P政策ポータルPOLICY PORTALウォッチ
65回国会衆議院1971/05/21

建設委員会 第17号

発言数
38
登壇者
4
会派数
2
開催日
1971/05/21

会議録

金丸信自由民主党

○金丸委員長 これより会議を開きます。  本日の請願日程全部を一括して議題といたします。  審査の方法についておはかりいたします。  各請願の内容につきましては、文書表で御承知のことと存じますし、また、先ほどの理事会で御検討願ったところでありますので、この際、各請願について、紹介議員からの説明聴取等は省略し、直ちに採決を行ないたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

金丸信自由民主党

○金丸委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。  これより採決いたします。  本日の請願日程中、第五、第六、第四三、第一一六、第三四六、第三四九、第三八〇、第三八一、第四七四ないし第四八八及び第四九七ないし第五〇一、以上の各請願は、採択の上、内閣に送付すべきものと決するに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

金丸信自由民主党

○金丸委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。  ただいま議決いたしました各請願に関する委員会報告書の作成等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

金丸信自由民主党

○金丸委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。     —————————————   〔報告書は附録に掲載〕     —————————————

金丸信自由民主党

○金丸委員長 なお、本委員会に参考送付されております陳情書は、お手元に配付いたしてありますとおり、二十二件であります。  この際、御報告いたします。      ————◇—————

金丸信自由民主党

○金丸委員長 閉会中審査申し出の件についておはかりいたします。  理事会の協議によりまして、本委員会といたしましては、閉会中もなお審査を行なうため、  建設行政の基本施策に関する件  国土計画に関する件  地方計画に関する件  都市計画に関する件  河川に関する件  道路に関する件  住宅に関する件 及び  建築に関する件 について、議長に対し閉会中審査の申し出をいたしたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

金丸信自由民主党

○金丸委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。  次に、委員派遣承認申請の件についておはかりいたします。  閉会中審査案件が付託になり、現地調査の必要が生じました場合には、委員長において適宜委員派遣承認申請をいたしたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

金丸信自由民主党

○金丸委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。  なお、派遣地、派遣期間、派遣委員の選定等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

金丸信自由民主党

○金丸委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。      ————◇—————

金丸信自由民主党

○金丸委員長 建設行政の基本施策に関する件について調査を進めます。  質疑の申し出がありますので、これを許します。斉藤正男君

斉藤正男日本社会党

○斉藤(正)委員 私は、天竜水系の上流から、泰阜ダム、平岡ダム、佐久間ダム、秋葉ダム、そしてまた近々着工が予想されております船明ダム、こうした一連のダムの対策につきまして、いろいろな問題が含まれておりますので、若干の質問を行なわんとするものであります。  過日、これまた天竜水系に関係のある新豊根ダムの建設にあたりまして、発電所の施設をつくるために佐久間ダムの水を放水いたしました。その放水の結果明らかになったことでありますけれども、予想に反して佐久間ダムは、推定六千十四万五千立米というばく大な量の土砂の堆積が見られたのであります。一口に六千十四万五千立米といいますけれども、これは当初予定した堆積土砂の十倍である。すなわち、長年かかればこのような結果になるということは予想しておったけれども、完成後わずか十三年にして六千万立米余の土砂の堆積があったということは、ダムを管理する電源開発株式会社はもちろんのこと、天竜川流域の住民が非常に驚いたことであります。  御承知のように、天竜川の治水のために、特にダムがつくられて以後、静岡県には静岡県天竜川河状調査委員会なるものがございまして、定点を設定し、年々天竜川の河状の変化の測量をやっておったわけであります。定点三二、三三、三四という地域は、佐久間ダムの中に設定された地域であります。昨年も、一月二十六日に河状調査委員会の幹事会が開催され、三月二十五日には十三回委員会が開催され、そして秋の定点測量となっているわけであります。この天竜川河状調査委員会には、建設省も幹事あるいは委員として直接参加をされているわけであります。  私がまず第一に伺いたい点は、これら天竜川河状調査委員会の定点測量の結果からして、建設省は、このおびただしい土石の堆積を、定点三二、三三、三四の調査の結果予想されておったことと思いますけれども、その辺の事情をどのように把握されているのか。河状調査委員会の定点測量の結果、かなりの量の土石の堆積があるということを予想されておったのかどうか、それとも、新豊根ダム発電所建設のために佐久間ダムの水を放水して初めてこの事実を知ったというのかどうか、まずその点を伺いたいと思います。

川崎精一建設省河川局長

○川崎政府委員 お答えいたします。  天竜川水域につきましては、かねがね流出土砂の問題等でいろいろ議論を呼んでおるわけでございまして、私ども、できるだけ慎重に実態を調べてその処置をしていく方針で進めております。したがいまして、河状調査委員会といいますか、佐久間ダムにつきましては、これは電源開発株式会社が管理運営をいたしておりますので、それの水利使用の許可条件といたしまして、毎年、年に一回必ず、河状の堆積状況等を含めまして、一連の観測事項につきまして報告をするように義務づけております。したがいまして、その結果は、たしか四十五年の十一月の結果が私どものほうにも参っておりまして、斉藤先生のおっしゃるように、四十五年末で大体約六千万立米の堆積があるというようなことは報告が届いております。ただ、新豊根の工事に伴います佐久間ダムの水位低下によりましてたまたまその実態があらわになったわけでございますが、それにつきまして、現在、その実態をいろいろまた地建と電源開発とで調べておりますので、どういうようにその堆積の土砂を処置するかということについては検討を進めていきたいと思っておりますが、全般的に見ますと、佐久間ダムそのものは相当大きな有効貯水容量を持っておりますので、秋葉ダムとはまだまだ容量的には余裕があるわけでございます。しかし、それにしましても、上流の治水上の影響等もございますので、現在、電源開発とそれから中部地方建設局と両方でそういう問題を洗いざらいいたしまして、できるだけ将来に危険のないように対処するように私どもも指導していきたいと思っております。

斉藤正男日本社会党

○斉藤(正)委員 定点観測の結果、昭和四十五年度の数字を見て予想をされておったということでございますが、電源開発株式会社並びに建設省の、ダム建設当時の想定からいたしますれば、百年間に六千六百万立米の土砂の堆積があるだろうという予想であった。百年間に六千六百万立米ということを考えますと、十三年にして六千十四万五千立米が堆積をしたということはまことに早いスピードでございます。一口に六千万立米といいますけれども、六千万立米という土石の量は、八トン積みのダンプに積んで一千二百万台分でございます。一口に一千二百万台といいましても、八トン車のダンプが一千二百万台分つながったときはたいへんな長さになるわけでございまして、しかも、百年間には六千六百万立米たまるであろうという想定が十三年にして六千万立米たまったという、この事実は誤算もはなはだしいと私は思うわけであります。日本の河川は、天竜川に限らず、大同小異であって、このようなダム内の土石の堆積は刻々と進んでいると思うわけでありますけれども、一体どういう理由でこんなにたくさん土石がたまるのか。もちろん、堰堤を構築したことによって、河水とともに自然流下をする土石が堰堤という障害によってダム内にたまるということは、三つ子でもわかる。しかし、なぜこのようにおびただしく、なぜこのように早くダムが埋まっていくのか。その理由は那辺にあるのか。これから検討をしますとか、これから協議をしますではおそいと思う。当然、もっと根本的な理由があり、その理由に対する対策がなかったためにこのような結果を生んだというように思うわけでございますけれども、いかがでございましょうか。

川崎精一建設省河川局長

○川崎政府委員 先生のお話のように、三十一年ですか、二年ですか、ダムがスタートいたしましたときには、約六千六百万立米程度の堆砂が百年間に予想されるであろうということで計画が出発したわけでございますが、ただいまのように、現在すでに六千万立米というような土砂がたまっておるわけでございます。ただ、これは電気事業のダムでございますので、その目的自身がやはり減殺されておることはやむを得ないと思いますけれども、全体の容量とのぐあいから見ますと、まだまだ処置の方法はあるのではないかというふうに思っております。  それでは、どうしてそんなに計画と違って土砂がたくさん流入したのかという点につきましては、これはやはり私どもも見方が甘かった点もございますし、それから、戦後のいろいろな山林の荒廃なり、あるいはわれわれが予期しなかった降雨その他が原因になりまして、私どもの予想をはるかに上回るような結果になった、こういうふうに思っております。

斉藤正男日本社会党

○斉藤(正)委員 戦後の産業の復興は動力にあり、動力のもとは電気に求める、その電気はさしあたり水力発電にまつということで、総合開発イコールダム建設、イコール産業開発というシステムが急速に取り入れられた。その際、占領下でもありましたし、特にアメリカのTVA、テネシー渓谷の開発計画がそのままそっくり持ち込まれ、しかも工事には、アトキンソンを初めとしてアメリカの業者が入ってきて、超重量機械を使って大急ぎでやったわけであります。しかし、TVAの開発は、御承知のように、早くからテネシー渓谷周辺全体の科学的、合理的調査が行なわれ、その広範な地域の治山治水、砂防の工事をまず先にやって、その後ダムの建設に入った。そして、かかった経費の七割を、ダム本体でなくて、広範な流域の数多くの治山や治水や砂防のための工事に費したということを聞いておるわけでありますけれども、こちらでは、当時、急ぐあまり、こういうことも考えずに、資本と産業界の要請に盲目的に従って、ただエネルギー源を電気に求め、その電気を水力発電に求めるという、まことに非科学的な住民無視の態度をとったことがこういう結果を生んだというように私は考えざるを得ないのです。しかも当時、局長も御承知のように、昭和二十六年の段階で、権威ある学者は、ダムの埋没は日本の埋没になるという警告も出しておったわけであります。これらを無視してやったところに一番大きな問題がある。ただ計画がずさんであったというだけでは済まされない問題ではなかろうかというように私は思うのですが、どのようにお考えですか。

川崎精一建設省河川局長

○川崎政府委員 ダムにはいろいろ種類がございます。たまたまこのダムは電気事業のダムでございますが、そのほかに、治水目的とか、そういったような災害防除を目的とする多目的ダム等もございます。いずれにしろ、そういったダムの機能が堆砂によって阻害されていく。しかも一方、上流地域ではそのためにやはり何がしかの影響がある。こういうように、民間資本であれ、公共資本であれ、相当多額の投資をした結果、その機能が減殺されていくということは国家的にも非常に大きな損失でございますので、私どもといたしましては、そういったダムの機能ができるだけ減殺されないようにひとつ今後検討いたしまして、それはどういうような方法があるかということにつきましてはさらに検討が必要かと思いますけれども、先生のお話のような方向で、ダムの機能が失われないように、それから災害が助長されないように私どもも努力してまいりたいと思います。  なお、あわせまして申し上げますが、これはダムの中だけの問題ではなくて、おっしゃるように、治山あるいは砂防とか、いろいろな問題がやはりあろうかと思います。特に、林産資源との関連といったようなものも、私どもの河川治水の面からいきますと、これを受けていろいろ仕事をしておるわけでございますので、そういった総合的な配慮もやはり必要かと思います。いずれにしろ、ダムがその機能を十分に果たし、そして被害が影響のないような形で運営されるように努力をいたしたいと思います。

斉藤正男日本社会党

○斉藤(正)委員 どうも私のお尋ねとピントがはずれておるのですけれども、大臣に聞いてもそうなんです。局長もいつもそうなんだけれども、まず最初に言うことは、ダムの機能を喪失しないように、そして災害を未然に防ぐようにということで、いつもこういう答弁に終始をいたしておる。私が、いつぞや災害対策特別委員会で、資本と行政の癒着をそこに見つけるいう追及をいたしたことがございますけれども、ダムの機能は無視しても、ダムの機能はなくしても、流域の住民の人命あるいは財産を保護するということが当然政治の立場でなければならぬ、行政の目標でなければならぬと私は思う。しかるに、口を開けば、まず、ダムの機能を維持し、しかる後に災害等を未然に防ぎたいとおっしゃるのですが、これは逆ではございませんか。まず災害を防ぎ、そして沿岸住民の生命と財産を守る、そのためにはダムの機能を一時停止しても、あるいはある期間停止してもやむを得ないという態度がない限り、これは後ほど触れますけれども、関連水域での新しいダムの建設は不可能になってくると思うのですが、あくまでもダムの機能を維持し、しかる後に災害の発生を防ぐという考え方でございますか。いかがでしょうか。

川崎精一建設省河川局長

○川崎政府委員 私のことばがちょっと足りなくてまことに申しわけがありませんが、やはり基本的な考え方は、河川事業、治水事業そのものは国土保全を第一にいたしておることでございますから、当然先生のお話のような姿勢で私たちも進めていきたいと思います。

斉藤正男日本社会党

○斉藤(正)委員 そこで、権威ある河川局長でございますから、ひとつ科学的にお答えを願いたいのですけれども、ダムの寿命ですね。古今東西の歴史に徴し、そしてまたダムの構造上からいって、一体何年たてばダムは寿命がなくなるのか。そして、ダムの寿命とは一体学説的にどういうことをいうのか。ひとつ学のあるところをお示しください。

川崎精一建設省河川局長

○川崎政府委員 ダムの寿命の考え方でございますが、物理的にダムそのものが老朽化して使えなくなるという寿命と、それから、ダムそのものは生きておるけれども、ダムの機能そのものがもう失われてしまうというようなものと、二つ考えられるのではないかと思います。  ダムそのものの寿命につきましては、これは最近のコンクリートの製造技術等の進歩で、相当長期間耐え得るのじゃなかろうかと思います。大体、日本のコンクリートの歴史そのものは百年余りでございますが、特に戦後は、コンクリートの品質等も相当向上しておりますので、おそらく百年ではこわれないのではないかと思います。ただ、そういった現実の長生きした例がまだございませんけれども、強度その他から見ますと、自信を持ってそれは言えるのではないかと思います。  それから機能につきましては、たとえば極端な話は、砂防ダム等でございますと、満砂することによって一つの機能を果たすというようなダムもあるわけですが、一般の利水ダムでは、やはりダムの貯水容量そのものが失われたときにはダムの機能は終わるわけでございます。そういった意味では、なるべく堆砂をしないように配慮する必要があろうかと思います。

斉藤正男日本社会党

○斉藤(正)委員 未来学という学問もございますし、アポロはすでに何回か月へも行っているわけであります。科学的にダムの寿命が百年ぐらいではなかろうかというような答弁では私は承知できない。よしんば私が承知できたとしても——たとえばいまおっしゃいましたように、ダムの寿命には二つの考え方があり、貯水能力がなくなったときにダムの機能は終わるのですから、これはダムの寿命が来たということになると思います。その際、発電会社並びに建設省は、構築されているダムをどのように扱うのでございましょうか。法律にも省令にも政令にも何にもない。寿命が来たダムは一体どう扱うのでございましょうか。これはわれわれの世代にはそのようなことはあるいはないかもしれないが、しかし、二十一世紀には必ずそういう事態が来る。われわれは、いま七一年に当たって、もう二十一世紀のことを考えて、われわれの子孫のためにこのことを十分考えておかなければ、政治の無責任さを子孫から糾弾をされる。特に河川局長等は怨嗟の的になりますよ。一体寿命が来たダムをどうするのですか。

川崎精一建設省河川局長

○川崎政府委員 物理的なダムの寿命につきまして、先ほど申し上げましたのは、少なくとも百年ではこわれないだろう、少なくとも相当長期間その寿命はあるだろうということでございます。  それから、満砂等によって機能が失われた場合にどうするかということでございますが、先ほども申し上げましたように、満砂したままでさらにいわゆる機能的に再開発をいたしまして、これを大きいダムに乗りかえるといったような例もかなり現在では行なわれております。しかし、これは、そういう計画があったからうまく乗ったわけでございます。現在の状況のままで堆砂が進行いたしまして、いわゆる利水的な機能が失われた場合にどうするかということでありますが、そのために利水機能が失われて発電ができなくなったというような場合でも、そのダムがあることによって河状に及ぼす影響だけは阻止しなければいけないと由心います。できれば、やはり、砂を排除いたしましてそのダムの機能を回復させるなり何なりということがこれからの大きな検討課題ではないかと思います。

斉藤正男日本社会党

○斉藤(正)委員 どうも答弁になっていないのですが、御承知のように、天竜水系の最上流の泰阜ダム、これは一九三六年完成といいますから、昭和十一年であります。寿命は三十五歳。これが八二%埋まっているわけであります。その下にある平岡ダム、これは一九五二年になりますから、昭和二十七年。まだ何ぼもたっておりませんけれども、すでに九〇%土石で埋没をいたしております。佐久間ダムが六千万立米、秋葉ダムが一千万立米御承知のとおりでございます。もし泰阜、平岡二つのダムが一〇〇%土石で埋没をしたというときには、ダムの機能はなくなるわけであります。ダムとしての寿命が来たというべきであります。それがすでに八二%、九〇%というような堆積が進んで、余すところ余命幾ばくもないというのが泰阜、平岡の二つのダムの実態であります。それでは、この泰阜、平岡がもし土石で一ぱいになったときに、いま八二%埋まっているから、九〇%埋まっているから、中部電力に命じて直ちに掘さくをするというのですか。建設省がやるというのですか。いかがでございましょうか。

川崎精一建設省河川局長

○川崎政府委員 泰阜、平岡につきましては、先生おっしゃるように、相当以前から現在のような状態が続いておるわけでございます。洪水吐きのゲートがございますので、ゲート高相当部分だけは何とか貯水量がある。そのほかに、これはダム式の発電所ではございませんで、これから水路へ水を引っぱって発電しておるわけであります。したがいまして、その埋まらない場合に比べますと電気の企業側から見れば非常に効率の悪い状況にはなっておりますけれども、やはり何がしかの現在の自流に近い発電というものが行なわれておるわけです。これの取り入れのための取水口の堆砂の問題等もございますので、現在でも年間約十万ないし十二、三万程度はそれぞれ中部電力会社で掘さくをいたしまして、少なくとも現状より悪くしないという努力は私ども指導いたしておるわけでございます。

斉藤正男日本社会党

○斉藤(正)委員 局長も御存じのように、日本におきましては、戦前、小諸ダム、幌内ダム、昭和四十四年には関西電力の和知ダム、外国におきましても、アメリカのションストンダム、イタリアのバイオントダム等々、堰堤の亀裂あるいは両岸の土砂の崩壊といったようなことから事故を起こし、特に、バイオントダム等につきましては、一挙にして四千人という渓谷の住民が命を落としているのです。   〔委員長退席、正示委員長代理着席〕 泰阜にしろ、平岡にしろ、掘さくをし、発電に支障がないような形をとっているので、まずまず心配ないとおっしゃいますけれども、万が一にも、泰阜なり平岡なりの堰堤が堆積した土石の圧力によって崩壊をし、これが一挙に佐久間なり秋葉へ殺到したときに、天竜川下流の住民がどのような状態になるかということは想像しても戦慄すべきものがあると私は思うのです。したがいまして、何らかの法的措置、強制的な手段をとって、堆積している土石をすみやかに掘さくをするような方法をとらない限り、ダムの寿命そのものにも問題があるけれども、それよりも、何よりも、流域住民の生命、財産の問題に重大な心配があるということを訴えると同時に、ただ指導をする程度の掘さくでは事足りない、強制的な法的措置等々が当然いまの時代にとられるべきだというように思うのですけれども、局長の考えはいかがでございましょうか。

川崎精一建設省河川局長

○川崎政府委員 ダムによる堆砂のダムそのものに及ぼす安全性の問題でございますけれども、これにつきましては、やはり建設当初の設計条件とかなり変わっておることは確かでございます。したがいまして、私どもも、重要なダムにつきましては、そういった安定計算等をチェックをいたしまして検討をいたしておりますので、そういったダムそのものの崩壊等の危険性はまず考えられないと思います。あとは、ダムの機能を維持するために、あるいは治水上周辺に支障を及ぼさないようにどうするかということでございますが、そういった点につきましては、積極的に掘さくをして治水なり利水の機能を回復していくということがやはり第一じゃないかと思います。現在の天竜川筋は主として電気のダムが多いわけでございます。そのほかに、美和とか、小渋とか、そういった治水の関係のダムもございます。そういったものもかなり堆砂が進行いたしておりますので、これにつきましては、国のほうでも採取をさせまして、容量の回復につとめておるわけでございます。佐久間、秋葉、それから泰阜、平岡、これは電気事業専用のダムでございますので、現在の制度で国が直接手をおろすということは非常に問題があろうかと思いますが、できるだけ自主的に企業の負担でやりなさいということで、昨年も、秋葉ダム等につきましては、四十三年の災害時の河床から上がらないようにということで、うちのほうで指導して掘さくをやらせておる、こういうような状況でございます。

斉藤正男日本社会党

○斉藤(正)委員 ダム機能の維持、ダム機能の維持と盛んにおっしゃいますけれども、ここに私は二月十三日付の朝日新聞の記事を持っているが、この記事によりますと、「佐久間ダム貯水池の最上流部にある長野県・天竜村では、貯水池に注いでいる早木戸川が同ダムの堆砂で流れなくなった。それが原因で四十三年十月の台風では早木戸川上流部がはんらんし、田、畑、家屋が水害にあったと約六千万円の補償要求をし、電発と話合っている。」云々ということが出ているわけであります。このことは何も長野県の例だけでなくて、ダムの湖内にたまった土石が原因で上下流にいろいろな影響が出ているということが社会問題になっていることは御承知のとおりであります。したがって、治水ダムならば国がいろいろやれるけれども、発電を目的としたいわゆる利水オンリーのダムは企業の責任においてやってもらわなければならぬという、こういう言い方はわかるのですよ。責任は企業にありますよ。しかし、河川管理の最高責任者である建設大臣、あるいは行政の府にある建設省は、企業といえども当然これを指導監督しなければならぬ。そういう立場からいきますれば、ただ良心的な自主的な判断にまつにすぎないということでは禍恨を将来に残すと私は思うのです。なるほど、秋葉ダム等で早くから掘さくが始まっていることを私も承知いたしておりますけれども、河川全体の管理、国土の保全といったような立場からもう少し強力な措置が必要だと思うのですけれども、法律を改正するとか、あるいは政令、省令でこれをやるとかいう気持ちは毛頭ございませんか。

川崎精一建設省河川局長

○川崎政府委員 ただいまお話し申し上げましたのは利水専用のダムでございますので、これはいろいろな処置については当然企業の責任と負担でやらせなければしかたがない。ただし、一般的に見ますと、やはり河川管理をいたしております立場から、積極的に私どもも指導しまして、これは許可条件等もつけておるわけでございますから、そういった点から支障のないように進めていきたいということでございます。  現実の堆砂の排除の問題につきましては、現在直轄の数カ所のダムでは砂利採取を許可いたしまして、そういったものが市場ベースでかなり売れるようなところはむだな国費を使わなくても済むわけでございますので、砂利業者に許可をいたしておるところもございます。ただ、電源開発の秋葉ダムにつきましては、これは利水専用のダムでございまして、はたしてそれでは電源開発が砂利採取業をやっていいのかどうかというような、いろいろな疑問といいますか問題点がございますので、とりあえず管理者として、掘さくをしなさいという立場から指導したということでございます。  事務的な解釈とか手続には非常にいろいろな問題がございますけれども、法律改正というのはちょっとやっかいになりますので、いま私どもはまだ考えておりませんが、円滑に採取をさせるのに適した材質であれば、そういうものをできるだけ活用していく、そういうことが不可能な場合には、やはり河川管理者の立場として企業責任で掘らせるこういうことを今後当面進めていく必要があるのではないかと私どもとしては思っております。

斉藤正男日本社会党

○斉藤(正)委員 どうも私の要望を含めたお尋ねと合っておりませんが、まあいいです。  そこで、いまお話がありましたけれども、堆積した土石も河川生産物ですね。これは国の財産だ。したがって、砂利採取業者が掘るということになれば払い下げる意思もある、しかし、電源開発なり電力会社が砂利採取業をやることはどうかと思うというようなお話もございました。しからば伺いますが、このダムのあるところの付近は、採取したおびただしい量の土石をネコの額のような土地を借りてきれいに積んであるだけなんですよ。これは一体どういうことなんですか。これを民間の砂利業者に払い下げをするとか、あるいはかさ上げとか埋め立ての原材料に使うとかいうことはできないわけなんですか。掘るのは電力会社で掘りなさい、そしてちゃんと積んでおきなさいといってやらせて、積んでおけば銭になるのですか。会社は高い料金を払って、ネコの額のような土地を借りて、そこへ貯蔵しておるのですよ。やはり、もうこの辺でダム内にたまった土石については結論を出すべきだ、もし国に所有権があるというならば、国の責任も何がしかあるはずだ、ダムができたためにたまった土石だから当然発電会社が掘るべきだとというなら、その掘った土石の所有についても、あるいは利用についても、結論を出すべきだ、こういうように私は思うのです。私もこれは三年越しでお尋ねしているのです。もう猶予できぬ。昭和四十六年度中、すなわち四十七年三月にもう一ぺん伺いますから、ダム内にたまった土石の所有権、発掘の義務、またその扱いについて、いつまでも日を延ばさないで、本年度中にぜひ結論を出していただきたい。これを砂利業者に採取させるといいましても、水深五十センチや一メートルのところから掘る砂利ではないのですよ。三十メートルも五十メートルもある深いダムの中で掘さくをするのです。したがいまして、掘さくの費用もちょっとやそっとではないわけであります。そういうことから考えますれば、ダム内にたまった土石の扱いについては、ただじんぜんと日を送るのではなくて、国の権利、国の責任といったものの関連で、本年度中にぜひ結論を出してほしいと思うのですけれども、局長、出せますか。

川崎精一建設省河川局長

○川崎政府委員 お話しのように、秋葉の堆砂の掘さくに伴う、あとの処置につきましては、これは河川管理者の立場から、掘らせるだけ掘らせてあとの処置についての方針が出ないままで今日に至っておるというのは、そのとおりでございまして、まことに申しわけないと思っております。ただいま先生のお話でございますが、これには、砂利採取法だとか、あるいはたまっておる砂そのものがどこの帰属になるとか、いろいろ議論はあるかと思いますけれども、本年度中といわずに、できるだけ早い機会にそういった統一の方針を出したいと思いますので、ここでお約束を申し上げます。

斉藤正男日本社会党

○斉藤(正)委員 先ほどの答弁の中にもありましたが、やっかいだから法律改正は云々とか、それからいろいろな関係があるからむずかしいとかいうことだが、私もやっかいだから聞いておるのですよ。いろいろな関係があるから聞いておるのですよ。これを解決するのは建設省しかないのですよ。もっと真剣に考えていただかなければならぬ。  そこで、最後のお尋ねでありますけれども、昨年秋着工するはずであった最下流の船明ダムが、今日まだ具体的な着工の運びになっていない。いろいろ未解決の問題があって、地元住民との間に完全な了解はとれていないわけでありますが、その原因は那辺にあるのか。日本でも初めてといわれる大規模のローラルゲート方式をとって、佐久間や秋葉のような水害もありません、絶対だいじょうぶですと言いながら、なお流域住民が建設省の言うことや電源開発の言うことを一〇〇%信用しないという原因は一体どこにあるのか。いかがでございますか。

川崎精一建設省河川局長

○川崎政府委員 船明ダムにつきましては、先生のお話しのように、私どものほうにもまだ書類は上がっておりませんし、事務的にはいろいろ予備折衝いたしておるようでございますけれども、いろいろ地元にも意見があるようでございます。それが天竜川水系の全体の治水の面からそういう面の進捗が妨げられておるといたしますれば、私どもは間違っておるものはやはり改めなければいけませんし、あるいはまた、推進すべきものは推進しなければいけないと思いますので、その辺は十分調査いたしました上で、必要なことはやってまいりたいと思います。

斉藤正男日本社会党

○斉藤(正)委員 大体、三万キロばかりの電気を起こすのに六十数億円も使ってこんな工事をやるのは電源開発株式会社はいやなんですよ。そしてまた、ダム管理もいやなんですよ。第一、これはまさに治水ダムであって、農業用水も取る。工業用水も取る。上水道用水も取る。農林省や県が当然主体になってやるべきものを、佐久間や、秋葉や、平岡や、泰阜の例にこりておるものだから、へたにこんなものを持つとえらい目にあうということで、いやがる電源開発におっかぶせる。電源開発に聞いてごらんなさい。いやでいやでしょうがないが、国や静岡県が言うからやります、こう言うのです。それは特に、佐久間、秋葉のダムの歴史が今日流域住民から怨嗟の的になり、電源開発や建設省は敵だと言われていることが船明ダムの着工をおくらせておる最大の理由だ。私などが現地に行ってどんなに説得しても、ローラゲート方式というものはこういう方式であって、絶対そんなことはないと言ったって、おまえは電源とつるんでおる、おまえは建設省に飲まされたからだということを平気で言うのですよ。だから、やはりもっと真剣に考えていただきたいと私は思うわけでございます。いろいろな事情があるようでございましてとか、電源開発がやることでございますのでということでは許されない。根本的に農林省と静岡県が工事の主体者となり、管理の責任者にならなければならない性格のダム、それを電源におっつけておいて電源でもお困りのようではと言うのでは話にならぬ。しかも、天竜水系全体の管理者としての建設省の立場がそのようなことでは許されないというように思うわけでございますから、もう一言何とか言ってください。

川崎精一建設省河川局長

○川崎政府委員 ただいまの船明ダムは、電源開発と、それから農業用水、あるいは都市用水といった、いわゆる利水目的のみの多目的ダムでございます。したがいまして、いま治水ダムは入っておりませんので、その利用目的等について私どもが差しはさんだことを言うということは非常にむずかしいわけでございますが、むしろ、建設省の立場といたしますれば、地域住民の治水上の安全の問題、あるいは地域開発の問題の立場から、そういった計画なりあるいは構造について、河川管理者として指導をしていく立場にあるかと思いますので、ただ、いまの先生のお話の趣旨で、私どももできるだけ積極的に関与して推進するようにつとめたいと思います。

斉藤正男日本社会党

○斉藤(正)委員 きょうは私は天竜水系に限ってお尋ねをいたしましたけれども、日本の各河川には数多くのダムが建設をされております。幸か不幸か、天竜水系には、天竜川河状調査委員会なるものが設けられて、定点をきめ、年々同じ時期に河状の測量をやっておるから、河状の変化が克明に出ておる。しかし、全国の他の河川ではこのような例は少ない。実際には、九州でも北海道でもこういう事態は多かれ少なかれあるのに表へ出てきていないというように私は考えるわけなんです。したがって、日本の河川の象徴的なダムによる変化といったようなものが天竜川にたまたま出ているだけであって、日本の国土全体の問題としてこれは取り組むべきだというように私は考えております。  そこで、資料をぜひお願いしたいわけでありますけれども、戦後完成をしたダムで——これは小さいのはよろしゅうございますが、十万キロ以上の発電ダムで、どの程度土石によってダムが埋没をしているか。ぜひひとつ早急に資料を御提出願いたいと思いますが、いかがでしょうか。できましょうか。

川崎精一建設省河川局長

○川崎政府委員 できるだけ早い機会に資料を整えまして、御提出したいと思います。

斉藤正男日本社会党

○斉藤(正)委員 飛び入りでございましたのに、長時間をお与えいただきましてありがとうございました。  河川管理者である建設省当局の御勉強と御努力を切にお願いして、私のお尋ねを終わります。

正示啓次郎自由民主党

○正示委員長代理 次回は公報をもってお知らせすることとし、本日はこれにて散会いたします。    午前十一時五十一分散会

国会会議録検索システムで原文を見る ↗