外務委員会沖縄及び北方問題に関する特別委員会連合審査会 第1号
- 発言数
- 265 件
- 登壇者
- 23 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 1971/05/15
会議録
○田中委員長 これより外務委員会、沖繩及び北方問題に関する特別委員会連合審査会を開会いたします。 愛知外務大臣から、沖繩返還交渉に関する報告のため発言の申し出があります。これを許します。愛知外務大臣。
○愛知国務大臣 沖繩返還交渉に関する現在までの経緯に関して御報告いたします。 戦後の日米関係で最大の懸案であった沖繩返還問題が、昭和四十四年十一月二十一日の佐藤総理大臣とニクソン大統領との間の共同声明によって、沖繩が一九七二年中核抜き本土並みでわが国に返還されることにつき基本的な合意を見たことは、つとに御承知のとおりであります。それ以来日米間におきまして沖繩返還協定の締結のための交渉が東京で開かれ、私とマイヤー駐日米国大使との間で話し合いを重ねてまいりました。 米側との交渉における日本側の基本方針は、一九七二年中、核抜き本土並みという共同声明の三原則に基づいて円滑な復帰の実現をもたらすことであります。私は、今までの交渉を通じてこの基本方針が十分に貫かれるものと確信いたしております。 これより返還交渉の進捗ぶりを御報告いたしたいと存じますが、申すまでもなくいまだ交渉中のことでもあり、概要の説明にとどめさせていただきます。 返還協定につきましては、まずその前文において、同協定が締結されるに至った経緯を述べることとなるものと考えられます。 本文におきましては、第一に、米国がサンフランシスコ平和条約第三条に基づく沖繩の施政権をわが国に返還すること、また、返還される領域は、平和条約第三条の地域から奄美、小笠原両返還協定によって返還された地域を除いた残りの全地域であることを明らかにすることとなるものと考えられます。 第二に、安保条約及び関連諸取りきめ、通商航海条約等の日米間の二国間条約が復帰の日から沖繩に適用されるとの確認を行なうことになります。このように安保条約、地位協定、事前協議に関する交換公文等がそのまま何らの変更なしに沖繩に適用になるのでありまして、したがって、核の持ち込み、戦闘作戦行動のための発進等も当然事前協議の対象となるわけであります。 第三に、わが国は、復帰にあたり安保条約及び地位協定に従い、米国に対し沖繩において施設、区域を提供することとなります。政府としては、協定署名にあたり、現在米国が沖繩において使用している軍用地のうち、復帰にあたり施設、区域として提供することとなるもの、一たん提供された上で近い将来に返還されることとなるもの、復帰までに返還または縮小されることになるもの、を適当な方法で明らかにしたい所存であります。政府としては、沖繩県民の要望を常に念頭に置き、基地の整理統合に真剣に取り組んでいる次第でありますが、安保条約第六条の規定に従い、必要な施設、区域を米国に提供することは、これまた当然のことであります。 第四に、沖繩県民の方々からの要望に接しているもろもろの対米請求に関しましては、いまだ満足すべき解決に達しておりませんが、政府としては、今後ともできる限りの努力を続けていく所存であります。 第五に、裁判の引き継ぎの問題については、社会秩序の安定性を維持しつつ円滑な復帰をはかるという観点から、琉球政府裁判所及び米国民政府裁判所の裁判は、民事事件、刑事事件とも原則として引き継ぐとの方向で合意を見るに至ると考えております。 第六に、沖繩における民生上有益な米国政府の資産は、三公社をはじめとして、わが国に移転されることになります。政府としては、これら資産が沖繩県民にとり有用なものであること、また、沖繩返還により米国が特別な負担を要することを考慮して、公正妥当な額の支払いを米国政府に対し行なうことを考えております。なお、これらの資産の取り扱いに関しては、沖繩県民の福祉を十分考慮して、それぞれの資産に最も適切な方法で処理してまいりたいと考えております。 以上のほか交渉中のものとして、現在沖繩において運営されている「アメリカの声」(V・O・A)の中継局の取り扱いの問題があります。この問題につきましては、電波法等わが国の法制上のたてまえからいたしましても、かかる外国政府の放送業務がわが国内で行なわれることが望ましくないことは当然であります。他方、米国政府は、V・O・Aはその放送内容からしても何ら刺激的なものを含まず、米国海外広報庁の事業の一環として諸外国においても行なわれているものとして、その継続を強く要望しております。この困難な問題については、何らかの解決を見出すべく話し合いが続けられておりますが、いまだ結論に達していない状況にあります。 さらに、交渉事項として外資系企業等の取り扱いの問題、航空問題等がございます。 外国人及び外資系企業等の復帰後における取り扱いにつきましては、これまでこれらのものの活動の実態把握につとめるとともに、これらのものの大部分が相当の期間にわたって沖繩で正当に活動してきたこと、沖繩経済の将来のあり方、わが国の外資政策等を考慮に入れ、具体的な取り扱い方針の検討を行なってきたところ、近く政府としての方針を米側に通報し得る見込みであります。 また、現在沖繩に乗り入れている米国航空企業の問題につきましては、復帰後は本土−沖繩間の内国運輸は認めないが、国際運輸については一定の暫定期間中引き続き運航を認めるという方向で妥結の見込みとなっております。 最後に、沖繩における米国のいわゆる特殊部隊の問題でございますが、従来しばしば国会で説明してまいったとおり、復帰後は安保条約のワク内でのみその活動、存続が認められることは当然であり、そのために所要の話し合いを行なっております。 以上申し述べましたところが協定及びその他の問題に関する交渉経緯の概略でございますが、政府といたしましては、この交渉が一日も早く妥結し、調印の運びとなるよう鋭意努力中であります。 そして、協定は、国会の御承認を得た上で、米側の手続終了とも相まって批准書の交換を行ない、明一九七二年のなるべく早い時期に、民族の悲願たる沖繩の祖国復帰を達成する所存であります。国民各位の一そうの御理解と御支援をお願いする次第であります。 以上で御報告を終わりますが、沖繩県民の方々が日本国憲法のもとに安心して祖国に復帰できるためには、諸般の対策を必要といたします。このため、政府といたしましては、協定の承認を求める国会におきまして、沖繩の民生の向上、経済の振興、県民の福祉の増進等の確保を目的とする法律案を協定と同時に提出して御審議を願うことといたしておりますことを申し添える次第でございます。
○田中委員長 ただいまの報告に対し質疑の申し出がありますので、順次これを許します。 この際、申し上げます。質疑時間につきましては、連合理事打ち合わせ会の協議により決定いたしました時間を厳守していただきますよう、特にお願いいたします。西銘順治君。
○西銘委員 思えば、沖繩の祖国復帰はわれわれ九十四万県民の多年の悲願でありました。日本の敗戦に伴う米軍の占領、サンフランシスコ講和条約による沖繩の法的地位の決定という悪い条件の中で、沖繩県民は祖国への復帰を叫び続けてまいったのであります。この声を受けまして、岸・アイク会談で初めて沖繩問題が日米間の重大な議題となり、公的な要求としてあらわれてきたのであります。自来日米会談のおもな経過をたどってみましても、一九六一年六月の池田・ケネディ会談、一九六五年一月の佐藤・ジョンソン会談、一九六七年十一月の佐藤・ジョンソン会談、一九六九年十一月の佐藤・ニクソン会談という長い経過を経まして、ここにいよいよ大詰めを迎えようとしておるのであります。感慨無量なるものがあると同時に、総理大臣、外務大臣の今日までの御労苦に対しまして心から敬意を表し、感謝を申し上げるものであります。 次に、若干の問題について総理の御見解をただしたいのであります。史上かつて例を見ぬ平和裏の領土回復であり、相手のある交渉であってみれば、容易ならざるものがあったことは理解できます。しかし交渉には原則と条件とがあろうと思うのでありますが、条件に関する妥協はある程度やむを得ないといたしましても、原則は断じて曲げてはならないと思うのであります。この場合の原則とは、私が申し上げるまでもなく、核抜き、本土並み、七二年返還ということだと思うのでありますが、この原則が曲げられていないとお考えになるかどうか、これが質問の第一点であります。 次に、核抜きにつきましては、ただいまの外務大臣の報告は、安保条約、関連取りきめ並びに交換公文等が適用するからと言っておられるのでありますが、復帰の時点において核がないということをどのようにして確認されるのであるか、これが質問の第二点であります。 第三番目に、本土並みということがよくいわれておるのでありますが、私はこれは基地の性格をさしていっていると思うのであります。しかしながら沖繩の基地は、その密度といい、その機能といい、著しく高いのがあるのであります。この基地を段階的に計画的に、質とともに量的にも本土並みとすべきであると思うのでありますが、基地の縮小、再編成についてはどうなっておるのか、これをお聞きしたいのであります。 第四番目に、VOAが北京放送と比べましてごく常識的な放送であることは知っておりますが、もしもこれを無条件で認めるということになりますと、これは原則を曲げるということになると思うのでありますが、この点についてどうお考えになるか、まず以上四点についてお伺いしたいのであります。
○佐藤内閣総理大臣 いろいろお尋ねになりたいことがあるだろうと思いますが、ただいま三原則、これはこれで達成されるか。もちろんニクソン大統領と私と、最高責任者同士の相談でありますから、約束でありますから、これは必ず実現される。ややくどいほど三原則になっている。核抜きということは、本来なら本土並みということでもうわかっておるはずだと思いますけれども、核抜きを特にメンションしたことは、沖繩の現状等からいたしまして当然の注意事項であります。したがいまして、これが入っているというところに特別な意味のあること、これを御理解いただきたいと思います。 また、核の撤去、これについての確認、これをどうするのか。私どもはあらゆる方法を尽くしまして、国民が納得いくようなそういう処置をとりたいと、ただいまかように考えております。 第三番目に、基地の段階的解消、これは確かに必要ではないかと思っております。アメリカ側の要望をいれるということでなしに、生活態様そのものに非常な大激変を与えないようにすること、これは過去の占領当時における日本内地、この状況からだんだん米軍が引き揚げたその実態等をも勘案されれば、歴史的な経過等もおわかりがいただけるだろうと思います。私どもは、アメリカ軍が長く膨大な地域にわたって駐留すること、これは好ましいことではない。また、本土の安保条約その範囲内の仕事をすることにおいて欠くべからざる必要なる駐留は認めるといたしましても、それより以上の目的を持つような点については、できるだけこれを縮小すべきこと、これは当然でございますから、そういう意味の努力を長くこれからもはかっていかなければならない。その場合にやはり考えざるを得ないのは沖繩県民に与える非常な大きな激変であります。その激変に対応する処置が十分とられないと、本来の目的は達したが、片一方で生活の不安を与える、こういうようなことがあってはならないと、かように思っております。 第四のVOAの問題については、お説のとおりであります。わが国の立法上、法制上も、なかなか外国のこういう種のものについては許さないというのがたてまえでございますので、ただ、北京放送とは実態が違う、こういうようなお話もありますけれども、そういうことでなしに、たてまえ上このVOAの扱い方には十分われわれも気をつけなければならない。そこでただいまのところ原則的な交渉をしております。まだそれが十分の成果をあげておらない。そこでまだ懸案というか、先ほどお話をした報告の程度、それより以上のものはただいま申し上げかねます。 きわめて簡単にお話しいたします。
○西銘委員 このたびの返還協定の中でわれわれ沖繩県民が一番関心を持って見守っておりますことは、請求権の取り扱いの問題であります。巷間伝えるところによりますると、また奄美、小笠原の返還の前例を見ましても、おそらく対米請求権は放棄されるでありましょうけれども、この沖繩からのもろもろの請求に対しまして、本土政府は肩がわりするということを聞いておりますが、これについての御見解をお聞きしたいのであります。 次に、資産引き継ぎの問題についてお尋ねしたいのであります。 この件につきましては、日米間で三公社を中心とする評価並びに引き継ぎの交渉が進められているわけでございまするけれども、私が一番心配いたしておりますることは、沖繩を買い取るのだという印象を与えてはいけない、こういう最大の配慮が払わるべきだと思うのでありますが、この資産引き継ぎについては、琉球政府といたしましても、特に公共施設については、これは施政権者として当然やるべきことであって、無償で引き継ぐべきだという意見もあるのであります。これについての御見解をお聞きしたいのであります。
○愛知国務大臣 請求権の問題についてはまことにごもっともなお考えと存じます。政府といたしましても、沖繩のあらゆる方々からのいわゆる請求の問題について十分資料を求め、また実態の掌握につとめ、そしてその中で米側に対しましてあらゆる点から見て要請することに根拠のあるというものについて鋭意折衝をいたしておる次第でございますが、まだ細目にわたりまして合意を見るに至っておりません。しかし、サンフランシスコ条約第十九条にもお触れになりましたが、これは奄美、小翌原の場合と同様に解釈せざるを得ないと思いますので、場合によりましては、対米的に片づかないことについて政府全体として考えなければならぬこともあろうかと思いますが、何ぶんにもいま対米関係において煮詰めがまだ十分できておりませんので、細目はいずれお答えをすることにいたしたいと思います。 それから第二の資産引き継ぎの問題で、買い取りというような思想がいやしくも出ることは絶対に不可である、これも政府も全く同じ考え方に立っておりまして、将来とも沖繩県民の福利のために、いわゆるパブリック・ユーティリティーとして役に立つもの、あるいはまた返還に伴いましてもろもろの負担が米側にふえるというようなものもあり得ようか、それらを総合いたしまして財政当局とも十分相談をいたしまして結論を出したいと考えております。
○西銘委員 最後に、待望の沖繩の祖国復帰がいよいよ実現することになりますと、総理の言われる、ここに初めてわが国単一の民族国家が完成するわけでありまして、あと残されるのは北方領土の問題を解決するのみとなったのであります。いわゆる総理の言われる、戦後はまさにここに終わりを告げようとしているわけであります。したがいまして、総理をはじめ外務大臣、関係当局の御努力によりまして最後の詰めをしっかりやっていただきたい、これを切に要望いたしまして、私の質問を終わります。(拍手)
○佐藤内閣総理大臣 西銘君、別に答弁を求められませんでしたが、私ども最善を尽くして最後の詰めをするつもりでございます。それには何と申しましても国民全体の私どもに対する御協力がなければならない、かように思っております。国民全体と申しますと、その前にまず国会における各党の超党派的の政府に対する御鞭撻が願いたい、かように思いますので、この席をかりまして政府の決意を述べると同時に、皆さま方の熱意にこたえたい、かように思っていることを一言つけ加えておきます。
○田中委員長 田中六助君。
○田中(六)委員 先ほどから同僚議員の質問で、沖繩返還というものが非常に秒読みの段階に入ったということを意識するわけでございます。沖繩返還に伴う政府の三原則というものはあくまで貫くという総理の御方針がはっきりしたわけでございますが、本土並みということにつきまして、私はこれは精神面と物質面、そういう二つの面があると思うのです。精神面という点を強調しますと、ちょうど十七世紀、慶長十四年の薩摩の琉球入り、それから明治に入りまして十二年の琉球処分、それから大正九年やっと権利義務の法的地位が沖繩の県民に確立しているわけでございますが、そのあと戦争、それから平和条約、それから今日でございますが、こういう面を考えるときに、はたして沖繩県民が本土並みの日本人としての心情、あるいは日本人としての取り扱いを受けたかどうかという歴史的な事実に疑問を持つわけでございます。そういう点から二十世紀に臨む日本人が、そうして佐藤政府が沖繩人をどのように処遇したかということが問われるのが今回の沖繩返還協定、私は歴史的に一つのこまを置くのじゃないかという気がいたしますが、こういう基本的な問題について総理はどのようにお考えでしょうか。
○佐藤内閣総理大臣 私は、いまの沖繩の方々が日本人と差別的な待遇を受けたとか、こういうような感じは持たれないというか、同一民族としての一体感、それに徹しておられるからこそ本土復帰ということを心から願っておられるのだ、かように思っております。ただいまの認識は私とは相当違ったような御発言ですが、私は民族としての一体感、ここには何ら疑問はない、かように感じております。ただ佐藤内閣そのものといたしましては、復帰の努力はいたしましたものの、また戦後の実態から申しまして、施政権がアメリカのもとにある、そういう関係で私どもは同胞の十分のめんどうを見ることができなかった、それはまことに遺憾に思っておる、このことは率直に私は申し添えておきたいと思いますが、民族としての一体感に疑問を持ったり、さらにまた今日までのアメリカの施政権下にあるためにわれわれが十分のめんどうを見ることができなかった、こういうことについておそらく理解してくれるのではないか。そういう実情はある。またそれを率直に認めたということで、沖繩県民の方々もいままでの本土政府のやり方について理解するものがあるのじゃないだろうか、かように思います。
○田中(六)委員 佐藤総理がそういう発言をしたことは、私は、沖繩県民並びに日本人に対する影響が非常に大きいというふうに感じます。 それから物質面でございますが、本土並みといいましても、先ほど西銘議員も言いましたように、質量ともに本土とは非常に、米軍の基地並びにそれに伴う特殊部隊あるいはヴォイス・オブ・アメリカ放送の出力のぐあいとか、そういうものが違うわけでございますが、こういう観点につきましてほんとうに、いま愛知外務大臣の読まれました交渉に関する外務大臣報告の中にも書いておりますが、しかしこれはペンディングになっておるわけでして、どういうふうに質、量の違うのを本土並みにするかという疑問がいずれにしてもわくわけでございますが、もう一度総理に、こういう質、量面からの本土並みという点についての国民の疑惑を解いてもらいたいというふうに考えております。
○佐藤内閣総理大臣 ただいま質の問題は、これは先ほどのような精神面、そういうことで御理解をいただけると思いますが、量というそういう具体的な問題については、施政権がアメリカにあった、ちょうど占領下の日本、これが講和条約を結んだ、その直後一体どういうことであったか、また安全保障条約ができていた、こういうこともあるが、その当時の日本における駐留米軍、そういうような実態等をも勘案して考えていかなければならぬのじゃないか、私はさように思うのです。 そこで皆さんに訴えて、比較的に具体的に先ほど来の答弁と一体になるのじゃないかと思いますことは、沖繩から毎年祖国を訪問するいわゆる豆記者という中学生を主体にする小さな祖国訪問記者団があるわけです。これはいわゆる純真なまだ青年期の諸君ですが、これらに毎年会った感じから申しますと、一番最初のときとことしあるいは昨年、これはたいへんな相違があります。私はそれらのことを考えながら、とにかくいままでの成人としての県民の祖国に対するいろいろの誤解あるいは疑惑、そういうものは若い世代にはもうない。もう若い世代の者は日本民族との一体感、そのもとにもつとわれわれもすくすくと成長しよう、またすくすく成長しつつある、そういう感じを受け取るのでありまして、このことは特にいま交渉しておりますその実態からも把握できるのじゃないだろうか、かように思っております。したがって、教育の制度そのものが、占領下ではあったけれども、とにかく日本と同じ教科書を使っていた、そういう点で私ども子供に与えておる感じはよほど変わっておるのじゃないか。ただ、しかし生活の面から申しますと、ドルの生活をしている、円の生活ではない。これはたいへん大きな問題であります。祖国復帰をすることによって、この生活態様がドルから円にかわる、ここへすべてのものがひっかかってくるのじゃないだろうか。私は、国民そのものから見ましても、これは容易なことではない、かように思いますので、そこらに特別な理解と、それに対する配慮がないと、せっかくの祖国復帰、それが十分の効果をあげない、こういうことになったらたいへんだ、かように思っておるような次第であります。 いわゆる基地が非常に多いとか、あるいは米軍自身が特殊な訓練をしておるとか、こういうこともございましょう。それらの問題は、ただいま基本的な日米安保条約のワク内の問題として、いま外務省でいろいろ働いておりますが、われわれが気がつかないような事柄だが、当然のことながらそういう基本的な問題をかかえておる、このことを見失ってはならない、かように私は思います。
○田中(六)委員 精神面と物質面よくわかりました。 次に、沖繩復帰に備えまして復帰対策要綱が第一次、第二次など出ておりますが、それらが出れば出るほど何か復帰に対して不安感を沖繩県民に与えておるという印象があるわけでございます。たとえば復帰、復帰と表で騒いでいる反面、土地などはずっと買収されて、そしてふたをあけてみたら満身創痍だったということになりかねない空気さえあるわけです。たとえば農地法というものが向こうは適用されておりませんので、そういう面からでも、土地を買ったりいろいろやっている非常に悪らつな人もおるようですし、それから税制面でもはたして税法がどうなるのかとか、雇用の面あるいは企業の継続性の問題とか物価の問題とか、つまり復帰に伴う不安感というものが沖繩に非常に渦を巻いておるということを聞いたり読んだりするわけでございますが、こういう復帰不安の解消について、政府はどのような考えを持っておられるか、総理にお聞きしたいと思います。
○佐藤内閣総理大臣 先ほどは私最も極端な例を言ったのです。ただいま言われますように、日本の内地の法律をそのまま適用できるような状態であるかどうか、またもう一つ逆にいえば、いろいろアメリカの権利義務、また同時に資格等の法律が一体どの辺で打ち切られるか、こういう問題が——激変を与えないようにしよう、そういう配慮が必要だ、こういうことをさっき西銘君に申しまたが、それらのうちに入っておる。だけれどもなるべく特殊な状況を残さないようにすること、相当無理がありましても本土並みにする、こういう積極的な意欲を、私どもも持ちたいか、また同時に県民の方々もそういうような考え方で、ただいま御指摘になりました点に取り組んでいただきたい、かように思います。
○田中(六)委員 最後にもう一問総理に質問いたしますが、最近来日しました中華人民共和国の王副団長の例のピンポンディプロヤシーですか、ピンポン外交、これは私に言わせれば実質的以上にジャーナリズムがあおっているような印象を受けるのですが、それでも日中両国の親善方向というものに何か雪解けを感じさせるし、世界の、中米関係についてもそういう印象を与えているわけでございます。そういう雰囲気の中でこの沖繩の返還が——米軍基地のありようとかあるいは裁判権問題もさることながら、自衛隊の配置ということが、これは本土並みですから、当然あってもいいと思います。そういうことになると、これによって日中両国——総理も日中両国の親善方向にいかなければいかぬというふうに考えておられるわけでございますが、それに水をさすようなことになりかねない場合もあるわけでございます。したがってこの沖繩の返還につきまして、日中間に水をささないように、あるいは水がどのように向けられるかということにつきまして、総理の考えがございましたらお願いしたいと思います。
○佐藤内閣総理大臣 これは短時間の間にお話しすることはなかなか困難ですが、基本的に、私ども、いわゆる敵視政策というものはとらない、また大陸とも友好関係を結びたい、こういう念願でございます。しかしてまた沖繩祖国復帰について北京政府が何か反対な意見でも述べているかというと、これについての批判はただいままでのところ私聞いておりません。したがいまして、祖国復帰についてこれが日中間の関係を悪化さすかようには私は考えません。むしろただいま申しますような意味合いにおいて、復帰の問題について北京政府が何ら言わないこと、ただ大陸だなの問題については、これはいろいろ利害関係が錯綜しておりますから、それらの点についての議論はございますけれども、これは当然のことだろうと思います。これはまた別のことで、いわゆる沖繩祖国復帰、そのことで日中関係に悪影響を与えるとか、あるいはまた重大なる変化がある、かようには私は思わないで、むしろこれによって米軍の基地が縮小される、あるいはまたその軍の性格もだんだん変わってくる、こういうふうなことは緊張緩和というような面から見ましても好ましい状態ではないだろうか、むしろ私は喜ぶ方向にいくのではないだろうか、かように思います。
○田中(六)委員 最後に総理に要望でございますが、沖繩返還の日にちが七月とか、六月とか、四月とか言われているわけでございますが、これはある新聞に載っているのですが、沖繩県民の多くの人の要望といたしまして、四月一日にしてほしい、それは暑い沖繩で一番最適な季節でもあるし、子供たちにとっても学生の新しい学年の出発であり、行政的にも財政的にも新年度の初めであって、あらゆる角度から見て新しい出発にふさわしい、そういうようなことを言っておりますので、そういうことも頭に入れておいてもらいたいと御要望申し上げます。
○佐藤内閣総理大臣 ただいまの御要望、私も他の方面からも聞いております。とにかくいろいろの問題がありますが、少なくとも祖国復帰がまず第一だ。それには三原則を完全に実施する、この確信のもとに早く祖国復帰をさす。そうしてその他の問題は、いわゆる条件的な問題だ、かように考えられ得るものがあれば、それは条件的なものとして処理する、これだけのゆとりがあるようにしていただくならば、たいへん私どもも交渉が楽ではないだろうか。それかといって、すべてを放てきするような考えではございません。できるだけ実のある祖国復帰をしたい、かように念願しております。ただいまの御要望、十分心にかけてま いりたいと思います。
○田中(六)委員 終わります。
○田中委員長 安井吉典君。
○安井委員 先ほど外務大臣から御報告を承りました。総理、外務大臣、総理府総務長官等、いよいよ大詰めを迎えた段階で、これまでほんとうに御苦労さんでした。 しかし、単にそれだけで済まされない問題がたくさんあるわけです。特に私どもはいままで国会の中でも中途の経過を報告していただきたいということをしばしば要求してまいりましたにかかわらず、やっと会期ぎりぎりのきょうにそれが行なわれ、しかもその内容はきわめて抽象的で、内容はわからないし、その内容を深めようと思ったら、総理から直接お答えがいただける時間はほんのわずかしかない、こういう段階にありますことが非常に残念だと思います。 それからまた、私どもは政府の見解といささか違いまして、サンフランシスコ平和条約第三条は、ポツダム宣言や国連憲章、あるいは戦時国際法等に照らしてもうすでに効力がなく、したがって、アメリカの沖繩領有は法的根拠をすでに欠いている。したがって、アメリカの沖繩返還は当然なことだと考えております。また、四分の一世紀の異民族の支配のもとにいわれのない忍従をしいられてきた沖繩県民が、これまで祖国への完全復帰を目ざして一生懸命に努力をしてまいりました。それが本土政府やアメリカ政府に返還交渉の道を開かせ、ここまで来たものではないかとも思うわけであります。 ところで、沖繩の復帰はよいことでありますが、沖繩県民も全国民も心から喜んで賛成のできるような、そういう協定が結ばれることが私は大切ではないかと思います。ところが、現状では政府の進めつつある交渉が沖繩県民や国民一般の意見を無視したものだというふうにとられて、私もついこの間沖繩にも行ってまいりましたけれども、世論はむしろ交渉に背を向け、反対運動も相当強く、復帰不安が沖繩にもみなぎっているという事実があります。それは先ほど自民党の田中君の指摘されたとおりであります。 そういうわけで、きょうの御報告に対して、もうほんの主要な点だけにとどめて数点お伺いをいたしたいのでありますが、その第一点は、一九六九年の佐藤・ニクソン共同声明で、日米安保体制を、たとえば沖繩基地の戦略的重要性を認め合ったり、極東の範囲を拡大をしたり、事前協議の弾力的運用というふうなことで、安保そのものが変質、強化され、日本の平和だけでなく、アジアの平和にも危険性を増大させているものと私どもは従来から主張しているわけでありますが、その共同声明の考え方が、この協定の前文においてその趣旨を再確認しているのではないか、こう思うのでありますが、どうですか。
○愛知国務大臣 先ほど報告の中でも触れましたように、協定の前文としては、他の条約の通例にならいまして、一九六九年の十一月のこういう会談で具体的に返還の話し合いに入ろうという合意がされたので、そこでこうした協定をつくることになったというような、他の条約と同じような、経過を触れることはございますけれども、あり得ましょうけれども、安保条約がこれによって変質されたというようなことは全然ございませんのみならず、安保条約がそのままの姿で何らの変更なしに沖繩に適用されるということが条約上明らかになるようにいたすのが当然である、かように考えております。
○佐藤内閣総理大臣 安井君、端的に御意見を述べられ、またたいへん巧妙に説明されたから、別に問題はないように思いますけれども、ただ復帰についての不安が現地民にある。その不安はどういうところにあるのか、いろいろな問題が錯綜しておるだろうと思います。ただ大事なことは、やはり不安はできるだけ解消するように、基本的に、抽象的ではありますが、そういう態度で臨んでほしい。でないと、どうもこれは不安がつのると祖国復帰は実現しないことになるのじゃないか、たいへんな私はむずかしい問題じゃないかと思います。 政府が今回この種の会合を開きましたものも、同時に交渉の中間報告も十分にし、理解し、そういう不安がないようにと、このことをまず第一に考え、お役に立つならばという、そういう意味で皆さんと懇談というか、いわゆる懇談の形式でこの連合会を持った。またそういう際に十分沖繩県民の要望というものも率直に話をしてもらいたい、こういうような気持ちで開かれたと思います。 ただ、基本的にこれは当然もう無効なんで、祖国へ帰ってくるのはあたりまえだ、一体何をいま時分政府はやっているのだ、こういうような政府を鞭撻されることはいいですけれども、やや現実は、理論はどうあろうと、とにかく沖繩にアメリカが駐兵し、そうして現在施政権を行なっている。その現実は無視できないのですね。そうしてそれが無効だ、無効だと言ってみたって、それはどうしようもないじゃないか。その無効だとおっしゃることは、党の主張として、それはけっこうですよ。けれども、とにかく祖国復帰を実現さす、その場合にわれわれはどういうようにするかという、その方向にぜひ持っていって、現状を変えていくことにやはり積極的にあってほしいと思います。私は別にニクソン大統領との話、これで全部が私だけで話を、祖国復帰をしたと、かように大それた考え方は持っておりません。もちろん国民の皆さん方が納得がいく、そういう方向でなければならない、かように実は思っております。だから、どうかその点は誤解のないように願いたい。 そこでいま基本的な問題で、安保が変質するのじゃないか、こういう問題が、私どもは皆さん方とどうも基本的に考えが変わっている。これを先ほど外務大臣は簡単にお答えしておりますが、これは基本的な、対立的な意見です。これは絶対に安保が変質するというようなことはない。沖繩化するようなことはない。とにかく祖国復帰する、その場合に、本土に適用されておる安保がそのまま沖繩に適用される、これこそ本土復帰そのことの効果としてそういう状態になって、いまの状態が変わるのだ、かように御理解いただきたいと思います。
○安井委員 見解がだいぶ食い違っているわけですけれども、とても時間がございませんので、それは別の機会に譲っておきたいと思いますが、ただ共同声明という事実だけははっきりお認めになっての協定だという点に、私どもはやはり両方のつながりを心配するわけであります。 そこで、さらに前向きの——前向きのといいますか、はっきり問題点を掘り下げてくれと言われますから、私はそこで第二に、沖繩の人たちが一番心配をしている核抜きの問題についてお尋ねをしたいと思います。 これは核抜き、本土並みという政府の二大スローガンでありまが、共同声明でも両国の意見は一致しているし、政府も非核三原則を政策として持っているのだから、もう当然なんだということがいままで幾度も繰り返されているのですが、当然ならば、私はこの協定の中にはっきり核抜きであるという、そういう考え方を明記すべきではないか、そういうふうに考えます。特に、ただ抽象的な明記ではなしに、核の点検監視機関を設けるというところまで両国の合意をとりつけるべきではないか、そういうふうに思うのですが、いかがですか。
○佐藤内閣総理大臣 御意見は御意見として伺っておきますが、御承知のように核の問題については、なかなかむずかしい基本的な米国の法規もございます。そこで、アメリカの大統領自身は、核があるとかないとか、またどういうものがあるとか、そういうことを言い得る権限を持っておるようですが、その他には一切そういう権限は与えておらないというのは御承知のとおりであります。私はただ、その権限を持っておる大統領と私どもが約束をして、日本の非核三原則を了承してもらった、そこに最大の信頼感を置いている、これが大事なことでございます。この信頼感なしにはいまの安保条約その他もできない、かように思いますが、いま、しかし国民から申せば、もっとはっきりした確証を与えろ、引き継ぎの際に十分点検をしろとか、いろいろの注文の出ていること、これらのことがございますから、私は可能な範囲におきましてできるだけみんなが納得がいくように努力をしたい、こういうことをいままでもたびたびお話ししております。今後の問題につきましてもそういうことをいたしたい、かように考えておりますけれども、ただ相手のうちの台所までのぞかしてくれろというのは、信頼関係のある両国といたしましてなかなかできないことです。ましてや軍の装備という問題になると、やはり基本的な信頼関係に立たざるを得ないのじゃないだろうか、こういうことを心配しておりますけれども、しかし、皆さん方も非常な不安があるようですから、できるだけのことはしたい、かように思っております。
○上原委員 関連で一、二点お尋ねしたいと思います。 これまで総理をはじめ政府の首脳の方々が沖繩返還交渉に御努力をいただいていることについては敬意を表しておきたいと思います。しかし、ただいま中間報告をされました中身を見ましても、県民が知りたがっていること、国民が求めていることについては、具体的な内容というのは何ら明らかにされておりません。きわめて不十分な中間報告であるということをたいへん遺憾に思います。 そこで、いま核の問題についてのお尋ねがございましたが、共同声明で、七二年核抜き本土並みという三原則を打ち出したのだからその方向で返還をしていくのだということですが、時間もありませんので具体的にお聞きをいたしますが、協定の中で、核抜き本土並みということを明記するおつもりがあるのかということ。さらに沖繩の核貯蔵庫——核貯蔵庫ですよ、貯蔵じゃなくて。核弾薬庫を撤去をさせるということを交渉なさっているのか、返還後撤去させるのかということ。 加えて、沖繩返還と同時に、大統領との話し合いできまったんだからという御説明ですが、日本独自としてできることに、返還の時点で非核武装宣言ということを明確に国会においてなさるのか。そのことをなさるならば、核抜きということが私たちは信頼できると思います。その点について、ぜひ総理の御見解を明確にお答えいただきたいと思います。
○佐藤内閣総理大臣 いま、返還協定の書き方、表現のしかた、これは外務省でいろいろ苦心している最中でございます。 〔田中外務委員長退席、池田沖繩及び北方問題に関する特別委員長着席〕 いま上原君の言われるのは、返還協定にはっきりさせろ、こういう御意見だろうと思いますが、いろいろそういう方向で取り組んではおりますけれども、なかなかむずかしい状況である、こういうことも御理解いただきたい。とにかくその点は返還交渉でどういうように取り扱うか、こういう問題だろうと思います。外務省でいろいろ苦心している最中であります。 また弾薬庫。核そのものはないにしても、貯蔵弾薬庫を撤去しろ、これも御要望ではないかと私は思っておりますが、それらの点は実際にどういうことになっておるのか。いま核そのものがあるかないか。これはあるというのがもう通常の常識だ、かように言われますし、上原君も長いこといろいろ関係しておられたのだから、そういうことを言われるだろうと思いますが、しかしたてまえとしては、どうも私ども自身にはその点ははっきりしない。したがって弾薬庫、核があるならばどういうような貯蔵方法をしているのか、そういう問題は一つあるだろうと思います。それを撤去しておけば心配ないじゃないか、これもお話しのとおりだろうと思います。これらの点はさらにこれから詰めていかなければならない。全体としていかにも中間報告らしい、けしからぬというおしかりがございましたが、これがただいまの段階では尽くし得る最大の努力、発表の問題でありますから、その点はこれから詰めていくということでございますので、この点は十分御理解をいただきたいと思います。 また最後に、非核三原則、これを国会で宣言しろ、こういうお話がございました。上原君は出てこられる前であったかと思いますが、すでに非核三原則、これは佐藤内閣の基本的姿勢です。でありますから、この点ははっきり皆さん方に申し上げることができます。しかしながら、国会で宣言することはいかがでしょう、こういうことでただいままでは宣言はしないことにいたしております。しかし、非核三原則、これは政府の基本的態度だ、こういうことは何度でも申し上げ得る、かように思っておりますが、私、世の中が変わってまいります今日の状況のもとにおいて、佐藤内閣自身がやらないこと、これだけははっきりさしておくというのが本来のたてまえではないだろうか、かように思っております。
○上原委員 御答弁の内容に納得いかない面もございますが、時間がありませんので、とにかく核の問題あるいは対米請求権の問題等については県民が非常に不安を持っておる、あるいは根強い要求を持っているということをぜひ御理解をいただいて、沖繩返還の時点で日本政府として非核武装宣言をやるということ、これを堂々と内外に明らかにすることによって初めて核の問題に対する国民の疑惑と不信というものが私は払拭できると思うのです。 その点を申し上げて、あと一点は、総理は一九六五年八月に沖繩訪問をなされたときに、沖繩の復帰なくして日本の戦後は終わらないという名せりふを残しております。さらに共同声明が出た直後、県民の復帰ショックをなくしていく、県民が安心して復帰していただくための返還交渉を進めていくということを明らかにいたしました。私はおことばそのものは非常にごりっぱだと思う。政治家が何を言うかでなくして、何をなさるかを、いま県民や国民というものは注目をし監視をしておる。そのことばが生かされていない。現実に沖繩においては県民不在、国民無視の返還協定に強く不満と反対の意を表明をし、ストライキに立ち上がっていま戦おうとしております。そのことをぜひとも御理解をいただいて、煮詰めの段階には、沖繩県民が二十五カ年間の異民族支配下にあって、不当支配の中にあって受けた差別と犠牲というものをこれ以上新たな犠牲にしないように、佐藤内閣の、総理あなた御自身の政治生命をかけて県民の要求をいれさせるように強く要求いたしまして、私の質問を終えます。これに対する御答弁がありましたらいただきたいと思います。
○佐藤内閣総理大臣 いま上原君の言われるような、県民の持っておる基本的ないろいろの問題があるだろうと思います。しかし、復帰の前に沖繩から皆さん方をお迎えすることができたという、そうして沖繩県民の声を皆さん方を通じて直接政府に訴えられるようになった、これはたいへんな事柄ではないだろうか、かように私は思います。本来なら復帰がなければ実現しない事柄が、まずできた、そういう点をそれなりに評価してもらって、そういう意味で県民の方にも、よし、おれが代表で皆さんの意見は伝える、こういうことをやっていただきたい。私どもは皆さんからそれを聞きたいから、皆さん方の賛成を願った。(「聞いただけではだめじゃないか」と呼ぶ者あり)聞いたら、もちろんそれをわれわれが考慮するのはあたりまえのことです。何を言うのです。不規則やじはしないでください。私はそういうように思います。だから、こういう事柄は十分皆さん方とも仲よくしていきたい、かように思います。
○安井委員 核の問題について上原君の関連質問がございましたし、もう時間もなくなりましたのでこれ以上触れませんけれども、たとえば四月二十六日付のニューヨーク・タイムズで、日米で核兵器の一時的持ち込みを認める秘密協定があるというふうな報道がなされて、これは両国政府が否定しておりますけれども、しかしこういうふうな中にあるだけに、そしてまた日本国民は核アレルギーを持っていると思います。アレルギーというのは病気なんですけれども、核についてはアレルギーを持つほうが健康なんですよ。それがある以上、私は核の問題についてこの協定の中で、先ほど来主張いたしておりますような明確な措置を講ずるべきである、このことを主張しておきたいと思います。 そこで三番目は、本土並みというスローガンでありますけれども、はたしてほんとうに本土並みにいっているのかどうかということは、先ほどの報告の中では非常に不明確ですし、新聞のいままでの報道をずっとながめておりますと、ますます心配になるわけであります。私どもは沖繩が日本軍の重要な拠点となってさきの大戦において米軍の攻撃を受け、悲惨な戦争の犠牲となったことも思うし、それだけに新しい危険から沖繩を守るために、また沖繩の今後の平和、経済開発を進めていくためにも、軍事基地そのものを全面撤去することが必要だということを要求し続けております。特に本土並みという政府のそういうレベルでものごとを考えてみましても、沖繩に基地があるというよりも基地の中に沖繩があると言ったほうが手っとり早いという、その沖繩の基地の密度をほんとうに本土並みにするための努力を続けておられて、その見通しをお持ちなのかどうか、それをどういうふうにして協定の中でおあらわしになるのか、それをひとつ伺います。
○愛知国務大臣 これは報告の中にも明らかにしておるつもりでございますけれども、端的に言って、いま御質疑の内容は安保条約の問題だと思いますが、安保条約関連取りきめ、たとえば地位協定その他も全部そのまま何らの変更なしに沖繩に適用される、これすなわち、安保条約関係におきましても完全な本土並みである、私どもはかような考え方に立っております。 そこで、その次の御質疑は、数が多いではないか、面積が多いではないか、こういうところで本土並みではない、こういう御指摘だと思いますが、それに対しましては、これも報告で触れておきましたように、できますならば、この協定調印のときにこの態様等についてはできるだけ明らかにしたい。そして、かねがね政府の考え方を申し上げておりますように、安保条約の本土並みのワクの中で、またさらに沖繩の経済再建等のためにという角度、いろいろの角度に立ちまして、整理縮小ということを目途にして具体的にできる限りアメリカ側との合意を求め、そしてその方針を明らかにしていきたい、かように考えております。同時に、ものによりまして、これは本土の場合もそうでございましたが、相当時間の要素も入れて考えなければならぬものも私はあろうかと思います。これは実際に即して、復帰ショックという先ほど来のお話もございますが、そういうことも加味いたしましてやってまいりたい、かように存じております。
○安井委員 具体的な中身は午後さらに同僚から外務大臣に対してお尋ねがあるはずでありますから、私はここでは深入りはいたしませんけれども、その密度の問題もあるし、それからまた特殊部隊の問題もあるわけですね。SR71戦略偵察機、第三海兵水陸両用部隊、第七心理作戦部隊、太平洋陸軍情報学校、第二百六十七化学兵器中隊、第一特殊部隊群、例のグリーンベレーというものですが、こういうふうな特殊部隊の存在については、伝えられるところによりますと、その活動ないし機能をチェックすることで置くことを認める、一部は撤去させる、こういうふうな御方針だというふうに聞いております。あるいはVOA放送についても、何か何年かの暫定期間だけ置いてさらに再協議するというふうな報道も行なわれております。しかし私は、これらの特殊部隊の存在について活動を一時チェックすると言っても、たとえばSR71にしても、中国大陸には飛んでいきません、だから置いてください、こう言われても、向こうに行って調べる方法はないのですから、チェックする方法はないのですから、単に活動について言明があったからそれで置いてもいいのだというふうなことは許されないし、さらにまたVOA放送でも、たとえ暫定期間が置かれるにしても電波法の改正が必要になるのですよ。そういうふうな中において、こういうようなものを許すということは絶対にできない。私どもは、あらゆる基地にさきがけてこれは即時撤去すべきだ、こういうふうな考え方ですが、総理、いかがですか。
○佐藤内閣総理大臣 本来、安保条約でいろいろ米軍自身が演習したりあるいはその準備をしたりしている、そういうような事柄は、私は沖繩駐留の米軍にも許していいだろうと思いますけれども、どうも本土で行なわれないような事柄を沖繩の米軍自身で行なう、たとえば東南アジアの諸君を訓練するとか、こういうようなことは本来やるべきことではない、かように私は考えております。したがって、そういうことがないように、取りきめをする際に十分話し合っていかなければならない、かように思っております。ただ、いま言われますように、密度が非常に高い、それを一ぺんに縮小しろ、かように言われましても、これはなかなかできることではないのではないか、かように思いますので、そこにはある程度の期間を置き、段階的にそれを解消していく、こういうことにならざるを得ないのではないか。これは実際問題です。しかしながら、本来の形は何といいましても本土における安保条約、その範囲内にとどめるべきだ、これが基本的な方針でございます、したがって、基地の整理は早晩行なわれること、かように考えていただきたいし、また、いま継続して使用するにしても、それは一たん返してもらって、そうして施設をもう一度暫定的に許すという、そういう形をとりたいと思いますから、うやむやのうちに続いてそれが行なわれて、基地に駐在する、こういうことのないようにしたい、かように思っております。こういう点をただいま外務省でいろいろ話をし、詰めておるわけであります。そうして、本来本土で行なわないような事柄を特殊部隊だという名前のもとに行なうことは、これは安保の基本方針にも反する、かように私考えております。これは申すまでもなく、わが国の憲法の性質から当然そこへいくわけでありまして、こういうところは十分守っていただくということであります。 VOAの問題についてはいろいろ議論がございます。これは私どもも、本来からいえば、外国放送が日本国内にあるわけは、これは許すわけのものではない、こういう基本的態度はとってはおりますが、なかなか実際問題としていろいろなことがあるようであります。それらの点をいま外務省が話を詰めておる。いずれ後に、それらについてもさらに詳細には御質問があるのだろうと思いますが、私のいま関知しておるところ、その範囲をお答えしておきます。
○安井委員 この問題についてもあとで詳しくお尋ねをしていきたいと思います。いずれにしても、われわれの考え方というものは明確だということだけを一つつけ加えて申し上げておきます。 それから第四番目に、対米請求権など、県民の権利のほうは何かどんどん放棄されていって、一方、アメリカ側の要求は資産買い取りやあるいは企業の利権確保や、そういうようなものはみんな認めていく、どうもそういうふうな印象を県民の諸君は持っているようであります。特にこの請求権の問題にいたしましても、平和条約第九条で請求権を放棄するといっても、沖繩については日本政府は権限がないのではないかとか、そのほかこれまでの二十六年間の忍従の中に実にさまざまな人権無視やあるいは土地の接収、漁場の奪取、そういうような問題があるわけです。ですから、その犠牲と忍従の中で受けてきた精神的、物質的損害に対する賠償を要求するという決議をした団体さえありますよ。ですから私は、それくらいの沖繩県民の気持ちというものをはっきり認識をした形でこの問題に臨む必要があるし、あるいはまたガリオア、エロア資金で設立され、アメリカ自身はもう請求をしません、こういうことを明らかにしているものまで今度買い戻さなければいけないというふうな事態についても、割り切れない感じを持っているわけであります。この問題についての私どもの態度は、請求権ははっきり認めなさい、いわれのない米資産の買い取りには金を払うべきではない。あるいはまた裁判の効力あるいは外国権益の扱い、航空機産業の問題、こういうようなさまざまな問題がございますけれども、時間がございませんので、これらは午後の段階でさらにお尋ねを続けていくことにいたしたいと思います。 そこで、私はここで伺っておきたいのは調印の問題でありますが、もうあとわずかというふうに聞いております。しかし、アメリカの上院の批准手続が複雑になるからといって、われわれの本質を曲げたり原則を曲げたりするというようなことは許されないと思います。あるいはまた、わが国の政府はわが国の国民、特に沖繩の県民そして国会が満足し得るような協定をつくることだけを考えていただければいいと思うのです。また、何も参議院選挙に有利にしようとして六月の初めに調印をやる必要はないわけです。国民の権利を守るということで焦せらずまとめていかなければならぬと思います。私は、今度のこの中間報告は内容が非常にお粗末でありますから、調印が正式に行なわれた段階で、国会に対し、そしてまた沖繩に対して報告をなさる必要があるのではないかと思いますが、それは政府としてどうお考えですか。
○佐藤内閣総理大臣 とにかく、たいへんな問題ですし、先ほどもお話しになりましたように沖繩県民が払った過去、戦時中、戦後、たいへんな犠牲と忍従、それを十分われわれも考えればこそ復帰を急いでおるわけです。でありますから、そこはただいま御指摘になりましたとおり、これに理解を持たないでこの復帰問題と取り組む、こういうようなことはいたしません。十分理解し、そして、さればこそ早く祖国復帰を実現しよう、こういういろいろ努力をしておるわけであります。 そこで、最終的に調印があったら云々のお話でございますが、これは調印があればもちろん最終的には国会の承認を求める案件だ、かように私思っておりますので、皆さん方に、最善を尽くしてできるだけ早い機会に調印の結果をおはかりする、そういうことをしたい、かように思っております。
○安井委員 私は、いま最後に申し上げたのは、本会議の——批准国会を開いてやるというのは、これはあたりまえのことです。しかし、中間報告をきわめて不十分な形ながらきょうおやりになったのですから、最終的なものができ上がったら、これは国会にもう一度御報告をいただくとか、たとえば委員会を開くとか、そういうような仕組みが必要ではないか、こう思うのです。
○佐藤内閣総理大臣 もちろん、これは政府も皆さん方の御協力なしには復帰の実現ができるわけのものではございませんが、ただいまの御要望に対して、十分誠意をもってこの問題と取り組む、こういうことを御返事申し上げます。
○安井委員 沖繩の返還で、わが国は地理的にも政治的にも一そう中国に近づくということになったのではないかと思います。日中問題の重要性が一そう拡大をされたということではないかと思います。そこで、その点ほんのわずかですが、伺っておきたいのでありますが、五月十三日の参議院の外務委員会で森委員の、中国の加盟に国連総会において賛成するかとの質問に対して、愛知外務大臣は、国連の精神からいえば地球上のあらゆる人民、民族が国連に代表されなければならず、その普遍性の原則からいえば、中国八億の人民が国際社会に入るのは当然だという意味の発言をなさっておられます。そのほか、いろいろありますけれども、この点について、これは秋の国連総会への政府の態度ということだと思うのですが、どうお考えかということを、これは総理からの——総理はどうお考えかですよ。外務大臣のお話はここでお聞きしておりません。それが一つ。 〔発言する者あり〕
○池田委員長 静粛に願います。
○安井委員 時間がございませんから、それが一つ。 それからまた、吉田書簡の問題について、五月の十一日衆議院の商工委員会で宮澤通産大臣は、吉田書簡は三十九年度限りですでに時効になったということを言われております。五月十三日のサンケイ紙で北澤直吉代議士は、吉田書簡は私が書いた、当時の池田首相も田中蔵相、宮澤経企庁長官も関係していたというふうに述べております。もう吉田書簡についてははっきり廃棄すべき段階ではないかということですね。その点をひとつつけ加えてお尋ねをしたいわけであります。 それから、もう時間がありませんので、もう一つ、きのうの佐藤総理大臣の内閣委員会における発言であります。十日の自民党の参議院選対合同会議において、改憲勢力を増大させるため参議院選で勝ってほしいというふうな言い方をなさって、さらにまた、昨日の内閣委員会では、総理としてはまた違うんだというふうな発言で、非常な混乱を起こされているわけであります。この際、やはりその問題についても総理の真意というものを明確にしていただきたい。 以上です。
○佐藤内閣総理大臣 外務大臣は私は信頼しておりますので、ただその中の一部をとって全体についての批判をすることはどうかと思います。前後その他全体を解釈してつかまえて判断すべきだ、かように思います。 第二点、宮澤通産大臣の吉田書簡は時効にかかった云々の問題ですが、これはもうかねてから私どもは、吉田書簡は私信だ、これは有効、無効、取り消す、そういうような筋合いのものではないということを申しておりますので、その考え方に変わりはございません。これはどうぞ御了承いただきます。 第三点、これは最も大事なことであります。憲法の問題、これはいろいろ混乱を来たしておるようであります。しかし、新聞に出ているところ、昨日私が答弁したもの、いろいろ新聞、一部の書き方が相違がある、あるいは重点をどこに置いているか、こういうようなことで取り上げ方もいろいろのように私は見ました。しかしてこの問題はたいへん重大な問題ですから、憲法問題というものは簡単に口にしてはならない問題だ、かようにいわれますが、しかし……。 〔発言する者あり〕
○池田委員長 静粛に願います。
○佐藤内閣総理大臣 しかし、政党というものは何でも勉強するものじゃないですか。私は、政党がこういう基本的な問題に取り組まないということはないと思うのです。私は当然のことだ、これが政党の本来の仕事じゃないか、そういうことに取り組んでおれば間違いはないのだ、したがって、また自民党そのものは結党の精神からもこの問題を取り上げておる、そういう立場でございますから、その点で私が党員を叱咤激励しているのも、これは当然だろうと思います。しかし、それでは私が任期中に憲法改正を積極的に取り組むかというと、それはしないという、この点はもうすでにかつても話をしたとおりでありますので、その点は誤解はないようにお願いしたい、かように思っております。しかし、いずれにいたしましても、この問題が皆さん方の御議論になったということは、私は国会本来の姿としてたいへんけっこうなことだ、そういう意味で私は意義があることだ、かように思います。
○安井委員 これで終わります。 いまの御答弁でありますけれども、憲法の問題は私はどうも軽々しい御発言であったというふうに思うわけです。総裁と総理は違うというが、ジキル博士とハイド氏とそういうふうな二面的な扱いは、政治の世界では許されません。あまり納得ができないのですが、これはさらにもっと時間をかけて機会を見てやりたいと思います。 以上です。
○池田委員長 中川嘉美君。
○中川(嘉)委員 この沖繩返還交渉に関する外務大臣報告を拝見したわけでありますが、これに関連いたしまして、総理に二、三質問をいたしたいと思います。日ごろ愛知外務大臣及び山中総務長官等には多々御答弁いただいておりますので、きょうは主として総理にぜひとも御答弁をいただきたい、こういうふうに思う次第でございます。 先ほど来安井委員からもいろいろと御質疑がありましたけれども、私は、まず返還協定の審議の時期についてでありますけれども、この審議時期については、アメリカの議会にかかってから日本における総理の権限でもって国会を召集すべきではないか、このように思うわけであります。その理由は、いわゆる日米共同声明あるいはサイミントン報告、こういったものに例を見るごとく、日米双方に非常にこの解釈上の誤解を生じておる。今回この協定についてもその可能性は多分にある、このように私は思うわけであります。いろいろ両国間の誤解をなくすためにも、アメリカの議会にかりにかかってからでなくとも、少なくとも上院の審議と並行して行なうべきではないか、このように思うわけでありますが、まず第一問として総理の見解を賜わりたいと思います。
○佐藤内閣総理大臣 中川君の御意見は同時にかけろ、こういうお話かと思います。しかし、私は、準備ができたら、アメリカがどうこうする、そういうことにこだわる必要は必ずしもないんじゃないか、私どもは私ども独自の審議を始めてしかるべきじゃないか、かように思います。いずれにいたしましても国民的な合意を得るということが大事なことですから、そういう意味で十分審議は尽くしたい、かように思っております。
○中川(嘉)委員 私は、ただいま伺ったのは、繰り返しになるようでありますが、日米共同声明あるいはサイミントン委員会のこのサイミントン報告、こういったものに関する解釈の食い違い、こういった点において三たび——三たびといっていいかどうかわかりません。この協定において日米両国間でその解釈の相違があってはならない、このように思って総理に御意見を伺ったわけであります。なかなか満足な御答弁でないようでありますけれども、この辺については、私どももさらに慎重にいろいろ研究した上でさらに詰めて、時を改めてこれは詰めることにしたいと思います。 これと関連しまして、沖繩返還協定がアメリカ上院でいわゆる留保が付せられた場合、この場合は一体どうなるか、これを私は伺いたいのであります。これは私は何も仮定で言っているのではない。現実に日米通商航海条約、これが上院でもって留保をつけた先例がある。今回もこの協定に関して留保が付せられるとすれば、そういうことがあれば、これは当然アメリカに利益になる、その逆に日本には不利益になる。これは間違いございません。そういうことで、とにかくアメリカ上院で留保が付せられた場合に、政府は米側にさらに譲歩をせざるを得ないのじゃないか。一体政府は留保に対する取り扱いをどのように考えておられるか、この点をお聞きしたいと思います。
○佐藤内閣総理大臣 事柄はアメリカの上院のことですが、これをこちらがとやかく言うことはちょっとどうかと思います。したがって、それは私はいたさないつもりですが、とにかくいろんな問題を残さないように、事前に交渉して、これならだいじょうぶだ、こういうところをまとめたい、かように思います。したがって、先ほど来いろいろお話がございますが、これは各人それぞれがそれぞれの意見を述べております。全部が全部、お話は伺いましても、全部取り入れてそうしてみんなが納得いくようなそういうものにはたしてなるかどうか、私どもはそこには責任は持てませんけれども、できるだけその要望をかなえるように努力する、そうしてその努力するということはあわせてアメリカ側をも納得さし得る、こういう見地に立っていろいろ交渉するのですから、ただいまのような留保したらどうなるか、そういうようなことがないような交渉、これを詰めるというのがいま私どものやることでございます。したがって、これはいわゆる仮定の事実では答えませんという、そういう意味ではなしに、そういう問題が起こらないように最善の努力をするという、これをひとつ御理解いただきたいと思います。
○中川(嘉)委員 ただいまの総理の答弁に沿って、国民が心配しているようなそういう事態が起きないように、ひとつ御尽力をいただきたいと思います。きょうはどうもそれ以上の答弁が出てこないように思いますし、ひとつその線で御尽力をいただきたいと思います。 次に、非常にわかり切ったことをお聞きするようでありますが、総理は沖繩の返還が領土の返還と思っておられるかあるいは施政権の返還と思っておられるか、一口で答えていただきたいと思います。
○佐藤内閣総理大臣 どういうところをねらっておられるのかわかりませんが、施政権の返還と答えたらいいかと思います。
○中川(嘉)委員 それでは、外務大臣が昭和四十四年の二月十七日の外務委員会において、「戦争で失った領土を話し合いで解決する外交上の新しいパターン」、このように答弁しておられる。また新聞報道によりますと、ジョンソン国務次官、これが米国として平和的な話し合いで領土返還を実現する先例はない、このように発言しております。こういった表現は私は二つともこれは間違いだ。御承知のように潜在主権というものはあくまでも日本にある。ところがこのような、あくまでも領土ではなく施政権の返還に違いないはずでありますけれども、こういうような発言あるいは答弁、このことばがあいまいな姿勢をあらわして、いわゆる誤解を招いていくんじゃないだろうか。アメリカ自身にしてみれば、そんな点からして自分の植民地をあるいは属領を割譲するぐらいな気持ちでいわゆる領土を返してやるんだ、このような考えに立って、こういう錯覚から日本として譲歩せざるを得ないんだ、こういうことになってはえらいことだと思いますけれども、このことに関してもう一度総理の見解を賜わっておきたいと思うのです。
○佐藤内閣総理大臣 中川君にお答えいたしますが、中川君何をねらっておられるかと思って実は心配だったのですが、その程度のねらいならこれは私が説明できるのです。 とにかく私どもは政治的にものごとを取り扱う、いわゆる政治家ですね。だから理論的な問題、学術的な議論ではない、現実の問題をどういうように解決するか、ここに重点を置くべきだと思っております。これはもう確かに多大の犠牲を払った、日本も払ったがアメリカも犠牲を払ってそうして占領した、そういうものを平和時に返そうというのですから、この基本的な議論が、領土権は、潜在主権は日本にあるんだとかないんだとかいいましても、占領されておることは事実なんです。それを政治的にいかにして解決するか、そういう当面している問題だ、かように私は思いますので、いま、いままでの発言が間違っているとか間違ってないとかいうことはあまり重大な意味は持たないんじゃないだろうか、私はかように思いますが、どうかひとつ、そういう意味でこの問題と取り組んでおる。それかと申しまして、私は全然理論を無視してやるわけではございません。一片の共同声明だけ、それをたよりにしてやっておるわけではない、御了承いただきます。
○中川(嘉)委員 占領下に置かれたことは事実だとおっしゃったわけですが、それは確かに事実としてもその意識が強いと結局、これに関連して申し上げますけれども、返還協定の交渉過程そのものが非常に何といっても日本の譲歩が目立ってならない。具体的に例を二、三あげるならば米軍基地がほとんど残されたままである、それからあるいは縮小なんというのはおよそ期待ができない、これは現状です。あるいは日米安保にそぐわない特殊部隊の据え置き、きょうは簡潔にこの例をあげますけれども、第七心理作戦グループあるいはSR71、これはスパイ目的の偵察機の存続でありますが、そしてまた先ほど来たびたび出ておるところのVOA放送の承認、あるいはガリオア資金で設立したところの電気、水道公社、いわゆる三公社その他の買い取り問題、あるいは協定には核兵器の持ち込みということの禁止をうたわない、もろもろのことが出てくるわけでありますが、すべて日本側の譲歩ではないか、こういうことでは日本国民は納得できないんじゃないだろうか、理解できないんじゃないだろうか、このように私は痛感するわけでありますけれども、これでも総理は譲歩とは考えておられないのか、こんなに譲歩しなければ沖繩は本土に戻ってこないのか、このことを私はこの際総理にただしておきたいと思います。
○佐藤内閣総理大臣 これは欲を言えば際限がない、かように思いますけれども、最小限度われわれが必要なのはいわゆるニクソンと私とが共同声明で発表した約束、七二年核抜き本土並みに返還を実現するという、このことが最大の問題じゃないかと私は思っております。たとえばいま三公社の問題、これにいたしましても、現にわれわれ、沖繩県民が利益を享受する、そういう範囲において、これ高い安いは別として、とにかくそういうことも考えていかなければならない問題じゃないかと思います。もうそれは別だ、こういつてしまうのはどうかと思う、こういうような点もあるだろうと思いますし、あるいは毒ガス撤去の問題、これはただいま問題になっておる、どのルートを通るか、こういうようなことで必ずしもこれも県民の要望を実現できてないとは思わない、これはできる。またさらにこれから、B52の問題は片づいたようでありますが、さらにまた空港の返還、これらのこともいま重大な問題だ。個々の問題を取り上げてみるとずいぶん可能な状態に実現しつつある、かように思います。さらにまた具体的にもっと時間をかけて事務当局からもお聞き取りだろうと思いますが、いままでの交渉の経過から見ましても、私はなかなかよくやっておる、かように思っております。これはあまり過小評価されないで、過大評価を私どももしないつもりですが、過小評価されないようにお願いしたいし、何にしてもとにかくアメリカの施政権、これをやはり日本の施政権に返してもらう、ここに重点を置いてやはり早く実現することが何よりではないだろうか、私はかように思います。
○中川(嘉)委員 いずれにしましても、この日米の友好というような美名の陰にそういうような譲歩ということがあってはならないと私はこの際申し上げておきたいと思いますが、要するに資産の買い取りにしても五億から六億ドル、千八百億円から二千億円、こういう国費が結局そのように買い取りに使われていく、あまりにもばかげておるし、国民生活をこのことによって圧迫していくことは間違いない、このように私は痛感するわけでありますけれども、とにかくVOAの話が出ておりますので一つだけ聞きますが、VOAについても、これもやはり私は譲歩の何よりの証拠じゃないだろうか。国内法まで切りかえて存続をさせるつもりかということになるわけなんです。これは明らかな譲歩ではないでしょうか。もし譲歩でないとすれば、総理の責任で譲歩しないと確約できるかどうか、この点を伺っておきたいと思います。
○佐藤内閣総理大臣 いまVOAの問題せっかく取り組んでいる最中でございます。私は一方的にこの席でこれをかくかくする、かように申し上げることは交渉当局としてもたいへん話がしにくくなるだろう、かように思いますので、そのことは申しません。しかし私は先ほど来申しますような基本的態度、これはもうはっきりしておりますから、その線をできるだけ実現するようにこの上とも努力する、そういう意味の御鞭撻を賜わりたい、お願いいたします。
○中川(嘉)委員 時間の関係もございますので最後に入りたいと思います。 私疑問に思っていることを二、三伺いたいのですが、さっきから何か本土並み、本土並みと何回も言われておりますが、日本国憲法あるいは安保条約とその関連取りきめが適用される、私はこれは沖繩に関してはどうもやはり間違いじゃないか、このように思うわけで、わが党が行なったところの基地総点検、いわゆる沖繩の米軍基地の実態調査の資料がここにでき上がっておりますが、この資料を見ますと、これは調べた結果がずっと出ているのですが、地図が一番最初のページに出ております。あるいは総理もごらんいただいたかと思いますけれども、これを見ると、これはもう基地の中の沖繩どころじゃない、基地で埋まってしまっているのです、沖繩が。これは私はいまここで実は声を大にして言っていかなければならないことだ、このように思うわけですが、この調査の結果、沖繩の米軍基地はその密度において本土にある米軍基地の二百数十倍であります。どうも政府が返還に際して目玉商品として沖繩の那覇空港、これを何とか全面返還させよう、これは大いにけっこうな御尽力だと私は許価しておりますけれども、この那覇空港なんというのは二百万坪、あの米軍の基地である嘉手納基地が七百万坪であります。あの皆さん御存じの万博会場の七倍というばかでかいこの基地が依然として返されようとしていない。施政権の返還が実現したといっても、こういった基地の実態か何ら変わっていない、何が本土並みだ、このように私は声を大にして言いたいわけです。 さらに、先ほどあげましたように、この基地の役割りとか機能というものは本土とは全く違う。こうした実態を無視して、単に本土並みだ、本土並みだとこのように口にするということは、これは国民は断じて納得しないのじゃないかと私は思います。外務大臣が報告書として報告されたところのこの中に「復帰に当り安保条約及び地位協定に従い、米国に対し沖繩において施設、区域を提供することとなります。政府としては、協定署名に当り、現在米国が沖繩において使用している軍用地のうち、復帰に当り施設、区域として提供することとなるもの、一旦提供された上で近い将来に返還されることとなるもの、復帰までに返還又は縮小されることになるもの、を適当な方法で明らかにしたい所存であります。」交渉中、話し合い中、案文作成中、そのような御答弁が返ってくるかと思いますけれども、「適当な方法」というのはこれは何ですか。これはまた付属文書か何かで明らかにするおつもりですか、この点をまず伺っておきたいと思います。
○愛知国務大臣 「適当な方法」というのは、基本的に日米が合意をして、返還後になれば、本来、これは安保協議会の議事の対象になるべき筋合いの問題でありますから、こういうふうに将来の問題については取り計らいます。それから、それ以前の問題としては、現在事実上米軍の管制下にあるところを返還をするということになるわけですから、それにふさわしい適切な表現を持ったものを具体的になるべくその際に公表をいたしたい。そこに書いたとおりのことを実現いたしたいと思っております。
○中川(嘉)委員 そうしますと、付属文書か何かで明らかにされるおつもりですか、この点ちょっと答えていただきたい。
○愛知国務大臣 これは本来、条約に伴う交換公文とか付属文書とかになるべき筋合いのものではございません。
○中川(嘉)委員 それでは、いつどういう形でおやりになるか、これはどうでしょうか。
○愛知国務大臣 それは返還が沖繩について行なわれる前に解放するものは解放されましょうし、それから、返還と同時に、その時点において取りきめらるべきもの、あるいはその後においてこういうふうになるはずであるというようなことが合意されて公表されることになりますから、これはそれぞれが行政的な措置ということに相なるはずでございます。
○中川(嘉)委員 時間も参ったようなんで、最後の結論、いわゆる要望をしておきたいと思うのですが、要するに、いろいろきびしいことを申し上げたようでありますけれども、いわゆる沖繩県民ですね、たびたび言われる二十六年間苦しみ抜いてこられた沖繩県民、あるいはまた日本国民はむろんのこと、こういった問題が非常に重要な問題である、こういう観点に立って、かかる問題についてはより明確に、はっきりとしていかなきゃならないと私は思うわけでございますが、そういった意味におきまして、今後とも政府の力強い対米折衝なりそれらの交渉を引き続き強力に推進していただくことを要望いたしまして、終わりたいと思います。
○佐藤内閣総理大臣 中川君からいろいろ問題を、現実に自分たちの党で調べたその結果をひっさげてのお話でございます。私は、先ほど来申しますように、沖繩県民が戦時中また戦後を通じて多大の犠牲と非常な忍苦に耐えてきた、これを十分理解して、そうして国民もこれらの県民をあたたかく迎えるようにこの上とも努力すべきが当然だ、かように思いますので、ただいまのお話は御鞭撻をいただいたことについて感謝いたしますと同時に、この上ともよろしくお願いいたします。
○池田委員長 門司亮君。
○門司委員 もうかなり同僚から聞かれておりますので、私は率直に総理にお伺いをしておきたいと思うことは、沖繩の問題について総理の姿勢を一応聞いておきたい。 そのことは、今日の沖繩が復帰するということについて、施政権の返還が行なわれるということについての基本的の反対は私はなかろうと思います。しかし、どうもいろいろな角度から反対の意見が出ておるということも総理は御存じだろうと思う。それに対して総理の姿勢というのがあまりにも冷淡ではないかということが私ははっきり言えると思うのです。たとえばきょうのこの会議にいたしましても、わずか二時間しか出られない。沖繩の百万の住民が本土の国民のかつて経験したことのない、人類の生存といえばオーバーになるかもしれませんが、少なくとも人間の生活環境の中において、その過程において本土の国民の味わったことのない苦痛と辛酸とさらに精神的にはきわめて卑屈にならざるを得ないというような場所に追い込まれたこの沖繩百万の島民の切ない気持ちにこたえるというということが、私は今日の総理の態度でなければならないと考えております。その大事な返還にあたっての交渉の中間報告に対して、各党の代表から十五分か二十分、あるいは一時間にならないような質問だけを受けて事足れりとされておるその総理の心境に対して一私はきわめて大きな不満を持たざるを得ないのである。全く今日沖繩の諸君の気持ち、立場になって考えてみまするならば、一体何たることかということが言えようかと思う。 同時に、もう一つ、時間がございませんからつけ加えて申し上げておきますが、私はほんとうに総理が沖繩住民のことを今日までの苦痛をお考えになるとするならば、沖繩から参りまする各種の団体、この中にはいろいろな問題も私はあろうかと思います。総理に対しては、気に入らぬ諸君が来たなというようなことも私はあろうかとは存じますが、しかし、それらの問題を快く受け入れて、そうして総理みずからが陣頭に立って沖繩返還については努力しているんだという姿勢が私は望ましいと思っておるが、今日までそれが行なわれなかった。この点に対してのまず一応の総理の姿勢をこの機会に明確にしておいていただきたいと思います。
○佐藤内閣総理大臣 ただいまの門司君の御意見は、私も同様でございます。同感でございます。何にも申し上げることはございません。
○門司委員 同感であって申し上げることがないというならば、ひとつそういう姿勢に改めてもらいたいと思います。 それから、その次に聞いておきたいと思いますことは、もういろいろ言われておりますので申し上げることもないかと思いますが、安保条約のいわゆる質的変化をもたらすんではないかということが、この復帰不安の一つの大きな原因であります。そこで、この中間の報告書を読んでみましても、また、いままでの外務大臣や総理の答弁を見てみましても、ただ安保条約、安保条約と言われるだけなんですね。平面的に安保条約をそのまま適用すれば、それはいまの基地の問題等についても私はいろいろ問題はあると思う。しかし、本土並みだということか言われておりまする現実的の問題としては、本土におけるアメリカの基地機能と大体同じものでなければならないということが、条約とは別の考え方で私は解釈すべきではないかと考えておる。この点についてどうお考えになっているか、ひとつお伺いしておきたい。
○佐藤内閣総理大臣 それもそのとおりでございます。
○門司委員 ごもっともであるということだけでは、この報告書を見てごらんなさい。全部、安保条約の六条がある、それから、地位協定があるというようなことでこれが済まされようとしておるところに私は国民的の危惧の念がある。ただ条約の解釈上の問題で片づけられたのでは、これはアメリカの要求をまるのみにせざるを得ないようになりはしないかという全体に危惧があるのであります。どうもこの辺が何度開いても、いまのような何かわけのわからぬ答弁で、そのとおりだというようなことでごまかされてはならないと私は思う。その点をもう一度ひとつはっきりとしておいてもらいたい。ほんとうに本土と同じような機能のところまで縮小するかどうかということです。
○佐藤内閣総理大臣 私は、門司君のいまの本土の適用されておる安全保障条約、これは日本の憲法を踏んまえての安全保障条約、かように私は理解しておりますので、そういう意味でお話しになったと思うので、そのとおりだと実はお答えしたのであります。その基本的認識が違っておれば、それは別です。私どもは、いまわが国が平和憲法のもとで、わが国の安全確保のために日米安全保障条約を締結している、そういう意味において、米軍がその機能を発揮している。その状態が沖繩においても今後適用される。したがって、沖繩に特殊な部隊だとかあるいは特殊な機能を持つような駐留軍がいるわけにはいかない。それが縮小の問題であり、いま取り組んでおる最中の問題です。こういうことで、私は別に御意見との間に相違がないんじゃないか、かように思って、たいへん簡単に申し上げたんです。しかし、私の答弁でなお不十分な点があれば、その点について重ねて私、意見を述べることにやぶさかでございませんから、お尋ねをいただきます。
○門司委員 そう言われると、もう一つ、それじゃ、ついでに聞いておきますが、たとえばこの基地の様態を考えてみても、一体、憲法に規定いたしておりまする、日本は戦争をしないという憲法のもとに置かれる基地の様態であるかどうかということである。いざというときには、いつでも戦時目的のために、攻撃目的のために使える現在の沖繩の基地ですよ。この基地がそのままかりにも残るということになってまいりますと、これは平面的にはなるほど安保条約の規定の中であるから、あるいは総理の言うように憲法のワクの中であるからということがいえるかもしれない。しかし、アメリカの意思いかんによっては、いつでもこれは戦闘行為に移り得るだけの潜在的の、彼らが基地を温存するということを望んでおるということの疑いを持たざるを得ないのであります。私どもはそれを心配しているのである。したがって、嘉手納の飛行場をあのままの大きさで、あのままの姿で残しておいてごらんなさい。一体、日本は沖繩を防衛するためにあんなばく大なばかばかしいものがいるかどうかということである。私は、そういう潜在的のいわゆる戦闘目的に使われる基地を残しておくというようなことが、具体的に残されていいものであるかどうかということであります。この意味において私は申し上げておるのであって、何も条約と憲法だけはそういうふうにできておるからそのとおりだ一点ばりの答弁では、実質の問題の解決に私はならぬと思う。また、沖繩の住民の諸君が心配しているのはそこだと思うのです。その点をもう少し明確にしていただかぬと、なかなか安心ができないということであります。
○佐藤内閣総理大臣 安保条約、安保条約と申しますけれども、安保条約並びにそれに関連する諸取りきめ、これは全部沖繩に適用される。したがっていまのような攻撃的な発進基地、そういう場合には必ず事前協議の対象になる、こういうことですね。この事前協議は歯どめの役をするだろうと私は理解しております。したがって、ただいまのようなそういう状態に置かれておることを考えると、米軍自身がいまのような基地をそのまま長く存続さすと、こういうことも無意味に近くなってきている。必ずそういうものは縮小さるべきものだ、私はかように理解しております。したがって、ただいま折衝している最中でございますが、そういう意味の米軍のアジアにおけるこの軍事体制というか、これは重大なる変化を与えておるもんじゃないか、かように思います。その重大なる変化が悪影響を与えないように、そういうように取り計らうというそこに問題のむずかしさがある、かように私は理解しております。おそらくその点では門司君も理解していただけるだろう。私どもが野方図にただいまのように米軍の要求をそのままうのみにしているというものでないことはおわかりがいただけるだろう、かように思います。
○門司委員 この問題はもう少し詰めてみたいと思うのですけれども、時間もございませんから、総理にこの場合に聞いておきたいことを、その次の私は課題に移りたいと思います。 それはもう一つの復帰に対する国民が非常に不安を持っておりまするものの原因の中に、経済問題とこの軍事基地とのいわゆるからみ合わせというようなものがありはしないか。たとえば繊維交渉について、その裏が沖繩返還に何かの取りきめがありはしないか。あるいはフルーツの問題にしても、そういうことが巷間伝えられておる。こういう問題は、私はこの施政権返還とは全然別個の問題であると考えておるが、しかし新聞やその他の報道を見てみると、ややともすればこれの影がやはり沖繩の返還の問題とからんでやしないかという疑惑を国民はたくさん持っておると思う。それもやはり一つの復帰不安の原因になってやしないかと考えておる。したがって、これらの関係を一体どういうふうにお考えになっておるか、総理からお伺いをしておきたいと思います。
○佐藤内閣総理大臣 新聞その他はいろいろ伝えておりますけれども、この沖繩問題とその他の経済問題、これを混淆してしておるような政府ではございません。これはもう明らかに区別して問題を処理しております。幸いにしてこのことがだんだんわかってきてくれた。国民の間でもそれを理解を深めておるように私は受け取っております。また、この問題を直接折衝に当たっております外務当局にいたしましても、問題を一緒にして、経済問題で強い主張をするから沖繩で妥協するとか、さようなことはございませんし、また沖繩がどうこうだから経済問題で譲るとか、さようなことは全然ありませんから、幸いにして日米間はそういう問題はせつ然と分け得るようないまの友好関係でございますから、私どももかってなことが言える、そういう仲でありますから、したがって国民の皆さん方も、そのただいまお尋ねになりましたような点で不安や疑念を持たれないようにこの上ともよろしくお願いします。
○門司委員 どうも何かはっきりしないのでありますが、こういうことがやはり一つの大きな課題になっておる。 それからその次に聞いておきたいと思いますことは、資産の買い取りあるいは請求権の放棄というような問題が、いままでの外交過程からくれば、当然沖繩の復帰に対しても考えられるようなことがやはり国民はみんな考えております。しかしここで私どもが考えなければなりませんことは、沖繩にありまする米軍の施設というのは、これは沖繩をアメリカが統治をすることのために住民のために行なった施設よりも、むしろ基本的には当然沖繩は日本に返すべきものであって、アメリカが永久に領有すべき土地でないということは明らかでありますので、したがって、アメリカの極東戦略の一環としての施設と私は解釈するほうがよろしいのではないか。アメリカが極東戦略の一環として沖繩の軍事基地を使用する、そのことのために沖繩の地域が必要だ、したがって、その彼らの軍事目的のために行なったいろいろな施設であると解釈したほうがこの際よろしいのではないか。住民のために彼らがいろいろな施設をしてくれたというのでなくして、そのことは金融関係にしても、電力関係にしてもあるいは水の問題にしても、人間の生きていく要素の最大のあるいは経済の最大の基本をなすその三つの問題というようなものが、沖繩県民の参画しない形において行なわれていることは事実であります。最近、公社というような形はとってまいりましたが、従来の沖繩銀行にいたしましても、琉球銀行にいたしましてもあるいは水道公社にいたしましても、電力公社にいたしましても、一体沖繩住民の意思というものがどれだけ反映する組織になっておるかといえば、ほとんど全部といっていいほど、資金的の問題にしても、アメリカの軍の施設の一環として行なわれているものである、こういうふうなことを考えてまいりますと、今日の沖繩における米軍資産というものは、何も買い取りなんということは考える必要は毛頭ないのじゃないかというように考えるのでありますが、これについてどういうふうにお考えになるか。
○佐藤内閣総理大臣 いろいろこれは議論すれば際限がございません。本来日本に返すべきものだ。それが返ってくるのに何をやっているのか。また、いまいろいろ金をかけた、みんな米軍の極東戦略の一部でやっているんじゃないか。そういうものをまた金をかけて買う、一体何ごとだ、こう言われますが、一体何事だ、こう言われますが、話をしなければ施政権を行使していついつまでもいまの状態が続くだろうと思いますが、これはもういつまでは施政権を持っておるけれども、そんなものはもう許せないのだ、こういうことをだれが言えるのか、こういうことを私は考えざるを得ないのじゃないかと思う。当然返すべきものだ、潜在主権は日本にある、これはもうはっきりしておりますから、だから返すのは当然だ、こういうことはいえるだろうと思います。しかし、いつ返すのだということは大事なことじゃないでしょうか。十年先なのか、二十年先なのか、あるいは一年先なのか、五年先なのか、そういうような問題がこの問題にはあるのだ。それを私はできるだけ早く日本に返さなければ、県民の方はたいへんな犠牲を払い、苦痛をいましのんでおるのだ、かように考えるからこそ私どもは早く返そう。復帰が何よりも第一だというのはその点であります。私は、この点はおそらくあなたの主張と私の主張が食い違っておるとは思いませんけれども、しかしどうも重点の置き方で、そこがやや私どもと認識が違っていないか、かように思っております。 それから、いま極東戦略の一部だという。だからこそ先ほど公明党の方が御指摘になりましたように膨大な軍施設を持っている、そういうものは返還されればそんな必要はないのだ、これは縮小されるのは当然だ、私はかように考えておりますが、そういう意味でいませっかく折衝しておる、これが実態ではないかと思っております。 また、水の問題あるいは電気の問題、これなども米軍のために必要だったからやられたのではないか、金融もそうだろう、かように片づけられますけれども、しかしこれを引き継ぐことによって県民が利益を受ける限度というものはあると思います。これは県民はそういうものを全然使わないのだ、アメリカがかってに使ったのだからかってにこわせ、かようなことを申し上げる筋のものではないと思います。私はやっぱり県民が受ける利益の限度において、必要より以上に高く買うことはないと思いますけれども、現実に利益を受ければそれに対する対価を払う、これはあたりまえじゃないか、かように思いますが、私は、ただいまその金額をここで明示することができません。したがって先ほど公明党の方からもお話がありましたように、いろいろ新聞の記事等で高いとか安いとかいっておられるようですが、まあ安いとはいわない、高い、高いといわれるようですが、しかし、現実に最終的に決定されると、この点ではおそらく皆さんも納得がいくような金額だった、かように思われるのではないかと思います。私は何よりも大事なことは、沖繩県民のあの終戦時における激戦の展開、これは多大の犠牲を払った。さらにそればかりではない。その後占領状態が続いた。これは本土のわれわれにとても想像つかないものだ。そこに深い思いをいたして、そしてやっぱり施政権は早く取り返す、こういうことが何よりも大事ではないか、かように思います。私は今日、まず祖国復帰よりも先がけて沖繩から選出代議士を迎え、国政においてこの問題を審議することができるようになった、県民の声を直接聞くことができた、かように思って喜んでおりますが、そういう意味でこの問題と取り組む、そういうことから私は一そうの御鞭撻を賜わりますよう。先ほど来、必ずしも政府のやっていること全部御賛成いただいておらない。政府はもっと勉強しなければならない、かようには思いますが、どうかひとつ誤解のないように、叱正されるところは私は甘んじて叱正を受ける、こういうことで謙虚に皆さん方の御意見を聞くつもりですから、どうか御遠慮なしに御鞭撻は御鞭撻として、また御協力は御協力として、とにかく祖国復帰を早く実現するようにこの上ともやろうじゃありませんか。お願いいたします。
○門司委員 いまの答弁の中で、私は非常に遺憾とすることが一つあります。これは御鞭撻するわけじゃありませんが、申し上げておきたいと思いますことは、いまの答弁の中で私は聞き捨てにならないと思うことは、このままの姿でいればいつ返してくれるかわからぬからというような自主性のない日本政府に一体たよれますか。潜在主権を持っておる日本の政府はみずからの責任においてこれの返還を要求するという立場でなければならない。アメリカがいつ返してくれるかわからぬからというようなことで私はよろしいとは考えられない。これはさかのぼって講和条約の第三条がどうの、あるいはポツダム宣言を受諾した日本の立場がどうのこうのという議論は私はここではいたしませんが、少なくとも政府の態度としては、そういうことを踏まえて、そうして潜在主権者として今日の日本が平和を欲求しております立場からいえば、日本政府がそういうことでなくて、いつ返してくれるかわからぬものを早期に返すようになったのだからというような、何か自分たちの手柄のような観念ではなくて、もう少し住民から考えてごらんなさい。国民から考えてごらんなさい。おそきに失するのであって、当然国際条約からいけば、日本が国連に加盟した時限においてすら返すべき国際情勢は整っておったと私は考えられる。それがいままで延びているということである。これは沖繩の百万島民の偽わらざる意見だと申し上げても差しつかえないと私は考えております。したがって、もう少し自主性のある態度でアメリカとの間に交渉を進めてもらいたいということを、せっかくの御要望でございますので申し上げて、私の質問を終わりたいと思います。
○池田委員長 松本善明君。
○松本(善)委員 先ほど外務大臣が中間報告をされたわけでありますが、この中で国民の知りたいと思っている重要な点がほとんど触れられていない。いままでの国会答弁の繰り返しであります。私は、こういう態度は国民に対するきわめて不誠実な遺憾な態度だというふうに思うのです。きょうは時間の関係で核の問題だけをお聞きしようと思います。 この報告の中でも核抜きを確信するというようなことをいわれておりますけれども、実際に国民が知りたいのは一体核があるのかどうか、それから核の撤去をどういうふうにして確かめるのか、こういう具体的なことが知りたいのであります。そういう点については全く触れられていない。先ほども総理大臣は核そのものがあるかどうかははっきりしないのだということを言われました。私は、そこで幾つかの事実をあげてお聞きしたいと思います。 去る五月七日の外務委員会で、嘉手納基地に核兵器安全点検室があるということを明らかにして、私は外務大臣に質問をいたしました。外務大臣はその事実を認められました。私たちの調査によりますと、この核兵器安全点検室には一九七〇年末で少なくも大佐一名、少佐三名の四名の佐官の核安全点検将校が配置をされております。この核安全点検将校は核兵器の出撃準備、発進なども点検をすべき対象とされているというふうに考えられる資料もございます。これだけではありません。沖繩にはたくさんあります。核弾薬庫と考えられております知花、辺野古には核貯蔵施設であると推測し得る特別の任務を持った部隊もあります。この二つの弾薬庫の属する第二兵たん軍団には原子核工学事務所もあります。また琉球米陸軍司令部にはCBR、化学・生物・放射能兵器学校もございます。この詳細については時間の関係で午後の質問ですべて明らかにいたしますけれども、総理大臣、一体沖繩に現在核があると考えておられるかどうか、この点をはっきりお答えいただきたいと思います。
○佐藤内閣総理大臣 私はいまはっきり知りません。
○松本(善)委員 私は、総理大臣がそういう態度でおられるということについてはきわめて国民の期待に反するものであると思います。私がいまあげましたような部隊が一体核兵器がなく、また持ち込まれる可能性も全くないというところにあると思われますか。
○佐藤内閣総理大臣 いまの持ち込まれる危険があるだろうという、そういうことは理論的にも想像はつく。しかし、現在ある、かように断定するわけにはいかない。私はわからない、かように申し上げます。共産党はそこまでお調べになっていらっしゃっていいかげんなことを言っているのじゃないのだ、かようにおっしゃるかわかりません。私どもはそこまでの調べがないから、私は正直に申し上げておる。知らないと言っておる。
○松本(善)委員 私が言ったような部隊があれば核があるということをお認めになりますかということをお聞きしておるのであります。
○佐藤内閣総理大臣 私は、いまの核があるということよりも、核の持ち込みのおそれがあるというか、核の持ち込みの危険があるという、そのほうは理論的にわかります。しかし、あるからいまのような人が配置されておる、かような結論にまで直ちにはいかないように思っております。
○松本(善)委員 総理大臣、いま沖繩に核があるということを考えないで、一体どうやって核抜きの交渉をされているのですか。核があるかないかということをたださないで、一体それは交渉になりますか。核抜きの交渉というのは、最も大事なことは、核がどこにある、これを撤去しろという交渉じゃないのですか。政府としてはそういうことはやってないのですか。
○佐藤内閣総理大臣 私は、日本の安全、これが安保条約のもとにおいて確保されている、しかも日本本土にはそういうものはない、いわゆる非核三原則を日本がとっておる。そのことはワシントン政府もよく了承している。ニクソン大統領も、日本の非核三原則、これは了承したと、かように申しております。したがいまして、沖繩にあろうがなかろうが、とにかく返還時においてははっきりして、本土並みということ、その上になお危険のないように核抜きとまで言っておる。本土並み自身でもう核抜きなんですよ。しかしどうも一部で非常な心配があるようですから核抜きということをわざわざ言った、かように御理解いただきます。
○松本(善)委員 ことばで核抜きと言っても、国民は信用できないですよ。核があるかないかわからぬという立場でそういう交渉は、私は成り立たぬと思います。 私は総理大臣に形を変えてお聞きしたいと思いますが、中曽根防衛庁長官が基地の点検ということを言われました。それから昨日、新聞の報道するところでは、内閣委員会で総理大臣は米軍の基地を調べるということを言われた。核が撤去されているということを確認をするためにどういうことをされるつもりでありますか。
○佐藤内閣総理大臣 もちろん引き継ぎの場合に十分実情をまず聴取するでしょう、また話し合うでしょう。それからまた現地について、可能な限り現地で確認をするでしょう。そういう方法がとられる、かように御了承いただきたい。
○松本(善)委員 そうすると、米軍の基地に入って調査をするということでございますね。
○佐藤内閣総理大臣 ただいま答えたとおりですから、よく速記を御点検いただきたいと思いますが、しかし私はいま申し上げたことが全部のように思います。その方法論等についてなお共産党のほうからも、こういうことがあるじゃないかというようなお話があれば、私どもそれを考慮に入れることにやぶさかでございません。だからそういうこともお話しください。十分御意見を、採用するしない、必ずしもここで確約はできませんが、しかし御意見は伺うことにやぶさかでございませんから、どうかお話しください。
○松本(善)委員 返還後の基地は日本が安保条約に基づいて提供するというふうに政府は言ってきました。日本の提供する基地の中に核がないことを確かめる、これがもしできなかったら、これは私は日本の主権に対する重大な制約だというふうに思いますが、総理大臣、どう考えられます。
○佐藤内閣総理大臣 ただいま、日本が提供するそういうものについて十分話し合いがつくということでなければ提供はできないですから、この提供を守るとか守らないとか、これはまた別な問題ですが、必ず私は、友邦アメリカ、これは核を、核抜き三原則を承認した限りにおいて十分守ってくれる、かように確信しております。
○松本(善)委員 つくらず、持たず、持ち込ませすという非核三原則、いま総理も言われましたけれども、持ち込ませずということがアメリカを信頼する以外にないということならば、これは持ち込ませずじゃないですよ。持ち込まないように期待をするという程度なんです。非核三原則なんと言ったってこれは何でもない。そう思いませんか。
○佐藤内閣総理大臣 これは御承知のように事前協議の対象になりますね、核を持ち込もうとすれば。その際にわれわれがノーと言えばそれは実現できないんじゃないですか。これは非常にはっきりしている。
○松本(善)委員 いま沖繩にある核のことを言っておるのです。その点については総理は先ほどから答弁を避けておられるのです。それを私たちは核隠しと言っているのです。この点を国民は重大な関心を持っております。この点についてはっきりしなければ、総理が否定をされてきた安保条約はきわめて重大な変質をするということは明らかだと思います。その点について総理の答弁を求めて終わりにしたいと思います。
○佐藤内閣総理大臣 どうも共産党を説得することはなかなか骨が折れますが、しかしただいまの返還時においてどういうことになるのか、これで私が国民に十分納得がいく、そういう処置がとれると思っております。だから、いま前もって核があるとかないとか議論するよりも返還時にどういう状態で返還されるか、このことが一番大事なことじゃないか。ただいま施政権はアメリカにあるのです。とやかく言うよりも、その返還時に私ども全力を注いで、そうして核がない、こういうことであるべきだ、かように私は思っております。
○松本(善)委員 そういう返還協定についての交渉のしかたというものについてはきわめて遺憾であるということを申し上げて、質問を終わりたいと思います。
○池田委員長 午後一時二十分、連合審査会を再開することとし、暫時休憩いたします。 午後零時十六分休憩 ————◇————— 午後一時三十分開議
○池田委員長 休憩前に引き続き、会議を続行いたします。 質疑を続けてまいります。國場幸昌君。
○國場委員 長年にわたる沖繩百万県民の待望する日本復帰もいよいよ一年足らずに参っております。この時期にあたり、外務大臣におきましては、日本の国際情勢のこの困難なる時期にあたり、沖繩百万県民のため、日本一億同胞の要望にこたえまして、沖繩返還協定に対する日米交渉の中間発表をなされたということに対しまして、私は政府当局はもちろんのこと、この国会におけるところの代議士の先生方に対し、百万県民にかわって深甚なる謝意を表するわけでございます。 御承知のとおり、沖繩は去る大戦により、平和条約の条件によりまして、四分の一世紀という長年にわたり施政権が分離されまして、復帰はいつなるかということは沖繩では歴史の転換期、いわゆる百万県民の日本という民族の誇りと主権の回復に対しまして、あと十一カ月にして復帰するということに大きな誇りと喜びを持つわけでございます。 今回外務大臣の中間発表に接しまして、その内容を見ました場合に、必ずしも沖繩百万県民が期待しておるような、いわゆる復帰した場合に基地はどうなるであろう、あるいはまた生活面においてはどうなるであろうかというようなことに対しては、こまかく中身そのものは知らされておらないということが残念に思うわけでございます。 そこで、私はこの発表の第三項についてお尋ねいたしたいことでございますが、調印と同時に、今後返還される基地を時期別に明示する等、主要な点に対して合意したことを明らかにした、こういうような意味合いのことがございます。御承知のとおり、沖繩は基地そのものの中に沖繩があるということまでもいわれておる。敗戦後、灰じんの中から立ち上がりまして、善悪は別としまして、基地に対するところの生活の依存度があまりにも高い。日本復帰は喜ぶといえども、県民は復帰してよくなるのか悪くなるのかというので、いま迎えくる復帰に対しまして不安をかもしておるというのが実情でございます。よって、外務大臣にお尋ねしたいことは、基地の返還に対しては時期別に計画を立てることに対して同意された、こういうようなことでございますが、この計画そのものが沖繩住民の生活を大きく左右するわけでございます。と申しますのは、基地経済約六〇%以上といわれておるところの住民生活、善悪は別としましてでも、基地の縮小により県民の生活というものを大きく左右するわけでございますので、その返還に対しての計画をひとつお知らせしていただきたいと思います。
○愛知国務大臣 今朝報告を申し上げました点でいわゆる施設、区域の提供の問題でございますが、これは申すまでもないところでありますが、返還が実現になりますれば、その時点で安保条約関連取りきめが沖繩に施行されますから、日本政府としては安保条約の目的にかなうものを日米合意の上であらためて提供することになるわけでございます。したがって、近く協定が調印の運びになると思いますが、調印の時期におきまして、返還が実現されるときに提供されることになるであろうところの地域等はできるだけ明らかにしたいと考えておりますが、同時にその時点までに提供しないもの、すなわち言いかえれば、現在は米軍の軍用地になっておりますが、これを返還させるもの等につきまして、同時に明らかにいたしたいと考えております。 それからもう一つは、返還の実現のときには一応提供されるけれども、その中で時期を区切って返還になるもののいわば予約と申しましょうか、こういうものもできればできるだけ明確にいたしたい。これが明らかにせられますと、それぞれの地域施設等に御関心の深い方々に御理解を願えますし、また安保条約が適用されることによって現在の基地とはその性格等が非常に変わるのみならず、縮小あるいは返還の線が明確に理解できる、こういうふうな姿に調印の時期にできるだけ明確にいたしたいと思いまして、現在各地域等について具体的にアメリカ側と話し合いを進めておる次第でございます。
○國場委員 第四項に移ります。「沖繩県民の方方からの要望に接しているもろもろの対米請求に関しましては、末だ満足すべき解決に達しておりませんが、政府としては、今後ともできる限りの努力を続けていく所存であります。」と、こういうようなことでありますが、いま一番沖繩住民でどうなることだろうというようなことは、御承知のとおり平和条約第十九条(a)項によるところの請求権の放棄ということに対しまして、今日までたびたび外務大臣にその説明を聞いておるわけでございますが、しかしいまだにその責任の所在というのがはっきりしないということに対して、沖繩百万県民はますます不安がつのるということになることだと、こう解します。私は日本の立場としまして、敗戦の責任を負う、その敗戦国としての平和条約でありますれば、不利の点があるということはよく承知しております。私は、その理論に対しまして、とやかく言うわけではございませんが、沖繩百万県民の土地は次から次返されていく。そうしますと、これに対するところのいわゆる復元補償あるいはまた人身傷害その他においても十近くの、県民に負わされ、いまだに解決しておらないところのいわゆる請求権を持つ諸権利があるわけでございます。そこで私は、このような請求権、これをどちらが責任を負うということをはっきりと沖繩県民に知らしめ、そして安心して今後政府の政策にも協力するし、また沖繩県民の正当なる権利の確保ということから考えましても、これはこの際はっきりしておかねばいけないことだ、こう考えるわけでございます。ことに自主防衛の線に沿いまして、沖繩基地は米軍の基地そのものが漸次縮小していく、それにかわるべきところの日本の自衛隊も入るということでございます。もちろんアメリカが直ちに引き揚げるわけではございませんので、その土地そのものの賃貸に対しては沖繩県民の同意のもとにアメリカとの契約を継続させるという再契約がなされるということも聞いております。そこで、この人たちに政府の計画そのものがスムーズに今後行けるようにするには、どちらにしましても、そういうまつわるところの諸問題の解決が先決でございますので、それに対するところのいかなるような方法をもって請求権者に対する償いをするかということに対し、お尋ねをいたすわけでございます。
○愛知国務大臣 中間報告でも率直に申し上げておりますように、この請求の問題がまだ十分煮詰まっていないということはたいへん私としても残念に思っているわけでございますが、先ほどの基地の問題もそうでございますし、他の問題もそうでございますが、現在の時点における折衝の経緯をそのまま申し上げておりますだけに、まだ煮詰まっておらない点を申し上げることができないためにいろいろの御疑問等が出てまいりますのは、これは当然のことである。この御疑問や御期待にどうかしてすみやかにこたえるように具体的な問題を詰めたいと思っておる次第でございます。 請求の問題につきましては、こういうふうな基本的な考え方でございますことはしばしば申し上げたつもりですが、いま一度簡単に繰り返しますと、沖繩の方々から各様各種にわたる請求の御要請を私どもとしても十分取りまとめて、その処理については誠意を尽くして当たりたいと考えております。なるほど平和条約第十九条がこれは沖繩にもかかりますし、沖繩県民の方にもかかりますから、十九条によって放棄されるわけでございますけれども、この放棄というのは、条約論からいえば、日本としてアメリカに対して請求権として請求をすることを放棄するということでございまして、沖繩県民の方々がこうした請求の問題を持っておられるということを否定するものではないと、かように私どもは考えておるわけでございます。そしてアメリカに対しましても、この十九条というものがございますけれども、一方におきまして十分合理的な根拠のあるものについては鋭意折衝いたしております。そしてそれとの相関関係におきまして、あるいは別途本土政府として考えなければならない問題もあろうかもしれませんが、ただ、これは現に対米折衝を鋭意いたしておるところでございますから、それらの点についてまだ詳細に相関的に申し上げる段階ではない。しかしこの請求の問題については、政府といたしましても大きな関心を持ち、また沖繩県民のお方々のお立場というものを十分尊重して事に当たりたい、これが基本的な考え方でございます。
○國場委員 防衛庁長官に簡単にひとつお尋ねしたいと思います。 いま沖繩では日本復帰と同時に軍用土地の再契約という段に追ってくるわけでございまして、沖繩の軍用土地連合会のほうでは、いまさっき外務大臣に見解をお願いしたあの補償問題に対しまして、もしこの補償が見通しがきかない場合には政府と沖繩軍用地主との契約は拒否する、こういうようなことまでも運動は展開されておるわけでございます。承りますと沖繩のほうに軍用地専門でいまいろいろな調査をあらゆる角度からやっておるようでございますが、その成り行きがいかになっておりますでしょうか、また防衛庁長官はその点に対しましていかなる見解をお持ちでありましょうか、お尋ねいたします。
○中曽根国務大臣 地主皆さま方の御納得と御理解を得て契約を実行いたしたいと思っております。そこで、いま現地調査をやっておりまして、各地主、地主の持ち土地というものはどういう状態になっているか、値段その他の問題で不合理はないか等あらゆる面で調べております。もちろん合理的にいまの地価は引き上げらるべきであると思いまして、そういう線で話もまた進める所存でおります。要するに長い間御苦労願った問題であり、また沖繩復帰に関する最重大問題の一つでもありますから、政府といたしましては、地主の皆さま方の御要望を十分そんたくして善処するつもりでおります。
○國場委員 残念でありますが、総務長官に質問がたくさんありますが、もう時間切れでございますので終わります。
○池田委員長 中谷鉄也君。
○中谷委員 防衛庁長官にお尋ねをいたしたいと思います。 七二年本土並み核抜き、ということでありますが、核抜きの事実を返還時までに確認をする。そのことについてはあらゆる適当な方法を考えているというのが、本委員会における午前中からの政府側の答弁であったと理解をいたします。そこで、防衛庁長官として考えられる核不存在の確認、点検のための適当な方法というのはどのような方法があると長官はお考えでしょうか、この点についてお尋ねをいたしたいと思います。
○中曽根国務大臣 私が従来言明してまいりましたのは、まず第一に返還後何らかの方法によって先方と合意の上そういう確認を実施いたしたい、ないという不存在の確認を実施したい。点検ということばは使っていないわけです。点検というのは、あることを前提にして点検するということもあります。私らの場合は不存在の確認を行なって県民の皆さんに御安心のいくようにせめてしたい、こういうことであります。そこで、具体的には向こうのナイキの基地を接収したり、あるいは向こうのナイキを買収して当方が使用するという場合がありますれば、その際におのずともわかるわけであります。われわれのほうは核抜きという原則でナイキを使用するのでございますから、核があればもちろん排除しなければなりませんし、引き渡しの際に当然向こうは撤去して引き渡すわけであります。また核弾頭装着のものは非核弾頭のもとに改造するとか変えなければなりません。そういうことが具体的に行なわれますから、ナイキの基地については引き渡し後確認できると私ら思います。 それからそのほかの、いわゆる弾薬貯蔵庫があるのではないかとか、いろいろいわれておりますが、先方も、毒ガスにつきましては、中まで住民や代表の皆さんを入れて存在を確認したり、また安心させるようないろいろな配慮をしておることも見てわかりますように、やはり沖繩の皆さんの御協力なしには、アメリカは友好的に基地を維持することはできない。長い間維持していることはむずかしいと思います。そういうことも先方は十分わかっているはずであります。日米友好という考えからいたしましても、われわれはできるだけ合意の上に立って、お互いがいい気持ちで共存する体制をつくるということが政治家としての仕事であると思いますが、そういう意味でいろいろ技術的方法を検討いたしまして、先方と話し合いの上で、住民の御納得のいくような報告ができるようなことを検討して実行してまいりたい、こう思っておるわけであります。
○中谷委員 外務大臣にお尋ねをいたしたいと思いますが、いま防衛庁長官から不存在確認の考えられる適当な方法について答弁がありましたが、この点については、外務大臣としてはアメリカとの折衝、交渉の中においてそのような話は進んでいるわけでしょうか。外務大臣としては、その点についてほかにさらに適当な方法というものはお考えになっておられますか。
○愛知国務大臣 午前中のこの連合委員会で総理大臣からもお答えをいたしておりますように、返還のときに核抜きのきれいな姿にして返してもらうということが中心の課題でございますから、ただいま防衛庁長官からお話がありましたし、それから私も、外務委員会、沖特あるいは予算委員会等で直接中谷委員にも何回かお答えしたことがあるように思いますけれども、私としても最善の方法を考えたい。皆さまに御安心を願ってきれいに返還ができるようにいたしたい、かように考えております。
○中谷委員 先ほど防衛庁の長官は、毒ガスの撤去の際には、毒ガス貯蔵庫について県民がそれを確認をした、そういうふうな事実があった。これは沖繩県民としては、核不存在ということは一番知りたいことだと思うのです。そうすると、先ほどそのことを例として引かれましたが、外務大臣としては、核貯蔵庫の不存在あるいは核貯蔵庫の中に核がないというようなこと、そんなことも沖繩県民として確認ができる、県民もその確認に参加ができるというようなこともお考えなのでしょうか。長官の御答弁には、それを示唆するようなお話があったとも私には思われます。そうなると、私は不存在確認というものは一歩進んだことに相なると思いますが、いかがでしょうか。
○愛知国務大臣 実は毒ガス撤去のこの例と申しますのは、私も毒ガスの第一回の搬送ができましたときに、例としてあげたくらいでございまして、いろいろ方法は考えられると思いますけれども、しかし、ただいまこまかく具体的な方法まで申し上げる段階ではまだございません。先ほど申しましたように、毒ガス撤去の場合もその一つの大きな示唆を与えていると思って、十分これらも参考にして善処いたしたいと思います。
○中谷委員 重ねてお尋ねをいたしますが、単に防衛庁の職員、自衛官が核の不存在を確認をするというだけではなしに、県民が何らかの形において核不存在を確認をする。直接県民の目とからだでこれを確認をする。そのことが核不存在について、沖繩県民にとって、日本国民にとって適当かつ非常に好ましいことだ。そして、そのことについて外務大臣としては努力をされる、こういう趣旨の御答弁として伺ってよろしいでしょうか。
○愛知国務大臣 私は事柄が事柄でございますから、だれでもが自由に出入りできるようなたてまえのもとでなければ確認ができないというのも、少しぎくしゃくし過ぎるのではなかろうかと思いますけれども、とにかく県民の方々に御安心が願えるような最善の方法を、先方ともとっくり相談をいたしまして、善処をいたしたいというのが私の考え方でございます。
○中谷委員 沖繩返還交渉についての一つの基本的な姿勢について、外務大臣にお尋ねをいたしたいと思いますが、要するに、沖繩基地の機能を低下させないということが、返還交渉の前提条件とされているということであるならば、それは午前中から繰り返し繰り返し多くの委員が質問をいたしましたとおり、安保の実質的変更ということに相なるだろうと思うのであります。 そこで、端的にお尋ねをいたしたいと思います。六九年十一月の日米共同声明当時の沖繩の基地の機能と、返還後の、すなわち安保地位協定、それに伴うところの諸関連取りきめが適用されるその後の沖繩の基地というのは、基地の機能が低下することに相なるのでしょうかどうか。この点外務大臣の御答弁をいただきたい。
○愛知国務大臣 しばしば問題にされる点ですが、私は、こういう角度からお答えをすれば一番常識的におわかりいただけるかと思いますから、お許しをいただきたいと思います。 沖繩が返還されれば、現在の沖繩におります米軍の性格というものは、根本的に非常に変わると思います。なぜかというならば、現在は施政権を持っておるのでありますから、アメリカの各州、アメリカの本土におる軍隊と変わるところはないわけでございます。これが安保条約関連取りきめのそのままの、何らの変更なしの適用になるのでありますから、安保条約を目的とするそのための駐留ということであり、そのための施設、区域の提供ということであり、したがって、目的も性格も変わるし、その行動あるいは装備、編成の重要なものについての重大な制約も提供される施設、区域にかかるわけでございますね。そういう点では、私は現在の態様と全然本質的に変わってくると思います。したがいまして、返還に伴いまして、返還前にも現に使っておる基地を返してもらうもの、あるいは返還後しばらくの時期に返還をいわば予約するようなものというようなところから始めて、基地の縮小整理が行なわれることは、これは当然のことだと思うのです。そしてまた、その当然のことをやるべく、返還協定の作成に際して政府としてもいま非常な努力をしているところである、かような状況でございまして、ただいまの御質疑に対してそういうふうにお答えするのが、私は政府としての誠実な態度であろう、かように存じております。
○中谷委員 返還交渉の一つの課題がいわゆる特殊部隊の問題であることは、中間報告の中で報告をされました。そこで、政府としてはいわゆる特殊部隊というものはどのようなものを特殊部隊としてお考えになっておられますか。これをひとつこの機会に政府のほうから、外務大臣のほうからいわゆる特殊部隊といわれているものについて列挙をしていただきたい。
○愛知国務大臣 これをいわゆる特殊部隊と私どもも呼んでおりますか、世の中でいろいろな刊行物であるとか、あるいはまた情報記事でありますとか、その中でいわれている第何部隊等々につきまして、事務当局から御説明いたさせます。
○中谷委員 事務当局から御答弁をいただきます前に、あるいは事務当局の御答弁を省略いたしまして、私のほうから次のような質問を続けていたしたいと思います。 たとえばSR71偵察機部隊、心理作戦部隊、水陸両用部隊、情報学校、その他いわゆる特殊部隊といわれておるものはたくさんございます。これらの特殊部隊といわれておるものについて、その特殊部隊の性格、機能等については、返還時においては明らかになりますかどうか。これは核の問題と関連をいたします。これらの特殊部隊が安保条約、地位協定のワク内に入るのだといっても、この特殊部隊の機能、性格というものが不明確なままでは、はたして安保条約、地位協定のワク内に入り込むものかどうか、この点について国民は不安を感じます。これらのものについては、国会において、心理部隊、その他いわゆる特殊部隊の性格、機能等については報告、説明をされますかどうか。大臣の御答弁をいただきたい。
○愛知国務大臣 いわゆる特殊部隊については、これもまたただいままでしばしばいろいろの機会に、この国会中もほとんど連日のごとく御質問いただいておりまして、政府としても実態の掌握につとめてまいりました。そして、実態の掌握ができましたものは、逐次御説明申し上げておるとおりでございます。今後におきましても、実態の究明につとめ、またそれに応じまして、国会を通して御説明をいたすつもりでございます。これは当然のことであると思います。 そこで、実態のお尋ねですが、私はいわゆる、この各特殊部隊の名称とか、その内容とか、あるいは編成だとか、与えられている任務であるとか、これはもちろん大事な、調べなければならぬことであり、掌握しなければならぬことでございますが、問題は、安保条約というものは第六条で、ことに、駐留する米陸海空軍等の目的といいますか、性格というものは、全体的にしぼりがかかっているわけですから、そのワク組みの中での部隊というのが本則だろうと思うのです。したがって、たとえば第三国軍の軍隊をもっぱら訓練するがために置く施設というようなものは、たとえて言えばこの中には入らない。したがって、こういうものは返還のときにはきれいにしてもらうということが一つ言えると私は思います。 それから、ただいまSR71ということを例におあげになりましたが、この性格のものは、その行動等が問題であると思うのです。その持てる能力ということよりも、その行動自体が問題であって、そしてこれはもちろんその欲する活動の種類いかんによっては、事前協議の対象になる、それに対して日本が主体的な判断をする、こういうことは申し上げるまでもございませんが、そこに至らないものであっても、たとえば他国を刺激する、あるいは領空、領海等を——あるいは何か接触をするおそれがあるというようなふうに見られる可能性のあるものについては、そういうことが現実に起こらないような保証を取りつけるということが必要であろうかと思います。ただ単に部隊名が何々だからいかぬとか、あるいはその潜在的な能力、可能性がこうであるからいかぬとかいうことではなくて、実態が安保条約の目的に沿うような、そのワク組みの中でなければならない、こういうことを主眼にして、政府といたしましては十分話し合いを煮詰めてまいるつもりでおります。
○中谷委員 ただいま大臣のほうからSR71偵察機についてのお話、これは私のほうからお尋ねをしたことについて、特にお引きになってお話がありましたので、では次のようなことを私、この機会に申し上げてみたいと思うのです。 はたして、この偵察機についての事前協議制によって縛るのだということが可能なのかどうか。この偵察機の持っておる性格、機能、それ自体が事前協議になじまないのではないかということを私は、国民は不安を持つのは当然ではないかと思うのであります。何となれば、沖繩と中国大陸との距離は、たしか六百キロであります。そうして、この偵察機の時速は、スリー・マッハ、すなわち時速三千五百キロでございますね。そういたしますると、そんな偵察機が沖繩の嘉手納の飛行場を飛び立つということが——公海だけを偵察をしているというふうなことがあり得るだろうか。たとえば中国からの資料等によりますると、領空侵犯についての、ときとしては四十五回にわたる抗議というものが行なわれているということは、これも大臣すでに御承知のとおりであります。したがって、これらの偵察機については、偵察機が沖繩に存在するということ自体、これは事前協議制になじまない、そのこと自体が安保のワク組みからはずれるのだ、こういうふうに私は考えますが、特殊部隊全部についてきょうは論議するわけにはまいりませんが、この点についての大臣の御見解を承りたい。
○愛知国務大臣 私は、SR71の問題を先ほど提起されましたから例として申し上げたのであって、SR71の性能等がはたして戦闘作戦行動を展開するのにふさわしい、なじむものかどうかということは別問題でございます。しかし、これが出撃行動、戦闘作戦行動ということになるのならば、これは当然に事前協議の対象になるし、また現在のような状況下におきまして、それにイエスと言うことが望ましいこととは私はいま考えませんですけれども、とにかくこれは事前協議の対象になることは明白であるということが一つです。これははたして、そのSR71の性能その他からいって、なじむかなじまないかは別問題で、仕組みがそういうことになっておるわけであります。そのことを申しました。 もう一つは、今度は、なじむようなものであるとした場合に、——なじむというか、SR71というものの性能というものが、ただいまお話しになるようなものであるとすれば、それに相応して、これが他の第三国その他を刺激と申しましょうか、するようなこと、あるいは国際法等に違反するようなこと、いわんや安保条約の目的から逸脱するような行動をしないような保証をとることが、また私は必要であろうと思います。それを御指摘になっているのだろうと思いますから、そういう御意見につきましては、政府としても十分そういう考えを取り入れて、ただいまもいろいろとやっているところであるという趣旨を申し上げたわけでございます。
○中谷委員 艦隊と同一行動をとっている水陸両用部隊、謀略を主として作戦任務としている心理部隊、さらにスリー・マッハ、時速三千五百キロという能力を持っている偵察機、そういうふうなものが沖繩にあるということ自体が事前協議の対象になり得ない、安保のワクをはみ出すもの、したがって、安保条約の実質的変更になるというふうに私は考えます。その点を憂慮するわけであります。しかし、大蔵大臣、御出席になりましたので、資産承継の問題について質問を変えたいと思います。 そこで、資産承継の問題については、資産承継、資産買い取り、どのようなことばを使うにせよ、私たちの考え方は、二十五年間、沖繩が異民族支配のもとにあった、そのアメリカに対して金を払うということは不合理なことだということが質問の前提になります。しかし、それはさておいて、一体資産承継といわれておりまするけれども、先ほど午前中の総理の答弁によりますると、県民の利益の限度において評価して金額を支払う旨の総理答弁があったと私は記憶をいたします。資産承継の場合の金額については、あるいは三億ドルといわれ、あるいは五億ドルといわれている。きょうは金額のことについてはお聞きをいたしませんが、計算のやり方、計算の基本的な考え方、これは一体どういうふうな考え方で政府は臨んでおられるでしょうか。この点を私はお聞きをいたしたい。なお三公社のほかに、特にこの機会に承継の対象となる新しい物件、そういうようなものがありましたら、つけ加えて御答弁をいただきたいと思います。
○福田国務大臣 基本的な考え方といたしましては、私は、常々世界一けちんぼうだ、こういうふうに申し上げておりますので、なるべくこれに関連して支払いはいたしたくないというふうに思います。しかし、とにかく本土並み核抜き沖繩返還、これは世界歴史上初めてといわれるような事態かと思います。これを円滑に実現せしめたい、これには財政当局としてもぜひとも協力をしたい、こういう基本的な考え方を持っておるのです。総理の午前中の御答弁、私はそのとおりだというふうに思いますが、とにかくその引き継ぎの対象となるものは、これは、一つはいまお話がありましたが、そのほかに行政用財産、それから基地外の道路、それから航空標識、航路標識、そういうようなものです。その他、いま申し上げたように、返還を容易にするというようなことで、こちらからぜひこうしてくれ、こういうお願いをしたいものがあるのです。たとえば飛行場です。これなんかまだわかりませんけれども、もし金を出せばこれで解決するんだというようなことでありますれば、それは解決したい、こういうふうに考えております。
○中谷委員 この機会に私は総務長官にお尋ねをいたしたいと思うのです。 本日、中間報告が報告されました。そこで、基地の整理統合についての区別、区分、考え方というものがきわめて簡単にここに書かれております。これ、基地の整理統合ということばを使われております。この点について非常に私は不満を感ずる。これはあくまで基地の大幅な整理縮小でなければならない。この点についても、どの程度の基地が縮小されるのか、この点について全くこの中間報告ではわれわれは判断することができません。そこで、民生の安定、経済の向上ということと、沖繩に膨大な基地が存在をするということとは、私は県民のしあわせにとって二律背反であると考えているわけです。 そこで、総務長官にお尋ねをいたしたいと思いまするけれども、総務長官としては、どの程度の基地が縮小されるのか、すなわち、返還される基地は現在の基地の何%に及ぶのかというふうなことが明確にならない状態において、沖繩の経済開発、すなわち民生の安定、経済の向上ということについての計画、行政、レイアウト、そういうようなものをつくることが可能でしょうかどうか。この中間報告をもって、この段階においてそういうことについて沖繩の県民のしあわせというものを、どのようにして守るかということについては、長官のお考えの中に必ずしも確信が持てないのじゃないかと私は思う。この点についてはいかがでしょうか。
○山中国務大臣 具体的な軍事基地のそれぞれの縮小あるいは事前返還、直後の返還等については、外務大臣のただいま御折衝中のところであります。しかし私の立場では、たとえば那覇市の雑然たる、結果的に市街地を形成したとしか言いようのない市街地について都市計画をりっぱにしたい、県庁所在地でありますから。そういうことを考える場合には、当然、空港はもちろんのこと、俗称上之屋住宅街といわれておる牧港住宅街等も何らかの手段をもって開放してほしい、あるいは軍港その他のいろいろの要望を持っております。これらは絶えず外務大臣に対して御要望申し上げておるところでありますが、また中部等においては嘉手納村あたりは八割が軍用地であるあるいは北谷村は七割五分が軍用地である。こういうところの人々は生活権そのものが成り立っていかないという問題かあります。あるいはコザ等においては、先ほどの國場君の御質問にありまして、私答弁のチャンスを失ったのでありますか、それらの基地依存の人々の実際上のB52が引き揚げただけでも生活に影響があるというような問題等、多面にわたっておりますので、これらの問題を踏まえて経済計画をつくります場合に、琉球政府のつくりました計画では、基地がほとんど撤去されることを前提にいたしております。現実においてはなかなかむずかしい。そこの中間において私のほうでは作業を進めなければなりませんので、外務大臣のほうのすみやかな幾段階に分かれた基地の返還の態様というものが、少なくとも沖繩県民の生活、経済向上の青写真にプラスになるように極力外務大臣にお願いをいたしておるところでございます。
○中谷委員 あと返還交渉の柱の一つである請求権の問題について外務大臣にお尋ねをいたしたいと思います。 要するに、このように原則的にわれわれは理解をしてよろしいのですね。対米請求権、すなわち二十五年間にわたる沖繩県民が受けたところの物的、人的な損害、それが土地については土地の滅失あるいは入り会い権の侵害など、あるいは基地公害といわれておるようなもの、さらに交通事故によるところの人身損害、それらのもろもろの二十五年間にわたる沖繩県民の米軍及びアメリカの施政権下において受けたところの損害についての請求権というものは、放棄をしないのだというふうに理解をしてよろしいわけですね。ただ問題は、その請求権の金額について現在交渉において本日明確に御報告いただけるに至らなかったというふうに理解すべきだと私は思いますが、その点いかがでしょうか。
○愛知国務大臣 この点は先ほどかなり詳細に申し上げたつもりなのでありますが、サンフランシスコ平和条約第十九条によるところの請求権の放棄というものは、これは沖繩の場合にも当てはまらざるを得ないから、十九条に掲げられてあるような種類の請求権は、これは放棄せざるを得ないというのが政府の従来からの考え方でございます。 しかし、先ほど申し上げましたように、そのことは日本としてアメリカに対して請求権を請求することを放棄したということであって、沖繩の県民の方々がそれぞれにこれはこういう請求権を持っているつもりであるということを否定するものではない、私は、かように考えます。したがって、十九条はあるにかかわらず、一面においてアメリカに対して十分合理的に請求の根拠ができるものは、従来二十五年間の施政権下におけるいろいろの状況にも照らして、いわばエクイティの原則その他からいって請求し得るものについては、できるだけ政府としては折衝を続けております。そして何らかの結論を得たいと思いまして、最も重要な一つの問題として政府としても力を尽くしておるわけでございます。同時に、それの結末のつき方いかんによりましては、別個の立場でこの沖繩県民の方々のお立場というものに対して政府としては十分な配慮を考えていかなければなるまい、こういう場合もあり得ようということが現在の私の心持ちでございますけれども、ただ、いま申しておりますように、一面においては対米請求について一生懸命政府としてもやっているわけなんです。その段階におきまして、これはこうこういうことになりそうである、これはこうであるということを申し上げるのにはまだ私は早計である、かように申し上げておる次第でございます。
○中谷委員 先ほど外務大臣がかなり詳細に説明をされたとおっしゃるから、私はその点についての非常な疑義を感じたわけであります。すなわち、個々の沖繩県民の対米請求権は存在をするんだと言われる。そこでこれをきわめて常識的に考えますると、個々の沖繩県民がアメリカ政府を相手どって訴訟をしなさいということになる、話がまとまらなければ。そんなことは、請求権あって支払いを受ける実績がないということをこの席でおっしゃったことに相なる、そのままであれば。それは非常に沖繩県民にとっては私は残酷なことだと思うのです。なぜ沖繩県民がアメリカの裁判所へ行って訴訟が起こせますか。だから私は外務大臣がおっしゃっているのはそうではない。個々の沖繩県民の請求権は厳然として存在をする。その存在している請求権については政府が沖繩県民にかわってアメリカに対してその請求権の行使とその支払いについての強力な交渉をして実績をあげましょう、こういう趣旨に理解をしてよろしいのでございますね。たとえば涙金であるとか見舞い金であるとかいうふうなことでお茶を濁すというふうなことではないわけでございますね。
○愛知国務大臣 それはまた少し話が広くなってきたので、私が申しておりますこととは多少違います。と申しますのは、前々からよく御承知のとおり、私はかつて、このたくさんのいわゆる請求権といわれておるものを大ざっぱに分類いたしましても十項目になる、こういうことをしばしば申し上げたことがございますが、これが全部対米請求権の問題とは私はならないということも申し上げておるわけです。つまり、いま裁判の問題とかなんとかおっしゃいましたけれども、必ずしもこれは法律関係等からいいましても、対米請求権という根拠のないものが相当私はあろうかと思います。しかし、これはその個々のお立場から見れば、こういうふうな損害を受けているんだから何とか補償をしてもらいたいというお立場を持っておられることは政府としても十分承知しておる。したがって、それに対しましては何とかできるだけの配慮をいたしたい。その中には、えり分けて交渉をする対象として見れば、確かに対米的にも、先ほど申しましたような考え方からいって、十九条というものはあるけれども、これは請求の対象になるものもある。また、かりに請求の問題として解決しなかった場合には、またそれにかわるべき何らかの方法もあろうかと、またそういうことは考えなければならない場合もあり得るであろうというふうに考えているわけでございまして、とにかく政府といたしましては沖繩県民の方々の御事情というものを十分理解し、その上に踏んまえてその処理をいたしたいと考えているわけでございます。
○中谷委員 対米請求権の問題というのは、ただ単に補償を受けるというだけの問題ではなしに、二十五年間にわたる不法な支配そのものが単にそのままで黙過されてはならないという、そういう民族的な要求も持っているものだと思うのです。この点については私は対米請求権というものは、基地が存在したこと、基地の運用によるもの、その他の人身事故等、厳然として存在をしておるのであって、この点について万が一にも放棄などということがあってはならないということを申し上げておきたいと思います。 なお最後に一点だけ、この点について多くの方お触れにならないと思いますので、裁判の効力の問題についてお尋ねをして質問を終わりたいと思います。裁判の効力に関する中間報告によりますると、裁判の引き継ぎ問題については、社会秩序の安定性という観点から原則として引き継ぐというふうに書かれております。そこで問題になるのは、われわれの原則的な基本的な考え方は、施政権下における異民族支配のもとにおけるところの社会秩序の安定性ということがそれほど強調されねばならないのかどうか、要するに日本国憲法の保障下になかったところの裁判の効力というものをどのように考えるかという視点、そのような考え方というものは大きく導入されなければならないと思うのであります。特に刑事裁判の確定判決についてしかりであります。「原則として引き継ぐ」と、こういうふうにありまするけれども、したがって、しからば例外はどのような場合に認められるのか、どのような場合に例外を認めようとするのか、たとえば刑事裁判において施政権下において受けたところの判決については不服だという申し立てをしたものについては、再裁判の道を開くというふうな方法があってしかるべきだと思うけれども、この点についてはいかがでしょうか。この点についてお答えをいただきたい。
○愛知国務大臣 この裁判権の問題については先ほど報告で申し上げたとおりでございまして、そして細部についての条文等については、ただいままだ成文化したところまでいっておりませんので、いずれこれはこまかい点にわたりまして詳細に用意をいたしまして御報告をすることにいたしたい、原則的な考え方を先ほど報告を申し上げただけでございます。
○池田委員長 上原康助君。
○上原委員 二十五カ年余にわたる県民の諸要求あるいは返還諸準備にあたっての諸問題をわずか十分や十五分の時間で質問をしなければいかない、苦痛を覚えながら限られた時間でいろいろお聞きをしたいと思います。 けさ御報告いただきました中間報告の中では県民が求めていることについてはほとんど触れられておりません。したがって、中身についてこれ以上突っ込んでもあまり具体的な件は出てこないかもしれませんが、あらためて交渉の当事者として御努力をいただいている外務大臣にお伺いをしたいと思います。 きょうの中間報告の中で、前文から第六項まで一応出されておりますが、返還協定の中に織り込まれる諸項目はどういうものがあるのか、それが一つ。 返還協定調印の時期はいつなのか、それが二点目。 三点目に返還協定と関連をする交換公文なりその他いろいろあるかと思います、付帯事項というのが。そういうものはどういうことが予想されるのか、その面についての御説明を賜わりたいと思います。
○愛知国務大臣 返還協定に盛るべき事項については、大体けさほど御報告をいたしました中に触れられているつもりでございます。前々から申し上げておりますように、この事の大小あるいは深さは非常に違いますけれども、奄美、小笠原というような前例もございますし、あと加わる項目がある程度あるかもしれませんけれども、大体問題としては尽くしているように考えておる次第でございます。 それから、調印の時期でございますが、これはやはり報告で申し上げておりますように、一日もすみやかにということでわれわれ努力を重ねておるわけでございますけれども、率直に申しまして、東京で交渉をいたしておるわけですから、こちらからは十分日本側の考え方を詳細にわたって談判できる立場におるのですけれども、先方は、駐日大使館がこれを受けておりますから、実際問題として、本国に請訓をすることが非常に多い、あるいはまた、本国政府でも横の連絡がたくさんあるようでございますので、そういう点でまだある程度の時日がかかるのではなかろうかと想像されます。 それから、この条約に付帯してどういうものができるか、原則的にはほとんど何もないつもりでやっております。いわんや、よく世上取りざたされますが、秘密にわたるようなものは一切予想いたしません。全部公開でいたしたいと思っております。
○上原委員 次に、この報告の中の三ページの中段に、施設、区域の提供の件についてお触れになっておりますが、具体的に政府が返還を先方に要求している施設、区域について、どの範囲なのか、明らかにできる部分について御説明をいただきたいと思います。
○愛知国務大臣 これが、実はここに書きましたとおりで、調印の時期にできるだけ具体的な内容を明らかにいたしたいと考えておりますので、率直に言いまして、これはなかなか折衝に骨の折れるところでございまして、本日のところはその内容等について申し上げますのをごかんべん願いたいと思います。ただ、政府といたしましては、これは非常に大事なところでありますので、現在もうあらゆる努力をいたしまして御期待に沿うようにいたしたいと思っております。
○上原委員 私がなぜこのことを強くお聞きをいたしますかといいますと、現に地主の方々も、返還をしてもらいたいという土地というものを具体的にあげて、政府なり米側に要求をしております。 ここに一例を申し上げますが、たとえば北谷村のごとき、御案内のように、ほんとうに基地の中に沖繩があるという証明なんですね。この赤い部分全体が軍用地、住民というのはすみっこに追いやられて、占領当時からそのままの状態で生活を余儀なくされている。少なくともこの黄色い部分については返還をしてもらいたいという強い要求をいま県民は出しておる。このような地主の強い要求、県民の要求に対してこたえ得る返還協定の中身になるかどうか、きわめて疑問を持たざるを得ません。そのことについてどうお考えなのか。ぜひとも地主や県民の要求にこたえる姿勢で煮詰めをやっていただきたいということ、この点について大臣の率直なる見解を賜わっておきたいと思います。
○愛知国務大臣 私の姿勢及び気持ちとしてはもう上原さんと同じ気持ちでございます。そういうことでこれから何とかして努力を続けてまいりたいと思っております。
○上原委員 具体的に返還を求められている軍用地、地主から要求されている施設、区域の返還について、これからの交渉の中で相手方に強く要求をなさる、そしてそれがいれられるという確信なり——ここでは確信が持てるというような表現をなさっておりますが、そのめどは立つとお考えですか。
○愛知国務大臣 確信を持って事に当たっているつもりでございます。ただ、率直に言えば、相当の程度にその確信が通る場合を私は期待しておりますが、返還のあとの見通しが時間的に相当つくようにということも含めまして、結果として御批判をいただくようなことになる場合もあろうかと思います。
○上原委員 時間がありませんので、これは簡単にお答えいただきたいのですが、返還後、事前協議という問題あるいは核問題、いろいろ触れられておりますが、かりに沖繩基地を対象にして事前協議をしなければいかない、事前協議の対象になるということはどういうことが予想されますか。
○愛知国務大臣 私は、これも率直に申しまして、安保条約関連取りきめを何らの変更なしにずばりと適用するということで返還話がまとまるはずでございますから、そうなれば全く本土並みの運用、そして現に本土におきまして事前協議というようなことがなかったわけでございますから、こういう状態を沖繩においてもつくり上げていくということがほんとうの本土並みであろう、こういう気持ちでやっていきたいと思いますから、返還後にどんな場合に事前協議がくるであろうかというようなことは、私としては予想したくないところでございます。
○上原委員 どうもそこいらが納得のいかない点ですが、突っ込んだ議論はできませんので……。 ただ、条約や法律というものを、より県民の立場に立って、あるいは平和、民主主義という立場に立っての解釈というのが私は必要だと思うのです。相手側の立場に立った法律の解釈なり条約の解釈ということによって県民が犠牲にされ、国民が不幸になる、それが沖繩の現在なんだ。そのことを強く申し上げておきたいと思うのです。 最後に、総務長官に一点だけお尋ねをしておきたいと思います。 きょう、返還協定につきましては、中間報告が、不満足ながらも公式に発表されたわけですが、これと相関連する内政面の問題についても、県民生活あるいは現在の復帰不安というものをなくしていく、ほんとうに県民が、復帰してよかったという復帰というものを、政府はじめわれわれ努力をしてやっていかなければいかないと思うのです。その意味で、内政面の件について、国会も会期末に迫っておりますが、やはり私は中間報告なり、具体的にいまお進めになっている第一次、第二次の要綱、第三次ということでなくして、もう少し県民が納得のいく内政面の復帰準備ということも明らかにしてしかるべきだと思うのですが、この件についてどうお考えなのか、御見解を賜わりたいと思います。
○山中国務大臣 これは返還協定のようなものと違いますので、第三次にどういうものを入れるか、それについて琉政側、現地側とどのような見解の相違があって調整中であるか、それらの問題については、いつでも御質問に対して明確に答弁をいたしておりますので、私としては、特別に何か中間報告というものは必要のない性格のものであると考えます。
○上原委員 あと二分ぐらいありますので、それじゃ、いまのことと関連いたしまして、外務大臣並びに総務長官にお伺いいたしておきますが、きょう報告をされたこの中間報告に対して、おそらく県民はやはり県民の知りたがっていることに対しては報告をされていないという強い不満の意が私は沖繩から起きてくると思うのです。その意味で、ぜひともこれから煮詰めの段階において、県民の切実な要求というものを入れて、返還交渉、返還の総仕上げをなさるという、そのことをぜひ大臣にやっていただきたいし、どういう気持ちでこの報告をいま県民が見ているかということも含めて、両大臣の見解を賜わっておきたいと思うのです。
○愛知国務大臣 これも率直に申し上げますが、実はこういう形で内容がまだ整わない、煮詰まらない段階で中間報告を申し上げましたのは、重要な条約交渉の場合のまことに異例なことでございまして、政府としてはずいぶんこれを思い切ってやりましたし、同時に国会の皆さま方からは御不満を非常に買うところであると思うのです、中身が非常に抽象的でございますから。しかし、私どもがそういう異例な、おしかりを受けることを十分覚悟の上でかようにいたしましたのは、ただいま御指摘になりましたように、非常に大きな問題であり、そして沖繩の百万の方々がどんなにこの問題について御関心を深くされているかということは、私どもなりに非常によくわかりますだけに、あえてかようなまことに不行き届きな中間報告でございましたが、あえてこれをいたしまして、この機会に与野党の方々から大いに御意見を承りたい、かように考えたからでございまして、この考え方につきましては、まことに行き届かぬ措置でございますけれども、どうかこの政府の微意の存しますところをおくみ取りいただければたいへんしあわせに存ずる次第でございます。
○山中国務大臣 本日の外務大臣の中間報告の案文を入手された屋良主席は、本日午前、談話の形で具体的な点を指摘した声明を発表しておられます。これについては要請事項等もあげられておられますし、また立法院等においても、与野党通じていろいろの見解をもって要請のために主席とともに上京したい、こういうような情報等も入っております。沖繩担当大臣としてそれらの御要請を外務大臣のほうに、私も一緒になってお願いをする立場のものはお願いするという姿勢でもってお話をいたしたいと考えます。
○上原委員 どういうルートを通して琉球政府にこの中間報告を渡したのか、そのことについてお伺いしておきたいと思います。
○愛知国務大臣 中間報告につきましては、いまも申しましたが、私どもといたしましても、中身等についてはさぞまだこれでは不十分であるとお考えと思いましたけれども、大体現在の状況でこういうふうになる、いいかえればこういうふうな御報告の内容の程度にしかならない。そのことはたまたま上京中でございました那覇の日本政府代表高瀬大使が在京中でもございましたので、大使に対しましても、昨晩でございましたか、話をした、そのほうからお話をいたしたということに相なっております。
○上原委員 時間が参りましたので終わりますが、こういう重要なことを直接やはり県民の主席に日本政府から手渡さなかった、その件についてはやはり遺憾の意を表明せざるを得ません。 以上です。
○愛知国務大臣 実は私といたしましては、少なくとも国会に御報告をいたしますその同時期には、私は沖繩の代表者であられる主席に対しまして、私もほんとうにお話をしたかったのでございますが、そのことができません。私のその意図は十分主席には通じております。
○池田委員長 石井一君。
○石井(一)委員 六月の上旬調印をめどに、最後の努力をしておられます両大臣に敬意を表したいと存じますが、私は調印が終わりましても、日本の国会とアメリカの上院においてこれを批准しなければならない、こういうことでございまして、最近のアメリカの議会での周辺の動きや世論というものに対して、私は一まつの不安を感じておるものでございます。 そこで、小笠原、奄美大島の返還のときに、単なる上院の多数決で行なわれる行政協定の方式がとられたわけでございますけれども、同じ領土の返還でありながら、今回は上院の三分の二の議決を必要とする、ことばをかえて言うなれば、百名の上院議員の定数の中で、三十四名の人が反対をすればこの案件はふいになってしまう、こういう条約形式をとっておる。これは他国のことでございますけれども、沖繩返還に対して非常に重要な意味を持つ、こういうふうに考えますので、この点についてなぜ条約の形式になったか、おわかりであるようでございましたら、外務大臣からお答えをいただきたいと存じます。
○愛知国務大臣 アメリカの政府と国会との関係について、日本の外務大臣が御説明するのはいささか不適当だと思いますが、やはり私の想像いたしまするところでは、奄美、小笠原は御指摘のとおりでございますけれども、行政協定ということで二十数年にわたり百万人の沖繩県民がそこにおられた、まことにこれは特殊な状態であって、そうしてまた、アメリカとしてはアメリカとしての十分の、何と申しましょうか、関心も深かったに違いない。したがって、これを条約の形式として立法府の承認を求めるということにしたのが、私はアメリカの考え方であろうと思います。なお、御参考まででございますが、一昨年十一月の佐藤・ニクソン共同声明のときに、御記憶のとおり、双方が立法府の承認を得て云々という字句が入っておりますが、これは日本側から言えば当然過ぎるくらいで、この字句は実は不必要なんでございますけれども、当時からアメリカの政府としては、立法府の手続ということに非常な配慮があって、あの条項が先方の希望によって入った、このことから考えましても、アメリカの国会としては最高の手続をとってくれるようにというのが政府との話し合いといいますか、ムードではなかったんだろうか、かように考えられます。
○石井(一)委員 そこで少し問題をトレースしてみたいのでございますが、四月の中旬にニクソン大統領が、正式にこれは条約の形式でやるのだということを表明いたしましたときに、四月の十九日付のニューヨークタイムズの社説は、現在の交渉が、いわゆる繊維交渉の、繊維のロビーストやら、保護貿易主義者の人質になるようなことになっては非常に困る。日米両国の将来を考えた場合に、これは行政協定の方式をとるべきであるというふうな論調を掲げております。それから次に、同じくニューヨークタイムズでありますが、四月の二十九日にはフルブライト外交委員長が、これは重要な問題であるから当然条約形式をとるべきである。しかしながら非常に強い上院の反対があるということも認識しておるというふうなことをやはり表明いたしております。それからさらに五月三日付の、これも社説でございますが、ニューヨークタイムズには、サーモンド、ロング議員をはじめ、南部選出の上院議員が非常に強い抵抗を示しはじめておる。したがって、繊維問題とのからみ合いで年内に協定が成立するかどうかあやぶむ向きまで出てきておるというふうな報道がまことしやかに報道されておるというのが現実であります。私が非常に危惧いたしますのは、上院の周辺が三十四名をブロックするために、いま非常に活発に動いておるということは確かでございまして、私たちが国会で論議いたしておりますこの議論もあちらのほうに伝わっておるのは当然でございますけれども、いまから考えてもう数カ月、夏の休暇に上院が入るまでにベトナム問題なり日中問題たくさんの問題をかかえておりますけれども、こういう不確定要素に対して、政府は何らかの対策をとられようとしておるのかどうか、この点をひとつお伺いしてみたいと思います。
○愛知国務大臣 いまおあげになりましたようないろいろの新聞の報道あるいは雑誌の報道あるいはそのほかいろいろのインフォメーション、政府といたしましても注意深く見守っておることは事実でございますけれども、けさほど佐藤総理みずから言っておりますように、現在の政府の立場としては、とにかくこの協定を早くまとめ上げることである、そうしてその場合日本の国益というこを踏まえ、そして沖繩の方々のお気持ちを十二分に胸に入れていきたい、そのことがアメリカを通してアメリカの国民の人にも納得をかち得るゆえんであろう。このことにもう専念いたしておる次第でございまして、特別に何らの工作とかなんとかいうことは考えておりません。 それからもう一つ、これもけさほど総理みずから言っておられまして、私から言う必要はないことですけれども、最近のニクソン大統領の外交教書とかあるいはロジャース国務長官の手によって発表されました外交青書等におきましても、御承知のとおりアメリカの政府としてはもう沖繩の問題はとにかく三原則によって返還をすることはさまっているんだ、そしてこれを早く上院で手続を済ませて大団円といたしたいということが正式にかつ正確に表明されておる。こういう次第でもあって、繊維問題もなかなかやっかいな問題であり、また繊維問題等については、いろいろと異を唱えている向きも米国内にありますことは事実でございますが、それとこれとは別個で、私はそもそものこの共同声明のつくられたときすでに繊維問題があったことは御承知のとおりでございます。あくまでそれはそれ、これはこれとして処理していくべきであるし、これが日本の態度としてしかるべき態度であろう、かように考えております。
○石井(一)委員 もう一点、そのアメリカの最近の世論の動向でございますけれども、私が調べております範囲内でも反日感情の深い底流が最近マスコミをはじめ指導者層の間に非常に強く出てきておるということは確かでございまして、これは沖繩の問題とは関係がございませんけれども、私はやはりこれを注意深く見守っていかなければいかぬという感触を持っております。特に一々言っておりますと切りがございませんが、五月一日のフォーブス誌、七日のイブニングスター、五月三日のニューズウイークあたりにはいろいろの日本に対するきびしいコメントというものが出ておりますし、一番最近のタイム、五月十日号でありますけれども、これには「ハウツーコープ ウィズジャパンズ ビジネス インベージョン」という日本の経済侵略を非難する特集記事が載っております。非常に長い記事でございますけれども、言わんとしておることは、要するに日本というのは自分のことだけしか考えておらぬじゃないか。非常にきびしい経済侵略というものをアメリカをはじめ世界の国が感じておる。資本の自由化であるとかなんとかというときに対しては、絶対にイエスということは言わないけれども、外へ物を売ろうとするときには非常に積極的である、その反面、防衛に対しての責任をとろうともしないし、低開発国に対する援助というものに対しても非常に消極的であるということを間接的に非難をしております。私はそういう世論の動向というものを、アメリカだけではありませんけれども、これは非常に大きな影響力があるということを痛感せざるを得ません。こういう時期にいまの議会の動き、さらにアメリカの日本に対するきびしい世論の動きというものに対して、外務大臣はどういう見解を持っておられるか。裏を返して言えば、日本というのはそれだけ力がついてきた、それだけりっぱな国になってきたということも言えると思いますし、非常にけっこうなことであろうと思いますけれども、その反面、それと同時に権利を主張するだけでなしに、やはり義務もそれに伴って履行していかなくてはいけないんではないか。特に国際社会でそういうことが要求されておるんじゃないかということを、私は痛感するわけでございますけれども、その点についてコメントがございましたら、お伺いしたいと思います。
○愛知国務大臣 この問題は、私もコメントいたしたいことが実はたくさんございますけれども、短い御質疑の時間に長々と申し上げるのもいかがかと思いますから、一言二言申し上げたいと思いますが、一つは、実は本日もそうでございますが、米国上下両院の相当有力な議員の方々が日本を訪問されておりまして、おそらく各党のこちら側の議員の方々ともいろいろ意見交換をされる場が多いかと思います。また、すぐ来週早々にはジャーナリストと申しましょうか、そういう方々の来日を迎えまして、これは政府側も、政府側の見た日米関係等につきまして率直な意見を開陳するつもりでございます。また、双方の経済界同士も最近ますます交流が活発になってまいりましたので、きわめて率直な意見の交換をし合うということは、こういう時期に非常に実りの多いことであると思います。これらの点は、今年初めの今国会の冒頭にあたりまして、日米間の一つの打開策として政府としてもそれ以来提唱したところでございますので、こういう手段方法によって大いにこうした状況打開につとめたいと思います。 もう一つ、せっかくのあれですから一言コメント申し上げると、ただいま最後のほうでお述べになったことに私は非常に共鳴を覚えるわけでございます。私は率直に申しますが、ともすると何かアメリカということばを聞いただけで、アメリカは強大な国で、そしてアメリカは同時にわがままで憎たらしい、日本をいじめてばかりいる国であるという感じが、いまだに日本の多くの方々の間に残っているのじゃないだろうか。ところが、実はいま助けを求めたいのは向こうさんのほうであって、そういう点でもう少しわれわれも気持ちを大きくして、彼らの言わんとするところを聞いてやる雅量が必要ではないだろうか。世の中は、国際情勢は大きく転換しておる。決してかつてのアメリカ、強大な憎たらしい存在ということでは今日ないのではないかというふうに、これは少し言い過ぎかもしれませんが、私の個人的な感じを申しますとそういうところでございます。
○石井(一)委員 もう時間もわずかでございますけれども、いまの二点、私もたいへん興味深く拝聴いたしましたが、まず第一点目でございますけれども、繊維交渉の終末の時期に議員団が渡米いたしまして最終の詰めをいたしましたが、今後事態が悪化した場合には——これは想定でございますけれども、そのような積極的なアメリカ議会に対する、あるいはアメリカの世論に対しての日本のキャンペーンをなされるような御意思があるかどうか。簡潔でけっこうでございます、まず第一点目お伺いしたいと思います。
○愛知国務大臣 私は一般論として、いま申しましたように日本の議員団が大いに出かけてくださることは、日本の対米外交上大いに益するところがあると存じます。
○石井(一)委員 それから第二点ででございますけれども、私は自民党の若手議員であっても、決して保守的なことを申したいということばかり考えておりません。あるときには野党にも大いに同調をしていくつもりでありますが、先ほど政府が中間報告として非常に誠実なる報告をされておるにもかかわらず、きょうは国会の最初から最後まで文句のつけっぱなしというのは、私は非常に遺憾に感ずるわけであります。私は何もこの論文と対比するわけではありませんけれども、もう少し私たちはやはり国会議員として考えるべきところは考えなくちゃいかぬ。私なども同志の西銘議員だとか國場議員から、沖繩の苦しい気持ちというものはよく聞いて知っております。そして、一日も早くこの世紀の大事業を完成しなければいかぬというときに、それは非常に重大でないとは申しませんけれども、こまかい問題にこだわり過ぎて、最後の詰めを苦労してやっておられるものをつぶすというふうな行為があっては、先ほどから申しますように、アメリカの議会の周辺の動向その他を考えましても、日本は日本のかってなことだけを言っておるわけにいかないという国際情勢、客観情勢というものがあると私は思います。私はそういう意味で、ひとつきょうは総務長官にもいろいろ持っておったわけでありますが、大体時間が参りましたので、国際的な問題だけにいたしますけれども、どうか多少の異論はあっても勇断をもって前進をして、最後の有終の美を飾っていただきたい、私は一与党の青年代議士としてそういうことを非常に強く申し上げまして、御激励を申し上げて質問を終わりたいと思います。
○池田委員長 大久保直彦君。
○大久保(直)委員 沖繩が戦後二十数年にわたりまして、いわゆるアメリカの極東戦略のかなめ石であった。これは米韓、米台、米比、ANZUS、そして日米安保体制というアメリカの極東戦略の中にありまして、沖繩がそのかなめ石、キーストンであったということは周知の事実であると思います。一九六九年十一月の佐藤・ニクソン共同声明によりまして、 〔池田沖繩及び北方問題に関する特別委員長退席、田中外務委員長着席〕 その共同声明の中には確かに核抜き、本土並みという文字は盛られておりましたけれども、内容をつぶさに見てまいりますと、むしろ沖繩の本土並み返還、沖繩の復帰が本土並みというよりも、むしろ俗に世間にいわれておりますような本土の沖繩化、こうした疑惑が強く持たれてきたわけでございます。私たちはこの点につきまして、いままでこの国会の場を通じて論争してまいりましたか、今日に至ってもその疑惑はまだぬぐわれておらない。本日外務大臣から返還協定の中間報告をいただいたわけでございますが、この中間報告の中にも、本土並み核抜き、ということばが盛られております。しかし、いままで政府が叫び続けてまいりました、安保はそのままの姿で適用される、そしてその他諸取りきめも何ら変更なく沖繩は本土に復帰するのである、そして本土法も何ら変更なく、返還されるということが宣伝されておるわけでございますけれども、私はここで非常に大きな疑問をさらに持たざるを得ない。私の感触では、むしろ俗にいう本土の沖繩化という面がここでまた再び大きな問題として取り上げなければならない事態になっているのではないか、このように思うわけであります。そこで私は、いままで同僚委員からいろいろな角度での御質問があったわけでありますけれども、アメリカの声、VOAの問題にしぼって、これから若干の質疑を進めてまいりたい、このように思うわけでございます。 初めに外務大臣にお伺いいたしますが、いまこのVOAの沖繩における中継局の存続をめぐっていろいろ交渉が行なわれているわけでございますが、この中継局の規模並びに機能、その他面債、陳容についてどの程度の把握をされているのか、その点からお願いしたいと思います。
○吉野政府委員 お答えいたします。 VOAの所在地は嘉手納基地内に本部及び宿舎、北部恩納村が座毛に受信所、国頭に送信所を持っております。職員は米本国人九名、本土出身日本人技術者六名、沖繩住民七十三名、計八十八名であります。使用電波数は、中波一波、千キロワット、短波十波程度が十五キロワットないし百キロワットでございます。大体以上でございます。
○大久保(直)委員 ただいまアメリカ局長から御答弁いただいたのですが、私はこの姿に問題があると思う。いままで大臣は数回にわたってマイヤー大使とVOAの存続問題について協議を重ねられてきたはずであります。その大臣がこの連合審査に臨んでこのVOAの実態すらみずからお答えになろうとしない。政府委員が出てこなければこのVOAの実態がわからない。これは、大臣はそんなこまかいことは知らなくてもいいのだ、こういう論議もあるかもしれませんが、私はここにアメリカと折衝する日本政府の一つの態度がうかがわれるような気がいたします。このVOAの問題について外務大臣が臨んでおられるその具体的な姿勢として、VOAの返還時における放送中止ということを腹に持って臨んでおられるのか、それともその施設がそのまま存続しないで、施設そのものが全部なくなることが望ましいという姿勢で臨んでおられるのか、この点はいかがでございましょうか。
○愛知国務大臣 この放送中継局の問題などは、専門的に正確な表現でなければいけませんから、政府委員から御答弁いたさせました。そして、この私の考え方はきわめて率直にありのままに先ほど中間報告で申し上げているとおりでございます。電波法その他わが国の法制上のたてまえからいたしましても、このような外国政府の放送業務がわが国内で行なわれることが望ましくないことは当然でございますから、この立場に立ちまして何べんも何べんも折衝を重ねております。他方、米国政府は、VOAはその放送内容からしても何ら刺激的なものを含んでおりません、と言っております。そして米国の海外広報庁、すなわちUSIAの系統に属するものであって、これは施設、区域あるいは安保条約等との関係は何もない。その点はそのとおりでございましょう。そして、他の友好国イギリス、西独あるいはアジアにおいてもセイロン、その他どこでございましたか正確には忘れましたけれども、相当の国々にこの中継局を置いておりますから、どうかひとつこの存続を認めてもらいたいのであるということを強く主張しておる。これはアメリカの言い分。そこで対立している状況でございますということを、そのまま、ありのまま申し上げているわけでございます。
○大久保(直)委員 ただいま郵政大臣御出席いただきましたのでお伺いしたいと思いますが、米国政府がこのVOAは何ら刺激的なものを含んでいないと、こういうことを述べているそうでございますが、日本として今日までそのVOAをキャッチしたことはございますんでしょうか。
○井出国務大臣 私、技術陣のほうに聞いてみたのでありますが、一種の指向性電波と申しましょうか、一定の方向へ発射されておるということで、日本内地ではこれを聴取することは困難である、こう承知しております。
○大久保(直)委員 いま郵政大臣御答弁ありましたように、日本でキャッチすることは困難である。ということは、米国政府が、その放送内容が刺激的なものは含んでいない、こういう一方的な見解を押しつけられましても、わが国としてそれを判断する基準は何もないと思うわけでございます。そこで、先ほど外務大臣の御答弁の中にもございましたように、イギリス、西独、その他アジアでセイロンでございますか、等々の国でVOAの中継局が置いてある。であるから、日本にもその中継局の存続を認めてもらいたい。これがアメリカ側の日本に対する申し入れの一内容であると思いますが、そうしますと、この西ドイツ、イギリス、セイロン等は、外国の中継局をその国内に設置することについて何ら異議はなかったのか、各該当国の国内法にそのことは何ら抵触する問題はなかったのか。この点の認識はいかがでございましょうか。
○愛知国務大臣 政府の承知しておりますところでは、それぞれの国がアメリカとの間で相互に納得のできる協定を結んでいるようでございます。
○大久保(直)委員 郵政大臣にもう一度お尋ねしたいと思います。ただいまの外務大臣の御答弁で、アメリカがVOAの中継局を置いている国は、それぞれ協定を結んだ上で設置をしておる。しかし、現在の日本にはそういった協定はむろんないわけでございます。現状から返還まで推し進めた時点におきまして、日本国内にこういう中継局がそのまま存続されるということは、郵政省の立場としてはどういう御見解をとられるのでしょうか。
○井出国務大臣 大久保さん御承知のとおり、電波法第五条というものがございまして、これは外国人とか外国法人、外国政府、こういうものを排除する規定に相なっておるわけであります。したがいまして、その限りにおいては国内にかような施設が継続存置されるということは好ましくない、こういう考え方のもとに外務大臣ともずっとお話し合いをしておりまするし、また外務省におかれても、その立場において精力的に話し合いを続けておられると、かように承知をしております。
○大久保(直)委員 ただいまの郵政大臣の御答弁は、そのままけさほどの外務大臣の報告に盛られておるように思いますが、私、中間報告の文章が非常に気になるのです。「かかる外国政府の放送業務がわが国内で行なわれることが望ましくないことは当然であります。」こう読んでまいりますと、その次に「が」とか「しかし」とかいうことが必然的につながるような書き方がしてある。この中間報告の文面では「他方、」となっております。「他方、米国政府は、」云々と、こうございます。過日の外務委員会の大臣との質疑応答の中でも、大臣は、眼光紙背に徹して云々ということをおっしゃいましたけれども、この中間報告を眼光紙背に徹してながめてまいりますと、どうもこのVOAの存続ということは、もはや動かしがたい事実として話はもう詰まってしまったんではないか。いま郵政大臣から御説明がありましたように、国内法に抵触する、電波法第五条に抵触する。そういう抵触することが「わが国内で行なわれることが望ましくないことは当然であります」がと、こうきますと、——いま新聞報道、また巷間のうわさで、アメリカ側は七年間その存続を希望しておる。また日本側は三年間の申し入れをした。話し合いがつかないで、それを足して二で割って五年にした云々という話がまことしやかに伝えられてくる。私も、こういう中間報告の文章を拝見しますと、そのうわさを信ぜざるを得ない。このVOA、アメリカの放送は共産国向けに沖繩を経由して放送されている。単なる外国の放送ではない。共産岡、特に中岡へ向けてのアメリカの宣伝放送、それが、返還された沖繩の基地の中にその中継局があって、日本の国内から中国に向かって放送されていく、こうしたことはきわめて遺憾な事実だと思います。 私はここで、くどいようでございますけれども、愛知大臣にもう一度お伺いしておきたいことは、外務大臣は、こうした日本国内法にも抵触する、電波法第五条に抵触するような外国放送VOAが、返還後の沖繩に存続することは絶対にいかんのだ、存続させないのだという、そういう腹をきめて、その立場からいま折衝を続けておられるのか。それとも、交渉には相手のあることでございますから、先方の申し入れいかん、その条件いかんではのまざるを得ないのではないかという面を含んでいま交渉しておられるのか、この点はいかがでございましょうか。
○愛知国務大臣 報告で申し上げましたとおり、この困難な問題については、何らかの解決を見出すべく話し合いが続けられておりますが、いまだ結論に達していない状況にございます。
○大久保(直)委員 私も字が読めますので、その点はよくわかりましたからただいまの質問を申し上げたわけなんです。ここで外務大臣をそこまで詰めてはいけないかとも思いますが、私たちは、沖繩返還に伴って、わが日本の国が国内の法律を変えてまでアメリカの申し出をのまなければならないのか。大臣の立場は私も一応私なりに理解できるつもりでありますけれども、そういった基本的な問題について、国民は納得できない。むしろ私たちは、潜在主権者としての当然の要求をしているんだ。私は大臣とも長い間おつき合いをさせていただいておりますが、大臣もその辺のことはよくわかっておられるはずです。であるならば、アメリカはどんなことを言ってきているのか、この辺のことがもしここでお伺いできれば、このVOAに関していままでの交渉のやりとりの実態というものがもし一部でもお知らせいただければ参考にしたいと思いますが、いかがでございましょうか。
○愛知国務大臣 これは実に困難な問題でございまして、苦慮いたしておる次第でございます。この報告でも申し上げておりますように、まあ、しいて言えば、沖繩にこれがございますだけに、非常に扱いがむずかしい問題でございまして、先方がよく言いますように、他の友好国ではこれは認めてくれているんだがなというところが、こちらもまたなかなか苦しいところでございます。先ほどから繰り返し申し上げておりますように、まことに扱いがむずかしい、困難な問題でございますが、何しろ先方もこれには非常に強い願望と執着を持っている、こういう環境にありますので、ただいまのところ、どういう決着が最も妥当であるか、まだ何とも申し上げる段階には至っておりません。
○大久保(直)委員 大臣の御答弁を伺ったわけでありますけれども、きわめて常識的に考えまして、日本国領土内に外国の放送局なり、また中継局なりを認めるということの法的根拠は何もないように私は認識いたしておりますが、この点についてはいかがでございましょうか。
○愛知国務大臣 これは、ただいま郵政大臣からもお答えがあったし、そして私の報告にも書いてあるとおりでございまして、現行の電波法からは許されないことであります。それだけにむずかしい問題であるということはしばしば申し上げているとおりでございます。
○大久保(直)委員 私、こういう質問はあまりしたくないのですけれども、非常に困難な問題である、それで交渉が難航しておる、こういったお話をいろいろ伺った上で、もし日本がアメリカ側の申し出をのまなければならないような立場になった場合は、これは日本の国内法を変えて、また特別立法措置をしてこの存続を認めなければならない、こういった措置をしなければならないと私は危惧いたしておりますけれども、この点について、大臣のお考えはいかがでしょう。
○愛知国務大臣 いま結論をまだ出しておりませんから、仮定の事実で、ほんとうはお答えができませんということで引き下がるべきなんでありますけれども、仮定の問題としてお答えをいたしますならば、何らかの形でこの法律は、その限りにおいては修正を要する。どういう形で修正したらいいのか、まだそこまで考えておりませんけれども、当然法律には触れる問題ですから、修正しなければならないと思います。
○大久保(直)委員 仮定の問題に御答弁いただきましたので、さらに仮定の問題を続けたいと思いますが、もしこれ遺憾ながら存続するということにきまった場合は、まさか協定本文でこれをうたうことにはならないと思うのです。そうなりますと、了解事項ということになるのか、または付属文書の形式をとるのか、それとも合意議事録、または交換公文、いろいろ考えられるわけでございますが、まことに遺憾ながら、これは存続せざるを得ない、そういった状態に入った場合には、このうちのどんなことを予想されますでしょうか。
○愛知国務大臣 何と申しますか、いまこれは交渉中の非常に対立した案件なのでございまして、日本政府の意図が、国会のここのオープンのテレビの前で、対米交渉中のことを、私もあまり先を読み過ぎてお答えいたしますことはいかがかと思いますので、その辺のところはいま仮定の事実として、もし何らかの措置が必要なら法律の問題になるというところでひとつとどめさせていただきたいと思います。
○大久保(直)委員 私はむしろいまの質問に明快な御答弁がいただけたのではこれはえらいことだと思うのです。というのはもうすでに存続がきまって、その準備を着々としておる、こういったことにも受け取れないわけではない。私はむしろ、いまなお大臣がより精力的に、日本本来のこの法律に抵触する問題は困るんだ、いかなる事情があれ、沖繩復帰に伴って日本の国法を変えてまでそれに対処しなければならないという、この状態の困難さを、より積極的に御説明、御説得いただいて、VOAか沖繩返還時には一分たりともその放送が行なわれてない、こういう現実を生み出すことに全力をあげていただくことを御要望させていただきたいと思います。 総務長官おられますので……。このVOAが沖繩県民にいろいろな放送公害とかいう問題で多々ちまたに話題になっておりますが、このVOAが沖繩にあることについて沖繩県民の感触というものをどのように総務長官は把握しておられるか、御答弁いただけたらお願いしたいと思います。
○山中国務大臣 これはもう外務大臣の御答弁の姿勢と同じでありますが、沖繩の住民の方々にとっては、現在の、ことに送信所施設の周辺においてはかきねが歌を歌ったり、あるいは非常に強い電波というものにときたま人畜が感じたり、あるいは広大な地域というものが使用されておるわけでありますから、住民としては非常な困惑と迷惑を感じているということでありますので、法律のたてまえとは別個に、私としては外務大臣の折衝について強力なる支援をいたしているところでございます。
○大久保(直)委員 ただいま総務長官から御答弁がありましたように、これは法律上の問題としてだけではなくて、毎日日常生活の問題として非常に沖繩県民はこのVOA公害に悩まされております。かきねが歌を歌う、また屋根が笑い出す、これは非常にことばでは簡単なようでございますが、現実に道を歩いていて屋根が急に笑い出した、トタンに電波がどのようにあれするのか私も詳しくはわかりませんが、こういったことは沖繩県民にとっては非常に困るのだという切実な地元の要望も重ねて大臣お聞き取りいただきまして、このVOAの折衝に全力をあげていただきたい、このことを再び要請をさせていただきたいと思います。 私、最後にこの沖繩問題に関連して、一点だけ中国問題についてお伺いいたしたいと思います。午前中も質問がございましたが、今週の国連総会における中国の代表権取り扱いにつきまして重要事項指定方式ではもう通らないのではないか、こういった見方が外務省の中に一部ある、このようにお伺いしておりますが、外務省としましては、正式にこの中国の国連代表権問題について重要事項指定方式を取り下げたのか、それともまだ検討中であるのか、この辺はいかがでございましょうか。
○愛知国務大臣 これはまだ何ともきめておりませんで、いろいろの角度からいろいろの検討をしておりますことは事実でございますけれども、実はけさほども安井さんから佐藤総理に御質疑がございましたように、この中国問題というものは、特に日本における論議というものが世界的な焦点の的になっております関係もございまして、いかに話法を注意いたしましても、その一つのところだけをとられて世界的に大きく報道されがちでございますので、私どもも実に戒心に戒心を重ねておりますが、ときどきやはり何か日本政府がきめたように伝えられますが、その事実は全然ございません。あらゆる角度、あらゆる点から慎重な、しかし何と申しますか、十分にいろいろの情報を分析して検討しておるというのが現状でございまして、今週の国連総会にいかなる案を出すか、あるいはいかなる投票態度をするかということはまだまだきめ切らない状況でございますことを御了承願いたいと思います。
○大久保(直)委員 中国をめぐる代表権の取り扱いにつきましては、きわめて複雑な国際的ないろいろな条件があるわけでございますが、現時点でもし重要事項指定方式をこのまま続けることが不可能であるということに相なりますれば、そのほかの問題も検討を始めなければならない、常識で考えてものごとの筋道はそのようになっていくのではないかと思いますが、現時点でこの国連の代表権問題についてどのようなことが検討され得るか、これは可能性の問題でございますが、その検討され得るような方法について、もし御答弁いただければお願いいたしたいと思います。
○愛知国務大臣 この代表権の問題は、まず国連の中での扱いの問題でございますから、国連に加盟しております百二十幾つの国の動向がどうなるか、よくいわれることばでございますが、やはり票読みということも常に見通しながら考えていかなければならない問題であると思いますから、加盟国のそれぞれがどういう立場を重しとしてこの問題に対処するかというようなことも十分見きわめていかなければなるまい、かように存じます。同時にまた、対北京関係、対台北関係というものも十分にこれは日本の立場においては考えていかなければならない。まあいずれにしましても、よく私も申しますことは、とにかく国連における代表権問題というものは非常に重要な、大切な問題であるということだけは間違いないことではないか、かように存じます。
○大久保(直)委員 ただいま御答弁にありましたように、他国の動向等も十分に配慮しなければならない、このことはよく私も納得できますが、それでは、これも前々から論議になった点でございますが、わが国として大体いつごろまでにこの態度をきめれば今週の国連総会に支障はないのか、その辺の見通しはいかがでございましょうか。
○愛知国務大臣 その点につきまして、多少私の説明が誤解を受けたかと思いますのが数日前の参議院における答弁でございます。やはり今回のような場合は、総会のそのぎりぎりのときに関係国がいろいろの提案の打ち方を交換し合うということも、ある場合においては予想しなければならぬのではないだろうか。そうなりますと、日本の場合におきましても、そういうことも予想しながら総会に向かわなければならない場合もあり得るのではないだろうか。そういう場合に一つの固定した考え方や案だけを腹中に入れて、絶対にこれだけで突っ走っていくのだということではかえって不適当である場合もあるのではなかろうか、かように考えております。したがいまして、いろいろそういうふうな場面を想像しながら考えてまいりますと、いま、一つのこういう案、しからざればこういう案というふうに詰めて政府としての態度を表明するというのは、まだまだ時期尚早である、いつごろかと言われますと、いつごろとも申しかねるような、私は率直に感じがいたします。
○大久保(直)委員 時間がございませんので、私はいずれにしましても、いま全国民的な日中友好の盛り上がりの中で、わが国だけがその時流にさおをさすような方向で今秋の国連総会に臨んでは決して相ならない。やはり国際緊張、アジアの平和のためにも日本がより前向きの姿勢でこの問題に積極的に対処することを強く要望いたしまして、私の質問を終わりたいと思います。
○田中委員長 曽祢益者。
○曽祢委員 すべての交渉は詰めの段階が一番むずかしくもあるし、重要だと思うのですけれども、戦後処理の最大の案件の沖繩の返還が早期、核抜き本土並みという、われわれ並びに国民の多くの主張の線に沿うて、いよいよ詰めの段階に入ったわけでございます。何とかこういう問題については、多くの国民が同意を得られるような内容でそして煮詰まってほしいと思う一人であります。 そういう意味から、最近詰めの段階に入った交渉を、国民の立場から見ておりますと、どうもやっぱり非常に不安な点が、きょう一日の審議の中にも、主として野党側、あるいはそういうことばは、表現はお用いにならなくとも、沖繩の声を代表する方からも多くの不安が述べられております。そこで私が心配しておりますのは、もしこの沖繩返還協定の内容が非常に味の悪いものになったのじゃ、何のために日米の返還をやったのだかわからなくなってしまう。やはりその内容のよしあしによってそのメリット、デメリットがきまることは当然でございます。 そこで、その見地から私が考えておりまするのは、どうも本件がやはり初めから繊維問題等とちょっとからんでおった形勢がなきにしもあらず、それでそれがまた最近になりまして、やはりこの前外務委員会におきまして外務大臣に御質問し、外務大臣少しごきげんが悪かったようですけれども、私はやはり日本側の繊維業界がミルズ案に飛びついて、これできめようとしたことは、これは日本人としてもきわめてもっともだと思いますが、ただそれに飛びついて、それを日本政府が直ちに外交交渉も取りやめだというようにとれるような官房長官の発言等があって、これは人間としても、政治家としても大統領は激怒したというのは、私はあるいはほんとうかもしらぬと思う、きわめてアンオーソドックスな行き方だと……。こういうことの、やっぱりこの外交交渉の失敗というものが、やはり沖繩返還協定が、アメリカの国会の審議において、行政協定であるか条約であるかということにやはりからんできているような気がしてなりません。そうして、伝えられるごとく先ほど同僚石井委員が指摘されたように、アメリカの善意な人も心配しているように、やはり沖繩返還協定をもし条約方式でいくと、これが人質にされてしまうのではないか。そのことによって七月以後にアメリカがほかの関係国との繊維交渉をいたしましょうし、そういうことをからめて、また繊維問題があるいは政府間協定に、あるいはアメリカの国内の立法による制限にというようなことで、さんざん沖繩協定に対する上院の批准三分の二をめぐって盛んに使われる心配は私は決して絶無でないという感じがするわけであります。そういう意味で、そういう点から考えまして、どうもアメリカの政府、国務省あたりも議会関係を非常に気にし過ぎて、したがって交渉の当事者である外務大臣に対して、アメリカの渋い意見をどんどん押してくるというきらいがあるのではないか、これは交渉の当事者でありませんおか目八目として心配してそういうことを言う。もし、そうであるとするなら、はなはだ困ったことだと思う。今日から以後アメリカの有力な議会人が参られまして、私どもも野党の立場でありますが、国民外交の気持ちでそういうことでは困るのだ。そういうことというのは、沖繩の返還の詰めの交渉がそういったような議会における政治的ないろいろな暗闘等に利用されて、結果的に日本側として非常にいやな感じのするような内容になったのでは日米関係にまずいのではないか、こういう感じがいたします。 そこで、外務大臣にお聞きするのですが、その点をどうお考えであるか。沖繩交渉について、繊維等のからまりのないように、ひっかかりのないようにすっきりした形でひとつやっていただきたい。 それから、いま申し上げたように、いまの段階において外国について注文するわけにはいきませんが、もし繊維等がうまくいくならば、あるいは繊維に関する交渉打ち切りのあの引きぎわのまずさを直すことができるならば、あるいは米上院においては三分の二の議決方式でなくていく道があるのかどうか、それらの点についてのお見通しを伺わしていただきます。
○愛知国務大臣 先ほど石井君の御質疑にもお答えいたしたところですが、実は最近のアメリカの新聞、雑誌等の動向については、私も非常に注意深く読み取っておるつもりでございまして、それなりに心配もあれば、期待もあるのが事実でございます。 しかし、同時に繊維問題は、これも先ほど申しましたように、実は一昨年のこの共同声明のできた前から、一昨年の五月から特に深刻になった問題でございまして、その当時においてもそれとこれを切り離すということに私も及ばずながら努力をした一人でございます。さらにその後昨年六月のときにもこれを切り離して、それはそれ、これはこれということでやってまいりました。ところが、本年三月八日ですか、ここでいま御指摘のようなことになりました。この点は御指摘のとおりでございます。しかしそれにしても、私は、三月の当時にも申しましたように、繊維の問題はしょせん民間の自主規制以外には方法のないことであって、そうしてそのことは日本側の関係者の人たちがやってくれる協力の限度を越えてはいかに政府としてもできないことでございますから、いまニクソン大統領が激怒されたのはもっともだという曽祢委員のコメントがありましたが、こちらの日本側の立場というものもまたアメリカにわかってもらいたいと思うことで、要するに、私は七月一日に日本の業界の方々があれだけ決心をされておきめになったことですから、これをそのまま実行していただくことによって、事態はよほどよくなってくるのではないか、これは期待でございます。そして、それはそれといたしまして、現在私の受けている心証としては、繊維がこじれているから無理難題が沖繩返還協定でアメリカ側から出てきているものとは私は考えておりません。返還協定はやはり基本原則がきまっておりますものの、たいへんこれはむずかしい問題でありますから、いよいよ詰めの段階に入ったので、御指摘のようにことにこの条約文でございます、そうして両方の、これは向こうがどういう手続になろうがどうしようが、先方もやはり国民的な合意を得なければならないわけでございますから、アメリカ政府としても非常に満を持してというか、注意に注意深く協定文案の作成に入りつつあるところですから、これは私もかねて覚悟しておりますところでありまして、決してなまやさしい問題ではないと思っております。 ただ、先ほどのお話ではございませんが、むずかしい点が特に本日もクローズアップされておりますけれども、私は基本的に、よく御論議がございますが、沖繩返還によって安保条約が変質されてしまったんだ、それで今度の条約ができるのだろうと言う方がおりますが、さようなことは絶対ない。そして、安保条約がそのままの形で何らの変更なしに適用されることによって、基本的な沖繩返還の条件というものは十分にあるいは完全に堅持することができるということをはじめ、基地の整理の問題にいたしましても、基本的な考え方については、私はもうすでに大筋では合意ができているような感じがいたします。そしてあとは、したがって請求権とかあるいはその他の点についてこれから十分に煮詰めてまいることによって御期待に沿うことができるであろう。そしてまた、アメリカのほうも上院でも十分の理解を示してくれるであろうと確信をしておるような次第でございます。
○曽祢委員 誤解を避ける意味で申し上げておきますが、別に私はニクソン大統領がおこったことに賛成したわけでもないし、日本側の業界のあれはもっともだ、業界の譲る限界以外に押しつけることはできないし適当でない。ただ、その詰めにおいて何か話ができた、しかも大統領というアドミニストレーションを飛び越えて業界と議会の有力者とがやって、それで日本政府が、国家と国家、政府と政府との交渉は打ち切りだと言えば、これはおこるだろうということを言ったわけなんですから、その点は誤解のないようにしていただきたいと思います。 それでは時間があまりありませんが、内容の二、三の点について伺います。 大蔵大臣がお急ぎのようですから、あなたは一番しわい、けちんぼな大蔵大臣で金を出すほうじゃないのですけれども、しかしこの際はという意味でお話がございましたが、財産権の問題について最終段階ではあるけれども、まだ金額について、新岡に伝えられているように、全額三億ドル、五年間の年賦払い、そこまできまってないという推定の上に立って、もしそうなっているのなら非常に困ったものだと思うのですが、私はやはり基本問題があると思うのですね。これはガリオア資金でやったから、もう一回払っているんだからこれは払う必要ないじゃないかという議論は、少しどこかおかしいのじゃないかと思う。やはりガリオア資金で返したものでも、アメリカが自分の軍政上の理由であっても、統治上の理由であっても、再投資した財産をどうするかという問題ですから、もうそれで済んだという見方じゃなくて、ただ国際法的な通念から言えば、戦争で勝って国家が分離する場合とか、あるいはそうでなくても話し合いで領土が分離し新国家が生まれるような場合には、多少お祝い金の気持ちもあって、重要な旧国の公有財産の、ことにパブリック・ユーティリティーは大体無償で置いていくものだ、それが国際法の原則とまで言っては言い過ぎだろうけれども、やや慣例と言っていいんじゃないか。そこで、沖繩の場合についても、やはり何方が話し合いで祝福されて、二十五年以上かかったことは遺憾であるけれども、とにかく日本に返しましょうと言うんだから、そこをそうけちけち言わずにきれいに置いていけというぐらいなことは、決してけちんぼで大蔵大臣が言うんじゃなくて、やはりそれは国際法の慣例に従った原則じゃないかと私は考える。しかし、そうもいかないというので話をされているんでしょうけれども、その基本原則は、日本が外貨を持ち過ぎているんなら、方々で、たとえば後進国援助等になるべく使うとか、いろいろの外貨の使い方はあるでしょうけれども、沖繩の返還については沖繩の県民の気持ちもありますから、ですからあんまりここで気前よくアメリカさんに何億ドルをランプサムで差しあげるというのはちょっとまずいんじゃないですか。それは韓国に三十五年の統治の悪政のあれで有償無償八億ドルなんかということもありましたけれども、そういう場合の気持ちとずいぶん国民の受け取り方は違うと思うのです。その点をどうお考えであるか、一点だけ基本問題について伺います。
○福田国務大臣 私は財政当局でありますから、国民の税は非常に大事にする、今度の対米交渉にあたりましても、そういう基本的な態度なんです。曽祢さんのおっしゃるように、お祝いだと言って置いていくという考え方もあり得ると思います。しかし、同時にアメリカ側に言わせると、多額の投資をしてきた沖繩である、そのうち何がしか沖繩県民のために利益になるというものがあればそれに対する支払いがあってもいいじゃないか、こう言われますと、日本政府として、さあそれは一文も払えません、こういうふうにも言えない、こういう立場もまたあるわけなんです。そういうようなことから考えまして、とにかくこの沖繩交渉は世界史でまれに見るような大交渉で、世界史で初めてと言ってもいいような平和的領土移譲である、こういうようなことなんですから、これが私があんまりけちけちしたためにうまくいかないというのでも困るのじゃないか、そういうふうに思うのです。そういうふうに考えまして、公正妥当というか、沖繩県民はもとよりでありますが、日本国昂にも理解していただける限度においては支払いをいたしたい、こういうふうに私は考えておるわけであります。具体的なことはお尋ねありませんから申し上げませんが、まだ交渉は煮詰まっておりません。
○曽祢委員 その点も、交渉のことですから最終的には外務大臣のことになりますか、一応要望にとどめておきます、いまそれ以上詰めても、現実的でないと思いますから。 その他若干の点について伺いますが、まず、この協定の内容の一つのポイントは、同僚委員からも御指摘がありましたが、やはり前文に経緯が入ってきて、そこに日米共同声明等が入ってくるということは、これははっきり言えばやむを得ないと思いますし、条約の形から言えば当然かもしれません。やはり共同声明の中の第三項、すなわちアメリカ軍の存在が極東のために必要だとか、第四項の例の韓国、台湾との安全保障の関係等々が何らかの形で具体的に——むろんそういうことが一つのアーティクルに、何条ということが入ってくるということは考えられませんし、そういう趣旨はきょうの簡単な中間報告にもないと思いますが、そういう意味で、共同声明という政治的なあれのいろいろな両最高指導者の見解というものはながなかむずかしい、あれを条約になにすると非常に問題になるような字句がございますね、こういうものは大体さっといけるのですか、その点をひとつはっきりお示しを願いたい。経過の説明ぐらいのところにちょっと入ってくるぐらいなのかどうか、独立の条項にはならないのだろうと思います、か、いかがでございますか。
○愛知国務大臣 これは報告で申し上げたとおりで、経過をちょっと触れるのは通例の条約の形でございますから、同時に内容的に共同声明の文言等が、ことに六項、七項、八項は返還自体の問題でございますから、この考え方というものはかっちり協約の中に入らなければならないが、同時に一般の情勢分析とかあるいは一般的な意見の交換とか、あるいはまたあの共同声明には十何項目までございます。直接関係ないこともずいぶんございます。そういう点が内容的に触れられるということはございません。したがって、いかなる面から申しましても、安保条約変質論などというものはいま予想いたしております協定からは出てまいりません。そこに十分の注意を払っておるつもりでございます。
○曽祢委員 ついでに、ベトナム問題については、こんなものは条項になりませんね。はっきりひとつ御返答を願います。
○愛知国務大臣 いわゆるベトナム再協議事項というものは、本日の時点においては忘れられた事項とでも申しましょうか、こういうふうな状況でございます。
○曽祢委員 次に、軍隊の駐留といわゆる施設の問題ですが、駐留についてはあまりにも多くの同僚委員からその危険性、ある種の駐留軍の性格、内容等、したがって基地そのものをなるべく縮小するということにお話があったので、全く私も多くの点において懸念を持っている点については同感です。 基地そのものなんですが、基地についても私は非常に重要だと思うのは、われわれも議会から派遣されて現地によく行ってまいりまして、きょうもお話がありましたが、いわゆる基地の中の沖繩ということを言われたのですが、先ほど上原さんかどなたかがおっしゃったように、むしろ基地がいいところにのさばっていて、その陰にひそかに住んでおられるという感じが私は実に強烈にするのです。私の選挙区にも横須賀という大きな基地がありますけれども、もっとその点は違いますね。そんな意味で、面積の割合からいっても全沖繩の列島の一二%と聞いていますし、沖繩群島としては二七%というふうに聞いております。これはいろいろ計算のとり方もあると思いますが、ただ密度が本土と違って濃厚だという以外に、それほどの激しい、そして目ざわりになる——と言っては語弊がありますね。ですから、嘉手納基地が大き過ぎるということもむろんありますし、これは軍及び機能の問題で、むしろ返還後の民心のことを考えると、ちょっと山中長官触れられたような感じがしますけれども、どうも那覇市内の住宅街があまりりっぱ過ぎて、これはつんとくる。 それからもう一つ、海岸で、米軍の基地、つまり米軍の軍隊のおる基地、あるいは演習地、あるいは集団住宅の中にたまたまビーチがあるんならいいのですが、それから離れて道路の向かいのビーチにいわゆる鉄条網の囲いをして、米軍の軍人軍属、家族だけの専用のビーチなんかがある。これは現実にどこといえば、図面ですぐお見せできる。こういったようなものは実に私は返還されて不愉快になる一つのいい例じゃないか。そういったような不要不急といいますか、この基地も、これは大いに整理すべきである。軍事的、政治的な重要性のものと、そういったような不要不急のあまりにもはなはだしいもの——住宅全体が不要不急といっては言い過ぎでしょうけれども、目ざわりなもの、それからまた逆にあまり早く返還されたら、国頭のあれなんかというものはかえってお困りになるかもしれない。借料を払ってもらったほうがいい。そこら辺のところを十分に人情も加えてひとつ整理していただかなければいかぬと私は思うのですが、大臣はいかがお考えですか。
○愛知国務大臣 全くごもっともな御指摘だと思います。そういう考え方をもとにいたしまして、報告の中にも入れておきましたように、三つの態様に分けてなるべく具体的に事態を明らかにし、あるいはまた将来に対する考え方というものも明らかにしたい、こういうふうに考えております。その中にはいわば目玉というふうなものの考えもありますし、それからビーチの例をおあげになりましたが、これも考えの中に入っております。あるいはまた逆に、すぐではかえって困るというところもあり得ようかと思いますが、そういう点については将来計画を伴なうようにいたしたい、こういうふうな考え方でございます。
○曽祢委員 最後に日中について一問だけさしていただきます。 いろいろ大久保委員との質疑応答で触れられた問題に尽きるのですけれども、いまの段階で、次の国連総会における表決の案が具体的にこれだとか、あるいはこの二つか三か示せ——これは私は無理だろうと思うのです。しかし、それにしても、この間の参議院の外務委員会における外務大臣の御答弁は、方向性において、中国のつまり北京政府、人民政府のほうの国連加盟といいますか、国連の代表権承認は、これはやはり国連の普遍性の原則からいっても当然の方向だ、ただし、台湾の問題は特別な注意を要する。この方向性においては私は非常にいい方向だと思いますし、またたとえば本日のある新聞によると、「外務省筋」となっていますから相当な高官のお話だろうと思いますけれども、さらにふえんしたように、中国のほうはむしろ招請し、日本がスポンサーの国にはならぬにしても、中国招請には賛成、ただし国府の議席を確保しようじゃないか。私は一つの方向としてはそんな方向かと思うのですが、これが大体の外務省の方向だということをいっておるのですね。それからまた法眼審議官が、これは自民党に呼ばれて云々ということがあるわけです。これはむしろ重要事項方式のメリットについて述べられたようですけれども。 ですから、いま具体的に、これとこれとこれとか、最後にこれだけということを、総会のかけひきもあるのにいまから言えといっても、それは無理だろうと思うのです。大体方向において、今度の国連総会では中共、北京政府の加盟あるいは代表権承認に反対しない。ただし、国府に対する特別の考慮を払うべきであるという立場を堅持するというぐらいの方向であるのか。その辺についての方向性だけお示し願えれば、これは今国会のやや最後に近いような外務委員会の国際情勢の質疑の時間だと思いますので、伺わしていただきたいと思います。
○愛知国務大臣 この問題については、やはりいろいろの前提とかいろいろの条件とかそれを前提にいろいろあげていかないと、先ほど私が率直にお願いいたしましたように、あるくだりだけを非常に大きく、少なくとも個々の議論は別として、報道的にとらえられる可能性がございますので、私は、いま整理してお述べになりましたような考え方もございますことは承知しておるというふうにでもお答えをしておく程度にとどめさせていただきたいと思います。
○田中委員長 松本善明君。
○松本(善)委員 外務大臣に沖繩の核について午前中にもお聞きしましたが、その点についてもう少し詳しく資料を示してお聞きしたいと思います。 五月七日以来問題にしております第十八戦術戦闘機大隊司令部の核兵器安全点検将校、これの一九七〇年末現在でありますが、ここに所属をされている将校はA・C・シャイン大佐、D・M・アレキサンダー少佐、E・D・デック少佐、D・L・ニコルス少佐であります。 それから沖繩の第二兵站軍団、ここの整備部に属する太平洋地域米陸軍口径測定局の一機関として、原子核工学事務所がございます。これは牧港地区の第六百十七ビルにありまして、電話は七−四二二〇番。 それからこの第二兵站軍団には弾薬部があります。この弾薬部が一つは知花にあり、一つは辺野古にありますが、知花の第百九十六軍需品補給大隊司令部にあります知花地区第四百八ビルには監視部があり、そのセクションとして通常在庫品管理係と秘密在庫品管理係があります。この後者のほうが核兵器を扱っていると考えられるわけであります。 それから辺野古の第百三十七軍需品補給中隊のあります辺野古第一千一ビルには、安全点検将校と、人間の信頼度の点検担当将校がいます。この人間の信頼度の点検担当将校というのが核兵器に関係をする将校であると考えられます。 また、琉球米陸軍司令部の直轄部隊でありますフォート・バクナー部隊の計画作戦部門訓練部には、CBR(化学・生物・放射能兵器)学校があります。これは瑞慶覧地区の第二ビル、電話は三−〇一〇三番であります。これは私が前に明らかにいたしました電話番号簿から全部明らかになることでございます。 この事実を申し上げまして外務大臣にお聞きしたいのでありますが、これだけのことが私たちの部分的な調査でも明らかになっておるわけです。外務大臣は沖繩に核があるということをお認めになるかどうか、お聞きしたいと思います。
○愛知国務大臣 外務委員会でも申し上げましたように、松本委員が公党の名においてお調べになったものでございますから、それに対しては私とやかく申し上げるべきものではないと思いますが、ただ、いまもお配りいただきましたが、こうした文書は、現在のところ政府としては承知しておりません。したがって、防衛庁長官からも先日お答えしたと思いますけれども、そういう書類あるいはそういう事実というものについて、なお慎重に政府としても、せっかくのお調べでございますから、こういうものがどういうふうな形になっているかということを、政府としても関心をもって調査すべきものは調査したいと思っております。 それから、この間もお答えいたしましたように、この中には、たとえば電話帳にも所在がわかっているようなこともございますし、それから、それなりにそうした組織の任務というものが規定されているものも、若干は政府としても承知しております。しかし、そういうふうにその組織の任務が掲げられてあるからといって、そこに核武装が存在しているかどうかということについては、政府としては承知しておりません。 ただいまの御質疑に対しては以上のとおりお答えをする次第でございます。
○松本(善)委員 外務大臣は、前回、この核兵器安全点検将校は、核兵器に関するいろいろの緊急事態が起こるようなときに、それに対するインフォーメーションをとる、そして司令部にアドバイスをするというのが職能であるということを言われました。ところが、私どもの手元にありますこの嘉手納基地の三百十三師団の上部機関であります第五空軍司令部が発行いたしました傘下各部隊の指揮官、監督官にあてて通達をされた事故防止点検表、一九六五年三月一日付というのがあります。これによりますと、そういう程度のものではないのです。この核の部分では「核安全計画」というのがあって、「資格をもった核安全将校が任命されているか。」とか、あるいはその「調査の範囲に、次のような分野がふくまれているか。」というのがあります。「機密保持、貯蔵、移動、保持、積載、出撃準備、発進、災害防止、操作、人間の信頼性にかんする計画、訓練計画、指揮、点検、情報。」それから核安全係が調査を点検するということにもなっています。外務大臣の答弁は、情報という最後のところだけを答えられたように思うわけです。私は、核兵器安全点検将校というものが核兵器の安全について取り扱いを全面的に任務を持っておると思います。外務大臣は、この資料を示しての私の質問に対してどうお考えになりますか。
○愛知国務大臣 ただいま申しましたように、この文書はただいまも拝見をいたしましたが、政府としては現在この文書の存在を知らないわけなんです。しかし、松本さんがお示しになるのですから、公党として責任をもってお出しになっておるのですから、私も敬意を表して調査をしてみたい。たまたま中曽根防衛庁長官が昨日の内閣委員会でも御同様の質疑をお受けして、そしてとにかく調べてみましょうというお答えをしたように承知いたしておりますから、私も御同様にいたしたいと思います。
○松本(善)委員 前回、メースBの部隊に核兵器安全点検主任が置かれているということを指摘をいたしましたが、これはどういう任務を果たしていたかということをお調べになりましたかどうか。一週間たっておりますが、いかがでございましょう。
○愛知国務大臣 まだお答するだけの心証を得ておりません。
○松本(善)委員 外務大臣は核兵器安全点検室が核の存在と関係がないというようなことを言われました。私どもはそうは考えませんが、もしそうだとするならば、本土にも核兵器安全点検室があり得るということでございましょうか。
○愛知国務大臣 そういう三段論法が通用するかどうか別でございますけれども、そういう点検を職務としあるいは緊急のときに通報する職務を持っている事務所があるからといって、それがそこに核兵器があるとは断定はできないではないでしょうか。私はあるともないとも申しておりません。
○松本(善)委員 この根本問題でありますが、きょうも午前中来総理も言われたわけですし、外務大臣が日米共同声明発表後にアメリカで説明された内容でもそうでありますが、要するにうやむやに基地の継続をするのではないのだ、返還後は日本側が基地を提供するという立場だ、こういうことが一貫して言われております。そうだとするならば、この提供する基地に核があるのかどうか、あるいは特殊部隊がどういうことをしておるのか、そういうようなことを日本側としては知らなければならない。政府も知らなければならないし、国会議員もみな知らなければならない。それでなければ、責任をもって基地を提供するということをきめるわけにいかないはずであります。その点については外務大臣はいかがお考えでありましょうか。
○愛知国務大臣 現在はアメリカがまだ施政権を持っておりますから、そういう実態等については調査をいたして、こちらが心証をはっきりさせる必要があると思いますけれども、とにかく返還のときに核がないということ、これを確保することが一番必要なことであります。まだ現在はアメリカの施政権下にあるわけでございますから、いろいろと情報を得たり照会をしたりすることに若干の日にちがかかったりすることは、やむを得ないととだと考えております。
○松本(善)委員 返還時に核がないということを確認をして提供するということでありますか。
○愛知国務大臣 その点については、午前中の議論に戻りますけれども、総理以下われわれといたしましてはできるだけの配慮をし、そうしてできるだけの方法を講じて御安心を願うようにいたしたいと考えております。
○松本(善)委員 午前中の総理は現地で確認したいということを言われました。これは基地の中に入ってということは含んでいないのでありましょうか、外務大臣の御意見を伺いたいと思います。
○愛知国務大臣 方法論をどういうふうにするかということについてまで、まだこまかく申し上げる段階ではございません。
○松本(善)委員 では、別の問題をお聞きしようと思います。 山中総務長官に伺いたいのでありますが、沖繩の県民の人権侵害問題であります。世界人権宣言の三条では、生存、自由、身体の安全を保障しております。十七条は、財産がほしいままに奪われないことを規定しております。沖繩の人権侵害というのは、人権侵害のショーウインドーだというふうなことまでいわれておる。あらゆる分野の人権侵害があります。人権宣言の八条では、生命、身体、財産など基本的権利に対する侵害に対し、裁判所による効果的な救済を受ける権利が規定をされております。 総務長官に伺いたいのは、沖繩では、県民がアメリカの軍人や軍属によって殺されたり傷つけられたり財産を奪われたりしたのに対して、損害賠償の裁判を起こす権利があったとお考えになっておられるかどうか、この点について総務長官の御意見を伺いたいと思います。
○山中国務大臣 条約局長に……。
○松本(善)委員 いや、だめです。この基本的な問題について、この時点で総務長官や外務大臣が何と考えておられるかということがきわめて大事なんです。この点について率直な御意見を伺いたいと思います。
○山中国務大臣 そうおこられるほどの問題じゃないと思うのですね。私の言っているのは、沖繩の現状については確かに人権侵害の事実が多過ぎると思います。しかし、それを国際法的に人権宣言の立場から見てそういう裁判権があるかどうかの問題については、やはり法律の専門家の意見が必要であろうと考えましたので、ちょっと打ち合わせをしたということであります。
○松本(善)委員 それでは私は外務大臣にお聞きいたしましょう。外務大臣は対米請求権で折衝しておられる、沖繩県民がこういう人権侵害について米軍人に対して裁判を起こすことができたかどうか、この点についての外務大臣の認識を聞きたい。いかがでありましょう。
○愛知国務大臣 これは従来もしばしばいろいろな論議がございましたように、そういう点が占領下において沖繩の方々が非常な人権的に迷惑を受けられていた点であって、裁判の請求ですか、申請等につきましても必ずしも完ぺきに行なわれておったとは思いません。
○松本(善)委員 必ずしも完ぺきに行なわれなかったというのではなくて、できなかったのであります。外国人損害賠償法というのがありますが、これは示談書に署名をして初めて支払われる。これは強制的な示談なんですよ。裁判を受ける権利はなかったのです。これほどひどい人権侵害はないのです。そういう事態であり、それから一万五千ドル以上の支払いについてはアメリカの議会の承認が要るので、これ以上については実際上は支払われていないのです。だから、したがって、たとえば伊江島では右腕切断、右下腿部貫通銃創、こういうような重傷を受けた人が三十八名いますけれども、それは補償を受けてないのです。これはいわばジラード事件のようなことが、本土では大問題になりますけれども沖繩では幾らでもあるのです。外務大臣は対米請求権の問題について折衝するについて、一体こういうことがどれだけの件数あり、どれだけの額があるかということを調べた上で交渉しておられるかどうか、その点を伺いたいと思います。
○愛知国務大臣 これは御必要があれば幾らでも資料を出して御説明をいたしますが、もう再々申し上げておりますように、沖繩の公式の、たとえば琉政それから立法院、これはもとよりです、それから民間団体、あらゆるところからあるいは個人の要請といいますか、陳情と申しますか、そういうものも一切がっさい取りそろえて、そしてそれをいろいろの経過もできるだけ調べまして、そして先ほど来申しておりますように、アメリカ側に対して要請すべきものは要請する、そしてそれが法制的その他からできないようなものについては、また別途の方策を国内的に講ぜざるを得ないのではないかというような仕分けをして、要するに沖繩県民の方々の御要請を何とかして充足するようにしたいということで努力を続けておるわけでございます。ただいまここで人身事故が何月何日から何月何日までどういう状態の方が何人あるか姓名を言えと言われましても、私はここに持っておりませんし、大切なことでございますから、あてずっぽうなことを申すことは差し控えさせていただきたいと思います。
○松本(善)委員 ところが私は沖繩の現地へ行きまして調べましたが、沖繩北方対策庁の出先機関も準備委員会もこういう点については何も調査をしておりません。何もやっておりません。驚くべきことであります。私どもは、部分的な調査でありますけれども、アメリカ軍人軍属の犯罪件数と琉球政府法務局を通じて行なわれた外国人賠償法による解決件数とを比較してみました。これはもうほんの一部の資料でありますけれども、これは約一割です。犯罪で傷つけられたり何かした人たちの損害が補償されてないのです。私はこれは、外務大臣も総務長官もあらためて自分の省の中でどれだけの調査が行なわれているか十分にお調べをいただきたい。 もう時間がありませんので、私はこれについてさらに申しませんけれども、この問題については、日米共同声明の条約化問題とか軍用地の問題でありますとか、裁判の効力の問題あるいは資産買い取りの問題、たくさんの論じなければならない問題があります。これはほんとうにこの審議のあとで、外務大臣が真剣に沖繩返還の問題を考えられるならば、私はもっと具体的なことを報告をして、十分な時間をとって、この審議をすべきであるということを要求をして、私は質問を終わりたいというふうに思います。
○山中国務大臣 私どもの出先が何もしていないとおっしゃいますが、しかしながら、講和前の人身被害に限って申しますならば三百三十四件、金額にして五十九万五千五百ドル、そういう調査もいたしておりますし、その後の外国人損害賠償法については、御指摘のとおり一万五千ドル以上支払われた例はない。したがってこの点が金額が妥当かどうかの点についての調査等もいたしております。一例は人身事故について申しましたが、その他の損害、滅失地、復元補償その他全部調査をいたしております。
○松本(善)委員 そういう答弁がありましたので、私一言申しておきますが、確かに補償漏れとかそういうことについては表面的な資料が出ております。しかしそれではないのです。その背景に隠れて請求もできなかった——裁判を受けることができない、そういう状態に置かれたために請求さえできなかったというのがものすごくたくさんあるのです。それについて何ら調査をしていないということだけを申し上げておきましょう。——ほんとうですよ、それは。民族的な大事業ですよ。
○田中委員長 安里積千代君。
○安里委員 私に与えられた時間は大臣の答弁を加えてたった十分であります。したがいまして、問いも簡単にしますので、お答えもどうぞ結論だけ簡単にお願いをしたいと思います。 まず第一に、せっかく大臣の沖繩返還交渉にかかわりませず、沖繩現地におきましては返還協定粉砕という強いことばさえも使われまして、ゼネストも行なわれるような状況にございます。このことを御存じであられるかどうか。また復帰を要求しながら、協定ができなければ復帰ができないのに、これを粉砕するというそういった反対行動まで行なわれておりまする沖繩の心というものは、どういうところからそうであるかというふうに大臣はお考えでございますか。
○愛知国務大臣 十九日ゼネストということもたいへん心配して伺っておりますし、また先ほど申し上げましたように、一方においては、沖繩返還問題についてこの程度の折衝の煮詰まりの段階に中間報告というようなことを申し上げるのは、本来政府の立場としてはいかがと思うくらいでございますが、やはりこれはできるだま誠実にお話をして、協定についての御理解をいただきたい、かように考えております政府の微意もまたおくみ取りをいただきたい、御協力をいただきたいと存ずる次第でございます。
○安里委員 私は御努力されていらっしゃるということはわかります。しかしいままでの経過から見ましても、またこれまでの各議員の質問の中からも、アメリカ側の要求が非常に強く、沖繩県民の要求する立場において復帰ができないのじゃないか。ことに沖繩が返りさえすればいいというのではなくして、返っても本土に迷惑をかけるような返り方はしたくない、いままでアメリカが自由に出撃しておったものが、今度はいまのような軍事基地もそのまま、と言っちゃ語弊があるかもしれませんけれども、承継されるというような動きにある中におきましては、施政権が返ってから後は、今度は沖繩基地を使ってのアメリカ軍の行動というものは、直接日本が責任を負うというようなことになる。また、日本の多くの国民の国費を使って、多くの金をもって買い取られるというような感じを持つ、こういって、沖繩復帰に際しまして、沖繩が新しい禍根を日本の政治の中に将来にも持ち込む危険性があるのだ、こういう純真な立場から、いまの進められておる、予想されるところの条件に非常な反撃を与えておるということを大臣は御理解願いまして、そうしてむちゃな要求に対しましては独立国日本の権威においてそれは応じられない、極端に言いますれば、たとえ協定が不調になっても、あくまでも日本国民の立場、沖繩の立場、日本の平和の立場から、腹をきめてかかるようなひとつ強い姿勢を望みたいと思います。冒頭にこれだけを希望しておきますが、返還協定に臨みまするその基本的な大臣の姿勢というものをもう一回はっきりと承りたいと思います。
○愛知国務大臣 私は返還を何としても実現させたいと思います。そして、基本原則は十分貫き得ると思います。ただいまの御質疑の中に、かりに協定ができなくともということは、ちょっと私としてはふに落ちない御発言のように思います。
○安里委員 もちろん政府といたしましては、七二年返還というのが絶対的な使命であります。だが、帰らなければこれはたいへんなことだということで、何でものみ込むというようなことであってはいけないということ、そういう強い姿勢で対米折衝に臨んでいただきたい。もとより相手のあることでございますので、それは思いどおりいかない点もありましょうけれども、少なくとも主体性を持つところの返還協定を結んでいただきたい、このことを強く要望するわけであります。 次に、復帰によりまして安保条約及びそれに関連するところの取りきめが何の変更もなく沖繩に適用されるということでございまするけれども、お伺いいたしたいことは、安保条約が適用になるということは、復帰の時点、エックス時点から安保条約の適用になる、それ以前の問題につきましては、復帰のエックス時点にはどうなるというふうにお考えでありますか。
○愛知国務大臣 これは御承知のことで、別にいまさら御説明するまでもないと思いますけれども、条約によって施政権の返還ができるわけですから、その返還の効力が発生した時点から憲法をはじめ条約その他が沖繩に適用されることになります。したがって、返還の効力が発生した時点から先、その瞬間から条約、関連取りきめが完全に適用になるわけであります。
○安里委員 まことにわかり切ったようなことをお尋ねして御答弁いただいて恐縮でございますが、安保条約が適用になりまして、交換文書によりますところの事前協議事項も沖繩の場合適用になる、こうなりますというと、事前協議事項におきましては、配置に関する重要なる変更あるいは装備に関する重要なる変更、それから戦闘作戦行動、こういうふうに承知いたしております。 そこで、復帰前におきまするところの沖繩の基地が、これまで何度も指摘されましたように、その配置につきましても、その装備につきましても本土と違ったものがあるということは、もう御承知のとおりだと思います。そこで、私はへ理屈を言うようでございますけれども、政府はこういう考えをお持ちでないだろうか。つまり復帰の時点におきまして安保条約が適用になる、関連するところの取りきめが、なる。これは配置に関するものでありますならば、配置に関する重大なる変更、装備に関する重大なる変更、変更ということは将来に対する問題であります。したがいまして、安保条約を本土並みに適用するということは、復帰後におけるところのものであって、復帰時点までにおけるところの配置並びに装備の変更には適用ないのだ、一応それは引き継がれて、それから後に安保の適用があって、それから後の変更に対して事前協議を要するのだ、こういうような立場をとっておられるのではないか、その点を明らかにしていただきたいと思います。
○愛知国務大臣 まずこの提供する施設、区域等については、先ほど来申し上げておりますように、復帰の効力発生前にすでに返還が決定するものがございます。つまり常識的にいえば、これは基地の返還ということになる、あるいは縮小ということも、その前に行なわれるものがございます。 それからその次は、先ほど来いろいろ御質疑のある、たとえばいわゆる特殊部隊でございますね。そういうものについては、例として、先ほどの、たとえば第三国の軍人の訓練のみを目的とする施設などというものは、復帰後にはあってはおかしいものでございますから、復帰前にこれはいなくなってもらうという中に入るものである、かように考えるわけでございます。そして御説のように——そして核は復帰のときに抜いてあって、その後においては完全に本土並みになって、事前協議が本土と全く同じように適用になる、こういうふうに御理解願いたい、こういうふうにやってまいりたい、かように存じております。
○安里委員 沖繩の基地については、安保が適用になりますと、当然作戦行動の事前協議に対しましても、従来から言われておりますように、イエスもあり、ノーもあるというお考えでございましょうね。その場合に、その基準は、イエスと言い、ノーと言うところの基準は、沖繩の場合の引き継がれるところの基地について、何を基準にしてそのことが言われるかどうか、この基準に簡単にお答え願いたいと思います。
○愛知国務大臣 そのお答えは、本土並みにいたしますということをお答えすれば必要にして十分ではないかと思います。すなわち、沖繩であるからというような観念を私は入れるべきではないと思うのです、本土並みでございますから。したがって基準は何かということになれば、従来本土で考えられていたと全く同じ国益によって判断をすべきものである。そして従来本土におきましては、この制度が一九六〇年にできまして以来、事前協議自体がかかってきたことがない。こういうように沖繩に対してするのが私は本土並みであると思います。
○安里委員 時間がなくて、どうも一人でお聞きするわけにいかないのでありますけれども、共同声明を中心に——これは前文に経緯を述べるだけにとどめるということでございますけれども、趣旨はあくまでも共同声明の精神に従ってなされるのだと理解をいたします。としますならば、あの共同声明の中におきましては、沖繩の軍事基地というものは、非常に重要なる価値があるものとしての高き評価、あるいはまた返還後においても、そのいろいろな役目に対します、安全保障のために支障を来たさないという、あるいは韓国の問題、台湾の地域の問題、そういったようなことが関連づけられた共同声明であります。ですから、従来にないところの、沖繩の施政権返還後におきましては、事前協議事項に対しますアメリカ軍の行動に対しまして、政府といたしましてはイエスと言わなければならぬ、言わぬでも、あるいはまたその行動がなされるような危険性が出てくるのじゃないか。そうした場合におきましては、日本自体というものがこれは非常な戦争への一歩を踏み出すところの危険を伴う状態になりやせぬか、このことを心配するわけでありますが、いかがでございますか。
○愛知国務大臣 これはよく本委員会では松本委員が御質疑なさるくだりなんでございますけれども、共同声明の文言をそのまま条約にするのであろう、そうすれば安保条約は変質するのだ、こういう御議論なんですが、これは政府の考えと全然当たりません。 と申しますのは、まず第一に、今度つくります、考えております条約は、これはもう中間報告にきわめてはっきり、ずばりと書いておきましたように、前文は、ほかの条約と同じように、こういう会談があって、そこで沖繩返還の問題について、具体的に、すみやかに協定づくりをやろうということになったからこの条約ができたのだという、経過を書くのは当然なんでございます。そしてそのサブスタンスは各本条、すなわち、第一条はじめ何条になりましょうか、まだ的確にわかりませんが、かりに十条とすれば、第一条ないし第十条が本条になるわけで、その本条の中は、沖繩返還についての実質を書くのでございますから、どこから見たって共同声明との関連づけという内容的なものはない。 さらに、私は率直につけ加えて申しますならば、私どもは共同声明それ自体が安保条約の変質を全然意味してない、政府の見解はそうなんです。ですから、かりに触れたとしたって変質ではないのですけれども、共同声明の文言を引いたとしたって条約の変質にはならぬと思いますけれども、松本さんをもって代表されるような御議論がよく国会の中でも伺われましたから、私どもとしても、そういう御意見にも耳を傾けまして、今回の協定づくりについては十分に注意をしてまいりましたし、また、今後も注意してまいりたいと思っておりますから、御心配のようなことは全然ございません。
○安里委員 個人的な議員の意見をあげて言われておりまするけれども、この問題はそれほど私は御心配する必要はないと言われるような筋合いのものではないと少なくとも感じます。だがもう時間がございませんので触れませんが、ただ最後に一つ私が非常に心配しますることは、この返還協定ができることによりまして、沖繩はもちろん返ってまいりまするけれども、返還協定の内容によりましては、対中国あるいは対ソ連といったような外交関係にこのことが及ぼす何ものかがありはせぬか、こういうことを気になる点があるわけでございますが、その点はこれらの諸国との将来の友好外交関係のうち特に北方領土の回復の問題とも何らこれが支障を来たさない、あるいは場合によってはこれが促進になるんだというお考えであるか。ということは、一九六〇年に安保改定になったときに、あれから一週間後には、ソ連からグロムイコ覚え書きによって、鳩山総理がせっかく、歯舞、色丹は平和条約ができれば返すんだといったようなことが、安保条約が改定されたということによって、逆に、日本に外国の軍隊があるならば、これは歯舞、色丹は返さぬのだといったようなことも言われたことを聞いております。としますならば、沖繩返還を機会にいたしまして、対中国、対ソ連その他の諸国との外交関係、ことに北方領土の回復問題などについて何らかの支障を来たさないか、この点をお聞きいたします。
○田中委員長 簡単に。
○愛知国務大臣 いろいろ御心配をいただいて御質疑がございましたが、政府といたしましては、さような心配は全然ございませんと確信をいたしております。たとえば今日なども、こうした国会の御論議は、世界のどこにも直ちにキャリィされているわけですが、政府の見解は明らかにされている、心配はない、かように存じます。
○田中委員長 瀬長亀次郎君。
○瀬長委員 最初にお伺いしたいのですが、愛知外務大臣のきょう説明された文章の中で、一ページの最後から二行目、「共同声明の三原則に基づいて」とありますが、この「共同声明の三原則」というのは非核三原則のことですか。
○愛知国務大臣 ここに三原則と書きましたのは、日本側の基本方針、一九七二年中核抜き本土並み、このことを三つの原則と申したつもりでございます。
○瀬長委員 私がそれを申し上げましたのは、特に核問題については共同声明の第八項、ここには非核三原則などということは全然書かれておらないし、いわゆる核政策、この核政策についての総理の見解を述べておる。この核政策は、もちろん佐藤内閣の核政策、一番最初にうたわれておるのは、アメリカの核抑止力への依存である、さらに二番目には非核三原則、三番目が核軍縮、四番目が核の平和利用。そうなりますと、核政策というものを大統領が認めて、その政策に背馳しないようにといってみたところで、まん中に一番大事なのが打ち込まれている。安保条約に基づく事前協議制度はアメリカの利益を害することなくということも打ち込まれておる。いずれにいたしましても、核抜きなどということは共同声明には書かれていない。問題は、それを申し上げますのは、これは非常に抽象的な報告の中ではありますが、実に危険な日米両政府の交渉がひそんでおる。すなわち、本土から分断したサンフランシスコ平和条約第三条、これはほとんど死文化しつつある。これが協定の中で息を吹き返している。再生する。さらに、いまの共同声明が条約化することによって、特に外務大臣が説明された六、七、八項、これが協定あるいは条約化する。この中で、安保条約が、変質させるという意図はないにしても、する方向にくる。こうなりますと、サンフランシスコ体制、これをささえておる沖繩占領支配、さらに安保条約、これが非常に強くなりまして、体制は再編されていく。危険である。だからこそ、広範な沖繩県民は、このような返還協定は結んではいかないんだ、核もない、基地もない、自衛隊もいない平和な沖繩、それで初めてまくらを高くして寝ることができるんだということを念願しております。基地の存在こそ沖繩県民の一切の悩み、さらに不幸の根源である。基地に触れないでの返還協定は、返還の名における核抜きではなくて核隠しであり、本土並みではなくて本土の沖繩並みであり、さらに、有事には核を持ち込んでいく、自由出撃を保障するような返還協定の中身がちらほらしておる。だから、沖繩県民は、身を守るためにも、さらにいままで二十六カ年にわたってアメリカの占領支配から命と暮らしを守るために戦かってきた。 したがって、その観点に立って質問申し上げますが、第一番目に、本土にアメリカ専用のあるいはアメリカ軍人、軍属、そういった者の賭博場があるかどうか、これであります。もう一つは、アメリカ軍人専用のビーチ、これがあるかどうか。ビーチは、アメリカがいまたとえば石川ビーチ、VOAのある奥間ビーチ、こういったようなビーチは四カ所ある。これは本土にあるのかどうか。さらにゴルフ場、これなどはもう沖繩県民の目の前で何十万坪というゴルフ場を持って、アメリカは娯楽施設をずうっと保持しておる。いわゆる土地を守る三原則で沖繩県民が島ぐるみの戦いを展開したときに、このゴルフ場をすみやかに撤去せよという戦いもやっておる。そういったようなものが沖繩にあります。いまばくち場といいましたのは、那覇の都心部のハーバービュー、ここが現在スラグマシン、こういったようなものを使いまして現実に賭博をやっておる。しかも、ここは琉球政府の徴税員すら入ることのできないような、基地の中に沖繩があるといっておりますが、日本本土の中にモナコがあるといっても言い過ぎではないような特殊なものがある。私は、これにつきましては、これこそ不要なものである。この点につきましては、外務大臣は、この中で三つに分けております。三番目に、「復帰までに返還または縮小されることになるもの」私はこれに該当すると思いますが、そういうふうなものが第一点、本土にほんとうにあるのかどうか、これから答えてもらって、さらに、これが不要であるのかないのか、それについてこれまでの折衝で行なわれたのかどうか、開放を要求する、不要である、不急である、これを開放せよということを外務大臣は要求されたことがあるかどうか、この点についてお伺いいたします。
○愛知国務大臣 たいへん広範にわたっての御質疑ですが、まず私は第一に、基地の全くない、自衛隊もない、そういう沖繩というお話で、これは将来の問題としての御意見としては承りますが、現在の返還は本土並みであって、安保条約の何らの変更なしの適用ということであり、また本土では自衛隊というものが現存しておるわけであって、そしてこれが本土で、沖繩がなる以上は、自衛隊の配置というものが適当である、これが本土並みの考え方でございますから、いま御質疑をなさいました前提がすでに食い違っておりますから、この点はひとつ御了承いただきたい。私はその前提には承服できません。そういう前提でお答えいたします。 先ほど来申しておりますように、本日御報告申し上げましたのは、いままでにまとまりつつあります基本線であって、安保条約の目的からいって、沖繩におけるいわゆる基地は整理縮小したい、そして返還の時点までにもこれを実行したい、そしてそれが話がきまれば発表したい、それから返還のときに、その返還の時点から、たとえばどれくらいの期間があったら、これとこれとは撤廃ができるというふうなこともあわせてはっきりさせたい。しかしその内容がどういう施設、どういう地域がそれに入るかということについては、ただいま鋭意折衝中であって、具体的の名前はまだ申し上げる時期ではございません。調印のときに同時に内外に公表したい、いまのところは願望でございますが、したいということで努力をいたしております。不要不急というものに何が入るか、そうして総括的に何をわれわれが主張しているか、これはいまのところ具体的に申し上げられませんけれども、お考えになっているような、できるだけ少なくしたい、不要不急のものはできるだけ提供しないことにしたいという気持ちにおいては全く同じでございます。
○瀬長委員 いま私が指摘いたしましたビーチとかゴルフ場とか、そういったようなことは話題にもなっていないのですか。
○愛知国務大臣 ですから、具体的な地域等は、私は申し上げる段階ではないということを申し上げたわけですが、お尋ねのお答えになるかどうかわかりませんが、たとえば昭和二十七年、本土においては施設、区域が二千八百二十四件、千三百五十二平方キロございましたが、現在におきましてはこれは百二十一件、件数においては実に二十三分の一になっております。本土並みにいたしますれば、かりにいま直ちに返りませんでも、どんどんこれは返ってくることになるということは御想像にかたくないところと思います。
○瀬長委員 次に、目玉商品とかよくいわれておりますが、那覇空港、あれは滑走路のことを言っておられるのか、那覇の。それとも那覇空軍基地、このことを言っておられるのか。というのは、那覇空軍基地には、もちろん瀬長島のミサイルサイトがあります。こういったのが含まれて那覇空軍基地というのだが、これを含めて目玉にしようということで折衝されておるのか、滑走路として使っている飛行場のことであるのか、ここら辺をはっきりさしていただきたいと思います。
○愛知国務大臣 ただいまも申しましたように、具体的な地点については、いま一生懸命交渉中でございますから、ただいまの段階で、遺憾ながら公表するわけにはまいりません。しかし、目玉商品である那覇空港というようなところについては、もちろん政府といたしましても重大な関心を持って、全力をもって交渉に当たっております。
○瀬長委員 時間がありませんので、最後に愛知外務大臣と山中総務長官、二人に、要望と、それからお答えをお願いします。 けさ、琉球立法院復帰対策特別委員会で決議をしております。返還協定に織り込むべきものはこういうふうなのを織り込んでもらいたい。第一、核、毒ガス兵器の撤去とその確認。第二番目に、VOA、SR71偵察機など、いわゆる心理作戦部隊などもあり、そういうふうな特殊部隊と基地、これをすみやかに撤去するということを書き込む。さらに、請求権、これを放棄しない。もしアメリカ、米国政府が出さない場合には日本政府が責任をもって出すというふうなのを書き込むこと。この三つが全会一致で決議されております。さらにアメリカ資産の買い取りについては、これを拒否してほしい。無償で引き継いで、沖繩県民に無償で譲渡してほしいということは前の本会議で決議されておるので、これは抜きまして、この三つが委員会で決議され、月曜日、十七日の本会議にかけまして、当然これは予想されることでありますが、全会一致で決議され、十八日には超党派的に、自民党も含めて、立法院代表が本土政府に陳情に来るということを私は、一時半に立法院から通知を受けました。これにつきまして、当然のことと思いますが、これは超党派的であります。沖繩における自民党、これも全部含めて、全会一致でこの対策委員会で決議されております。あさっては本会議で決議されると思いますが、この代表団が来ました場合には、この要項に基づいて鋭意努力されて、この沖繩県民の意思をまとめた原則的なものが協定の中に入れられるように努力してくださるだろうと私は思いますが、いかがでありましょうか。
○愛知国務大臣 琉球立法院の方々が御上京になりましたら、とくとお話を承りたいと思います。
○山中国務大臣 私の得ておる情報では、復帰対策特別委員会では、自民党だけが賛成し、与党三派は反対をしたということになっておりますが、しかし本会議では満場一致であろうという御意見でありますから、あるいはそういう情勢なのかもしれません。私の問題の復帰対策要綱に関する要望については、大体の項目を全部承知いたしておりますので、十分話し合って趣旨に沿いたいと思います。
○田中委員長 以上をもって連合審査会は終了いたしました。 本日は、これにて散会いたします。 午後四時四十八分散会