外務委員会 第15号
- 発言数
- 79 件
- 登壇者
- 12 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1971/05/10
会議録
○田中委員長 これより会議を開きます。 所得に対する租税に関する二重課税の回避のための日本国とスイスとの間の条約の締結について承認を求めるの件、所得に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための日本国政府とシンガポール共和国政府との間の条約の締結について承認を求めるの件、所得に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための日本国とアメリカ合衆国との間の条約の締結について承認を求めるの件、千九百六十九年十一月十四日に東京で作成された万国郵便連合憲章の追加議定書、万国郵便連合一般規制、万国郵便条約及び関件諸約定の締結について承認を求めるの件及びアジア=オセアニア郵便条約の締結について承認を求めるの件、以上五件を議題として、順次政府から提案理由の説明を聴取いたします。 ————————————— 所得に対する租税に関する二重課税の回避のための日本国とスイスとの問の条約の締結について承認を求めるの件 所得に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための日本国政府とシンガポール共和国政府との間の条約の締結について承認を求めるの件 千九百六十九年十一月十四日に東京で作成された万国郵便連合憲章の追加議定書、万国郵便連合一般規則、万国郵便条約及び関係諸約定の締結について承認を求めるの件 アジア=オセアニア郵便条約の締結について承認を求めるの件 所得に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための日本国とアメリカ合衆国との間の条約の締結について承認を求めるの件 〔本号その二に掲載〕 —————————————
○田中委員長 外務大臣愛知揆一君。
○愛知国務大臣 ただいま議題となりました所得に対する租税に関する二重課税の回避のための日本国とスイスとの間の条約の締結について承認を求めるの件につきまして、提案理由を御説明いたします。 政府は、スイスとの間の所得に対する租税に関する二重課税の回避のための条約を締結するため、かねてよりベルン及び東京において交渉を行ないました結果、昭和四十六年一年十九日に東京においてわがほう本大臣とスイス側シュターデルホファー駐日大使との間でこの条約に署名を行なった次第であります。 この条約は、本文二十八カ条から成り、その規定は、OECDモデル条約案にできる限り従ったものであります。条約のおもな内容は、次のとおりであります。事業所得につきましては、相手国にある支店等の恒久的施設に帰属する利得についてのみ相手国において課税できるものとし、船舶または航空機による国際運輸からの利得につきましては、相互に全額免税としております。投資所得に対する源泉地国での課税につきましては、配当については一五%、利子及び使用料については一〇%をこえない税率で課税し得るものとしております。さらに、政府職員、短期滞在者、短期滞在の教授、学生等の受け取る報酬、手当等につきましては、原則として滞在地国で免税としております。 この条約の締結によりまして、二重課税の回避の制度を通じ、両国間の経済、技術及び文化の面での交流は、一そう促進されるものと期待されます。 次に、所得に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための日本国政府とシンガポール共和国政府との問の条約の締結について承認を求めるの件につきまして、提案理由を御説明いたします。 わが国とシンガポールとの間には、昭和三十六年四月十一日に署名され、同年九月五日に発効した所得に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための日本国政府とシンガポール自治州政府との間の条約がありましたが、同条約の発効後五年以上を経過した昭和四十五年三月二十八日に至り、シンガポール政府は、同条約はシンガポールの独立前に締結されたものであって現状にそぐわないものとなったとして、わが国に対してその規定に従って同条約を終了せしめる意思を通告するとともに、新条約を締結するため交渉を開始したい旨申し入れてまいりました。これにより旧条約は、その規定に従って、昭和四十六年一月一日以後に開始する年度の租税について効力を失いましたが、政府は、昭和四十五年八月以来東京及びシンガポールで新条約の締結交渉を行ないました結果、昭和四十六年一月二十九日にシンガポールにおいて、日本側在シンガポール奈良大使とシンガポール側ホン大蔵大臣との間でこの条約の署名を行なった次第であります。 この条約は、本文二十七カ条及び附属議定書から成り、そのおもな内容は、次のとおりであります。すなわち、事業所得につきましては、相手国にある支店等の恒久的施設に帰属する所得についてのみ相手国において課税できるものとし、国際運輸所得につきましては、船舶、航空機ともに相互に免税としております。配当及び利子に対する課税につきましては、源泉地国の税率は一五%をこえないものとしておりますとともに、政府、中央銀行等の受け取り利子及び産業的事業からの受け取り利子は源泉地国において免税としております。また、使用料につきましては源泉地国において免税としており、さらに、政府職員、短期滞在者、教授、学生等の受け取る報酬、手当等につきましては、原則として滞在地国で免税とされます。 この条約の締結によりまして、二重課税の回避の制度を通じて、両国間の経済、技術及び文化の面での交流は、安定した基礎の上に引き続き促進されるものと期待されます。 次に、所得に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための日本国とアメリカ合衆国との間の条約の締結について承認を求めるの件につき集して、提案理由を御説明いたします。 わが国とアメリカ合衆国との間には、昭和二十九年四月十六日に署名され、その後議定書によって補足修正された所得に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための条約が締結されていますが、わが国は、昭和三十八年にOECDモデル条約案が公表されました後は、できる限り同条約案に沿って二重課税防止条約を締結することとしておりますので、そのような一般的方針に従うとともに、日米経済関係の現状に一そう適合した課税関係を樹立するため、現行の条約を全面的に改定する新条約を締結することとし、昭和四十三年十月以来東京及びワシントンにおいて交渉を行ないました結果、昭和四十六年三月八日に東京において、わが方、本大臣とアメリカ合衆国側マイヤー駐日大使との間でこの条約に署名を行なった次第であります。 この条約は、本文二十九カ条から成り、そのおもな内容は、次のとおりであります。事業利得につきましては、相手国にある支店等の恒久的施設に帰属する利得についてのみ相手国において課税できるものとし、船舶または航空機による国際運輸からの所得につきましては、それらの船舶または航空機が自国に登録されている場合には、相手国で全額免税となりますが、日本の企業の場合には、これに加えて、登録国のいかんを問わず、その賃借している船舶または航空機による国際運輸からの所得についても合衆国で全額免税となります。投資所得に対する源泉地国での課税につきましては、配当については原則として一五%、利子及び使用料については一〇%をこえない税率で課税し得るものとしております。さらに、政府職員、短期滞在者、短期滞在の教授、学生等の受け取る報酬、手当等につきましては、原則として滞在地国で免税としております。 この条約の締結によりまして、二重課税の回避の制度を通じて、両国間の経済、技術及び文化の面での交流は、一そう促進されるものと期待されます。 次に、千九百六十九年十一月十四日に東京で作成された万国郵便連合憲章の追加議定書、万国郵便連合一般規則、万国郵便条約及び関係諸約定の締結について承認を求めるの件につきまして、提案理由を御説明いたします。 万国郵便連合は百年近い歴史を有する世界で最も古い国際機関の一つでありまして、国際郵便業務の発展の中心的役割りを果しておりますが、わが国も明治十年に加盟して以来積極的にその活動に参加しております。 万国郵便連合の文書といたしましては、連合の機構を定める万国郵便連合憲章、連合の運営手続を定める一般規則、国際郵便業務に適用する共通の規則及び通常郵便物に関する規定から成ります万国郵便条約並びに小包郵便物、郵便為替、郵便振替等の特殊郵便業務を規律する諸約定がありますが、連合の基本文書である憲章を除くこれらすべての文書は、連合の最高機関であります大会議におきまして、通常五年ごとに全面的に更新されることになっております。 現在実施されております連合の諸文書は、一九六四年七月十日にウィーンで開催された大会議で作成されたものでありますが、これらに対しましては昭和四十四年十月一日より東京で開催された第十六回大会議におきまして、今日の事態に適応した改正と補足が行なわれ、その結果、憲章につきましては追加議定書の形でその一部が改正され、またその他の文書につきましては、現行の文書にかわる全く新たな文書が作成された次第であります。 これらの議定書、規則、条約及び諸約定は、いずれも本年七月一日から実施されることになっておりますが、国際間における人的及び物的交流の緊密化に伴ってわが国と諸外国との郵便物の交換が日々増加しております現在、これらの文書を締結し、万国郵便連合を通じて国際協力を維持増進いたしますことは、わが国にとって必要かつきわめて有意義であると考えられます。 最後に、アジア=オセアニア郵便条約の締結について承認を求めるの件につきまして提案理由を説明いたします。 この条約は、万国郵便連合憲章が認めている地域的郵便連合の一つであるアジア=オセアニア郵便連合の基本文書であり、連合の組織、任務、加盟国間の通常郵便物の取り扱い等について規定しているものであります。同連合には現在わが国を含め九カ国が加盟しております。条約の改正は、通常五年ごとに開かれる同連合の大会議において旧条約にかわる新条約の形式で行なわれることになっており、一九七〇年十一月に京都で開催されました第二回大会議において、現行条約にかわるものとしてこの条約が作成されたものであります。 この条約のおもな内容は、地理的に近接していて多くの面でつながりの深いアジア=オセアニアの地域の諸国が、地域内の郵便業務の効果的な運営をはかるとともに、郵便上の問題につき協力するというものであります。 わが国は、一九六八年九月にアジア=オセアニア郵便連合に加盟しましたが、この条約の締約国となり、引き続き連合の活動に積極的に参加いたしますことは、この地域内の郵便利用者の利便の増大及び地域的国際協力の増進をはかる上にきわめて望ましいと考えられるのであります。 以上五件につきまして、御承認を求める次第でございます。何とぞ御審議の上、すみやかに御承認あらんことを希望いたします。
○田中委員長 これにて以上五件の提案理由の説明は終わりました。 各件に対する質疑は後日に譲ることといたします。 ————◇—————
○田中委員長 引き続き第四次国際すず協定の締結について承認を求めるの件及び関税及び貿易に関する一般協定に附属する第三十八表(日本国の譲許表)に掲げる譲許を修正し又は撤回するためのアメリカ合衆国との交渉の結果に関する文書の締結について承認を求めるの件、以上両件を一括議題として審査を進めます。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。西中清君。
○西中委員 「日本国の譲許表に掲げる譲許を修正し又は撤回するための第二十八条の規定に基づくアメリカ合衆国との交渉の結果」「第三十八表の変更」ということで出ておりますが、これによりますと、いわゆるチューインガムの関税率の引き上げ五%ということでございますが、この引き上げの理由について最初にお伺いしておきたいと思います。
○小山田説明員 お答えいたします。 関税引き上げの理由は、ごく簡単に申し上げまして三つございます。 まず第一が、日本のチューインガム企業というものは非常に新しいものである、御存じのように、われわれ子供のころにはチューインガムといえばリグレーが非常に有名でございました。日本のチューインガムはすべて戦後できたもので、まだその基礎が非常に浅い、企業の基礎が十分でないということ。 その次が、このチューインガムの原料であるがムベースといわれておりますが、これが日本品の場合には、天然の原料を使えないので、合成品を使っている。具体的にいえば酢酸ビニールを使っております。外国のことにアメリカのチューインガムは天然のチクルを使っておりまして、そのために品質が非常によろしい。 第三の理由は、これは非常にこまかくなりますけれども、日本のチューインガムは、一番最初に申し上げましたように、非常に基礎が新しいために、包装その他の技術が進んでいない、包装と申しますのは、チューインガムは非常に香味、フレーバーを大事にするものなんでございますが、その包装が十分でないためにまだ多少競争力において劣る面がある。この三つの理由から関税を引き上げる必要がございます。
○西中委員 歴史が浅いということで引き上げる、こういうようなお答えであろうかと思います、おもな理由は。そこで現在の日本の国内におけるチューインガム業者の実態ですね。大手というのは非常に少ないようでございますが、どういう経営状況になっておるか。実際に戦後できたから弱いのか、それともどうなのか。その辺のところをもう少し詳しくお話をいただきたいと思います。
○森説明員 チューインガムの生産の状況でございますが、大体二十五社でございます。そのうち半分以上が大体中小企業ということで、中小企業の数が多いわりに上位の二社のシェアが大体八割程度を占めておる非常に特殊な業界でございます。そういうことでございます。
○西中委員 いまの御説明では二社とおっしゃいました。ロッテとハリスのことだと思いますが、シェアが八〇%という非常な寡占になっているのが実態ではないかと思いますが、そういう状況でなおかつ企業を擁護しなければならぬのかどうか。もう一度その点についてお話を願いたいと思います。
○森説明員 先生御承知のように、チューインガムの原料というもの、ガムベースをわりに海外に依存をしておりますということ。それからいろいろ砂糖だとか原材料につきまして相当競争しにくい条件がございます。それとやはり日本の企業としましては戦後新しい産業であるというような事情もございます。それらの関係がございまして、産業の基盤としてはそう競争力が強いということまでには至っておりませんけれども、むしろこの際自由化をいたしまして、品質の向上ということに企業もつとめておりますから、それを一つの刺激材料ということでやってまいりたいという考え方でございます。
○西中委員 上位二社が八〇%を占めておるということは、残りの二〇%が二十三社ということで、現実問題としては二社でチューインガムがほとんど押えられておる。残りの二〇%の二十三社というものはほとんど駄菓子屋といいますか、そういうところで、別の行き方を考えておる、こういうことになるかと思います。そうしますと、この関税引き上げということはやはり二社が目標ではないかと思いますが、その点はどうでしょうか。
○森説明員 私先ほど申し上げましたのは、上位二社でということを申し上げましたけれども、そのほかにも、たとえば有名な明治製菓でございますとかそういう企業もチューインガムを生産いたしております。したがいまして、残りの二十三社が全部中小企業ということではございませんで、中小企業的なものというのは大体十四、五社ではないか。それ以外の十社程度のものは一応中小企業以外、大きな企業というふうにわれわれは考えております。
○西中委員 そのお話は一応おきまして、参考までにお聞きしたいわけですが、B、C、Dの各表でチューインガムの関税をまず五%アップして、その代償として、説明書にございますが、C、D表にあるスイート・アーモンド、ペット・フード及び七面鳥というものの関税を引き下げよう、こういうことでございますが、そこでこのチューインガム、スイート・アーモンド、ペット・フード、及び七面鳥の輸入実績はどれくらいの金額になっておるか。それからそれに関する関税の収入でありますが、アップした分の増収、それから下げた分の減収、これによってまた輸入実績というものは変わってくると思いますが、現時点においての実績からいいますとどういう金額になるか、その辺のところを御説明いただきたいと思います。
○吉岡説明員 ただいま御質問のございました三品目についての最近の輸入の金額を申し上げますと、七面鳥、これは部分肉でございますが、これの輸入総額が四十五年、昨年、暦年で申しまして四百十七万六千円という金額でございます。それからスイート・アーモンドでございますが、これは二十三億三千六百万円ばかりになっております。それからいわゆるペット・フードでございますが、九億二千二百万円ばかりになっております。 以上でございます。
○西中委員 それに関する関税の収入についてちょっと教えてもらいたいのです。
○西澤説明員 ただいまの代償として提供いたしましたスイート・アーモンド、ペット・フード、それから七面鳥の断片肉、この三品目につきましてそれぞれ関税を引き下げるということをいたしたことに伴いまして、どれだけの関税収入が減るであろうかという問題でございますけれども、これにはいろいろの仮定を置きまして計算をしたさなければならないわけでございます。かりにスイート・アーモンド、ペット・フードにつきましては、それぞれ昭和四十五年の輸入実績が一応横ばいするということを前提にいたします。この前提は過去の輸入実績の推移にかんがみまして、一応そのような前提を立てたものでございますが、一応このスイー・アーモンド、ペット・フードにつきましては横ばいの輸入が昭和四十六年に行なわれるであろう。それから七面鳥の断片にしたものにつきましては、これは実は統計上なかなかこまかい項目になっていますために、これ自体としてはつかまえにくいのでございますけれども、一応これも推定いたしまして、これは昭和四十六年には二割程度輸入が増になるであろうというような仮定を置いて計算をいたしたわけでございます。そういたしますと、スイート・アーモンドにつきましては、二十三億四千万円の輸入が行なわれる、ペット・フードにつきましては八億五千万円の輸入が行なわれる、七面鳥の断片にしたものにつきましては六百万円の輸入が行なわれる、したがいまして、そこからスイート・アーモンドは一%関税を引き下げることになりまするので、関税収入の減は二千三百万、それからペット・フードは二〇%から一五%に下げまするので、それに伴いまする関税の収入減は四千二百万円、同様にいたしまして、七面鳥の断片にしたものは二〇%から一五%に関税を下げまするのでございますからこれが約三十万円ということになりまして、合計約六千五百万円の関税収入の減が見積もられるわけでございます。
○西中委員 いまの御説明で明らかなように、チューインガムを引き上げるために、御説明書にもございますように、代償として提供されるこうした譲許、従来の税率を引き下げるという、ある面でいえば損失でございますが、そのためにチューインガム一つの業界を守る、それはそれなりの意味はあるかと思いますけれども、先回の委員会で戸叶委員が質問いたしましたように、この問題については若干のうわさがあるわけでございます。いろいろと業界擁護のためにある人が動いたのじゃないか、こういうようなことが報ぜられておるわけでございますが、そういういささかの疑惑を生じるようなものについて、こうした減収までしてやらなければならないのかどうなのか。実際業界を強くするためにはほかにも方法があるわけで、わざわざこれを取り上げたという理由が少しわれわれとすれば納得しがたいものがある。このよりに感じております。そういう点で、自由化という方向から考えましても、去る三月十六日の閣議で佐藤総理が、自由化に逆行するような関税の引き上げか一部で行なわれていることは遺憾である——これがチューインガムかどうかということはよくわかりませんけれども、そうであろうといわれておりますが、その点どういうような考え方にあるのか、その点の説明をお願いしたいと思います。
○小山田説明員 お答えいたします。 チューインガムの自由化は、自由化政策の一環として、わが国としてもその必要性を認めておるのでございますけれども、同時に、自由化品目の選定の場合には、やはり関係の国からの要望というものも一応勘案する要素の一つにはなっております。その点でアメリカといたしましてはチューインガムをぜひ自由化してほしいという希望が相当強くございまして、それでわがほうといたしましても、ある程度の保護を与えれば自由化して支障がないというふうに判断して、自由化することに踏み切ったわけでございます。 それから関税を引き上げること以外の方法があるではないかという御質問でございますけれども、現在のガットのやり方では一応輸入制限はしないというのが大前提でございまして、何らかの保護を必要とする場合には関税その他の課徴金をもって保護を行なうということがガットの原則にきめられておりますので、その方針にのっとってやった次第でございます。
○西中委員 私が申し上げたのはそういう意味でなくて、国内的な手を打つという意味でできるということを言っているわけです。そこで、一たんこのような総理の話がありながら問題にならなかったのか、なったのか、こういう問題について、その点はどうでしょうか。
○愛知国務大臣 ただいま事務当局からお答えをいただきましたとおりでございまして、この残存輸入制限についてはできるだけすみやかに整理をしたいというのが内閣の基本方針でございまして、ことにこのチューインガムについてはやはり関係国の要請の非常に強い、いわゆる目玉商品でございますから、この自由化の促進操り上げをぜひしたいということを一つの基本にいたしているわけでございます。そしてそれに対する自余の対策としては、これはガットを中心にしていま御審議をお願いいたしておりますが、譲許の制度を活用し、そして、たとえばアメリカ側とも十分の相談をいたしまして、チューインガムについては五%引き上げる、そのほかのものについてはその代償としてこれだけを譲るというようなことで、ガットを中心にする話が円満にまとまったわけでございまして、それがかたがた国内のチューインガムに対しても若干のささえになる、こういうことになるわけでございます。 それから、三月の総理大臣の閣議における発言でございますが、これは原則としてまことにもっともな考え方であると、私どもも現在あるいは将来においてもさように考えておるわけでございます。自由化をやるからといってその効果がなくなるようなことをやるということは慎まなければならないことである、かように考えております。ただこれは特定のチューインガムというようなものをさしたものではございませんし、またチューインガムにつきましては、関係各国とガットの場等におきまして十分話し合いがついてまいっておりますものでございますから、この事態については内外に対して何ら顧慮すべきことのない、まっとうなやり方でやってまいったわけでございますから、これに変更を加える、考え方を変えるという必要はないと考えております。
○西中委員 関係国と問題はないということでございますが、当然わが国のほうが減収になるわけでございますから、また代償としての譲許は行なわれているわけでございますから、当然のことであろうと私は思います。しかし、このような発言があって、さらにまたわれわれとしても納得できないような、一部そういう感じが残っておるわけですが、特にロッテを見ました場合には、相当なシェアを占めて、チューインガムでは関税率の引き上げによって保護をされる、一方代償として提供されておる譲許の部分でスイート・アーモンドというものがございますが、これは原材料として入ってくるわけでございますね。ですからこれはやはりロッテはチョコレートでアーモンドを出しておるわけですから、このほうは原材料が関税を引き下げになっておる、原料は安く入る、そして販売面で保護をされるという、言うならばこの譲許の改正は非常に両面にわたって私は保護をされておるのじゃないか、このように感ずるわけで、それと世間一般のうわさとが関連がなければけっこうでございますが、やはり不明朗なものを感じざるを得ない、こういう感じを強くいたしております。それは幾ら追及しても、関与しないというような先日の質問の答えもございましたので、深くは申しませんが、これで私が心配をいたしますといいますか、今後いろんな品物が自由化が進んでいく。ある品目の関税を引き上げよう、こういう場合に、ガットの新譲許品目にグレープフルーツ、たとえばこういうものが代償として取り扱いをされないかどうか。一つの品目の関税を引き上げるために、その他の幾つかを代償として認めなければならぬじゃないか、こういうような一つの先例になるのじゃないか。たとえば、先ほどあげましたグレープフルーツ、こういうものもいま季節的に率が変わって、二〇%、四〇%という率でございますが、これをたとえば新譲許品目に入れよ、こういうような要請があったといたしました場合に、こういう先例がございますと、やはり同じような形で入ってくるのじゃないか。それで業者が困るような、また被害を受けるような結果になるのではないか、このように思うわけでございますが、これは将来の問題として残る八十品目というものがございますが、国内的にも与える影響が大きいので、その点どういう考えでおられるのか。やはり今後の八十品目の中に幾つかこういう形で解決をされようとするのか、その辺の見通しなりお考えを聞かせていただきたいと思います。
○愛知国務大臣 日本の国内として受けとめる問題としては、やはり自由化ということが実は非常に大きな問題でございます。そうして、ことに現在残っております非自由化品目は、日本自体の立場から申しまして非常に扱いがむずかしい、そういうものが残っておりますから、やはり自由化を促進するという大方針を貫徹していこうといたしますと、いろいろ知恵、才覚を働かして、日本の国内の措置を考えなければならない、こういうふうに考えられるわけでございます。そうして、それは各品目品目に応じていろいろの対策が考えられるわけであろうかと思います。たとえば、いまグレープフルーツの例をお引きになりましたけれども、これにつきましては実は日本の温州ミカン等が現在アメリカの各州の州法によって禁止されているわけでございますね。そういう点を一つ条件というわけにはまいりませんけれども、いま外務当局といたしましても引き続いて努力を行なっているわけでございますが、こういうところでいわば違った意味の対象でございますけれども、これを考えていく、品目によりまして対策にバラエティーがあるという種類のものであると考えます。したがいまして、今回の関税譲許の問題は——将来の関税譲許ということでの即題はほかのものにもあり得るかと思いますけれども、今後自由化を促進するために、それの代償の意味で関税問題を扱うということはただいまのところは考えておるものはございません。 なお、ただいまの御質疑もまことにごもっともな御意見でございますから、今後の処理に当たりましては、政府といたしましてもなお一そう十分考慮して処理してまいりたいと思っております。
○西中委員 それに関連して、本年四月末までに制限品目を六十品目まで縮小する。輸入制限の緩和ですね。こういう予定であるという発表があったように思っておりますが、これはなぜおくれておるのか、その辺のところはどうなっておりますか。
○愛知国務大臣 四月までに六十品目にする、それから九月までに四十品目にする、これは大体予定どおり進行いたしております。ぜひそういうふうにいたしたいと考えております。
○西中委員 その品目の中で、先ほどグレープフルーツをあげましたが、やはりチューインガムと同じように弱小な生産者なり会社というものが関連するものがあると思いますが、そういうものについての関税の引き上げはお考えでしょうか。 〔委員長退席、田中(六)委員長代理着席〕
○小山田説明員 お答えいたします。 いま大臣から御説明がございましたのは、一般的な方針とそれからガットでの譲許品目についての代償でございますけれども、それとは別に自由化との関連で関税上の措置を講じたというものはいろいろございます。これにつきましては今次国会で御審議願いまして可決成立しております。それを簡単に申し上げますと、たとえば牛——生きた牛、馬、ソーダ灰パテントレザー、皮製のはきもの、そういうものにつきましては関税の引き上げを考えております。 それから、そのほかの関税上の措置といたしまして、たとえば季節関税の採用、関税割当制度の採用、あるいは従量税の採用、従価従量選択税の採用、あるいは差額関税の採用、そういうふうな各種の関税機能を活用いたしまして、自由化に対する国内産業への影響をできるだけ少ないものにしたいというふうに考えております。
○西中委員 この説明書の中に、「譲許の実施」と題して「右通告中に指定する日に効力を生じ、」云云と書かれておりますが、この「指定する日」とは一体いつになるのか。その辺のところはわかっておりますか。
○小山田説明員 これは国会の審議を得まして自由化実施の時期について閣議決定をする日と考えております。
○西中委員 その点で四月から実施予定の自由化がもうすぐということでございますが、若干おくれているような気配でございます。本条約の承認がなされておらないためにこの自由化がおくれておるのかどうか。 それからもう一つ聞きたいのは、昭和三十六年にやはりこういうケースでB、C、Dのことがございました。このときは国会の承認以前にこの文書を発効させておったように聞いております。こういう場合やはり国会の承認を経てからやっていくのが常道ではないか。今回この問題についてもいわゆる「ガット事務局長に対し適用意思の通告を行なうことにより、」云々というように出ておりますが、こういう手続が済む前に自由化に踏み切るのかどうなのか、その辺のところを御説明願いたいと思います。
○愛知国務大臣 手続については事務当局からお答えするほうが適当かと思いますが、考え方としては自由化と、それから関税譲許との関係は別ものでございますから、ガットに対します通告等をいたしますのには、国会の御承認がなければできませんけれども、それと自由化を政府の責任においてやりますこととは別である、こういうたてまえで考えておる次第でございます。
○山崎政府委員 大臣の御答弁をちょっと補足させていただきますが、いま第二の御質問の点でございました、昭和三十六年にはこの種の事例で事後承認を求めた事例があるではないかという御趣旨だったと思います。御承知のとおり憲法第七十三条三号のところに書いてありますように、条約は事前に、または時宜により事後の承認を求めることになっております。もちろん政府といたしましては、条約の締結については原則として事前に国会の御承認をいただくことにいたしているわけでございますが、内閣の外交処理の責任を果たす上において、全くやむを得ない場合に限って、事後承認を求めるということにいたしておるわけでございます。それで、戦後若干の事例がございますが、いま御指摘がございました三十六年のガット譲許税率に関する文書に対しては、確かに事後承認をとった次第でございます。これはアメリカとの関税交渉及びドイツとの関税交渉の二つの文書でございましたが、ことにアメリカとの関税交渉に関しましては、いわゆる大豆の自由化という問題がその当時の大きな問題でございまして、当時いろいろな問題を含んだ対米交渉でございましたが、大豆の自由化を三十六年七月一日にやるということを政府としても内外に声明しておったわけでございます。通常国会にそれに関連する関税譲許の文書を提出した次第でございますが、遺憾ながら審議未了になったのでございます。したがいまして、政府としては対外的なコミットメントもあり、また七月二日から、財政上の理由からしても、関税引き上げの必要があったということがありましたので、事情やむを得ないと判断いたしまして、この文書を発効せしめますとともに、その年の秋の国会において事後承認を求めまして、国会の御了承を得た次第でございます。ドイツとの交渉に関連いたしましても、その対米交渉の譲許品目との関連で、やはり一体として扱う必要がございましたので、同じく事後承認を求めた次第でございます。
○西中委員 以上で私の質問を一応終わります。
○田中(六)委員長代理 曽祢益君。
○曽祢委員 まずチューインガムの輸入自由化とこれに伴う輸入税の増徴と、それからこれに関連いたしまして、代償としての他の数品目に対する輸入税の軽減の問題について、御質問をいたします。 原則としては、日本の自由化を既定の方針で進めることが適当だ、私はこういうふうに考えておりますので、長年の懸案であったチューインガムの自由化ということも、これはやむを得ない、原則としていいというふうに考えるわけでありますが、その場合に、まず第一に、自由化はけっこうであるけれども、いままでの論議にもいろいろ出ておりましたように、日本の当該産業に与える影響、打撃をなるべく少なくして、そうしてその影響が非常に大きな打撃でないようにしていくという考慮と政策は当然必要である。したがって、その場合に、第一の問題は、自由化によるダメージというものを極力押えて、当該産業を残していくということ、このために、今回やるところの輸入税の五%の増徴が必要かつ十分であるかどうか、この点なんです。つまり、五%上げることによって何とかダメージを食いとめてやっていけるのか、これがまずわれわれが関心を持つ第一の点だと思うのですが、その点については、これは推定の問題でありましょうし、業者側も規模の大小によってずいぶん違うとは思いますが、業者、業界側の主張は主張とし、日本当局としては五%の増徴で何とかやっていけるのだ、こういうふうにお考えなのか。そういう意味でそうやられているのでしょうけれども、まずその点についての確信ある答弁をいただきたいと思います。 〔田中(六)委員長代理退席、委員長着席〕
○森説明員 お答えいたします。 計算のしかたが非常にむずかしい問題がございます。しかし、確かに格差といたしましては、ガムベースの問題でありますとか、原料でございますとか、そういう問題が非常に大きい要素を占めておりますが、四〇%の価格差をとることによりまして、十分とはいえないにいたしましても、あとは企業努力に期待をするということで、五%の引き上げという線を算出いたした次第でございます。
○曽祢委員 五%の差というものは、実際はいままで非常に数量制限をしておられたわけですから、四〇%という徴税、それだけの荷物をつければ何とかやっていけるだろうという御推定のようですけれども、いままで少しずつはふやしておったようですけれども、金額及び数量としてかなり圧縮した輸入しかなかったと思うのです。これは、四〇%の税の負担ということで、輸入は大体どのくらい伸びるというふうにお考えであるのか、その場合に日本側の国内産業との消費市場におけるシェアの割合をどのくらいにお考えになっておるのか。これはむろん推定の範囲を越えないと思いますけれども、大体どういうふうに見通しをつけておられるのか、お示し願いたいと思います。
○森説明員 これも非常に推定がむずかしいわけでございまして、これは結局自由化することによりまして、主として米国が予想されるわけでありますが、米国の製品の市場開拓といいますか、いままで数量の制限がございましたから、これから新しく市場を外国が日本で開拓してくる、その向こうの努力と、それからこれを要撃いたします日本の企業とのまあ競争という、そういう条件をどう考えるかということになるわけでございますが、従来四十四年から四十五年にかけましてわりに制限といいますか、余裕のある割り当てをしてまいりましたそういう経過から見ますと、たとえば四十四年では対米の輸入額が二十七万ドルでございます。四十五年が約三十八万ドルになっておりますから、その伸び率程度の伸びはあるのではなかろうかというふうにも思いますが、いずれにいたしましても、先ほど申し上げました国内の企業の努力と海外からの売り込み、向こう側の攻勢ですか、そういうものとのかね合いの問題で、一応大胆にいいますとその伸び率程度は伸びるのではないかなという程度のことしか申し上げられません。
○曽祢委員 これは無理もないと思いますが、そうすると、これは数量的にいってどのくらいになるのですか。この二十七万ドル、それから三十九万ドルですね、一番新しい。それは数量として国内の市場、国産品のアウトプットの比率はどのくらいになっているのか。したがって、この伸び率は一年でどのくらいのシェアくらいは向こうが占めそうかという趨勢がわかると思うのです。お示しを願いたい。
○森説明員 四十四年の数字で申し上げますと、全体の輸入差し引きいたしまして国内の需要が約四万四千トンでございます。それに対しまして輸入が二百五トンということで、全体としては微々たるものになっておるわけでございます。
○曽祢委員 それが四十五年で幾らになっているか、大体パーセンテージで言ってもらいたい。
○若杉説明員 四十五年の輸入量は二百七十五トン、生産量はほぼ五万トン近いと見ております。あまり変わっていないと思います。
○曽祢委員 そうすると大体その程度しか上がらない。ほとんどダメージというものは問題にならないくらい少ないと見ておられるのですか、いまパーセンテージにしたら幾らになるのか知らないけれども。
○若杉説明員 もちろんこれは輸入の外貨割り当てをしておりますから、これがそのまま実際に自由化した場合に入ってくる数字だという即断はできません。ですから従来のテンポよりは多少伸びるだろうとわれわれも推測をしております。
○曽祢委員 推定の議論をしても始まりませんが、大体察知できることは一〇%以上も占めるというようなことはとうていいまのところないだろう。それには日本側の企業の努力もあろうし、また外国の上陸する企業側も、ただリグレーのトレードマークだけですぐ売ろうというわけにもいかぬだろうから、こまかいマーケティングに関するいろいろな措置もあるだろうから、当面急増はない。したがって国内産業に非常に大きなダメージがないというふうに考えておられるのではないかと思います。 大体まあそういうことで、一応必要なる自由化はやるが、この四〇%の税金ということで関税という障壁によって大なるダメージは受けないということに考えて、それはまあいいとして、そのためにガットの規定によって、こっちのほうの状況を少し内容を悪くする、つまり税金を上げるかわりに他の品目での税率の引き下げということをやる、こっちの新たな譲許とどういう点で見合っているかということを見るのはなかなかむずかしいとは思います。たとえば西中委員が指摘されたように、関税の額にする比較ということもむろんございましょうが、まあ大体においてそういうこともございましょうが、この関税の額だけでなくて国内産業等に対する、関税を引き下げることによってうんとこさ、どかどかっとそっちがまた入ってこられても困るというようなこと等から、あげられた三種類の代償としての品目、すなわち一つはスイート・アーモンド、第二が七面鳥の部分肉、第三がペット・フード、これに対する新たな関税の引き下げが、これまたそれぞれ国内産業に影響があるわけで、その点についてはどういうふうに見ておられるのか。スイート・アーモンドのこときものは、私の知識ではおそらく国産はないのだろうと思うのですけれども、七面鳥は少なくとも理論的には競争があり得ることでありましょうし、ペット・フードのごとき新しい商品はむろん日本側にもあるようですけれども、これらに対するいわゆる打撃ですね、これはどうなんでしょうか。
○小山田説明員 お答えいたします。 御承知のとおりガットでの譲許税率の修正に対しましてはそれ相応の代償を払わなければいけない。代償を払う場合の品目の選定、税率の決定その他は、具体的な基準というか、むしろ明確な基準というものはないのでございます。ただ、まずそれぞれの品目の過去三年間の輸入額、輸入実績を調べてみたり、あるいはもともと関税が非常に高いのではなかろうか、あるいは下げ幅が多いのではなかろうか、そういう点を検討してみたり、また対象品目に対する相手国の関心の度合い、それからその商品の将来の輸入伸び率、そういうのを勘案していろいろやります。わがほうがチューインガムの関税引き上げに対して譲許します三品目は、それぞれ国内産業に対する影響も十分勘案してこういう品目の選定及び下げ幅の決定をやった次第でございまして、まずスイート・アーモンドにつきましては、これは曽祢委員もおっしゃいましたように国内生産はございませんし、それから引き下げ率も一〇%を九%にする、わずか一%の引き下げでございますから、それほど大きな代償とは言えないと思います。それから七面鳥の断片肉につきましては、確かに国内にも七面鳥の飼育がございましてある程度それは影響はございますけれども、もともと七面鳥のまるのままの肉、この関税が一五%でございますからそれに合わせたという技術的な面もございます。ペット・フード、これは二〇%の関税を一五%に下げるのでかなり大きいようでございますけれども、もともとこのペット・フードというのは無税だったのでございます。それを二〇%の暫定税率に上げまして、自由化との関連でもってそうやったのでございますが、その後の日本国内におけるいわゆるペットの流行に従いまして、自由化はされたけれども国内生産も非常にふえまして、現状ではこの関税を五%程度下げても国内産業にはほとんど影響がないだろうと判断しております。
○曽祢委員 今度はすず協定についてお伺いしたいと思います。 これは第四次の協定でありまして、われわれとしてもすでにこういうものの協定は、第三次に対してもこれに賛成してパスしているわけですけれども、今度の協定でいままでと特別に違った新しい点というものはどういうものであるかということを、概要でけっこうですけれどもひとつお示し願いたいと思います。
○山崎政府委員 第四次協定も、実はていさいにおきましてはだいぶ変わっておりますが、実質においては大きな差異はないのでございます。しいて申し上げますと、条文の配列に関しましてはかなり変わっております。これは従来すず協定が非常に難解であるということでありましたので、長い条文をこまかく分けたり、その他だいぶ整理をしております。それにもかかわらずこのようにかなりむずかしい条文になっているわけでございますが、それが第一点でございます。 第二点としましては、参加国の区分というものの決定方法を改めております。参加国と申しますのは、この協定は生産国となるかあるいは消費国となるかということでございますが、日本はもちろん消費国として参加しておるわけでございますけれども、従来の第三次協定ではそのどちらになるかということは、当該の国が協定に参加する際の意思表示によって行なわれておったわけでございますが、第四次協定におきましては、この点をもう少し客観的な基準においてきめたいということで、原則としましては、その国のすず鉱石の生産またはすず地金の消費に基づいて、当該国の意思だけではなく理事会が宣言するということになっております。もちろんその際には、その国の同意を必要とするということはございます。 それから第三番目には、この協定はいわゆる緩衝在庫制度というものを持っておるのが大きな特色でございますが、それの緩衝在庫への供与方法、すずの地金または現金で供与するわけでございますが、それの供与方法が改められておるわけでございます。詳細は省略さしていただきます。 それから第四番目といたしましては、緩衝在庫の操作をする基準が変わっております。これはいわば市場への介入でございますので、できるだけ弾力的にしておかないとうまくワークしないのでありまして、その点をできるだけ弾力的にやるというふうに改められておる次第でございます。 以上でございまして、技術的な改正は多々ございますが、実質においては大きな差はないと御了承願いたいと思います。
○曽祢委員 わが国は国内需要のすずの九〇%を輸入に依存し、しかもアメリカに次ぐ世界第二の消費国である。しかもわれわれが買う先というものは、マレーシア、台湾、インドネシア等、われわれに近い東南アジアの開発途上の国であるというところから見まして、この輸入がスムーズに行なわれ、そして価格も安定していくということが非常に必要であるし、また日本が買ってやる国として安定させてやることが開発途上の産出国に対する非常に大きな外交だと思うのです。その点で趣旨としては賛成なんですが、世界第一の消費国であるアメリカが、戦略備蓄の関係か何か知りませんが、この協定に加わってないということからくる不便というような点についてはどういうふうに考えておられるか。現にそういうことが不便にならないのかどうか、この点をひとつ御説明願いたい。大臣からお願いいたします。
○小山田説明員 確かに国内生産が少なく、国内需要消費が非常に大きい世界最大の消費国であるアメリカがこの協定に参加しないのはいかがかということはございます。それでこれはまさにいま曽祢委員御指摘のとおり、現在のすず協定にはアメリカを縛るような、具体的にアメリカを縛るのではないのでございますけれども、価格の安定という見地から、すずを放出する場合にはこれは理事会の承認が要るという条項があるのでございます。それがあるためにアメリカは現在二十数万トンの備蓄がございますが、これを放出しようとするたびに理事会の承認を求めるというのはたいへんだという点からすず協定の加入をためらっておりますが、しかしそのために特に困るということはございませんし、事実上アメリカはすず協定にも入っていないけれども、自分の国のすずの放出をする場合には、随時、むしろ適宜すずの市況などを勘案するということを申しております。
○曽祢委員 重要な点ですから大臣からもお答えを願います。——もう一ぺん申しましょうか。この協定にアメリカが入ってないということから見て、確かにその点は遺憾に思いますけれども、それが差しつかえがないとお考えかどうかということを伺っているわけです。
○愛知国務大臣 率直に申しますと、アメリカも入っていることのほうが望ましいと私も考えますけれども、ただこれに加入しておりませんでも、いまお答えいたしましたように、むちゃな放出はしないということの、ただ単に二国間だけではなくて、多数国間の会議等におきましてもその趣旨を明確にしておりますから、しいて入っておらなくともまず実害はない。消極的ではありますけれども、こういうふうな見解を政府としてはとっているということは、ただいま御説明申し上げたとおりでございます。
○田中委員長 松本善明君。
○松本(善)委員 チューインガムの自由化に関して関税が問題になっているわけでありますが、自由化そのものについて少し外務大臣の御意見を伺っておきたいというふうに思います。 先ほど同僚委員の質問の中で、ことしの四月に六十品目、九月に四十品目という予定で進んでいるということでありますが、一昨年十月の自由化促進関係閣僚協議会では、残存輸入制限の百二十品目のうち、一九七一年末までに半減するという方針であったというふうに思います。これが非常に早められてきておるように思うわけですが、どういうわけでこういうふうに早められてきておるのか、その点について伺いたいと思います。
○愛知国務大臣 従来からしばしば政府の態度は明らかにしておりますように、日本としては、保護主義に世界経済の運営が戻るようなことが、日本自身の国益から申しましても適当でない。世界的な自由な障壁のない国際経済活動が最も望ましいことである、こういう基本的な考え方に立って、残存輸入制限についてもできるだけ早くこれを撤廃することに努力を続けてきたわけでありますが、その後国内のいろいろの経済情勢等から申しましても、当初考えましたよりももっと促進することが可能であるし、また望ましいことであるというふうに考えますので、これを当初の考えよりも促進をして、そしてこの九月までには残存四十以下にしたい、こういうことでいま着々進んでいることは御承知のとおりと思います。
○松本(善)委員 これは外務大臣とかなり見解が違うのではないかと思いますが、昨年度の政府の経済白書でさえも、わが国の低生産性部門の競争力は輸入品に対して非常に弱い、そういう特徴を残しているということを述べておりますし、「これからの輸入自由化促進はいままでにもまして産業構造上の種々の苦難が予想される」と従来の自由化よりももっときびしい事態が起こってくるということを警告をしておるわけであります。そういう中で外務大臣は自由化促進が国益に合致するというふうに言われますけれども、日本の経済のもとでは農業や中小企業に対する深刻な打撃というものがいま問題になっております。中小企業の倒産の状況一つとってみましても、非常にそれは明らかではないかと思います。負債額一千万円以上のものの統計で見ますと、いわゆる開放体制に入って自由化を推進した結果、一九六四年に、それまで一千七百件程度でありました倒産件数が四千二百件以上にもなりました。その後一九六五年には六千百八十七件、六六年には八千百九十二件、六八年には一万件以上にも増加をしておるわけであります。私どもはほんとうに日本経済の健全な発展を願うというのであれば、むしろ日本農業の保護育成、中小企業の健全な発達を求める、そのための金融、税制上その他の面での保護をすべきである。むしろこういうことこそいま必要であるというふうに思うわけであります。外務大臣は、政府としてはそういう中小企業や農業についての深刻な影響ということについてはどうお考えになっておりましょうか。この促進によってさらにこの中小企業や農業に対するきびしい事態というものは進むというふうに思うわけです。その点についての外務大臣の御見解を伺いたいと思います。
○愛知国務大臣 大局からいい、基本からいって、完全な自由化になるということが一番望ましいことであるということを基本的に考えているわけでありますけれども、同時に自由化をやっていきます過程においては、農業、中小企業というような抵抗性の薄い、薄弱なところに、どうしても衝撃が起こりがちでございますから、それを緩和しながら、先ほどもいろいろ御意見が出ましたように、そこの調節をはかりながらスピードを上げていくということが、本件の持つ特殊な性格であると考えているわけでございますが、ことに品目が少なくなればなるほどその対策はむずかしい。いわゆるハードコアがいま残っているわけでございますから、その国内的な対策についてはこの上とも十分配慮していかなければならない、こういうように考えております。 それから倒産等の問題でございますが、これは自由化ということが全部の原因ではないと私は思いますし、それはそれなりに、しかし、それをもあわせて十分な配慮と対策が必要である、かように存じます。
○松本(善)委員 経済白書によりますと自由化を促進しろということになっております。しかもその中で「これまでの日本経済は、他国の輸入が自国にどのような影響を及ぼすかを問題としてきたが、経済規模が拡大し、国務収支の余裕もました現在、より積極的に自国の経済と輸入の拡大が世界諸国に対してどういう影響を与えるかをより大きな問題とすべきであろう。」言うならば農業や中小企業に及ぼす影響をあまり気にするなということがいわれている。外務大臣の言われたことをいろいろ考えましても、これは基本的にいまの方針を貫徹をしていきますならば、日本の農業や中小企業はますます苦しくなっていくことはこれは目に見えているというふうに思います。そういう方向にいかざるを得ないと思うのですがその点そうはならぬということを外務大臣思われているかどうか、その点についていま一度伺いたいと思います。
○愛知国務大臣 自由化が大事であるから中小企業や農業がどうなってもいい、そういうふうな考え方というのはおよそ政治ではないと思いますので、そういう点を十分配慮していかなければならない。同時にしかし自由化を促進し、世界的に自由主義が充足されて、その中に日本が全体としての経済力が大きくなり、また外貨の蓄積なども多過ぎるくらい多くなってきている今日においては、国内的にもいろいろの積極施策がよりとりやすくなっている状況にだんだんなってきたのではないか、私は私見でございますが、さように思います。たとえば社会資本の充実でありますとか、あるいは中小企業や農業の基盤について、もっとしっかりした支柱をつくり上げるというようなことはやりやすくなるような状況がこの自由化の大きな進行過程の中においてでき上がりつつある。そういう点を考えてみますと、あまりに近視眼的な見方だけでは、長く大きな繁栄を維持継続することはできないのではないだろうか、かようにも考える次第でございます。
○松本(善)委員 先ほどグレープフルーツの話が出ましたが、これはいつごろ自由化をする考えでありますか。
○愛知国務大臣 これはなるべくすみやかに自由化をいたすべきであると考えております。
○松本(善)委員 この点については非常に農民の反対もありますし、聞くところでは与党内部でも反対が強いということであります。そういう農民の反対を押し切っても、やはり自由化をしていくということでありますか。
○愛知国務大臣 それですから先ほども申しましたように、いろいろの方法で農民の方々の理解と納得と、あるいはまたこれをさらによい方向に転ずるような政策の展開が必要である。それと相併行して実施を早くするということが最も望ましいことであると考えます。
○松本(善)委員 少なくともこの自由化については、中小企業や農業に従事している人たちが要求しているということは絶対にない。そういう反対が非常に強いということは、このやり方自身が間違っているのだというふうに思うわけですけれども、私は観点を変えまして外務大臣に伺いたいのは、一昨年の佐藤・ニクソン共同声明との関係であります。これは経済条項で、非常に強い調子で自由政策を表現をしております。繊維問題についてのアメリカの輸入制限に関しては、抽象的に「大統領は、より自由な貿易を促進するとの原則を米国が堅持すべきことを改めて明らかにした。」という程度のものであります。日本側の表現は「広い範囲の品目につき日本の残存輸入数量制限を千九百七十一年末までに廃止」をする。「残余の品目の自由化を促進するよう最大限の努力を行なう」「貿易自由化の実施を従来より一層促進するよう、一定の期間を置きつつその自由化計画の見直しを行なっていく」と具体的詳細に述べております。これは六〇年の池田・アイク共同声明、六一年の池田・ケネディ共同声明あるいは六五年の佐藤・ジョンソン共同声明、六七年の佐藤・ジョンソン共同声明など、それぞれいろいろ触れてはおりますが、それらと比べてみましても、非常に詳細、具体的であります。この時点で、私はやはり自由化問題は非常に大きく進んでいる、このいきさつについて外務大臣に御説明をいただきたいと思うのであります。なぜこういうことになってきたのかという理由であります。ただ従来から自由化を促進したいということだけでは説明のつかない問題であろうかと思いますが、その理由をお話しいただきたいと思います。
○愛知国務大臣 先ほど考え方が違うだろうからという前提をお置きになっての御意見ですから、私も多くを申しませんけれども、私は、日本の経済の成長率の高さを維持していくことが結局中小企業のためであり、農民のためであり、国民全体のためである、こういう確信のもとに自由化政策というものが日本のために最もよろしいものである、かように考えておるわけであります。そして数年来、たとえば日米間におきましても立場の相互の理解というものがより一そう必要になってくる、これは日本の経済力が強くなればなるほどそうした意見の調節が常に必要になってくることは当然だろうと私は考えるわけでございます。そして、日米間でも、日本側から申しまして、先方が保護主義的な傾向になることがやはり一番好ましくないことである。同時に、そのことは日本がいろいろの困難さを克服して、まずみずからが自由化に対する自信をもって進むことである、これが私は現内閣の国際経済に対する基本的なかまえだと思います。したがって、そういうことが具体的に、おりあるごとに明確にされるということは当然であって、これは累次の日米会談のときに出る声明その他に明らかになって何のふしぎもないこと、当然のことである。同時にそうであるにかかわらず、繊維問題等にも意見の対立があらわれてくる。これはますますこちらがどんどん徹底した自由化で戦っていかなければならない、かように存じております。 きょうは残存輸入制限の問題だけが議題になっておるわけでありますけれども、私は資本の自由化にしても、また対外経済の援助のアンタイイングの問題にしても、特恵の問題にしてもいろいろの面から、日本の国内でそれ相応に対処していかなければ、世界の大道に合致するような道を歩いていくのにはある程度のフリクションが起こるのはやむを得ない。そのフリクションを国内的にいろいろ調節しながら、そういったような大方針を貫いていくというのが日本の国益に沿うゆえんである、かように考えるわけでありまして、そういう点の考え方については、あるいは基本的に松本さんと意見の相違があるかもわかりませんが、私はかように考えておる次第であります。
○松本(善)委員 はからずも繊維問題に触れられましたけれども、通産省のお調べによりますと、現在の政府間協定や業界の取りきめで輸出の、いわゆる強制された自主規制をしておる商品は延べ百五十四品目にのぼっておる。国別では、アメリカ合衆国が七十品目と半数近くを占めております。日米繊維交渉によりましてこうした強制された自主規制の品目というものは一そうふえていくんじゃないか、最近の状態を見るとそういうふうに思われますけれども、この点について外務大臣のお見通しをお聞かせいただきたいと思います。
○愛知国務大臣 これは一つは、力の強弱ということにも関係が非常に出てくるのではないかと思いますが、いつもアメリカが強くて、アメリカが強引で、こちらが引きずられているという時代は、私はもう去りつつあると考えます。もしそういうことを前提にお考えだとすると、基本的な認識が私は違うのではないかと思いますが、こういう状態の中では、私は法令等による規制というようなことは絶対に避けていかなければならないと思います。話し合いの中で自由な濶達な商取引が、話し合いの中でお互いの自制ということが出てくるのならば、これはたいへんけっこうなことであって、それによって法制的な規制というような、いわば保護主義というようなものが制度の上に確立されるというようなことは絶対に私は避けていかなければならないと思います。同時に、話し合いの自主的な規制というようなことは、力の関係がその基本においては作用するわけですから、こちらがきわめて脆弱な立場なら、昔お考えになったように、こちらが引きずられてばかりいくでしょうけれども、現在の立場においてはさようなことはない、もっと自信をもって対処してしかるべきではないか。ですから、たとえば話し合いができて、お互いにこれでいこうということで、かりに品目が幾らふえたって、ただそれだけでどうこうというのには当たらない、私はかように考えます。
○松本(善)委員 しかし法令による規制でなくても、事実上自主規制というものが繊維問題でもやはりやられる、片一方では自由化がどんどん促進をされる、こういう事態については、別にさして問題とすべきでないというのが外務大臣のお考えでございますか。
○愛知国務大臣 いわば弱肉強食がまかり通るというような時代においては、何か法制的その他の双方防壁も必要でございましょうけれども、基本的な考え方が同じで、そして力関係も十分対等あるいはそれ以上という場合におきまして、それぞれの業界を守り、あるいはこれには組合の考え方も入り、そしてそれぞれの立場で相手方と十分自主的な話し合いができることは、私はたいへんけっこうなことじゃないかと考えます。
○松本(善)委員 その規制が中小企業や農業に来ておるというところを問題にしておるわけでございます。 もう一つ、外務大臣の基本的な認識を伺っておきたいと思いますのは、やはり佐藤・ニクソン共同声明で、「貿易及び国際収支の大幅な不均衡の現状に照らしても、国際貿易及び国際通貨の制度の維持と強化についてそれぞれ重要な責任を負っていることを」総理大臣と大統領が認めたというところがあります。アメリカの国際収支の悪化、ドルの弱体化という問題は、アメリカのベトナム侵略戦争にその原因があるということは非常に明らかであります。日本国民はアメリカのドルを守る責任も義務もありません。このアメリカの国際収支を改善をさせるために、農民や中小企業の反対を押し切って自由化を進めているというのが実態ではないか。このドル防衛、日本としてそういうベトナム戦争に基因するようなドル防衛に協力をしていく、そのための犠牲を日本の国民が負っていくということは、私にとってはがまんのならないことであります。その点についての外務大臣の御意見を伺いたいと思います。
○愛知国務大臣 だいぶ広い範囲にわたっての御意見ですから、簡単にお答えすることはむずかしいと思いますけれども、現在、御承知のように、国際的に通貨問題はたいへん重要な問題であると思います。同時に、現在日本としても、申すまでもありませんが、ずいぶん多くのドルを持っているわけでございますが、その立場からいっても、ドルの将来ということについては重大な関心を持たざるを得ない。同時に、こういう問題が起こりますといつも話題になりがちですが、円の切り上げというようなことがいわれますけれども、これは絶対に私は日本の国益として不得策である、そういうことが論議される前に日本としてはまだまだやるべきことがたくさんあると私は思いますし、それが国益に沿うゆえんであると思います。 先ほどもちょっと触れましたが、私は国内的には非常にやりやすい状態になってきたのではないかと思います。つまり、それだけ国内的にも国力がふえてきた。したがって社会資本の充実というようなことをはじめといたしまして、日本の国民生活の基礎がより一そう堅固になるような十分の積極策を講じ得るような体制がだんだん出てきたんだ、私はかように考えます。また、長い目で将来を考えまして、日本と相ともに発展が将来期し得られるような開発途上国等に対するお手伝いということも十分にできるようにだんだんなってまいりました。こういう環境を賢明に活用していくということを考えます場合に、私はいまの状況において前々からいわれておりますように、農民とか中小企業とかいう方々に対する対策も非常に手厚くやりやすくなってきた。この環境の中で従来できなかったことをやるべきであると考えるのでありまして、何か問題が起こるたびに、自由化をやったから中小企業が犠牲になる、農民が犠牲になる、そういうふうなお考え方というものはあまりにも膠着した公式論的なお考えではないだろうか、私はかようにあえて感ずる次第でございます。
○松本(善)委員 もしそういう膠着した考えだということで済むような問題であれば、私は、こんなに強い反対問題は起こってこないだろうというふうに思うのです。その点についてはさらに突っ込んでは申しませんけれども、この根本の原因がアメリカとの貿易に非常に依存をしているというところに問題があるのではないか。中小企業や農業の反対を押し切ってこういうことをやっていかなければならぬという根本はそこにあるのじゃないか。私どもはそういう方向を基本的にはこの七〇年代に日本は考えなければならないのではないかと思うわけであります。社会主義国との貿易の拡大でありますとか、自主的で平等な貿易をどこともやっていくという方向でいきますならば、こういうような中小企業や農民を押しつぶすようなやり方を強行していく必要はないのじゃないか。そういう意味で、日本のほんとうの民族的な利益を守った貿易を進めるという方向でやるべきではないかと思うのですが、この点についての外務大臣の見解を伺って終わりにしたいと思います。
○愛知国務大臣 おっしゃることは一応ごもっともなように聞こえるかもしれませんけれども、具体的にそれならばどういうふうな場合を想定なすっているのでしょうか。たとえば社会主義国、たとえば東欧の諸国ともずいぶん貿易などは最近は伸展してまいりましたが、より一そうそういうところとの間のたとえば貿易などを大いにやろうとすれば、向こうからもっと物を買ってあげなければなりませんね。向こうから買ってくる物というものはもし不自然にこれをふやそうとすれば、それこそ日本の農民に今度は直接ぶつかり合うようなものも相当多いわけですね。こういうことを具体的に考えてまいりますと、一応もっともらしいようなことが現実の政策としてはなかなか実りが少ないと私は考えます。これは社会主義国でなくとも、たとえばアジアの開発途上国との間でも御同様でありますし、あるいは南米、アフリカ等との間の関係においても御同様でございます。たとえば特恵を大いに伸ばそうとすれば、これはやはり見方によれば日本の農村や中小企業に直接ずばりと当たる問題です。しかし態勢からいってそういうこともやっていかなければならない。これは農民や中小企業を守りながら——これはただ単なるアメリカだけとの問題ではございませんですよ。いまの日本は全く文字どおりグローバルに日本の経済活動をどこともやっているわけですから、そういう点は政府におきましても、もちろん御批評はいろいろございましょうが、政府としてもあらゆる場合を想定し、あらゆるデータの上に立ち、また相手国との間のいろいろの折衝等を通じて十分間違いのないように配慮をいたしておるつもりでございます。
○松本(善)委員 だいぶ意見は違うのですけれども、たとえば中国との関係を見ましても、日本の貿易が社会主義国との関係で自由に発展できるような状態になっているとはとうてい思えません。まだまだいろいろな制限があります。そういう点が解決をされればこれはアメリカに対して一方的に譲歩をするというようなこともどんどんなくなっていくわけで、私どもはそういう点であらためて日本外交のあり方ということを考えなければならないということを申し上げて、私は質問を終わりたいと思います。
○田中委員長 これにて第四次国際すず協定の締結について承認を求めるの件に対する質疑は終了いたしました。 —————————————
○田中委員長 別に討論の申し出もありませんので、直ちに採決いたします。 第四次国際すず協定の締結について承認を求めるの件について採決いたします。本件を承認すべきものと決するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○田中委員長 御異議なしと認めます。よって、本件は承認すべきものと決しました。 おはかりいたします。ただいま議決いたしました本件に対する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○田中委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 ————————————— 〔報告書は附録に掲載〕 —————————————
○田中委員長 本日はこの程度にとどめ、次回は来たる十二日午前十時より理事会、午前十時十五分より委員会を開会することとし、これにて散会いたします。 午後三時十八分散会