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65回国会衆議院1971/05/24

外務委員会 第20号

発言数
179
登壇者
11
会派数
5
開催日
1971/05/24

会議録

田中榮一自由民主党

○田中委員長 これより会議を開きます。  国際情勢に関する件について、調査を進めます。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します坂本三十次君。

坂本三十次自由民主党

○坂本委員 きょうは国会の幕切れでありますから、私は中国問題について、ひとつ中国問題ABCというやつを、大臣に問答をお願いしたいと思うておりますが、その前に、この間当外務委員会と沖特で連合審査をいたしました、あのとき中間報告をいただきましたが、そのときは、いま一生懸命やっておる最中だというお話でございました。その後ずいぶんと御苦労をなさっておられることだと思いますが、いままでひとつ成果があったところがございましたら、外務大臣から当委員会を通じて御報告をお願いいたします。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○愛知国務大臣 中間報告は、十五日に衆議院、十七日に参議院で行ないまして、またその後にも、国会で外務委員会等におきましていろいろ御質疑をいただいておりますが、それからちょうど一週間でございまして、実はこのいろいろの御質疑やお答えを通じまして、政府としてもいろいろ考えるところ、あるいは決意を新たにするところもございますので、それらを集積いたしまして、この国会終了と同時に精力的に交渉を展開して、最後に成果をあげたい、こういうように考えておるわけでございます。実はきょうもこの午後から私マイヤー大使と折衝をいたすことにいたしておりますが、いま申しましたように十五日、十七日と中間報告いたしましてからまだ一週間ほどでございますから、いままでにこういう点、こういう点についてこれほどの進歩を見せたということを申し上げるまでに至っておりませんけれども、こうした御論議を通じましてわれわれとしては、ますます決意を新たにして努力を大いにしなければならない、決意をし、またその実行に着手しつつあるところでございます。

坂本三十次自由民主党

○坂本委員 具体的な成果はいまのところないというお話でありますが、あと野党の皆さんも質問をなされるだろうと思います。それにお譲りをいたしまして、私は中国問題のほうに入りたいと思います。  幕切れでありまするし、私は与党でありまするから、どうかひとつリラックスのお気持ちで、まあ国民との対話というようなつもりでやっていただければけっこうだと思います。むずかしいことは少しもお尋ねをするつもりはございません。  まず第一に、中国のいう政治三原則のことでありますけれども、御承知のとおり中国敵視政策はとらないとか、二つの中国をつくる陰謀に加わらぬとか、日中国交回復を妨げないなどとか言うておりますが、どうでしょうか、これは、ざっと一言に言うて、ひっくるめて、政府のお考えというのは、いやそんなことを言われる筋合いではない、とんでもないことだというお感じでありますか。それとも、最近は、いやそんなつもりはないけれども、中国の立場に立てば言い分も多少理解できぬことはないというふうなお感じでありまするか。国民はどうもそこのところがちょっと聞きたいと思うておりますので、外務大臣の御見解をお願いいたします。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○愛知国務大臣 三原則ということ、それの言われておる先方の考え方というようなものも、できるだけ理解するようにつとめるのがわがほうの態度であろうかと思いますが、そういう立場に立っても、たとえば敵視していないということは、こちらからいえば、あまりにも明らかなことでもありますし、それから、一つの中国問題につきましても、政府としては中国は一つであるべきである、そうしてこの種の問題は、本来当事者同士で平和的に話し合いをつけて結論をいただくべきものである、こうまで言っておるわけでございますから、そういうことで先方もわがほうの考え方や態度というものを理解してもらえればたいへんけっこうである、こう考えておる次第であります。

坂本三十次自由民主党

○坂本委員 まあ相手の立場も理解しようと努力をして考えていくのが外交だというお話で、それは基本的には私はけっこうなことだと思いますが、以下具体的にひとつ、まず第一番目の敵視政策ということについてお尋ねをいたします。  あまり具体的な現象をとらえて、あれやこれやと言うたところでなかなか結論が出てまいりませんけれども、やはり外交と言うても人と人とのつながり、一国と一国とのつながりでありまするから、人間関係も大切でありましょう。しかしその人間関係を裏づけるような歴史の流れというものもよくよく考えてみなければならぬのじゃないかと私は思うのです。日中百年の歴史の中でやはり考えてみなければいかぬ、こう思うわけでありまするが、ひとつ外務大臣の中国の革命に対する歴史的な理解というものはどの程度のものでありまするか。ただの、共産党は困るからなんというようなことでは決してないと思いますが、やはり相手の気持ちを考えてやろうと、いま言われましたから、そう言われますと、孫文などもやはり初めは日本などへ亡命に来ておりまして、日本の力をかりて大陸中国の独立と近代化を進めよう。早いことばで言いますと、日本の明治維新をひとつ中国にも打ち立てたいというような気持ちがあったということも聞いております。蒋介石だってかたきに報いるに恩をもってするというようなことばも言われました。また、日本という国はずいぶん中国を侵略をしたので、これは許すことはできぬけれども、しかし、考えてみれば、ソ連の東方計略に対して日本がストップをかけたというような点は、これはやはり理解をすべきだというようなことも言っておるそうであります。ソ連の極東侵略からのアジアの守り神というようなことばも言ったということを私は聞いております。毛沢東も周恩来も恨みは忘れよう、手を握ろうというようなことも言っておるそうであります。それがやはり過去を清算して将来のアジアの安定のためだ、両国の繁栄のためだというようなことを言っておるそうであります。周恩来などは、二千年の歴史の中に比ぶれば日清以来八十年ですか、そういうものは短いものなんだ、満州事変以来の十五年というものはごく短い、だから古い恨みを忘れて将来手を握ろう、こういうような気持ちでおる。しかし、向こうからすると、そう思っているのにどうしてまた敵視政策をとるのだろうかというような気持ちを持っておるように聞いておるわけであります。  それでありますから、どうでしょうか、この中国の革命というものに対する歴史的な理解というものをやはり把握をしておらぬと、現実の外交、いろいろな現象がございましょう、具体的な問題がございましょうけれども、やはり一番大事なのは、日中の歴史の流れ、特に中国の歴史に対する理解というものが非常に大切なんじゃないか、こう思うわけであります。  それで外務大臣も、この中国革命というのは、やはり民族の独立と近代化をやるために、われわれの方から見れば、平たく言えば、日本の明治維新と同じことをやろうとしておるのだというような、そういう理解というものをお持ちでありましょうか。そんな余裕はないのだ、中国はどうも極端な戦闘的な孤立的な国だ、原爆を持っているぞ、だからこれは脅威だというふうに、これはもう脅威だと思えば、やはり敵視政策もちらほら出てくるわけでありますが、そういう余裕がないというふうにお考えでありましょうか。やはり近代化を進め、独立を進めるためのこれはやはり歩みであったというふうに理解をせられましょうか。どちらでありますか。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○愛知国務大臣 非常に広範でかつ歴史的な問題でもございますから、簡単に所見を申し上げるのもいかがかと思いますけれども、それはやはり中国との国交ということをよりよき正常な状態に置かんとするわれわれの気持ちから言えば、中国において過去にどういうことが行なわれたかというようなことについても十分な認識がなければならないということは、私も同感であります。同時にしかし、中国においては新しい動きがほうはいとして起こっておって、必ずしも旧来の知識を持ってしては律し得られないような状況であることもまた近来の特色ではないかと思います。そして、境在北京政府が、これはいろいろ中ソ関係でも問題になるところでありましょうけれども、北京のほうがマルクス・レーニン主義の純正な主義に立脚しての考え方をとっておることは、自他ともに許しているところではないだろうか。しかし、それだからといって、それを脅威だというふうに私見るべきではない。イデオロギーはいかに異なっても、これはそれぞれの国の国情によるものであって、国交を改善する、より正常化するということはそれにもかかわらず非常に必要なことである、こういうふうな考え方でおるのが日本として正しい態度ではないだろうか、かように存じます。

坂本三十次自由民主党

○坂本委員 時間がないから、それではどんどん進めましょうか。  この敵視政策の一つとして、一つの例として、中国側は吉田書簡問題というのをよく言うております。これを廃棄をしてくれ、廃棄宣言をせい、そうすれば敵視政策を解消した一つの具体的例だというようなことを言っておるそうであります。政府は、これは私信だから拘束はされない、ケース・バイ・ケースでやるのだというような御説明でありました。しかし、どうも私の感じでは、実際にはケース・バイ・ケースでやるというのではなしに、使わせんぞとぎょろりと目玉をむいてにらんでおるような感じがいままでしてきたわけであります。しかし、最近に至りましてだいぶ流動的な感じが私は——はですよ、するのであります。政府は輸銀を出すなとも言ってないが、まあけしかけてもいないというようなところにきておるのではないかと思うのです。ここでまた、たとえば日立造船だとか何だとかからプラントの申請が出ましたらやるような機運になっておりましょうか。どうでしょうか。なかなか外務省の中でもいろいろ論議があるようでありますけれども、この点はどうでしょうか。総理に質問をいたしますと、あの方はなかなかかたいから、そんなことはと言うて否定をされる面が強いかもしれませんけれども、外務大臣は、その点は非常に柔軟なお方でありますから、総理の腹をひとつ読み切って、この点は輸銀はもう使うべき時期に来ておる、決断をする時期だというようにお考えになりましょうか、いかがでございますか。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○愛知国務大臣 吉田書簡については、もう前々から申し上げておるとおりでございますから、あえて触れませんけれども、要するに、これは私文書ということなんでありますから、その後政府においてこれを取り消すとか取り消さないとかいうような対象の問題として取り上げること自身がおかしいことであると思います。それから、これはむしろ実態的に判断すべきものであって、輸銀の活用ということはケース・バイ・ケースでやります。そのケースに従って適切な判断と処置をとることが望ましい、原則としてはこういうことであると思います。これには、先般たとえば通産大臣がどういうふうにお答えをしたかということの中の一つだけが非常に大きくキャリーされたようにも思われるわけでございますけれども、言っておることはわれわれと変わるところはございませんで、ほんとうのとかそうのとかいらとあれですが、ABCというお話もございましたから、あえて申し上げますが、ケース・バイ・ケースはほんとうのケース・バイ・ケースでございます。うそのケース・バイ・ケースではございませんと申し上げればよろしいかと思います。

坂本三十次自由民主党

○坂本委員 ケース・バイ・ケースでやる、これがほんとうのところだ、こういうお話であります。そうすれば、今度は、申請が出ればやはり前向きに検討せられるものと私は思うておるのです。そういう時期に来たと私は思うておる。それからその感じはいかがかといまお尋ねをしたのでありますが、それ以上答弁はなかなかむずかしそうでありますから、それでは次に進みます。  二番目の問題ですが、中国も台湾も二つの中国論というのは大きらいなようであります。漢民族両立せずと台湾でも言っておるそうでありますから。そこで、お尋ねをいたしますが、国連の代表権の問題で、よく近ごろでは新聞紙上にも出ておりますが、いろいろ検討しておる重要事項指定方式では、飛んで火に入る夏の虫であるからこれは出さぬ。そのかわり有力候補として二重代表権方式というのが考えられておる。外務大臣も参議院の委員会などで検討中だというお話があったそうでありますが、これは、中国というものは一つだろうけれども、現在現実には台湾と北京とがあるので、二つの政府がある。それを鏡に映せば二重代表権だというお話でありますが、これはどうでしょうか。二重代表権方式というものを、やはり一つの有力な案として御検討中でございますか。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○愛知国務大臣 代表権問題についても、政府はまだはっきりした考え方を固めておりませんですから、お答えがクリアカットに申し上げられませんで、たいへん申しわけないところであると思います。そこでいわゆる二重代表案と申しますか、これについても実はいろいろの機会にお尋ねをいただくのですけれども、政府としてこれをどうするかということについては、まだ何とも申し上げられません。同時に、二重代表案といわれてもいろいろなバリエーションがございます。また場合によっては、単なる案としてのバリエーションということ以外に、考え方の基礎の考え方にもだいぶ違っている案がまぜ合わされているような気もしないでもないわけでございます。実は先般参議院の外務委員会でこういう御質問が出ました。私もそういう場合が大いにあるのではないかと思うのですが、ことしの総会ではもうその場になって次々と提案の出し比べ、知恵の比べ方の競争みたいな場面が起こるのではないか、こういうふうな御質問がございましたが、それもあり得る一つの場面であろうかと思います。したがいまして、政府といたしましては、いろいろの考えられる場合を想定しながら、いろいろの案を研究の対象といたしております。そういう点からいろいろ検討してみますと、実に複雑であり、実にむずかしい問題であると考えざるを得ない。これは結局中国が現在のような状況であること、そして一つの中国ということをめぐって、いまもお話しのように非常に双方が強い態度であること、あるいは他の席におきましても、一方のいるところには一方が同席しないというくらいの強い双方の態度でございますから、いわんやこれが国連の場というようなことになりますと、当事者がどういうふうな態度をとるだろうかということも、またなかなか判断のむずかしいところであり、またそれをめぐって国連加盟の国々が、それぞれの立場でどういう場合を最もよしとするかということの考え方によって、だいぶ動向というものが動くのであろう、こういうふうに存じます。現在のところはそれらの中に処して、いかにするのが妥当であるかということについて真剣な検討を続けている段階でございます。

坂本三十次自由民主党

○坂本委員 なかなかいまむずかしい複雑な心況のときであろうと思います。いまのお話を聞いても、二重代表権というものも考えておるけれども、その内容はいろいろ複雑多岐であるというようなお話もありましたが、しかし、とにもかくにも二重代表権というのは二つの中国論であることは間違いはありませんですね。いままでの政府の一つの中国論というものが国際情勢の変化で政策の転換をしたということに、二重代表権というものをとる場合には、なるわけでありましょうか。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○愛知国務大臣 従来とっておりました態度あるいは提案あるいはそれの共同提案国であった態度というようなところと違うやり方をいたしますれば、それは政策の変更ということになろうかと思いますが、それらの点について先ほど来申しておりますように、いろいろと真剣に検討中であるというのが今日の段階で、いかなる方途をとるかということ自体がまだ不明確であります。それからいわゆる二重代表制をとれば二つの中国論ではないか。これも非常に微妙なところだと思うのですね。先ほど私が抽象的に申し上げましたが、二重代表案といわれておるものにもいろいろのバリエーションがある。その中にはいわば基本の考え方の違いもあるように見受けられると申しましたのは、その点に関連する存でございまして、二重代表の提案というものは、ある場合においては二つの中国ということがかなり明確に考えられる場合もありましょうし、また一つの中国ということを原則的に支持しつつ、暫定的に客観的な情勢の中において双方が認められるような、あるいは国際的に是認されるような考え方の案として考えられるものと、何か両方あり得るような感じも、これは客観的に見ましていたします。そういう問題でございますから、単純に二重代表権というものが一つの中国を認めない、二つの中国論になるかどうかということについては、その提案の内容あるいは前後の説明のしかた、その他と非常に重大な関係がある、あるいはその案の中身にも非常な関係がある。そこで一がいにいずれがいずれとはい差場合があるだろう、私はかように思います。

坂本三十次自由民主党

○坂本委員 なかなか複雑微妙な段階でございまするから、一つしかない安保常任理事の席をどっちがとるかなんということについても、いろいろこれはたいへん複雑なことになってこようかと思うのでありますが、私はこれを考えてみますのに、両方納得させることはできないのではないか、両方おこらせるだけではないのかというような気もいたしますので、中国代表権の解決にはならないで、日本とかアメリカの自分の立場を強調した妥協案というニュアンスが強くなりはしませんか。それを、台湾がどこにあるかということもわからないといったら失礼ですが、地図を見たらやっとわかるというようなアフリカの国もあると思います。そういうふうな利害関係の少ない国に対して、こういう複雑な案を出して、それが世界の世論をリードできるかどうかという点に対しては、私は非常に疑問に思う点があります。何か新聞などでは二十カ国ばかり票を獲得したというておりますけれども、なかなか中国問題を解決しまうという案ではなしに、かえって自分たちが苦しいから、自分らの気持ちを二重代表権で反映しようという要素の強い案でしょう。ですからほかの関係のない国にこれを理解させるということは非常にむずかしいのじゃないでしょうか。これもやる、あれもやる、四兆円でやる、こういうておるよりは、ストップ・ザ・サトウというほうが通りがよい。いい、悪い、そういうことは別ですが、はっきり言わないとなかなか国連をリードするというわけにはいかないのじゃないかという心配が私はするのですが、この問題はなかなか複雑でございますから、ひとつ今後の問題にいたしましょう。  時間がございませんから次に参りますが、政治原則の三番目に国交回復を妨げないというようなことをいっております。国交回復をやる場合にいろいろございますが、いま貿易などをやっております。友好貿易と覚書貿易などをやっておりますが、この覚書貿易のコミュニケなどを見ますと、日本は政経分離だというけれども、向こうは政経不可分だ、こういうております。コミュニケなどを見ますと全く政経不可分の見本みたいなものであります。そこで私どもは非常に心配なのは、日本軍国主義論というものが去年もおととしも出ておりますが、これについて外務大臣のお考えは、ひとつこれは韓信のまたくぐりじゃ、いま古井さんや田川さんや行っておいでになりますね。御苦労なことだと私は思っております。あの先輩の方々は日中ただ一つの細いパイプだから、わしらがやらなければ切れてしまう、将来の国交回復に支障があるからやるのだ。国交回復もしてないし、それで向こうから見ればあるいは戦時敵国商人みたいに扱われておるかもしれぬけれども、それでもなおかつ韓信のまたくぐりをする、これはいいことだとお思いになりましょうか。これはよく私どもは聞かれますので、外務大臣の御見解を聞きたいと思う。やむを得ないとお考えになっておられましょうか。あるいはまた、いや何だか卑屈な感じがする——私どもは知ったような知らぬような世代ですけれども、私どもから下みたいな戦争をしらない若い世代というものは、非常に何というか、中国というのは変なことを言う国だなと言う。それが反発にも通ずるかと思うのですが、そういうことになると、日中友好ムードに非常に水をかけるようなことになりますね。それは私は決していいことじゃないと思うのですよ。やはり真実に反したことは違うとはっきり言っておいたほうが、将来国交を回復するときに——おまえはかってにこう言ったじゃないか、ああ言ったじゃないかという誤解の積み上げのもとではほんとうの国交の回復、いざどたんばというときに、国益に反した交渉のテーブルに着かされるというような危険もなきにしもあらず、こういうような気持ちがするわけです。これは貿易が一時中断と言ったら少し強過ぎますけれども、あまり感心したことじゃないというふうにお考えになりますか。余談だけれども、この間イザヤ・ベンダサンの「日本人とユダヤ人」というのを読んでいましたら、ユダヤ人が迫害されたのは権力者と大衆とのまん中に入って金もうけした。それは事実だけれども、みんなに、大衆にそういう気持ちがけしからぬというふうに思われて、自分のユダヤ人の罪じゃないけれどもひどい迫害をこうむった。いま日本人だって、ベトナム戦争でもうけて、朝鮮戦争でもうけて、それでエコノミックアニマルだ、軍国主義だと言われる。それで黙って引っ込んでおったのでは、われわれの子孫はいつかはまた、おまえたちはひどいことをした、歴史的に積み重ねの罪悪があったと、こうことを言われてひどいこと起きませんか。そういう心配があるから、やむを得なかったという感じが強いのか。それともやはり言うべきことは言って、いま国交回復もしてありませんから、なかなかむずかしいのですが、言うべきことは言ったほうがいいのか、そういう感じはどうでしょうか。私は国民の皆さんがその点を非常に聞かれますので、外務大臣のお話も聞きたいと思って質問をするわけです。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○愛知国務大臣 覚書貿易のときのコミュニケについては、私は日本人としていろいろの感懐を持たれる、これは当然のことだろうと思います。政府としては当時これに対して若干のコメントをい一たしておりますけれども、しかしあまり微妙な段階で——国交が正常化されていない間、細いけれどもこの覚書貿易のパイプというものはたいへんに大事なものであるという、そういう認識の上に立ちまして、いわば俗なことばで言えば売りことばに買いことばというようなことは慎みたいというのが政府の考え方でございます。同時に、国交のより正常化のためには、いかなる時期、いかなる場所でも政府との間の対話は持ちたいということを提唱しておることは御承知のとおりでございまして、ただその政府間の接触、対話に際しては双方の立場を尊重し、内政を干渉しない、そしていろいろな問題を話し合うということで、政府間の接触、対話を持ち得るならば、いかなるときでも、またその形式等についても十分柔軟な考え方で出ていく用意がありますということを公に提唱していることば御承知のとおりでございます。そういうことが幸いにしてできますならば、双方が胸襟を開いてそれぞれ言いたいことを言い、また誤解があったならば誤解を解くということで話し合っていくということが大切であるし、そして将来長きにわたって、私は日中の関係というのは非常に大切なことであると思いますから、いまが大事なときであって、そしてやはり双方胸襟を開いて話し合えるようなそういう環境の中で話し合いを進めていくのでなければ、かえって害を生ずることもあり得るのではないか、こういうふうに考えておる次第でございます。

坂本三十次自由民主党

○坂本委員 これはやはり政府が政府間交渉を積極的にやらない、やろうとする実績がまだ見えませんから、それで覚書貿易の方々は苦労しておるわけですが、やはり早く政府間接触をやるべきだろうと思うております。  時間がありませんから最後に一つ。  台湾問題について、総理並びに外務大臣は、国際信義ということをよく言われます。なるほど台湾との日華条約がありますから、これを忠実に守るのが国際信義を守る道だ、こういうふうにもいわれておるわけであります。これはアメリカに勧められたか強要されたか知らぬけれども、日本が独立した当時の片面講和といいますか、一面的なアメリカとの講和ではあろうけれども、この選択は正しかった、私もそう思っております。そのときは正しかったけれども、いまはやはり二十年間の情勢の変化によってだいぶ歴史のひずみというような感じがしまして、不自然な感じが私はしておるわけであります。それは、しかし、あるものはあるんだから、日華平和条約を忠実に守るということも国際信義でございましょう。しかしもう一つ国際信義が私はあると思う。やはりさっきも申しましたように、歴史的な理解と中国革命、中国の歩みに対して歴史的な理解がございますかとお尋ねをいたしましたのも、やはり日清戦争以来一八十年。それから満州事変以来十数年、この間に迷惑をかけたのは台湾ではなしに中国大陸の人々であった、これは事実であります。それに対して平和条約を結ばないで、戦争のあと始末もしないで知らぬ顔をしておる。これはもっと大きな国際信義にもとるものではないかというような私は感じがするわけであります。これを両方天びんにかけられまして、どっちが大切であるか、どちらが将来に向かって日本が国際信義を重んずる国として評価をせられるか、歴史の評価をいただくか、ここらが私は外交の大きな岐路になろうかと思うておるわけなんです。で、海の向こうにはやはり八億の人がおるのですから、これらの人々と仲よくする、自然なことはよいことだと私は思いますよ。それだから、そろそろこの吉田さんの原点に返ったらいかがかと私は思うのですね。吉田さんは、日華条約をつくられたときには、この条約の及ぶ範囲に大陸は入らない、こういうふうに言うておられまするし、平和条約の平和ということばも遠慮して使ってないようなことも聞いておりますけれども、これはやはり吉田さんの先見性だと思いますね。そういう意味で、そろそろ吉田さんの先見性、それを考えて原点に返る時期だと私は思うのですが、そういう時期に、潮の流れにきておるかどうかというようなことをひとつお尋ねをいたしたい、こう思うわけです。近いうちにそういう前向きな姿勢が示されれば、あとは——日ソ交渉で自民党の中などはてんやわんやでまっ二つに分かれたらしいですけれども、あのときよりはもっと私はうまく日中関係、日中平和条約が結べるのではないか。鳩山さんのあのときの勇気というものがおのずからそこに将来浮かんでくる、私はそういうふうに思うのですが、吉田さんの原点に返れというような私の主張に対していかにお感じになっておりますか。  国際信義というものは台湾とだけではない、中国大陸にもあるんだという、この二点についてひとつお尋ねをいたします。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○愛知国務大臣 吉田さんの当時の御苦心については、もちろん私も非常に高くこれを評価すると同時に、今後も大いに参考になることであると思います。同時に、吉田さんがなくなられました、またその間内閣がいろいろとできたわけでありますけれども、私はよく考えますが、いままでのところは、このむずかしい状況下にありて日本の選択してまいりました政策は、まあどうやらこうやら賢明であったと言い得るのではないかと思います。最近もそうでございますが、アメリカがたとえば中国との間に融和ムードが出てきたということを非常に高く評価し、かつ、それだから米中が日本の頭を越して云々という説がまた出てまいりましたけれども、アメリカの外交当局筋は特にそうでありますけれども、現在まで日本がやってきた中国政策というものが、非常に自分らから見ればうらやましかったことであって、その軌道に自分らもようやく乗りかかれるかなということを言っております。そのことは、具体的に言えば、たとえば昨年だけでも日本から中国大陸に渡った方が、正規の手続で渡っている方々だけで三千人もある、あるいは貿易の量がこうであるというようなことを具体的に示しながらの意見であって、米国としては、従来長い期間にわたってわずか三人ぐらいしか米国人は中国に旅行ができなかったというようなこともあわせて言っているようなこともありますが、しかしこれからどういうふうにやっていくかということについて、先ほど来るる私の苦悶をそのまま申し上げているわけでございますが、ここでやはり政府も独善的にならないで、あらゆる角度から流動的に、前向きにこの問題に十分取り組んでいかなければならない。いろいろのことを考え、たとえば佐藤総理がいわゆる野田訪中団ということを考え出され、勧奨されておるのもその一つのあらわれであると御承知をいただきたいと思います。

坂本三十次自由民主党

○坂本委員 時間がありませんから、これで終わります。

田中榮一自由民主党

○田中委員長 戸叶里子君。

戸叶里子日本社会党

○戸叶委員 この国会もきょうで終りでございます。それで今度の国会で大きな外交問題といえば、何といっても中国問題であり、そしてまた沖繩の問題だったと思いますが、まことに残念ながら、沖繩の問題は、協定が大体大詰めにきたということは聞いておりますけれども、また私どもにとってはっきりとされておらない面もいろいろあります。それから中国問題は非常にまじめに、熱心に取り組むのだ、前進させるのだという政府のかけ声にもかかわらず、私は何ら進展がないんじゃないかというふうに残念でたまりません。最近中国の問題は、アメリカをはじめとして世界が中国に目を向けて、そして中国問題、中国問題といわれておりますが、私は中国から言わせるならば、アメリカがどういうふうな態度に出ようとも、そしてまたほかの国々がどういうふうな態度に出ようとも、もっと大切なことは日本が中国に対してどういう考えを持って、日本の政府が中国とどういう形で取り組んでいこうとするのかということがいま一番知りたいところではないかと思います。と申しますのは、地理的にいいましても歴史的にいいましても、日本と中国との関係はほかの国よりもたいへん深い関係がある国ですから、今日こそ、しかも国連でのいまの複雑な情勢をも踏まえて、こういうふうな世界各国が中国問題に関心を示し、中国はもう、一つの大きな国として認めてきているときに、日本がどういう態度を示すのだろう——日本が腹をちゃんと引き締めてこういうふうにするのだというそういう姿勢を示すべき一番大事なときではないか、こういうふうに私は考えますし、中国自体もそれを期待していると思います。そういうふうに私自身は考えますけれども、外務大臣はどういうふうにお考えになりますか。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○愛知国務大臣 中国問題が日本にとってほかの世界のどこよりも大切なことであるではないか、この御趣旨については私もまことにそのとおりであると思います。それだけに政府といたしましても慎重の上にも慎重を期しておる。同時に中国問題の持つ複雑さということが、それだけに日本としてもほんとうに真剣にあとあとまでのことを考えて善処しなければ、これは日本のためにほんとうに不幸なことになる、こういう認識を持って真剣に取り組んでおる次第でございます。

戸叶里子日本社会党

○戸叶委員 真剣に取り組まれるならば、やはりそういうふうな取り組み方というものがどこかに出てこなければならないんじゃないかというふうに私は考えるわけでございます。しかし、いまのところ政府自体は人事の交流とかそういうふうなことだけで、基本的にどういう姿勢で中国問題と取り組むかというような点でまだまだ欠けているということが私は残念でたまりません。もっと基本的姿勢を確固としてきめて、そしてそれをもってアメリカに臨む、こういうふうな姿勢を出していただきたいと思いますが、いまそれを望んでも、いまの政府じゃなかなか受け入れていただけないと思います。  そこで具体的に二、三伺いたいと思いますが、いま坂本委員からもいろいろ国連での代表権の問題が聞かれました。私は重複を避けますけれども、先ほど問題になりました二重代表制の問題でございますが、これはいろいろな国へ打診をしているというようなことも聞いておりますけれども、こういうふうな打診をされたその情報はどんなになっているかをお伺いしたいと思います。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○愛知国務大臣 まあこれはおっしゃるように、新聞等を私も見ますると、日本の外務省といいますか、政府がずいぶん精力的に一つの案をつくり上げておりまして、その案を世界じゅうに持ち回って精力的にこれを説得しているかのように見える場合もございますけれども、実はそこまでいっておりません。というのは、国連代表権の問題では、先ほど坂本委員の御質問もございましたが、これは二重代表権の問題についての御質疑でございまして、私も申し方が足りなかったかと思いますが、そうやって二重代表案というものにもいろいろのバリエーションもあり、またその国連における論議などもいろいろ想像してみれば、これもなかなかたいへんなことだな、それならばいっそ重要事項指定方式のほうがいいではないかという案もかなり権威筋からも出ていることは御承知のとおりでございまして、こういうふうな状況でございますので、何だ、いまごろそんなことを言ってというおしかりを受けることはわかりますけれども、政府として、こういう案を日本としては一番よろしいということをきめまして、そしてこれを持ち歩いているというような事実はございません。その点は、これが真相でございますから、それにおしかりを受ける受けないは別として、真相はこうであるということだけは明らかに御理解をいただきたいと思います。

戸叶里子日本社会党

○戸叶委員 ただ情報として、こういうものを出して、そして討議をしているということはあるんじゃないかと思うんです。そういう点で、どういう国とその問題で討議をされたか、そしてその反応等があったら、私は伺いたいと思いますが、この点はいかがでございましょうか。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○愛知国務大臣 持っていって相談をしたそれ自体がないんですから、相談をしたという事実はないから、したがってその後の反応ということも申し上げるようなことはございません。しかしもはや御承知のとおりに、これは世界じゅうの大問題でございますから、日本の外交官諸君がいろいろの国の人たちと常住座臥接触しているわけでございますから、その中からはいろいろの考え方というものが出てきておる。まあたとえば現在サウジアラビアの王さまが日本に滞在しておられますが、この方なども一つの意見を持っておられることは、これはもう想像にかたくないことかと思われますが、そういうようなわけで、いろいろの国の人たちがいろいろの考え方を持っている。またこれは、たとえばアメリカにしても決して一つではないわけでございますね。国務省の中にすらいろいろあるくらいですから、いわんや中国問題に見識のある方々の間には異った意見がある。そしておそらく大統領のところでも、大統領府としてもどう対処したらいいかということについて実に真剣な検討が行なわれていることと想像いたします。かって二月くらい前にも、もうアメリカ大統領府はきめるのだろうということがほとんど決定的のように情報の上に伝えられたこともございますが、私はそれはそのときそうは思いませんでした。そのころにきめるべくあまりに問題が大きいので、まだまだそういう時期ではないと考えておりましたが、そのとおりのように、各国とも本件についての責任者が責任を持って見解を表明していることはほとんどございません。かような状況でございますから、日本としてはことに重大な問題でありますので、この際として私からこうこうであると申し上げるのにはまだ時期が早い、こういうふうに考えております。

戸叶里子日本社会党

○戸叶委員 まあ国連の総会は秋ですけれども、しかしいずれにいたしましても、それまでに日本の態度というものはきめられていくと思います。私どもが新聞等による情報によりますと、アメリカのほうもこの問題を非常に積極的に討議をしているというようなことも聞いているわけでございます。しかしアメリカの中にもいろいろな世論があることは私も知っています。この間の日米議員懇談会に私も出席いたしましたが、その中でも、もし二重代表制が出れば私ならば棄権をしますというような言い方をしている議員さえもいたわけですから、いろいろだろうと思いますけれども、しかしアメリカの政府の方向としては、どうも二重代表制の方向を検討しているらしい、しかもその考え方が一つの中国、一つの台湾という考え方に乗っているのじゃないかというふうに私どもは考えるわけですが、日本は、二重代表制としてもしもかりに考えた場合には、これはあくまでも一つの中国という考え方で暫定的に台湾の政府というものも考える、こういう形でお臨みになるのですか、この点だけをはっきりさせておいていただきたいと思います。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○愛知国務大臣 これは先ほど坂本委員の御質問にもお答えしたところですけれども、やはり日本の政府としては、一つの中国というのがプリンシプルである、これはかねがね申し上げているとおりでございます。しかしとにかく現実の事態が、二つの事実があるというこの事実も客観的な事実でありますから、そのことも念頭に置かなければなりますまいけれども、原則、あるべき姿は一つの中国であるということが基本である、私はかように考えます。

戸叶里子日本社会党

○戸叶委員 先ほども大臣がおっしゃいましたように、前後の表現のしかた、あるいは扱い方、いろいろ等でなかなかむずかしいものになるということを言われましたけれども、私もそう思います。一つの中国でいま二つの政府があるのだという現実を踏まえておやりになるというふうな日本の立場と、それからアメリカの考え方は、どうも一つの中国と一つの台湾、こういうふうな考え方でこの二重代表制に臨んでくるというやり方とは違ってくると思いますけれども、この間に全然違いがないというふうにお考えになりますか、違いがあるというふうにお考えになりますか、これは将来の問題として私は伺っておきたいと思います。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○愛知国務大臣 そこのところがお答えをする私としてはちょっとズレがあるといいますか、いまの御質問は、おまえは隠しているけれども何かつの考えを持っているのだろう、アメリカも同様だろう、そのアメリカの案と日本の案とには一致があるのかないのか、こういうお尋ねだと私は思うのですが、こちらにはまだ案がございません。したがって、どういう案とどういう案とがどういうふうな違いがあるかということを申し上げるわけにはまいりません。客観的というか、一つのアカデミックな問題としてならばまたいろいろと考えられ、あるいはお答えをできるところもあろうかと思います。これはもう一度念を押すようですけれども、たとえばいま一つの中国ということが基本であるべきであるということは、再々政府は中国の問題について申し上げている。総理大臣の施設方針にもあり、私の外交演説にもある、そのフィロソフィーを申し上げたものでございまして、この段階でそう申しますと、それは何か一つの案を私が持っているかのように思われると、これは間違いでございますから、その点は念のため明らかに区別をしておいていただきたいと思います。

戸叶里子日本社会党

○戸叶委員 いま、一つの案を——こういうふうな二重代表制とかなんとかいう問題が出てくる以上は、私たちはやはりいろんな角度から議論をしておく必要があると思います。そういう意味で伺ったわけですし、日本の政府が一つの中国という立場に立っていらっしゃるのですから、私もそういうふうな立場をぜひくずさないでもらいたいと思います。なぜそれを強調するかといいますと、いままで私はこの委員会で台湾の帰属の問題で幾たびか議論をしてきました。それに対して、この帰属の問題については、外務大臣からははっきりとしたお答えをいただいておらないわけです。どこのものかまだわからないという言い方しか言われておらないのですが、これが一つの中国、一つの台湾の問題とからんでくるものですから、私は念のためにいまのことを伺ったわけです。こういう問題については、やはりアカデミックにいろいろいえばきりがないとおっしゃいましたが、そういうふうなアカデミックな問題も今後においていろいろと議論をしておく必要があるのじゃないか。むしろ外務省としても、この二重代表制の問題にはこういうふうな、こういうふうなものがあるのだというようなことを想定してでもいいですから、やはり資料として出すような、そのくらいの親切さがあっていいのじゃないか、私はこういうふうに思いますので、この点もどうぞお考えおきいただきたいと思います。  もう一つだけ中国問題で伺っておきたいのは、アメリカがもしも中国を安保理事国の中に入れたいというような考え方を出しましたときに、日本としてはその問題についてはどういうふうに受けられるかをお伺いしたいと思います。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○愛知国務大臣 まずアメリカが、先ほど申しましたようにアメリカの責任当局がどうという案をまだ出していないわけです。きめていないわけです。したがって、安保理事国にどこを入れるかということについて、アメリカの責任当局が言ってない間に、アメリカの意見に対するコメントを日本政府がするわけにはまいりませんから、その点は御容赦をいただきたいと思います。どういう案が出たらどう対処するか、これは将来の問題になると思います。そこで私が先ほど、アカデミックな問題としては二重代表案というものにもいろんなバリエーションがあるだろうということを申したのはその辺もあるからでございまして、二重代表とはいうが、一方には安保常任理事国の地位を与えるという案も、アカデミックにはあり得るでございましょう。しかし私はこれに対して何にもコメントをいたしません。

戸叶里子日本社会党

○戸叶委員 それじゃ、アメリカが言い出す言い出さないの問題でなくて、もしも安保理事国に中国を入れるというようなことについては、外務省はどういうふうにお考えになりますか。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○愛知国務大臣 その辺の問題も非常に微妙でかつ重大な問題でございますから、ただいま日本の政府としては、それに対してまだ意見を申し上げる段階ではございませんと、こういうことに相ならざるを得ないわけでございます。

戸叶里子日本社会党

○戸叶委員 そういうふうな御答弁しかいただけないのじゃないかとは思いましたけれども、やはり私は重ねて申し上げますが、中国問題は、もう少し前進させるように、基本姿勢というものを、どうぞはっきり早く出していただきたい、このことをひたすら要望いたしまして、次の問題に入り  たいと思います。  沖繩の問題で、二、三お伺いしたいと思います。  協定も、この間中間報告があったようですが、その後ずっと中間報告よりも進められてもう大体結論に到達させられたですか、まだ残っている問題もたくさんあるでしょうか。この辺をまず最初にお伺いしたいと思います。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○愛知国務大臣 先ほど坂本委員にお答えいたしましたように、中間報告いたしましてからまだちょうど一週間ばかりでございます。その間におきましても国会を通じあるいはその間沖繩の主席、立法院の与野党の代表者の方々とも精力的に意見の交換をし、あるいは御要望を承っております。また私も復帰協の代表の方々とも意見の交換をしております。こうしたことが最終的に協定をつくり上げる上に私どもとして非常に心強さをいただいておるわけでございますが、事実上の関係から申しましても、この一週間対米的にまだそれらがどういうふうに反映したかということを申し上げるだけの時間的余裕も実は率直に申しましてございませんでした。きょう午後から私としてはもう精魂打ち込んでやりたいと思っております。

戸叶里子日本社会党

○戸叶委員 きょうもおやりになるようでございますけれども、そこで核抜きの問題であとからわが党の楢崎委員が御質問すると思いますので、私はその問題は詳しくは質問いたしませんけれども、ただ国民として非常に気にかかりますのは、おそらく今度日米共同声明の精神にのっとって前文というものが出てくると思いますけれども、そういうふうな中で——日米共同声明というものをいままでもずっとよく読んでまいりましたが、非常によくできていると思うのです。日本の国にとっては日本の国が適当に解釈するように、そしてまたアメリカにとってはアメリカがいいように解釈するように、そういうふうな意味では私は日米共同声明というのはよくできていると思うのですが、さてそういうものを前文に入れてきたときに私どもが一番気になるのは、核抜き本土並みということをたびたび政府が答弁されているけれども、それならなぜ核は持ち込みませんということを入れないのかということがほんとうにどこへ行っても聞かれることなんです。これは佐藤・ニクソン会談ではっきり約束しているんだからだいしょうぶなんですよ、こういうふうに私どもも幾ら受け売りをしたくても、自信がないわけです。文章に書いてあればそれも言えますけれども、そういうことがない。なぜそれじゃそんなに約束したことを書かないんですかと言われれば、もうそれきり。何か政府が約束したらしいですよ、これじゃ私は非常に力が弱いと思うのですけれども、こういうことが書けない理由というのは、やはり書くとアメリカの世論を押えることができないから、気がねをしてお書きにならないのかどうか。この点そのものずばり外務大臣教えていただきたいと思うのですが、いかがでございます。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○愛知国務大臣 ずばりと申し上げますと、戸叶委員のお考え方、御願望はとくと私も頭の中に入っております。ただ協定については先ほど申しましたように、これから最終段階に入ってきているわけでございますから、現在まだ協定の文言等について一般的に申し上げる段階にありませんことをたいへん申しわけなく思っておるわけでございます。現在の段階としては従来からの答弁を繰り返すだけにとどまります。

戸叶里子日本社会党

○戸叶委員 私がいま疑問に思った点は頭の中に入っているということだけじゃ、結局いままでどおりそういうことは書きませんということですね。そういうことだと、この協定の前文を読んでみると、そういう核抜き、本土並みはどこかへいってしまって、むしろ日米共同声明の六、七、八の各項を見てもわかりますように、アメリカが沖繩の基地を利用して極東での防衛の義務を果たすという役割りは減じていないというこういう点だけが強調されていて、結局日本のほうにはあまり共同声明でよくないことで、むしろアメリカのほうの顔を立てているような点が強調されてしまうので、私は核抜きということばをやはり一言でも入れてほしいと思いますが、まだ入れられる可能性があるかどうか、念のためにもう一度これを伺っておきたいと思います。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○愛知国務大臣 返還についての日本の基本方針は、七二年中核抜き本土並み、この共同声明の三原則であります。そしてこの三原則に基づいて円滑な復帰をはかるわけでありますが、私は中間報告で申し上げましたように、いままでの交渉を通じましてこの基本方針が十分に貫かれるものと確信いたしております。

戸叶里子日本社会党

○戸叶委員 そういう御答弁はいただいておりますから、何度も何度も聞いてわかっているのですけれども、核抜きということばをそれでは入れられないというふうにしか理解できないわけですが、まだ余裕があるのでしたら、ぜひ核抜きということばを入れていただきたい。これは要望したいと思うのです。  それから問題の一つである日本がアメリカの電力、水道、金融、公害、軍用道路などに対して支払う金額が三億二千万ドルということもいわれているようですけれども、これは何に幾ら何に幾らということの内訳というのは、きまった段階でははっきり説明していただけるのでしょうか。と申しますのは、戦争したあとの賠償の支払いでも、こういうだけの金額はここにこういう損害を与えたから払うというふうな形ではっきり国会で答弁をしているわけですけれども、今回のこういう問題はそういうものと違って、いろいろな電力なり何なりは私どもがこれは払うべきものではない、必要がないと言ってきたものであるだけに、どういう点でどういうふうに幾ら要るんだということをはっきりさしていただきたいのですが、これがきまればその説明をしていただけるかどうか、この点をお伺いしたい。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○愛知国務大臣 この点は中間報告でも触れておりますとおりに、これはいま戸叶委員が仰せられましたが、考え方に政府として違いがございますので、その点はどうも意見の相違であると思います。つまり政府の考え方は、三公社のようなものあるいはその他にもある程度のものがございますが、日本政府として適当な対価を払うべきものと考えるものは払うことが望ましいという立場に立ちまして、そしてそのためには一体どういうものであるか、こうこうこういうものである、そしてこれらについてこれにはどのくらい、これにはどのくらい、それを集計してどのくらいのものを今後何年間にというようなきめ方にいたしたいと考えております。その各個の内容並びに集積の額、ただいま額をおあげになりましたが、そういう額はまだきまっておりません。これはやっぱり最終的に十分煮詰める必要のあるものであると考えておりますが、考え方としてはいま申し上げたような考え方でございます。

戸叶里子日本社会党

○戸叶委員 いまのことで国会には一括して金額をお出しになるだけでなくて、電力にはどういうわけでこれだけというふうな形で、お出しになるのでしょうか、これは念のために伺っておきます。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○愛知国務大臣 これは条約文案がまだ作成されて合意を得ておりませんから何とも申し上げられませんが、条約文では支払うべき金額は総計幾らということに取りしきることになると思います。そして原則的にこういうものこういうものということで、合計いたしましてこれこれ、金額の大小はございますが、他の条約の例なども参酌できるかと思います。

戸叶里子日本社会党

○戸叶委員 じゃ国会にはちゃんと根拠を示すというふうに理解していいわけですね。  もう一点お伺いしたいのは、二十二日の新聞で「米兵また暴行事件」という事件が出ておりましたが、留守番の女子中学生を襲うということが書いてあったのですが、これについてはもう調べが行き届いているかどうか。これはどういうふうな形で米軍と話をしているのかどうか、もういよいよ沖繩が返るというとき、そしてさんざんいろいろな問題を起こしたあとで、なおかつこういうことが行なわれるというのは、あまりにも日本の女子をばかにした行為だと思って、私どもは許すことができない憤りを感ずるわけですが、これに対して政府はどういうふうな方法をおとりになるのか、まずお伺いをいたしたいと思います。

井川克一外務省条約局長

○井川政府委員 ただいまは、御存じのとおり沖繩はまだアメリカの施政権下にありますので、そこで施行されておりまするアメリカの法律でございまする外国人損害賠償法の規定に従って処理されることになるわけでございます。まことに遺憾な事件でございますが、いずれにいたしましても、沖繩が返還になりますれば、このような事件は刑事的及び民事的にも地位協定の規定に従って処理されるということになりまして、その面におきましては完全に本土と全く同じになるわけでございます。

戸叶里子日本社会党

○戸叶委員 私は、条約上こうでああでなんということは、不肖ではありますけれども、勉強しているつもりなんですよ。そういうことをいま聞こうとは思わないのです。むしろいまこういうふうな気の毒な問題が起きて、やはり外務大臣としてもほっておくべき問題じゃないんじゃないかと思うのです。それは法律的にはこうなっているのだからしかたがないといってしまえばそれまでですけれども、やはり遺憾の意ぐらいは沖繩の軍政府に対して表してもいいんじゃないかと思うのですけれども、そういうことはできないんですか、きょう会談がおありになるのですけれども、はっきり遺憾の意を表して、やはり日本の婦女子をあまりばかにしないように、こういうときに一応くぎをさしておいていただきたいと思うのですけれども、この点を大臣いかがお考えになりますか。これだけを伺いまして、私時間がなくなりましたのでやめますけれども、大臣のお考えを伺いたいと思います。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○愛知国務大臣 まことにこれは何とも言いようのない遺憾な問題でございます。いまお示しがありましたように、適切な処置を私もとります。ただお断わりしておきたいのは、ただいま請求権のことの御質問だと思いましたものですから、法律的、条約的な点を御説明いたしたわけでございます。事件全体に対して、私もほんとうに、まことにけしからぬことである、思いを同じゅういたしております。

田中榮一自由民主党

○田中委員長 楢崎弥之助君。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 戸叶委員の沖繩問題に関連をして、若干の質問をいたしたいと思います。  ただいま返還協定作成は大詰めにきておるわけでありますが、いわゆる現行安保条約のワクを越える特殊的な部隊が沖繩には存在するわけでありますが、もうその部隊については明らかになっておりますから、ここでは申し上げません。話し合いの中で完全に撤去されると合意ができたものがあれば、それを明らかにされたい。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○愛知国務大臣 本日ここで明らかにするまではまだ——十分納得ずくで話し合いをやっておりますので、私も納得ずくでお話しできるまでになっておりませんが、返還協定作成に伴いまして、その過程において、あるいはその後において返還が実現されるまでの間には、私どもとしても十分の措置をいたしたいと考えております。その際そういう点については明らかにするつもりでございます。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 撤去させる部隊がその中にあるかどうか、それだけでもはっきりしてください。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○愛知国務大臣 部隊として撤去をといいますか、いなくなるものもあるはずでございます。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 大体特殊部隊の数はわかっておるわけですか。それは幾つですか。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○愛知国務大臣 これは、ですから、施設、区域の問題と同じように、はっきり具体的に調べをし、話し合いをし、その処理方法をきめる、そして全貌を明らかにいたしたいと思っておりますので、何々部隊、何々部隊何百何十人というふうにはただいまの段階ではお答えできません。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 撤去させられないとすれば、あるいは撤去させるという方向で暫定的に残る期間がきめられる、そういう部隊があろうと思います。それでその特殊的な部隊の中に核兵器関係はどうなっておるか。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○愛知国務大臣 これは核抜きでございますから、核、それから一般的にいって毒ガス部隊とか、そういうものはなくなることは当然と考えております。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 毒ガス撤去については、すでに本年八月ぐらいには撤去させるという話であります。核兵器の撤去について返還時にそれが果たされるのか、それとも暫定期間を設けて、そしてその撤去が実現されるのか、それをお伺いします。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○愛知国務大臣 これはもう返還のときに核抜きであるというのが、この返還についてのいわゆる共同声明の第八項の趣旨でございますから、それを貫くべきものであると考えております。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 それでは返還時に核抜きが実現するというお話でありますが、そうすると、撤去がいつの時点か始まるわけであります。撤去がいつごろから始まるのか、あるいはその撤去の方法等について外務省は確認する意思がありますか。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○愛知国務大臣 これも先ほど来申し上げておりますように、いつどういう部隊がいて、これがいつ帰るというようなことをこの時点で明白にすることはまだできませんけれども、返還のときに核がないのであるということについて、沖繩県民はもちろんでありますが、国民的に十分理解、納得ができるような措置をとりたいと考えております。その措置の内容等についてはまだ検討中でございます。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 いまの検討中ということは、核抜き、つまり核兵器が撤去される、どのような状態で撤去されるか、そういうことを確認する方法も検討中という意味ですか。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○愛知国務大臣 私の申しますのは、いろいろの方法が考えられましょうが、ともかく沖繩県の方々に御安心が願える、また内外に対しまして、核抜き本土並みということでこの約定はできたのでありますから、それが納得のできるやり方で実現できたということを、日本政府として十分御説明できるような措置、方法を検討しておるということを申し上げたわけでございます。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 それでは核抜き、核兵器撤去がどういう状態でなされるか、そういうことを確認する意思はないということですか。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○愛知国務大臣 その意思があるとかないとかではなくて、御安心できるような措置をとりたいということを真剣に検討して、そしてこれは双方の話し合い、理解の上に立って実現されるものであるべき性質のものでございますから、いまこのことはやるのかやらないのか、こういう方式ではだめではないかといわれても、現在の状況では答えられません。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 それでは、ことしの予算委員会のときに私は沖繩の核抜きの場合に核貯蔵庫が含まれるかという質問をしました。外務大臣の御答弁はそれを肯定されたと思って、そのつもりで質問をずっと続けておりました。あとで議事録を見たら「核貯蔵」ということばはありましたが「庫」が抜けておるのですね。私もこれはごまかされたと思ってその後これを追及をしておるわけですが、ここでもう一ぺんあらためてお伺いします。沖繩の核抜きの場合に核貯蔵庫の撤去は含まれますか。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○愛知国務大臣 これはもうあれではございませんか。核抜きになれば核を置くために特別の核貯蔵庫というものが現にあるかないか、これを私もまだ十分には承知しておりませんけれども、そういう核だけを貯蔵する庫というものがあるのだとしたら、これは望ましい存在でないことだけは確かだと思いますが、しかし、前に核が置いてあるからといって、ちょうど前に毒ガスが置いてあるからといって、この庫はにくたらしいからつぶしてしまうのだというのもあまりにどうでございましょうか。たとえばほかの用途につくり得る場合だって私はあるのじゃないかと思います。そういう点からいえば、前に核貯蔵庫であったからといって、その用途が変更になったものまで何でもかんでも撤去しなければならない、こういうふうには私は考えられないのじゃないかと思います。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 それでは核貯蔵庫が用途が変更された場合には、そういうものはいいじゃないかとおしゃいましたが、それは点検されますか。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○愛知国務大臣 核の貯蔵庫であったところが、あるいはあるところが現にあるのかないのかということは、これは事実の上の問題でございますけれども、かりにそういうものがあって、そして普通の許され得る弾薬をそこの中に入れるとか、あるいはその他の用途にするという場合などは、これは中をよく見ることが当然にできるのじゃないでございましょうか。またそれを当然見たら、見た人がこういう状況であったということは確認できる、私はかように存じます。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 私はこのことをしつこくお伺いするのは根拠があるのであります。念のために佐藤・ニクソン共同声明が発表された後でございますが、六九年の十二月一日にニューヨークポストのドン.シャノン那覇特派員が次のように伝えております。「沖繩の米第三軍司令官は、施政権の返還によって米軍の任務遂行に大きな支障を来たすことはあるまいとあまり心配していない。核兵器の問題だけは軍当局者が言及することを法的に禁止されているため、依然疑問符のままであるが、感じとしてはこの問題も満足のいく解決を見ることになりそうである。米国の核戦略における沖繩のおもな機能は戦術用核兵器の貯蔵庫であるが、この機能は今後も持続されるものと予想されている。しかし、日本側当局は、沖繩返環が実現する際、同島から核兵器が取り除かれることを希望しているので、どのような仕組みで核貯蔵庫としての機能を持続するかはまだはっきりしていない。」つまり、返環協定作成にあたっては、いまもお話しのとおり何らかの形で核抜きというそれらしいことばを入れられるかもしれませんが、真に大切なことは、どうしてこのような核貯蔵庫としての機能を沖繩において持続するか、このテクニックの発見が非常に重大なところであろう、このように私自身も見るわけであります。したがってこの核貯蔵能力というものをたいへん問題にするわけでありますが、それで引き続いてお伺いをいたします。  私は内閣委員会におきまして、日本本土に核貯蔵庫があるかないか——核兵器ではありません、核貯蔵庫があるかないか、これをお伺いしたわけであります。これに対して中曽根防衛庁長官は、このように答弁をされました。「核兵器の貯蔵庫が国内に存在するかどうかについて在日米軍司令部に照会したところ、米軍においては規則上核兵器の有無はもちろんその所在等(所在場所、運搬手段、展開配置、その他関連施設——貯蔵庫を含む)についても明言できないこととされているので、この点についてはお答えいたしかねるとのことであった」、あとはいままでの政府の見解が続いております。  そこで核抜きになったかどうかということが、沖繩の方々はもちろんわれわれも今度の協定の、返還作業の最大の問題の一つとなると見ておるわけであります。それでこの米軍の態度からいきますと、私がかねて心配しておったとおり核兵器があるかあるいはないかということも言えない、こういう中で、先ほど戸叶委員も指摘されたとおり、協定の中に核抜きが明確になるかどうかということが一つの問題点です。先ほどことばを濁されておるのは、こういう米軍の態度からして、協定に、日本に核はないんだ、沖繩に核はないんだということが明言できない、そういうことになるわけでありますか。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○愛知国務大臣 沖繩に核がないということを明言できないんだというおことばがございましたが、それはちょっとお聞き違いではないかと思います。沖繩が核抜きで返還されるということはほんとうに何べんか申し上げましたように、両国の最高首脳がこれ以上は、ないと思われる約定をしておるわけでございますから、沖繩の返還は核抜きで実現される、そして返還されましたあとは本土並みなんですから、これまた核抜きになる保障ができる、こういうことになります。これをどういうふうに表現するかとかなんとかいうことは、もはや政府の見解としてはこれほどはっきりした約束はないのでございますから、これを信用していただくという態度でございますけれども、なおいろいろの御議論がありますことを私は念頭に入れておきたいと考えておるわけでございます。  それから日本の国内に核の貯蔵庫があるかないか、これは同じように貯蔵庫は本土にあるはずはないと私は確信をいたしておりますけれども、せっかくのお尋ねであって、そして土曜日の日に、あるいは金曜日でございましたか、内閣委員会で防衛庁に対して非常に詳細な御質問がございました。私も、他の委員会に出ておりましたものですから、事後において詳細に報告を聞きました。そしてその席に外務省の宮川課長も列席いたしておりまして一応のお答えはいたしましたが、御満足を得るところでございませんでした。外務省といたしましてもその経緯を踏まえまして、外交チャンネルを通じまして、相手方は駐日アメリカ大使館でございますが、これを通じてなおよく日本側の質疑に対して答えるように要請をいたしておりますが、何ぶん間に日曜が入った関係もございまして、ただいまこの席でその後の外交チャンネルを通してのアメリカの回答をまだ御披露するに至りませんが、これはさような措置をとっておりますことを御報告申し上げておきます。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 あとは中曽根長官か出席されたときにお伺いをするということで、これで一応やめますが、外務大臣、この核抜きの問題については、あくまでも信頼関係ということをよくおっしゃるわけです。しかしそれと同時に、沖繩の人が納得するような形でということもおっしゃいます。佐藤総理から、核抜きの問題について、沖繩はもちろんのこと、本土にもないんだということを、何らかの形で確認する方法をとりたいという御答弁もいただいておるわけです。こういう中で、何らかの形で核抜きを明確にするそういう方法を検討したいとおっしゃっていますが、いま具体的に検討されておりますか。それだけこの時間内ではお伺いをしておきたいと思います。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○愛知国務大臣 これは、その御趣旨は楢崎委員もわかっていただけると思うのですが、私非常によく理解できるのです。ですからいまここでどういう方法なんだということについては、これは相手の協力も求めなければならぬことですから、具体的、詳細には申し上げられませんけれども、誠意を尽くして善処をしたい。そしてわれみずからも納得をしたい、かように考えております。

田中榮一自由民主党

○田中委員長 大久保直彦君。

大久保直彦公明党

○大久保(直)委員 去る十五日に沖繩返還協定の中間報告かなされまして、本委員会並びに沖特との連合審査において、その中間報告の内容が審議されたわけでございますが、以来一週間を経過しまして、具体的な問題についてはかなり前進があるのではないか、このように私考えております。先ほどからの大臣の御答弁で、本日三時から愛知・マイヤー会談が行なわれて日米折衝の詰めに入る、こういうことでございますが、月が変わりますと、日米間における返還協定の調印が予定されておる。こういった目前の事実からかんがみまして、調印に至るまでの大臣の具体的なタイムテーブルといいますか、調印までどういう会談を重ねていこうとなさっておられるか。もちろん相手のあることでございますから、一方的にはきめかねるかとも思いますが、大臣の現時点における希望的推測でもけっこうでございますから、その辺の日程を明らかにしていただければお願いしたいと思います。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○愛知国務大臣 先ほども申し上げましたように、十五日から中間報告をさせていただいたわけですけれども、その後一週間、実際物理的に申しましても、たいへん私もあせるのですけれども、この一週間ほどはさしたる対米的な話し合いの進展はございませんでした。本日からあらためて馬力をかけるつもりでございます。そうしてその中におきまして、政府の意図するようなことで先方の同意を得るような状態ができますならば、ある程度促進できると思いますが、まだ私はほんとうのところ、何日ごろに調印に持っていけるかということについて、自信をもって申し上げるまでに至っておりません。と申しますのは、やはり時間的に急ぐことも必要でございましょうけれども、やはり内容が実に重大である、かように考えざるを得ないからでございます。いろいろ考えまして、まだ何とも時日について申し上げることはできない状況でございます。

大久保直彦公明党

○大久保(直)委員 本日の愛知マイヤー会談の内容いかんであると思いますけれども、本日の会談内容によって次回の会談の取りきめが行なわれるものであるか、それとも次回のアポイントはもう現時点においてできておるのか、その辺はいかがでございましょうか。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○愛知国務大臣 きょう話し合ってみまして、この次をすぐまた続けてやれるようならば案外早く促進できるかもしれませんし、そうでない場合も多分に予想されるわけでありますが、いずれにいたしましても、きょうは相当深刻に議論をいたしてみたいと思いますが、とうてい本日などで済むものではございません。

大久保直彦公明党

○大久保(直)委員 沖繩の返還が太平洋戦争以来二十数年間にわたる国民的な歴史をになった重大問題であることはいまさら申し上げるまでもないことでございますけれども、それだけに私どもこの返還協定の内容については非常に関心を持っておるわけでございます。過日の中間報告の内容は、大臣もみずからおっしゃっておりますように、まだきわめて中間的なものであって、内容は非常に抽象的である。むしろわれわれが具体的に確認をしたい点についてはあまり明確な答えは出てまいってこなかった、このように私は認識をいたしておりますが、それだけに、今度これが調印されてしまった後にここでとやかく言っても、かなり具体的な進展ということは望めないのではないか。むしろ調印前にもう一度国会の場でその調印内容、協定の本文案についていろいろと国民の前にも明らかにする必要もあるでありましょうし、またいろいろ審議をしてその疑惑等を解決することが望ましいのではないか、私はこのように考えておる次第でございますが、この点についての大臣の御見解を伺わしていただきたいと思います。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○愛知国務大臣 そういう御提案というようなことも十分私は頭に置いていきたいと思いますが、同時に他の方法等も政府・与党の中でも考えているようでございますから、十分誠意を尽くしてやってまいりたいと思います。

大久保直彦公明党

○大久保(直)委員 協定本文に核抜きがうたわれるかどうかということについては、私もきわめて重大な関心を持っておるものでございますけれども、きょうは時間が制約されておりますので、また問題をしぼってお伺いしたいと思います。  過日の連合審査のときにも大臣に私お尋ねしましたが、VOAの存続の問題について、その後どのようになっておりましょうか。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○愛知国務大臣 これは全くその当時と変化ございません。まことにむずかしい問題になっておりまして、双方の意見が対立のままでございます。

大久保直彦公明党

○大久保(直)委員 それでは、きょうの会談でVOAが話題にのぼってまいりますでしょうか。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○愛知国務大臣 必ずしもならないかと思います。

大久保直彦公明党

○大久保(直)委員 本日は必ずしも話題になるかどうかということはさだやかでない、また次回のテーマとなるかと思いますが、過日の連合審査以来VOAの取り扱いにつきまして政府は基本的にどういう姿勢で臨もうとされているのか。平たく言いますとどうしようとされているのか、御答弁いただきたいと思います。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○愛知国務大臣 こういうことは言えると思います。日本の電波法というものあるいは日本の電波行政あるいは放送というものに対する日本側の考え方、現在の制度というものについての先方の理解というものは十分にできたと思います。したがって、将来においてこれを沖繩から撤去するということは、私は原則的にもうだんだん理解がついてきつつある、こういうふうに考えられます。そして基本がそういう考え方でございますからして、放送の内容でありますとかあるいはその他の点等につきましても、こちら側の態度、方針というようなものについては、私は十分の理解というものがだんだんできつつあるのではないかと期待をいたしております。そういう状況でございます。

大久保直彦公明党

○大久保(直)委員 ただいまの答弁は非常に意味深長な答弁だと思うのですけれども、将来において撤去する用意があるということは、七二年返還時においては、その時点においてはその後何年という具体的な日程は限られないにしろ、存続するという事実はもうやむを得ない、このように判断をなさっておるわけでございましょうか。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○愛知国務大臣 先ほど申しましたように、まだ判断はしておりません。双方の見解が対立したままである。ただ、私の想像をもってすれば、先方もわがほうの態度あるいは方針というものについては、理解が進んできたということは言えそうである、これが現状でございます。まだ判断とか合意の時期ではございませんから、それ以上のところは仮定にもなりますし、また先方が非常に強く要請をしておることから申しまして、ただいまこれ以上私が交渉当事者として申し上げるのはいささか尚早であろうかと思います。

大久保直彦公明党

○大久保(直)委員 ただいまの御答弁の中で、わが国の電波法に対する理解が深まっておる、こういうお話がございましたが、過日も私大臣に伺ったのですけれども、イギリス、西ドイツ、セイロン等にVOAの中継局が設置されておる。であるから、日本にもということがアメリカ側の要請の内容としては一項目あると私は思いますし、中間報告にもそのようなことがうたわれておりましたが、ここでお尋ねしたいのは、イギリス、セイロン、西ドイツ等はアメリカと協定を結んでVOAの設置を認めている。しかしその協定を結ぶ以前に、また同時点においてイギリス並びに西ドイツ、セイロンの国内法で外国放送の設置というものを認めておるのか、反対しておるのか、その辺の御認識はいかがでございましょうか。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○愛知国務大臣 正確には国々によって放送法の規定も違うようでございますけれども、VOAを認めたというのはそれぞれの国との間の二国間の条約あるいは約定に基づいて放送することを許されている。これがイギリス、西ドイツ、セイロンあるいはその他数カ国ございますが、いずれも協約によって、そしてUSIAの所管する海外文化広報活動として協定によって放送することを認められている、こういうステータスに相なっております。

大久保直彦公明党

○大久保(直)委員 私、大臣の先ほどの御答弁を信頼いたしますけれども、いまはっきりした結論的なものに至ってないということを信頼することを大前提として、その国内法の取り扱いが今後のVOAの存続をめぐる交渉においてきわめて重要なかぎになってくるのじゃないかと思うのです。たとえば、イギリスは国内法で禁止している国でありながら、二国間のことですから条約を結ぶことは当然でありますけれども、禁止している国でありながら国内法を変えまたは特別立法で条約の批准に踏み切った。また西ドイツにおいても同様なケースをとったか、またセイロンはどうであったのか、この辺の事実関係の認識を明確になさっておいたほうが、このVOAの折衝においてはより明確な日本側の態度が打ち出せるのではないか、このように思いますが、その点はいかがですか。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○愛知国務大臣 これはまことにごもっともでございまして、もし御必要ならば各国別に詳細に事務当局から御説明いたさせますが、私の判断といたしましては、先ほど申しましたように各国法制がそれぞれ違っておりまして、中にはバイラテラルな二国間の条約によってきめられたことは法律よりも優先してその放送権が認められている場合もございます。そういうやり方をかりに認めるとした場合、そういうやり方がいいかどうかということはこれまた非常な検討を要する問題じゃないかと私は思います。そこまでのところへ現在の段階でまだいっておりません。  それから各国の状況を詳しく調べ、そしてその上に立って交渉することが望ましいあるいは国内的な措置を、かりにそういう場合でも、その上に立って十分考えるべきだという御説に対しましては、もうまことにそのとおりであると私は考えております。

大久保直彦公明党

○大久保(直)委員 食い下がるようで恐縮でございますけれども、大臣の率直な御見解を伺いたいのですが、わが国としてアメリカのVOA存続に対する申し入れを受け入れなければならないそういう必要性は、どの点から突っ込んでもあまりないように思う。むしろ日本の外交姿勢を正すという意味からも日本の国内法に抵触する、また現在国際的に大きな話題になっております日中友好の問題にも波紋を及ぼすようなこういうケースの問題については、道理を説き続けていく必要があるのではないか。それが日本の平和外交が貫くベき基本的な姿勢ではないか、このように私は思う次第でございます。そして日本がきちっとしたメリハリをつけて道理にかなった主張を貫くことが、日米友好国としてお互いに相手を信頼する位置づけが行なわれるのではないか。日本の国内法に抵触しながら、あまり正当と思えないようなアメリカ側の要望をのむことは、かえって友好国としての信頼を、長期的に見れば失うことにも発展するのではないか、このように懸念しながら再びお伺いするわけでございますが、このVOAの問題、ささいな問題といえばささいかもしれませんが、しかし事はきわめて重大である。私は日本としてもきちっとした姿勢をきめて臨んでいただきたい。  このような要望を踏んまえて大臣に重ねて伺うわけでございますが、VOAの存続というのはあくまで拒否するという姿勢で本日からの会談に臨まれるのか。それとも存続ということは、もし向こうの申し出で理にかなうところがあればやむを得ない場合もあり得るという条件も備えて会談に臨まれるか、この点はいかがでございましょう。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○愛知国務大臣 このVOAの問題が表面に出ましてから以降、私としてもこの問題についてはたいへん苦慮しているわけでございます。そして一つには、このVOAの問題というのは、現在までの安保条約その他に基づいて施設する施設、区域の問題では全然ないわけでございます。つまりアメリカからいえば、海外広報活動のために国務省のUSIAの管轄下にある施設なのであって、これは日米間の広い意味でいえばそういうことにもなるかもしれませんが、少なくとも安保条約そのものからいって、提供する施設、区域というような性質のものではないわけで、したがってこれはいわば性格の違った問題として論じ合わなければならない問題である。それから先ほど申し上げましたように、先方もこちらの立場というものが相当よくわかってきて、現在の段階ではかりにどういう形になっても、たとえば中国に対して刺激する云々というお話がございましたが、その心配はないのではないかと私は思われるのです、だんだん向こうが示してきました理解の程度からいえば。しかし何といたしましてもこれは非常に困難な問題ですから、いわば外交交渉上の問題でございますから、あるいは話し合いの結果一〇〇%にそれぞれが満足するということがないかもしれませんけれども、とにかく理屈と筋道だけは十分確保するような結論に、ぜひ強力に折衝を続けていきたいと思っております。

大久保直彦公明党

○大久保(直)委員 過日の日米議員懇談会におきまして、アメリカの某議員が、このVOAの問題にはあまりさわらないでくれというようなことが、非公式にプライベートに発言があったわけなんですが、私その後なぜそういった発想をするのか、また日本側の事情というのはどういうふうに理解しておるのかということについていろいろだだしましたところ、いま大臣の御答弁のように、日本側の事情の認識というものがきわめて希薄であった。そういうことですかというようなことが、あらためてその議員の強烈な発言の裏にあったことについて、私は実は驚いたわけなんですけれども、こういう客観情勢を見まして、これはあくまで一議員と私との感触でございますが、私は日本側の事情をとくと説明して、このVOAの存続については、日本の国内法を変えなければならない、また特別法をしなければならない、この点について国民は大きな不満と疑惑を抱いているんだというような点をより明確に打ち出していけば、アメリカの戦略的構想の中でどうしてもVOAを日本に置かなければならないというその主張は挫折させることができるのではないか、きわめて甘い観測かもしれませんが、そのような希望を持ちまして、重ねて強く要望をいたしておきたいと存じます。  そして先ほどの御答弁の中でこの返還協定の内容について、私は事前に、調印前にもう一度国会でそれが論議されることが最も望ましいことであると思いますが、本日をもって本国会が終わるわけでありますので、私は老婆心の意味で、いまVOA存続をめぐって大久保は何を聞いているんだ、そんなのは残すことにきまっているんだ、こういう感触をお持ちの方もいらっしゃるかもわかりませんが、もしもVOAの存続をめぐっていま巷間うわさされております協議事項をつけるとかつけないとか、こういうことがいわれておりますが、もしもこうした協議事項をつけるというような話題が正当化されてくれば、これはもう存続やむなしという判断に立たざるを得ない。むしろ日本側の提案した三年、アメリカの提案した七年、その中をとって五年の存続はやむを得ない、こういった観測さえも生まれているわけでございますが、どうかこの点は非常に関心の高い点でございますので、きちっとした姿勢をもって今後折衝に臨まれることを重ねて強く要望いたしておきたい、そのように存じます。  沖繩問題についてまだ触れたいのですけれども、先ほど戸叶委員の質問の中で、私は意外に思ったのですが、台湾の帰属の問題で四月十四日の当外務委員会に総理が出席されましたおりに、私がその問題で総理の見解をお尋ねいたしました。そのときに大臣も御列席であられましたので、その質疑の内容等についてはここに御説明する必要もないと思いますが、私が台湾帰属未決定論の背景を二つに分けて論じましたときに、台湾の帰属は、それが北京政府であるかまたは台湾の中華民国かそれは別として、とにかく中国の問題であることには変わりございません、このようにはっきり総理から御答弁いただいたことを私は記憶いたしておるのですが、その後総理の見解が変わったということも伺っておりませんし、このような解釈で今後も進むんだ、このように理解をしておってよろしいでしょうか。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○愛知国務大臣 これは何と申しますか次元の問題とでも申しましょうか、条約論的にいえば日本は放棄したのであり、そして放棄したことが日華平和条約でも確認をされているわけでございますから、日本としては台湾がどこに帰属すべきかということについて発言権はないというのがこれは条約論であり、そして私の常々申しておるところでございます。しかしもっと高い次元に立って政治的にいえばこれがほかのところに、それならばたとえば日本が、日本の総理大臣が帰属未定だと言っているのは、将来日本にでもとりたい野望でもあるのではないかというようにかりそめにもとられることがあってはならないというところを強調していいますならば、たとえばカイロ宣言だとかポツダム宣言だとかにもありますことですから、これは前にもたしか、いまここで議事録を持っておりませんけれども、たとえばなくなりました池田総理が、まあそういえばチャイナはチャイナですなというような趣旨の発言をされたこともあろうと思いますが、そういうふうな発言と御理解をいただければいいのではないかと思います。

大久保直彦公明党

○大久保(直)委員 そうすると、この総理の御答弁は大臣のそういった趣旨の答弁の前提を踏んまえた上での答弁であったことは私も承知いたしております、そういう政治的な配慮、政治的な発言というふうにも解釈できると思いますが、いずれにしましてもわが国としては、台湾の帰属については、これは中国である、こうした見解を、条約論的に云々と申されますけれども、かりそめにも一国の総理の発言でありますので、そのような基本方針でいるんだ、このように私たちは理解をしたい、このように思いますが、それでよろしいですか。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○愛知国務大臣 そのときの経過はいまも御指摘のとおりでございますから、そういう意味で御運解いただくということで私は異存はございません。ただ条約論的には、日本が条約論の根拠に立って台湾はどこのものであるということを積極的に、たとえば国際会議とかなんとかで条約論の上に立って主張するということは条約の上からいってできにくいことであるということは確かであると思います。

大久保直彦公明党

○大久保(直)委員 そうすると、条約論的には問題はあるけれども、日本政府の見解としては台湾は中国のものである、こういう見解である、こういうことでございますか。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○愛知国務大臣 それは現に総理大臣がそう言っておられるわけでございますからそのとおりに受け取られていいんじゃないでしょうか。

大久保直彦公明党

○大久保(直)委員 次いで吉田書簡について伺いたいと存じますが、大臣も御承知のように通産大臣の宮澤発言が吉田書簡に触れておりまして、非常に論議を呼んでおるわけでございますが、御承知のように年内、三十九年度限りで時効になった、こういう発言をされておる背景は、それでは前には有効であったのかという反語的な解釈もできるわけなんですけれども、これについて外務省では一貫して私信であるという態度をとってこられた、こういう点からしましてこの宮澤通産大臣の吉田書簡をめぐる発言について、外務大臣の見解を伺わせていただきたいと思います。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○愛知国務大臣 吉田書簡は私文書でございますから私は外務省へ参りましてからもそういうものは見たことはございませんし、また見れるはずのないものだろうと思うのです、私文書でございますから。したがって私は内容を知らないわけです。で、こうこういう、たしか吉田さんから張群さんにあてたものだということは聞いておりますが、したがって、その知らざる私文書の内容について私がとやかく申し上げることはいかがかと思いますが、先ほどもお尋ねがあったように、私は従来からの政府の解釈をそれが妥当であると思っております。つまり私文書であるから公にこれを廃棄するとか、いわんやその内容がどうこうであるからこういう拘束を受けているんだとか受けてないんだとか、そういうことじゃないんじゃないかと思うのです。ですからこれは実体的な問題として輸銀使用が適当なのかどうかということで処理すべきことであって、これに対してはケース・バイ.ケースという態度で当たることになっております。そういう考え方と、現在の宮澤通産大臣の発言の内容というものは、結局同じことを私は言っているようにしか思えないわけです。そういう意味で、政府の見解に違いはございませんと申し上げて差しつかえないと思います。

大久保直彦公明党

○大久保(直)委員 時間がありませんので、そのいまの発言がありましたケース・バイ・ケースについて伺いますが、これは私どものいままでの御答弁を伺っての感触からしますと、ケース・バイ・ケースでノーという感じが非常に強く受け取ってまいったわけですけれども、ケース・バイ・ケースでイエス・オア・ノーのアンサーを出す場合の基準というのをどういうふうに考えておられるのでしょうか。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○愛知国務大臣 これも大久保委員よく御記憶のことだと思いますが、かつて一昨年、正確な月日は覚えておりませんけれども、衆議院の予算委員会であったかと思いますが、やはりこの問題について総理大臣はじめ各大臣にいろいろこまかい切り込んだ御質疑がございました。そのときには輸銀の最高責任者の一人も出ておりました。ケース.バイ・ケースということは、輸銀にちゃんとした申し込みのプロジェクトが出てきて、これを輸銀当局が輸銀の業務方法書によって十分審査をして、そして役員会等で十分審査をして、よろしいか、よろしくないかをきめるということであって、かりにそこでよろしいということが出れば、これは政府においてもケース・バイ・ケースとして、よろしいというほうに承認をするのだ、こういう種類の応答が繰り返されました。私はそれがケース・バイ・ケースであると、いまもってかように信じております。  ただ、そのプロジェクトの内容というものは、性質上いろいろの態様もございましょうから、こういう基準でこうだ、こういう基準でこうだということを、また私の直接の所管でもございませんから、輸銀についてはこうやらせるとかあるいは輸銀からこう言ってきたらどう出るとか、基準までを申し上げるだけの私用意を持っておりませんが、考え方としてはそういうふうな考え方でよろしいのではないかと思っております。

大久保直彦公明党

○大久保(直)委員 そのプロジェクトの中に含まれるか、または別の問題かもしれませんが、このケース.バイ.ケースのイエス・オア・ノーの基準につきましては、一つはやはりココムリストにひっかからないものという考え方はあると思うのです。と同時に、台湾関係をあまり刺激しないものというような解釈もあるようでございますが、私は現在日中関係の観点から思いまして、台湾関係云々ということをこのケース・バイ・ケースのイエス.オア・ノーの基準とすることについては、これは当然再検討されなければならないし、また考え方を改めなければならない、このように強く感じておる次第でございますし、そのことを強く要望しておきたいと思います。  時間がないので、最後に伺いますが、いまの国連における中国の代表権問題につきましては、やれ二重方式であるとか、重要事項指定方式は飛んで火に入る夏の虫であるとか、いろいろ論議があるわけですけれども、私はどういう論議を編み出しましても、方式を編み出しましても、しょせん台湾を容認して、なおかつ中国に国連に議席を与えるのだという姿勢が変わらない限りは、どういうことをやってもこれは中国封じ込め政策の延長ではないか。台湾を容認するという前提を変えない限りは、これは明らかに台湾も難色を示すでありましょうし、中国も難色を示すことは明らかなことだ。私は、日本政府のとっている姿勢は、まさしく時間かせぎ、世界の動向を見ながら日本があまりかっこうの悪い姿で国連に位置したくない、そういった時間かせぎのような感じを強くするわけなんですけれども、私は台湾を容認してそして国連に議席を残し、なおかつ中国にも議席を与えるのだというような考え方からどんな議決をしましても、それは無意味なものではないか、このように思いますが、最後に御答弁をいただきたいと思います。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○愛知国務大臣 率直に申しまして、そういうふうに割り切ってお考えになれば、その限りにおいては事はきわめて簡単だという、そういう批評も起こるかもしれないと私は思いますので、その辺のところがなかなかむずかしいところではないかと思います。またよく私申しますことですが、国連だけを中心にして、国連加盟国ということだけを頭に置いてのある国々の考え方というのは、やはり台湾の現状というものもそれなりに客観的に見るべきではないか、これを追放するというのはまた国連憲章という立場からいってどうであろうかという意見が関係国の中にも相当強くあることもまた否定できないように思われるわけでございまして、たいへん口はばったいようなことでございますが、台湾ということを考慮の外に置いていけ、こういう御提案だと思いますけれども、それができるならば簡単なことだなというような批評も起こり得る御提案ではないだろうかということを申し上げるにとどめておきたいと思います。

大久保直彦公明党

○大久保(直)委員 過日の委員会で、大臣が、各国の出方待ち、票読み等も云々というような御答弁がありましたので、私重ねて伺うわけでございますが、日本を舞台に行なわれたピンポン外交、これがやがては秋にはアジアに発展をしていく、トルコとの中国の国交正常化云々ということもいまや具体的な日程にあがってきている。そういうことになりますと、日本が、日本の主体的なその方向づけでなくて、何か最後に日本だけ取り残されて、きわめて困難な日中関係の道を歩まねばならない、こういったことがきわめて現実的な予測として私は考えられる。そういった窮地に立たない以前に、より主体的な日本の対中国問題の解決の上から、積極的な姿勢を示されることを強く要望いたしまして、質問を終わりたいと思います。

田中榮一自由民主党

○田中委員長 曽祢益君。

曾禰益民社党

○曽祢委員 きょうは本国会の終わりの外務委員会ですから、私は外務委員会で、だいぶきょうもそれに触れられておるような中国問題について、ひとつ御見解をお聞きしたいと思うのです。  先ほど来本委員会における発言を聞いておりましても、坂本委員の御発言等については、私は非常に深く感銘を受けた点があります。それはやはり、少なくとも日本と中国、それは二つの政府がありますが、これを今後とも考えていく場合に、何といってもわれわれがサンフランシスコ平和条約なりあるいは日本と国民政府との間に結んだいわゆる平和条約、こういう問題を無視した議論というのはいささかどうか。そこで、この日華平和条約というものが生まれたいろいろな歴史的背景等を探ってみると、もう一ぺんこの際、われわれが日華平和条約の意味、これを坂本委員のことばを拝借すれば、吉田書簡の原点に帰って考える、私はこれは非常に重要な点じゃないかと思うのです。  それはどういうことを私は言おうとしているかというのは、つまり、通俗的にいえば、日華平和条約は、簡単にいえばサンフランシスコ平和条約を日本が結んで、そしてすでに日本が批准書を寄託して、そうしてサンフランシスコ会議には二つの中国政府はいずれも呼ばなかった。そこで、これでさっとうまく通り抜けたと思ったところが、二十六年の十二月になって、吉田さんにダレス国務長官がクリスマスプレゼントを強要した。その吉田書簡というものが契機となりまして、要するに日本としては国際的に、当時の国際連合から侵略者扱いされておった共産政権とは条約を結ばない、これは吉田書簡の第三項になっているわけですけれども、むしろ第一項に、日本は中国全体との全般的な平和的な関係を結びたい、こういうことが第一項にはっきり出ていますね。これは確かに中国という一つの民族国家全体と平和関係を結びたい、第二項において、そういうことは念頭に置きながら、とりあえず国民政府との間に一種の仲直り条約を結んでもよろしい、したがって、その条約としては、その条約の効果は、あとでそのものの付属交換公文に出たように、現にその時点において国民政府が支配している領域にこの条約の適用は限られる、こういう吉田書簡の精神というものが、やはりどっちかの政府とではなくて、国民政府と平和条約——平和条約といっていないけれども、国民政府と何らかの条約をつくらないと、三分二の上院の議決が得られないかもしれないという政治的な圧力に屈しながらも、吉田総理としては日本の中国政策の根本に対してはこれを守っていきたい。将来の一つの大きな中国国家との全面的な関係を考えながら、それを妨げない程度の国民政府との仲直り条約にとどめたいという精神が非常にはっきりあらわれていると思う。私は、それをおそらく坂本氏も言われたんだろうし、その点は非常に重要なポイントだと思う。ただ残念ながらできてしまった日本と国民政府との条約そのものを見れば、タイトルからしておそらく吉田さんが考えてなかった平和条約ということばになっているし、いろいろ戦争終結等々の問題もあります。さらにまた賠償の放棄とかいろいろな問題がございますので、何か形を見ると、ぬえ的で、国民政府の立場に屈し過ぎた、顔をあまりに尊重し過ぎたような感じがして、人の解釈によっては、日本は唯一無二の、中国という民族国家の代表はただ国民政府のみなりという条約をつくったかに解釈する向きもあるようですが、私はそれは間違っている。少なくもいかに狭く解釈しても、この日華平和条約のはっきり示しているところは、それから約二十年間の現実から見ても、国民政府が実際支配しないし、することが不可能になっている大陸に対しては、これは効力は及ばないのですから、その大陸における政府あるいは政権と何らかの国交といいますか、何らかの政治関係を持つことは、即国民政府との条約に背馳するものではない、これはもう明瞭だと思うのです。けれども、私はさらに一歩を進めるならば、もう少しはっきり考えるならば、やはりこの時点に立ってもう一ぺん全体を考えるならば、中国の支配者であるその政権の内容をどう評価するかは別として、中華人民共和国政府、これが中国全体の支配権を確立していることは事実なので、こことの間の国交を結ぶということは、むしろ国民政府との条約に背反するのではなくて——国民政府はそんなこと  はないというでしょうけれども、これは一貫した正しい条約の解釈からいえば、背反するのではなくて、あとからこのいわゆる大きな本物との国交調整ができるんだ。これは国民政府との条約の違反にあらず、あとで申し上げるように、領土の問題、どちらの政府にその領土権が所属するかというようなことになると、これは非常に問題を起こしますが、ただ日本と、大陸中国を現に支配している、いうならば中国そのものの代表者として認められて差しつかえない、国民政府でなく人民共和国政府との間に国交を開始するために交渉に入り、そしてその交渉の結果が条約、協定等の外交文書になって、その条約、協定等により日本と中国全体との戦争の終結を確認し、国交を開くということは、私は、日本と国民政府との条約上その余地はちゃんと残されているという解釈が正しい。これは条約局長の答弁なんかじゃなくて、大きな一つの政治姿勢であるとともに、そのことは条約の解釈からいっても、これは十分に許されている、決してこじつけでも何でもない、かように私は考えるのでありますが、いかがでございましょうか。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○愛知国務大臣 条約論ではなくて政治論として取り上げろという御前提ですから、そういう前提に立ってお答えすべきでありますけれども、それにしても条約論からいえば、これはやはり限定承認ではないという立場をとっているわけですから、やはり条約論との関連を考えながら政府としてはお答えしなければならないんじゃなかろうかと思います。そこにまたたいへんなむずかしさがあると思いますが、今後しかし中国本土との間に国交をより正常化するということについては、政府も御承知のような態度でございますし、だんだんといろいろの問題について政府間の話し合いもできるようになってくる。その間において事後のそういった処理もどうしたらいいかというようなことについては、それらの話し合いの中でだんだんにほぐれてくる、いい考え方が出てくるのではないだろうかと考えます。同時に、これは台湾のほうにもできるならばさような考え方、その現実の事態に即応するような考え方というものが出てくることが望ましい。なかなかこれはむずかしいことでございましょうが、そうやってだんだん時を経るごとにこうしたむずかしい問題の処理というものができ上がってくるのではないだろうか。たいへんお答えにならないお答えみたいですけれども、さように存じます。

曾禰益民社党

○曽祢委員 これは外務大臣、誤解のないように願いますが、大臣から法律論、条約論をもちろん聞きたいのでして、ただいきなり私の質問に対して条約局長から答弁されるのもけっこうですけれども、そればかりではなくて、条約論を含めて外務大臣からの御答弁を願いたいと、こう言ったわけなんです。  そこで、やはり政治論としてはこれはすでにこの前総理がこの外務委員会に来られたときに私から、要するに日華平和条約は限定条約である、限定承認であるという立場に立って国交調整を中華人民共和国政府とやるべきである、その場合に日本の外交というものは単に中華人民共和国政府とだけやるのではなく、やはり台湾の国民政府ともわれわれの方針を示しながら理解と納得と、あるいは説得を試みなければならぬ。そういう意味で、いろいろ法律解釈だけで私は済むなんということは言っていない。したがって、これは国民政府にも、なかなかむずかしいけれども、説得の外交が必要であるし、またあとで申し上げるように、中華人民共和国のほうとの交渉においても、たとえば日華平和条約そのものを血祭りにあげてこい、これをまず破棄してこいというような必要があるやに聞いておりますけれども、それは筋違いだという切り返しも当然に、現在の日華平和条約のいわゆる限定承認というのですか、正確な位置づけからできるのではないか、こういうこともあるわけです。いずれにしてもそういったものは単なるぎすぎすしたといいますか、単なる条約の解釈論だけから始末されるものじゃございません。これはもうそのとおりです。それぞれ正確な解釈の上に立ってでもそれは私はやはり外交折衝が必要である、こう考えます。しかしまず条約の解釈というものは非常に基本的なことですから、いまの限定承認というのは正しいのか正しくないのか、私はどうも限定承認、つまり国民政府とのいろいろな経緯があり、条約の案文にはいろいろなことばが出てくるけれども、やはり本来の日本側の意思というものは貫かれているんじゃないか、この条約によって国民政府と全面的な国交調整が済んで中国全体との国交調整がこれで済んだというわけじゃないんじゃないか、そこに吉田書簡——いま問題になっているあの、ぼくに言わせれば政治的にはくだらないというか、日中国間の貿易に関連する問題ではなくて、一九五一年十二月二十四日付のダレス向けの吉田書簡、これに関連して、私はやはりきちっとした態度がここで出てくるべきじゃないか、こう考えますが、そのいわゆる吉田書簡まで返って、これが正しいんだということになれば、国民政府との間の条約というものの、いわゆる限定的性格ということがはっきりしてくるんじゃないかと思うのですが、いかがでしょうか。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○愛知国務大臣 この点はまたほんとうに条約論に一応戻るわけですけれども、おっしゃるようにこの当時のいろいろの国際関係、それから吉田総理とダレス長官もしくは顧問の答弁、こういったようなところの経緯その他をそれぞれ文書なり読みものなりあるいはその他いろいろなものを読んでみましても、なかなかその経緯は複雑であったことは私もよくわかります。しかし、でき上がりましたこの日華平和条約というものが現在はここに存在しているわけで、そしてその構成は、いろいろの経過を反映しているにしても、まあ、前々からいつも問題になり、政府というか私の言うことがあまりにかたくな過ぎるという御批判も受けますけれども、これはまた今後に処するのに大事なところではないかと思います。  つまり、やはりこの平和条約は、日本国政府と中華民国政府と、それぞれ国を代表する機関として結んだ条約であるという形態をとっておりますから、ここで出てくる相手方、日本国とこの条約を結んだ相手である政府というものは、中国全体を代表した機関として、日本国政府との間に結んだ平和条約である。したがって、国を代表する機関として結んだことであるから、国全体を規定する性格の問題、すなわち戦争状態の終結というようなことは、明らかにこれは国と国との約定がここにできたのであって、中国本土との間にも日本としては戦争状態が終結したのである、こういう解釈をとらざるを得ないというか、これが有権的な解釈であるということは、私はこの条約に関する限りは間違いのない見解であると思います。  そして、それだからこそ、そしてまた台湾というところの領土権ということについては、日本は国際的にその帰属についての言い方を含めて放棄しているわけですから、現に台湾に存在しておる政府が今度は実権を及ぼしているところにこの条約の適用地域を限定するということが一方において必要であった。同時にまた、中国本土に対しては何らの実権を及ぼしていない。この両方の事実、必要性に基づいて、この何条何条というような通商あるいは人間に直接に帰属するような条項については、これは適用の地域を限定するということになったんだろうと思うのでありまして、この条約を条約として結んである以上、この条約の解釈というものはどうしてもそうならざるを得ないのであって、この条約がそもそも結ばれたときの環境が限定承認的な空気の中でつくられたものであるという理由をもってして、この条約は台湾ということに限定して結ばれたものであると解することは条約論として正しい議論ではない。これには政治論が入ってくる。また、政治論が入ってくるにしても、この日華平和条約というような、両国間の平和を規定し、戦争を放棄したというような条約については、この解釈をみだりに変えるべきものではない、私はこう考えるわけです。  ただ、今後どういうふうな状況が予想されるか、またその中でどういう状況が日本のために好ましいか、アジアのために好ましいかということで、たとえば日中国交正常化というようなことで話し合いが始まるというような場合に、この条約をどういうふうに考えていけばいいかというようなことも当然その中の話し合いに問題として取り上げられてしかるべきである、同時にそのときの台湾のあり方というものがかりに現状のようで続くような場合であるとすれば、そことの間を律するこの条約と、それから今後における中国本土との間の条約をどういうふうに関連づけるかということについては、新しい環境のもとに当事者の理解と納得のもとに新しい条約をつくればよろしいのではないか。  私は、先ほど申し上げたことをもう少しかみ砕いて言えば、いま申しましたようなことに相なるわけでございますが、これが今後の条約論としあるいは政治論として正しいかどうかということについては、十分また御批判をいただきたいと思います。

曾禰益民社党

○曽祢委員 十分御承知のことなんで恐縮ですけれども、やはり国民にわかってもらう必要があるので……。  五一年十二月の吉田書簡、要するにダレスにクリスマスプレゼントを強引にふんだくられたような書簡ですけれども、その中でも、日本は究極において日中両国間の全面的平和及び通商関係を樹立することを希望する。中国全体との……。そこで、中華民国政府とこの種の関係を発展させていくことが現在可能であろう。これは一つの可能性として中華民国政府、これがあるべき中国全体の当然の代表政府であるというふうではないというふうに……。日中両国間の全面的平和及び通商関係を樹立することを希望し、これが基本方針、よって中華民国政府という一種の政府との間にこの種の関係を発展させていくことが可能である。そこで国民政府がもし希望するならば、サンフランシスコ平和条約の諸原則に従って両国政府の間に正常な関係を再開する条約を締結する用意がある、これが私はほんとうに吉田書簡の真意であり、まあそれにしても、できてしまった条約はどうだというと、確かにできてしまった条約は、これが、平和条約になったりいろいろな点でいろいろの解釈上きわめて国民政府に一見有利なるがごときていさいはしているけれども、私は、正確な日本の意思は、吉田書簡に発したこの意思は、やはり条約において貫かれていると思うのです。  これは当時の古い記録ではなはだ恐縮なんですけれども、重要な点ですから、お許しを願って……。  私はこれを吉田総理に質問しているのです。これは参議院の外務委員会の昭和二十七年六月二十六日、いわゆる日華平和条約の審議をしている、これは七月に国会を通ったわけですが、その最終的な質疑のときに吉田総理に質問しているのです。私の質問の趣旨は、いろいろなふうになっているけれども、なるほど形は平和条約ともなっているけれども、やはり吉田書簡の基本方針は貫かれておるのですか、そうでしょうな、こういうことを吉田さんに質問しているのです。吉田さんの返事は、「中国との関係は最も重大なものと考えて、先ずその一歩として、中華民国政権との間に条約関係に入った」のである、「中国」全体の中国という民族国家「との関係は最も重大なものと考えて、先ずその一歩として、中華民国政権と」政権ということば、「中華民国政権との間に条約関係に入った」、それからさらに、「我々の企図しておるところは、日本が全中国との間に善隣外交と言いますか、多年の間の関係を復活して参りたい、この趣意においては毫も変らない」まず中華民国政権との関係をまず第一歩として、全中国との関係に入りたい。「先ずその一歩として、中華民国政権との条約関係に入った、」こういうふうに非常に明確になっている。ですから、この条約はこの吉田書簡の精神は一つもこの条約によって変わってない。趣旨としては、決して吉田書簡の趣旨に反しないつもりでやったのであります。吉田さんは当時外務大臣でありませんで総理ですけれども、はっきりそういうことを答えているわけですね。さらに私から執拗に「日本政府は、この中華民国国民政府というものを全面的な中国の主人として「承認したものではない、こう考えまするが、その点は総理のはっきりしたお考えを、イエス・オア・ノーでお答え願いたい。」これに対して吉田総理は——ぜひこれをごらんください。参議院の外務委員会会議録四十三号(二十七年六月二十六日)に載っている。これに対する吉田総理の返事は、「これは条約にもはっきりと書いてありますが、現に中華民国政権の支配しておる土地の上に行なわれる事実を認めて、その支配せられておる領土を持つ中華民国との間に条約関係に入る。将来は将来であります。併し目的は」「中国全体との条約関係に入ることを希望して止まないのであります。」なかなか敵ながらあっぱれといってはことばは少しなまいきかもしれないけれども、なかなか吉田さんのあれというのはたいしたものだと思いますね。私は、総理の言うことは、「ずばりと言えば、全面的な承認ではないとこういうことでございましょう。」つまり中国政府とのこの条約で、全面承認ではないということでありましょう。吉田国務大臣「そういうことです。」議事録をひっぱってきてたいへん恐縮ですけれども、委員長、こういうわけですね。これ、非常に重要な点なんでして、私は吉田さんの条約が金科玉条であるとかなんとかというつもりもございませんが、私はほんとうに吉田書簡の趣旨等が条約にやはり生きていると思う。なるべく、国民政府のいろいろな意見もありましたし、立場もありましたから平和条約についてみたらいろいろ譲っている点もありますけれども、基本的のこの考えというのは当時のこの日本の保守政権の代表である吉田さんの考えは、いわゆる条約に貫かれている、このことによって日本のそれからあと十九年の歩みを見れば、われわれがどの政権に好意を持っているかは別として、まさにこの台湾の国民政府は、大陸に帰れなんということは全然問題にならなくなる。こういうことから見ても、われわれはやはりそれこそ原点に帰ってとでも申しましょうか、決して無理なことをするんじゃなく、ほんとうにこの日本と国民政府との条約は、当然初めからそういう位置づけにあった、これのために日本と大きなほうの中国政府との間の国交回復に妨げにならないような一つのセッティング、舞台装置の上に全体の仕組みができているのだということをこの際認めて何ら私は差しつかえないと思うのですが、いかがですか。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○愛知国務大臣 いまおあげになりました曽祢委員と吉田総理の問答は、私自身にも記憶に新たなるところでございます。非常にこれは興味のある、と申しては失礼ですが、質疑であり、応答である、私さように思います。しかし同時に、私も率直に言わしていただければ、先ほど言いましたように、そのときの環境、願望とできている条約とは若干違うんじゃないかという点があると思うのです。ですからそれらの点はその後の国会における長い二十年間に繰り返されております論議の中にずっと出てきておりますけれども、現在私が言っております見解というものは、その後における長い間の政府のいわば統一見解である、かように考えます。その内容は先ほど申し上げましたとおり。しかし同時に私はおもねるわけではございませんが、先ほども申しましたように、今後の扱い方についてどう考えるかということにつきましては、その当時の経緯あるいはものの考え方というものが大いに参考になる。そういう意味におきましてただいまも傾聴したわけでございますけれども、それらの点は問題によっては原点に帰れということばも適当かもしれません。とくと、いまこの複雑でむずかしい問題に取り組んでいるわけでございますから、将来の検討の場においてたいへん参考になる論議であったというふうに私は取り上げてまいりたいと思います。

曾禰益民社党

○曽祢委員 少し時間を超過して恐縮ですが、私は外務大臣、おことばを返すようですけれども、いまのこのやりとりは、日華平和条約の衆議院じゃないですけれども参議院におけるもうぎりぎりの承認の直前、私はそういう意味で平和条約には賛成いたしました身ですけれども、その日華条約はどうも将来累を残すのではないかというので、これは反対したわけです。しかし同時に吉田さんとの間にやはり何か霊犀相通ずるものがあるんだなという感じもした。これはそのときの参議院の予算委や外務委員会の最終の質問のときの応酬ですから、その後歴代の保守内閣がどういう見解をとられたかは別として、少なくとも吉田書簡を発し、サンフランシスコ平和条約をやり、これまたダレスの強要でほんとうにしぶしぶだったろうと思う。吉田書簡ですね。つまり当時の国民政府との間の条約をつくらなければならないという立場に置かれた吉田書簡の発信人である吉田さん、そしてそれでもって交渉してできた条約は、もっと台湾国民政府側のメンツを形式上にもせよずいぶん立てあるいは立て過ぎたような記載になっているその条約の、少なくとも権威ある参議院外務委員会の審議において、これだけのはっきりしたことが出ているんですから、私はそういう全体のパースペクティブの中から見ればもうこの辺で日本としても条約論からいってもはっきりと台湾、国民政府との条約の位置づけというものをきちんとしていく必要があるんではないか。これはそうでないとますます両国の関係はむずかしくなる。私はそういう意味で決してこれは中国との関係を革命的にひっくり返す問題じゃないんだ。初めからつきまとっておった二つの政府に分かれて戦っている状態に置かれて、日本は選択をしいられたわけですね、ダレスに。それにもかかわらず日本としてはやはり限定承認、通俗的にいえば限定承認にとどめおいた。これはやはりいざ大きなほうの北京政府とのいろいろ国交等の問題に入る場合にも、何としても日華平和条約そのものを破棄しろというものに対しては、それは筋違いだという議論にもなるし、同時に大きな関係からいえば日本としては筋を追いながらいまでは全中国の代表者の地位にある北京政府との間にかたくなでない態度で国交調整に乗り出し、同時に国民政府に対しても当然の位置づけをしていく根拠が、この際、吉田書簡並びにこれから端を発した日華平和条約というものの正しい位置づけということから出てくるのじゃないか、かように考えて御検討をわずらわしているわけです。時間がなくなりましたからこれでやめますけれども、最後にその点に関してもう一ぺん外務大臣の御意見を伺います。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○愛知国務大臣 ただいま、これは昭和二十七年の日華平和条約が議決される最後の段階であったということを念を押してのお話でございまして、私もあらためてそのことを想起いたしました。そういう次第でもございますから、ますますもって私といたしましても、そのときの考え方あるいは意見というようなものもあらためて十分検討をして将来に資するようにいたしたいと思います。

田中榮一自由民主党

○田中委員長 松本善明君。

松本善明日本共産党

○松本(善)委員 最初に中国問題で少し伺いたいと思います。  この国会では中国問題でいろいろ論議はされましたけれども、きょうもそうでありますように政府はほとんど何も案を持たない、何も新しいことを言わないというのが特徴であります。唯一に、きょうも言われましたけれども何らかの動きと見られるものは野田訪中団でございます。  この点について私は外務大臣にお聞きしたいと思うのでありますが、これは政府と無関係なのか。政府とはどういう関係で、首相が訪中を依頼されたのか。この点をお話しいただきたいと思います。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○愛知国務大臣 これは申すまでもなく与党を中心にしての考え方でございまして、総裁としての佐藤さんが野田氏に対しまして、ともかく人的の交流ということが非常に必要である、そしてあなたのような人がいろいろと考えをまとめられて行かれることが望ましいということで話が始まっておりますが、しかし現在、いつ立てるような状況とか、どういう構成で行くとかいうところまでまだいっておりませんことは御承知のとおりでございます。

松本善明日本共産党

○松本(善)委員 それでは沖繩の問題で伺いたいと思いますが、五月七日の委員会やあるいは連合審査でも私どもが指摘をいたしました核兵器安全点検室、それから原子核工学事務所やCBR学校その他の核関係機関について、外務省はアメリカ軍にその所存を確かめられたでありましょうか。その結果を伺わしていただきたいと思います。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○愛知国務大臣 先ほど楢崎委員にもお答えをいたしましたように、いまの段階では、ひとつ総ざらいにわれわれ自身も納得するような調査の結果をきちんとまとめまして、そして今後の処理方法等とあわせてお話をすることにいたしたいと考えております。したがいまして、ただいまそういうふうなデータに基づいた話し合いを鋭意進めておりますので、今日のところは一週間前と同じ状況で、新しいことを申し上げるものはございません。

松本善明日本共産党

○松本(善)委員 もう二十日にもなろうとしておりますので、私はそういうような緩慢なやり方についてはたいへん遺憾であると思いますが、別の問題をお聞きしようと思います。  請求権問題でありますが、この間の連合審査で外務大臣は、請求権を放棄しても個人の権利を否定するものではないというような趣旨の発言をされました。これはどういう意味なのか。沖繩県民の個人の損害賠償請求権は一体どういうことになるのか、あらためて伺いたいと思います。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○愛知国務大臣 請求権の問題は実に多種多様にわたっておりますが、私がさように申しましたのにはいろいろの意味があるわけでございます。サンフランシスコ平和条約第十九条によって講和発効前の請求権は放棄をすることになりますが、これは、日本国政府がアメリカ合衆国政府に対して請求権の行使がかりに法律上あり得るとしても、これを請求することを放棄するということをきめたものでありまして、個々の沖繩の方々が、おれはこういうものについて請求権を持っているんだぞ、このことを否定するものではない、かように私は考えていくべきものがあろうと思う。全部が全部そうであるというわけではございません。  それからまた、こういう場合もあろうと思うんです。講和発効前のいわゆる放棄した請求権に入るものでありましても、これに対して実質的に、補償ではないかもしれませんが見舞いというような形で処理されたものもあるし、ないものもあるんです。そういうものについては、これは公平の扱いの原則から申しまして、取り上げてしかるべきものもあるのではなかろうか。とにかくこれはきわめて複雑多岐にわたりますので、いろいろの場合が想定されますが、要は沖繩の方々にできるだけ御納得のいくような処理をして差し上げたいという願望を込めて私はそういうことを申したわけであります。

松本善明日本共産党

○松本(善)委員 サンフランシスコ条約十九条a項は個人の権利を放棄したものではないというお話は、これはなかなか大事な問題であろうかと思いますが、かつて大蔵省見解として一九五七年の八月二十三日付文書で、これは個人の権利を放棄しているのではないという趣旨のものが出たということを私どもは知っておりますが、個人の権利を放棄したものではないという見解は、政府の見解として統一をしていま考えられているということかどうか、あらためてもう一度お聞きをしておきたいと思います。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○愛知国務大臣 私はさような意見と願望を持っておりますが、これについてはその裏打ちの処理というものがなければなりません。それから私の願望が、たとえば国内法的に見ましてもその処置に値するような裏打ちができるものとできないものがあるいはあろうかもしれません。それらについても関係各省の間で十分話し合いが進んだ上で、はっきりした統一の見解が必要ならばこれを表明することにいたすべき筋合いのものであろうと思います。

松本善明日本共産党

○松本(善)委員 それではさらにお伺いいたしますが、そうすると、サンフランシスコ条約発効前も発効後も個人の損害賠償請求権は残るということになりますと、これはきわめてばく大なものであると思いますが、これを一体外務大臣は、沖繩県民はどうやってとれというふうに考えておられるのか、その点についてお考えを伺わせていただきたいと思います。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○愛知国務大臣 これは期待権とでもいうようなものを入れ、あるいは請求権ではなくて請求というような種類のものも入れますると、先ほど申しましたようにきわめて多岐にわたります。それから過去における賃借料の引き上げというような要請のものもございます。つまり一口に請求権の問題、請求の問題といわれますけれども、きわめて複雑多岐なものがございますが、その中の処理のしかたについて気持ちは先ほど申しましたような気持ちで、できるだけ沖繩県民の方々にあたたかい気持ちで御理解と御納得を得られるようにしたい、こういう気持ちでいきたいと思いますけれども、これはこうだ、これはこうだというものが何でもかんでも一切がっさいが無条件に満たされるというふうにお考えになるのは少しまた広過ぎるのじゃないかと思います。しかしこれは具体的にもう少し検討してからでないと、ただ単に抽象論だけではこれはいけないと思っております。

松本善明日本共産党

○松本(善)委員 沖繩県民の一人一人の損害賠償請求権が、個人としては権利は放棄してないのだということになりましても、実際問題としてこれをとるのはなかなかたいへんであります。これをこの外交折衝の中で全部調べあげて、沖繩県民の被害というのはこうである、したがってこれだけ払うべきだ、こういうような折衝は外務大臣はやっておられないのでありますか。個人の損害をひとつ集めて、それについてこれは払うようにしろというような折衝はしていないのかどうか、この点を伺いたいと思います。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○愛知国務大臣 ただいままで収集いたしました各種のこの種の問題につきましてはもう十二分三日本側の立場、沖繩県民の方々の御要請は通じております。しかしその中にはたとえばサンフランシスコ条約の関係その他から申しまして、一切がっさいが対米的に処理できるものではございませんから、その点は十分に説明も区分けもつけてやっておりますことは当然のことだと思います。

松本善明日本共産党

○松本(善)委員 それでは具体的に少しお聞きしようと思いますが、この間連合審査でも少しお話しをいたしましたけれども、伊江島という一つの村で死んだ人が三人います。そのうちの二人は外国人損害賠償をされております。日本円にいたしまして一人は約八十万円、一人は百万円であります。死んでですよ。それから一人は自損行為だということで補償がされていません。けがをした人、腕を取られたとかそれから足に貫通銃創を受けたとか、そういう重傷を受けた人も三十八名、これは全部補償を受けておりません。こういう状態はこのままでいいというふうに外務大臣はお考えになっておるのかどうか、この点を伺いたいと思います。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○愛知国務大臣 この前も申し上げましたように、そういう事例は他にも相当ございまして、念には念を入れて現在調べかつどう処理したらいいか考究中でございます。先ほど申しましたように、ちょっといまおあげになりました具体的な例と違うかもしれませんけれども、対米的のものの中にも法律上ではないが処理をしたものがあるが、全く同様の事故を受けたのに処理がしていないというような、公平の原則からいっておかしいものも合わせますとたいへんな事例になってくるわけで、できるだけ政府としても念には念を入れて調べております。中には外務省だけで収集のできなかった事例もあろうかと思いますから、さらに関係省との間にも十分最後的な取りきめができるまで遺憾なきを期してまいりたいと思います。

松本善明日本共産党

○松本(善)委員 資料を収集しておられるといわれますが私が直接沖繩へ参りまして調べた範囲では、いま申しました伊江島の場合などは全く調査はされておりません。それでいきますと調印も間近というふうにいわれておるのですけれども、沖繩県民のそういった人権侵害に対しての損害を外務大臣は折衝しておられないのじゃないかと思わざるを得ないわけです。これはどういうようなやり方で一体沖繩百万県民のそのような損害についての調査をやっておられますか。私の知る範囲では日本政府は琉球政府からの、行政府からの資料をもらっておるだけです。独自の調査は全くやっていないのです。これは外務大臣、どうされるつもりか、御意見を伺いたいと思います。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○愛知国務大臣 実はこれらの点については御指摘のように非常に苦慮しております。と申しますのは、まず第一義的に琉球政府の調査を政府としては求めておるわけで、これはもう全部出ておるのでありますが、そのほかしばしば私が申し上げますように、公の団体、私的な団体あるいは個人個人の御要請等についてもできるだけその資料を政府に出していただけるように、これは主として総理府の沖繩・北方事務局が中央政府としては担当しておりますけれども、できるだけそういう事態を積極的に御本人から出してくださることを期待しておるわけです。しかし、なかなか長い年月のことでもございますし、調査漏れのものもあろうかと思います。そういう点については念には念を入れてやらなければならない、アメリカ側に何もしてないじゃないか、それは私どもも不十分なこともあるかもしれませんが、私どもとしてもこれらの点については、ほんとうに一生懸命やっておるつもりでございますが、なお足らざるところはどんどんお教えいただきたいと思います。

松本善明日本共産党

○松本(善)委員 外務大臣の感想を私はお聞きしたいのですが、この伊江島でそういう被害を受けた農民が補償しろといって民政府に要求に行ったのです。そのときに首席民政官が何と言ったかというと、不幸にして沖繩には土地収用法はあるが、教償法はないんだ、その予算もないんだ、沖繩で今日までたくさんの土地を取り上げてきたけれども、かつて一度も補償した例がないんだ、天はみずから助くる者を助けるというギリシャのことわざもあるから生きるために努力しろ、こういって追い払ったというのです。この話を聞いて外務大臣どうお考えになりますか。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○愛知国務大臣 まずその民政官の話には誤りがございます。外国人損害賠償法という法律が人身事故についてりっぱにあるはずだから、そいうものがない、みずから自分で助けろ、こう言ったのは明らかに事実に反することであると思います。したがいまして、私はそういうことを言うような民政官というもののビヘービアというものに対しては、非常に遺憾に思います。

松本善明日本共産党

○松本(善)委員 私は外務大臣のいろいろ御答弁を伺いましても、この問題に関する日本政府の調査と取り組みの態度というものはきわめて弱いというよりは、外務大臣弁解をされましたけれども、やはり皆無というふうに言うのが適切じゃないかというふうにほんとうに思います。これは外務大臣、非常に苦慮しておるというように言われるけれども、真剣な努力をしなければ、日本民族としてこれはどうしても解決をしなければならないたいへんな大事業だということを御認識をいただきたいというふうに思います。  時間もありませんので、もう一つ伺っておきたいのでありますが、裁判の効力の引き継ぎの問題であります。外務大臣は中間報告で琉球政府裁判所及び米民政府裁判所の裁判は刑事事件も原則として引き継ぐということを言われました。これでいきますと、アメリカの布令違反など本土では罪にならないようなもの、これも前科として引き継ぐということになるというふうに聞かざるを得ないのです。これは一体どいうわけでありましょうか。

井川克一外務省条約局長

○井川政府委員 外務大臣の中間報告にも沖繩の裁判を原則として引き継ぐとお述べになっております。原則として引き継ぐという意味はでございます、沖繩で現在行なわれている裁判のうち、わが国の刑事司法の基本理念、公序良俗その他から見てこれを引き継ぐことが妥当でないこともあり得る場合を配慮したものでございまして、政府といたしましては、引き続きその引き続ぎの具体的態様につきましては、今後十分検討していく所存でございます。  なお、民政府のいわゆるUSCARコートの問題でございますけれども、松本先生よく御存じのように、琉球における司法制度は民政府のものと琉球政府のものとが混然として一体となっておりまして、それによって法秩序が維持されておるわけでございます。単に布令、布告と申しましても、いまちょっと頭に浮かびますのは、たとえば麻薬の点につきましては布令で行なわれているわけでございます。民政府裁判所の問題でございます。このように一体となって法律秩序というものが維持されている以上、原則として両方の裁判所を引き継ぐのが適当である、こういうふうに法務省と私どもが原則として意見が一致しておるわけでございます。

松本善明日本共産党

○松本(善)委員 時間がありませんので、一言だけ確かめておきますが、そうすると、日本国憲法になじまないもので引き継がないものがあるということであるかどうか、この点確かめておきたいと思います。

井川克一外務省条約局長

○井川政府委員 その点につきましては、現在法務省におきまして、引き継ぎにおける国内法の立て方につきまして検討中でございます。

松本善明日本共産党

○松本(善)委員 この点についてはまだまだ論じなければならない非常に重要な問題がたくさんありますし、政府の見解は私は了承することはできませんけれども、時間がありませんのできょうはこの程度にしたいというふうに思います。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 せんだっての内閣委員会で核倉庫等に対する私の質問に対して、中曽根長官は答弁されたまますぐ退出されましたので、なお確かめておきたい点がありますから、若干の質問をいたします。  せんだっての、本土における核倉庫の有無についての防衛庁の御答弁は、これは佐藤内閣としての確認だ、そのように承ってよろしゅうございますか。

中曽根康弘自由民主党防衛庁長官

○中曽根国務大臣 政府としての答弁であります。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 防衛庁としてはあの種の確認をされたことは初めてでありましたか。

中曽根康弘自由民主党防衛庁長官

○中曽根国務大臣 あのとき答弁いたしましたように、核兵器の貯蔵庫が国内に存在するかどうかについて在日米軍司令部に照会したところ、米軍においては規則上核兵器の有無はもちろん、その所在等についても明言できないこととされているので、この点についてはお答えいたしかねるとのことであったが、従来政府が繰り返し答弁しているとおり、米軍はわが国に核兵器を持ち込んでいない、核兵器がない以上これに必要な核兵器専用の貯蔵庫もないものと確信している、こういうことであります。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 この規則上とは例のマクマホン法と考えてよろしゅうございますか。

中曽根康弘自由民主党防衛庁長官

○中曽根国務大臣 米国の国内法がどうあるか、私よく存じません。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 外務大臣としてはどう思われますか。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○愛知国務大臣 これはアメリカとしてはアメリカとしての法律もございましょうが、軍隊の中の軍としての命令というようなものも含んで、そこで言っているのではないかと想像されますが、そういうふうに理解いたしております。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 外務省は私が問題にしましたような核貯蔵庫の日本本土における所在の有無を確かめられたことはありますか。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○愛知国務大臣 これはただいま防衛庁長官からお答えがありましたが、これは政府としてのいわば統一的な見解でございます。先ほども御答弁いたしましたように、政府、外務省といたしましては本土には核はない、したがって、専用の核の貯蔵庫はない、さように確信いたしております。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 あなたは先ほど、外務省としても確認をしたいと思うが、きのう日曜日をはさんでおったから、それができなかったと御答弁になりましたが、そのことはどういうことなんですか。いまの御答弁と関連してもうやる必要はないという意味ですか、政府として確認したということであるか、どうなんですか。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○愛知国務大臣 これは先ほどお答えしたとおりでございますから、少し省略したわけでございます。政府としてはさような確信を持っておりますが、一昨々日の内閣委員会における外務省の課長の答弁は御満足がいきかねましたから、したがって外務省としても必要な調査といいますか、照会といいますか、これを外交チャンネルを通して開始をいたしておりますが、きのう間に日曜も入りました関係で、ただいまその結果を申し上げるまでにまだいっておりませんことを、恐縮でございますが、御報告申し上げた、そのとおりでございます。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 第五空軍は国防省の配下にあります。駐日アメリカ大使館マイヤー大使は国務省の配下にあると思います。第五空軍が規則上縛られておる。マイヤー大使も規則上縛られることにならないか。この種の問題について確認をするということです。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○愛知国務大臣 ですから、まず第一が政府としては確信をしておりますが、しかしせっかくのお尋ねであり、そして一昨々日の御答弁では御満足を得ませんでしたから、なお誠意を持って聞き合わせ、要請をやっているわけでございますから、いまお尋ねの点などに触れてのお答えもできるようになれば、非常にしあわせである、かように存じております。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 この米第五空軍の回答の内容は、共産党の松本委員が同じく問題にされた核点検室等、核関係機関もこの中に含まれて一切この種の問題については答弁できないということになるのではないですか。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○愛知国務大臣 それは返事はいまから予想はできませんね、どういう返事であるか、いま照会しているわけですから。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 いまお聞きのとおり、核関係機関、核倉庫を含んで、全く確認はされていない。そうすると、いままでの政府の答弁、たとえば中曽根長官がお読みになりました、核兵器がない以上これに必要な核兵器専用の貯蔵庫もないものと確信をするというこの種の答弁は、いわゆる確信であって、単なる推定だ。このようにわれわれとしては受け取らざるを得ないが、木村官房副長官はどう思われますか。

木村俊夫自由民主党内閣官房副長官

○木村政府委員 この問題はもう外務省から御答弁が済んでおると思いますが、当然日米安保条約の存立基礎は相互の信頼関係でございます。したがいまして、日米安保条約に基づく地位協定また事前協議制に関係する口頭了解——いろいろ核の問題については日米相互間でかたい約束がございます。この約束にそむいて日米相互間の信頼関係を裏切るがごときことは絶対しないという日本政府の確信に基づくものでございます。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 そうしますと、中曽根長官も考え方を明確にされましたし、佐藤総理も沖繩を含めて本土にも核兵器等の存在について、これがないという確認の努力をしたいというこの具体的な確認の方法とは一体どういうことになるのでしょうか。具体的に一体どういうことが考えられますか。

木村俊夫自由民主党内閣官房副長官

○木村政府委員 総理が答弁を申し上げました内容、また防衛庁長官が——ここにおいでになりますが、答弁をされた内容、ちっとも食い違いはないと思います。したがいまして、この相互の信頼関係を破壊するようなことは、当然これはできません。できませんが、核に関する日本国民の特殊な感情がございますから、特に沖繩の県民の方々のそういう精神状態をいろいろ配慮いたしまして、できれば何らかの方法で、たとえばガスの一時撤去のときにおけるような方法がもしとれれば、日米双方の合意のもとにおいてそういう技術的方法をとりたい。これは防衛庁長官の念願でもあるし、また努力目標であると私は思っております。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 私は午前中その種のことを外務大臣にお伺いしたのです。たとえば点検あるいは確認の一つの方法として毒ガス撤去のときにやったように、その核兵器の撤去のスケジュールなり、あるいは方法なり、そういったものについて何か手段が講じられないか。これはいま期せずして私は木村副長官と同じ例をあげることになるのですが、午前中私はそれを申し上げたわけです。毒ガスの危険性についても、核兵器の危険性についても、同じようでありますから、毒ガス兵器撤去の問題についてやれたことが、核兵器についてどうしてやれないのか。その辺は防衛庁長官としては、いまの私の提案なり、あるいは木村副長官のサジェスチョンに対して、どのようにお考えですか。

中曽根康弘自由民主党防衛庁長官

○中曽根国務大臣 私が従来答弁しておりますように、返還後ということをまず言うておるわけです。そして不存在の確認ということで、点検ということばを使っておりません。点検というのは、どうも先にあることが前提にされて点検というふうに誤解されやすいものですから、不存在の確認の努力をしてみたい、こう申し上げておるわけで、その際にたとえばナイキの基地を接収する際に、これは核つきであるか核つきでないかは、もうすぐわかることでございます。そういう場合に、直ちに要員を派遣するとか連絡員を派遣するとかいうことをほかの場所にも適用して、先方の合意を得て、こちらがそういう確信を得ることを確認する、そういうことを技術的に向こうとも話し合って実現すべく努力してみたい、こういうふうに申し上げてまいりました。その中身につきましては、これから向こうともいろいろ相談をしてみなくてはなりませんので、ここで具体的に申し上げるわけにまいりませんが、そういう努力をしてみたいという意味であります。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 その種の答弁は、何回でもお伺いしているのです。いま私がお伺いしているのは、私が提案をいたしました、あるいは木村副長官が暗示されましたように、もしあるということであれば、当然撤去をしなければならない。だから毒ガス兵器の撤去と同じような撤去の確認の方法ができないものであろうか。これに対して中曽根長官はどう思われますかと聞いておるのです。

中曽根康弘自由民主党防衛庁長官

○中曽根国務大臣 一つの御助言として拝聴しておきます。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 私も提案しましたし、木村副長官も例示をされておるのですから、これはもう少しはっきりお答えをいただきたいと思いますが……。

中曽根康弘自由民主党防衛庁長官

○中曽根国務大臣 そういうことがはたして核の場合に可能であるかどうか。これは私は核の扱いというものについて、よくまだ存じておりません。そういう点もよく検討する必要があると思いますから、ここでどうこうと即断することは遠慮したほうがいい、そう思うわけです。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 私は何回も——もしまじめに政府がこの核がなくなったのだということについて、国民の安堵を求められる、そういう方法をやられるとすれば、そのくらいのことは考えられておってしかるべきだと思うんですよ。いまから考えてみるとか、いまから核兵器の問題についてあまりよく知らないとか、そういう答弁をこの段階でお伺いするというのは、私は心外です。  それで、もう同じ質問をしても、また同じ答弁しか返ってまいらないと思いますが、時間がありませんから、最後に一問だけお伺いしておきます。  木村副長官は先ほど信頼関係ということを強調されました。私もそうだと思います。これは国民に対する責任でもあるわけですね。したがって、もしその信頼が裏切られるような事実が出てきたときの佐藤内閣として国民に対して具体的に責任をどのようにお考えになりますか、あらかじめ聞いておきたいと思うのです。

木村俊夫自由民主党内閣官房副長官

○木村政府委員 これは一佐藤内閣の問題ではないと思います。日米両国間の長期的友好という観点に立ちまして、私はただ佐藤内閣だけの問題ではないということだけお答えしておきます。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 おかしいようですが、念のために…。そうしますと、この種の信頼関係に基礎を置いている沖繩の返還協定についても、もしこのような信頼関係が裏切られるような事実があったら、これはもう問題にならない。その点についてはどう思われますか。

木村俊夫自由民主党内閣官房副長官

○木村政府委員 一昨年の佐藤総理とニクソン大統領の会談で、特にこの核の問題については、詳細にニクソン大統領に対して佐藤総理が説明いたしました。これを十分理解して日本政府の非核三原則に違背しないように返還を実現するということを佐藤総理にニクソン大統領が確約しておりますから、その点を御信頼願いたい。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 内閣委員会でわが党の大出委員が問題を提起しました、原子力潜水艦のうち核搭載、サブロック搭載の疑いのある原潜が入港している、この点についての問い合わせなり確認は、どのようになっておりますか。

木村俊夫自由民主党内閣官房副長官

○木村政府委員 外務省において、ただいま確認すべく努力中でございますが、しかしおのずからこれには限界があることを御承知願いたい。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 限界があるということは、一定の段階までいくと、はっきりそれはできないという意味ですか。

木村俊夫自由民主党内閣官房副長官

○木村政府委員 原子力潜水艦にはたしてサブロックを積んでいるかどうかという問題も含めまして、何度も申しますが、これは日米相互の信頼関係に基づく確信でございますので、その限界においての事実上の調査その他はやっております。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 いまの御答弁を聞きましても、すべては信頼あるいは確信あるいは推定、それに尽きるわけですね。もし沖繩返還協定にからんでわれわれが提起しておりますいろいろな問題について、保留されている点、そういう点があいまいに、そのままになるならば、われわれは沖繩返還協定にからんで核抜きということは核隠しであると言っている事実がより明白になると思うのです。われわれは、いまのような政府の答弁では満足できません。それだけを申し上げまして、私の関連質問を終わります。      ————◇—————

田中榮一自由民主党

○田中委員長 引き続き請願の審査を行ないます。  今国会において、本委員会に付託になりました請願は十九件であります。  これより日程第一から第十九までの各請願を一括して議題といたします。  まず、審査の方法についておはかりいたします。  各請願の内容につきましては、請願文書表等によりましてすでに御承知のことと存じます。また、先刻の理事会におきまして慎重に御検討いただきましたので、この際、各請願についての紹介議員よりの説明等は省略し、直ちに採決いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

田中榮一自由民主党

○田中委員長 御異議なしと認めます。よって、直ちに採決いたします。  本日の請願日程中、第三ないし第十及び第十二ないし第十九の各請願は、いずれも採択の上、内閣に送付すべきものと決するに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

田中榮一自由民主党

○田中委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。  なお、ただいま議決いたしました各請願に関する委員会報告書の作成等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

田中榮一自由民主党

○田中委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。     —————————————   〔報告書は附録に掲載〕     —————————————

田中榮一自由民主党

○田中委員長 なお、本委員会に参考のため送付されました陳情書は、お手元に配付してありますとおり八件であります。この際、御報告いたします。  本日は、これにて散会いたします。    午後二時十一分散会

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