産業公害対策特別委員会 第4号
- 発言数
- 276 件
- 登壇者
- 16 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1971/03/09
会議録
○小林委員長 これより会議を開きます。 産業公害対策に関する件について調査を進めます。 質疑の申し出がありますので、これを許します。阿部未喜男君。
○阿部(未)委員 水産庁の長官にお伺いをしたいのですけれども、もうすでに御存じと思いますが、大分県の臼杵の公有水面の埋め立ての問題でございますが、この埋め立てをする際のいわゆる法的な手続、漁業権の一部の喪失とか漁業権の免許の取り消し、抹消ですね、こういうものの法的な根拠をちょっと説明をしてもらいたいのです。
○大和田政府委員 公有水面の埋め立てをいたします場合は、都道府県知事の認可が要るわけでございます。都道府県知事が認可をいたす場合に、通常そこに漁業権がございますれば、漁業権の区域変更あるいは抹消をいたすわけでございますけれども、それと同時に、免許をいたします前に、漁港区域内にその地がありますれば農林大臣の認可を要するということは、漁港法の三十九条四項にあります。
○阿部(未)委員 臼杵の場合は、いわゆる農林大臣の許可が出ておるようでございますが、四五水港六四一五号、昭和四十五年十二月二十一日、これはそちらでお持ちでしょうか。
○大和田政府委員 いま御指摘になりましたように、四五水港六四一五号で農林大臣から上浦の漁港区域の一部についての埋め立てに関する認可をいたしておるわけでございます。
○阿部(未)委員 この埋め立ての認可の文書によりますと、「このことについては、本日付け別途認可されたが、上浦(臼杵)漁港の埋立護岸および工作物(さん橋式)の構造については、その工事の実施前に十分調査のうえ、当該漁港に影響を与えることが認められたときは、本件の免許を受けた者」云々と、こうなっておるわけですが、これに従って、これはおたくに直接は関係ないかもしれませんが、大分県知事から大阪セメントに対して、この護岸工事やそれから工作物の構造等についてのいわゆる模型実験を大阪セメントにやってもらいたいという依頼の文書が出ております。これは、この業者のほうといいますか、いわゆる企業のほうに、この模型実験をやらせるという根拠はどういうものでしょうか。
○大和田政府委員 私ども漁港法三十九条四項の認可をいたします場合は、当然県から詳細な資料をとりまして、それが漁港区域内の他の地域にどういう影響を及ぼすか、あるいはその地帯の水産業に対してどういう影響を及ぼすかということを、詳細に検討するのが通常でございます。この上浦の問題につきましては、県から詳細な資料をとりました上、実は認可の前に私どもの専門家が現地へ行きまして、まずこれならばだいじょうぶだろうというふうに思ったわけでございますけれども、しかし、御承知のように風成地区等におきまして、本件に対する反対もまだ解消いたしておらない情勢でございますから、念には念を入れて、企業に対して一つの実験をやるように、私どもとしては大体これでいいと思うけれども、なお念を入れる意味で企業に実験をやらせておるものでございます。
○阿部(未)委員 いわゆる反射波等の影響を調査をする、その実験を企業がやるということになりますと、どうも何といいますか、疑惑を持つというと言い過ぎかもわかりませんけれども、いわゆる進出してくる企業が模型実験をやるということを、どうお考えでしょうか。もっと明確な、第三者の機関とかあるいは地方自治体が責任をもってやるとか、そういう方法のほうが好ましいように思われますが、企業にそれをやらせるという理由はどういうわけでしょうか。
○大和田政府委員 この地域の建設につきましては、当然護岸に消波ブロックをつくるわけでございますから、私どもも本件は相当慎重に扱うことにいたしておりましたので、いろいろな技術者の意見を聞きましても心配ないというわけであります。したがいまして、企業に実験を命じた、その実験の結果によって判断をするという筋合いのものではございませんで、実験をしなくても万間違いはないという確信を持って認可をいたしたわけです。しかし、現地において、反対の人たちもおるわけでございますから、そこでさらにつけ加えて実験をすることを県庁を通じて指示したわけでございまして、その企業が行なう実験によって私どもの認可をするかしないかがきまるような性質ならば、私どもは企業に実験はまかせないわけでございます。当然水産庁なり、あるいは県なり、その他の第三者に実験をさせるのが筋だろう。しかし、この場合は、全く現地の人たちに安心をしてもらうためのものでございますから、そうして認可をするかどうかの判断をこれにかかわらしめたわけではございませんから、まず工事者としての企業がやることについて、そう私どもとしては不穏当とは考えないのでございます。
○阿部(未)委員 いまの点、私はなかなか納得ができないわけです。反射波等のいわゆる模型実験を企業がやる、企業がやるぐらいならば、何もやらせなくても別に影響はないような気がするわけです。 その問題はあとに残しまして、もう一度読みますが、「漁港の埋立護岸および工作物の構造については、その工事の実施前に十分調査のうえ、」その工事の実施前というのは、調査をした後に工事が行なわれるという、そういうように水産庁のほうではお考えでこの通達を出したものと思われますが、どうでしょうか。
○大和田政府委員 知事が埋め立ての免許をいたします場合に、九十日の間に工事をするし、それから六十日以内に実施計画を出すということでございますので、その過程において工場としても当然調査をするといいますか、まあこの問題につきましては、工学的といいますか、エンジニアリングの面ではそう特異な例ではございませんで、ただ漁業者との調整がなかなかむずかしいという点で私どもは注目しているので、工学技術的にはそう珍奇な、予則しがたいような事態が起こるというようには考えておらないわけでございますから、そういう意味で技術的に念を入れることは、それほど重要とは思わない。むしろ関係の漁業者にどういうふうにして納得してもらうか、あるいは風成地区において、漁港の改修計画が現にあるわけでございますけれども、それをどういうふうに進めるかということを、むしろ県に対して慎重に扱うように、また私どももできるだけ相談に乗って事を進めようということにしてまいったわけでございます。
○阿部(未)委員 いまお話大体わかりましたが、そうすると、いま私が理解しておるように、いわゆる工事にかかるまでの間に事前に十分調査をして、その調査が終わってから工事にかかるべきものだ、そういうように水産庁はお考えのようでございますが、もう一度念を押しますが、間違いありませんか。
○大和田政府委員 先ほど申し上げましたように、この地形において特別なエンジニアリングの面における配慮ということは、私はそんなに必要でないというふうに思います。したがいまして、当然、認可をいたします場合でも、他の漁場に迷惑がかからないように十分注意してくれということを申しておるわけでございますから、工事を始める前に、会社としても技術的にも念を入れるのが当然であろうというふうに思います。
○阿部(未)委員 大体理解できました。 そうすると、この大分県知事から大阪セメントにあてて出しておる文書を見ると、実は「四十六年十月末までに模型実験を実施し報告してください。」こうなっておりますから、当然この模型実験の報告が出るまでは工事にかからないものというふうに理解すべきであると思いますが、どうでしょうか。
○大和田政府委員 これは埋め立ての工事でございますから、いろいろな種類の工事がございます。その十月までの模型実験が終わるまでに全然着手しなくてもいいということでありますれば、また知事が免許の指令をいたします前に、九十日以内に工事に着手しろということも言っておるわけでありますから、それとも矛盾をいたすわけで、私ども差しつかえない範囲内において工事にある程度かかってもいいのではないか、そういうふうに思うわけでございます。
○阿部(未)委員 長官、おたくの文書並びに解釈からいきますと、事前に十分調査をしてということになっておる。事前とは、工事にかかる前を意味するものであると私は理解をするのです。したがって、この文書によると、四十六年の十月末までに模型実験をして報告せよとなっておるならば、それが終わったときがいわゆる事前が終わったときだというふうに理解せざるを得ませんし、かりにいま長官の言うように、これは特殊なケースではないとしても、地元の漁民はこの反射波等について非常な危惧を持っておるとするならば、やはりこの通達の趣旨どおり、事前に調査を行ない、調査が終わった後工事にかかるべきであって、本来護岸工事とか桟橋工事というものは、一ぺんやったものを打ちくずしてやるという性格のものではないと思いますから、そうすれば、事前調査が終わってそれから工事にかかる、そう理解すべきであると思いますが、どうでしょうか。
○大和田政府委員 大分県知事が大阪セメント株式会社に免許をいたします場合に、次の条件をつけて免許しますというふうにいって、「第三条で埋立免許を受けた者は、免許の日から起算して九十日以内に埋立工事に着手し」云々というふうにいっておるわけでございます。したがいまして、大分県知事としては、別途大阪セメントの社長に対して、「埋立による反射波等の漁港および周辺海岸に及ぼす影響ならびにその防止対策について、昭和四十六年十月末までに模型実験を実施し報告してください。なお、模型実験の結果により必要があるときは、護岸および桟橋等工作物の構造について別途指示するので、実施設計書を変更し免許指令条件第八条に基づく許可を受けてください。」といっておるわけでございますから、十月末までに模型実験の報告をしてくれということと、九十日以内において埋め立て工事に着手しなさいということと、両方いっておるわけでございまして、これは九十日以内に着手しても、決して知事の認可条件に反するものでもございませんし、むしろこの条件を素直に読みますれば、九十日以内に着手できないとすれば、またそれ相当の理由を添えて大阪セメントのほうから知事に対して申し入れをするということに当然なるわけでございます。
○阿部(未)委員 知事が大阪セメントに、模型実験を十月末までにやれということを通告をしたということよりも、問題は、知事がこういう模型実験を大阪セメントに命令をした基礎になるのが、このおたくの出した文書です。おたくの出した文書の、いわゆる事前に十分に調査という、事前とは何かということを私は聞いておるわけですよ。いまおっしゃいましたが、九十日以内云々の問題にしてもこれは実際の問題ですから、この免許は十二月二十四日に出していますが、すでに知事は、ことしの五月までは工事にかかるなということを、仲介をしてやめさせておるわけですから、九十日はそれほど問題のあるような内容のものじゃないと思うのです。したがって、やはり原則は、地域漁民が安心をして工事をすることを認めるためには、おたくが出しておるように事前の調査、その事前の調査が終わってから工事にかかる、それが原則でなければならぬと思うのです。私が聞きたいのは、この認可に対して、大分県のとった措置が少し軽率じゃないかということを伺いたいのです。
○大和田政府委員 先ほども申し上げましたように、模型実験というのは、ほんとうに万一のことを思ってのことでございまして、私どもこれなしに埋め立て工事にかかることは非常に危険だというふうには考えておりません。したがいまして、模型の実験をするようにというふうに知事に言いましたことも、知事が三カ月以内に埋め立ての工事にかかるということを言いましたのも、決して私どもの意図を知事が読み誤ったということではないというふうに思います。私どもは、あくまで念には念を入れてということだけでございます。
○阿部(未)委員 念には念を入れるならば、調査が終わってから工事にかかるというのが念には念を入れるであって、間違いがないものなら初めから調査する必要はないと思うわけですよ。念には念を入れるとするならば、工事にかかる前に調査をして、調査上これで万全だという結論が出てから工事にかかる、これが長官、私は念には念を入れるということになると思うのであって、おそらくおたくの意図も事前に調査をしなさいということを命じておる、そこにあると思うのです。にもかかわらず、間違いはないけれども、念には念を入れるために、工事が進行中にでもかまわぬからもう一度これをやりなさいという姿勢というのは、どうも少しおかしいのじゃないですか。念には念を入れるならば、調査が終わってから工事にかかる。それこそまた念には念を入れることだ。地域の漁民が安心できるという手段だと思うのですが、いかがでしょうか。
○大和田政府委員 先ほど申し上げましたように、埋め立て工事にはいろいろな種類のものがございます。それで模型実験の問題というのは、護岸工事をどうするかという護岸の部分でございますから、埋め立て工事にかかりましても、護岸の工事とは時期その他また別の問題でもございますので、九十日以内に事業にかかり、工事にかかりましても、決して矛盾をするということはないと思います。
○阿部(未)委員 どうもおかしいですね。埋め立てをどこからやるか、どうなるか私も知りません。しかし、おたくが言っているのは漁港の埋め立て護岸及び工作物、桟橋ですね。こういうものについての漁港に与える影響についての模型実験をしなさい、こういうことを言っているわけでしょう。でき上がってからやるなら、何も模型実験をしないでもわかるのですから、事前にやるというのは、事前に模型実験でやらなければならぬということを意味するわけでしょう。長官、おっしゃるように念には念を入れるということは、その事前調査が終わった段階で知事が認可を与えるもの、そう私は考える。したがって、おたくから出したこの文書は、知事にそれだけの条件をつけて認可をしなさいということを言っておるのに、九十日以内に工事にかかれという認可をしたということは、少し軽率にすぎやしないか、そこのところをお伺いしているわけです。
○大和田政府委員 繰り返しになって恐縮でございますけれども、模型実験は護岸工事の部分でございます。護岸工事をどういうやり方でやるかということで、通常のやり方あるいは現在会社あるいは県あるいはわれわれが相当と思う程度の工事では万一だめな場合は、護岸工事について特別の補強なりあるいは別途の手段を講ずるということが当然出てくるわけでございますから、護岸工事の部分だけが模型実験にかかわるわけでございまして、埋め立て工事全体としては、他の部分から作業にかかるということも当然あり得るわけでございますから、今年の十月の模型実験の報告を待たないで埋め立ての工事にかかるということは、決して矛盾をいたさないわけでございます。
○阿部(未)委員 長官、護岸というのは、岸だけずっとつくってやるのじゃなくて、埋め立てていってその一番先が護岸になるのじゃないでしょうか。そうでしょう。埋め立てと護岸工事というのは無関係じゃないわけですよ。埋め立てていって、その先が護岸になるわけでしょう。護岸工事と埋め立ては別個のものだとおっしゃるけれども、護岸というのは、護岸だけ別にぼっとつくるのじゃなくて、埋め立ての先が護岸になるわけですから、埋め立て護岸、こうなるわけです。実験というのは、やはりでき上がってから現実を見るか、あるいは模型実験によって将来を予測するか、二者択一しかないわけですよ。
○大和田政府委員 いまおっしゃいましたとおり、埋め立てをやった先に護岸をやるわけですから、埋め立てをやって、そうして十月に模型実験ができた結果、万一通常想定したような工事ではだめで、別途の慎重な措置が要るということであれば、そのときやればいいことでございますから、護岸に関する模型実験ができなければ埋め立て工事に着手できない、何もできないという趣旨のものでは決してないわけでございます。
○阿部(未)委員 長官、護岸工事というのは、反射波を見るために模型実験をやれ、こうおたくはおっしゃっておるわけなんですよ。したがって、でき上がって、それから何か特別なものを塗ったかどうかして直るものじゃないのですよ。これは形の問題がありますよ。したがって、護岸工事とは埋め立ての形によってきまる性質のものなんですよ。その形によって反射波がどうなるか、こういう問題になるわけですから、埋め立てと護岸は一体のものなんですよ。それを護岸は護岸、埋め立ては埋め立てで別です、埋め立てをやって、護岸工事はあとで手直しすればいいというけれども、埋め立ての地形はすなわち護岸の形になってくるはずなんですよ。したがって、埋め立てと護岸は同じ性質のものであると理解をすれば、やはり模型実験が済んでから着工するということが、長官のおっしゃる念には念を入れた結果になると思うのですが、どうでしょう。
○大和田政府委員 この埋め立ては、現在のところでは三期までの計画がございまして、第一期でも四十八年一ぱいという工事でございます。したがいまして、先ほども申し上げましたように、埋め立てをだんだんしていって護岸工事ということになるわけでございますから、ことしの十月に、主として護岸工事についての模型実験の結果ができましてからでも、本件についての考察というものは十分なし得るわけでございまして、ことしの十月までに実験の報告がなければ、埋め立てに一歩も入り込めないということではないわけでございます。これはすぐ、たとえばことしの十月までに全部埋め立ててしまうということで、護岸工事を含めて全部工事が終わるということであれば、それは私ども十月まで待たなければおかしいわけでございますが、そうではございませんで、四十八年一ぱい第一期工事がかかるわけでございますから、それは御心配のことはまずないというふうに思います。
○阿部(未)委員 二つお伺いしますが、四十七年じゃないですか。いまの、長官間違いじゃないですか。第一期工事の十五万九千二百八十平方メートルは四十七年中に完成するように私は理解しておるのです。 もう一つ、長官のおっしゃるような趣旨であるならば、この文書に、事前調査するということをなぜお書きになったのですか。事前という意味が私にはわからない。なぜ事前ということをお書きになったか。事前ということは一体何をさしているのですか。そこを明確にしてください。
○大和田政府委員 埋め立てをやります場合、この上浦ばかりではございません。相当方々にあるわけで、水産業との調整が必要でございますけれども、それは工事をする前に十分調査をすべきことでございまして、事前調査をするということが、全部模型実験だけということではございません。それ以外にいろいろ調査が要ることは当然なわけでございますから、慎重に工事を始めるべきであるということを申し上げただけで、十月の模型実験の報告が終わるまでは工事に着手するなという趣旨ではございません。
○阿部(未)委員 長官、どうもこの文書をすなおに読めば、長官のおっしゃることは逃げ口上だと思う、もう一ぺん読みますよ。「漁港の埋立護岸および工作物の構造については、その工事の実施前に十分調査のうえ、」いわゆる埋め立て護岸、工作物は、「その工事の実施前」、実施とは、どこまで実施ですか。長官のお話からいくと、どこまできたら実施で、どこから実施にならないのですか。たとえば二坪までは実施にならないとか、半分までは実施にならぬとか、そういう解釈があるのですか。
○大和田政府委員 工事の実施前に調査するのは当然でございます。しかし、調査の方法は、別に模型実験だけではございませんで、会社としても、県としても、漁業との調整、その他調査すべきことは多いわけでございますから、調査するのは当然でございます。しかし、その調査の一項目としての模型実験は、これは護岸工事にかかわるわけでございますから、それは十月までに報告をしてくれ。したがいまして、事前調査ということがイコール模型実験であって、事前調査をすべきであるということは、模型実験をした上でなければ工事に着手できないというふうにお読みになっておるようでございますけれども、それは私どもの言っておる趣旨とは違うわけでございます。
○阿部(未)委員 わかりました。 それでは、もう一つお伺いしますが、おたくが二十一日付で許可を出しておる。これはおそらく郵送か何かして出されておるから、二十三日か二十四日に大分県に着いておると思いますが、その二十一日におたくの出した文書が、二十四日に知事から大阪セメントあてに通知がいっているわけです。したがって、その通知の中では模型実験以外には何もないわけです。その知事が大阪セメントあてに出した文書の内容は、その反射波の模型実験をしなさい、これだけしか出ておりません。そうすると、いま長官のおっしゃるような事前調査は、十二月二十一日から二十四日までの間に十分行なわれた。模型実験を除いての調査は、この間にすべて行なわれたというふうに理解すべきですか。
○大和田政府委員 その埋め立ての問題は、ここ二、三年来の問題でございますので、またセメント工場としても、当然埋め立てについては慎重な技術的な調査、判断をいたしておるわけでございますから、ただ知事の文書で模型実験のことだけを新しくつけ加えただけで、会社としては当然調査、実験をいたしておりましょうし、また県としても会社を指導いたしておるというふうに私どもとしては考えております。
○阿部(未)委員 それはおたくは、この文書を出すときには、すでに事前調査は模型実験を除いては十分できておるという判断に立ってこれをお出しになった、こういうことになりますね。
○大和田政府委員 必ずしもその時点において完全という意味ではございません。工事に着手するまでに、会社としてはなおいろいろ研究すべき点があれば研究すべきであろうというふうに思います。
○阿部(未)委員 どうもおかしいですがね。おたくはいわゆる工事実施前にまだ事前調査をする必要があるというふうにお考えになってこの文書をお出しになった。県は、それから三日ですか、郵便が着いておりますから、おそらく同じ日付か翌日くらいにはこれを出しておるわけです。おたくが命じた模型実験を除いての事前調査は、全然ないことになりますが、どうですか。
○大和田政府委員 模型実験自身が、先ほど申し上げましたように私どもとしては万一のことを思っての、いわばこの埋め立てに反対する人たちに対して安心感を与えるための措置というふうに考えておるわけでございます。模型実験をしなければこの埋め立て工事は非常に危険だというふうには考えないわけでございます。そしてまたこの地区につきましては、たとえば波でありますとか、海底でありますとか、風向きでありますとか、非常に異常であって、いままでの技術では役に立たない、何か新しい問題の究明が特別に必要だということでは必ずしもございませんから、通常こういう埋め立て工事をする場合の用意、準備、調査等を会社として当然行なうべきことで、私どももそれについて詳しい指示はやっておらないわけでございます。
○阿部(未)委員 それでは結局おたくから出したこの漁港の埋め立て護岸及び工作物の構造については工事実施前に十分調査しろというのは単なるうたい文句であって、この時点で模型実験を除いた事前調査もそれほど必要でないのだ、何も心配ないのだ。いわばおたくは、この時点で工事にかかってもよろしいということを言ったということになると思うのですが、この事前調査というのはそういう意味のものなんですか。
○大和田政府委員 それは私どももすなおに読んでおるわけで、工事にかかる前に十分事前調査すべきだということでございます。したがいまして、通達を出した、あるいは認可をいたしましたときに、もうすでに事前調査は十分だということを申し上げる必要もないわけで、会社としては埋め立ての工事にかかる前に万全の措置を講ずればよろしい。さらに模型実験をしてほしいということを念のためつけ加えて申し上げているわけでございます。
○阿部(未)委員 長官、これは繰り返しになるからここでやめておきますが、しかし、どう考えても、この文書をすなおに読んで、長官のおっしゃるように念には念を入れて、地元の漁民が安心できた上で工事を施行するという趣旨であるならば、やはり模型実験も含めてその結果が明らかになった時点で工事にかかるべきだ、私はこの考え方を捨て切れないのです。したがって、これは長官から聞いてもあなたは同じことを繰り返すでしょうからこの辺でやめておいて次の問題に移りますが、そういう問題があるということをひとつ長官しっかり含んでおいていただきたい。 もう一つ、漁業権の放棄の問題、抹消の問題について地元の漁協の組合員の間で相当の紛争があったことについてはお聞き及びだと思うのですが、それが裁判で係争中であるということについては御存じですか。
○大和田政府委員 承知いたしております。
○阿部(未)委員 そういう漁業権抹消の問題でなお疑義があって、裁判係争中であるものに認可を与えたということについては、どうお考えですか。
○大和田政府委員 これは行政権と司法権との関係で、なかなかむずかしい問題でございますけれども、一般的な問題として申し上げますれば、何か訴えがありますれば認可なり許可なりを差し控えるという態度は私はとっておらないわけでございます。それは乱訴を誘発することになるからでございます。それは行政庁が判断をして、いま訴訟の対象になっているけれども、この事案はやって間違いないという判断が下せれば私は当然認可をすべきものだというふうに思います。 本件につきましては私どものところにも直接、間接にいろいろな方からいろいろなお話が参っておるわけでございますから、念には念を入れて措置をいたしたわけで、当然当時の組合の総会の議決がどうであったかということを詳しく県庁のほうから聞いておりまして、訴えの対象になっておるけれどもまず心配はないということの判断をいたして認可をいたしたわけでございます。
○阿部(未)委員 長官、裁判官でさえ予断をもってはならぬというのに、係争中の問題を、行政府がかってに予断をもって問題にならぬというようなことをお考えになるのは、非常に大きいあやまちをおかしておると思うのです。どうでしょう。現に大分の地裁の裁判官が、この問題の調停をやりたいということであっせんを始めたのですけれども、あまりにも既成事実が進み過ぎておる、既成事実ができ過ぎておるのでこれは和解が非常に困難だということをこぼしておられる。これは双方を呼んだ席で裁判官がおっしゃっておるわけです。そうなりますと、本来もっと簡単に片づく問題を、水産庁のほうで認可をしたために、既成事実をつくったために紛争をさらに大きくしてもる。行政府はどういう気持ちでおやりになったかわかりませんが、問題にならぬという予断をもって認可を与えたということには非常に大きい問題があると思うのですが、どうでしょう。
○大和田政府委員 別の申し上げ方をいたしますと、こういう事案につきまして認可を延ばそうとすれば、訴訟をすればいいということにもなりかねないわけでございますから、先ほど申し上げましたように一般的な問題としては、行政庁の責任で認可をしてしかるべきかどうかを判断してやればいいというふうに私は考えております。 そして本件につきましては、地元の、いわば血で血を洗うというほどではありませんけれども、相当感情もまじっておる問題でございますから、裁判官のほうでできるだけ和解を進めたいというふうに動かれておるということも私は承知いたしております。円満に事がおさまればそれでもけっこうだというふうに思います。 それから漁港法の認可というのは、これは漁港区域についての埋め立てが、漁港の利用その他について差しつかえないかという判断の認可でございますから、一般的にセメント工場がここに進出することがいいか悪いかということの認可ではございません。したがいまして、私どもは、こういう地元の争いがなければ、もっと早く認可をしてしかるべきものだというふうに思いますけれども、地元での争いがなかなか激しいものでございますから、ずいぶん待って、まずまずこの辺でというところで認可をいたしたわけでございまして、私どもとしてはずいぶん慎重にやったつもりでございます。
○阿部(未)委員 どうもすっきりしませんが、要するにこの問題が、たとえば裁判所なりで調停が行なわれて、円満に解決することを水産庁としては希望しておられる、そう理解してようございますか。
○大和田政府委員 私どものほうから申し上げますと、この埋め立てに関連をいたしまして上浦漁港の改修の問題がございます。これは三月に入りまして大分県の知事が現地に行って、現地のいわゆる反対派の人たちと十分話し合った上で改修工事にかかるということの了解ができたわけでございますし、事態は円満に終結する方向に動いているのではないかというふうに私は思います。
○阿部(未)委員 長官がどうお考えになるか、それは自由ですけれども、必ずしも長官がお考えになっているようにはいかぬと思うのです。いま、知事が入ってのあっせんは、五月末まで工事をやらない。ですから、さっきおっしゃった九十日がどうこうというのはたいした問題ではないのです。五月末まで工事をやらない。そのあとについても、五月末から話し合いを始めたいという地元の人の意向と、六月から工事にかかるという知事の意向ではまだまだ大きな食い違いがあるわけなんです。そのことは含んでおいて、あとでまたお伺いします。 内閣からお見えになりましたね。
○小林委員長 城戸審議官が来ております。
○阿部(未)委員 それではお伺いしますが、先般の六十四臨時国会で、公害対策基本法の一条でいわゆる経済発展との調和という字句が削除をされましたが、これは法律の運用上、具体的には一体どういう効果を持つものか、ちょっとお伺いしたいのです。
○城戸政府委員 お答えいたします。 ただいまの基本法の改正でございますが、これは、「経済の健全な発展との調和」ということにかかっておりましたのは、生活環境にかかる問題でございます。健康の保護に関しましては、ストレートに保護すべきであるというたてまえに立っておるわけでございますから、したがって、生活環境にかかる問題につきまして、そういうような「経済の健全な発展との調和」ということをはずしましたということによりまして、今後生活環境にかかる被害という意味での公害、つまりたとえば騒音の関係だとか、悪臭の関係だとか、こういう主として生活環境関連のものにつきまして、よりそういうような経済問題との直接的な考慮ということを、法律上しなくて規制あるいは環境基準の決定等をなし得る、こういうことになろうかと思うわけでございます。
○阿部(未)委員 佐藤総理が六十四臨時国会でたくさん答弁をされておりますが、特に基本法の改正についてこういうふうに述べておられます。国民のためにすぐれた環境を保持することを第一義として公害行政を強力に進める、こうおっしゃっておられるわけです。さらにもう一つ、企業、工場誘致の問題に触れまして、これは十二月四日だったと思いますけれども、地域住民と企業者が十分に話し合うことが必要だということを強調をされております。二点ですが、一つは、いわゆる総理はまず環境の保持を第一義に考える、これが基本法の改正の第一点目。それから二点目は、工場誘致等については地域住民と企業が話し合うことが大切だ、こう述べておられますが、このお考えは間違いございませんか。
○城戸政府委員 そのとおりでございます。
○阿部(未)委員 それではお伺いしますが、いま問題になっております大分県の臼杵に大阪セメントの工場が進出をすることになって、そのために地元の住民との間に賛成と反対と分かれて、たいへんな紛争が起きたことは新聞紙上で御存じだと思いますが、大体お知りでございますか。
○城戸政府委員 詳細なことは存じませんが、大体は存じております。
○阿部(未)委員 続けてお伺いしたいんですが、この臼杵市という町は古い城下町で、地場産業としてはみそ、しょうゆ、それから酒、そういうような食品工業を中心にずっと発展してきた町であります。この市内に粉じんやばい煙を伴うセメント工場が進出をしてくるということは、いわゆる環境の保持を第一義と考える公害基本法について矛盾しないかどうか、どうお考えでしょうか。
○城戸政府委員 いま具体的に御指摘になりました産業について、粉じんということがどういうぐあいに影響するかということを私必ずしも十分は承知いたしておりませんが、たとえば関西地方で清酒をつくっておる、こういう周辺におきましては、粉じんの問題は非常に重要だということで、関係工場では、ほかの工場に見られない従来からきびしい規制を自主的にいままでやってきたということは事実でございます。
○阿部(未)委員 すでに工場があるところでさえそういう規制を加える配慮をしなければならないのが、いわゆるセメントの粉じんなりばい煙の問題です。ましていわんや、いまないのにこの食品工業の町にわざわざそういう粉じんやばい煙の伴う企業が出ていくということは、基本法の精神に照らしてどうお考えか、これをお伺いしているわけです。
○城戸政府委員 これは、基本法は御承知のように基本的なルールをきめたものでございますから、必ずしもそれが直接規制に結びつくわけでございませんが、できるだけ立地をきめます場合に、そのまわりの状況等を考えまして、公害問題が具体的に問題にならないような形でやっていくということが必要なことは当然だと思います。
○阿部(未)委員 公害が人体に影響を及ぼすか及ぼさないかというような基準ではなくて、私がお伺いしているのは、いわゆるりっぱな環境を保全するんだという総理のお考えからして、いまそこにはそういう粉じんやばい煙の工場がないのに、そういう食品工業の町に、新たにそういう粉じんやばい煙のおそれのある企業が出てくるということは好ましいとお考えか好ましくないとお考えかと伺っているわけです。
○城戸政府委員 これは、いまのような粉じんの問題が生活環境に影響するということにおきましては、その地域にもそういう問題がございましょうし、ほかの地域に参りました場合も、いろいろ問題があると思うわけでございまして、その問題はあくまで立地をどこにやるのが適正か、ほかの地域とのかね合いの相対論になろうかと思うわけでございます。
○阿部(未)委員 もう一つお伺いしますが、この埋めたてをする土をとるすぐ近くに学校があるし、その土を運ぶ海岸とも近いわけです。したがって、この小学校は、採土をする場合にもたいへんな影響を受けるし、埋め立てをする工事からも非常な影響を受けるわけです。騒音がまずある。その次に道路が狭隘なところをたくさんのトラックが土砂を運搬するわけですから、交通上の危険がある。そういう教育環境になるわけですが、これも環境保全の意味から好ましくないのじゃないかというふうに考えますが、どうでしょうか。
○城戸政府委員 好ましいか好ましくないかということでございますれば、全くそういう形にならないことがより望ましいということは事実でございます。
○阿部(未)委員 次に、通産省見えられていますか。——通産省のほうにお伺いしたいのですけれども、実はこの大阪セメントが石灰をとる石灰石の山は、この臼杵の市ではなくて、隣の津久見という市です。ここはいわゆるセメントの町でございますが、その津久見のほうに入るところにこの山があるわけで、その山を掘りくずして津久見市と臼杵市の境にある高い山の中をトンネルを通してわざわざ臼杵のほうに持ってくるというわけですが、津久見のほうに持っていけば距離が非常に近いし、そこは大体すでにセメントの町としてあらゆる設備なりができておるわけですから、食品工業等もないわけですから、むしろそれは津久見のほうに持っていくほうが好ましいのではないかと思われますが、そういう行政指導等について通産省はどうお考えでしょうか。
○山下政府委員 立地の適地、これは法律上の届け出が出ましてから正式に期間内に検討するわけでございますが、大阪セメントにつきましては、従来からいろいろな問題がございまして、相談を受けております。私どももほかの候補地に変えられないかということも検討してみましたが、現在のところでは津久見よりも現在予定しておりますところが適地ではないか、こう判断しております。
○阿部(未)委員 適地とおっしゃいますけれども、いま予定されておるこの上浦という地区は、臼杵のいわゆる食品工業の製造元等ともかなり近い距離になるわけです。実は、昨年の八月ごろだったと思うのですけれども、この紛争がかなり大きくなってから、臼杵の市長、臼杵の市議会議長、助役、こういう方々が、地元の人たちの声をくんで、実は会社設置場所の変更について、もっと南のほうに、四キロぐらい離れたところに変更してもらえぬかということを、大阪セメントのほうに申し入れをしたんです。十月になって大阪セメントから、いわゆるにべもなくそれを断わられたという経緯がある。すでに契約をしておるわけですから、市としても強くは言えなかったわけですけれども、もしそれが柿ノ浦ですか、そういう名前だったと思うのですけれども、そっちのほうに変更になれば、この問題は非常に簡単に片がつくと思うのです。確かに企業の負担は相当ふえると思います、距離が遠くなりますから。しかし、幾らかそのぐらいの犠牲はあっても、この紛争を解決するためにも、またりっぱな環境を保全するためにも、企業がそのぐらいの協力はしてもいいのではないか、そういう気がしますが、ひとつ通産省のほうとしてそういう指導ができないものかどうか。どうでしょう。
○山下政府委員 私どもも県が柿ノ浦地区に変えたらどうかという御意見があったと聞いておりますが、その地区に移しますと、御指摘がありましたように、輸送距離が伸びること、水深が深いために、埋め立ての費用が著しく違ってくるというようなことから、会社側としてはそれを断わったという事情でございます。
○阿部(未)委員 そうすると、会社は企業の利益だけで断わったのであって、臼杵の市長なり議長なりあるいは地域の住民がそれだけ反対をして、この食品の町を守りたい、公害から防ぎたい、そういう希望があるのに、単に企業が採算上あるいは施設上お金がたくさんかかるからということだけでそれを断わられて、ああそうですかというのでは、行政指導という意味がないじゃないですか。これは法的な拘束ができないまでも、そういう地元の意向を、賛成派の諸君までそれを言っておるわけですから、柿ノ浦に変更するような行政指導が行なわれてしかるべきじゃないかと思うのですが、どうでしょう。
○山下政府委員 その点は、通産局、県の間で意見交換をしておりますが、県当局としても、現在では、現在の候補地を第一順位として考えておられるようでございます。通産省の正式の指導、判断は、先ほども申し上げましたように、届け出がございましてから九十日以内にいたすことになっております。
○阿部(未)委員 法的にどうなるこうなるじゃなくて、あるいは県がどうこうじゃなくて、たとえばおたくはセメントの施設増設についての行政指導等も昭和四十年に行なっておられるようです。ぼくは生産カルテルじゃないかと思って調べてみたのですが、これは独禁法違反にはならぬようですけれども、かなり強力にセメントの生産についての施設の規制等も行なっておるようです。そういうこともできる通産省が、事公害の問題について、地域の反対、賛成、あわせて設置場所の変更を求めておるときに、それだけの行政指導もできませんか。
○山下政府委員 通産省の指導にも限度がございまして、御承知のように公害関係の諸法律もございますが、実際に立地の関係は、産業立地調査の関係の法律でございまして、それに基づいて届け出が出ましてから、通産省として勧告を出せるというのが法的な事情でございます。ただし、それ以外に設置法に基づいて一般権限がございますので、立地条件等については指導ができますが、そのやわらかい指導の範囲内において、私どもとしてはなお検討を続けたいと思っておる案件でございます。
○阿部(未)委員 さっきから、総理府のほうにも決意のほどをお伺いしたのですけれども、総理もはっきり、りっぱな環境を保全することが、公害基本法の第一義だとお考えになっておるし、しかも、いまの問題は、これは地元で賛成、反対はあるけれども、設置場所の変更については臼杵市あげて意見の一致するところなんです。したがって、まず公害対策上からも、あるいは地元の意向をくむという意味からも、若干企業に無理をお願いしても設置場所を変更する、そのぐらいの努力は、公害対策基本法をつくった政府として当然行なうべきではないかと思うのです。いま非常にやわらかい行政指導ということでございましたけれども、もう少し強い行政指導によって、設置場所の変更についての検討をお願いできぬものかどうか、もう一度お伺いいたします。
○山下政府委員 私どもがそういう指導をいたします際には、いろいろな条件、情報を入れまして判断するわけですが、本件に関しましては、御承知のように、現地におきまして意見の分かれておる点もございますし、また県当局と会社側との間で、相当突っ込んだ公害防止協定を結んだ次第もございまして、現在の候補地がよろしいか、あるいは別の地がよろしいか、そういう要素を全部踏まえまして検討を続けていきたい、こう思います。
○阿部(未)委員 だいぶ調査もなさっておるようですが、この柿ノ浦という新しい予定地については、私どもの聞く限りあまり反対はない。ただ、水が少し深いということと、運搬の距離が遠くなる、この二つだけが問題だということを聞いておるのですが、それ以外に何かむずかしい条件があるのでしょうか。
○山下政府委員 私どもは、現在のところ、その二つが大きな要素だと考えます。
○阿部(未)委員 ということは、企業のほうの了解がつけば設置場所の変更は可能であるということになると思うわけです。あとは企業の了解がつくかどうかだけの問題が残っておる。しかも、繰り返して申し上げますが、これは誘致賛成も、反対も、あわせて設置場所の変更を望んでおる。市長、議長、助役一緒に大阪セメントのほうに陳情しておるのです。ただ、大阪セメントとしては、一ぺん契約をして、そこのほうが条件がいいから変更しないと言っておるだけです。公害対策上から考えても、通産省が強力な行政指導によって設置場所の変更をすることによって、この問題の解決ができるというふうに考えるから、可能な限り努力してもらいたいと思うが、どうですか。
○山下政府委員 私どもも、その方針で検討いたしたいと思っております。
○阿部(未)委員 総理府のほうは、いまの問題についてどうお考えか、ちょっと聞かしてもらいたいと思います。
○城戸政府委員 ただいまの点は、非常に具体的な問題でございますので、ただいま通産のほうからの御答弁の中にも、今後さらに検討を続けたいというお話でございますから、通産省と今後よく相談していきたいと思います。
○阿部(未)委員 公害局長から、いまの問題についてどうお考えか聞かしてもらいたい。
○森口政府委員 公害部長でございますが……。(「局長でなくちゃだめだ」と呼ぶ者あり)それじゃ、後ほど呼びますから……。
○阿部(未)委員 それならあとで局長に伺います。 実は公害局長、それから通産省、総理府、それに水産庁も含めて私は次のことについて検討をいただきたいのです。 まず、いろいろ意見は分かれましたけれども、第一点は、どっちになるかわかりませんが、裁判の判決が出ること、第二点は、模型実験の結論が明らかになること、三点目は小学校の移転がはっきりすること、この三つは最小限守らなければならない条件だと思いますので、それまではこの工事の着工を延期するように、ひとつ政府のほうで強力な指導をお願いしたいと思いますが、政府を代表してどなたか御答弁を願いたいと思います。
○城戸政府委員 これは関係省それぞれあることでございますから、ただいまの点につきましては関係省と相談したいと思います。
○阿部(未)委員 総理府のほうは、それでは責任を持っていま私が申し上げました関係の向きと相談をして——すでにいま地方自治体の木下知事のもとで、五月末までは着工を延期をさせておるわけでございますから、したがって、模型実験がどのくらいかかるわかりませんけれども、県が要請しておるところを見ましても十月までにはできるわけです。もっと早くなるかどうか専門でありませんからわかりませんが、要するに模型実験、それと判決、小学校の問題、この三つを含めてその結論が出た時点、かりに工事にかかるにしてもそこからというふうにおたくが責任を持って話し合いをして、その結果を報告してもらいたいと思いますが、よろしゅうございますか。
○城戸政府委員 この問題につきましては、関係省それぞれの行政責任におきましてやっていることでありますから、それを私どもが引き受けるという形にはできないわけでございますが、御趣旨の点はよくわかりますので、関係省と相談したい、こう思っているわけでございます。
○阿部(未)委員 それじゃ各関係の方々にお願いしておきますが、せっかくりっぱな公害基本法ができたのです。しかもさっき申し上げたように臼杵の町は食品工業の町です。そこにセメント工場が進出することが好ましいことか好ましくないことか、だれが考えてもわかっておるはずなんです。あとは法の解釈とかいろいろな理屈はつきますが、ほんとうに政府にりっぱな環境を保存してやろうという意思がおありならば、真剣にこの問題に取り組んで、しかも、いま申し上げましたように、設置場所の変更を行なうならばそれも可能なわけですから、格段の努力を最後にお願いいたしまして、私の質問を終わります。
○小林委員長 土井たか子君。
○土井委員 私は引き続きまして、臼杵市に誘致されます大阪セメントの公有水域埋め立て工事についての質問を続行したいと思います。 まず、お尋ねいたしたいのは、セメント製造という業務は、じん肺法の対象になると思うのですが、セメント製造の結果がもたらす環境汚染についてお尋ねしたいと思います。通産省の山下化学工業局長からお願いしましょうか。
○山下政府委員 セメント関係は、ばいじん、粉じん、硫黄酸化物、また騒音、こういう点につきまして、公害が発生いたしますので、私どもとしては現行法による規制、またさらに先国会で通りました新法による規制の方向も考えまして公害防止を指導していきたい、こう思っております。
○土井委員 どうもいまのお答えは抽象論でございまして、私の申し上げているところにぴったりと当てはまる御答弁ではないようなんです。再度申し上げますが、セメント製造の結果がもたらす環境汚染について、具体的に、操業地点からどれくらいの距離のところにどういう具体的な環境汚染があるかということについてお尋ねをしているわけですから、そういう点で御存じの限りをひとつ御答弁願いたいと思います。お願いいたします。
○山下政府委員 たとえばばいじんで申しますと、セメント工場が現在使っております大部分の設備は、いわゆるロータリーキルンという回転式の装置でございまして、それが現在各社では、地域にもよりますが、たとえばばいじんの濃度は一・八八グラム・パー・立米から、少ないところでは〇・一グラム程度の施設もございます。また粉じんにつきましては、現在一・八グラムから〇・〇一グラムにばらついておりますが、現行法の規制地域では一・五グラムから〇・五グラムの間にばらついております。そのほか騒音につきましては各種各様でございますが、詳細はなお調査をしておるところでございます。
○土井委員 騒音の問題はともかく、粉じんの点からすると、かなり広範囲に粉じんによる環境汚染というものは及ぶというふうに一応考えていいわけでございますね。
○山下政府委員 けっこうでございます。
○土井委員 そういたしますと、公有水面というものを埋め立てをいたしまして、そこにおいてセメントの生産を始める。セメントの製造についての操業を開始するといった場合にも、やはり既成の都市区域に対しての影響はあるということを想定しておかなければならないということは一応いえますね。
○山下政府委員 当然あると思います。
○土井委員 これは大気汚染防止法からすると、やはり規制の対象になる粉じんの問題でございます。ところが、水産庁が大阪セメントについて、この公有水面の埋め立てを認可なすった段階では、現行大気汚染防止法が通用しているわけでございますから、したがって、指定地域以外のところについては問題にならぬ。いまこの臼杵は大気汚染防止法による指定地域であるかどうか、ひとつその点お答えいただきたいと思います。
○大和田政府委員 水産庁が公有水面埋め立てに関しまして認可をいたします趣旨は、当該漁港区域内における利用がどうなるか、あるいは当然水産行政でございますから、当該地域の近辺における水産業に対する影響いかんということが主題でございまして、私ども別にセメント行政をやっておるわけではございませんから、それはやはり関係各省が判断をして、あるいは知事が判断をして、公害の面から十分慎重に取り扱った上で、そしてその地域にセメント工場の誘致がふさわしいかどうかということをきめる。そして、漁港区域内で埋め立てをする場合に、私どものほうにくるわけでございますから、公害一般の問題として農林大臣あるいは水産庁長官が判断することは、漁港法の精神以外になろうというふうに思います。
○土井委員 全くこの事柄に対しては関知しなくてもよいという御趣旨でございますね。
○大和田政府委員 これは、これだけ公害が重要になってきておるときでございますから、私どもが漁港法三十九条四項で認可する場合に、公害の問題を全然頭に置かないで仕事をするということを言えばおそらくうそになるわけでございます。当然公害の問題は頭に置いて認可いたすわけでございますけれども、漁港法のたてまえはあくまで公害の問題ではなくて、漁港区域における漁港の利用あるいは水産業に対する影響ということに限られて法の運用をすべきであろうというふうに思います。
○土井委員 公害の問題を一応頭に置いて漁港法に従っての認可をなすったという事柄の御答弁がございましたが、ならば、頭の中に置かれた公害問題に対しては、具体的に認可の場合にどういう処置をなさいましたか。
○大和田政府委員 先ほど申し上げましたように、別に私どもセメント行政をやっておるわけではございませんけれども、認可をするにあたりまして、大分県の知事及び臼杵市長、大阪セメント株式会社の三者協定をやって、無過失賠償その他の協定を結んだし、あるいは新しい技術を駆使して粉じんは最小限度にとどめる、そういうことになったから公害の問題については御得心願いたい、そういう県庁からの話があったわけでございます。
○土井委員 その知事からの報告をお聞きになって、よろしかろうということで認可をなすったということになるわけでございますね。
○大和田政府委員 私どもは、あくまで漁港法の三十九条四項に従って認可をするわけでございますけれども、公害の問題をやはり頭に置いてせざるを得ないわけでございますが、その点についての知事からの釈明を了としたわけであります。
○土井委員 さて、そういうことで問題になりました埋め立て面積は、一体どれくらいでございますか。
○大和田政府委員 埋め立て面積は、二十一万八千平方メートルでございます。
○土井委員 坪に直しておっしゃっていただいたら何坪になりますか。
○大和田政府委員 大体七万坪でございます。
○土井委員 こういう埋め立て工事については、これは公有水面でございますから、先ほど来問題になっておりますとおりに、漁業権の抹消あるいは漁港の変更等々の事由がこの前提となって埋め立て工事を具体的には進めるわけでございますね。ところが、この埋め立て工事をなすというのが、ここに誘致を予定されております私企業に万事工事内容が負担させられております。この問題についてどうも私は、これを考えていくと、財産の形成と、ばく大な利権を伴うものではなかろうかというふうに考えるわけなんですが、たとえばこのたびの大阪セメントについては、臼杵市との間での契約書を見ました場合にも、いまおっしゃったとおりの面積、たいへん広大な面積でございますが、広大な面積における水域の埋め立てを問題にしているわけなんです。いまかりに、地価坪五万円というふうに見積もりまして幾らの財産がここに形成されることになるか、ちょっとお答えいただきたいと思います。
○大和田政府委員 坪五万円で約七万坪といたしますと、概算三十五億程度であろうと思います。
○土井委員 漁業補償金は幾らでございますか。
○大和田政府委員 臼杵市が臼杵漁業協同組合に支払う漁業権の補償額は、一億三千万円というふうに聞いております。
○土井委員 埋め立てのコストは一坪について幾らくらいかかるとお考えでいらっしゃいますか。
○大和田政府委員 埋め立てにつきまして、これは水産庁の別に所管ではございませんので、詳細は承知いたしておりません。
○土井委員 埋め立てのコストについて坪幾らくらいと考えられてよいかということに対して、ひとつそれでは通産省のほうから御答弁をいただきましょうか。大体のところでけっこうでございます。
○山下政府委員 公有水面でございますから、所管としては建設省かもしれませんが、水の深さによっても違いますし、私どもは経費の報告を受けておりません。
○土井委員 しかし、こういうことについてはあらましのところを掌握なすってなければならないのが私は通産省じゃなかろうかと思うのですがね。いかがです。
○山下政府委員 産業の所管官庁でありますので、できるだけ詳しく情報を集めたいと思っておりますが、埋め立ての実費についてあいにくと手元に資料がございませんので、追って調べたいと思います。
○土井委員 これは追ってとおっしゃいますから、ひとつよくお調べをいただいた上でお知らせをいただきたいと思うのですが、この漁業補償金と埋め立てのコストを差っ引いたといたしましても、地価一坪当たり約五万円と見積もって、やはりこれにはたいへんな財産の形成とばく大な利権というものが結びついて離れないと考えてよかろうと私は思うのです。これは臼杵の例のみならず、以後公害発生源と考えられるようないろいろな企業、いろいろな工場、そういうものが公有水面を埋め立てましてそこに工場を誘致する、あるいは新しい企業をそこに設置するというふうなことも考えられてくる。そうしますと、この問題は単に臼杵の一例のみにとどまらず、これから後に私は、公有水面の埋め立てというのは、やたらに私企業にやらせないで、県や市や開発公社などの公共団体が埋め立て工事の主体となるべきではなかろうかという考えを持っているのです。そうして、埋め立てをして時価で払い下げるということがやはり必要じゃなかろうかというふうなことを考えているわけです。この点に対して通産省、どういうふうに考えていらっしゃいますか。
○山下政府委員 現在でも国、公共団体が埋め立てて分譲しますのと、初めからそこに誘致されます企業が特定しております場合にはその企業にやらせる場合と、二通りあると思います。それぞれの事情によって二通りで運用されておると理解しております。
○土井委員 ならば、この大阪セメントを臼杵市に誘致するという事情は、どういう事情でございますか。
○山下政府委員 産業の面から申し上げますと、御承知のように大分県は石灰石の産地でございまして、全国の中でも一四%を占める現状でございます。また、あそこに製鉄所等ができまして、石灰石を製鉄所が使いましたあとの残りをセメントに利用しようということでございます。そういう立地条件から、セメント工場がすでに大分県には幾つかございますが、この際さらに大阪セメントが臼杵市に進出したわけでございます。公害その他環境の問題がございますが、いま申し上げた産業的な観点からいたしますと、大分県にセメント工場が誘致され、また進出するということは、それだけの理由があると存じております。
○土井委員 いまの御答弁からすれば、生産性の向上というところが主眼にあるという御趣旨と私は承ります。そのように考えていいわけでございますね。
○山下政府委員 冒頭にお断わりいたしましたように、問題を産業立地の観点から御説明したわけでございまして、この進出について通産省のみならず、政府全体がどういう判断をするかということになれば、産業立地以外の要素も含めて判断すべきだと思います。
○土井委員 昭和四十年から四十三年までセメント業界に対しては、通産省の産業構造審議会で、設備投資に対する規制をおやりになった、これはもう御承知のところです。これは、何ゆえにこの設備投資に対しての規制が必要であったか、その間の事情はいかがでございますか。
○山下政府委員 これは審議会の答申を受けまして、過剰設備を防止したいという観点から、設備調整の指導が行なわれております。
○土井委員 過剰設備を押えるという目的は、どの辺にあるわけでございますか。
○山下政府委員 セメントは、現在すでに六千万トン弱の生産になっておりますが、戦後の長い歴史で生産過剰に陥った時代が多々ございます。まして輸送費のかかる品物でございますので、簡単に輸出もできませんし、市況が悪化して生産過剰になりますと、設備調整によってそれを切り抜けてきておるわけでございます。
○土井委員 そういう点をお伺いしていると、いよいよ大阪セメントについて特に臼杵市に進出することをお認めになるということ自身、やはり私はこれは生産性向上というふうな観点から考えられているということを強く思わざるを得ないのです。そうしますとやはりこの際大阪セメントに対して埋め立て工事一切について、工事費から工事についての一切の権利そのものを認めるというふうなこと、これは本来公有水面についての埋め立てのあり方として、どうも思わしくないんじゃないかというふうに考えられるわけなんですが、この点は通産省のほうはどういうふうに御理解になっていますか。
○山下政府委員 設備調整は、おっしゃいましたように現在も続いておりますが、三年の期限がございまして、ことしの三月末が一応の目途になっております。現在の需給見通しにおきましては、特にこの設備調整を続けていく必要もないのではないかと私どもは考えておりますので、三月末に期限が来ましてからは、これを延長しないということで現在検討しておる段階でございます。 お尋ねの、設備調整をやっておるという段階で生産性向上のために臼杵市に進出するという点につきましては、私どもは、特に生産調整と今回の大阪セメントの進出とは、直接関係がないと判断いたします。
○土井委員 いまの御答弁を聞いておりますと、四十年から四十三年の間の設備投資に対する規制は一体何のためであったか、これはまるで意味がないようなふうにも考えられるわけでございまして、この点、わざわざ大阪セメントが臼杵にまで進出して、それで、地場産業というのが、御承知のとおりに食品産業というのが中心になるような風光明媚な地点をよごしてまで、ここでセメント企業というものを操業せしめるということについては、どうも私たち納得がいかない点があるわけです。どうも疑義があとに残るわけなんですが、しかし、この問題は、また追って別の機会にお尋ねを進めることにいたしまして、今回特にお尋ね申し上げたいことは、公有水面の埋め立てについて、漁業権を抹消するということについては一連の手続が必要だと思うのですが、それについては水産庁のほうはどういうふうに御存じでいらっしゃいますか。
○大和田政府委員 漁業権の得喪及び変更につきましては、漁業協同組合の特別決議が要るわけでございまして、総会において、組合員の過半数が出席して、三分の二以上の議決を要するというふうに水協法でなっております。
○土井委員 県知事が埋め立てに対して認可をする際にも、その漁業協同組合のほうの漁業権抹消に対する同意がなければならないということになりますか、いかがですか。
○大和田政府委員 公有水面埋立法によりますと、権利者がある場合はその同意が必要であるということ以外に、たとえば埋め立てをすることによって得る利益が不利益に比べて著しく大きい場合という規定がございますけれども、一般的には、漁場について埋め立てをする場合には、漁業権の抹消、それに伴う補償が行なわれるのが通常でございます。
○土井委員 私のお尋ねしておるのは、県知事が埋め立てについて認可をやる際に、漁業権についての抹消に同意をするという漁業協同組合の同意が必要要件であるかどうかという点でございます。
○大和田政府委員 ですから、それが通常の場合でございます。
○土井委員 現在、漁業権放棄に対して、決議無効確認の訴えを大分地方裁判所にこの風成地区の漁民が提起していることを御承知でいらっしゃいますか。
○大和田政府委員 承知いたしております。
○土井委員 この裁判の判決によりまして、この無効確認が事実上なされますと、この埋め立てに対する認可自身に及ぼす影響は一体どういうふうになりますか。
○大和田政府委員 法律論からいたしますと、漁業権がある場合に、漁業権の抹消をしなくても、埋め立てによる利益が不利益に比べて非常に大きい場合、その他公有水面埋立法によって規定された場合には知事は免許ができるわけでございますけれども、この場合、かりに漁業権の変更の手続が無効であったというふうに判決をいたします場合には、埋め立てによる利益が不利益に比べて非常に大きかったということを知事側が立証できない限り、この免許についての法律的な効果は当然争われるであろうと思います。
○土井委員 その際、水産庁としてはどういう立場をとられます。
○大和田政府委員 これは仮定の問題でございますけれども、私どもは、漁業権の抹消あるいは変更が無効でありますれば、知事に対して再考を促すということになるのが普通であろうというふうに思います。
○土井委員 これは自動的に埋め立て免許取り消しということにはなりはしませんか。
○大和田政府委員 公有水面埋立法によりますれば、先ほども申し上げましたように、漁業権がある場合に漁業権者の同意以外に利益、不利益の考量の問題がございますから、私は、漁業権の変更の手続が無効であったというふうに判示されたとしても、当然公有水面埋立法による免許が無効になるというふうには思いません。これは法律問題としておそらく争われることになるであろうと思います。
○土井委員 現在、埋め立て免許取り消しという訴訟も大分地裁に漁民が起こしているわけでございます。これも御承知だと思うのです。大分地裁のほうでは、さきごろ知らされたところによりますと、この二つの——一つは漁業権放棄の決議無効確認、一つは埋め立て免許取り消しのための訴訟、この二つの訴訟を一括審理をするという方向に持っていきました。そうして五月中に判決を出したいというのです。一括審理をやるということになりますと、当然その背後には、漁業権放棄決議無効ということがあるならば、したがって埋め立て免許に対しても取り消しをしなければならないという因果関係があると考えられますが、この点はどのようにお考えでいらっしゃいますか。
○大和田政府委員 私が承知いたしておりますのは、漁業権確認の訴訟と、それから公有水面埋め立て免許執行停止申し立てというふうに承知いたしておるわけであります。
○土井委員 いずれにいたしましても、内容からすると同じことだと思います。この二つの訴訟に対して一括審理をするということの意味合いをどういうふうにお考えでいらっしゃいますか。
○大和田政府委員 これは裁判所の取り扱いでございますから、私がとやかく申す筋でないと思いますけれども、漁業権の変更が無効であった場合と、公有水面埋め立ての免許とが相当な因果関係があるということは、これは常識的で、当然そういうふうに私も考える次第でございます。
○土井委員 いまの御答弁を確認したいと思うのです。 さて、その埋め立てについては、埋め立てをする当事者は大阪セメントでございます。したがって、大阪セメントが埋め立てをすることに対しては、勢い、こういう訴訟を起こしている側からすると、反対の立場でございます。したがって、埋め立てのための調査のやり方に対しても現在納得はいたしておりません。そういう立場にある漁民と、さらには埋め立てについての調査を強行しようとした大阪セメント側とがお互い対立をしているさなかに警察権の発動という事実があったことを、警察庁警備局の鈴木警備課長は御存じでいらっしゃいますか。
○鈴木説明員 お答えをいたします。承知いたしております。
○土井委員 現地のほうからは、その警察権力の発動についてどういうふうな連絡があり、それに対してこちらではどういうふうな指示をなすったか、その間の事情についてお聞かせをいただきたいと思います。
○鈴木説明員 お答えいたします。 この件は非常にいろいろの曲折がございまして、最後の段階で、十五日でございますが、警察官が現場に行きまして、そしていかだ等に乗っている方を排除したというのが最後的な段階でございますが、その前十二日の段階から、十二、十三、十四とずっと進行いたしまして、その過程で反対派及び賛成派、さらにまた一部学生も一部乗っかるというふうなことがございまして、いろいろの面で……(「乗ってませんよ。学生は来ていない」と呼ぶ者あり)その間賛成派のエキサイトもございますし、そういうことで警察といたしましては、反対派及び賛成派、さらに会社側、企業側、こういった面にもそれぞれの事態に応じまして警告したり、事が、警察官が出ないで終わるように、いろいろの手だてで警告もしておったわけであります。 最後の十五日の段階で、いろいろの判断によりまして、威力業務妨害的な状況がある、事犯そのものは公害紛争ということに発しているわけでございますけれども、警察としてはあくまで相互に、第三者に被害者、けが人を出さないということによりまして、慎重に現場の判断によりまして、指揮者のこまい指示によりまして、いかだに乗っておる八十余名の方を排除したというのが最後の状況でございます。 したがって御質問のわれわれから指示、そういった問題でございますけれども、現地におきましては、本部長を長といたしまして、現場での——また現場にも警備本部を設置いたしまして、それぞれ警察官がこれらの動向の警告なり、そしてまた排除作業に当たったということでございます。
○島本委員 関連。ただいまいかだの上に学生が乗っておったという報告であります。われわれの調査したところによりましても、学生は乗っておりません。そういうような報告はどこから出たのであるか、乗っていたのは何名であるか、この際はっきり答弁していただきたい。 〔「写真もちゃんとあるんだから」と呼ぶ者あり〕
○小林委員長 お静かに願います。
○鈴木説明員 お答えいたします。 私のお答えいたしました、いかだの上に学生が乗ったということで私の発言をおとりだったら、これは訂正いたします。そうじゃなくて、十五日までの段階で大分大学の全共闘の学生八名も漁船一隻に乗りまして現場の闘争に参加した、こういう意味の——これは十三日の段階です、十三日の段階でございますが、そういう意味でございます。いかだには乗っておりません。いかだに乗っておった方は反対派の婦人がおもでございますが、男の方を含めまして八十余名でございます。 〔「男は乗っていない。一人も乗っていない」と呼ぶ者あり〕
○土井委員 警察の出動を要請したのはだれでございますか。
○鈴木説明員 御承知のように出動する場合の警察は、やはり警察としての独自の判断でやるわけでございます。したがって、十二日の段階及び十四日の段階に会社側及び企業者側から警備要請はございます。十二日もございました。さらにまた十四日も会社及び下請けの企業会社のほうから警備要請は受けております。しかし、警察が現場に出たというそのことの判断は、先ほどもちょっと触れましたけれども、会社側が測量期限が非常に切迫しておるということで、いわゆる自力救済といいますか、自分の力で、たとえばその過程でもございましたが、有刺鉄線をいかだに張りまして、それで反対派を寄せつけないというふうな動きもございました。これは警察の警告でやめさしております。そういうことで会社側としては何とか測量を強行する、こういうふうな一つの動きがあったわけでございます。 さらにまた一方、賛成派の漁民もございまして、これが十四日の段階ではしょうちゅう等を飲んで気勢を上げる。しかも、これもいかだに乗り組みましていかだに接近いたしまして、口論する、こういうふうな状況になって非常にエキサイトした状況が出てきた。こういうふうなこともございます。 また反対派のほうの方々におきましても、あくまで測量を阻止するのだ、こういうことで十二日の段階からいろいろ呼びかけまして、すわり込みをする、あるいは作業に必要なボーリングのエンジン部分とかあるいはやぐらの真下にすわり込む。こういうふうなことで非常に闘争がエスカレートしてきた。したがって、このまま放置することにおいては流血の惨事も見かねない、こういうふうな状況でございました。 警察としては、やはり最後の段階でのこういったいろいろな判断によりまして、やはりこれは警察の責務から見ましてどうしても排除して、そういう流血の事態を回避しなくちゃならない、こういう判断で出動した、こういうふうに報告を受けております。
○土井委員 大阪セメントからの要請があったということをいまお認めになりましたね。そうしてしかも前後の事情については警察のほうとしては考えるだけ考えたということもお述べになりましたね。出動したのは機動隊でございますね。本来機動隊の任務というのはどういうところにございますか。
○鈴木説明員 お答えいたします。 出動いたしましたのは機動隊だけじゃございません。大分は定員その他から見まして機動隊の数も三十余名と思います。十五日の段階で出ました警察官の数はもちろん多いわけでございまして、その一部として現場の排除に当たりましたのは総員三十五名ほどでございます。そういうことで、機動隊も出ておりますが、それだけじゃございません。機動隊が出たことは事実でございますけれども……。 機動隊の職務でございますが、これは御承知のとおり、警察の責務を果たす上においての各般の仕事に従事いたします。普通非常に常識的には、機動隊は、集団的な暴力事犯に当たるというのが機動隊の職務、こういうふうに見られておりますけれども、警察のあらゆる職務範囲万般にわたりまして機動隊はいろいろ出ておるわけでございます。現在は、過激学生分子のいろいろの違法行為の取り締まりはもとよりでございますけれども、そのほかに、交通の取り締まりあるいは災害のあった場合の出動、いろいろの面で警察各般の仕事、いわゆる機動隊の特殊任務というのはございませんで、警察各般の分野に多角的にいろいろ現在働いているというのが実情でございます。
○土井委員 その警察の任務を行なわれる際に何を第一にお考えになりますか。何を本旨として警察の任務が行なわれるか、その辺についてお伺いします。
○鈴木説明員 お答えいたします。 もとより申すまでもなく、警察法第二条にございまするように、国民の生命、財産の保護、これが第一の前提でございます。
○土井委員 そういうふうな意味からしますと、この大阪セメントからの要請があるまでの前後のいきさつは、十分お調べになった上のことだと思いますが、結果としては、多数の負傷者がために出まして、三月一日付で、現在大阪地裁に損害賠償請求の事件が起こされていることを御存じでいらっしゃいますか。
○鈴木説明員 お答えします。聞き及んでおります。
○土井委員 そういたしますと、警備課長、この損害賠償請求事件の訴えの中にも具体的にはっきりと書いてあるのですが、一月八日のこと、大阪セメントは三月末までは測量してはならないということ、それを市長と大阪セメントの常務と風成の漁民の間に約束を取りかわしているわけです。そういたしますと、これからすれば、大阪セメントは三月末までは埋め立てのための測量はしてはならないという債務を負うんじゃございませんか。また漁民の側からいえば、三月末までは測量をしないように請求できるという契約上の権利を取得したというふうには考えられはしませんか。この間の事情を御存じであって、しかも、なおかつ大阪セメントからの要請があったから警察が出動されたということであるならば、中立公正な立場に立って国民の生命や財産を保護しなければならないはずの警察が、一企業の手先となって、争いを現在裁判所に持ち込んでいる一方に加担をするということにならざるを得ないと思うのです。そういう世上からの批判に対して、警察としてはどういうふうにお考えになっていらっしゃるか、ひとつお伺いしたいと思います。
○鈴木説明員 お答えいたします。 前段の三月末日まで作業をしないという、そういう契約といいますか、三者の間の申し合わせでございますか、そういったものについては、私は実は事情を聞いておりません。いま先生のお話が初めてでございます。 それから後段の警察の姿勢といいますか、おっしゃいました公正中立、こういう立場については、まことにおっしゃるとおりでございます。警察としてはあくまで、あらゆる事犯に対しまして中正公平ということを旨としてやっておるということでございまして、今回の事犯も、そういうことで、公正中立に警察としての責務を果たす、こういうことでまいったわけでございます。
○土井委員 中正公平ということをいまおっしゃいましたから、それならば申し上げますが、この事件というのは現在なかなか深刻な問題でございまして、先ほど水産庁のほうにお尋ねをした節に申し上げましたとおり、漁業権の放棄決議無効の確認の訴えだとか埋め立てそのものに対しての免許取り消しを問題にした訴訟を現に裁判所に提起をして係争中であるという事件でございます。しかもそのさなか、先ほどその事情をよく知らなかったとおっしゃいますけれども、一月八日に、事が深刻であるがために、両者が寄って、三月末までは測量しないという申し合わせをやっている。これなんかは、事前の調査をやった上で警察権の発動をしたとおっしゃるその関係から見ますと、私はずいぶん調査散漫だと思うのです。このことについて調査をなすっていずして、事前の調査をやってしかも警察権の発動をしたということは言えない。この点の手落ちがあったということを私は考えるわけですが、この点はいまどういうふうにお考えになりますか。
○鈴木説明員 警察の立場でございますが、公害紛争に限りませんで、あらゆる事犯につきまして、これが平穏に行なわれるということにつきましては、申すまでもなく、警察としては何ら関与しないところでございます。しかし、その過程におきまして違法な状況が現出する、あるいはそういうおそれがあるという場合には、申すまでもなく、警察のそれぞれの法規に基づきましてその責務を果たしていくということでございます。しかし、その際、いわゆる警察警備措置をやる際にあたりましても、やはりそれぞれケース、ケースに応じまして、慎重な配意を加えて、適正妥当な警備措置をとる、これは当然でございます。したがって、今回の場合にも、十二日の段階から作業をする、それを阻止するという、それぞれの派の人がいろいろの動きをしたわけでございまして、その間いろいろ警告をし、何とか警察力でない、お互いの話し合いでそういう作業妨害の状況を排除する、こういうことで努力したわけでございますが、その間の、先ほどもお答えいたしましたようないろいろの要素から見まして、流血の惨事になる、こういうふうな事態で、これはやはり作業妨害でございますので、威力を示して業務を妨害する、こういったものにつきましては、やはり警察としてこれを排除するということで、慎重な配意のもとで会社側のいかだに乗っておる反対派の方々を、慎重な取り扱いのもとで排除した、こういうことでございます。 〔発言する者あり〕
○小林委員長 お静かに願います。
○土井委員 そのことについてはおいおいお尋ねを進めますが、いま、威力業務妨害という事実に対してやむなく警察権を発動させねばならなかったという趣の御答弁でございます。 ところで、申し上げますが、威力業務妨害といわれるその業務内容が違法な業務である場合はいかがでございますか。現にその業務の内容が、適正な手続を得ているか得ていないかということで裁判係争中なんです。その成り行きによりましては、業務自身が違法な業務である、無効の業務であるということになる場合も想定される。その業務について、威力妨害があったということを問題にして警察が出動するというのは、私は少し早計に過ぎやしないかと思うのです。いわば警察権力の発動について、この際には、考えるべきことに対しての熟知を欠いていると私は思う。警察権力の発動について行き過ぎがありはしないか、この点についてはどのようにお考えでいらっしゃいますか。
○鈴木説明員 その違法な、業務そのものが正当なものでないという判断には現地でも立っておらないわけでございまして、会社側及びその企業側が行なう業務そのもの、すなわち測量、それは正当な業務である。したがって、それを妨害する行為は威力業務妨害になる。態様におきまして、多数の威力を示してやっておる状況である。これは十五日排除する前に、一時間余にわたりましてまず会社側が警告をいたしております。さらにまたそのあと警察が、署長みずからそこから立ち去るように十二分の警告をした、しかし、聞き入れられないということで排除活動になった、こういうことでございます。
○土井委員 業務自身が正当な業務であるというものの考え方は、これは大阪セメント側の考えだと思うのです。しかも、諸般の事情をお考えになるのは、大阪セメントからの要請に従って出動なすった、なるほどそれだけのことはあって、大阪セメントの立場でしかものをお考えになっていらっしゃらないようなきらいを持つのです。このことがはたして中立公正な警察権の発動といえるかどうか、私はたいへん不信の念を禁じ得ません。 さらに、先ほど来十分の配慮をして警察権の発動をやったようにおっしゃいましたけれども、新聞紙上に伝えられるところによりますと、これは後に三月一日付で裁判所に損害賠償請求の訴訟を起こしておるくらいに負傷者を出しているわけでございます。人数は十七名がただいま裁判所に訴訟を提起しているわけでございますが、その間のいきさつについて特に問題となる点は、いかだの上に乗っていたのは婦人ばかりでございます。この婦人はお互いが離れないように、命綱で自分たちのからだを結びつけていたわけです。それを排除する際に、機動隊側は、ナイフをもってロープを切断しております。このナイフで当時婦人の中には負傷した人もいるわけです。ここに私そのロープを参考として持ってきておりますけれども、こういうロープでからだを縛りつけていたのを、ナイフをもって切断をいたしております。また、その後ゴボウ抜きにしているわけですけれども、待っておりました海上保安庁の船に、ゴボウ抜きにした婦人を投げ込んだ。その際頭を打ったという人があります。脳しんとうを起こす、失神するという婦人も出ている次第です。現在なおかつそのことが理由で入院加療中の婦人もおります。 さらに問題になるのは、排除された婦人たちの一隊は、風成港の防波堤、もう一隊は下り松の防波堤におろされているわけでございますが、この下り松におろされた婦人の中には、頭を打ったり捻挫をした人たちがいたにもかかわらず、そのまま放置したという事実があるということが新聞に伝えられております。その中の一人が、負傷者がいるから病院に運んでくれと言ったら、着払いならタクシーを呼んでやろうというようなことを言ったりいたしました。また共同通信の記者が、警察の車があったから、それで運んでやったらどうだろうかと申し入れをしたところ、笑って取り合わなかったということなんです。これは明らかに人命無視ということが言えませんか。警察としては本来人命を守り、財産を守り、生活を守るというところが任務の主眼であるならば、警察としての態度を失しているということが言えやしませんか。こういうことがあたりまえのようにこれからも考えられるのか。警察権の発動について、これからもこういう調子でやりますというふうにおっしゃるのか、そこのところをひとつお聞かせいただきたいと思います。
○鈴木説明員 お答えいたします。 第一、第二いかだ、二ついかだがございまして、そのいかだから排除しました人数は、第一のほうが男の方が十名おりました。それから女性が四十三名、合わせて五十三名でございます。第二のいかだのほうでございますが、これは女の方だけでございます。三十一名ということで、合わせて八十四名。すなわち、女だけじゃございませんで、男の方も十人いた、こういう数字でございます。 さらに、その排除のしかたでございますが、私のほうも現地からそれぞれ聞いたわけでございますが、いまおっしゃいましたように、これらの八十四名の方は、それぞれ二カ所に巡視艇で運んでいるわけでございますけれども、その際フェリーの基地におきましては臼杵署の次長の三股という警部でございます、これが現場の責任者といたしまして、運ばれてきました風成地区の方たちをあらかじめ用意してございました二台の小型輸送車、これは警察の小型輸送車に一たん乗車させたわけでございますが、風成地区民の中から、乗るな、こういう声がかかりまして、全員がおりてしまいまして、間もなく迎えにきた風成地区の車に乗って引き揚げた、こういう報告を受けております。また風成漁港におきましては臼杵の署長、すなわち浦山警視が現場の責任者といたしまして取り扱いをしているわけでございますが、これも、この地区から最も遠い民家でも、約三百メートルくらいのようでございまして、車を使う必要もないということで、しかも、現場では車で運べという要望もなかった、こういうことでございます。 けがの点でございますが、これはいろいろ報告を聞いた段階では、現場におきまして、すなわち排除したあとの段階におきまして、女性の方がロープを口にはさんで、それが離れた場合にくちびるに擦過傷ができまして血が流れておった、こういうのを現認しているのが一人でございまして、その他、現場その他におきましてのけが人ということは聞いておらない、二カ所とも非常に疲れたというふうな言動につきましては聞いておる、こういうことでございます。 大体以上でございます。
○土井委員 いまの報告を資料として要求いたします。委員長、そのようにまずお取り計らいをお願いします。
○小林委員長 理事会に話をしまして取り計らいます。
○土井委員 いまの御報告をお伺いしておりますと、私たちが察知しております事実とだいぶ食い違いがあるようでございますから、時を改めましてまたここに参考人を呼ぶことを委員長に要求いたします。 さらに、こういう警察権の発動によりまして、それ以後話し合いはいよいよむずかしいということに結果としてはなりました。そのことによってたいへん事態がむずかしくさせられたわけでございます。こういう前後の事情を見ますと、警察権の発動ということを招く以前に、一月段階からこの方、裁判所のほうも努力をいたしまして、五月には判決を出そうじゃないかという趣もございます。その辺を考えて、水産庁とされましては埋め立てのための調査を延期するようにという指導をおやりになったかどうか、この点についてお伺いします。
○大和田政府委員 先ほども申し上げましたように、本件につきましては大分県庁に対して慎重な手続でおやりなさいということを去年の五月から言っておりますことで、測量を延ばせとかあるいは工事を延ばせとかいう話は私いたしませんけれども、現地の漁民たちと県の幹部とがよく話し合いをしなさい、あるいは市の幹部と現地漁民とよく話し合いをしなさいということを言っておるわけでございます。私どもが言ったからということではございませんでしょうけれども、先ほども申し上げましたが、まず話の手始めで、風成地区の漁港の改修につきましては、三月五日に大分県の知事が関係部長を連れて現地に行ってよく話し合って、漁港の改修事業についての工事の着手についてのお互いの了解が得られたということでございます。埋め立ての工事の実施等々につきましても、私はこういう県の態度でこれからもやるべきだということは常々申し上げておるとおりでございます。
○土井委員 四十五年の十二月二十一日付で水産庁長官から大分県知事あての通達がございまして、その内容からいたしますと「当該漁港に影響を与えることが認められたときは、本件の免許を受けた者に対し、その防止のため必要な措置を講じさせることができるよう、書面によって約定されたい。」等々のたいへん配慮の行き届いた通達内容になっております。こういう通達をお出しになる関係からいたしましても、行政官庁からいえば、一たん認可をされているという問題であるにもかかわらず、当事者間において、現地ではこういうふうな深刻な争いがあるという状況であるときには、その成り行きに対して、終始目を向けて最善の策を講ずるという責任があるのじゃないかと私は思うのです。そういう点からしますと、私は、もっと水産庁としては大分県に対して五月まで埋め立てのための調査の一切の工事に対しては着手しないでいてもらいたいという意味の指導があってしかるべきだったと思うのですが、この点に対してはどのようにお考えでいらっしゃいますか。
○大和田政府委員 先ほども申し上げましたように、公有水面埋め立ての免許を知事がやりましたし、それに関する漁港法の認可も農林大臣がやったわけでございますから、いついつまでに工事をすべきだとかあるいは延ばすべきだという指導は、私どももういたす必要もないわけで、ただ事柄の性質上、現地の漁民と県なりあるいは市の当局とよく話し合ってやってくれ、一方的な強圧的な態度ではなかなかむずかしいぞということは絶えず申し上げておるわけであります。 〔委員長退席、島本委員長代理着席〕
○土井委員 そういう抽象的な指導じゃなくて、現にいまの通産省の十二月二十一日付の大分県知事にあてた通知によりまして、大分県のほうでは十二月二十四日に四十六年の十月末までに模型実験を実施し報告してくださいという伝達をしているわけなのです。したがって、四十六年の十月末までに模型実験を実施し報告しなければならないというタイムリミットがある。そうすると、おそらくこれに拘束されて、調査ということでもかなり強硬に急ぐのではないかと水産庁のほうは考えられておいてよいと思うのです。県のほうに水産庁のほうからはこういう通達をおやりになれば、出しっぱなしでございますか。
○大和田政府委員 通達を出せば出しっぱなしということではございません。絶えずこの問題について、いろいろなところから私のほうへいまでもいろいろお話があるわけであります。大分県に対しても、慎重な態度をとるように絶えず言い続けておるわけであります。
○土井委員 もう一つ、そのことに対しては、具体的にそういう事情に従って大阪セメントの側に立って問題を考えるのではなく、いま提訴している漁民の立場をも考えて、漁民の立場というものを忘れずにひとついろいろな指導のあり方としては十分に措置を講じていただきたいと私は思うのです。そのことを要求いたしまして、再度委員長に、警察の現地からの報告書をひとつ参考資料としてここに提出していただくことと、他日、現地から風成地区の現に裁判所に提訴している方たち、大阪セメントの代表者、県当局、市当局の責任者等々を参考人としてお呼びいただくことを最後に要求して、私の質問を終わりたいと思います。
○島本委員長代理 ただいまの資料の提出についてはよろしゅうございますか。資料はそのまま提出するように、いいですね。——資料の提出の点、よろしゅうございますか。——速記をとめて。 〔速記中止〕
○島本委員長代理 速記を始めて。 土井委員の要請については、理事会を開いてそれを検討することにいたします。善処いたします。
○土井委員 了承いたします。 これで質問を終わります。 〔島本委員長代理退席、渡辺(栄)委員長代理 着席〕
○渡辺(栄)委員長代理 島本虎三君。
○島本委員 いろいろいままで平常疑問だった臼杵の問題についての質疑がなされました。それで、この際はっきりしておきたいことがあります。 警察庁、ただいま大阪セメント側の要請によってそれぞれ警察官を派遣さした、こういうふうなことであります。しかし、それも要請であるならば、片や要請されたほうの側は漁業権の問題があります。漁業権の問題は財産権であります。そうなりますと、片や財産権の問題で争っている、片やまたセメント側がこの問題で要請した。いずれの側につくか、これはあなたのほうでは大阪セメントのほうにくみした。これは公平な態度ではない、こういわざるを得ない。私どもとしてはこの点はまことに心外な答弁だったわけでありますが、これに対してはっきりさせておかなければならないと思いますので、再度、片や財産権の問題で争っている、それを無視して一方的に大阪セメントの要請をいれた、こういってあとにまた抜き差しならないような情勢をここに持ち来たさせるような、こういうような一つの行動をした。これはなかなかわれわれ納得できない。このことについてはあらかじめはっきりさせておいてもらいたいと思います。締めくくりでありますから……。
○鈴木説明員 お答えいたします。 会社側の要請があったのは、お答えいたしましたように、十二日の段階及び十四日の段階であったことは事実でございます。しかし警察は、その要請を、おっしゃるようなそれだけをもとにして警察官が出動したということじゃございませんで、それまでのいろいろの経緯を総合的に慎重に判断の上、これはもう相互にいろいろの面で流血の事態になる、したがって、これは警察の責務として排除しなければならない、こういうことでございまして、しかも、現実の問題としては、そこに業務を行なうという中で威力を示して妨害する、現場でも警告をいたしておりますが、そういう状況は威力業務妨害ですよということを再三にわたりまして警告をし、その上で排除に当たったということでございます。
○島本委員 総理府、昨年の暮れに、人の健康に係る公害犯罪の処罰に関する法律、これが成立いたしました。それと同時に、公害対策基本法、この改正案も成立いたしました。それ以後の公害に対する考え方は変わっているはずであります。当然、公害を排出する、公害を醸成する、こういうような行為を排除すること、これが社会的な善行になるわけであります。それと同時に、公害を排出させる、公害を醸成させる、こういうような行為は、社会的犯罪になる行為であります。これははっきりしているはずであります。これについて総理府どういうふうに思いますか。
○城戸政府委員 お答えいたします。 ただいまの公害対策基本法の改正、これは昨年の十二月二十五日に公布、即日施行になっております。公害罪法は七月一日から施行になる、こういう予定になっているわけでありまして、いま先生のおっしゃいますように、臨時国会で十四法案が通りましたのは、あくまで国民生活優先という基本的な理念のもとに各法律を整理をし、あるいは新法をつくったわけでございますが、その姿勢といたしましては、あくまでそういう考え方でいこうというのが政府全体の考えであることは間違いないと思います。ただ、対策本部としてどうだということを私から申し上げるのはいいかどうかは別として、考え方はそういう点に立脚してすべての法律がつくられていたということは、全くお説のとおりだと思います。
○島本委員 昨年の暮れ以降、十四の法律が成立しているのです。法律が成立しているその精神も、いま言ったとおり国民生活優先、これに変わってきているのです。そして人の健康に係る公害犯罪の処罰に関する法律、これが成立しているのです。政令、省令その他行政指導の面を合わして、その期間、七月までその整備に当たっているだけの話なんです。もうすでに精神は成立しているのです。それをちゃんとわからないで、それ以後のこういうような情勢に対処する警察庁、この点はもう少し考えないとだめだ。これは時代おくれもはなはだしい。これでは法律の番人であると言えない。何たることです。 同時に、水産庁、同じような状態で公害の排出、公害から自分を守る、財産をも守る、こういうような点でこの反対運動が起きた、もしこうだとするならば、この件に対しては、法の精神からしても御存じのとおりですから、公害を排出するのは社会的犯罪なんですから、そういうような点からして、そういうようなことを防除するためにこそ一生懸命やって、それを排除する。そういうようなことが一番大事なことであって、少なくとも公害を醸成するような企業の意向に即したり、またそれに類するような行動をすることは、これはもう新法が成立した以後は、行政の長にある人の態度じゃないはずです。もっとこの点は考えないといけない。 同時に通産省、局長の話では、先ほどからなかなかいい答弁があったようです。企業のほうでは、反対側も賛成側もここならば大体よろしいと言われたところは不確定、金がたくさんかかるから、これはいけない。いつの間にか、公害のほうを忘れて企業べったりに雇ったんですか。そういうようなことまで考える権限は、あなたはだれに与えられたのですか。こういうようなことで今後の公害行政を完全に通産省として指導できますか。これは問題です。荘局長、あなたも局長として、こういうよう主点は、各局長が専行しているような事態があるならば、公害保安局長として、あなたは完全にこれを整備しなければならない、規制しなければならない立場にあるはずです。なぜ同じ省内でありながらこれをぽかんと見ているんですか。こういうような態度でいいんですか。全然ずれているじゃありませんか。あえて言うと企業べったりじゃありませんか。企業寄りの指導、こういうようなことは本日はあってはならないはずであります。この四人の皆さん、ここでもう一回はっきり決意を明らかにしてください。
○莊政府委員 御指摘のとおり公害の防止ということは行政上今後きわめて重要な課題でございます。通産省といたしましても、ただいまたいへんおしかりを受けたのでございますけれども、実は全省あげて公害の防止に取り組むということでせっかく努力をしておるところでございます。 この大阪セメントの問題につきましてもいろいろ経緯はございますけれども、地元の協定書を、私どもも参画したわけではありませんが、よく拝見はしておるつもりでございますが、その報道にも、公害防止の基本姿勢として地域の環境保全を第一義に心得て最高水準の公害防止施設をやる、何ものにも優先してこれに投資していくということを関係者でおきめになっておりますし、それから協定の最後の部分でも、また今後必要に応じて——この基本姿勢を踏まえてということだと当然に考えますが、さらに必要に応じて三者間で協議をしてやっていくということも実はうたわれておるようなわけでございまして、私といたしましては通産省全体の公害防止行政の元締めみたいな仕事を承っておりますので、今後こういう協定の精神を生かしまして、十分公害防止には万全の注意を払って企業にも対処してもらいたい、こういう姿勢で、これは化学工業局長も参っておりますけれども、私ども完全に意見が一致しておるわけでございまして、こういう方向で企業を指導していく、これが通産省の姿勢でございます。
○山下政府委員 化学関係は公害になりやすい企業でございますので、格別私自身先頭に立って局内で公害問題に取り組む姿勢でおりまして、ただいま荘局長の述べられた意見と同じでございます。
○大和田政府委員 私ども水産庁といたしましては、水産業の振興、漁家の生活水準の向上、国民の食生活の改善等、私どもに与えられた任務を法に基づいて厳正に行なうべきものと考えております。
○鈴木説明員 警察といたしましては、公害紛争はもとよりでございますが、いろいろの紛争が、平穏に行なわれる、その限りにおいては警察としては何らこれに関与しないところでございます。しかし、その過程におきまして違法状態が発生する、あるいは発生するおそれがあるという場合においては、それぞれの場合に応じまして警察を出動させる、警備措置をとるというふうな必要性がございますけれども、公害紛争におきましては特にそういう面、慎重に適正妥当な警備措置をとるように今後とも十分注意してまいりたいと思います。
○島本委員 それは今後も十分注意しなければならないのです。していくなどということばじゃないのです。法はそういうたてまえにもうなったのです。法を守る番人がそういうような態度ではなまぬるい。今後絶対そういうことがないように。 なお総理府のほうからも、こういうふうな件について、人の健康に係る公害犯罪の処罰に関する法律、これが成立しているのですから、それ以後のこういうような精神、この精神の置き方、いままでの企業べったりはもちろん許されぬけれども、産業との調和がもうなくなって、いわゆる国民生活が優先、これだけはっきり確立しているのですから、閣議を通じてでもこういうことは全部言い渡して、これは間違いないような運営をさせるように、この点は特に要請しておきたい。この点は、その場でいいですが、よろしゅうございますか。——それでなお、今後のために十分ひとつ注意しておきたいことがある。それは警察庁の課長のほうへきている資料はどこからきた資料か。このことは言わぬでも大体わかっておるのですが、その資料の違い、違いだけではなく、数もいろいろな点での違いだけは、これは先ほどもっと時間があるならば前の質問者の土井委員が言うべきはずなんです。これは言えなかった。この中には相当の誤解というか、間違いがある。二月の十五日、これもほとんど主婦の人がいかだの上におって、そして六十人ほどです。男の人も若干おった。合計してみると七十六人ほどだとはっきり人数まで報道されているのです。そしてわれわれの耳に到達した情報によると、行ってもうそれを勘定した人さえいるのです。現場の写真もとられている。いわゆる切るために使用したほうちょう、これさえも、もう現物もあるのです。ナイフというとやさしく聞こえる。出刃ぼうちょうといったらどういうふうに感じますか。そういうようなもので、婦人を断ち切るようにしてこれを切っているのです。ちょっとしたすり傷、こういうものを負った程度である、——現場認識がはなはだしく遊離しているのはあなたの答弁じゃありませんか。これは全然違う。七十六人の女の人を中心とした、ほとんど主婦の人、それに対して出た警察官の数が、機動隊を入れて二百七十五人じゃありませんか。それも大分海上保安部の巡視隊の応援を得てこれをやっている。これが中立公平な態度だと言えるのですか。これは七十六人に対して二百七十五プラス大分海上保安部の巡視隊の警備、こういうようなこと、これが公正中立なやり方だと言えますか。そのほかに脳しんとうを起こしていた人もある。そして同じ女性で歯を折った人もおるのです。それからあなたは送り届けたと言うけれども、反対側のほうへ送り届けているのです。その被害者のうちと反対のとんでもない別なほうへ送り届けておるのです。そしてそれも岸壁の中にほうり出したままにしておる。こういうような事態があるのです。一体あなたの報告はどうなんです。これでもいわば中立公正な一つの態度だと言えるのですか。これは、こういうような点ではまことに私どもは理解できない。こっちに来て見なさい。これナイフですか。ごらんなさい。 〔島本委員、写真を示す〕
○島本委員 公正中立な態度ですか。 これもひどいじゃないですか。参考のために見てください。これは人間ですよ。魚じゃないですよ。 せっかくあれだからこれも見なさい。一つくらい見てちゃんと整理してみなさい。そしてこの中では、私どもはどうしても警察官の態度と思えない点がある。それは脳しんとうを起こした人をそのままにしておくだけならまだしも、救急車を呼んでくれ、こういうふうなことに対しても何ら手をかさなかった。せせら笑っておったという話だ。そしてその人たちの衣類も水でぬれている。そのぬれた人をそのまま岸壁へほうり出して置いてある。けがしている人もある。そのけがしている人に対して救急車も呼ばないで、着払いなら呼んであげます、これが人の命を守る警察官の態度ですか。ついに市民が、見物人が呼んでやったのが、これが救急車じゃありませんか。これで中立公平な態度だ、こういうようなことをどこを見て言えますか。私は、こういうような点では、いまの新しい状態においての公害立法ができたあとの警察のこれに対する態度、これはもう過剰警備どころか、全然公害に対しての認識が欠如している、こう言わざるを得ません。私は、もう、こういうような点から、一そう事態を悪化させることに役立ったのが今回の警備である。それと同時にメスまで使用して、それも普通の小さいこういうのならまだしも、ほうちょうに類するようなものまで使っている。そして、それも話し合いで一たん引き揚げる予定、こういうような話し合いがついているにもかかわらず、その約束を警察隊が破っておる。うわさによると、企業からの強い要請で警察が動いたということです。これは通産省もあわせて——こういうような態度は今後許されないことなんです。こういうような点について、事実私がいま申しましたようなことに対してどういうような報告が来ているのか、現地ではいま言った問題に対してはどういうふうな認識をとっているのか、それをはっきり調べて資料で出してもらいたい。それはよろしゅうございますか。
○鈴木説明員 いま言われました個別的な問題につきましては、それぞれまた調査の上しかるべく御返答をいたします。
○島本委員 それでは締めくくりですから私のほうから……。 これは全く警察官の暴挙といわざるを得ないような状態であり、これはまさに過剰警備以外の何ものでもない。レクリエーションじゃないのです、これは。ましてそこに流れる公害に対する対処のしかた、また特に人の健康に係る公害犯罪の処罰に関する法律ができた以後、同時に通産省では公害立法十四法ができて、それぞれの立場から権限委譲さえ行なわれ、いま政令、省令を制定する段階になっているという、こういう現実の事実を十分認識しておらない、時代錯誤である。こういうようなことは二度と再び許されることではありません。今後、十分これに対して注意して行政に対処してもらわなければならないと思います。強くこれを要請し、あわせて、総理府のほうも、法律ができた以後、各企業並びに行政庁の態度、これについては特に厳重に、法の精神に照らしていまのような不届きのことがないように指導すべきである、このことを強く要請して私の質問を終わります。
○渡辺(栄)委員長代理 古寺宏君。
○古寺委員 最初に通産省にお伺いをいたします。 秋田県比内町の弥助地区の鉱毒による汚染のその後の経過並びに指導についてどのように行なわれているか、御説明願いたいと思います。
○莊政府委員 弥助地区の立又鉱山でございますが、昨年の夏カドミウム米の問題が起こりましてから、九月、十一月、さらにことしの二月と、三回現地に監督官を派遣いたしまして、検査及び指導を実施いたさせております。鉱害防止施設の関係では、沈でん池を二つ新設をしたほか、石灰自動投入設備等は昨年の十一月までに整備をさせております。なお、坑道の付近はズリがたまっておりますが、これから浸透して出てきます水の防止工事につきましてはまだ終わっておりません。雪解けを待ちまして、本年の五、六月ごろまでにこれも完成させる予定にいたしております。 以上が鉱山に対して直接指示をし、実施をさせた概要でございます。
○古寺委員 汚染米の問題とか、補償の問題等、いろいろございますが、そういう点については鉱一山に対してどういう指導を行なっておりますか。
○莊政府委員 汚染米につきましては、一PPM以上の米が実は出ておらないようでございまして、四十五年の産米の調査を注目いたしておったのでございますが、昨年十一月の県の発表で、最高が〇・六二PPM、平均で〇・二六PPM程度であったと承っております。こういう関係で、補償の問題につきましては具体的にいまのところ企業に対して特段の措置を講じておりません。ただし、今後県なり地元の御方針で、一PPM以下の米についても保有米による交換というような問題が生じてまいりましたならば、その際にはそれに伴って必要な資金等の問題が起こるかと思います。そういう事態が生じました場合には、他の鉱山について従来指導してまいったと同様の精神で指導する所存でございます。
○古寺委員 飲料水についてはどうなっておりますか。
○莊政府委員 弥助地区の水道でございますが、カドミウム問題が起こりまして、大あわてで簡易水道を昨年の夏整備いたしたのでありますが、地元から、これではまだ不十分だという御要望もございまして、簡易水道を公営の正式の水道に切りかえるというのが秋田県当局及び比内町当局の御方針でございます。それで企業のほうに対して県、市から御要望もございまして、大体所要資金の半額は鉱山側で持つようにということがございまして、企業のほうもそれに対しては負担をいたしますという態度を表明いたしております。ただ県、市のほうの予算上の措置等もございまして、まだ正式の工事の着手は決定していないというふうに聞いておりまして、私どもその成り行きを注視しておるところでございます。
○古寺委員 次に、厚生省にお尋ねいたします。 いまお話がございました弥助地区の簡易水道の問題については、厚生省のほうはどういう指導をなすっていらっしゃいますか。
○浦田政府委員 ただいま通産省の公害保安局長のほうから御答弁ございましたが、弥助地区のカドミウムによります汚染の内容につきましては、県のほうで水質検査をいたしまして、二十二本の井戸について検査をいたしたわけでございます。先ほどの公害保安局長からの御答弁のように、中に基準を上回るものが発見されております。先ほど、すでに昨年の八月に会社のほうで緊急に飲料水の供給施設を設置したということでございますが、比内町におきましても、同地区に恒久的な簡易水道を敷設する計画を持っております。これに対しまして、県当局では県費補助を交付するということも決定いたしております。ただし、詳細な実施計画につきましては、地元住民といろいろと協議する事項も残っておりまして、まだ厚生省のほうにはきていないのでございますが、私どものほうは、県のほうから申請がありますれば、優先的に対処してまいりたいと考えております。
○古寺委員 ここの地域は二十二戸、百十三人になっておりますが、こういう地域の簡易水道についても国の助成がございますか。
○浦田政府委員 ございます。
○古寺委員 そういたしますと、これは通産省との連絡も悪いのかどうかわかりませんが、昨年から飲料水の問題が非常に心配になっておるわけでございます。それについて現在まだ県のほうから申請がないので、厚生省のほうは掌握をしていない、ところが通産省の御説明によりますと、相当進んでいるような御説明が先ほどございました。こういう点について、厚生省はこの汚染地域に対するいわゆる手の打ち方と申しますか、対策が非常におくれているのじゃないか、こういうふうに思うわけですが、こういう地域については、特に優先的に指導、助成してあげるべきだと思いますが、どうでございますか。
○浦田政府委員 同地区の水道でございますが、一応緊急な事態としては、昨年八月に会社のほうで供給施設をつくったということで解決しているわけでございますが、これをさらに恒久的な対策を立てるということで、県、町、地元で協議中でございます。これは、いろいろと費用負担などの問題もありまして、その辺の住民の方とのお話し合いが進められているというふうに聞いております。いずれにいたしましても、厚生省といたしましてはもちろん簡易水道の、あるいは飲料水供給施設の整備ということは、一番重要な問題と考えておりますので、積極的に県のほうにも、私どものほうから早くその問題についての解決を出していく要請を出すように指導いたしております。
○古寺委員 これは町におきましてはもうすでに設計もできまして、条例もできているようでございますが、問題になっているのは、毎年かかるこの維持管理費でございます。この維持管理費を地元の住民が負担するというのは、非常に大きな負担になるわけでございます。この維持管理費については、当然企業なりあるいは自治体のほうがこれは負担してあげるべきではないか、こういうふうに思うわけでございますが、こういうケースの場合の維持管理費に対する助成ということについてはどうなっておりますか。
○浦田政府委員 本来、水道事業あるいは簡易水道事業の維持管理費につきましては、いわゆる独立採算制という考え方であって、特に補助は見ておりません。
○古寺委員 いままでここの地域に住んでおられた人は、非常にきれいなお水を飲んでこられたわけです。ところがたまたま公害が発生をして、今度は簡易水道をつくらなければならない。ところが、水道料のほかにさらに維持管理費を地元住民が負担することはたえられないわけです。こういう地域に対しては何か特別な助成方法を考えるなり、あるいは通産省のほうとしても、そういう維持管理費については企業のほうに指導してあげるべきじゃないか、こう思うのでございますが、そういう点についてはどうでしょうか。
○浦田政府委員 特に通常の維持管理費につきましては、財政的な措置としてはとられておりませんけれども、補助金あるいは起債の面で、それらの財政上非常にお困りの地区につきましては、通用の補助率が四分の一でございますが、これを三分の一に上げる、あるいは起債の充当率を上げるといったようなことで、できるだけ飲料水の費用が高くならないように配慮いたしているわけでございます。 また、このような鉱業所におきます問題につきましては、これはまた別途のいろいろと内容を検討しなくてはならない点もあると思いますので、それらにつきましては、やはり地元の方々と、あるいは場合によりましては市と、それから会社と、いろいろとお話し合いをしていただいてきめる問題だろうと思います。
○古寺委員 企業と住民が話し合ってきめると申しましても、なかなかそれは進まないわけです。一年間の維持管理費が二十万円かかる、簡易水道の料金のほうは月百円だそうです。ところが一年間に二十万円の維持管理費と申しますと、一万円近い費用を住民は負担しなければならぬわけです。こういうことではとてもたえられない、こういうふうに地域の住民は言っているわけですが、こういう点について、それでは通産省のほうはどうでありますか。
○莊政府委員 前国会で成立いたしました公害防止事業費事業者負担法の対象となる事業につきましては、建設費及び管理費につきまして、それぞれ事業者の負担に関する制度が設けられておったわけでございますが、いま厚生省のほうからも御答弁ありましたが、こういう制度に乗らずに、地元の県、市の指導の形で地区の問題を解決するという形で実質的に行なわれておるこの種の事業につきましては、明確なそういう方針がいまないというのが事実であろうかと思います。 〔渡辺(栄)委員長代理退席、岡本委員長代理着 席〕 やはり地区の問題でございますから、通産省といたしましては、厚生省が主管官庁でございますけれども、厚生省の指導のもとで県、市、企業の関係三者で十分話し合いをされまして、合理的な解決の方途をおきめいただければ、その線に即して、また通産省としても側面的な立場から円満に解決するように努力する。一般論になりましたけれども、やはりこの種の問題は各地であろうかと思いますので、通産省としてはそういう方針で対処すべきであろうと考えております。
○古寺委員 これは、通産省の監督が悪いために公害が起きたわけです。そして今度は、飲料水がないために簡易水道をつくらなければいけない、それが負担の問題でうまいぐあいに進んでいないわけです。住民は、健康のためにどうしても簡易水道をつくらなければいけないわけです。そういう問題について、今度は、所管が厚生省であるから、通産省はそういう問題はあまり考えないというのではいけないのであって、私は、公害防止事業以外のこういう問題についても、通産省がもつと積極的にいろいろな助成方法を考えるなり、あるいは指導というものを徹底して、地域住民を守ってあげなければいけないと思う。そういう点については、通産省は非常に無責任であるというふうに私は思うのでございますが、どうでございますか。
○莊政府委員 先ほどもお答えいたしましたとおり、やはり水道の問題、公共事業の問題でございますから、厚生省が中心になって地元の県、市及び関係企業とよく対策について御検討をいただくことが、これは何と申しましても筋だろうと私は考えるわけでございます。その上で妥当な解決策が出ましたという場合には、通産省としても企業を監督する立場でそれに全面的に御協力申し上げる、こういう立場にある。その協力することを私どもは逃げようとか、こういう気持ちは毛頭ない、こういうことを実は申し上げたわけでございます。
○古寺委員 こういう立又鉱山のような企業というのは、非常に弱小な中小鉱山でございます。こういうところが防止事業に多額の費用がかかるというと、そういう、水道の負担の問題であるとか、あるいは土地改良の問題であるとか、そういう問題まで手が回らないわけです。こういう問題について、やはり通産省のほうで、何かしらの助成方法を鉱山に対しても行なわなければ、この水道の問題なんかはいつまでたっても解決つかぬと思うのです。そういうことでいまお尋ねをしているわけです。
○莊政府委員 いろいろな形で、公害に関連いたしまして、企業が負担金を負担するということが想定されるわけでございますけれども、先ほどの事業者負担法に基づいて企業が負担をする場合には、中小企業につきましては、中小企業金融公庫から長期運転資金として特利で融資ができるように四十六年度の財政投融資で措置をしたところでございます。企業負担法に乗らない場合につきましても、中小企業金融公庫からは、金利は若干高く現在の制度ではなりますが、長期運転資金として同じく供給することが制度として可能でございます。さらに、市中銀行からの運転資金借り入れという場合も当然あるわけでございますけれども、その借り入れを円滑にするという意味で、今国会に公害融資のための中小企業信用保険法の改正を現在通産省としておはかり申し上げておる、こういう情勢でございます。地区の状況によりまして、企業の実態もいろいろ変わりますし、地元の要請もいろいろあるというのが公害問題だろうと思いますので、私ども、今後もつとめて地元の実態というものを的確につかみまして、企業の金融力等も見まして金融のあっせん——金がないから当然企業としてもやろうと思う負担ができないということがないように、十分注意をし努力をいたしたいと思っております。
○古寺委員 次に、食糧庁にお尋ねをいたしますけれども、一PPM以下の汚染米の交換の件ですが、この問題については作業が非常におくれておるのですね。これはどういうわけでこういうふうにおくれているのでしょうか。
○内村(良)政府委員 お答え申し上げます。 一PPM以下の保有米の交換につきましては、県から要請があった場合に食糧庁がそれを許可するという形でやっております。したがいまして、われわれの事務処理といたしましては、事の性質上、県から要請があった場合には、すみやかにこれを処理するということで処置しております。
○古寺委員 現在、全国で大体どのくらいの地域を考えておられますか。
○内村(良)政府委員 お答え申し上げます。 まず、要観察地域につきましては、これは当然そのような措置がとられるわけでございます。それから、要観察地域以外のところでございましても、一PPM以上の米が県の認める専門的な機関の調査の結果出たというような場合には、その地区につきましても、要観察地域に準じた扱いをすることになっております。したがいまして、今後もそういったような問題が起これば、県の申請に基づいて保有米の交換をやりたい、こういうふうに考えております。
○古寺委員 交換については、一PPM未満の地域においても同じでしょう。そういう地域がどのくらいあるかということをお尋ねしているのです。
○内村(良)政府委員 お答え申し上げます。 今後、類似の、要観察地域外でございましても、先ほど申し上げましたような一PPM以上の米が出る、しかし、要観察地域には指定されてないというところにつきましても、実情に応じ現実的に処理するつもりでございますが、現在までに要観察地域外で保有米の交換を行ないましたのは、北海道の共和村、岩手の宮古市、福島のいわき市、東京の立川、国立、府中、昭島、栃木の小山市、埼玉の川越市、東松山市、本庄市、坂戸町、神奈川県の横浜市戸塚、小田原市、富山の婦中町、岐阜の神岡町、兵庫の加古川市、大阪の八尾市、東大阪市、広島の福山市、群馬の安中市、高崎市になっております。
○古寺委員 大体どのくらいの進捗率でございますか。何%ぐらいですか。
○内村(良)政府委員 現在までの数量は百二十二トンになっております。
○古寺委員 目標は何トンでございますか。
○内村(良)政府委員 これは現在の段階で明確なことは非常にお答えにくい問題でございます。今後そういう問題ができてきた場合には、県の申請に基づいて現実的に処理したいと思っておりますので、いま、たとえば四十六年度中に幾ら出るかということは、お答えできないという問題でございます。
○古寺委員 そうしますと、食糧庁の交換の場合、県と交換する場合は年に何回ぐらいこれは交換してくださるわけですか。
○内村(良)政府委員 お答え申し上げます。 原則は年に一回ということにしておりますが、希望に応じて必要がある場合は随時これを行ないたい、こう思っております。
○古寺委員 そういうふうに原則は年一回ではあるけれども、その実情に応じて何回でも交換してあげる、こういうようなことは通達いたしておりますか。
○内村(良)政府委員 その点は、通達はしておりませんが、県から照会があった場合等は、そのように答えております。
○古寺委員 そういう指導が徹底していないために農家は非常に困っておるわけです。しかも、昨年の十一月二十五日に、食糧庁から通達が出まして、十二月ごろから検体を各農家が出しております。ところが非常に分析をする検体が多いために、この被害地区の場合には三月の二日に分析の結果が出ました。ところが、これを今度は交換してもらう場合には四等以上でなければ交換することができない、こういうふうになっているわけですね。こういう四等以外の五等あるいは等外米についてもこれは当然交換してあげるべきじゃないか、こう思うわけですが、そういう点についてはどうでしょうか。
○内村(良)政府委員 保有米と政府米の交換につきましては、食糧管理法の第七条に基づきまして、これを行なっているわけでございます。そこで交換の場合は、等質等価でなければならないという法律解釈があるわけでございます。そこでなぜ四等までにしたかと申しますと、現在政府がいわゆる配給に充てております米は一等から四等までの米でございます。それから五等の米は特用上米ということで売っております。したがいまして、政府の持っている米は五等以上の米でございます。 そこで、等質等価ということになりますと、等外米は政府自体に手持ちがない、そういうことになりますので、交換ができない、こういうことになるわけでございます。
○古寺委員 台風とか災害の場合には、こういうものも買い入れしているわけでございますね。公害も当然これは一つの災害ですよ。こういうときになぜそういうふうに等外米を交換してくれないのか。非常に住民は、農村の人はこういうことに対して不満を持っているわけです。しかも、この農家が政府に引き渡す米穀というところには、国の検査の結果、四等以上の品位に格付けされた米穀、こうなっておりますが、その次の政府が農家に引き渡す米穀のところは、在庫との関係から、上記一の米穀より低い等級の米穀とすることもある。ということは、在庫している交換する米が、三等米であっても、農家には交換する米として四等米をやることもございますよ、こういうことをいっているのです。農家のほうは四等米でも在庫によっては三等米をあげることもありますよということは書いてないんです。そういう点からいったら等外あるいは五等米を持ってきても、四等米と交換してあげるというぐあいのやはりあたたかい措置というものが必要じゃないかと思う。非常にこういう点を見ますと矛盾を感ずるんですが、どうですか。
○内村(良)政府委員 その点につきましては、私どもが交換の措置をとるときに内部でもいろいろ検討した問題でございます。そこで、食管法の解釈からいって等質、等価でなければならない。したがいまして、ただいま先生からお話があったような逆の場合でございます。たとえば農家が四等米を出してきた、それに対して三等米の米を交換するということになりますと、食管会計に損害ができるという問題がございますので、そのような措置をとったわけでございます。それからさらに交換する場合には、われわれといたしましてはなるべくそこの倉庫にある米と交換したいということは、やはり経費の問題がございますので、そういった点も考えてそのような措置を講じたわけでございます。
○古寺委員 倉庫でカビを生やしたり、あるいは飼料のほうにはお米を出してやる。ところが公害を受けて困っている農民に対しては、等級の下のものは交換してやるけれども、上のものは交換できない。これでは食管会計の赤字、黒字の問題があるかわかりませんが、人間無視じゃないですか。動物のほうが上でしょう。これじゃどうも私は納得ができないですがね、こういう点については。しかも、被害地区の場合は非常に反別というのは少ない。もうわずかばかりの量ですよ。そういう被害者に対して、食糧庁は米がたくさんあるんですから、もう少し大きい気持ちで交換をしてあげるべきじゃないか、こういうふうに思うのですが、どうですか。
○内村(良)政府委員 ただいま御指摘のございました点は、私もよくわかります。しかしながら、一方食管特別会計という会計を私どもは管理しておるわけでありまして、その場合やはり国の会計の原則に従ってこれを管理していかなければならぬという問題がありまして、私どもとしては残念ながらそのような措置をとらざるを得なかったということでございます。
○古寺委員 そういう特例について、会計検査院なり、大蔵なり、折衝したことがございますか。
○内村(良)政府委員 交換につきましては大蔵省及び会計検査院とは話をいたしました。
○古寺委員 そうしますと、等外米を持っている人は、これは交換できないわけですから、それを食べざるを得ないわけですね。それはもうどうなってもしようがないという考えですか。
○内村(良)政府委員 御承知のとおり、現在等外米は食管法上の流通規制がはずれております。すなわち政府の配給に必要でない米でございますから、これについては流通規制はとっておりません。したがいまして、そういった保有米をどうしても食べたくないという農家の方は、その米を売って配給米をとるとか、あるいは等外米を買うということで処理せざるを得ないと思います。
○古寺委員 そうしますと、その汚染された等外米はどこで買うわけですか。
○内村(良)政府委員 のり用あるいはライスターチ用に売るのが望ましいと考えております。
○古寺委員 それはどこがあっせんしてくれるわけですか。
○内村(良)政府委員 県と食糧事務所であっせんしております。
○古寺委員 そうしますと、その差額についてはどうなりますか。
○内村(良)政府委員 差額につきましては、加害者である企業に補償を請求すべきものと考えております。
○古寺委員 そこで、通産省にお尋ねをしますが、そういうような問題が発生している地域は、全国にどのくらいございますか。
○莊政府委員 いま手元に資料がございませんので詳しくは申し上げられませんが、たとえば大きなところでは群馬県の安中製錬所、こういうところでも、現に企業が差額を負担したような形で農家保有米の交換ということが行なわれておりますし、黒部のほうでもそういうことが行なわれたと聞いております。
○古寺委員 そこで、農林省にお尋ねしますが、こういうような等級の問題がございますが、汚染された地域、大体一以下、一未満がそういう汚染地域で、これは来年もまたこういうふうになるわけですか。そういう点について土地改良は現在一PPM以上でなければ対象にならぬようでございますが、そういう未満の地域に対してはどういう対策をお考えですか。
○加賀山政府委員 お答えいたしますが、ただいまの問題につきましては先生おっしゃいましたとおりに、土壌汚染防止法に基づきまして、一PPM以上ということになりますけれども、「おそれ」のある場合が入っております。その「おそれ」をどのような方法できめるかという問題にかかってまいるかと思います。でありますから、その地区によりまして土壌のタイプ別にこれを調査してまいりますけれども、できるだけホモジニアスな形のところはある程度含めて考える必要がある、さように考えております。
○古寺委員 先日の予算委員会で、安中の汚染米の横流しというのですか、こういう点について、倉庫から商人が直接それを買って、そうしていいお米とこれを混入いたしまして売っているということを私は聞いたのでお尋ねしたのでございますが、その点について食糧庁は調査いたしておりますか。
○内村(良)政府委員 私も、予算委員会で先生からその御質問があったことを承知しております。そこで、群馬県の県庁には照会してございます。ただ、群馬県の県庁からは、そういった汚染米をのり用に売りたいということで申請が食糧庁に出ておりますので、申請が出ている分につきましては、実情を調査の上、なるべく早くそういったふうに汚染米をのり用に処理できるように措置したいというふうに考えております。
○古寺委員 そうしますと、いままでに売られているお米は違うわけですか。
○内村(良)政府委員 いままでに売られた事実も私どもは承知いたしております。そこで、その調査を全部いたしました結果、一粒も主食用ではなしに、全部のり用に処理されているということがわかっております。
○古寺委員 それは食糧事務所の所長さんがやる問題ですか、県がやる問題ですか。
○内村(良)政府委員 直接にそういった処理を請求するのは、そういった一PPM以上の米を持っている農家を代表いたしまして、たとえば農協長あるいは町長さんが食糧庁に知事の副申をつけて申請する、こういうことになっております。
○古寺委員 そうしますと、のり用に汚染米を売った、こういうふうにいっても、現実にはのり用ではなくて食用に売られているというような場合は、責任はどこにあるわけですか。
○内村(良)政府委員 ただいままでのところ、主食用に流れたというケースはございません。かりにそのようなことがあれば、その責任は、法律的に申しますと、そうした横流しをした農家が食管法に違反した、こういうことになるわけでございます。
○古寺委員 農家ではなくて、交換するとか、あるいは一たん買い上げた政府米の中に一以上のものがあったとか、そういうような場合でございます。
○内村(良)政府委員 ただいまの御質問の意味がちょっとはっきりしないのでございますが、一PPM以上が配給米に混入していた場合の責任ということでございましょうか。
○古寺委員 政府が買い上げたお米を分析してみましたら、一PPM以上のものがその中にたくさんあった、あるいは一未満の汚染米と交換したお米ですね、汚染米でございます、そういうものが実際に倉庫から業者に販売された場合には、責任はどこにあるのですか。
○内村(良)政府委員 それは一応政府の所有の米になっているわけでございます。したがいまして、そうした政府の所有米をかってに処分したということになれば、これは保管業者の責任になるわけでございます。
○古寺委員 保管業者と申しますと、倉庫業者ですか。
○内村(良)政府委員 一般の場合には、農業倉庫が多いわけでございますから、農協でございます。もちろん地方におきましても、一部営業倉庫を食糧庁は利用しておりますから、そうした食糧の保管について間違いがあった、こういうことに相なるわけでございます。
○古寺委員 そうしますと、これは食糧庁には全然責任がない、あくまでも倉庫の管理者の責任である、こういうことになるわけですか。
○内村(良)政府委員 もちろん政府米の保管につきましては、随時検査官がこれを見回って監督をするということをしておりますが、保管上の責任は保管業者にあるわけでございます。
○古寺委員 食糧事務所がそのお米を販売した代金を受け取った場合は、これは責任はどこにありますか。
○内村(良)政府委員 食糧事務所がすでに代金を受け取ったという場合には、その米は食糧庁から売却されているわけでございます。したがいまして、その後の処置につきましては、それを買い取った人の責任になる、こういうことでございます。
○古寺委員 そうしますと、そういうふうに汚染されたお米を売ってはならぬことになっているのでしょう。それを食糧事務所が売って代金を受けたという場合に、食糧事務所に責任がないのですか。
○内村(良)政府委員 今日まで政府が所有しているそのような汚染米を処分したケースはございません。
○古寺委員 ございませんと言っても、現実にそういうことが行なわれている。ですから、そういうことを調べてほしい、こういうふうに申し上げているわけでございます。そういうようなことがないように適切な指導もしていただきたいし、さらにはまた、先ほども申し上げましたように、ほんのごく一部の等外米を保有しているそういう農家に対しては、もう少しあったかい措置を講じてもらいたい、こういうふうに私は要望しているわけでございます。 そこで、最後にもう一度、等外米の問題、五等米の問題については、さらに大蔵省あるいは会計検査院等とも折衝の上で、一日も早くこういう問題が交換ができるようにひとつ措置をとっていただきたい、こういうふうに要望いたしましてきょうは終わります。
○岡本委員長代理 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午後一時四十八分散会