決算委員会 第1号
- 発言数
- 210 件
- 登壇者
- 18 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1971/02/02
会議録
○濱野委員長 これより会議を開きます。 この際、おはかりいたします。 理事華山親義君が委員を辞任されましたので、理事が一名欠員になっております。これよりその補欠選任を行ないたいと存じますが、これは先例によりまして、委員長において指名するに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○濱野委員長 御異議なしと認めます。よって、高田富之君を理事に指名いたします。 ————◇—————
○濱野委員長 次に、国政調査承認要求に関する件についておはかりいたします。 すなわち、決算の適正を期するため、本会期中において、 一、歳入歳出の実況に関する事項 二、国有財産の増減及び現況に関する事項 三、政府関係機関の経理に関する事項 四、国が資本金を出資している法人の会計に関 する事項 五、国または公社が直接または間接に補助金、 奨励金、助成金等を交付しまたは貸付金、損 失補償等の財政援助を与えているものの会計 に関する事項以上各項につきまして、関係各方面からの説明聴取、小委員会の設置及び資料の要求等の方法によりまして国政調査を実施するため、規則の定めるところにより、議長に承認を求めることにいたしたいと存じますが、これに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○濱野委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 ————◇—————
○濱野委員長 昭和四十三年度決算外二件を一括して議題といたします。 本日は、裁判所所管、会計検査院所管及び内閣所管について審査を行ないます。 この際、おはかりいたします。 裁判所所管の審査に関し、国会法第七十二条の規定による最高裁判所長官の指定する代理者から出席説明する旨の要求がありました場合は、その承認に関する決定につきましては、その取り扱いを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○濱野委員長 御異議なしと認め、さよう決定いたしました。 まず、裁判所所管について概要説明を求めます。吉田最高裁判所事務総長。
○吉田最高裁判所長官代理者 昭和四十三年度の裁判所の決算の概要について説明いたします。 昭和四十三年度裁判所所管の歳出予算額は三百七十七億八千百九十五万円余でありましたが、この予算決定後、さらに二十二億三百八十一万円余増加いたしまして、合計三百九十九億八千五百七十六万円余が昭和四十二年度歳出予算の現額であります。 右増加額の内訳は、大蔵省所管から移しかえを受けました金額四億二千九百七十一万円余、昭和四十二年度から繰り越しました金額二億四千十三万円余、予備費使用額十五億三千四百六十四万円、計二十二億四百四十九万円余の増加額と、予算補正減少額六十八万円余との差額二十二億三百八十一万円余であります。 昭和四十三年度裁判所所管の支出済み歳出額は三百九十九億九百二十七万円余でありまして、これと歳出予算現額との差額は七千六百四十八万円余であります。 この差額のうち、翌年度に繰り越した金額は二千三十一万円余でありまして、不用となった金額は五千六百十七万円余であります。 この不用額の内訳は、裁判所職員の俸給手当等の人件費四千九十二万円余とその他の経費千五百二十四万円余とであります。 次に、昭和四十三年度裁判所主管の歳入予算額は一億八千八百二十五万円余でありまして、昭和四十三年度の収納済み歳入額は二億四千三百二十八万円余であります。 この収納済み歳入額は、右の歳入予算額に対し五千五百二万円余の増加となっております。 この増加額は、宿舎等敷地の交換による交換差金及び保釈保証金等の没取金の増加、相続財産で相続人不存在のため国庫帰属となった収納金等の収納がおもなものであります。 以上が昭和四十三年度裁判所の歳出及び歳入決算の概要であります。 よろしく御審議のほどをお願いいたします。
○濱野委員長 次に、会計検査院当局から検査の概要説明を求めます。鎌田会計検査院第二局長。
○鎌田会計検査院説明員 昭和四十三年度裁判所の決算につきまして検査いたしました結果、特に違法または不当と認めた事項はございません。 以上でございます。 —————————————
○濱野委員長 次に、会計検査院所管について概要説明を求めます。山崎会計検査院長。
○山崎会計検査院長 昭和四十三年度会計検査院所管一般会計歳入歳出決算の大要を説明申し上げます。 会計検査院主管の歳入につきましては、予算額二百九十二万余円に対しまして、収納済み歳入額は三百三万余円であり、差し引き十万余円の増加となっております。 次に、会計検査院所管の歳出につきましては、当初予算額十六億七千二百四十九万余円に、予備費使用額五千三百六十八万余円を加え、これから予算補正修正減少額二十三万余円を差し引いた予算現額十七億二千五百九十四万余円に対しまして、支出済み歳出額は、十七億千六百四十一万余円であり、その差額九百五十三万余円は不用額で、そのおもなものは人件費であります。 支出済み歳出額のうちおもなものは、人件費十四億四千三百九十五万余円、検査旅費一億千四百六十八万余円、庁舎等施設費千三百六十八万余円となっております。 以上、はなはだ簡単でございますが、会計検査院所管の昭和四十三年度一般会計歳入歳出決算について説明申し上げました。 よろしく御審議のほどお願いいたします。
○濱野委員長 次に、会計検査院当局から検査の概要説明を求めます。中村会計検査院第一局長。
○中村会計検査院説明員 昭和四十三年度の会計検査院の決算につきまして検査いたしました結果、特に違法または不漁と認めた事項はございません。 —————————————
○濱野委員長 次に、内閣所管について概要説明を求めます。木村内閣官房副長官。
○木村政府委員 昭和四十三年度における内閣所管の歳出決算につきまして、その概要を御説明申し上げます。 内閣所管の昭和四十三年度歳出予算現額は三十億二千五百二十八万円余でありまして、支出済み歳出額は二十七億三千七十万円余であります。 この支出済み歳出額を歳出予算現額に比べますと、二億九千四百五十七万円余の差額を生じます。このうち翌年度へ繰り越した額は二億三千三百三十五万円余でありまして、これは迎賓館施設としての、旧赤坂離宮の改修工事が特殊な建造物であるため、基本設計及び実施設計に多くの日数を要し、工事に着手することがおくれたため、年度内に支出を終わらなかったものであります。 また、不用となった額は六千百二十一万円余でありまして、これは職員俸給等の人件費を要することが少なかったためであります。 以上申し上げました内閣所管の歳出決算は、内閣官房、内閣法制局、人事院及び国防会議に関するものであります。 何とぞよろしく御審議のほどお願いいたします。
○濱野委員長 次に、会計検査院当局から検査の概要説明を求めます。中村会計検査院第一局長。
○中村会計検査院説明員 昭和四十三年度内閣の決算につきまして検査いたしました結果、特に違法または不当と認めた事項はございません。
○濱野委員長 これにて説明聴取を終わります。 —————————————
○濱野委員長 これより質疑に入ります。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。華山君。
○華山委員 ただいまの最高裁判所からの説明の中に、不用額が人件費の不用に基づくものであるという御説明がありました。これはどういうことでございますか、もう少し詳細に伺いたい。と申しますことは、なお、お聞きする時間を節約するために申し上げますが、裁判所におきましては判事の欠員が毎年のように、きまったように七十名というふうな、あるいは七十四、五名というふうな数になっている。なぜこれだけのきまったような欠員が出ているのか伺いたい。
○矢口最高裁判所長官代理者 御承知のように、裁判所で裁判官を採用いたします最も大きな供給源は司法修習生からでございまして、毎年司法修習生は四月に修習を終わりまして任官いたすわけでございます。それ以降一年間というものはほとんど大量の採用の源がございませんために、その間に年間を通じまして三、四十名の減耗があるわけですけれども、そういうことでございますので、年度当初と申しますか、四月の初め、修習生を採用し終わりましたときはほとんど定員を満たしておるのでございますが、年間の減耗がその後はどんどんふえてまいりまして、いま御指摘のような数字になっているということでございます。
○華山委員 裁判の遅延につきましてはもうずいぶん言われることでございます。前にも一度私から申し上げたこともございますけれども、私自身のことで恐縮でございますけれども、私もその体験をいたしました。 私が地方の県庁におりましたときに、私の扱った事件で民事訴訟がありました。その民事訴訟、そんなにむずかしいことじゃないと私は思うのでございますけれども、結局八年くらいかかった。初めの裁判官と判決をなすった裁判官とではもう全く入れかわっておる、このような状態で、なるほど裁判はおそいものだという気持ちがいたしましたけれども、その間において私の体験したところでは、必ずしもこれが裁判所の責任にのみ帰するものではないようであります。あるいは弁護士、証人その他のこと等もありまして延び延びになっておるのだと思いますけれども、もう少し裁判というものは早くあるべきものじゃないか、こういうふうに思います。この裁判の促進について、これは裁判官だけでは片づかない問題かもしれませんが、ありましたならば御所見を承っておきたい。
○吉田最高裁判所長官代理者 裁判の遅延は、東西古今を問わず、いかなる国にもそういう現象がありまして、私どもも非常にそういうことについては心痛しているわけでございます。 その原因につきましては、ただいまお話しがありましたような当事者側の事由、また、先ほどお述べになりましたように裁判官の更迭による事由もございます。ことに、民事訴訟は御承知のように当事者主義ということになっておりまして、訴訟の進行ということは当事者側によって非常に拘束される場合がございます。もちろん、裁判官としても訴訟指揮によってできるだけ訴訟の進行をはかる当然の責務はございますけれども、民事訴訟の法律上のたてまえが当事者主義だということは、非常に訴訟の遅延の大きな原因であろうかと思います。
○華山委員 そういたしますと、現在の状況では、裁判官を増員しましても救われない問題だ、こういうふうに理解してよろしゅうございますか。
○吉田最高裁判所長官代理者 はなはだ申しおくれましたが、現在の日本の裁判所にとりましては、やはり何と申しましても、裁判官の不足ということが訴訟遅延の一つの理由になっていると思います。その点につきましては、裁判官の充実ということについてもかねがね非常に努力しているわけでございます。
○華山委員 先ほどお話のありましたとおり、修習生が入ってきて、そのときには大体満度までの定員なんだけれども、途中でやめる者ができるので、毎年毎年欠員が定数的にあるということでございますけれども、これらのことを勘案いたしまするならば、私は裁判官の定員というものは増加してしかるべきものじゃないか。裁判の件数を見ましても、いまここで例を申しませんが、地方裁判所の民事事件は七、八年前のほとんど倍近くなっておるわけです。これらの情勢に対しまして、裁判官の増員ということについては、大蔵省が認めないのか、主計局が認めないのか、まあ、いえば国が認めないのか、こういうことになろうかと思いますが、どういうふうなことでございましょう。
○矢口最高裁判所長官代理者 裁判官の増員ということにつきましては、関係方面も十分御理解をいただいておるわけでございまして、私どもがお願いをいたしますと、十分好意をもって御検討いただいておるのが現状でございます。ただ、何ぶんにも先ほど来御指摘がございましたように、年度末等に至りましては相当数の欠員があるわけでございまして、増員を認めるということに相なりましても、供給源との関係においてこの程度にとどまっておるという状況でございます。私ども、いかにして多くの優秀な裁判官を司法部に迎えるかということで日夜苦心いたしておるわけでございますが、現状におきましては、決して関係方面が増員を認めないといったような御理解のない態度をお持ちになっておるとは思っていないわけでございます。
○華山委員 先ほどの理由からいうならば、初め、ある定員があるけれどもだんだん減っていくのだという実態、こういうふうなことからだけでも、私は増員を求める理由があると思うのです。おそらく現在の定員はこれで裁判がやれるということから出ている定員だと思うし、予算だと思うのです。しかし実際は、それが先ほど申されたような事情によりまして、定員だけの人が置けないのだというやむを得ない事情があるならば、それに応じたような定員というものがなくちゃいけないのじゃないのか。いまおっしゃった中に、何か欠員が多いから増員が認められないのだというふうにも聞こえますけれども、そういうことではないのじゃないか、私はこんなふうに思われるわけで、ぜひひとつ、これは国民の問題でもございますし、定員の増加ということにがんばっていただきたいと思うわけでございます。 それで、司法修習生からお採りになる、その司法修習生の中で、最近、判事といいますか、裁判官といいますか、それを希望する人が少ないというふうな話も聞きますけれども、実情はどうなんでございましょうか。
○矢口最高裁判所長官代理者 修習生は、現在毎年五百人ずつその修習の課程を終わるわけでございますが、裁判所に参ります数は大体八十名前後ということでございます。私ども、できるだけ多くの人に来ていただきたいということで、研修所が終わるころ、志望をおきめになるころ等になりますと、私どもも現実に研修所に出向きまして、裁判官のいろいろの面を御説明して、ひとつりっぱな方が一人でも多く裁判所においでいただきたいということを申し上げるわけでございますが、現状といたしましては、大体コンスタントに八十名前後になっておるという状況でございます。
○華山委員 八十名のうちから何人御採用になるのですか。
○矢口最高裁判所長官代理者 大体八十名前後希望がございまして、いろいろの結果、大体それに近い数字の方を採用いたしておるのが現状でございます。
○華山委員 修習生のうちから採用されるというふうな基準というものはどういうことなのか。修習生を終えた人ということであれば、それは一応の勉強もした人ではあるし、適任だと思うのでございますけれども、何かそこに基準がございますか。
○矢口最高裁判所長官代理者 修習生を終了いたしますと、いわゆる法曹としての資格ができるわけでございますが、これは法曹として今後仕事をしていく上の、いわば最低限度の資格要件であろうかと存じておるわけでございます。その中にありましても、裁判官は双方の言い分を判断する、あるいは公訴をされた事実につきまして、その有罪、無罪を判断するということで、非常に重い職責を持っておりますので、私どもといたしましては、そういった当事者の争いを裁断するということに最もふさわしい、まあ俗なことばで申し上げますと、一緒に修習を終了いたしました仲間から見ましても、あれが裁判官になるならけっこうだというような人を裁判官に迎えたい、このように考えておるわけでございます。
○華山委員 司法修習生の中に女子の修習生は、いまおっしゃった五百人の中に何人くらいおりますか。
○矢口最高裁判所長官代理者 各期ではちょっと正確な数字を持ち合わせておりませんが、御承知のように二年間の修習でございますので、二期修習生がおるわけでございます。全体で千人余り修習生がおりますが、その中で女性の修習生は七十名余りであったと記憶いたしております。
○華山委員 何か、女子修習生を裁判官に採用することにつきまして、女子では裁判官に向かないというふうな御意向が裁判所にはございますか。
○矢口最高裁判所長官代理者 修習を終了した者でございますれば、それが女子であるか男子であるかというようなことによって、向く向かないというような考えは持ってはおりません。
○華山委員 性別によって採用に区別がない、こういうふうに考えていらっしゃるわけでございますか。
○矢口最高裁判所長官代理者 そのとおりでございます。
○華山委員 それから、人間は何人も思想、信条があるわけであり、憲法も保障しているわけでありますけれども、思想、信条によって採用の基準に考慮を加える、こういうことはございますか。
○矢口最高裁判所長官代理者 そのようなことももちろんございません。
○華山委員 そういたしますと、思想、信条というふうなことで、ある種の団体に入っているということもあり得るわけです。裁判所のいろいろな法規から見れば、裁判官は政党に入った際も、それだけでは差しつかえない、そういうふうな団体に加入している、そういうことによって司法修習生の採用の基準に影響がございますか。
○矢口最高裁判所長官代理者 修習生を採用いたします際に、その団体加入の有無等を調べたことはございませんし、そういうことで区別をしたこともございません。
○華山委員 現在もその御方針でいらっしゃいますか。
○矢口最高裁判所長官代理者 そのとおりでございます。
○華山委員 それで過日いろいろな新聞等で問題を起こしておりますので、私もそれについてたいへんな問題だなと思ったのでございますが、いまのお話によりますれば、青法協という団体がありますけれども、これに加入しているというふうなことによって、採用について考慮に入れるというふうなことはないわけでございますね。
○矢口最高裁判所長官代理者 青法協に加入しておるということについて、そのことによって採用に区別をするというようなことはございません。
○華山委員 私、新聞紙上でしか存じませんけれども、一月の十三日と一月二十六日でしたか、あるいは日にちが間違っておったならば速記のほうを訂正しておきますから一応御了承願いたいのでありますが、その際に、各裁判所から人をお呼びになって会議を開かれたということでございますけれども、これはどういう性格の会議でございますか。
○矢口最高裁判所長官代理者 御指摘のように先月の二十二日と二十六日の両日、全国の裁判所を大体二つに分けまして、各裁判所から中堅の一名の裁判官をお呼びいたしまして、司法行政事務協議会が開かれたわけであります。 開きました目的は、華山委員も御承知のように、この一年司法行政上の問題でいろいろの問題がございました。そのつど長官、所長等を通じまして、適宜そのことにつきまして司法行政上の連絡はいたしておったわけでございますが、何ぶんにも、全国に二千人近くの判事、判事補の方がおいでになりまして、一度そういう方の私どもに対する御意見なり質問なりをお受けしてみたらどうだろうか、そうすることが、今後の司法行政をやっていく上にも非常に役に立つのではないだろうかというようなことでお集まりをいただいた、このようなものでございます。
○華山委員 いままで、あるいは交通の問題、その他特別の問題につきまして、係の裁判官をお集めになったというふうなことは耳にしないでもありませんけれども、抽象的に司法行政事務ということにつきまして裁判官をお集めになったのは今度が初めてでしょうか、ときどきやっていらっしゃるのでしょうか。
○矢口最高裁判所長官代理者 数年前でございますか、一度各裁判所の所長代行の裁判官をお集めしまして、やはりこの種の司法行政事務の集まりを持ったことがございます。
○華山委員 先ごろ開かれた司法行政事務の会議は、これは最高裁判所の裁判所法十二条によるところの会議でございますか。
○矢口最高裁判所長官代理者 御指摘のとおりでございまして、最高裁判所は、裁判所法十二条によりまして司法行政権を持っております。また、裁判所法八十条によりまして下級裁判所に対する監督権を持っておる、この二つの条文に根拠を有する、このように申し上げるべきかと存じております。
○華山委員 ですから、先ごろ開かれた会議は、裁判所法の十二条によるところの会議かどうかということです。
○矢口最高裁判所長官代理者 そのとおりでございます。
○華山委員 十二条による会議だとすれば、これは最高裁判所の裁判官がやるべきことであって、下級裁判所の裁判官がこれに入るということはおかしいのじゃないか。
○矢口最高裁判所長官代理者 いま申し上げましたように、裁判所法十二条によって司法部全体に対しての行政権を持っておるわけでございます。なお、先ほどつけ加えましたよう、八十条によりまして、最高裁判所は下級裁判所に対する監督権を持っておるわけでございます。そこで、この二つの条文を合わせますと、最高裁判所が下級裁判所の裁判官を適宜集めて、こういったものを開くことができるということの根拠に相なろうかと存じます。
○華山委員 私はこういうふうに考えておりましたけれども、間違いですか。この十二条によるところの裁判官会議は、最高裁判所の裁判官で構成さるべきものである。ほかの裁判官がこれに入るわけがないのじゃないか。ただ裁判官会議の参考にするために、こういう人を集めたということじゃないのでございますか。裁判官会議の構成メンバーですか。
○矢口最高裁判所長官代理者 御指摘のとおりでございまして、最高裁判所の裁判官会議で十五人の裁判官の方がすべてを最終的におきめいただくわけでございますが、それを補佐するという意味におきまして私ども事務総局の者がおるわけでございます。今回の協議会も、最高裁判所がこういう裁判官会議におはかりいたしましてこういうものを開いて、私どもが十五人の裁判官を補佐申し上げる上においての参考にしたいので開かせていただきたいということで、御了解を得まして開いたものでございます。
○華山委員 それでどういう人をお集めになりましたか、どういう手続で人選されましたか。
○矢口最高裁判所長官代理者 いま申し上げましたように、一線で働いておられる所長のような方以外の裁判官のなまの声をお聞きしたいということが目的でございますので、私どもは中堅クラスの裁判官、別のことばで申しますと、裁判をいたしておりますときに合議体の裁判長になって仕事をなさっておるような裁判官、そういう裁判官にお集まりをいただきたいと思いました。そこで、そのことを下級裁判所でございます高等裁判所の長官に申し上げまして、高等裁判所の長官に各管内の各裁判所のいま申し上げたような中堅クラスの裁判官をお選びいただきたいということをお願いしたわけでございます。その結果、高等裁判所の長官が適宜人選をなさったようでございます。ある庁では、さらに地方裁判所の所長の御意見もお聞きいただいたようでございますが、そのようにして、高等裁判所の長官から御推薦をいただきまして協議会に出席していただいた、このようになっておるわけでございます。
○華山委員 裁判所の実態、裁判官の実態を知るためには、私はこれでは数が少ないと思われますし、それだけ少数の人を集めて、そしてこれで裁判所の実態、裁判官の実態がわかるのだということも、私は少し疑問に思います。 それからもう一つは、高等裁判所にしましても、地方裁判所その他の下級裁判所にいたしましても、高等裁判所は二十条、地方裁判所は二十九条、家庭裁判所は三十一条の五、簡易裁判所は三十七条というふうに、司法行政事務につきましては各裁判所の裁判官が行なうということになっておるわけであります。ですから、司法行政事務に ついての会議であるならば、その人選はこれらの裁判所の裁判官会議によって選ばれるべきもの じゃなかったのか、そして、そこに出るところの人は、裁判官会議の意向を体していままで問題になりました会議に臨むべきじゃないのか。その点 をどう思いますか。
○矢口最高裁判所長官代理者 今度の協議会が、先ほど申し上げましたように、一線で現実に裁判の仕事をなさっておる裁判長クラスの方のなまの声をお聞きしたいということでございましたので、したがいまして、その性格上、当然それぞれの所属しておられます裁判所全体の御意見を伺いたいということではございませんで、具体的に中堅として働いておられる裁判官各自の個人的な自由な意見を聞きたいということでやったものでございますので、必ずしもそういうことで各庁の御意見をおまとめになって来ていただくということでは衣かったわけでございます。
○華山委員 その結果が、この会議につきまして珍しく各新聞が大きく取り上げているわけです。そして人選についていろいろな論議もあったわけであります。それからその中には、先ほど申しましたような青法協の問題が大きなテーマになったのだというような報道もあるわけです。 私は、裁判官に対しましてこういうふうな論議を巻き起こしたという実情を知らない。いままでこういうことはないわけだ。私も裁判所、裁判官の間の実情をよく知りませんからあえて申し上げられないかもしれませんが、そういうふうなことをあえてとらえてこういうふうなことをなさるということは、たださえも不安定な、そして国民が最も信頼するところの裁判所、裁判官に対しての信頼を失わせるものじゃないか。私はそれを心配するのです。 それで、この会議に関連いたしまして、青法協に加入しているところの裁判官に対する任命等につきましては行なわないということを断言されましたからそれで事は済むわけでございますけれども、私はよほど気をつけていただかなければいけないと思う。青法協の問題があるだけに気をつけていただかなければいけないと思う。私から申し上げますまでも安く、思想、信条の違う人がありましても、それは当然色の違う人がありますし、青法協の人がいるかもしれませんが、一面から言えば、自民党の機関紙に投書をする裁判官もいる。そういうふうなことで、思想が分かれてくるというふうなことは、私は人間である以上、あると思うのでございますけれども、それをとらえて一々論議をするということになりますと、そういう現象面にとらわれて、私は国民の思想、信条の自由というものを裁判官みずからが侵すがごとき印象を国民に与えるのじゃないか。裁判官につきましては、その個人的な考え方、そういうものが裁判にあらわれないように、私からこんなことを言わなくたって、ほんとうに釈迦に念仏どころの騒ぎじゃないわけでありますけれども、忌避の制度がある、合議制度がある、さらに裁判を重ねるということがある。できるだけ個人の片寄った意見というものは除去するように裁判制度そのものがなっているのじゃありませんか。 私はその意味でひとつ気をつけていただきたいと思うのでございますけれども、少し話が長くなりますが、どこかで、自民党の若い人たちだというふうに記憶しておりますけれども、東京都におきましてだれが一番信頼できるかということにつきまして、一番高い率だったのが裁判官、それは五〇%に近いのである。その次が東京都知事、これは、私は美濃部さんという個人的なことも入っているんじゃないか。——————————————————————いま、現在裁判官があのように信頼されている。そこに最高裁判所みずからが軽薄にいろいろな問題を起こして、そして裁判官に対する信頼を失っては私はならないと思う。それだから申し上げるのでありますが、くどいようでございますけれども、修習生の採用には、どういうものか知りませんけれども、青法協というふうなことは心に入れないということでございます。青法協などに裁判所とあろうものが振り回されて、どうする。それから十年のあとで、今度も裁判官の任命があるわけでございますけれども、その裁判官の任命についても青法協等の問題は問題にしませんね。
○濱野委員長 華山君、いまの発言中、—————————というのはどういう意味ですか。
○華山委員 新聞にそういうふうに出ていたのです。
○濱野委員長 それは消してようございますか。
○華山委員 はい。それじゃ消しておいてください。
○吉田最高裁判所長官代理者 ただいま裁判官の再任の問題が出ましたが、これについて私から一言申し上げます。 御承知のように、下級裁判所の裁判官、すなわち、最高裁判所以外の裁判所の裁判官は、最高裁判所の指名した名簿によって内閣で御任命になるわけでございます。そこで、最高裁判所で裁判官の候補者を指名いたしますときには、裁判官の新任の場合でも、また再任の場合でも、最高裁判所の裁判官会議で各個人個人につきまして、あらゆる観点から慎重に検討されましてきめられるわけでございますが、先ほど仰せになりましたように、青法協会員であるという理由だけで指名からはずすというようなことはいたしません。
○華山委員 それじゃ、時間が来たようでございますからやめます。
○濱野委員長 吉田君。
○吉田(賢)委員 会計検査のあり方について少し伺ってみたいのであります。 検査報告書が国会に毎年提出されます。かなりいろいろとこまかいことまで御調査になっておりまするが、帰するところ、一口に申しますると、検査報告は、予算の執行につきまして、大体当、不当、違法なりしやいなや、こういうようなことがものさしのように考えられます。そこで、むしろ国民が求めておりまする予算の執行のあり方というのは、国民のために予算の目的が達成せられたか、国民の福祉につながる効果があったのか、こういったかなり積極的な意欲を持って予算の執行を見守っておる。これにこたえるのが、また国会における決算の一つの任務だろう、こう思うのであります。 検査院におきましては、これはむしろ、たとえば百億円の予算を執行した、しかしこれは、その業績は期待するようなものがあがっておらぬ、とするならば、大切な税金はむだづかいになったのではないか、こういうことに判断するわけなんです。しかしその点は検査院は、むだづかいであろうとなかろうにかかわらず、当、不当、予算にきめられた範囲の事業に使った、法律的には違法ではない、こういうのでそのまま素通りするのではないだろうか。 だから、いまの点を一口に申しますと、予算が真に効率的に使用されたかいなやという面は、これは厳格に追及するという方法があってしかるべきじゃないだろうか、こう思うのでありますが、この点につきまして、検査院法の定められた権限、そういった法律的な角度から見ましてそれは不可能であるのか、あるいはそれ以外の面で困難な事情があるのかどうか、そこらについて、院長、ひとつ率直にお答えを願いたい、こう思うのであります。
○山崎会計検査院長 予算執行の効率性をよく検査するということは、これは非常に大事なことでございまして、近時、各国におきましても会計検査はそのほうに重点を置いております。 いま法律的なお尋ねでございましたけれども、御承知のように、検査院法二十九条には、法律、政令もしくは予算に違反し、または不当な事項とございまして、法令、予算に違反というだけではなくて、不経済かどうかという点もわれわれは従来気をつけて見ておるわけでございます。しかしながら、なお予算の執行が不経済というだけではなくて、さらにもっとよく効率的に使えるかどうかということも気をつけなければいかぬという点もございますし、今後さらにこれに力を入れるということも非常に大事なことでございます。検査院法の中には第三十四条という規定もございまして、これは、さらにこういうふうにしたら予算も効率的に使えるというような点につき、是正、改善の意見を当局に出すというようになっております。これは従来にまして本年度は非常に活用いたしたわけでございます。 そのほか、また検査におきましても、やはり予算の効率的な使用という見地から質問をいたしました場合に、相手官庁がごもっともだというので、それを是正いたしまして国損を防いだとかいうような場合もございますので、それもやはりあわせて議会のほうに御報告したらよかろうということで、ことしから是正された事項というものを数件、検査報告に掲記してございます。 なおそのほかに、予算執行の状況につきまして、概説等におきましても、批判的な分析という見地からものを見たらどうかという点で、ことしはその第一歩を踏み出したわけでございます。そういうような指標を与えまして、今後は各局検査課で勉強し、少々そういうような色彩を織り込んだ概説を書くというようにいたしております。 何にいたしましても、結局は、予算というものが所期の目的に沿って効率的に使われたかどうかということ、これはきわめて大事なことでございますので、今後はそういう点につきましても十分に努力いたしたい、かように考えております。
○吉田(賢)委員 検査院法三十四条は、会計経理に関し、法令に違反し、または不当であると認める事項がある、こういうときに当該会計経理について意見を表示し、あるいは適宜の処置を要求し、もしくは改善、是正を求める、こういうことになっておりますが、やはりそのワクは、違法であり不当である、こういうことになるようですね。ですから、違法、不当にあらずして——一例をあげますならば、予算が組まれた道路計画につきまして、ここは三年以内に道路の買収もしくは完成を計画して寄った、そこで予算を国会は承認した、ところが種々の障害が生じて、たとえば買収難、その他計画の進行上思わぬ故障等から延びた、三年が五年にもなっておる、予定された買収ができないというときに、それは何が原因するのか。執行者の怠慢であるのかどうか、あるいはまた、やむを得ざる障害が発生したのかどうか、それとも当初の計画に不正確なものがあったのかどうかということまで検討しませんと、はたして効率的に予算が執行されたかどうかということは、これの判断は至難である、こう考えるのでございます。 ところで、検査院の現状の能力からいたしまして、このような要求を一これは七兆九千億円なんですね。さらに財投一般の予算化されたものを全部執行していくということはたいへんなことです。私は、そこに事実上の苦悶があると思うんです。あると思うんですけれども、しかし考えてみましたら、院長、毎年世界の検査官会議ですか、ありますね。これのときにも、予算の効率的使用について検査をするということはしばしば提案もされ、協議事項にのぼったと、これは私の記憶が不十分かもしれませんが、思うんですがね。だから、おそらくこれは世界的な要請じゃないか。それならば一体どうしたらいいだろうか。法律を改正したらいいのか、検査院自体が根本的にこのような問題に取り組む姿勢で、名実ともに法律、人間、技術、その他を充実しなければいかぬのか。各国の検査官会議等でそのような議題が協議されたとするならば、一体各国はどのようなかまえであるのか、各国ではこの点についてどのような方法が行なわれておるか、成果はいかん、この辺の調査も十分にしなければ、これは簡単には解決しない問題ではないだろうか、こう思うんです。この点はどうでございましょう。
○山崎会計検査院長 先ほど条文の点でお話がございましたけれども、二十九条なり三十四条の不当というのは、不正とか不法とかいうことではなくて、不経済とか不効率とかいうものが入るわけでございます。「法令に違反し又は不当」と、こうなっておりますから。不経済事項については、検査院でも従来はいけないものはいけないとしておったわけでございますが、今後さらにそれに力を入れてまいりたい、こういうわけでございます。 それから、先ほど道路関係等のお話がございましたけれども、まことにごもっともな御指摘でございまして、事実われわれも、当事者の怠慢によるのか、あるいは、いかなる事情で所期の計画ができないのかというようなことは、やはり調べております。 それから、それに関連いたしまして、もうちょっとそれに力を入れて成果があがるようにしたらいいじゃないかということでございますが、ごもっともでございます。いろいろの点がございまして、先ほどの御質問でもその点にお触れになりましたように、能力の限界的な面、たとえば人数の点なんかがあるんじゃないかということでございますが、そういう点もございます。しかし、やはりこれは与えられた条件のもとで最善の努力をしてやっていかなければいかぬ、そういう意味で、先ほど申しましたように、新しい方向を打ち出しまして、ひとつそういうような方向で検査院の諸君は勉強してほしいということで取りかかったわけでございます。 なお、これはごく近年でございますが、毎年、年の初めには、検査開始に先立ちまして、各省の予算、事業計画等を十分に分析して吟味していくという会議をいたしまして、検査の重点事項をどこに置くかというようなことも検討かたがたなるべく組織的な検査を行なうように努力しておりますが、なお不十分な点がございますので、今後とも努力いたしたい、かように考えております。
○吉田(賢)委員 これは院長、一検査院のあなたとの問答といいますよりも、私ども決算委員会は、国民の負託にこたえて、ほんとうに日本の予算の執行、それが適正適切に効率的に行なわれたかどうかということについて、何よりも重要な使命があるわけなんです。そこで、一つの重要な資料といたしまして、検査院の検査に期待いたしております。これはもう間違いないのであります。 そこで、いまのお説ですが、日進月歩の科学時代に、ことに大型企業等につきましても幾多のごまかし決算があるというので、商法の改正などもされようという機運が日程にのぼっておるのですが、そういう際でありますので、私は何もすべての行政運営が悪いとは言いません。けれども、国民の期待に沿うようにこれを執行するということは、これはもう一億国民みんなの念願なんです。それにこたえる重要な使命を持った一つの立場が検査院です。検査院は、申すまでもなく行政から独立しております。憲法九十条で特別の権限を持っている。そのように、検査院は四権分立というのでありますけれども、それほど至大な使命をになった重要機関でありますので、いまの点は、不当事項の中に入るというのであるならば、もっと広い範囲に検査院報告によっても不当事項が指摘されてしかるべきなんです。しかしながら、物品の使用がどうとかこうとかというような、言うならば、末端の交通違反の統計をあげたような事案しか出てこないのです。不当事項は。それならば、あそこに数十億円の予算執行があるという場合に、これの非効率な使用ということについて追及した実例があるのかどうか。ここらにつきまして、ずばっとひとつやるぐらいなことがあってしかるべきではないか。しかしそれは容易ではありません。 失礼ですけれども、検査院はコンピューター操作を十分にするような機関、陣容、技術、予算等が備わっておりますか。これは関連ですけれども、どうです。
○山崎会計検査院長 コンピューターは、検査院にはまだ置いてございません。
○吉田(賢)委員 コンピューターの使用につきましても、こんなことは釈迦に説法ですけれども、この時代に処しましていかに能率的に事務を進めるかということ、これはもうほんとうに切実な求めになっておるときに、検査院はそういう方面において優秀な実績をあげて国民に範を示していただくということがあってしかるべきではないかと実は思うのです。いま予算もないのですか。
○山崎会計検査院長 いまのところ、検査院にコンピューターを置くというふうな予算要求もいたしておりません。
○吉田(賢)委員 院長、もしできますれば、私はあえて提案いたしますが、法改正を必要とするなら充実なさったほうがいいと思う。また、陣容を充実整備する必要があるとするならば、それは数、技術、技能一切につきまして、ことし九兆四億、来年は十兆になりましょうというような、次第に膨大化していくマンモス予算を消化する国家機能の財政面における最大の監督機関でありまするので、間尺に合ったように成長してもらわなければいけません。人の数が少なければもっとふやして、能力がなければもっと訓練して、あらゆる意味において科学化して、あなたのほう御自身が能率化してほしいと思うのです。国会が何べんも指摘しますゆえんも、御承知のとおりに、先般の四十二年の決算の最終の当委員会の決議におきましても、予算の効率的使用というものはうたっておるのです。ですから、予算の効率的使用というのは、これは国会の声でございます。国民の声です。だから、その点につきまして、不当の中に入りますというようなことでは国民の期待に沿いませんわ。それならばもっと明確に日本語でわかるように、不当というようなそんな形容詞だけで包んでおくのでなしに、やはり予算の効率的使用というものは今日常識化しておるのでありますから、その辺につきましても法改正の必要があるのではないだろうか、あらゆる意味において姿勢を充実する必要があるのじゃないだろうか、だから、ことしはそれに乗り出す必要があるのじゃないだろうか、私はこう思うのです。 この点は院長に御答弁いただきますが、もしできますれば、もう少し積極的に、いままだ十分に調査の結論が出ていないとするならば、何か結論を出してもらって、そしてあなたのほうの検査報告がそういう意味においても相当重要な資料としてわれわれに与えられる、こういうことがあってしかるべきではないかと思うのです。ひとつ、その辺につきましての御用意、もしくは調査、研究、準備等についてのかまえ、もしでき得ることならば、もりと文章化したようなものをもってこの委員会にお出しいただいて、これは一片々たる決算委員会か知りませんけれども、国会に対する一つの回答として、ひとつ権威のある、時代を画するぐらいなあなたのほうのかまえをぜひお示し願いたい、こう思うのです。 この最後の点は、何か書いたものでもけっこうでございますし、院長のことでございますから、この際、このようなかまえにつきまして、あなたのほうのほんとうの姿勢、今後攻さんとする目標等につきまして、ひとつはっきりとしておいていただきたい。
○山崎会計検査院長 予算執行の効率性、経済性ということにつきまして、これをいかに検査するかということはまことに大事なことでございまして、これはもうおっしゃるとおりでございます。私たちは今後この予算執行の効率性、経済性の検査につきまして、さらにいかにしたらその目的を達成できるかということにつきましては、あらゆる面から検討いたしまして十分に努力したい、かように考えます。
○吉田(賢)委員 ちょっとついでですが、さっき言いました国際検査官会議の議題にものぼったような記憶があるのですが、それは間違いでございましょうか。もしそうだったとするならば、どのような実績、もしくは各国から出た問題点のよって来たるところはどこにあるのだろうか、この辺についてちょっと漏らしておいていただきたい。
○山崎会計検査院長 国際最高会計検査機関会議というものが三年に一度開かれまして、その間には毎年理事会が開かれております。ことしはまた第七回会議がございますが、いまのお話の点につきましては、間違うといけませんから、あとで調べましてから文書でお届けいたします。
○吉田(賢)委員 それでは文書で委員長あてにぜひひとつ御回答いただいて、それの各国における資料もつけてください。それを採択したなら、どう実行しつつあるか、それについて各国にはどんな反響があったのか、わが国としてどう答えたか、これは参考になりますからお願いいたします。 裁判所に移ります。 裁判所における決算関係を通じまして、これまた司法並びに司法行政の最高の、もしくは中心であります最高裁、これは全体をつかんでいかれるわけでありますから幾多の問題がありますけれども、きょうはひとつ二、三の点だけにしぼりまして、問題を限定して伺っておきます。 近時、裁判官の事務担当分量はどうも減らない。これは一体乱訴の結果であるのか、もしくは裁判事務ないしは行政事務、そういったものの停滞に原因するのであろうか、それとも、むずかしい法律並びに事実の問題が続発するということにあるのだろうか、何がそうなさしめておるのであろうか、しょせんそれは当然だということになるのかどうか。この辺は一人分の事件担当の能力と、そしてそれを持っておる現状というものは相当無理があるのじゃないだろうか、こういうふうにどうも感じられてならぬのです。もし何でしたら、数字をまたあとで出していただきまして、ひとつその辺につきまして、概要でよろしゅうございますから簡単にお答えいただきたい。
○長井最高裁判所長官代理者 お答え申し上げます。 最初に事件の増加を御指摘になったのでございますけれども、これはいろいろな要因がございます。経済の伸展、また社会の生活環境の複雑化あるいは法秩序、権利意識の進展というようなこともございまして、非常な事件の増加の現状を見ているわけでございます。しかしながら、これらの多数の事件を処理いたします裁判官は、先ほど人事局長からお答え申し上げましたような事情で、必ずしも必要な人員を十分に迎え入れることができないというようなことから、一人当たりの負担件数が相当な件数になっておるわけでございますが、この点につきましては、ともかくも司法の責任を全ういたしますためには、国民の信頼を裏切らないようにして処理して乗り切らなければならないという決意に燃えているわけでございます。したがいまして、事件の適正なる配分、あるいは能率機器の採用というような問題で、現状を解決いたすべく極力努力いたしておるわけでございます。
○吉田(賢)委員 裁判官の志望者がどうもふえない、こういうことも一つの障害になっておるんじゃないかと思うのであります。民間のエリートコースなんかになりますると人材が殺到していくようでございますけれども、どうも裁判官というのは、最近におきましても、非常に応募者、志願者がない、こういう現状でないかと思うのです。それは何がそうならしめているのか。給与関係ですか。それとも、給与は必ずしもそうで、ないと思うのですが、何か大きな障害でもあるんだろうか。裁判官がこれをもって事務適量なりとはお考えになってはおるまい、こう思うのです。処理するためには、人の問題もやはり解決しなければならぬと思うのですが、何がそうなさしめておるんであろうか、その辺はどうなんでしょうね。
○長井最高裁判所長官代理者 裁判官の数が事件数に比して少ないことは御指摘のとおりでございます。その原因につきましては、政府におきましてもたいへん憂慮されまして、数年前に臨時司法制度調査会というような機関を設けまして、相当額の予算をさきましてその原因をつぶさに検討されたわけでございます。 何ぶんにも裁判官の資格、能力というものは、先ほど御答弁申し上げましたように、法律家としてかなり高度の能力を要求されます上に、その生活につきましてもなかなかきびしい倫理が要求されるわけでございます。もちろん報酬の問題も大きな問題でございまして、これを大幅に引き上げるということも必要な措置ではございますけれども、現在の給与の体系、これは国家公務員としておのずから体系的な制約もございます。これらと調和いたしまして裁判官を大幅に採用するにはいかにしたらいいかということは、調査会の答申にもかかわらず、政府におきましても非常に心配され、また裁判所といたしましては、身に振りかかりました問題として検討しているわけでございます。しかしながら、何ぶんにも現在の法学教育の現状、また国家公務員としての待遇の現状等からいたしまして、早急に大幅な人員の増加ということができない現状でございます。
○吉田(賢)委員 司法運用の中核は裁判官であります。その裁判官が高度の人間的な要素、教養を求められておりますということはよくわかるのであります。それならば、やはりその高度に持った教養知識等を最大に生かすということが、これまた司法行政上非常に重大な課題になるんではないだろうか。やはり人間ですから、結婚もありましょう、能力に限界もありましょう、体力あるいは休養等もありましょうから、そういう方面がさらに検討され改善されていって、そして高度の知識その他のものが十全に目的のために沿うように運用され得るような環境づくりをする必要があるのではないだろうか。これはむしろ司法行政面における一つの課題ではないかと思うのです。この点をきょうは少し伺ってみたいと思うのです。裁判官の任用等につきましてはまた別な機会に伺うことにします。 そこで、いかに事務を合理化するかということが大切なことだろうと思います。かねてコンピューターの使用等につきましても、やや計画が具体化しつつあると聞いておるのでありますが、判例の引き出し、あるいはその他の学説等を引用する場合などにおきましても、何かもっと、ボタンを一つ押せば何か出てくる、全国的にオンラインで一つの系統立った線を追っていけばすぐに役に立つものが手に入る、頭に入ってくる、こういうふうに早くなるべきでないかと思うのですが、裁判所は裁判官の仕事を十全になし得るような一切の環境条件を整備する責任が私はあると思うのです。コンピューター使用についてどんな計画があり、どのような実績を予定していま発足しつつあるのか、これらについてひとつ聞いておきたいと思います。
○長井最高裁判所長官代理者 裁判官に期待された執務の体制を築き上げますことは、裁判官不足の現状におきましてはきわめて肝要なことでございます。まことに御指摘のとおりでございます。コンピューターの採用、ことに、ただいま御指摘の判例、学説の検索という問題は、各国でも取り上げられまして研究している段階でございます。アメリカでも相当の費用を投じて研究しておりますが、なかなか判例の検索ということは法律の解釈が微妙でありますために、思うような成果に到達することが困難なようでございます。 最高裁判所におきますコンピューターの採用の計画を簡単に御説明申し上げます。 ただいま最高裁判所におきましては、小型の電子計算機で統計事務を処理しておる段階にすぎないのでございますけれども、昭和四十六年度の予算におきましては、現在のコンピューターを中型電算機にかえることといたしまして、約一千百七十万円の予算を認められました。これによりまして、少年の前歴の検索、この方面をまずオンラインによりまして実験的に開始するということがただいま計画されております。また、全般的な電算機の導入といたしましては、収容場所等の関係もございますので、数年の計画をもちまして速記をコンピューターによりまして能率的に合理的に運用して、ただいま公判廷において作成しておりますところの記録の速記化という点で能率化をはかりたいというのが第二の計画でございます。なお、この点につきましては約六百万円の研究費が認められております。この費用に伴いまして、研究機構を整備いたしまして、御指摘の判例検索の関係も各国の関係を研究いたしまして、大型電算機を昭和四十九年に採用の際にはそのような計画の実現にこぎつけたいという計画を持っておる現状でございます。
○吉田(賢)委員 たとえば、最近は非常に簡単な卓上の電子計算機ですか、十万円ばかり出したらあるようです。加減乗除がやれるわけですね。あれすらも持っておらない裁判所が大部分じゃないですか。裁判所が鉛筆をねぶりながらホフマン計算をする、交通違反についての損害賠償の計算をするというふうなことをやっておりましては、ちょっとこれはナンセンスではないか、こう思うのですね。 ですから、最高裁の高度のコンピューター採用についての計画は一応わかります。しかし、それとてももっと全体の計画について、研究調査、技術者養成、施設準備等につきまして、全体計画を進められぬとどうかと思います。いま申しましたようなごくさまつな、日常のことでありまするけれども、小さな計算機のようなものまでないというのでは、これはちょっと時代錯誤ではないかとさえ感じるのです。いま速記の話もございましたけれども、速記といいましたところが、速記のあるところあり、ないところあり、また速記の翻訳をするのに相当日数がかかる、あれこれと時間をお互いに浪費しちゃってというのがどうも現状のようでございますので、こういうような点につきましても数字をつかみ、ないしは、ある事務を進める上において、全面的に再検討するぐらい全国の裁判所の事務を総点検して、その辺について、こまかい具体的な現場の状況、意向を聴取するというくらいにして回ることも、この時代に即応する一つの行政のあり方に発展するのじゃないかと思うのです。ですから、東京で各所長等からいろいろな情報を入れて判断されるのもけっこうでありますけれども、このような末端の仕事というものは、やはり適当に歩いて集約してくるということが必要であると思うのです。 ですから、いまのような一、二指摘いたしましたけれども、そんなことのみならず、たとえば、これはところによりましたら、もっと経理なんかも訓練するという手段も必要じゃないだろうか、あるいは補助者としての助手が必要じゃないか、こんなことさえ考えられます。ところによりますと、たとえば長野県で、去年ですか、訴追の問題にもなったのですけれども、ある当事者の自動車に乗って現場検証に行ったような事実がございまして、相手方から指摘されたというような事件すら起こったのです。というのは、それは足がないからです。タクシー代もないからです。予算もないのですよ。そういう辺は、ともかく時代に合わぬような実態だということを私は指摘しておるのです。一、二例をあげました。 ですから、こん主点は、ごく卑近な例をあげたのですけれども、全体をやはり全国的に、高裁でも指揮して、そして相当重要な地位の人が歩いて現場を見る、こういうふうになさって、それを集約して、改善に資する。即刻それをする。それがほんとうに、さっきも御説明いたしました予算の執行で検査院にも問答いたしました予算の効率化という点で、まず司法そのものが国民の期待に沿う運営をされ得るということが、せっかくの人材を登用して裁判官の知脳その他の経験を十全に生かす道じゃないか。その辺の環境が悪いと、これはどうにもいきません。だからそういう点、どうでしょう。これは思いつきじゃないのです。私も何人かの人に聞いてみたのです。しましたので、ぜひともひとつ総点検するくらいなかまえで、私は、行政事務の刷新、充実というふうなことをいまやるべき段階に来ておる、こう思うのです。これはどうですか。
○大内最高裁判所長官代理者 お答え申し上げます。 ただいま裁判所の裁判並びに行政の運営全般にわたりまして、これを能率化、近代化、もっと内容を充実すべきであるという吉田委員の発言でございます。私も全くそのとおりだと存じております。現状につきまして、もちろん必ずしも完全ではございません。小型の電子計算機につきましても、卓上電子計算機につきましてもいまお話がございましたが、そういった機械も逐次整備しつつあるというわけでございますけれども、場所によりましてまだないところもあることは事実でございます。実行しておるところもあるし、実際に使っているところもあるわけでございます。自動車につきましても、現在は本庁並びに甲号支部以上の裁判所につきましては台数が行っておりますが、これまた数として十分であると申し上げることはできない現状でありますし、乙号支部もしくは簡易裁判所につきましても自動車というものは必要であるという現状も、私ども考えなければならないところであると存じます。 以上、いずれにいたしましても、裁判所のそうした実態を私どもが常に見きわめて、適時適切なる措置をとるということが非常に大事なことであります。そのためには、私どもが随時全国の裁判所にも出向きまして、お話のございましたように実情を十分把握いたしました上で、実情に即した措置をとっていくということにいたしたい、さように考えております。御期待に沿うように今後とも努力を傾注いたしたいと思います。
○吉田(賢)委員 急ぎますから、それじゃさらに裁判官並びに裁判所職員の福祉厚生の問題であります。 最近あちらこちらと、食堂とかあるいはその他のサービスの施設があるらしいけれども、これはもっと昼食でも、ないしはその他におきまして、全体としまして相当高度な計画を充実したものがあってよいのではないか。栄養の高い、比較的値段の安い、そして何でもそろっておる、こういう施設をいたしまして、そこでたとえ三十分でも休養しながら食事するというような場があっていいのではないか。これはあるところもあります。ないところもある。あるところといったところが、非常に粗末です。あの中を利用している人が何%あるだろうかとさえ私は考えられます。ですから、その辺につきまして、食堂の経営などにつきましてこの際は特段お考えになってよいのではないだろうか。ことに物価高がやかましいおりからであります。給与生活者に物価高が直接影響することは申すまでもありません。そういう際特段の配慮をするということが非常に大事でないだろうか。 さらにまたもう一点は、休憩時間に、もう少し簡単なスポーツ、簡単な庭球でも何でもよろしゅうございますけれども、何でもいいが、もっと晴れ晴れとしたある場所を提供するようなことがあっていいのではないか、こういう辺がこれは無言のうちに優遇したことにつながると思います。仕事に元気がつきます。次の労働意欲が起こってきます。しかしこれはばらばらです。東京あたりを見ましてもろくなものがありません。さがして歩いてもだれも知らぬというのが実情です。というようなことでありますので、ここは共済でやるべきかあるいはそうでないかという議論もあると思います。監督をどうするか、経費をどうするかという議論もあります。ありますけれども、どっちにしても、非常に大事な福祉厚生の一環としまして、これは現実に全国的にしかるべく実施する、そうして少数の職員等の場合は、これはまた別個の第二の方法を講ずる、こういうふうになさることが大事でないかと思うのですが、この点はいかがでしょうか。
○大内最高裁判所長官代理者 食堂あるいはレクリエーションの享受等につきましてお話がございましたが、私どもも全く吉田委員のお話のとおりだと存じます。ただいまのお話を契機にいたしまして、さらに実情を十分検討して、御期待に沿えるように今後とも努力いたしたい、かように考えます。
○吉田(賢)委員 人事院見えておりますか。——簡単にいたします。 一般の公務員が一般の民間と比較いたしまして給与待遇が必ずしも低いとは思いませんけれども、しかし都会中心とか、あるいはまたいわゆるエリートコース等になりますというと、どういうものか、公務員の志願者が全く少ないのではないだろうか。なぜ少ないかということにつきましては、これは平均給与等は相当かもしれませんけれども、将来性あるいはその他について幾多改善をする面があるのではないだろうか、こういうふうに考えるのであります。いま給与につきましては、毎年のごとく一定の率引き上げするというような方向が打ち出されてはおりますけれども、それにしましても、公務員のなり手が少ない。一流会社には何ぼでも人材が寄ってくる。一体これは何ゆえか。そこらをやはり解明していきまして、やはり国家公務員は給与の面とかあるいは処遇の面とか、適材適所に能力を十分に発揮し得るならば、それは十分に価値が認められるというような条件が整っておるかどうか。何かそこらにつきまして、相当これはもう改善すべきものがせられずにおるということがあるのではないだろうか、こう思うのであります。これらは一般的に公務員制度の改革というものも実は主張し主張し続けてきておるのでありますが、やはり触れていきますには、どうしても給与関係とかあるいは処遇関係に触れてまいります。したがって、人材多数をほしいながらも、新しい人材がなかなか容易に得られずということになっておるのが現状ではないだろうか、こういうふうに思います。最高の優秀な人材はむしろ一流の民間を望んでいくという風潮さえあるのであります。これはどういうわけか、こういうことも一つ聞いてみたいのでありますが、この点につきまして、どういうふうに人事院としてはお考えになっておりましょうか。
○渡辺説明員 お答え申し上げます。 現在、従来から人事院は、公務員給与の改善につきましては、民間の給与を正確に調査いたしまして、民間の給与と均衡がとれるというようなところで改善の勧告をしてまいったわけでございますが、それは現在でもそれが最も適当な方法であろうというふうに考えておる次第でございます。公務員の給与をどういうふうにきめるかということにつきましては、いろいろお考えもあるわけでございますけれども、要は、職員の納得あるいは信頼を得るということ、一方、納税者につきましても納得と信頼を得るということが非常に必要なことでございまして、現在やっております方法は、そういう職員のほうの側も納税者のほうの側にも納得と信頼を得られる一番手がたい方法ではなかろうかというふうに考えておる次第でございます。 ただ、御指摘のございましたきわめて優秀な人が公務員に来るのかどうか、その辺につきまして、私どもも、最近確かに公務員志望者が減っておるというような事実もございまして、これについては非常に重大な関心を持ってその対策をいろいろ考えておるわけでございますけれども、採用その他につきましても、いろいろな方策を考えていかなければなりませんが、少なくとも、給与の面でも、単に給与が低いという理由だけによってそういうことが起こるということになりませんように、今後とも十分、水準のみならず、その他のいろいろの給与のあり方につきまして十分検討した上で考慮を払っていきたいというふうに考えておる次第でございます。
○吉田(賢)委員 公務員のあり方等につきましても、たとえば、いま申した民間の一流会社等になりますと、非常に厳格な労務管理が行なわれております。たとえばある係長にいたしましても、もし与えられた職場で所与の成果があがらぬときにはすぐ左遷もされます。課長等の首は飛ばないまでも、場は変わってしまうということが厳格に行なわれております。それほどに厳格に労務管理が行なわれておりまするので、そこでまた一面信賞必罰であります。そのかわりに、能力それに伴うならば相当高度な昇進が可能であるという見込みも与えられる、こういうことになるわけであります。そこらにつきまして、先般エコノミストの高山秀男という方の、あの一種の記事によりますというと、働かずになまけておっても、長くつとめたら得だ、これが公務員だ、こんなことがありましては、それは優秀な人材は集まりません。ですから、優秀な者が天下ってはよそに去っていくということが時にあって非難の的になる。結局はだれでもが損であります。国民ももちろんのこと、当該公務員も被害者なんですから、ここは働きやすい場で、そして魅力のある職場で、将来も明るい希望を持ち得るような、そういうふうにするという諸条件を整備する必要がないか。単に給与を論議するのは少し時間もないからやめますけれども、平均値は別といたしまして、人事院のとっておられるそういう数字の組み方はともかく一応論議があるといたしまして、いずれにしても、公務員の環境の場を整備するということが幾多残っておる、こう思うのですね。そこらにつきまして、やはり改善を積極的にやるというかまえが、内閣として、人事院が当の責任者としてこれを持っておりませんと、数字を並べたら数字は民間より低くないのだ、平均値はこれだからこれをやっておけば当然いいじゃないかというような、そういう単純な考え方でないといたしましても、これはたいへんであります。というように、私は各種の面から見て、公務員の環境をもっと整備いたしまして、そしてほんとうにその仕事に打ち込んでいき得るような可能な条件をつくり出すということが、これは政府の責任である、こう考えております。それは公務員本人のためのみならず、国民もそれを喜びます。当然であります。人事院の本来の使命はそこにあると思うのですね。その辺について何か改善の方向でもありましたらお示し願って、なおこれにつきましては、もっと詳しい資料等によりましてまた別の機会にいろいろと論議してみないといかぬと思いますけれども、何か改善の方向だけでも、いま申したような点がありましたら、この際明らかにしておいていただきたい。
○渡辺説明員 公務員の給与は、現在たてまえといたしまして、職務の責任に応じてなすというたてまえになっておりまして、必ずしもいい人も悪い人も同じように上げるという趣旨ではございません。一方、勤務ぶりにつきましても、勤務評定等を行ないまして、それに応じた適切な措置をとりまして、昇任その他の給与措置をはかっているということでございます。ただ、いろいろそれらにつきましても問題もございますし、ただいま御指摘のような線は今後十分進めていかなければならないというふうに考えておりますので、それは今後いろいろと検討してまいりたいというふうに考えております。
○吉田(賢)委員 まだ人事院総裁に対する質問がありますけれども、これはまた別の機会に別の方法ですることにいたしまして、これで終わります。
○長井最高裁判所長官代理者 先ほど吉田委員のお尋ねに対しまして、数字を間違えましたので訂正させていただきたいと思います。 昭和四十六年度の予算におきまして、大型電算機導入のための実験、研究の費用といたしまして約一千百七十万円、それからただいま設置しております統計業務に使用の電算機を中型機にレベルアップいたします費用として約六百万円が認められております。先ほど逆に申し上げましたので、訂正させていただきます。
○吉田(賢)委員 了承いたしました。
○濱野委員長 瀬長君。
○瀬長委員 私の質問は主として最高裁事務総長吉田さんに対して伺いたいと思います。質問は三つの点に要約して行ないます。 一つは、復帰時点において布令あるいは布令と刑法、これは琉球刑法であります。その二つで処罰された問題などに関連して、その布令の効力について。もう一つは、復帰の時点で裁判所制度が変わる、これに関する問題についてであります。もう一つは、行政協定第十七条の実施に関し日米合同委員会において合意された事項の送付等について、これは一九五三年十一月二十七日、高等裁判所長官から地方家庭裁判所長あて、刑事局長通達で行なわれております。この確認と資料の要求、この三つにしぼって質問いたします。 布令の問題については、沖繩県民のいまの苦しみと、さらに不安、そして怒りが爆発するという問題は、これは毒ガス、核兵器、これからくる死の恐怖、それから米人犯罪、これが激増して野放しになり、裁判はほとんどサル芝居の裁判になっているというこの事実からくる不安、そして最後に復帰不安、すなわち核抜き本土並み七二年返還といいながら、返還協定の中身もわからなければ、返還された時点でどういうことになるのか、これは公務員、労働者も、さらに裁判所の職員にしてもそのとおりであり、一般県民の復帰不安は、いわゆる秘密外交の中から専権と名づけて内閣はこれを公表しようとしない、中身は明らかにならない、そういった面からきております。 最初に私、布令の問題について述べますが、これは現在でもほとんど軍事法廷は暗黒裁判の姿をとっており、常識では考えられないようなことが起こっております。これは十六年前、私自身が布令違反で軍事法廷に立たされ、結果は二カ年の重労働、この罪名は犯人隠匿と偽証罪であった。ところが、結果は、主犯すなわち私が隠匿したといわれる主犯は無罪、従犯の私は二カ年と、これこそ常識では考えられないような軍事裁判が行なわれて、もちろん私は二カ年の懲役を刑期満了して帰りましたが、私自身のことをなぜ出すかというと、基本的には、このような裁判のあり方は違っておりません。これはすでに御承知のように糸満事件、これであります。糸満の金城トヨさんという主婦がアメリカの酔っぱらい運転をした米兵によって轢殺された。そのときの現場を私は見ました。その金城さんの鮮血は糸満の大地をよごしており、大地すら怒っておる。大地が怒るのに県民が怒らないということはない。そこで犯人を渡せ、捜査権、裁判権をよこせという声が高まり、そうして裁判を公開せよと迫った。その県民の怒りの前に直面して、アメリカは裁判を公開しました。ところが、その公開した裁判が、傍聴人は制限する、しかも裁判は全部英語である。入っていった三十名近くの傍聴人は何が行なわれているかわからないうちに、ついに無罪の判決。理由は何か、無罪の判決には理由はない、これであります。殺されても、その殺人犯は無罪であるという実情、したがって、十六年前に私が現に立たされた軍事法廷と、現在民主主義の名で行なわれ、七二年返還近しというあのふれこみの裏で行なわれている布令裁判、これがいま申し上げました現実であります。すなわち、アメリカの占領支配というものを一口にいえば布令支配、そうして裁判は布令裁判、こういったことを一応念頭に置かれて次のことに御答弁をお願いしたいと思います。 まず第一に、現在まで布令で裁かれた沖繩県民の数、御存じであるか。これは布令で裁かれて、すでに刑期満了した人がいます。さらに、現在布令裁判を受けて沖繩刑務所、宮古刑務所、八重山刑務所で受刑しております。この受刑者の数、すなわち布令で行なわれた受刑者の数、現在布令裁判で審理されておる件数、この三つに分けて、大体件数おわかりであれば御答弁願って、それから次の質問に移りたいと思います。
○長井最高裁判所長官代理者 復帰いたしましてから後は、最高裁判所が責任を持ちまして司法の運営に当たるわけでございますけれども、ただいまは復帰前でございまして、行政的な関係を持ち得ない立場にございますので、布令に基づく裁判につきましては、最高裁判所からは答弁が困難でございます。所管の庁にお尋ねいただきたい、このように考える次第でございます。
○瀬長委員 私がそれを質問いたしましたのは、裁判所から職員が沖繩に来て、よう調査しております。事実知っております。そういった意味で御存じじゃないかと思って質問いたしましたが、これに関しては、もし資料があとでまとまるのであれば出していただきたいと思います。 さらに、次に質問の第一項でありますが、現在布令で裁かれて、そしてすでに刑期を終えた人、これは私も含めてであります。これの沖繩が祖国に復帰した時点では、布令で裁かれた人で、現在釈放されて刑期満了で出ておる者たちは、復権の問題があります。これは、復帰の時点には布令がなくなるというたてまえからすると、当然復権することになると思いますが、この点について、いわゆる前科者という形でいま取り扱われております。この布令で裁かれた者は、主としてアメリカの軍人軍属に対する強盗あるいは窃盗、あるいはアメリカの財産を破壊したという名目でほとんどやられておりますが、この復権の問題についてどうお考えですか。この点を明らかにしていただきたいと思います。
○長井最高裁判所長官代理者 ただいまのお尋ねの復権の問題につきましては、復帰協定並びに立法事項でございまして、政府の所管となっておりますので、最高裁判所としては、この問題については所管庁となっておりませんので、お答え申し上げることが困難でございます。 御指摘のように、最高裁判所から今年度も四班にわたりまして調査の班が沖繩に参りましてつぶさに調査をいたしましたが、これは復帰が実現いたしました際に、現実に行なわれている司法をいかに円滑に、そして二十五年の労苦をしのんで沖繩の司法、治安の維持に挺身された職員の皆さん、また、司法制度というものを円満に引き継ぐための準備調査でございまして、ただいまお尋ねのような点までは残念ながら調査いたす権能がございませんでしたので、そのような観点から御了承いただきたいと思います。
○瀬長委員 裁判の効力について、いわゆる復権の問題について、最高裁では見解はお持ちじゃないわけですか。復帰の時点で布令は一応なくなる。この布令で裁かれた者で、すでに刑期を終えておる。だが、沖繩では外国といわれておるので、法域も違うといわれておるのでこれは前科者扱いにされておる。こういったものについて最高裁の見解はありませんか。
○長井最高裁判所長官代理者 復権の問題につきましては、復帰協定並びに立法事項でございまして、政府におきまして所管いたしております。最高裁判所としては、この問題については政策上の見解というものは持ち合わすべきでないと考えますので、さよう御承知おき願いたいと思います。
○瀬長委員 これもそうですか。いわゆる布令で裁判され、その結果受刑しておる、この受刑中の者の裁判の再審の問題、さらに、現在布令にかかって裁判中の者、これはたとえばコザ事件があります。コザ事件は、最初は放火それから公務執行妨害、器物破損、こういったもので起訴していたが、最近では政治の反動化とも関連いたしまして騒擾罪、いわゆる騒乱罪を適用しようということで、相変わらず逮捕者が出ておる。これは当然復帰まで続くとわれわれは見ております。こういったような裁判所で係争中の布令で行なわれておる者の引き継ぎの問題、こういったいわゆる受刑中の者で再審するという問題と、さらにこれを引き継ぐ問題についても所管が違うわけですか。違うから答えはできないというわけですか。
○長井最高裁判所長官代理者 そのとおりでございまして、これは引き継ぎにつきまして、外交上の復帰協定並びに国内的にはどのような形で引き継ぐかという法律の制定をまちまして、その法律の適用、執行につきましては裁判所が責任を持つ筋合いになりますけれども、引き継ぎの基本となりますところの法律及びその法律に関する諸般の法令、これにつきましては政府の所管されるところでございますので、最高裁判所としてはお答えできないことでございます。
○瀬長委員 私聞きたいのは、復帰対策庁でそういった諸問題についてはもちろんいろいろ総括するでしょうが、さらに返還協定の主管省は外務省である、これもわかっております。だが、復帰対策庁、いわゆる総理府の中にある復帰対策庁でいろいろな問題をまとめる場合には、各省そして各関係の担当官が集まってそこで討議する、そうなりますと、担当官はやはり私はこう考えるということがあってはじめて復帰対策が全体としてまとまる。いまの返還協定の中に裁判権の問題なども規定されるでありましょう。そういったものを規定する場合でも、各省の担当官、専門家、これが自分たちはこう考えておる、これが総合されてはじめてでき上がるものである。いまその経過であると思うのだが、その点をあなた方裁判所の意見を聞きたいわけなんです。
○長井最高裁判所長官代理者 お答え申し上げます。 ただいま御指摘のように、沖繩復帰対策庁、各省庁担当官会議というものがございまして、お尋ねのような諸問題を検討されております。ただ、裁判所は行政機関ではございませんので、この庁にはオブザーバーとして列席はいたしておりますけれども、これは復帰に関する諸法令が整備されました後の受け入れの能力等につきまして御説明は申し上げますけれども、この席における責任というものを負う立場にはございませんので、これは外務省もしくは法務省で所管しておられます。したがいまして、私のほうではお尋ねの問題には残念ながらお答えすることが困難な立場にありますことを御了承いただきたいと思います。
○瀬長委員 オブザーバーでもできないということはないと思いますが、この点、あまり深入りすると時間がなくなりますから次に移ります。 二番目に、裁判所制度が変わる、こう思うのです。この裁判所制度が変わる場合に、第一番にお聞きしたいのは、現在硫球に最高裁判所がありますが、高等裁判所の支部と名づけられるのですか、これを那覇に置かれることになりますか。あるいは戦前のように、沖繩にはそういった高等裁判所の支部など置かないで、長崎あたりに出張してやるといったようなことがあったわけですが、県民の要求は支部を置けという要求でありますが、これについての御見解はありますか。
○長井最高裁判所長官代理者 沖繩のほうに、高等裁判所の支部を那覇に設置してほしいという強い要望のございますことは、私のほうも十分承知いたしております。ただ、この問題は大きな復帰対策の一環として考えられるべき問題でございますし、また、政府におきまして、沖繩にどのような政府機関を設置し、復帰事務を推進するかということについてはいろいろの御意見もあるようでございます。裁判所といたしましては、やはりそのような復帰対策全般を考えました上で高等裁判所支部の設置の問題を決定いたさなければならないと考えますので、ただいま御要望の向き、また高等裁判所支部設置につきましてのいろいろの諸要件を詳細に検討中で、結論を得ておらないわけでございます。ただ、考え方の基本といたしまして、先ほども申し上げましたように、二十五年間の御労苦、また現に高等裁判所が那覇に設置されまして、司法的な救済が上訴審の形でも与えられております。そのような点は十分念頭に置きまして高等裁判所の支部の設置の問題も結論を得たい、このように考えておる次第でございます。
○瀬長委員 次に、これと関連いたしまして、いま裁判所職員が約四百名を突破しておると私は見ております。その判事の任命あるいは調査官等、裁判所職員の仕事、身分の保障、具体的に言えば、さっきも質問の中にありましたが、思想や信条のいかんによって現在の資格のある裁判官でもこれを差別するということはないでしょうな。しかもこの問題は、たとえば司法における裁判所職員の労働組合、この労働組合の活動家という意味で差別して整理したり、配転したり、首切ったりするというようなことはないと思うし、また、あってはいかないと思うのですが、それに対するはっきりした見解を述べていただきたいと思います。
○長井最高裁判所長官代理者 復帰の際におきましては、もちろん現在もさようであるわけでございますけれども、日本国民として憲法及び法律の権利を有し、その保護を受けるわけでございますから、先ほど来人事局長がお答えいたしましたように、憲法のもとにおいて日本国民としての権利を十分に保障されているわけでございます。そのような形で、憲法及び裁判所法に従いまして、現在沖繩におられる裁判所職員の方々を日本にお迎えすることになるわけでございます。 なお、日本の裁判官、国家公務員として復帰いたします問題につきましては、基本要綱等の関係もございますので、その基本精神に照らしまして御労苦に十分お報いできるような措置をとりたいと、私ども努力したいと考えておる次第でございます。
○瀬長委員 次に、裁判所が非常に反動化しておることについてですが、これは去る九日昼過ぎでありますが、裁判所構内で司法関係の職員が大会を持った、これに対して機動隊が導入されて、け散らされております。このことは、七〇年の二月六日に硫球高等裁判所規程第一号、裁判所の庁舎等の管理に関する規程が設けられて以後許可制になった。いままでは、それなくしても裁判所構内あるいは庁舎を利用して職員は大会を持ち、集会を持ち、討論会を持っていた。ところがそれが発表されて、いま申し上げる九日に抗議集会を持ったら、機動隊が導入されて、司法権の独立という問題に関連する事件が発生しております。復帰時点に、もしこのようなことがあればどうするかということを非常に懸念しております。こういった問題について事務総長はどうお考えであるか、この点を一応はっきりさしていただきたい、こう思います。
○吉田最高裁判所長官代理者 ただいま沖繩の裁判所における司法の反動化に関しまして、職員の大会に機動隊の導入などがあったということでございますが、沖繩の裁判所は、御承知のように現在はまだ最高裁判所の所管に入っておりません。そんな関係でこういう事実の詳細について私ども存じません。その点はひとつ御了解いただきたいと思います。
○瀬長委員 もちろん法域も違い、施政権はアメリカにある。佐藤さんもいつもそれでもって逃げておられますが、そういったような司法権を侵すようなことは、それはあまりいいことではないというくらいの見解を持っておられるのじゃないかと思って、私聞いたわけなんです。そこら辺どうなんでしょうか。機動隊を導入する前に職員と裁判所が、判事あたりが相談して、合意のもとでやれるようなことを、わざわざ機動隊を導入した。あんな神聖とかいわれておる裁判所を機動隊がけ散らしている。こういったことに対する何か見解ございませんか。一般的にでいいのです。
○大内最高裁判所長官代理者 ただいま事務総長から御答弁申し上げましたように、沖繩の裁判所の庁舎管理に関する事項につきましては、沖繩の裁判所がなさっていることでございますし、私ども具体的な事情を何ら承知いたしておらないわけでございます。ここで私どもの意見を申し上げるということはできがたいことでございます。さように御了承いただきたいと存じます。
○瀬長委員 では次に、いまさっき申し上げましたあの糸満事件、これはほんとうに轢殺されて、轢殺したアメリカの犯人が無罪だ、この件について琉球警察の交通課長、これすら現地へ行って調べた結果、どうもわからぬということを言っておるような状況、こういった裁判について、あなた方は最高裁におられる人であるので意見もあると思うのです。これについて私、内閣に質問主意書を出しましたら、現在施政権が及ばないので、再審を要求するということはできないのだという内閣の答弁がありました。この点について、裁判官あるいは最高裁として、このようなものが事実許されていいのかどうか。殺されたんだから、犯人は現に証拠も十分整っているということを琉球警察すら言っておる。これがしかし、ああいった暗黒裁判で無罪、こういったものが事実日本国の一部の沖繩にあるわけであります。それで、沖繩県民は日本国民であるとだれでも認めておる。日本国民が殺されても、殺した者は無罪だという判決についての御意見はございませんか。
○長井最高裁判所長官代理者 事案は非常にお気の毒な事案でございますけれども、最高裁判所といたしましては、現に憲法が施行されている地域につきましてのみ司法の責任を持つ機関でございますので、その点についての意見は申し上げるべきではないと考えておりますので、答弁は差し控えさせていただきたいと思います。
○瀬長委員 最高裁というのは妙なところだな。 次に、最後の質問に移ります。「行政協定第十七条の実施に関し日米合同委員会において合意された事項の送付等について」、これは昭和二十八年十二月十二日、刑一第一七三六〇号、高等裁判所長官から地方、家庭裁判所長あて刑事局長通達として出されております。この通達、すなわち日米合同委員会において合意された事項の送付についての中身は、一九五三年十一月二十七日、刑事裁判権に関する分科委員会、この刑事裁判権に関する分科委員会合衆国側委員長アラン・ビー・トッド、日本側委員長は刑事裁判権に関する分科委員会の日本側委員長津田実の名前で、一項目から四十九項目にわたって出されているもので、その中で第八項、これを私非常に重視しております。 これは「行政協定第二条に基き合衆国軍隊が使用する施設又は区域で許可なき立入が禁止されている地域の境界は、日英両国語をもつて左記の趣旨を記載した標識又は示標によって明確にされるべきものとする。「合衆国区域(施設)在日合衆国軍隊 許可なき立入は日本国の法令により処罰される。」 区域又は施設の一覧表及び法律上の記述は日本国の官報及び合衆国軍隊の公刊物に公表する。但し、その軍事的性質により、特定の施設又は区域は公表する一覧表の中に含めたい。」さらにアメリカの飛行機が基地外に墜落した場合のことも書かれております。これは沖繩県民は実に苦しい体験を持っております。B52、これは嘉手納基地内に墜落しましたが、基地外の墜落も実に多数起こっております。これには二十項、「合衆国軍用機が合衆国軍隊の使用する施設又は区域外にある公有若しくは私有の財産に墜落又は不時着した場合には、適当な合衆国軍隊の代表者は、必要な救助作業又は合衆国財産の保護をなすため事前の承認なくして公有又は私有の財産に立ち入ることが許されるものとする。」こういったようなことも含まれております。 第一番目に読みましたのは、今度日米行政協定なる二国間条約、すなわちサンフランシスコ平和条約、四十八国間の結んだ多数国条約から二国間条約になってくる。三条の効力はなくなると書くでしょう。ところが、その場合に安保条約は当然適用され、この地位協定、行政協定が適用されるならば、いま読み上げました八項は、秘密基地、いわゆるあらわれない基地が現に日本本土にも存在することを物語っております。 質問は、この通達が出されたかどうかの確認であります。それだけなんです。実際おわかりだろうと思うのですが、これは吉田事務総長からお答えしていただきたいと思います。
○長井最高裁判所長官代理者 地位協定とそれに関する合意の執行の問題でございまして、これは政府、津田次官というお名前も出ましたので法務省の所管かと存じますが、裁判所といたしましては、この問題は権限に属しませんのでお答え申し上げることはできません。
○瀬長委員 これは、はっきり高等裁判所長官、地方、家庭裁判所長あて刑事局長通達で出ておりますけれども、法務省の管轄ですか。
○牧最高裁判所長官代理者 お答え申し上げます。 先ほどお読みいただいたものは、法務省とアメリカ合衆国との間でつくられました議定書の付属文書、そういうようなものを裁判所が、こういうものができたということで各高等裁判所、地方裁判所に通知しただけのことでございまして、ちょうど法律の発布いたしました際にその法律を流すと同じように、その内容をただ各裁判所に連絡いたしただけの文書でございまして、内容は政府の所管事項のことでございます。
○瀬長委員 失礼ですが、あなた、お名前は何というのですか。
○牧最高裁判所長官代理者 刑事局長の牧と申します。
○瀬長委員 それだけ知ればいい。これはどこで所管しようが、裁判所長官からこれあて出したということが確認されればきょうはいいのです。現に出ておるのです。いまの答弁でそれを確認されるわけですね。
○牧最高裁判所長官代理者 通知いたしました。
○瀬長委員 時間がありませんから、次に要望です。 いま申し上げました八項目すなわち「区域又は施設の一覧表及び法律上の記述は日本国の官報及び合衆国軍隊の公刊物に公表する。但し、その軍事的性質により、特定の施設又は区域は公表する一覧表の中に含めない。」この資料、どこどこにそういった地域があるのか、この資料をまとめて提出してもらうよう私は要望いたしまして、質問を終わりたいと思いますが、できますか。
○牧最高裁判所長官代理者 御要望の点も法務省の所管でございますので、法務省のほうに資料をお尋ねいただけたら幸いかと存じます。
○瀬長委員 これで質問を終わります。 ————◇—————
○濱野委員長 次に、歳入歳出の実況に関する件について調査を行ないます。 質疑の申し出がありますので、これを許します。浅井美幸君。
○浅井委員 私は国有林の質問をいたしますが、林野行政についての問題であります。 わが国の国有林は、林産物の生産及び国土保全その他の公益的機能を通じて国民経済の発展と国民生活の向上寄与していますが、私は本日、特に国有林の販売について、適正に行なわれているかどうかお伺いいたします。 まず最初に、国有林の財産でありますけれども、国有林の面積あるいは材積はどのくらいあるのか、またその資産を金額にすると幾らになるのか、まずお伺いをしたいと思います。
○松本(守)政府委員 お答えをいたします。 国有林の面積は七百六十万ヘクタールでございます。それから蓄積が八億三千五百万立方メートルでございます。資産として見積もられておりますのが九千六百五十億円でございます。ただし、これは昭和二十九年の評価であります。
○浅井委員 国有林野事業の中に造林事業と林産物の販売事業とありますけれども、森林資源に関する基本計画と、重要な林産物の需要及び供給に関する長期の見通しについては、どのような基本計画と販売の見通しを持っておられるのか、この点について御説明願いたいと思います。
○松本(守)政府委員 造林については、昭和九十年までに三百三十万ヘクタールの人工林をしようという計画が樹立をされております。 それから販売につきましては、これは昭和九十年のものはできておりませんが、経営基本計画、これは昭和四十四年の四月に策定をされまして十五カ年間の計画でございますが、それによりますと、立木の伐採量が年平均にいたしまして二千九十六万立方メートルでございます。
○浅井委員 よくわからないんですけれども、あなた方が閣議決定等でいろいろと出されておる需要の見通し等については非常に伸びておる。木材の国内需給量は逐次増大し、昭和三十七年から三十九年の三カ年平均の五千百万立米から五十年度は七千六十万立米、九十年度は一億三千二百万立米に達する、このようなことでの需給計画を見通しておられるはずであります。 〔委員長退席、高橋(清)委員長代理着席〕 次の問題に移りますが、この経営基本計画ついて単年度の業務計画を一応出されております。そこで、過去三カ年、四十二年、四十三年、四十四年の国有林の販売実績と全国の販売方法別の販売件数をお聞かせ願いたい。
○松本(守)政府委員 三カ年の販売実績でございますが、立木のうち用材は四十一年度が千百三十一万三千立方でございます。それから四十二年度が千万四千立方でございます。四十三年度が九百八十九万八千立方、四十四年度を申し上げますと、千百二十九万六千立方でございいます。 それから素材の丸太の分でございますが、四十二年度が五百七十三万四千立方でございます。四十三年度が六百万立方、四十四年度が五百九十七万四千立方でございます。 それから販売件数でございますが、これは全国計で申し上げますと、四十二年度が十一万七千百七十二件でございます。四十三年度が十一万五千六百四件、四十四年度が十一万四千四百四十件でございます。 販売方法別に申し上げますと、四十二年度、三年度、四年度と順に申し上げます。一般競争、三万六千四百八十八件、三万七千七百七十八件、三万六千六十八件。指名入札が、一万七千九百九十二件、一万七千五百九十件、一万六千六十六件。随意契約、六万二千六百九十二件、六万二百三十六件、六万二千三百六件、以上でございます。
○浅井委員 次に、国有林の販売方法について、いま一般競争と指名入札と随意契約の方法別の話がございました。この三つがいま原則としてとられておりますか。そのほかにありますか。
○松本(守)政府委員 その三つだけでございます。
○浅井委員 これらの入札あるいはまた契約は厳正に行なわれておりますか。
○松本(守)政府委員 厳正に実施をいたしております。
○浅井委員 そこで公売、すなわち一般競争入札といわれるものについてお伺いしたいのですけれども、入札に際して、一たん入札したものを取り消したり、あるいはまた無効にすることはできるか、この点についてお伺いしたい。
○松本(守)政府委員 一般入札を取り消しする場合は、入札者が入札を取り消す場合と、執行者が取り消す場合、二つの場合が考えられますが、通常、入札者が取り消しをする場合には、それは認められておりません。そこで、入札執行者、営林署長でございますが、それが、入札している者が談合している、連合しているというような場合には、その入札そのものを取り消すということをいたしております。 入札を無効にする場合、その理由といたしまして、当初公告において示した資格を欠くもの、入札資格がなかったもの、それから入札金額とか氏名等が明らかでないもの、また三番目に、入札書に入札者の署名とか調印がないもの、四番目に、入札保証金の納付がないか足りないというような場合には無効にいたしております。最後に第五番目に、公序良俗に反する入札または錯誤に基づくもの等、民法上法律行為が無効とされておるもの、以上五つの場合に入札を無効としております。
○浅井委員 ここで、そのように厳正に行なわれているべきはずであり、また、国有林というものは国民の財産であり、国有財産ですが、その売り払いについて不正の事実がある。 それは日本三大美林の一つといわれておるいわゆる木曽のヒノキ、この公売にあたって、本来入札の一番高額表札をさした一番札、これが署長によって握りつぶされて、二番札が一番札として落札している、こういう事実を私は調査しております。その点について長官は知っておりますか。
○松本(守)政府委員 その点につきまして、先生のほうから、そういう事実があるではないかということを、先日業務部長を通じまして伺っておりますので、その事実をいま調査中でございます。
○浅井委員 これは長野営林局の管内にある上松運輸営林署、この営林署が行なった事件でありますけれども、公売官署が上松運輸営林署、公売の責任者が上松運輸営林署長、同じく経理課長の八幡清、これが行なった昭和四十五年七月七日の公売でありますけれども、この公売件数についてはお調べになっておりますか。また、特にその中で入札第十九号及び三十五号、四十三号、四十七号、四十九号におけるそれぞれの入札順位あるいは入札金額、入札者の氏名及び落札者氏名をお伺いしたいと思います。
○松本(守)政府委員 七月七日のが七十件ございます。 あと、いま先生のおっしゃいました物件の落札状況、これは業務部長のほうからお答えさせていただきます。
○福田説明員 七月七日の公売について、ただいま先生御指摘ございました落札状況については、先般営林署から聞き取りましたところ、十九号物件につきましては、落札者は吉田末一郎、三十五号物件につきましては中村実保、四十三号物件につきましては小木曽伝、四十七号物件につきましては恒川松彦、四十九号物件につきましては原守夫、七月七日の公売の中で先生の御指摘いただきました点についてはそのようになっております。
○浅井委員 私はいま最高落札者だけを聞いたのではない。いまの十九号から四十九号までにおけるところの五件の入札の順位、一位から最後まで、入札の金額、入札者の氏名、そしてさらに落札者の氏名を私は聞いたのです。あなたは一番最後の落札者しか答えないじゃないですか。
○福田説明員 十九号物件につきましては、一番札は二百六十六万円、ただいま申しました吉田末一郎、二番札につきましては二百六十五万九千九百九十円、三番札につきましては二百六十五万七千円、こうなっております。 それから三十五号物件につきましては、一番札が一ただいま一番札と申しましたが、これは落札しましたものでございます。落札しましたものは三百十一万九千十円、これは中村実保でございます。二番札が三百八万九千九百円、それから三番札が三百三万九千百円、これは名前はちょっとまだわかっておりません。 それから四十三号物件につきましては、一番札が四十八万九千円、小木曽伝でございます。二番札が四十八万八千円、三番札が四十八万七千一円。二番と三番につきましては、名前がちょっとわかっておりません。 四十七号物件につきましては、一番札が二百七十五万一千三百九十円、恒川松彦、それから二番札が二百七十二万八千九百九十円、三番札が二百七十万六千円。二番と三番はちょっと名前はわかっておりません。 四十九号物件につきましては、一番札が五百四十六万一千十円、原守夫、二番札が五百四十一万一千百円、三番札が五百三十三万七百九十円。二番、三番はちょっと名前はわかっておりません。そのように報告を受けております。
○浅井委員 私は三位まで聞いたのではないのです。たとえば入札第十九号なら、何人の入札者があったのか、それで一位から最後までどうなったのか、この件数によって全部最後まで教えてもらいたい。私の調べでも、二番、三番は全部わかっておる。これは先日通知しておいて、この件について質疑をすると言ったわけです。それにもかかわらず、きょう答弁するにあたってそういう名前まで調べてこないというのは、あなた不誠意過ぎませんか。
○福田説明員 各番号につきまして、入札しました件数、それらを含めましてただいま詳細調査中ではございますけれども、手元にあります報告では、十九号は八枚、三十五号は十四枚、四十三号が七枚、四十七号が九枚、四十九号が九枚、かようになっております。
○浅井委員 いまあなたがおっしゃった一番札というのは、私の調べたところによれば二番札であります。一番札が明らかに落ちておる、この五件は。この事実を私はいま申し上げたいと思うのです。 入札第十九号は、第一位は握りつぶした。金額は二百八十四万九千八百円、田中卓見、これが第一位の入札者であります。入札第三十五号は三百八十八万九千円、勝野金政、これが第一位の入札者であります。入札第四十三号は五十二万三千四百五十円、宮原道晴。入札第四十七号は三百二万九千円、田中卓見。入札第四十九号は五百八十八万九千円、久保田長寿。これらはいまあなたの報告の中にない。ところが、明らかにこれらはこの公開入札において一番札を入れておるのじゃないですか。これはどうですか。長官、答えてください。
○松本(守)政府委員 金曜日の日に、そういう事実があるということを先生のほうからお聞きをいたしまして、局の関係者、営林署の関係者を急遽呼びまして調査したのでありますが、何ぶん急でありましたので、詳細がわからないということで、目下——きのうでございますが、林野庁の監査官をはじめ、数名をいま派遣をして、その間の事実を調査中でございます。まあ、そういう一番札があったかどうかということ、あったとすれば、なぜそれが無効なり取り消しなりをされたかという実態を調査すべく、いま派遣をしております。
○浅井委員 これは入札書の写しなんです。これは、いまあなたがおっしゃった十九号、三十五号、四十三号、四十七号、四十九号の入札書なんです。いわゆる七日に行なわれた入札書ですよ。 〔高橋(清)委員長代理退席、委員長着席〕 これもそうです。これは件数で二番の者が一番に訂正され、三番の者が二番に訂正されておる。これは部長も確認をされたのです。そうですね。
○松本(守)政府委員 それは先生から承ったのです。
○浅井委員 あなた、確認したでしょう。
○福田説明員 入札書を見たのです。
○浅井委員 見たとおっしゃる。——こういう事実がある。これについてどういう考えですか。私は調べるというよりも、その事実を聞いておる。
○松本(守)政府委員 まあ、こういう入札書の写しがあるということは伺っております。ただ、この入札書の本物が営林署にあるかどうかということも含めまして、いま調査中でございます。これは調査してみませんと、こういうことがあったとしても、なぜそういうことが行なわれたかということの原因がわからないと思いますので、もうしばらく時間をおかしいただきたいと思います。
○浅井委員 さらに十月十五日分について、入札第四十八号、これにまたおかしなことが起こっておる。第一位に入札した者は七百八十万三千六百円で佐川好一、これが実際落ちたかどうか知らないけれども、一番札にすりかえられたのが七百三十一万九千円、池田作二、これが一番札になっておる。二番札が七百二十万七千九十円で恒川松彦、三番札が七百十八万一千円、武居猛夫、これが十月十五日に公売されて、十九日に契約をやっておる。二十八日に担保の提供を行なって、十一月二日に引き渡し、十三日に佐川好一が運搬をしておる。この二番札に落ちた池田作二が運搬するのではなくて、池田作二の落とした分を一番札を握りつぶされた佐川好一が運搬しておる。この事実は、長官、どうですか。
○松本(守)政府委員 こういうことも含めまして、いま調査中でございます。 佐川好一が一番札を入れたのに取り消されておる、二番札の池田作二が一番札に上がっておる、その現物を取り消された佐川が運搬をしたというようなことを、先生のほうを通じまして伺っております。また営林署長からも、そういう点を調査をしたのでありますが、詳細がどうしてもわからないということであります。その佐川好一が、はたして運搬だけ請け負ったのか、自分の工場に入れたのか、そういう突き詰めた調査を、林野庁としましても、本格的に、厳正にいま監査をしてみたい、このように思っております。
○浅井委員 長官、先日お呼びになったときにあなたは署長に会いましたか。
○松本(守)政府委員 私は会っておりません。業務部長が会っております。
○浅井委員 業務部長が会われたときに、署長はどういうふうにこのことについて話をしておりましたか。
○福田説明員 先生から話を承りまして、先週のことでございますが、署長には、こちらのほうから調査に参ろうと連絡いたしましたところ、たまたま、資料を持って説明に出たい、こう申しておりましたので、私、会いまして、その事情を聞いたのでございます。 昨年の七月、十月、確かにそういう一番札を無効とした記憶があるけれども、その証拠物件を実は残していないために、実情については正確な記憶が薄れておる、関係者等に一応また聞いてよく調べたい、こう申しております。そこで、私のほうから、先ほど長官が申しましたように、監督官をはじめ、林野庁からも派遣しましたり、あるいはまた営林局のほうからも監査官を動員しまして、その事実の究明に昨日から着手しておるところでございます。
○浅井委員 さらに、これはヒノキではありませんけれども、ケヤキの直径一メートル余りのものが昨年十月に貯木場に出されて、公入札で出されたわけです。この公入札をするはずであったのが随意契約をしておる。現物を見た営林署の人の話では、一本二百万円くらいは十分するであろう、そう言われたのに、営林局の命令で名古屋の業者に指名して、三十六万円で随意契約をした、そういう事実はどうですか。
○福田説明員 この問題については、私はただいま初めて承ったのでありますけれども、事実をさっそく調査したいと思います。
○浅井委員 これはけしからぬ事実であります。こういう不正な入札が行なわれておるのであったならば、われわれは安心して国有林の財産をまかしておけない。あるいはまた、林野行政について私たちは大きく疑惑の念を抱かなければならぬ。この長野営林局の発行しておるところの林産物関係の入札注意書には、「投函した入札書の引換え変更または取消はできない。」とある。どういう理由で一番札をはずして二番札に落札さしたのか私たちには想像もつかない。長官、どういうことでこういうことになるんでしょう。
○松本(守)政府委員 これはたくさんある例ではございませんが、けたを間違えて入れてしまったとか、それから丸太を積んであるものが、これは営林署でははい積みと言っておりますが、このはい積み番号を勘違いをして入れたというような場合には、これは常識から見てどうもおかしいという場合には、むしろ営林署長のほうからはかって、これはあなた、勘違いしているのじゃないかというようなことで取り消しをする場合はございます。しかしそういう例はたくさんはございません。普通の相場常識的に見てとても考えられないような場合にはそういうこともあるわけでございます。
○浅井委員 いま長官が言われたのは錯誤ですね。いわゆる記載におけるところの錯誤、それはいま言ったように、けたはずれの場合であります。ところが、いま私が申し上げたように、入札の第十九号を見ましても、約二十万円の差です。入札四十三号は四万円の差です。四十七号は三万円です。四十九号は四万円の差なんです。こういうことについて、このケースが、あなた方今後の調査において判明するでありましょうけれども、私の調査では判明しておる。こういう数字について、長官、これで記載の錯誤だとか、あるいはまた金額の錯誤ということについて認められますか。
○松本(守)政府委員 金額の点、それから一番札と二番札の値開き率といいますか、そういう率からいきましても、普通それくらいはしばしばある差でございますから、それをもって錯誤と認めるかどうか、非常にむずかしい問題だと思います。いずれにしても、その取り消しをした理由を詳細に厳正に調査をしてみたいと思っております。
○浅井委員 あなたの御答弁で、こういう数字の上におけるところの錯誤は、これは認められない。錯誤がないし、また、いわゆる厳正公平な公開入札が行なわれたのにもかかわらず、このようなことが起こっておる。 私はもう一点伺いたいのです。この一番札に入札したものを、これは署長が握りつぶした。握りつぶしたことを、ほかの業者や、あるいはまた一番札を入れた人たちが、全然これに文句を言っていない。そうして明らかに、一番札を最初に入れた者が、二番に落とした者から品物をもらい受ける。実際落札した者は二番札の者であった。ところが、それを横から今度は、何らかの談合か話し合いか、どういう形で行なわれたか知らないけれども、実際の物品は一番札を入れた者が持っていく、そうして署長もそれを知っておって、そういうふうに握りつぶす、こういう事実があったならば、長官、どうしますか。
○松本(守)政府委員 いずれ厳正に調査をいたしまして、その責任者それぞれ不正というものがそこにあるとすれば、厳正な処置をさしていただきます。
○浅井委員 この事実について、業者との談合がなければできない。明らかに署長と業者はなれ合いである。この署長は、前々からのいろいろなうわさによれば、業者からの供応を受けておる、そうして買収されているのではないかという疑いまで出ておる。いまは本庁におられるあるお役人でありますけれども、かつて営林署の署長をやっていたときに、お中元やお歳暮なんというものは業者から山と積まれる。私たちがちょっとでもすきを見せたならば、それこそ業者はウの目タカの目、この公売責任者であるところの署長に対する買収供応というものは、執拗に繰り返して行なわれる、そういうことを漏らしておった人がありましたけれども、いまの全国の林野行政において、そういうことがしばしば行なわれているのですかどうですか。
○松本(守)政府委員 そういうことのないように、通達なり、局長会議なりを開催しますつど、綱紀の厳正なる維持という点につきましてはしばしば注意をいたしております。全国的にはそういうことはないものと確信をいたしておりますが、今回の例は、はたして調査してみないと一なぜそういうことをやったのか、そういうことが事実なのか、もう少し調査をさしていただきまして、時間をおかしいただきたいと思います。
○浅井委員 ただいま申し上げたのは、私のほんの数日の調査において判明したわけです。これは外部においてははかり知ることができない。また、そういうことは起こるか起こらないかは監視することはできない。しかしながら、常々国有林をめぐるいろいろな黒いうわさ、黒い霧というものがいわれてきた。しかし、いま現実にこういうものが起こっておる。今回の、私がいま指摘しただけでも百六十九万九千八百四十円のこの損失です。わずか五件です。これは一日の入札約七十件の中で行なわれた五件です。これらの国損に対して、一体長官はどういうふうに考えておられますか。
○松本(守)政府委員 これは調査を一応やらしていただきたいと思うのであります。そういう一番札が、落札、契約をしたほかにあったのかどうか。先生のこの資料を全然信用しないというわけではございませんが、もう少し林野庁は林野庁なりの調査をやらしていただきたいと思うのでありますが、こういった事例は、しかも一回の入札の日に大ぜい集まっている業者もおるわけですから、常識的にはこういう事実は普通考えられない事実であります。そういうことがあっちにもこっちにもあるのだということを言われますと、はなはだ心外でございますが、そういうことのないように、今回も十分調査してつとめたいと思います。
○浅井委員 あなた、いま心外であるとおっしゃいましたけれども、先ほど業務部長のお話の中にも、署長はそういうことがあったということを認めているじゃないですか。どうなんですか。署長は認めている。そういう一番札を二番札と切りかえたということはあると言っておるじゃないですか。あなた、心外だ心外だ、私が出した証拠を信用しないのではないけれども、というただし書きでありましたけれども、私がうその書類をここに、こういう委員会に持ってきてしゃべるわけはないでしょう。心外だと言うけれども、事実あったじゃないですか。どうなんですか。
○松本(守)政府委員 いま、この先生の資料を心外だと言ったのではございません。こういうことがあっちにもこっちにも全国的にあるのではないかということ、そういう心配があるのではないかということに対しましては、そういうことは全国的にはもうないのだ、常識的にはあり得ない、たまたまこの営林署でこういうことが行なわれておるという先生からの御指摘もありましたので、十分調査をして、それに対する処置を検討をさしていただくということでございます。
○浅井委員 このようなことが習慣的に行なわれていたとしたならば、また長年にわたって行なわれていたとしたならば、わずか一日の金額でもこれだけです。近年、この農林事業の中の林野庁の行政というものは赤字になっておる。最近ずっと赤字でしょう。赤字であるのに、わざわざ国損をして安い者に落としているという業者に対する過剰サービス、一部の業者から利得を受けて、利権を受けて、安いものを提供するというような法の番人があっていいかどうか。これは一体どうなんですか。
○松本(守)政府委員 繰り返し申し上げるようでございますが、入札の場合には、もしかりに不正がありとしても、署長だけではなかなかできない仕組みになっておる。いろいろ内部牽制の仕組みがつくられておりますのでそういうふうに思うのでございますが、今回の場合、なお十分調査させていただきまして、こういうことがどうして起こったのか、こういう事実がなぜ起こるのか、ほんとにこういうことがあったのかということまで含めまして、ひとつ十分調査させていただきたい。
○浅井委員 あなたは、内部においての機構は、こういうことはなかなかできにくい仕組みになっておると言われておるにもかかわらず、正々堂々とこういう不正をやっておるじゃないですか。きょうはここに会計検査院の方もお見えになっておりますので伺いますが、こういう事件について、こういう点についてどのようにお考えですか。
○田中会計検査院説明員 お答えいたします。 ただいまの問題につきましては、四十五年度の問題でございまして、私どもまだ実地検査をやっておりません。したがいまして、ここで意見を述べることは差し控えたいと存じますが、そういう事実があったかどうか、今後の検査において十分見てみたいというふうに考えます。
○浅井委員 もしあったらどういうことになりますか。私が先ほどから述べておるような事実がもし事実行なわれておったならば、どういうことになりますか。
○田中会計検査院説明員 もしただいま先生がおっしゃいましたようなことが事実行なわれておるといたしますと、予責法の六条によりまして、故意または軽過失があるかどうかということを判断いたしまして、故意または軽過失があるという判断をいたしました場合には懲戒処分の要求になろうかというふうに思います。
○浅井委員 私の推算でいきますと、もしこういうふうな盲点をついて、いわゆる会計検査院の検査も四十五年度はまだ行なわれていないが、四十五年度にこういうことがずっと全国的になれ合いで習慣的に行なわれておったとしたならば、年間約三万六千件のいわゆる入札がありますが、七十分の五として、それにかけるところの三万六千かける百七十万、これを計算しますと、約四十三億の国損になるのです。いまあなたは、全国的にはそういうものは行なわれていないと信じていらっしゃる。あなたの部下がやっていることは正しいことをやっているという、これはあなたの推測です。私の部下は厳正公平にやっておりますと、先ほどもお答えあったけれども、事実はこういうことをやっておる。したがって、いまのように推測をしていくならば、このようなことが全国の営林署三百五十署において行なわれておったならば、四十数億に及ぶところの不正の金額、いわゆる国損、こういうものが出てくるのです。ゆゆしい大事なんです。これは、いまあなたが今後調査を進めますと、この委員会でのがれたような答弁をなさいますけれども、このことについては重大な問題ですぞ。ただ単なる一営林署の問題ではない。そのようなことができるようになっておる。あなたが仕組みでそういうものはできないようになっているはずだと言っている、そのどこかの盲点を利用してこのような不正なことが白昼堂々と行なわれておる。業者と談合し、そして署長みずからのそういう権限において国損を来たすようなことをやっておる。 この上松運輸営林署関係の、いわゆる四十二年、四十三年、四十四年の収支はどうなっていますか。
○松本(守)政府委員 上松運輸営林署の四十二、三、四の収支の差額を申し上げますと、十一億八千二百万円、十五億九千三百万円、二十一億二百万円の黒でございます。
○浅井委員 私が上松運輸営林署の管内概要を見ますと、先ほどの答弁とちょっと違いますね。四十二年度は黒字が六千四百八十万円で、四十三年度は黒字が三億五百万円、四十四年度は赤字が四億一千七百七十六万円になっておりますけれども、これは違いますか。
○松本(守)政府委員 この営林署管内概要に出ておりますのは、損益計算の結果で、いま私が申しましたのは単純収支、単なる年度間の収入と支出の差額です。
○浅井委員 この損益計算書によれば、いま私が言った数字は間違いございませんか。
○松本(守)政府委員 四十二、三年は利益がゼロでございます。それから四十四年度が四億……(浅井委員「利益ゼロじゃないでしょう。」と呼ぶ)どうも失礼しました。四十二年度が損失六千四百八十万三千円でございます。それから四十三年度の損失が三億五百万八千円……(浅井委員「損失じゃない、黒字でしょう。」と呼ぶ)四十三年度は損失でございます。四十四年度が利益で、四億一千七百七十六万八千円でございます。(浅井委員「あなた見間違ってませんか、欄を。逆じゃないですか。」と呼ぶ)いや、逆ではない。本年度利益、本年度損失というものが横に出ております。
○浅井委員 なるほどそうですが。こういうことから見ていきますと、いわゆる損失と利益の部の話でありますけれども、本年度利益では、四十四年度四億一千七百七十六万ですか、これが利益になっていますか。損失はゼロですか。
○松本(守)政府委員 これは損益計算書の損失の部と利益の部が左右対照になっておりまして、四十四年の場合は利益を生んでおりますので、左のほうの損失の部の一番最後の本年度利益というところにだけ計上されております。
○浅井委員 了解しました。 では、次の問題ですが、あなたはいまこれから調査をなさると言っておりましたけれども、もしそういう事実があった場合、この署長さんは談合罪、刑法第九十六条の三及び背任罪、刑法二百四十七条、これが適用されると思いますが、この点についてはどうですか。国家公務員法の八十二条の二号、三号にも該当しますけれども、長官、どうですか。
○松本(守)政府委員 いまその入札状況につきまして調査をいたしております段階で、そういったことがもしありとすればどうするかという先生の御質問に対しましては、まだ実のところ検討いたしておりませんが、一般論として、不正があるとすれば、それは当然いろいろな処分をしなければいけない、不正があるかないかというところの詳細の検討をいましておるところでございます。
○浅井委員 あなたの答弁では全然反省がない。調査をしておるからそれまで待てという姿勢なんです。私は、この委員会の席上において、こういう事実があるというふうにあなたに突きつけている。その事実に対しては、調査をまちまして、という話である。あなたの調査をまたなければ私に答弁いただけないのか。この事実を、署長もそういうことがあったということを認めておる。ただし、理由はどういうことだかわからないということで署長は逃げた。不正があるから理由がわからないのである。わかる理由をごまかしていまからつけようと思っても、長官、だめですよ。こういうことが行なわれておって、私が先ほどから丁寧にお聞きした。事実でないものを、私はこういう公開の委員会の席上に持ち出してあなたに質問をするわけがない。また、入札書という確たる証拠がある。その他、部内から出ておるところの素材販売価格算定書もある。これは営林署の部内の者がこういうものを持ってこなければ、外部の者が、私が手に入るわけがない。まして締め切った一室で行なわれた公開入札です。そのいわゆる入札書が私の手元に入ってくるわけがないでしょう。全部証拠がそろっておるじゃないですか。それを、調査をまたなければ、あなた、答弁できないという言い方は一体どういうわけですか。この事実はどうなんですか。
○松本(守)政府委員 こういった事実があれば、その責任者……(浅井委員「あればじゃない、あったじゃないか。」と呼ぶ)まああるとして、その責任者の処置をどうするかというお尋ねでございますが、これは事、一身上にかかわる問題でございますし、そういう問題は林野庁の監査機能を十分動員いたしまして、厳正な調査をするつもりでございます。調査をして、そのあとどう処置をするかということは、やはりこれは調査をして、終わったあとでひとつ考えさしていただきたい。
○濱野委員長 浅井君と松本長官に申し上げるのですが、同じことですからね。どうですか、期日を切って、たとえば今月の十七日までに、役所は役所の立場から事実調査の上、調書を委員会に出す、それは長官、承知できますか。 ちょっと速記をとめて。 〔速記中止〕
○濱野委員長 速記を始めて。
○浅井委員 最後に、委員長からのお話がありましたし、そういうことも言っておりますけれども、この事実を長官はどのように反省なさるのか長官に伺いたいのですけれども、今後の綱紀粛正や行政指導というものを全国的に警鐘を乱打してもらわなければならぬ問題だ。単なる一営林署のいわゆる不始末だ、そういうあなたの監督不行き届きだだけでは済まない。私たちは決算委員として、国の財産、いわゆる予算がどのように執行されたかということを見るところがこの決算委員会だ。いわゆる国有財産がどのように使われたか、あるいはどのように収入されたか、これを私たちは明らかにしなければならない義務がある。 この点について最後にお伺いしたいのですけれども、あなたは十分反省するのか、遺憾なのか、申しわけないのか、その点はっきりしてください。
○松本(守)政府委員 重ねて申し上げるようで恐縮でございますが、一応先生の各種の資料によるいまの御指摘、十分こっちも検討をさせていただきます。また、当方からも監査機能を動員いたしまして調査をするということで、こういう事実が全国的にあるのかどうかということも当然調べるつもりでございますが、そういうものは全国的にはないはずだ、ただこの一営林署にこういうことがあったのかどうか、そういうことを調べまして、今後そういうことの起こらないように万全を期してまいりたい、このように考えるわけであります。 反省せよということでございますが、そういう事実があれば、当然これは反省をするにやぶさかではないつもりでございます。
○浅井委員 ちょっと私、納得いかないのです。この私が出した書類が営林署には、私たちこの間現地調査に行きましたが、いまないのです、何ぼ調べても。これを握りつぶしてほうってしまったわけです。去年の七月七日の事件、そうしてつぶしてしまって、どこかへほうってしまって、二番札を一番札に差しかえ、三番を二番に上げてきたのです。その赤鉛筆で三を二に変えたり、二を一にしたのはいま営林署に残っておる。ところが現物、私がいま出しておるものはもうないのです。その日にもうすぐほうられてしまっておるわけです。ほうられる前に、私たちはすぐこれをいわゆる書類として手に入れたわけです。その写しを先に取ったわけです。ですから、これを調べても、この事実が出てくるか、出てこないか、…。
○濱野委員長 浅井君、そのときに、とにかく事実調書を監督者がここの委員会に提出されて後、われわれは論議を継続しようじゃありませんか。あなたのおっしゃるようなら、刑事事件だから、明らかにむろん綱紀粛正でもあるし、国に損害を与えたことも明らかであるから……。
○浅井委員 重大問題であり、刑事事件なんです。
○濱野委員長 だから、それは一応役所のほうの責任者が事実調査をやって、そこで証拠書類を毀棄したか、それはまた別の問題が生まれてくると思うのだ。だから、あまりあわてずに……。
○浅井委員 では私は、きょうはこの問題については問題提起ということで、あらためて資料の提出を求めて、答弁を求めて……。
○濱野委員長 それからやってください。 次回は来たる五日金曜日午前十時理事会、午前十時三十分委員会を開会することとし、本日はこの程度で散会いたします。 午後一時四十四分散会