外務委員会 第5号
- 発言数
- 57 件
- 登壇者
- 6 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1971/03/02
会議録
○田中委員長 これより会議を開きます。 コンテナーに関する通関条約の締結について承認を求めるの件、国際道路運送手帳による担保の下で行なう貨物の国際運送に関する通関条約(TIR条約)の締結について承認を求めるの件及び航空機の不法な奪取の防止に関する条約の締結について承認を求めるの件、以上三件を議題として、順次政府から提案理由の説明を聴取いたします。外務大臣、愛知揆一君。
○愛知国務大臣 ただいま議題となりましたコンテナーに関する通関条約の締結について承認を求めるの件につきまして、提案理由を御説明いたします。 この条約は、欧州において貨物の国際運送のための輸送機器としてのコンテナの使用が活発化するに伴いコンテナに対する免税一時輸入等を認める必要が生じてきたことに対処するため、一九五六年五月十八日、欧州経済委員会において採択されたものでありまして、本年二月一日現在のこの条約の締約国は三十五カ国であります。 この条約は、コンテナによる貨物の国際運送を円滑化することを目的とするものでありまして、そのおもな内容は、コンテナに対しその再輸出を条件として免税一時輸入を認めること、及び所定の技術上の条件を満たすものとしてこの条約上の承認を得たコンテナを保税運送のために受け入れることであります。 わが国におきましては、貨物の国際運送におけるコンテナの使用が本格化しつつあり、本年中には欧州向けのコンテナ船の就航が予定されておりますことにかんがみ、わが国がこの条約に加入し、この条約の規定する便益を享受しますことは、コンテナによるわが国の貨物の国際運送の円滑化、ひいてはわが国の貿易拡大に大いに貢献するものと考えられます。また、わが国のこの条約への加入により、国産のコンテナはこの条約上の承認をわが国において得ることができることとなり、国産のコンテナの輸出が容易となりますので、わが国がこの条約に加入しますことは、国産のコンテナの輸出拡大の見地からもきわめて望ましいと考えられます。 次に、国際道路運送手帳による担保の下で行なう貨物の国際運送に関する通関条約(TIR条約)の締結について承認を求めるの件につきまして、提案理由を御説明いたします。 この条約は、欧州において数カ国を経由して行なわれる貨物の国際運送が活発化するに伴い経由国での貨物の通関手続を簡易化する必要が生じてきたことに対処するため、一九五九年一月十五日、欧州経済委員会において採択されたものでありまして、本年二月一日現在のこの条約の締約国は二十七カ国であります。 この条約は、道路走行車両またはコンテナによる貨物の国際運送を円滑化することを目的とするものでありまして、そのおもな内容は、国際道路運送手帳による担保のもとで道路走行車両またはコンテナにより運送される貨物につき、所定の条件が満たされる場合に、経由国において輸出入税の納付、税関検査等の免除を認めることであります。 わが国におきましては、コンテナによる貨物の国際運送が本格化しつつあり、本年中には欧州向けのコンテナ船の就航が予定されておりますことにかんがみ、わが国がこの条約に加入し、この条約の規定する便益を享受しますことは、コンテナによるわが国の貨物の国際運送の円滑化、ひいてはわが国の貿易拡大に大いに貢献するものと考えられます。 最後に、航空機の不法な奪取の防止に関する条約の締結について承認を求めるの件につきまして、提案理由を御説明いたします。 この条約は、近年における航空機乗っ取り事件いわゆるハイジャック事件の続発にかんがみ、国際民間航空機関(ICAO)の主催のもとに一九七〇年十二月一日から十六日までへーグで開催された航空法に関する国際会議において作成されたものであります。その内容は、航空機の不法な奪取等を犯罪と定め、その犯罪行為につき重い刑罰を科し得るようにすることを締約国間で約束し、航空機の登録国、着陸国及び運航国並びに犯人の所在国による裁判権の設定義務について規定するとともに、各締約国は、犯人を犯罪人引渡条約もしくは国内法に基づき一定条件のもとに引き渡すか、または引き渡しを行なわない場合には訴追のため自国の権限のある当局に事件を付託すること等について規定するものであります。 なお、この条約は、その趣旨にかんがみ、分裂国家をも含むすべての国が加入できるようにいわゆるオールステーツ方式をとっております。 この条約を締結することは、航空機の不法な奪取等を抑止し、民間航空の安全を確保する見地から有意義と認められますとともに、これらの面における国際協力を増進する見地からもきわめて望ましいと考えられます。 以上三件につきまして、御承認を求める次第であります。何とぞ、御審議の上すみやかに御承認あらんことを希望いたします。
○田中委員長 これにて以上三件の提案理由の説明は終わりました。 各件に対する質疑は後日に譲ることといたします。 ————◇—————
○田中委員長 引き続き、千九百五十四年の油による海水の汚濁の防止のための国際条約の改正の受諾について承認を求めるの件、油による汚染を伴う事故の場合における公海上の措置に関する国際条約の締結について承認を求めるの件及び国際原子力機関憲章第六条の改正の受諾について承認を求めるの件、以上三件を一括議題として審査を進めます。 質疑の申し出がありますので、これを許します。戸叶里子君。
○戸叶委員 皆さんのお望みでもあるようですから、なるべく簡単に二、三問だけいたします。 大臣への質問に入ります前に、この前の続きですから、山崎参事官にはっきりさしていただきたいことは、原子力機関憲章第六条の改正の中で、理事国に関しまして地域の指定があったわけですね。私は、条約としては地域の指定というようなのはたいへん珍しいから、ほかにそういうような条約があったら指摘してもらいたいと申し上げたのですが、お調べになった結果をやはり記録にとどめておきたいと思いますから、この際御答弁願いたいと思います。
○山崎政府委員 その後、各専門機関の憲章その他について全部当たってみました結果、このようにはっきりと各地域を掲げておるものはほかには見当たらなかった次第でございます。
○戸叶委員 別に地域の指定ということで私質問するつもりはないのですけれども、この前も指摘いたしましたように、極東ということばがあって、しかもその極東というのは安保条約のときにいう極東と違うというような説明があったものですから、やはり地域の指定というのはなかなかむずかしいのではないかしらというふうに考えたもので質問したわけですが、別に特別の理由があってこの条約が地域指定をしたというわけじゃないのでしょうか、この辺だけをまずお伺いしておきたいと思います。
○山崎政府委員 この国連憲章は、理事会の構成が普通の場合とは少し違っておりまして、この前も御説明申し上げましたように、まず最初に技術が最も進んだ国、最先進国というカテゴリーがあるわけであります。それに続いて地域の先進国というカテゴリーがあるわけでございます。それからさらに総会の選出する一般の理事国というカテゴリーがあるわけでございまして、そういう関係から地域先進国という概念がある関係上、このようにはっきりした地域が八つに分けて指定されておるのだと了解いたします。
○戸叶委員 この問題はこの程度にいたします。 そこで、大臣にお伺いいたしたいことは、この油による汚染を伴う事故の場合における公海上の措置に関する国際条約を審議をいたしましたけれども、十三条に「いずれかの地域の施政権者としての国際連合又はいずれかの地域の国際関係について責任を有する締約国は、その地域についてこの条約を適用するため、できる限りすみやかにその地域の関係当局と協議し」云々ということがあるわけです。私どもが考えまして、まず第一に頭に浮かんでくるのはアメリカと沖繩の関係だと思うのです。施政権者としてのアメリカが日本に対して、もしもあの地域への事故があった場合にはこうこうこういうふうにするということに関係があることですし、いまも沖繩にはタンカーやその他の船舶が入っておりますから、これからも油による汚濁ということもあるだろうと私どもは考えるわけです。 そこで、この前事務当局にぜひアメリカに対してこういう問題を起こさないように、施政権者として当然外交保護権として適用を日本としては求めるべきである、こういうことを申しましたところが、外務省のほうからの答弁として返ってきたことは、来年は日本に沖繩が返ってまいります、条約が発効するのも来年と思いますから、そういう必要はないと思いますというお返事でございました。しかし、そういうことはアメリカと話し合っておいてしかるべきではないか。もしもそれを使う必要がなければそれでもいいのであって、この問題は当然アメリカと話し合っておいたほうが、万一のことを考えて、返る前に事故でも起きたきには困るのじゃないかと思いますので、こういう点について大臣の御所見を承りたいと思います。
○愛知国務大臣 この条約自体御承知のようにまだアメリカも入っておりませんし、日本がこれから入るわけでございますから、その効力の発生する時期などを考えますと、この前事務当局からお答えしたのにも一応の理屈はあると思います。しかし戸叶委員の御心配もごもっともだと思いますから、さっそく日本政府がこういう態度でただいま国会で御審議をいただいておるということについては、アメリカ側にもインフォームいたしたいと思います。
○戸叶委員 いまの大臣の御答弁でございましたから、私もそういうふうにしていただいたほうが安全だと思いますからそうしていただきたい。これをまず要望いたしたいと思います。 それから、いまたいへん公害の問題がいろいろ言われておりますが、油による公害等をもなくすという意味からの条約の審議でございますけれども、たとえば汚染した場合の事故はどうするかというように、広い意味では公害にも通ずると思います。そこで一九七二年の六月には国際公害会議というのが開かれると聞いておりますけれども、こういうところで政府が国際公害法を制定するような提案でもしていったらいいのじゃないかと思いますけれども、こういうことに対しての政府のお考えはどうでございましょうか。そんなものは必要ないのだというようなお考えか、それとも、こういうものはこの際政府も積極的に提案したほうがいいというお考えか、この点をお伺いしたいと思います。
○愛知国務大臣 この点は今国会の冒頭の外交演説のときにも触れた点でございまして、政府としては、国際的な公害対策に対しても積極的な意欲を示しておる次第でございますから、ただいまのような場合には、政府としてはできるだけ積極的な提案をしたいあるいは話し合いを求めたりいたしたいと思っております。 なお、この前もちょっと触れましたけれども、日米間の閣僚レベルの公害会議は六月の上旬にワシントンでこれを行なうことに決定いたしましたので、あわせて御報告申し上げます。
○戸叶委員 それではもう一問伺いたいのですが、いま原子力機関憲章の改正に伴いまして、核兵器の使用ということに対する根本的な考え方を伺っておきたいと思うのですが、核兵器の使用ということに対してどういう態度でお臨みになるのか。もちろんこれは反対であるというお答えでしょうけれども、そういう場合に政府としては道義的な非難としてのみ扱われるのか、それとも人類の犯罪であるというふうな形で扱われるのか、この辺のところをまずお伺いしたいと思います。
○愛知国務大臣 ちょうどジュネーブの軍縮委員会の今年度の会議も開かれつつあるわけでございます。それで政府としては、この核の問題につきましては、前々からいわば日本としては、俗なことばで恐縮なんですが、一つの得意な面ですけれども、それは地下の核実験の停止でございますね。これについて技術的、科学的に積極的な提案をして、ぜひ地下の実験を停止させたいということが一つ。これは前々からずいぶんいろいろとステップを踏んできているつもりでございます。それからもう一つの点は、核分裂物質の兵器用のものの生産の停止、これをぜひひとつ軍縮委員会で積極的に提案したい。この二つが今回の軍縮委員会でわれわれとして一番力を入れていきたいと思う点でございます。 そうして当然のことでございますけれども、一方において米ソ間のSALT交渉の進展に対する期待を——これは政治的な問題ですけれども、大いに日本といたしましても、これの何とか話し合いが具体化することについて、積極的な態度を示していきたい。 それから、これも当然のことでございますけれども、核兵器保有国に対する安全保障の問題等につきましても、従来からの日本としての意見、希望というものをあらゆる機会に表明してまいりたい、こういうふうに考えております。 それから軍縮委員会ではBC兵器の問題ももちろん取り上げてまいるつもりでございます。
○戸叶委員 そうしますと、いまの軍縮委員会等での態度を見ましても、核兵器が先に使用されるということは国際法違反であるという確固たる信念で臨まれる。つまり人類への犯罪であるというくらいな気持ちで臨まれる、こういうふうに了解してよろしゅうございますね。
○愛知国務大臣 条約的にもちろんですけれども、心情的にやはり日本が唯一の核の被害国であった経験からして、そうして全国民の悲願である核兵器の絶滅ということ。これは裏からいえば人類に対する犯罪だというふうな感覚で取り上げられることかと思いますけれども、やはりそういう気持ちを一番基本にしてやってまいりたい、こう思います。
○戸叶委員 私がその点を念を押します理由は、最近アメリカがインドシナ半島で核を使うのじゃないかということがたいへん懸念されております。ジャーナリズムなどにもそういうことがいわれておる中で、もしそうなるといたしますと、安保条約のもとにある日本にも、安保条約のもとにある日本には波及するところが非常に多いわけです。そうしてこの核のかさの下にある日本、しかもそれが抑止力になって安全だという、そういう考え方は、一方がもしそれを使用するならば、これは全くくつがえされることであって、やはり安保条約というもののあることによっていろいろな問題があるわけで、そういうことからいろいろ勘案いたしますと、いまの、外務大臣がお考えになるのは、絶対にアメリカはインドシナ戦争には使わないだろう、こういう確信をお持ちになっているか、それともまた、そういうふうな話し合いもしていらっしゃるか、この辺のことを念のために伺っておきたいと思います。
○愛知国務大臣 これは、最終的には日本自身の問題でございませんから、私が保証いたしましてもなんでございますけれども、私としては、従来のいろいろ経験と申しましょうか、それを通しまして、私は、まさかアメリカがインドシナで核をまずみずから兵器として使用するということは考えられないというふうに私は思っております。まあ確信と言われれば確信と申し上げてもいいかと思いますが、私の判断としてはさように考えます。
○戸叶委員 日本のすることでなくてアメリカのすることですから、日本の外務大臣に、確信がありますかと言っても、なかなか人のことはわかりませんとおっしゃるのが当然と思いますけれども、非常に重要なことですから、やはり私どもは、外務大臣が、そういうことはあり得ないと思いますというような不安のある状態に置かれるならば、むしろ日米安保条約の四条によってこの問題を取り上げて協議をすべきじゃないか、その対象になるべきではないかということを私は考えるわけでございますが、この点についてはいかがでございましょうか。
○愛知国務大臣 御承知のように、政府といたしましては、インドシナの戦争状態についてはかねがね重大な関心を持って、最近は、二月の十九日でしたかに公式に発表いたしましたように、関係各国に対してのアピールもラオスについてやっているくらいでございます。そのことは、アメリカ政府にはもちろん日本政府として申し入れてあるわけでございます。とにかく外国軍隊の即時撤退ということを真正面に政府としては押し出して、その一日もすみやかな実現をはかっているくらいですから、いわんや核兵器をこの上に使うなどということを、日本国民としては絶対に欲せざるところであるということは、私はもう十分に、これはアメリカのみならず各国にも、日本の態度、立場あるいは願望というものは十二分に伝わっているはずだ、こういうふうに考えるわけでございます。
○戸叶委員 やはり、そういうお気持ちはわかりますけれども、ちょうど安保条約の四条という機関があるのですから、それを利用して、はっきりその点もお話し合いになっておいたほうがいいのじゃないかと思いますが、この点についてはいかがでございますか。
○愛知国務大臣 私も、戸叶委員のお気持ちはよくわかります。アメリカとの間の関係につきましては、政府としてもなおこの上とも日本側の気持ちというものについて十分ひとつ話し合うようにいたしたいと思っております。
○戸叶委員 大臣には、あとまだ二、三問ありますけれども、この程度で質問を打ち切ります。ただ、一点、事務当局でけっこうですから、この間聞き残したことを答弁していただきたいのは、IAEAにわが国からの職員が派遣されているかどうかということと、それから、派遣されているとすると何人くらいかということ、それから、この日本人職員が外国に原子力の査察に査察員として参加した実績があるかどうか、そしてそれはどういう国へ行ったことがあるか、これはあとのいろいろな問題の資料になりますので、一応説明をしておいていただきたい。これを要望いたします。
○愛知国務大臣 これは、日本の専門家がすでに派遣といいますか、参加しておりますし、査察にも参加しておるはずですが、政府委員からこまかくお答えいたさせます。
○西堀政府委員 ただいま国際原子力機関には、日本人の職員として五名が行っております。そのうち一番位の高いと申しますか、高級な職員といたしましては法律部長が一名行っております。それから査察員では一名の日本人が行っております。他の三名は普通の事務職員でございます。それから、一名日本の査察員がおりますけれども、これがどこの国へ参りましたかは、私、ちょっと調べてから御返答申し上げたいと存じます。
○戸叶委員 いつ調べられますか。
○西堀政府委員 即刻調べまして御返答申し上げたいと思います。
○戸叶委員 その答弁を待ちまして、そして私の質問を終わりたいと思います。
○西堀政府委員 戸叶先生の先ほどの、日本人の査察員一名がどの国に行っているかという御質問、これはユーラトムを除きますヨーロッパ諸国、ということはスカンジナビア諸国及びスペイン、それで、それぞれの国に年じゅう行なっておりますので、したがってそれらの諸国に対していつどこへ行ったということはわかりませんけれども、いま申上げましたスカンジナビア諸国とスぺインには常時その一名が派遣されております。
○戸叶委員 この人は、非常に専門家だと思うのですけれども、今後やはりユーラトム等にも行く可能性はありますか。それからまた、もっとそういう専門員というものが日本から派遣されるような可能性はありますか。
○西堀政府委員 この方がユーラトムのほうの受け持ち区域になりますかどうかは、これはIAEAの決定でございますので、ちょっとここではしかと申し上げかねますけれども、実は、この査察を受ける施設がどんどんと、それこそ日ごとに増加いたしておりますので、実はこの査察員もまた増員を、予算でIAEAはいま要求いたしております。したがいまして、日本からもさらにまたこの査察員を派遣したいとわれわれとしては考えております。
○戸叶委員 その査察員は、大体どのくらいを予定されておられますか。
○西堀政府委員 七一年度の予算要求で見ますと、現在のところ四十九名でございますけれども、いまわれわれの承知いたしておりますのは、これをまず一倍半にいたしたいということをIAEAの事務局のほうでは申しております。
○戸叶委員 これはあとの参考にいたしますから、きょうはこれでけっこうです。
○田中委員長 松本善明君。
○松本(善)委員 外務大臣に案件についての御答弁をいただく前提として、一つ伺っておきたいことがございます。 それは、二月二十七日のある新聞で、外務大臣が国会で愚問愚答をしておるという趣旨のことを言われたということであります。これは聞き流すにはやはりかなり大事な問題だというふうに私は思うわけです。国会での大臣の答弁というのは憲法でも規定をされているようなことであり、そして今国会では小林前法務大臣の放言問題もございましたし、やはり私は、大臣の国会答弁というのは大臣の仕事の中で最も大事なものの一つではないかというふうに思うわけであります。この事実があったかどうか、それから国会での審議について外務大臣はどういう態度でおられるかということについて、最初に伺いたいと思います。
○愛知国務大臣 先般予算委員会でもちょっとその点に触れて私から釈明といいますかおわびを申し上げたこと、御承知のとおりだと思いますけれども、私は実はこういう気持ちだったのです。 答弁というものは、いま松本さんのおっしゃるように非常に大事なことで、できるだけ的確にやらなければいけない。ところが省みて愚答になっているのでほんとうに申しわけない。一つには、たとえば条約案件その他交渉中のことを正確に、できるだけ的確にお伝えするということはことに苦心の要るところであって、省みてまことに愚答でありますことを反省をしておる、こういう意味を言ったのですけれども、それに愚問ということがつきましたことは、まことにどうも申しわけなく思っております。ですから私の現在の気持ちとしては、そのことばの至らざりしことをまことにたいへん申しわけのないことと思って、おわびを申し上げますし、それから今後におきましてはその私の真意が、答弁というものはできるだけ的確に、そして理解をしていただけるようにしなければいかぬ。よく私は、特に松本さんにもいつもおしかりいただいているのですが、おまえは何を言っているかわからぬというようなことをよく言われるのですが、そうでなくて、言っていることがわかるように、この上ともつとめたいと思いますから、よろしくお願いいたしたいと思います。
○松本(善)委員 それではお聞きをしたいと思いますが、この海洋汚染の防止ということは国際的には非常に重大な問題になってきておると思うのでありますが、油だけの問題ではなくて、政府はどういう方針でこの海洋汚染の防止ということについて国際的に活動しておるか、その現状をお話しいただきたいと思います。
○愛知国務大臣 これはまことにごもっともだと思うのです。このたびのこの条約は、海洋汚染の原因になっている油ということに重点が置かれていますけれども、たとえばその他の化学物資であるとか放射性の廃棄物であるとかいうような、海洋汚染の問題ということが考えられると思います。これらは国連でも、来年人間環境国際会議、それから再来年は海洋法の会議が予定されておりますが、それらの会議でこうした問題も取り上げられるだろうと思っておりますが、そういう機会に日本といたしましても積極的な国際協力を大いに心がけてまいりたい、こういうふうに考えております。
○松本(善)委員 現在海洋汚染の防止という観点から国際的に規制の対象になっているものはどういうものがありますか、御説明いただきたいと思います。
○愛知国務大臣 これは私の承知している限りでは、現在国際的な規制としての対象となっているものはないのじゃないかと思います。したがって、ただいま申しましたように国連系統のそういった会議、それからFAO、それからユネスコなどでも、油以外の化学物質等について、国際的に海水汚染防止を取り上げようとしておるように私は承知しておりますが、現在は規制がないと思います。
○松本(善)委員 国連の海底平和利用委員会というのにわが国もメンバーになっていると思います。この海底平和利用委員会は、四十五年の八月にアメリカ政府が行なった神経性ガス兵器の大西洋海底への投棄問題を取り上げて、その結果八月の二十日に海洋環境に重大な危害を及ぼすおそれのある毒性物質、放射性物質及びその他の有害物質を海底に廃棄しないよう広く各国政府に要請すべき時期が来たと考えるという趣旨の声明を採択をしております。これについて、この毒ガスや放射性物質の廃棄という問題は海洋汚染の中では最も重大な問題ではないかというふうに思うわけであります。この点については、政府はこの海底平和利用委員会の問題も含めまして、どういう方針でおられるか、伺いたいと思います。
○愛知国務大臣 この点は、いまおあげになりましたのは海底平和利用委員会と特定しておあげになりましたし、私は先ほど、この種の問題が現に取り上げられそうな委員会とか会議のことを言ったのでございますけれども、同じことだと思います。海底平和利用委員会でも日本は参加しておりますし、ひとつ積極的に活動すべきものである、こういうふうに考えております。
○松本(善)委員 いま、毒ガスの廃棄ということになりますとアメリカがすぐ問題になるわけでありますが、この点についてはアメリカ政府に対して何らかの働きかけをされたことがございますか。
○愛知国務大臣 この海底委員会で、まだ特にBC兵器問題で日本として他国に具体的に話しかけたことはなかったかと思いますが……。
○松本(善)委員 今後この海洋汚染の防止について、先ほども申しましたように毒ガスと放射性物質は非岸に大事だ、この点については御異論なかろうかと思いますけれども、この点についての今後の活動を、アメリカ政府に対するも含めまして、どういう考え方でおやりになるかということを伺いたいと思います。
○愛知国務大臣 いまBCガスの問題に特にお触れになったわけですけれども、さっき私申しましたように、広い意味で化学物質の廃棄物とかあるいは放射性物質であるとか、いろいろ考えられると思いますが、それらの海洋汚染の原因になるようなものについて国際的に十分学術的、技術的に検討をし、そしてコンセンサスができ、それが法規として規制されて効果があがるようにする、そこまで持っていくことについて、日本としてはアメリカに限らず各国に働きかけて成果をあげるように尽くすべきものであると考えます。これはなかなかむずかしい問題で、一朝一夕できちっとしたものがなかなかできかねるかとは思いますけれども、やはり誠意と知識を尽くして努力をいたすべきものであると考えます。
○松本(善)委員 毒ガスと放射性物質の規制の問題についてはその見通し、現状においては国際的にどういう状況で、その規制の実現の見通しについては外務大臣、どういうふうにお考えになっているか、この点を伺いたいと思います。
○西堀政府委員 ただいま、大臣からお答え申し上げました以上に、あまり具体的につけ加えることはないのでございますけれども、実は、海底平和利用委員会、これは海に関するところの法原則の会議と一緒にいたしましていわば拡大された海洋法会議というものを一九七三年に考えております。その会議におきまして、いま大臣が申されましたところの化学物質それから放射性廃棄物等による海洋汚染の問題というようなものも、より広いフォーラムにおきまして考えていこうという空気になっております。したがいまして、日本といたしましても、この会議は非常に重要でございますし、いま準備委員会が開かれておりますけれども、この準備委員会にももうすでに七名か九名かの大代表団を出しまして積極的に協力していきたい、こう考えております。
○松本(善)委員 質問を終わります。
○田中委員長 これにて三件に対する質疑は終了いたしました。 —————————————
○田中委員長 これより討論に入るのでありますが、別に討論の申し出もありませんので、直ちに採決いたします。 まず、千九百五十四年の油による海水の汚濁の防止のための国際条約の改正の受諾について承認を求めるの件及び油による汚染を伴う事故の場合における公海上の措置に関する国際条約の締結について承認を求めるの件、以上両件について、採決いたします。 両件は、いずれも承認すべきものと決するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○田中委員長 御異議なしと認めます。よって、両件は、いずれも承認すべきものと決しました。 次に、国際原子力機関憲章第六条の改正の受諾について承認を求めるの件について採決いたします。 本件は、承認すべきものと決するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○田中委員長 御異議なしと認めます。よって、本件は、承認すべきものと決しました。 おはかりいたします。ただいま議決いたしました三件に対する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○田中委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決します。 ————————————— 〔報告書は附録に掲載〕 —————————————
○田中委員長 ちょっと速記をとめてください。 〔速記中止〕
○田中委員長 速記を始めて。 本日は、この程度にとどめ、次回は、来たる三月五日、午前十時より理事会、午前十時十五分より委員会を開会することとし、これにて散会いたします。 午後六時十四分散会 ————◇—————