運輸委員会 第4号
- 発言数
- 153 件
- 登壇者
- 14 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1971/02/16
会議録
○福井委員長 これより会議を開きます。 陸運、海運、航空及び日本国有鉄道の経営に関する件等につき調査を進めます。 質疑の通告がありますので、順次これを許します。斉藤正男君。
○斉藤(正)委員 私は、過日行なわれました大臣の施政方針演説に対し、若干の質問を行ないます。すでに予算委員会等におきまして、同僚議員からお尋ねも終わっておりますが、この際確認の意味も含め、かつまた、私どもの党が考えている考え方も述べながら、大臣の見解を伺わんとするものであります。 まず第一に、交通政策に取り組む基本姿勢について八項目ばかりありますので、お尋ねをいたします。大臣のほうから、まとめた御見解の発表があれば幸いであります。 一つは、総合交通政策を樹立する基本骨格に何を置くか。その交通政策がいろいろいわれておりますけれども、重点的な骨格というものはすでにきまっているはずであります。したがって、それらにどう肉づけをし、どう発展をさせるかということが課題だと思うわけでございますけれども、どのようにお考えでありましょうか。 二番目は、総合交通政策と新経済社会発展計画あるいは新全国総合開発計画との関係をどのように組み立てられておられるか。新経済社会発展計画なりあるいは新全総なりが個々ばらばらであってはならぬし、この中にまた総合交通政策が当然網の目のように、立体的に、科学的に、合理的に組み込まれていかなければならぬというように考えるわけでありますけれども、どのようにお考えでありましょうか。 三番目は、今度新たに自動車トン税なるものも創設されます。これはいろいろ議論のあったところでありますけれども、四十六年度については一般会計でいく、しかし、その後さらに検討をして目的税的な特別会計にされるというようなことも聞いておるわけでありますけれども、この自動車トン税と総合交通政策とはどのように関連をさせるようにお考えになっているのか。 四番目は、新幹線鉄道網との関係であります。私どもは、いわゆる新幹線法が提案をされたときに、まず背骨をつくって、そして肋骨をつくり、日本の産業なりあるいは国民生活の基幹の線にするということを承ったわけでありますけれども、特に総合交通政策との関連において、どのような位置づけをされようとしているのか。 六番目が、大都市交通網との関係であります。今日、過疎過密の問題はすでに言い尽くされている感がありますけれども、なお大都市交通網については、きわめて不十分だというように考えざるを得ませんけれども、いかがでございましょうか。 七番目は、地方交通との関係であります。総合交通政策に、いわゆる過疎地域を含めた地方交通をどうするのかということも緊急の課題であります。具体的にお答えをいただきたい。 八番目に、陸海空の交通の体系の一貫輸送の問題があると思いますが、それぞれ特性を持ち、それぞれの分野で発展をしていくのはけっこうでありますけれども、運輸行政として、この陸海空の一貫輸送をどのようにお考えになっておるのか。 以上、八点にわたって、簡潔でけっこうでございますので、それぞれの関係を明らかにしつつ大臣の見解を伺いたいと思います。
○橋本国務大臣 御質問、多岐にわたっておりますので、あるいは十分にお答えができないかもしれませんが、不足いたします点は、関係政府委員から答弁させることにいたします。 第一の、総合交通体系の中のいわゆる重点的骨格といいますか、そういうものは何を考えておるかというような御質問だと思いますが、問題は、総合交通体系とは何だ、こういうことがまず第一であります。また、総合交通体系の必要なバックグラウンドとは何かということが、第二の問題だと考えます。 御承知のように、新全総におきましては、昭和六十年度を目途として、百三十兆から百五十兆円のいわゆる国民総生産に達するであろう。しかし他の検討によりますれば、二百兆円をはるかにこえるであろう、こういう見解を持っております。一応政府が考えておる新全総のたてまえから考えましても、昭和六十年の時点においては、旅客において大体三倍、貨物において四倍の流通量になるであろう。これは四十年を基準にしての考え方であります。 そういう点から考えますと、現在の交通体系ではこれらの円満な流通措置が困難である。そこで、これらの流通体系をいかにして円満ならしめるかという意味において、まず第一に総合交通体系が必要である。その総合交通体系の中の重要なるものは、一つは軌道である。すなわち鉄道であります。もう一つは、いわゆる港湾関係、内港海運であります。もう一つは道路、この三つが主たる問題になろうと思います。もちろん、これ以外に飛行機等も重要な役割りを果たすことは言をまちません。 そこで、現在の日本の国土の事情から考えまして、自動車によるところの道路輸送というものにある程度の限界がある。もちろん、いま幹線自動車道等を積極的に進めてまいっておりますけれども、これをもってしても限界があるということが一つ。もう一つは、それぞれによって機能別のいわゆる作用がある。道路は、九州から北海道まで長距離を輸送することはもちろん考えてはおらない。あるいは短距離におきましても、列車、貨物等で短距離を考えるということも、これは考えから除かなければなりません。したがって、道路の持つ役割りは、すなわち長距離ではなくして、短距離及び中距離ということにならざるを得ないと思います。鉄道のほうは、当然これは中距離及び長距離が一つの問題になる。これらを組み合わせる一つの手段として、内港海運というものが、カーフェリー等の発達によってこれらの機能を十分に助ける、こういう一つの見解を持っております。 日本のこのような流通体系における社会資本の投下は、ヨーロッパ等とは事情が違いまして、ヨーロッパ等は早くから道路の整備が進められております。日本は、ここ十年前後の間に急激に進んでまいりましたが、ヨーロッパにおいては、すでに百年の歴史を持っておる。この意味においては道路の整備は、日本よりは非常に早かったということが一つの事実であります。したがって、今日におきましては、比較的にヨーロッパにおいてはある程度バランスのとれた輸送体系ができておる。しかし、一方においては、鉄道の輸送というものについては、一応苦しい状態に入ってまいりましたが、また最近ヨーロッパにおいては、鉄道の輸送の活用が考えられておるのであります。 日本におきましては、ただいま申しましたように、道路というものの発達が非常におくれておった。ただ、それに対して鉄道が比較的に早目に進められておりまして、したがって、現在国有鉄道は全国で二万一千キロのキロ数を持っております。しかしながら、ただいま申しましたような昭和六十年度の時点においては、旅客において三倍、貨物において四倍というものをいかなる交通機関に配分するかということが、総合交通体系における一つの位置づけであります。 そういう意味におきまして、旅客は、御承知のように新幹線鉄道網という法律が、皆さんの御協賛を得てできまして、これが将来、いわゆる日本の中長距離の旅客の主たる役割を果たすことになるのではなかろうか。もちろん長距離においては、飛行機もまた役割りをつとめるわけでありますが、量的にいえば、鉄道がこの主役をつとめることになるであろうと考えております。 そういう観点から、いわゆる総合交通体系を運輸省においても目下検討中でありますが、なお政府におきましてもそれらをひっくるめて、今年の秋までには総合交通体系をきめていきたい、かような方針で進めてまいっておることは御承知のとおりであります。 第三になりましょうか、いわゆるトン税といいましょうか、重量税の問題ですが、御承知のように、いまこれらの仕事を積極的に進めてまいりますためには、その財源が現在の状態では非常に不足いたしております。そこで、自動車に対する重量税をかけるということが、これは道路の側であるからして、道路のほうに回すべきではないかという御意見もございますが、実は道路を使う人も一般不特定多数でありますが、同時にまた鉄道等を使うのも、これは国民の不特定多数が使うわけでありまして、一方において道路で動きがとれない場合、当然中距離、長距離は汽車を使うということになれば、自動車を利用する人が総合的に交通を利用するというたてまえから、必ずしも道路のみに使うという考え方でもどうかということからして、運輸省では、この前の四十六年度の予算の編成にあたっては、そのような考え方をもって大蔵省といろいろ話をいたしましたが、結果的には、大蔵省としてはこのような、いわゆる目的税的な問題とは考えずに、昭和四十六年度におきましては、とにかく新しい一般財源としてこれを受ける、そして一般会計のうちから、鉄道あるいは道路等に金を分けるというたてまえをとっております。ただし、この問題も四十六年中においては将来の方向をあらためて決定しようという考え方でおりますので、必ずしも直ちにこれが目的税である、政府はこういう考え方でないわけであります。 こういうような観点から、いわゆる自動車重量税という問題を考えておりまするが、確定的な方針はいずれ政府において——目下運輸省も参画いたしておりまするが、経済企画庁を中心にして、この方針を確定しようという検討の段階であります。 大都市交通の問題でありますが、大都市交通の問題につきましては、御承知のように、大都市交通というものは非常に現在窮屈な状態になっております。大体において、ラッシュ時においては一二〇から二三〇くらいの乗客のバランスでありますので、何としても大都市交通というものは、なお今後積極的に開発をしていかなければならぬ。 しかしながら、なかなか大都市交通をつくる場合においては非常な投下資本を必要といたしますので、そこで昨年、四十五年度から地下鉄に対しましては、政府及び地方公共団体が建設費の一部に対して助成をするという方針をとってまいっておりますが、この方針はもっと拡大をして、そこでいわゆる投下資本に対する国の割合といいましうか、国及び地方公共団体の持つ割合を、必ずしも地下鉄だけでなくて、他にも考えていくべきではなかろうか。これも考えております。しかしながら、これは政府の全体的な決定意見ではありません。運輸省といたしましてはこのような考え方をもっていわゆる将来に善処していきたい、こう考えておる次第であります。 総合交通体系の中の新幹線の位置づけでありますが、最初ちょっと申し上げましたように、新幹線は、せんだって御承知のように基本計画を決定いたし達して、な寿整備計画を一部決定いたしました。ただ、私個人の考え方からするなれば、総合交通政策といいますか、その体系からいうなれば、いわゆる骨格中の骨格だけはきめておきたい、こういう考え方であったわけでありますが、しかしながら予算上の問題もあり、かつまた、総合交通体系を明確にした上からでもおそくはないじゃないかという意見もあり、そこである意味に驚いては不十分ではありますけれども、せんだって整備計画等を決定いたしましたのは、いわゆる上越新幹線と東北新幹線の盛岡まで及び成田新幹線というだけにとどまっております。しかしながら、これは全体の構想の上からいうならば不十分であります。そういう意味においては、やはり総合交通体系が明確になり次第、骨格中の骨格だけはきめておくべきものであろう、こう考えております。 新幹線は、その意味においては、いわゆる総合交通体系の中の、旅客に関しては中心的な存在になるであろう。この新幹線が整備されるに従って、在来線はいわゆる貨物線としてその中心に考えていきたい。同時にまた、何といいましょうか、通勤線の役割りも、結局は在来線がつとめていくということになろうと思います。 大体大ざっぱに申しますならば、いま申しましたのが大体の方針である、かように御理解願いたいと思います。
○斉藤(正)委員 答弁がたいへん長かったりあるいは間引いたりということで、不十分でありますが、これを要するに、承っておりますと、総合と口ではたいへん言うけれども、中身はばらばらであって一貫性がない、思いつきの点が非常に多いのではないかというようにしか私は考えられないわけであります。 そこで、提案めいたことを申し上げて大臣の見解を伺いたいわけでありますけれども、運輸省というのはいわゆるプランメーカーになって、政策を立案し金を出すというだけでいいのではないか実践部隊というものは、交通省といったようなものを新たに設けて、実際の仕事は、具体的にそうしたものにやらせるというような方向をとらないと、運輸省がプランもつくる、そうして金も取る、そうして実施もするというようなことでは、いわゆる総合交通体系などというものはできるものではないというように考えるわけでありますけれども、大臣、いかがでございますか。
○橋本国務大臣 一つの考え方とは思います。しかし、それには運輸省が現在所管しておる鉄道、港湾だけ、飛行機だけではなくて、道路まで持ってこないと総合交通にはならない。そうなると、やはり総合企画庁といいますか、そういうものがあって、そこであとは実施部隊という考え方はあろうと思います。西ドイツにおいては、何か道路もその所管の中に入っておるようであります。 いまのところ、それだけの大改革をやるような考え方も、まだなかなかないようでありまして、一つの考え方としてはけっこうではありまするが、しかし実際的には、今回の運輸政策審議会に建設省の人にも参画をしてもらって道路関係の意見も反映させる、かようなことで、総合交通体系もその建設省関係の人が参画した運輸政策審議会で答申をきめていただく、かようにいたしておるわけであります。
○斉藤(正)委員 次は、国鉄再建計画の具体的な方策について、大臣、あるいは鉄監局長、あるいは国鉄総裁に伺いたいと思うわけであります。 現行の国鉄再建計画につきましては、その成立過程と現状、それぞれ十分御理解をいただいておるところである。いずれにいたしましても、当初の再建計画が直ちに破綻をし、、その後考え直したことも次々に破綻をしておることは御承知のとおりだと思いますが、そのように把握してよろしいかどうか。 二番目に、先ほどもお話がありましたけれども、新幹線鉄道網計画と再建計画は一体、源を一にしておるのか、あるいは再建計画は再建計画、新幹線は新幹線ということなのか、きわめて政治的な路線になりはしないかということを申し上げたいわけであります。先ほども大臣からお話がありましたけれども、私どもは、まず札幌から鹿児島まで、これが背骨だというように聞いておった。ところが、発表された路線は、田中上越新幹線、鈴木東北新幹線、水田成田新幹線、自民党の三役がそれぞれ出身地を中心としてお考えになったということは、ちまたのいまや定説になっている。こういうことになって、鹿児島に通ずる新幹線などは全くあと回しにされてしまっておるというようなことを聞くと、まさに政治路線だといわざるを得ない。 また、きのうも予算委員会で問題になりましたけれども、例の国鉄吾妻線の福田駅、中曽根駅、これらの問題も、これはたいへんな問題だと思うのであります。私はここで、小さなことのようになりますけれども、この吾妻線建設の当初、この福田駅、中曽根駅は計画にあったのかなかったのかということだけを国鉄当局に聞いて、深追いはいたしません。 次に、国鉄分割構想並びに赤字線廃止問題についてでありますけれども、これは大蔵省なり自治省との板ばさみにあって、運輸省がさっぱり結論を出せない。国鉄もまた右顧左べんをし、気持ちの半分も発表していないというようにしか思えないのでありますけれども、そのような事実はあるのかないのか。あるにきまっていると思うのですけれども、いかがでございましょうか。 さらに、国鉄合理化対策の中で、合理化、合理化と言っていますけれども、ずいぶん非合理なことが多い。特に、国鉄全労働者の労働条件の悪さといったようなものは——過日の東北線における酔っぱらい事故、ああいうものがどうして一体生まれたのか。途中でずいぶん乗務員についてはチェックする機関もあるでございましょう。あるいは、酔っぱらいが悪いことはもう当然のことでありますけれども、不治の病にかかることもあるしあるいはあやまちもすることもあるというようなことを考えますれば、その安全装置なり、あるいは乗務員の数なり、あるいは緊急のときの措置なりというようなものがきわめて不完全であって、私どもは国鉄へ枕を高くして乗ることができない。どういう機関士が乗っておられるのか、あるいはどういう安全装置があるのか、全く不安でならないわけでありますけれども、これらが、いわゆる合理化という名のもとに、国鉄労働者に対する勤務の過重だとか、あるいは不合理だとかいうようなものがあってのことではないのかということでその見解を承りたいと思うわけであります。 さらに、いわゆる三K問題というので、米、健保、国鉄といったようものがいわれましたけれども、御承知のように、米にいたしましても五千億の金を使っているのです。国民一人当たりに五千円ですよ。あるいは健保についても、いたずらに患者にしわ寄せをして、かなり大幅な改悪が行なわれている。国鉄は、たいへんだ、たいへんだと言っておっても、具体的には国民が期待したような結果に、予算の面でも、政策の面でもなっていないということを考えましたときに、このようなことを続けておれば、政治路線は相変わらず伝染病のごとく蔓延をし、しかも、それは必ず赤字を生んでいくものだというようなことを考えれば、端的に言って、再建の日はいつ来るのか、ますますどろ沼の深みにはまっていくに違いないというように思うのでありますけれども、それぞれ関係者から御見解を承りたい。
○橋本国務大臣 国鉄の再建問題はなかなかたいへんでありまして、御承知のように、昭和四十四年に再建方針の閣議決定を経たわけでありますけれども、いろいろな事情がありまして、なかなかそのとおりにまいりません。 詳しく申しておる時間はございませんから除きますが、根本問題としては、要するに国鉄料金もしくはバス料金のような、いわゆる大衆の必須交通機関というものに対しては、料金をある程度国の政策によって抑制されておる。かかっただけ料金を取り上げるということができない。そうなりますというと、ある程度国の政策として、ある一定の料金にこれを押えていくというのであれば、安い鉄道を提供する、安いバス路線を提供するということにならざるを得ないわけであります。これはヨーロッパ各国でやっておるわけであります。日本は従来独立採算制という原則で、そこで国の財政資金が非常に少なかった。従来に比べれば、本年は画期的な国の一般会計から繰り入れをいたしたわけでありますが、これだってもちろん不十分であります。 したがって、私個人の見解から言うなれば、将来やはり、国鉄なりこのような国民の大衆必須機関に対しては、建設資金に対して国がどのくらい持ってやるかということがまず第一の要件であります。そのときには、もちろん国鉄自身の近代化、合理化ということも、当然これは必要であります。しかし、他のいわゆる工業とは違いまして、こういう交通機関の合理化にも限度があります。何もかも無線操縦で鉄道を動かすというわけにはまいりませんので、したがって合理化にも限度がある。したがいまして、合理化、近代化だけで国鉄の再建ができるかといえば、それはできない。当然国がある程度建設資金に対してめんどうを見てやるかどうかということが大きな問題になります。 たとえば、いまから十年前の昭和三十五年の状況を見ますと、三十五年における利払い、いわゆる収入に対する利子の割合は大体六%前後であります。それが昭和四十五年、ことし四十五年度の推定をもってしますと、それが一四%半ぐらいになっております。こういう利払いをしたということは、建設資金に膨大な金がかかってきたわけでありますから、ある程度料金を国が抑制していくという方針であるならば、国会も同様でありますが、そういうことになるのであるならば、やはり建設資金に対してどれくらい国が持てば、大体利払いとして五%ないし六%のもので済むかどうかという問題が出てくるわけであります。こういう根本問題を抜きにして、そこでいろいろな議論をしてみたところではじまらないと私は思うのです。こんなことを言うと、あるいは政府の諸君にしかられるかもしれない、大蔵大臣あたりからしかられるかもしれないが、私は運輸大臣でありますから、国鉄はかわいいし、運輸省はかわいいものでありますから、私はその方針で昨年から大いに健闘をしてまいったわけでありますが、なかなか私の方針が完全には貫くことができなかった点は、まことに微力のいたすところで申しわけないと思います。 しかし、四十六年度予算の編成にあたって、私が最後の最後までねばって、そうして六。五%を五。五%まで引き下げたということは画期的な成功であろう。あれで鉄のとびらの一部を切りくずすことができた。そして昭和四十六年度は、これから始まる国鉄の根本再建を実行に移してまいりたい、かように考えておる次第であります。 一応基本的な問題を申し述べて、その他の問題は関係者から答弁させることにいたします。
○磯崎説明員 御答弁申し上げます。 過般の二月十一日におきます東北線の事故につきまして、いろいろ原因もございますが、すべてこれ私、総裁としての不徳のいたすところでございまして、この席を拝借いたしまして深くおわびを申し上げます。 ただいまの御質問、三点ぐらいございますが、一つの、まあ分割論ということばを使われましたけれども、私どもは、分けてしまうというような意味の分割論でなくて、企業としてやり得る分が約一万キロ、これはどう考えても一企業として成り立たないというものが一万一千キロぐらいございます。企業として成り立つ分の一万キロ、このうちの約七割は赤字線でございます。しかし、これは何としても一企業として独立採算でやっていきたい。企業としてやれないもの一万一千キロ、これは鉄道としての使命の終わったものもございますし、また地方的にどうしても必要なものもある。その他まだ、いわゆるソシアルミニマムとしてぜひ国鉄が運転しなければならないものもございます。三種類ぐらいございますけれども、それからよって生ずる経営上の損失というものは、これはどうしても税金でめんどうを見ていただく以外にやっていけない。運賃に負担させるわけにいかない。現にここ数年の実績を見ましても、その一万一千キロにつきましては、運賃を上げても実は収入がふえないというような状況でございます。これにつきましては、大臣にもお願いいたしまして、何とか国あるいは地方財政からめんどうを見ていただきたい。それでなければ、国鉄の利用者のみに負担をかけることはできないということが非常にはっきりしてまいりました。これは私どもとしては、ぜひことしの総合交通体系の中で、道路の問題その他と総合的に考えた上で検討していただきたいというのが一番大きな問題でございます。 とかく総合交通体系と申しますと、将来のビジョン的なものが出てまいります。先般予算委員会で久保委員が青い鳥とおっしゃいましたけれども、まさに青い鳥的な面も確かにございます。だから、そういう問題ばかりに話がいってしまって、現実の、焼き鳥的な存在とおっしゃいましたが、そういうものについてどうするかということについても、私どもとしては総合交通体系としていろいろ検討してもらいたいということを思っております。したがいまして、私どもといたしましては、企業として成り立つ面、どうしてもやっていけない面、この二つをはっきり計算的に分けまして、そうしてやっていけない面については、ぜひ国なり地方の御援助をいただきたいというのが私どもの希望でございます。 それから吾妻線の問題でございます。きのうも御答弁申し上げましたけれども、これは昭和四十一年に大臣の御認可をいただきましたときには、たしか羽根尾という駅、それまらいま万座鹿沢口という名前に変えましたが、万座鹿沢口、それから終点の大前、この三つは、主として運転上の取り扱いがございますので、あらかじめ大臣の承認を得るときに、こういう駅をつくってこういうふうな配線図をいたしますという承認をいただいております。その後、四十一年以降現地からのいろいろな話もこれあり、また貨物駅の移転等に伴ういろいろな財政的な問題もございまして二駅を追加いたしました。これは建設公団と私どもで相談いたしたことでございまして、いわゆる無人駅として二駅を追加いたしました。 それから最後に、東北線の事故にからみましていろいろな機械装置の問題でございますが、私どもといたしましては、現在の技術の範囲内でできるだけのことはして乗務員を減らしたつもりでございますが、なおその後の乗務員同士の連携その他について欠ける点があったことは非常に申しわけなく、実は昨日も全国の管理局長を緊急に招集 いたしまして、具体的にいろいろ指示を与え、今後二度とこういうことのないように、全力をあげて事故防止に邁進いたしたいというふうに思っておる次第でございます。
○山口(真)政府委員 ただいまの大臣、総裁の答弁の抜けております再建計画と新幹線鉄道の関係並びに新幹線鉄道整備のいきさつでございますがこれは先生御承知のとおり、現在実施中の国鉄財政再建計画では、山陽新幹線の建設の工事資金というものを一応考慮に入れましてその内容が含まれておりますが、その他の新幹線につきましては、工事の内容としては含まれておりません。その他の新幹線につきましては、この国鉄財政の現状等を考えまして、国鉄財政に支障を生じないようなことで建設をする必要があろうかと思うわけでございます。 そこで、新幹線の整備の経緯でございますが、先般鉄道建設審議会の答申を得まして基本計画を決定し、さらに鉄道建設審議会の答申を得まして整備計画を決定いたしまして、その三線を基本計画として定め、また整備計画として建設すべきものとして指定するという答申があったわけでございます。これが実は建設審議会の審議の中身でございますが、建設審議会といたしましては、当時対象路線に関しまする旅客の輸送需要の見通しだとか、それから当該線区に関連いたしまする現在線の輸送力というものの限界がいつ来るかというような問題、それから新幹線を建設いたしました場合の新幹線の旅客輸送需要の見通し、それからさらに経済効果といたしまして、これによるところの付加価値額が将来どうなるかということ、さらに投資効率だとか、所要時間の短縮の効果というようなこと、それから新幹線の収支というようなものを検討いたしまして、この三線を建設すべきことが適当であるということの御答申があり、そうして運輸大臣からその建設を指示した、こういういきさつでございます。
○斉藤(正)委員 時間がありませんので、航空行政、大都市交通網の整備、パイプライン等々についても伺おうと思いましたけれども、次回に譲ります。 ここで大規模観光レクリエーションについてちょっと伺っておきたいのですが、建設、厚生、運輸それぞれ関係がございますけれども、どうも運輸省が一番さぼっている、なまけているというふうにしか考えられないわけであります。たとえば昨年かと思いますが、ある海洋レクリエーション業者が、運輸省の役人と建設省の役人をアメリカへ行ってもらった。建設省は国費で行ったけれども、運輸省の役人は企業の金で行ったはずです。ところが、帰ってきて建設省は、その外遊の資料を生かしてずいぶんいろいろ立案をしたけれども、運輸省の役人はどこかに転勤してしまって、ナシのつぶてだというような実例があるのです。それはそれとして、やはりもう少し積極的に取り組むべきだというように思うが、いかがでございましょうか。 それから港湾行政、海運行政についても伺いたいわけですが、外務省の方においでいただいておるのですが、コンテナ条約が今国会で審議をされます。このコンテナ条約の内容について、私はここで伺おうとは思いませんが、このコンテナ条約が批准された場合に、一体国内貨物の輸送について運輸省はどのようにお考えになっておるのか、あるいは輸出貨物にどのような影響があるのか、どのようにお考えになっているのか、一つだけ伺いたい。 次に陸運行政、特に自動車行政について伺いたいわけであります。たくさんありますが、時間がありませんので一つだけ聞いておきます。 スピードの取り締まりにつきましては、今日かなり徹底をし、取り締まりと指導が行なわれております。しかし、過重積み荷については全く野放しの状況にあって、悲惨な事故の発生原因が、トラックあるいはダンプあるいはレミコン車の過重積み荷にあるというように考えております。そこで一つ伺いたいのでありますけれども、大体トラックでもダンプでもレミコンでも、制限積載量の倍は積めますよというのがメーカー、ディーラーの売り込み宣伝。使用者もまた、制限トン数はしかじかだけれども、倍積んで走れというのが常識。これを運輸省も警察当局も取り締まっていない。これが大きな事故の発生原因になっている。過日、箱根新道で、十一トン車のトラックが二十二トンの鋼材を積んでブレーキがきかなかった。危うく車はとめたけれども、積み荷が運転台を圧迫して二人が即死をしたというような例がある。また町を走っているレミコン車は、大体三立米ないしは三・二立米が積載最大限であるのに、倍も積んで走っているのが実情であります。私はここにその実例を持っておりますけれども、運転手が、これは倍積んでいるのでブレーキがききませんよという看板をつけて走っている。にもかかわらず、取り締まり当局は見て見ぬふりをしておったり、取り締まらない。一体これはどういうことなんですか。 私はここで一つ提案をいたしますけれども、例のダンプ規制法のときに自重計とランプをつけることにした。あのランプは、前からは見えるけれども左右からは見えないようなカバーをかけて走っている。また自重計のごときも、直ちにつぶれてしまって何の役にも立っていない。今日、あるメーカーの発想によって、やはり積み荷をオーバーしておればランプがつくというような計器もすでに開発されておる。しかし、依然として何ら取り締まりがないというようなことは、全くもってけしからぬと思うのでありますけれども、こういう問題に対する見解を、関係者からそれぞれ伺いたい。
○住田政府委員 お答えいたします。 運輸省といたしましては、最近の国民的な観光レクリエーションの需要に即応いたしまして、昭和四十五年度におきましては、全国の適地調査及びモデルプラン策定調査の調査費用をいただいたわけであります。これに基づきまして実質的な調査を実施いたしまして、かつまた今度の昭和四十六年度の予算におきましては、全国的な整備基本方針を策定する調査費をいただいており益す。同時に具体的には、緊急性の高い千葉県の九十九里地区につきまして、現在、自然条件なりあるいはそういった採算規模についての詳細な調査を実施しておるという段階でございます。 なお、建設省とは十分に連絡いたしまして、そういった事務的な重複を避けるようにいろいろ努力いたしておる段階でございます。
○野村政府委員 ただいま先生のお話のように、いわゆるダンプ規制法の中におきまして、大型ダンプ等につきましては自重計を装着しなければならないということは御指摘のとおりでございます。現状におきましては、積むべきトン数をこえて、その倍近くの荷物を運んでいるトラックがあることも御指摘のとおりでございまして、私どもとしましても警察当局等に、街頭取り締まりの強化をお願いしておるわけでございますが、残念ながらその目的を十分達していないわけでございます。 そこで、ただいま先生の御指摘の件でございますが、問題は、自重計に正確なものが残念ながらなかなかない。したがいまして、せっかく自重計をつけておりましても、これは省令にもございますように、これにかなりの誤差がありまして、必ずしもこれが有効に十分働いていないということは御指摘のとおりでございます。したがいまして、私どもとしましては、十分この問題を関係の技術者に研究をしてもらいまして、自重計の精度を向上させるということに、今後さらに努力をしたいと思いますとともに、もしこれの精度が向上いたしますれば、先生の御指摘のように、 たとえばランプ等によってこれを正確に表示するということができるかと思いますが、先生の御指摘の点につきましては、事故防止の観点から最も重要なことであると思いますので、これは有効な、正確な自重計が開発されて装着できるように、私どもとしても鋭意努力をしたいと思っております。
○鈴木(珊)政府委員 コンテナに関しまする通関の二条約という件につきまして、これに日本が加入いたします効果につきましてどうかという御質問でございます。 これにつきましては二つの条約がございまして、一つのほうにつきましては、コンテナバンが日本の港に入りますと、そのまま陸地に入る場合に、コンテナバンそのものにつきましては、三月以内に日本に入ってまた出ていくということでありますれば、免税あるいは通関手続が免除されるということで、非常に効率化がはかられるという趣旨でございます。 それからまた、逆にこちらの日本のコンテナがたとえば欧州に参った場合に、欧州の港からまた陸地に入る場合も同じようなことでありまして、効率的に一貫運送されるという点が効果でございます。 それから、もう一つの条約でございますが、これは特定の政府なりあるいは団体が証明書を発行いたしまして、それを付したコンテナパンの場合には、これがたとえば海路参りまして、A、B、Cの三つの国の陸地を通過する場合に、そのまん中のBの国を通過する場合には、全く通関という措置を省略いたしまして、AからB、Cへ行けるという趣旨の条約でございます。したがいまして、今度日本のコンテナ船が本年の末ごろから欧州航路を開始いたしますが、そういう場合に、日本からの輸出品を積みましたコンテナが、たとえば欧州のある港に入る、それから陸地に入るという場合におきましても、そういった点について非常に簡略な手続が適用されますので、要するに、国内におきましてもまた外国におきましても、その面で海陸一貫輸送が非常に有効に迅速に効果を発揮するということで期待されるという次第でございます。 以上でございます。
○池田説明員 過積載の自動車が非常に危険をはらんでおりますことは、御指摘のとおりでございます。昨年、過積載を直接の原因といたしまして起こしました事故は、私どものほうでは大体八百三十件ぐらいあろうかというふうに思っております。直接の原因にはなりませんでも、間接的に非常に危険をはらんでいることは御指摘のとおりでございますので、これに対しまする取り締まりにつきましても重点を置いておりまして、昨年度で十三万六千件ほどの検挙をいたしております。一昨年に比べますと、一昨年が大体十万件ほどでございますから、取り締まりを強化しているわけでございますが、今後も引き続きましてこういった体制に臨んでまいりたいというふうに考えております。 なお、御指摘のブレーキのきかない車につきましては、整備不良車両ということで、これも街頭で昨年度大体六万七千件ほど検挙いたしておりますが、今後ともこの取り締まりを続けてまいるようにいたしたい、かように考えております。
○斉藤(正)委員 時間が過ぎておりますので、提案を申し上げますから、大臣、検討してください。 いまの過積みのものは、レミコン車の例をとれば、大体普通は三・二立米、七千六百八十キロ、七。六八トンが定量なんです。ところが、ここに伝票を持っておりますけれども、ほとんどの伝票が、レミコン車、レミコンを積んで走る車は六立米積んでいるんですよ。そうすると一万四千四百キロ、十四・四トンになるのです。約倍です。こんなばかなことをしていますので、運転手が、私は過積みをしていますということを申告したら、自由申告ですので、その運転手はえらいですから、いま点数制度ですね、点数を二点なり三点くれてやるというように、道路交通法を改正したらいかがですか。 それから大臣、せめて高速道路のインターチェンジのゲートに、一つの口だけでけっこうですから、トラックが乗れば、レミコン車が乗れば、ダンプが乗れば計量できるような装置を至急におやりになったらどうです。いまゲートは三つも四つもあるのです。一つや二つはいつもあいているのです。そこを応急に設備をして、三つの車が乗ればちゃんと出るというようなことはいと簡単ですよ。そんなに頭も金も要ることじゃない。警察庁と大臣の見解を伺って終わります。
○橋本国務大臣 たいへん示唆に富む提案でありますから、前向きでもって検討したいと思います。 なお、これは所管は警察のほうの問題になりますので、十分打ち合わせをしてやってまいりたいと思います。
○池田説明員 過積みの点につきましては、実は昨年道路交通法の改正をお願いいたしまして、安全運転管理者等の使用者の下命、容認の場合には罰則を強化さしていただいたわけでございます。この運用を十分に期してまいりたいと思います。 なお、高速道路につきましては、現在公団のほうと打ち合わせをいたしまして、できるところにはそういうことで重量計を置くように努力してまいりたい、こういうように考えております。
○福井委員長 次に松本忠助君。
○松本(忠)委員 大臣の所信表明について、見解をいろいろとお尋ねいたしたいわけでございます。 大臣が先般述べられました所信表明の中で、第一番目にあげられてあるのが、総合交通体系の確立という問題でございます。この問題について、大臣が真剣に取り組んでいらっしゃることはわかりますし、いま同僚議員からもいろいろと質問がありました。この点を重ねて聞く必要もございませんので、私は割愛いたしますが、大臣がいま同僚議員の質問に答えられまして、本年の秋完成をするというようなことを述べられましたが、秋とは、一体具体的にいって九月なのか十月なのか、その辺のところをひとつはっきりお教え願いたいと思うわけであります。
○橋本国務大臣 昭和四十七年度の予算に一部分を反映いたしたいと考えておりますので、できれば八月中に大体の方針を決定したい、かように考えております。
○松本(忠)委員 大臣のお答えは八月末ということでありますな。四十七年度の予算をきめるのに各省からの要求が出るその時点において、根本的な総合交通体系ができていなければ、四十七年度の予算を組めない、こういうふうに私も思いますので、当然のことだろうと思うわけであります。 そこで、いろいろと総合交通体系の問題も伺いたいのでありますが、国鉄の財政再建の問題でございます。国鉄の財政再建につきましては、いろいろと議論もございましょう。しかし、来年度の予算、四十六年度の予算の決定の線について、私いろいろと疑問に感ずる点がございますので、その点を伺ってみたいわけであります。 四十六年度の予算につきましては、いわゆる償却前の赤字が八百六十四億出るということは、昨年の夏ごろはもうそういう線がはっきりと出ておったわけでございます。ここにも国鉄からいただきました資料がございますが、四十五年十月の四十六年度予算の見通し、この面におきましても、償却前の赤字が八百六十四億ということが出ておりました。またこれを裏づけますいろいろな資料がございますが、特に、日本国有鉄道諮問委員会のほうで四十五年十二月二十一日、この日に出しておりますところの「国鉄の経営をいかにすべきか」という意見書、この中にも、償却前の赤字は八百六十四億という一つの見通しが立っております。なお、この末尾のほうには減価償却が二千百十九億、償却後の損益がマイナス二千九百八十三億、累積の赤字が九千九十八億というような一つの見通しが立っているわけでございます。 このようなものが、ずっと秋まで、しかも十二月の三十日の日まではこういう状態でなかったかと思うわけでございますが、一夜にして、しかも五時間ばかりにしまして、これがもうでんぐり返ってしまった。数字の魔術が行なわれました。そのいきさつが私はほんとうに不審にたえないわけでございます。その数字の魔術であのような八百六十四億という赤字が、もうほんとうにわずかの時間の間に消えてしまった。これは私どもがどう考えましてもわからないのでありますが、あそこで収入の見積もりを非常に、過大ということばを使ってはいけないかもしれませんけれども、収入見積もりもたいへん高く見積もられているようでございます。要するに、収入、支出ともに一兆二千五百二十七億という、そういう数字になりました。実際、四十六年度の国鉄の収入が、去年の万博のあったときの収入を上回るところのものをほんとうに目込めるかどうか。また、貨物は漸減傾向にあるわけでございますが、この漸減傾向にあるところの貨物の収入も、見積もりの点では多くなっているわけです。 こういうふうな点を考えまして、今年の予算の設定につきまして私は非常に疑問を抱くわけでございますが、この点について大臣からひとつお答えを願いたいと思うわけであります。
○橋本国務大臣 これは、事業体の場合は往々にしてあるのですが、たとえば電電公社の予算をつくる場合、あるいは郵政省の予算をつくる場合に事業官庁のほうからは、増収に対してこれくらいほかできないという見解に対して、これが大蔵当局と予算折衝の際に、いろいろの検討を重ねた結果、この辺まではできるのじゃないかというような話し合いで、いわゆる増収額が見込まれる場合があります。 国鉄の場合は、なるほど国鉄から出しました原案に比較して、相当数量の金額が増収に見積もられておりますけれども、しかし、国鉄全体の一兆円以上の収入の上から見れば、五、六十億の増収、企業努力によってこの程度のものをふやすことは必ずしも不可能ではない。これは大蔵当局と予算の折衝になりますと、そういう問題があります。まあ大蔵当局から見れば、やはりできるだけ企業努力もやってもらいたい。もちろん国鉄も、企業努力を重ねた上で、この程度という原案を示すわけでありますけれども、そういう点において、結果においては、国鉄当局と大蔵当局及び運輸省を含めまして、そこで話し合った上、この程度ならばそう無理じゃなかろう、架空の数字ではないという合意に達して増収額を引き上げた。 それからもう一つは、不要財産の処分問題ですが、不要財産というものをこの年度内にはたしてどれだけのものを見込めるかどうかという問題はあります。しかしながら、これも不要財産があるのでありますからして、それを年度内でどれだけ処分するかどうか。過去の経験によって、なかなか売れないという事実もあります。ありますけれども、現在の土地需要の旺盛な状態から見て、そういうものをある程度ふやしてこれを年度内に処分するということも、これは見解の相違はありますけれども、この点もお互いに話し合いがついたという点であります。 それから、物件費の節約が今年度やはり増額されております。これもお互いの話し合いの結果でありまして、必ずしも粉飾的なものの考え方でやったわけではありません。 そこで、そういうような基礎的な数字を整理しまして、その上に立って、今度はどうしていわゆる償却前赤字を埋めるか、こういう問題に入ってくるわけであります。その点でいろいろ皆さんから御指摘を受けるのは、三百四十三億という再建債をそのままこちらに移すということはおかしいじゃないか、借金をもって埋めることはどうかという議論があるわけであります。これも議論としては傾聴すべき議論ではありますけれども、しかし、この三百四十三億という金は、十カ年間いわゆる無利子で、そうして二十カ年間の均等償還という、言うなればそれ自体においては一つの財産と見ることができるわけであります。資金と見ることができるわけでありますから、あまりいいやり方ではありませんけれども、感心したやり方でないことはよく承知しておりまするが、とにかく総合交通体系といいますか、ことに先ほど来質問のありました自動車の重量税、トン税の問題等にからみまして、将来これを本格的に是正するというので、ある意味においては暫定的な措置に終わった、こういうことは免れないことでありまして、その点については御指摘のとおりであります。 かような意味合いにおいて、結果的には、足らぬところは、これは従来も利子の補給はもらっておりますが、六十二億、それに国のほうから、一般会計から二百三十億円を入れた、こういうことでもって今回の予算をつくり上げたわけであります。
○松本(忠)委員 私は、くどくどしくいろいろの問題について取り上げようとはしませんけれどもとにかくいまの大臣のお話にもございましたように、四十六年度の予算というものは、国鉄の場合はやはり暫定的な予算だ。四十七年度もいまのような調子でいって、はたして総合交通体系が完全に八月末までにでき上がって、そういうようなものを全部組み入れて四十七年度の予算が組み上げられていくならば、これは一年間だけの暫定というほんとうの暫定になるだろうと思うのでありますけれども、この点について、確かに四十七年度以降の予算については、新しい観点に立ったところの国鉄の再々建計画ができ上がって、それによってほんとうに組まれていくものかどうか、この点について大臣に伺いたいわけであります。 いずれにいたしましても、ことしの予算におきまして、私が見るところ、ここ二、三年悪化する一方だった国鉄の病状、これはいわゆる誤診による診断書、これを与えているにすぎない、このように私は思うのであります。これはどうしてもことし一年だけの問題でとめて、四十七年度以降はやはりきちんとした体系のもとに予算を組まれて、国鉄の再々建をなさるのが当然ではなかろうか、こう思うわけでありますので、この点についてのお答えを聞いておきたいわけであります。
○橋本国務大臣 おっしゃるとおりでありまして、言うなれば、病気でいうと、国鉄は慢性胃腸病みたいな病気でありまして、なかなか簡単に短時日でもっては解決が困難でありますが、しかし、これは政府としましても、また国会にしましても、皆さんの御協力を得たいのでありますが、もう今度は単なる漢方薬程度のものを飲んでおったのではなおらない。国鉄はもう思い切って抜本的な手術を加えねばならぬ。私はもちろん運輸大臣でありますから、その衝に立っておるわけでありますから、それこそ錦の御旗をひるがえして突貫はいたしますが、まず政府が、全体がその決意を考えてもらわぬともうおそくなる、明日ではおそ過ぎるという事態が出てくるであろうと思います。 そういう意味においては、御指摘のように、私といたしましては全力を尽くして抜本的ないわゆる改革に手をつけていきたい、こういうことが、昨年の秋以来の予算折衝を通じての私の基本的な方針でありますからして、最後までその方針は貫いてまいりましたが、ただ芽を出したにすぎないという状態でありますが、今度はそういうような新しい財源も生まれたことでありますからして、四十七年度には抜本的な措置を講ずるという決意をもってまいりたい、かように考えております。
○松本(忠)委員 そこで、収入の見積もりが非常に私は過大だと思うわけであります。しかしながら、これは企業努力によって必ず達成するのだというわけでありますけれども、もし達成できなかったときのその責任というものはあるものでしょうか、ないものでしょうか。どういうことになるののでしょうか。
○磯崎説明員 実は、過去にもそういう例がございまして、一ぺん補正予算でもって減収補正ということをやったことがございます。やはり先生のおっしゃったとおり、これは一種の見積もりでございますので、天気その他でもって、あるいは事故等の関係で思わぬ減収もあるし、また増収することもある。いまの数字は、大体万博を除いたものに対して八%くらいの増収になり、相当私も困難だと思います。しかし、国民の税金をいただいている以上は、やはり国鉄としてもあらゆる努力をして増収しなければいけないということで、一応お引き受けいたしました。しかし、非常に大きな食い違いもでき、また来年度のベースアップもほとんど入っておりませんので、これらとの問題とも関連いたしまして、やはり問題をあとに若干持ち越す可能性はあるというふうに思ってはおります。
○松本(忠)委員 いまの総裁の腹の中も、ほんとうのことだろうと思うのであります。そこで、いずれにいたしましても企業努力によってこれを達成してもらいたい、そして国鉄の赤字を少なくしてもらいたいということは、国民ひとしく望んでおるところでありますから、これに対する怒力は官民あげて、もう全体でやらなければならない問題だと思うわけであります。 そこで、その問題は、第一線に働いている人々この人たちの企業努力がなければとうていその目的の達成というものはできないわけであります。しかしながら、先般東北線におきまして起きましたあの事故、二月十一日の事故、あれはもうくどくどしく申し上げる必要もございません。これはもう言語道断だろうと思うのです。これに対して一言も弁解の余地はないだろうと私は思うのでありますけれども、それについて、やはり何かが国鉄に欠けているんじゃないだろうか、こういうふうに思うわけであります。その具体的な例として一つ私、申し上げてみたい点がございます。 それは、大臣はもうすでに総裁に対して、「貴職は」云々というような、いままでにかってないような警告を発せられておりますけれども、ほんとうに総裁も一生懸命やってもらわなければならぬし、それからまた、第一線の人も一生懸命やってもらわなければならぬことは当然のことでありますけれども、現実に第一線においてどういう姿があったかということを、私は大臣に聞いてもらいたいわけなんです。 これは、もう時間もありませんからかいつまんで一応申し上げておきますが、私の知っている人であります。江東区の亀戸七丁目の三十一番地の四というところに住む川澄フヨさん、五十二歳の御婦人でありますけれども、こういう方があのあづま2号に乗っておりました。川澄さんは石巻へ行く予定でございまして、あづま2号の二号車、グリーン車に乗っておったわけでありますが、あの事故にあいました。そうして床にたたきつけられてめがねがどこかへ飛んでいってしまった、こういうわけでありますけれども、幸い軽症だった。医者で一応手当てをしてもらいたいという要請に従って大田原の藤田病院に行って手当てを受けて、午前五時三十分ごろ再び汽車に戻ったそうであります。 御承知のように、あのダイヤで参りますと、午前七時十七分に仙台に当然着かなければならないわけでありますから、食事の支度、そういうものは一切持っておりません。そして五時半から実に三時間、八時半までというものは、食べるものもなければ飲むものもない。その事故車に乗って寒さにふるえていた。これは、別に彼女一人じゃないわけで、全体がそうだったわけであります。ところがその当時、八時半ごろには、現場には対策本部というもののテントが張られて、しかも、その対策本部には炭がかんかんおきて、そうして偉そうな人が車座になって炭に当たっているということです。そういう事態があって、一方汽車の中はどうかといえば、汽車賃を払ってわざわざ事故にあって、そしてお客さんは寒さにふるえて、これはほんとうにお客さんのほうは気分がかんかんですよ。片方では炭火がかんかん、こういう状態なんです。 それで、八時半にいよいよ列車が出るということになった。前部の車に乗ってもらいたいということで二両切られた。西那須野でまた五両切られた。結局車内は大混雑だった。こういう状態で、黒磯に行くまではほんとうに苦しい思いをした。そして黒磯で別の車に乗りかえてやっと混雑が緩和されたそうですけれども、この黒磯においても弁当を買うこともできなかった。白河でも買うことができなかった。とうとうすきっ腹をして石巻の親戚まで行ったわけであります。その石巻の駅でも、国鉄の人に、この急行券の払い戻し、この問題について聞いたところが、けんもほろろだった。それはわからないな、こういうことを言った。とても冷たい仕打ちだったと非常に憤慨しているわけです。 私はこういう話を聞きまして、国鉄の「国」の字は、残酷物語の「酷」の字にしたほうがいいんじゃないかと思うのです。これが実態なんです。こういうことは出てこないのです。新聞にも報道されない。しかしこれが事実だとするならば、これは何とか国鉄の根本的な精神というものを改めなければ、いかにその機械上物理的にいろいろの方策を講じたとしても、これで事故は絶滅しないのじゃなかろうか、こういう点を私は非常に心配するわけです。高橋という運転士が酒を飲んでいる、普段から酒飲みだったということは十分わかっていた。しかも、点呼には何人もかかっているわけです。幾つも幾つものチェックがされているにもかかわらず、それが発見されなかった。 こういう点から考えまして、要するに国鉄の第一線の方々、そして中間管理職にある方々、こういう方々の姿勢というものを抜本的に考え直す必要があるのじゃなかろうか。しいて言うならば、御婦人をはじめそうでありますけれども、せめて黒磯とかあるいは白河で駅弁を、無料で配布しろとは言いませんけれども、八百人乗っていたのですから、少なくとも五百本や六百本の駅弁をすぐ手配させて、そしてお茶ぐらいつけて買ってもらっていいと思うのです。そういうことすらやる気がない。気がつかない。こういうところに私は問題があると思うのです。この点についてくどくどしい弁解は私は聞こうと思いませんけれども、簡単でけっこうでありますけれども、大臣と総裁から一言ずつ伺っておきたいわけであります。
○橋本国務大臣 まことに遺憾千万なことでありまして、けがをせられた方々及び迷惑をした乗客の方々に対して、心からおわびを申し上げますし 私が、今回警告書の中で、これは総裁をしかったわけでありますが、こういう例はかってなかったということでありますけれども、私そういう前例にとらわれずに、私自身もみずから反省をしておるし、総理からもそういう注意を承っております。いまおっしゃるように、問題は、いわゆるしかったとか減給したとかいうことで終わるものではありませんで、全体の国鉄の従業員の方々が自分たちの使命に徹するという考え方、こういう点については、今後総裁のほうにおいても万全の措置を講じていくであろう、また、さようにいたしますという誓いのことばを承っておりますので、おしかりのような点は十分今後改めてまいりたい、かように考えておる次第であります。
○磯崎説明員 いま御指摘の点につきましては、全く一言もございません。私は、過般大臣から正式におしかりも受けましたし、今後このおしかりを生かしまして部内の、ことに現場の第一線の諸君がほんとうに企業に対して忠実であり、またお客さんに対して忠誠心を持つという二つに焦点をしぼりまして、今後の教育をやってまいりたいというふうに思います。返す返すも今回の事故につきましては、私自身の不徳のいたすところでございます。
○松本(忠)委員 次に、陸運行政の中のタクシーの問題でございますけれども、御承知のように、昨年三月一日にタクシーの運賃は東京、大阪が上がったわけでございます。まだ一年もたっていないのに、また値上げの申請が出てきたということであります。もうすでに神奈川におきましては、一月の十六日に、全国のトップを切りまして最高八六%という大幅の値上げの申請を出しております。東京の業者もこれに追随して二月十三日に協議をし、そしておそらくきょうあたり陸運局に出てくるのじゃなかろうか、こういうふうに新聞の報道がございます。これはもう全くお話にならないばかげた考えだと私は思うのであります。東京の法人タクシーと個人タクシーが相談して同一の歩調で値上げをしょう、こういう姿勢、これは明らかに寡占企業における談合による値上げだと私は思うわけでございます。 タクシー業界が、みずからの姿勢を正さない。しばしば問題になっておりますところの乗車拒否あるいは不当料金の請求、こういうものが相次いで起こっているわけであります。そしてしかも、タクシー料金の値上げが通らなければ、こういうものの改善はされないというような暴言を吐く業者すらあるわけです。こういう点を考えまして、一体運輸省はこれに対してどのようなお考えを持っているのか。 また、近代化センターにつきましても、政府からお金が出ているわけでありますけれども、自今たちは一体払い込んだのか払い込まないのか。知は当然払い込むべきであろうと思うわけであり委すが、これが払い込まれていない。こういう点について、大臣はどのようにお考えになっているか値上げの点についてと、近代化センターについてお話を伺いたいわけであります。
○橋本国務大臣 お話しのように、昨年の三月タクシーの料金は改定されました。その後の状況は、業者の側からいうならば、必ずしも所期の目的を達成しておらない。こういうことからして、さような値上げの空気が東京においてもあることは聞いておりますが、まだ正式には申請はされておりすせん。もちろん、まだ値上げして期間も短いことでありますから、それに対して直ちにどうこうという問題は考えておりません。 ただ、基本的といいますか、根本的なものの考え方として、やはり私は、大都市交通機関の中でも、いわゆる必要交通機関というものと選択交通機関という区別があっていいのじゃないか。たとえば、地下鉄とかあるいは国電とかバスというものは必要交通機関である。それに対してタクシー、ハイヤー等は選択し得る機関である。そういうところに区別が一つあるのと、もう一つは、やはり企業体の違いもあります。のみならずこの合理化というものが、何せあんな小さな車でありますからして合理化のしようがない。人間一人が運転せざるを得ないのでありますから、二分の一の運転というわけにもいかないので、そういう点でなかなか近代化、合理化というものがむずかしい問題がある。そういう意味においては、もっとやはり、私の考えておることが妥当かどうかは別でありますけれども、要するに、大都市交通機関としての役割りというものをどう考えるかということを、根本的に考えていかなくちゃならぬ問題であろうと思いいます。いまタクシーが 東京においては、ハイヤーと加えまして約四万台、それに対してロンドンが、同じような人口を持っておりましても一万台。こういう差はどこから出てきているのか。これも、やはり根本問題として考えていかなければならぬと思います。 払い込み等のこまかい——こまかいといいましょうか、具体的問題につきましては、自動車局長から答えさせたいと思います。
○野村政府委員 近代化センターの負担金の問題でございますが、これは近代化センターにおきます業務計画と相まって決定がおくれまして、まことに申しわけない次第でございますが、去る一月三十日に東京におきまして法人タクシー一万二千円、個人タクシー三千六百円という金額がやっと決定いたしました。この払い込みにつきましては、極力、近代化センター自身におきましても、また東京陸運局におきましても、促進をする出うに指導いたしておりますが、まだ発足間もないことでございまして、現状におきましては、まだ払い込みが完全に行なわれておりません。ぼつぼつ払い込んでおるというものが大部分でございますが、中には、大きな企業等で、率先して全額完了しているところもございますので、さらに、年度末も近いことでございますから、極力払い込みを促進するように指導いたしたいと思います。
○松本(忠)委員 路線トラックの運賃が、いわゆるさみだれ方式で北海道と九州が高くなりまして、その後東北と四国も値上げの模様だということを聞いております。このようなやり方で、タクシーも値上げをするのではなかろうかというふうに私どもは思うわけでございます。ほんとうに値上げをしないのかどうか、今回の申請に対して値上げをするのかしないのか、その辺のところをひとつはっきりしてもらいたいと私は思うのです。一部の新聞に報道されておりますように、大都市のバス、タクシーのあり方につきまして運輸政策審議会に諮問しておりまして、その答申が出るのが七月だ、答申が出るまでは認可される見通しはないだろう。まあこれはうがった見方をすれば、参議院の選挙があるわけです。参議院の選挙が終わってしまえば値上げをするのだろう、こういうことをいっておるわけでございますけれども、ほんとうに値上げをする気があるのかないのか、許す気があるのかないのか、この辺のところもひとつ詰めて大臣から伺っておきたいわけです。
○橋本国務大臣 運輸政策審議会に諮問してありますのは、いわゆる大都市交通機関のあり方という問題が中心でありまして、料金問題が特に関係はいたしておりません。 ただ、先ほどちょっと申しました言うに、必要交通機関と選択交通機関というものの考え方はどうかという点もあわせて諮問はいたしておりますが、しかしながら、料金問題はこれには関連いたしておりませんので、答申がありましたから直ちにこれを値上げするという考えは持っておりません。しかし、業者側としては、現在の経営状態から見てこういう実態であるということからして、申請を出す権利はあるものでありますから、これはまあ、出されたものはもちろん慎重に検討はいたしてまいりますが、当分の間、現在のところこれを許可する方針は持っておらない。 ただ、もう一つありますが、無線タクシーの問題、この問題はかねてからの問題でありますので、この点は別個の問題として検討してまいりたいと思いいます。御承知のように、あれは料金の値上げではなくして、いわゆる投下された資本に対するいわゆる加算料金でありますから、これは別個の問題として、現在検討を続けておる状態であります。
○松本(忠)委員 大臣は、当分タクシーの料金を上げる考えはない。しかし、東京でこれが値上げになったということになりますと全国的に波及してくる。各地に大きな影響をもたらすことは当然だと思うわけであります。少なくとも大臣は、ここの点までは、この年度までは凍結する、当分というようなことばではなくて、たとえば何年までは値上げをしない、こういうことは言明できませんか。
○橋本国務大臣 御承知のように、やはり一般市民にとっては交通機関は大事でありますから、交通機関がとまるような状態にまで追い込むことは決して政策としても好ましくない。したがって、これをいつまで凍結するとかという問題ではなくして、全般の社会情勢等とにらみ合わせて考えていくという以外に、答弁はできない状態であります。
○松本(忠)委員 それでは、時間もございませんので次に移ります。 昨年の暮れに、法人タクシーあるいはまた個人タクシー免許の資格要件、これが変わってまいりました。そこで、きょうもこの問題について少しやりたかったのでありますけれども、時間もございませんので、ごく簡単に触れておきます。 ここに、四年前に法人タクシーを申請した、昭和四十二年の二月十七日に、一般乗用旅客自動車運送事業経営免許申請をした、北区赤羽台一丁目二番地の野上タクシー、野上守さんという人の申請書があるわけであります。これは四年間もおっぽっておかれましてね。昭和四十二年二月十七日ですから、まるまる四年です。そして昨年の暮れにああいう事態ができてきて、新しい資格申請をしなければこれは当然だめになってしまう。こういう点を考えますと、四年間もこの人が待っていたそのことに対して、これをやはり——法的には一方的に運輸省でこうするんだということになれば、やむを得ないかもしれません。これもいままでは一方的に切ってし在ったのが、今回は新しく申請する道を開いてくれている。こういうことは一歩前進だと思うのでありますけれども、四年間おっぽっておいて、そしてこの人は、再び東京で、言うならば二十三区の中ですから、三十両以上でなければ申請できないということになったとしたら、この人が期待を持って待っていた四年間に対して、一体道義的な責任をお感じになりますか、どうでしょうか、この点を伺いたい。
○野村政府委員 ただいま松本先生の御指摘のように、過去におきまして法人タクシーの、東京の申請におきまして相当長期間結論を出さないままでおった事例が二、三ございますが、その点につきましては、私どもとしましてはまことに事務処理の渋滞としておわびをするほかございません。 ただその間におきまして、東京陸運局におきましては、特に法人タクシーにつきましては、いま御指摘のように、ほぼ三十両というような企業規模についての目安をつけて処理をしてまいったわけでございますが、ほぼ三十両以上という、いわば非常にあいまいなものでございますので、御指摘のように、昨年の末に個人タクシーの基準を明確にして公示したと同時期に、法人タクシーにつきましても基準を明確に具体化して公示をするという指導をやったわけでございます。その間ベンディングになっておりました事案につきましては新らしい基準によって処理するということで、これは申請者の方と寿会いをして、その意向をお聞きしながら処理をするということでやっておりまして、免許の基準といたしましては、従来と格段変わったわけではございませんで、従来のおおむねとかいうような基準を具体的に明確にしたということでございますので、個人のタクシーの処理が、昨年から基準を明確にして相当スピーディーに進んでおりますので、それとあわせまして、法人タクシーの処理についても、今後できるだけスピードアップをして処理するようにしたいと思います。
○松本(忠)委員 道義的な責任はお感じになるということですな。もう四年間ほっておかれて、この人はほんとうに腹が煮えくり返るようだ、こういうことを訴えているのであります。確かに個人タクシーのほうの免許申請について努力をしてくれたことはわかります。したがいまして、法人のほうはおっぽってしまっているんだ、四年間もおっぽってしまっているという、その行政の怠慢というものは、私は取り上げていかなければいけないと思うのです。こういう点について、とくと大臣からも現場のほうを督励してやっていただきたいと思います。 そこで、たとえば東京の二十三区の場合でございますけれども、三十両以下は免許しないということになりますと、いわゆる中小企業的な法人組織、こういうものに対しては非常に冷遇ではないだろうかと私は思うのです。ということは、一面大企業を優先する、過保護をする、こういうふうに私は受け取るわけでございますが、この点はどうでございましょうか。これがまず一点であります。このことは、既存業者を保護して新規業者の進出をはばむものであって、私は職業選択の自由を侵害することになるのではなかろうかと思うわけであります。過去の政府のやり方でございますと、先ほども申し上げましたように、一方的に基準を変えてしまう。すでに申請していた業者に対してはばっさりと切ってしまった。今度は再申請の機会を与えたことは、形式上でも二歩前進といえるわけでありますけれども、ほんとうにこの点についてもろともっと謙虚な姿で、法人を四年間もおっぽっておいた問題、こういう問題についても考えてもらわなければいけないのではないか。まず、三十両以下という問題、これは大企業を先する。大企業を保護する。そして三十両以下のようなものは切ってしまうのだ、もうこれ以上やらせないんだ、こういうような考え方があるのかどうか、この点もひとつ伺っておきたいのであります。
○野村政府委員 ただいま、三十両未満ということで基準を切れば、中小企業の申請に対して道をふさぐのではないかという御質問でございます。私どもといたしましては、東京その他の大都市におきまして、やはり免許事業を経営いたします上に一つの適正規模と申しますか、それが採算線に乗るような経営をするために、各業種におきましてある一つの適正規模というものが考えられるわけでございます。そういう意味におきまして、東京のような大都会におきましてタクシーを経営するには、やはりそれが採算線に乗るためには、三十両くらいを最低線にしないと企業として成り立たないというようなことで、その点につきましては過去におきまして、中小企業が乱立と申しますか、かなり多くて、それが非常に経営のマイナスになっておったという事実にかんがみまして、そういう基準を設けたものでございます。 ただ、御指摘のような中小零細業者でタクシーをやりたいという人につきましては、現にそういう例もございますし、そういう方々が協同組合とかあるいは協業組合とかいうような組織をつくりまして、三十両の単位にまとまって申請をされるということであれば、当然そういう免許の対象になる道は開かれておるわけでございまして、そういう見地におきまして、私ども、中小零細の方々がタクシーをやりたいということにつきましては、共同化等の道でもってその御要望にこたえるような道を開いておるわけでございますから、そういう意味で、その方々はそういう方向で経営ということを考えていただくようにお願いしたいと思います。
○松本(忠)委員 一点だけ伺いますが、島嶼、島のほうですな。大島等においては、この法人の免許基準というものはやはり三十両になるんですかそれ以下でもいいんですか。具体的に言うならば、三両でも法人の免許申請はできるかどうか。またそれが適格であるならば、許可する考えがあるかどうか。
○野村政府委員 ただいま東京都と私、申し上げましたが、これは二十三区及び武蔵野、三鷹でございまして、それ以外の地域においては、三十両という基準は適用いたしておりません。
○松本(忠)委員 それから、個人タクシーのほうの免許基準も変わりました。法人のほうも同じでありますけれども、車庫が有蓋であるという。これは車を持っている人間は、屋根のあるところに入れておくほうがいいにきまっているわけであります。好きこのんで表におっぽり出しておく者はいない。雨露のかかるところに置いておく者はない。ですから車庫に入れるということは、当然の話だと私は思うのでございます。 しかし一方、目を転じてみますと、夜も、この辺でもあるいは私の住んでおるところの団地なども、自動車が野天に一ぱい駐車している。現実に自分のきまった車庫に持っていっておりません。そして団地の中に、団地以外の場所から自動車を持ち込んで駐車してしまう。だから団地の中は、夜の通行が非常に危険になっている、こういう状態です。そういうことを放任しておいて、一方この取り締まりのほうは警察である。おれの方じゃないんだと言うかもしれませんけれども、このやり方は私は非常に不可解だと思います。車庫についても、だれでも有蓋が当然いいことはわかっておるわけでありますが、その有蓋も完全な有蓋、いわゆる車庫として適格なものでなければいけないのか、それともある程度簡略なものでも認めるのか、その点を聞いておきたいわけであります。
○野村政府委員 車庫を有蓋というふうに指導いたしましたのは、御承知のように、車庫におきまして点検整備等をみずから行なうわけであります。そういう意味で、せっかく整備された自動車が直接風雨にさらされておるということでは、整備上非常にふぐあいでございますので、たとえばパネライトのような簡略なものでも、それが有蓋であれば、私どもとしてはこれを有蓋な車庫として認めるというふうに考えております。
○松本(忠)委員 もう時間が参りましたのでやめますが、四十六年度の大臣の所信表明の中に空港整備の問題がございました。大臣はあの中でも、総事業費五千六百億円にのぼるところの新空港整備五カ年計画を発足させるために所要の財源の充実強化措置を講ずるというような、きわめて短い文章で書かれてあるわけでありまして去る五日に閣議決定をいたしたようでございますので、この問題を、一月二十八日の時点においては述べられなかったのはわかるわけでございますが、その財源をいかなる方法によって捻出するのかをお尋ねしたいわけであります。 聞くところによりますと、財源として利用者負担を打ち出しているため、五カ年以内に航空運賃のかなり大幅な値上がりが予想されるということでありますけれども、これは事実かどうか。当面、来年度は、航空援助施設利用料というものを新たに航空会社から徴収することを内定している。このため十一月から、国際線では旅客が一%、貨物が二%、国内線では五%の値上げを認めるということをいっておるそうでありますけれども、これは事実かどうか。また四十七年度には、着陸料を三倍に値上げする意向があるということをいっておるようでありますが、これも当然運賃にはね返ってくるわけでありまして、これが全部物価高に響いてくるわけでありますけれども、この点について当局ではどのようにお考えになっているか、お話を聞いて終わりにいたしたいと思います。
○野村政府委員 ただいま御質問の件でございますが、第二次空港整備五カ年計画といたしまして、五千六百億円というものを考えておることは御承知のとおりであります。 そこで、その財源の問題でございますけれどこの財源につきましては、一般会計からの繰り入れ、これが一つ。それから着陸料、これが一つ。それからただいまお話しのございました航空援助施設利用料、こういったものを新設するということであります。一般会計並びに着陸料はすでにある制度でございますけれども、航空援助施設利用料、これは新しく創設するということであります そこで、これと運賃値上げの関係でございますけれども、元来こういう制度をつくりました趣旨と申しますのは七航空需要が非常に大幅に伸びてまいりまして、それに伴いまして空港整備というものはぜひともやらなければならないということでございます。そこで、空港整備をやるためには相当大きな財源が必要でございまして、これはいままでとは格段の大きな財源を必要とするということが実情でございます。そこで、そういうものを整備いたすためには、従来ですとそれは一般会計によってほとんどの部分をやっておったということでございますけれども、そういう方法ではおのずから限度がある、そういう方法では大きな、格段の整備というものは行なわれないということもまた御了承いただけると思います。したがいまして、そういうものはやはり受益者と申しますか利用者がやはりそれによって利便を得ておるのでございますから、そういう利便を受ける人によって負担をしていただく、それによって空港整備をするというようなことを考えたものでございます。 ここでちょっと申し上げますと、この場合に三つの選択があろうかと思います。一つは、空港というものが整備されなくてもしかたがないから、混雑をがまんして乗るということ。もう一つは、空港を整備する、しかしこれは一般の税金による一般会計から出すべきだ、これが一つの線。もう一つは受益者による負担、これが一つ。この三つの選択のうち、私どもといたしましては、一番最後に申し上げましたやはり受益者が負担すべきであろうということを選択いたしたわけでございます。 そこで、そういたしますと、理論的には当然、これは航空機でございますけれども、航空機がそういうふうなものを負担するからには、旅客機におきましては旅客の運賃に転嫁せざるを得ないというふうに考えております。しかし、これは物価の抑制の問題もございますから、なるべく航空会社におきまして吸収し得る限りにおいては航空会社で吸収する。しかし、その吸収ができなくなった場合には、これは運賃に転嫁せざるを得ないのではないかというふうに考えております。
○松本(忠)委員 この問題については、またゆっくりと伺いまして、そして検討いたしたいと思います。 なおもう一点残っておりました。もうやめますが、大臣が昨年の暮れ、ボーイングの羽田沖の事故に関する公開質問に対しまして、ことしの一月二十三日に遺族会の代表にやっておりますが、この問題につきましては、後刻もう一度遺族の声というものをかわって聞いてみたいと思っておりますので、この点は保留しておきます。 では、以上をもって終わります。
○福井委員長 次に河村勝君。
○河村委員 昨日、予算委員会で国鉄再建問題を質問いたしましたが、時間の関係でだいぶ伺い残したことがありますので、それについてお伺いをいたします。 一番初めに、きのう私が赤字ローカル線の廃止について、国が決定すべきものじゃないかという質問をした際に、大臣は、ヨーロッパの国はみんな国有国営だから国がきめるので、日本の場合とは違うというような意味のことをおっしゃいましたが、あれは大臣、勘違いであったということはおわかりであろうと思います。そういう前提に立って、もう一ぺんお考え直しになる余地はないかどうか、それをお聞きしたいと思います。
○橋本国務大臣 国鉄といいますか、それは全国の主たる交通機関の親玉でありますから、国民全般に影響するところが大でもありますので、河村さんのようなお考え方も一つはあろうと思います。 ただ、いま国のほうで考え、運輸省のほうで考えておりますのは、いわゆる赤字線をそのまま切ってしまえという考え方を私は持っておりません。そういう考え方ではなく、国鉄がやるべき交通機関あるいは交通政策というものはどういう範囲まで考えるべきものか。これは赤字とか黒字とかは問わない、それ以外の、純然としてほとんど地方交通線としての役割りを持つものは、もしできればこれは別個の形をとってもいいのじゃないか。もう一つは、全く道路を八〇%利用しておる、軌道は二〇%か三〇%しか利用されないというような状態になってきたところは、社会情勢の変化でありますから、それらは話し合いでもってやめることも可能ではなかろうか、こういう考え方を持っております。特に地方交通線といわれるもの、これにはいろいろの仕事があります。たとえば観光開発もありましょうし、あるいはこれが国鉄でなく他の団体がやることになれば、それには付帯事業としてかなり広範な開発利益というものを考える余地もあるわけでございます。ところが、国鉄でありますとそこまではなかなか手が届かない。そこで、そういうことをやることがいいかどうか、私は問題があろうと思います。 そういう意味からいいましても、やはり国鉄は全国的な旅客及び貨物の輸送の責任を負う、こういうことを前提にして考えるならば、地方線の廃止問題等につきましては、これはそのような地方の情勢とにらみ合わせて、話し合いできめていかれるべきものではないだろうか、あらためて法律をもって、これを特別の委員会で詰めるというような措置を必ずしもとる必要はなかろう、かように考えておるわけであります。
○河村委員 いや、私も赤字線を片っ端からみんなやめてしまえと言っておるわけではありません。大臣のおっしゃるそのとおりで、国鉄自体がやめたいといっても、赤字だからという理由だけでなかなかやめられるものではなくて、国民経済的な見地からやめるかやめないかきめる性質のものですね。やはり、たとえば西ドイツなんかの場合は、国鉄がやめたいといっても、それは国が判定をして、国民経済的に見て残すべきであると考えたものは残す。そのかわりその赤字については何らかの形で補償してやる、こういうことですね。だから、公社化であれ何であれ、考え方として、やはり事業自体が、いま大臣がおっしゃったように、話し合いでやめるということには限界があるわけですね。いわんや、片一方で同じような性質の赤字線を別につくっているという、そういう妙な政策下にあって、事業自体に、それをやめるかやめないか地元の話し合いできめるといったのではも本来やめるべきものもやめられない、そういうことになるだろうと思うのです。 ですから、そういう意味からいえば、やはり国が何らかの諮問機関的なものをつくってもいいでしょう、第三者機関を。そういうところに判定をさせて、ここは国民経済的に見て残すべきものだと判定したら、国が補償をするなり、あるいは公社という考え方もあるでしょう。やめるものはやめる、そういうところに判定をさせる、そういうふうにするのが一番合理的なものではないかと思いますが町大臣、いかがでありましょうか。
○橋本国務大臣 理論的にいえばお話しのとおりだろうと思います。ただも問題はそれに法的根拠をどういうふうに与えるかという問題があろうと思います。ただ、運輸省の中にそういういわゆる委員会をつくりましても、それが法的な権限がありませんと、やめろという命令も出せますまいし、現在は国鉄の中に諮問委員会というものが御承知のようにありまして、そこで国鉄のほうから、あるいは諮問委員会のほうから、こういう線はやめてはどうか、あるいはやめたいとかいうことをやっておるようでありますが、それだけでは決定しない。結局、運輸省にその申請がなされて、運輸省がどういう判断をするかという措置によって処理されておるわけでございまして、現在の法制のもとにおいては、いまおっしゃったようなことを、運輸省で委員会をつくるにいたしましても、一種の諮問委員会の域を出ないのでありますから、もしやるとすれば、法的根拠を与えなければ実効が伴わないのではないだろうか。しかし、サゼスチョンに富む提案でありますので、検討はしてみたいと思います。
○河村委員 私が言っておるのは、別段第三者機関にやらせるということに重点があるのではなくて、国が判定すべきものである、国民経済的見地であれ、やめるやめないをきめるのは、やはり国でなければやりようがないというところに主眼があるのでして、もちろん大臣に伺っておるのでありますから、現行法上の見解を伺っておるのではなくて、そういう法制化をする意思があるかないかということを伺っておきたい。これに対して、積極的にこれに取り組んでみようというお考えがあるかどうか、再度お伺いいたします。
○橋本国務大臣 現行の法律等の点もありますから、いまここで、その方向で検討するということも答弁上至難かと思いますが、一つの提案であり、考え方でもありますので検討はしてみたい、こう考えております。
○河村委員 ほんとうに検討していただきたいのです。そうでなければ実際実効はあがりませんから、公社化するにせよいずれにしても、国がリーダーシップをとらなくてはできるはずがないのですね。ですから、これは単なる検討ではなしに、ほんとうにやっていただきたいと思います。 それから、収入予算に資産充当六十億、いわゆる資産を食いつぶして赤字補てんをする問題ですね。片一方で資産を食いつぶしたりして赤字を補てんさせておきながら、一方で建設公団に五十億の出資をさせて、そしてAB線、赤字ローカル線をつくることは矛盾しておるではないかということを、これは運輸大臣ではなしに大蔵大臣に伺いました。それに対して大蔵大臣は、矛盾は認めながら減らしていくんだ、なかなかむずかしいから減らしていくんだ、そういうお考えでしたが、運輸大臣も同じでございますか。
○橋本国務大臣 原則としては河村さんのおっしゃるとおりで、赤字の国鉄として出せる理由がないわけでございます。ただ、従来の経過をたずねますというと、当初は大体同じくらいの産投出資であります。当初は、いわゆる産投出資が八億で、国鉄が七億でありました。その後だんだんとこの割合が減ってまいっておりますが、現在のところは百三十五億に対して国鉄が五十億ということで、だいぶ割合が少なくなってまいっております。これは必ず早く、あるいは来年度にもゼロにしたいと私は考えております。そういう意味合いにおいては、おっしゃるような方向で積極的にこれを進めていきたい、こう思っております。
○河村委員 そこでことしの予算、さっきも収入が水増しじゃないかという議論もございました。確かに収入等常識的に見れば、ずいぶん無理な収入予算になっていると思うのですね。そこで出資も、何もあわてて出資することはないので、赤字線をあわててつくることもほんとうはないわけですね。ですから、今後の収入の経過をずっと見守りながら様子を見ていて、いよいよとてもこれではまかなえぬということになったら、出資をやめるというような方法もあると思うのですね。さっき減額補正ということもあるという話もちょっと出ましたけれども、そういうことは考えられてもいいと思うのですが、大臣、いかがでございますか。
○橋本国務大臣 ただ四十六年度の予算で考えますというと、たとえば国の一般会計から大体二百三十億ぐらい入っております。そういう意味では、従来から考えますと格段の、いわゆる国の一般会計から入っております。利子補給であれ何であれ、要するに一般会計から国鉄に金が入っております。そういう意味において五十億の出資を考えますと、これは一般会計からの繰り入れ金というものが相当入っておりますので、したがって、いまのいわゆる国鉄の赤字財政から見れば、五十億でももったいない話であるということは言えます。今後、国鉄の経営状態がどうなるかという問題ももちろんありましょうが、予算措置としてこれを決定すれば、一応その線に沿ってこれは運用せざるを得ない、こう考えております。
○河村委員 しかし、公団自体の事業にしたところが、初めから全額金を投じて仕事を進めるわけじゃないのですね。ですから五十億くらいのものは、全体の中からいえば、ゆっくり様子を見ながら使ったってかまわないのですね。ですから、どうせ夏ごろになれば、大体国鉄の収支状態なんかも見当はつくはずですね。そのくらいまでとにかく様子を見て、一応見積ってはあっても、補正ということも可能なんですね。あるいは出資をしないままでも、これは違法ではないと思うのですね。その辺の配慮をされるのか。こうした片一方で資産を食いつぶしたりさせて、片方で赤字路線をつくるために出資をさせるということは、矛盾であるということだけは、どなたも気がついておられるところなんですから、そのぐらいの配慮があってしかるべきだと思うのですが、いかがでございますか。
○橋本国務大臣 ただ問題は、その点だけ考えればそういう議論も成り立つと思いますけれども、全体的なものの考え方、たとえばAB線を、地方の交通線を建設していく、地方にとっては一つの開発線であります。そこでみすみすAB線というものは当分——当分というか、相当将来までも、特別の事情がない限り赤字線であるということは間違いない。このAB線は、当分は、原則は国の金をもってやっていこう、そういうことでございます。 しかしもそういう地方開発ということを考えますと、問題は別でありますけれども、地方に対する国鉄の納付金の問題も考えなければいかぬと思うのです。こういう問題も国会で十分にお考えおき願いたい。運輸省は、これに対して悪戦苦闘しましたが、最後には破れてしまった。ですから、総合的ないわゆる国の施策の上から考えると、ただ一つだけをとらえるよりは、全体としてどう考えていくかという問題を、これはわれわれももちろん積極的に考えてまいりますが、国会のほうでもひとつ考えてもらいたい。ただ形式上国鉄に財産があるからといって、いわゆる納付金を納める。もしこれが従来の鉄道省時代のものであれば、国有地であるから税金はかかりません。しかし、かつての鉄道省時代と事実は国有鉄道というものは変わっておらない。にもかかわらずそれに対して、赤字が出ているにかかわらず、なおかつそういうところから、貧乏人から金を取っていくというものの考え方は、国民全体の問題として考えてもらいたい、こう考えております。
○河村委員 大臣から説教されたようなことで、たいへん意欲的な御答弁でけっこうでございます。もちろん、私たちも全般の問題から解決しなければ解決ができないことはよく承知しています。ただ、やはり一つずつ矛盾したことを取り出していって、矛盾をだんだん拡大をしていって全体に及ぶという方法もありますから、そういう意味で、一つの例としてお伺いしたようなわけであります。 その次に、事業範囲の拡大の問題で一つお尋ねをしたいと思います。特に出資の問題よりも、直営事業部門の営業範囲の拡大ということについて、大臣もこれからどういうお考えで臨まれるおつもりでございますか。
○橋本国務大臣 付帯事業という意味でありますか。——今度の改正によりまして、出資によってかなりの仕事がやれるように改正が行なわれたわけであります。ただ、私これは国鉄の事業主体を詳しく知っておるわけではありませんけれども、要するに国鉄の駅なりあるいは付属地帯なりで、もっと活用する部面はあるだろうと思います。たとえばガード下の活用の問題もありましょうし、あるいは駅自体の上空の利用、高層建築によってこれが収入の財源になるということもありましょう。ただ、あまり拡大の商法になることは好ましくない。これは総裁にも副総裁にも言っておるのですが、堅実な方法で収入をあげることはけっこうだけれども、いわゆるさむらいの商法で、あまり手なれない仕事に対して金を出すことは、これは必ずしも感心しない。 もう一つは、合理化の面で、たとえば国鉄の営業面の場合において、必ずしも国鉄の職員でなくても、あるいはパートタイマーあるいは臨時職員なりで外部の者を使える場面もあると思います。そういうものに対して国鉄が一部出資をして、そういうような合理化、近代化に資するものであれば、これはいいと思います。ただ、さむらいの商法になるようなことについてはよほど注意を要する、かように考えております。
○河村委員 確かに、士族の商法におちいりやすいようなものに手をつけるべきでないことは当然であろうと思います。私がここで特にお伺いしたいのは、これから国鉄には当然相当大幅な近代化、合理化が要求されるわけですね。その主体はやはり人員の縮減になるだろう。人間を減らしていかなければならぬわけですね。ところが、なかなか人員整理ということは現実の問題としてできませんから、せっかく合理化しても、その人間がそのままいるんじゃちっとも楽にはならぬわけですね。減耗不補充というようなことはありますけれども、いつまでたっても新規採用しないで減るのを補充しないという形でやりますと、そのときだけはいいですけれども、非常な年齢的な断層ができてしまって、あとで経営体として非常にやりにくいものになってしまうことははっきりしておるわけですね。ですから、やはりなるべく仕事の範囲を拡大して、そこにどんどん人を使っていくということを考えないといかぬと思うのです。 そういう意味で、国鉄は土地があるのですから、国鉄の持っている土地を利用してやるものはたいていのものはやれるんだというくらいのつもりで、出資、直営含めて拡大するような方向でやっていくべきだと考えておるんですが、いかがでございますか。
○橋本国務大臣 いまお話しのような点については、もちろん賛成でありますし、その方針で国鉄もやりたいと考えておるようであります。 ただ、もっと合理化すべき点はまだあろうと思います。これは検討程度の問題でありますが、国の関係機関、たとえば郵便にいたしましても、郵政省の持っておる小包とかあるいは国鉄の持っておる手小荷物とか、こういうものはもっと一元化する方法があるのではないだろうか。ことにこれから貨物駅が集約されるということになると、これは国民のほうにも不便を与えるわけですね。そういうことになれば、別個の機関においてこれはもっと円滑に利用を進める方法があるのではないか。これは皆さんが外国に行ってごらんになってもわかりますが、日本のようなあんな大きな郵便局がにょきにょき建っているところは世界のどこにもありません。ということは、いわゆる郵便の小包、ああいうものが相当の量を使っておるということで、相当のスペースをとっておるということが原因でもあります。しかもこれを国鉄がやる、あるいは郵便局がやる、あるいはまた日通がやる、こういうように幾つにも機能が分散されておるということは、必ずしも近代的ではない。 こういう点では、もちろんこれは私の私見だけではありますけれども、将来特に考える大きな問題の一つであろう。そういうことが解決されれば、一方において人間も十分に活用し得る道も出てくるし、かつまた国民経済の上からいっても利益があるのではなかろうか、かように考えております。
○河村委員 さっき大臣は、土地開発なんというのを国鉄にやらせるのは不向きだというようなことをおっしゃったようですが、たとえば、私の選挙区の中に相模線というのがありますが、これはいま赤字ローカル線の見本みたいなものでありますけれども、茅ヶ崎から座間、厚木、相模原、八王子なんという日本一の人口激増地帯を短絡をしている線なんですね。それが結局単線のままおいてあって、不便だからちっとももうからぬというような仕組みになっておるわけです。こういうのは、どこまでも鉄道が手を伸ばすなんといったらこれはえらいことでありますけれども、複線化と同時に、両側の一定の距離くらいは、二十キロなら二十キロ、十キロなら十キロ、その範囲くらいのところは住宅造成も認めるというようなぐあいにすれば、一ぺんに複線化してすばらしい線路になる。そういうようなところがあるんですね。そのくらいのところはひとつやらせるようにしたらいかがですか。
○橋本国務大臣 その問題についても、いろいろ世間にも議論があります。たとえば、多摩ニュータウンで軌道ができない。これは、多摩ニュータウンをつくるに際して、都市計画を設定しましてそこに私鉄が行くわけです。ところが、それの土地開発を認めない。それがために、とうていいわゆる運賃だけで、料金だけで鉄道を敷くことができないので、現在はその先の延長はほとんど私鉄が渋っておる。これがために多摩ニュータウンの当事者も非常に弱っておるわけです。あるいはまた千葉にも七十万団地という大きな計画があるようであります。これもそういうぐあいにぴしゃっと押えられてしまって、そこに持っていく交通が、私鉄であれ国鉄であれ、これに開発利益、こういうものを与えないということではだれもやりません。いまの料金ではとうてい引き合わないんですから。そういう点では、もっと総合的なものの考え方からやりませんといけない。河村さんのおっしゃったことは必要だと思うのです。国鉄もやったらいいと思う。ところが、いまは実際はそれをやらせないような形になっております。すぐこれは私鉄の利益を守るのじゃないかという議論が起きたり、あるいは何で国鉄がそういうような土地開発までやるんだという議論が起きがちであります。 そういう意味において、なかなかそういう点にについては世論のまだ十分なる理解を得がたい状態でありますから、もちろんこれは総合的にいうなれば、そういう道を切り開いていかなければ、運賃収入だけでやっていくということは非常に無理である。そうなれば、運賃というものは相当の額に上げなければ、実際上は独立採算制は成り立たないということにもなりますので、総合的な対策について、別なことばで言えば多角経営をどう考えていくかということ、これは積極的に検討すべき問題であろうと考えております。
○河村委員 時間もありませんから、終わりに公共負担の問題だけ、ちょっとお伺いします。 今度の四十六年度の予算の場合には、総合交通政策ができないからという理由から、抜本的な対策というのは何も行なわれなかった。一時のびほう的な対策で終わったということは事実ですね。ただ、公共負担の問題なんというのは、これは総合交通体系以前の問題であって、旅客、貨物運賃面のこうした六百億ぐらいの負担というものは、これは非常なガンですね。一体今度の予算編成の過程において、これとどのように取り組んでこられて、またこれからどういうふうに処理されていくつもりか、それをお伺いしたいと思います。
○橋本国務大臣 公共負担には二つあると思います。 一つは、いわゆる農林物資の特別運賃割引制度、これは従来もこれが是正の方向で進んでまいりました。ことしは実はわれわれのほうとしても、これの是正を要求してまいったのでありましたが、物価問題等の政策からして、一応ストップをかけられたわけであります。 もう一つの公共負担は、おそらく通勤、通学の問題であると思います。御承知のように、通勤のほうはせんだっての料金改正の際に比較的に引き上げまして、大体六二、三%引きの形になっております。通学のほうは八二%ぐらいの引きになっておりまして、これは全く引き合わない。ただ問題は、通勤、通学というものは、その時間においての計算からいうならば、多いところで大体二三〇から二六〇、そういう人を運んでおります。したがって、そういう点を考え合わせますと、一般運賃並みにとることはもちろん無理がある。ただ問題は、どの程度までをそういうラッシュ——一〇〇に対して二三〇、二五〇というものを運ぶようなことも頭に置いて、そこで問題は、どういうような料金が必要かという一つの議論はあると思います。しかしこれを裏返せば、そういう通勤、通学というものが一つの社会的な要請であるということであるならば、それをどこで今度は財政的に見るかということになれば、その建設資金で国が見てやるという手も一つあるわけであります。必ずしも通勤、通学を普通料金並みに直すということではない。問題は、建設資金がどの程度でもって国鉄が引き受けられるかということが一つの問題であります。 そういう点をあわせ考えまして、そこで従来の利子に対する補助金、こういうものを本年度は、いろいろな計算のしかたがありますけれども、従来の六・五%から五。五%に引き下げた。私はこれはもっと引き下げていきたいと思っております。あるいはまた建設資金に対しましても、今後、新しい財源が生まれたのでありますから、思い切って、できれば二分の一、少なくとも三分の一なりの建設資金の投資が行なわれれば、そうした社会的な意義を持つ料金割引がある程度可能である。現在の八二%割引がいいかどうかということになれば、これは問題でありますから、徐々に是正をしていかなければなりません。したがって、ただこの料金問題だけでこれは論ぜられない。いま申したような裏の面から、建設の面からこれを考えていく必要もある、かように考えております。
○河村委員 最後に一つだけ。たいへんごもっともな御意見だと思います。ただ、通勤輸送なんというものは、今日、公害でだんだん過密状態をなくしていかなければならぬという時期にきているわけですね。そうしますと、集中の利益を求めて大都市に集まってくる企業、そこに通勤する人間、そういうものを無理に法定割引以上に割り引いて優遇することはないので、むしろ企業に負担させるというくらいの観念の転換があっていいのじゃないかと思うのですが、大臣はどうお考えでございますか。
○橋本国務大臣 お話しのように、通勤というものは、企業がいまの状態では大体交通費を持っておりますから、一種の企業のほうに負担がかかるということで、そこでせんだっての料金改正の場合は、通勤に対して割引率を思い切って引き上げて、いま申しましたように、六二、三%までの引きというようにだいぶ上がってまいっております。したがって、私はある程度進めていくことはいいと思います。しかしながら、結局はいわゆる税金、いわゆる一般会計の中で建設資金その他を見るということになれば、これはやはり企業を含めて所得のある者が負担するということになるのでありますから、直接的に企業が全部負担しなければならぬかというと、全部負担できるような会社はいいのですが、中小企業になりますと必ずしも全部が負担できない。制限的な負担をしておる実情でありますからして、かえって中小企業といいますかあるいは商人といいますか、そういう者に負担がかかってくることもあり得るのであります。そういう意味から見れば、やはり総合的な施策によって行なっていくことのほうが妥当であろう、こう考えております。
○河村委員 終わります。
○福井委員長 この際、本会議終了後再開することとし、暫時休憩いたします。 午後零時三十一分休憩 ————◇————— 午後三時四十七分開議
○福井委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 踏切道改良促進法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑に入ります。 質疑の通告がありますので、順次これを許します。内藤良平君。
○内藤委員 私は、法案の質問に入る前に、定数が欠けているやに思われますので、質問できないような気持ちでおりますけれども、委員長……
○福井委員長 事務当局、急いで手配してください。——内藤委員、継続してください。
○内藤委員 時間もあまりないようですし、いろいろこのあとの行事もあるようですから、簡単に……。 今度のこの法案の提案理由は、読み上げる必要もありませんけれども、引き続き四十六年度以降五カ年間延長する、こういうことであります。これは三十六年にできて、四十一年ですか、延長しておるわけですね。当初、五カ年計画ということで日限を切ってやった。緊急なことであるということでやったんじゃないかと私は思うのです。五カ年でやって、おそらく成果があがらぬということで、なお五カ年延長された。また同じようなことで五カ年の延長ということじゃないかと思うのです、実情は。緊急なことであるから、何事もさておいて踏切問題をやらなくちゃならぬ、こういうことでスタートしたことが、二回にわたって期限の延期をしなくちゃならぬというのは、私はどうも納得できないわけなんです。その点をまず大臣から……。
○橋本国務大臣 内藤さんがおっしゃるような意味で、成果があがらないから二度も延長するのではないかという、おしかりに近いおことばですが、そうでもないのです。成果は完全にあがったとは申しませんけれども、計画されたものはある程度は済んでおりますが、御承知のように、年ごとに自動車がふえてくる、また人間の動き方もだんだん多くなる。といいますと、当初考えておった五カ年計画の中でやるべきものが、量的にもあとからあとからふえてくる。したがって、当分の間はやはり続けざるを得ない、これが一つ。第二の問題は、金が十分でありませんから、思うような計画も立てられないことも事実である。 こういうような二つの事情から見まして、必ずしも成果はあがっておらないのじゃない。車も人間もどんどんふえてまいりまして、いままで踏切は要らぬと思っていたところに踏切をつくらざるを得ない、こういうような事情もありますので、交通事故を一人でも少なくしょうというためにはぜひともこれを続けてまいりたい、こういう趣旨でございます。
○内藤委員 いま大臣がいみじくもおっしゃったが、金の問題ですね。これはいろいろ計画されておるし、計画も進んでおると思います。ところが、金が思うようにつかないということをいみじくもおっしゃったが、大臣、なぜ金がつかないのか。交通事故の問題、踏切事故の問題ということで、三十六年に緊急対策として、そういう気持ちで発足されて、すでに十カ年経過している。やはりやる以上は予算を十分取って、そして迅速に完全にやる、こういう行政でなくちゃならぬと思うのです。金がつかないからまた延期をするということになると思うのです。なぜ金がつかなかったのか。前大臣の問題かもしれませんが、大事な問題で、どうして金がつかなかったのですか。
○橋本国務大臣 大体予定として、まあどのくらいできますか、こまかいことは政府委員から答弁させますが、八割から八割五分は計画が進められている、その当初の点から考えれば。あとから、先ほど申しましたように踏切がだんだんふえてまいりますからね。そこで昨年、交通安全といいますか、事故を少なくしょうということで、一応私は、運輸大臣になりましたときに、少し張り切ってやったら、少なくとも人間の死ぬ率を減らすことができるんじゃないかというようなうぬぼれた考えを持っておったんですが、思い切った措置をとれというので、車は少し遠回りしてもいい、車はもう通すな、くいを打て、ちょっと非常識な考え方かもしれぬけれども、そういうむちゃな意見を述べた。しかしながら、それは関係方面でも、どうも間に合わないからやむを得ないということで検討させまして、昨年半年もかかって——私たちから考えると一月くらいで事はできるだろうと思うのが、役所というところは半年ぐらいかかるのですね、お互いに連絡しておりますと。やっと去年の十二月になってその方針がきまって、そこでくい打ちを始めて、大部分のくい打ちは三月までには終わると思いますけれども、とにかく金が十分じゃないのですから。経済大国なんて言っていますけれども、ほんとうはまだまだ経済大国というよらな柄にないのですから。したがって、どうして古財政がこれに伴わない。しかも一方において交通量はふえてくる。計画の内容、やるべき対象が急にふえていくものですから、そこで実際上はなかなか目的が達成できない。金がないというのは、一つはそれに追いつかないということだと考えてもよろしいかと思うのであります。ほんとうに金がないわけでもないとは思いますけれども、そういうような経過でもありますものですから、御了承願いたい。
○内藤委員 何だかわからない。佐藤総理に似てきましたね。——いいです、鉄監局長、あなたにはまたあとで……。 私は、自動車がふえたといいますけれども、この法律ができたあとでできる道路は、大体立体交差か何かでだんだんやっておると思うのです。大体最近の新しい道路は、立体交差でいこうとしておる。車がどんどんふえているといいましても、これはやはり遮断機なり信号機なり、そういう面で規制をしていく。ところがいま問題なのは、立体交差が金がつかないためにできない、これが一番大きい問題じゃないかと思うのです。大臣、金があるようでないようなお話だけれども。これは全国であまたあると思いますけれども、都内でも、長年にわたって長時間の踏切閉鎖がある。ところが、いまだに立体交差もできないでおる。あれは三十六年当時からあった場所じゃないかと思いますが、具体的にそういう場所の固有名詞はあげませんけれども、思い切って金をかけてどんどんやる、こういう行政の姿勢がない。鉄道に金を出せ、あるいは県、市町村に金を出せ、あるいは民間の会社に金を出せ、運輸大臣と建設大臣とお互いに協議をしてやろう、協議して話がまとまればやるけれども、うまく話がまとまらなければぶん投げておく。そういうかっこうで五年が十年になり十五年になる、こういうことじゃありませんか。踏切の問題を緊急に法律をつくってやろうという意気込みは、三十六年当時あったかもしれませんけれども、だんだん妙なぐあいになってきて、責任回避のかっこうになって、そうしてむずかしい問題だけ残っちゃって、どうにもしようがないから今度またこの期間を延長する、こういうかっこうになっておるんじゃないかと思うのですけれども、大臣、いかがでしょうか。
○橋本国務大臣 事務当局的な説明を申し上げますと、要するに運輸省と建設省の間の協定によって、都市計画事業者と鉄道事業者との協議に基づいて都市計画事業としてやっていくわけになるのですね。こういうことであるわけなんですが、一つは国のほうにも金が十分じゃないのですが、鉄道事業者及び都市計画者といいますから、市町村あるいは都道府県、これとの関係もありますからして、そこで国のほうで予算をつけるような場合が起きましても、今度地方公共団体なりあるいは鉄道業者なりのほうで十分の金がないという、三者が一致する場合もなかなかむずかしいと思いますが、しかし、その点は大体協議がうまくいっているんです。 ただ問題は、立体交差等をやりますと、大きな工作物でありますから、付近の住民の了解もかなり重大問題で、そんなところにとんでもない橋ができたんではおれの商売すたってしまうというような非難もあるわけですね。そういうことで、私も道路を車で走りまして、もう三年もたっておるのにまだできないかとふしぎに思うことがありますが、いろいろな事情、金の問題もさることながら、そうした地域的な事情も生まれておる、こういうことがありますが、しかしおしかりのように、これは当然進めなくちゃなりませんものですから、精力的に、積極的にこれらの問題を解決してまいりたい。したがって、今回のように三たび延長をするという法案を出さざるを得ないということは、熱意のあらわれでありますからして、御了承願いたいと思います。
○内藤委員 佐藤総理のお話を聞きましても、われわれの国会の討論でもいつも焦点がぼけるようなかっこうになって残念なんですが、橋本大臣の御返事も、また五年延長するのは熱心さのあらわれだ、こういうことを言っておりますが、逆に言うと、役人の皆さんが責任のがれして、また法律の期限を延ばしてのんべんだらりとやる、その間住民の諸君は待ちぼうけだ、こういう結果も目に見えているんじゃないですか。 それじゃ、五年間延長するためにどういう強力な手を措置されるのですか。法文では五年間なんですけれども、どのくらいの思い切ったやり方でやるのか。たとえば計画して、指定してもまだできない場所があちこちある。大臣のお話しになった都市計画その他いろいろ複雑な問題で、できないところがたくさんある。そういうところを思い切ってやるというが、それはどういう措置でやろうと思うのですか。
○橋本国務大臣 具体的な数字の問題を御説明申し上げたほうがいいようでありますから、政府委員から答弁させます。
○山口(真)政府委員 三十六年に踏切道改良促進法が制定されまして、それによりまして危険な踏切道の一掃のための踏切道の指定、それによる整備ということを推進してまいったわけでございます。それは三十五年度当時でございますが、当時の踏切道は四種踏切が多く、約六万一千ございました。踏切全体で七万一千でございますが、この四種踏切の六万一千を鋭意整備いたしまして、そしてこれに遮断機あるいは警報機というようなものを設置いたしまして、四十五年には二万七千というように四種踏切を少なくいたしまして、事故防止につとめてまいったわけでございます。そして一方整理統合ともあわせまして踏切道の数も少なくして、事故防止につとめてまいりました。その結果によりまして、踏切事故も大体三十六年度をピークにいたしまして、非常に減少をいたしてまいりました。三十五年度は五千四百八十件ございましたものが、四十二年度には三千五百件というように、非常に減ってまいったわけでございます。 ところが、四十二年度からは実に踏切事故の減少は横ばいというか、むしろ若干増加の傾向にございまして、四十四年度にはむしろ三千六百件というように、踏切事故が増加をしてまいったのであります。その増加してまいりました踏切事故の内容を見ますと、ダンプカーその他の自動車の大型化ということがございますし、それから、特に先般の事故に見られましたような自動車の無謀運転ということ等がございまして、事故の内容も若干重大化する傾向がございました。今日ではまだまだ改良を要する踏切道があり、自動車の増加に対応いたしまして、こういったことも考慮して、さらに踏切道の改良を進めていく、こういう方向でなければいかぬということで、不十分でございますので、五年間さらに延長いたしてまいるということでございます。 そこで、五年間延長いたしまして、それでは今後どうするかという問題でございますが、これにつきましては、政府といたしましてさきに交通対策本部決定ということをいたしました。これに基づきまして積極的に踏切道の整備をしてまいるということによりまして、立体交差化、構造改良、それから踏切保安設備の整備を今後促進してまいるということを政府としてきめまして、それに従って五年間さらに推進をいたしてまいる、こういうふうに考えておる次第でございます。
○内藤委員 いや、それでは鉄監局長、さっぱり要領を得ないですよ。いままでにないどういう強力な措置でやるというのですか。いままでかかってもできないところがある。いままでかかってもできないところは、どうにもならぬところじゃないかと私は見ておるわけだ。新しい道路は大体立体交差でいくのでしょう。ただ古い道路と鉄道の交差している点が、もうどうにもならぬところが多いのじゃないかと私は思うわけです。それをどういうぐあいに強力な手でやるか。たとえば、ここにあるのは四十四年の数字だけれども、工事中の立体交差が八十九カ所、これは難物が残っているのじゃないかと思うわけです。そういうものをただ五カ年の延長という、時間をかけて気長にやろうというだけですか。私の言うのは、政府として、どうも交通事故の場合でも、関係省庁があわを食って、お前だ、おれだというぐあいにばらばらになって、なかなか効果があがらぬというのがございますな。この踏切も同じようなケースで、どこがほんとうにやるのか。運輸省がこの法案の提案者だが、今回何か特別の強力な措置をあわせ持って、この五カ年の延長を出してきたものかどうか、それを聞きたいのです。
○山口(真)政府委員 三十六年以来今日までやってまいりました踏切道の整備でございますが、まず保安設備、これは警報機、遮断機等につきましては、指定をいたしましたものにつきましても一〇〇%整備をされておりまして、指定数以外にもさらにこれを整備をいたしております。それから構造改良も同様でございまして、これも指定したものはほとんど一〇〇%整備いたしておりますあとそれ以外にもかなりやっておるということでございます。問題は立体交差でございまして、実は立体交差の指定につきましては、指定したものの中で完成をいたしておりますのが約五六%程度でございまして、残りの部分というのが、あるいは未着手のもの、あるいは工事中のものということでございます。ただし、計画が決定いたしまして工事中のものを入れますと、八十数%の工事中でございますが、それにいたしましても、立体交差につきましてはなかなかむずかしい問題があるわけでございます。 そこで、そのむずかしい問題の一つの問題は、工事費の負担問題でございまして、工事費の負担問題で非常にむずかしいということが一ついえますし、それからいま一つは、地元の関係その他の点でございます。 それで、第一点の工事費の問題につきましては、先般、連続立体交差化につきまして、数年にわたりまして運輸省と建設省が協議を重ねまして、それによって、今後の連続立体交差化の方向というものを、費用負担の方向というものを一応きめまして工事を促進するということで、かなり促進されることかと思います。単独立体交差の費用負担につきましては、この点は現在運輸省と建設省の間でいろいろと協議中でございまして、今後の合理化というふうなものがまだ完全ではございませんが、従来建設省と国鉄との間の協定というものがございまして、一応それに従って進めておることでございますが、今後合理化してまいる。 あと地元の問題その他につきまして、これは何といいましても、運輸省だけでなく、各省、建設省あるいは警察庁等が一体になって、あるいは地元の公共団体にも十分に協力をしていただいてやらなければいかぬということで、交通対策本部決定をいたしまして、そしてこれは各省が全部協力をして整備をするということにしようということにいたしました。それによりますと、鉄道事業者が自主的に整備するものを含めると、今後五年間では、自動車の通行が認められる踏切のほとんどには踏切保安設備を設置するということにする。そして特に大型自動車の通行が認められるものというものについては、踏切遮断機を完備するということにする。それから立体交差につきましては、個所の目標というものを一応交通対策本部決定をいたしまして、それに従って各省が、鉄道事業者については運輸省が、あるいは道路の管理者につきましては建設省等が、あるいは警察、公安委員会等に対しましては警察庁が、縦の筋からも十分に指導をいたしまして、全部が協力いたしましてこれを整備する、こういうことにいたしておりますので、今後はかなり整備できるものと考えております。
○内藤委員 鉄監局長、頭がいいから、いろいろ言い回しよく言うけれども、問題は、金をどういうぐあいにはっきり出し合ってやるか。それを法律的に明文化するとかもただ、いまの場合は建設省、運輸省で協議する、そういう状態じゃないですか。あるいは地方自治体、あるいは鉄道の経営者といいますか、話がつかなければ、これは進まないわけですよ。だから、そこら辺が問題じゃないか。国でこれだけ出す、地方自治体はこれだけだ、何かそういうものを今度の法案の裏にあわせてあるかないかということです。あなたの話じゃないのだな。それじゃ弱いのじゃないかというのだよ。なぜそういうことをやらないのか。すると、いたずらに五年間延ばすだけでは意味がない、やめたほうがいい、撤回しなさい、こうだんだんなってくるわけだ。もっと実のあることをあわせて考えてください。
○山口(真)政府委員 先生仰せのとおりでございまして、法律といたしましては期限の延長だけでございます。しかしながら、この法律の裏といいますか、そのもととなるところの踏切道整備計画につきましては、これはどうしてもある程度はっきりしたものをきめなければいけないということで、そのはっきりしたものといたしまして、踏切道緊急整備対策というものを関係省の間で全部一致をいたしまして、そして交通対策本部決定をした。それによって各省がその方向で整備をする、こういうことにいたしております。 したがいまして、あと問題は、その場合の負担区分の問題等でございますが、これは先ほど申しましたように、一応のルールというものをつくりまして、それによって推進していく。それから現実の工事費等につきましても、各省がそれによりまして十分の予算等の裏づけをいたしましてこれを推進していく、このように相なっております。
○内藤委員 それじゃ足りないだろうね。それじゃ弱いですよ。これは何もぼくがいま言うあれじゃないのだよ。もう三十六年ごろから言っているのだ。もっと金のことをはっきりしなくちゃ、法律でやらなくちゃだめだと言っている。その当時、社会党のわれわれの先輩が、法律で金の負担区分を出しなさい、明文化してやらなくちゃこれはうまくいかないといっている。それを当時の自民党政府は排撃してやってきました。五年、十年たってもまだ残っている。これはもう五年延ばしたって、お互いに話が合わなければまた進まぬでしょう。そういう隘路を知っておりながら、なぜこれをやらないのか。ただ期間だけ五年延ばしたってまた同じことじゃないですか。住民の諸君は、また五年間待っているということになるのじゃないですか。そういうのをやらなかったら、これはせっかく法案を出してわれわれに審議しろといっても、何にもならぬわけだ。 きょうは鉄道の方がおいでになっていないということだから、ぼくは質問を保留するが、鉄道の関係だって、踏切の保安の場合は鉄道負担でしょう。国で幾らか補助するが、これは鉄道関係だから、保安ということで施設をやるわけでしょうけれども、これだって、これをやったために鉄道に何もプラスにならないわけだな。それで民鉄でも国鉄でも、いまの状態を見ると、赤字赤字で値上げ値上げですよ。だから、これはないそでは振れないということで、計画はできても、警報機なりあるいは遮断機だけでも、保安の施設だけでも、なかなか進まぬじゃないかと思うわけです。あるいは皆さんからいろいろ言われる、ここがおかしい、ここをやらなくちゃだめだという場合には、お役所から言われた場合にはやるでしょうけれども、今度あまり目に触れないようなところなら、なかなかやらない。それで住民諸君との間にいろいろなトラブルが出てくる。だから、結局この法案は不徹底なんです。不徹底だから、五年、十年、また十五年となるのですよ。大臣のおっしゃるように、熱心にやっているからまたやるのだなんということは、とんでもない話ですよ。大臣は新しい大臣だからあまり実情を知らない、私はそう善意に解釈しますが、どうですか。そういう点をはっきりしなくちゃ、この法案は何にもならぬですよ。審議の必要なし、そこまで言い切りたいのだけれども、あなた、どうですか。
○山口(真)政府委員 先ほど申し上げましたように、踏切保安設備につきましては、この指定をいたしましたものはほとんど一〇〇%に近く整備をいたしております。これは鉄道事業者といたしましても、踏切保安設備は一応鉄道事業者の負担となっておりますが、保安の重要性にかんがみまして、私どもの指導のもとにこれだけの効果があがったわけでございますが、今度、私どもこの法案の裏と考えておりますところの交通対策本部決定はさらに踏切道を整備する、いままで指定したもの以上にもっと踏切道を整備いたしまして、どんどんふえていく自動車による交通事故というものを少なくしょう、こういういわば前向きの考え方で進めておるわけでございます。 それから構造改良、立体交差化等につきましては、これは費用負担の問題等があるわけでございますが、これは運輸省と建設省との間で従来からいろいろと話をいたしておりまして、そうして特に構造改良につきましての費用負担の問題、あるいは連続立体交差化の問題についての費用負担の問題というものは、両者の完全な了解がついておりまして、したがいまして、費用負担の問題は、法律に書かなければならぬという性格のものではなくして、むしろ現実にやっていく場合の工事費につきまして、その工事費を鉄道なりあるいは道路側なりというものが、まかなえるかどうかという予算の額の問題ということに相なろうかと思うわけでございます。この予算の額の問題につきましては、両省、あるいは警察庁も同様でございますが、あるいは自治省も同様でございますけれども、そういったようなところで予算的な措置を十分とりまして、交通対策本部決定をいたしました整備というものをやってまいりたい。こういうことでございまして、決して後向きの性格の法律じゃございません。
○内藤委員 どうも具体的なことを私もあまり知らぬけれども、ぼくは秋田のいなかの者だけれども、あそこは新宿の付近で、小田急の南新宿あたりですか、小田急の踏切ありますな。あそこはまだできていませんね。あれはもう長い間、ぼくら出てきてからまだできてない。あれはどういう隘路でまだ踏切の立体交差ができないのか。これは大臣わからぬかもしらぬけれども…。
○山口(真)政府委員 具体的な踏切のどこをおさしになっているかということがはっきり私どもわかりませんが、小田急につきましては、新宿駅付近だとかあるいは下北沢ですか、ああいった方面の線路増設の関係が実はあるんじゃないかと思います。その線路増設との関係で、踏切の連続立体交差化をやっていくということになっているのではないかと私どもは思うわけでございますが、具体的な場所等がいまはっきりいたしませんので、ちょっと的確な御返事ができません。
○橋本国務大臣 私も詳しいことはわかりませんが、小田急の問題は別といたしまして、立体交差の問題及び保安設備の問題、これは、国としましては、御承知のように、従来金を私鉄が借りる場合には、これに対しては金利を引き下げて貸してやる。それから費用分担の措置を、私鉄の場合でも国が二分の一、地方自治体が三分の一、事業者負担がわずか六分の一、こういうような措置によって、かつまた、開銀等に積極的に私のほうから話をしまして、ぜひこれは、保安対策というものは重要であるから、特別な利子において金は十分に貸してやれ、こういう指示をいたしておりますし、国鉄のほうも赤字で苦しいのではありますけれども、とにかくこれは人命に関する問題であるから、保安施設の整備に関しては優先的にこれをやるように、こういう指導をしております。 法律の上で、おっしゃるように、これだけの金を出せ、こうはっきり書けばいいかもしれませんけれども、現在の国の予算のたてまえ上は、法律でもってあらかじめ支出を予約するということはできませんので、この法律によってやはり資金の裏づけをしていかなければならないという義務を生ずるわけでありますから、ある意味においては、積極的な措置がこの踏切道の法律によって生まれておる、こう理解してもらったらけっこうだろうと思います。
○内藤委員 これはきょう持ち時間がないようですから、またあとへ残して、きょうの時間だけは終わりたいと思うのですが、大臣、これは問題はたくさんあるのです。とても五年延長だけの条文だけではどうにもならぬです。 たとえば、観点を変えますと、一万何がしかの踏切道が整理統合でなくなりました。これは、一応なくなったかっこうだから、踏切がなくなったから、これを法律から見るとよくなったような感じがいたします。実際の住民の諸君から見ると、いままで踏切があったものが、整理統合をしてなくなった。そしてたいへんな不便をしておる。一万数千カ所がなくなったという反面に、こういうたいへんな問題があると思うのです。住民の諸君が自転車をかついで線路を通ったり、オートバイを持てないから、何とか線路の横っ腹を通ったり、やめた踏切と残った踏切の連絡道路もないという実情、おそらく全国的にほとんどじゃないか。住民の諸君はたいへん苦労をしておる。私は二十七分までと理事に言われましたけれども、そういう話をすると時間がないから、これはまたあしたでも質問させていただくことにして、理事さんお願いします。ちょっと門口で終わるようなかっこうです。まだまだ問題があるのです。 結論的に言うと、私はやはりきょう出た話の中でも、やはり大臣もっと金を出さなくちゃ…。
○橋本国務大臣 はい。
○内藤委員 はいとおっしゃってあっさり笑っておられるけれども、金がなくちゃだめなんですよ、ほんとうに。これはとにかく五年延ばしても、金がなくちゃどうにも…。しかもがっちり橋本大臣がこれだけ出す。四十六年度五千億も出す。そういうぐらいでもしなければ、ただ五年延ばして、また延ばして、同じことですよ。私はそういう意味で、大臣、金の問題についても、さっきやはり金がなくてとおっしゃった。本音を吐いたと思いますけれども、そういう意味でも、この法案は審議するには非常に材料不十分、もっともっと大臣、身を入れてがっちりやってもらわなければ、ただ踏切をやっているというだけで、住民の諸君はますます政府に対する信頼を失う。われわれ野党も、ごしょうばん食らって信頼を失うようなことが出てくる。 そういうことを申し上げて、きょうの時間のあれを一応終わります。
○福井委員長 河村勝君。
○河村委員 さっき机の上に置いてあった「踏切事故防止総合対策について」というのが、これは案として書いてありますね。これは案ですか、でき上がったものなんですか、どっちなんですか。
○山口(真)政府委員 まことに申しわけございませんでした。これは二月八日に交通対策本部決定をいたしまして、翌日の閣議の了解を求めたものでございます。
○河村委員 さっき内藤さんのほうから、三回も延長をやって、いつまでたったら片づくのかわからぬという意味の質問がありましたけれども、私も、確かに立体交差化のようなものは、これはいつまで片づけるといっても、幾らでも出てきますから、これはやむを得ぬと思うのですけれども、この対策本部で、これに書いてある「踏切保安設備の整備及び交通規制の促進」以下のものですね。これなどはまあいわば踏切保安設備の最低線ですね。この程度のものは、いま新たにまたこういう目標を掲げてやらなければならぬというのは、非常にふに落ちないのですけれども、一体この程度のものはすでに目標を掲げてやっておったと思ったのですが、そうではなかったのですか。どういうことになっておるのですか、ちょっと説明を伺いたいと思います。
○山口(真)政府委員 従来の踏切保安設備の整備等につきましては、ただ交通量だけを中心といたしまして保安設備の整備の目標を定めて、そしてそれを指定等をいたして整備をしておった。それが、先般の私鉄におきます例の大事故がございまして、その大事故の結果いろいろと分析をいたしました結果、とにかくそれだけではなくして、さらに踏切道の幅員別というものも考えて、そういった面をも重点に入れて整備をしなければいけないということになりました。 そこで踏切道の整備、保安設備の整備につきましても、二・三メートル未満の踏切というものは、もう原則として自動車の通行はストップしてしまう。そのために、必要ならばくい打ち等もどんどんやっていきたいという大原則をまず立て、そして次に、二・三メートルよりは幅が広くて六曲五メートルまでの踏切というものは、とにかく原則としては最小間隔が五百メートル以上になるように自動車の通行を認めるように選別をいたしまして、そうしてその選別したものは徹底的に遮断機をつける、原則としてすべてつけるというようなことにする。それ以外のものは、自動車の通行禁止を行なうというようなことを原則とする。それから六・五メートル以上の踏切は、もうすべて踏切遮断機をつけるというように、踏切の幅員とそれから交通規制との関連というものもからめまして、こういうような新たな政策というものを打ち出して、これをこの法律に伴って実施をしていきたい、こういうことでございます。
○河村委員 いま山口さんが説明されたような内容は、たしか昨年の秋ですか、東武の事故があったときに、あわてて何かつくった内容とそっくりですね。あわててつくったものが今度の大方針の中に出てくるということに、私は非常にふしぎな思いがするのですがね。 それで私、いまこの年度末の踏切道数を見ておりまして、四種の踏切ですね、国鉄が一万五千七百八十九、私鉄が一万一千七百二十六ですね。全国のいなか線区がこうたくさんあって、しかも単線で自動車の交通量がうんと少ないところの多い国鉄が一万五千。私鉄というのは大体が市街地が多いわけですね。それが一万一千の四種の踏切がある。これはちょっと理解に苦しむのですが、この一万一千の四種の中身というのは、一体どういうものなんですか。
○山口(真)政府委員 まずその前に、先ほどお話ございましたこの交通対策でございますが、先般の事故のあと急遽出しました緊急対策は、実は首都圏、中部圏、近畿圏のそういう地域についての交通対策を緊急にやったわけでございますが、今回の整備対策は、これはむしろ全国に及ぼすということと、それから立体交差化等を含めるということにいたしたわけでございます。 それから、いまのお話の第四種でございますが、これは鉄道事業者——私鉄の場合でございますが、これは大都市の大私鉄だけでなく、中小私鉄あるいは公営等のものというものも全部入っております。なお大都市の大私鉄におきましても、たとえば東武鉄道、名古屋鉄道というように、かなりいなか線区を通っているというところもございますので、こういう数字になっているわけでございます。
○河村委員 それじゃ、この四種の一万一千の中で、市街地の中における四種というのは、どのくらいあるのですか。
○山口(真)政府委員 市街地と市街地外というような調べを、まことに申しわけないのですが、実はしていないのですが、いまの四種の踏切の中身を少し調べてみますと、幅員別に非常に幅の狭い二・三メートル以下というのが、国鉄といたしましても私鉄といたしましても非常に多いわけでございまして、私鉄の一万一千の中には、八千が二・三メートル以下でございます。
○河村委員 常識的にながめてみましても、私鉄間でずいぶん格差があるようですね。大私鉄の問でもだいぶ格差があるのですが、こういう種類の、安全に一番大事な問題でありながら、あれほど私鉄間に格差があるのはふしぎに思われるが、一体運輸省としてはどのような指導をやっておられるのか、その点を伺いたいと思います。
○山口(真)政府委員 一応従来は踏切道改良促進法によります省令に基づきます指定という制度がございまして、その指定の制度によりまして指定をいたしまして、そうしてその指定した踏切についてそれをつけさせるということをいたしておりますが、事業者におきましては、それ以上にも実際には踏切保安設備をつけております。 それから、具体的に格差はどうかということは、なかなかむずかしいのでございますが、一応そういう考え方でやっておりますので、場合によっては非常にいなか線区があり、そうして踏切の数が多く、しかも最近自動車の通行が非常に多いというような地域につきましては、踏切の数が常識的に少ないのじゃないかというようなお感じを持たれるところがあるのじゃないかと思います。
○河村委員 どうもそれだけではなさそうな気がしますね。たとえば小田急と東武——東武はいなか線区が多い。だけれども、同じ市街地を走っておる部分だけで比較しても、いいものと悪いものと比べて非常に格差がありますね。いまあなたの言うことを聞いていると、確かにこの法律の精神は、金を出して援助してやろうということですけれども、事が安全であり、事故防衛上どうしても私鉄自体にしたって必要な問題ですよね。だから、補助するもの以外でもこのぐらいはやれというワクをつくって、それでやらせるぐらいのことはやっていなかったのですか。
○山口(真)政府委員 これは、実は先ほど申し上げました保安設備を整備すべき踏切道の指定という制度がございまして、これは一応基準に従ってその指定をいたしまして、それによって整備をさせるということが一つございます。 それからいま一つは、先生おっしゃるように、そういう意味の、役所からの直接的な、何といいますか、指示的なものではないのでございますが、保安設備の整備に関しまする工事につきましては、これは国の助成をするということにいたしまして、したがって、それにつきましては開発銀行の融資をいたしまして、それでこれは特別金利七分にいたしております。
○河村委員 構造改善のような大ものは別として、こまかい最低限度の保安設備をやるやつは、これはいまのように事故防衛上も必要なんだから、補助をする場合に、これだけはことしゃれ、そうすればこれだけ補助してやるというぐらいのワク組みをつくって、それで一挙に片づけるというぐらいのことをやったらどうですか。
○山口(真)政府委員 先般の緊急対策におきまして、踏切道の整備の方向というものを打ち出した、まず首都圏、中部圏、近畿圏につきまして打ち出したわけでございますが、そういったような方向におきましてこれを整備をするということでございまして、具体的にその方向に従って、現地の事情等を考慮いたしまして、先生おっしゃるような方向で指導をしてまいりたい、このように思います。
○河村委員 さっきの御説明を聞いていますと、総合対策をきめる際には、関係省庁何か意見の一致を見てつくったという説明でしたが、大体、この最低限度の保安設備をやるにしましても、関係省庁の協力がないとできないものが一ぱいありますね。一体どの程度の合意ができたのか。 関係省庁の頭のほうだけで一緒にやりましょうといってきめたって、現実に扱うのは末端ですよ。末端に対する手配は建設省、運輸省、これに基づいて一体どういう措置をとっておられるか、それぞれ……。
○山口(真)政府委員 まず、この交通対策本部決定に基づきます問題は、先生おっしゃいます言うに、末端が実は問題でございます。したがいまして、運輸省、建設省、警察庁各省庁からそれぞれの縦の系統に従いまして、その系統へのこの推進のやり方についての通達を出したわけでございます。その通達の出し方につきましては、三者が協議をいたしまして、さらに交通安全対策室を入れまして協議をいたしまして、その協議が十分ととのったところで、三者が意見の一致を見て出した、こういうことで、地元におきましては、各地のそういう末端機関が十分協議ができるというような形にいたしておりますが、七分の開発銀行の融資をするという形で推進をいたしております。 各庁の関係につきましては、建設省、警察庁から申し上げます。
○吉田説明員 建設省といたしましては、昨年の大都市圏の緊急対策につきましては、即刻各道路管理者に通達し、現地での十分な意見調整をするよう指示したところでございますが、今回定まりました全国に関する総合計画につきましても、ただいま各道路管理者への通達を起案中でございまして、早急に同様の指示をして、末端における関係機関相互間の連絡、意思の疎通がはかられるようにつとめるつもりでございます。 なお、所要の道路予算等は、そういった協議の成果を見つつ、十分に措置する考えでございます。
○竹岡説明員 警察庁は、特にこの場合われわれがやらなければならぬ義務は交通規制、これが非常に中心になっております。現在、四十四年度末でも、警察のほうでは、約二万二千カ所につきまして車両通行どめとかそういう規制をやっております。今後その規制を強めていくにつきましても、運輸当局、それから建設当局、これは御承知のように、都道府県にはその三者の会合、踏切のこういう協議会がございますから、そこにはかっております。この線に沿いまして、各都道府県警察も一緒にやるように通達を出しております。
○河村委員 この通達の中で、「幅員六・五メートル以上の踏切道については、踏切遮断機を設置するものとする。」と書いてありますが、六・五メートル以上というと相当な踏切ですが、これで遮断機というのは、もちろん自動遮断機を含む意味でしょうから、これがついてないのが一体まだあるのですか。
○山口(真)政府委員 現在、六・五メートルをこえる踏切が全国で五千六百ほどございますが、その中で、遮断機、警報機等がついていない踏切が五百三十ばかりございます。
○河村委員 実際は、六・五メートル以上の踏切にまだ遮断機がないなんというところに、運輸省の指導の甘さがあるんだと私は思うんです。もちろんこれは警報機がついているんでしょうが、踏切に遮断機をつけるぐらいのことは、たいした金じゃないですよね。 補助がなければできぬというものじゃないはずなんで、その辺が、今日までだらだら延ばしている最大の原因じゃないかと思うのです。
○山口(真)政府委員 ちょっといま数字を間違えました。六・五メートル以上の踏切で遮断機がついてないのは約千七百、その中で警報機がついてございますのが千二百ございまして、第四種踏切、つまり無防備踏切が五百三十ばかり、こういうことでございます。これは先ほど申しましたように、中小私鉄あるいはいなか線等全部含んでの計算でございます。
○河村委員 それじゃますますひどいんですね。ちょっとびっくりいたしました。 それからその次に、幅員二・三メートル以上六・五メートル未満の踏切道ですな。さっき車禁の話が出ましたが、車両通行禁止にしてしまうのは二・三メートルですか。
○山口(真)政府委員 二・三メートル未満の踏切道は、原則として直ちに自動車の通行禁止を行なう。若干の例外はございますが、原則としては全部そういうことにする。それから二・三メートルから六・五メートル未満の踏切につきましては、一応最小間隔が五百メートル以上になるように自動車の通行を認める踏切道を選別いたしまして、これらには遮断機を設置して、あと必要な交通規制を行なう。それ以外の踏切でございますが、それにつきましては、通行禁止を原則として行なう、こういうことでございます。
○河村委員 これで見てみますと、二・三メートル以上六・五メートル未満の踏切道については、五百メートル間隔にすると書いてあるでしょう。そうすると、六・五メートル以上の踏切道が間にあると、もっと短くてもいいというような感じになるわけですが、そんなことではなしに、これは車が通る踏切は、全部五百メートル間隔ぐらいにするようにしないと、つじつまが合わないんじゃないですか。
○山口(真)政府委員 五百メートル間隔の踏切というのは、その六・五メートルを含めて、要するに踏切の最小間隔が五百メートル以上になるようなことを基準にいたしまして、通行を認める踏切道を選別する、こういう意味でございます。
○河村委員 この日本語はそうは読めないんだね。「二・三メートル以上六・五メートル未満の踏切道について」という見出しで、それで五百メートル間隔と書いてあるから、これは日本語としては正確じゃないですが、まあわかりました。 そこで、これで見ますと、あとは交通規制でやっていこうということのようですが、踏切道を五百メートル間隔ぐらいに統廃合するという目標は、現在のところはないのですか。
○山口(真)政府委員 結局、日本の踏切道は、先生御存じのとおり非常に数が多いわけでございまして、国鉄の場合には約六百メートル間隔に一カ所ぐらい、私鉄の場合には三百メートルに一ケ所ぐらい。外国の踏切につきましては非常にその間隔が大きいわけでございまして、日本の踏切は非常に数が多いということでございますので、基本的には踏切道の数を整理いたしまして、そしてその整理した踏切道につきましてはこれに完全な保安設備をつける、それによって保安を確保する、こういうことでなければならぬわけでございます。 したがいまして、そういうことでございますので、私どもといたしましては、原則としては踏切道の統廃合を大いに促進をするということにいたしたい、そのように考えております。
○河村委員 ちょっといまのはよくわからなかったのですけれども、要するに車の通れない踏切にさえすればよろしい、それ以上にあまり統廃合は必要ないと、こういうことですか。
○山口(真)政府委員 一応統廃合は必要なんでございますが、ただ歩行者の通行ということもございますので、そういったような歩行者の通行とか、その他迂回とかいう言よなものも勘案して統廃合を進める、そういうことでございます。
○河村委員 歩行者でも、これはちゃんと警報機をつけて、それを保守もしなければならぬ。ずいぶんたいへんですよ。五百メートル間隔ぐらいなら、そんなに不便じゃないはずです。だから、そのくらいの目標は立ててやるのが至当じゃないかと思うが、いかがですか。
○山口(真)政府委員 おっしゃるとおり、この問題は、日本の踏切の数が非常に多いということの現状を踏まえましても、また自動車の場合には、五百メートル程度の迂回ということも、それほど大きな負担にはならないというようなことから考えましても、原則的には五百メートル以上というようなものに整理をしていくということであろうかと思います。この交通対策本部決定の精神というのも、原則としてはこの二・三メートル未満の踏切道については全部通行禁止をし、あるいは二・三メートルから六・五メートルにつきましては五百メートルにして、それよりこえるものは統廃合あるいは通行禁止の措置をとる、六・五メートル以上のものは遮断機を設置する、こういう趣旨でございます。統廃合につきましては、おっしゃるように大いに促進していかなければならぬものと思います。
○河村委員 建設省に伺いますけれども、踏切統廃合を進める場合には、間々側道をつくったり、あるいは短絡の道路をつくったり、そういうことが不可避になる場合が多いのですね。そういう場合の金ですね、これは一体どういうふうに考え、どういうふうに指導しておられますか。
○吉田説明員 歩行者だけが通る場合に、踏切道の間隔があいておりますと、歩行者の目から見ればかなり迂回路になるというようなことで、車までは通行がとめられましても、なかなか歩行者までとめるということがむずかしい事情がいろいろあるようでございます。車の場合に、五百メートル間隔程度であれば、迂回するにつきましても大したこともございませんので、それによって側道なり何なりというようなことはあまりないと思いますが、ただ、五百メートルごとぐらいに集中する踏切道につきまして、その拡幅とかあるいは路面の整備とかいうような問題があろうかと思います。そういった問題は、特別の事態で事情も異なるかと思いますが、一般的に申し上げれば、道路側で負担するのもやむを得ないのじゃないかと考えます。
○河村委員 警察のほうで交通規制をやる場合に、特に車禁の場合に、なかなか地元は納得しない場合が多い。たいていそれは見切り発車をやらなければならぬ場合が多いのですね。その点、鉄道事業者と警察との間でどのような相談のもとにどの辺でやれとかいう、そういう指導は一体どんなふうになっていますか。
○竹岡説明員 私も、大阪あるいは神奈川の交通部長で、現場で踏切の問題で非常に苦労してまいりました。ここに出ております二・三メートル未満の車禁、これは問題ないと思います、車の幅そののものが通れないから。この場合、問題になるのは歩行者の問題です。それから、いま言いました二・三メートルまでいかないけれども、この五百メートル間隔で今後若干車両の通行どめをやるという場合に、特にわれわれがここに廃止してもいいなと思われる場所でよく反対がありますのは、農耕車です。これは農耕車がたんぼの中に行きますから、そういう事情で、やはり私らは地元住民の意向が大切であるというふうに考えております。地元の住民の意向を十分にくんで、そしてあと合理的に道路管理者なりあるいは私鉄、国鉄のほうにも相談しますけれども、やはり住民の便宜をまず第一に考えて規制をやらなければならないという場合が多いというように考えます。
○河村委員 住民の便宜ももちろんですけれども、住民の命も大切なんです。だから、その辺のかね合いできめるものだと思うのです。なかなか決着がつかぬ場合には、警察のほうでかぶってやってしまう、そこまでの指導はやっているのですか、いないのですか。
○竹岡説明員 それは、やはりあぶないということで通行禁止をかけます以上は、警察がどろをかぶるつもりで、しかもそれが安全のためならば、たとえ相当の反対がありましても、通行禁止規制は警察が責任を持ってやります。
○河村委員 踏切道予告標のことが書いてあるのですが、私、実はこれはあまりよく知らないのです。これは道路標識ですか、警察のほうの標識ですか、どっちですか。
○吉田説明員 道路標識でございます。
○河村委員 交通信号機というのも、私、実は少し知識が古いのかよく知らないのですが、これはどういうことになっておりますか。
○山口(真)政府委員 現在、道路交通法によりまして、踏切道の一たん停止義務というのがございます。その一たん停止義務を解除する場合に、交通信号機によりまして、安全な場合には一たん停止義務を解除するということでございます。ただ、これは実は別の意味で非常に危険がありまして、結局列車のほうと自動車の関係でございまして、通常の道路の交差点におきます交通信号機と同じような感触で事を処理するということではこれは非常に危険でございます。といいますのは踏切の場合には、踏切内で自動車が停止するということは、交差点における車両の停止とはわけが違うのでございまして、この場合には、列車はとまらないわけでございますから、踏切内の交通渋滞というのは即事故につながる、単なる交通渋滞ではないということになると思います。 したがいまして、この交通信号機は、列車の運行、特に踏切保安設備というようなものと連動いたしまして、完全に列車の運行というものによって制御される姿の交通信号機というような条件がございますが、そういう条件を満たし、また交通量その他から見て危険のないところには、一たん停止義務を解除するためにこの交通信号機を設けるということでございます。
○河村委員 すると、この交通信号機というのは線路の外にあって、それが赤になった場合には鉄道のほうの信号も赤になる、そういう連動になるわけですか。
○山口(真)政府委員 むしろその逆でございまして、鉄道の信号が赤になった場合には交通信号機は当然赤になっておるという考え方でございます。
○河村委員 それはいまどのくらいあるのですか。また、これからどのくらいふやしていく計画ですか。
○山口(真)政府委員 現在百五十くらいじゃないかと思います。ただ、これはいま申しましたような問題がございますので、現地におきます公安委員会あるいは鉄道事業者というものが十分に相談をいたしまして、支障のないところにはこれをつけていくということでございますので、いまどれだけ設置をするかという具体的な計画はございません。
○河村委員 すると、それは鉄道事業者と道路管理者の両方が納得した場合につける、こういうことですか。
○山口(真)政府委員 さらに公安委員会でございます。
○河村委員 一たん停止義務違反について取り締りの強化を行なうというのが書いてありますね。これは一体どういうことですか。
○竹岡説明員 これは現在の道路交通法で御承知のとおり、踏切を横断する場合には、その直前で一たん停止して左右を確認するということがございますので、この一たん停止しない者を取り締るということでございます。大体踏切の取り締まりは、往々にして一たん停止違反を検挙しようと思えば、制服の姿で隠れておるということで非常に批判等もございますけれども、私服等を使いまして、危険な踏切の場所で一たん停止しない者を検挙しておるということで、ことし上半期で大体四万件くらいを検挙しておりますけれども、一時停止違反に対します検挙でございます。
○河村委員 違反の場合の点数をふやすというようなことは、考えていないのですか。
○竹岡説明員 御承知のとおり、踏切の一時停止違反の点数は二点でございます。二点ということは、三回やらなければ停止にならないということで、この反則金制度に伴いまして点数制度をつくったわけでございますが、他の違反と同じ罰則態様であるために、すなわちこの場合は三月以下の懲役三万円以下の罰金という罰則態様であります。だから、それと同じような違反態様のものはすべて二点にしておりますので、一応二点にしておりますが、われわれのほうも、特に大型トラックなんかで故意犯的な警報無視とかあるいは遮断機突破、こういうものにつきましては、罰則も上げ、かつ点数も引き上げたいということで、現在法務省と折衝中でございます。
○河村委員 一たん停止義務反というのは、実に重大な事故の原因であるので、アメリカなんかの場合は、遮断機があいておろうとおりておろうと、とにかく一切おかまいなく厳罰ですね。実際そのために自分が死ぬだけならまだしも、大ぜいの鉄道の旅客が死ぬ場合が多いわけですね。だから、これは一般的にもうちょっと上げたらどうなんです。その点はいかがですか。
○竹岡説明員 そのつもりで検討しております。
○河村委員 以上で質問を終わります。
○福井委員長 次回は、明十七日午前十時三十分から開会することとし、本日はこれにて散会いたします。 午後五時三分散会