沖縄及び北方問題に関する特別委員会 第7号
- 発言数
- 110 件
- 登壇者
- 16 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1971/03/23
会議録
○池田委員長 これより会議を開きます。 沖繩及び北方問題に関する件について調査を進めます。 この際、沖繩復帰対策の樹立に資するため、先般本院から沖繩に派遣されました議員の視察概要について、小平忠君より発言を求められておりますので、これを許します。小平忠君。
○小平(忠)委員 先般の衆議院沖繩派遣議員団を代表して、私から沖繩の復帰対策の樹立に資するための視察の概要を申し上げます。 当派遣議員団は、当委員会の委員長池田清志君を団長として、当委員会の理事安井吉典君、宇田國榮君、鯨岡兵輔君、山田久就君、大村襄治君、豊永光君、中川嘉美君及び私の九名で構成され、現地より沖繩選出議員安里積千代君、瀬長亀次郎君、國場幸昌君、西銘順治君及び上原康助君の参加を得て、三月六日より九日まで四日間にわたり、沖繩の現地事情視察を行ないました。 沖繩県民の多年にわたる悲願であった祖国復帰を明年に控えて、県民が心から復帰の喜びを味わい、安定した県民生活を確保できる新しい沖繩県づくりの方途について、政府はそのすみやかな確定をはかる必要があります。沖繩県民は、いま、本土政府が復帰対策要綱その他で具体化しつつある施策の動向を凝視しているものと見受けられます。 派遣議員団としては、県民が期待する施策は何か、またいわゆる復帰不安が県民各層にわたりいかなる状態にあるかを見定め、本土国民と政府の果たすべき役割りを明らかにすることにつとめてまいりました。 以下、派遣議員団が沖繩滞在中、フィアリー民政官、屋良琉球政府行政主席、星立法院議長、平田高裁首席判事をはじめ、沖繩各界の代表と懇談し、各地を視察した結果について所見を申し述べたいと思います。 第一は、施政権返還協定交渉関係についてであります。 沖繩県民は、この協定調印の影響は、県民みずからの将来にかかわる重大問題として深い関心を示しております。特に地位協定の適用、請求権の取り扱い、米国管理資産の引き継ぎ、米系外資企業の扱い、裁判の効力、その他協定の具体的内容が明らかにされないで、県民意思の反映されないままに日米間の交渉が進展することには、大きな不安と不満があり、内容を明らかにしつつ交渉に当たって、沖繩の返還が円滑に行なわれるよう要望しているので、政府はこれらの点について適切な配慮を行なうべきであります。 返還協定交渉に関しては、一、米軍管理資産の引き継ぎにあたって、施政権者が民政上、当然に措置すべきもの、沖繩住民の対価支払い等に基づく公社などの資産増加分、県民に贈呈するとした琉球政府の庁舎などについては、対価を支払うべきではないという考えが強い点を政府は留意する必要があります。二、軍用地問題は、沖繩県民の特別の関心事であり、これに関連する複雑な諸問題に対処する外交上、内政上の具体的措置について、政府は特に遺憾のない配慮を要するものがあります。 また、返還準備に関する現地業務はきわめて複雑多岐にわたっており、しかも通貨の交換、軍用地の契約などに見られるように、返還の時点を中心にして、集中的に処理しなければならないものが多いと認められるので、これに対処するため、十分な体制をあらかじめ確立しておく必要があると認められます。 第二は、暫定特例措置についてでありますが、政府は、さきに第一次復帰対策要綱を発表しましたが、これが、復帰後の県民生活及び産業活動に重大な影響を及ぼすものであるために、県民は、そこに掲げられてある事項について真剣に検討していることが現地各界との懇談を通じて理解されました。県民生活の安定の見地から見て、要綱のいう「所要の措置」とか「必要に応じ」などの表現すらも、県民はそれを現状との対比において考え、またこれに触れられていない事項についても、それがいかにあるべきかについて英知を結集して、要請すべき事項の選択に当たったことがうかがわれます。したがって、政府は、琉球政府と適切な連絡を保ち、現地各界の自立への協力を促進するべく格段の努力をいたされたいのであります。 特に物価対策及び既存企業の保護育成等の立場から、県民は現行税制なかんずく間接税、及び輸入制度の復帰後のあり方について深い関心を示しております。よって、政府は、復帰を機として制度の激変により県民生活または既存企業に対し不利益をもたらすものに関しては、これに項目の検討を加え、必要な暫定措置または特例措置を講ずるよう適切な配慮を望みたいのであります。 また、現行の琉球政府行政主席及び立法院議員は、復帰の時点でこれを沖繩県知事及び県会議員とみなす措置をとり、司法制度上は、沖繩の特殊性にかんがみ、沖繩に本土の高等裁判所の支部を設けることが適当と認められます。 さらに、今日までの間、沖繩県民が解決を待ち望んできた問題、たとえばつぶれ地補償、宮古旧日本軍飛行場用地の返還、旧漁業権の補償など、各界との懇談において提示されましたこの種の事項に関しまして、政府は、すみやかにその実情の掌握につとめ、適切な処理方針を確立するよう望みたいのであります。 第三は、沖繩の振興開発についてでありますが、沖繩現地におきまして多大の関心を集めながらその意見の一致を見ていないものに、沖繩の振興開発に当たる行政機構の問題があります。派遣議員団は、琉球政府行政府並びに立法院に対しましても意見の取りまとめを急ぐよう助言いたしました。沖繩の振興開発を総合的かつ積極的に推進するため国の総合行政機関を設置すべきであるとの有力な意見があるが、県民自治に国が不必要な介入をすることをおそれる意見もあるので、この点について政府は、現地と十分に意見の調整をなし、誤解と不安の解消につとめるべきであると思われます。なお、金融面において総合開発金融公庫のようなものを設置することが適当と認められます。 新全国総合開発計画の中における沖繩の位置づけに関しては、県民は、いわゆる沖繩ブロックとして、沖繩の特殊性を生かした豊かな県づくりに、わが国の国力相当の開発を期待しております。県民は、これまで貿易収支の二億ドル以上の赤字を補ってきた基地収入が米国のドル防衛政策を反映して先細りとなり、同時に、沖繩の労働市場の狭隘さによって生じる過疎化の進行を憂えているものと思われます。このような動向に対処するために、積極的な産業基盤の整備、立ちおくれた社会資本の充実、フリーゾーンの設定、立地企業の優遇などに関して、それらを適切なゾーニングに基づいて促進していくことが望まれます。 沖繩の振興開発の施策を策定するにあたって、政府は、所要の基礎的調査に基づいて、真に沖繩の特性を生かした開発の構想を提示されるよう望むものであり、特に派遣議員団が現地視察の間に聴取した水資源の開発、道路、港湾の整備、臨海工業地帯の造成、観光資源の開発、都市計画、市町村合併の促進、その他の要請については、これらに総合的な調整を加え、豊かな沖繩県づくりに反映するよう配慮を望みたいのであります。 第四は、当面の諸問題についてであります。 その一、毒ガス撤去の問題に関しましては、派遣議員団は、まず琉球政府からその意見を聴取いたし、視察の際に第一次輸送のコースについて、天願桟橋から知花弾薬庫までの道路を視察いたしました。そして、提示されている七つの案に関して、工事に必要な期間、経費などの概略を聴取いたしました。このあとでフェアリー民政官とも会談し、米側の感触にも触れ、屋良行政主席の言うとおり、近いうちに輸送コースの選択を終わらねばならないと考えられるのであります。問題は、安全性の確保に関して十分な配慮をなすべきであることと、それらに関して関係地域住民の納得を得るため適切な措置をとる必要があるものと認められます。輸送のコースが新規のものとなる場合には当然に経費の問題が考えられるのであります。本件に関して、日米琉三政府の当事者は、沖繩県民の毒ガス問題に対する関心に十分な思いをいたし、この問題の解決に対処することを期待したいのであります。 その二は、全軍労問題に関してでありますが、全軍労は生活保障のない解雇は反対であり、雇用対策のない解雇は撤回を要求するとの基本的態度を貫いており、二月及び三月に連続四十八時間にわたるストをいたしました。全軍労は詳細な資料を提示して、離職者対策の早期確立と解雇予告期間の延長などを求めており、かつ、みずからは退職金の一部提供による離職者事業団の構想を進めていることを明らかにいたしました。 琉球政府は米側に対し、離職者が再就職できるようになるまでは大量解雇を行なわないよう要請しておりますが、米軍は、国防予算の削減を理由に解雇を行ないながら、一方では第二兵たんなどで募集を行なうなど、沖繩にある米軍相互の調整にも問題があると思われます。したがって、これらの矛盾を解決するためにも、間接雇用制度への移行が望まれるところであります。 また、コザ市の基地周辺業者は、B52の撤退以後、米軍人、軍属などの利用が急速に減少した上に、全軍労ストによる打撃をまともに受けており、倒産の不安にさらされておりますので、何らかの救済措置を急ぐ必要があると思われるのであります。 以上が派遣議員団の所見であります。短期間の日程で北部、中部の実情に触れ、多方面にわたって、復帰を目前にした切実かつ貴重な意見を聴取することができましたことは、まことに実り多い視察であったことと考えます。今回の視察にあたって、終始派遣議員団のために御協力を賜わった各方面の方々に深く感謝申し上げるとともに、持ち帰りました多くの資料を活用いたし、円滑な祖国復帰の実現と豊かな沖繩県づくりに向かって、一そうの努力を払う決意であります。 なお視察日程及び現地における各界代表との懇談の内容につきましては、衆議院沖繩派遣議員団報告書として議長に提出いたしておりますが、特に特別委員会の今後の調査には参考になると存じますので、これを会議録に掲載するなどの方法を、委員長において特別に講ぜられますように要望いたしたいと思います。 以上であります。
○池田委員長 以上で終わりました。 なお、ただいま小平君から御要望のありました報告書の会議録掲載につきましては、委員長においてしかるべく取り計らいたいと思いますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○池田委員長 御異議なしと認めます。 ————◇—————
○池田委員長 この際、理事辞任の件についておはかりいたします。 理事山田久就君、豊永光君及び安井吉典君から理事辞任の申し出があります。これを許可するに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○池田委員長 御異議なしと認めます。よって、許可するに決しました。 ただいまの理事辞任に伴う補欠選任につきましては、先例により、委員長において指名するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○池田委員長 御異議なしと認めます。よって、委員長は理事に、床次徳二君、箕輪登君及び中谷鉄也君を指名いたします。 —————————————
○池田委員長 沖繩問題に関する件について質疑の申し出があります。順次これを許します。國場幸昌君。
○國場委員 外務省にお尋ねいたします。 沖繩返還協定の米国側の国内手続について、米国政府から、上院の三分の二の賛成を必要とする条約方式に決定したことを、正式に通告してきたようでありますが、これで返還協定は日米両国のおのおの議会の承認を経て発効することが本ぎまりとなったわけであります。そこで、外務大臣のほうからは、再三にわたって、返還協定の作成作業はきわめて順調であり、五月中旬ごろまでには日米間で調印される見通しであり、その内容について沖繩県民の納得のいく形になるようにすると説明されております。米国側は、米国議会での協定承認案件の提出を急ぐため、協定の早期調印を望んでおるという説明が、前回の本委員会でも外務大臣より説明がありましたが、日米間の折衝は今後急ピッチで進めなければならないと思いますが、調印に至るまでの今後の日米交渉のスケジュール、見通しなどについて外務省の方針をまず承っておきたいと思います。
○井川政府委員 仰せのとおりに、確かにアメリカから、この協定を上院に提出してその承認を求めるという通告が参っております。また外務大臣もしばしばここでおっしゃっておりましたけれども、何とか夏までにまとめたいとおっしゃっておりますし、最近外務大臣は特にそのピッチを早めたいと御指示を私たちも得ているわけであります。ただ、こういう交渉案件でございますので、これは外務大臣の御決心かあるいは上層部の御決心一つでございますけれども、私ども事務屋といたしましては、何をどこまでに片づけて、いつ調印するというようにスケジュールというものをはっきり立ててやるということは、なかなかむずかしい仕事でございます。外務大臣の御命令によりまして、特にこういうことを申し上げてなんでございますけれども、四月に国会のほうもお休みになるということを伺っておりますので、そのときになりましたら、私どもねじりはち巻きで何とかするように外務大臣から御指示を得ておりまして、四月に入ってできるだけ早くやろうということでございますけれども、それならば一月でできるか二月かかるかというようなことは、私どもとしてなかなか目算も立たないわけでございます。
○國場委員 わかりました。 沖繩返還に対する米国議会内の空気は、一般に佐藤・ニクソン会談による日米共同声明を支持する機運が強いといわれておりますが、返還後の在沖繩米軍基地の機能低下を心配する意見や、米系企業の権益保護、米国資産の有償引き継ぎ問題などで、米国側の有利な取りきめを主張する声も強いということが伝えられております。さらにまた、ロジャーズ国務長官は沖繩返還に悪影響を与えないとは言っているようでありますが、日米繊維問題に対する不満が議会に反映することも予想されるところであります。そこで、外務省にお尋ねしたいのでありますが、このような米国側の国内事情から、米国議会の審議への悪影響を考慮して、日米間で開きのある協定内容について、日本側の譲歩を強く求めてくることも予想されるわけでございますが、調印を急ぐあまりに、重要案件について譲歩を重ねるようなことがないかどうか、そのようなことがあっては困ると思いますが、外務省並びに大蔵省の覚悟のほどをお聞きしたいわけでございます。
○橘説明員 外務省としてのお尋ねでございましたので、お答え申し上げます。 沖繩返還につきましては、先生のおっしゃいましたとおり、基本的な線で一昨年のニクソン・佐藤共同声明で、七二年の返還、それから本土並み核抜きという原則がきまっております。したがいまして、そういう基本的な規定の中で、ただいま返還の具体的な交渉を進めている次第でございます。 先生もおっしゃいましたとおり、繊維の問題と沖繩の問題とは別のものでありまして、アメリカ側でも影響はないと申しております。私どももそう信じております。したがいまして、日米間の折衝は、従来のとおりわが国の国益、沖繩の方々を含めての日本全体としての利益という立場から交渉を貫く、進めていく覚悟でございます。したがいまして、特に急いで譲るとか、そういうことは絶対にいたさないつもりでございますので、御安心を願います。
○前田説明員 大蔵省のやっております資産の引き継ぎ交渉につきましても、返還協定の一環といたしまして、ただいま外務省からの御答弁のとおりでございまして、私たちも十分国益というものを考えてやっていきたいと存ずるわけでございます。ただ、日米間の交渉の公平な解決をはかるためには、やはり引き継ぎ資産全部をただでというわけにはまいりませんけれども、あくまでもこちらが支払いたいというわけじゃございませんので、交渉に臨みましては、できるだけ国益に合致するように心がけていきたい、こう存ずるわけであります。
○國場委員 その姿勢でひとつがんばっていただくことを希望します。 われわれ沖繩県民としては、復帰を間近に控えて、いまだ返還協定の内容が明らかにされていないということについては、実際のところ強い不満を持っておることは否定できないところでございます。また内容を知り得ないということがますます疑心暗鬼の状態をつくり出しているということでございますが、このような不安感を抱くことに対しては、関係各位におかれましても、人情のよってしからしむるところとして十分に御理解いただきたいものだと考えます。外務大臣としましても、交渉中の内容については、相手のあることでもあり、煮詰まらない段階で公表することはできないが、沖繩県民の納得のいく形になるよう最善の努力を払う、とたびたび言明されており、われわれとしましても、国家間の交渉という困難な立場を理解しないわけでもありませんし、不満を持ちながらも、期待する成果をあげていただきますよう全幅の信頼を寄せているわけでございます。 そこで、外務大臣をはじめとする御努力に対して疑問を持つわけではありませんが、日米間で利害の対立する案件に対して、アメリカ側の要求がかなり強く出された場合、どの程度沖繩県民の納得のいく形になるのか。またもし、外交上の配慮や協定を円滑に進める上でアメリカ側の主張をある程度認めるほうが得策であると判断される見通しのものがあるのであれば、差しつかえのない範囲内で外務省の方針をお聞かせをお願いしたいわけでございます。
○橘説明員 外務省といたしましては、先ほど申し上げましたように、沖繩の方々の気持ちも十分踏まえまして、国民全体としての立場から、言うべきことは言い、日米双方の納得のいく公正な形で返還協定をまとめていきたい、そう考えております。
○國場委員 米国の国務省は、日米間で沖繩返還協定を締結するに際して、サンフランシスコ条約の改定を勧告したという報道がありますが、外務省としては、返還協定との関連においてどのような考えをしておられますか、承りたいわけでございます。
○井川政府委員 これは確かに私も新聞でこの改定という字を読みまして、どういうことかと驚いたわけでございますけれども、その後アメリカにも確かめましたけれども、これは間違いでございまして、サンフランシスコ条約が改定されるというわけではございませんので、小笠原、奄美の先例によりまして、施政権者であるアメリカが日本国との合意のもとにその施政権を日本に返すということになるわけでございまして、これは日米間の返還協定で処理いたしていくわけでございます。したがいまして、平和条約第三条というものは、結局沖繩が返ることによりまして全く空文化するわけでございますけれども、このような例は、ことに多数国条約では幾らでもある例でございまして、そのようなときに条約の改定をする必要はないという例も幾らでもあるわけでございます。あくまでも奄美、小笠原の先例に従いまして、日米間の返還協定を処理していく方針でございまして、この点は全く変わっておりません。したがいまして、アメリカ側は、あのときのことばをどう使いましたか、よく存じませんけれども、そういう意味でアメリカ側も言ったということになっております。
○國場委員 尖閣列島問題に対してお尋ねをいたしたいと思います。 やや旧聞に属することではございますが、日中党書貿易の政治会談コミュニケの中で、中共側は、日、韓、台の三国が共同で尖閣列島周辺の海底油田の開発に当たることを協議したことに対して、中国の主権に対する重大なる侵犯であり、絶対に容認できないことを強調しているが、日本側代表団もこれに同意したと報道されておるのでありますが、日中問題は国際的にもなかなかむずかしいことは承知しておりますが、他の内容のものはさておき、われわれ沖繩にとっても非常に重要なる意味を持つ尖閣列島の問題に関して、中共側のかってな主張を十把一からげに簡単に同意してもらっては実に迷惑千万でございまして、主権に対する侵犯という表現であり、直接領有権を主張したものではないとしても、何らかの権利を主張したものに間違いないものと考えますので、これに同意したという行為に対して強く抗議を申したいわけでございます。どのような見解を持たれるか、外務省のこの声明に対しての御見解を承りたいわけでございます。
○井川政府委員 外務省中国課長が参っておりますので、詳しいことはまた中国課長が申し上げると思いますけれども、まず第一に私から申し上げたいことは、日・韓・台でございますか、東シナ海における浅海海底といいますか、そこの開発がその三つの国の委員会によって行なわれるというふうな政府間の話し合いというのは全くございません。私どもも民間の方がそういうお話をなさっているということを新聞紙上で見ただけでございまして、政府に対して公式のアプローチもございませんし、ましていわんや、政府がこの件に直接関与しているということは全くないわけでございます。 第二に、覚え書きの浅海海域というようなことばが私どもよくはっきりわからないわけでございまするけれども、いずれにいたしましても、私どもはどの国に対しましても、その大陸だなの主権につきましては、関係国の間の話し合いできめるべきものであって、これは国際法上の大原則であり、沿岸国の一つが一方的にこれは全部自分のものだというような主張は全く認められないという確固たる立場をとっておりまして、これはまた、国際社会のどこに出ましても恥ずかしくない立場をとっているわけでありまして、そのような意味から韓国とも現在交渉をいたしているわけでございまして、韓国との間の話し合いに、ともかくその主張のもとにお互いに目下話し合いに入っているわけでございます。そのような状態でございますので、覚書貿易の意味するところがどういうことか、私ども国際法に従事しております者にとりましては全くよくわからないわけでございまするけれども、さらに事実関係その他は中国課長から申し上げることにいたします。
○橋本説明員 三月一日に公表されました日中覚書の政治コミュニケの中には、尖閣列島の領有問題それ自体に対する言及は一切なされておりません。また私どもが日中覚書貿易の交渉に参加いたしました日本側の代表団各位から詳細に話を伺ったところでも、島の領有権それ自体についてのやりとりあるいは話し合いは一切なされなかった、かように承知いたしております。ただ、中国側が、御承知のとおり、尖閣列島の領有の問題と離れまして、東シナ海の大陸だな資源の問題につきましてかなり強い関心を持っておるということは承知いたしております。
○國場委員 それでは新聞のほうの誤報だとこちらは解しますので、そのほうは追及しません。 それから毒ガス移送問題に対して条約局長にお尋ねいたします。 毒ガス移送問題は、新聞報道でも御承知のとおり、また沖繩の立法院におきましてもコースが決定されたのは御承知のとおりでございます。そこで、この上は一日も早く安全に運び出されることを希望するわけでございますが、沖繩にある毒ガスの数量、性質、それから安全基準などに関し米軍側から外務省に対して何か説明があったか。 第二点の問題は、運ぶ際の安全対策でありまして、住民説得も含めて、外務省としてはどのような対策をとられるおつもりでありますか。 第三点、新聞報道によりますれば、そのコース施設の整備に要する費用額二十万ドル、七千二百万円は四十六年度沖繩援助予算の調整費から支出されるとのことが報ぜられてありましたが、性質上、調整費は使途、目的が違うと思うのでありますが、その点に対しまして対策庁、条約局長の御意見を承りたいわけでございます。
○橘説明員 お尋ねの三点のうち、最後の点につきましては対策庁のほうからお返事いただくことにいたしまして、最初の二点につきましてお答えいたします。 最初の点は、今度のルートに関する安全対策という点でございましたと了解いたしますが、このたび第二次の移送のルートがきまることになりました際には、第一次の移送の場合と同様に、安全対策についても万全の措置がとられるものと確信しております。この点は、まだこれからいろいろきまっていくものと思いますので、私どもも強い関心を持ってその成り行きを見ておるところでございます。 それから第二点の、沖繩にあります毒ガス兵器に関するいろいろの情報というものにつきましては、私ども承知しておりますところでは、容器類を含めて御存じのとおり約一万三千トンぐらい向こうに貯蔵されておるというふうに承知しております。御存じのとおり一月中旬には百五十トンが移送されたわけでございます。 なお、昨年の五月、アメリカの国防総省が発表したところによりますと、沖繩にあります毒ガスは三つ種類がある。びらん性の化学剤マスタードと、それから神経性の化学剤GBというのと、VXというのがあるというふうに承知しております。
○國場委員 最後にもう一点だけ条約局長にお尋ねします。 沖繩の米国既存企業に対しての特免措置に対しての問題で今日までやってきておる業者がおるわけでございます。その特免業者というのは、内容はこうでございまして、沖繩軍オンリーにおいての特別なる、沖繩の外資導入委員会の承認を得ずして、企業の免許を与えられたのがございます。その企業免許を必要としない特免業者は、その人たちの扱う製品そのものは、外国製品がほとんどでございますが、民間側に売ることができない。免許を持っておるわけではありませんので、沖繩民間に売る者に対しては、サブエージェントを持って沖繩側に売らしておるわけでございます。復帰の段階に至りまして、この特免業者が、沖繩においての法人として、一般沖繩県民にも売りつけることのできるような免許を与えられた場合に、沖繩のサブエージェントを持つとすれば、廃業し、直ちに生活に困るというようなことにもなるわけでございますが、アメリカ側との今度の協定の中で、その問題に対してはどういうような話し合いがなされておるか、これを最後に承りたいわけでございます。
○井川政府委員 私どもといたしましては、アメリカ人の企業の問題につきましては、かけ込みを許さないとか、そういうふうな方針のもとに、しかしながら従来から円満にやっておったものには公正な取り扱いをするという方針のもとに、これは外務省が実は直接にやっておりませんで、各省にお願いいたしまして、もろもろの審査をしていただいておる段階でございまして、この審査の段階が、いまできるだけ早くということをお願いいたしておりまして、遠からず審査の段階が一応完了するのではなかろうかと思っております。したがいまして、私どもといたしましては、その段階において、アメリカ側と話し合いをいたしまして、それにて解決したいというふうに考えておるわけでございます。 ただいまの特免業者のサブエージェントの問題につきまして、実は私、ほんとうのことを申し上げまして、よく存じておりませんので、また帰りましてよく調べまして、その特許業者の沖繩人であるサブエージェントの方々はどうなるか。おそらくこれは、私どもちょっといまの感覚といたしましては、協定事項とかいうふうなことではないというふうな感じがいたしまするけれども、いずれにいたしましても、対策庁その他と御相談申し上げまして、この次の機会にでも御報告させていただきたいと思います。
○國場委員 残り時間をあとにいたしまして、それでは上原委員にかわって、その後いたします。
○池田委員長 上原康助君。
○上原委員 まず最初に外務省にお伺いしますが、これまで予算委員会あるいは各委員会で、政府の御答弁は、施政権返還後の沖繩に、安保条約並びに安保条約に関する関連諸取りきめは、何らの変更なしにそのまま沖繩に適用するのだということを強調してきております。きょうは、法適用の一般論といいますか、技術的な面で特にお伺いしておきたいわけですが、この関連取りきめを何らの変更なしに沖繩に適用するのだ、安保条約並びに地位協定その他、その場合の関連取りきめという法律、まあたくさんあると思うのですが、大まかにいって、どういうものが安保条約並びに地位協定との関連取りきめに該当する法律なのか、そういうことをひとつ明らかにしていただきたいし、また、教えていただきたいと思います。
○井川政府委員 この点は、佐藤・ニクソンコミュニケが出ましたときに、同日に、たしかアメリカで発表なさっておりまする外務大臣談話、共同声明に関する外務大臣説明要旨というのに出ておりますが、「ここにいう「関連取決め」とは安保条約とともに国会の承認をえている条約第六条の実施に関する交換公文、すなわち事前協議の取り決めとか、吉田・アチソン交換公文等に関する交換公文、相互防衛援助協定に関する交換公文及び地位協定をさすのであります。」と、このように御説明になっております。
○上原委員 地位協定をさすものである。いわゆる日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約第六条に基づく施設及び区域並びに日本国における合衆国軍隊の地位に関する協定、これが地位協定、いま局長が御答弁なさった点だと思うのですが、この地位協定に関する関連取りきめも何らの変更なしに沖繩に適用されるというふうに理解をしてよろしいですか。
○井川政府委員 ただ、佐藤・ニクソン共同声明に申します関連取りきめは、私がただいま申し上げましたものだけでございます。したがいまして、地位協定の中の関連取りきめ、地位協定の中の合同委員会の決定その他は、佐藤・ニクソンでは触れられていない問題でございます。しかしながら、原則といたしまして、これらのものも、沖繩に関する特殊の事情その他の事情がなければ、そのまま適用する所存でございます。
○上原委員 その場合におもに地位協定と関連あるもの、御案内のように、地位協定の第六条からいろいろな関係法律があるわけですね。沖繩の事情を勘案して原則としては適用なさる、適用されることになるということですが、想定されるもの、外務省として現段階でどういうものが適用されるであろうというようなことが整理をされているのか、あるいはまた、局長のお考えとしてはどういうものが適用されることになるのか、できるだけ具体的に出していただきたいと思います。
○井川政府委員 ただいま申し上げましたとおり、原則として私どもは適用するということになると思っておりまして、一々詳細な検討を進めておるわけでございまするけれども、ほとんど大部分がそのまま適用になるというふうに考えていただいていいのではなかろうか。技術的な理由でやはり多少適用がおくれるようなものがあり得るだろうけれども、その数は非常に少ないのではなかろうかというのが、現在私どもが持っておりまする感触でございます。
○上原委員 地位協定第六条との関連でほとんど大部分が適用されることになるんじゃなかろうかということですが、具体的な法律はおあげになっていませんが、では、一応私のほうであげてみましょう。 たとえば、公衆電気通信法等の特例に関する法律とか、軍隊の地位に関する協定の実施に伴う水先法の特例に関する法律、航空法の特例に関する法律、関税法等の臨時特例に関する法律、駐留軍労務者等に支払うべき給料その他の給与の支払事務の処理の特例に関する法律、所得税法等の臨時特例に関する法律、協定の実施に伴う地方税法の臨時特例に関する法律、特殊海事損害の賠償の請求に関する特別措置法、日本国に駐留するアメリカ合衆国軍隊等の行為による特別損失の補償に関する法律、その他たくさんあるわけですね、この地位協定第六条との関係で。法律だけじゃなくして、規則、規程、相当部門にわたるわけなんです。いま局長がおっしゃられるように、大部分はそのまま適用されることになるとなりますと、これらの法律がどういうふうな中身、しかも、何らの変更なしに適用するという大前提があるわけですが、その面はどうなりますか。
○井川政府委員 私、ただいままでお答えいたしておりましたのは、その関連取りきめ、つまり、日米間の合意の問題であると私が理解いたしまして、そういう意味でお答え申しておったわけでございます。この法令の問題は、実は私、直接取り扱っているわけではございませんのでなにでございまするけれども、やはり二つのカテゴリーがあるのではなかろうかと思います。一つには、地位協定その他を受けまして、直接地位協定の定めたところを国内法化したもの、これにつきましては、私の申し上げました原則というものは、大体適用になり得るのではないかと思います。しかしながら、その他の問題は、ただいま山中長官のところでおまとめになっておりまして、大体六百本ほどの法律の臨時措置が必要ではなかろうかというふうなところまで目下進んでおりまして、鋭意さらに詳細御検討中であるということでございますので、私、そちらのほうの国内法につきましては全く申し上げる自信も持っておらないわけでございます。
○上原委員 いまの点ははっきりさしておきたいわけですが、対策庁なり総理府でいろいろ御準備をなさっているものは、もっぱら内政面の問題なんですね。本土法の内政的な法律関係が六百前後あるということでありまして、私がお聞きをしているのは、安保条約、地位協定、それと関連する取りきめというものは何らの変更なしに沖繩に適用しますということは、もう再三再四、いまも局長御答弁なさったとおり。私がいま五、六点例をあげましたのは、すべて日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約第六条に基づく施設及び区域並びに日本国における合衆国軍隊の地位に関する協定及び日本国における国際連合の軍隊の地位に関する協定の実施に伴う何々法律なんですよね。これは明らかに安保条約並びに地位協定の関連する諸取りきめなんですよ。ほとんど大部分、そのまま変更なしに適用されるということであるならば、先ほど申し上げたような諸法律というものは適用されるという受け取り方ができるわけですよ。その面は何も対策庁で御準備なさっているものとの関連はないわけです。なぜ私がこの点を念を押して聞くかと申しますと、いわゆる関連取りきめということで従来ばく然としてぼかされてきたのですが、具体的にどういう法律があるかということも全然明らかにされていない。その面はもう少し説明を補足していただきたいし、また外務省の見解ということ、特に条約局長で法律には詳しい方ですから……。
○井川政府委員 繰り返して申し上げますけれども、佐藤・ニクソンの関連取りきめと申しますのは、先ほど私が申し上げたものだけでございます。ほかの下部のものについてはどうかということでございますので、特別の場合を除いて、それは原則として大体そのまま変更なしにやりたい、こういうことでございます。そうして、私先ほど申し上げましたのは、法律については二つのカテゴリーがあるであろう、第一のカテゴリーはいままさしく上原先生が御指摘になった部分でございます。その部分につきましても、特別の事情がない限りなるたけそのままやっていこう、こういう方針でございます。したがいまして、関連取りきめということばに入る入らないは別といたしまして、特別の事情がない限り、原則としてそのままやっていきたい、こういうわけでございまするけれども、ただそこで、ややなんでございますけれども、国内法は実は私の所管ではないのでございまして、さらに関係各省庁から詳細にお聞き取り願いたいと思います。
○上原委員 私はいま国内法のことを聞いているのじゃないのですよ。いま条約局長おっしゃる特別の事情とはどういうことですか。特別の事情がない限りそのまま原則的に適用されるということですが、特別の事情とはどういうことが予想されますか。
○井川政府委員 私、国内法から離れまして、地位協定に基づくところのもろもろの合意に限って申し上げますならば、先ほど来申し上げておりますとおりに、原則としてそのままやりたいのでございまするけれども、ただこれを、先ほども申し上げましたとおり、目下一生懸命一々見ているわけでございまして、その中には、特に沖繩の特別な事態とかあるいは技術的理由でややそのまま適用されないのがあり得るのではなかろうか、こういうわけでございます。いずれにいたしましても、これは地位協定に基づきまして、地位協定の範囲内で、行政権の範囲内の取りきめでございますが、そういうふうな技術的なあるいは特殊な事態を見ながら多少の変更を行政権の範囲内でなさなければならないというものはあるいは出てくるのではなかろうか、こういうふうに思っておるわけでございまして、目下検討中であるわけでございます。
○上原委員 きょうはこの点で特に条約局長が御出席なさるということでだいぶ準備してあったのですが、時間がないようで、たいへん残念です。いまの御答弁も、わかったようでわからぬようで、理解できないわけですが、いまさっきの御答弁からすると、日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約第六条に基づく施設及び区域並びに日本国における合衆国軍隊の地位に関する協定の実施に伴う土地等の使用等に関する特別措置法あるいは民事特別法、そういうようなものも原則的には関連取りきめということで及ぶというふうに理解してよいかどうか、その点と、もう一つ、時間がないようですから、私がきょう指摘したように、安保条約、地位協定の関連取りきめの法律、政令、規程、施行規則等どういうものがあるのか、資料としてできるだけ法律の内容を全部ほしいわけですが、相当部門にわたりますので、その法律のタイトルだけでも早急に資料として提出をしていただきたいと思うのです。その二点お伺いをして、一応時間がないようですからひとつお引き取り願いたいと思います。
○井川政府委員 くどいようでございますけれども、国内法についての関連取りきめではないわけでございますけれども、しかし、またくどいようでございますけれども、大体それを特別の事情がない限りそのまま適用いたしていきたいということには変わりございません。ただ、ちょっと御引用になりました土地に関する特別措置法の問題でございまするけれども、その点につきましては、中谷先生の御質問も先日いただいたわけでございまして、あるいは、政府としては各地主さんとのほんとに円満な話し合いで解決していきたいという希望、強い願望を持っておりまするけれども、また万一その希望がうまくいかないような場合には特別の措置をとらなければならないこともあるだろうということを、外務大臣からもまた防衛庁長官からも申し上げているわけでございます。 第二点の地位協定に関する関係国内法令、私ども、古いものでございますけれども、昭和三十九年ごろの「地位協定関係国内法令及び規則」という印刷物がございますので、さっそくお届けいたします。
○上原委員 ちょっと関連質問を中谷先生にどうぞ。
○池田委員長 関連して中谷鉄也君。
○中谷委員 もう一度いまの点について確かめておきたいと思いますが、地位協定に基づく合意事項等についても原則として適用されるということは、逆に言うと、例外として適用されないことがあり得るということになりますね。そうすると、安保条約、地位協定が何らの変更なしに適用されるのだと言われているけれども、その地位協定に基づくところの日米間の合意等については例外としては適用されないことがあり得る、そうしてその理由は技術的なものに限定される。技術的ということばははなはだあいまいなことばであると思いますけれども、最小限かりに例外を認めるとしても技術的なものに限定さるべきだと考えておりましたけれども、沖繩の特別な事情、事態、二つそういうことばをお使いになったと思いますが、それによって適用されない場合があり得るということになってまいりますと、これは従来政府が言っておられたところの安保条約、地位協定が何らの変更なしに適用されるということとは矛盾してくるのではないでしょうか。したがいまして、特別な事情と特別な事態というのは一体何かということを、これは明後日詳しくお尋ねをいたしたいと思いますけれども、明確にしていただきたい。本日お答えができる範囲内で、技術的ということとか特別な事態ということとか、違いだけはひとつきょうは御答弁をしてお帰りいただきたい。 なお、国内法については、原則として、要するにこの場合の国内法というのは地位協定関係国内法の趣旨であることは言うまでもございません。国内法につきましても原則として適用されるということは、逆に言うと、地位協定関係国内法についても例外を認める場合があり得る。その例外を認める基準というのは一体何か。技術的かつ特別な事態、沖繩が特殊な状況に置かれているということは言うまでもない。その沖繩の特別な状況というものを前提として国内法規を改定、修正していくならば、これは安保条約地位協定が何らの変更なしに適用されるということとは全く違う事態を生ずる。この点を私たちは憂うるわけです。この点について御答弁をいただきたい。
○井川政府委員 これは中谷先生に対しまして釈迦に説法になるわけでございますけれども、安保条約及び先ほど申し上げました関連取りきめは、私が先ほど申し上げましたとおりでございます。そしてそれがそのまま適用になるということには全く変化はないわけでございます。その下の、たとえば合同委員会の合意が特別の事情によって、あるいは技術的事情によって——これは後ほど申し上げますが、それによって多少の変更を受けましても、これは何ら安保条約、地位協定が変更されて適用されたということにはなりません。と申しますのは、すでに合同委員会の議事録の中で地位協定発効後変わっておるものもございます。したがいまして、これは地位協定に基づきまして、行政権が行政権の範囲内で、地位協定の範囲内で、その事態事態に合致して日米間で合意をする事項でございます。したがいまして、その合意が変わっても必ずそれは地位協定の範囲内でございます。したがいまして、そのような特別のことが万一ありましても、安保条約、地位協定の変更なしの適用ということと全く違わないわけでございます。この第一点は明白にいたしておきたいと思います。 第二点の特別の事態及び技術的な理由でございますけれども、これは、ただ私どもが議論しておりまして、もろもろのその合意などを見ておりますときに私どもの中で使っていることばでございまして、はたしてこの概念規定を明白にやれとおっしゃいましても、なかなかできないものでございます。また特別の事態ということと技術的理由というものが背反するものか、あるいはずいぶんダブっているところもあると思います。いずれにいたしましても、やはりもろもろのそういうようなものを勘案して、できるだけ私どもはそのまま適用いたしたい。しかしながら適用できないものもあるかもしれないということだけを申し上げているわけでございます。したがいまして、それに関連するところの国内法令が多少の変更を受けましても、先ほど来申し上げておりますと同様に、それはあくまで安保条約、地位協定の中でございますので、安保条約、地位協定の変更なしの適用ということと何ら矛盾いたしません。この変更の内容につきましても、私どもとしては何らかのそういうふうな理由であるいはそのまま適用でき得ないものがあるのではなかろうかということを申し上げておりまして、したがいまして、必ず全部適用しないのだとかいうようなことを申し上げているわけでは毛頭ございません。特別な事情あるいは技術的な事情があり得るのではないか、そういう意味で私どもはいま検討している、こういうわけでございます。
○中谷委員 そういうお話をされて退席要求をされるわけだけれども、これは明後日に質問をさせていただきますが、簡単に退席をしていただくわけにいかぬと思います。 もう一点だけ質問をさせていただきます。要するに、地位協定に基づくところの合同委員会の合意については、そうすると結局、いろいろな事態事態によって幅があるとというふうにおっしゃっているわけでしょう、あなたのほうは。逆に言いますと、沖繩の特別な事情、特別な事態というものを重視する限り、本土ではないような合意が行なわれることを私たちは憂えるわけなんです。それが単に技術的なと言われるそういうことばでは、これは技術的なというのは全くそのことが基本的な変更を来たさない、たとえば国内関連法規には、特別措置法において地主の権利義務等に大きく権利侵害になるようなものを含まない、全く技術的なものというのは、形式的なそういうふうなものを私はさしているのだと思います。技術的なということばが突然出ましたから、私もうまく整理ができませんけれども、特別な事態ということで国内法規が大きく変更される、修正される、改正されるということになれば、これはもう現実に本土と沖繩とは違ってくることは当然じゃありませんか。だから地位協定が適用されるのだといわれても、地位協定の解釈に幅があることは事実なのですから、その幅の範囲において、沖繩の側による特別な事態ということによって本土の解釈と違うような解釈に基づくところのそういう合意が行なわる、このことによって安保条約、地位協定は何らの変更なしに……。何らの変更なしにと言われても、地位協定そのものの幅があるわけですから、その点については、では結局、地位協定の範囲内においてはいろいろな幅があるということだけはきょうは言われるわけですね。地位協定のそのワク内においてはもう最大限地位協定を米軍に有利に解釈をするという場合もあり得る、そういう場合があり得るということですね。 いずれにしても、さっきの私の第二の質問の技術的なあるいは特別な事態というのは、私は気にかかるのです。特別な事態、特別な事情というのは気にかかることばです。部内のことばだとおっしゃるけれども、委員会でおっしゃったのだから、特別な事態、特別な事情というのは一体どういうことなんですか、技術的ということとどう違うのか。これを明確にしてもらわなければ、あなたがここで声を大にされて、政府が従来言っておられる安保条約、地位協定に何ら変更なしでと言われても、実質的に変更されることに相なる。その点については、第二点の質問に限ってきょうはお答えをいただいて、そうしてきょうは私のほうの質問も関連ですから打ち切りますから、明後日あらためてお尋ねをいたしたいと思います。
○井川政府委員 申しわけございませんけれども、参議院の外務委員会に呼ばれているわけで、何も早く行きたいというわけではございません。 第二点だけだとおっしゃいましたけれども、私はこの際、ちょっと第一点について、もう一ぺん触れさせていただきます。 地位協定が非常にワクがあるものだからアメリカに一番有利に今度沖繩にそれを適用するというふうな意図は毛頭持っておりません。これは絶対に持っておりません。私どもが申し上げておりますことは、たとえばこれを合同委員会における合意だけに限りますと、それを原則としてそのまま適用するのだということを何べんも申し上げております。 それから、特別の事態という私のことばが悪かったと思います。沖繩の特殊的事情ということばを私ども実は使っているわけでございます。沖繩の特殊的事情ということは必ずあるのではないかという心配を持っておるわけであります。 それから、さらに申し上げますけれども、合同委員会の合意も、先ほど申し上げましたように、地位協定のワク内で改変されてきているわけでございます。したがいまして、そのワク内と申しますのは、地位協定の完全なワク内であって、それがアメリカに有利であるとかというふうな事情ではございませんで、やはり日本内地におきましても技術的理由その他で改変されたような事態もあるわけでございます。特別な事態というのは取り消します。特殊事情と申しますか、やはりそういうものを私どもといたしましては、ものを考えていくときに頭の中に置いていかなければならない。ただ、くどく申し上げますけれども、原則としてそのまま適用いたしたい、できないものはこれは地位協定のワク内において処理いたす、こういうことでございまして、決してアメリカのために有利に解釈するというようなことは絶対にいたしません。
○中谷委員 それでは明後日……。
○國場委員 対策庁長官に。新聞報道によれば、四十六年度予算の調整費の中から、毒ガス撤去に対しての費用二十万ドル、それを出すというような報道に接したわけですが、それに対しての見解、まだ返事を承っておりません。
○岡部(秀)政府委員 毒ガス撤去についての輸送費及びそれに関連する経費につきましては、まず第一義的に琉球政府と米軍側とでひとつ十分折衝していただきまして、望むらくは米軍のほうからその費用を出してもらえればまことにありがたいと思いますので、その点についての琉球政府の努力を私たちは期待いたしておりますし、米軍当局の理解を希望しておる次第でございます。 〔委員長退席、床次委員長代理着席〕 その場合に、その点がなかなかうまくいきませんで、あるいは琉球政府の負担の分野が出てくるというふうな場合に、琉球政府の財政負担上それに耐えないという場合にどうするかという問題につきましては、山中総務長官からもお話がございますとおりに、それにつきましては本土政府としてできるだけの協力はいたしたいという御意思を表明いたしておるわけでございます。そういう場合に、その費用をどの項目から出すかということについては、まだ決定いたしておりませんし、調整費というふうなものを置いておりますが、これは年度内に災害など不測の思わざる事態が起きたときに支出するという場合に備えて置いてあるわけでありまして、いままでの実績から言いますと、災害関係や、あるいは軍労務者の離職者対策というふうな場合に支出をいたしておるように心得ておりまするが、今度の場合それをどれから出すかということは、その事態になってみませんと、関係当局と折衝いたします関係がございますので、その場合においていかようにいたしますか、研究と努力をいたしてまいりたいと思います。
○國場委員 四十六年度予算の中からは、目的が違いますので、そのほうからさいていただくことは好ましくないということを要望しておきます。 大蔵省にお尋ねいたします。税制の特別措置に対してでございます。 復帰に際しての諸制度移行の中でも、われわれの経済生活の上で密接な関連を持っている税制の問題は、最も重大な関心事でございます。第二次復帰対策要綱からはずし、さらに十分なる検討を加えるようになったようであるが、税制の一体化をたてまえとして安易に本土の税制に右へならえということに対しては、私は断固これに反対するものであります。本土には類例を見ない沖繩の産業経済構造の特殊性を考えた場合、既存企業の保護育成をはかるための税制上の特別措置、間接税、消費税に対する特別措置その税制によって今後沖繩の経済が大きく左右されるわけでございますので、二十五カ年間においての格差、ひずみ是正、ゆえに復帰に備えて沖繩の特別国政参加というこの目的も、憲法上、法律上はどうであろうとも、沖繩県民の選ぶところの国会議員に対して、百万県民を代表するところのなまの声を反映せしめる、こういうようなことで私どもは国会に出てきたわけでございますが、しかし復帰に備えて審議の中で沖繩の特別措置、これがややもすれば影をひそめ、一国の中に税制は二つはないのだという基本の態度をもって沖繩が処理された場合に、それこそたいへんなことになるのは御承知のとおりであります。日本がいま世界の自由陣営の中では第二位の経済立国となったというこのゆえんに対しましても、その歩みそのものは、日本においては、諸外国からガット協定だとか、あるいは自由貿易だとか、こういうことをいわれつつも、やはり国の工業、経済を発展させるために特別なる措置をもって今日の段階に至っておるわけでございます。ましてや世界の第二位の発展国とする日本の制度に対し、曲りなりにも一国並みの後進国として後進性を持つところの沖繩の経済、これを育成せんとするような、文字どおり豊かな県づくりをするためには、歴史にないようないわゆる事実でございますので、これについて特別県として、特別立法をもって、今後沖繩の経済が、沖繩県民が、名実ともに喜んで復帰のできるような、豊かなる県づくりをすることが必要だと思うわけでございます。この第一次、第二次復帰対策要綱の中で、一番むずかしい問題としていま取り上げられておる税制上の問題、これに対しましては、私は、日本の税制上歴史にないような抜本的対策でなくては、沖繩経済というものは成りたたないということを痛感するわけでございます。ここで大蔵省としまして、沖繩の税制に対しまして経過措置、あるいは今後におけるところの企業誘致問題に対しても、基本的にいかなるような考え方を持っておられますか、御所見を承たりたいわけであります。
○安井説明員 結論から先に申し上げますと、いま先生御指摘のような問題点につきまして、私ども主税局それから関税局、ともに非常に慎重に検討をいたしている最中でございます。 具体的に二、三お話を申し上げますと、まず直接税関係でございますが、所得税、法人税につきましては、それほどの変更を加えないで適用ができると思っておりますけれども、御指摘の特別措置につきましては、三つに分けられるのだろうと思います。一つは、現在本土で適用されております特別措置の中で、産業の構造改善等に役立つ特別措置があるわけでございまして、これは現在沖繩に適用がないものでございまして、これを適用することによって保護育成をはかり得るというのが一つでございます。それから二番目には、沖繩の復帰に伴いまして、沖繩の産業振興等のためにどのような特別措置を講じたらよいかという関係も、また私どもいま現在検討いたしておるところでございます。それから三番目は、現在沖繩の税法上の特別措置で、本土の税法にない特別措置があるわけでございまして、これをどのような経過措置を講じてまいるかという問題が第三だろうと思います。いずれにいたしましても、慎重に検討いたしてまいりたいと考えているわけでございます。 それから第二番目の間接税の問題でございますが、これは問題が二つに分かれまして、関税の問題と内国消費税関係の問題に分かれるかと思います。関税の問題 一応関税局から参っておりますので、別にお答え申し上げるかと思いますが、内国消費税につきましては、これをこのまま適用いたすことによりまして、たとえば酒税であるとか、砂糖消費税であるとか、揮発油税であるとか、いろいろ税負担の変動を来たすものがあるようでございます。これらにつきまして、基本的には、沖繩県が復帰いたしましたときに特別の租税領域をつくるのはいかがかという感じがいたすわけでございますけれども、それによって与えますところの産業に対する影響、あるいは県民生活に与えます影響等も十分考慮いたしまして、私どもこの内国消費税の基本線をあまりくずすのもいかがかと考えますけれども、できるだけの措置を考慮いたしたい、かように考えておるわけでございます。 関税関係、つまり本土からの移入品に対する措置、あるいは沖繩が本土以外の国から輸入いたしております関税等につきましては、別途にお答え申し上げたいと思います。
○白鳥説明員 関税関係につきましては特に問題点が多いということで先生もいろいろ御指摘になったことだと思います。 関税に限らず内国消費税も含めて沖繩の間接税と本土の間接税の水準を比較してみますと、非常に差がございますので、復帰いたしまして同じ税率を適用するということになりますと、税負担が上がるものがあり、あるいは下がるものがあり、それぞれ地場産業あるいは国民消費生活上影響が及ぶということで非常に大きな問題があるということは、確かに先生御指摘のとおりでございます。ただ、私ども関税局の立場から申しますと、第一に、こういった影響を回避するために、復帰後の沖繩を現在と同じように、本土とは別個の租税領域のままに残しておくということにいたしますと、本土との間の関税線がそのままに残ってしまうということで、復帰後も人の行き来あるいは物の行き来がその関税線でチェックされるということで、実質的な復帰がおくれるということになるのではないか、こういう意味で、島民感情からいっても好ましくないのではないかという考え方をかねがね持っているわけでございます。それならば、関税線を取っ払った上で、沖繩地区に限って特別な、沖繩で生産されるもの、あるいは沖繩で輸入される物資に限って低い税率をそのまま据え置く、そういうような方式はできないものだろうかということになりますと、この沖繩に入ってきたものと、本土に入ってきたものとが税率の格差がありますために、価格が違ってくる、そうしますと、安いものは水が低きに流れるということで、自然に本土に横流れしてくるという問題もあります。まあ税関の実務上これをチェックするということに非常に困難が伴うというようなことで、私ども非常に苦心してこの点の解決策を考えておったわけでございまして、十分な解決が出ないまま第二次案にも盛り込むことができず、第三次に持ち越しましたことは私どもも非常に残念に思っております。確かに先生御指摘のとおり、復帰後の沖繩の経済あるいは沖繩の住民生活に及ぼす影響をできるだけ緩和して、円滑な復帰を可能とするということはぜひとも望ましいことでございますので、私どもただいまこの税率の一体化が影響を及ぼすと思われる業種目あるいは消費物価に及ぼす影響があると思われる品目ごとに一つ一つ実態を調査しているところでございまして、必要に応じて、関税も含めました全般的な税制上の経過措置をとることを、できるだけのことはやりたいということで鋭意検討しているところでございます。
○國場委員 管理に当たられる主務省といたしましては、なかなかこれはむずかしい問題だ、私もこれはよくわかっております。ところが、私が申し上げたいのは、いつまでもそういうようなことでやっていただきたいということを言うわけではございません。御承知のとおり余すところ一年で復帰でございます。その復帰の段階に至る一年間において日本の制度にほとんど合わすということになりますと、それこそ混乱、摩擦が起きるのはこれは御承知のとおりでございまして、私は、少なくとも五カ年を最低限にしまして、その間においてあえて徐々に本土との資本の提携、あるいは見通しを定めて、これではとても将来性がないというものについては、政府の力によって転業資金なりいろいろの援助策を講じていく、その考える余裕を与えてもらうには、最低限五年間において日本の制度の税制に戻していただきたい。そうしますと、これは口では言うが、関税に対してはなかなかむずかしいのだ、こういうことでもございましょうが、しかし、あえてこういうようなむずかしい問題を解決していくということに沖繩復帰対策の措置という意義があるわけでございます。これは、時間がございませんので、具体的に申し上げることはできないわけでございますが、いまのいわゆる観光事業の一番魅力を持つところのみやげ品に対しての租税問題、あるいはさっきの貿易問題あるいはその他においても、パインあるいは菓子業者に対してその使用する原料等の問題、こういうような問題があるし、また免税売店の問題あるいはフリーゾーン、フリーゾーンといいますが、このフリーゾーンの扱い方に対してはどういうような方法でやっていくのか、こういうようなこともいろいろ考えられるわけでございます。今日までの質問の中で、意思に沿うべく極力努力はするが、しかし日本に返るまで一県に特別なる税制の措置をしても、その関税の行き方において困難さがあるのだ、これがいつでも結論となってきておるわけであります。でありますと、二次要綱も近いうちに発表ができ、具体的にその中身そのもの、扱いに対して私は聞きたいわけでございますので、次の段階には、いま申しましたとおり、そういうものに対しましても具体的にひとつどういうような方法でやっていくのだということを御説明いただきたいことを希望いたしまして、私の質問を終わります。ありがとうございました。
○床次委員長代理 西銘順治君。
○西銘委員 沖繩復帰対策要綱も、第一次の分に引き続きまして第二次案が発表になっております。その間の関係各省庁の労苦を多とするものでありますが、第一次、第二次の復帰対策要綱を見まして、制度と人の面において本土と一体化するという基本線に沿って、各項目にわたって並列的に列記されているわけでございます。その中で、私たちが当然どの項目を重点としてこれを取り上げていくか、まだ明確な線が出ておりません。ただ、そこで私たちが重要な施策として取り上げたいことは、第二次案の中に盛られました新全国総合開発計画の中で、また新経済社会開発の中で、沖繩を九州ブロックと引き離しましてワンブロックとして取り扱うに至った経過と、そのメリット、デメリットについて御説明を願いたいのであります。
○岡部(秀)政府委員 今度の第二次復帰対策要綱、先ほど閣議を通ったそうでございますが、いままで寄せていただきましたいろいろの御指導、御厚情を深く感謝申し上げますし、今後この実施につきましてさらに御指導のほどをお願い申し上げたいと思います。 ただいま御質問ございました新全国総合開発計画あるいは新経済社会発展計画等ございますが、これにつきましては、第二次復帰対策要綱では、新全国総合開発計画及び新経済社会発展計画について、復帰をいたしました後には新全総の改定及び新経済社会発展計画への組み入れを行なう、その場合に、普通ならば、これは九州ブロックの中に沖繩は入るというのが普通の考え方でございましょうけれども、私たちは、沖繩それ一つをほかのブロックと対等の地位にまで高めて、一ブロックとして取り上げていこうという考え方をいたしております。そのときに、沖繩が新全国総合開発計画にただ加わった、そういうことではなくて、沖繩が全国の一環に入ったときに、ただその何分の一というのではなくて、沖繩が加わったということによって新全総開発計画がもっと価値のある計画になり、内容を持つということを私たちは認識をいたしております。その意味で沖繩地域がわが国土に占めるところの重要性、わが国の最南端に位置する亜熱帯地域の特性、そういうものを十分にこの新全総の中で、また新経済社会発展計画の中で生かしていこうと思います。 たとえば、沖繩の地位にいたしましても、東京から見ますならば遠隔の地という見方をいたしましょうけれども、しかし今後、日本の国が東南アジアの諸国との経済外交及び貿易等を、手を携えて相ともに東南アジアの発展をしていこうというときになりますときの沖繩の地位、従来は遠隔であると私たちが見ておりましたのが、逆にその先端的な地位に立つという非常な有利性が出てくると思います。そういう認識を私たちはこの新全総の計画の中で持っていきたい。そしてその中での沖繩の発展、沖繩の開発、環境条件の整備保全、交通通信体系の確立というふうなものを、一日も早く、従来の格差是正に加えてさらに振興開発をいたしまして、そして豊かな沖繩の国づくりをいたしてまいりたい、そのように考えております。
○西銘委員 わが国の傾向といたしまして、人口が都市に集中してきまして、各府県とも過疎化現象に対する対策で非常に苦心をしておるところであります。そういう中で沖繩をワンブロックとして扱う場合に、わが国における唯一の亜熱帯地域としての地理的条件を生かして沖繩の経済社会の開発をはかるということは、きわめてむずかしいわけであります。したがって当然の帰結としては、この新全総計画の中でワンブロックとして沖繩を扱う場合に、これはあくまでも格差是正、制度と人の面において非常な格差が出ておりまするので、格差是正に重点が置かれて、第二次案に盛られたところの沖繩の地理的条件を生かした、いわゆる日本経済の中で沖繩の経済を位置づけて発展せよということが非常にむずかしくなりはしないか。あくまでも格差是正の一環としてこれを取り上げられていくのであって、日本の現在の情勢からいたしまして、はたして亜熱帯地域を活用しての沖繩の経済社会の発展がはかられるかどうか、非常に私心配をいたしておるわけでありますが、これについての御見解を聞きたいのであります。 〔床次委員長代理退席、委員長着席〕
○岡部(秀)政府委員 御心配の点につきましては、なるほどそういう点があるかとも思いますけれども、これはひとつ、私たちはお互いに力を合わせて、沖繩が復帰をいたしまして、新全総の中に加わるという場合に、この新全総をもう一度見直すという観点に立ちたいと思うのです。沖繩地域が加わるということによってわが国土の質的変化を確認する、その意義を一段と高めるというところに力点を置きまして、沖繩の建設をいたしていきたいと思いますので、その点で私たちは、格差是正はもちろんでございますけれども、今後沖繩の振興開発のためになるべく早い機会に離島振興の問題、産業基盤等の整備充実の問題、産業振興対策の樹立の問題、生活環境整備施設の問題文教施設の問題等全般にわたりまして沖繩の振興をはかっていくということに力を注いでいく。そのまま置きますれば、おっしゃるような点にいくかと思いますけれども、その点を逆に、それだけにとどまらないで、今後私たちが力を合わせて沖繩の振興というものに力を注いでいこうという意欲を持ちたいと思います。
○西銘委員 もちろん申し上げるまでもなく、沖繩の経済社会開発のためには相当の資金が必要であります。また税制の面においてこれを保護しなければなりません。また同時に行政的な指導が必要であります。この新全国総合開発計画の中で沖繩をワンブロックとして扱う場合に、いわゆる現在沖繩で施行されておりまするところの税制あるいは現存するところの輸入制度、これを全く本土と一体化することによって開発が可能であるかどうか。ワンブロックとして考える場合の主幹となる産業は何を中心として考えられておられるのか、これをお聞きしたいのであります。
○岡部(秀)政府委員 税制の問題につきまして先ほど御質問がありまして、関係の省からお答えをいたしたのでありますが、実は税制の問題、私は最初単に税の問題と思いまして、そんなにむずかしい問題じゃないというふうな観点で出発をいたしまして、皆さんの御意見やあるいは実態等を研究してまいりましたときに、なるほど沖繩の国会議員の人々がこの問題について非常な熱情と、現場の状況の認識についての強い発言をされておられるということを深く認識をいたしました。それは沖繩の現在の企業が非常に脆弱な基盤に立っておるということでございます。これは農業生産そのものの基盤の整備から始めていかなくちゃならぬと思いますけれども、現在の沖繩の企業というものは、まさに一面においては税関係等によりまして保護を受けておる。極端に言えば、かろうじてそれで企業を進めておる状況であるということを私も深く認識をいたしましたので、企業の保護ということを十分に頭に置くということを第一にしながら、税の問題も考えていかなくてはならないという認識を持ちました。 ただもう一つ、税に関しましては消費者の立場ということもやはり考える必要があると思います。と言いますのは、そのまま現在の状況でいきますと、消費者が高い品物を税関係の方面から買わざるを得ないという点がある、この点も考えていかなくてはならないと思います。 それからもう一つ、これはあまり沖繩の政府及び皆さん方から声が出ないのですけれども、税はまたこれ国家の財源であるということも忘れてならないと思います。その点で公平な、よりいい税制をしきながら、その税の財源から国家がまた必要とするところの、県民が欲するところの諸事業を行なっていくのには、どうしてもこの税という問題に力を入れざるを得ない、こういう点がございます。また、一体化の問題から別々な税制をしくという思考もございますけれども、しかし、この点も総合的に研究しなければならないということで、この問題のむずかしさを非常に感じておりますし、先ほどから國場先生やまた西銘先生等から、これに対する真剣な御要望、研究をすべしというお声を存分に拝聴いたしたわけでございますが、そういう企業の面、消費者の面、国家財源の面という点から、私たちは研究をさらに進めていきまして、その中での最善の案というふうなものを取り上げて、第三次要綱に一案を出していきたいと思います。その点につきまして、対策庁の長官としては、そういう面、税関係の御専門の各省にひとつぜひその点での沖繩の特殊性、税という観点だけでこれを解決するわけにはいけないという点、そして、その点を経過的に両方見合わせながらやっていくということについて、税関係当局の御理解を特に得たい、対策庁長官といたしてはそのように思いますし、その努力をいたしてまいりたいと思います。 そして、沖繩におきますところの産業につきましては、これはしばしば私のところの大臣から申し上げておりますところのパイン、サトウキビという基幹作物、これをもとにいたしまして、その他亜熱帯におけるところの諸特色、肉牛の問題、牧畜と関連していって、第一次産業の整備をして、その振興をはかるということをやっていきたいと思うのですけれども、しかし、それにいたしましても、沖繩の第一次産業の場及び資源というふうなものは相当の限りがあるように思います。その点で、第二次産業として本土等からの資本の導入、企業の導入ということを、やはりこれは真剣に考えていかなくちゃならぬと思います。その点で水力発電という基盤の問題につきまして、産業基盤の問題、それから、その産業を導入した場合のその保護、助長政策というふうなものをやっていきまして、その結果いんしんを来たすところの第三次産業というものに手を伸ばしていくし、その結果も出てくる、そういうふうなことになるのじゃなかろうかと思います。私も専門でございませんので、その点は存分の知識はございませんけれども、これは今後対策庁といたしましても、沖繩県とともに、また関係の各諸官庁とともに力を合わせまして、沖繩の産業開発に進んでいきたいと思います。
○西銘委員 新全国総合開発計画の中で、沖繩の経済を日本経済の中で位置づけて大きなビジョンを盛るということ、これは大事なことだと考えております。しかしながら、その前提として、既存の中小企業をどうしても保護していかなければなりません。そのためには、税制の面で、これを三年なら三年、五年なら五年の期間を区切って特別な措置をしなければ、沖繩の中小企業はとうてい存立できるものではありません。いま御指摘になったとおりでございまして、この体質の弱い沖繩の企業が今後繁栄していくためには、もちろん現地沖繩側にあって企業努力も必要であります。また、県民あげての努力も絶対にこれは必要であるわけであります。しかしながら、消費者保護という面も同時に考えていかなければならない重要な側面を持つわけでありますが、先ほど大蔵省当局の御説明にもありましたとおり、収得税、特に所得税を中心とする直接税の面においては、私は問題はないと思っております。問題は、現在沖繩の物品税、これは輸入税に相当するものでありますが、輸入税が保護されている品目、あるいは、貿易公表によって、輸入割り当てによって、あるいは輸入禁止によって保護されている品目等については、沖繩の特殊事情、行政姿勢として、本土と沖繩県民が同じ税制のもとで、同じ制度のもとで暮らすことは当然のことでありますけれども、私たちが一番心配いたしておりますことは、復帰によって生活が苦しくなった、企業がつぶれたということでは、これは何のために復帰したかわからないのでございます。したがいまして、長官といたしまして、この間接税、特に現在沖繩で中小企業によって生産されている品目については、期限を限って特別な税制上の措置をする必要があるのじゃないか、かように考えておりますが、これについての長官の御見解を聞きたいのであります。
○岡部(秀)政府委員 御指摘の点につきましても、私も同様な立場に立つような気持ちが非常に強うございます。そのまますぱっと切り割ったような状況での復帰ということをやることなら、これはだれでもできるのでありますが、その間に、そのショックを避けるためにいかなる案をつくるかということが私は大事なことだと思います。その点で御指摘のような、願わくは段階的にというふうな措置ができますれば、ぜひともそういう措置をとってまいりたいと思いますので、その点につきまして、なおこれから十分に時間をかけまして、関係省庁の練達の方々の御意見を十分いただきまして、結論を得たいと思います。
○西銘委員 次に、現在沖繩にありまするところの米系の商社の既得権益の問題についてお伺いしたいと思っております。 返還協定の交渉の中で、新聞で報ぜられているところによりますると、米国側が沖繩にあるところの米系企業の既得権益の保護について日本政府に対して強く迫っておるという感じを受けるわけでございますが、米系企業の既得権益について−は、これは全部認めるのか、また、制限してこれを認めるのか、この権益を認める場合の基準があればお伺いしたいのであります。これは大蔵省ですか、外務省ですか、どちらでもけっこうです。
○橘説明員 ただいま沖繩にあります米系企業の扱いにつきましては、まずその実態を十分つかむということから出発しておりまして、その上でそれぞれ、従来あそこで平和に、かつ沖繩経済にも貢献しておるようなものにつきましては、なるべくその立場を尊重しながら、わが国のあるいは沖繩の立場とどう調整していくかということについて鋭意検討を進めていくという段階でございます。したがいまして、特に端的にこういう原則ということを申し上げるところまで立ち至っておらない状況でございます。
○西銘委員 まだ米系企業の既得権益の問題については基準がきまっていないということでございますが、一点だけお聞きいたします。 沖繩にBOAがあります。これはボイス・オブ・アメリカじゃなくて、バンク・オブ・アメリカ、これが支払い準備金、これは約二千万ドルもあるといわれておりますが、この二千万ドルを預かって、これを利用して、だいぶ利殖しているわけでございます。もちろんバンク・オブ・アメリカが資金に乏しい沖繩経済の発展に貢献した側面もわからないわけではございません。このバンク・オブ・アメリカの取り扱いをどうされるのか、そのまま支店として認めるのか。次に、現在BOAに預けられてあるところの支払い準備金についてはどう取り扱うのか、お聞きしたいのであります。
○佐上説明員 いま御質問のバンク・オブ・アメリカにつきましては、復帰後におきましては支払い準備制度は当然日本の支払い準備制度になるわけでございますので、ただいま先生御指摘の二千万ドルの行くえは既得権としてBOAに帰属するわけではございません。ただ、私ども、BOAにつきましては、先生御案内のアメリカン・エキスプレスとともに、古く昭和二十年代、三十年代当時から沖繩に進出しておりますので、現地におきます現位置での営業は原則としてこれを認めざるを得ないのではないかと思いますが、その現位置の店舗を廃止いたしまして本土に入ってくるといべようなことは認めない方針でおります。
○西銘委員 支払準備金については、その金を引き揚げて日本銀行に持ってくるというのですか、具体的にどういうことですか。従来この支払い準備金については、全部無利子ではありませんけれども、ただみたいにBOAが預かって、これは利殖して相当もうかっておるわけですが、その準備金をどうするのか、どこに引き継ぐのかお聞きしたいのであります。
○佐上説明員 ただいま沖繩の支払い準備制度というものはわが国と異なっております。わが国におきます準備預金制度という制度で日銀がやっている制度とかなり異なっております。したがいまして、準備預金制度以外の支払い準備はそれぞれ当該金融機関が引き出されて、そうして、それ以上のものは自分の手元に入るということに相なろうかと存じます。したがいまして、本土における準備預金制度、そういうものの施行に伴いまして日銀にあるいは預け入れるという問題はございましょうが、ただいまアメリカの方式に従いますところの支払い準備制度はいささかわが国と異なっておりますので、それより過剰に積んでおります分は、それぞれの各銀行はその支払い準備はもう不要になるわけでございますので、それぞれの資産として手元に返ってくる、こういうふうに理解しております。
○西銘委員 しろうとでよくわからぬのですが、元本、これは大体利息のつかない準備金を二千万ドルも預かっておるのですから、その利殖された部分も引き継ぐわけですか、それはもう切り離してするわけですか、そこのところをお聞きしたいのです。
○佐上説明員 実はその具体的な内容をただいまのところつまびらかにいたしておりませんし、具体的に移行をいたします際に、本件につきましては、先生いま御指摘の点も含めまして検討さしていただきたいと存じております。
○西銘委員 最後に一点だけお聞きいたします。 現在、琉球銀行また沖繩銀行で信託銀行業務を扱っております。本土で扱っているところはよく知りませんけれども、大和銀行がこれを扱っていると聞いておるわけでございますが、利用する側からいたしまして、現在、沖繩銀行、琉球銀行の支店が各所各離島に設けられているわけでございます。したがいまして、これを既得権益としてこの二つの銀行に信託業務をそのまま取り扱わせるのが利用する沖繩側にとっても有利ではないか。ほかの証券会社は、本土からやってまいりまして、資金を集めて吸収して本土に持っていくだけであって、沖繩のためにはならないというような意見があるわけであります。それについての大蔵省当局の御方針と申しますか御見解を賜わりたいのであります。
○佐上説明員 御質問の趣旨は、復帰後、琉銀及び沖繩銀行がただいま兼営いたしておりますところの金銭信託を中心とする信託業務を兼営するかどうかという御趣旨であろうかと存じます。これまた先ほどの税制その他の問題と関連いたしますが、何ぶん民政府下の現状に長くありましたところで、私ども実情を実はつまびらかにいたしておりません。先生の御指摘のような問題もございます。そういうような点も十分実情を調査いたしまして、そうして復帰にあたりまして実情に即した措置をいたしたいと思いますけれども、沖繩がわが本土に復帰せられるにあたりまして、本土におきまして、先生御指摘のとおり、信託の業務というのは御存知のように経済的に見ますとはなはだ長期性の金融でございますが、そういったものを短期の商業銀行と兼営していくことがほんとうにその銀行あるいは利用者の利益に合致するかどうか、これはいろいろ議論の存するところでございますから、その点の利害得失等も十分勘案し、できるだけ早い機会に、私どもの希望を申しますれば、本土のそういった制度に合致し、それが沖繩の金融の疎通に資するような方向で検討いたしたいと存じております。
○西銘委員 現地側からいたしますと、米系企業、もちろんこれは保険会社、銀行もあるわけでございます。これらの既得権益については認めておるのに、せっかく二十年間営々として苦労して育ててきた銀行でありまして、特に地元企業の実態につきまして一番よく知っているわけであります。現在の支店網の構成からいたしましても、利用する沖繩側からいたしましても、現行どおり信託業務をそのまま存続させていただきたい、並行してさせていただきたい、これが現地側のたっての要望でございますので、その点特別の御配慮をお願いいたしまして、時間が来ましたので私の質問を終わることにいたします。
○池田委員長 上原康助君。
○上原委員 ちょっと質問の順序を変えまして、外資のほうから通産省の外資課長さんにお願いしたいと思います。関連するかと思いますので、対策庁長官と両方にお伺いをしたいと思います。ただいま西銘委員のほうからもあった沖繩における米系企業あるいはその他の第三国者が営んでいる企業の取り扱いについてですが、これまで本会議ないしは予算委員会での総理府長官の御答弁は、少なくとも共同声明が発表された時点以降沖繩に進出した企業については認めないのだという発言がしばしばあったと記憶をしております。その後だんだん現地の米商工会議所あたりの米本国政府に対しての強い要求あるいは日本政府に対しての要求等が出て、かなり事情が変わってきたような感じを受けるわけですが、沖繩にある外資として取り扱われている企業に対して政府はどういうふうに復帰の時点で取り扱いなさるのか、現在あるのはすべてお認めになるということなのか、それをまず対策庁長官にお伺いをし、さらに外資課長には、現在の琉球政府なり沖繩側にある外資企業の具体的な数字なり、どの程度資料としてつかんでいらっしゃるのか、できるだけ国別に、あるいは企業内容等含めてひとつお聞かせ願いたいと思います。
○岡部(秀)政府委員 外資の取り扱いにつきましては、目下国内の関係機関でいろいろと研究をいたしておる次第でございますので、具体的には対策庁でもまだ心得ておりませんけれども、総体的に、外資法の適用を受けながらわが国の外資政策と産業政策との調和をはかる、こういう点でそういう根本的な考え方を持って進めていかなくちゃならぬと思います。また一方には、資本自由化のテンポというふうなことも考えに入れながら、この問題をどういうふうに処置していくかということを考えていくべきだと思います。個々的の問題につきましては、関係諸官庁と十分沖繩の状況及びまた向こうさんの事情等をも個々的に話し合ってまいりたいと思います。
○藤原説明員 御質問ございました点についてお答え申し上げます。沖繩に進出しております外資につきましては、実は通産省関係ばかりではございませんので、私から全部お答え申し上げるのは若干問題かと存じますが、一応現在わかっております状態でお答え申し上げたいと思います。 数字が、現在つかんでおりますところでは、外資系企業といたしまして二百六十九企業でございまして、このうち業種別に分けてみますと、農林、畜産、水産業関係が十五、それから製造業が七十二でございます。製造業のうち数の多いものといたしましては、繊維関係が二十二、石油関係が六、卸小売り関係が十三、輸出入業四十四、ホテル、レストラン等九、その他サービス業四十七、運輸、建設、保険、金融関係三十六、その他医師、弁護士、会計士、教師というふうなものが二十三、その他九、一応合わせて二百六十九、こういう数字に相なっております。 企業規模といたしましては、非常に小さなものが多いわけでございまして、五十人未満のものが七五%でございます。内訳といたしまして、個人企業が二五%、支店のものが三五%、沖繩法人約四〇%、こういう内訳になっております。 進出の国別につきましては、実は私どもいま手元に数字がございませんので、お答えできませんのははなはだ残念でございますが、なお全体といたしましては、この数字以降にまだ調査不十分のものもございまして、目下調査中でございますので、これで全部カバーしているということは言えないかと思います。簡単でございますが、お答えといたします。
○上原委員 いまの御答弁いただいた資料については先ほどいただいたのですが、この外資の取り扱いについて、いろいろ労働問題、雇用関係との関連もあって、たいへんむずかしい問題があるというのは私も一応理解はいたします。しかし復帰後第三国を含めて本土から行った、日本から行ったものは別といたしましても、無条件で認めていくという形をとる場合に、現地の地場産業との関係、あるいは本土における外資法との関係、外国為替との関係等でかなり問題も出てくると思うのです。そういう面については該当省の通産省としてどういう御見解でいま対策なり御準備をしておられるのか、その点だけお聞きをいたしまして、さらにまた時間をあらためて、この問題については詳しい点をお伺いしたいと思うのです。
○藤原説明員 お答え申し上げます。外資法関係全般でございますので、これも実は各省にわたる問題でございますので、先ほど申し上げましたとおり、私から全般的に申し上げるわけにはいかないわけでありますが、通産省は、大きなウエートを外資の中で占めておりますので、そういう意味合いからお答え申し上げたいと思います。 御指摘のように、現地の雇用問題あるいはその他物資の流通に関しましていろいろな問題があるわけでございます。外資法の立場といたしましては、当然本土復帰時点におきまして本土の外資法に乗り移るという手続が必要なわけでございます。したがいまして、手続といたしましては、現在進出しております外資につきましては、あらためて必要なものは認可申請する、それによってその時点において判断するというのがたてまえでございます。もちろん法律の切りかえという問題でございますので、復帰したとたんに申請、とたんに認可ということは物理的に不可能でございますから、その間経過期間を置く必要がございます。その間は平穏に営業なり活動ができるようなしかけが必要かと思いますので、経過期間を処置いたしますところの外資法の特例というものも必要かと思います。しかしながら、基本的には、その経過期間を置きまして認可いたします段階におきましては、いま先生がおっしゃいましたようなすべての問題について、十分配慮をいたしまして、認可するなりなんなりするということになろうかと思います。
○上原委員 いまの御答弁はあるいは外務省、大蔵省、さらに対策庁とも関連するかと思うのですが、通産省の立場といたしましては、復帰の時点で確かに経過措置、一定期間の特例法等を講じなければいけない問題が当然出てくると思うのです、およそ三百前後の企業ですから。少なくともその姿勢としては、外資法というものを適用し、それに該当するかどうか、企業形態等を十分審査をした上で許認可をするという立場にあるというふうに受け取ってよろしいですか。
○藤原説明員 お答え申し上げます。姿勢といたしましては仰せられるとおりでございます。
○上原委員 対策庁長官、いまの件についてどうお考えなのか、特に大きなエッソ、ガルフの土地賃貸借契約との関連もあると思うのですが、復帰後に出てきた問題等、その点について対策庁としての見解を賜わっておきたいと思います。
○岡部(秀)政府委員 これは関係省庁の御意見を十分拝聴いたしたいと思います。まことに申しわけございませんが、いま私はその点での特別な考え方を持ち合わせておりませんので、さらに勉強いたしまして処置してまいりたいと思います。
○上原委員 ただ、ここで一点強調しておきたいのですが、復帰後、復帰後というより共同声明以降かけ込み的な外資でやってきたものについては認めないということは、再三責任ある答弁がなされているわけですね。それに対してどうなさるかということは明らかにしていただきたいし、主管省としては先ほどのように、基本姿勢としてはお持ちになっているのだ、各省調整の上でということですが、だんだんアメリカ側のあるいは現地の商工会議所あたりの意向等を受けて、無条件にそういうものをお認めになるようなことではいけないと思うのです。そこいらについていま少し対策庁としての見解を明らかにしていただきと思います。
○岡部(秀)政府委員 かけ込み企業につきましては、従来からも仰せのような方法でやっております。実際事務的にも琉球政府との緊密な連絡をとりまして、それの調整、実態調査、許認可等につきまして、琉球政府及び他の省庁と緊密な連絡をとりまして、不当なことがないように処置をいたしておりますような状況でございます。
○上原委員 ちょっと時間の制約がありますので、また次のあれにやりますが、先ほど私が申し上げた点は大臣にも十分お伝えいただいて、国会の正式な場で御答弁なさったことがだんだん後退をするような返還の中身あるいは制度の取り扱いにならないように特に御配慮を賜わりたいと思います。 次に、外務省にお聞きしますが、おもに米系企業、沖繩にある外資企業について在沖米商工会議所あたりからどのような要求が本土政府になされているのか。対策庁とも関連するかと思います。具体的に米系企業というものをどういうふうに取り扱ってもらいたいとか、あるいは権益保護ということが盛んにいわれておりますが、そういうものについて何らかの文書なり外交折衝を、お聞きしても御答弁いただけるかはわかりませんが、少なくとも事務段階でいろいろ取り扱いしている部門もあるのではなかろうかと私は思うのです。そういう面について、あったならば教えていただきたいし、また全然なかったというならなかったと、対策庁を含めてお聞かせ願いたいと思います。
○橘説明員 ただいま先生のお話にございました沖繩の米国の商工会議所の動きというものもあったようでございますが、それは、そのほこ先はどちらかといいますとアメリカ政府、したがいまして 在京のアメリカ大使館とかワシントンのアメリカ政府というふうに直接向けられて要望がなされているわけでございます。直接に私ども外務省のほうに来ておるという形ではないのでございます。
○岡部(秀)政府委員 ただいまの御説明のとおりでございますが、対策庁のほうにはまだ具体的に来ておりませんので、関係省庁の段階に来ております。私たちの基本的な姿勢といたしましては、外資を認めるにあたりまして、国内の職業、特に私たち対策庁の立場といたしましては、沖繩の企業にショック的な影響を与えないように、願わくは沖繩の企業にプラスになるようなチェックのしかたというところで関係各省の御理解を得るという基本姿勢で進んでいきたいと思います。
○上原委員 在沖米商工会議所からは直接日本政府に対しては企業保護あるいは企業等の復帰後の取り扱いに対しての要請書は承っていないということですね。間接的にもないですか。
○橘説明員 直接どこかに行っておりますと間接には聞こえてまいります。
○上原委員 もう少しやさしい答弁をしてくださいよ。 では、少なくとも在沖米商工会議所がどういう要求をしているのか、米本国政府に対してあるいは大使館に対してどういう要求書を出したかは御存じですか。
○橘説明員 私ども当てられておりませんので、詳しくは存じておりません。ただいまその具体的な内容についての用意もしてまいりませんでしたので、中身はただいまちょっとわかりかねますでございます。
○上原委員 ほんとうにわかっていらっしゃらないかもしれませんので申し上げたいのですが、きょう時間がありませんから言いません。しかし出ていると思うのです。ぜひその資料を提出していただきたいと思います。もし直接日本政府に出してなければ、大使館には出ていますよ。大使館と日本政府は関係あるわけでしょう。先ほど、大使館には出ているが外務省には来ていませんなんという。少なくともどういうことをやろうとしているかは、返還協定の中身とかいろいろな面で関連するわけですから、在沖米商工会議所がどういうような要求を在日大使館や米本国に出しているかは、外務省持っていらっしゃると思うのだ。そのことをぜひ次の機会に明らかにしていただきたいと思います。いまの点について、何か御答弁ありますか。
○橘説明員 補足さしていただきます。 沖繩のアメリカの商工会議所からアメリカの政府あるいは日本の大使館、場合によってはアメリカの議会というところに要望書が出ておるようでございます。したがいまして、おそらくこれはアメリカの政府としては、当然そういうものを受け取っておりますれば、それをこちらに、こういう要望書が出ておるよ、だから考慮してくれというような連絡は私どもも受けております。そういう意味で直接には来ておりませんですが、そういう関接のかっこうで私どものほうに連絡が来ておるということでございます。
○上原委員 それは直接でしょうが間接でしょうが、こっちは中身が知りたいのですよ。ですから、そういうものが出ているわけですよね。米企業をどう取り扱うかについては、日米共同声明の中でも、御案内のように第九項でわざわざ念を入れさして挿入を日本政府はさせられたわけでしょう。これは復帰との関連で重要な問題ですよ。少なくとも十一項目にわたる要求書は出ている。これを日本政府が知らないというはずないですよ。この中身をどう日米間で取り入れられるかということが沖繩の関係の企業の方々も知りたいし、関係している従業員や労働者も知りたいわけなんです。このことは大臣やもっと上のほうに質問をすべき点かもしれませんが、そういう冷たい答弁のあり方じゃ、外務省、上から下まで秘密主義ではいけないのですよ、それは。その点ぜひ次の機会に明らかにしていただきたいと思います。 次に大蔵省にちょっとお伺いします。 米国資産の、私は買い取りと言いたいわけですが、取り扱いについてこれまで交渉しているということは承っているのですが、なかなか明らかにしていただけない。ここにもきょうちょっとした資料も出ているわけですが、いま資産の有償引き継ぎあるいは買い取りという段階で交渉している中で、特に三公社の問題、琉球水道公社の資産、設立後今日までの投資額、電力公社、開発金融公社、そういうものについて日本政府はどういう資料を持っていらっしゃるのか、あるいはまたどの程度見積もっておられるのか、明らかにしていただきたいと思います。
○前田説明員 御質問の三公社の資産について一体大蔵省はどういう資料を持ち、またどういうふうな見積もりをしておるかということでございますが、実はそういう点につきましては、現在鋭意評価作業を進めている段階でございまして、大蔵省として確たる数字というようなものもまだつかむに至っておらないわけでございます。まことに残念でございますけれども、そういう状態でございますので、御了承をお願いしたいと存ずる次第であります。
○上原委員 いまのような御答弁は、上は大臣から下までずっと出てきているわけですが、水道公社が設立されたのはいつですか。電力公社が設立されたのはいつですか。
○前田説明員 詳しく存じませんので、目下調査いたしましてお答えいたします。
○上原委員 こうなると、これは少し困りますね。少なくとも対米資産の評価の問題で重要な位置を占めるその三公社の設立の期日さえも御案内じゃない。一体何を根拠に対米折衝をなさるのですか。 古いほうからいきますが、まず電力公社が設立されたのが一九五四年の二月二十六日。当初の資本金なりその以降の投資額、そういうものについては何ら資料を持っていらっしゃらないのですか。
○前田説明員 先ほどの設立の年月日から申し上げますと、琉球電力公社につきましては一九五四年二月二十六日、水道公社は一九五八年九月四日、琉球開発金融公社は一九五九年十月一日、こういうことになっております。 数字のような資料につきましては、目下評価中でございまして、何ら具体的なものとしてまだ算出されておりません。その点は御了承をお願いしたいと思います。
○上原委員 いまの御答弁でいきますと、資産の問題で鋭意交渉を詰めて、ほぼ合意点に達したというようなこともこれまで言われております。さらに、予算委員会の一般質問で大蔵大臣に私は質問いたしましたが、事務レベルもよくやったと思っているのだということさえ言っておるわけですね。設立の年月日だけはおわかりになって、資本金やその間の投資額あるいは年間の利益が幾らあるのか、そのうちガリオア資金が幾らあるのかということもおそらく知っていらっしゃると思うのだが、明らかにしないで、一体日米両政府の交渉というものが順調に進んでいるのだということにはならない。きょうあえてここで申し上げませんが、設立当初の資本金が幾ら、その後の今日までの投資額は幾ら、そういうものについては資料を持っていらっしゃると思うのです。ぜひ出していただきたいし、時間がありませんのでここで打ち切りますが、私のほうにも手元に幾らか資料があります。 それと、もう一つは、米国民政府のほうからここに瀬長さんのあれに資料を出しているのだが、これでは意味がわからぬですよ。一体電力公社の資産はどういうものなのか、水道公社の資産にしてもおわかりかと思うのですが、ダムにしても、現在軍が直営しているのがあるわけですね。そういうものも含めて買い取るのか、あるいはそれは別に入っているのか、そういうリストについては出ていると思う。そこいらをお答えいただきたいし、またそういう資料が政府として出せるのかどうか、御答弁をいただきたいと思います。
○前田説明員 先ほど来申し上げていますとおり、資本金その他につきましては、私たちのほうとして鋭意目下調査をしておる段階でございまして、当初資本金というようなものが、いろいろな資料で、あるということは私たちもつかんでおりますけれども、それがはたしてそのとおりであるか、正しいものであるかどうか、そういう点について私たちはいま心証を得ようとして努力している最中でございますので、現段階では、まことに申しわけございませんが、出し得る数字を持っておりません。 それから、水道公社の施設でどういうものを考えているのか、米軍所有のものがあるじゃないか、こういうような御説でございますが、そういうようなものにつきましても、水道施設というものをどういうふうに引き継ぐか、こういうものは評価が終わりまして日米間で交渉してまいりたい、こういうことでございます。目下評価を鋭意進めているという段階でございます。
○上原委員 いまの御答弁なら少しは理解できるわけですね。資料はお持ちなんだが、それが適当に評価をされているかどうか、お確かめになりたい面もあるので、明らかにするわけにはいかないということですか。それとも資産買い取りあるいは有償引き継ぎにしても、日米間の交渉が非常に難航しているので、明らかにしたらますます困る、大蔵、外務独特の秘密主義でどうしても出せないということですか。
○前田説明員 外交上の進捗状況からいたしますと、まだ評価中でございまして、難航しているというような段階までまだ至っておりません。そういう状態でございますので、現在持っている数字というものが私たちの心証として真正なものであるかどうか、そういう点についてまだ心証が得られていない、こういう段階である、そういう意味でございます。
○上原委員 では、いま明らかにできないとなれば、いつごろまでにできますか。
○前田説明員 この交渉につきましては、返還協定の一環といたしまして、当然返還協定が妥結するまでにはこちらのほうも妥結しなければいけない、こういうふうに考えておりまして、鋭意進めている、こういう状況でございます。
○上原委員 返還協定の中には、資産の引き継ぎないし買い取り、そういうものも入れるのですか。また、交渉はいまどこまで進んでいるのですか。
○前田説明員 返還協定につきましては、これは外務省のほうの御所管だと思います。私たちのほうといたしましては、実体的な問題について作業を進めている、こういうことでございます。
○上原委員 時間がないようですが、きょういろいろお伺いしたわけですが、私がなぜ語気強く申し上げるかといいますと、資産の問題や請求権もきょう質問したいということで準備しているのですが、またあさってにいたします。少なくともこのような資産をどう取り扱うかについては、もう少し県民の前に、国民の前に明らかにしていただかないと、皆さんがほんとうに誠意をもって鋭意交渉中であり、努力しておられることは、まあわれわれ質疑応答している立場に立つ関係にある者は理解できても、沖繩の一般県民や国民大衆はそういうことでは納得しないわけです。新聞紙上を見ますと、いろいろなのが出てくる。これは意図的にむしろ政治PRしているかもしれませんが、私はそういうことではいかないと思うのです。五月十日に調印をする段階まで、合意をしたと言いながら、資産については全然明らかにしない、そういう政治のあり方、交渉のあり方では納得できません。したがって、これはさらに継続して質問もいたしますし、また資料もできるだけ明らかにしていきたいと私は思うのです。 大蔵省もいろいろ御苦労はいただいていると思うのですが、県民が何を求めているのか、何を知りたがっているかということで、ひとつ事務段階においても、また上のほうの交渉も含めてやっていただきたいと思います。 時間がきましたので、次に外務省に申し上げておきますが、対米請求権の件について次の機会に質問いたしますので、準備をしていただきたいと思います。以上です。
○池田委員長 次回は、来たる二十五日午前十時理事会、十時三十分委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。 午後一時二分散会