沖縄及び北方問題に関する特別委員会 第6号
- 発言数
- 250 件
- 登壇者
- 14 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1971/03/18
会議録
○池田委員長 これより会議を開きます。 沖繩及び北方問題に関する件について調査を進めます。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。中谷鉄也君。
○中谷委員 対策庁の長官にお尋ねをいたしたいと思います。 軍用地の問題でありますが、軍用地については区域及び施設については、必要な場合これを提供するということが安保条約、地位協定によって定められている。反面、軍用地の取り扱いについて、返還にあたっては、不要不急、民生の安定、経済の発展のために必要な土地については、その返還を求める、こういうふうな大きな柱が立っているわけであります。 そこで、お尋ねをいたしまするけれども、米軍に対して基地を提供する必要性と、民生の安定、経済の発展のために必要な場合には基地の返還を求める、これは提供することが第一義的であって民生の安定、経済の発展が第二義的だというわけではないわけでございますね。基地の取り扱いについては、民生の安定、経済の発展を第一義的に考えて基地の取り扱いをするという考え方なのでしょうか。この両者の考え方について、両者をどのように位置づけてお考えになるのか、この点について長官の御答弁をいただきたい。
○岡部(秀)政府委員 根本の大きな問題ですので、私がお答えするのはちょっと問題が大き過ぎるような気がいたしますけれども、私たちのほうは、国内法関係で、民生の安定、経済の発展という点を受けまして、これらの臨時措置あるいは民生安定、経済発展の諸立法等を、必要に応じましてつくっていきたいと思っておるわけでありますが、その点は施設庁のほう、あるいは外務省のほうと十分連絡をとりながら、私たちのほうの民生安定及び経済発展での力点という点を十分に理解をしていただきまして、私たちのほうの仕事のほうもそれによってあまりに制約されることがないような計画やら施策をつくっていきたいと思っております。
○中谷委員 土地は一つであります。そうして二つの目的が競合、交錯している問題であります。どの土地をどのようにということをお尋ねをする前にお尋ねをいたしますが、地位協定等によって基地として必要だという必要性と民生の安定、経済の発展ということは、民生の安定、経済の発展が基地の必要性に従属をするというふうなことではないと理解しております。むしろ民生の安定、経済の発展が土地の取り扱いについては基地の必要性に優先をすると考えております。 考え方には三つあると思います。従属をするのか、優先をするのか、それとも等距離において等価値においてこれの解決をはかるのか、この点については考え方でございますから、その点についてひとつ率直に御答弁をいただきたい。
○岡部(秀)政府委員 従属的に考えるのか、優先的に考えるのか、同価値に考えるのかという三つの問題、まさにその時点で問題が検討されるわけでありますし、その点はまた個々的、ケース的で相当違ってくるのじゃなかろうかと思いますので、その時点時点での考え方をいたしてまいりたいと思います。
○中谷委員 個々の土地についてではなしに、全体としての考え方をお聞きしているわけです。重ねて、この点は大事な問題であります。少なくとも民生の安定、経済の発展ということが第一義的に理解されているのだということでなければ、あるいはまた基地の必要性に民生の安定、経済の発展が従属するのだということだとするならば、それは民生の安定、経済の発展ということは沖繩県民に対する単なる飾り文句、単なる巧言令色でしかないというふうにいわざるを得ない。考え方としてお聞きをしているわけです。嘉手納村軍用基地八五%というふうな具体的な問題についてお尋ねをしているわけではないのです。ものの考え方、処理の基本的な対策庁の方針、政府の方針をお聞きしているわけです。
○岡部(秀)政府委員 私たちの立場だけという点でお答えをいたしますと、私たちの立場という点に限定をいたしますると、民生の安定、経済の発展ということを根本にいたしまして、いろいろの諸仕事を進めていきたいと思います。ただしその場合に、基地の提供あるいは基地関係の仕事が、それをまたその観点から施策をすることが民生安定、経済の発展に役立つ、そういう場合もあると思いますので、そういう点はやはり総合的な観点で考えていくべきで、特に事務的な段階のみならず、もっと大きな広い立場で考えていかなくちゃならないと思います。
○中谷委員 対策庁の立場としては、そうすると民生の安定、経済の発展ということが第一義的に、優先的に軍用地問題の中で把握されている、その前提に立って必要に応じて基地の提供をするというふうに対策庁としてはまず考えている、民生の安定が基地の提供とイコールでつながるというふうなお話がありましたけれども、それは一体どんな場合ですか。
○岡部(秀)政府委員 私たちの立場といたしましては、民生の安定、経済の発展というところに力点を置いていろいろの仕事を進めていきたいと思いますけれども、しかし、基地の問題というふうなものがまた全然それにプラスをしないという全面的にそういうことのみであるということもないと思うのです。そういうときは、基地の問題も頭に入れながら、あるいは逆に、それが経済の発展、民生の安定との場合にもあるいは間接的に寄与するような場合も出てくるのじゃなかろうかと思いますが、そのときはそういう場合をも十分考慮にいたしまして、多方面の問題に目を配りながら、やはり私たちの仕事も民生安定、経済発展ということを根本に進めていくのでありますけれども、もっと広い諸方面にも目を配りながら民生安定、経済発展をやっていきたいと思います。
○中谷委員 重ねてお尋ねをいたしますが、基地の提供が民生の安定、経済の発展に役立つというのはどんな場合なのですか。そういうふうな前提が対策庁の沖繩開発の前提にあるのですか。
○岡部(秀)政府委員 そういう前提がありますというわけではございません。そういう場合も出てくるときがあるかもしれないということを言っておるわけであります。
○中谷委員 どういう場合でしょうか。設例としてでもけっこうですから言ってください。
○岡部(秀)政府委員 いまここで具体的にどうということは考えられませんけれども、たとえばこんなような場合一体どんなふうにしたらいいかという思いをめぐらすわけですけれども、たとえば基地の撤廃をすぐ全部したというときに、これの関係のいろいろな業者等がございますけれども、きょういますぐ撤去、全部その人たちが職を失うというような事態が出てきたときを考えますと、それに対しては相当の期間を置かないと民生安定、経済発展という施策が追いついていかないような場面が出てくるのじゃなかろうか、そういうことを懸念いたしております。
○中谷委員 いまの答弁は、私は非常にいい答弁だと思うのです。そうすると、対策庁としての基地に対する考え方は、民生の安定、経済の発展という前提の中で基地が全部撤廃されるような場合、そういう場合を返還時に予想して−ということは、逆に言うと非常に大幅な縮小ですね。それは結局沖繩返還にあたる沖繩開発の柱だ、こういうことを考えておられるのですね。そうでなければ、基地が全部撤廃されたときの心配などということをおっしゃられるのだから、逆に言うと、対策庁の基本的な考え方は、基地の大幅縮小をもう念願として考えておられる、そうですね。そうして、しかも基地が全部ゼロになるという場合にいろいろな混乱が起こるでしょうという設例を出された。そういうふうな現実の実態の見通しの上での御答弁でございますね。
○岡部(秀)政府委員 私たちが沖繩の民生安定、経済発展等の振興政策を考えますときに、一番実は問題になりますのは、基地というものがいつなくなるのか、それからそれが完全になくなったというときを考えますると、いろいろな経済発展等の諸施策が非常に大きな広がりをもってやることができると思うんです。そういう意味で私たちは、基地というものがなくなって、それに制限をされない自由濶達な沖繩の発展政策を考えたいと思うのでございます。その点で、なるたけ早く、あるいは将来、そういうことが成って、自由に沖繩のあの島を、全く民生安定、経済発展という見地に立った自由濶達な施策ができたなら、どれほど沖繩の県民のためになるかということを頭に置いております。
○中谷委員 要するに長官のお話は、基地として土地を提供するということが民生の安定、経済の発展の阻害要因になるのだということは原則的にお認めになっておられる。そうですね。そういう前提があります。これはひとつ御確認を、あとで御答弁の中でしていただきたい。そして対策庁としては、民生の安定、経済の発展ということが、どの土地を提供するかというありようの中において第一義的に考えらるべき問題であるというふうに理解してよろしいですね。
○岡部(秀)政府委員 大体考え方は同じようでございますけれども、どうもその点を全然割り切ってという形にはなかなかいかないのじゃなかろうか、その点の厚薄、多少、その時期時期での考え方というものに幅を持たした考え方をさしていただきたいという点が少し違うようでございます。
○中谷委員 大まかな御答弁をいただきたいと思いますが、沖繩本島における中部の基地については、対策庁としては、少なくとも七二年においてどの程度の基地が返還されることを適当と考えられますか。スタンドポイントはあくまで民生の安定、経済の発展であります。いかがでしょうか。パーセントで言ってください。
○岡部(秀)政府委員 たいへんむずかしい問題ではなはだ残念ですが、私だけでは答弁ができない私の手には余る問題のような気がいたします。御容赦いただきたいと思います。
○中谷委員 対策庁の長官に念のために一言確認を求めておきたいと思いまするけれども、民生の安定、経済の発展ということをおっしゃっているけれども、それが単なる飾り文句として言われておって、事実上は基地の提供が先行するというふうなことになってはならないのだということは、対策庁としてはお約束できるのでしょうね。
○岡部(秀)政府委員 対策庁といたしましては、民生安定、経済発展ということを主眼に、その面に力を注いだ諸施策を進めていくという考え方でございます。
○中谷委員 対策庁長官にお尋ねいたしますが、対策庁の立場から見て不要な基地、不急な基地、こういうようなものはどの程度あると考えておられますか。
○岡部(秀)政府委員 不要不急の土地ということにつきまして、私どものほうはまだ具体的につかんでおりません。ただ抽象的に、不要不急の土地はできるだけ開放してもらって、間接でなくて直接に民生の安定、経済の発展に役立つようにしていただきたいという希望を持っております。
○中谷委員 不要不急の土地というのはどの土地かということは、そうすると、対策庁としてはいつまでに調査されるのでしょうか。それとも、それは全く外務省とアメリカとの交渉の中で論議されることであって、かつてこの委員会において山中さんが言われたように、対策庁なり総務長官はつんぼさじきということに相なるのでしょうか。いつまでに調査されますか。
○岡部(秀)政府委員 こういう不要不急の土地というふうなものがあるかどうかということにつきましては、琉政のほうともいろいろ仕事を進めていくうちにあるいは確実になってくる面も出てくるかとも思いますけれども、これは外交関係あるいは大蔵省関係等と密接な関係を持って進めていかなければならないと思います。
○中谷委員 あなたのほうではいつまでにそういうことについての意思表示、調査結果が発表できますかと聞いているのです。
○岡部(秀)政府委員 今後の仕事の進行状況と見合いながら、そういう点も配慮いたしてまいりたいと思います。
○中谷委員 いつまでに対策庁としてのそういうことの意思表示をしなければならない、返還までのどの時期までにそのような意思表示をしなければならないと思いますか。当委員会においていっそういうことについての意思表示をするのか。タイムリミットとしてはこの辺でなければだめだという時期はあると思うのです。その時期はいつでしょうか。
○岡部(秀)政府委員 これは外務省のほうの仕事の進みぐあいという点に大きく制約されると思います。
○中谷委員 だから、外務省まかせなのでしょうかと聞いているのです。外務省とアメリカとの関係において、外交の問題において合意に達した不急不要の土地というものは私はあると思うのです、しかし対策庁は対策庁としての立場から、これは不要不急と思われるという意思表示はあってしかるべきですね。それはいつされるのですか。それがアメリカとの合意に達するとか達しないということは別として、対策庁としては意思表示をされる責任があると私は思う。それはいつまでにされますかと聞いているのです。
○岡部(秀)政府委員 私その点につきましていつまでという御返答はいたしかねるような状況でございますが、しかし、仕事の進みぐあいを両方あわせながら、私たちのほうにおきましても、そういう点を大臣からもかねがね外務大臣などに申し上げておりますことを私も知っております。
○中谷委員 だから、すべての不要不急の土地はこの土地だということを意思表示しても、それはもう手おくれだという時期もあると思うのです。いつまでに最終的には意思表示をされなければならないというふうに対策庁としては考えておられますかという質問なんです。作業の進みぐあいに応じてとか、やっておりますとかいうことじゃないのです。結局対策庁としてはここが不要不急だと思うという意思表示をされる意思がありますか。それは一体いつですか。進みぐあいのことはわかりましたが、時期で示していただきたいとお願いしているのです。
○岡部(秀)政府委員 いつに出す、いつまでということを私たちも申し上げたいと思いますけれども、それはやはり返還協定との関係がございますので、それの推移ということしかどうも考えようがないように思います。
○中谷委員 返還協定調印前にそうした意思表示をされる意思はない。不要不急の、民生の安定、経済の発展のために、対策庁としては軍用地として使用されている土地のうちこの部分は沖繩の県民に返還さるべきものというのを、返還協定調印までには調査の結果意思表示をされる、そういうことは確約できない、こういうことですか。
○岡部(秀)政府委員 いや、そういう点はまた必要に応じまして私のほうから外務省関係に希望も申し上げておりますような状況です。例の国頭の演習地の問題などにつきましても、総務長官のほうから外務省のほうに、あの実弾射撃をやらないでいただきたいというふうなことを申し上げておりますような状況で、そのときそのときに応じまして交渉のできるものは外務省のほうに要望いたしておる次第です。
○中谷委員 那覇空港が返ってくる、軍港も返ってくる、那覇市の三分の一を占めているところの基地については撤去される、こんなことは常識だし、あたりまえのことなんです。そんなことではなしに、われわれが沖繩県民に対してしなければならないことは、大幅な基地の縮小とその基本的な考え方、それを示すべきで、国頭村の演習地問題について発言をしたなどというふうなことは、それはもう現に当面している問題について発言すべき義務があって発言したことであって、当委員会においてそのようなことを麗々しく御答弁いただくほどのことはないと思うのです。軍港も返ってくることは私はあたりまえだと思っています。だから、そういうことについて総括的に、総合的に、全体的に不要不急、民生の安定、経済の発展という観点から、基地の大幅返還を求めるということを対策庁が意思表示をされるのは、返還協定調印の前にされるかと聞いているのです。前にされることをこの席で御答弁いただけますかと聞いているのです。
○岡部(秀)政府委員 返還後におきましてもさらにそういう問題は促進をしていかなくてはならぬと思いますけれども、特に返還前にそういう問題につきまして外務省とも十分な打ち合わせをいたしていくということはよろしいと思います。
○中谷委員 そうすると、長官、もうこの質問ばかり続けていくわけにいきませんから打ち切りますが、要するに、調印前に総合的、全体的、総括的な、具体的な地名を入れた返還を求める。それらの観点から見た基地について、委員会においてあなたのほうは対策庁の考え方を意思表示される、議員の質問に答えられる、そういう状況にあるということだけはお聞きしておいていいですね。
○岡部(秀)政府委員 さらにその点は具体的に大臣ともいろいろお話し合いを進めていきまして、私たちのほうといたしましては、できるだけ不要不急の土地あるいは民生、経済の発展に阻害のないようにという点に力を注いでまいりたいと思います。
○中谷委員 時期のことを聞いているのです。調印前にそういう意思表示ができることを確認したいと申し上げているのです。それは確認できますねと聞いているのです。
○岡部(秀)政府委員 できますれば、なるたけ前にそういう緊密な連絡を十分にとっていきたいと思っております。
○中谷委員 そこで、午後から外務大臣がおいでになりますが、今度の予算委員会の中では、返還後沖繩から核が撤去される、その点について防衛庁は核不存在の総点検をされるということを予算委員会の中で答弁をされた。これについて外務大臣は数回にわたって御答弁になっておられますが、この点について外務省にお尋ねをいたしたいと思います。 まず、核が不存在だということを点検をするということは、法的に困難な問題があるのでしょうか。そういうふうな趣旨の御答弁があったように私は聞いておりますが、法的な問題として核が不存在だということを点検することに法律上の困難というようなものはあるのでしょうか。その点についての経緯、問題点をまず概括的に御答弁ください。——外務省はまだ来てないようですので、あとで外務省に聞きます。その問題をきょうは中心にお聞きをしたいと思っております。 では、その問題に関連をして法務省にお尋ねをいたしたいと思いますが、軍用地の問題について、一つの考え方として政府は明確に答弁をいたされませんけれども、小笠原のようなかっこうで暫定措置法をつくる、そうして引き続き使用をしていく。さらに地位協定に基づく特別措置法によって、その後、現行法によって土地の個々の契約を拒否するものについては収用するというふうなプロセスになろうかと思うわけです。そこで、いずれにいたしましても、暫定措置というふうな方法がとられた場合、小笠原的方式がとられた場合、そういうふうに引き続き使用をするということは、一つの処分ですから、これに対しては当然行政訴訟の対象になりますね。同時に、特別措置法による土地の収用についても、当然これは行政訴訟の対象になることは言をまたないことだと思います。あたりまえのことですけれども、質問の導入部分ですから、法務省のそうだということの御答弁をまずいただいておきたいと思います。
○時岡説明員 仰せのとおりだと思います。
○中谷委員 時岡さん、質問が続きますから、近いところにおってください。 そこで、次に問題になりますのは、暫定措置法によって引き続き使用するというそういう処分ですね。それから特別措置法によると、「適正且つ合理的」である場合に限って収用できるということになっておりますね。いずれにいたしましても、引き続き使用することの適正ないしは合理性というものの立証責任というのは、当然国のほうに立証責任——暫定措置による引き続き使用の場合もその引き続き使用について不服のあるものに対する立証責任、それと特別措置法による収用についての収用の適正かつ合理的の立証責任も国にあるということは当然のことだと思いますが、ひとつ立証責任の所在はどちらにあるのか、これも御答弁ください。
○時岡説明員 かりに土地等の特別措置法で土地が収用されて、地主がその処分を争ったという場合を前提として考えますと、三条の要件に合致しているかどうかは、それは被告の行政庁の側に立証責任があります。
○中谷委員 立証責任ということは、言うまでもなしに、引き続き使用することの必要性と合理性それと収用の場合には、収用それ自体が適正かつ合理的であるかということの立証責任であることは言うまでもないわけですね。そこでそういうふうな立証責任について、裁判所が、そういうことの立証をめぐって、基地に立ち入って、収用対象となっている土地あるいは暫定的に使用することになっている土地を検証をするという場合、これは一体日米の合同委員会においてどのような合意がなされておるのでしょうか。
○時岡説明員 行政協定の十八条の適用に関しまして、日米合同委員会におきましては、「日本国の民事裁判所は、合衆国軍隊の使用する区域又は施設内で検証することができる。当該区域又は施設の司令官は、裁判所の要求があるときは、これを許可し、かつ、護衡兵を附するものとする。」旨の合意がなされております。
○中谷委員 そうすると、立証責任は国のほうにある。日米合意によって検証することができるが、その検証は許可を条件とする、そうですね。その場合に基地の司令官が検証の許可をしなかったならば、訴訟上不利益を受けてやむを得ないのはどちら側になりますか。
○時岡説明員 これは立証責任の性質上、立証責任を負う者が立証できないという下利益を受ける。これは民事訴訟上当然のことだと思います。
○中谷委員 時岡さんにお尋ねをしておきますけれども、裁判所の検証、民事裁判についての検証の日米合同委員会の合意がなされておりまするけれども、これは当然地主すなわち原告、それから地主の代理人あるいはまた必要に応じてその土地の利害関係者であるところの隣接の土地の人間、それらの人たちの裁判所を通じての立ち入りということは裁判の性質上当然のこと、またこの合意書はそういう意味の合意だというふうに私は理解しておりますが、いかがでしょうか。
○時岡説明員 検証と立ち会いは、これは別の問題ではなかろうかと思います。したがいまして、御質問の場合におきましても、関係者の立ち会いも含めまして検証の申請をし、それにつきまして司令官が許可をすれば立ち会いができるということになろうかと思います。
○中谷委員 施設庁の長官にお尋ねをいたしたいと思います。防衛庁長官は、要するに返還後の沖繩に核がないということについて総点検を考えている、こういうふうに別の委員会で答弁をされました。そうですね。しかし、防衛庁の職員が核が不存在であることについての点検をする以前に、訴訟の進行の中において地主それ自体が核不存在の点検をすることは、当然、自分が提供する土地が核基地として使用されない、そういうふうに使用されることは政府の政策に反することだし、国民としての義務にも反すること、単にそのように使用されたくないという権利主張ではなしに、そういうこととして使用されてはならないのだという地主としての義務を負っておるとさえも私は思っておる。そういうようなことで、検証の過程の中において、核が存在してないことについてという検証、そういうふうなことがあった場合に、施設庁としては裁判の中においてそれを拒否をする——裁判所かきめることだから拒否したってだめですけれども、裁判の中においてそういうことについて異議を申すという気持ちは全然お持ちになっていないでしょうね。
○島田(豊)政府委員 防衛施設庁といたしまして、そういう際に検証のために基地内に立ち入るということをお断わりするという立場には全然ないというふうに考えております。
○中谷委員 そこで、具体的な問題として、自分の土地は核貯蔵庫やその他核兵器のものとして使用されることは、地主の所有権に基づく権利の上からも、国民としての義務の上からも、そのようなことは困るということで、その点が争点になってきた場合、そのことによってそこに核があるのかないのかということの検証を原告が求めた場合に、施設庁は裁判所に対して、そのような検証について異議をはさむことはないでしょうね。
○島田(豊)政府委員 御質問の趣旨に限定して問題を考えます場合には、いろいろ前提がございますけれども、いまかりに理論的に先生がおっしゃったような事態のことを考えます場合には、これは問題は米軍当局の措置にかかわる問題でございまして、防衛施設庁としてはそれについてとやかく申し上げるという立場ではないというふうに考えておるわけでございます。
○中谷委員 それでは施設庁長官にお尋ねをいたしまするけれども、核を持ち込まない、核を撤去するということは政府の最高政策ですね。地主A、地主B、地主Cが、自分の土地にはどうも核貯蔵庫がありそうだ、だからその点について自分としては施設、区域としての土地の提供を拒むといった場合、しかもそれを司令官が許可しなかったという場合、立証の方法がないわけだという前提に立てば、施設庁としては土地の収用は不利益をこうむる、そして結局あきらめざるを得ない、そういう結論になることを承知の上での御答弁でしょうか。
○島田(豊)政府委員 私ども政府機関の一員といたしましては、復帰時におきましてはいわゆる核抜き本土並みというこの最高方針、ことに一昨年の十一月の佐藤・ニクソン共同声明の趣旨、これはニクソン大統領が総理に対してそれを約束されておるわけでございますので、その方針に変わりはないということをわれわれは確信をいたしておるわけでございますので、そういうことがないようにわれわれとしては十分地主の方々にお話を申し上げたいと思いますし、政府の方針をひとつ御信用いただきたいということで円滑にその問題を処理するということがわれわれの考え方でございます。
○中谷委員 なるほど。そうすると、防衛庁が核不存在のことについて総点検をすると言った意味は一体何なんでしょうか。何も防衛庁にお世話にならなくていいというのが私は地主の気持ちだと思う。自分の土地に核が置いてないか、自分のことを自分でとにかく調べさせてくださいということは、土地を持っている人間の当然の基本的な要求、そうでございますね。そうすると、防衛庁の総点検というのは、国民が、核がないんだないんだといっても、その点について不安がある、そうですね、だから総点検をするというんでしょう。土地を持っている地主、そうしてその関係者、この場合には、私は、だから、訴訟の適格者は、単に地主Aにとどまらず、百万の沖繩県民が訴訟の適格者になると思う。それが核の不存在について検証したいということを、防衛庁がやることをなぜ地主ができないのか。むしろ、やるのは地主であって、防衛庁のお世話にならなくてもいいというのが私の基本的な考え方。この点について、そういうふうな申し出が裁判所の中にあった場合に施設庁としては、そのような申し出について異議を申し立てることはありませんね、こう聞いているのです。そのことについて、米軍が許可をしないという問題は別個の問題、これは施設庁の責任じゃないと思う。あなたのほうは異議を申し立てることはありませんね。ともに、一緒にいきましょう、核のないことを確認しましょうという姿勢をおとりになりますね。そうでなければ、防衛庁の姿勢、核不存在総点検というのは、まやかしになるというのが私の考え方です。御答弁をいただきたい。
○島田(豊)政府委員 復帰時におきます核の総点検という問題でございますが、中曽根大臣が例示的にあげておられますように、すでに核兵器といわれておりましたメースBは撤去をせられておるまた、現在これは確認できませんけれども、ナイキハーキュリーズの基地が現にございます。このナイキハーキュリーズは核を装着可能でございます。それが自衛隊に引き継がれるというような機会におきまして、核の不存在ということが十分確認をできる、こういう趣旨で申し上げたように私は理解をいたしておるわけでございます。しかし、これもあくまで前提といたしましては、復帰時におきましては核は不存在である、それまでに、もしあるとすれば撤去されておるという状況を前提としながら、しかし、なお問題が残るとすれば、疑問が残るとすれば、そういう点についての確認をしなければなるまい、こういう趣旨のことではないかというふうに思うわけでございまして、われわれといたしましては、地主の方々と具体的に契約をするという、そういう過程におきましては、核がないということを前提としてすべて作業を進めてまいりますので、理論的な問題はともかくとしまして、実際上の問題としては、先生のおっしゃるようなことのないように、われわれとしては、十分合意を取りつけるような努力をいたしていきたいというふうに考えておるわけでございます。
○中谷委員 施設庁長官にお尋ねをいたしますが、ないようにしたいというのと、現に私はすでに指摘をしている、成田どころの騒ぎじゃない問題が起こりますよ、ことに、政府の姿勢いかんによっては、たいへんなことになりますよと。私は、この土地問題というのは、しかも数年続くと見ている。私自身が代理人にならないと限らないじゃないですか。そうでしょう。あなた、いまこういうふうに言われましたね。核がないことは前提だ、しかし、核がある疑いがあっちゃいけないから、結局、総点検をするのだとおっしゃいましたね、防衛庁は。そうですね。そうだとすると、防衛庁はそういうふうなことをかりにどんなかっこうでおやりになるか、私、ゆっくりあとで聞かしていただきます。施設庁のお仕事でなければ私は別の機会に聞きますが、核はないと言った。しかし、政府自体が総点検をするということは、疑わしいという前提がまだあるからでしょう。国民の疑惑を晴らさなければいかぬという前提があるでしょう。そういう総点検のやり方はどうおやりになるか知りませんけれども、地主A、B、Cが、なおその点について疑わしい、そんなことについて土地の提供はできませんと言った場合に、当然裁判になった場合に、それは検証の対象になるはず。それについて司令官の許可とかなんとかという問題はおいでおいで、納得しない人間がおるということを前提に話をしておるのです。私が少なくとも代理人だったら納得しませんよ。説得をしたって、そんな説得だけじゃ説得になりませんよ。その場合に、あなたのほうはそのことについての異議の申し立てなどということをすることはないでしょうねと聞いているのです。裁判所におまかせをするんでしょうねと聞いているのです。それだけ聞いている。
○島田(豊)政府委員 核問題についての基地の総点検ということは、核基地に立ち入り調査いたしまして、それがないということを一々確認するということを必ずしも意味しておりません。確認といいますのは、いろいろな意味での確認の方法もございましょうから、一つ一つの基地について、不存在であるということをわれわれが足を運んで立ち入りをして確認をするということではないのではないかというふうに考えておるわけでございます。 それから、問題は、われわれが地主と交渉をする場合におけるいわゆる基地の使用権設定に関する行為と、その後のいわゆる訴訟の段階というものとは、一応切り離して考えるべきではないか。われわれは、事前の交渉の段階におきましては、できるだけそういう努力で御納得のいくような取りはからいをしていきたい、こういうふうに申し上げておるわけでございます。
○中谷委員 どうも、質問はただ一点なんですよね。そういう核不存在について争いがあった、防衛庁自身も確認をしなければならない状態だというんでしょう。日米共同声明があったからそれでいい。国民は信用しない。防衛庁だって、その点については国民の疑惑を晴らさねばいかぬということで、終点検構想が出てきたんでしょう。そうですね。あなたがさつきそういうふうに言われた。そうだとするならば、地主がその点について防衛庁と同じことを知りたい。確認の方法は、単に立ち入りだけじゃないんだとおっしゃった。そのとおりかもしれませんね。軍司令官を証人に呼ぶ、国防総省の役人を証人に呼ぶ、アメリカ大使館の人を証人に呼ぶ、いろいろな方法があると思いますね。そんなことについて、それは当然、県民の権利であり、同時に義務なんだという観点からするならば、防衛庁は、自分が疑惑があるとしておやりになることを地主がやろうとすることについて、異議をはさんだりすることはないでしょうねと聞いておる。
○島田(豊)政府委員 この問題は、係争になりました場合に、われわれ防衛施設庁といたしましては、そこで何らかの行為をするという、そういう立場にはないということを先ほど申し上げたわけでございます。
○中谷委員 何ですって、いまのこと、もう一度言ってください。防衛施設庁は、そういうことについて納得をいただいて、そうして土地を提供してもらうんだと言っている。訴訟になったら、もうとにかく、片ひじはってけんかしようという言い方なんですか。協力をして真相の究明をしていくというのが基本的な姿勢でなければなりませんね。訴訟になったら、もうとにかく大げんかだ、対立抗争なんだという考え方はないんでしょう。そうですね。その点について施設庁としては、いずれにしても、疑惑を晴らすことについて地主に協力をする、訴訟という場を通じてでも協力をする、訴訟外においても協力をする、地主が主体的にやることについては協力をするという、その一点を聞いておる。その具体的な例として、裁判で異議を申し立てることはないでしょうねと聞いておる。
○島田(豊)政府委員 先ほど申しましたように、使用権を設定するための段階と、それから、その後における訴訟になりましてそれが進行しておる段階と、二つ考えられるわけでございまして、われわれとしましては、事前の段階におきましては、先ほど申しましたような核不存在の原則をあくまでたてまえとして折衝いたすわけでございます。もしそれが不服で行政訴訟というふうな形になりました場合に、先ほどの法務省の御見解ですと、そういう問題については、一応、不利益をこうむるのがいわゆる被告側である、国側であるというふうなことになりますれば、当然、訴訟の当事者となるわけでございますので、それにつきましての相当な措置というものが必要になろうかと思いますけれども、その核の問題ということは、一般の訴訟の場合と違いまして、特殊な非常にむずかしい問題でございますので、これについてやはり慎重に考えていかなければならないというふうにわれわれは考えるわけでございまして、そうい訴訟の段階になりますれば、私どもとしては、必要な措置は考えなければなりませんけれども、そのときに具体的にどうするかということは、いままだここで私も十分見解を申し上げるだけの用意がございませんが、訴訟の進行につきましては、われわれとしてもそれ相当の協力をしなければならない。ただ、立ち入りについてわれわれが協力をするしないということは、これはやはりいろいろな諸般の情勢、米軍との関係もございますのでそういう点を十分配慮をしながらどういうふうな措置をとるかということは考えていかなければなりませんので、現在の段階におきましては、それについての明確なる私どもの考え方を申し上げるという時期ではないように思います。
○中谷委員 けっこうです。いずれにしても、そこが今後の土地闘争の一つの焦点になってくる。そこで、あなたが、わかりました、地主に協力しますと言ってしまえば、これは基地の態様はゆらぎますからね。ただしかし、あなたの答弁の中から私はここでひとつ意見を申し上げておきたいと思いまするけれども、日米共同声明によって核は撤去されるのだ、返還後総点検をするのだといっても、本土、県民の核隠しということについての疑惑はいまの一貫した御答弁の中からは私は払拭されないと思うのです。現実、具体的な深刻な問題になってきておりますから、これはこの程度にしておきます。しかし、いまの御答弁の中からは、防衛庁の総点検なんというものは私はどれだけ価値があるか、きわめて疑問です。しかし念のために聞いておきます。 立ち入りだけじゃないんだ、個々の基地だけじゃないんだという防衛庁の総点検というのは、具体的にその後きまりましたか。どういうふうなことをおやりになるつもりですか。
○島田(豊)政府委員 まだこれにつきましては、防衛庁の中でどういう方法をとるかということについては、討議したり検討したりしたことはございません。米軍に確認をするということも一つの方法ではないかというふうに考えておるわけでございます。
○中谷委員 時岡さんに最後に一点だけお聞きいたしておきますが、裁判にあたって、とにかく外交官あるいは米軍関係者が民事裁判の際に裁判所が喚問できないというふうな原則はございませんね。
○時岡説明員 地位協定の十八条にその問題が規定されておるわけでございまして、たしか公務中の事故については民事裁判権免除の規定がございます。
○中谷委員 そうじゃないんです。いろいろな問題について、米軍の司令官あるいはアメリカの外交官だけしか知らない事情、その人によって立証しなければならない点について証人として喚問できないということは、原則的には喚問できるのが原則でございますねと聞いているのです。
○時岡説明員 仰せのとおりだと思います。
○中谷委員 そういうことで、ここで質問をすると同時に、すでにもうそういう土地問題というのは大きく展開をしているわけだから、いろいろな問題点を一応詰めておきます。 次に外務省、ずいぶん待たしていただきましたが、お尋ねいたしたい。 先ほど外務省おいでになっているとばかり思って質問したら、おられなくて、もう一度同じことを繰り返すわけですが、防衛庁は核が不存在だということについて総点検をするということを長官が発言をされた。その後、メモを持ってまいりましたけれども、外務大臣の御答弁は非常に慎重な答弁を繰り返しておられるわけですが、午後から外務省にこの点についてもお聞きをいたしますが、外務省の政府委員として御答弁をいただきたいのは、核が不存在だということを確認をすることについて法律的な問題の支障というのはあるのでしょうか、というのが質問の第一点であります。それを分けて御答弁をしていただきたい。施政権下にある現状、それから返還後、それといま一つ法律的には返還されたという状態、これは安保条約の地位協定もそのまま適用されない。それが引き続き使用しているからわからないけれども、返還されたという状態、返還するんだという状態、そのときは安保条約も地位協定も施政権も何もない。全部日本へ返ってきているんだという状態、そういう状態が一つある。そういう三つの場合があり得るという前提で私はお尋ねしますけれども、法律的に困難だというふうに答弁されたとお聞きいたしておりますけれども、核不存在だということを確認することに伴うところの法律上の問題というのは、どんな問題が出てくるでしょうか。
○橘説明員 外務大臣のこの問題についての御答弁にございましたように、何ぶんわがほうの総理とアメリカの大統領とがはっきり約束をなすったことでございます。したがって、そもそも返還されたあとの事態においては、核は当然わが国にはない。そうして返還されました後には、安保条約とそれに関連する取りきめがそのまま適用されます。したがいまして、法的に言いましても、もしそういうものがあれば当然事前協議の問題にもなりますので、そもそもそういう問題はないものと考えております。
○中谷委員 防衛庁が核不存在についての総点検をすると言ったそうですね。そのことは、法律的に総点検ということは法的な障害があるというふうな趣旨の答弁を、外務大臣としてはしておられないわけですね。そう理解していいんですね。総点検ということは法律的には全く可能だというふうに外務省はお考えになっているのでしょうか。
○橘説明員 総点検という構想は、私どもの理解しているところでは中曽根長官のお考えと承知しております。先ほど施設庁長官もお答えありましたように、まだそれの具体的な内容もはっきりしておらないように存じますので、したがいまして、いまの状態では御質問の点のもうちょっと手前の、以前の問題であるような受け取り方をしております。
○中谷委員 では防衛庁長官が言ったとか言わないとかいうことはもう別のところにおきます。核が不存在ということを点検をするということは、法的に問題点があるでしょうかということです。
○橘説明員 総点検というお話なんでございますが、先ほども御答弁にございましたように、その内容がはっきりいたしませんので、したがいまして、どういう法的な問題があるかただいまはっきりいたさない、もう一つ手前の問題のように思います。
○中谷委員 何月何日、核があると思われる基地に行って、核があるかないかを確認をするという行為をすることに、法的な障害はあるでしょうか
○橘説明員 先ほど申し上げましたように、そもそも核というものが、返還されまして、安全保障条約、それと関連の取りきめが適用される段階においては、核があり得ないという事態のものでございますので、その先の問題には、ただいまちょっとお答えいたしかねます。
○中谷委員 法律問題としてお聞きしているのであります。核があり得ないという前提を立てますしかし核不存在を確認をするため何月何日A基地に入るということに法律的な支障はあるんでしょうかと聞いているのです。
○橘説明員 たとえば、そういう基地に立ち入るということも、どういうかっこうでありますのか、ただいまのところでは、はっきりいたしておりませんので、それに伴ういろいろの法律関係というのも、ただいまはっきり申し上げかねます。
○中谷委員 入る方法について、どのような——それは態様がありますよ。きょうは詰めますよ、この問題。ぐじやぐじゃ言って、この問題については、きょうは時間がたっぷりあるんだから詰めますよ。入る態様には、どんな方法がありますか。
○橘説明員 そもそものお尋ねの出発でございます総点検というお話も、実はその内容が私どものほうではっきりいたしておりませんので、どういうことがあり得ますか、ちょっとお答えはむずかしいと思います。
○中谷委員 何月何日Aという基地に核があるかないかを点検するために入るという場合に、ではどのような法律問題が生じますかという質問に変えましよう。
○橘説明員 まことにあれでございますが、何ぶんその態様がはっきりいたしませんので——そもそも核がある、核がないいうことを確認するための目的ということが出発のように伺いましたけれども、その目的が、そもそも先ほど申し上げましたとおり、核が当然そのときにはないという前世でございますので、立ち入りという場合、どういうあれがあるかという点につきましてのお尋ねにただいまちょっとお答えいたしかねる状態でございます。
○中谷委員 立ち入ることについての態様ということをおっしゃいましたね。そうですね。立ち入りは立ち入りで、私は何も態様がないと思いますあなたのほうは、立ち入ることについて何か態様があると思うのですか。いろんな態様が考えられるのですか。別にさくを飛び越えて黙って入るとでも私が考えて質問したと思っているのですか。だから一体態様というのは何ですか。
○橘説明員 先ほど立ち入りということの御質問がございましたので、それを繰り返したわけでございますが、先ほど施設庁のほうからも答えがありましたように、そもそもの総点検というところが、どういうかっこうなのかわかりませんので、何ぶんそれから先の具体的な点が明確にならないわけでございます。
○中谷委員 立ち入った後の点検と立ち入りとは違いますね。そうですね。立ち入りについて法律上の問題点はありますか。
○橘説明員 ただいま御質問の点は、もし伺ったところに誤りがなければ、核がそこにあるかないかということのために立ち入るという御質問であったように伺いましたのですが、そうなりますと、私どもといたしましては、そもそもそのとき核はないという前提に立っておりますので、それから先のそういう想定される事態というものについて、ただいまちょっとお答えいたしかねますが、ただ一般的に、たとえば米軍の基地に入るといいましても、ちょっと訪問をするというようなこともございますし、それぞれケース・バイ・ケースによって違うと思います。
○中谷委員 安保条約、地位協定が適用されている状態ですね、返還というのは。返還後はそれが適用されますね。現在も施政権下に基地があるわけですね。その中間の安保条約、地位協定は適用されていない、とにかく返還はされたというときには、安保条約も地位協定も施政権も何ら適用されていない、要するにそういう状態というのは考えられますか。
○橘説明員 ないと存じます。
○中谷委員 アメリカの原子力法、マクマホン法上の問題は——核か不存在だということと原子力法とは関係があるのでしょうか。返還後の沖繩に核がないということは、アメリカのマクマホン法との関連を生ずるのでしょうか。
○橘説明員 返還後の時点を想定してのお尋ねと存じますが、その場合沖繩は、わが国の完全な領域でございまして、アメリカの法律とは直接の関係はない状態であると存じます。
○中谷委員 そのことは、すでに黒柳君の質問に対して答弁されております。核がないということは、マクマホン法上の保護を受けるものでなくなっている。マクマホン法上の保護さるべき法益としての対象ではない。要するに公知の事実という理解をしてよろしいですね。
○橘説明員 マクマホン法は、何ぶんわが国の法律ではないのでございますが、いずれにせよ、アメリカの国内法でございます。したがいまして、公知かいなかということは、日本側からどうこういうことではございませんが、事マクマホン法に関しましては、わが国を直接縛るものではない、核を含んでのことはそうなると思います。
○中谷委員 マクマホン法が日本人を縛るなんてたいへんなことですよ。アメリカの法律で何で日本人が縛られなければならないのですか。マクマホン法と沖繩の基地に核が不存在だということ、それがアメリカの関係において、マクマホン法の保護される法益になるでしょうかと聞いているのです。マクマホン法が日本人に適用されないなんてあたりまえのことですよ。
○橘説明員 マクマホン法の対象にするようなものが、もし適用さるべきものがあるとすれば、それはマクマホン法の関係においてはアメリカ側にはかぶるものであろうと存じます。
○中谷委員 マクマホン法の規定するところというのは一体何条ですか。私はきょうはマクマホン法を持ってきておりますけれども、あなたのほうは持ってきておりますね、持ってきてくれと言っておいたから。それは何条ですか。
○橘説明員 マクマホン法の適用される条文といいますと、極端に申せば全条文ですか、そうだと思います。
○中谷委員 そうすると、全条文の中で、沖繩に核が不存在だということは、マクマホン法に技術協力なんかも出ていますね。その条文にもかかってくるんでしょうか。もう少しまじめな答弁をしたらどうですか。
○橘説明員 核の存在、不存在というものと、ただいまの技術情報その他とはおのずと別ではないかと存じます。ただいまの御質問の趣旨は、私もし間違って受け取っておればあれでございますが、存在、不存在という点……(中谷委員 「不存在に限っているのです。」と呼ぶ)もしその場合にマクマホン法の対象となるものがございませんのであれば、アメリカとしてそれを適用すべき対象はないかというふうに考えます。
○中谷委員 そうじゃないのです。私の質問のほうが一歩前へ出ているんですね。沖繩に核が不存在だということは、マクマホン法とはもう関係がなくなっている一つの事実ですねと聞いているのです。もっと説明しましょうか。日米共同声明以来沖繩には核を置かない、こう言ってきているのだから、そういうふうなことからいって、もはやマクマホン法上の核がないということ、そのことは何らマクマホン法によって保護される機密あるいは資料、情報ではないですねと聞いているのです。
○橘説明員 もしマクマホン法でカバーしているようなものが全く沖繩とは関係がない、そこにはそういうものがないということになれば、実際上の問題として適用がないということになると思います。
○中谷委員 そうじゃないのです。マクマホン法でカバーしているものが、沖繩の核の不存在についてはありますか、ありませんかという質問です。そうでしょう。あなたの答弁は答弁になっていないのです。
○橘説明員 ただいまのお尋ねの点は、沖繩に核がないという前提をまず置きまして、その場合にそのような事態においてもマクマホン法が沖繩に適用され得るのであるか、こういうことでございましょうか。
○中谷委員 違いますよ。法律というのは適用というか、常にかぶってきていますよ、アメリカの人間に対してはマクマホン法はいつもそうでしょう。具体的にそれが発動するという場合とは別でしょう。アメリカ軍に対してマクマホン法というものは常に動いているわけですね。そうですね。しかし沖繩に核がないということは、もはやマクマホン法が具体的に適用するという余地は残っていないのじゃないですか。あなたは、私が聞いたら、マクマホン法とかかわりがなかったら適用されないと思います。あなたのお答えは、男でなかったら女であるという答えと同じであります。マクマホン法とかかわりがあるのかないのか聞いておるのですよ。あなたの答弁は、かかわりがないとすればかかわりがないと思いますなんて、答弁をそらすのも極端ですよ。だから、沖繩に核が不存在だということは、もはやマクマホン法の機密から、とにかくそのことは除外されていることでしょうかというふうな聞き方でもいいのです、私の聞き方は。その点を答えてください。
○橘説明員 先生のお尋ねの過程においておっしゃいましたように、おそらくマクマホン法自体は、沖繩にもしアメリカがおれば適用され得る、いわばそういうかさの中に入っている事態であろうと存じます。
○中谷委員 そこで、核が不存在だということは、具体的にマクマホン法の条文とのかかわり合いを生じますか、こう言っているのです。どろぼうという刑法の規定があっても、実際上どろぼうがいなければ刑法の規定の適用のしかたはありませんね。刑法二百三十五条によってそれはとにかくありますよ。しかし、実際にどろぼうがいなければ、どろぼうに対して適用のしようがないでしょう。返還後、沖繩に核が不存在だということは、マクマホン法で具体的に保護したり、動いたり、規制したりするようなことはできることなんでしょうかと聞いているのです。そのあたりの衆参予算委員会における答弁があいまいだから、その点を私は明確にしておきたいと思う。
○橘説明員 まさに、もしどろぼうがおりますれば、どろぼうをつかまえる法律は当然アメリカが持っておるわけでございましょうが、そこにどろぼうがおらないということになりますと、形としては適用され得るわけでございましょうが、実際にこれを適用すべき対象はなかったということになろうかと存じます。
○中谷委員 恐縮ですが、マクマホン法はお持ちいただいておりますね。要するに核が不存在だということは、マクマホン法、私のこの条文は、何回かその後改正されておりますから、必ずしも明確ではありませんけれども、定義十一条の「機密資料とは」というところには、核が不存在ということは入らないですね。核が不存在だということは機密資料にはなりませんね。
○橘説明員 マクマホン法は、御存じのとおり、そもそも非常に技術的な情報に関する規定をしたものと思いますので、核の存在、不存在ということとはやや次元の違う問題ではなかろうかと思います。
○中谷委員 マクマホン法の中には情報ということばがありますね。核が不存在だということは、すでにマクマホン法にいう情報でもあり得ないと思いますが、それでよろしいですね。情報ということばは決して技術的なことばじゃございませんね。
○橘説明員 技術的な情報というのがこの趣旨ではなかろうかと存じます。
○中谷委員 そうすると、核が不存在ということは、本来技術的なことではないわけなんだから、それは機密資料でもないし、情報でもないと理解してよろしいですね。あなたがおっしゃったのは、マクマホン法による機密資料とか情報ということばは、本来技術的なものなんだろう。核が不存在なんていうことは技術的なことではない。したがって、沖繩に核が不存在だということは、マクマホン法でいう機密資料でも情報でもない。したがって、結論は、マクマホン法が日本国民を拘束しないなんていうことは、参議院予算委員会で黒柳君の質問に対して外務大臣が答弁したけれども、あたりまえの答弁で、問題は、そうではなしに、マクマホン法にいう機密資料でも情報でもない、核不存在ということは、確認さしていただいてよろしいのですね。
○橘説明員 お尋ねの出発点は、沖繩が返還されて安保条約その他の関連の取りきめがすべてそのまま適用される事態、その場合にそこに核があるかないかというところに出発点がございましたと理解いたしますが、そういう核があるかないかということと、マクマホン法の適用とには直接関係のないことと存じます。
○中谷委員 ある基地に核があるかないかということがマクマホン法上の——あるかないかとあなたはおっしゃったのですが、あるかないかということがマクマホン法上の保護法益の対象にならないということを外務省の見解として承っておくとすれば、はなはだ重大な発言であります。不存在の場合は、機密資料とか情報にはならないのですね。そもそも不存在ということも日米共同声明を踏まえた上での不存在というような——もはや機密資料として機密性を解除されている、情報性を解除されているのですねと私は聞いておるのです。あなたは、外務省としてきょうは御出席になっているのです。核があるかないかということは、そのこと自体がマクマホン法上の適用の機密性からは除外されているのだという答弁です。何か事務官の方も連れて来ておられるようだけれども、参事官そのように答えましたけれども、間違いありませんか、いまの答弁は。私が外務省の役人なら、そういう答弁はしませんよ。総理答弁と違う。
○橘説明員 核があるかないかということは、御質問の過程において先生のおっしゃったことをこっちから繰り返したわけでございまして、そもそもの初めに申し上げましたように、返還された後の時点においては、あそこにはないということが当然の前提になっておるということは、これは申し上げましたとおりでございます。それとあとのマクマホン法の適用の問題とは別のことでございます、ということをお答え申し上げた次第でございます。
○中谷委員 あなたはそうは言わなかった。別のこととは言わなかったのだ。マクマホン法の適用外と思うとおっしゃったのです。重ねて聞きますけれども、沖繩に核が不存在ということは、もはやマクマホン法にいう機密性を解除されていることだというふうに理解してよろしいのですねと聞いているのです。
○橘説明員 沖繩に核がないという、こういう事態でございまして、ただ一方、マクマホン法というのは、アメリカの中において、たいへん恐縮でございますが、御存じのことを繰り返すようなことになりますけれども、アメリカの法律でその規定の対象となるようなものがあれば、これはそこまで織り込むものだぞということが、これは事実としてあるということでございまして、核の存在、不存在というものとはそもそも別の問題のように存じます。
○中谷委員 そうじゃないのです。核が不存在ということの事実と、その事実についての情報の提供、資料の提供——要するに核が不存在です、この沖繩にはもう核はありませんよということは、何らマクマホン法にいう機密資料でもなければ、情報でもありませんね、こういうことを聞いているのです。参事官は、質問がわかって答えていないのか、わからなくて答えないのか、このあたりを私はお聞きしたいくらいですよ。要するに、沖繩にはもう核が不存在ということは、政府は繰り返し繰り返し言ってきておる。そうすると、マクマホン法の関係においても、核が存在しないということは、もはや機密性を解除されている、そういうふうに理解してよろしいですね、アメリカの関係において。
○橘説明員 マクマホン法は、核が存在するかしないかということを別に何も規定しておりませんので、そういう意味では、核の存在、不存在という問題とは別のことでございますということを、まことに繰り返すようになりますが、申し上げるほかはないと思います。
○中谷委員 法務省の刑事局、おいでいただいておりますね。——楢崎委員が総理大臣に、予算委員会で二月の初めに質問したわけです。そのときに、とにかくマクマホン法がある、それからわが国には刑特法があるというふうなことで、核の事前相談については総理自身も言うことはできないのだ、こういうことを言ったら、総理もそうですといって答弁になった。私は、この答弁ははなはだ疑問があると思うのです。これは質問の意図は、核隠しということを言いたい趣旨の質問だったと思いますけれども、いまのところ、法務省のほうが法律的にすらすらと答えていただけると思いますが、沖繩に核がないということですね、とにかくこれはもう政府が日米共同声明の中で明確にしたことですね。この場合、そういうふうな前提状況を踏まえて、そういう沖繩に核がないというふうなことは、今日の段階において、刑特法の六条の「合衆国軍隊の機密を侵す罪」にあるところの何らかの合衆国軍隊の機密に当たるとは、私はとうてい思えないのです。これは繰り返し繰り返し言っていることですから、そういう核がないということは、これはもはや何ら機密ではない、こういうふうに思いますけれども、法務省いかがでしょうか。
○堀部説明員 お答えいたします。刑事特別法第六条に、合衆国軍隊の機密を侵す罪が規定されておるわけでございます。この法律は、現在施政権のない沖繩の合衆国軍隊には適用されていないのでございますが、将来沖繩が復帰いたし、安保条約による合衆国軍隊が配備され、刑特法の適用が及ぶこととなりました場合には、この刑特法六条の合衆国軍隊の機密という問題が生じてくる余地があるわけでございます。刑特法六条の合衆国軍隊の機密と申しますのは、「合衆国軍隊についての別表に掲げる事項及びこれらの事項に係る文書、図画若しくは物件で、公になっていないもの」ということになっておるのでございまして、お尋ねの問題につきましては、いま申したように、刑特法の適用が及ぶこととなりました場合に、その別表一の「防衛に関する事項」のロの事項中の「部隊の装備」あるいはホの「部隊の使用する艦船、航空機、兵器、弾薬その他の軍需品の種類又は数量」に当たるかどうかという問題になろうかと思うのでありますが、その条文では「公になっていないもの」ということになっておるのでございまして、いずれにいたしましても公になっているものは除外されるということでございます。公になっているものについては機密に当たらないということが申し上げられるわけでございます。
○中谷委員 法務省、別表一の口、同じく別表一のホ、別表一の口は「部隊の装備」、別表一のホは「部隊の使用する艦船、航空機、兵器、弾薬」——これは、兵器と弾薬に入りそうだと思うのです、核の場合は。そうすると核隠しという問題からいうと、核を撤去するのだという日米共同声明以来のとにかく日米政府の合意がある。そうしてその後そのことが繰り返し繰り返し、核はないんですということが公の場所で公表されてきているということになれば、装備、兵器いずれの場合にも不存在の場合は、これは当たらないと私は思うのです。公にされていると思うのです。ただ問題は、刑特法の解釈としてお聞きしておきまするけれども、ある兵器がないということも、ある弾薬はないということも、防衛に関する事項になるわけでしょうかどうか。ある兵器があるということも防衛に関する事項であるとともに、ある兵器が不存在だ、ないということも防衛に関する事項にはなり得る、そういう前提があって、ただし公にされておるのだからそれは秘密ではない、機密ではない、こういうふうにお答えになったと思いますが、それでよろしいでしょうか。
○堀部説明員 お答えします。核があるかないかという問題について先ほど申しました別表の事項に当たる余地があるということでございまして、あるという場合とないという場合で特に区別があるかどうかという点につきましては、同様に解し得るのではなかろうかというふうに一応考えておるわけでございます。そしてさきに申し上げましたとおり、公になっているものは除外されるということで、結論的には先生の最後の御指摘の答えということに相なるわけでございます。
○中谷委員 外務省の参事官にお尋ねいたしまするけれども、返還後の核不存在というのは、不存在が公になっているものとして理解してよろしいですね。
○橘説明員 さようでございます。
○中谷委員 そうすると、重ねてお尋ねしますけれども、アメリカとの関係においても、公になっているというものについてはそれは機密性はとにかく除外されている、マクマホン法というのは、だから問題にならない、刑特法の対象にもこれはならない。そうですね。そこで基地に入ることが法律的な障害というものはあるのですかないのですかという最初の質問に戻ってくるわけです。一体基地に入るというのは、あなたのほうは態様ということばを持ち出されたけれども、基地の中で核不存在を確認をするということ、何月何日何時から何時の間、ある面積を持った基地を見てくる、専門家が見る、あるいは地主が見るということは法律的な障害はあるのでしょうかと聞いているのです。
○橘説明員 最初にまず、返還されました後の時点においては核がない、したがいまして、核があるかないかということが目的での措置というものはそもそも要らないこと、その目的ではないように思います。
○中谷委員 では防衛庁が総点検なんて言っていることは要らぬことをしようということになるわけですね、あなたの考えでは。
○橘説明員 総点検の内容につきましては、先ほどもたびたび申し上げましたとおり、私ども詳しく存じませんので、何とも申し上げかねるわけでございます。
○中谷委員 質問を締めくくりたいと思いますけれども、私が繰り返し操り返しかなりきょうはしつこくお聞きしたのは、核不存在の確認を求めることについて法的な障害はありますかと聞いたのです。そうしたら、あなたのほうは、そのことについて、その目的が、あるかないかということについては、そのことについては本来ないんだから、そういうことについてはというふうにおっしゃった。そういうことについてはというのは、こちらのほうの御都合なんです。日本のほうの都合なんです、沖繩の地主の都合なんです。沖繩に核基地があったと思われる、それが撤去されたかどうか防衛庁はそれを見ようとしているのです。それをそんな目的ではというふうなことを言うのはアメリカの言う言い分だと思うのです。そうでしょう。そのことについて、だからアメリカが拒否するとすればどんな理由で拒否をするのでしょうか。その法律上の根拠は何でしょうかと聞いているのです。 とにかく国民は、防衛庁が総点検をすると言ったその内容ははなはだあいまいもことしているけれども、まあ一応好感を持って迎えていますよ。しかし私自身が言いたいのは、そんな防衛庁のお世話にならなくてもいい、地主が点検をさしてもらうというのが、私が一貫してここ一年主張する主張なんです。それについて、とにかく米軍とあなたと交渉しているじゃないか、あなたは、そんなことは必要ないだろう、とにかくないにきまっているのだから、それについて見に行く必要はないだろうと言っている。国民の疑惑がまだ晴れていないから、それを見に行こうとわれわれは言っている。そのことは必要だと言っている。アメリカの断わってくる理由をあなたから聞こうとは夢にも思いませんでしたよ。だから法的な障害は一体何なんですか、困難性は一体何なんですか。ないにきまっているから見に来てくれなくてもいいという断わり方をするとすれば、その法律上の根拠は何ですか。アメリカのそれは一体どういう法的理由に基づくのですか。この一点を私はお聞きしたい。
○橘説明員 繰り返しになりましてまことに恐縮でございますが、総理と大統領とが完全に核抜きということを合意しております。その大前提がございますし、かつ沖繩が帰りましたそのときから安保条約とその関連の取りきめが全部適用されることになります、そういう前提を踏まえて申し上げた次第でございます。
○中谷委員 同じことばかりあなたは言って、とにかく時間が来たらそれでのがれられる、そして時間の間さえぐちゃぐちゃ言って済ましておいたらいいという考え方が従来からの外務省の考え方ですよ。何が一体日米共同声明以来のことを私が聞いていますか。アメリカが拒否するとすれば、その法的根拠は何ですか、そう聞いているのでしょう。核はないという前提で、入ることについて核はないんだから来てくれなくてもけっこうだ——その断わる根拠は一体何ですかと聞いているのです。時間にはおくれてくる、答弁は不誠意だ、お話にならぬじゃないですか。最後の質問だけ答えてください。
○橘説明員 ただいまの時点におきましては、沖繩はまだアメリカの施政権下にございますので、これはそういう問題を提起することはできない現在の状況でございます。
○中谷委員 質問を終わりますが、いずれにいたしましても、沖繩の問題に限りませんで、要はとにかく地位協定、刑特法、マクマホン法の解釈の問題でしょう。だから問題は、地位協定の三条の施設及び区域内におけるところの設定とか運営しいうものと一体どう交錯するのだという問題として論議するなら、私はもっと論議をする用意があって、その準備をしてきた。そんなことはあなた、わかり切っている話じゃないですか。地位協定の三条の問題として、とにかく三条を詳しく分析するという準備をしてきている。そういうつもりで私は質問しているのに、あなたのほうはその問題については、とにかく何とか一時間半過ごせばいいというふうなことでは困る。貴重なる時間です。 しかしいずれにいたしましても、次の方もおられるようですからこの程度で質問を終わりますが、午後からは外務大臣にこの問題についてお尋ねをいたしますから、こういうふうな質問が午前にあった、問題のポイントはこうだということは、よく外務大臣に伝えておいてください。 質問を終わります。
○池田委員長 瀬長亀次郎君。
○瀬長委員 最初に施設庁長官にお尋ねします。 三月十二日の沖繩現地の新聞に、本土調査団が発表したということで、団長が楯石さんですか、記者会見で発表しておりますが、この発表の中で、復帰の時点で直ちに地主と契約ができるよう、復帰以前に予約のための仮契約をしたい、契約のできない地主には何らかの措置をなされるだろうといったような、内容はもっとありますが、 こういったことを大体中心にして記者会見で発表しております。この発表は施設庁長官も確認されると思いますが、そう理解していいですか。
○銅崎政府委員 三月十二日に楯石団長から記者発表したということは聞いております。それで、その新聞も拝見しております。 楯石団長がその中で申し上げました契約のための仮契約というのは、いろいろな場合の方法の一つとして記者団に申し上げたことだというふうに聞いております。 それから後段の、何らかの措置ということでございますが、それは淡々と書かれておりますけれども、楯石団長に聞いたところでは、施設庁としてはできる限り円満に地主の方と話し合いによって契約をしたい、それが本旨であったように聞いております。
○瀬長委員 私は施設庁長官に聞いているのであって、こういったのはあとの質問に対する基本的な態度としてきめておかなくちゃいかぬので、少なくとも防衛施設庁として派遣されたわけなんですから、この団長が少なくとも記者会見でこういったことをはっきり打ち出しておるということを施設庁として、全体として認めるのかどうかという問題を聞いておるわけなんです。いかがですか、施設庁長官。
○島田(豊)政府委員 団長がそういう記者会見をいたしまして、新聞に掲載されてるような内容のことを申し上げたということは、私も間接的に聞いておるわけでございまして、団長が言ったことの一つ一つにつきまして正確に報道されているかどうかは別といたしまして、その事実を私は否定するつもりもございませんし、その基本的な考え方については、私の考え方と相違はないというふうに考えております。
○瀬長委員 施設庁にさらに続ける前に、法務省にお聞きしたいと思いますが、地主たちが拒否した場合、何らかの法的措置をとるということは一貫して政府が言っております。この何らかの法的措置というのは、いままで政府が発表した、すなわち沖繩返還協定の基本線として日米共同声明、これを支柱として織り込むという問題と、返還方式は奄美、小笠原返還方式をとるということも言っております。そうなりますと、この返還協定に基づく国内法は、とりわけ小笠原返還協定の中での土地収用に関する問題であるわけです。 そこで、憲法九十五条ですか、いわゆる住民投票との問題が出てくると思います。一地域の公共団体にのみ適用する法案は住民投票によらなければならない。この場合、たとえば国政参加に関する特別立法ができましたが、この場合には憲法がまだ適用されていないという問題と、さらに選挙の場合には沖繩県民に不利益は与えないのだ、むしろ利益になるのだといったような、いろいろの観点で住民投票に該当しないということになっておるようでありますが、いまの場合何らかの法律すなわち小笠原返還に伴う協定三条かに基づいて、小笠原の施設、区域、そういったのを五カ年間提供するというふうな措置法ができております。この場合、こういうことは、すなわち返還される時点でどうなるかというと、憲法はすでに適用されるわけです。布令、布告は効力がなくなるために、憲法は適用されて、しかも沖繩だけに適用するという国内法ができる場合に、国内法がつくられてあと、これは住民投票の過半数によって支持されなければ、その法案は法案として成立しません。こういったような九十五条と、いま何らかの法的措置と政府が考えている、これができた場合に、いまの九十五条との関連はどうなりますか、法務省の見解をあらかじめお聞きしたいと思います。——それではいまおられないようでありますから、この点はあとにいたします。 今度は施設庁に戻ります。 私は仮定を申しておるのではありません。返還の時点、この四月一日が返還の時点になるならば、これはちょうど一九五二年の四月二十八日の時点になります。平和条約など国際法の原則、これは原状回復の原則になるわけなんです。したがいまして、憲法にうたわれておる所有権あるいは契約権、これは否定されてはいけないということは当然であります。ところが、それがありますから、結局何らかの法的措置ということがはっきり言われておる。これは調査団長だけのものではなくて、数次にわたって、何らかの法的措置ということを言われておるが、何らかの法的措置は一体何かという問題明らかにされておりません。これが明らかにならない限り、返還前に個々の地主と仮契約をするということはできないと思うのです。こういった点について施設庁はどう考えておられるか、施設庁長官にお答えを願います。
○島田(豊)政府委員 しばしば申し上げておりますとおりに、私どもとしましては、復帰時に米軍に提供する必要がある施設、区域につきましては、民有地につきましては当然地主の方々との合意を成立した上で円満に処理をしたいというのが基本的な方針でございますので、極力いろいろな問題につきまして地主の方々とも御相談を申し上げてそうしてその合意を取りつけ、契約にまで持っていくということをわれわれは至上の方針としていまいろいろ努力をいたしておるところでございます。
○瀬長委員 至上の方針については、きょうの委員会だけではなくて、るる委員会ごとに説明されております。私の聞いておるのは、もし拒否する地主がいた場合というのは、いわゆる仮定ではないのです。現実に琉球行政主席あるいは琉球政府を通じて、こういった市町村、あるいは市町村にいる地主は軍用地の開放を要求しておるのです。いま私の手元にある資料だけでも、那覇市をはじめ十五市町村が開放をすでに求めておる。こういった市町村自治体と、さらにそこに住んでおる地主は、再契約の拒否と、それに伴う復元補償を要求している。これはあなた方すでに知っておるわけなんです。しかも五百四十万坪くらいになっておる。民間有地で六千万坪の軍用地、これに対しまして約一割近い。しかも、この十五市町村の中には豊見城村とかあるいは具志川市あるいは伊江島は含まれておりません。これを入れますと六百万坪余ると計算されておる。一割です。しかも、アメリカが許したくないと思われるような基地はほとんど含まれておる。こういったような、すでにこれは予想ではないのですよ。あなた方、向こうへ行って調査して、私以上に知っていると思うのです。そういう場合にどうするかという問題が一番基本になると思うのだが、いまだに地主たちの御理解と御納得などということを言えない現実だから、私聞いているのですよ。これについてさすがに楯石団長は、承知しないような地主に対しては何らかの法的措置がとられるだろうとはっきり言い切っておるわけなんです。団長といえば施設庁の責任者なんです。それで、あなた方も確認された。そういう何らかの法的措置というのは一体どういうものか、これを明らかにしないと——仮契約はそれじゃどういうふうにやるのですか、これを説明してほしいと思います。
○島田(豊)政府委員 復帰の時点におきまして、どういうふうな合意の取りつけなり契約の締結をするかということは、これからの問題でございます。私どもとしましては、事前にできるだけ内容につきましての合意を取りつけて、円満に引き継ぎができるようなことに持っていきたい。私どものいままで得た知識によりますれば、相当数の方方がそういう線で円満に契約締結まで持っていこうと、こういうお気持ちのようでございますが、先生御指摘のように、それが一〇〇%というわけにはなかなかまいらないということも予想いたさねばなりませんので、そういう場合にどういうふうな措置を講じるかということについては、いまわれわれとしてはいろいろ検討いたしておりますし、また関係機関とも協議をいたしているところでございまして、そのどういうふうな措置になるかということについては、まだ現在のところ申し上げるという段階ではないのでございます。
○瀬長委員 それでは、いま現時点ではそういった発表する段階ではないというのだが、いつの段階でそれを発表されますか、これをお聞きしたい。
○島田(豊)政府委員 できるだけ合意を取りつけるということで努力をいたしてまいりたい。どうしてもそれが一〇〇%不可能であるというふうな見きわめがつきました段階において、そういう措置を講じたいというふうに考えておるわけでございまして、いまそういう特別の措置をとるという時期がいつであるかということについては、また申し上げるという時期ではないように考えております。
○瀬長委員 再契約を拒否する地主に対しては、やはり何らかの法的措置を講じなければならないという点については、そのとおりですか。
○島田(豊)政府委員 最後までいろいろ努力いたしたいと思いますが、どうしても御理解いただけない、契約を拒否せられるという方がもしおられるとすれば、それに対する何らかの措置は必要であるというふうに考えておるわけであります。
○瀬長委員 何らかの法的措置については、したがっていまは発表する段階ではないというわけであるが、来年の四月一日がかりに復帰する時点ということになりますと、あと一カ年くらいしかない。その仮契約については地主会あるいは土地連合会、こういったようなものと連絡をとって順調に進めたいというわけですが、いずれにしても仮契約とか、前もって承認とかという場合には、あなた方の土地は返還後もこういうことで提供されるので、あらかじめ承知してほしいといったようなことの仮契約みたようなことになると思うのだが、そう見ていいのですか。
○島田(豊)政府委員 本土の場合について考えてみますと、民有地につきましては、地主との契約をいたしまして、賃貸借契約を取りかわすわけでございます。その貸貸借契約の中には、いろいろ貸与物件とか、あるいは賃貸借の借料であるとか、あるいはその他通常生ずべき損失をどういうふうに補償していくとか、そういういろいろな諸条件を十分合意をいたしまして、その上で契約書を締結するということにいたしておるわけでございまして、沖繩の場合も同様の措置をとらるべきだというふうに考えているわけでございます。
○瀬長委員 いま申し上げましたように、沖繩の地主たちは、那覇市のごときは、現在の那覇市の面積の三分の一が軍用地にとられて、全部開放を市一長が要求しておるわけなんです。こういったようなことはあなた方知っておると思うのです。そのほか十四市町村が足並みをそろえており、さらに最近出されておる三カ村を加えますと、十八の市町村自治体が基地の開放を要求している。こういったものをわかりながら、地主の承認を受けられるだろう、そのためには土地連合会を中心にして政府折衝の相手にしたいというふうなことを進められておりますが、個々の三万八千以上おるこの地主とはどうも仮契約を結ぶ場合にも事実上不可能なので、軍用地連合会会長に委任させて、連合会長と政府折衝するという方針はすでに立てられておるわけですか。
○島田(豊)政府委員 地主会連合会の方々といろいろお話し合いを進めておるということは事実でございますが、最後の契約の段階においてどのような方式をとるかということにつきましては、まだわれわれとしての方針をきめておるわけではございません。しかし、何ぶんにも三万八千名という多数の地主の方々との契約の問題でございますので、その辺の方法につきましては、最も効率的な、しかも合理的な方法が見出されなければならないというふうな考え方で、いまいろいろと御相談を申し上げているところでございます。
○瀬長委員 これと関連しますが、現在中部の具志川村の昆布という字にすでに二カ年も前に布令でもって土地収用令が適用されて、たしか十七回にわたってアメリカはその布令の撤回ではなくて、方針というものを出して現在に至っております。これは例の毒ガス撤去をしたあの港、天願桟橋であります、この天願桟橋に付随する弾薬集積所その他をアメリカはつくり使用するために収用令を適用しておりますが、地主たちの断固たる拒否にあって二カ年以上これが、アメリカ側からいえば目的は果たされていない、地主側からいえば目的を果たしつつある。返還の時点には布令はなくなるわけですから、昆布の収用しようとする土地についての効力は当然なくなると思いますが、そのとおり理解していいですか。
○島田(豊)政府委員 原則的にはそのとおりでございます。
○瀬長委員 時間があと五分しかありませんので、外務省にお尋ねしたいと思いますが、いま核問題その他について中谷委員との問題とも関連いたしますが、核抜き本土並みという場合に、核はあることが前提になっておるから核抜きというふうに言っておるのじゃないか、こう思うのです。この問題、これは確認されるのかどうか。いま核があるから核を抜くと言っているのです。常識でいって当然だと思います。 それからマクマホン法の問題といまのあなた方がいつも言っている日米共同声明の第八項、これと関連させて考える場合に、第八項によって、大統領が総理大臣に、核を抜く問題などについて、すなわち非核三原則の政策あるいは核に対する国民感情、そういったものを了解したというのだが、この八項の中にははっきりうたわれています。事前協議制度はアメリカの利益を害することなく、前提になっているのです。アメリカの利益を害しないような事前協議制度ということになると、マクマホン法なり原子力法、こういったようなものがアメリカの利益に合致するという場合に、事前協議制度に持っていけという大前提がここに打ち込まれている。その関係ですね。外務省はいつもあの時点には核がないということを想定し、さらに防衛庁あるいは施設庁あたりもそれを堅持しておりますが、これにはいかなる物的証拠もないわけなんです。あの事前協議制度は、アメリカのみが対象を事前協議制度にするということを言い得るのであって、日本政府がこれは事前協議制にしなくちゃいけないのだといったようなことはできないと聞いておりますが、核がある、あるいは事前協議制度に持っていかなくちゃいかぬというふうに考えた場合に、日本政府は事前協議制度を日本の利益になるような行き方で運用できるのかどうか、ここら辺を明らかにしてもらいたいと思うのです。
○橘説明員 ただいまお尋ねの第一点でございますけれども、佐藤総理とニクソン大統領との共同声明に、御存じのとおり七二年返還、それから本土並み、それから核抜きという三つの大原則がうたわれております。理屈から言いますれば、実は本土並みということをもって核抜きということもすでに十分カバーされておるわけでございます。御存じのとおり本土の場合は安全保障条約、それに関連する取り決めというものがございまして、返還された後の沖繩にはそれが適用になるわけでございます。したがいまして、本土におけると同様に、核というものはないわけでございます。ただ共同声明にもございますように、御指摘のように、わが国の特別の国民感情、政府の政策というものを踏まえまして、特に念を入れて、もう一つ核抜きということをつけ加えてわざわざ明記したということでございます。
○瀬長委員 それではいまは日本政府としては核は沖繩にあるという理解のもとで進めているということになりますね。
○橘説明員 ただいまの時点については、実は何も申しておりません。したがいまして、全くこれは別の問題でございまして、返還されたときにおいて本土並み、つまり核抜きを含む本土並みということにするという趣旨でございます。
○瀬長委員 私の言っているのは、核抜きと言うからには、あることを前提とするからこそ核抜きと言っておるのじゃないですか。それがなければわざわざ核を抜くということを言わぬでもいいでしょう。
○橘説明員 繰り返しになりまして恐縮でございますが、核抜きということを本土並みの中でも特別に取り出して、もう一ぺん念のため確認をしてある、返還のときにはそうですということを確認してあることでございます。したがいまして、その前の、ただいまアメリカの施政下にある状態において、つまり返還前の時点については、それは全く別の問題として、ただいま核抜きとは別の問題と考えております。
○瀬長委員 関連して、いまの日米共同声明の第八項、佐藤内閣はこれにしがみついております。この中には、いま話しましたように具体的に示しておるのです。この核問題については、事前協議制度がアメリカの利益を害することなくというようなことがはっきり打ち込まれている。事前協議制度がアメリカの利益を害しないようなこと、害する場合には核問題については保留しておりますこれについて、外務省としてどう一・体解釈するのか、しておるのか。この点をはっきりさしていただきたいと思うのです。
○橘説明員 御承知のとおり、現在の安保条約のもとにおきましては、核の持ち込みは事前協議の対象となっております。この御指摘の共同声明のところも、この制度自体をあらためて確認し、書いたということでございまして、それ以外の何ものでもございません。
○瀬長委員 時間がございませんので、午後法務省関係でやることにいたしまして、きょうはこれで午前中は終わりたいと思います。
○池田委員長 午後二時半委員会を開会することとし、暫時休憩いたします。 午後零時五十一分休憩 ————◇————— 午後二時三十九分開議
○池田委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。沖繩地域における産業の振興開発等のための琉球政府に対する資金の貸付けに関する特別措置法の一部を改正する法律案を議題といたします。本案に対する質疑は前回をもって終わっているようでありますが、これにて質疑を終了することに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○池田委員長 御異議なしと認めます。これにて質疑は終了いたしました。
○池田委員長 これより討論に入るのでありますが、別に討論の申し出もありませんので、直ちに採決いたします。 沖繩地域における産業の振興開発等のための琉球政府に対する資金の貸付けに関する特別措置法の一部を改正する法律案について採決いたします。 本案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○池田委員長 起立総員。よって、本案は可決されました。 ただいま議決いたしました本案に関する委員会報告書の作成等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○池田委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 ————————————— 〔報告書は附録に掲載〕 ————◇—————
○池田委員長 沖繩及び北方問題に関する件について調査を進めます。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。中谷鉄也君。
○中谷委員 外務省にお尋ねをいたしたいと思います。 沖繩返還後の沖繩の基地に核が置かれていないということ、そのことは午前中の質疑を通じまして、マクマホン法のいう機密資料、ないしは守られなければならない、秘匿されねばならない情報のいずれからも解除されているという一点、さらにまた、国内法の観点から申しますると、刑特法にいう機密でもないというその点について、それぞれ、後者については法務省の確認をいたしました。その前提でお尋ねをいたしたいと思うのであります。 三月九日、予算委員会において、外務大臣は、沖繩の核点検の中曽根構想は実現性があるのかという野党委員の質問に対して、実現の見通しはかなりむずかしい旨の答弁をされたと聞き及んでおります。 そこで、お尋ねをいたしたいと思います。マクマホン法の条件が、機密性の条件が解除され、さらにまた刑特法の機密性もすでに明らかにそれは当たらないという場合、点検がむずかしいという法律上の根拠は一体何でしょうか。これが私の質問であります。
○井川政府委員 私、午前中、たいへん申しわけなかったのですけれども、ほかの委員会に出ておりまして、御質問及びそれに対する答弁の要点を実はよく存じないのでございまするけれども、御質問の中のおことばを伺っておりますと、沖繩の返還後はマクマホン法から解除されたからというふうなおことばがあったと思うわけでございまして、あるいは私の同僚がそのように御答弁いたしたかもしれません。そこのところは確かめてございませんけれども、ふだん愛知外務大臣が特に申しておられますのは、そもそもアメリカは核兵器の持ち込みについて日本政府と事前協議を行なう旨約束しているのでございまするから、アメリカ政府が核の持ち込みについて事前協議を行なうことをその国内法によって禁じられているようなことがあろうはずがないことである。そしてこの点に関してアメリカ政府は、日本側に対し常に正当な権限を有する米国公務員が日米安全保障条約に基づく事前協議に関する米側の約束を履行することを禁止しまたは妨げるような米国国内法は存在しないということをしばしば確言しているところでございます。このようなアメリカ側の見解からいたしましても、私どもが、あるいは私の同僚が申し上げたと思いまするけれども、マクマホン法がいわゆる技術資料と申しますか、マクマホン法が機密資料として規制しているのはいわゆる技術上の情報であって、それは核の持ち込みというふうな問題ではないのだ、こういうふうな結論を出しているわけでございます。したがいまして、私どもは核の事前協議の問題これにつきましては、マクマホン法というのは関係がないのだというふうに了解しているわけでございます。これはあるいは御答弁になりませんかもしれませんけれども、いまの先生の御質問の中で一言マクマホン法が解除されるからということがございましたので、その点まず私どもの立場を明らかにしておきたいと思います。
○中谷委員 法十一条のWでございますね。「機密資料とは次の各号に掲げる事項にかかるすべての資料(第百四十二条の規定により機密上の取り扱いを解除されまたは機密資料から削除されたものを除く)をいう。」として、その一には「設計、製造または利用」とあります。この利用というのは技術的利用に限るという趣旨でしょうか。そうではなしに、この利用というのは、単に技術上の利用だけをさすものではないという前提の上に立立って、しかも機密上の取り扱いを削除されたもの、すなわちすでに日米共同声明以来沖繩には核を置かないのだと言っているのだから、いずれにいたしましても核兵器は沖繩にないということが明確なんだから、そのことはすなわち何らマクマホン法上の機密資料でないと同時に、アメリカにとっても、沖繩に核はないということは、返還後は機密ではないと理解してよろしいのですね。
○井川政府委員 二つの点があると思います。 第一点は、いわゆるマクマホン法十一条の核兵器の設計、製造または利用、これはユーティライゼーションというふうになってございますが、これがどういう意味であるかということでございます。これは何しろアメリカの法律でございますので、私どもが正確なる、そういう解釈をする権能も何も持っておらないわけでございまするけれども、いろいろの、まわりじゅう及び百四十四条その他から全部見まして、ここはやはり技術的な利用というか、そういうふうなものではなかろうかと思うわけでございまして、たとえばまたアメリカの、この点につきましてはほかの条文、同じようなことが書いてあるところにつきまして、ちょっとあれはぐあいが悪いのでございますが、ここにデザイン・マニュファクチュア・オア・ユーティライゼーションのところにデザイン・コンストラクション・アンド・オペレーションと、オペレーションという字が使ってある書類もございます。このようにやはりそういうふうな設計、製造及びこれを操作するといいますか、そういうふうなものであって、これは配置とか配備とかいうものと関係がないことばではなかろうか、こう思うわけでございます。それが第一点でございます。 第二点は、しからば沖繩返還後は核はないのであるから、まあ理論的可能性から言いますると、事前協議条項というのはあるわけでございますから、事前協議によって絶対にイエスと言うことはないということになっておりますけれども、政府の立場としては当然そうでございますけれども、それは理論的可能性としてそれを排除しておりませんけれども、いずれにしても、ないということが公示されましたならば、それは秘密ではないわけでございます。
○中谷委員 私は前提を一つ飛ばしているのかもしれません。 では、大臣にさっそくお尋ねをいたします。 こういうことを午前中から大臣がおいでになるまで論議をいたしました。沖繩の核点検の防衛庁長官の考え方、構想は実現性があるのだろうかという野党委員の質問に対して、三月九日の参議院予算委員会であったと聞いておりますが、アメリカ側の出方にかかっているので実現の見通しはかなりむずかしいのではないか、というふうに大臣がお答えになったというその一点を、さらに別の角度からお尋ねするのが質問の趣旨であります。 そこでマクマホン法についてはという質問を私がいたしましたところ、利用というのは、百四十二条の軍事的利用ということばがありますから、私はそうは思わないのでありますけれども、技術的利用に限るのだ、だからマクマホン法の対象になる機密資料というふうなものではないというのが外務省の答弁の一点であります。 それから第二点は、刑特法の機密に当たるであろうかという私の疑問の提起に対して、法務省は、刑特法の機密は、返還後は核がないことが明らかにされるのだから、そういう機密性も解除されるだろうというふうに、私は午前中確認をしたつもりであります。そういたしますると、沖繩の核点検というのがむずかしいとされる法律上の障害というのは一体何なんでしょうかというのが、お答えをいただきたい第一点であります。
○愛知国務大臣 法律構成の組み立てやこまかい論議は、私は別にあり得ると思います。しかし、それはともかくとしまして、核の問題については返還のときには核がない、核抜きでお返しをするということが両国の政府首脳の間に合意をされておりますから、そういう点からいって、両国の政府首脳がこういうことを約束し合っているということは最高の約束ではないかという立場に立って、それにもかかわらず、ないものを見せろ、確認させろというようなことはなかなかやりにくいことではないかということを含めて、私は、実際上やりにくいことではなかろうかということを申したわけでございます。つまり両国間の合意ということからいえば、もうこれで十分なんだ、ないことは保証されている、こういう考え方が一つあるわけでございます。しかし同時に、これは再々予算委員会でも申し上げておりますように、沖繩の方方の心情というものを考え、また実際問題としても、本土の場合においては、もう核抜きということがほんとうに常識といいますか、そういうものはないとだれも信じておりますが、沖繩においては、現にあったということから、ひとしおこの核抜きということが、何かできるだけの方法によって、安心の度合いを強くするために何らかいい方法があればやりたいと考えておる、こういうことが考えの中にあるわけでございますね。これらの考え方というものが、あるいは法律的、あるいは条約的にどうなるか、こういうふうなことで論議されましたけれども、むしろ法律的条約的問題ではないのではないか、私はかように考える次第でございます。
○中谷委員 では一点お尋ねをしておきたいと思いますけれども、私は会議録を詳細に検討しておりませんので、法律的な問題としては、たとえば地位協定上の問題などとしては核点検ということについては障害はないと理解してよろしいですね。
○愛知国務大臣 先ほどから言っておりますように、本土並みで地位協定が返還後はかかるわけでございますから、そのときにはもう核がないという前提でございます。そういう前提になっておりますから、点検が地位協定上あり得ないことに考えられるわけですけれども、観念的な地位協定論から言えばどうなりますかは、条約局長から御答弁いたさせます。
○中谷委員 私のほうから、時間がないから申し上げておきたいと思います。 要するに地位協定の三条との問題ではないかと私は思います。三条においては、「施設及び区域内において、それらの設定、運営、警護及び管理のため必要なすべての措置を執ることができる。」とあるわけでございますね。これは引用するまでもないことだと思いますが、その関係において点検を拒むということがあり得るということでしょうか。そうだとするならば、それは核点検ではなしに、日本政府あるいは日本国民の基地に対する立ち入り一般の問題として理解すべき問題であって、マクマホン法すでに関係なし、刑特法すでに関係なし、日米両首脳の間において核がないということが確認されておるとなると、アメリカの側からいえば、単に立ち入りを認めるか認めないかだけの問題というふうに私は理解いたしますけれども、理解としてはそれでよろしいでしょうか。
○愛知国務大臣 たいへんお答えしにくいのですが、ないことが前提になっておりますから、そういうことを予想しておりません。ですから、それから先は仮定といいますか観念的な問題ですけれども、おっしゃるように第三条で立ち入りということは確かにございますね。ですから、それが観念的な問題としては援用できると考えてもいいかもしれませんね。そういうお尋ねでございますね。
○中谷委員 断わるとすれば、アメリカは三条以外にはないでしょう。
○愛知国務大臣 そういうことかもしれませんね。ただ、これはあくまでアカデミックなお話ではないかと思います。
○中谷委員 いや、そうじゃないのです。決してそうじゃありません。現に防衛庁長官が核点検をしたいと言って、そのことがかなりの国民の支持を得たわけなんです。現にそういう疑惑があるわけなんですから、核点検を要望する声というものは非常に強いと思うのです。そうでございますね。それをとにかくアメリカが断わってくるとすれば、一体どの点でどの理由で断わってくるだろうかというのが一点。 いま一点は、外務省としては、そういうふうな核点検ということは、日米両首脳間の合意なんだから、核点検をすることがおかしいのだとおっしゃるのかどうか。そうではなしに、外務大臣の従来の御答弁では、そのことができればそれはぜひやりたいとお答えになったことを私は会議録で承知をいたしております。ですから、アカデミックだとおっしゃることは私にとっては心外であって、むしろその必要性、要望というものは非常に強い。それを拒否してくるとすれば、一体どんな理由、何を根拠にして拒否してくるのだろうかということをお尋ねしたいわけです。
○愛知国務大臣 多少そこで意見の食い違いがあるかもしれませんけれども、ちょっと私の申し上げていることがずれているかと思うのです。私は先ほど詳しく申し上げたっもりですけれども、もう核は返還のときになくなっている。それは最高責任者同志で、向こうも俗なことばでいえばずいぶん言いにくいことまできっぱりと言明した、こういうとらえ方をしているわけでございますから、そこまで約束した以上は、ないということを前提にしておりますから、核があるということを前提にして、地位協定上断わるとすればどうとかこうとかいうことには、私の気持ちからいえば入り得ないところですから、そこで自然質問と応答が食い違ってくるのじゃないか。そこのところは御了解をいただきたいと思います。 それから、私はこう考えるのです。前にずっと御答弁申し上げているとおりなのであります。もう核抜きということについては調べるまでも点検するまでもないことである。確信と保証を持っている。しかしながら、本土と違いまして、従来核があったということ、それから特に核抜きということにキーンインタレストを持っておられる沖繩の方と、それから日本の本土の者も御同様でございますから、やる必要のないことではあるけれども、やれることがあり、御安心願えるようなことがあったならば、それを援用して県民の方にも御安心を願いたい、こういうふうな気持ちで、やれることはやってまいりたい、こう言っておるわけでございまして、法律上あるいは条約上の能不能を根拠にしての議論ではないわけでございます。その点は御了解いただきたいと思います。
○中谷委員 この質問についてはあと一点だけです。 衆議院予算委員会二月一日の楢崎委員の質問に始まって、核の問題がずっと論議されてきた。そこで、三月四日の野党委員の質問について大臣は、核点検は賛成だ、できるだけのことをやりたいということをお答えになっておられます。三月四日であります。今日のこの段階においてできるだけのこと、いわゆる核点検といわれているものの外務省としての、外務大臣としての考えられる方法、それは一体どういうことをお考えでしょうか。この点についてできるだけのこと、これは一体どんなことかを御答弁ください。
○愛知国務大臣 点検と申すことばが正確でないかもしれませんけれども、要するに不存在の確認でございますね。そういう気持ちで申し上げているわけでございまして、たとえば、これはそのときにも例示して申し上げたわけです。核ではございませんけれども、たとえば毒ガスにつきましては、現物それから貯蔵庫の現在を確認したわけでございますね。そうすれば、これが今後撤去されるに従って、また私は本土の専門家の監視というようなことを考えておりますから、そうすると、これがなくなったときには確認できます。今度はたとえばメースBその他のかつてありましたところを、たとえば自衛隊がそれを他の用途で使うために引き継ぐこともあり得るだろうと思いますが、そういうときにも、その場所はすっかり実際上見て確認ができるだろうと思います。そういう場合の措置というようなことも考えられるのじゃないだろうか。ある新聞は、そんなことはあたりまえだと書かれましたけれども、しかしものによっては、あたりまえということでもそういう意図でもって見るということが非常に私は大切なことではないかと思いますので、そういうことをも含めまして、それは本来そういう目で見ることは私どもからいえば必要のないことである、そういう確信を持っておりますけれども、いやが上に御安心を願うために、われわれとして考え得るような措置、あるいはそういうときにそういう気持ちで一段と配慮をするというようなことにはいろいろのくふうがあり得るのではないだろうか、こういうふうに考えているわけでございますから、こういう方法、こういう方法を法律上要請するとか、これは法律上拒否はできないはずではないかというようなアプローチではなくて、やはりいろいろの意味で米側の心からの協力が望ましいわけでございますけれども、そういうことを考えている次第でございます。
○中谷委員 大臣おっしゃるとおり、不存在の確認でございますね。そうすると、返還前に当然考えられる一つの方法としては、存在の確認がある。そうしてその後、返還後不存在の確認があってこそ、事実的にも論理的にも一貫した確認になりますね。そうすると、結局できるだけの方法ということは、返還前における存在の確認についても御努力をされるという趣旨に伺ってよろしいのですね。
○愛知国務大臣 中谷さんのように論理的におっしゃればそういうことになるかもしれませんが、しかしこれは、返還のX時とその前とあととは、法体系も主権の存在も施政権の存在も違うわけでございますから、その前における存在の確認とかいうようなことは、これは政府としては考えておりません。
○中谷委員 私は一つ提案をしておきたいと思いますけれども、これは午前中外務省のほうが非常に観念的な答弁をされたと思うのですけれども、施政権下に基地があるという状態、その後安保条約、地位協定が変更なしに適用されるという状態その間には、全部とにかく返還をされてその後提供するという状態が中間的にあるじゃないか。またこの場合には施政権のとにかくおもしも取れている、とにかく安保条約の適用もない状態は単に瞬間というものではあると思う。ということになれば、そういう状態、要するに返還をされて提供するという、現実問題としてはどうせ引き続き使用するということになるのでしょうけれども、そういう場合には、私は存在の確認があって不存在の確認というものは意味を持つと思うのですが、いかがでしょうか。
○愛知国務大臣 これは先方が核抜きで返還をするわけでございます。そして返還の時点に、いま確かめますけれども、おそらく午前中にも御説明をいたしたかと思いますけれども、その瞬間にやはり法体系が変わるわけですね。そのあとにおいては日本の施政権でございます。その瞬間からあとは日本の主権下に完全に入るわけで、地位協定も適用されるし、あるいは合同委員会の協議の対象にもなるわけでございます。 ですから、もっと事務的に申しますれば、これは事務当局からもう少し詳しく補足してもらったほうがいいかと思いますが、私の頭の中にありますのは、その時点でたとえば必要な合同委員会というものを開いて、それで瞬間的に、某月某日那覇時間何時、アメリカの何標準時間の何時を期して施政権が返還される、その時点において合同委員会の決議が必要なものは決議をして、提供すべきものは提供する、こういう段取りを法理論的にもどこからも瑕疵のないようにすっかり準備を整えて、一瞬で切りかえるということに相なります。したがって、その前においては向こうの施政権下でございますから、これはおまえのところの何を見せろ、ことに軍機上の問題のあるようなところにこちらも申し出る権利もなければ、向こうも義務もないのではないだろうかと思います。
○中谷委員 私はそういうふうには考えないのです。施政権がとにかくなくなって日本に返還をされる、そうして基地を提供するという間が瞬間の間に切りかわらなければならないという論理的な必然性はどこにもないと思う。要するに、ある期間は、事実上とにかく使用しておっても、返還を受けて提供してないという状態が私はあっていいと思います。そのような状態の以前に核の存在の確認ということを当然やらなければ、返還をされたときに、そういう状態のときにすでに不存在になっているということでなければならないと私は思いますが、この点についてはちょっと時間がないので、次の質問に移ります。 VOAの問題です。この問題について、この点だけをお尋ねをしておきたいと思います。 要するに、繰り返し繰り返しこれも同僚委員から質問があった点でありますけれども、この施設を返還後も沖繩に存続をさせるということになってまいりますと、国内法で申しますと、当然電波法の改正の問題が必然的に生じてくるということは、これは言うまでもない事実だと思います。こういうことはもう百も承知の上でこの問題を返還交渉の中の議題としておられるということを私は確認しておきたいと思う。 いま一点は、単に電波法上の問題ではなしに、放送法上の問題が私は生じてくるだろうと思います。言うまでもなく放送法の中には、特に条文を引用させていただきますけれども、「放送の不偏不党、真実及び自律を保障することによって、放送による表現の自由を確保すること。」目的、第一条の二にその点は明記されております。VOAの現になされておるところの放送が不偏不党だということは私は言えないだろうと思うのです。そうすると、返還後のこの放送というものは放送法との関係において一体どんな問題を生ずるのか。放送法の特例まで設けてということは、将来引き継ぐとすればあり得るのか。これは法律問題としてお聞きしておきますが、要するに、かりに存置を認めるとすれば、電波法のみならず放送法の改正も必要となると私は思いますという点。しかしそんなことがはたして報道の自由という観点から、放送のありようから言って許されていいことなのかどうか、法律問題としてそういうことが許されていいことかどうか、こういう問題があります。この点についてお答えをいただいて、私の質問を上原君にバトンタッチをしたいと思うのです。お答えいただきたいと思います。
○愛知国務大臣 VOAの問題は、けさあたりのいろいろの新聞なんかにも報道されておりますが、日本政府といたしましては、これについていかなる態度をとっていかに処理するかということをまだ全然きめ切っておりません。したがいまして、いまのお尋ねはきわめてごもっともと思いますけれども、そしてまたそういう点になりますと、その道の守備範囲の人からお答えするのが妥当だと思います。まだ何ともお答えできない状況でございますから、しばらくお待ちを願いたいと思います。ただ、電波法は私もよく知っております。これは電波法に関係のあることであることは間違いございません。それから放送法との関係などは、いま私申しましたように、これはその道の担当からいずれ研究が進みましたらお答えをいたしたいと思いますが、いまおそらくまだ何ともその道の人もお答えできない状況ではないかと思います。
○中谷委員 いずれにしても、どちらにきめるかということについては判断、方針をおきめになっていないということだけれども、存置を認めるのか、撤去させるのかという二つしかないわけですね。だとすれば、存置を認めるとすれば、当然電波法のみならず放送法の問題も生じてくることは明らかだと思うのです。だから、施政権下ではありまするが、現に放送されているVOAが返還後も同じような放送をするということになれば、それは少なくとも放送法の目的に反するということ、そういうことを前提として存置させるのか撤去させるのかを返還交渉の中における議題として出さなければ私は非常に問題があると思うのです。ですから、撤去か存置かについての御方針を承ろうとは思いませんが、存置となれば放送法上の問題が生ずるのではないでしょうかという問題、これは明らかではないでしょうか。別に専門家ではなしに、放送法に触れるということは、報道の自由という基本的な原則の問題ですから明らかだと思うのですが、いかがでしょう。
○愛知国務大臣 それはいま申しましたように明らかなのであります。つまり、いまあるものを、いま運営されておるそのままの機構で置かれるということになれば、それは電波法に関係いたしましょう、そういう趣旨をいま申し上げたわけでございます。ただ、いま置くか置かぬかだけしかないではないかとおっしゃいますけれども、あるいはそれ以外にも方法があるかもしれませんですね。それから、あるいは性格を一変させるということもあり得ることかもしれませんですね。その辺のところは、いままだ何とも申し上げかねる状態でございます。
○中谷委員 終わりますが、要するに、置くとすれば性格を一変しない限りは放送法にも触れる、これはもう明らかな事実だということで確認をさせていただいてよろしいのですね。
○愛知国務大臣 それは何べんも申しますように、組織も運営もいまのままの状況で存続されるということなら、これはおっしゃるように法律に触れるわけでございます。だから、そうすれば法律改正という問題が起こるわけであります。
○中谷委員 電波法と放送法ですね。
○愛知国務大臣 電波法——放送法もおそらくそうなるでしょうね。そこは私はっきりではございませんけれども、そういう種類の問題でございましょう、このまま性格も何にも変わらないでいけば。
○中谷委員 終わります。
○池田委員長 中谷君の質疑に関連して上原康助君。
○上原委員 まず簡単に説明願いたいのですが、地位協定における施設及び区域の適用について、現在本土においてはどういう手順を踏んで施設及び区域の提供をやっているか、ひとつ説明願いたいと思います。
○井川政府委員 この点はいわゆる地位協定第二条に明記されてございまして、「合衆国は、相互協力及び安全保障条約第六条の規定に基づき、日本国内の施設及び区域の使用を許される。個個の施設及び区域に関する協定は、第二十五条に定める合同委員会を通じて両政府が締結しなければならない。」ここにいいます協定は、地位協定そのものでなくて、一つ一つの施設、区域を提供するときに合同委員会を通じて両政府が合意をする、こういうことになっております。
○上原委員 そのほかにもいろいろあると思うのですが、返還時点まで沖繩の軍事基地に関連をして施設、区域の提供については現在の地位協定第二条で定められている手順を踏むのですか踏まないのですか、大臣のほうからお答え願いたいと思います。
○井川政府委員 技術的なことでございますので、私が御答弁申し上げます。 厳格に申しまして、安保条約及び地位協定は、復帰されなければ適用がないわけでございます。
○上原委員 この点は大臣にお答え願いますが、返還に向けて現段階あるいは過去においてでも、米側のほうから沖繩の軍事基地の使用について施設、区域の提供に対してのリストなり相談があったかどうか
○井川政府委員 復帰時に安全保障条約及び地位協定が全面的に適用になりますように、もろもろの準備をお互いに進め、また話し合っているのが現状でございます。
○上原委員 私がお伺いしているのは、復帰すれば安保条約並びに地位協定関連取りきめは適用するということはもう何回も聞かされておりますので、その点はわかります。先ほど大臣の中谷委員の質問に対してのお答えは、返還時においては核抜きになるのだ、瞬間的に変わるのだということなんですね。大臣、そうでしょう。そうしますと、返還までは地位協定に取りきめられている施設、区域の提供ということについて全然話し合いが持たれないとなると、何を根拠に核抜きになる、あるいはもう一つの側面から本土並みになるという答えが出るのですか、その点説明願いたいと思います。
○井川政府委員 これは、まず第一に、先ほど中谷先生がおっしゃいましたことにも関連なさったわけでございますけれども、私どもあらゆる準備を進めまして、中谷先生がおっしゃいましたように、復帰時零時零分から事実上アメリカ軍が施設、区域を使用したり、事実上アメリカ軍がそこに存在するというふうな状態がないようなあらゆる手続、手段をとりまして、ほんとうにその瞬間的に切りかわる某月某日の零時零分から安保条約、地位協定が全面的に適用になるような準備及び話し合いを進めているわけでございます。もしそのような間隔ができましたら、これはまたたいへんなことになりまして、たとえばその間における米軍人の犯罪あるいは民事裁判のことがどうなるかというふうな適用法規自身がなくなってしまうわけでございます。そのようなことは絶対ないように、もろもろの準備を進めているわけでございます。
○上原委員 ことばの上での説明はどうでもつくわけですよ。某月某日安保条約が適用される、地位協定がかぶるということは、これは法律に書けばそうなるわけです。しかしそれに持っていくまでの過程において、沖繩の軍事基地、施設、区域の提供について、アメリカ側と具体的な相談なくして、条約だけ書きかえたということでは、核の問題に対しても基地の態様に対しても県民は納得しないですよ。それまで持っていく過程において何らかの交渉というものがあるのかどうか。現に本土においては、アメリカ側が使用したいという施設、区域の提供については、リストが日本政府に提供されるわけでしょう。そういう手順を踏みますかということなんですよ。これは大臣からお答え願いたいと思います。
○愛知国務大臣 それはもうもちろんのことでございまして、そういう準備作業、交渉がなくしてそういうきちっとしたやり方はできるものではございません。そのために現在ほんとうに苦心をして、そのやり方を苦労しているわけでございます。これは歴史的にも、これだけ大きな、何十年という間、百万という方々が一つの施政権のもとにあって規律されていたことがきっと切りかえられることについては、もうほんとうに周到な万端の準備が必要なわけでありまして、その周到万端の準備が整えられることが一瞬で法的の性格も変わることになり、その時点から以降の沖繩の県民の方々の生活が本土並みに保障されるわけでございますから、これについては鋭意努力を集中しているわけであります。
○上原委員 そうしますと、先ほど核抜きについては先方が保証することだ。現在の沖繩の軍事基地に核があるという疑いなり推測をされるから核抜きということが共同声明で出たと思うのです。この核抜きの問題について、日本政府が共同声明の第八項ということだけでは、満足できません。積極的にそういう保証を取りつける、施設の使用提供と関連をさせて積極的にそれを取りつけるという方法なり手段というものはどういうものが考えられますか。
○愛知国務大臣 ですから、共同声明の第八項でこれだけの約束をしているということは、返還のその時点以降においては核抜きで返るものであるという米国政府が最高の保証をしたものであるから、それで十分信用ができる。何べんも申しますけれども、そのところが一番のわれわれとしての安心のできる点であると考えます。
○上原委員 この件については確認だけしておきますが、現段階においても、復帰後においてあるいは基地施設の提供の問題との関連において、日本政府がいう核抜きの保証というものは共同声明の第八項だけということですか、それともほかにもございますか。
○愛知国務大臣 これは何べんも申し上げますけれども、日米安保条約が関連取りきめ等を含めて何らの変更なしに沖繩に適用されるというこのワク組みの中で、そして第八項でも説明しておりますように、これがアメリカ政府最高の保証である、かように考えております。
○上原委員 第八項においては核抜きという確約は出ていないわけです。その点は何べんも申し上げておりますが、では現に、たとえば第三海兵隊が使っている辺野古は車を一分間とめるわけにもいかない厳重な区域がございます。さらに多幸山一帯知花弾薬庫付近にも核が存在するであろうということは公然の秘密となっております。その事実というものを、ただ第八項だけがあるからということで核抜きになったというお立場に立って返還を合意する、核抜きになったということを保証できるというお立場なのかどうか、この点は後日の議論とも関係がございますので、お伺いをしておきたいと思います。
○愛知国務大臣 返還のときは核抜きでございます。
○上原委員 ちょっと時間をオーバーしますが、核の面については後日お伺いしますが、あと一点最近米国政府は、返還協定の中身について上院で条約の形で承認を受けるということを言っております。それは米国内の問題であるというお答えがまたくるかもしれませんが、簡単にお伺いします。国会開会中に返還調印がなされない場合に、中間報告を国会におやりになる御意思があるかどうか。調印の時期を大体聞かしていただけばそれでいいのですが、調印が国会閉会後になる場合に、中間報告をやるお考えがあるのかということと、それから米上院で十月ないし十一月、暮れになると思いますが、相並行してこの返還協定というものは国会に承認を求めるお考えがあるのかどうか、そこいらについて聞かしていただきたいと思います。
○愛知国務大臣 調印の時期は、まだ中身を煮詰めているときでございますから、アメリカとしてはできるだけ早くということは希望しているようでございますけれども、これは中身の煮詰まり方次第でございますし、日本としては日本の立場もございますから、十分ひとつ折衝した上で調印と いうことにまいりたいと思っております。アメリカが調印を急いでいると私は観測しておりますがその理由は、上院に正式の議題としてかける、これはもう当然のことだと思います、これだけ大きな問題でございますから。そういった場合に、アメリカの国会の運営は日本ともだいぶ違いますから、上院に政府から回付されてから、なるべくゆったりとした時間を持ちたい、そして実際の審議の時期をきめ、そしてその審議の結末を出すようにしたい、この時間は長ければ長いほどよろしい、そうして一九七二年返還の日本に対する約束はどうしても果たしたいという気持ちがその底に流れているのではないかと私は期待しているわけでございますが、そういうことからいって、日本的に申しますと、ずいぶん早くから国会に回すものだなという感じもあるいはするかもしれませんけれども、アメリカ政府としては、大事には大事をとって、なるべくゆったりした、上院に回す時期を早くしたい、こういう気持ちがあらわれているのではないかと私は察知しております。そういうわけで調印の時期はまだ何とも申し上げかねるわけでありますから、自然中間報告云々等は調印の時期とも関連する問題でございます。ただいまのところ何とも申し上げるだけの用意はしておりません。
○上原委員 ちょっと一点だけ、中間報告をおやりになる御意思があるかという点についてお答え願いたいと思います。
○愛知国務大臣 これは調印の時期とも関連がございますから、ただいま申しましたように調印の時期もまだきまっておりませんから、何とも申し上げることはできません。
○池田委員長 中川嘉美君。
○中川(嘉)委員 きょうは、たびたびこの委員会におきまして議論されてきたところの米側資産の問題ですけれども、これは非常に重要な問題でもありますので、いま一度大臣の基本的な姿勢といいますか、その点を伺っておきたいと思います。 この資産の買い取りの内容としましては、軍用施設とそれから民生用の財産、こういうふうに一つありますけれども、昨年六月から今回まで四回の会合が行なわれた。そして今日までに米側の出したリスト、これに電力公社とか水道公社、開発金融公社それから行政府の建物等、あるいはまた基地外の道路、いろいろあるわけですが、六項目にわたっているそうです。この項目が、さきに述べましたように、はたして米側から正式にリストとして提出されたかどうか。この事実についてひとつ伺いたいと思います。
○井川政府委員 先生御存じのとおり、この交渉は日本の大蔵省とアメリカの財務当局の間に行なわれておるわけでございまして、私どもも詳細を知っているというわけにはまいりませんが、私どもが現在知っておる限りにおきましては、まず米国政府所有事業であります琉球電力公社、琉球水道公社、琉球開発金融公社、行政用建築物、軍事基地外道路、航路通信援助施設等につきまして、現在評価作業を行なっている、いまだ完全にそれが終わっていない状況にあるということでございます。
○中川(嘉)委員 そうしますと、それ以外のものが新たに買い取り資産として追加されてくる、こういうようなことはあり得ないと解釈しているわけですが、この点、まずどうでしょうか、新たに追加されるという可能性は。
○井川政府委員 私どもとしては現在まだ聞いておりません。
○中川(嘉)委員 聞いておらないという御答弁ですけれども、交渉の過程において宮古島のロラン施設、これは御承知のように航海用施設ですけれども、これはあとから追加してきている。沖繩本島にもロラン施設というものは当然あるわけですけれども、この施設について、それでは要求してこないと見てよろしいですか。そしてまた那覇空港とかあるいは軍港、こういったものについて向こうは全く要求してこないということをいま一度確認しておきたいわけです。
○井川政府委員 たびたび申し上げますが、私ども詳細まだ存じておらないわけでございまするが、ロラン施設は、先ほどちょっと申し上げました航路通信援助施設になるのではないかと思います。この航路通信援助施設につきましては、まさしく現在そのうちのどれ云々というふうなことが議論されているのではなかろうかと思いますけれども詳細は存じません。ただ、この大きなワクの中には入っているように私は思います。
○中川(嘉)委員 それではまたこの次の機会に大蔵省等から御等弁をいただこうと思いますが、先ほどの六項目、かりにこれに限られているとするならば、それらの米側の要請に対して、日本側として個々の資産に対する買い取りについて応諾の意思を表明されたかどうか、あるいはこれこれについては認められない、買い取るわけにはいかないというような、要するに買い取りに応じられないという態度を明確に示されたかどうか、その辺はいかがでしょうか。
○愛知国務大臣 これは非常に大切なことでございまして、そういう点についての確とした話し合いがまだ実は決着がつきかねておるわけでございます。前々から申し上げておりますように、わがほうとしては、こうした資産を引き継ぎました場合に、全部買い取るという考え方はとっていないわけでございまして、パブリック・ユーティリティーという点からいって、沖繩の方々に将来役に立つということからいって、全然ただで取り上げるというのもいかがかという点と、それから、これはいずれにいたしましても沖繩の県民の方々の納得を求め得るような形でなければいけないということを基本線にいたしましてやっているわけでございますが、どうしても率直に申しましてお金のからむ問題でありますだけに、その額のほうからもまた攻めていかなければならない、こういう関係がありまして、ただいまかなり微妙な段階になっております。これは前々から申しておりますように、評価の問題あるいは経済的効用と申しましょうか、そういうような点、それから現実に帳簿その他の点検等もきわめてテクニカルな点がございますものですから、政府部内といたしましては、大蔵省の専門家にそういう点の検討をゆだねておりまして、アメリカのほうも、ワシントンの財務省を中心とするいわば本職がわざわざ出張って来たり、あるいはこちらが向こうにおもむいたり、非常な樽俎折衝を重ねておる状況でございまして、これがだんだんに前々から申し上げておりますような約定の形に形づくられてくる段階で私とマイヤー大使との総括的な話し合いに出てくるわけでございますが、まだそこまでちょっときかねておりまして、国会の関係もございますが、ただいまちょっと私とマイヤー大使との間のいわば定期会談が日程よりずれているような状況でございます。かような状況でございますので、その中身については、私もまだ経過を十分承知しておらない立場にございますので、その点を御了承お願いいたしたいと思います。
○中川(嘉)委員 返還の内容は五月ないし六月の上院でもっていろいろ審議されるということを耳にしておるわけですけれども、検討中あるいは努力中ということでは、私わからないわけではありませんけれども、のがれられないような事態が到来しておるのではないかと思いますので、ひとつ大臣のほうから大蔵省のほうにも十分御忠告をいただきたい、このように思います。 時間があまりないので、いろいろ実はこれに関連して、小笠原の問題とか、そういうことについてもお聞きしたがったのですが、多少省略をいたします。 いままでの御答弁で大臣は、役に立つものであればやはり買い取らざるを得ない、こういうようなお話ですけれども、たびたび議事録を読み上げるようですが、昨年の三月十七日の、ちょうど一年前ですが、大臣の御答弁によりますと、このことに関連して、「たとえば一九五二年当時に極東軍総司令部から当時の琉球軍司令官にあてました指令に、この点に触れているくだりがございます。ガリオア資金を米国に払い戻させるために琉球人に負担をかけることを期待してはならないということが、この指令の中に出ておりますことなどから見まして、私はガリオア援助費そのものを、復帰後になりますから日本政府でございますが、日本政府に償還をさせようという請求はないと信じております。」少し飛びまして、「万一あったような場合には、わが国としてはこれに応ずべきではない、政府としてはそのように考えております。」別のところの御答弁の中に、「この点は、ただいまガリオア援助費ということでお尋ねでございましたから、その援助費そのものについては万 一請求がございましても、これは拒否すべき筋合いのものである。」こういうような御答弁を実はいただいているわけですが、その当時、ちょうど一年前と比べますと、いろいろ事態は変わってきたとも言えるでしょうけれども、私自身としましては、このおことば自体がどうもだいぶ変わってきているのではないだろうか、このような印象がいたします。また今度の交渉におきましても、こういった資産買い取りに対する米側の要求を、全面的とはいわないまでも大部分を受け入れざるを得ないというような事態か出てきてはたいへんなわけで、この点について大臣の御所見をここで伺っておきたいと思います。
○愛知国務大臣 ガリオアの問題については、ただいま読み上げていただきました私の答弁はいまも同じでございます。日本政府といたしましては、かねがねのアメリカ内部の指令、訓令その他から申しましても、いまお読み上げになりましたものに象徴をされておりますように、沖繩県民から返させるべきものではない、それを期待してはならないという態度が明白になっておりますし、それから、返還問題がこれほど実現に近づいてからのことではございませんけれども、歴代の外務大臣も大蔵大臣も、沖繩におけるガリオアについては終始一貫そういう態度をとっております。したがいまして、現在、私といたしましてはこの方針は一貫いてまいりたいものと考えております。
○中川(嘉)委員 われわれは買い取りそのものを認めるものではないわけですけれども、万一買い取りになった場合の資産の評価ですね。それは当然公正妥当な価格ということを堅持するように、この際強く要請をしておきたいと思います。 私もいままで一年間に四回沖繩を訪問いたしまして、そのつど現地の方々からこの問題に対していろいろな意見を耳にしてまいりました。それを代表するといってはなんですけれども、沖繩の現地の方々から、われわれは金で買い取られるような復帰はしたくないのだというようなことば、あるいは金を出して復帰させてやったということで本土から恩着せがましくされるのは困るというようなことばも私自身は耳にいたしました。そういいった点で、今後少なくとも買い取りのために電気料金とか水道料金が現在より高くなるようなことがあってはならないのじゃないか。日常生活に非常な影響を与えるようなことがあってはならないと思います。またこういうことでは何のための復帰かということになってくるわけですけれども、いずれにしても、いろいろな方のことばを耳にしてまいりました。 そこで伺いたいのですが、引き継ぎ財産に関連した一切の料金等が、復帰後、そういったことによって決して高くならないということを大臣として確約できますかどうですか。この点について一言伺いたいと思います。
○愛知国務大臣 実は率直に申しまして、これは外務省の所管ではちょっとお答えいたしかねるわけでございまして、私も対米関係の折衝についてはこの上とも全責任をもってこん身の努力で最後までやってまいりたいと思いますけれども、どうも率直に申しまして、沖繩のことならば、全部といわぬまでも相当の部分は外務省の責任であるかのようにあれされますことは、一面ありがたくもあり、一面これは非常にオーバーでございますので、復帰後の料金等につきましては、これは沖繩・北方対策庁、あるいは沖繩・北方対策庁に集中されておりまする本土の政府各部局の努力に私は待ちたいし、また責任を持っていただきたいと思います。もちろん、私も政府の一員といたしまして高くなるようなことは絶対あってしかるべきことではない、その面でお手伝いすることがあれば何でも努力を惜しむものではございません。
○中川(嘉)委員 いま御答弁いただいたとおり、これは大臣から御答弁いただくのはどうかという気持ちを持ちながら伺ったわけですけれども、いま最後に大臣からそのようなお気持ちを伺ったわけなので、その点はどうかひとつ今後ともそういうお気持ちを持ち続け、十分配慮をされたいと思います。 あと少しで終わりますが、最後に、この米側の要求額と日本側の評価額、これもまた大蔵省ということになってくるのだと思うのですけれども、外交姿勢という面におきまして伺いますが、これが著しく食い違っている場合にはどういうふうにするか。それに対して、御答弁はいまここで省略するとしても、そんな高いことを要求されるのならばもう買う必要はないのだといって突っぱねるぐらいの姿勢、事と次第によってはそういう必要があるのじゃないかと私は思います。ある建物なら建物について、評価額において日米間で著しく違ってきたような場合にどういった態度をとられるかですね。 それから、もう時間がないからあわせてお伺いしますが、評価額が全体では二億とも三億とも聞いておりますし、また軍用施設を入れれば、その扱いによって五億ないしは六億というようにもなると聞いております。先ほどの質問にあわせて、こういったものの支払い方法自体について、きょうは大蔵省どなたも見えておらないようですから、ひとつ大臣から、外交姿勢という立場から、相当の要求額をぶつけられたときにどういうふうに対処をされるか、このことだけちょっとお答えいただきたいと思います。
○愛知国務大臣 先ほどたいへんぐずぐずした御答弁を申し上げて恐縮でございますが、先ほど来申し上げておりますように、まだ十分軌道に乗ったとは言えない状況でございます。しかし、私の受けている感じから申しますと、これは交渉ごとでございますから、やはり相当の開きはございますけれども、考え方に大きな開きはない。したがいまして、これからの努力次第によって話は十分煮詰め得るのではないか、またぜひそうしたい、基本的にそんなに飛び離れた考え方ではなかろう、こういうふうに感じておりますが、同時に外交姿勢といたしましても、理を尽くして十分努力を重ねたいと存じておる次第でございます。
○中川(嘉)委員 たいへん心配をしながらも、いまの御答弁ということになれば、その開きがないということにおいて幾らか安心もしたいというところですけれども、どうかひとつ、沖繩県民はむろんのこと、いわゆる日本国民全体がこの問題について最終的にほんとうに納得のいくような姿勢、こういったものを打ち出すべく引き続き御尽力をいただきたい。このことを要望しまして、ちょうど時間がきてしまいましたので終わりたいと思います。
○池田委員長 安里積千代君。
○安里委員 最近の報道によりますと、先ほどの御質疑にもありましたように、沖繩返還協定につきましてはアメリカの国会においての承認を要するということが知らされたようでありますけれども、そのことがこれから進めていきます返還協定の内容に何らかの影響を及ぼさないかどうか、まずその点をお聞きしたいと思います。
○愛知国務大臣 安里委員のお尋ねのように、アメリカのこうした条約、約定の扱い方というのはいろいろの方法があるようで、簡単なやり方でやればそのほうが日本にとって楽ではないか、ことばは悪いですけれども、有利ではないかというふうに想像される向きもあろうかと思われます。しかし、民族的なこの大問題を、正々堂々と話し合いによって解決をしつつあるわけでございますから、米側としては、やはり大きな問題として扱い、そして上院において正規の条約の性格のものとして扱ってくれて、そこでりっぱな結論が出ることのほうが、あとあとまでもすっきりした形で両国が非常に喜び合える、こういうことではなかろうか、私はそういう感じを持つわけでございます。したがいまして、そういう形になったということでありますけれども、それによって今後の協定づくりが悪い意味で影響されるということは私は万万ない、かように見ておる次第であります。
○安里委員 期待するところでありますけれども、どうも観念的に非常に楽観的じゃないかと思う気持ちがするわけです。と申しますのは、アメリカの国会に対しましても、それはどこの国でもそうでありましょうけれども、関係者からの圧力というものは相当強いものだと思います。現に、沖繩におきますアメリカの投資アメリカの既成産業あるいは医師、弁護士といったような問題につきましても、在沖繩の関係者の人々から強い圧力がアメリカの国会に向かってかけられておるということが伝えられております。こういう強い圧力が加えられますと、先ほど出ましたVOAの問題も同じだと思います。国会の、たぶんあれは三分の二の承認じゃないかと思います。そういうふうに大きく扱われるだけに、私は、相当な要求が今度の協定の中においてアメリカの要求として加えられてくる、こういうことが考えられるわけでございますけれども、それに対しまして、大臣としては、そういったものにかかわらず日本の沖繩の立場を堅持されて、はっきりとノーと言うものはノーと言う立場でなにされるかどうか。協定がアメリカの国会で承認を受けなければ成立できません関係から、どうしてもやはり無理なことも押しつけられてくるのではないか、こういう心配を実は持たされるわけであります。大臣がそのように楽観的に考えられる以上に、私は、相当な圧力が加わるのではないか、こういうふうに思うわけでありますけれども、その点の不安は大臣としてはあられませんか。
○愛知国務大臣 これは、率直に申しまして、相手のある仕事でございますから、上院の手続がどうなるにかかわらず、やはり相当骨の折れる交渉であることは疑いのないところでございます。また上院の三分の二の議決ということになるわけでございますから、そういう意味で、またアメリカ側の人はアメリカ側の人でいろいろと動きもあろうかと思います。しかし、日本側は日本側としてとにかく返還ということ、そして基本的条件はもうきまっているわけでございますから、その基本的条件のもとにおいてりっぱな協定ができる、つまり日本国民の大部分の人たちが納得をしてくださるような、また沖繩の百万の方々が、まあこれならとおっしゃっていただけるような形の協定づくりができるように、この上とも最後の努力を傾けたいと存じます。
○安里委員 沖繩の強い要求といたしまして、軍事基地の大幅な開放ということが出されております。おそらく政府にも各市町村からまとめられたそのような具体的な要求というものが出されていると思っております。この軍用地の開放の問題と、政府とされましてたびたび言われておりますように、基地の提供という問題、この二つの問題は相対立するところの問題である。もちろんその中和に苦心されておると思うのでありますけれども、沖繩県民の強い要求がありますところの軍事基地の開放、それから基地の提供、この二つの相対立するところの問題がある、こう思っておるわけでございまするけれども、これは相対立しない、並立して考えられるところの問題であるとお考えでしょうか。県民の要求と軍事基地の提供とは相いれないところの問題であるというふうにお考えでございますか。
○愛知国務大臣 これもざっくばらんに申しますと、相いれ得るように何とか調整ができないものであろうか、そこのところが非常に重大なところであろうと私は思います。というのは、ここのところが考え方の分かれ目かと思いますけれども、政府の考え方は、御承知のように安保条約というものを前提にいたしまして、この安保条約も、他の法令や条約と同じように、そのまま何の変更もなしに沖繩に適用するのである、これが本土並みの沖繩の返還であるということが政府の考え方の一番基本でございます。一面において、安保条約はそもそも日本の本土にとっても要らぬものである、廃棄すべきものである、こういう角度に立たれますと、一番基本的に意見の対立があり、自然、基地の提供ということは本来賛成すべからざるものであるということになってまいりますと、その間がいま安里委員の仰せになりましたように相対立する考え方ということになるのではないかと思いますから、そこのところは、そういうお考えもありましょうけれども、とにかくここで返還ということ、本土並みの主権のもとに返ってこられるということを何はともあれここでやり遂げていただくような角度に超党派的にお考えいただければ、その間の関係が矛盾なくとにかく調整できるのではないだろうか。これは私の非常に率直な感じを申し上げるのでございますが、私としてはさように感ずる次第でございます。
○安里委員 時間がございませんので、私は基本的な姿勢だけをお伺いしたいと思います。 沖繩の返還にあたりまして、私は、いまの相対立する二つの問題があると思います。また交渉の一段階におきましても、政府として考えられておりますことは、いまのように安全保障上の問題から軍事基地の提供という問題と、沖繩県民の軍事基地からの脱却によるところの平和産業への切りかえ、産業の振興、こういった立場からも軍事基地の開放というものは、住民生活の立場から、経済発展の立場から大事な問題であります。そこで、この二つの問題、二つの要求というものがあるわけでありますが、私がお聞きしたいのは、いずれが主となりいずれが従であるか。それとも同じような立場において考えておるのか。その基本姿勢だけを私はお聞きしたいと思います。
○愛知国務大臣 これはやはり国の安全という問題でございますから、安全保障は二の次だとか三の次だとかいうことは言えないと思いますけれども、同時に、私は、何といっても民生の安全、福利の向上ということが平和日本国としては第一の中核の柱でなければならない、こういうふうに考えるのでございます。
○安里委員 いまのおことばからは、いずれを従とするかということの御答弁にはならないと私は思うのです。われわれ沖繩は、長い間アメリカの軍事優先という立場でもっていろいろと制約を受けてきました。復帰の段階になって、いままでの状況から見ますと、沖繩県民の要求よりも地位協定、軍事基地の提供ということが主体となっておる。軍事優先ということばが適当でなければ、沖繩の返還というものは防衛政策中心、これがまた沖繩にしわ寄せになってきているのだ、こういう考えを持たされるわけであります。いずれこの問題につきましてはまたの機会に私は申し上げるとして、もう少し沖繩県民の要求の入れられるところの返還の内容にならなければならぬということだけを申し上げておきたいと思います。 あと一つだけ。本土にないもので沖繩にありまするのは、軍事施設の地先にありまするところの干がたの管理権であります。これはアメリカの布令によりましてアメリカの管理下にございます。おそらく本土にはこのようなものはないと思うのでございまするが、基地施設以外のその地先の干がたの管理権が返還にあたりましてどのようになるか、返還交渉の中においてどのようになっておるかということを明らかにしておきたいと思います。
○愛知国務大臣 現在沖繩にある干がたにつきましては、高等弁務官布令第三十四号によって琉球政府にその管理権が移譲されたものもありますけれども、目下さらにその実態について調査中であります。 それから地位協定との関連のお尋ねでしたが、このような干がたを施設、区域として提供するかどうかという点でございますが、いずれにしても、沖繩の返還に際しまして提供されるべき施設、区域については、安保条約の取りきめによって提供されることに法制的にはなることは言うまでもありません。その際に政府としては、かねがね申しておりますように、不要不急のものに加えて、沖繩の民生安定向上のために必要であるものは提供したくない、こう考えておりますので、それらの原則の中でこの干がたの問題をどうするかということについて慎重に検討し、折衝いたしたいと考えております。
○安里委員 いまのお答えはこれはもっとひとつ研究してもらいたいと思います。本土にないところの問題であります。本土におきましては、もちろん施設の出入りに必要なところの領水あるいは領域につきましては提供するというのが地位協定の中にありますけれども、沖繩の場合におきまするところの基地の地先の干がた権、これは公有水面でありましょう。これがひとしくまた提供される地域に入るということになりますと、これは安保条約あるいは関係法令の完全な本土並み適用にはなりません。本土と違った形においてこれが提供されるということになりますので、いまのお答えから見ますると、場合によってはこれも提供される範囲に入る場合もあり得るのだという答えが出てくるようであります。これは非常に重要なる問題でありまするし、ひいては基地の拡大にも通ずるということにもなりますので、もう少しその点は具体的に当局において研究されて、さらの機会においてお答え願いたいと思います。
○池田委員長 次回は、来たる三月二十三日午前十時理事会、十時三十分委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。 午後四時四分散会