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65回国会衆議院1971/02/26

科学技術振興対策特別委員会 第4号

発言数
100
登壇者
10
会派数
3
開催日
1971/02/26

会議録

渡部一郎公明党

○渡部委員長 これより会議を開きます。  原子力損害の賠償に関する法律及び原子力損害賠償補償契約に関する法律の一部を改正する法律案及び日本原子力船開発事業団法の一部を改正する法律案を議題とし、審査を進めます。  まず、参考人出頭要求に関する件についておはかりいたします。  両案審査のため、本日、日本原子力船開発事業団理事長佐々木周一君及び同理事堀純郎君を参考人として意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

渡部一郎公明党

○渡部委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。     ―――――――――――――

渡部一郎公明党

○渡部委員長 質疑の申し出がありますので、これを許します。近江巳記夫君。

近江巳記夫公明党

○近江委員 きょうは原子力船開発事業団法並びに原子力賠償法の二法案がかかっておるわけでございますが、参考人の方も来ていらっしゃいますし、そういうことでまず初めに原子力船のことにつきまして若干お伺いしたいと思っております。  海運における原子力船の必要性等から、昭和三十八年に日本原子力船開発事業団として、わが国の原子力船開発のスタートが切られてから、早いものでもう八年になるわけであります。その間、幾多のことがあったと思うのでありますが、この第一船完成の見通しが若干ついてきた。関係者の皆さん方の御苦労というものを多とするわけでありますが、しかしながらその過程を振り返ってみますと、多くの問題がやはり残っておるわけであります。そういう山積した課題をいかに解決をしていくかということであります。  そこで、まず第一番にお聞きしたいことは、八年前、事業団発足当時における原子力船に対する社会的な要請というものは、今日でもなお変わりがないかどうかということであります。もしも、変わっているならば、世界の、また日本の海運界における原子力船の必要性というものは今日どのように考えられておるかという問題であります。きょうは理事長も来られておりますから、理事長さん、そして大臣に、その点についてお聞きしたいと思います。

佐々木周一日本原子力船開発事業団理事長

○佐々木参考人 事業団が発足いたしました昭和三十八年の八月でございますが、その当時と現在とは原子力船の必要性といいますか、一般の関心事は変わっておりません。むしろごく最近は海運界におきましては船が非常に大きくなりまして、また速力の速い船が要求せられます。そういう関係で舶用原子炉の重要性というものは増してきたように考えます。なお、特に最近油の値段が非常に高くなりまして、こういう関係から考えまして舶用原子炉の重要性というものが非常に増してきた、かように考える次第でございます。     〔委員長退席、木野委員長代理着席〕

有澤廣巳原子力委員会委員

○有澤説明員 事業団が設立されました当時の原子力船に対する関心といいましょうか要求は、ちょうど昭和三十一年、二年ごろの動力炉原子力発電所に対する要求と同じような力があって、ことに日本の場合におきましては、海運国そして造船国でございますので、ほかの国に先立ってでも原子力船の開発をしなければならないというのが造船業界の非常に強い希望でございました。また、世界的に見ましても、サバンナ号あり、あるいはレーニン号あり、またドイツにおきましてもオットー・ハーン号、そういう原子力船を建造しようというような機運がありました。そして日本といたしましても、この世界の大勢と申しましょうか、原子力船に対する大きな高まりにおくれをとらないように、日本として自主的にこれを開発する必要がある、こういう趣旨から事業団の設立に相なったわけでございまして、第一船をともかくも日本の技術で開発しよう、こういうことに相なったのであります。自来、原子力発電所のほうも同様でございますが、その間に多少中だるみというようなこともございましたが、今日原子力発電所が非常に盛んになってきておりますように、原子力船につきましても途中に若干の中だるみがあったことは否定できませんけれども、ただいま佐々木理事長からお話がありましたように、最近になりますと、大型の原子力船、そして何と申しますか、高速で大型の原子力船をこの際考えるならば経済性の面においても大体在来船にそうひけをとらないでやっていけるのではないか。ことにいよいよ大型になりますればむろん原子力船のほうが、そしてもう一つは舶用炉でありますが、舶用炉のもう少し小型のものができるようになりますれば、原子力船が十分競争のできる船、いな原子力船でなければならないような時期がやがて来るだろう、こういうふうに考えられる現状でございます。  でありますから、いずれお話が出るかと思いますけれども、「むつ」は第一船、これはほんとうに日本として自主的に試験的に開発する性質のものでございますけれども、ついで第二船をどうするかというふうな問題がぼつぼつもうすでに民間においてもこれはその声があがってきておりまして、現に具体的な若干の活動も始まっておるように私は聞いております。以上お答えいたします。

西田信一自由民主党北海道開発庁長官・科学技術庁長官

○西田国務大臣 佐々木理事長並びに有澤委員から申されましたように、わが国の原子力船の開発に着手いたしまして相当の時間を経ましたが、この第一船「むつ」はいよいよ原子炉を積んで艤装工事を進めておるわけでありますが、いま話にございましたように、これは全くの実験的、試験的に建造したものでございますけれども、わが国はもとより、国際的に見ましても原子力船はだんだん実用化の段階に入ってくるであろう、こういう時期に近づいてきておるというふうに思いまして、原子力船の重要性は一そう高まる、かように考えております。

近江巳記夫公明党

○近江委員 原子力船の重要性というものは三人の方々は前にも増して重要性を増しておる、そういう御見解と聞いたわけであります。しかしながら計画を見てまいりますと、当初三十九年に着工して四十三年に完成する、四十六年までにあらゆる試運転等もやって実験航海も全部終えるんだ、こういうような計画であった。ところが実際は着工が四十三年、完成は四十七年、実験航海等を経ますと昭和五十年になるんじゃないか。このようにいわれておるわけでありますが、いろいろ予想外のそういうできごと等もあった、これはよくわかりますけれども、少なくともこの国の最高の原子力政策の決定機関の計画というものが四年も五年もおくれておる。国民の感情からしても非常に遺憾じゃないか、私はこのように思うわけです。先ほどは必要性という点で非常に希望的なこれからの展望といいますか、そういうお話がありましたが、今度は反省の上に立った、なぜこのようにおくれてきたのか、これについて簡潔にひとつお聞きしたいと思います。――長官はあとでけっこうです。

有澤廣巳原子力委員会委員

○有澤説明員 原子力船「むつ」の完成がおくれましたことにつきましては、まことに申しわけないと私どもも考えております。しかし、いよいよ原子力船「むつ」の建造のために入札を行ないましたところ、私どもが予定しておりました建造価格よりもたいへん高い価格でなければ応札がない、こういうふうな事態になったわけでございます。それもまあ一割、二割程度の価格の値上がりということならばまだやむを得ないところもあろうと思ったのですけれども、ほとんど倍近くの値段ということになりますと、私どもとしましてもう一ぺん建造そのものにつきまして再検討を加える必要があるというふうに考えました。そこで、人を欧米に派遣いたしたりいたしまして、価格の点その他の問題につきましてさらに再検討を加えたわけでございます。そのために約一年か二年近くいよいよ建造に着手するということがおくれてまいったわけでございます。  それで、ただいま御指摘のございましたような、まことに国民感情からいたしましても申しわけないような遅延ということに相なったわけでございます。いよいよ建造に入りましてからも、できれば工期を短縮して予定内――予定内といいましょうか、この事業団法の期限の切れるまでに完成ということにつとめようと努力いたしましたけれども、やはり何と申しましても、わが国で初めての原子力船の建造である、遮蔽の問題その他につきましても、なかなか予想していなかったような困難な問題も出てくるというふうな事情でございまして、だんだん時間がたちまして、ついにたいへんなおくれに相なったのでございまして、この点はまことに私どもとしましても申しわけないと存じておる次第でございます。

西田信一自由民主党北海道開発庁長官・科学技術庁長官

○西田国務大臣 遅延の理由につきましては、ただいま有澤委員から申し上げたとおりでございまして、当初予定いたしました期間内に建造ができなかったことはたいへん残念でございますが、この事情はやむを得なかったものと考えるのでございまして、ただ、最初がおくれただけおくれましたけれども、途中の期間は最初の計画とそう違わないのでありますが、スタートがおくれたということが結局今日の遅延に結びついておるということでございます。このことは事情をやむを得ないものと考えております。

近江巳記夫公明党

○近江委員 それで、今回この法案を延長するということでありますが、過去の実績として、いま四年も五年もこのようにおくれておる、こういう点からしまして、今度も延長してほんとにまたやってくれるのかどうかという気持ちが非常に国民の皆さんの中にもあるんじゃないか、素朴な感情としてあるのですが、実際に昭和五十年という計画をできるのですか。その点をはっきりと私はここで確約をしていただかないと、その時点になってまた延ばします、それでは信用ならぬわけですよ。その点について大臣からもあとで確約の答弁を一ぺん聞きたいと思うのです。

佐々木周一日本原子力船開発事業団理事長

○佐々木参考人 ただいま事業団といたしましては、五十一年三月三十一日まで期限を延長していただきましたならば、十分本船の建造及び実験航海その他の予定のことは完成できると考えております。

西田信一自由民主党北海道開発庁長官・科学技術庁長官

○西田国務大臣 ただいま理事長が御答弁申し上げましたように、十分な成算をもってこの期間をきめた次第でございますから、十分にこの期間内において所期の建造はもとより試験運転その他は予定どおり実施できると考えております。

近江巳記夫公明党

○近江委員 いまお二人から絶対にやるというお話がございましたし、ひとつ力を入れてやっていただかないと困るわけです。  それから、原子力船の最大のウイークポイントは船舶用の経済的な動力炉が開発されない点にあるのじゃないか、このように聞いておるのですが、昨年の十月西ドイツの西ドイツ海運造船原子力利用会社、GKSSが日本原子力産業会議に対して原子力コンテナ船の共同開発を申し入れてきた、また西ドイツ政府も共同開発による設計費等を援助すると申し入れたということを聞いておるのですが、原子力産業会議も積極的に取り組む様子じゃないかということも聞いておるのです。これに対して、事業団、そして原子力委員会はどういうような見解に立っておられるか、その辺をひとつお聞きしたいと思います。

梅澤邦臣科学技術庁原子力局長

○梅澤政府委員 ただいまの御質問の経過を御説明させていただきます。  実は昨年の三月西ドイツのGKSSのミューレンという方が日本へ参りまして、そのときにこの話が日本郵船の有吉社長との間で一部出ました。その後、有吉社長が向こうに参られまして、それで向こうでこういう話の概念的話をしておりましたところ、案外ドイツのほうが非常に乗り気になってきたわけでございます。この話が出ましたいきさつは、要するにシーランド、アメリカの関係が相当郵船関係で伸びてきたわけでございます。ドイツも日本もやはり海運業としては、それにタイアップしていくとすれば、両者で一緒になって相当大きなコンテナ船、しかも高速というものでいってはどうかということで話が両方で一致したわけでございます。そういうことになりますと、その大型コンテナ船についてはやはり原子力の舶用炉を乗せたほうが経済的に合うのではないかという話になりまして、この二月にドイツから七人ほど来られまして、原産が事務局になりまして、そこで打ち合わせをしておりまして、現在スタディーをやっております。それでこの夏ごろまでには、相当の大きな八万馬力以上のエンジンで、原子力を使いまして、それで五万トン以上のコンテナ船がうまく経済的に乗るかどうか、お互いに両国別々に計算してみようということでいまやっているのが現状でございます。

近江巳記夫公明党

○近江委員 自主開発をしていくのかあるいは共同開発ということになってくるのですが、飛行機の点も私この間分科会で例のYX機のことを聞いたわけですが、このように原子力船もこういうような共同開発ということの話が出てきておる。その点、科学技術庁長官としてのこの自主開発あるいは共同開発に対する考え方というものをこの具体例を通してひとつお聞きしたいと思います。

西田信一自由民主党北海道開発庁長官・科学技術庁長官

○西田国務大臣 第一船「むつ」は御承知のとおり国が中心となってこれを建造中でございますが、原子力船第二船以降は民間に対してわれわれは期待を持っておるわけでございます。そういう意味におきまして民間においてこのような話が出る、そしてこれが話が進むということは私はけっこうなことだと思いますが、そういうことが具体化いたしますれば、政府といたしましても適当な協力なりをやっていきたい、かように考えております。

近江巳記夫公明党

○近江委員 第二船以降は民間に期待をするということになってきますと、事業団としてはもう第二船ということは考えない、こう受け取っていいわけですか。

西田信一自由民主党北海道開発庁長官・科学技術庁長官

○西田国務大臣 一応はそのように考えております。

近江巳記夫公明党

○近江委員 この原子力船、まだいろいろ聞きたいことがありますが、時間の関係もありますので、次に原子力賠償関係法についてお聞きしたいと思います。  この賠償関係二法の改正案を提出するに至った背景というものを簡潔に要点をひとつお伺いしたいと思います。局長でもどなたでもけっこうです。

有澤廣巳原子力委員会委員

○有澤説明員 現在の原子力損害賠償法によりますと、責任保険に乗らない部分につきましては国家補償契約というものがございます。この国家補償契約につきましては四十六年末に着工する原子炉まで有効であるということになっております。しかしわが国の原子力発電所はそれ以降続々ともう建設計画があるわけでございまして、これらの原子炉に対しましてやはりちゃんとした補償措置を講じておかなければなりません。それですから、そういうところでひとつ期限が来ている。  それからもう一つは、現在の法律によりますと、大体十年間ぐらい現在の補償措置でいって、その間に原子力もどういうふうに発展するか、また技術もどういうふうに発展するか、そういう経験も技術の発展も考えて、必要があればもう一ぺんこの補償措置、原子力損害賠償法を見直す必要があるだろうというので大体この現行法を制定いたしましたときから、まあ大体十年後にはもう一ぺん見直そう、こういう考え方があったわけでございます。それで、ちょうど大体十年を目前にしておりますので、ここでこの現行の賠償法制度を再検討して新しい改正案を持ったわけでございます。  もう一つは、原子力船につきましては一応前の、現行の法律にも原子炉を船に積んだ場合、これは日本の原子力船の問題でありますが、まあその後外国からサバンナ号であるとかオットー・ハーン号であるとかいうのが日本に寄港を要請してくる場合がかなりあります。そういう場合に対しまして、なかなか二国間の協定をそのまま結んで日本の賠償法をそのまま適用するというところまでいきますといろいろ問題がありますので、また今度日本の船が外国へ行く場合にはどういうふうなことになるか、そういうような問題もあわせて今度の損害賠償法の中に取り入れたい、この観点からでございます。

近江巳記夫公明党

○近江委員 そこで本法案の特徴及び諸外国の制度と比較をした場合の差異について、長々とは要りませんから、ポイントをひとつお答え願いたいと思います。どなたでもけっこうですから。

梅澤邦臣科学技術庁原子力局長

○梅澤政府委員 簡単に御説明させていただきます。各国との関係と一緒に御説明させていただきます。  問題の一つは、原子力事業者の無過失賠償責任でございます。これにつきましては各国とも同じようにこれをとっております。  それから、原子力事業者に対する損害賠償責任の集中、これも各国と大体同じでございます。これもいままでどおりとっております。  それから、損害賠償責任の制限、これにつきましてはわが国はいわゆる青天井と申しておりますが、アフターリミットが各国ではついております。ところが日本におきましては国の援助という形が、災害を第三者に対してできるだけ補償して損害を払うという形で青天井になっておるというところが各国と違っております。  それから、民間の責任保険等損害賠償措置の強制でございます。これも各国とも同じでございます。ただ、金額的に各国とも、今度の法律では私のほうは六十億ということでお願いしておりますが、その金額が若干違っておりますが、大体同じであります。  それから、損害賠償措置額をこえる損害についての国家補償、この点も大体各国と同じ形をとっております。

近江巳記夫公明党

○近江委員 この法案の第三条の第二項、運搬の際に生じた損害について受取人から発送人へと賠償責任の帰属で大きな変更が生じておるわけですが、どうしてこのような改正が必要とされるのか、ひとつ説明をお聞きしたいと思います。

梅澤邦臣科学技術庁原子力局長

○梅澤政府委員 初め現行の賠償法によりますと、受取人になっております。その当時はウイーン条約の草案がございました。この草案におきましては、やはり受取人になっておりました。したがいまして、私たちのほうもその受取人のほうがいいということでそのとおりになっておりましたが、その後実際にやっておりますと、たとえば、運搬する場合を考えますと、運搬するときには受取人よりもやはり発送するときの関係のほうが強いという形で発送人のほうに持っていったらどうかという形になりました。しかもウイーン条約も実際に発効するときに発送人のほうにやはり検討して変わっておりますので、発送人のほうがいいということで発送人のほうに持っていったわけでございます。

近江巳記夫公明党

○近江委員 それから運搬というのはどこからどこまでを運搬というのかという問題なんです。たとえば、外国から核燃料物資が国内に運搬されるような場合、また逆の場合はそれぞれどうなるかという問題であります。

梅澤邦臣科学技術庁原子力局長

○梅澤政府委員 運搬の責任は荷物を積んだときそれからおろすときまでございます。

近江巳記夫公明党

○近江委員 ああそうですか。領海とかそういう関係はないんですか。

梅澤邦臣科学技術庁原子力局長

○梅澤政府委員 今度の法律も特段の契約がない限り発送人となっております。外国の場合には契約による場合が出てまいります。それで外国の会社から、やはり契約によってどの場所から運搬になってどの場所からならない。ただ、原則としてはやはり出るところから入るところというところを運搬という形をとっておりす。

近江巳記夫公明党

○近江委員 これは外国の場合と国内の場合はおのずとやっぱり変わってくるのですけれども、その差異はどうですか。どのように明確にちゃんとできるのですか。

梅澤邦臣科学技術庁原子力局長

○梅澤政府委員 大体同じでございますが、この法律はやはり日本に入ってからこれがきく形になっております。したがいまして、外国の場合は契約で片をつけるという形が違うといえば違っておりますが、大体のやり方としては同じことになっております。

近江巳記夫公明党

○近江委員 外国とは特別な契約を結ぶ。当然その中に運搬の条項も入ってくるわけですね。どうですか、その点は。

梅澤邦臣科学技術庁原子力局長

○梅澤政府委員 当然契約のときに運搬の条項は入ります。

近江巳記夫公明党

○近江委員 それから、損害賠償責任の集中の問題ですが、この原子力船にかかる場合をお聞きしたいと思うのですけれども、この原子力船における「異常に巨大な天変地変又は社会的動乱」というのは、具体的にどういうことをさすのですか。

梅澤邦臣科学技術庁原子力局長

○梅澤政府委員 原子力船にかかわります損害賠償責任の免責につきましては、原子力船が戦争あるいは内乱等に巻き込まれた場合は該当いたします。ただ、陸上の炉の場合には、いわば大地震とかいう場合の免責のことがございますが、船の場合には、津波、台風、たつまき等に遭遇した場合、大体これは国際関係から見まして、普通の場合、異常という形になりません。もちろん、とんでもない異常に巨大な天災ということがあり得るかもしれませんが、現在のところでは、そういうものは異常の範囲内には入らないというふうに考えております。

近江巳記夫公明党

○近江委員 だから、異常に巨大な天変地変というのは、これは何ですか。

梅澤邦臣科学技術庁原子力局長

○梅澤政府委員 ここにあります異常なのは、要するに陸上がおもでございまして、陸上のところで、たとえば関東大震災を相当上回ります、ちょっと世界で見たことのない大地震等自然災害のことを含んでいるわけでございます。したがいまして、私たちのほうでいま陸上の炉を許可いたしますときには、大体関東大地震以上のものを想定して安全審査をしてやっております。したがいまして、そういうものには耐える形になっておりますが、予想外の、それ以上の地震が起こったという場合のことをいっているということでございます。

近江巳記夫公明党

○近江委員 原子力船における異常に巨大な天変地変というのは何ですか。

梅澤邦臣科学技術庁原子力局長

○梅澤政府委員 実はブラッセル条約をとりますと、そういうものは免責にしておりません。したがいまして、船としてはこれはないものというふうに考えております。ただ、やはり法律をこうつくってまいりました場合に、それがかつて経験のない程度のものであれば、ともかくあり得るという考え方はあるかもしれませんが、実際に船としては国際的にブラッセル条約等でもそういうものはないという考え方をとっております。

近江巳記夫公明党

○近江委員 どうもちょっとその辺があいまいですね。ですから、私は次の機会にこれをもっともっと煮詰めて聞きたいと思いますが、その点答弁としてよく整備しておいてください。  その次に、十六条で、「原子力事業者が損害を賠償するために必要な援助を行なう」こうあるわけですが、この援助と十条における補償というのは、具体的にどういうような差を意味するのですか。

梅澤邦臣科学技術庁原子力局長

○梅澤政府委員 国の援助と申し上げますと、これは、たとえば六十億以上青天井でございます。それを出たものは国の援助になります。それから、六十億以下のところでございますが、六十億の中でも、先ほどの天変地異、地震等がございましたときに、そのときに起こったものについては免責になります。したがいまして、その分については国が補償して払うという形でございます。

近江巳記夫公明党

○近江委員 それから「損害を賠償するために必要な」ということは、第三者の損害のてん補だけでなく、事業者自身の損害のてん補のための援助という意味もあるかどうかということなのですが、この点についてはどうですか。

梅澤邦臣科学技術庁原子力局長

○梅澤政府委員 この賠償法は第三者に対する法一律でございます。     〔木野委員長代理退席、委員長着席〕 したがいまして、民間会社はそのほかに財産保険というのをかけております。したがいまして、その中にあります財産保険でそちらのほうは見ていくという形になります。

近江巳記夫公明党

○近江委員 もう一ぺんちょっとお聞きしますけれども、そうすると、この援助の中には、純然たる被害者の救済のための場合だけではなく、原子力事業者の救済のための援助も含まれておる、こういうことですか。

梅澤邦臣科学技術庁原子力局長

○梅澤政府委員 この法律は第三者を保護するための、それの被害に対する賠償でございます。したがいまして、このほかに財産保険ということで、原子力は当然財産保険をかけております。それと二つが重なっているわけでございます。

近江巳記夫公明党

○近江委員 それから私たしか昨年の四月十五日にこの委員会において長官にお聞きしたことがあるのです。例の中曽根長官の発言にかかわりました問題ですね。それはすなわち、原子力の推進機関が艦船推進機関として一般化すれば、軍用船舶を保有することもあり得るし、原子力基本法に抵触しないという意味の発言を大臣はなさったわけですが、つまりこのことは軍事利用でなく非軍事利用、平和利用であるという見解に立つとすれば、こういうような情勢になれば軍用船舶の開発及び建造は原子力委員会の所掌事務に入るのですか。――どなたでもけっこうです。

西田信一自由民主党北海道開発庁長官・科学技術庁長官

○西田国務大臣 なお有澤委員から補足を願いますけれども、つまりいまの御質問はいわゆる原子力が船の推進力として一般化した場合には、軍用の船舶も科学技術庁の所管に入るのか、こういうお尋ねですね。

近江巳記夫公明党

○近江委員 平和利用か、したがって原子力委員会の管轄に入るのか。

西田信一自由民主党北海道開発庁長官・科学技術庁長官

○西田国務大臣 やはり安全審査とかその他われわれのあれに入るだろうと思います。安全審査というようなことに関してはわれわれの所管に属するかと思います。

梅澤邦臣科学技術庁原子力局長

○梅澤政府委員 原子力潜水艦につきましては、いまの現状からまいりますとまだ運用であって、一般化しておりません。したがってまだ現在は日本では持つことはできませんが、これがもし先ほどの「むつ」等いろいろ商船として一般化いたします、それで舶用炉の一環として一般船に使われるということになりました場合には、それを使うことに安全審査等ございます。したがいまして、その所掌範囲内におきまして、こちらのほうの所管にかかわってくるということでございます。

近江巳記夫公明党

○近江委員 長官はこの原子力船への立ち入り検査権を持っておられるわけですが、そうすると、この場合、原子力軍用船舶についても立ち入り検査権を保有するのかということです。  なお、原子力委員会は運用船舶の建造、開発について、その所掌事務の中に入っておるかどうかということです。この二点。

梅澤邦臣科学技術庁原子力局長

○梅澤政府委員 軍艦以外の外国の原子力船については、当然その安全審査等をしなければはいれません。したがって、その必要に応じては立ち入り検査もできる形になります。

有澤廣巳原子力委員会委員

○有澤説明員 立ち入り検査、これはなかなかむずかしい問題だと思いますが、先ほど長官がお答えいたしましたように、安全性の問題その他規制法の問題、これにつきましては科学技術庁のほうでこれを監督する、また安全性を確かめるということはいたさなければならないと思います。そのほかの立ち入り検査がもし規制法の上の上から必要な場合にはやはり私どもとしましては立ち入りしなければならぬと思います。

近江巳記夫公明党

○近江委員 そしてこの建造開発について、その所掌業務の中に入るわけですか。

有澤廣巳原子力委員会委員

○有澤説明員 原子力軍艦というものをどうつくるかというようなことは、これはもう原子力委員会あるいは科学技術庁のほうとは全然関係はないかと思います。もっぱら国防科学――何といいましょうか、そっちのほうの方針で、建造その他のことはおはかりになるかと思いますが、ただ、できたその軍艦が炉の関係から安全であるかどうか、これはわれわれのほうで確かめる、こういうことであろうと思います。

近江巳記夫公明党

○近江委員 たとえば、この原子力発電所の許可の場合も、要するに炉だけではなくして、あらゆる安全性から全部これは関連しているわけですよ。全部ごらんになっているわけですよ。そういう点からいけば、いまの答弁おかしいのと違いますか。

有澤廣巳原子力委員会委員

○有澤説明員 いよいよ炉が動くまでの安全性につきましては、むろんいまの原子力発電所はわれわれのほうでやる限度と、いよいよ工事にかかって発電を行なうまでのところは通産省がやっております。通産省の公益事業局のほうでやっております。私どものほうでやっているのは炉の設計その他につきましてこれを見まして、それで安全性を確かめる、審査をする。そして注文があればその注文をつける。その注文のついたように炉が設計されているかどうかということにつきましては、これは今日の原子力発電所は通産省がやっているわけです。ですからそういう工事の安全性につきましてどこがやるかということは、これはどうお答えしていいか、私にはちょっとわかりませんが、しかしそれはどこかで確かめなければならぬということは確かでございます。

近江巳記夫公明党

○近江委員 どこかで確かめなければならぬ、それは確かであることはわかっているわけですが、いま原子力という部門は科学技術庁が一番元締めなんですよ。これは長官なんですよ。そうでしょう。それでは局長手をあげていらっしゃるから、局長。

梅澤邦臣科学技術庁原子力局長

○梅澤政府委員 ただいま私たちのほうは、原子力は平和利用に限りやっているわけでございます。そこで御説明いたしたわけでございますが、いま先生おっしゃいます、いつか軍艦をつくったときに、軍艦をどうするかという場合になりますと、それはどうなるか、まだ全く考えたことがございません。その点、基本法を私たち、守っている範囲内で、――ただ基本法におきましても、先ほど申し上げましたように舶用炉がもう一般民衆化してしまいまして、それでこれはもう軍艦ではなくて普通のものであるとなれば、当然平和利用という関係で、いまと同じ処置を私たちとっていくつもりでございます。

近江巳記夫公明党

○近江委員 普遍化をしてくれば、この軍事用が平和用に変わるという見解がここで出たわけですね。一応そのようにお聞きしておきまして、また次の機会にこの問題ももう少し煮詰めたいと思います。  それから各国原子力船が本邦内に入港する際の損害で、しかも賠償措置額をこえるものについては、十七条の定めにより政府は「被災者の救助及び被害の拡大の防止のため必要な措置を講ずる」このようにあるわけですが、救助及び必要な措置というのは何かということなんです。災害救助法等における救助の概念と同じであるのかどうか。また第十六条一項の援助措置と比較し、被災者の立場から見て同質であるといえるかどうか、この問題についてお聞きしたいと思います。

梅澤邦臣科学技術庁原子力局長

○梅澤政府委員 ただいま先生おっしゃいました災害救助法等の現在あります現行法でできる限りのことはいたしまして、それができない場合におきましては、国会にお願いいたしまして別の体系で救助、援助をするということになります。それが十九条でございます。

近江巳記夫公明党

○近江委員 だから、この救助及び必要な措置というのは何かというのですよ。そして災害救助法等における救助の概念と同じであるかどうかということなんです。さらに十六条一項の援助措置と比較して、被災者の立場から見て同質であるといえるのかどうか。原子力の災害あるいはそういう被害なんというものは、いままでのあれと違うわけでしょう。たとえば、長崎や広島のああいう被災者を見た場合に、全然違うわけですよ。その辺についてはどうお考えになっているかということなんです。

梅澤邦臣科学技術庁原子力局長

○梅澤政府委員 災害救助法でできるだけのことをいたします。それは一般のと同じ方法でございます。しかしそれでは、いま先生おっしゃいましたようにカバーしかねるところがあるという場合に、十九条で国の援助をあらためて行なう、これは国会を通して行なうという形でございます。したがいまして、初めの災害や何かにつきましては、一応一般の方法でやれるだけのことをやるということでございます。

近江巳記夫公明党

○近江委員 いずれにしても、このような場合、外国原子力船による損害を国が肩がわりをするということになるわけですが、このように外国船の入港に限って責任制限を設けた理由というのは何ですか。

梅澤邦臣科学技術庁原子力局長

○梅澤政府委員 その点は非常にむずかしい問題で、検討委員会でも検討したわけでございます。と申しますのは、やはり陸上炉につきましては先ほど申し上げましたように青天井でございました。したがいまして国内におきましては船のほうも青天井にしなければならなくなったわけでございます。そうしますと、海外はやはりブラッセル条約等、船の慣例ですべてアッパー・リミットがついた形になっておりました。しかしその両方の間にその差がございますがそれをうまくいくという方法としては相互補償という考え方で、実は向こうから参りました場合に、私たちのほうでまず向こうとの契約を入れまして、たとえば三百六十億までは補償する。それ以上につきましては無限で国が援助をするという形をとらざるを得なくなったわけで、これはやはり外国に行く場合あるいは外国から来る場合を、向こうとうまく調整をとるというところで、こういう法律になったわけでございます。

近江巳記夫公明党

○近江委員 わが国の原子力船が外国に行く予定でなく、したがってその補償契約を結んでおらないわけです。たまたま公海上で大事故を起こして外国に損害を与えた。この場合です。沿岸に及んだ場合ですね。また、たとえば、A国に行く予定で補償契約を結び、実際にはB国に損害を与えた場合、こういうような場合はどのようになるのですか。

梅澤邦臣科学技術庁原子力局長

○梅澤政府委員 この法律は日本の船に適用しております。したがいまして、日本の船がよそに行ってそういうことを起こした場合は、国内と同じように六十億、それ以上のものは国の援助という形になるわけでございます。したがいまして向こうと契約を入れずに、そのそばに行って相手国に影響を与えたという場合には、国の援助でそこはまかなわなければならなくなります。

近江巳記夫公明党

○近江委員 きょうはまだいろいろお聞きしたいことがあるのですが、私もちょっと次の予算委員会がありますので、きょうはほんの少しでありましたが、これで終わらしていただいて、次の機会にゆっくりとさらにひとつ検討させてもらいたいと思います。一応きょうはこれで質問を保留して終わります。

渡部一郎公明党

○渡部委員長 次に、堂森芳夫君。

堂森芳夫日本社会党

○堂森委員 本日は原子力関係の法案の日でございます。この二つの法案についての質問と直接関係はございませんが、原子力、核燃料に関する基本的な二、三の問題につきまして承っておきたい、こう思うのであります。  政府からいただいておりますところの資料を見ておりますと、「核燃料政策について 昭和四十三年六月二十日決定」とこう書いてあります。  その一に、「海外ウラン資源の確保については、原則として民間企業を中心としてこれを推進することとし、国は探鉱開発等に関する必要な助成および誘導措置を講ずる。なお、今後の海外ウラン資源確保の進展状況によっては、上記諸施策の強化等について、再検討を行なうものとする。」、こう書いてあるのであります。これは私は問題が大いにあると思うのでありますが、大臣御承知のように、石油に関する大きな問題が、トラブルといいますかアクシデントと申しますか、ああいう大きな問題がつい最近に起こったことは、私が申し上げるまでもないことでありまして、大きくわが国の産業全体あるいはまた国民生活にも大きな影響があることもわれわれは覚悟しなければならぬ重大な問題だと思うのであります。そしてきょうも私、新聞を読んでおりますと、動燃の理事長の井上さんが、動燃の事業団としてはどうも政府の核燃料政策についてたいへん心配なんだ、それでこんなことをしておったら一体どうなるのだ、必ず遠からず石油と同じような運命に日本はなるであろう、こういうことを言っております。そして、いまからでもおそくはないから、従来政府がただ補助をするとかあるいは何か助成措置をするとかあるいは誘導するというような手ぬるいことではなしに、もっと、たとえば西ドイツがやっておるように、あるいはまたフランスの原子力庁でございますか、有澤先生よく御承知だと思うのであります。あるいはイタリアのENIがやっておるように、もっと巨額の――来年度は八千万ぐらいを核燃料のマイニングに使うという話でありますが、ドイツでは十数億政府資金をつぎ込む、こう言っておるのでありますが、そういうことをしなければもうだめなんだ、こう井上さんは、心配のあまり言うのだ、こう言っておられるわけであります。大臣、ひとつがんばってもらわなければいかぬのであります。もうこれにもちゃんと、四十三年六月二十日決定、核燃料政策はこうこうであるが、場合によっては、世界の進展の状況によっては変え得るのだ、こう言っておるのでありますが、大臣はどのようにお考えでございますか、承っておきたいと思います。

西田信一自由民主党北海道開発庁長官・科学技術庁長官

○西田国務大臣 堂森先生御指摘のとおり、これからの原子力開発の最も重要なポイントとして核燃料の確保ということがいえると思います。これにつきましては、政府もできる限りの努力をしておりまするし、また動燃事業団等におきましても、積極的な海外の資源確保に努力をしておりまするが、しかしながら、将来急ピッチで伸びてまいりますところの原子力開発に対応するためには、もっと積極的な資源確保についての基本的な態度をとらなければならぬということをけさも私、新聞で、まだ井上さんにお目にかかっておりませんけれども、拝見をいたしまして、私も、全く適切な指摘をされておる、こういうふうに実は感じて新聞を読んだのでございます。このごろ各国に向かって、相当の燃料資源を含めました協定の締結等につきましても積極的にやっておりますが、しかしながら、石油に例を見るまでもなく、われわれといたしましては、先生の御指摘の問題につきましては、ひとつより真剣な態度で検討して、そしてしかるべき適切な対策を立てたい、このように考えます。

堂森芳夫日本社会党

○堂森委員 大臣、まことにその決意けっこうなんですが、私少しいろいろな具体的な事実についても承りたい、こう思うのであります。  そこで、これは政府の数字ですが、昭和六十年までに必要なウランは十一万何千ですか、ところがいま国が確保しておる――予約でありますか、まだおそらく実際には持っていないのじゃないかと思いますが、海外で予約しておるウランはわずか三万トンぐらいではないか。これは政府の数字であります。そうすると、この事実を見ても、もう昭和五十年までにたいへんなことでないでしょうか。こういうような現在われわれが持っておる数字からいきましても、これはたいへんではないか、こう思うのであります。日本におけるウランの埋蔵量は八千トンぐらいですか、そうしますと、これは国内でわれわれが確保することは不可能なことは明らかなんでありまして、そこで海外で現在わが国がやっておるマイニングですな、これは一体どんなふうな企業があって、そしてどこどこにあって、現在どんなふうか。私の聞いておるのでは、何かフランスでやっておるあそこのマイニングも十年くらい先になぬらと、しかもこれはうまくいっても年必要量の八%ぐらいしかとれぬじゃないか、こういう状態でありますが、私あまり勉強していないものですから少しく教えてもらいたいのですが、大体どんなふうにやっておりますか。そして政府がどれくらいそこに参加しておるのか、御答弁願いたい、こう思います。

梅澤邦臣科学技術庁原子力局長

○梅澤政府委員 ただいま先生のおっしゃいました数字は昭和六十年でございます。昭和六十年に十一万六千トン、大体そのくらいが必要になるという予定量でございます。それで現在スポット買いだとかあるいは長期買い入れとか、そういう権利を持っておりますものを合わせますと三万六千から三万八千トンというところが現状でございます。したがいまして現在は三分の一、ただ、いまアメリカとの協定におきましては、ウランがない場合には濃縮してもらうウランについては向こうでできるだけ見てやるという条項が入っております。しかし、やはり国内で十分さがさなければいけないということで、先ほどおっしゃいました八千万の金を使って海外でやっておりますが、海外の現状では、いま動燃が手をつけておりますのがカナダでございます。それからもう一つがオーストラリアでございます。これはまだほんとうの事情調査といいますか、基礎探鉱調査でございまして、まだボーリングの浅掘りをやっておる程度でございます。その間に先ほどお話のございましたアフリカのニジェールの開発があります。これにつきましては初め動燃がこの話に関与したわけでございますが、その後、相当いい鉱石で見込みがあるという形で、原産のほうで民間が共同体で会社をつくろうということで海外ウラン開発株式会社というのをそこで設定されたわけでございます。それでフランスと一緒になりまして開発をする。これの探鉱計画は七五年までになっております。七五年で、うまくいけば、それからほんとうの開発会社になるという予定で、鋭意探鉱を進めております。その関係で現在ニジェールをやりまして、そのほかにソマリアというところがございます。これにつきましても一応海外ウラン株式会社がやはりソマリアの調査もしよう。これにつきましては動燃も一緒になって調査することになると思います。それはまだ基礎的調査の分野でございます。そのほか現在動力炉開発事業団ではまだ数カ国、これは各国の鉱区の条件あるいは輸出の条件、あるいはウランの現状というような書類的あるいは現場の実情調査で、ほんとうの基礎でございます。それをしばらく続けていくというのが現在の状況でございます。

堂森芳夫日本社会党

○堂森委員 局長、もう少しあれしてもらいたいのですが、昨年できました海外ウラン資源開発会社ですか、これは昨年はどれくらいの資金がつぎ込まれておって、どういう、もうちょっと詳しく説明してもらいたい。ことしはどうなる、来年度はどういうふうになるか。大体わかるだけでいいですから……。

梅澤邦臣科学技術庁原子力局長

○梅澤政府委員 ちょっと資料を持ってこないので概念で申しわけございませんが、たしか、できましたときには出資金八億円でございます。それで、いまその八億円でやっておりますが、将来加えて二十数億円というふうに、私、ちょっといまそこのところ至急なので何ですが、大体その辺の三カ年計画をもって進めておるわけでございます。  それで現在探鉱をしていますニジェールには、電事連のほうから東郷というのが部長待遇で実際に開発部長としてそこに立ち会っておりまして、それで探鉱を進めているというのが現状でございます。しかし、まだそのこまかい探鉱で、たとえば初めこの会社がやりますときには八百メートル間隔のボーリングがございましたが、やはりそれでははっきりしないので、四百メートルのボーリング、その次に二百メートルのボーリングという、順次計画がございます。それに基づいて鉱量あるいは品位の計算を目下やっておるというのが現状でございます。これはまだしばらく、二、三年ほどはかかるのじゃないかと思います。それで七五年までにはっきりさせるというのが現状でございます。

堂森芳夫日本社会党

○堂森委員 よくわかりました。  そこで、もう一つ教えてもらいたいのですが、たとえばフランスあるいはイタリアのENIあるいは西独のそういう国策会社というものと比較して、この海外ウラン資源開発株式会社の事業の規模ですか、比較して問題にならぬほど小さいのですか、あるいは匹敵しそうなんですか、どうなんですか。ちょっと御答弁願いたい。

梅澤邦臣科学技術庁原子力局長

○梅澤政府委員 現状としては、先生おっしゃるように、よそに比べて小さいと思います。

堂森芳夫日本社会党

○堂森委員 うんと小さいですか。

梅澤邦臣科学技術庁原子力局長

○梅澤政府委員 だいぶ小さい。と申しますのは、実に私たちのほうも、先ほどおっしゃいましたドイツ等の助成という考え方がございます。私たちも一緒にそれを考えておるわけでございますが、まだニジェールにつきましてもどのくらい助成したらいいか、どういくかというのが準備が整っておりません。したがいまして、原子力委員会の方針といたしましても、具体的にその課題がはっきりしてきたらできるだけの助成策をとろうということで進めておりますが、現在のところは海外協力基金等から金を出すというところまできまっておりません。もう少し探鉱がはっきりしまして、実際によさそうでございましたら強力な助成策をとろうというふうに考えております。

堂森芳夫日本社会党

○堂森委員 第一に、ウランに限らず、マイニングなんというものは、ある意味では投機じゃないでしょうか。投機かどうか、まあ一種の投機みたいなものですから、私企業ではなかなかむずかしいと思うのであります。そこにやはり各国が国の資金を投じて開発していく、こういう傾向になっていると思うのでございます。大臣にひとつ大いにがんばってもらいたい、こう思います。以上、いろいろ聞きたいのですけれども、あまり聞いても、ちょっと変な数字ばかり出てくるようでありますから、大いに奮起を促しておきます。  それから、私は福井県の出身なものですから、もう遠からずおそらく私の県は日本一の原子力発電所の県になると思うのであります。絶えずいろいろな方々、私の選挙区ですが、いろいろな人たちからいろいろな質問を受けるのであります。私はしろうとですからわからぬですから、きょうは政府委員もいらっしゃいますから聞いておきたいのですが、いろいろな質問が出るのです。しかもそれは非常に素朴な質問であります。いつも聞かれることは、おそらく大臣御承知だと思うのですが、私きょうも自分でメモをつくったのです。もうすでに昨年運転を始めておるのが敦賀の原電、それから美浜の水晶浜にある美浜関西電力の第一号炉が始動しております。それからもうすぐ第二号炉も働くでしょう。そうすると、今度は高浜というところに大きなのが、第一号炉、第二号炉が活動をします。それからまた大飯町という、高浜の隣にこれもまた大きなものができるということで、いま盛んに工事をしているというふうで、おそらく私の県は原子力発電所の県みたいになるのであります。こういう地域の人たちが聞くのであります。一体ここで使う燃料は、政府の説明を聞いたり会社の説明を聞いていると、使用済みの燃料は決してあぶなくないようにして、ちゃんと処理をするようになっているが、先生、ほんとうにそういう処理の方法はきちんときまっておるのでしょうか、こういう質問を受けるのであります。ほかにもたくさんあるのですよ。私は正直ですから、それはペーパープランはあるけれども、まだ何にもできていませんよ、こう言うのですが、大臣いかがですか。私は聞いておきたいと思うのです。

梅澤邦臣科学技術庁原子力局長

○梅澤政府委員 使用済み燃料につきましては、ただいまおっしゃいますとおり、少し再処理工事がおくれております。しかし使用済み燃料については国内でこれを処理するという考え方で、東海村のほうに使用済み燃料の工場をつくることになっております。本年から着工になっておりますが、これができ上がりますのは四十八年でございます。したがいまして、その間どうなるかということになりますが、福井県の、実は敦賀でございます、敦賀につきましては、最初出ます三十トンにつきましては英国に送り返して処理をする形になると思います。それ以後の敦賀あるいは美浜等につきましては、東海村の再処理工場ができ上がりまして、そこで再処理を国内でできるという形で大いに進めているところでございます。

堂森芳夫日本社会党

○堂森委員 私、調べたのでは、敦賀は四十七年まで出ませんね。七年に出るのでしょう。二十一トン出るという話です。それからずっと十数トンずつ出てきます。それから美浜の第一号炉は、これも四十七年にたしか十三トンぐらい出る、こういうことであります。そこでこのもらった資料を私読んでおったのですが、「わが国の再処理工場建設計画」その中の小さい三の中で「建設スケジュール」と書いてあります。ところが、これを見ても設計はもう終わっておるようであります。ほんとうに終わったのですか。私、しろうとだから、その辺も教えてもらいたいのですよ。  それから建設は四十五年の末から始まって、四十八年の末には建設が終わるであろう、そういう計画はちゃんといまいっておるのですか。これをひとつ答弁願いたい。

梅澤邦臣科学技術庁原子力局長

○梅澤政府委員 この本をつくりますときの計画はまことにそのとおりでございましたが、実はその後、茨城県の地帯整備の問題で漁民の方々等の御不安がありまして、いささか延びております。そこで現在はこの四月に絶対着工したいという考え方でございます。それでまいりますと、四十八年十月以降のところで、いささかおくれて動くという形になります。その関係で、敦賀の四十七年に出た二十一トン分を含めまして、それはどうしても向こうに送り返さなければならないというのがそこからきたわけでございます。

堂森芳夫日本社会党

○堂森委員 わかりました。それをよく聞いておかないと、ペーパープランじゃないか、こう聞かれるから私、教えてもらうのですよ。  四十九年が試運転。そこで私が朝調べてみたのですが、四十七年に敦賀の原電で二十一トン、それから四十八年が十三トン、四十九年にも十一トン、それから美浜一号炉が四十七年十三トン、四十八年はゼロ、四十九年十三トン、こういうふうに何十トンか、たまってきますね。ところが局長のおっしゃるのでは、最初一年か二年はイギリスへ持っていくのじゃないか。そうしますとどれぐらいの処理能力、キャパシティがある工場ができるのですか。これも承っておきたい。

梅澤邦臣科学技術庁原子力局長

○梅澤政府委員 今度できます再処理工場は通称一日〇・七トンと申しておりますが、実際には二百十トン年間処理できる。それで、いま先生おっしゃいました四十七年の敦賀のものの二十一トンを送りますが、そのあとのものにつきましては、ここの再処理工場ができ上がるまでにあそこにポンドをつくりまして、そこに先に持ってきて、処理する前にそこのポンドに保管するという考え方をとっておりまして、あそこへ持ってきて保管して、動き次第そこで処理をするという考え方から参りますので、四十七年に美浜等に出ますのはここで処理ができるという形にしておるわけでございます。

堂森芳夫日本社会党

○堂森委員 時間がありませんから終わりたいと思いますが、とにかくこれはやはり大事なことなんです。燃料確保も大事だし、使用済み燃料をどうするか。――みんなそう言っていますよ、地元の人は。あそこへほうっておくのじゃないか、あるいは敦賀湾へ持っていって捨てるのじゃないかとか、しろうとですからそういうことも言っております。しかも、建設計画はあるけれどもまだペーパープランである、そういうことで、間違いなくきちんと政府がやっていくように今後格段の御努力を願いたい、こう思うのであります。  帰りまして地元の人に少し説明ができるようになりましたから、きょうはこれくらいで終わります。      ――――◇―――――

渡部一郎公明党

○渡部委員長 引き続き、科学技術振興対策に関する件について調査を進めます。  情報科学技術に関する問題について質疑の申し出がありますので、これを許します。三木喜夫君。

三木喜夫日本社会党

○三木(喜)委員 先般の大臣の所信表明にも大いに関係ありますし、それから私たち昨年度ヨーロッパへ行きまして、科学情報センター並びに特許のセンター、こういうものを見てきて、そうして日本の科学情報センターのあり方というものをこの際再検討する必要があるのではないか、時代に即応した使命と機能を与えなければならないのではないだろうかということを最近痛感しておるのです。したがって、きょうはこの点をぜひ質問しておかなかったら、原子力のほうにも海洋のほうにも入りにくいと思いましたので、あえて時間をいただいたわけであります。きょうは科学技術情報センターの理事長はおいでいただいておりません。運営の実際にわたってはこの次にお伺いするといたしまして、きょうはぜひ行政側の御意見を聞いておきたいと思います。  私はそういうことを痛感しているのですが、行政側としてはどういうようにお考えになりますか。

田中好雄科学技術庁振興局長

○田中政府委員 仰せのとおりでございますが、私のほうにおきましても、計画局のほうにおきましていわゆるNIST計画というものがございます。これは情報全体の流通をどういうふうに持っていくかということについて検討したものでありまして、二年くらい前に報告が出ておりますが、それに基づきまして、私の振興局におきましてただいま部会を三つつくりまして、内容について検討を進めているわけでございます。これは何ぶん先生お話しのとおり非常に膨大なものでございますので、どういうふうな仕分けで文献の収集、整理、情報の提供をしたらいいかということについて進めているわけでございまして、科学技術情報センターにつきましては、その中の一つとして中枢的な機能を持たせるにはどうしたらいいかということを現在検討している最中でございます。それが出ましたところで十分御審議をいただいてその次の問題に入っていきたい、こういうふうに考えておるところでございます。

三木喜夫日本社会党

○三木(喜)委員 要点をひとつ言ってください。どういう点を変えたいのですか。

田中好雄科学技術庁振興局長

○田中政府委員 大きな点といたしましては、ただいま情報センターに与えられております使命は、あらゆる科学技術の情報に関しまして、それを全部網羅してやるような形になっているわけでございますが、現在まで十何年やってきましたところで見てみますと、大きな面についてはそう粗漏がないわけでございますが、ただ科学技術のいろいろな情報が当初考えていたより非常に膨大になってきております。たとえば、鉄鋼関係の問題につきましてもすでに相当大きなかっこうになっておりますし、化学につきましても、電気機器その他の問題につきましても相当大きくなっております。そういう大きな情報を全部ここで一手に引き受けるということになりますとなかなかたいへんでございますので、ただいまいろいろ審議しておりますが、結論にはまだ達しておらないのでございますけれども、情報センターとしては、そういうものの中枢的な形で運営できるような方向へ持っていきたい。ちょっと内容的に申しにくい点でございますが、そういうふうな考え方でやっております。  そこで、三部会と申しますのは、クリアリングハウス的なものが一つ、それから収集整理の関係のものが一つ、それからサービス関係のものが一つ、この三つの委員会でただいま進めているところでございます。

三木喜夫日本社会党

○三木(喜)委員 最近情報化時代だとかデータ通信だとかいうことをやかましく言っておりますが、私は科学技術においてはこれをもう消化してもらっておかなければいかぬときが来たのではないかと思います。たとえば、この情報ということは、悪くすれば郵政省に握られるかもしれぬという考え方があるのですよ。通信網を持っていますからね。スイッチを押したら、商店が、きょうは一体どういうことになっているか、諸外国の経済の状況、商品の現況がどうなっておるかということがぴしっとわかるのですね。そしたら、これで売らなければならない、この値段では高いとかいうようなことがすぐ判断できなければいけないわけですね。そこに、改正の要点というものが、迅速ということと、それから現状に非常にマッチしておるところの、情報というものが上質ものでなかったらいけない。古いデータをもらっては何にもならぬのですね。こういう情報化社会と言い、それからデータ通信とかいうようなことが言われ出したのは、私はここにあると思うのです。これによって、商売をやっておる人は死命を制せられるかもしれないと思うのです。そうすると、いま企業をやっておる人が科学情報センターからその情報をいただいて、そのことが即日本の企業に目玉を入れる、そして世界のどこの国の商品よりもいいものができるというような情報を提供しなければならない。私はそう思う。ところが、行政の立場からいいますと、この法律を見ると、きわめてまだ要点が現代的でない。たとえば、目的として「迅速かつ適確」ということが書いてある。これは、送るやり方だけが書いてあるのですね。私はそれに上質と利用度の高いもの――利用度の高いということは、別のことばで言いますと、特許でいったら最新特許です。こういうものが入るかどうかということにこれから勝負がかかってくるかと思うのですね、情報センターの使命は。おそらくアメリカでもドイツでも日本に情報をくれる特許というようなものは高い金を出さなんだらくれないわけです。情報センターは盗んでこいとはいいませんよ。それぐらいの時代に適応するところの情報センターでなかったら、科学情報センターという名前がこれから泣くのじゃないか。そこにひとつ目玉を入れて、行政の姿勢をひとつ正していただいて、情報センターに活を入れていただくときが来たんじゃないかと思うのですね。情報化時代というでしょう。データ通信というようなことをいいますね。私は、あの情報センターは現状のままでいいかどうかということに非常に危惧の念を持っておるわけですよ。ところが、きょう主計官においでいただいておりますが、主計官に私は申し上げたいと思います。  まず二つの観点を申し上げたいと思います。一つは、いまわれわれが心配しておるのは、日本の国の化学、それと医学、これの一番いいところがアメリカの網に全部ひっかかってしまうわけです。みな網にひっかけられてしまうわけです。いうならば、日本の野鳥でもいいですし、お魚でもいいですが、いいお魚をわれわれが食べてこそ日本人の栄養になるんでしょう。ところが、それはみんなアメリカの網にかかってしまうということになったら一体どうなるのです。それがいま現状行なわれておるわけでしょう。これはひとつぜひ申し上げておきたい。私はきょうの話の、あなたにこれから要求するポイントだと思っておるわけです。これは局長、アメリカのNIST計画というのと違いますか。ちょっとそれを説明してください。

田中好雄科学技術庁振興局長

○田中政府委員 ただいまございました化学関係の情報、これはアメリカではケミカルアブストラクトといっておりますけれども、これにつきましては情報センターにおきまして契約を結んでこういうものを入手できるようにしておりまして、それをいま全部こちらで取り寄せまして、こちらでそのまま出してもよろしゅうございますが、英文でございますから、これを日本語に抄訳して出すということをやっております。非常に情報センターのわりに大きな仕事の一つになっておるものでございます。  それから医学関係の御質問がございましたが、これは略称メドラースと言っておりますが、医学用語でございます。これはアメリカのその関係のものと現在契約を結んで、二年くらいで向こうのアブストラクトされたものが日本にどの程度うまく応用できるかということをやっておるわけでございます。それからこれのメドラース、医学情報につきましては、日本の国内の情報をどういうふうに扱うかという問題でございます。  一例をあげますとドイツでございますが、ドイツは自分のところの情報を全部収録いたしまして、それをアメリカへ送ってやるわけでございます。そうするとアメリカは自分の国内のも外国のも全部合わせましてテープで送り返してくる、全部ただということになっております。日本の場合は慶応の大学におきまして、日本の情報を向こうから適当な報酬をもらって出しておるわけでございます。そのかわり私のほうの関係では情報をとりますのにただというわけにまいりません。大蔵とも御相談してある程度の金をもらって、それで入手するような方向をいま考えておる、こういうことでございます。ただ、これは急にまいりませんので、来年の三月くらい以降になりますとはっきりした目安がつきますので、その上で利用してまいりたいという段階でございます。  ちょっと余談になりますが、これを取り巻くいろんな――これを使用してくださるところは病院とかあるいは大学だとかこういうところでありまして、どうも町のお医者さんが使うというところまではいきそうもございません。需要の大きさあるいはこれを利用していただく先生方の経済的な問題、こういうものを調べた上で進めないとぐあいが悪いというところで、一年くらいの余裕をもらっておるわけでございます。

三木喜夫日本社会党

○三木(喜)委員 そこで私は悪い言い方かもしれませんけれども、ドイツはいわゆるアメリカのこの計画の中に組み込まれて完全にダウンした。日本はまだダウンしてないけれども、いまもおっしゃったとおり、もう慶応あたりからずばっと向こうに出さなければならぬシステムの中に組み込まれておる。化学も同じことです。こういう情報の非常に国際化された中でこれを見なければいかぬ、主計官、私はこう思うのです。  それからもう一つ、先般ドイツのミュンヘンへ行きまして、そして特許の処理をしておる機関を見た。開架式になりまして、一ぺんに三万件の特許が全部見られるというようなシステムにもしておりますし、それからマイクロフィルムを利用したところのファイルを使っておる。だから特許ひとつ調べに行っても、三万件のものがすぐにわかる。そうしてそれが日本のように一つ一つデータを送らなくても、マイクロフィルムのファイルがちゃんと出ておる。こうなりますと、非常に近代的な設備で迅速的確ということがここに可能になっておるわけです。これはドイツのミュヘンのことです。先ほど私が局長にお伺いしたのは、迅速、的確の上に上質、そうしてその利用度の高い――病院まで利用できなくとも、学者として非常に珍重されるものが出ておるということですね。企業としても最新のものである。それはわれわれの一番望んでおったものだというものが出ていかなければならぬ。そういう観点からいたしますと、科学情報センターの中でいま行なわれておるこのやり方は、近代的な脚光といいますか、近代的な考え方でこれを見たときに、あのままでいいかということが当然出てくる。  そこで特においでいただいたのは、この情報センターに政府として幾ら予算をつけられたかと見ますと、昨年度よりも一億八千万円ふえておるだけ、そうして情報そのものの中身をよくするのに対しては五千万円金が減っているのです。あなた、建物に今度力を入れておられるようですし、それから日本の国の情報網について調査するその調査にお金がかけられておる。いま局長の言われたように、規模、大きさ、こういうものを大体どの程度にするかということの調査をこれからやる。だからこの一年は、言うなれば五千万円お金が少なくなって、しかも施設を増設しなければならぬために、ことし一年日本の国の科学技術情報センターの機能は予算上からいうて一応足踏みないしは低下、こういう現実の中に日本の国の科学技術というものを置いてそれでいいかということを、きょうは大蔵省から来てもらってあなた方の認識をぜひ聞きたい。これなくして科学といっても、情報がおくれてしもうたら何にもならぬのですよ。この点、ぜひその予算面から見て御答弁いただきたい。私は、もう来年は、予算委員会でこのことは言いたいと思いますし、こういうところで言っておっても、もう予算組んでしもうておるのですから始まらぬ話だと思いますけれども、将来のかまえとして言うておきたい。

原徹大蔵省主計局主計官

○原説明員 情報化社会ということがいわれるようになっておる時代であって、情報の持つ意味が非常に重要であるということにつきましては、私ども全然異論がございません。そういうことでございまして、私は、科学技術庁と文部省と両方所管として持っておるわけでございますが、ことし大学の学科を五つ認めましたが、そのうち三つは、情報関係の学科の新設を認めたわけです。したがいまして、そういうことからも、私どもとしては、科学技術情報の問題に関して決して冷淡ではないと私は思っております。  ことしの予算でございますが、確かに、情報センターに対する国の出資ないし補助金は一億八千万程度ふえておりますが、これは収入の面が相当伸びるということを前提にしておりますので、事業費全体として見れば、かなりの伸びになるだろうということがございます。ただ、問題は、先生おっしゃいましたように、じゃ、いまの科学技術情報センターそのままでいいかどうかという問題であろうかと存じますが、その点に関しましては、いま科学技術庁におきまして、局長のほうからも申されましたように、NISTという計画がございまして、それについて検討を進めておる。でありますから、いまの――それはまだ先の話になるわけでございます。いまの情報センターの事業として見まするならば、私は、まあこの程度の予算であっても、体質が変わらないわけでございますから、今年度の予算といたしましては、この程度でやむを得なかったのではないか。ただ、将来の問題として、情報の問題が非常に重要でございますから、もしそのNISTの計画が地について、やるということになります場合には、私どもも科学技術庁の要求の中身をよく聞きまして、慎重に検討して前向きに検討したい、そういうふうに思っております。

三木喜夫日本社会党

○三木(喜)委員 でき得べくんば、そういうふうに大いに発奮してやってもらいたいと思うのです。そうでなかったならば、おくれてしまうのです。  そこで、いまあなたの御答弁は、予算という平面的に見た御答弁をいただいた中に、ちらっと一言、あらっと思うことを言われた。収入が伸びるということを言われたね、これは重大なポイントです。あそこの科学技術情報センターで、たとえばコピー一枚を三百円――ものによりますよ、そのデータのしっかりしたものを一連三百円といたしましょう。三百円のものを、あなた方はノルマかけるものだから、ことし六百円にするのですよ。三百円のものを倍にするのですよ。それで収入をあげて、一体何になるのですか、そんな収入のあげ方で。それはもう金ばっかりで計算している、科学なり人間の良心というものを金で計算する一番けちなやり方なんだ。中身をもっとよく検討してください。科学がそんなことではだめですよ。三百円しておったものを六百円、上げざるを得ぬのですよ、あそこは。こういうことで科学が振興すると思ったら大間違いです。これは私はおそらく、日本の国の大蔵省の恥部をここにさらしたものだと思うのです。一番悪いところがここへ出ておるのです。一ぺん中身見て調べてください。主計官は中に入って調べられぬのですか。経理の状況とかそんなものは調べられぬのですか。関係の官庁から調べさすのですか。私はそれを聞いて慨然としましたですよ。三百円のを百五十円にしたとか、百円にしたとかいうのなら、科学の振興の今日、いいですけれども、いま「迅速かつ適確」という上に、上質と利用度の高いものを提供せにゃならぬという、これは法律に書いてないですよ、法律の目的には、あとの二つは。そういう時代がきておるのに、利用しにくいように利用しにくいようにしたってだめですよ。  これが一つと、それから、これは局長にもお伺いしておきたいと思うのですけれども、あすこの業務の運営の中で、一体そういう科学データをどこから入手しておるのかということと、それから、そのデータを翻訳さすのに一体どういうような手順をとっておるか。全く金がないから、大学へアルバイトに出しておるのです。委託しておる。そうして委託してできたやつをそこで処理しておるのですよ、百人ほどの人で。全くおくれざるを得ないし、そういう翻訳のシステムもないし、言うならば、三十九年に法律をつくったときの姿勢そのままであります。今日、七年の歳月がたっておるのですけれども、やり方はだんだんと予算に縛られてみみっちいことをやらにゃいかぬのです。いま下請に出しておるのですね。その下請でもし一字数字を間違うたら、解訳を間違うたら一体どうなるのですか。一ミリ違うても精密機械は狂うてくるわけです。主計官、私が言いたいのはこの二つですよ。あなたは収入が上がってくるかもしれぬとおっしゃったでしょう。三百円を六百円にしておる。もう一つは、金がないから、下請、社外工にまかして、それがデータになって返ってくるのです。私は、その大学生なり大学院でやることが間違いだとは言いません。そんなおこがましいことは言いませんけれども、そういうシステムの中で何でいいものができるんでしょうかというのです。こういう中に置いておいて、科学技術情報センターとはこれは言えないでしょう。私はこれは理事長が見えたらもっと中身のことをずっと並べますけれども、きょうはその一例、金のことだけ申し上げておきます。これでいいですか、主計官。

田中好雄科学技術庁振興局長

○田中政府委員 三百円のものが六百円、二倍になっているというお話でございますが、総体的に申しまして、実は、この収集整理のほうは国の出資及び補助でまかなうようにいままで考えておりまして、それから、提供業務のほうにつきましては、出版費などの事業関係の支出がございます。これに見合った程度のものをお願いするようなかっこうになってきておるわけでございます。出版費のほうでございますが、調べてみますと、三〇%から四〇%くらい――これは全体の話で、先生のいまのコピーの一枚の話ではございませんで失礼ですが、したがいまして、その三〇%から四〇%、平均して三六%くらいになりますが、このくらい出版費が上がりますので、これをカバーするのを全部国にというのも考えられませんので、約二〇%くらい上げざるを得ないという状況になったわけでございます。この点については、なお、先生の御意見もございますので、いろいろと調べてもう少し的確にしたいと思いますが、そういう状況でございます。  それから、翻訳の件でございますが、これを下請に出しておる、これは確かにそのとおりでございますが、この翻訳の件につきましては、専門の人をすべて情報センターの下に雇っておくということがとてもできかねる問題でございますので、その部門部門におきましてお願いをせざるを得ない、こういうことが一つでございます。大学の先生などに非常に多くのコネクションを持って、むしろそういう人を自分の中へ引き込んだような形で運営をしようという考え方になっておるわけでありますが、数字などの間違いがあれば、確かに先生がおっしゃるような大きな問題を起こしますので、持ち帰ったものを再びチェックするようなシステムをちょっとつくってはやっております、十分ではないと思いますけれども。あとは、コンピューターにかけ、その他の手続を二重三重にチェックをするような形には一応しておるわけでございます。いまの御意見どおりのところもございますので、いろいろと直していかなければならぬ点が多いと思いますが、現状はそういうところでございます。

三木喜夫日本社会党

○三木(喜)委員 大蔵省、そういう中身ですから、その予算からくるところの中身が圧縮されている状況、そうしてしかも非近代的な様子、こういうものをつぶさに見てください。つぶさに見て来年度の予算をつくっていただきたい。田中局長は苦しそうにおっしゃいます。全く苦しいですよ。二〇%運営費は上げいろいろなものを上げるようになっておるようですけれども、コピーの話は大事ですよ。田中さん二〇%じゃないんですよ。これは外国ではもう近代的な科学を駆使して利用者に利便を与えているのに、日本では気の毒なことになっていると思うのです。これでは科学技術情報センターは死にますよ。もう御臨終を近くするために拍車をかけているようなものです。御臨終を来たしたくないからこういうことを言っている。きょうは理事長おいでになりませんから、おいでになりましたら申し上げることにいたしまして、これでおきます。

田中好雄科学技術庁振興局長

○田中政府委員 先ほども申しましたような状況でございますので、よく検討させていただきたいと思います。

渡部一郎公明党

○渡部委員長 次回は来たる三月十日水曜日午後一時理事会、一時十五分より委員会を開くこととし、本日はこれにて散会いたします。     午後五時二分散会

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