ話してきておるわけでございます。したがいまして、そういういろいろな条件につきましては労使双方でいろいろ確認し合っていく、数字の確認といいますか、そういうのでかなり煮詰まってきておりますが、先ほど専売からもございましたように、ことしにつきましては、大企業といいますか、私のほうで参考になるような大企業の出足がかなりおくれておりますので、その辺をもう少し見ないとわからぬ点もございまして、大企業自体の出方をもう少し見たい、こういう点が残っておるわけでございます。
○島本委員 これはやはりいろいろな指導、いろいろな経過を通じて現在のところまできているわけです。そうして、それによって自主交渉によって解決してもいい、この辺までそれぞれの実力がついてきているわけです。そうなりますと、労使対等の原則からしてこういうような行き方を指導するのがやはり労働省でなければならぬと思うのです。しかし労働省のほうでは、これはいまは違うかもしれませんが、いままではほんのわずかなもの、全然問題にならないような額、こういうようなものを出して、あとは民間の決定を待ってやっと公労委のほうにやってきめてしまう、こういうような一つの惰性を脱し切れなかったわけです。今回も当然そうなるんじゃないか、こんなことを心配するわけです。しかし、それによってもわずかなものを出して労使の紛争を激化させる、こういうようなことはとらないようにして、やはり思い切って交渉はさせるべきじゃないか。時期の点においてはどうなるかそれはわかりません。交渉はある程度まで民主的にさせるべきじゃないか。そうしてさらに自主交渉が進められても、最終段階は現在の制度上公労委に移ることには当然なるんじゃないか、こういうように予想されるわけです。この中では、自主交渉によって積み上げられた問題で、こういうようなものを具体的に生かしていけるように、これは政府のほうで公労委に対して十分指導すべきではなかろうか。そうでなければ、労働組合法並びに労働組合の民主的な運営、この方面から見てこれはちょっと困ることになる、こういうように思うわけなんです。したがって、このことが自主交渉を定着さしていく一つの大きい根源になるんじゃないか、こう思いますが、これに対して一体労働省ではどのように考えておりますか。これはやっちゃだめだと思っているんですか。やはりやらせるべきだと思っているんですか。経済情勢がままならぬから、それは黙って見ておいて、一定の時期までひより見をしようとする考えなんですか。基本的な問題をはっきりさせてください。いま私の言った点で正しいと思います。これに対して労働省はどのような態度をとって指導しようとするのですか。
○石黒政府委員 労働省といたしましては、自主交渉をできるだけ促進したいという方針でございますことは、先ほど申し上げましたとおりでございます。具体的にどういうふうにするか、たとえばただいま公労委を指導というようなおことばがございましたが、私どもそこまで公労委に介入することもできませんのですが、しかし公労委とは直接事件の問題を離れて意見の交換をしておりますが、公労委としても、自主的交渉能力を強めるということがきわめて望ましいという態度をとっておるように承知しておりますので、私どももそういう公労委の方針に全面的に賛成している次第でございます。
○島本委員 それで労働大臣としても、当面するこの賃上げ問題、もうすでにストライキを明後日に控えて、そうしていよいよもって労使の間でデッドロックに乗り上げる、こういうような可能性さえ出てきている当面の賃上げ問題を円満に解決していくべきであって、そのために当然大臣としても苦労もされておるでしょうけれども、今後も大いにがんばってもらわなければならないところだと思います。それで二十三日にストライキが行なわれることを十分考慮して、ひとつ今明日にでも積極的にこの問題に対して対処し、そして交渉を進めさせる、自主交渉の点についても十分認めてこれを進めさせる、これが他のほうの、交渉をやっていない同じ三公社五現業に対していい結果を与えることになります。そして、そこまで追いつき追い越せ、常にそういうような努力がお互いに払われるようになります。私はそういうようなのが民主的な労働組合の運動だ、こういうように思っておりますけれども、大臣としても、この問題についてはさらに積極的に努力し、対処してもらいたい、こういうように私は要請しておきたいと思います。大臣の御高見を拝聴いたしたいと思います。
○野原国務大臣 三公社五現業は、さっきストライキという話がございましたが、そうした違法なことが発生しないように私どもは期待しております。そこで労使が十分話し合いをすると同時に、当事者能力をもって回答を与える、できるだけすみやかに組合に対して当局側の方針を明らかにする必要もあるわけでございます。そこで、先ほど労政局長から申し上げましたが、できるだけ早く回答を与えるよう、目下関係各省と連絡をいたしておるのでありまして、近くそういった話し合いがまとまり次第、できるだけ早く回答を与えるということに考えております。
○島本委員 大臣の努力と成果を期待して、今後自主交渉の成果というようなものに対してもそれを十分指導するようにして、労働組合の民主的な前進と話し合い、それによって不穏なストライキ、こういうようなことになる前に十分対処するように、やらなくても十分解決できるように、この方策を十分今後講じ、そして指導するようにしてもらいたい。そして不慮の事態を避けるようにしてもらいたい。このことだけを強く要請して私の質問を終わりたいと思います。 委員長、ありがとうございました。
○倉成委員長 次回は明二十二日午前十時より理事会、十時三十分委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。 午後四時二十三分散会