決算委員会 第9号
- 発言数
- 203 件
- 登壇者
- 25 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1971/03/02
会議録
○濱野委員長 これより会議を開きます。 この際、おはかりいたします。 理事高田富之君より理事辞任の申し出があります。これを許可するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○濱野委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。 これより理事の補欠選任を行ないたいと存じますが、これは先例によりまして、委員長において指名するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○濱野委員長 御異議なしと認めます。よって、委員長は、華山親義君を理事に指名いたします。 ————◇—————
○濱野委員長 昭和四十四年度一般会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その2)外三件の承諾を求めるの件、及び昭和四十五年度一般会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その1)外二件の承諾を求めるの件並びに昭和四十四年度一般会計国庫債務負担行為総調書及び昭和四十五年度一般会計国庫債務負担行為総調書(その1)を一括して議題といたします。 本日は、参考人として日本赤十字社外事部長木内利三郎君の出席を願っております。 なお、参考人からの意見聴取は、委員の質疑により行ないたいと存じますので、さよう御了承を願います。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。華山親義君。
○華山委員 昭和四十五年度一般会計の(その1)でございますが、一〇ページにありますところの佐藤内閣総理大臣の国際連合第二十五回総会出席に必要な経費についてちょっと伺っておきたいと思います。 この経費は、内閣総理大臣がおいでになる経費の全部であって、このほかに、あるいは内閣官房の本来持っているところのいろいろな経費とかあるいは外務省の経費とか、そういうものはお使いにはなっておらない、これ一本だけで総理大臣はおいでになったのでしょうか。
○川田政府委員 お答えいたします。 昨年十月、総理御一行が国連第二十五回総会に御出席になられましたが、その際要した経費は、ただいま先生仰せのとおり五千九百二十万円です。予備費をもって全部まかなってまいりました。
○華山委員 ほかから使っていないのですね。
○川田政府委員 使っておりません。
○華山委員 この中に、庁費の三千五百四十二万円というものがございますが、これは前にもお聞きしたことがありますけれども、大部分は飛行機の借り上げの経費、こういうものだと思いますけれども、ちょっと伺っておきます。
○川田政府委員 お答えいたします。 ほとんど大部分のものが飛行機の借料でございます。その他ごく一部、三、四百万円程度の額でございますが、自動車の借料等が一部入っているだけでございます。
○華山委員 それでこれは伺いたいのでございますけれども、報償費の内容につきまして私がお聞きしたってお答えにならないでしょうから——私はふしぎな現象だと思っているのですが、お答えにならないでしょうから無理にお聞きいたしません。ただ、概念的な内容についてはお答えができると思うのでございますけれども、おそらくは総理大臣があちらにおいでになって接宴をされたと思いますし、あるいは儀礼的な贈りもの等もあったものと私は思いますが、いかがですか。
○川田政府委員 お答えいたします。 ただいま先生仰せのとおりの内容でございます。
○華山委員 内容ということは、この中に含まれているということですね。
○川田政府委員 失礼いたしました。大体主たる経費といたしまして、招宴、接宴等の経費と、それからごく通常の意味での贈りもの、その他謝礼等の経費が含まれております。
○華山委員 そういうふうな接宴あるいは贈りものというふうなことは、一般の概念からいえば交際費をもってまかなわるべきものじゃないか。ここには交際費という項目がなくて報償費だけありますけれども、こういうことにつきましてどういうふうにお考えになりますか。交際費と報償費というものは一体どこが違うか。私たちの考えといたしましては、当然いまのようなことは交際費と思いますが、どういうわけで交際費という目を設けなかったのか、そしてもっぱら報償費だけでまかなわれたのか、この点を伺っておきたい。
○川田政府委員 お答えいたします。 会計課長といたしまして交際費及び報償費の双方を経理いたしているわけでございますが、報償費につきましては、御承知のように、国の事務または事業を円滑かつ効果的に遂行するために、当面の任務と状況に応じまして機動的に随時支出されている次第でございますが、一方交際費のほうは、社交的、儀礼的な経費といたしまして、もっぱら一方的な贈与的な性格を持つものというふうに観念的に整理いたしまして経理している次第でございます。
○華山委員 まあ、おっしゃるとおりなふうにいろいろなものにも書いてありますけれども、私は、総理大臣があちらにおいでになって社交的に贈りものをされるとか、それから招宴をされるとかというものは、いまおっしゃるとおりこれは交際費じゃないのか、こういうふうに思うわけですが、報償費と交際費との区別につきまして、大蔵省と会計検査院にその区別を伺いたい。まず大蔵省にひとつ伺っておきたい。
○竹内(道)政府委員 報償費と交際費の区別でございまするけれども、一般的に申し上げまして、報償費のほうは、国の仕事に対しまして功労があった者、あるいはやはり国の仕事につきまして部外から協力をいただいたというような人に対する謝礼のようなものが中心でございまして、具体的に申し上げますと、たとえば報償費として出しておりますものといたしまして、警察の職員が犯人をつかまえるのに非常に危険をおかして仕事をしたとか、あるいは防衛庁の職員が災害救助に際して非常に働きをしたというような、そういう部内の功労者に対して報償費を使う、あるいは部外の協力者につきましては、警察の活動あるいは検察の活動あるいは外交的な問題等につきまして部外からいろいろ協力をしていただく、あるいはお知らせをいただくというような場合に対する謝礼と表彰というようなものがおもでございまするけれども、そのほかに報償費でもって支出されるものといたしまして、単純な——ここが交際費と違うと観念されておるところなんでございまするけれども、交際費が単純な儀礼的、社交的な意味を持った支出であるのに対しまして、報償費として支出されるものとしては、そういった単純な儀礼、社交を越えて、まあいろいろ国際的な、たとえば協力のようなものに対するお礼というような意味を兼ねたような交際費的な支出、そういうものも報償費で支出されるということになっておるわけであります。現実の問題といたしまして、そういった一般的左儀礼的な意味も兼ねたような支出であって、部外の協力者に対する謝礼的な意味を持っておるというようなものにつきましては、交際費と非常に性格が似ておるというものがあるかと思いますが、そこはやはり、部外の方に対する、あるいは外国の使節等に対するお礼というような意味を兼ねておる場合においては、交際費とやや違っている面があるというふうに考えております。
○華山委員 会計検査院は何かほかにおっしゃりたいことはありますか。
○中村会計検査院説明員 ただいま大蔵省当局から予算の説明について詳細ございまして、私ども検査の立場として、そういう科目につきまして、そういう目的に沿って使われておるかどうかという観点で検査しておりますので、科目の説明については大蔵省当局の説明のとおりというふうに理解しております。
○華山委員 それで、私はここで申し上げておりますことは、この内閣総理大臣がおいでになったところには交際費というものがないわけです。全部報償費でやっていらっしゃる。私は、国際連合においでになったその際にはいろいろな国の人を御招待になったと思うし、そういうふうなことであって、報償費というものでなくて交際費というもので出すべきことがほんとうなのじゃないかというものも多かったのじゃないか、こういうふうに思うわけであります。 御参考までに申し上げますけれども、衆議院、参議院には報償費はございません。交際費があります。衆議院議長や参議院議長あるいは副議長その他、国会から正式に外国を訪問する場合のいろいろな接待、あるいはお持ちになる分というふうなものは全部交際費でまかなっているわけであります。総理大臣のほうは報償費、衆議院、参議院は交際費、どこでこういうふうな区別がつくのでしょうか。国会には、衆議院、参議院には報償費というのはありません。なくていいと思うのですけれども。どういうところからそういうふうなことが出てくるのか。国会というものと政府というものの間でどうしてそういう違いが出てくるのか、御説明があったらお願いしたい。
○竹内(道)政府委員 たいへんむずかしい御質問でありますが、お話しのように、国会には報償費がございませんで内閣には報償費がついておるわけでございますが、まあ国会の活動と総理が外国へ行かれた場合の活動とがどう違うかというようなことになりますと、なかなかむずかしい問題だと思いますが、お話しのように、交際費と報償費というものには違うところもあると思うのでございますけれども、やはり報償費というものも交際費的な性格を持っておる部分がなかなかあるので、これはどこをもって、ここまでが交際費であり、ここまでが報償費であるということを厳密に区別するのは、私、実際問題としてむずかしい面があると考えております。そういう意味で、一つは慣例的にも、従来から報償費でまかなっておるというようなものが報償費でまかなわれ、交際費でまかなわれるという、従来から予算的にそういう取り扱いをしておるものは交際費でまかなっておるというような部面もないではないというふうに考えております。お答えにはならないかと思うのでありますけれども、現実にさようなこともあって国会には報償費がついておらないという事実があるんではないかというように思っております。
○華山委員 交際費、報償費は行政科目でございますから何でございますけれども、どうも割り切れない御答弁ですね。総理大臣が外国に行ったときには前からそうなんですよ。これは今度ばかりじゃないんだ。前からどこか外国においでになるときでも交際費じゃないんですよ。全部報償費ですよ。衆議院、参議院の議長は全部交際費でやっていらっしゃる。そうすれば、そこに何らかの機能の違いでもあってこういうふうになるんじゃないか、こう客観的に考えるのは私は当然だというふうな気がしますが、御答弁、まことにあいまいで、何だか両方とも重なり合っておるのでどっちとも割り切れないような御答弁でありますから、これ以上お聞きしても何だと思うのでありますけれども、これはやはりきちっと分けられるべきものだと思うのです。 それでちょっとお伺いいたしますけれども、外務省には交際費も報償費もありますね。これは外務省の関係だと思いますが、会計課長、どうなんですか。外務省の出先の機関ですね。こういうところは報償費あるいは交際費というものは両方とも持っておりますか。
○柳谷政府委員 外務省の会計課長でございますが、お答えいたします。 在外公館の経費としましては、交際費と報償費とがそれぞれ計上されております。
○華山委員 その使用区分については相当シリアスにやはり指示してありますか。その場合場合で、どっちでもいいんだというふうになっておりますか。外国人なんかに金をやるというふうな場合は、これはすっきりわかります。ただ、外交官ですから、そのお礼などという意味でなしに、いわゆるつき合いがあるわけですね。そういうときには、報償費を出すのか交際費を出すのか、その区分は観念的にきちんとしておりますか。
○柳谷政府委員 お答えいたします。 ただいま大蔵省のほうから御答弁がございましたように、この経理にはいろいろ苦心するところがございますが、外務省といたしましては、在外公館の交際費、報償費を配賦する場合には、御指摘のように、その区分を厳重にするということを非常に注意しているつもりでございます。すなわち、在外公館におきます大使、公館長以下の在外におけるいわゆる交際活動、先ほど交際費の定義として御説明があったような交際活動については交際費をもって支弁するということをいたしております。 他方、報償費につきましては、通常まとめて送付するということでなくて、必要が生じたときに配賦するという形でございまして、それは在外公館における情報収集活動とか、あるいは特殊な調査活動とか、あるいは国際会議におきます諸般の工作費、あるいは日本から国際会議その他所用をもって外国へ行かれます方の携行費、あるいは招待外交に関する若干の経費ないしは一部の災害見舞い金というようなものにつきまして、そのつど詮議いたしまして、報償費の使途にかなうものについてこれを送金するというように経理しております。
○華山委員 これは直接予備費の関係じゃないのでございますけれども、ちょっと伺っておきたいのです。 内閣官房の会計課の仕事でございますけれども、四十四年度の決算をいま審議しているわけでありますが、その中で、内閣官房の報償費は年度末に一ぺん五%減額しておりますね。これはいろいろな事務費の一般官庁で行なったところの減額、そういうことで減額したんだと思うのです。報償費でいいますと、成立した当初予算が四億九千八百十六万円、それで四十五年の三月四日に五%の二千四百九十万円を節約している。これは人事院勧告のベースアップの分に使われたものだと私は思います。ところが年度末の四十五年の三月二十六日に、一ぺん節約したものをまた今度は一千五百万円報償費を増額している。そういうふうな経過をたどっておるわけであります。職員の基本給については成立予算が一億四百六十一万のところを、補正におきまして七百三十六万増額している。これは人事院勧告に基づく法律の改正だと思うのでございますが、増額している。ところが三月二十六日に四百八十万円を減額して、これを報償費の償うに回している。入れたり出したり、年度末の一月ばかりの間にこういうどさくさをやるというのは、どういうわけでしょうか。
○川田政府委員 お答えいたします。 ただいま御指摘のありましたとおり、まず補正予算におきまして、各省一律事務費五%節約の線に沿いまして報償費を五%節約し、これによりまして年間まかなうという会計としての一応の見通しを立てて処理してまいりました。また一方におきまして、内閣官房の人件費におきまして補正予算の国会議決をいただきましたのは四十五年の三月四日でございますが、補正予算の閣議決定をいたしましたのが、それより一月ほど前の四十五年の二月六日でございます。その二月六日の時点におきましては、報償費も節約のままで乗り切れる、また人件費はどうも七百三十六万円ほど足りないのではないかという見通しを会計として立てたわけでございますが、その後年度末が近づくにつれまして、片一方におきましては、すなわち報償費の系統について申し上げますと、万博開催等で三月中から外国の国賓の御来訪があったというようなことで、経費に不足を生ずることが明らかになりましたので、四十五年の三月二十六日に、先生御指摘のように、人件費のほうから四百八十万円ほど流用をお願いしたわけでございますが、経理上の不手ぎわといいますか、事務処理上たいへん不手ぎわであったというふうに考えております。
○華山委員 私はこれにつきまして、わずか二月ばかりの間に入れてみたり出してみたりというふうなこと、このほかにもまた各所修繕費というものをほんとうに大幅に減らして余しておいて、これを報償費の中に入れておりますね。それですから、初め五%の節約とかいってみたけれども、結局においては、その節約というものはうんと少なくなったわけです。報償費においては非常に少なくなったということ——それで私がここで、そういうことはやるべきじゃないと申し上げますことは、報償費というもの、これは簡易証明になっておりますね。ベールに隠れちゃっておるわけですよ。私たちがこれは何に使ったかと言ったって、あなた方は決して言わない。会計検査院も、これは簡易な証明ということで、一般経費とはまた違った簡単な証明でやっているわけです。そういうふうなことになりますというと、国民の前に、ベールに囲まれたものにそうでなかったものを押し込んでいく、こういうふうなやり方は私は非常に民主的でないやり方じゃないのか、こういうふうに思うわけです。 それだからお聞きしているのでございますが、会計検査院に伺いたいのでございますけれども、証明規則の十一条かに、他の手続によることができるというふうに書いてありますが、どういう手続をしていらっしゃるのか、他の手続とは、いわゆる簡易証明とはどんなものなのか、例をあげるわけにはいかぬでしょうが、どんなものか、どうなっているか……。
○中村会計検査院説明員 ただいま簡易証明についてのお尋ねでございますが、このことばは特に法令上の用語ではございませんが、通例私ども、ただいま華山委員からお話がございましたように、計算証明規則の十一条に「特別の事情がある場合には、会計検査院の指定により、又はその承認を経て、この規則の規定と異なる取扱をすることができる。」これを根拠に置きまして、特別の科目で、相手からの申請により、計算証明の原則どおりの書類が提出しがたい、そういう事由を検査院側のほうで承認いたしまして特別の取り扱いをしている、こういうのを一般に簡易証明と呼んでおるようでございます。 それで、具体的にどういうものが現在簡易証明の取り扱いをしているかと申しますと、先ほど来お話に出ております内閣官房の報償費、あるいは外務省の報償費といったようなものが主でございまして、そのほか、各省に似たような性質のもので幾つか出ているのが現状でございます。
○華山委員 特別の手続とはどういうことをなさるのですか。いまどういう手続をしていらっしゃいますか。
○中村会計検査院説明員 一例を内閣の報償費について申し上げますと、これは昭和三十四年三月二十五日の日付で、内閣総理大臣名をもって会計検査院長あてに「昭和三十四年度以降の交際費の一部及び報償費の計算証明について」という申請が出ておりまして、これ、簡単でございますので——よろしゅうございますか。
○華山委員 どういうふうな方法で手続をしていらっしゃるか、監査手続を。
○中村会計検査院説明員 手続でございますね。そういう申請が出てまいりますので、先ほど申しましたように、それでは検査院のほうも、そういう事情ならばということでこれを承認する。そういたしますと、普通ならば計算証明規則の原則に従って証拠書類が出てくる、しかし、この場合にはそういうものも提出しがたいということで、そのかわりのものを出していただく——検査の実情といたしましては、内閣の実地検査の場合に、その取り扱い責任者の方のところに伺いまして、手元で保管しております証拠書類その他を見せていただく、そのほか口頭でいろいろ説明を聞いて、確かにこの費目についても、正しく間違いなく使われているという確信を得て検査を済ましている、そういうのが、こういう簡易証明の扱いをしているものに対する検査の実情でございます。
○華山委員 そういたしますと、各省もございますけれども、総理大臣のほうでそういうものを簡易証明にしてもらいたいということは、いろいろな書類がなかなか取ろうといったって取れないし、きちんと出せるものじゃないというふうなことなのか、あるいは、これは秘密だから出せないということなのか、どちらなんですか、申請の内容は。
○中村会計検査院説明員 その簡易証明を申請いたしてまいります事由といたしましては、その費目の性質上、公開をはばかると申しますか、そういう意味で、書類を提出すると、何らかの形でそれが漏洩するおそれがあるというような事由で、実際は書類がございますけれども、検査院にその書類を提出するのは困る、そういう事情で申請が出ているというふうに解しております。
○華山委員 わかりました。 そういうことだと思うのでございますけれども、そういうふうなことで、したがって報償費等につきまして、あるいは他の官庁のいろいろなものがございますけれども、そういうものにつきましては国会でも決しておっしゃらないんですね。国民におっしゃらないということなんですよ。そういう部分がある。そういうものにきちんと証明のできるいろいろな各所修繕費とか人件費とかを押し込んで、そっちの幅を大きくするということは、私は問題があると思う。そういうふうな意味で、これは大蔵省が承認して、人件費から報償費に入れたのでございましょう。私は、そういうふうな簡易証明をしているようなものにつきましては、絶対に流用ということはやめてもらいたい。そうしませんと、これは国会でも、予算を審議するときに、この部分は、内容は将来ともわれわれにはわからないんだなということを知りながら、それは不本意かもしれぬけれども、きめているわけでしょう。ところがそれがほかのほうから入って、そしてふくらんでいく、そういうふうなやり方については、私は今度大蔵大臣がいつかお見えになったときに私からも要求しておきますが、とにかくそれはやめてもらいたい。別の款にしてもいいと思うのです。それからあなた方の先輩の河野さんのお書きになったものにも、同じような性質のものは流用ということが考えられるのであって、同じ目の中でも性質の違ったようなものの流用というのは慎むべきだと書いてある。報償費と人件費、報償費と各所修繕費、これはまるで違うんですよ。そういうふうな流用というものは、これは今後厳重に慎重にやっていただきたいと思いますし、これを款にのぼすなり、あるいはそういうふうなものはできないのだというふうなことをあらかじめきめておきながら各省に承知してもらうなり、そういうふうにしていただきたいと思います。そうでなければ、これは無制限にふえますよ、こういう便利な費目は。このことだけをひとつ申し上げておきますけれども、主計局のほうで何か御意見でもあったら伺っておきたい。
○竹内(道)政府委員 ただいま先生お話しのように費目の流用をみだりにやるということはもちろん望ましくないことでございますが、たとえば四十四年の場合のように、万博の問題があって千五百万の流用が必要であったというような場合に、私どもこの報償費にみだりに流用することはもちろん戒めておるところでございますが、どうしても必要であるという金額について、片方で流用の費目がある場合には、極力その金額をしぼりまして、その流用を認めるのは、これはやはり予算執行上の弾力性を保つという上からは、もちろん乱に流れることはいけませんが、場合によってやむを得ないことではないかというふうに考えております。
○華山委員 万博で報償費が足りない、交際費が足りなくなったら予備費で出すべきですよ。流用で始末すべき問題じゃないと私は思う。予備費で出すならば、これは国会におきましても、あとでそういうふうな性格のものでふえたんだとわかるわけですからね。国会に対しても国民に対しても、ベールをかぶった中で、そうでないものを明るみから暗やみにほうり込んでいくというようなやり方は、私は賛成できかねますね。私は絶対にこういうものに対する流用というものは避けてもらいたい。やむを得なければ予備費の支出でやってもらいたい。万博のためにふえたという堂々たる理由があるじゃありませんか。 それはそういうことにしておきますが、まことに私としましては、こんなことを言うのはおかしいですから——私も役所の会計課長を長くやっておりましたからやりくりはわかりますけれども、このやりくりはあんまりひど過ぎますよ。一ぺん減らしておいて、節約しておいて——そのときには、万博の問題といったって、もう年度末近くになっているのですから、足りるか足りないかくらいわかりそうなものだ。それを節約しておいて、ていさいを飾っておいて、そして今度はやみの中で流用してしまった。非常におもしろくないやりくりだと私は思う。 そして、各所修繕費なんてものがどうしてこんな年度末まで残っていたのですか。大体四割程度のものは報償費のほうに流用したじゃありませんか。どうしてこんなに残っていたのです。内閣の会計課長、どうなんですか。あなたに聞くのもどうかと思いますけれども、どうしてこんなに残っていて流用できたのです。
○川田政府委員 お答えいたします。 御承知のように、官邸の各所修繕につきましては、いろいろこまごまとした手入れが多うございまして、手を抜いたら直ちに全部がたがくるというような、そういう大きな事故を抑制するような各所修繕はいまのところ必要ございませんけれども、しかしたいへん老朽化がひどうございますので、いろいろこまめな修繕が必要なのでございます。そういった意味で、年度末に年間を振り返りまして、いろいろな実行を行なっている次第でございますが、四十四年度の年度末におきましては、報償費の不足が非常に大きく出てまいりましたので、ある程度各所修繕のほうを控えまして報償費のほうに流用をお願いした次第でございますが、先生御指摘の御趣旨をよく考えまして、今後慎重な態度で経理してまいりたいというふうに存じております。
○濱野委員長 華山先生、あなたと大蔵省に申し上げますが、大蔵大臣が御出席の場合、報償費と交際費の区別は将来どうするかということをお聞きくださる。それから、いまの人件費を報償費に繰り入れるというようなことの是非、この問題は大蔵省と総理府のほうで十分合議なさって、大蔵大臣が御出席になりましたらば、そのときにはっきりした御答弁を願う。竹内さん、こういうことはやはり是正できるのだから、できればそういう方向で大蔵大臣とよく相談して次の機会に御答弁願うことにして、一応時間もございませんから、ひとつ簡潔にお願いします。
○華山委員 特に大蔵大臣に、その際に、議長と総理大臣が外国に行ったときに、片方は交際費でいいのだ、片方は報償費でいいのだというふうなことですね。これは今度天皇陛下がおいでになります際に、宮中の経費に報償費で組むのか交際費で組むのか、大きな問題だと思う。宮内庁の予算にもありますからね。さらに、宮内庁の予算では接宴費という目を設けて、会計上の間違いのないようにこまかく分けておいて、総理大臣は総理大臣、報償費一本で何でもやれるというふうな予算の立て方は私は困ると思うのです。 委員長、何時間くらいあるでしょうね。
○濱野委員長 四日にもやりますから、それはやはり大蔵大臣が来たときにひとつはっきりしてもらいましょうよ。
○華山委員 それではやめます。 それから、実はことしは世界の不幸の年だと見えて、いろいろナイジェリア、 カンボジア、ペルー、パキスタン、ベトナム等の難民救済あるいは災害等につきまして日本から救援をしておる記事があるわけでありますが、私は、これの一つ一つにつきましていろいろな問題がありますので、お聞きしようと思いましたけれども、この問題は時間が長くかかりますからここではやめておきまして、この次にいたします。赤十字の方においで願いましてまことに恐縮でございましたけれども、時間の関係でそうなりますので、委員長とも御相談の上、お引き取りになるならお引き取りいただいてけっこうです。外務省につきましては、別の委員のほうから質問がありますので、その際までとどまっていただきたいと思うわけであります。 それからもう一つだけ、簡単な問題でございますので承っておきたいのでございますけれども、農林省関係で、良質米奨励金及び米品質改良奨励金の交付に必要な経費というので二百三十八億ほど載っておりますが、これは良質米の奨励とか米品質の改良奨励とかいうことになりますと、県や市町村もやっておるわけでありますが、伺うところによりますと、県や市町村を通さないで、主として食糧事務所でおやりになったということでございますけれども、さようでございますか。そうだか、そうでないかだけおっしゃっていただければけっこうでございます。
○内村(良)政府委員 お答え申し上げます。 良質米奨励金及び米品質改良奨励金の支払いにつきましては、生産者が集荷指定業者あるいはその団体に受領を依頼いたしまして、そうした団体を通じて政府に請求がある、それを、そうしたルートによって支払いを行なっております。
○華山委員 そうしますと、政府に売った、あるいはこの自主流通米も含むのでございますけれども、その出した米に対して対価を払った、その対価に応じて各農家に出したわけでございますか。前に出しておりますが、それに応じて出したわけですね。
○内村(良)政府委員 御承知のとおり、良質米奨励金及び米品質改良奨励金は、良質米奨励金の場合には一等、二等、三等というものに払っているわけでございます。その場合の単価は、一等は百五十キロ当たり七百五十円、二等は五百五十円、三等は三百五十円、すなわちそうした米の品質に応じまして支払いをしております。米品質改良奨励金のほうは一等から五等まで、百五十キロ当たり二百円ということで支払いをしておりますが、単に政府が買い入れたものばかりでなしに、いわゆる自主流通米として売られたもの及び種子として種子取り扱い業者を通じて売っているものも対象としている次第でございます。
○華山委員 お話の内容からわかるのですけれども、これを決定したときは、米価を決定したときに政治的にきまったものですね。一般の事務官僚の方は知らないわけですよ、こういう金は。要するに、どうあろうとも、これはいい米と悪い米との間にもっと格差をつけて、そしてみんなにまた金をやろうというかさ上げなんですね。米の値段のかさ上げですよ。それを良質米奨励金及び米品質改良奨励金などと名前をつけてみたって、結ばないんじゃないですか。あなたは来年良質米をやりますか、それじゃどのくらい金がかかりますか、それじゃこれだけのことでひとつやってください、こういうふうなことでなければ、これは看板というものはおかしいと思うのですね。その前の年もこういうことがあったのですが、実質的には米価の政治的の積み上げです。私はそう思います、お答えにならなくとも。そうじゃないというふうなことをおっしゃるのかもしれませんが、そう思わざるを得ないので、私はそう解釈せざるを得ない。こういうものをつくったことについては、事務官僚は何らの責任もないのですが、自民党と政府の間で御相談になったのか——自民党は御相談にあずかったのか知りませんけれども、とにかく米価を決定する際にきめたところのものですから、この問題については事務官僚からお聞きしたって何もならない、私はそういうふうに解釈せざるを得ません。しかし、これにつきまして問答無用というわけにもまいりませんので、何かおっしゃりたいことがあったらおっしゃってください。
○濱野委員長 実質的にどうです。その実績はどうです。
○内村(良)政府委員 実績は、一月末までに大体百五十億円支払われております。
○濱野委員長 いや、良質米奨励とか品質改良、そうした金を出すことにいたしたことによって、その実績は事務的にどういうふうなお答えができるかというのです。質問者は、政治的な積み上げじゃないかと言うのだが、専門家の君のほうとしては、実質的にどういうことかという答弁をすればそれで済むのでしょう。どうなんです。
○内村(良)政府委員 お答え申し上げます。 御承知のとおり、最近米が余ってまいりまして、消費者のほうも米の品質に対する要求が非常に高まっております。したがいまして、農林省といたしましては、できるだけ品質のいい米をつくってほしいというのは、これは当然の要望でございます。 そこで良質米奨励金でございますが、米の品質の場合には、やはり米がとれましてから調製過程における農家の努力というものが、いままで四等米であったものが三等米になり、三等米であったものが二等米になるということで、調製過程における農家の努力というものが検査等級の決定に非常に響くわけでございます。したがいまして、確かに、米価決定の際この奨励金はきまったわけでございます。その点につきましては、米価と結びついているのではないかということでございますが、私どもといたしましては、良質米奨励金は、その年、すなわち四十五年産米の収穫後における農家の努力に報いるということで、このお金は一等、二等、三等しか出しておりません。したがいまして、いわゆる米価の足し金ということではなくて、あくまで収穫後における農家の努力に報いる奨励金であるというふうに性格を規定しております。 それから米品質改良奨励金でございますが、これは一等から五等まで百五十キロ当たり二百円ということになっております。これは四十六年産米の種もみの手当て等につきまして、農家に今後いい米をつくってもらいたいということを主たるねらいとしておるわけでございます。 事務的でございますが、そのように私どもは考えております。
○華山委員 これで私の質問を終わります。
○濱野委員長 鳥居君。
○鳥居委員 外務省と日赤のほうにお伺いしたいと思うのですが、予備費をもって難民救済の援助をいたしております。この中で、カンボジアの場合は事情がいささか違うように私どもは受け取っております。カンボジアに対する援助、第一次、第二次の経緯についてまずお伺いしたいと思います。
○三宅説明員 御答弁いたします。 カンボジアに対する援助につきましては、赤十字社連盟を通じまして、カンボジア赤十字のほうから日赤あてに援助の要請がまず参ったわけでございます。それで、日赤側といたしましては、それを受けまして外務省と相談して、その結果、われわれといたしましても日赤の援助が必要であるという判断のもとに、まず第一次の援助をやったわけでございます。 第二次につきましては、日赤の職員の方が現地に参りまして、さらに追加援助の要請をカンボジア赤十字から受けまして、それでさらに追加援助の必要ありということでわれわれにその要請をしてまいりました。外務省といたしましても、もっともだという判断のもとに、大蔵省とも協議いたしまして一次、二次の援助を決定した次第でございます。
○鳥居委員 一次、二次の援助の内容について説明願いたいと思います。
○三宅説明員 第一次につきましては、医薬品、手術設備、レントゲンの機械、それから食料品——おもに魚のかん詰めでございます。それから繊維品、特に毛布、それからトラックが十台ほど入っております。 それから第二次につきましては、同じく医薬品、食料品、魚のかん詰め、繊維品、車両——車両の中では救急車、血液運搬車、トラック、診療車、こういう品目からなっております。
○鳥居委員 カンボジアの現在の情勢をどういうふうに認識され、どういうふうに評価されていますか。この中に車両が含まれている点、着目しなければならないわけですけれども、外務省ではどういうふうに受け取っておられますか。
○三宅説明員 現在のカンボジアの情勢は、先生御承知のとおり非常に流動的でございまして、その結果、道路が主要なところが一部は途絶しております。それから橋がこわされている。そういうことでございまして、運送問題が最も大きな人道上の困難を招いている。したがいまして、そういった観点から米の輸送、医薬品の輸送——難民が発生しておりますので、こういう運送手段を提供することによりまして、一般カンボジア人の困窮をできるだけ人道的見地から救済したい、こういう見地から車両の援助を日赤が要請されて、われわれももっともだという判断からこれに補助金をつけることにしたわけでございます。
○鳥居委員 参考人にお伺いしたいのですが、日赤が援助の要請を受けたその手続は、どういうかっこうで受けて、それをどういうふうなかっこうで援助をしたか、概略説明願いたいのです。
○木内参考人 カンボジアの難民の救援につきましては、カンボジア赤十字の要請を受けました赤十字社連盟から日赤に対しまして援助の要請がございました。そのときに食料、医療、車両その他の品目もございました。これに基づきまして、できるだけの援助をしたい、また、現地の難民の状況等はその赤十字社連盟からの要請の中にしるされてございまして、これらを勘案いたしまして送るべき品目等を十分検討いたしまして、また、日赤は救援等の資金が十分でございませんので、政府の、外務省のほうの補助をいただきたいということで外務省とも十分協議あるいは研究をいたしまして、その結果補助金をいただいて、これによって救援物資を送るようにいたしました。 第二次につきましては、第一次の物資を送りますときに日赤の職員が参りまして、第一次の物資の引き渡し、あるいはなお救援を要するか、先方の希望等を聞きまして、これに基づきまして、これも政府の補助をいただいて実施いたしたいということで実施をいたしました。そういう経緯でございます。
○鳥居委員 要請に対して一〇〇%の援助ができているわけですか。もし要請に対して削られたものがあるならば、それを言っていただきたいのですが、いかがですか。
○木内参考人 カンボジア難民の救援だけでございませんで、原則的に、災害あるいは難民等の救護につきましては、現地の赤十字からの直接の要請あるいは赤十字社連盟を通じましての要請、これにはその数量等は特にあげてない場合もございます。 それからカンボジアについて申しますと、第二次の場合には、車両の数字もあげまして先方から援助の要請がございました。これらにつきまして、日赤としましては、現地のニードに合うものであり、送るべきものと思えば、できるだけ先方の言うとおり十分に応じたいということはございますが、必ずしも先方の申し出たものをそのまま送るということにございません。
○鳥居委員 第一次の援助のときに、車両が十台援助の対象になっております。これは全体の援助に対しましてわずか三%足らずのものでありますけれども、第二次の援助の際は、トラックを含めまして援助額六億円のうちの半分以上がこの車両に充てられているわけです。このことにつきまして、なぜこういう形になっているのか、日赤ではどういう調査をしておりますか。
○木内参考人 これは、第一次の物資を向こうに送りました際に——第一次をまた二回に分けまして、初めの医薬品のときは、私現地に参りました。それから第一次の後半の部分が到着しますころに、日赤職員が三名同じく参りまして、引き渡しと同時に、現地の状況、またカンボジア赤十字ではさらに何が必要であるかということを調査いたしまして、先方の希望も十分聞きました。そのときに先方では、難民等に対する物資、これは各国からも救援があったし、相当量あるのであるが、それを難民に配給と申しますか、届ける、輸送するのにトラック等が非常に欠けている、またカンボジア赤十字としての難民援助のための難民の輸送等にもトラックが不足しておる、それから診療車あるいは血液の関係の車でございますとか、そういうものが非常に不足しているので、ぜひこれを援助してもらいたいという要望がございました。これはその後さらに書面をもって日赤に要請がございまして、これに応じるようにいたした次第でございます。
○鳥居委員 それでは伺いますけれども、車両の内訳を車種別にお述べいただきたい。
○木内参考人 車両の内訳は、普通型の救急車が五十台、ランドローバー型の救急車が五十台、トラックが六十台、マイクロバスが十台、ステーションワゴンが十台、血液運搬車二台、移動診療車五台、これが車両の内容でございます。
○鳥居委員 現在のカンボジア情勢、これは新聞報道にも種々明らかにされているとおりであります。戦時体制下のカンボジアでありますから、兵たんの移動、そうしたものに車両が極端に不足している現状です。これはある特派員からの報告でありますけれども、こういう大きな問題を含んだ一文が報告されております。「小火器類の補給とともに大きな問題になっているのが、兵員や軍需物資を輸送するためのトラックだ。別の筋によると、去る三月の政変前、全カンボジアに存在したトラックの数はたった千台余りだったという。戦闘体制の中でその八割は直ちに軍用に徴発されたが、とても間に合わず、民間の大型バスまで軒並みに徴用されているのが現状だ。」この特派員が三個大隊に出合ったときのいきさつが書いてあります。「驚いたことには、計三十七台の輸送車の中に十三台の大型バスがまじっていた。兵士たちは、バスの座席ばかりでなく、その屋根の上にまで、ぎっしりと腰をおろしていた。」そういう報告もなされております。現在、こうして救済用として送られる車両——いま内容につきまして話がありましたけれども、日本からは四・五トン積載のトラックが向こうに難民救済用として送られていますけれども、同じ種類のトラックがアメリカからは軍需物資として送られている、しかも最近はこの軍需物資のトラックの台数がきわめて増大しつつある。アメリカにおけるこの軍需物資のトラックの増大している模様を御存じですか。外務省ではどういうようにつかんでおりますか。
○三宅説明員 お答えいたします。 現在、アメリカは御承知のように経済軍事援助、この前通った援助法案ですと二億五千万ドルの経済軍事援助を行なっているとわれわれ聞いております。したがいまして、その中には当然軍事物資を運ぶトラックが相当量含まれている。正確な台数はちょっと私覚えておりませんが、相当量入っておるというぐあいに聞いております。その点は先生御指摘のとおりでございます。
○鳥居委員 それでは、難民救済用と兵員輸送用のトラックと、どういう区別を外務省としては考えているのか。そういう転用がはなはだ心配されるわけです。その転用が必ずないといえるかどうか、両国間にはどういう取りきめがあるか、この点について説明願いたい。
○三宅説明員 お答えいたします。 このたびのトラックその他の車両の援助につきましては、日赤といたしましても、またわれわれ外務省といたしましても十分配慮いたしまして、この点につきましては、現地のカンボジア赤十字より日赤あてに電報で、援助物資につきましては赤十字の規約によってこれを必ず実施する、さらに先方の外務省からも、カンボジア赤十字が赤十字の諸原則に従って実施するということを通報を受けたという保証状がまいっております。さらにわれわれといたしましても、日赤と十分協議いたしまして、車両を出すにあたりましては白地に赤十字のマークをつけまして、ほかの目的のために転用されないように十分配慮しております。さらに外務省が見ますと、その点は、現在までのところ、カンボジアは東南アジアの中で最もまじめに実施しているのではないかというぐあいに考えております。したがいまして、われわれといたしましては、今回の援助がほかの目的に転用されることはないと確信しております。
○鳥居委員 これは、日赤に対しまして要請がきた要請文です。これを見ますと、この中に明らかにされていることでありますけれども、経済的な点でエンジンの機構を注文している、それが一つあります。それからそれとともに、修理がプノンペンにおいて簡単にできるような、そういうような条件がまず大事な条件である。部品がなくて修理ができないということは、これは援助の対象としては困ってしまう、こういう条件がついております。日本から援助する場合に、トラックが六十台、第二次で向こうに送られたわけですけれども、その十分の一に当たる部品はこれについて向こうに援助されて送られている。普通であれば、この部品において修理も可能である、それは常識的なことであります。ところがこういう戦時体制下、どういう利用をされるかわかりません。いずれにしても、この修理に対しては、現地において修理ができるようにという大きな条件がついている現状を考えてみたときに、非常に戦火をくぐらなければならないという——これは難民救済という目的それだけだからこういう条件がついたとは、私は思えないのです。先ほどの説明の中にありました、赤十字のマークがついているから転用はないだろう、これは考え方としては甘いと思うのです。この中で、確かに電報でその約束が明らかにされているという、そういう話であります。それはこれをさしているのだろうと私は心得ております。「カンボジア赤十字は人道的援助を赤十字の諸規範にのっとり使用することを確約する」、もしこれを破った場合に、これもやはり援助する側としては考えなければならない。一方に加担するわけにはいかない。これは援助する側の国民感情からいってもそのとおりだと思うのです。そういう立場からいうと、いまの外務省の考え方は基本的に甘いのではないかと思うのです。向こうにおいては、民間の大型バスまで兵員の輸送のために使われている、そういう現状です。全土において千台もないという車両です。そこに今回はトラック六十台、ランドローバー型、これはイギリス型のジープを改良したものでありますけれども、マークさえとれば兵員の輸送のために使えるような、いわゆる軍事目的に転用できるようなもの、そういうものが難民の救済のためということで現在は送られているわけです。向こうの要請は強いということも聞いております。この戦時体制下の緊急援助、これも要請してきていることもすでに報道されていると知りです。ここの歯どめをもっとがっちりしたものを考えなければならないと私は思うのですが、外務省はどうですか。
○三宅説明員 お答えいたします。 いま御指摘になりました点は全くごもっともでございまして、われわれといたしましても、今後とも大使館を通じましてそういうことがないように十分気をつけてまいりたいと思います。 なお、ほかの赤十字もそうでございますが、カンボジア赤十字は政府機関とは全く別個でございまして、現在十七の支部を各地に持っております。職員も百数十名おりまして、ほかの政府機関、特に軍とは完全に隔離して、赤十字連盟の代表も現地におりまして十分カンボジア赤十字の運用を見ているという実情から見まして、カンボジア赤十字がカンボジア政府に、またカンボジア軍に転用することは、機構上の観点からも私たちはないと思っておりますが、先生御指摘の点を十分念頭に置きまして、今後とも慎重にいろいろな対策を検討していきたいと思っております。
○鳥居委員 政務次官、見えていますか——この問題について、これはそういうことのないようにすることは当然でありますけれども、政務次官、どう考えられますか。
○竹内(黎)政府委員 お答えを申し上げます。 先生の御論議をさっきから拝聴しておりますと、先生の御論議の特に懸念される点は、私どもが人道的援助という名のもとに提供した特に車両が、いわゆる軍事転用にされるという、それに対しての歯どめがないじゃないか、もし軍事転用にでもなるということになると、結局は現在のロンノル政権に対する肩入れになるんじゃないか、こういう結果になるんじゃないか、こういうことを御懸念かと実は伺っておったのです。ただいま担当の課長からも説明申し上げましたが、私どもは一応先方の政府からの保証も得ております。また、御説明申し上げましたように、機構上、政府と赤十字社のかなり厳重な区別もあるようでございますので、私どもとしては一応それを信頼してまいりたい、このように思っておりますが、いずれにいたしましても、私どもが援助をいたしますのは、あくまでも当該地域の住民の民生の安定向上のため、いわゆる人道的な立場からでございまして、決して現在の政権を軍事的にてこ入れをしようと、そういう意図から出ておるものでないことはひとつ御了解いただきたいと思います。 なお、御懸念の歯どめ策につきましては、私どももまた現地大使館を通じて実際の実施状況も逐次聴取しながら、適宜適切な方法についてさらに研究もしてまいりたいと思います。
○鳥居委員 それでは海上保安庁の関係をお伺いしたいと思います。 海上保安庁でYS11、これを二機目を購入することになりました。遠洋における海難救助対策、こういうことで予備費をもって購入されているわけでありますけれども、この購入に至る経緯を概略伺いたいと思います。
○貞広説明員 お答え申し上げます。 いま先生からYS二番機の購入に至る経緯と申されましたが、どのような海難の発生状況のもとに航空機が要るのか、それをどのようにして要求していったかというふうなことかと思いまして、そのような前提に立ってお話し申し上げたいと思います。 海難の発生状況は、年間おおむね二千七百件くらいございます。そのうち五十マイルより遠いところで起こりますものが二百件以上ございます。発生率といたしましては一割にも満たないものではございますけれども、この海難に伴いまする人命の被害と申しますか、死亡、行くえ不明は四割近くございます。 で、このようなことでございますので、なぜそういうふうになるかといいますと、やはり遠く沖におりますと近くを通る船も少ない、いざというときにSOSが出ても急に巡視船等も間に合わない。したがいまして、こういう海難に対処しましては、何と申しましても大型の航空機が必要でございます。したがいまして、昭和四十年以降、大型航空機でもってこれら悲惨な海難をすみやかに救助したいというのが、海上保安庁救難機関に従事する者の悲願でございました。四十年以降要求を続けてまいりまして、四十一年度で初めてYS11一番機を購入することが許されまして、この品物が四十三年の三月に入りました。一機いただいたことは非常にうれしいことでございますけれども、一機だけでは常時発進体制はどうしても物理的にとれませんので、最小限二機必要であるということで要求を続けてまいりました。おかげさまで今年の十一月にはその待望の二番機が入る計画になっております。
○鳥居委員 これは事故が起こったからあわてて買った飛行機でしょう。どうなんですか。
○貞広説明員 いま先生の言われます事故と申しますのは、一昨年の一月、本邦東方海上約三百マイルぐらいで、三万四千トンぐらいでしたか、ぼりばあ丸という鉱石運搬船が沈没いたしました。それから、やはり同じ所でぼりばあ丸と同型のかりふおるにあ丸が昨年二月十日に沈没いたしましたが、その前にもそこで二つの外国船ですが、一万トン以上のものが沈没いたしております。こういったことから、四十五年度において要求いたしましたけれども、いかんせんこれをいただくことができませなんだので、四十五年にそういうかりふおるにあ丸のような大海難があったこともありまして、国会では過ぐる第六十三国会でずいぶんおしかりを受けますし、片や、新聞等においても海上保安庁の遠距離救難体制についてきびしく批判されました。私ども、もともと救難体制を整備しなければいけないということで努力はいたしましたけれども、やむなく、これを入手できませなんだけれども、こういう事態に至りまして、あらためて再要求ということに踏み切ったわけでございます。
○鳥居委員 なるべく簡潔に答えていただきたいと思うのですけれども、そうすると、現在遠洋における海難救助、これは非常に天候条件が悪い中での救援活動でありますから、中型ないし大型ということに限られてくるわけですけれども、常時発進ということを考えまして、四面海に囲まれている今日の私たちの国土において、一体どういう体制を整えれば万全を期することができるのか、それに対する備えといいますか、それをどういうふうに海上保安庁では考えているわけですか。
○貞広説明員 お答え申し上げます。 この件につきましては、私ども事務的にも一案を持って考えておりましたけれども、海難救助の効率化に関する委員会、日本のこの方面の学識経験者をもって構成されております委員会に海上保安庁長官から諮問をいたしまして、その結論を昨年いただいておりますが、その内容を御紹介したいと思いますけれども、日本のいままでの海難の発生状況をつぶさに検討いたしまして、海難救助体制としては、特に中、遠距離、少なくも日本の海岸から五十マイル以遠の海難救助体制といたしましては、いかなる天候にもかかわらず救助行動がとれるという類の大型飛行機、これを四機日本の中央に置いて、日本列島全国を、全周域をカバーする。これは非常な高速を持っておりますし、あるいはまた捜索するときには低速でもできます非常に適当な型のものをそのように配置して捜索用に充てる。もう一つは、航空機により直接救助の行なえる大型ヘリコプターを備えるべきである。これは昨年の六月、千葉の千倉の第八幸栄丸が根室の沖で二十一人が惜しくも全員死亡されましたけれども、こういったようなときに直ちに発進して、直接飛行機でつり上げて救助できるものはヘリコプターである。こういうものはローカル的なものでありますので、日本の北と南とまん中、この三カ所に少なくも三機一群で三群置く、これに対して、少なくも大型飛行機に対しては二クルー分、それからヘリコプターに対しては一クルー分、これでもって大型飛行機は常時二機発進体制、大型ヘリコプターは常時一機発進体制、そのような答申を得ておりまするので、私どもはこれに対して鋭意その実現をはかりたい、かように考えております。
○鳥居委員 その実現が問題なわけですよ。購入して実際に保有することを、今回の場合にはかりふおるにあ丸の遭難をきっかけに、しかも予見しがたい予算の不足という意味から予備費を流用して、これを足がかりとして購入しているわけでしょう。どういうふうな計画の実現のしかたをするのか。海上保安庁としては、もっと力を入れて万全の体制をとるようにしていかなければいけないと思う。 そこで大蔵省に伺いますけれども、予備費をもって購入するような購入のしかた、やはりこれは一考あると思うのですね。そうした答申に基いて、いまの答弁の中からも四機は必要である、海難事故に備えては四機常時持たなければならない、こういわれてますけれども、どうですか、大蔵省としてはやはり予備費ですか。
○竹内(道)政府委員 海難救助の体制を整備することの必要なことは申すまでもないことでございまして、当時かりふおるにあ丸の事件が発生しまして、もちろんその以前から海難救助の問題についてはいろいろ運輸省のほうともお話し合いをして、その体制を整備してきておったわけでございますけれども、やはりそのかりふおるにあ丸の事件が一つの契機となって、もっと整備体制を整えていかなければいけないのじゃないかという反省がそこで生まれたということは事実だと思います。その結果、それではどういうふうな体制をしいたらいいのだ、あるいはそのときにもYSが一機あったわけですけれども、実際には発進しなかったというような問題もありました。したがって、常時発進体制というものをどうやって整えていったらいいかというようなこと、あるいは飛行機はYSがいいのか、あるいはもう少し小型のビーチがいいのかというようないろいろな問題を検討した結果、予備費でなるべく早く、飛行機はYSがいいのじゃないかということになりましたので、そこで予備費を支出をした。鳥居先生のお話しのように、もっと早く金を出せばよかったのじゃないかということもあるかと思いますけれども、それでもその反省の結果、やはり予備費でこの際出したほうがいいのじゃないかという結論になりまして予備費を支出したというような次第でございます。
○鳥居委員 この議論は果てしがないわけですけれども、一つは海上保安庁の働きかけも非常に弱いのじゃないかと思うのですね。大蔵省の当局が中型の必要性を認めてないですよ。小型ではどうにもならないという実情はよくわかってもらう以外に予算が出ないですよ。そういう意味から、要求額を今日まで見てみますと、四十年以来要求額に対してきわめて歳出予算が限定されております。 ちなみに読み上げてみますと、昭和四十年一機購入のものとして六億八千万の要求に対しまして一億一千万、四十一年には二機要求、これは前の年に削られているからだろうと思いますが、十三億の要求に対しまして三億しか予算が出ていない。以下同様に、四十二年に一機購入を要求し、四十三年にはさらに一機購入を要求しているにもかかわらずこれが年々実現できていないという現状です。きわめてお寒いです。もっと真剣な海難救助対策、体制を海上保安庁としてもとるべきだと思う。仕事はこれしかないですからね。どうですか、その点について。 〔委員長退席、高橋(清)委員長代理着席〕
○貞広説明員 私ども職掌柄としてそのとおりでございまして、今後とも、どのようにすればほんとうに予算が実現されるのか、あらゆる面から検討して、さらに一段の努力をいたしてまいりたいと思います。特に遠距離におきましては、海に沈み行く最後の姿をだれにも見届けられずして去っていく人の気持ちを救助機関担当官として思えば一ほんとうに耐えられないことであります。ここら辺の心情からしてさらに一段の努力をいたしたいと考えます。
○鳥居委員 私の質問は以上であります。
○高橋(清)委員長代理 吉田賢一君。
○吉田(賢)委員 きょうは四十四年度の一般会計予備費使用調書(その2)と、同じく特別会計(その2)並びに同じく四十五年度の(その1)と(その1)につきまして若干伺いたいのであります。ただし、きょうは予備費の問題について最終の結論を得にくいので、一応諸般の角度から結論への準備段階として伺っておきたい、こう思うのであります。 それでは、湊副長官見えましたね。——特に一般会計の予備費の使用調書を見てみますると、これは給与関係、退職金の不足を補う給与関係など、要するに人件費ですね。それ以外のものは、大部分は災害復旧の必要経費と見てよいのでございます。しからば、本来の当然増の人件費は別といたしまして、さにあらずして偶発的な予備費というのは災害復旧事業の経費、こう見てよいのではないであろうか、こう思います。 そこで、これは御承知のとおり、日本は災害の国とわれわれは記憶をするのであります。そこで総理府といたしましては、法律、基本法に基づきまして、中央防災会議を設置せられ、総理大臣が会長となり、指定機関、指定行政機関として各省長官がこれに当たられる、それからなお、地方の行政機関といたしましてのそれぞれ実施官庁の出先局長が当たっておる。こういうふうに、細大漏らさず機構としては準備ができておる、こう思うのであります。 そこでわれわれといたしましては、この毎年繰り返す災害復旧の予備費というものをできますればなくすことの手法はないものであろうか、もっと端的に言うならば、災害の国の日本が世界的に模範の災害の予防が完備した国であるように持っていけないものだろうか、これが私は政治の場だろう、こう思うのです。もちろんこの防災会議の終局はそこにあるだろう、こう思うのであります。いたずらにこれは年々災害の復旧の予備費予備費といって、毎年これを繰り返しておるのです。何年来同じことを繰り返しておりますが、実にこれでは、あまりにわれわれとしましては政治がないような感じがせぬではないのであります。 そこで、まずあなたに伺っておきたいのでありまするが、防災会議はそれぞれの指定行政機関に対しまして、あるいは指示をしたり、あるいは連絡をとったり調整なさるのでございますが、気象庁関係それから各省庁の防災に関する時期的に、周期的にというようなことも考慮しまして、そしてそれと連絡を常時とるという体制できておるのだろうか、この点をちょっと伺っておきたいのです。
○湊政府委員 ただいま先生御指摘の点、まさに私も同感でございます。やはり事後になって災害復旧に追い回されるよりも、事前に予防の措置を講ずる、そういう方向でやっておるわけでありますが、各省庁間の連絡に関しては定期的に実はやっております。たとえて申しますと、時期的に災害が頻発するようなときになりますと、一週間に二回も三回もそれぞれのランクに応じた打ち合わせをやるのは当然でございますが、それ以外に、たとえば関東大震災クラスの地震もし起こりせば、というふうな前提に立って消防審議会のほうからも答申が出ておる現況等もございますので、そういう一種の恒久的な先を見た問題についても、それぞれ専門ごとに分科会、部会を設けながら常時連絡するというふうな体制になっております。特に最近、自然災害だけでなくて、かなり大規模の火災であるとか、あるいは過般の大阪のガス爆発事故に見られたような爆発事故、いわゆる都市災害と一口にいわれておるような種類の新しい形の災害もかなり出てまいっておりますので、そういう点では守備範囲を広げながら常時連絡をする、こういうことをやっております。
○吉田賢一委員 そこで、総理府の中央防災会議は正確なデータを準備せられるということがまず前提となり、先決になるのではないか、こう思うのであります。あなたのほうで——もっとも警察庁におきましても警察庁の立場におきましてデータをとっておりますけれども、集計しておるようでございますけれども、災害は一体どんな被害をこうむったのであろうかということ、どうもこれが明らかでないのであります。あなたのほうからいただいた資料でございますけれども、三十八年から四十三年まで出ておるのでございますが、一体災害の被害は財政的に経済的に見積もってどうなんだろうかということになりますとどうもはっきりしない。ただし公共土木の施設がこれだけの金額、これだけの個所あった、学校施設はこれだけあった、農地などこれだけあった、あるいは厚生施設、水道施設、中小企業等々、国有財産、国有林野等といろいろあるのですけれども、これは要するに査定した被害でございますね。もしくは中小企業ならば報告があった被害額でございます。この決算の審議にあがってきまするのはそうではないのであります。復旧費幾ら使ったかということになってくるのであります。これが財政支出であります。しからば、現地で学校が倒壊した、公共土木施設が損壊を受けた、しかし、これに国としてはどれほどの被害をこうむったかということになると財政投資の問題になってくると思うのです。財政投資のほうが損害として出てこないのでありますが、この点はひとつ欠陥を補完する必要があるのじゃないかと思うのですが、いかがでしょう。
○高橋(清)委員長代理 これはどちらに御要望しているのですか。
○吉田(賢)委員 どなたでもいいですわ。これは事務のことで、事務での資料集めですから、どなたか総理府でもし——これは事実なさそうですわ。なさそうですから、私は、これを前提にしながらでは今後の防災対策というものも立ちにくいのじゃないかと思うのです。
○高橋説明員 お答え申し上げます。 被害報告については、先生ただいま御指摘のように、公共的な施設被害額としては全体的にまとめております。それで、なお毎年災害に対する年次計画というものが出されておりますが、その中には各都道府県別に一応整理はいたしております。なお、人的被害につきましては警察庁のほうの調べに基づくものでございますので、これにつきましては金額等の表示はいたしておりません。そのような状態でございます。
○吉田(賢)委員 ちょっと参事官、私の問いが正確でなかったかもしれませんが、私の伺いますのは、学校なら学校、その他の公共施設なら公共施設、各施設について、あるいは各省担当の所管施設について、たとえば法務省の建物が倒壊した、あるいは文部省の所管の国立学校が倒壊したというようなときに、その行政機関は、あなたのほうの指定行政機関なんですね。指定行政機関の所管事項として、きょうの現実の損害はこれこれでありました、そこで、国としてこれに対して負担すべきものはこれこれであったということは、これはどこかが掌握しておかんといかぬ。それでないと国会の資料にはなりませんわ。ですから、これはわかりますけれども、地域の集計があるとおっしゃっておりますが、地域の集計の前に、各施設についてこれは検討する必要がある。だから、この施設について復旧に要した財政投資が幾らか、それで具体的に現実に受けた損害というのは、それは時価で査定したのかどうか知りませんが、これはどうだったのか。集計いたしますと、この地域においてこれだけの損害が発生したという現実の客観的な自然の損害と、それから財政投資に基づく国の損害、これと両方あります。両方から見ぬと事態の正確な把握ができませんね。ここを聞くのです。それがないように思うのですが、なければないでいいのですよ。しかし、やっぱり至急にせぬと、次の防災の基本的な方針が立ってこないのではありませんか、こう言うのですが、これはなければないとして、ひとつ副長官、それはどうでしょう。私は一つの大事なかなめだと見ておるのです。
○湊政府委員 ただいまのお話、お話としてはよくわかるのでありますが、実際の取り扱いについて申し上げますと、被害がございます災害と申しましても、風水害もございますれば農作物災害もある。で、多くの場合はたいてい特定の地域に集中的に被害が起きるというのが過去の実例でございます。そういう場合に、まず市町村の段階から県の段階に数字を積み上げて、これこれの施設にこれこれの被害がございましたという報告があがります。それについては、それぞれ各省に参りますけれども、全体として私どもの手元でまとめるわけであります。 その際に、極端な例を申しますと、農作物災害なんでございますが、市町村のほうは百億くらいの被害になるといいましても、県のほうでいろいろ査定しますと、実際はまあ五十億くらいである。ところが今度は、国の農林統計事務所が各地にございます。ここでもって今度は、実際に調べてみたらこれは三十億程度だったというふうなぐあいに、数字そのものが、率直な話、かなり幅がございます。施設等についても、その評価のしかた等いろいろございましょう。 そこで問題は、そういう起きた災害に対処するためには、現地に、今度は各省のさっき申しました指定行政機関それぞれに現地査定官を派遣いたします。そのときは、その受けた災害をもとに直す、ないしは、もとどおりじゃまずいから改良復旧をする、そういう判断を加えながら、そういうふうに復旧するのにどのくらいの投資が必要であろうか、お金が必要であろうか、こういうことを積み上げて、それが災害対策費、こういうかっこうになるわけでございまして、学校なら学校という特定の分野については、その両者の関係というのは文部省内部でははっきりしておる、しかし、いろんな異質のものをただ数字的にまとめて、それでもって対比するというのはどの程度効果があるかというようなこともございまして、私のほうで全体をまとめたものはございません。
○吉田(賢)委員 そこで副長官、やっぱりあなたのほうは内閣の最高責任者が会長の防災会議であります。最も権威のある防災会議で、各省の長官がまた会議の役員でありますというような関係にもなっておりまするので、これはやはりいまのように意見が食い違ったことがあってもなくてもよろしいわ。それはよろしいといたしまして、少なくともやはり文部省系統の、農林省系統の、建設省系統のそれぞれの系統におきまして、どれほどの被害を国として受ける結果になったかという面も、これはデータとしてとる必要があるだろうと思います。ですから、これはすぐに、即それが何かに役に立つ立たぬにかかわりませず、防災というものはあらゆる角度から検討しなければいけませんので、やはりこれは至急に用意してもらいたい。 たとえて申しますると、農林省所管における農業施設災害復旧事業費といたしまして予備費を十八億円出しておるわけですね。いまのお話によりますと、この内容の再検討を要するということに国会としてはなってこざるを得なくなってくるのです。そうなってきましたら、つまり投資の判断にひっかかってきますから、地元の意見、自治体の意見あるいは監督官庁、行政官庁の意見等々が食い違ってまいります。そういう問題も実は起こってくるのです。そこでわれわれといたしましては、大切な血税を使っておるのですから、予算の効率化をはかる上におきまして、できるだけ客観的に正確な資料を用意してほしい、こういう意味においていまは申し上げておるのでありまするから、これはやはり至急に所管別における、つまり行政区域にあらずして、各省、都道府県の——その区域は区域といたしまして、また縦の所管別における施設被害の復旧に国は何ほど要したかということをここで明らかにしたい、こう思うのであります。これはぜひ参事官のあなたの事務段階でこういう作業を進めてください。そうしませんと、これはやはり完備した資料としてわれわれは受け取りにくい、そういうことになります。 それから、一体この地域はどうなるのかということにつきましても、この地域は警察庁のほうではかなりつかんでおるらしいのですが、あなたのほうでは出てこないのです。やっぱり地域も大事なことです。なぜならば、多発地帯はどこなのかということは、最高の予防対策を立てる上におきまして私は重要なことだと思うのです。めったに、百年目に一ぺんしか起こらぬような地域もあるかもしれませんわ。絶えず台風にさらされるような、台風の目にいつも入るような地域もあるかもしれません。そのことを思いますと、多発地帯はどうであるか——交通について警察が多発地点としてこんな標識をあげていますが、もうとっくに国民の注意を喚起する意味におきましても地域別に必要ではないか。これもあがってこないということは完全でない。 それからもう一点は、一体災害の原因は何かということです。たとえば学校の校舎にしても、あるいはまたその他の公共施設にしても、老朽化なるがゆえに倒壊したのがあるかもしれません。さにあらずして、どんなに堅牢なものにしましても、風速六十メートルといえば、それも台風にぶつけられたらみんな飛んでしまうというのがあるかもしれません。としますれば、これは一体人災か、ほんとうの自然災害かという区分けをする意味におきましても、原因を明らかにすることが必要であります。したがいまして、そういうことがあって初めて次の政策を樹立する、模索する上におきまして客観性のあるデータに在るんではないか、こう私は思うのであります。だから、原因もここに一々明らかにする必要がある。そして原因を明らかにいたしまして、このようなことであるならば、管理よろしきを得ない老朽建物を早く予算を組んで新しくしておるならば災害を免れしものを、こういう結論を得るわけなんであります。そういうことから、やっぱり行政の上では重要な事項と考えるのであります。原因も明らかに掌握なされなければいかぬ。警察庁で詳しいものを持っておると思いますけれども、国会に対する報告書等によりますると、きわめて抽象的にだらっと羅列したものにすぎません。この原因をきちっと掌握しておられるのでしょうけれども、掌握しておられましたら、やはりその辺につきましても、できるだけ資料といたしましては完備される必要があると思うんだが、総理府はつかんでおるのでしょうか、どうですか。
○高橋説明員 お答えいたします。 先ほども御説明いたしましたが、毎年の国会に対する年次報告につきましては、地域別の被害額の整理をして、それぞれ国会の御審議を得ているわけでございますけれども、さらに先生おっしゃるように、これを逐年統計的に整理をするということも非常に大事だと思います。そのような線で、かつ、おっしゃるように、原因の関係を見ながらそういう整理を今後進めていきたい、このように考えております。
○吉田(賢)委員 湊さん、帰ってもらいますから一点だけ答えてください。 私、これを質問する原因の一つは、日本を災害の国の汚名からはずしたいのであります。そのために無性格な一つの提言をするわけです。性格はありません。政治性格はありませんから、あえて内閣の責任を追及するという方面じゃないのでありますから、謙虚に聞いておいてもらいたい。 私は、日本はたとえば地震の予知手段あるいは気象の変動の確保というようなものにつきましては、世界的に発達した国じゃないかと考えております。いろいろなことを思いますというと、少なくとも気象を原因にいたしましたあらゆる災害は、PPBSの予算制度の導入という手法によりまして、もっとあらゆるデータを集めて、そしてシステム分析もやっていくというそういう積極的な体制を立てる必要があるのではないだろうか。ことに防災会議は各省庁を指定行政機関に持っておるし、地方の行政機関も全国的に持っておりますし、総理をキャップにいたした機関でありますので、これは好個の重要な場として用い得られるのではないかと思いますが、その手法を導入する一つの場ではないか、こう考えておるのです。でありますので、何かと御調査になっておると思いますが、すぐに実行できるかどうかこれは別といたしまして、非常に大事な手法がここにあるのじゃないか、こう思うのであります。気象を原因にいたしました一切の災害の予防措置、予知措置、こういうものをそのような方面から探っていって具体的な施策となすべきでないか、こう思うのですが、どうですか。
○湊政府委員 私も全く先生の考え方には同感でございます。私自身ずっと十年ほどもっぱら災害の仕事をやってまいりましていろいろ感じておるのでありますが、願わくは、さっきおっしゃられたように、地域ごとにある程度一つの従来の度合いとかなんとかでもって累計ができないか、あるいはその災害の種類ごとにある程度まとめて将来の対策に備えるような方法はとれないか、いろいろな角度から実は検討してみたのでありますが、先生も御承知のように、最近公害問題が非常にうるそうございます。公害のごとく発生源がかなり明確なものでさえもなかなかそういう措置がはっきりしない。自然災害の場合は、率直に申しますと、都市ごとにかなり新しい、いままでとは違った種類の災害というのがここ五、六年実は発生しておる。たとえば集中豪雨なんというのは、かつては山間部の土石を流して災害をもたらしたのですが、ここ二、三年になりますと、むしろ市街平たん部のほうの湛水被害とか、あるいは都市災害、都市河川、そういうもののからんだ、去年の土佐の高知の災害などはまさにそうでございますし、大体冬は災害がないと思っておったのでありますが、去年は台湾坊主が一月に発生する、ことしも島根県を中心にして正月早々災害が出る、しかもそれが漁業、漁港に集中して起きるというぐあいに、なかなか予測しがたいような形のものもございますが、しかしそれらも長期的に見れば、ある程度の傾向といいますか、そういうものは見つかりますので、ただいま御指摘いただいたような形で過去の災害を分析して、ある程度の整理をしながら将来に備える、そういうふうな仕事にこれから積極的に取り組んでみたいというふうに思っております。
○吉田(賢)委員 気象庁長官、見えておりますね。——副長官、あなたよろしゅうございます。お帰りください。 気象庁に伺いますが、自然災害と目すべきもの、これはデータによりますと、台風それから豪雨、低気圧によります雨というふうなものらしいのでありますが、そこでこういうものが多いようでありますね。高潮もあり、津波もときにはありますが、特に何十年ぶりですか、震災もあるようでございます。そこであなたのほうは気象観測をなさる、気象観測というものがずっと全国に、そして世界的に網が張られていくということに在りましたならば、災害予防にどれだけ大きな貢献ができるかわからぬというふうにわれわれは考えるのでございます。 そこで伺いたいのでありますが、いつ、どこの地域に、どのような災害につながる気象現象が発生するかということの予知についての機関、その時間、地域の範囲、これはどういうようにつかめばいいのでありましょうか。範囲から申しましたなら、世界的にそれぞれと連絡をしておるのかどうか。たとえば南方、東南地域から起こってくるものはどこから連絡してくることになるのか、国際的な連絡機関がどうなっておるのか、気象庁がそれをつかんだならば、いつ、一体国内の行政機関はそれをどこへ連絡するか。たとえば予備費のそれによりますと、農林省あり、それからまた運輸省あり、運輸省にしましても港湾があります。農林省にしても農林施設、山林施設その他があり、あるいはまた建設省に河川があります等々、ずいぶんあっちこっちにまたがっております。厚生省に公園もあります等、あるようでありますが、それはどこへ流すだろうか、また向こうは受ける体制というものを持っておるだろうか、とかく出しっぱなしにしておるだろうかどうか、それはどうなっておるのかちょっと説明しておいてもらいたい。要点だけでよろしゅうございます。
○吉武政府委員 お答え申し上げます。 先生の御質問、かなり広いのですが、うまくまとめて短くとおっしゃいましたが、なかなかむずかしいのですが、御存じのように、気象のデータというものは、日本だけのデータを集めても、ものごとの判断がなかなかむずかしい。したがって、なるべく広い範囲からデータを集めることが必要でございます。たとえば日本でいうと、大陸のほうのデータも集めなければいけない、それで、そのデータは世界気象機関というものがございまして、お互いに国同士でデータを交換するというたてまえになっております。もちろん日本のデータも向こうに無線で提供するし、たとえば大陸からのデータは無線で送られてきている、そういう状況でございます。 それで、これは世界監視機構という考え方が最近ございまして、世界じゅうのデータというものを早い速度で集めるということが現在進行中でございます。たとえばワシントンから東京までは、非常な高速度で、アメリカ本土並びに南米をも含めた範囲のデータというものがどんどん現在東京に入っております。それと同時に、アジア地域のデータは、日本で集めたものをワシントンへ送っている、そういうような状況で、これは数年後にはびっくりするくらいなデータがわれわれは入手できるというふうに考えております。 国内の問題、結局はそういうようなデータを集めながら国内の災害対策というものに備えていかなければいけない。非常に遠くのデータというものはすぐの間には、あした、あさってという問題にはそれほど直接響いてこないけれども、一週間後には、たとえば欧州のデータというものが非常に有効になってくるということになります。 気象庁としては、いろいろなデータをその目的に応じて十分に利用しながら、ある程度の予測を立て、また実況をも把握しながら台風とか集中豪雨、低気圧、それに対処しているわけでございます。なお地震に伴う高潮、津波というようなこともわれわれの任務としているところでございます。それで、これらはいち早くつかまえて、そして在るべく早く国民の皆さんにお伝えするし、また必要な機関に御連絡する、その方法としては、一般に広くということではテレビとかラジオというものが現在では一番利用されております。それからまた、地方の公共団体というようなところとは直通の電話回線を持ちまして、それでお互いに連絡し合っているというのが現状でございます。
○吉田(賢)委員 一般に国民に知らすということも大事なことでありますが、まず、あなたのほうといたしましては、防災会議の指定行政機関になっておる機関がございますが、指定行政機関といたしましては、災害があるということを予知いたしましたならば、直ちにこれに対して対策をとるべき体制を整えるというふうになってしかるべきじゃないかと考えるのですが、その方面は一々電話回線というようなことでは全国的に間に合うまい、こう思うのでありますが、もっと間髪を入れずにぱっと知らせるような方法はないものでしょうか。 たとえて申しますと、東京に一本で、オンラインで集中いたしまして、全国的にネットワークをつくりまして、それぞれボタンを押しておくならば、すぐに流してすぐに知らしていけるというようなことを、北海道のすみから鹿児島のすみに至りまするまで、かつまた、重要な機関に対しましては間髪を入れずこれを知らすというような手は打っておるかどうか。おらぬとするなら、その必要がないか。それをすることによって、よほどこういう問題の準備体制の整うべき方向に進んでまいるのではなかろうかと思うのですが、これはどうでしょう。
○吉武政府委員 いま先生のおっしゃったことですが、気象庁は本部というのが一応東京にございますけれども、そこだけですべてを処理しようとしても、特に災害時というときには、九州であった災害というのは、やはり九州にあるセンターをもってやったほうがうまくいくんじゃないか、そういう意味で、御存じのように全国に管区というものを置きまして、その管区と本庁はしっかり、電話回線だけでなく通信回線ですっかり結ばれております。それで、やはり九州で起きた問題については、やはりそのところにある福岡の管区気象台というのが一応中心になって全力をあげる、それをわれわれは支援する、そういうかっこうでやるのが私はいいんじゃないかと思います。
○吉田(賢)委員 あなたのところはそういう方法でコンピューターを活用しておられますか。
○吉武政府委員 お答えします。 気象庁には現在大きなコンピューターが二台ございまして、一つは、いわゆる出てくるデータを必要なところへ種類分けしてどんどん通信回線に流すというための大きなコンピューターが一台と、もう一つは、入ってきたデータを使ってある程度のむずかしい計算をやりまして、それで、今後どういうふうに気象状況が変わっていくかという予測をしまして、それをまた必要なところ、というのは気象官署に流している、そういうためには現在ずいぶん大きな計算機が使われております。
○吉田(賢)委員 いまのお話を伺いますというと、何といいましても、地方のあなたのほうの機関が一つの中心になって、その他の行政機関にそれぞれ流しておるという方法がとられておる、そこに重点が置かれているように実は思われます。もっと防災の見地から、予報の見地から気象の異変を知らすという角度から、中央におきまして一種の中央の管理ポスト的なものを独特に設けて、無人観測所というようなものも全国的につくって、こういうようなことでどんどん予算も要求して、技術者を養成してそういうようなものをつくりまして、これを全国的に合理的に動かしていくという一つの新しいシステムを組んでいくということが、非常に大事なことのように横手から見て考えられるのですがね。どうもその辺について、一歩前進の面で少し足りないものがあるように実は思うのであります。 被害の面から申しましても、たとえば警察庁で出した資料によりましても、三十五年の一月から十二月までに人間の被害だけでも千百三十九名行方不明になっておるということになっております。こういうようなことが、毎年このとおりであるとは私は言いません。言いませんけれども、人間の被害、物的被害、財政負担等々から見ますと、気象の異変を掌握するということについての最大な重要な機関が気象庁なんですから、気象庁の体制が積極的に充実していくということは非常に大事です。総理が防災会議でどんなにがんばって音頭をとりましても、これではなかなか動けませんわ。いまお聞きになっておりましたようなああいう状況ですから、完備した資料、一切必要な客観性のあるデータが用意されておるというところまで進んでおりません。したがいまして、あなたのほうとしましては、たとえば農林なら農林関係で、あるいは港湾なら港湾関係で、所轄をしておる行政庁に、機動的に打てば響くような体制を用意させるということの根もとになるのは、やはりあなたのほうの流すものなんです。だから、いかにして気象異変を予知するかということ、またその予知に対して基本的にどういうような予報をしたらいいか。百年計画もあるでしょう。百年計画となったら膨大な予算が要るので、十カ年計画でいくのか、当面は、毎年繰り返すような、そういう災害対策だけで間に合わせておくのか。ということは、今度は財政の問題になってきます。 いずれにいたしましても、起こってからあわてふためいて走り歩いている。人間は流れてしまった、家も流れてしまった、それあと始末だ、あと始末だといって走り回って、そのあと始末で出たのが予備費の復旧事業の経費でございます。なっておらぬですよ。 こういうことを考えますから、われわれは国会の予算並びに決算の審議から見まするならば、抜本的に災害をなくするということの新しい科学的な手法を行政庁としては取り入れるという段階にきておるだろうという観点に立って質問しておるのです。だから、内閣がどのようになろうと、そういうことにかかわりはありませんし、責任がどこにあるというよりも、これは政治、行政を通じて一貫して全体の責任として追及していかなければならない重大な問題であります。早い話が、今度のロスアンゼルスの地震で千名死んだというようなことで、あわてふためいて東京から飛んでいった人もありますが、いずれにいたしましても、地震の国としても世界で有名だということになりますので、時間がないのであまりそこまで触れませんけれども、気象庁としては、活動の分野、準備すべき体制、用意すべきいろいろな機関、それから用うべき手法、もっと合理的に科学的に何か充実していく手がないのかどうか。あなたはひとつ積極的に大胆にそういう要請をすることにしたらどうでしょうか。これなくしては、ほんとうの予報対策は立ちません。ほんとうに予算を効率的に使うことは不可能です。だから、非常に重要なあれを握っておられるのは気象庁です。だから次の段階でもいいから、そういう体制で諸般の対策を立てるというふうにいたしませんかな、どうです。
○吉武政府委員 お答え申し上げます。 先生御存じのように、なかなか気象の技術というものがまだ社会一般の要請に十分こたえていない。結局は、ただ気象現象を観測すればあとは予報ができるというものでもないものですから、まだわれわれは、集中豪雨一つとってみても、一体集中豪雨というのはどのような気候で起こっているのかということも、まだあまりはっきりはつかめていないという現状でございます。ですから、そういうような研究もやりながら、また一方、強い社会の要請にも何とかこたえていきたいというような考えで、私としては精一ぱい新しい気象事業、皆さんの要請にこたえられるような気象事業に持っていきたいというふうにせっかく努力しているところでございます。先生のお考えのような、東京だけで全国的なことをやっていくというような時代も出てこないとは私、考えておりません。たとえば気象衛星というようなものがございます。これですと、日本全体というものを空の上からながめていると、一体どういうふうに雲が流れているかということも全部つかめる、一々各地から電報を集めて天気図を書いてみなくても大勢はつかめるという時代がもう目前に迫りつつあります。そういうような施設もできるなら今後持たしていただいて、やはり従来の考え方でなしに、新しい技術と研究を重ねながら進んでいきたい、そういうふうに考えます。
○吉田(賢)委員 時間が参りましたので、建設省、農林省、大蔵省、せっかくお越しくださったけれども、きょうはお許し願いたい。ちょうど約束の時間がきて、どうも相済みませんが。そこで……
○高橋(清)委員長代理 結論をお急ぎ願います。
○吉田(賢)委員 委員長、残余の質問は保留いたしまして、きょうはこの程度にいたします。
○高橋(清)委員長代理 この際、午後二時再開することとし、暫時休憩いたします。 午後一時二分休憩 ————◇————— 午後二時六分開議
○高橋(清)委員長代理 休憩前に引き続き会議を開きます。 委員長所用のため、委員長の指名により私が委員長の職務を行ないます。 政府関係機関の経理に関する件について調査を行ないます。 質疑の申し出がありますので、これを許します。浅井美幸君。
○浅井委員 きょうは日本専売公社の事業にかかわる質問をさせていただきたいと思います。まず私は、葉たばこの輸入の関係についてお聞きしたいと思います。 アメリカからたばこの葉っぱを買っておりますね。すなわち米葉、これの手続をどのようにしてお買いになっておるか、御説明願いたいと思います。
○遠藤説明員 私から簡単にお答え申し上げます。 米葉につきましては、米国内にいわゆる葉たばこのサプライヤーというのがございます。その業者、現在十五社使っておりますが、そのサプライヤーが米葉の競売の市場で購入をいたしまして、そのサプライヤーの工場で処理調製をいたします。それをさらにサプライヤーの在日代理店を通じて公社が購入をしておるわけでございます。そうして具体的な輸入手続といたしましては、ただいま申し上げましたサプライヤーの在日代理店を通じまして、具体的なサプライヤーの米国の農産物市場での購買結果をもとにいたしまして、専売公社の本社のほうに売りの申し込みをいたしてまいります。公社のほうは一方、ラーレイというアメリカの葉たばこの産地の中心でございますところに私どもの出店の事務所を持っております。この事務所を通じて、マーケットの開始前からその当年度の価格の状況その他を調べております。本社のほうからラーレイの事務所に対して、本年はこの程度、こういう種類のものを買い付けるぞという大ワクの指示をいたしまして、その指示をラーレイ事務所で受けまして、そうして私どものほうに適当なサプライヤーに対する指導監督をしながら現地の状況とにらみ合わせて報告してまいる、本社のほうにおきましては、ラーレイ事務所からの報告とサプライヤーからのオファーとを照合いたしまして、適当であるという場合に、サプライヤーの在日代理店を相手方にいたしまして、葉たばこの購入契約、同時に具体的な公社の輸入手続の委託をその在日代理店にいたすわけでございます。
○浅井委員 アメリカのサプライヤーが、いま米葉の輸入は十五社ということになっております。その十五社の選定をされた基準、すなわち米国のサプライヤーの選定基準はどういうことになっておりますか。
○遠藤説明員 アメリカにサプライヤーはかなり数多くございます。アメリカの有力たばこメーカーの出店のようなサプライヤーあるいは独立したサプライヤー、相当数の業者がございますが、そのサプライヤーがそれぞれ産地なり葉たばこの種類なりについて、それなりの得意と申しますか、いろいろ特徴がございます。私ども、一方ではそういういいサプライヤーを選びたいということと、またもう一つは、年々農産物である葉たばこを、一方では安定的に公社の好むものを買ってまいらなければ在りませんので、その辺をかみ合わせまして、なるべく公社の好むものを有利に公社のために買い付けられるような、そういったサプライヤーを選定をいたしておるわけでございます。
○浅井委員 聞いておると時間がかかるので私のほうから申し上げますと、サプライヤーの指定については、葉たばこの取引は各国とも指定購買が通例であり、最もよい購買方法とされておる。これは製品のブレンドの要請から必要な品質、規格を維持しつつ、所定量を安定的、継続的に確保することが要求されるので、現地の生産者、品質、産地を十分に把握している信頼ある買い付け業者に適格品を選択購買させ、調理、仕上げさせるためである。こうした買い付け業者の選考基準といたしましては、一つ、市場における買い付け体制が確立されていること、二つ、葉たばこについて経験が豊富であり、公社の要求する葉たばこを理解し、処理する技術を有すること、三番は、資産、信用が健全であること、四番は、調理するための施設を有すること、こういう条件が必要である、こういうようになっておりますが、間違いございませんか。
○遠藤説明員 そのとおりでございます。
○浅井委員 では、米国のこの十五社のサプライヤーの名前と、その関係する在日代理店の名前をあげてください。
○遠藤説明員 サプライヤーの名前を申します。それから在日代理店を申し上げます。 ボハノンカンパ二一というのが在日代理店は日辰貿易、それからミラー・タバコカンパニー、大倉商事、A・C・モンク、三井物産、ソープ・アンド・リックス、三倉商事、ワトソンカンパニー、三菱商事、フィックレン・タバコカンパニー、共栄商事、グリーンビル・タバコカンパー、国際商事、ディッキンソンリーフ、宇田商事、ユニバーサルリーフ、米星煙草貿易、タバコトレーディング、協同貿易、アダムス、日商岩井、ディブレル、秋山産業、ウインストンリーフ、三洋貿易、ピードモント・リーフタバコ、東洋商事、バージニヤタバコ、吉川商事、かように相なっております。
○浅井委員 そういう十五社のサプライヤーと在日代理店とのつながりがある。そのいわゆるサプライヤーが向こうのフロアで買ってから、そして代理店まで来る間に価格が順次——手数料、加工料等いろいろのものがございます。百ポンドの単価当たりで、いわゆる代表的な葉たばこの買い付けの価格の変化、これを御説明いただけますか。
○柴崎説明員 昭和四十四年度産のアメリカの葉たばこの例を申し上げます。 百ポンド当たりの価格で、競売市場のフロアで買います価格が七十一ドル八十三セント、これはオークションのマーケットの買い付け価格でございます。これに対しまして再乾燥、ストリップというような工場の処理過程の経費を含みまして、再乾燥ができ上がりまして、たるに詰まりました仕上がり品の価格が百十六ドル十七セントでございます。これに対しまして、作業期間中買い付けから船積みまでの金利を見まして、金利が二ドル○六セントでございます。さらにアメリカのサプライヤーの、以上申しましたようなもろもろの作業に対しまする手数料といたしまして、先ほどの百十六ドル十七セントに六・五%の手数料を計算いたします。これが七ドル五十五セントでございます。さらに、蔵出しとか蔵入れとか、あるいは再乾燥工場から積み出しの港までの陸上の運賃、その他埠頭の諸経費を七十二セント見ます。これがいわゆるFOBの価格でございまして、百二十六ドル五十セントでございます。この価格に対しまして、アメリカの政府からサプライヤーのほうへ輸出の補助金が六ドル五十セント差し引かれるという計算になります。したがいまして、最終のFOBとしての価格は百二十ドルでございます。これにさらにFEO決定の海上運賃が、百ポンド当たり五ドル六十三セントかかります。したがいまして、C&Fの価格といたしましては百二十五ドル六十三セントでございます。この例の場合のドルの換算で計算をいたしますと、九百九十三円十九銭、キロ当たりということになります。
○浅井委員 そうすると、いまあなたの御答弁の中にありましたサプライヤーの手数料は六・五%、それから在日代理店は〇・五%と受け取っていいんでしょうか。
○柴崎説明員 先ほど遠藤本部長からの輸入の手続でお話のありましたように、港に船が入ってまいりましてからの輸入の諸業務を日本の在日エージェントには委託をしてやらせておりますので、C&Fの百二十五ドル六十三セントに対しまして〇・五%の在日代理店に対する手数料を公社は払っております。
○浅井委員 では、在日代理店は〇・五%だけでしょうか、それともさらにこのサプライヤーから幾らかのコミッションをもらっておると聞いておりますけれども、その辺の手数料の、いわゆる在日代理店の受け取り額は幾らくらいになりますか。何%になりますか。
○遠藤説明員 在日代理店とサプライヤーとの間のコミッションにつきましては、私ども直接に介入をする立場にございませんので正確なことは承知いたしておりませんが、おおむね一・五%くらい、はもらっているのではないかというふうにいわれておる次第でございます。
○浅井委員 そうすると、一・五%足しますと約二%、そうすると、サプライヤーが一・五出しますから五%の取り分、それからアメリカにおけるところのサプライヤーが金額の五%、それから在日代理店が平均二%——二%を上回っている場合もあるでしょうし、これはあなた方タッチをしていないけれども、そういうふうに聞いておる。こういうふうに承知してよろしいですか。
○遠藤説明員 さようでございます。
○浅井委員 そこで話をまたもとへ戻しますが、米国瞳の葉たばこのサプライヤー及び在日代理店リスト、これは私の知っておりますのは四十四社日本にございます。すなわち、アメリカのサプライヤーで購入できますぞ、こういうふうにいわれておりますけれども、先ほどの十五社を含めまして四十四社確かにございますかどうか。
○遠藤説明員 おおむねさようなことであろうと存じてわります。
○浅井委員 おおむねでしょうか。確かに四十四社でしょうか。その四十四社がなぜ十五社に選定をされているのか。すなわち、この四十四社ともいわゆる専売公社の外葉輸入の資格を持っておる、そういうふうにいわれておりますけれども、なぜこの十五社に選定されているのか。
○遠藤説明員 先ほど輸入の手続関係のところでちょっと申し上げましたように、この四十四社のうちには、アメリカのたばこメーカーと直結しておる実体を持ったサプライヤー、あるいはまたアメリカ外の会社でも、たとえばBATというような大きなたばこ会社、それの小会社的なサプライヤーといったものもございます。そういうメーカーと一種の競争関係にございます専売公社が、自分のところに使います原料をそういうサプライヤーに取り扱わせるということは、必ずしも適当ではない場合がございます。 それから、先ほどもちょっと申し上げましたが、それぞれに産地葉たばこの種類等に特徴、特異がございます。したがいまして、私どもは米国の葉っぱ一般を買っておるのではございませんで、国産葉を主原料にいたしまして、これに必要な香喫味料なりあるいは緩和料、補充料といったような形で外業を購入いたしておりますので、したがって特定の産地の特定の着葉位置のものを買うという場合がございます。そういう場合にはやはり一産地一サプライヤー、一番ぐあいがよさそうだというものを歴史的な経緯の中から選定をいたしておるわけでございます。したがいまして、必ずしも四十四社を一律に並べて比較をするというわけにはいかない事情にありますことを御了解願いたいと思います。
○浅井委員 けっこうでしょう、そういう御説明でしたならば。 この十五社に公社の元役員あるいは課長以上で天下りをしております。この就職先におけるところの役職と就職年月、それから公社の退職時における役職と退職年月日、これをお示しいただけますか。
○遠藤説明員 お答え申し上げます。 順序不同でございますが、協同貿易には社長として本間憲一、三十六年の十二月、退職時は理事でございます。それから三洋貿易には東京支店の顧問として三十七年二月に元副総裁の石田吉男、それから三井物産の技術顧問として三十七年五月に坂口元理事、それから宇田商事には社長として三十八年二月に元監事の大田正道、それから東洋商事には常務取締役に三十九年二月市原調査役、それから国際商事には非常勤の取締役として中島一夫元調査役、三十九年九月、それから大倉商事には非常勤の顧問として三十九年十二月に小林章元総務理事、それから日商岩井には東京支社顧問として四十年八月に石戸谷賢造、奏野試験場長、それから日辰貿易取締役に四十一年十月楠恒三調査役、米星煙草に取締役社長として四十三年十二月星子元総務理事、三菱商事に顧問として四十五年六月大塚孝良元理事、以上でございます。
○浅井委員 十五社のうち十一社に天下りをしておる。そういう背景の中で私はお聞きしたいのですけれども、この十五社の中におけるところのサプライヤー、この中で非常に経営内容が悪い、あるいは実体がほとんどないのではないかといわれておる、あるいは資本系列にあって合併されようとしておる、そういうサプライヤーがあります。先ほどおっしゃった選考基準に当てはまらないサプライヤーがある。 たとえて言うならば、協同貿易のサプライヤーであるトレーディング、かつて名門のサプライヤーであった社長が死亡して、そのあと奥さんが社長に就任した。そしていまやほとんど衰退しておる。また宇田商事はトレーディングのセールスマンであったディッキンソンという人が社長になった。このディッキンソンはいまは死亡して、そのあとはヒギンスという人がやっておる、こういうようにいわれております。このディッキンソンは専売公社の大口取引のおかげで大きくなったといわれております。こういうふうなサプライヤーがはたして専売公社の大口買い付け先として適当であるかどうか。不適当ではないかといわれておりますけれども、さらに再乾工場も持っていない。先ほど調理するための施設を有することというのがいわゆる選考基準の条件の中に入っておる。ところが再乾工場はあったとしても、ディッキンソンは資本力がなくて、また現代の要請にこたえられるような近代化された再乾工場ではない、このようにいわれておりますけれども、この点はどうでしょう。
○遠藤説明員 私ども、先ほど申し上げましたように、総体としては、先ほど来申し上げておりますような基準で選定をし、取引をいたしておるわけでありますが、取引の安定ということを主にして従来考えておりますために、長年の経過の中ではアメリカの業界内部で多少変遷が起こるということは現にあると思っております。したがいまして、そういった安定した取引ということ、公社の好みに合うものを買ってくれることというような条件と、先方側におきます状況の変化というものをかみ合わせまして、ただいま御指摘のような点も考慮いたしながら、この十五社につきましても、整理というとことばが少し過ぎるかと思いますが、交代なりあるいは実質上、数を減らしていくというようなことをやってまいりたい、かように思っておるわけでございます。
○浅井委員 いまの御答弁は、ディッキンソンリーフだとかトレーディングだとかというのは、確かに私の言うように不適当であると専売公社もお認めになって、今後これを減らしていこう、あるいは統合していこうというお考えだと承ります。私は、これはミドルベルトといって、いわゆるアメリカの地帯、この中にはいま言ったようにユニバーサルリーフという米星商事の関係でございますが、これは資本も大きいと聞いております。こういう会社がありながら、なぜディッキンソンリーフを残しておき、トレーディングという会社を残しておったのか、いわゆるその子供である日本の宇田商事あるいは協同貿易、これらの関係性があるからこそこれは残っておったということであります。これはまたあとで指摘いたしますけれども、さらにニューベルトにおけるところのグリーンビルというサプライア、あるいは関係性の国際商事でありますけれども、これはその同じニューベルトの中にある三倉商事、ソープリックス、これの小会社であると聞いております。ニューベルトという同じ地域の品物を買い付ける商社が小会社であるグリーンビルをいまだに置いてあるというのはどういうことでしょうか。
○柴崎説明員 ただいまのはニューベルトのグリーンビルカンパニーが同じくニューベルトのソーベンドリックスの小会社であるという御趣旨のように承りますが、私どもがいままでいろいろ調査をしております資料の中では、小会社であるという認識を持っておりません。この点はおっしゃる趣旨と少し違っております。別の会社でございます。ただし、両社は五〇%ずつ出資をいたしまして、インデペンデントプロセッサーという工場をつくって、その工場を共同に使っておるということは事実でございます。
○浅井委員 ソープリックスじゃなくてソーベンドリックスですか。これは小会社ではなくて、ソーベンドリックスと何らかの関係を持っておって、グリー・ビルが系列下の中に一緒になっておるというようにいわれております。 それからさらに、オールドベルトのバージニア、それからウインストンリーフ、二つの会社はユニバーサルリーフの資本系列下である、このように伺っております。間違いございませんか。
○柴崎説明員 オールドベルトのいまおっしゃいました二社は、ユニバーサルの資本系列に属する会社でございます。
○浅井委員 どういうわけでこの資本系列の同じものが、オールドベルトという一地帯で二つの会社があるんですか。おかしいじゃないですか。
○柴崎説明員 オールドベルトの中には産地が幾つかございます。バージニアタバコのほうの産地は、オールドベルトの中でも、バージニア州に入ったダンビルという葉たばこの産地の葉たばこ業肴でございます。ウインストンリーフというのは、オールドベルトの中のノースキャロライナ州のほうのウインストンセーラムという葉たばこ産地をカバーしておる葉たばこの業者でございます。したがいまして、それぞれの地域から私どもが葉たばこを購入する立場から両社を適当と認めて便っておるわけでございます。
○浅井委員 バージニア、ウインストンリーフの二つの会社がオールドベルトという同じ地域にあるということを私は言った。じゃバージニアにおいてウインストンリーフは、買い付けておるその品物は絶対買えないというのですか。買えないならば、二つあるということはわかります。納得がいく、明らかにバージニアだって買えるわけでしょう。ウインストンリーフでなければ買えないという理由があるか。あるいはまた、そのでんでいくならば、先ほど四十四社あった各地域におけるところの配列というもの——たばこはとれるところで買うという原則でいくならば、十五社では足らないはずでしょう。もっとたばこのとれる場所があるでしょう。どうなんですか。
○黒田説明員 ただいまの御質問でございますが、アメリカの黄色種と申しましても、産地によりまして非常に特徴が違うわけでございます。およそアメリカの黄色種のマーケットというのが九十以上の町にあるわけでございますが、公社側の買い付けておりますのは、そのうちから一番日本のたばこの原料として好適なタイプのもののよけいできるマーケット十一カ所を選んで、十一の市場から指名して買い付けをさしておるわけでございます。ただいま御指摘のオールドベルトのウインストンセーラム、それからダンビルの問題でございますが、バージニアタバコと申しますのは、ダンビルにオフィスもございまして、ダンビルの市場に主としてバイヤーを派遣いたしまして、専門にダンビル市場でたばこを買っておるわけでございます。一方、ウインストンリーフのほうは、ウインストンセーラムにオフィスを持っておりまして、やはりそこのバイヤーをウインストンセーラムのマーケットに主として派遣いたしまして、ここで主として葉たばこを買い付けておるわけでございます。それぞれウインストンリーフのほうはウインストンセーラムのマーケットを非常によく知っていて、そこで専門的にそこの葉を買っている、バージニアはダンビルで同じようなことをしている、こういう非常に特徴のある会社でございますので、二つを指定しましてそれぞれのマーケットで買わしている、こういう事情になっておるわけでございます。
○浅井委員 だからといって——そういうふうにいうならば、十一市場で買うならば十一社でいいわけです、あなたの理論でいくならば。なぜ十五社あるのか、またこれはオールドベルトで一社、ミドルベルトで一社あるいはニューベルトで一社、あるいは全アメリカで一社であっても買い付けばできるはずです。可能なはずです。できませんか。
○遠藤説明員 従来の経緯につきましては、黒田総務理事からお答えしたとおりの事情でございますが、バージニアタバコとウインストンリーフは、先ほど柴崎からお答えいたしましたように、共同で一つの会社をつくって工場をやっておるというような関係もございますので、私どもの取引先としては今後検討して、一つのものとして取引をすることが可能であればそのようにしたいということで、検討中でございます。 〔高橋(清)委員長代理退席、小山(省)委員長代理着席〕
○浅井委員 要するに私が言いたいことは、いわゆる実体がほとんどない会社あるいは資本系列に入っている会社、こういうサプライヤーの不良なとみなされておる、あるいはアメリカにおいて、なぜあんなぼろっちい会社から買っているんだろう、日本の専売公社というのはそういう疑問がアメリカに赴いて出ておる。そういう会社を、私がいまあげたようにディッキンソン、トレーディング、グリーンビル、あるいはさらにウインストン、バージニア等もさらに検討しなければならぬし、これをやめなければならぬと思う。だからあなたは、先ほどの答弁では、こういう不良な会社についてはやめる方向で検討するとおっしゃった。これは間違いございませんか。もう一度御答弁ください。
○遠藤説明員 不良なものを整理するというふうな表現を公社がいたしますのは、必ずしも適当ではないと思いますが、十五社というものは、それぞれの経緯の中で、先方のアメリカの国内における事情も変わっておりますし、なお、いろいろ私どもの買い方のほうも、従来買っていなかったものを買い出すというようなこともございます。そういうような事情等もかみ合わせまして、十五社というものは再検討をして、減らせるものは減らす、そうして、さらにふやす必要があるものは場合によってふやしていく、かような方向で検討をいたしておるわけでございます。
○浅井委員 はっきりお答えいただきたいと思いますが、次の問題に移ります。 では、昭和四十四年度で、このトレーディングという会社から、いわゆるサプライヤーからどのくらい米葉を買い付けておりますか。また在日代理店はどのくらいのリベート、いわゆるコミッションをもらっておりますか。トレーディングと協同貿易の関係性から言ってください。
○柴崎説明員 四十四年度におきまして、トレーディングからは八百四十三トンの葉たばこを買いました。この金額は七億八千七百万円程度になります。したがいまして、その在日代理店であります協同貿易の水揚げは、ただいま正確には計算しておりませんが、水揚げ全体といたしましては一千万円をこえる程度になろうかと思います。
○浅井委員 では、次は宇田商事、大体何トンぐらいで、どのくらいの金額で、また在日代理店はどのくらいでしょうか。
○柴崎説明員 宇田商事からは、四十四年度におきましては八百五十二トン葉たばこを買いました。この金額は七億七千八百万円程度でございます。したがいまして、この宇田商事の水揚げも、おそらく協同貿易とそんなに変わりない額であろうと、正確に計算はしておりませんが、思います。
○浅井委員 先ほどデイッキンンンリーフとトレーディングを私が指摘したのは、いわゆる再乾工場のほとんど役に立たないのを持っている、あるいは持っていない、そういうふうな会社は、選定基準では当然はねられなければならない。それがこの十年間、毎年毎年こういうふうに買い付けばふえてきておる。いまあなたがおっしゃった数量は、ディッキンソンの代理店の宇田商事が八百五十二トンで七億七千八百万円、そうすると、在日代理店のリベートは二%としたら約千五百万円をこえます。また協同貿易にしても同じであります。八百四十三トンで七億八千七百万、利益は千五百万をこえる。こういう姿は、なぜこの選定基準にも追いつかないような不良なサプライヤーをいつまでも続けさせておるか。いま私が指摘をしたならば、今後は検討するという話でありますけれども、また、情勢の変化に応じてとおっしゃった。では、この十年間なぜ情勢に応じてサプライヤーを検討なさらなかったか。いま私が指摘したのは、代表的な五社でありますけれども、これらのサプライヤーは幾つかの問題点をはらんでおるのです。それを、いままでこうやって契約を続けておるのは、明らかに、先ほどあなた方が発表になった天下り、すなわち協同貿易には本間憲一という取締役社長、公社の元理事がいるからこそこの関係性をずるずるとやっておる。あるいは宇田商事には大田正道という代表取締役社長、元監事が天下っておるからこの関係性を続けておる。ましてや、在日代理店の資本金は、宇田商事はわずか四百万じゃないですか。協同貿易は六百万じゃないですか。それが七億八千七百万円とか七億七千八百万円とかいうような膨大な金額のいわゆる輸入委託事務をやっておる。これは一体どういうことなんですか。 総裁、一ぺんこの辺で出てきて、このことについてお答えいただけますか。
○北島説明員 アメリカの葉たばこの買い付けにつきましては、いろいろそういった御批判もあろうかと思います。私も公社へ参りまして一年四カ月になりますが、一ぺんひとつ、沿革はいろいろあるであろうけれども、すでに指定されてから十年あるいは長きは十六、七年になりますから、状況の変化という点も十分考えなければならぬ、こう思いまして、昨年来検討させております。私自身、昨年の秋アメリカへ参りまして、実際のマーケットの事情を見てまいりました。そういったことで、百聞は一見にしかずということで、私なりにそれなりの考えも出てまいりました。内部でいろいろ検討いたしまして、御指摘のような点につきましてはひとつ整理してみたい、こう考えておるわけであります。
○浅井委員 いま総裁から前向きのお話がございましたが、視察の事情等をよく勘案して、私が指摘していることはもっともだと思われますか。
○北島説明員 特定の商社の名前をあげると、実は私としても困る点がございますけれども、十五社につきまして、やはり長い間の事情から当初の意味を失ってきた、力を失ってきたものがあるのじゃないだろうかということを私も感じます。こういう点につきましては、新しい情勢に応じまして、わが社の欲する葉っぱも最近多少異なってまいりましたので、そんな点も頭に入れて、マーケットの事情を十分勘案しながら、ひとつ再編成を考えてみたい、こう思っておるわけであります。
○浅井委員 総裁にお伺いしたいのですが、これは天下りの関係性が、いわゆる子会社といいますか、こっちの在日代理店、そのいろいろな政治的な——専売公社のいわゆる先輩がいるわけです。その悪い関係性がいまだに続いている。だからこそこれが切れない、こういう複雑な事情が内部事情としてあることを私は承っております。その点についてはどうでしょう。
○北島説明員 あるいはもっと早く検討すべきだったかもわかりません。しかし、それはどういう理由であるか、やはり長年にわたりましてサプライヤーから適正な供給を受けている、公社としても、検査の結果満足して受け入れておるわけでありますから、もちろん年々の成績によりまして翌年の割り当て量を増減しております。そういう操作はいたしておりまして、サプライヤー側にも十分奮発してもらっておるわけでありますが、やはり事情も変わってまいりますから、公社のOBが入っておるからどうこうということでなく、新しい目で見直して、整理すべきものは整理したい、こう考えます。
○浅井委員 では、私は次の問題に移りますが、アメリカの葉たばこの購買のいわゆる検査機構。日本におけるところの葉たばこの検査は、世界一甘いといわれております。いま神戸や横浜に入ってくる葉たばこの検査は二人一組でやっております。この検査官というものが、諸外国に比べて非常におくれておる、こういうようにいわれておりますけれども、総裁、どうですか。
○北島説明員 私は、そういうことはないと思っております。東京地区に十名、大阪地区にもそれに近い人数がおりますが、いずれも葉たばこ検査についての非常なベテランでございまして、世界各国のことは存じませんけれども、私の気持ちといたしましては、わが社の受け入れ検査がルーズであるという感じは持っておらないわけであります。
○浅井委員 これは総裁がそうおっしゃるならば別でありますけれども、日本の葉たばこの購買は非常に甘いということをいわれておるのです。あなたはがんばられておりますけれども、この検査機構の拡充ということは、やはりいまの専売公社にとって急務なはずです。ですから、その急務な問題を解決するために、今後優秀な検査員の養成をしよう、また養成をするべきであると私は要請したいわけです。これで私は云々とは言いたくありませんけれども、これは世界のいろいろな状況から比べて、葉たばこに対するところの目というか、その品質の管理という問題について非常に甘いということは、これはアメリカの市場においてもいわれておることなんです。もう少し私はしっかり監督をしてもらいたいと思います。 そこで、これ以外に天下りがたくさんありますけれども、この中で、いわゆる専売公社との関連会社、すなわち下請あるいは納品をさせる、あるいはまた食庫、輸入会社等も含めて、一体この十年間でどのくらいの人員が天下りしておるのですか。
○遠藤説明員 本社の課長以上の役職で、退職をして先生のお示しのような企業に就職をしております者が、私どもの調べでは七十六名ということに相なっております。
○浅井委員 七十六名ではなくて、まだこれに載ってない駿河義雄さん、それから加藤多計夫さん、この二人を加えますと七十八名になっております。私がこの二名を追加したのは、いままでの資料から追加したわけです。私は、あなた方の七十六名は、二名抜けておるということを指摘しておきます。 この七十六名の関係会社が、いろいろの形の上において弊害が出てきている。先ほどのは一例でありますけれども、たとえば日本フィルター工業株式会社、扱い品目はフィルタープラグでありますけれども、公社に対する依存度は九三・四%、これは石橋直治という人が常務取締役であります。これは総務部、調査役、岡山局長だった人であります。これは四十一年に天下りをしておる。また、大阪フィルターも九二・八%というシニアを持っておる。これは太田源蔵あるいは恒良一男、山口龍夫、これはそれぞれ取締役や社長や顧問になっております。九州フィルター工業株式会社、九七・八%、これは市川茂、社長になっております。大島美之助というのは常務取締役になっております。東北フィルター、これも同じく社長に下門辰美がなっておる。ネオフィルター工業も一〇〇%、新井喜一が取締役社長になっている。これは元総務理事です。こういうふうに見てまいりますと、フィルター工場というのは、ほとんど一〇〇%いわゆる専売公社に納めていながら、これだけの人数が全部社長になって、そして天下りをしておる。東海金属はアルミ箔が三〇%のシェアを持って、狩谷亨一が常務取締役になっておる。葵商事というセロハンをつくっておるところは八七・三%、松村清一郎というのが取締役です。それから西日本印刷工業、印刷加工品ですが、七九・五%、徳永延一郎取締役社長、日本包装容器も五九・五%、国分貞雄と板原芳夫がそれぞれ社長と常務取締役になっておる。東京たばこ配送株式会社は九八・六%の公社に対する依存度がある。この社長は白山広治、元広島局長の人が天下っておる。さらに東京たばこ配送は高橋時男という人が取締役になっておる。関西たばこ配送は九九・五%、井上和夫、高橋時男が社長と取締役になっておる。名古屋も同じであります。九州も同じであります。富士川製紙にも、守屋博という取締役あるいは岩城与一という顧問がいる問題会社でありますけれども、これは五三・五%の公社に対する依存度がある。 これらの実態、ぱらぱらと七十八名の中から拾っただけでもこれだけの膨大ないわゆる天下りがあって、専売一家となっておる。これで、はたして明朗な行政や運営ができるのか、私は総裁にお聞きしたいのです。どうでしょう。
○北島説明員 専売公社に関係する会社に、公社のOBの者が相当行っていることは事実でございます。ただ、いまお話がございましたフィルター会社とか配送会社というものは、これは元来、つくるときに公社自体でフィルターをつくったらいいじゃないか、こんな議論もあったわけでありまして、これはしかし公社自体でやるのはぐあいが悪いというので、配送会社もそうでございますが、民間会社を設立いたしまして、それに専売共済組合が出資してやっておるわけです。こういったものは、普通の民間の会社におけるある製造会社が一つの関連する製造部門を別会社にした、こういったのと同じような関係かとも思いますが、しかしそれ以外に、やはり公社と取引関係のあるところに相当OBが行っていることは事実でございます。 これについては、いろいろお話もあろうかと存じます。ただ、私どもといたしましては、OBが行っているがゆえに仕事を曲げることは絶対にしない、むしろ公明正大にその仕事をやるのが私どもの仕事だ、こう考えているわけでございます。
○浅井委員 公社の職員といえども、これは準公務員です。また日本専売公社法によれば、「公社の役員及び職員は、法令により公務に従事する職員とみなす。」こういうわけですね。国家公務員法の百三条には、退職公務員の就職制限について規定を設けております。その主眼とするところは、職員が在職中の地位、職権を乱用して特定の営利企業と私的な情実関係を結び、これを利用してその企業に就職しようとする弊害を防止するため、在職中密接な関係のあった営利企業の地位への就職を禁止し、これによって在職中の職員の服務を厳正ならしめようとすることにある、こういうことになっております。これは総裁も御存じだと思う。その精神というものは——専売公社はこの天下りの規制ということについて、密接な関係のある会社に天下りをしないという方針、あるいはまたそれについて心がまえをしなければならぬという配慮は何もない。いわゆる法において天下りの規制が定められていないからといって無制限に出しておる姿が、このような約八十名に近い——私が調べたこれ以上にもっとあるかもわからぬ。まだこれは完全な調査ではない。さらにもっと百名近い者がいるはずです。それで行政が曲がらなければ、あるいはまた事務がおかしくならなければ、これは天下りとして私は指摘しない。先ほどの不良サプライヤーといつまでもずるずると関係性を持っておるのは、天下りがそこに関係をしておるから私はこの問題を提起しておるわけです。ですから、総裁はこのことについてどのようにお考えですか。
○北島説明員 国家公務員につきましては、国家権力を扱う関係上、そういったことが特に法律に規定されていることはよく存じておりますし、公社におきましても、やはり公共企業体でございますから、そういった方面の庶民感情というものは十分尊重しなければならぬと思います。銀行の者が昔の融資先へ行くとか、いろいろ民間にもありますけれども、これはやはり庶民感情にはあまり思わしいことではないと私自身感じております。 ただ、長年公社につとめまして、そうしていよいよ公社を退職しようとするときに、過去の知識、経験、手腕などを買われて民間会社に就職するということにつきましては、私ども公社としては、やはりそれは規制はできないのじゃないだろうか。もちろん、公社側といたしましては、そういった方が行くことによって仕事を曲げるということは絶対にいけ互いわけでございまして、いやしくもそういう点で非難を招くことは私どもの責任でございますから、そういう点は絶対にないように戒慎してまいりたいと存ずるわけでございます。 今後ともそういった御批判には耳を傾けまして、特にOBの行っている場所につきましてそういった弊害の起こることのないよう、厳重に監督いたしたいと考えております。
○浅井委員 先ほどの米葉だけでも年間百八十八億七千六百万円輸入しておる。少し曲げれば、数億や十億の金くらいは軽く動いてしまうというようにいわれておるのです。いまこれだけの膨大な会社、一切の関連会社に天下っておって、行政が曲がらない、いわゆる経理や事務が厳正に行なわれるといった保証は何もないのです。 ですから、私は重ねて申し上げますけれども、こういう天下りは、いまおっしゃったように今後厳重に監視し、そして規制の方向に、あるいはまた、ここにおいて法律をつくってもいいと私は思うのです。電電公社にしろ国鉄にしろ、また専売公社にしろ、本気になってこの法律をつくろうという考え方でなければ天下りはとまらない。私は何も再就職が悪いと言うのではありません。確かに憲法にも認められておる、いわゆる職業選択の自由もあるし、またその人たちが第二の人生を歩むのに適当な場所に行くことはけっこうなことであります。日本の国家にとっても必要なことかもしれません。しかし、そこに生ずる行政のゆがみというものは正していかなければならぬ、これが私の主張であります。 政務次官がちょうどお見えになりましたけれども、いま私は専売公社が天下っておるのを指摘したわけです。この点について、大蔵省としてはどのようにお考えでしょうか。
○中川政府委員 大蔵省としての意見ということでありますが、実は、いま来たばかりで、審議の経緯あるいは実態についてまだ認識の足りないところがあろうかと存じますけれども、原則的には、専売公社における天下りについては、国民の皆さんに疑惑のないように、やり方において、あるいは職業をかわられた方の動作において、やはり十分に慎重にしていただいて、そういう批判のないように万全を期してまいりたい、このように考えておるわけでございます。
○浅井委員 では、天下りはこの辺でおきます。 次に、きょう専売事業審議会から、「喫煙と健康の問題に関連する日本専売公社の業務の運営についての答申」が出たのですが、これはどのように出ましたか。また大蔵当局はこれをどのように受けとめ、今後これをどのように前向きに処理されますか。
○大塚政府委員 「喫煙と健康の問題に関連する日本専売公社の業務の運営についての答申」でございますが、御承知のように、昨年の七月にWH○から喫煙の制限に関する勧告が厚生省のほうに参りまして、それが大蔵省のほうへ移送され、これに基づきまして大蔵大臣が専売事業審議会にこの問題を諮問いたしたわけでございますが、約半年余りの審議を経まして、実は本日十二時半に答申がなされたわけでございます。 簡単にその内容を御紹介申し上げますと、審議いたしました事項といたしましては、紙巻きたばこの包装にニコチン、タールの量を表示すること、紙巻きたばこの包装に、喫煙が健康に障害を及ぼすという旨を表示するかどうか、たばこの広告規制をどのようにするか、喫煙と健康の問題に関する研究体制についてはどうするか、それから新製品の開発の問題、さらに未成年者の禁煙等の広報を今後どうしていくか、大体以上の点を審議会の審議事項としてやってまいったわけでございます。 答申の具体的な内容でございますが、この審議でやはり一番重点が置かれました点は、有害表示をするかどうか、ニコチン、タールの数値表示をするかどうか、こういった点が審議の一番の重点になったわけでございます。この点に関しましては——実はその前に申し上げておきたいことは、この専売事業審議会の委員の方々は、特に喫煙と健康というような問題につきましての専門家ではございませんので、そういう意味で、この審議会でこの問題を審議いたしますに際しましては、やはり医学的な専門家を加えて審議をしたほうがいいということから、特別委員ということで五人の医学専門家や心理学の方、こういう方々に参加していただきました。そして、この特別委員の方々から、実は審議の途中で「喫煙の健康への影響についての考え方」という報告を出していただきましたが、その報告の中には、喫煙は健康に障害を及ぼす、特に過度の喫煙は、肺ガンであるとかあるいは心臓病であるとか、こういったものに影響があるという統計的な事実の指摘はあるけれども、それが病理学的にどういうふうにそういった器官に影響して疾患が発生するか、そういう点についてはまだ何にも解明されてない、そういう意味では疫学と病理学とではまだ結論が一致しない、そういうことが出ております。 そういった報告を踏まえまして、この審議会の答申といたしましては、まだ喫煙が健康に障害を及ぼすという意味の表示をする段階ではない。ただ、この問題は、一般の関心が非常に集まっている問題でもございますので、消費者に対する正確な情報の提供と申しますか、さらに消費者の健康への配慮に資するという意味におきまして、包装にニコチン、タールの量を数値で表示をすることが適当だという答申でございます。
○浅井委員 大蔵省は、この答申でどのように専売公社に指示をされますか、また、どのようになさろうとしておりますか。
○中川政府委員 専売事業審議会では、今回の喫煙と健康の問題の性格にかんがみまして、特に各界の権威者を特別委員として加えて、慎重に審議していただいたものでありますから、これは権威のあるものとして尊重していかなければならぬというふうには考えております。ただし、何ぶんにも受けたばかりでございますから、有害表示についてはその必要ないという答申の内容でございますので、これらを含めまして今後慎重に検討して、しかるべき指示を専売公社に与えたい、このように考えておるわけでございます。
○浅井委員 この答申の中において「紙巻たばこの煙中のニコチン、タールの量を個々の包装に明瞭に表示する手段により、消費者の喫煙と健康の問題についての関心に応えることが適切な措置であると考える。」、この点については、いわゆる喫煙が健康に影響を及ぼすという——アメリカにおいては「公衆衛生総監は、紙巻たばこの喫煙は健康に危険があると決めています。」という表示、これよりは一歩下がった答申が出ております。この一歩下がった答申については、早急に公社に対して、こういうふうに行なうように指示をするかどうかということを私は聞きたいのですが、どうですか。
○中川政府委員 第一番目に、タール、ニコチン量の表示をすべきであるという答申が出ております。ちょっと読みますと、「したがって、紙巻たばこの包装にも、すでに公表されているような銘柄ごとの煙中のニコチン、タールの量の数値を表示し、もって、社会一般の関心に応える必要があると判断する。」と明確に書いてございますので、銘柄ごとにニコチン、タールの数値を表示することだけはやらなければならない、やらせたい、このように考えております。
○浅井委員 総裁はこれをどのように受けとめて、どのように実施されますか。
○北島説明員 まだ答申が出たばかりでございまして、大蔵大臣が御検討の上、公社に何ぶんの御指示があると思いますが、御指示に従って措置したい、こう考えております。
○浅井委員 いま中川政務次官は、それをするというふうに答えているのですよ。政務次官です。大蔵省の正式見解でしょう。政務次官、大蔵省の見解として先ほどの答弁はとっていいですか。
○中川政府委員 そのとおりとっていただいてけっこうでございます。
○浅井委員 総裁、いま正式見解としてとっていただいていいというあれが出ました。どうですか。
○北島説明員 ただいま政務次官からお答えございましたように、個々のパッケージに、煙の中に含まれているニコチン、タールの量を表示するということに御指示がございますれば、もちろんそのとおりにいたしたい、このように考えております。
○浅井委員 総裁、いつごろからおやりになりますか。これはきょう答申が出たばかりでありますけれども、およそ何月ごろからこのニコチンの表示ができますか。
○北島説明員 いろいろ準備もございますので、御指示がありましてからおそらく三カ月くらいはかかるか、こう考えております。
○浅井委員 そうすると、いま三月でありますから六月ごろには実施ができる、このように受け取っていいですか。
○北島説明員 ごく近いうちに大蔵大臣からそういう御指示がございますれば、六月ごろにはできると考えております。
○浅井委員 政務次官、あと、もうけっこうです、お忙しいでしょうから。 この問題はこれでおきまして、次に米葉協会の問題についてお伺いしたいと思います。 この米葉協会というのは、どういう目的で設立をなさったのでしょう。そのいきさつを簡単に御説明ください。
○遠藤説明員 お答え申し上げます。 米葉資金、正確には米葉市場開発資金というふうに呼ばれておりますが、昭和三十年に公布されました条約六号、いわゆる第一次日米農産物協定に基づいて供与されたことに端を発しております。 この種の資金の使用につきましては、なるべく当初から政府間の干渉を少なくして、効果的かつ能率的に運用するために、米国側並びに相手国との民間団体を通じて行なう方針がとられたのでございます。この方針に沿いまして、当初は米国側の当事者として、いわゆる米国たばこ共同者が当たりました。これに対応いたしまして、日本側の当事者は全国たばこ販売協会が当たっておりました。その後、米国側の当事者が葉たばこの関係業者によって構成されていることに対応いたしました体制を整えますとともに、事務の効率化をはかるために、米葉の輸入業者、たばこ販売事業に関係のある団体をもって構成をいたしました任意団体として、日本米葉協会というものを昭和三十八年に設立をいたしまして、その業務に当たっておる次第でございます。
○浅井委員 三十八年に米葉協会が設立されたのですけれども、これは米葉資金の受け入れをする協会ですね。それは公社が当然受け取るべきような、あるいはまた公社が使うような費用——すなわち毎年毎年受け取ってきた金額、約五千五百万円ですが、こういうものがいわゆる米葉資金としてアメリカの農務省とアメリカの業界が半分半分受け持って、そして米葉資金のいわゆる金額として日本に入ってきた、その入ってきたお金の使い道というものは、いわゆる専売公社の役員が、あるいは専売公社の職員が渡米する資金、あるいはまた広告宣伝の費用として使われておる、このように私たちは聞いておりますけれども、それに間違いはございませんか。
○遠藤説明員 主たる目的は、いまの御指摘の五千五百万円程度という金額は、国内で米葉を使用いたしました製造たばこ、それの宣伝に使われております。出張といいますか、米国の販売市場、産地事情というようなものを見学、視察をするために、公社の役職員がこの米葉資金で参ったことは過去にございますけれども、それはその金額とは別に、その出張のつど先方において支払いをいたしておる、かような事情でございます。
○浅井委員 この米葉協会におけるところの運営——これは公社の収入にして公社の運営をやっておる。すなわち、公社の人間がアメリカへ行ったり、あるいは専売公社のたばこの宣伝をしておる、そういう宣伝費が毎年毎年入ってきておる。五千五百万のひもつきのお金が入ってきておる、これをいままで漫然と受けとめておった。これは、私は当然公社の収入に入らなければいけないということで、会計検査院の立場から聞いてみますと、予決令違反になるのではないか。この金の使い方が、専売公社のたばこの宣伝をしておる、あるいは専売公社の役員が渡米する資金に使っておる。専売公社自身は、宣伝費用のいわゆる実績としては、四十四年度は二億三千三百四十一万九千円、四十三年度で二億二千九百九十九万八千円、これだけの膨大な宣伝費を使っておる。わずかちょっぴりの五千五百万という金をもらって、アメリカのそういうサプライヤーとひもつきになるということは、これは私は好ましくない。また受け入れの使い方がおかしい。昭和三十一年からこの米葉資金が入ってきておる。そして初めはこれを、いわゆる業者、販売協会というのが受け取って事業をやっておった。ところが、これではちょっとおかしいというので米葉協会をつくった。ところが、これもまたすっきりしない。こういう、何というか、おかしい関係性においてひもつきになっておる姿について、総裁、どういうようにお考えでしょうか。
○北島説明員 いわゆる米葉資金は、昭和三十一年、白米農産物協定から始まったものでございまして、日本がアメリカから輸入する農産物に対して、アメリカの輸出者に対してはアメリカの政府がドルで払う、それから日本の輸入者に対しては、これは円でもって日本銀行に特別勘定で積み立てていく、それでその金はアメリカの農産物の輸出促進のためにアメリカ政府が扱う、こんなふうになっておったわけであります。これに基づきまして、小麦、大麦、綿花、大豆、飼料、こういったものに対してずっと来ておるわけでありますが、まあ葉たばこもそのうちの一つに入っておったわけであります。 ただ私、公社に参りまして、やはりこういった金でもって、まず公社の職員が向こうへ行って見学するなんということは、これはおかしいのではないだろうか、こう思いまして、昨年、まず第一に、公社の職員がこの金を利用してアメリカの市場調査とかあるいは研究に行くことは、事柄自体としては有益であるかもしれないけれども、それならばそれは公社の旅費で出そうじゃないかということでこれは辞退いたしました。それから、さらにその後、広告宣伝で現在使っております金につきましても、やはりおもしろくない、これはもうすでにその使命を終わっておる、こう考えまして、昨年の秋から米国側と折衝をさせております。そして、ことしの七月から始まるアメリカの会計年度ではそれを打ち切ってもらう、こういうつもりでおります。
○浅井委員 総裁から、明確におかしいと言われるし、また打ち切るというのでありますならば、私の主張であるこういうものはやめろということについては、私はこまかく申し上げません。これもやめてすっきりしてもらいたいと思います。そうでなければ、大蔵省をだましているというか、あるいはまた予決令違反という疑いが出てきます。私はそれだけの明確なお答えがありましたので、この問題はあえて追及いたしません。 最後に、専売納付金制度という問題について伺いたい。この専売公社の経営責任の不明確性、これは私はここで強く申し上げたいのですけれども、現在の専売納付金に関する公社法の規定は、経営努力をやってもやらなくとも、納付金として全部持っていかれてしまうんだというような形になっておりますので、経営の目標も責任も示されていないと思うのです。この点、総裁どうでしょうか。
○北島説明員 御批判のとおりでございまして、現在の納付金制度は、いわばどんぶり勘定ということになっておりますので、公社が一生懸命やってもそれは国に取られる、その反面、公社がぐうたらな経営をやっておってもそれで済むということで、これははなはだおもしろくないということで、そこで二、三年前からいわゆるたばこ消費税制度、こういう構想が出ているわけでありますが、考え方は、できるだけ専売公社の経営責任をはっきりさせるような制度にしてもらいたい、こういう気持ちでございます。
○浅井委員 いま言ったどんぶり勘定、ですから、もうけてももうけてなくともやっておればいいという、そういうものがいわゆる専売公社の基本にある。そうすると、一円でも安く米葉を買い付けよう、一円でも安く銀紙を入れよう、一円でも安く包装紙を入れよう、こういう経営努力というものが、上から下までなくなってしまうわけであります。ですから、私はこの点について非常に問題点を含んでいると思うのです。そして、いわゆる専売公社が経営努力をしないで、納付金が少なくなってきたならばまた値上げという、国民に負担をさしてくるという、この税金を取るために、いまの政府のやり方は、間接税においてたばこを重要な税源としております。したがって、税源が少なくなったならば値上げによってまかなおうとする考え方がございます。私は、そのような国民負担になって、そうしてしわ寄せが一般国民消費者大衆に行くということについては、断じて許せないと思うのです。 したがって、この納付金制度というものについて、ほんとうに総裁が、明確なあるいはまた確固たる信念においてこれを変えていくという信念をお持ちでしょうか、どうでしょうか。
○北島説明員 ぜひそういう方向に持ってまいりたい、こう考えております。
○浅井委員 国民負担にならないように……。いわゆるたばこというものは高い。私は、この高いことについては何らかの機会に、次の機会にもう一度この問題について、原価の問題からたばこの高い問題についてお聞きしたいと思っております。きょうは時間の関係でそれには触れませんけれども、きょう私が申し上げた天下りの問題、そしてこの米葉資金の問題、そうしてまた、このいまの納付金制度の問題、いわゆる親方日の丸の専売公社の放漫経営が指摘されるというよう宏姿ではなく、国民から信頼される専売公社になっていただきたいことを要望して、私の質問を終わります。
○小山(省)委員長代理 関連質疑の申し出がありますので、これを許します。華山君。
○華山委員 ただいま米葉資金のことがございましたが、米葉資金はもう全くおやめになるわけですか。したがって米葉協会なるものも全然なくなる、こういうふうに了解いたしましてよろしゅうございますか。
○北島説明員 いわゆる米葉資金は、アメリカの会計年度のことしの七月以降、私のほうなしては全く御辞退するつもりでおります。したがいまして、米葉協会の仕事の一つである米葉資金の受け入れ、それからその経理の問題はなくなります。 そうなると、米葉協会はどうなるかという問題がありますが、私どもといたしましては、ごく最近聞いたことでありますが、米葉協会が解散したいというような気持ちを伺っております。
○華山委員 それで、先ほども総裁のお話の中に、広告、宣伝というふうなことをおっしゃいましたけれども、私あまり見かけませんけれども、米葉協会の資金あるいは専売の固有のお金で何か宣伝、広告、そういうようなことをいまやっていらっしゃるのでしょうか。
○北島説明員 広告宣伝費は、昭和四十五年度二億三千五百万円ございますが、御承知のとおりほとんどわからない程度の広告になっております。それでも一応新製品の発売の場合などには新聞などを使っておりますので、やはりその程度の金は要るということでございます。
○華山委員 こういうことでございますから、私はあまり広告について気になることもございませんけれども、極力そういうふうなことは控え目になさるべき時代じゃないかと思いますのでちょっとお聞きしたようなわけでございます。
○小山(省)委員長代理 次回は来たる三月四日木曜日午前十時理事会、午前十時三十分委員会を開くこととし、本日はこれにて散会いたします。 午後三時二十九分散会