社会労働委員会 第7号
- 発言数
- 151 件
- 登壇者
- 21 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1971/02/25
会議録
○倉成委員長 これより会議を開きます。 内閣提出の原子爆弾被爆者に対する特別措置に関する法律の一部を改正する法律案を議題とし、提案理由の説明を聴取いたします。厚生大臣内田常雄君。
○内田国務大臣 ただいま議題となりました原子爆弾被爆者に対する特別措置に関する法律の一部を改正する法律案について、その提案の理由を御説明申し上げます。 昭和二十年広島市及び長崎市に投下された原子爆弾の被爆者につきましては、原子爆弾被爆者の医療等に関する法律により、健康診断及び医療を行なうほか、本法により、各種の手当の支給を行ない、その福祉の向上をはかってまいったところであります。 今回、これら被爆者の福祉の一そうの向上をはかるため、原子爆弾の放射線を多量に浴びたいわゆる特別被爆者で、原子爆弾の影響に関連がある疾病にかかっている老齢者等に支給されております健康管理手当について、その支給の対象となる老齢者の範囲を六十五歳以上の者から六十歳以上の者に拡大し、その療養生活の安定をはかることといたしました。 以上がこの法律案を提出いたしました理由でありますが、何とぞ慎重に御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願い申し上げます。 ――――◇―――――
○倉成委員長 次に、ただいま付託になりました中村重光君外十二名提出の原子爆弾被爆者に対する特別措置に関する法律及び原子爆弾被爆者の医療等に関する法律の一部を改正する法律案を議題とし、提案理由の説明を聴取いたします。中村重光君。
○中村(重)議員 ただいま議題となりました原子爆弾被爆者に対する特別措置に関する法律及び原子爆弾被爆者の医療等に関する法律案の一部を改正する法律案につきまして、その提案の理由を御説明申し上げます。 昭和二十年八月六日午前八時十五分、人類史上最初の原爆投下は、一瞬にして、広島の人たち、続く九日は長崎の人たちと、三十万の生命を奪い、両市を焦土と化したのであります。幸いにして一命を取りとめた人たちも、この世のものとは思われない焦熱地獄を身をもって体験し、原爆の被爆という一生ぬぐい去ることのできない宿命を背負わされ、あるいは原爆熱線による痛ましい傷痕のゆえに悲嘆にくれ、あるいは放射能の影響による造血機能障害、原爆後遺症に悩まされるなど、病苦、貧困、孤独の苦痛にあえぎながら、誰に訴えるすべもなく、ただ歯を食いしばり今日まで生きてまいったのであります。そして二十六年、きのうは一人、きょうも一人とくしの歯の落ちこぼれるように、生命の灯が吹き消されていく中で、白血病、貧血症等の発病の不安、生命の不安と焦燥におののきながらも働かなくてはならないというのが、原爆被爆者の今日の実態であります。 この悲惨な現実をもたらした原因が、原爆の被爆に基づくものであることにかんがみ、昭和三十二年、主として原爆症の医療について、原子爆弾被爆者の医療等に関する法律、そして昭和四十三年、原子爆弾被爆者に対する特別措置に関する法律が制定され、対象範囲の拡大、各種手当の所得制限、緩和と増額もはかられてまいりました。しかしながら今日なお、原爆を受けた被爆者の肉体的、精神的障害をぬぐい去ることができないばかりか、消費者物価の上昇のもとで、その生活の苦しみを訴える声は、依然として高く、したがいまして、これら被爆者の置かれている心身上、生活上の不安を除去するために、被爆者に対する措置も、その健康面及び精神面の特殊な状態に適応させ、かつ生活援護をはかるべく、一そうの拡充がはかられるべきであると考えられるのであります。 次にこの法律の内容の概要を御説明申し上げます。 第一は、援護手当の支給であります。認定被爆者はもとより、特別被爆者、またはそれに近いボーダーライン層も含めて、これらの人々が被爆によって生じた身体障害のための労働力減退による収入減に対し、政令の定めるところによりまして、一律、月額三万円を援護手当として支給することにしたのであります。 第二は、障害年金の支給であります。被爆に起因する身体障害のある被爆者に対し、それが外的、内的障害たるを問わず、年額二十四万を限度とする障害年金を支給することにいたしたのであります。なお、この障害年金は、国民年金の無拠出年金を除き、他の増加恩給その他障害年金に相当する給付とは併給することはできないものとしております。 第三は、医療手当の月額の引き上げと所得制限の撤廃であります。現在、医療手当は、特別被爆者を対象として、入院、通院おのおの三千円、五千円の二段階で支給されておりますが、被爆に起因した疾病につき、医療を受けているすべての被爆者に月額一万円の医療手当を支給することにしたのであります。さらに医療手当にかかる所得制限を撤廃することにより、これらの被爆者が、安んじて医療を受けることができるようにしたのであります。 第四は、被爆に起因する疾病により介護を要するすべての者に月額三万円の介護手当を支給することにいたしたのであります。 第五に、認定被爆者はもとより、それに近い特別被爆者及びその介護者につき、日本国有鉄道、自動車または連絡船に乗車または乗船する場合には、政令に基づく身体障害者福祉法にならって運賃を無料とすることにいたしたのであります。 第六に、被爆者が原子爆弾の傷害作用に起因して死亡した場合に、その葬祭を行なうものに対し、葬祭料として五万円を支給することにしたのであります。 第七は、以上のような措置を講ずることにより、いわゆる特別措置法から援護法へ移行するものとし、法律の題名を原子爆弾被爆者援護法に改めたことであります。 以上のほか、原子爆弾被爆者医療審議会の名称及び権限を改め、また都道府県が設置する原子爆弾被爆者相談所の費用の一部を国が補助する等、被爆者の援護に関して必要な措置を講ずることといたしております。 また新たに、被爆者の被爆後に出生した子、孫に対し健康診断を実施し、原爆に起因すると推定される疾病、障害を有する者についても本法を適用することにいたしました。その他、原爆孤老、病弱者、小頭症等の被爆者の収容保護施設を国の責任で設置することにいたしたのであります。 原爆の被爆という悲惨な災害をこうむった被爆者の苦境を救済することは、人道上も決して放置することのできない問題であり、被爆後四半世紀以上を経過した今日、救済さるべき被爆者は、国による援護の手が差し伸べられないままに、あるいは死亡し、あるいは老齢化して、肉体的にも、精神的にも、また物質的にも苦痛と困窮の度を深めているのであります。いまにして救済せざれば、悔いを千載に残し、政治はそのかなえの軽重を問われると申しても過言ではありません。しかも近時、いわゆる戦争犠牲者に対する救済は次々と講じられ、今国会において恩給法の一部改正、戦傷病者戦没者遺族等援護法等の一部改正など一段とその拡充がはかられているのであります。 したがいまして、被爆者に対する右のような措置を講ずることは、むしろおそきに失したものであると確信する次第であります。 なお、この法律の施行は昭和四十六年四月一日であります。 以上がこの法律の提案の理由及び内容であります。 何とぞ慎重御審議の上、すみやかに可決せられますようお願い申し上げます。 ――――◇―――――
○倉成委員長 次に、国民年金法等の一部を改正する法律案を議題とし、提案理由の説明を聴取いたします。厚生大臣内田常雄君。
○内田国務大臣 ただいま議題となりました国民年金法等の一部を改正する法律案につきまして、その提案の理由を御説明申し上げます。 国民年金制度並びに児童扶養手当及び特別児童扶養手当制度については、逐年、その改善をはかってまいったところでありますが、近時における社会的、経済的諸事情は、老齢者、心身障害者、母子家庭等に対する福祉施策充実の必要性を一段と高めております。 今回の改正法案は、このような趣旨にかんがみ、国民年金における福祉年金、児童扶養手当及び特別児童扶養手当について、いろいろな角度からできるだけの改善充実を行ない、支給範囲の拡大、支給金額の引き上げなどをはかることといたしております。以下、その内容について概略を御説明申し上げます。 第一は、年金額等を引き上げることとするものであります。すなわち、老齢福祉年金を現行の月額二千円から二千三百円に、障害福祉年金を月額三千百円から三千四百円に、母子福祉年金及び準母子福祉年金を月額二千六百円から二千九百円に、それぞれ三百円引き上げることとしております。また、児童扶養手当及び特別児童扶養手当につきましても、児童一人の場合の手当の月額を現行二千六百円から二千九百円に引き上げることとしております。 第二は、戦争公務による扶助料等との併給を大幅に認めようとするものであります。すなわち、准士官以外の旧軍人の遺族等で公務扶助料等の受給者については、これまで福祉年金額の一部のみが併給されておりましたのを改め、今後は福祉年金を全額併給することとするものであります。 第三は、体の不自由な老人については、老齢福祉年金の支給開始年齢を引き下げることとするものであります。現在、老齢福祉年金はすべて七十歳から支給されていますが、身体に障害があるため日常生活に著しい制限を受ける老人については、その支給開始年齢を六十五歳に引き下げようとするものであります。 なお、以上の法律事項のほか、扶養義務者の所得による支給制限について今回大幅な緩和をはかることとしておりますことは、先般も申し上げましたところであります。 以上がこの法律案を提出する理由でありますが、何とぞ慎重に御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願い申し上げます。 ――――◇―――――
○倉成委員長 次に、厚生関係の基本施策に関する件について調査を進めます。 質疑の申し出がありますので、これを許します。後藤俊男君。
○後藤委員 まず最初に、警察庁のほうへお尋ねいたしたいと思うのです。 先週質問をいろいろしたわけでございますけれども、時間がございません関係で、そのつどそのつど聞きたい問題点につきましては、省略いたしたようなかっこうになっておりますが、警察庁のほうでも十分御承知だと思いますが、東京都の豊島区における鬼子母神病院でございます。この病院を含め九カ所を昨年の十月の始めであったと思いますが、詐欺容疑で一斉捜査されたこの事件について、最初のきっかけはどういうきっかけから捜査を開始されたのか。捜査されました内容につきましてどういう内容であったか。さらに今日どういうことになっておるか。この三点を中心に御説明いただきたいと思います。
○高松政府委員 いままでの事件につきましては、現在警視庁で捜査を継続中でございます。容疑事実は、健康文化会所属の鬼子母神病院及び小豆沢病院、この二つの病院につきまして昭和四十二年四月から昭和四十五年の八月ごろまでの間に、診療していない人の診療費を請求するいわゆる架空請求、あるいは診療回数や投薬回数を水増しして請求する、そういうふうな方法で健康保険診療報酬の不正請求を行なっていたという容疑がございましたので、これにつきまして捜査を進めているところでございます。 端緒は何かというお話でございますが、現在も捜査を続けている事件でございまして、端緒は何かということの答弁は、ちょっとお許しをいただきたいわけでございます。
○後藤委員 最初の端緒は何かというこまかいことを私聞こうとは思いませんけれども、たとえば、病院でございますから、厚生省関係の告発とかあるいは個人の投書とか、そういうふうなことがあろうと思うのですけれども、厚生省としての告発ではない、こういうことだけは言えるのではないかと思うのですが、いかがでございましょう。
○高松政府委員 厚生省からの告発ではございません。
○後藤委員 そうしますと、いまの説明は、鬼子母神病院を含めて九カ所でございますか、去年の十月に警視庁が中心で一斉捜査をされた、その内容としましては大体架空な請求が中心である、現在も捜査中である、これに対する最終結論というのはまだ出ておらない、こういう説明であったというふうに思うわけでございますし、さらに、厚生省との関係は一切ありません、警察庁独自の立場で捜査を行なわれたのだ、こういうふうにお聞きしたと思うのですが、間違いないでしょうか。
○高松政府委員 厚生省からの告発によって捜査したものではない、そのとおりでございます。
○後藤委員 それからその次は、これも警察庁関係で十分御承知だと思うのですが、秋田県の山本郡二ツ井病院の健康保険の不正事件ということで、汚職をからむ問題でかなり大きな事件として捜査なり取り調べが行なわれたと思うわけでございますが、その中には医療専門官ですか、この人の汚職の問題、さらには県の厚生課の医療係長の汚職の問題等もその事件の中身としてあると思うのです。 そこで、この秋田県の山本郡の二ツ井病院を中心とする健康保険の不正事件の問題につきまして、先ほどお尋ねいたしましたようなことで、どういう端緒でこれを捜査されたのか、しかも捜査の内容は一体どういうことであったのか、さらに、これが今日どういうことになっておるか、最終的にはどういう結論に達しておるのか。そこまでいっておらなければ別問題でございますけれども、その点についてお伺いいたしたいと思います。
○高松政府委員 二ツ井病院の事件につきましては、ことしの一月十日に捜査に着手いたしました。二月二十三日に最終的に検察庁に事件の送致を完了いたしております。それで診療報酬の詐欺につきましては、昭和四十五年の一月から四十五年の十月までにおいて四百十七万円余の水増しあるいは架空請求、それから、中村病院長につきましては、そのほかに三千五百万円余の業務上横領、それから病院の笠木理事につきましては、そのほかに八十五万ばかりの詐欺、それから贈収賄関係につきましては、その病院側の笠木理事、中村病院長、森岡事務長、この三人が贈賄側にあり、収賄側としては、県の、先ほどの専門官係長、それに課長が一名入っておりますが、総額で百八十五万円余の贈収賄事件ということで、それぞれ検挙して、立件送致してございます。端緒につきましては、これも端緒は聞き込みでございます。不正が何かあるということの聞き込みから事件の捜査をいたしました。
○後藤委員 いま説明がありましたように、この秋田県の二ツ井病院の健康保険の不正事件につきましては、医療専門官の汚職の問題、さらには厚生部の保険課の係長の汚職の問題、さらには前病院長でございますか、横領の問題、とにかく多種多様な多くの犯罪を含んだ事件であった。これはいま警察庁のほうからの御説明のとおりであると思います。 そこで、厚生大臣に私お尋ねするわけでございますけれども、この事件に対して盲点があると思うのです。さらに、医療専門官なり、少なくとも保険課の係長が汚職――監査を受ける前に、その病院の院長でございましょうか、そういう人と一緒になって現金をもらったり、一ぱいお酒を飲んだりして、監査の手をゆるめてくれ、こういうような、われわれが考えると言語道断と申しましょうか、秋田県におきましては、秋田の地方新聞を通じまして非常に大きな問題になったことは厚生省も十分御承知のことであろうと思うわけです。この事件にかんがみて、医療専門官の先ほど申し上げました汚職の問題なり、さらには係長の汚職の問題、さらにこの事件が起きるところの何らかの盲点があったのではないか。その当時の新聞を見ますると、こういうところに盲点があった、まことに申しわけない、こういうふうな言い方をしておられる談話の発表もされておるわけでございますけれども、私、この事件の処置として、医療専門官が一体今日どう処置されておるのか。聞くところによりますと、この医療専門官は、これは国家公務員でございます。であるのに保険会社の嘱託医をやっておる。いろいろと調べれば調べるほど、医療関係の乱れというのが非常に大きく出てくるわけでございます。この医療専門官の問題、それからさらに係長の問題、これらは今日行政処置としてどういうふうなかっこうになっておるか。さらに、これに対する盲点は一体どこにあったんだ、今後はこういうような事件を起こさないためには、厚生省としてもどう対処していくべきであるかという点につきましてお伺いいたします。
○内田国務大臣 健康保険の医療担当機関が不正の請求等をいたしますことにつきまして、私は非常に残念に思っておるわけでありますが、そのまた監督に当たることになっております県の医療専門官等が、医療担当機関の請託を受けて十分な監査をし得なかったというようなことを聞きまして、私は苦々しい思いが二重に重なった気持ちでございます。もちろん、これらの医療専門官あるいはその補佐役の方は司法処分の対象とされて起訴されておるわけでございますので、身分のほうは、公務員法の規定に基づいて休職になっておるわけでございます。
○後藤委員 それでは具体的にもう少し話をいたしますけれども、いま大臣が言われましたように、医療専門官につきましては、起訴をされておりますので今日休職になっておる、こういう説明でした。それじゃ、県の久米係長につきましては今日どうなっておるか、お尋ねをいたしたいと思います。
○戸澤政府委員 同様でございます。
○後藤委員 そこで、医療専門官なり久米係長については同様に休職になっておる、最終的には裁判でどうこうの決着がつくであろう、こういうことだと思います。 そこで、話を一歩進めまして、県の保険課は国の事務を代行しておるところである。いわば機関委任の形。秋田におきましては、職員が保険課に三十人おったわけでございます。その三十人のうち二十人が地方事務官で国家公務員である。あとの十人が地方公務員である。でありますから、人事や予算執行権は社会保険庁にある。秋田県にはなくして国の社会保険庁にある。ただ、県にありますのは指揮監督権のみである。実際はまま子的存在のような立場に置かれておる。でありますから、書面につきましても上層部のほうへ回ってくることはほとんど少ない。こういう関係になっておりますから、この組織的な盲点をついてこういう事件が起きたんだ、これは、当時の、事件が起きましたときに談話として新聞でも発表されておるところでございます。そうだとするなら、再びこういうような事件が起きないようにするためには、社会保険庁としても検討する必要があるだろうと思います。厚生省としても十分考える必要があるでしょう。考えなければいけないと私は思うわけでございますけれども、この点につきまして、秋田に起きました事件以来、厚生省としてどういうような処置をなされたか、再びこのような事件が起きないようにするためにどうお考えになったか、この点をお尋ねいたしたいと思います。
○戸澤政府委員 医療機関の監督に当たるべき者にこういう不心得な事件が起きましたことはまことに申しわけなく思っております。ただ、これらの職員がいわゆる国家公務員地方事務官ということで、国と県の二重監督を受けているというところに監督上の不都合があったのではないかというようなお話でございますけれども、これは私どもは必ずしもそうは考えておりません。やはり政府管掌健康保険のように、全国的な規模をもって、全国的な統一的な運営をやっているものにつきましては、この運営、監督につきましても国の責任において実施していくということが必要であろうと思いますし、そのほうがさらに厳重な管理監督ができるのではないかというふうに考えているわけでございます。ただ、医療監督につきましては、ほかの一般の警察とか税務署の監査監督などと違った性格の面もございますので、非常にむずかしい点もございますが、この事件が起きまして直後も、関係の全国の保険課長並びに医療専門職につきましては、厳重なる注意、訓戒を与えて、再びこういった不祥事件が起こらないように注意をいたしております。それから、近く医療専門職の全国会議も催しまして、さらに徹底を期したいと考えております。 それから、この両名の処分でございますが、一応休職処分にしてありますが、今後の取り調べの状況等を見ましてさらに必要な処分を、身分上の処置をしたいということも考えているわけでございます。
○後藤委員 いま一般的な御説明があったわけでございますけれども、ただ私が聞きたいのは、先ほども少し申し上げましたように、人事権なり予算の執行権というものは社会保険庁にある。ですから、秋田県の県庁に参りますと、保険課というのは三階にあるそうでございますが、県の中でもまま子のような扱いをされておる。ですから、いろいろな書面等におきましても上部のほうへ回すということは非常に少ない、こういうようなことがあのような事件を起こすきっかけになったのではないか、原因になったのではないか、そればかりじゃないと思いますけれども、県の厚生部の富樫次長、さらに堀江技監が一月の二十日、組織の盲点をつかれまことに申しわけない、そういう談話を発表しております。だから、今後はこういうふうなことのないようにしたい、こういう談話の発表でございます。組織の盲点をつかれた、これは普通の人が言ったわけではございません。行政の立場にある人がこういうことをはっきり言っておられるわけです。それならそれで、これに対処するために厚生省として、あるいは保険庁として、何らか方策を考える必要があろうと思うわけなんです。その点を私はお尋ねしておるわけです。一般的、抽象的にこういうことをやってはいかぬという訓辞を会合でしたり、これは常識的な普通のことでございまして、それも普通だとは思いますけれども、組織上そういうかっこうになって、たとえば県庁の中でまま子扱い、穴のようなかっこうになっておる。それで、そこにつとめておる人がやりたいことがやれるようなかっこう、環境、雰囲気なんです。これがいわゆる組織の盲点をつかれたんだという談話の発表になったのではないかと私は思うわけでございますが、そうだとするのなら、そういうことのないように考えるのが厚生省の義務であり、任務であり、しかも迷惑をかけた秋田県の県民の皆さん、日本国民の皆さんに対して、このような事件を再び起こさないようにするための方策ではないかというふうに私は考えるわけでございます。そういう具体的な面を私はお聞きしておるわけなんです。抽象的に、訓辞がどうのこうのという、そういうことを聞いておるわけではございません。いかがでしょうか。
○戸澤政府委員 民生部ないし厚生部と保険課との関係は、現在ではもう民生部なり厚生部のほかの課よりも一番密接な関係がある。問題も多いというようなところから、各県の民生部長さんあるいは厚生部長さんの話を聞きましても、保険課の仕事が一番多い、保険課長と接触することが非常に多いというふうにもお聞きしておりますので、保険課が何か民生部の盲点というようなことになって、連絡不十分であるとか、上司に情報がよく伝わっていないとかいうようなことはないと私どもは考えております。こういうことが起きました機会に、さらに保険課長には趣旨を徹底いたしまして、民生部長あるいは厚生部長の指揮監督下に入って密接に連絡をしていくように、一段と注意をしていくつもりでございます。
○後藤委員 いまあなたが言われましたことにつきましては、それも非常に大事なことであろうと思うのです。しかしながら、この事件が起きまして捜査をされ、調べられまして、国家公務員である医療専門官が保険会社の嘱託医になっておることがこの事件があって初めてわかったのです。さらに、係長にいたしましても、汚職問題が出てきて、その半年前、一年前にいろいろなうわさが飛んでおったからいろいろ調べましたけれども、私は天地神明に誓って絶対に潔白でございますとはっきり言っておるわけなんです。ところが、捜査をされ、調べられると、係長だけでなしに県庁の中に汚職が拡大する。さらに医療専門官のごときは、今日お医者さんの不良請求の問題で一番大事なこの時期に、お医者さんと結託したような形でわいろをもらっておる。それだけではなしに、公務員でありながら保険会社の仕事をしておる。いわばやりたいほうだいなんです。自分のしたいほうだい、こういう情勢の中に今回のこういう事件が起きたといってもこれは間違いないと思うのです。であるとするなら、一体どこにこの事件に対する盲点、端緒があったのかといえば、先ほど言いましたように、富樫次長に堀江技監ですか、明らかにこれは組織の盲点をつかれました、われわれの指導監督も不十分であったけれども、組織の盲点をつかれた、まことに申しわけない、これは秋田の地方新聞で堂々と談話を発表しておられるわけなんです。しかも、これは一お医者さんが言っておられるわけじゃございません。厚生部の次長なり技監が言っておられるわけなんです。盲点をつかれたんなら、その盲点をなくするのが今後の事故を防止することになるのじゃないですか。その盲点は一体どこにあるんだ――これはあなた方も十分この談話の内容は知っておられると思うわけです、私が言うまでもなく。それだったら、その盲点をなくすることがこの種の事故をなくすることに通ずると私は思うわけです。その点を私はお尋ねしておるわけなんです。重ねてお尋ねします。
○戸澤政府委員 秋田の件につきまして、医療専門官が保険会社の嘱託をしておったということは、この事件でもって判明したわけでございますけれども、これは全く言語道断、公務員としてあり得べからざることでございまして、まことに申しわけなく思っております。また、こんなことがほかの医療専門官についてあるというようなことは絶対に考えておりません。 ところで、医療専門官につきましては、その身分も医者でございますし、それから職務もそういう特殊な、一般の行政事務と違った特殊なプロパーの仕事をしておりますために、保険課長なり民生部長の監督下にあるとはいうものの、一般の行政官と少しく違ったニュアンスのあることは考えられるわけでございます。それからまた、年齢的にいいましても、高年齢者が多いというようなところでもって、保険課長の十分な指揮監督が行き届かないというようなうらみもあるのではないかと思われます。こういう点は、今後十分に注意いたしまして、保険課長、民生部長の厳重な指揮監督のもとにその適正な職務を遂行するようにつとめたいと考えております。私ども医療技官会議というのを年に二、三回開きまして、いろいろ話し合ったり注意したりしておりますが、私の感ずるところでは、この医療専門官というのは平均年齢も高く、待遇も悪い。しかも、そういう人にいやがられる仕事であるにもかかわらず、非常な使命感に燃えて、一種の職人かたぎのような正義感を持って当たっている人が多うございます。少しかたくなと思われるくらいな使命感を持って働いている人が多うございます。この医療専門官の待遇改善等につきましては、この間お話ししましたとおり、大臣も非常に心を配られまして、人事院総裁ともいま話し合われてつとめておるところでございますけれども、今後その処遇改善につとめるとともに、厳正な職務遂行をいたしますように、十分注意してまいりたいと考えております。
○後藤委員 この問題は、これ以上言いましても話が具体的には聞けないようでございますので、あとに譲るといたします。 警察庁と法務省にお尋ねしたいわけでございますが、先ほどから警察庁のほうで御説明をいただきました鬼子母神病院の問題、さらに秋田県のただいまの二ツ井病院の問題につきましては、犯罪の中身としては少し違うとは思いますけれども、こういうような事件が起きておるわけでございますが、再びこういう事件、こういう犯罪、こういう不正が起きないようにしなければいけないと思いますし、すべての国民はお医者さんを尊敬いたしておる、そのお医者さんが、こういうふうなことをやっておるというような不信感をなくするためにも、これらのことは非常に重要なことだと私は考えておるわけです。 そこで、警察庁といたしまして、いろいろお取り調べになったと思うのです。さらに起訴された事件につきましては、法務省としてもこの事件について種々お取り調べになったと思うわけでございます。こういう事件が起きる原因と申しましょうか、こういうところにこういうことがあるから、たとえばこうなっておるからこういう事件が起きるのだ、警察庁の任務といたしましても、別に犯罪が起きたのを摘発するだけではなしに、未然に防止するということが一つの大きな任務であろうと思いますが、この特殊な医療機関の事件につきましては、非常に全国民神経を使っておるところでございます。これからの参考として私ぜひお聞かせいただきたいと思うのですが、警察庁なり法務省といたしまして、これらの事件に対して、どういうところに盲点があったのだ、ここでこういうふうになっておるならこういう事件は起きなかったはずだ、将来はこういうふうにすべきではないか、これらのことをお感じになっておると私は思うわけでございますが、まず警察庁のほうから、いま申し上げましたことに対する御意見をお伺いいたしたいと思います。
○高松政府委員 いままで警察で取り扱いました事件の態様もいろいろでございますし、個々の事件について、どこに一番いま御指摘のようなそういう欠陥があったのかというふうな点は、必ずしも私はっきりここで申し上げられるほどの知識はございません。ただ、こういうふうなものについての平素の監査なり監督行政なりというふうなものが一段と充実されてまいれば、こういう水増しというふうな診療あるいはそういうことによる金額の欺詐事件というふうなものは、確かに防止されてまいるのではなかろうか、かように思います。
○後藤委員 いま言われました、こういう事件なりこういう詐欺事件は起きなかったと思うと、その前に言われたことが私聞き取れなかったわけなんですけれども、私もこの問題には真剣に取り組んでおるつもりでございますので、ぜひひとつ、もう少しわかるようにお答えいただきたいと思うわけです。
○高松政府委員 個々の事件それぞれ態様が違っておりますし、これ全部を通じてここのところが一番問題だというふうな指摘は、私もちょっといたしかねるのでございますけれども、ごく一般的に申せば、非常にこういう金額の多い不正事件が多いわけでございますから、そういう点につきましての平素の監査なりあるいは指導なりというものが――もっとも人員その他いろいろ問題もございましょうけれども、そういうことがいろいろ徹底してまいるということ、まずはやはり行政的な監督監査というものによってそういうことの防止をはかるということが肝要ではなかろうかというふうに私どもは感じております。
○辻政府委員 私も、その点につきましては、ただいま警察庁の刑事局長から御答弁がございましたように、それぞれ事案事案によって様相を異にいたしておりますので、一般的にここに原因があるからどういうふうに予防策を講ずるということはなかなか申しにくいわけでございます。私どもは、特に検察の立場におきまして、常に検察あるいは裁判の過程で判明いたしましたいろいろのこういう案件の問題点につきましては、機を見てそれぞれの監督官庁のほうに御連絡を申し上げるように、常に検察庁のほうに指示をいたしておるわけでございます。私、一般的に申し上げまして、先ほど警察庁の刑事局長が御答弁いたしたとおり、やはり究極的には各監督機関の監督行政を一段と適切にやっていただくということと、それからその監督機関と警察や検察庁の捜査機関との連絡をより以上に密にしていくということが必要なことではなかろうかと考えておるわけでございます。
○後藤委員 わかりました。 次の問題ですが、これは厚生省にお尋ねするわけでございます。先週の質問のときにも軽くさわったわけでございますけれども、昭和四十四年度の監査の報告でございます。これにつきまして新聞等では発表をいたしております。特に内容につきましては、どこの病院でどういう事件があって、金額がどれだけかというところまで新聞では発表されておるわけでございます。さらに予算委員会の総括質問のときにもプリントだけは配付されておるわけなんです。何件あって、金額はどれだけ、これだけ返却されて、処分はこういたしましたと。ところが、中身は一切触れられておらぬわけなんです。これはかえって新聞のほうが明確になっておるわけでございます。ぜひひとつこの場で、四十四年度の会計検査の内容を県別に件数をあげていただいて――その中には不正もあれば不当もあればあやまちもあると思うのです。三種類に分けられると思うのです。これらも厚生省のほうとしては区分されておられるわけです。さらに、監査結果に基づいて、一体処分をどういうふうなかっこうにされたのか、この点につきまして、この前の質問のときにはその内容には触れませんでしたけれども、ぜひひとつできるだけ詳細にお答えいただきたいと思います。
○戸澤政府委員 不正請求について処分したものにつきましては、県のほうから本省のほうに通知を受けるわけでございますので、細部にわたって十分本省のほうで承知できない面もございますが、不正請求の事例の多くは、いわゆる架空請求、受診していないのに受診したことにして請求するというような架空請求、それからつけ増し請求、注射の回数を実際よりも多くして請求するとかというようなのが多いわけでございます。具体的に固有名詞をあげて御説明することは差し控えさしていただきたいと思いますが、一、二の具体的な事例について申し上げますと、A病院では、いま申し上げたような架空、つけ増し請求でもって、四十四年度に一千九十七万円の不正不当な請求をしておりますし、それからB病院では架空、つけ増しに加えて、医者でない者が診療した非医師診療などでもって九百五十六万円の不正不当な請求をいたしております。そういったのが大きな事例でございまして、不正と不当の区別というのは、これはいろいろ混合しておりますので区別しにくい事情でございます。
○後藤委員 新聞で発表されましたのは、私が聞いておるところでは、厚生省のほうから発表されておる、それに基づいて新聞で報道されておると聞いておるわけです。この新聞の記事によりますと、非常にこまかく報道されておるわけなんです。一億四千万の不正受給ということで、その中身が、どこの病院ではどう、どこの病院ではどうと、その中身まで詳しく発表されておるわけでございますけれども、これは厚生省として発表されたものであるかどうか、この点をお尋ねいたしたいと思います。
○戸澤政府委員 例をあげて厚生省で発表いたしたものでございます。
○後藤委員 そうしますと、この新聞の記事になっておりますのは厚生省が発表されたものである、こういうことに考えてよろしいのでございましょうか。
○戸澤政府委員 そうでございます。
○後藤委員 そこで私、警察庁なりさらに法務省なり、あるいは厚生省にもお尋ねいたしたいと思うわけでございますが、先ほどから鬼子母神病院の事件、これは警察庁から御説明をいただきました。ただいま厚生省から発表されましたこの内容、これはほとんど変わりがございません、内容につきましては。見方によっては、かえって監査の結果の発表のほうが、これはいかにも悪らつではないか。おらない看護婦を十一人おることにして補助金を取ったり、具体的に申しますといろいろあるわけでございますけれども、中身としてはたいして変わりがないと思うのです。 そこで話を一歩進めて、この民医連でございますか、当時の新聞を見ますると、民医連は共産党の組織であるということを新聞でもはっきり書いておりました。九カ所を手入れをした、その中身の調査は先ほどの説明のとおりである。さらに四十四年度の指導監査に基づくその内容は、中身としては鬼子母神病院と同じような犯罪である、同じ中身である。こういうふうになってまいりますと、片方では警視庁が警官を三百人から動員をして一斉捜査をやる。片方におきましては指導監査であるということで、内容は同じでありながら行政処分だけで終わっておる。どうしてもこの点が私納得できないわけなんです。それとも共産党の組織であるから弾圧をするのだということなら、これは別問題でございますよ。私そういうことではないと思うのです。これはあなた方も十分御承知のように、憲法の十四条では「すべて國民は、法の下に平等であって、人種、信條、性別、社會的身分又は門地により、政治的、經濟的又は社會的關係において、差別されない。」、いわば日本国民は法の前には全部平等だと私思うわけです。ところが、片方においては警視庁の一斉捜査で徹底してやられ、庁方においては指導監査だから、中身でやっておることは一緒でありながら、行政処分で終わり。しかもこれだけの新聞記事が堂々載っておりますのに、警察庁としては全然捜査も何もしない。これは一体どういうことなのか。これは私だけではなしに日本国民としてわからないと思うのです。いわば犯罪の内容としても一緒だと思うのです。これは一体どういうふうに考えたらいいのか。法の前には平等である、平等であるといいながら、何か政治的圧力がどこかへ圧力となってあらわれてきて、結果的には同じことをやっておりながら、こういうふうな扱いをされておる。この点まず第一番に厚生大臣にお尋ねしたいと思うのです。いかがでございましょう。
○内田国務大臣 私は、どちらも悪い事犯でありまして、私の見る限りにおきましては甲乙はないと思います。
○後藤委員 いや、どちらも悪いことで、私のほうから見るとどちらも――わかりませんがね、いま言われましたのは。私は貴重な時間を消費しておるのですから、真剣に大臣にもお尋ねしておるわけなんです。同じ犯罪を、犯罪というと語弊があるかもわかりませんが、同じように悪いこと、不正なことをやっておる。二カ所、三カ所ある。片方では警視庁が一斉に捜査する。徹底的にやる。現在でも捜査中なんです。片方では指導監査とはいえ、中身が一緒のことが暴露されたわけです。これは行政処分だけで終わり。これがはたして法の前に平等であるということが憲法十四条に基づいていえるかということなんです。なぜ一体そういうことになるか。たとえば日本医師会の問題、日本歯科医師会の問題から、病院協会の問題から、いろいろ関係もこれはあろうと思いますけれども、いかに政治的な圧力があろうとも、同じような犯罪に対しては同じ態度で臨むというのが、法の前では平等であるという憲法十四条の精神ではないかと私は思うわけであります。そのことに対して、厚生大臣、いわゆる保険関係、医療関係の最高責任者である、堂々たる日本の閣僚としてどうお考えになっておるか、この点をお尋ねしておるわけなんです。
○内田国務大臣 たいへん、まあ私がいじめられておるようなかっこうでございますが、私が厚生大臣として見ます場合には、いま二つの場合を比較いたしまして、厚生省関係の監査で発覚された事犯も、また厚生省関係の監査に基づかず、他の縁由によりまして同種の法律違反が発覚されました事態も、どちらも同じ悪いことである。したがって、先ほどは申しませんでしたけれども、私も、同じ事犯である限りにおきましては、それらに対する行政上、あるいはまた場合によりましては刑事上の処置というようなものも公平に行なわれてしかるべきものだという気持ちを持つ、こういう意味におきまして先ほどのようなお答えをいたしておるわけでございます。
○後藤委員 そうしますと、いま大臣言われましたのは、行政処分としても、さらに刑事上の問題としても、同じように扱うのがあたりまえのことだ、そういうふうに大臣いまお答えになったと私は思うわけですが、それなら現状を考えるとそうなっておらぬと私は思うわけなんです。片方におきましては、日本医師会との三十五年の申し合わせによって、指導監査――まあ今回出されました通達というのはそれよりかはちょっときびしい通達になってきております。中身を読んでみますと、私としてはたいした変わりはないと思っておるわけでございますけれども、しかも全国に十二万人おられるお医者さんの中には、ほとんどの人は私は善良なまじめなお医者さんであると思う。しかしながら、その中の一部としてこういうふうな行為があるのに、行政処分だけでこれは終わり。片方におきましては、警視庁が中心になって三百人からの警官を動員して一斉捜査を行なう、現在でも捜査中である、こういうふうな扱いが行なわれておるわけなんです。なぜ一体そういうふうな差別的なやり方をしなければいけないのか。それが私はわからないと言っておるわけなんです。大臣はいまそう言われましたけれども、現実にはそういうふうなことになっておらぬわけなんです。そこに私は今日の医療問題の盲点の一つがあるのではないかというふうに思うわけでございます。この問題については、さらに今後の問題として私質問をしていきたいと思います。時間が参ったようでございますから途中でございますけれども打ち切りたいと思います。 ただ私は、最終的に一つだけ注文があるから申し上げたいと思うのですが、いまの問題は引き続いて今後も質問をさせていただくということで保留したいと思いますけれども、お医者さんの不良請求の問題につきましては、医療費体系の問題なり、あるいは製薬会社とお医者さんの関係なり、あるいはお医者さんと患者の関係なり、あるいは医療費支払いの形式なり、あるいは先ほど問題になりました医療専門官の問題なり、その他いろいろな方法は私はあると思うのです。しかしながら、最終的に、いわゆる終局的に言えることは、お医者さんのモラルの問題になるのではないかと私は思うのです。そうなってまいりますと、十二万のお医者さんの中には――ほとんどの人がりっぱなお医者さんだと思いますけれども、中にはやはり、先ほど監査の報告をされましたように、非常に悪意な不正請求をやっておられる。これらの人の強い反省というのがまことに大事なことだと私は思うわけでございます。そうなってまいりますと、日本医師会なりあるいは歯科医師会あるいは病院協会、さらには薬剤師会、これらの団体がございますから、その団体といたしましても、今回の監査に基づく諸問題、あるいは先ほど警察庁から言われましたいろいろな問題、あるいは秋田で起きましたところのいろいろな問題、これらに対する問題につきまして、歯科医師会長なり日本医師会の会長さんなり、さらには病院協会の会長さんなりあるいは薬剤師会の会長さんあたりの意見を私聞きたいと思うわけなんです。こういうような今日の問題に対しまして、少なくとも団体の責任者である、しかも団体を運営しておられる最高の責任者、しかも国民が多く望んでおるところの不正請求等をなくするためにも、ぜひいま申し上げましたところの団体の責任者の御意見なり、さらにこれらの問題を防止するためには今後一体どうお考えになっておるか、こういうような意見を聞くためにも、委員長にお願いするわけでございますが、なるべく早い機会に、いま申し上げました団体の責任者の方に本委員会に御出席をいただいて、貴重な意見を聞かしていただく機会をつくっていただきますように、理事会でも十分御検討くださいますようにお願いを申し上げまして、私の質問を終わりたいと思います。
○倉成委員長 ただいまの件は、理事会にはかった上で善処いたしたいと思います。 次に、島本虎三君。
○島本委員 きょうの私の質問は一つにしぼります。それは栄養関係であります。 まず第一に、大臣、あなたは厚生省で健康関係のほうを担当しているわけでありますが、健康ということはどういうことですか。どういうように考えて行政を指導していますか。
○内田国務大臣 私は、健康ということは、病気をなおす医療というような狭いものではなしに、まず病気にならないことから出発をすべきだ、こういうふうに考えます。そのためには、運動でありますとか、あるいは必要なる栄養の問題でありますとかいうような体力づくり、それから病気の予防というようなことから出発をし、また、病気になりました後は治療、それからリハビリテーションというようなことまで一貫してやりますことが健康の政策だと私は思います。
○島本委員 厚生省の公衆衛生局の栄養課のほうで編さんしている著書の中にも、これはてきぱきと五つに分けて規定しているようでありまして、長生きすること、活動的な行動力を持っていること、それから環境適応能力、抗病力、回復力の強いこと、それから身心爽快、気力が充実していること、快適な頭悩活動ができること、こういうようなものが健康の要素である、こういうようにあなたのほうで規定しているのです。ですから私がいま聞きたいのは、はたしてこういうような状態で指導されているのかどうかということを一つ一つ点検していきたい、こう思っているわけであります。 それで大臣、あなたの前任者である斎藤厚生大臣のころ、昭和四十三年十二月十九日であります。同じ保健栄養の問題についていろいろ私どもは聞きたただしてまいりました。学校の給食関係からいわゆる集団給食といわれる各方面についての施設の改善並びに制度の改善を要望して終わったのであります。自来三年を経ております。その間に十分その成果は見るべきものがあると思いますが、その当時からどのようにこれに対処されたか、まずこの報告を願いたいと思います。
○滝沢政府委員 ただいまの、先生が四十三年この問題等特に取り上げられて以来、われわれは各省庁の所管行政にかかる集団給食施設への栄養士の配置、これは具体的に集団給食の向上をはかるために、やはり栄養士の配置を必要とするという御意見がございましたので、当然のこととしてこれの行政指導を各省と協議して進めてまいりました。その時点から今日までに、千六百七十名ほどの栄養士の配置の増加がございましたが、数字的に若干申し上げますと、増加率といたしましては四十二年と四年とを比較いたしますと、学校関係では一一四・四、病院関係は、もともとこれはいいのでございますけれども、一〇四・二、事業場関係で一二〇・九、児童福祉施設におきまして一一二・七、社会福祉施設におきましては一三六・五、法務省関係等の矯正施設におきまして一一八・六、その他民間的な共同給食施設もございまして、これが一二二・一というような実態でございます。
○島本委員 学校関係もだいぶこれはよくなっているということで、まことに次代をになう人材を養成する機関のためにこれは喜ばしいわけであります。 その場合に、学校関係のほうをちょっと聞きたいと思うのですが、これは厚生省とも十分相談されておると思います。それぞれの児童の給食施設、それは行なわれております。これもほぼ行政監察の結果によりましても成績をあげておりますが、その内容、栄養関係のほうも十分それらの人を配置して万全を期しておられるかどうか、現在の小中学校、こういうようなものの状態について、ひとつ文部省の報告を願いたいと思います。
○柳川説明員 お答え申し上げます。 学校給食関係の栄養士の設置につきましては、先生の御指摘もございまして努力しておるところでございますが、四十五年五月一日現在で、全国に五千三百六十二人の栄養士の資格を持った者が配置されております。内訳を申しますと、小学校では二千四十一人、設置率は一四・一%、中学校で四百五十一人、一五・六%、夜間定時制高校で二百五十一人、五四・一%、特殊教育の諸学校で百六十人、三七・九%、共同調理場千三百三十七人、九九%でございまして、なお努力はいたしておるところでございますが、小中含めまして設置率が低いという状態でございます。この辺を補うために、保健所の御指導も受けておりますが、同時に市町村の教育委員会に九百八十人の栄養士の方々が指導に当たる配置がなっております。それから都道府県教育委員会に七十人、すでに各県に栄養士の指導に当たる人が配置されておる。その他給食会関係に三十二人というように、遅々ではございますが、年々配置が増進しておるという状態でございます。
○島本委員 その点では、過般の行政監察から指導を受けておられるようです。その指導の中には、それぞれわかりやすく区分されておったようです。新聞等によって承知しておりますが、学校給食の普及対策、それから施設設備の整備、それから栄養指導、物資調達、それから衛生管理、給食事務等の主要な事務についての指導方針の明確化、こういうようにいろいろ具体的に示してあったようであります。そういうふうにして見ます場合に、栄養指導の面についても具体的に指導されてあったようでありますが、そういうような点の配置が、この行政監察の指摘に対してもいまだしの感がある、こういうようなことに相なろうかと思います。その根本原因はどこにあるのですか。
○柳川説明員 学校給食のおい立ちが、物のない時代にミルクを配るあるいはパンを配るという配る体制から発足し、それからパンとミルクがあればおかずをということで、おかあさん方の奉仕で始まったという経緯が過去にあるわけでございます。その面から逐次、合理的な実施の体制をつくるという方向が学校給食の改善の課題であろうということで取り組んでおる次第でございまして、年々その面で、栄養士の設置の増進につきましても努力をしておるところでございます。 現在、国の補助は、来年度予算で新たに五百四十人の増員を見込みまして、三千八十四人の補助対象を見込むというように、年々増加の方途も講じつつあるわけでございますが、何ぶん対象学校が多いものでございまして、この面で一〇〇%設置の方向への実現を現在まだ見ておらないというところが一つの大きな問題であろうかと感じておる次第でございます。
○島本委員 具体的な問題として、いわゆる実施面では保健所の指導を受けてそれぞれ改善の実をあげていくつもりだ、こういうようなことが報告されました。その点ではけっこうです。三年の間にこれらのいろいろな欠点も当時あげているわけであります。そのためには、集団給食の施設に対する――栄養改善法ですか、これの第九条の二に基づく栄養士の設置がいわば努力規定にとどまっていて、これを義務設置、必置にしたらどうだ、こういうような提案もあったわけでありますが、依然そうでないまま努力目標だけにしておられたようであります。これでは実があがらないのではないか。この辺の考え方は、次代をになう人材養成のためにも十分考えなければならない点なのでありまして、この点は強く主張してまいりました。いまだに実があがっておらないという点は私としては残念なんでありますが、この点、将来の問題として努力規定を義務規定に変えなければならない状態にあるのじゃないか、こう思っているわけでありますけれども、この点等に対しては厚生大臣はどのように考えておりますか。
○内田国務大臣 一般論として申しますと、国民の栄養改善の立場から、すべての集団給食施設には栄養士が配置されることが厚生大臣としてはきわめて望ましいと考えております。しかし、これを直ちに法律上の必置制ということにいたしますためには、社会的な実態としてそれを受け入れるような客観的な状況が成熟してくることが必要であると私どもは考えます。法律をつくればそれですべて私どもの理想が達成されるという段階ではないと考えまして、先ほど来御説明申し上げましたように、現実的にいろいろな施設の集団給食をする場合にでき得る限り栄養士を配置することにつとめてまいっておるわけでございますが、法律上の問題としては、その成果をまってさらに検討をすべきだと私は考えます。
○島本委員 三年前の斎藤厚生大臣の答弁よりもっとうしろ向きで、健康保険法の改正案を出した態度と同じであります。大臣のその態度はほめたわけにいかないし、もう一ぺん頭を冷やして考え直した答弁をさせるように事務当局考えておきなさい。カエルの顔に水かけたような顔しないで、大臣もっとちゃんとしていなさい。 医療施設の関係で、この栄養士の従業員の配置状況はどうなっていますか、厚生省。
○滝沢政府委員 医療施設という具体的なあれでございますと、栄養改善法に基づく給食数を限定した医療施設で見ますと三千六百八施設が対象になりまして、そこに栄養士のいる施設が三千五百十三、九七・四%ということで集団給食施設としては一応一番高いわけでございます。その中身を、いまの栄養改善法に基づく給食数ということと別に医療施設のものを見ますと、百床以上の病院はむしろ平均的には二人以上、二千三百八十七カ所でありながら五千六百人いるというようなことになっております。そのほか精神病院あるいは結核療養所、らい療養所等ございますが、いずれも栄養士は施設数を上回った設置がなされておりますので、医療施設についてはこの点はかなり充実したものと思っております。ただ最近、栄養士の活動の場が医療の中で広がってきておりまして、国立病院等におきましても、外来等の糖尿病患者の食事の指導ということまで担当している向きがございますので、今後医療施設の栄養士の必要性というものはさらに一そう高まってまいるものと考えております。
○島本委員 これは、事業所の関係は一体どういうふうになっていますか。
○山本説明員 実は、はなはだ申しわけございませんが、事業所のほうではてまえども特段に調べておりません。もっぱら厚生省の御指導にお願いをしているわけでございます。
○島本委員 専門の事項をなぜ調べてないのですか。調べてなくていいのですか。
○山本説明員 必要性はあると思います。
○島本委員 昭和二十二年、労働省令第九号、労働安全衛生規則第二百二十二条に基づいて「事業場において、労働者に対して、一回三百食以上又は一日五百食以上の給食を行う場合」には栄養士の設置が規定されているはずでありますけれども、それじゃこういうような事業所はないということですか。労働省が一番悪いじゃないか。
○山本説明員 この規定に合います事業場はかなりの数がございます。そして、われわれは詳細調べてはおりませんが、多くの事業場では、実はかつて自前でやっておりましたところが最近は下請に出しておりますような傾向がございまして、実際上はみずから自前で給食をしておるというようなところが非常に減ってきておるというふうに聞いております。その辺はなおわれわれは調べるつもりでございます。
○島本委員 いま労働力のいわば充実のために、流動化その他、国が重大な焦点としてこういうような問題の解決に入っているんです。それだのに集団給食の施設もわからない、それはまかしてあるからいいんだ、ましてや働く労働者の雇称の点なんか全然考えておらない。こんな労働行政がありますか。なぜそれを見てやらないのです。ではこういうような事業所は幾つあるか調べてあるのですか、ないのですか。
○山本説明員 過去に古く調べたことはあるようでございますが、最近は調べておりません。
○島本委員 そうすると、いま聞いたように、一回三百食以上または一日五百食以上の給食を行なうもの、こういうものについてはすっきりした規定があるのです。こういう事業所もあるというのです。ありながら、そういうようなものは知らないとはどういうことですか。今後はこういうのが重点的に利用され活用されるようなことになるのです。ならなければけがと弁当、自分持ちという徳川時代の思想にまた逆戻りしてもいいということですか。
○山本説明員 その点は、まことに申しわけございませんが、われわれは今後調べる予定であります。
○島本委員 それは全然だめだ。そういう事業所がたくさんあるのはわかっている、それだのに、それに対して全然やらなくてもいいのだ、やらないのがあたりまえだという顔をしている。これは、委員長、納得できない。責任者、わかる人を呼んでください。一番わかる人だというので呼んできたのです。これではだめです。これでわかるというなら労働行政はなっておらぬ。だめです。
○倉成委員長 島本君、担当局長を呼びますから……。
○島本委員 これは、私はほんとうに納得できません。これは委員会を侮辱した答弁です。まして以前に、古寺君をはじめ他の委員から、いわゆる出かせぎ労働者のあの不遇な状態やああいう奇禍、いろいろこういうような問題に対して解決策として、労働行政がその辺まで全然手を伸ばしていないということを、この席で繰り返し言われていたのです。それに対して、すぐ調査する、すぐ指導する、すぐこれに対して善処する、と言っておきながら、法律にあるこういう問題の一つだに、どこかの国のことのような答弁をやっているのです。こういうばかげたことは認められません。これらに関係した高年齢層の雇用の促進をはかる法律も出ようとしている。それだのに、依然としてそういうような考えでやるのならば、それをつくっても全然何もならない話だ。審議する価値さえもない。これは私はまことに慨嘆にたえないと思います。この問題は理事会の打ち合わせにしておいてもらって、私自身これは納得できませんので、これは保留して次に進みますから、その点よろしく願います。 それと、次には児童福祉施設関係。この関係は児童福祉施設最低基準がそれぞれ法令によってきまっているのですが、この方面の対策をひとつお聞かせ願いたいと思います。
○滝沢政府委員 児童福祉施設の昭和二十三年の厚生省令第六十三号によりまして、三条、四条及び八十九条に、乳児院及び虚弱児施設には栄養士の設置が規定されております。これが必要になっております。
○島本委員 社会福祉施設関係、養護老人ホーム及び特別養護老人ホーム、こういうふうな関係はどういうふうになっておりますか。
○滝沢政府委員 養護老人ホーム及び特別養護老人ホームの設備及び運営に関する基準というものが昭和四十一年厚生省令第十九号で出ておりまして、その十二条及び十九条に養護老人ホーム及び特別養護老人ホームで、収容定員が八十人以上の施設にあっては栄養士の設置が必置とされております。
○島本委員 いまいろいろといままでの対策とその状態を聞いてみましたが、法によって必置となっているところはみんな成績いいじゃありませんか。ましてこの大事なところを必置にしてあります。しかし学校関係は、これから次から次と聞いてまいりたいと思いますが、これは次代をになう人材の養成の場所であります。これくらいは常識でありますけれども、これあたりを手を抜いてもよろしいということにはならぬのであります。したがって、こういうふうなところは、大臣も先ほどの答弁はだいぶずれているということをおわかりだったと思うのですが、全くこの点は少しはずれております。そういうふうな点からして、もう一回これを練り直して、必置にすべきところの法改正はちゃんと考える、こういうふうにしなければならないのじゃないかと思うのです。ことに、全然われわれの手の及ばないいわゆる刑務所関係、こういうふうな関係においては、はたしてどういうふうな待遇を受けているのか、それさえわからぬのであります。前回も集団中毒があったりした事件があり、それに対して以後に対しては十分注意を喚起しておいたはずであります。あわせてこの刑務所関係の集団給食の場合の改善の方途を、当時、三年前からのやつを言ってあるはずですが、これも聞きたいと思います。
○羽山政府委員 お答えいたします。 御指摘のとおり、三年前にある刑務所におきまして集団的な伝染病が発生いたしまして、まことに遺憾な事態となったわけでございます。栄養士の問題等につきましても、以来鋭意努力を重ねてまいっておるわけでございますが、たまたまこの時期に成案ができましたので、法務省におきましても、大臣訓令をもちまして、収容者食料給与事務規程というものをつくりまして、そうして自来いろいろな努力を重ねておるわけでございます。 そのこまかい点は、非常にこまかくなりますので、いま差し控えさせていただきますが、重要な点を二、三申し上げますと、栄養士の配置のないところにおきましても、刑務所、少年院、少年鑑別所の本所、本院には必ず医者が配置されておるのであります。医者のいないところはないわけでございまして、その医師を十分に活用いたしまして、給食の面の指導にも当たらせるということが第一点でございます。 それからこの給食関係で、栄養士の資格を持たない者が事実上給食の実務をやっておるわけでございますが、これらの者につきましては、定期的にかなり徹底いたしました関係の研修を行ないまして、単に給食上の事故防止対策のみならず、完全かつ理想的な給食が行なわれるようにということをいたしております。 なお、それに加えまして、八カ所にございます矯正管区、それから本省の矯正局が随時現場を回りまして監察を行ない、必要な指導をいたしておるというような点がおもな点でございます。
○島本委員 自来集団中毒その他の事故はありませんか。
○羽山政府委員 伝染病はほとんどございません。集団中毒が、まことに申しわけないのでございますが、昨年大阪の拘置所でちくわが腐っておりましたのを食わせて、中毒が若干出たということがございました。直ちにこれも厳重に調査をいたしまして、指導をいたしております。
○島本委員 われわれのふだん手の及ばないところであります。しかしちくわの腐ったのを食わせたと、いまあなたがおっしゃいましたが、いまの製法においてちくわは長年月腐らないようにつくってある。年月とは何ですが、相当長期間耐えるようにしてある。それが腐るのですから、これは相当なものではないかと思います。なお十分そういうような点は今後万全を期しておいてもらいたい、このことを強く要請しておきたいと思います。なお、保健所と学校等の指導関係はうまくいっておりますか。
○滝沢政府委員 今回行管の指摘事項の中には、実はある数の給食施設を調べて、保健所からの指導があったかどうか、こういう数字が出ておりまして、一二%程度のものは一年間全然顔を出していない、こういうような御指摘が実はあるわけでございます。この点につきましてはたいへん遺憾なことでございますが、あえて弁護をするわけではございませんが、教育委員会あるいは労働関係の事業場等につきましては、ほかの一般的な給食施設あるいは飲食店等の監視業務あるいは食品そのものの監視業務に追われている食品監視員にとりまして、一応その責任の系統ができておるところはややもすれば手が抜けるというような点がございます。それでいいというわけではございませんで、やはりわれわれとしては食品監視員を増員いたしまして、十分手が回るようにいたしたい、こういうように考えまして、四十六年度、これは交付税の職員数でございますが、三百人の増加をするように予定しております。
○島本委員 そういうような点等についても、終局は行管からの指摘がある点はやろうと思っても、やれる人員の不足、このために十分に活動ができないのだ。ほとんどゼロだということは、他のほうの仕事が多くて、その方面まで手が伸びない、こういうようなのもあるようです。必ずしも要請がないから行かぬのではなくて、人手不足で忙しくて、その程度のものは電話で、おまかせいたします程度で、行ってやっておらない点も多々あるようではありませんか。そういうような点も十分配慮して、大臣もいることですから、末端のそういうような行政の中に血を通わせるために、今後は人員が不足でどうにもできないのだという、こういうようなことがないように、大臣、これは配慮してやる必要があろう、このように思いますが、こういう点十分今後のために希望しておきたいと思います。これは強力に要望しておきたい、こういうように思うわけです。 なお文部省関係等についても、この点については、徐々に上げろといっても上げないで――上げないでというのは率を上げないでおいて、そしてそれを代行させることによって糊塗しようとする意図もあるかのように聞いておったわけです。栄養士なんて要らない。調理のおばさんでいいんだ。こういうような考え方でこれを実施しようとする瞬間もあったようです。幸いにしてそういうような計画は粉砕されたことは喜ばしいことであります。この点はなお子供のためにも十分考えた上で、今後必置にまでする必要が当然あると思います。この点等についても早くいつの日にか踏み切らないといけませんから、十分これを考えて、大臣においても、この点十分文部大臣等とも検討されて善処していただきたいと思います。
○内田国務大臣 栄養士の集団給食施設に対する充足状況は、先般来お話がございましたとおりでございまして、私は、栄養改善法のいまの規定をいま直ちに改正しまして必置制にするのには、まだ諸般の客観的情勢が成熟するに至っておらない、こういうことを先ほど申したわけでございますけれども、しかしだんだんお話を承っておりますと、いろいろの集団給食施設の分野におきましては、すでにそういう状況が成熟しているところもございますし、またそういう分野においては、必置制に持っていって差しつかえないような分野もあるように思いますので、法律を改正して全般的に必置制にすることはしばらく預からしていただきますけれども、それぞれの分野において必置的な基準を設けるというようなことは、私はできるだけやるべきであると思います。先ほど来お聞きのように、これは私のほうのことを手柄がましく申し上げるわけではございませんけれども、病院でありますとか、あるいは社会福祉施設などでは、すでに九七%または七一%というような栄養士が充足されておりますのでございますが、こういうところは必置基準みたいなものを厚生省みずからつくってやっておるわけでございます。でございますから、いろいろな分野を検討いたしまして、その分野ごとに必置的な制度をとっていくというようなことは、これは私は決してやってできないことでないように思いますので、検討をいたしてまいりたいと思いますので御了承をいただきます。
○島本委員 なお行管の指摘によっても、この学校という関係に関連して肥満児の多くなった状態、それと相呼応するかのように、または朝食抜きにするのか、または栄養食ならざる食をとるのか、やせる運動を強力にやっておる、こういうようなこともあるようでありまして、この点等はわれわれの十分理解し得ないところなのであります。これは、欠食率が高くなるということは、われわれは貧乏で食べられないために欠食率が高くなる、こういうように思っておるのでありますけれども、現在までの指摘によりますと、これが逆にやせるために食べないのだ、こういう傾向も中学校の高年部または高校の中には、ことに女子学生の中にこれが多い、こういうような指摘もあるようであります。こういうような点等においては、今後のためには、いかに自由であるとはいえ指導の適正を期さなければならないのではないかと思いますが、肥満児の対策――これはやはり過保護によるのか、または運動不足によるのか、または栄養のやり過ぎによるのか、いろいろ問題があろうと思うのです。この問題については文部省では十分、栄養の面とあわせて対策もあろうかと思います。お伺いいたします。
○橋本説明員 お答えいたします。 現在肥満児傾向というふうなものは、子供の数が、たとえば四十三年度の全国調査によりますと六歳児で一・三%、これは男のほうでございます。それから女のほうが一・五%。それから九歳児になると男が二・五%、女が三・〇%。それから十二歳になりますと、大体小学校の高学年、中学校の低学年でございますが、男が二・六%、女が三・〇%。十四歳で男が二・八%、女が七・八%。この場合はだいぶ女性のほうが多くなっております。そういった傾向でございます。 これは私どものほうでは、いわゆる養護教諭それから学校医、そういったものと相談いたしまして、学級指導、個別指導、そういった面で肥満児の傾向の者につきましての栄養のバランスとかあるいは運動の指示とか、それからまた精神的に非常に肥満を気にいたしますというふうな傾向が、特に女の子に多うございますので、そういった面についての生活指導と申しますか、そういったことを家庭と連絡しながらやるように指示をいたしております。
○島本委員 なおその点等については栄養の面と考え合わせて、完ぺきを期するためにも十分指導の面を発揮してもらいたい、こういうように強く要請しておきたいと思います。ことに肥満児は栄養の過多によるとか運動不足によるとか、いろいろいわれておるわけでありますが、これとてもやはり初めから計画的に指導されることによって、いろいろといい傾向を生むこともあろうかと思いますが、十分この点等に対する対策は考えておいてもらいたい。 それとあわせて、最近の状態の中に、おもにこれはデパートあたりの従業員に多い傾向として、血液検査して、たとえば献血にきた者の血液の中に、対象にならないものがだいぶあった、こういうことを聞くわけでありますが、その原因を見たら、これも食べもののせいである、こういうようなことのようであります。また雑誌やその他のマスコミによって、いわゆる情報公害でありましょうか、スマートになるためのいろいろな宣伝があるのでありまして、それに即応するかのように、これは努力するのであります。はたしてこれはいいのか悪いのか。これは女性の自由でありましょうけれども、やはりそこまで言ってはだめですからやめますけれども、そういうような情報公害の面もだいぶあるようであります。成年者がそういうようになれば、未成年者やまだ学校に行っている人たちも、子供たちもそれをまねる、こういうような傾向もあります。やせようと、とうふを食べようと豆を食べようと、これは自由であります。しかしながら、それにしても指導のいかんによっては――これは第二の、いわば次代をになう国民をつくるために大事な点でありますから、この点は事を欠かないように十分配慮してやらなければならないと思います。 まだありますけれども、私は次のためにもうこれでやめなければならぬことになってまいりました。しかし次回は、期して十分またやりますから、ひとつ皆さんも資料を準備して、この次のために十分御研さんを願っておきたいと思うのであります。 労働省関係は、これは全然納得しておりませんから、次回に、この問題に対してはあらためてひとつ質問を行ないたいと思います。 委員長、これで終わります。
○倉成委員長 古寺宏君。
○古寺委員 わが国の血液事業は、かつては売血が主体でございましたけれども、いろいろな弊害が発生いたしまして、三十九年以来売血制度の改善がはかられてまいりましたが、現在非常に血液が不足をいたしております。昭和四十四年におきましては四十六万五千リットルを下回っております。四十三年においても四十六万リットル、こういうような実情でございます。三十六年には五十二万三千リットル、三十八年には五十八万四千リットルの製造量から見ますと、年間の需要量を非常に下回っているわけでございますが、厚生省としてはこの対策をどういうふうにお考えになっているか、承りたいと思います。
○武藤政府委員 供給の数字につきましては、先生の御指摘のとおりでございます。したがいまして若干足りない分につきましては、今後大いに総合的な対策を行ないまして努力をしていきたい、かように考えております。
○古寺委員 総合的対策というのはどういう対策でございますか。
○武藤政府委員 たとえば血液センターの支所をいろいろふやしていくとか、あるいは献血者を常時充実していくという面と、それから国民に対する献血思想の普及をはかっていくことだろうと思います。
○古寺委員 現在の血液の実情を見ますと、東京ですが、四十四年に病院からの要請に対して応じ切れなかった血液が、A型が百十四回、B型が二千三百六十四回、AB型が二百五十二回、合計二千七百三十回でございます。さらに昭和四十五年の一月から十二月までの間に、東京都において病院からの要請に応じ切れなかった血液の数量は、A型が二百六十六回、O型が二千六百九十回、B型が三百四十二本、AB型が七十二本、合計三千三百七十本になっておって、昭和四十六年の一月にはA型が二本、B型が四百十七本、AB型が百四十一本、合計五百六十本に及んでおります。こういう血液の不足のために手術を延期したり、あるいは交通事故や出産時の輸血が不可能なために数多くの犠牲者が出ているわけでございます。そういう実態について厚生省がもし調査をしているとすれば、その実態について御説明を願いたいと思います。
○武藤政府委員 ただいま先生の御指摘になりました血液の特殊性に基づきますいろいろの問題につきましては、総合的な調査自身はいたしておりません。したがいまして、今後ともそういうような実態につきましては具体的な対策なり調査をいたしていきたい、かように考えます。
○古寺委員 そういう実態を知らないで、総合的な対策を進めていくというふうに先ほど御答弁がございましたけれども、実態を知らないで対策を立てても、これは献血の問題は解決つかぬ、こう思うわけです。WHO加盟国の中でわが国は最高の妊産婦の死亡率である、こういうふうにいわれております。その中の五〇%がいわゆる出血時に血液がないために死亡している、こういうふうにいわれておりますけれども、この点については厚生省はどういうふうにお考えですか。
○武藤政府委員 先ほど総合的な対策と申しましたけれども、それは確かに一般的な問題でございます。先生が御指摘になりました具体的にいろいろ問題が生じていることにつきましては、やはり近県相互の情報をよく連絡し合ってそういう面に対処していくということが必要かと思います。
○古寺委員 東京都の例を一応御参考までに申し上げますけれども、死亡例二百二十二例中、もし輸血をしておったら助かった人というのが四十七例ございます。それから輸送時間、いわゆる血液がもっと早い時間に到着しておったら助かっただろうという人が三十一人いらっしゃる。あるいは血液を病院の中に保管していたら助かったという方が五十五例、それから出血の死亡例百二十四例のうちで、全然輸血なしで死亡した人が三十人、五百cc以下が二十一人、それから五百ccから千cc以下の人が二十七人、こういうふうに死亡いたしております。あるいは東京都の三百十六例の血液不足の資料でありますが、分べん時の出血による死亡が百三十八人、こういうふうになっておるわけでございます。こういうふうに血液が足りないために現実に多くの人が犠牲になって死んでいかなければならない、こういう実情になっているわけでございますが、これに対して厚生省はほとんど日赤にまかせっきりで何もやってない。これが実情じゃないか、こう思うわけでございます。 そこで次に移りますが、現在の献血量の四十六万リットルの中でほんとうに純粋な献血は二〇%以下である、こういうふうにいわれております。あとの八〇%というのはいわゆる指定献血であって、家族が手術をするとかあるいは血液が必要なためにやむを得ず血液センターへ行って献血をしている、こういうような実情でございます。実際に、では献血が行なわれているのかという問題になりますと、純粋な献血というものは非常に少ないわけでございます。これに対して厚生省はどういう対策をお考えでございますか。
○武藤政府委員 献血の割合は、これは私どもとしては九七%というふうに考えておりますけれども、先生の御指摘になるように、献血のときに家族のことを考えあるいは近親者のことを考えて献血をなさる方もあろうかと思いますので、あるいは先生の言うような見方も一つ成り立ち得ると思います。しかしながら、そういう方々もボランティアの考え方に立って献血をなさっていることだと思います。それから先ほど先生の御指摘でちょっと私申し落としましたけれども、全国にはブロックのセンターがございまして、いろいろ情報センターとしての役割りを果たしておりますけれども、御指摘のように、やはり医療機関からの具体的な相互の連絡という点では不十分な点があるようでございまして、今後もそういう点、医療機関あるいはセンターとの関連を十分つけていきまして、御指摘のような事例の問題が起きないようにいたしたい、かように考えております。
○古寺委員 それは絶対量を確保しないことにはどうにもならぬわけです。いわゆる純粋な献血というものは二〇%しかない。七十万リットルあるいは最低でも六十万リットル必要なものに対して、四十六万リットルしか絶対量がないわけです。そのうち二〇%しか純粋な献血というものがない、こういうふうになっているわけですね。そこでお尋ねをしたいのですが、現在売血というものは行なわれていないのでしょうか。
○武藤政府委員 保存血液についてはございません。
○古寺委員 そこでお尋ねしたいのですが、これは献血手帳でございます。これはいままで過去に出しておった献血手帳、これが新しい献血手帳です。 〔委員長退席、小山(省)委員長代理着席〕 この献血手帳を見ますと、全国どこへ行ってもこの手帳があれば輸血をしてもらえるというふうに書いてある。ところがこの手帳があっても、輸血が受けられないという事例がたくさんあります。これはどういうわけでございますか。
○武藤政府委員 献血手帳は、これは献血をなさった方に対する一つの献血をしたという受け取りといいますか証明でございます。したがいまして、この献血手帳がなくても当然献血は受けられるわけでございまして、もしも献血手帳がなければ輸血は受けられないというようなことがいわれておりますれば、それは何らかの行き過ぎがあるわけでございまして、そういう点につきましては昨年も重ねて当局から関係方面に厳重に注意をしている次第でございます。
○古寺委員 どうも私がお聞きしていることに対して御答弁になっていないようですが、この手帳には、「この手帳は、いつも身につけておいてくださるよう、お願いします。あなたやあなたのご家族が輸血を必要とされるとき、この手帳で輸血が受けられます。」こういうふうにこの手帳に書いてある。そして献血をした人が輸血が必要で、これを病院に持っていっても輸血が受けられない、そういうことがたくさん発生しているわけでございます。これはどういう事情によるかということをお尋ねしているのです。
○武藤政府委員 それは絶対量が不足であるというようなこと、それから先生御指摘のように、いろいろ血液型の問題で相互の連絡が十分でないというような結果そういうことになろうか、こういうふうに考えております。
○古寺委員 いいですか。この血液はセンターから、東京の場合であれば事業団が運んでくれているわけです。ところが血液がセンターにないんですよ。そこをお尋ねしている。なぜこの献血手帳があればいつでも輸血が受けられますというふうに明示してあるのに受けられないのか、そこをお尋ねしているのです。
○武藤政府委員 先生の御指摘のような点が考えられますし、また事態が起きておりますので、四十三年以来全国に七つのブロックセンターを設けまして、そういうことがないようにいろいろ相互の情報をとっておるわけでございます。
○古寺委員 いいですか。全国で七十万リットルが必要なんですよ。それに対して四十六万リットルしかないために、この手帳があっても絶対量がないので輸血が受けられないと私は解釈するのですが、どうですか。
○武藤政府委員 絶対量の問題もございますし、それから地域的な問題、あるいは先生御指摘のような血液型の問題等があること、それから医療機関とセンターとのいろいろな連絡関係が十分じゃなかったこと、いろいろ原因はあろうかと思います。
○古寺委員 そこで、病院へ行って手術をしたり、いろいろなことで輸血が必要な場合には、この手帳を持っていらっしゃい、こういうふうに言われます。手帳を持ってこなければできないと言われます。そこで、この手帳がなければ輸血は受けられないのですか。
○武藤政府委員 そういうことはございません。
○古寺委員 それでは、なぜ病院とかそういうところでこの手帳の提示を求めるわけでございますか。
○武藤政府委員 献血手帳は決して権利ではございませんで、献血に対する一つの受け取りでございます。ただ病院では献血を確保するためにそういう勧奨をしている向きがあるように思われますが、それが行き過ぎになりますと先生御指摘のように問題になろう、そういう点、私どもも今後とも厳重に注意してまいりたいと思います。
○古寺委員 そうしますと、この献血手帳というのは受け取りでございますね。この献血手帳がないと輸血が受けられないために、現実にこれが売買されているわけです。最高で一万円くらいで売買されております。そういう実態を厚生省は知っておりますか。
○武藤政府委員 もしもそういうことがあるとすれば、これは非常にたいへんなことでございますし、そもそも手帳はそういう権利関係あるいはそういうことを予測しているものではございませんので、今後とも従来以上にきびしく指導してまいりたい、かように思います。
○古寺委員 そこでお尋ねしたいのですが、この手帳が売買されているということは売血にならぬでしょうか。
○武藤政府委員 そういう事実、私どもはつかんでおりませんので、そういう点もあわせて調査いたしたいと思います。
○古寺委員 時間がないですから前に進みますけれども、わが国には心臓病の子供さんあるいは小児ガンの子供さんと、血液を必要とする子供さんがたくさんいらっしゃいますが、心臓病の手術の場合には血液代が非常にかかるわけです。中には百万円をこえている人もございます。大体二十万円から五十万円の血液代が普通である、こういうふうにいわれているわけでございますが、今後心臓病の子供さんに対する血液に対して、厚生省はそういう医療費の負担軽減の立場からどういう対策をお考えになっているか、承りたいと思います。
○滝沢政府委員 児童家庭局の担当者がおりませんので、便宜私からお答えいたします。 児童福祉法の中の育成医療という制度によって、心臓疾患の医療費を公費負担しております。その中で手術に要する血液等全体を含めましてまかなっておるというふうに聞いておりますので、その点は、量が多い、金もかかる、これは私も実態として承知いたしておりますけれども、育成医療のほうでその点は見られると考えております。
○古寺委員 現在生鮮血あるいは新鮮血は健康保険の対象にはなっていないわけです。そのためにそういう輸血の血液を集めるということが非常に父兄にとっては大きな負担になっておりまして、その血液が間に合わないために東京献血学田連盟という学生の方々の団体がございまして、こういう方々が小児ガンの方々のための献血をやっていらっしゃる、こういうような実情でございます。これに対して厚生省は、新聞の報道によりますと献血予備軍をつくる、こういう構想を発表しておりますけれども、こういう点について今後どういうふうに対処していくお考えですか。
○武藤政府委員 先生のお話はそれとして、私は一つの新しい社会的な動きとしてけっこうなことだろうと思いますけれども、最近新鮮血についていろいろ問題がございますので、採血後間もない新鮮な血液のために、採血後三、四時間以内のいわゆる新鮮血を供給するように指導しております。こういう点がやはり医療機関と日赤との間の連携その他が従来は十分でございませんでした。こういう点を私どもとしては、いわゆる新鮮血、三、四時間以内のものを供給できるように医療機関側と十分連絡をとらしていきたい、かように考えております。
○古寺委員 それはもちろん必要なことですが、健康保険の対象になっていないために全部自己負担になるわけです。その点について厚生省は、何十万もかかる血液代についてどういう対策をお考えになっているか、こういうことをお尋ねしているわけです。
○武藤政府委員 いま私が申しました新鮮血は保険の対象になっておりませんが、今後ともこの問題につきましては、先生御指摘のような方向に向かって努力をいたしていきたい、かように思います。
○古寺委員 大臣がいらっしゃいましたので、もう一回また申し上げますが、わが国の血液の必要量は大体七十万リットル、こういわれておる。売血から献血に切りかえた時代には、大体五十八万リットルございました。それが今日では四十六万リットルしかないわけです。しかもその四十六万リットルの二〇%だけが純粋な献血でありまして、八〇%というのはやむを得ず献血をする、こういうような実情になっておるわけです。家族が手術をするためにかき集めてやっているような献血でございます。ところが、この献血手帳というものが発行されている。この手帳には、どこに行ってもこれがあれば輸血を受けられる、こうなっておるのですが、実際問題として東京都におきましては、先ほどデータを申し上げましたが、年間約五千件近く実際必要でお願いしてもセンターからこない。五千件くらいあるわけです。そのために今度は、非常に血液が不足でございますので、この手帳を病院に提示しなければ輸血をしてくれないわけです。そこでこの手帳が実際に売買をされておる。一万円とかあるいは五千円、こういうふうに売買をされておる。ですから、売血制度がなくなったといっても、実際には売血制度と変わらないような血液行政の実態になっておるわけでございます。その保存血のほかに、いま申し上げました新鮮血については、これは心臓病の子供さんの手術あるいは小児ガンの輸血にはなくてはならない非常に大事な新鮮血でございます。その新鮮血に対しては、今度は健康保険の適用がない。そのために、血液を集めるために何十万という血液代がかかるわけでございます。こういう点について厚生省としてはどういう対策を進めているのかということでいままで申し上げてきたわけでございますが、大臣として、この保存血の問題あるいは新鮮血の問題についてどういうふうに一体お考えになっているのか、いまお帰りになりましたので、お尋ねしたい。
○内田国務大臣 いま御論議をなさっておる間に帰って参りまして、聞いておりました。これはたいへんな問題だと私は思います。工場で製造されるような薬品と違いますので、増産がきくわけのものでもございません。やはり献血していただいて、それを加工して保存血にするということ以外にはございませんので、代用物が発見されない限り、献血者が事前に血液を必要とする人々に協力するような体制をつくってまいる以外に、まず考え方の出発点としてはないと私は考えますので、そういうことがしやすいような情勢をつくる、これはもうあらゆる知恵を、あらゆる考え方を総合してつくってまいるようにいたしたいと思います。 ここで私が算術的なお答えもできないことはまことに遺憾でございますけれども、たいへん大きな問題をお取り上げになられたわけでございますので、要するに血液対策というものに厚生省ももっと真剣に取り組んでまいる、こういう姿勢を持っていろいろ知恵を出してまいりたいと考えます。 さらにまた新鮮血につきましては、これはお説のとおり健康保険の薬と違う扱いでございますので、これはこれで供給者の問題のみならず、さらにその代価の問題などが伴うわけでございまして、これも同じような困難な問題でございますので、私は、その困難な問題であるということをここで十分認識をいたしました上で、また非常に大切な問題であるということを認識いたしました上で、ひとついろいろな施策を練って前進をいたすほかない、こういうふうに考えてここにすわっておりました。
○古寺委員 きょうはあまり時間がないので、この次にまたこの残りの問題についてはいろいろお尋ねをしたいと思うのです。 そこでこれは三十九年の八月の閣議決定以来、立法措置というものが全然なされておりません。しかも血液というのはわれわれの生体の一部でございます。それが健康保険の薬剤として、早く言えば医療費としていろいろお金が支払われているわけでございまして、こういうところに非常に矛盾があるわけでございます。そういう点からいって、この献血制度に対するいわゆる立法措置をいたしまして、そしてまた日赤と政府とのいわゆる財政の分野の明確な責任と申しますか、そういうものを明確にしなければ、いまのこの問題は解決できないと思うわけでございますが、そこで大臣に立法化をするお考えがあるかどうか、その点を承りたい。
○内田国務大臣 三十九年の閣議でございますが、従来の売血制度あるいは預託血制度を献血制度に切りかえた閣議の文章なるものを、私は見たことがございます。読んだこともございます。きわめて簡単な文章でございます。あれだけですべて血液の問題は片づかない問題のように私は思いますが、いま私がここで、たとえ大臣でございましてもかけ出しで、よろしい、法律をつくりましょうと申してしまえばそのとおりいくものとも思いません。いろいろのむずかしい内容もきっとあることでございますので、法律制度の中に取り入れるような方向でひとつ検討をいたしまして、できることならばおっしゃるような立法の体系をもってこの問題と取り組むようなことをやるような方向で検討をさせていただきたいと思います。
○小山(省)委員長代理 暫時休憩いたします。 午後一時五分休憩 ――――◇――――― 午後一時十三分開議
○小山(省)委員長代理 休憩前に引き続き会議を開きます。古寺君。
○古寺委員 そこで、今度二月から血液が値上がりをするというようなお話がこの前あったわけですが、それがいろいろ今国会でも取り上げられまして、値上げ分については国の補助で行なうというふうに一応きまったようでございます。そこで、日赤では千八百六十円では、これはとうてい間に合わないと私は思うのでありまして、近い将来、大体八月ごろにもう一回再度の値上げがあるのではないか、こういうことを私は前にちょっと聞いておるのでございますが、そういうふうにさらに値上げをした場合においても国庫で補助をしていくお考えであるかどうか。この点について厚生大臣にお伺いしたいと思います。
○武藤政府委員 血液の問題につきましては、先生の御指摘のように、二月一日から千八百六十円というごとになっておりますけれども、また四月からもとの値段でやるということが方針だけはきまりました。その間財政的な問題につきましてはいま大蔵省のほうで検討中でございますが、さらにまた、八月ごろ値上げをするのではないかというようなことをおっしゃいましたけれども、現在のところそういうことは考えておりません。しかし、いろいろ日赤の運営等で人件費その他もございますので、そういう点につきましては、十分今後合理化あるいは事務的な検討をいたしまして、そういうことがないように検討していきたいと考えております。
○古寺委員 これは合理化をやりましても赤字が一ぱいでどうしようもないわけですから、当然近いうちにまた値上げの問題が出てくると思うのです。そういう場合に値上げ分をさらにまた国の補助でカバーしていくのかどうか。あるいは無償化の問題についても問題になったようでございますが、無償で献血をしておるわけでございます。ところが輸血をしてもらう場合にはお金を取られるということが、日本の献血が推進できない大きな一つの障害になっているのじゃないか、こういうふうに思うわけでありまして、諸外国の例からいきましても、無償化ということは、当然、これは先進国としてわが国においても考えなければならない問題じゃないか、こういうふうに思うわけでございます。 そこで大臣に重ねてお伺いするわけですが、近い将来値上げをする段階においても、その値上げ分については国が補助をしてくださるのかどうか。まそ今後、その無償化という問題について、積極的に検討していくお考えがあるかどうか。この二点についてお尋ねをしたいと思います。
○内田国務大臣 正直に申し上げますと、今回の値上げの話がございましたときに、これは、私はあまりいい気持ちはいたしませんでした。しかしどうも処置ないということでございましたので、ある一部の方々の知恵もいれまして、献血をされた方、つまり先ほどの献血手帳を持っておられる本人並びにその家族の方々については、これは値上げどころではなしに、その分を無償、つまり保険の自己負担はいただかない、こういうようなことをしたらどうか、こういうことで切り抜ける。一方におきましては、私を含めて――私も実は献血をいたしておるわけでございますが、献血をされておる国民に対して不審の念を抱かせるような結果のことをいたしてはならない。その反面、国民の皆さま方からいいことをしたというような、ただいま申し上げるようなことをすることによりまして、この問題を切り抜けるつもりでありました。それは今回ばかりではなく、今後人件費、物件費等が値上がりした場合に一体どうなるかという問題を含めまして、そういうようなことで私は切り抜けるつもりでございましたが、私の功績ではなしに、国会並びに総理大臣の決断で少なくとも今回の分は値上げをしないということで、大蔵省もいろいろ予算上のたてまえをとってもらえることになったわけであります。しかし次の値上げをせざるを得ない場合にどうするかというところまでいっておりません。またさらに進んでは、もとがただで献血をしていただいたものでありますから、それに加工調整費、保存費等があっても、輸血をする場合に無償にしたらどうかというようなただいまの御意見もあるわけでございますので、私どもの考えでは、先ほど来問題になっておる需給の均衡あるいは献血体制の推進、それらを対象とする立法の可能性の探求というようなこととあわせまして、いわば、私は厚生省の中にこの血液行政対策研究チームというようなものもつくらせまして、いまの問題をも含めて取り組んでまいって、その上でまたいろいろお答えもさしていただく以外に、私はすなおに考えて、方法がございませんので、そのようにさしていただきたいと存じます。
○古寺委員 そうしますと、献血手帳がある方については、家族の場合には、輸血の自己負担の分については厚生省が今後めんどうを見てあげる、こういうふうに理解してよろしゅうございますか。
○内田国務大臣 厚生省がめんどうを見るといいますか、日赤が自己負担をすると申しますか、要するに輸血を受ける患者は、自己負担分については、本人並びに家族については、献血をなさった数量に対応する分は、これは全く無償。それ以外の分が自己負担分にありました場合には、今回の予算措置で従来の値段どおり、こういうことに相なるわけでございます。
○古寺委員 きょうは時間がないので次に移りますが、二十四日の日に玉川系水道水質調査会の第五回会合というのが行なわれました。ここで半谷都立大学教授が、多摩川から取水した水道水からカシンベック病の病因物質を検出した、こういうような報告がなされております。いままでは、厚生省にいたしましても、あるいは都の水道局にいたしましても、どちらかというと否定的な態度をとってまいったわけでございます。しかしながらこういうふうに新しい分析結果が出た以上は、やはりこれに対する対策というものを厚生省としても考える必要があるのではないか、こういうふうに思うわけでございますが、その点についてお伺いしたいと思います。
○浦田政府委員 昨日の東京都におきます調査会におきまして、多摩川水系あるいはさらに相模川または江戸川水系の水道水の原水並びに一部につきましてはこれの水道水、つまり配給される水の中からカシンベック病の原因物質であると見られる。パラヒドロキシ桂皮酸及びフェルラ酸が検出されたということでございますが、私ども詳細につきましてはただいま都当局のほうに照会中でございます。カシンベック病は、先生御専門でございますのですでに御案内のことと思いますが、最初ソ連の軍医のカシンあるいはモスクワの内科医のベックといった方々が、主として満州黒龍江の主流流域の住民の中に独立の疾患としてあるという報告があったわけでございます。わが国におきましても、当時東大の病理学の教授をしておられました緒方知三郎先生、また後に千葉大学の教授になられました滝沢延次郎先生を中心といたします調査研究班が、戦前から満州に参りまして、いろいろと研究調査をしたところでございますが、そのカシンベック病の存在ということにつきましては、私どもはこれを否定するものではございません。ただ戦後いろいろと滝沢先生をはじめとします調査のいろいろな結果につきましては、またそれに対する反論もございます。また滝沢先生御自身も、いま問題にしているのはいわばサブ・クリニカル・ディシーズであるということで、主として病理学上の問題であるというふうに私ども直接にお話もお聞きしているところであります。しかしながら、いずれにいたしましても事は非常に重要な水の衛生上の問題でございますので、すでにいままでも昭和三十五年とそれから三十九年度、二回にわたりまして滝沢先生にお願いいたしましてカシンベック病の本体並びに飲料水との関係についての研究調査をお願いしたところでございます。いままでのところは、先ほど申しましたように臨床的にどうこうという問題ではないということでございますが、さらに私どもは昨年九月以来の多摩川取水停止という問題を契機といたしまして、カシンベック病の本体というものにつきまして、専門の病理学者の方々あるいは臨床の成形あるいはレントゲンの専門の方々、こういった方々を入れまして、これらについていま検討をお願いしているところでございます。
○古寺委員 現在取水を停止している玉川浄水場の原水からは有機酸二〇PPB、水道水から二七PPBですか、検出された、こういうふうにいわれております。ところが東村山の原水からは一八PPB、それから水道水から一七。長沢の原水からは九、水道水からは六。金町の原水からは二三PPB、水道水からは四PPBが検出されておる。これは一〇以上であると免険である、こういうふうにされているわけでありますが、これらの水源が次々に停止をした場合には都民の生活に及ぼす影響というものは私は非常に大きいと思います。あるいはまたこういうカシンベックの原因である有機酸がそのまま都民に供給された場合には、今後非常に心配があると思うわけでございます。そこでいま局長さんがおっしゃったように、研究班の結論をまってから、こういうようないままでの厚生行政の姿勢ではなくして、もっと厚生省が積極的に緊急に総合的な調査をするなり、あるいは対策というものを考えなければならない、こういうように私は思うわけでございますが、この点について大臣どうでございましょう。
○内田国務大臣 私は一般論としては先生と同じような考えを持ちます。しかしただいま、この病源体といいますか、それが多摩川等の水系の水から発見されたと所論をされております先生が、厚生省のカシンベック病の研究協議会でありますか、そのもののメンバーにもなっておられることでございますので、この先生とも取り急ぎお打ち合わせをする機会をつくりまして、そして対処をいたすわけでございますが、幸いにこの多摩川の水は、カシンベック発生の原因であるかもしれないというようなことが前にもいわれたことがございまして、しかも現在は渇水期でございますので、水が少ない、よごれている時期でもありますので、多摩川から水道への取水はある程度中止しておるはずでございます。幸か不幸かそういう時期にこの問題が提起されましたので、次に取水を始めるまでの間に、厚生省としましても都とも十分協議をいたしまして対応策を立てて、危険だと考えられるものを都民や国民に飲ませないようにする。どうしても水がなければ、それは他のほうからの取り入れにつきまして緊急の措置を講ずる等のことを、他の官庁とも打ち合わせるなどいたしまして、漫然とこれを見のがしたり、これが病源があるということが確認されるまでは飲ましておくというようなことをしないでほしいと私は考えます。
○古寺委員 そこで次に移りますが、国立の家畜衛生試験場がございますね。ここに本間先生という方がいらっしゃいまして、犬の農薬中毒の症例に見られた臨床症状、眼底、脊髄及び末梢神経の変化について、こういう演題でこの先生がスモン対策協議会におきまして三月の一日に発表することになっておったわけです。それが急に二十四日の段階におきまして中止になった。私どもはスモンの原因は農薬が非常に大きな原因になっているのじゃないか、こういうふうに考えているわけでございます。この本間先生の犬の実験によりますというと、農薬中毒を起こした犬は、特に有機燐、あるいは有機燐にBHCを加えるとか、いろいろ形の変わった農薬を二つか三つ加えてやりますと、相乗作用で毒性が五倍、六倍になるわけでございます。それで下痢が起こりまして非常にスモンと似たような症状が出てくる。こういうようなときに、問題になっておりましたキノホルムを人間の場合は使ったわけでございます。こういうことがいわゆるスモンの原因ではないか、こういうふうに私どももいろいろ聞いておりますし、厚生省もこの事実を知っているのじゃないか。厚生省が農薬というものによってスモンが発生するという事実を知って、こういうせっかく本間先生がおやりになるものを押えているのじゃないか、こういうようなお話を私は聞いたわけでございます。 そこで、私がお願いしたいことは、こういう非常に大事な研究発表というものを、お役に立つように、ぜひひとつ厚生省としても取りはからっていただきたい。いまのカシンベックもそうでございます。先日申し上げましたサリドマイドもしかりでございます。やはり検討してからとか、あるいは結論を待ってからとか、あるいはそのうちにと言っているうちに、国民の生命がむしばまれ、被害者がだんだんふえていくわけでございます。きょうは時間がないので申し上げられませんが、最近はスモンも減っております。それは昭和四十四年の十二月三十一日に、チップとかパラチオンとかメチルパラチオンというようなものが登録廃止になっております。そういうような農薬のいままでの使用量あるいは分布状態、そういうものと比較をしていきますと、非常にぴったり合っているわけでございます。ですから、こういう問題についてはむしろ厚生省が積極的に取り組んでいただきたい。いまのカシンベックもしかりでございますが、何か問題が起こらないうちは、公害でもそうですが、被害者が出ないうちは一生懸命やらぬ、こういう姿勢ではなくして、厚生省がほんとうに国民の健康を守る、生命を尊重するという立場でこれらの問題に取っ組んでいただきたい。 そういうことを特に御要望申し上げまして、時間ですから、終わります。
○小山(省)委員長代理 田畑金光君。
○田畑委員 私は医師不足の問題に関連しまして、ことしの予算に即しながら、厚生大臣並びに自治省、それから文部省にお尋ねをしたいと思うのです。 初めに、内田厚生大臣は、特に昨年秋田自治相の医学高専構想などをめぐって、医師不足対策を真剣に取り上げられて、昭和四十六年度を起点として医師の充足をはかっていこう、こういうことを約束されておるわけであります。本年度の予算編成にあたりまして、厚生大臣は、この点について具体的にどのような措置をとってこられたのか、まずそれをお尋ねしたいと思います。
○内田国務大臣 医師の絶対数が足りないという説と、絶対数は足りなくない、配置が悪いのだ、こういう両方のことがいわれております。しかし私ども厚生省は、相対的に配置の状況が適正でない、したがって医師が不足であることはもちろんでございますが、絶対数といたしましても足りない。したがってその養成の学校の数などにいたしましても、医学部の入学定員というものはたしか一年間に四千何百人くらいでございますが、これを昭和六十年くらいまでの間には六千人くらいの入学定員にふやしたい。そのためには新しい医科大学をつくる場合もございましょうし、また既設の大学に医学部を設置することもございましょうし、また当面は、いまの各大学における医学部の定員をそれぞれ百人くらいに増加していく増員、こういうような三つの方法があるわけでございますので、そういうことにつきまして文部省にも申し入れをいたし、また大蔵省に対するこれら関係の予算の確保にも協力をいたしております。しかしこれらの医師を養成するにつきまして、いままでと違いまして、秋田自治大臣が心配されるように、やはり地方に定着する、僻地に定着する医師をつくるということも非常に大きな課題でございますので、自治相の構想につきましては、私どものほうから意見を述べます一方、これに批判的の意見、つまり医学高等専門学校教育のようなことは適当でないが、しかし地方に定着していただける医師を養成する医科大学の設置ということについては全くそのとおりである、必要であるならば付属病院として国立病院その他の公立病院を教育病院として提供もしましょうというような協力もいたしました結果、とどのつまりは昭和四十六年度予算におきましては、いま申し上げますような、地方に定着することを期待いたします医師を養成する医科大学、自治省予算にその準備費を組み入れる、こういうようなことになります一方、一般的の医学部の拡充等につきましては、文部省のほうでそれぞれお手配をいただいておる、こういうことになっております。
○田畑委員 いまの大臣のお答えの中にありましたように、大臣は秋田自治相の医専構想には強く反対されておりますが、確かにこの考え方には、都会と辺地を人間的に差別するというような観念がぬぐい去り得ないと思うのです。あるいはまた、厚生大臣のおことばをかりると、二級医制度というような考え方ですね。辺地こそすぐれた技術を持つエキスパートの医師が必要であるにかかわらず、安上がり医師を養成するということは人命軽視、これも確かにそのとおりだと思います。したがいまして医専構想は四面楚歌で葬られたような形になっておりますが、しかし秋田自治相のこれは大きな努力だと私は評価していいと思うのでございますが、四十六年度予算の中で「公立へき地病院等医師養成施設の設置に必要な経費」として二億円計上されておるわけであります。そこで私はこの構想がいかなるものであるのか、このことを自治省から説明を願うと同時に、これは厚生大臣にお尋ねしたいわけでありますが、結局この大学で養成される人たちは――言うならば特にいま医療問題の重要な課題である僻地に対する医療担当の核の医師の配置、こういう問題を解決するためのこれは画期的な大学の創設だと考えるわけでありますが、過般どの委員会かは知りませんが、私が新聞で見た限りにおいては、現存の県立の医科大学等を見るならば、当該県は相当の財政負担その他をやっておるにかかわらず、県立医科大学に入る学生は当該県の出身は少なくて、ほとんど他県から来ておる。私のおります福島県立の医科大学なども同様です。したがいまして、今後このような県立大学等についても、できるだけ地元出身の学生を優先的に入学できるように配慮したいというようなことを、どの大臣か知りませんが答えたようなことを私は新聞で見ましたが、こういうことについて厚生大臣はどのようにお考えになっておるのか、ことにまた私はこの考え方はそれなりに理にかなっておると思うのでありまするが、今回設けられる、新しく発足するであろう僻地医科大学、養成機関、これなどは当然制度のできた経緯にかんがみて、僻地におもむいていただく医師を養成する、この趣旨が貫かれないと、私は制度の趣旨をそこねることになると思いますが、この点等についても大臣の見解を承っておきたいと思います。
○内田国務大臣 私どものほうの医務局長が今度の大学設立のためのいわば準備委員会と申しますか、そういうところへ加わっておりますので、あとから十分御説明をさせたいと思いますが、私が承知いたしましたり、また私が考えます限りにおきましては、今度の大学は――たとえば私は山梨県の出身であります。そこで、山梨県立医科大学とかあるいはまた北海道立医科大学とかいうことにして、その県出身の人をおもに入れるということだけでなしに、むしろ僻地は各都道府県にございますので、各都道府県が一緒になって一つの学校法人のようなものをつくりまして、そしてその学校法人がこの大学を設立、運営をする。いわば県立、公立ではなしに、厳密な意味からいえば、学校法人立でございますから私立大学ということになりますが、表向きは私立、中身は公立、こういうようなことにするのがよかろうではないか。したがって、大学に入れる学生も、その大学がどこに置かれるにしましても、所在地の学生をたくさん採るということでなしに、各都道府県から必要に応じた学生を網羅的に入学をさせる、そういうような考え方がいいのではないかと私はしばしば言っておるわけでございます。 また、できるならば大学生のうちから――これはもう非常に乱暴なことで、私さ全く個人的な意見としてお聞き流していただきとうございますが、大学生のうちから地方医官といいますか、山梨県医官補とか福島県技官補とかいうような身分を与えて、何がしかの月給を与える。つまり、奨学資金ではなしに、その地方の職員であるというような地位を与えて、その者が学校を卒業してくれば、今度は医官補とか技官補の補の字がとれて山梨県医官とか福島県技官ということになる道はなかろうかという、私の個人的なことを言っておりますが、私はこの準備委員会には参加してはおりませんが、以上述べましたような私の意向がどこかに反映してくれればいい、こういうことでうちの医務局長とも相談をいたしておる、こういう次第でございます。
○田畑委員 今度できる僻地医科大学について私はそのとおりだと思いますが、現存の県立医科大学について、できるだけその県出身の学生を採用する、この点について、いまの実情はそういうようになっておりませんが、大臣はどのようにお考えかということをもう一つ聞いているわけです。
○内田国務大臣 これにつきましては、文部大臣がお考えを述べておられたようにも思います。実は医師の養成は文部省の責任事項でございます。そこを卒業しました者を国家試験をして医師の免許を与えるのが、私どもの仕事でございます。したがって、学生の採用の問題につきまして私がいまここで申し上げるのはいかがかと思いますので、文部省から、あるいは自治省にお尋ねいただければありがたいと思います。
○神崎説明員 御指摘になりました医科大学の設置につきましては、厚生省及び文部省の積極的な協力をいただいていま準備を進めておるところでございますが、この医科大学は都道府県を設立者といたします学校法人によりまして医科大学を設置をするという形でございまして、入学定員は百名を予定いたしております。 なお、医科大学の開校につきましては、四十七年四月、来年四月を予定をいたして準備を進めておりまして、この大学の建設につきましては、国庫補助金を受けまして、四十六年度から四十八年度までの三カ年間で一切の施設の設備を完了いたしたい、こういう考えでございます。 なお、入学資格でございますとか、あるいは修業年限等につきましては、全く今日あります医科大学と同様でございますけれども、入学につきましては、都道府県知事の推薦する者の中から大学で試験で決定をしてまいりたい、かように考えておるところでございます。 なお、在学中の学生に対します入学金とか授業料その他修学資金あるいは月々要します生活費等につきましては、都道府県の負担によりまして貸与してまいりたい。したがいまして、その修学資金を貸与いたしますので、卒業後は一定の期間は公立の病院、なかんずく僻地病院、診療所等に勤務していただく、こういうような考え方のもとに進めておるところでございます。
○田畑委員 ことしの防衛庁関係の予算を見ますと、防衛庁の予算でも防衛医科大学構想というのがわかりまして、五百万の調査費を計上しているわけです。この構想についてお尋ねをするわけでありますが、防衛庁長官の所管という形でこういう大学ができるのか、並びにいま自治省からお答えになったような諸点についてお答えをいただきたいと思うのです。その前提として、いま防衛庁関係のお医者さんといいますか、これはどの程度の充足率になっておるのか。それで、定員に対してこの医療担当の自衛官は相当に不足しておりますが、軍医は不足しておりますが、現在どういうようなやり方でこれを補っておるのか、その点もあわせて説明願いたいと思うのです。
○鈴木(一)政府委員 お答え申し上げます。第二点のほうから御説明申し上げたほうが御理解いただきやすいと思いますので、御質問の第二点からお答え申し上げます。 現在、自衛隊におきます医官の定員は八百二十名でございまして、これは昭和四十五年十二月三十一日の現在でございます。定員八百二十名に対しまして、現在員二百八十四名でございます。充足率にいたしますと三四・六%に相なります。歯科医官は定員百九十名に対しまして五十六名、充足率にいたしまして二九・五%でございます。これを病院、研究所と部隊に分けて見ますと、病院、研究所あたりでは充足率は七〇・四%で高いのでございますが、部隊等におきましては二〇・九%となりまして非常に少ない状況に相なっております。現在医官等の充足対策といたしましては貸費学生制度、現行月額六千円、その他人事処遇の改善、医療施設の近代化、並びに、航空自衛隊の航空医学実験隊というものが立川にございます、並びに海上自衛隊の潜水医学実験部が横須賀にございます、これらの整備拡充につとめることによりまして医官等の充足をはかるようなことをいたしておるわけでございます。 それから第一点の問題でございますが、自治省でお考えのような僻地の大学というふうな考え方で、いろいろ防衛庁といたしましても何案かその設立のしかたといいますか性格といいますか論議を尽くしたわけでございますが、現在結論的には防衛庁所管の防衛医科大学をつくりたい、こういうふうな考え方でございます。 それでこの点につきましては先ほど御指摘のとおり、調査費として当初で五百万円現在御審議中でございますが、調査費用がつくということになりますれば関係各方面の学識経験者等の意見も十分に聴取いたしまして、少なくとも修業年限、カリキュラム、施設整備等につきましては、学校教育法に基づきます大学医学部あるいは医科大学に求められまする各種の基準に準拠することと存じております。なお関係各界の意見も十分徴しまして、いままでの医科大学以上の斬新な構想を盛り込んでまいりたい、そういう魅力ある大学にしないと歩どまりがむずかしいんじゃないかという考え方に立っております。したがいまして、防衛医科大学校を卒業した者は、現行の大学医学部あるいは医科大学の卒業者と全く同等の資格を付与されることを期待いたしておるような構想になっております。
○田畑委員 先ほど厚生大臣のお話の中にもありましたように、昨年の厚生大臣のとにかく病院抜きの医科大学の新設なり医学部の増設、こういう構想には文部省は反対だ、こういうお話でございました。 そこで現在の医科大学あるいは大学の医学部の定員百名というところに対してまだそこまでいっていない、定員をふやすことによって六百名は増員ができる、こういうようなことを昨年の八月十日のこの委員会において担当局長が答えております。このような定員増をやって充足した後、さらに不足する状況であれば新設も考える、こういうようなことを申しておりましたが、なるほど今回の文部省関係の予算を見ますと、医師養成の充実のための予算あるいはまた医科大学設置に関する調査費、こういうものが計上されておりますが、この内容についてお話しを願いたいと思うのです。
○甲斐説明員 ただいま御指摘ございましたように、とりあえずの問題といたしましては学生の増募をはかるということで、かりに百人の定員にまで直すとなりますと六百名程度ということでございますが、さらに厚生省のほうで刻下の医師の需要という点等考えますと、わが国全体としてやはり新たな考え方をとる必要があるだろうということで、来年度そのための調査を行なおうということでございますが、考え方といたしましては、医科大学の設置のあり方あるいは病院のあり方についての調査会を設けまして、そこでまず検討をいたしたいということでございまして、内容についてはただいま検討中のところでございます。その結論を得ました上で、さらに積極的に進めてまいりたいと思っておるわけでございます。
○田畑委員 私のまず第一に聞いていることは、四十六年度の予算で定員増何ぼ計上されているわけですか。
○甲斐説明員 四十六年度といたしましては、国立大学において学生の増募四十名、公立大学におきまして二十名、それから私立の大学におきまして百名、それから新たに新設が認められておりますものが八十名でございまして、全員で二百四十名、ただいまのところそうなっております。
○田畑委員 時間がないので一々についてさらに詳しくお尋ねすることはきょうは保留しておきます。 厚生大臣にひとつお尋ねするわけでありますが、先ほど答弁にありましたように医師の養成、これは文部省ということでありますが、この医師の配置をどうするかということはこれまた厚生大臣の所管になっておるわけです。大臣も御承知のように、わが国の医師は人口十万当たり昭和四十四年で百十三名です。アメリカはおよそ百五十名、ソ連を見ますと人口十万に対して二百名の医師がおる、こういうことになっておるわけです。厚生大臣も行く行くは人口十万に対して百五十名程度の医師を確保したい、こういうことをかねてお話しになっております。しかし現在の医師の配置という点から見た場合に、非常に大きな問題があるわけです。ということは、開業医というものは年々ふえていっておるわけです。ところが、公的な病院ですら医師不足という状況に今日置かれておるわけです。国保の診療所などはまことに医師不足で、閉鎖をしなくちゃならぬというところも全国至るところにあるわけです。また地域的に見ましても、七大都市は人口十万に対して医師の割合は約百五十名になっておりますね、その他の市部が百二十三・四名、町村に至ると六十六・四名、著しく不均衡になっておるわけです。私はこういう問題の解決こそ厚生省の取り組むべき医療行政の一番大事な問題である、このように考えておるわけです。今回健保の改正案を出されるわけでありますが、これは収入だけはどうやってもっと確保するかということを考えて、支出の面についてはさっぱり新しい構想も何もない。また医療制度の前提として一番大事なことは、いま申し上げた医師の適正配置の問題、病院と診療所の機能の分化の問題、いろいろな問題が出ておるわけでありますが、今回のこの四十六年度の予算に伴ってこういう面について何一つ前進したものはない、私はこう考えておるのでございますが、大臣ひとつ考え方を承りたいと思うのです。
○内田国務大臣 正直に申しまして私が一番お答えできない問題でございます。いまの医師の資格につきましては厳重な養成また研修等を経るわけでありまするが、さてそれがどこで医療に従事するか、研究に従事するかにつきましては、いまのわが国の法制上拘束することはできないたてまえになっており、新しい立法がまたできるかと申しますと、これは今後の大きな課題ではございますが、いま直ちに医師の配置を規制する法律案というものは出し得ない。また、これを国家公務員あるいは地方公務員にするか。たとえばいまお取り上げになりました新しいいわば地方立の大学の卒業生につきましてはこれを地方公務員にできるかということになりますと、できないという問題がある。さればこそ私は、これは自治省が御賛成にならないのか文部省が御賛成にならないのか知りませんが、入学した学生のうちから都道府県職員の身分を与えておくというような内田私案みたいなものを言っておるわけでありますが、しかしそれさえもなかなか取り上げないというような状況でございますので、田畑さんがいまおあげになりましたような問題につきましては、正直に申しまして、昭和四十六年度予算で前進は見ておりません。見ておりませんが、大きな課題でありますので、私はいろいろな面からこの姿を適正化するような努力を続けてまいる所存でございます。
○田畑委員 まだいろいろ質問はあるのでございますが、本会議のベルが鳴りましたので、きょうはこれでやめることにいたします。
○小山(省)委員長代理 本日は、これにて散会いたします。 午後二時二分散会