沖縄及び北方問題に関する特別委員会 第3号
- 発言数
- 217 件
- 登壇者
- 11 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1971/02/23
会議録
○池田委員長 これより会議を開きます。 この際、理事辞任の件についておはかりいたします。 理事床次徳二君、箕輪登君及び中谷鉄也君から理事辞任の申し出があります。これを許可するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○池田委員長 御異議なしと認めます。よって、許可するに決しました。 ただいまの理事辞任に伴う補欠選任につきましては、先例により、委員長において指名するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○池田委員長 御異議なしと認めます。よって、委員長は、理事に 山田 久就君 豊 永光君 安井 吉典君 を指名いたします。 ————◇—————
○池田委員長 沖繩及び北方問題に関する件について調査を進めます。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。中谷鉄也君。
○中谷委員 施設庁長官にお尋ねをいたしたいと思います。 問題は、すでに他の委員会において、政府側の答弁で明らかになりましたように、軍用地について地主が再契約を拒否した場合、何らかの形においてその地主所有の土地を使用することについては、法的権限がなければならないという答弁はすでに確定をいたしました。その法的権限というのはどのようなものでしょうか。
○島田(豊)政府委員 沖繩が復帰するにあたりまして、米軍に基地を提供いたしますにつきましては、民有地の場合におきましては、それぞれの地主と賃貸借契約を締結いたしまして、使用権を設定して米側に提供する、こういうことになろうかと思います。 そこで、われわれとしましては、各地主との間に十分協議をいたしまして、賃貸借契約の締結まで持っていきたいというのが強い念願でございますが、ただいま御指摘のように、一部現在の米軍に提供しております土地は、大体九七%ぐらいが地主との契約、三%程度が収用という形をとっております。したがいまして、そういう形が全く予想されないわけではない。われわれとしましては極力締結に持っていきたいと思いますけれども、非常に予想したくないわけでございますが、そういう場合が絶無とは言えないわけでございますので、それにつきましては何らかの措置を講じなければならない、何らかの立法措置を講じなければならないというふうに思います。その方法なりあるいは内容なりにつきましては、現在、政府の関係機関において鋭意協議検討いたしておるところでございまして、まだどういう形になるかということは現在の段階では申し上げられない、こういう状況でございます。
○中谷委員 どのような立法措置、どのような方法によるかということをあなたの口から聞こうとは思っていないのです。そんなことはあらためて別の機会でお聞きをいたします。どんな方法がありますか、どんな方法が検討されていますか。その場合の、権限なくして使用なしという基本的原則については、すでに政府は統一見解を発表されました。権限の一つは契約であります。契約以外の権限というのは、特別立法をする、あるいはその他の方法による、どんな方法がありますか。その方法のよって来たるところの法的権限は何ですかという質問であります。まさに法律問題としてお答えをいただきたい。
○島田(豊)政府委員 御指摘のように、地主との契約というのが一つの権限でございます。いま一つは、法律によりましてその権限を設定する、こういうことだと思います。
○中谷委員 その法律によって与えられる権限というのは、法的にいって一体どのような権限なんですか。それは使用権だと言ってしまえばそれまでですけれども、それは一体どのような法律的性格を持ったものなんですか。
○島田(豊)政府委員 憲法上の根拠は、憲法の二十九条第三項の規定であろうかと思います。
○中谷委員 憲法上の権限というのは、そのような土地を使用できる憲法上の根拠であります。それは一体どのような法的性格を持ったものになるのでしょうか。その憲法二十九条によって、それは許容される規定が二十九条だと思います。一体、そのよって来たる、契約によらざる土地使用というのはどのような法的性格を持ったものなんでしょうかというのが質問であります。
○島田(豊)政府委員 法律によりまして使用権を設定をする、そういう内容を持った法律であろうと思います。
○中谷委員 法によらざれば使用権の設定ができないということであります。その問題の使用権というのは、どのような法的性格を持ったものなんでしょうか。
○島田(豊)政府委員 いわば、現在本土にありますような安保条約の地位協定に伴い使用するところの土地の使用、これに対する特別措置法というものがございますけれども、こういうものがそれに該当するというふうに考えます。
○中谷委員 お尋ねをいたしますが、契約を拒否をして——×日に返還をされたというその時点において、地位協定、安保条約に基づく国内法の取りきめの特別措置法が発動する余地は時間的にあり得ないと思うのです。そうでございますね。そういたしますると、特別措置法によらざるところの土地使用というのは、法律による、それはわかります。あたりまえのことです。しかし、その法律によるどのような方法ということは言えないというから、そこまでやぼなことは聞かないと言っている。しかし、そういうような法的な使用の性格というものは、特別措置法と全く同一の性格のものだというふうにおっしゃりたいのですか。
○島田(豊)政府委員 具体的に復帰時のことを考えてみますと、先生のおっしゃいますように、いまの特別措置法そのまま適用するといたしましても、問題が残るわけだと思います。
○中谷委員 どんな問題が残りますか。
○島田(豊)政府委員 もし、そこに強制的な措置を講じよう、いわゆる土地の収用、使用に関する条項を適用いたします場合に、やはりそこには所定の手続を必要としますので、そこに問題が残るということでございます。
○中谷委員 逆に言うと、その期間空白になるということでございますね。そうすると、それをカバーするための法的手続は、では、検討中ということですが、どんな方法を検討しておられますか。
○島田(豊)政府委員 その方法につきましては、先ほど申しましたように、現在検討中でございますので、ここで申し上げることは差し控えたいと思います。
○中谷委員 どんな方法がありますか。どんな方法が法律的に考えられますか。それが政府の具体的な施策として考えているというのではなしに、法律的に見てどんな方法が考えられますか。
○島田(豊)政府委員 講和発効のときに特別措置法を制定いたしまして、それの経過措置として附則二項に六カ月間の使用権の継続ということを規定してありますが、これも一つの方法ではないかというふうに考えております。
○中谷委員 そうすると、そのような法律的な権限がそういうことで与えられたという点についての、一体その法的性格は何かということを分析究明することが、きょうの私の質問の主たるテーマであったわけですが、どうもその点についての問題意識を、お持ちになっているようだけれども、あまりお答えにならない。 そこでお尋ねをいたしたいのは、そのような引き続き使用できるということによる土地の使用権というのは、安保条約地位協定に基づく区域提供による使用権と、それは全く同一のものなのでしょうか、異なるものなのでしょうか。少なくとも一点言えることは、引き続き使用しているという状態は、将来安保条約に基づく地位協定により提供されるかもしれない土地、提供しようとするかもしれない土地、あるいは提供しないかもしれない土地であるはずであります。そういう引き続き使用しているということ、そういうものが持っている法的性格と、安保条約地位協定に基づいて提供されているところの区域というものとの法的性格は異なるのでしょうか、異ならないのでしょうか。
○島田(豊)政府委員 現実問題といたしまして、現在、施設、区域の提供の範囲等につきましては、外交レベルにおいて日米間で折衝が行なわれておるわけでございますので、その結果がどういうふうになるかということは、いま私どもはわかりませんが、少なくとも提供されるべきことに両者間で合意が得られたというそういう施設、区域、これを米軍に提供するということになりますれば、その部分に関してはやはりいまのような考え方でいけるのではないかというふうに考えます。
○中谷委員 重大な間違いがあります。重大な間違いがあるし、姿勢に重大な問題があると私は思うのです。提供を前提として引き続き使用さしているのですか。——もう一度……。問題意識がおありにならないようですね。特別措置法による手続が間に合わない、その間引き続き使用するということは、施設庁長官は、そうすると、将来の地位協定による提供を前提として引き続き使用することになるのですか。そういう前提が動かないのですか。引き続き使用させるということの動機、理由、そういうふうにせざるを得ない事情というのは、一体将来提供するということが前提になっているのですか。
○島田(豊)政府委員 この問題は現在において検討されておるわけでございまして、それがどういう形になるかということは、これは現実問題としてやはり日米間の折衝問題だというふうに考えます。したがいまして、いまちょっと法律的な見解とこう言われましても、ちょっと申し上げられないと思います。
○中谷委員 引き続き使用する場合というのは、まず具体的に言えるのは、返還交渉の中において返還の合意が達しなかったもの、そうでございますね。それが引き続きですね。そうしてその後、その問題について引き続きということはあるけれども、それは何も日米安保条約地位協定によって提供すると確定的にきまったものを引き続き使用するというふうな大前提を置かれるというようなことはあり得ないことなんです。そうじゃないですか。それをまず答えてください。
○島田(豊)政府委員 返還になりまして、米軍に施設、区域を提供するということは、これはその時点におきまして両者間の地位協定が適用になりますので、地位協定に基づく手続に従ってそのステータスがきまる、こういうことでありますので、そういう意味にひとつ御了承いただきたいと思います。
○中谷委員 了承できませんよ。了承といって、あなたは何かやはり軍事優先、民生軽視、そういう考え方が基本にあるから、そういうふうなとんでもない答弁が出てくるのです。小笠原暫定措置法の五年を限って政令で定める期間という手続をきめたところの根拠、理由は一体何だったのですか。
○島田(豊)政府委員 当時は……(中谷委員「根拠は何だったのですか」と呼ぶ)これは法律に基づいて……
○中谷委員 いや、私が聞いているのは、地位協定に基づく提供を前提として引き続き五年間というふうなことが、十数回にわたる審議の中でただの一ぺんも政府答弁の中から出ましたかと聞いておるのです。私は、きょうは会議録を持ってきていますよ。
○島田(豊)政府委員 御承知のとおりに、小笠原のときには日米間の協定がございまして、「合衆国軍隊が現に利用している硫黄島及び南鳥島における通信施設用地は、千九百六十年一月十九日にワシントンで署名された日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約第六条に基づく施設及び区域並びに日本国における合衆国軍隊の地位に関する協定に定める手続に従って、合衆国軍隊が使用する。もっとも、避けがたい遅延のためこの協定の効力発生の日までに前記の手続によることができない場合には、日本国は、アメリカ合衆国に対し、その手続が完了するまでの間、これらの特定の用地を引き続き使用することを許すものとする。」こういう日米間の条約によりまして法律なり政令が制定されたわけでございます。
○中谷委員 私が聞いているのはそうではないのです。要するに、そうすると、返還協定の際における軍用地、基地区域ですね、提供の合意が成立しなかったものについては引き続き使用するというものがあり得るわけでしょう。ところがあなたの答弁は、引き続き使用するものは将来地位協定に基づくところの、すなわち特別措置法をある場合には発動しても提供するものを引き続きだとおっしゃる。引き続き使用させるものは合意に達しなかったものというのがまず……。しかも日本が強く返還を求めている、アメリカは返還を拒んでいる、そういうようなものについて引き続きというものがあり得るのであって、地位協定による提供を受けていない引き続きのものの中には、将来地位協定による提供をするかどうかについて日本とアメリカの間において合意に達していないもの、そういうものがあるということは明らかじゃないですか。それをあなたは、先ほど私が重大な答弁の誤りがあると言ったのは、当然地位協定による提供を前提にしている、特別措置法によって前提としているというふうな御答弁があったことは納得できない、承知できないと言っているのです。——わかりますか。
○島田(豊)政府委員 現在、外務省のほうで施設、区域の提供の範囲等について折衝がなされておるわけでございまして、私どもはその内容をいまつぶさに知りませんけれども、まず、やはり日米間で施設、区域の提供に関して一つの合意がなければならない。その合意がありまして、わが国が米国側に施設、区域を提供する、こういう場合に、その土地をどうするかという問題がその次に起こってくるので、その際に、先ほど申しましたように、一つは契約で地主との協議がそこで整わなければならない。もしその契約が整わない場合には何らかの措置が必要であろう、こういうことになろうかと思いますけれども、それでよろしゅうございますか。
○中谷委員 答弁になっていないですよ。私が言っていることについて、一番最初の元に戻った答弁をされたきりですよ。あなた自身もそう思われるでしょう。答弁になってないです。 こういうふうに聞いていきます。別のことを聞いていきます。引き続き使用するというのは、地位協定に基づく提供ではないわけですね。それは暫定措置による使用だと思うのです。引き続き使用ということで再契約を拒んだ地主は、それに対してどのような法的手続がありますか。
○島田(豊)政府委員 引き続き提供するということにつきまして地主が契約を拒むという場合……(中谷委員「契約じゃないでしょう。契約を拒否したというのを前提にさっきから話をしているのでしょう。契約があればとにかく関係ないじゃないですか、地主との関係では……」と呼ぶ。)ですから契約を拒否した場合……(中谷委員「それ一本にしぼっているのですよ。」と呼ぶ)契約を拒否した場合には、先ほど申したような何らかの立法措置が必要になります。
○中谷委員 何らかの立法措置というのは、暫定措置以外には考えられないわけですよ。だから結局暫定措置法というものについては重大な決意を持って私は臨んでいる。あなた方の答弁がそれほどあいまいなものなら、非常に危険だと思うのです。では、とにかく暫定措置によって引き続き使用できる契約を拒否した地主について引き続き使用ということをやった場合に、地主はどのようなそれに対する法的手続がありますかと聞いているのです。
○島田(豊)政府委員 そういう事態が予想されますので、特別な立法措置というものが必要である……(中谷委員「そんな事態はいやだという……」と呼ぶ。)
○池田委員長 ただいま答弁中です。
○中谷委員 いやという事態が生じてきているのでしょう。いやだというものを無理やりに使用させるのでしょう。それについては地主はどんな方法があるのですかと聞いているのですよ。日本は法治国家なんですよ。ある方法は一すでに小笠原暫定措置法の会議録をお読みになったのでしょう。あれは重大な問題だから読んでおいてくださいということだったと思うのです、質問の内容では。あなたのほうは暫定措置法によって、実は言えないと言っておるけれども、返還協定では引き続いてやりたい、暫定措置法をつくりたい、そうして伝家の宝刀だといって特別措置法を適用したい、何が何でも基地の機能は維持したいというのがあなた方の考え方です。暫定措置法の会議録にちゃんとありますよ。どんな方法があるのですか。
○島田(豊)政府委員 まだいろいろ私も勉強中でございまして、いまの会議録については詳細読んでおりません。したがいまして、その内容についてはちょっとここでお答えできません。
○中谷委員 いずれにしても一権限なければ使用なし。しかし憲法二十九条というのは、とにかく所有権の尊重というのを認めている規定ですよ。とにかくそれに対する対抗手段もなしに土地が取り上げられたら、地主はたまったものではない。どんな方法があるのですかと聞いているのです。
○島田(豊)政府委員 そういう問題についてまだわれわれとして研究不十分でございますので、本日はちょっと御回答申し上げるのを差し控えたいと思います。
○中谷委員 法治国家なんでしょう。行政不服審査法、行政訴訟という手続があるということはあたりまえのことなんでしょう。
○島田(豊)政府委員 国が一定の処分をいたしますものにつきましては、そういう対抗手段というものがございますが、法律に基づきまして何らかの行政処分をいたします。それに対しまして不服があるというときにはそういう法律の適用があろうかと思います。
○中谷委員 そうすると、その処分の申し立てができる時期は一体どのような時期なんですか。
○島田(豊)政府委員 それにつきましては、それぞれの法律が適用になりますれば、その法律に定められておる期間ということで、暫定措置法なら暫定措置法というものがもしできるとしました場合に、その中にそういうものを織り込むかどうかということは、これからの問題だと思います。それぞれの法律の手続、既存の法律の手続きによってやる場合には、それぞれの法律に定めてある期間ということになろうかと思います。
○中谷委員 猶予期間のことを聞いているのではないのです。いつ申し立てができるかということを聞いているのです。
○島田(豊)政府委員 これは現実の手続の問題、あるいは政府の施策の問題というのは、非常に純粋な法律的な問題でございますので、実は私その辺まだ十分研究いたしておりませんので、それぞれの法律につきまして十分検討いたしたいと思います。
○中谷委員 通知があったときにきまっていますよ。引き続きあなたの土地は使用するという通知があったときから不服申し立てができるというぐらいのことは、常識じゃないですか。そんなことはとにかく、私は行政法を知らないけれども、不服申し立てのABCじゃないですか。私がなぜきょうはこういうふうな質問をするかというと、あなた方の頭は、政府の頭は、沖繩の基地の機能を低下させまいというところにあらゆる問題点が集中している。四万地主のしあわせと権利をどうして守っていくか、民生の安定、経済の発展というものをどのようにはかるか、そのような中で土地の問題についてどのように処理するかということが、あなた方の頭の中に全く空白になっておるということを、きょうは指摘したかったために、先ほどのような問題点を指摘した。話がかみ合わないのもはなはだしい。お話にならぬと私思うのです。勉強中もくそもないじゃないですか、こんな簡単な問題は。 そこで、お尋ねしますが、自衛隊は、返還された時点において三千人の自衛隊を沖繩に展開するということは、すでに答弁されました。この点については論議があります。三千人が展開されるということになった場合に、どの程度の自衛隊のための土地が、区域が必要なんですか。どう考えておられますか。
○島田(豊)政府委員 まだこれは、約三千名の部隊を当初配置するという予定はございますけれども、それぞれの土地のどの部分を使うか、原則的には米軍の使っております基地の中に設定をするということでございますが、どの部分をどのように使うかということについては、日米間でいろいろ詰めておるところでございまして、したがいまして、およそその面積はどのくらいになるかということは、まだわれわれのほうも承知しておりません。
○中谷委員 候補予定地として考えているのは、どの土地とどの土地でしょうか。
○島田(豊)政府委員 まだこれは確定したと申し上げる段階ではないと思いますけれども、候補地といたしましては、陸上自衛隊は那覇近郊の米軍車両地区、いわゆるホイールエリアといっているところでございます。海上自衛隊は、艦艇関係はホワイトビーチ、それから航空自衛隊は那覇の航空基地という、こういう一応の候補になっております。
○中谷委員 特別措置法は、あなたのほうの御所管ということでお伺してよろしいでしょうか。土地に関する特別措置法は施設庁の御所管ということでお伺いしてよろしいでしょうか。
○島田(豊)政府委員 そのとおりでございます。
○中谷委員 そこで、特別措置法の考え方でございますが、特別措置法に根拠を持つ米軍に対する区域及び施設の提供に関する基本的な考え方でありますけれども、安保条約の目的によって、それは基地として必要だということと同時に、区域として提供することが適正かつ合理的でなければならないというのは、地主の契約、地主が任意に提供するあるいは任意に提供しない、特別措置による、いずれにかかわらず、単に区域として提供する必要性があるというだけではなしに、その区域として提供することが適正かつ合理的でなければならないというのは、区域提供の基本的な原則としてお伺いしてよろしいでしょうか。
○島田(豊)政府委員 特別措置法にそういう規定がございます。そこで適正かつ合理的ということがどういうことかというお話だと思いますが、先生のおっしゃったとおりではないかと思います。
○中谷委員 もう一度確認をいたしますけれども、任意に契約をして喜んで提供するという地主がかりにあったとしても、だからといって、必要だからといって提供さるべきものではなしに、それは適正かつ合理的でなければならないというのは基本的な原則ですねと聞いたわけです。
○島田(豊)政府委員 そのとおりでございます。
○中谷委員 そうすると、沖繩の現実に関して適正とはどのようなものでしょうか。合理的とはどのようなものでしょうか。
○島田(豊)政府委員 適正かつ合理的というこの条文の規定、これはなかなかむずかしい概念だと思いますが、要するに、米軍に施設、区域を提供しておりますその根拠になっておりますのが日米安保条約の第六条でございますし、それに基づく地位協定というものがございますが、結局六条に書いてございますように、日本の安全に寄与し、並びに極東の平和と安全を維持するためという目的がございますので、まず第一次的にはアメリカに提供することによって第六条の目的が達成せられる、こういうことが前提になろうかと思います。 そこで、その際に適正かつ合理的ということでございますが、結局その土地を米軍に提供することによる一つの公共的な利益と、そこの地主の所有権を排するために失いますところの私的利益といいますか、そういうものとの両者の比較権衡ということでこの適正かつ合理的ということを判断しなければならないというふうに考えるわけでございますが、結局、米側にそういう基地を提供するということの公共的利益あるいは効果というものがどういうものであるかということについての一つの社会通念的な判断というものがその前提になろうかと思います。したがいまして、具体的にこれがどうであるということは、なかなか説明はむずかしいのですが、われわれとしてはそういう適用につきましては十分慎重に検討してまいりたいと思います。
○中谷委員 具体的に説明できなくて慎重にというのは、話は論理予盾だと思うのです。そこで、いまあなたは防衛庁の考え方、政府の考え方を一つ露呈された答弁をされました。必要というのは安保条約の目的に照らして必要と、適正かつ合理的というのは、先ほど沖繩との関連において言っていただきたいと私が指摘をしたのは、沖繩の民生の安定、沖繩の経済の発展ということが適正かつ合理的の判断の中に入ってこなければならない。ところがあなたは、地主それ自体の、個々の地主との関係においてこの問題を矮小化された。そこで安保条約の目的によって区域を提供するということは第一次的とあなたは言われましたね。そうすると、第一次的と言われた安保条約による区域の提供というのは、沖繩県民の民生の安定、沖繩県における経済の発展というのは二次的なものとして理解されているということにならざるを得ない。まさにそれは対等平等の考え方の中において、その区域が提供されるということが論議されるという大前提がなければならぬ、私はそういうように考えるが、あなたは明確に言われましたね。安保条約の目的による区域の提供が第一次的なんだ、その第一次的な中において地主の利益その他、それらが「適正且つ合理的」なんだと言われたが、私はそうは考えていない。「適正且つ合理的」というのは、区域の提供が安保条約の目的に沿うそういう安貨条約の目的、そういうものと沖繩の民生の安定、経済の発展というものの対等平等の原則としてその両者の選択を迫るというのが、基地提供におけるところの基本的な考え方。そういう考え方をおとりになっていないのは、それは一体どういうことなんですか。
○島田(豊)政府委員 この特別措置法の第三条で「駐留軍の用に供するため土地等を必要とする場合において、その土地等を駐留軍の用に供することが適正且つ合理的であるときは、」「これを使用し、又は収用することができる。」そこで、この「土地等を駐留軍の用に供することが適正且つ合理的」であるかどうかということを議論します場合に、やはり駐留軍の用に供する、要するに防衛の目的にかなうということがその前提であろうという趣旨で申し上げたわけでございまして、いわゆる米軍の土地の中に不要不急のものがある、あるいは地域の経済開発なり発展というものを阻害しているものがあるというふうな場合におきましては、その辺の調整をやらない、こういう趣旨ではございませんので、われわれとしては十分そういうつもりでおるわけでございます。
○中谷委員 四万地主があって、百二十四の基地があるという場合、それは個々の地主との間の個別審査は十分におやりになる意思だというふうに伺いました。これについてまず御答弁をいただきたい。 同時にまた、そのことは四万地主——中部においてはとにかくたいへんな割合を占めている、嘉手納などは八五%が基地ということになってまいりますと、これは基地提供の基本的な原則は、経済の発展、民生の安定ということが、沖繩県における防衛目的という考え方と対等平等の中においてどの区域を提供することが適切かどうかということが論議されるべきであって、その大前提ははずされないわけですね。
○島田(豊)政府委員 私ども大体先生と同じような考え方で、何も現在基地であるから、それがどうしても基地でなければならねという考え方にも立っておりません。やはり民生との間の調整というものはやるべきであるというふうに考えておるわけであります。
○中谷委員 あなたは先ほど、不要不急の基地については、ということでありますけれども、不要不急の基地はどこかということについての調査はいつから着手しておられますか。
○島田(豊)政府委員 まだ個々の基地につきましては、一部の土地については調査をしておりますけれども、相当な部分が残っておりますので、これからいろいろ調査団を派遣いたしまして、その辺の調査をやるわけでございます。一部不要不急ということを申し上げましたけれども、それが現実にどこであるということでなくて、やはり大きな基地でもありますので、中にはそういうものもあろうが、もしそういうものがありとすれば、これは調査を要する、こういう趣旨で申し上げたわけでございまして、まだ大部分が不要不急である、こういうことをいまわれわれが認定をする、そういう資料は持ち合わせておらないわけでございます。
○中谷委員 各市町村から、この土地は、この基地は不要不急だと思われるから返還をしてもらいたいという要求がすでに出されております。それについての調査はいつから着手されるのですか。
○島田(豊)政府委員 これは地元からの要望ももちろん十分尊重いたしますけれども、要望のないものにつきましても、やはり調査をいたさなければなりませんので、もうすでに昨年から少しずつ調査いたしておりますが、まだまだ不十分でございますので、近々また調査団を出しまして、個々の施設についていろいろ検討したい。こういうふうに考えております。
○中谷委員 いつごろ、どのような規模の調査団を派遣されますか。
○池田委員長 中谷君に申し上げます。あぶらの乗ってきていることはよくわかります。時間が相当経過いたしましたから、その辺でおさまってください。
○島田(豊)政府委員 本日から十五名三班に分かれまして、一つは賃貸借関係、一つは水域の関係、一つは提供管理関係、それから全般の調整、こういうことで、明日から三月の十二日ころまでの調査期間で調査をいたします。
○中谷委員 では、対策庁の長官にだけ質問を一、二点させていただきます。 外務省は補償要求について十項目に分けられましたが、かりに対米請求権を放棄した場合に、政府は見舞い金を出すのだというふうな考え方があるようであります。私は、対米請求権の放棄をしなければならならという法律上の根拠あるいは政治的な理由については了承するものではありません。ただ、しかし、見舞い金を出すのだといわれている考え方について一応お尋ねをしておくことはこの機会に必要だと思いますので、お尋ねをいたします。 その見舞い金というのは、請求権といわれているものに基づくところによって算定される損害賠償額に見舞い金というものは見合うものなのでしょうか。 そしてその出された見舞い金というものは、損害賠償請求権の行使を妨げることになるものなのでしょうか、見舞い金は損害賠償請求権の行使を何ら妨げないということになるのでしょうか、それが第二点であります。 第三点は、わからない点がたくさんあります。たとえば軍用地の復元補償というふうな問題でありますけれども、この復元補償といわれているものは、復元に要する補償なのでしょうか、復元不可能に基づく補償なのでしょうか、そういうものを両者ともに含める職旨なのでしょうか。これらの問題について現在対策庁はどの程度の実態把握をしておられますか。これらについて御答弁いただきたいと思います。 なお、次に問題ですが、人身事故の補償の問題というものはきわめて重要だと思いますが、人身損害に関して因果関係の立証、いわゆる犯人の特定がなければということが巷間伝えられているようでありますけれども、これは請求権の行使を事実上不可能ならしめることだろうと思います。それらについては、かりに請求権が放棄された場合に、本土政府としてどのように処置をされますか、対策庁が御所管であろうと思うので、お答えをいただきたいと思います。 なお、委員長のほうから御忠告もありましたようで、本日施設庁に対する、すなわち、防衛庁に対する質問は、これ以上続けませんけれども、まだまだ私のほうは多くの問題について問題点を持っている。これは二十六日の予算の一般質問の中では気力を尽くして一ぺん質問させていただきまずから、きょうのようなわからないわからないの答弁ではないように、十分準備をしておいていただきたい。
○岡部(秀)政府委員 賠償額に見合うかどうかという問題でございますが、これは考え方として賠償額に見合うということを基本として、それに見合うようにという点で努力をすることになると思います。 それから請求権の行使を妨げるかということでございますけれども、そのときの具体的な話がどういうふうになりますか、おそらくは見舞い金をやるからその請求権はこれで打ち切りにしてもらいたいという話になるのじゃないかと思います。そうすればその点は行使を妨げるということになるのじゃなかろうかと思います。 それから復元補償については、復元補償に要する金額及びそれが不可能だという両方含むことになるだろうと思います。 それから人身損害についての因果関係のわからぬものは、ちょっとむずかしいのじゃなかろうかと思います。
○池田委員長 中川嘉美君。
○中川(嘉)委員 まず、毒ガス兵器の問題で、ここに二月二十日付の毎日新聞の夕刊の切り抜きがございますが、「ミンク米下院議員は十九日、沖繩から毒ガス兵器をジョンストン島に移送することを禁止する法案を提出した。同議員は致死性神経ガスは移送せずに沖繩で直ちに無毒化し、破壊すべきだ、と主張している。」こういうことでありますが、私はこのような処理がかりにも沖繩において行なわれるとするならば、その安全性の確保という問題に対してまたまた大きな疑問が生じてくるのではないか、また沖繩県民に与えろショックは毒ガスそのものの移送の問題以上に大きいのじゃないか、このように思うわけであります。これまでも毒ガス移送に関るるアメリカの発表は、数量であるとかあるいは移送時期等にたびたび変更がなされ、そのつど沖繩県民は不安と怒りを覚えてきたのでありますが、今回このような全面撤去の裏をかくような提案がなされたということは、日米交渉の成り行きはむろんでありますけれども、沖繩県民に多大の不信感というものを抱かせる結果をもたらしたのじゃないか、こう言っても過言ではないと実は私は思うわけです。 そこで伺いたいのですけれども、万一今回の提案のような処置がとられた場合、沖繩県民に無害を前提とした無毒化がはたして技術的に可能かどうかという問題です。施設庁長官おられますか。——いまのポイントだけ申しましょう。万一今回のこの無毒化ということが現地でなされたとするならば、沖繩県民に害を与えないということを前提とした化学的な処理、無毒化がはたして技術的に可能なのかどうか、この点を施設庁長官に伺いたいと思うわけです。その安全性なり方法なりについて、御存じの範囲でけっこうですが、ひとつお答えいただきたいと思います。
○島田(豊)政府委員 どうも毒ガスの処理の問題につきまして私所管でもございませんし、そういう技術的な知識もございませんし、まだあまりそれについて研究いたしておりませんので、その点はひとつごかんべん願いたいと思います。
○中川(嘉)委員 これはごかんべん願いたいではおさまらないたいへんな問題が場合によれば起ころうとしているわけです。わからないとおっしゃったわけですけれども、自衛隊には化学部隊というものがあるのじゃないですか。聞くところによりますと、その目的は、もし毒ガスか投下された場合にいかに無毒化するかということを目的にしているのじゃないですか、化学部隊は。ここで、もしそちらでわからないならば、化学部隊の責任者を呼んで実はお聞きしたいわけですけれども、その点どうですか。化学部隊の責任者というか、だれに聞いたらいいのか、その点をまず教えていただきたいと思います。
○島田(豊)政府委員 陸上自衛隊に化学を扱います部隊がございます。これは毒ガスあるいは放射能、そういう問題につきましても一応の研究をいたしておりますけれども、たとえば催涙ガスの問題こういう問題につきまして主として除毒という方向で研究しております。しかし、現実に毒ガスというものを自衛隊が持っているわけでもございませんので、いろいろ文献等によりまして理論的な研究はされていると思いますけれども、その辺現実にどの程度研究が進められておるかということについて、私も実は詳細承知いたしておりません。これは陸上幕僚監部に化学課という課がございまして、そこでいろいろそういう問題を研究いたしておりますし、また学校としまして化学学校というものを持っておりますので、そこでいろいる研究がなされておると思いますが、私自身どうもそういう技術的な知識が不足いたしておりますので、その辺の具体的な問題につきまして御説明をする能力がないということでございます。
○中川(嘉)委員 施設庁長官であるならば、最近のニュース、これはもう二、三日前の新聞記事でありますけれども、米側が毒ガスを移送しないで沖繩で破壊すると言ったことに対して、万一の場合を考慮して、当然安全性の確保を考慮してしかるべきだと私は思うわけです。全然私には関係ないという問題ではないと思うのです。こういった提案に対して日本側は米側に対して何らかの意思表示をしているかどうか、こういったことも実はきょうは伺いたかったのですが、大臣もいらっしゃらないし、また施設庁長官でも先ほどからの答弁によればちょっとむずかしいのではないかと思いますので、このことについてどうですか、よく詳しく調査して報告書を出していただけますか。
○島田(豊)政府委員 できるだけ御要望の線に沿いたいと思います。
○中川(嘉)委員 この問題については機会を改めます。きょうこのままずるずるやっても、的確な答弁は得られないと思いますから、別途あらためてこの問題については機会を得たいと思います。 次に、米側資産の買い取りについて二、三質問したいのですが、三公社以外の対象物、これにはどういうものがあげられますか、まずお答えいただきたいと思います。
○岡部(秀)政府委員 三公社のほかには行政用の建物、軍事基地外の道路、航路通信援助施設などがございます。
○中川(嘉)委員 沖繩県民にとって利用度のあるものについては対価を払うというのが原則だそうですが、返還される施設で沖繩県民にとって全く利益ゼロというものがありますか、どうですか。あれば参考までにひとつあげていただきたいと思います。
○岡部(秀)政府委員 施設で利益ゼロというのはあまりないのじゃなかろうかと思いますが、具体的に調べておりません。
○中川(嘉)委員 先ほどちょっと触れたように、沖繩県民にとって利用度のあるものについては対価を払うというのが原則だという以上は、この反対側の利益ゼロにひとしいものがあるのじゃないかという点から実は私は伺ったわけですけれども、いまの御答弁によると、どうもなさそうですね。ないならば、全部日本は返還される施設には対価を払うということを意味するわけですか。この点どうですか。
○岡部(秀)政府委員 その点は具体的に検討をいたしましてきめていくことになると思います。
○中川(嘉)委員 こういったことは具体的に検討してきめていきたいというお話ですが、時期的には、これは一日を急ぐ問題には違いないわけですが、いつごろ判明してきますか。
○岡部(秀)政府委員 それは大蔵省で具体的に進めていると聞いております。
○中川(嘉)委員 それではこれに関連して伺いますけれども、琉球政府の建物は買い取りの対象になってありますか。どうですか。この琉球政府の建物、アメリカ合衆国より琉球の住民へ献呈する、こういうプレートがはめ込まれているわけですね。われわれ、アメリカが贈呈したものと当然理解しているわけですけれども、政府はこのプレートの意味をどういうふうに解釈しておられるか。もし対価を払うとするならば、私は、あのプレートは取りはずすべきじゃないか、このように考える。何も献呈されたとしてここで必要以上にありがたがる必要はないんじゃないか、このように思います。このことはもう沖繩県民の感情をさかなでするようなもので、放置するのは全く不適当じゃないか、こういう感じがいたしますが、この点に関する見解を伺いたいと思います。
○岡部(秀)政府委員 その建物は、はっきりはいたしておりませんが、いまからの話になると思いますが、おそらく買い取るということになるのじゃなかろうかと思います。そして、その建物は献呈するということにいまプレートが張ってあるそうでございますが、実際は賃貸契約になっておるというふうに承知をいたしております。
○中川(嘉)委員 それではいまの賃貸契約と、これははもうはっきり張ってあるわけです、献呈するという、贈呈ですね。その関係をどういうふうに説明されますか。
○岡部(秀)政府委員 デディケーティッドというふうになっておりますので、献呈という日本語が当たるのじゃないかと思っております。その献呈という意味がどういうことか、私もよく存じませんけれども、しかし賃貸契約になっておりますから、これは明らかに契約でございます。ただしかし、その趣旨は、その金額は私なお詳細には知りませんが、非常に安い賃貸になっているということなので、その精神があるいは献呈というふうな意味が相当あるので、そんなふうなプレートが張ってあるのじゃなかろうかということ、これが私の想像でございます。ですから、はっきり法律的に申し上げれば賃貸契約になっておりますから、献呈じゃないんじゃなかろうかと思います。
○中川(嘉)委員 どうもわからないことがたくさん出てきましたけれども、この点ひとつできましたら、このように思うということではなしに、明確にときをあらためて調査してみていただきたいと思うのです。 われわれが沖繩を訪れて強く感じることがあるわけですが、それは、沖繩で最も条件のいい海岸の一部であるとか、そういうところに米軍家族の遊園地なんかがあるわけですね。沖繩人入るべからず、こういうふうに立札が立っている。たとえば石川ビーチとか、それから屋嘉ビーチ、そのほか奥間ビーチ、こういったところがあげられるのじゃないかと思うのですが、こういうところは軍事的目的と全く関係ない場所ですね。かつて本土においても、占領当時、葉山の海岸のちょうど御用邸のところですか、あそこ付近の最もいい場所に金網が張られて、そして日本人入るべからず、こういうのがあったのを私も記憶して、非常に屈辱感に打たれた経験がありますけれども、沖繩の人たちもおそらく同じ気持ちじゃないか、このように思います。沖繩返還の際は、もちろんあのような場所は人の憩いの場所として開放されるものと信じておりますが、この点どうでしょうか。アメリカ人ももう沖繩返還問題に伴ってそろそろ頭の切りかえをしたほうがいいんじゃないか。アメリカ優位の時代はもはや過ぎ去ったことを認識させる必要があるんでないか。このように思うわけですけれども、この点もあわせてひとつ御答弁願いたいと思います。
○岡部(秀)政府委員 その点は、日米両方で差しつかえのないものについては、なるたけ一般民に開放してもらうような努力を外務省もいたしておりますような状況でございます。しかしながら、実際は施政権が向こうにございますので、こちらの言うとおり全部通るとも限らないという状況でございます。
○中川(嘉)委員 なるたけという表現がありまして、ことばじりをつかまえるわけじゃないですけれども、私が申し上げたいのは返還後の話なんです。施政権を云々じゃないんです。返還後どうなるか、このことを答えていただきたい。
○岡部(秀)政府委員 返還後になりますと、それは極力一般民の利益になるようにいたしてまいりたいと私たちは思っております。
○中川(嘉)委員 施設庁長官おられますか。 次に米軍基地の問題で二、三伺っておきたいのですが、まず、沖繩返還に際して米軍基地は縮小されるのか、現状維持なのか、それとも拡大されるのですか、その点ちょっと教えてください。
○島田(豊)政府委員 これはまだ現在、外務省を中心にしまして、日米間で鋭意検討いたしているところでございまして、拡張せられるということはちょっと考えられません。現状並みであるかあるいは縮小されるか、この辺はまさに日米の折衝の内容になってまいります。一部、先ほど申しましたように不要不急の土地、あるいは民生安定なりあるいは地域開発との関連において、それを阻害するというふうな面がありますれば、そういう問題につきましてはできるだけ交渉の中に入れる、こういう態度で外務省は折衝をしておると思います。
○中川(嘉)委員 施設庁長官はどうあるべきだと思われますか、先ほど三つあげましたけれども。
○島田(豊)政府委員 現在日米間で交渉中の問題でございまして、ちょっとここで私の意見を申し上げることは差し控えたいと思います。
○中川(嘉)委員 われわれは絶対にかつ大幅に縮小されなければならないと思うのは当然ですけれども、沖繩がこれ以上アメリカの極東戦略のキーストーンであるということは、これは断じてやめるべきではないかと思います。米軍がアジアの憲兵として沖繩におる限りは、アジアの安全は不安定である。このことは言うまでもないわけでありますガ、政府は、せめて沖繩がアメリカの戦略のキーストーンでないように努力すべきだと思いますし、また政府にはそのような努力をする意思があるかどうか。そのためには、さしあたり、いま議題になりました米軍基地の大幅縮小に努力すべきだ、こう思うのですが、別に長官の御意見ということでなしに、一般論としてひとつ御答弁いただきたいと思います。 〔委員長退席、鯨岡委員長代理着席〕
○島田(豊)政府委員 返還に伴いまして、米軍基地の整理ということは、これは望ましいことではないかというふうに考えておるわけでございます。ただ、外務省の現在の折衝の過程においてどういうことになっておるかということについて、われわれのほうはまだつまびらかにいたしておらないのが現状でございます。
○中川(嘉)委員 どうも思うような御答弁をいただけないで……。もうきょうはどんどん次に進みます。 沖繩への自衛隊の配置については沖繩県民が強い拒否反応を示していることは御承知のとおりでありますが、それにもかかわらず駐留させるというふうに言っておられますけれども、この拒否反応そのものに対してどういうふうに対処されるか、まずその点を伺いたいと思います。
○島田(豊)政府委員 御承知のとおりに、施政権の返還に伴いまして、わが国の主権が沖繩に及ぶわけでございますので、当然防衛の責任というものが防衛庁にかかってくるわけでございます。そういう意味で所要の防衛上必要な措置をとろうということでございます。ただ、御指摘のように、一部にはいわゆる拒否反応ということがあることも事実でございますので、その辺は今後十分防衛の必要性なり、あるいはそういう施設の必要性なり、部隊の配置の必要性なりというものを御説明いたしまして、納得をいただく、御協力をいただく、こういう線で今後努力してまいりたいというふうに考えておるわけでございます。
○中川(嘉)委員 もし配置するならば、その規模ははたしてどのくらいか、これは中曽根長官からも、三千から六千というような御答弁がありました。それでは一体何を基準にしてそういうふうに言われるのか、具体的にどういう方面に駐留させるか、さっき御答弁が一応あったようですけれども、それではどの方面が人数がどのくらいに決定しているのか、こういったことはどこら辺まできまっていますか。
○島田(豊)政府委員 陸上自衛隊は、現地の警備に必要な最小限度の部隊、あるいは災害があります場合の災害派遣部隊等、最小限のものを配置するという考え方でございますし、海上自衛隊は、沖繩がわが国の主権下に入ってまいりますと、当然海面の警戒、監視、あるいは航空機による哨戒というものも必要になってまいりますので、それに必要な所要部隊、それから航空自衛隊は、当然沖繩本土の、わが国の本土を含めまして全般の防空というものに対処するために、航空機なりあるいは対空ミサイルの配置というものを考えておるわけでございまして、規模としましては、当初三千名、その後逐次ふやしまして、六千名ぐらいにまで持っていこうというのが現在防衛庁の考え方でございます。 〔鯨岡委員長代理退席、委員長着席〕 そこで、その配置につきましては、先ほど申しましたように、航空自衛隊は那覇の基地、海上自衛隊の航空部隊は那覇の基地、艦艇部隊はホワイトビーチ、それから陸上部隊は那覇のホイールエリアを中心としまして配置をするという考え方でございまして、その細部につきましては、現在、防衛庁と米軍との間においていろいろ協議をいたしておるところでございまして、まだ具体的に最終的に固まったという段階ではございません。
○中川(嘉)委員 ごく常識的な知識でできるような御答弁をいただいたわけで、もう少し詳しくこういった点はどうかと思ってお聞きするわけですが、自衛隊は米軍基地を守備する防衛隊だというふうに評する者があるわけですけれども、確かに沖繩に自衛隊が駐留しなければならない戦略あるいは戦術上の必要性があるかどうかということですね。沖繩に自衛隊が駐留しなければ沖繩の安全が危険だというような想定があるのですが、どうですか。この不測の事態を考慮しというようなことになるとすれば、それは一体どういう事態をさしているのか、どういう場合に自衛隊が必要であるかということも、この際ひとつあわせて御答弁いただきたいと思います。
○島田(豊)政府委員 これは非常に基本的な問題でございますが、現在、本土に自衛隊がございますが、これがどういう役割りを果たしておるかということとも関連かございます。あまりここで多くを申し上げる必要はないと思いますが、現実にどういう脅威があるかということは、現状では必ずしも考えられませんけれども、やはり自衛隊の配置ということは、大きく言えば戦争抑止力としての役割りを果たしておるわけでございますので、そういう意味におきまして、沖繩が復帰いたした場合におきまして、やはり本土防衛の一環として沖繩に所要の兵力を配置する、こういうことが必要になってまいるというふうに考えておるわけでございます。 〔委員長退席、宇田委員長代理着席〕
○中川(嘉)委員 また一部には、沖繩の警察力というのですか、機動隊を含めて非常に弱いということで、それを補足するのが自衛隊だ、このようにいわれておる。私もそのように聞いたのですけれども、いわゆる治安出動という観点からその点はどうでしょうか。治安出動との関連はどういうふうに考慮しておられますか。
○島田(豊)政府委員 これも沖繩の特殊の事情ということではございませんで、現在の自衛隊法に基づきまして、警察力をもってしては事態の収拾ができないというときに治安出動するという規定がございます。それと同じ考え方が沖繩にも及ぶというふうにお考えくださればけっこうだと思います。
○中川(嘉)委員 それでは、自衛隊の駐留によって軍用地が新たに必要となるということはないと利は思いますけれども、万か一そういうことがあった場合には、当然このための土地接収ですか、これが予見されると思いますが、こういう点についてはどういうふうに考えておられますか。
○島田(豊)政府委員 さらに米軍の基地を拡張して提供するということは、ちょっといまのところ考えられません。万が一そういうことがあります場合におきましても、これはやはり地主との契約ということでいくべきものでありまして、そこへ土地収用をかけるというようなことはやるべきでないというふうに考えておるわけでございます。
○中川(嘉)委員 要するに、基地の中の沖繩ということを、私たち、もう耳にたこのできるほど聞いてまいりましたし、また私たちも言ってまいりました。これ以上自衛隊のために広がるというようなことになれば、ほんとうに気違いざたなんで、そういうことは断じてあってはならないということをここで一言つけ加えておきます。 最後に、軍用道路について伺いたいと思います。軍用道路の中に私有地が当然含まれている。この私有地と国有地の割合ですが、これはどのくらいになっておりますか。
○島田(豊)政府委員 その点については、まだ調査をしておりませんので、わかりません。その軍用道路をどういうふうに措置するかということは、主として建設省の問題になろうかと思いますので、いま政府の間でいろいろ検討されているという段階だと思います。
○中川(嘉)委員 数字はわからなければやむを得ませんが、軍用道路が返還された場合、これは地主がつぶれ地をぜひ返してほしい、これは当然だと思いますけれども、こういった場合に、政府としてはどういうふうにしますか。土地収用法で収用するわけですか。この点どういうように考えておるか伺いたいと思います。
○島田(豊)政府委員 やはり原則的には、契約に基づきまして賃貸借するというかっこうになろうかと思います。しかし、一つの道路が機能いたします場合に、一部反対のためにその道路が道路のていさいをなさないということになりますれば、これはやはり大きな公共的な利益を害することになりますので、その場合には何らかのしかるべき措置を講ぜざるを得ない、こういうことになろうかと思います。
○中川(嘉)委員 しかるべき措置というのはどういうのですか。
○島田(豊)政府委員 そこの使用権を設定をするに必要な措置、こういうことでございます。
○中川(嘉)委員 御要望したいのですが、要するに、そういうふうになってぜひ返してほしい、しかしその地主に返せないというふうな事態になった場合に、政府として十分な補償を考えてあげるべきだ、これは当然のことなのでありまして、この点を最後に要望いたしまして、一たんこれで質問を終わりたいと思います。
○宇田委員長代理 安里積千代君。
○安里委員 施設庁長官にお伺いいたしたいと思います。 わかりきった質問でありますけれども、現在沖繩の膨大な軍事基地、軍用地はどのような手続でアメリカに使用させているか、それはおわかりでございましょうね。
○島田(豊)政府委員 施設及び区域としまして米軍に提供するということになりますそういう土地につきましては、あくまで土地所有者との話し合いによりまして、土地の賃貸借契約を締結したいというふうに考えておるわけでございます。
○安里委員 私の質問は、現在の沖繩の軍用地はどのようにして提供されておるか、使用させておるかということを御存じですかとお聞きしておるのです。
○島田(豊)政府委員 御承知のとおりに、琉球政府が個々の地主との間に契約を締結いたしまして、琉球政府が米軍との間に総括的な賃貸借契約、そういう形式で現在提供されておるわけであります。
○安里委員 その根拠はアメリカの布令に基づく処置であります。またそのほかにアメリカの布告によって強制収用されて提供されておるものもございます。そこで、これまでの御答弁の中からもいろいろお話があったのですけれども、今後の土地の提供については、いま布告、布令によってアメリカに提供しておるこの賃貸借契約あるいはまた強制収用によってなされたもの、これは復帰の時点、施政権返還の時点においては、この布告、布令は効力を失うのだ、無効だ、こういう前提に立ってこれから処理されるということでありますか。まずそれを確認しておきたいと思います。
○島田(豊)政府委員 そのとおりでございます。
○安里委員 返還によりまして個々の地主との契約を進めるということの御答弁でございます。そこでお聞きいたしたいのですが、いつごろからこの個々の契約の作業をお始めになる御予定でございますか。
○島田(豊)政府委員 防衛施設庁としましては、昨年二回にわたりましていろいろ軍用地の問題についての調査をしてまいりました。いろいろ制約下における調査でございますので、必ずしも十分ではございませんので、先ほど申しましたように、本日からさらに調査団を派遣いたしますが、それとは別個に、来年度の問題といたしまして、二十名の者を沖繩・北方対策庁の沖繩事務局のほうへ、これは定員の移しかえ措置によりまして派遣をいたすわけでございます。そして、この二十名が中心になりまして、いろいろ土地に関する諸問題につきまして、地元の方々の御意向も伺い、また所要の調査を講じまして、基本的な基準を設定するとか、あるいは方針を決定するとか、そういうことをやるわけでございますが、具体的には、先ほど申しましたように、米軍基地がどういうふうな形になるのかということが現在日米間で折衝されておるわけでございますので、そういう状況をも見きわめつつ、この業務を推進していかなければならないというふうに思うわけでございます。そこで、私どもとしましては、現在の二十名程度の陣容では三万七、八千人もおられます地主との個々の契約ということはなかなか至難でございますので、何らかの措置を早急に講ずるということが必要であろうかというふうに考えておるわけでございますが、現実にどの時点から折衝を始めるかということは、これは今後の二十名を中心にしまして、地元の方々とのお話し合いあるいは現地の意向、動向等をずっと見きわめつつやらなければいけませんので、そういう状況がわかり次第できるだけ早期にというふうに考えておりますけれども、現在の体制ではなかなかむずかしいということで、まずその体制を整えるということが必要ではなかろうかというふうに考えておるわけでございます。 さらに、返還協定がいまこれから締結されるわけでございますし、それが両者間で批准がなされましていよいよ現実化するという段階になりますれば、われわれのほうとしては本格的な交渉を始めなければならない、こういうふうなことになろうかと思っております。
○安里委員 契約を進めるといたしますると、提供すべき地域、開放される地域ということが明らかにならなければ皆さんの契約を進めていくという段階には入らない、こう思うわけですが、その提供する地域、開放される地域、それはいつごろはっきりすると見ておるわけですか。 〔宇田委員長代理退席、委員長着席〕
○島田(豊)政府委員 返還協定の調印の時期にどの程度それが明らかにされますか、それはちょっとまだわれわれのほうにはよくわからないわけでございますが、それ以降におきましても、復帰までの間にそういう問題は絶えず日米間で極力交渉されると思いますので、その辺が逐次具体化されてくる、こういうふうな見通しを持っておるわけでございます。
○安里委員 開放される地域とそれから提供される地域は、返還協定の内容として明らかになるわけですか。
○島田(豊)政府委員 その辺はまだ外務省において検討中というところでございます。
○安里委員 そうしますと、返還協定ができるあるいはこれが国会の承認を受ける、その時点というもので明らかになるかどうかわかりませんが、来年の四月一日が施政権の返還の時期だということもいわれております。そうすると、半年やそこらの間におきまして膨大なるところの軍用基地につきまして、政府の考えておりますような個別的な契約が完了できる、こう思っておられますか。
○島田(豊)政府委員 それは、これから地元の地主の方々ともよく相談をしながら、十分タイミングを見きわめながらやっていかなければならないと思いますが、個々の地主の方々一人一人につきまして説明をし、協議をするということも、実際問題としてはなかなかたいへんではないかというふうに考えられるわけでございまして、それの交渉の前提になりますいろいろな賃借料の問題等につきまして、できれば事前に何らかの基準、つまり本土との関係におきまして一つの基準ができますれば、その基準に基づきまして地元の方々の原則的な御了解を得、そして個々の地主さんと実際に契約をする、こういうふうなことを考えておるわけでございまして、われわれとしては極力返還までにそういう合意を取り付けるということに努力を集中してまいりたいというふうに考えておるわけでございます。
○安里委員 返還協定の中において、開放されるところの地域、提供される地域は明らかになるかどうかということにつきましても、防衛施設庁としては確信はありませんか。返還協定の中においてもぼかされたものによって、さらに提供される地域というのはあとの問題になってくるということになりはしませんか。 あわせまして私は対策庁長官にもお伺いしたいと思うのでありますが、沖繩の返還という問題は、単に返還されただけでなくして、対策庁において考えておりまするところのあとの経済開発、民利民福のための処置、これは沖繩県民にとっては重大なる問題なんです。そうしますと、沖繩返還という問題は、軍事基地を提供するという問題以上に、先ほど御質問もありましたとおり、将来の沖繩の経済開発をどのようにするかという問題は、土地の問題と切り離してはあり得ないと考えます。対策庁といたしましては、開放されるところの地域というものを把握されない限り、その計画は成り立たぬと思うのです。対策庁といたされましても、提供される地域、開放される地域、これに対するはっきりしたところの認識と申しますか、答えを持たない限り、沖繩の開発ということも机上の空論にしかならぬ。こう思うわけですけれども、その点、対策庁一施設庁とあわせまして、開放される地域、提供される地域、いつごろはっきりされるものであるか。どのような見通しを持っておられるか。それなしには、これから契約を進めるとおっしゃいましても、一生懸命にやるとおっしゃいましても、とうてい私は四月一日返還時期までにはこれはできない、こう思うのです。それともできると思っておられますか。対策庁じゃない、特に施設庁。
○島田(豊)政府委員 協定の中に、あるいは少なくとも付属文書としてそういうものがある程度明確になるかどうかということは、これは全くいま外務省で研究検討されておる、また米側と折衝されておる事項でございますので、私どもの立場としていま申し上げる立場にはございません。しかし、われわれとしましては、あとの問題もございますので、そういう問題ができるだけ早く明確になるということが非常に望ましいというふうに考えておるわけで、まあそういう問題は調印のときに必ずしも役に立たなくても逐次明確になってまいると思いますので、われわれとしましてはやはり並行して諸般の準備を進めなければならぬ、こういうふうな考え方でおります。
○安里委員 対策庁としては握っておられますか。
○岡部(秀)政府委員 ただいま施設庁長官が述べたような状況でございます。私たちといたしましては、返還後におけるところの沖繩のいろいろの水準アップ及び経済、民生全般にわたる振興のためには、この問題は重大な関心事でございますし、計画を立てる土におきましても、これはどの程度の状況になるかということでいろいろの問題が変わってきておりますので、私たちといたしましても、できるだけ早く確実にこの事実状況を把握いたしたいと思っております。
○安里委員 先ほどの施設庁長官のお答えからも、おそらく復帰までの間に提供するところの地域の契約というものは完成できない。大部分は未済でそのまま復帰の時点を迎えるのではないかということが考えられます。そこで、先ほどの御質問にもありましたとおり、ではその契約のできてないところの土地についてはどのようにしてアメリカに提供するというのであるか。この点もう一回あらためてお聞きしたいと思う。どういう手続によって、どういう法的な処理によって提供しようというのであるか。その点当然いまから考えておらなければならぬ方針だと思うのです。明確に言えると思うのですが、施設庁長官お答え願いたいと思います。
○島田(豊)政府委員 原則的には契約締結ということで進むわけでございますが、一部どうしても契約がととのわないということが予想されますので、そういう場合に対する措置ということについては、いろいろわれわれのほうも考えておりますし、また関係省庁間で協議検討いたしておるところでございまして、ただいまそういう段階でございますので、その内容等についてはまだ申し上げる段階ではない、こういうことで御了承いただきたいと思います。
○安里委員 ほんとうの腹は、何らかの特別処置、それで強制力を用いて提供するというような腹を持っておられるのじゃないですか。基本的な方針というものがきまっておらなければ、この段階においてこれは明らかにすることはできないということは、どうもむしろ疑惑を生むわけなんですけれども、方針もきまっておらないわけですか。方針としてはもちろん契約をするということが望ましい、それはよくわかります。しかし、いまの状況から言いますと、一部とおっしゃいまするけれども、大部分の土地について、沖繩の軍用地問題に対しては相当な支障が起こるものだ、私はこう考えるわけです。それを予想して、これに対するどうするかという方針というものが、いま時分ないということは、おっしゃらないだけにむしろ疑惑を生むわけなんですが、もう一回お答え願いたいと思うのです。
○島田(豊)政府委員 極力契約締結に努力をいたしてまいりたい。その契約の締結完了の範囲がどれくらいになるかということは、いまここで予測できませんが、われわれとしてはそれをできるだけ拡大するような方向に持っていきたい。そしてあまり予想いたしたくはありませんけれども、もしごく一部が残るというようなことであれば、それに対する何らかの措置が必要であり、具体的には何らかの立法措置が必要であろう、こういうように考えておるわけでございます。
○安里委員 時間も限られておりますから次に進みますが、沖繩の場合においては、本土と違って、軍用地だけじゃなくて、軍用地先の干がた、いわゆる公有水面、これもアメリカの管理に属しております。こういったことが沖繩の開発、土地造成にもこれまで非常な大きな支障を来たしている問題であります。そこで、現在軍用地でございませんけれども、現在アメリカが布令で握っておりますところの干がたの管理権、これは復帰の段階にはどのようになりますか。開放されるものでありますか。
○島田(豊)政府委員 地先水面の実態について、われわれまだ詳細承知いたしておりませんので、今後十分調査してまいりたいと思いますが、その取り扱いにつきましては、米軍に提供するかあるいは返還を求めるかということについては、これからの問題であろうかと思います。
○安里委員 本土においては一体こういうのはどうなっておりますか、本土の地位協定に関係する問題につきましては。
○島田(豊)政府委員 地先水面につきまして米軍に提供いたしておりまして、それに必要な補償料を払っておるということでございます。
○安里委員 無条件には米軍には提供してないはずです。これは、地先の領水あるいはその隣接する地域というものは、その軍使用地に出入りするために必要なというところの非常に限定された問題が地位協定の中にあるはずであります。沖繩の場合にはそうでない。出入りに必要だといった問題じゃなくして、軍用地先の干がたは全部アメリカの管理に属しておる。としますならば、これはアメリカに提供するかどうかということも考えるということになりますと問題だと思いますが、これはいまアメリカが布令で管理しておっても、これは当然新しい軍用地じゃないのですからして、開放されるべきところの問題じゃないでしょうか。場合によっては軍に提供すると、こういうわけですか。
○島田(豊)政府委員 これは、その必要性につきまして日米合同委員会、まあ地位協定の手続を経なければなりませんので、そういう場において十分その必要性等については協議の上、提供する必要があれば提供する、こういうことになると思います。
○安里委員 私がお聞きいたしているのは、その干がたの管理権というものを全面的にアメリカに提供するというところの考えなんですかというのです。本土の場合においては、ただそこに出入のために必要な場合にという限定があるわけなんです。ですから沖繩の場合の軍用地先の干がたというのも、現実にそこへ出入するために必要な地域、たとえば港をつくるとかなんとかいったような、そうした必要に限って提供せられるというのが本土の場合だと思うのです。沖繩の場合そうでなくして、軍用地以外に公有水面に当たるところの干がたまでもアメリカが管理しておる。返還の段階においてこれは当然いまの状況に合わない地域は返さるべきものである、こういうように思うわけなんです。それを、あらためてまた協議して提供するということになりますと、軍事基地の拡大にしかなりません。これは返すべきだ、アメリカの管理から除くべきものだという原則に立つべきであって、協議によってこれは提供するということになりますと、いままでなかったものが、本土にないものが、沖繩の返還において、沖繩においては干がたの管理権、多数ありますよ。狭い沖繩、みんな海に臨んでおりますその地先というのが、干がたの管理権までもアメリカに提供されるということになると、実質的には軍事基地の拡大に通じます。ですから原則的にそれを私はお伺いしたい。もし提供するものがあれば、本土と同様だとするならば、出入りに関係ありといった限定された地域において考えられるのであって、干がたの管理権というものがアメリカにそのまま移るということはあり得ないと思うのですが、それははっきりしていませんか。
○島田(豊)政府委員 よく実情を調査いたしまして、まあできるだけ本土と同様な方向に持っていくということが望ましいというふうに考えております。
○安里委員 できるだけ本土ということばはおかしいですよ。できるだけ本土、できなければ、アメリカの要求があれば、それじゃまた提供するのですか。できるだけということばは、われわれは一体この沖繩返還でどこが主体性を持っておるかということをあやしむのですよ。沖繩返還については、主張するところの日本側が主体性を持つのか、アメリカの要求があるからできるだけ考えるというのか、そういう基本的な態度というものを私は疑問に思うわけです。できるだけですか。そうすると、やはり要求があれば向こうに提供するんですか。
○島田(豊)政府委員 まだわれわれのほうも詳細把握いたしておりませんので、やはりまず実態を把握いたしまして、そして関係機関と協議してまいりたい、かように思っております。
○安里委員 こういう問題はまだ十分把握してない。いわんやこれから復帰の段階までに、いまの軍用地の問題というものが、合意に基づくところの提供にする手続というものは当然完成し得ない。こういうふうに思うわけでありまして、その場合における措置、これはわれわれにとりましても非常に大きな関心事であるし、またその手続も何らかの特別な措置を講ずるといたしますれば、その特別な措置を講ずる立法措置をするかどうか知りませんけれども、そういう立法措置は、この国会においてそのまま自由に立法府として一体つくっていいものだろうかどうだろうか。ということは、沖繩のいまの特別な軍事基地、早く言えば沖繩の地域にのみ適用するところの法律をつくるということになります。そういう場合には一体憲法九十五条との関係からどうなるかという疑問も出てきます。その点どのように思うでしょうか。もし沖繩の場合に、特別に軍事基地については何らかの処置をとるというような場合におきまして、この法律というのは沖繩一県だけに適用する法律です。しかも沖繩県民の利益じゃなくて、沖繩県民の権利を剥奪するという法律です。そういう場合に、憲法九十五条との関係、一地域にのみ適用する法律をつくる場合には、その地域住民の過半数の同意を得なければ制定することができないという憲法の規定がありますが、それとの関連はどうなるとお思いですか。
○島田(豊)政府委員 まだどういう措置を講ずるかということ自体がきまっておりませんので、ただいまの御質問については、ここでお答えする時期ではございませんが、いずれにいたしましても、暫定的な一つの経過的な措置でございますので、もし万一そういう立法をするにいたしましても、現行の憲法には抵触しないのではないかというふうに考えております。
○安里委員 一つだけ施設庁長官にあれします。沖繩においては核兵器が貯蔵されておることはもう公知の事実だ。これは核抜きということもいわれておりますが、あそこにはもう沖繩の人々が公知の事実として核兵器の貯蔵倉庫なんというものもあります。これは復帰の段階においては、施設庁としては引き継がれるわけですか、その施設は。
○島田(豊)政府委員 復帰になりました場合には、当然日本本土と同じような核に対する政策がとられますので、これはいわゆる核抜きということで返還になるということでございます。したがいまして、核兵器は返還後には沖繩にはない、こういうことになろうかと思います。その施設とおっしゃいますが、施設というものがどういう施設であるかわかりませんが、核問題と、そのありました施設というものとは、問題は別ではないかというふうに考えております。
○安里委員 どうせ施設が引き継がれるだろうと思いまするし、あるいは返すかもしれませんけれども、核が撤去された、あるいはないという確認はどこでやられるわけですか。
○島田(豊)政府委員 これは私からお答えする問題ではないと思いますけれども、結局は佐藤・ニクソンの共同声明によりましてそういう方針が打ち出されておりますので、必ずアメリカはそれを履行する、要するに結局はやはり日米間の信頼関係ということにならざるを得ないというふうに考えます。
○安里委員 これは外務大臣と同じように、アメリカの言うことを信ずる以外にない、この結論にしかなっておりません。時間がありませんので、先ほどの御質問の中にありました資産の買い取りの問題に関係してお聞きしたいのですが、これは対策庁にお伺いしたいと思いますが、返還されますところのたとえば電力公社、水道公社、これをかりに有償で引き継がれるといたしまして、買い取りまして引き継いだあと、この帰属はどういうふうになるわけですか。
○湊政府委員 先ほどからいろいろ御議論があったわけでございますが、私どもの立場からは、沖繩の経済、産業の開発あるいは民生の安定という趣旨から、引き継いだ資産を活用するという観点に立って現在準備を進めてございます。たとえて申しますと、かりに現に米軍が持っております水道の施設を当方に引き取った場合でも、現に進行中の福地ダム、あるいは結局沖繩は絶対の水量が全体として足らぬという観点から、これはどうしても将来は福地ダム及びその水をどういうふうにどこまで引っぱるかという計画もあわせて考え、そして全体として水道の場合は琉球政府が県営でやりたい、こういうふうな御希望もございますので、そういうふうな取り扱いにしていきたいと思いますし、電力の場合でございますと、現在内部でまだ検討しておって、最終的な答えが出ておらないようであります。いずれにしろ、琉球政府及び沖繩の県民の方々の御意向に沿った形でそれを運営していく。その場合でも、たとえば有償で引き継いだ、そのために水道料金や電力料金にはね返って、そうしてそれが値上がりするということじゃ困りますので、そういう点も遮断するような措置もあわせて考えながら、これから検討していきたいということでございます。
○安里委員 電気も水道も、アメリカも使っておりますけれども、それはアメリカとの関係はどうなりますか。
○湊政府委員 当然いま申しましたように今後の経営の主体と申しますか、それとあらためてアメリカと契約をして、必要な水量あるいは電力は供給する、こういう関係になろうかと思います。
○安里委員 どちらが主体になりますか。どちらが優先的になりますか。アメリカがどうしてもこれだけのものが必要だという場合、民のほうにおいて必要とするもの、軍が必要とするもの、どちらが優先的になってまいりますか。
○湊政府委員 ただいまの問題は、先ほど申しましたように、現在米側が管理しておるものの管理主体が今度はあるいは県営になる、あるいは民間も入るかもしれませんが、そういう形になりますので、あらためて米側と協議をしてやるという形になろうかと思います。
○安里委員 これは、地位に関する協定の第七条が、やはり沖繩の場合にも適用になってまいりますか。
○湊政府委員 地位協定とは別個の問題であると考えております。
○安里委員 それはおかしいですよ。地位協定の中において第七条には「公益事業及び公共の役務を利用する」権利として「その利用における優先権を享有する」ものとあるんですよ。ですから、政府が有償でもって買い取って引き継いで、そしてその使用については、公益事業、これは政府、各省その他の機関が管理しまた規制する事業になると思うのです。ですから、アメリカ合衆国軍隊は「その利用における優先権を享有する」もの、こうなっておるわけですからして、有償でアメリカから買い受けて、その利用、使用についてはアメリカ合衆国が民よりも優先的に利用する、こういうことにやはりなるのじゃないですか。それとも民のほうが優先するのですか。軍から要求があれば、要求が優先してくるというふうになるのじゃないですか。
○湊政府委員 ただいま私が申し上げたのは、将来引き継いだあとの経営ということを主体にして私ども準備を進めておる。したがって、その経営の中であらためて米側との交渉になった場合に、ただいま御指摘のような問題があるいは当然生ずるかもしれませんが、しかし私どもの対策庁として現在考えておりますのは、さっき申し上げたような考えである、こういうことでございます。
○安里委員 金は出す、アメリカに対する請求権は放棄する、それからアメリカに対して金は払う、そして引き継いだものについてはアメリカの優先権、こういったことで、沖繩の場合においても、返還をいたしましても、膨大なるところの軍事優先が依然として続く形にしかならぬと思うのです。時間がございませんので、私はこの点はとめておきます。 せっかく法務省関係がおいでになっておりますので、一言だけお聞きしておきたいと思いますが、伝えられておりますので大体承知はいたしておりまするが、アメリカの琉球民政府あるいはまた琉球裁判所の下した判決の効力に対して、これは効力を有するというふうに一応伝えられておるようでありますけれども、これに対します法務省の見解をお聞きいたしたいと思います。
○安田説明員 申すまでもなく、琉球政府裁判所あるいは民政府裁判所はわが本土の裁判所ではございませんので、それらの裁判所がなしました判決は直ちに当然にはわが本土の裁判と同じ効力を認めるわけにはいかないわけでございます。ただこの場合に、民事の場合と刑事の場合とでは若干趣を異にするものがございます。申すまでもなく民事におきましては、民事の裁判は、これは私法上の関係、いわゆる私的な権利義務関係の確定というようなことが目的でございますので、これにつきましては、直ちにその国の主権というものと密接に結びついてくるわけでもございませんし、そういう関係で刑事の関係と民事の関係との間では若干趣を異にいたしますが、民事につきましては、御承知のように、民事訴訟法の二百条に、原則として外国裁判の外国判決の効力を一定の条件のもとに認めるという規定がすでにございます。しかし刑事の関係では、御承知のように刑法の第五条に規定があるだけでございまして、何らかの国内法的な措置を講じない限りにおいては、直ちに当然にはそれらの裁判所の裁判の効力を認めるということにはならないわけでございます。ただしかし、この沖繩における復帰前に行なわれた裁判の効力をどの範囲でどの程度に認めるかという問題につきましては、これはいわゆる裁判権全般に関連しまして、いろいろとこまかい問題がたくさん出てまいります。そこで、それらの裁判権の移譲をどのような形で実現していくかという全般の問題の一環といたしまして、それらの裁判の効力についても慎重に検討をしていかなければならない、そういう観点から目下いろいろな角度から検討を進めておる段階でございます。
○安里委員 このことは返還協定の中に入れられる一つの大きな主要なる項目になっておるというふうに伝えられておりまするし、またそのように言われております。しかし、もちろん外務大臣もこの点はどうということをはっきりと言っておりませんけれども、いろいろ報じられたものは、その効力を一応認めるという原則に立つ、これが返還協定の中に入るのだというふうに伝えられておるのです。そうしますと、法務当局とされましては、いまの法律的見解につきまして、返還協定の内容について、法務当局と、されての要求と申しますか意見と申しますか、この返還協定の中に反映されていきますか。
○安田説明員 返還協定の中には、この刑事裁判あるいは民事裁判につきまして、単に裁判の効力だけではなしに、たとえば現在それらの裁判所に係属しておる事件をどのように処理するか、あるいはまたそれらの裁判所によって下された判決に基づきまして執行されておる刑の扱いをどのようにしていくかというような、いろいろな基本的な問題がございます。それらの基本的な問題につきましては、当然返還協定の中に明らかにされていくべきものと考えております。
○安里委員 返還協定の中において、かりに効力を承認するといったようなものが、アメリカ民政府裁判所あるいは琉球裁判所が下した刑事なら刑事の判決に対して効力を承認するということが、返還協定の中にかりに織り込まれたといたしますれば、国内法的には別に法律を必要としませんか。それとも返還協定ということによって終わりますか。
○安田説明員 当然国内法的な措置が必要となります。
○安里委員 時間がありませんので、もう一点だけ。 沖繩の少年法、もちろん本土と同じような法律によって適用されております。戦後のいろいろな沖繩の特殊な事情、ことに軍事基地の社会環境からいきまするところの沖繩におきましては、青少年の問題は本土以上に非常にむずかしい問題がたくさんあります。そうしてその少年法の適用によりまするいろいろな収容施設、そういったものにも本土と違ったいろいろなものがあります。そこで復帰の段階におきまして、一つの県の中に、いまの沖繩における少年院は低年者、高年者、女子、あらゆる問題が一つになっております。これが事実上少年院というものが刑務所と同じような姿になって、教育、指導という面、その処理というものが非常に妨げになっております。一体復帰後におきましては、本土におきましては幾つかの管区に定められて、一つの県の中に一つの少年院というものが全部包含されているのはなさそうでありますが、沖繩が復帰した場合におきまする、いまある沖繩の少年院、この施設の内容はどのようになるかどうか、お考えがあるかどうか、それをお聞きいたしたいと思います。
○羽山政府委員 お答えいたします。非常にむずかしい問題でございまして、まだ確定的なことを申し上げる段階に至っておりませんが、すでに昨年の六月に、屋良主席から法務大臣あての書面などを拝見いたしておりまして、沖繩の少年院につきましていろいろ御苦心あるいは問題があることはよく承知いたしておりまして、できるだけ妥当に解決いたしてまいりたいと思っております。ただ、御承知のように、少年院と申しますのは収容施設でございますが、収容施設と申しますのは、ただ入れておくというだけの施設でありませんで、やがてその地域に帰す、その地域がどこの地域が一番妥当であるかというような非常にむずかしい問題があるわけでございます。現に、内地の少年院におきましても、少年院の少年は少年院の中にばかりおるものでございませんで、成績のいい者は、院外補導などと申しまして外へ出ておるような状況でございます。そこで、沖繩の非行少年を収容施設に入れました場合に、そういう人たちを、たとえば内地へ持ってきて矯正教育をほどこしたほうがいいのか、あるいは沖繩において矯正教育をほどこしたほうがいいのかというような非常にむずかしい問題がございますので、その辺も十分具体的に詰めさしていただきまして方針をきめさせていただきたい、こういうように考えておる次第でございます。
○安里委員 これで終わります。
○池田委員長 瀬長亀次郎君。
○瀬長委員 最初に、法務省に、沖繩が返還になる時点における法的な地位についてお伺いしたいと思います。と申しますのは、沖繩の戦後処理は終わっていない。そこで返還協定が締結されて、たとえば四月一日に施政権が日本に返る、そのときは、当然サンフランシスコ平和条約三条に基づくアメリカの権限を放棄するということになりますと、これまでの一切の大統領行政命令その他布令、布告は無効になるということは、政府の本会議や委員会での証言であります。その場合考えられますことは、岡崎・ラスク交換公文、これについて、たしか中谷議員の本委員会での質問に対する愛知外相の答弁だったと思いますが、あれはすでに無効になっておる。この場合、あの岡崎・ラスク交換公文の九十日というのは、平和条約第六条前段、この前段は、連合国の軍隊はすみやかに撤去しなければならないということと、ただしいかなる場合でも九十日を経過してはいかぬ。それで、後段で、安保条約の法的根拠を据えつけて、安保条約に基づくアメリカの日本におけるいわゆる全土基地方式が確定されておりますが、この岡崎・ラスク交換公文が無効になっておるということになりますと、いわゆる基地の提供の問題は、経過措置として全然考えられないのかどうかという問題点が起こってきます。 最初にお聞きしたいのですが、あの岡崎・ラスク交換公文を出した時点で基地の提供を拒んだ本土における地主の実例がありますかどうか、その点をお聞きしたいと思います。法務省にお聞きしたいのは、そういった占領状態が済んで、四月一日返還という時点がもしあるならば、この時点は、沖繩の場合に占領が終了する、したがって、原状回復の国際法上の原則がそこで生きてくる、こういった問題があると思いますが、その九十日の設定の根拠といった点について法務省はどう考えられているか、これからお聞きしたいと考えます。——法務省は、川島民事局長かだれかおらぬですか。
○池田委員長 法務省の政府委員は不在です。
○瀬長委員 それでは、防衛施設庁が特に基地問題は担当庁であるので、島田長官にお聞きしたいと思います。
○島田(豊)政府委員 岡崎・ラスク往復書簡の問題は外務省の担当でございますが、これは私どもの承知しているところでは、あれは講和発効時におきますところの臨時的な措置を規定いたしておるわけでございますので、あの往復書簡は、一応あの時点において目的を達成しておる、したがって、現在におきましては、あれは働いておらない、こういうふうな認識を持っております。
○瀬長委員 その時点で基地を提供する場合に、暫定措置、九十日なら九十日おかなければ、地主の基地提供の拒否ということを見通されたのか、あるいはまた、何か拒否した実例がありますか。ありましたら簡潔にお答え願います。
○島田(豊)政府委員 ほんの数件を除きまして、大部分のものが契約によって処理が行なわれた、こういうふうに承知しております。
○瀬長委員 数件というのは、場所はどこどこですか。
○島田(豊)政府委員 ちょっといま手元に資料がございませんので、後ほど……。
○瀬長委員 次の委員会に資料を提出いただきたいと思います。 次に、これはこの前の予算委員会で、社会党の楢崎委員や共産党所属の松本議員に対する答弁の中で、いわゆる基地の提供の問題は非常に大きい問題であるわけでありますが、その答弁の中で、小笠原返還方式をとりたいというふうなこともはっきり言われておりますが、その場合、一番基本的な問題は、日米共同声明の六、七、八項、これが返還協定の核となって組み込まれるということをはっきり言っております。その場合考えられることは、この六、七、八は、六でアメリカの基地の重要性が確認され、七において、特に、佐藤総理大臣は、アメリカの極東における政策の効果的遂行の妨げとなってはいかぬと明確に打ち込まれ、さらに八項で、事前協議制度はアメリカの利益を害することなく、これがはっきりされておる。こういったような条項が条約の中で中核となって織り込まれるということは、いわゆる共同声明は、愛知外務大臣も言っておりますが、共同声明それ自体は政治的な道徳的な力しかないが、条約になると法的拘束力を持って国民を縛りつける、これはもうはっきりしたことである。岡崎・ラスク書簡あるいは交換公文が効力をすでに失っておるが、この共同声明のそういった条項が条文化された場合には、もちろん必要はなくなる、こういった見解だと私は思うのですが、その前に、小笠原を返還したときに協定がつくられておって、この協定の中にはっきりアメリカの基地は提供するということをうたい、さらにその協定に基づいて国内法として特別措置法がつくられておる。この十二条によりますと、公共の施設、国がきめたものについては、地主が承認しようがしまいが、一片の通知あるいは告示でもって土地を強制的に取り上げることができることが決定されております。この特別措置法に基づきまして、防衛庁が出しておる告示があります。この告示は八号から九号、十号にわたって、自衛隊の使う区域と施設、ロラン基地に使う区域と施設、これが告示の形で出ております。これは確認されるでしょうね。施設庁長官に答弁をお願いします。
○島田(豊)政府委員 その告示が出ておりますのは事実でございます。
○瀬長委員 この告示を出してから、異議申し立ての地主がありましたか。
○島田(豊)政府委員 ございません。
○瀬長委員 この告示を出さなければ地主が基地を提供しないというような見通しのもとでこれがつくられたのですか。
○島田(豊)政府委員 小笠原の場合におきましては、地主が不明という状況でございましたので、その後法務省におかれてその確認につとめておられるところでございますが、そういう状況下でございましたので、格別いま先生がおっしゃったような意図で告示をしたというものではないのでございます。
○瀬長委員 軍用地地主が拒否するだろうということの見通しがない、たぶん全部スムーズにいくのじゃないかというふうな状況の中で、なぜこのような形の特別措置法がつくられ、あるいはこれに基づいて防衛庁の告示が出て、使用目的、区域などが規定された告示を出さなければならなかったのか、ここら辺の事情を説明してほしいと思うのです。
○島田(豊)政府委員 ただいま申しましたように、所有者がはっきりいたしませんということがそのときの事情でございまして、したがいまして、そういう反対のものを予想して措置をとったという事実は全くございません。あくまで所有者が不明であった、こういうことでございます。
○瀬長委員 それでは沖繩の場合には、防衛施設庁長官がさっきの中谷議員の質問に答えたその中でも、九七%の地主は契約をしておる、三%は収用されたということを言われております。これが事実だと見ても、拒否するだろうという地主が相当おると防衛庁では考えておられると思うのですが、いかがなものですか。
○島田(豊)政府委員 われわれはできるだけ地元の御了解を得まして、円満な解決をはかりたいということを強く念願いたしておりますけれども、しかしながら、一部それに対する例外があるということもわれわれとしては予想しなければなりませんので、それに対するいろいろな対策を考える必要がある、こういうふうに考えております。
○瀬長委員 あの復帰の時点では、原状回復の原則は生き返ってきます。それで、地主たちは憲法もその時点では適用されます。憲法に規定された私有財産、これは没収されちゃいかぬと思うわけなんです。あるいは契約権、所有権、これも侵害されちゃいかぬ。憲法が生き返ってきます。そういった場合と関連いたしまして、現在の地主は、私の知っているだけでも三%くらいの問題じゃありません。この前本土の新聞にも出ておりましたが、自民党の沖繩対策委員会ですか、こういった中でも二七%くらいは反対するんじゃないかといったような分析をすらやっております。 この場合、まず最初にお聞きしたいのは、たとえば那覇市市長が先頭になって、那覇における一切の軍事基地の撤去を五回にわたってアメリカに要求している。これは、那覇軍港をはじめとして、那覇における軍事基地は総面積の三分の一に達しております。こういった場合に、むしろ最初にお聞きしたいのは、そういった市町村、自治体の要求、これは市民のための都市計画の問題とも関連しております。さらに、個人が自分の土地を取りたい、返してもらいたい、こんな安い十六セントくらいの値段ではだめだという人もおるし、さらに、基本的に自分の土地は自分のものにしたいということも考えております。戦争に反対ですから、基地は戦争とつながっている、そういった意味で反対しておる地主があります。これは当然だと思います。財産を大事にする、私有財産を没収されちゃいかね、こういったような沖繩県民の少なくとも個人地主が三万八千人おる。こういった地主の要求にむしろ佐藤内閣としては協力してほしいということを地主たちは思っておるのですが、協力できませんか。
○島田(豊)政府委員 返還と同時に米軍に対する施設、区域の提供というものが出てまいりますので、その関連をできるだけ円滑に処理したいということで、われわれいろいろ苦心をいたしておるところでございますが、もちろんその際におきまして、地元からのいろいろな御要望があることも事実でございますので、その辺の施策と地元民の御要望とをどういうところで調整していくかということがやはり一番大きな問題であろうと思います。基地の周辺でいろいろ民生安定なりあるいは経済の地域的な発展を阻害するといつふうなことがありますれば、その辺はやはり所要の調整というものが必要でございましょうし、そのことは、これから日米間でいろいろ協議がなされる、こういうことでございます。私どもとしましては、やはりそういう円滑な処理ということを頭に置きまして、極力雄大の皆さん方に御理解、御協力をいただいて、円満な処理をしてまいりたい、こういうことを非常に強く念願いたしておりまして、そういう点に大いに努力を注いでいきたい、こういうふうに考えておるわけでございます。
○瀬長委員 いま皆さんが、というのは防衛庁が非常に頭を痛めておるのは、私はその問題だと思うのです。地主と相談なさって、承知の上で契約する。そうすると、契約する場合、四月一日にあの返還協定が発効される時点になる場合、その前に地主たちとの契約を下交渉をされることになるのか、その後であるのか、そこら辺を明確に承りたいと思います。
○島田(豊)政府委員 地元の方々の御了解は、辺還前におきましても十分取りつけまして、返還と同時にその手続が完了するようにいたしたいというふうに考えております。
○瀬長委員 返還前に地主との仮契約ということになると思うのですが、それは法的にはどういう権限に基づいてされるか。いま法律はありません。いま布令が出されておる。その布令に基づいて、沖繩の軍用地はほとんどが武力で強奪されておるのです。接収じゃありません。接収の名前で全部武力で強奪されている。これが一応消えます。なくなります。あなた方は返還の時点前にそういう契約をされるというのだが、契約をされる場合に、どういった法的根拠に基づいて契約されるのか、明確にしてほしいと思います。
○島田(豊)政府委員 法的な効力を持ちます契約を事前にやるということは問題ございますので、同意を取りつけるということを事前にやりたいという考えでおります。
○瀬長委員 同意を得たいという場合でも、一応こうこういうふうな法律が、国内法なら国内法で適用されるので了解してくれぬか、引き続き貸してくれぬかということなんでしょうな。
○島田(豊)政府委員 今度の場合におきまして、賃貸借契約を結びますのは、賃貸借契約書というものを締結するわけでございまして、その中には、賃貸の目的、あるいは賃貸の物件、あるいは賃借料の設定、あるいは通常生ずる損失の補償等に関する等というようないろいろな条項を盛り込んだ契約書でございます。したがいまして、事前に同意を取りつける前に、やはりそういう賃借料の問題等について十分話し合って御了解、御納得をいただくという、そういう必要がございますので、そういうことを十分事前に御相談をして、そして円満な処理に持っていく、こういうことをわれわれとしては考えているわけでございます。
○瀬長委員 私の聞いておるのは、そういった個々の地主、三万八千人おるわけなんです。個々の地主にあなた方同意を求めるわけだ。その場合、将来四月一日なら四月一日にこういった行政協定ができる、この行政協定に基づいて、また国内法もこういったのができる、これに基づいて、皆さんの土地はやはりいままでどおり貸してもらわぬといかないので、仮契約でもしようじゃないかということになるわけですか。これがないと、契約をするのに、同意を得るにもできぬでしょう。私の言っているのは、そういった行政協定がこのような形でできるのだ。それに基づいて国内法はこういった、たとえば小笠原返還した場合に、特別措置法ができた。こういったような形ができて、もしこれに反対するのであれば、これはアメリカがとった手です、強制収容をするという手があるわけなんですが、いずれにしても、法がなければ、仮契約をする場合にもできぬでしょう。だから、どういうふうな法的根拠に基づいて仮契約——仮契約というものには至らないにしても、地主、しかも一名や二名じゃないのです、三万あるです。四万近いのです。そういった人々とやりますから、来年の四月一日というと、あと一年わずかしかありません。それで、期間はとにかくとして、法がなければいかぬわけです、契約をするにしても、仮契約でもあるいは同意でも。これを明らかにしてほしいのです。
○島田(豊)政府委員 先生も御承知のとおりに、この問題につきましては、地元の軍用地地主会連合会の要望が出ておりますが、その第一項にこの問題が出ておりまして、やはり契約で処理してほしいという非常に強い要望がございますので、われわれのほうは、そういう御意向の線に沿ってできるだけやりたいと考えておるわけでございます。 そこで、いまのお話でございますが、そういう仮契約というふうなことをいまのところちょっとまだ考えておりませんが、少なくとも十分御説明いたしまして、こうこういうことになりますよということで御納得をいただいて、返還と同時に契約を締結する、こういうことを考えておるわけでございまして、したがいまして、返還前におきまして、そういう法律的なむずかしい問題というものは、その問題に関する限りはないのではないかというふうに考えております。
○瀬長委員 私の言っておることは、その内容はわかるのですよ、アメリカはその手を使ったんです。使った場合でも、土地収用に関する布令があったんです。この布令を出して、それからやるわけなんです。アメリカでも、統治権は持っていても、やはり私有財産の没収というのはやりませんでした。またやれない。だから、やれぬから布令を出して、布令できかないものは武力をもって土地を取り上げた。こういうことで布令は出ておる。先行しておるわけです。だから、あなた方が、仮契約でなくとも、地主の承認を受ける場合でも、そういったような協定が、あるいは協定に基づく国内法が予想されるんだ、だから、ひとつそういった形でこれまでの基地に提供してある土地は国に貸してくれぬかということになるわけでしょう。だから、その返還協定、中身なんですよ。さらにそれから生まれる国内法——いま問題を出しました小笠原返還方式を言われておりますので、小笠原返還方式は、たとえば土地収用法がある。これは知事が拒否したら建設大臣がやっていく。いまの成田空港のものは、これは基地の提供じゃないから、結局あの収用法によってやっている。これができない場合が予想されて、地位協定に基づくあの特別措置法がある。さらに今度は、小笠原方式はそれよりももっときびしいやつ、一片の通告をすれば、一片の告示をすればできるようになっておる。これは明らかに日本政府がこれまでアメリカに無理してあの基地を提供せざるを得なくなって、国民の間に、どうこの矛盾を解決するか、私有財産を守りたい、国土は守りたい、安全に、住みいい国をつくるために、そういった民族間の矛盾もあるし、階級的矛盾もある。こういった矛盾を解決するため、脅迫手段、強制手段をとって、この形で小笠原返還方式なるものができたわけなんです。そのほかに何らかの法的根拠は一体考えられるのですか、皆さん。——皆さんは取り消します。防衛施設庁長官にいま申し上げたのですが、問題は、ここが明らかにならないと、あなた方が協定を結ぶ前に地主と相談するとか同意を得るとかということができないような状態になるのじゃないですか。どうなんですか、その矛盾はどう解決しますか。
○島田(豊)政府委員 ですから、地主会連合会の方々のそういう強い御要望の線に沿って、われわれとしては、できるだけそういういろいろなむずかしい事情というものがないように考慮していかなければならない、また、努力していかなければならぬ、こういうふうに考えておるわけでございまして、一つの法的な手段というものを振りかざしてそういう話し合いをするという考え方は、われわれとしては毛頭ございません。できるだけ円満に解決をしていきたい、こういうふうに考えておるわけでございます。
○瀬長委員 それではなお矛盾が出てきますよ。いま法的なものが想定されないで、同意を得る。地主連合会と言うが、地主連合会に全地主が入っているのじゃありません。地主連合会は、会としてはあなた方と契約する権限はありません。個々の地主対政府だと思うわけなんです。皆さんもそれを否定しておらない。この場合、三万八千人に及ぶ地主の同意を得る場合には、何らかの法的な基礎を示さない限り、これは同意を得られるどころか、全部拒否するでしょう。自分の財産ですから、財産をわけのわからぬような、法の根拠も示されぬような契約を結ぶばかな地主は、日本一億国民の中に一人もおらぬと思うのです。だから問題は、それが発効した行政協定、二国間条約になるような方向にいきつつあるんだが、これが発効した時点で、契約をしていない地主が相当残ることが想定されますね。
○島田(豊)政府委員 講和発効時におきまして、先ほど申しましたように、本土の場合は、大部分のものが契約でまいりました。奄美大島の返還のときも同様でございますので、やはりこれは最初が非常に大事である。その間に政府と地元民の方々との間に感情的な疎隔が生じますれば、これはあといかに措置を講じましようとも、なかなか円滑にいかない。これは五年、十年尾を引くという問題になりますので、われわれとして、やはりできるだけその納得を得ながらこの問題を処理していくということが、日本の長期的な立場に立ちまして、また沖繩の復帰問題の影響というものを考えまして、それが一番望ましいということを考えております。そういうことを言いましても、やはりもちろん残る契約ができないという場合がありますので、その辺のことは、十分われわれとしても考えていかなければなりませんけれども、やはりたてまえとしましては、先ほど申しましたような態度で臨むことが一番望ましいことではないかというふうに考えておりまして、そういう方向でわれわれとしては努力をしたいという考えでおるわけでございます。
○瀬長委員 時間がございませんので結論を急ぎますが、仮契約は結ばない、同意を得る。ところが何に同意を得るかというと、基地に提供してくれと同意を得る。何のために提供するか。返還協定の内容も知らさず、さらにその協定の中から生まれるであろう国内法も知らさない。それで一体契約を結ぶ沖繩の地主がおると思うのですか。思うか、思わぬか、これだけ簡単に言ってください。
○島田(豊)政府委員 その辺のことは、十分説明をしていくつもりであります。
○瀬長委員 そこで問題は、あの返還協定の発熱のときまでにはむずかしい、残りますとあなた、想定している。残る場合に、一週間か二週間か、一カ月か、一カ年か、いわゆる予期しないような障害にぶつかるおそれがある。そのために法の働いてくるのがなければならない、予想しなかった障害を除去するために、いわゆる経過規定を設けなければいけないというところまでくると思うのですが、ここら辺は思うのか思わぬのか、どっちなんですか。すぐ返還時点の四月一日には、すべて契約は済んで、もう何もない、返還協定だけて済むのだ、国内法でも、小笠原方式をとらないでも十分やっていけるというふうにお考えですか。
○島田(豊)政府委員 そういう事態も考えまして、いろいろ検討いたしているところでございますが、そういうことが今後いろいろ地元との折衝の過程において明らかになってまいりますれば、やはりその時点において何らかの措置を講ずるということは、これはやむを得ないことではないかというふうに考えているわけでございます。
○瀬長委員 時間がまいりましたので、一応これで閉じますが、要望として、いま自衛隊、これは時間があればあれですが、ないので、あすの決算委員会のときにでもお聞きいたしますが、自衛隊がすでに沖繩に派遣されるということになっていて、それで四十六年度の予算に沖繩関係の予算が組まれておりますが、その予算を見ますと、すでにもう調査費をつけるとか、あるいは五百フィートの滑走路を援助するとか、いろいろ組まれているわけです。そういった点を私は明らかにしたいので、はっきりその点をやってほしい。しかも四十六年度予算は、来たる四月一日から始まります。始まるが、事実自衛隊が向こうに行って、あの返還協定ができない前から派遣されるのか。いまは外国です。日本政府は、それを言っている。外国にどういうふうな方法で配置されるか。そういった問題をお聞きしたいと思いますが、予算関係を、具体的に四十六年度予算から、四十七年度にはこういったのを想定するということの資料をいただきたいと思います。 以上をもって私の質問を終わります。
○池田委員長 次回の委員会の開催の日時は委員長におまかせ願うこととし、本日は、これにて散会いたします。 午後一時六分散会