運輸委員会 第14号
- 発言数
- 192 件
- 登壇者
- 10 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1971/04/13
会議録
○福井委員長 これより会議を開きます。 外航船舶建造融資利子補給臨時措置法の一部を改正する法律案を議題とし、提案理由の説明を聴取いたします。橋本運輸大臣。
○橋本国務大臣 ただいま議題となりました外航船舶建造融資利子補給臨時措置法の一部を改正する法律案の提案理由につきまして御説明申し上げます。 経済協力開発機構の造船作業部会におきましては、かねてから、各国造船業間の競争条件を均等化して国際的な造船業の秩序ある発展をはかるべく話し合いが進められてまいりました。その結果、その第一歩として、一昨年、まず輸出船信用条件に関し船主負担の頭金、延べ払い金利等の統一がはかられたのでありますが、さらに、その後の話し合いの過程におきまして、輸出船信用条件の統一ということのほかに、自国船主が自国の造船業者に発注する場合にのみ助成を与えるという制限を行なっている場合は、その制限を廃して外国の造船業者に発注する場合にも同様の助成を与えることとし、各国造船業者が船舶の建造を平等に受注できるような状態にすることも必要であるとされ、各国はそのための国内措置をとるべきことが合意されました。 この点につきましては、わが国も現行法の規定により、船主が国内の造船業者に発注する場合に限って計画造船の対象となり、利子補給が受けられるというたてまえになっておりますが、この際むしろ、計画造船の門戸を外国の造船業にも開放することが、わが国造船業が今後とも世界のリーダーシップをとって国際的に協調しつつ発展を遂げていく上で望ましいと思われますので、経済協力開発機構における今回の合意にかんがみ、関係規定を改めて、船主が外国の造船業者に請け負わせて外航船舶を建造する場合にも、政府は利子補給契約を結ぶことができるようにするものであります。 以上がこの法律案を提案する理由であります。 何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御賛成いただきますようお願い申し上げます。
○福井委員長 これにて提案理由の説明は終わりました。 ————◇—————
○福井委員長 次に、船舶職員法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑に入ります。 質疑の通告がありますので、順次これを許します。砂田重民君。
○砂田委員 船舶職員法改正について御質問いたしますけれども、非常にこまかい事務的なと申しますか、そういう点を伺っておきたいと思いますから、きょうは、船員局長あるいは海運局長からお答えをいただいてけっこうでございます。 船型の大型化の傾向や機器あるいは操船技術などの革新等を理由として、配乗別表を改正されまして、総トン数区分の引き上げを行なうこととしておられますけれども、そこで、一体近海就航船というのは何隻ぐらいあるのか。その中で、今回の改正で私どもは若干の不安を持つ近代化機器が装備されていない船というものも、近海就航船の中にあると思われるので、一体そのような船が何ぞうぐらいあると運輸省ではつかんでおられるのか。このような古い船に対する航行の安全を確保するために、この改正後運輸省はどのような措置を講じようとしておられるのか、伺っておきたい。
○鈴木(珊)政府委員 お答え申し上げます。 近海区域にただいま就航しております日本の船腹でございますが、昭和四十四年末現在にいたしますと、定期、不定期、タンカー三種類合わせまして、トン数で申し上げますと三百三十九万トンでございます。そのうち、三千総トン以下の不定期船は約八十二万トンでございまして、全体の総船腹数の約二四%に相当しております。これらの船は三千トン以下でございまして、いわゆる二九九と申しまして二千九百九十九トンというのが多うございまして、これらの船が、近代化の対象になり得るというふうに私ども推定いたしておるのでございます。 以上、お答えいたします。
○砂田委員 その機器が近代化されていない船に対して、航行の安全のためにはどのような措置を講じようとしておられるのか、それを伺っておきたい。
○佐原政府委員 今回の配乗表の改正は、全般的に近代化が進んでおりますけれども、その中で、特に自動化機器の導入が非常に率が高い船、近海で申しますと三千トン以上の船、遠洋で申しますと千五百トン以上の船、これだけを取り上げまして改正しております。 いま申しましたトン数区分帯の船は、約九割方がもう自動化が導入されまして、自動化がまだ行なわれていないとみなされる船は、きわめて微々たる隻数でございます。したがいまして、外航船のことでありますので、その把握も容易でございますので、近代化が行なわれていない船につきましては、近代化をするように指導するなり、もしそれがかなり古い船で、いまさら近代化の時期ではないというような場合には、適当に配乗表決定以上の高い資格者を乗せるように運輸省としては指導してまいりたい、このように考えております。
○砂田委員 船員局長に伺っておきますけれども、MO船あるいはコンピューターを用いた超自動化船、これらの船舶職員の配乗については、その制度改正というものをどういうふうに考えておられるか。もうすでに検討をしておられるのかどうか。
○佐原政府委員 今回お願いいたします法律改正は、海技審議会の中間答申を受けての改正でございます。実は中間答申のあと、ただいま先生がおっしゃいました、さらに自動化の進んだMO船あるいはコンピューターを積んだような超自動化船、こういった船が今後続々出てまいります。そういった船の船舶職員制度をいかにするかということを引き続き審議中でございます。構想としてはいろいろございますけれども、船主の考え方と組合側の考え方と必ずしもまだ合致しておりません。と申しますのは、その機器の信頼性の問題、最悪の事態に備えてどうするかというような問題、それから海難審判の取り扱いがいままでの扱い方ではおかしいではないかとか、いろいろそれを取り巻く諸問題がございまして、やや若干時間がかかるのではなかろうかと思っております。 ただ、大きな流れといたしましては、当然近代化に伴いまして船内の就労体制の変化、それに伴う合理化ということが考えられてしかるべきだと思います。方向といたしましてはそちらの方向に持っていくように、運輸省としてはいろいろ検討を慎重に行なっておる段階でございます。
○砂田委員 それでは以下、この船舶職員法改正の一番重大なポイントが、やはり乙種船舶通信士の効力範囲の拡大についての問題、これが一番重要な問題点であろうと思いますから、乙通の効力範囲の拡大についてあと伺います。 そこでまず第一に、海技審議会の答申では、反対意見が併記されておりますけれども、それにもかかわらず、運輸省がこれを拡大するべく決意をなさった理由は那辺にあるのか、基本的なその理由についてまず伺っておきたいと思います。
○佐原政府委員 審議会の答申の趣旨は、十分これを尊重して対処するのが当然のことでございますが、このように二つの意見が併記されておるような場合、いつまでたっても平行線のままで何ら措置が行なわれないということも、これまた問題かと思いますが、そのような場合には、それをどう取り扱うかの判断は政府当局にゆだねられておる、このようにわれわれは考えております。 それで、慎重に検討いたしました結果、乙種船舶通信士が現在は近海一区だけで従業できるわけでございますけれども、国際条約も近海全区可能だということを認めております。それから乙通の知識、能力の点から見ましても、近海区域全域の従業が十分できるものとわれわれは見ております。それから、これまで無線従事者の操作範囲を、これは電波法関係の政令できめておりましたけれども、郵政当局のほうもわれわれの意見と同じ意見ということになりましたので、その政令改正を踏まえまして、今回の法律改正に踏み切ったわけでございます。
○砂田委員 大臣に伺っておきますけれども、いま船員局長から御答弁を伺ったのですけれども、やはり審議会の答申というものが、こうあるべきだという意見と、それの反対意見が併記されていて、それをやはり政府が決断されるのは、これは重要問題だと思いますので、反対意見が併記されているこの問題について政府が決心をした、確信があっての法改正を提案されたと思いますので、大臣からもこの点はひとつ明確にお答えをしておいていただきたいと思います。
○橋本国務大臣 海技審議会の答申が、反対意見を含めて二つの意見の答申が行なわれたわけでありますけれども、前にもそういう例があるようであります。 そこで問題は、こういう技術的な問題でありますからして、この技術に対する信頼度の問題も、これは立場を異にすることもあろうと思いますが、政府としては、その反対意見として盛られたものにつきましても、これは他の方法でいろいろ救済する余地も考えられる。同時にまた、最近世界の諸情勢から見まして、いわゆる技術の進歩に伴ってこれらの措置が行なわれておるというような実情から考えまして、政府としては、安全航海その他いわゆる責任をもって遂行できるという確信のもとに、まあ反対意見を無視したわけではありませんけれども、これらも今後については十分取り入れるような方法等を考えながら、いわゆる前向きの姿勢で新事態に処していきたい、かつまたそれが可能であるという前提に立って、このような法律改正案を提出したわけであります。
○砂田委員 船員局長に伺いますけれども、乙通である第二級の無線通信士は、国際電気通信条約においても、国際通信に必要な知識というもの、技能というものを有するということが認められておりますから、その効力範囲を近海全域に拡大しても業務上何ら問題はないと思うのです。業務上は問題はないけれども、航行の安全上についても支障なしとされている根拠、具体的にこれをお示しをいただきたい。 あわせて、特にその乙通の海上気象についての知識というものは、試験内容から見ますと、日本付近ということになっておりますね。その日本付近となっているそういう範囲の中での試験をやって乙通になっておられる方、この効力範囲を、日本付近ではなくて近海区域全域に拡大することは問題があるのではないだろうか、このような疑念も持たれる向きがありますので、この問題をあわせて、安全上も何ら支障はないのだ、そういう確信を持たれた具体的な根拠をひとつお示しをいただきたい。
○佐原政府委員 船舶通信士の職務でございますけれども、これはデッキあるいはエンジンの関係と異なりまして、直接船の運航に携わるものではない、むしろ船の運航の背景ともいうべき情報を収集したり意思を伝達したりという、こういう仕事でございます。近海一区へ行っておる現在の船、地名で申しますとソ連のナホトカとか韓国、中共、台湾、香港、こういうところへ近海区船が行って国際通信業務をやっておるわけでございます。近海全区に広げましたときに、その行く先の港がボルネオとかセレベスとか、そういうところに変わるわけでございますけれども、距離は長くなりますが、通信業務としては質、量とも全く変わりはない、このようにわれわれは踏まえて、近海全域に広げることに踏み切った次第でございます。 それから、先生お尋ねの海上気象の問題でございますが、確かに日本付近の海上気象ということになっておりますけれども、気象に関する通信業務を遂行するためには、この気象に関する基礎的な知識と、その航海海域における全般的な常識的な知識があれば、大体通信士の仕事はできるということでございます。したがいまして、日本付近の場合あるいは近海全域の場合、要するに太平洋高気圧、大陸高気圧、それから南方海域に発生する熱帯低気圧、アジア大陸、台湾付近で発生する温帯低気圧、こういったものの存在、これらに伴う前線等の動向、こういったものを承知しておれば、大体気象の仕事はできるということでございます。ただ、北緯五度以南になりますと、ちょっと範囲がはずれるような感じでございますけれども、北緯五度以南は全く赤道無風地帯でございますので、気象上の問題はほとんどない、こういうことで、現在の乙通の知識でもって気象に関する近海全域の仕事は十分可能であろう、このように考えた次第であります。
○砂田委員 伺っておりますと、甲通と乙通の間には、知識、能力においてはそれは差はある。しかし、その差はあるけれども、近海区域であるならば乙通の能力をもってすれば何ら支障はない、そういうふうに理解してよろしゅうございますね。
○佐原政府委員 さようでございます。
○砂田委員 乙通の効力範囲を拡大をするにしても、一挙にその近海区域全域に拡大するのではなくて、昭和三十八年以前の旧船舶安全法施行規則に規定されていたところの近海区域の第二区、この程度にとどめてはどうかという意見が一部にあるようでありますけれども、現在はもうすでにそういう区域はない。過去の亡霊のような二区と三区という区域の間に、通信長としての資格に差を設けるという合理的な理由があるのでしょうか。通信業務の量と質、就航船舶の実態等から見て、そのような合理的な理由があるのかどうか、ひとつお答えをいただきたいと思います。
○佐原政府委員 先ほども申しましたように、少なくとも台湾とか香港とか、そこへ行く場合の通信士の仕事と、近海の全域まで広がった場合の、ボルネオ等の島へ行って木材を積み取る場合の通信士の仕事と、その質、量ともにほとんど差はない、距離の違いだけである、こういうふうにわれわれは考えておりますので、この中間的な区域を定めて、その資格の効力の範囲をきめるということは、あまり合理性はないのではないかというふうにわれわれは考えております。
○砂田委員 二区、三区の間に、そういう資格の上に差を設けるという合理的な理由はない、そういうふうに理解をしたわけでありますけれども、乙通が取り扱いを許されている無線電信の機材というものは五百ワット以下ですね。五百一ワット以上の無線電信を設備している船は、近海就航船の中で一体どれだけあるのか。その五百一ワット以上の無線電信を設備している船については、当然今度の法改正が行なわれても、これは甲通を乗せなければならない、そう考えていいわけですね
○佐原政府委員 私、ただいままで申しましたのは、通信士の通信の操作の話をいたしました。通信士の仕事の中には、通信操作のほかに技術操作と申しますか、保守、整備の仕事がございます。で、先ほど申しました無線従事者操作範囲令、これは電波法の政令でございますけれども、そちらでもって、二級通信士の扱える無線設備は五百ワット以下に限られております。五百ワットをこしますと一級通信士でなければ扱えない、こういうことになりますので、先生おっしゃるように、五百一ワット以上の船は一級通信士でなければできない、こういうたてまえになっております。 それから船舶の数の問題でございますけれども、近海二、三区へ行っている船がたしか四百五十隻程度であろうかと思いますが、そのうち五百ワット以上の船は概数で約五十隻、このように掌握しております。
○砂田委員 五百一ワット以上の機材を積んでいる船が大体一割見当、そういうふうに理解するわけですけれども、やはりほとんど乙通でカバーができる機材を近海就航船は積んでいる。近海全域をこれで何の危険もなくいままでも航海をしているし、これからも乙通の扱う五百ワット以下のもので近海全域を就航して何ら支障はない、そういう確信をお持ちなわけですね。もう一ぺん念を押しておきたいと思います。
○佐原政府委員 そのようにわれわれは判断いたしております。
○砂田委員 無線従事者操作範囲令、いまこれはどういうふうになっておりますか。
○佐原政府委員 無線従事者操作範囲令と申しますのは、電波法関係の政令でございます。私よりもむしろ郵政省からお答えをいただいたほうがいいと思いますが、通信士の資格を一級、二級、三級そのほかに電話級その他ございますけれども、無線電信の場合、一級、二級、三級、こういうふうに分けております。それで一級無線通信士は、要するに地域的には全世界、技術操作としてもほとんどあらゆる操作ができる、こういうことになっております。二級通信士にまいりますと、一応漁船の場合は全世界的に国際公衆通信業務が行なえることになっておりますけれども、商船になりますと地域を限って限定がございまして、要するに、ここにいう近海一区の範囲でなければ通信操作ができない、こういうたてまえになっております。それから技術操作につきましては、先ほど申しましたように五百ワットをこす技術操作ができない。いろいろほかにもこまかい規定がございますけれども、大まかに申し上げますと大体そういうことでございます。それから三級になりますと、これはもっぱら漁船関係でございますけれども、これは国際通信業務はできないたてまえになっております。
○砂田委員 そうすると、今回の船舶職員法が改正されて、乙通の働く区域というものが拡大された場合には、無線従事者操作範囲令という政令も改正をされることになるのですか。
○佐原政府委員 これは所管が郵政省になりますので、郵政省からお答えをいただいたほうがよろしいかと思いますが、事務的な連絡では、法律改正と同時に政令も改正する、こういう段取りになっております。
○砂田委員 乙通の効力範囲を近海全域に拡大することによりまして、甲通の職場が狭められるという心配が一部ございますね。甲通の失業不安やあるいは賃金その他の労働条件の低下を来たす、そういう心配を甲通の人たちが持たれるのもまた当然だろうと思うのですが、この点を運輸省はどういうふうに考えておられるか。船主団体と全日海との間の労働協約の内容についても、ひとつこの点あわせて触れてお答えをいただきたいと思います。
○佐原政府委員 失業の問題でございますけれども、ちょっと考えると失業が起こるような感じを持たれるかもしれませんが、資格を強化する場合には仕事ができないわけでございますので、直ちに失業という問題が起きますが、緩和する場合には、法律というものは最低線をきめておるわけでございますから、必ずしも甲ではいけないということではないので、必ずしも失業につながるものだとは思っておりません。現に船主のほうも、法律が変わったからいま雇っておる甲通を直ちに排除する、こういう気持ちは毛頭ない、少しでも技術レベルの高い人を雇いたい、むしろ定着させたいという気持ちを持っておりますので、労働者のほうが別の意見であればともかく、船主のほうから、法律改正を理由に失業問題を起こす、こういうようなことはまずないようにわれわれは考えております。かりに失業問題が将来起こるといたしましても、二千八百万トンの大量建造が行なわれまして通信士の需要は逼迫する一方でございます。決して職場がなくなるという心配はなかろうかと思います。 それから労働協約の面でも、一方的に船主が解雇できない、こういうたてまえになっておりますので、法律が変わったからというので解雇ということは、不可能だというふうにわれわれは見ております。ただ、労使の話し合いでさらによりよい職場、たとえば遠洋の甲通という方向へ需要が発生してそちらへ流れていく、こういうことはあろうかと思いますけれども、それ以外に、船主が一方的に首を切るということはあり得ないものである、このように考えております。 それから労働条件でございますが、現在は近海二区、三区の通信長は遠洋区域の通信長と全く同じ待遇になっておりますが、これが今後どういうことになるかということは、全く労使の問題でございまして、政府があずかり知らぬところであって、全日海と船主の間の話し合いで善処されるものと確信しております。
○砂田委員 ただいまのお答えの中で、別にことばじりをつかまえるわけじゃございませんけれども、甲通にとって、今度の法改正が失業不安に通ずるのではないかという心配がある。船員局長は、まず心配がないというふうにいまお答えになったのですけれども、通信士の需給状態というものはおわかりのはずなんです。しかも、船舶の建造というものは計画的にやっていっている。これからできていく船の量というものはわかっておるはずなんですから、まず心配がないというふうな、失業なんという重大問題でその程度の御判断なのか。失業問題なんというものは絶対に起こらない、そういう通信士というものの需給の状態を考えても、これからの大量建造の行き先を考えても、あるいは船主団体と全日海との労働協約というものの内容を見ても、絶対に心配ないというふうに考えておられるのかと思ったら、まず心配がないというふうにしかお答えがない。これでは私は甲通の人たちの心配は払拭できないだろうと思うのですけれども、この点について確信がおありではないのですか。もう一ぺん念押しをしておきたいと思います。
○佐原政府委員 先ほど申しましたように、労働協約で一定の要件のない場合には、一方的に馘首できないというきめがございますので、失業問題は起きないと私は確信しております。 それから大量船舶の建造に伴って、甲通の需要は伸びる一方でございますので、そちらの面からも失業問題というものはまず心配はない、このように考えております。 私がまずと申しましたのは、非常に特異な現象ですかもしれませんが、一部内航船主の間で、これはあまりここで申したくないのでございますけれども、非常な人手不足を背景に、労働協約ベース以上の賃金でもって雇われておるケースがあるそうでございます。こういった非常に特殊な一部のケースの場合には、船主は雇う意思があっても、通信士のほうから、賃金が下がることをきらって逃げ出すケースがあるいはあろうか、こういう意味で申し上げましたので、ノーマルな考え方としましては失業問題は起こり得ない、このように考えております。
○砂田委員 いま船員局長が最後のところでお答えになった、そういうケースがあるように私も伺っておるのですが、それは航海ごとの契約のような、臨時雇用形式で就労している甲通のことを言っておられるんだと思う。船長クラスで税込み二十二、三万円、ドクターで税込みが二十五万円、その程度の水準の賃金ベース。その中で、こういう臨時雇用形式の甲通の方々は、一日手取り一万から一万三千円くらい、こういった賃金条件で就労しておられるようなことがあるように伺うのですけれども、こういう雇用について、運輸省では、船内労務管理上どういうふうに考えておられるのか、御意見を伺っておきたいと思います。
○佐原政府委員 そういったケースがあるのだという話は、私も実は聞いておりますが、実は私もみずから確かめたわけではございませんので、はたして一日一万であるかどうかというところまでは保証の限りではございませんが、かなり高目の賃金で一航海ごとに雇われており、船長よりも通信士のほうが給料が高いんだというようなこと、それから、給料だけのことではなくて、通信士がいませんと船が動かないわけでございますから、そういう背景で、非常に船内秩序が乱れたりというような懸念もございますので、決して好ましいことではないと運輸省は考えております。
○砂田委員 今回の乙通の就航区域というものを拡大していく、それについては安全上も心配がないし、通信士としての労務問題も支障は起こらない、そういう確信を持たれた根拠は大体伺ったわけでありますけれども、ここ数年来、乙通、二級通信士の諸君がたびたび、今回のような法改正を、郵政省や運輸省の船員局長あてに要望してきておられますね。長年の間たいへんな苦労をして要望を続けておられる。また、通信士協会に対してもそういう要望をし続けてきておられる。 私は、手元に四十四年七月一日付の毎日新聞を持っておるのですが、この「読者の広場」に、船舶二級通信士の四十六歳になる方が投書をしておられるのです。これを読んでみましても、これらの方々の要望というものは、外国船に比べての差別処遇など、たいへん職場を狭められて非常に苦しい、この苦境はまさに切なるものがあるというふうに受け取れるのでございますけれども、いままで電波法が改正されましたのに船舶職員法が改正をされないできている、解決をおくらせてきた政府に、どうもこういう二級通信士の方々のなまの声を聞きますと、こんなに解決をおくらせてきた政府に対して、私も一つの義憤すら感じるのでありますけれども、このような乙通の人たちの非痛な声が、海技審議会の労働側代表委員の耳には入らなかったのでありましょうか。今回の改正に全日海も、乙通の職域拡大という見地から賛成してくださることを期待しながら、私はこれで質問を終わります。
○福井委員長 次に久保三郎君。
○久保委員 船員局長並びにこれは海運局長だと思うのですが、先ほどお話があったかと思うのでありますが、船舶拡充計画とこれに乗り組むべき船員の需給計画、そういうものについてどういう見通しを持っておられるか。
○鈴木(珊)政府委員 お答え申し上げます。 まず、船腹の拡充計画でございますが、四十五年度までは、四十三年度に設定いたしました海運政策がございます。それによりますると、四十四年度から六カ年間に二千五十万トンつくるという計画でございましたですが、実はその後わが国経済の発展が非常に著しいということで、経済社会発展計画の面におきまして、たとえば経済成長率等の増加改定が行なわれました。あるいはまた国際収支の面で非常に改善したということで、そんなような環境が変わりましたので、実は昨年の五月に、従来までございまする六カ年計画の改定というのを、運輸大臣の諮問機関でございます海運造船合理化審議会におはかりいたしまして、改定についての御答申を願いました。その結果、審議会といたしまして出されましたのは、いままでの二千五十万トンというのをさらに七百五十万トン上乗せいたしまして、合計いたしまして四十九年度までの間に二千八百万トンという外航船をつくるというふうに、政府といたしまして答申を尊重いたしましてそういう建造量を決定いたしたのでございまして、それに基づきまして、実は新年度の四十六年度におきまして、三百万トンの外航船を計画造船でもってつくるということに相なったわけでございます。この二千八百万トンのうち、いわゆる計画造船でつくりまする分が千九百五十万トンでございまして、残りの八百五十万トンはいわゆる自己資金でおつくりいただきたいという数字に分かれております。 なお、この財政資金のいわゆる計画造船で建造いたしまする千九百五十万トンにつきましては、四十四年度から四十九年度まで各年度別に、二百五十万トン、二百六十万トン、三百万トン、三百四十万トン、三百八十万トン、四百二十万トンというふうに、建造量をあわせ決定いたした次第でございます。 以上が概略でございます。
○佐原政府委員 ただいま海運局長が申しました二千八百万トンの建造計画を踏まえまして、船員の需給がどうなるかということでございますが、実は船員の需給が、従来は計画造船ベースだけで行なわれておりましたので、非常にはじきやすかったのでございますけれども、いわゆる輸出船の形をとるようなケースあるいは海外売船とか、非常に予測がむずかしいようなファクターも入ってまいりますので、仮の試算ということになるのでございますが、一応前提をつくりましてわれわれがはじきました結果、現在は非常に海外売船のあおりを食いまして、外航船の場合は船員がだぶつきぎみでございます。これが逐次船ができるにつれて吸収されてまいりまして、現在のままですと四十九年度、最終年度あたりで若干の不足が生ずるという数字になっております。ただ遠洋の場合は、特に甲種の免状でございますが、それだけに限って申しますと、今回の法改正で三千トンを五千トンに引き上げることによりまして、いままでは甲種船長を必要としたものが乙種船長でよくなるというわけでございますので、この面だけ緩和されてまいりまして、一応航海士と機関士は五カ年間はまずだいじょうぶである、こういう数字になっております。それから部員のほうでございますけれども、部員につきましては、現在の配乗員数のままでまいりますとかなりの不足を生ずる、こういうことになっておりますが、これにつきましては、現在就労体制の変化をめぐりまして労使の間でいろいろな協議会が持たれて、この問題を検討中でございます。その帰趨によってたいへん変わってまいるのでございますが、たとえば、かりに甲板部と機関部とも部員が一名ずつ減らせ得たらということで試算してまいりますと、五カ年間はまずだいじょうぶだ、こういうことになっております。 大体の見通しは以上でございます。
○久保委員 その資料は、もちろん見通しでありますから、確たる数字ではないかもしれませんが、これは資料としていただいておりましたかな。
○佐原政府委員 これはまだどこへも出しておりません。
○久保委員 そこでお聞きするのでありますが、船腹拡充のほうは、御承知のように確定数が出てきております。それに乗り組むのは、あなたのおっしゃる程度では、これは計画でも何でもないのじゃないでしょうか。単なる見通しというか、見通しもちょっといいかげん、と言ったらたいへん失礼かもしれませんが、あまり確信が持てるようなものではない。だから、船員行政というのは何をやるところだろうかという疑問があるのですね。特に全体的な労働力というのは、今日たいへん大きな問題なんですね。その大きな問題の中で、特に船員の需給というのはたいへん問題の多い職種なんですね。しかも船員局というからには、運輸省では一つの局として船員行政をあずかる——海運局では二千八百万トンを上乗せというか、これからやっていくのだという話。ところが、船員の需給に対してはいまのような御説明だけでは、これはいささか心もとないと思うのですね。どうでしょうかね。もっとも、こういうものを発表することによって、何かいろいろな影響が出てきますよ。しかし、それだからといって、仕事をやっているのかいないのかわからぬようなお話では、残念ながらどうも承服しかねる。 ただ問題は、これから逐次お尋ねしますが、船舶職員法の改正というのは、ずっと逐年、言うならば船舶建造、船腹拡充に歩調を合わせて、なれ合いで、いわゆるなしくずしで中身を改正してきた。船員中心の行政ではなくて船中心で、これに合わせてきたのですよ。今度も合わせようというのですね。そういうところにいろんな問題があると思うのですね。こういうことでいくならば、結論的に言うならば、船員需給なんていうのは、私はたいへんなことになると思うのです。船員を求めることはむずかしくなってくると思うのですよ。すでにもうそういう徴候も出てきているのですねこれは計画をはっきり発表してもらいたい。その上に立ってこの法案は審議するのがたてまえじゃないですか。運輸大臣からも御説明があったようでありますが、その中でも、ぼくがいま言うようなことを中心にして改正します。話は逆でありますから、それは御発表いただきたい。
○佐原政府委員 計画造船に呼応して職員法を改正したいと、こうおっしゃいましたけれども、船舶職員法は昭和三十二年に改正して以来、今度が初めての改正でございます。したがいまして、必ずしも計画造船とうらはらになっておるということはないかと思います。そもそも、船舶職員法というのは安全行政でございますから、需給というのはどちらかといえば二の次の問題で、需給で船員が足りないからというので、その見地から資格、員数をゆるめることはできないわけでございます。結果的にその需給にはね返ってくることはございますけれども、需給をまず考えて法律を変えるということは、たてまえとしてはいたしていないつもりでございます。 それから、需給の問題も全然無視はできません。この資料は後ほど先生のほうにお渡しいたしたいと思いますが、先ほど申しましたように、現在労使が話し合いを始めておるような段階でございますので、その帰趨いかんによって非常に結果が変わる、われわれはその両方の場合を想定して一応数字をはじいておる、こういうことでございます。
○久保委員 たいへん開き直ったようなお話ですが、船舶の安全ということは、安全航行のための船舶職員とあなたのほうでは説明していますか。いままでの改正、全部そうですよ。一々読んでいるひまはありませんけれども、いままでの全部そうなんですよ。だから、そこに問題があるのです。それはいずれにしても資料を出していただきましょう。出していただかなければ、どの程度船員が逼迫しているのか検討はできない。 それから私は、つい最近いただいた「運輸経済年次報告」という運輸省の白書ですね、この中でもそういうものがあろうと思ってみたら、全然そういうものはないのですね。需給計画というか、言うならば、一般的には労働省のやることを船員局はやっているのですね。そうでしょう。だから、そういう意味からいくならば、これは少し中身が後退しているのじゃないか。 先へ進みますが、結局いまのお話からいくと、部員で不足をする、職員では、言うならばまあ大体何とかいくだろう、こういう計算ですね。この不足が生ずるというのに対して、どういう対策がありますか。
○佐原政府委員 先ほど申しましたように、甲板、機関各部で一名を減ずればだいじょうぶである、現在の配乗員数から見まして、あと一名の減は可能であろうと私は思っておりますので、五カ年はだいじょうぶである、このように申したわけでございます。
○久保委員 安全の問題からいくと、配乗は、たとえば一名甲板部で減らせば間に合う、こういうお話ですが、そういうやり方がいいのだろうか、一名減らせば間に合いますというのが。だから、一名減らせば間に合うというのじゃなくて、間に合うか間に合わぬか、これは別のものなんです。いわゆるいまの配乗というか、いまの船に対して、あなたが言うとおり安全サイドでいって適切であるかどうかということをあらためて検討したのなら別ですが、不足だが、一名減らせば間に合いますという答弁はどうも聞きにくいですね。
○佐原政府委員 私の言い方がちょっと悪かったかもしれませんが、職員法を改正する動機になっております船舶の技術革新、これは当然部員のほうにも影響が起こっておるはずでございます。したがいまして、従来の配乗員数よりは減らすことは可能であろう。それから法律的に申しますと、職員の数は職員法でしばっておりますから、法律が変わらない限り減らせませんが、部員につきましては法の規則はございません。したがいまして、近代化に応じて一名の減くらいは可能であろう、このように見ておる次第でございます。
○久保委員 船員行政をあずかるあなたが、法律には書いてないから一名ぐらい減らせるだろうというような言い方は、ちょっといただけないですね。もっと技術的に、科学的に検討して、こういう程度の船の形ならば、どの部署においては何名減らせるとか、何名必要だとか、そういうところから出てきてあなたが計画を立てているのなら別ですが、どうもちょっとおかしいのじゃないですか。
○佐原政府委員 非常にむずかしい問題でございまして、何も役所がかってに、私の恣意で一名減らせるとか、そういうことをやるつもりはありません。現在労使でその問題と真剣に取り組んでおるわけでありますので、労使の意見を踏まえながらその方向へ持ってまいりたい、このように考えております。
○久保委員 しかしあなたは、さっきの答弁では一名ぐらい減らせるだろうという答弁をされるから、そのことにひっかかるのですよ。だから、そういう減らせるだろうという頭の中から需給計画を立てるというのは、非常にお粗末じゃないですかと私は言いたいのですよ。いかがです、もう少し科学的にやったらどうかと思うのです。それで足りないものをどうするかというのは、次の手段方法で考えればいい。ぼくはそうだと思うのですよ。どうも何か最初の質問からひっかかっちゃって先へ行かないですが、私はもう少し船員労働の情勢というか、そういうものはきちんとすべき段階だと思うのですね。 たとえば、おかのほうの労働力の対策については、雇用対策法というものもできていますね。これは船員は入っていないのですよ。こういうことからいって、おかのほうでは雇用対策法ができている、片方は単なる船員職業の安定法だけでやっていこうということにも問題があるというふうに私は言いたいのです。それは何も法律がある、ないの問題じゃなくて、それだけやはり比重、ウエートの置き方が非常に軽いんじゃないかということですよ。船をつくることはどんどんつくるが、乗り組み員、人間に対する施策というのは後退しているんじゃないかということを言いたいわけです。あなた自身が船員局長だから、そういうことはありませんという答弁だろうと思うけれども、運輸省の中だって、あなたのやっている仕事は、はっきり言うとあまり目方は最近は重くはないですね。それはいまのような姿勢から出るのだと私は思うのです。帳じりを合わせるために一人くらいは減らしてもいいだろうという考え方、これはその試算されたものはそういう考えでおやりになっているんですか。だから間に合うから現状でよろしい、こういう結論ですか。船員のいわゆる拡充というか、そういうものは。
○佐原政府委員 船舶の近代化、技術革新に伴いまして、当然船員の配乗というものも変わってくるべきであります。私はそのように確信しておりますので、部員の一名減は可能であろう、こう判断しております。その結果、二千八百万トンに応ずる船員の需給はまずだいじょうぶである、このように見ておる次第でございます。
○久保委員 何べんも同じことを言うようですが、まず第一に、現状において需給計画というのは立てられるべき筋合いですよ。それで不足のものはどうするかという問題になるのです。安全性から配乗についてどうするか、これは別な次元だと私は思っております。関係は深いですよ。しかし、とらえ方としては、別にとらえてもらわなければいかぬ。ところが、一緒くたにしているから、これはどだい問題がおかしくなっているんじゃないか。需給計画を立ててみたらどうも不足だ、だから近代化しているんだから一名ぐらい減らせるだろう、だから大体帳じりは合いそうだというようなことは、どうも船員行政の名において少しお粗末だなという感じがするわけなんです。いずれにしても、そういうことを前提にすれば、今回の改正もいままでの改正も、何か場当たり的なものがある。あらためて船舶職員法というものを検討し直すなら、これは別ですよ。そういうところにこの問題が一つはあるんじゃないかと私は思います。いずれにしても、資料をいただいてから検討します。 そこで、先へ行きましょう。最近、予備員の比率というのは上がっているんですか、下がっているんですか。
○佐原政府委員 適正予備員率というものを、運輸省としましては、職員の場合約二六%、部員で二一%、このように昔からとっておるわけでございますが、最近になりまして海運界では海外売船が非常に活発に行なわれました結果、一時的ではございますけれども、船員は非常にだぶついてきておりますので、予備員率は、過去に比べますとかなり高くなっております。約三〇%から四〇%くらいの予備員率を示しております。
○久保委員 さっきの需給計画の中には、予備員率というのはどの程度に見込んでいらっしゃいますか。
○佐原政府委員 一応現在の船員はそのままおきまして、今後できる船の必要人員に適正予備員率をかけまして、それからいわゆる余剰予備員というものを供給のほうへ織り込みまして、それで五カ年ずっとフォローした数字でございます。
○久保委員 それじゃ、船員の定着率というのはどんなふうにとらえておりますか。
○佐原政府委員 定着率と申しますか、離職率の資料がございますが、外航のほうでまいりまして、職員が七・五%、部員が七・四%、内航のほうにまいりますと、職員で一六・一%、部員で三〇%ばかりということになっております。
○久保委員 この定着率というのは、これはどういうふうに評価していますか。
○佐原政府委員 大体減耗率というものを需要のほうにぶち込みまして、それではじいております。
○久保委員 評価というのはそういう率で正しいと思いますか。これは専門家としてどうなのかということです。
○佐原政府委員 正しいか正しくないか、これは少ないほどいいわけでございますが、過去の実績をとらまえまして、今後もその程度の離職減耗はあるものであろう。これはやむを得ないことでございますが、それだけのものを埋めるために需要にぶち込んで需給をはじいておる、こういうことでございます。
○久保委員 いまの標準的なものは、大体どの程度にとっているのですか。定着率というのはどの程度が一番好ましいか、大体この程度はもうやむを得ぬというふうに思っていらっしゃるのかどうか。最近、特に企業間の競争が激しい、そういうねらいもあってということでこの白書には一応書いてあるようですが、そういうものの見方は、運輸省としてどういうふうに考えているか。
○佐原政府委員 まあ大体数%というところで、これは過去の統計からきた帰納的な数字でございますけれども、最近陸上産業への転向、あるいは昔のような船員への魅力がなくなったせいもありますけれども、なかなか来手がない、来てもすぐまた離れてしまう、こういう傾向は徐々にふえつつあるように思います。非常に望ましくないとは思いますけれども、これを無理に引きとめるわけにもまいりませんので、大体過去の実績をもって今後の減耗率というものを考えてまいりたい、このように考えております。
○久保委員 好ましくないから、好ましいようなものに環境整備をしたり何かしなければいかぬのが、船員局の一つの任務だと思うのですね。たとえば、今度組織法か何かの改正で、省内のあれですが、あなたのところの局の厚生課というのが廃止になるそうですね。そこで、つかさどる業務はどこかでやるのだろうと思いますが、課長は一人なくなるだろうと思うのだが、あとは変わりませんというお話かもしれませんけれども、たとえば、船員災害防止協会はその課でもって監督指導しているはずだと思うのです。はたして船員災害防止協会というのは、十分な活動をしておると思っておられるのか、いかがです。
○佐原政府委員 船員災害防止協会というものがまだ発足後日も浅うございまして、会員の獲得、拡大につとめております。したがいまして、その会費収入もまだ十分とは申せません。十分活動しておるということは、私から残念ながらまだ申せない状況でございます。
○久保委員 発足間もないことはないのです。もう二年か三年になるはずです。そういう重要な任務がある課が、どんな都合か知りませんが、課から係に縮小されていくなんということは、言うなら、感じとしては船員行政後退というふうにも考えられる。こういうものを見ていると、いまのような需給計画の立て方にしても、何かどうも自主性がなさそうに思うのです。これはあとから運輸大臣にお尋ねしますが、いずれにしてもそういうふうな感じがします。 そこで、話を戻しますが、船員を養成する機関というか、養成の拡充、こういうものはちっとも前進がないように思っているわけなんです。ただあなたの説明では、どうも職場が職場で定着率もあまり好ましくない、それから需給計画では不足がちであるということだが、船員になろうとする者を積極的に養成し開発していくというか、そういうくふうが、予算面や何かには全然ないんじゃないですか。何かありますか。四十六年度にもあまり新規なものはありませんね。練習船を年次計画で建造しようというのがあるだけであって、これではとうてい船員を養成していくというわけにはいかないと私は思います。これはどうですか。
○佐原政府委員 教育機関の拡充でございますが、四十五年度で新潟県の村上に海員学校を新設しております。これが四十六年度継続となりまして、今月末に開校の運びになっております。それともう一つは、波方分校という、これは四国でございますけれども、内航要員の養成を主とした海員学校、これもごく最近でございますけれども創設しております。 最近の動きはその二つでございます。
○久保委員 いまの御説明では、なるほど去年ですか、村上船員学校というのができましたが、一般的には、とてもじゃないが、いまの船腹拡充に追いつけるような養成ではなさそうに私は思う。だから、今度の船舶職員法改正案というものが出てくるのだろう。きょうは文部省を呼んでおりませんが、もう少し文部省とも提携しまして、拡充計画というか、需給計画とあわせてやはり積極的な開発、養成というものを考える必要があると思うが、これはどうなんですか。
○佐原政府委員 船員が絶対不足するという点の見通しがはっきりいたしますと、まさに先生のおっしゃるように、養成規模の拡大ということになるわけでございます。先ほどから何回も申しておりますように、現在、船舶職員の就労体制、必要員数、これは非常に流動的でございます。その点について、労使が真剣に話し合いをやっておる段階でございます。それで、いたずらに規模を拡大いたしまして、今度は逆に供給過剰になってまいった場合には、これまた別の大きな問題になりますので、その辺は慎重にやってまいりたいと思っております。
○久保委員 たとえば、船舶通信士の問題を一つとりましても、あなたのほうの資料を見ると、四十四年度の船舶通信士の新規採用は、外航部門でたった七十五名だというのです。ところが、養成機関はたくさんあるのでしょう。私は、開発というのはこれに関連して考えていくべきだと思うのですよ。だぶついたら困るとおっしゃるが、だぶつくのではなく、さっきあなたは不足だとおっしゃったのじゃないですか。しかし、いまの船の関係からいって、今度は一名くらい減らせるから、そこから持ってくれば間に合うとおっしゃった。流動的だともおっしゃった。定着率はまあまあこのくらい見ておりますと言うが、それなら、定着率を高めるためのくふうを運輸省はどうしたらいいのか考える必要がある。そういうことをやらなければ、何が流動的で——片方では不足だが、まあ間に合いますと言う。ちっとも話が合わないじゃないですか。いかがですか。
○佐原政府委員 外航が通信士をわずか七十何名しか採らないと申しますのは、先ほどからも言っておりますように、最近の海外売船の結果非常にだぶついてきたということ、それからもう一つは、四十二年に労働協約が改定になりまして、それまで各船に通信士が三名ずつ乗っておりましたものが、一名減になりました。それで一挙に通信士がふえたわけでございますので、船会社としてはそれ以上採用してもむだでございますので、新規採用が手控えられた、こういう結果の数字でございます。将来また事業が伸びてまいりますと、昔のように年間数百名の採用を行なう、こういうことになろうかと思います。その辺の養成規模は、これは文部省関係でございますけれども、現在の通信士の養成規模で十分まかなえるかと、このように思います。
○久保委員 次にいきましょう。 これは船舶局長にお聞きしたほうがいいですが、MO船というのが、最近かなり合理化の波に乗ってやってきているわけですが、そのほかにも合理化で要員を削減というか、そういうことでやってきている。特に、MO船の故障が最近ちらほらしていると思うのです。こういうものに対して、合理化のためにだけ専念して、安全性や何かについて多少後退しているようにわれわれ自身は思っている。これは船舶局長としてどう思っていますか。
○田坂政府委員 先生のおっしゃいますように、最近の船舶の自動化、合理化、特にMO船、そういうものにつきまして、非常な進歩がなされてきたわけでございますが、主として電子機器を中心にいたしました機器類の発達、こういうものの過程におきまして、信頼性の問題が十分でなかった面が一部見受けられるように感ぜられます。これらの点につきましては、私どもももう数年前から、その信頼性を向上していくという面で努力を重ねておるつもりでございますが、今後ともさらに、その信頼性の向上と確実な機器を装備していくという面に努力いたしたいと考えておる次第でございます。
○久保委員 その信頼性を高めるということは、どの分野でやるかという問題ですね。造船の分野でするのか、運航の分野でやりながらやるのか、これは二つの方法があると思うのですよ。いま問題になっておるのは運航の部門で、いままでは、船というものは、大体走らせてから、初めて確かめつつ改善していくということのようですね。それはそうだろうと思う。しかし、今日のような技術革新のスピードの非常に速い時代に、運航側にまかせていくこと自体、これは誤りだと思うのですよ。特にMO船にしても、たとえば機器にしても、これはいままで使い古した型の、さらに改良をどんどん加えたものを搭載するのじゃなくて、まるっきり新しいものを載っけてMO船にする場合があると聞いていますが、そういうのは、造船側において当然信頼度を高めるというふうにしていかなければ、これはたいへんだと思うのですね。そうして、人間は減らすわ、機械はなじまぬわということでは困るのです。それはどういうふうに考えていますか。
○田坂政府委員 先生のおっしゃいますように、私どもの努力目標といたしましては、機器の面で信頼性、確実性を完全にしていくということであろうと考えられますが、これらの機器を操作いたしますのは、いずれにしましても乗り組み員、運航者でございます。運航者のこういう機器に対します理解度というものの向上につきましても、製造者側といいますか、私ども製造を担当いたします側からも、その理解度を高めるような努力も、今後あわせてやっていかなければならない、そういうふうな考え方でおります。
○久保委員 それはそのとおりですよ。しかし、その運航者のほうの教育はあなたのほうの分野ではないでしょう。これは前にいらっしゃる船員局長のほうだ。そこで、ぼくのほうからあらためてあなたにお聞きしているのは、いわゆる信頼度を高めるのには、造船側として新たなくふうをしなければいけないでしょうということを言っているのですよ。最近は造船の工程も非常に短い。それでやってくるんでしょう。これらについての試験、研究というか、もう少し本腰を入れてやらぬと、思わぬ事故が出てくるんじゃないかという気がするのです。この点はどうですか。
○田坂政府委員 これらの、主として装備品の信頼度の向上にかかわる問題は、第一には、製造の過程におきます品質管理、こういうことが一番の問題だと思いますが、この面につきましては、認定工場制度その他品質管理の面におきます、私ども安全行政の面からの行政指導もあわせまして、製造にかかわる業者の努力によって信頼度の向上につとめたい、そういうふうに考えております。
○久保委員 突然のお尋ねだから、なんですか、少し抽象的でありますので、あらためてこれはお話を聞きたいと思います。 それから、ついででありますから船舶局長にお尋ねしますが、レジャー用のボートの運航ですね、こういうものについては、船舶安全法により都道府県知事が基準をきめてやるというふうにいまでもなっておると思うのでありますが、この辺はどういうふうになっていますか。
○田坂政府委員 五トン未満の旅客船を扱う船舶の安全基準につきましては、都道府県知事におきまして安全の基準を制定できるように安全法で定められておりますが、四十八都道府県のうち、こういう船に安全基準を作成し、基準の適用を行なっております都道府県は、東京都ほか九県でございます。
○久保委員 これは非常に問題が多いのです。だから、必要があれば法律改正するなりなんなりして、あるいは行政指導というか、そういうことをしてもらいたい。関係の都道府県たくさんあると思うのですね。これは早急にやはり安全基準をつくらせて、レジャーが危険をはらむ時代でありますから、これはやはりやるべきだと思うのです。これは積極的にやらなければいかぬと思うのですが、どうですか。
○田坂政府委員 先生のおっしゃいますとおり、最近のレジャーが海洋方面に向かいまして、レジャーボートの造成が非常に多うございます。また漁船等、安全基準のまだ適用されておりません小型船舶も非常に多うございます。これらの安全を確保いたすために安全基準の制定をいたしまして、その安全を確保していくということは、私ども非常にその必要性を痛感いたしておりますが、先ほど申し上げましたように、この制定につきまして、都道府県で制定ができるようになっておりますが、長い期間たちましてようやく十都道府県に及ぶのみでございますので、この点につきましては、さらに強化しなければならないと存じております。 そこで、昨年運輸省に設置されました運輸技術審議会に、設置と同時に御諮問いたしまして、小型船舶の堪航性の確保という面についての施策の御審議を、現在お願いいたしておる次第でございます。御答申を得ましたら、私どもはこれらに的確な安全基準を適用いたしまして、その安全性を確保するという面で努力いたしたいと考えておる次第でございます。
○久保委員 時間がありませんから、先にいきます。 やはり船員局長にお尋ねいたしますが、いまのレジャー用のボートについては、船舶職員法上の規定はもちろんありませんね。これは無謀な、操縦というのか運航というのか知りませんが、そういうのがかなり多いし、それから、一たん危険になった場合の処置というか、そういうものについても、非常に知識のないままにやられる場合がある。これはどういうふうに考えていますか。簡単にお答えいただきたい。
○佐原政府委員 レジャーボートに対する船舶職員法の適用でございますけれども、五トン未満の船舶で旅客運送の用に供するものは、船舶職員法を現在すでに適用いたしまして、小型船舶操縦士の免許を要求しております。ただ、自分だけで運転して楽しむというような、いわゆる自家用のような場合、他人を乗せないような場合には、旅客運送の用に供するものでないということで適用がございません。 これを自動車並みに、そういう場合でもすべて免状を与えるべきであるという意見が実はなされております。その場合に、現在の小型船舶操縦士というのは、一応先ほど申しました第三者と申しますか、船舶の安全をはかって第三者の生命を守る、こういう趣旨の法律でございますので、若干レベルを下げる必要があろうかと思いますけれども、そういった面を含めまして、慎重に検討さしていただきたいと思っております。
○久保委員 お話しのとおりでありまして、自分で単独で、他人を乗せないものについては、なおさら運航について危険がある。海洋や湖沼の中で思わぬ事故を起こす場合がある。これはやはり早急に対策をとってもらいたい。 本論にいきますが、さっきMO船その他技術革新の問題で船舶局長にお尋ねいたしましたが、これらに対して、先ほどもお話があったようでありますが、船員の再教育についてはどういうふうに考えておるか。そういう計画はあるのか、ないのか。
○佐原政府委員 MO船をはじめとする最近の近代化船の再教育でございますけれども、現段階では、大手各社の社内訓練に負うているというのが実情でございます。 ただ、今後の問題といたしまして、国もその面に当然関与すべきであるというふうに考えておりますが、先ほどから何回も申しますように、将来の就労体制をめぐる船員のビジョン、船員像のあり方ということについて、関係労使それから海技審議会でも継続審議中でございます。そこで教育をいたします場合に、そのカリキュラムその他は、一応そのビジョンが固まりませんと教育のレベルが固まってまいりませんで、そういった段階を経てからそういった施策を講じたい。現時点では各社の社内訓練にゆだねておる、こういうことでございます。
○久保委員 積極的におやりになることが当然かと思っております。いずれにしても先へ行きましょう、時間がありませんから。 次に、試験の問題です。特に筆記試験というか、この内容がむしろ改善すべき点が多いのではないですか。さっきも御指摘がありましたが、いまは古いままでいるのですか。それとも相当改良されたのですか。中には、この試験の方針としては、実務に必要な筆記試験をやるということになっているのだろうと思うのですが、実務に直接関係のないものまでやっているのではないですか。これはどうなんですか。そんなものは整理されましたか。
○佐原政府委員 試験のあり方につきましては、種々御批判のあるところもあろうかと思いますが、先ほど申しました審議会の中に試験管理委員会というものを設けまして、関係者が寄り寄り協議中でございます。 試験の中身につきまして、船舶の近代化に応じて新しい知識、能力を求めるように試験問題を課すようには修正しておるつもりでございます。それから試験のやり方につきましても、従来の筆記方式をやめまして、なるべく具体的な問題をたくさん出すような方法で試験のあり方を変えたらどうかというようなことで、目下わがほうの試験官のほうで寄り寄り検討中でございます。
○久保委員 次に、電波監理局にお尋ねしたいのですが、今回の改正案について、結局乙通の近海一区を近海全体に広げるということに、さっき局長の答弁を聞いておりますと、大体事務的にはお話が進んでいるようでありますが、従来電波監理局の方針としては、いわゆる近海一区というのは、そこにおける日本の属領というか、そういう地域が中心であって、言うならばその地域には戦前は日本と同じような無線局があった、だからこれは乙種でもいいだろう、戦後はそういうものはなくなったので、電波監理局の方針としては、いわゆる近海一区というものは乙種を認めるについて、これは反対であったのですね。今回は、お話によりますれば、これを全体に広げるということは、これはいささかロジックが合わないし、方針が急転回したように思うのですが、この点はいかがですか。
○藤木政府委員 お答え申し上げます。 郵政省としましては、いまおっしゃるように、過去のいきさつ等もございまして、まあ一時はそういった考え方を持っていたのでございますが、最近、御存じのように技術革新、特に無線通信の技術というものが非常に進歩してまいりまして、機器の性能の向上あるいは信頼性といったものが非常に進んでまいったということでございますので、運輸省のほうとも話し合いをいたしまして、運輸省のほうが船舶職員法を改正するということであれば、それに対応いたしまして、私どものほうの無線従事者操作範囲令を改正していこう、そういうふうになったわけでございます。
○久保委員 お話がずいぶん抽象的で、機器が改善されたからというのですが、機器が改善されたということと近海一区を広げることについて、どんな関係があるのですか。これは何か具体的な例はありますか。あまり長い時間ちょっといただけないのですが、ありましたらおっしゃってください。
○藤木政府委員 お答え申し上げます。 先ほど運輸省のほうからもお答えがあったかと思いますけれども、一区を広げまして二区、三区に及びましても、現在の無線機器の性能によりましては、その無線従事者あるいは船舶通信士として、特にそういったためにむずかしい技術を要するということはない。ということは、先ほど申し上げました機器の性能の向上ということによるわけでございます。それからまた、無線局のオペレーションといいまますか、運用自体につきましても、これはすでに一区で、たとえば韓国であるとか台湾の中国であるとか、そういったところと国際通信もやっておりますし、二区、三区に広がりましても、そういった点では全然問題がない、そういうふうに考えたわけでございます。
○久保委員 私は、電気のことはあまり明るくないのですが、五百ワット以下の出力のものですね、これで近海全区は十分用が足りるのですか。
○藤木政府委員 お答え申し上げます。 現在、お話しのように電信ダイヤルが五百ワット以下ということになっておるわけでございまして、現在の一区が二区、三区に拡張いたしましても、これは五百ワットであれば十分通信ができる、そういう状態でございます。
○久保委員 これは、こういう改正は運輸省から出たようないまのお話でありますが、電波監理局のほうは、急転回したような印象を持つわけですね。郵政省としては、近海一区などにそういう乙通を配置すべきではない、これはおかしいということを言っていたのだが、最近急に変更されたということならば、むしろ技術的なものからいけば、郵政省のほうから話が出るはずだと思うのですね。それが順序でしょう。技術的には、私のほうは、別に近海一区だけでなくて近海全区でもこれは十分操作範囲はいいということが持ち出されるべきなんですが、お話によりますと、やはり船員のほうの関係から話が出ているということになると、言うならば定員というか、合理化の線というか、そういうものだけでものをやっていこう、まあ電波監理局のいままでの方針とは違うが、たってとおっしゃるならばそれでもいいだろう、こういうふうになったと思うのですね。あまりにどうも、何というか、方針としてはわれわれ自身すかっとしないように思うのですよ。そういうところに法案の問題点が一つあるのです。現状に追随してそういう中身を変えていくというような、そういうこと自体、やはりもう少し考えなければいかぬ。 それから、これは船員局長に聞きますが、さっきも言ったのだが、これは運輸大臣があまり大きい声でないのでよくわかりませんでしたが、いわゆるこの審議会の答申が、反対と賛成というか併記される、そういうものの扱いについて、さっきの御答弁があって、そういうときには政府の判断でやっていいのだというようなお話でありましたが、そういうときには、常識としてそういう問題はあとに残すというのが、常識的な政府の判断だとわれわれは承知しているのですよ。ところが、あなたのおっしゃることは、そういうときには、なに政府が判断すればいいのだ、これでは、答申を求める態度からして、いささか不遜な態度じゃないかと私は思うのです。不遜とか不遜でないとかいう態度は別にして、それは独断だと思うのですね。それはもう反対と賛成があるからこそ、問題があるからこそ答申を求めたのだろうと思うのですね。みんなが賛成で割り切っていることなら、大体諮問しませんよ。そうでしょう。結局、反対と賛成とが併記されるということは、いずれにしても疑問があるということだ。そうすれば、この疑問を解明することこそ、まず第一に政府として、答申を求めたほう、その答申を受けたほうが、この疑問を解明するだけの努力が必要だと思う。ところが、努力もしないで、それは独断というか、政府の判断でここに出してきたのですというようなことを言われたのでは、何かどうも話が合わないような気がするのです、精神論として。これはどうなんですか。私らはそう思っているのですよ。
○佐原政府委員 この問題は、かなり前からすでに問題になったケースでございます。非常にむずかしい問題であって、慎重を期すべきであろうと思いますけれども、まあ反対であるということでいつまでたっても措置ができないということも、また別の問題があろうかと私は考えます。 それで、ただ答申が出たのを独断でかってにきめたのではなくて、われわれはわれわれなりにいろいろ検討いたしまして、安全上も支障がないという判断をいたしたわけでございます。それで通信操作の所管をしております郵政省にも御相談を申し上げまして、支障はなかろう、こういうことでございますので改正に踏み切った、こういうわけでございます。
○久保委員 まあ時間がありませんから、この考え方について私はこれ以上あまり申し上げませんが、いつまでたっても切りがないと言うが、諮問して何年になるのですか。そんな努力の程度なら、いつでもそういう賛成も反対も出てくると思うのですよ。しかも、それは取り急ぎやらなければならぬ問題だ。取り急いで船員局がやることは、乙通の資格、そういうものをもっと充実させることですよ。登用の試験をどうする、そういうことを先にやることが必要なんじゃないですか。乙通を甲通に直せばこれは問題が解決するでしょう。乙通のままにしておくところに問題があるのです。しかも、乙通というのは人間はあまり多いほうじゃないですよ。登用の試験をもう少しくふうして養成するというか、資格をつけることにやはり努力をすることが先決じゃないですか。そのほうが一般的に見ても内部的に見ても筋が通った話ですね。資格はそのままにしておいて区域だけ広げよう、いままでずっと長年反対してきたものを賛成してくるなんて、答申は賛否両論があったなんて、そういうさなかでやるべき仕事じゃないのじゃないか、こういうふうに私は思う。 だから、さらに言うならば、船腹増強に追随して、やむを得ず窮余の一策としてやることなのか。そうなると、あなたがおっしゃるような安全を重点に考えていますというのは、どうもお題目に過ぎないのじゃないか、こういうふうに思われる。いずれにしてもこの問題は、いまでも、提案した今日でも何か問題があるのでしょう。だから、そういうものはもう一ぺん練り直すことが一番いいのじゃないかと私は思うのです。 それから、たとえばこの法案が通ったときには、国鉄の連絡船はどうなりますか。連絡船のほうは、国鉄の洞爺丸か何かの事故のあとのいわゆる意見答申に基づいて、言うならばこれは甲通だけが通信長ですか、そして乙通は通信係ということで、そういう規定になっているのです。こういうものを国鉄に言って直しますか。これはどうなんですか。
○佐原政府委員 ちょっと先生の御質問、聞き取れませんでしたので、もう一回お願いしたいと思います。
○久保委員 国鉄の船舶通信士の任用の規定では、洞爺丸の事故のあとの運輸大臣に対する答申の結果、通信長はいわゆる甲通、乙通は船舶通信係にしかなれない、こういうふうになっているのですよ。だからこれも直すのか、こう聞いている。
○佐原政府委員 船舶職員法は最低の要件をきめておるものでございますから、それを上回って資格の高い人を乗せることは、決して問題になりませんし、むしろ非常に望ましいものではないかと私は考えております。今回の法改正があったからといって、それを下げさせようという気持ちは毛頭ありません。法律的には下げることは可能になるのかもしれませんが、それは国鉄でもおそらくしないであろろうと思います。
○久保委員 そのとおりですよ。安全性を確保するというのだから、法律は最低のものだから、それ以上に高めることについて、文句はない、というのはおかしいが、問題はないのです。そのほうがいいのです。だから、法律というのは安全サイドは高いほうがいいのです。最低では困るのです。だから乙通の問題も、安全性からいうならば、近海一区でとどめておいたほうが安全性は確保されます。おわかりでしょうか。そうでしょう。だから賛否両論あるものを、この際あえて強行することはないじゃないかというふうにも思われるし、合理化のために甲板員なり機関部員が通信士の資格をとれば、それで通信のほうもできるということでございますが、合理化してたいへん助かるようでありますが、操舵をしながら無線を扱うというようなことをやって——もっとも最近は、自動操舵というものがありますから何ですが……。しかし、そのほかにもう一つ、最近のように大型化していると、たとえば機関部、MOは一人でリモコンでやっているのでしょう。そうなると、機関部員で当直以外の者は、何人も休んでおる者はいないはずです。機関部員、甲板員もそのとおり、通信部員もそのとおり。しかも、いままで三十名も四十名も乗っていたものが全体として十何人だなんて、そうなると、大きい船は見回ることがなかなかむずかしいのじゃないですか。マンモスタンカーというのは回って歩くのにたいへんではないですか、私はしろうとでよくわかりませんが。 安全性というものは、やはり全体的な要員構成といわゆる船の構造、規模の大きさ、積んでいる品物の中身、こういうものを総体的にひっくるめて安全性の確保ができると思うのです。ただ単に甲板員一人ぐらい少なくなってもというさっきの答弁がありましたけれども、甲板員が一人なくなれば、船の点検とかそういうものも全然おろそかになるんじゃないか。船は大型化しているのですよ。 そういうことからいくならば、これは船舶職員法という小さい範囲で問題を片づけるのではなくて、一番冒頭言ったように、全体的な船腹拡充の問題からひっくるめて、近代化の問題も入れて、技術革新の問題も入れて、労働の需給力も入れて、そうして全体的の中で船舶職員法のこの何をどうすべきかという問題を解決していくのが、私は正しいと思うのですよ。こま切れ的に船舶職員法だけやって、どうですか、船舶局はいいですか、電波監理局はいいですか、そういうことをやっている問題ではないと私は思うのです。運輸大臣どうですか。総合的な政策をお練りになるという話でありますが、いま私が申し上げたように、これは全体的に安全性を中心にして、やはりこの際は再検討する時期だと思うのですが、どうですか。
○橋本国務大臣 久保さんのお話、わからぬことはありませんけれども、この法律の改正の趣旨は、ただ人の需給関係だけに重点を置いて法律改正を出したわけではありませんでして、先ほど来関係局長が答弁いたしておりますように、最近における技術革新といいますか、これは私も現在つくっておる大型船等を見ましたけれども、御承知のようにモータリゼーション、省力化によって、かえって人間の不確実な知識にたよるよりも、かなり高度の科学技術によって、それが省力化に結びつけられてきておる。こういう近代化に伴う一連のことでありますから、したがって、まず第一には無線通信士の任務にいたしましても、その機器の改善あるいは進歩によって、その守備範囲が従来と違って非常に広くなってきた。こういう意味において、いわゆる機械のみにたよるわけではありませんけれども、機械を十分にこなし得る範囲が、従来の技術レベルをもってしても機械の進歩によって非常に拡大されてきた。こういうところから、いわゆる技術革新に伴って当然に起きてくる一つの法改正であるわけであります。 しかし、全体のお話としていろいろの点で、たとえば計画造船の増大に伴って人の配分等を、需給関係を合理的に考えていくということももちろん必要でありますけれども、その間において、いわゆる省力化の問題といいますか、技術革新等によって、情勢がそのときどきによってあるいは非常な進歩を遂げる場合もあり得るわけであります。そういう意味もありますからして、船をつくるのとは違って、それに必要な労務の需給関係というものは、直ちに一プラス一、二マイナス一という形では出てこない。しかし、従来の政策というものをもちろん根本的に変えるわけではなく、あくまで安全性といいますか、航行の安全あるいは操業の安全等を中心にして考えて、なおかつこの程度の改正は、全体的な進歩の上では必要であろうという観点に立って、このような法案を出したわけであります。そういう意味におきましては、将来ともに総合的な計画は進めてはまいりますけれども、すでに十数年間、長い間、一方において技術革新が進んでおるにかかわらず改正されなかった点は、これはやはり時代とともに改正していくべきであろうと考えておるわけであります。 そこで、海技審議会において違った反対の意見が出てまいったわけでありますが、これはいろいろな事情もあろうと思います。やはり利害関係もありましょうし、あるいはまた技術開発に対する信頼度の問題もありましょう。いろいろな問題がありますけれども、政府としては外国といいますか、国際関係の状況等も判断をし、かつまた機器の進歩等も十分に考慮に入れて、こういうような改正によって、全く操業の安全あるいは航行の安全等を阻害されることはない、こういう判断に立って、このような法案を皆さんの御審議をお願いいたした次第であります。
○久保委員 お話でありますが、やはりこの際総合的に、私が言っている船員ばかりの問題じゃなくて、船の問題、安全の問題全部ひっくるめて検討を加えて、その中で船舶職員法をどうするかという時期だと思うのです。見解の相違でありますから、これ以上申し上げてもいかがかと思うのですが、そういうことをやらぬままに、船腹増強だけがずっと計画的に出ていって、あとのほうはあまり計画的じゃないと思うのですよ。はっきり言うと、それに追随してやっていくところに、行政の誤りがあると私は思うのです。総合政策というのはそういうものをまとめてやることだと思うから、機会があったら考えてもらいたいと思うし、私どもは、この法案に対して、そういう意味では、どうも了解しにくい点がたくさんあります。 先ほど要求した資料は、早急に出してほしい、こういうように思います。 以上で終わります。
○福井委員長 次に田中昭二君。
○田中(昭)委員 わが国の海運はたいへん発展を遂げて、造船においても世界で第一位というようになっておりますが、この間技術もたいへん進歩して、近代化、合理化が進んでおります。また資源の之しいわが国は、貿易国としても船腹量もたいへんふえております現在、海技従業者の任務もたいへん重要になってきておるわけでございます。そこで、その水準のアップが当然考えられなければならない。この意味では、わが国は海運国としてたいへん誇り得るものがあると思うわけであります。 そこで、この船舶職員法の法律の中で、船主と船舶海技従事者の関係において、問題点がいろいろいままで指摘されておるわけですが、これらの関係の状況を、大まかでけっこうでございますから、お聞かせ願いたいと思います。
○佐原政府委員 おそれ入りますが、もう一度御質問をお聞かせいただきます。
○田中(昭)委員 簡単に言いますと、船主と船舶と海技従業者ですか、こういう関係において、いままでいろんな問題点がある。いまお話しのあったように、いままでの質問でも出ましたように、いろいろ海技従事者がおろそかにされておる。船舶のほうにいろんな増強がなされて、そしてそれについていけない乗り組み員の制度について、そういう点に問題がないかどうか。
○佐原政府委員 先ほど申しましたように、二千八百万トンの建造計画に船員がついていけるかどうか、こういう御質問かと思いますが、量的には、先ほど申しましたように、職員につきましてはまずだいじょうぶであるという数字になっております。部員につきまして、現在の乗り組み員数であるとすれば、若干の不足が出るであろうということでございます。 それから質的な面につきましては、近代化に応じまして非常にいままで必要としなかったような新しい知識、技能が必要となってまいります。こういった点は、国家試験の面でも逐次内容的にプラスしておりますし、それから現実には各社の社内訓練で、その機器の扱いが十分可能であるように措置している、こういう現状でございます。
○田中(昭)委員 ではその中で、今度の法律で問題になっております点を限って申し上げますと、船といわゆる配乗される通信士ですが、船舶のほうは甲種、乙種とありますが、この関係、いわゆる船の就航状況とその甲種、乙種の通信士の現状は、満足にいっておるのでしょうか。
○佐原政府委員 現在取り上げられております、問題になっておる近海船の状況でございますけれども、近海二区、三区へ行っておる船が、全部で約四百五十隻ぐらいございます。それに対しましては、一応通信長としては甲種通信士を乗せる、こういう法律のたてまえになっておりますので、現状では少なくとも甲種通信士を乗せておるわけでございます。
○田中(昭)委員 四百五十ですか。
○佐原政府委員 四百五十隻でございます。 〔委員長退席、加藤(六)委員長代理着席〕
○田中(昭)委員 その数字は、あとでまた問題にしていきたいと思いますが、今度の改正で乙通の従事範囲拡大、それはどういう理由でそういうことをなさるのですか。
○佐原政府委員 先ほど電波監理局長も申されましたように、通信機器が非常に近代化されまして、信頼度が高まってきたということもございますけれども、近海一区で行なっておるいわゆる国際通信業務、それから近海全区域にかりに行なわれるであろう国際通信業務の間に、量的にも質的にも差はない、乙種船舶通信士で十分仕事ができるのだという認識のもとに、法律改正をお願いしたわけであります。
○田中(昭)委員 少し事務的なことになりますが、通信士の資格者数と、それからその資格者が実際船舶に乗っておるいわゆる船舶数がどのくらいあるのか。また今後の状況ですね、いわゆる供給の面もあるわけですが、まず、現在のこの対象船舶数に、甲乙の通信士がどのように配乗をされておるか、お聞かせを願いたいと思います。
○佐原政府委員 近海区域以上の就航船舶に限って申し上げますと、現在労働協約で、遠洋区域それから近海三区の三千トン以上、近海一、二区の五千五百トン以上は、通信士を二名乗り組ます、その他の船は一名でよろしい、こういう労働協約になっておりますが、この労働協約を踏まえまして、船舶通信士が幾ら必要であるかという計算をいたしますと、三千三百七十一名という数字になります。それに対しまして、現在そういった船会社で採用しております船舶通信士の免状の保有者数は約三千六百名、こういう状況でございます。
○田中(昭)委員 それは甲種通信士ですか。
○佐原政府委員 いいえ、全船舶通信士です。
○田中(昭)委員 それを甲乙に分けまして、それぞれ配乗をされる範囲がきまっておるのですから、そのきまっておる数字を言ってください。
○佐原政府委員 甲種船舶通信士、これは法律面の要請でございますけれども、法律が甲種船舶通信士を必要としておる数は千八百八十九名、それから乙種船舶通信士は非常に少なくて六百二十九名、これが法定必要数でございます。 これに対しまして、これは法定でございますから、このほかに労働協約上さらにプラスアルファの一名というのが加わりますと、先ほど申しました三千三百七十一名、こういう関係でございます。それでその甲に相当する一級が現在何名おるかと申しますと、船会社には二千九百三十名、二級が六百五十六名、こういう現状でございます。
○田中(昭)委員 ちょっと私が調べましたのと違いますが、いまおっしゃった数字でいけば、いわゆる甲種通信士は法定では約千九百人くらいですね。そのくらいの人に対して、約三千人近いいわゆる従事者がおる、こういうことですね。
○佐原政府委員 さようでございます。
○田中(昭)委員 乙は、六百三十ぐらいに対して六百五十、大体一ぱい一ぱいというような数字ですが、この甲種通信士を乗せる船は何隻くらいありますか。乙の乗っておる船はどのくらいございますか。
○佐原政府委員 乙を乗せる船といいますのは、要するに近海一区以下の船ということになりまして、本来からいいますと、内航船、沿海船は全部乙が乗らなければならぬわけでございますけれども、沿海船につきましては、無線電信にかえて無線電話でもよい、こういうことになっておりますので、現実にはほとんどの船が無線電話に切りかえております。したがいまして、現実に乙通を必要とするのは、漁船を除けば近海一区を走っておる商船で、その数は約百六十隻でございます。それから二区、三区を走っておる船は、先ほど申しましたが四百五十隻くらいで、これは甲を乗せなければならない、こういうことでございます。
○田中(昭)委員 それだけではないのじゃないですか。いわゆる甲通は遠洋もありますし、漁船もある程度大きなものは乗せなければいけないし、それから乙のほうは、いわゆる沿海の分と、またこれは漁船がある。そういう数字は全然言われなくて、そしていまのほうの、法定数と就航している船の数を言われたのですけれども、それはどういうことですか。
○佐原政府委員 遠洋を言い漏らしましたが、遠洋がそのほかに八百七十八隻ございます。漁船につきましては、ちょっと調査してございませんので、お答えできないのは申しわけないと思います。
○田中(昭)委員 では、その数字はちょっとあとで整理してください。全然答えになりません。私が聞いておるのは、現在の就航しておる船に各種の通信士がどのように配乗になっておるか、それが、その法定されたいわゆる配乗人員が乗っておって、それで安全が保たれておるか、そういうことの基礎資料に聞いたわけです。
○佐原政府委員 法定の必要数は十分乗っておるわけでございます。そのほかに、労働協約で法定以上に二名船があります。その二名船の二人目は、これは一級を乗せておる船会社もございましょうし、二級を乗せておる船会社もあり、非常にまちまちでございますので、ちょっと実情は調査はむずかしいと思います。
○田中(昭)委員 では、いまの遠洋と漁船の関係が、わかれば調べていただきたいと思います。 先ほどから通信士のいわゆる需給事情がいろいろ問題になっておりますが、調べてみますと、甲の場合一年間に九十名くらい供給されていく、需要のほうでは、四十六年度で大体五百名くらい要るのだ、また四十七年度でも三百六十名くらい要る、このように聞いておりますが、それではたいへんな不足を来たすわけであります。それに対し、今度の従事範囲拡大によって、乙通の人が甲のほうに入っていくわけでありますが、そうなりますと、今度乙通が、いまでも六百名近くの状態で足らないけれども、そういう問題がまた起こってくる。こういうものに対して、どのように対策をお立てになっておるか。先ほど先輩議員の某議員が言われたように、造船船腹とそういう配乗人員との関係がなおざりにされていないか。これはたいへんなことだと思うのです。五百名も要るのに、年間百名内外の供給しかできない、そしてさらに船舶はどんどんふえていくというようなことについては、これはもう少しその見通しをはっきりしてもらいたいと思うのですけれども、いかがですか。
○佐原政府委員 採用が七十名しかないという点は、先ほど申しましたように、四十二年の労働協約の改定で、従来の三名船が二名船になりましたので、かなりの通信士が一時に陸上に上がりまして、現在は予備員という形で雇われておるわけでございます。したがいまして、その予備員を新規の需要に振り向ければよいのであって、その意味で新規の採用を手控えておる、こういうことでございますので、需要が旺盛になってまいりますれば、新規採用はかなりの数までまたふくれ上がる、このように考えております。
○田中(昭)委員 そこで、こうやって言うだけでは簡単ですが、それでは実際にその需要に追いつくように、何か同好会がさっと引っぱってきてしまうというわけにはいかぬわけでしょう。
○佐原政府委員 これは役所がどうこう言うことではないかと思いますが、労働協約上の二名をさらに一名にするかしないかということで、船主と船員側で意見が合いませんけれども、協議会を持ちまして協約を結びまして、ここ一、二年の間に何か話をつけようということになっております。かりにそれが一名になりますと、非常に今度は供給のほうが上向いてまいりまして通信士は余ってくる、二名のままでいきますとかなり不足をする、こういう逆転状況になるわけでございまして、役所としてはその辺を慎重に見守っておる、こういう段階であります。
○田中(昭)委員 私が聞いておることにまだお答えになっていないように思うのですが、いわゆる海技従事者の中でも通信士が、今度の改正の中でも、先ほどから言われておるように、たいへん賛否両論があるわけです。そういうことを考えますと、船舶通信士というものについて、実際その養成機関というものがどういうふうになっておるか、ほかの海技従事者と比較してたいへんお粗末ではないか、私はこう思うのですが、どうでしょうか。
○佐原政府委員 通信士の養成機関を申し上げますと、大学が二、大学校一、短期大学が一、高専三、高等学校三十八、その他各種学校、職業訓練校、こういったものがかなりの数ございます。そのうち、一級無線通信士を目標とする養成機関といたしましては、電気通信大学及び電波高専がございます。二級のほうでは、各電気通信大学のうちの短大、それから三級につきましては、いろいろな水産高校の無線通信科ということで、かなりの養成機関があると思います。これは運輸省の所管ではございませんけれども、かなりあると思います。
○田中(昭)委員 先ほどから話を聞いておりまして、私は船員局長の基本的な頭の中で、ちょっと確認しておきたいことがありますから申し上げますが、船の航行の安全については、船舶機関の関係者それから操舵、いわゆる運航に携わる人、この人たちが直接の安全を左右する人たちであって、通信士は間接的といいますか、ことばは何かそんな意見で言われたわけですが、私はこの問題はそのとおり受け取れない。どらかといえば、通信士のほうが船の航行安全には大事じゃなかろうかと私は思うのですが、これは船員局長並びに船舶局長、大臣からも一言、私が聞き違いならば聞き違いでけっこうですから、その点についてお答え願いたいと思います。
○佐原政府委員 船舶通信士が、安全上ウエートが低いというようには決して思っておりません。 〔加藤(六)委員長代理退席、委員長着席〕 船舶航行のためのいろいろな情報、たとえば海象、気象、航行警報その他をキャッチするのが通信士でございまして、非常に重要な役割りと考えております。 ただ、直接船を運航するいわゆるエンジンあるいはデッキの人に比べますと、仕事が非常に異質であるという点はいわざるを得ないかもしれませんが、通信士が安全上ウエートが非常に低いというようなことは、決して考えておりません。
○橋本国務大臣 いま局長から答弁がありましたように、航行上から通信士は非常に重要な関係がありますので、航行安全にはもちろんこれは重大な職務を担当しておるわけであります。 ただ、今度のような法改正をいたすゆえんのものは、機器が非常に進歩してまいりましたから、ある小範囲のところだけでなければならぬというものをもう少し広げても、いまの五百ワット以下の機械をもってしても十分である。これは国際的にもそうなっておるのであって、ただ問題は、いわゆる内部的な問題として、一級通信士、二級通信士の関係等はあると思います。しかしながら、法律は最低限、安全として最低限度のこれは安全である、こういうたてまえですから、必要によっては二級通信士のかわりに一級通信士を置くことも、もちろんこれはとめておるわけではありませんので、その間はお互いに、いわゆる船主側と組合側とが十分に話し合って、そうして労務関係等の調整をはかりながら進めていっていいのではなかろうか。こういう意味でありまして、決して需給の状況から、いわゆるこういうような緩和措置をとったということではないことは、先ほど来から説明を申し上げておるとおりであります。
○田中(昭)委員 いま船員局長のお話では、ただ重要であるというようなおことばでございましたけれども、ずっと聞いておりますと——私たちしろうとで、この法案をそれなりの理解をしていこうとしておりますが、どうも、ただ重要であるというようなことだけで片づけられるという考え方、いわゆるいままで近海一区が近海全区に行くというようなこと、これは相矛盾するのじゃないですか。そういうものをどれだけ機械の進歩、技術の革新が保証するか。私はしろうとなりに、船が航行する場合に、どんなに船なり操縦士がうまくても、無線通信で海洋の状態をつかめなかったら、またつかみそこなったり間違いが出たり、そういうことを考えれば、私は操縦することよりも、そういう無線の関係において、国際的にも十分な人を配乗させるのがほんとうではなかろうか、こういう考え方ですが、いかがですか。
○佐原政府委員 重要であるということと、乙種船舶通信士の操作範囲を広げるということとは矛盾いたしませんと思います。ということは、十分それだけの能力があるのだ、国際通信業務を近海全域で行なえるだけの能力を持っておるのだ、乙種という免状はかなりレベルの高いものであるという認識でわれわれはおります。
○田中(昭)委員 そういう認識でありますならば、とにかく実際の仕事をそういう方向で、私は行政事務を監督の立場で見ていかなければいけないのじゃないか、こういうことを思うのです。 それでは、いままでの船員局がやってきた実際の船員行政に対して少し確認しておきたいと思うのです。三十八年に電波法と職員法の改正があった。さらに四十年にもあったようでございますね。そこで、三十八年でいいのですが、そのときに二級通信士というのは大体どのくらいいらっしゃったのですか。船舶のほうでは乙種通信士ですか。それはなぜ聞くかといいますと、その改正案のときに附帯決議がつきまして、いわゆる二級通信士は早く一級のほうに上げていきます、そういうことを附帯決議の中にうたわれておる。四十年の改正のときにも、なお検討の余地があるというようなことが出ておったと思います。「無線従事者国家試験のあり方については、なお検討の余地があると認められるので、政府が全資格にわたって試験の合理化につき考究するよう要望する。」こういうふうな附帯決議もついております。この辺のことがどのようにされてきたか、いかがですか。
○佐原政府委員 ちょっとその当時の数は手元に数字がありませんので、後ほど調べてお答え申し上げさしていただきたいと思いますが、通信士の免許は、一級、二級の免許は、実は運輸省ではなくて郵政省がやっております。それで、郵政省の試験を受けて一級を受かった人が、運輸省のほうの船舶職員の甲種通信士の試験を受ける資格ができる、二級は乙種の試験を受ける資格ができる、こういうことでございますので、その際二級を早く一級にという意味は、むしろ郵政省の問題ではなかろうかと思いますので、電波監理局長にお尋ねいただきたいと思います。
○田中(昭)委員 郵政省のほうから答えてくださ い。
○藤木政府委員 お答えいたします。 四十年に先ほどの附帯決議がありまして、私どもは国家試験制度の合理化というものにつきまして検討したわけでございますが、いろいろ関係省令の改正といったことをやりまして、たとえばこの国家試験を臨時に行なう場合に、状況に応じて予備試験の免除を受けることができる者についてのみできることとしたこととか、そのほか臨時試験といったものは毎年必ず実施しておりまして、少しでも上級資格の人が多くなるように措置をしております。 それから、さらに現在は、いわゆる経歴というものを加味した問題につきまして検討しておりまして、できるだけ早い機会に実務経歴というのを試験の免除範囲の拡大に用いたい、そういうことで検討しておる次第でございます。
○田中(昭)委員 検討したばかりで、実際の資格者が一つも変わってないというところに問題があると思うのです。一級とった人は甲通になる資格を得るわけでしょう。だから、いわゆるいまの問題でいえば乙通の人が甲通に上がりたい、そういう状況がこの三十八年当時にあったわけですね。それが現在も同じような状態の人数であるということ、これはどういうことですか。
○佐原政府委員 乙通、いわゆる二級が勉強して一級の試験を受けて、どんどん昇進しておるという数はかなり多いと思います。ですから、法律が求めておる乙通の数は変わりませんからそれだけの人がおるというだけで、具体的な個々の、どんどん一級のほうに昇進しておる人はかなり多いと考えます。
○田中(昭)委員 それじゃもう一つお聞きしておきますが、電波法でいう一級が、そのままその資格の人が甲通になることができるとか、二級の人が乙通になることができる、これは電波法でいう資格修得とどういう関係できめてあるのですか。
○佐原政府委員 電波法のほうで一級をとりますと、船舶職員法の甲種船舶通信士の受験資格ができるわけであります。それで、いわゆる通信の技量は電波監理局のほうでテストをして免許を与えるわけですが、ただ、船舶職員として船舶に乗り組む以上は、やはり通信士であっても船の知識、海の知識というものが必要でありますので、そういった補完的な海技知識を船舶職員試験で課しまして、それに合格した人に甲種通信士あるいは乙種通信士の免状を与える、こういう仕組みでございます。
○田中(昭)委員 それじゃ電波監理局のほうでは、いわゆる一級、二級の資格というのはどういうことが基本になっておるのですか。資格を修得する一級と二級の区別ですが、どういうところに重点を置かれておるのですか。
○藤木政府委員 一級、二級の区別と申しますと、国家試験におきまして、先ほどもお話がありましたように、たとえば二級であれば、船の場合は五百ワット以下の無線機しか扱えない、しかし一級であれば、あらゆる種類の通信ができる、そういった区別、そのほかまだいろいろこまかい区別がありますけれども、区別をいたしまして試験を行なっておるという状態でございます。
○田中(昭)委員 そうしますと、一級は大体世界各国のそういう業務をこなすことができる、二級は一部分の国際通信を受け持つことができる、そういうことと、いわゆるいままでは乙通の人が近海一区まで既得権といいますか、そういうもので仕事をしておったものを、今度はたくさんな外国の国際通信等に携わるということは、いまの電波法でいうものとちょっと違うように私は思うのですが、どうでしょうか。今度は近海二区、三区を含めますと、相当な外国との国際通信があるわけでしょう。
○佐原政府委員 近海一区に従事しておる乙種船舶通信士が、台湾あるいは香港へ行って国際通信業務を行なうその仕事と、近海三区のボルネオへ行って行なう国際通信の仕事は、質、量ともさほど差はない、こういう実態でございますので、二級通信士で十分できる、こういう判断を私どももいたしましたし、電波監理局のほうもしたわけでございます。
○田中(昭)委員 大臣の時間が限られておるようでございますから、次に別な問題にちょっと移っておきながら、またいまの本論に戻りたいと思いますが、先ほどから話が出ておりました船舶職員法の適用を受けない小型船舶、いわゆるレジャーボート、これは年々たいへん増加しておるようでございますが、この増加の見通しといいますか、そういうものを簡単にお聞かせ願いたいと思います。
○田坂政府委員 レジャーボートが、海洋の方面におきまして最近非常な増勢でございます。これは、一つにはレジャーボートの生産も非常に上がってきたという点もございます。最近の傾向で申し上げますと、正確な数でございませんが、推定数字で申し上げますと、四十二年度にレジャー用モーターボートの数は、ヨットを含めまして約三万隻ということでございますが、四十三年度には四万七千、四十四年度には七万。それから、一方生産のほうも、最近、四十四年度に二万三千隻の生産をいたしたような状況でございます。 また、一方海洋設備のほうも逐次、こういうレジャーボートの船だまりといいますか、レジャーボートの仮泊、停泊設備、そういうものも今後整備されていく傾向にございますので、この増勢の傾向は、今後さらにふえるものと考えております。大体生産が二万三千隻を上回っておりますので、この生産が十分に吸収されていく、そういう増勢になろうかと考えております。
○田中(昭)委員 大臣、いまのレジャーボート関係でございますけれども、これは四十五年度までそういうような驚異的な数字で伸びておりますが、ことしなんかのいろいろなレジャー用のボートの売り出しなんかを見ておりますと、何か美人コンクールなどやりまして、もう発注が間に合わないというような状況で、いまの七万から二万五、六千ふえて、四十六年度大体九万、それから推定しますと、四十九年には二十五万台というような推定を出しているところもあります。こういうことになりますと、いまこれら船舶については、小型船舶操縦士の一応の規定がございますけれども、これに漏れるいわゆるレジャーボートについては、何か登録といいますか、そういうものを考えなければならないのじゃないか。実際問題として起こった問題を聞いてみましても、遭難にしましても、それから盗難にあったとか、こういうような場合に身元がわからないとか、もうたいへんな費用もかかる。こういうことがあるようでございますが、こういう問題を考えますと、何か登録制度みたいなものをつくるべきでなかろうか、そういうものは必要でなかろうか、こう思いますが、いかがでございましょうか。大臣からお答え願いたい。
○田坂政府委員 二十トン以上の船舶につきましては、国の登録制度がございます。それから二十トン未満五トン以上の船舶につきましては、都道府県におきまして登録制度がございます。ただいまの先生のお話は五トン未満のレジャーボートの件かと考えられますが、これらの船舶の今後の増勢の現状を把握していく、そして、しかもあわせてこれら船舶の安全を確保していくという面から、あらゆる面から検討しておるわけでございますけれども、登録制度につきましても、現在その可能性につきまして検討をしておるわけでございます。
○橋本国務大臣 おっしゃるように、非常な数がふえてまいりまして、私のところなんかの霞ケ浦とか利根川とか、ああいうモーターボートの最も適地というので、盛んにレジャー用のモーターボートがえらいスピードで走っておりまして、ときどき遭難もあるようでありますが、問題は、全体を登録制度にすることも検討しなければならぬと思いますと同時に、一つは、大体五トン未満のものはレンタボートなんです。貸しボートが中心なんです。しかし、スピードが五十キロだの、六十キロだの出ますので、海上といいますか、水上交通の安全の上からも重要な問題があります。 こういう問題をどういうぐあいにとらえていくか、全体としてこれは検討する必要があると思いますので、お話しのような点は、積極的にこれの調査を進めた上で、何らかの措置をとる必要があろうと思いますが、運輸省としても、これからの検討問題として取り組んでまいりたい、かように考えております。
○田中(昭)委員 あとは、小型船舶についてもう少しお尋ねしたいと思いますが、局長さんから、ひとつ大臣にかわって確約を得たいと思います。 私もまだ勉強不足なところがありますが、いわゆる小型船舶の操縦士の資格というものは、五トン未満の船で旅客を十二人まで乗せるものは、資格は要らないのですね。
○佐原政府委員 いわゆる船舶関係の法規で、旅客船の定義といたしましては、十二人以上というふうな定義がございますが、船舶職員法でいま問題になっております、五トン未満の船で旅客運送の用に供するものというのは、この人数には関係ございません。一人でも二人でも小型船舶操縦士を要するわけでございます。
○田中(昭)委員 そうしますと、レジャー用のボートというものも、ただ操縦士だけでなくて、やはり友だちを連れていって乗せるとか、こういうことになりますが、そういう場合でも、実際そういう資格をとった人が運転しておるのですか。
○佐原政府委員 第三者を乗せて走らせる場合には一応適用がある、こういうことで小型船舶操縦士の試験を受けさせるというふうにしておりますが、ただ、遊漁船と同じにモーターボートのほうも制度の発足が非常に立ちおくれまして、これからそういった方針で講習会、試験というようなものをやるわけでありまして、ことしの夏には極力間に合うようにやりたいと思います。
○田中(昭)委員 もう少しはっきり、よく聞こえないところがあったのですが、そういう問題、いわゆる法の盲点といいますか、実際の状態に合わないというか、まだそこまでいっていない状態というものがある、こういうものの取り締まりはどこがやるのですか。取り締まりというか、監視というのは。
○手塚政府委員 海洋に関しますところの海事法令違反の監視、取り締まりというたてまえにおきまして、海上保安庁がその職務をやりますが、ただ陸上の水上警察との関係もあります。あるいはまた地域公共団体との関係もございまして、場所ごとに、地域別にそれらとの連携、提携のもとにいろいろ取り締まりをやりますが、いま仰せのレジャーボート等の海浜等で行ないます問題、あるいはヨット等、特に外洋用のヨット等の取り締まり、こういうものについては海上保安庁で実施をいたしております。
○田中(昭)委員 海上保安庁としてそういう取り締まりをやって、実際の効果といいますか、遭難した場合の実例というものもあまり聞いておらないのですけれども、とにかくボートといえども十五馬力、何か聞くところによりますと、四十馬力もの馬力をつけたボートがあるということを聞いておりますが、そういうことになりますと、それが湾内、湾外も航行するわけでございますが、そういうことをいろいろ考えますと、私は、ここにレジャー用のボート、ヨット等も含めて、何かそれに対処する操縦資格といいますか、そういうものが必要ではないかと思うのです。いまある小型船舶操縦士の資格だけでは、いわゆる漏れる部分でございますが、それはどうでしょうか。
○佐原政府委員 そういった声もかなり起こってまいっておりますので、先ほど言いましたように、小型船舶操縦士よりも、むしろ自動車のドライバーの免許みたいな感覚で何か新しい制度を検討いたしたい、こう考えております。
○田中(昭)委員 それはいつやるのですか。 それともう一つ、小型船舶操縦士の資格をとるためのいわゆる講習時間、何かそういうものがあるそうですが、それはどうなっておりますか。
○佐原政府委員 小型船舶操縦士の場合、十日の講習期間になっております。
○田中(昭)委員 時間数は……。十日間ただ行けばいいのですか。
○佐原政府委員 時間で申しますと、席上課程が四十時間、実技三十時間、合わせまして七十時間、こういうことになっております。
○田中(昭)委員 大体前もって言うておったのだから、調べてあると思うのですが、えらい時間がかかりますね。 その七十時間は、何か聞くところによると、連続して七十時間の時間が必要だ、こういうように聞いておりますが、またそれに対して費用はどういうふうにかかるか。ということは、資格をとって商売をするような人は、それはそうまでしてでもとるかと思うのです。しかし、いま言うたような小型船舶でございますから、営業をやるわけじゃないで、そういう資格が要るということになれば、私は、そういう資格がとりやすいような状況にしなければならない、こう思うのです。その七十時間、実技三十時間、法規四十時間、これは断続的にとっていいのですか、それともずっと連続してとらなければいけないのですか。どっちですか。
○佐原政府委員 断続的でもかまわないそうであります。
○田中(昭)委員 では、その断続的でもいいということは、一年かかっても二年かかってもとれるということですね。それは確認しておきたいと思います。費用はどれくらいかかりますか、いままでとった人の実際の……。
○福井委員長 よく検討して答えてください。
○佐原政府委員 実は、遊漁船のほうのいわゆる一種のほうは、すでに講習会を指定して発足しておりますが、レジャーボートと申しますか、モーターボート関係は、これから指定が行なわれるわけでございます。料金その他もその指定の際にきめることになっております。まだ未定だそうでございます。
○田中(昭)委員 私は、小型船舶操縦士資格をとることをさっき聞いたのですよ。その前にレジャーボートについてお聞きしたわけで、レジャーボートについては、今後の問題として検討していくということでございますので、これが本論じゃありませんから……。 本論の最後になりますが、先ほど私が申し上げました、今度の改正で問題になった、いわゆる乙通の従事範囲拡大ということを考えてみました場合に、現在甲通の人、乙通の人がどういうふうな船にどういうふうに配乗をしておるかという問題をさっき聞いたわけですが、それを私、調べてみますと、数字がちょっと違いますが、私が調べたのでは、大体甲通の現職の人が三千五十二人いらっしゃる。それは千六百八十七隻の船に該当する、この船に乗っておるということになるのですが、これは間違いございませんか。
○佐原政府委員 私どもの調べでは、甲通と申しますか、一級通信士が内外航合わせまして二千九百三十名、船舶隻数は若干食い違いがございますが、千八百八十九隻、こういうことになっております。
○田中(昭)委員 そうすると、現在では千八百隻ぐらいの船に三千人近い人が乗っておる、こういうことですね。
○佐原政府委員 先ほど申しましたように、法律では一名でよいことになっておりますが、労働協約上は二名ということになっておりますので、もっとも全船舶ではございませんが、その程度の数になろうかと思います。
○田中(昭)委員 そうしますと、法定できめられた一名の場合もあり、二名の場合もあり、そういう資格を持った人たちの、いわゆる仕事に従事する範囲の中に、今度の改正で乙通の人がそこに補充される——補充されるということばはどうかと思いますけれども、そういうことになりますね。
○佐原政府委員 資格制度を改めるわけで、いま乗っておる人をおろせという意味ではございません。徐々に新船建造に伴って一級の需要がふえますので、あるいはそちらのほうに逐次シフトしていくということはあろうと思いますが、いま乗っております人をおろしてしまえという趣旨では決してございません。
○田中(昭)委員 それはおろせとは船員局のほうで言うわけにいかぬと思うのですよ。しかし、船主のほうとしては、そういうことが法律できめられれば、いわゆる甲通よりも乙通の人のほうが経費もかからないだろうし、その辺の現状の把握といいますか、現状に対する手当てというものは要らないのですか。
○佐原政府委員 先ほども申し上げましたが、労働協約でもって一方的に解雇はできないということにもなっておりますので、いまおる人が直ちに失業をするとか、被害を受けるということはないと思います。ただ、別の需要に対してその人が移っていった場合、そこに穴があくわけでございます。その穴を埋める場合には、従来は甲でなければならなかったのが、今度は乙でもよろしい、こういうことになるわけでございますので、順次乗りかえられていくかとは思いますが、いま直ちに急激な変化はあまり起こり得ないだろう、このように考えます。
○田中(昭)委員 そうしますと、乙通のほうはどうですか。私の調べでは、乙通の資格の人が現職で千二十八人、それで船が三百六十七隻、このように聞いておりますが、大体その数字くらいであれば、いわゆる乙通の人がいま現在でも近海一区で乗っておるわけですから、二区、三区のところの船に乗るということになりますと、乙通自体がものすごく需要に足らなくなるんじゃないか、需要に見合わないんじゃないか、こう思うのですが、どうですか。
○佐原政府委員 いま乗っている甲通が全部一度におりまして、全部乙通で埋めるということになりますと、先生おっしゃるようなことになると思います。現実にはそのようなことにならないと思います。私が申し上げましたように、徐々に乗りかえられていくであろう、このように思います。今度これからひろがる船が、先ほど何回も申し上げておりますように約四百隻ばかりございますので、四百名ばかりの乙通の需要が将来ふえるわけでございますが、その程度の二級の供給は十分できるものと、このように考えております。
○田中(昭)委員 現実の配乗状況については、いろいろ船の就航自体がまだ不明なところがあるようで、私も納得できないのですが、今度の改正の、先ほども問題になっておりますように、この船舶通信士に対しては、賛否両論が併記されておるということですね。これは大体当事者——当事者といいますと使用主、船主ですか、それと実際乗る通信士の方、この両方の当事者の立場を考えてみますと、どうしても船主の言い分をそのままとって、それで法改正がそのとおりに追縦してできており、もう一つの当事者の通信士のほうの言い分というものは無視されておるように私は思うのですが、これはいかがでございますか。
○佐原政府委員 先ほどから何回も申しますように、併記答申が出たあとで、運輸省は運輸省なりにいろいろ検討いたしまして、乙の資格でもって十分近海全域ができる、こういうふうに判断いたしまして法律改正をお願いしたわけでございますどちらの意見を一方的にとったということではございません。
○田中(昭)委員 最後に、そういう併記されておる問題を政府のほうでそのようにとらえて、今度の法律改正が実行に移されるということになりますと、いろいろな問題が起こってくるかもしれません。いろいろな混乱が予想されるわけです。その場合の責任といいますか、その場合に運輸省としてはどのような考えをもって当たられるのか、最後にお聞きしておきたいと思います。
○佐原政府委員 徐々に乗りかえが行なわれるというふうにわれわれは了解しておりますので、混乱は起こらないものという認識に立っております。
○田中(昭)委員 最後に、電波監理局のほうに一つお尋ねしたいのですが、この通信士の通信業務の中で、いわゆる船舶に無線をつける場合、無線局の新設検査、そういうものがあると聞いております。またその無線局で周波数を変えたりなんかする場合は、変更検査でございますか、そういうものがあるやに聞いておりますし、もう一つ定期検査というのもあると聞いております。いわゆる無線局の新設の検査と変更検査と定期検査、こういうふうにあると聞いておりますが、この三つの検査業務がはなはだスムーズにいっていない、このように聞いておりますが、どのようになっておりますか。
○藤木政府委員 お答え申し上げます。 先生がおっしゃいましたように、現在無線局の検査には、新しく無線局を設置した場合の新設検査、それから途中で無線局を変更したというような場合は変更検査、それから定期的に行なっております定期検査、三種類ございまして、私どもとしてはそれぞれ非常に重要な検査ということで、私どもとしては足りない人間、経費を非常に合理化いたしましてやっておりまして、現在では、特にスムーズにいっていないというふうには私ども思っていないわけでございますが、まあ完全ではないにしても、現在の状態では大体いいんじゃないか、そういうふうに考えております。
○田中(昭)委員 私、現場で聞いた話でございますけれども、船はどんどんこういうふうな需要が高まってきて、船が新造される。その場合に当然無線機械もつけるわけですが、その無線機械をつけた船に対して、いわゆる新設検査、まず最初の船としての効用をあらわすその船に対する検査は、現場のほうではなかなか検査に来てくれない。それどころか、定期検査だけでも手一ぱいで、定期検査に来ることだけでも容易でない、そういうような話を聞くのです。ということは、船ができても、九州の場合であれば熊本に監理局がございますが、何隻以上できなければ検査に来ない。こういう実情はどのように把握しておられますか。
○藤木政府委員 現在九州地区におきましては、四つの定期検査のための出張所というのがございまして、戸畑と串木野、長崎、油津、そういった船舶が多いようなところにつきましては、特に出張所を設けまして便宜をはかっているわけでございます。おっしゃいますように確かに手不足ということもございまして、船ができたときにすぐに来いといっても、ほかの検査との関係がございまして、スムーズにいかない点もあるやに聞いておりますけれども、私どもといたしましては、先ほども申し上げましたように、できるだけ検査の合理化、簡素化をはかりまして、できるだけ御迷惑にならないように定期検査を実施しておるつもりでございます。
○田中(昭)委員 以上で終わります。
○福井委員長 次回は、明十四日午前十時より理事会、午前十時三十分委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。 午後一時八分散会