沖縄及び北方問題に関する特別委員会 第9号
- 発言数
- 80 件
- 登壇者
- 11 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1971/04/14
会議録
○池田委員長 これより会議を開きます。 沖繩における免許試験及び免許資格の特例に関する暫定措置法の一部を改正する法律案を議題といたします。 質疑の申し出があります。順次これを許します。上原康助君。
○上原委員 まず最初に、提案されております法律の一部改正案の内容で質問いたしたいと思うのですが、この法案でいう沖繩における免許試験及び免許資格の特例に関する暫定措置法の制定の件で、特に現在通関業務に携わっている業者あるいはその雇用者に対しての身分保障の問題、これまで本委員会あるいはほかの委員会等においても、通関業務に従事している従業員については、何らかの保障を講ずるというような答弁もなされているわけですが、具体的にはその中身というものが明らかにされていない。実際には三百名内外の従業員、さらに通関業務に従事している業者というものが、復帰の時点で失業の状態あるいは企業の廃止ということがいわれているわけなんです。これらについて、総理府として具体的にどういう方策をお持ちなのか、いま少し政府の基本的な考え、さらに具体的保障面についてもひとつ御見解を聞かしてもらいたいと思うのです。
○岡部(秀)政府委員 おっしゃるとおり、通関業関係者、これが本土復帰になりますと、輸出輸入額ともに大幅に減少いたしますので、その点で相当の打撃があるだろうということが予想されるわけであります。この法律案を出しましたのも、そういう人たちが本土のほうに就職するのに、一日も早くそれができるよう便宜にするために今度の法律も出しましたので、本土の、通関士を設置することを義務とされている港等に進出できますれば、非常にけっこうだと思いますし、それについてのあっせん等につきまして、政府のほうといたしましても、最大の努力をいたしたいと思います。 また、その他の方々につきましては、転廃業というふうなことになると思いますが、その点についての再就職あっせん等につきましても、重点的にひとつ関係方面に働きかけていきたいと思っておるような次第でございます。
○上原委員 いまの長官の御答弁は、これまでもたびたび承った範囲を出ていないわけなんですね。業者の転廃業資金の融資をはかるとか、あるいは現に通関業務に従事している労働者の再就職なりのあっせんをするための努力をなさるということだけでは、現実的な問題として施政権返還のタイムリミット、いわゆる日時というものも刻々と迫っている、その中で十分な方向づけがなされないままでは、政府が努力をなさるということだけでは、施政権返還に伴って必然的に廃業ないし職を失う労働者にとっては納得がいかないわけですね。政権が分離をされたがゆえに、こういう職業分野、業務分野というのも出たわけですから、それに対しては、該当者の努力もともかく、政府がもっと積極的に再雇用対策あるいは離職者対策、転廃業資金の問題等を講ずるのだというような明確な方針というものが私は出てしかるべきだと思うのです。法律の改正というものは、そういう面まで伴って、それを裏づける身分的な保障というもの、失業していく労働者をどういうふうに保護していくのだというようなこともやってもらわないと困るんですよ。具体的に申し上げると、実際に零細企業の通関業務の中で退職手当も支給されていない。しかも転廃業資金を融通するというても、それが明確には保証づけがされていない。そういう面について、もっと親切味のある答弁あるいは政策、方針というものが出されていい段階ではないかと思うのです。その点について、あらためてお聞かせ願いたいと思います。
○岡部(秀)政府委員 御要望の点のような考え方につきまして、私たちもそういう立場に全然立たぬわけではございません。復帰に伴ってのそういう転廃業の問題の余波という点で、私たちもその問題を、ただ手放しで考えているわけではございません。ただ、これに対して保障等の問題につきましては、事が重要でございますので、現在においてはまだその段階に至っておりませんけれども、総体的に個々的に琉球政府ともいろいろさらに調査をし、これからのそれについての具体策を考え出していきたいという状況でございます。
○上原委員 そうしますと、現段階で現年度の予算でそういう面まで十分に考慮されていない面もあると思うのです。いま長官の御答弁のように琉球政府あるいは該当企業なりその労働者の要望なりもいれて、少なくとも復帰が実現するのであろう次年度の予算等においては、そういう方々の身分保障転廃業対策、そういう面についての具体的な考慮を払うという姿勢でおやりになるというふうに受け取ってよろしいですか。
○岡部(秀)政府委員 そのように努力をいたしたいと思っております。
○上原委員 通関業務だけのことじゃなくして、ほかにもいろいろ類似した問題があると思いますので、限定せずにいまの長官の御答弁というものをぜひ生かすように、一そうの御配慮を要求いたしたいと思います。 次に沖繩の医療行政ないしは社会保障、社会福祉の面で二、三点お伺いをしてみたいと思うのです。特に一九六九年度あたりからと思うのですが、結核患者対策として、御案内のように、本土の結核療養所に沖繩のほうからも患者を年間九百名程度ですか送り出して療養してもらうということで、予算が計上されております。そういう配慮についてはわれわれも評価をし、一応そういう政府の姿勢というものも歓迎するわけですが、残念ながら計上された予算が十分に消化されていない。あるいはまたせっかくそういう窓口を開いても、患者自身が本土まで療養に行くのを非常にためらうというようなこともありまして、七〇年度、七一年度の、特に患者の本土収容治療費というものが相当未執行になっております。なぜそういうような実情になっているのか。本土政府としてはその問題についてどういうように受け取っておられるのか。琉政側にもっぱら事情があるとお思いなのか。一応いきさつなり経緯というものをまずお伺いしてみたいと思います。
○岡部(秀)政府委員 琉政のほうから聞いておりますのは、本土へ行く希望の患者が少ない。どうして少ないのかということを聞きますと、やはり病人が遠い未知のところへ行くということについて非常な不安を感じているということだそうでございます。確かにそういう面はあると思います。あると思いますけれども、しかしそこは、やはり病人はどうしても消極的になりますが、本土のほうへ来て、いい病院がある、そこでなおる、そこにやはり重点をかけて、なるたけ本人を説得して、本土のほうのいい病院へ送ってもらうということを極力やっていただきたい、その占うに思っております。しかしながら、それは病人のことですから、どうしてもいやだという人も出てくるかもしれませんけれども、ぜひとも琉球政府としては、行政機関としてはそういう点に努力を傾けて、送り出すということに力を注いでいただきたいというように要望いたしております。
○上原委員 そこで、事情は大体私が琉政のほうからお聞きした面と、いま長官の御答弁と似ているわけですが、療養なさっている方々の立場なり事情等もいろいろあることだし、それを強制するわけにはいかない。また、家族の事情なりいろいろな面が関係していると思うのです。そこで、問題は、せっかく予算化されたそういう医療保障がうまくいかないで、結局予算上の問題として未執行の形になるわけですね。もちろん予算執行上の面からいろいろ問題はあるとは思うのですが、要望を含めて申し上げますならば、逆に琉政側の財政事情等を見た場合に、生活保護法に基づいて執行されるところの社会福祉というのが非常に不足をしている。ですから、医療行政、医療保障というような面から考えますと、せっかく計上された予算について、そういう方向に振り向けるご検討というものが、琉政からもある程度出されていると思うのです。その点についてどういうお考えを持っておられるのか。あくまで計上された予算というものはそういう方向にしか使えないというような方向で処理なさるお気持ちなのか。沖繩のそういった社会福祉、医療保障等に振り向けて、もっと弾力的に、このような未執行の予算というものを執行させるというようなことも考えていいのじゃないかという見解を持つものなのです。これについてどういうお考えなのか、一応承っておきたいと思います。
○岡部(秀)政府委員 予算の立て方、執行、これはもう決定したところの項目に従って支出をする、その項目の目的を果たさない場合は、当然これは不執行になるということが会計法上の原則でございますので、その点の制約を相当強くというか、原則的には受けざるを得ないと思います。 〔委員長退席、大村委員長代理着席〕 しかし、御要望の精神というものは、私たちにもよくわかります。もしそういうふうなことができれば、それはそれにこしたことはないという考え方は、上原先生とも同じ考え方を持つものでございますけれども、何ぶんにも会計法上の制約がございますので、そういう違った観点での処理方法ができるかどうかということになると、非常にむずかしいと思います。目下出納整理期でございますので、その点につきましての総体的な琉政のいろいろな予算状況、出納状況等も見なければなりませんし、またその関係の、大蔵省等の会計原則というものに対する問題等も残されておりますので、ここでいまそれについて具体的にお答えするわけにはいかないという状況でございますが、総体的な勘案をいたしてやっていきたいと思っております。
○上原委員 いま長官の前向きの答弁があったわけですが、私も、予算執行の面において、いずれの政府の予算であろうと、会計法上の制約なり、あるいは法律上の執行範囲でしかできないということは了解をいたします。ただ、問題は、そういう法律、規制等の概念だけにとらわれて、沖繩の医療施設、設備あるいは医療行政、社会福祉というものをとらえてもらいたくない、そういう意味で要望を含めて意見も申し上げているわけですから、ぜひ私が申し上げたようなことを考慮に入れてひとつお考えいただきたいと思うのです。 もう少し中身を申し上げますと、琉政の一九七〇年会計年度で、先ほど申し上げた結核患者の本土への送り出し療養費というものが十三万四千八百五十二ドル未執行、さらに七一会計年度がおそらく六十万ドルくらいの未執行になるのじゃないか。累計しますと約七十四、五万ドルに達するわけなんですね。反面、先ほど申し上げた生活保護法に基づく医療補助とか社会福祉というような面で、琉政の予算というものが執行額がかえって赤字になっている。少なくともあと残された会計年度で四十五万ドルくらいは必要だというふうに聞かされているわけなんです。おそらくそれも政府との話し合いもあろうかと思うのですが、現在琉政としては補正予算を組む段階にある。したがってこういう面を、沖繩のいまの実情というものをもっと御理解をいただいて、大蔵省との関係なり関係省庁とのお話し合いもあると思うのですが、単なる会計法上とかそういった行政的観念だけにとらわれずに、実情というものを御理解をいただいた形での、琉政への実のある、中身のある補助ができる、予算支出ができるといったような方向をぜひ考えていただきたいと思うのです。さらに現地において、いま新しい那覇病院も建築中であります。これも民政補助が打ち切られる。名護の病院もしかり。そういう面でもほとんど硬直状態になっているわけですね。ですから補正段階において、未執行になるという分については、対策庁として、窓口ですから、ぜひ琉政とも早急にこういう面をお話し合いをいただいて、琉政側の要求、要望というものがいれられるような方向での未執行分についての取り扱いというものを御配慮いただきたい。いま中身を申し上げましたが、これについてもう少し具体的な答弁を賜わっておきたいと思うのです。
○岡部(秀)政府委員 ただいまの御質問の結核患者の本土送り出しについての金額及び保護措置等における不足の金額、大体私もそのくらいの金額の過不足があるという状況を聞いております。ただ、やはり、われわれ行政をやる者といたしましては、会計法の原則というものは、何といいましても私たちがそれを乱したのではどうも話にならぬと思うのです。そういう面で琉球政府に対しましても、いろいろ困難な点はございましょう。特に復帰のいろいろの困難な状況でございますので、これが目的どおりにいかなかったということについては、私たちも単に冷たい目で見るわけじゃございません。しかしながら何といいましても、全般にわたりまして絶えずその点の目を配りながら会計法上の目的が正しく行なわれるということは、行政官として当然に心がけるべき問題だと思うのでございますので、その点についてもひとつ上原先生も御理解をしていただきたいと思う次第でございます。ただしかし、原因がどうあろうとも、特に沖繩に現在のようないろいろの諸問題が立て込んでいる場合にそういう問題が起きるということにつきましては、私たちも深い理解を示さなくちゃいかぬと思います。そういう点で特に対策庁の私たちとしましては、関係省庁につきましてそういう沖繩の特殊事情というものをよく理解をさせまして、円満な執行ができるように私たちとしては努力をいたしたいと思います。
○上原委員 先ほど来申し上げておりますように、そういった会計法上あるいはいろいろな規則等を犯して、それを著しく逸脱した形で流用するようにしてもらいたいということじゃないわけです。私が申し上げたいのは、単なるそういうことだけじゃなくして、もう少し政治的な判断で沖繩のそういった予算面については、現に予算化された、計上された分が未執行になって、せっかくその趣旨が生かされない、反面においては非常に予算が不足しているというようなことをもっと政治的な判断でひとつ御努力をいただきたいということでございます。 そこでいま一つ、これも昨年度からの予算の問題、あるいは現年度の政府の予算、琉政の予算とも関連するわけですが、国民健康保険事業の援助費というのが昨年度一億七千万円、さらに現年度で約九億円計上されております。これは御案内のように、本土の健康保険制度に沖繩の現在の医療保険というものを持っていきたいという政府側の強い要望もあってこれだけの予算が計上されたと思うのです。しかし残念ながら、医療保険法の一部改正と健康保険法を政府が立法院に提案しても、なかなかまとまりがつかない。この件については、これだけの予算を政府が計上していただいたということは、少なくとも医療保険法、健康保険法というものを本土の制度に近づけるという相当強い御意思があったと思うのです。政府に言わせれば、現地の事情なんだ、現地に責任があるというふうな受け取り方かと思うのですが、実際に現地で反対しているのは、ではだれなのか、せっかく法律案を提案してもうまくいかない。それについてどういう行政指導なり、その予算の趣旨を生かしてもらいたいということを本土政府として助言なりをやっていただいているのか。これだけの一億七千万円、さらに約九億円の予算となりますと、あと残された期間で未執行になるのはほぼ見えすいているわけですね。こういう取り扱いについてもどういう方向で対策庁としてはおやりになるのか。あるいはまた沖繩のいまの医療制度、国民健康保険の法律改正、制度の一本化というものについて、もっと政府がこの予算を執行させるようなことをお考えになるならば、現に法案を改正することを渋っている政党なり団体に対して、何らかの助言というものがあってしかるべきじゃなかろうかと私は思うのです。この二点について、一つは予算が未執行になった場合の取り扱い、一つは現にそういう法律改正ができない状態にあることについての本土政府としての姿勢というもの、どう助言なりあるいは何らかの提案なりをやる立場にあるのか、あるいはその件は全然琉政側にまかす、立法院側にまかすというお立場でおられるのか、お聞かせ願いたいと思うのです。
○岡部(秀)政府委員 まず最も明らかな点は、私たちがこの予算を計上したということは、国民健康保険制度というものを沖繩でやっていただきたいという根本の立場に立っておるわけでございます。その点で、いま立法院で熱心に審議を続行中−だと思います。その点につきまして、これはいろいろ問題がございます。本土において健康保険法を初めて施行したときも、非常に大きな諸問題がございました。ちょうど私も、若いときで、社会課長をやっておりまして、それを初めて施行する当時行政に当たっておりましたけれども、制度の大きな切りかえになりますので、特に医師の人たちの不賛成というのが非常に大きな問題でございまして、日夜医師の方々と懇談をし、意見を交換し、理解を深め、あるいは市町村長、市町村会議員の方々等に、夜まで協議会、懇談会をして理解を深めたことがございます。やはりこれだけの大きな仕事でございますので、琉政といたしましても、また立法院の方々といたしましても、この点ひとつ十分に腰を入れて研究、審議をしてもらいたいと思いますし、これから審議が行なわれるわけでございますので、ぜひひとつその点をお願いいたしたいと思います。 あと、それが不執行になった場合ということですが、これはいまからの仕事でございます。その予算もまたいまからで、本土のほうの予算も成立したばかり、琉政のほうの会計年度もいまから始まるところでございます。これから十分の時間がございますので、ひとつ十分に腰を入れまして、この国民健康保険法がほんとうに県民のためになるという結論はもう明らかでございますので、ただ、それについて、執行の経過においていろいろと問題があるというそのことだけと言ってはなんですけれども、そういう大きな障害はありますけれども、そういうことでございますので、ひとつぜひともこの国民健康保険法は通していただいて、そして沖繩における医療行政の格差というものを、私は、これからの諸施策、沖繩の本土との格差是正の中で、あの医療問題こそはまさに一番力を注いで、一日も早く本土との格差を是正するところまで持っていかなくてはならぬと思うのです。それを、国民健康保険制度というこの明らかな問題をそのままうっちゃっておいて一体いいのだろうかということを深く思いますので、その点ぜひとも御理解を得ていただきまして、なるたけ早くこの法律を通して、全般的な健康保険、それから国民健康保険というこの二制度は、ぜひとも、一日も早く沖繩に実施をいたしたいものだと思います。
○上原委員 先ほどから指摘しておりますように、確かに沖繩における社会保障制度が著しくおくれをとっておる、格差が大きい。そういう意味で、医療保険法の改正なり健康保険法の一本化ということが打ち出されているわけですが、残念ながら、いま長官がおっしゃるような政府のお考えというものが生かされない。ここにいらっしゃる自由民主党の方々はものわかりのいい方々で、たいへん前向きの姿勢でやっているのだが、ことごとく医師会と一体となって、法案の改正なり立法化ということに反対しておられる。もちろん、反対しておられる理由というものも、私はそのすべてを否定するものじゃありません。うなずける面もないわけじゃありませんが、少なくともこれだけの予算を計上して、しかも、政府としてもおやりになろうとしている。また一般県民大衆としても、もちろんひとしい皆保険制度というものはよりベストの制度であるにしても、そこに持っていくにはやはりある程度のステップを踏まないといかぬ。ですから、いま長官がおっしゃるような方向で、どうしてもそういった沖繩の医療制度というもの、社会保障制度というものをもっと充実させたい、本土の水準まで引き上げていきたいという御意思であるならば、政府の立場で直接どうせよ、ああせよということは言えないでしょう。だが、その趣旨が生かされるように、ぜひ本土政府の立場でも関係者に助言なり御意見というものを言っていただくことによって、いまの硬直状態というものを、何とか予野党なり政府あるいは医師会含めて合意できる線というものを見出していくことにもなり得ると私は思うのです。その点についてぜひ御配慮をいただきたいし、またこれに対しての長官の御答弁も求めておきたいわけです。
○岡部(秀)政府委員 もう趣旨や制度そのものについての問題はないわけですから、その点は何といっても理解の啓蒙宣伝という面での努力というものを、琉球政府といたしましても、一般の人としても、その点をひとつ積極的に努力すべきだと思います。それから、その点について本土の私たちのほうからあまり積極的に出ると内政干渉的になりますので、その点いかがかとも思ってはおりますけれども、しかし、いい、ぜひともやらなければならぬ制度について、私たちも陰ながら実はいろいろとお話は申し上げている次第ですが、お話の点を含みまして、さらに私たちといたしましても、この制度を理解し、それを実現できるようなことについてなお研究し、努力をいたしていきたいと思います。
○上原委員 先ほどから私が申し上げた予算面の執行との関係で、大蔵省の説明員も出席しておりますので、その元締めである大蔵省としてはどういうお考えであるのか。もちろん会計法に基づいておやりになるという答弁だとは思うのだが、もっとそれより、沖繩の実情というものも判断をした、考慮に入れた形で、対策庁とも御相談の上で、未執行になる予算の流用なりあるいはその他の方法について御検討していく立場にあられるのか、そういうことはどだい無理だという立場で大蔵省としてはおやりになるのか、一言見解を聞かしていただきたいと思うのです。
○前田説明員 実は私、直接の担当でございませんので、はっきりここでお答えできないのでございますが、ただいまのような件につきましては、対策庁とも十分密接な連絡をとりながら、いろいろと協議をしながら進めていきたい、こういうふうに考えております。
○上原委員 いまの点は、ぜひ大蔵省としても対策庁と十分ご検討していただいて、非執行分の予算というものを何らかの方法で琉政の予算に充当していく、前向きの形で。いま特に本土への送り出し結核患者の費用と健康保険事業費の面で指摘をいたしましたが、予算をこまかく検討いたしますと、そのほかにも相当あるわけです。そういった面全体についてひとつ御検討をいただきたいし、琉政側の要望、要求というのがいれられるように御配慮いただきたいと思います。 そこで、私は社会保障の問題できょう取り上げたわけですが、もう少し理解をいただくために、沖繩の社会福祉関係というものが、先ほど長官の答弁もありましたが、いかにいまおくれをとっているかという一例を、政府委員もいらっしゃいますので、理解を深める意味でもう少し詰めてみたいと思うのです。 本土の場合のたとえば保育所の問題なり、そういう面は、全国平均あるいは沖繩との類似県ではどういう状態になっているのか、もし資料をお持ちであればひとつ説明をしていただきたいと思うのです。
○岡田(純)政府委員 お求めの見解に対してそのままお答えできるかどうか、手持ちの資料ということでお許しいただきたいのでございますが、先ほど問題がございました、医師が非常に不足しており、かつまた那覇に集中しているという状況について申し上げますと、本土では十万人当たりの医師は百十二名ということになっておりますが、沖繩の場合約四十八名でございまして、十万人当たりで見ましても、本土も世界的に見ますと決して高いほうではございませんけれども、それのさらに半分以下であるというふうな事情でございます。 それから保育所について申し上げますと、沖繩は現在六十八カ所、これは調査時点の点もございますので、今日現在では申し上げられませんけれども、六十八カ所というふうに聞いておりますが、本土の類似県の平均をいたしますと、二百カ所からになっているというように、その他ございますけれども、時間の関係もございますので省略いたしまして、一般的に低い。しかしそれに対しまして、本土として最後の年度の社会福祉あるいは医療費関係の復帰対策については、前会計年度で格段に計上したつもりでございます。
○上原委員 いま答弁がありましたように、医師の数においても、あるいは実際の保育所なり病院、医療機関施設というものも四割から大体六割程度。したがって、こういうものを復帰に向けてどう具体的に政策の中で生かすのか、そしてそれを裏づけていく予算というものを計上するかというのが私は復帰準備であり、県民の切実な要求だと思うのです。後ほど少し触れますが、たとえば保育所の問題にしても、全国類似県で平均大体二百カ所だということでしたが、具体的に言いますと、四月一日現在で鳥取県が百七十、島根県が二百二十一、徳島県が百四十二、香川県が百六十五、高知県が三百十七。沖繩はたったの六十七カ所なんですね。先ほど六十八という、これは一カ所の違いですからそんなに問題じゃありませんが、六十七、八。いかに子供をかかえた配偶者が困っているかということがうなずけるわけですね。そういうものについて第二次復帰対策要綱なり第一次の中で具体的には出ていない。これらの社会福祉の問題、社会保障関係政策について、今後どういうふうに具体的に復帰に向けて、あるいは復帰後おやりになろうという方針なのか、賜わっておきたいと思うのです。
○岡部(秀)政府委員 社会福祉の問題、医療の問題等、まさに沖繩におきましてはもう非常な格差を見せておる状況でございます。現在まで、これにつきましてある方向を打ち出していないこともないわけでございます。たとえば新那覇病院の問題とか、あるいは宮古のらい病院関係を国立にするとか、出しております。これの中を見ていきますと、新那覇病院を琉球大の附属病院として充実をしていくという問題、それからまた地方医療の施設としても充実していくという問題やら、また中部病院というものの医師教育というふうな面も出ておるわけでございます。あるいはまた琉大におけるところの保健学部の設置等見てまいりますと、これは沖繩の特殊事情、公衆衛生施策面のおくれ、臨床、医療面のおくれ、生活水準、栄養水準等のおくれに対してどう対処していかんとするかという、これは保健学部の設置の問題が一つの芽であると思います。このような芽をすでに第一次、第二次復帰対策要綱でも出しておりますので、私たちはこれからこういうふうな芽をどう育てていくのか、どうつくっていくのかということにつきまして、振興開発計画というものを立てていくつもりでございます。そして、それに対しましての政府の手厚い負担、補助というふうなものもあわせて実現をしていくという面で、振興開発法及びそれに対するところのいろいろな金融面の問題につきましては、今回の第二次復帰対策要綱で総合政策金融機関を設けるという施策も打ち出しておる次第でございます。今後、沖繩のこの格差是正及び振興というふうなものは、特に復帰をいたしましたところの沖繩の全力を傾けてやるべき仕事だと思いますし、私たちもまた本土におきまして、対策庁といたしましてはそれにこそ全力を傾けて、一年でも二年でもいいから、早く本土と同じような格差是正をやっていこうというところに力を注いでまいりたいと思っております。
○上原委員 先ほど来から長官のその御熱意、あるいはやっていかれるのだという御答弁は了解、いたします。また、ぜひそうでなければいけない。ただ、その熱意とはうらはらと言ったら失礼かもしれませんが、第二次要綱の中でいろいろ検討してみますと、琉球政府が要請をした厚生面、社会福祉面についての要求というものが十分にいれられていない面があるわけですね。私が非常に奇異に思うのは、この委員会で再三、琉政側が提出した第二次要綱に対しての要望事項というものはほとんど取り入れたのだ、あるいは合意をした形で第二次要綱というものは発表されたということを大臣からも長官からも賜わった記憶があるわけですが、いまこの社会福祉の面だけ考えても、少なくとも琉政側が出したものと政府が発表なさったものとはかなり違う。特に施設というもの、医療機関、福祉機関というものを充実させない限り、またそういう機関を創設をし、拡充強化をし、それが機能を果たし得る予算の措置というものがない限り、長官がおっしゃるような現にある格差の是正というものは、本土は停滞しているわけではなくして、本土もどんどん改善されていっているので、おくれをとっているほうはスピードを上げないと、これに追いつかないわけですよ。ウサギとカメのイタチごっこじゃないんです、これは。そういう面について、若干長官の熱意ある答弁は買いながらも、実際にあらわれているものとおっしゃることがマッチしていない面もありますので、その点、もちろんこれだけのいろいろな問題があり、社会福祉だけのことじゃなくして、ほかにもたくさん問題があるわけですから、一挙にすぐおやりになることはできないということは私も重々わかります。だが、少なくとも福祉面においては最もおくれをとっておる。保育所の問題にしても医師の問題にしても、その他の医療機関というものも、あまりにも県民の需要、利用に満たされていない。その中では、もっと重点的にこの問題について、人間優先の政策、福祉優先ということを重点に置いた政策を打ち出すのが対策庁のお仕事だと私は理解するのです。ぜひ私が申し上げたようなことも含めて、今後の方針というものを先ほどお述べになりましたが、琉政側の要望と二次要綱での発表されたものが食い違いの面があること、あるいはまた琉球大学には保健学部じゃなくて医学部を設けろというのが県内の強い要求なんですね、そういう面を含めて、もう少し今後の社会福祉政策についての長官の御見解を賜わっておきたいと思うのです。
○岡部(秀)政府委員 復帰対策要綱、これはどういうことをきめているかというと、復帰に際しての県民の生活、経済等を最もスムーズにここで移行をさせていこうという点に重点を置いているわけです。そういう面で、すこぶる短期にどう円滑に推移をさせていくかということについての根本の施策が出ているわけでございまして、ただいま先生の憂えておられる医療面その他社会福祉面等の問題、これは長期の観点に立って年次計画をきめながら、最終目的をきめながらやっていく仕事でございますので、その点はこれからの仕事になります。振興計画の問題になりますので、これはもう何回も大臣からもまた私からも申し上げておりますとおりに、ひとつ一緒に沖繩の皆さん方と力を合わせて、これに最も力を注いだ計画を立ててやっていこうという点でございますので、ひとつ御了承のほどをお願いいたしまして、御協力、御指導をお願いいたしたいと思います。
○上原委員 年次計画なり振興計画の中でおやりになるということですが、先ほど来申し上げておりますように、実際にはこういう具体的な格差というものがあるわけですから、それについて、単に年次的に何カ年計画でどうするのだというようないわゆるペーパープランじゃなくして、ほんとうにそれが充実化されていく、そして少なくとも県民の立場から言うと、復帰の時点には本土の水準にやってくれということなんですね、これだけの格差というものは。その後は本土と一緒に歩ましてくれというのが二十五年の沖繩県民の強い要求であるし、またある意味では、見解の相違だということじゃなくして、実際から言うと、そういう要求というものは私は当然だと思うのです。しかし、それを政治の場で、あるいはいろいろな政府の政策として、これだけの格差というものを一挙にあと一年足らずの間にやれというのはちょっと虫がよ過ぎるということになるのかもしれないが、心情から言うと県民はそういう要求をしている。そのことを踏まえて、特に社会福祉の問題、人間優先の問題、子供たちの環境整備の問題は、軍事基地の中で痛めつけられてそういう格差が出てきたわけで、少なくとも復帰をすることによってはそういう面が解決をされる。そうでないと、あとは軍基地の問題だけが政治になり、外交になり、最も大事にさるべき人間がますます取り残されていく形の復帰になっちゃう。それがないようにぜひやっていただきたいという強い要求を申し上げて、この点については一応質問を終わりたいと思うのです。 次に、軍雇用員の問題でちょっとお伺いをしたいわけですが、御承知のように、またきょうから現地では全軍労が解雇撤回あるいは離職者対策、四種雇用員等の離対法適用の要求を掲げて、もちろんその他にもいろいろ要求はあるわけですが、ストライキに残念ながら入っているわけですが、ここまで基地労働者、軍関係の労働者が切実な要求を出して、新年早々来第一波、第二波、第三波と実力行使をせざるを得ない。好きこのんでやっていると私は思わないのです、私も過去何年かそういう経験をしてまいりましたから。再三長官に対しても政府に対しても要求を出してきたわけですが、当面の問題として、いろいろ離職者対策の問題もありますが、第四種雇用員の離対法適用について、もっと前向きの姿勢で検討すべき段階に私は来ていると判断いたします。そもそも離対法が立法化される過程で、本土においては第四種に類似をする人々が適用されていないから、沖繩においてもそうなんだというのが本土政府の説明、琉政の説明でもありましたが、せんだっても御要望申し上げましたように、本土における基本労務契約あるいは諸機関労務契約、船員労務契約等は沖繩の第一種、第二種と該当するわけですが、本土のそれらに類似をするものが沖繩では第四種の形で雇用されている面も現にあるわけです。だから、私は絶えず本土並みの概念では沖繩の基地関係労働者の問題というのはなかなか解決をしないのだというようなことを委員会でもそのつど申し上げてきたわけですが、第四種にもいろいろありまして、百余りの請負業者があります。これを即離対法を全面的に適用をやれというようなことまでは、私らもいろいろ中身がわかりますから、申し上げませんが、少なくとも全軍労なりあるいは該当雇用員が強く要求をしている離対法の適用、また政府が実際に本土の実情なり沖繩の実態をお調べになって、何らかの形で離対法を適用するか準用するかの方向をこの際見出していくべきだと思うし、またそれに対しての予算の裏づけも考慮してもらいたいというのが強い要求なんです。この点についてどういうような御見解を持っておられるのか、今後どういう方向で進めていこうとしておられるのか、ひとつお聞かせいただきたいと思うのです。
○岡部(秀)政府委員 御指摘の第四種の人たちの内容、これは確かに前は直接雇用になっておった人たちもあって、その後これがそうでない請負業者の人たちに雇われるという形になった点がある点を私たちも最近認識をいたしました。それからまた、実際に沖繩におけるところの第一種、第二種、第三種、第四種の状況は、本土におけるところのそれとはだいぶ中身も違っているように見えるというふうなことも私たちも検討をいたしておりますような次第でございます。これはやはり直接に一つ一つ洗ってみないとわからない問題でございますので、実態がまだつかめておりません。おりませんので、その点を今後対策庁といたしましても施設庁といたしましても、ひとつ一緒に力を合わせまして、その内容の検討をやっていきたいと思っております。
○上原委員 防衛施設庁はこの件についてどういうお考えをお持ちですか。
○白山説明員 いま岡部長官が申されましたと同じようなことで、どういう点を具体的に重点的に見るべきかというようなことも現在検討を続けております。したがいまして、それにつきましては、むしろ近く具体的な検討というものに入りたい、こういうようなことで現在努力しております。
○上原委員 一応実態調査をやった上で四種の雇用形態というものを十分洗ってみて、離対法を適用すべきであるあるいは離対法の適用に該当するというようなものについてはおやりになる、その方向で進めたいということですね。しかし、われわれが申し上げたいのは、現地の四種の実態というものをぜひ対策庁なり施設庁なりもっと詳しくつかむ必要はあると思うのです。それを早急におやりになって、どうしても現在の離対法というのがストレートに適用できないということであるならば、約七、八千の四種雇用員というのがいるわけですよね。しかも、それは先ほど長官おっしゃいましたように、六二年ないし六三年の時点までは第一種雇用員あるいは第二種雇用員であったのが相当数いる。アメリカの一方的都合によって、身分というものが某月某日からすぐ変えられる。あるいは十年間同じような雇用形態であっても、請負業者というのが一年交代ないしは五年であるからということで、勤務年数はいつまでたっても一年だ、十年間臨時をしておっても臨時雇用だというような非常に不自然な雇用形態というものが沖繩の四種にある。これは復帰後は本土の職業安定法なりとも問題が出てくると思うのです。これらの問題について、復帰準備の中でもっと具体的におつかみになって、現地の要求、要望というものを取り入れる形での対策、実際にいま問題になって、労働者がほんとうに必死になって、苦しんでいるという——私は実際心情だけで言っているのじゃないのです。どんどん首は切られていく。あるいは同じ職場で、一方はメスホールのコックをしている人は一種、退職手当ももらう、ボーナスももらう、離対法も適用される。身分というものが幾らかはましだ。同じメスホールで働いておって、一方は皿洗いあるいはウエートレスをしているということで四種雇用員。ボーナスもないし、退職手当も幾分かしかない、離対法も適用されない、しかもだんだん首を切られていくというような実情。こういう不平等というものをなくするのが離対法の趣旨でもあると私は思うのです。ぜひ総理府も対策庁もこの件について、単に本土では諸機関とか基本労務契約はそうなっていないからというようなことではなくして、沖繩の実情に即した、沖繩の基地労働者の雇用形態というものの中で生まれた不自然さというものを解決をしていくように、早急に御努力をいただきたいと思うのです。この件について御答弁がありましたら賜わっておきたいと思うのです。
○岡部(秀)政府委員 御指摘、御要望の点十分わかりました。施設庁とも力を合わせまして、実態をひとつ解明いたしまして、確かに形式的に単に現在そうなっているからではいけないということの点でございますので、これは一つ一つ洗ってみて、実際にそのとおり同一にすべきであるというものは同一にすべきだと思います。しかしまたいろいろの障害があるとは思いますけれども、施設庁とも十分折衝いたしまして、御要望の点に沿いたいと思っております。
○上原委員 大蔵省にも要望と意見を申し上げておきますが、離対法を改正し、現在の四種の雇用員にも拡大をしていくことになると、必然的にそれに伴う予算というものは出てくる。その場合に本土では基本労務契約を諸機関しか適用されていない。沖繩の四種に適用するのはいかぬ、予算はできないというようなことではなくして、大蔵省としてもそういう面では沖繩の実情というものを十分御理解をいただいても予算計上の面においても法改正に伴う裏づけとしてやっていくという前向きの形での御検討というものがいただけるかどうか、そこいらについて見解を賜わっておきたいと思うのです。
○前田説明員 この点につきましても、直接担当しておりませんので、的確なお答えはできませんけれども、いずれにいたしましても、対策庁のほうとよく連絡をとりまして、今後十分検討を続けていきたい、こう存ずるわけでございます。
○上原委員 ぜひ十分検討した上で、単に検討したができなかったというようなことではなくして、中身の伴う検討をしていただくように要求しておきたいと思うのです。 次に、これまで何回かお伺いしたのですが、施設庁にちょっとお尋ねしておきますが、間接雇用の移行問題について、具体的にこれは対策庁とも関係はあると思うのですが、実際に仕事をやるのは施設庁だと私は思うのです。どの程度事務レベルの仕事が進んでいるのか。まだ外交ルートでもたついているのか。そこいらの経緯と、現段階における施設庁、対策庁の間接雇用移行への作業の進みぐあいあるいは今後の方向づけ、今後どういう方向でやっていくのか、どの段階で具体的にごうなるのだというものが出せるようになるのか、そこいらをひとつ説明をしていただきたいと思うのです。
○白山説明員 労務の問題につきましておくれている、こういうようなことがしばしば批判があるわけでございます。現実問題といたしまして、やはり外交レベルでの交渉ということに現段階なっております。しかしながら、私たちといたしましても、できるだけの事務的な準備というものも進め、なおさらにそれを深めるということのためには、関係のところとも協議をして、さらに今後の具体的な分担といいますか、やり方、こういったことも相談しなければならない、こういったことに相なっておるわけでございます。したがいまして、ただいまの上原先生のおことばを体しまして、われわれといたしましても、そのようなことにより明確にお答えできるように極力努力してまいりたいということを申し上げておきたいと思います。
○上原委員 あまり変わりばえのしない答弁ですが、実際問題として、何回かこの件についてもお尋ねをし、復帰の時点では何らの支障なく間接雇用に移行するのだという大臣答弁なりいろいろあるわけですが、しかし、復帰の時点で間接雇用に支障なく変更するにいたしましても、それを進めていくいろいろな作業というものがなければ、支障なく復帰の時点でならないわけなんですね。たとえば軍用地の調査とかそういうものについては、すでに二、三回ないし数回にわたって、施設庁は現地に派遣をしている。現に四月一日から何名か職員も出向いている。お聞きいたしますが、軍雇用員の実態調査なり、間接雇用移行の問題ということで施設庁が正式に現地の調査をやったことがあるのかどうか。あるいはまた、それができないということならば、何が原因なのか。外務省がさせないのか、アメリカがさせないのか、防衛施設庁がやらないのか。そういうことまで一応お聞きしておかないと、これまで要求なり要請の出しっぱなしでは、ますます現地というものは混乱をする。そこいらはどうですか。
○白山説明員 昨年六月に、概況というものを承知するために、若干の職員が参ったわけでございます。しかし、その後におきましては、なかなかそういうことでは仕事というものが円滑にまいりませんので、できるだけの資料を集め、そしてやはり実情というものを的確に把握いたしませんと、われわれとしても、本土におけるいろいろな経験はあったとしても、相当程度いろいろな面においての相違点というものを、どうこれをかみ合わせなければならないかということになりますと、相当詳細な実情というものがわかりませんと、円滑ということがむしろわれわれの認識不足のためにまずいという点が起きるだろう、こういったことで、外交ルートを通じての話ということになっている段階ではございますけれども、極力それらのことをわれわれは外務省にもお願いをしてまいっておるわけでございます。だんだんと時間的な準備といりのは、事務的にもやはり一つの考えといいますか、事務的に要する時間というものもわれわれは測定をしております。どうしてもそれらのことが近づいてまいりますと、あせりも出てまいりますので、そういった点も十分実情も申し上げまして、関係省庁とも連絡しつつ、早くそのようなことを実施するように、現在極力努力をいたしておるわけでございます。先ほどどこに原因があるかというようなことでございますけれども、われわれとしては、その原因というものは、残念ながら承知いたしておりませんので、お答えは申し上げかねる次第でございます。
○上原委員 大体どういうことなのかはいまの答弁でわかるような気がしますが、これまで外務省あるいは総理府、施設庁と何回か意見交換もいたしましたが、残念ながらかなりもたついている。政府がおっしゃるようにすべてちっともスムーズに進んでいないのです。ですから、そういう経緯というものを十分踏まえてやっていただかないと、復帰の時点で何とかなるさということだけでは、政府はそれでいいかもしれぬだろうが、身分を変更される何万かの労働者が、そのことによって起こるであろういろいろな不利益なり自分の生活上の問題がいつまでも明らかにされないで、不問に付されて時間が刻々と経過をしていく、迫ってくるということじゃいかないと思うのですよ。このことを事務段階に強く言ってもあまり効果がないかもしれぬが、ぜひこれだけ何回か問題になっていることですので、先ほどの四種雇用員の問題あるいは間接雇用の問題等を含めて早急に結論を出す、結論を出すというより、その中身を明らかにして関係者の意見を求めるというような姿勢が、私はやはりこの段階でおやりになる政府のほんとうの沖繩問題に対して真剣に取っ組んでいるという証拠にもなると思うのですね。そういうものが全然出されないではいかないと思いますので、長官として、一応対策庁としても、これは窓口であり、また、関係もあるわけですから、間接雇用の問題についてどういうように進めていかれるのか、今後の展望なり見通しなりを明らかにしていただきたいと思うのです。
○岡部(秀)政府委員 これは施設庁が中心になってやっておられますので、それにつきまして私たちも力を合わせて進めていきたいと思っております。
○上原委員 あまりくどく申し上げませんが、この問題はすべてなんだが、外務省に行くと、いや、これは防衛施設庁だ、防衛施設庁へ行くと、いや、これは外交ルートで外務省だ、対策庁へ行くと、これは施設庁だというようなことで、ピンポン玉みたいにあっちへ行ったりこっちへ行ったりじゃいかぬと思うのですね。もう少し外務省、対策庁、防衛施設庁がほんとうに三者合同会議でも持って、あるいは労働省も含めて、こういう問題についてはおやりにならないと、みんなあっちこっち自分らのなわ張りだけ守っておったんじゃ、沖繩問題は解決しない。そこに実際に問題があると思う、この問題だけじゃなくして。その点関係者がもっとお話し合いをしていただいて、これらの問題については中身を明らかにする、あるいは関係者の意見をいれる、政府の方針を打ち出す、そういうことをやっていただきたいという強い要望を申し上げてこの点を終わりたいと思うのです。 あと幾ぶん質問時間は残っているのですが、実はきょうは軍用地の問題と請求権の問題を本来の質問の要旨としてまとめてきたのだが、その該当者がいないようですが、軍用地問題、お答えいただけますか。——それじゃ次回にきょうの残った分を外務大臣か防衛庁長官、防衛施設庁長官でもいいですから、そのあれで、一応質問を打ち切ります。
○大村委員長代理 瀬長亀次郎君。
○瀬長委員 最初に、施設庁にお尋ねいたします。 安保条約が締結されて発効した、地位協定も同じように、その時点で沖繩の基地のような状態があったかどうか。すなわちアメリカがアメリカの国費を使って施設をつくったり弾薬倉庫をつくったりしたような個所があったかどうか、この点を簡単に説明お願いしたいと思います。
○銅崎政府委員 当時の状況につきましては、資料を持ち合わせておりませんので、ここでお答えいたしかねるわけでございます。
○瀬長委員 この点につきましては、沖繩返還協定の一番の重要問題は基地の取り扱いだと思うのです。したがって、佐藤内閣は本土並みという場合に、基地の機能の問題、基地の広さの問題、そういったことではなくて、安保条約あるいはそれに基づく地位協定その他が本土並みに適用されるということが本土並みだと言っております。その場合、問題になるのは、区域と施設をアメリカに提供する場合に、沖繩基地みたような状態が、安保条約の締結とその発効、さらにそれに関係する諸法律が適用された段階で、本土における沖繩基地のようにアメリカの国費を使ってつくったのがあるかどうか問題なんです。だからそういった点、詳しく資料を委員会にお願いしたいと考えます。 私、きょうは憲法第九十五条、住民投票、この問題をこの前の委員会から保留してありましたので、引き続ききょう質問することにしまして、あのとき山中総務長官は、この問題、すなわち沖繩に特別に適用する法律がつくられた場合に、九十五条の住民投票に関連する問題については「これは防衛施設庁が答えるべきでありますが、私どもの承知している範囲ではどういうことになるのか全くわかりませんから、」といったようなことも答弁しておられます。きょうは内閣法制局の部長も来ておられますので、そういった点についてお伺いしたいと思います。 いま、返還協定、これに関連して沖繩に関係する法律が六百あまりもつくられるということになっているようでありますが、その中で一番問題になるのは、基地の取り扱いに対する問題と、もう一つは、沖繩県を普通の県並みではなくて、特別県みたいに扱って、いわゆる政府直轄にするという場合、やはり法律をつくらなければいかぬはずである。いわゆる自治体の機能、権能に関係してきます。そういったような場合にいまの九十五条は発動するのかどうかという問題。これはもう少し詳しく説明しないとわかりかねると思いますが、いま軍用地の地主が再契約を拒否しております。万一ではないのです。もうすでにこういったような拒否するような地主がおった場合には、どういう法律をつくるかといったような問題ではなくて、現実にもう出ております。那覇市をはじめ十五の市町村からも、軍用地の再契約どころか、むしろ開放を要求しておる。この場合どういう法的な措置があり得るかといったら、これに関しては一貫して、こういった法律をつくるということは委員会では全然明らかにされておらない。政府としては、返還の時点X日ならX日までに地主の御了解と御納得と御協力を受けられると思う、ところが万一もしそういった拒否する地主がおったら、何らかの法的措置をとらなければいけないんじゃないかということを明確にされております。その場合考えられるのは、いま土地収用法がある。これはいわゆる全国的に適用されておる問題である。成田空港の問題がそれである。さらに安保条約に基づく、第六条区域、施設、これをアメリカに提供するための特別措置法ができておる。これは施設局長が収用法における起業者とみなされておって、特にこれは全国的に適用される問題でありますが、もう一つ考えられることは、すでに外務大臣も明らかにしておるように、沖繩返還の問題は小笠原返還方式によるのだということも明らかにされておる。この場合、小笠原返還方式となりますと、南方諸島及びその他の諸島に関する日本国とアメリカ合衆国との間の協定、これはいわゆる小笠原返還協定と私名づけておきましょう。その第三条に基づいて「避けがたい遅延のためこの協定の効力発生の日までに前記の手続によることができない場合には、日本国は、アメリカ合衆国に対し、その手続が完了するまでの間、これら特定の用地を引き続き使用することを許すものとする。」という返還協定の三条に織り込まれて、それを受けていまの小笠原諸島の復帰に伴う法令の適用の暫定措置法に関する法律ができて、その第十二条、これによりましていわゆる使用権の設定がうたわれ、それに基づいて地主がわかっている者については通知する、わからない者については告示する、公告するということになっている。いま申し上げました暫定措置法、土地問題、こういったものが当然考えられる。その場合、いま私が申し上げました行政機構の復帰した場合に、沖繩を九州ブロックに入れるのではなくて、中央政府の直轄県として、その間に大臣クラスを長とする開発庁と名づけるかどうかわかりませんが、そういったものができる場合には、当然九十五条の自治体の県なら沖繩県になるわけです。この自治体の機能に関係してくる。さらにいま申し上げた土地問題、小笠原返還方式に従って国内法ができる場合には、これは土地収用法、さらにいま安保条約に基づく土地に関する暫定措置法、これとさらに違ったような、沖繩県だけに適用されるような法律が必ずつくられる。その場合には沖繩県知事の、いわゆる沖繩県自治体の機能に関係してきます。さらに一般住民の土地問題に対する利害に直接関係してくる。だから、どうあってもこれは憲法を適用されるわけだから、その適用された憲法の九十五条は当然生きてこなければならないという見解を私とっております。これに対しまして、最初に施設庁の御答弁をお願いしたいし、これは山中大臣も施設庁が答弁すべきだと言っておるだけに、さらに内閣法制局の御見解を承りたいと考えます。
○真田政府委員 お答えを申し上げます。御質問の趣旨はかなり多岐にわたったようにお聞きいたしましたが、要するに、沖繩の復帰に伴っていろいろの国内法が整備され、つくられるだろう、その中に沖繩に限って適用されるというような内容のものがあれば、それは憲法九十五条にいういわゆる地方特別法に当たるのではないか、それについての政府の見解はどうだという点にあるのだろうと思います。御承知のとおり、目下私のほうでいろいろ準備を行なっておりますが、どういう内容の国内措置を盛った法律をつくるべきかという具体的な内容については、まだ確定していない面が多々あります。お話しの軍用地の取り扱いがどうなるかということについても、まだ私のほうでは具体的な内容を承知しておりませんので、一がいに軍用地の扱いについて憲法九十五条が発動するかどうかということを断定的に申し上げることは実はできないわけでございます。それで、一般論といたしまして、九十五条はどういう場合に発動するのかということについての私どもの見解を申し上げることにいたしたいと思います。 一体憲法九十五条にあります一の地方特別法というのは何かということが大前提になるわけでございますが、その点につきましては、九十五条の文言からも、あるいは憲法の当該条文が「第八章 地方自治」という章におさめられていることからも明らかでありますように、それはまず第一に一の地方公共団体に適用される法律でなければならないということが言えると思います。それから第二には、特別法でなければならない、つまり一般の地方公共団体に広く適用される一般法がまず前提になりまして、それに比べて内容の違う特別法が設定されるという場合に九十五条が働くのだ、こういうことになろうかと思います。 そこで問題は第一の点でございますが、ただいまおっしゃいましたような軍用地の取り扱いについてどうかということになりますと、これは先ほど申し上げましたように、措置の内容がまだ確定しておりませんので、断定的なことは申し上げかねるわけでございますけれども、沖繩にある基地の取り扱いがどうなるかということにつきまして、一般的に申しますと、それはどうも沖繩県自体に適用されるようなものではないのじゃなかろうかというふうに推測いたします。それは区域としては、なるほど沖繩県の区域内に所在する施設、区域についての扱いでございますけれども、それは区域を指定するための手段として、沖繩県の区域という観念を入れるだけであって、それは沖繩県そのものの組織とか運営とか権限とか機能とかいうふうに、じかに適用されるものではないのじゃなかろうかというふうに推測されますので、その点から憲法九十五条とは関係がないのじゃなかろうかというふうに一応考えている次第でございます。 なお、具体的にその法律を地方特別法として住民投票にかけるかどうかという手続になりますと、これも御承知かと存じますけれども、地方自治法の二百六十一条にその手続が書いてございまして、そういう地方特別法が議決されたときには、後議の議院の議長が内閣総理大臣にその旨を伝えるというふうになっておりまして、それを判断するのは、つまり地方特別法に当たるかどうかということを具体的な手続の上で判断するのは国会のほうの御権能になっておりますので、実は私のほうでは権威を持って当たるとか当たらないとかいうことを言うべき立場ではございませんけれども、しいて政府の考えはどうかということであれば、ただいま申し上げたとおりでございます。
○瀬長委員 いまの話で、いわゆる沖繩の施政権返還が本土の沖繩化につながっていくという考え方が一般に行なわれている。実際上そういった方向に持っていきつつある。いま私、土地収用法の問題も話しました。さらに安保条約の六条に基づく収用法の問題も話しました。全般的にいって、そういったものがいまの安保条約に基づいてつくられた土地収用法と比べて、小笠原返還に伴うあの土地問題に対する暫定措置法、これはだんだん地方自治体の権能に関係してくるのです、自治の原則に。すなわち、いま成田空港の収用をやっているのは土地収用法でやっていて、知事が拒否すれば建設大臣がやる。ところが、この安保条約に基づく特別措置法によると、施設局長も起業者とみなされておるし、総理大臣が最後には認定してやるということになる。さらに、いまの小笠原の場合には、直接通知さえすればこの土地は、これによると五カ年間以内は収用されたということになる。こういったことがだんだんだんだん地方自治を狭めていくという、現実にそういった方向へいきつつあるわけです。特に沖繩に関する基地を、そのままアメリカと再契約をして、区域、施設を提供することになりますと、これは当然自治の権能にも関係してくる。へこまされてきます。もしこれが関係しないのだ、これは全国的な観点に立っての安保条約の問題であるというふうな理解が内閣であるとすれば、この沖繩の区域、施設、これを提供させるためにつくられた特別法が全国的に適用されるとなると、いま沖繩基地は核基地であります。これが全土に適用されるというきわめて危険な方向が出てくる。これが一つ。 もう一つは、先に申し上げました琉球政府が沖繩県になる、県庁になる、知事が生まれてくる、この場合に、いま総理府あたりで検討されておる機関でありますいわゆる行政機関、これが中央政府とさらに沖繩県、その間に何か大臣クラスの開発庁みたいなものを置かれる場合には、法律ができなくちゃいかぬ。この場合、現在の琉球政府もこれに反対をしております。自治権が狭められていくおそれがある。県民的な世論なんです。いま二つが問題になり得るのじゃないかということで私は聞いておるわけなんですが、これが基地問題なら基地問題に対するいわゆる軍用地の接収を布令でやられておる。布令で接収され強奪された部面もたくさんあります。ブルドーザーで行ってほんとうに強奪されたこういったものが、引き続き再契約が行なわれないのはもうすでに予想されておるし、その場合当然何らかの法的措置をとるということが明らかになっているので、そういう場合に住民投票によらないということになると、結局この法律は全土にわたって実施されるという、実に危険な返還交渉の内容から生まれる国内法の制定作業だと私は思っておるから、もう一ぺんあらためてその点をお伺いしたいと思うのです。二つですね。
○真田政府委員 先ほども申しましたように、実は具体的な法案の中身がまだきまっておりませんので、断定的なことは申し上げられないことをお許し願いたいと思います。 ただいま開発庁のお話が出ましたが、開発庁につきましても、私のほうではまだ具体的な内容を承知しておりません。かりに開発庁、中間段階といいますか、そういうものが設置されるといたしましても、それはやはり国の機関でございまして、国の出先をどういうふうにするかということでございますから、先ほど申しました憲法九十五条の地方特別法の要件といいますか、その定義に照らしましても、それは九十五条の問題ではない。かりにその開発庁の設置法の中で、沖繩県の権能を法律上ほかの都道府県に比べて削減するというようなことがあれば、それはただいま申しました要件を満たすことになりますので、問題になろうかと思います。 それから、基地と申しますか軍用地と申しますか、その土地の取り扱いについて何らか立法をすることになった場合に、それが特別法に当たるのではないかというお話でございますけれども、これも先ほど申しましたように、実は沖繩県そのもの、地方公共団体そのものに対する措置を内容とする法律とはやはり言えないのじゃなかろうか。したがいまして憲法九十五条の問題ではない。もちろんそれは、その法案の内容についてのいろいろ御論議があろうかと思いますけれども、憲法九十五条の手続を必要とするものではないだろうというふうにいわざるを得ないと思います。
○瀬長委員 それでは施設庁に対して見解をお聞きしたいと思います。これは特に山中大臣がここで発言しておるのです。こういった問題についてはいまの中間行政機関の問題じゃないのです。基地の取り扱いの問題についての特別立法、これができる場合に九十五条とどういう関連があるか、それを防衛施設庁のほうで答弁願いたいし、もう一つ法制局にお伺いしたいのですが、基地問題は、私申し上げましたように、直接沖繩県なら沖繩県に対する問題ではない場合に、これを乗り越えて、地方自治を尊重しなければならぬわけですね。乗り越えていく場合には関係してくるというふうに私は理解しているわけなんです。狭めていきます。そういったような観点に立つならば、どういう法律ができるかわからぬという一応前提ではあるが、すでに小笠原返還方式をもっともっと深刻にしたのがもう予想されつつあると思うのです。この場合には当然問題になり得ると私考えるわけなんです。その点をはっきりさしておかなくちゃいかぬ。いわゆる地方自治、この権能に関係するようなものの立法ができた場合には、当然九十五条に該当するといういまの法制局の答弁を私も了とします。ですからそういった点についてもう一ぺんお話し願えればと思います。施設庁にもお願いします。
○銅崎政府委員 まだ私ども契約拒否の場合の、一時的にその使用権を確保するための暫定措置法の内容をいま具体的なかっこうにまとめ上げておる段階ではございませんが、ただいま真田第一部長からお話がありましたように、そういう法案ができますと、一応法制局のほうに御審議をお願いすることになっておりまして、私どものそういう具体的な案ができました段階におきまして、法制局のほうと十分審議をして慎重に処理してまいりたい、こう考えております。
○真田政府委員 お答えを先ほどの分を繰り返すことになりますけれども、基地の取り扱いの法律の内容によりましては、あるいは地方公共団体にじかに適用があるというものがあるかもしれません。しかしそれが小笠原のときのような話、あるいは奄美のときのような話、ないしは土地等の使用等の特別措置法の附則にあるような話、そういう内容にとどまるものであれば、やはり法律上は地方公共団体のみに適用されるいわゆる地方特別法には該当しないというふうに考えます。 なお、法律の運用につきまして、地方自治の尊重をしなければならぬことは当然でございますが、法律の内容がいま申しましたような要件に該当しないものを憲法九十五条の手続によって住民投票に付するということは、これまた逆の意味で憲法が許さないところであるというふうに私どものほうでは考えております。 なお、つけ加えておきますけれども、今度の沖繩の復帰に伴ういろいろな国内法のうちで、九十五条にいっているような内容のものがかりにありましたような場合にも、もう一つ問題といたしまして、手続上の制約が考えられるという点でございます。つまり沖繩の復帰に伴ういろいろな国内法は、その性質上、沖繩の復帰前に実は制定して沖繩の復帰と同時に施行するという必要があるものが大部分でございます。そういうものにつきましては、制定する時期が実は復帰前でございますので、まだ憲法九十五条にいう地方公共団体というにはいささかやはりちゅうちょするところがある。そこをどういうふうに考えるかということはなお検討を要する問題でございますけれども、復帰前に制定する法律について、憲法の九十五条によって復帰前に沖繩で住民投票に付するということもかなり困難があるのじゃなかろうかという点がありますので、念のために申し添えさせていただきました。
○瀬長委員 いまの九十五条との関連性については、もっと煮詰めなくちゃいけないと思います。いろいろ問題が必ず出てくると私は見ておるのです。 そこで、防衛庁にちょっと簡単な質問をして終わりたいと思いますが、防衛庁が自衛隊調査団を送って、四月二日に帰った段階で記者会見をやっておりますね。これはナイキ、ホーク、AEW、この三班に分かれて調査したということで、記者会見の内容で、ホーク、これは核装備はやっていないことははっきり言っておるが、ナイキについては核装備をやっているようなニュアンスの記者会見をやっておりますが、防衛庁これに対してはっきりしたお答えができますか。ナイキについては、この見解は、いわゆる弾頭は同じだったということで、核装備の問題は、ホークは否定しておるにかかわらずナイキは否定しておりません。ですから、せっかく国費を使って調査に行ったわけなんだから、この問題は非常に重視されております。沖繩県では。その点についてはっきりした御答弁をお願いしたいと思います。調査結果についての特に核装備の問題。
○大村委員長代理 瀬長さん、御質問ですが、防衛庁を呼んでおらぬものですから……。
○瀬長委員 それではこれは次の委員会に譲ることにして、きょうはこれで質問を終わりたいと思います。
○大村委員長代理 安里積千代君。
○安里委員 私は特に第二次要綱の中の精神障害者の扱いの問題についてお聞きしたいと思うのでありますが、その前に第二次要綱からは沖繩の基本的ないろいろな重要な問題は抜かされまして、抜かすというよりは第三次要綱に回されておるようでございます。そこでまずお聞きしたいのは、第三次要綱はいつまでにはできる見通しのもとに作業を進めておられますか。その見通しについてまずお聞きしたいと思います。
○岡部(秀)政府委員 第三次要綱を、目下盛んに税制等をはじめ郵政その他関係の方面と検討いたしております。その他いろいろな問題がまだございますけれども、大体五月末あるいは六月の時点を目安にいたしております。これは事務段階での考え方でございますから、あるいは変更があるかもしれませんけれども、ここで諸問題を検討いたしまして、復帰協定ができましたところでまたいろいろと——復帰協定が結ばれないとその結果を出せない問題があります。復帰協定を結んだところで具体的になるいろいろな問題がありますので、大体そこで一まとめをいたしまして第三次要綱を出していきたい、事務当局といたしましてはそのように考えております。
○安里委員 私が関連してお聞きしたがったのはその点であります。第三次復帰対策要綱というのは事務段階においては五月、六月を見通しの上で作業を進めておられる。問題は、対策要綱の中にはおっしゃるとおり返還協定の相関連するものがあるし、返還協定ができることを前提にしての対策要綱になってくると思います。 そこで、いまのお話からしますというと、少なくとも事務当局の段階においては返還協定も大体六月をめどにアメリカとの間に結ばれる見通しということで、この点は外務省関係とももちろんいろいろ連絡をとられてのことだと思いますが、返還協定も六月ごろまでには見通しがついておるというような立場でございましょうか。それともそれとは何ら無関係に、ただ対策庁の単独の立場からの見通しでしょうか。
○岡部(秀)政府委員 対策庁だけでできる問題はなるたけ早く詰めていきたいと思っておりますし、それの用意ができておりましても、一括いたしましてやりたいと思うものですから、返還協定ができましたところで問題が具体的になったところのものを検討して、そしてそれとあわせて決定をいたしたい、事務当局としてはそのように考えております。
○安里委員 返還交渉とは関係なく、いまの第二次要綱から抜けましたところの重要な基本的な問題沖繩の行政機構の問題、先ほどもちょっと出ておったようでありますが、開発庁方式とか、あるいは沖繩に対します総合的な出先機関等いろいろな問題もありますし、それに対する沖繩県の自主性を失わない線というような要望も出されております。その基本的な行政機構の問題はどの程度の成案を得、また皆さん方の方針をきめられておりますか。
○岡部(秀)政府委員 開発庁の問題と出先機関の問題につきましては、大体の構想を琉球政府の方々にお話し申し上げまして、検討をいただいておりますような状況でございますので、その検討の結果等を見まして、国のほうとしてどのように対策を進めていくかということを考えております。
○安里委員 お話しからしますと、まだそう確たる自信を持って進められておるという段階には至っておらないわけでありますね。
○岡部(秀)政府委員 琉球政府ともよく話し合って進めていきたいと思っております。ただ、これについて、先ほど御指摘がありました点で、何か沖繩では、それで沖繩県の諸権限を取り上げたりあるいは削除したりするというふうにお考えになっておるというので、実はびっくりいたしたのでございます。もしそういう御認識なら、なるほどなかなか問題があるし、断固反対をせざるを得ないということになると思うのですが、しかしこれはひとつよく理解をしていただきたいと思うのです。 沖繩県が復帰をいたしまして、先ほどもいろいろ御要望等があり、私たちのほうからもお話を申し上げたのですけれども、沖繩県はこの二十五年間の格差をなるたけ早く取り戻していかなくちゃならぬと思うのです。ところが本土の諸県はどんどん県民所得等も上がっていきますし、施設等もできてくるわけですから、これがおくれたままでいくと、この格差はいつまでたっても一緒にならないと思うのです。そういたしますと、沖繩としてはほんとうにかけ足で格差是正をやっていかなくちゃならぬと思うのです。ところが実際この問題で、私たちが県におりましたときに、県の実情を中央に訴えたり関係方面に訴えたりしますけれども、特殊事情というものは相手もまたなかなか理解をしにくいものでございます。しかも沖繩の格差の是正ということは、各省それぞれの面で特別に例外を設けてそれを手厚くするという問題ですから、なかなかむずかしい問題でございます。もしそれを理解するといたしましても、それは例外じゃないか、そういうことを何で特別に一つの県だけにやる必要があるのか、こういう観点に立つわけです。そのとき、この二十五年の間のおくれ、沖繩の実情から、格差の是正をやっていくのには沖繩県としてはなみなみならぬ努力をしなくちゃならぬと思うのです。しかもそれについては先生方のお力というものを大きく発揮していただかなくちゃならぬと思うのです。それについて私たちはそのお手伝いをしようということなんです。中央にあって、あるいはまた現地にそれぞれの機関、国の出先機関があって、現状をよく把握し、それを開発庁というふうな役所に連絡をして、沖繩の実情、特殊事情はこういう状況だから、ぜひとも本土の各省の人たちに理解をしてもらいたい、そして格差の是正を一日も早くしてもらって、各県と同じになり、沖繩県が復帰したことによって日本の国全般の力を増すのだというふうな仕事がこれからの仕事だと思うのです。それについて私は、どうしてもそういう手助けをし、理解をする窓口、そういう世話をするものがぜひ必要だと思うのです。それを沖繩の人たちが、これは自分らの権限を圧迫するものだとか削除するものだとかいう考え方は非常に大きな間違いだと思うのです。その点はさらに率直に申し上げまして、実際に本土の各県の人たちが予算のときあるいはその他の開発計画をいたしますときに、どれだけ苦労をいたしておりますか。そしてそのときに非常に有能な人でも、最も力のある人でも、もっと力を貸してもらいたいというふうなことを思うのか現実なんですね。私たちは実際そういう中で地方の行政をやってきましたので、身につまされておりますので、ひとつその点は沖繩の人たちもよく理解をしてもらいたいと思います。
○安里委員 対策庁は私の質問をだいぶ拡大されてお答えをおっしゃっておりますが、それはそれでよろしゅうございます。 時間がありませんから、対策要綱の中にあります県知事、立法院の議員は、復帰時における行政主席、立法院議員を県知事あるいは県の議会の議員とみなすというふうに示されております。そこでそのことについてお伺いしたいのでありますが、立法院の議員も行政主席も任期はことしの十一月であります。そうしますと、この要綱を見ますと、二つの場合が考えられるわけであります。つまり、アメリカの施政下におきまして、十一月が任期でありますので、当然十一月に選挙が行なわれる。その選挙の結果生み出されたところの行政主席、立法院議員、これが復帰の段階におきまして、次の選挙が行なわれるまで知事あるいは県会議員とみなす、こういう考え、見方が一つこれから出てきます。もう一つには、十一月からの、いま予想されております、たとえば四月一日復帰だということになりますと、十一月の選挙にするとあと任期が四カ月しかない。したがって、この任期を延長して、延長した姿において復帰時においてこれをみなす、こういう二つの考えが出てくるわけであります。そこで、どういう構想のもとに、この復帰要綱の第一にありますところの復帰時点の、行政主席及び立法院議員を知事または県会議員とみなすというふうに考えておられるのでありますか。その点どういう前提のもとにこの要綱が示されておりますか。質問の要旨はわかりましょうか。
○岡部(秀)政府委員 これで布令を改正して、それでずっと任期が来ましても、任期延長ということでいくわけですね。ずっとまいりまして、四月なら四月までいくということになりまして、あとただ五十日以内なら五十日以内、三十日以内なら三十日以内に選挙をするということをやりまして、そこで初めて新しい知事なり県会議員が出るということになるわけでございます。
○安里委員 そうしますと、いまの答弁からいたしますと、十一月には選挙は行なわずに、そして復帰時期においてこれをみなす、こういう御趣旨に承りました。 そこで二つの疑問が出てくるわけですが、そうしますためには、これはアメリカの大統領の布令のもとにおきます琉球政府であります。そうしますと、その任期の延長というのは、日本政府の対策要綱によりましても、アメリカ側との了解ができなければこれはできないわけです。その了解というものはついておるわけなんですか。 それからもう一つ、いまのような場合に、おそらく残任期間というものは、四月ならばあと四カ月しかないんだという前提に立っておられるようでありますけれども、もしこれが復帰の見通しというものがあるいは四月じゃない、あるいは七月じゃない、場合によってはもっと延びるかもしれない、返還協定のあれによりましては。そうしますと、相当長期にわたってこれが延ばされなければならない、こういうことになるわけでありますけれども、そういった点どうですか。
○岡部(秀)政府委員 これは米国側との折衝に直接当たっておりませんけれども、先般琉球政府からの正式書面も関係の方面に提出をされました。外務省といたしましてはその折衝をただいま米国とやっておると聞いております。そしてそれは、伝え聞くところですから確かであるかどうかは別でございますが、私の伝え聞くところによると、前向きで検討するというふうな状況になっておるという状況でございます。
○安里委員 それは非常にあぶないのですよ。アメリカがもし了解をつけなければ当然十一月には選挙が行なわれます。そうしますと、これは時期を失いますと非常に混乱を来たすことになるかと私は思うのです。そこで、アメリカの布令によって残任期間を延ばすというようなことも、本土から言いますと、施政権返還前においてはわれわれはやりたくないという気持ちもあるわけです。ということは、同じく外交交渉をする場合、アメリカの了解を得なければならぬ問題だとするならば、もう一歩進んで、もう復帰することが四月にきまっているとするならば、もうあとわずか数カ月しかない。そこで十一月の任期切れにおいて、もうすでに日本に復帰する、施政権が返還される、地方自治体になるという前提のもとに十一月において知事となるべきものを選挙して、県会議員となるべきものを地方自治法のあるいは公職選挙法の趣旨に従って選挙をして、その選挙された者を復帰の時点からはいまの自治法によるところの知事あるいは議会議員とみなす、こういったことがむしろ復帰に対しまする、施政権の返還に対しまする現実の問題として、また民意を正しく尊重するというような意味におきましても正しいのではないか、民主的じゃないか。そこで、いまの任期を延ばすという場合でもアメリカの了解を得なければならぬ。そしていまの十一月、むしろ四月以降において復帰後における知事、議員を選挙するということもやはり対米折衝によってしかなされません。同じく対米折衝しますならば、前向きにそういったことも考えるべきではないか。そういったことを考えられたことはないかどうか。
○岡部(秀)政府委員 方法として、先生おっしゃるように、そういう一方法があると思います。そのいずれの道をとるかということは、琉球政府及び立法院がおきめになるわけでございまして、その点、ここで選挙を延ばすということにみずからの意思としておきめになってアメリカと折衝されておられるということでございますので、それもまたけっこうだと思います。
○安里委員 それは琉球立法院、琉球政府にまかす、本土政府とされましては。これは琉球政府が折衝してもおかしいのです。当然これは受け入れるところの本土政府において外交問題として考えるべきであって、琉球政府、琉球立法院が考えるべき問題だというようなことは筋が違うのではないかというふうにも思うわけでありますけれども、きょうの新聞によりますと、行政府から任期を四月まで復帰まで延ばしてもらうという趣旨の要請をしたようなことがちょっと新聞にありましたが、それは総理府の対策庁には参っておりますでしょうか。
○岡部(秀)政府委員 私はまだ見ておりません。
○安里委員 もう一つ、これも少しお聞きしたいと思いますが、琉球政府から要請されたもののうちで、まだ第二次要綱に入れられませんでした電力会社の引き継ぎの問題、引き継ぎ後におきます電力供給の問題というものは次に回されております。もちろんアメリカとの折衝の話において資産の引き継ぎの問題もあろうと思うのでございますけれども、復帰後における、引き継ぎにおける経営、運営の方法につきましては、いまいろいろな策謀といっては語弊があるかもしれませんけれども、あるいは利権的に動いているのではないかというような感を受けるようなものもありまするけれども、この問題に対しましてはまだ対策庁としては方向をきめていませんか。 もう一つ。この問題は対策庁だけの問題ではなくして、通産省にも関係があると思うのでございますけれども、そことの連絡と申しますか、連携、方針と申しますか、そういったことにつきましては話が進められておりましょうか。あるいはまたどの程度これをいま見通しになっておるか。
○岡部(秀)政府委員 五社でいろいろな案を立てておられる。相当具体的な案を立てておられて、そしてそれについて、金融の問題、税制の問題あるいは価格の問題等いろいろな案が出ているようでございますが、これは何といいましても、引き取りのほうの、外務省のほうの折衝問題と、あとをどのようにするかというふうな問題が確定いたしませんと、私たちのほうでも案の立てようがございませんので、それをもっぱら促進をいたしておりますし、また、われわれでお力になるような点がありますれば検討いたしたいと思っております点でまだ結論にいたっておらない、そのわれわれが検討をするところの案までにもまだ確実になってきておらないという状況でございます。
○安里委員 この問題は、私はいまお聞きしようとは思わなかったのでありますけれども、電力の一元化の問題は基本的に考えなければならぬ問題だと思います。ところが、琉球政府から第二次要綱に対する要求として出されておる案も御存じだと思いまするけれども、あの案は、私自身非常に疑問を持つ点であります。そういう点から対策庁としても琉球政府の要求にはちょっと二の足を踏んでおるのじゃないか、こう思いまするし、私もその点はたいへん疑問に思う点であります。 この問題は、将来の沖繩の産業開発の問題もいろいろ関係してくる問題でございますので、慎重に検討していただきたい。その場合に、単に通産省の関係だけにとらわれずに御配慮を願いたいと思います。 そこで、もう時間もございませんので、最後に一つだけ。 第二次復帰要綱の中におきまして、結核並びに精神病疾患者に対しまする問題が載せられております。これに対しまする公費負担という問題もあげられております。この点は、沖繩における精神病対策などにつきましては、法規の上ではむしろ本土のほうよりもまさったものがあるのじゃないかと思っておりますが、問題は、いまの公費負担という問題もあげられてはおりまするけれども、沖繩の特に精神障害者の実態につきまして対策庁としては実態を握っておられますかどうか、まずその点から……。
○岡部(秀)政府委員 精神衛生関係で、これは私たち見ておりますと、一九六六年の実態調査の結果ですが、精神障害者が二万三千百四十人おられる。そのうち、要入院患者数が三千八百二十六人で、外来治療及び指導を要する患者が一万九千三百十四人、こういう状況であって、そしてこの精神障害者の有病率が非常に高うございます。沖繩は人口千人当たりで二五。七人というのが、本土では十二・九、二倍でございますね。非常に憂うべき状態だと思いますし、また、その病床数を見ましても、これは千三百五十四床ございますが、人口十万人当たりで見てみますと、沖繩は一三七・七、本土のほうは二一〇・〇、この差も非常に大きい。これはひとつ何とかせなければならぬと思います。 それから結核状況を見ますと、一九六八年九月の調査の結果でございますが、登録されております患者数が一万八百七十四人、うち入院患者数が千四百六十八人で、在宅患者数が九千四百六人。これもまた結核病床数で見ますと、人口十万人当たり、沖繩が一〇〇・九床に対して本土は二〇四・〇床、これも非常に大きいと思うのです。これはやはり何とか対策を立てていかなくてはならない焦眉の問題だと思っております。
○安里委員 いま、沖繩問題がよく論じられるときに、経済的発展とか経済開発というようなことが非常にはなやかに表にあらわされております。しかし、いま御指摘になりました実態というものは、政治の場から忘れられてはならない重要なる問題だと思います。等に、いまの精神病の疾患者の問題も、万人当たり本土の倍以上もあるという実態は十分考慮しなければならぬ問題だと思います。 そこで、どうするかという問題でございますが、もちろん法のたてまえは、地方自治体、県がまず第一次的なそれに対する配慮を払わなければなりませんけれども、このような沖繩の実態を来たしたということは、私はやはり沖繩が戦争の惨禍を受けたということと決して無関係じゃない、このように思うわけであります。 そこで、私は結論として申し上げたいのでありますが、こういうことに対しまして国立の精神病院を沖繩に設けるという積極的なお考えがあるかどうか。これを単に地方自治体の責任だ、あるいはまた、いろいろな費用の公的負担で済ませばいいとお考えになっておるのか。本土におきましてももちろん等殊な地域に国立の病院がございまするけれども、沖繩のような特殊な事情なもとにおいては国立の精神病院を置くべきだと思う。置くだけの考えがあるかどうか、その点を明確にお答え願いたいと思います。
○岡部(秀)政府委員 沖繩の医療関係は全般の問題に関係すると思います。そういう点で総合的に、これは結核一つ、あるいは精神衛生一つを取り上げるのみならず、私は、これは沖繩の医療対策として積極的にやっていく必要があると思うのですが、現在の政府立の病院、それから診療所、保健所というふうなものをやはり要所要所に充実をして、そうして政府立病院と診療所が密接な関係を持っていくことができるようにしなくてはなりませんし、一方保健所というものがあって、疾病の予防、宣伝、そういう面に力を注いでいくという面でこれの系統的な整備、設立というものをまず一方で考えていかなくてはならないと思います。 それからまた、一面、本土へ学生を奨学金で派遣をいたしております。この人たちの数もできるだけ多くいたしたいと思いますし、それから、この人たちがせっかく勉強しても帰ってこないのではいかんともいたし方ないと思いますので、この人たちを極力帰すようにするのだけれども、本人たちから言うと、その教育センター的なものがないものですから、これは帰ってもいたし方ない、受け入れ体制ができておらない、こういう状況がございますような次第であります。病院の臨床研修というふうなものが全然ないという状況です。それからまた、帰ってきてお医者さんをやるにつきましても、お医者さん以前の保健婦とか看護婦とか、あるいはエックス線技師とか、そういうふうな人たちがないので、お医者さんひとりではどうにもならない、こういう問題もある。この点の一つの解決策として、琉大に保健学部を設けてあるというのは実はそういう点で、そういう面での受け入れ体制というふうなものにも力を入れていこう、こういう点を今度の復帰対策要綱でも一つの手を打っておりますような状況でございます。 そういう面て総体的に医療問題に手を入れていかなくてはならぬと思いますが、特に精神衛生の面と結核衛生の面については、御要望のように、何らかひとつこれは、できればやはりそういう病院を専門的に置くか、あるいは総合的な病院と関連せしめるか、いずれにいたしましても、私はこれは手を打たなくてはならぬ問題であると思います。
○安里委員 私は簡単にお聞きしておるわけなんです。もちろん、いまの一般的な病院の問題もございまするけれども、精神病院というものは特殊な一つのものでもございます。そこで、いま沖繩におきましては政府立の病院また公立の病院、二つありますが、問題は、復帰後におきまして、これをそのままに、県の責任において、県立病院なら県立病院という形で使用するのか、そのうちの一つでも国立として設けるということが一このような本土にはないような患者がおられる、しかもまた、非常に離れておる沖繩の地域であります。そこで国立の精神病院というものを設けるところの方向を考うべきじゃないか、その考えがあるかということをお聞きしておるわけです。そしていまのお話の中からうかがわれますのは、どうも医師の問題というものが非常に隘路があるということでお答えがそらされて、それがあるがために、国立の病院をつくることはちょっと無理だというような感じを私は受けるわけなんですけれども、しかしその問題とは別に、国立の病院をつくるということを方針としてなさるべきじゃないか、それが、いまのような沖繩の特殊な事情の中において、また現状の中において、経済発展やいろいろな問題よりも大事な問題じゃないか。この大事な問題が第二次の要綱から漏らされておりますので、第三次の場合におきましては、国立病院を設立するという方向をぜひとも実現をしていただきたい。これは私は沖繩側の強い要求だと思う。ほんとうに沖繩の要求というものをいれてやるだけの配慮がありまするならば、私はこの問題は真剣に取り組んでいただきたいと思うのですが、医師の数の問題、これはたとえば琉大の場合でも同じはずです。教授の人材が沖繩に得られない。その場合においては、本土政府としては何十人かを琉大に派遣するということも考えられておるわけですから、同じようなことで、医師の不足の問題というものは、この隘路はまだ他に考えることができるはずであります。問題は国立の精神病院を本島に持って、そして県立と相合わして沖繩のそういった対策に当たっていくという方向を持たれるお考えがあるかどうか、それだけをお聞きしたいと思うのです。
○岡部(秀)政府委員 国立の病院をつくりたいということを山中長官は……。その意図を漏れ聞くところによりますと、第二次復帰対策要綱を閣議決定いたします閣僚協議会のところでそういう希望を漏らしたということをお聞きいたしておりますので、大臣の御意図も私たちはっきりしておるように思います。いろいろ問題ありましょうが、私ども事務当局といたしましても、その方向に沿うようにひとつ検討いたしたいと思っております。ただ、第三次復帰要綱で出るか出ないか。むしろこれは長期に計画をすべき問題ですので、復帰対策の要綱というところよりは、振興計画の中でつくっていくべき問題だと思います。
○安里委員 これは振興計画の中で云々ということは、どうもちょっとうなずけませんけれども、しかし山中長官の御意向もそうだった。だが四月初めの沖繩現地の新聞の東京通信によりますと、どうも医師の獲得ということに隘路があって、非常に消極的になっておるというような報道が現地の新聞になされております。こういう医師の問題が隘路だということで大事なこの問題を、ただこのことのために——この問題の解決はほかの方法があるはずなんです。そのことによってこの大事な問題が除かれるということ、あるいはまたいろいろほかのほうの一部として取り扱われるということは、どうもわれわれの意に沿わないものだと思いますので、その点前向きに積極的に対策庁長官として考慮していただくようにお願いを申し上げまして、終わります。
○大村委員長代理 次回は、来たる二十二日午前十時理事会、十時三十分委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。 午後零時五十四分散会