商工委員会石炭対策に関する小委員会 第1号
- 発言数
- 17 件
- 登壇者
- 7 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1970/12/04
会議録
○委員長(川上為治君) ただいまから石炭対策に関する小委員会を開会いたします。 産業貿易及び経済計画等に関する調査中、当面の石炭対策に関する件を議題といたします。 内田通商産業政務次官から発言を求められております。内田君。
○政府委員(内田芳郎君) 石炭鉱業審議会の中間答申及び産炭地域振興審議会の答申について、その詳細は後ほど局長より説明をいたさせますが、とりあえず私から二つの答申が出されるまでのいきさつについて御説明を申し上げます。 まず、石炭鉱業審議会の答申についてでありますが、お手元の資料にもございますように、本年四月二日、通商産業大臣より石炭鉱業審議会に対しまして「石炭鉱業の現状に徴し、その体制上の改善策について問う。」という諮問をいたしました。 自来、石炭鉱業審議会の体制委員会において十数回にわたって検討がなされました。十一月の二十日、石炭鉱業審議会の答申として稲山会長より通商産業大臣に提出されたものであります。この答申は表題にも示しておりますように中間答申であり、当面の緊急的な諸対策について述べたものであります。したがいまして、石炭鉱業の体制上の問題についての本格的な検討は今後に残されると言うことができるかと思います。 ————————————— 次に、産炭地域振興審議会の答申についてでありますが、これにつきましては、本年八月十二日に通商産業大臣より産炭地域振興審議会に対し、「産炭地域の現状にかんがみ、昭和四十六年十一月十二日限り失効となる産炭地域振興臨時措置法の有効期間を延長することについて貴審議会の意見を求める。」という諮問がなされました。自来慎重に審議がなされた結果、十一月十八日に有沢会長より通商産業大臣に答申されたものであります。この答申につきましては、産炭地域振興臨時措置法を十年延長すべきことを述べておりますが、この趣旨に基づいて、次の通常国会に法律案の御審議をお願いすることになろうかと存じます。 以上、二つの答申のいきさつについて簡単に御説明いたしましたが、これらの答申の内容並びに四十六年度の概算要求について局長より説明させることといたします。
○委員長(川上為治君) 次に、石炭鉱業の体制に関する当面の諸対策についての答申、産炭地域振興臨時措置法の延長についての答申及び昭和四十六年度の石炭関係の予算について説明を聴取いたします。本田鉱山石炭局長。
○政府委員(本田早苗君) まず最初に、お手元に差し上げております石炭鉱業の体制に関する当面の諸対策につきまして、体制委員会の中間答申として内容を御説明さしていただきます。 この答申の構成は、最初に、現在政府によって行なわれておりますいわゆる第四次石炭対策の発足後の事態の推移につきまして述べております。次に三ページ以降でございますが、このような事態の推移、進展を考慮しまして、国の対策の基調が今後どうあるべきかということを述べておりまして、終わりに、五ページ以降でございますが、当面の必要な諸対策について具体的に列記するという構成になっております。 最初に、第四次対策発足後の事態の推移の内容でございますが、現在とっております石炭対策は、御承知のとおり昭和四十四年度を初年度といたしまして、四十八年度までの五カ年間を計画期間として実施しておるわけでございます。現在その第二年度でございまして、これまでの一年半余の間に石炭鉱業をめぐる情勢が少なからず変化を遂げておりまして、答申はその変化の内容として二点を指摘しております。一つは、いわば石炭鉱業にとっては不利な事情でございますが、出炭不振と、これが経理悪化に拍車をかけておること、それから労務者確保が困難になっておること、それから生産合理化、保安確保のための機械化、近代化が企業によっては不十分な段階にあること、コストが予定以上に上昇しておること、公害問題の進展に伴いまして高硫黄炭の処理がむずかしくなっておることなど、石炭鉱業を取り巻く環境が予想よりもきびしくなっておるという点を指摘しております。 次に、このようなきびしい情勢のある反面に、最近御承知のように、原料炭が世界的に逼迫してまいりました事情に基づきまして、わが国の原料炭に対する評価が高まってまいっておるという、いわば明るい面を強調、指摘しております。わが国の原料炭はもともと流動性が高いという質の面での特色があったわけでございますが、これに加えまして安定供給源として期待されるという事情が出てまいりまして、評価が高まってきたという事情について述べておりますほか、一般炭の中でも低硫黒炭につきましては、今後もある程度の需要が期待できるということを指摘しております。 以上が石炭鉱業をめぐる事態の推移の要旨でございますが、続いて三ページの石炭対策の基調の変化という点で、このような事態の変化を受けた石炭対策の基調が、特に原料炭については需給が逼迫し、需要産業の動向等も考えるときに、長期的に、その供給の確保が必要とされておるという観点からは、いわば石炭鉱業は産業政策上必要な産業となっており、今後の石炭対策も内外の情勢を踏まえつつ、このような見地から必要な諸対策が推進されなければならない。四ページの上段からこの点に触れておるのでございます。この場合、事業運営の第一次責任はやはり石炭企業にあって、その一そうの合理化努力が望まれると同時に、これを助けるものとして需要業界の協力と政府もできる限りの助成をすべきであるということが要請されております。 さらに、四十九年度以降の石炭対策のあり方につきましては、このような基調のもとに検討が行なわれるべきであるということを指摘しつつ当面必要な対策というものを、とりあえず中間答申として五ページ以下で指摘しておるわけでございます。 当面必要な対策といたしましては、第一が原料炭対策でございまして、企業における原料炭への傾斜の努力に触れたあと、需要業界に対して引き取り面、ひいては資金面の協力を要望したいが、また政府においてもこうした業界の協力を前提として可能な限りの支援措置を講ずべきであるということを指摘しておりまして、特に新鉱開発、原料炭区域への転換等について開発銀行、石炭鉱業合理化事業団の融資、資金の確保につとめるべきであると述べております。 生産の合理化対策につきましては、これまでも相当の成果があがった事実を認識しつつ、今後なお特に炭量の先行把握、坑内骨格構造の整備等を中心とする合理化が緊要であって、このために坑道掘進に対する助成諸制度、石炭鉱業合理化事業団による近代化資金融資、機械貸与事業等の拡充、さらには海底炭田開発調査補助を検討すべきであるといたしております。 保安対策につきましては、災害発生が坑内骨格構造の整備が十分に行なわれていない場合が多い、したがって、このため企業の特段の努力と政府の助成ワクの拡大を必要とするというふうに指摘しております。 労務者確保対策につきましては、賃金その他の労働条件の向上を基本として、政府の対策としては、石炭鉱業合理化事業団による住宅融資制度の拡充、雇用奨励金制度の改善等を検討すべきであると述べております。 価格対策につきましては、御承知のとおり本年一月に原料炭価格の引き上げが行なわれまして、また一般炭につきましても引き上げが行なわれたのでありますが、答申は、政府の助成及び企業努力にもおのずから限度がある中で、コストの上昇が今後とも避けられないという事態を予想いたしまして、需要業界に対して合理的な範囲で炭価の引き上げについて協力することを要望いたしております。 閉山対策といたしましては、政府の特別閉山交付金制度は法律に規定されておるとおり、本年度末をもって廃止するものとするとともに、本制度廃止に伴い、必要と思われる措置については検討を行なうべきであるといたしております。 電力用炭販売株式会社法は、本年度末に期限が切れることになっておりますが、答申はこれを昭和四十八年度末まで延長すべきであると指摘いたしております。 離職者対策につきましては、内容としては労働省の所管されるところでありますが、答申では、高齢者、身体障害者、未亡人等、離職者の再就職がいまなお困難な実情にかんがみ、今後これらの再就職の困難な者について十分配慮をする必要があるが、全体的な労働力需給の好転を勘案して、炭鉱離職者の再就職対策について再検討を行なうべきであるといたしております。 鉱害対策につきましては、今後引き続き強力かつ計画的に促進されなければならないが総合農政、産炭地域振興対策の今後の進展ともあわせ考えた効率的な処理が行なわれるよう、総合的に検討をすべきものであるといたしております。 さらに、当面の補完措置といたしまして、当面予想される経理悪化の改善のために、政府は諸般の措置を早急に検討する必要があると指摘いたしております。 。 最後に、財源の確保といたしまして、当面諸対策その他石炭施策遂行のため、財源の確保が必要であります。これにつきましては、本年度末をもって期限切れとなることになっております原重油暫定関税について、昭和四十八年度末まで延長することを要請いたしております。 以上簡単でございますが、今回の石炭鉱業審議会の答申の内容を御説明申し上げました。 ————————————— 引き続いて、産炭地域振興臨時措置法の延長に関する産炭地域振興審議会の答申について御説明させていただきます。 答申の内容は、まず、産炭地域振興臨時措置法の延長につきまして、一つには、産炭地域の現状を見ますと、比較的立地条件のよい一部の地域では、産炭地域振興の成果が着実にあがりつつある面も見られますけれども、大半の地域では、過去の閉山の影響の累積によってなお疲弊が著しく、さらにかなりの地域では、近時の著しい閉山の発生によってその経済的、社会的疲弊が一そう深まりつつある状況にある。また第二には、産炭地域に山積す諸問題を解決して、産炭地域を新たな経済、社会生活の場として再生発展のためには、産炭地域振興という事柄の性質上、また十年になんなんとするいままでの経験にかんがみまして、今後とも相当長期かつ継続的な施策が必要であるというふうに指摘いたしております。それから第三には、石炭鉱業をめぐる今後の情勢はなお厳しいものがある。以上のような三つの理由によりまして、産炭地域振興臨時措置法は今後なお十年延長することが必要であるということを指摘をしております。 そうして法の延長とともに、産炭地域振興施策につきましては、産業基盤の整備、石炭鉱業に代替する産業の振興、地方財政援助の強化、生活基盤の整備及び地域環境の改善、産炭地域振興事業団事業の推進、産炭地域振興施策の広域的展開と関係各省庁間の協力体制の緊密化という六つの項目にわたりまして改善、充実することを提言いたしているわけでございます。 産業基盤の整備につきましては、企業誘致をはかる上で不可欠の要件であるという点から、幹線道路の整備等を関係各省庁で十分配慮をすることを要請いたしております。 それから石炭鉱業に代替する産業の振興におきましては、中核企業の導入に努力するとともに、立地条件に恵まれない産炭地域については、工業以外の産業を振興するために、工業用機械等の特別償却制度の延長等、税制上の優遇措置を講ずることが必要だといたしまして、工業以外に農業、水産業、林業等についても振興対象業種として考えることが適当だというふうに指摘いたしております。また、雇用対策につきましては、産炭地域進出企業のための雇用促進住宅の建設等、産炭地域内での雇用対策について改善が必要であるといたしております。 それから地方財政援助の強化につきましては、産炭地域振興臨時交付金の増額、その内容の充実をはかるということと同時に、各種公共事業等を行なう地方公共団体に対しまして財源措置を強化するように要請いたしております。 また、老朽炭鉱住宅の改良、閉山炭鉱水道施設の整備、ボタ山の処理といった生活基盤及び地域環境の改善を強力に推進すべきであるといたしております。 産炭地域振興事業団事業の推進につきましては、融資、土地造成等に十分な事業規模を確保して、産炭地域への企業進出を一そう促進すると同時に、事業運営にあたっては、土地造成事業と鉱害復旧事業との組み合わせが可能な場合には、そのような運用上の配慮をする等、効率的、弾力的運用をはかる必要があるとして、先ほどの中間答申と同趣旨の内容をうたっております。 最後の、産炭地域振興施策の広域的展開と関係各省庁間の協力体制の緊密化につきましては、たとえば北海道総合開発計画あるいは筑豊地域の再開発計画のような諸計画とも調和のある形で産炭地域振興が、関係者の一体となった協力体制のもとで広域的に展開することが振興目的を達する上において効果的であるという点を指摘しておる次第でございます。 以上が産炭地域振興審議会の答申の概要でございます。 ————————————— 最後にお手元に差し上げております四十六年度予算の概要について御説明さしていただきたいと存じます。 四十六年度の概算要求の総額は、お手元の資料の歳入合計欄のまん中の欄にありますように、千二十九億四千七百万円でございまして、昨年に比べまして五十八億三千三百万の増額ということになっております。この中で通商産業省所管の分は九百十二億九千万でございまして、残りの百十数億のものは労働省所管の予算ということに相なっております。この千二十九億の総額につきましては、当省としての歳入、特に原重油関税収入見通しに基づく要求でございます。したがいまして、今後大蔵省との間でいろいろ折衝があるわけでございますが、この段階を経て政府全体としての予算が固まりますが、その場合にはなお若干変更がある可能性があるということをあらかじめ御理解願いたいと存じます。 それから、内容の説明に入ります前に、今回の概算要求の作業の際に特にわれわれとして考えました点を御説明さしていただきたいと存じます。 石炭鉱業審議会の中間答申との関連でございますが、中間答申で指摘いたしておりますように、石炭鉱業を取り巻く情勢が年々変化しておりますので、対策もこうした情勢変化に対応した実効のある運営が望まれる次第でございますが、他面従来から行なっております多くの制度につきまして、その内容が年々拡充されてまいっておりますことに伴いまして、予算の財源もこうした既定諸制度が当然必要とする部分に相当程度を振り向けざるを得ないという実情になっておりまして、その意味で限られた財源のワクの中で弾力的な財源の配分を行なうという余地が必ずしも大きくないという実態でございます。今回の概算要求にあたりましては、既定の必要経費を確保しつつ、他方情勢変化に即応した財源の配分につとめるということを考えたわけでございます。 二ページ以降が歳出予算の概算要求案になっておるわけでございますが、今回は、先ほど申し上げました体制委員会の中間答申がございますので、この答申の内容をできるだけ生かすという考え方でつくったつもりでございます。そのために、具体的には石炭工業審議会の中間答申が出された段階で、答申の内容に従いまして先に出した概算を若干変更いたします概算要求内容の組みかえを行ないまして、答申の趣旨を盛り込むことにいたした次第でございます。 主要項目について御説明させていただきたいと思います。 まず石炭鉱業の合理化安定対策費でございますが、これは石炭対策費のうちのいわゆる石炭鉱業の合理化及び再建を促進するための諸施策と、閉山対策のための諸経費を合わせたものであります。概算要求額はお手元資料のように、六百五十四億円余りになっておりまして、四十五年度の予算と比べまして十一億円程度の減少になっております。主要項目について御説明させていただきたいと存じますが、第一は、上から三番目の坑内骨格構造整備拡充等補助金でございます。従来は坑道掘進費等補助金という名目であったわけでございますが、本年度は坑内骨格構造整備拡充等補助金というふうに名前を改めまして、三十九億円計上されておったのでありますが、石炭鉱業の生産の合理化が国の助成、企業の努力の結果逐年成果をあげつつありますが、出炭の安定と保安の確保のために坑内骨格構造の整備充実が重要であるということは、体制委員会の先ほどの答申で御説明申し上げたところでございますが、その趣旨に従いまして本件の補助制度については十五億円増の五十四億円を要求いたしますと同時に、先ほど申し上げましたように名称を内容に沿うように改めた次第であります。もっとも、この補助金は次の石炭鉱業合理化事業団による坑道掘進融資と補完的な関係にございます。 第二の点は、石炭鉱業合理化事業団出資金でございます。下から二番目でございます。石炭鉱業合理化事業団に対します出資金は、この事業団によります近代化機械の貸与、新鉱開発、坑道、住宅その他の設備の近代化等に対する無利子融資、整備資金等の原資に充てるものであります。この出資額は従来は毎年百三億六千万円というふうに一定しておった次第でございますが、来年度は、先ほど御説明申し上げましたとおりの中間答申の趣旨を受けまして、資金の充実をはかるという意味で百二十二億円の要求をいたしました。 次は保安の確保対策費でございますが、保安対策費は幾つかの項目に分かれておる次第でございますが、坑道掘進補助金及び合理化事業団による融資制度の中にも、先ほどの説明のとおり含まれておりますが、坑道掘進と合理化事業団融資分を除いた各項目につきまして、要求額は合計で二十一億円でございまして、本年度の予算に対しまして三億円の増額になっております。 石炭増加引取交付金は、石炭の需要確保のために電力及び鉄鋼業界等に対しまして、一定条件に当てはまる増加引き取りに対して交付金を交付する制度でございますが、要求額五十億円と、本年度予算に対しまして十億円増額になっておりますが、今回行なわれました一般炭炭価引き上げに伴う国の負担増加対策措置として増額したものが主たる内容になっております。 それから二ページの終わりに、海底炭田開発調査費補助金という項目がございますが、この予算は四十五年度予算には計上されておりませんで、四十六年度の新規要求項目でございます。わが国の生産構造の中で海底炭鉱の比重が増大してまいっておりますが、海底炭田の探査が従来、技術的なあるいは資金的な理由から不十分でございますので、答申でも要望されておりますように、今後需要構造の変化に即応して、企業における稼行区域の転換をはかるということを支援する意味で、こうした制度を新設いたしたいということで、一億五千万円の要求をいたしておる次第でございます。 次に、減少になっておる項目でございますが、炭鉱整理促進費補助金すなわち閉山対策費でございますが、特別閉山交付金制度の期限切れ等に伴いまして、要求額は百二十五億円ということで、本年度より三十七億円の減少になっております。 それから石炭鉱業再建交付金及び石炭鉱業元利補給金、いわゆる肩がわりの資金でございますが、これは対象企業数が減少しましたことによりまして、それぞれ六十六億円、百六億円と、本年度に対しまして、合計で十億円強の減少に相なっております。 それから石炭鉱業安定補給金でございますが、生産量が減少する見込みでございますので、これに伴いまして要求額としては百四億円と、今年度対比十二億円の減少ということに相なっております。 次に鉱害対策費でございますが、三ページでございます。鉱害対策費につきましては、最近当省で行ないました全国の鉱害量調査の結果、残存鉱害量が、四十二年度末調査では八百五億円でございましたが、先般の四十四年度末現在の調査では千三百八億と相なっております。しかも、閉山の進行に伴いまして、無資力鉱害が半分をこえるという実情にございます。このような膨大な鉱害に対処しまして、今後計画的に復旧していくというために、鉱害対策予算の拡充が必要でございますので、四十六年度といたしましては、本年度予算より十九億円増の百四十二億円を要求しておる次第でございます。 次に、産炭地域振興対策費についてでございますが、産炭地域振興対策は、これまで産炭地域振興臨時措置法に基づきまして、すでにことしで十年目となっておるわけでございまして、先ほども申し上げましたように、一部の地域では成果を着々とあげておるわけでございますが、過去の閉山が地域経済に与えた影響は、全般としてはなお回復されておりませんし、地方財政対策、企業誘致等を通ずる地域社会経済振興対策としての産炭地域振興対策は、ますます重要性を高めておる次第でございます。ことしは特に産炭地域振興臨時措置法が来年十一月をもって期限切れとなるということになっておりますが、先ほど御説明申し上げましたとおり、十年延長とあわせて対策の一そうの充実をはかるという答申をいただいておりますので、この答申に従いまして目下期限延長の法案を準備するとともに、予算要求におきましても産炭地域振興事業団事業、産炭地域振興臨時交付金等の拡充を中心といたしまして、本年度の予算に比べて十九億円増の八十四億円を要求いたしておる次第でございます。 以上申し上げましたのが当省所管の石炭政策予算要求の概略でございます。その他の部分は、事務費等のほか、労働省御所管の炭鉱離職者援護対策費、産炭地域開発雇用対策費でございまして、これについては別途労働省のほうでお願いをいたしたいと存じます。 以上簡単に概算要求の概略を御説明させていただきましたが、別に具体的な問題は、御質問に応じて補足説明をさせていただきたいと存じます。 なお、初めに申し上げましたように、当省の概算要求内容でございますので、大蔵省と今後いろいろ折衝して最終的な政府原案がまとまることになるわけでございますが、どういう結論になるかは、まだ折衝の初期の段階で予想が困難でございますが、われわれといたしましては、この予算要求をできるだけ実現するように努力いたしたいというふうに考えておる次第でございます。 以上でございます。
○委員長(川上為治君) 次に、労働省関係の予算について説明を聴取いたします。労働省遠藤政夫失業対策部長。
○政府委員(遠藤政夫君) 四十六年度の労働省関係の石炭対策費の予算概要について御説明申し上げます。 お手元の資料の五ページの上のほうの炭鉱離職者援護対策費のところから六ページの中ほどまででございまして、その総額は、来年度要求百十六億五千六百万円でございます。本年度の八十五億五千万円に対しまして、約三十一億円の増に相なっております。 その中身のおもなものについて申し上げますと、閉山、合理化によりまして離職いたしました炭鉱離職者の援護対策に必要な事業団の補助金は二十七億円、本年度の十二億五千万円に対して約十四億五千万円の増に相なっております。それから第二は、炭鉱離職者の緊急就労対策事業費でございます。これは三十四億二千九百万円、本年度三十一億二千八百万円に対しまして約三億円の増でございますが、これは単価増でございます。それから第三が、同じ産炭地域開発就労事業費の補助金でございます。これが四十三億七千七百万円、本年度の三十一億五千四百万円に対しまして十二億円の増に相なっております。その他は離職者対策の関係の事務費でございます。 増額の三十一億の中のおもなものは、雇用促進事業団に対する離職者援護事業費の補助金の十四億五千万円でございますが、その大部分は、関係方面から非常に強い要望のございました、産炭地域の住宅を建設するようにというような御要望がございまして、その関係の費用が大部分でございます。それから産炭地域関係の事業費の補助金は、これは主として単価増額分でございます。 簡単でございますが、以上でございます。 —————————————
○委員長(川上為治君) 次に、去る二日、北海道三省炭鉱で発生したガス爆発事故について、政府側から報告を聴取いたします。内田政務次官。
○政府委員(内田芳郎君) このたび、三省炭鉱におけるガス爆発災害により、多数の犠牲者の発生を見ましたことは、まことに遺憾にたえないところでございます。現在、災害原因等につきましては調査中でございますが、災害原因を徹底的に究明した上で監督のあり方、自主保安体制の確立等について万全の措置を講じ、二度と再びこのような災害を起こさないよう、固い決意を持って一そうの努力をいたしてまいりたいと存じます。 不幸にいたしまして今回の災害により犠牲者となられました方々に対し、深い哀悼の意を表するものであります。 なお、内容につきましては石炭課長から御説明を申し上げます。
○説明員(高木俊介君) 三省炭鉱の災害につきまして、お手元に配付してございます資料に基づきまして御説明させていただきます。 災害を起こしました炭鉱は、三省炭鉱の東山坑でございます。これは甲種炭鉱でございます。なお、その炭鉱の所在地は、北海道空知郡上砂川町字西山一番地になっております。鉱業権者は三省鉱業株式会社で、社長が塩谷猛さんでございます。保安統括者は奥田富蔵氏。 災害の発生いたしました個所でございますけれども、東山坑の六片第三斜坑付近でございまして、坑口から約八百メートルの距離で、深度が地表から約百五十メートルのところでございます。災害の発生時間でございますけれども、十二月の二日、七時五十分ごろということでございます、災害の種類はガス爆発というふうに見ております。出炭量は、ここは三層ございまして、七番層、間七番層、東山層という三層を対象にしておりまして、柱房式採炭で傾斜が約五十度くらいの急傾斜の山でございます。一般炭を月に約一万六千トン出炭いたしておる山でございます。鉱山労働者数は二百三十名で組夫は全然採用いたしておりません。罹災者数でございますけれども、死亡者五名、負傷者九名、計十四名でございまして、負傷者九名のうち、きょうの向こうの札幌からの連絡によりますと、重傷三名、軽傷六名ということになっております。災害の概況でございますが、七時五十分ごろ東山坑六片第三斜坑付近におきましてガス爆発が発生し、作業中の鉱山労働者十四名が罹災いたしました。罹災当日の一番方、これは七時入坑でございますけれども、坑内員四十六名、保安員六名、係員六名計五十八名が入坑いたしましてその直後でございます。爆源と認められる地点はうしろのほうに図面も載せておりますけれども、第三斜坑でございまして、そこには四名の労働者が配番されておりました。災害発生によりまして坑内におきまして爆風が生じましたので、五十八名の入坑者中五十五名は自力または同僚に助けられて出坑したのでございますけれども、うち二名は死亡いたしまして九名は負傷を負っていたような状態でございます。残り三名が行くえ不明になりまして、直ちに三省炭鉱と隣りにございます三井砂川炭鉱の共同救護隊を編成いたしまして救護隊が十時に入坑いたしました。十一時三分に行くえ不明の三名の方は第三斜坑において遺体で発見されたような次第でございます。現場にはメタンガス及び一酸化炭素が停滞いたしておりましたので、札幌鉱山保安監督局では現場検証をこれらのガスを排除した後に実施するということで、排除の完了いたしました二日の夜半から現場検証を開始いたしております。それによりますと、七片展開の目的で掘進中でございました第三斜坑は巻き立てから三十七メートル延びておりまして、災害時は、おそらくここで死亡しておられた方の状態から見ますと、さく孔に着手された直後ではなかったろうかというふうに認められます。第三斜坑及び付近の坑道の破壊は、現在のところ認められておりませんが、第三斜坑巻き座を中心にいたしまして、坑道全面にすすが付着しております。これらから判断いたしまして、災害の種類は第三斜坑巻き座付近を中心といたしましたガス爆発ということが想定されます。ガス爆発を起こしますもととなりますガス停滞の原因というものと火源につきましては、現在精査中でございますが、火源につきましては、先ほど申し上げましたように災害現場の状況と一部罹災者の供述等からいたしまして、ハッパによるものではないというふうに現在推定されております。しかし一方、ここにおきましては、第三斜坑付近では三十馬力の巻き、三馬力の局扇、それから開閉器及び信号線等の電気設備が設置されておりますので、現在これらを中心に、メガー等の測定器でございますけれども、そういうものをもちまして精査中でございます。 最後の図表によりまして簡単に御説明いたします。ちょうど図面の中心から左のほうに六立て入れというのが上から下のほうに書いてございます。この横に六片間七下層、この下に三斜坑というのが、偽傾斜でございますけれども、これは先ほど申し上げました間七番下層の炭層に沿いまして、偽傾斜で約三十度ぐらいの偽傾斜でございますけれども、三十七メートル掘っている第三斜坑でございます。ここに四名の死亡者が発見されたわけでございます。三名と、あと一名は出坑した後死亡。ここに四名が配番されて、この方が全員全滅しております。バツじるし一つつけてございますけれども、重傷後、出坑後死亡された方でございまして、あとマルじるしでかいてございますところに重傷及び軽傷の方々が当時おられたというふうに想定され、なお、供述等でここにいたというようなお話で、ここにしるしてございます。この図面からいきまして、約百メートル五十四方ぐらいの範囲にわたっての被災範囲ということが言えるのではなかろうかと思うわけであります。 簡単でございますけれども、一応説明を終わらしていただきます。
○委員長(川上為治君) ただいまの説明及び報告に対し、質疑のある方は順次御発言願います。
○大矢正君 先ほど二つの答申について御説明がありましたが、これはもとより答申をつくりました審議会に質問すべき内容でありますから、本日これは政府に対して特別の質問はいたさないつもりであります。なおまた、この答申に基づきまして、政府が当面をする対策についての方向を、国会にも示されるものと思われますので、その辺はあらためて次の国会で予算が固まりました段階で具体的にお尋ねをいたしたいと思うわけであります。よって、本日は一点だけ当面をする問題についてお尋ねをいたしたいと思います。それはこの答申の中にも書いてありますとおりに、出炭が一般に計画を下回っており、その出炭不振のために石炭企業の経営が、特に資金、経理上の困難に拍車をかけているというこの指摘と、そのことに基づいて出ております諸対策の中で、第十番目の「当面の補完措置」というのがあり、「当面予想される経理の悪化を改善するため、政府は諸般の措置について早急に検討する必要がある。」と、こういう指摘をいたしておりますが、これはもちろん明年度以降の問題もありますが、最近の石炭会社の経理状況は聞くところによりますと、年内非常に資金繰りに困難を来たして、操業の継続が一部においてむずかしいのではないかと思われるような炭鉱も出つつあるように承っておりますが、いま私が申し上げましたこの答申に盛られた措置と年内における金融等について、政府として具体的にどのような措置を講ぜられようとしておられるのか、お伺いをしておきたいと思います。
○政府委員(本田早苗君) 御指摘のように、当面の補完措置につきましては、年末の問題も含めて何らかの措置が必要だという点の問題意識もあったわけでございまして、そういう意味で、先般の電力用炭炭価引き上げが、全般的に経理の改善をはかるということではあったわけでございますが、当面この年末におきまして、設備投資資金の支払い時期が来る、あるいは年末の賞与の支給の時期が来るというようなことから、資金需要が平素以上に発生するという事態でございますので、われわれとしては、当面、合理化事業団からの近代化資金融資をこれに時期的に合わせて考える。あるいは安定補給金の支給につきましても、賞与の支払い時期を考慮して支給するというようなことを、さしあたっての問題としては考えておる次第でございます。
○阿具根登君 私も一点だけ質問したいと思うのですが、この答申を読んでみますと、昭和五十年度において九億二千二百万トンの原料炭が必要だ。そのうち七億九千六百万トンは輸入に仰ぐ。特に原料炭では八千万トン近い膨大な輸入を考えておるが、なかなか困難だということが書いてありますが、一般炭についてはきわめて抽象的に、低硫黄炭でなければいけないとか、あるいは脱硫がうまくいかないとか、こういうことにとどまっておるのですが、昭和五十年の九億二千二百万トンの総合エネルギーの中で石炭の占める位置はどのくらいなのか。一般炭はどのくらい含まれておるのか。来年は一体どういう計画なのか。その点ひとつ聞かしてもらいます。 それから、一緒に申し上げますが、災害についてお尋ねしますが、この図面を見まして、三斜坑が図面では人気も排気も非常に困難ではなかろうか。そのために、どこかこの付近に三馬力の曲扇が据えてあった。どこに据えてあったかしるしてありませんからわかりませんけれども、一応このすみではなかろうかと思いますが、そうしましても、どうもこの図面だけでは、三馬力の小さい曲扇であったならば、私は風はあまり通っておらない。逆に車風になっておりはしないかとも思うし、甲種炭鉱でありますから、当然ガス検定はなされた上での作業、掘進をやられておったものだと思うのですが、その当時のガスの状況はどうであったのか。 それから、原因はいま調査中だがハッパではないということは書いてありますし、しかもさく孔中だということが書いてございますので、それなら一体火源は何なのか。ここに二、三例はあげてあるようでありますけれども、この扇風機の位置と風の流れぐあいと、それからガス検定の結果等を少し詳しく知らしていただきたいと思います。
○政府委員(本田早苗君) ただいま阿具根先生の御質問の、一般炭で昭和五十年度においてどれぐらいのウエートを一次エネルギー供給の中で持つかという点でございますが、いまさしあたってここで数字を持っておりませんので、原料炭を含んでの数字から御類推願いたいと存じますが、四十八年度に三千六百万トンの出炭をするというのが合理化計画で出ております。四十九年度、五十年度につきましては、現在のところ、この程度のものを維持するという一応の考え方をとって一次エネルギーの中のウェートを計算してみますと、原料炭を含んで国内炭が四・八%ということになっております。そして輸入炭がこれは原料炭ということに相なりますが、一三・三%で、合計一八・一%が一次エネルギーの中の石炭の持つシェアである。そうしてその内訳が四・八%と一三・三%。そしてその四・八は、千数百万トンとそれから二千数百万トンとに分かれるという意味では、おそらく三・何%くらいが一般炭であって一・二%弱のものが原料炭である。こういうことになろうと存じます。
○説明員(高木俊介君) 通気関係のことでございます。 図面で御説明いたしますと、先生御指摘のとおり、確かに災害が起きたところの個所につきましては、通気上問題があろうと思います。第二斜坑の人気が両方に分かれまして、一番下の線のところがら入っております。いわゆる六片レベルの間七番層から六立てれ入を上に上がっているように、これは六片立て入れば水平でございますけれども、図面上上がっております図面を書いておりますのと、第二斜坑を上からそのままずっと持ってきまして、東山層のほうを左に矢じるしが書いてございます。災害が起きましたのは六片間七番下層でございまして、この三斜坑、ここに持ってきます風管は曲扇でございますけれども、一番下のほうに矢じるしを書いてございます分岐のところ、六片の立て入れの分岐のところから風管を引っぱっておるようでございます。それで、これは二十二インチのビニール風管でございまして、三斜坑の奥を吹かしていた。平生はここの東山層の右側のほうと六片間七番の下層のこの囲まれている四角の、コの字になったほうでございますけれども、一応風圧によって少々の風量が流れていたにすぎないのじゃなかろうかというふうに考えております。 それからガスの状態でございますけれども、ここはガスの湧出量は一分十一・四五立米というようなことで、トン当たりに直しますと大体三十一・五立米出ているような山でございまして、北海道の平均六十二・一立米からいたしますと約半分でございます。平生はガスの少ない山ということで、その辺にも少し問題があったのじゃなかろうかというふうには考えております。で災害が起きます前日の一日の三番片のガスの状態でございますけれども、これは朝五時四十分に係員が測定しておりまして、その結果によりますと、この斜坑の引き立てのところで〇・三%というのを記録しております。 以上でございます。
○阿具根登君 まだ原因調査中でございますので、この災害問題については希望意見だけ申し上げておきますが、最近炭鉱の災害が非常に減っておった。新聞で悲惨な災害が報道されておりませんでしたが、今度この災害を見ましたが、こういうときに、えてして大きな災害が起こるのじゃないかというような予感がいたします。どうぞひとつ各炭鉱に対しまして厳重な注意をしていただきたいとこう思うのです。 それからこの答申につきましては、これは御承知のとおり炭鉱の状態は非常に苦しいのでございますが、いまのままでいくならば、ここでも書いてございますが、おそらく労働力の問題で行き詰まってしまうのじゃなかろうか。今日の状態から見て、今度の期末手当の妥結等を見てみましても、十万円に満たない、そういう魅力のないような炭鉱になっていったが、原料炭はまあ非常に希望が持てるようになってきたけれども、一般炭は一体希望が持てるのかどうかと、こういう問題、また原料炭を出すところで一般炭は要らないというようなことではできないので、相当これまた問題が起こってくる。そうすると、原料炭だけは値上げの問題もあちこちでささやかれておるようでございますが、一般炭はそういう傾向も全くない、労働の質、密度というものは、これは一般炭であろうと原料炭であろうと、おんなじ労働でおんなじ危険なところで働いておって、一般炭の労働者は賃金は安くていいんだということはこれは成り立たない、非常に矛盾した問題でもございますので、そういう点、十分ひとつ考慮して予算獲得等にも努力していただきたいと思います。 時間もございませんし、今後ゆっくり、おそらく委員会も開かれると思いますから、そのときにお譲りします。
○委員長(川上為治君) 他に御発言がなければ、本日の質疑はこの程度にいたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後三時十一分散会