地方行政委員会 第4号
- 発言数
- 205 件
- 登壇者
- 16 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1970/12/15
会議録
○委員長(山内一郎君) ただいまから地方行政委員会を開会いたします。 愛媛県庁職員の労働問題に関する件を議題といたします。 御質疑のある方は順次御発言願います。
○山本伊三郎君 理事打ち合わせ会でいま大体決定したわけでございますが、道交法の改正案、これはまあすぐ審議するんですが、その前に、この前の当委員会のときに、自治省のほうに調査を依頼しておったんですが、愛媛県の労働問題、どういう調査ができたか、自治省から報告を願いたい。
○政府委員(山本明君) 本日の委員会までに、愛媛県の労働問題について報告をするようにという話でございましたので、前の委員会以後鋭意調査をしてまいりまして、現段階におきましてわれわれが調査いたしておりましたところを一応御報告させていただきたいと思っております。 十日の日に愛媛県の総務部次長、それから人事課長を呼びまして、それからさらに十一日の日に議会で質問がございました。また告発もされておりますので、その状況も知りたいということで連絡をいたしましたところが、総務部長は県会中でございましたので、人事課の課長補佐がその間の事情を報告に参って、そのような調査をいたしまして、現在の段階におきましてわれわれが存じておりますところをお答えをいたしたいと思っております。 一つの問題は、組合に残っておればいわゆる特別昇給ができないということで脱退工作が行なわれておったという御質問に対しまして、愛媛県におきましては全国に比較して給与水準が低いので、知事さんがこれを最後にかわるし、何とかしたいということで、従来は七月ごろに特別昇給の実施をしておったのでございますけれども、今回はできるだけその範囲を広くしたいということで、今度の議会に財源措置等もいたしたいということで、現在までおくれておるわけでございますが、知事部局におきましては特別昇給はあくまでも勤務成績が特に良好であるというその本来の趣旨によって実施をするという考え方である、したがいまして組合員であるとかないとかいうことを理由にして差別するということは全く考えておらない、また御質問のような利用をした事実もございません、こういうようなお答えでございました。 それから二番目の、労金の借り入れ金が高利であるから、金はくめんしてやるから組合を脱退したらどうかという話につきましても、現在職員は労働金庫から各種の資金を借り入れておるけれども、もし県のほうで労金から肩がわりすることになりますと、貸す金というのが現在のところ県にあるわけでない、勢い共済組合の金を貸さなければならない。共済組合のほうはワクが狭いぐらいで、申し込みがありましても三カ月とか四カ月とかかかるものだから、直ちにこれを借りかえるということをすることも非常に困難である。したがいまして、組合脱退を目的として他の資金への借りかえをあっせんをする、あるいはまた共済組合で貸すというような事実はございません、ということでございます。 それからなお、組合の脱退者に脱退届の写しを提出させたということで、聞いてみましたが、もちろん前段に申しましたように、組合を脱退するという工作を理事者側としてはしておるわけでございませんので、脱退届の写しを提出させるというようなことは実はしておらないという話でございます。その後十一日の日に、本会議で同様な質問が社会党の日野議員からございまして、それに対しまして次のような応答がされておるわけでございます。知事さんに対しましては、知事さんは、特別昇給はできるだけ広い範囲にしたいと考えておるのであって、組合員であるからどうこうという差別はする考えは持っておらない、できるだけ最後だから、給与水準が低いから上げてやるという考え方を持っておるのだというお答えでございます。 なお、総務部長に対しまして、組合員であるかどうかということの調査を指示したことがあるかどうか、また知事候補の支持の区別を調査するようにという指示をしたかどうか、それから組合を脱退しないと特別昇給には不利益なことがあるというようなことを言ったことがあるか、それから四番目には、組合を脱退しないと近く係長に昇進する人であってもいままでの労苦がむだになるというようなことを言って組合脱退の工作をしたことがないかという質問があったそうでございますが、それに対しまして総務部長は、指摘されたような事実はございません、また当時、総務部長と西条の事務所長が告発をされておりますので、その事実につきましても、そのような行為を西条の事務所長がするようなことはないと確信をしておる、また全般といたしまして不当労働行為というようなことは自分としてはしてはおりません、またほかの職員もそういうことをしておらないと確信をいたします、こういうお答えがなされておるわけでございます。 それから十一日の日に、喜安総務部長とそれから西条の所長が告発をされておるわけでございますが、それにつきましても、内容を承ってみますると、要するに戸田という西条の所長が職制を通じて、脱退をしないと特昇などについては何かと不利益がなされておるということを言った。あるいは西条の農業改良事務所長あるいは総合普及係長が共謀して、組合員に、脱退をしないと特昇の際に差別されることになるという話があった。いわゆる理事者側の名前が出ております。職員につきましては、これは西条の保健所で保健婦の方に、あなたが組合を脱退し、白石候補を支持しないと、いままでの努力がだめになる。それだけいま名前が出ております。 なお、非公式でございますが、職員を現地に出しまして理事者側、いま問題になりました戸田西条の所長、それから宇和島の所長に会いまして、いわゆる理事者側の話を聞いてまいりましたが、いずれもわれわれの調べによりますと、そういうことは申しておらないということでございまして、組合のほうには一方非常なニュースが出ておりまして、やったと、こういうことでございまして、まだ十分な調査はできなかったわけでございますが、現段階までのところは、理事者側におきましてはそういう事実はいたしておりませんと、こういうような調査になっているわけでございます。 以上、簡単でございますけれども、現在までの段階において調査いたしました結果を報告さしていただく次第でございます。
○和田静夫君 調査方法にやはり問題があると、こう思うのです。私のほうは知事に来ていただくという問題は理事会に預けてありますので、さらに理事会で検討していただくとしましても、私も十一日、十二日と現地に行って、いま言われたとおり告訴をされておりますから、したがってその事実関係等については、自治省の側が職制の側にいろいろ聞かれたと同様に、私のほうは職員の皆さん、かなりの方々にお会いをして聞き、十三ばかり具体的にそういう事実関係が明らかになってきているのであります。したがって、やはり知事に来てもらって、私のほうとしては具体的にいろいろの設問をして、そうしてその見解をお聞きする以外に、両方公正な調査結果というのはやはり出ないように思うのです。そこに至る経過として、やはり自治省の側が自治省の調査団なんかを現地に派遣をされてさらに調査を煮詰められる、そういうようなことも一つの方法ではあろうと思いますが、それらのことを含んで、それを受けてやられる用意があるかどうかだけちょっと聞いておきたいと思います。
○政府委員(山本明君) おっしゃいましたように、私のほうは理事者側といいますか、職制側の事情を聞いてまいりまして、組合側の意見を実は聞いておりません。しかしこれはどなたが組合員であるかという問題もございましょうし、組織率が非常にあそこは悪うございますので、職員の中にも組合に入っておる人、入っておらない人ございまして、なかなかその辺の調査が非常に困難であったわけでございます。引き続きましてそういう調査もしてみたいと、このように考えておる次第でございます。
○和田静夫君 知事問題については、この取り扱いについては理事会にお預けをしておきます。
○委員長(山内一郎君) 本件に対する質疑はこの程度にとどめます。 —————————————
○委員長(山内一郎君) 道路交通法の一部を改正する法律案を議題とし、これより質疑に入ります。 御質疑のある方は順次御発言願います。
○和田静夫君 自治大臣がまだお見えになりませんので、ちょっと順序を逆にさしていただきまして、大臣が来られるまで、道路における危険を防止をして、その他交通の安全と円滑をはかり、道路の交通に起因する障害を防止することを目的とするこの道路交通法との関連で、財団法人全日本交通被災者協会について、自治大臣が来られるまで、まず総理府にお尋ねをいたします。 この全日本交通被災者協会というのは、何を目的として設置された団体ですか。
○政府委員(湊徹郎君) ただいまお話がございました財団法人全日本交通被災者協会、これは御承知のように昨年の十二月十八日に設立の認可申請がございまして、ことしの二月十三日に設立登記を完了している法人でございますが、その目的は、交通被災者対策を推進するということ、それから交通事故防止に協力をするということ、その二つが記載された目的になっておるようであります。そのために、交通被災者対策の促進及び調査研究、それから都道府県の被災者団体の指導育成、交通安全運動への協力参加、これらを事業内容にいたしておるというふうに承知しております。
○和田静夫君 ちょっと、いま設立の認可手続の終了ですね、御答弁違っていませんか。
○政府委員(湊徹郎君) 設立の許可が一月の五日で、登記完了が二月十三日と伺っております。
○和田静夫君 この団体は、交通被災者に無料法律相談をする、そうNHKに報道をさせて、結果的には料金をとっていたために、無料でなかったためにNHKが陳謝の報道をしたといわれるいわくつきの団体であります。いまも言われたとおり、交通事故の防止に協力をして、もって安定した明るい社会の実現に寄与することを目的としたこの団体が、一部の政治家の皆さんによって食いものにされているということがあるとたいへん問題だと思うので質問するのですが、この全日本交通被災者協会というのは、いま言われたとおり四十四年の十二月十八日認可申請が行なわれて、四十五年の一月五日に認可になっている。官庁としては、正月休みが入っているわけですからね、財団法人の認可というのは、大体これぐらい超スピードで行なわれていますか。
○政府委員(平川幸藏君) 実は、認可申請から許可までの期間が短いということでございますが、この団体は昭和三十八年ごろから任意団体として設立され、すでに相当ある程度の活躍をしております。したがいまして、認可に至るまでにかなり私のほうといたしましてはいろいろ情報を集めておりましたし、そういうことで認可の期間といたしましては短うございましたけれども、内容等については相当精査、精密に調査したところでございます。
○和田静夫君 時間がありませんから、その辺はあれしますが、ちょっと疑義を持っているのですが、後ほど触れます。 ここに書類がありますが、昭和四十五年の一月十六日にこの団体は設立手続が終了している。そのときのこの団体の基本財産は三百八十万四千二十九円、間違いありませんね。
○政府委員(平川幸藏君) 間違いございません。
○和田静夫君 その基本財産三百八十万四千二十九円という金額、ここに昭和四十四年度の収支決算書を持っているんですが、三月三十一日の時点でも変わっておりません。全国的に活動する財団法人の大体認可基準と言われている基本財産ですね、いま総理府では大体二千万ぐらいまでにお考えになっておるようでありますが、一千万以上、これがまあ常識でありました。それはそれでよろしいですね。
○政府委員(平川幸藏君) 三月末におきましては御指摘のとおりでございますが、四月十七日現在におきましては基本財産と運用財産を合わせまして約千二百万の財産目録になっております。
○和田静夫君 この設立時点での会長はどなたですか。
○政府委員(平川幸藏君) 米田正文氏でございます。
○和田静夫君 事務局長と理事の名をちょっとあげていただきたいのです。
○政府委員(平川幸藏君) 設立当時の事務局長は高橋という方でございます。この方は先ほど先生が御指摘になりましたような交通事故相談の問題で、現在はおりません。それから現在の事務局長は菊地氏でございます。 それから理事につきましては、昭和四十五年度の役員でございますが、会長は欠員中でございます。
○和田静夫君 いや、設立時のことです。
○政府委員(平川幸藏君) 設立当時の理事は、江藤智氏、川上為治氏、安井謙氏、瀬戸山三男氏、西村英一氏、それから丹羽喬四郎氏と、それから臼井莊一氏、山本源左衛門氏、藤沢言雄氏、鈴木美代三氏、南部秀四郎氏、高橋伝之助氏でございます。 現在の理事は、会長が欠員でございまして、副会長が佐藤信平氏、同じく副会長が南部秀四郎氏、それから理事は山本源左衛門氏、鈴木美代三氏、菊地善隆氏、金井正治氏、榊憲治氏、南川謙一郎氏、三戸信之助氏、沢村大二氏ということでございます。
○和田静夫君 三百八十万円の先ほど確認をされた基本財産しかないのに、設立認可がとにかく当時されている。しかも短期間に許可がおりているんですが、これは言われたとおり、前の全日本交通事故被害者の会というものの継続であるということを一応了としておくとしても、いま名前があがったような米田正文さん、江藤智さん、川上為治さん、瀬戸山三男さん、西村英一さん、安井謙さん、これは自民党の現在の衆参両院の議員でいらっしゃることは言うまでもないんですが、当時総務長官の床次さんが、どうもほかと比べてみると非常に認可までのスピードが速いという形で、一役買ったのではないかとさえ言われているんですが、その辺はいま私は追及をしませんが、ことしの一月十五日に行なわれたこの団体の創立パーティには、前の総務長官が出席をされておって、そこで和気あいあいたる交歓風景が繰り広げられているわけですが、そこで総理府にお尋ねしたいのですけれども、この設立総会の議事録によりますと、寄付総額は一千四百三十九万円であります。私はここに議事録を持っていますが、ここに銀行やら各大会社の名前が列記をされた寄付依頼一覧表を持っていますが、この寄付依頼額は四十四年の十二月十八日時点で七千七百六十七万円でありました。この金額はきわめて少ないと思いますけれども、ともあれ一千四百三十九万円の寄付があったことが昨年十一月二十九日の設立総会時点で報告をされ、記録をされています。 ところがこの登記申請書を見てみますと、これによりますと、一月の十六日現在で六百八十五万三千二百五十五円の財産しかないことになります。これはどういうわけですか。寄付はその後どんどんふえていますし、財産が十一月の二十九日時点の千四百三十九万円からふえることがあっても減ることは考えられないと思うのですが、いかがですか。
○政府委員(平川幸藏君) 寄付依頼書における数字——私どもといたしましては三月末現在の残高と申しますか、基本財産の額を徴したわけでございますが、それが三百八十万でございます。なお、われわれといたしましては、四月十三日に確認いたしましたのが約千二百三十数万円という数字が出ておるわけでございます。そういうことでございます。
○和田静夫君 確認をされているその確認の金だっていまないのですからね、あとでそれは触れます。基本財産に食い込んでいるから問題にしているのですから、あまりいいかげんに答弁せずにおいていただきたいのです、全部調べてやっていることですから。 総理府は監督官庁として、この全日本交通被災者協会の経理のずさんさというものをどのようにお考えになっていますか。
○政府委員(平川幸藏君) もちろんこの協会は私どもの監督下にある団体でございますから、できる範囲において監督をしておるわけでございます。 先ほど申し上げましたように、経理上につきましては、昭和四十四年末におきましてわれわれといたしましては報告をしろということでございます。その間のいろいろの事情等につきまして、さらにわれわれといたしましては調査をいたしまして、そういうことはないと思いますけれども、もしそういう事実がございましたならば、十分注意いたしますし、なお不当な点がありましたならば、われわれといたしましても勧告等をいたすということをいたしたいと思いますが、現在のところ、われわれといたしましては、報告を聴取しました範囲内におきましては、そういう問題はない、このように理解をしておるわけでございます。
○和田静夫君 もうじき大臣来そうですから、詰めていきます。四十五年一月十六日時点、いま調査を約束されましたから後ほど決算委員会か何かで続いてやりますけれども、四十五年の一月十六日時点のときに、申請書には四十四年の十二月八日現在三菱銀行虎ノ門支店の残高証明書が添付されているのです。これはここにあります。この定期預金百万円が昨年の十二月中に解約をされいることは監督官庁として御存じですか。
○政府委員(平川幸藏君) 私が持っておる資料につきまして見ますと、そういう事実はございません。
○和田静夫君 これは調べてください。すでにない金をあることにして、登記申請を私はしておると思う。これは公正証書原本不実記載、こういうことに私はなると思います。この点は指摘をしておきます。 まだけしからぬと思うのが実はあるのであります。ここに四月十七日をもって変更をされた変更登記申請書があります。これはおそらく決算委員会ですでにこの問題を問題にして、その後おたくのほうでいろいろうるさく言われたその結果であろうと思うんですが、あの事件からあと、基本財産というのがちょうど一千万円になるように、富士銀行の虎ノ門支店、静岡銀行東京支店、そして三菱銀行虎ノ門支店の残高証明が添付されております。ところがこの三菱銀行虎ノ門支店の三百円の定期ですね、これは定期になっておりまして、これは百五十万円ずつ二本に分かれておるわけです。そのうちの一本は四月の十三日に契約れております。一本は四月十七日に契約をされて、その百五十万は今日まで残っているんです。ところが四月十三日に契約をされた一本の定期は、実は五月六日に解約をしております。それから同じことが富士銀行虎ノ門支店についても言えるんですが、これは五百万の定期、二百五十万ずつ二本になっております。一本の二百五十万は四月の十三日に契約をされております。そしてこれは三菱銀行と同日、五月六日に解約になっております。もう一本は四月十四日に二百五十万の定期契約がされて、その二百五十万だけは今日まで残っております。こういう状態になっております。これは明らかに言われるところの見せ金であります。しかも、私は確かな証言を得ておるんですが、前の高橋事務局長が、米田さんとも連絡の上で、三菱銀行に対していろいろのことを操作されております。そして、しかたなく三菱は二百五十万を四月の十三日から五月の六日まで貸しつける、そういう形でもっての、言ってみれば定期操作という形にこれはなっているんです。これはもうすでにお調べになっていることだろうと思いますし、いままでのようなことでは困るので、この事実関係についてはお認めになりますか。
○政府委員(平川幸藏君) 私のほうの残高証明書によりますと、実は三菱銀行の三百万につきましては一本になっております。先生の言われるような二口に分けてあるというような事実はございません。
○和田静夫君 それじゃあなたそういうふうなことを言われるのならば調べてください、きょう私はまだこれから法律の論議をやりますから。もう電話一本かければすぐわかることです。 調べてもらうことを言いますよ。三菱銀行の残高証明書、定期預金三百万円と、この三百万円のうちで残っているものが百五十万円、それは先ほど言った日に、もうすでに片一方の百五十万円は落ちてしまっておるんです。それから富士銀行虎ノ門支店、これは五百万の残高証明、この五百万円は四月十三日作成定期二百五十万円、四月十四日作成定期二百五十万円、そして四月十四日分は今日残として残っているが、四月十三日分は五月六日に解約になっております。これはお調べになってください。同時に、お調べになっていただけるなら、私は時間がありませんからそこまでできませんでしたから、ここでお願いをしますが、残高証明静岡銀行東京支店、この東京支店分がどういう形になっているか、同時にお調べください。そして、これで私は最後にしますが、財団法人全日本交通被災者協会寄付行為第八条、これはいま時間ありませんから、私、読みませんが、この第八条には、御存じのとおり、基本財産は総理大臣が承認をしない以上は動かせないことになっておりますから、したがって、全日本交通被災者協会は基本財産の処分を、理事会の議決もまあやっていらっしゃいませんが、なくなっている以上は総理大臣が承認をしていなければならぬはずですね。これは総理大臣、承認されておりますか、基本財産を動かすことを。
○政府委員(平川幸藏君) その事実については、届け出がございませんから、承認はしておりません。
○和田静夫君 いまの事実関係をお調べになって、私の質疑をやっている間にひとつ報告をしていただきたいと思います。 それで、交通被災者をこのような形で食いものにする団体というものに対して、監督官庁としては、いま一時間ぐらいたって、お調べになればわかりますから、私の言っていることが事実関係として。どういう見解をお持ちになりますか。
○政府委員(平川幸藏君) 実はこの団体につきましては、先生の御指摘になりましたように、実はほかの件につきまして、すなわち、交通事故相談の問題につきまして御指摘を受けましたので、われわれといたしましては、その問題につきましては極力指導してまいったわけであります。それにつきましてはある程度成果を得たつもりでございますが、いま財産関係につきまして指摘されました点につきましては、さらによく調査をいたしまして、今後ともよく監督していきたい、このように考えております。
○和田静夫君 前段の部分については、私はあなた方の御努力というものを非常に高く評価をしているので、指摘をしてすぐあれだけの作業をやられているわけですから、そのことについて何も否定的ではありません。しかしながら、寄付行為が明確にきめていることについて、こういう形での違反行為が明白にありますから、これに対してはやはり監督官庁としての責任は当然問われなければなりません。そういうことを含みながら、調査をして進めてもらいたい、こう思います。よろしいですか、副長官、いかがです。
○政府委員(湊徹郎君) 実は、私自身はこの団体、もちろんあることは承知しておりますが、この団体に関する先ほど申し上げましたNHKの放送に関連する問題は報告を受けておりますが、細部、ただいま質疑応答のございましたいさいについては今日まで承知しておりませんでした。そこで、質疑の経過をお聞きをしながら、さようなことは私自身としてもはなはだもって遺憾千万であると思いますので、厳重に調査の上、善処してまいりたいと思います。
○和田静夫君 いまの調査、時間的にはどうですか。まだ一時間ぐらいありますけれどもね。
○政府委員(平川幸藏君) 一時間で調査完了するかどうか、お引き受けはできませんが、できるだけ早い機会におきまして、時間におきまして調査をいたしたいと、このように考えますので、その間御猶予願いたいと思います。
○和田静夫君 本委員会が開催されている間に間に合うということで理解をしておきましょう。 そこで、——自治大臣まだ御出席ないですか。——そうすると、ずばりとちょっとお聞きをしますが、このたびの一連の公害立法——法改正によって公害がなくなると担当の副長官のほうはお思いになっていらっしゃいますか。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) なくなるとは思いません。
○和田静夫君 法律をつくっただけでは公害はなくならない。そのことは、公害法制定を誇るわが国が世界に冠たる公害国であることを考えれば私は明らかだと思うのです。昨年の衆議院の産業公害対策特別委員会で佐藤総理は、公害は必要悪だ、公害をなくすため経済成長を押えることはできない、こう述べられた。そして世の中のひんしゅくをまあ買った。そこで最近では、福祉なくして成長なしなどと、まあ全く正反対のことを言われ出す、こういうことになったわけでありますが、私は福祉なくして成長なしという佐藤総理の最近の発言からは実はむなしさしか感ずることはできませんが、公害は必要悪だと総理が述べたとき、私はそれは総理の本音だと思った。また総理などが考えるような意味での一面の真理が含まれているとも思った。すなわち、この公害防除に要するところの費用などの節約を重要な要素としてわが国企業の高度成長があった以上、確かに公害は高度成長のひずみだと私たちが言うような形の言い方よりも、公害は必要悪だという言い方のほうがより真実に近かったんであろうと思うのでね。佐藤総理なり政府が私は責められなければならない点は、公害が必要悪だという言い方の中に見られる公害に対する行政的関与の不十分さだと思うのです。公害発生源たる企業との癒着を重要な要件としてきたかにも見える政府に十分な公害行政を求めること自体が無理であると言ってしまえばそれまでですが、ともあれ公害が現体制のもとで必然的に伴う悪である、したがって法律によってもそれはなくならないにもかかわらず、私たちがなぜこの国会の論議を通して公害を問題にするのかということを、衆議院や参議院の多くの先輩たちが論議をしたあとを追いながら考えました。 私は、もし公害問題が企業活動と人間生活との矛盾といった形で原理的にのみ立てられるものであるならば、私たちがここで公害問題を論ずるゆえんというものはないと思うのであります。私たちが公害問題を取り上げるのは、それが企業活動の広がりと人間生活の広がりとが地域という場において接触するところに発生する問題である、つまり現体制の原理的問題が地域という場を介在させて現われる、その地域という場を整理をしていく中で公害問題というのはある程度解決できる、そう考えますがゆえに、私たちは公害問題を政策対象とするのだと思うのです。とすれば、この公害問題に最も有効な手段というのは地域政治であります。しかるにわが国の公害規制諸立法は、欧米の立法例と比較してみてもきわめて中央集権的であります。地方自治体不在と言ってよいのではないかと思うのですね。それはその大部分の執行を知事に委任してはいるのであるけれども、地方の条例の存在を顧みることなくて、ただ自治体の職員を活用をし、これらに要する経費を地方に負担させているにすぎないといっても私は過言ではないと、こう思うんです。まずこのような基本に関する状況というものを私は実は自治大臣に、自治行政の任にあるという意味においてお聞きをしたいと思っているんですが、国家公安委員長どのようにお考えになります。
○政府委員(湊徹郎君) ただいまお話がございましたように、私ども各省にまたがる間口の広い公害問題をどのように体系づけ、やっていくかという原則を立てる際も、基本的にはただいまお話しのように、すぐれてこれが地域の問題である、したがっていままでのような水系あるいは地域の指定主義ということで限局された、すでに公害の発生した地点だけを問題にしていったのではこれはもう後手後手に回るから、これは基本的には地域も広げる、同時に権限の主要なものも地方公共団体にゆだねていく、同時にその裏づけになる財源についても、国のほうで積極的に責任を持つと、こういうふうな立て方でひとつ今回の公害立法に対処しようという前提でスタートをしたわけでございますから、考え方はただいまお話しのとおりでございます。(「法律がそうなってないんだよ」と呼ぶ者あり)
○和田静夫君 いま横から声がありましたが、法律がそうなってないことはあとから私は具体的に指摘をするので、基本を若干触れているのです。自治大臣は歩いていらっしゃるそうですから、厚生省にちょっとお聞きをしますが、大気汚染防止法第四条の「政令で定める基準に従い、」という文言が「政令で定めるところにより、」と修正をされた。この国の基準を上回る排出基準を自治体が条例で規定する場合に、けさ、午前の連合審査でも若干ありましたが、自治体が条例で規定する場合にかかる政令の内容をこの委員会でもう一度御説明ください。
○説明員(山本宣正君) 四条の政令といたしましてどのような内容をおよそ考えているかということをお答えいたします。三条の一、二項で排出基準を定めておるわけでございますが、その三条の一項、二項による排出基準と同じような方式の規制方式を条例の中ではやはり取り上げるべきだ。第二点といたしましては、いわゆる俗に言う上のせの排出基準を定めるにあたっては、その環境を維持すべき環境濃度、それから現状の汚染の度合い、ばい煙発生施設の動向、こういったようなことを考慮の上で定めるべきだということが第二点。第三点といたしましては、条例の適用の時期あるいは所要の経過措置、こういったようなことを定める予定にいたしておるわけであります。それから、さらに条例による上のせにあたっての限度を設けるかどうかということにつきましては、その地方の実情あるいは自然的、社会的条件によってきめるという考え方でございますので、国があらかじめそれを想定するということはおかしいわけでございますので、特に上のせについての限度を定めるという考えはいまの段階では持っておらないということでございまして、そのようなことを勘案した上での政令の内容を定めたい、かように考えております。
○和田静夫君 そうしますと、山中長官が衆議院で答弁をされていますね。これは御存じだと思うんですが、厚生省は上限を政令に書き込むのは技術的にむずかしいと言ったが、知事が思いどおりの排出規制を、上限を政令に書き込むのは技術的にむずかしいと言ったが、橋本政務次官——これは橋本政務次官がそう答えたのですが、その発言どおりでは知事が思いどおりの排出規制をできることになってしまうという答弁をされていますね。これについては、いまの答弁との関係ではどのようにお考えになっていますか。
○説明員(山本宣正君) 政務次官のお答えのときに私ちょっと在席しておりません。また速記録も実は読んでおりませんので、正確には存じませんが、いま私がお答え申し上げましたのは、一応大気汚染防止法を所管いたします厚生、通産両省の事務当局の段階で統一的に考えました政令に対しての考え方でございます。
○和田静夫君 先ほども申しましたように、これは官房長に、それではもう大臣見えぬようだから聞きますが、先ほど申しましたように、公害というのは地域的現象だ。そうしてその地域ごとに発生する具体的な公害現象に住民は御承知のとおり激しく反対をしていますね。私はこの住民の反公害意識に行政の側がまだ追いついていないと思います。この公害国会自体が、各地に激発している住民運動、あるいは悲惨な公害病の社会問題化に押されて開かれていることを考えてみると、そのことは裏づけられると思うのですが、この状況を冷静に見つめてみますと、今回の立法態度というのは、先ほど副長官の答弁にありましたが、もっとこの住民の反公害エネルギーに依拠した形であるべきではなかっただろうか、そう思うのです。せめて公害発生のおそれのある施設を設置する企業は、当該施設の設置について申請を行なうと同時に、その内容の概要、安全性及び当該施設を含む工場の概況、将来計画などを公表をさせることが私は必要じゃないかと思うのです。あるいは届け出制を許可制として、知事などが許可を与える場合は工場周辺住民の意見を求めなくてはならないようにするとか、あるいは公害発生施設については企業にその旨の表示をさせて、その内容、許容限度、実績等に関する資料を住民が縦覧できるようにするとか、あるいは地方団体の長は、利害関係を有する住民の要求に応じ工場の立ち入り検査等を行なわなくてはならないようにするとか、そうした配慮が私は必要だったと思うのですが、自治を守る立場に立って、住民の全国的ないろいろの動きというものをいま冷静に見つめさせられている立場に立って、自治省当局はどうお考えになりますか。
○政府委員(岸昌君) 公害が地域住民に密接な関係のある事象であることにかんがみまして、地域住民の健康と生命を守る責務を有しております地方公共団体の長といたしまして、その声が十分公害行政に反映するようにいたさなければならないという観点から、私どもは関係各省で立案されました法案に対しまして意見を申し述べてまいったわけでございまして、おおむね私どもの意見が取り入れられているというふうに考えておりますが、ただいま具体的に御指摘のございました住民の方々の直接参加と申しますか、そういった形におけるところの制度を取り入れるということにつきましては、まだ私どもも経験がございませんし、十分自信を持っておりませんでしたので、今回の法案作成に際しましてはそのような意見は述べていないわけでございます。
○和田静夫君 いや、触れられていないから私が質問しているのであって、私が述べたような見解に対してそうやるべきだったとお思いになりませんか。
○政府委員(岸昌君) まあ確かに公害という問題に対しまして地域住民の方々の関心は非常に強いわけでございますが、ただ、ただいま御指摘になりましたような方法を直ちに法律上の制度として取り入れるかどうかということにつきましては、なお検討しなければならない点もあるのではなかろうかと、さように考えておりますので、今後の課題として検討さしていただきたいと思います。
○和田静夫君 私はこの公害関係十四法案をながめてみて、いま言った基本的な問題についてたいへん欠けていると思うんです。したがって真剣に検討していただきたいと思うんです。 そこで、公害防止協定について若干お尋ねしますが、自治体が企業との間に締結している公害防止協定、工業立地センターの調査によりますと、昭和四十五年の二月現在、公害防止協定のほか、協議書、覚え書き、念書、土地売買契約書、往復書簡など、まあ言い方はいろいろたくさんありますが、実質的に公害防止協定とみなされるものを持つ都道府県は、いまわかっているだけでも三十三、市町村は十七、防止協定の総数は全国で六十三に達していると報告をされていますが、この公害防止協定ですがね。それは第一に、現行法上の公害規制の不十分さを補完することができるということ。第二に、地域の実情に即して、個別的に妥当な公害防止対策を打ち出すのに便利であること。第三に、個々の企業と地方自治体とが折衝を重ねる中で、両者の協力で最も効果的な、ときには新しい公害防止技術が発見できることなど、その有効性から推してみて、自治省としてもこの方式をさらに私は推進すべきだと思っているんですが、いかがです。
○政府委員(岸昌君) 公害防止協定は、ただいま御指摘がございましたように、確かに非常にいろんな形態を持っておるわけでございまして、私どももその全貌を必ずしも十分把握いたしておりません。数から申しますと、ただいま御指摘のございました数よりももっと多いような数字を私どもは報告を受けておるわけでございます。したがいましてその中から、私どもといたしましては、今後推奨していきたいタイプを抽出いたしまして、そういうものを一つのスタンダードといたしまして、そういう方向へ持っていくように指導してまいりたい、かように考えておるわけでございます。ただ、現在ありますものがあまりにも雑多でございますので、それらすべてを肯定いたしましてそれを推進してまいるというふうにはちょっとまいらないのではないかというふうに考えております。
○和田静夫君 この公害防止協定の法的な性格がいろいろ論議されておりますね。私も、限られたものですが、少し読んでみましたが、自治省は、といいますか、政府は公害防止協定の法的性格というものをどのようにいま判断をされているのですか。
○政府委員(岸昌君) これもただいま申し上げましたように、非常に形式、内容とも千差万別でございますので、それらを全部包括的に網羅いたしました性格ということはなかなか述べにくいのではなかろうか。学者、学説等を見ましてもいろいろな説があるようでございますが、大ざっぱに申しまして、紳士協定と申しますか、そういう性格を持ちましたものと、契約条項、これにも民法上の契約と見る説と公法上の契約と見る説とございます。そういう契約的性質を持ったものと、大ざっぱに申してこの二種類があるのではなかろうか、かように考えております。
○和田静夫君 いやいや、その紳士協定説やら、いわゆる民事契約説やら、行政契約説やら、説のあることはわかっているのですが、自治省はどういう立場をおとりになるのですか。
○政府委員(岸昌君) それは現実に締結されております公害防止協定によりましていろいろ違うのではなかろうか、かように考えております。
○和田静夫君 それじゃちょっと具体的に尋ねますが、公害防止協定において、法令に規定のない種類の義務を課したり、ときには法令の取り締まり基準よりもきびしい基準を定めたりすることは、現行法上どう理解をしたらよろしいのですか。
○政府委員(岸昌君) 法律の規定が、いわゆる公序良俗を担保いたしますための規定でございます場合には、それに違反するということは許されないわけでございますが、そうでない限り、企業と自治体との間におきまして 〔委員長退席、理事熊谷太三郎君着席〕 合意を見た事項につきましては、それは有効であると、かように考えております。
○和田静夫君 公害防止協定の締結について地方自治体の議会の議決の必要というのはありますか、ありませんか。
○政府委員(岸昌君) 御承知のとおり、議会にはかりまして、議会の議決を必ず得なければならない事項は、地方自治法の九十六条で規定されておるわけでございますが、 〔理事熊谷太三郎君退席、委員長着席〕 それに該当いたします場合には議決が必要となってまいるわけでございますが、一般論としては必ずしも必要はなかろう、かように考えております。
○和田静夫君 公害防止協定の定める、たとえば義務の不履行ですね。義務不履行がある場合に、どのような方法でその履行というものを強制できますか。
○政府委員(岸昌君) それは契約の内容によると思います。
○和田静夫君 公害対策基本法の第十九条に基づく公害防止計画というものは、現在、どことどこにどのような形でつくられていますか。
○政府委員(岸昌君) これはあるいは総理府のほうからお答えいただくのが適当かと存じますが、現在、岡山県の水島、三重県の四日市及び千葉県の市原につきまして、去る十二月一日に内閣総理大臣としての承認をいたしたわけでございます。
○和田静夫君 これ、総務副長官、たいへんこの計画ですね、おそ過ぎるという感じがしませんか。
○政府委員(湊徹郎君) 公害対策全般について、ただいまのような御意見があることは私も承知しておりますが、確かに急速にここ二、三年たいへんなテンポで進んできた公害現象の流れから見れば、総体的におそ過ぎるというふうな感じがいたしますし、まあ今回を契機にして、あの種の防止計画というのはもっともっと多くの地域にどんどん積極的に進めるべきだという考え方で、今後対処していきたいというふうに思っております。
○和田静夫君 公害防止事業費事業者負担法ですね、これに言うところの公害防止事業には、国が施行するものと地方公共団体が施行するものとが分けられております。そのそれぞれについて公害防止事業ごとに事業主の負担割合をきめることになっているわけですね。この前提となる、どの事業については国がやり、どの事業については地方公共団体がやるかということは、これは副長官、どこできまるんです。
○政府委員(湊徹郎君) 大体従来から公害防止のために、あるいは公害防止に資する事業ということで、たとえば下水道事業あるいは緩衝緑地帯の設置、あるいはヘドロのしゅんせつ、いろいろございますが、それぞれの事業に即して従来からもやっておりますし、下水道等ならばある場合は市町村、あるいは流域下水道等の場合には県というように、大体事業主体はきまっておるわけでございます。
○和田静夫君 事業によっては法律、いま言われたように下水道なんかの場合は法律できまる。はっきりしてないものはどこできまりますか。
○政府委員(湊徹郎君) 総理の示す基本方針に従ってそれぞれ防止計画をお立てになる過程で、実は具体的な相談をして、この事業は大体どこが担当してやるということを個々の事業に即して実はきめながら承認をすると、こういう手続をとっておると思います。
○和田静夫君 公害防止計画策定の際に協議をしておきめになっているわけですね。それじゃ具体的に最近つくった計画について、どういう事業について国なり地方なりが施行主体になったか、その内容をちょっと御説明願いたい。
○政府委員(湊徹郎君) 実はいま手元に資料がございませんで、先ほど御連絡いただいた交通関係の資料しか持ち合わしておりませんので、具体的な内容はいま持っておりません。これから……
○和田静夫君 実はこれをきめているのは、いま言われたとおり、結果的には何もないんですね。これは官房長お聞きをしますが、公害防止計画策定の際の国と地方の話し合いの際にどちらが施行主体になるかということについて、何か各省間、まあ政府として原則のようなものはあるんですか。
○政府委員(岸昌君) これは公害対策本部のほうでお取りまとめをいただいたものでございますが、特にいま御指摘のような原則は設けておらないと思います。
○和田静夫君 原則は設けてない。判断の基準はどういうことになるんですか。
○政府委員(岸昌君) 先ほど総務副長官からお答えがありましたとおり、法律のございますものは法律の定めるところによると思いますが、結局は大規模であるか、小規模か、あるいは非常に高度の技術を要するかどうかというようなことが判断の基準になるのではなかろうかと思います。
○和田静夫君 いや私のお聞きをしているのは——どう考えてもわからないんですよ。法律できまっているのはこれはわかりますよ。ところが公害防止計画策定の際に協議をしてきめていくもの、どういう事業については国なんだ、自治省の立場ならこれは地方なんだと、施行主体の主張がありましょう。その主張は、言ってみれば何か原則のようなものがなければできないわけじゃないですか。やろうとするつもりもないわけですか。
○政府委員(岸昌君) 計画作成がそれぞれの都道府県知事になっておりますので、法律に定められておりますものはその法律に従うわけでございますが、地方公共団体としてやはり希望があると思います。これは自分のところで施行する、これは国にお願いをしたい、こういうようなものがございますが、その要望を基礎といたしまして、先ほど申し上げましたような規模なり技術の高度性を要するかどうかというようなことを判断の基準にいたしまして、私どもとしてもそれに判断を加えてまいる、こういうふうになろうと思います。
○和田静夫君 いや、ちょっとわからないのです。何に判断を加えていきますか。
○政府委員(岸昌君) 作成者でございます都道府県知事の原案に対しまして判断を加える、かような意味で申し上げたのであります。
○和田静夫君 協議の際に、これは地方主体だ、国主体だという主張が当然行われるわけでしょう。その主張を行なう場合には、自治省自身が原則をお持ちにならなければならない。政府間で一つの統一した原則を持っていなければならないでしょう、常識的に。その原則というものはないのですか。作るつもりもないわけですか。
○政府委員(岸昌君) 今回の三県の公害防止計画は最初の経験でございますので、まず、それを作成いたします過程でいろいろ交渉がございましたが、そういう交渉の経緯を参考といたしまして、今後そういう基準というものを、もし話し合いがつけば政府間で、関係各省間できめてまいりたいと思います。基本的には、先ほど申しました地方団体の意向を前提といたしまして、その規模の大小、あるいは特別高度の技術を要するかどうかというようなことが、常識的に見まして判断の基準になるのではないか、かように考えております。
○和田静夫君 まああまりはっきりしませんけれども、私の言いたかったことは、公害防止事業にはとにかく国が施行するものと地方公共団体が施行するものとがありますが、十二日の連合審査会において、お隣にいらっしゃる加瀬委員から国の財政責任についての政府の統一見解を求められた。その統一見解によれば、両者とも第一義的には国が最終責任を負うということになっているわけですね。これは自治大臣よろしいですね。
○国務大臣(秋田大助君) そのとおりでございます。
○和田静夫君 そこで、第一義的に責任を負うということは具体的にどういうことなんですか。たとえば近く何か具体的に提案をするおつもりがあるわけですか。 〔委員長退席、理事安田隆明君着席〕
○国務大臣(秋田大助君) 国の機関委員として、地方公共団体に公害に関する対策事務、施策等をお願いしている部分があります。これについての費用は当然国家においてその責任に任ずべきもの、また同時に地方公共団体も、従来住民と接触している第一線の機関として、公害対策こそそうそう固有の仕事として行なっておるところがあります。したがってこれらについては、地方において財政負担に任ずべき点はございますが、むしろこういう点についても国はともに公害対策を分任する責務があるものとして、これにつきましても国はやはり財政負担の任に任ずべきものである、こういうふうに考えております。この点につきましては、したがって総合的に多角的に検討される要がありますので、いま事務段階において関係官庁間に種々折衝をいたしておるところでございます。
○和田静夫君 統一見解を受けて、いま自治大臣答弁にありましたように、各省間の連絡、調整、話し合い、こうなるわけですが、具体的に何かございますか。
○政府委員(長野士郎君) 統一見解が出たからということではございませんけれども、公害防止事業につきまして、これは新しい行政でございますけれども、公害の行政の執行とか防止事業の実施というような問題につきまして当然に経費負担という問題にここでなるわけであります。これは公害の事業の種類とか性質によりましてそれぞれ責任の主体が違う、一がいには必ずしも言えない点があるわけでございます。そういうことでございますから、その点についての個々の問題については、いろいろ検討を重ねておるわけでございますが、特に先ほどお話のありました公害防止計画をつくりまして五年間に集中的に公害防止事業を推進していくというような地域につきましては、計画的に短期間に集中的に事業を行なっていく必要があるわけです。そういう意味で、そういう事業の実施を円滑にいたしますために、やはり国としての補助負担の制度の問題については、これを拡充する方向で研究をすべきではないか。と申しますことは、いろいろな公害防止の事業は、いままでいろいろお話がございましたが、いろいろな事業にこれは分かれていくわけでございまして、下水道事業でありますとか、あるいは緩衝緑地の事業でありますとか、港湾のしゅんせつとか、河川の改修でございますとか、分かれてまいるわけでございますが、それらの事業については従来からそういう事業主体というか、事業の範囲というものが一応きまっておるような形がおおむねあるわけでございますが、そういうこともありますけれども、公害防止という観点に立って、そうして集中的に仕事を行なっていきます以上は、それについて国としても従来どおりの補助があります、従来の公共事業の補助負担だけでは十分ではないじゃないかということも考えられますので、そういうものを中心にいたしまして、制度の拡充について検討をしております。他の各省も協議を進めておるという段階でございます。
○和田静夫君 国の財政的措置としては、たとえば新産・工特の財政特別措置のように、通常の負担をこえるものについて県に対しては特別の起債とそれに対する利子補給、市町村に対しては国の負担割合の特例といったようなやり方と、成田国際空港や奄美振興のような事業ごとの国の補助率、負担率の特例を法律できめるというやり方が考えられますが、端的に言ってどちらをとるつもりですか。いままでの答弁をずっと読んでみている限りでは、事業内容が明確な場合は後者をとるということにしているようですね。公害防止事業費事業者負担法第二条第二項によって公害防止事業の内容は明確になっているわけですから、当然、事業ごとの補助の特例でいくべきだと私は思うのですが、これはいかがですか。
○政府委員(長野士郎君) ただいまお話がございましたが、公害防止事業が特定しているという御意見もありますが、同時に、地域ごとにはまたかなり事情の異なる面もございますし、それからまた事業者の負担にいたしましても、これも個々具体のケースによって事業者の負担割合がきまってくる。具体の事情との関係できまってくるという問題もあるわけであります。そういうことで、必ずしも一がいには議論はなかなか詰められないきらいがございます。したがいまして、いま御指摘のありました成田方式とおっしゃいましたが、成田方式をとるか、新産方式をとるかというような点も含めまして、現在、早急に結論を得たいということで検討をいたしておる段階でございます。
○和田静夫君 公害防止事業について国が第一義的に責任を負う、それでいくと、先ほどの大臣の答弁ではありませんが、大臣が述べられましたように、各省庁間の協議が進む。そうすると、当然財政上の特別法がつくられるということになろうと思うのですね。そうすると、地方財政法の第九条及び第十条の二についても、それらの措置を受けて改正をしなければならぬことになりますが、それはそうですね。
○政府委員(長野士郎君) 公害防止事業の中で、先ほども申し上げましたが、いろいろな事業と行政があるわけでございます。端的に申しまして、必ずしも正確ではないかもしれませんが、たとえば規制権限を都道府県知事に移す、あるいは地方団体に移すというようなことで、いわゆる規制措置というようなものがございます。これは明らかに国の機関委任の代表的なものと考えてよかろうと思うものでございます。したがってそういうものについての問題というものも一つあるわけであります。それから片一方では、先ほどお話がありました公共下水道事業というものがございます。公共下水道事業を行ないますことによって公害防止事業の相当の部分が行ない得るわけでございます。この公共下水道事業というのは、これは地方団体の固有事務と申しますか、公共事務として考えられておる事業でございます。 〔理事安田隆明君退席、委員長着席〕 したがいまして、そういうものは、その事業を整備いたしますことが即また公害防止に非常に大きな役割をするということがございますが、それにしても事業の本質は、地方団体の事業ということの性格が変わるというわけには解すべきではないだろうというふうに思われるわけでございます。したがいまして、一口に公害関係の行政あるいは事業といいましても、いろいろな種類がそれぞれにあるわけでございますから、それらの事業の実態に即しながら問題を考えていかなければならないということになるわけでございまして、現在、いま財政法の関係のことのお話がございましたけれども、私どもは財政措置の内容、事業の実態に即して考えながら、もし必要があるかどうかということになりますれば、その点も当然考えなければならない、検討の対象には当然しなければならない、こう考えております。
○和田静夫君 第十条の二というのが、その「地方公共団体の機関が国民経済に適合するように総合的に樹立された計画」に基づいた建設事業云々ということにいまなっておるわけでありますから、公害防止事業というのは、経済との調和条項を削った基本法に基づく事業でありますから、しかもその事業について国が第一義的な責任を持つというのであれば、地方財政法が地方財政の基本であり、また国と地方の財政責任を明確にする法律であるという意味から考えても、当然私は直さなくてはならない、こういうふうに思っております。で、いま答弁の最後にありましたように、直すことも検討されるということでありますから、そういう主張をしておきたいと思うのですが、この一連の公害立法、法改正を通じて、自治省は地方団体の公害経費をどのように算定をして、その理論数値を明年度の地方財政計画に算入するつもりなのか。昭和四十五年度の地方財政計画の審議の際にも私はこのことを申し上げた。自治省はこの各地方団体の公害行政需要を点検をして、その上に立って必要な公害関係職員の数なりを算出をしているのかどうか、実はたいへん疑わしいのであります。公害行政に対する積極姿勢を明年度地方財政計画にどのような形で反映をされるおつもりなのか、大臣の見解を承りたい。
○国務大臣(秋田大助君) 地方公共団体がその責務とするところの公害施策を十分に行ない得るよう国庫の補助負担制度の拡充も求めますが、同時に、地方の財政計画の遂行の上におきましても遺憾のない措置を講じなければならないと存じております。詳細につきましては事務当局から御説明を申し上げます。
○政府委員(長野士郎君) 昭和四十五年度におきましては、公害関係につきましてはいわゆる人件費とか、あるいは測定器械、汚染とかそういうものの観測、監視いたしますための測定器具、器械の整備費等につきまして、交付税上は約三十億円を算入をいたしております。 それから地方財政計画の策定にあたりましては、なお公害対策関係経費ということになるわけでございますが、その公害対策関係経費というのは包括的に考えられるわけではございませんで、先ほどもちょっと触れさしていただきましたが、下水道の事業でございますとか、清掃施設の事業でありますとかというような、それぞれの公共施設整備の事業の中に、言ってみれば財政計画上は含まれておるといいますか、そういう形で計画策定がなされてまいっておるわけでございます。四十六年度におきましても、やはりこれを明確に公害防止施策だけを別に公共施設の整備と切り離してということは、これは技術的にも非常に困難ではなかろうかと思いますから、そういう意味ではやはり同じようにそういう事業の必要経費というものを算入をしていくということになりますが、同時に、そのほかには、たとえば河川の浄化事業でありますとか、あるいは緩衝緑地の整備事業だとかというようなものももちろん含めて、その所要経費というものを算定をいたしまして、それについての地方財政措置を考えていかなければならない、こういうように考えております。
○和田静夫君 大臣も財政局長も、考えていかなければならない姿勢については伺いましたが、先ほど言ったように、その理論数値はいつごろまでにつくられますか。
○政府委員(長野士郎君) 公害関係だけ抜き出すということは非常にむずかしいわけでございますが、同時に来年度の予算編成を通じまして、国の場合にもどれだけの公害関係の経費として負担をし、そうして地方に委託しておるものについては、どれだけ地方に対して国から措置をするかというような問題も、そういうことを通じて次第にきまってまいると思います。それから、先ほど来申しておりますような国庫補助負担制度の内容の改善ということも、そういうときにきまってまいると思うわけでございますから、そういうものを基礎にいたしながら、地方団体として負担すべき経費というようなものを含めまして、財政計画を策定する際には整理ができて、その中に算定できるようにぜひ考えてまいりたい、こう思っております。
○和田静夫君 道路交通法の百十条の二には、知事の要請または公安委員会の自主的判断に基づく交通規制の手続に関して規定をしているわけですね。大気汚染防止法第二十一条第一項、それから第二十三条第四項、あるいは騒音防止法の十七条第一項にいう「要請」というのは、法律上どのような性格のものですか。
○政府委員(片岡誠君) 法律上の性格としましては、事実上の要請、ある程度制度化したもの、中身につきましては、通知と何らかの措置をとることを求めるということだと思います。
○和田静夫君 警察法の第三十八条は、「都道府県知事の所轄の下に、都道府県公安委員会を置く。」とある。だから、都道府県知事はみずからの所轄下の公安委員会になぜ要請しなければならないのかと思ったわけです。したがって、「要請」の性格を聞いたのですが、通知をして、なおかつ、措置をとることを求める、要請する。これはあれじゃないですか、通知とか、指示をするとか、あるいは勧告をするとかという形のものが当然なのではないですか。
○政府委員(片岡誠君) たとえば大気汚染防止法の例をとりますと、二十一条の場合あるいは二十三条の場合も、その前提として、知事が大気汚染の状態を観測をいたしております。で、観測の結果、ある一定の数値に達した場合に、人の健康または生活環境に影響があるというそういう判断は知事がなさることだと思います。したがいまして、こういう限度に達したという事実を通知をして、何らかの道路交通法上の措置をとってくれというのが「要請」の意味だと私は思っているわけです。
○和田静夫君 「要請」をそのように解釈をして、省令で定める基準を上回るような大気汚染の状態が発生したり、緊急を要する事態になったときどのような対策をとるかということは、これは事前にきめておかなくてはならないと思いますね。で、都道府県知事と公安委員会とはどのような連絡をとってこれらの事務の実施の円滑を期するつもりですか。
○政府委員(片岡誠君) 例を大気汚染の場合にとって御説明いたしたいと思います。 大気汚染防止法の二十一条の場合は、前提として二十条で、交差点などで交通混雑が激しくて自動車排気ガスによる大気汚染の状況の悪いようなところ、そういうところを常時、知事が観測することになっております。したがって、観測しておりますと、その一定限度、問題になる限度にだんだん近づいていくということが観測の結果つかめるわけでございます。したがいまして、その一定限度に達する事前に、もうぼつぼつあぶないぞということは当然公安委員会のほうに御連絡あるものと思いますし、それを受けて公安委員会のほうは、いまいかなる交通規制手段がとられるか、また、いかなる手段が一番有効適切であるかという判断をして計画を立てます。そうして知事部局と密接な連絡をとりながら、その一定限度に至ったときに、早急に、スピーディにその対策がとれるような緊密な連絡が実務上はとられるものと判断いたしております。
○和田静夫君 公安委員会は都道府県から資料の提供を受けることが規定をされていますが、都道府県知事としても、どのような事態にどのような対策を立てるつもりなのか、計画の提出を求められるようにしておくべきではありませんか。交通行政一元化という立場からも、知事の統括ということを明確にしておく必要があるのではないかと思うのですが、いかがです。
○政府委員(片岡誠君) 申すまでもなく都道府県公安委員会は、地方公共団体である都道府県の機関でございます。知事と公安委員会の関係は非常に密接なものと当然私どもは考えております。それで、資料提供を求めるという規定は、たとえば知事部局で常時観測している地点につきましてはその測定結果の連絡があると思いますけれども、たとえば知事が観測している地点に入っていないところで、たとえばこの間の牛込の柳町のような場合、そういうような場合に、住民のほうからいろいろ要請があろうと思います。そうした場合に、大気汚染の防止の測定につきましては知事部局がやるという条項もございますので、私ども直接技術的に測定することはいたしません。公安委員会といたしましては、したがいまして、臨時にその地域の大気汚染の状況を知事部局の担当者が測定をして、そうしてその結果を知らしてくださいというのが、その資料提供を求めるという趣旨でございます。
○和田静夫君 光化学スモッグに関する対処のしかた、今回の改正案ではどのようになっておりますか。
○政府委員(片岡誠君) 今回の大気汚染防止法の改正案で予定しておりますのは、法第二十三条が大体光化学スモッグその他の大気汚染の場合を想定して、予定しているようでございます。したがいましてこの場合は、二十一条の場合と異なりまして、ある程度汚染状況も、点から線、線から面といったように広いということが前提で、しかもそれが恒常的なものではなくて、ある程度瞬間的な、あるいは短時間のもので、しかも被害が非常に重大な影響を与えるというような場合を想定しているものと私ども解しております。したがいましてこのときの数値につきましては、いずれ厚生省のほうから御説明があろうと思いますけれども、二十一条の数値と違いまして相当汚染の程度の激しい数値がとられるだろうと思います。したがいましてそういう場合には、その光化学スモッグが一体どういう原因で起こったのか、そのうちに道路交通に起因するものがどのくらいあるか、一体どこの道路交通に起因しているのかという科学的な調査が前提にならなければ適切な交通規制はできないんではないか、そのように私どもは考えております。
○和田静夫君 これは厚生省の側ですか、光化学スモッグの具体的対処がこのような規制で技術的に可能だとほんとうに思っていらっしゃるのですか。
○説明員(山本宣正君) 光化学スモッグの対策といたしましては、その発生源であるものが何かということを考えますと、炭化水素と窒素酸化物、それにいわゆる紫外線のエネルギー等が加わってああいうオキシダントの生成ができまして、ああいう現象が起こるわけであります。したがいまして、一面では窒素酸化物を出すような固定発生源に対する対処のしかた、さらに炭化水素を発生する自動車等の対処のしかたと、両面があろうと思いますが、この道路交通法の関係で、大気汚染防止法で考えましたのは、非常に著しいそういったような現象が起きますというときに、一つのそういった現象を排除する一つの要因として自動車交通の規制を考えていくということで、一面を考えたということに相なるわけでございます。
○和田静夫君 質問にピンとした答弁をしないで困りますね。私の質問に答えてくださいよ。
○説明員(山本宣正君) 私のお答えのしかたが若干不十分であったかと思いますけれども、御承知のように光化学スモッグの起きます原因となる物質を発生するのは、一面では固定発生源があり、一面では自動車という発生源があるので、その二十三条に基づく道路交通法に関係する交通規制のほうへの考え方は、その一面というか、片一方だけを考えたものである。抜本的には、いま一方の発生源対策もしていかなければならない、こういうことでございます。
○和田静夫君 ガス事業と電気事業について別扱いにする理由というのをちょっと説明してもらいたい。
○説明員(山本宣正君) 電気事業、ガス事業の従来の都道府県知事の措置のしかたにつきましては不十分な点がございましたので、今回におきましてはその点を一部改正いたしまして、所要の調整規定を置いたわけでございまして、都道府県知事が通産大臣に対しまして、第二十七条の四項によりまして必要な措置をとってもらうように要請するということを入れたわけでございます。
○和田静夫君 ちょっとあなたに質問をしてもあるいは気の毒かと思うのですがね、現下の公害問題というのは、いままでの国の基準では住民の生命が十分保障されないというところから起こってきたのですよ。電気事業やガス事業だけについてはその観点からはずして考えるというのは基本的におかしい。まさにどこかで何かが行なわれてこういうことになったというふうに政治的に思わざるを得ません。思うほうが私は至当だと思っておるのですが、衆議院でもこの点を指摘されて、山中総務長官は十日の衆議院の連合審査会で、知事がストップを要請してくればそれにこたえる、国を信頼してほしいと、こう言っています。これは信頼しないことはないのですけれども、信頼し続けてきたら、今日の公害、生命の危険だということに一面ではなるわけですが、ほんとうに山中総務長官が言われたことでしょうか。これは国家公安委員長ですか、自治大臣ですか。
○国務大臣(秋田大助君) 電気・ガス事業につきましては、その生産する物質の広域的な安定供給という国家的要請がございます。そこで、もちろん公害対策に地方の公共団体、その首長たる知事あるいは市長さん等が第一義的に責任を持つべき性格がございます。しかしその点を、さっき申し上げました点を勘案いたしまして要請権になるわけで、この要請権はただ単純なものじゃない。処置を十分強力に要請をし、国家は——この場合は通産大臣でしょうが、いち早く、時を移さず適切な措置をとる義務を当然持つものであり、とった措置を報告する義務も明記することによりまして、その点を明らかにしたわけであります。これは安定的な広域的供給という点から、住民の健康ないしは快適良好な環境保全の責務を阻却するものではなくて、そういう特殊な要望のために、生命環境保全の責任のもとに適切な措置をとることを、わずかな私はアローアンスの中に求めておるもの、公害基本法第一条の精神がここに働いて、通産大臣が急速に適切な処置をとる、こういう、いわば調整といえば調整でございますが、そういう意味におきまして、環境の保全と健康の維持という基礎の上に、安定した供給ということを考慮しての措置をとるのだ、こういうふうに理解をいたしましてああいう条文になったのだと、こう私は理解をし、かつそういう理解のもとに適切な処置を通産大臣はとるべきものであろうと、こう解釈をいたしております。
○和田静夫君 川崎市の市長は、地域住民に直結しているのは市町村長であり、国や県は間接行政、権限を委譲するならそこへおろすべきで、少なくとも公害都市だけでも市長に早く渡してもらいたい、こう述べ続けておられます。確かに私は今度の法改正全体をながめて、指定市の市長やあるいは公害市の市長への権限委譲というものが考えられてもよかったのではないかと思うのですよ。自治大臣、今度は間に合わなくても、今後においてそういう考え方にお立ちになりませんか。
○国務大臣(秋田大助君) 私はこの委員会で申さなかったかもしれない——あるいは、たしかここで言ったことがあります。(「聞いた聞いた」と呼ぶ者あり)私は大体いま和田先生がおっしゃったような考え方に立っておって、十分その精神が今度の法改正に貫かれていないことは残念であります。今後の改正の機会、あるいはいろいろ政令等の規定につきまして、この自治省の考え方が実現するようにつとめてまいりたいと考えております。
○和田静夫君 総務副長官、先ほどのはもう結論が出たんじゃないですか、お調べ願ったやつ。
○政府委員(平川幸藏君) お答え申し上げます。 実は帰りましてさっそく調査にかかったわけでございますが、御承知のように、銀行預金につきましてわれわれが尋ねましてもすぐに答えるかどうかということで疑問がございましたので、関係省庁である大蔵省に聞きましたところ、そういう法律はないけれども、一般には答えないであろうということで、実は私のほうは、事務当局である団体を呼びまして聞こうと思っておりましたが、ちょうど一時間経過いたしましたので、参ったわけでございます。今後、その点につきましては努力いたしたいと思います。
○和田静夫君 これはお互いに協力する立場であれですからね、私の調査事実には間違いがありません。これはもう大蔵省をちゃんと介在させてやっていることですから間違いありません。したがって、そんな形で答弁を逃げられるばかりが私はこの問題については能じゃないと思うのです。したがって、責任をもって、総務副長官、これは調査をしてください。そしてその結果を私あてに返答をいただきたいと思います。それに基づいて、なお質疑すべきなら質疑しますし、協議すべきなら協議をします。こういうふうにしたいと思いますが、いかがでしょうか。
○政府委員(湊徹郎君) ただいまお話しのように、先ほども申し上げたのでありますが、極力、私どもとしましても、監督官庁という立場から、ただいまの質疑を通じていろいろ問題になった点を中心に調査をして、そのあとで和田先生のほうにひとつ御連絡をするようにいたします。 それから、先ほどの公害防止事業に関する件でございますが、これはもう総理大臣の承認も得た具体的な計画がございますので、一覧表にしたやつを後ほどお届けしたいと思います。
○加瀬完君 時間も相当経過いたしておりますので、簡単に質問いたしますので、簡潔に御答弁をいただきます。 第一点は、今度のこの法案について、公安委員会と知事の権限というものが若干問題ではないかと思うのでございます。公安委員会は知事が任命する機関でありますのに、ここでは公安委員会が主体になりまして、知事の申出がありましても、それの選択は公安委員会にまかせられるということではおかしい。公害行政が地方の固有事務だという問題もたびたび指摘されておるわけでありますから、少なくとも道路交通法上の公害関係については、知事が主体、公安委員会はその知事の指示に従って動くと、こういう立場がとられなければおかしいと思いますが、この点はいかがですか。
○政府委員(片岡誠君) 加瀬先生よく御存じのことだと思いますが、道路交通を管理する立場にあるのが、地方公共団体の機関である都道府県公安委員会であると私ども思っております。それで、今回の交通公害につきまして、先ほど来申しましたように、大気汚染あるいは騒音の場合に、知事が、一定限度に達したときに要請する、したがって、交通公害がどの程度になったかという判断は知事がなさることだと私は思います。それで要請をされる。その場合に、公安委員会は一番交通の現状をよく知っている地方機関だと私は思います。したがいまして、交通公害の発生がございましたときに、ある一定の地点の交通規制をやれば、その影響は、安全の面でも、円滑の面でも、あるいは他の地点の交通公害にも、どのような影響があるかという総合的な判断をするのには、都道府県公安委員会が最も適切な機関だと、このように感じております。
○加瀬完君 道路交通というワクの中の行政で公害問題を処理しようとしたって、これは無理ですよ。公害の責任というものは知事がとるべきで、しかしながら、具体的な道路交通についての行政担当は公安委員会でありますから、府県なり市町村の条例できちんときめておいて、その条例の具体的な扱いというものは公安委員会にまかせれば足りることです。たとえば、公安委員会というものは特殊な任務を持っているわけですね。交通公害を除いた道路交通というものだけでもたいへんな仕事なんですね。それへつけ加えるような形で公害行政を乗せられても、この公害防止行政というのが公安委員会のワクの中で完全に行なわれる可能性というのは、やはり知事権限で行なったものと比べて、どうも一面は過重負担になるし、一面は経費、行政その他の面でこれはやりづらい面がありましょうし、私は適当ではないというふうに、これは意見になりますが、考えておるのでございます。そこで、一々知事が申し出る、それを公安委員会で検討するというものではなくて、条例か何かで一応の行政基準というものをきちんときめておかなければスムーズに運用はできないと思いますが、この点は御同意をいただけますか。
○政府委員(片岡誠君) 法律上の仕組みは百十条の二に規定しておるとおりでございます。しかしながら、この前提として、実務上は都道府県の公安委員会と知事の関係がございますし、密接な常時連絡をとっておりますし、ある一定の時点に達する前に協議をして、一定の時点に達したときにどういう措置をするかということは、実務行為としては十分円滑に行なわれるものと確信いたしております。
○加瀬完君 私は確信を持てませんが、まああとは議論になりますから先へ進みますよ。 政令と条例の問題ですがね。官房長、先ほど政府委員のどなたかの御説明で、この上のせを——政令できめたものの上のせは認めるけれども、その上のせについて何かまたワクをはめるような御見解が出されましたが、公害合同審査のときには、政令は下限をきめて、その上限の頭打ちというものを一切しない。したがって上のせは自由である。こういう見解が表明されたわけです。これはそのとおり受け取っていいでしょうか。いままで政令というものが出れば政令のワクで全部条例が縛られたんだけれども、今後、公害問題だけは大臣は縛らない。だから、地方にわりあいにワクを大幅に権限委譲したと同じだというふうに説明があったんですけれども、そう受けとっていいでしょうか。
○政府委員(岸昌君) 条例が法令の範囲内で制定されなければならないということにつきましては同じでございますが、先ほど厚生省のほうから御説明がありましたように、この場合の政令におきましては上限をきめない。かように私どもは理解をいたしております。
○加瀬完君 第三の問題として、その場合、政令はとにかくとして、下限だけしかきめないということになると、条例できめられる基準というものは問題になってきますね。それで、先ほど厚生省のほうからは何か基準も一応固められるような形に受け取られる御答弁があったわけでございますが、国と地方の違いは、集積公害を認めるか認めないかということが一つの争点です。結局、出てくるいろいろの公害を総体的に、絶対量というもので公害の基準を押えようとするのが東京都等の条例の傾向ですね。これは地方の傾向といってもいいです。ところが政令できめられるものは一つの単位基準というものを押えてまいりますね、そうなってまいりますと、いま問題になっているこの法案の中でも、振動なり騒音なりの基準というものはどこで押えるか。下限はきめられますよ。下限はきらめれますけれども、たとえば、騒音ならここでは運輸省がきめるというのですよ、しかし各公害防止条例の中に、各都道府県では騒音基準というものをつくっています。そうすると、運輸省できめられる自動車の騒音の基準と各地域の条例できめられる騒音基準というものと、地域できめられる騒音基準のほうがきびしいという場合ですね、これは運輸省でこれから政令できめるものも、その地方の基準は許容する。こういうことになりますか、なりませんか。
○政府委員(片岡誠君) 二つの問題があると思います。一つは発生源である個々の自動車の騒音なり、排出のガスの許容基準が一つだと思います。それからもう一つは、いま先生おっしゃいました集積した環境の基準、この二種類あろうと私は思います。自動車の場合の排出基準につきましては、運輸大臣が個々の発生源に対する基準はきめるというのが法令のたてまえになっておるようでございます。それから環境基準につきましては、大気汚染の場合、それから騒音の場合に、公害対策基本法九条に基づいて閣議決定されていくという仕組みに私どもは了解しております。
○加瀬完君 これがいまの行政のやり方ではざる法なんですよ。何々会社というところでつくられた自動車の騒音を検査して、これは基準騒音より以下だ。あるいはガス排出基準より以下だということで、これは合格だという判定をするわけではないですね。何万台できるものから一つとって、それもこちらから自由選択でとるものではなくて、会社が持ってきたものについて、これは基準に合っているか合っていないかという判定をして、それが合っていれば全部の自動車が合格だということになるのです。商品ですから売れなければならないのですから、一つのものだけいいものを持ってこられたらどうにも防ぎようがないのですね。だから、合格した自動車が一台で不合格の自動車が一万台あるかもしれませんよ。ですから具体的には、やはり出てくるガスで総量を規制をするという形をとらなければ、ほんとうの対策にはならないというのが地方側の言い分なんです。運輸省できめても総量規制という方法をとりませんから、どうしたってこれは一台、一台で判定されたものではなくて、出てきたそのものの中で、集積された騒音が何ホンだからこれはだめだという規制をしなければ、騒音規制になりませんね。地方ではそうやっている。これをお認めにならなければ、条例は法律に優先するわけにいかぬ。法律に基づいて政令で、これは合格の自動車が非常にひんぱんに通れば、そこに条例できめた五十ホンよりもはるかに高い七十ホン出ているのだけれども、それは規制できないということでは、これはほんとうの騒音規制にはならないでしょう。その矛盾というものは今度の道交法の改正でも一つも解決されていないと思いますが、どうですか。
○政府委員(片岡誠君) 従来とも個々の発生源である自動車の騒音にしろ、あるいは排気ガスにしましても、これが保安基準に定められた基準を上回った場合に、道路交通法違反として、装置不良車両として取り締まりをし、あるいはそれらの改善の整備通告書を出す、そういう措置が現在の道交法でも行なわれております。これは個別発生源に対する取り締まりによる基準の担保だと思います。今回の改正案では、先生おっしゃる個々の排出源ではなくて、環境基準、ある地域の環境が、大気汚染なりあるいは騒音で一定基準をこえるといった場合に交通の規制をする。法律によって騒音なり振動なり、あるいは大気汚染を若干でも減らす、被害を減らすという仕組みを考え、そういう権限を公安委員会に与えるということでございます。
○加瀬完君 ですからね、先ほどの御説明、私の聞き違いかもしれませんけれども、自動車は運輸省で御説明になる発生源の一台、一台について騒音なら騒音規制するというのです。騒音規制してそれに合格したものは道路に出てきますけれども、しかし、先ほども申し上げましたように、その発生源は何万台の一台で、何千分、何万分の一だけ検定をさせて、あと全部右へならえで合格という方法をとるわけですから、一台、一台の発生源で不合格が、局長のおっしゃる不良車両があることは当然である。しかし、不良車両の規制というものは運輸省のいまの検定のやり方では、審査のやり方ではできない。どうしてもこれは総量規制という形をとらなければならないんじゃないか。そうすると総量規制ということになりますと、東京都のように、この地域は工業地域だから六十ホンとか、その地域は住宅地域だから五十ホンというものを押えて、それで規制ができるのかと、こう聞いているんです。それで規制してよろしいのか。
○政府委員(片岡誠君) 私、所管ではございませんけれども、騒音規制法の今回の改正によりまして、知事の権限として地域を指定しまして、この環境基準として騒音の一定限度をきめて、それを知事が監視していくという体制が、騒音規制法でなされることになっております。
○加瀬完君 ですからね、公安委員会で取り締まりをするときに、その都道府県の条例できめた騒音基準というものを押えておやりになるというように了解してよろしいか。
○政府委員(片岡誠君) 知事がおきめになったその条例できめた、指定した地域の騒音規制の励行を公安委員会としても交通規制でやれるという手段があれば、それをやっていきたいということでございます。
○加瀬完君 おかしいです、そこが。やれればやる、基準にどっちをとらえるか、実際はざる法みたいな審査の方法で、不良車両であるものが市内に出てくるものを、これを運輸省の政令を通ってきたものだから合格だということで野放しにするのか、そうではなくて、地域の条例で騒音基準をきめたならばその騒音基準というもので押える、取り締まりをするのか、あとのほうをおとりになりますかと、そういう点を聞いている。
○政府委員(片岡誠君) 若干整理いたしたいと思います。一つは、個々の発生源につきましては……。
○加瀬完君 それはもうわかったから……。
○政府委員(片岡誠君) 地域の環境の基準を知事がきめられたときに、それを取り締まるか。個々の騒音の取り締まりは、自動車の保安基準違反は取り締まります。それから環境基準がきめられたときに、その基準に合致しない場所がかりに出た場合に、私ども申します交通規制は、取り締まりではございませんで、自動車の通行を禁止するとか、あるいは制限するとか、あるいは速度を落とさせるといった交通規制の手段によって騒音なり振動がより低くなるように、そういう交通規制は今回の法律改正でいたしますと、こういうことでございます。
○加瀬完君 また前に戻りますけれども、そういうことですと、公害防止の対策にはならない。交通規制というワクの中だけでやりますから、大きくなった騒音をこっちに移したり、あるいは中止させたりという効果はあっても、その地域にきのうは公害があったがきょうから騒音公害はなくするという対策にはならないんじゃないか。ですから、この点はむしろ知事部局のほうでがっちりと基準をきめて、その取り締まりの権限というものを公安委員会が持つということにしたほうが私は妥当ではないかという点を先ほど来申し上げているわけです。この点はひとつ御検討をいただきます。 次に、財政局長に伺いますが、まあ今度の公害防止事業というものは純然たる国家事務の面もありますね、それから委任事務の面もありますね、それからまあ大筋にいって固有事務的な面もありますね。で、いずれにしても地方がやるということになりますと、委任事務の面ならば、これは交付税で算定なさるという筋ではないわけですから、国庫支出金をつくるとか、あるいは先ほど和田君が指摘したような補助金のかさ上げをするとか、こういう公害事業に対しては、公害事業のうちで国が地方に委任をしてやらせる事業については、国庫支出金で財源を補てんする、あるいは補助金のかさ上げをする、こういうものが確実には何にもなってない。なってない。この点を一点。 それから基本法の二十三条によって、これは地方の事業であろうとも国が財源的にはめんどうを見なければならないということになっているわけですから、そうすると、いままでの私どもの受け取り方では、何か交付税で算定するような御説明のように受け取れる。交付税は一般の固有事務を運営するための財源ですからね、ですから、その一般の自治体の固有事務を運営するための財源の交付税の一部を公害事業のほうにさくということになると、当然やらなければならない固有事務は、それだけ経費を削減されるということになるわけですね。公害事業をやるから一%でも交付税の率を上げるということなら別だけれども、率は変わらない。ワクが変わらないのにその一部分を公害のほうに持っていくというのなら、残りが少なくなるから、当然一般のほかの交付税でやらなければならない事業の財源は削減をされるということになりましょう。これらを私はもう一度明確にしていただかなければならないと思います。 それからもう一つ、企業負担をさせるという法律も別にございますね。企業負担をさせるということを、これを地方でやれるか、地方の条例とか、地方の委任事務という形で、おまえの企業から幾ら出せと言ったって、なかなかこれははっきりせぬじゃないか、中には拝みます、頼みますと言って誘致した企業もあるわけですから、誘致して税金まで免除しておいて、今度は税金を払え、そのほか負担をしろと言ってもなかなかうまくいかぬじゃないか。こういうことは国がきちんと基準をきめてやるべきでありますのに、国がきちんと企業負担は国の法律でこれだけとりますというきめ方をしていない、この問題を一体自治省としてはどうお考えになりますか。
○政府委員(長野士郎君) 先生のお話の意味はよくわかりますが、現在、国と地方との仕事の分担、それから費用の分担、これはいろいろな観点で出てきておるわけでございますが、一義的に、いわゆる機関委任事務であれば全部国が全額を持つという考え方も確かにありますけれども、現実には必ずしもそうなっておりません。つまり地方財政法では、国の利害というようなことで、国の利害に関係があるたとえば衆議院議員の選挙法のようなものになってまいりますと、そういう意味で国が全部持つというようなことをやっておりますが、機関委任事務であるから全部持つということと、国が経費的に全部持つということが、現実には必ずしもきれいに一義的に割り切れていない状況であるということでございます。で、機関委任事務、あるいは団体委任事務、それから固有事務があるわけでございますが、団体委任事務といわゆる固有事務というものは、ほとんど地方団体それ自身の権能というふうな考え方をとっておりますから、そこでは、そういう意味での負担はどちらかといえば地方が負担するということが大体たてまえになっておる。しかしながら、仕事の性質によりましては、それも全部地方が負担するということにも必ずしもなっておりません。ここらあたりに、いろいろと現在の事務の分担と経費の負担区分というものもなかなか割り切れないところがあるわけでございます。そこで、そういうことと今度の公害の問題とどういうふうに組み合わせて妥当な考え方をとるべきかということに、これは一応お話はなるのではなかろうかと思うのでございます。私どもといたしましては、地方が当然事業として実施していくべきもの、そうして地方としての責任の分野に属すると思われますもの、そういうものについての地方の経費の負担というふうに考えられますものにつきましては、やはり財源措置というものは地方費の中での財源措置として考えていく必要があるのだろう。それから国が国として当然に考えるべきものは、それは国として負担金なり、あるいは委託費なりいろいろな形はあると思いますけれども、国が措置すべきものは措置していく、こういうことに相なると申し上げるよりほかしかたがないと思います。
○加瀬完君 これは財政局長のおことばとも思えない。いままで地方財政計画等で一番問題になったのは超過負担でしょう。しかも委任事務の超過負担が非常に地方で問題になっている。これを解消するということが一つの財政計画のねらいであった。今度はこのまま一つの基準をつけないで公害事業というものをみんな地方が背負ったら、私は超過負担はもっと増大しますよ。なぜならば、農業会の職員の問題とか何とかいうのは、足りないところが幾らの部分でもないからいいけれども、公害事業というのは住民の要求が非常に大きいでしょう。地方としてどうしてもたくさんやらなければならない。そうすると、それを地方でまかなうという面を野方図にしておくと、地方の負担というものは、これはほかの委任事務とは違った幅で伸びてきますよ。そのときになって足りないとか足りると言ったってしかたがないわけですから。しかも公害基本法の二十三条には、地方の公害防止事業であっても財源的には国がめんどうを見なきゃならないという規定があるんですから、これは取るとか、やるということでなくて、ほんとうの公害事業というものを完成するためにはもっと財源の裏づけというものがなければどうにもならないわけですから、自治省としては、これだけのことは財源の裏づけを十分してくれなければ困るという主張をこの際しなければおかしい。それで、地方の責任の事務は当然地方の財源でまかなうべきだというその一つの例に、あなたがさっき公共下水道をあげた。公共下水道がどういう形でかぶさってきているかということをおそらく御存じないんじゃないかと私は疑った。なぜならば、公共下水道などをやらなきやならない——大都市は別ですよ——東京近郊の人口急増地域というのは、まず公共下水道よりも上水道をやらなきゃならないわけですよ。道路も直さなきやならない、学校も建てなければならない。ですから、学校を建てるといっても土地から求めなきゃならないけれども、その用地費、費用の負担というものはいまのところ出ておらない。その上に下水道をやるということになりますと、私の調べたところでは、年間の総予算が七億くらいのところで、最小限見ても現行法では十億くらいの負担を背負わなければ公共下水道はできないわけですよ。住民にとれば、おれたちだけいたときには公共下水道も何も必要なかった。たくさん人口が急増して公共下水道をやらなければ井戸水も飲めないという状態になった、この責任は地方の住民が負うべきなのか、国が、公共下水道の財源というものは、いわゆる公害防止事業としてもっと負担をしなければならないものなのかということには、どうしたって疑問を生じてくる。それを大都市のような財源豊かなところのように、公共下水道は五割政府が、国が持つんだから、あと都道府県が二割五分持って地元の市町村が二割五分持ったって、まだ前から見れば補助率が高くなったんだから簡単にできるじゃないかというおつもりかもしれませんが、なかなかそういうわけにいかない。そこで、現状のままでは公共下水道というものは——都道府県がしょえば別ですよ、市町村はしょい切れない。ですから、こういう公害防止事業という中に公共下水道があるならば、公共下水道の補助金のかさ上げというのは当然主張してくれなければ困る。成田空港はかさ上げしましたよね、出さなくてもいい交付税まで出している。若干地元に犠牲を払わせたからという前提でかさ上げしたのです。そうすると、この公共下水道を必要とする地域は、結局国の国土計画というか、あるいは産業計画というか、そこに若干のそごを来たしたから、一つの地域に過密が出、別の地域に過疎ができるという状態になったのですから、これは行政公害の面だってないわけではないわけですから、もう地方に公害防止事業をやらせるなら、その財源というのはやはりいままでのとおりでやりますということでは私はないと思います。その点、自治省は当然主張してもいいことをだいぶ御遠慮がちでございますが、それは本心でございますか。どうもはっきり受け取れない、財政局長の御意見としては。
○政府委員(長野士郎君) 先ほどは一般的にこれを国と地方とがどういうふうに受け持つかというようなお話で、いろいろお話がございましたのにお答えをしたわけでございますが、公害防止事業の問題として、特に先ほども申し上げましたように、公害防止計画をつくりまして、短期間に計画的に公害防止事業を集中的にやっていくということになってまいりますというと、その防止事業の中にはいろんな事業があるわけでございますから、そういうものが一体円滑に実施し得るのかどうかというような点と同時に、また国が公害防止計画を承認をいたしまして、そうして一定期間に防止事業を集中的に計画的に行なうことについての国の意思もはっきりしておるわけでございますから、その点について、事業の実施については単に地方だけの責任というわけにはまいらぬのじゃないかという面もあるわけでございます。したがいまして、地方の負担可能な限界というものが当然あります。また同時に、地方だけに事業を実施させるということが、公害防止の事業の促進という体制として、国としての責任が一体果たしたことになるのかならないのかという問題もあるわけでございます。これらの点につきましては現在検討をいたしまして、国の現在あります補助負担制度等の拡充を通じて事業の円滑な実施を保障していくようにいたさなければならない、こう考えております。
○加瀬完君 これはいずれ交付税の審議がございますから、そのときにもう少し伺ってみたいと思います。 時間がございませんので最後に一問。これは警察庁に伺いますが、振動とか、それからその他のいろいろ道路規制が出てくるわけですけれども、道路の構造というものを考えなくて、どういうふうに対策を立てたってこれは対策にはならない。特に振動なんということになりますと、道路の構造が悪けりゃ、これは押えようがないわけですね。で、道路構造というものの基本に、どの程度の車を走らせたらよろしいかという意味の規制というものも考えてもいいんじゃないかという点が一点。これは自治省にも関係がありますが、ガソリン税というものは大体国がほとんど全部取って、地方によこす分は一部分で、道路財源に充てていますね。しかし、今度はガソリンから公害が出るわけですからね、それなら公害の対策費の分をこのガソリン税から還元されたってよろしいじゃないかという点を、私は自治省としては主張してもよろしいんじゃないか。これは注文だけつけておきます。 それで最後を重ねますが、取り締まりをこれからしていくわけだし、いまは公害対策ではなくて道路交通の取り締まりがありますが、これが一体各都道府県、あるいは各警察署、あるいは取り締まりをする各警察官で一つの基準になっていないところが私はあるんじゃないかと思うんです。たとえば、スピード違反をしても、そのスピード違反の罰金が違う、あるいは行政罰が違う、こういうことであっては私はおかしいと思う。それで、今度公害防止のための一つの行政方針をつくるわけですが、これは条例なり、あるいは公安委員会の規則なり、きびしく基準をきめて、個人とか、場所によって行政罰の対象が違わないように取り締まっていただかなけりゃなりません。これは罰だけでなくて、取り締まりの基準、あるいは知事に通報をする基準といったものを、各都道府県でいろいろの条件を抜きにしてまちまちということでは困りますから、これは十分その内容を検討して、それぞれ指導をしていただきたいと思います。 たいへん長くなりましたが、以上で終わります。
○藤原房雄君 だいぶ午前中から議論が進みましたので、重複する点は省きたいと思うのでありますが、新聞の報ずるところによりますと、十一月は公害防止運動月間ということで、この公害問題については、いろいろ都及び警視庁で、COの濃度検査とか、いろんなことをやったようでありますが、この公害防止運動月間における担当当局の成果といいますか、また今後についての参考になるいろいろな問題があったろうと思うのでありますが、その点についてお聞きしたいと思います。担当はだれですか。
○政府委員(片岡誠君) 全般的な公害防止月間につきましては、私どもの所管ではございませんが、お尋ねの趣旨の中で私どもに関連する点について申し上げたいと思います。 私どもの守備範囲で申し上げますと、自動車の保安基準が改正になりまして、個々の自動車から発生している一酸化炭素の大気汚染の弊害を除くために、装置不良車両としての自動車の取り締まりをいたしたわけでございますが、その間八月、九月、十月、三カ月間に十八万六千七十三の車両を指導、取り締まりいたしました。その中で違反車両としましては七万二千九百六十九、約三九・二%、四〇%近くが保安基準によります五・五%以上の一酸化炭素を出しておった、そういう結果でございます。
○藤原房雄君 最近はいろいろな世論調査等が行なわれております。大都市におきましては、たとえば、東京都におけるいろいろなデータもありますが、交通公害に対する監視、それからまたそれの被害を訴える人の数というものは非常にふえておるということで、このたびのこの法案の提出というものはまことに時宜を得たものだと思うのでありますが、この趣旨そのものについては私どもも反対はしないのでありますが、これは午前中からいろいろ論じられておりますように、現実の面になりますと、運用面になりますと、いろいろな問題が出てくると、こういうことで午前中からいろいろ議論がございました。私もこれらのことについていろいろお聞きしたいと思うのでありますが、一つは、いまお話がございましたように、十八万の車両のうち七万からの違反の車両があったという、こういう現実から見ましても、車体自体のいろいろな研究というか、そういう問題もございますし、また運転者自身についてのモラルのいろいろな問題もあるであろうと思うのでありますが、こういう非常に大きなパーセンテージを占めたこのたびのこの公害防止の運動を通しまして、今後どういうふうに公害問題を考えていこうとしているのか。今後の方針といいますか、この法律の中身を別にして、率直な意見を聞きたいと思います。
○政府委員(片岡誠君) 道路交通に起因する交通公害の防止のためには、私ども基本的な考え方といたしましては、発生源である個々の自動車の保安基準の問題、それからもう一つは燃料でありますガソリンなりLPGなり、そういう燃料の問題、その問題を解決するのが根本的な解決策だと私ども思っております。また、それぞれあるいは通産、あるいは運輸の所管行政の仕事でございますが、その行政を側面的にバックアップしまして、現場における取り締まりと個々の発生体に対する取り締まりという角度で運輸、通産行政をバックアップするということは考えております。しかしながら、根本的な対策が必ずしもいま直ちにできないといたしますれば、現実に人の健康あるいは生活環境にかかわるような被害が発生している場合には、これは対症療法ではございますけれども、交通を何らかの手段で規制することによって、人の健康なり、あるいは生活環境の保全をはかっていきたいというのが今回の法改正の趣旨でございます。
○藤原房雄君 法律の第一条の目的のところに、「交通に起因する障害」と、こういうものがうたってあります。いろいろ議論のあったところでありますが、いまもお話がございましたように、交通公害のためにこのたびの改正があるわけであります。交通公害ということをはっきり明記する、こういうことからいたしまして、目的の条文というところには、より交通公害ということをはっきりさせなければならないと思うのでありますが、この条文によりますと、「道路の交通に起因する障害」、こういう字句であります。この障害ということについては、次に交通公害の定義がございますが、交通公害として大気汚染、騒音、振動ということが考えられるわけでありますが、そのほかに障害ということにはどういうことが含まれるでしょうか。
○政府委員(片岡誠君) 現在の法律、道交法の中にも、たとえばどろをはねてはいけないとか、あるいは警音機を危険でないときにやたらに鳴らしてはいけないとか、そういういわば交通の安全と円滑とは直接関係がない条文もすでに入っております。そういう意味も含めまして、交通公害といまのどろはねの禁止だとか、そういうことを含めまして、直接交通の安全と円滑には関係ないけれども、道路交通に起因する人なりあるいはその生活に対する障害を、ここにこういう道路交通に起因する障害ととらえた次第でございます。
○藤原房雄君 この公害問題は非常に多岐にわたりますし、また経済の大きな成長の中にありまして、われわれのまた予測しないいろいろな問題が起きてくるだろうと思うのでありますが、午前中にいろいろな議論がありましたように、何と申しましても、このたびの法律の改正は抜本的なものではない、こう思います。やはりどうしても根本的な改正が必要である、このように担当大臣もおっしゃっておりましたけれども、次の国会になりますか、新しい改正を試みようとする全文についてはあれでありますが、大筋だけでもどういうふうに考えていらっしゃるのか、その点を。
○政府委員(片岡誠君) 交通公害の防止をはかることも大切でございます。しかしながら、交通の危険を防止し、交通の安全をはかるということが、あるいは場合によってはより大切なことではなかろうかと私ども考えております。人の命に直接響く問題が大切であろうと思います。それで、次の通常国会に提出いたしたいものとして、内部で案を固め、検討いたしております大筋を簡単に申し上げますと、一つは生活道路、裏通り、そういう生活道路における歩行者の保護が完全に行なわれるような措置、あるいはバス・レーンをいま指導で行なっておりますけれども、それを法的にきちんと裏づけができるような措置をとる、あるいは都心部に対する乗り入れの規制といったことができる裏づけをしたい、さような交通規制の面の手当て、つまり都市における安全と円滑な交通が確保できるような手当てをいたしたいというのが一つでございます。 それからもう一つは、運転者の安全な運転ができるような教育体系をもう少し厳格に、しかも総合的にできるような仕組みを考えていきたいというのが一つでございます。 第三の点といたしまして、現在の交通ルール、道交法に規定いたしております交通ルールは、御承知のように、制定いたしましてからもうすでに十年近くの日がたっておりますので、必ずしも現在の交通状況に適応したものとも言い切れない面がございます。それを現在の交通状況に合うように、よりよく、より合理的にして、国民のすべてが、特に運転者の皆さん方がわかりやすく理解しやすいような形に整理をしていきたい、大体そのような三点について考えております。
○藤原房雄君 どうしても道路交通法は、これは規制ということが中心といいますか、規制が多いようであります。これもいろいろ議論のあるところだと思うのでございますけれども、規制をしますと、どうしてもどこかにそのゆがみと申しますか、渋滞が出てくる。交通公害からいいますと、どうしても公害を広域に拡散するような形になるわけでありますから、これは規制ということだけではなくて、どうしても都市構造といいますか、都市政策という大きな観点からも考えなければならない問題だと思います。そういう大きな観点のことについては、いまここで云々するひまはないと思うのでございますけれども、いずれにいたしましても、将来の大きな展望の上に立って考えていかないと、規制規制でものごとを縛るようなことだけでは進まないことは当然だと思います。こういうことからいたしまして、新全総、経済企画庁で考えております日本列島の新しい総合開発の中で、やはり交通の今後の大きな発展、五年十年先にどのくらいの台数になって、どうなるのかという、そういう観点からの新全総というものが当然考えられなければならないと思いますが、こういう問題について、強い意見なり、または対策というものを述べられ、そしてまたそういうものが盛られているかどうかということ、こういう点はどうでしょうか。
○政府委員(片岡誠君) 仰せのとおり、交通の規制によって現実の問題を処理していくというのは、いわば対症療法としての措置だと私どもも思っております。したがいまして、都市計画なり、あるいは道路の構造なり、あるいは国土計画なりというものが十分な形で行なわれれば、私どものほうで、警察の立場で規制をしていくということも少なくなり、よりそういう国民に対する規制、制約が少なくて、よりよい交通環境なり生活環境が生まれるものと私どもも確信いたしております。ただ、道路の構造につきましては、私ども具体的な道路についていろいろな問題がある場合には、道路管理者のほうに意見を申し上げるなりして、また道路管理者のほうもその意見を受けてくださって、一緒になって現在交通安全対策なり、交通円滑対策をやっているのが現状でございます。
○藤原房雄君 いろいろな交通公害がありますが、その中で特に振動のことについて二、三お伺いしたいんでありますが、最近は長距離の大型貨物は夜間走るということで、地域住民に非常に不快感を与えておる、また振動というものが身体に及ぼす影響というものも最近いろいろな角度から検討されております。このたびの法律で、この振動の問題についても規制ということの対象になっているわけでありますが、しかし、振動ということは非常にとらえにくいといいますか、客観的にこれを規制するということは非常にむずかしいことだと思うんでありますが、この規制の、ことに振動のことについて具体的にどういうような形で規制に持っていくのか、どういう場合にどうなるのかという具体例といいますか、何かそういうのがございましたら御説明願いたいと思います。
○政府委員(片岡誠君) 仰せのとおり、振動については非常にむずかしい問題だと私ども思っております。基準をきめますのにも、何らかの数値的な基準がはたして得られるかどうか、私どもはその数値的な基準がほしゅうございますけれども、得られるかどうか問題もあるのではないかとも思っております。これは厚生省ともお打ち合わせしまして、早急に基準をつくってまいりたいと思います。 ただ、幹線道路の沿線などで現在住民の方が困っておられるような振動について、それじゃいかなる具体的な手があるかという問題だと思いますが、速度規制をする、あるいは徐行にするというような形も一つの方法ではなかろうか。しかしながら根本的には、道路構造なり、そこを通る車の交通量の問題だと思います。ただ、夜間一定の大型の車の通行を禁止するというような手段もあるいはあるのではないか、現在のところ、そういうふうな点について検討をいたしております。
○藤原房雄君 省令にゆだねてありますから、具体的な問題になりますとまだ検討中ということだろうと思うのでありますが、そういうことから、実際この法案の審議には、省令ということがどういう骨格で出てくるのかということがはっきりしなければ実際はならぬと思うのでありますが、振動はやはり車が走るというそこから振動が来るわけでありますから、当然この振動だけのものではなくて、騒音というものも伴っているわけであります。そういうことで、地域住民に与える影響というものは非常に大きい。ただ振動だけのことではなくて、それに伴う騒音というもの、特にいまある程度の規制を云々ということでしたけれども、高速道路に面したところの住宅地帯というものは、振動と騒音、こういうことで特殊なところであると思うんですけれども、悩まされている。ひどいところですと、家の中でも十分話ができないというところもあるわけでありますが、こういう具体的に悩んでいる多くの方々がいらっしゃるわけでありますから、そういう数値的に客観的に数をとらえて規制するということはできないとしても、そういう現実を踏まえて、どうそれを規制するといいますか、どういう状態になったら規制の対象になるという、そういう大筋のところでもよろしゅうございますけれども、その点はどうでしょうか。
○政府委員(片岡誠君) いま御指摘のような高速道路の場合、あるいは国道一号線、二号線といったような幹線道路の場合に、その沿道に住んでおられる方々の騒音と振動に対しての被害がある。それを、そこを通行している車をとめることによって、つまり交通規制することによってその被害の軽減をはかるということは非常に困難なことだと私ども考えております。ただ、迂回路がある場合だとか、学校だとか、病院だとかいったような特定の地域、あるいは道路の区間を限っての対策は、これはどしどしやってまいりたいとは思いますけれども、高速道路その他の幹線道路につきましては、非常に困難なことではなかろうかと私ども思っております。
○藤原房雄君 むずかしいことだと思いますけれども、早急の措置はとれないとしても、五カ年、十カ年の計画の中から、そういうことに対しても何らかの対策というものを考えていただきたいと思うのであります。 次は大気汚染のことでありますが、ことし、にわかに光化学スモッグというようなことで騒がれたわけでありますが、日本の各主要都市において、大気汚染の中で、自動車公害の占める、自動車のこれは排気ガスのために大気が汚染されているという、これは工場地帯と大都市とではまた違うだろうと思うのでありますが、この東京とか、六大都市と言いますか、こういうところでは、排気ガスの大気汚染に占める割り合いというのは大体どのぐらいですか。
○政府委員(片岡誠君) 一酸化炭素なり炭化水素につきましては、その大部分が自動車の排気ガスによるものだと言われております。それから亜硫酸ガス、硫黄酸化物については、一割ぐらいが自動車の排気ガスに起因するもの、それから窒素酸化物につきましては、その三分の一が自動車の排気ガスに起因するものと、こういうふうに言われておるようであります。
○藤原房雄君 それでは、そういう自動車の排気ガスが大気汚染の大部分を占めるという、そういう実態もわかっているわけでありますし、また、光化学スモッグの起きる発生の原因というものについてもいろいろ研究されておりますし、おおよそのメカニズムというものもわかっているわけでありますが、そういうことからいたしまして、この大気汚染の濃度の条件と、それからまた気象状態とか地形とか、こういうことから起きると言われておりますので、そういう諸条件を考えますと、人体に、また植物にまで大きな影響を及ぼす光化学スモッグというのは、そう広範囲に日本列島全体で起きる問題では決してないと思います。そういうことを考えますと、また一年間通しましても、そう数は多いことではないと思うのでありますが、まあ先ほどからいろいろお聞きしておりますが、この交通規制、それは規制すると同時に他に大きな影響を及ぼす、こういうことを考えますと、自然と、どの地域はこういう公害が起きやすいということはあらかじめわかるわけでありますから、どういう状態になったときには警報を発する。またはその交通規制をとる以前に、まあ明日なら明日の条件からして非常にあぶない状態にあるということも事前に察知できるわけでありますから、規制しなければならぬ状態になって規制するというのではなくて、予防的な考えというものもここに考えてしかるべきだと思いますし、そこが規制されるときにはどういう迂回の道があるのかということも、事前に運転者にも知らせることが必要ではないかという、こういうふうにも思うわけですが、こういうことについてはどうでしょうか。
○政府委員(片岡誠君) 局地的に、たとえば交差点で自動車が渋滞をしているような場所、そういう局地的にある程度恒常的な汚染の場合と、それからいまおっしゃいました光化学スモッグといったような、広域にわたって、しかもある短い時間、しかもその場合には被害が非常に重大であるという場合と、二つ考えられると思います。いずれにしろ、都道府県知事が測定を義務づけられておりますし、常時監視いたしておりますその監視体制で、一定の基準に近づく前に大体状況がわかってまいりますので、それの通報を受けて、公安委員会としてはどのような交通規制をしたら一番有効であるかということを事前に十分検討いたしておきまして、そしてその一定度の段階に達した場合には直ちに行動が起こせるような、そういう実務的な仕組みを考えてまいりたいと思っております。
○藤原房雄君 この条文によって、今度は交通公害の場合に規制されることになるわけであります。どういう規制が実際的には行なわれるのかということですが、どういうときにはどういう規制を行なうのか。
○政府委員(片岡誠君) 現在考えておりますのは、一つは信号機の操作によって規制を行なう。たとえば、ある一定の地域が大気汚染が非常に激しくなった場合には、そこへ流入する車の量を減らすために、そこへ入ってくる車に対しまして赤信号の時間を長くして、両翼——左右にさばいていく、極端な場合にはとめることにもなるわけでございますが、そういう信号機の操作によってさばいていく。また、柳町の場合がそうでございますけれども、谷底でとまって、そうして発進することによって一酸化炭素がたくさん出るというのを防ぐために、少し手前の小高くなったところへ信号機をつけまして車をとめていくというような、したがって、そのときには一番谷底にはとまらないで通過するような、そういう仕組みを考えた、これも一つの方法だと思います。それから速度の制限をしたり、除行を義務づけます、これも一つのやり方だろうと思います。それから一番最悪の場合には車をとめていく、通行を禁止、制限をする。ただ、その場合にも全面的にとめる前に、あるいは車の種類によって通行を禁止する、あるいは一定の時間車の通行を禁止する。そういうきめのこまかいやり方もあらかじめ考えていきたいと思っております。
○藤原房雄君 それを、どういうふうにどの道路を、また信号をどうしなければならないということを具体的に判断なさるのは都道府県知事ということですね。その状況判断というものは非常に大事になってくると思いますが、私、先ほど申し上げましたように、事前にどの地区がどうなった、どういう条件になったらどうなるかということはわかるわけでありますから、ロサンゼルスのような形で、三段階ですか、三段階なら三段階に分けて、どういうときにはどうなるのかという、事前にそういう方向というものを周知徹底するということが大事じゃないかと思いますが、まあ臨機応変に現場の状況に応じてということでありますけれども、そうではなくして、より事前に——急に車なんかとめられたりまた規制されたりしますと、たいへんな混雑をして、その汚染の状況をかえって広域に広げてしまうという結果になるわけでありますから、事前のやはり準備といいますか、対策というものが必要ではないかと先ほどから申し上げているわけでありますが、その点についてはいかがですか。
○政府委員(片岡誠君) いま私が申しましたのは、個々別の手段について申し上げたわけでございますけれども、先生のおっしゃるように、大気汚染防止法の二十三条によって規制するような場合につきましては、知事が測定をいたしておりまして、ある一定段階に達すれば、ばい煙を排出している工場、事業場にも注意をするし、あるいは道路交通をしている運行者に対しても警告を発して自主的な規制を求めるというのが第一項だと思います。しかし、その段階よりもさらにきびしい段階になったときに、都道府県公安委員会に何らかの交通上の規制措置を要請するのが四項の規定だと思います。その四項になるような事態はおそらくめったには起こらない事態であろうと私ども思いますが、たとえば光化学スモッグのような場合に、それが一体どこのどの原因でそういうものが起こったのか、それが道路交通にどの程度起因するのか、あるいはどこの道路交通から起因しているのか、したがって、どこをとめればいいのかというようなことは、当然知事がその原因を科学的な調査をされましょうし、その調査に基づいて公安委員会としても具体的な計画を事前につくっていくということに相なろうかと思います。
○藤原房雄君 もちろん、地方自治体における観測の結果によって、これは非常事態のときには要請することになるわけでございますが、その指示があって公安委員会に要請するという、そこから行動が開始されるということになるわけでございますけれども、また緊急を要する場合には、まあ現場の警察官が規制することができるということにもなっておりますが、そういうことを考えますと、警察官自身にも相当もうこの公害に対する知識といいますか、そういうものがなければならないと思いますし、また測定ということについても、どこに測定器を置くかということによってずいぶん違ってくると思います。こういうことで、測定の結果を受けてという、こういうことだけではなくて、やはり警察官に対しての公害に対する十分なる知識、そしてまた専門的な警察官というものも当然必要だろうと思うのでありますが、その点についてはお考えでしょうか。
○政府委員(片岡誠君) 仰せのとおりだと思います。今後、警察官の教養も徹底いたしたいと思いますし、専門的な知識を持つ担当者も至急に養成していく必要があろうと思っております。
○藤原房雄君 ちょっと話が変わりますが、大気汚染で一番問題になるのは一酸化炭素でありますが、実際、自動車の排気ガスからはそのほかの有害物質もたくさん出るわけであります。まあ現在はそれは顕著にあらわれておるというのはごく少数かもしれませんけれども、実際いま鉛の問題や炭化水素のことや、こういうことでいろいろ問題が出ております。さらにまた、ディーゼルエンジンですとまた別のことが考えられますし、また燃料によってもずいぶんいろいろな被害というものが多いようでありますけれども、またLPGによりますと、ガソリン車よりも一酸化炭素も多いんじゃないかということも言われておりますし、燃料の研究といいますか、燃料そのもの、さらにまたそこから吐き出される排気ガスの有害成分、こういうことで現在の段階でも多くの問題をはらんでおります。午前中にもいろいろな審議がございまして、五十年度には三千五百万台というような自動車の増加、さらにまた、一平方キロ当たりの日本における車の台数の比率というものは、列国にないたいへんな高密度になっております。こういうことを考えますと、現在においてもすでにこういう有害成分に対する何らかの規制なり、またはこれに対する対策というものを考えてしかるべきじゃないかと、こう思うのでありますが、現状としてはどのようにお考えになっていらっしゃいますか、この点お伺いしたい。
○政府委員(片岡誠君) 仰せのとおりだと思います。
○藤原房雄君 その問題につきまして現在どういうように検討しているか、具体的に何かございましたら。
○政府委員(片岡誠君) 御提案いたしております改正法律が施行されますれば、それに基づく交通規制は当然やってまいりたいと思いますが、それまでの間でも、個別発生源対策としての、現在、現に保安基準に違反してそれ以上に騒音なり、あるいは排気ガスを出して有害物質を出している自動車が現に町を走っております。それにつきましては、指導、取り締まりを通じまして騒音なり排気ガスの減少というものをはかってまいりたいと思っております。
○藤原房雄君 一酸化炭素以外の有害成分というものも決しておろそかにならない。やがてまたあたらしい量がふえるに従って問題になる可能性もありますので、これはまあ厚生省令と言いますか、大気汚染のほうから環境基準という、こういうことからまたいろんな問題になるだろうと思うのでありますけれども、自動車の構造上、そしてまた燃料のほうからどうしてもなくすることのできない有害成分がたくさんあるわけでありますので、その点の研究と言いますか、この問題についても鋭意検討していただきたいと思うのであります。そのほかいろんな問題についてお聞きしたいことがございますし、また要望したいこともございますが、一応時間もございますので、最後に、荒木大臣に御質問申し上げますが、先ほどからいろいろお話ししておりますように、このたびの改正案は規制ということが中心になっておりまして、どうしても抜本的ではない。次の国会に対しての道路交通法の抜本的な改正ということも考えられているのでありますけれども、やはりこれは大きな見地から考えねばならないことでありまして、いろんなことが考えられても、やはりそれに伴なう予算というものが伴なわなければ十分な処置はできないのではないか。いずれにしましても、交通問題、そしてまたいま問題になっておりますこの交通公害、人命にかかわる大事なことでございますので、この抜本的な道路行政ということもあるでしょう。車のまた燃料の開発ということもあるでしょう。こういうようなことを一々取り上げて見ましてもたいへんなお金のかかることであり、たいへんなことでありますけれども、人命第一、こういう観点から言うと非常に大事な問題であります。このたびのこの改正案で事足れりとは大臣もゆめゆめ思ってはいないと思うのでありますけれども、より十分な研究、そしてまたより抜本的な改正、思い切った予算措置を講じて、交通公害、交通問題については取り組んでいただきたい、このように思うのでありますが、大臣の御所見をお伺いして、終わりたいと思います。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 仰せのとおり、交通公害の将来を思いますと、たいへんなことだと思います。モータリゼーションの進度に応じまして、適切な措置を講じ、道交法の改正につきましても、要は抜本的な改正を目ざして、できれば次の通常国会に御審議をわずらわしたいと存じております。なお、施設の面におきましても、四十六年度を初年度とする五カ年計画を策定いたしまして、その初年度の発足を予算折衝を通じましてぜひ実現したいと存じております。
○委員長(山内一郎君) 速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(山内一郎君) 速記をつけて。
○原田立君 いろいろともう質問が出ていますから、重複する点は多々あるだろうと思うのですけれども、それはひとつごかんべん願って御答弁いただきたいと思います。 今回の道交法改正によって、いろいろ処置しなければならないことが多くあろうと思うのでありますけれども、それで、まず施設の増加だとか、それに対する人間の増であるとか、そういうふうなこと等も行なっていかなければ、法律だけ通ったって何にもできないことだろうと思うのですけれども、そういう点で具体的にどのくらいの人員を考えているのか、あるいはまたどういう施設をどう予算化していくのか、そこら辺、煮詰められていたらばお答え願いたい。
○政府委員(片岡誠君) 現在、人員の増加については現段階では考えておりません。それから施設の面でございますが、これは、いま大臣からお話がございましたように、交通安全管理施設の五カ年計画を約三千七百億円でございますが、昭和四十六年度から発足させたいということで、現在予算要求中でございます。で、この交通公害を防止するための施設としても、同じように信号機、標識、標示その他の施設でございますので、交通の安全と円滑をはかるための施設と全く同じ施設を使いますので、その五カ年計画の予算のめどがつきますれば、今回の法改正に基づく交通公害防止のための施設の面も片づいていくと、このように考えております。
○原田立君 人員のほうは考えてないということでございますけれども、現在の陣容で、現場のほうですね、現場のほうは現在の陣容で交通公害は十分取り締まっていくことができると、こういうふうに理解していいんですね。
○政府委員(片岡誠君) 決して十分な人員とは私どもは考えておりませんけれども、現在の、つまり来年度予算で増員計画は考えていないと、このようなことであります。
○原田立君 たいへん現場のほうの話は、人員が足りなくて困ってるんだということをどこへ行ってもお聞きするんですよ。だから、今度こうやって新しい仕事がふえたならば、それなりに必要なんじゃないかと思って、こう思って聞いているんで、必要だから認めろと、そういう意味じゃないんですよ。そういう声がある、それを全然考えていない、必要ないという考えなのか、現場の声とちょっと違うんじゃないか、こう思って確かめているわけなんです。
○政府委員(片岡誠君) 現在、私ども承知しておりますが、現在の現場は交通事故事件の捜査といいますか、起こりました交通事故の捜査に追われているというのが現状だと私も思っております。また、そういう声も私どもの耳に入ってきております。しかしながら、先般の改正で、御承知のように交通巡視員制度を設けまして、それによって若干でも現場の負担の軽減をはかれたかとも思いますけれども、まだまだ現場がたいへんであるのは私もよく存じております。したがいまして、現場の事故事件捜査をやっているそのやり方を、何とか改良、改善をするなりして、現場における事務の簡素化なり省力方法を鋭意検討し、またいい知恵の出たことは現場のほうへ流していくということで仕事をやっておりますけれども、ただ、いや、それでもうだいじょうぶかというと、私ども必ずしもそう思っておりませんが、来年度予算の要求としては現在考えていないと、こういうことでございます。
○原田立君 どうもよく理解しがたいんですけれども、それはそれとして、四十六年度から五カ年計画で三千七百億、それだけの処置をするんだということなんですけれども、さて、そういうふうにやったら、交通公害はもうほとんどゼロに等しいようなぐあいに除去できる自信をお持ちになってこういう予算が組まれたのですか。
○政府委員(片岡誠君) いまのモータリゼーションの拡大の状態を見ました場合に、五年後に、まあいろいろ評価もあるようでございますけれども、私どもは三千万台に自動車がなると、こういったことを考えました場合に、交通事故がゼロになるということはとうてい考えられないことだと、私、不幸なことでございますが、考えられないことだと思います。ただ、いままでのようなやり方、いままでのような手の打ち方であれば、この五年後には二万二千人ばかりの死者が、警察統計によりましても二万二千人ばかりの死者が出るんではないかという、何といいますか、悲しい推定を私どもしているわけでございます。したがいまして、この数を何とかして減らしたい。特に歩行者であるとか、あるいは自転車に乗って行って交通事故にあってなくなった、いわゆる走る凶器ですか、そういう事故を半分に減らしていく。それを減らして全体を減らしていくということで、いまの二万二千人を何とか一万以下におさめたいというのが私どもの悲願であり、また三千七百億の公共投資をやれば、あるいはそれと並行して指導取り締まりなり運転者の管理行政なり、あるいは安全教育に力を入れていけばできるのじゃないかという確信に似た気持ちをもって現在仕事を進めているわけであります。
○原田立君 三千七百億あれば一万人以下に食いとめる自信があるということですね。そういうお話だけど、長官、予算折衝のほうはどうなんですか。
○政府委員(後藤田正晴君) 予算折衝は、現在、大蔵事務当局はもちろん自民党政調会のほうにも、今日の交通事故の実態を訴えまして、私どもとしてはこのような行政目標を立て、その目標達成のためにはこれだけの金がほしいということで、私どもとしては鋭意実現を目ざして努力をいたしておるような次第であります。
○原田立君 これからきまるのだろうと思うのですけれども、長官、鋭意努力しているようだけれども、努力してできなかったらどうなるのですか。
○政府委員(後藤田正晴君) しょせんは、財源はやはり国民全体からの税収によってまかなうわけです。その税収をどのように配分をしていくか、これが政府全体の私は責務であろうと思います。そこで、私どもとしては三千七百億もらいたい。こう言っているわけですが、全体のワクというものは、ただいま申したようにきまっておりますので、もし政府なり政党政治下における自民党なりで、おまえのところにはそれだけやらぬと、こうおっしゃるならば、これは私どもとしてはいたしかたがない。しかし、私どもとしてはできるだけ獲得をして、そうして今日の交通事故の防止に全力を傾けたい、こういうつもりでおります。
○原田立君 公安委員長いかがですか。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 大体、長官の考えと同じでございますが、私も閣僚の一人として最後までがんばりたいと思います。
○原田立君 ぼくはね、委員長、がんばるのはけっこうなんです。もしできなければ——そういう想定をいま前提において申し上げているのですけれども、そういうことはない、一生懸命努力するのだけれども、実際は実現は可能だというふうに理解していいのか、そういうふうに国家公安委員長として努力なさるのか、その点をお聞きしておきたい。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 心がまえとしてはそういうふうな努力をいたしたいと思っております。
○原田立君 非常に納得しがたいですが、それ以上お尋ねいたしません。 条文中なんですが、このいただいた新旧条文対照表の第二十二、「交通公害」、以下ずっと規定されているわけでありますが、「道路の交通に起因して生ずる」云々とあって、「生ずる」ということになっているのですけれども、要するに、生じたらこういうふうに対処していく、先ほども議論がございましたけれども、いわゆる対症療法というか、もしそういう生ずるおそれのある場合はどうなんですか、その点はいかがですか。
○政府委員(片岡誠君) 法律上は、生ずるおそれのある場合でなくて、生じた場合に交通規制をすることになっておりますが、問題は、たとえば大気汚染に例をとりますと、牛込柳町のような場合に、大体いままでのところを経験的に見ますと、交通が非常に混雑している交差点が一番問題の地点だと思います。そういう地点につきましては交通の円滑をはかるということが同時に大気汚染による公害の発生を防ぐということにも結果的には相なります。したがいまして、私どもとしましては、五カ年計画の中に入れております最大の問題は信号機でございます。信号機をたくさん交差点につくって、歩行者の安全あるいは車同士の出合いがしらの事故を防ぐと同時に、その信号機を線あるいは面的な制御、コンピューターを使いまして集中的な制御をしまして、車が円滑に流れるような操作を当然やってまいりたいと思っております。結果的にそれが交通公害の防止に相当部分役立つものと考えております。
○原田立君 それから第四条ではですね、信号機の設置及びその管理、そういうことがあるのですが、そのほかにも安全装置の設置であるとか、道路標識の設置であるとか、いろいろあるんだろうと思うのですが、それはそれとして、第七条には、その「必要があると認めるとき」、第九条にも、同じく「必要があると認めるとき」、第九条の二項には、「やむを得ないと認めるとき」、第四十二条も、「必要があると認めて」云々とある、第百十条の二の場合にも、「必要があると認めるとき」と、こういうふうにあるのですが、十分必要があると、周囲の情勢ははっきりしているのに、もし必要があると認められなかったら、この法の適用はしないという、こういうふうに法文上は解釈できるのですけれども、そうなるとたいへん問題が大きくなりはしないかと、こう思うのですが、その点はいかがでしょうか。
○政府委員(片岡誠君) 結局何らかの交通規制の手段をとる場合に、この交通規制の手段が有効であり つまり大気汚染防止に対して有効であり、また適切であるという手段を選ぶことになろうと思います。したがいまして、多くの場合何らかの交通規制の手段をとることに相なろうと思いますけれども、いかなる手を考えてみても有効適切な手がなかったという場合が現実問題としてはあり得る場合もあるということだと思います。
○原田立君 ぼくが言いたいのは、必要があると認めるのは、これは公安委員会または都道府県の長と、こういうことだろうと思うのですけれども、要するに、必要があると認めないときは法律は発動しないでしょう。ところが、四囲の情勢はそういうことをやらなければならない必要性が十分あると、こういうときはどうするか。
○政府委員(片岡誠君) 問題はこういうことだと思います。たとえば大気汚染を例にとりました場合に、大気汚染の状況が、たとえば一酸化炭素に例をとりますと、一定の基準を越えて人の健康または生活環境に影響を及ぼすというその基準をつくることにいたしておりますが、これを共同省令でつくることにいたしておりますが、その共同省令で定める基準を越えた場合には、交通公害という角度では当然必要が発生していると思います。ただ、その交通公害を防止するために何らかの交通規制の手段をとる。その手段の選択の場合に有効適切な手段を選ぶ。したがいまして、そのときにほんとうに有効適切な手段が幾ら考えても出なかったという場合には、交通規制をやらない場合もあり得る、観念的な問題だと思いますが、実際はおそらく九十数%の場合には何らかの手段をとることになろうと私は思っております。
○原田立君 それで局長、要するに必要であると認めるほうな場合は、各関係公共機関の調査依頼等もし、そこの協力関係が非常に密接でなければならないということが、まず条件として含まれるだろうと思う。それからまた非常に適切に敏速に処置をしなければならないのじゃないか、こう思うわけです。そうすると、協力関係はどうなるか、あるいはまた敏速な処置というのは、はたしてそういうことができるのかどうか。いま局長のお話ですと、たいへん失礼な言い方ですけれども、何かスローモーな感じがする、スローモーな。そうすると、せっかく法案をつくっても非常に生きた施策ができないじゃないか、こういう心配をするわけです。その点はどうですか。
○政府委員(片岡誠君) 大気汚染防止法を例にとります。そうしますと、大気汚染の防止につきましては、知事が常時監視測定をしている義務を課されております。測定地点で、相当多数あろうと思いますが、そこで常時観測しておる。そうしますと、公安委員会としてもその常時観測されている地点の観測値について、常時、知事のほうから通報を受ける仕組みになろうと思います。そして一定の基準、人の健康なり、あるいは生活環境に影響があるという基準に達する前に、当然通知があって、その間に、それじゃこの問題の限界に達したときにどうするかという打ち合わせが事前に十分できておらなければならないし、またそういう密接な連絡をとることが当然予想されると思います。したがいまして、問題の基準の限界に達しましたときには、非常にスピーディな処置がとれる、そういうふうに実務的にはいくものだと私ども考えておる次第でございます。
○原田立君 ちょっと前に戻りますけれども、どういうものを設置するのか、現在排気ガスの検査をする器械ですね、それは何だかある地域、現場のほうになくて相当大騒ぎした、そういうことを新聞報道で聞いておりますけれども、そういういわゆる大気汚染ですね、そのほうの関係の施設は現在十分にできているのか、あるいは今後どんなぐらいの拡充をはかっていくのか、その点はどうなっているのか。それと、それは大気汚染の場合、それから騒音の場合も、これは意見ぐらいなことになると思うのですけれども、たとえば大きな工事現場等、あるいはまた常時非常に大型バスとか、あるいはダンプとか、そういうようなものが通るところに器械を設置しておくとか、そういうことは考えられているのかどうか、あるいはまた現在そういうようなものが設置されているのかどうか、まだたいへん不足の数ではあろうと思うのですけれども、それじゃ今後充実していくのにどれくらいのものにしていこうとするのか、そこら辺の計画はどうでしょうか。
○政府委員(片岡誠君) 大気汚染の場合と、それから騒音の場合につきましては、都道府県知事が常時測定をする義務を課せられております。現在私ども聞いております点では、たとえば東京都内では八カ所、大気汚染の状況を常時観測をしている場所があるようでございます。それから臨時的に観測する体制も都道府県知事はとっているようでございます。私どもまあその知事の観測をしているその観測結果をいただいて、交通規制をやっていきたい、そのように考えております。ただ住民から要望が出ましたときに、観測地点以外でそういう住民から要望が出た場合に、知事のほうから資料を求めて、そういう観測をしてくださいということをお願いをして、その結果に基づいて処理をしていくというのが基本的な考えでございます。もちろん個々の発生源である自動車の保安基準違反の捜査のために、取り締まりのために簡易なCO測定器、あるいは騒音測定器を警察も持っておりますけれども、これは簡易なものでございますので、ただそれを転用しまして、ある地域の騒音なり大気汚染の一酸化炭素の量をはかるということはできますけれども、基本的には知事のほうで監視された結果を連絡通報していただいて、それに基づいてやることにいたしたい、そのように考えております。
○委員長(山内一郎君) 本日の質疑はこの程度とどめ、これにて散会いたします。 午後五時二十分散会 —————・—————