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64回国会参議院1970/12/08

地方行政委員会 第2号

発言数
180
登壇者
12
会派数
3
開催日
1970/12/08

会議録

山内一郎自由民主党

○委員長(山内一郎君) ただいまから地方行政委員会を開会いたします。  委員の異動について御報告いたします。  去る十一月二十五日、阿部憲一君が委員を辞任され、その補欠として藤原房雄君が選任されました。     —————————————

山内一郎自由民主党

○委員長(山内一郎君) 理事の辞任許可及び補欠選任についておはかりいたします。  本日、原田立君から、文書をもって、都合により理事を辞任したい旨の申し出がございました。これを許可することに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

山内一郎自由民主党

○委員長(山内一郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  この際、理事の補欠選任を行ないたいと存じます。  理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

山内一郎自由民主党

○委員長(山内一郎君) 御異議ないと認めます。  それでは、理事に藤原房雄君を指名いたします。     —————————————

山内一郎自由民主党

○委員長(山内一郎君) この際、派遣委員の報告に関する件についておはかりいたします。  前国会、当委員会が行ないました地方行財政、消防行政及び道路交通取り締まり等の実情調査についての委員派遣については、各班からそれぞれ報告書が提出されておりますので、これを本日の会議録に掲載することに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

山内一郎自由民主党

○委員長(山内一郎君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。     —————————————

山内一郎自由民主党

○委員長(山内一郎君) 地方行財政の当面の諸問題に関する件を議題といたします。  御質疑のある方は順次御発言を願います。

山本伊三郎日本社会党

○山本伊三郎君 大臣はきょうは出席がないようでありますけれども、ひとつ、財政局関係かあるいはまた行政局関係か知りませんが、実は地方公務員の給与に関する条例の問題ですが、いまの国会の情勢から見ると、国家公務員の給与法が通るのは若干おくれるような状態だという報告を聞いておるのですが、国家公務員の場合は、実は法律が国会で成立すると即日実施でありますから、年内に支給されることはこれはもう当然でありますが、地方公務員の場合は、これには二説があるのでございますけれども、あの法律が国会で成立した後でないと条例が制定できないとか、あるいはそうでもないのだ、もうすでに大体通り得る見込みがあるのでつくるのだということで、もうすでに県ではつくっておるところもある。また、そうでないのだ、国会で法律ができるまでは、国家公務員に準ずるということであるから、それが成立するまでは条例はつくらないのだ、こういうようなことを言って、二説があるわけですが、私はそうではない、地方自治法からいっても地方公務員法からいっても、つくることができるのだということを信じているわけです。この点、自治省の見解を明らかにしてほしい、こういうことです。

山本明自治省行政局公務員部長

○政府委員(山本明君) 地方公務員の給与の改正の条例につきましては、従来から自治省におきましては、時期的な問題は、条例それ自体につきましては、地方におきます十一月の県会とかあるいは十二月の県会等ございますので、そこでおかけを願いましても、施行につきましては国家公務員の一般職の給与が通りましてから施行する、こういう考え方で指導してまいっております。県によりましては、事前に条例だけを通過させまして、施行を国家公務員に合わせる、あるいは国家公務員の法律が通りましてから臨時に県会を開き、市町村議会を開く、こういう方法がございますけれども、施行につきましては、やはり国会の審議以前に施行することにつきましては、われわれとしてはそういうことがないように指導してまいっております。

山本伊三郎日本社会党

○山本伊三郎君 そうすると、自治省の見解はこうですね、条例の制定は一応いいのだ、あの法律が通る前でいいのだが、実際の支給はあの法律が通った後、国家公務員の支給と同時にやる、こういうことですか。それの法的根拠はどこにあるのですか。

山本明自治省行政局公務員部長

○政府委員(山本明君) 地方公務員の給与は国家公務員に準ずるというたてまえがございますので、われわれといたしましては、国家公務員の給与が国会で御審議を願う段階におきまして修正があるというような場合も予想されます。そういうことを考えますと、その国家公務員の法律が通る前に実施をするということはわれわれとしては好ましいところではない。国家公務員に準ずるというたてまえから、そのような指導をしてまいっておるわけでございます。

山本伊三郎日本社会党

○山本伊三郎君 自治省の指導ということで、準ずるということは、私はそうは考えないのですがね。これは国家公務員だけではなくして、国または他の地方公共団体との問の給与はあまりその均衡を欠いてはいかないという趣旨だと私は解しておるのですがね。したがって、その条例が制定されたという事実は、もうすでに支払う義務が生じておると私は見ておるわけです。条例は制定することを認めるけれども、支給は国が、国家公務員の法律が制定された後でなければ支給できないという考え方については、私は地方自治法からいっても、地方公務員法からいっても、これは妥当でない、法律の根拠が薄弱である、こう思っておるが、その点どうですか。

山本明自治省行政局公務員部長

○政府委員(山本明君) おっしゃいますように、地方団体が条例をつくれば、それによって実施をするということはこれは可能かもしれません。自治省といたしましては、条例の中に施行についてこれは規定等を設けまして、国家公務員に関します法律が通った後においてこれを実施するようにという指導をしてまいっておるわけでございまして、おっしゃいますように、理論的に事前にできるじゃないか、こうおつしゃいましても、理論的なことはそうかもしれませんが、われわれといたしましては、国家公務員に準ずるという給与の基本的な考え方から、国におきましても、国会で御審議を願っておりまして、いろいろ御意見があって修正等があるではないかということも考えますときに、事前に地方団体が、国家公務員と違ったかっこうで改正をすることにつきましては妥当ではないということで、指導してまいっておるのでございます。

山本伊三郎日本社会党

○山本伊三郎君 これはちょっと前から論議をしてきたことですから、きょうはまあ確認をしたのですがね。地方自治法からいっても、しかしその言われることはわからぬことはないのですが、ただ国会の都合でおくれる、もうすでに国会では法律案が提出されておる。それだのに地方公務員の場合にはそれを待たなくちゃならない。きわめて従属的な立場に立たされておるということに私は問題を提起しておるのです。地方自治の本旨から言っても間違いだと思うのですね。したがって理論的に言っては、そうではない。ぼくの言うほうが、正しいとは言われないけれども理論的にはそうあるべきだ。ただし実際問題としては、自治省としては条例制定は認めるけれども、実際の給与の支給は待ってもらいたいという自治省の方針であるということですね。それはまあここで論議したら、またもとに返りますから言いませんが、その点は幅広くひとつ自治省も指導してもらいたいと思います。事実上支給するところはありません。ないです。それは地方交付税の関係もありましょうし、財源関係もありますけれども、解釈としてはそうでないんだということを私は主張しておるわけなんですが、その点は十分ひとつ今後も理解をしておいてもらいたい。したがって、もう一ぺん復習いたしますけれども、条例制定はいいということですね。ところが、わからないところがあるんですね。したがって、これは電話でもいいですから、何かの形でやってもらわぬと、国家公務員の法律ができるまでは条例改正できないんだというような解釈でおる県なり市町村当局があるやに聞いておるわけですが、その点は自治省では把握しておりませんか。

山本明自治省行政局公務員部長

○政府委員(山本明君) 本年度の様子は把握しておりませんけれども、実は私、四十四年度の給与改定の状況を調査したものを見てみますと、いわゆる年内に出しております、年内に支給しておりますのが都道府県で三十七県、それから翌年に越すのが九県。これは大府県がかなり越えておりますけれども、ほとんどが、三十七県が年内でやっております。六大都市はこれは年内でなしに年度内、翌年に越しております。それから町村は大体半分。市は年内大体三百三十、翌年に越しておりますのが二百五十一。町村が千四百九十六が年内で、千二百二十五が年度内でございます。大体半分が国家公務員と同じようにやっぱり年内に支給をする。そして半分が、翌年の二月のおそらく議会がございます、そこできめまして、二月中に支給するという、こういう実態ではないかと、こういうふうに考えております。

山本伊三郎日本社会党

○山本伊三郎君 そういうことではないんですよ。ぼくの言うのは、年内にやっておるけれども、法律が制定される前に、国家公務員の法律が国会で成立する前に条例を改正しておるところはどこにあるかということなんですがね。それは把握しておらなければけっこうです、もういまの答弁で明らかになっていますから。法律が通らなくても条例制定はできる。実際の支給だけは待ってもらいたい。これが自治省の方針だということだけ聞いておきます。これは私はいいというわけではないんですが、自治省の方針がそうだということを明らかにしてもらえば、それでけっこうです。  次に、これは財政局長のほうですが、これは緊急に私のほうに言うてきたので、きょう実は財政局長に尋ねるんですが、福岡県の八女郡の立花町ですね。実は小学校の改築寄付金を強制的に集めておったわけです。町長の名においてやったんですが、それが県の九月議会で問題になりまして、福岡県条例に違反するということで、これは認可しないということになったわけです。そこで亀井知事からその町長に対して、直ちにそれは各個に返しなさいという指導をしたわけです。ところが、実際私が行ってそれを聞いて調査をいたしますと、一応町長はそういう考えでおったんですが、小学校改築促進協会というものをつくりまして、それが今度やるというととですね。その金を返さずに、そのままその会で保管をしておるわけなんです。私はたまたまその副会長に来てもらいまして、なぜ返さないだと言ったら、どうせまた集めるんだから、二重になるから、これは持っておるんだ、こういうことなんですがね。県が返しなさいと指導しても、それは聞かないんです。そこで、異議を申し立てた人に二、三来てもらって聞いたのですが、これが表面に出てきますと困ります、村八分になって私の子供が困りますので、十分考えてもらいたい、こういうことになっておる。これは、地方財政法の第四条の五について財政局長はどう判断されますか。それでもいいと言われるのですか。その点をひとつ。

長野士郎自治省財政局長

○政府委員(長野士郎君) いまのお話は、小学校の改築にからまりまして、まあ学校の通学区域の中だろうと思いますけれども、そういう区域の住民から、まあそれはいろいろな期成同盟会とか協議会いろいろあると思いますが、そういうことで、建設費の一部について寄付を集めている、こういうことのお話だと伺ったのでございますが、これはまあいろいろな言い方がありますけれども、やはりいわゆる割り当て的な寄付金、私はそういう実態を持っているのだろうと思います。お話のとおりだろうと思います。そういう意味では地方団体がそういうことを行なうということにつきましては、地方財政法によりまして禁止をしておるところでございます。そういうことはあってはならないというふうに私どもは思っております。

山本伊三郎日本社会党

○山本伊三郎君 そこで、自治省としてどういう手段をとられるかという問題なんです。知事から指導してもそういうことですよ。促進協会かそういうものによって肩がわりをして、やはり強制的にその金を取ってやろう、こういうことですね。一応返してもらいたいという知事の指導があるにもかかわらず返していない。これに対して自治省はどういう指導をされるかという問題です。  実は、まあこれは同じ福岡県の田川市でありますけれども、これは御存じのように、朝鮮人の国籍移籍の問題について、田川市長は人道上やるべきであるという信念をもってこれはやっておられますが、それが政府のどういう指導か知りませんが、知事からそれは取り消しなさいということで強い通達があったんですが、田川市長は、これはやりません、地方団体の長として私の考えでやるのだということでがんばっております。これは裁判になっております。一方では、朝鮮人の国籍の問題なんかは政治的な問題であって住民単位では大きな問題ではない。片っ方の寄付行為は住民に大きく迷惑する大きな問題なのに、指導がきわめて緩慢である。九月議会で表明されたけれども、まだ十一月になってもそれが返されていないということです。私は片手落ちの指導じゃなかろうかと思うのです。朝鮮人の国籍問題なんかは、住民から見れば、これは人道上やってもいいじゃないかということで、市会でも認めてやっております。そういうものには強い指導があって裁判に持ち込んでおる。ところが、一方の寄付行為については、その後指導はどうしているかと聞きますと、指導は来ているということで、事実は返していないという。自治省としてはどういう措置をとられるかということだけを聞いておきたい。

長野士郎自治省財政局長

○政府委員(長野士郎君) お話しのとおり、現在までのところでは、まだその学校改築のために集めた寄付金は個々の住民にまでは返っていないようであります。で、御指摘がございましたように、何か地区の代表者でございますか、そういう人の名儀というのですか、そういうことでそこに残っておる。それに対しまして、県ももちろん、町当局もこれを返すように指導しておりますが、まあ最近におきましては、その返し方その他について住民とよく相談をしたいというようなことを言っておるというふうに聞いております。で、私どもといたしましては、その問題については、今後とも強く指導をいたすことにいたしますし、またこういう問題が起こりますことの中に、いろいろ見てまいりますというと、結局予算の制約といいますか、国の補助単価の低さとか、あるいは基準の対象になる坪数その他につきまして、要求が非常に多いものでございますから、その予算を配当をする当局のほうで非常に分割をして、そういうようなことが地域に非常に迷惑を及ぼしているという原因があると思います。そういう意味で、その点につきましては、関係各省にはもう予算編成のたびごとに基準単価の適正化、超過負担の起こらないようにということを強く要請しておりますが、私どもとしては、その面をさらにそういう意味で適正な事業実施ができるようにさすことをいたしますと同時に、この地区の問題につきましても、学校の寄付につきましては、お話がございましたように、この問題としてはもう解消してしまうということで、ぜひこれは実現したいというふうに思っております。

山本伊三郎日本社会党

○山本伊三郎君 財政局長の答弁もっともだと思います。いろいろ私も有力者に会いました。その話を聞きますと、もうとてもいまの学校ではいけないんだと、ところが国のほうで財源措置をしてくれないんじゃないか山本さん、私らとしては子供の学校のことを思うと、やはり無理だと思ってでもやったんだと、それは政治家のむしろあなたらの責任じゃないかという反発も受けてきたわけなんです。したがって、これはやはり国の義務教育に対する財源措置というものが非常に少ないということによって大きい問題があると思う。したがって、まず政府は、私はあとで言おうと思ったんですが、財政局長がはしなくもみずから言われたから言いませんですが、やはりそういう財政の貧弱町村における学校施設に対する財源というものをある程度十分考えなけりゃ、こういう問題は絶えないと思うんです。住民の感情からいくと、隣の町の学校はよくなったと、それはそういう寄付金を集めてやったんだと、そうするとおれのところもやろうじゃないかということになっているわけなんですね。やはりこれは国の責任だと思う。国だけじゃない、政治家の責任だと思いますので、十分この点はひとつ自治省でも、文部省は呼んでおりませんけれども、十分、この義務教育の小学校、中学校の問題でありますから、施設についての財源措置も十分考えてもらいたい、こう思います。これはつけ加えておきます。  それからもう一つですが、そこの町長はどうかと思いますが、これは公務員の問題ですが、この条件つき何といいますか、試用期間がいま六カ月ですね、これは行政局長に伺いたいんですが、それが何ら意味がないのに、これは保育所の保母さんですがね、六カ月の試用期間を過ぎたらすぐやめさしておるんですね。その事情を聞くと、おまえはまだ試用期間にかかわらず組合に加盟した、したがってそれは妥当でないからということで首にしたということらしいのです。こういう例は地方公務員にあるんです。これは御存じだと思いますがね。昭和四十四年十一月十九日、大阪地裁でそういう不当な首切りはいけないという判決が出ているわけです。したがって、この試用期間中、条件つきの期間中については公平委員会にも提訴できないという条件がある、地方公務員の例があるんだけれども、それはあんまり酷だということで、これは大阪の職安の職員でありますけれども、提訴をして、裁判所ではそういう判決が出ているわけです。何ら勤務上落ち度も何もない。ところが聞きますると、職員組合に加盟したという理由らしいんです。まだこれは町長に私会っておりませんけれども、そこでその保母の母親会ですか——が非常に立ち上がって、そんな不当なことあるか、しかもそのかわりの保母さんがないじゃないか。いままで四人おったのが、一人やめさしてしまって、普通の事務員を代用に置いているわけだが、それは保母はできないわけです。したがって、保育所を取り巻く親の方々が非常におこって、裁判でやりなさいということで、裁判になったわけです。こういう事実を自治省は知っているのかどうか、これも同じ立花町のことなんです。この点について自治省はどういう見解を持っておりますか。

宮澤弘自治省行政局長

○政府委員(宮澤弘君) ただいまお話を承りましたが、お話を承りました限りにおいては、そういう取り扱いというのはまことに不当だと思います。私から申し上げるまでもなく、職員団体に加入をしている、いないというようなことで不利益な取り扱いをしてはならないということは明文上も明らかでございます。そういう取り扱いがもし行なわれるといたしますれば、それだけの理由で首にしたというようなことがありますれば、それはまことに不当なことである、こう思います。こういう事態を知っていたかということでございますが、残念なことでございますけれども、私どもはかねてそういうことを知っていたということはございません。

山本伊三郎日本社会党

○山本伊三郎君 それじゃ私、時間も過ぎますから、もう一点だけ自治省に、調査をしてこの次の委員会でひとつ十分調査をした上の自治省の見解を御披瀝願いたい。  もう一つ申し上げます。その同じ立花町ですが、これは現実の問題だったんですが、それまでに職員が結婚したら退職さすという、こういう慣例なんです。で、その条例、規則を見せろと言ったら、そういうものはありません、こういうことなんです。だから、これはもう明らかに、民間のほうの場合の判例が最近出ていると思う、裁判で判決が出ていると思いますが、これは憲法第十四条の違反である、結婚したからおまえはやめろ、こういうことで、条例を見せろと言ったら、見せないわけなんです。私、時間があったらもっと調べたかったんですが、まだ調べておりませんが、そういう事実があるのかどうか。結婚した場合に女子職員をやめさしている。もしそういう事実があったとすれば、自治省としてどういう措置をとるのか。いまの保母さんの問題とあわせまして、ぜひひとつこの次の委員会までに調査を願いまして、あわせて自治省の考え方、またはとるべき措置、それをひとつ御報告願いたいと思います。わかっておれば、もちろん御答弁願いたいと思うのですが、わかっておらなければ調査をして、そして自治省の見解と、それに対する措置について、この次の委員会でやっていただくかどうかということだけの答弁でけっこうです。

山本明自治省行政局公務員部長

○政府委員(山本明君) 山本先生のおっしゃいました立花町の話は、実は私どもも十分存じておりません。したがいまして、後段の女子職員が結婚した場合の退職の問題等も事実を知りません。十分に調査をいたしまして、お答えをいたしたいと思っております。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 きょうは、若干皆さん御承知だと思うのですが、神奈川県の津久井郡モーターボート・レース組合に関連して、政府のこうしたギャンブル関係についての指導の問題についてお聞きをしたいと思いますが、まあギャンブルについては、通常国会のときにおきましてもかなりいろいろな御意見があったことでありますが、このギャンブルの行政上の所管というと、かなりいろいろあるわけなんです。   〔委員長退席、理事安田隆明君着席〕  オートレースとか競輪については通産省とか、モーターボートについては運輸省とか、あるいは地方競馬については農林省とかいう形での監督機関があるわけですし、その財政面から見ますと、それは自治省のほうの監督指導ということになっていくんではなかろうか、こういうふうに思うのです。今度の事件で感じたことは、どうもそういう間の接点といいますか、そういうものに対する指導というようなものがどうも不十分ではないか、その辺がひとつ盲点になっているのではないか、こういうことを非常に痛感するわけであります。この辺は一体どう所管の各省と自治省は連絡をとり合ってやっているのか、あるいは全然連絡も何もなしでそういう点をやっているのか、この辺についても具体的にどういうふうにやっておられたのか、その点をひとつお聞きしておきたいと思います。

長野士郎自治省財政局長

○政府委員(長野士郎君) きわめて形式的なお話になるようなところがありましてあれでございますけれども、公営競技につきましては、ただいまお話がございましたように、各省と自治省との関係といった点につきましては、自治省としましては、これらの競技団体を指定をいたします。その場合に、地方団体の財政状況その他行政施設水準等の現状等を見合わせまして、指定をしていくというような形で、まずそこで自治省が関与いたします。それから競技そのものの開催とか指導とか、いわゆる公営競技の秩序維持あるいは経営といいますか、そういう問題になりますと、これは関係各省が行なっているということに相なります。そういうことで、その収益金の関係におきまして、地方団体がそれを受け入れて、一般の行政経費に使っていくということにそこからなるわけですが、その行政経費に使っていきます場合には、それぞれ競技法の多少の規定もございますけれども、とにかくそれは一般の財政運営の一部ということに当然なるわけでございますから、その点では、広い意味におきまして今度は地方団体全体の運営の問題として自治省として関与するという形に相なります。そこで収益金にまでなっていく過程のところが、両方の接点と申しますか、そういうところが実は出てくる。これは間違いなく出てくるわけでございます。その点につきましては、当然地方団体が実施主体でございますから、地方団体が実施主体であるという点においては、自治省自身としても地方団体の一つの作用といたしまして、それが公正に行なわれるということについては当然に関与すべきものという範囲は必ずあるわけでございますけれども、しかし各省の面から見ますと、競技を実施しているという関係で、各省としても競技そのものの運営の問題ということでやっていくというかっこうでございまして、したがってそこが両方はずれておるということではなくて、両方交わっているということになるかと思いますが、少なくともそういう意味で両方で関与していくという面があるということにはなろうかと思います。   〔理事安田隆明君退席、委員長着席〕

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 これはあとでもまた触れてみたいと思いますが、その各事業省のほうでは、運営とか秩序維持、その観点までしか入っていない。自治省のほうは、いまおっしゃられたように、収益金の点にしか入っていない、その辺に交わるか交わらないかが実際上自治省なり、各実施省の指導監督がどこまでいくかという具体的な問題になるわけでありますが、ただ、形式上の議論ではそれは済まされないことですから、その問題はあとで触れるわけでありますが、具体的に自治省はギャンブル関係のそうした施行者の財政的なあるいは、おもに財政的な監査でありますが、そういう監査というものを、具体的にただ報告を受けるだけじゃなくて、ある程度現地へ行ってそういうことをやったことおありですか。やるとすると大体年に何回ぐらい何カ所ぐらいやっているわけですか。あるいはそういうところに何年ぐらいに一回、具体的な監査が行っているのか、おそらくあまり行ってないんじゃないか、こういうように思いますが、その点はどうなんですか。

長野士郎自治省財政局長

○政府委員(長野士郎君) 全然やっていないということではございませんで、年に十カ所ぐらい抽出をいたしまして、その運営の実態の、主として財政面でございますけれども、監査と申しますか、調査をいたしております。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 これはできたらあとで、そういう監査した点の問題点というものも当然おありでしょうから、あとでひとつ、過去にやったそういう監査の問題点の記録を資料として、要約したものでいいと思いますけれども、ひとつお出しいただきたいと思うのですが、私どもあまりそういう点でいままで問題点というものをよく知っておりませんし、全体としてどういう問題点があるのか、さらに知る必要があると思います。資料としてお出しいただきたいと思いますが、できますか。

長野士郎自治省財政局長

○政府委員(長野士郎君) 資料としてできると思いますので、提出をいたしたいと思います。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 そこで、私は大体こういう考え方を持っておるのですけれども、ギャンブル関係でも、事務組合とかあるいは企業団というようなものをつくってやっておられるところもある程度あるようであります。問題はむしろそういうところに多いんじゃないだろうかという私は気がいたします。直接一つの町村が独自にそういう施行をしている場合には、かなりこの点はいろいろ監督の目が届くと思いますが、何か二段がまえでやるいわゆる事務組合方式でやっている、こういうところに問題があるように思うのですが、大体事務組合でいわゆる公営競技をやっている団体というのは、何団体、何市町村ですか。企業団も含めて、二段がまえでやっているというところを、全体の中でどのくらいあるかを教えていただきたい。

長野士郎自治省財政局長

○政府委員(長野士郎君) これはことしの十月一日現在の資料でございますが、公営競技全体でございますけれども、単独で行なっておりますのが百三十八でございまして、組合で共同して行なっておりますのが二百九十九市町村でございます。合計いたしまして四百三十七市町村ということに相なるわけでございますが、その二百九十九の市町村が四十九の組合に所属して共同して施行しておる、こういう形になっております。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 かなり多いわけでございますから、その四十九の組合に所属している町村数というのはどれくらいあるか、この点も御回答いただきたいと思うのですが、そうした組合でつくっている議会の構成というのは、大体何人ぐらいで普通構成されておりますか。非常にこれは少数のような気がいたしますけれども、大体ごくわずかだろうと思うのですが、どんなふうな状態になっておりますか。

宮澤弘自治省行政局長

○政府委員(宮澤弘君) 一部事務組合一般の問題でございます。私の局のほうでございますから、一般論としてお答えを申し上げます。一部事務組合の議決機関の選任なり構成の方法というのは、組合の規約にまかされております。したがいまして、組合の規約で、その構成をどうするかあるいは人間をどのくらいにするかということをきめているわけでございまして、私ども、いまここに大体何人ぐらいというようなことについてお答えできる資料を持っておりませんけれども、大体一般的に申しますと、組合議会につきましては、関係市町村の議会の議員のうちから何人かの組合議会の議員が出る、そして場合によりましては関係市町村長のうちで管理者にならない人も議会の議員になっている場合ということもあるかと思います。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 その点は私はぜひ調査をして、特にその他の一部事務組合の場合は比較的少ないと思うんです。さっきの四十九組合ですか、これについてはひとつ私は調査をしていただきたい、そして実態をつかんでいただきたいと、こういうふうに思います。と申しますのは、津久井のこの場合にいたしましても、四町の議会から四名ずつ出ておりますけれども、もっとおそらく少ないところもあるだろうと思うんです。そういたしますと、どうしてもそうした組合の、あとからも申しますけれども、収益金の使い方というものが比較的住民の目から隠れてしまう。したがいましてそこにはいろいろ不適当な金の使い方というようなものも生まれやすいと思うんです。でありますから、ある程度人数というものを考えていただかないと、何か隠れみのにむしろなってしまう可能性が私は強いと思うんです。そういう意味で、私は特に事務組合の議会の構成等については調査をしていただいて、具体的にそれがどういうふうな収益金の使い方をしているかということについてもぜひこれは調査をしていただきたいということを申し上げたいと思います。その点はひとつぜひ、これはすぐというわけではありませんけれども、公営ギャンブルの存廃についてもいろいろ意見がございますし、その内容については一般的にかなり批判の眼を持っておりますし、それがいろいろな問題を、紛争を起こしていく種にもなりますので、ぜひその点は調査をしていただきたい。  それから、これは津久井の例でございますが、ギャンブルの収益金というものはモーターボート法によりまして使途が大体きめられていると思います。社会福祉の増進とかあるいは医療の普及とか教育文化の発展だとか、そういうふうな地方財政のカバーをするという意味でこういうものがやられているわけでありますが、津久井の場合にはいろいろ問題がありまして、解消はされたわけでありますが、しかし収益金が組合名義で長期にわたって積み立て金がある、いままであったわけですが、改善されたわけでありますが、相当大きな額がそういう形でなっているということは、これは私は競技法の趣旨からいっても適正ではないと思うんです。まあ津久井の場合には、具体的にある信託銀行に対しまして五カ年の信託という形で預けていたようでありますが、そういう点は適切であると思いますか、適切ではないと思いますか、どうですか。

長野士郎自治省財政局長

○政府委員(長野士郎君) この組合は競技の施行の主体でございますから、そういう意味では組合自身が積み立て金を持つというようなそういう力を私は持っておるとは思わないのでございます。したがいまして、いま御指摘ございましたが、長期にわたって積み立て金など持っておるということはまことに適切でないというふうに思っております。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 これは各町におきましてもどうなんですか、ある一つの目的があって長期に積み立てをするということは、私はよろしかろうと思うんです。たとえば何年間計画で庁舎をつくるとか、あるいは文化施設をつくるということならばいいと思うんですが、ただ目的なしに、長期にそういう組合から渡された収益金を、やはり同じような形で積み立てておくというようなことはいかがかと思うんです。また同時にこれはどういうふうに指導されているかわかりませんけれども、各町村において、金融機関のあり方も問題はあろうと思いますけれども、ただ一つの銀行に多額の金を積み立てておくという、一般会計からの積み立てでありますけれども、そういうようなあり方なんかも私はどうかと思うんです。ある程度は分散して積み立てておくというようなことのほうがむしろ適切ではなかろうかと思うんです。もちろん金額によります。少ない金額であちこちに少しずつ積み立てるということはいろいろ問題があるでしょう。相当の金額については、ある程度分散して積み立てるということでないと、一つの銀行とその町村との密着といいますか癒合といいますか、こういうものも起きてくる可能性も私は非常にあると思うんです。相当多額にわたるものはやはりある程度分散して積み立てておく、特に長期のものについては。そういうようなことも必要であろうかと思います。そういう指導というものは自治省はどういうふうにお考えになっておりますか。

長野士郎自治省財政局長

○政府委員(長野士郎君) 先ほど申し上げましたのはモーターボートの施行を扱っている組合、その組合が積み立て金を持っておるというようなお話であります。これはやはり先ほど申し上げましたように、本来そういうものを積み立てておくということが組合の設立の目的というものの中には入らないだろうと思いますから、私は非常に適切でないというお答えを申し上げました。  それから、一般に地方団体といたしまして積み立て金を持つということは、これまたおのずから別でございます。つまりそれは、いま御指摘でございましたように、いろいろな目的、たとえば学校の改築のための積み立て金であるとか、あるいはそういう意味での施設を改善するための積み立て金というようなものももちろんございます。それからまた一般的にいわゆる積み立てをする。これはやはり広い意味で申しますと、財政調整的な積み立てだと思います。計画的に長期にわたって財源の確保をしていきたいということから、一たん有事の際等を考えて積み立てをする、これもある程度地方団体の自主的な判断もございますけれども、私どもはそういう意味のことはむしろすすめておるといいますか、財政の健全化のためには好ましいことでございますから、すすめておるというようなかっこうでございますが、ただ、その積み立て金をどういうふうに管理するかというような問題になりますと、これは御指摘ございましたが、いろいろなケースが私はあると思います。地方団体はおおむね指定金融機関というものを指定をしておりまして、そして団体は手元に現金はあまり持たないということで、経理の明確化をはかっていくというかっこうでございます。そとで指定金融機関というものとは、そういう意味では歳入歳出は一つの帳面に整理されるというような形で最終的にはつながっていくということに相なるわけでございます。これは現金の扱い、要するに年度間の歳入なり歳出なり、あるいはそれの一時の金繰りのために一時借り入れをするとか、そういうことで指定金融機関というものを使う、そしてまた経理を明確にし、責任の所在を明らかにするという意味でもそのほうがいいということで、チェック・システムの一つにしております。それと別に、積み立て金だから当然そこに積み立てておかなければならないという理由には私はならないと思います。そこで積み立て金の目的、あるいは財産管理の公正を期するという点で、どこの金融機関に管理させるかということはそれぞれの団体がきめることでございます。私どもは一つのところに集めてはよろしくないというようなことまでは指導いたしておりませんが、その管理が非常に公正な形、そしていまお話しのございました、いやしくもそれが特定の金融機関に癒着するとか、いろんな政治的目的と癒着するとかいうような形であってはならないということについては、まあ常々指導はいたしておりますけれども、それが相当目的ごとに、金融機関別に管理さしたほうがいいというようなところまでは、これはいたしておりません。むしろそういう面では、議会その他の監視といいますか、そういうものによって公平に管理させるということを期待しておるということでございます。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 時間がありませんから次に進んでいきたいと思うんですが、津久井モーターボートの組合の場合を見ますと、先ほど申し上げましたように、組合が経費を除いてなるべく多くの金を加盟の各町に出していくということが私は適切であろうと思うんですけれども、過去この組合の場合には、組合の会計から直接に、たとえば津久井郡の町長会とか、あるいは議長会とか、あるいは特定会社への寄付だとか、あるいはその他の教育費の補助だとか、私学に対する補助だとか、そういうようなものを直接その組合の会計からそういうところに金を出していくということは、先ほどの議会の構成、住民の監視、こうした立場から見て私は不適切じゃないか、妥当を欠いていると、こういうふうに思うんですけれども、むしろそういう一般的な経費、町長会に加盟しておりますからその会費だとか、あるいは議員の研修費だとかいうようなものは、各町の一般会計に一回入れて、それから支出をしていく、こういう形が正当な、当然やるべきあり方だと私は思うんですけれども、そういう組合からそういうふうな金をどんどんどんどん出していくというようなやり方を事実過去やってきたんです。こういうやり方というのは自治省のほうではどういうふうに指導監督しておられるのか。こういうのはしかたがない、議会でそういうふうにきめたらそれでいいのだ、こういうふうな考えですか。あるいはそういう一般行政的なものはそれぞれの町の一般会計に一回繰り入れて、そしてそれから出していく、その辺の指導はどういうふうになさっていらっしゃいますか。

長野士郎自治省財政局長

○政府委員(長野士郎君) 先ほども申し上げましたように、こういう公営競技を施行するために組合をつくっております、その組合というものは、施行だけを行なう組合でございます。したがいましてその売り上げ金といいますか、こういうものの中の七五%はたしか賞金として返るわけでございますから、その二五%の中から施行に要しました経費を引きまして、普通それ以外のいわゆる収益金、これは当然関係の組合を構成しておりますところの団体に、一定の基準が必ずあると思うんですが、それによって配分をするというところまでが私は組合の役目だろうと思っております。したがいまして、いまお話がございましたように、組合として、直接個々の市町村がやるべきようなこと、まあやるかやらぬかは市町村の意思によってきまるわけでございますが、そういうものを組合が、どういう名前か知りませんけれども、いまのお話のようなことでございますと、市町村にかわって、市町村のためにやったということに実際はなっておるかもしれませんが、かりに実質がそうであるといたしましても、そういうことは組合に与えられた任務の中に私は入らないだろうと思います。したがいまして、当然、御指摘がございましたように、組合の任務というものは、先ほど申しましたが、収益があればその収益を各構成団体に分配する。そうして各構成団体において、議会もございますし、いろいろ予算の措置も必要でございます。そういう経費をもし新たに支出するということになりますと、必要でございますから、そこでは予算の補正とかいろいろな措置が要ると思いますけれども、そういう手続を各市町村においてとりまして、そうして支出するものは支出する。その内容のいい悪いは別といたしまして、ともかく支出することが適当であろうと思えば支出する。それを省略して組合から直接やる、たとえば組合構成員というのが、組合を構成しておる責任者というのがかりに市町村の責任者と同じであるといたしましても、それは組合のやるべきことでなくて、市町村において行なうべきことであり、組合にそんな任務は私は与えられておるとは思っておりません。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 非常にその点明快によくわかりまして、ほかにこういうようなやり方をやっておる可能性というのは、私はやはりここでやっておるわけですから、かなり長い聞こういうことをやっておりますから、ほかでもこういう可能性というのがあるのじゃないか。そういう点で、先ほどの組合、議会のあり方、あるいは組合の監査委員のあり方、あるいは自治省のこうした事務組合に対するあり方、監査指導のあり方、こういうものをやはりきちっとやってくれないと、結局何か知らぬ間にどこかで高級自事車が走り回っていたり、あるいはどこかに多額の寄付がいったり、こういうような金が支出をされていくというようなことになるわけです。これは私、具体的に材料を持っておりますけれども、あまり過去のことですから、申し上げるだけで御回答はいただきたくないとは思いますけれども、実は昭和三十八年の衆議院の選挙のときに、この事務組合から陣中見舞いとして相当な金額が出ているわけです。これはなくなった方もおられますし、現役の方もおられますけれども、私は少なくともこの事務組合というのは地方公共団体の一つであろうと思います。そういう地方公共団体がその組合の所属以外の地域での衆議院の立候補者に対しまして、相当な金額を陣中見舞いとして出すというようなことは、これはそれ自体違法でもあります。私はそう思うのです。具体的には出しておる、こういうような非常にはずれたことすら実は行なわれているわけです。それがいままで実際は知られもしなかったし、全体的に問題にもされなかった、こういうことであっては私はならぬと思う。そういう意味で、ひとつこれは自治省にもたいへん関係のあることだけに、私はこういうものがこの組合から出されるということはたいへん問題があると思います。そういう点で、特にこういうものについては、私先ほど申し上げましたように監査指導というものをやはり厳重にしていただかなければ私はいけないと思うということを繰り返して申し上げますが、もう一つはこの組合が、ふしぎなことに、小さな町の集まりでありますけれども、たとえば組合長はセンチュリーの専用車を数年前、副組合長も一台ずつ、まあ相当な車を組合で副組合長用車として買っている。一体相模湖のモーターボート組合あたりで組合長、副組合長がおのおの専用車を持たなければならないほど、そんなにはたして副組合長職として仕事があるのか、私はおそらくないだろうと思う。逆に、それはある意味で、今日の時代でありますから、町長さんが車の一台持ってあちらこちら走り回るということは、私は否定しようとは思わぬ。しかし、そういう車が必要であったならば、私はその町の財産として、その町で買うべきだと思う。何も組合の費用でそういうものを買って副組合長に充てる必要はないと思う。どうですか。そういうあり方がまあ現実にあって、その車にいまもお乗りになっているだろうと思いますけれども、そういうあり方というのは私はやっぱり適切を欠いていると思うのですよ。どうでしょうか、そういうことが認められますかどうですか。

長野士郎自治省財政局長

○政府委員(長野士郎君) どうもはなはだ申しわけないんですが、私自身この施行組合というものがどれだけの事務量が実際にあるものかというようなことについては、どうも非常に詳しくは存じませんけれども、まあきわめて常識的な感じからいいますと、御指摘のありましたように、組合長にも専用車がある、副組合長にも専用車がある、そのほかにまた事務所にもあるというようなほどたいへんなものかということになりますと、私はもう先生と同じ気持ちで見るように思います。つまりそれほどの必要はないというふうに思います。したがって、おそらくは、御指摘がございましたが、それは組合長の車としてのものじゃなくて、むしろ組合長である何々町長の用事のために——まあその車の記録を調べればわかることかと思いますが、用いられる。町長としての公務といいますか、それには相当それはあるだろうと思いますが、そういう意味で、むしろそっちのほうに実質は多く使われているという実態ではなかろうかと思います。といたしますならば、そういう車というものは組合の車であるべきではなくて、やはり町の車である。町の車である以上は、町の予算で、町の経費で購入をすべきである。また、そういう意味では、これはきわめて常識論でございますが、具体的な事実に即して申しているわけではございませんから、間違っておるかもしれませんけれども、私の感じで率直に申しますが、そういう意味では、むしろ組合がそういう車を組合の必要な活動経費として買ったこと自体に問題がある。それはむしろ収益金の一部をそっちへ使っているというおそれすらある。むしろそれは当然に収益金の一部として各町村に配分をさるべきものであったのではないかというふうな気がいたします。したがいまして、私も結論は同じことでございます。当然そういうものが必要があれば、実態からしてもおそらくそうだろうと思います、町村として購入をして、そうして町村の用務に充てるというのが正しい筋であり、組合としては、それは当然収益金として各町村に配分さるべきものであったのじゃないかというふうに思います。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 まあそういう点で、私もいまの御答弁と同感であります。しかし組合の、言うならばこの相模湖のモーターボート組合というのは、自分の加盟団体の、構成団体の地域でやっているわけじゃないわけですね。まあ相模湖という湖はあるのですが、あそこでやるのではなくて、実際は平和島でやっている。だから結局組合の幹部の頭に、町民の金で買うのじゃない、東京都民——七のモーターボートレース場の周辺の人々の、言うならばあぶく銭で買っているのでありますかり、どうしても、買うならば非常に高級車を買ってしまっている。町の財政で買うとしたならば私はとういう車はおそらく買わないだろうと思う。したがって、その町の財政規模、その町のあり方、そういうものと非常にふつり合いのものを買ってしまう、こういうような間違いというものが私はやはり出てくるのではないか、こういうふうに思うわけであります。そういう意味でも組合の財政に対する監査というものが非常に私は重要になってくるのじゃないか、こういうふうに思うのですが、しかしそれならば、これはおそらく組合でも監査委員を設けなければならないということは当然であろうと思います。そういう組合の監査委員というものは、一体それではほんとうに監査をやっているのかどうか、具体的に監査をやっていたのかどうかというようなことを、自治省として御存じであるのかないのか。おそらく先ほど申しましたように、法律の趣旨からはずれたところに金が出ていても、その金については不正な支出はなかったということで、監査委員は通しているわけですね。そうなってまいりますと、一体これは何の監査なんですか。そういう監査委員に対する自治省の指導というようなものに私は問題が出てくるのではないか、こういうふうに思うのですけれども、一体そういう組合の監査委員というものの監査のしかたについて、自治省としては点検したことがあるのかどうか、この点を一点お聞きをしておきたいと思うのですが、しかもその監査というのがただ単に収益金だけの監査である。ここの場合には構成団体が所在している場所とレースをやっている場所と違いますね。そういう実際施行をやっている平和島のところまで私は監査が行かなければいけないと思うのです。どうもおそらくこのいままでの経過から見てみますと、町に来た収益金だけを監査しているという監査のあり方は私は間違いではないかと思うのですけれども、それはどのようにお考えになっていますか。

宮澤弘自治省行政局長

○政府委員(宮澤弘君) ただいまの相模湖の問題自身について私自身詳しいデータを持っているわけではございませんので、一般論としてお答えを申し上げざるを得ないと思うのでございますが、組合におきましても監査委員が置かれておりまして、監査をしているはずでございます。ただ、ただいま御指摘のように、竹田委員はあぶく銭というようなことをおっしゃいましたけれども、どうもやはりそういう全体の雰囲気の中に包まれたような、監査をしていたといたしましてもそういう監査をしていたのではないかという感じがいたします。それから平和島の現場でございますか、現場まで行っていないのではないかという御疑問でございますけれども、監査委員は事業の管理自身を監査する責任があるわけでございますから、やはりたいてい帳簿等をチェックすると同時に、現場に行きまして、やはり事業の実施状況その他を通じて監査をする責任があるだろうと私は思います。そういうことから申しますと、私がいま承った限りにおきましては、やはり監査委員自身が監査委員としての職責を十分果たしていたかと申しますと、どうもそうでないような気がいたします。先ほども御指摘がございましたが、一部事務組合の中の特にギャンブルをやっております組合につきましては、御指摘のような事態というものがあるいはほかでもあるのかという気もいたすわけでございます。そういう点は、自治省としても今後十分に注意をしてやっていきたいと思います。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 時間がないようでございますので、次へ進めてまいりたいと思います。これは新聞にかなり大きく出た事件でございますが、昭和四十三年度に日本水上興業株式会社に、さっき言ったように、組合の会計から直接三百万円の寄付金を出しておりますね。これについては自治省で、どういう目的でどういうことをするためにその三百万円の寄付というものを行なっていたかというようなことについて御調査をなさったことがおありですか。これは、東京都の府中市でもおそらくそういう、あそこで一緒にやっているようでございますが、府中市としてもそういうことをやっているようでございます。お調べになったことがあったならば、ひとつ聞かしていただきたいと思いますが、私のほうでもある程度調べようと思いましたけれども、なかなか調べに入ることができないわけでございます。どうも日本水上興業というのは、従業員が十数名ということで、三カ所のレース場に何か仕事をしておられるということでありますから、たいした仕事はなさってないんではないかというふうに思いますけれども、もし自治省のほうで御調査になっておわかりであったら、ひとつ聞かしていただきたいと思いますし、もしわかっていない、調査をしていないということであるならば、こういう金の使い方がはたして適切であるか、これを一回お調べをいただきたい、こう思います。

長野士郎自治省財政局長

○政府委員(長野士郎君) 私どものところで、いまの御指摘の水上興業株式会社に関するものも一通りは事情を調べておりますけれども、私自身、具体的内容について少しよくわからない点もございますが、その寄付金と申しますものは、結局、競走場の建設の場所を調査をする、適地に調査するというようなことで寄付をした。元来ならば、そういうことは委託費とかそういうもので考えるべき——もし必要があればです。専門家に委託して調査するということで、それがかりに専門家であるといたしましても、調査するということが普通だろうと思いますが、何かこの場合に委託費というようなことになれば、調査のしかたによってはどんどん委託費をとられるおそれもあるというような議論から、一応渡し切りにしてしまったほうがいい、これはものの考え方でございますが、いろいろそういうふうに考えたらしゅうございます。したがいまして、そうなると委託費というものは都合が悪かろうというようなことから、寄付金という形をとったというふうに私どもは聞いております。そしてその当該会社も具体的には調査をしたというように私どもは聞いておりますけれども、それがいかなる内容であったか、どういう調査をしたのかというところまでは詳細には実はよくわかっておりません。なお引き続き、私どもも本件につきましてはもう少し調べてみたいということで、それぞれ関係のところでデータを取り寄せるようにしております。が、まあいきさつの概要は、競走場の建設をしたいということで、適地調査ということであったが、その支出の形を寄付ということで行なったというふうに言われておるのでございます。それが適当であるかどうかという問題になりますと、これはいろいろ議論がございますけれども、かりに実質が、まあそれだけを取り上げて考えた場合、そうであったといたしまするならば、それはやや組合としても関係の深いことであることは間違いございませんが、しかしそれも一体組合が行なうのか、それとも関係の団体がそういう施設をつくりたいというようなことで行なうべきことであるのかということになりますと、どうもそこは組合が行なったことが正しいとは一がいに言えないというような点も私はあるように思います。したがいまして、そういう意味で考えますというと、寄付金という形も確かに納得のいかない形をとっておるわけでございますが、内容はいま申し上げましたようなそういう考え方で、そういう形をとったということのようでございますから、その点は一応形式が整ってない、内容が合ってないということについての問題は確かにございますが、それを組合が出すということがどうかという点でありますと、私はかなりそこにもひとつ市町村にかわってやったということの実質はあるかと思いますけれども、問題はやっぱりあったんじゃないかというふうに思います。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 いま局長はたいへん、寄付金であるか委託費であるかという付近に問題を持っていっているわけですが、ことしの秋に出した組合からの「モーターボート競走事業のお知らせ」というのを見ましても、調査委託したものであるということは書いてある。四十三年度の支出のお金でありますから、もう一年以上、その金によって調査に当たっているとすれば、何らかの回答がきっと来ているはずだと私は思う。しかし、この報告にはそれに基づいて、これだけの三百万円のお金を寄付して調査を委託したんだけれども、その調査についてはどういう結果が出てきたということは、ごく最近組合から出したこの資料にも全然触れられていないというところに、はたして一体どういう回答が、それに対する調査結果が来ているのか来てないのか。むしろ来ていないんじゃないか。来たとしてもろくなものでない。だからここに書けなかった、こういうふうに私は理解せざるを得ないんです。むしろこの三百万の寄付というものは、名目的にはそういう名目を使って議会は通したけれども、おそらく私はモーターボートレース事業の振興のために、むしろそういう政治的な費用にこの金が使われている可能性のほうが強いというふうに私は考えるわけであります。これは私が具体的にその金がどこへどういうふうに行ったかということについては調べてございません。ただ私どもの推測であるし、あるいは地域の人たちのそういう推測にしかこれはすぎないわけであります。しかも、この会社というのは、先ほど私が申し上げましたように、従業員がわずか十二名、そういう中でやられているわけでありますから、この点についてはひとつ御調査の上、一体その金がどう使われたのか、この委員会にいつかの機会に報告をしていただきたい、こういうふうに思うわけでございます。  それから、この組合の所有で万宝園という厚生施設を三十九年に伊東に持っているわけです。土地の広さが千五十一平米、木造かわらぶきの平家の百平米ばかりの家屋でありますけれども、これが、この事件が大きくなるとともに、これは組合名義で登記してありませんでした。組合長の個人名義で実は登記してあるものでありますけれども、これはいろいろな事情があってそうなったんだろうと思うんですけれども、いまの組合であるならば、私はそれは個人名義にしておくのではなしに、組合名義にしておくのが適切であろうと思います。そういう形で問題が出てまいりますと、この万宝園の所有権というものを、清掃やあるいは隔離病舎等々をやっております同じ地域の広域行政組合にその所有権を移転しているわけです。しかも、この移転のときの話は、この万宝園というのは、これは処分をするんだと、そして売ってその金は各町に配分するんだと、こういうことを言いながら所有権の移転をしているわけなんです。現実にはそこに入っている人の関係でなかなか売れなくてたいへんお困りのようでありますけれども、しかし広域行政組合のほうにモーターボートの組合から、これは処分をするんだという前提で所有権の移転をするというあり方も私はちょっとふに落ちないわけです。まあ、そこが広域行政組合のほうがそれを使うということであるならば、これは組合の議会の議決を経ることによって、承認を得ることによってそういうことをおやりになってもいいと思うんです。処分をする、ほかへ売るということのたてまえでそういうものをそっちへ所有権を移転するということになると、私は何か非常にふに落ちないわけなんです。この点は何か自治省のほうで御承知でありましょうか、どうでしょうか。

長野士郎自治省財政局長

○政府委員(長野士郎君) いまの御指摘の万宝園という問題も、私どもの調べておりますところにも一つ大きな問題として出ております。で、その内容についていまお話がございましたが、そういうふうな内容のところまでは実は私も存じておりませんけれども、これが一つの、まあ問題の措置であるということは御指摘のとおりであると思っておりまして、この点につきましてはお話がございましたように、ことしになりまして広域行政組合に移転登記をしておりますようでございますが、その内容と意味が、いまお話がありましたようなことというふうには私どもまだそこまで聞いておりませんけれども、まあ行政上それぞれ必要なもので、行政上必要なものなり何なりという施設ということでかりにあって、それでそれが組合間においてどういう受け渡しをされていくかという問題としてとらまえるならば、それはそれとしての適正な措置であれば、それは適正な措置として評価され得るでありましょうが、いまのようなお話で処分の内容として移転するということはおかしいじゃないかということであれば、私どもちょっとそう思います。ですから、これはどうもそういう意味で言いますと、個人名義であったものを何かパブリックな形にしておかないと、まあいろいろと世間が騒がしくなったからということだけのために移転登記をしたのではないか。しかし、まあそうやってみても、それを何とか始末をつけなければどうも問題が解決しないというようなことがあったのか、あるいはないのか。まあどうもその辺にも多少形式と実体とは必ずしも平仄が合わないような節もあるわけでございますから、そういう点ではいまの移転登記というものは単なる名目のことにすぎないので、組合相互間における、まあ実体を伴った財産の移譲とか譲渡とかいうものでは必ずしもないというふうな見方も御指摘のようにできるかと思います。まあ、これは実体の問題でございます。その点につきまして、私どもはこれ以上詳細なことは存じておりませんが、なおこういう問題でありますだけにひとつ十分調査をしてみたいと思います。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 ひとつその調査結果はまた報告をしていただきたいと思いますが、最後に、いままであげてまいりましたように、これそのままお話しすればもっとがく然とされる方が多かろうと思います。まあかなりギャンブルの収益金の使い方ということについては、いま述べましたようにかなりルーズであります。しかしそれに対して自治省の監査、指導というようなものもどうもあまり徹底しておりません。これは一体どこにそういうものをまかせているのか。県にまかせているかもしれません。まあ県も、同じようにほかで競馬、競輪を盛んにやっているところも、言うならば同じ仲間であります。なるべくそういうふうなものが世間に出て、大騒ぎをされるということになれば、自分自身の首を絞めるという気持ちもおそらくあろうと思う。そういう意味では、これは神奈川県知事も、ただ信頼していてあまり監督をしなかったということを県議会で申しているようでございますが、そういう意味で、私はやはりそういうことに関係のないものがこういうものを、監督指導というものは中心になってやらないと、同じ穴のムジナ同士が監督し合っても、これは全然意味のないことになるわけであります。先ほどから申し上げました監査委員のあり方、そういう金の使い方、こうしたものについてもかなり間違った点があるわけであります。ほんとうにギャンブルの収益金を法の目的に基づいて使用して、それが住民の福祉になっていくというものであるならば、私はもう少しその自治省の監督指導というものを強くやる必要がある。自治省はほかの問題については非常に介入をしたり、補助金の使い方をああだこうだというふうに文句を言いますけれども、こういうものについては自分のところで金を出したのでないということで、非常に監督指導がルーズであるのではないか。ギャンブルというものをほんとうに自治省が考えているように一つのレクリエーション的なものとして考えていく、そうしてそれが同時に市町村の財政を強化をしていくという考え方であるならばですね。まあ私はギャンブル全体ということについては否定論者であります。ギャンブル全体というものはなくさなくちゃいけない。しかし一気になくするにしては、国のほうがその財源の裏づけというものをいろいろ考えなければなりませんから、おそらく一気に全部をなくするということにはなるまいと、こういうまあいずれにしても国民のギャンブルに対する批判というものは強くなっていることは事実であります。しかしそれが現実には、いま述べましたような形で非常に監督指導というものがルーズであるということは、私はこれは自治省にも責任があると思う。この点については一体自治省はどういうふうにお考えになっているか。先ほども御答弁いただきましたように、まあ一年間にやっている監査というものも非常に少ない。おそらくこの津久井なんか監査したことはないだろう。なかったからこういうことが歴年にわたって積み上げられてきたということだろうと思う。そういう点で、こういうギャンブルのようなあぶく銭を使うそういうものについてこそ、私はもう少しきびしくしなければいかぬと思う。どうなんでしょうか。

長野士郎自治省財政局長

○政府委員(長野士郎君) この相模湖の競走組合の問題は、私どももまことに遺憾のきわみだと思っております。そういう意味で、まあ県の監督に期待しておったわけでございますけれども、御指摘のございましたような多少の甘さがあったろうとおっしゃいますならば、私はそれは否定できないと思います。そういうことでございますけれども、私どもも内容を見ますと、これはこのまま放置していいものと私ども思っておりません。したがいまして、これを契機というと、何だいまごろそんなことを言っているのかとおしかりを受けるかもしれませんが、私はやはりほんとうにこういう問題については、制度本来の趣旨が、財政状況なり公共施設水準を向上いたしますために、そういう財源、これが好ましい財源だと私ども思っておりませんけれども、現実の必要に応じまして、そうしてそれを住民福祉のために使っていくということであるならば、現状においてはある程度やむを得ない。しかしながらその使い方というものは、まことにそういう意味で厳正でなければならないし、そうでなくても、周囲の目から見ますというと、そういう問題にともすれば批判が伴いがちな現状でありますから、より一そう監査というものは目を通さなければならないと思いますが、それと同時に、それを監督する、あるいは指導する立場でも、甘やかしちゃいけないという御指摘がございました。私どもも全くそのとおりに思っております。  これを契機にいたしまして、この種の問題につきましては厳重な処置を考えていきたい。そうして、ほんとうに筋の通ったもので、公営競技そのものの公正な運営はもとよりでございますけれども、同時にその収益の使途というものにつきましても、だれに見られても恥ずかしくないといいますか、確かに法の目的そのものに従って公正に行なわれているという信頼感を得るような形にまでこれはぜひ持っていきたいというふうに思っておる次第でございます。部内でも議論をいたしまして、県の監督がぬるかったのじゃないかという批判をする人もおりました。私もそうだと申しました。しかし、責任を転嫁してはいけませんが、この種のことについてのイロハのわからない担当の当局者というものはいないはずでございます。その点についてはもう少し地方団体自身の運営に関係しております者が、みずからの運営を正させるということは当然必要でございますし、それについての是正措置というものは、これからきびしい態度で私どもは臨んでまいりたいと思います。

原田立公明党

○原田立君 私は、過日、福岡県、佐賀県、長崎県、三県を回って調査をしてきたわけでありますが、そのときに、いろんな問題がございましたけれども、過疎対策について、この三県の知事さんは非常に強い要請をいたしておりました。それで、この問題を若干お聞きしたいと思うのでありますが、過疎対策は、前回過疎債あるいは辺地債等を行なったわけでありますが、いままでの実績、どんな内容であったか、あるいは来年度の展望についてはどういうふうに考えられているか、その点をお伺いしたい。

長野士郎自治省財政局長

○政府委員(長野士郎君) この過疎対事業につきましては、四十五年度から法の施行に伴いまして初めて取り上げた形でございます。そういうこともございまして、府県が指導してつくりますところの振興計画の策定も、かなり手間どったこともございます。また同時に、過疎債のワクが、ことしは百三十億という一応のワク設定をしたわけでございます。その当時は、一体どれだけのことになるかという、実を言いますと、具体的な積算があったわけではございません。そういうことで、過疎債のワクを一応用意をしたわけでございますが、これに対しまして、実は事業費にいたしまして四百十八億出てまいりまして、過疎債の要求がちょうど二百三十億から二百四十億、つまり百三十億の倍ほどの要求が出てまいりました。これに対しましてどう調整するか、たいへん難儀をいたしたのでございます。そこで、一つは辺地債の七十億というのもございますから、そこで辺地債と過疎債の重複をなるべく避けるというような——しかし、辺地債は辺地債の目的がごさいますし、過疎債は過疎債の目的がございますから、やはり機械的には、もちろん許されない範囲のことまでできるわけではございませんので、もちろん、法の目的に従っての調節というものを努力をいたしました。  もう一つは、学校統合その他の起債ワクが、やはり過疎地域における統合の問題にもある程度回していくことができるわけでございますが、そういうものをあれこれ調節をいたしまして、そして約百三十七億ぐらいの形で、一応過疎対策事業に対応したということに相なっております。もちろん、これが十分な措置だというわけにはまいりませんが、今後、過疎対策というものがだんだん地について考えられていくに従いまして、この措置の充実をはかっていかなければならないと思います。ただ最初のことでございますので、私どもの関係においてもいろいろと試行錯誤がございますが、地方団体の出してまいりました事業につきましてもやはりその点がございまして、その点は今後これも調節して、制度の目的に合うように考えていきたい、こう思っております。

原田立公明党

○原田立君 過疎法の適用の団体数は、その後漸次ふえているのか、現状はどうですか。

長野士郎自治省財政局長

○政府委員(長野士郎君) 今回の国勢調査の結果、約三分の一くらいの団体が対象市町村になるようにいま見込まれるようでございます。つまり、いま七百七十六でございますが、それに対しまして二百五十から二百六十前後の——これは国勢調査の人口調査の結果がはっきり出ます段階まではあれでございますけれども、大体それくらいは出てくるのじゃないかというふうに思っております。つまり千をこすようなかっこうになっております。

原田立公明党

○原田立君 過疎要件を緩和してくれという要望も非常に強かったのですけれども、またその話の中に、地方債、過疎債のワクの拡大の非常に強い要請がありましたが、いま検討中ではあろうと思うのですが、今後の構想はどういうふうになっておりますか。

長野士郎自治省財政局長

○政府委員(長野士郎君) 過疎債につきましては、先ほど申し上げました四十五年度のワクを百三十億ということで、一応の設定をいたしまして、配分をし終わったわけでございますが、先ほども申し上げましたが、実態はさらに大きなものがあるわけでございますが、来年度におきましては、約その倍くらいのものを要求をいたしたいということで、いま地方債計画の中には案として入れまして、関係方面と折衝をいたしておる段階でございます。

原田立公明党

○原田立君 過疎債は約三百五十億から四百億ぐらい、あるいは辺地債では百五十億ないし二百億ぐらいというような、そういう過疎地域の団体の長の人たちの集まりの決議があったように聞いておりますけれども、そこら辺は十分検討なさるんだろうと思うが、その点はどうかということ。  それから、先ほど、昭和四十五年度は百三十億としたけれども、倍の要求が出て、その配分に非常に苦慮したということのお話もありましたけれども、それではこういう地方団体の非常に強い要請のあるものについては、自治省はもっと強力に推し進めていくべきではないかと、こう思うんですけれども、いま概略の、来年度は約二倍ぐらいのものをやりたいというような、そういうお話であったけれども、それだけではまだ非常に少ないんじゃないか、そういうちょっと考え方としては自治省としては消極的ではないのかと、こんなふうにちょっと感じたわけなんですけれども。

長野士郎自治省財政局長

○政府委員(長野士郎君) まあ私ども、地方債のいろんな全体の計画の問題もございますが、同時に過疎債が——過疎債だけじゃありません、先ほど申し上げましたように、いろんな事業とも関連をいたすものもございます。そういうものをいろいろ見合いまして考えていかなきゃならないという点があるわけでございます。これは私もこういう席であまりどうかと思いますけれども、過疎対策というものを考えます場合に、通常の行政を維持しながら、さらにその上に加えていくということで、脱過疎と言いますか、過疎を脱却するような一つのはずみをつけるというかっこうであるべきだろうと思います。ところがいまのところ、それぞれ調整をいたしたいと、私も先ほど申し上げましたのは、いままで行なった事業をすべて過疎債に振りかえるような傾向がどちらかと言うと強い。そして目前の財政運用だけの、一息つきたいという傾向が強いわけでございます。そういうことでは、やはり単独事業を過疎対策事業に振りかえるだけということになりますと、これはそれ自身問題がございます。そこでまあそういう問題も調整しながら、実質的に過疎を乗り越えさせるようなものを重ねていくという努力をお互いにしなきゃならないというふうに実は思うわけでございます。この点はやや基本的な考え方の問題もありますが、当初でございますので、何でもかんでも入れてきておるという面も実はありまして、先ほど申し上げました、やや倍に近いものが出たという点もあるわけでございます。そこで、そういう点もいろいろ考えまして、それから辺地債その他のことも考えあわせまして、現在、先ほど申し上げました二百六十、これらのものを加えますと、大体三百五十億程度のところでひとつ要求をしておるわけでございます。  なお、こういうことは最初のことでもございますから、私どもまだその後も検討を続けております。それについての地方債計画のいろんな手直しと言っちゃ悪うございますけれども、いま要求中でございますけれども、いろいろな段階で実態に即するような、つまりそれは過疎債の充実ということがぜひ実現できるようにということで努力はしてまいりたいし、ぜひそうしなければならないと思っております。そういう点をずうっと追ってまいりますと、いまのようなことで措置をしていくことができれば、私は相当な前進になるというふうに思います。

原田立公明党

○原田立君 僻地に行きますと、一番やっぱり問題になってくるのがお医者さんの問題であります。過日もこの委員会で実態をお話ししたところなんでありますけれども、医師が正式な報酬では来ない。そのためにある町、ある村等ではもう全体の支給額として、手取りが四十万円も五十万円も払っている。こうなると、その足りない部分についてはその町で一般会計から繰り出していくとか、そういうふうなことになるだろうと思うのですけれども、こういう村負担といいますか、支給といいましょうか、そういうふうなことで、過疎地域の団体は非常に困るし、また、そういうふうにやっても実際医者が来ないということでたいへん悩んでおりまして、それで医師の養成施設整備補助金というようなものを特に強く要請としてそういう意見がありましたので、これらについてはどんなふうに施策なさっておりますか。

長野士郎自治省財政局長

○政府委員(長野士郎君) 僻地の医療の確保という点につきましては、僻地といいますか、過疎地域における一番大きな問題の一つだろうと私も思っておりますが、そういうことで、僻地医療につきましては今後その充実をぜひとも期さなければならないという点で、大体いま二つのことを自治省としては計画をいたしております。  一つは、関係各省と申しますと、政府機関といたしましては厚生省でございますが、厚生省、文部省等と連絡を取りまして、総合的な僻地医療対策というようなものをつくり上げていきたいということでございます。この骨子となりますものは、結局、親元病院とか、あるいは僻地を含むところの地区に中心となる中核的な病院というようなものを整備をいたしまして、それから、さらに僻地の診療を確保いたしますために、巡回診療の方式でありますとか、あるいは患者輸送車でありますとかいうようなものを充実をしていく。そのためには道路の整備もしなければならない、あるいはまた僻地の診療所に医師が届くようにさしていくというようなことをやりますが、そのためにも、医学生なり、あるいは現に研究生の研究の助成とかいろいろなものでそういう措置をしていく。それからまた全然医師のいないところについては、保健婦等のものも、医師との連絡のもとに、ある程度、保健ということで常時保健指導が行なえるような体制をつくる。そういうようなことで、医師の交代派遣なり、あるいは施設充実なり、あるいは医師の研究、研修の充実なり、就学資金貸与金というような制度なりを各省と共同いたしまして充実をしてまいる、こういうふうに考えておりますが、また同時に片一方では、結局医師の絶対数不足という問題がございますから、それに対しまして文部省も、来年度は国立大学の医学部におきまして二つの大学の定員を多少ふやすということをやるということに大体固まりました。それから公立大学では、福島の大学の医学部につきまして定員増加ということの計画をいま福島県にしてもらっておりますが、絶対数不足の問題を解決するということと同時に、僻地医療を確保するために、僻地に勤務する医師の養成ということを考えまして、これはまあ私どもの大臣が非常に熱心でございまして、一日自治省を高知でやりましたときに、大臣は医学専門学校ということで打ち出されましたが、これは関係各省とのいろいろな話の末に、現在では医科大学ということで、ひとつぜひ創設をしたいということで、現在予算折衝の段階に入っておるという状況でございます。この大学一つつくったから全部解消するというわけではございませんが、むしろそういうことで、僻地に対する医師の充実、確保という関心といいますか機運をつくっていきたいということでございます。かたがた厚生省におきましては、僻地の医師確保と、それから現在、船のほうのお医者さまですか、そういうようなことが非常に欠けておるということで、そういう振興財団的なものをつくりたいということがあるようでございます。自治省も厚生省のその構想にひとつできれば合流して考えていきたいというようなことでいま進めておる状況でございます。しかし、また医師養成機関というものは絶対数が非常に足りないようでございますが、これだけではいけませんので、前に申し上げました僻地医療確保のための総合施策というものをこれからぜひ進めてまいりたいと、こう考えております。

原田立公明党

○原田立君 病院関係なんですけれども、まだもう一つ、これは長崎県に行ったときに総務部長が言っておったのですが、あそこは非常に離島が多いので、過疎地域対策緊急措置法をもう少し手直ししてくれ。それは、第十四条には無医地区における診療所の設置事業等を国の補助対象としているけれども、これを病院についても適用できるように措置してくれないかというような意見がございました。まことにもっともな意見だと思って聞いてきたわけなんですけれども、そこら辺のところはどんなふうに考えられているのか。検討したことがあるのか。あるいは厚生省のほうとも話し合いを自治省のほうとしてやるのかどうか。そこら辺まで含めてお願いしたい。

長野士郎自治省財政局長

○政府委員(長野士郎君) 実はそこまでのところはまだ踏み切ってはおりません。やはり公立病院というものを考えます際にも、原則的には公営企業という考え方で自治省としてはとらまえておりますが、そういう面は確かに否定できないわけでございます。また同時に、公的医療機関という意味では、いわゆる医療としての不採算施設がありましても、地域の医療を確保するという、いわゆる行政的な施設としての使命があるわけでありますから、そういう点につきまして、そういう問題として個々の診療なり、先ほど申しました診療施設なりには国の助成がございますが、同時に自治省としても、地方財政計画の上でもそれに必要な財源措置ということで、交付税その他の措置を考えまして、一般会計からの負担というもので、一般会計からの繰り出しによりまして問題に対処しておるという現状でございますが、建物に対する助成というようなものまでは、まだいまのところ考えておりません。ただ現実におきましては、そういう施設については、一応起債その他の措置で施設を整備をいたしますが、これに対する償還の問題になりますと、いま申し上げました不採算施設等の際におきましては、一般会計のほうの繰り出しという措置が相当程度可能であるような措置をいたすということでやってまいっておるのが現状でございます。

原田立公明党

○原田立君 そうすると、現状説明だけれども、病院についても適用できるように措置してくれという強い要請があったのだけれども、そこまではまだ考えていないということですか。

長野士郎自治省財政局長

○政府委員(長野士郎君) そこまでは考えておりません。しかし、病院の設置そのものについて現在の制度でそれほど支障があるとは私ども思っていないわけでございます。そこで、現実にそういう僻地の医療を確保しますための医療施設というようなものにつきましては、先ほど申し上げました親元病院とか基幹病院とか診療所、そういう一つのネットワークといいますか、そういう組織体系網をつくりまして、その線上に整備を進めていくということで、そういう診療施設なり病院施設なりというものが必要な場合に整備できないということはこれはあっちゃなりませんので、この点では補助ということではないわけでございますけれども、いわゆる整備が保障されるような措置というものは私どもとしても考えたいというつもりでございます。現在もそういうことで進めております。

原田立公明党

○原田立君 どうもおしまいのほうがはっきりよくわからなかったのですけれども、要するに、現地の担当者はこのことを強く要請をしておるのですよ。だけど局長の話を聞いてみると、そういうのはあまり必要ないのじゃないか。たいへん認識のとり方が、つかまえ方が現地と局長の考えでは開いているようであります。その点は非常にまずいのじゃないかと思うのです。そこのところはひとつもう一ぺんお考え直し願いたいと思います。  それからこの過疎地域についてですね、各省にまたがる仕事が多いのでありますけれども、やはり自治省が先頭になって、いわゆる各省の横の連絡を率先してやってやるというような、そういう姿勢が実は大事なことじゃないだろうか、こんなふうに思うのですが、そういうようなことで、先ほどは文部省、厚生省のほうと一緒にやっているということだが、ちょっとまだ自治省はその地方団体のたばね役として各省にしっかりと連携をとっていく、その姿勢が少しへっぴり腰じゃないのか、局長。へっぴり腰だと、少し姿勢が弱いのじゃないかと、こんなふうに実は思うのです。  あまり時間がないから、これでやめますけれども、実は先日、鹿児島県の奄美大島の沖永良部島に行ってきました。あすこに港がない、港がないために船が着けられない。あすこは東シナ海に直面しておって、もうこの十二月、一月、二月は、しけで船も行かない。長年の間、港をつくってくれという強い要請をしているようなんだけれども、そこら辺のところは行政局長のほうにも吸い上がってきているのじゃないかと思うのです。非常に長い間、そういう要請をしておったのです。それがいっかな手がつかない。これは離島振興の問題でもあるし、そういう過疎地域の対策という面からいっても非常に重要な問題じゃないかと思う。だからもう少し自治省は各省の横の連絡を率先してやるべきだと、こういうふうに思うのですが、その点はどうですか。  また、大きな問題として地方道の整備問題、これはもう生活道路的なものであるから、この地方道の整備というのは緊急を要するが、それらについて来年度どういうふうな施策でいくのか。  港の話と、それから道路の話と、それから自治省の各省に対する姿勢、この三つをお答え願いたい。

宮澤弘自治省行政局長

○政府委員(宮澤弘君) ただいまお話しの中に奄美の振興計画の話がありました。自治省のたばね役としての力が弱いのじゃないかと、こういうお話でございましたが、私ども、なお今後力を尽くしてまいりたいと思いますが、奄美の振興計画は、御承知のように現地と相談しながら自治省が取りまとめてやっておりまして、私どもがなお努力をする点があると思いますが、その点につきましてはかなり各省との間の連絡はとっているというふうに私は思っております。ただいまお話しの沖永良部の港の問題は、御承知のように和泊港、知名港、二つがございまして、一島一港を整備をする、しかし同時に、風向き問題その他で知名の港も整備するということにつきましても、ただいまいろいろ検討いたしておる次第でございます。そういうことで、奄美の振興計画につきましては、たばね役としては、たいへん自画自賛のようでございまするけれども、私ども、かなりやっているつもりでございますけれども、なおしかしその点につきましては努力をいたさなければならない点もあろうかと思います。そういうことを頭に置きまして、今後やってまいりたいと思います。

長野士郎自治省財政局長

○政府委員(長野士郎君) 病院につきましては、先ほど申し上げましたように二十ベッド以上のものにもなるわけでございますから、一応公営企業というたてまえでいままでやっておりまして、それについていわゆる行政施策としての辺地の診療等を加味いたします場合には一般財源として考えていく。それからまた国の助成のあるものがありますが、診療所につきましては厚生省関係の助成もあるようでございますが、これも実はごくわずかなものでございます。私は、むしろ総務部長さんが補助金がほしいとおっしゃったお気持ちはよくわかりますけれども、いまのようなあり方でございますと、かえって補助金に振り回されまして、ろくすっぽ仕事にはならないという、これはまあ非常におこがましい話になりますが、実態がそういうことになるおそれが多分にございます。それよりも、ほんとうに必要な設備を整備していくというふうに考えたほうがいいと思います。その点はあまり口幅ったいことを申しては失礼にあたるわけでございますが、やはり補助金がほしいというお気持ちでものができるというととではなくて、それをつくるために私どもも御相談にもあずかるし、お世話申し上げたいと思いますから、そういうことで、必要なところには必要なものを整備していくということで進めていくほうが、かえって補助金待ち、あるいはまたたいへんな超過負担というような問題で問題が片づかないということよりは実があがるものとして、私どもはぜひ進めていただいたほうがいいというふうな、そういう考え方を持っておるわけでございます。したがって、歯切れが悪いといえばむしろ全く歯切れが悪い話でございますが、御了解を願いたいと思うのでございます。  道路につきましては、確かに地方道の整備が非常におくれておりますから、道路整備につきまして、財源とともに私どもはその整備を飛躍的にはかろうということで、地方財政計画も年々そういう意味で充実をさしてまいっておりますが、来年もこれはぜひ進めてまいりたいというふうに思います。市町村道の舗装率は昨年度末でたしか七・六%ぐらいでございますが、これを一%上げようということにいたしますというと、大体全国的には千五百億ぐらいかかるわけでございます。たった一%上げるだけでそれだけかかる。したがって、道路の整備という意味ではたいへんな財源を投入をしていかなければならない状況でございますので、私どもも、来年度以降におきましても急速にその整備をはかって、地方道の重要性というものは日に日にウエートが重くなっておりますので、整備をしてまいりたいと思っております。

原田立公明党

○原田立君 これで終わりにしたいと思うんですが、その道路のことですけれども、この緊急措置法の中には、基幹市町道は都道府県が代行して整備することができる、こういう規定がありますけれども、現地のほうでは、そういう仕事もやるけれども、補助の特別ワクの設定あるいは裏負担等の財政上の特別措置をぜひしてほしいという、そういう強い要請がありますけれども、これについてはどういうふうな状況になっていますか。

長野士郎自治省財政局長

○政府委員(長野士郎君) この基幹道路の整備という点につきましては企画室で担当しておりまして、私ども詳しいことはわかりませんが、五カ年間のいまの振興計画におきましては、約一億程度のものが事業計画としては入っておるようでございます。確かにその点では、少ないではないかというお話だと思いますが、私どももそう思います。これはやはり府県というものもある程度責任を持って、もっと積極的に代替道路という施行をぜひしてもらいたいというふうに私は思っておりますが、これは今後ともその線でぜひ強力に進めてまいりたいと思います。

山内一郎自由民主党

○委員長(山内一郎君) これにて暫時休憩いたします。    午後零時四十六分休憩      —————・—————    午後一時三十九分開会   〔理事熊谷太三郎君委員長席に着く〕

熊谷太三郎自由民主党

○理事(熊谷太三郎君) では、地方行政委員会を再開いたします。  休憩前に引き続き、質疑を行ないます。  御質疑のおありになる方は順次御発言を願います。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 まずは山野対策庁長官に御足労願ったんですが、一、二。報道によりますと、琉球主席の任期の延長、立法院による沖縄県条例制定権などについて話し合うために、琉球立法院の議長が上京されておる。で、その人の発表によりますと、沖縄・北方対策庁の山野長官が、主席の任期延長及び立法院の県条例制定の問題と関連をして、復帰の際に、自治大臣が暫定的に知事を任命をして、その知事が県知事、県議会議員選出のための県条例を専決処分で決定する、そういういわゆる山野構想を発表された、こういうふうに伝えられているのでありますが、これはほんとうですか。

山野幸吉沖繩・北方対策庁長官

○政府委員(山野幸吉君) ただいま御指摘のように、先般星立法院議長が私のところへ参られまして、いま御指摘の二項目、なかんずく条例制定権の問題もありますが、現在の主席、立法院議員の任期が御承知のように来年の十一月で満了しますので、それを復帰まで延長してもらえないかという問題、それから復帰前に条例が制定できないか。復帰後に適用できる沖縄県条例が制定できないかという相談があった、要請があったわけでございます。実はその時点で、私どもはまだこの二点につきましては、政府部内の意見を調整して結論を得るような段階にございませんでしたので、私の私見としまして、復帰後における知事をどうするかという問題については、いま御指摘のような問題も含めまして、いろいろ各種の考え方がある。それらについて今後政府部内でよく調整し、そして琉球政府なり立法院の意見も十分聞いて、それから日本政府としては確定していきたいんだという趣旨の話を申し上げたわけです。ところが新聞を見ますと、何かそれに確定してこういう任命制の暫定知事ですか、そういうものをまず置くんだと、それが私の考えだというぐあいに誤報されまして、私も実は若干迷惑をしておるわけですが、私どもはいまそう固まった考え方を持っていないわけでございます。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 報道によりますと、山野構想は地方自治法二百四十七条の規定を沖縄に準用することを予想したものと見られる、全体的にさっきの私の質問の立論からいけば、こういうことになろうと思うんですね。もしその場合、特別立法でそういうふうなことをやるつもりなのかなどというようなことは、お話し合いの中には、山野さんの発想の中にはそういうことがやはりあったわけですか、迷惑をされていると言われますけれども。

山野幸吉沖繩・北方対策庁長官

○政府委員(山野幸吉君) いま私がそういう構想を出したという、正式にそういう前提でお尋ねいただきますと、いろいろ問題が出ると思いますが、私はいま申し上げましたように、知事をどうするかは非常にむずかしい問題だ。たとえば方法の一つとしては、知事の代理か執行者を置いて、それから選挙をあらためてやると、そういう考え方もあれば、あるいは従来の行政主席を一応暫定的に知事とみなすという考え方もあれば、それからまた、そのほかにもいろいろ案があるんだと、これらについては私のところよりむしろ自治省のほうで、行政局長はじめ皆さんでよく十分検討してもらって、内閣法制局とも相談しまして、そして琉球政府なり立法院の意見も聞いて政府の考え方を固めたいんだということを申し上げたんで、たまたまその中に、いま御指摘のように暫定的に知事を任命することもその一つの考え方としてはあるかなあというようなことを申しましたので、それだけが取り上げられて報道されたものですから、あのような記事になったものと考えておりまして、私は、その時点で特別立法とか、あるいは暫定措置法でやるのだとか、そういうような方法論までは具体的に申し上げなかったわけでございます。それからなお、その解釈、自治法の何条によるとか、そういうことはもちろん申し上げておりません。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 この問題については、行政局長は一体どういう見解をお持ちですか。

宮澤弘自治省行政局長

○政府委員(宮澤弘君) この問題につきましては、先ほど長官からお話がございましたが、長官のところに沖縄の立法院の方が上京をされて、これこれしかじかの御相談があった。で、それについてはいずれおまえのほうとも、また法制局とも相談をして結論を出そうではないか、こういうお話が沖縄・北方対策庁からあったわけでございます。したがいまして、いま山野長官が言われましたように、いろいろな考え方があろうかと思います。自治省といたしましては、まだ正式にどうこうという見解を固めるまでに至っておりません。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 まあ知事選挙に出馬される方ですから、たいへん答弁がうまくできていますが、この沖縄復帰に伴う行政権の先行という現状にかんがみて、私はこの記事を読んだときに、やはり山野さんあたりすらさえ官選知事を一時的に認める、そういう思想があるのかなあと、これはもうたいへんなことだと、やはり沖縄の自治権の観点に立って非常に私は問題だと思うのです。いままあ事実関係を答弁のとおり認めるとすれば、その辺のことは思い過ごしだということになろうかと思いますが、そこで、これで終わりにしますが、山中総務長官が暫定知事説を否定をしたと伝えられていますが、そうなるとどうするおつもりですか。

山野幸吉沖繩・北方対策庁長官

○政府委員(山野幸吉君) 私も沖縄問題を手がけましてからまる六年、もう沖縄には三十数回も参っておりまして、沖縄の住民がどう考えておられるか、あるいはまた、これは一般論でございますが、琉球政府なり立法院の意向がどうかということを絶えず念頭に置いて沖縄の施策にいろいろ携わってきたわけでございます。したがいまして、私が一方的にこういう考え方で任命知事をつくるのだなんということをいまの時点で、まだ自治省にも正式に相談していない時点で、しかも明らかに立法院なり琉球政府としては批判されるであろうようなことがわかっておることを私が一方的にこうするということは、私は絶対ないと、こういうぐあいに私自身は思っておるわけでございます。ですから、あの新聞報道も、全部の新聞報道ではございませんで、少なくとも本土におきましては、特定紙の新聞報道であったように私は見ておるわけでございます。それから山中長官ともその後いろいろお打ち合わせしましたが、大臣としましては、任命知事の方法は避けたい、こういうことをおっしゃっておられますし、これはやはりその沖縄住民の意見を十二分に参酌された御意見であろうと思います。で、それではどうするのかという問題でございますが、これは自治省のほうで方法論を、どんな方法があるかを十分御検討いただきまして、その結果どういう方法をとるかをひとつ政府として確定していきたい、それにはもちろん琉球政府なり立法院の意見を十分尊重していきたいと、かように考えております。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 わかりました。  じゃ、国籍の書きかえ問題で、法務省見えていますか。まず自治省にお尋ねいたしますが、昭和四十年九月十日に出されました地方制度調査会の行政事務再配分に関する第二次答申、これで、「いわゆる職務執行命令訴訟の制度は、廃止すべきである。」ということが言われているようであります。これはアメリ方法におけるマンデマス・プロシーディングにならったと、こう言われるんですが、この地方自治法百四十六条という条項は、どういう趣旨で設けられているか、まず伺いたいと思います。

宮澤弘自治省行政局長

○政府委員(宮澤弘君) ただいま和田委員御指摘の地方制度調査会の答申は、ちょっといま手元に資料もございませんし、私はそうであったかどうか、確かな記憶がございません。その点につきましては、後ほど調べたいと思っております。  地方自治法百四十六条の規定の趣旨でございますが、これは現在御承知のように、中央政府、地方団体、大別いたしますと、二つの行政組織があるわけでございますが、国の事務の執行につきましては、たてまえといたしまして、国の行政機関の系統で処理をするというのがたてまえでございます。しかし、国の事務の処理につきましても、やはり国全般としての行政機構の簡素化、合理化という趣旨もございましょうし、それから、やはり地方の代表者による判断という要素も必要である、こういうような関係から、地方団体の機関につきまして、国の事務を執行させるといういわゆる機関委任事務の制度があることは御承知のとおりでございますが、その機関委任事務の執行につきまして、その執行を確保いたしますためにとられた制度がこの制度である、こういうふうに理解をいたしております。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 これは砂川職務執行命令訴訟、それにおける最高裁判所の見解が出ているわけですが、その最高裁判所の見解にもありますし、ここにいらっしゃる長野士郎さんの書かれた「逐条地方自治法」にもありますように、要するに機関委任事務における上命下服の関係と地方自治との調和というところに百四十六条の条項の存在目的が、端的に言えばあるわけですが、それはそう確認をしていいわけですね。

宮澤弘自治省行政局長

○政府委員(宮澤弘君) 国の事務を国の機関に——純粋の国の機関でございますが、処理をさせます場合には、まさに上級下級の関係があるわけでございますから、そこで筋がずっと通っていくわけでございます。しかし地方団体の機関について、国の事務を処理させるという場合には、国の行政機関内部のような、いま上命下服とおっしゃいましたが、そういう関係だけでないものがあるわけでございます。したがいまして、国の事務を地方団体の機関に処理をさせます場合に、その処理につきまして問題が起こりました場合には、最終的に裁判所の判断を求めるというのがこの制度であろうと思います。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 法務省にお尋ねをいたしますが、昭和四十五年の九月七日付で出されました「韓国人劉正述ほか十三名にかかる国籍欄の書換えについて」という、この福岡県知事あての入管局長通達ですがね。これには「右命令に従わない場合には、地方自治法に定める措置をとらざるを得ない」とあるわけです。ここで言われている「地方自治法に定める措置」とは、第何条に基づくどのような措置ですか。

吉田健三法務省入国管理局長

○政府委員(吉田健三君) 当時の時点におきましては、百五十条による指揮監督権を中心的な考え方として出したわけでございます。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 これは百五十条だけですね。

吉田健三法務省入国管理局長

○政府委員(吉田健三君) 百五十条によって説得をつとめてもらうという意味で、百五十条を中心にして考えたということでございます。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 法務省が通達を出された翌日に、衆議院法務委員会で社会党の安井吉典委員がこの問題を取り上げておりますね。そのときに安井さんの質問に答えて、入管局長はお答えになっています。その答えの中で、いま述べられただけではなくて、「一応地方自治法の第百四十六条、それから監督権全体としましての百五十条、国の委任事務でございますので、そういう関連条文に基づきまして指示したわけでございます。」こういうふうに述べられているわけです。そうすると、私はこの通達がすでにいまの答弁との関係で考えますと、自治法第百四十六条の発動のように聞こえるのでありますが、いま答弁をされたこととの関連において、そうではない、そういうことになりますか。

吉田健三法務省入国管理局長

○政府委員(吉田健三君) このただいま引用されました安井議員に対する私の答弁は、安井議員は、百四十六条によったのかという御質問がありましたので、国が県のほうに言えるのは、まず百五十条で言うわけでございまして、百四十六条は訴訟を起こす当事者が相手を云々というようなことになります。もし福岡県知事が、今度は田川市長に対する百四十六条による訴訟を行なわなかった場合には、主務大臣なり法務大臣は、福岡県知事に対して今度は百四十六条を直接発揮する、こういうことになりますので、私の答弁は百四十六条を使うことを頭に置いて、百五十条による説得をしてくれと、指揮監督権に基づいて県知事あてに指示したわけでございます。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 自治省はこの九月七日付の福岡県知事あて入管局長通達及びそれに基づいて出された九月十日付の福岡県知事による田川市長への命令書、すでにごらんになっていると思うのですが、ごらんになっていますか。

宮澤弘自治省行政局長

○政府委員(宮澤弘君) 九月七日付の通達はいただいております。それから命令書のほうは、最終的にこうだというものは、私は拝見をした覚えはございません。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 これは法務省は当然この命令書をごらんになっていますね。

吉田健三法務省入国管理局長

○政府委員(吉田健三君) 拝見しております。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 そこで、外国人登録法に移りますが、外国人登録法の第十条の二第一項に基づく機関委任の内容ですね。いま、ごらんになっているという形で確認をされた通達でありますが、この中に、「田川市長が行なつた韓国人劉正述ほか十三名の外国人登録における国籍欄の訂正については、添付の理由書のみをもつてしては外国人登録法第十条の二第一項の要件を充足するものとはいえず、」という文言があります。ここで言われておる、外国人登録法第十条の二の要件とは何ですか。

吉田健三法務省入国管理局長

○政府委員(吉田健三君) 第十条の二は、「市町村の長は、登録原票の記載が事実に合っていないことを知ったときは、その記載を訂正しなければならない。」というふうになっているわけでございますが、私たちは、過誤があった場合にこれを訂正しなければならない、誤りがあったということは、客観的に明白な事実でなければならないというふうに了解しているわけでございます。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 誤りがあったということが客観的に明白なものでなければならないということになりますと、それを裏づけるものが必要ですね。その裏づける要件は何ですか。

吉田健三法務省入国管理局長

○政府委員(吉田健三君) これは、国籍を従来朝鮮という記載をしておった人が韓国という国籍を取得する行為を過去において行なっているわけでございます。原則として国籍を取得したその人がもう一度それを放棄して朝鮮に変えるという行為が現在問題になっている行為でございます。そこで、韓国と記載をしたのは、本人の申し出があったから市町村でそういう記載をしたわけでございますが、それが誤りであったということを証明しなければならないわけでございますから、だれか第三者に自分が知らないうちに申請されてしまったので、本人は何らそういう事実を知らなかったとか、何かそういうことでないと困るわけでありまして、現在問題になっておりますのは、本人は韓国へ旅行するために韓国大使館に申し出て、韓国人になって旅券をもらって、あるいは韓国の国民登録証をもらって韓国籍に登録をした人が、あれは間違いであったと、自分は朝鮮なんだということを突如として市町村の窓口で申し出られても、市町村長はそれを確認する方法が、はなはだ資料が不足である。なぜかといいますと、朝鮮籍から韓国籍に書きかえたときの当時の資料は全部法務省に集中管理をしておりまして、それは地方の市町村が、古い記録でございますから、場所がないとかあるいは保管上のいろいろな問題があって、法務省に来ているわけでございます。それを見まして、どういう理由で韓国にその人がなっておるかということを確認いたしませんと、ただ本人が、おれはもう一度朝鮮になるのだということだけを市町村長が受理されて、一方的に書きかえられるのは、国の委任事務としては適当でない、全国的に基準が乱れる、あるいはその市町村の個人的な考え方で、あるいは韓国にあるいは朝鮮にといろいろ変わるということは、外人管理あるいは外国人登録法の精神から見て当然これは避けなければならない、こういうことでございます。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 そうしますと、いま外国人登録法第十条の二の要件、その要件のたとえば裏づけになるものとして、韓国の登録証明書など、逆の意味では、こういうふうに特定されないわけですね。あなた方の、言ってみれば一つの判断に基づいて、客観的な要件とはこういうものだというものしか述べられないわけですから、逆の意味では、本人の届け出で朝鮮国籍から韓国国籍になったという届け出そのものが、肉親に会いたい、墓参に行きたい、親の死に目に会いたいというような条件を持った朝鮮の方が、少なくとも韓国における事情との勘案において届け出をして、そういう客観的な事情の中で届け出をして韓国籍を取らなければ、いま申したような事実行為は行なわれない。こういうことになった場合に書きかえられたという事情は、後ほど述べますが、たくさんあるように思われます。それも、そのときにおけるところの客観的な事情としては認め得るに足る条件、そういうふうにはなりませんか。

吉田健三法務省入国管理局長

○政府委員(吉田健三君) お断わり申し上げておきますが、外国人登録法というのは、本人の国籍を取得する権利とか、そういうことを阻止するものではございませんので、ある市町村の窓口に登録にきた人が、私はアメリカ人ですと言ってアメリカ人であるパスポートを、旅券を提示したときに、市町村ではわかりましたと言ってその人をアメリカ人として記載する。つまり鏡のように、申請のあったものを原則として写しとっておるわけでございまして、こういう登録をしたからその人はある国籍を取ったとか、取らないとかいうことには何ら関与していないわけでございます。  そこで、ただいま御指摘の、韓国へ旅行したいがために旅券を一度取って、韓国人になった。しかしそれはそういう一時の方便でなったので、自分の真意は依然朝鮮なんだと、だからこの際変えたいとおっしゃいますのは、事例といたしましては、本人の心情は理解できますが、一つの国籍を取得するという法律行為が行なわれた以上は、その法律行為は同様に国籍を離脱するという法律行為によってなされないと、登録のほうからは、国籍を提示した人にはその国籍を登録しておるわけでございまして、離脱証明書を持ってこられるか、何からその他の方法で韓国籍を離脱したんだという証明書がないと、これを変更することは困難なわけでございます。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 あなたの言われることは論理的に矛盾になりませんか。私はアメリカ人ですと窓口に来て言ったら、それでアメリカ人とする、国籍を取得する行為ではありませんと、あなたはこう前提に言われた。そのあとでは、韓国という国籍を取った、こういうふうに表現をされたでしょう。国籍を取るためのいわゆる手続がありませんか、どちらですか。

吉田健三法務省入国管理局長

○政府委員(吉田健三君) 韓国人であるという窓口にあらわれた人が外国人であることはわかっても、どの国の人であるかということは、市町村の窓口の人は知らない、わからないわけでございます。そこで本人は旅券を提示するなり、私は何国人ですという証拠書類を提示して、それを認めて初めて登録するわけでございます。そのことを最初に申し上げたわけでございまして、第二段目の、韓国という国籍に現在なっておる人は、朝鮮から韓国に本人の申請で原則として変わってきた人でありまして、その人たちはその申請をするときに、私は韓国人ですという国民登録証その他本人の国籍を表示する証票を窓口で提示したら、窓口では、それを韓国と国籍の欄に書き込んだわけでございまして、それを今度は、本人が、いやおれは実は朝鮮なんだと言われましても、今度は朝鮮籍になったという証明書があるか、あるいは韓国籍を離脱したという証拠書類がなければ窓口では判断できない、こういう趣旨に申し上げたわけでございます。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 そうしますと、さきの質問に戻るわけでございますが、外国人登録法第十条の二の要件としては、言われたように、旅券なりあるいは登録証明書ということですか。

吉田健三法務省入国管理局長

○政府委員(吉田健三君) ここに書いてありますことは、事実に合っていないことを知ったということでありまして、たとえば俗な例が、窓口の吏員が複写するときに申請書から写し違える、たとえば申請書には明瞭に何の太郎兵衛と書いてあったのを、うっかり間違えて次郎兵衛と記載してしまったと、こういうときには、申請書と比較してみれば、客観的に明瞭に間違いであったということで、そういう間違いは防がなければということで、一郎を二郎と記載になったとしますと、一の上に棒が間違えてついた、そういうのは市町村の窓口で訂正してもらわなければならないわけでございまして、記載の誤りであるということを証明するための資料としましては、そういう機械的な、客観的に明白な証明のほかには、本人の国籍離脱あるいはその他そういうものにかわる証明書がないと、窓口の人は判断のしょうがない、こういうことで申し上げたわけでございます。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 「外国人登録上の国籍欄の「韓国」から「朝鮮」への書換について」というのが、あなたの名前で昭和四十五年八月十七日法務省の甲合第六〇六一号という通達が出ておりますね。これによりますと、市長限りで書きかえたとのことであるが云々となっていますね。そこで、市長限りで書きかえたことを問題であるとした八月十七日付の通達と、いままで論議をしてきた通達ですね、この辺は矛盾をしていませんか。

吉田健三法務省入国管理局長

○政府委員(吉田健三君) 先ほど申し上げましたのは、市長が完全に資料を全部持っておられて、客観的に立証され、あるいは認定される十分な根拠をお持ちであれば、こういうことにはならないわけでございますが、先ほど言いましたように、市長の手元には資料がない、したがってその申請してきた本人についていろいろな書類を、たとえば韓国大使館に問い合わせて国民登録票の登記がしてあるかないか、あるいは日本から出国して外国へ韓国という名前で旅行したりどうかしたことがあるかないか、あるいは先ほど言いましたように、朝鮮から韓国に以前に書きかえを申し出たときにどういう理由で申し出ているか、どういう証拠書類の提示があったからそういう書きかえを認められたかという資料が市町村に残念ながらございませんので、市長限りで、そういうもののない状況において判断されるのは客観的に十分立証、認定されていないものと断ぜざるを得ない、かかるがゆえにこそ本件は委任事務として市長のほうに、そういう複雑な問題については、あるいは国際情勢を反映するような問題については、市長の判断ではなくて法務省に経伺してくれ、法務省のほうにその書類を出してくだされば、われわれのほうで認定して許可したり不許可にしたりしておる、こういうことに相なっておるような次第でございます。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 いや、もう一度そこを伺いますが、田川市の場合は市長限りで書きかえたのが悪いのか、それとも田川市の書きかえが外国人登録法の第十条の二の要件を満たしていないからだめなのか。

吉田健三法務省入国管理局長

○政府委員(吉田健三君) 法の要件を満たしていないという意味で違法であり、またそういう手続を踏んでもらうように通達しておるのに違背しておる、両方の面を持っております。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 そうしましたら、たとえば川崎市が書きかえ全部完了しましたね、これは悪ではないわけですか。

吉田健三法務省入国管理局長

○政府委員(吉田健三君) ちょっといまの御質問もう一度……。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 神奈川県の川崎市ではすべての書きかえが行なわれていますね。田川市は誤りであって、いま両方ともと言われたわけですから、川崎市は誤りではないわけですか。

吉田健三法務省入国管理局長

○政府委員(吉田健三君) そういう市町村長限りで訂正されたところには全部私のほうから再訂正方を指示、通達しております。なお田川市がまっ先に行なわれましたので、田川市にまっ先にこの書類が行ったわけでございますが、この時点におきましてはほかの地区にはまだ類似のケースが発生していなかった次第でございます。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 じゃ、川崎市にはいつ出されました。

吉田健三法務省入国管理局長

○政府委員(吉田健三君) 正式の通達がまず福岡県知事が田川市の分についてやはり、自後山形、長野と続きまして、川崎市はだいぶそのあとでございますが、県知事から正式にこれこれの人についてこれこれの理由で補正したという報告が私の手元にまだ届いておりませんので、どうしてそこが資料が不足であるかという点を確認いたしましてから訂正命令をこちらで出すわけでございます。まだ届いておらないと、こういうことでございます。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 神奈川県知事から届いておりませんか、届いていませんか。

吉田健三法務省入国管理局長

○政府委員(吉田健三君) 届いておりません。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 これは、神奈川県知事から間違いなく届いておりませんね。

吉田健三法務省入国管理局長

○政府委員(吉田健三君) 届いておりません。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 そうすると、十二月八日の午後二時十五分現在では届いていない、確認をしておきたいのですがね。それは明確にしてください、午後二時十五分現在で届いていない。

吉田健三法務省入国管理局長

○政府委員(吉田健三君) いま役所に入っておるかもしれませんけれども、少なくとも私がここにおるいまの時点では届いておりません。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 第十条の二の要件、二つともに該当すると言われましたから、満たしていないという場合、こうなった場合は韓国から朝鮮という書きかえというのは不可能ですか。   〔理事熊谷太三郎君退席、理事安田隆明君着   席〕

吉田健三法務省入国管理局長

○政府委員(吉田健三君) 不可能ということではないのでございまして、市長限りで十分認定が客観的に立証されないのに、一方的に韓国から朝鮮に書きかえが行なわれるのはいけないと申しておるわけでございます。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 この問題、ちょっとわからぬところがあるのですがね。あなたの手元に全部あの当時のものを集めてある。それと照合をしなければ正否の判断がつかないから市長限りではできない。そういう主張ですね、さっきから言われているのは。

吉田健三法務省入国管理局長

○政府委員(吉田健三君) それがおもな理由でありまして、その他、こういう業務は全国統一してやる必要があって、それぞれの地区でばらばらに行なわれるというのは不適当である、そういう考慮もあるわけでございます。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 それはしかしあれじゃないですか。機関委任しているわけですね。したがって全国でばらばらに起こり得る条件は持っていますね。書きかえの問題なんというのは、届け出にしたってそうです。ばらばらにやることがあなた方の立場にとってはたいへん困ることであるかもしれないけれども、しかしながら委任をされているわけですから、当然自治権に基づいてその機関委任事務というものを処理していくことについては何も問題ないわけですね。あと問題があれば百四十六条なら百四十六条に基づくところの措置が行なわれるということであって、初めから常に統一的な条件を具備していなければ要件を欠くということにはならないでしょう。

吉田健三法務省入国管理局長

○政府委員(吉田健三君) 問題は、法の内容に対する違法性と、それから手続に違背しておるという違法性と、二つあると申し上げたわけでございますが、私が先ほど言いましたのは、市町村長が独断で措置されるには資料が不十分であるし、客観的に立証する根拠が乏しいという点が一つ。これがおもな理由であり、第二に、全国統一した行政が行なわれる必要がある。そのために手続があって、本省のほうに資料を添えて聞いてくれ——本来これは国がやるべき、あるいは国ができればやるということも考えられた行為でございますが、各市町村に居住しており、税金その他居住市町村との、住民との関係がございますので、市町村長にこの事務を取り扱ってもらっておる、国の事務を市町村長に委任しておるその範囲において、国がこの事務はこういう性格を持っておるからこれこれの条件を満たすようにやってくださいということで通達を出し、それが守られることを期待して委任したわけでございます。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 統一して処理をすべきだと言われるのでしょう。しかし、ぼくはばらばらに起こるのは当然だというのですよ。機関委任されているわけでしょう。そうすると、三重なら三重で、川崎なら川崎で、あるいは横浜なら横浜でばらばらに起こるのは当然でしょう。そして、実際問題として解決のしかたもばらばらにされているわけでしょう。

吉田健三法務省入国管理局長

○政府委員(吉田健三君) ばらばらとおっしゃいますのは、現実に市町村長が市町村長限りで訂正したという行為が現実にばらばらに起こったということかもしれませんが、私のほうは、市町村長の考え方で客観性のない訂正を個々にやられては困るので、客観性を満たせるように、統一できるように通達によって手続をお願いしたと、こういうことでございます。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 私の言っている質問に対してそのまま答弁してもらいたいんだけれども、第十条の二の要件を満たす、そのためには、私はもっときびしく、たとえば旅券であるとか、登録証明書だとかというものとの照合においてだろうと思ったけれども、さっきからの答弁を聞くと、どうも個々の事情の判断がしんしゃくをされるということが客観的なということばの中に包含をされているようですね。そこで、そういうことになってきた場合に、韓国から朝鮮という書きかえというのは不可能になるはずじゃありませんか。現実の問題として、可能になっているところがあるんでしょう。あなた方のほうで可能にしたところがあるわけでしょう。しかし、あなたのさっきからの論法でいくと、すべて不可能になりませんかと私は言っているんです。その辺に対して答弁してください。

吉田健三法務省入国管理局長

○政府委員(吉田健三君) この十条の二に書いてあることは、明確に誤りであったときには訂正しなければならないということを規定しているだけでございまして、この国籍というのはそもそも異常の状態が現在反映しているわけでございますけれども、資料と先ほど申し上げましたのは、以前に朝鮮籍であった人が、本人が申請して韓国に切りかえたときに、証拠書類の提示があったから切りかえたわけでございます。そのことが、その書類に本人一人一人のもとの原票——現在は原票になっておりませんが、それに全部記入してあるわけでございます。ところが、先ほど説明いたしましたように、場合によっては第三者が強制的にある人の分を全部集めて、代理で窓口に持っていって、この人の分を全部韓国に直してくれと言ってやったということが、その記録を調べていくことによって判明するわけでございますから、本人の意思がないにもかかわらず、しかも、本人は過去において韓国籍を取得したという行為がないにもかかわらず、それが韓国になっておる者は、それが誤りであったことが証明されれば訂正しておる。こういうことで、現に訂正を行なっておるわけでございます。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 ちょっと飛びますが、ちょっと次に移りますが、自治省にちょっといま論議の上ではっきりした答弁を、一ぺん明快な回答をいただきたいんですが、田中二郎さんの行政法によりますと、行政法の下巻の二五二ページですが、「権限の委任のあったときはその権限はその委任の範囲内において受任者の権限に属し、受任者は自己の権限として自己の名と責任においてこれを行使する。」、二五五ページには「権限の委任は行政官庁が法律上定められた自己の権限の一部を他の行政機関の権限に委譲するもので、その権限そのものが受任者の権限となるに反し」、「権限の委任は法律上定められた権限の分配を変更するものであるから法の明示の根拠を要する」、こうまああるんですが、自治省は、この見解を支持されますか。

宮澤弘自治省行政局長

○政府委員(宮澤弘君) ちょっといま一生懸命承っていたわけでございますけれども、個々の字句その他なお拝見をしたいと思いますが、大体の御趣旨は、権限の委任がありますれば権限の委任を受けた者が自分の名前で処理をすることになる、それはそのとおりだろうと思います。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 法務省は、国籍訂正の認定という外国人登録法第十条の二第一項に基づく委任事項のうちで、韓国から朝鮮への訂正だけをみずからやろうとしているんですよ。つまり委任事項のうち、韓国から朝鮮籍に訂正する権限のみを解除するというんですね、委任事項のうちから。この解除を求めるにあたって、私は法的な根拠が要るはずであるし、いま言われているような形での一片の通達によってそれをやろうということは、私は許されないことだと思うんですが、これは自治省、どうですかね。

宮澤弘自治省行政局長

○政府委員(宮澤弘君) ただいま和田委員と政府委員との間のいろいろお話を聞いておりましたんですが、いまの問題は形式的には権限の委任を解除をしているのでは私はないように聞いております。やはりそれは、その市町村長の名前においてやらせる。権限は市町村長の権限、ただしその事務を処理するにあたって、法務省当局のほうに相談をしてやれということでございますので、権限自身がその部分だけ法務大臣のほうに返ってきているということはないように私は伺っております。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 この点で最も基本的な問題はですね、本人が朝鮮籍を望む場合の国籍の訂正でありますが、そもそも国籍とは何か。国籍を決定する法的要件は何かという国際法上の基本理論に私は関する問題であると思うが、私たちは何も本人が朝鮮を望むから朝鮮にしてあげたらいいではないかと言っているのではない。この本人の意思に朝鮮民主主義人民共和国国籍法がコミットしているから、これを国籍にするのが当然なのではないかと私も考えているのであります。どうも法務省はその辺が抜けているような気がするんです。  しかるに法務省は、例の法務省の問答集を読みましたが、用意されている問答集、たとえば一三ページの答えですね、「「韓国」への国籍欄の記載の変更は、一般の国籍変更の場合と同様、本人が提示した旅券、韓国国民登録証など国籍を証する文書に基づいて行なわれるのであるから、一般の変更登録の手続に準じて市町村長の判断で処理することとしているのである。」、あなた方おつくりになった問答集はこうなっているわけです。さっきも旅券の話が出ていたんですがね。それじゃ旅券によって韓国への国籍欄の記載の変更が行なわれた例がありますか。

吉田健三法務省入国管理局長

○政府委員(吉田健三君) あると了解しております。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 あるとしたら何件ございますか。

吉田健三法務省入国管理局長

○政府委員(吉田健三君) この朝鮮籍から韓国籍に変更するときは、この十条の二ではございませんので、九条を準用しておるわけでございます。すなわち外国人登録法というものは、すべての人が、日本に来ている外国人は旅券もしくはこれにかわる身分証明書、国民登録証を持っておるという前提で発想され、そして本人が何国人であるということを示す文書が提示されたことによって、窓口においてはそれを反映してそのように登録すると、こう先ほど申し上げたわけでございますが、この朝鮮籍から韓国籍に変わるときは、韓国というのは日本と国交のある政府でございますので、韓国政府の発給しておる身分証明書的な国民登録証とか旅券を持ってきている人に対しては、その旅券の提示があったものとして、九条を準用して市町村限りでこれを訂正しておるわけで、変更しておるわけでございます。したがいまして市町村にこれを委任しておりますので、何件旅券の提示があった場合に変更を認めたか、実はその統計をとっておりませんが、記録は全部残っておるはずでございます。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 この辺でちょっと前に戻りますが、どうしても理解ができないのは、たとえば、あなた方の出されている通達でも、至急云々、こうなっていますね。地方自治法の百四十六条は御存じのとおり、時間もありませんから読みませんが、「期限を定めて、その行うべき事項を命令することができる。」、こうなっておるわけです。そしてお隣りにおすわりの、権威のある長野さんの解説によりますと、ここは、「普通地方公共団体の長が国の機関としてもっている権限、事務について、その管理執行が違法であり、又はこれを怠ると認められるときに、それを矯正する方法について規定する。」、これはいいのです。「その矯正については厳重な手続要件を要求し、さらに、裁判所をして関与せしめるのは、それが国の機関としてではあるが、なお、公選による普通地方公共団体の長に対するものであるから、本条所定の国の矯正権の発動をして慎重ならしめ、少なくとも、中央政府の一方的な意思による恣意的な発動を防止し、地方公共団体の自主自立性の侵害されることのないようにするためである。このような理念は、十分に尊重されるべきであるが、実際上の運用になると疑問がある。」、こういうようなことなのですね。そこで、「厳重な手続要件」を単に至急ということでもって通達の中で片づけられるものではないと私は思うが、その辺はどうですか。

吉田健三法務省入国管理局長

○政府委員(吉田健三君) 百四十六条で県知事がその管内の市町村に職務執行命令を出すときに、一定の日数を限って出すということでございまして、法務省がその府県知事に対してこういう措置をとるようにしてくれというのは、別に何日以内にやれということは、法はきめておりません。したがいまして、私のほうは、現地にいろいろ地方自治体の事情もおありでしょうし、また両者間の説得によって円満にこれがもとに戻れば一番いいことでありますから、県知事の判断において、そういう行政裁量ができるように、しかし、いつまでもほっておかれては困りますので、至急ということばでこれを指示しておる、こういうことと御了解いただきたいと思います。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 そうしますと、話し合いがたいへん——その辺は知事と市長との間の良心的な話し合いを待つ、一言でいえば。これは変更する場合もありましょうし、あるいは到達点に達する場合もありましょう。しかし、そう簡単に短時日でもって、行なわれているところの行政執行を簡単に変えるようならやらぬわけですから、したがって、かなりの時日を要しますね。いま言われた至急という、あなた方の期待をする至急というのはどれぐらいのことを考えていますか。

吉田健三法務省入国管理局長

○政府委員(吉田健三君) 福岡県の場合に関しましては、現地の事情を十分勘案して至急ということばを使っておりますが、福岡県におかれては直ちに田川市長と折衝を続けられ、しかし、ある限度にきた段階において職務執行命令を出された。こういうことと了解しております。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 ところで、韓国の国民登録証ですが、先ほど言われた外国人登録法第九条に基づいて変更が生じたことを証する文書、すなわち駐日韓国代表部発行の大韓民国国民登録証の提出を求める措置を講じたのはいつですか。

吉田健三法務省入国管理局長

○政府委員(吉田健三君) いまちょっと度忘れしましたが、昭和三十六年であったと了解しております。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 ここが問題なんです、これから。それ以前には、御承知のとおり自由意思だったんですね。これは、それ以前は朝鮮に統一されていたのを、一九五〇年になってからのアメリカの指示でこうなった。ところが、大韓民国国民登録証に基づく韓国籍をつくり上げることによって、それを固定化して、同時にこの固定化された韓国籍を押しつけるために、たとえば婚姻認知、相続、養子縁組などの身分行為や、農地所有権の取得や、あるいは日本国有並びに公有地などの登記や、船員手帳の交付や、遺族補償受理手続、あるいは出入国管理法違反容疑者の身元引き受け、日本国籍離脱届、南朝鮮への一時旅行などにおいて、政府と韓国駐日代表部は、事実上の事務取り扱い手続として、韓国籍の証明書の提示を要件としたので、結果的に在日朝鮮人の中には、本人の意思とは無関係に登録証の国籍欄を朝鮮から韓国に変更した人が多い。これはまた客観的な事実です。そこで、いま問題になっている田川の何人かの人の例も、あるいは川崎の例も、親の死に目に会うための旅券申請のためにやむなく韓国籍にしています。そうして、例の法的地位協定がそうした方向を、まあ完成したと見ていいでしょう。したがって、一方は本人の意思があり、それに朝鮮民主主義人民共和国国籍法がコミットしている。一方は、多くの人にとっては明らかに本人の意思に反した国籍である。どちらを国籍として認めることが、国際法理論にもかない、そうして何よりも人権を認めることになるとお考えになるのですか。

吉田健三法務省入国管理局長

○政府委員(吉田健三君) 話がかなり一般的な抽象論に飛んだわけでございますが、本件は、朝鮮籍であった人が一度韓国の国籍を取った。それで現在韓国籍になっている。その人が、本人の希望だけでおれは朝鮮になるのだというふうには、法律的には簡単にはいかないというところに中心問題があるわけでございます。そこで、どちらの国籍を選ぶかとか、あるいは国籍を離脱する自由があるというその点は、全く私もそのとおりだと思い、日本の憲法もそれを保障しており、法務省もそれに従ってやっております。これは、たとえば憲法で、日本人が外国人になろうとすれば、日本の国籍を離脱していくことができるわけでございます。しかし同時に、国際法の原則で、どこかの国の国籍を取得したということを表示してくれなければ、日本人の国籍を、無国籍を防止するためには、一方的には、本人が希望したからといって日本国籍を離脱することはできない。しかし、憲法上は離脱の自由を一応認めておるという意味で、国際人権宣言及び国際法の原則に合致しておるわけでございます。外国人の国籍がどうなっておるかということに関しましては、日本政府は何ら関与しておらないのでございまして、外国の法律と外国人がきめる問題でございまして、ただいまの朝鮮籍というのは、遺憾ながら分裂国家という不幸な状態が、ある意味では法律というものの以前の異常状態が発生しておるわけでございますが、韓国籍を自由な立場で取るか、朝鮮籍を取るか、それを日本政府が妨害しておるという問題ならこれは全然別の問題になるわけでございまして、朝鮮半島出身者が全部朝鮮籍を最初とって、そのうち韓国というものが正式に国連の席でも認められた合法政権として国交を持つ国になったので、韓国籍を自分はとりたいという申請があって韓国籍をとった人が、本人の希望で、今度はおれは国籍選択の自由があるんだと言って、あるいはどっかの国籍をとるというふうにはいかないわけでございます。これは本人がもう一度、日本人の場合のように、そのとっておる国籍を離脱する手続をとっていけば、おそらくいけるだろうと思いますが、日本のほうはそれに対してどうしなさい、どうしろということは言っているんじゃございませんので、本人の持っておる証拠書類を映して外人登録法はただその本人の言っておる国籍を書いておる、こういうことになっておるわけであります。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 それから朝鮮国籍を主張される方々は、朝鮮民主主義人民共和国国籍法がコミットをしておる条件の中で、言ってみれば主張をされるわけでしょう。そのことを何も日本国政府が否定をしなければならないという筋合いはぼくはないと思う。そして、たいへん抽象論だと、こう言われるが、私は少なくとも明治以来の日本国のいわゆる国家原理の中の最大の被害者は、九十六万沖縄県民に対しては、いま沖縄の人たちの代表を国会に迎える状態が来たけれども、何といっても在日朝鮮人の皆さん方が最大の犠牲者だと思います。そういう言ってみればこの立場というものは、われわれがものを考える場合に常に大切にしておかなければならない立場ですからね。そのことを抜きにして、単に法律的な解釈だけでもって措置をしていくということには私はならないと思う。ならないがゆえに、客観的ないろいろな事情というものをあなた方も考えようとするわけですから、その辺との関係において、私は朝鮮国籍の届け出をされる方々について、もっと法務省自身もそれを寛容な立場で受け入れるべきではないか、実はそう思うんですが。

吉田健三法務省入国管理局長

○政府委員(吉田健三君) その御趣旨は全く私も同感でございます。ただ、現在問題になっておりますのは、その趣旨を生かすために、市町村長は法務省のほうにできるだけの資料をそろえて本人の事情がわかるように経伺していただきたい。それによって私のほうは、これは当然韓国籍から朝鮮籍へ戻っていい人だという人には許可をしておるわけでございまして、それを、その手続を無視して、一方的に市町村長が、十分な判断の確認できる、認定できる資料なしに一方的に判断されるのは困る、こういうことを申し上げておるわけでございます。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 法務省は、多くの場合行政的アクションによってやむなく登録された登録記録を基本にして、韓国籍から朝鮮籍への復帰の問題を審査する。他方、田川の市長をはじめとして多くの市長さんたちは、本人の意思をまず基本に据えて、その個人個人の事情をこまかく審査して判断をしている。どっちが血の通った政治であるかは、このことによって私ははっきりしていると思うんです。遠からず、この国籍問題というのを考えてみれば、私はたとえば一九六一年に東ドイツに行った。そして昨年も行った。昨年行くときには東ドイツという国名は、国交回復などということを抜きにしたって、旅券の中に書き入れられるだけの状態に外務省は変わってきている。あるいは中国問題だって、すでに国連総会の場では御存じのとおりああいうような状態になってきている。来年は明確に政府の側が主張をしているような形でなくなることはもう見えている。それと同じような状態というものが私は朝鮮民主主義人民共和国という関係においても出てくることは明らかだと思うのですね。少なくともそういう見通しをもって考えた場合に、私は国際問題は新しい事態が生まれることはもうすぐそこに来ている、それにもかかわらず、政府と自治体という関係でいま起きているような問題が、さらに何か変な形に発展をしていくなどというようなことは、私たちとしては避けるべきだと思うのです。そういう意味において、法務省は直ちにいまの硬直した態度というものを改めるということを期待をして、この問題については意見を述べて終わらしておきます。  続いて、愛媛県庁における若干の不当労働行為問題について尋ねますが、愛媛県庁において、職員組合からの大量な脱退現象が起こっているのですが、御存じですか。

山本明自治省行政局公務員部長

○政府委員(山本明君) 大量の脱退が起こっておるかどうかということは実は存じておりません。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 これはまず一般論としてお聞きをしますが、組合脱退を促進するという形での労務管理をどのように判断をされますか。

山本明自治省行政局公務員部長

○政府委員(山本明君) 御存じのように、地方公務員法の五十二条の第三項でございますか、ここに組合加入の自由が認められております。それを理事者側が干渉をするとかいうようなことは正常な人事管理ではないと、このように考えております。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 愛媛県では、去る十一月の七日以来、実は職員組合からの脱退工作が進められているのです。で、それは松山県事務所を中心にまず発生をして、引き続いて本庁及び東予地区において始められました。本庁においては課長補佐、係長、出先機関においては課長、係長がやっているのですよ。そしてその内容が実は私は問題なんです。たとえばこういうことなんですね。いまの知事さんは中途はんぱなことが大きらいだから、将来のことを考え組合を脱退しておいたほうがよいのではないか、こういうような干渉が行なわれる。あるいは組合員は、その組合に残っていれば、議会できまった十二カ月短縮がされないのではないかとか、労働金庫の借り入れ金というのは高利であるから、金はくめんしてやるから脱退をしなさいとか言っているんですね。そして組合の脱退者には脱退届けの写しを提出させています。脱退をしましたというその写しを職制の側に提出をさせる。この愛媛県知事の行為というものは、明らかに職員が職員団体の構成員であることをもって不利益な取り扱いをすることでありますから、地方公務員法五十六条の「(不利益取扱の禁止)」条項に抵触するものです。元の自治省公務員課長をやっていらっしゃった今枝信雄氏の逐条公務員法には、「職員の使用者たる地方公共団体は憲法に基づき地方自治法の定めるところにより組織され運営される自治体であって、使用者としては最も善良にして完全なものであるから、本来、不当労働行為をするようなことは考えられないという観念がその背景にあると思われる。「国家は悪をしない」と同じように、「地方公共団体は悪をしない」という考え方によるものである。」と、こう解説されているわけですね。こうなると、いま申しましたように、愛媛県は悪をしている、愛媛県当局者は職務義務の違反の責めを負わなければならないと思うのですが、いかがですか。

山本明自治省行政局公務員部長

○政府委員(山本明君) おっしゃいますような事実があるとするならば、これは五十六条違反になると思います。実は、私ぼつぼつそういう情報は得ておりましたので、昨日、愛媛県のほうに連絡をしてみましたところが、十二月七日といいますから昨日ですが、職員組合の方々がいまの知事さんに会われまして、職制を通じて組合の脱退工作を行なっておる、これはけしからぬと言って申し入れをしたそうでございます。知事さんは、そういう行為はない、もしあったならば具体的にお示しを願いたい、こういうことで、組合との問では話し合いといいますか、話をして別れた、こういう情報を実は得ておるわけでございます。具体的に私どもはまだつかんでおりませんので、きのうの情報で知事さんと会われた、その情報だけは実は得たわけでございます。おっしゃいますように、松山県事務所あるいは本庁、東予地区の問題につきましても、もう少し具体的に調査をしようというので、いま調査をしている段階でございます。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 これはもう明確になることでありましてね、たとえば給与改定をした結果ですね、これからの。それは各個人ごとに発表されますからね、これは。そうすると、その各個人について職員組合構成員か脱退者かは、これははっきりしているのですから、そこに差別が行なわれたかどうか、あるいは利益誘導が行なわれたかどうかは一目りょう然になります。自治省は、その結果を見て、いわゆる不利益取り扱いがはっきりしたならば、これに対しては行政指導されますか。

山本明自治省行政局公務員部長

○政府委員(山本明君) 当然行政指導すべきだと思っております。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 そのことは強く期待をしておきますし、事実関係に基づいてもっと公務員部長と別の機会に煮詰めてみたいと思いますが、ただ、いまの答弁の中で、昨日の状態だけはよくお知りになっていて、私が指摘したそれらの問題についてはこれから調査をする。ところが、調査をされている間にいまの知事の任期は終わってしまいますからね、もうわずかしかないわけですから。したがって、私は調査結果を待つわけにはいきません。私が調べていることはもうこれは明確でありますから。したがって、これは、取り扱いについては理事会に一任するとしても、この地方行政委員会に知事を喚問をしていただきたい。このことは委員長、お願いをします、理事会に扱いは一任しますが。

安田隆明自由民主党

○理事(安田隆明君) ちょっと速記をとめて。   〔速記中止〕

安田隆明自由民主党

○理事(安田隆明君) 速記を起こして。  理事会で相談いたします。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 呼んでもらうということ。

安田隆明自由民主党

○理事(安田隆明君) 取り扱いについて。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 それじゃ、取り扱いについて一任をしますが、私のほうはとにかく早急に呼んでいただいて、いまの事実関係を明らかにさせてもらう、こういうように重ねて要望いたしておきます。

安田隆明自由民主党

○理事(安田隆明君) はい、承知いたしました。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 最後に、新潟県の直江津市の財政問題について若干伺います。  新潟県の直江津市においては、昭和二十九年に工場誘致条例を制定をして、そうして、これは三十一年、四十五年一月の改正を経て現在に至っております。直江津市長は三十一年改正の工場誘致条例に基づいて、三菱化成工業株式会社直江津工場を誘致するにあたって、昭和三十七年六月二日、同社と第一、二期工事にかかわる協定書を締結、また第三、四期と工場の拡張計画の進展するのに伴って、四十二年四月十一日に第三期協定、四十三年九月十二日に第四期協定を結んでいるのであります。私はこの直江津市の三十一年改正の工場誘致条例を見て実はびっくりした。奨励金の限度額が固定資産税相当額ではないのです。市税総額である。そのべらぼうさに実は驚いているのでありますが、直江津市長と企業の側との間に結ばれた協定書、これはお渡ししてありますが、それを見て相当実は驚きました。おそらく財政局長も驚いてあいた口がふさがっていないのじゃないかと思いますが、都市計画ですら、工場運営を円滑ならしめるよう配慮されることになっているのですよ。都市計画が市民のためではなくて、企業のためにつくられることになっているわけですね。それは読み上げるまでもないと思うのですが、協定書の第四条、「甲は乙が港湾、道路、橋梁等の公共施設の使用並びに」云々とあって、「都市計画等の」云々と、こうなっていますね。そしてこれは「乙の工場建設及び作業を円滑ならしめるよう協力あっせんまたは便宜を供与する」となっておる。自治省は最近企業誘致条例に関する調べをまとめられたようでありますが、当時の状況として、ほかでもこうだったんですか、一体。直江津市のこの例はたいへんひど過ぎると思うのですが、いかがです。

長野士郎自治省財政局長

○政府委員(長野士郎君) この誘致条件によりますところの奨励措置、御指摘になりましたように、条例で見ますと市税総額ということになっておったようであります。これは私もあまりこういう例を知らないといいますか、これはまあこの種のものとしては一番幅が広いというのですか、奨励度合いが強いというのですか、そういうものだというふうに思います。  それから協定についてお話がございましたが、この問題、これは書き方はお話しのとおり道路、港湾に始まりまして、都市計画事業による施設の整備といいますか、そういうものにまで及んでおるというかっこうになっております。これは私も具体の事情がはっきりわかりませんから何とも申し上げられませんけれども、相当大きな施設がそこにでき上がる、あるいは企業が立地するということになりますと、それに応じていろいろな公共施設にも影響があることは、これはまあ避けられないと思いますし、それが市のほうの利益と企業の利益と調和きせると申しますか、そういう考え方に立って両方の整備をはかっていくということも、これは必要な場合が大いにあると思います。したがいまして、これが実際どういう意味合いで、どういう形で実行に移されておるかというようなことも考えてみなきゃならないのでありまして、読みようによっては、お話しのように、何もかもそっち一辺倒で問題をするというふうにももちろん読めます。これは実態とのかね合いで、その点は考えてみなければなりませんが、もしそう読める読み方どおりにこれが措置されているということであれば、これはどうも少し、そういう内容について、現実との間でそういうことになっておりますれば、これは行き過ぎであろうかと思います。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 現実にそうなっているものだから、たいへんこれは行き過ぎなんです。  以下、二、三掘り下げてみますが、この条例によって直江津市は総額八億六千六百九十九万二千円の奨励金を三菱化成に支払わなければならず、この総額のうち、四十五年度までに支出されたり支出予定されたりしている額は三億九千三百八十一万五千円であります。昭和四十六年度以降の債務負担額は四億七千三百十七万七千円であります。この奨励金の交付が市財政にとっていかに無理なものであったかは、協定書で六カ年の延べ払いを協定しているのが一つです。これは六カ年の延べ払いの協定がされていますね。ところが、これはもちろん三十一年条例ですね。第二条の二項では、前項の奨励金の交付期間は当該工場の操業開始の年より三年間とする、こうなっているんですよ、これは条例違反だと思うんです。いかがです。

長野士郎自治省財政局長

○政府委員(長野士郎君) 三年間に奨励金を交付するということになっておったわけですから、それをまあ六年間に延ばすということに当然に措置をするわけにはならないわけでございまして、もし事実六年間延ばすということになりますならば、それは条例の趣旨どおりには実現されてない、つまり、そういう意味で条例違反といいますか、条例に従ってないということになると思います。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 事実六年ということになるとすればじゃなくて、そのために協定書をお渡ししてあるわけです。協定書の中にはみんな、たとえば六枚目でもそうですが、「甲の財政事情により乙は六カ年の延長を認める」、もう六カ年というのは全部の協定関係に出てくる。したがって、これは明確に答弁がありましたように、前提を抜きにして条例違反だ、こういうことになります。で、さらにお手元にお渡しをした直江津市と三菱化成との間に結ばれた覚え書きを見ていただきたいんですが、これの二枚目ですね。覚え書きの第一条、「乙は甲の財政事情を考慮し、甲から交付された工場融資奨励金昭和四十二年度交付額七千七百四十九万四千二十円のうち五千万円を甲に融資し、甲はこれを受領した。」、さらに四枚目ですね、この覚え書きの第二条、乙及び丙云々から始まって昭和四十三年五月三十一日付で、「甲乙間で締結した財政資金融資に関する覚え書きにより乙が甲に融資した五千万円のうち二千万円については昭和四十四年六月一日から昭和四十九年五月三十一日まで、三千万円については昭和四十四年六月一日から昭和五十年五月三十一日まで引き続き甲に融資する。」、これは法的には直江津の起債であります。しかるに、起債目的もはっきりしておらず、地方財政法五条並びに地方自治法二百五十条の違反であることは、これは明確だと思うんですが、いかがです。

長野士郎自治省財政局長

○政府委員(長野士郎君) 協定書、覚え書き、条例と、まあこの三つが関連をするわけですが、条例によりますと、三年間に交付するということで、それはまあ一般的に条例はそういう約束といいますか、そういうきまりをしておるわけだと思います。そこでその対象といいますか、該当者としての三菱化成という工場が該当していることになるわけです。これとまた別に、市が協定をというのですか、合意いたしまして、そうしてその条例では三年ということになっているけれども、これを六年に延ばすということで、双方合意した。だから、この種のものは条例に従って実行されていないということはそのとおりでございますけれども、それが条例違反として直ちにどうかということになりますと、これはもう少し検討をいたしたいと思いますが、その相手方とまた合意した、その合意したことが格別、いわゆる公序良俗に反することではない。少し延ばしてくれという話ですから、それを延ばさないというのがたてまえでしょうが、事情を了解して延ばしてくれたということ、そこの段階といたしましては、したがって、そのことが非常に法律的に問題になるということは、必ずしも私はそれまではないと思います。ただ、それから先の話が多少複雑になっておるわけでございまして、結局六年間にわたって繰り延べて交付する。これはそういう債務を市が負っていることだと思います。ところが片一方、御指摘がありましたように、これはどういうのですか、結局手っとり早く申しますと、全部会社が一応受けたことにして、そうして未払いの分を市に貸す、こういう約束を会社のほうと結んでいるということになります。ですから、会社との関係ではそういうたてまえをとっていると思います。しかし現実の問題は、さらにそれから調べてみなければならぬと思いますが、そういうことで会社との関係では、御指摘がありましたように、一応全部払って借りたという形をとっておりますから、融資を受けたということになっておりますが、現実にそういうふうな貸借関係があるのかという問題だと私は思います。で、この点につきましては、どうも私どもが多少聞きましたところによりますというと、現実にはそういうふうには動いていないというふうなことを聞いております。したがいまして、かなり実態と覚え書きその他に出ておりますことと、必ずしも一致しない点があるわけでございまして、これらの点につきましては、私も早急に実情を調査いたしたいと思います。それによりまして財政運営についての不適正な措置がほんとうに行なわれておるといたしますならば、これはぜひとも是正をいたしたい、こう思いますが、会社の覚え書きから考えますと、お話のように一種の融資でございますから、これは目的を持たない融資、つまり何といいますか、一種の財政調整資金的なものとして融資を受けている一種の資金繰り的なもの、もっとも、しかしそれは相当長期にわたることになるわけでございますから、単なるその年度の一時借り入れというわけにはいかないものでございましょうが、そういう意味での融資を受けたという形であることは御指摘のとおりだと思います。この点につきましては、私どもも詳しい事情がなお十分つかめておりません。早急に実態の調査をいたしたいと思います。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 一言で言えばやみ起債ですよね、これは。実情をおつかみになっていないという答弁になるかと思ったものだから、覚え書きをお渡しして、そうして昭和四十九年までかかって、こういうような一覧表がついているわけです。これはもう明確に前提を抜きにした最後の答弁の、強い、やはりこうした法違反をなくさせる指導というものを私は必要とする、そういうふうに思いますが、どうですか。

長野士郎自治省財政局長

○政府委員(長野士郎君) どうも私もいま確かにお貸しいただいて目を通して、もう少し考えてみなくちゃいかぬということでございまして、だいぶ条例と先ほど申しました協定書と、それからもう一つの覚え書き、この三者の形はこういうふうに確かにできておりますが、どうも片一方で多少聞いたところによりますと、お金はそのようには動いていない。ですから、そういう意味で覚え書きの事実は行なわれていないというような話も聞いたりいたしたものでございますから、どうももう少し調べてみないと実態が明らかにできないということでございまして、この点はまあ率直にそう思いますが、事実関係に徴しまして、是正すべきところは私も当然是正しなければならぬ、こう思っております。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 たくさん是正をしなけりゃならないことばかりでありますから、それは是正をしてもらいたいと思うんですが、これは私の調査で、覚え書きに基づいてずっと検討した限りにおいては、財政局長の結論としてはそこに到達されると思いますから、述べておきたいのですが、こうした法違反をしているということは、財政的に支払い不可能分ということになりゃせぬかと思うのですね。いわゆる条例が予算で定めた額を支払えといっている以上、市はその分を支払う必要はない、こういうことにならないだろうか。さらに三日行なわれた高田、直江津、これは言ってみれば背景には高田、直江津両市の合併問題、しかもその合併が民主的に行なわれなくて、直江津のこういうような財政事情があることを野党の側が強く要求しているにもかかわらず、ひた隠しにしておいて、四月の一応選挙までに統一を何か急ごうとする、そういうような思惑が走っているものだから、ますます実は調査をしてもらって、それから答えてもらうという余裕がないんですよ。それであれなんですが、高田、直江津合併協議会で、市長は五千万円が数カ年先に支払われるということになっているいまの件について質問を受けた。その時点で予算議決すれば問題はないと言ったらしいのですね。もしそこで議会がこれを否決をしたり、あるいは別の市長が予算計上しなかったならば一体どうなるんだろう。企業は市に対して訴訟を起こすだろう。市はしかたなくこれに応じて、市は今度は不当支出をした佐藤現市長に弁済の訴訟を起こす、こういうことに私は必然的になっていくだろうと思うんですね。そういう、まあやりとりも同時に行なわれて、市長は顔面蒼白で答弁ができなかったという事態を実は生んだようでありますが、前段の部分、どうなりますか。

長野士郎自治省財政局長

○政府委員(長野士郎君) この奨励金の内容自体につきましては、先ほども申し上げましたように、相当範囲も大きいものでございますから、したがいまして、額も相当多額にのぼっておるということになるわけですが、ただ、これはその内容の問題はございますけれども、工場誘致条例に基づきまして算定をした結果がこういうことになるということになっておるわけでございますから、おそらくそこで市長が不当にこういう奨励金の額をきめたとか、そういうことには私はならない。そこで支払いの繰り延べとか、そういうことをやっている問題についての議論というものは、これはあると思います。それから今度は事柄の実体の中身に入りまして、まあこれが市の財政力を飛び越えて不能なことを内容としているということであるのかどうか、そういう問題になりますと、また別の議論というものがあり得るかもしれないと思いますが、そこのところはひとつ検討をしてみないと何とも言えないと思います。そこで形式的には、やはり条例に基づいて額がきまってきているということになるわけでございます。そこで、そこからさらに今度は合併というお話がございました。合併をすればその時点で予算措置というようなお話がありました。これはやはり具体的な市の債務として残っておるということになりますならば、合併によって、その市の人格が消滅するということはあるかもしれませんが、その債権債務というものは包括的に新しい市に承継される。これはまあ承継されるというのは、私どもはそういうものも含むというふうに理解をせざるを得ないと思いますが、そういうことでありますから、合併の際に予算措置をするとか、せぬとかということがかりにないといたしましても、もしこれが確定した債務であるとしますならば、当然、新市に私は引き継いでいくのじゃないか、もしこれが実行されないというままで延びてまいりますならば、そういうことになりやしないかということをむしろ考えざるを得ないのじゃないかというふうに思います。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 さっきも言ったとおり、そこで否決をしたらどうですか。

長野士郎自治省財政局長

○政府委員(長野士郎君) 申し落としましたが、議会が否決をいたしましても、それだからといって市が負っておる債務が直ちになくなるということにはどうもならないのじゃないか、まあその意味での政治的な取り扱いとか、いろいろな扱いの問題は起こってくると思いますけれども、それで直ちに消えるというようなものではないんではないかというふうに思います。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 これは前提はもちろん違法な行為として行なわれていることですから、そこが私はたいへん問題だと思うのですよ。現市長が法律違反を犯して、たとえば起債目的もはっきりしておらぬ。そういう意味では地方財政法五条の違反ですし、自治法二百五十条の違反、やみ起債です。それだって引き継ぐのですか。

長野士郎自治省財政局長

○政府委員(長野士郎君) これはまあなかなか、いろいろ入り組んだ関係があると思います。しかし、基本には、つまり工場誘致条例に基づきまして市税相当額を奨励金として交付する、これがまあ両者の関係の土台を構成しているものだと思います。それで、それは条例に基づきましてその総額というものがきまっておる。そうして原則は条例に従えば三年間で払っていくということになっております。そしてそれにもかかわりませず、相手方との合意によりまして六年なら六年に繰り延べ交付をするということまでやっておる。この点について、先ほど和田委員は、そこからまあ違反しておるというお話でございましたが、これは条例に従ってないということではもちろんございますけれども、それが直ちに違反かどうかということになると、これはなお検討が必要じゃないか、あるいは私はむしろそこまではどうも違反とは必ずしも言えないのではないか、これは個人的な印象でございまして、まだ詳しいあれはございませんが、そういう意見でございます。そこから先、今度は会社との関係では、繰り延べ払いじゃなくて一応全部払った形にして貸し付けを受けている。それで年賦払いみたいなことにしておる。この辺は多少、その限りにおきましては——これに違法性があるとか、いろいろ議論はあると思います。したがって、そういう契約というものが成り立つか成り立たないかという問題はありますけれども、そういうことになっておる基礎にある、いまさっきお話がありました八億六千万円ですか、その後の支払い残り分四億九千万円ですか、この基礎というものは、これはなおそういうことがかりにありましても、どうもあまり影響を受けていないのじゃないかというふうな気がいたします。これはまあいまの印象でございますけれども。もしかりにそうであるといたしますと、これはどうもなお残るということが起こるのじゃないか。上のほうのそれだけのバリエーションといいますか、そういうやり方についてはいろいろ問題があって、これはいいとか、いかぬとかいうことで消していくことがかりにできましても、このところはどうも残ってくるのじゃないか。そうすると、その債務関係というものは承継するということになっていくのじゃないか。これはいろいろお話を伺いましてのいまの私の印象でございますから、もう少しなお検討さしていただきますけれども、どうもそういうふうな感じを私はいま印象としては持たざるを得ないというように思います。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 ところで、三菱化成というこの株式会社は弗素ガスを出して周囲の農業に甚大な被害を及ぼし、最近、市にその対策のために公害課ができたほどなんです。つまり三菱化成は公害発生工場であります。したがって、この国会にふさわしいと思ってきょう取り上げたのですが、直江津市の工場誘致条例の第三条では、奨励金の交付基準に、公害発生工場でないことが要件として入っているのですよ。また指定後、公害発生工場となったときは指定を取り消すことができるというふうになっているわけですよ。また、これは規模要件の場合と異なって、その公害を防除する措置をとっても奨励金を交付しなくてもよい、こういうことになっているのであります。以上のような規定があるにもかかわらず、公害工場の指定を取り消さない市の態度は全く私は不当だと思うのですが、これは不当ですね。

長野士郎自治省財政局長

○政府委員(長野士郎君) まあ私はいま初めて伺う話でちょっとよくわかりませんが、そういうことで公害が発生をし、そうしてそのいまの条例に該当するような状態であるということでありますならば、これはもちろん指定の取り消しということはできるわけであります。その該当しているか、していないかという認定の問題が起こっているのじゃないかと思いますが、これは現実に即して、処置をすべきときには処置をするということが当然じゃないだろうかと思います。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 したがって、そういう指定取り消しをさせるような行政指導というものの私は強化を、いま開かれている国会の性格からいっても行なうべきだということを強く要請をしておきたいのですが、自治省が地方公害対策本部などをつくられて公害対策に熱を入れられている、そういう態度でありますが、いま述べましたように、企業に卑屈な条例あるいは協定があっては対策も何もあったものではない、こういう感じを私は直江津の市がとっている一連の工場誘致条例に伴う諸策の中に見るのですが、これらについての行政指導というものはやはり強く要請をしておきたいと思います。で、いま私が述べましたように、直江津の行財政の運営というのはこのようにたいへんずさんであります。同時に、企業本位で住民不在であります。このことは当然直江津市民から批判されなくてはなりませんことですが、またこのような市政不信が隣接市町村の住民にさえも非常な不安を与えておる。したがって、高田などでは、直江津との合併などはごめんだという声が出ているのも私は当然だと思うのですが、まあいろいろ調査をされた結果という御答弁になろうと思いますが、調査結果に基づいて、私が指摘したような事態について強い行政指導をやるおつもりがありますか。

長野士郎自治省財政局長

○政府委員(長野士郎君) 私も、実は具体の内容がいろいろ複雑でございますから、先ほど申し上げましたように、もう少しよく調べてみたいという気持ちでおりますが、伺いますと、合併問題などもあるようでございます。しかし、そういう際であればあるだけに、もしそうであるならば、いままでの関係の市の債権とか、債務とか、財政運営の内容とかいうものは、これはやはりはっきりさせて、そうして何と申しますか、非常に公明正大な形で合併をするということでございませんと、まあ合併というものは相互の信頼の上に立たなければいけない。それがスタートのところから不信感が生まれるというようなことでは、合併の実もあがらないだろうと思います。したがいまして、私どもといたしましては、このような実態が非常に積み重なっておる、適当でないような状況でありますかどうか、もしそういう事実があれば、私どもはその是正についてはやかましく指導をいたしまして、そうしてそういうことのない形で、はっきりした形で事柄が進んでいくようにぜひいたしたいと思います。

安田隆明自由民主党

○理事(安田隆明君) 本件に関する質疑はこの程度にとどめ、本日はこれにて散会いたします。    午後三時二十八分散会

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