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65回国会衆議院1971/02/19

建設委員会 第5号

発言数
67
登壇者
8
会派数
3
開催日
1971/02/19

会議録

金丸信自由民主党

○金丸委員長 これより会議を開きます。  理事会の協議により、この際、建設行政の基本施策に関する件について調査を進めます。  質疑の申し出がありますので、これを許します。浦井洋君。

浦井洋日本共産党

○浦井委員 私、きょうは都市問題で、時間があまりないので、都市再開発の問題について突っ込んで大臣にお聞きしたいと思うのですが、その前に、これは新聞の報道によるわけですが、本四架橋の問題で大臣が十六日に参議院で答弁されておるわけです。この前の特別国会で、協力をいたしましてこの法案を通したわけですが、そのときに、三ルートについて同時着工ということをしきりに強調されたわけなんです。それが、十六日の大臣の御答弁によると、一斉にスタートするとは言えないというような表現をされておる。こうなりますと、これは新聞報道にもありますように、時差着工ということもあり得るというふうに私は理解するわけです。そこで、この点を確認したい。  それからもう一つは、時差といいますと、たとえば数カ月なのか、それとも数年なのかという点を具体的にお聞きしたい。  この二点について、大臣からお願いします。

根本龍太郎自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・中部圏開発整備長官・首都圏整備委員会委員長

○根本国務大臣 十六日の参議院の建設委員会で松本議員から質問がございました。松本議員の私に対する最初の質問の要旨は、三本つくるというよりも、はっきりと一本きめてやったほうがいいではないかという趣旨でございました。しかし、これに対しまして、私は、現在では、これは四国に通ずるわずか四百万そこそこのところにたいへんな投資をするというふうにとられる向きがあるけれども……。(「わずか四百万とは何だ」と呼ぶ者あり)私が言っているんじゃない。しかし、日本の現在の経済発展の状況から見れば、瀬戸内海沿岸地区の本州側は非常な過密現象でありまして、産業並びに快適なる都市生活というものが阻害されつつある。この三本が通じますれば、四国のみならず近畿、中国の総合的な均衡ある発展もできるし、四国の開発に非常に役立つ、そういう観点から三本とも六十年までには完成すべきだという意図でやっておるのであります。したがって、いま一本にしぼれという御議論もあるけれども、そういう態度はとっていない。そこで、それじゃはっきりと、三本とも同時に何月何日から一斉に出発するかといわれると、同じスタート台に立って、用意ドンでみんないくということにはならない。それはいろいろ調査をして進めていきますけれども、現実には漁業補償の問題、土地の補償の問題、それから航路の安全の問題等いろいろあります。それらの条件が同時に完全に具備されるということはなかなか困難です。やはりそうした着工の準備ができたところからいかざるを得ないというふうに考えることもできる。そういう意味では、必ず同年、同月、同日、同時刻というようなことはあるいは確約できないかもしれない、こういう意味のことを私は言ったのです。  したがいまして、その時点にならなければ、何カ月間の格差が出るかどうかということは、現在は申し上げることができない。現実にその時点になった場合における着工の具体的前提条件がどう出るかによってこれはきまる。しかし、政府としては、でき得れば同日にしたいという考えはいまだに持っておるわけです。

浦井洋日本共産党

○浦井委員 大臣のお考えは大体わかったわけですが、しかし、どういう形にしろ、同時着工というよりも時差着工になりやすい、大臣の発言はそういう影響を、特に三ルートの地元に与えておるのではないか。この前の特別国会で同時着工ということを強調されたが、それまでは非常にはでな陳情合戦が事実あったわけです。同時着工を強調されることによって一応おさまっておるのではないかというふうに考えられるわけなんですが、十六日在り本日の大臣の発言によって、また地元に陳情合戦を巻き起こすようなおそれがありはしないかという危惧を私は感ずるわけでございます。そうなりますと、御承知のように非常に無理をしてやっております地方自治体がむだな費用を使うということで、地域住民にとって必ずしもプラスにならない面も出てくるのではないかというふうに思うわけです。その辺については、大臣どういうようにお考えになりますか。

根本龍太郎自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・中部圏開発整備長官・首都圏整備委員会委員長

○根本国務大臣 私は逆になると思うのです。それは、いままでは政治的な陳情によって優先順位をきめようとしてきたわけです。私が申し上げておるのはそうじゃなくして、これは陳情によってきまるんじゃないんだ、むしろ着工し得る条件をそれぞれのルートで整備してもらわなければ、着工したくてもできませんよ、こういう意味です。一番問題なのは、技術問題もありますが、私は、漁業補償と三ルートの航行安全のための合意をどうしてつけるかということに非常に問題があると思います。あそこは非常に錯綜しておるところなんです。これは地元と公団との間で合意ができなければ、着工しようといったってとてもできるものではない。その点が一番大きな問題だと思います。しかも、三ルートともかなり条件が違っておるわけでございますし、これがどういうふうに整備されるかということでございますから、中央に幾ら運動したって、それは解決できないです。地元の問題ですから。そういう意味で私は申し上げておるわけでございます。

浦井洋日本共産党

○浦井委員 大臣の御意向はよくわかりましたので、この問題についてはこの辺でおきたいと思うのですが、私どもの党も、この問題については、早くかけるべきだというふうに考えておりますので、地元の住民が最も望んでおるような方向で橋がかかることをこいねがっておるわけでございます。  いよいよ都市再開発の問題なんですが、時間がございませんので、二、三具体的な例を引きながらお尋ねをして、最後に基本的なことを大臣にお尋ねしたい。  国鉄の方に来ていただいておるわけでございますが、神戸市の六甲口の件なんですが、これは東海道線の本線を高架にする、それと同時に、都市再開発法ができるときからすでにここは再開発事業としてやろう、その二つがあわせて行なわれる事業であるというふうに聞いておるわけなんです。すでに認可もおりておるにもかかわらず、二年余りですか、おくれておるわけです。そのおくれておる原因について国鉄はどういうふうに考えておられるのか、ちょっとお聞きしたいのです。

北岡寛太郎日本国有鉄道施設局長

○北岡説明員 東灘と六甲口の駅の前の高架事業で、仕事のやり方といたしましては、線路を横に一時ふりまして、そして高架橋をつくりまして、そして最後に全部線路を高架に上げるということでございます。六甲口の前の一時使用いたします線路敷の買収と申しますか一時使用につきましては、地元の方々といまだにまだ話し合いがつかないために、現実の問題としてまだその部分だけ着工がおくれている、したがって完成も現在までおくれているというのが実情でございます。

浦井洋日本共産党

○浦井委員 時間がないので一括してお尋ねしたいのですが、私聞いておるところでは、当初国鉄としては、その事業に関係のある方々に対して、土地収用法でもかければすぐにできるんだという比較的安易な考え方で臨んでおられたというふうなことも聞いておるわけなんですが、やはりこういうような仕事をやるときには、そのことによって影響を受ける地域の方々の生活であるとか、あるいは御商売、こういうようなことについてできるだけマイナスの出ないように努力をしなければならぬというふうに思うわけです。それで、現地の人に意見を聞いてみますと、これも一つの方法だろうと思うのですが、現地で営業されておられるような方々は、できたらむしろ国鉄の高架の下に移してほしいというような意見である。そういうようなことがいれられるならば、結果として国鉄の工事も比較的早く進むのではないかというふうに私も考えるわけなんで、その点について、国鉄として、具体的にしかも積極的に解決の方途をとるべきだというふうに私は思うわけです。これについてひとつ御意見をお伺いしたい。  それからもう一つは、これは神戸市と国鉄との間に何かもやもやしたような問題があるようにも私は聞いておるわけなんですが、内容は私は十分に知りません。しかし、こういうことがもしあるとするならば、地域の発展と住民の立場に立って、大局的にお互いに十分話し合いをして解決すべきではないかというように思うわけなんですが、その二点について簡単にひとつお答え願いたいのです。

北岡寛太郎日本国有鉄道施設局長

○北岡説明員 この問題につきましては、国鉄側とそれから神戸市との話し合いが最初からございました。神戸市といたしましては、最初街路事業によって仕事を進めていき、土地の確保をいたしたい、その次には市街地改造事業ということに変更いたしまして進めていきたいという御意向であったように聞いております。その間の話がなかなか進まなかったというのも、先ほど申し上げましたように事実でございまして、現在時点においては、神戸市のほうから、該当される地元の方々について、高架下に入れてもらいたいというお話のあったことも事実でございます。ただ、その間におきまして、いま国鉄は、新しい高架下をお貸しする場合には、高架下管理会社というものをつくりまして、それによって管理もさせるし、その使い方についてもやらせるという、いわゆる間接管理方式をとっておりますので、神戸市の最初からのお話のときには、それは直接神戸市に貸してもらいたいということでお話がございましたので、その間のことで、どちらかと申しますと手続上のことでやりとりがございまして、若干時間がたっておりますけれども、その点に関しては最近氷解をしておるはずであります。高架下をお貸しすることについては国鉄側も若干条件はつけますけれども、その条件に満足しておればお貸しするということについては何ら問題はないのでございまして、今後大鉄当局と神戸市の間でその辺の話し合いが進められる、現在折衝中であろうということでございます。間もなく解決するかと思います。  それから二番目の点で、もやもやした点があるというお話でございましたけれども、私ども、もやもやしているのは、いま申し上げましたように、高架下の貸し方につきまして、やはり神戸市としては十分御理解いただけなかった点があった、その辺を御説明するのに時間がかかったというのが実情かと思うので、それ以外のことはなかったのではないかというぐあいに感じております。  以上であります。

浦井洋日本共産党

○浦井委員 以上が第一の例なんですが、第二の例といたしまして、須磨区の板宿地区の区画整理の問題でありますが、これは昭和二十一年に戦災復興都市計画の事業計画が建設省によって認可されておる。それで、現在まで、それにもかかわらず何ら手がつけ加えられておらない。そのこと自身は、地元にとって結果的には商店街の繁栄というような形でプラスになっておるように私ども思っておるわけなんですが、地元の神戸市としては、交通のネックにもなっておることですし、ことしの春ぐらいの予定でこの事業計画の変更の手続を建設省に対してとるというようなことを聞いておるわけなんです。その計画を見ますと、千四百戸余りで五千人ぐらいの人口の地域に、二十メートルから三十メートルぐらいの、その人家を囲んでの三本の幹線道路が三角形に取り囲むというような計画になっておるわけなんですが、そうしますと、これはだれが見ましても、その人口五千人の中に商店街もあるし市場もあるというようなところが陸の孤島になってしまう。そして、最近騒がれておる排気ガスとか騒音とかいうような公害もひどくなるでしょうし、それから、アイソレートされるものですから人が寄りつかない、商店街なり市場なりがさびれるというようなことが、その地域の方々の非常に大きな関心を呼んでおるわけです。  私、神戸市に聞いてみましたところでも、この計画が行なわれますと、現在その地域では約二万台足らずの一日の車の交通量があるわけなんですが、それが三倍以上の六万六千台ぐらいになる。こういう試算を神戸市は立てておるわけです。そうしますと、私が先ほど申し上げたような現象が明らかに出てくるのじゃないか。ところが、地域の方々も、商店街の人々も、決してこれをそのままのむということでなしに、むしろ積極的に地域の開発をやりたいということで、たとえば大学の教授を呼んで具体的な計画を自分たちで自主的に立ててみたり、あるいは寄り寄りその方たちが相談をされておるわけなんですが、そういうのを見てみますと、たとえばそこに私鉄が、山陽電鉄というのが通っておるわけなんでございますが、そういうものを地下にもぐらして、それをじょうずに活用すれば、ある程度交通量もさばけて、そしていままでのような地域の環境も保全されるというような結論も出ておるように聞いておるわけなんです。そこまで地元としていろいろな具体的な話が盛り上がっておるような場合に、建設省としても、いままで出してきた計画をそのまま認めるというようなやり方でなしに、具体的に地元の様子も検討しながら認可の問題は十分に思案すべきではないかというようなことを私は考えるわけなんですが、その点について建設省当局の御意見をお聞きしたいと思うのです。

吉兼三郎建設省都市局長

○吉兼政府委員 ただいま御指摘の板宿地区、これは先生御存じのとおり、須磨地区の戦災復興事業でやってまいりましたうちのいわゆる残っておる焼け残りの地区でございまして、最近、神戸の特に裏山地域の開発が進んでまいり、ここが交通の非常なネックになってまいっております。したがいまして、この板宿地区を、都市改造と申しますか、都市再開発と申しますか、何とかそういうことをやらなければならぬということは、神戸市当局並びに地域の住民も十分に御認識になっておる地区だと思います。しかし、なかなかむずかしい。区画整理でやるにいたしましても、これは非常にむずかしい問題がある。と申し上げますのは、そういう交通の集中しているところでございますので、既定の幹線街路等もかなりございます。しかもその計画が、地域を斜めに分断したりするようなかっこうになっておりまして、このままでは地元の方にとってもいい町づくりができないということも伺っておりますので、神戸市当局も、この地域の事業をやるについて、前提に在りますところの都市計画の再検討をいたしまして、都市計画の再検討の結果、それに合わしたような事業計画を立てるべく鋭意いま検討されておるやに伺っておりますので、私どもも、そういう方向にこの地域の処理を十分やるべきだというふうなことで今後も指導してまいりたい、かように思っております。

浦井洋日本共産党

○浦井委員 それで、私二つの例をあげてみたわけなんですが、その二つの例でも、地域の商店街や市場の皆さん、あるいは住んでおられる方の意見をもう少し早く十分にくみ上げておれば、この事業も比較的スムーズに進んでおったのではないかというふうに思うわけです。この二つの例だけでなしに、大都市の中のいろいろないままでの都市改造、都市再開発等ずっと見てみますと、これと同じようなケースがたくさんあって、住民の納得を得られずに、いろいろな紛争が持ち上がって、再開発事業自身も何か宙ぶらりんのかっこうになって停滞しておるところがたくさんある、こういうように私聞くわけなんです。  そこで大臣に、こういうことについてでき互いかということをお聞きしたいのですが、やはり一番根本は、都市再開発の場合に、そこの住民の意見を十分に反映させるということが必要だと思うのです。そこで、まあ現在法に定められておるわけですが、法改正も含めてこういう点はどうなんですかということでお聞きしたいのですが、その都市計画に関係のある住民の方々、借家人も含めましてそういう人々に事前に計画案を文書その他で十分に知らせる作業をもっと徹底させるべきだ。それが一つ。それから第二には、計画案に対しすべての住民から意見書の提出ができるような、そういう権利を与える。それから第三番目には、縦覧期間が現在二週間になっておるわけですが、これをもっと延ばす。それから意見書の提出期間も、二週間になっておるわけですが、これももっと延ばす。こういうようなことが考えられないものか。それから住民からの意見書が審議会にかかる。それがどういうような形で処理されておるのかということを公開する。こういうようなことが必要ではないかというように思うわけですが、それが住民の意見を十分に反映させるという点での具体的な提案でございます。  それから第二番目の問題としては、地方審議会が、いまのシステムではあまりにもタッチできないのではないか。計画をきめるときにはタッチできても、それ以後はタッチできない。たとえばこの板宿地区の場合でも、中に住んでおられる五千人の方々にとっての大問題でございますし、あとあとまで地方審議会が十分にこの問題についてタッチできるようなシステムにすべきではないかというふうに思うわけですが、その点について、大臣並びに建設省の御意見をお聞きしたいのです。

吉兼三郎建設省都市局長

○吉兼政府委員 大臣からお答えする前に、私から事務的なことを申し上げます。  ただいまいろいろ具体的に御提案がありました件、本件の場合は、まず前提になりますところの都市計画を再検討するという問題が一つと、それから、それに合わせました区画整理事業を実施していく場合の土地区画整理法との手続の問題二つあると思います。  前提になります都市計画の再検討につきましては、現行の計画を変更する場合には、新都市計画法に従いまして所定の手続をとることになっております。現行法の立て方におきましては、先生御指摘のように、公聴会をやるなり、あるいは原案を決定するにあたりまして縦覧公告をするというふうな機会も与えておりますし、それから最終的には、審議会の意見を聞いて、審議会の議決を経まして決定するというふうな手順になっております。なおこの審議会につきましては、審議会自身の判断になりますけれども、公開をするというふうな道も可能になっておるわけであります。  それから土地区画整理法におきましては、土地区画整理法の事業計画等につきましては、審議会がございまして、その審議会におきまして、所定の縦覧公告なり、そういったような手続が制度的に認められておるわけでございます。それを十分活用してまいりますならば、御指摘のような点は、住民の意思等は十分反映される機会は確保されておるのじゃないかというふうに私ども判断をいたすわけであります。

浦井洋日本共産党

○浦井委員 具体的なその提案について、ほんとうはいろいろディスカッションしたいわけなんですが、時間がございませんので、申し上げるだけにしておきます。  最後に、大臣に、例の農地売り戻しですが、二円五十三銭問題なんでございますが、これはやはり土地が現在ないということで苦労しておる当事者にとって非常に大きな関心だろうと思うのですが、そういうときにああいう決定がされるということは、私は非常にけしからぬと思うわけです。佐藤政府の閣僚の一員として、大臣も、いろいろ巷間いわれておりますので、新聞報道でもいわれておりますので、積極的にこの問題は検討する決意をひとつ固めて、ぜひがんばっていただきたい、こういうふうに思うわけでございます。決意を聞かしていただきたいと思うのです。  それともう一つは、これは委員長にお願いしたいのですが、けさの朝日新聞によりますと、政府発表の売り戻し農地の面積が、政府発表によりますと三百ヘクタールというておるわけなんですが、朝日新聞の中間集計では九百四十四ヘクタールというふうに、非常に大きな違いを見せておるわけですが、これは非常に重大な問題だと思うわけで、ぜひこういうことを資料の提出をお願いしたいのです。農地法の八十条関係のみではなく、国あるいは公有地として市街化区域内に所有しておる一切の土地について、その土地の種類、農地あるいは空地の区別なしに土地の種類、それから筆数、面積、こういうものを明らかにした資料提出をお願いしたいと思うわけですが、ひとつ委員長のほうからよろしくお取り計らいを願って、それから大臣にひとつ決意をお聞かせ願って、私の質問を終わりたいと思います。

根本龍太郎自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・中部圏開発整備長官・首都圏整備委員会委員長

○根本国務大臣 国有農地、これは主として農地改革によって取得したものでありまして、これについては、委員会等でいろいろ御議論になりました経緯並びにああいうふうな結論を出したことについては一切省略いたしますが、建設省といたしましても、でき得ればわれわれはああいうものを住宅政策、都市政策に使いたいということで以前から申し込んでおったわけであります。ところが、一々全部は調べておりませんけれども、従来の農林省からの報告の状況を調べてみますと、大きい面積が非常に少ないのです。一アールとかあるいは数アール程度が大きいのであって、そのために、いわゆる公団とか供給公社等の住宅地には必ずしも適当じゃない。ただ、これは、都市内においての、いわゆる都市公園とか、ちびっこ広場とか、こういうものにはかなり該当するものがあるのじゃないかということで、そういうふうなものに充てるべきだという申し入れをしておったわけです。今回の政令改正にあたりましても、農林大臣から、できるだけそうしたもののあっせんを一生懸命やりますと、いうことでいま進んでおるわけでございます。そうした場合には、主として公共事業体、東京都とかあるいはまた区とか、こういうところでやることになるのでありまするが、その際には、あるいは借り受けるという方法もあるじゃないかというような話で詰めておりますけれども、一方において、いま御指摘のように、自由民主党内においても、議員立法でこれの適正なる是正をするとか、あるいは税法上の措置をとるというようなことがなされれば、それに伴いまして、これらの土地をできるだけ都市政策に使うようにわれわれからも進めてまいりたいと思っている次第でございます。

金丸信自由民主党

○金丸委員長 浦井さん、いまの資料要求ですが、ちょっと数字が——いまもいろいろ相談したのですが、後刻相談をいたしますから、その問題はいずれ御返事いたしたいと思います。      ————◇—————

金丸信自由民主党

○金丸委員長 次に、内閣提出、農地所有者等賃貸住宅建設融資利子補給臨時措置法案を議題といたします。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。浜田幸一君。

浜田幸一自由民主党

○浜田委員 私は、お許しをいただきまして、農地所有者等賃貸住宅建設融資利子補給臨時措置法案に対しての質問をさせていただきたいと思います。  この質問に入ります前提といたしまして、建設大臣に順を追って質疑をさせていただきます。まず、現在行なわれております五カ年計画に順を追いまして……。  今回、建設大臣は、新五カ年計画を立てまして、住宅供給政策を全うしようとされております。その場合に、数字的には九百五十万戸をつくるのだということを実は言われておるのでありますが、率直に申し上げまして、その九百五十万戸を達成する自信がおありなのかどうか、この点についてまず冒頭にお伺いをいたします。

根本龍太郎自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・中部圏開発整備長官・首都圏整備委員会委員長

○根本国務大臣 自信があるから策定して、そうしてこれは進めておるわけでございます。御承知のように、現在の計画は最初情勢判断によって確立したのでありまするが、それが結果的にはかなり情勢が違っておったということの反省に立っております。ということは、まず第一に、戦後の家族構成がこんなに核化現象が急速に進むということは、当時はだれびとも考えていなかった。一応の傾向性は考えておったけれども、それが急激にこれが出てきたということと、それから集中現象が特定の地域に非常に多く集まり過ぎた、こういうことです。一方においては、過疎地帯ではどんどん廃屋になっていく。そういうところの社会構造の変化に対する見通しが変わっておったということです。今回はそういう点をかなり詳しく進めてまいったつもりでございます。  なおまた、現在の日本の経済成長と国民所得の傾向から見れば、かなりの程度持ち家政策がなされ得る。労働省等においても、勤労者の財産形成の仕事をだいぶ強力に進めている。あるいは企業等においても、従来に比べれば、税法上の措置等によってかなりの程度持ち家政策を企業内でやっていく。こういうふうなことになりますれば、公的資金による住宅政策はかなり——いままではそうしたことがないために、あらゆる人がみな公団住宅、公営住宅に行きたがったのが、わりあいに今度は数の上ではセーブできる。そうすれば両方相まってこの程度まではいける、こう思います。  最初、大蔵省は、この計画は多過ぎるということでだいぶ抵抗があったけれども、実は、それではこの問題に対処することができないということで、われわれの原案どおりの戸数を見てもらったわけでありますから、私は、この五カ年間にこれは達成できる、こういう信念を持って進んでおるわけでございます。

浜田幸一自由民主党

○浜田委員 いま自信ある御答弁をいただいて、国民の側に立って、私も自由民主党の一員でありますが、まことに感謝をいたすところであります。  そこで、その答弁の裏打ちといたしまして、昭和四十六年度におきましては四十六万八千五百戸、これだけのものを実はつくられるということで予算計上をされておるわけであります。それに付随いたしまして私はお伺いをいたしておきたいのでありますが、住宅対策費の伸び率は二一・五%であります。そうであったとしますと、いま大臣が御答弁されました年次計画を実現いたしてまいりまするためには、来年度予算要求といいますか、予算は大体本年度の何%の伸びになるか。同時に、三年目にはどうなって、四年目にはどうなるのか、五年目にはどうなるか、政府予算の中でそれらの実現というものが具体的に国民大衆の前に明確にされるだけのものがなければならないと思います。でありますから、でき得ますならばその数字等についてお伺いをいたしたい。と同時に、四十六万八千五百戸をことしつくるわけでありますが、来年以降の数字的な問題を、私の割り当て時間が四十分でありますから、資料要求ということでもけっこうでありますが、ひとつその点をお伺いをいたしたいと思います。

多治見高雄建設省住宅局長

○多治見政府委員 数字的にお答えいたします。  ただいま御質問になりました第一期計画と第二期計画の問題でございますが、第一期計画につきましては、確かに、策定当初におきましては、これによって住宅問題を解決するという意気込みで策定いたしましてこれを実施いたしました。大体計画どおりの建設戸数を建設したわけでございますけれども、しかし、なお住宅難の戸数が残っておるという姿になっておりますことは御承知のとおりでございます。したがいまして、第二期住宅建設計画におきましては、こういった第一期計画の計画と実際のそご、この点をわれわれといたしましては十分反省いたしまして、これを解決したいということで考えておるわけでございますが、先ほど大臣から御答弁いたしましたように、第一期計画におきまして、都市に対する人口の集中度、それから家族の構成の変化が主たる要因として当初の目的を達成できなかったということは御承知のとおりでございまして、現在の経済発展の状況その他から考えまして、第二期五カ年計画におきましては全体で九百五十万戸、そのうち公的資金による援助で三百八十万戸、これで住宅難は解決できるというふうに確信をいたしておるわけ  でございます。

浜田幸一自由民主党

○浜田委員 そういたしますと、九百五十万戸の問題については、ただいまの説明でできるということでありますが、住宅局長、来年は実際に何万戸建設される予定ですか。

多治見高雄建設省住宅局長

○多治見政府委員 先ほどお尋ねのございました政府住宅投資、この伸び率でございますが、今度の五カ年計画におきましては毎年の伸び率を二〇・一%ということで計算いたしております。

浜田幸一自由民主党

○浜田委員 それでは、公営住宅の分について住宅局長にお伺いいたしますが、来年の伸びは二〇・一%ということでありますと、地価は、昭和四十五年から四十六年にかけまして、これはもう用地取得の場合だけでも、基本的には現在の二一・五%以上、これは本年度予算と昨年度予算の比較でありますが、用地取得をする場合でも物価は高騰しておるわけですね。その場合に、パーセンテージの上だけで上がっても、やはりそういう点では需要を満たすことができないのではないかと私は思うのですが、来年度の場合に何万戸をお建てになるのか、ひとつお答えをいただきたい。

多治見高雄建設省住宅局長

○多治見政府委員 来年何万戸を建てるかというお話でございますが、これは分け方がいろいろございますが、公的資金によります住宅といたしましては六十五万七千戸建てるということで計画いたしております。

浜田幸一自由民主党

○浜田委員 私は委員長にお願いします。質問時間が四十分間でありますから、この問題は重要な問題でありますが、ここで議論をいたしておるわけにはまいりませんので、でき得ますならば、五カ年計画の具体的な裏打ちを資料として御提示いただくようにお願い申し上げておきます。そしてまた次の質問の機会にその問題に対して御質疑の機会をお与えいただきますよう委員長にお願いを申し上げたいと思います。  この問題は、大臣は自信がおありであると言われますが、私は、五カ年間の推移を見まするときに、率直に申し上げて、おしかりをいただくかもしれませんが、この問題についてはほんとうに一〇〇%完成できるのかどうか疑いを持っております。ですから、五年たった後においてほんとうに住宅難が解消されるとは思えないのでありますが、この論議は別といたしまして、現在法案が出ておりますから、次に移らせていただきます。  第二番目の問題でありますが、今回の農地所有者の賃貸住宅建設融資利子補給制度による建設戸数は五万戸であります。これも大臣の自信ある答弁の、その自信のほどをお伺いいたしたいのでありまするが、この中で、需要の四〇%でありまするから、三百八十万戸のうちの百五十万戸を賃貸住宅にしたいということでありますが、この場合、数字的に申し上げてみますと、調整戸数が十五五尺公営住宅が百三十六万戸、それから公団賃貸住宅が三十三万一尺それから公庫が十八万一尺それから改良住宅が六十七万戸となっておる。その場合に十八万戸の数字に誤差が出てくるわけでありますが、そのうちの五万戸を今回提案された法律案の中で解決しようとされております。そういたしますと、十八万戸から五万戸を引きました十三万戸という数字が、現在の具体的な計画数字となってあらわれておりません。その十三万戸は一体どういう形で御処理なさるのか、住宅局長からお答えいただきたいと思います。

多治見高雄建設省住宅局長

○多治見政府委員 五カ年計画の数字の組み方でございますが、お話しのように公営、公庫、公団、それぞれの建設計画を立てまして、その中にその他十八万戸というのがございます。これにつきましては、御承知のように、五カ年計画におきまして調整戸数を三十八万戸と置いてございます。これをどういうふうにそれぞれの事業主体に配分して実施するかということは、五カ年計画の進捗の状況に応じて建設大臣がきめるということになっております。その中で、その他の十八万戸のただいま御指摘の戸数でございますが、この中に、今度の法案でお願いいたしております五万戸を含めて十万戸を達成したいということでやるつもりでおります。

浜田幸一自由民主党

○浜田委員 大臣にお伺いします。  数字的にはいま住宅局長からお答えをいただいたとおりでございますが、私はいま御答弁を承って感じましたことは、建設省の中でのこの五万戸の取り扱いについてでありますが、具体的な住宅供給政策、五カ年計画というものの中でこれが果たす役割りといいますか、地位といいますか、そういうものがやはり的確に表現されていないのではないか、このような感じがいたすのでありますが、その議論は別といたしまして、たとえば住宅供給にこの五万戸が果たす役割りですね。ほんとうに大臣の言われるように、指標達成のためにこの五万戸をつくる——五カ年計画で五万戸をつくることが指標達成に果たす役割りですね。このことについて一言お伺いをいたしておきたいと思います。

根本龍太郎自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・中部圏開発整備長官・首都圏整備委員会委員長

○根本国務大臣 御指摘のように、全体の住宅政策からすれば非常に数は少ないです。その点については、いわゆる数的に見た場合にはたいしたことないじゃないかと言われるかもしれませんけれども、私は、これが土地の、特に農地の転換に非常に大きな一つの意味があるということで実はこれを取り上げたのです。というのは、昨年も、御承知のように減反の一つの政策としてこれを買い上げてやろうとしたけれども、非常にこれは困難でありました。まず財源がそれほどありません。それからまた、買うとするとどうしても高くならざるを得ない。地価を高騰させるのです。ところで、農家の人にとりましては、むしろ土地を売却するということに対する本能に近い抵抗感があります。やはり放したくない。そこで、その所有欲とこれを合理的に使うということ、これを連関させて政策を立てるべきである。そこで、近郊地帯の農家が住宅を建てて、そして所有権を持ちつつ、農業を営む以上の所得がありますれば、これまた協力ができるだろう。そうすれば農家にとってもよし、それから入居者も、地価というものがそれほど高く家賃にはね返らないということは非常にいいことだ。ただ、しかし、これをやる場合に、農家はそれだけの資金を持っていません。そして必然的に農協等系統団体からの資金を借りてやるということになるわけです。そうすると、今度はどうしても利子が高いわけですから、そこで、これを利子補給して、その家賃を適正な値段までダウンさせる、こういう方策をまずやってみよう。しかし、これは初めてのことですから、どの程度まで農家の方々が協力してくださるか、いろいろまだ問題があるわけでありますから、それでまず一応、数量としては少ないけれどもこれで発足してみよう。これができると、今度はむしろ——実は、私は、現在の農業団体の首脳部とも数次会ってみたのですが、従来は経済連とか農協が、農業資材の販売とかあるいは農作物の販売だけに集中したのを、今度は農業団体みずからが、いわゆる農住政策を一つのてことして新しい都市づくりに参加する一つの第一歩になる。そういう意味で、これは非常に大きな意味がある。それからまたもう一つは、現在かなりの大手のデベロッパーも一々土地を買ってやるというところに、非常な資金も要るし、またそこにいろいろのトラブルがある。だから、もしこういうものが成功するならば、大手のほうでも農協と提携して、そうして土地を賃貸することによって、その上に住宅をつくるということにもなるという、その意味で今後に対する大きな意味がある、私はこう考えた次第であります。

浜田幸一自由民主党

○浜田委員 それでは、たまたま私の第三の質問の減反政策との関連性という問題が出てまいりましたので大臣にお伺いいたしますが、私の勉強いたしました形の中では、今回本法律によってつくり上げようという五万戸のもので必要とする用地は五万ヘクタールであります。     〔委員長退席、天野(光)委員長代理着席〕 本年度は三千ヘクタールでありますが、その場合に、五万ヘクタールなら五万ヘクタールというものの水田が活用される。そのこと自体は、現在日本国のかかえている水田の減反調整といいますか、現在政府が悩んでおり、また国民全体が悩んでおります米の余剰の問題がありますが、その問題の解決策に向かって与える一つの影響度といいますか、それがそれほど大きなものでありましょうか。もしかりに大臣の御答弁が正当な御答弁であるといたしますと、あまりにも私は小さ過ぎる考え方ではないであろうかと思う。むしろ、五万戸をつくること自体よりも、減反政策として考える場合には、兼業農家の所得を真剣に考えていくとか、あるいは農家の資産である水田というものを宅地に換地をさせまして、その上で生活を求めさせていくということであるとするならば、むしろ抜本的な総合農政上の問題と兼ね合わして、減反をしなければならないパーセンテージ、ウエートをこの法律を通じてどの程度割り当てていくか、この辺のことが明確になってこなければならないと思うのですが、私はきょうの質問の段階では、そうだとするならば、計画が少し小さ過ぎるのではないでしょうかという質問をさせていただきたいと思いますが、大臣のお考え、いかがでしょうか。

根本龍太郎自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・中部圏開発整備長官・首都圏整備委員会委員長

○根本国務大臣 これは、この農住政策で、減反政策を完成するということにわれわれのほうでは直接結びつかないんです。もしそういう点にポイントを合わせるなら、私は別表提案をしている。それは御承知のように、日本における今後の最大の問題はやはり土地問題です。土地が世界に類例のない高騰を来たしている。しからば、絶対的に少ないかというと、そうじゃない。現在の総面積のわずか一・二%より少ない面積なんです。したがって、これをいまの新都市計画によって線引きできれば、それだけでももう二倍以上になる。もっともっと土地というものが流通性を持つならばできる。ところが、なぜこれができないかというところに問題がある。これを長くしゃべるとあなたの持ち時間がなくなるから私の答弁を省略しますが、土地を買わなければ使用収益はできないという、この土地に関する国民の意識を変えるべきだ。そこで私は具体的に提案しているのですが、いまの北関東にたくさんの土地があります。水もあります。人口もあるのです。それなのに、みんなが東京だ、神奈川だというところに集中している。両方とも困る。そこで北関東に百万都市を建設する。そうした場合に、今度は用地をどうするか。そこで、土地を賃貸して、長期賃貸でそこに団地構成をしていく。これをやるために——御承知のように農林中金は四十八年になると現状のままでは存立ができなくなる。そこで農林中金を不動産信託、不動産銀行に転換すべきだ。そして、農家はみな山林と水田を持っていますから、これを信託制度でやって、農林中金と単協がこれを保証する形において長期の賃貸契約を持っていく。そうすれば、農民は自分の土地を持って、そして現在農業をやるだけの地代の収入があるならば、これは喜んで貸してくれる。それから、行くところの工場は土地取得のために金がそれほど要らない。造成費だけあればいい。そして、相当高い地代だといっても、これは結局税法上経費になる。そういうことで、農業団体の首脳部もこれは非常におもしろい構想だということで、いま、農林大臣も大蔵大臣もそうした方向でやっていこうではないかと言う。要するに、新しい日本の地域開発と、それからいまのあなたの御主張になる減反政策とが合理的に結んで、しかもむだがなくいける。私は、そういう方面で解決すべきであって、農住政策それだけで減反をするといってもそれは限界がある、こう思うのです。

浜田幸一自由民主党

○浜田委員 その問題の論議は別といたしまして、いまの大臣の答弁の中で、新しい不動産銀行の問題と信託関係の問題が出ましたが、審議会の答申はすでにごらんをいただいておると思いますが、第三番目の「住宅に対する財政金融政策の転換」という項目があります。その中に、「住宅、生活環境の整備等社会開発を重視した財政金融政策に移行すべきではないか。」という答申が出ておりますが、この問題について大蔵大臣と建設大臣と具体的にお話し合いをしたことがあるかどうか、お伺いをしておきたいと思います。

根本龍太郎自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・中部圏開発整備長官・首都圏整備委員会委員長

○根本国務大臣 これは今度の予算編成にあたりましても——従来は開銀の資金を都市政策あるいは住宅政策に使わしていなかったのです。私は、数年前から、日本開発銀行を変えて社会開発銀行にすべきではないかと主張してきた。すでにいままでに、貿易振興とかあるいは重工業の振興のために政府財投を使ってきたことは、それ自身として意味がある。しかし、今日はむしろこのように過疎過密現象が起こっている。都市の再開発をやらなければならぬ。公害問題が出ておる。それならばむしろ転向すべきだということを実は主張してきたわけです。しかしながらなかなかそこまでは全部いかないけれども、一応その方向に基づいて、いまの地域開発、都市の再開発、それから民間デベロッパーに対する資金の供給もするというようになりましたのは、これは実は大蔵大臣と私がかなり積極的に話し合った結果一部それが出ておりますというふうに理解していただきたいと思います。

浜田幸一自由民主党

○浜田委員 私、ただいまの減反政策上の問題についてはまだ意見のあるところでありますが、後ほど私的にも御指導をいただいて勉強させていただきたいと思いますので、終わらしていただきます。  そこで住宅局長にお伺いします。また前の問題に戻りますが、今度は法律の内容についてお伺いします。  政府のお考えでは、百九十三万円以下百二十六万円以上のものを今回の賃貸契約の利子補給のものに該当させるということでありますが、その場合に、百九十三万円以下と百二十六万円以上では相当な差がありますね。この算定の根拠はどこにあるのですか。給与所得というのは、たとえば百五十万円以下については、現在、公明党においても野党においても、百五十万まで無税にしろとか、百三十万まで無税にしろということを言っておりますが、そうすると、百九十三万円以下百二十六万円以上ということになると、百五十万で切りました場合でも差が非常にありますね。そういう算定の根拠はどこから出てきたことですか。この点お伺いします。

多治見高雄建設省住宅局長

○多治見政府委員 お答えいたします。  その問題は住宅政策の基本に関する問題だとわれわれ考えております。したがいまして、第二期計画を策定いたします場合に、人口の移動、それから先ほど申し上げましたような家族の構成の変化、その他そういった外的条件に比べまして、それに対応いたします用地費の額、それから建築費の額、そういったものを積算いたしまして、現在の給与水準では自力では適正な環境の住宅を確保できないという層を想定するわけでございまして、そういった分析から、いまお話しのような金額から、公営住宅で住宅を供給すべき階層、それから公団、公庫住宅で供給すべき階層というふうに積算いたしたわけでございます。

浜田幸一自由民主党

○浜田委員 算定の根拠についても、現在の状態から分析いたしますと非常に抽象的な面があるわけでありますが、その問題は別として、それでは、この法律がつくられて、住宅は建てられますが、たとえばそれは高層建築を建てられようとしておるのですか。それとも一戸住宅ですか。

多治見高雄建設省住宅局長

○多治見政府委員 お答えいたします。  この法案の中にも書いてございますように、良好な環境の住宅を供給するということが一つの目的でございますので、木造の環境の悪い住宅を供給する場合にはこの法律の適用はないということで、われわれのねらっておりますのは、計画的な団地の中で少なくとも中層以上の住宅が適正な家賃で供給されるということをねらっておるわけでございます。

浜田幸一自由民主党

○浜田委員 その場合、この答申案を見ますと、わが国の住宅政策は西ヨーロッパ先進諸国に比べて非常におくれをとっておるということをはっきり言っておるわけですよ。ところが、住宅が不足していることにおいてもおくれているけれども、建て方においても、たとえば空間利用という面においてもおくれていると認めざるを得ないわけですね。答申案がそういう形で出て、建設省もこれを認めているとすれば、同じそういうものを建設する場合でも、ヨーロッパ諸国に負けないものをやはり私はつくるべきだと思うのです。ところが、その辺が非常にあいまいだからいまの点をお伺いしてみたのです。たとえば、八階建て以上でなければエレベーターがつかぬ。今度つくられる住宅というものは、考えておられる良好な環境ということばは、エレベーターつきの住宅なんですか。その点ちょっと一点だけお伺いいたしておきます。

多治見高雄建設省住宅局長

○多治見政府委員 具体的にエレベーターつきかどうかという問題が住宅環境の条件として決定的な影響を持つものではないというふうに考えられます。  それで、ヨーロッパと比較しまして、日本の住宅環境なりあるいは住宅の規模等が劣っているかどうかという点につきましても、これは計算のとり方でいろいろございますが、われわれといたしましては、できるだけ早い機会にヨーロッパ水準に追いつきたいということでやっておりますが、これは数字のとり方にいろいろございますけれども、現在のイタリアの水準くらいまでには追いつけるということで努力しておるつもりでございます。

浜田幸一自由民主党

○浜田委員 私もイタリアへ行って、二十ドルから二十五ドル払って各家を見せてもらいましたが、イタリアのローマ近郊につくられた新しい建物なんというのは、実際に日本の国の中で一般市民に供給している住宅と比べてみた場合には問題にならない。その場合、私考えることは、いずれにしても現在の日本の住宅政策は、住むところを与えたいということで、むしろ住むところを与えながらよりベターな環境をつくり上げていくということに対するウェートが必ずしも十分でないと思うのです。だから高所得の者は十分な家庭生活を営むことができるけれども、たとえば給料五万なり、六万なり、十万で生活しておる者は、いつになってもこの生活格差は——これは所得格差じゃない。もちろんもとは所得格差からくることでありますが、その生活格差というものは、現在の住宅行政の中で結局解決のできるものではないという感じが私はいたします。この問題は論議の外で、私はきょうここでこの議論を申し上げません。時間がありませんので、先にまいりますが、住宅局長、この点については、書面にあらわした答申に出たもの、計画に出されたものを一日も早くそういうものに近づけるためになお一そう御努力くださるよう、私は国民の側に立ってお願い申し上げておきたいと思うのです。  それから、先ほどちょっと出ましたが、この問題は市街化区域に限定いたしておるわけであります。しかし、建設大臣の御説明では、この問題を通して減反政策そのものを考えているのではない、そういうことでは実際に減反政策は解決されないということでありましたから、特にその問題については私は拘泥はいたしませんが、少なくとも、現在十万円も二十万円もする土地に対して賃貸契約を行なう住宅を建てて農民の所得を潤していくなんという考え方そのものが非常に甘いのではないかと思う。そのことについては私は御意見を求めませんが、私の質問は、市街化区域に限らず、もし、この法の精神を生かして、農民の側に立って生産所得を守り、住宅のない者に対して住宅供給をするという考え方に立つとすれば、むしろこの間線引きを行なわれた都市計画法、そういうものの中で、市街化調整区域に当てられたその地域にもこういうものが適用されていくことが正しいのではないかと私は思うのですよ。その点についてのお考えはいかがですか。

多治見高雄建設省住宅局長

○多治見政府委員 確かにお話のような議論がこの法案の原案作成の段階にもいろいろございました。それで、われわれといたしましては、そういった御議論の根拠もよくわかりますし、そういう施策も必要であるということはよくわかりますが、ただ、現在当面しております住宅政策の現段階におきましては、住宅難の一番集中いたしておりますのは大都市地域でございまして、その大都市地域の市街化区域について、とにかく住宅を供給するという当面の緊急の要請に対応する施策として、やむを得ずこういう限定をしたということでございまして、将来経済条件あるいは財政条件その他が変わりましたら、やはりそういう理想を持ってこの制度を広げていろいろやりたいという希望は持っております。

浜田幸一自由民主党

○浜田委員 これはちょっと恐縮ですが、大臣にお伺いしますが、たとえば人口五、六万の小さな市がありますね。そういう市の中においても、たとえば農村の次三男対策として——これは答申案にも出ておるのですが、ちょうどベビーブーム時代の人たちが結婚をする。そういう離農者がほとんどサラリーマンに変わっておりますので、そういう点でやはり該当する人たちが小さな都市の周辺にもたくさんおるわけでありますが、そういう場合の適用といいますか、この法案がかりに通過いたしました場合に、それにそういうものを満たしてやるだけの配慮がなされるのでしょうか。その点、もしなされないとすれば、それらにも適用するような法律をお出しいただくことをお考えになっておられるかどうか。

根本龍太郎自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・中部圏開発整備長官・首都圏整備委員会委員長

○根本国務大臣 先ほど申し上げましたように、この制度はいま初めてやるわけでございますから、その実施を見て、ここから検討しなければならぬと思います。いま幾たびか御指摘になりましたように、これは減反政策のためにこの農住政策をやっているのではなくて、都市の住宅政策にポイントを合わせてやっているわけです。そうなりますと、どうしても大都市近郊の市街化区域にやらなければ、いわゆる環境が全部整備されていないのです。上水道にしろ、それから街路にしろ。そうしたものを調整区域についてやりますと、今度は企業者自体がやらなければならぬ。そうするとうんと高いものになる。今度は市街化区域ですとおおむねそれが整備される。こういうことも一点です。  したがいまして、今度これができた場合に、人口十万か五万の都市のところまでいくかというと、いますぐにはそこまでいかないと思います。これをやった結果、そうしたところまで及ぼすことが可能であり、またそのほうが適切であるというときになって考えるべきであって、現在はやはり大都市の市街化区域に焦点を合わせて、とにかく五年間はやってみよう、こういうことでございます。

浜田幸一自由民主党

○浜田委員 住宅局長にお伺いしますが、対象とする融資機関の範囲は農協関係に限られておりますけれども、この施策を効果的に推進するのには、やはり他の金融政策の問題を考えていただかなければならないのではないでしょうか。たとえば、実はきのう私調査いたしましたが、それをやっていると時間がかかりますので省略いたしますが、農協の金利と一般銀行、たとえば都市銀行の金利、この金利には当然差があると思いますが、住宅供給をできるだけ安く供給してやる、農民の負担をできるだけ軽くしてやるという側に立った場合と、もう一つは、入るほうで家賃を少しでも安くしてもらうということになると、金利はできるだけ安いほうがいい。そういう場合に、都市銀行なり地方銀行の金を政府が援助なり指導あっせんなりをして活用させるようなことをも含めて考えるべきではないかと私は思うのでありますが、その点はいかがでしょうか。

多治見高雄建設省住宅局長

○多治見政府委員 お答えいたします。確かに、お話しのとおり、すべての金融機関がこの制度に乗れるような融資をしていただければ、われわれとしては一番希望するような状況でございますが、現在の金融情勢から見まして、一応二十五年という長期の資金を予定しております。     〔天野(光)委員長代理退席、委員長着席〕 こういった資金について・融資能力のある、金融力に余裕のある金融機関ということが一つ条件として限定される面がございます。それと、この制度でねらっております農地所有者、いわば農民でございますが、農民の金融機関としては、やはり資金量もあり、農民に対する金融の努力も従来している農協の資金をまず活用すべきじゃないかということでこういった規定にしたわけでございますが、今後もし農協系統金融以外に、通常の金融機関で、この制度で予定しておりますような条件で、農地所有者に対しまして金融ができる金融機関ができました場合は、これも当然加わっていただきまして、これに対して利子補給をしたいと考えておりますけれども、現在の情勢ではなかなかそういう金融機関は望めないのではないかというふうに考えております。

浜田幸一自由民主党

○浜田委員 もう一点ですが、都市近郊地域の土地所有者にこのような措置を講ずることは過当な援助ではないかという意見もあるわけです。反面、この制度によって、標準的な家賃と需要との関係から、立地が制限されるのではないかという危惧も巷間いわれておりますが、当局の見解、この辺についてはどのようにお考えでしょうか、住宅局長。

多治見高雄建設省住宅局長

○多治見政府委員 都市近郊の土地所有者に対しましてこういった援助をすること自体がおかしいんではないかという議論は、こういった制度を考えます場合にまず出てくる議論じゃないかと思います。それは端的に申し上げまして、従来持っておりました土地が周囲の条件の変化によって不当な値上がりをして、過当なもうけをしておるのじゃないかというところからくるというふうに考えられます。また、御議論の中身も大体そういったことであるようでございます。ただ、都市周辺に土地を所有しておりまして農業経営をしております場合は、その収入というものは農業収入でございますので、限られておりまして、その土地が周囲の条件の変化によって潜在的な価格が上がるということについての利益は得ていないわけでございまして、これに対して、今後住宅政策の面から、その土地に住宅を建てていただいて、適正な家賃で家を建てていただくということになった場合には、周囲の条件の変化による土地の値上がりがそのまま家賃に反映するということではないので——そういったことでは住宅政策の面からも困りますので、これを適正な家賃まで引き下げて貸していただくということを目的とする場合には、やはり国が利子補給などをして、適正な環境の、適正な家賃の賃貸住宅をつくっていただくということで地主に御協力をいただくという要請をせざるを得ないというのがこの法律の目的でございます。

浜田幸一自由民主党

○浜田委員 定められた時間がまいりましたので、まことに残念でありますがここで質問を打ち切らせていただきますが、大臣にお願いだけをいたしておきます。  大臣もこの住宅問題については非常に御努力をいただいておるところでありますが、まだ国民大衆の中には、本法案によって定められる百二十六万以上百九十三万円以下——それ以外の住宅困窮者もおるわけでございますので、でき得ますならば、大臣の手によって、それらの低所得者に対してもこのような恩恵が与えられるような新しい法律をどしどしおつくりいただいて恩恵をお与えいただくよう、なお一そうの御努力をいただきたいと思います。  なお、住宅局長、法の施行にあたりましては、でき得るだけこれに協力しようとする現地農民の側に立って、あたたかい御施策のほどを心からお願いを申し上げる次第でございます。  なお、先ほどお願いいたしました資料につきましては、できるだけ早期に御提出をいただくようお願いをいたしておきます。  私の質問を終わらせていただきます。

金丸信自由民主党

○金丸委員長 阿部昭吾君。

阿部昭吾日本社会党

○阿部(昭)委員 いま提案をされております農住賃貸住宅に対する利子補給の法律に対して若干お尋ねをしたいと思うのであります。  その前提に、いま浜田委員の質問に対してお答えもあったのでありますが、大臣、政府は日本という国をどういうふうに構想していこうとなさるのか。人口の都市集中というのがたいへんにはなはだしい。なぜ集中が行なわれるかということになれば、経済がそこに集中しておるからだと私は思うのであります。今日の都市は、人間が生活をするのに好適な条件というものはほとんど失われつつある。失われつつあるが、なおかつ都市に人口は集中をする。それは都市に経済が集中するからであります。したがって人口が集中するから大都市周辺にこういうものが計画される。ある意味でいえば、これは政府は非常にずるいと思うのです。民間の力でいまの問題をやっていこうとする。そのことはずるいということばはさておいて、とにかくそういうことをやろうとする説明をずっと聞いておりますると、この法案の第一条の中にも、「水田の宅地化に資することを目的とする。」といっておるのであります。おそらく、いまこの法律を適用しようとしております区域には水田なんというものはほとんどないと思うのです。賃貸住宅を建てようなんという場所は、もはや水田なんかではないのであります。したがって、いま問題の生産調整、減反にも資するなんというおこがましいそれはとったほうがいいと思う。それをやるのならば、やはり大臣の地元の大曲あたりでもこれができるとか、私の選挙区の酒田あたりでもできるということなら、これなら水田の宅地化、減反、生産調整にもある意味では資するということになろうと私は思う。(発言する者あり)いま、少なくとも第二期五カ年計画内において、それは天野委員のやじもありますけれども、十年先の日本の食糧情勢がどうなるかなんということはわからぬのであります。そのころになると、減反どころじゃなくて、また政府は目の色を変えて食糧問題でやらなければならぬような事態がくるという説さえあるのであります。それはさておいて、水田の宅地化あるいは生産調整をも考えておるといったような思わせぶりな文言はこの法律からといったほうがいい。大体この第二期五カ年計画で五万戸ですか、それに要する土地はほんのわずかじゃありませんか。しかもいま建てようとしておる場所は、これは全然水田なんかじゃないですよ。米などやっておるところじゃないです。そうじゃありませんか。  そこで、いまのこの都市集中というものをこのまま野放しでやっているならば、日本はたいへんなことになってしまうと私は思うのです。私は、公団住宅の二DKなんという、あの団地住宅群をずいぶんと調査いたしましたが、あの中から情感にあふれた次の時代の人間が育ってくるはずがないということを私は痛感するのであります。われわれのいなかでやっている養鶏のケージ飼いというのを大臣は御存じだと思うのでありますが、いまの公団住宅の二DKなんという建物を見ておりますと、生きた人間が鶏のケージ飼いみたいな状態にされておるというように私は思うのであります。私は、そういう意味で、住宅政策をやはり根本的に考えなければならないと思う。その住宅政策のもっと根本にあるものは、いまのこの人口の都市集中というものなんだから、これを押えなければいかぬと思うのであります。押えるにはどうするかということになると、経済の集中化を分散するというところからやらなけたばいかぬと思う。しかし、いま新全総その他を見ましても、分散化じゃなくて全部集中化を肯定して、都市集中化が促されるような方向に政府は進めようとしておるように思う。そして、おためごかしにと言うとこれはまたおしかりを受けるかもしれませんが、お気にさわるかもしれませんが、一体、都市近郊の、大都市周辺のここにこういうものをやるなんということだけで、将来の日本を構想する場合の明るい見通しがほんとうに考えられていいのだろうかどうかということになると、私は残念ながら疑問を持たざるを得ないのであります。したがって、今回提案のこのこと自体を私は否定しようとは思いません。思いませんが、今日もっと根本の問題があるのじゃなかろうかというふうに思うのであります。たとえば、こんなものを提案する前に、大臣の地元にしても、私の郷里にしても、山の中での集落の再編成なり、農村地域のコミュニティーというか、そういうものを全く根底から再編成していかなければならぬ根本的な問題があるわけであります。そういうところにこそいま力を集中しなければならぬのじゃないか。大都市周辺に富は集中する。だからといって、住宅も何も全部このまま集中さしていっていいのかどうか。  この間私は、大臣のところにも、出かせぎ者の皆さんを引っぱっていろんな要請に参りましたが、その際に私は、出かせぎ者の皆さんに、金になるから出かせぎをする、経済が苦しいから出かせぎをする、このことの繰り返しはもうやめようじゃないか、出てきたならば、そこで技術を習得して、その工場なり企業の分散化を促すような出かせぎというものにわれわれはねらい定めてやろうじゃないか、ここで二年、三年技術習得をやったならば、ここの工場をおまえさんのいなかに持っていってやらせるぞというくらいの企業でなければ出かせぎやらぬようにしようじゃないか、こう言って議論を実はしておるのであります。ちょうどその具体的な談判で、私は大森からあのあたりをずいぶん回ったわけです。夕方の五時半ごろだと思いますが、鈴ヶ森のところから高速道路に乗っかったところ、乗っかったきり車が一時間半ほど霞が関までたどりつくことができないのであります。これが今日の大都会であります。この都会にさらにもっと人口が集中するような方向を押えることがまず先なんじゃないだろうか。そのことを抜きにして、この周辺に少々のことを、小手先のことをと言うと語弊があるかもしれませんが、やったところで意味はない。日本の将来の大きな民族国家の方向からいくとむしろ逆なんじゃないかといった考え方を私は持っておるのであります。もっともっと地方を豊富にしていく。都会に人間のケージ飼いみたいな状態をこれ以上積み重ねていって一体どういうことになるのかということを考えなければならぬのじゃないだろうか。そういう意味で、この政策は五大市なんというものにとどめるべきじゃなくて——いまのこの法律では政令できめるといっておるようでありますが、私は、もっともっと広い範囲にやらなければいかぬのじゃないかというふうに思うのですが、そのことをまず大前提としてお聞きしたい。これはさっき聞いた将来は、なんということじゃだめですよ。

根本龍太郎自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・中部圏開発整備長官・首都圏整備委員会委員長

○根本国務大臣 非常に大事な問題を提起されまして、基本的な考え方には私も同感です。しかし、これは御承知のように、この二十世紀になりまして、自由主義関係から立っておるところの学者の諸君も、あるいは社会主義経済学者も、あるいはまた都市学者も共通して申します点は、都市化現象は一つの歴史的必然であるということで、むしろそれをいかに適切に措置していくかがいわゆる近代文明の流れであるというふうな考えが多過ぎたと思うのです。したがいまして、少なくともこの十数年間の日本の都市学者あるいは経済学者の諸君も、よく象徴的に言われるのは、大都市圏とか、あるいはメガロポリスとか、あるいは太平洋ベルト地帯とかいうことで、そういう構想を持っておる。そこに少なくとも八〇%くらいまでは人口、産業が集中するのだ、それを前提として諸施策をやるべぎだと言った。ごく数年までこれなんです。そして、東北とか北陸とか、あるいは山陰、四国、九州は完全に過疎化していくことが歴史の必然だというふうな考え方をしてまいりました。したがいまして、少なくとも六、七年前まではそうした形の新全総的なものがあったと私は思うのです。そこで私は、これを修正しなければならぬいけないということで、党におるときに五回にわたって申し入れまして、そして今度は相当変えてきたのです。なぜならば、御承知のように、現在の産業も、それからいろいろの人間生活から見ても、大都市に集中することはメリットがなくてデメリットになってきたのです。一番基本的な問題は水の問題で、これは致命的な問題になってきたわけです。したがいまして、現在ある施設、産業等をいまや大都市からみな疎開して、たとえば小川原なんかを中心とする陸奥湾に持っていきたいとか、あるいは苫小牧とか秋田沿岸とか、あるいはまたいまの周防灘とか、あるいは四国とか、こういうふうな発想に変えてきたということが一つの大きな反省のあらわれだと思います。  また、この都市政策についても、いま、交通問題を処理するために大きな都市はみんな地下鉄をやろうとしています。この東京に現在一キロの地下鉄をつくると在ると六十億かかります。しかもそれで解決するかというと、解決できない。そうするならば、むしろ日本の産業並びに文化の地方分散を計画的にやるべきだと考えて、そうした施策の一端として、道路政策も、利水計画も、あるいは都市政策もそこに持っていこうという努力をわれわれはしていることは阿部さんも御存じのとおりでございます。しかしながら、それかといって、現在過密化して非常に人間生活が疎外されておる都会はそのまま放置して、そうしてそっちに行けということは、これまた政治を扱う者としてはなかなか言えないというところに現実の複雑さと問題があるわけであります。したがいまして、将来に向かっては阿部さんの言うことと私は全く同感です。しかしながら、現実においては、皆さんから常に追及されておる都市における勤労生活者の住宅がケージ飼いだと言われること、それも事実です。それをそのままほうっておいて、どこへ行けと言う、それはできないのです。したがって、現実の政策と在りますれば、そういうふうに現実に全く窒息状況にある都市における住宅政策もやりつつ、将来に向かっては新しい価値の転換を考えていかなければならないということだと思います。それを前提にしての、その意味においては私は同感です。ただし、それに基づいて、いまこの農住政策をその観点に立って直ちに全国の農村地区に適用すべきだということになると、これはにわかにそうはいかないということです。これは現実の住宅政策の一貫として出しておるわけでございます。してみれば、住宅に非常に困っていて、少しでも低家賃の貸し家住宅がほしい人が多いという現実からすれば、やはり都市、しかも大都市を中心とするところにこれをやらざるを得ない、こういうふうに考えておりまして、全体の構想については私は阿部さんの意見と同感ですが、これをそのためにすぐに範囲を拡大するということはできないと思います。  それからもう一つ、たいへん構想の高い問題で、私も一言お答えしなければならぬと思いますが、私は実は、地方は、欧米諸国と変わった一つの発想で、工業と農業が緊密に連関できた新しい地域開発がなされ得るし、またなさねばならぬと考えております。それは、ある意味においては、日本の農民ほど技術的、能力的に高い農民は世界にほとんどないと私は思う。しかも、現在農村においては、たいていみな大きな作業場を持っております。住宅も持っています。そうして、どこにも電動機がほとんど入っているような状態でございますね。そこで、私は、いままではベルトコンベアで集中しなければ産業の合理化ができないという考えを持っておりましたが、それをむしろ部品化し、規格化して、アセンブリすれば相当の工作機械でもできる今日ですから、それで私は、数年前から、科学技術庁あるいはいまの通産省の工業技術院で工業製品の部品化、規格化を思い切ってやるべきだ、そうすれば、農村で農業をやりつつ、農閑期には自分の郷里で、自分のうちで部品をつくれる、こういうことをやれば、いまの過密問題もなくなれば、いまの公害問題も非常になくなるし、労働問題もなくなるんじゃないかということを、実は微力ながら主張してきたのですけれども、なかなかそこまでいきません。しかし、いまや、一部家電その他消費者物資についてはそういう傾向もできつつあるように私は見ております。そういうことを進めて、農業と工業のバランスのとれた、しかも人間生活を中心とする産業構造と申しますか、そういうものを持っていくべきだ、という点では阿部さんと私は全く同感であります。しかし、これには国民の合意も要るし、企業家自身の発想をいまから転換しなければならぬ。そういう意味においては、現代の、いわゆる二十一世紀の最大の問題はそうしたところに持っていくべきじゃ安いかと思う。  ベルトコンベアシステムは一つの迷信だということを私は強調したいのでございまして、そういう問題を含めたところのものは、住宅政策からではなく、日本の産業構造そのもので基本的な再検討まで進むべきことでありまするが、この住宅問題からすぐにそこまでいくことはなかなか困難でありますので、阿部さんの御構想は私も賛意を表しますけれども、これとすぐに結びつけることは時間的にもどうも合わないというような感じがするのでございます。

阿部昭吾日本社会党

○阿部(昭)委員 昭和四十五年度に減反生産調整三十五万ヘクタール、そのうち十一万七千ヘクタールは公共用地で政府は買い上げをする、こう言っておったわけですが、農民のほうは百十数%を達成して目標以上の協力をした。しかし、十一万七千ヘクタールの公共用地の買い上げで生産調整をやるという部分についてはまるっきり進まなかった。この不信感は非常に大きいのであります。そこで私は、さっきもお尋ねいたしましたが、この法案の第一条にありますような「水田の宅地化に資することを目的とする。」などという、何かいまの米の問題や何かをからませて議論するような文言は消したほうがいいと思う。「水田の宅地化に資することを目的とする。」というから、それならば過密大都会だけじゃなくて、大臣の地元にも、私のところにも、天野理事のところにも、みんなのところにも、大体同じような理想郷か何かが出てくるのかと思っておったところが、いま見ますと、「水田の宅地化に資する」なんという、そんなことをここで麗々しくうたっておるような内容にならぬじゃないですか。内容とここにうたっておることと違うようなことは、幾ら役人でもやらぬほうがいい。どうですか。

多治見高雄建設省住宅局長

○多治見政府委員 お話のように、この制度で宅地化されます水田の量は、全体の水田、稲作転換から比べますと非常に微々たるものだと思います。したがいまして、本来この制度をつくります際に内部でいろいろ議論いたしましたが、そのときに、水田を宅地化するという表現までするべきではないという議論もございました。そういうわけで「水田の宅地化に資する」という非常に遠慮した表現にしたわけでございます。量としては微々たるものであるということははっきりしております。ただ、現在の大都市周辺の市街化区域内の水田を持っておられる方がいま何を考えておられるかということを考えますと、やはりこういった制度が発足いたしまして、その方たちが自分の水田を手離すことなく、宅地として活用して、そこに政府の利子補給という援助を受けまして、住宅を立てて住宅を供給するということで、その後の生業についても安定した収入を得る道が開かれますことは、そういった方たちの今後の生活の非常に大きな指針になるといいますか、ものの考え方にプラスになる、こういった意味でこの制度の効果も大きいのではないか、こういうふうに考えておるわけでございます。

阿部昭吾日本社会党

○阿部(昭)委員 それはなかなかのへ理屈だと思うんですね。「資する」などという遠慮した言い方をしたとか言いますが、私は現実に東京周辺をずいぶん回ってみましたけれども、そんな水田なんか実際上見当たらぬのです。ですから、いかにもいま問題の米過剰の問題とこれがかかわり合いがあるかのごとき、そういう思わせぶりな文言はまぎらわしいから使わぬほうがいい。ただ、この法案が構想されておったころ、いろいろ聞いておりましたので、地域ではみんなこういうものが広がってくるという期待を持っているわけです。ところがこういうやり方になってくると、何か話が違うじゃ互いかということになってくる。こういう思わせぶりな言い方はせぬほうがいい。私はこの法案はなかなか問題が多いと思う。いろいろ問題の個所を全部「政令で定める基準に」とかなんとかいうことでずいぶんあげておるわけですね。  そこで、ここにいっておりまする「その他政令で定める金融機関をいう。」というところからずっときて、第二条の二項一号で「次に掲げる事項が政令で定める基準に適合していること。」二号で「当該一団地の住宅の建設が政令で定める面積以上の水田の宅地化を伴うと認められること。」というふうに政令ということばがずらっとあるのでありますが、この政令の内容を御提示をいただきたい。

多治見高雄建設省住宅局長

○多治見政府委員 先ほど、地価公示の問題に関連して、都市の人口集中の問題、過疎地域の問題等にお触れいただきましたので、その中で数字的な問題でちょっとお答えいたしておきたいと思いますが、現在三大都市圏の中で水田はないというお話でございますが、調査の結果といたしましては、相当の水田がまだ都市圏の中には残っております。三大都市圏の中の市街化区域内だけでも、現在水田が七万ヘクタール残っております。こういったものにつきましてはこの制度で相当の宅地化ができるのではないかというふうにわれわれとしては期待しているわけでございます。  それから政令のお話でございますが、おあげになりましたものはそれぞれ内容を政令できめるというふうになっておりますけれども、技術的な基準を政令できめるということにいたしておりますが、この政令できめます内容につきましては、現在われわれとしては一応事務的な案を準備いたしておりますが、御要求によって資料として一括して、どういう内容できめたいということで検討しているかということを出したいと思っております。

阿部昭吾日本社会党

○阿部(昭)委員 いまのその政令はいつ出しますか。いま出せますか。

多治見高雄建設省住宅局長

○多治見政府委員 ただいまお出しいたします。

阿部昭吾日本社会党

○阿部(昭)委員 そこで、この法案とのかかわり合いにおいて、先ほど大臣の御答弁もございましたが、わが国全体の住宅政策ですね。今度の第二次五カ年計画を見ましても、ほとんど全部大都会における住宅対策が中心になっておるように思うのでありますが、私は、問題は、地方全体をもっとどういうふうに構想していくのかというところから始まっていかなければいかぬと思うのであります。そういう意味で、今回、大都会周辺の過密に対して農住利子補給という形で一つの方向を出す。確かに、現状の地方の住宅政策にいたしましても、住宅金融公庫あり、その他いろいろなものがある。あるけれども、経済の都市移動に伴う農山村の財政費難というものはたいへんな問題になってきておる。経済がそこにないのでありますから、経済の伴わぬところの農山村の、地方の中小都市等への通勤等も不可能なそういう場所に長くとどまっておることは許されない状態が起こってきておる。したがって、農山村の、いわば集落の再編成、そこから起こってくる住宅の問題、こういう問題に今度の第二次五カ年計画はほとんど手は伸びていない、こういうふうに私は思うのです。したがって、いま提案の法律は法律として、一方において置き残されつつあるそういう農山村の集落の再編成なり、そこから起こる住宅問題等に対して一体どういうふうに考えられるかということです。どういう計画を準備なさろうとしておるのか、いま何かあるのかということを伺っておきたいのであります。

根本龍太郎自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・中部圏開発整備長官・首都圏整備委員会委員長

○根本国務大臣 これは非常に大事な問題です。今度これは農林省と通産省が一緒になりまして、いわゆる農村都市の建設、総合農政の一環としてやろうというようなことが出てきておりますから、こういうものと関連して私は考えなければならぬと思っております。それから御承知のように、いわゆる過疎化対策としての部落再編成、こういうものもあります。こういうものとの関連においてこれは考えるべき問題だと思います。ところが、いまの住宅政策は、阿部さんが御指摘のとおり、大都市における低所得者を主としてやれということがいままでの非常な強い国会の御意思でもありましたし、したがって、いまのところはそれに焦点を合わせてきておるわけです。けれども、いまの阿部さんの御提案は、住宅政策というよりも、むしろ地方の社会の再編成というような問題にこれはいっておると私は思います。これが具体的な施策として方向、つけられれば、当然住宅政策もその一環として取り上げらるべきだと思っています。しかし、いままでの状況の住宅政策というものは、いろいろの答申あるいは国会の今日までの論議からするならば、大都市の非常に住宅に困っておる人、あるいは住宅のない人、これから住宅を持つであろう人のためにやれ、実はこういう強い要請に基づいておることは事実でございます。したがいまして、今後は、御指摘の点は住宅政策としてよりも、むしろ地方社会の再編成の問題として、関係省とも連絡の上構想を進めてまいりたいと思っている次第でございます。

阿部昭吾日本社会党

○阿部(昭)委員 いまはそのことは建設省の所管である住宅問題としては当面考えていないということなんですが、大臣、問題は、今日の日本の大都会というものは、さっきも言いましたように、経済の集中によって過密が発生し、公害が起こり、人間のケージ飼いが始まる、そういう状態になってきておるわけです。そこで問題は、住宅問題とは何かというと、人間の住む場所なんです。そうすると、農山村はいま経済が力を失ってきておる。そこに住むわけにいかぬ。古い家はそのままある。あるけれども、そこにおったんじゃ生活が成り立ちませんから、本人の意思のいかんにかかわらず全部都会へ流れ出されざるを得ない。そこで都会のほうはどういう状態かということになると、一気に全部都会に出てくる人はこういうものでいろいろある種の貸与を受けるわけでありましょう。地方で、大都会まで流れ出すわけにいかぬが、田沢湖の山の中からせめて大曲あたりに皆さん通いたい。そういう場合の通勤可能な場所に住居を移さなければやっていけないという皆さんに対して起こってくるのは、単なる社会改造という問題だけじゃなくて、そこから当然に住宅問題というのが深刻な問題として起こってくるのです。山間地には土地もあり、うちもあるが、そこではもう経済が力を持たない。したがって出なければいかぬ。出る際に、いままで持っておった農山村の住宅やあるいは土地なんぞ処分いたしましても、いま政府がやっておられる二円五十銭というわけにはいきませんけれども、まるでただ同然の安い値段に近いのであります。そこには経済が力を持っておりませんから、地方の中小都市に出ざるを得ない。金は持ってない、どうするか、こういう問題が、私どもの周辺の農山村にいま——ある意味で私はこれを崩壊と呼んでおるのですが、この状態の中で起こっておる深刻な問題だ。やはり住宅問題じゃありませんか。この住宅問題に対して、当面的確な手だてを立てるということは、これは政府において当然なければならないことじゃないかと私は思うのです。

根本龍太郎自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・中部圏開発整備長官・首都圏整備委員会委員長

○根本国務大臣 現在は、各都道府県、市町村に対して、いわゆる公営住宅の補助をやっております。これは全然放置しておるわけじゃない。しかし、それはいま申し上げたように、阿部さんの考えているような構想からすればたいへんウエートが低いじゃないか、こういう意味において、阿部さんが提起されたような問題からするならば、日本の地域開発の一環としてこれは考えるべきであって、いままでやってきた住宅政策としての方向からは相当思い切って発想を変えなければならないのじゃないか、こういうことを私は申し上げているわけであります。現在でも、農家の住宅の改造とか、あるいは各市町村の公営住宅にも補助、助成はしていることは事実ですけれども、いま阿部さんが提起されたことからすれば、非常に力弱いものじゃないか、こう言われるだろうと思う。そのとおりだろうと思います。  そこで私は、これは少し脱線するかもしれませんが、その脱線はいわゆる国会議員の選挙の問題です。人口比例に合わせて定員を変えなければならないとなりますと、ますます日本は都市化だけになっちゃって、地方は完全に発言権がなくなるということを忘れておるんです。現在の世界共通の都市化現象がそこに出てくる。集まった人間がただ投票権を行使する、それに正比例して定員をきめなければならないというところに非常に大きな現在の都市集中の片寄りがあると私は思う。こういう点は、阿部さんのような発想をするならば、そこまで考えていかないと、実質的にやはりみんな選挙対策からいくと、都会に国会議員が多くなれはなるほど——そういう現象は日本のみじゃありません。世界的な現象です。そういうような問題も含めておりまするので、これは脱線でありまするけれども、やはり政治というものは、ただ一つの焦点に合わして、それであらゆるものを今度は類推して議論するということの反省というものはお互いにしなければならないじゃないかと私は思っている次第でございます。

阿部昭吾日本社会党

○阿部(昭)委員 いま大臣の言われる脱線の問題、たとえば人口比例と同時に面積比例くらいで定数なんというものも考えろといったような意味にとれるお話、これは確かに意味があると私は思う。そういう観点からすると、いま大臣も言われた日本の全体の過疎、過密の中で農山村が崩壊しつつある。ここから生ずる住宅問題に対しては、第二次五カ年計画が終わってから次を考えようなんというものじゃなくて、当面の段階でとにかく農村は深刻なんです。いままでの基盤の上では暮らしが立たぬという状態なんですからね。そこから出かせぎが発生し、あるいは地方で若干経済の活発な中小都市の周辺に、通勤可能な場所に住居を移動させなければならぬといったような問題が起こっておる。こういう問題に対しても、大都会の周辺だけを考えるのではなくて——たとえば大臣の郷里だって同じ状態だ。この間私は調べてみましたが、大曲市周辺のたんぼを持っている皆さんは、坪売りでどんどん農地を売って宅地化をやって、そして入りました金で遠隔の地に農地をどんどん買い占めていく、そういう農家がふえつつある。これは日本全国至るところで同じような現象が生まれておるのです。したがって、農山村で経済が行き詰まって、そこから出ざるを得ないという皆さんは、新たな生活の成り立つ場所に住居を移動させるということが困難な状態に直面しておる。こういう問題に対して、今度の第二次五カ年計画をやってみて、その先でなんという、そんなテンポのゆるやかな判断では対応できない。いまの第二次五カ年計画を、たとえば来年度四十六年度で間に合わぬとすれば、四十七年度あたりの段階ででも手直しをして、これをひとつ組み込んでいくというくらいの気持ちがあっていいのじゃないか。それがいま動いておる時代の潮流に対して政治が的確に対応するということになるのじゃないかと思うのですが、大臣、そのくらいの脱線もこの機会にしておいてもらわぬといかぬわけです。

根本龍太郎自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・中部圏開発整備長官・首都圏整備委員会委員長

○根本国務大臣 私はときどき脱線してしかられておりますが、しかし、いま言われるように、これは非常に深刻な問題なんです。これは住宅政策だけで転換できないのです。そこで私は実は新全総を再検討すべきだという意見を出しております。したがって、これは昨年、新しい社会経済発展計画の五十五兆円の投資額の配分も、きまった以上はやむを得ないが、これは実施の過程において弾力的に修正するだけのあれが必要ですよということを、経済企画庁長官並びに大蔵大臣にも言っておると同時に、先般も、どこでしたか、私は委員会の審議の過程でそういう意見も出しております。これは、住宅政策だけでそこはやるといってもできない。どうしても全体の国土総合計画そのものに発想の大きな転換が必要だと思うのです。そういう一環としてこれは取り上げるべきだと思いますので、住宅政策だけを別にして、来年から住宅政策を変えるということは、これは困難だと思います。それよりもむしろ基本的な問題は、あなたが先ほど指摘したように、日本の産業、文化の配置をどうするかという、その基本的な政策の上に立って、いまの自治省はどういうふうに地方の部落の再編成をやるか、農業と工業とをどう張りつけるかという真剣な検討をして、その基本的なものに付随する住宅政策にいかなければ、脱線しても脱線しっぱなしで これはだめになっちゃうと思いますので、全体の方向づけをしなければならないと思っている次第でございます。

阿部昭吾日本社会党

○阿部(昭)委員 私がいまこのことを聞いて強調しておりますのは、今回のこの法案の文章に、さっき局長は一流の答弁でうまいことを言いましたが、こういう思わせぶりなことはやめなさい、いまにも減反生産調整にでもぱっと役立つかのごとき文言をこの法案の目的条項の中に入れるなんという、そういうちゃちなことはやめなさいと私は言っておるわけですが、大臣、問題は、やはり確かに新全総の問題があり、国土総合開発の問題があり、全体の大きな日本を構想するという中からこの住宅問題というものは考えなければならぬということはわかるのであります。しかし、いま現実に地方段階でそういう問題がきわめて深刻な問題として起こっておるのです。第二次五カ年計画が終わったその先でなければなんという、そういうゆうちょうなことを許されぬような問題がいま地方では起こっておるわけです。いま若干の政策のあることは知っていますよ。しかし、いま地方で起こっておる大きな農山村の崩壊に対して的確に一あるいは不十分でもいいと思う。起こっておる現状と、住宅金融公庫の制度にしても何にしても、まるっきり問題にならぬほどの隔たりがあるのですよ。これを一体どうするのかということぐらいは、第二次五カ年計画が終わらなければできないなんということを言っておったら、これは不公平じゃありませんか。

多治見高雄建設省住宅局長

○多治見政府委員 たいへん政治的に高度の問題のお話でございますので、私からそれについてどうのこうのということは申し上げられませんが、現在われわれといたしましては、第二次五カ年計画を策定いたします場合に、人口の社会移動というのを非常に重く見ております。その中に、いまお話のございました農村の経済的な機構の変化による社会移動というのも計算に入れているわけでございまして、五カ年計画が終わらなければその問題は手をつけないというわけじゃなしに、五カ年計画の中でも、その問題については、人口の社会移動の中で十分配慮しているつもりでおります。

阿部昭吾日本社会党

○阿部(昭)委員 一時から本会議でありますし、私、いまの政令条項についていろいろお聞きしたがったのでありますが、これは次のわがほうの委員の方によって追及をしていただきたいと思います。  そこで、これで私の質問は終わりたいと思いますが、今度のこの法案自体に私ども全く意味がないなどとは思いません。それなりの意味を認めるわけであります。しかし問題は、これだけでは片手落ちじゃないかということ、片手落ちと言わぬにしても、これをやるのならば、いま言ったような農山村の社会環境の変化に伴う住宅政策の対応というものももっとなければいかぬじゃないかということを私は強調しておるわけであります。いまの局長の答弁の受け取り方の問題だと思うのですが、第二次五カ年計画の中においてもいろいろと、という意味のお話があったのですけれども、この点についても、あとでもっと克明にひとつ承りたいと思います。  以上で、きょうのところ、私の質問を終わります。

金丸信自由民主党

○金丸委員長 次回は来たる二十四日、水曜日、午前十時理事会、午前十時三十分委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。     午後零時四十四分散会

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