決算委員会 第12号
- 発言数
- 49 件
- 登壇者
- 10 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1971/03/11
会議録
○濱野委員長 これより会議を開きます。 昭和四十四年度一般会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その2)外三件の承諾を求めるの件、及び昭和四十五年度一般会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その1)外二件の承諾を求めるの件、並びに昭和四十四年度一般会計国庫債務負担行為総調書及び昭和四十五年度一般会計国庫債務負担行為総調書(その1)を一括して議題といたします。 これより質疑に入ります。華山親義君。
○華山委員 大蔵大臣の御出席をお願いしたのでありますけれども、まことに不本意でありますが、非常に時間が短いそうでございますが、この際大蔵大臣にお願いしておきたいのは、この予備費の承認というのは、憲法にずばりきめられている国会の権限なわけでございます。やはりそういう際には重要視していただきませんと、ほかの法律と違って、これは憲法にすぱっと書いてあることなのです。それで、本会議でも討論をしないできめるということについても私は不満なんですけれども、大蔵大臣は所管大臣として、この予備費の承認等についてはひとつ考えていただきたい。もう出したのだからどうでもいいんだということじゃ困るので、お願いいたしておきます。 それから、その中でいろいろお聞きしたいこともあったのですけれども、時間もありませんので、一つだけお聞きいたします。 今度、天皇、皇后両陛下も外国に行かれる、それについての経費はどうであろうかなどということを、先ばしって新聞等にも書いてあるわけです。国民がこれにつきまして見ていると思いますので、私、特に感じたのでございますけれども、佐藤総理大臣が国際連合の総会に出席されました項目を見ますというと、報償費と外国旅費と庁費、こう三つになっているわけです。しかし、総理大臣があちらにおいでになって接宴をなすったり、あるいは贈りものをなすった部分もあるかと思うのです。そういうものは全部報償費の中でまかなわれたという形になるわけです。そういうものは一切しなかったのだというならば、しなかったということで御答弁を願いたいのでございますけれども、この前お聞きしたときにはそういう答弁もなかった。ところが、一面から申しますと、衆議院、参議院には報償費という項目がないのですよ。交際費一本なんです。それですから、衆議院議長なり参議院議長が公式に外国を訪問された際の接宴の経費なり、あるいは贈りものの経費もあると思うのですが、それは交際費でやっているわけです。総理大臣と両院の議長との問にこういう違いがあるということも、私、納得がいかないわけです。いまなぜこういうことにしておるのかということはお聞きいたしませんが、今後この点は改めていただきたい。ことに、先ほど申しましたとおり、宮中のこともございます。宮中費におきましては、招宴費というものまで一つの目になっている。そういう点で、今後こういう点は改めていただきたいと思うのでございますけれども、いかがでございますか。
○福田国務大臣 報償費と交際費は、その区分が非常にデリケートな問題でありますので、どこまでが報償費、どこまでが交際費だということの判定に非常に苦慮するわけなんです。 しかし、気持ちといたしましては、なるべく報償費扱いじゃなくて、領収書を給するところの他の費目が適切であるというふうに考えます。報償費は万やむを得ざる場合に限りたい、こういうふうに考えますが、今後十分そのような方向で善処していきたい、かように存じます。
○濱野委員長 田中武夫君。
○田中(武)委員 大蔵大臣の時間の関係があるようでございますので、順序を変えまして、まず、大蔵大臣にたばこの問題についてお伺いいたします。 先日、すなわち三月四日の当委員会で、たばこの自動販売機と未成年者喫煙禁止法との関係で質問いたしまして、その取り締まりについて大蔵、専売公社、警察庁で協議をしてその回答をいただきたい、こう申しておりまして——警察庁は来ておりますか。——それでは、この問題は警察が来たときにやることにいたしまして、ただ一言、たばこの有害表示の問題について大臣の御所見を承っておきます。 先日も専売事業審議会の松隈会長に来てもらって、答申に至るいろいろな経過等を伺ったわけなんです。一口に言うならば、まだはっきりしていないということが一つあったと思うのですが、おもな理由は、有害表示をした場合は、有害品を国が売る、こういうことにこだわっておるようでございます。また、外国に出すたばこには、たとえば同じハイライトでも有害表示をしておる、そうして国内ではしていない。さらに、輸入たばこでも、アメリカ等は有害表示をしておるのを、今度は国内ではわざわざそれを消す。言うなれば、外国人には有害であって、日本人には無害だといったような態度をとっておる。これはやはり私は、たばこ専売、こういう上に立って根本的に考えねばならない問題ではないかと思うのですが、いかがでしょうか。
○福田国務大臣 先般、専売事業審議会の小委員会から、たばこ有害表示問題につきまして答申をいただいたわけです。なぜそういう小委員会ができたといいますと、WHOにおきまして、たばこの有害性について警告をすべきであるという勧告が各国に対して行なわれた。それに基づいてそういう小委員会をつくりまして、御検討願ったわけでございます。これは各界の権威ある人にお願いしたわけでありますが、その御答申がありました。 その要旨は、たばこの有害性、特に肺ガンとの関係につきましては、これはどうも病理学上まだはっきりした断定ができない、しかし、有害であるという考え方が国民の間にもかなり浸透しておるということに留意しなければならぬし、同時に喫煙という風習が国民の間に定着をいたしておるということにも配意しなければならぬ、こういう御答申でありまして、これを具体的にどういうふうにするかということにつきましては、まことに困難な問題、こういうふうに心得ておりますが、とにかく、そういうことを踏まえまして何らかの措置を講じなければならぬ、こういうふうにただいま考えて、その方法は一体どのようにするかということをいま考案をいたしておる、そういう最中でございます。
○田中(武)委員 この同じハイライトでも、外国へ出すときには有害表示をしておるのでしょう。アメリカからの輸入たばこは有害表示がしてある、それを、こっちで売るときにはそれを消しておる。そういう矛盾をどのようにお考えになっておるか、こういうことなんです。
○大塚政府委員 現在公社が輸出しておりますたばこは有害表示をするということになっておりますのは、御承知のように、アメリカでは法律で有害表示を義務づけております関係で、アメリカへ輸出するものにはアメリカの法律で定められました文言の表示をいたしておるわけでございます。アメリカたばこで日本国内に輸入しておりますものは、これは製造会社のほうから、すでに有害表示をしないものを送ってきておるわけでございます。そういう事情でございます。
○田中(武)委員 答弁には不満であります。しかし、大臣の時間あるいは予備費の関係等もありますので、これは留保しておいて、次に参ります。 外務大臣、先日当委員会で、また予算でも若干私触れましたが、外務省の四十五年度の予備費支出の問題について、数カ国に対して人道的見地から救援をしておられます。そのうちベトナムだけにしぼってお伺いをいたしたいと思うのですが、ベトナム難民等救援費補助金として一億八百万円が出ております。これはずばり言って、政府のほうから呼びかけて、日赤を通じてやったのか、あるいは日赤がこういうことをしたいからということで、政府に補助を求めてきてやったのか、どちらなんです。
○愛知国務大臣 人道的立場に立っての救済については、四十五年度でも数件ございます。いまのベトナムに限ってという、これはほかのケースも同様の場合が相当ございますが、赤十字連盟から日本赤十字社に要請があり、そして日本赤十字社から、政府といいますか、窓口である外務省に御要請があって、そしてそれを資金的な裏づけを必要とするものについては外務省から大蔵省に、こういうふうな順序で取り扱っております。
○田中(武)委員 そうしますと、補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律、これに従って事務処理の順序を考えますと、まず第五条によって日赤から申請がなされる、これが十一月二十二日なんです。それを受けて七条で条件をつけるかどうかをきめる——これは条件をつけてないようであります。そして八条によって決定を通知する、それから十四条によって実績を報告する、こういうことになるわけなんです。ところが、この問題に関して閣議決定が四十五年十一月二十日、そして外務省から日赤に対して要綱を送付したのが十一月二十一日、日赤から申請を出されたのが十一月二十二日、事業開始が十一月二十日、こうなっておるのです。何か矛盾ありませんか。と申しますのは、日赤から要請があってというのは、そのときは十一月二十二日なんです。ところが、二十日にもうすでに閣議は決定せられており、日赤からの申請を見ると、十一月二十日から事業が開始されておるわけなんです。その間の事情はどのように理解したらいいのですか。
○愛知国務大臣 前回の決算委員会で田中委員から本件についての御質問がございましたことを私も承りまして、私としても調査をいたしてみましたが、本件については六月、七月ごろからずっと赤十字連盟等から日赤へ話があり、日赤としてぜひこの要請にこたえたいというようなお考えがあって、その話をずっと承りつつ、一方、資金的に必要な額については大蔵省にどんどん説明を進めておった、そういう関係で、この手続のいまおあげになりましたような日付から見るとまことに変なことになってしまった。これは私も認めますし、その辺について十分な手続の配慮が足らなかった点を認めざるを得ないと思います。 しかし、実際はその前からずっと事実上話があり、そうして大蔵省との手続が済みまして、それから補助金交付要綱その他、正規な手続を経てこの支出をやっておりますので、計画全体としては、たとえば二十日から始まっておりますが、これは予備金交付を受けなくとも、計画として前々からつながっていることを二十日からやっておられたというわけでございますから、私は法律的にそごがあるものとは考えられない。そこでこの実態を御理解いただければまことに幸いであると思います。
○田中(武)委員 人道的立場からの救済、また日赤は当然人道的立場で事を行なう、政治的、軍事的な問題に関与してはいけないということは、日赤法あるいはその定款あるいは赤十字に関する諸規定、国際規定等に明らかであります。内戦というか、戦争によって避難民が出るということは、これは当然北も南もございません。しかるに、過去には若干北に出したこともあるようです。なぜ南だけに出したのか。しかも、北のベトナム人民共和国にも赤十字はあるわけなんですよ。それを南だけに出したということはどういうことなのか、まず東社長にお伺いしたい。
○東参考人 赤十字社といたしましては、ただいまの御発言にございましたように、すべての問題は人道的見地から判断をいたしております。ベトナムに関しましては、 南にも北にも日赤といたしましては救援の物資を送っております。
○田中(武)委員 昨年は北へは送っていませんでしょう、少なくとも私が取り上げている十一月二十二日に申請した分については。しかも金額等についても雲泥の違いがあるのですよ。これはどう理解したらよろしいのですか。
○東参考人 ただいまお話しの十一月の分、これはおもなるものが政府の補助によるものでございまして、したがいまして、その金額はいままでよりも大きくなっております。そのときに、なぜ北にやらぬかというお話でありますが、このベトナムの救援に対する日赤の態度といたしましては、北並びに南からの難民に対するニードによっていたしてまいりました。北につきましては、赤十字社連盟を通じてニードの要請がございまして、それに従って送ったのでございます。それ以後北のほうからはお話が私どもには参っておりません。もっともっと密接な連絡をとれればいいんでございますが、いろいろな国際関係上、なかなか簡単にいろいろな連絡がとれませんし、また向こうの赤十字からも日赤に対して、これこれのことをしてくれぬかというような話もその後ございません。あればいつでも応じるつもりでおりますが、それがございませんので、したがって、十一月の場合には北には何もいたしておりません。
○田中(武)委員 人道的見地というのは、私はそんなものじゃないと思うのです。助けてくれと言ったら助けてやる。それじゃ、現にここに瀕死の重症の人がおる、あるいはおぼれておる人がおる。助けてくれと言わなかったから、じっと死ぬのを見ておった。これが人道でしょうか。私は、日赤それ自体がやはり政治的であり、その精神からいって間違った行動をとっておるんじゃないか、このように思います。また、政府は補助するにあたって、特に南ということを指定したのですか。その辺のところはどうです。
○東参考人 ただいまの御質問でございますが、日赤はあくまでも人道的立場に立って仕事をしております。ただいま例におあげになりました、瀕死の病人があるが、それが助けてくれと言わなければ助けないかとおっしゃいますが、これと南北ベトナム等の、いわゆる一種の戦禍に対する、避難民に対する救援の場合とは必ずしも同じようには考えられないと思うのでございまして、やはり現地のほうで必要があるということに対して救援をするというのが、赤十字社としてはやり得る限度ではないかと思うのでございます。無限にこれはニードがありましょうが、赤十字社としてその要請をし、また赤十字社としてその要請を受けてやれます救援は、ただいまのような国際的な一種のシステムに従ってやるよりほかはないと思うのでございます。ただいまおっしゃいましたような、たとえば、そこに瀕死の病人があるのを見ながら、黙って、救助の要請がなかったからしなかった、そういうふうな態度は、絶対に私どもはとろうとも考えておりませんし、また、とってもいないと思います。日本赤十字社の今日までの活動も、今後におきましても、赤十字の根本原則であります人道に基づいての行動ということはかたく守っていくつもりでおります。
○田中(武)委員 政府はどうです。南に指定したのですか。
○愛知国務大臣 いま日赤の東社長からお述べになりましたとおりでございまして、政府もそれと変わった考えを持っておりません。 それから、先ほどお尋ねがございましたが、たとえばカンボジアからベトナム人が難民として避難をしてきているというような状況に対するものもこの中にあることは御承知のとおりでございまして、こういう点は、まさに人道的の立場の救援ということがいえるのではないかと思います。
○田中(武)委員 何と弁明せられようとも、この種の援助は、交戦中の片側に対する援助です。また分断国家の一方に対する肩入れであることは間違いありません。人道上ということばでごまかしておりますが、人道的というならば、話は別ですが、たとえば北朝鮮の帰国問題等も人道の問題ですよ。私は、人道ということばをそういうように使い分けてはいかぬと思うのです。こういうような片寄ったこと、しかも、赤十字の精神あるいは諸国際規定あるいは法に反するような行動をとるべきではない、また政府もとらすべきではない、そう思いますが、日赤社長と、それから外務大臣、さらに予備費は大蔵大臣の管轄でありますから大蔵大臣、三人の方から、いま私の申しましたことに対しての考え方なりあるいは御答弁を願いたいと思います。
○東参考人 ただいまの御発言ではございますが、日本赤十字社といたしましては、人道上の考慮以外の配慮、もしくは考慮に基づいて行動をとったというふうには絶対に考えておりません。あくまでも私どもは赤十字の根本精神のとおりに行なってまいっておると思います。ただいままで行ないました救援についての金銭上の換算の額が相当の開きがある云々というお話もございましたが、たとえそういうことはございましても、それはあらわれた一つの結果でございまして、それをやりました根本の精神の中には、そのようなへんぱというようなことは一切考えておりません。 したがって、日赤といたしましては、今後ともそのようないわゆる人道的の観点からのみ判断をして処理をしてまいるつもりでおります。
○愛知国務大臣 田中委員の仰せになりましたことは、私もよく理解できるわけでございますけれども、ただ交戦国の一方に対して援助をするというようなことではございませんで、実に気の毒な立場であると思うのでございます。戦乱のちまたに入り込んで、あるいは洪水に襲われ、あるいは食糧がもう全然なくて飢餓に瀕している、そしてこれを赤十字連盟が取り上げて日赤に依頼してこられた、これを政府といたしましてもすなおに受け入れて助けていくということは、私は、それこそ人道的な立場に立っての措置ではなかろうかと考えるわけでございます。 そういう立場でやりましたことを御理解いただきたいと思います。
○福田国務大臣 ただいま外務大臣からお答えのように、去年は南ベトナムで豪雨があった、難民が続出する、こういうようなことであったと思いますが、予備費を支出するという要請を受けまして、妥当であろう、こういうふうに考えまして支出をいたしたわけであります。
○田中(武)委員 これは戦争犠牲者の難民救済補助金となっているのです。
○福田国務大臣 豪雨に伴う難民救済、そういったことでございまして、格別、戦火を交えておる南北問題に介入するというような性格のものではない、かように判断をいたしたわけであります。
○田中(武)委員 どう言われようとも、了承できません。 今後日赤は、ほんとうの人道的立場、そして政治的、軍事的な中立、その上に立って活動してもらいたい。また政府は、日赤がそのような態度の上に立ってこそ援助したらいい、補助したらいいと私は思うのです。いまのような御答弁では、いままでの予備費の支出につきましては、私は了承はできません。しかし時間の関係等もございますから、これはその程度にしておきたいと思います。 最後に一点だけ大蔵大臣にお伺いしておきますが、インドネシアの債権処理について、いま私二つ資料をもらったのですが、現在残っているもので金額が違うのですよ。一つは、四十六年一月十三日の大蔵省の出しているインドネシアに対する債務救済措置についてという、これなんです。これは大蔵委員会で例の法案に関連して出たのじゃないかと思うのですが、それによりますと九千三百二十万ドル、私が別に予算委員会で要求をいたしました資料では九千三百七十万ドルとなっておるのです。五十万ドル違うのですが、どっちが正しいのでしょう。
○大倉説明員 お答え申し上げます。 田中先生お話の最初の資料のほうは、その資料にもたしか注記してあると思うのですが、パリの債権国会議のときの資料でございます。与野党の諸先生方に御説明いたしました際、これはパリの債権国会議のインドネシア側の数字でございますので、突き合わせますと若干の異同が生ずるかもしれませんということを申し上げた記憶がございます。先生からの御質問に対応いたしまして、別途お届けいたしましたさらに詳細な九千三百七十万ドル、これが現在日本側で把握いたしております正確な計数のはずでございます。なおこれは、民間債権分につきましては、法律を通していただきましたあとでインドネシア政府と一々突き合わせをいたしますので、その結果で若干は動くかもしれない、かように考えております。
○田中(武)委員 そうすると、九千三百七十万ドルが現在残っていると見ていいのですね。と同時に、インドネシア側との金額の相違、これは民間ベースのものもあるからということであろうとしても、五十万ドルの違いというのは、私はちょっとおかしいと思うのだが、そういう点は今後突き合わすというのですか。どういうように残額を詰めるつもりなんでしょうか。
○大倉説明員 私どもの手元の計数によりますと、この九千三百七十万ドルが、今後発生いたします利子を含めまして債務救済の対象になる金額、かように申し上げるのが正確であろうかと思います。現在の元本そのものではございません。 なお、精密な突き合わせをいかにいたしますかという点につきましては、この九九%くらいは直接、間接に輸出入銀行が管理をいたしておりますので、輸出入銀行の事務当局と先方インドネシア中央銀行の事務当局とが個別に帳簿を当たりまして突き合わせをしてまいる。パリ会議のときにはIMFとインドネシア政府とのある程度の推定を入れた数字が出ていたこともあるようでございまして、御指摘のように、五十万ドルというのは決して小さい金額ではございませんけれども、私どもといたしましては、いまのところ知り得る限り九千三百七十万ドルのほうが正しいのではないか、かように考えております。
○田中(武)委員 もうこれ一問で、大蔵大臣急いでおられるようでありますから、特に縮めて質問を終わりたいと思います。 一つは、今度パリ債権国会議で三十年に期限を延ばして云々ということ、そのため無利子とするということで特別の法律も先日衆議院を通った。そういたしますと、その一つは、そのことに基づいて輸銀が結んでおる契約、この期限が三十年以内の場合は契約を更新する必要があるのかないのか。三十年までに返還の時期が来ておる契約があると思うのですが、そういうものはどうなるのか。それから、なるほど利子の補給については、法律に基づき、あるいは予算に計上せられておる、しかし、いわゆる元金、これが当然、近いときに返ってくるものが三十年先に延びる、こういうことは、ある意味においては国庫債務負担行為ではないかと思うのですが、この点の処理をどういうように考えておられますか。
○大倉説明員 技術的な側面がございますので、私からお答え申し上げたいと思います。 今回の債務救済の対象は、先生御指摘のとおり二つの部分に分かれるわけでありまして、一つは、輸出入銀行がすでに三回にわたりましてリファイナンスをいたしまして、その結果、輸出入銀行の債権になっている部分がございます。これはそれぞれのリファイナンスの時期に十一年の期限でリファイナンスをいたしておりますので、この部分につきましては条件の改定という形で繰り延べをいたすことになろうと思います。現に、民間債権として約千六百万ドル残っております。この部分は、新たに輸出入銀行法に基づきますリファイナンスを行なうわけでございまして、これにつきましては、新しい貸し付けをいたしましてそれの返済を取りきめるという形になろうかと思います。 なお、三十年にわたる返済でございまして、先生御承知のとおり、これは三十年間全然払わないということではございませんで、その元本は三十分の一ずつことし約束できれば、ことしから向こうも返してまいるわけでございますが、国庫債務負担行為との関係におきましては、従来からの交換公文の考え方と同様、この法律の御承認をいただきましたあと、私どもがインドネシア政府と交渉いたしまして取り結ぶ予定にいたしております交換公文は、予算及び法令の範囲内で輸出入銀行をして供与せしめるように協力するという趣旨のものでございますので、従来からの交換公文と同様、行政取りきめの範囲内に属するもの、かように考えております。
○田中(武)委員 大臣、いま局長ですか、答弁がありましたが、私はいつもそう思うのですが、再融資契約というか、交換公文、これはどう考えても、国会の承認を得べきいわゆる債務負担行為だと思うのです。いままでもそういうことでやってきた。そのつど私、問題にしました。三木さんが外務大臣のときにも私は問題にいたしましたが、これはいままでそうであったからということで済まされる問題ではないと思うのです。やはり憲法八十五条の趣旨はどうであれ、国の債務負担行為は、結局十一年に分割返済するのを三十年に変えるということだけでも、ある種の負担だと思うのです。新たな交換公文を結ぶということなら、これまた当然国会の承認を求めるべき性格のものではなかろうかという気がするのですが、どうなんでしょう。
○福田国務大臣 でありますから、輸銀法を改正いたしまして国会の承認を得る、その承認、それから毎年度輸銀に対しましていろいろの予算措置がとられますその範囲内におきまして交換公文がとり行なわれる、こういうことになるのでありまして、これは合憲だ、こういうふうに考えております。
○田中(武)委員 これは予算委員会を通じて大蔵大臣と私の見解が違うところですが、法律が総括的に認めたこと、その法律に基づいたからといって、一方がのがれるという考え方ではおかしいのです。特に八十五条がああいうようにきめておるのは、具体的個々の問題についてやはり承認を求めるべきではないか。その法律と予算の範囲内というのが抜け道になって、私にはどうも納得がいかないのです。しかし、これをここで議論をしても結論は出ないと思います。しかし私はあくまでそういうように主張いたします。これは場所を改めて、大蔵大臣が時間の余裕のあるときにもつと詰めていきたいと思うのです。これは予算委員会からの議論の続きになりますが、どうもそういう解釈はおかしいのではないか、私はこう思っておるということだけを申し上げて、急いでおられるようですから、きょうはこの程度でとどめます。しかしながら、これで事が終わったのではないことを申し上げておきます。
○濱野委員長 これにて、各件に対する質疑は終了いたしました。 —————————————
○濱野委員長 これより昭和四十四年度一般会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その2)外三件の承諾を求めるの件、及び昭和四十五年度一般会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その1)外二件の承諾を求めるの件について討論に入ります。 討論の通告がありますので、順次これを許します。高橋清一郎君。
○高橋(清)委員 ただいま議題となりました昭和四十四年度一般会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その2)外三件、昭和四十五年度一般会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その1)外二件の事後承諾を求める件について、私は、自由民主党を代表いたしまして、賛成の意を表したいと存じます。 申し上げるまでもなく、四十四年度一般会計予備費の使用は、主として災害対策費として、河川等災害復旧事業等に必要な経費、及び日雇い労働者健康保険事業に対する国庫負担金の不足を補うためのものであり、また四十四年度各特別会計予備費については、労働者災害補償保険特別会計における保険金の不足を補うために必要な経費及び厚生保険特別会計健康勘定における保険給付費の不足を補うために必要な経費等であります。 さらに、四十五年度の使用については、一般会計において前年同様、河川等災害復旧事業に必要な経費及び米の生産調整奨励補助金等の不足を補うため、また、各特別会計において食糧管理特別会計国内米管理勘定における国内米の買い入れに必要な経費及び炭鉱整理促進に必要な経費の増額、道路事業等の調整に必要な経費等でありますが、これらはいずれも予見しがたい予算の不足に充てるため、内閣の責任において支出されたものでありますから、わが党といたしましては、この使用に対して異議を申し述べる理由を認めません。 ただ、近年予備費に計上される金額が年々増大し、ともすれば、年度予算において国会の承認を得ておくべきものと思われる範囲と紙一重のものまで予備費に肩がわりされるおそれが生じはしないかという心配を持つものであります。 また、四十五年度予備費使用中、交際費、報償費の区分が不明確なまま報償費から支弁され、処理されているものもあり、今後、使用すべき経費の項目内容にも十分に注意を払い、厳格かつ慎重に予備費本来の意味を踏みはずさないよう執行されることを希望いたします。 以上、所見の一端を述べ、本案に対する賛成の意を表明するものであります。
○濱野委員長 次に、華山親義君。
○華山委員 私は、日本社会党を代表いたしまして、ただいま御提案になっております予備費使用の承諾のことにつきまして、承諾をいたしかねる旨の意見を申し述べたいと思います。 政府は、予備費を使用いたしまして、日本赤十字社を通じ、外国の災害、戦争または内乱による難民に対し救援をいたしました。その内訳を見ますと、ナイジェリアの内乱難民に対して三億六千九百万円、ペルーの地震に対しまして二億七百万円、パキスタンは二つございますが、水害災害には五億六千六百万円、高潮につきまして五億九千四百万円でありまして、カンボジアに対しましては、実に十三億三千二百万円を支出しているのであります。これは戦争による難民であります。そして南ベトナムには一億八百万円でございまして、計三十一億七千六百万円になるのであります。このうち特に注目されるのは、カンボジアに対しては、ほかに比して群を抜いて多いことでありまして、全額の四二%はカンボジアに対して出ております。 救援は国を越えた人道的なものであって、国際的に行なわれるものでありますが、前に述べましたいろいろな災害について国際的な広がりはどうなっているか。ナイジェリアに対しては二十三カ国であります。ペルーに対し三十八カ国、パキスタンには、二つの災害で重複する面もありますけれども、全部で十六カ国であります。しかるにカンボジアには八カ国、南ベトナムには六カ国にすぎません。これから見ましても、カンボジア及び南ベトナムに対しては、世界的な同調の広がりがなかったということが言えるわけであります。その中で、日本からの金額の特に多いカンボジアについて見ますと、救援国は、日本以外はおおむねベトナム戦争の出兵国であります。その中にはフランスがありますが、しかもカンボジアに対する救援合計額の九〇%は日本から出ているのであります。 また、救援は政府のみならず個人の博愛心に基づくものでありますが、日本国民はこれらの救援に対してどれだけの関心を示したか。ナイジェリアに対しましては八千六百万円であります。ペルーに対しましては一億円であります。パキスタンについては三億四千五百万円でありますけれども、カンボジアと南ベトナムに対しましては日赤当局からは答弁がないのであります。おそらくは一つもなかったのであろうと思うのであります。 これを見ますと、カンボジアと南ベトナムに対する日本政府の救援は、国際的及び日本国民の人道博愛の関心とは遊離しておったのではないか、こういうふうに断ぜざるを得ません。ほんとうにこの立場に立って、そして世界のあらゆる災害に対して行なう立場にあるならば、またカンボジアに対してこれだけの救援をするということであるならば、ナイジェリアとかペルーなどにはもっと大きな救援の手が差し伸べられてよかったのではないか、こう思うのであります。 また、その中でカンボジアに対する救援の特色、これは従来からいろいろな諸国に対する救援が毎年行なわれておりますが、それらに比して、特色といたしますことは、多くの自動車が送られたことであります。その自動車の総量は、金額にいたしまして三億一千二百万円にのぼるのであります。しかも、この決定は十一月に行なわれている、そして現品が現地に到着するのは三月末であります。この決定当時も現在も、一応難民はおりますけれども、各地を流浪して歩くような状態ではありません。一カ所に収容されております。それになぜこのような自動車がたくさん要ったのか、ここに一まつの疑問が出てまいりますことは当然であります。それで、これが軍事に利用されるのではないか、こういうふうな疑いも一般から出てくるわけであります。この点につきまして、日赤は、転用をとめるために一応相手の赤十字社に対して要求しております。またいろいろな措置をしておりますけれども、これが今後長い間軍事に転用されないという十分な保障は何もありません。また、南ベトナムについて申し上げますならば、昭和四十年かと思いますけれども、政府は日赤によりまして南ベトナムに救援をしようとした、このときに日赤は断わっておるのであります。そのような北ベトナムと南ベトナムとの間に均衡を失するような救援を南ベトナムにはできない、こういって断わったのであります。そして政府は、何かわけのわからない、何の仕事もしておらないベトナム協会なるものから救援をした、こういう実態であって、それらのことを考えますと、私はこの人道的なものについて、政治的な意図がはたしてほんとうになかったのかどうか疑わざるを得ないのであります。 以上の点から、外国に対する救援については納得のいかない面があります。もちろん、現実に難民がおります。この難民に対しまして救援の手を伸ばすことは当然のことでありますけれども、各地の災害に対しての均衡を得ておったかどうか。なぜカンボジアにのみこのように多くのものを送ったのか、こういう点が問題になり、また日本国民の関心、世界の関心とは離れたところの救援が、各地に対する救援の状態を見ると行なわれている、こういうふうなことであります。 二番目には、良質米奨励金及び米品質改良奨励金に二百三十八億一千万円を予備費から支出をしております。これは昨年夏、四十五年産米政府買い入れ米価決定にあたりまして、政府の予算及び米価審議会の答申の米価据え置きに政治的の上積みを政府と自民党との間で取りかわしたものにほかなりません。わが党はもとより米価据え置きに同調するものではありませんが、このような名分によって実質をごまかすことには承諾ができないのであります。 第三には、佐藤総理大臣の国際連合総会出席に五千九百二十五万円を予備費使用しておりますが、その項目は報償費、外国旅費、庁費となっています。総理大臣のかの地における接宴とか贈りものなどは当然交際費の目をもって支弁すべきであるにかかわらず、これをすべて、会計検査院の検査が簡易になっておりますところの報償費に包含せしめたことは適当でないと思います。 ちなみに申し上げますが、衆議院と参議院の予算には報償費などというものはありません。交際費一本であります。両院の議長は外国に参りましても、接宴なり贈りもの等については交際費で支弁しておるのであります。総理大臣と国会両院議長との間になぜこのような差別がなければならないのか、私は疑いを持たざるを得ないのであります。 これらの諸点を通じまして、予備費の支出には、全体としてやむを得ないものが多いのでありますけれども、以上の諸点がございますので、反対をいたします。
○濱野委員長 鳥居一雄君。
○鳥居委員 私は、公明党を代表して、ただいま議題となりました予備費使用等の承諾を求める案件につきまして、次の諸事項については承諾し得ないことを申し述べたいと思います。 第一は、運輸省所管の海上保安庁の予備費使用についてであります。 わが国周辺海域は、気象、海象条件がきびしく、そのため発生する海難救助は、過去三カ年で七千八百三十二件、死亡、行くえ不明者は千五百十七名、船体、積み荷の損害額は約五百億円をこえております。 しかも、海上保安庁の航空機による海難救助体制は劣弱であり、事件即応のための常時発進体制をとることはきわめて困難となっております。そのため、海上保安庁は、中距離海難の救助勢力としての航空機を早急に整備する必要に迫られ、四十年度から大蔵省に対し航空機購入の要求額を年度予算に計上してまいりましたが、政府は、とうとい人命が多数失われるような大事故が発生しなければ歳出予算を認めようとはしないのであります。なぜならば、昭和四十年十月にマリアナ海難事故が起きて、初めてYS11型一号機の購入を認めたのであります。さらに四十五年二月には、かりふおるにあ丸等の大型船の海難事故により、YS11型二号機の購入を認め、その前金払いとして予備費から支出したのであります。 海難事故に対する政府の姿勢は、大事故が起き、多数の犠牲者が出てから対策を講じているのであります。政府は、事前に海難救助体制の効率をはかる上からも、最低限必要機数を確保するため、年度予算で計上し、予備費から支出すべきではないと考えるのであります。 第二は、農林省所管の米生産調整奨励補助金等の予備費使用についてであります。 農林省は、昭和四十五年度予算の生産調整対策費は、百万トンで八百十四億七百三十七万円を計上いたしまして、休耕、転作、農地買い上げ等、具体的な計画を実施し、米の減収を行なってきましたが、生産調整の実績は、百三十九万トンで、千百二十六億六千四百四十九万円、その比率が一三九%も伸び、当初予算よりも大幅に上回ったのであります。当初計画よりも三十九万トンも超過したため、生産調整対策費は三百十七億円の不足を生じ、予備費から支出したのであります。予備費の使用については、憲法八十七条で「豫見し難い予算の不足に充てる」ものとしておりまして、政府の意思によらない他動的原因によって生じた不足経費その他災害等の緊急費などについて支出すべきものであります。にもかかわらず、この予備費の支出は、政府の政策の見通しの甘さに基づくものでございまして、予備費使用は適正を欠くものといわざるを得ないのであります。 以上のことを理由として、ただいま提案されました案件に対しまして、不承諾の意を表明するものであります。
○濱野委員長 これにて討論は終局いたしました。 これにより採決に入ります。 まず、昭和四十四年度一般会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その2)、昭和四十四年度特別会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その2)、昭和四十四年度特別会計予算総則第十条に基づく経費増額総調書及び経費増額調書、昭和四十四年度特別会計予算総則第十一条に基づく経費増額総調書及び各省各庁所管経費増額調書(その2)、以上四件について採決いたします。 各件をそれぞれ承諾を与えるべきものとするに賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○濱野委員長 起立多数。よって、各件は承諾を与えるべきものと決しました。 次に、昭和四十五年度一般会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その1)、昭和四十五年度特別会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その1)、昭和四十五年度特別会計予算総則第十一条に基づく経費増額総調書及び各省各庁所管経費増額調書(その1)、以上三件について採決いたします。各件をそれぞれ承諾を与えるべきものと決するに賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○濱野委員長 起立多数。よって、各件は承諾を与えるべきものと決しました。 次に、昭和四十四年度一般会計国庫債務負担行為総調書及び昭和四十五年度一般会計国庫債務負担行為総調書(その1)、以上両件について討論に入るのが順序でありますが、討論の通告がありませんので、直ちに両件を順次採決いたします。 まず、昭和四十四年度一般会計国庫債務負担行為総調書について採決いたします。 本件は、異議がないと決するに賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○濱野委員長 起立多数。よって、異議がないと決しました。 次に、昭和四十五年度一般会計国庫債務負担行為総調書(その1)について採決いたします。 本件は、異議がないと決するに賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○濱野委員長 起立多数。よって、異議がないと決しました。 なお、ただいま議決いたしました各件についての委員会報告書の作成につきましては、 委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○濱野委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 ————————————— 〔報告書は附録に掲載〕 —————————————
○濱野委員長 次回は公報をもってお知らせいたすこととし、本日はこれにて散会いたします。 午後一時十一分散会