物価問題等に関する特別委員会 第3号
- 発言数
- 158 件
- 登壇者
- 14 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1970/12/15
会議録
○松平委員長 これより会議を開きます。 この際、閉会中審査申し出の件についておはかりいたします。 本委員会といたしましては、閉会中もなお審査を行なうため、物価問題等に関する件につきまして、議長に対し閉会中審査の申し出をいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○松平委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。 —————————————
○松平委員長 なお、本委員会に参考送付されました陳情書は、公共料金及び諸物価値上げ抑制に関する陳情書一件でございます。念のため御報告申し上げます。 ————◇—————
○松平委員長 次に、物価問題等に関する件について調査を進めます。 去る十一月十七日、消費者保護会議において決定されました消費者保護に関する施策につきまして、経済企画庁から説明を聴取することといたします。山下参事官。
○山下説明員 去る十一月十七日、第三回消費者保護会議が開催されました。 消費者保護会議は、御承知のとおり一昨年制定されました消費者保護基本法により設置され、関係大臣等で構成をされておりまして、消費者の保護に関する基本的な施策の企画に関し審議し、及びその施策の実施を推進することを任務といたしております。 先般の消費者保護会議におきましては、最近の消費者行政に関する具体的諸問題が論議され、これらに関する今後の施策、方針を決定いたしました。 その内容は、「消費者行政の推進について」及び「消費者行政推進の具体的方策」としてまとめられておりまして、このうち制度改正を要するものなど目ぼしいものを特に取り上げまして、前者に取り入れてございます。 その要点を簡単に御説明申し上げます。 第一は、最近特に大きな社会問題となっております危害の防止に関するものでございます。 食品添加物につきましては、安全性の再検討が必要と考えられております二十五品目につきまして、四十八年度までに必要な試験を実施することといたしております。 農薬残留規制の強化につきましては、主要な農産物及び畜産物について、それぞれ四十八年度及び四十九年度までに調査、試験を行ない、逐次残留許容量とそれに対応する農薬の安全使用基準を設定することといたしております。なお、農薬使用の規制を強化いたしますために、農薬取締法の改正法案を今国会に提出いたしております。 抗生物質につきましても、使用規制を強化いたしまして、制度の整備について検討を行なうことにいたしております。 また、食品の安全性に関する試験、研究、監視体制の充実をはかることといたしております。 医薬品につきましては、二重盲検法等によります現行承認基準により、以前に承認を行なった医薬品について効能、効果の再検討を行なうこととし、また、いわゆる大衆保健薬につきましては、効能、正しい使い方等に関し消費者に必要な知識を普及し、その乱用を防止するなどの措置を講ずることとしております。 また、副反応が問題となっております種痘につきましては、より安全な方法を開発し、すみやかにこれを実施することといたしております。 自動車につきましては、道路運送車両法に基づく保安基準の充実、強化などにより、欠陥車の発生を防止する、こういうことにいたしております。 食品等の安全性について有害の疑いがあるが、さらに信頼度の高い資料等に基づいて判断することが必要であると認められる場合には、その安全性が確認されるまで、製造、使用、販売等について所要の規制措置を講ずることとし、必要な制度の整備について検討を行なうことといたしております。 第二は、規格表示の適正化に関するものでございます。 前国会で改正されました農林物資の規格化及び品質表示の適正化に関する法律に基づき、主要加工食品のすべてについて、日本農林規格及び表示基準を設定するとともに、品質基準の引き上げなど規格内容を充実させることにいたしております。 第三は、不動産取引の適正化に関するものでございます。 不動産取引に関し、消費者保護を強化するため、宅地建物取引業法の改正法案及び宅地建物の割賦販売に関する法案を次期通常国会に提出することといたしております。 第四は、苦情処理体制の整備に関するものであり、第五は、消費生活協同組合の育成強化に関するものでございます。 以上、消費者保護会議で審議、決定されました事項の内容について、簡単でございますが、御説明申し上げます。
○松平委員長 以上で説明は終わりました。 —————————————
○松平委員長 質疑の通告がありますので、順次これを許します。武部文君。
○武部委員 ただいま企画庁から、第三回の消費者保護会議の決定に基づく百三十九項目、たいへん詳しい内容を盛った冊子をいただきまして、私どもいろいろ検討いたしてきたわけでありますが、百三十九というたいへん膨大なものでありまして、逐一この内容について御質問いたしますとたいへん時間も食うわけでありますので、でき得る限り簡略に、要点のみこの冊子に基づいて順番に御質問いたしますから、御回答いただきたいのであります。 なお、これに関連をする問題で一、二、記載されておりませんけれども申し上げますので、御答弁をいただきたいのであります。 この冊子、お持ちでございましょうか。持っておられますね。では、この冊子の八ページ、食品添加物の規制、この問題は、詳しく同僚議員から質問がございますから、私は、項目について若干触れておきたいと思うのであります。 まず、食品添加物の規制についてでありますが、かねてから当委員会で、添加物が三百六十幾品目あって非常にふえておる、それが過去規制をされて削除をされた品目はきわめて少ない、特に、外国で禁止をされておるにかかわらず、わが国でこれが認められておるということについては理由が明らかでないじゃないか、したがって、私どもは、外国で禁止されているものの理由を調査して、そのデータで禁止措置をとるべきではないか、こういうことを考えておるわけですが、なぜ外国で禁止されたものが日本でなお食品添加物として認められておるのか、この点について理由をひとつ述べていただきたい、これが第一の点であります。 続いて九ページ、いま説明がございましたが、農薬の残留許容量についてこれから調査するという話であります。ただいまの説明ですと、農薬の残留については、四十九年までかかって、逐次品目を設定し許容量をきめたいということでありますが、少なくとも農薬の問題がここまで重大問題化しておるわけでありますから、この農薬の許容量については超重点的に予算を投入して、もっと早くこの残留農薬についての品目、許容量を決定すべきではないか、このように思うわけですが、これについてどういう見解を持っておられるか。 逐次四、五点だけ質問をして、あと回答をいただきたいのであります。 次は一一ページ、器具、容器包装の規制について、ただいま説明がございました。ここでお尋ねをいたしたいのは、通気性のプラスチック容器を使っておるところの食用の油脂あるいはマヨネーズ等は、その容器使用を禁止すべきではないか。これは酸化防止のためには禁止することが妥当だと思うわけですが、これについてどのようにお考えなのか。さらに、先般、塩化ビニール製の食品容器包装に対する添化物の問題で、螢光増白剤の使用の禁止がナプキンについては実施されたわけでありますが、私どもとしては、この螢光増白剤というものの使用禁止は、紙類やあるいはワイシャツ、ハンカチ、洗剤、こういうものにも同様に使用禁止をするのが妥当ではないか、このように考えるわけですが、これについてどういうふうにお考えなのか。 まず、この三点について、政府側の答弁を求めたいと思うのであります。
○横田説明員 まず、お尋ねの第一点でございますが、外国で使用禁止されております食品添加物について、日本では認めているのは一体どういうわけかという点でございます。 先生御指摘のように、食品添加物を使用させるその範囲につきましては、国によって相当の出入りがございます。これは、その国その国の食生活の相違等がございますので、そういったことにつれて、いろいろ異同があるということでございますけれども、その添加物の毒性が相当に強いというような場合には、やはり各国とも共通にこういったものの使用を禁止すべきである、こういうようなことでございます。したがって、そういう線に沿いまして、御承知のように、現在FAOとWHOの両機関におきまして、国際的に、食品添加物の種類なりその使用基準を統一する作業を進めておりまして、これが相当程度進んでおるわけでございます。ことに、外国とわが国と比べまして使用範囲が異なっておりますのは、色素について多いわけでございますが、そういった点もございますので、いろいろ国際機関等における検討にもわが国から専門の職員を参加させまして、従来からいろいろの検討は進めておるところでございます。 それからまた、先ほど御説明いただきました消費者保護会議の御決定にもよりまして、食品添加物の再点検を急いでするということをやっております。 そこで、この再点検の際の方針について簡単に申し上げますと、まず第一は、安全性に疑問が出ておりますものにつきましては、指定を削除する。第二番目には、安全性は確認されておりますけれども、その食品添加物を使用することが何らの実益のないもの、こういったものにつきましては、ものによっては削除をするか、あるいはその使用範囲なり使用限度を制限する。第三番目には、一応指定の時点においては安全性は確認されておったけれども、さらに現在の学問の水準から申しましたならば、精密な試験を行なって、より念入りに安全性の確認をすることが望ましい、こういったものについては、大急ぎこの再点検を行なう、そういう考え方で臨んでおるわけでございます。 それから、従来から食品添加物につきましてそのような方針をとっておるわけでございますが、その結果指定削除等をいたしたものにつきましては、まず、安全性について疑問が生じたということで削除いたしましたのは、色素については十品目、甘味料はチクロなど含めて三品目。それから、安全性は確認されておりますが、あまり実益がないということで削除いたしましたのが、酸化防止剤については二品目、保存料が一品目、発色剤が二品目、食用色素が一品目、着香料が二品目、殺菌料が二品目、小麦改良剤が一品目。それから第三番目の、安全性は確認されておりますが、さらに精密な試験を行なう必要があるということで、その試験を行ない、かつ、その使用を制限しておりますものが、食用色素が十三品目、漂白剤七品目、殺菌剤一品目、以上のような経過をたどっております。そのような方針をさらに続けます際に、今後検討しなければならないものというのが、先ほど御説明のございました消費者保護会議で御決定をいただいた二十五品目、これは昭和四十八年度末を目途に再点検を終了する、こういう計画でおります。 第二番目の残留農薬の許容量基準の設定がいかにもおそ過ぎるではないかという問題でございます。 私どもも、この残留農薬の許容量基準につきましては、できるだけ早い機会に、ほとんどあらゆる農薬、あらゆる農作物についてその基準をきめるようにいたしたいのでございますけれども、実は、この問題につきましては、試験研究のための予算もさることながら、この残留農薬の許容量基準をきめます際に、実際に実験をいたし、試験研究をいたすそういった研究機関が、日本にはあまりたくさんはないわけでございます。それで、現在私どものほうで残留農薬の許容量基準を設定する作業をいたします際に、その基礎になります試験研究を実施していただいております機関は、国立衛生試験所でございます。国立衛生試験所は御承知のように、そのほかにも、薬の問題でございますとかいろいろの問題を取り扱っておりまして、特にこの残留農薬の許容量基準につきましては、慢性素性の問題が一番中心の問題になっております。そういたしますと、国立衛生試験所の中でも毒性部、薬理部というふうな、動物を使いまして実験を行なう場に、薬の慢性毒性の問題、残留農薬の慢性毒性の問題、食品添加物の慢性毒性の問題、そういったものが集中的に集まることになります。そういたしますと、どうしてもその研究能力、研究設備、そういった面から申しまして、この残留農薬の許容量基準について、どんなに急いでもそれぐらい期間がかかる、こういうことでございます。 したがいまして、私どもは、この残留農薬の許容量基準設定につきましての試験研究費を予算面で大いに増額する点についても、今後とも大いに努力はいたすつもりでございますけれども、同時に、こういった試験研究を行ないます場の整備拡充についても、いろいろなくふうをこらしてまいりませんと、なかなかこのスピードは早められない、こういうことの事情がございます。 それから、第三番目の問題といたしまして、通気性プラスチックの容器を食用油脂やマヨネーズ等に使うのは問題ではないか。 お説のとおり、通気性でございますから、中に入っております物質の酸化を早めるというような点で問題があろうかと存じます。ただ現在、私どもがこういったものについて制限なり禁止なりをさせておりませんのは、たとえばマヨネーズ等でございますと、大体現在の流通事情からいたしまして最高四カ月程度で消費される、こういうことでございますので、その程度でございますならば、中の物質の酸化等が非常に早くて、現実に消費者が御使用なさる際にこれが腐敗してしまうというようなこともないであろうというようなことで、現在は黙認いたしておるかっこうになっておりますけれども、御指摘の問題もございますので、この通気の問題等、それから酸化防止が一体どのぐらいの期間でどの程度起こるかというような点につきましても、十分に科学的に検討を進めたいと思います。 それから、次の螢光増白剤の使用の問題でございますが、この問題は、たしか数カ月前に、食生活に使いますナプキンに螢光増白剤が入っておるというようなことで問題になったわけでございます。その時点までは、実を申しますと私どものほうでは、食生活に使うナプキンにつきましては、これを食品衛生法上の包装という扱いはいたしておらなかったわけでございます。容器または包装、このいずれにも当たらない、こういう扱いをいたしておったわけです。ただ現実に、最近は、ある食品を食べます際に、それを手でもってつかむ際に、ナプキンを使ってその食品をつかむとか、あるいはお菓子等をナプキンで包んであるとか、サンドウィッチを包んであるとか、そういったようなことで、どちらかと申しますと口に触れる機会、それから経口的にそれが摂取される機会が非常に多いというようなことで、従来の解釈を改めまして、この食生活に使うナプキンについては食品衛生法上の規制をすべきである。そうなってまいりますと、この螢光増白剤につきましては、軽微な毒性の問題と、それを摂取いたしました場合の発ガン性のおそれということも学問的に云々されておりますこともございますので、その使用を禁止することにいたしたわけでございます。 それ以外の紙やワイシャツ、ハンカチ、洗剤等につきましては、これを経口的に摂取するというおそれはまずはないわけでございますので、ナプキンを禁止いたしました際の、経口時に摂取いたしました際の発ガンの問題は、おそらくはないであろう。それから、経皮的などのような影響があるかという点については、これは一応の心配もございますので、この点につきましては、紙なりワイシャツなりハンカチ、洗剤等に螢光増白剤が入っておるか、その程度の入り方であった場合にどのような影響があるかという点につきまして、十分検討をさしていただきたいと存じます。
○武部委員 いま三つの問題で御答弁いただいたわけですが、その中の残留農薬に関係をしてBHC、DDT、それから抗生物質についてお尋ねいたします。 きょうの朝刊にも報道されておったわけでありますが、農林省の研究所が東京の七人の主婦について母乳の検査をした結果、BHCとDDTが検出をされたという記事が載っております。当委員会でも、BHCの問題は相当時間をさいて論議をいたしたところでありますが、現実にいまだにBHCが検出をされる。また、この母乳のBHC含有量も、西へ行くほど多い。それから牛乳のBHCの含有量というものも、西へ行くほど多い。これはそれなりの理由があって、高温多湿でBHCの使用量が多いという答弁があったわけでありますが、この有機塩素系の農薬の問題について、製造は、BHCは一応禁止をしたという答弁があったわけですが、この九月に愛知県の教育委員会が、BHCを〇・二PPMでしたか含有したものについては、給食の牛乳としては使わないという通達を出した。このことはひとり愛知県のみならず、他の県にも波及するおそれがある。したがって、このBHCの問題について、一体農協なり農家の在庫の処置等についてどういう指導をしてきたのか。少なくとも今日これだけいまだに問題になるということになれば、製造禁止だけではなしに、販売の中止をこの際一挙にやるべきではないか。ある県においては、農協あたりが指導して在庫のものをみな買い上げてしまったというようなところもありますが、一体BHCについてどういう処置をとろうとしておるのか、この点をひとつお伺いいたしたい。 なおいま一点は、抗生物質の問題であります。これまた東京で一応問題になったわけでありますが、この抗生物質が、牛乳の中にペニシリンが出てくるということは、少なくともいまの酪農政策の中からいうならば、多頭化、近代化ということの中で当然そういうことが起きてくることは、火を見るよりも明らかであります。私も北海道をだいぶ歩いてみて、多頭飼育の中でミルカーを使ってやっておる。したがって、そういう中で乳房炎の起きるということは当然のことであります。問題は、乳房炎の対策というものがどの程度やられておるのか。その乳房炎対策が不手ぎわのために、ペニシリンが流れていって牛乳として出てくる、末端でそれが検出される、こういう結果になるのではないか。そういう点について農林省はどういう指導をしてきたのか、こういう点についてお答えいただきたい。
○福田説明員 お答え申し上げます。 昨年牛乳の中からBHCが検出されるというようなことが明らかになりまして、その牛乳にBHCが残ってまいる経路につきまして緊急的な調査を行なったわけでございますが、その結果、稲に使ったBHCが稲わらに残っておって、その稲わらをえさとすることによって牛乳の中に入るということが明らかになりました。そこで、今年の一月の末から、ことしは稲を含めた飼料作物に一切使わない、そうでない稲につきましても、稲わらの流通ということを考えまして、穂ばらみ期以後は使わないということにいたしたわけでございます。 穂ばらみ期以後ときめましたのは、牛乳にBHCが残ってまいります経路を調査する過程におきまして、穂ばらみ期以前に使ったものはほとんど牛乳に出てこない、穂ばらみ期以後に使った場合にたくさん出てくるということが明らかになっておったということが一つと、それから、BHCをそのときに全部とめた場合に、代替農薬の問題がございましたが、稲の一番大きな害虫であります二化メイ虫とウンカにBHCを使っておったわけでございますが、ウンカは秋出るものでございまして、それに対する代替農薬はカーバメート系農薬等ございましたが、二化メイ虫の場合は二回出るわけであります。穂ばらみ期以前に出るものと穂ばらみ期以後に出るものと二つございますけれども、従来パラチオン剤が一番使われておりましたが、パラチオンを全部やめましたことによりましてBHCに切りかわったわけでございます。それで、BHCを直ちにやめますと、二化メイ虫の第一世代の防除に代替農薬の生産が間に合わないという事情もございましたので、この二つの意味から、穂ばらみ期以後は使用を禁止するという処置をとったわけでございます。 この処置につきましては、四月に行なわれました食品衛生調査会におきまして御指導をいただきましたし、また御了解も得られまして、そのようなことをやってまいったわけでございますが、先生御指摘のように本年の八月、九月、いまだに牛乳の中のBHCが減らなかったという問題がございましたが、ことしの稲わらは、まだその時点におきまして牛のえさになっておりませんので、ことしは穂ばらみ期以後は使わないということにいたしたわけでございますけれども、使ったにしても使わないにしましても、ことしの使用が牛乳に来ているという時点にまだなってないと思います。したがって、牛乳のBHCがその時点までにまだ思うように減ってこない。非常に多かったところにおきましては三分の一減ったわけでありますけれども、減らないところもあったわけでございます。その理由につきましては、いろいろ調査いたしましたが、必ずしもつまびらかになっておりません。ただ、長い間使っておった農薬でございます。乳牛の脂肪等に蓄積しておったものが次第に出てくるということになりますと、きれいになるのに若干時間がかかるのではないかというような事情があったわけでございます。 そういうことでまいりましたが、ことしの秋にまた通達を出しまして、今後、来年以後は稲作には絶対に使わないというようなことを、さらに通達したわけでございます。御指摘のとおり、昨年の十二月十日をもちまして製造を中止しておりますので、その時点の在庫から、今年使い得る量が、製剤にしまして平年の大体二分の一ないし三分の一くらい、三万六千トンばかりでございます。平年が七万トンないし九万トン使っておりましたので、その二分の一以下ということでございまして、ことしの穂ばらみ期以前におおむね使い切る量でございますけれども、強い規制を行なったりしたものでございますから、約七千トン余残っております。 あと、林業とかその他野菜等におきまして、代替農薬のいまだにないものがございまして、これにつきましては代替農薬の研究を急いでもらっておりますが、果樹、野菜等につきましては残留許容量がきまっておりますので、残留許容量を越えないということによって、それからまた、林業等におきまして代替農薬が見つかる見つからないにかかわらず、いま残っておるしかございませんけれども、それを急いでもらうということにいたしまして、残りはそちらのほうに振り向けるという考えでございます。
○武部委員 BHCの在庫が製剤にして三万六千トンある、とおっしゃったわけですね。
○福田説明員 ことし使い得る量が三万六千トンでございまして、現在七千五百トンくらいでございます。
○武部委員 ですから、私どもが話をここでやった場合には、BHCはそういうふうに牛乳に残留量が——ずっと流れて土壌にしみ込んでくるのだから、製造禁止したならば、当然販売も禁止すべきではないか、そういうことをやらない限りは、またぞろ出てくる可能性が非常に強い。さっき言ったように、九月に愛知県で〇・二PPMのBHCの残留があった場合にはこれは給食に使用しないという、現実の姿があらわれておりますね。そういうような点を考えると、在庫について農林省が確固たる処置をとらなければならない。あなた方が一々立ち入り検査をして、BHCがどこでどうつくられて、在庫がどのように流れていくかということがわかるわけはないのですから、そういう点について、販売の禁止をするということは全然考えてないのですか。
○福田説明員 全面的にこれを禁止しました場合に、牛乳には関係のないような場所におきまして、代替農薬の問題等がありまして、若干防除に支障を来たすということがございますということと、それから、土壌中における残留性等につきましては研究が進んでおりまして、長く残らないということがわかっておりますことと、牛乳等の許容量も、今年度一ばいを目標に厚生省のほうで、ベータにつきましてもきめていただくというような話を聞いておりますこと等がございますので、現在残っております在庫の販売を禁止するということは考えておりませんが、今回の法改正ができました暁には、これを作物残留性農薬という指定をいたしまして、罰則をかけてその使用をきびしく取り締まっていくという考えでございます。
○武部委員 農薬取締法改正案が通過をしてそれが実施された場合には、そのようにするというお話なんですが、メーカーはそんなばかじゃないので、法律が通るまでにみんな売ってしまいますよ、あと七千何百トンしかないわけなんだから。そういうことが手ぬるいと、われわれはいままで主張してきたわけなんです。それから同時に、牛乳だけでなしに、きょう私が申し上げたように母乳の中から出てくる。これは牛乳じゃないのですね。これは少なくとも野菜とかその他の経路を経て人体に吸収されて母乳から出たものと、私はしろうとなりに考えるのです。したがって、この法改正で事足れりというようなことではなしに、BHCは、外国でもあれだけ問題になって禁止されたのですから、少なくとも製造販売禁止というところまでやるべきではないかと思うわけですが、再度、農林省の公式見解をひとつ承りたいと思います。
○松平委員長 だれが公式見解をやりますか。君が公式見解を言えるか。——では参考までに。
○福田説明員 先ほどお答えをいたしましたようなことを考えておりますけれども、御指摘のとおり母乳からも出てまいりまして、この経路等も御指摘のとおり牛乳、蔬菜等かと考えられますが、BHCにつきましては、家庭用防疫剤としましても長い間使ってきておりまして、現在防疫剤のほうが製造禁止というようなことも聞いておりませんので、母乳の中からBHCが出る経路については、さらに専門家の意見も聞こうかと思っておりますが、今回の法改正によりまして、人体に危害を及ぼすおそれのあるものは、登録を取り消したり、販売を禁止したりすることができるようになりますので、先ほど私が私なりの考えを申し上げましたようなこと、御指摘のようなこともございますので、農業資材審議会にはかりまして、必要があれば登録の取り消し等をやっていかなければならないと考えます。
○武部委員 この残留農薬の問題は、私どもここで何回もやり合ったのです。困っておるのは、農家も困っておる。そして、その牛乳を集荷するメーカーも、これまた困る。また、メーカーがそれを売れば、消費者がその中にBHCが入っておるといって大騒ぎをするということで、ずっとたいへん大きな問題を起こしてきたのです。これは通常国会のときも、非常に長い論議をいたしたところであります。それがいまだにこういうかっこうで出てくるということは、その処置がまことに手ぬるい。在庫が、私どもの数とあなた方の発表された数と違っておったのです。製剤のトン数においてはだいぶ相違がありました。あったが、具体的にわれわれも、メーカーの倉庫を立ち入りをして検査したわけではないわけですから、あなた方の説明のトン数だというふうに一応は理解をしておりました。しかし、現実にこうして各所に出てくるんですね。そうなってくると、BHC問題というのはもういいかげんな解決は許されない、私はそう思うのです。したがっていま農林省からの話があったわけですが、同僚議員からまた、食品添加物、残留農薬について質問がありますから、私は、あとたくさんありますから譲りますが、これは農林省として、もっとはっきりとした態度を明らかにしてもらいたい。 それからいま一点は、一〇ページの3にある「農薬使用の規制を強化するため、農薬取締法改正法案を次期国会に提出する。」、この点はこの間出たばかりですが、これが通過をした場合に、さしむきどの程度の効果があるというふうに考えておりますか。これをひとつ項目的に数点あげてみてください。
○福田説明員 今度の法改正によりまして、食品に残留し、あるいは土壌に残留し、あるいは水を汚染する等によりまして人畜に被害を及ぼすおそれのあるものは登録しないということにいたしまして、また、すでに登録になっておりますものでも、そのようなことが明らかになった場合には、職権によって登録を取り消したり販売の禁止等を行なう。また、その場合には、製造業者あるいは販売業者が使用者から回収につとめるということになったわけでございまして、新しく登録になってくるものは、いま申しましたように、残留性あるいは毒性についてのきびしい検査をすることになりましたし、現在登録になっておりますものも、再検討といいますか総点検いたしまして、そのようなものは登録を取り消すということにいたしていきたいと思いますし、またそこまでいたさなくても、その毒性等の問題でもって問題がないものにつきましても、農家の使い方によっては人畜に対する危害のおそれがあるものは、指定農薬、作物残留性農薬、土壌残留性農薬あるいは水質汚濁性農薬、このような指定をいたしまして、その使用をきびしく取り締まっていきたいし、またその使用の監督も、農業改良普及員、病害虫防除員その他を通じましてきびしくいたしたい、このように考えております。
○武部委員 抗生物質についての答弁は……。
○増田政府委員 御承知のとおり、抗生物質等を与えました乳牛からしぼったなま乳につきましては、投与後三日間出荷してはならないという規定が食品衛生法上あるわけでございまして、従来その線に沿って指導してまいったわけでございますが、その実効を期すために、さらに本年の六月三十日付をもちまして、薬に着色をさせ、必ずなま乳に色が出るという方式をとって、その実効を期したわけでございます。さらに十一月に至りまして、厚生省が「生乳の衛生環境について」という通達を出されまして、なま乳の検査の強化というものをされたわけでございますが、これを受けまして農林省におきましても、乳業者、生産者団体等あるいは県による検査体制の強化というものを通達をいたしまして、その実効を期しているわけでございます。 これと並行してメーカーにおきましても、抗生物質の入っている生乳は受乳しない。生産者団体につきましても、抗生物質の入っている生乳について受乳を拒否されてもやむを得ないというところまで、実は生産者も踏み切って運動をしておるわけでございます。特に、先生御承知のとおり、牛乳というものは集荷段階で全部合乳をされます。そうすると、中に一人不心得者がありますと、そのもの全体が全部迷惑をこうむる、こういうことになるわけでございますので、そういう意味で共同防衛体制というものが、農家段階において急速に整備されてきているわけでございますので、農家段階における抗生物質の問題は急速に解消するものと、われわれは期待をしているわけでございます。 しかしながら、基本的には先生御指摘のとおり、乳房炎をどのようになくしていくかということが基本でございます。御指摘のとおり、ミルカーが入りましてから、乳房に傷がつきやすくなる、そこからブドウ状球菌が入って乳房炎を起こすということも、事実でございます。従来とも家畜共済等を通じまして、その消毒等を奨励する等の指導体制をとってまいったわけでございますが、われわれはこれを三段階に分けまして、長期、中期、短期と申しますか、当座の措置として三つの措置を考えております。 長期といたしまして、わが国の乳牛の改良の方式として、乳房がどちらかといえばふぞろいである、そのために傷を受けやすいという傾向がございます。将来どうしても省力化の方式としてミルカーを使わざるを得ないとわれわれは考えているわけでございますが、そのためには、乳房のふぞろいをできるだけ直すというような改良体制というものを、長期の方向でございますけれども、この際考えざるを得ないし、その方向で改良の努力をしていきたい、それが第一点でございます。 第二の方法といたしましては、先生北海道でごらんになられたと思いますけれども、現在牛舎で同時に搾乳が行なわれている、そういう状態でございます。北海道等の事例によりますと、畜舎がきたないために、たとえば天井からほこりが落ちてくるようなところでは乳房炎の発生が多いというような報告も、実はなされているわけでございます。そういうことから、乳房炎の発生を押えるために、畜舎と搾乳場を分けて、最も衛生的な施設をしたミルキングパーラー方式というものによる搾乳をやっていくというようなことで、そのほうの施設の融資等の方法を今後積極的に進めていくということを、中期の方策として考えているわけでございます。 しかし、短期としましては、たとえばミルカーのティートポットと申しますか、あの口を十分消毒するとか、あるいは手を十分洗うとか、乳房を清潔にするとか、畜舎を清潔にするとか、そういう対策の指導の徹底をはかることによって、できるだけ乳房炎の発生を防ぐということで対処してまいりたい、かように考えているわけでございます。
○武部委員 TTCの検査の通達が出ておるわけですが、それで私が承知するところでは、一時相当出たけれども、このTTCの検査が相当強力に行なわれてペニシリンの含有量が逐次大幅に減ってきたという、いわゆるきれいな牛乳といいますか、そういうものが出てきたということを聞いておるわけですが、先ほど申し上げるように、この三日間ということで酪農農家も相当被害を受けるわけですね。しかし、現実にはやはり乳房炎対策というものは、衛生観念の指導徹底とか技術指導の徹底とか、そういうことをしない限り、本質的には私は解決できないと思うのです。TTCで検査して、そうして出て、それは向こうへ、もとへ戻すのだというような小手先細工では、問題の解決にはなりませんね。したがって、私も、いまあなたがおっしゃったように、いろいろ見て、現実に農家の人は、ペニシリンが一番きくんだ、これが手っとり早くて一番いいものだからやるんだということを、不用意にも彼らは言っているのですよ。そういう面から考えると、やはり先ほど言ったような衛生観念なり技術指導の徹底をはかってもらわなければならぬ。 畜産局の衛生課長おられますか、おられますね。あなたのことばが新聞に載っておりますが、これはあなたのほんとうのことばですかペニシリンでは「世間では抗生物質について必要以上に騒ぎ立てているが、少しぐらい残留していても問題はない。人間の病気治療のさい使用する量に比べればあまりにも微量だ。」——なるほど微量でしょう。しかし、臨床のほうのお医者さんは、あなたの言った意見にこう言っています。「たとえ微量のペニシリンでも長い間続けて飲んでいるうちに次第に抗体が蓄積し、いざ病気のさいペニシリンを注射するとショックを起こす危険がある」、これはお医者さんがそう言っていますね。あなたは、何を騒ぎ立てるか、というふうなことを書いてあるのだが、そういうものの考え方ではこの問題は解決しないのだが、あなたの真意をひとつお伺いしたい。
○信藤説明員 牛乳の中に抗生物質が入っていてはならないことは食品衛生法できまっているわけでございまして、もちろん私どもといたしましては、いま局長が申されましたように、いろいろ乳房炎対策等を進めております。また、色づけ等もいたしまして今後一切入らないよう努力をいたしているわけでございまして、決して入っておってもいいというふうには考えておらないわけでございます。
○武部委員 私がいま言ったのは、あなたのことばの記事を読んだペニシリンでちょっと騒いだのですよ。やはりこれはたいへんなことだと言ったら、あなたは、何を騒ぎ立てておるか、必要以上に騒ぎ立てておるが、ということを新聞に言っておられるから、農林省の担当の課長が、衛生課長がそういうものの考え方では困るということを私は申し上げたわけなんですが、このいまの記事、どうですか、これは間違いですか。
○信藤説明員 それはどこで言ったか、私は覚えがありません。
○武部委員 日本経済にちゃんと出ているのです、五月十四日付で。あなたの話として出ているのです。
○信藤説明員 先ほど言いました色づけの問題は、私が三月に業界に処置をいたしまして、おそらくこういった処置で一番早かったのではないかと自分でも考えておりますので、決してそういうふうなものを放置しようという考えは毛頭ございません。
○武部委員 こういう問題は国民に与える影響が非常に大きいわけですから、ひとつその点は慎重に取り扱ってもらわなければならぬと思います。 次に、一二ページに「試験研究体制の整備」とあります。私は不幸にして行かなかったわけですが、国立衛生試験所に当委員会の代表が視察に参りました。そのときに、試験体制の不備ということを委員長以下痛切に感じた。これは人員の面その他、予算の面もそうでありますが、国立衛生試験所というものはもっと強化されなければならぬ、こういうように感じた。私どもも、生活センターができ上がるときにこの問題にも触れて、少なくともどういうものが持ち込まれても、国立衛生試験所で試験の結果がすぐにでもわかるようなことをやらなければならぬのじゃないかということを言ったわけですが、当時、予算も非常に少ないし、また人員も限られたもので、とてもそういう需要に応ずるわけにはいかぬ体制だという話がございました。 そこで、きょう私がお伺いしたいのは、これまたきょうの新聞を見ますと、何か安全センターというものが二十三億円の金をかけてつくられるという記事が載っておりました。それで、この一二ページに関連をするわけでありますが、何かこれからつくられる団体は、中立公正な民間研究機関では第一号だ、二十三億もの金をかけてやるのだというようなことで、厚生省はこれを積極的に支援をするというふうに報道されておりますが、その財源が競輪の余剰金、利益をもって充てる。この新聞を見ると、「皮肉」と書いて、ギャンブル収益金で施設をつくると書いてありましたが、少なくともこうした機関は国が責任をもって、ほんとにそれこそ業者とかいろんなものとの接触を断って、厳正中立な立場でやるべきで、私どもは、国立衛生試験所が国の権威にかけて試験研究をするべきではないかということを、前々から指摘をしてきたわけでありますが、このほどできる安全センターですか、この安全センターというものは一体どういうものですか。
○横田説明員 ただいま御質問の点は、現在厚生大臣あてに設立許可の申請が出ております財団法人食品薬品安全センターの件であろうかと思います。 この機関の設立趣旨は、御承知のように食品、薬品の安全性のチェック、これは現在の国民生活の安全を期する意味において最も大事な問題であると考えておるわけでございまして、先生御指摘のように、私どもも現実に、食品なり薬品についての安全性のチェックをする際に、そのチェックをいたします試験研究機関が、その体制が十分整っており、かつ学問的な水準もきわめて高い、そういった水準でチェックをすべきであるというようなことで、国立衛生試験所の整備等につきましては、数年前に動物部門を中心といたします毒性部門の強化をはかる等、いろいろなことをやってまいっておるわけでございます。 ただ問題は、食品、薬品の安全性のチェックと申しましても、先ほど御指摘のように、残留農薬一つをとりましても、非常に多種類の作物に多種類の農薬が使われておる、それから薬品につきましても、非常にたくさんの種類が製造承認され、それが使用されておる、こういうことでございますから、一つ一つについて多少でも疑いがある場合には、そのものにつきまして安全性を学問的に黒白をつける、そういう体制が必要なわけでございます。そうなってまいりますと、国立衛生試験所あるいは県の衛生研究所等をどのように整備いたしましても、現実問題としてなかなかその手に負えるものではなかろうということがございます。 たとえばアメリカのFDAがごく最近も、三百六十九種類もの医薬品についていろいろ問題を提起いたしております。また食品添加物等につきましても、御承知のように世界的に見ますと一番思い切った、大胆な措置を打ち出しておりますが、FDAがこのように非常に積極的かつ大胆な措置がとれると申しますのも、政府自体が相当整った研究設備で整った研究を積み重ねておる結果によることはもちろんでございますけれども、同時に、たとえば今度の薬の場合に報道されておりましたように、アメリカの科学アカデミーに対しまして、数年前から相当多種類の医薬品についてその安全性のチェックを依頼した。そうしますと、そこに所属しておられる学者の方が民間の大学、あるいはアメリカの場合は財団法人の研究所が非常に多いわけでございますが、そういったところで手分けをいたしまして、実に多方面にわたる検討を重ねて、そういった検討、研究の結果の集積が、FDAとしていろいろ大胆な措置をとるその措置内容の基礎になっておる、こういうことがあるわけでございます。 わが国におきましても、こういった点では、実は民間の公正中立な研究機関というものはほとんどございませんで、また、あったといたしましても、その学問的な水準が非常に低い。したがって、FDAのやり方をそのまままねるというわけではございませんけれども、やはりものによっては国が直接やらなければならないものもあることは当然でありますが、同時に、民間の権威のある研究機関が国と相協力していろいろな学問的なデータを積み重ねていく、そういう実績の積み重ねがなければ、これから先の食品、薬品の安全性の確保というものは、言うべくして現実に行なわれ得ない、そういう考え方があるわけでございます。 幸い、先ほど先生御指摘の食品薬品安全センターにつきましては、民間の方が、その資金を自転車振興会の競輪収益の配分に求めまして、非常に整った内容の試験研究機関を設置運営するということでございますので、いままでくどくど申しましたようなそういった筋から考えましても、厚生省としてはきわめて時宜に適した計画であると考えまして、この計画の実現、それから今後の研究所ができましたあとの運営につきましては十分協力をしていく、こういう考え方を表明いたしておるわけでございます。 そこで問題は、こういった民間の研究機関ができると、何でもかんでもそちらのほうへまかしてしまって、国の研究機関の体制の整備をおろそかにしたり、あるいは国がその責任をのがれたりということになるのではないかという点でございまして、私どもも、そういったことがあっては全くこの民間機関を設置、運営することの意味がなくなるわけでございますので、特に国の研究機関の整備方針といたしましては、非常に新しい問題が出ました場合に、その問題に対処するための先進的な試験研究方法を研究し開発する、こういったことは国が全責任を持ってやるべき事柄であると存じます。それから第二番目には、そういった試験研究方法を開発いたしました際に、その試験研究に現実に携わる研究者なり技術者なりそういった方の再教育等の仕事に当たる。それからまた第三番目には、非常に高度でございまして、民間にまかせておいてはなかなかできないような試験をやる、そういった点にできるだけ重点を置いて国の研究機関は整備していく、そういうことにいたしまして、国と民間と、その民間も公平でしかも権威のある民間機関、こういったものが協力して食品あるいは薬品の安全性の確保を具体的にはかっていく、そういった考え方でございますので、この安全センターの設立は、繰り返しになりますが、厚生省としても非常にけっこうなことだということで、この法人の許可につきましては、一両日中にその許可がなされる見込みになっております。
○武部委員 二十三億円は、全部日本自転車振興会から支出するのですか。
○横田説明員 そのように承知いたしております。
○武部委員 この種の研究機関は、従来から食品メーカーとかあるいは薬品メーカーとかそうしたものと結びついた、いわゆる業者サイドの研究機関というものがあって、そうした結果については、私どもとしてはあまり信用できないというようなことを思っておったわけですが、いまあなたの説明によると、これは純然たる中立の機関だとおっしゃっているわけです。競輪の収益などでこういうものをつくることは、私どもはあまり感心しませんが、いずれにしても、国がやるべきことをそうしたものがとにかく肩がわりをしてやるのだ。問題はその運営、内容、そうしたことに多くの問題点があろうと私は思うのですが、きょうはこの質問だけにとどめておきます。 この調子でいきますと、何時間あってもまだ足りませんので、時間も来ますから、私はあと二つ、三つはしょって質問いたします。 食品添加物その他に関連をして質問をいたしますが、私はいままで六回、コーラの毒性について質問をいたしました。きょうは七回目であります。たいへんしつこいようですが、どうも納得できないので、いま一つ、でき得ればこれで最終的にしてほしいと思うのですが、質問をいたしたいのであります。 まず疑問に思う第一点。カフェインは、従来から食品添加物の指定を受けていない。しかし、それは化学的な合成品であった場合には食品添加物の指定の対象になる、こういう答弁が従来から繰り返してありました。そうして天然物であればこれは自由である、違反にはならない、こういう話でありました。私はしろうとなりに、化学合成品であろうと天然物であろうと、その成分が同一であるのに、片一方は食品添加物として食品衛生法に違反であるし、片一方は違反ではないということについて、どうもふに落ちないということを何回かここでやってきたわけでありますが、しかし、そのことについては、何もカフェインだけの問題ではないようでありまして、これは論争がかみ合いません。 そこで、前回私がここで主張をして、金光環境衛生局長が答弁しました議事録をここへ持ってきたわけでありますが、少なくともこのカフェインというものは、他のものと違って人間の健康に影響を与えるものだ、特に中枢神経とか興奮剤とかいうような論争もしたわけであります。そういう点から見ると、含有量の表示をすべきではないか、少なくとも幼児に対して危険があるということをいろいろ論争したわけでありますが、先日西ドイツで、数回にわたって小児学会がコーラに対して警告を発しておる、これはごく最近であります。そういう事実も、私どもつかんでおるわけであります。したがって、当時環境衛生局長が述べた、食品衛生調査会で今後取り扱いについて検討する、少なくともコーラ飲料に対して、カフェインの使用基準というかあるいは許容量というか、そういう問題を考慮して調査会にはかっているという、これは四月二十四日の当委員会で回答がありました。西ドイツでは、このコーラのびんにカフェインの含有量を表示をした、これは事実であります。そういう点について、調査会はどのような結論を出しておるのか、これが第一点。 第二点は、燐酸とカフェインの比率について、私はしつこくこのことを皆さんに申し上げました。日本の国民の体質がカルシウム不足である、燐のとり過ぎであるということを、ここで何べんもやりとりいたしました。そのときに、国立衛生試験所の試験結果も全然ないという話でありましたが、具体的には国立衛生試験所のデータが私の手元にまいりました。そこでやりとりをいたしておりましたところ、カフェインと燐とのバランスは一体幾らになっておるかという最終的な報告が、金光環境衛生局長から出ました。カルシウム一に対して燐十一、これは議事録にはっきり——私はしつこく聞きましたので間違いない。一対十一という比率になっておる。ところが、コーラ会社の宣伝部長という人は、私がしつこくこの問題を追及したことを取り上げて、一対一・一だ、カルシウム一に対して燐は一・一で、これは理想的なバランスだ、こういうことを雑誌にも新聞にも発表いたしております。一対一・一なのか一対十一なのか。これは十倍です。これは明らかに、このコーラ飲料の中に占めるカフェインと燐酸の比率というものが、理想どころではない、全く十倍もの開きをもって含有されておるということを、金光環境衛生局長が認めたわけです。こういう点についてあなたのほうはどう考えるかということ。 第三点は、先日、私の手元に日本大学歯学部から手紙が参りました。これは新聞にも出ましたから皆さんもお読みだろうと思うのですが、コーラ類とドリンク剤の急性毒性についての実験をしたという詳細なデータが参りました。このことはすでに新聞にも、こういうふうに大々的に報道されております。少なくとも今日、私がこの問題を二年数カ月やりとりをいたしました際に、コーラ飲料の毒性問題については何らの回答もなかった。ドイツなりフランスなりアメリカで実験が行なわれておるにかかわらず、何らの実験もされておらない。私は日本で初めて、日本大学の歯学部の教室がこの実験をしたと思うのです。その結果について、ダイコクネズミを使っておるようでありますが、けいれんを起こしたり死亡したというようなことが、この中に詳細書いてある。これでもなお——コーラ飲料というものは、厚生省が私ともに答弁をしたように、全く有害だという事実はない、また子供に対して、燐とカルシウムのバランスについて、先ほど申し上げたようなことはないという答弁が続いてきたわけでありますが、一体この日本大学の歯学部の実験についてどうお考えなのか。いままであなた方の答弁というのは、実験も何もせずに、ただ単にコーラ会社の説明を受けて、オウム返しにそれを言っておられたかどうか知りませんが、実験も何もしていない。今回初めてこれが出たと思うのですが、これについての見解はどうなのか、この三点について……。
○横田説明員 御質問の三点にお答えいたします前に、天然カフェインと合成カフェインとの食品衛生法上の扱いの相違について、多少従来の説明が舌足らずであったような気もいたしますので、一言補足いたしておきます。 天然物であるカフェインにつきましては、これを添加いたします際に添加物としての指定は必要としない。合成品である場合には、添加物として指定をいたしませんと添加できない、そういうことでございます。そのカフェインが天然物であろうと、あるいは化学的な合成品であろうと、製品の中に入っておって、その含有量が保健衛生上危害があるというような場合には、それはその食品の成分規格をきめることによりましてそのような食品を排除する。つまり添加いたします際に指定行為を必要とするかしないか、その点の差異があるだけでありまして、これが入っております食品の有毒性等について問題がありました際に、それをやめさせるかどうかという、そういった問題になりますと、天然物も化学合成品もそれは違いはない、こういうことでございます。この点について、私も実は従来の議事録等を見ますと、多少舌足らずの御説明のようになっておりますので、補足いたしておきます。 それで問題は、御質問の中の、コーラについてカフェインの含有量が一体有毒なものかどうかということにつきましては、先ほど先生の御質問の中にもございましたように、現在私どものほうで食品衛生調査会にその検討を依頼しておりまして、それに基づくいろいろな試験は、国立衛生試験所で現にまた継続して実施しておるところでございます。現在まで中間的に私どもが聞いておりますところでは、その程度の含量では保健衛生上危害があるということではない、こういうふうなことに承っております。したがって、現時点で、たとえば表示の点についてどうするとか、あるいはコカ・コーラにつきましての成分規格をどのように定めるとか、そういったことはしておらないということでございます。さらに研究が進みまして、その結果何らかの措置ができるようになりましたならば、もちろんそういった措置をとることについては、私どもも決して消極的ではないわけでございます。 次に、燐とカルシウムのバランスでございますが、燐が十一に対してカルシウムが一、これは御指摘のように、国立衛生試験所において実施いたしました試験の結果このような数字になっておりまして、これと違った数字の発表が当該会社の宣伝部長等によってなされたと伺っておりますが、その数字は正しい数字ではありません。 それで問題は、燐とカルシウムのバランスの問題でございますが、これは主としては栄養上の問題でございまして、当該食品の燐とカルシウムのバランスが、先生御指摘のように一対二または二対一、これくらいならば、栄養学的には非常にバランスがとれた食品といえる、こういうことでございます。したがって、このバランスが十一対一になっておるからといって、保健衛生上危害があるというふうには結びつかないというふうに、私どもは専門家から伺っております。たとえば天然物であります米につきまして申しますと、燐が二十五に対してカルシウムが一、そういったバランスになっております。したがって、栄養的にバランスのある食事をしていただくためには、いろいろそういった食品に含まれております各栄養素の一すべてを考えて、総合的に適当な調理なり何なりをしていただく、そういうような摂食態度が望ましい、こういうことはいえるわけでありまして、単品の食品をとって、そこにおける燐とカルシウムのバランスがよくないからその食品はよくないというようなことではない。これは言い過ぎかもしれませんが、米等を考えてみますと、そのようなことになります。ただしかし、コーラについては合成するものでございますから、できるだけ栄養上問題のないようなバランスになることは望ましいことであるとはいえると思いますけれども、十一対一と申しますのは、そういった栄養上の問題が主たる観点であるということを申し上げておきます。 それから三番目の、日本大学の歯学部の田村助教授が行なわれた実験でございますが、この実験の内容につきましては、私どももある程度専門家を通じまして詳細に承知いたしております。 簡単に申しますと、このコカ・コーラを腹腔内に注射いたした場合、それから十分の一に濃縮したものを胃の中に注入して行なった場合の、動物実験の結果を見ておられるわけでございますが、従来食品関係の毒性評価につきましては、私どもの聞いております専門家の話によりますと、経口的に実験するのが常道である、そのように伺っております。したがって、こういった腹腔内に注射するとかあるいは十分の一に濃縮したものを胃内に注入するというようなやり方は、従来は食品の毒性評価の場合にはとられておらなかった実験方法であるやに承っております。 それから、この十分の一に濃縮したものを胃の中に注入したという点でございますが、これは数字で見てみますと、体重百グラム当たりに三ミリリットルを投与いたしておるようでございます。したがって、人間の平均成人の場合の体重五十キロに換算いたしますと、濃縮液で一・五リットルを投与いたしておるわけであります。原液にいたしますと十五リットルですから、大体八升五合くらいですか、そのくらいの大量を一回に胃の中に投与をしたことと同じ結果になっておるわけでございます。したがって、現実問題といたしましては、一回に十五リットルのコカ・コーラを飲むというのは、もちろん不可能でございますし、危険性の予知手段として行なう実験でございますから、多少の安全率を考慮いたしたとしましても、この濃縮液を一時に十五リットル人間に与えたような、そういうやり方による実験方法というものについては、学問的にいろいろ問題があるやに伺っております。 これは、私ども専門家でございませんし、先生の御指摘でもございますので、さらに田村先生の実験の結果の評価につきましては、国立衛生試験所のしかるべき専門家等とも十分打ち合わせをいたしまして、その結果しかるべき評価をし、必要があれば、その評価によっていろいろな措置を考える、このようにさせていただきたいと存じます。
○武部委員 わかりました。わかりましたが、最後の点は、確かに経口投与と腹腔注入の場合のデータが出ておりますが、私どもしろうとから見てもわかるように書いてありますが、相当な症状が出ております。相当開きがあります。こういうことは初めてのことですから、きょうは国立衛生試験所の所長さんにお見えをいただいたわけでありますが、この新聞が出たときに、国立衛生試験所の加藤隆一薬理第二室長という方の話がここに載っておりますが、おっしゃるように、「腹腔注射のデータだけで危険性を判断するのは早計だ。しかし、それほどの強い作用を示したとすれば無視するわけにはいかない」。厚生省の食品衛生課でもそういうようなことを言っておるわけで、「長期の慢性毒性を調べないといけなくなる」というような話も載っておりました。きょう私がこれを申し上げましたのは、いままでそういうデータも何をないから、ここでしろうとなりにやりとりしておっても、外国の例だけを取り上げてみておっても、これはもう平行線ばかりたどっておった。たまたまこういうデータが出ましたので、国立衛生試験所のほうで、これを参考にしていただいて、何らかの参考的な御意見を承れれば、こう思っておいでをいただいたわけでありますから、御意見をひとついただきたいと思います。 それから、一対十一の問題は、何も会社の宣伝部長が言ったからといって、ここで私が取り上げようとは思いませんが、少なくとも一対一・一が理想的なバランスの飲料だという宣伝を見て、私は大きな憤りを感ずるわけです。一対十一であるものを、一対一・一だと言って、理想的なバランスをとったものだと言ってごまかしておるところに、私は大きな問題があると思うのです。これは国立衛生試験所の調査がはっきり出たのですから、私はこれはこの点で黒白がついたと思います。この点について、国立衛生試験所の所長さんにひとつお伺いをいたしたいと思います。
○川城説明員 お答えします。 ただいまの先生の御質問にございました日大歯学部の実験のことに関しまして、これは概略のことは、ただいま横田審議官がお答えを申し上げたとおりでございます。衛生試験所といたしましては、あのデータに関しまして、なお非常に過酷な条件のもとで行なわれたという考え方を持っておりますけれども、念のために、あの条件でもってひとつ追試をしてみたいということで現在やっております。まだ申し上げるまでの結果に立ち至っておりませんが、実施中でございます。
○武部委員 ありがとうございました。 それでは、時間の関係で、私はあと一つだけにして、同僚議員に譲りたいと思います。 この消費者保護会議の資料の最終のほう、三八ページに消費生活協同組合、消費者運動について項目が載っております。かねてわれわれは、消費者運動の一つのとりでとして生活協同組合というものを強化すべきではないかということを、何回かここでも申し上げたことを覚えておるのでありますが、すでに佐藤総理は閣議でこの問題に触れて、総理自身が生協の育成強化ということを発言され、大々的に報道されました。したがって、一体この生協の所管官庁である厚生省は、こうした総理の発言を受けて、育成強化についてどのような具体的な対策を立てようとしておるのか、これを最初にお伺いしたいと思います。
○伊部説明員 消費生協の役割りにつきましては、ただいま先生御指摘のとおりでございまして、消費者保護の一環としても消費生協の育成強化を厚生省としてもお願いして、この中へ取り上げていただいたのでございますが、厚生省といたしましては、ここにございますように、資金の融資の問題についての改善、あるいは法律制度の上におきまして最近の実情に必ずしもそぐわない諸点がございますので、それらの点についてただいま検討いたしておる段階でございます。
○武部委員 生活圏なり経済圏の変化ということが現実に起きておりますね。そういうことで、特に県境にあるところの生協が、二県にまたがって活動をするという、そういう地域制限の緩和ということを主張するのは、私は当然だと思うのであります。現在でも、単位生活協同組合が他の都道府県の生協に対して援助、協力を行なう、そういうことは法律上何ら制限はないのであります。ある単位生活協同組合が他府県の生活協同組合に対して援助、協力を行なうということについて、法律的には問題はないというふうに考えておりますが、それでよろしゅうございますか。
○伊部説明員 援助のしかたにつきまして、いろいろ一般論としては申し上げにくいかと思います。
○武部委員 それはどういうことですか。
○伊部説明員 たとえば他の消費生協のいろいろ技術指導をするとか、職員の養成訓練に当たるとか、相談に乗るとかいうことは、きわめて適切な仕事だと思いますけれども、たとえば資金を融資をするということになりますと、現行生協法上適当であるということは断定できないと思います。
○武部委員 その、資金の援助をすることには現行法上適当でないというのは、どこの何条ですか。
○伊部説明員 生協といたしましては、やはり自分の組合員のために最も有利なる活動をするということをたてまえとすべきである。したがって、その、他の組合に対して融資をしていくということが、成規の代議員会その他の手続を経、かつ一般の金融機関よりも有利であるというような場合におきましては、まさに生協の活動の一環として適当だと思いますが、そうじゃない場合につきましては議論があると思いますので、一般論としては申し上げにくい、そういう趣旨でございます。
○武部委員 成規の総代会といいますか代議員会、そういうものの議を経て、たとえばAという生活協同組合が、他県のBという生活協同組合が困っておるので、一時的に資金を貸してあげて、その生協を立て直すとか、いろいろな意味で協力をするというのは、問題はないのです。法的に何ら制限はないのですよ。あなたのおっしゃったことは、本来組合員の利益を守るべき生協が、そのことをほっておいて、よそのところの生協に口を出しておる、そして自分のところの生協がつぶれてしまうとか、そういうことがあってはならぬ。そういう意味のことでしょう、あなたのおっしゃっておるのは。
○伊部説明員 ただいま申し上げたとおりでございまして、いろいろ個別のケースによってニュアンスが出てくると思います。したがって、他県の生協を援助することが、すべて適当であるというふうにはいえない、こういう趣旨でございます。
○武部委員 これはちょっと大事なことなんで聞いておかなければならないのですが、あなたは、それは生協法の第何条のどこをさして言っておるのですか。
○伊部説明員 生協法のたてまえといたしまして、やはり組合員に有利の仕事をするということだと思いますので、それ以外に、たとえば長期にわたり資金を融資をするというようなことは、生協法のたてまえ上やはり適当じゃないんじゃないか、そういう資金があれば、たとえば配当をするとかあるいは償還をするとか、あるいはより価格を下げるとか、より積極的な活動をするということが本来の姿であろう、というふうに申し上げておるわけでございます。
○松平委員長 社会局長に申し上げますが、武部君の質問は、第何条に書いてあるかという質問ですから、君は、第何条にあるということを言わなければだめじゃないか。
○武部委員 私が言っておるのは、そのたてまえであなたがそういうふうに解釈をして、AというものがBに対していろいろと——それは生活協同組合というものは、あなた方のほうも、地域制限の緩和とか撤廃とかということを、きょうの報告書にありますが、そういうことをして県境のワクをはずそうというようなことを考えておられるわけですね。ということは、生協運動というものは、もうそういう一つの地域に制限をするということではなしに、消費者運動の一環としてこれを育成強化、拡大をするのだ、このような方針が出ておる。総理もそのように発言されておる。したがって、自分のところのやつがうまくいかぬのに、よその生協にまで金を貸すばかはいないのですよ。たまたまそういう連帯の上に立って、あそこも救って立て直さなければならぬというために金を貸すのに、組合長一存で貸すばかはいない。それは総代会ではかったりして、決算も全部承認されるわけですから、そういうことで協力をするという点は、私は何ら法的に差しつかえない。あなたが法律のたてまえ、たてまえと言われると、法律の第何条のどこに書いてあるか、こういうことになるので、そういう点について、それならばあなたのおっしゃっておることを、かりにAという組合がBという生活協同組合に、一千万なら一千万という融資なり援助をしようと持っていったときに、あなたはそれを一々チェックをして、内容を全部調査をして、それで貸してもいいとか悪いとかということを言われるのですか。そういうことはないでしょう。
○伊部説明員 生協は言うまでもなく、その組合員及び会員に最大の奉仕をするということを目的といたしておりますので、その点は第九条にあるわけでございますが、その趣旨に違反をしないということを条件としてそれは適当だと思いますが、それは個々のケースによりまして非常にデリケートな点があろうと思いますから、一般論としては申し上げにくいということを申し上げたわけでございます。
○武部委員 私はあなたのお話をすっきり受け取れませんが、それじゃ、あなたの考え方もお伺いいたさなければなりませんので、具体的な問題について質問いたします。 生協の指導育成についてという社会局長の通知で、七月十六日に各都道府県知事に対して文書が出ておりますね。この中をずっと読んでみますと、私は三点問題点があるように思います。この三点について御見解を承りたいのであります。 一つは、この通知は文字どおり、表題どおり考えると、指導育成であります。同時に、総理その他の発言から見て、また、この消費者保護会議の項目から見て、当然これは育成強化でなければならぬ。ところが、この中の(2)の項に「組合にあっては、原則として二千人以上が加入する見込みが確実である」ということが第一点。これは現行生協法上は三百人でありまして、これを「二千人以上が加入する見込みが確実である」ということをお書きになったのはどういう理由なのか。 (3)出資金、これは「原則として五千円以上とすること。」こういうふうに書かれておりますが、現行法上はこれはありません。そういう法律上の制限はない。これをなぜそのようにされたのか、その真意は一体何なのか。 それから第三番目の点は、(6)の項に新聞等による広告の自粛、これは「組合の事業対象は原則として組合員に限定されるべきものであるから、例えば不特定多数人に対して新聞、テレビを利用する広告を行なうが如き行為は厳に慎まなければならないこと。」こういう項目があります。 私は、この三点について疑問がございますので、お尋ねをするわけでございます。 第一は、先ほど申し上げたように、現行三百人という規定があるにかかわらず、なぜ二千人ということをあなたのほうはここではっきり記載されたのか、その真意はどこにあるのか。 出資一口五千円と書いてありますが、これは現行法上にないのに、なぜこういうことをお出しになったのか。 三点目の広告の点については、これはもう言わずもがな、現在農協あたりがやっておることはあなたも御承知のとおりと思いますが、農協あたりの宣伝、テレビ、新聞に大々的にあれをやっておりますね。農協は、御承知のように員外利用は二割であります。そういう点、あるいは先進ヨーロッパ諸国の中で、半数以上も生協に加盟しておる。そういう国では、大々的に広報機関を利用して宣伝をいたしております。これは言うまでもなく消費者生活運動、そういう面について、生協の実態というものを宣伝する、そして消費者運動を高めよう、あるいは消費生活協同組合をつくろう、こういう動きが顕著にあらわれている。私はそういう具体的な活動の面で、当然過ぎるほど当然なことだと思うのです。 新聞にきのうも出ておりましたが、町田市で青空生協というものが、主婦の皆さんの苦労によってできかかっておる。こういう点で生協をつくろうという団地の主婦さんあたりが、そういうことについて県知事のほうに相談にいくと、あなたのほうでお出しになった通知を——これはあなたの真意かどうかわかりません、これからお聞きするわけですが、これをたてにして、その設立を渋る、認可を渋るという具体的な事実が各所に起きておりますが、そういう事実について、あなたのほうはどういうお考えなのかお伺いしたい。
○伊部説明員 本年七月十六日に、ただいま御指摘のような「消費生活協同組合の指導育成について」という通知が出ておるのでございます。この趣旨といたしましては、実はこの前後におきまして、東京住宅生協という住宅関係の生協組合におきましていろいろ問題が起きまして、この点につきまして、生協を育成しようという立場あるいはその時期に際会しておるときでございましたので、非常に心痛をいたしたのでございます。そこで、これらの問題にもかんがみまして、今後一そう生協の財政の基礎を安定することが重要であるということを考えたのでございまして、そのことを念頭に置いての通知でございます。したがいまして、ここにいずれも、たとえば「原則として」とございますように、これが絶対的基準という趣旨ではございませんで、これをめどとして、そのほうが望ましい、最近の生協の事業活動からすれば望ましいという趣旨でございまして、このケースについて、これ以下のものは絶対いかぬという趣旨のものではないのでございます。 たとえば小さな団地で、まだ数百人しかおられない。そこで生協を始めようというのを拒否するという趣旨ではないのでございます。 また、出資の問題につきましても、昭和二十四年の通牒では少なくとも五百円、できれば千円程度を目途にせよということが明らかにされておるのでございますが、その後の経済活動が大きくなっておる、あるいは所得水準が向上しておるというようなこと、あるいは特に事業活動を行なう上におきまして、言うまでもなく自己資金が相当あることが望ましいわけでございます。そういう趣旨におきまして、やはり組合員一人当たり五千円程度が望ましいという趣旨でございます。この場合、その五千円というのは、必ずしも一ぺんに払われるということを期待するわけではございませんし、また組合員は幾つかの口数を持つわけでございますので、平均的に五千円は少なくとも達成をしたい、この点は、近畿あるいは首都圏の地域生協の現在の平均的実績を見ましても、約七千円程度になってきておりますので、今後の指導方針としては、この程度を目途にいたしたいというふうに考えておるのでございます。 最後に新聞広告のとこでございますが、こういう事業活動をする上におきまして、言うまでもなく一般の方々に対してPRすることはきわめて肝要なことであります。そのことをとやかく申しているわけではございません。ここで書いてありますのは、実は住宅事業を行なう組合等におきまして、当初から員外利用を前提としたような広告をされる。団地ができた、ついては買ってもらいたい。住宅生協は組合員にその住宅を供給する事業でございますので、それを初めから員外利用ということを前提にするような新聞広告は適当でないだろう、こういう趣旨でございます。 いずれにいたしましても、いろいろだだいま御指摘のような問題もございまして、この通牒の趣旨につきまして、いま少しく解釈を明らかにするものを地方に流したいというふうに考えております。
○武部委員 それならば大体話はわかりました。したがって、あなたのほうの通達が、認可基準ではなしに努力目標だ。どこの生協もそうですが、たとえばいま千円の出資金をやっているところは、できるだけ出資金をふやそうということで、組合員に働きかけて、そして総代会ごとに順次ふやしていくようですね。それから、会員もできるだけ多数を募集して、生協そのものが健全な発展ができるような方法をとっておるわけです。そういう面で、おっしゃるように七千円になったり、私の県では五千円くらいになっておるところもあるようですが、そういうふうに順次なってきておるのです。ただ、先ほども申し上げたように、この通達を曲解をして、あなたの見解を曲解をして、いま申請される新しい主婦の生協とかそういうものに、二千人以上で持ってこなければ認可をしないとか、一口五千円以上の出資金でなければだめだとか、そういうトラブルが現実に地方自治体の中で起こっておる。あなたのおっしゃった三番目の広告やテレビの問題についても、確かに住宅生協のああいうやり方はいけません。ですから、そういう点について指示されることはけっこうだが、この通達を見ると、普通の一般の消費生活協同組合は全部これに抵触するというふうにとれるのです。とっておる向きがある。それはあなたの真意じゃないかもしらぬ。したがって、この通達の撤回が望ましいけれども、できなければそれにかわる十分な措置をとっていただいて、地方においてそういう、これは認可基準だと思い込むような人のないように、これは努力目標で、そして生協が発展するためにはそういう措置をとっていかなければならぬのだというような厚生省の真意を、至急に各都道府県知事に対して、関連する文書としてお出しいただく、その点よろしょうございますね。
○伊部説明員 ただいま御答弁申し上げたような趣旨を地方に通達をしようというふうに考えております。
○武部委員 時間がたいへん経過いたしました。ほかの皆さんにもせっかくおいでいただきましたが、時間が経過いたしましたので、私はまたの機会に譲らしていただきたいと思います。
○松平委員長 この際関連質問を許します。和田耕作君。
○和田(耕)委員 いま武部委員から問題にされました生活協同組合の問題についての関連質問をしたいと思います。 いま武部委員が問題にされました「生活協同組合の指導育成について」という社会局長名の通達ですね、これを私、一見いたしまして、指導育成ということばが逆なような感じを受ける。現に実際やっておる人もそういうふうな感じに受けている。武部委員が言われたように、あちらこちらで、二千人の組合員と五千円ということと、宣伝をやたらに——やたらでなく、ほとんどしてはいかぬととれることばを悪用して、新しい生協あるいは生協の運動の発展をチェックしておるという状況が出ておるわけですね。武部委員からの質問に対して、この運用について、努力目標であるということの明確な指示なり説明をするというおことばなんですけれども、それはそれでいいのですけれども、ここで私はただしておきたいことは、つまり現行法では三百人という数字が載っておりますね。この法律があるのに、ここで二千人というものが確実であるものを生協として認めるということを言外に含ませるこのことばは、これはどうですか、ことば自体が一つの問題じゃないですか。現行法には三百人とはっきりきまっているわけです。努力目標にしても、こういう形で、二千人の組合員が確実である場合というふうな表現は、これはちょっと問題じゃないですか。
○伊部説明員 組合の人数につきましては、たとえば健康保険組合もたしか三百名だったかと思いますけれども、ほかのところもおそらくそういうところが多いのじゃないかと思いますが、実際問題としてはあまり小さいのはないのじゃないか、そういう趣旨で二千名程度をめどにということでございますが、つとめて財政を健全化するという趣旨に出ておるわけでございます。
○和田(耕)委員 私も、三百名くらいの組合員で生協がうまくいくとは思いません。また現在の、昭和初年以来の生協が失敗した例は、小さな生協で、しかも管理運営がうまくいかないとか、財政的な基盤が足らないとか、最近の住宅生協のような問題、もっとこまごました問題が何回となく起こっておる。こういうことが国民の信用をなくして、生協が幾たびも出てこれないということはよくわかっています。したがって、ここの二千人というような相当安定した規模あるいは五千円という組合費で、とにかくやっていこうという意図はわかるのですけれども、しかし、この書き方はよく読んでみると、生協というものを今後伸ばしていこう、ぜひともこういうふうな規模にしたいのだという書き方じゃないのですね。何か生協の運動というものをやっかい視するような書き方になっておる。それだからこそあちらこちらで、あなたの通達のことばを利用して、悪用して生協の発展を押えようとしている運動が出ておるわけですね。そういうことですから、今度説明をお出しになる場合にも、あくまでも指導育成ということですね。そして、これをとらまえて、何とかこういうものができてほしくないと思う非常に強力な勢力があるわけですから、そういうことをお考えになって、今後政府として生協を盛り立てていくという意思が具体的にあらわれるような説明がほしいのですね。 また、この通達で、あなたはいろいろおっしゃいますけれども、いまの二千名の制限、五千円の組合費というこの意味はよくわかります。私もそうでなければいかぬと思います。そういうふうな目標は望ましい。もしあなたはほんとうにそう考えておれば、いま武部委員も問題にした(6)の広報宣伝を自粛する、こういうことばは出てこないのじゃないですか。員外利用という問題ではなくて、いまの少ない人数の生協をもっともっと、二千人にしよう、それ以上にしようという気持ちがほんとうであれば、こういうことばはついてこないのじゃないですか。こういうふうな宣伝をしなくてどうして大きくなりますか。そういう点にも、通達の中に含まれておる何か奥歯にはさまるような感じを受けるわけですね。またこれは、生協が組合員自身の問題だから、組合員以外の者にあまり宣伝されては困るという、そういうことば自身はわかりますけれども、しかし、政府も、総理大臣自身も今後生協を育成しようとしておる。またあなたも、ここで二千人を原則とするということばをつけておる。現在の小さなものを二千人あるいはそれ以上にするためには宣伝しなければならぬ。いや宣伝してはならない、これはいけないのじゃないですか。私はそう思うのです。
○伊部説明員 広告の趣旨につきましては、ただいま武部委員にお答え申し上げたとおりでございまして、生協の趣旨の普及ということはきわめて生協活動の基本でございます。この点につきまして、いろいろな形での普及活動が行なわれるということは当然でございますが、実はここで念頭にありますのは、当時すでにでき上がっておる団地を不特定多数人に対して購買を求めるというようなことが見受けられましたので、その点は適当でないということを書いたのでございまして、この点先ほど申し上げましたとおり、この通牒全体としてことばが少し足りない点があるように思います。その点は、両先生の御意図もよくわかっておりますので、十分徹底するように手配をいたしたいと考えております。
○和田(耕)委員 この問題はこれ以上申し上げませんけれども、生協自体の中にも、役所の人たちや自民党の諸君に誤解を起こさせるような運動もあると思います。いろいろ生協運動を非常な高度なイデオロギーに利用したり、そういう運動があると思いますけれども、現在の日本の段階というのは、もうイギリスやスウェーデンにあるような本格的な消費者活動として、あるいは物価対策として、あるいは正しい商品を国民が買う運動として、本格的なものが出てこなければならない時期なんですね。そういう意味でおそらく総理大臣も、自分の行政という権力だけでは、当面しておる物価の問題も消費者保護の問題も解決できないということで、あちらこちらで、言うことだけは、消費者運動に期待するとかいろいろなことを言っておられる。この前もこの委員会で、私は佐藤長官にただしました。いま起こっている消費者運動をどういうふうに理解しておるんだと言ったら、前向きに理解しているんだ、何とかうまくやっていきたい、奨励したいというような答弁でございました。 これは非常に大事な問題であって、つまり現在起こっておる消費者運動というのは確かに行き過ぎもありましょう、あるいはイデオロギーの面もありましょう。しかし、こういう運動の推進を考えなければ、総理大臣がここで言っておられる方針というものは実行できないじゃありませんか。物価の問題でも、確かにりっぱなことは言っておられる。言っておられるけれども、何一つ——効果のあることをおやりになりましたか。やりはしない。つまりこれをやらすということが、消費者運動を健全に発達させていく道なんです。その中核は生協なんです。そういうふうな意味で、ことばだけでなくて、こういう機会に、日本でも正しい生協というものを発展させたいという気持ちのにじみ出るような指導が必要なんですね。これは残念ながら、われわれ政治家自身にもなかなか問題があるのです。強力なあれがあるのですから、あなた方自身がそういう方向は、もっとしっかりしたたてまえをもって、方針をもってやってもらいたい。この指導要領の場合は、受ける印象は全く逆なんですよ。また現に、そういうふうな逆のものとして受け取っておる例が多いのですから、ぜひともこれに対する納得のいくような説明をつけてほしい、このことをお願いしまして、私は関連質問を終わります。
○松平委員長 松浦利尚君。
○松浦(利)委員 まず最初に、企画庁に総括的なことをお聞きしておきたいのです。 この「消費者行政の推進について」という内容を先ほど説明を受けたわけですけれども、この内容の大半が、本委員会で再三にわたって議論されたことなんです。そうしてまた同じように、きょうの残留農薬の問題などは、武部委員に対する政府委員、説明員の発言を聞いておると、一つも前向きではない、前の委員会で言ったとおりのことを同じように言っておるわけですね。ですから、いままで物価委員会でいろいろと提言をし、議論をしてきたことが、一体どういう形で消費者のために、物価行政として、あるいは消費者行政として出てくるのか、たいへんに疑問に思うのですね。いまあなた方、得々としてこれを提案なさったけれども、このほとんど全部は本委員会で議論されておる。しかも答弁の中で、善処しますとか、検討させますとかいうようなことばかりなんですね。それをことさらにいままた、こういうふうにいたしましたからといって、ここで提案説明をなさる。どうもここの物価委員会を軽視しておるのではないかという気がしてならぬのですが、その点、物価の担当としての企画庁としてどう思われますか、そのことをまずお聞きしたい。
○山下説明員 去る十一月十七日の第三回消費者保護会議におきまして、当面関係各省庁において実施すべき事項、それから、やや長い期間におきまして実施すべき事項を決定いたしたわけでございます。 その内容は、本委員会あるいはその他の委員会において議論をされました問題が多いということも、御指摘のとおりだと思いますが、消費者保護基本法に基づきまして保護会議が設けられておりまして、これで消費者保護に関連をいたします関係各大臣をもって構成しております保護会議におきまして、消費者保護に関する行政の方針なり、実施なりについての促進をいたしますために、去る十一月十七日の第三回の保護会議で、当面問題になっております事項についての対処方針、その具体化についての検討をいたしたわけでございまして、あるいは、かねがね御指摘の問題についてなかなかその具体化が進まないという御意見はあると思いますけれども、消費者保護基本法の保護会議の事務局を担当しております経済企画庁といたしましては、それぞれの関係省庁におきまして、これらのかねてからの御指摘をいただいておる問題についての前進をはかりますための一つの整理といたしまして、保護会議を開いたわけでございます。こういうことを重ねていくことによりまして、いろいろいま御指摘をいただいております問題の具体的な前進をはかる一つの方法になろうかと思います。 今後の実施につきましては、保護会議であげられました事項を中心にいたしまして、国民生活優先という方針にのっとりまして、決定事項実施のために関係各省庁と常時連絡をとりながら、この決定が十分実施をされてまいりますように、十全の措置を講じてまいりたい、このように考えております。
○松浦(利)委員 大臣がおられれば大臣にお願いをするのですけれども、何べんも何べんも委員会を開いて、政府委員との間にこれのやりとりをやって、そして、前向きに善処しますとか、あるいは検討しますというようなことで——具体的にこの委員会で出されたら直ちに実行しなければ、総ざらいでまたこういうものを出してきて、これからまた始めますということでは、本委員会で何のために議論したのかわからないから、いままで言ったことを、ここであなたをいろいろ追及してもしかたありませんので、せっかくまとめて、消費者行政の推進について提案をなさったわけでありますから、必ずこれを実現させるように、国民のために必ず実効があがるように、企画庁にぜひ御協力と御努力をいただきたい、こういうふうに御要望申し上げておきたいと思います。 まず簡単なことからお聞きしておきたいと思うのですが、これは本委員会でも問題になりました、例の清酒に含まれておる防腐剤の問題です。これは御承知のように、本委員会でもたいへん重要な問題になって、政府のほうでは、これに対して善処するという回答がなされておるわけでありますけれども、サリチル酸の使用を自発的に取りやめるということを、四十四年十月二十八日、国税庁のほうから酒造業界に対して指導しておられるのです。しかも、厚生省自体もこれに対して、国税庁との間に連絡をして、防腐剤は廃止するようにという連絡をなさっておられるようでありますけれども、依然としてこれが除去されておらない、依然として酒の中に含まれておる、こういうことについて、どのように国税庁としては考えておるのか、また厚生省としてはどうされようとしておるのか。もし現在防腐剤が用いられておるとするならば、いつこれが除去されるのか、あわせて御答弁をいただきたいと思います。
○藤原説明員 サリチル酸の問題につきましては、先生も御指摘のとおり、昨年、安全性についていろいろと問題が提起されまして、そういうあれを受けまして、私どもといたしましては、今後サリチル酸の使用を自粛していくということを強力に業界に勧奨いたしまして、清酒中央会といたしましてもそれを受けまして、いろいろ理事会等の決定を経まして、今後——昨年の場合でありますと、四十四年につくる酒等につきましては原則としてサリチル酸を使わないということで、各メーカーにその趣旨を徹底して指導してまいっておるところであります。 サリチル酸の安全性の問題につきましては、いま厚生省でよく御検討いただいているわけでございまして、またその方向に沿いまして、ひとつ今後の措置についても検討してまいりたいと思っておりますが、現在の段階としましても、そういう問題を一応持たれているサリチル酸は極力使わないということで進めてまいりたいと存じております。
○横田説明員 サリチル酸の問題につきましては、一応使用の状況はただいま国税庁からお答えのとおりでございまして、私どものほうでは、これにかわるような、より毒性の弱いそういった防腐剤が開発使用されることが望ましいということでございます。 それから、サリチル酸自体の毒性等につきましては、実はそのもの自体、毒性がきわめて強いという程度のものではないわけでございます。たとえば急性毒性について見ますと、経口投与いたしました際のLD50が千五百ミリから二千ミリグラムということで、そのもの自体は非常に毒性が強いというものではございませんで、似たようなものがいわゆるアセチルサリチル酸ということで、御承知のような、アスピリンとして使われているというようなものでございます。 ただ問題は、こういったようなものが酒の中に含まれておりますと、人によっては、非常に多量の酒を一時にお飲みになる方もいらっしゃいますので、あるいは従来知られておらなかったような毒性等が出ては困るというので、実はこのサリチル酸を多量に摂取いたしました場合、あるいはこれを長期にわたって摂取いたしました場合に、どのような毒性が発現するかということについて、国立衛生試験所でもって実験をいたしておるところでございます。この実験の結果につきましては、まだ最終報告を受けるに至っておりませんで、多少の、ある程度のことについて中間報告はいただいておりますけれども、具体的に、長期連用の場合あるいは一時に多量に使った場合にどうなるかという点について、きちっとした確実な科学的なデータは、ただいまのところ持ち合わしておりません。 ただ、繰り返しになりますが、とにかく毒性の点からいってあまりけっこうなものではございませんので、できるだけこれが早い機会に酒から除かれることが望ましいという点については、国税庁とも意見が一致いたしておりまして、また私どものほうからも、そのようにしていただくようにかねがねお願いいたしているところでございます。
○松浦(利)委員 千葉大学の小島博士が日本公衆衛生学会総会で、清酒に添加してあるサリチル酸の毒性については、動物実験をした結果、体重六十キロの人間で毎日〇・六リットルずつ飲む人については、摂取量の安全度許容を越えておる、こういうことを、現実問題として研究発表されておるわけですね。そうすると、清酒を〇・六リットルずつ飲む人というのはたくさんおるわけですね。しかも本委員会では、これについては再三にわたって、武部委員からも指摘されているところなんです。厚生省としては、依然として、いや、それについては国立衛生試験所のほうで研究し調査をやっています、こう言われていますね。それでは、実際問題としてアザラシ児といわれているサリドマイド児、こういう人が出たら禁止をする、何か人間に奇怪なことが出たら、表面的に事故が起こったら禁止をする、こういう以外に方法はないのですか。その点どうですか。
○横田説明員 サリチル酸の毒性につきましては、実はいろいろな先生によるいろいろなデータ、私どももいただいております。これについて私どものほうでは、国立衛生試験所の毒性部で目下検討中でございますので、その結果が出ませんと、これがどうであるという最終的な結論は申し上げられないわけです。ただ問題は、防腐剤でございますから、非常に毒性が低いものであることが望ましいし、いま先生御指摘のように、一時に多量の酒を飲まれたり長期に連用をいたしました際には、酒それ自体をたくさん飲まれることによっての障害等とあるいは重なることもあり得るでしょうし、いろいろな問題が出てまいりますので、できるだけ早い機会にこういったものは避けることが望ましいということでございます。 それから、ただいまお話しになりましたように、サリドマイドのホコメリアの問題もございましたが、サリドマイドのホコメリア等の問題につきましては、これは非常に新しく開発された薬でございますし、そのもの自体がどのような毒性を持っておるかということについての、あまり長い期間にわたる学問的な知見もなかったわけでございます。このサリチル酸は、非常に古い時代から酒の防腐剤として使われておりますので、サリドマイドによるホコメリアのような問題とは、いささか問題の類型を異にするかとは存じますけれども、ただしかし、こういった化学合成品による毒性の問題については、念には念を入れて検討する必要がございますので、まずさしあたって自主的に御使用を慎んでいただいて、その期間内にできるだけ早くこの毒性についての検討を加えたい。この毒性の検討につきましては、先ほど武部先生の御質問の際にもお答えいたしましたように、従来ですと、この毒性は、先ほど申し上げましたLD50のような急性毒性を検討して、その結果いろいろな物質を使わせたり使わせなかったりということのきめ手にいたしておりますが、最近は、できるだけ長期にわたっての慢性毒性についての知見も得まして、その結果そのものの取り扱いをきめるということでございませんと、非常にあぶのうございますので、そうなりますと、慢性毒性は、非常に順調にその知見が進みました場合でも、はっきりした学問的な結論が出るのには少なくとも三年かかるというような問題がございますので、極力急いでこのものについての学問的な黒白をつける努力はいたしておりますが、現在のところは、ただいま申し上げましたようなことで、中間的な段階にしかないわけでございます。
○松浦(利)委員 いまの答弁を聞いておりますと、実験結果で黒が出たら禁止すると、こういう言い方ですね。実験結果黒が出るまでは自由に使ってよろしい、こういうふうに聞こえるのですが、その点どうなんですか。その点だけはっきりさせてください。
○横田説明員 実験結果黒が出た場合は禁止する、これは当然のことでございますが、それまでの間、防腐剤についての毒性はできるだけ弱いものであることが望ましいわけでございますから、特に酒については、国税庁が酒造業者に関する監督等をしておられる物資でございますので、国税庁にお願いをいたしまして、そのものの使用をできるだけ早い機会に自粛させていただくようにお願いし、かつ、その実効が相当あがっておると伺っております。 したがって、黒白が出るまでの間は自由に使用させるということではございませんで、黒白は出ませんが、疑わしいものについては使用が自粛ないしは中止されることが望ましいわけでございますので、それなりの努力をいたしてもらっている、こういうことでございます。
○松浦(利)委員 国税庁は、いつごろ禁止されるのですか。酒造業界の自粛はいつごろですか。
○藤原説明員 先ほど申し上げましたように、去年十月二十八日に、私どものほうは清酒の酒造組合中央会に対しまして勧奨をいたしまして、正確な日にちは覚えておりませんが、その一週間くらいあとに、清酒の中央会としてそういう決定をいたしまして、傘下の各業者にその趣旨を徹底いたしております。
○松浦(利)委員 徹底はしましたか、完全ですか。
○藤原説明員 徹底していると思っております。 全体の数字は押えておりませんが、私どもに鑑定官という技術者がございますが、先般主任鑑定官会議を開催いたしまして各地の状況を聞きましたが、ごく例外的に使われている、たとえば非常に弱い酒と申しますか、微生物の作用でございますので、非常に火落ち菌が発生しやすいので、たまたまできました場合、そういうような場合に例外的に使われているというくらいで、原則的にはほとんど使われていない、こういう状況でございます。
○松浦(利)委員 私はあいまいなことはきらいですから、来春の新酒は、来年から出回る新酒については一切入っておらない、例外を除いては、こういうふうに理解していいのですね。
○藤原説明員 そういう方向で指導してまいりたいと考えております。
○松浦(利)委員 指導してまいりたいということと、いやだいじょうぶです、入っておりませんということとは違うわけですよ。指導しましたけれども、業者が自粛せず入ってましたという逃げ口上がありますから。指導して新酒は必ず入っておらない、こういうふうに理解していいか、そういうことです。
○藤原説明員 先ほど申し上げましたように、清酒につきましては火落ち菌というものがつきものでございまして、現在それに対する有効な防腐剤としてはサリチル酸しかないという状況でございます。したがいまして、この疑惑が持たれている、現にサリチル酸については原則として使わないということで、業界も徹底してやっておりますが、例外的にたまたまそういう非常に弱い酒ができたという場合に、ほかに有効な対策がありませんので、その場合にはやむを得ないものとして残るのではないかと思っております。
○松浦(利)委員 例外ということは、少数ということですよね。例外ということは、たまたまあるということですよ。だから、ほとんど全部が指導が完全だ、こういうことでしょう。そうでしょう。
○藤原説明員 そういうことでございます。
○松浦(利)委員 わかりました。もし出たら、この委員会でたいへんなことになりますよ。 次に、私は、このたくさんの消費者行政の推進についての一つ一つをやっていったら時間がありませんので、これから物価の委員会があるたびに、企画庁に一つ一つ聞いていこうと思うのです。 きょうは色素の問題について、ひとつ徹底的に掘り下げて議論をしてみたいと思うのですが、まずお尋ねをしておきますが、厚生省はこの前、輸入ドロップに有毒色素があったということで、それについては禁止させましたね。回収させましたね。輸入を禁止するように措置されましたね。その中のカーマイシンというのがあります。カーマイシンを利用しておった。これについては、毒性はまだはっきりしていないが禁止をした、毒性についてはまだ具体的にはっきりしていないが、以前から使用を禁止されておるものだから使用を禁止した、こういうふうに新聞発表になっておりますが、間違いありませんね。どうです。
○横田説明員 その色素の正式な名称を私、実はいま覚えておらないのでございますが、たしかあの事件は、オランダから輸入したドロップについての色素だったと思いますが、オランダでは法定色素として認めておるもので、日本では色素として認めておらない、こういうものであったと思います。したがいまして、はたしてそのものの毒性がいかがなものであるかという点についての科学的な根処はつまびらかにいたしておりませんが、わが国で認めてない色素でございますから、それを使ったドロップは日本の食品衛生法違反の食品であるということで、その流通を禁止いたしたわけでございます。
○松浦(利)委員 毒性がはっきりしていないけれども、以前から日本では使用を禁止しておるから禁止した、こういうことですね。 それではお尋ねいたしますが、色素の問題について、日本で現在使われておる食用色素の中で、国際対ガン連合で、具体的には、これは非常に発ガン作用を起こす色素であるから使わないほうがいいということで確認をされておる色素が、日本では許可されておりますね。赤色一〇三、食用青色一号、二号、緑色二号——緑色二号は四十五年五月に禁止されましたね。それから食用緑色三号、紫の一号、こういうのは国際対ガン連合で、発ガン作用があるから使ってはならないというふうに発表されておる色素であるが、日本ではなぜこれが許可されておるのか、その点についてお尋ねいたします。
○横田説明員 食用の色素につきましては、実は各国ともいろいろな定義がございまして、ただいま申しましたオランダと日本とが、突合しないという問題等があるわけでございますが、わが国といたしましては、食用色素の毒性につきましては、実は昭和三十七年から、特に発ガン性に着目した試験を実施いたしておるわけでございます。この結果、発ガン性その他の疑念の持たれた色素十一品目を削除いたしておりまして、現在は十三品目の使用を認めております。このうち、先生がただいまおっしゃった中に入っておりました赤色一〇三号、これは除く予定でございまして、残りの十二品目は現在、わが国で実地に試験をいたしました結果、そういった問題はないというようなことで、安全性の確保された色素ということでその使用を今後とも認める、こういうことでございます。
○松浦(利)委員 日本で認可をしておる色素について、第八回WHOの食品規格がありますね。その規格を見ますと、赤色一〇四、それから赤色一〇五、これは毒性のデータを欠き、そのものが有毒であり、食品に使用は望まれないために、委員会で規格をつくらなかった食用色素である。そのものがもう有毒で、初めから食品に使用することが望まれない物質であるから、食用色素から除外をした。規格をつくらなかった。それが日本では赤色一〇四、一〇五、一〇六と、認可をされておる。またもう一つの問題は、緑二号については、反復皮下注射の位置に局所的にガンができる。肉腫ができる。それから紫一号、これについても緑二号と同じように、反復皮下注射をしたらその局所に肉腫ができる。こういうWHOの国際規格の内容というものがありますね。それが何で日本では許可になるのですか。
○横田説明員 赤色一〇四と一〇五につきましては、日本で開発されまして、日本だけで使っておる色素であります。こういう関係から、WHO、FAO等の国際機関の場におきましては、日本自体が発ガン性等についての実験をしなさい、ほかの国で使っているものではないから、日本自体がみずから実験をして、その結果によって処理をすればよろしい。したがって、国際機関の場においてこれを取り上げることはしない、そのようなことになっておると伺っております。それから、緑色二号につきましてはすでに削除いたしております。それから紫一号につきましては、実は主として使っておりますのが日本とアメリカでございますが、アメリカのFDAにおいて非常に正確な実験をいたしました結果、このものについては問題がない、そういうふうなことになっておりますので、わが国においてもこれは認めるというふうな態度をとっております。
○松浦(利)委員 いま、アメリカのほうで問題ないという結果が出たからこれは許可をしておる、こういう御回答でしたね。間違いありませんね。それでは、いま日本だけで使っておると言っておる一〇四、一〇五、一〇六、これについての毒性が、国立衛生試験所で池田さんによって試験がされておると思うのです。そのデータはどうなっておるか、催奇性の問題についてはデータはどう出たのか、その点についてお答えをいただきたいと思います。
○横田説明員 ただいま御指摘の色素につきましては、国立衛生試験所において、発ガン性の点については明確な結論が出ております。それで、催奇形性の問題につきましては、実は催奇形性の試験それ自体がサリドマイド以降の問題でございまして、いろいろ多品目ございますので、色素の再点検をいたす計画をいたしておりますが、その再点検計画の中には、催奇形性の問題もチェックポイントとして加えております。したがって、現時点では、いま御指摘の色素についての催奇形性についての結論は出ておりません。
○松浦(利)委員 実際に、WHOの舞台でも試験規格がない。日本自体で使っておるけれども、日本自体で、発ガン作用については一応毒性がないというデータは出たけれども、催奇形性についての結論が出ておらない。こういうものが自由に使われておるのですね。これは日本独自に使われておる色素でありますから、それでは、実際に試験の結果催奇形性が出た場合には、どういう責任を厚生省はとるのですか。あなたは先ほど、疑わしいものについては禁止をする、オランダから輸入したドロップの有害色素については、これは毒性ははっきりしないけれども、以前から禁止されておるから禁止をしておるのだ。それでは、疑わしいということで現在試験をしておる催奇性の問題について、データが出ておりません、日本だけで使っておる色素について、世界にもデータがないわけですから、こういうものについては使用を禁止する、結果が出るまでは使用を禁止する、これが食品衛生としては正しいあり方ではないですか。結果が出てからではおそいわけですから、正確なデータが出るまでは一応使用を見合わせる、禁止をさせる、こういう措置がなぜとれないのですか、その点についてお答えください。
○横田説明員 先ほども申し上げましたように、催奇形性の試験は、御承知のようにサリドマイドの事件が起こりますまでの間は、医薬品につきましても、その医薬品によって奇形児が生まれるという、そういった医薬品の服用と催奇形性との間の因果関係というものは、学問の場においても認識はされておらなかったわけでございます。したがいまして、あの問題が出ましてから、医薬品についてのみならず、同じように体内に摂取する異物でございますから、その異物による催奇形性の問題はすべてチェックする必要があろうというようなことで、催奇形性試験を、新しい医薬品あるいは新しい添加物を認める際には試験項目として付加する、こういうことになっておりまして、世界的にも、催奇形性試験の実施につきましては非常にテンポがおそいわけでございます。したがって、WHOやFAOあるいはFDA等におきましても、すべて許された食品添加物につきまして、その許された食品添加物は現時点においてあらゆるものが、催奇形性試験をした結果、催奇形性を持たないというふうな判定になっておるわけではございませんので、世界各国で使っておるものにつきましては、WHO、FAO等でいろいろ各国で手分けをして、まだ出ていない催奇形性の試験結果を早く得るようにやっております。それからまた、日本だけで許し使わせておるような色素につきましては、国立衛生試験所では催奇形性試験をやっておる。問題は、そういった催奇形性試験をやった結果、絶対にこれが催奇形性は持たないということがはっきりしない、そういった時点においてその色素なりその他の添加物の使用を中止するかどうかという問題でございますが、この点につきましては、おっしゃられれば、なるほど多少でもそういった問題について、これから試験をやらなければならないのだから、その結果が出るまでの間は一切使わせないという態度であるいは臨むべきかもしれませんけれども、大体世界各国の間では、大急ぎこの試験結果を得るように手分けをして努力をしよう、それまでの間において禁止をするということは、各国とも大体やっておらないようでございますので、そのようなやり方に従っておるわけでございます。
○松浦(利)委員 どうも国内が出てきたり世界が出てきたり、なかなか要領よく答弁なさいますけれども、実際問題としてWHOなりFAOあるいは国際対ガン連合で、これは発ガン作用があるから禁止したらどうだろうか、疑いがあるからという警告が出されておるし、あるいはWHOなりFAOなりで規格をつくられておる。その規格から見ると非常に毒性のきびしいこういったものについて、なぜ禁止をしないのか、同時にこれは国内だけ、日本だけで使われておるから、これは日本だけで、日本の国立衛生試験所でデータが出て、最終結論が出るまでは自由に使わせる。それではみんな色素を使わせるという結果になるのじゃないですか。のべつまくなし、外国では禁止したものでも日本はオーケー、日本で使っておるものは日本の国立衛生試験所でデータが出るまではオープンだ。それでは人間が、われわれ消費者がモルモットになっておるのと同じじゃないですか。使っておるものを摂取して催奇性の障害が出たとかあるいは事故が起こったときに、初めてその色素は禁止をする。国立衛生試験所のほうの試験設備が未熟で試験がおくれました、間に合いませんでしたということで、消費者に答えになりますか、どうも私はその点が疑問です。どうでしょう。
○横田説明員 色素の毒性の問題でございますが、先ほども申し上げましたように、発ガン性の問題につきましては、現在わが国で使用を認めておるものにつきましては発ガン性のおそれはない、そういうふうな結論が出ておりまして、その結果によって使用が認められておる、こういうことでございます。ただ、催奇形性の試験につきましては、先ほど来再々申し上げておりますように、新しい試験項目でございますので、これについてはまだはっきりした結論を得ていないものがある、こういうことでございます。
○松浦(利)委員 赤色一〇三は禁止したのでしょう。なぜ禁止したのですか。
○横田説明員 発ガン性云々の試験をやってその結果だめにする、これが原則でございます。それからもう一つは、従来から使われておった色素でも、実際にはほとんど使われなくなったもの、それは発ガン性云々の試験をするまでもなく、実際に使われておらないからそういったものを削除する、そういったものもございます。 と申しますのは、食品添加物は必要性があるから、したがって使わせる、しかし毒性が強ければ、必要性があっても使わせない、こういうふうな二段がまえにいたしております。したがって、現実に使われることがほとんどなくなったものは、一般世間はこういったものを必要としなくなったんだというようなことで、発ガン性試験その他を実施せずに、そういった使用実績がなくなったものについてはこれを削除するということをやっておりますが、ただいま御指摘の色素赤色一〇三号は、使用されておらない、そういうことで削除いたしております。
○松浦(利)委員 それでは、使用されておらないから赤色一〇三はもうカットしたわけでしょう。試験する必要もないでしょう。それなら一〇四、一〇五、一〇六についても、そういう疑いがあって現在試験をされておるわけだから、こういうのを使わないように、天然色素を使うように、なぜ指導しないのですか。国民になぜ自由に使わせるのですか。使わせないようにしてしまえば不安は解消するわけですから。一〇三は自然に使わなくなってしまったんだから、あなたのほうが、それについて使わないように行政指導をする。酒の防腐剤と一緒ですよ。使わせないように行政指導をしていけば、あるいは厚生省令ではずしていけば、自然に使わなくなるわけでしょう。なぜそういう指導をしないのですか。その点はどうですか。
○横田説明員 理想を申しますと、こういった合成物の色素は使わないほうがその食品としてはきわめて安全だ、こういうことは言えると思います。ただ現実問題といたしまして、昔から、紅白のもちでございますとかあるいはお赤飯でございますとか、そういったものに食紅を使うとか多少色づけというものが、国民の食生活の慣習上ございますので、したがって、あらゆるものを、保健衛生上の危害云々とかかわりなしに、あるいは多少心配が出るかもしれないから全部使わせない、こうもまいらないと思います。 〔委員長退席、武部委員長代理着席〕 したがって、私どものほうでは、ただいま御指摘のように、発ガン性等について問題があるものについてはすべて発ガン性の有無をチェックいたしまして、それは完了いたしております。それから、そのほかのものにつきましては使用実態調査というものをいたしまして、一般世間がそういったものをどの程度必要となさっておられるかというようなことを十分勘案しながら、そこでもってほとんど使われておらないというものについては、保健衛生上のチェック云々の手続を経ることなく削除いたしております。一般世間もまだ相当使っておられて、催奇形性試験等について各国もこれを続行中のものについて——あるいは一部の学者等で非常に極端な催奇形性がある等の試験等が発表されました際には、それらにも手は講じますけれども、しからざる限りは、催奇形性試験を国際的に分業しながら、あるいは日本だけのものについては日本の国立衛生試験所でこれを実験して、その結果によって処置をする。ただ、実態調査のほうで全然使われない、あるいはほとんど使われなくなったものは、一般世間はそういったものを必要としないんだというようなことで削除いたすわけでございます。
○松浦(利)委員 実態調査をして使っておらなければ、もうそれは削除するんだというのは消極的な行政ですね。積極的に疑問のあるものについては使わせないようにする、それが行政じゃないですか。あなたの言っていることは逆じゃないですかね。私が非常に心配するのは、食品公害、まかり間違ってそういう事故が起こったときにだれが責任をとるのかという問題が出てくるでしょう、疑わしいのだから。そういうものは禁止をしていく、できるだけ使わせないように指導をする、それがほんとうじゃないですか。あなたの場合は、逆にマーケットをずっと調査して、使っておらなければ削除していくんだ。ところが、コストを下げるためには、天然色素を使うよりも合成色素を使ったほうが、ずっとコストが安いのですからね。中小零細企業はどんどん合成色素を基準以上に使うということはあり得るのですよ。そういうことを考えていくなら、むしろ積極的に使わせないようにさせていく、それがほんとうじゃないですか。もう一ぺん聞かしてください。
○横田説明員 先ほど申し上げましたように、理想としては、合成の添加物はなるべく使わないほうが望ましい、これはそのとおりでございます。ただしかし、催奇形性の試験等につきまして現在試験中のものは、試験をする限りにおいては、多少その危険性が学問的に憂慮されるからやっているのだろうから、したがって、そういったものは使用禁止すべきだというような点につきましては、たいへん言い過ぎになるかもしれませんが、わが国における法定色素が諸外国と比べまして非常にたくさんのものを認め過ぎておる、したがって、この食品添加物に対する規制のしかたが、世界の先進国と比べてわが国だけが非常識に広く認めておるということでもございましたならば、わが国独自に相当思い切った数の減らし方をしなければならないという問題も出ようかと思いますけれども、世界各国比べてみましてさほどの出入りはない。ただ、個々の品目については、ある国では認めてある国では認めない、こういうことになっておる。したがって、各国共通で認めておるものについては、みんなが共同で催奇形性試験をやりましょう、それから、ある国だけで使っておるものについては、その国の試験結果によってその国が独自に処理されるのがよいでしょう。こういうことになっておるわけでございます。したがって、そういう言い方をしていいか悪いか存じませんが、各国、先進国のやっておられるような方法と比べまして、日本だけが非常に独自なゆるい認め方をしておるということでもない限りは、やはり世界各国と同じようなそういったやり方によって、できるだけ早い時期に催奇形性についても結論を出すような努力をする、そういうふうなやり方をするのがよろしいのではなかろうかと考えておるわけでございます。
○松浦(利)委員 厚生省の考え方はそうでしょうけれども、どうもかみ合わないのですよ。厚生省の考え方は、たとえば諸外国で使っておる色素について、それは日本でも、なるほど赤色二号、三号あるいは黄色四号、五号も、アメリカでも使っておりますし、それはアメリカと共同研究ということがあり得るでしょう。しかし、実際問題として日本だけで使われておる赤色色素、これについては日本独自の問題ですからね。しかも、この発ガン作用はなかったんだ、こういう結論は出たにいたしましても、催奇形性の問題については依然として結論が出ておらないということになれば、その結論が出るまでは天然色素を使わせるようにすることが可能じゃないですか。できない理由はどこにあるのですか。そのできない理由を今度は逆に聞かしてください。
○横田説明員 私どももできるだけ色づけというものについては、あまりこういったものを使うことは望ましくないというようなことで、常々行政指導はいたしております。あるいはその結果そういったものが使われなくなって、実態調査をいたしますと、その結果としてあまり使われておらないという結果が出る場合もないわけではないと思います。それから、趣旨においては先生のお考え方と全く一緒でございますが、ただ私どもといたしましては、相当使われておる段階で、できるだけ、法定色素といえども、不必要な色素の使い方は避けたほうがいいという行政指導はいたしますが、催奇形性試験についての結論が出ておらないから、したがって、催奇形性のおそれがあるかもしれないのでこれを禁止する、あるいは削除するということはなかなかいたしかねる、こういうことでございます。
○松浦(利)委員 それでは、事故が起こらなければ、起こるまでは放置しておく、試験結果が出てくるということになれば禁止をいたします、そうでなければオープンです、それが厚生省の考え方だ、こういうふうに理解していいですか。
○横田説明員 催奇形性試験をできるだけ急ぎまして、可能な限り早い時期にその結論を得たい、それに至るまでの間は、できるだけ色素というものについてはあまり使わないようにという行政指導をあわせ進めていく。事故が起こってから云々ということではございませんで、事故が起こる、起こらないのそういった前に、催奇形性試験についての結論をできるだけ早く得るように、国立衛生試験所に督促して御無理願っておるわけでございます。
○松浦(利)委員 先ほど、武部委員の質問のときに聞いておってもどうもふに落ちないのは、農林省のほうからBHCの使用について、使い切るまでは許可をしておくのだというような非常に思い切った答弁が出されておるんですね。それと同じことで、実際問題として危険かもしれないけれども、危険だということがわかっておっても、BHCの場合なんか、現在在庫があるから使わせる。そうすると、消費者行政の特に食品関係を担当なさる厚生省が、消費者側に立たなければならない厚生省が、疑いのあるものについて、試験結果が出るまでは許可をしておく。そうしたら一体、国民はどこに疑いを持ち込んだらいいですかね。極端なことを言うと、事故が起こった、催奇形性障害が起こった、どこに責任をわれわれ国民はぶつけていけばいいですか。厚生省は、試験データが出るまではやむを得ませんから使わせます。実際には事故が起こった。一体厚生省はどういう行政をするのか。消費者は食品公害、食品問題については、一体どこが窓口で、どこにお願いすればそういう危険、危惧というものがなくなるのかわからないじゃないですか。もう一ぺん教えてください。
○横田説明員 事故が起こったならばということでございますが、たとえば医薬品につきまして一も、催奇形性がある医薬品とされたのは、現在までのところサリドマイドだけでございます。そのように催奇形性のおそれというものは、化学物質につきましても非常にレアケースであるということは、学問的には言えると思います。しかしながら、一つであれ二つであれ、そういったことが起こった以上は、化学物質を摂取いたします際の毒性のチェック項目としてやるべきであるというようなことで、サリドマイドの事件以来医薬品につきましても、食品添加物につきましても、催奇形性試験というものを試験項目として付加した、こういうことでございます。したがって、催奇形性試験をやってみた結果はっきり白とわからなければ、それはおそれがあるというふうに言えるかどうか、この辺はことばの問題もあるかもしれませんけれども、非常にまれなケースである。それに比べまして発ガン性のほうは、相当多数の物質につきまして、この発ガン性が学問的に証明されておりますので、その発ガン性につきしては、発ガン性がないということがはっきりするまでの間は使わせないということもあるいは必要かと思いますけれども、催奇形性試験については、いま申しましたようなことから各国とも、この結論が出るまでこの使用を禁止するということはやっておられないようでございます。 私どもも、先ほどから申しますように、こういった化学合成品を添加物として使うことは元来は望ましいことではございませんので、できるだけそれを減らすような行政努力、行政指導はいたしてまいりますけれども、催奇形性試験の結果が出ない間これをやめさせないということは、事故のおそれがあるにかかわらず使用させておるということではないと思っております。
○松浦(利)委員 サリドマイドの問題を出して恐縮ですけれども、アメリカではそういう事故が起こらなかったのです。許可をする事前にきびしいチェックをしたからなんですね。ところが、日本はきびしいチェックをせずに、そういう事故が起こってから禁止をしたのです。そういう子供さんを持った母親の気持ちになってごらんなさい。現実に、こういった合成色素というものは好ましいものではない、天然色素に切りかえたほうが好ましいということは、はっきりしておるのですよ。しかも、催奇形性の問題についても結論が出ておらない。だとするなら、天然色素に切りかえなさいという指導を強力にする、そのことが、消費者に向かっての正しい厚生省の食品行政じゃないですか。違いますか。どこか間違っておりますか。私の言っておりますことが間違ったことがあったら、間違ったと指摘してください、改めますから。
○横田説明員 精神においては、私どもも全くそのとおりだと思います。ただ現実問題といたしまして、食品の中で、例としてあげていいかどうか存じませんが、最近では輸入食品が非常に多くなっております。したがって、先進国が同じようなことをやりませんと、いまのようなことで日本の食品についての規制をいたしました場合、ほとんどの輸入食品は、日本国内ではこれを輸入し使用させることはできなくなる、そういうこともございます。そんな点もございまして、食品添加物についての安全性のチェックは、それぞれ各国が手分けをして、とにかく急いでやるというようなことで努力をいたしておるわけでございますが、いまの時点で日本がそういったことで踏み切るということになりますと、これは、安全性の面からいきますと最も安全な方法かも存じませんけれども、消費生活の実態から申しまして非常に不便が生ずるということもあり得る。それは別に業者保護云々ということではございませんで、輸入食品を必要とされる方が非常に多い、これが消費生活の実態だという場合に、そのほとんどを封じてしまうようなことにもなりかねないことをやることは、やはり一つの問題ではなかろうかという気もいたします。しかし、最も安全な道を選ぶとするならば、いま先生のおっしゃったような方法でございまして、私どももそのような方向にできるだけの努力をいたしますが、同時に、そういった単なる業者の保護云々ということとは全く異なりましての、消費生活の実態に即した手だても考えなければなりませんので、はっきりいまお説のような点に踏み切るということはなかなかいたしづらい、こういうことでございます。
○松浦(利)委員 私は、この問題で、ある大手のメーカーのお菓子屋——ポップルチョコレートというのはいろいろな色素が入っている。しかも、これは子供さんが食べるのですよ。色素というのは、非常にお菓子類に多いのですね。ロッテ——ロッテということばを出しましたが、ロッテという会社にいろいろと質問をして、回答を求めた。そうしたら、人口着色料を改めて、七月一日以降は天然色素に全部切りかえました、そういうことを、はっきり回答をもらったのです。だとするなら、実際にいま業者が使っているこの人口着色料というのは、お菓子類その他について全部そういうふうに行政指導することによって、天然色素に切りかえることは可能じゃないですか。大手の製菓会社がそういうことをすでにやっているのですよ。厚生省の指導があったかどうか、これは別ですよ。やろうと思えばできるのです。大手企業のほうをまず規制しないと、中小企業のほうはもう野放し状態ですからね。だから、行政指導のやり方によっては、赤色一〇三と同じように、いつの間にか市場では使われなくなった、催奇性のデータが出る前にそういう色素は使われなくなったということは、指導によってはあり得るのです。現に、こういう大手メーカーはすでに切りかえておるのですから。あなた自身は、行政指導を強力にやって、天然色素に切りかえるような指導をするということは言えませんか。その点どうでしょう。
○横田説明員 そのような趣旨でもって、可能な限り食品添加物の乱用は抑えてまいりたいと思います。
○松浦(利)委員 食品添加物の問題について、いま、これから極力使用をしないように行政指導を強めていくという御発言ですから、もうこれ以上いろいろと申し上げませんけれども、問題はやはり、いまの国立衛生試験所自体の施設そのものが、そういったものと対応し得る能力があるのかないのか。先ほど武部委員の質問に答えて、二十三億の民間の研究所ができる、そのことはけっこうなことだけれども、現実にいまある国立衛生試験所そのものが、この色素なりあるいは食品添加物等に対してのすべてのものについて、総ざらい、チェックするだけの能力があるのかないのか、まず現場の責任者である所長さんから、その点をお聞かせいただきたい。その能力がありますか。
○川城説明員 私ども、行政の要求にこたえまして、できるだけその試験、実験を続行いたしたいと思っておりますが、十分な体制にあるとは申しかねます。 〔武部委員長代理退席、委員長着席〕
○松浦(利)委員 厚生省にお尋ねしますが、十分な施設でない、そういう現状で、一体あなたが言われておるように、すべての食品添加物について最終的な結論が出るのはいつですか、その点をはっきり教えてください。
○横田説明員 ただいまの、現在の国立衛生試験所が、先生の御指摘のような問題を十分にこなすための体制として十分かどうかという問題でございますが、私も現在の体制は、川城所長と同じように、必ずしも十分とは考えておらないわけでございます。したがって、国立衛生試験所自体を、さらに人的にもあるいは物的にも整備いたしますために、いろいろな努力をし、ここ数年来それなりの効果はあがっておったと思っております。 ここで一番の問題は、先ほど武部先生から御質問のございました民間研究所等との関係でございますが、国立衛生試験所はいろいろな問題をかかえ過ぎる、こういった添加物についての基本的な試験をじっくりとやってもらうことが、国立衛生試験所の一番大事な仕事であろうと思います。国立衛生試験所で結論を出せば、およそ学問的に考えて全く間違いはないのだ、そういった試験結果を出していただきたいわけでございます。ところが、そういった実験、試験を継続しておられる間にいろいろこまかい問題が起こりました際に、そういったことを手分けして試験、研究をする、そういった研究機関の現実の場が非常に少ないわけでございます。したがって組織的、計画的に添加物なりなんなりの再点検の作業をやっております矢先に、いろいろなものが飛び込んできて、その試験の組織的、計画的にやっております再点検の仕事等が中断されるようなことがあっては困る、そういったことから、大体きまり切った試験方法によってそのものが白か黒かの決着をつけられるような、そういった試験については、国立衛生試験所はみずからやることをやめたほうがいい。そういったものを十分にこなし得るような機関を県の段階あるいは民間の段階等で幾つもつくっていただいて、そこで十分の手分けをしていただくようになりますと、国立衛生試験所の権威自体も相当に高まりますし、ただいま先生御指摘のような非常に大事な試験についても、非常に早い時期に学問的に正しいデータが出るようになる、こういうことでございます。 したがって、私どもは、川城先生の言われるように必ずしも十分とは思いませんので、これ自体の整備拡充についても、今後とも予算措置その他について十分の努力をいたしますが、同時にルーチンの仕事については、これを分担し、連携しながらやっていけるような試験機関の整備については、これまた同時に並行して努力すべき事柄だというふうに考えております。
○松浦(利)委員 たいへんりっぱな御答弁、御回答だと思うのです。ただしかし、その中である問題点は、それでは一つの試験結果が非常に重要な——たとえば催奇性の問題についても、いま国立衛生試験所で具体的にやっておる。ところが、いろいろなものが入ってきて、なかなか試験が進まない。その間ずっと色素が使われておる。その間ずっと野放しになる。非常に問題があると思うのです。だから、そういう点では、いま言われたように、ぜひ早急に陣容を立て直していただいて、こういうものについて直ちに対応できる試験所に私は改組してもらいたいと思うのです。いま池田先生がこの色素を担当してやっておられるけれども、池田先生は、そのほかにいろいろな仕事をたくさん持っておられるのですね。所長さん自体も薬価基準の審議会にも出ておられる。そういったことで、いろいろとたいへんお忙しい立場にあって、試験が中断をする、現実そういう状況であるわけですからね。しかもその間、まかり間違うと危険な色素が野放しになるということでは、私は消費者行政は済まないと思うのです。だから、そういう点については、もっと積極的に政府が取り組んでいただくことを切に期待をいたします。同時に、この色素の問題については、いまあなたが御答弁なさいましたように、強力な行政指導をして天然色素に切りかえるということを一つの最終的な答弁としていただいておきますから、ぜひそういう方向で行政を進めていただきたいというふうに思います。 企画庁の方に申し上げておきますが、きょうは食品添加物と色素の問題だけ質問をいたしましたから、次期の機会にその他の問題について質問さしていただくということで、きょうはこれで終わらしていただきます。ありがとうございました。
○松平委員長 渡部通子君。
○渡部(通)委員 いままで、いただきましたパンフレットについての御質問がいろいろございましたので、私も、食品の安全性と薬品の安全性の二点について少しただしたいと思います。 最初に、この消費者保護会議ですが、大体一年に一回しか開かれておりません。経企庁にお伺いするのですが、大臣がいらっしゃらなくてなんでございますけれども、これほどたくさんの問題、それからまた消費者行政がこれほど大事になってきた時代に、年一回くらいのこの会議ではたして何ができるかということが、たいへんに疑問でございます。ですから、いま松浦委員からも指摘があったように、ここで討議されてきたようなことがおさらいされて並べられたというような観を免れ得ないことでございまして、なぜこういったことがもっと臨機応変に、必要に応じて開かれて、どんどんと行政の面に反映されるようにならないのか。あるいは会議が開かれないまでも、消費者保護会議できまった事柄の経過、それがその後どう進展したかというようなことについての報告が定期的に行なわれるようなシステム、こういったことは考えられないか、その点についてまず伺いたいと思います。
○山下説明員 御指摘のように消費者保護会議は、発足いたしましてから、これまでは一年に一回開催をいたしておるという形で運営をされてまいりました。その間どういたしておるかということでございますけれども、この消費者保護会議の事務局といたしまして、関係各省庁の所管課長会議という組織がございまして、消費者保護の推進に関しまして必要な事項につきましては、そういう幹事会的なものの運営によって、関係各省庁の連絡を密接にとりながら問題の推進をはかっておるということが、一つございます。 それから、そのほかに、問題が起きました場合に、その問題によりまして、私どものほうで関係省庁と連絡をとり、その問題の解決のための具体的な推進についての必要な連絡調整等は、そのつど行なっております。 そういう具体的な行政の進め方が片方にございますけれども、確かに御指摘のように、せっかく消費者保護基本法によりまして総理大臣を長とする消費者保護会議が設けられておりながら、これがはたして年一回の開催だけでいいのかという御批判はあろうかと存じます。その辺の今後の運営のしかたにつきましては、消費者保護の問題を具体的に推進していきますためにどのような方法がいいのかということ、これらの点を今後私どもといたしましても十分検討いたしまして、今後の保護会議の運営のしかたについて企画庁内部でも、あるいは関係省庁とも十分検討をして、必要ならば改善をはかっていきたい、このように考えております。
○渡部(通)委員 それでは、食品の安全性の問題でございますが、いま松浦委員のほうからたいへんいろいろな意味での突っ込みがございましたもので、重複にもなりますが、私にも一点質問させていただきます。産業公害のほうは、今度の国会でもずいぶんもまれましたが、食品の問題というのはもっとそれ以上に、特に主婦の人たちにとっては切実な問題でございます。産業公害がこれだけ国会で問題にされた以上に、食品公害というものもこれから大いに議題とされなければならない、こう考えております。 この消費者保護会議のあれを見ますと、三百五十品目あるうちの安全性の再検討については、四十六年までに十品目、四十八年までに二十五品目、こういう例があげられておりますが、はたして三百五十品目の中でこれだけのものが安全性が確認されれば、添加物については心配はないという御確信でございますか。
○横田説明員 この安全性の問題につきましては、食品も医薬品も共通の問題でございますが、現時点の学問の最高の水準で判断をいたしまして、その結果安全であると判断したものは安全性があるものと、そういうふうな扱いをいたしておるわけでございます。たとえば非常に悪い例かもしれませんが、サリドマイド等の問題につきましては、当時サリドマイドを許可する時点におきましては、薬による催奇形性ということは、当時の学問の水準ではどこでも考えられておらなかった。しかし、それがある時点以降学問の世界で、当然そういったチェックをすべきであるというふうに変わりまして、それ以降食品、医薬品につきましての催奇形性試験というものを非常に重視するような方角に変わってきた、こういうことでございます。ですから、現時点の学問の最高水準で考えて安全性があると確認したものについては、安全性があるというふうに御理解いただいてけっこうだと思いますし、また、私どももそのように考えております。ただしかし、将来非常に学問が進みまして、また新たな角度から新たなクエスチョンマークが提出されました際には、やはりそれなりのその問題についてのチェックというものが必要になることが絶無であるということはあり得ないと思います。
○渡部(通)委員 学問が進んでチェックが出てきたら困るのです。それよりも、やはり被害が出てチェックが出てくるようなことがあってはかえって困る、これが私たちの懸念でございまして、そういった意味でも、先ほど指摘がありましたけれども、国立衛生試験所の機能というものが一番大事なことになってくる。先ほどの御答弁でも、まだ十分ではない、これは私どももよく承知をしていることでございまして、こういった研究体制の不備を、やはりかなりのお金を投じてやってもらわないと、いかさま安全性を叫んでみてもいたし方ないことで、厚生省あたりとしては、国立の大学とかあるいは大病院あたりに補助をつけて、そういったところで手分けをしても、こういった問題を至急に研究をするという御意思はございませんでしょうか。
○横田説明員 全く御指摘のとおりでございまして、私どもも、ささやかながら、そのような方角で従来からやっておるわけでございます。 たとえば厚生省予算の中にいろいろな研究費が計上してございますが、この研究費と申しますのは、国立衛生試験所の先生も参加されて、あるいは大学の先生あるいは民間の研究機関、県の衛生研究所、そういったところの各研究者に、あるテーマ、あるプロジェクトについてチームをつくっていただきまして、そういったチームに対していろいろな研究をお願いする、そういったことに最重点を置いております。それからまた、もう一つは、厚生省関係にもいろいろの付属研究施設がございまして、ただいまの食品、医薬品についての問題を処理する機関としては、国立衛生試験所がこれに当たるわけでございますが、これ自体も、国立衛生試験所自体のいろいろな研究、検査の計画に基づきまして、それが組織的、計画的に行なわれますように、研究費あるいは機械設備等の増設等についてもいろいろ努力をいたしております。 そういったことで、民間あるいは都道府県、国、大学、そういったあらゆるところを通じまして、いろいろな研究者を網羅して、それぞれ得意とされる分野についてチームを組んでいただいて研究をする、そういうふうな体制が最も適切かと思います。ややもしますと、従来は一つの大学の一つの研究室で、あることが研究され、よその研究者はそれに対して全く関与しないというようなことが多かったやに伺っておりますけれども、最近は、先生御指摘のようなそういった共同研究の方法で相当の成果をあげておりますし、また、そういったことについて厚生省もできるだけの援助をいたすつもりであります。
○渡部(通)委員 従来もそのようにやっていらっしゃったという答弁でございますけれども、私はやはりこの問題は、ここまで騒がれてまいりまして、一番ネックになるのがここだと思うのです。やはり消費者保護会議等が開かれた場合も、そういう重点的な問題についての予算がどうなのか、あるいは大蔵大臣もそこへ出ていたはずなんですから、そういった面で画期的なことがここで取りきめが行なわれなければ、従来もこうであったからそういう方向へ努力しますということでは、また従来どおりの施策しかないということでございます。公害に関連してこういう食品の問題等も、一番私残念なのは、研究機関がはっきりしなくて、そこで結論がはっきり出ないからどの施策もおくれてしまう、これはもう重々おわかりのことでございまして、この点についてのもう一歩の思い切った方法、予算措置なり、あるいはその点大臣に督促をして、もう少し研究機関に対する大幅な努力を願いたい、こう思うわけでございます。 この、有害の疑いのあるものについては野放しかという点については、私も、松浦委員と同じ指摘をしたい気持ちで一ぱいでございます。この報告の八ページの一番下に、製造、使用、販売等について、安全性が確認されるまでは所要の規制措置を講ずる、こうございますが、この所要の規制措置というのはどういう範囲のものをおっしゃっておられますか。
○横田説明員 食品について安全性に関する疑いが持たれた場合、これはいろいろなケースがあると思います。たとえばアメリカのFDA等で、これについて危険であるということが相当しっかりしたデータに基づいて、この疑いとして提出された場合、あるいはどこかの大学で、そのような研究の結果が学会誌等に発表された場合、いろいろなケースがあるわけでございますが、その場合、私ども一番大事だと思いますことは、安全性の疑いといういわゆる情報でございますね、その情報が、学問的にどのような情報として評価さるべきであるか、これが一番の問題だと思います。したがって、学問的にどのような評価をさるべきかということにつきまして、これを検討する審議会その他の場をまずつくっておく。そこでもって、どんな情報にしろ、学問的に確度の高い情報もありましょうし、あるいは非常に低い情報があるかもしれませんが、そういったものをとにかく専門機関にかけて、そこで評価をしていただく。その評価の結果、これは相当に危険性の疑いが濃いというふうになりましたならば、即刻こういったものの製造、使用について一時ストップをかけるとか、あるいは、もうこれは学問的に評価しても完全に黒と思えるから、完全に製造、販売を禁止してしまうとか、そういったことをやる。あるいは、この程度の情報ではまだ学問的に確たる証拠があったとはいえない、しかし、相当のおそれがあるから、やはり安全性が確認されるまでの間、一時使用を停止する。禁止、停止。それからもう一つは、その情報自体が、専門の学者等によって構成される審議会等で評価していただいた結果、およそ学問的には問題にならないというふうな評価を受けた場合には、ことばは悪いかもしれませんが、安全宣言をして、その使用を野放しにする。そういったふうな何らかの疑問が社会的に提出されました場合に、それを学問的に評価いたしまして、それなりの手だてを講ずる。その重さかげんからいいますと、禁止、一時停止、野放し、こういうことになろうかと思いますが、そういったことについての所要の手続をきちっと定めておく。ある場合においては、非常に確度の低い情報によって禁止してしまったり、ある場合によっては、学問的に相当評価すべき実績が情報として入手されたにかかわらず、そのまま野放しにしてしまったりということが一番よくないことだ、そういう趣旨でございます。
○渡部(通)委員 わかりました。 そこで、安全宣言ということでございますが、私、これを拝見したときに、いいことだと思いました。いまは、食品に対して危険ばかり、おそればかりがいわれております中で、この食品は安全だといわれることは、非常にいいことだと思ったのですが、いまのお話を聞いておりましてわからないことは、その疑いが晴れたという意味なのかか、それとも、この食品は絶対安全ですという太鼓判なのか、その辺のニュアンスが、具体的にお考えでございましたらおっしゃっていただきたいと思います。 もう一点は、その安全宣言をなすったことによって不当に販売促進がされないかという、そういう内容について、お考えがあったらおっしゃってください。
○横田説明員 ただいま申しました安全宣言というのは、疑いの情報がありました場合に、それを専門的な学問的な立場で判断をいたしまして、何ら心配するに足らないというふうな学問的な結論に達しました場合に、学問的には問題がありません、こういう意味での安全宣言でございます。 それからまた、そういったことで安全宣言をいたしますと、いかにもその食品について政府が、何と申しますか、製造、販売等について促進をする手助けをするというようなことになるおそれはないか。それは、御指摘を受けますと、そういった心配がないでもございませんので、そういう手続を完備いたしまして、それを動かす場合には十分用心してまいりたいと思います。
○渡部(通)委員 いまのお話ですと、その危険がとれたときに安全宣言をなさる。もともと安全なものに対しての安全宣言というのはおやりになるのですか。消費者の側から見た場合には、いままで危険であったかどうかということは関係なく、ただ、安全宣言だけがなされたのに対して、それに飛びつくという危険があると私は思うのですが、一般のもともと安全だったものに対する安全宣言ということもあり得るわけですか。
○横田説明員 安全宣言と申しますのは、安全性について疑いが持たれた場合の処理の手順として安全宣言ということでございますので、もともと何らの安全性についての疑念が持たれない場合の安全宣言というものは、この場合は考慮いたしておりません。
○渡部(通)委員 次に、監視員の点について一点、お伺いをいたしたいと思います。 一一ページに書いてございますが、「食品衛生監視員の増員」これはもう確かにお願いをしたいことでございます。「待遇改善、養成施設の増加」これはぜひお願いしたいところですが、現在、監視員は四千七百六十七人とございます。これだけの人手ではとうてい足りないと思うのですが、どのくらいふやすおつもりなのか。この間当委員会で視察等に参りましたおりにも、委員の皆さん方とお話し合いをしたことでございますけれども、民間の主婦等で、かなりこういった問題に関心の深い人たちもおります。勉強もしておる。あるいは消費センター等で働いている人もいる。そういう人たちの身分保障あるいは待遇問題、採用の問題、こういったことも含めてお考えいただけるものかどうか、これが二点でございます。 もう一つは、輸入食品の検査でございますが、これは一体実情はどうなっているのか。私は、十一人というふうに伺いましたけれども、そのぐらいでその輸入食品のチェックが可能なのかどうか、その三点についてお願いをいたします。
○横田説明員 ただいまの食品衛生監視員の増強の問題でございますが、実はこの問題につきましては、この委員会でいろいろな御意見をいただきまして、御決議もいただいておりますので、その線に沿いまして予算折衝その他に当たってまいりたいと思っております。あすこに盛られた思想につきましては、予算的に処理すべきは予算的な面で、それから、法律、制度等に関連するものはその面で、できるだけ御決議の趣旨を実現するように努力してまいりたいと思っております。
○渡部(通)委員 もう一点御答弁が漏れておりますが、輸入食品……。
○横田説明員 輸入監視員の正確な数字、いまちょっと持っておりませんので、後刻正確な数字を御報告申し上げますが、実情から申しますと、この輸入食品についての実際の抜き取り検査等は、非常にその実施率が低うございます。いろいろこの輸入食品にからんでの問題が出ておりますので、問題のありそうな食品につきましては抜き取り率ほぼ一〇〇%に近いような、そういった実施のできるような措置を講ずるということで、これからそろそろ予算折衝時期でもございますので、大いにこの点の実現には努力いたしたいと思っております。 それからもう一つは、この人員の問題とからみまして、せっかく抜き取りをいたしましても、これを科学的にチェックするそういった試験研究機関が非常に少ないものでございますから、抜き取ってもなかなか試験はやってもらえない、だから抜き取ってもしようがないのだ、こういうケースも、正直に申しましてございます。そんな点につきましては、県の衛生試験所とか国立衛生試験所、そういったところをできるだけいろいろな仕事をさしていただいて、そういったことをやっていただけるように、いま具体的な対策を講じつつあるわけでございます。
○渡部(通)委員 次に、薬品の安全性について伺いたいと思います。 一ページから二二ページにわたって書いてござい二ますが、「当面講ずべき措置」の問題といたしまして、「以前に承認を行なった医薬品について効能効果の再検討を行なう」、しかも「二重盲検法等の精密かつ客観的な効能判定方法」こうありますが、この、以前に承認を行なった医薬品というのは、どのくらいの種類でございますか。
○岡説明員 以前に承認を行なった医薬品の数は、約十万件でございます。
○渡部(通)委員 それが四十六年度中の——四十六年度中にやろうというわけではないでしょうけれども、その「二重盲検法等」といわれるような方法で、実際にここで書かれているような年次計画で、十万種類の薬品の効能効果の再検討ということは可能なのかどうか、その点はいかがでしょうか。
○岡説明員 この問題につきましては、非常にむずかしい問題がいろいろとございまして、したがいまして、私どものほうでは、内科関係を主にいたしました臨床学科の先生、それから基礎医学、薬学の専門家の方々十一名の方にお集まりいただきまして、薬効問題懇談会というのを設けまして、九月の十日を第一回といたしまして、どの範囲の医薬品につきましてどういった方法で再評価をしていったらいいかという基本的な方向を定めてもらうために、現在検討をお願いしておる最中でございます。
○渡部(通)委員 そうすると、いまの御答弁とここにお書きになったのは、少しずれていると思うわけです。どういう方法でどのくらいやるかということを検討中だということでございますが、ここでは、二重盲検法等の精密、客観的な効能判定方法によって四十五年度中には確立をして、当面の処置としてやるというふうに、書かれておりますが、いまの御答弁ですと、たいへんおくれているんではないか。実情はここまで行ってないというふうにとれますが……。
○岡説明員 これにも、四十五年度中に具体的方策を確立するとありまして、私ども、十一人の先生方に、四十五年度中にその具体的な方策を定めていただきたいというふうにお願いをしてございます。
○渡部(通)委員 要するに二重盲検法等で全部やるかどうかというような方策をきめるということでございますね、あと三月以内に。
○岡説明員 簡単にいえばそういうことでございます。したがいまして、先ほど先生のほうからも御質問がありましたように、十万品目すべてが簡単にできるかどうかという問題もございますので、一体医薬品の範囲についてどういう方法でやったらいいかということについて、専門の先生方に方向づけをしていただく。したがいまして、その方向づけが出ませんと、一体十万品目全部やるのか、どの範囲やったらいいのかということは、いまのところお答えできない状況でございます。
○渡部(通)委員 たいへん道遠しという感じを受けます。 関連して、アメリカのFDAが発表いたしましたこの三百六十九種類について、ちょっと伺っておきたいと思います。 これは葉緑素入りの歯みがきなど三百六十九種類が不良薬品、こういうことでFDAの発表として、これは十一月三十日の新聞に出たわけでございます。別に私はアメリカのいうことを無条件に信用しろ、こういう立場をとるものでは絶対ございません。ですけれども、先ほどもサリドマイド事件等でお話が出ましたが、やはりあのときだって、ドイツや日本では許可をしていた段階で、アメリカではまだ慎重な運営をしておった。その最中に奇形児が出たというような過去の実績から見ましても、あるいはアメリカの大統領教雷にもあるように、日ごろから非常に調査研究が徹底しておる、こういうお国で発表なすったことでございますから、一応、うのみにするということではなくても、厚生省はどういう評価をなさるのか、まずこれを伺いたいと思います。
○岡説明員 あの新聞で報道されましたものにつきましては、品目だけしかわかっておりませんので、それの具体的な成分、どんな成分が配合してあるかというようなこと、それから、それぞれの理由がわかりませんと、何とも判断のしょうがないわけでございます。それで、あの新聞の報道、ニュースが入りますとすぐ、外務省を通じまして、FDAのほうから資科を取り寄せるようにいま急いでおるわけでございます。 なお、これまでの情報を勘案いたしますと、ニューヨークタイムズ紙にも報道されておりますが、それら、あるいはそのほかのこれまでに私どもが得ている情報を見ますと、これはFDAが一九六六年から再評価を始めておるわけでございますが、これはナショナル・アカデミー・オブ・サイエンス、ナショナル・リサーチ・カウンシルというところに委嘱をして、そこで再評価を続けておるわけでございますが、いまもってその作業は続けておるようでございます。それをまとめて発表したように思われますが、その中には、むしろ害があるということではなくて、有効性の問題で、向こうのことばでいいますとサブスタシシャルエビデンスに欠けるということが理由で、不良ということばが当たるかどうかわかりませんけれども、そういうことから回収をしろというようなことがあるわけでございます。中には、たとえば効能が五つうたってありますと、そのうちの四つまでは有効だという根拠がしっかりしておる、あとの一つについては有効だという根拠に乏しいという場合がございます。そういたしますと、同じ製品をつくっておりましても、ほかのメーカーは、四つのほうだけしか効能をうたってないというところは何も言われない。そういう例もあるようであります。したがいまして、どういった効能について有効な根拠が乏しいという判断をしたのかという、こまかいところまでわかりませんと、ただ、成分が同じだから、すべてその同じ成分のものは悪いんだというふうに判断することもできない状況でございます。
○渡部(通)委員 私は厚生省の評価を伺っているわけでございまして、確かに、こまかいことがわからない限りは正式な見解みたいなものは言えないことは、よくわかっております。それをいま取り寄せ中だということも伺っておりました。ですけれども、こういうものが出たということに対して、これはたいへんだ、こちらとしても、いま大衆薬等が問題になっている最中でございますから、そういう態度をおとりになるのか、それとも時間をかけてゆっくり見なければわからないというお役所仕事的な評価をおとりになるのか、その点をまず伺いたい。
○岡説明員 私ども、先ほど申し上げましたように、このFDAの処置が発表されようとされまいと、すでに再評価に着手をすべく、十一人の先生方にお願いをいたしまして、九月十日からもうその審議を始めておるわけでございます。したがいまして、これをいいかげんに放置するという意味ではございませんので、当然この資料も急ぎ取り寄せますが、あわせて全体の再評価の中で検討していかなければならない。それもゆっくりというのではなくて、できるだけ早くやらなければならない、かように考えております。
○渡部(通)委員 この不良とか害があるとかいうだけではなくて、有効でないということが問題になっているんだということが、先ほども御答弁の中にございましたけれども、私は、有効でないものが薬として売られる、これはえらいことだと思うのですね。ですから、害がなければ別に不良ではないという判断のしかたというのは、これは違うと思うのです。取り寄せ中だということでございますけれども、こうして一たん国民に不安を与えた問題というものに対しては、もう少し当事者としては——十一月三十日すでに発表になったことでございますから、いつまでも取り寄せ中などということは、話になりません。日本のお役所はそんなにのろいわけでもないでございましょうから、早急に、前向きに、積極的にこういう問題については国民の疑いを晴らす、そういう態度をおとりいただきたいと思うわけでございます。 次に、日本の許可規定の問題です。許可はいたしますが、許可を取り消す場合、これが薬事法からどういうふうになっているのかということを伺うわけでございますが、アメリカあたりでは、何年何月にいわゆる許可をした、そのかわり何年何月に許可を取り消したという、それも非常に明瞭になる。その点、日本は薬事法の上から、もう少しきびしくあってもいいんではないかと思いますが、その点はいかがでございましょうか。
○岡説明員 許可の取り消しの問題でございますが、これはもしそのものが非常に有害であるということがわかった場合には、明文の規定がなくても取り消しができると私は聞いておりますが、実際問題といたしましては、行政指導によりまして廃止届けを出しますと、それ以後製造すると違法になるわけでございます。これは、私どもこれまでの経験からいたしましても、事有害であるということになりますと、行政指導でも十分その効果を果たしておるわけでございます。ただ、有効性の問題になりますと、これは有効性の判断の問題ここにまだ解明されなければならない幾つかの問題がございますので、安全性の問題のように簡単にはいかないといいますか、行政指導をするにあたりましても、そういった点をよく詰めておきませんと問題がございますので、そういう実質的な面につきまして検討をお願いしておるところでございます。
○渡部(通)委員 大学の教授あたりでも、大衆保健薬はきかないなどという、そういうことが発言されておる。また本にまでなっている。これは信憑性云々の問題ではなくして、こういったことが非常に国民に与えている影響性というものは、不安というものは大きいわけです。こういったことに対して厚生省から別に発言もございませんし、こういう問題に対して不安を取り除いていくという方向に、食品添加物と同じでございまして、これは努力をしていただかなければならないわけでございます。いまは認定の基準が問題だ、これをどう——有効性の問題だとか、いわゆる基準の問題だというお話でございますが、それに対してはいわゆる薬効問題懇談会ですか、あれはいつ開かれて、一体どう前向きに検討なされてきているのか、その点少し具体的に説明をしていただきたいと思います。
○岡説明員 これまでに九月の十日、十月の二日、十一月の十三日と三回開かれております。 最初は、厚生省の薬事審議会だとか、承認の方法等につきまして全然御存じでない方も委員に入っておられますので、厚生省が実際に医薬品の承認許可をするにあたりまして、どういう方法をとってやっておるかということをよく説明をいたして、それに対しての質疑がございまして、それで第一回は終わったわけでございます。 それから、第二回目におきましては、基礎実験でございますいわゆる動物実験、そういったものの結果というものが、一体人間に適用した場合にどうそれが関係してくるかということ、したがって、動物実験というのはどうしても要るわけでございます。人体実験というのはちょっとまずいことばでございますけれども、臨床実験でございますね、これは必ず人間に使うものですから、動物できいたからといってそのまま人間にきくとは限らないものでございますから、実際に臨床実験をやる必要があるわけでございます。だからといって基礎実験が不要であるということにはなっていないわけでございますが、その辺、動物による薬理実験の結果というものが、人に適用した場合にどうそれを関連づけて考えていったらいいのかというような基本的な問題についての、先生方同士の自由な討議があったわけでございます。 それから、その次の十一月十三日でございますが、このときには、そういった臨床効果の判定、あるいは動物実験においてもそうでございますけれども、そういった効果の判定をする場合に数量化をしていく、価値の評価をなるべく数量化できないかといった、そういったような問題についていろいろと議論がかわされたわけでございます。 そのように、有効性の問題といいますのは、安全性の問題と違いまして、非常にいろいろな問題があるわけでございます。これまでに承認されておりますものも、相当数の臨床実験のデータに基づいて承認されておるものでございます。したがいまして、臨床データが不足であったとか、そういうことが問題ではなくて、その臨床実験によって有効であるという報告を出すのに基づいて承認がされておるわけでございますが、問題は、その臨床評価がそれでいいのかどうかということが、いま問題になっておるわけでございます。したがって、そういった問題の基本的な問題を詰めておきませんと、先へいってまた紛糾する可能性があるものですから、先生方のほうで、基礎的な問題から十分な審議をされておるわけでございます。
○渡部(通)委員 わかりました。それで薬効問題懇談会等にこの三百六十九種類の問題、こういうアメリカで発表された問題等も、いまの調査とあわせて調査の方向で御審議くださる、こう、先ほどの答弁から通して了解してよろしゅうございますか。
○岡説明員 私ども、次の懇談会のときには、できるだけこの件に関しての私どもの得ている情報を先生方にお伝えをするわけでございます。それによって先生方がいかような判断をされるかということにかかってくるわけでございます。
○渡部(通)委員 それに続いて、薬の広告について一言お伺いをしたいと思います。 現在の薬の広告は行き過ぎていると御判断になりますか。
○岡説明員 広告の取り締まりにつきましては鋭意努力をしておるわけでございますが、前から比べますと漸次よくなってきてはおりますが、現在の状態で十分とは考えておりません。したがいまし工、本年の六月の二十六日に——それまでにもたびたび指導はしておったわけでございますが、特にまた文書をもって業界に通知をいたしまして、特に、薬を飲んでいれば、健康な人がさらに健康なじょうぶな状態になっていくような印象を与える広告だとか、あるいは、その薬を飲んでいないと健康が維持できないというような印象を与えるような広告、そういった広告は行き過ぎであるから、そういう広告は行なわないようにといった意味の通知をしてございまして、これに対しまして、業界のほうでもやはり世論の動きもよくわかっておりますので、さらに業界のほうでは自粛の基準を定めて、それに従って現在広告を書いておるところでございます。
○渡部(通)委員 いま業界の自主規制を指導しているという御答弁でございますけれども、それはあまり実行されていないのじゃないかということを、私も生活している一人として感ずるわけです。確かにおっしゃるように、飲んでないと健康が維持できないような、健康な人でも飲みたくなるような、そういう薬の効果が行き過ぎの広告というものが行なわれているのが現状だと思います。これについては、いま指導しておるという御答弁ですが、なおきつく行政指導をしていただきたいと思うのです。逆に、必ず副作用というものはあるのですから、その副作用についても、これは広告をしろとまでは申しませんけれども、表示をすべきであるということについてお考えを伺っておきたいと思います。
○岡説明員 まことにおっしゃるとおりでございまして、したがいまして私どものほうも、使用上の注意ということをよく書くようにということで、具体的にどういった使用上の注意を書くべきかということを、薬事審議会の先生方の意見も聞きまして順次定めておるわけでございます。それで、いままでに、一昨年でございましたか、昭和四十三年の十二月に、抗生物質全般につきまして詳細な使用上の注意を定めまして、これを製品に表示をするようにということで、業界、それから都道府県関係団体にも通知をいたしましてそれを実施させておりますし、また昨年の十二月にはサルファ剤、それからステロイド系の消炎剤その他につきまして、やはり詳細な使用上の注意を定めまして、これを表示するように指導いたしました。また、現在は精神安定剤、それから局所麻酔剤について、その使用上の注意を整備すべく目下努力しておるところでございます。 なお、それと別に一般用の医薬品につきましても、かぜ薬などにつきまして薬事審議会で使用上の注意を定めまして、それも今年の九月に通知をして、これを改めるように指導しておるところでございます。
○渡部(通)委員 本会議までに質問を終わりたいと思いますので……。いま、その使用上の注意を四十三年以降いろいろなすった、それについてのあとの成り行きを調査なすったことがあるか、それがどう守られてきたかということについての結果はつかんでいらっしゃるかどうか。それがもしありましたら、あとで、報告でけっこうでございますが、いただきたいと思います。 それからもう一点、これは所管が違うとおっしゃられるかもしれませんが、十三ページの一番下に「医薬品の副作用による危害について、国または企業の補償制度に関し、検討を行なう。」、これが四十七年度以降の項目に入っております。これはもう特に種痘なんかの問題については義務規定なんですから、その企業や国家の補償というものは早急に打ち立てられるべき問題であって、これが四十七年度以降ということは、私ははなはだ不満でございます。この点についての厚生省の御見解を伺って、終わりにしたいと思います。
○岡説明員 この点につきましては、帰りまして上司とも相談をいたしまして、検討をいたします。
○渡部(通)委員 それでは、以上で終わります。
○松平委員長 本日は、これにて散会いたします。 午後一時五十二分散会