建設委員会 第6号
- 発言数
- 231 件
- 登壇者
- 14 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1971/02/24
会議録
○金丸委員長 これより会議を開きます。 この際、おはかりいたします。 理事渡辺武三君から理事を辞任したいとの申し出があります。これを許可するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○金丸委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。 引き続き、理事の補欠選任を行ないます。 これは先例により委員長において指名するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○金丸委員長 御異議なしと認めます。よって、委員長は、理事に内海清君を指名いたします。 ————◇—————
○金丸委員長 次に、内閣提出、農地所有者等賃貸住宅建設融資利子補給臨時措置法案を議題とい たします。 質疑の申し出がありますので、順次これを許し ます。卜部政巳君。
○卜部委員 この提案の説明にもありますように、昭和四十六年度を初年度とする第二次住宅建設五カ年計画の一環といたしまして、この農住法というものが提案をされておるわけでありますが、この法案に入る前に、若干、これからの審議に必要でございますので、質問をいたしたいと思います。 住宅投資の推移といたしまして、政府住宅投資と民間住宅投資との割合、この比率を一九六七年から一九七〇年までのものをまず出していただきたいと思うのです。
○多治見政府委員 お尋ねの正確な資料を手元に待ち合わせてございませんので、正確に調べまして資料として提出させていただきます。
○卜部委員 私、昨日建設省のほうに私のほうから資料の提出を求めることをちょっと失念をしていましたために、たいへん皆さん方のほうに御迷惑をかけたと思います。 この推移の問題なんですが、一九六六年から七年までの推移の状況というのは、私把握しているわけです。それで七〇年までのものがちょっと知りたかったわけですが、この推移というのが、一九六六年の場合には八一・三%となっておりますが、六七年になりますと急速に八二・八%と比率が拡大をしている現状であるのです。ですから、七〇年に向かっては、この比率というものが上昇していることはおそらく間違いないと私は見ておるわけなんですが、それはあとから資料を出していただければいいと思います。 そうしてみますと、今度の五カ年計画もやはり民間の住宅投資という成長の促進、こういうものが行なわれてくる、いやそれだけではなくて、この五カ計画の中にはそのウエートが多分にあるんじゃないか、というふうに私は考えるわけであります。一般会計からの住宅投資というものが間接投資のほうにいよいよ傾向が強まっておる、こういう姿だと思うのであります。そういうかっこうになってまいりますと、建設大臣もおられますが、この第二次住宅建設五カ年計画の案というものがあるわけでありますが、形の上ではその達成がなされるかもしれませんが、しかしながら、住宅困窮の現状というものは私は解決できないと思うのです。調査室がつくったところの、皆さん方のお手元にも出ております五カ年計画案で、公営住宅とそれから民間建設住宅の数字、さらに公庫住宅などの数字をながめてまいりましても、一般会計から住宅投資をするという姿というものが失われてしまっている。さらに、この五カ年計画の中には、農民住宅、これは農住法でありますが、これが織りなされてまいりまして、何かつじつまを合わすような感じが私はしてならないのであります。そうした面でこれが私の杞憂に終われば幸いでございまして、建設大臣もおいででございますが、こういうような第二次五カ年計画のそれを、さらに将来に向かって、公営住宅を中心にした庶民の生活と住居を守るという姿の計画というものに初年度——農住法には出ておるわけでありますが、この計画を変更する予定はないかどうか、ひとつお伺いしたいと思うのです。
○根本国務大臣 ただいま御質問の問題は、いわゆる住宅政策の基本に関する問題だと私は思います。御承知のように、住宅を政府が一般会計でやるとすれば、これは税金でつくって提供するということになります。それも一つの方法でございますが、それには非常に限度がございます。一方において減税を要求され、他の事業に回せという意見もあるときに、一般会計からたくさんの金を出して、それで住宅をつくって入れるとなりますと、非常に数的に限られて、かえって公的な施策に基づくところの住宅を現在よりも減少しなければならぬという結果になると思います。そこで、結局、住宅問題というのは、何らかの形において住宅に不足しておる人たちが持ち家あるいは賃貸住宅に入り得るということが問題でありまして、それを一般会計から多く金を出すか出さぬかということは、これは一つの手段の問題だと思います。これがどちらがいいかというところに政治的判断があると思うのでございます。しかも、一般の国民の動向を見ますというと、だれびとも本質的には自分の持ち家を持ちたい。永久に貸し家に入っていたいという人は実質上はいないのです。ほんとうはみんな持ち家が持ちたい、けれども、なかなか持ち家が持てないから賃貸にいかざるを得ない。これまた一つの事実だと思います。そういう点を踏まえて、われわれといたしましては、まずでき得るだけ一般の国民が持ち家を持ち得るような政策を確立すべきである。そのために政府が、あるいは財投資金を貸し与えて持ち家を持ち得るような体制をつくる。あるいはまた税制で持ち家を持ち得るような制度をつくっていく。さらには、御承知のような勤労者財産形成というような形で持ち家を持ちやすくする。あるいはまた企業体が、その企業に従事する人々に対して持ち家政策をやって、それに対して財政上の援助あるいは税制上の援助をする。そういうふうにいたしましてもどうしても持ち家を持てないという人が出てくるわけです。それがいわゆる低所得者であり、都市の生活困窮者という人になってきます。これらの人々については、いわゆる賃貸で入りやすくしてやる。こういうふうに総合的なことをやらないと、住宅需要が大きくなるだけで、競争率がますます激しくなって、究極するところは、低家賃を望むところの低所得者にもなかなかいかなくなってしまう、こういうことになると思うのです。そういう観点からして、最近の日本の経済情勢はだいぶよくなりまして、現在の個人個人の所得も、特にサラリーマンの所得も多くなりまして、これらの方々から持ち家を持ちたいという要望が出てきておる。そういうものに対応する政策を立ててきておる。そういう関係から、住宅計画は、いま卜部さんが御指摘のように、そうした財投及びは税制上の施策による民間資金を活用した結果できる住宅の数に比べれば、一般会計から出す金の比率が、純然たる政府資金だけで貸し家をする比率が若干減るような形になるというのはやむを得ないことだ、こう思う次第でございまして、われわれは特に都会の低所得者、勤労者の困っている人に集中的に政府施策の低家賃政策を進めてまいりたいと考えておる次第でございます。
○卜部委員 根本大臣の御答弁は一応の筋論ではありますけれども、資料が政府が考えておるようなそういう数字になっていない。ということは、御承知かと思いますが、これは東京都の警察署の防犯関係で調べた調査結果ですが、さらにはほかに建設省の調査等もありますが、木賃住宅が——ほんとうにこんなことを言っては悪いのですが、貧民窟みたいなところですが、これが巣鴨署で五二二%、下谷署で四六・六%、池袋署で四・八%、東京水上署で五〇・五%、たくさんあります。これは全部読み上げれば数限りないのですが、いま大臣がおっしゃっているように、こういう庶民が個人で住宅を持つような施策をやるのだとか、その方向に力を入れておるとおっしゃいますけれども、現実はこういう現実です。そうして、この資料等におきましてもそうなんでありますが、そうであれば、なおかつ公営住宅というものを一番優先しなければならない。また、第一期の五カ年計画等におきましてのこれが達成率におきましても、自力のそれよりも上回った数字があらわれてこなければならないのに、公営住宅については九二・二%の達成率にしかならない。しかしながら、民間自力建設云々というようなことにつきましては一〇三%とか、さらには、その他の住宅団地につきましては一四〇%というように急速に上向いた姿というものが出てきておるわけであります。こういう点を考えたときに、大臣が思っておられることとはうらはらに、住民はほんとうに住宅難に悩んでおるというのが現実ではなかろうかと私は思うわけなんです。そうなればせめて、大臣のことばがそれにふさわしく施策の中にあらわれてくるというのならば、公営住宅のそれにつきましては、一〇〇%達成が第一期の場合にはもうなされておらなければならないものだと私は思いますが、さらに今度の第二次の場合につきましても、公庫が百三十七万戸に対しまして公営がわずかに五十九万戸というように比率が悪い。住宅政策については、この委員会の中でわが党の佐野議員のほうから取り上げられた問題もありますし、財投の問題、さらに、その財投の無利子の融資の問題等について大蔵省から建設省へ引き出してくるような事業計画の問題もありますが、そういう問題の配慮というものがこれからやはり大きなウエートを持ってくるのではないだろうか。実際問題として公団の問題——きょうは公団の問題には入らないわけでありますが、公団の補助金の問題だとか借り入れ金の問題等々につきましても、四十年以降政府資金の出資が打ち切られておるという現状もあります。私は、住宅政策について何か冷ややかな感じを政府がとっておるような気がしてならないわけであります。 それはそれといたしまして、次の質問に移ってまいりますが、まず建設省の方にお伺いをいたしたいと思います。 この農住法の関係でありますが、私の不勉強のためにちょっと御迷惑をおかけするかもしれませんが、私この法案を読んでおりまして、「政令で定める、」とか「省令で定める」云々ということがたくさん書かれておりますが、政令、省令というものが私の手元にないのです。そういう点で、もしありましたらその政令、省令というのを私に貸してもらいたいと思うのですが、ありますかしら。
○多治見政府委員 本法案に基づきます政令、省令の規定の予想しております内容につきまして、前回の委員会で資料をお配りいたしました。きょうの委員会でもお手元にお配りしている資料があります。
○卜部委員 政令、省令全部ですか。
○多治見政府委員 政令につきましてはお配りしてございます。省令はまだ詳細な点できまっていない点がありますが、省令もでき次第お配りしますけれども、一応政令案につきましてはお手元に資料をお配りしてございます。
○卜部委員 そうすると、私の手元にないというのは、決して私がもらったものをなくしたということじゃなく、配られていないということでございますね。しかし、実際問題として、こういう法案を審議する場合は、少なくともこの法案と政令と省令というものが一緒に出てこないで何を審議するんですか。ここに書いてありますね。「省令で定める」とか、さらに「政令に定める」などといろいろとこういう書き方をしておって、わからぬものを、どうやって審議するんですか。この点は私は若干理解に苦しむところでありますが、そうした面についてはどうなんですか。
○多治見政府委員 政令案につきましては、予定の政令案をお手元にお配りしてあります。省令案につきましては、非常に技術的な内容でございますので、まだ確定しておりませんので、確定し次第お配りするということでこの前の委員会でも御了承を得まして、できるだけ早急にお配りします、ということになっております。
○卜部委員 技術的だとかなんとかおっしゃいますけれども、あなた、この法案の中には、省令の基準云々だとかということがたくさん出てくるじゃありませんか。そんなものがわからぬでおって実際審議に入れるんですか。たとえばどういうことを私たちが質問するんですか。これはまだきまっておりませんとか、こういう問題はまだ細部検討中でありますなんということで法案がどんどん審議されていくものですか。わからないものについて、それを審議しろといってもできないですね。どうですか。
○多治見政府委員 省令につきましては非常に限定的な委任がされるわけでありまして、これにつきましては、われわれ事務的には一応案を持っております。したがいまして、御質問がありました場合には、これについてわれわれとしてはこういうふうに考えておりますが、ということでお尋ねにお答えいたしまして、それについての御意見等もあれば、省令の制定の際の参考にしてきめるということを考えております。
○卜部委員 大臣にお伺いをいたしますが、いま答弁がありましたが、そういうような法案審議が正しいのでしょうか。ひとつ大臣のほうから答弁を願いたいと思うのです。政令も何もきめていない。それで質問をしたらお答えしますということじゃ、困るじゃないですか。
○根本国務大臣 御承知のように、法律案と政令と一体としてやるということからすれば、そうあるべきだと思います。ただし、従来大体の政令あるいは省令の要綱で御審議を願っているのがいままでの一つのしきたりでもございます。そこで、これはすでに政令案は一応そちらにお手渡ししているはずでございます。省令案になりますと、いま事務当局が申し上げましたように、これはもっとこまかいことになるのでございます。政令よりも技術的な問題になりまするので、それについても現在まだ検討の余地もありますけれども、必要とあらば、その素案と申しますか、そういうものがありますれば、お手元に差し上げるようにいたさせたいと思います。なおまた、質問の過程において、この政令案でこういうところはどうなるんだということでありますればお答えする、こういうことでございます。
○卜部委員 私は何もこの法案の審議にけちをつけようという意味ではないのですけれども、この法案自体が、数的に、基準的な問題等について明らかにされなければならない点が多いわけでしょう。だから、政令なり省令と法案というものは一体となって委員会に提出さるべきだと私は思います。こういうふうなことから私は指摘しておるわけなんでありまして、質問をしたら、そのときに答えをいたしましょうと言うが、そういうものが答えられる問題であれば、十分に審議に対して参考にするべく、いや参考にするというよりも、これを完備させるために出すのが当然だと思います。今後はそういうことのないようにひとつ配慮していただきたい、こういうふうに思うわけであります。 そこで、この法案の中に入ります前に、現在の線引きの状況はどのようになっておるか、ひとつ御答弁を願いたいと思います。
○吉兼政府委員 お尋ねの線引きの進捗状況でございますが、二月二十日現在で申し上げますと、当初市街化区域設定を予定しておりました八百八の全国の市町村のうち、六五%が決定告示を終了しております。なお、今後の見通しでございますが、四十五年度末、つまり本年の三月末までにはおおむね八五%程度の市町村におきまして市街化区域の設定を完了する見通しを立てております。
○卜部委員 そうすると、この農住法との関係でございますが、水田とか、さらには畑を宅地化していかなければならない問題、さらに市街化調整地域の問題にかかってこの問題が当然入ってくるだろうと思うのです。こういう問題について、都市計画等のからみ合わせの問題が私は出てくるだろうと思うわけであります。たとえば線引きをするところ、まだしてないところ、現実にこの法案によりますと、五分五厘の融資を受けるところはどんどん住宅を建ててもいいという一つのスタイルになっておるわけでありますから、どんどん建て始める、こういうことになろうかと思います、こういう点に対して、都市計画との間の関連について若干皆さんのほうから御答弁を願いたいと思います。
○多治見政府委員 お話のように、本法案で予定しております住宅建設は、都市計画法に基づきます市街化区域内に限定しております。したがいまして、線引きができて市街化区域が決定した、その区域内でやるということでございまして、都市計画との関連といたしましては、この事業を実施いたしますにあたりましては、主として区画整理の手法を使う、あるいは使わない場合は都市計画として決定していただくということで事業を実施するということになっておりますので、今後の都市計画の市街化区域の設定と歩調を合わせましてこの事業を実施していくということになりまして、その間にそごはないように事業を実施したいということで考えております。
○卜部委員 いまの御説明ですが、何条でございましたか、この法案の中に出てまいりますが——じゃ、その問題は失礼しまして……。 そうしますと、いまお答えの中では線引きを行なった市街化地域の中にのみ行なう、こういうお話でございましたね。そうしますと、今度の構想の中では、基準としまして宅地造成というかっこうになりますと、何千坪というかっこうの、いわゆる団地というものを形成をするようなスタイルになると思うのでありますが、そうした場合に、たまたま線引きと調整区域の境界線の中に農住宅ができるという場合もありますね。
○多治見政府委員 先ほどのお尋ね、法律の第二条の二項に、「大都市及びその周辺の都市に係る都市計画区域その他の政令で定める都市計画区域に係る市街化区域」というふうにはっきり書いてございまして、このシステムによります住宅の建設は市街化区域に限るというふうに考えております。それで一団地の制限につきましても、お手元にお配りしました政令の案にありますように、二ヘクタールあるいは二百五十戸以上という制限で考えておりますので、お尋ねのように、市街化区域、調整区域にまたがって大きな団地をつくるということは、この制度では考えておらない次第でございます。
○卜部委員 だから、それはわかりますが、線引きを行ないました市街化区域と調整区域のぎりぎりの境界線に建つということもあり得るだろうということを言っているのです。
○多治見政府委員 先ほどお答えいたしましたように、この法律のシステムで建てる住宅につきましては、市街化区域内に限定しておりますので、境界線に建つ場合も、市街化区域内の部分についてだけしかこの法律は適用しないというふうに考えております。
○卜部委員 わかりました。それはそのとおりだと思いますが、公団なんかでもそうでありますが、そこに住宅が建つということになると、そこが居住地区だというふうに認定をされるかどうかは知りませんが、それにならって実際問題として各種住宅がどんどん建つという例がございますね。こういうような問題について、野方図にと言ってはおかしいのですが、私たち心配をするのは、建設大臣が指摘するように、いま私たちの地域でもどんどんどんどんマイホームで自分の家を建てつつあるわけなんですが、しかしながら、そこには下水道もなければ何もない。でたらめな住宅が建ちつつあるわけです。ところが、これによって農住宅ができ上がった地域は、線引きの境界線であるなしにかかわらず居住地区である、こういうふうに指定されると、その周辺に群がって建つ。さらにはそこら辺の住宅を目当てにしてスーパーマーケットなんかが建つということも考えられることだと思うのです。そういうふうなことについて、そういう規制というものがあるのかないのか、この点をひとつお聞きしたい。
○多治見政府委員 お答えいたします。 お話のように、現在線引き作業中でありますし、また一方建築基準法の用途地域指定の問題が進行中でございます。したがいまして、この制度によりまする住宅建設というものにつきましては、そういった土地計画関係の用途地域との整合といいますか、調整、これが非常に大事な問題であろうと存じます。大体、このシステムで建てられます住宅につきましては、一応都市計画に従ってやるということになっておりますので、区画整理でやる場合、それから都市計画でやる場合等いろいろありますが、とにかくそういった用途地域の地域性と矛盾しないような方向でできるというふうに考えております。
○卜部委員 矛盾しないようにできるということを言っておるのですが、それじゃその問題はそこにおきまして、次の関連からそこへもう一ぺん返っていきたいと思うのでありますが、まず、その住宅を建てる場合に、大都市及びその周辺の都市にというこの問題があるわけなんですね。そうしますと、この範囲というのは限定されておるわけだと思うのですが——限定じゃありませんが、これを明確にされていいと思うのですが、大都市及びその周辺都市というのは、大体どこら辺をいうのですか。
○多治見政府委員 法律の第二条二項にございます区域でございますが、具体的に申し上げますと、われわれ現在考えておりますのは、首都圏の既成市街地もしくは近郊整備地帯、近畿圏の既成都市区域もしくは近郊整備区域、それから中部圏の都市整備区域、それから人口五十万以上の市の区域、それから新産都市、工業整備特別地域を含む都市計画区域等を一応大都市及びその周辺の都市に予定しております。
○卜部委員 そういうようなかっこうにいま説明がなされておるわけでありますが、そうすると、いままでの線引きが行なわれておるところでもって、これに該当する水田その他はいま何ぼくらいあるのですか、この点をひとつお聞きしたい。 〔委員長退席、渡辺(栄)委員長代理着席〕
○多治見政府委員 お答えいたします。 正確な数字を手元に持ち合わせておりませんが、三大都市圏で、その圏内に水田が七万ヘクタールということになっております。
○卜部委員 今度の場合に、いまお答えになりましたように七万ヘクタールある。さらには特定賃貸住宅が建設される大都市及びその周辺の都市というものが具体的に示されたわけでありますが、そういうふうなかっこうになりますと、都市計画法に従いまして市街化区域だとか市街化調整区域のいわゆる線引きが進められておるということはいま申し上げたのですが、その用途地域の細分化については、「住居地域、商業地域、準工業地域、工業地域を、第一種住居専用地域、第二種住居専用地域、住居地域、近隣商業地域」云々とあって、問題点がいろいろあります。こういうものが計画されておるわけなんでありますが、水田の宅地化によって一団地の住宅が建設されると、その地域が結果的には都市計画法の用途地域再指定の位置づけということになるだろうと思いますが、そういう場合におきましては、都市計画法について何か支障がございませんか。支障がないとはいえませんでしょう。その点はどうでしょう。
○多治見政府委員 お答えいたします。 市街化区域内に建設いたします場合に、用途地域の制限によってこの事業が都市計画に支障を及ぼすということはないと考えております。ただ、第一種専用地区の高さの制限等で、事業の執行について、われわれの予定しております団地の建築の姿といいますか、高さは一応中層耐火を目的としておりますので、そういった面での若干の食い違いは予想されないでもございませんけれども、そういった場合に都市計画の用途地域と合わせて計画を立てるということで、都市計画の用途地域との具体的なそごは起こる心配はないというふうに考えております。
○卜部委員 そうすると、先ほどから御説明がなされましたが、調整地域だとか、さらには——先ほども首都圏を中心にする云々というようなことを言われておりますが、何も市街化区域に限らず、大都市周辺に限らず、地方都市だとか、さらには調整区域に対しても建設してもいいということになるんではないか。またそういうことが行なわれてもいいんではないかというようなことが考えられるのですが、どうでしょうか。
○多治見政府委員 お答えいたします。 現在、この制度を、先ほど申し上げましたような区域に限って当面実施したいということでやっております。今後、この事業の実施に従いましてこの区域を広げるかどうかという問題は起きてくるかと存じますけれども、現在当面の各般の条件から考えまして、住宅需要の非常に緊迫しております区域にまずこの制度を実施して住宅需要に資したいということで、こういう区域限定をして、限られた資金をその面に集中的に使いたいということで始めるわけでございまして、地域の拡大その他につきましては、今後この事業の実施につきまして検討してまいりたいというふうに考えております。
○卜部委員 私が質問をしておりますのは、今度の賃貸住宅というのは建設資金に補助がなされるわけですね。その補助というのは、当初は一部の団地にされるのですが、では、その関連の学校だとか、道路だとか、給配水なんかの問題等についてはどう対処するのかという問題があるわけでありますね。そうしたときに、その線引きだけの地域においてそれが達成できるかどうかという問題も織りなしておるわけでありますが、そのことは別といたしまして、そういう生活利用施設の手当て等の問題についてはどういうふうに考えるか。
○多治見政府委員 こういった団地を形成いたします場合に、その住宅の建設に伴いまして必要な生活環境設備と申しますか、関連公共施設と申しますか、そういったものの建設が必要となってくるわけでありまして、これをどう処理していくかということは、従来の公営住宅、公団住宅等につきましても非常にに大きな問題になっておるわけでございますので、この処理についていろいろな方策が講じられているわけであります。ただ、その施策におきましては、先ほど御説明申し上げましたように、二ヘクタール二百五十戸という規模は最低限でございますけれども、こういった規模を想定いたしまして、これより以上の規模ということで考えておりますので、住宅公団、公営等の大規模な団地に比較いたしましてはそういった問題はあまり重要な影響はないのではないかというふうに感じられます。しかし、そういった問題があるのは当然でございまして、これにつきましてはいろいろな方法がございますが、区画整理でやります場合には一区画整理事業として、公共施設、道路、公園、緑地等は区画整理事業の計画の範囲内で供給していく。それから、ごく建物に密着いたしました付帯的な施設、団地内の通路その他につきましては、これを建設費の中に含めて考えていくというようなことで、いろいろな施策がございますけれども、そういった面で解決できるのではないかというふうに考えておるわけでございます。
○卜部委員 それはことばの上ではうまくいくように感じますけれども、私は決してそういうふうにうまくいくとは考えられないですね。しかしながら、建設省のほうからそれでやられるというのですから、お手並みを拝見したいと思います。しかし、ぼかされた点があるのですが、いわゆる生活環境施設の手当ての問題について寄り寄り検討中である云々とかいうことを言われておるのですが、この点は、先ほどの省令、政令云々という問題とあわせてもう少し具体的にさるべきだと思うのですが、この点をもう少し明確にしてもらいたい、こう思うのです。
○多治見政府委員 生活環境施設と考えられますのは、その団地に伴います道路、広場、公園、緑地等、それから建物に密着して必要となりますのが、その建物の中に入ります住民の方がお使いになります集会所、そのほか保育所、学校等がございます。こういったものにつきましてはそれぞれ解決の方法を考えておりますが、道路、公園等につきましては、一応この事業でやりまして、都市計画施設として決定していただきますので、都市計画法に基づきます費用負担をその後の管理者となります者に請求できるということでそちらに負担していただく。それから保育所等につきましては、事業者ができれば一応立てかえてつくりましてこれの経営者に買っていただくというようなことで解決できるのではないか。それから集会所等につきましては、この建築の付帯的な設備として建築の中に計算していけるのではないかというふうに現在想定しておりますが、こまかい点につきましてはこれから検討いたしまして合理的な道を決定したいというふうに考えております。
○卜部委員 そこでちょっといま思い出したのですが、この補助金の問題なんでありますが、この補助金は当然建物に対しての、いわゆる地上に建つ住宅に対する補助金でございますね。
○多治見政府委員 御質問の趣旨がちょっとはっきりしないのですが、その補助金というのが付帯施設の問題でございますと、このシステムは要するに建築資金を融資する機関に利子補給をしようということでございますので、直接には補助金とは関係ございません。
○卜部委員 そうすると、いま御承知のように、線引きが行なわれた水田を宅地化していくというわけですから、軟弱な地盤であるということも当然考えられるわけです。たとえば新潟災害のときの地震等におきましても、御承知のように県営住宅が全部横倒しになったというような事実もあったわけなんでありますが、そういうふうな面について、やはり基礎を十分にしなければならぬというようなかっこうになってまいりますと、融資を受ける、さらにその利子補給を受けるのでありますが、そうした完備した住宅を建てるということになりますと当然家賃の問題にやはりはね返ってこようか、私はこういうふうに思うわけですね。その点について、家賃を規制するような手だてというものがあるのかどうか、またその関係はどうなのか、御質問したいと思います。
○多治見政府委員 お話しのように、水田を転換してその上に住宅を建てるということでございますので、確かに地盤の問題がございます。したがってこういう点につきましては相当耐震的な考慮を払わなければいかぬということで、それが確かに建設費に響くわけでございまして、これをどういうふうに吸収するかという問題がございます。 そこで、家賃の算定根拠をどうするかという御質問でございますが、これは御承知のように、現在住宅金融公庫で土地担保賃貸住宅の融資ということを実施いたしておりますので、大体これにならいまして家賃の規制をしたいということで考えておるわけでございます。したがいまして、そういった軟弱地盤の造成にかかります費用は、家賃算定の基礎の中の地代相当額の中に造成費として含まれるというふうに現在計算しておりまして、もとありました水田を造成して宅地にして、その上に家を建てる場合に、その宅地の価格は幾らであるのかということを評定いたしまして、その評定いたしました地代の五%を地代相当額として家賃に算入してよろしいというふうに家賃を規制するつもりでございますので、この造成費につきましては、その地代の中で吸収できるというふうに考えておるわけでございます。
○卜部委員 そうすると、ちょっとこれは公団住宅なんかの関係もあるわけでありますが、公団住宅なんかの建設がお粗末だという声がいまちまたに流布されております。そういうふうな関係で、この農民住宅というのですか、この住宅の規模なるものをひとつ聞かせてもらいたい。これは「一ヘクタール以上の一団地における五十戸以上の集団住宅及びこれらに附帯する通路その他の施設をいう。」と書いてあります。そういうかっこうになりますと、一団地の住宅の面積及び住宅の戸数はどの程度かということももちろんそうでありますが、その特定住宅の規模、構造、設備というものがどんなものか、やはりお聞かせ願っておかなければならぬ。建築費が高くなるからひとつ構造を変えてやれ、お粗末なものにして、家賃は同じ二万五千円なら二万五千円だ、そういうばかげたことはないと思うのです。そういう面においてちょっと心配がありますので、住宅の規模、構造、設備これはどの程度かをひとつお聞きしたい。と同時に、その面積、戸数などはどの程度になるのかもあわせて答弁をしてもらいたいと思います。
○多治見政府委員 お答えいたします。 住宅の規模、構造、設備等につきましては省令で詳細をきめまして、それに適合する住宅につきましてだけこの制度を適用していくということにいたしますので、想定いたしております規模、構造、設備等は、大体現在の公団の中層住宅に準ずるような程度のものを考えております。したがいまして、一戸当たり三十平米以上で、常識的に考えまして、あまりぜいたくな住宅といいますか、大きい住宅には適用しないということで考えておりまして、現在建っております公団住宅の中層耐火構造というものに類似したような規模、構造、設備を考えております。
○卜部委員 そうすると、一団地の住宅の面積や戸数は大体どの程度にする予定でございますか。
○多治見政府委員 先ほど申し上げましたように、二ヘクタール以上、二百五十戸以上でございます。したがいまして、この条件に合いますれば、その地域の特性によって、上限については制限ございませんので、大体そういった規模が下限であるということから、そう何千戸という大きな団地にはならないというふうに考えております。
○卜部委員 そこで、二百五十戸の建物ができるわけですが、これは公募するのですか。農住宅に入る人の問題ですね。
○多治見政府委員 一応、公庫でやっております土地担保賃貸住宅の制度に準じて、入居者の方は公募してもらいたいということで考えております。
○卜部委員 ちょっと声が聞こえないので、もう一ぺん言ってください。
○多治見政府委員 公募をたてまえとして考えております。
○卜部委員 わかりました。そうすると、この建設についてでございますが、この農住宅を建設する問題に対しては、建設後の管理という問題も出てくるので、当然個人が云々ということじゃなくて、おそらく農協等がクローズアップされてくるだろう、こういうふうに考えます。それだけではなくて、むしろ大企業がこれに対して乗り出してくるということも懸念されるわけですが、(「大企業なんて出てこないよ」と呼ぶ者あり)その点については、大企業が来ても、大企業が融資しても、それはまかせるということでございますか。
○多治見政府委員 この制度で利子補給を受けられます事業者は、農地の所有者、それから農地の所有者がつくっております団体に限っておるわけでございまして、そういった農地の所有者の方が建てた住宅につきまして、入居者を公正に入れてくださいというたてまえになっておるわけでございます。その場合に従来と違いますのは、事業者にも貸してよろしいということになっております。したがいまして、事業者といいますか、要するにこの制度で建てます住宅につきまして、それを企業に貸すことを認めているわけでございまして、その企業に貸す場合に、どういう企業が入ってくるかということはもちろんございますが、相手の企業が大企業であるか、中小企業であるか、そこのところは、要するにこの事業の利子補給を受けます事業者としては問わないところでございます。したがいまして、事業ごとに公募して、事業者がいわゆる企業者にこの住宅を転貸いたしました場合に、企業者が借りて、これを社員に貸すということも認めているわけでございます。この借りる企業の規模の大中小は別に規定してございませんので、先ほど申し上げましたような規模で、申し上げましたような地域に建つわけでございますので、実態としては、むしろ中小企業の社宅としての効用を果たす面が多いのではないかというふうにわれわれは想像しているわけでございます。
○卜部委員 いまの問題、ぼくはだいぶ問題が出てきたような感じがするのですが、第八条の「融資を受けた者は、」云々ということで、ここら辺がわからないのですが、「常時五人以上の従業員を使用する者」云々、また「その使用する従業員に対し住宅を貸し付けようとする者」云々というのがございますね。 〔渡辺(栄)委員長代理退席、委員長着席〕 いま局長がおっしゃったように中小企業なのか、「常時五人以上の従業員」ということになると大企業なのかという問題が私はわからなかったわけでありますが、ところが、いまの局長の答弁によると、大企業であれ、中小企業であれ、貸すことについては規制がないなどということを言われておるわけですが、大臣、私はやはりこれは問題があると思うのです。こういう農民住宅をつくって、大企業に貸し与えて、大企業の社宅にするなんというばかげたことは、私はやはりいけないと思うのです。ということは、これはILOの中でも問題にされたところです。こういう点について局長のほうは、借りる者があれば社宅にしてもいいんだというような言い方で、願わくば中小企業であってほしいというような言い方をされておりますけれども、そこに一つの制限を加えないと、都市周辺ですから、大企業の社宅に転用される危険性があると思う。こういう点について大臣はどう思われますか。
○根本国務大臣 これは中小企業にやることが望ましいけれども、現実に入る人間は大企業であろうとも、やはり住宅の払底するサラリーマンで、これがみんな公営住宅、公庫住宅に殺倒してきているということになりますれば、そのために公募というような形でいくならば私は差しつかえないと思う。ただ、つくったものをそのままそっくり社宅転売するとなると、これは問題だと思うのです。その意味で、大企業に従事する人が入ってはならないという制限はつけなくていいのではないか、こう思います。
○卜部委員 私が言うのは、それは個々が入ることはかまいませんよ。しかし、いまの局長の答弁のように、農住宅が社宅になるということは間違いではないのか。それはILOの指摘の中にもそういうことは好ましくないということが書かれていることは、大臣はよく勉強されているので御承知かと思いますが、そういうことは私は明確にしておかなければならぬと思います。ですから、公募して個々が入ってくるのはいいのですが、農住宅の二百五十戸がかりにも全部社宅となることのないように、この委員会において明確にしておきたいと思うのですが、よろしゅうございますか。
○多治見政府委員 先ほど私社宅と申し上げましたけれども、若干ことばの表現が悪かったのですが、法律上、この利子補給を受けました事業者が建てました住宅を、従業員に貸す目的で借りる事業者に貸してよろしい、いわゆる転貸の条項がついておるわけでございますが、その借りた事業者がその従業員に転貸する場合は、この制度の利子補給を受けて建てた建設者、いわゆるこの住宅を建てた人が個人に貸す場合と同じ家賃でその事業者は従業員に貸さなければならないという制限がしてございますので、一般の個人に貸す場合と全く同じ条件で社員に貸せ、こういう規定にしておりますので、普通の会社が社員のために建てまして自由に社員に貸す社宅とは違う制限がついておるわけでございます。この融資を受けて建てます事業者が一般の個人に貸す場合と同じ条件以外ではその企業は従業員に貸せないという制限がございますので、いわゆる通常の社宅とは少し違った制限が加わっておると思います。要するに、入る社員につきましては、一般の公募で入りました個人と同じ条件で入るという保障があるわけでございます。
○卜部委員 何かわかったようなわからないような御答弁をされておりますが、まず明らかにしてもらいたいのは、たとえばいまの御答弁の中に、最初の場合には、農民が、農地を所有しておる者がその土地を出し合って云々と、こういうことがありましたね。それで、これを管理するとか建設するとかいうことになれば、おそらく農協あたりがやるのじゃないかということを私は言ったわけです。それでまたそこに農協が大企業との提携をやるのじゃないかと言ったら、不規則発言で大企業なんか出てくるものかというお話がありましたが、出てくる可能性はありますよ。私はあると思うのです。そういう場合に、いま言ううに、自分のところが融資をしておるから結果的にその建てた農民住宅はうちのところの社宅にせよというような、そういうようなことも考えられるから、住宅としては公募をするのはかまわないけれども、そういうような資金投下をしたところの会社が自分のところの社宅だというふうなかっこうで 、全部借り切る、社宅としてこれを使用するということなどはまかりならぬということを私は言っておるのですから、その点をはっきりしてもらえばいいのでありますが、よろしゅうございますか。
○多治見政府委員 ちょっと私の聞き違いかもしれませんが、大企業がこれについて投資をするということはあり得ないわけでありまして……。
○卜部委員 いや、それはわからぬですよ。投資じゃなくて融資をする……。
○多治見政府委員 農業資金が、この対象融資を受ける資金が流れるだけでございまして、それについて利子補給をするということでございます。そのもとの資金につきまして、企業が資金財源についてタッチをするということは全然考えられないわけでございます。
○卜部委員 だけれども、農民の方々がみんな土地を出し合うわけでしょう。実際問題として、土地を出し合って、そして二百五十なら二百五十の建物を建設するというためには、どこかにやはりまとまった一つの団体というものをつくり上げながらこれを建設していくということになろうと思うのです。そういうかっこうになるでしょう。そうしたときに資金というものはどこから出るのか、こういう問題になったときに利子補給をするわけでありますから、そこら辺に大企業の融資がないということは断定していいのですか。そういうふうな融資は全然来ないということを局長の言うように断定していいのですか。
○多治見政府委員 この事業の融資につきましては、農協系統の資金の融資ということを主体に考えておりまして、大企業が介入して云々という問題はほとんど起こり得ないというふうに考えております。
○卜部委員 はい、わかりました。 そうするとそれはまた別にいたしまして、入居者につきましては、一企業の社宅として貸し与えるなどというようなことはもうないということを明確にしておきたいと思いますが、よろしゅうございますか。
○多治見政府委員 先ほど申し上げましたように、この対象融資を受けた方が住宅を建設いたしまして、その入居者を募集する場合に公募でいたします。その公募をする場合に、そこにございますように、事業者で「常時五人以上の従業員を使用する者」というものについて、これに貸してもよろしいということになっておるわけでありまして、したがいまして、その事業者について、公募をして事業者を選定してその人にお借しする。しかし、その借りた事業者、普通いいます企業でございますが、その企業が今度は従業員に貸す場合については、この対象融資を受けて住宅を建てた人が一般の個人に貸す場合と同じ条件で貸してくださいという条件をつけてその事業者にお貸しする。要するに、入居者の選定権だけが事業者に移るというだけでありまして、大企業が介入するという問題とは全然別問題であります。
○卜部委員 そうすると大企業云々ということが頭にあるようですから、それを頭から除いてもらって、ある特定の会社の社宅になるというようなことはあり得ないということですね。その中には、やはり公募する関係上個人が入る場合もあるでしょうし、個人が入りたくても、事業者のほうに、おまえのところが借りてしまってくれということになった場合、その会社が全部独占をするということはないだろうかということを言っておるのです。全部が社宅になるというようなことはないだろうか、こういうことを言っておるのです。
○多治見政府委員 ただいまの法律のたてまえからいたしますと、先ほど申し上げましたようにこの対象融資を受けた方は、建てた後にこの住宅を「みずから居住するため住宅を必要とする者又は事業者でその使用する従業員に対し住宅を貸し付けようとする者以外の者に賃貸してはならない。」という制限をしてございますので、もし、建てました住宅の全戸数について、その使用する従業員に対して住宅を貸し付けるという方が、事業者として全戸数を借りたいという場合にはそういうことも不可能ではございません。
○卜部委員 それは社宅でもあり得るということですね。しかし、それはおかしいじゃありません 私が心配なのは、そんなことを言っては悪いですけれども、大体、水田なんだから、実際これは悪い土地ですよ。悪い土地に建てる建物の家賃というものが大体二万五千円ぐらいですか、そういうところに入る人はおらぬと思うのです。これは私の推測ですがね。そうすると、おのずからそこに出てくるものは、社宅系統でもって二百五十なら二百五十の集団住宅、これは社宅ができ上がるということです。根本建設大臣は、これは個人に宅住を建ててもらうことを専念すると言うのですが、そういうような社宅になるようなところを選定するような会社というものは、会社の資金をもってどんどんやれる。銀行のローンなんか見てもおわかりかと思いますが、このごろは個人住宅を建てる方がたくさん出てきておりますね。中小企業ならいいが、そういうような大企業等についてはそのほうで指導すべきであって、そういうものは限定することができないという答弁が私には理解に苦しむのです。ですから、はっきりとこれが中小企業の会社であるというならば私はわかるのですが、事業者が大企業であれ中小企業であれ、何かわからないのだというような条文の書き方がしてあるから私はこだわっておるのです。ふたをあけてみると、やはり局長はそういうような社宅でもあり得るということを言っているわけですから、これは問題だと私は思うのですね。だから、根本大臣、その点ひとつはっきりしておいてもらいたいと思うのです。
○根本国務大臣 これは、できるだけ農地を活用していまの住宅政策を進めるというのが主体でありまして、はっきり言いますと、中小企業の社宅ならよろしい、大企業の社宅ならいけないというところにポイントを置いていないのです。しかしながら、実質上となりますれば、こういう農住住宅が大企業の社宅に全面的になるとも実はわれわれは想定していません。これはおそらく大部分が一般の住宅に困っておる人が入っていき、また社宅的に使うといたしまして、おそらくそれは中小企業が主体になるであろう、こう思っております。しかしながら、大企業といってもいろいろありますけれども、かなり名の知れたものが、たまたまそこの立地条件が会社の近くであるから、職住接近の立場からこれは借りたほうが便利だということで借りるということもあるいはあり得るとは思います。しかしながら、入る人間はみんなサラリーマンです。してみれば、大企業に従事しているからおまえは入れないというようなことにも限定する必要はないではないかというような気がしまして、限定はいたさない。しかしながら、実質上の行政指導で、御指摘のように、経営者に対してはできるだけ中小企業のサラリーマン等に入居させるように指導することは、これは方向づけとしてはいいと思いますけれども、法律で大企業の社宅的に使うことはならぬという規定を設けるつもりはございません。
○卜部委員 大臣はそういうふうにおっしゃいますが、これはだいぶ問題になっておるところですが、このごろ企業が各地方に進出をしております。進出をする条件としては、うちの社員の住宅を確保せよ、こういうことです。それで、その確保されておる住宅というのが何かといえば、公営住宅です。公営住宅なんというのは、いわゆるその土地の人が当然使わなければならぬものではありませんか。ところが、大企業が来て、それを条件にして公営住宅をどんどん社宅にしている実例があるじゃないですか。そんな住宅政策というものは、私は正しくないと思うのですよ。だから、いま大臣がおっしゃっているように、これはこういうような大きなところですから、その百軒の中に応募してきて社宅として入ってくるというならいいですよ。だけれども、それを条件にしながら入ってくる企業も現実にあるのです。公営住宅を使っているところが地方都市なんかにあるのですよ。この点は、そういうことがあること自体について大臣は御存知ですか。
○根本国務大臣 お答えいたします。 先般、行政管理庁からも指摘があり、あるいはまた決算委員会でそういう事実が指摘されましたので、それは承知しました。ところが、これは全国百四十万戸のうちの八十戸です。しかもこれは、ごく最近のものは一、二ありますけれども、大部分はいわゆる公営住宅法が制定される前にやったもので、その地区の地方自治体がいわゆる企業誘致との関係でやったというものもあるようであります。そして、これが大部分ではなく、百四十万戸のうちの八十戸です。それでいいというわけじゃありませんけれども、一般に印象を受けておるように、公営住宅を社宅に貸していることがいかにも大勢のように受け取られることはいけないと思うのです。 そこで問題になります点ですが、いわゆる公営住宅と農住住宅とはまた違う。農住というのは、農地を持っておる方々からこれを買収して公営住宅をやるということは非常に高くついて入手困難だから、そこで、それらの土地を持っておる人が貸し家をつくって、それによってサラリーマンの方々の入居希望を満たすということは住宅政策上プラスになるということでやっているのでありまして、公営住宅を社宅化することがいけないということと同日に論ずることはいささかきびしいじゃないかというような気がいたします。
○卜部委員 大臣、私は八十戸が全体のような印象を持ってここで申し上げておるわけじゃないのです。たまたま八十戸でも、これはそういう企業があるということについての警鐘を乱打しておるわけなんです。御承知のように、大企業にはいわゆる大企業の特例というものが住宅等についてもあるわけでありまして、それは法が定めるところですよ。そういうものがあるにもかかわらず公営住宅に入るということはゆゆしい問題です。実際問題、八十戸であっても、これはそうであろうと思うのです。だけれども、これは農住等との関係はないにしても、この八条の中には、何が中小企業なのか大企業なのかわからぬような書き方がしてあるから、それで全部社宅に転用してもいいのだというような感じを受けるから、この点の条文が私にはわからぬから聞いているのです。と同時に、そういうようなかっこうは、問題ありとすれば極力避けてもらいたいものだ。だから公募なのかどうかということを私は聞きました。公募である以上は、一人でも希望者があれば入らさなければならぬということがあるわけですから、大会社が、うちが全部借りた社宅であるからおまえたちは入れないというような、そんなばかなことはないはずです。その点を私は言っておるわけであります。同時に、金利の問題なんかにしても、五・五%でなければならぬというふうなかっこうになりますから、そうするとこの原資の金利というものは九%以下になることが必要だと思うのですね。そういうようなかっこうになりまして、農協あたりの、さらには政令で定める融資機関の金利というものが私はかなり問題になってくると思うのでありますが、どの程度の金利を出すのかということと、それから四十六年度において利子補給率というものを三%と押えておるわけでありますが、このために融資機関の平均金利は八・五%にしなければならぬというような状態になっておると思うのですが、その点については、どうか、こういう問題があるわけですが、どうでしょうか。
○多治見政府委員 お答えいたします。 法律の規定上、三・五%以下の利子補給ということで規定してございますが、来年度予算におきましては三%の利子補給が認められているわけでございまして、したがいまして、お話のように、八・五%のものとの融資に対して三%の利子補給をして、五・五%に薄めて対象融資の事業者に貸すということになるわけでございます。したがいまして、ただいまお話がございましたように、全体の建設資金の融資について八・五%の融資が受けられなければこの制度は効果を発揮しないわけでございまして、われわれといたしましては、その点につきまして農協の系統金融といろいろ事前に事務的な打ち合わせをしてございます。 〔委員長退席、大村委員長代理着席〕 それによりますと、現在一応の結論といたしまして、単位農協の資金は九分で貸していただける。それから県信連の段階の資金は八分で貸していただける。これを五分五分の額の割合でお借りいたしますと八分五厘になるわけであります。大体そういった金利で融資していただけるということで、農林省その他関係機関と折衝いたしまして、三%の利子補給をすれば事業者には五・五%の金利で資金が行くというめどを立てておるわけでございます。
○卜部委員 そうすると、農協は農民のための農協ではなくて、農協法の改正等が行なわれましたが、農協建設株式会社みたいな形に変貌するわけですね。これは基本論議になりますが、根本大臣も農民のことについては詳しいわけでありますが、これから土建業者農協、建築業者農協というスタイルに早変わりして、本来の農民の生産を守る、生活を守るというような農協のスタイルから大きく逸脱をしていくような傾向になることについては、私はたいへん残念に思います。しかし、それはこの農住法には関係ないことではありますが、では、住宅融資の資金についてでございますが、この住宅については住宅融資保険法によるところの保険が適用されるかどうか、この点はどうですか。
○多治見政府委員 現在公庫で住宅融資保険をやっておりますが、この制度で建てます住宅につきましてもその制度を適用してまいるつもりでございます。
○卜部委員 いま農協のことに触れたわけですが、農協を中心にするということだけでなくて、個人がその建物を建てるということも考えられると思うのですが、その点はどうでしょうか。
○多治見政府委員 御質問の趣旨がちょっとわかりませんが、この制度は個人が建てるのがたてまえでございます。
○卜部委員 そうなりますと、個人が全部力を合わせまして貸し家組合等を設立することを認める必要が私はあると思うのですが、その点についてはどうですか。
○多治見政府委員 この法案で考えておりますのは、農地所有者個人が建てるのが原則でございますが、そういった農地所有者が共同して団体をつくりまして、その団体で建てるという場合もこの対象にしております。
○卜部委員 いろいろと質問してまいりましたが、この農住宅の問題についていろいろ条文的にただしてまいりますと、先ほどの八条の関係、さらに省令の関係でなおかつかなりつまびらかにされてない点もあります。こういう点につきましては後刻また機会を得て質問をさせていただきたいと思いますが、以上をもって私の質問を終わりたいと思います。どうもありがとうございました。
○大村委員長代理 午後一時二十分再開することとし、この際休憩いたします。 午後零時四分休憩 ————◇————— 午後一時四十一分開議
○金丸委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。正示啓次郎君。
○正示委員 きょうは公明党の北側委員が御質問になる時間を差し繰っていただきまして、私に三十分質問の機会を与えていただいたことをたいへん感謝いたします。 いま提案されて審議されておりますいわゆる農住法案、この問題については、先般来いろいろ熱心な質疑応答がございましたが、今日の社会経済情勢のもとにおいて、少しでもよい住宅を供給するということは国民生活にきわめて深いつながりを持っている重大な問題であります。したがって、この法律案について、これは与党だけではありませんで、野党の皆さんも高い見地からこの法律の使命というものをお考えいただいて、もちろん十分御審議をいただくわけでございますけれども、審議をいたしました暁は、一日も早くこの法案が成立するように、ぜひ各党の御協力をいただきたい、こういうことを第一に申し上げておくわけでございます。 さて、さきの公害国会におきまして、われわれ建設委員会は、御承知のように、下水道の整備につきまして、超党派でりっぱな附帯決議をつけたのであります。この附帯決議は、国会史上後世からもおそらく非常にりっぱに評価せられるであろう内容を持っておる。実は、これは野党の皆さん、特に社会党の皆さんが非常に熱心に研究されたものがああいうふうにりっぱに実を結んだのでありまして、わが国における下水道整備は、これはフランスのナポレオン時代にちゃんとできたものがいまやっと日本にできようとしておるのでございますから、これにはよほどの勇断を持って取り組まないと、とうてい下水道の整備なんというものはできるものじゃありません。その突破口を切り開いた下水道整備に関する与野党一致のあの附帯決議というものは、金丸委員長の名とともにこれは後世に残る、私はこういうふうに確信をいたすのでありまして、今日、御承知のような、いわゆる国有農地問題、あるいは管理価格の問題へ野菜価格の問題、その他住宅問題等、いろいろの国民生活の各般にわたる問題について、与野党が超党派で共通の広場を見出して、国民の待望にこたえていこうという姿勢になった、その契機を与えたものは、実はわれらの下水道整備に関する附帯決議であった、こう申し上げても過言ではないと実は思うのであります。 そこで、そういう見地から、一そう国民生活に密着しておる建設委員会の問題、その他国民生活にいろいろ関係する各委員会の問題について、これからも与党、野党共通の取り組み方、また解決のしかたについて一そうこれから努力していかなければならぬという見地においてきょうは本法案に関連のある貸し家、家賃の問題について、建設大臣をはじめ、公取委員長に——実はきょうはそれに法務大臣を要求したのでありますけれども、就任早々で、とてもとてもそういうむずかしい問題にまだお答えする自信がない、きょうはひとつ専門家の民事局長にかわって答えてもらうからと、こういうことであります。御承知のように、法務大臣は私の役所時代の先輩であって、主計局長として、私はその下で主計官でつかえていた仲でございますので、そう言われてみればやむを得ないということで、民事局長さんにおいでをいただいておるわけであります。 そこで、まず第一に私はお伺いいたしますが、先般の物価に関する連合審査会において、本委員会の委員であり、同僚である社会党の松浦委員からも質問がありましたが、今日の貸し家、マンションその他のアパート等を含めて、貸し家というものがいわゆるセラースマーケットになっておる。だからそういう供給者というものが非常に横暴である。たとえば夫婦二人にアパートの部屋を貸した場合、夫婦なら子供ができるのはだれが見たって明らかなことなんです。ところが、おぎゃあとめでたく子供が生まれたら、われわれはあなた方二人に貸したけれども、三人に貸した覚えはないから出ていってくれと言われる。こういうとんでもないこと、非人道的なことが行なわれておるのも、これはひとえに需要供給の関係において、供給が不足で需要が非常にオーバーをしておるから、いわゆる公正取引ということがそこに実現していないわけであります。そこからいろいろな問題が起こってくる。不当表示の問題等あらゆる問題がそこから起こってくる。 この問題を私は公取委員長にまず伺っておくが、入るときに、幾ら幾らの敷金で、これで何年間これから入っていただいてけっこうですという約束をしておりました場合に、これも一つの表示だと思う。広告でなくても、ちゃんとした一つの表示だと思う。宅地建物取引業法の改正案というものがこれから出てくるわけでありますが、こういう借家をあっせんするところに行って、こういう条件で借間をあっせんいたしますと言われれば、しろうとはこれは信じてしまう。その表示を真に受けて契約を締結する。そうしてある程度住んでめでたく赤ちゃんが生まれたら、出ていってくれと言われる。公正取引委員長、こういうのがいわゆる公正なる表示でありましょうか。正当なる表示でありましょうか。まずその点をお伺いいたします。
○谷村政府委員 一般的には、表示は、多数の人に十分よく了解できるような形において提示されているのが原則でございますので、たとえば書きものになっていて表示されているというふうなのが普通でございますが、ただいまの御質問のように、口頭でそういうことが言われておったというようなのを不当表示として取り扱った例も過去において二、三ございます。ただ、それが非常に不当に表示されていたかどうかということの、そのときのその状況のもとにおいて実際の姿をどうつかむかということは、口頭の話でありますだけに非常にむずかしい問題でございますが、しかし、私どもとして、過去の例でそういうのもやったことはございます。ただし、それは宅地建物の関係ではございません。
○正示委員 宅地建物取引業法、これはいずれ改正案がこの委員会に出てくるわけでございますが、その十四条に、これは読むと時間がかかりますから読みませんが、「誇大広告等の禁止」という条項があります。それからいま公取委員長が言われた不当表示に関する、公正取引に関する法律があります。私はきのうも建設部会で専門家に聞いたのでありますが、この十四条違反の問題とそれから公正取引委員長がやっておられる不当表示の問題、これは、庶民は、さっき申し上げたようなことで、ひどい目にあうとすぐおまわりさんのところにいきたいのです。ひどい目にあいました、警察官、何とかしてくださいといっておまわりさんのところへいきたい。公正取引委員長のところへいくといったって、谷村君はえら過ぎて、とても庶民はあなたのところによういきはせぬのですよ。そこでおまわりさんのところへいきたいのだが、そのときはどの条項でもっておまわりさんのところへいくべきですか。これは建設省の住宅局長ででもよろしいが、公取の委員長からも、お二人に御答弁をいただきます。
○谷村政府委員 おまわりさんと申しますが、一般的に、いろいろ違法なことがあって、それに対して一般人としてその問題を訴え出たいというときには、いろいろなところがあると思います。おまわりさんのところへ行かれました場合には、たとえば宅建業法違反ということで言われてもけっこうでございます。そうなればそういうこととして、罰則の問題としてそのような手続が進むということもございましょう。また、おまわりさんのところへ不当景品類及び不当表示防止法で持っていかれても私はけっこうだと思います。その場合に、事案によっては私どものほうへ御連絡くださると思います。また、おまわりさんでなくても、たとえば都庁の方とか、市町村の生活相談のようなところにお持ち込みになれば、どちらの法律に従ってでもやるようになると思います。法律は、そういう意味では、そういう事件については両方ともオーバー・ラップいたしておる、かように存じております。
○正示委員 谷村さん、一般の庶民は、どの法律がどうだという、そういうことがわからぬのですよ。そこで、宅地建物取引業法の改正案のときに——きのうも同僚の服部議員もこの点については非常に強くいろいろ指摘されたが、私も同感なんです。あなたにはわかるが、あなたのような秀才は世の中に一人か二人しかいないのです。だから、そういうことじゃなくて、いま申し上げたように、若夫婦がそこにあるりっぱな建物の取引業者の表示というものを信頼して部屋を借りて入った場合に、案に相違して、赤ちゃんが生まれたら出ていってくれということになった。そのときに、その法律のどこに違反したかというようなことはとてもとても考える力もないと思います。 そこで法務省の人に伺いたいが、現在の借家法ですね、これは一般に非常に借家人を保護しておるものだ。きょうのある新聞に、「自分の首をしめる借家法」ということで、名古屋のある学校の先生からの投書が出ておるのですね。これは、あまりにも借家人を守り過ぎたがために、今日住宅を供給できるような者でさえも二の足を踏んで住宅の供給を差し控えておるような状態だ、結局自分の首を締めておるような借家法だ、こう出ておるのだが、民事局長さん、借家法からいって、間代を払って部屋を借りるというようないま言った事例の場合には、一応借家法はそれを保護しますか。
○川島(一)政府委員 お答えいたします。 子供が生まれた場合には家を出ていってもらいたい、こういう趣旨の契約がしばしばなされておることは私も承知いたしております。そこで、こういった契約の効力の問題でございますが、これは一種の期限と申しますか、条件と申しますか、そういうものをつけた契約であるというふうに思われますが、一般に借家法は契約の終了する期限あるいは条件を付するということは禁止いたしておりません。しかしながら、他方におきまして、借家法は借家人を非常に保護いたしておりまして、正当な理由がなければ明け渡しを要求してはいけないといったような規定を置いておるわけでございまして、さらにそういった規定を潜脱するような、いわば脱法的な行為をすることも同時に禁止しておるわけでございます。そういった規定の趣旨から申しまして、ただいまお取り上げになりましたような条項、これは一般には無効であるというふうに解釈されております。判例といたしましては、私の調べました限りでははっきりしたものが出ていないようでございますけれども、借家法の解説書、学者や実務家の書いております本には、いずれもそういう契約は原則として無効と解すべきであるということを記しております。
○正示委員 非常に精緻な法律論をいまやられたのでありますが、その前に、結婚したての夫婦が子供ができるということは、これは天地神明の摂理のしからしむるところである。そしてまた、日本民族のためにも、そういうことがなければ日本民族は絶えてしまいますよ。だとするならば、いわゆる民法の公序良俗論をまつまでもなく、子供ができたら出ていけというような借家契約、借間契約、こんなものが効力があるかどうかというようなことを議論する前に——そういうものはいま申し上げた民法の公序良俗でもいいんですよ。こんなものはもう絶対に無効であるということを、民事局長、あなたは法務省を代表して、学説なんぞ言わずに、ここではっきりとまず断言してください。だから私は法務大臣に出てこいと言ったのだけれども、出てこないんだ。これは重大な問題ですよ。もう一回答弁を求めます。
○川島(一)政府委員 私がここで申し上げることがどれだけの価値を持つかということもございますが、実は、個々の事件につきまして、法律の解釈は裁判所が最終的にいたすわけでございます。しかし、私の自身の考えを申し述べさせていただきますならば、先ほど申し上げましたような無効であるとする見解が正しい解釈であるというふうに考えております。
○正示委員 そこで、私は、建設大臣がたいへんな重大問題と考えておられ、またわれわれ与党が同じ考えをもってたびたび国会に提案しては流れた地代家賃統制令というものをここでもって出さざるを得ないのであります。いまお聞きのように、借家法によって保護せられているはずの一般庶民が、今日は非常な苦しい羽目に追い込まれておる。だからそういう借間人を保護しなければならぬということを、先般の連合審査会において松浦委員が主張をいたしまして、政府を代表して建設大臣は、そのとおりでございます、前向きに考えますということを言明されましたことはまだ記憶に新たなところでございます。ところが、いまの質疑応答をお聞きくださってわかったように、借家法の主管大臣は法務大臣なんです。そこで私はきょうは法務大臣にぜひ出てくとお願いしたのでありますが、出てこない。 そこで、地代家賃統制令で建設大臣にお聞きをいたしたいのですが、昭和三十七年に改正になりまして、そのときのいわゆる統制額というものがございまして、それが四十六年の今日にも行なわれておるのであります。あらゆる物価が暴騰していって、物価問題特別委員会というものが国会にできておる。政府もあげてこの物価問題に取り組んでおる。しかるに、地代家賃というものは昭和三十七年にストップされて、今日これを是正することができない。そんなことをしておいて、住宅を建てなさい、建てなさいと一方ではやっておる。それは、地代家賃統制令というものの対象になっておるのはきわめて微々たるものではございますけれども、そこに住宅政策の非常な矛盾を私は感ずるわけです。そういうことからいって、先般、建設大臣が、社会党の松浦委員の御質問になった家賃の適正化あるいは借家条件の適正化ということについて前向きに取り組みたいと御発言になったが、私は全くそれは正しいと思う。だから、建設大臣より前にきょうは法務省民事局長が出てこられて、法務大臣代理として、いま私が申し上げたような趣旨からいって、赤ちゃんができたら出ていってくれというようなことは、法務省としてもそんな契約は無効だと思います、いわんや契約していないで、まあお二人で入っていただきましょうと言っておいて、あとになって三人を入れるというような契約はしておりませんというようなことを言って出ていけというのは言語同断だ、いまあなたはそうおっしゃった。これは不当表示である。さっき公取の委員長の言ったとおりであります。そういうことで、これは分けて考えていくべきだと思いますけれども、しかし、とにかくもっと一般庶民にわかりのいいように借家法を改正して——今日はセラースマーケットで、借家供給量は非常に少ない。そして需要が何十倍多いから、そこにどうしても一種の寡占価格が起こっておるのです。だから、野党の皆さんはいま管理価格取締法というものを出そうじゃないかと言っておるが、こんなときには、住宅問題なんというのは、やはり一種の寡占価格なんですから、そういうものに対して、借家法というのは、あれはたいへん古い法律でありますから対処できない。地代家賃統制令も今日からいえばアウトオブデートです。借家法もまたしかり。歴史的使命を果たしたけれども、こういうものは一方は廃止し、一方は改めて、そして地代家賃統制令のような趣旨のものを、今日の情勢に合ったような借家法として、借地借家の適正化に関する法律として私は考えていくべきだと思うのですよ。これは法務省と建設省と両方に関係があると思いますが、まず法務省の民事局長にこの点についての御見解を伺っておきます。
○川島(一)政府委員 御指摘のとおり、借家法は大正十年にできた法律でございまして、非常に古い法律でございます。最近では昭和四十一年に改正いたしておりますが、これはほんの一部分の改正でございまして、必ずしも現状に合っていない点もまだ残っているかと思いますが、その点につきましては十分研究をいたしてまいりたいと思っております。
○正示委員 そんなゆうちょうなことではだめですよ。こういう問題は毎日起こっていますよ。今後研究していきますなんということではだめですよ。法務省と大蔵省は昔から名門で、とてもスローモーションですが、しかし、こういう問題だけは、民事局長さん、植木法務大臣がスローモーションでも、これはひとつしりをひっぱたいてやらぬと、毎日毎日国民はいま困っているんですよ。赤ちゃんができて、それから日は照らないし、ひどいところでいじめられているので、そんな、これから研究するなんということでは困るのです。地代家賃統制令もこれは時代おくれだというのは、あなたは法律家だから、建設省の所管だからそんな法律は知りませんとは思っていないでしょう。こんな地代家賃統制令というものは全く困ったものだ。総動員令に次ぐ法律ですよ。それからあなたのほうの借家法もそうであるというのなら、これはひとつ一諸にして別途の法律に切りかえるべきであるということを専門の者ならすぐに頭に響くはずだと思うが、もう少し前向きの答弁をしてくださいい。法務大臣にかわって。
○川島(一)政府委員 非常にむずかしい問題があろうと思います。御承知のように、借家法ができる前は非常に借家人の地位が不安定であった。そこで借家法によりまして借家人の地位を強化していった。それが現在の時勢から見てまたどうかというような関係にあるわけでございまして、これはいろいろなそのときどきの社会情勢なりあるいは住宅の供給状況等いろいろな事情によるわけでございますので、法律的な立場だけから論じられない問題であろうと思います。したがいまして、ただいま御指摘のございました地代家賃統制令につきましても非常に問題がございますので、その点は建設当局と十分相談いたしまして、前向きに検討を進めたいと思っております。
○正示委員 時間が非常に限られておりますのでどうもしかたがないのでありますが、私は建設大臣にちょっと伺いたいのです。 この地代家賃統制令、最後の改正は昭和三十七年ですか、四十一年にも改正されておりますが、たしか私は三十七年の額にいま押えられていると思うのですね。ところが、これはかわいそうだからといって額を引き上げてみても、一方で借家法というものがございまして、この借家法の規定によりますと、第七条ですが、家主と借家人が協議をいたしまして、「借賃ノ増額ニ付当事者間ニ協議調ハザルトキハ」云々とあるわけでありますね。これは民事局長もよく御承知の条文です。そこでこれは建設省で、上げてやらなければかわいそうだといってかりに額を上げても、家主とたな子と両方で争いになって協議がととのわないときには、上げることを借家人ががえんじないときにはどういうことになるのですか。この借家法で上げられはせぬでしょう。だから私はさっき、不当なるものを押えることについては立法が要るということを言ったのですよ。一方は、不当に低いものでも、現在の借家法からいってこれは是正することができない。上へもいかれない、下へもいかれない。がちっとしてあるわけです。これはソ連以上、中国以上にべらぼうなたいへん不自由なことになっておるのだ。だから建設大臣、そういう点からいっても、現在の地代家賃統制令と借家法あるいは借地法というものは、松浦委員が社会党を代表していみじくも先般指摘したるがごとく、今日の情勢に合ったように改めるべきものだと私は信じて疑わない。この点について建設大臣から御答弁をいただきたい。
○根本国務大臣 御指摘のとおりでございます。先般も予算委員会でこの問題が出たときに私も一部御答弁申し上げましたように、この立法をした当時と社会情勢が非常に変わってきております。それで結局、借家人を保護したつもりなのが、実は保護されていない。あるいはまた住宅政策にプラスとなると思っておったことが実はマイナスになっておった。こういう事態が両方に関係してあると思います。それで、この問題については、今国会でいますぐ立法手続をするということはできない。国会の時間的な関係で困難ではないかと思っておりますが、両方相勘案して立法措置で調整をとった上、一方は廃し、一方は借家法で統一的にこれを処理したほうが立法政策上正しいのではないかと考えております。したがいまして、よく国会の御意向もそんたくしつつ、法務省と十分に連絡をして、これの改正について前向きで検討したいと思います。
○正示委員 外交、防衛等については、各党ともそれぞれ譲り得ざる一つの線を持っております。外交、防衛等の問題において超党派ということを直ちに実現することはむずかしいと私は思う。しかしながら、われらの建設委員会のこの場で取り上げるような住宅問題、あるいは下水道の問題あるいは道路の問題、あるいは物価の問題、こういう問題については、これは非常に緊切なる庶民の生活に直結した問題でありまして、さきに社会党の先生方がおられないときに申し上げたように、下水道に関するあの附帯決議は歴史的なものであって、それは社会党の先生方の発意によってできたのである。先ほど私はこういうふうに歴史的に評価をいたしたわけでありますが、この住宅政策を推進していく上に桎梏となっている、手かせ足かせとなっているような古い法律を改正して、今日の新しい情勢に合ったようなものにしていくということにおいても、すべからく超党派的に取り組まなければ、われわれを支援した国民に対して申しわけないと、日夜この心配で私は眠れないのであります。 きょう北側先生に貴重なる時間をいただいて質問をいたしましたのも、その切なる私の憂いをここにぶつけて、各党の先生方の挙党一致の、また超党派の御支援をお願いいたしまして、私どもに課せられたいわゆる負託にこたえていかなければならぬ、こういう信念に燃えて申し上げたわけであります。この点について建設大臣から、必ず善処されるという御答弁をもう一度いただいて、私の質問を終わらしていただきます。
○根本国務大臣 ただいま申し上げたとおりで、これは国会の皆さんと十分に意思疎通をいたしながら、前向きでこの問題と対処したいと思います。
○金丸委員長 北側義一君。
○北側委員 午前中に続きまして、農地所有者等賃貸住宅建設融資利子補給臨時措置法案について審議してまいります。 まず都市計画の線引によるところの市街化区域内の農地の住宅への開放、これが今回の一応法案で示されておるわけでありますが、農民が先祖伝来の農地を手放すことなく、都市化の大勢、社会情勢に合わせて賃貸住宅の経営をする、まことにこれはけっこうであると思うのですが、そのもう一歩前に考えなければならないことは、この線引きされた市街化区域内の農地の扱いを今後どのようにやっていくかということが地価問題に非常に大きく影響してくるのではないか、このように私は考えておるわけなんです。やはり地価政策上からも、公共団体がそういう農地につきましては優先的に取得するようにやるとか、また、買い取り請求、先買い等の制度とともに強力な財政措置を講じていかなければならないのではないか、このように私は考えておるわけなんですが、建設大臣として、このように線引きされた市街化区域内の農地に対しての地価政策をどのように考えておられるのか、まずそれをお伺いしたいと思います。
○根本国務大臣 御承知のように、新しい都市計画法において線引きしたゆえんのものは、現在のように、民間デベロッパーあるいは土地を一つの投機の対象にするような人たちが、財産保持あるいは利潤追求のために無秩序にどんどんとやっていくために、非常な大きな自然の破壊と地価高騰を来たしておる。これを是正して、少なくとも今後十年間に都市化すべきところのものを予測して、それだけのものは全面的に市街化区域に確定してしまう。そうしたところの地域内においては、道路、街路、下水、上水道あるいは緑地、公共施設というものを、政府が地方自治団体と一緒になって、全面的に優先的に都市化を進めていく。そのかわり、調整区域になったところはできるだけ緑と太陽を保持させて、そこによい環境をつくっていって、そこは原則として都市化をしない、これがねらいでやっておるわけでございます。したがいまして、従来土地が非常に高いというのは、ある意味においては、市街地が実際上国民から見るならばどの程度必要か全然わからぬものだから、あそこに投資したならば必ず上がるだろうという気になっております。現在の市街地が全国土の中に占めるところの比率はわずか一・二%ぐらいのものであります。したがって、土地が絶対に足らないのじゃない。今度農地法の改正といまの線引きができますれば、これで少なくとも二倍半近くが市街化地域になってしまいますから、その点は、一般の国民に対して、今度は地価が上がらないのだという一つの目安が出てくる。 ところで、いま御指摘になりましたところの、その線引きされた中における土地を優先的に公共的に取得したらどうかということでございますが、これも一応考えていますが、これは国が直接買うということは必ずしも適当じゃございません。そこで、これは、できるだけ地方自治体、都道府県もしくは市町村がこれを入手して、そしてこれをやらせるか、あるいはまたそこにおられる方々の区画整理事業でこれを市街化していく、そして手放さずにこれが良好なる宅地を供給することによって開発する。二つの点があると思うのです。そこで、公共事業体が入手するためには、土地基金制度あるいは先買いのための資金の供給もはかっておるということでありまして、両方相まってこれの高度利用を考えるべきだと考えておる次第であります。
○北側委員 大臣の答弁にありましたとおり、地価政策にとりましてこの扱い方というのは非常に大きな影響をするのじゃないか、このように考えておりますので、いま大臣が御答弁になられたような方向で強力に進めていただきたい、このように思っております。 この法案でありますが、最後の附則におきまして、第二期住宅建設五カ年計画の最終年度である昭和五十一年三月三十一日までの臨時措置法、このようになっておるわけです。これは住宅金融公庫の土地担保賃貸住宅と関連して、この両者の方向づけとしては今後一応どのようになるのか、このように期限がなっておっても、なお考える余地があるのかないのか、そこらのことをお伺いしたいと思います。
○多治見政府委員 お答えいたします。 表題にございますように、臨時措置法ということで、臨時措置としてこの利子補給の方法で住宅を建てるということを考えておるわけでございますが、現在公庫で行なっております土地担保賃貸住宅の融資の住宅と、目的とする住宅あるいは実際に建つ住宅と大体似通った性格のものでございますので、それの相関関係についていろいろ問題がございますが、この法案でねらっておりますのは、現在のいろいろな土地の条件、それから経済条件、農協の資金を活用したいというような特別な条件等を考えまして、五年間でこれだけのことをやりたいという臨時措置として現在の時点では考えておるわけでございますが、これは今後実施いたしまして、その経過によりましては五年の後にはあらためて検討する必要があるというふうに考えております。
○北側委員 わかりました。 この法案を審議しますに際して、都市計画法の線引き状況をどうしても知らなければいけないと思いますので、そのほうの予定についてお伺いしたいわけですが、本来ならば昨年の六月にこの線引きが終了する予定であったわけでありますが、非常におくれておりまして、随所でいろんな物議をかもしておるように私は聞いておるわけです。まず、この線引きの現在の状況、これがどのようになっておるのか。二つ目には、市街化区域内の最終面積と、そこに含まれる農地面積及び対象人口はどれくらいになるのか。三つ目には、都市計画法にある、十年間で環境の整った市街化区域にするための公共投資額の見通しと達成の見込み。なお四つ目には、市街化区域内のうちで用途指定をした場所があるのかないのか。市街化区域の中で、市街化区域については用途指定がなされるわけですね。その用途指定がなされた場所があるのかないのか。この四つについてお伺いしたいと思います。
○吉兼政府委員 まず最初の線引きの進捗状況でございますが、御案内のとおり、市街化区域の設定の作業は全国の八百八の市町村を対象にして実施をしてまいっておりますが、二月の二十日現在で六五%の市町村につきまして区域設定の事務を完了いたしております。今後の見通しといたしましては、私どもは、鋭意努力をいたしまして、少なくとも年度末までには八五%程度まではこぎつけられるのではないかと思っております。なお、残余の分につきましても、もうすでに公聴会等の開催の時期にも入っておりますので、一そう督励をいたしまして、本年の八月ころまでには全地域の区域区分が完了するように指導してまいりたい、かように思っております。 おくれました理由等につきましてはいろいろございますけれども、それは別にいたしまして、お尋ねの次の第二点でございますが、市街化区域内におきますところの農地面積はどの程度かというお尋ねでございます。現在の八百八の関係の市町村の市街化区域内百十八万ヘクタールでございますが、そのうち農地面積が三十万ヘクタール、さらに農地のうち水田面積が十八万ヘクタールというふうに推定をされております。 それから市街化区域内の人口のお尋ねであったかと思いますけれども、人口は、私どもの推定では、政令適用の先ほど申し上げました八百八の市町村の区域で申し上げますならば、四十年の人口が五千二百万人でございます。四十五年が六千八十万人、昭和五十五年、今後の十カ年間の見通しといたしましては、これが八千百六十万人程度になるであろうというふうな推定をいたしております。 それから最後に、この市街化区域の整備についての今後の公共投資の見通しはどうか、その実現の可能性いかんというお尋ねであったかと思いますが、いま私どもは、この市街化区域の設定作業を終わりますと、これを十カ年間で名実ともに町づくりをやらなければならないという大きな課題を持っているわけです。これの長期の整備方針といいますか、整備計画の作業をいま立案中でございます。まだ最終的な計画まで至っておりませんが、現在のところの試算では、根幹になりますところの道路、公園、下水道とか、そういったような都市施設の関係の投資額が十カ年間で二十二兆円とか二十四、五兆円というくらいの大きなものになるのではないかというふうに試算をいたしております。 この投資額がはたして実現可能かということでございますが、これも、今日の都市区域に対するところのこういう公共投資の伸びでいきますと、大体二二、三%程度の公共投資の伸び率でもって押し上げていくならば実現可能であるというふうに私どもは考えております。 以上、お尋ねの点に簡単にお答えいたします。
○北側委員 最後に、四つ目の市街化区域の指定について……。
○吉兼政府委員 市街化区域を設定した地域については、かなり用途地域を指定しているところがございます。まだ未指定のところもございますけれども、かなりの部分が用途地域を旧法時代から設定しておるわけでございます。それを新建築基準法によりまして、切りかえの作業がこれから起こっております。
○北側委員 この法案では、御存じのとおり、首都圏の既成市街地もしくは近郊整備地帯、また近畿圏の既成都市区域もしくは近郊整備区域、中部圏の都市整備区域、このように市街化区域内にやられている。このようになっているわけですね。そうしますと、ここにいま八百八市町村のうち六五%だから、三五%、約三分の一が残っておるわけですね。その点、これに該当する市街化区域というのはもうすでに線引きが終わって、そのように市街化区域が指定されておるのか。これをまず伺いたいと思います。
○多治見政府委員 この法案の目的といたしております住宅につきましては、市街化区域内ということを明示しておりますので、市街化区域が決定した後でなければこの事業はできないということになっております。
○北側委員 そうしますと、一応ここに規定した首都圏、近畿圏、中部圏、ここで仕事をやるような見通しはどうなんですか。この法案についての、いわゆる利子補給者の団地ですね、これができるような地域の状況に現在なっておるのですか。
○吉兼政府委員 市街化区域の設定を前提といたしましてこの新しい制度が発足するわけでございまして、設定の状況はどうかというお尋ねかと思いますけれども、首都圏近畿圏、中部圏で申し上げますならば、首都圏は、この法案に関係する地域について市街化区域はもう完了いたしております。近畿圏につきましては、京都府下、京都市、宇治、亀岡ほか十四市町村、この地域はまだ線引きは作業中でございます。それから中部圏は完了いたしております。
○北側委員 そうしますと、一応首都圏と中部圏はだいじょうぶということですね。都市計画法で市街化区域内は用途地域には指定されないんじゃないか、こう思うわけなんですが、その場合に、この法律によりますと、第二条の第二項第二号の「政令で定める面積」、ここで公共面積を除いた一団地の面積の五〇%に相当する部分が水田である、このようになっておるわけです。そうしますと、私が心配しますのは、市街化区域になっておって用途指定されておらない、そこへこれを建てた場合には、用途指定があるから、その用途指定ができるまでは建て得ないということになるのか、その点もう一ぺんお伺いしたい。
○多治見政府委員 市街化区域の中で建てます場合に、用途地域の規制に従いますことは当然でございます。したがいまして、この事業を実施するにあたりまして、用途地域の規制に従い計画を立てるわけでございますが、御承知のように、都市計画法の今度の線引きと建築基準法の改正によりまして用途地域の指定がえが行なわれます。したがいまして、それと歩調を合わすといいますか、それと調整しながらこの事業を実施しなければいけないということになっております。ただ、この事業の実施にあたりまして、御承知のように、区画整理の方法において、あるいは開発許可を得なければならないということで、都市計画法上の制約がございますので、そういった面で、都市計画の決定者であります知事が、この事業とそういった用途地域の調整をとってやるという機会がございますので、その点についての問題はないというふうに考えております。
○北側委員 いずれにしましても、せっかく大臣が相当力を入れられて、住宅難解消のためにやられた法律である、このように私は受け取っておるわけなんです。ひとつ線引きのほうも早くやって、早くこれができるようにやってもらいたい、これを要望しておきます。それとあわせて、先ほど申しましたとおり、第二条の二項の二号において、水田が五〇%含まれなければならないとなっておりますね。ここに非常に問題があるのじゃないかと私は思うのです。市街化区域と申しましても、先ほど申されたとおり、水田の面積が当初予想に比べますと非常に広くなってきておるわけです。そうすると、なるほど水田もあるでしょう。水田がありましても、そういう水田を五〇%とるというような場所は非常に社会環境施設というのは整っておらないのじゃないか。たとえばガス管とか、上水道とか、下水道とか、それから道路とか、いろいろな問題があろうと思うのですね。そういうものが整っておらない場所が、やはり水田五〇%もあるような地域ですと、なってくるのじゃないか、このような心配をしておるわけなんですが、その点どうでしょうか。
○多治見政府委員 お答えいたします。 確かに、お話のように、水田が市街化区域内に残っている場合に、その地域におけるそういった公共施設の整備がおくれているのじゃないかというお話でございますが、現在われわれの調べましたところでは、市街化区域内に約七万ヘクタールの水田がございますけれども、これにつきまして、この法案の目的といたします事業に適した水田というものも多量にございます。具体的に調べた例がございますけれども、この事業の全体の遂行には支障のない程度の面積があるというふうに考えております。
○北側委員 具体的に調べられたことですから間違いないと思いますが、やはりこれは、その具体的な土地があっても、そういう具体的な場所へ土地の地主が申請するかしないかということも加味されるわけですからね。こちらが具体的なものと思っても、向こうが申請しなかったら、地所にうちを建てましょうと所有者が言わなかったら、建てなさいというふうに押しつけることもできないのですから、そこらのところもありますから、やはり慎重にやらなければいけないのではないか、こう思うわけです。それと、やはり利子補給する以上は、その賃貸価格に規制が行なわれるのは私は当然だと思うのです。その賃貸家賃ですね。いわゆる団地の家賃、これについてその算出基準としての一番問題になるところは地代をどう見るかということじゃないかと思うのですね。その地代の見方によって非常に大きくその家賃が変わってくるのじゃないか、こう思うわけです。その場合建設すべき土地についてはどのように見ていかれるのか、それをお伺いしたいと思うのです。
○多治見政府委員 お答えいたします。 地代をどう見るかということでございますが、これは地価を評価して、それの五%を地代として家賃に算入するということで、通常の担保賃貸住宅の場合と同様にその地価を評価いたしまして、その五%を家賃に組み入れるということで考えていきたいというふうに考えております。
○北側委員 そうしますと、結局宅地として見ていかれるわけですね。農地としては見ないわけですね。その場合の固定資産税、相続税、これとの評価の問題ですが、ここらはどのように考えておられますか。
○多治見政府委員 やはりその上に住宅を建てるということで、当然宅地として評価してもらって、税金の関係その他も宅地として見るということになると思います。
○北側委員 わかりました。 それでは、先ほど卜部さんもおっしゃっておられたわけですが、これはやはり第八条の問題なんです。これは大臣の答えておられた答弁もよくわかるわけでありますが、こういう経営の立場から見るならば、そういうように一括して会社からごそっと家賃が取れるほうが経営者としては楽ではないか。その場合に住宅難の解消の一環になっておりますと言われたのですが、しかし、建てる戸数がことしは二千戸、五カ年計画で五万戸ですが、実際問題として知れておるわけです。そこでやはり公募されて、個人的に申し込んでいけるような状況になるかどうかということを私も同じように心配しておるわけです。特に利子補給をされて、その分だけは普通の民営のマンションあたりと比べますと家賃が安くなるわけですね。そうしますと、会社が金を投資して自分の社員住宅を建てるところよりも安くつくのではないか。そういう場合に、個人の貸し付けというものは減ってきて、そういう企業でなくして、ほかの一般の住宅に困っておるような人、住宅がほしいなと思っているような人は申し込みの対象にならなくなってくるのではないか、こういう心配をしておるのですが、その点どうでしょうかね。
○多治見政府委員 先ほどもお答えいたしましたように、一応公募を原則としてやる予定でおりますが、その場合に、従業員五人以上の事業者に対しても貸せる規定になっておりますので、その面において確かに社宅的な役割りを果たすという面もございますけれども、ただ、その社宅といいますか、従業員五人以上の事業者が社宅として借ります場合に、これを従業員に貸す場合の条件として、一般の個人に貸す条件と同じ、あるいはそれ以下ということで貸すように規定するつもりでございますので、一般の個人が借ります場合とそういった事業者の従業員が借ります場合と全く同じ条件、あるいは従業員のほうが有利な条件で借りられるという結果になるようにはからっておるつもりでございます。
○北側委員 では、その住宅の構造なり、規模、家賃は、公団と比較されて大体どれくらいになっておりますか。
○多治見政府委員 構造、規模、設備等につきましては、公団の中層住宅を一応の目安といたしまして、大体それに似た住宅の構造、規模で団地を形成するというふうに考えております。
○北側委員 規模とそれから家賃を、公団側と今回できる団地と比較してみたいと思うのです、それをお答え願いたいと思います。
○多治見政府委員 家賃でございますが、われわれのほうでもいろいろ試算をいたしておりますが、今度のこの利子補給の方法で建てます住宅については、立地条件についていろいろな条件がございますので、家賃もそれに応じまして動変いたしますので、具体的に幾らという数字は出てまいりませんが、大体の平均的な見通しとしてわれわれが試算いたしております数字をかりに申し上げますと、公団が大体二万二千円前後の家賃の場合に、その方法でまいりますと一割ないし二割高い家賃で貸すという結果になるであろうというふうに試算いたしております。
○北側委員 ここらは家賃の中の地代の見方ですね。これがやはりこういうふうになってきておるのではないかと思うのです。積算の一つの基準としてやはり五%地代を見ておるということがここらになってくる理由の一つではないかと思うのです。できたらやはり公団並みに——土地は農民自身が持っておられるわけですから、たとえば大根をつくったり野菜をつくるよりもまた米をつくるよりもその家賃の収入のほうが多いということはすでに木更津とか横浜で積算されてかなり出ておるわけです。また、あまり農地の所有者がうまみがありませんとこれはやりませんが、しかし、この家賃の問題は非常に大事な問題じゃないかと思うのです。と申しますのは、やはり市街化区域というと、先ほど申しましたように非常に遠い場所もありますし、もしそういう場所へこれを建てますと環境整備が悪いということも考えられます。社会環境施設が悪い。また、交通の不便なところでも建つような条件になってきているのではないかと思うのです。そういうことを考えますと、入居者がなくなるという心配もあるわけですから、投資した資金が焦げつくということも逆の面から考えられるわけです。そういうあらゆる面から考えて、家賃について、やはり十年間も三分の利子を補給する以上は、そこにもう少し発言権がなければならないんじゃないか、このように考えるわけです。
○多治見政府委員 確かに、お話しのように、家賃の積算は非常にむずかしい問題でございます。お話しのように、高くなってくれば入居者がなくなるという問題もございます。したがいまして、いまの計算方法のわれわれが予定いたしております方法の地代の五%という積算は公団と同じでございます。それで、一応そういった積算をいたしておりますが、これは上限でございまして、家賃をきめます場合に、所有者がそれ以下で、家賃を引き下げて貸すということも考えられるわけでございます。事実、現在公庫でやっております土地担保賃貸住宅につきましては、同じように地代の家賃内に組み入れられる額をきめておりますけれども、その計算だけでまいりますと、大体公団よりも少し高くなるという計算になるわけでございますけれども、実績から申しますと、実際の家賃はそれより下がっております。それで、その下がっております理由は、やはり地主が地代相当額について五%ぎりぎり取らずに、四・五%あるいは四%ということで取っているというのが家賃が下がっている理由であるというふうに、現実はそうなっております。
○小川(新)委員 関連して一問お尋ねいたします。 市街化調整区域内の都市計画税というものは今後どうするのですか。
○吉兼政府委員 新法の関係で線引きが終わりますと、市街化区域内は当面都市整備を進めていかなければならぬというたてまえ上、都市計画税を取る。それから市街化調整区域は原則として都市計画税は取らないというふうな指導をいたしてまいりたいと存じます。
○小川(新)委員 そうすると、昭和四十七年の、地方税法改正の、一月一日からの固定資産税を上げる時点において、市街化調整区域内における都市計画税は取らないことになりますが、四十六年度はどうするのですか。
○吉兼政府委員 お答えいたします。 四十六年度は線引きとの関連かと思いますが、四十五年、昨年中に線引きが完了しておりますところの市町村につきましては、たしか一月一日現在の評価になります。四十六年度からは市街化調整区域からは都市計画税は取らないというふうな方向で自治省も指導されるというふうに私ども伺っております。
○小川(新)委員 そこで、局長、四十七年の一月からは取らないことはわかっおるのですが、そうすると、四十六年、ことしは本来線引きというものは終わってなければならないのですね。だけれどもおくれておる。だから、三月三十一日、本年度末には大体予想を立てて、自治省では固定資産税の準備を始めているのですよ。都市計画税の準備も始めている。そうしますと、四十六年の三月以降の四十七年一月までの間は、都市計画税を取ったら、調整区域になってしまったところは困るじゃないですか。私のところはいままで納めていたんですよ。今回市街化調整区域に入ったけれども、まだ取られているんです。調整区域になっても都市計画税を納めているということは、税の公平の原則からいったって不公平じゃないですか。市街化区域に入っている人なら取られてもけっこうだけれども、調整区域に入っておるのにまだ現実に私は取られておるのです。それを四十七年まで払うのですか。こんなばかな話はないと思うのですが、どうですか。
○吉兼政府委員 御指摘の点につきましては、経過措置の問題かと思いますが、その点自治省とも早速よく調整をいたしまして、後ほどまたお答え申し上げたいと思います。方向としましては、全く先生のおっしゃる方向でこれを措置しなければならぬものだと私は思います。
○小川(新)委員 それはそう言われても、私どもはいままで長い間納めていたんですよ。はっきり言って返してもらいたいですよ。いままで市街化するんだ、市街化するんだといって高い都市計画税を払わされておいて、今度線引きが引かれました。おまえさんのほうはもう向こう十カ年は公共投資しない、市街化しないというのですから、本来ならば私どもは何年間も納めた都市計画税の還付を願いたいくらいなんですが、なおかつ四十六年いっぱい納めるなんて、そんな都市計画税は、人権無視、無慈悲、血も涙もないやり方じゃないですか。だから私は北側君の質問に関連して言っているんです。これははっきり答えを出してもらわなければ困るんです。どうなんです。
○吉兼政府委員 私、帰りまして、さっそく自治省と緊急にその辺の調整をいたしたいと考えております。
○小川(新)委員 大臣、これは大事な問題なんですね。これは四十六年から私どもが返してくれといったって、納めてしまったものをいま返してくれというわけにもいかぬでしょうけれども、大臣、線引きは政府がやったんですからね。私どもが市街化調整区域に入りたいと言ったわけじゃないのです。政府がこういった都市計画という一つの土地利用規制というものをきめられたんです。言うなればわれわれはその犠牲者です。それを、納めた税金は返してくれない。なお四十六年から四十七年まで取られるなんて、こんなばかなことは許されないと思いますが、今まで取られた税金は返してもらえるものか、もらえないものか。四十六年一年間はどうするのか。大臣としてはどういうふうにお考えですか。
○根本国務大臣 税の問題は自治省の問題ですから、それは適当じゃないと思いますから是正するように私のほうから申し上げておきます。
○小川(新)委員 そこで、大臣、もう一点お尋ねしたい。時間がありませんからこれで終わりますが、建設省で出した土地対策推進要綱においては、都市計画税を三倍取らなければ市街化区域内の公共投資には財源がないということがいわれているけれども、都市計画税というものは、市街化区域内においては、三倍もしくは二倍というような高額な値上げというものを踏まえた上で公共投資というものを考えられているのかどうか。これは大事な問題なんですが、局長でも大臣でもどちらでもよろしいですからお答えいただきたい。
○吉兼政府委員 先刻北側先生の御質問に私お答え申し上げたんですけれども、今後十カ年間の市街化区域の整備についての財源等の見通しはどうかというお尋ねに対しましてお答えしたのですが、目下私どもはその辺を試算中でございまして、まだそういう固まった計画までは持ち得ておりませんが、大体の方向としましては二十四、五兆程度の公共投資が要るのではないかというふうに踏んでおります。問題は財源でございまして、その財源調達の方法としまして、都市計画税というものもやはり有力な財源になってくるわけでございます。ところが、都市計画税というものも、現行の税率等でいきますと確かに財源的な問題があろうから、これはやはり将来都市計画税を税制の中において均衡を失しない範囲において少し上げていく。応分の負担という意味において、そういう方法を検討すべきものであるということで目下検討中でございますので、御了承いただきたいと思います。
○小川(新)委員 局長が発言したことは大事な発言ですね。都市計画税の値上げの方法を検討するということですな。私はそういうふうに了解しましたけれども、それでよろしいですか。
○吉兼政府委員 まだ確定というところへはいっておりませんが、いまそういうことで私ども部内で検討中でございます。これは最終的には自治省の所管のことでございますので、成案を得ました上で自治省とも調整をはかってまいりたいと思います。
○北側委員 では、続いて。この利子補給契約によりますと、「政府が利子補給金を支給することができる年限は、当該利子補給契約をした会計年度以降十二年度以内とする。」というふうになっているわけですね。そうして、この利子補給契約の会計年度が切れた以後の家賃についてはどのように考えておられるのですか。
○多治見政府委員 お答えいたします。 八条で「利率が年五・五パーセントである間は、」という表現を使っておりますが、その間だけは、「みずから居住するため住宅を必要とする者又は事業者でその使用する従業員に対し住宅を貸し付けようとする者以外の者に賃貸してはならない。」というふうな制限がついておるわけでございますが、「当該融資の利率が五・五パーセントである間は、」という表現は非常に回りくどい表現でございますけれども、要するに利子補給をしておる間ということで、その利子補給が終わりました後につきましてはこういった制限はなくなるというふうに考えます。
○北側委員 そこで、この住宅にかりに入居する場合に、利子補給されておる十年間はいいんですね。一応二万二千円なり二万四千円でやっていけるわけなんです。ところが、そこで利子補給が切れたとたんに三万円になり、また三万二千円になるようでは、入居なさっている方は非常に困ると思うのです。そこらの配慮が、これには全然ないわけですね。やはり三分、十年間利子補給した以上は、その利子補給が切れても公団の家賃と同じように、傾斜家賃というか、あのような形でやらなければ、一挙にこれが上がってしまうようでは入居する人がたまらぬと思うのですよ、実際問題として。これはどういうふうに考えておられますか。 〔委員長退席、大村委員長代理着席〕
○多治見政府委員 利子補給の期間を過ぎました場合に、政府といたしましては利子補給をやらないわけでございますので、それの規制はできないということで規制はいたしておりません。ただ、融資を受けまして事業を実施する方、要すると住宅の持ち主でございますが、それとこの事業を実施するために融資する融資機関、これとの間の融資契約は、要するに二十五年間八分五厘で縛っております。この二十五年間八分五厘の利子で金を貸しますという融資契約について十年間利子補給するということになっておりますので、それによって二十五年間の家賃は一応計算できるわけでございます。この利子補給を受けまして建ちました住宅を貸します場合には、入居者とはそういった面での契約がはっきりできて、こういった融資条件でこの家は建ててあるのだ、したがって家賃はこうなるんだということで、入居される方も二十五年までについては了承されて入るわけです。ただ、われわれといたしましては十年以降については一応規制はいたしませんので、そこでぽんと上がるという懸念もございますけれども、そういった条件で一応家主と入居者との間に賃貸契約ができるわけでございますので、家賃の特性上、家主がそこで、いままで規制はあったけれども、きょうから規制がなくなったからうんと上げるというわけにはなかなかいかない。そこに契約がございますし、また、十年間の経済の変動によりまして、たとえ利子補給がなくなりましても、八分五厘の金利ならば、そのときの経済条件では、貸し主のほうも通常の融資条件で家賃を計算してその住宅の経営をするということも可能な条件になろうかというふうに一応想定いたしまして、そう無理な家賃の値上げは起こらないというふうに考えるわけでございます。
○北側委員 これは規制がないわけですから、そのようにいま局長さんが思っておられても、やはり経営する側としては少しでも収入は多いほうがいいわけですから、どうしてもそういう危険性が私は感じられるわけです。それで質問をしておるわけなんですね。あなたが言われたとおり、契約する際に、その十年以後の家賃の状況につきましては、もちろん物価上昇とかいろいろな問題が経済上変わっておるでしょうけれども、変わったなら変わったなりにやっていくような一つのめどというものを明らかにしてあげなければいけないのではないか、このように私は思うのです。
○多治見政府委員 先ほど申し上げましたように、この住宅建設費の全体の融資は八分五厘、二十五年ということで金融機関が融資するわけでございますので、それをもとにいたしまして一応二十五年間のめどは立っておるのでございます。したがいまして、利子補給がなくなったあとの賃貸条件につきましても、十年後の事態につきまして、そういった八分五厘、二十五年の融資を受けているという前提で家主とたな子の間の話し合いできまるということで、そうむちゃな家賃の値上げというのは考えられないというふうに考えております。
○北側委員 二十五年、八分五厘はそれでいいのですが、やはり法では規制がないでしょう。あくまでもたな子と家主の話し合いでしょう。私はそこを言っているわけです。それでなくとも、先ほども言っておられたとおり、子供ができたら出ていけなんというアパートは幾らでもあるのだから、そのことを思ったら、そういうことをやろうと思ったら幾らでもできますよ。話し合いなんですからね。ましてや、ここで審議しておる私たちはわかります。しかし、借りた本人はそんなことはわからないですよ。二十五年償還期限があることなんて、そんなことは知らないですよ。そこらのところで何らかの一つの項目を加える必要があるのではないかと私は思っておるのです。それを先ほどから申し上げておるわけなんです。
○多治見政府委員 確かに、お話しのように借家契約でございますので、必ずしも十年という期間で更新される必要もなく、いつまでも同じ家賃で入れるというのがたな子からいえば望ましい条件だろうと思いますが、ただ、法律によって規制するということになりますと、やはりそこに何らかの国としての恩恵的な措置があるという裏がなければ、法律で規制するということは無理でございます。したがいまして、この制度といたしましては、利子補給をしている間だけは一応の規制はできるけれども、利子補給がなくなってあとは、建てられた家主の方が自分の責任で借りた金で建てた家ということになるわけでございますので、その家賃について強権的な規制をするということは法律技術上できないことであろうというふうに考えるわけであります。
○北側委員 この問題はこれでおきますが、しかし、一応十年間利子補給をしておるわけでありますから、国はそれだけ利子補給をしたという事実が出てくるわけですよ。たとえばいま建設省の出された都市近郊の農住、これはもちろん民間の木造賃貸アパートあたりになっておりますが、建設したいという人が非常に多。そういう実態ですね。だから、この法案が出てきた場合に、一応その人たちにとっては、これから都市環境、社会環境、いろいろな設備から見ても、そういう小さなアパートではいけない、やはりもう少し住宅規模の整った、居住環境の整ったいわゆる住宅をつくらなければいけない、そういう趣旨も一つあるのではないかと思うのです。だから、そういう面で、貸し主にとっては、自分の自己資金を全部投下するわけではないのですから、そうすると利子補給五・五%が終わってもある程度の発言というものはできるのではないか、このように私は思っておるわけです。 次に移りますが、時間もないようですので少し飛ばしましょう。これは大臣にちょっとお聞きしたいのです。 今度の予算案を見ますと、住宅難解決の根本となる宅地開発、そのために宅造業者に対して開銀の融資が五十億計上されているわけです。そこで私思うのですが、この二十ヘクタール以上を開発する業者に、その資金を開発銀行から借りても、その地価をどの程度に押えていくかというのがこれは非常にむずかしい問題じゃないかと思うのです。そういう点で、あまり金利が高いとこれはまた借りたほうもうまみがなくなるし、そうかといって、一応そういう融資をする以上はやはり価格を規制しなければならないし、その点、大臣、この問題についてもずいぶん力を入れられたと聞いているのですが、どのような見解をお持ちなのかお聞きしたいものです。
○根本国務大臣 事務的なことですから……。
○朝日政府委員 事務的な融資の条件等のことでございますので、私からお答え申し上げたいと思います。 従来、開銀におきましては、民間の宅地造成事業つにきまして融資の道はございませんでしたが、新年度から、ただいま御審議いただいております予算案その他を御承認いただきますれば、開銀におきましてもその融資の道を開くということで、これは開銀の融資ですから財投資金でございますが、金額は五十億を予定いたしております。それは事実でございます。 そこで融資の条件でございますけれども、これはそもそも宅地を開発するにあたりまして公的機関が全力をあげてこれを行なうことはもちろんでございますけれども、何しろ膨大な宅地を必要とすることでございますから、民間のデベロッパーの力も借りなければならない、こういう趣旨でスタートしているわけでございます。しかし、こま切れのものでは困るということで、非常に規模も大きく優良なものを供給したい。ただし、その処分の価格でございますが、融資の条件は、開銀の通常の利子は八分三厘でございます。しかし、御承知のとおり開銀融資が全額を融資するわけじゃございませんで、いわば民間の資金を導入いたしまして協調融資をしようということでございますので、ただいまのところ所要額の約三〇%程度は開銀が融資しようということにいたしておりますが、その資金を得て造成をされました宅地を処分するにあたって価格面でどうするかという問題が一つございますが、まだ最終的に結論を出しておりませんけれども、大蔵省、開銀等と話し合っておりまするのは、少なくとも複数の不動産鑑定士の鑑定評価を得て、その額を基準とした額の範囲内で分譲していただくという条件にいたしたらどうかというふうなことで、検討を進めておるわけでございます。
○北側委員 この問題も、不動産協会のほうでは、価格規制を融資条件にするならばこれは受け入れられない、新聞を見ますとこういうことを言っているわけですね。しかし、融資する以上は、農地のこの問題との関連から、これと同じような立場にあるので、やはり何らかの規制がそこになければいけない、私はそう思うわけなんです。不動産鑑定価格、これで結局やられるということは、たとえばこれは融資のない場合の宅地価格については、その業者が自分の利潤追求のために、ある程度高くしてもやむを得ないと思っておるわけですが、この場合はいわゆる適正価格ということになるわけですね。そうですね。 それから、実はこれは先般わが党の新井議員が住宅局長に質問しておったわけですが、その際住宅局長は、超過負担はなくなった、もしあるようならばそれは建設省がきめた基準以上のものを建てておるんだ、このような答弁をなさったわけなんです。しかし、私は、実はこれは少し調べてみたのですよ。そうしますと、大阪府の富田林という市があるのですが、今年度の公営住宅の用地、これが七十戸分で約一億四千万の土地代金を富田林については支払ったというのです。その建設省の査定額がざっと四分の一の三千三百四十万、こうなっております。また同じく大東市を調べてみたのですが、ここでは百八億、これで一億七千四百五十万の用地価格が査定は一億三百六十余万円、約七千万円の持ち出し。当然この用地費については八五%しか価格が認められない。この八五%にしても、この価格からいうと、これは決して超過負担に、持ち出しになっておらないとは言いにくいのじゃないか、このように私は思うのです。これはどうですか。 〔大村委員長代理退席、委員長着席〕
○多治見政府委員 先般御質問にお答えいたしました際申し上げましたのは、平均的に、現在の公営住宅の基準が算定いたしました補助額につきましては、地方の持ち出しはなくなりましたというふうに申し上げたわけでございます。ただ、用地費につきましては、ただいまのお話で、個々の用地につきまして査定が云々ということでございますけれども、個々の用地については査定はいたしておりません。ただ、全体の用地費の単価を算定して補助金をきめておるわけでございまして、これにつきましては、実際の用地事情からいって、多少われわれの評価よりも高いところがあるという実例もあるようでございます。それ以上に、特に大阪等につきましては、立地条件をよくしたいということでわれわれが評価いたしました土地よりも、もっと通勤条件その他についていいところに持っていきたいという努力を非常に強くいたしておりますので、そういった面でわれわれの考えております単価よりもかかっておるという面はあると思います。ただ、全体として、従来いわれておりました地方の持ち出しという問題は一応平均的には解消しているというふうに考えておるわけであります。
○北側委員 実は、昨年の十一月の「建設月報」に出ておったのですが、新住宅建設五カ年計画の中で、昨年の全国の住宅地価格が全国平均で二二・六%も上がっておるわけですね。建築費が一〇%近く上がっておるというのです。この新五カ年計画を達成する上から、地価の値上がり、建築費の値上がりについては、地価については一二%、建築費については六%程度に押えていかなければこの新住宅建設五カ年計画は御破算になってしまうような心配もある、こういうことが書かれておるわけなんですね。この「建設月報」は、御存じのとおりおたくさんのほうから出されたものですからね。それにそのように書かれておるわけです。実際問題として、昨年でも、全国の宅地価格というのは二二・六%上がっておるわけですからね。これを一二%におさめていこうというのはたいへんなことなんですよ。しかし、事実上、そういうことが「建設月報」に載っておる。このように書いてある。これはやはり超過負担が出ておるということであり、なおかつ、こう書いておられることが半分でも事実であるならば、これはもう都市圏にはおそらく——大都市近辺に公営住宅を三百八十万の七〇%建てようと、大体このような計画を今度なさっておるようですが、これはとてもじゃないが不可能だ、このように私は判断をしなければならぬのじゃないかと思っておるのですが、その点どうでしょうか。
○多治見政府委員 確かに、お話のように、今度の五カ年計画では都市圏に七〇%建てたいということでそれを目標にやるつもりでございます。 また、お話のように、土地の値上がりについて非常に困難な問題があるということはわれわれもまた当然予想をしております。ただ、その二二%という数字につきましてはいろいろな議論がございますけれども、昨年から今年にかけての地価の騰勢その他を考慮しますと、二二%まではいかないだろうという気がいたします。したがいまして、今後も、地価安定の努力いかんによっては、そういった高い騰勢ではなく、われわれの希望するパーセンテージの値上がりで五カ年間にはおさめられるのじゃないか。これはいろいろな主観的な要素も入りますけれども、そういう希望で何とか目標を達成したいということでやっている次第でございます。
○北側委員 そのように言われますが、これはいままでと違うのだというのであるならば、やはりそこに確固たる一つの地価政策がなければいけないと私は思うのですよ。それがなくして、いままでとは何か違う、そういう考え方は甘いと思います。たとえば昭和三十年の住宅地価格、これを一〇〇として見ますと、四十三年で一三九五になっていますよ。これはあなたの出している資料です。その率から見ますと、とてもじゃないがそのような地価が、年間一二%でおさまるようなことは絶対あり得ないのです。しかも大都市圏においてはなおさらそうではないか、このように思います。そこで七〇%を建てようという計画ですから、やはりそれに対する対策を何か講じなければ——第一期まで入れますと、正直申しましてある程度まで満たされました。一応の線まで達成しておるわけです。しかし、今回の場合は二百七十万戸と違いまして、三百八十万戸です。その点をはっきりしなければ、第二期住宅建設五カ年計画の公的資金住宅の建設というものについてはあとで非常に問題になってくるのじゃないか。このように私は思うのですが、大臣その点どうでしょうか。
○根本国務大臣 御指摘のとおり、従来の趨勢からすればそういうふうな不安が非常にあります。そこで、数次にわたりまして、われわれは土地対策を根本的に改めようということで、ようやくいま第一歩を踏み出したためにまだ不安感があることは事実だと思います。しかし、まず第一に、従来の地価の値上がりの最大の原因は、これによって投機的な利益があるというようなために、各企業、個人のいわば仮需要が非常に多かったということです。しかも、その仮需要がそういうふうにできたゆえんのものは、土地を持っておれば、特に農地とか山林を持っておりますれば非常に税制上税金の負担がなくして地価の値上がりができるというところに問題があったのです。ところが今度は、市街化区域と調整区域にはっきり分けてしまって、しかもそこにおいては農地法の排除ができる。それからもう一つは税制上ぼろいもうけができなくなるというような点。それから市街化区域については、先ほど申し上げましたように、従来のあれと違いまして、少なくとも十年間に二倍半近くの土地が供給されるのだ。したがって投機の対象としてもうま味がなくなってくる。こういうことが出てきます。それからまた、われわれといたしましては、過密化しておる首都圏、近畿圏、中部圏の通勤可能なところに相当思い切った土地の開発をやろうという計画を立てているわけです。そうすると相当大きな供給になりますから、絶対的な供給が不足であったがゆえに需要供給の見通しからどうしても高くなったけれども、これを持っていてもたいした投機にはならないのだということでかなり鎮静してくる。それともう一つは、大都市の中心地がドーナツ現象を起こしていますね。たとえば東京でも都心のほうにおいてむしろ人口がぐんぐん減ってしまった。あるいはほとんど住民がいなくなった。昼間人口はものすごくあるけれども、あとはなくなった。そのために学校も幼稚園も非常に過疎化している。こういうようなところにおいては、一方においては公害のために工場を疎開させる。あるいは都市機能をよくするために、再開発の上でそういうものを外に出した場合、そのあと地に公営あるいはまた公団の住宅をつくる。これを高層住宅にする。こういうふうに諸般の政策をこれから積み重ねてやることによって御指摘の不安の状況をなくしたい、こういうことです。 いままでの趨勢でいくならば、あなたの御指摘のとおり、非常に不安でありますので、そうしたことをこれからやって、地価のいままでのような上昇を鈍化させ、最終的にはこれは停滞させたい、こういうことでございます。
○北側委員 大臣が言われたそれと同様に、超過負担はないなんて言わないで、やはり建設省が七〇%建てようとするような地域については、これは地価が上がり方が非常に早いわけですから、そこらをよく検討してやらなければ、市町村にとっても、その持ち出しが多くなれば建てられない、これが実情じゃないかと思うのですよ。だから、地価政策とあわせてそういう方面をまずやっていって、なおかつ大臣がいま言われた高層にせざるを得ないものです。高層にするにしましても、やはり工業化ということを考えて、その生産に対してもシステムの方法というものをこちらが強力に推進していかなければならぬのじゃないか、こう考えておるわけなんです。大臣が先般住宅大量供給のための工業化五カ年計画を原案として固められた。私も非常に喜んでおるわけです。これについて大量供給される工業化へのそういう工場のシステム、そういうものはもうすでにできているのですか。
○根本国務大臣 実務的なことは事務当局から説明させますけれども、現在は、建設業界においても、ある意味における総合企業的な動きが相当出てきていまして、たとえば三菱グループ、三井グループあるいは富士銀行グループというようなものが、単なる建設業のみならず、材料、それからいろいろのファーニチァーというものを合わせて一括して開発していこうということであり、また一部海外の企業もかなりの興味を持ってきたようです。日本はこれだけの購買力があり、しかも住宅について非常に強い需要がある。そうした場合に、技術的に提携するとか、あるいは日本のデベロッパーと協力しようというような動きも出てきましたので、これがかなり促進されると思いますし、それに通産省自身がこれは非常な熱意を持ってきまして、それを受けて、御承知のように工業化のためには規格をまず統一しないといかないということで、従来日本に京間とかいろいろあったのを、これを大体いま規格の統一ができてきたので、これはこの四、五年の間に相当伸展するだろう。また現在、他のほうで問題になりましたが、建設労務者が非常に払底しています。この傾向はますます今後出てくると思う。それは収入はいいけれども、このごろの若い人は、かっこいい仕事でなければだめだということになってきまして、現場でとんちんかん、とんちんかんやりたいなんていうのは出てこない。やはりそこに行って組み立ててさっとやれるものということになってくる。また一部では、造船業界なんかのように——造船業は、そこで船室をつくっているのですから、ある意味においては現在の住宅をやっておるものと同じなんです。これがしかも省力化、合理化されている。そういうようなことからいって、われわれは、通産省とそれから一部は造船業界とも提携しながら、このプレハブ化と工業生産化を進めてまいりたいと思っている次第であります。
○北側委員 まだあと六問ほどあるのですが、時間も一時間半ということになっておりますので、最後に一点だけ。 これは前に私は委員会でやったことがあるわけです。大臣、実は、この問題は非常に最近出てきた問題なんですが、さらに法定外財産である里道、水路ですね。これにつきましていろいろな問題がいま起こっておるのですよ。これは前にも私この建設委員会におきまして申し上げたことがあるのですが、そのまま全然変わっておらないわけです。最近の例を申しますと、宅造業者が宅地造成するわけなんですね。その場合に、不用となって用途廃止しなければならない里道なり水路を一緒にやっちゃうのですよ。そのときにそれを届け出ないわけです。そうしてそこに家を建てて売る。買ったほうは、実際に土地が何坪で家が何坪で、何ぼと何ぼで何ぼあるでしょうと見せつけられるわけです。いざそれを登記に行った場合に、たとえば百坪ある土地を買ったにもかかわず、登記は九十坪しかできない。なぜですか。あと十坪は、これは国有地だというのですよ。これを不動産業者に言うと、まあじっとしてなさい、十年たったらあなたのものになるのだからね、このように言うわけなんですよ。こういう問題が最近三県で出てきているのです。和歌山でも一件ありました。東京の世田谷でもありました。これは私はほんとうにいけないと思うのですよ。それで資料を私はもらいまして、たとえばこれは四十四年の資料ですが、東京都ですと、こういう里道、水路を全部一たん用途廃止処分を行なって行政財産から普通財産に大蔵省に主管がえしたのは一体幾らあるのかと調べてみますと、東京都だけで一年間で百二十八件、面積が三万二千五百二十四平米。千葉県、奈良県、和歌山県、これは四件しかとれなかったわけですが、そういう分が全部で二百八十八件あるのですよ。そうしてこの合計が十万九千七百二平米になっておるのです。ばく大な土地になりますよ。御存じのとおり、昔丘陵地帯で山林であったものが、住宅難のためにだんだん開発されて、大臣が先ほど言われたとおり、都市からみんな逃げていっているのです。大阪市あたりは昨年一年間で十八万も減っているのです。外へ逃げていくわけです。その逃げていく人がマイホームのためにそういう土地を買う。そういうところにこういう事件が一ぱい起こってきているのです。これは都道府県知事が管理しておるのですね。しかし、都道府県知事が管理しておっても、実際どこにどうなっておるのかさっぱりわからぬのです。都道府県知事というのは委託を受けておるだけであって、聞いてみましても全然知らないのです。民法では、御存じのとおり取得時効というのがあるのですね。これは善意の場合ですと十年、悪意の場合でも二十年、黙ってほっておくと自分のものになっちゃうのですよ。不動産業者、悪い宅造業者はそれをちゃんと知っておるのですな。知っておってやるんだから、これはかなわぬですよ。里道、水路については、これは太政官布告という明治五年あたりの古い法律のことだから、それは一々検査するのはたいへんかもわかりませんが、実際の問題として坪四万も五万もするような場所がそういうところで一ぱいあるのです。しかし、マイホームを買ったほうの人は、そういうものがあっても自分としては手の打ちようがない。しかたがないから建設省の出張所、あれは何というのですか、支所というのですか、地建から出ているそういうところに行ったら、そんなものありますかという返事なんです。そこらもわからないのですよ。どこへ行ったらこれはよろしいのですかと私に言うてくるのです。大臣、これは何とかひとつ大蔵省と話し合っていただいて解決してもらいたいと思うのです。そうしなければ、これはそういう宅地造成を行なっていく場合にこれからも幾らでも出てくるのじゃないかと思うのです。その点ひとつお答えを願います。
○根本国務大臣 私も先般、何かゴルフ場の売買に関連して国会で問題になったことも聞いておるし、諸所にそういうことがあろうと思います。これは非常に古い時代に里道あるいは水路になったものが、状況の変化によって、今度それがいつの間にか里道でもなければ水路でもなくなっている。ところが、これは近隣の人もほとんど変わっておるからわからない。まして地方自治体は、それが登記の書数も何もないからわからない。法務局もおそらくこれはわからないと思います。登記しておっても、どこがどうなっておるのか地目がわからないと思います。なかなかむずかしい問題ですけれども、そのために不当な利益が悪質な者によって利用されて善意の者はその利益に全然均てんしない。これは非常な不公平だと思います。本来これの所管は大蔵省であり地方ではこれは財務局、財務部のほうでやっておると思いますが、これもなかなかいままでやっていないと思いますから、これは地方の自治体の力もかりなければなかなかやれないと思います。これは大蔵大臣に私から申し入れて、事務当局からも大蔵省に申し入れて、少なくともまず市街化地域の都市人口密集度の高いところからでもこれは点検するように申し入れして、そして権利関係を明らかにするように申し入れたいと思います。
○北側委員 大臣の答弁で納得いたしましたが、これはやはり明治時代の法律がそのまま適用されておる。明治時代のその当時の里道、水路というものは地価としての値打ちは全然なかったものです。しかし、いまはその時分と社会情勢が全然変わっておるわけですからね。これはたとえば大きな宅造なんかやりますと、そういう業者は比較的よく届けるのかもわかりませんけれども、届ける業者もあるが、届けない悪質な業者もある。そして、坪四万円なら十坪あったら四十万円ですから、買うほうはまともに買って、十年黙っておりなさいよ、何とかなりますよなんて言われる。これではあまりにも法があって法がなきがごときじゃないかと思うのです。これはあまりにもひど過ぎると思うのです。そういう点、いま大臣が言われたとおり、宅造されるようないわゆる大都市近辺の地域だけでも、地方公共団体と話し合って、いっそのこと地方公共団体に委託しておれば、地方公共団体が管理して地方公共団体の財産とするとかなんとかの形にできるのではないかと思うが、ひとつよろしくお願い申し上げたいと思うのです。 では、時間がまいりましたので、私の質問をこれで終わらしていただきます。
○金丸委員長 内海清君。
○内海(清)委員 いま提案されておりますこの法案につきまして若干の質問をしたいと思いますが、この法案は、かねてから論議されておりましたいわゆる農住都市構想、これが大体発想の基礎になっておると思うのです。特に、住宅宅地審議会の答申にもいろいろな住宅難解消の問題が出されておりますが、この中にも利子補給制度の創設ということもあるわけでありまして、その一環とも考えられるのでありますが、この法案の特徴と私が考えるのは、いわゆる民間資金の活用という、この点に非常にメリットがあるのじゃなかろうか。これは御承知のような金融公庫の土地担保住宅というものもあるわけでございますけれども、これとやや似通ったものであるけれども、民間資金の活用という、この面に非常にメリットがあるのじゃなかろうか。同時に、先般も論議になりましたけれども、いまの米の生産調整の一環も、軽いかもしらぬがかつぐ。この辺にねらいがあると思うのでありますが、その点につきましてちょっと大臣の意見を伺いたい。
○根本国務大臣 御指摘のとおりでございます。特に、大都市の近郊における、先ほど来問題の地価の上昇ですね。これが著しい。これを公的機関で買い取って、その上に賃貸住宅をつくるとなりますと、非常にこれが高いものにつくのです。それがまた同時に、ある意味では地価高騰を促進する、こういうことでございます。 ところで、御指摘のように、最近農業の大きな転換期にあるわけでありますけれども、都会地にある水田、農地を買い取らずに、農民自身の持っておる土地の上に民間資金でいま住宅をつくろうということは、資金と土地を民間ベースで活用する。そのためにはやはり若干の政府の奨励的な措置が必要である。そこでこれを補助金だけにしたのではかえっていろいろの面で問題が起こりまするので、農業団体の持っておる資金を活用して、それに対する利子補給、こういうことによって土地を持っておる人の便益にも供し、かつ住宅困難で入居を非常に熱望している人たちのためにも救済の道を開く。こういう意味でこの政策を打ち立てたというわけでございます。
○内海(清)委員 そういう意味からいたしまして、四十六年度は一応モデル的に二千戸ということでありますが、これが成功するならば今後の大都市周辺における地価抑制にも貢献するであろうし、住宅不足、住宅難解消にも一役買うのじゃなかろうか。したがって、これを実施するにあたりましては、そういう点を見越して十分に慎重にやらなければならぬ。最初に失敗すれば、今後この芽はつみ取られると思うので、この点はひとつ強く要望しておきたいと思います。 それから、これの実施されます地域は、いろいろいままで論議がございましたけれども、三大都市と人口五十万以上の都市、それから新産都市とさらに工特地域、つまり工業整備特別地域ということであります。ここで三大都市あるいは人口五十万以上の都市というのは、大体私どももその範囲というものを想定できるのでありますが、ことに工特地域として指定されておりますのは、これはかなり広範囲になっておる。たとえば私のところにございます備後の工特都市にいたしましても、五市十三町、これを包含しているわけですね。この工特地域ということでしぼっていきますならば、少なくともその地域内の全市町村にこれが適用できるのかどうか、この点をひとつお伺いしたいと思います。
○多治見政府委員 政令の案をお配りしてございますが、工業整備特別地域の中で、都市計画の施行されております区域は全部包含されることになっております。
○内海(清)委員 そういたしますと、備後工特にいたしましても、これらの地域内の市町村というものは大体都市計画の施行されておるところでございますがこれが全部入る、こう理解してよろしいと思います。 それから、これは農住の考え方からいきますと、特に米の生産調整などの点を考えてかなり範囲を広くすると、それの可能なところは実現してもらいたい、こういうふうな考え方もあると思うのであります。ところが、建設省におきましては、この地域が限定されておるわけです。その辺に建設省と農林省の考え方の多少の違いがあると思うのですが、この点はいかがなものでございますか。
○根本国務大臣 これは、農林省の側は、水田を何とか転換させるという点からすれば、全国の農業地帯に持っていきたいという発想になると思います。けれども、住宅政策からするならば、やはり現実に住宅需要が非常に大きくて住宅困窮者がたくさんおるところに重点を置く、こういうところで、若干そこに目標の差があると思います。それからまた、これは発想としてはいいけれども、現実にやってみてはたしていかなる結果が出るかというところにまだ不安定要素があります。そういうことで、財政当局としての大蔵省も、これをあまり幅を広げてしまって、かえって、先ほどあなたも御指摘になりましたように大事な芽をつんでしまっては困るんじゃないかということで、まあ農林省の意向もそんたくし、かつ財政当局の意見調整をした結果、御指摘のような範囲にいま一応しておるのでございますが、私も実は今後これを広げたいという意図は十分持っておるのでございます。
○内海(清)委員 大臣のいまのお考え方はよくわかるわけであります。農林省の考える大都市に限らぬのではないか、もっと広げるべきではないかということもございますが、四十六年度の二千戸が消化されて、その経過を見れば今後の目標が立つと思います。いま建設省の大体考えられておりますような地域以外で、五十万都市でもない、あるいは新産でも工特地域でもないというところで、一つのかなりの企業が参りますと、やはり住宅問題は大きな問題になるわけです。したがって、そういう点を勘案してこの政策というものを今後計画していくべきじゃなかろうかと私は思う。大都市なり今度指定されたどころ以外で、たちまち住宅困窮を来たすような地域というものは、これは想像できるわけであります。十分わかるわけであります。そういうふうな点を国としては直すべきじゃないか。現在すでに、そういう指定外の地域でも、企業などを誘致してまいりますと住宅問題はたちまち起きるわけであります。こういう点もひとつ御勘案いただきたいと思いますが、その点はいかがですか。
○根本国務大臣 いわゆる利子補給によってやるのはこの範囲でございますが、これが大体成功したということになりますれば、政府が直接やらなくても、相当数のものが、都道府県、自治体が農民と一緒になってやるというケースも出てくる可能性が相当あると私は思います。あるいはまた、一部では、農家の方々といわゆる民間のデベロッパ一との間で土地を買い取ってやるのじゃなくて、土地を借りて賃貸住宅をやるという傾向も出てくるんじゃないか、こう私は思われます。したがいまして、政府の直接の利子補給によることだけでこれは終わらないで、かなりの波及効果というものも見られるんではないか。これは単なる私の期待でございますけれども、そういうことも考えられると思うのでございます。
○内海(清)委員 大臣のいまのお話も十分わかりますが、何と申しましても、いまたちまち重要なことは、賃貸家屋の不足ということだと思うのであります。マイホームということはいま国民の非常な欲求になっておりますけれども、なおマイホームをつくるだけの所得のないという者はずいぶん多いわけでございます。したがって、できるだけ国民の住宅意欲に適合する快的な賃貸住宅を建てるということは、これはきわめて大事なことであります。そういう点から見ますと、いまお話しのように、いろいろな面で賃貸住宅を建てる機運が出るだろうということでありますが、そうなったときの問題は家賃の問題だろうと思うのであります。したがってこれは、家賃が需要者に適したものができなければ、結局それはできましても成功しないということになって、再び沈滞せざるを得ぬということになるわけであります。われわれは、できれば低所得者に適合したようなものができることをまずもって希望しなければならぬと思います。御承知のように現在までの住宅金融公庫の土地担保の住宅というものによって、横浜なり、あるいは木更津なり、かなりこれができておるようであります。しかも、これは農協あたりが中心になっておる。しかも、農業収入の十倍近くのものを計画しているということであります。もちろん、農業よりもこのほうが危険も伴うかもしれませんけれども、これらにつきましても、できることならもう少し家賃の抑制ということを考えるべきじゃないか、こういうものが今後出てくれば出てくるほど建設省としては何か考えなければ、国民の要求に応じられないのじゃないか、こういうふうに思います。その点はいかがでございますか。
○根本国務大臣 これは非常に相関関係がむずかしいのです。あまり抑制するとこれは企業として成り立たないから、だれも投資しな。そうすると、これは全部国の政策でやらなければいけない。それには、先ほども問題になりましたように、これまた非常に限度がありますからだめになる。そこで、結局入居者が現在よりはよくなって、いい条件で入れるという限度において、しかも住宅供給者も一応企業として成り立つというところのものが一つのねらいだと私は思います。そういうふうにもつていくことが政治あるいは行政の一つの目標であると考えるのでございますが、これを一々ぴしっとやるということはなかなかむずかしい。そこで、先ほど正示さんから提案された借家法、こういうものをもう少し改正していかないとその目標は達せられないというような感じもするのであります。あまり規制しますと、先般から問題になった謝礼金だとか何とか、いろいろな名目で取っちゃうわけです。結局、押えたつもりで、実は、より悪質なる条件のもとに、悪質な人間にやられてしまう、こういうことでございまして、何ごともやはりバランスのとれたやり方が必要だろうと私は考えるのでございます。
○内海(清)委員 次に、すでにこれは質問がありましたけれども、私十分理解しにくい点があるのでお尋ねするわけでありますが、結局五分五厘でもって貸し出しをしようということで、しかもこれは単協もしくは信連等から出すわけであります。さっきの説明では、単協九%で、信連はたしか八%だ、したがって平均が八・五%、だから三%補給すれば五・五%になる、こういうことであります。さっきのお話で、もちろん、これは農林関係と十分打ち合わせもできてのことと思うのですが、どうもいまの農協の金利はもっと高いのじゃなかろうかというふうに私は考えておるわけです。その点いかがでございますか。ただ全国的な平均ということか、あるいは農協金利というものはいまお話のように九%なり八%なりで大体統一されておるものかどうか、こういうことです。
○多治見政府委員 この事業に対します融資につきましては、農林省と十分打合わせまして、こういう条件で貸し出せるということでお話がついております。 ただ、農協金利が現在幾らだという問題につきましては、農協それぞれ特定の目的で融資をいたしておりますので、その目的によってはうんと低い金利で貸している場合もありますし、一般にはもっと高い金利で貸している場合もあるということで、特定の目的の場合は特定金利と申しますか、こういった特定の法律に基づく事業についてはこの程度の金利で貸すということで指導して、この金利で貸してもらえるというふうに農協当局とも話を進めて、大体の結論を得ております。
○内海(清)委員 そのことが確実にいけばけっこうだと思うのですが、これは農協の定款とか信用規定とかいうものも改正しなければならないということが出るのじゃなかろうかという気が私はいたします。それは、農林関係とそういうはっきりした打ち合わせができておれば、農林関係の指導にまつべきものだと思いますが、この点は私どもちょっと心配な点でありますけれども、いまのお話を一応承っておきたいと思うのであります。 さらに家賃の問題が出ましたが、これは御承知のように宅地の造成に水田が五〇%ということであります。しかも今度の融資というものは建築費であって、宅地の造成費というものは入っていない。この水田を宅地にした場合に、造成費がかなりかかるだろう。そして、宅地にしたものの地代というものに対する五%ということになると、宅地の造成いかんによっては、大体標準家賃というものをおきめになると思うけれども、それにおさまらぬものが出てくるのじゃないか。建築費のほうはいいですね。五・五%の金利ではっきりいたします。水田ということになれば、これはかなり造成費の高くなるところも出てくる。そうすれば、それが大きく家賃に影響してくるのじゃないかという気がするのです。その点いかがですか。
○多治見政府委員 先ほどもお答えいたしましたように、確かに造成費は相当通常の土地よりは高くなるというふうにわれわれも考えておるわけでありますけれども、ただ、従来水田は、特にこの制度で目的といたしております水田は、市街化区域内で非常に低い評価額で農業生産に携わっておるわけでございます。これを造成して宅地並みの評価をして、その評価額に対して五%の地代をとるということになるわけでございまして、その評価額に相当な差がございます。したがいまして、水田を通常の宅地にするための造成費等は、その評価がえによって十分余裕をもって吸収できるという計算が出てくるというふうに考えております。
○内海(清)委員 十分余裕をもって計算ができる。そうすると、建設省でそれぞれ標準家賃がきまると思いますが、すべてのところで標準家賃内におさまるという見方でございますね。
○多治見政府委員 標準家賃と申されましたが、実は規制いたしますのは家賃の算定方法でございまして、建築費と地価に伴って算定の基礎をきめるわけでございます。それによって算定されました額を家賃にするということでございまして、これ以下にする場合は自由でございます。したがいまして、現在われわれの試算によりますと、地価につきまして、相当多くの所有者がわれわれの認めます評価よりも低く評価して実際の家賃をきめるんではないかというふうに考えるくらいに地価というものは上がるのではないかというふうに考えられます。しかし、その場合に、家賃をやみくもに上げましても、需要者がない場合には家主として経営できないわけでございまして、そこら辺の需給の関係を見て、家主がわれわれの規制いたします基準家賃以下で貸すということになるのではないかというふうに考えられます。
○内海(清)委員 先ほど来のお話からいえば、公団家賃の大体一〇%ないし二〇%ぐらい上回るかもしらぬということであります。そういたしますと、これをつくると、同じ地域に公団住宅がある、それで水田が五〇%入るというふうな場合には、宅地の造成費が非常に高うなる。そうすると、公団家賃とのバランスがとれないというようなおそれはさらさらございませんか。
○多治見政府委員 先ほど申し上げました公団家賃との比較でありますが、基準価格一ぱいに家賃を事業者がきめた場合には、一割ないし二割の差が出るというふうに申し上げたわけでございます。実際に事業の施行にあたりましては、公団と共同で団地を形成するというような事業の形態も考えられておるわけでございます。その場合には、公団の家賃と調整をとって、家賃の不均衡のないように事業主と公団が調整できるという範囲内の家賃であるというふうに考えております。
○内海(清)委員 大体その辺のところは理解できますが、なお私は不安が残るのであります。この点につきましては、十分それらの点をひとつ御研究願いまして、いま述べられましたようなことが現実に確実に行なわれるようにやっていただかなければならぬ、こう考えるわけでございます。 それから、現在この法案がここに出されておりまして、二条の三項一号の問題でありますが、そこに「(融資機関の責めに帰すべき事由により、支給されるべき利子補給金が支給されない間を含む。)」とありますが、「融資機間の責めに帰すべき事由」というのは具体的にどういうふうなことか、お尋ねいたします。
○多治見政府委員 利子補給を十年間やるということになっておりますが、これによって融資を受ける側に何ら責任がなくて、融資機関のほうに責めがあって利子補給をとめられたという場合には、なおその条件を変えないという意味で、融資機関の責めに帰すべき事由のために利子補給が停止された場合は、その五・五%という利率をそのまま続けるという意味でございます。
○内海(清)委員 そうすると、いまの「融資機関の責め」というのは、結局不良融資ということになるでしょう。この問題は五条にもありますね。五条によって計算されますね。だから、不良融資の場合は五条の計算で利子補給は行なわれる、こういうふうに解釈していいんですな。
○多治見政府委員 五条は利子補給の限度額でございますので、二条とは直接関係ございません。
○内海(清)委員 不良融資であっても、五条の計算で利子補給は続けられる。それに関連してくるのじゃないですか。
○多治見政府委員 五条のほうは利子補給契約を結ぶ総額について規定してございます。二条のほうは五・五%で融資機関が融資を受ける者に貸す場合の規定でございます。したがいまして、それについて利子補給はしますが、融資機関のほうが何らかの責めで利子補給を停止されても、融資機関は被融資者に五・五%の融資をする、そういうことでございます。
○内海(清)委員 わかりました。 それから、この賃貸住宅の入居は大体どの程度の階層を対象としておるか。これは入居基準などがございますか。
○多治見政府委員 大ざっぱに申し上げまして、土地担保賃貸住宅の場合と大体同等の階層をねらっておるわけでございますが、五カ年計画の中で申し上げますと、年収百九十三万円以下の収入階層ということでございます。
○内海(清)委員 そうすると、大体入居基準はいま申されたものによる、こういうことですね。わかりました。 それから、これも先ほどもあったと思いますけれども、現在、東京都内を見ましても、各区の中に相当農地が残っておる。しかも、これは地価がもう非常に高くなっております。この土地の処分の問題でございますが、先ほどの話では、こういうふうなものを緑地等で公共化したほうがいいというふうに私は承ったのであります。この問題はちょっと話も出たかと思いますけれども、なるほど個人の所有になっておるが、かなり裏のあるのも多いのだ。つまり不動産会社との間に仮契約をやっておる。そして個人ももちろん処分権は持っておるけれども、処分権を持っておってもなかなか自由にならないというふうな土地がかなりあるんではないかという気がいたします。これらに対してはどういうふうなお考えを持っておられますか。
○吉兼政府委員 私どものほうは、公園緑地を整備していくというたてまえから、こういう農地につきましては、そういう都市計画、公園、緑地として適地なものにつきましては、できるだけそういう用途に使われるようにはかっていきたいという考えをもって地方団体の指導をいたしておるわけでございます。しかしながら、非常に地価の高いこういう土地を買収して公園、緑地にしていくということは、これは財政的にも公共団体として非常に問題もございます。実際のやり方としましては、東京都あたりは交付公債でそれを買い取るとか、あるいは局部的でありますが、児童公園とかちびっ子広場のためにそこを一時地主から借りるというふうな形でもって現在やっている例はございます。いずれにいたしましても、可能な限り、しかもそこが公園、緑地の適地にある場合はそういう方向にこれが使われるという方向で、われわれは期待をし、またそういうふうに指導をいたしていきたいと思います。
○内海(清)委員 この問題は非常にむずかしい問題だと思うのですが、まあ、そういう方向で指導はされておるかもしれないけれども、現実にこれは東京で申しましても、杉並とか、あるいはまた板橋とか、練馬とかの各地区を見ますとかなりあるわけです。これが現実にしかも農地としてやはり残っておるわけです。しかも、いま申しましたように、非常に複雑な状況もあるようであります。これに対しては、そういうふうな非常な高度に利用されるべきところにそういうものがあるのについては、農地といえども税の面か何かでこれを制約していく必要があるのじゃなかろうか。そうしなければこれは容易に解決できぬ問題だと思うのですが、その問題についての大臣の御所見をひとつお聞かせいただきたいと思います。
○根本国務大臣 御指摘のように私も思います。そのために、現在自治省あたりが固定資産税の評価について漸増政策をとっており、究極においてそういう市街地に入れられたところは宅地にする、あるいはまた公園、緑地等、そうした公共の用にできるように誘導する措置を講じていく、そういうふうに考えております。
○内海(清)委員 これは私どもかつて案を出したこともありますけれども、いわゆる遊休地税と申しますか、一つの税体系の中にそういうものを入れて、そうしてできるだけこういうふうなものは公共のために使用できる、あるいはまたこれを公共の手に入れるというふうな処置が講ぜられなければ、現状においてはなかなか解決できないと思うのです。そういうふうな立法などを政府としてお考えになっておるところがあるであろうか、この点をひとつ伺いたい。
○根本国務大臣 現状において直ちにそのための立法ということをいま考えておりませんけれども、御承知のように、地方自治体に土地基金制度をつくらせておるわけです。そういうことによってだんだんとそうしたところの公共用地を取得してもらいたいと思っております。大体、これは私が申し上げるまでもなく、よく御存じのように、欧米の国は、公共用地を確保することを非常に大事な公共事業体の行政目的として持っておるわけであります。そうして快適なる住宅並びに都市の景観を維持している。ところが、日本におきましては、戦後は非常に窮乏した中でいろいろなことをやらなければならなかったために、逆に日本の自治体は公共の用地を払い下げて、それを一つの財源としていろいろの政策をやったという、窮余の一策ですけれども、矛盾したことをやっておる。しかし、いまやそれの方向転換をして、都市機能と、それからよい環境というものをつくっていくためには、やはり土地を公共用地に確保するということが重要なる行政目標になってくると私は思います。
○内海(清)委員 私どもがかつて土地の高度利用の問題を出しましたときに、この問題はその中にうたっておったわけです。これは土地の高度利用の面から申しましても何とか考えなければならぬ問題で、この辺はひとつ国のほうでも思い切った処置をとらなければ、現状においてはなかなか解決できないと思うのです。私どもがいろいろ申し上げた中でやはり地価公示法ができておるわけでありますが、土地の高度利用については政府はもっと思い切った処置をとっていただきたい、そうしなければとうていこれは解決できぬと思います。こういうような現在の市街区域の中にあります農地などにつきましては、早急にひとつ手を打っていただきたい、かように私は考えるのであります。この点もひとつ強く要望しておきたいと思います。 いろいろ考えてきましたけれども、いままでの質問者とあまり重複することは申し上げません。ただ、先ほどもこれはお話がございましたけれども、私なお十分理解できにくいので申し上げますけれども、今度の団地をつくり、特定の賃貸住宅をつくった場合の公共施設と生活利便施設の問題で答弁がありましたけれども、これは公庫の土地担保住宅でこういう問題がすでに起きております。町田市あたりではそういう問題が起きて、一時いろいろごたごたしたことがあるようです。やはりかなりのものができてくれば、この公共施設ないしは生活利便施設というものを当然考えていかないと、せっかくのこの法案も、自治体の状況からいってなかなかむずかしい面が出てきはせぬか、こういうことを私は考えておるわけです。現実にそういうことがすでに問題として出たところもあるようであります。この法案はこれからでありますから、やってみて、問題にぶつかって、それから考えるのではすでにおそいと思うのです。これから手をつけるのでありますから、その前にこれらの問題は十分検討して、そういうことに支障の起きないようにやっていかなければならぬと思うので、この点についてはひとつ重ねてお伺いしておきたいと思います。
○多治見政府委員 先ほどもお答えいたしましたけれども、確かに各地で団地に関連いたします公共施設の問題が起きております。ただ、お話しのような土地担保賃貸住宅についてはそういう問題は現在まで起きておりません。町田等の事例は、公団住宅あるいは地方住宅供給公社が行ないます賃貸住宅がございまして、これらについてそういった問題が現在非常に強く起きておりまして、その解決に苦慮しておるわけでございます。したがいまして、われわれとしてもこの制度を考えます場合に、そういった問題も当然あわせて考えるべきだということで一応考えてはおりますが、法案の面ではこれに対してどう対処するかという具体的な例は何も出ておりません。ただ、この制度で考えております団地規模が、先ほど申し上げましたように、大体土地担保賃貸住宅がまあ二百五十戸程度、あるいはそれをこした程度の戸数で集団的に団地を建設するということをねらっておりますので、そういった事業規模から考えまして、公団の団地あるいは供給公社の団地のように、直ちに学校を幾つもつくらなければいけないというような大きな団地はこの制度によっては当面はできないだろうというふうに考えられますので、そういった大きな団地ができるという段階になりましたならば、同じような措置を何らかの方法で考えなければならないと思われます。ただ、この法案で具体的に団地をつくります場合に、生活環境施設として住宅に直結いたします必要な施設、たとえば集会所とか、その団地に直接必要な給排水設備の、たぶん団地内の多少公共的な施設と見られる部分、こういったものについてはできるだけ広く建設費の中に取り入れまして、これを利子補給を受ける融資対象の融資額の中に認めさせようということで、建築物に直接付随いたします生活環境施設については、従来の土地担保賃貸住宅以上に認めていきたいということで、そういった面の解決に多少なりとも役立てばということで考えているわけでございます。
○内海(清)委員 いまのお話によると、今度のこの法案による団地は大体二百五十戸程度で、それ以上のものはあまりできないだろうというように受け取るわけでありますが、私は、これはそうはいかないと考えます。土地担保住宅にしても五百戸ぐらいのものができてそういう問題が起きておる。これはまあ、ところによってそれぞれ違いましょう。立地条件等によって違うと思いますけれども、この法案にはその問題は一つも出ていないので、これはそれぞれこの法案を読んで、その問題について心配するのは当然だと思う。だから、もっと大きいこの法案による団地ができた場合に、そういう問題はある程度起きてこざるを得ないのじゃないかということなんです。だから、それに対して地方自治体の負債がふえるということで、これは各地で見られておりますけれども、そうなってきた時分にはせっかくのこの法案が十分目的を達せぬということになる。そういう点についての心配をするわけなんです。
○多治見政府委員 ただいまの答弁、ちょっと舌足らずで申しわけございませんでしたが、私が申し上げましたのは、先ほど御答弁申し上げましたように、大規模な団地をこの法案の目的といたします融資でつくるという場合には、それぞれの所有者が建てるわけでございますので、三百戸以上をこすような大規模な団地ができます場合は、これは当然区画整理事業として都市計画決定をしてやるということになりますので、そういった大規模なものにつきましては区画整理の手法を使い、公共施設について十分な配慮ができて、区画整理事業の一環としてこの団地をつくるということになります。ですから、通常公団が土地を買って団地を建てる、あるいは公社が土地を買って建てるという場合とは違いまして、区画整理の手法でやるということで、関連公共施設の問題は大部分片づく可能性があるわけでございます。
○内海(清)委員 それで問題が解決すればけっこうでありますけれども、この問題につきましては、いままで各地で問題が起きておるだけに、法案にさらに出ておりませんから、これはいまのように詳しい説明を受ければ納得するかもしれぬけれども、法案を一応見た場合には、やはりその問題はひっかかる問題だ、こう思うのであります。その点は十分な行政指導をして、そういう問題が起きぬように格別の御配慮を要望いたしたいと思います。 なお質問がございますけれども、だいぶ時間もたっているし、お疲れのようですから、この程度でひとつ私は終わりたいと思います。
○金丸委員長 浦井洋君。
○浦井委員 この法案で二、三質疑をしたいと思います。 残っておる問題があまりないようなんですけれども、一番初めに目的の項なんですが、第二の目的として、「水田の宅地化に資すること」というような表現で書かれておるわけなんですが、やはり住宅を建てるというところがおもな目的であって、その前段の「居住環境が良好で家賃が適正な賃貸住宅の供給」というところにおもな目的があるだろうというふうに私は思うのです。そうすると、この第二の目的の「水田」というような表現がこのままでは少し狭くなるのではないか。先ほどからいろいろな同僚委員からの質問がございましたのでおわかりだと思うのですが、たとえば市街化区域の中でも、できるだけ水田を利用して農業を続けたいというふうな方もやはりまだまだ多いわけですし、水田の面積も、先ほど言われておりますように非常に多い。緑地も残す必要があるというようなことでありますし、また、こういうような事業をやる場合、ある程度宅地としての面積を確保するというようなことになりますと、水田に限ってしまうと、「水田」というような表現は、あとに五〇%というようなことがございますし、どうしても少し狭くなってしまうのではないか。だから、私神戸の西農協へちょっと行ってまいったわけですが、西農協がやっておるもので、この利子補給法案を適用させたいと考えておる白川台というところがある。そこでは、水田を全く含まずに、低い丘陵地であるとか、あるいは雑木林だとか、こういうようなところにこの法案を適用させたいというような希望もあったようでございますので、そういうことも含めて、せめて「水田」という表現でなしに、「農地」という表現にかえるとか、あるいは「原則として水田の宅地化に資すること」というような表現にするほうが、後々の、この事業を遂行していく上に効果的ではないかというふうなことをちょっと考えるわけなんですが、その辺について大臣の御意見を伺いたい。
○根本国務大臣 御指摘のとおり、これはまず第一に、住宅の需要が非常に多くて住宅を入手することが困難な人の多いところを目標としています。ところで、たまたま現在の農業のうちで特に水田が非常に多過ぎるというか、現在の需給のバランスからいけば多過ぎる、これは何とか転換しなければならないという一つの目標もあります。これを若干かみ合わせたいというためにこうなるわけです。しかも、一方においては、農地のあれを大別すると、水田と畑地それから畜産用地になりますけれども、都会地に要るところの野菜の供給が非常に足りなくて、いわゆる生鮮野菜の問題が多いときにこれをさらにつぶしてやるというよりも、やはり今日の状況からするならば、多目的に考えるならば、水田を宅地化するということがより国家的目的に合うじゃないか、こういうような考えでこれを規定したわけでございます。しかしながら、全部が全部ということになるとこれはあまりに狭過ぎるということで、少なくとも五〇%の水田を宅地化する。そうすれば、あとは丘陵地帯なりあるいはその他を含めたところということで、かなり配慮したつもりでございますので、現在、これを農地ということにして、水田ということを全部消してしまうということは実は考えていない次第でございます。
○浦井委員 一応理解はできたわけなんですが、事務当局にお尋ねしたいのです。 現実にこの法が発足いたしまして、先ほどのお話のように、水田を含む農地などが宅地に転用されて、そして住宅を建てるというふうな場合を仮定して、農家の方々が実際にその土地を、提供でなしに貸した場合、それ以前と以後と所得が一体どれくらい——ふえるだろうと思うのですが、どれくらいふえるものかということの何か試算がございましたら教えていただきたい。たとえば関東首都圏では横浜の北農協ですか、それから近畿では神戸西農協というようなところの試算の数字をひとつ教えていただきたいと思います。
○多治見政府委員 試算の数字、いろいろございますが、お話の地域について現在算定いたしました推定でございますが、農業収入のほうは、農林省のほうで農林経済統計で出しております生産所得が、全国平均では四万二千円、東京都では五万一千円、神戸では六万三千円ということになっているわけでございまして、これに対して、この制度によりましてその農地を宅地化いたしまして賃貸住宅を建設いたしました場合には、大体一平方メートル当たり一万五千円という地代の地域を想定いたしますと、坪当たり四万五千円ということになるわけでございますが、坪当たり四万五千円という評価をいたしますと、大体十アール当たり六十万円ということになるわけでございまして、農林省試算の農業所得に対しまして大体十倍見当の収入になるという試算をいたしております。
○浦井委員 十倍に近い。私が試算したところでも大体そういうような数字が出てくるわけなんです。 そこで少しお尋ねしたいのですが、この十倍という数字のの解釈のしかたには、農民の、農協サイドからの見方と、それから今度はその住宅に入るようないわゆる給与生活者の側から見た見方というものがあるだろうと思うのです。農民やら農協の側から見ますと、財産管理を適正にやりたいというようなことで、できるだけこの方法によって収入をあげたいというような希望が当然出てくると思うのです。神戸西農協の話によりますと、先ほどの〇・一ヘクタール当たり六十万円ですか、その数字を農協などにいわせると、まだ百方円ぐらいにならんやろかというような意向もあるようなんでございます。そういうことになると、現在三・五プロという形で押えられておる補給率の引き上げの問題であるとか、引き上げてほしいというような要望も当然ございますでしょうし、それから十年間に限定されておる補給期限の延長というような問題もあるでしょうし、いろいろか区画整理の中で当然やらなければいかぬような事業までも補給対象にしてほしいというような要望も出てくるだろうというふうに思うわけなんです。これは事業体としての農協の立場から見ますと、こういうことは適切なのかどうかわかりませんが、組合員に対する融資期限も二十五年以上ということになっておりますけれども、いまの態様でいくならばできるだけ短期にしたい、できたら十年、十五年というふうに利子補給期限に近づけたいというような意向も漏らしておるようなんで、これはその立場とすれば当然だと思うのです。しかし、一方、給与生活者というのですか、住宅に入る側から見ますと、土地を提供しただけで、働かなくていままでの十倍くらい収入があるんだ、こういうような立場の人々になぜ政府が利子補給までするのかというような意見も当然出てくるだろうと思うのですが、そういう点で、これは非常にうがった見方ですけれども、米の生産調整であるとかあるいは減反政策というようなものの見返りだというような見方もやはりそういう立場、二つの立場の方から出てくるというふうに思うわけなんで、ひとつ大臣に、むずかしい局面だろうと思うのですが、この辺の問題についての見解をお聞かせ願いたいと思います。特に、これは必要ないことですが、一昨年ですか、大臣が政調会長のときに農協の大会に出て、決死の覚悟で演説をぶたれたということも聞いておりますので、そういう御見解を聞くのに最も適した方じゃないかというふうに思うわけです。
○根本国務大臣 これは世の中をひねくれて考えれば、いかなることにも理屈がつきます。しかし、やはり人間が社会的な生活をする限りにおいて、自己の欲求を主張すると同時に他の人々の利益をも考えてやる、これが人間が社会を構成し得るゆえんだと思います。政治もまたそういう観点に立ってわれわれはやっていかなければならないのであって、農民の私的利益追求だけを支持しておったら、もう他の一切の消費者等ともまっ向から対立します。また、一面において、入居者の利益だけを考えて、農民の、そうした農住政策をやろうとする人間の利益を無視したら、これは何にもできやせぬのです。そういう意味において、私は、やはりそこに常識的に見てバランスがとれるというところでこれはやっていけると思う。したがって、私は、こういう案を出したのは、これで相当やる人がおる、こう思っているからであります。が、しかし、これはやってみなければわからぬですから、それで初年度は二千戸、五年間で五万戸程度をやって、その結果において、国民の合意と理解の上にこれをもっともっと伸ばすべきだとすればそれをやっていく。さらに実施の過程において、全体の傾向としてはこれをやるべきだけれども、さらにこまかい配慮をするためには修正すべき点があるというなら、それもまた考える。これがまじめな政治姿勢じゃなかろうかと私は考えている次第でございます。
○浦井委員 大臣のお考えはわかったわけなんですが、それでは住宅局長にお尋ねしたいのですが、その前者の農民、農協の立場というような点において何か御意見がないですか。私が申し上げたような点から見た見方に対しての意見ですね。
○多治見政府委員 先ほどのお話にございましたわれわれの試算で十アール当たり六十万という試算がございますが、これが六百万ぐらいにならないかというお話でございましたけれども、農協のほうの御希望としてそういう御要望があった……。(浦井委員「ヘクタール当たり一千万」と呼ぶ)そうですか。それは事務的に考えまして、そういった非常に高い土地ということになりますけれども、そういった高い土地はもうすでに宅地化されて活用されているというふうに、われわれとしては事務的に見るわけであります。また、現在、その逆に、六十万円が高過ぎるのじゃないかという議論もございますが、それは見方はいろいろございますけれども、都市近郊の農地で現在農地のまま残っている場合、当然近傍類似の土地の値上がりを考えまして、売り惜しみをして値上がりを待っているというような土地もたくさんあるわけでございます。こういった中で、われわれの考えております制限の中で、宅地化できる土地があるということでこの制度を考えておるわけでございまして、もっと高い収益をあげられる土地もございますし、この制度でも活用できない土地も当然あろうかと思います。
○浦井委員 それで、この農住住宅は、住宅を建設するというような立場に立って考えていきますと確かに一つの方法だと思う。しかし、先ほどから問題になっておりまする家賃の問題なんですが、先ほどのお話では、公団よりも一割から二割平均して高くなるであろうという。それから、私の聞いたところでは、神戸などのようなところであれば、まず、一戸当たり三十平米というのはなかなか希望者がない、五十から六十平米にしたい、三DKぐらいにしてやるとしますと、試算をすると二割から三割ぐらい家賃が公団に比べて高くなるだろうというような話を聞いたわけなんですが、そうしますと、一体どういうような所得の人が現在入れるのかということですよ。将来はさておくとして、相当高所得でなければ入れないだろうと思うのです。所得があまりなくても無理をして入られるという方もあるだろうけれども。それから、午前中いろいろ議論になりました企業の社宅化というような問題も現実にあるわけでございます。これは建設省の所管ではないわけでございますが、例の農林省の緑農住区の構想、これは兵庫県でも加古川農協が実際に調査費がついてやろうということで動き出しておる。ところが、初めから神戸製鋼所のまるがかえというような話も現実に出ておるわけなんで、中小企業だけでなしに、むしろそういう面で職員に住宅手当というようなものをたっぷりと出せるような大企業などが入りやすいのではないか、大企業の社宅化するおそれもあるというように思いますので、一体どれくらいの所得の方に建設省としては入ってほしいのか、こういう点をまずお聞きしたいと思います。
○多治見政府委員 お答えいたします。 この制度でねらいます所得階層につきましては、今度の五カ年計画で考えております公団住宅と大体同程度の階層ということで、年収百二十六万から百九十三万までの階層の方にこの住宅に入っていただきたいというふうに考えております。 それから、前段お話がございました神戸農協で四DKあるいはもっと豪華な家をつくりたい、そういう家でなければ入り手がないというお話でございましたけれども、われわれこの制度で考えておりますのは、そういった、いわゆる現在の常識からいってぜいたくと思われる住宅は当然除外するということで構造基準を規制いたしまして、大体公団住宅並みの構造規模の住宅を考えておるわけでございまして、そういった豪華といいますか、大きな住宅は排除するつもりでございます。したがいまして、収入も先ほど申し上げた収入階層の方が入れるような規模の住宅ということで考えております。
○浦井委員 そうすると、構造規模において下限をきめられておるというふうに思っていたのですが、上限もきまっているわけですか。三DKが豪華かどうかは問題があると思うのですが……。
○多治見政府委員 構造規模は省令できめることになっております。それで、まだ最終的にきめておりませんが、一応下限は三十平方米を考えておるというふうに先ほど申し上げましたので、上限につきましても、そういった豪華なものが出てくるというおそれがありました場合は、それも当然規制する必要があるというように考えております。
○浦井委員 それで、家賃の続きなんですが、家賃は省令で定める基準に基づいてきめられるというふうになっておるわけですが、具体的にはどう いう基準なのかということをお聞きしたいのです。特に、これは関西と関東で違うわけなんですが、権利金とか頭金、礼金、更新料、こういうものを取ることができるのかどうか、この点が一つ。 それから、午前中にも問題になっておりました募集の方法ですね。公募だということなんですが、もう少し具体的にどういうような形で公募するのかというような点についてお聞きしたいのです。
○多治見政府委員 最初の敷金、礼金、権利金でございますが、礼金、権利金等につきましては、これは取ることを禁止したいということに考えております。敷金につきましては、三カ月程度の敷金ならば認めてもいいのではないかというように考えております。 それから、家賃の算定基準でございますが、借り入れ金の償却、住宅の維持管理費、建物の公租公課、土地の公租公課、損害保険料引き当て金、地代相当額等につきまして、二十五年の五・五%の計算で出した金額の月割りということで、そのほかに地代相当額といたしましては年五%の額を家賃の基礎としてきめるというように考えております。 募集は、先ほどお答えいたしましたように、公募するということで、その原則でまいりますが、現在土地担保賃貸住宅で行なっておりますように、厳正な公募のほかに、その所有者が自分の自由に入居者を選定できる割合を一応きめております。それに準じまして、二〇%ないし三〇%の持ち主が自由に選考できる範囲をきめたいというように現在は考えております。
○浦井委員 それで、家賃がきめられて、借りるほうと貸すほうが契約を結ぶわけなんですが、現在の公営とか公団というようなところでは、表現があまり適切でないかもわかりませんが、やみ家賃というようなことは考えられないわけなんですか。この農住の場合、民間ベースで賃貸が行なわれる。需要が多ければ、ときには建設省で定めた省令の基準を大幅に逸脱するというような場合も当然予想されると思うわけなんですけれども、そういうようなことが起こっておるか起こっておらないかということの確認。それから、現実に起こっておるということになれば、行政指導ということになると思うのですが、どういう手だてを考えておられるのかということをお聞きしたいのです。罰則があるからというようなことで済ますのでなく、健全にこの制度が発展していくような努力を期待したいわけなんです。
○多治見政府委員 規制されました家賃の励行の担保の方法でございますが、お話しのように確かに罰則がございます。これによって強く担保できるというふうに実は考えております。そのほかに、建設大臣に報告、検査を求める権限もございます。そういったことで規制家賃の励行は守られ得るというふうに考えるわけでございますが、お話のように、これを常時監査するその他の監督の機構でございますが、これはなかなか多数の人員が必要でございますし、なかなかその専門の機関を整備するというわけにまいりません。したがいまして、われわれとして考えておりますのは、入居の際に入居者にこの制度によって建てられた家であるということを十分徹底させるような方法を構じまして、入居者が入る際には、この家はこういう制度で建てられて、こういう家賃の制限があるのだということを十分承知させて入っていただく。そういうことになりますと、家賃の特性上、家主がもし法に違反いたしまして家賃を上げた場合には当然入居者の利益を害するわけでございます。その方面からの反応がございますので、なかなか違法な行為ができないというのが家賃の性格上実態でございます。したがいまして、入居の際にそういった措置を十分とれば違反の監視ということは十分できるというふうに考えております。
○浦井委員 もう一点家賃でお聞きしたいんですが、先ほど北側委員のほうから、利子補給期限十年間が済んだあとの家賃が上がるという問題についていろいろお話があったんですが、その期限内の十年間の間でも家賃の値上げというような事態が起こらないんだろうか。公団にしても、四十六年度は公団の家賃の値上げはしないけれども、四十七年度はわからないというようなことでもありますし、公営にしても、割り増し家賃とかいろいろなことが出てくるわけなんですが、こういうような措置は考えておられるのか、おられないのか。その辺は非常にルーズに考えておられるのかどうか、その点をお聞きしたいのです。
○多治見政府委員 一応基準に従いまして計算された家賃が十年間守られるというふうに考えておりますが、考えられます点は、近傍の地価が上がりまして、当初計算いたしました地価に比べて相当上がったというような場合に、農地所有者が不当な損害を受けることのないように地価についての再評価等を実施する必要があるというような事態が起きた場合には、これは再評価して値上げする必要もあるという場合も考えられます。
○浦井委員 次に、この農住住宅の環境についてひとつお尋ねしたいんですが、政令で見ますと、一団地二ヘクタール以上、二百五十戸以上ということになって、住環境という点で先ほどからも問答がありましたように、民間の木賃アパートほど環境は悪くないだろうと思うのですが、しかし一方、現在あるところのいろいろな公団住宅などに比べると、おそらく規模が小さくなる。そして法にきめられておるように市街化区域内にあるわけなんですから、いろいろな公害そのほかの問題によって、住環境が、必ずしも第一条で定められておるような良好でないようなところ、あるいは将来良好でなくなるようなところが当然出てくるだろうというふうに思うわけなんです。私、ここへいろいろ資料を持ってきたんですが、公団では、まず、いまのところ、公害によってどうのこうのというようなところは——ないことはないんですが、これが公営になりますと、もう大都市の中に無理をして、用地難だからというので建てるために、さまざまな公害が出ておるわけなんです。これは大臣にぜひ見ていただきたいんですが、神戸市の長田区のゴム場のまっただ中に、最近、二年ほど前に百何十戸の公営住宅ができたんです。日吉住宅です。それが何と隣がゴム工場なんですね。その間が二メートルほどしかあいてないんですね。そして隣の工場がどういう工場かというふうに見てみますと、シンナー、ラッカー、危険物を製造管理するような工場なんです。ここに出ているのがその公営市営住宅なんですが、ここにドラムかんが一ぱい積んである。もちろんこういう「危険」と書いた自動車がどんどん通っている。それからこの工場は構内禁煙なんです。すぐ隣に市営住宅があるが、その工場の煙突は公営住宅よりも低いところにある。風向きによってまともに煙が入ってくる。こういう状態です。さらに悪いことには、この公営住宅の一階が保育所になっている。隣がゴム工場のところにあるわけなんですが、そこからは粉じんがでてくるわけなんですね。その粉じんの出るところに保育所の厨房が、食道があるわけなんです。夏などは暑いので、工場も窓をあける。保育所の厨房のほうも窓をあける。しばらくほっておくと、工場側から出てくる粉じんが保育所の厨房の窓から入る。亜鉛華であるとか、いろいろな薬品があるのですが、亜鉛華というのは、私は医者だからわかるのですけれども、やけどの薬で、塗ればよくきくのですが、口の中に入ると、やはり鉛と同じように亜鉛がからだの中に回って毒だろうと思うのです。こういう状態なんです。これは見ていただいたらいいのですけれども、公営住宅法の第一条の中には、「健康で文化的な生活を営むに足りる住宅を建設し、」というふうに書いてあるわけですね。しかもこの住宅の中には、母子、身体障害者、老人などのための特定目的の住宅が含まれているのです。老人向けが四一尺母子世帯が三十二戸、身障者八戸、こういうような形で特定目的の分も含んでいるわけですね。いまお見せした市営住宅の中にはそういう方が入っておられる。これはいろいろな通達が出ておるようなんですけれども、三十三年四月一日の設計基準についての住宅局長の通達なんか見ましても、「良好な環境を構成するとともに」というようなことを書かれておるし、それから工事設計要領書作成要領という四十四年下月二日の通達を見ても、工場、ガスタンク、火葬場、そのほかの住宅に悪影響を及ばすおそれのある施設が団地周辺にある場合はこれを明示することとあるが、神戸市は明示しておらないわけなんです。こういうようなことなんです。これは一体公営住宅法違反じゃないですかね。どうですか。
○多治見政府委員 お話のような事実がありとすれば、法律違反ではございませんが、住宅局長通達に違反しているかもしれません。ただ、公営住宅の中にも、いまお示しの保育所の上に乗っかっているというような住宅がございますけれども、保育所は公営住宅ではございませんので、用地の関係でそういうかっこうで保育所を一緒に建てたという例だろうと思います。 そこで公営住宅の中でも、先ほどお示しになりました特定目的の住宅、これは第二種でございますが、第二種につきましては、あまり遠いところにもっていってはいけないという制約がございますので、勢いそういった環境条件について、第一種の公営住宅と比較いたしますと若干甘い、というとおかしいのですが、地域の制約がございますので、そういった面で多少ゆるく考えるという傾向がございます。ただ、お話しのような具体例はちょっとひどいというふうに感ぜられますので、設計審査の面で何か考えられる余地があったろうと思いますが、事情をしっかり調査したいと思います。
○浦井委員 最近、神戸市では住宅局の汚職が出たり、先ほど大臣のお答えになったような、市営住宅を大企業がそのまま使っておったというようなことがあったり、非常にいろいろな問題がふき出しておるわけなんです。そこで、建設省としても、実情を十分に調べて、指導を強化して、そして市民が安心して住めるような住宅を確保できるようにぜひ努力をしていただきたいというふうに思うわけなんです。 そこで、農住に移りますが、先ほど申し上げましたように、農住住宅のこの制度が発足しても、いまのような極端な例は注意をすれば防げるかもわかりませんけれども、それに近いような例が市街化区域でもあることだし、起こってくるのではないかと思うわけなんです。この法の目的の中には、良好な住宅を供給するということになっておるわけですが、良好な住宅を提供するという目的をどういう手立てで保障されようとしておられるのか、その点について御意見をお聞きしたいのです。
○多治見政府委員 法律といたしましては、抽象的に良好な住環境ということにしておりますけれども、これを具体的にどう担保するかということになりますと、いろいろなことが考えられますが、融資対象として採択いたします場合に、当然その環境条件も採択の条件になるわけでございます。したがいまして、そういった点についても十分考えながら利子補給の対象となる融資を選定するということにならざるを得ないと考えますが、現在考えられますのは、先ほどからお話がございましたように、現在都市計画の用途地域の指定がえ等が進んでおりますので、その中で住環境として適当な用途地域ということで考えますと、現在、住居地域、第一種、第二種とありますが、そういった住居地域の中の計画をまず優先してやっていくというようなところから始めるのが至当であるというふうに考えております。
○浦井委員 時間があまりないのですが、住環境の問題でもう一つ。 これも先ほどから出ているのですが、二百五十戸以上ということになりますと、大体五百戸であれば保育所あるいは幼稚園なども必要だし、また幼稚園なども採算的に成り立つというふうにいわれておるわけなんですが、この農住住宅の場合に、そういう幼稚園、保育所あるいは集会所というものが付属施設として必須になってくるだろうというふうに思っているわけなんですが、この法でいきますと、こういう施設はこの中につくれるわけなんですか。それともつくれないわけなんですか。私はつくれるような規定にすべきだというふうに思うのです。
○多治見政府委員 保育所になりますと、この制度で利子補給を受ける金ではつくれることにはなっておりません。したがいまして、この制度で保育所をつくるということはできませんが、ただ、お話しのように、五百戸という大きな団地になりました場合には、当然それぞれの土地所有者が共同いたしまして区画整理事業としてやるということになりますので、区画整理事業の中でそういった公共施設を整備して、その中でこの事業によって利子補給を受けた融資住宅をつくるということになりますので、そういった保育所等の公共施設については区画整理事業のほうで都市計画として整備していただくということで、この融資対象とは考えなくても整備はできるというふうに考えます。
○浦井委員 大体時間がきましたので、私はこの辺で終わりたいと思うのですが、最後に大臣にお尋ねしたいのですが、調整戸数の問題なんです。今度の新しい五カ年計画によりますと、公的住宅が三百八十五戸、調整戸数が三十八万戸というふうに書かれておる。それで、大臣の前回の委員会からのいろいろなお話によりますと、この農住住宅の構想がスムーズに進んでいきますならば、現在は五年間で五万戸の計画なんですが、調整戸数もこの方式で消化していきたいというようなお考えに承っておるのですが、そうなんですか。
○根本国務大臣 調整戸数全部を農住でやるとは申し上げられませんけれども、農住が、農民の側からも、それから入居者の側からも、両方から非常に歓迎されて、しかも住宅政策上有効であるとすれば、かなりこれを広げていきたい、戸数のみならず、また適用範囲も広げたいという考えは持っておる次第でございます。
○浦井委員 全部ではないがというお話なんですが、けさからのいろいろな論議でわかりますように、農住の場合、確かに利子補給という形で公的資金が入ることは間違いない。そういう意味では、確かに公的住宅に入れても理論的には誤りでないかもわかりませんけれども、実態は、私は民間住宅に近いというふうに思うわけでございます。だから、調整戸数に入れて、それで戸数を建てました、建てましたということでやるのはどうかというふうに私は思うわけで、やはり調整戸数というようなものは、もっと建設省が強力に各方面に働きかけて、ほとんどが公的資金であるところの公営、公団、そのほかの住宅に調整戸数というものを回すべきだということを私、主張して、質問を終わりたいと思います。
○金丸委員長 次回は、来たる二十六日金曜日午前十時三十分理事会、午前十一時委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。 午後四時五十八分散会