運輸委員会 第17号
- 発言数
- 130 件
- 登壇者
- 9 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1971/05/11
会議録
○福井委員長 これより会議を開きます。 外航船舶建造融資利子補給臨時措置法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑に入ります。 質疑の通告がありますので、順次これを許します。井岡大治君。
○井岡委員 この法律ができたときには、海運市況も造船の状況も非常に悪かったわけですが、いまあらゆる角度から見ても、いわゆる造船市況というものは非常に活況を呈している。おそらく手持ち造船は三年ないし四年くらい持っているんじゃないか、こういうように思うのです。そこで、こういうような状況であると同時に、海運の市況それ自体も船舶が足らなくて、そうして外国の船を借らなければならぬ、こういうような状況だというように聞いておるわけです。こういう状況の中で、はたしてこの法律が必要であるかどうか、こういう点について若干の疑問があるのですが、これらの問題については順次お伺いすることにします。 そこで、昨年の造船の進水量はどういうような状況になっておるのか、この点をお伺いしたい。同時に、これを国内受注と外国の受注に分けてどういう状況かということを、まずお尋ねをいたしたいと思います。
○田坂政府委員 お答え申し上げます。昨年、四十五年度の船舶の建造に対します進水量でございますが、いまだ統計が完全に出ておりませんが、現在の見込みでは、総計約千百二十万総トンになる見込みでございます。 その内容でございますが、内航船等、これは内航船並びに漁船あるいは旅客船等でございますが、これが約六十万総トン、それからわが国の外航船でございますが、それが三百九十七万総トン、それから輸出船、外国船でございますが、これが六百六十二万総トン、合計、この数字でまいりますと一千百十九万総トンになろうかと考えられます。
○井岡委員 そこでお尋ねをいたしますが、そういたしますと、大体世界の総トンの四七、八%から五〇%近くわが国で造船をしている、こういうように考えていいですか。
○田坂政府委員 そのとおりでございます。
○井岡委員 そこで、次にお尋ねをいたしますが、そのうち計画造船に乗っておるのはどういう状況です。
○田坂政府委員 わが国の外航船が総計三百九十七万総トンと申し上げましたが、そのうち計画造船によって行なわれておりますのが二百六十二万総トンございます。
○井岡委員 そういたしますと、内航については利子補給をしたものはありますか。
○田坂政府委員 内航船におきましては、利子補給等行なっておりませんけれども、そのうちある数のものにつきましては、船舶公団との共有という形で建造されたものがございます。
○井岡委員 そうすると、外航のほうで百三十万トン余りは自己資金でやっている、こういうように考えていいですか。
○鈴木(珊)政府委員 大体そのとおりでございます。
○井岡委員 そういたしますと、かなり海運業界それ自体もお金の手持ちがある、こういうように見ていいですか。
○鈴木(珊)政府委員 海運業界全般が、昨年の九月期、あるいは本年三月末はまだ決算しておりませんけれども、きわめて業績が上がりましたことは事実でございます。したがいまして、従来よりは多少の手持ち資金があるということは言い得るのではないかと存じます。しかし、それだからといって、自分の金だけで総輸送量をまかなうほどの大量の建造は、とてもできないというふうにわれわれは考えておる次第でございます。
○井岡委員 そうすると、逆にお尋ねいたしますが、外航船舶でこの計画造船に乗って建造した船の総トン数、それから、いま外航船舶の就航しておる総トン数は、どのくらいになりますか。
○鈴木(珊)政府委員 現在外航船腹で、これは四十六年の三月末現在で見ますると、グロストンといたしまして二千二百五十八万トンございます。これは主として三千トン以上の鋼船でございます。われわれはこれを外航船腹と称しております。 それから、いまお尋ねの計画造船でどの程度つくったかという点でございますが、これにつきましては、計画造船は、手元にある資料で申しますと、昭和二十四年度からございますが、これによりますと、いわゆる計画造船でつくりました船舶の総トン数の合計は、昭和二十四年度以降四十四年度までの間に千六百五十八万トンございます。それに四十五年度分といたしまして約二百六十万トン、すでに建造したものもございますし、これから建造ができ上がるものがございますけれども、その分は計画造船として財政融資いたしております。その分は全部で二百六十二万トン。したがいまして、合計いたしますと、昭和四十五年度までに約千九百万トン程度計画造船でつくっているということになります。
○井岡委員 千六百五十八万総トンでございますね。そこで、本年度の計画造船はどのくらいに見ていますか。
○鈴木(珊)政府委員 本年度は、実は従来まで、昭和四十四年度から四十九年度の六年間に二千八十万トンをつくる、そのうち計画造船は千六百五十万トンを計画造船でつくるということでございましたのですが、昨年経済見通し等が変わりましたので、それを改定いたしまして、それで二千八十万トンつくるのをさらに二千八百万トンにふやすというふうに相なりまして、そのうち計画造船で千九百五十万トンつくるということでございました。そして、大体その千九百五十万トンを年度別に区分してきめたのでございまして、それによりまして四十六年度の予算要求をいたしたわけでございます。予算で、国会で御承認いただきました量といたしましては、本年度は約三百万トンの外航船をつくるということに相なっております。
○井岡委員 過去においてもですが、これからでも、外国の造船所にこの計画造船を発注する会社はありましたか。それと同時にある見込みですか。
○鈴木(珊)政府委員 ただいままでのところは、過去におきましては、外国の造船所に発注いたしました例はございませんです。 将来はどうかということでございまするが、このたびのこの法律の改正案、これがかりに国会を通りまして成立をいたしますと、国外へ計画造船でも発注できるという可能性が出てくるわけでございます。そういう制度に直すわけでございますけれども、場合によりましたらあるいはあるかもしれません。と申しますのは、たとえは、日本の船台が非常に一ぱいだとかいうような場合には、外国の造船所のほうでたまたま船台があいておるというような場合があれば、あるいは船価のいかんによってはそういうことはあり得るかと思いますけれども、そうたくさんはないのではないかというふうに存ずる次第でございます。
○井岡委員 そこのところで私は若干見解が違うわけですが、わが国の造船の進水量の約五〇%は外国船舶を進水しているわけですね。これは、もちろん日本の技術が優秀であること、あるいは船台が、いわゆる近代船舶、巨大化した船舶の船台が日本に整っているからだと思うのです。外国には二十万トン、三十万トンの船台なんてないわけなんですね。それが全部こちらへ来ているわけなんです。したがって、これからも外航船舶というものはさらに大きくなっていくだろう、小さい小型船舶ならそれは別ですが。ところが、大きくなっていって、向こうのほうに注文したってできっこないじゃないですか。この点どう思いますか。
○鈴木(珊)政府委員 そういう見方もあると存じますし、また船が大きくなると申しましても、大きなものはタンカーです。貨物船は、やはり港の関係等もございまして、あるいは運河等の関係もございまして、そう巨大なものはございません。したがいまして、大きくなると申しましても限度もございますし、貨物船等につきましては十万トン以下が特にどんどんふえますので、そういうものについては需要があるのではないかというふうに存ずる次第でございます。
○井岡委員 十万トンと一口に言いますけれども、貨物船の十万トンというものは、タンカーと違ってかなり大きいですよね。しかも、これからはおそらく私は貨物船はコンテナになってくるだろう、こう思うのです。そういうようになってまいりますと、なおさら外国の船台というものは役に立たなくなってくるのではないか。それから、日本への発注はまだますますふえてくるのではないか、こういうように思うわけです。そういうように考えてみると、今後外国への発注が、過去においてもなかったものが今後あるだろうなんということは私はない、こういうように見ていいんじゃないか。ということは、それだけにやはりわが国の技術がいいということだろうと思うのです。 船舶局長お見えになっていますが、おそらく日本の造船は世界のトップをいっている、こういうようにおっしゃるだろうと思うのです。そのトップをいっているわが国の海運界、これは二位になるのか三位になるのかわかりませんけれども、それがトップよりレベルの下のところに発注するなんて考えられっこないじゃないか。どう思いますか。
○鈴木(珊)政府委員 そういう御説もあるかと存じますが、値段と船台いかんによっては、発注する機会もあり得るということでございます。
○井岡委員 私は、いわゆる中小の船舶であると外国に発注することはあり得ると思うのです。しかし、中小の船舶でない大きな船が、いわゆる計画船造しかこの利子補給はやってないわけですから、将来は例外があるかもわかりませんが、しかし、例外があるにしたとしても、いまちょっと計算をしますと、二千八百八十万トンのうち計画造船は千九百五十万トン、約二千万トン、そうすると八百八十万トンというのは自己資金で建造しているということになるわけです。そうだとすると、かなり海運界自体もゆとりが出てきておる、こういうように私は見るわけです。そう見てきて、そうして技術の劣っておる、しかも納期のおそい会社にどうして頼むのですか。そんなこと考えてみたってないじゃないですか。
○田坂政府委員 最近非常に輸出船がふえまして、わが国の国内船の、特に外航船の建造が自由に、気楽につくれないというような状態でございますので、あるいはそういう状態があるかもしれないというような感じを海運局長持たれたのかもしれませんが、私どもといたしましては、まず国内の安定輸送、わが国の物質の安定輸送というようなことを考えまして、国内船の、特に計画造船の建造には支障を来たさないように、優先的に配慮いたしていくということもあわせ考えておりますので、私どもといたしましては、計画造船にかかる船が外国に発注されないような対策を十分やっている、こういうふうに考えております。
○井岡委員 海運局長と船舶局長、若干答えが違いますね。海運局長はあり得るかもわからぬ、こう言う。まあわからぬのですから、それはあえて追及しようとは思いませんよ。しかし現実の問題として、ないものはないというように言ったほうが正直でよろしいと私は思うのです。 そこでお尋ねするわけですが、中小企業造船所の市況は、どういう状況になっていますか。
○田坂政府委員 中小企業造船所の全般的な市況も、大型造船所の好況にフォローいたしまして、総体的には、旧来の非常に悪かった状態から抜けてきたという実態でございますけれども、最近、内航船舶の建造が繰り延べられるというような状態にございます。これらの影響を受ける中小造船所の中のまた小さいほうの造船所、総トン数大体五百トン未満の船舶をつくる造船所、そういうところにおきましては、今後の見通しは、そう明るくない状態であるというのが実態でございます。
○井岡委員 いま言われたことだけでなくて、中小造船所は明るくなく、端的に言うと不況だ、こう言って差しつかえないと思うのです。その原因はそれだけですか。私は、ほかにもあるんじゃないかと思うのですが……。
○田坂政府委員 先生の仰せのように、それのみではございません。最近、船舶の大型化が非常に進みまして、大型のほうに需要が非常に多いということが一般の傾向でございますし、また、中小造船所の下のほうの造船所は経営基盤も脆弱でございますし、また技術的にもまだ不十分なところがあるというようなことで、今後、大型造船所が超大型造船所に進んでいく中で、その一環といたしまして、中型造船所のある一部は大型に進む、小型造船研のある一部はまた中型に進んでいく、そういう政策と、それから、中小造船所で経営基盤等の脆弱なところは構造改善等を進めまして、その基盤の確立を進めたい、こういうふうに考えておる次第であります。
○井岡委員 ちょっとわかりにくいところがあるわけですが、私は、最近の中小造船所の不況には、大別して二つあるんじゃないか。それは、資金の出回りが非常におそいというか、潤沢でない、これが第一点、だろうと思うのです。それから、造船所それ自体の基盤が、いわゆる近代化に即応する基盤になっておらない、近代設備になっておらない。大別してこういうところにあるんじゃないか。そこから、従業員というものが雲散してしまう、こういうことになるんじゃないかと思うのですが、この点はどうなんですか。
○田坂政府委員 先生仰せのとおり、中小造船所におきましては、設備の近代化、合理化、こういうものがおくれておる面もございます。それから、ただいまお話しのように、工員その他の定着性も、地方に進出いたしました大型造船所に比べますと劣るという面はございます。今後私どもはそういう面にも配慮をいたしまして、こういう企業の協業化、その設備の合理化等を進め、また私どもの補助、船舶振興会等の融資という面もございますので、そういう面で十分に考えていく、そういうことを今後の施策といたしたいと思います。
○井岡委員 そこでお尋ねしたいのは、いま船舶公団がありますけれども、船舶公団は毎年何ぼぐらいつくっているのですか。
○鈴木(珊)政府委員 内航船につきましては、大体四十万トンぐらいだと思うのでございます。
○井岡委員 船舶公団が四十万トンで、共同……。
○鈴木(珊)政府委員 間違えました。公団以外も全部入れまして全体で大体四十万トンで、一割ぐらいが公団でございます。大体四万トンぐらいでございます。
○井岡委員 四十万トンと言われるから、これはたいへんだなと、こう思ったわけですがね。 そうすると、やはりここらの問題にてこ入れをしないと、中小造船所というのはなかなか近代化しないんじゃないか。同時に、中小海運それ自体がかなり圧迫を受けるんじゃないか。これらについてどういうようにお考えになっているのですか。
○鈴木(珊)政府委員 ただいま申しましたように、船舶公団は、内航の新造に対しまして大体一割程度しか寄与していないわけでございます。残りは全部自己資金でやるということでございますので、船舶公団の共有方式でつくるということにつきましては非常に魅力があるわけでございますから、そういった意味では、船舶公団の共有方式の建造量のワクを少しでも広げていきたいというふうに私どもは実は思っておる次第でございます。予算は年々ふえつつございますけれども、さらに少しでもよけいにそういった公団の資金をふやして、自己資金だけでまかなうのを少しずつ減らしていきたいというふうに存じておる次第でございます。何せ財政資金のほうも限度がございますので、四十万トン全部が全部というわけにはもちろんいきませんけれども、幾らかでもそういうほうにふやしていきたい。 もう一つは、船の型もやはり近代的な船に直していくということが必要ではないか。それによりまして、たとえば乗り組み員の数を減らすとか、あるいは荷役の効率化をはかるとか、こういった面もありますので、そういったような船主の自主的な努力もまた必要ではなかろうか。両方の面から指導していきたいというふうに考えておる次第でございます。
○井岡委員 これは大臣にお尋ねしますが、いまのお話を聞いておりますと、大会社の計画造船によるものは七割まで政府の保護を受けているのに、中小零細海運というのはわずか一割しか受けてないのですよ。これでは私は、中小の零細造船あるいは海運というものはだん、だん力を縮められていくことになると思うのです。いま宇田先生が手をたたいておいでになりますけれども、この間虎児勘の造船所に行ってみたら船台がからだったのです。この点については何とかもっと考える必要がある。なるほどOECDの決議だということでおやりになる、こういうことでございますけれども、一方においては、外国に注文をしないものにまで予算をとって分けて助けてやる。片っ方のほうは、一生懸命苦しい中で金繰りをし、銀行に頭をさんざん下げて、そして困っているのにそれは一割しか出さぬ。こういうことは、私は政治の貧困だと言っても差しつかえないのじゃないか、こう思うのです。大臣、この点お答えいただきたいと思います。
○橋本国務大臣 お話しのように、確かに中小造船業者及び内航海運業者は、船の建造については苦労をしておるようであります。これはかつては、いわゆる中小企業業者もよかったのでありますが、この十年この方、一つは道路等陸上交通が非常によくなった。したがって、トラックの非常な激増を来たしてお客さんを取られたために、なかなか自力で、いわゆる代替建造とか整備をするということは非常にむずかしくなりました。 それで、長期展望を申し上げて恐縮でありますが、本州、北海道、四国、九州の海岸線は大体二万七千キロあります。将来は、昭和六十年の時点で考えますというと、貨物の総出入トン数は大体現在の四倍程度になるのじゃないか、こういうことがいわれております。そこで陸上交通、いわゆる道路等トラックのキャパシティーというものが、はたしてこの四倍に激増するものを引き受ける能力があるかどうかというと、私は非常にむずかしいのではないかと思います。三分の一を内航海運で引き受けるか、あるいはそれ以上になるかは別にいたしまして、少なくとも総合交通体系という点から考えると、こういう点を研究をしていかなければならない。 そういう一つの前提に立って考えますというと、いわゆる内航海運、これは港湾計画と関係があるわけですが、現在五千トン級以上の、タンカーを含めていわゆる貨物船の入る港は、全国で大体百十港ぐらいです。これは日本の港湾政策がまだ途中でありますから、ある個所には集中しておる。たとえば、東京湾とか大阪湾とか伊勢湾とか瀬戸内海。しかし全国的に見ますというと、いわゆる中長距離をいわゆる内航海運にまつという政策をとるなれば、当然港湾の全国普及化ということを考えなければいかぬ。本年度から始まるいわゆる新港湾五カ年計画で二兆一千億円、従来の倍以上のものを計画の中に組み入れたわけでございますけれども、それにいたしましてもまだ少ない。少なくとも昭和六十年度の時点においては、現在百十港程度の、五千トン以上の港は最小限度二百港くらいつくる必要があろう。同時にまた、いわゆる貨物船のトン数は従来少し小さ過ぎたのじゃないか。したがって、三千トンが大体標準貨物船になると思いますが、少なくともそれ以上にする。結局は、小さな船であってもある程度の中型船であっても、人件費はあまり変わらない。少なくとも省力化ということを考えるなれば、やはり五百トン、千トンの船は少なくとも三千トンもしくは五千トンにだんだん格上げされてくるのではないか、全部とは言いませんけれども。それには、やはり流通港湾というものが整備されなければならない。私は、大体平均しまして海岸線百キロに一つの流通港湾、五千トン以上の船が入るこういう港をつくって、同時にまた、つくられるところの貨物船も三千トンもしくは五千トンが中心になっていかなければ、昭和六十年度の時点における貨物の総量をこなし得ない実情になるであろうと思います。 こういうような想定のもとに、従来外航船舶に与えておったいろいろな特典があります。一つは利子補給の問題があり、あるいは開銀資金、今回これは下げておりますけれども、それにしても六割強の開銀資金でまかなっておる。それに対して船舶整備公団がありますけれども、先ほど答弁がありましたように一割そこそこである。こういうのが、将来の総合交通体系の上から見てもいわゆる不十分である。そういう意味から考えて、これは積極的な思い切った措置をとらなければ、将来のいわゆる海運政策といいますか、内航海運政策には追いつかない状態になるのではないか。 こういう点で、いまお話があったように、あえて外航海運の問題と比較するだけではなく、一つの国内の輸送体系の上から考えて、内航海運をどうすべきか、体質改善等も考慮に入れながら積極的な対策を考えてまいりたい、こう考えております。
○井岡委員 いま大臣から懇切な御説明がありましたから、この問題は一応了としますけれども、海運局長にお願いをしておきたいのは、船舶公団をつくってから約十年近くなるわけです。それで、いま内航を就航しておるトン数と船舶公団でつくったトン数を考えてみると、私はほんとうにこういうような開きになっているのではないか。公団をつくっただけだということにしかならぬと思うのです。ここに中小海運の苦しさがあるし、中小造船のいわゆる滅びていくというか、消されていくというか、こういう宿命を持っていると思う。外航船舶なり外航海運については、ほんとうに手厚い、大臣が言われたように開銀融資あるいはまた特別融資、いろいろなことをやっているわけですね。ところが、一方においては一つもそれをやっておらぬ。わずかに船舶公団によって標準船をこしらえてそれをあてがっておる、こういうことにしかすぎない、こう思うのです。こういうことでは、私は最近のわが国の外航海運なり陸上運輸と申しますか、そういうものと比較して立ちおくれていくのは当然だと思うのです。 そこで、私は大臣が言われたように、四倍になる、その三分の一程度だ、こういうことでございますけれども、私は陸上よりは海上のほうが、交通はひんぱんになったといえどもまだ広いと思うのです。こういう点から考えてくると、事故の減少等も考えられてくるわけでございますから、なぜこういうところにもつと力を入れなかったか、こういうようにお尋ねをしたいのです。だから、今後の一つの構想などがございましたら、この際お聞かせ願いたい。
○鈴木(珊)政府委員 先ほど大臣が申されましたように、やはり海陸合わせて総合的な口から見まして、内航海運はどういう地位にあるべきかということから見まして、現在の政策が貧困ではないか。まさに御指摘のとおりに存じます。私どもといたしまして、ただいまたいへん御示唆のある御意見を賜わりましたのでございますけれども、今後こういう点につきましては、外航海運に劣らず国内の重要な輸送機関でございますから、その使命が達成できますように、いろいろな点につきまして——単に補助、補助といいますけれども、税の問題もありますし、あるいは乗り組み員等の問題もございます、いろいろな総合的な問題もございますと思いますので、そういう面で内航の使命が十分達成できますようなぐあいに、ひとつ努力したいというふうに存ずる次第でございます。
○井岡委員 これ以上この論議を進めておっても、結局はオウム返しの論議になってしまいますから、私はこの論議はこれで打ち切りますけれども、少なくとも私は、わが国の外航海運に対する手厚い行政、一方ひるがえって内航の海運に対しては、これはまあ海運全体ですから造船を含めますが、それに対しては非常に貧困だということだけは、あなた方もお認めを願いたいと思うのです。そして、これが早急に解決をしないと、いま大臣は六十年代と、こういうように言われましたが、私は六十年代でなくてもっと早くくるんじゃないか、こういうような気がしてなりません。しかも、それが内航を犠牲にしたかっこうになるんじゃないか、こういうように思いますので、この点、格段の御努力を願いたいと思うのです。 そこで問題は、現在の、昨年度改定いたしました計画造船は昭和四十九年度、こういうようにお答えになりましたが、それから先、これを打ち切りますか。
○鈴木(珊)政府委員 現在のところは、四十九年度までを考えておるわけでございます。 その後はどうするかということにつきましては、その時点に立ってみないとわかりませんでございますけれども、そのときの四囲の情勢によりまして、やはり資金を、海運業がいわば国民経済的要請である大量輸出入物資の輸送ということに耐えられないならば、そういう意味におきましては、やはり低利融資、長期融資という制度を行なって大量の船をつくるということは、やはり国が援助すべきではないかと思います。これはいまからまだわかりませんけれども、その時点に立ってその事態になれば、やはりそういうことが必要ではないかというふうに考えている次第でございます。
○井岡委員 と申しますのは、私はこの制度自体は、いわゆる造船を含めて海運の不況当時に、何とかして手を貸してやろうじゃないか、いわばアフターケアとしての制度としてやってきたわけなんです。ところが、現実にはもう十分自立するだけの能力を持っている。したがって、私はこのこと自体は真剣に考える時期が来ておるんじゃないか、こういうように思うわけです。同時に、先ほどの御答弁でわかったわけですが、これは外国に発注する船にも適用するのだ、こういってみたって、極端な言い方でございますけれども、実際これはから念仏ですよ。こんなものを出してみたって、注文するものがなければ何にもならぬことです。まあOECDの決議だ、こういうことでおやりになるんだろうと思いますけれども、私はこれはから念仏にしかすぎない、実効の伴わないものだ、こういうふうに言って差しつかえないんじゃないか、こう思うわけです。 そこで私は、大蔵省にちょっとお尋ねをいたしますが、大蔵省は輸出船舶について何かお考えになっておるように承っておりますが、お考えになっておれば、ひとつお伺いをいたしたいと思うのです。
○田中説明員 お答え申し上げます。 昨年から本年初頭にかけまして、新聞紙等でも報道されておりますが、大蔵省といたしましては、輸出船舶に対する財政補助あるいは財政援助の措置は、漸次これを量的に規制してまいりたい、こういうように考えております。 と申しますのは、一つは財政資金の効率的値用の見地という観点がございます。と申しますのは、輸出船舶につきましては、日本の造船会社が外国の船主から注文を受けまして受注契約をいたしますと、自動的にこれに輸銀資金がつくという形になっておりまして、これに歯どめの措置がございません。結果的には、先ほども運輸省から御説明もございましたように、国内の総船舶建造量の六〇%ぐらいが輸出船舶に向けられておる。これを考えてみますと、同じ船をつくり、財政援助をする場合に、外国の輸出船にやるのがいいのか、あるいは国内船の建造を進めるのがいいのかという問題がございます。そういう観点から、財政資金の効率的使用、あるいはそういう船舶建造が、国内船、輸出船どちらに重点が財政援助として向けられるべきかというような観点を考えまして、今後何らかの方法で量的な規制をしてまいりたい。ただし、これは財政援助をする量の規制でございまして、輸出船をつくってはならないとか、あるいは輸出量を規制するということは毛頭考えておりません。
○井岡委員 私は、特にこの点を考えていかなければならないと思うのは、マルクが、今度は変動相場制にしたようですけれども、私はあれをやったからといってドルの弱いのはなかなか直らない、こう思うのです。その次には必ず円がねらわれる、こう思うのです。すでにアメリカは円の問題を出してきている。しかもそういうような状態の中で、依然としてこの輸出船に対して輸銀の融資をやり、利子は安くする、こういうようにやってまいりますと、なおドルの流入というのですか、そういうものが多くなってくるだろう、こう思うのです。こういう点を考えてみると、私は一日も早くこの現在の輸出船舶に対する規制を、やっていく、いわゆる融資の規制をやっていく、こういうことをしないとたいへんだ、こう思うのですが、この点どうです。
○田中説明員 私どもが輸出船舶に規制を考えました際は、ただいまのような外貨問題、特にドル不安、こういうことは念頭に置きませんでした。いま新しくこういう事態が発生いたしまして、これは単に船舶輸出だけの問題でございませんで、日本の貿易構造の問題でございますので、これは別途の観点からしかるべきところで御配慮いただきたいと思っております。
○井岡委員 あなたの立場から言えばそうでしょうけれども、私は大蔵省としての立場から考えると、私の係はこれですから、係以外のことは答えられませんじゃ、私はやはり大蔵省というものは一つのなわ張りを守っているだけだ、こういうようにしか言えないと思うのです。日本の役人でしょう。そうだとすると、新しい事態が起こった。しかもこれは予想しておったことなんです。OECDの決議を尊重するというのも、多分にこれらの問題が考えられて尊重されたのだろうと思うのです。こういう点を考えてみると、私は、単に別なところで考えるのだということでなくて、新たな問題が発生したわけですから、その上に立ってさらにこれらの問題を含めて検討するということでないと、私は全体の問題の解決にはならぬと、こう思うのです。
○田中説明員 御主張の点につきましては、大蔵省におきましても、外貨急増対策をどうするかという問題といたしまして、一つには資本収支の問題がございますし、と同時に貿易収支の問題がございますので、貿易収支の問題等につきましては、輸出金融全般、船舶のみに限りませんで、輸出金融全般のあり方を、今後どう持っていくべきであろうかというような観点も含めまして、ただいま省内で検討中であります。
○井岡委員 時間が来ましたから、私はこれでやめますけれども、いずれにいたしましても、先ほど申し上げましたように、これはなるほどOECDの決議を尊重されて改正をなされるのだろうと思いますけれども、全く実効の伴わない改正であって、実態に即しておらない、こういうこと、この点を明らかにしておきたいと思うのです。同時に、先ほどもお願いいたしましたように、また大蔵省も考えておいでになるようですが、いわゆる輸出船舶に対してのみ恩恵の措置を講ずるのでなくて、内航自体について多くの問題をかかえておるわけですから、これらの問題に鋭意大蔵省なり主管省である運輸省は特に意を用いてもらうことをお願いして、私の質問を終わりたいと思います。
○福井委員長 ちょっと速記をとめて。 〔速記中止〕
○福井委員長 速記を始めて。 次に松本忠助君。
○松本(忠)委員 船舶局長にお伺いします。 日本造船工業会が昨年の秋にまとめた世界の造船新規需要、この見込みでございますが、昭和五十年度、だいぶ先の話でありますが、その時点において三千五十万五千総トン、すなわち四十四年度の実績の六二・七%増になる、こういうふうにいわれているわけであります。一方、世界の供給力は二千九百十万総トン、百四十万五千総トンの不足を生ずるという見込みだそうでありますけれども、この数字について船舶局長はどのようにお考えであるか、承っておきたいと思います。
○田坂政府委員 昭和五十年度の世界の船舶需要につきましては、ただいま先生のお話のように、造船工業会は約三千五十万総トンの需要を見通しておりますが、一方私どものほうに、大臣の諮問機関でございます海運造船合理化審議会、これがございまして、昨年私どもが今後の造船施設の整備のあり方につきまして御諮問いたしました御答申によりますと、その数字は約二千三百万総トンでございます。これらの数字の行き違いにつきましては、それぞれの見解の差があろうかと存じますけれども、この二千三百万総トンにつきましては、現在私どもといたしまして、検討をいただくというふうな気持ちで考えております。 〔委員長退席、宇田委員長代理着席〕
○松本(忠)委員 その見込みの違いが非常に多過ぎるように思う。わずか百万トン前後のものならともかく、七百万トン以上の見込みの違いというものがあるわけであります。この点について、いずれが正しいのか。船舶局長の言われている二千三百万総トン、これが正しい把握なのか、あるいは造船工業会で調査したところの三千五十万五千総トンというものが正しいものなのか。まあこれはいろいろ見解の相違もあろうと思いますが、どうしてそういう差が出るのか、その点局長の見解をひとつ……。
○田坂政府委員 この需要見通しの差につきましては、ただいま最近の実勢は、大体造船工業会の見通しのような形で進行しているように考えられます。二千三百万総トンを海運造船合理化審議会で御検討願いますときには、時期が昭和四十三年、その時点の今後の経済成長の見通しを基本にいたしましたので、少し資料が古かったという点があるいはあろうかというふうに考えております。
○松本(忠)委員 海造審のその見方が、非常に古い資料をもとにしてつくったものだと言われるわけでありますけれども、こういうものが日本造船工業会から、昨年の秋まとめて一応発表されているという時点に立ったときに、局長として、運輸省として、その造船工業会の根拠あるものと自分たちの調べたもの、その差の大きさ、それが、資料が単に古いというだけでなくて、もう少し日本の将来の造船、そういう点を考えたときに、世界の趨勢の中で日本の造船というものが占めるシェア、そしてまた日本の輸出産業としても非常に重要な位置を占めておる、そういう点から考えて、昨年の秋からこの問題は大きな違いがいわれているわけでありますが、この点について、もう少し海造審としても、確固たる資料のもとに将来の見通しを立てるのが当然ではなかろうかと私は思うのですが、この点どうです。
○田坂政府委員 先生の仰せのとおり、最近の資料によりまして、もう一度見直しをお願いいたしたいというふうに私どもは現在考えております。
○松本(忠)委員 大体いつごろまでにその作業は終わる考えですか。
○田坂政府委員 大体五月下旬ごろ海運造船合理化審議会の総会をお願いいたしまして、それ以後早急に作業を、事務局をつかさどる私どもといたしましても十分資料を整えまして、御審議をお願いいたしたいというふうに考えております。
○松本(忠)委員 もう一点伺いますが、世界の供給力というものが、全体で一体どれくらいあるのだろうか、この点は……。
○田坂政府委員 世界の供給力につきましては、私どもわが国の造船業が世界の大体五〇%を占めていくというふうな考えに立ちますと、大体昭和五十年度、そのころには約三千万トンをこえる数字になろうかと、そういうふうに考えております。
○松本(忠)委員 聞くところによりますと、三菱重工業では米国のシェブロン・シッピングから二十万重量トンの大型タンカーを二隻、全額現金決済、こういう話で商談がまとまって受注した、こういうことを聞いているわけでありますが、これは事実でありますか。
○田坂政府委員 事実でございます。
○松本(忠)委員 従来、これの支払いの方法というものは、大体六年から八年くらいのいわゆる長期延べ払い方式が普通の状態だったと思うわけであります。いまのようなことが行なわれてきたということは、非常に珍しいことです。それだけに、供給力が非常に少ないということの見通しから、こういうふうに米国のシェブロン・シッピングも金を前に渡して、そうしてつくってほしいというようなことになってきているんじゃないかと思うわけです。 川崎重工業のほうにも、昨年ノルウェーから、ずっと先の五十年の納期、大型タンカー二隻について、トン数あるいは船価など、これも未決定のままで建造を予約した。しかもその額九億円ですか、受け取ったという話でございますけれども、こういう点についても当局としては確認をしていらっしゃいますか。
○田坂政府委員 川崎重工業が九億円を受け取ったというようなことについては、確認はいたしておりませんが、最近におきまして、ただいま先生のおっしゃるような現金船が非常にふえる傾向にはございます。これは昨年、輸出船に対します金利条件が上がりましたこと、それから、先ほど大蔵省からもお話がございましたけれども、大蔵省の輸出船に対します輸銀の融資の量的な規制、こういうものがだんだん必要になってくるというふうな情勢で、造船界といたしましても船主の可能なものからは現金で契約をいたしまして、国の財政資金を使わないようにだんだんしていきたい、こういうふうな考え方、そういうふうな点から現金船が従来よりもふえてきておる、そういう傾向にはございます。
○松本(忠)委員 大臣、いまのやりとりでおわかりと思いますが、輸出船の関係が非常に好況であるということはいえると思うのです。たいへんけっこうなことでございまして、日本のためにもたいへん喜ばしいことであると私は思うわけでありますけれども、当局として手放しでこの好況を喜んでいていいかどうか伺いたいわけです。 特に、この好景気の陰にありまして、日夜造船作業に精励しておる労働者、この諸君の安全作業についてはいろいろ問題があろうと思うわけです。先般五月七日に、一瞬にして死者八名、重傷者三名という大事故を起こしました日立造船の神奈川工場タラップ転落事故、こういうものは氷山の一角ではなかろうかと私は思うわけであります。新聞の記事でございますが、八日に行なわれました合同現場検証によりますと、事故が発生したタラップの構造そのものが机上計算で、全くずさんな設計で、このタラップの荷重は八十キロが限度だ、言うならば作業員が一人乗っただけでやっと、こういうぎりぎりの許容量であって、そこへ十一人も連続して上がっているわけですから、踊り場が倒れるというのは当然のことだというふうな監督署の見解を新聞で見ました。とうとい人命の犠牲、この上において造船界の繁栄があって、常に労働者が資本家の犠牲になっている、こういうことは許せないと思うわけであります。会社側の安全管理の欠陥を手放しにそのままに放置しておいてはならない、私はこのように思うわけであります。 そこで、こういう問題は労働省の所管だ、こういうことでなしに、国務大臣としてこの造船という問題、日本の重要産業の一環、しかも、この造船というものは巨大な構造物だけに非常に危険が一ぱいあるわけです。こういう点を考えましたときに、主管大臣として造船所の労務問題も、全然ノータッチというわけにはいくまいと私は思うわけでありますが、特に今回の事故について、大臣としての率直なお考えを伺っておきたいわけであります。
○橋本国務大臣 今回の事故につきましては、まず死者の方々に対して心から御冥福をお祈りするとともに、御遺族の方々に対しまして謹んで哀悼の意を表する次第であります。 〔宇田委員長代理退席、委員長着席〕 また負傷者の方々に対しましても、一日も早く回復されんことを祈念してやみません。 労働災害問題は、もちろん一般的にいえば労働省の所管でございますが、船舶行政を扱うわれわれといたしましては、造船関係事業場における作業の安全については、常日ごろから強く関心を持ち、また留意いたしておるところでございます。今回のような大事故が起こりましたことはまことに遺憾千万で、関係者に対しては心から相すまない次第と思っております。 日立造船の神奈川工場は、従来の統計から見ますと、四十四年度のいわゆる災害度数率といいましょうか、そういう点では全国平均をはるかに下回っておりまして、安全対策については非常に注意をしておったものと考えるわけであったにもかかわらず、今回このような事故が起きた。これはまことに遺憾千万でありますが、現在事故について検証中でありますけれども、新聞及び松本さんのお話しにあったように、さような事実がありとすれば、これはまことに遺憾というだけではすまない問題でありまして、もちろん、造船の繁栄あるいは海運の繁栄とともに、それに働く労働者の皆さんがやはり一体となって繁栄し、また安全でなければならぬことは申すまでもありません。そういう意味におきましては、運輸省といたしましては造船業界に対しまして、特に安全対策ということについては強く関心を持ち、かつ総点検等の方法によって、日ごろからあやまちを起こさないようにということを強く指示してまいっておるのでありますが、今回の事故によりまして、なお一そうその点については痛感をする次第でありますので、最善の措置を講じてまいりたいし、かつまた、今回の事故につきましては厳正な立場で処置をいたしたい、かように考えております。
○松本(忠)委員 大臣からこの問題に対して懇篤なお話がありました。了とするわけであります。とにかく、なくなられた八名の方、また御遺族の方はほんとうにお気の毒だ。私どもは、負傷者は一日も早く再び就労できるようになってほしいし、また御遺族に対しても十分の補償がなされなければならないと思うわけであります。 そこで、労働省の北川安全衛生部長にお伺いしたいわけでありますが、今回の日立造船のタラップ転落事故について、事故の概要、それから遺族並びに重傷者に対する補償、また監督官庁として今後の対策について伺っておきたいわけであります。時間もありませんから、簡単でけっこうでございますけれども、お話し願いたいと思います。
○北川説明員 いま先生御指摘のように、五月七日、日立造船所の神奈川工場におきまして、おれごん丸の改修工事に伴いまして発生しました労働災害は、当日の午前八時四十五分ごろに、同工場の百万ドックに入渠改造工事中のおれごん丸で、日立造船の所属の労働者四名、それから同下請の小山工業の労働者七名、計十一名の方がタラップにのぼっておられたところ、タラップが労働者とともに墜落をいたしまして、約十四メートル下のドックの底に転落した。いまのところ、死亡なさった方が八名、重傷の方が三名、こういうふうになっております。 事故の発生後、直ちに現地に本省から係官を派遣いたしますとともに、現地の警察当局とただいま原因を追及中でございますが、先生御指摘のように、本原因につきましては、タラップの上部を取りつけてございましたコンクリートのバランスウエート、これの力学的計算に基礎的なミスがあったのではないか。そういうような疑いを持っておりますが、今後なお詳細に事情を調査いたしたいと思います。 なお、遺族の方に対する補償につきましては、さっそく労災補償によりまして規定の支払いができるように事務体制を整え中でございます。負傷者の方に対する治療費、あるいは休業費、あるいはなおってから障害が残ります場合の障害補償等、支給その他万端遺憾のないように、遺族の方あるいは負傷された方々の生活を保障することで十分の注意をいたしたいと思っております。
○松本(忠)委員 一言だけ伺いたいのでありますけれども、このタラップ、こういうものはやはり安全装置というものは、一つだけやってあるものなのか。その一つがもしだめになったとしても、もう一つ、要するに二重の安全装置ができていて難を免れることができる、こういうふうにするのが常識じゃないかと私は思うのですが、今回などはその点はどういうふうになっていたのですか。
○北川説明員 今回の事故をいろいろ調査をしてみますと、タラップを船のデッキにかけるために特別にバランスウエートをコンクリートで約七トンのものをつくっております。その支点、足のつけ方等に、力学的な計算で間違いがあったように私は思います。それで、われわれが万全と思いますのは、船の側壁に直接タラップがつけられておれば、しかも固定されておれば、こういう問題が起きなかったのではないかと思いますが、その辺につきましては、あとから考えますと、便利なものを考えていたようで安全性に欠けておったと思います。そういう点が、生産を進めながら労働者の方の、安全性を同時にチェックするという体制が、日ごろ日立では安全にたいへん御熱心であったのに、遺憾な事態であったのではないか、そういうふうに思います。
○松本(忠)委員 いずれにいたしましても、このような問題が再び起きないように、十分ふだんからの点検、こういうものも万全にしていただいて、そうして事故を未然に防ぐように、また機構そのものが、現在のようなやり方が便利であるけれども、それが危険を伴っているのでは何にもならぬと思います。この点監督を強化して、再び事故の起きないように万全の措置をとっていただきたい、このように思います。 次に、船舶局長に伺いますが、日本の造船業界がいわゆる空前の受注ブームにある、わき返っているんじゃなかろうかと思うわけであります。したがいまして、ドックの建造計画、設備増強、こういうものに取り組んでいるように聞き及んでおります。百万重量トンのドックの建造計画、こういうものが石川島播磨重工業からも出ておるようでございますけれども、当局はこれらの建設については許可をしたというふうに聞いております。いつごろこれは許可をしたものか、またいつごろこれが着工し、完成する予定なのか、この辺を伺っておきたいわけです。
○田坂政府委員 最近の新造船の建造需要が非常にふえてまいりまして、先ほど五十年度の見通しでいろいろお話がございましたが、実勢は確かに造船工業会の見通しのような形を示しておりますので、これに対処いたしますために、特に大型造船所が大型建造設備を増強いたしたいという計画を、非常に多くの造船所が持っておる次第であります。 これらの許可につきましては、わが国の世界の造船量に対しまして占めるべき建造量、あるいは今後のわが国の建造需要量、そういうものを私どもなりに一応見通しまして、ある程度の——これら全部を許可いたしますと、供給過剰になるという見通しでございますので、新造設備につきましては、新たに設備をつくります段階におきまして、ある程度旧設備をスクラップにしていくというふうな施策をあわせまして、今後造船界の設備の合理化、あるいは先ほどちょっと申し上げましたけれども、大型、中型、小型造船界のそれぞれシェアを譲っていくような施策もあわせ考えまして、この新造設備計画の増強を認めていきたいと、私ども事務的には考えておる次第でございます。 全般的な許可につきましては、先ほど申し上げましたけれども、昨年海運造船合理化審議会の御答申をいただいて、その趣旨に基づきまして今日までやってきております。これが変わってくる傾向でございますので、新たに見直しをお願いしたいということでございますが、特に急ぎますもので、総体の情勢に大きく影響のないものにつきましては、すでに許可をいたしたものがございます。
○松本(忠)委員 局長、答弁はたいへん懇切丁寧でありますが、許可をした事実があるのかということ、それはいつなのか、そしてまた着工はいつなのか、完成はいつなのか、それをお伺いしているわけです。
○田坂政府委員 石川島播磨重工業の知多工場のことかと存じますが、それにつきましてはいまだ許可はいたしておりません。計画は、大体四十八年度から稼働いたしたいという計画のようでございます。
○松本(忠)委員 そうしますと、昨年の秋に三菱重工業で百万トンのドックを長崎県に建造する、これに着工したという話を聞いておりますが、こっちはやっているわけですが、いまの石川島播磨重工業のほうは、百万トンドックの申請は出ておるけれども、まだこれに対して当局は許可をしていない、こういうことと了解していいわけですか。
○田坂政府委員 そのとおりでございます。
○松本(忠)委員 そこで将来、いまの石川島播磨重工業の百万トンドックのほうも、許可をする考えがあるのかどうか。
○田坂政府委員 事務的には、新造船の需要量が非常にふえてくるという見通しでございますので、私どもといたしましては、許可の方向であるべきじゃないかと考えておりますが、いずれ海造審の御審議等も十分にいただきたいと思います。
○松本(忠)委員 それで、海造審の決定によってそれがなされることと思いますけれども、いずれにしましてもこのように大型のドック、百万トンドックといわれる、こういうものが続々と建造されてくるということになりますと、そしてまた大手造船五社が、続々とこのようなドックの建設にかかるようなことになったら、設備過剰になるおそれはないかどうか。先ほどもスクラップするんだというお話もありましたけれども、設備過剰が結局は過当競争、そういうことになってくるおそれが十分にあるんじゃなかろうかと思うわけであります。 そこで、いまもお話が出てまいりましたので論を進めますが、このスクラップということは、大体どれくらい旧設備をスクラップして新しいものを許可するのか、その辺のめどはどういうふうになっておりますか。
○田坂政府委員 まず第一に過当競争の問題でございますが、基本的には現在、先ほど先生からもございましたように、昭和五十年度くらいまでは確実な新造の需要がある、それに対してわが国の造船所が相当の供給をいたしていかなければならないということで、当面相当の新造設備の増血は必要かというふうに考えられます。また今後の経済成長等考えますと、それが大幅な変更はなかろうというふうな考えでございますが、もし相当需要の変動がございまして過当競争等が起こる、あるいは需要が減ってくるというようなことがございましたときには、造船工業会は自主的にその需要に対処していくというふうな考え方でおりますので、その考え方に期待をいたしておるわけでございます。 次にスクラップの点でございますが、事務的に私どもが現在の段階で考えましたわが国の供給力というものから考えまして、大体新造増強設備の二五%に当たります旧設備をスクラップしていきたいというふうな考えでおります。これは供給力の問題と、それから旧施設を代替していくということと、それから大型造船所、中型造船所、小型造船所の今後の造船界のバランスというような、いろいろなことを考えての施策でございます。
○松本(忠)委員 そうしますと、一律に二五%廃棄するというわけじゃないわけですな。要するにケース・バイ・ケースでいく。特に私が申し上げておきたいのは、大手五社の造船所と中小の造船所、これについてはいろいろ条件が違うわけでありますから、一律に二五%なんていうことは当然あるまいと私は思うのでありますけれども、この点については実情に即してやるのか、それとも頭ごなしに二五%というところで切ってしまうのか、その辺の明確なお答えをいただいておきたいと思います。
○田坂政府委員 先生仰せのとおり、一律にやることは考えておりません。造船工業会でも、それぞれの造船所の自主的な計画にのっとってやっていただいてけっこうであるというふうな話でございますので、そういうふうなことでやりたいと考えております。
○松本(忠)委員 わが国の輸出造船業界が現在かかえている受注量は、非常に多いように聞き及んでおります。大体まる三年分ある、こんなふうにいわれておりますけれども、先ほども申し上げておりますような、商談が非常に好条件できめられていく、したがいまして、造船所のほうも相当気ばった船価を要求してもこれがきまっていくというふうに聞いております。そこで、船価がウナギ登りになっておるというような事実があるようでありますけれども、具体的にどれぐらい上がっておるものか、四十五年度から現在の時点まで、あるいは四十八年度、四十九年度に建造するものについては幾らぐらいになるのか、おおよその見当でけっこうでございますけれども、その船価の点をひとつお知らせ願いたい。
○田坂政府委員 二十万デッドウエートトンのタンカーに例をとってみますと、受注ベースでございますが、昭和四十二年度の輸出船を一〇〇といたしますと、昭和四十三年度には一〇九、四十四年度一二〇、四十五年度が一六六、こういうふうな数字になっております。これは、この年度にそれぞれ受注いたしました船の船価の指数でございます。 それで、この船がいつ渡されるかということは別問題でございますが、たとえば四十五年度に受注いたしました、一六六の指数を示しました船が、昭和四十八年度に引き渡されるといたしますと、そう極端な上昇になっておるのかどうかは、その時点の見通し、物価あるいは労働賃金、そういうものの上昇とのかね合いでございますので、私ども明確に、それが非常に極端な上昇かどうかは、お答えいたしかねるわけであります。
○松本(忠)委員 四十五年度で一六六ですね。そうすると、先ほど申し上げましたように、四十八年度あたりになると、この趨勢がそのまま続いていくものかどうか、この点はどうですか。
○田坂政府委員 四十五年度に受注いたしました船舶の指数が一六六でございまして、これは四十八年度の引き渡しのものが多いかと考えられます。それから、四十八年度の時期に受注いたします船舶の船価につきましては、そのときの需給バランスが非常に大きく影響するのではないかと思われますので、この傾向につきまして、このままずっといくかどうか、私ども見通しいたしかねております。
○松本(忠)委員 輸出船関係はそれでわかりましたけれども、国内船のほうの船価はどんなふうになりますか。
○田坂政府委員 国内船につきましては、同じく二十万デッドウエートトンのタンカーについて見ますと、これは大体その年その年の完成船ではないかと考えられますが、四十二年度に輸出船を一〇〇と言いましたが、その一〇〇に対しまして一〇三でございました。四十三年度におきまして一〇四、四十四年度におきまして一〇九、四十五年度におきまして一一二、こういう指数になっております。
○松本(忠)委員 そうすると、国内船の指数とそれから輸出船の指数で大きな差があるわけですね。しかし、国内船のほうはそれほどどんどん上がっていくようには見受けられませんが、輸出船のほうは、先ほどお話しのとおり非常に上がるわけでありますが、これらの点の原因ですね、どうしてそうなるのか、それを簡単にひとつお話し願いたいと思います。
○田坂政府委員 これは、たとえば四十五年度におきまして輸出船が一六六、国内船が一一二、こういう指数でございますが、国内船の一一二は四十五年度の引き渡し船がおもである、それから、輸出船は四十八年度ごろの引き渡し船がおもであるということが一つの大きな差になっております。またもう一つの理由は、輸出船のほうは仕様内容の複雑さ、そういう面も相当に影響しておるのではないかというような考え方もできます。
○松本(忠)委員 それから、四十六年度から四十九年度の計画造船の建造量、これに対しまして、業界が受けている計画造船用の予約船台、これの関係はどうなっておりますか。完全に消化できるような体制なのか、それとも不足しているのか。またさらに、五十年代にはそれがどうなるのか。
○田坂政府委員 計画造船につきまして、現在正確に受注あるいは予約を受けておりますが、これらのものにつきましては、完全に消化ができるという見通しでございます。
○松本(忠)委員 五十年代の見込みはどうですか。
○田坂政府委員 現在の国内船の計画造船の進捗状況からいたしますと、五十年度におきましても十分に消化できる、あるいは余力があるというくらいじゃないかと考えられます。
○松本(忠)委員 いまの造船関係の船価の値上がり、またいろいろ条件もあるでしょうけれども、とにかく先行き非常に明るいというふうに私ども思うわけでありまして、たいへんけっこうなことであると思うわけであります。 そこで、海運局長にお尋ねしますが、外航の海運会社、これは運賃も値上がりいたしましたし、船腹も増加しておりますので、相当収益が上がっているように思います。まあ全部というわけにはいきませんが、中核六社の収支は大体どれくらいになっているのか、ひとつ御説明を願いたい。 それからまた、私がいま申し上げましたような好調の原因ですね、運賃の値上がりとか船腹の増加、これ以外にも好調になった原因があるのかないのか、その辺もあわせてお答えを願いたい。
○鈴木(珊)政府委員 お答え申し上げます。 中核六社につきまして概要を申し上げたいと存じます。ただいま先生のお話のように、海運会社はこのほど相当な業績を上げております。特に昨年、四十五年の九月期から急激に業績が上がりまして、たとえば四十五年九月期の、私ども経常利益というものを見ております。これは営業収入と営業費用を差し引きまして、それ以外に営業外損益というのを差し引きました結果残った数字でございます。われわれこの経常利益を標準にいたして比較するのでございますけれども、たとえば四十五年九月期におきましては、六社合計で経常利益が二百十九億という数字にのぼっております。これは過去におきまして、昭和四十二年度でございますが、四十二年度におきましては上期、下期を合わせまして経常利益が二百九十億でございました。ところが、四十五年の九月期、上期だけで二百十九億と非常に大幅に上がっておる。それから、つい最近の四十六年三月期決算でございますけれども、これはまだ公表しておりませんが、私どもが集めております情報によりまして推定いたしますと、この三月期の経常利益を見ますと、九月期が二百十九億でございましたのが二百八十億ということでございまして、さらに上回った数字が出ております。これは再建整備以来最高の経常利益の数字だと存じます。 ただ問題は、この経常利益が出ましたあと、その利益の中から今度は特別償却、船の償却を行ないますので、それを行ないましたあとが税引き前の利益でございまして、これは実は船が相当その間ふえておりますので、特別償却の範囲もふえております。したがいまして、たとえば四十五年の九月期を例にとりますと、経常利益が二百十九億に対しまして、特別償却等を差し引きました結果、税引き前の利益が五十一億、それからこの三月期におきましても、二百八十億の経常利益から特別償却等に回します金等を二百三十億差し引きますと、五十億ということでございまして、この辺の、要するに税引き前の利益といたしましては、四十二年あるいは四十三年とあまり差はないというのが実情でございますが、その分だけ多く内部留保ができたというふうに私どもは解しておる次第でございます。
○松本(忠)委員 いまの説明で大体わかりますが、要するに四十五年度の上、下合わせて、三月期はまだ出てないけれども、大体局長の見通しとしては、償却前の利益が約五百億近いということになるわけですね。償却後が百一億ということになるわけですね。六社の成績としましても非常によくなってきているわけでありますけれども、このようなよくなった原因、これについて、いま私も申し上げましたような運賃の値上がり、それから船腹の増加、当然これはあるわけでありますけれども、そのほかに何か特殊な事情があるわけでしょうか。
○鈴木(珊)政府委員 やはり何と申しましても運賃の値上がりでございます。これが響いております。ただし、この運賃の値上がりの響きましたのは、いわゆる計画造船でつくりまして十年船価回収、つまり積み荷保証の長期の契約を結んでいるもの、これにつきましては、この運賃が上がりましても影響を受けておりません。そうじゃなしに、たとえば外国用船いたしまして、その用船をしたもので油を売るとか、あるいは油と鉱石を同時に相互に積めるような船でありまして、鉱石のほうをやめにしていい値段の油を積む、こういったようなものが伸びておりまして、いわゆる計画造船の長期積み荷保証契約のものにつきましては、六社に関する限りはマーケットプライスの影響はないというふうに私ども思っております。なお、それ以外に売船も大きな要素になっております。
○松本(忠)委員 この収支の状況が非常に好転していること、この状況があと四、五年は続くと思うわけであります。これは私の考えでありますよ。当局としては、この見通しはどう思いますか。 なお、時間の関係もありますから、次の質問にもあわせてお答え願いたいわけですが、中核六社の最近の事業年度別の配当率、これがいつも問題になるわけでありますけれども、最近やはり八分配当ということが大体の基準になっているようでありますけれども、中核六社はいずれも八分配当なのか。私も一応調べてはございますけれども、念のために伺っておきたいわけであります。
○鈴木(珊)政府委員 運賃市況の見通しでございますけれども、いま松本先生は四年くらい続くのじゃないかという御意見でございましたが、実は私のほうで入手いたしております市況の指数の統計を見ますと、特にタンカーは、昨年の十月に指数が二八六と最高を示しておりますが、実はそれ以後、昨年の暮れあるいはこの三月ごろにかけまして、二八六の指数がずっと下がりまして、三月におきましては一三九に実は下がっております。それから不定期船の運賃も、実は昨年の十月ごろがピークで一二八でございましたが、最近は八七に下がっておるということでございまして、必ずしもいまの好況が続くとは私どもは見ておりません。特にタンカーにつきましては、いわゆるタップラインが開通したこととか、あるいはリビアの石油輸出が再開したとか、あるいはスエズ運河の開通も近いというような要因がございまして、タンカーの市況は下がっておる。したがいまして、私どもは楽観を許しておりません。したがいまして、これが二年も三年も続くとは、私どもは実は思っておりません。 それから配当のことでございますけれども、六社のうち昭和海運だけが六分配当でございまして、他の五社はずっと八分でございます。 以上でございます。
○松本(忠)委員 中核六社はそれでいいですけれども、系列の二十三社の中で配当しているのはどれくらいありますか。それから配当はどれくらいやっているのか。さらに、専属になって船を貸している十四社があるわけでございますけれども、こちらのほうは何社くらい配当ができておりますか。それから配当を現実に幾らやっているのか。
○鈴木(珊)政府委員 系列と専属の両方入れて全部で四十三社ございますが、そのうち二十三社が配当をしております。
○松本(忠)委員 専属になっている十四社のほうは……。
○鈴木(珊)政府委員 私は系列と専属を足しまして申し上げたのでございますが、もう一ぺん分けて言いますと、系列が二十三社ございまして、そのうち配当しているのが十三社でございます。それから専属が十四社ございまして、そのうち配当しているのが四社ということでございます。
○松本(忠)委員 これは非常に好況に終始しているわけでございまして、造船界、海運界いずれも非常によくなってきているわけでございます。 そこで、この外航船舶の建造融資の利子補給の実績、これらをひとつ確かめておきたいわけであります。とにかく私ども承知している範囲では、三十九年度の十五億、その辺から始まりまして四十年の三十二億、あるいは四十一年の六十億、四十二年が八十四億、四十三年が百八億ですか、大体この辺までは私どもも承知しているわけでありますけれども、四十四年の実績、それから四十五年は予算面では幾らとってあるのか、その辺のところの数字をひとつ示していただきたいわけであります。
○鈴木(珊)政府委員 四十四年の実績は、利子補給支給額は百三十一億でございます。それから昨年度の四十五年度は百四十二億、四十六年度、つまり今年度の予算が約百五十億でございます。
○松本(忠)委員 大臣に伺いたいわけでありますけれども、利子補給制度について、四十四年の六十一国会と記憶しておりますけれども、四十四年度以降六年間に限ってこの外航船舶の建造のための融資について、船主の負担する金利を軽減するための措置が定められた、このように私は記憶しております。そのときに外航船舶の建造融資利子補給臨時措置法、こういうふうに臨時措置法というように名前がここで変わったように私は記憶しております。そのとおりだと思います。そういう点考えますと、もう四十九年度以降は利子補給の必要はないんじゃないか。いま船舶局長、海運局長からいろいろとお伺いしまた造船業界、海運業界の好況、こういう点から考えまして、このような制度は——いまきめられているのは、これはやむを得ないとしましても、四十九年度以降はもうその必要がないんじゃなかろうか、こう思うわけでございますが、この点について大臣はどのようにお考えになっておられるか。またその時点になると、しばしば再延長とかいうようなことに、きょうはございませんというお答えがあったとしても、またその時点になると、情勢が変わりましたということで、再延長ということになるんじゃないだろうかという心配もあるわけでありますけれども、先ほどから申し上げているように、非常に好況でもありますし、まずその必要はなかろう、私どもはこう思うわけでありますので、大臣のお答えを聞いておきたいわけであります。
○橋本国務大臣 海運企業にいたしましても、これは国策ではありますけれども、あくまで自主的な努力によって自立体制ができることが望ましいわけであります。したがって、四十六年度におきましても、この内容につきましては、御承知のように多少改定をしてまいりましたが、四十九年度の時点でどうなるかということは、残念ながらいま、確定的にやめるとかやめないとかいうことを申し上げる段階ではございませんが、今日のいわゆる海運業界の好況が続いてまいりますれば、前提の条件から考えて、もちろんこれは十分考慮しなければならぬと思います。 ただ、計画造船をやりましたのは、御承知のように何といっても日本は輸出入が非常に多いのであります。したがって、日本の船主が持つ船が、全体の輸出入に対する船腹の上において割合が非常に低下する場合は、運賃政策において非常なマイナスの点がある。したがって、大体四八%から五〇%前後のものは日本の船主が持っておるという条件が、運賃政策の上において非常に大事なことである。こういう点を考えまして、今後もう——先ほど申し述べましたように自立体制が好ましいのでありますから、四十九年度の時点において、その必要はないというように海運業界の体質改善が十分行なわれれば、もちろんこれはやめることになると思いますけれども、今日の時点において、これをやめるかどうかという点については、なおしばらくの間時間をかしてもらう必要があろうと思います。
○松本(忠)委員 大臣のお答えは、大臣というお立場からすれば一応当然のことだと私も思います。しかし、確認するようでありますけれども、この好況が四、五年は十分続くであろうということを考えれば、当然四十九年度においてはその必要はなくなるであろうということは、火を見るよりも明らかなことだろうと思うのです。そういう点から考えまして、むしろこういうものをやめて、当面の問題、一番困っている問題要するに国鉄のほうへお金をどんどん回してやらなければならない時代だ、船のほうはもう片がつくんじゃないか、こんなふうに思いますので、橋本さん個人としてはどうお考えになるか、ひとつ念のため伺っておきたい。
○橋本国務大臣 国鉄の赤字問題は別個の問題でありますから、皆さんの御協力を得て、国鉄の赤字問題についての抜本策といいますか、根本問題は検討してまいりたいと思います。ただ、先ほど申しましたように、日本は、運賃によって左右せられることがありますと、日本の輸出貿易のみならず国民生活に大きな影響を及ぼすことになりますので、この点等を考えて、これから大所高所に立っての対策を考えなければならぬ、さように考えております。
○松本(忠)委員 そこで、今回の法改正の問題につきまして確認するわけでありますけれども、今回の法の一部改正というものは、要するに、自国の船主が自国の造船業者に発注する場合にのみ助成を与えるという現行の制限を廃止して、外国の造船業者に発注する場合にも同様の助成を与えることにする、各国の造船業者が、船舶の建造を平等に受注できるような状態にするための国内措置、このような措置がとられるものと承知するわけであります。要約するならば、日本の船主が外国の造船所で外航船舶を建造する場合にも政府は利子補給をする、こういうふうなたてまえですね。しかし、現実の問題としては、先ほど井岡先生からもお話がありましたように、こういうことはおそらく起こり得ないだろうと私は思うわけであります。 そこで、重ねてお尋ねするのですが、この一部改正をいたしましても、結果的に、日本の船主は外国の造船所に外航船舶の建造などはおそらく頼まない、こういうふうになるわけですが、万が一にもそういう事態が起きて利子補給をするということになったときには、どんな形で利子補給をするのでしょうか。万々あるまいと私は思いますが、万が一そういう事態が起きたとき、どういう形で利子補給をするのか、内容についてお聞きしたい。
○鈴木(珊)政府委員 そういう場合はあり得ると思いますが、そういう場合には、形と申しましても、国内でつくる場合と全く同じでございまして、開銀を通じましてお金を借りる、国は開銀に対しまして開銀の金利に幾らかの補給を行なう、協調である市中融資に対しまして二分なら二分の利子補給を行なうわけで、この点は変わりないのであります。
○松本(忠)委員 私は、六十一国会のときの話からすれば、四十九年になると現行のいわゆる計画造船に対する利子補給制度というものはなくなるんだ、時限立法だと解釈していたわけであります。そういう点から考えましたときに、この臨時措置法そのものが四十九年にはなくなるんじゃなかろうか。それはどうなるかわからないというふうに大臣も言っていらしゃいますけれども、現実には、あの法律は四十九年には一応消えてしまうんじゃないか。こうなったときに、きょう問題になっておるところのOECDの関係はどうなるのでしょうか。これは存続されるのですか。四十九年になると臨時措置法そのものがなくなっちゃうのですよ。そのときに、OECDの関係から出発したものはどういうふうになるのですか。
○鈴木(珊)政府委員 これはもう、利子補給法がなくなれば問題はなくなるわけでございますので、OECDに対しては、まさにOECDでいっているとおりの問題になるわけでございますね。要するに、利子補給法かなくなってしまいますと補助がなくなるものでございますから、自分の国の造船所に対して発注する場合に、利子補給をやるとかやらぬとかいう問題が全部消えてしまうものでございますから、そうすれば、OECDのいっているような趣旨に合ってくるわけでございます。問題はなくなってくるわけでございます。
○松本(忠)委員 最後の質問でありますが、これは問題がちょっと違ってまいります。御了解願いたいのですが、先月の二十七日でしたか、四次防の構想が中曽根防衛庁長官から発表されました。海上自衛隊の増強も計画されておりますが、現在の自衛艦の建造について、運輸省と日本造船工業会、そして防衛庁、この三者の関係はどういうふうになるのか、この自衛艦の建造について運輸省は、どのような立場にあるのか、この点をお聞かせ願いたい。
○田坂政府委員 運輸省といたしましては、わが国の船舶の円滑なる建造ということを船舶行政の一環として考えておりますので、防衛庁の四次防がきまりましてこれだけの艦艇が必要であるということになりますれば、それを円滑につくっていくようにつとめたい、そういうふうに考えておるわけでございます。
○松本(忠)委員 防衛庁の佐伯さんに伺いたいのでありますが、われわれはもう四次防の問題については徹底的に反対なわけでありますけれども、一応聞いておきたいわけです。その四次防の海上自衛隊の関係というものは、いわゆる三次防の二・三倍、一兆三千三十四億、このような内容が一応示されているわけであります。聞くところによりますと、全体で八十六隻の艦艇の建造が見込まれている。その中には八千トン級の大型ヘリコプターが六機搭載できるようなヘリ空母が六隻ある。以下いろいろあるようでありますが、一応これらの艦艇の建造、艤装というものは、いわゆる商船をつくっているところのいまの日本の造船所でやるわけですね。そうしたときに、やはり商船と違って、これらのいわゆる自衛艦というものは相当装備にも時間がかかる、造船にも時間がかかるというふうに私どもも聞いているわけです。 こうなったときに、いわゆる四十六年度の艦船の建造もあるし、また四十六年度以降五十一年までのいわゆる四次防のものもある。こうなってまいりますと、それだけが要するにいまの日本の計画造船、それらのものにプラスされて建造されるということになるわけですね。こうなったときに、一体船台はあるのかないのか。無理押しをしてどうでもこうでも防衛庁のほうがこれをつくるのだということになったときには、商船のほうが遠慮しなければならないような関係になるのかどうか。この辺のところに、防衛庁の無理押しが行なわれるようなことであってははなはだ私どもは困る。どうしても日本の商船の建造、これを最優先に考えなければならないというふうに思っておりますけれども、この点について防衛庁ではどのようにお考えになっているか、一応お伺いしておきたい。
○佐伯説明員 お答えいたします。 御承知のとおり、大型船、超大型船の建造船台あるいはドックというのは非常にふくそうしてございますが、私どもの考えております艦艇は、これらの船台ないしドックで建造する対象外のものでございまして、それほど問題になるとは考えておりません。こういうことでございます。
○松本(忠)委員 それほど問題にならないと言うけれども、総トン数からいえばそれは二十六万トンですか、そんなぐあいだから、タンカー一つというふうに考えて問題ないというふうになるかもしれませんけれども、各種各様の船があるわけですね。それが、大きな造船所もあるだろうし中型の造船所もあるだろうし、方々に配置してつくるのだから、一応問題ないだろうということから、いまの答えが出てきたのじゃなかろうかと思うわけでありますけれども、私どもは、やはりこういう問題については、十分商船優先ということを考えていただきたい。その上での余裕があったならば、防衛庁のほうでこれはつくるというふうに基本的に考えてほしい、こう思うわけであります。 では、以上で終わります。
○福井委員長 ほかに質疑はありませんか。——なければ、本案に対する質疑はこれにて終了いたしました。 —————————————
○福井委員長 これより本案を討論に付するのでありますが、別に討論の申し出もありませんので、直ちに採決いたします。 外航船舶建造融資利子補給臨時措置法の一部を改正する法律案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○福井委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。 おはかりいたします。 ただいま議決いたしました本案の委員会報告書の作成等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○福井委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 ————————————— 〔報告書は附録に掲載〕 —————————————
○福井委員長 この際、橋本運輸大臣から発言を求められておりますので、これを許します。橋本運輸大臣。
○橋本国務大臣 ただいまは、外航船舶建造融資利子補給臨時措置法の一部を改正する法律案につきまして慎重御審議を願いました。その間、種々貴重なる御意見を拝聴いたしましたので、それらを十分踏まえて、万全を期してまいりたいと存じます。 ありがとうございました。 ————◇—————
○福井委員長 この際、小委員会設置に関する件についておはかりいたします。 すなわち、小委員十名からなる日本国有鉄道に関する小委員会を設置いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○福井委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。 なお、小委員、小委員長の選任及びその辞任、補欠選任並びに小委員会において参考人から意見を聴取する必要が生じました場合、その人選等所要の手続につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○福井委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 なお、小委員及び小委員長は、追って公報をもって指名いたします。 次回は明十二日午前十時理事会、午前十時三十分委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。 午後一時十五分散会