科学技術振興対策特別委員会 第12号
- 発言数
- 147 件
- 登壇者
- 29 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1971/05/20
会議録
○田川委員長代理 これより会議を開きます。 委員長所用のため、委員長の指名により私が委員長の職務を行ないます。 科学技術振興対策に関する件について調査を進めます。 まず、参考人出頭要求に関する件についておはかりいたします。 情報科学技術に関する問題調査のため、本日、日本科学技術情報センター理事長児玉寛一君及び同常務理事佐々木即君を参考人として意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○田川委員長代理 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。 質疑の申し出がありますので、これを許します。三木喜夫君。
○三木(喜)委員 きょうは、科学技術情報センターから、理事長と常務理事にお越しいただいておりますので、この前質問いたしましたうちで、重要な問題について三点お伺いいたしたいと思います。 この前も申しましたように、科学技術の振興ということが国の命運をきめるというくらい重要なファクターを持ってまいりましたし、その科学技術の振興という中では、この情報化時代、科学技術の情報をどのように迅速にそうして的確に、しかも上質なものを提供するかということ、これがまた大きな要件になるということは論をまたないと思います。そのために、科学技術会議は昭和四十年の十二月ですか、科学技術情報センターを軸とした総合的な科学技術情報体制を確立するように総合センターとしての役割りを打ち出しておるわけであります。そして昭和四十六年までに近代国家として形態を整え、情報の対象分野を全領域に拡大し、網羅性、的確性、迅速性に重点を置いて業務の充実、機械化、こういうことを行なうようにして、その上に情報科学技術研究所、情報専門家研修所を付置する、こういう青写真を示しておるように思うわけであります。そして事業計画もこれに従って計画されたようでありますけれども、四十五年、四十六年の予算要求にこうした考え方が計上されていない。こういうことはとりもなおさず計画は計画、青写真は青写真、そうしてそれが絵にかいたもちになってしまっては何にもならないと思うのです。そこでこういうことができない原因はどこにあるのかということをやはりこの際突き詰めていくということ、突き詰めるだけでなくて、きょうは文部省も行管庁も、それから大蔵省も関係の方に来ていただいておりますから、そういう点、隘路を打開する道をきょうはひとつ見つけたい、こう思いまして、科学技術情報センターからわざわざおいでをいただいたわけであります。 時間も限られておりますので、率直にこれだこれだと個条書きにして説明していただければありがたいのです。まずその原因を……。
○田中政府委員 先ほど先生がおっしゃいました構想でございますが、これは科学技術会議のほうから御承知のように答申があったわけでございますが、実際の計画につきまして私らの取り扱いました青写真、この点を申し上げますと、一つには機械化のほうでございますが、これはNISTにおきまして文献速報の自動機械化につきまして十分な手当てをいたしましたし、今後これも開発を進めていくという形で進めております。 それから次の点でございますが、研修機能の問題でございますけれども、この関係につきましてはNISTにおきまして講習会、研修会を開くようなことをずっとやってまいっておるわけでございます。この関係では情報科学技術研究集会あるいは情報管理講座というようなのを設けておりまして、すでに参加人員が四十五年においては千二百名、持たれた回数十七回というような形で研修をやっておるわけでございます。 それからもう一つの計画でございますが、中央にクリアリング機能を設けなければならぬということが述べられております。情報センターは現在のところオペレーティングセンター的役割りを相当やっておりますし、名古屋、大阪は地域サービスセンターの役割りもしておりますが、中央の機能のクリアリング機能がまだ十分にございませんので、四十六年度にクリアリングの機能を復活するということで、この準備を着々進めているところでございます。 総体的に申しますとこういうことでございますが、なおNISTの構想自体につきましては、もう少しこの計画と青写真の間をつなげる意味におきまして詰める必要があるということで、当方におきまして現在NISTの検討会を設けまして、三つの分科会を設けて検討を鋭意続けておるところでございます。第一分科会はクリアリングの関係、第二の分科会は情報の収集処理、加工及び専門センターの問題、第三分科会は地域サービスセンターの問題、こういうことでございます。 現状はそういうところでございますし、問題点としましてはこういうNISTの検討会の結果を経ましてから各方面と詰めてまいりたい、こういうふうに考えております。
○三木(喜)委員 この前質問いたしましたときも、田中局長のほうからNIST計画、そして三部門に分かれて検討中であるというお話を承りました。それはけっこうなんですが、そのNIST計画というのはすでにここに図解して出されておるこの問題だと思います。全国的流通システム、それからそのシステムにおける情報の移動図というものを見せていただいて、私も検討してみたんですが、問題は先がたも御質問申し上げましたように、講習会、なるほどきのうもやっておられるのを見せてもらいまして、なかなか現段階においては有意義だと思いますし、こういうことをやられることが、いまのこの技術者の不足のときにこういうことはもう必要欠くべからざることで、いいと思いますけれども、しかしやはり恒常的な情報科学技術研究所、それから情報専門家研修所、こういうものを正面切って付置される、こういうことが私は必要だと思って、いま御質問申し上げたんです。これについては予算の関係があるのだと思いますけれども、そういう関係でできないのではないか。原因を私聞いているんですがね。NIST計画もなるほどやっておられますけれども、これもまだ徐々にはできておるようですけれども、しかし全体的な構想を見るに至っていない。四十六年度までに大体先がた申しました形を整えるようにということがここに青写真として出ておるわけですね。NIST計画もその一つだと思いますけれども、その原因をひとつはっきりしていただきたいと思うのであります。
○田中政府委員 仰せのとおりでございまして、情報の専門研究所とかそういったものを設ければ非常によろしいわけでございますが、ここに一つ問題がございますのは、ただいま情報センターにおきまして中核的な存在として現在まで鋭意いろいろなことをやってきていただきましたが、この間に非常に多くの研修を社内にも持ち、あるいは外の人の研修もやってきておるわけでございますが、だんだんこの中を調べてまいりますと、要するにこれはある程度の教育を受けた者を再教育するような形になりますので、その人たちが将来の希望と申しますか、情報化時代というのは間もなく来るんだとはいいますけれども、さてそこへ適切に行けるかどうかという点について疑問を持っておる向きもあるようでございます。 これに対しまして一つ重要な点は、専門センターというのをNISTでは要求しておるわけでございます。専門センターというものはそれぞれの非常に専門の分野、たとえば鉄鋼でございますとか化学のように非常にこまかい高分子の問題とか、そういったものにつきましては専門にセンターをつくっていくほうがいいという考え方が述べられているわけでございます。この点につきましてはここ二、三年そういう需要がややふえてきております。すなわち、鉄鋼の関係につきましては鉄鋼の専門センター、それから特許関係につきましては特許情報センターというような構想が出てまいりまして、将来のこの人員の充足もそこから必要となってくる、こういうことになるわけであります。そういうことでございますので、この人材の求められる方向がはっきりしてまいりますれば、順次こういう方面に人の目も向くし、考えも及んでいく、こういう形になると思います。現在のところは情報センターのほうでいろいろやっていただいておりますし、大体間に合っておりますので、その方向でございますが、おっしゃるとおりでございますので、なお一そうこの辺は研究をしてみたいと思っております。 もう一つ付加的に申しますと、プログラムの作成とか維持につきましては、やはりソフトウエアの問題が重要でございますのでこれが一つ。それから電算機のオペレーションにつきましては、やはりオペレーターのほうの問題は電算機にくっついたほうから出てまいります。この両面を兼ねまして考えなければならない、こういうふうに思っております。 〔田川委員長代理退席、委員長着席〕
○三木(喜)委員 その次の問題ですが、情報ということが、いまの形態から見れば、大蔵省、それから科学技術庁、情報センター、こういうような縦の系統で一応律せられておると思うのですが、情報ということになりますと、やっぱり横の広がりを重視していかなければならないと思うのです。特に私はこのいまの情報センター、いわゆる特殊法人の機能が中小企業やあるいは農林水産関係のユーザーの方面にまでかなり伸びておる。言うなら通産、農林省関係のところに手が伸びておると思うのですね。そういう関係で横の関係を深めていかなければならないし、さらに先日のお話では、医学方面についてはメドラースの問題が出ておりましたね。あるいはアメリカのケミカルアブストラクトとの契約の問題も出ておりましたが、医学ということになってきますと、厚生省、文部省のバックアップが必要になってくると思うのですね。それで横の関係というものをよほど重視していかなければならないのじゃないか、こう思います。これを私は水平的、横断的に浸透させ、そして効果的に公共性を発揮していかなければならないのじゃないか、こういうように思うわけです。したがって、サービス機関としてまた利用機関としての情報センターのあり方は、科学技術庁から業務監督を受ける、それから会計検査院、大蔵省等から会計についてあるいは監査を受ける、こういうことがありますが、予算書を見ますと事業費の半分を持っておりますところのユーザーからの意向、それをどういうぐあいに受けるか、どういうように反映するかということが、これはやっぱり科学情報センターの大きな役割りだと思うのですね。特徴でもあろうと思うのです。その点ひとつ理事長さんあるいは常務理事からお伺いしたいと思うのです。 このNISTの情報移動計画によりますと、図では示されております。「利用者の要求による個別情報の送受」として、データセンター、先がたおっしゃった専門センター、こういうところに対しても、利用者、一般通信網からの個別情報が見られておりますし、それからターミナル、それから地区、会社、協会、ここからもこの図を見ますと情報が寄せられるというような形がとられておりますけれども、現在ではどういうぐあいにとられておるのだろうかということですね。それと同時に、利用の範囲、きのう、おとついと二、三日おじゃまいたしまして、大体利用の範囲はわかったのですけれども、それを類別しますと、どういうところが利用してきておるか、まあそれはパーセンテージまで出していただかなくてもいいのですけれども、そういうところからどういう意向が反映してきておるかということをひとつお聞かせいただきたい。
○児玉参考人 ただいま御質問がありました、たとえばメドラースに関しましては、私のほうは、かりにこれをやるとすればお医者さんがお使いになるわけですから、さっそくこれをやることで利用の範囲はどうであろうかということでは、医学会の医学図書館がたいへん御熱心で、そのほうにお願いしてやっておる。結局メドラースの場合はお医者さんか学者、大学の先生であろう。一般の開業医の皆さんがお使いになるようには、お忙しくてなかなかなれない。病院では国立の病院とか大きな病院でお使いになるであろうけれども、主たるユーザーは大学の研究しておる先生であろう。それをどうするかということを医学図書館と私のほうと打ち合わせして、どういう方面に御利用になるか、それならばどういうものを差し上げたならばいいかということの実験をいまやっているわけでございます。 それからお話のありましたケミカルアブストラクト、これは業界と学会両方あると思います。私のほうは科学及び技術ですから、サイエンスのほうは大学の先生、技術のほうは民間ですから、両方の民間の会合と先生方の会合と御相談申し上げて、日本全体にキャスをお使いになるのにどういうふうにすれば一番御便利かということをまず研究しているわけでございます。 それからただいま出しております文献速報というのはたくさんあるんですけれども、これの需要を見ますと、大学というか教育機関が大体二〇%以下でございます。あとの八十何%は民間でございます。その民間をいろいろ私のほうで分けていますけれども、これは何といっても大きな会社は研究者、設計者が多いものですから、そういうほうが大きゅうございますけれども、たとえば資本金五千万円以下の会社の方も相当数お使いになっておるということはわかっているわけでございます。ところがその中で研究者がお使いになるのか設計者がお使いになるのかということを今後十分調べなければいかぬ。私は、そういう方に一々会って、学校の先生はどういう方がお使いになるかということを常に考えながら、私のほうの今後の文献速報のやり方を考えなければいかぬと現在は考えているわけでございます。
○三木(喜)委員 大体面接によって要求を知るということですね。 それで私、きのう電算機あるいは複写機、和文タイプ等を見せていただいて、技術、技能、こういうもの、あるいは機械の優秀性をきのう見せてもらいました。しかしこれらの技術者とか技能者というものを養成することと、これを確保しなければいかぬですね。せっかく養成し、なれてもらっても、どこかへ行かれるとたちまち手違いを来たします。それについて留意をしていかなければならぬのではないか。私のざっとした見当ですけれども、情報センターの技術者、技能者の平均年齢、平均在職年数というのが、こういう重要部門は二年そこそこじゃないかと思うのですね。その辺はどうなっておりますか。これは私のざっとした計算です。そうなるとこれは非常に惜しいことになると思うのです。きのう見せてもらいました中で、たとえば情報管理中級実務講座が持たれておりましたが、JICSTの渉外調査室長の小林さんはすでに慶応大学へ行かれておるということをきのう承りましたけれども、このように優秀な人材が流出していくということになると、この間に確保の方法を考えなければいかぬですし、待遇も考えなければいけないので、こんなことを承っているわけです。その点どうなんですか。
○佐々木参考人 いまの先生の御質問に関する件でございますが、現実に大勢として二年そこそこで出ていくというようなことは絶対ございません。一部に比較的早くに出ていくという人もないではございませんけれども、御承知のように近年情報流通に関しましてのドキュメンテーションその他の技術というものが各方面に非常に要求されておりまして、そういう面で中堅の人たちがときどき、それも非常に激しくということはございません。外に出ていくということはございます。これは事実でございますが、私どもといたしましては、むしろそういったユーザーと申しますか、関係方面の技術推進という意味で、ときにそういう方が出ていただいて技術の向上等のリードをしていただくという意味の場合につきましては、惜しむというよりもむしろ積極的にそういう方面に貢献する。それは私のほうの職員の大多数は情報処理の技術者でございますから、次々に入れていって教育をしながらというようなことも、先生のおっしゃる点ではむしろそういうこともございます。いまの小林君のような方もございますけれども、大学教授として迎えられるということもございますが、私どもとしましてはそういったことが間々あることにつきましては、私どものそういう領域が広がっていく、そういうような意味での理解をいたしておりますし、特にどんどん引っこ抜かれまして、情報センターの仕事に支障を来たすというようなことは現在のところは大かたはないということでございます。
○三木(喜)委員 それならば非常にけっこうですけれども、このごろ各地域、各領域ともコンピューターに対する関心が非常に深いので、こういう技術者がせっかく確保され、養成されても引き抜かれていくようでは何にもならぬと思いますので、その引きとめ策といいますか、そういうものを十分考えていただきたいと思うわけです。この問題をめぐりましてあとで質問をしたいと思います。それでちょっと情報センターのほうはこれでしばらく休んでいただきまして、いま人材養成の問題に入りましたので、文部省に一つお伺いしておきたいと思います。 質問書にも出しておきましたように、文部省は情報処理教育の振興について報告書を出しておる。一つは電子計算機の開発、二つ目は使いこなすための必要な人材、三つ目は一般の電子計算機理解を積極的にやり、そして利用する態度や能力の基礎を養う、情報処理教育、特に学校教育は弱体で、早急に拡充せよ、第一次中間報告ではこのように言っております。これは四十五年の十月です。そして最近コンピューターの情報処理機能は、社会経済のあらゆる活動に本質的な変化を引き起こそうとしているので、科学技術計算あるいは事務処理、生産工程の合理化、省力化にこれが威力を発揮した。複雑な社会経済の総合的、システム的掌握を可能にし、人間の意思決定を助ける従来の機能と全く異質の機能を持つようになった、そういう意味合いで将来の発展ははかり知れない。情報化社会実現のかぎを握っておるのがこの電子計算機であるから、電子計算機をいかに利用し役立てるか、電子計算機の性能の向上、新しい機械の開発は、社会にとって、その中に生きる人間にとって重要な課題である、こういうような観点に立って文部省は近ごろ報告書をまとめて出しておられると思うのです。ただ報告書が報告書に終わってしまっては私は何にもならぬと思いますので、きょう特に文部省から来ていただいて、この報告書をもとにして、今後どういうような技術者需要を見込んで、それからどんなシステムエンジニア、プログラマー等の専門技術者が必要になるか、どのくらいの人数が要るんだという一つの見通しを持った養成計画、そういうものをお持ちならばひとつ聞かしていただきたいと思うのです。大蔵省にも来てもらっておりますが、文部省から先にその計画書、青写真、見通しというものをお伺いしておきたいと思います。
○渋谷説明員 ただいま御指摘のとおり、文部省といたしましては、情報処理教育及び情報科学の問題につきまして昭和四十三年に専門家の方々によります懇談会を開催いたしまして、昭和四十四年、五年と引き続き本格的な調査会議を設けまして御検討をいただきまして、いま御指摘のような、最近第二次中間報告をいただいたわけでございます。電子計算機の関係は、まずそれを利用する側の技術者の問題が一つあると思うのです。システムエンジニアあるいはプログラマー、オペレーター、それから電子計算機そのものを開発する、製作する側の技術者の問題があると思います。それからもう一つ、いわゆる人材養成のための研究者、教育者といいますか、そういったような問題があると思います。 そういういろいろな見地から御検討をいただいたわけでございますが、学問といたしましては何せ新しい学問でございまして、正直のところ、こういう方面の研究者、学者はまだ十分とはいえない、非常に少ないのが現状でございます。しかしながら、学問体系といたしまして情報科学の関係がりっぱに成り立つものであることも専門家の御意見で明らかになっているわけでございます。 そういうことで、現段階では大学に専門の学科をいたずらに多くふやすことにつきましては、そういう現実の背景から必ずしも適当でない。ただかなりまた能力のある研究者も相当おりますので、大学自体として体制の整っておるところもございますので、昨年度、本年度続きまして大学関係で九学科、短期大学で二学科、その他の学科の新設をいたしましたほか、学科目、講座などもそれぞれかなりの増設をいたしたわけでございます。それは大学、短大でございますが、そういうことで高等専門学校、高等学校等におきましても、いろいろこういう方面が必要でございますので、おもにそちらのほうは教員の研修、講習その他の費用を計上していただきまして、また各都道府県に情報関係のセンターをブロックごとにつくるというようなことをしてまいったわけでございます。 ただいま御指摘の将来を見通した需給計画を持った長期的な人材養成計画について何か青写真を立てているのかという点でございますが、この点は調査会議に実は定量部会というものを設けまして、一年有半、それこそ専門家の方々でございますので、電子計算機を使いまして、あらゆる角度から御検討をいただきまして、膨大な資料ができつつあるのでございますが、率直に申し上げまして、長い将来を見通しました人材の需給関係につきましては非常にむずかしい問題がございます。たとえば、このプログラマーにつきましても、電算機の機械そのものが日進月歩をいたしておりまして、二、三年前のプログラマーといまのプログラマーでは非常に違っておるといいますか、二、三年前に非常に要求されておったようかなり専門的なプログラマーは、いま機械そのものが非常に進歩をいたしておりますので、必ずしも長期的な専門的な研修は必要でないというようなこともございまして、いま御趣旨の点は定量部会で専門的に鋭意御検討はいただいておるのでございますが、いろいろ電算機そのものの進歩が非常に早いというようなこともございまして、なかなか的確なる将来を見通した需給関係が自信のあるものがまだできておらないのが現状でございますが、しかしながら……
○三木(喜)委員 審議官、時間がもう十分ほどしかありませんので、見通しがないということでけっこうです。
○渋谷説明員 大体そういうよう状況でございます。
○三木(喜)委員 私、文教でもありますから、また文教の場でお伺いする機会があると思います。 特にここで申し上げておきたいことは、欧米ではこの情報処理技術者の充足の緊急性を強く認識をして、米国では一九六八年に、再来年までで大学で電算機を使える学生三十五万人、大学院では八万人、一九七二年では全米の高等教育を受ける全学生が電算機を使えるように仕込め、こういう見通しを持っておるようであります。日本も、いま情報センターのほうからお話もありましたように、人材が非常にいま枯渇しておる、ほしい、こういうことでございますから、この養成機関である大学、ここにもこういうことをひとつ考えてもらいたいと思うのです。原主計官のほうからも伺いたいと思うのですが、この前の質問に対しましては、三学科ほどふやした、こういうお話でございますけれども、その人数もごく限られておるのじゃないかと思うのですね。少ないのじゃないかと思うのです。いま文部省のほうから説明なかったですけれども、あなたのほうからは、この前そういうようなお話だった。 そこで主計官のほうから、きょうの論議はまだ十分ではないのです。私も十分聞いた上であなたに質問したいと思っておったのですが、時間がありませんので非常にはしょった質問で申しわけならのですが、いまお二人からお聞きになった上で、あるいはまたアメリカの非常に緊急性を持っておるという強い認識といいますか技術者の養成、そういうものも考えに入れて予算面から見た養成について、あなたのお考えを聞きたいと思います。
○原説明員 ただいま文部省あるいは科学技術庁のほうからお話がございました。私どもといたしましては、いろいろ科学技術庁のほうにおきますことでも着々予算化をしているつもりなんでございます。 NISTの問題が残っておりますが、これはただいま科学技術庁のほうからも申し上げましたように、調査検討の段階でございまして、その調査費は四十五年度も四十六年度ももちろんつけておるわけでございます。その成案ができました場合には、これについて十分前向きに検討したいと思っております。 それから文部省のほうの情報の技術者の関係でございますが、人数的にこれでいいかどうかという問題はございますけれども、ただこれも一体どのくらい要るのかという見当、これは確かに非常にむずかしい問題でございます。大学教育一般の人数がどのくらい要るかという面、それが社会の人数とどういうふうになるのかという面、そういう面につきまして、たとえば法文系の学生は少し供給が過剰じゃないかという意見もあるわけでございますが、そういう社会の人数に合うように高等教育というのはやっていくことが、特にマンパワーの問題で非常に限られた人材を社会全体として有効に使わなければならないと考える、そういう面もありますわけですから、私どもといたしましてはそういう何か将来の需給見通しというものができれば、それに沿って養成を進めていくということがよろしいんじゃないかと思います。ただ現在の段階では、それは確かに四十五年度も四十六年度も大学、短大、高専、それから高等学校等、学科目の設置等やっておりますが、教えるほうの先生の量というものも必ずしもいま十分でないんで、一ぺんにそう学科を増設するというわけにもなかなかまいらない。しかしできる範囲のことで、これでちゃんと教育ができるという場合には、私ども非常に積極的に前向きに予算を計上しておる、そういうことでございます。
○三木(喜)委員 この前の私の質問に対しまして、あなたのほうではNIST計画を見て、科学技術庁の要求の中身を聞き慎重に前向きに検討、こういうことなんですが、いまのNIST計画の中にやはり研究所と養成機関と二つを科学技術会議の答申のとおりにつける必要があると思うのです。こういう計画を持たれて、その上で大蔵省としてはそれに予算をつける、これは可能な範囲を見るわけなんですから。文部省のほうはいまおっしゃいますような状況ですぐにはいかぬ、やはり養成機関ですから、これを指導する人もいなければいかぬ、こういう関係で、まだ計画中、検討中というところらしいのですが、そういうことになりますと、手っとり早くいくならば、科学技術会議のいうNISTの付置機関としてやられることがいいんじゃないかと思うのですが、そういう場合には検討される、あるいはそういうところで養成することも一つの方法だということをお考えになりますか。
○原説明員 結論といたしましては、私どもといたしましては、やはり科学技術庁の案ができました上でそれを慎重に検討するといわざるを得ませんが、機構問題というのは政府全体といたしまして確かにございますわけです。私どもも政府全体の機構の合理化あるいは簡素化という点については、財政当局としても十分関心を持ってやっていかなければならないわけで、いまの人員養成の問題につきましても、それがすぐ機構に結びつくということがいいのかどうか、そこがまた十分に検討に値する問題だと思います。しかし養成はしていかなければならないという点はそのとおりだと思いますので、科学技術庁の案ができましたら、慎重に検討いたしたいと思います。
○三木(喜)委員 関連がありますが、合理化やあるいは簡素化という話が出ましたが、行管庁のほうからひとつ……。 すでに質問書を出しておりますように、ここに大臣もおいでになりますが、私はいつも科学技術庁長官にはその話をしますが、科学技術庁というような若い役所はこれからの要求に一番応じるところの窓口として大切な役割りを持っているわけですね。そういうところに対して行管関係から一省一局削減、こういう横にならしたような一律のやり方は私はどうかと思うのです。 それからここに研究機関要覧がございます。国立、公社、特殊法人で九十一研究機関がある、それから国立大学付置研究所が五十九ございます。こういうようなのを見ていきますと、この中に重複がないか、こういうことはずっと既設のそういう非常に大きくなったものにつきましては、自然に枝が枯れて、大木が自分から調節作用をするように、機能を果たさないものもあるかもしれません。こういうことになってきますと、これは整理統合する必要があると思うのですけれども、いま申しましたように、科学技術庁というようなところは、おそらくこのあとからも質問が出るだろうと思いますけれども、海洋、宇宙、原子力、こういうようなことになってきますね、そしてコンピューター、いま情報センターの問題が出ておるわけなんであります。こうなってきますと、その研修所とかあるいは養成所とかいうことが必要になってくると思う。こういうことは、一律に首を切っていく、削減していくというのは好ましくない。しかしながら、すでにこう多くなったところは重複がないか、検討しなければならない、こういうように考えなければいかぬのじゃないかと思いますが、お考えをお聞かせ願いたい。
○平井説明員 お答え申し上げます。 国の行政機構をどう考えるかという基本的な態度につきまして申し上げます。 これは御承知のとおり、社会、経済情勢の変動に即応いたしまして、その時代に最もふさわしい簡素で能率的な機構、そういうものを整備していくというのが基本的な考え方であろうかと存じます。その方針のもとに、その時代におきます行政需要の消長に応じまして、それぞれ個別に対処してまいりたいという考え方で私ども進んでおるわけでございます。 それから試験研究機関についてのお尋ねでございますが、御指摘のとおり、たいへんたくさんな試験研究機関がそれぞれ各所にでき上がっております。これにつきましては、そういう研究の重複の問題、まさにいま科学技術庁御自身がいろいろお考えになっている問題でもございます。私どもといたしましても、科学技術庁とよくお話し合いをいたしまして、御指摘の線に沿って検討を進めてまいりたいと考えております。
○三木(喜)委員 私の質問には的確に答えていただいていないと思いますけれども、時間がないから、これくらいにしておきます。 そこで情報センターのほうへお伺いするのですが、いま各方面で春闘の問題が出ておるわけです。ところが政府関係特殊法人労働組合協議会の議長さんからわれわれに要請書も来ておるわけなんですが、当事者能力として特殊機関が交渉に対してゼロ回答をするのではなくて、有額回答をして労使交渉で賃金をきめるように、こういうことになっておりますけれども、これは中労委の石井会長もそういうようにお考えになっており、最近では各使用者もこれを否定しておりません。さきがた言いましたように、技術者、技能者をとどめ置くということになりますと、賃金問題、待遇問題でいざこざを起こすことは好ましくないと思う。すべからく当事者能力を発揮して、大蔵省や科学技術庁に遠慮しなくて、ゼロ回答をいつも続けておるのではなくて、有額の回答をなさるほうがいいのではないか、私はこういうように思うのです。そういうことが要請としていまここに来ておりますので、この点についてお伺いしておきたいと思います。これはセンターの運営にも関係することです。あるいは職員の意欲に関する問題でもあると思うのですね、ちょっと話をもう少し申し上げてからお伺いするはずだったのですけれども、時間がありませんから単刀直入にお伺いしておきたいと思います。
○児玉参考人 ただいまの御質問は二つあると思うのであります。 一つは、電算機を実際使っている人といいますか、ソフトウエア要員がやめる人が多いようだから、それを特別な待遇にしたらどうかという御趣旨だと思うのでございますが、これは内部でそこの部分だけを大いに上げるということが一つ考えられるわけです。全体の平均は同じにしてここだけは上げるんだという、非常に重要な部分だけの賃金を上げるということ、しかも、いま非常にソフトウエア要員の要求が社会的に多いことで、需給関係でそれを確保するために、そこだけを賃金を上げたらどうかという御趣旨と思いますけれども、この点は非常にむずかしくなるわけなんですね。と申しますのは、需給関係に直結して賃金を上げるということは、先ほど文部省からもお話がありましたように、この需給関係が将来どうなるか、ずっと続くんならそれもいいのですけれども、この点……。
○三木(喜)委員 ちょっと理事長さん、お話し中ですけれども、時間がありませんので、このことだけ答えてください。 いままで政府関係の労働組合というと、特に政府機関の外にある労働組合というと、その関係の省から内示がなかったら何ら答えができないというような自主性のないことでは困る。特にひどいのになりますと、一年ぐらい後じゃなかったらそういう回答が出されなくて、一年おくれになっておるわけです。こういうことがはたしていいのかということです。おたくの予算関係を見ますと、かりに一万円の賃金を上げましても三百六十五人ですか、三百六十五万円、それは月にですけれどもね、それだけの予算措置をすればいいわけなんですね。それだけはもう当初に予算が組まれるべきはずだと私は思うのですね。主体性、自主性を持って、かりに政府から補助を受ける機関であっても、そういうことでゼロ回答をいつまでも続けておることは、内部の機能、意欲、こういうものに非常に関係が深いからそれができないのですか、できるのですかということだけ聞けばいいです。
○児玉参考人 それは予算がありまして、それと、それから特調費がたくさんありますので、私のほうだけがかってにするということはいかがであろうかと考えますし、それから予算が来年度の賃金に対しては――来年度予算ですから、予算をいかに組むのかという問題が起こりまして、われわれとしては人事院の勧告といいますか、そういうものを参考にする必要があるということはどうしても考えるわけですが、その点がありまして、かってに、よその特殊法人と無関係に私のほうだけが自由にやるということは、どうも相互のバランスを考えなければいかぬではないかということを私は考えているわけです。
○三木(喜)委員 時間がありませんから、これは確認だけしておきたいのですが、政府の承認基準、つまり内示が示されるまでは具体的回答はしないという態度はとらない、こういうことですか。そのほかの特殊法人の顔は見なければいかぬけれども、内示に左右されて、そして自主性のないような態度はとらないという意味ですか。そういう意味合いは持たれますか、それだけ簡単に聞かしておいてください。
○児玉参考人 法律上私は自主性をもって回答できると思っているんですけれども、その点は、法律上可能だということと実際にやるかということについては、十分考慮しなければいかぬと私は考えているわけです。
○三木(喜)委員 そういうことをじらすということは、ますます非常に重要なサービス機関の機能を弱めると私は思うのですよ。だから、さき方申し上げましたように、横にサービス機関としての機能を発揮するということなら、縦ばかり気にせぬと、横を気にしていただきたい。そうしてそこで成績をあげ成果をあげていただくことが全体的にサービスすることにもなり、従業員に意欲を持たすことになると私は思う。その点をお考え願いたいと思います。御答弁要りません。あと時間がつかえておりますから、これでおきたいと思います。 ――――◇―――――
○渡部委員長 引き続き、海洋開発に関する問題等について質疑の申し出がありますので、順次これを許します。山中吾郎君。
○山中(吾)委員 三十分でありますので、私の質問の意を尽くさないかもしれませんので、できるだけ簡明にお答え願いたいと思いますが、その前に、私、質問の趣旨、目的を先に申し上げておいて回答願いたいと思うのです。 海洋開発を中心にお聞きいたしますが、海洋開発を、私、日本の発展のために非常に重視するだけに、これでいいのかという心配がますます深いので、そういうことでお聞きしたいと思うのです。 第一に、私は経済合理主義という思想が海洋開発の唯一の原理である限りは、この海洋開発は非常に危険であるということが一つ頭にあります。 それから第二に、海洋国家としての日本の進路について明確な考え方が確立しないで海洋開発に着手するということも非常に危険である。 それからやはり平和思想というものが確立されない限り、この海洋開発を軽率に増産というふうな立場からだけで進めていくということも非常に危険ではないか、こういうことを最近痛切に感ずるわけなんです。 そこで、科学技術庁を中心として関係各省の海洋開発のプランを見せていただきましたときに、どうももう一度関係者が寄って、その前提条件について真剣に検討して出発しなければならぬのじゃないかということを私自身が思うものでありますから、きょう関係各省の方々に基本的な考え方を一言ずつ聞いておきます。私自身もそれに基づいて、立法府の一員としてもっと真剣に考えたいと思うので、そういう意味で御質問しますのでお答え願いたい。 というのは、全体の海洋開発の四十六年度の各省の予算要求その他を見ましても、海洋開発計画と、同時に海洋の保護計画というふうなものがどこにも見当たらない。公害防止という考え方からは生産増強、資源開発というふうな経済合理主義を進める一つの付随する政策というふうな非常に消極的なものになって、やがて公害防止というふうなことがどっかに吹っ飛んでしまうんじゃないか。海洋開発を計画するときには、海洋と人類、われわれと海洋の関係を根本的に考えて、海洋開発計画と同時に、海洋保護計画というふうなものが並行をしなければいけないんではないかと最近思い出した。その点において、各省の予算要求の中に非常に危惧を感ずるものがあります。 それから第二に、海洋開発計画が同時に国民の教育計画でなければならない。海洋国民としての思想形成を含んで科学技術の水準を高めるような、一般の幼稚園から大学に至るまでの海洋教育体制というようなものも含んで、海洋開発計画に限っては同時に国民教育計画というものの裏づけがなければいけないんじゃないかと思いますが、これが一つも見当たらない。これは私にとってはたいへんな問題であります。そういうことを頭に置いて、三十分でありますから、私は一言ずつお聞きいたしたいと思うのであります。 まず、科学技術庁長官にお聞きいたしたいのでありますが、この科学技術庁設置法の第十一条の三号に「長官は、科学技術の振興及び資源の総合的利用を図るため特に必要があると認めるときは、関係行政機関の長に対し科学技術の振興及び資源の総合的利用に関する重要事項について勧告することができる。」この勧告権を持っておる科学技術庁長官というのは私は非常に重視をいたしたいと思うのであります。やたらに勧告することが芸ではないのでありますが、その勧告権を持っておる科学技術庁長官の立場、この立場をもっと善用する必要があるのではないか。そういう立場で各省関係の科学技術に関するもの、特に私のいう海洋開発に関することについては総合性をしっかりと持つ機能を科学技術庁長官が発揮すべきであろうと思うのですが、そういう意識のもとに運営さるべきだ。しかしその点が非常に薄いんじゃないかという感じがしておるのですが、勧告権を持った科学技術庁長官として一つのやはりもう少し、私が申し上げるように海洋開発計画が同時に海洋の保護計画であり、同時に教育計画になるような総合性をこの地位を利用して活用していただきたい、そういうふうに思うのでありまして、その点について四十六年度の予算要求の各省の関係を見ますと、農林省、通商産業省、運輸省、厚生省、郵政省、労働省、建設省にわたって出ておるわけですが、この予算要求全体の中にそういう意味における総合性を十分に調整される努力をされておられるかどうか、それをお聞きしておきたいと思うのです。
○西田国務大臣 科学技術庁は法律上の勧告権を持っておることは私も認識をいたしております。ただ、あまり勧告をやらないじゃないかという御指摘もあったわけでございますが、私も実は勧告権を持っておるという立場に立ってこの科学の総合行政を行なうような心持ちは持っておるつもりでございます。事情によりましては、私は勧告権の発動も行なってしかるべきである、こう考えておりますが、しかしながら法律上の勧告権の行使という立場をとりませんでも、実際の行政上の措置等によりまして勧告にひとしいような効果のあがる、そういういろいろな手段はとっておるつもりでございます。 いま海洋に関連してのお尋ねでございますが、全体的にはそういう姿勢でやっておるつもりでございます。従来といろいろ変わった点もございまして、たとえば総合調整を行なう立場から、ただ単に各省が出してまいりましたものに関して予算の見積もり調整を行なう、そういう立場から一歩進みまして、事前に各省の考えを聞き、われわれの見解もまた述べまして、そしてそういう基本的な考え方に立ってさらに予算の見積もり調整を行なうというような、そういった姿勢もとっておりまするし、あるいは過去におきましていろいろ貴重な報告その他が出まして、それを各省庁が実行していただくというようなことになっておりますものに対します結果の追跡、それが十分いっておるかどうかということにつきましても、さらにこういうものにつきまして、昨年でございましたが、その中から重要なものを取り上げまして、これらに対するところの具体的な実施状況の報告を求めるというようなことも行なうとか、そういうようないま先生がお述べになりましたような勧告権を持っておるという、そういう立場に立って各般の総合調整の役割りを果たす、こういう態度はとっておるつもりでございます。
○山中(吾)委員 ときどき勧告権を思い出していただくために申し上げたのです。 一言だけ時間がないので水産庁にお聞きしたいのですが、毎年日ソ漁業問題で政治的な問題になっておることを私も頭に浮かべてお聞きをするのですが、水産庁の出されておる海洋水産資源開発センターの設置についての趣意書を読ましていただいたのですが、この水産庁のこういう資源開発センターの中には、海洋資源の開発、増産主義であって、資源保護というふうな思想はどこを読んでも見当たらない。日本は乱獲主義で国際的にもある程度非難をされるような、そういうこともときどき見るのでありますけれども、日ソ漁業問題の中にも資源の保護という、人類の生存というものと結びついて正当な要求がもしソ連にあれば、海洋開発の立場の水産庁においてもそれは真剣に論議すべき課題ではないか。どうも日本の水産政策の論議は増産一本、やがて乱獲になるというふうな傾向が、こういうパンフレットの中にも見られるように思うのです。いっかは行き詰まるのだ。北方の漁場の問題についても、既得権の問題はあろうと思いますが、この水産資源の開発計画の中にも他国との紛争というふうなものあるいは海洋資源というものの保護も含んで、こういう科学技術の開発という中の政策として考えるときには、新しい角度が必要ではないのか、こういうふうな疑問を持ったので、水産庁の考え方を簡明にお聞きして今後の参考にしたいわけです。
○藤村政府委員 ただいま先生御指摘のありました海洋開発センターにつきましては、今国会で成立いたしました海洋水産資源開発促進法に基づくものでございまして、それの一部でございまして、海洋水産資源開発促進法では沿岸漁業につきましては開発区域を各府県で指定いたしまして、増養殖に適する海域を特に指定いたしておりまして、そこで増養殖を盛んにいたしたい。また漁場として、沖合い漁場で特に重要なところは農林大臣が指定海域として指定いたしまして保護してまいりたい。それと同時に、遠洋沖合いの未利用漁場につきまして、海洋開発センターが資源を開発するという考えでございまして、開発センターといたしましての任務は保護、増殖という点は入っておりませんが、全体といたしましては入っております。 それから、ただいま御指摘の日ソ委員会につきましても、日ソ両国で共同してサケ・マスの増殖計画をはかろうということで、昨年暮れにもソ連にわが国のサケ・マスの増殖の専門家を派遣いたしまして日ソで共同で協議会をいたしております、し、今回の日ソ委員会におきましても専門家をことしの秋もう一度会合して具体的な問題を検討する、増殖につきまして具体的な検討をするということになっておりまして、保護、増殖につきましても十分力を入れていくつもりでございます。
○山中(吾)委員 私は、海洋資源開発センターというふうなものの中に海洋資源開発保護センター、何か、両面から総合的に海洋資源を開発し、一方にまた保護していくというような思想が入らないと、何か日本の水産政策というものは国際関係における乱獲の犯人のようになるおそれがあるやに思うものですから、お聞きしたのでありまして、私はいまお答えだけで参考にしていきたいと思います。 それから運輸省にお聞きしたいのですが、運輸省も最近、これは五月十三日、海洋開発技術及び海洋調査の目標、実施方法について運輸大臣が運輸技術審議会に諮問をされておる。この諮問の趣旨、運輸省の構想は、私は新しい角度から諮問されておるので、非常に敬意を表したいと思うのです。そういう線について敬意を表したいし、それを総合的に海洋開発の一環としていかれることを希望しておるのでありますが、同時に運輸行政の中でやはり海洋保護という点がどうも私が見た点については不足しているんじゃないかということを痛感をしておるのであります。その一例として昨年英国の海洋関係の団体の副会長が、日本の船舶というものが油を出し流しであって、世界じゅうの最大の加害者であるというふうなことを発言をし、それが読売新聞の社説に載っているのを見たのでありますが、私はそういうことは全然知らなかった。日本の船舶が世界の海洋に一番油を流して最大の加害者だといわれるような状況にあるのか。それと新しい海洋開発、運輸省の立場において海洋の保護、それから運輸省の立場の開発という点についてどういうふうに新しい角度で考えられているのか、これを聞いておきたいと思う。
○見坊政府委員 お答えいたします。 日本のタンカーがいまお話しのように非難をされたということは私も聞いておりますが、そういうことも将来の日本の立場、海運の立場ということを考えまして、昨年海洋汚染防止法を国会で制定していただきました。これは油のみならず廃棄物まで入っておりますが、油の関係について申しますと、国際条約の改正になりまして、非常にきつい規制になったわけでございますが、それを世界に先がけて国内法化するということで法制化いたしたわけでございます。したがいまして今後はそういう非難というものはわが国にはないのではないか、むしろ日本が条約の内容をもうすでに国内法化しているということでございますので、世界の海運国にむしろ日本が働きかけるという立場に立っているということがいえるのではないかと思います。 それから海洋保護のお尋ねでございますが、海洋開発という場合に当然海洋の環境の保護、それから安全の確保というようなことも当然考えるべきでございます。海洋汚染防止法におきましても、目的にございますように、「海洋環境の保全に資する」ということで、油のみならず一般廃棄物――産業廃棄物及び生活廃棄物も含めて制定いたしておりますので、この点ももうじき、近く政省令もできますし、われわれとしてはそれに取り組んでいきたいというふうにいま準備を進めております。 それから第三点の諮問に対する、開発の考え方でございますが、海洋開発は各方面にわたるわけでございますが、運輸省固有の行政から見ましても、海洋開発に関連する行政が非常にございます。そこで運輸行政という立場からこれを推し進めていく、しかし実際には各方面に、非常に多方面にわたるわけでございますので、十分御連絡しながら積極的に進めていきたい。たとえば例を申しますと、水路業務とか気象業務、いままで運輸行政でやってきましたものが海洋開発に直接利用されるというものがございます。そういうものをシステム的に調査して資料を管理する、それによって官民の海洋開発をされる方に利用していただくということも必要であろうかと思います。そういう運輸行政、そういう調査の面、あるいは技術、そういうことでうちのほうは進めていきたい。ただ、その諮問をいたしまして運輸技術審議会で御審議いただきますときにも、先ほど先生のいわれました海洋環境の保護とかあるいは安全とか、そういう点はやはり重要な項目として考えなければならぬというふうに考えております。
○山中(吾)委員 時間がないので考え方だけきょうお聞きしてまいりたいと思います。 次に厚生省にお聞きしたいのですが、私、先般沖繩に視察に行ってまいったのですが、沖繩のサンゴ礁周辺の海洋というものは非常に、何というのか世界の美しい海洋資源というような感じがしたわけであります。厚生省というのはおそらく海洋保護を中心とした行政、そこにレクリエーションとか観光が入ってくるのだと思うのですが、保護という立場の中で観光とかそういうふうなことを考えるのが厚生省の立場ではないか、そういうことを思ってお聞きするのですが、沖繩返還のあと、私はあの地域の海洋保護というものを原点としながら国際的な海洋文化財保護、自然の保護というものを含んでのそういう立場における観光地帯として、国策として考えるべき価値があるように考えてまいったわけであります。この点について厚生省のお考えを聞いておきたい。 それから、私は岩手でありますけれども、岩手に三陸海岸が国立公園になっておるのでありますが、観光ということは逆に水産に影響しあるいは海洋環境を破壊するようなことではいけないので、住民の協力も並行しなければ私は反対でありますけれども、ああいう地域に対する海洋、海中公園とかそういうふうな意味の海洋の利用のしかたについても何かプランをお持ちになればお聞きしておきたい。
○首尾木政府委員 沖繩の海中景観の保護につきましては、沖繩の返還後に特にあの地域におきましては西表島周辺、八重山海域に非常にりっぱなサンゴ礁、そのサンゴ礁を含めまして国立公園の指定ということを行ないまして、国立公園の中には御案内のように、海中公園地区を設けることができます。この海中公園地区を指定することによりまして、その景観を保護するための一連の措置ができるわけでございます。こういったようなことを具体的に考えておりますが、なお先生のおっしゃいました本島付近にも政府立公園というのがございまして、この政府立公園につきましては返還後私ども検討をいたしたいというふうに考えておるわけでございます。 なお、陸中海岸の問題でございますが、現在陸中海岸には気仙沼市域に一つの海中公園が設けられておりまして、その海中景観の保護がはかられておりますが、今後陸中海岸のなお保護するに適するすぐれた海中景観というものにつきましても、調査が進みますれば、適地がございますればそういうものを指定をいたしまして、その保護をはかってまいりたいというふうに考えております。
○山中(吾)委員 次に外務省にお聞きしますが、これも尖閣列島の問題とか日ソ漁業の問題、そういうものを含んで海洋開発の立場からいいますと、日本の外交思想というのは非常に古いんじゃないかというふうに私は思うので、領海に対しても最近は少し変わったようでありますけれども、三海里を固執する。大陸だなについても批准をしぶるとか、あるいは既存の既得権というものはもちろん保護しなければならぬのでありますが、海洋開発技術で国際関係に勝負をするというような積極的な姿勢が日本の外交には非常に少ない、こういうふうに私は感ずるのであります。海洋開発という立場からやはり日本の外交というものが武力で競争するんじゃなくて、また利潤追求だけのエコノミックアニマルといわれない立場で、学術的な海洋開発を中心とした学問と技術で勝負するんだという立場の中で、何か日本の外交方針の転換が必要ではないか。そういう中から領海に対する考え方、公海に対する考え方、その他について日本の外交方針が新しく展開するんではないかという感じがしておる。これはしろうとですが、これも、今後の私のものの考え方の参考としてお聞きしておきたい。時間がありませんので、要点だけをお答え願いたい。
○西堀政府委員 ただいま山中先生がおっしゃいましたとおり、最近の急速な科学技術の発達に伴いますところの海洋開発の問題というものは、非常に重要な問題になっているということは外務省としても十分認識いたしておる次第でございます。 それで、国際間の問題といたしましても、つとに一九六八年以来、国連におきまして、海底平和利用委員会というものが設けられまして、わが国も漁業、それから海運、それから海底資源といった文字どおりの海洋国家でございますので、この委員会にもきわめて積極的にその審議に参加いたしておる次第でございますけれども、特に大陸だな以遠の海底の問題を契機といたしまして、海底開発の国際法制度といった問題の解決を目的といたしました海洋法会議、第三次になるわけでございますけれども、一九七三年、明後年に国連の主催で開催されることになっております。それでただいま申し上げました海底平和利用委員会がこの準備作業を着々と進めているわけでございます。 外務省といたしましては、わが国の海洋開発実行計画及びその他の民間機関によりますところの海洋開発が円滑に実施できるように、関係省庁と協議しながら当面の目標でございます海底資源開発における国益確保といった観点から、いま申し上げました海底平和利用委員会の審議に積極的に参加いたしておるのでございます。外務省といたしましては、特に七三年の海洋法会議をも控えまして、実は昨年来法眼外務審議官を長といたしますところの海洋問題のいわばタスクフォースを持っておりまして、これは要するに主管が経済局あり国連局あり条約局ありというようなことでございますので、法眼外務審議官を長といたしましてこのタスクフォースが鋭意海洋開発問題に対するわが国の積極的姿勢を打ち出すべく研究を進めているというのが現在の外務省の態度でございます。
○山中(吾)委員 最後に文部省にお聞きしますが、四十六年の海洋関係の予算要求を各省ずらっと名前が載っておるが、文部省だけが載っていない。だから、私は教育計画抜きの海洋開発計画というのが一番欠陥だと思っておるので、文部省の問題としては、海洋王国日本の進む方向として海洋開発が国政に大きい問題になったときには、やはりそれに基づいた教育計画というものを文部省で考えるべきではないのか。義務教育の中に海洋国民の思想形成であるとかあるいは後期中等教育においては、いまの水産高等学校は水産資源だけであるから、海底資源その他新しい海洋に対する考え方を変革しなければならぬのであるから、それを海洋高等学校というふうな方向に再検討するというふうなことであるとか、あるいは陸上において学術研究しても海洋科学の研究にはどうしても合わない。海底地質学、海底物理学あるいは海洋建築学とか、そういうふうな独特の学術の研究が必要だし、研究方法も海の中で研究しなければならぬ。そういう海の中の研究で育っている学者でないと活用できないと思う。海洋総合大学構想とか、やはりそういうようなことがあって初めて海洋開発計画が本物になる。その点の着想が一つもないように思う。これは文教委員会での雰囲気の中でなくて、科学技術庁の開発計画の論議の中でやはり文部省のお考え方だけをちょっと聞いておきたい。時間がないので研究するかしないか、しておるかどうかだけでいいですから、あとはまた他の場所でお聞きしますから、お答えください。
○渋谷説明員 いま御指摘のような点まではまだ検討いたしておりませんが、御承知のように大学関係は水産学、水産増殖学あるいは海洋物理学というようなことで、各大学それから最近は東京大学に海洋研究所というものをつくりまして、船を二隻持ちまして研究者もときには海にもぐって研究いたしておるわけでございます。考え方といたしましては大学から出てまいりましたものはできる限り取り上げて予算を獲得するということで努力いたしておるのが現状でございます。
○山中(吾)委員 これで終わりますが、最後に科学技術庁長官にお聞きしたいと思うのです。どうも科学技術基本法あるいは宇宙開発の基本法ということが論議されますけれども、実際はほんとうには海洋の開発とか保護というふうな点、これこそ平和の思想――保護と開発というので総合的にこれこそ国策には基本法が要るんではないか。そしてこれについては、各党がまとまるんじゃないかという感じがしておるのですが、そういう海洋基本法というふうなものが、勧告権を持っておる科学技術庁長官のもとで構想をお持ちに在るのでないと、数省の各省が予算要求している姿を見ますと、どうもうまくいかないんじゃないか。教育計画も入ってこないということを痛切に私は感じておるので、そういう立場で御検討願いたい。これは、あるいは委員長中心の問題かもしれませんけれども、そういうふうに思うので、御意見を聞いて終わりたいと思います。
○西田国務大臣 海洋開発の重要性につきましては、私ども十分認識しておるつもりでございます。 そこで、関係省庁が多岐にわたっておりまするが、これを総合的に海洋開発を進めてまいる、またその海洋開発と保護の問題あるいは環境保全の問題等につきましても、十分な配慮が必要であると思います。そういう意味からいたしまして、過般成立を見ました設置法の中におきまして、海洋開発審議会をつくっていただくことになりまして、七月一日から発足をさせたいと考えておりますが、ただいまそういう十分な海洋開発に対処するための人材を網羅いたしまして、各般の広範な海洋開発の基本的な構想を取りまとめてもらいたい。それもあまり時間をかけずに早く結論を出していただきまして、そして着々実行に移してまいりたいと考えております。その中には当然教育の問題も入ってまいるでございましょうし、各般の問題を取り上げてまいりたいと考えております。そういう海洋開発の基本的な方向、姿勢というものが、まず検討されまして、これを基礎にいたしまして、法律の制定の問題その他いろいろございましょうが、そういう問題と真剣に取り組んでまいりたい、かように私ども考えておる次第でございます。
○渡部委員長 次に、近江 記夫君。
○近江委員 きょうは、本会議までに終わるということで、非常に時間に縛られておりますので、ひとつ要点をお答え願いたいと思うのであります。 まず初めにお聞きしたいことは、母乳のBHCの汚染問題でございますが、きょうは厚生省さんも来られておるわけですが、厚生省にお聞きしますけれども、全国二十四都道府県一斉に母乳の汚染状況の調査をされたということを聞いておるわけですが、まずその概況についてお聞きしたいと思います。
○浅野説明員 ちょっとおくれまして申しわけございません。 二十四都道府県のデータが先月末に集まりまして、現在集計し、解析しております。
○近江委員 佐賀県あるいは大阪、全国的に非常に驚くべき汚染状態になっておるわけでございますが、科学技術庁としては、かねてこういう問題、本委員会においても、ずっとこうした農薬等の問題についてはやってきたわけでありまして、格段に力を入れておるということをいつも聞いておったわけですが、今回のこういう発表についてどう思いますか、科学技術庁の感想を大臣にお聞きします。
○石川政府委員 科学技術庁といたしましても、このような問題につきましては、かねがねがいろいろ研究なども進めているわけでございますけれども、やはりこのような問題につきましては、われわれとしても真剣に取り組まなければいけないというふうに存じております。
○近江委員 厚生省は、いままとめておるということを言っておりますが、各都道府県でああした数値が発表されておる、これはどういうことでございますか。私たちは、先月中にまとめておられるにもかかわらず、公表をおくらせておるのじゃないか、このようにも聞いておるわけです。もう各県においては、それぞれ発表されたところもあるわけでありますけれども、非常に憂慮さるべき事態にきているわけです。国民の生命と健康を守る立場から、早急にそうした点、秘密主義に終わることなく、きちっとしたやはり公表なり何なりそういう態度をとるべきじゃないかと思うのですが、その点はどうなんですか。
○浅野説明員 お答えいたします。 実は一月から三月まで調査いたしまして、三月一ぱいに集計が集まる予定でございましたが、それが四月一ぱい時間がかかりまして、各県が四月の末ごろまでに厚生省のほうにデータを送ってきたわけでございますが、全く先生の言われるとおりでございまして、われわれも一日も早く発表したいということで鋭意集計、解析したわけでございますが、すでに先生御存じだと思いますが、ただ母乳の中にどれだけのBHCが入っているかというふうな集計だけなら簡単でございますけれども、一方母親と子供の健康診査をやっております。また汚染経路調査もやっておりますので、それを一々突き合わせて検討しておりますので、時間的におくれているわけでございます。 それから先生の言われた各県ですでに発表しておるじゃないか、こう言われますけれども、われわれといたしましては、やはりデータを解析いたしまして――やはり母乳というのは、乳児にとりまして絶対必要な食品でございますので、十分に慎重にその対策を練らなければならない。したがいまして、数字の発表と同時に対策を発表する、それで世の中の妊産婦を指導するというふうな考え方を持っておりますので、先生方との十分な研究打ち合わせというふうなことで時間をとっているわけでございます。
○近江委員 それで、その対策なり、あるいは発表はいつされるのですか。どういうこれからのスケジュールになっておりますか。
○浅野説明員 それで、実はきょう午後も研究委員会を開きますし、せんだって国会でも、私のほうの児童家庭局長が、大体今月一ぱいに発表するというふうに申しておりますので、いまその線で鋭意努力中でございます。
○近江委員 そこまできておるなら、今後こういう事実に対してどういう対策でいこうとなさっておるかということなんです。これはもうほぼ決定なさっておると思うのです。大体の方向について具体的にひとつお聞きしたい。
○浅野説明員 その点は全く個人的な意見なら吐けるわけでございますけれども、私の立場上個人的な意見が吐けませんので、いま専門家の先生方と対策を練っているわけでございますのでいま直ちに申し上げるわけにはまいりませんけれども、半ば個人的な意見としておくみ取りいただけるならば、先ほどもちょっと申し上げましたように、直接こういうふうな対策というのはこの件につきましてはなかなか出にくいのではなかろうかと考えております。しかし、実際母乳の中にこういう農薬が入っていること自体が母親と子供の健康上問題であることは事実でございますので、とにかくこれ以上の汚染が進まないような何らかの対策、また現在農薬が使われ始めてここ数年になるわけですが、幸いいまのところ母親とか乳児に特別の異状が出ていないのでございますが、やはりこれを契機にさらに乳児、母親、特に乳児の健康審査、指導というふうな点を十分に徹底させていく、フォローしていくというふうなのが対策じゃなかろうかとひそかに考えている次第でございます。
○近江委員 私から言わしたら、そんなものは対策になっていませんよ。乳児の健康診断みたいなことをするのはあたりまえじゃないですか。そういう誠意のないことをおっしゃるなら、私はもっと責任を追及したいのです。 一昨年牛乳の汚染が明らかになったとき、厚生省は汚染された食物を食べることによって人体にまで農薬が蓄積されることを考えるのが当然、あたりまえですよ。牛乳汚染すら解決されない今日、このように母乳が農薬に汚染されておる。これが子孫末代までどういう影響が出てくるかということを考えていきますと、あなたがおっしゃったように、悪影響が出ることはもう間違いないわけですよ。そういう点何としても防止しなければならぬわけです。厚生省あるいは科学技術庁、農林省含めてそういう後手後手におくれた行政というものに対して国民の皆さんは全部おこっていますよ。これについて私は深刻な反省をすべきだと思うのです。いまになってから健康診断だけする。そんなことでいいんですか。この点厚生省、農林省、大臣にお聞きしたいのです。三人答えてください。
○渡部委員長 それでは農林省から…。
○福田説明員 農林省といたしましては、農業生産の安定のために農薬の使用を指導してまいりました立場上、今日いろいろ母乳その他の、いわれておりますような農薬の汚染という問題にからみまして、これら国際的にも植物あるいは人体、土壌等に残留するおそれがあると考えられる農薬、そういったものの使用をこの際きびしく規制したわけでございます。 すなわち、新しい農薬取締法の改正法が四月一日から施行されましたので、その法に基づきまして有機塩素系殺虫剤、BHC剤、DDT剤、ドリン剤等を作物残留性農薬あるいは土壌残留性農薬等に指定いたしまして、その使用範囲というものを非常に狭め、きびしく規制いたした次第でございます。すなわちDDTは全面的に使用を禁止いたしましたし、BHCはしばらくの間きわめてきびしい制限のもとに林野の一部に使うことを残しております。ドリン剤も同じように倒伏した木等植物、食品には関係のない分野だけにわずかに残しておるというふうにいたしました。そうしてそれらの許された用途に使えないような形のBHC剤、DDT剤等の登録を全部抹消いたしまして、このもののまた流通段階にあるものが使用者に販売されないように、その販売を禁止するという措置をとったわけでございます。 そうしまして、こうした処置が末端まで周知徹底いたしますように、あらゆる機会をつかまえて努力している次第でございますが、その一つといたしましては、先日全国都道府県の担当課長、係長に全員お集まり願いまして、この趣旨の徹底方の説明と今後の対策について検討した次第でございます。 また末端農家にまでこういった塩素系殺虫剤の使用が禁止されたという旨が徹底されなければなりませんので、そういう意味におきまして、「農薬安全使用のしおり」というようなものをいまつくっております。近日でき上がりますと、これを全国の市町村、普及所、防除所等に配布するつもりでございますし、来月一日からは厚生省、自治体、農業団体等の御協力、協賛によりまして、農薬安全危害防止運動を一カ月間展開いたしまして、その中においてもこれを取り上げていく所存でございます。 また農業団体のほうにおきましても協力をしていただくことになっておりまして、この二十五日を「農薬安全使用デー」というようなことにいたしまして、ただいま申しましたような有機塩素系殺虫剤をはじめとする農薬の使用規制の徹底についていろいろな催しなり、パンフレット、ステッカー等々、わかりやすく解説したものの用意ができているようでございますので、これらのいろいろな方法を講じまして、その他ありとあらゆる機会を通じまして危険な農薬が使われていかない、そうして今後こういった汚染が繰り返されていかないような努力を続けていきたいと考えております。
○神林説明員 私どもといたしましては、一応昨年先生の御指摘もありまして、牛乳を中心にいたしまして全国調査を続行するとともに、ただいま特にこれはやはりこの委員会で先生から御指摘のありましたものですから、マウスによる慢性毒性試験をやっておるわけでございます。これが近く全部完了いたします。そういたしますと、一応大体何PPMぐらいでマウスに症状が起こるかというようなことがはっきりしてまいります。それからさらに昨年サルの実験をやっておりますから、それと合わせまして近く私どものほうでも、牛乳等につきましてはガイドラインというのか、許容量と申しますか、そういうものの設定ができると思います。これはもちろん非常に重大な問題でございますから、行政庁がきめるということでなくて、食品衛生調査会の専門の先生の御意見を拝聴いたしましてこれもきめていきたいというふうな考えでおります。その間とりあえず本年の三月七日に、許容量の設定をするまで待てないというので、全国に私たちのほうで「牛乳中の農薬残留の減少対策の強化について」という通達を出しました。これはもちろんまず牛乳検査の強化ということが第一番目にうたわれておるわけでございますが、これは特に西日本のほうが、やはり昨年同様東日本に対しまして高いというようなことでございまして、月一回牛乳の検査を西日本のほうを特にやっていただきたいということでございます。 それから従来私たちのほうはなま乳もやっておったわけでございますが、今後はひとつわれわれ消費者が直接口にする牛乳いわゆる市乳といいますか、これを中心にしてひとつやっていただきたい。 それからもう一つは、この中でいままで全然とっておらなかったわけでございますが、乳業メーカー等に対しましてひとつ自主検査をやっていただきたい。これは特に自主検査といいましても、なかなかその体制ができないというような点がありましたら、もちろん衛生研究所であるとかあるいは農事試験場であるとか大学であるとか、そういうところに依頼検査をやって、そうして定期的に、計画的にそういうことをやっていただきたい。その際もしも残留量がずっと減少しないというようなことがあったらば、なま乳の受け入れを拒否してもというような指導もしていただきたいという点でございます。 それから最後に、従来私たち通達をいろいろ出しておりますが、なかなか末端まで到達しない、末端では必ずしもうまくいっていないというような反省がございましたために、これは通達が末端まで徹底するように、特に農林部局と厚生関係のほうと十分連絡を密にしてくれというふうな通達をとりあえず三月四日に出したわけでございます。近く先ほど申し上げましたとおり、許容量あるいはガイドラインの設定ということが行なわれると思います。
○西田国務大臣 農薬汚染による人体への影響ということは重大な問題でございますので、関係省庁におきましてそれぞれの措置がとられておるわけでございますけれども、すみやかにその結論を出すように、そしてそれに対する対策が十分講ぜられるように、私のほうといたしましても両省にさらに申し入れをいたし、善処を促したいと存じます。同時に、現在とられておるところの措置が十分徹底するようにということにつきましても、同様の措置を講じたいと考えております。
○近江委員 この母乳汚染の蓄積の経路及び乳幼児に与える影響等について、どの程度調査をやっていますか、厚生省。それからまた科学技術庁はこの点についていかなる研究を行なっておりますか。
○浅野説明員 お答えいたします。 それはなかなかむずかしい問題でございまして、汚染経路調査を一応やりましたが、これは一応農婦と非農婦というふうに分けてやっておりますけれども、いずれにいたしましても、農薬を使ったか使わないかとかいうアンケート調査でございますので、これだけで汚染経路を断定するというのはいささか危険かと思っておりますけれども、一応アンケート調査にしろ集計結果について何かのヒントを与えるだろうと思いますので、さらに突っ込んで研究いたしたいというふうに考えております。 また、先ほど先生が申されましたが、こういうふうな農薬の人体に及ぼす影響ということにつきましては、特に今回のようにベータBHCにつきましては、いまのところ文献その他で及ばずながら勉強いたしましたが、あまりこれという研究もございません。われわれといたしましては、いまのところその研究方法を研究中でございます。先ほども先生が言われましたように、非常に厳密に考えますと、遺伝因子に対するいろいろな影響だとか、これは簡単な研究では出ませんが、常識的にはそういうような危険もないことはないわけでございます。また実際問題、病理学的、生化学的にいろいろ研究する面があるかと思いますので、今後さらに研究を進めていきたいと思います。
○石川政府委員 科学技術庁といたしまして、この種の問題について専門的に研究する研究部門がございませんので、従来からこの種のものは厚生省のほうでいろいろ御研究願っていたわけでございます。ただこのような問題につきましては、われわれとしても重要な問題でございますので、従来から研究の調整の段階におきまして、関係の農林省あるいは厚生省にもいろいろ御意見を申し上げているわけでございます。しかしこの種の問題につきましては、従来そのように厚生省で進めてきておられましたので――この問題につきまして、厚生省、農林省と十分御相談いたしまして、さらに研究を進めなければならないというものがございましたら、われわれのほうといたしましても十分これに応援、あるいは特調費等をもちましてこの研究を進めていきたいと存じております。
○近江委員 これだけ国民の皆さんがショックを受けているわけですよ。それを汚染の蓄積経路が、幾ら集計したってアンケート調査でそんなことがわかりますか。しかも研究方法を現在研究中である、何たることですか。すでに被害はここまで出ているわけですよ。それをいまごろ研究方法を研究中であるとか、アンケートをやっておるとか、そんなことで国民の健康と生命が守れますか。大体根本のそういう研究なりをやらないから、農林省の処置にしたって何にしたって、言ってはおるけれども末端まで通達が実施されないわけですよ。根源がこんなにぼけておってどうしますか。しかも科学技術庁にしたって、いろいろなことがわかってきたら応援します、あなた方は応援する立場ですか。これは重大な科学じゃございませんか。はなばなしい原子力や宇宙や海洋科学、そんなことは知りませんよ。しかしこちらは人命に関することですよ。一番金をつぎ込んでもらっていいところじゃないですか。この前にスモン病のときも三千万円出して、科学技術庁としては私たちも一応の評価をしたわけですよ。農薬汚染ということがこれだけのことを言われておって、どうしてもっと積極的なことを科学技術庁はやらないのですか。これで一億の日本の国民の生命と健康を守る政府の行政といえますか。姿勢といえますか。私は重大な反省を促したいですよ。どうなんですか厚生省は、これだけの対策なり考え方しか持っていないのですか。科学技術庁としてもそういう傍観的な、応援をする外野席にいる立場ですか。大臣もう一ぺんお聞きします。
○西田国務大臣 科学技術庁は傍観的な立場に立っておるという意味で先ほど局長がお答えしたのでは決してないと思います。このことはこの委員会におきましても再三問題になり、そしてそれぞれの第一線に立つところの各省庁におきまして、それぞれこれに取り組んでいただく、そうしてその場合に必要があるならば、われわれのほうは特調費の支出等について十分の配慮をいたしますということを私もお答えした記憶がございます。ただ、私のほうが直接研究に手をかけておるということではございませんので、私のほうは総合調整の立場からそういう態度をとっておるわけでありまして、もし研究費そのものに不足がありあるいはまた必要があるということでございますならば、私のほうはそれに対応することにはいささかもちゅうちょはいたさないつもりでおります。
○近江委員 厚生省の小島課長もお見えになっておるそうですが、こういう研究のあり方について、われわれとしてはもっと真剣にやってくれておると思っておったのですけれども、こういうこことを聞いてほんとうにショックですよ。いま長官も大幅に特調費を認めるということをおっしゃしゃっているわけですし、予算の点等いろいろの点で不備な点があったらここでどんどん言っていただいて、政府あげて力を入れてもらわなければ困ると思うのです。その点現状について、あなたは少し分野が違うかもしれませんけれども、もっと精密に、母乳汚染等に対する厚生省の対策なりあるいはこういう点がまずいから、政府として力を入れてもらいたいという点があれば、正直に厚生省の立場としてここで表明してもらいたいと思うのです。
○小島説明員 農薬対策につきましては先生の御指摘のように非常に不備な点が多いわけでございますが、まことに残念なことに、日本における農薬対策のスタートがまずおくれたということ、それからスタートはしましたものの、その陣容等が非常に不備であるという点があるわけであります。これは先生の御指摘のとおりでございまして、私実際に残留農薬の仕事をお預かりしておりまして、私どもの研究機関の人員の不足等につきましては非常に残念に思っている次第でございます。これは先日行管からも勧告されましたように不備でございまして、これについて私、行管がなぜそういう勧告をするのか、われわれは前々から毎年のように人員の要求をしておるのに、そういうものにつけずに行管がそういうことをいうのは非常におかしい。われわれはもっと国民のために、こういった情勢について――これは科学行政でございますから、ただ姿勢だけではどうなるものでもなくて、それに対して必要な人員とそれから施設というものがなければやっていけないわけでございます。私どもとしては、国立衛生試験所等を中心にいたしまして、非常に不足の陣容を精一ぱいの努力をしていただいておるわけでございますが、御存じのように、行管の指摘のようにおくれがあるわけでございます。私どもとしては、残留農薬の問題については、現在衛生試験所を督励いたしまして、この秋までにさらに農作物で五つ以上農薬で五つ以上追加いたしまして、残留農薬の規制の強化をはかる予定でございますが、先生の御指摘のような牛乳とかこういった全体の問題につきましては、BHC、DDT等だけでなしに、ほかのいろいろな農薬につきましても、毎年環境とかあるいは人体、あるいは牛乳、母乳等への蓄積の調査というものを広範に行なって、そしてそういうものの蓄積量が上がっていけば、そういうものを事前に押えていくというようなことが行なわれなければいけないじゃないかということで、私どもといたしましては、来年度の予算要求には、そういった面も加味いたしまして、ぜひ先生のおっしゃるように、国民の健康のために研究体制あるいは行政体制というものの充実をはかっていきたいというように考えております。
○近江委員 いま、厚生省の課長さんから、あらゆる点において不足である、こういうふうにおっしゃっておるわけです。こういう点、科学技術庁は特調費があるわけですよ。これはどのくらい今回のこういう研究の問題等につきまして出す予定をしておりますか。
○石川政府委員 先ほど私並びに長官から申し上げましたように、科学技術庁といたしましては、この種の各省庁にまたがる研究については、特調費という経費を使いまして研究を促進するという立場でございます。したがいまして、先ほど各省庁からもお話がございましたように、この研究内容をこれから詰めていきたいというふうに存じております。したがいまして、いまの時点において金額がどのくらいということは言えないわけでございまして、内容をこれから詰めまして、さらに成果のあがる研究項目をつくりましてから経費を決定したい、こういうふうに存じております。
○近江委員 お役所的な発言だと私は思うのですよ。それはいま急には出ないかもわかりませんけれども、特に力を入れるとか、あるいはこのぐらいの幅があるのでこれぐらいはしたいという、もう少し具体的な答えがいただけると私は思っておったわけです。この点はひとつ大臣にも、真剣に緊急を要する問題として科学技術庁として検討していただきたいと思うのです。これは要望しておきます。大臣、そのようにしていただけますか。
○西田国務大臣 検討いたします。
○近江委員 それで、子供を持つ母親としては、この問題に非常な不安を感じておるわけですが、根本的にこの汚染源を断つとともに、母子衛生の上からいかなる措置を講じていくかということです。緊急な対策が要るわけですが、それについては、厚生省、農林省はどういう対策をとっていただけますか。
○浅野説明員 先ほどもお答え申し上げましたように、いまのところ十分にまだ詰まっておりませんが、先生の言われましたように、母子保健の立場からこれは緊急に何かやらなければいけないということははっきりしておるわけでございます。それで、先ほど申し上げましたように、今回調査をいたしました、この母親と子供について、さらに精密な健康診査をするということと同時に、やはりこういうふうなわずらった子供がいる地域は一応汚染地域でございますので、何らかの方法で、その地域の母親、子供の健康診査、健康管理というのを徹底さしていきたい、こういうふうに考えております。 また、母乳の問題でございますので、おそらく先生が言われるのは、その農薬の入っている母乳を飲ませるのか飲ませないのかというふうなことが直接的な対策であろうと私ども考えておりますけれども、何ぶん母乳というのは子供にとって絶対必要な食品でございます。また従来とも、われわれは、母乳がいかに乳児の発育にとって重要な食品であるかということで、われわれのみならず、ここ何十年来母乳を促進してきたという面からいきますと、やはり母乳のメリットというものもあるわけでございますので、そのあたりを十分考えながらどういうふうな指導をしていくかということを現在検討中でございます。
○近江委員 健康管理にしてもあるいは健康診査をするというようなことも、これはあたりまえのことであって、これは抽象的なんですよ、いまの段階においては。ですから、たとえばそういう全国の母親を一斉調査をして、そうしてそこで検出された人については離乳をさしていく、それに対しては汚染のない牛乳を政府が提供するというような、これは一例でありますけれども、そういう具体的な対策を考えなければだめですよ。そんな健康診査をする、これはあたりまえのことですよ。この辺のことを厚生省として具体的にどう考えておりますか。
○浅野説明員 その点につきましては、先ほどお答えいたしましたことの繰り返しになるかと思いますが、やはり母乳というのはそう簡単にこれを離乳するとか断乳するとかいうふうなことは、私はむずかしいのじゃなかろうかと思っております。しかし、今回こういうようなBHCが残留しておるということになれば、そのあたりでどういうふうに考えていけばいいのかということは、いまのところ産科医、小児科医にいろいろ相談しておりますけれども、いろいろ意見も分かれております。それをできるだけ今月中にまとめて、何らかの母親、子供に対する指導をしたいというふうに考えておる次第でございます。
○近江委員 あなたは抽象的なことばかりおっしゃっておるわけですけれども、基準はどうなっているのですか。
○浅野説明員 最も原則的には、母乳にはそういうふうな何らかの形で人体に害を及ぼすようなもの、おそらく及ぼすであろうようなものが混入しておることは許されないことであることはもうはっきりしておるわけでございます。そういうふうな点から、いま専門的にもいろいろ学者の意見が分かれておるわけでございます。したがいまして、母乳の基準というのは私はつくれないのじゃないかというふうに考えております。したがいまして、今回の場合には、牛乳の基準を母乳に当てはめたいというふうに考えております。
○近江委員 牛乳の基準を母乳に当てはめるのですか。これはもう、学門的にいっても、私しろうとでわかりませんけれども、これは非常に大きい問題ですよ。畜生と人間と一緒だということなんですよ。そんなばかなことはぼくはないと思いますね。だから、これは厚生省、きょうは神林さんあるいは小島さん、そうした点で、ほんとうに第一線でやっておられる課長さんが来られておるわけですが、何も母子衛生課長さんが答えられたからといって答えられないことはないと思うのですよ。全国の母親がこんなことを聞いたらおこりますよ。こんないいかげんなずさんな、みんな心配しているのに、そんな対策でいいのですか。神林さんと小島さんに、第一線の課長さんに私はお聞きしますよ。厚生省としてこんなことでいいのですか。どういう対策をとっておりますか。汚染源を断つにはどうしていくか、あるいは母子衛生の立場から緊急対策としてどうするか、お答えいただきたいと思うのです。
○神林説明員 私どもといたしましては、食品の汚染ということが、これは人体への影響が大きいわけでございますから、少なくとも私たち、とりあえず近く牛乳――特に乳幼児の主食であるあるいは病人の主食であるところの牛乳につきましては、至急動物実験の結果を待ちまして、基準を策定していきたいというふうに考えておるわけであります。
○小島説明員 いま神林課長から御説明申し上げましたように、現在牛乳その他の食品についての規制と、それから私のところでは現在各種の農作物等に対する規制をできるだけ早く作成いたしまして、そして一般食品の汚染を減らそうということでやっておるわけでございます。それからまた農林省のほうも御協力いただきまして、BHC等の使用禁止ということをやっていただきまして、私どもとしては早くもとを断って、母親の体内に入ってくるものをできるだけ早くなくしてしまうということが、この根本的な対策ではないかということで、先生御指摘のように手ぬるいではないかという見方もあると存じますが、私どもとしてはそれが一番的確な方法ではないか、早く母親の食べるものからBHCをなくすということを考えてやっておるわけでございます。なお先生御指摘がありました問題についてはさらに検討いたしまして、たとえば母親の食事等についてどういう形で指導していくかというようなことも、今後検討をしていきたいと思います。
○近江委員 それから母子衛生課長にお聞きしますけれども、全国の母親、母乳を与えておる母親についての健康審査、健康管理はどういう方法でやられますか。
○浅野説明員 実は今回は産科医が全部専門的に診察した結果が集まってきております。それと同時に、このベータBHCの場合には肝臓障害がくるということをいわれておりますので、特にその血液から肝機能検査をやっております。もちろん尿の検査その他もやっております。すでに先生御存じだと思いますけれども、大体全国の妊婦に健康審査の制度が現在ございまして、二回程度につきましては公費負担でやっておりますので、今後はこの制度に乗っけて、今回調査をお願いした妊婦のみならず全妊婦につきましても健康審査を徹底させる、こういうふうに考えております。
○近江委員 この汚染源を断つという問題について、農林省さんは使用禁止にしたとか、いろいろおっしゃっておりますけれども、現実に母乳がこのように汚染されておるわけですよ。ということは、末端では使用禁止であるといったって、ストックしたものを使っておるに違いないのじゃないかという疑いが濃いわけです。こういう点、これはこのままで放置しておくわけですか。ストックがある、そういう点については回収して、またその費用を払ってあげるとか、これは政府において責任をもってやるべきですよ。大体汚染源の根本は農林省の行政の――これは各省みないかぬわけですけれども、一番使用するところがやらないからこういう結果が出るのですよ。通達を出しておったってできておるかどうか、これはそこまでチェックしておりますか。現実にストックされておるのをどうしますか、これは回収しますか。
○福田説明員 先ほど申し上げましたように使用の規制を行なったわけでございまして、この規制が末端まで徹底されるかどうかということにつきまして、県あるいは市町村の自治体等とも常によく連絡をとりまして、実態の把握につとめておりますし、また県や市町村が具体的にどのような農薬の使用を指導をしておるか等々の資料も取り寄せておりまして、県市町村あるいは農業団体等がことしのシーズン等におきまして使用しようとしております農薬等につきましては、現在有機塩素系殺虫剤は抹消されておりますので、今後ともそのような監視を強めることによりまして、使われることはないというふうに確信しております。なお現在販売禁止等々によりまして流通段階にある農薬につきましては、厚生省のほうとも御相談いたしまして、それぞれの末端において処分をするようにというような指導をいたしております。これは一応前国会の農薬取締法の改正によりまして、使用が禁止された、販売が禁止された農薬については、製造業者、販売業者等が回収につとめるものとするというような規定が入ってございますので、この規定を運用いたしまして、農業団体等を督励いたしまして末端農家から回収をして、これを第二次公害を起こさないような方法で処分するように指導いたしておるところでございまして、この処分方法につきましても先刻各県にお集まり願いまして、つぶさに御相談申し上げ、各県におきまして、それぞれ処分を完了したところ、ないしは進行中のところ、また処分方法について苦慮しているところ等々あるようでございますので、さらに具体的に個々のケースにつきまして県等末端の方々と御相談して処分を進めてまいりたいと考えております。
○近江委員 回収をすることにつとめるということになっておるわけでありますから、これをやってもらいたいと思うのです。ただし、回収をするということについて、農家が全部負担しなければならぬというような点については、政府としては責任持って、こうした点の配慮等は当然やるべきではないか、私はこのように思います。この点は特に大事な問題でもありますし、いずれにしても回収するということはうたわれておるわけですから、そのとおりやってもらいたいと思うのです。 それでもう時間がありませんので、最後に紙巻きたばこにまたこういうDDT等が含まれておるというような問題が出てきておるわけです。こうなると一体何を食べて何をというようなことで、もうほんとうにこれでは心配だらけですよ。この問題もやればこれは一時間もかかりますので、そういうわけにいきませんので、専売公社も来られておるわけですから、まずこの事実をどう受けとめておられるか。またそれに対してどういう対策を講ずるつもりであるか、長々とは要りませんから、要点をひとつ簡潔にお答え願いたいと思うのです。
○稲川説明員 つい先日都の衛生研のほうから御発表があったわけでありますが、数字そのものは私ども従来チェックをしてまいりました数字とまず同じでございます。違いはございません。私どももまだ衛生研のほうと直接お話しし、討議する時間がありませんが、御発表だけから推測いたしますと、私どものデータの見方について多少ニュアンスが違うのではないかという感じが現在しております。と申しますのは、たばこの残留量のどの程度であるべきかということについてのスタンダードが実は非常にとりにくいわけでございます。したがいまして、都衛生研でもおとりになっておりますように、アメリカの労働基準に使われるスタンダードを一つおとりになったようにお見受けできます。私どもはこのスタンダードと、もう一つはADIと申しますか、食品によっての摂取量、このスタンダード、二つをにらみながら検討しているわけでございますが、アメリカの労働環境のスタンダードの使い方といたしましては、都衛生研さんの御見解よりも私どものほうはちょっと違っておりまして、主流煙中、煙の中にあるDDTの量が、たとえば一日二十本なら二十本吸います際に、どの程度体内に入るかという見方をいたします。そういたしますと、そのスタンダードの八百分の一とか千分の一とかいうオーダーになるように私どもは理解しております。そういう立場から、ないにこしたことはないのでありますが、いま直ちに非常に危険な状態だというふうには、従来認識いたしておらなかったわけでありまして、その点につきまして、実は都衛生研であのような御研究があるということ自体を知らなかった。たいへんうかつでございますが知りませんでしたので、ただいま緊急に連絡をとって、衛生研のほうの御意見も十分拝聴して検討をいたしたい、こう思っております。 それから御承知だと思いますが、実はたばこの製造工程と申しますのは、葉っぱを収穫いたしまして二年間くらい熟成期間があって、その上で使うということがございますので、もちろん今後有機塩素剤は一切使わないことに、すでにだいぶ前に決定をして実行いたしておりますが、ストックについての問題もございます。そういう意味から今回こういうことにも相なりましたし、都衛生研の御意見も伺って、在庫品についてのチェックをさらに強化をして検討をいたしたい、このように考えております。
○近江委員 在庫をチェックして、ひどい汚染であればそれを使わないようにするとか、そういうことでございますか。
○稲川説明員 おっしゃるとおりでございますが、それがどの程度がはなはだしい汚染だという点について都衛生研の御意見と私どもと若干違うのではないかという疑いがございますので、十分検討させていただきたいと思います。
○近江委員 もう時間がないのが残念であります。 そこで、いずれにしてもこういう問題については、それでなくてもニコチンの問題とかいろんなことが言われているところに、こういうDDTだというようなことになってくると、これはもうたいへんな、しろうとが考えても、微量であっても蓄積をされる。ヘビースモーカーであれば何十本も吸うわけですよ。これが蓄積されていったときにどうなるか。これはもう単なる専売公社だけの問題ではないわけですよ。厚生省としてもこういうことをほうっておいていいかということなんです。当然これは厚生省でも責任を持ってやっていかなければならぬ問題ですよ。厚生省としては今後この問題についてはどうしていただけますか。
○小島説明員 私、直接所管しておる問題ではないわけでございますが、現在公衆衛生局におきましてこの問題については検討中でございます。厚生省といたしましては、こういった農薬だけでなしに、たばこ自身の有害性というものも問題にしておりまして、こういう点については、先生も御存じのように諸外国においてもいろいろ検討されておりますけれども、また国連のWHO等のいわゆる委員会等における議論もございますので、私担当のほうへ連絡をいたしまして、厚生省としてもできるだけ積極的に取り組んでまいりたいというふうに考えています。
○近江委員 時間がありませんので、最後に一点だけお聞きいたします。 いま、国内のストックのあるものについて汚染調査をすると専売公社おっしゃったわけですが、外国産たばこもまぜて使うわけです。したがって、輸入葉たばこについても全部検査をするのかどうか。それについて汚染されたものについてはどうするかという問題が一つ。 それと、要するにたばこの有害表示についてはアメリカをはじめ各国もやっているわけですが、これについて有害表示は早急にやるかやらないか、この二点についてお聞きして終わりたいと思います。
○稲川説明員 第一点のほうでございますが、先ほども申し上げましたように、私どもがとらえておりましたのは、いま直ちにたいへん危険な状態にあるというふうにとらえておらなかったわけでございます。その辺は先ほど申しましたように、さらに外部の方の御意見も伺って検討いたしますが、実態的には、農産物でございますので、葉っぱ一枚一枚についてのコンテストのばらつきが非常にございます。したがいまして、全体をアリのはい出るすきまもないような調べ方というのは、事実上まず無理ではないかという気がいたしますので、その辺の調査のしかたについては、さらに慎重に検討さしていただきたい、こう思います。輸入たばこについても、いま申し上げましたように同様でございます。 それから第二点の有害表示の問題でございますが、これは先生も御承知だと思いますが、大蔵大臣が審議会にこの問題を特に諮問をいたしまして、その答申が三月に出ております。直ちに大蔵省のほうから私どものほうへ御指示があるかと思っておりましたのですが、たまたま国会開会中で、国会でもいろいろな御意見、御討議がございまして、そのせいだと思いますが、まだ大蔵省からの御指示をいただいておりません。御指示があり次第、そのとおりに実行いたすというつもりでおります。
○近江委員 時間がありませんので、終わります。
○渡部委員長 委員長として発言いたします。 ただいまの近江委員に対する質疑応答はきわめて不満足でありまして、了承できないものを感じております。なぜかと申しますと、先ほどからおかあさん方の母乳の健康問題については、近江委員が指摘されたように多大の心配があるわけであります。しかるに、本委員会における厚生省側の御回答は、離乳を早めることによってそれをやるという御意見もありましたけれども、それに反対する御意見もありましたし、また乳におけるこうした有機塩素剤の基準自体がきまっていないということも明らかになりましたし、公衆衛生関係の費用、人員、予算、そのことごとくが不満足であるという意思表明もありましたし、事実上全く不十分な対策であるということが明らかであります。この審議経過を見まして、このままで放置することはとうてい許しがたいことであると私は感じます。したがいまして、私は、本委員会に対して、このような結論で厚生省側、農林省側が回答を留保されるということは不穏当であり、正規に書面あるいは適切な会合を通して、当委員会に対してその対策を明らかにしていただきたい、それを明らかに本委員会に表示していただきたい、こう要望いたします。 なお、科学技術庁におきましては、先ほど大臣から御意見の表明がありましたように、特別の調査費等を計上する御意思があるようでありますが、重ねてこの点もお願いをしたいと存じます。 以上、一括して国務大臣より意見の表明を求めたいと存じます。
○西田国務大臣 委員長から御指摘がございましたように、私もここで聞いておりまして、両省努力はいたしておるようでありますが、しかしなお不十分なものがあるように存じます。したがいまして、わが庁といたしましても、両省と至急に打ち合わせを行衣いまして、適当な方策をひとつ見出していきたい、かように考える次第であります。 さらに、総合調整官庁といたしまして、先ほど申しましたが、必要な申し入れ等も行ないたいと考えております。 所要の経費につきましては、これはその必要がございますれば、決してそれに御心配はかけないようにするような十分な手当てができる、かように考えております。 以上、お答え申し上げます。
○渡部委員長 まことに重ねて恐縮でありますが、大臣にお願いしたいのです。ここ一カ月以内ぐらいに、この対策につきましてきちっとした結論をひとつ導き出していただきたいと思います。
○西田国務大臣 御趣旨のように努力をいたします。
○渡部委員長 次に、吉田之久君。
○吉田(之)委員 私は、原子力問題について四つばかり質問をいたしたいと思います。 まずその一つは、新型転換炉、ATRの問題についてでございます。 実は、委員会における附帯決議というものは、政府は最大にこれを尊重し、忠実に実行されなければならないと思うわけでございます。 そこで四十二年七月、動燃事業団法が成立いたしましたときの当委員会における附帯決議、それは六つの項目から成り立っておるわけでございますけれども、その二番目に「高速増殖炉及び新型転換炉の開発は、長期的かつ画期的な国策である。したがって政府は、これに必要な資金及び人材の確保のために強力な施策を講ずるとともに、努めてその自主的な開発をはかるべきである。」ということが明記されてございます。ところが最近の新聞紙上等から類推いたしますと、この計画は必ずしも予定どおり進んでいないのではないかという感じがしてならないのでございます。 まず、昭和四十六年の四月九日の日本工業新聞の記事でございますけれども、「動力炉・核燃料開発事業団が自主開発をめざして昨年十二月福井県敦賀で整理工事にはいっていた新型転換炉(ATR)原型炉“ふげん”の建設が危機に陥っている。四十五年度予算(債務負担行為)百二十九億円に対し原子力五グループの見積りが約二倍に在ったまま動燃側との話し合いがつかず、未契約の状態で新年度にはいった。」なお「原型炉の仕様を見直し、安全性をぎりぎりの線まで落とすことにより原型炉建設費をできるだけ圧縮する方針である。」これによってその事態に政府は、動燃は対応しようとしているようである。「しかし当初予算の三百八十億円での建設はとうてい不可能で、五百億円にものぼる場合、はたしてATR建設を推進すべきかどうか改めて関係者間で抜本的な検討が必要とみられている。」こういうことが書かれております。この辺の経過について、政府は明確左態度をどう堅持しておられるかということを承りたいと思います。
○梅澤政府委員 新型転換炉の問題につきましては、前年度中に核の部分、いわゆる炉回りの主体の部分の発注をいたす予定でございまして、去年の末から業者と相談いたしておるわけでございますが、その契約金額になかなか折り合いがつきませんでした。しかしわれわれのほう、動燃といたしましても一応の積み上げがございますけれども、それとの間隔の広さをいかにつけていくべきかということで、内容の具体的相談をやっているのが現在でございます。 われわれといたしましては、どうしても前年度中にやりたいということで努力をいたしましたが、それができませんので、大蔵にお願いしまして、今年度に繰り延べをしておりますが、六月ごろを目ざしてと思っておりますのは、実は来年度予算にも関係がありますし、それからやはり昭和五十年ごろには臨界に達するという目的がございます。その関係から、それに間に合うという考え方でいきますと、やはり六月までぐらいにはこれははっきりさせたいという考え方でございます。それで、現在業界との折り合いをつけておりますが、万が一それが非常に差があるということになりますと、今度は実用炉として持っていく場合に、今度の原型炉が役立つであろうかという問題が出てまいります。 そういう関係から、万が一あまりにも大きな差がありました場合には、再度専門家の方々と相談して、この問題が早急に実用炉に向かっていける問題として、もう一度検討を早急に進めて、できるだけ早い間に片づけたい、しかし現在のところでは六月を期して何とかこの問題はいけるんではないかという考え方で進んでおります。
○吉田(之)委員 われわれがおそれますのは、過去にもこういう例があるわけです。「四十四年度の場合も高速増殖炉実験炉で見積りが二倍になって問題となったが、動燃側がリストを負担することを申し出、高速炉自体が将来の本命の原子炉でメーカー側も自腹を切る価値があったので歩み寄りがみられた。」こういういきさつがあります。 さらに心配なことは、最近非常に景気が下降をいたしておりまして、そういうことで重要な発注であることはわかるけれども、メーカー側としてそう身銭を切ってこれに対応できるかどうかという懸念があります。いまあなたの御答弁によりますと、何とか六月じゅうにはめどをつけ、予定のコースに乗せたいとは思うけれども、なおそれでも難航が予想される場合には、あらためてこの新型転換炉が実用炉として間に合うのだろうかどうだろうかという基本的な問題を再検討しなければならない、こうおっしゃっております。非常に重大な問題だと思うのです。 要は、そういう予算が少ないことによって、日本の民族の未来を切り開くべきかくも重要なエネルギー開発の研究が大きな修正を余儀なくされ、変更をせざるを得なくなるというふうなことに表れば、わが国の科学技術開発の根幹に触れる問題だと思います。この点大蔵省の組んだ予算が少な過ぎるのか、あるいは皆さん方の要求された額雇いしはそうした最初の判断が甘過ぎたのか、一体どこに原因があるのですか。
○梅澤政府委員 この予算を組みました際には、海外の様子並びに日本の現状等から約一億ドルという考え方で始まっておりました。それで二年ほど前に大蔵省に予算要求するときに三百八十億、さっき先生がおっしゃいました数字を出したわけでございますが、この当時といたしましては、全般的に世界的に見ましても、大体この程度の原型炉をつくる場合にはこの金額で妥当であるという、いろいろ専門家のお話も聞いてやったわけでございます。したがいまして、これから考えますれば、値上がり等をどのくらい入れてたかという問題があると思います。もし今度この金額が大幅になったとした場合には、いま私たちのほうも海外の状況を検討しておりますが、一番似ているのがカナダ等にございます。そういうところの値上がりも現在ある程度わかっておりますが、しかしいま先生おっしゃいました、私たちは根本的にどうしてもこの新型転換炉を早く実用化に持っていきたい、持っていくために、この原型炉をこういう形で進めていく場合に、これだけの値段が上がりました場合に――たとえば上がった場合でございます。そういう場合に実用炉をやるのは民間の方々でございます。したがって、こういう分でやっても、十分実用炉にいくのだということを民間の方々に承諾してもらいまして、それでやっていくということで、専門家にお聞きするということを申し上げましたので、信念としては当然これは絶対やっていくのだという考え方でございます。
○吉田(之)委員 その点大蔵省はどういうように判断しておりますか。 〔委員長退席、内海(清)委員長代理着席〕
○原説明員 私ども、ただいま原子力局長から御答弁がありましたが、四十五年度末までにはとにかく交渉が成立しなかった、したがって、その分を四十六年度において契約できるように暫時ひまをくれ、私は別に三カ月と言った覚えはないのでございまして、できるだけ早く詰めて契約できるようにしていただきたい、こういう点を申し上げているわけでございます。私はそれを非常に期待しておるわけでございまして、まだそのできないという前提でものを考えておりません。
○吉田(之)委員 問題はこの種の予算を組む場合に、他の場合とは画然たる考え方の相違がなければならないと思うのです。出費多端のおりから、これも少し削っておこうというようなことではできることができなくなってしまう、それはたいへんなつまずきをわが国の科学技術全般に及ぼすことになります。海外の事情の調査あるいは物価の上昇の問題、そういうことまで大蔵省は十分に精査検討してこの予算を組まれたのかどうか。
○原説明員 いま問題になっている点は、ただいま原子力局長が申されたように、海外の事情を調査の上、私どもに要求がございました。私どももそれを見て、まあまあ大体よかろうという判断をいたしましたので、一つも削っておらないわけでございます。
○吉田(之)委員 ところがまあまあ大体いいだろうということに実情は全然なっていないわけです。だからこれはいまここで大蔵省の皆さん方をこれ以上責めてもいたしかたないかもしれませんけれども、今後に向かっては、ひとつさらに両省間における慎重なすり合わせ、計画を堅持してほしいということを特に要請しておく次第でございます。 同時に、私は原子力局長にお聞きいたしますのですが、こうした背景の中で少しその仕様を実質的にダウンさせようではないか、あるいは安全度をぎりぎりのところまで落とそうではないかというふうなことも考えられているやに久聞いたしておりますけれども、はたしてそういう実態なのかどうか。私はさらに念を押しておきたい点は、これはあくまでも科学技術開発のためのナショナルプロジェクトを推進する重要な使命を持った開発であります。したがって、天然ウランによるプルトニウムの自立サイクルが大目標であったはずでありますが、その仕様の多少の変更によってこの大目標はくずれはしないかどうか。 いま一つは、燃料オン・ロード・レフューエル、運転しながら燃料交換をしようということだと思うのですが、そういうことなどの技術的に多くの問題があることについては、すでに国会でも論議されたことでございますけれども、今度のこの開発によってその辺のところを実証するATRのプロジェクトであることを堅持していくのかどうか、いわゆる技術開発の立場、エネルギー政策の両方の立場の基本線はあくまでくずれないかどうかという点でございます。
○梅澤政府委員 いま先生おっしゃいました前の問題でございますが、たとえば安全性を落としてまでぎりぎりということは絶対私たちもさせませんし、動燃がそういうことをやっているとも聞いておりません。ただ、タービンとか炉回りのところの分について、業界とこういうふうな立場でやるというようなことで、安全性に全く関係のない点の話し合い等がある程度されておるようには聞いておりますが、まだ内容として具体的なことは聞いておりません。しかし、私たちのほうは、安全性に関する限り絶対的にそういうことを変更させる気持ちは全くございません。 なお基本的考え方で、試験研究課題、並びに臨界に達しましてからやるべき課題、こういう問題については、これは委員会あるいは検討会で十分出された課題でございます。したがいまして、これにつきましては、当然それを満足させる形でいくのでございまして、決してそれを変えるつもりもございません。
○吉田(之)委員 大臣、お聞きのとおりでございまして、すでに時期は三月で契約は成立していなければならないものが、このような状態でおくれております。何とか六月には契約を成立させようという考え方のようでございますけれども、私は非常に深刻左問題が多々あると思います。したがって、長官としては、この重要な関頭に立ってこの問題を本来の目標どおり推進していくために、大きな努力と決断を払っていただきたいと思う次第でございますが、いかがでございますか。
○西田国務大臣 先生御指摘のATRの契約は、四十五年度内にこれができませんでおくれたことは私もたいへん遺憾に存じます。何と申しましても、原子力のナショナルプロジェクトの第一号的なものでございまするし、これはあらゆる努力を払いまして、りっぱに目的に沿うた建設が進められなければならぬ、かように考えておるのでございます。この間のおくれました事情等につきましては、十分局長その他関係者からも経過の報告は受けております。私からも、全力を払ってひとつ、またメーカー側とも十分な検討を遂げて、そしてできるだけ早く結論に到達するようにということを申しておりまするし、その趣旨で、実は原子力委員会等でもこの間の事情等も動燃事業団等から聴取しながらいろいろ苦心をいたしておるところでございます。何ぶんにも相当の懸隔がわれわれの予想以外に多いようでございますから、そこら辺にいろいろまだ検討を要する点が残っているんじゃないかというふうに考えております。しかしながら、物価の上昇その他いろいろな、メーカー側にも非常にふえてまいりましたことに対するそのいろいろな条件とか要素というものもあるであろうと思いますが、しかしなお鋭意努力をいたしまして、またメーカー側にも協力を求めまして、そしてできる限り所期の目的に沿うて結論を得るように努力いたしたい、かように考えておる次第でございます。
○吉田(之)委員 間違っても、金がなかったからこの計画は中止だというふうなことにならないように、それはもう政府の科学技術そのものに対する重要な責任の所在する問題でありまして、一段の御努力をお願いいたしたいと思います。 次に、二番目の質問といたしまして、原子力施設の立地について若干の御質問をいたしたいと思います。 実は昭和三十六年五月十八日、当委員会におきまして、原子力損害の賠償に関する法律に対する附帯決議がございます。その(一)の中に「安全基準を速やかに設定し、これに基づいて原子炉の過度集中を避け、周辺環境の整備を図る等原子力損害に関する予防措置を講ずること。」ここでは「原子炉の過度集中を避け、」ということばが使われております。それから次に、四十二年の七月の、先ほど申しました動燃事業団法が成立したときの六つの附帯決議の中の一つには「動力炉及び核燃料の開発は、その安全性を確保するため、内部体制を十分に整備するとともに、施設が適切に配置されるよう配慮すべきである。」ここでは「施設が適切に配置されるよう」というふうな表現になっております。同じ国会の中で、同じ附帯決議の中でこの二つの表現の違いというものには若干のニュアンスの差があるのかどうか。問題は、普通常識的に考えましたら、安全を確保するためには過度集中を避けることが一番常識だと思います。しかし場合によっては、全然人里離れた、あるいは理想的にいえば、洋上の孤島で、こうした原子力施設を設置する場合には、むしろそこに過度集中したほうが国民全般から見ればはるかに安全であるというふうなこともいえるのではないかというふうな気がいたします。この辺のところ、現時点において政府はどのような見解を持っておられるのかということをお聞きします。
○梅澤政府委員 原子力発電では、ある地域に出てくる場合、安全審査会といたしましてはその既設の発電所との関係は当然考えまして、そこで安全という考え方をとっております。それで過度集中の過度というのが、ある基準以下かあるいは何基という考え方は、その場所々々が違いますのでやっておりません。したがいまして、安全性から考える点を十分守って総合的に判断していくという形をとっておるわけでございます。
○吉田(之)委員 いまもお話ありましたように、非常に抽象的な表現であります。しかも、かつ主観的な判断におちいりやすいおそれがあると思います。したがって私どもは、この原子力施設の安全を確保するためには、さらに現状の中で具体的な例を一つずつ確かめながら将来に向かっての方針を打ち出していかなければならないというふうな気がいたします。その点で、北海道の原発がいま岩内において行なっております地元との話し合い、あるいは東北原発が女川で行なっております現状、それと行政府としての今日の対処のしかた等につきまして、若干の御説明、御報告をいただきたいと思います。
○梅澤政府委員 初めに北海道の岩内でございますが、これにつきましては、大体地元の了解を得るというのを事前にやりまして、それから設置者がそれを行ないましてからわれわれのほうへ出てくる順序になりますが、まだこれにつきましては設置許可の申請はきておりません。目下現地で設置者等、あるいはその市町村等で検討中という段階でございます。 それから女川につきましては、これは申請がまいりまして、昭和四十五年の十二月に原子炉の設置の安全審査を行なった結果に基づきまして決定をして許可を与えております。それで目下、その後の漁民の方々との問題点がございますが、それに対してもいま不安感に対する御了解を得ているというのが現状でございます。私たちのほうも、向こうの県その他からの御要望に基づいて、いろいろ安全であるという確認のデータ等の連絡をとりながら、不安感を解いていただいて、なるべくやらしていただきたい、こう思っております。
○吉田(之)委員 いま各地で、これからいよいよ用地確保の問題で深刻な壁にぶち当たるのではないかという感じがいたします。したがって、この用地確保の問題を民間の会社にだけまかせておくことはあまりにも問題が大き過ぎるのではないか。各地方自治体の長も、特にこうした公害防止の世論の沸騰する中で非常に慎重なかまえをとるだろうと思います。そういう情勢の中で、行政庁としては一そうこの重要な用地確保の問題のために指導的主役割りを発揮していただかなければならないのではないか。これも科学技術の推進のための非常に重要な一対策だと考えますので、その点は特に大臣に要望をいたしておきたいと思います。 次に、三番目の質問でございますが、それは核拡散防止の査察についての問題でございます。過般のIAEA保障措置委員会の結論に対しまして、科学技術庁はこれを非常に高く評価されているようでありますけれども、さらに次の諸点について解明をお願いいたしたいのであります。 その一つは、通常査察、特別査察を含め、年間の最大査察回数などを定めることになっているけれども、一体わが国の場合これはどのくらいが一番適当なものであると想定しているのか。その査察の回数があまりにもひんぱん過ぎることについてはいろいろと支障を来たすおそれが十分にあると思います。この辺の歯どめをどう設けようとしているのか。またわが国の場合の国自身の管理制度の信頼度というものが、この査察回数等と非常に深い関連を持っているのでありまして、その点でわが国の管理制度の推進のために政府はどのような方針を打ち出しておられるのか、まずその辺のところからお聞きいたしたいと思います。
○梅澤政府委員 IAEAの査察につきましては、今度の検討会におきましてはNPT関係としていたしたわけでございます。現在の受けております査察とは考え方が少し違っております。現在受けてますのには常駐査察という問題が入っておりますが、しかし今度の査察もNPTに入りました場合の査察という考え方で、簡素化ということでわれわれは努力したわけでございます。その関係から常駐というものはなくなりまして、いま先生おっしゃいました査察に来るマキシマムの量というのが規定されまして、それをわれわれのほうの実力で減らしていくという立場に立っております。たとえば商業用発電炉でございますが、これは年間に五十人目となっております。それは二人で参りますと二十五日になります。それから五分間でも十分間でも一度入れば一日になるというのがこうした考え方でございます。そしてそれを減らす場合には、先生おっしゃいましたように、まず一つは国内管理制度が明らかになっておること、というのは、国内管理制度がちゃんとできて、国としてこれだけの管理をして、向こうの査察を受けなくたってちゃんと十分になっているということを見れば、それで回数を減らすというのが一つと、それから国の燃料サイクルの特徴、たとえば現在のところ濃縮ウランがございません。したがいまして、濃縮ウランがないとか、あるいは再処理工場がないとか、もう一つは、日本のように現在のところでは海外から濃縮ウランを入れておりますと、一度海外へ出るところに査察を受けるというような立場、そういうような数から一つ減らされます。それからもう一つは、われわれが今後、いま早急にやっているわけでございますが、計測技術を発展させまして、その計測管理がうまくいっているということが一つございます。それらを含めまして、五十人デーというのを減らすわけでございます。 いま先生おっしゃいましたこれが幾らに減る、幾日に減るのかということにつきましては、現在はっきりきまっておりません。これはいずれこまかい、NPTに入るというときがきまりましたら、その時期にそれをわれわれのほうでも検討に入るわけでございます。しかしわれわれといたしましては、早急にそういうことを減らす方法ということを考えておかなければなりません。したがいまして、ことしも大蔵省から予算をもらったわけでございますが、われわれのほうの国内管理制度の整備としてその機械化ということを一つ考えております。 それからもう一つは、やはり計測技術を上げることでございます。それで今度委託費のほうで約七千万から一億程度の委託費を出しまして、民間、学界等で目下計測技術の検討をしていただいております。それで、それをなるべく早くつくりまして、そして日本の国内制度が数値的にあるいは定量的にこうりっぱにいっているということを見せて、この数を減らしていくということになるわけでございます。
○吉田(之)委員 日本でいままでの数少ない経験として、日米原子力協定に基づいて敦賀において査察をいたしております。また日英原子力協定に基づいて東海において査察を経験いたしておりますが、特に敦賀の場合における査察の経験は、あまりにも苦々しいものであった。この辺は、わが国としても保障措置委員会に対して注文をつけられたはずでございますけれども、いまも御答弁がありましたように、やはりわが国の核開発、原子力の平和利用の自主的な立場を貫いていく、もちろん国際的にはあくまでも誤解を避けるための相互査察というものは尊重されなければなりませんけれども、この辺の限界の持ち方というものは、これからの将来に向かっての非常に大きな例になってくるだろうと思います。またその辺が今後核防条約を批准する際のわが国の姿勢にも非常に大きく影響してくるのではないかというふうな感じがするわけでございまして、したがって、この点につきましては、いまもいろいろと計測技術の開発に努力をしておられるようでございますけれども、非常に適切な措置だと思います。一そうそういうものを促進されまして、できるだけわずらわしい過度の査察を排除しながら、国際的に協調して開発していくという姿勢を確立していただきたいと思う次第でございますが、特に大臣の御所見があればお伺いいたしたいと思います。
○西田国務大臣 NPTに加盟いたすことを前提としてのIAEAの査察の問題につきましては、わが国といたしましてそういう検討の場におきまして十分なわれわれの主張をいたしまして、かなりわが国の主張が取り入れられてまいっていると思います。しかしながら、いま先生がお述べになりましたように、敦賀におきますところの過般の査察等におきましては、これが最初の査察であったというせいもございましょうけれども、われわれの予想に反しまして非常にきびしいものでございまして、IAEA当局に対しましても率直にわれわれの意見を申し上げまして、簡素化の方向に対する配慮を願ったわけでございます。そして一応われわれの原則的な主張はほぼ貫かれたと思っておりまするけれども、実際にこれが運用されまする段階におきまして、われわれが庶幾するような、きわめて満足するような査察を受けるためには、やはりわれわれもさらにみずから努力を要する面もございまするし、またさらに関係各国との協力の上に立ちまして、そして十分われわれの期待しておるような、われわれが望んでおるような査察の状況に在りますように、さらに努力を続けてまいりたいと考えております。
○吉田(之)委員 なお局長にちょっとこまかい問題でございますけれども、このことに関係して承っておきたいと思います。 日本自身の管理体制というもの、そういうものが非常に充実してくればくるほど、わが国のこの問題に対するプライドも高くなってくると思います。したがって、今後国と国との間でこの査察の問題をめぐるいろいろな苦情がやはり間々発生すると思います。この苦情を処理するための適切な機関、国内の機関あるいは国際的な機関というものが当然必要だと思うわけなんでございますけれども、そういう機関の新設に対して具体的に今日現在どの程度の検討を進められておりますか。
○梅澤政府委員 IAEAの検討会ができましたときには、NPTに関する査察の問題の検討会というものをつくりまして、それでそれが終わりましたので、現在国内体制を管理するための検討会に切りかえてやっております。それでその委員会を置いておきまして、たとえば敦賀、美浜等の問題点が出た場合に、重要な問題はそこで御相談をするという形を現在考えておりますが、たとえばいま先生おっしゃいましたNPTに入ったというときに、そういう国内的苦情処理の問題をどうするかというところまではまだ判断しておりません。しかしいまの検討会を続けておりまして、そこでいろいろ問題点を追及して考えていきたいというのが現状でございます。それから国際的にはIAEAの理事会がその苦情を処理する形になっております。
○吉田(之)委員 いま一つの質問は、われわれはいわゆる軍事的な核保有国ではありません。したがって、核の平和利用の査察の場合、いわばその要する費用というものは向こうの国のほうが負担するのがむしろ筋合いのものであって、われわれは査察されることによって特別な恩恵を受けるわけではないと思うのです、たいへん常識的な表現かもしれませんけれども。こういう国民の気持ちに対して今後どういうふうに対応していこうとされるのか、また、諸外国のこの問題に関する例がありましたら御説明いただきたいと思います。
○梅澤政府委員 費用の点でございますが、これにつきましてはわれわれのほうも外務省と一緒に非常にこれを問題にいたしまして、それで要するにいまIAEAが分担金を取っております。その分担金の比率を守っていく分にはこれはわれわれとしては文句の言えない、しかたのないことだと思います。しかし、こちらが受けるための費用を自腹を切るということがあってはいけないということで、これは強硬に検討会にも、またIAEAにも言っておりまして、現在そういう措置はとられておりません。こういうことについては十分守っていきたい、こう思っております。
○吉田(之)委員 第四番目の質問といたしまして、この前の委員会でもたいへん問題になりました従業員の災害補償問題についてお尋ねいたしたいと思います。時間がございませんのでざっとまとめて質問の内容を申し上げますので、ひとつ答弁を適切に、その項目ごとにお願いをいたしたいと思います。 この最後の問題でございますけれども、この問題の我妻レポートが一番問題のポイントでありました。この我妻レポートは二つの点から構成されていると思います。すなわち補償対象の原則を変えるという点が一つ、それからいま一つはみなし認定制を明確に導入するという二つからこのレポートは成り立っているというふうにわれわれは認識をいたしております。いずれも現行労災法の原則的問題にかかわるものでありまして、そう簡単に事務レベルの相談ぐらいで解決する安易な問題ではないというふうに考えます。これを解決するためには相当な政治的な力が必要だと思います。ないしは相当社会問題になって初めてこの問題は解決の方向に促進されるのではないかというほど難解な問題のように私どもは考えます。それであるがゆえに我妻レポートというものは原子力委員会に対して、原子力委員会が持つ政治的な力、そして科学技術庁を中心とするわが国の行政上の政治的な力、そういうものに大きな期待をしながら答申をしていると思うのです。したがって、労働省の中において相当抜本的にこれに対する認識の改定をしなければ問題は一歩も進まないと思うのでございますけれども、現在の労働省の態度というものは、その答申は原子力委員会になされただけであって、いわば対岸の火事であるというふうな感じをもって受け取っているのではないかというふうな心配が私どもはいたします。 そこで問題は、原子力委員会から長官並びに総理大臣に明確にその答申が伝えられ、かつ、総理大臣が今度は労働大臣に対して、この点で新しい検討を直ちに始めなさいという明確な指示がなければ、いま原子力従業員が当面しているこの労災の問題を完全に解決するということにはならないというふうに私は思うのです。しかしながらわが国の行政はきわめてセクト的な官僚機構の実態でございまして、われわれに対する委員会の答弁などもその点では労働省側は非常にはっきりとしない、煮え切らない態度に終始しているものと思ます。認定にあたっては弾力的に行ないますとか、あるいは不妊症などはなじみにくいというふうな表現を使っております。認定症例の幅を広げることについては科学技術庁とも相談をしてやっていきたいと思いますという程度のものであります。これならばいままでの軌道の上でただ少し積極的に幅広く認定にあたって努力をしようではないかというだけのことでありまして、決して我妻レポートにこたえるゆえんのものではないと思うのです。もっと積極的に一歩踏み出して、新しい法律をつくってでもこの原子力の現場に働く労働者に対してはいままでの労災の認定とは全く違ったところの、いわゆるみなし認定というものを導入するのだ、かってその職場にたとえば一年以上働いておった労働者に対しては、その後白血病にかかった場合には自動的にそれは因果関係があるものとみなすんだ、この辺まで踏み込んでもらわないと解決することにならないと思うのです。しかも労働省のそういう答弁に対しまして、原子力委員会は、労働省はこのようにおっしゃっておるのでございますという程度の答弁をわれわれになさっているのであります。これでは話は一歩も前進していないというふうに考えざるを得ません。その点今日局長はどのような考え方でこの問題を解決しようと考えておられるのか承っておきたいと思います。
○梅澤政府委員 先般法律のときにいろいろ御質問され、われわれの答弁もあるいは付帯事項に対しての促進のしかた等で御迷惑をかけたと思います。したがいまして、先般すでに我妻先生、有澤先生、われわれが集まりまして、前の我妻先生の考え方の答申がございますが、それをもう一度いま早急に再検討するという形をとっております。そして労働省にもそれに協力するようにという考え方を目下進めているところでございます。 それからみなし認定につきましては、先生がおっしゃいましたように、確かに不十分でございます。それでこれにつきましてはわれわれのほうも結局不妊症等というのは医学的解明ということが非常に問題になってまいります。これについてはいま放医研に人体に対する影響の研究を進めてもらっております。 それからもう一つ問題点は、職業人の個人被曝の場合のマニュアルでございますが、登録制度等にする基準と申しますか、それがまだ成立化されておりません。というのはフィルムバッジの見方とかそういうことの検討会をいまやっておりまして、間もなくそれが出てまいります。そういうことを一括して私たちはできるだけ労災関係に十分なデータが出せるような形ということをとっております。 なお労働省に対しましても現在厳密なみなし認定ではございませんけれども、原子力事業に対する従業員に対しての弾力的判断、措置をとってもらうということは常にお願いしておりますし、向こうもそうしたい、そうしていくこととするという形で、いま暫定的にはそういう形をとっておるわけでございます。
○吉田(之)委員 あくまでもその弾力的な判断というものは暫定的なものであるということはあらためてこの機会にはっきりとお互いに確認しておきたいと思います。したがって、あるべき姿はそういう弾力的な運営ではなしに、はっきりとみなし認定といういままでとは全く次元の違う処理のしかたでこれを認めていくということにしなければならないと思うわけでございます。 そこで検討会などを持たれているようでありますけれども、一体この検討会はいつごろに終了して、そしていつごろ結論を出そうとなさっているのかという点が一つであります。 それからいま一つは、よく労災法は最近非常によくなったといわれております。そして原子力委員会もこの問題の答弁のときにその現状を援用しようとする節がたくさんございます。しかし労災法は確かに最近逐年改善されておりますけれども、それは給付面についてのみ改善されているのでありまして、くどいようでございますけれども、われわれが問題とする基本的な問題そのものには何ら及んでいないのであります。この辺のところはひとつ原子力委員会といたしましても、さらに問題の認識をはっきりとしていただきたいということを特に付言いたしたいのでありますが、これらの点について重ねて御答弁をお願いいたします。
○梅澤政府委員 先般我妻先生とお話しして、これは問題が問題でございますので、前にも一度経験した検討がございますので、できるだけ早く検討会をきめてしまおうということで、まだ我妻先生といつまでにやってしまおうというところまでいっておりませんけれども、私たちは我妻先生にもできるだけの時間をさいてやってくれということをお願いしているわけでございます。 それから、先生おっしゃいました御指摘の労災補償制度が現在給付面以外にあまりよくない、これは原子力委員会もそう申しております。これは要するにILO条約並みの水準に来たというだけのことでございまして、みなし認定等についての問題についてはまだまだ全然不十分でございます。したがいまして、これは労働省とも相談して、先ほどの検討会と一緒にがんばっていきたいと思っております。
○吉田(之)委員 以上をもちまして、私の質問を終わります。
○内海(清)委員長代理 次に山原健二郎君。
○山原委員 本会議の前に終わらなければなりませんから時間が二十五分程度しかありませんので、最初十分間私は実情の説明をいたしますから、本日は法務省、経済企画庁、水産庁、通産省、厚生省来ていただいておりますので、状況を最初に把握をしていただきたいと思うのです。 本日も各新聞が発表しておりますように、東京都における河川の軒並み汚染というのが出ておるわけですね。ところが、東京都の場合にはこのような調査も総点検ができるわけですけれども、実際は地方においてはこういうことがなかなかできない。予算が足りない、人が足りないというような実情の中で、きわめて乱暴な自然破壊が行なわれ、水質の汚染とかあるいは海洋の汚染が進行しておるという実情を私は申し上げてみたいのです。 〔内海(清)委員長代理退席、近江委員長代理着席〕 私の本日申し上げますのは一地方の問題でありますけれども、針の穴から天井をのぞくような状態ですが、しかしのぞいてみればいわゆる政府の公害に対する政策というものがいかに矛盾に満ちたものであるかという天井のしみがよくわかる、そういう実情があるわけです。 私がきょう申し上げますのは、実は高知市を流れております江ノ口川という川でありますが、これは高知市のどまん中を流れておる川です。そして、この川のそばには皆さん御承知の科学者であり文人でありましたところの寺田寅彦博士が生まれております。その家はこの川のすぐそばにあるわけですが、全く皮肉なことですけれども、この自然科学者の目の前の川が西日本随一の汚染ざれた川ということに現在なっておるわけです。しかもその川の流れる浦戸湾、これは高知港と呼ばれ、また別名吸江湾と呼ばれておりますけれども、これはかって頼山陽が、私ども中学生のときに習った漢文の中に出ておりましたが、土の吸江天下の絶景、こういわれているところ、ここには全く魚が住まないという状態があらわれておるわけです。私は、時間がありませんから、ここで公害展をやるわけではありませんけれども、実際の現物を見ていただきたいと思うのです。これは私が地元の方々からいただいたものでありますけれども、たとえば、現地の方々は官庁にたよることができないものですから自分たちでいろいろな調査をやって、その現物を保存しているわけです。 これは子供たちのおもちゃのキューピーです。これはプラスチックでできておりますけれども、実際はこういう色――黄色だったのです。一カ月にして家の中にありますところのこの子供の遊ぶ道具がこういう色――黒褐色になってしまう。ふいてもふいてもこの色が取れない。硫化水素による汚染をされているわけですね。 さらにまた、食器類あるいはこのようなハンドバッグ、これなどももともと色はまっ白であったものが、これは正月に買ったものですけれども、かなり高価なものですがこういう灰色になってしまう。 さらに、ここにはオリンピックの千円貨幣があります。これは上の黒いのはオリンピックのときに買いまして、そして机の中に入れて紙袋で包んであったのです。それを取り出してみるとこういう色です。ところが道一つ隔てて川から離れたところの、同じ机の中に入れてあったこれも同じ紙袋に入れてあった貨幣はこのように白いわけですね。これくらいの相違が出てくる。さらにあるたばこ屋のおばさんは、たまりかねて十円玉作戦というので、十円玉をこのように家の中あるいは自分の家の屋外に置きまして、そして日数に従ってこの貨幣を調べていると、屋外にあるのはこのようにわずかに十日目にしてまっ黒くなっているのです。最初はきれいな十円貨幣が、こういう色になってしまう、これを見てくれ、こういうわけです。こういうふうな形、また食器類にしてもこういう色になっているわけです。ここで境目ができておりますように、こちらはまっ黒くなって、こちらはもとの姿ですね。 〔近江委員長代理退席、委員長着席〕 これが硫化水素による被害でありますけれども、こういう中で、たとえばこの付近は住宅密集地帯、しかも住宅街もありますし旅館街もあるわけですが、旅館もにおいが部屋の中にこもっておりますために、お客さんが来ないあるいは来ましても旅館をかわるというような状態あるいは学校の生徒さんたちが修学旅行に来ましてそして感想文を書いておりますけれども、その感想文を読みますとまず第一番におもしろかったのは、旅館でまくらの投げ合いをして遊んだのがおもしろかった。二番目は何か、ごはんと部屋がくさかった、こういうことなんです。もう二度とここへは修学旅行に連れていかない、こういうような状態になっているわけです。しかも大きな病院もありました。岡村病院という病院ですけれども、すべて器材がこういうふうに汚染をされて使いものにならないわけです。一番ひどいのは医療器具あるいは電気器具、だから東芝の会社もありましたけれどもこれも移転をする、病院も移転をする、こういう状態が起こっております。さらにこういう状態でありますから、人体に及ぼす影響というものも大きいわけです。ぜん息でなくなった人もおります。また頭痛、目まい、吐きけ、いろいろな障害が起こっておりまして、さらに地下水の汚染が起こっているわけです。現在井戸の場合、九十尺掘らなければ真水を得ることができないというような状態が出ておりますし、ある小学校のプールは汚染をされて、子供たちを泳がすことができない、こういう状態。しかもその河川に沿っておりますところの人家は、人口を見ますと約二万五千人の人が関係をしておる、こういう状態にあるわけですね。 そこでこれ以上時間の関係で申し上げることはできませんが、この川から流れる先ほど言いました浦戸湾というのは、これは自然科学者にとりまして垂涎の的だといわれておったのです。この湾内に生息しておる魚介類は二百数十種といわれまして、世界第二の魚介類の豊富なところといわれておったのです。ところが現在では魚はほとんど死滅をいたしておりますし、魚をとりましても食べることができない、こういう状態になっているのですね。だからこの湾内において、かって昭和三十七年には千二百人の漁業者がおりました。ところが現在はほとんどいないのです。無理に探せば百三十名程度いるだろうというような状態になって、自然破壊と経済破壊とがぴったり結びついておるわけですね。高度経済成長政策は自然を破壊するが経済は発展するのだということはここでは全く通用しなくて、自然の破壊が経済の破壊と結びついておる、こういう事態があらわれているわけであります。 そこで一つは、この河川に面しまして高知刑務所があります。だから法務省のほうにお尋ねしたいのですが、この刑務所におきましては、現在百五十頭の豚を飼っておる、養豚をやっております。しかもここは特別清掃区域ということになっているのですが、その豚はかって戦後におきまして囚人の残飯を処理するためということで豚を飼い始めた。しかし、このときには中央保健所は多数飼育は許しておりません。残飯整理という意味で飼ったわけです、これは戦後のできごとでありますけれども。それが次第にエスカレートして百五十頭、現在では混合飼料までとってそして養っておる。そして刑務所の運営に充てている、こういうわけです。町のどまん中ですよ。そばには商店街もあります。住宅もあります。そこで、国の管理しておるところの刑務所がそういう豚のふん尿、その他汚物をこの河川にたれ流しをしておる。私はここへ証拠の写真を持ってきておりますけれども、これは数年前に現に囚人が豚のふん尿を川に捨てておる姿を写真に写しているわけです。 先日もこの周辺にまいりますと、約一センチ五ミリの黒いハエがばあっと飛んでくるわけです。におい、豚の泣き声、もうほんとうに住民の方たちはたまらないということで、しばしば刑務所側に対しても、また中央保健所に対しても交渉しておりますけれども、一向に解決しない。そして刑務所側の話によりますと、全国の刑務所でこういうことをやっているのだから、ここだけ養豚をやめることはできないので、何とか許してもらいたいということで、そのままになっておるのが現在の実情です。現在は多少豚舎は整理をしまして、見た目にはよくなっておりますけれども、河川に流しておるという事実は、これは否定することはできません。だからこんなことを国の機関が許しておいてよいのかという問題であります。現に、市民に対してはいろいろなちりあくたを投棄するなということを県は盛んに言っておる、市も盛んに言っておるのですけれども、実際は国の機関そのものが最もきたない汚物を流しておる。こういうことでは、河川を整理することはできないのでありますが、これにつきまして法務省の見解を簡単に伺っておきたいのです。現在事実上全国でそういうことをやっているのですか。またやっておるとするならば、これは直ちにやめて、刑務所の予算が足らぬとするならば、これは当然正当な予算を組んで刑務所運営をはかるべきだと私は思いますので、伺っておきたい。
○羽山政府委員 ただいまお尋ねの点でございますが、かってただいまお示しの写真のようなことがあったかもしれないのでございますが、最近は豚のふんを川に捨てておることはございません。 それから、豚舎を清掃いたしますときのいろいろ汚水が出るわけでございますが、これは全部収容者のと一緒に浄化槽に入れまして、その浄化槽からの水が川に入る、これは高知市に下水道がございませんので、川に入るということはございますけれども、じかに豚のふん尿が川に入るというようなことには相なっておりません。この点につきましては、県の指導その他を定期的に受けておりまして、できるだけ御迷惑にならないようにという措置をいたしておるつもりでございます。
○山原委員 この豚舎はこのように刑務所のへいの外につくっているわけですよ。これはもう地域の住民に対して被害を及ぼすことは明らかなところです。しかも見てわかりますように――新しい写真がまだできておりませんけれども、とっておりますが、あとで見ていただきたいのですが、全部水門がついているのです。パイプがついているのです。だからこれを整理するなんということはできないのです。実情をあなたは知らないからそういうことを言っておられるかもしれぬが、このそばに汚物を置くところを現在つくっておりますが、それにはハエがたかる、こういう実情なんですね。百五十頭も町の中で、しかも特別清掃区域で百五十頭も豚を飼っているところがどこにありますか、私企業だってないのですよ。国宝高知城、県庁、そして住宅街でしょう。どまん中ですよ。どまん中で豚を百五十頭も飼うなどということが、これは常識として許されるのですか。私は、これは直ちにやめるべきだと思うのですよ。また、そのことを住民は要求しているのですが、こんなことさえ解決できなければ、この江ノ口川という西日本第一の汚染された川をきれいにすることは、まずできない。これは国の機関として責任ある答弁をいただきたいのです。全国的にはどうですか、全国的にもそんなことをやっておるのですか。
○羽山政府委員 豚を飼うということの問題でございますが、それは先ほど御指摘のございましたように、いろいろ残飯その他の処理、その他、刑務所の管理の一助とするということで実行いたしておるのでございまして、私どもはこれは非常に理想的ないいことだとは思っておりませんので、本年も、去る四月に、できるだけ縮小するようにという私自身の通達を出した次第でございます。私はできる限り縮小をはかっていくべきであるというふうに考えております。 ただ、ただいまのお示しの写真でございますが、私どもが承知いたしております最近の状況は、川のこちら側に工場ができておりまして、それはだいぶ前の写真ではないかというふうに考えるのでございます。最近は、たとえば豚舎を洗いました水などは、一カ所に流れまして、それをくみ取りまして、収容者の浄化槽のほうへ移しまして、浄化されたものが川に流れる、こういう関係になっておるように承知いたしておるのでございます。 なお刑務所といたしましては、御承知だと思いますが、高知の刑務所では非常に大きな製紙作業をやっておりまして、製紙の廃液のほうが量的に申しますとこの川に流れる水の量といたしましては非常に多いわけでございまして、刑務所が川に流す水の水質検査につきましては、相当神経を使っておるということを御了承いただきたいと思うのでございます。
○山原委員 これはまさに遁走的答弁だと私は思うのです。これは場所はこの写真のここです。私は一昨々日見てきたのですから。現在は豚舎はきれいにしております。この写真は古いのですけれども。確かに豚舎はきれいになっておりますけれども、依然としてここに百五十頭の豚が生存しておるということは事実なんでして、刑務所が製紙をやっておったときにはまっ赤な汁を流しておったのです。三年前にこれは住民の方々も交渉して中止になっておりますけれども、それはいいのです。やはりこれはのけていただきたいのです。町のどまん中で百五十頭も飼って企業的にやるなんということはとんでもない話です。だからとりあえずそれをやめていただきたい。やめなければ、当面囚人の残飯の整理をするぐらいの豚数ならばまだしんぼうができますが、そういうふうな処理をしていただけますか、簡単に申してください。
○羽山政府委員 頭数を減らす処置をとりたいと思います。 なお、念のために申し上げますが、百五十頭のうちで約二十頭が親豚でございまして、あとはうんと小さいもののはずでございます。
○山原委員 よろしいですか、減しますか。
○羽山政府委員 減すようにいたします。 それから、あとでその写真をまた拝見いたしまして善処したいと思います。
○山原委員 新しい写真がまだ大きくしてないのですが、持っていますから、あとで見せます。 いまの豚は、これは付随した話でありますが、もう一つの汚染源は、これは最大の汚染です。これは高知パルプという、大王製紙の会社の流している廃液――ここに持参したビンの水は、私がみずからとったものですけれども、まだこれはきれいなんです。実際は川に流れて、どういう化学作用をするのかわかりませんが、まさに濃褐色、黒色に近い水が町のどまん中を流れて、それが硫化水素となってこういう化学作用を起こしているわけであります。 最初に通産省にお伺いしたいのですが、こういう実情を御存じになっておるかということ。それから住民の方たちがしばしば要請をし、またかってこの会社ができますときには、ここでは、もし被害が起こる場合には閉鎖をするという約束までできているのですが、こういう問題が起こっておるのです。これは完全な浄化装置をつけるとかいうことができないのか、あるいは移転をするとするならば――百五十名の従業員を持った大きな会社ですから、これを簡単に移転することはできないだろうと思うのです。しかし会社側は来年の十二月までに移転をすると言っておりますが、そういうことに対して、国として何らかの、こういう困難な問題について援助をする方針を持っておるのかどうか、簡単に伺っておきたいんです。
○宇賀説明員 高知パルプの問題は、水質汚濁が紙パルプ産業全体にとりましては非常に大きな問題になっておるわけでございますが、高知パルプの現在御指摘の件は、特に工場の所在地が非常に市街地と密接しておる。それから排水処理が技術的に非常にむずかしいSP、サルファイトパルプというのを生産しているという点。それからさらに会社自体の規模が非常に小さく、かつ経理基盤が微弱であるというようなことから、非常にむずかしい公害問題の中でも困難なケースとなっておりまして、従来からたびたび県、市あるいは工場から事情を聞き、いろいろ対策についても御相談を受けておるような次第でございます。現在私どもが聞いております範囲では、高知県が定められました条例、これが現在施行されておりまして、少なくとも四十七年の十月一日までにはその排水をBODで一五〇PPM、現在の三分の一以下に改善するということが要求されておるわけでございまして、このためには特別に排水処理施設を、たとえば濃縮燃焼装置でございますとかそういう施設をその場所に設置するという案もございます。それから別途工場を他へ移転するという案もございます。そのほかに現在はSPという非常に排水処理のむずかしいパルプをやっておるわけでございますが、比較的排水の処理の容易なクラフトパルプ、KPといっておりますが、こういうものに転換するという案もございます。しかしこれはいずれにいたしましても会社としてもまだどのような方向にするかということについて態度をきめかねておるというような状況でございますが、会社のほうで方針をきめられた場合には、われわれといたしましても金融、税制上の措置、たとえば排水処理施設を設置されるというような場合に、公害防止事業団を通じましてその所要資金の八割を貸し付けるというような制度もございます。それから新たにつくられました汚水処理施設について初年度二分の一割り増し償却を認める、あるいは固定資産税を免税するというようないろいろな措置が一応あるわけでございますけれども、とりあえず現在は会社でいろんな措置を検討されておるという段階でございますので、その方針をきめられました段階でこれを聞きまして、かつ関係方面ともいろいろ御相談した上で江ノ口川の水質を定められた基準までに浄化するという方向で会社を指導してまいりたい、かように考えている次第でございます。
○山原委員 時間がありませんから、もう一問で――水産庁の方にも来ていただいて、厚生省の方にも来ていただいておるのですが、経済企画庁のほうに一つだけ伺っておきたいのです。 一つは、今度昨年の十二月公害国会においてきまりました水質汚染の法律に基づいて、六月の二十四日までに基準が示されなければならぬと思うのですが、この作業はどういうふうに進んでおるかということが一つです。 もう一つは、現在公共用水域の水質の保全に関する法律の第五条によりまして、こういう汚染された河川に対する指定がなされておるわけですけれども、現在百七十六の調査対象水域が選ばれておるわけですが、この江ノ口川はその中に入っておりません。現在県はこれを指定水域に指定してもらいたいという要請をしておりますが、これに対してどうもそれすら指定の中に入らないというふうなことを聞いておるわけですけれども、これについて、これを指定水域として調査をする対象にするのかどうか伺っておきたいのです。これだけの問題ですから……。
○山中説明員 まず第一点からお答え申し上げます。 現在の水質汚濁防止法に基づく水質基準のことでございますけれども、一応法律に基づきます中央水質審議会を法律の施行より以前に発足させるという政令でございますが、これは近日中に閣議決定する見込みでございまして、この閣議決定次第中央水質審議会に一応水質基準の案を諮問申し上げまして御答申をいただきまして、大体六月の十日に一応公布できる予定でございます。 それから第二点でございますが、一応従来の水質保全法でございますが、これは調査基本計画をつくりまして、その中には江ノ口川が流入しております浦戸湾というのがすでに指定になっております。一応調査水域にはなっております。一応経済企画庁といたしましては昭和三十五年に一たん調査した経緯がございますけれども、当時県の内部事情等で、これをいわゆる排出規制、いわゆる指定水域に持っていくかどうかというのでいろいろ論議がされたようでございますけれども、当時この浦戸湾の埋め立て計画等がございまして、その埋め立て計画が判明するまでは暫時保留するのだ、こういうふうな結論が出されたわけでございます。その後経済企画庁といたしましては、毎年調査を実施して指定水域に順次指定いたしまして、現在百二水域になっておるわけでございますけれども、その中で各県からの要望をとりましてあわせて指定していくという順序になっておりますけれども、高知県のほうから特に強い要請がなかったものですから、現在まで延引しておりますけれども、たまたま昨年に至りまして、経企庁のほうからも高知県からぜひそういうふうな要望書を出していただきたいというのを出したところ、昨年の九月にようやく高知県知事から要望書が出てまいったわけでございます。先生御指摘のように、水質汚濁防止法というのが先国会で成立いたしまして、この六月二十四日から新たに水質保全法にかわりまして改正された法律が施行されることになりましたので、そういうふうな要望は旧法律の対象になってまいるものでございますので、一応保留いたしますけれども、なお経企庁といたしましては浦戸湾の水質調査というのは今後新しい法律に基きますと補助金の対象になるわけでございますので、その方向で実施していきたい、こういうふうに考えております。 以上でございます。
○山原委員 浦戸湾のことは先ほどわかりましたが、現在今年度の予算に計上されておる中で、五十水域ですか、その上乗せを必要とするもの十二水域、計六十二水域を指定するという話を聞いておるのですが、その中にはこの江ノ口川は入っておるのですか。
○山中説明員 入っております。
○山原委員 時間がありませんから、以上で終わります。 ――――◇―――――
○渡部委員長 次に、閉会中審査の申し出に関する件について、おはかりいたします。 本委員会は、閉会中もなお科学技術振興対策に関する件について調査を行なうため、議長に閉会中審査の申し出をいたしたいと存じますが、これに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○渡部委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。 また、現在設置されております宇宙開発の基本問題に関する小委員会及び海洋開発に関する小委員会は、閉会中もなお存置することにいたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○渡部委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。 なお、この場合、小委員及び小委員長の辞任の許可及び補欠選任につきましては、あらかじめ委員長に御一任願いたいと存じますが、これに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○渡部委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。 次に閉会中審査のため、委員会または小委員会において参考人より意見を聴取する必要が生じましたときには、人選その他所要の手続等につきましては、あらかじめ委員長に御一任願いたいと存じますが、これに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○渡部委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。 ――――◇―――――
○渡部委員長 なお、本委員会に参考送付されました陳情書は、お手元に配付してあります海洋開発の推進に関する陳情書一件でございます。念のため、申し添えます。 本日は、これにて散会いたします。 午後一時五十八分散会