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65回国会衆議院1971/05/24

沖縄及び北方問題に関する特別委員会 第14号

発言数
132
登壇者
13
会派数
4
開催日
1971/05/24

会議録

池田清志自由民主党

○池田委員長 これより会議を開きます。  これより請願の審査に入ります。  今国会、本委員会に付託になりました請願は三十二件であります。  請願日程に掲載されております三十二件を一括して議題といたします。  審査の方法についておはかりいたします。  各請願の内容につきましては、すでに文書表で御承知のことと存じますし、また先ほどの理事会で御検討願ったところでありますので、この際、各請願について、紹介議員からの説明聴取等は省略し、直ちに採決を行ないたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

池田清志自由民主党

○池田委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。  請願日程中、日程第一、第二、第四、第五及び第一一の各請願は、いずれも採択の上内閣に送付すべきものと決するに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

池田清志自由民主党

○池田委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。  ただいま議決いたしました請願に関する委員会報告書の作成等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

池田清志自由民主党

○池田委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。     —————————————   〔報告書は附録に掲載〕     —————————————

池田清志自由民主党

○池田委員長 今国会において、本委員会に参考送付せられました陳情書は、北方領土の返還促進に関する陳情書外十五件であります。この際、御報告をいたします。      ————◇—————

池田清志自由民主党

○池田委員長 次に、閉会中審査に関する件についておはかりいたします。  沖繩及び北方問題に関する件について、議長に対し閉会中審査の申し出をいたしたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

池田清志自由民主党

○池田委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。  次に、閉会中の委員派遣に関する件についておはかりいたします。  閉会中審査案件が付託になり、現地調査の必要が生じました場合は、委員長において議長に対し委員派遣承認の申請をいたしたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

池田清志自由民主党

○池田委員長 御異議なしと認めます。よって、  さよう決しました。   なお、委員の派遣地、派遣期間、人選等につきましても、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

池田清志自由民主党

○池田委員長 御異議なしと認めます。よって、  さよう決しました。      ————◇—————

池田清志自由民主党

○池田委員長 沖繩及び北方問題に関する件について調査を進めます。質疑の申し出がありますので、順次これを許します。箕輪登君。

箕輪登自由民主党

○箕輪委員 一億国民の悲願でありました沖繩の施政権返還も、もう目の前に迫ってまいりました。まことに喜びにたえないところでございます。個々の問題を取り上げますと、まだまだ私どもとしては御要求申し上げたいこともたくさんありますが、とにかく来年の四月か七月には沖繩が帰ってくる、まことに喜びにたえないところでございます。  そこで、沖繩が復帰されますと沖繩開発庁というものができる構想が政府から示されております。ただいま沖繩の問題は、沖繩・北方対策庁という役所がいたしておりますが、きょうは長官もお見えでありますが、当然沖繩開発庁仮称なるものが誕生いたしますと、沖繩・北方対策庁は発展的な解消をいたすものと考えております。そのとおりと考えてよろしゅうございましょうか。

湊徹郎自由民主党総理府総務副長官

○湊政府委員 ただいまのお話でございますが、要するに、いままでの沖繩問題の経緯にかんがみて、復帰の時点以降、何らか沖繩の各種事業、特に本土とのいままでの格差を埋めるために特殊な機構が必要であるというふうに考えておりますが、しかしそれは、今日内々私どもの考えでございまして、願わくはそのときの機構及びその中身をなす事業等については、現地の意向を最大限に尊重いたしたい、こういうことでございますので、現在沖繩の県民会議でその辺を目下議論中でございまして、正式に私どものほうに、こまかい内容まで含んだ現地側の御要請は公式にはまだ出ておりません。いずれ出るのを待ってと思っておりますが、大きな方向としては、いま申しましたように、一種の仮称開発庁的なもので処理するのがいいのじゃないかというふうに考えておるわけでございます。したがって、現在の沖繩・北方対策庁という組織は当然変わるものというふうに考えております。

箕輪登自由民主党

○箕輪委員 大体、私どもが考えておる構想のとおりに政府も進めておるようでありますが、沖繩開発庁仮称が誕生いたしますと、しからば沖繩・北方対策庁の北方がどこへ行くかということが国民的な関心事であろうと思います。沖繩開発庁ができると同時に、北方問題を取り扱うところの役所のようなものがどうしても必要であります。きょうは総務長官がお見えになりませんけれども、かねがね私、道庁あるいは道民の意向等を聞きながら、長官ともお話を進めておったのでありますが、可能であるならば、北方対策庁のようなものをつくっていただきたい。しかも沖繩開発庁と同時発足でなければならない。北方対策庁のようなものができないとするならば、第二次的に総理府の中に内閣総理大臣を本部長とする青少年対策本部のような、北方領土対策本部をつくっていただきたい。こういうことで、政府部内において調整中ということを総務長官から聞いてはおりますが、もう沖繩の構想がはっきりした以上、この辺で北方の構想も明らかにしてもらわなければならないと思うのであります。総理府はどのような考え方で北方問題に取り組むつもりか、これをひとつお知らせいただきたいと思います。

湊徹郎自由民主党総理府総務副長官

○湊政府委員 さっき申し上げましたように、沖繩問題に対処するための機構について構想が具体化されつつあるという点は、そのとおりでございますが、しからば実際にどの種の仕事をどういうふうにやるか等の中身については、実は現地の意向を最大限に尊重してきめたいということでございまして、ばく然とその種の機構が必要であるということで、こまかい、その扱う権限であるとか、組織の細部であるとか、行なう事業であるとか等は、これから検討していくことになりますし、おそらく今度の国会に提案される沖繩振興開発法、その中で振興開発計画ということが具体化される、それを受けて、やはり組織、機構等も中身をきめていく、こういうことになろうと思います。当然のこととして、北方問題についても問題になるのでありますが、沖繩の場合は、いわば行政ベースに乗った形で内政問題を処理していくということを具体的にこれからきめるわけでございますが、北方問題でございますと、向こうにおられた方で引き揚げられた人の援護措置であるとか、あるいは安全操業の問題であるとか、具体的な行政措置を要するものもございますが、全般の領土問題ということになりますと、実は行政の前の段階の政治、特に外交のレールにさえ乗るか乗らぬかという段階でございますから、具体的に、かりに北方のために対策本部的なものをつくった場合に何をやるかということも並行して検討していきたいと思います。いずれにしろ、現在やっております啓蒙宣伝の仕事、あるいは北方領土に関する調査研究の仕事、さらにさっき申しましたような現実の問題処理、さらに必要なことは、おそらく沖繩の場合がそうであったがごとく、各省庁の連絡調整機能というものをかなりやはりはっきりさしていく必要があるだろう、そういう意味で、現在北方課という形で対策庁の中で処理しておるものよりは相当に強力な組織が必要である、こういう点については申し上げ得ると思いますし、いまお話しのような対策本部的なものということに、一つの論理の必然としてそうなっていくのではなかろうかと私どもも考えております。

箕輪登自由民主党

○箕輪委員 だんだんわかってまいりましたが、まだ北方については考えがきまっていないような感じがいたします。しかし、ここではっきりひとつ長官に答えていただきたいのでありますが、もう新聞には数日前のに出ているそうでありますが、北方領土対策本部を総理府の中に置く、いま申し上げたように、内閣総理大臣を本部長にするそういう対策本部をつくるのだという方向で新聞に出ておるそうでありますが、そういう方向で政府部内の調整をしておるかどうか。その方向でもってきまる見通しなのかどうか、あるいはもっと一段低目な北方対策室のようなものをつくるのか。この点をはっきり聞いておきたいと思うのであります。私どもは、北方対策室のようなものでは、同じ問題を扱う同じような機構であっても、それではこれはソ連に対しても日本の政治姿勢を問われると思うので、少なくとも先ほどからくどく申し上げております内閣総理大臣を本部長とする、総理府の中に設置する北方領土対策本部をつくっていただきたい、かように思いますが、もう一度御答弁をいただきたいと思います。

湊徹郎自由民主党総理府総務副長官

○湊政府委員 先ほども申しましたように、たとえば世上いわれておる仮称沖繩開発庁の場合も、具体的な組織の内部をどうするかとか、あるいは自治省とのかね合いをどうするかとか、そういう細部については、実は今日何ら固まっておりません。それと同じように、具体的に何をやるか、どういう権限事項で処理するかという中身を固める過程で、その場合にどういうふうに動かしていくことが効率的であろうかという観点から、いろいろ資料を検討してきまっていくものと今日の段階では考えております。

箕輪登自由民主党

○箕輪委員 その沖繩開発庁の中身については、まだきまっておらない。しかしながら沖繩開発庁の場合、中身も大体論議をされているわけであります。それを全然まだ論議をされていないという御答弁をされると困るのでありますが、論議をされておることは事実であります。そして、それはそれぞれ毎日のように新聞に出ておるのであります。北方対策についても論議をされているならば、中身はともかくとして、どういう仕事をやるのだという中身はほとんどわかっているわけですよ。いま副長官がおっしゃったとおりです。それくらいしかないのです。北方課でやっておるような業務内容しかないのです。しかしどういう形の看板がかかるか、これがわれわれの考える一番心配な点です。中身のことについてはもう聞く必要はないのです。どういう看板をかけるんだというその看板の問題は、北方対策本部という看板をかけるのか、北方対策室というような看板をかけるのか、この点について北方対策本部の看板をかけるという方向で検討しているのだということであればそれでけっこうなんです。それすらも検討してないということであるならば、なぜ北方だけは沖繩におくれてそういうふうにするのか。これは並行してやらなければならないにきまっているじゃありませんか。沖繩のほうは内容のことまで検討しているでしょう。北方のほうはどういう看板をかけるかも全然検討してないということではおかしいんじゃないでしょうか。どうでしょうか、副長官。

湊徹郎自由民主党総理府総務副長官

○湊政府委員 さっき申し上げましたように、沖繩の場合は、返還協定という外交サイドの仕事が現に進行していると同時に、内政事務としてある程度具体的な行政レールに乗るような問題を検討しているわけでございますが、北方問題の場合は、御承知のように今日外交サイドのウエートが非常に高い。内政的には、さっきおっしゃるように、そこら辺のかね合いということになりますと、単に私ども総理府部内で、これは内政の仕事を主としてやっているわけでありますから、内政サイドだけでどういうふうな扱いをするかということを一方的にきめるというのはいかがなものであろうと率直な話私は思いますので、そこら辺、もちろん案は案として、ただいまおっしゃるように本部を設置するという方向で検討していることには間違いございません。

箕輪登自由民主党

○箕輪委員 だんだんにお話をしますと、そういう方向で検討している。どうかひとつ、少なくとも総理府の中に内閣総理大臣を本部長とする北方領土対策本部をつくっていただきたい。その方向で進んでいるというお話でございますので、しかもその対策本部というものの看板をかけるときには、沖繩開発庁の看板をかけるときと同じ日で同じ時刻に同じにかけなければならないということをさらに要望いたしておきたいと思いますが、この点は御異論がないと思いますけれども、大事なところですから、どうかひとつお答えをいただきたいと思います。

湊徹郎自由民主党総理府総務副長官

○湊政府委員 ただいまの趣旨で検討してまいりたいと思います。

箕輪登自由民主党

○箕輪委員 私どもは、わが国固有の領土でありますいわゆる北方領土問題について真剣に考えております。今日、沖繩対策庁の中に北方課という課がありますが、これは主として内政上の問題を処理いたしているわけであります。しかし私どもは、北方課が一生懸命やってくれている実績は一応認めるといたしましても、その仕事の規模が非常に小さい。予算面で考えてみても、これだけ大きな問題に対処するのに、非常に小さい予算だと思います。間違いかどうか、これは沖繩・北方対策庁長官に聞いたほうがいいかもしれませんけれども、四十六年度の北方対策庁予算は幾らになっておりますか。私はたしか八千三十一万だと記憶いたしているわけでありますが、いかがですか。間違いでしょうか。

岡部秀一沖繩・北方対策庁長官

○岡部(秀)政府委員 四十六年度は大体同じで八千四百万ほどでございます。

箕輪登自由民主党

○箕輪委員 その中で、これも間違いかもしれませんけれども、大体間違ってはいないと思うんですが、大体三千万円くらいが人件費だと私は覚えております。正味五千万程度しか啓蒙宣伝費その他内政の経費が組まれていないと思うのです。これは長官どうですか。

岡部秀一沖繩・北方対策庁長官

○岡部(秀)政府委員 仕事の内容は、主として北方領土問題対策協会で活発にいたしておりますが、もうちょっと多うでございまして、約八千万ほどでございます。

箕輪登自由民主党

○箕輪委員 それは北方協会の予算も入れてでしょう。貸し出しをやっているあれも入れてでしょう。

岡部秀一沖繩・北方対策庁長官

○岡部(秀)政府委員 貸し出しは別でございます。

箕輪登自由民主党

○箕輪委員 とにかく、われわれも選挙なんかで全国を遊説して歩きますが、国内の啓蒙宣伝も私は非常に不十分だと思います。わずかに北海道に行って見て、帰れ北方領土なんという看板がかかっているのをたまに見る程度であります。これも道庁が主体になって予算を組んでやっておりますから、道庁関係がやっているのじゃないかと思うのでありますが、あるいはまた国の金も入っているかもしれません。しかし北海道以外の他の府県に行ってみますと、東京都もそうでありますが、ほとんどそういう看板すら上がっていない。それはいま言ったように予算が非常に少ないからであります。これだけの大きな問題をかかえていて、実際私は五千万と思っておったけれども、八千万程度の金を使っているのだとおっしゃる、それが正しいとしても、現実の問題として啓蒙宣伝がほとんどなされていない。対策本部ができるまでは対策庁がやるのですから、来年の予算要求はどのくらいやるつもりでいますか。私どもは、どんなことがあったって、実質使うことのできる金は一億円以上なければおかしいじゃないかと思うのです。また八千万程度の予算要求をするのか。人件費も上がっているのですよ。まだすっかり構想がまとまっていないかもしれないけれども、来年はこのくらい要求するのだ、強い姿勢で臨むのだという考えがあるならば、ひとつ御披瀝をいただきたいと思います。

岡部秀一沖繩・北方対策庁長官

○岡部(秀)政府委員 北方問題は、沖繩が復帰いたしますと、この問題だけが最後に残るわけですので、これは相当のピッチを上げていくことにいたしたいと思います。そういたしますと、できるだけたくさんの予算をいただきたいと思っておりますので、現在構想はまだ考えておりませんけれども、少なくても本年度以上の予算をいただきたいと思っております。

箕輪登自由民主党

○箕輪委員 本年度以上などということはあたりまえのことでございまして、本年度以下の予算をいただきたいと思うというばかはどこにもないですよ。しっかりひとつやってくださいよ。総理は沖繩返還なくして戦後は終わらないと名言のようなことを言ったけれども、私どもは北方領土が返ってこない間は戦後は終わらないと解釈しているのです。沖繩が返還になりますと、残されたのは北方領土だけじゃありませんか。これを担当されている対策庁ですから、ひとつがっちり、われわれも手伝いますが、あなた方のほうで要求が少なければ手伝いようがないのです。がんばってくださいよ。激励してこの問題にはピリオドを打ちたいと思います。  そこで、今度は安全操業の問題についてお尋ねをいたしたいのでありますが、安全操業の交渉を見ますと、その歴史は古いわけであります。ただ一つ安全操業がみごとに行なわれているのが、貝殻島周辺における日本の零細漁民によるところのコンブ漁業であります。民間協定のいわゆる貝殻島コンブ協定、これが昭和三十八年の五月に成立いたしまして、自来このコンブ採取による拿捕ということはなくなりました。非常にうまくいっているのであります。このコンブ協定の問題については後ほどまたお尋ねをいたしますが、一昨年の九月に愛知外務大臣が国後、択捉、歯舞、色丹四島周辺を対象とした安全操業の試案をソ連側に提示いたしておりますが、そうして昭和四十五年、昨年の四月に、ちょうど万博のソ連デーに出席のためノビコフ副首相、イシコフ漁業相が日本に参りまして、倉石農林大臣と会っております。そのとき、またあらためて農林大臣からも外務大臣からもこの四島周辺における安全操業の提案が行なわれておりますが、その際ノビコフ並びにイシコフは、日本側の具体案が提示されると、これを前向きに検討したいと述べたのであります。それが昨年の四月の初旬であります。もうそれから一年過ぎました。こちらから具体的な案を提示したにもかかわらず話がきまっておりません。ただ、ソ連側は、ことしの一月になってからようやく、歯舞、色丹周辺の特定水域を対象とする、そういう話し合いであるならば応ずる用意があるということでございます。四島周辺、ソ連側は歯舞、色丹二島周辺、こういうことを言ってきております。その後一月から今日まで、私どもはどういうふうに進展しているのか膠着しているのか全くわからないのであります。その間において駐ソ大使も中川さんから新関さんにかわった。新任の大使はこの問題と取り組んでいるかどうか、取り組んでいるとするならばどういう取り組み方をしているのか、あるいはまたどの辺まで話が進んでいるのか、さっぱり国民も私どももわからないのであります。これは水産庁に聞いたほうがいいのか、外務省に聞いたほうがいいのか、両方に聞いたほうがいいのか、ひとつどちらからでもいいから、両方からお答えをいただきたいと思います。

大和田啓気水産庁長官

○大和田政府委員 お説のとおり、ことしの一月になりまして初めて両国の政府代表同士の話し合いがございまして、その後中断をいたしておるかっこうでございますけれども、新関新大使は、この問題に非常に熱心でございまして、日ソ漁業の交渉が終わり次第できるだけすみやかにまた交渉の再開をしたいということを先方に申し入れておるわけでございます。私ども、まず新関大使とイシコフ漁業相等との折衝が行なわれると思いますけれども、必要ならば東京からも代表団を送る用意があるわけでございます。

箕輪登自由民主党

○箕輪委員 まあこちらの心用意はいいのでありますが、ソ連側の最近の態度から見ますと、非常にわれわれ不安を持たざるを得ないわけであります。先般来大和田さんも非常に心配されたことと思いますが、わが国の漁民が開発したオホーツク海の抱卵ニシンが、ソ連側の一方的な言い分を日本側も聞かざるを得ない立場で全面禁漁というふうに相なりました。全面禁漁などという問題はいままでかってなかったことであります。この態度があるいは反映したのかどうかわかりませんけれども、先ほど来話題になっております民間協定によるコンブの採取、御承知のとおり六月一日からやるのであります。昨年は四月の十四日にコンブ採取の話し合いに入りました。四日目に話し合いが終わったのであります。その前の四十二年、これは五月の十五日に話がきまっております。その前は五月十二日にきまっておりますし、その前は四月の二十九日にきまっているのです。六月一日からやらなければならない。もう一週間あとであります。日本側は御承知のとおり二十一日の日にモスクワで話し合いに入りたい、こう言って申し入れをしたにもかかわらず、ソ連側は二十一日はだめだ。理由も何も言っておりません。非常にこのごろ高姿勢であります。そして二十一日の話し合いはできずにきょう二十四日を迎えたわけであります。あと一週間しかないんです。主としてこれは外務省、大日本水産会あたりが窓口でやっているのだろうと思いますから、これは水産庁のお答えはいいです。  外務省にちょっとお尋ねをしたいと思います。どういう見通しになっておるのか非常に心配なことであります。ニシンの全面禁漁とあわせて今度はコンブで何かクレームをつけてくるのではないだろうかというようなことが懸念されてなりません。北海道は他の水域においてはすでにもうコンブをとっているところが出てまいりました。貝殻島周辺のいわゆる根室の漁民の方々は非常にこれを心配いたしているわけであります。その後の経過について有田さんからお答えをいただきたいと思います。

有田圭輔外務省欧亜局長

○有田政府委員 お答えいたします。先生御指摘のとおりに、従来のコンブ協定は、最初は一年でございましたが、その後二年改定の協定でずっと支障なく続けてきておりますし、ほぼおそくとも五月の中旬ころにはできております。ことしは御承知のようにモスクワと東京におきましての漁業交渉が非常に長引きましてずれ込みました関係もございますが、このコンブ協定の話し合いもソ連の都合でまだ始まっておりません。こちら側からはお説のとおりに二十一日からでも話し合いをしたいということを申し入れましたところが、向こうからなかなか返事がないし、まあ一つの事情は、イシコフ漁業大臣が当時ポーランドに旅行中で、どうしてもこれは大臣の都合を聞いてからでないと返事ができないというのが当面の返事でございました。つい最近も大日本水産会のほうから直接イシコフ大臣に電報もいたしましたし、また新関大使のほうにも事情説明の電報を打っております。  そこで、われわれといたしましては、内容的にはもうそれほど交渉するという場面はございませんので、やらすかやらさないかということでソ連側にできるだけ早い機会に話し合うように、しかも六月一日からの漁期に間に合うように、先生御指摘のとおりにもう一週間ほどしかございませんけれども、しかし最近は直行便もございますし、ほとんど毎日飛んでおりますわけですから、直ちにでも飛んで行ってこの取りきめを結びたいということを強く申し入れております。私、出てまいります前にモスクワからの電報を見ましたが、わがほうの出先の大和田公使も極東部に対して、これは外務省でございますが、事情を言いまして、早くこの取りきめをしたいということを言いましたところ、ソ連の外務省といたしましても、ソ連の極東部といたしましても、できるだけ協力するということを申しておりますので、われわれは期待を持ってソ連側の回答を待ちたいと思っております。

箕輪登自由民主党

○箕輪委員 もう時間がございませんようでありますので、まことに残念でありますけれども、外務省や水産当局に、私から最後に御要望を申し上げたいと思います。  どうも最近の日ソ漁業交渉、このコンブのことを含めて考えてみますと、もうぎりぎり一ぱいの、時間がないところまで彼らは会議に応じてこない。会議に応じても、なかなか返答しない。時間切れのところで彼らは自分たちの主張を通す。まことに外交の弱さを先般の抱卵ニシン全面禁漁においても私どもはしみじみと感じさせられたのであります。むしろソ連のほうが外交がうまいというような感じ、国力の相違があるかもしれませんけれども、国民ひとしくそういうふうに考えただろうと思うのです。そこで御要望申し上げたいことは、今度のコンブについても、向こうに乗ぜられないように、だまされないように、外交でかちとるように、ぜひとも早い機会にさらに一そう督促をして日にちをきめてもらって、六月一日からの出漁に間に合うように外務、水産両当局が力を合わせて一生懸命交渉をしてくださるように心から要望申し上げまして、質問を終わりたいと思います。

池田清志自由民主党

○池田委員長 美濃政市君。

美濃政市日本社会党

○美濃委員 四、五点お尋ねいたしたいと思うのですが、まず第一に北方領土の問題ですが、いろいろ先ほどからの質疑を聞いておりましたが、最近受ける感じでは、外務省として何も進展していないのじゃないか。この国会中にも領土問題の質問はしていないわけですが、本日が最終日でありますから、どうしてもこの問題に対する経過をできるだけ具体的にひとつ御説明をしてもらいたいと思います。それは最近の動きであります。ここ一年間でよろしゅうございます。その前の経過はわかっておりますから、どういう方法でどういうことが交渉されて、何か具体的に多少でも動きがあるのかどうか。そういう点についてまず最初に承りたいと思います。

有田圭輔外務省欧亜局長

○有田政府委員 お答えいたします。北方領土問題につきましては、長年の懸案でありまして、最近の一年間の動きは、具体的な交渉という場面では遺憾ながら何もございません。  御承知のように、わがほうの基本的立場は、歯舞、色丹、これに加えて国後、択捉は日本の固有の領土である、したがってすみやかにこの返還に応じて平和条約を締結して、安定的な関係を持ちたい、このように再三再四、特に申し上げませんけれども、先方の要人が来たとき、あるいはこちらの要人が行かれたときに、それぞれ相手国の要人に強くこの点を説明しております。  幸い、日ソの関係の他の方面におきましては、たとえば貿易関係におきましては、昨年の貿易は往復で八億ドルをこしております。それで、昨年の十二月の末にこの五カ年の日ソの取りきめが失効いたしました。したがいまして、今後の五カ年——これはちょうどたまたまソ連の五カ年計画にも合うわけでございますが——の貿易取りきめを行ないたいということで、先般東京で交渉いたしまして、これはイニシアルができました。今後の五カ年間でございます。これは先般の五カ年取りきめとは違いまして、附属書に予測数字というものが書いてございませんが、しかし、品目表はついております。これで、われわれのほうで見込みを申し上げますと、大体今後の五カ年間に、双方往復の貿易量が約五十一億ドルにものぼる、つまり平均十億ドルの線にのぼるということでございます。これは日ソ関係はこの面においてはきわめて良好であるということでございますし、それから、御承知のように、航空機の関係では、シベリア上空が開放されて、ただいま日本航空も週四便、モスクワ経由でそれぞれパリとロンドンに行っております。そのつながりといたしまして、つい最近にローカル路線、地方路線といたしまして、ハバロフスク−新潟間の航空路が開けました。新潟の飛行場がただいま整備されておらない関係で、当面は東京に飛んでくるということでございますが、この面も日ソ関係のプラスの面でございます。  このように、いろいろな面についての日本関係の発展を通じて、われわれとしては、ソ連側が一そう日ソの親善関係を希望し、かつまた、基本的にこの領土問題を解決することが日ソ関係をさらに進展させ、また、より一そう安定的な基礎に置くために必要であるということを認識してもらうという方針で、この点を強調しておる次第でございます。したがいまして、具体的に、この北方領土の返還については、遺憾ながらテーブルに着いて交渉するという段階ではございませんが、われわれとしては強力に今後もこの点を強調していきたいと思います。しかし、遺憾ながら、ソ連側の態度は従来と変わりません。  最近、第二十四回共産党大会が、御承知のようにモスクワで四月の初めに行なわれましたが、その際のブレジネフ共産党書記長の演説も日ソ関係に触れております。実は、ソ連の要人の党大会における演説といたしましては、従来は一カ所で日本のことに触れるというような状態であったわけでございますが、今度のブレジネフ書記長の演説をしさいに検討してみますと、日本に対する言及が六カ所に及んでおります。しかし、この領土問題につきましては、ちょうどここにございますので、どういう言い方をしておりますかと申しますと、「日本の若干の階層がいわゆる「領土問題」を利用せんと企図していることは、日ソ関係にとり利益とならぬことはもち論ではあるが、われわれは日本との互恵的協力の一層の拡大に少なからざる可能性を見出している。」云々、いろいろなことを言っておりますが、この領土問題に対するソ連側の否定的な態度というものは変わっておりません。しかし、同時に、ソ連側としては今後も日ソ関係を発展していきたいという希望は強いのだということを申しております。この間にわれわれといたしましては、何らかこの北方領土問題に対する打開策というものを今後とも考究していきたいと思いますが、それには、先ほどもお話がございましたけれども、やはり日本国の全国民の支持ということを背景に、日ソ関係全般の関係の打開という観点から措置を考究していくということが必要かと考える次第であります。

美濃政市日本社会党

○美濃委員 そういたしますと、この問題は、いまのお話を聞いておりますと、ソ連から来た要人に機会あるごとに話をしておる、それで政府間の交渉というものは、この一年は正式交渉は中絶をしておる、こういうふうに解釈していいわけですね。これは重要な外交交渉ですから、政府間交渉を持ち出すにはきっかけと時期も必要だと思いますが、そういう見通しはどういうふうに考えておりますか。

有田圭輔外務省欧亜局長

○有田政府委員 お答えいたします。御承知のように、この領土問題についての論議が行なわれましたのは、一九五六年の日ソ共同宣言ができましたその前後においてこの領土問題がそれこそテーブルに着いて激しく議論されたところでございます。御承知のように、この共同宣言には、平和条約締結の問題は今後継続審議ということになっておるわけでありますから、したがいまして、われわれとしては、機会を見てこの継続審議で北方領土問題を取り上げようということを言っておるわけであります。その間御承知のように、ソ連側はこの問題は、いや、解決済みの問題であるとか、あるいは中間的な問題を考慮したらどうかとか、あるいは西欧におきます独ソ条約によって西欧の現状維持がきまったのだ、領土問題を取り上げるということはいまは適当な時期ではないとか、いろいろなことを申しておりまして、このテーブルに着くことを拒否しております。ソ連側の立場からいたしますと、これは解決済みだからテーブルに着く必要はないということでありますが、そのようなソ連側の認識を日ソ関係の全般的見地から改めてもらいたいというのがわれわれの見解でございます。なぜテーブルに着かないのかということをおっしゃられるわけでございますが、われわれとしてもこのテーブルに着く機会が一刻も早く来ることを希望しておりますが、遺憾ながらソ連側の態度がそのようなので、現在のところまだそれまでには至っておらない状況でございます。

美濃政市日本社会党

○美濃委員 途中ですが、北方対策庁の問題で安井委員が副長官がいるうちに質問したいというので、ちょっとここでかわります。

安井吉典日本社会党

○安井委員 副長官が参議院のほうに急いで行かなければならないという御用があるそうですから、北方庁の問題についての箕輪委員の質問に関連いたしまして、ちょっと伺っておきたいわけです。  先ほどいろいろやりとりがございましたので、私は重複を避けたいと思いますが、二点だけ伺いたいのは、一つは、設置についての政府の態度の問題ですが、先ほど沖繩開発庁については現地の要請待ちだ、そういうふうなお話もありました。そういたしますと、北方庁の問題についても現地の要請というものを尊重しておきめになるというふうな態度が当然なければならぬと思うのですが、やはり現地北海道からの要請にこたえた設置の方向をやっていくのではないか、そういうお答えが私は来るのではないかと思うのですが、政府の設置の態度の問題が一つ。  もう一つは、沖繩開発庁なるものができるときには、当然北方についての新しい役所もできるであろうということは、これは想像できるし、さっきも御指摘のとおりです。しかし、それは沖繩返還のときだと思うのですが、設置の時期はそれでいいとしても、どういうふうな構想で置くのかというその構想の発表の時期です。それは沖繩開発庁なるものの政府構想が固まった時期に、同時に北方のほうも御発表にならぬといかぬように思うのですが、設置の時期の問題についてどうお考えか。この点だけに限定してひとつお答えをいただきたいと思います。

湊徹郎自由民主党総理府総務副長官

○湊政府委員 第一点のほうでございますが、これはひとり開発庁の中身に関することだけでなしに、私どもやはり沖繩県をつくっていくのだという前提に立った場合に、内政上の問題ことごとく復帰対策、いわば内政的な復帰対策全体について現地の意向を最大限に尊重しながらやっていきたい、そういう点で、いま御承知のように税制のようなこまかい個々の沖繩の方々の利害に関する問題等も、逐一実は現地との意見交換を通じて固めていくという態度でございます。したがって開発庁構想についても、現地自体に、沖繩県民の自主性を尊重して、その種の機関は要らないのだという意見もあるやに聞いておりますので、そういう点でほかなり幅をもって、現地の意向が固まるのと並行しながら私どもも内部的に内容を固めていきたいというふうに考えておるわけでございます。したがって、ただいまの北方領土の問題も、再々いままで御議論等もございましたし、当然に現地北海道の、特に北方領土に関連の深い地域の皆さんの御意向等を最大限に尊重して考えていくのは当然のことかと思います。ただ反面、沖繩問題と北方領土問題、ちょっと次元が違うというと語弊がございましょうけれども、片一方は外交の持つウエートがかなり高うございまして、内政的な比重というのは、さっき箕輪委員も言っておられたように、今日の段階ではまだ具体的な日程にのぼっていないというような事情等もございますので、そこらもあわせて考えながらというふうに思っております。  それから第二点の時期の問題でございますが、いずれにいたしましても、この開発庁の問題も北方庁の問題も、機構の上でどうするかということになりますと、来たる沖繩国会と称せられる秋の国会でこれは十分御議論も願わなければいかぬだろうし、その時点では多かれ少なかれ考え方というものはかなり煮詰まったものとして私どもも用意する必要がある、そういう意味で両々並行してと申しますか、そういう形で進めていきたいというふうに考えております。

美濃政市日本社会党

○美濃委員 次に安全操業についてお尋ねしたいと思いますが、現地を歩きますと、四島周辺の意識というものはきわめて高いわけです。二島周辺であればそんな中途はんぱなものは要らぬというような意見がかなり強く出るわけですが、これは対策庁なり、あるいは安全操業を進めるにあたって外務省なりは、二島周辺か四島周辺か、これからの日本側の態度、この基本線はどういう考えで進めようと考えておられるか。

有田圭輔外務省欧亜局長

○有田政府委員 お答えいたします。安全操業の基本的な日本側の立場は、毎年毎年多くの拿捕事件が発生いたしまして、その間には先般の福寿丸事件のような不幸な事件もございます。したがいまして、われわれといたしましては、最近ソ連側に再三再四主張しておりますことは、領土あるいは領海の問題について立場が相違するということはさておき、とりあえず、ともかく拿捕、抑留ということをなくして、経常的に続く日ソの摩擦の原因というものを除くという考え方に立つべきだということを主張しております。   〔委員長退席、床次委員長代理着席〕 もちろん水域が拡大いたしますれば、関係漁業者の漁獲がふえるとかあるいは容易になるということもございますが、それ以前に、漁業者の皆さんがソ連に不当に抑留されるというようなことを避け得るわけでございますから、したがいまして、この現状を実際的に解決する方法いかんということをソ連側に協議したいというのが安全操業の立場でございます。したがいまして、そのような見解から申しますれば、過去の拿捕、抑留事件の発生件数を調べてみますと、ソ連側がいわゆる小千島と称しました歯舞、色丹の周辺では、その関係は三〇%から四〇%程度でございます。したがいまして、この周辺に限るということであれば抜本的な解決にならない、どうしても歯舞、色丹という周辺の、より多くの拿捕、抑留事件を発生している水域を少なくとも原則的に含むという立場に立たなければ、実際的には解決にならないというのがわれわれ関係者の考え方でございまして、先般一月にモスクワに行きました際も、この点を終始強力に主張した次第でございます。

美濃政市日本社会党

○美濃委員 たまたま福寿丸事件が出ましたが、この福寿丸関係の海難に対して、ソビエトに損害要求をするということで書類を取りまとめたのですが、その交渉はどうなっておりますか。ソ連側に提示したか、それからその回答はどうなっているか。

有田圭輔外務省欧亜局長

○有田政府委員 お答えいたします。ただいま書類を出せばわかりますが、日時については私正確に記憶しておりませんが、福寿丸事件後におきまして、この問題について被害者の皆さんその他関係庁からの要求を基礎にいたしましてソ連側に申し入れました。これに対してソ連側の最初の回答は、これは日本側がソ連の立場から言いますれば領海侵犯をし、かつきわめて危険な操船をしたために発生した事故であるから、ソ連側には責任はない、このような回答をしてきております。それに対しまして、わがほうから押し返して、目下その間の解決はいまだついておりません。

美濃政市日本社会党

○美濃委員 これは水産庁長官にちょっとこの機会に尋ねておきたいと思いますが、これは交渉が長引くとすれば、日本側で関係者に要求額を一応立てかえて払ってやるべきだと思うのですが、いかがですか。

大和田啓気水産庁長官

○大和田政府委員 この問題は、第一次的にはやはり福寿丸関係者からソ連政府に対して損害賠償を請求するということで、日本政府が立てかえ払いをするということは私は必ずしも適当でないというふうに考えます。

美濃政市日本社会党

○美濃委員 そうすると、ソ連から取れなければ、関係者にはそのまま泣き寝入りをさせてがまんさせるということですか。

大和田啓気水産庁長官

○大和田政府委員 私ども、外交ルートを通じて、できるだけ損害賠償を取るというつもりで現在やっておるつもりでございます。

美濃政市日本社会党

○美濃委員 時間の関係であまり長くやれませんが、その考えは私どうかと思うのです。次の機会にまたお尋ねしますから、御答弁は要りませんが、これはもちろん立てかえ払いをしておけば、外交交渉でソ連側が払えば、それは政府の収入にすればいいわけですから、政府としては立てかえて払ってやるべきだと思いますから、十分検討してもらいたいと思います。できるできぬの答弁はいま要りません。  次の質問に移りますが、漁業交渉関係の質問をしたいと思います。  その前に、東欧、西欧の大使館を歩いてみますと、各国駐在大使館は、やはり外交上、日本の国益上、その国に駐在しておると、そういう問題ではかなり理害相反する問題が出ます。しかしそういう問題に対して日本側の主張と駐在しておる国の実情というものを十分把握しておって、そうしてその解決に努力をしております。ソ連大使館は、私の受けた感じでは、アメリカに次ぐ大大使館ですね、人数からいうと。非常にソビエトに対する理解がないわけです。もう口を開くと私どもにソビエトの悪口ですね。ああいう姿勢で、他の大使館と雰囲気が違うわけですね、ソビエトに駐在しておってソビエト非難というのは。これらもやはり外交上日本国政府を代表しての出先機関、外交の窓口なんでありますから、非常にその国を非難する強い意識で駐在しておるということについては問題があるのではないか、こう考えるのですが、有田局長はそういう点についてどうお考えになっておるか。私はそれはちょっと問題があると思うのです。いろいろな事情があるだろうし、ソ連に対してもう頭からけしからぬという態度なんですね、私が受けた感じは。他の大使館を歩くと、そういうことはないわけですね。対立をしておる問題でも、相手方の主張点はどういうところに理由があるかということを理解した中で解決のために努力をしておる。ところがソビエト大使館へ行くと、理解も何もないわけですね。頭からけしからぬ、こういう全く対立意識で駐在しておるように見受けるわけです。こういうのはどうかと思うのですが、その点はどうですか。

有田圭輔外務省欧亜局長

○有田政府委員 お答えいたします。どういう機会にそういう御印象をお受けになったか存じませんが、私も実は三年前に東京に帰ってまいります前には、二年モスクワに駐在しておりました。そこで私ども考えておりますことは、常に相手の立場に立ってものを考えろ、これはあらゆる外交交渉の場合にそうだと思いますので、相手国に対する理解ということについては十分細心に反省もいたしておるつもりでございます。またお説のように、いまのモスクワの場合は例外であったようでありますが、われわれ本省におきましていろいろ情勢判断します場合にも、やはり各国の出先は出先の立場に立って見るというような場合が多うございます。方々からの情報を判断するときに、これを総合して最終的な判断は本省でするのが立場でございます。当然出先の大使は出先の立場に立ってできる限り弁護するというのが普通一応の立場でございます。いまお話しのように、ソ連の大使館の場合どうも例外であるようだということでございますが、私ども必ずしもそうは思っておりません。ただ、問題がきわめて本質的な問題になりますと、これはやはりソ連側に対して十分言うことは言わなければならないということだと存じますので、その点は十分われわれも反省したいと思いますが、決してそういうことはないと思います。いたずらにソ連を非難するということでは、モスクワにおける職責も全うできないはずでございますから、そういうことはないというふうに私は信じたいと存じます。

美濃政市日本社会党

○美濃委員 私も、人の名前その他を申し上げませんが、私の受けた感じは、大使館の上級の人です、大使ではなかったけれども。そういう姿勢はやはり問題があるのではないかということを私は申し上げておいたわけですが、十分注意してもらいたいと思います。それ以上どうこう言いませんから、そういう点が目についたので、今後外務省としても——どうもソビエト大使館だけちょっと雰囲気が違うのですね、ほかの大使館と。その点だけ申し上げておきます。  次に、産卵ニシンの問題とそれからサケ・マスの交渉経過、これは外交レベルでやった交渉経過を、一応新聞その他で、産卵ニシンは禁漁になってしまったということは覚えておりますけれども、せっかくの機会でありますから、この経過を御説明願いたいと思います。

有田圭輔外務省欧亜局長

○有田政府委員 お答えいたします。カニ漁業に関する日ソ政府間の交渉というのは、三月一日からモスクワで行なわれまして、四月の三十日に実質的な妥結を見ました。したがいまして、五月の十八日に新関駐ソ大使とイシコフ漁業大臣との間で交換公文に署名が行なわれて、最終的に決着いたしました。他方、日ソの漁業委員会、ことしは第十五回目でございますが、これはサケ、マス、ニシン等を取り扱う委員会でございます。二日から東京で行なわれて、五月六日の本会議で実質的な合意が得られ、七日に議事録に署名が行なわれました。  この力二の交渉でございますが、御承知のように、四月上旬には一部の水域でのカニの漁期に入るわけでございますが、ソ連側の強硬な態度で妥結がおくれて、結局四月二十日に政府は赤城衆議院議員を特派大使としてモスクワに派遣して、コスイギン首相あるいはイシコフ漁業相と数回にわたる会談をした結果、その先方の態度につきまして、カニのみならず、東京で行なわれておりますニシンについても、先方の見解というものが漸次明らかになりまして、これらのものについていろいろ審議をし、結局ニシンにつきましては、御説のようにオホーツク海のカズノコニシンについて、ことしから全面禁漁するという共同声明に署名したという経違になっております。カニにつきましては、ほぼ取りきめの形式は昨年並み、こまかい点は省略いたしたいと思いますが、ほぼ西カムチャッカについては、ことしは二船団でたしか十二万ケースというものが日本のとり分、その他の水域の各種のカニについては、漁獲量は約二割減ちょっとになりましたが、その程度の漁獲減ということでこの水域別の漁獲規制等が取りまとめられたわけでございます。  それからサケ、マスについては、本年度の総漁獲量を十万五千トンとして、そのうち日本側のとり分が九万五千トン、ソ連側が一万トンと決定されたわけです。この一万トンはソ連の沖どりでございまして、ソ連が初めてことしから沖どりを一万トンするということが明らかになったわけでございます。ニシンにつきましては、御承知のように、ことしから従来の規制に加えて、オホーツク海におけるカズノコニシンの全面禁漁を行なうということを双方が合意し、かつ、この水域に九隻の調査船を日本側が入れまして、その資源状況を調査するようになっております。

美濃政市日本社会党

○美濃委員 これは、先ほどお話のありましたコンブの問題も含めまして、年中行事なんですが、もう少しこれは外交レベルで、出漁寸前に毎年きまって、ときによっては漁船が出漁準備をして二日、三日待たされるという事例も出ておるわけですが、これは両国間でよくスケージュールを組んで、もう少し出漁期の前に交渉をまとめるという方法はないのですか。ある程度の時期を見てやっておると思いますけれども、やはり両者の意見の食い違いでどうしてもぎりぎりにならなければきまらぬのか。もっと時期的に改善する方法はないのですか。どのようにお考えになりますか。

有田圭輔外務省欧亜局長

○有田政府委員 これはたいへんむずかしい問題でございます。従来は百日交渉というようなことをよくいわれておりまして、最終段階で大臣に御出馬願うということが再々ありましたが、最近はそういうことでなくて、ある程度改善されて事務レベルで解決しておったわけです。今回はきわめていろいろな問題がからみましておくれました。新聞にもいろいろ批判も出ておりますし、いろいろその意見も出ておりますので、この次の漁業交渉のあり方については、十分関係省とも相談いたしまして、何らか改善策はないか、そして漁業関係者に御迷惑をかけないように、十分漁期に間に合うように決着をつけるように何とか研究いたしたい、このように考えております。

美濃政市日本社会党

○美濃委員 産卵ニシンについての資源調査を、ことし両国間で合同調査をすることになっておるという話を聞いておるのですが、その経過は具体的にどうなっておりますか。どういうふうに調査して……。

大和田啓気水産庁長官

○大和田政府委員 オホーツクの産卵ニシンの全面禁漁に関連いたしまして、当海域におけるニシンの資源状態についての調査研究を拡大するという両国の申し合わせがございまして、それに基づきまして、日本側におきましては九隻の調査船を出して、調査をしながらある程度まで漁獲をする、そこで十分資源状態を調査して、来年の日ソ漁業委員会でそれぞれ報告し合うということになっておるわけでございます。

美濃政市日本社会党

○美濃委員 それはいつごろからやりますか。

大和田啓気水産庁長官

○大和田政府委員 この調査兼漁船という構想は、すでにギジガ・カムチャツカあるいはコルフォ・カラギンでそれぞれ従来五隻の調査船兼漁船でやっておるわけでありますが、オホーツク海の抱卵ニシンの調査につきましては、これは急を要するわけでございますから、現在都道府県を通じてできるだけ早く漁船の選定をするように事務を進めておるわけでございます。

美濃政市日本社会党

○美濃委員 もう私の持ち時間がなくなりますから、最後に、この産卵ニシンの出漁が中止されましてから、この損失補償について、どういう考え方で、額はどれだけきまって、いつから支払いを開始して、どういう方法で損失補償をするのか。大体きまった額等については新聞その他では承知しておりますけれども、具体的に聞いたことでございませんので、この際それを明らかにしてもらいたいと思います。

大和田啓気水産庁長官

○大和田政府委員 オホーツク抱卵ニシンの全面禁漁という、これはきわめて異常な事態でございます上に、すでに漁船が出漁の準備をしている、そういう状態でございますので、特に政府において救済措置を講ずることにいたしまして、その詳細は五月十四日に閣議了解をいたしたわけでございます。  そこで、救済措置の内容でございますが、まず救済金と利子助成との二本立てに大きくくくりまして、救済金といたしましては、経費の補てん金、それから特別救済金というものに仕分けをいたしまして、経費の補てん金のほうは、とにかく出漁の準備をすでにしておるわけでありますから、労務費あるいは資材費等の経費で他に流用のできないもの、さらにある期間の船価の償却費等、そういうものの補てんといたしまして三十一億九千万円でございます。  それから特別救済金といたしましては、一つは、最近における抱卵ニシンの漁業による利益をある程度まで見る。また現実にニシンの漁業というのは大臣承認でありますから、漁業権のように権利として確定しておるわけではございませんけれども、承認に伴いましていわば権利のごときものの売買といいますか流通が行なわれておりますので、その価格の相当部分を見るということで特別救済金として九億円の交付をいたすわけでございます。  さらに利子助成といたしましては、ことしの抱卵ニシン出漁のために船を買う、あるいは特別の装備をする等々、最近の期間におきまして相当な融資を受けておる例がございますので、その分につきまして、本年度支払う利子の二分の一を見るということで一億円の計上をいたしておるわけでございます。これら合計いたしまして、四十一億九千万円でございます。  なお、これらはいわば短期対策といいますか当面の対策でございますが、やや将来の展望といたしまして、ニシン漁業を営む船二百五十一隻のうちで、実は北転船その他指定漁業をやっておりますものが現在百十一隻ほどございまして、残りの百四十隻につきましても、樺太・北海道ニシンでありますとか、あるいはイカ釣りでありますとか、スケトウの刺し網でありますとか、その他いろいろな兼業をいたしておるものが相当多くて、五、六月の期間だけ抱卵ニシンをとっている人というのはごくごく少数でございますけれども、この百四十隻の中で他に適当な漁業がなくて非常に困るという人に対しましては、できるだけ水産庁及び都道府県知事相談の上で他の漁業に転換し得るものは転換させるように努力をする、それについて特別な金融措置等も講ずるということを内容といたしておるわけでございます。  これらの救済金あるいは利子救済金の支払いにつきましては、できるだけ早く措置をするというとで、私どもおそくとも六月一ぱいには交付要綱等々を出しまして、できるだけ早く漁家の手元に救済金が届くようにいたします。なお、いずれにいたしましても多少の時日がかかりますので、その際労賃の支払い等々で金繰りに非常に困るという人がありますれば、つなぎ融資を考える、そういう体制で現在進んでおるわけでございます。

美濃政市日本社会党

○美濃委員 終わります。

床次徳二自由民主党

○床次委員長代理 安井吉典君。

安井吉典日本社会党

○安井委員 先ほど北方についての役所の問題について箕輪委員からも質問がございましたし、私からの質問に対しても副長官は、設置については現地の要請にも応じていくし、構想の発表は沖繩国会までに大体明らかにしていくというふうな趣旨の御答弁がありました。しかし、私は、この領土の問題については、そういうふうな仕組みはもちろん大切ですけれども、役所を幾らこさえたって、それで解決できるというふうな問題ではないと思います。やはり総理をはじめとする政府の態度いかんにかかっているわけで、真剣に取り組むという気持ちがあるのかどうか。いつか総理は、ソ連にも行きたい、こう言っていたのがいつの間にかそれが引っ込んでしまったり、そういうふうな態度にこそ領土問題の解決の基本があるのではないか、こう思うのです。総理も出ておられませんから、これは私の見解として申し上げておきたいと思います。  それからまた、日ソ漁業交渉やあるいは安全操業の問題にいたしましても、毎年先方の出方に対して後手後手と回って漁場は狭められるばかり、特にことしはオホーツク・ニシン禁漁というきわめてショッキングな協定で妥結せざるを得なかった。赤城さんが行って最後の締めくくりといっても、これはもうほとんどどうにもこうにもならないときにだれが行ったって、そうなかなかいい答えが出るわけではないと思います。だから、私は領土問題でも申し上げたと同じように、向こうも政治性がずいぶん強くなっているわけですから、こちらも政治的なかまえを十分にずっと以前から準備をして取り組むという、そういう姿勢が私は大切ではないかと思います。それがない限り、来年だって、いや、来年を待たなくたって、安全操業の問題がいま目の前にありますし、来年の漁業交渉だってなかなかうまくいくわけはないと思うわけであります。これも大きな政治問題ですから、いま総理や外務大臣からお答えをいただくことはできませんが、これも私の考え方として申し上げて、もし御意見があればお聞かせいただきたい。  そこで、漁業交渉等の問題について、日ソ漁業交渉についてはもう少し長期的安定的な交渉というふうなものにいかなければいかぬのじゃないか。漁業交渉そのものを根本的に考え直していくことがこの際必要になってきているのではないか。いつものような交渉だけを続けていたのではだめだと私は思うのですが、それは行政ベースでもいろいろお考えになっておられると思いますので、その点が一つと、それから最もショッキングなオホーツク・ニシンの禁漁は、政府としては、これは恒久的なものと受けとめていられるのか、それともことしだけの暫定的な出方というふうな態度で調印をされたのか。あとの補償の問題にもずいぶん影響があると思いますので、この二点についてのお考えを伺っておきたいと思います。

有田圭輔外務省欧亜局長

○有田政府委員 お答えいたします。最初の第一点の、日ソ間の漁業の取りきめを長期安定的な基礎に置くベレという御意見、まことにごもっともだと思います。  カニにつきましても、従来から日本側は単に単年度だけでなくて、もう少し二年なりなんなり——日米間のタラバガニ協定は二年の取りきめになっております。少なくとも二年の取りきめにしたいというようなことを言っておりますが、ソ連側は応じておりません。またサケ、マスにつきましては、御承知のように日ソの漁業条約は、できましてから十年経過したあとは、どちらか一方が言い出せば協定が廃棄になるというようなかっこうになって、そのままになっておりますわけですが、そしてただ毎年委員会で討議を行なって、科学的調査研究の基礎のもとにその漁獲量をきめているということで、たてまえといたしましては、やはり調査研究、毎年毎年の漁業資源の様子というものを基礎に漁獲量をきめるという立場になっておりますわけですから、やはり単年度というのが一応のたてまえになるわけでございますが、しかし、もちろん長期的な資源の見通しというものが立ちますれば、あるいは一応立てて、そうしてもう少し毎年漁獲量の詰めにおいて問題が起きないようなかっこうで取りきめをするということも一つの考え方でございまして、事実かなり前にそういった考え方を検討したこともございますが、これはしかしソ連側からすれば、従来の日本側の漁獲量をかなり低く押えなければそのようなものに応じられないというのがソ連側の基本的な立場だろうと思うので、そういう点については、日本側としてはなかなか承諾困難なような条件というものが出てくる。いずれにしましても、これは非常にきびしい問題ではございますが、ただ、われわれあくまでこれは漁業上のいろいろ問題でありまして、これがソ連側の政治姿勢と直接からんでいるというふうには受け取ってはおりません。あくまで漁業資源の最も合理的な利用と資源の保存ということに立って、両国が共通に関心を持つ魚族について毎年話し合うという立場に立っておるように了解しております。  それからニシンの問題につきましては、水産庁長官からもお話があるいはあるかもしれませんが、ことしの話し合いでは、ことしの漁期から一応抱卵ニシンについての全面禁漁をする。これは資源状況がほかのニシンについて悪いから、この際全面禁漁をしなければ、いま残っているオホーツク海のニシンの資源も結局はなくなるような状態では困るというのがソ連側の見解でございます。先ほども水産庁長官から御説明があったと思いますけれども、それについては、日本側は日本側の見解があるということで、今後両国協力してこの資源状況についての調査を行なう。調査船を九隻も日本側から出すことになっております。その結果を踏まえて、さらに来年以降ソ連側と話し合っていくということでございますから、禁漁したからもうずっと禁漁だというたてまえでは必ずしもないように了解しておりまして、十分科学調査の結果を踏まえて、差しつかえないものであればさらにまた漁獲を開始する、このような考え方も当然あるべきであると思いますし、そのように政府としては考えております。

大和田啓気水産庁長官

○大和田政府委員 オホーツクの抱卵ニシンの禁漁の問題について私からお答えいたしますと、これはことし限りの暫定措置ということではございませんけれども、資源の状況によってはまた漁獲について当然話し合うわけでございますから、直久的に禁漁するということではございません。それは、いま外務省からお答えがございましたように、調査研究を深めることによって、また両国の話し合いによって当然動き得るものであるというふうに考えております。

安井吉典日本社会党

○安井委員 恒久的なものではないというふうな御理解のもとのお進めだということでありますが、ただ、オホーツクのサケ、マス締め出しの問題も、ごく短期的な問題だというのがいつの間にか固定してしまったという例もあるわけですよ。ですから、そこら辺の判断というものが非常に大切ではないかと思います。つまり、そのことは漁民に対する補償措置をどうするかということとうらはらになってくるわけですね。したがって、慎重な対応が必要ではないかと思われるのですが、しかし、補償措置という側面から問題を考えてきた場合は、当面十分な措置を講じていて、事情が変わればまた新しい措置に切りかえる、こういうことも私はできると思います。特に関係漁民やあるいは関係の加工業者、労働者に対しては非常な大きなできごとであったということができます。四十年ごろからたいへん苦労して抱卵ニシンの開発をし、それに対する投資額も非常な大きな額にのぼっているわけです。毎年漁獲量もふえるし、水揚げ金額も上昇してくるものですから、ことしこそはと当て込んでいて、たとえば三千万円もの資金を借金をして、小型漁船から三百四十トンの冷凍つきの大型船に切りかえて、北洋ニシン漁にすべてをかけていたというような人も出てくるし、人によっては一億円以上も投資をしていた、それが政府の日ソ交渉の不手ぎわからあっさり放棄をされてしまった、こういう問題でありますから、これは関係者の諸君がおこるのもあたりまえだと思います。政府が何と言おうと、ソ連側が何と言おうと、十八日には全部沖に出るんだ、そういうふうな決議をして対策を政府に迫ったということも私はうなずかれるような気がするわけです。しかもこの転換ということになりますと、さっきもお話がございましたけれども、転換できる人もあるが、それにしても、漁業権はほかの漁業で一応きまっているわけですから、どこかに割り込んでいかなければいけない。ほかの漁業権者はそれを拒むかもしれない。特にニシン専業というふうな人についてはなかなかめんどうさがあるのではないかと思うわけです。そこで、転換措置について先ほども御説明がございましたけれども、もっと具体的なお考え方はどうなっているのかということが一つ。  それからもう一つは、もう時間がないからあわせてお尋ねをしておきますが、この間の四十一億九千万円の政府の約束に対して、これでも不満だという漁民側の追及に対し、非常に抽象的な言い方でありますが、政府はさらに約束を重ねられました。中身が抽象的なだけに、それを実際上どういうふうな形で行なわれるのかということについて心配があるようです。その点をお聞かせいただきたいということが第二点。  それからもう一つは、数の子だとか身欠きニシン等の加工その他関連業者への影響も非常に大きいと思うのですが、こういう者への対策というものは、必要な金融上の措置とかなんとか、非常にあいまいな言い方しかなされていないわけでありますが、一体どうなさろうというお気持ちなのか。  その三点にしぼってお尋ねしておきたいと思います。

大和田啓気水産庁長官

○大和田政府委員 まず、ニシン漁業から他漁業への転換でありますが、私ども指定漁業で申し上げますれば、北転船でありますとかあるいはカツオ、マグロでありますとか、その他なかなか満ぱいの状況でございまして、いますぐそういう農林大臣指定漁業の中に割り込んでいくということは私は非常にむずかしいと思います。しかし、各県知事が許可漁業という形でやっております中には、一つ一つ吟味していけばおのずと活路が開けるものもあるのではないかというふうに思います。ニシン漁業といいましても、オホーツクの漁業というのは四十三年から始めたわけで、四十三、四十四、四十五年のただ三カ年だけの実績でございまして、非常に長い間行なわれてきて確立していた漁業ということではないわけで、二百五十一隻の漁船の中にはいろいろなタイプのものがございまして、一様にはいかないわけでございますが、私どもは、先ほど申し上げましたように、都道府県知事ともよく相談をして、気の毒な人たちからできるだけ転換の道を講じていく、その際は融資の道も当然考えるつもりでございます。  それから、実は四十一億九千万円の閣議了解をいたしたあとで、十八日のいわゆる強行出漁を前にいたしまして、農林大臣が談話の形で申し上げましたことは、都道府県知事とよく相談をして、できるだけ転換を進める、そうして転換を進めたあと、残る問題としてどうしても何かめんどうを見ざるを得ないような事態があれば、その時点において検討をするということでございます。これはそう大きく期待をされても、そういい策はございませんけれども、転換を進めたあとでどうしても残る問題に対する措置としては、四十七年度の予算において何らかの措置を講ずる、そういうつもりでございます。したがいまして、いつまでも引き延ばすということではございませんで、いずれにいたしましても四十七年度の予算で勝負をするために、私ども転換の問題もできるだけ急いで都道府県との話を進めるつもりでございます。  それからニシン関係の加工業者に対する措置でございますが、まず抱卵ニシンあるいは数の子の輸入をできる限り増加させるように、現在手配をいたしております。抱卵ニシンは、ソ連からの輸入がおそらくことしはございませんから、昨年ソ連から七千トン近い抱卵ニシンの輸入がございまして、それがそっくり落ちるわけでございますから、昨年に比べては落ちますけれども、アメリカあるいはカナダからある程度の量の輸入が見込まれるわけでございます。また数の子につきましても、相当馬力をかけて北欧あるいはカナダ、アメリカ、韓国等々からの輸入に現在つとめておるわけでございまして、ニシン関係の加工業者に対する対策としては、私はまず原料確保が一番大事だというふうに考えております。しかし、それと同時に、漁業近代化資金その他融資の制度も私ども持っておりますので、加工の関係者からもよく話を伺いまして、金融上できるだけの措置を講ずるように、現在手配をいたしておるわけでございます。

安井吉典日本社会党

○安井委員 時間がありませんからもう終わりますが、いずれにしても、この抱卵ニシンの問題等は、本来漁民なりあるいは関係業者が当然のコースとして考えていたのを、政府の責任において問題をこわしてしまったのだ、そういう経過を踏まえて、政府として十分な対策を講じていただきたい。そのことだけを申し上げて、終わります。

床次徳二自由民主党

○床次委員長代理 斎藤実君。

斎藤実公明党

○斎藤(実)委員 私は北方領土の返還問題あるいは安全操業その他三、四点若干御質問を申し上げたいと存じます。  北方領土問題につきましては、先ほど欧亜局長から基本的な考えを伺いました答弁の中で、貿易あるいは航空協定、その他経済を含めた日ソ関係の全般的な問題として取り扱うという御答弁がございました。私どもの承知しておることは、この北方領土問題について日本政府の主張というものは、歯舞、色丹、国後、択捉については固有の領土である、ソ連の主張ほこれはもうすでに解決済みだという、こういう主張がまっ正面からぶつかり合っているわけです。こういった中で、北方領土問題ががっちりかみ合う、将来明るい、これから多少でも前進するという方向がとられるかどうか。沖繩は一応解決のめどもついておりますし、やはりこの点国民的な問題として、北方問題について経済的あるいは航空協定その他の全般的な問題として取り扱うという答弁とは別に、何らか一歩なり二歩なり前進する、この北方領土の返還についての政府の新しい考え方をいまお持ちかどうか。いままでの答弁のとおりいかれるのか、何らかの前進をした提案なり交渉のしかたがあるかどうか、お考えになっておれば外務省からお伺いをしたいと思います。

有田圭輔外務省欧亜局長

○有田政府委員 お答えいたします。政府の基本的立場は、御承知のようにきわめて明らかであります。そこで第一の問題は、この問題が解決して平和条約を結ぶ、それが日ソ間の真に安定的な関係をつくることであるということで、当面最も努力をしなければならないことは、この問題についていわゆるテーブルに着いて話し合うというところまでできるだけ早い機会に持っていきたい、このようなことでございまして、その後におきましていろいろこの問題について話し合う、その段階でいろいろ考えることもあるかと思いますが、しかし現在、特にこういう有効な手段があるというふうには考えておりません。

斎藤実公明党

○斎藤(実)委員 ソビエトが平和条約までに交渉の段階でテーブルに着かないといういまの答弁でございますけれども、ソビエトがこの領土問題については解決済みだという主張をする根拠がやはりあるわけでしょう。いままで一貫して一歩も前進しない。ですから私は、この際、政府としても何らかの新しい提案をしてテーブルに着かせるような努力をすべきではないかと思うのですが、どうですか。

有田圭輔外務省欧亜局長

○有田政府委員 政府の統一見解は、歯舞、色丹、国後、択捉は固有の領土であるから、これを返還すべしということに尽きておるわけでございまして、これに対してソ連側は、これは解決済みだ、あるいはいまそのような問題を話し合うのは適当でないとか、あるいは領土問題を云々するのは復讐主義者であるとか、いろいろ言っております。したがいまして、先般来申し上げておりますことは、それは誤りである、もしソ連側がほんとうに日ソの関係を安定的基礎に置くという希望があるならば、どうしてもこの問題を解決しなければならない。これがただいま申し上げたように、ほかの関係についてはかなり進歩があるわけでございますので、こういった進歩を通じてソ連側、特に責任者の方々の認識を改めてもらうということが最も肝心なことであるかと存じますし、これは内容的にはきわめて簡単なことであります。要するに、われわれの固有の領土を不法占拠しておることであるから、それを返還してください、それがほんとうに隣国としての日ソの関係を安定的にするゆえんである。したがいまして、いろんな対策というものはこの際必ずしも問題にならないわけでございまして、その本質について先方の要路の方が認識を改めてもらうということが私どもは先決だと思うので、ただ、そういう認識を改めてもらうということにつきましては、今後ともいろいろ努力しなければならないと思います。それは、従来から行なわれておりますことは、いろんな機会にわがほうの立場を明らかにするということでございますが、いろんな関係でソ連側の要人の方の来る機会が今後だんだんふえてまいると思います。そういった良好な雰囲気の上で、平和的な話し合いによってこの問題を解決したい、それがまた両国のためになるということを明らかにしていきたい、このように思っております。これは迂遠のようでございますが、われわれとしては、最も簡明であり、残された唯一の方法であるか、このように考えております。

斎藤実公明党

○斎藤(実)委員 局長の答弁、私もよくわかります。相手のあることですから、これだけ今日まで長い間交渉してまだ問題になっておる、この外交交渉でありますので、答弁、わかります。しかし私は、政策的な問題として、これは歯舞、色丹、国後、択捉四島、これが米軍の基地を置かないとかあるいは非武装化するとか、こういったやはり下話といいますか、交渉の段階でこういった話も当然すべきじゃないか。なぜかならば、かつてフルシチョフが、この四島については経済的な関心はない、したがってソ連の軍事上、安全保障上に焦点を置いておるのだというようなことを私は聞いておるわけです。こういった点から見ても、軍事的な脅威を日本のほうから取り除くというやはり政治的な配慮といいますか、この可能性が私は出てくるのではないか。これは大臣がいらっしゃいませんので答弁は無理かと思いますけれども、この点についていかがですか。

有田圭輔外務省欧亜局長

○有田政府委員 まず問題は、この四島返還についてソ連側が了解し、テーブルに着くということが先決だと存じます。その後においていろいろ話し合いをするということは当然だと思いますが、いまは、ただいまおっしゃったようないろいろな点について、これがいいとか悪いとかいう筋合いの問題ではないと思いますので、これはまずソ連側に交渉のテーブルに着いていただきたい、わがほうの四島返還についての意向を認めていただきたいというのが従来のわれわれの立場でございます。フルシチョフが以前に、もし沖繩が返還された場合には歯舞、色丹も返しますというような趣旨のことを言われたかに聞いておりますが、その当時は、おそらく沖繩はよもや返ってこないだろうというような向こう側の考え方があったのではないかと思います。ですから、いまの時点で言いますれば、もうフルシチョフは引退しておりますけれども、沖繩返還が現実の問題になったときに、歯舞、色丹だけでも、それならば、平和条約ができなくても、ソ連の好意的な措置として返したらいいではないかという議論が、その当時のフルシチョフの言辞をとらえますならば成り立ち得るわけでございますが、しかし、そういうことを離れまして、やはり日本の基本的姿勢というものをまずソ連の政治局員の方、要路の方に正しく理解していただくということが先決だろうと思うのであります。もちろん外交交渉でございますから、それ以後におきましてはいろいろな経過がございますかと思いますが、まず問題は、双方が平和的な話し合いの場に立つということに私どもは努力したい、このように考えております。

斎藤実公明党

○斎藤(実)委員 先ほど、外交交渉のテーブルに着く前提として、やはり経済関係あるいは貿易その他の日ソ関係の全般的な交渉を踏まえてこれから努力をするのだという答弁がございましたけれども、やはり相手はソビエトでございますから、これ以外にまた交渉のテーブルに着かせるための打つ手というのは考えておりますか。

有田圭輔外務省欧亜局長

○有田政府委員 特に妙案というものは持っておりません。やはり最も必要なことは、われわれが全国民の要望としてソ連側にこの点の解決を要望する、平和的な話し合いによってこの問題を解決したいという姿勢を示すことというのが基本だと存じます。その他の点について、いろいろな策といいましても、特にございません。先ほど申し上げたように、その他の面については逐次関係は良好になっておりますので、そういった問題を逐次積み上げ、さらに関係を良化していく、改善していく。その間には、要路の方々とのいろいろな接触もございますし、あるいは国民同士の接触もございます。こういった接触を通じて両国民の間に日ソ関係をさらに発展させたいという要望が当然起きてまいります。その場合に、この北方領土問題あるいは平和条約未締結の不自然さというものが先方にも納得されて、これが解決に応ずる、あるいは政治局員の方々に、再三申し上げているように、認識を改めていただくということに尽きるかと存じます。まことにそれでは策がないではないかとおしかりを受けるかと思いますが、現状はそのようでございますし、私どももそのような考え方でやはり根気強くやっていきたいと思います。ただこれが、そのような関係ならいつまでたってもできないではないかというふうなお話があるかと思いますが、われわれの立場からすれば、これは最も簡単な問題であって、政治局員が、あるいはブレジネフ書記長が決心さえすればあすにも片づく問題であるという立場でソ連側の反省を求めていきたい、このように考えております。

斎藤実公明党

○斎藤(実)委員 北方問題につきましては重大な問題でありますので、また機会を改めて論議をしたいと存じます。  次に移りますけれども、現在、わが国の領海は三海里説をとっております。政府の意向は、愛知外務大臣からは十二海里に踏み切ってもいいのではないか、こういう話をわれわれは聞いておるわけですが、政府はどのような形で十二海里説を世界に表明するのか、まずこの一点をお尋ねをしたいと存じます。

大和田啓気水産庁長官

○大和田政府委員 外務省からお答えするほうがいいかとも思いますが、一九七三年に世界海洋法会議があるわけでございます。それまでにいろいろな立場からいろいろな議論が行なわれると思いますが、私どもは、この海洋法会議で、たとえば十二海里ということで話がまとまるならば、それに参加するということが一番賢明じゃないか、そういうふうに考えておるわけでございます。

斎藤実公明党

○斎藤(実)委員 外務大臣の国会答弁では、領海の幅をきめるのは、一九七三年の国際会議での決定をしたあとに領海十二海里をとるというようなことを言っておりますけれども、もしそうであるとするならば、わが国の十二海里はなお三年間もの期間があるわけです。日本政府はその間やはり三海里説でそのまま通すのかどうか、その点どうですか。

大和田啓気水産庁長官

○大和田政府委員 私ども、領海の範囲というのは、国際的な合意に基づいてきめらるべきものであって、一国が宣言によってこれをきめるべき性格のものではないということをかねてから申し上げておるところでございます。したがいまして、国際的な合意が得られる機会というのは、やはり一九七三年の海洋法会議をおいてはまず考えられないわけでございますから、それまでは一方的宣言によって領海の範囲を変えるというようなことではなくて、この海洋法会議において国際世論の定める方向を見定めて私どもの態度もきめる、そういうことが一番いいのではないかというふうに考えております。

斎藤実公明党

○斎藤(実)委員 いま長官から国際会議できめなければならぬというような答弁がございましたけれども、私はそうではないのではないかと思う。というのは、三海里説も従来の慣行であって、国際法上三海里に限定したものではないというふうにわれわれは考えております。条約上三海里として確定もしていないし、現在の国際常識では、沿岸国が独自の判断で十二海里を設定しても有効である、違法ではない。日本政府が独自の立場で十二海里をとっても何らかまわないんではないかと私は思うのですが、この点いかがですか。

大和田啓気水産庁長官

○大和田政府委員 いよいよ外務省からお答えすべき筋合いの問題と思いますけれども、私どもが承知いたしておりますことを申し上げるならば、領海の幅員ないし漁業専管水域の設定というのは、国の一方的な宣言によって行なうことは国際法上違法であるという立場を日本はとり続けておるわけでございます。したがいまして、アメリカ、オーストラリア等々が領海三海里の外に十二海里までの漁業水域を設定いたしましたときも、それは国際法上違法であるということを一つの理由にいたしまして、日米漁業協定あるいは日豪漁業協定等々を締結いたしまして、その漁業水域の中に日本の漁船がいわば伝統的に活動いたしておりますものをそのまま認めるようにという話し合いをいたしておるわけでございます。領海の宣言あるいは漁業水域の設定に対しては、国際法上いろいろな学説あるいは実際のやり方があるわけでございますけれども、私どもかねてから一貫して主張しておりますことは、私がいま申し上げましたように、一方的な宣言によっては領海の幅員あるいは漁業水域の設定はできない、そういう立場でございます。

斎藤実公明党

○斎藤(実)委員 外務省の意見はいかがですか。

有田圭輔外務省欧亜局長

○有田政府委員 お答えいたします。ただいま水産庁長官から御答弁がございましたとおりでございます。

斎藤実公明党

○斎藤(実)委員 かりにこの国際会議で領海の幅が決定されず、国際法としても条約としても成立しない場合、そういう場合も私はあると思う。そういう場合、将来、領海の幅を延ばすあるいは専管水域を拡大するのか、あるいはずっとこのままでいくのか、その点についてどうお考えですか。

大和田啓気水産庁長官

○大和田政府委員 私ども、一九七三年の海洋法会議に期待をいたしておるわけでございまして、その会議において国際的な合意が行なわれなかった場合に日本はどうするかということは、その時点において当然慎重に検討すべき問題であろうというふうに考えます。

斎藤実公明党

○斎藤(実)委員 この問題はこの程度にしておきます。  日ソ漁業交渉について先ほど来若干の質疑がございました。国際漁場をめぐる世界各国の動きが非常に活発になってまいりましたし、今回の日ソ漁業交渉を見る限りにおいて、だんだん漁場は狭まってきたし、日本は一方的に押しまくられている。私は、こういった一連の漁業交渉の経過を見てまいりますと、やはり国際漁場をめぐる世界各国の動きがソ連の態度を強化させたのではないか。これは一面的な見方かもしれません。この際、世界の漁業の情勢の変化というものを率直にとらえますと、日ソ漁業交渉のこれからの政府の姿勢といいますか態度といいますか、当然いままでと違った新しい考え方で進めなければならぬというふうに考えます。一方的に締結をされ、縮小されつつある日ソ漁業交渉について、前向きに将来の北方漁業振興あるいは北方漁業を確立するという意味で、新しい政治の姿勢といいますか考え方をここで確立すべきだと考えるのですが、長官いかがですか。

大和田啓気水産庁長官

○大和田政府委員 日ソ漁業交渉の結果の評価でございますけれども、ソ連がしきりに言っておりますことは、たとえばサケ、マスでいえば、昨年でソ連は四万トンの実績、日本は九万トンの割り当てで、一〇%までのアローアンスがございますから、公海での漁獲だけで十万トンほど、まあソ連が四万トンで、日本が十万トンということで、どうやったら等量にとれるかということがソ連にとって最大の課題で、そのために必要な努力をしているというのが現状でございまして、私ども、日本が一方的にソ連に押しまくられているというふうにはこの問題をとらえておらないわけでございます。しかし、いずれにいたしましても、先ほど欧亜局長からもお話がございましたが、昭和三十七年にサケ、マスにつきましてB区域の規制がございましたが、それ以降は大体、日ソ漁業委員会で事務的なべースで交渉が行なわれて、それでまず円満に妥結をいたしたというのが実情でございます。ことしの日ソ漁業交渉の経過を見ますと、カニにつきましては大陸だな資源、サケ、マスにつきましてはソ連の公海漁業が初めて行なわれたということで、新しい事態ができてきたわけでございますので、私ども、明年以降の日ソ漁業の交渉をどういうふうに進めるかということ、これはいままでのやり方にこだわらないで、関係省とも十分打ち合わせの末、来年以降の交渉について実質的な改善をいたしたいというふうに現在考えておるわけでございます。

斎藤実公明党

○斎藤(実)委員 今回の日ソ漁業交渉におきまして産卵ニシンが全面禁漁になった。先ほど、来年度以降についてはまた協議をするというふうに答弁がございましたけれども、日ソ漁業交渉の妥結をした経過を見ますと、一九七一年からいついつまでとは書いてないわけですね。いままでのサケ、マス等の例を見ますと、オホーツク海が禁漁になった。カムチャツカ半島の東岸に禁漁区域をを設けた。これらの例を見ても、一たん禁漁区を設定したものは、解除されたためしが今日までないわけです。こういったことを考えてみますと、産卵ニシンの全面禁漁というものはやはり将来にわたって永久的に続くのではないかというふうにわれわれは考えるのですが、いかがですか。

大和田啓気水産庁長官

○大和田政府委員 先ほども申し上げましたように、両国の共同声明の中には、オホーツク・ニシンの資源についての調査研究を拡大するという項目もございますし、これは資源論でございますから、調査研究の結果、資源において抱卵ニシンの漁獲をしても差しつかえないという事態が来るならば、当然抱卵ニシンの漁獲の再開ということを日本政府から言い出すべきであって、いまお話しのように永久的であるというふうには私ども実際考えておらないわけでございますし、また日ソ漁業交渉の場において、資源上問題がなくなれば早急に漁獲の再開を申し入れるつもりでございます。

斎藤実公明党

○斎藤(実)委員 オホーツク海の産卵ニシンの全面禁漁というのはいまだかつてないことですね。それで、先ほど、オホーツク海の資源問題が全面禁漁になった大きな原因だ、そういう答弁がございましたけれども、資源問題であれば、出漁の区域を縮小するとか、あるいは船団を縮小するとか、あるいは日数を制限するとかということが当然とらるべき態度ではないか。ですから、今回の産卵ニシンの全面禁漁については、資源問題もあるかもしれませんけれども、やはり日本としての政治的な手の打ち方、体制といいますか、そういった面が弱かったのではないか。これは私は政府の重大な責任だと思うのですが、これについてどうお考えですか。

大和田啓気水産庁長官

○大和田政府委員 オホーツク抱卵ニシンの全面禁漁につきましては、実はソ連は昨年も執拗に主張いたしたわけでございます。しかし長い討議の結果、結局五十八度一二十分以北、五月一日ないし五月十五日の休漁ということで話がついたわけでございます。私ども、ことしも昨年行ないました休漁の措置を若干延長するなりあるいは区域を拡大することによってこの問題の処置ができるのではないかということで、ずいぶん藤田。モイセーエフ両氏の会談を通じて努力をいたしたわけでございますけれども、本国といいますか、コスイギン首相あるいはイシコフ漁業大臣のオホーツク抱卵ニシンの禁漁に対する態度があまりにも一かたく、本件につきましては実は事務的な折衝ばかりではござい費せんで、赤城特使をわずらわせて、四月三十日の夜半まで数回この問題に限ってもイシコフ・赤城会談を持っていただいたわけでございますけれども、不幸にしてオホーツク抱卵ニシンの全面禁漁ということになったわけでございます。これは一面資源の問題でありますと同時に、もう少し広く、これも資源の問題に関連をいたすわけでございますが、ソ連にとりましては大西洋におけるニシンが最近きわめて不漁になって、またコルフォ・カラギンあるいはギジガ・カムチャッカ等の資源もきわめて低調でございまして、オホーツク海のニシンだけがいわば唯一の宝として残っているというのが現状であるということが、私はこの問題をきめた一つの大きな要素であろうと思います。したがいまして、今後の調査研究を拡大することによって、資源がオホーツク海においてまずまずだいじょうぶだということになりますれば、私ども抱卵ニシンの漁獲の再開ということで強くソ連に対して話し合いを進めるつもりでおるわけでございます。

斎藤実公明党

○斎藤(実)委員 先ほどからいろいろ質問をし、また答弁を聞いておりまして、率直に言って、なるほど外交交渉でありますからいろいろ問題があるとは存じますけれども、やはり北方領土問題あるいは安全操業、日ソ漁業交渉等について見ますと、いろいろ条件はあろうかと思いますが、こちら側の政府が真剣になって取り組むという、そういう政治的な配慮、熱意というものが私は欠けておると思う。この点を十分今後の交渉に反映されるようこの際強く要望申し上げて、私の質問を終わります。

床次徳二自由民主党

○床次委員長代理 上原康助君。

上原康助日本社会党

○上原委員 沖繩返還協定がきわめて不満足、不本意の中で調印の段階を迎えようとしているわけですが、その中身についてきょうは議論をする時間的余裕がございませんので、特にその中でも全く不明にされている一、二点について防衛施設庁長官あるいは対策庁長官にお伺いをしておきたいと思います。  まず最初にお聞きしたい点は、これまでもたびたび政府の見解を承ってまいりましたが、軍関係労働者の間接雇用への移行について返還協定の中でも全然触れられていない。日米両政府で雇用形態を変更するにあたってどういう手続を踏むのか、その点についてできるだけ具体的に中身を明らかにしていただきたいと思います。

島田豊防衛施設庁長官

○島田(豊)政府委員 沖繩の復帰に際しまして、沖繩の軍従業員の雇用形態を現在の直接雇用制度から間接雇用制度に移行させるというのが政府の方針でございまして、現在それに必要ないろんな準備のための調査なりあるいは資料収集を行なっておるわけでございます。私どもといたしましては、本土並みということでございますので、基本労務契約なりあるいは諸機関契約を締結いたさなければなりませんので、それとの関連において本土の給与条件、労働条件と現地の諸条件というものがどういうふうな関係になっているかということを中心にいたしまして、調査団も派遣をいたしまして、その実態の把握につとめているわけでございます。労働条件につきましてもいろいろな相違点がございますし、また給与の実態あるいはその運用につきましてもいろいろと制度が異なっておりますので、基本的には、本土のそういう諸条件に従いましてこれを切りかえていくということでございますので、その辺の実態を十分に把握し、そしてこれからいろいろそういう諸問題について現地なりあるいは米軍と折衝をしていきたい、かように考えておるわけでございます。  いずれにいたしましても、先ほど申しましたように、そういう労務契約の締結ということが必要になってまいりますので、そういう諸準備を現在行なっているというのが実情でございます。

上原康助日本社会党

○上原委員 政府の基本的な考え方というのは、先ほど申し上げましたように、これまでもたびたび本委員会あるいは内閣委員会等で承っております。私がお聞きをしたいことは、本土並みということを絶えず強調なされているわけですが、五万に近い、あるいは第一種、第二種だけでも二万数千名の労働者を間接雇用に移行するにあたって、日米両政府ではどういう合意をやるのか、返還協定の中では全然触れずに、ほかにストレートに現在本土で適用されている基本労務契約あるいは諸機関労務契約、船員労務契約等に包括をしていくのか、日米両政府で法的にどういう合意をしようとしているのか、そこいらについては全く明らかにされていないわけです。その点についてぜひお聞かせをいただきたいと思うのです。

島田豊防衛施設庁長官

○島田(豊)政府委員 間接雇用へ移行いたしますにつきまして、米軍のほうにも基本的な諸条件がございます。そういう諸条件につきまして、いま外交レベルにおいて日米双方の間でいろいろと協議検討いたしておるという段階でございまして、その内容については、まだいま外交折衝中でございますので、ちょっと申し上げかねますが、たとえば労務管理をどういうふうにしていくか、あるいは退職金の問題はどういうふうにするかという問題がやはり前提としていろいろ解決されなければならないという問題がございますので、そういう点についていろいろいま日米間で交渉中、こういうことでございます。

上原康助日本社会党

○上原委員 第一点、確認しておきますが、たとえば労働基本権なり雇用のあり方そのものについて、本土の駐留軍労務者と全く異なる雇用形式はとらないということは明確にできますか。

島田豊防衛施設庁長官

○島田(豊)政府委員 直接雇用から間接雇用へ切りかわりますその一番大きな問題は、やはり労働三権と申しますか、要するに訴権を確立するという問題、これが一番大きな違いでございます。したがいまして、われわれとしましては、間接雇用に切りかえるということは、すなわち本土と同じようなそういう制度を認める、こういうことが一番基本的な条件であろうと思います。

上原康助日本社会党

○上原委員 いまの御答弁であまりすっきりしない面があるのですが、アメリカ側が特に基本権なり今後の沖繩の基地問題との関係で、かなり高姿勢で臨む可能性もなきにしもあらずなんです。その点は本土の雇用形態と異なるようないかなる特別措置もとらないということを、ぜひその姿勢でやっていただきたいと思います。  次に、この雇用形態の変更、間接雇用への移行問題と関係するわけですが、伝えられるところによりますと、返還時に日本政府の間接雇用に切りかえられる米軍雇用者の退職金の格差あるいは給与水準の調整に必要な経費ということで約一億ドル内外が必要だという報道が返還協定の資産買い取りとの関連で出ているわけですが、これは現時点における格差の是正を意味しての経費なのか、間接雇用に移行後、そういった人件費なり労務費なりというものを日本政府が肩がわりをしていくという意味なのか、できるだけ中身を明らかにしてもらいたいと思います。

島田豊防衛施設庁長官

○島田(豊)政府委員 間接雇用に切りかわって本土並みということになりますれば、当然労務者の給与なりあるいは手当等のいわゆる直接経費、それから本土で、各県にございますところの渉外労務管理職員、これの給与、手当あるいは各種の付帯事務費、つまり一般の労務管理を行なうに必要なそういう間接経費、これは従来どおり——従来どおりと申しますか、本土の場合におきましては米軍が負担することになっておりまして、その他たとえば職業訓練に要する経費でありますとか、あるいは特別給付金の制度でございますとか、こういうものはわが国独自の制度として実施いたしておりますので、この点は間接雇用に移行になりますれば当然本土並み、こういうことになろうかと思います。  そこで、いま御質問の一億ドル云々でございますけれども、これは報道されておりますが、私どもとしましては、そういう中身につきましては現在承知いたしておらないわけでございまして、また外務省のほうからも格別連絡がございません。したがいまして、その中身については私どもとしてはわかっておらないのでございます。

上原康助日本社会党

○上原委員 いまの答弁ちょっとおかしいのじゃないですか。では、復帰の時点でいわゆる格差の是正あるいは給与の水準を調整するという点についてはどうなんですか。復帰があればそれは調整一していくというお立場なのか。

島田豊防衛施設庁長官

○島田(豊)政府委員 その辺が現在外交交渉中でございますので、その内容については、ちょっとこの場所ではまだ申し上げる段階ではございません。

上原康助日本社会党

○上原委員 外務省、どなたか御答弁いただける方いないですか。

床次徳二自由民主党

○床次委員長代理 外務省は来ておりません。

上原康助日本社会党

○上原委員 いまの件なんですが、やはりこういうものについて中身が明らかにされませんと、たとえ政府が善意の立場で対米折衝をしておっても、誤解を招くおそれもあるし、不明にされておってはなかなか理解もできない。そういう面では早急にこの一億内外の必要経費、いわゆる基地労働者の間接雇用に移行する場合の経費の中身について明らかにすることができるように、外務省とも折衝なさってやっていただきたいと思います。  それからあと一点、基地労働者の点でお伺いしますが、VFWクラブあるいはリージョンクラブというものは御案内のように第二種の性格を帯びております。当然復帰の時点では第二種の取り扱いになると考えますが、長官の御見解はどんなものですか。

島田豊防衛施設庁長官

○島田(豊)政府委員 いまの具体的な問題についてのお尋ねでございますが、実はわれわれとしましてまだこの実態が十分わかっておりませんので、二種に該当するものであれば二種になりましょうし、あるいは二種の性格づけがむずかしければ別の措置をとるかもしれませんが、何ぶんにも実態がわかっておりませんので、ちょっとお答えいたしかねます。

上原康助日本社会党

○上原委員 せんだって施設庁から現地の労働実態を調査をなさるということで何名かの職員を派遣なさっているわけでしょう、四種雇用員問題も含めて。内閣委員会でも強く要求いたしておきましたが、現在の第四種雇用員の離対法適用の問題と、いま申し上げた——もちろん、そのほかにもたくさんございますが、一例をあげてVFWクラブ、リージョンクラブが第二種の雇用員としての取り扱いを、われわれは受けるのが当然だと思うのです。現に基本権もあるいは人事規則等がほかの二種雇用員と同様に適用されている。その面では、まだ実態がわからないということだけでは納得いきませんので、早急にそういう面も対策を立てていただいて、ひとつ現地の要求というものがいれられるように、人間というものをもっと大事に扱うような姿勢のあり方、政治の進め方をやっていただきたいということを強く重ねて申し上げておきます。  時間がございませんので、あと二点だけ。  次は軍用地の問題なんですが、地主との契約というものはいつごろまで仮契約なりを進めるおつもりなのか、現在どういう手続状態にまで来ているのか、その点をぜひお聞かせいただきたいと思います。

島田豊防衛施設庁長官

○島田(豊)政府委員 土地の所有者との契約締結につきましては、現在地主会連合会を中心にしまして、いろいろ現地におきましても検討されておるところでございますし、私どもとしましても、地主会連合会のいろいろな御要望につきましては、十分その意向なり要望に沿えるような方向でいろいろ検討いたしているわけでございます。しかしながら、まだ具体的に、たとえば借料をどうするというふうなところまで実は問題は煮詰まっておりませんので、われわれとしましては、早急にそういう点を煮詰めまして、そして具体的な話し合いに入りたいというふうに考えているわけでございます。その前に、地主会連合会のほうからは、借料以外にもいろいろな補償関係なりその他の要望が出ておりますので、そういう問題もいま一括して早急に結論を出すべく検討中でございます。  そこで、いつになりましたらそういう具体的な契約ができるかということでございますが、われわれとしてもできるだけ早い機会に具体的な話し合いに入りたいと思っておりますけれども、何ぶんにもまだ資料が十分完全に整っていないという面がたくさんございますので、その辺は地主会連合会とも今後も緊密な連絡をとりながら、できるだけ早くそういう話し合いに入るようにわれわれとしても努力いたしたいと考えております。できるだけ地主会との円満な話し合いができまして、復帰の時点におきまして完全に賃貸借契約が妥結できるように、そういうふうな心づもりでいま鋭意努力いたしておるところでございます。

上原康助日本社会党

○上原委員 これとの関連で、いわゆる地主が契約を拒否する場合もあり得るわけですね。その場合の特別立法を制定する、立法化していくということが見解としては明らかにされているわけです。その点も含めて検討なさっているのですか。

島田豊防衛施設庁長官

○島田(豊)政府委員 私どもとしましては、そういう契約不調に終わるということをあまり考えたくございませんけれども、最悪の事態も考えておかなければなりませんので、その場合にどういうふうな立法措置を講ずるかということについては、いま部内で検討中でございます。まだ成案を得るに至っておりませんが、そういう点につきましても十分用意をいたしまして、この沖繩の返還ということが円滑に進むように希望いたしておるわけでございます。

上原康助日本社会党

○上原委員 いまの御答弁は、強制収用もあり得るというふうに受け取ってよろしいですか。

島田豊防衛施設庁長官

○島田(豊)政府委員 契約がどうしてもできないという場合には、現在本土にございますところの特別措置法というものが適用にならざるを得ないわけでございますが、その特別措置法の適用につきましても、かなりの時間がかかるということが心配されますので、一定の期間は、やはり暫定的な立法措置を講じまして、その間に軍用地の提供業務のブランクが起こることのないように、そういうふうな手だてをしなければならないということで、現在検討いたしておるところでございます。

上原康助日本社会党

○上原委員 従来の答弁の域は出ませんが、時間がございませんので、最後に強く要望申し上げて質問を終えたいと思うのですが、とにかく最初に申し上げた基地労務者の問題どうも軍事基地という面だけが前面に出て、沖繩の県民あるいは労働者、地主、一般大衆はどうするかということについては、もちろん対策庁で御努力いただいているのは理解をするし、また敬意も表します。しかし、決して十分じゃない。もっと私は人間を大事にする返還の進め方というものをやっていただきたいということ。それと関連いたしまして、軍用地の問題ですが、現在、地主や地方自治体が開放を求めているものについてはあまり返還をしていない。アメリカが一方的に返還をしている面、開放している面があるわけですね。その場合に、復元補償もなされない形でやられておるわけです。ですから、土地の開放というものは、あくまでも地主が要求しているもの、あるいは、地方自治体が産業開発その他の地域開発に必要であるという要求をいま出しております、そういう面を十分くみ取って、土地の開放、返還というものを対策庁としてはお考えになっていただきたい。これはもちろん外務省とも関連いたしますが、その点を特に御配慮をいただきたいということ。中でも、復元補償の問題については、当然アメリカが復元補償すべきだ。返還後は土地代は払わない、復元補償をしないでは、これこそ踏んだりけったりで、人間無視の土地の開放、返還になりかねませんので、特に復元補償の問題あるいは黙認耕作地の取り扱いについて、対策庁としても、県民の置かれている立場、二十五年間アメリカに武力によって取られた土地の実態というものもつかんでやっていただきたいということを強く要求いたしまして、もし御見解がありましたら賜わって、質問を終えたいと思います。

岡部秀一沖繩・北方対策庁長官

○岡部(秀)政府委員 御要望の点につきましては、いままでも外務省、対策庁不離一体になりまして、諸要求の点、特に県民福祉のための問題につきまして、連絡を密にいたしておりますし、外務省におきましては、それに鋭意力をかけております状況を私たち承知をいたしております。  なお、外務省におきましてもそれについての努力を鋭意重ねて折衝いたしておるということを連絡によって承知をいたしておりますので、私たち対策庁のほうといたしましても、外務省のその要望、折衝にあらゆる資料等あるいは後援等いたして、御要望に沿っていきたいと思っております。

床次徳二自由民主党

○床次委員長代理 安里積千代君。

安里積千代無所属

○安里委員 私は、沖繩の漁業問題を中心にいたしまして、水産当局にお伺いをいたしますとともに、関連して対策庁にも若干お答えを願いたいと思っております。  沖繩のいまの問題は、よく軍事基地の問題を中心にされまする関係から、軍事基地といいますとどうしても土地を中心に考えられております。しかしながら 沖繩の軍事基地の問題というものは当然海を含めての問題であります。アメリカが沖繩を軍事基地として使用しており、まするために、あるいは演習のために、あるいはまた軍用地先の公有水面はアメリカが管理しておるために、あるいはまた操業のそのためによるところの制限、いろいろな点におきまして大きな損害を受けております。また、陸地が軍事基地によって荒れるということによりまして、海も自然に荒れるというような、目に見えないところの被害をいろいろ受けております。その上に、アメリカ自身が水産業につきましてはあまりに関心が浅かったという関係もあり、いろいろな点が作用いたしまして、沖繩の、これは農業施策におきましても本土と大きな格差がありまするけれども、漁業施策につきましてはさらに格差が大きいものだとこう考えております。しかし、沖繩の立地条件からいたしました場合に、沖繩の、南方に位置する、亜熱帯地域に位置する地理的条件からいたしましても、南方漁場の関係からいたしましても、沖繩の漁業の振興、それは沖繩の漁業というだけではなくて、日本全体の水産業の問題から考えてみましても、沖繩を拠点にしますところの漁業の施策ということが非常に大事な問題だと考えております。  そこで、基本的にお伺いいたしたいのは、施政権の返還を前にいたしまして、あるいはまた、返還後におきまして、水産当局といたしまして、沖繩の漁業の振興についてどのように見ておられるか、また、現状をどのように把握されておるか、その基本的な御見解をまず承りたいと思います。

大和田啓気水産庁長官

○大和田政府委員 私ども、沖繩の水産業が沖繩の産業としてきわめて重要であること、それから、将来の発展性に富むことは十分承知をいたしております。しかし、同時に、漁協の問題にいたしましても、漁港の問題にいたしましても、相当施策においてまだ十分でないところがございまして、今後私ども十分その点についての施策を進めなければならないという、それが私どもの沖繩の水産業に対する基本的な立場でございます。

安里積千代無所属

○安里委員 確かに漁港の整備の問題であれ、あるいは漁業に対しましては、これは陸地以上に大きな資本力も要しまするし、あるいはまた、陸上以上に災害も予想せられるようないろいろな問題もありまして、その基盤の整備ということが非常に大事な問題だと思います。漁港の施設、あるいはまたこれから遠洋漁業、それから漁船の大型化、いろいろな問題が来ると思います。したがいまして、漁業の振興につきましては、そういったことに伴う漁業の施設、あるいはまた冷凍、冷蔵、あるいは保管施設、加工施設、こういったものは、単に業者にまかされてできるものではないことでありまして、これに対しましては、将来、政府といたしまして、大幅なこれの助成策を講じなければならない問題だとこう考えます。ただいまお話がありましたような基本線に立ちまして、今後復帰に対しまして、沖繩の漁業振興に対して、そのような基盤整備のために、一々時間がございませんから具体的にはあげませんけれども、そういったことに対しまして、政府は大幅な一つの助成策を講ずるというような方向に承ってよろしゅうございましょうか。

大和田啓気水産庁長官

○大和田政府委員 具体的な施策につきましては、今後沖繩の関係当局とも十分相談をしてきめたいと思いますけれども、基本的な姿勢としては、沖繩の水産業を助成するために私どもは力を入れていきたいというふうに考えております。

安里積千代無所属

○安里委員 沖繩の漁業が本土と違った形におきまして変わった漁業法のもとにおいていろいろとやられてまいりました。したがって、沖繩内におけるいろいろな調整は行なわれてきておるわけでありますが、これが本土の水産業の一環として、全体として見た場合に、これまでの沖繩でなされておりました漁業に対しまする調整問題その他のいろいろな問題等、復帰後におきまする本土全体の漁業の立場から、これが復帰によりまして相競合すると申しまするか相いれないといったような問題は起こらないでしょうか。現在の沖繩の漁業と、これが復帰した場合におきまするところの本土の漁業との競合と申しますか、競合ということばが当たるかどうかわかりませんけれども、その間の調整にそごを来たすような問題は起こらないだろうかどうだろうか。もし起こるとすれば、これらについてどのようにお考えであるかを承りたいと思います。

大和田啓気水産庁長官

○大和田政府委員 漁業に関する法律制度といたしましては、漁業協同組合でございますとか、あるいは漁業法、漁業権の問題あるいは漁船保険等々いろいろあるわけでございます。沖繩の現在の制度と私どもの制度と相当似ておるわけでございますが、また若干の食い違いがあるわけで、本土復帰後、できるだけその復帰を円滑にし、かつ水産業の振興に役立つよう私どもいまいろいろ検討をいたしておるわけでございます。  それで、ただいまお話しの調整を要する点があるのではないかというふうに言われるのは、一つは、たとえばカツオ・マグロ魚業の許可の問題でございますとか、あるいはトロールの許可の問題でございますとか、そういうものは私ども若干の調整を要することになりはしないかというふうに思います。これは当然沖繩が現在までに行なわれた許可を私ども尊重するたてまえをとるつもりでございます。同時にカツオ・マグロの漁業にいたしましても、トロールの漁業にいたしましても、本土といいますか私どものところでは相当な規制を現在いたしておるわけでございますから、現在までに許可を行なったものにつきまして、それを承継することについては、そう大きな問題はなく調整ができるのではないかというふうに私は思います。しかし、どうこの問題の処理を進めるかということは、私どもも沖繩の水産当局とも従来もいろいろ話し合っておるわけでございますけれども、移行を円滑に行なうために、今後もよく連絡をして、相互に誤解に基づいていろいろなトラブルが起こらないように私どもも十分注意をしてまいるつもりでございます。

安里積千代無所属

○安里委員 いまお話がありましたそれは常識だと思いまするし、また異論もあるところではございませんが、少なくとも基本的にはいろいろな事情から設定されました沖繩の業者の既得権と申しますか琉球政府の許可、そういったすでに沖繩において確立されておりました事実を尊重するということをおっしゃったのでございます。やはり基本線においてはそうあってほしいと思いますとともに、単に過去のものというよりは必要なものは将来に向かってどうするかということが大きな問題だと私は思いますので、将来に対しまする施策、ことに漁業基盤の整備拡充のためにひとつ積極的な政府の助成策を講じていただきたいということを要望申し上げておきたいと思います。  最後に、一つだけお聞きしたいと思いますが、本土におきましては、昭和二十四年に漁業法が改正になりまして、二十五年から施行になりました。琉球政府におきましては、一九五二年つまり昭和二十七年に、本土の漁業法の改正にならいまして、大体その趣旨をくんで琉球立法院において法の改正がなされております。御承知のとおりと思うのでございます。そこで、本土の昭和二十五年におきまする漁業法の改正によりまして失われたところの、旧法によって失われた漁業権に対しましては、政府といたしましては施行法によりまして漁業権者に対しまする補償がなされております。沖繩におきましては、本土のほうにならって漁業法の改正はなされたのでございまするが、当時の沖繩の法というものは、当然アメリカの拒否権のもとにある法であります。したがいまして、本土と違うところの大きなポイントは、従来の法によって消滅する漁業権について何らの補償措置というものがなされておりません。そこで復帰の段階、施政権返還の段階におきまして、これらの本土法によって補償された旧漁業権の消滅というような問題について、沖繩に関して考慮されるところのお考えはないか。またそういうような処置についてどのようにお考えであるかを水産庁にお伺いしたいと思います。

大和田啓気水産庁長官

○大和田政府委員 この問題は、私ども毎々お答えをいたしておるところでございますが、旧漁業権の補償ということは、法律上の問題としてもうすでになかなかむずかしい問題であろうというふうに思います。しかし、この問題に関連して、それでは一体どういう措置を講ずるかということについては、いろいろ各方面で御議論のあるところでございますので、私どもも十分研究はいたすつもりでおるわけでございます。

安里積千代無所属

○安里委員 これで終わりますが、沖繩の場合におきましては、復帰の段階においていろいろな補償問題というものが協定の中においても論じられて、原則的に、いま伝えられておるところによりますと、アメリカに対する請求権は放棄するという線が強く出されておるようでありますが、その中におきましても沖繩における漁業補償については、アメリカ当局に対しましても、これは棄却された時代がございまして、現に争いの中のものもあります。対アメリカにつきましてはそのようになされておるわけでございまするけれども、いまの問題、つまりアメリカに施政権を渡した、そうして法の制度が変わったということによりまして受けたところの、つまり国内法が施行されるか施行されないか、あるいは日本の漁業制度の変わったことによって、それにならって沖繩内においても制度が変わった、こういった問題は、アメリカとは別に、政府におきまして、国の問題といたされましてそのようなお考えがありますならば、十分配慮ができるのじゃないか。本土におけるこの補償によりまして漁業関係者、組合関係あるいはその他のいろいろな資金にこれが回されることによって、それが日本の漁業の発展のための基盤づくりに大きな役割りをしたと思います。沖繩においてはそういうことがなされないということも、また今日の大きな格差の生じた一つの原因にもなったろうと思います。そこで、アメリカに対する請求問題とは別に、これはぜひとも政府とされましては、国内の業者に対する問題としまして、十分いまのように法的にどうであれお考え願いたい。そのことがやはり沖繩の今後の施政権返還後におきまする水産業の施策の一つの力にもなろうかと思いますので、お願い申し上げたいと思います。  そしてついでに、いまの復帰対策要綱におきましても、漁業問題につきましては、制度の経過的な規定というものについては触れておりまするけれども、もちろん今後の沖繩の漁業の振興、特に漁業の基盤の整備といったような問題につきましては、復帰要綱にも具体的には示されておりません。そこで対策庁長官にお伺いしたいのでありますけれども、水産庁当局がいまのように沖繩の水産業におきまする積極的な姿勢といいますかお考えを示されております。対策庁といたしまして、これと相応じて、そういうような線でもって沖繩の漁業の振興のために考えられておるかどうか。それを対策庁長官からお聞きいたしまして、なおまた水産庁のほうにおかれまして、先ほど申しました問題について、最後に何か御意見がありましたら、いただきたいと思います。

岡部秀一沖繩・北方対策庁長官

○岡部(秀)政府委員 いまのたとえば漁業権の問題にいたしましても、政府の見解といたしましても法律的にはこれは解決済みであるということは、先ほどからも御答弁があったような次第でございます。ただしかし、おっしゃいますような沖繩の、施政権下にあった特殊な事情、こういう点があると思います。そういう点からこの問題もいろいろ考えてみますると、御趣旨のような点が十分あると思うのですが、それについてすぐ思い出します一つの事例は、旧北方協会に基金として十億円を交付したところの例がある。これは北方地域の施政について存する特殊事情及びこれに基因する北方地域の漁業権等の置かれている特殊な地位等にかんがみて、これらのものに対して低利資金を融通するということによりまして、その事業経営と生活の安定をはかることを目的とした、そういう事例があるわけでございます。結局この十億円は、個人の財産上の損失に対する補償金ではございません、また生活困窮者に対する見舞い金という性格のものでもございませんで、特殊事情にあるところの北方地域に関する特殊な施策として行なわれたところの政治的な交付金である、こういう観点に立っているようでございます。これは沖繩の問題につきましても、御要望のような点を考えますときに、一つの大きな材料になるのじゃないかということを考えておる次第でございます。そういうようないろいろ特殊的な状況ということを対策庁といたしましてはよく調査をいたしまして、ほかのものと比較権衡いたしまして、そういう事情のある点につきましては関係方面に十分に認識をさせてまいりまして、それ相当の適切な措置をとるべく仕事を進めてまいりたいと考えております。

大和田啓気水産庁長官

○大和田政府委員 いまのお話に尽きるわけでございますが、旧漁業権の補償という形では私は無理だというふうに思います。しかし、それにかえていかなる方策があるかどうかということについては、関係各方面とも十分連絡の上、私どもも真剣に検討をいたすつもりでございます。

安里積千代無所属

○安里委員 終わります。単に法的にどうというのでなくて、これは他の方法によって、あるいは政治的な措置がなされて実をとることができれば、その目的は達し得ると思います。  どうもありがとうございました。

床次徳二自由民主党

○床次委員長代理 本日は、これにて散会いたします。    午後一時二十四分散会

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