農林水産委員会 第7号
- 発言数
- 171 件
- 登壇者
- 15 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1970/12/16
会議録
○草野委員長 これより会議を開きます。 請願の審査に入ります。 今国会において本委員会に付託になりました請願は全部で六十九件であります。 本日の請願日程第一から第六九までの請願を一括して議題といたします。 各請願の内容につきましては、請願文書表等によりましてすでに御承知のことと存じます。また、先刻の理事会におきまして慎重に検討をいたしましたので、この際、各請願についての紹介議員からの説明等は省略し、直ちに採決したいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○草野委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 これより採決いたします。 先ほどの理事会で決定いたしましたとおり、本日の請願日程中、第一、第三ないし第四八、第五一ないし第五七及び第六三ないし第六九の各請願は、いずれも採択の上内閣に送付すべきものと決するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○草野委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 ただいま議決いたしました各請願に関する委員会報告書の作成等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○草野委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 ————————————— 〔報告書は附録に掲載〕 —————————————
○草野委員長 また、本委員会に参考送付されました陳情書は、総合農政の推進に関する陳情書外四十六件でございます。御報告いたします。 ————◇—————
○草野委員長 この際、閉会中審査申し出の件についておはかりいたします。 すなわち、 芳賀貢君外六名提出、国が行なう民有林野の分 収造林に関する特別措置法案 内閣提出、国有林野の活用に関する法律案 内閣提出、卸売市場法案 農林水産業の振興に関する件 農林水産物に関する件 農林水産業団体に関する件 農林水産金融に関する件 農林漁業災害補償制度に関する件 以上の各案件につきまして、閉会中もなお審査を行ないたい旨、議長に申し出たいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○草野委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 なお、議長への申し出に関する手続き等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○草野委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 次に、閉会中の委員派遣に関する件についておはかりいたします。 ただいま議長に申し出ることに決しました閉会中審査案件が付託になり、その調査等のため委員を派遣する必要の生じました場合には、その調査事項、派遣委員、派遣期間、派遣地並びにその承認手続等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○草野委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 ————◇—————
○草野委員長 農林水産業の振興に関する件について調査を進めます。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。芳賀貢君。
○芳賀委員 先般一三日に、農林省から農業の生産の地域分担指標の試案なるものが発表されたわけでありますが、これはあまりにも唐突の発表ということでありますので、われわれ農林水産委員会としても農林省発表の目的とするところが那辺にあるかということは把握しずらい点がありますので、この際、農林省から、いかなる目的で現在の時点であのような地域分担の指標というものが発表されたのか。何か目的がなければ唐突の発表はしないと思うわけですから、その発表のねらいというものがどのようなものであるかということをまず説明してもらって、その後、内容についても一通りの説明を官房長からしてもらいたいと思います。
○太田(康)政府委員 御承知のとおり、政府は昭和四十三年の十一月に昭和五十二年を目標年度といたしますところの「農産物の需要と生産の長期見通し」を公表いたしたわけでございますが、さらにそれを受けまして、昭和五十二年におきますところの重要農産物の地域別生産の望ましい姿を明らかにいたしまして、需要に見合った効率的な農業生産の推進に資するということで、かねて地域分担、地域分担といってまいりましたが、地域指標、いわゆるガイドポストをつくろうということを、実は本年の春以来検討いたしてまいったのでございます。当初の計画ではおおむね十二月中に作成を完了するという予定でおったわけでございますが、こういったことは、今後わが国の農業生産を好ましい方向に指導するためにぜひ必要なものであるからできるだけ早く作成して、今後予想されておりますところの米の生産調整等にも使い得るものがあればこれを実際に参酌いたしましてやってまいるべきではないかというような強い御意見もございましたので、われわれといたしましては作業を急ぎまして十一月中に取りまとめるということで作業をやってまいったわけでございますが、いろいろなことがございましたけれども、最終的にはおおむね作業も完了いたしましたので、一応農林省の試案ということで先般の十二日公表をいたした、こういった次第でございます。
○芳賀委員 この発表に先立って倉石農林大臣が記者会見をした際に、この種のものは別に与党に相談する必要はない。必要があるとすれば二、三人の者に示してそれで発表ができるということを新聞は伝えているわけです。だから与党の諸公もおそらく発表を事前にこういう内容のものがいつの時期に発表になるということはほとんど知らなかったと思いますね。当委員会においても機会あるごとに米の生産調整の問題、将来にわたっての食管制度のあり方等については真剣な議論をしておるわけですから、もし発表するとすれば、事前にこの案が策定された時点において何らかの形式で当然委員会等にもこれを提示する必要があったのではないかと考えますが、大臣と同じようにそういう必要はない、役人のつくった作文を適当の時期に一方的に発表すればいいというようなそういう安易な考えでこれはつくられて発表されたわけですか。
○太田(康)政府委員 決してさようなことを考えたわけではございませんで、私のほうといたしましては、先ほど来申し上げましたように十一月中に完了するということでやってまいったのでございますが、事柄が事柄でございますので、慎重の上に慎重を期しまして、与党でございますところの自由民主党とも十分相談をいたしまして取り扱いをきめていただくということで、先ほど申し上げましたように十二月中に公表ということになった次第でございまして、決して一方的に私のほうだけで取り扱ってよろしいものであるというようなことを考えているわけではございません。
○芳賀委員 それではいま資料が配付になったわけですが、これに対して一通り官房長から説明してください。
○太田(康)政府委員 それでは暫時お時間を拝借いたしまして、ただいま議題になっておりますところの「農業生産の地域指標の試案」につきまして御説明をさしていただきたいと思います。 お手元に「農業生産の地域指標の試案の概要」という資料と「農業生産の地域指標の試案の概要総括表」という資料がお配りしてあると思いますが、この資料に基づきまして御説明を申し上げます。 「農業生産の地域指標の試案の概要」でまず御説明を申し上げたいと思いますが、まず目次をお開きいただきますと、第一ページの「総括」というのと、「品目の概要」ということで米以下飼料作物までの十品目につきまして、それぞれ品目の概要につきましての御説明を申し上げております。実は本文はかなり分厚なものでございますが、一応これは概要でございますのでこういったことに相なっております。一応朗読をいたしながら御説明をいたしたいと思います。 まず「総括」でございますが、ただいまも申し上げましたように、この地域指標というものは、先ほども申し上げましたように昭和五十二年におきますところの農産物の需要と生産の長期見通しを、かねて四十三年十一月に公表いたしておりますので、この五十二年を目標年次といたしまして、「五十二年における重要農産物の地域別生産の望ましい姿を明らかにし、需要に見合った効率的な農業生産の推進に資するものである。」これはもういまさら申し上げるまでもなく、最近におきますところの米の過剰の状況、あるいは物によってはやや需給がゆるんでいるものもある。しかしながら、一方、需要に対しまして生産の追いつかないものもあるというような状況でございまして、「需要に見合った効率的な農業生産の推進」ということは、基本法以来のいわゆる生産の選択的拡大といわれておる政策の路線にも沿っておるわけでございまして、それに資するものだ。 そこで、この地域指標の作成にあたっての前提としてのおもな考え方あるいは前提条件、そういったものについて申し上げますと、「地域指標は地域の農業生産を長期的観点から誘導するガイド・ポストであって、生産計画を内容とするものではない。」私たちが考えておりますのは、後ほど申し上げますようにこれで各三地帯十四地域別に先ほどの十品目につきましてのいろいろな数値を発表いたしておりますが、これは現在の経済運営の体制が計画経済をとっておるわけではございませんので、こういったことを必ず強制的に実現をさせるというような意味での生産計画というようなものを内容とするものではないので、あくまで長期的観点から誘導するガイド・ポスト、いわゆる指標でございますということが第一点でございます。 それから、作成の前提となる全国ベースの農産物の需要ないし生産の見通しにつきましては、先ほど来申し上げておりますように、原則として、四十三年十一月に公表いたしました「農産物の需要と生産の長期見通し」、これによることといたしました。「ただし、米の需要と生産及び麦類、豆類の生産については新たに見通しを行ないそれぞれ前提とした。」と申しますのは、昭和四十三年の十一月に公表いたしました、ここに書いてございます「農産物の需要と生産の長期見通し」におきましては、米につきましての需要が中央値でたしか千二百四十万トン台と考えておったのでございます。ところが最近の調査によりますと、昭和四十四年度で米の需要が千二百万トンを切るというような事態も出てまいりましたので、後ほど御説明申し上げますように、米の需要につきましては昭和五十二年の数値を、最近の米の需要の状況等も勘案いたしまして、大体千百六万三千トンというふうに中央値を修正をいたしまして、これに基づきまして、この数値をもとに作業をいたしたということでございます。 それから麦類につきましては、実は当初の長期見通しにおきましては相当過去のトレンドで考えておりましたので、傾向的にはかなり減る。これは豆類についても同様でございますが、しかしこれらにつきましてはある程度意欲を加えて、少なくとも麦類等につきましては昭和四十五年の作付面積ぐらいを維持するようなことを考えてみたらどうか。 それから豆類につきましては、今後これは非常に需要が旺盛であることは申し上げるまでもないわけでございまして、しかも今後の米の生産調整に伴う転作の促進で取り上げるべき作目であるというふうに考えまして、四十三年当時の長期見通しに修正を加えて数値を改めたわけでございまして、この数値を作業の前提の数値として採用いたしましたということでございます。 それから施策についてでございますが、これは一応の考え方といたしまして、農業基本法及び本年二月に政府が公表いたしました「総合農政の推進について」で明らかにいたしました基本的方向の示したところに従いまして、現在考えているような形態と進度をもって実現されるであろうという前提。それからその場合、くどいようでございますが、米につきましては今後作付の転換を進めることが必要になるので、他作目への作付転換の促進などの施策が講ぜられるということを考慮に入れるということにいたしております。 それから地域区分でございますが、十四地域、三地帯ということで、大都市近郊農業地帯、中間農業地帯、遠隔農業地帯、それぞれに総括をいたしまして、数値の公表をいたしております。 そこで大都市近郊農業地帯とございますのは、そこに書いてございますように、南関東それから東海、この東海の中には静岡県を含めております。静岡、三重、愛知、岐阜ということになるわけであります。それから近畿臨海の三地域。 中間農業地帯とございますのは、北関東それから東山、これは山梨、長野でございます。それから北陸、これは新潟、富山、石川、福井。それから近畿内陸。山陰、これは鳥取と島根。それから山陽、これが山口、岡山、広島でございます。それから四国の四県。この七地域。 それから遠隔農業地帯とございますのは、北海道、東北、北九州それから南九州の四地域。こういった三地帯、十四地域に区分をいたしまして、数値の公表をいたしておるのでございます。 それから、五に書いてございますように、この地域指標の作成にあたりましては、需要の長期見通しに立脚いたしまして、地域の自然条件、経済条件、産業構造、就業構造の見通し、それから交通あるいは市場条件の変化、農業技術の進歩発展などを考慮いたしまして、いわゆる空間均衡モデルというアメリカで使われました科学的な分析方法を用いまして計測をいたしたわけでございますが、この計測結果を基礎にいたしまして、そこに書いてございます過去の動向を将来に投影する計測結果、いわゆるトレンドで伸ばしたもの、あるいは現に各都道府県におきましてすでに県独自の長期計画等をお持ちでございますから、これらにつきましては県の御意向等も十分伺いますし、それらの数値も参考にいただきまして、これらを参考としながら地域指標の作成に当たりましたということでございます。 そこで次の四ページにまいりまして、この地域指標によりますれば、今後の農業生産というものはどういった姿に各地帯別になるかということの大ざっぱな概観をいたしております。「選択的拡大の方向で生産構成の再編成を図りながら、着実に伸長する。」「四十一年から五十二年の間に年率二・五%の成長が期待される。」これらの数値につきましては、後ほど総括表のほうで申し上げたいと思います。「地帯別には、遠隔地帯の伸びが最も高く、ついで中間地帯、大都市近郊地帯の順となろう。」というふうに推定をいたしておるのでございます。 そこで、各地帯別に地域的発展を総括いたしますと、まず遠隔地帯でございますが、これらの地帯は土地や労働力条件の優位性を生かしながら、米麦等の耕種生産や草資源に依存することの多い大家畜飼養の比重を増大させるであろう。また今後におきまして輸送条件の改善も当然考えられるわけでございますので、これらの改善に伴いまして野菜、果実もその比重を漸次高めましょう。このようなことで遠隔地帯での農業生産は最も高い伸びが期待され、今後における農業生産の中核的なにない手となる地帯であろうというふうに考えております。 そこで遠隔地帯の中でも地域別にこれを見てまいりますと、まず北海道でございますが、北海道は何と申しましても酪農を中心といたしまして、イモ類の生産における比重というものをさらに高めるであろう。また、現在年率二〇%くらいでふえておりますところの肉用牛の飼養というものの比重も、北海道におきましては今後、草資源が豊富でございますので増加もしようというふうに考えております。 それから東北でございますが、やはり東北も水稲及び大家畜を基幹作目といたしまして、野菜、果実の生産の比重を高めるであろう。 それから北九州は、水稲を基幹作目といたしまして、野菜、果実などの比重が高まる。また南九州では、草地畜産を中心にいたしまして、輸送条件の改善等によりまして、野菜等がその生産の比重を高めていくというふうに見ておるのでございます。 次に中間地帯でございますが、中間地帯におきましては、米麦の生産を維持しながら、大都市近郊の外周部というような地域の特性を生かしまして、農産物市場の拡大や道路などの輸送条件の改良発達等によりまして、野菜、果実、飲用乳などの生産地帯としての性格をさらに一そう強めるであろうというふうに見ております。 地域別にこれを見てまいりますと、北関東におきましては、麦類、野菜、繭、牛乳、東山地区におきましては、水稲、果実、野菜、繭の生産比重を高める。これに比しまして北陸、近畿内陸、山陰というものは、水稲を基幹作目といたしまして、北陸、近畿内陸は野菜、山陰は果実というものの比重を今後高めるものと見ております。 また山陽と四国でございますが、これは温暖な気候条件を利用した野菜、果実を中心に、牛乳などの多様な生産を進めるというふうに見ております。 次に大都市近郊地帯でございますが、この地帯におきましては、御承知のとおり、労働力の減少、耕地の壊廃、地価の高騰、不作付地の増加、こういったものがさらに今後進みまして、農業生産の伸びというものは、いままで申し上げましたところの中間地帯あるいは遠隔地帯に比べますと最も低い。しかしながら、一方におきまして、大市場を控えておるというような市場条件の優位性を生かしまして、収益性の高い一部の野菜、飲用乳などの生鮮食料品の生産に一そう傾斜するというふうに見ております。野菜、生乳の供給におきまして、こういった地帯ではなお相当な役割りをになうものというふうに見ておるのでございます。 主要な作目別には、米、麦及びイモ類の生産はかなり減退するというふうに見ておりますが、野菜とか果実とか飲用乳などの生産は若干の伸びが期待され、これら地域の農業生産においては、園芸と畜産の比重というのが全体として目立って上昇するというふうに見ておるのでございます。 そこで、こういった地域指標の性格というものでございますから、これらの性格に十分留意しながら、われわれといたしましては、長期的な立場から地域の農業生産を誘導してまいりまして、ここに描いたような農業生産の姿が実際に各地域において具現されるように、農業基本法あるいは「総合農政の推進について」で示すいろいろな方向に従いまして、かつ、この地域指標というものを考慮いたしまして今後の施策を講じてまいりまして、この望ましき農業生産の姿というものを実現してまいりたい、かように考えておる次第でございます。 そこで、八ページに入りまして、「品目の概要」として米が出ております。米が代表作目として考えられますので、これにつきまして御説明を申し上げ、以下、麦類等の各作目につきましては一応説明を省略いたさせていただきまして、それから総括表の数字で御説明を申し上げたいと思います。 そこで、米についてでございますが、まず需要の見通しといたしまして、一人当たりの消費量というものが、三十七年度の百十八・三キログラムをピークといたしまして、三十八年度以降減少傾向に転じまして、四十四年度は百キロを割りまして九十六・九キロということになった次第でございます。 そこで、こういった傾向は、今後も食生活の高度化に伴う穀類消費全体の減少傾向を反映して、引き続き減少するというふうに見込まれるわけでございますが、何と申しましても米は国民の主食であるという地位には変わりがないわけでございますので、今後米の需要増進をはかるということも大きな政策課題にもなっておりますし、こういったことも考慮いたしまして、その減少度合いは長期的に見ますと次第に鈍化するであろうというふうに見ております。そうはいっても、とにかく減ることは変わりがないわけでございまして、五十二年度におきます一人一年当たりの食料用の需要量というものは、先ほど申し上げました四十四年の九十六・九キログラムに対しまして、八十・三キログラム、これは中央値でありますが、八十・三キログラム程度になります。これに人口増加、加工需要の増加等を含めまして、米の総需要量を玄米換算で推定をいたしますと、当初述べました千百六万トンということになるわけでございまして、四十四年度が千百九十七万トンでございますから、これに比べますと約一割程度の減少になるというふうに見通しておるのでございます。 一方、生産の見通しでございますが、生産につきましては近年の推移を見てまいりますと、三十七年度の産米が千三百一万トンという豊作を記録いたしまして、その後実は四十年までは減少を続けたのでございますが、四十一年には生産の回復を見まして、四十二、四十三、四十四と引き続き一挙に千四百万トンという大台に達したのでございまして、需要のほうは減少するにもかかわらず、生産のほうは着実に伸びるというようなことから、米の生産過剰というのが、実は、まあことばが過ぎるかもわかりませんが、決定的なものになった。四十五年産米も豊作で、百五十万トン以上を目標に生産調整を行なったのでございますが、それでも千二百八十五万トンという高水準の生産が、十月十五日現在の私のほうの統計調査部の推定では見込まれておるのでございまして、こうした米生産の増加というのは、稲作の相対的な有利性による作付面積の増加あるいは土地改良事業等による生産基盤の整備、稲作技術の進歩、普及、こういったこれまでとってまいりました政策効果によるところが大きいであろうというふうに見ておるのでございます。 そこで今後の見通しでございますが、先ほど来申し上げておりますように、今後の米生産というものは、主産地域を中心に生産性の高い稲作経営の確立、米の品質の改善ということに重点を置きまして、効率的かつ安定的な供給体制を整備するということに重点を置いてまいることが重要であろうというふうに考えておるのでございます。 作付面積について考えますと、今後、都市化の影響の強い地域、大都市近郊地帯等でございますが、こういった地帯を中心に水田の壊廃というものは一そう進行すると考えられるわけでございます。他方、水田の拡張というものは、御承知のとおり政府の政策面における開田等につきましては極度に抑制をいたしておりまして、一部を除いてはほとんど見込むことが困難であるというような状況になっておりますので、このような状態が続きますと、五十二年におきますところの水稲の作付面積というものは、四十四年の一割弱減の二百九十万ヘクタール程度になるだろうというふうに見通されるわけでございます。 しかし、水稲作付面積を二百九十万ヘクタール程度といたしましても、十アール当たりの収量というものも年々確実に増加をいたすわけでございますので、米の生産量というものは増加をいたしますし、他方、米の需要量は、先ほど来御説明申し上げておりますように、一そう減退するというようなことになりますので、生産が需要をかなり上回るということになるわけでございます。 そこで、米の需給均衡をはかるために、稲作の他作物への転換など、米の生産調整対策ということを講ぜざるを得ないのでございまして、こういった対策を講ずるということを前提といたしまして、生産性の高い稲作の実現をはかるという立場から、稲作生産の望ましい姿を描いたわけでございまして、これによりますと、先ほどの千百六万トンという需要に見合った生産をあげるための全国の作付面積というものは、昭和五十二年におきましては、四十四年の作付面積に比べますと、約三割減の二百二十七万ヘクタール程度になるというふうに見通されたのでございます。この面積がやや過小ではないかというようなこともございますが、実は、先ほど来説明申し上げておりますように、生産性の高い稲作農家の実現というようなことで、そういった好ましい地帯で、生産性の高い稲作農家によって稲作がになわれるというふうに考えておりますので、反収も、実は昭和四十三年に描いておりました反収よりも高くなりまして、昭和五十二年には四百八十キログラムというふうに見ております。これらによりまして、いま申し上げた二百二十七万ヘクタール、約三割減というようなことに見通されたのでございまして、これを地域別に分けますと、稲作の生産条件や生産性が相対的に不利でございますところの南関東、東海、近畿臨海、四国及び南九州の各地域の作付面積は、四十四年対比で申し上げますと四割前後減少する。また、北関東、近畿内陸及び山陽は、全国平均並みの三割の減少が見込まれる。主産地域でございますところの、いわゆる遠隔農業地帯の東北、北九州、それから北陸も含めまして、それから東山、山陰、これは二割程度の減少にとどまる。北海道では三割の減少になる。 この結果、地域別の作付面積シェアというものを見ますと、東北・北陸、北九州、東山、山陰の各地域は、おおむね四十四年と同等か、それ以上に高まる。これは作付面積ではないので、面積のシェアをいっておるわけでございますが、これは高まる。その他の地域では、概して低下をし、特に大都市近郊農業地帯の各地域での比重の低下が大きいということで、一四ページに、各地帯別、地域別にその作付面積の見通しが載っておりますので、これをごらんいただきたいと思うわけでございますが、先ほど申し上げましたように、四十四年の作付面積が一番左の下の欄に載っておりますが、三百十七万三千ヘクタール、これが、五十二年には二百二十七万三千ヘクタール。その次の欄に四十四年分の五十二年と書いてございますが、比率で申し上げますと七一・六%、したがいまして、この逆の数値、すなわち二八・四%というものが作付面積の減少率になるわけでございます。これを、大都市近郊農業地帯、中間農業地帯、遠隔農業地帯のそれぞれの計で申し上げますと、大都市近郊農業地帯では六二・一%ということでございますから、約三八%、全国平均で約三割のところが三八%ということに相なるわけでございます。それから、中間農業地帯におきましては七一・八%、すなわち二八・二%、遠隔農業地帯では七五・五%ということで、二四・五%ということになるわけでございまして、先ほどちょっと申し上げましたように、それぞれの地帯の中におきましても、また地域によりましてそれぞれの差等があるわけでございますが、われわれの想定では、一応こういったことに見通された次第でございます。 それから、その次に、十アール当たり収量のことが一五ページ以下に書いてございますが、先ほども申し上げましたように、土地改良の進展、品種改良、水管理の合理化などの栽培技術の改良、生産性向上の施策の進展、それから生産調整によりますところの低収穫水田の減少もございまして、引き続き反収は増加するであろう。五十二年には全国平均で四百八十キロというふうに見通しておるのでございます。 地域別には、主産地でありますところの東北、北陸、北九州などが依然高い水準を維持するであろう、北関東、東山及び山陰でも引き続き高位安定的に推移すると見られる、また、北海道、南九州においても収量の増加が期待をされておりますが、これに比べまして南関東、東海、近畿臨海、近畿内陸及び山陽の各地域におきましては、反当収量に関する限り、おおむね停滞的な傾向で推移するというふうに見ております。 そこで生産量の問題に移るわけでございますが、以上の結果、水稲生産量は、全国で、四十四年の千三百八十万トンから、五十二年には千九十二万トンに減少する。これを地域別に見ますと、東北、北陸、北九州の各地域のシェアが非常に高まりまして、この三地域で全国生産量の五〇%を占めるというふうに見ております。したがいまして、その他の地域のシェアというものは低下ないし横ばいというふうに見通しております。 見通しの結果、全体を総合して申し上げますと、五十二年の米の需要量は、中央値で千百六万トン程度になり、生産は、米の生産調整のための各般の施策を講じまして、米の作付面積の減少をはかるということといたしまして、水稲の作付面積が二百二十七万ヘクタール程度となるということが期待をされておるわけでございまして、その結果、五十二年の米の生産量は、陸稲を含めまして、需要の数量に見合いました千百六万トン程度になる、そして需給は均衡する、こう見ておるのでございます。 そこで、次に総括表をごらんいただきたいと思いますが、まず総括表の二ページから三ページにかけまして、これが地域指標の数値になるわけでございますが、それぞれ先ほど申し上げました三地帯十四地域別に十の作目につきましてその作付面積、あるいは飼養頭数、五十二年にはこういう姿になるであろうというものでございます。 その次の四ページから五ページにかけまして、四十四年に比べましてどういった作付面積の伸び率あるいは飼養頭数の伸び率を示すかというものが載っております。そこで、これを見ていただきますと、水稲につきましては、先ほど申し上げましたように七一・六%、陸稲につきましても六四・四%、麦類につきましては、先ほど四十五年とほぼ同じような作付面積と申し上げましたが、四十四年が基準になっておりますので、七八・七%、イモ類も減じまして七五・八%、以下豆、野菜、果実、桑、耕地飼料作物、草地牧草、それから飼養頭数で出ております乳用牛、肉用牛等につきましては、先ほど申し上げましたように、今後伸ばすべき作目あるいは家畜といたしまして、ここに書いてございますように、かなり高い伸びを示しておるということでございます。 それから、次に一〇ページから一一ページにまいりますと、生産量が載っております。水稲で申し上げますと、先ほど申し上げました千九十二万トン、これに陸稲の十四万三千トンを加えまして、千百六万三千トンというような数値になるわけでございます。以下麦類、イモ類、牛乳まで、五十二年におきますところの生産量というものを載せております。 これをさらに一二ページから一三ページにかけまして、四十四年との伸び率を出しております。これも申し上げるまでもなく、水稲、陸稲、麦類、イモ類、ここまでの作目につきましては、いずれも生産量も減じておりますが、豆類以下の選択的拡大作目につきましては、生産量におきましても、かなり高い伸び率を見通しておるのでございます。 それから次に、参考付表というところの二〇ページをお開きいただきますと、ここで部門別生産指数ということで、本文の中で申し上げましたように、四十一年度を基準といたしまして、年率二・五%の成長率でございますと申し上げましたが、そこに書いてございますように、耕種といたしましては〇・四%の伸び、耕種の中でも米、麦、イモ、この三品目につきましては成長率は逆にマイナスに出るわけでございますが、豆、野菜、果実等の伸び、それから養蚕の伸び、それから畜産の比較的高い伸び、これらを平均いたしますと、年平均の成長率といたしましては二・五%、こういった姿に相なるわけでございます。 そこで、その際実現される農業生産の構成比はどういう姿になるかということが、次の二一ページの農業生産構成というところに載っております。四十一年度と対比いたしまして、五十二年の姿を描いておりますが、このとき、四十一年の姿が耕種が全体で七七・五%、養蚕が二・八%、畜産が一九・七%、これで一〇〇%、こういう姿にあったわけでございますが、この地域指標が実現された五十二年の暁におきまして試算をいたしますと、耕種が六二・六%、養蚕が三・六%、畜産が伸びまして三三・八%、特に単品で米をごらんいただきますと、米が四十一年には四三・七というような高いウエートを占めておったのでございますが、五十二年には、推定では二九・一%ということになる。畜産全体を合わせますと、米をこえまして、畜産が一番総産出額の中では高いウエートを占める、こういうことになるわけでございます。 そこで一番最後に、それではその際における自給の見通しがどうなるかということでございまして、一番上に実は総合自給率を申し上げたほうがよろしいわけでございますが、各もの別にそこをまず見ていただきます。四十四年が米がたとえば過剰でございまして、一一七というような数値に相なっておりますが、このときの総合自給率が、米が一一七といたしますと八〇%、米を一〇〇%で推計をいたしますと七六%、しばしば申し上げた自給率の数字でございます。五十二年には、ここに書いてございますように、米一〇〇%、以下小麦、大裸麦、カンショ、バレイショ、大豆これらをずっと総合自給率ではじきますと、七七・五%ということに相なるわけでございまして、自給率につきましては、おおむね現在程度の自給率を維持し得るというふうに考えておる次第でございます。 なお、大豆等につきましては、前回公表いたしましたところの五十二年の需要と生産の長期見通しにおきましては、五十二年の自給率が二・九%というようなことになっておったのでございますが、今回転作作目にこれを取り上げるというようなことで、たとえば作付面積を相当ふやすというようなことにもなっておりますので、これが一二・一%。決して高い自給率ではございません。従来の十一月公表の分に比較いたしますと、自給率の改善が見られておるというようなことに相なっておる次第でございます。 たいへん長時間になりまして恐縮でございましたが、われわれが今回公表いたしました「農業生産の地域指標の試案」につきましての概要を御説明申し上げた次第でございます。
○芳賀委員 ただいまの説明に対して若干の質問をいたします。 第一は、今回の地域分担指標なるものは、たとえば来年行なうところの米の生産調整、これも政府の方針としては向こう五年間ぐらいは継続するというような方針のようでありますが、この米の削減政策に対しての誘導政策としてこれを用いる考えであるかどうか。
○太田(康)政府委員 いま御説明申し上げましたように、私たちが今回作成、公表いたしました地域指標の試案というものは、適地適産の見地から、将来の米生産につきましても望ましいと考えられますところの各立地の姿を描いておりますので、生産調整の結果このような姿が実現されることが好ましいというふうにわれわれ考えております。 ただ、私どもがつくりました数値はあくまで五十二年の数値でございまして、四十六年度の生産調整にこれを直ちにどういうふうに使うかというような問題がお尋ねの点であろうかと思いますが、この点につきましては、せっかくこういったものを作成いたしたわけでございますから、これらを十分参酌しながら、生産調整が決定いたしました暁には、生産数量の割り当て等の際に使いたいというふうにわれわれ考えております。しかし具体的にこれをどういう使い方をするかというような点につきましては、なお目下検討中でございまして、確定はいたしておらない次第でございます。
○芳賀委員 この指標は、農業基本法による農産物の長期需給見通し、これは四十三年十一月公表になって、目標年次が五十二年ですからおそらくこの長期需給見通しに対して米を中心にして大幅な修正を加えておることに結果はなるわけです。 そこで官房長が、先ほどこういうような誘導政策の基礎をなす指標を発表したが、いまの経済体制というものは、これはもちろん資本主義経済のもとにあるわけだから、それを頭に置いて言ったと思うのですよ。計画経済ではないので、これを誘導する場合においても計画生産あるいは生産計画というものは期待しないで、これは単なる見通しとしてつくったものである、ここに問題があると思うのですよ。ただ、農業の問題については、資本主義経済のもとにあろうとなかろうと、もう不可避的に米の生産調整を中心にしてやはり生産面においては生産の計画化の方向に移行させる、それに対して政府が誘導するということでなければ、政府の考えというものは実現の方向に行かないと思うのですよ。その点はどう考えておられるわけですか。資本主義経済だからこういうものを出しても実行は無理である、ただこれを発表すれば相当生産者にショックを与えることは間違いないわけだからして、まあショックで一撃を加えて、それから来年以降の米の生産制限にはいやでもおうでももう諦めて追随させるという、そういうことを考えておるのじゃないのですか。
○太田(康)政府委員 私が申し上げましたのは、地域分担はあくまで地域の農業生産を長期的な視点に立ちまして誘導する見通し、いわゆるガイドポストでございます。では一体これは何に使うんだというようなことにもなるわけでございますが、われわれの一つの期待といたしましては、せっかくこういったものができたわけでございますから、これからもちろん農業団体なり都道府県あるいは関係方面の意見を十分伺いまして確定をいたしていきたいと考えておりますが、具体的には各都道府県あるいは市町村、農業団体等が農業計画をおつくりになる事例が非常に間々あるわけでございますから、これらの参考にしていただきたいというふうに考えておるわけです。しかし、われわれのほうといたしましても地域分担の望ましい姿というものを描いたわけでございますから、直接生産をこれによって規制するというものではございません。これはあくまで農家の自由意思によって農家が個々の作目につきまして選択されておつくりになっておる現状でございますから、決して個々の生産をこれによって直接規制するというものではないわけでございますが、やはりこういった地域におきましてはこういった作目をつくることがその地域にとっての農業粗収益を高めるのに最も好ましいんだというような前提に立ちまして、空間均衡モデルによる計測結果でございますので、そういったことが各地域の実情に応じて実現されるように政策の裏づけをとってまいらなければならないだろうというふうに考えておる次第でございます。
○芳賀委員 これを農民に示す場合、いままでの歴史的な過経から見ると、政府の誘導政策にしても、長期見通しにしても、その逆をやらなければだめだという考えに皆立っておるわけでしょう、そのとおりやれば全部失敗したわけですから。これを参考にさせるということになれば、賢明な農民諸君はこれと逆のことをやらなければ自己防衛はできないということになると思うのですよ。それも計算済みですか。
○太田(康)政府委員 そういうおことばを間々お聞きすることもございますが、やはりわれわれはわれわれが立てました現在の計測がそんなに誤っているというふうに考えてないわけでございますので、今回のこの地域分担の試案というものの公表の機会に各方面の御意見を十分伺いまして、できればこれによりまして各地域の農業生産が、この姿が実現されるように誘導をしてまいりたい、こういうふうに考えておる次第でございます。
○芳賀委員 総括表によると、米をはじめ各作目別の自給表は出ておりますが、食糧の総合自給率がこれによってどう変化するということはこの表には出ていないわけです。一覧しましても米が一一七が一〇〇になるわけですね。麦もふえていないわけでしょう。そういうことになると、食糧の総合自給率というものは、むしろこの見通しによって減退するということになると思うわけです。どういうことになるのですか、これは。おそらく農産物の全面自由化というものをいま佐藤総理は計画を繰り上げて、あと一年間に全面的にこれを取っ払うという方針を強く打ち出しているわけですからして、それとの見合いでむしろ輸入農産物等については国内の自給率を上げれば輸入が減少するということになるという、自由化対策とのかね合いで総合自給率を下げるということになっておると思うわけですが、その指数がどうなるか。
○太田(康)政府委員 さっき総括表の二二ページで個別の作目につきましての自給率の見通しを申し上げましたときにちょっとふえんさせていただいたわけでございますが、そこに書いてないのはまことに失礼なんでございますが、ちょっと申し上げますと、四十四年が総合自給率が米が一一七ということで計算をいたしますと、八〇%ということに相なる。そこで米を過剰の部分を計算の中に織り込まずにかりに一〇〇%として計算をいたしますと、七六%という自給率でございます。それが今回の五十二年のこの試算によりますところの自給率をはじきますと七七・五%ということになるわけでございますので、先ほど申し上げましたように、おおむね現在程度の自給率は、維持をいたしておるというふうに見通しておる、こう申し上げたわけでございます。
○芳賀委員 自給率の計算は方法によっては違いが出てくるわけですから、いずれにしても低下するということは事実であります。そこでこれにあわせてそれでは農業の所得構造が当然変化するわけですね。収益性の高い米を三〇%の九十万ヘクタールも削減するということになれば、面積の面から見ればその九十万ヘクタールというものは他作物に転換するということになるわけです。この九十万町歩だけをとらえてみても、それによって生産農家の所得というものは、収益率というものは、相当大幅に後退するわけですね。それはどういうような計算をしておるわけですか。面積数量だけよりもむしろこれによって与える生産者に対しての影響というものが構造的にどうなるかということが、当然これは総括表あるいは方針の中に出てこなければならぬわけです。
○太田(康)政府委員 われわれの見通しにおきましては、まさに先生のおっしゃるとおり最も有利でございますところの稲作をかなり減ずるわけでございまして、これをいまのわれわれの計画では八割程度他作物に転作させたいというふうに考えておりますので、これらの施策によりまして、まあこれに転作の奨励補助金等も交付することに考えておりますので、その限りにおきまして大体所得の面におきまするカバーはできるであろうというふうに考えておりますが、まさに御指摘のとおり相当大規模な生産調整をするわけでございますから、減反率の高い大都市近郊地帯等の地域におきましては、農業生産の伸びが鈍化をいたしまして、農業所得の伸び悩む地域というものも出てまいるというふうに当然考えるわけでございます。そこでこれらの地帯につきましては、やはりわれわれが毎度申し上げておりますところの構造政策あるいは農業生産の合理化対策というような生産性の向上対策を積極的に講ずる、さらに従来よりも一段と強化をするということが何としても必要であろうということでございます。これらの政策を講ずることによりまして農業所得の確保をはかるということが第一点でございます。しかしやはり農家でございますので兼業所得という問題もあるわけでございますので、これは現在われわれが考究いたすところの農村地域に対する工場導入ということも実施をいたしまして、いわゆる兼業農家等につきましてはそういった面での所得の安定もはかりまして、これらを通じまして農家所得の維持確保をはかってまいりたい、かように考えておる次第でございます。
○芳賀委員 私の聞いておるのは、大まかに見て米作を面積で九十万ヘクタール削減するというのが基礎になっていますからね。その九十万ヘクタールというものを主として——麦作はふえていないのですからね、麦の作付面積は、五十二年も、ふえないで、むしろ少し減っておるわけでしょう。そうすると、大豆、雑豆あるいは飼料作物、その他面積には大きな影響のない蔬菜類ということになるわけですから、従来他作物に対して収益性の高い米作を今度は他に転換させる場合の——複雑な説明は要らないのですよ。この九十万ヘクタールを他に転換した場合の米作との収益の差というのは当然これは出てくるわけですけれども、その総生産における金額の差額、あるいはまた所得における金額の差額というのが出るわけですから、それがどういうふうに変化するかということを聞いておるわけです。
○太田(康)政府委員 先ほどの三百十七万と二百二十七万、確かに九十万ヘクタールくらい減反、作付面積を減らさなければならぬわけですが、私たちの見通しでは、そのうち大体二十七万五千と思いましたが、その程度は壊廃でいくであろう。したがって、作付面積として一応余剰になりますのは六十七万三千ヘクタールくらいと見ておるわけでございます。これに対しまして、私たちは、転作で、大豆あるいは永年性作物、飼料作物、野菜、こういったものに重点を置いて、八割程度は埋めてまいりたい。 そこで、これが、私たちが考えております現在の米生産調整の計画的実施ということで、五年間転作の定着等も考えているわけでございまして、その間におきましては、米との所得格差というようなものも考えまして、奨励補助金を交付するというような形でやってまいりますれば、その間におきます所得の維持ということはできるのではないかというふうに一応考えております。 ただ、実際に生産調整が終わりまして、その後の段階でどうなるかということが当然考えられるわけでございます。そこで、大豆等につきましては、何と申しましても米に比べますと非常に不利な作目でございますし、はたして五年後にどれだけの生産水準になるかということで、われわれも、現在の反当百三十九キロが二百五十キロくらいになるだろう、しかも経営も小規模な機械で三ヘクタールくらいの経営規模を描いておるわけでございますが、いままさに先生の御指摘のとおり、米との相当の格差があるということはもう事実でございます。 そこで、現在大豆につきましては交付金制度があるわけでございますが、これらの補助金制度が切れた暁におきましては、こういった面での価格政策をさらに強化するというような形で所得の維持というような面に対処していかなければならないだろうということで、検討を加えておる段階でございます。
○芳賀委員 それでは、せっかく各局長、長官来ておるわけですから、まず食糧庁長官に、水田を麦作に転換する場合、水稲の場合には五十二年には十アール当たり四百八十キロ期待しておるわけですから、その場合、これから七年間毎年据え置きにするかどうかということはわからぬですね。七年間自民党内閣が続くかどうかわからぬわけです。だからこれは測定できませんから四十四年でもいいですが、それと十アールの水田を畑作に転換して麦作をやった場合の、いまの食管できめられた麦価の比較でもいいですよ、十アールどのくらい差が出るわけですか。 それから次は園芸局長、いま大豆の話が出ましたが、この水稲を大豆作に転換した場合、これは大豆も毎年交付金法で価格をきめておるわけですから、ことしの米作とことしあなたがきめた大豆の価格を比較した場合、十アールの平均反収はそれぞれ減っておるわけですから、それに一俵当たりの価格を乗じて、十アール当たりの収益の差がどういうことに出るか、それぞれ説明してください。——いや、長官と局長に……。食糧庁長官がせっかく来ているのだから。 総括の問題はあなたでいいが、各所管事項については局長に来てもらいたいということで、理事会できめてあるわけですからね。
○太田(康)政府委員 大豆につきましては所管局長からお願いいたしますが、麦につきましては、食糧庁というより農政局のほうであれしておりますので、ちょっと私から御説明させていただきたいと思います。 私たちが転作作物の収益見通し試算ということでいま試算をいたしておりますのは、水稲で見ますと、昭和四十四年十アール当たりの収量が、これは生産費調査の数字でございますが、四百八十四キロということで、十アール当たり所得が四万四千五百三十九円、一日当たり家族労働報酬が二千四百四十円ということに相なっております。 そこで、麦につきまして、小麦とビール麦につきましては、現在、四十四年、小麦が十アール当たり収量二百九十七キロ、ビール麦が三百十二キロということになっておりまして、十アール当たり所得が八千四百七十二円、一日当たり家族労働報酬が八百九十九円ということに相なっております。 そこで、五十年の転作にからみまして、実は裏作のものにつきましても、表作の転作に準じた措置を講ずるということで麦作の転作を大いに奨励をいたしておるのでございますが、 〔委員長退席、三ツ林委員長代理着席〕 私たちの五十年で想定をいたしました姿を申し上げますと、大規模な機械化体系で、大体二十ヘクタールぐらいの規模で考えますと、小麦、ビール麦、それぞれ突っ込みで十アール当たり所得が五千三百六十円ということで、むしろ十アール当たりの所得としては現在よりも落ちることになっておりますが、労働時間等の減少がございまして、一日当たりの家族労働報酬につきましては三千八百四十円というような試算を一応いたしております。
○荒勝政府委員 お答えいたします。 四十四年の農林省の統計調査部の実績から計算いたしますと、大豆につきましては、十アール当たりの収量を一応百五十九キログラム、ヘクタールにしますと一トン五百九十キログラム、こういうふうになるわけでございますが、それを十アール当たりの所得というふうに換算いたしますと、一応大豆は六千百三十四円というふうになっております。これが、あとでほかの局から御説明願いたいと思いますが、水稲と比較しますと格差が相当強い。それを一日当たりの家族労働報酬に切りかえますと千二百二十七円。大豆は、御存じのように、相当粗放性な、あまり手を加えないもので、労働時間が少ないものですから、一日当たりの労働報酬としては千二百二十七円でございますが、逆に十アール当たりになりますと六千百三十四円と、わりあいに低いというふうに御理解願いたいと思います。
○芳賀委員 ついでですからお尋ねしますが、麦の問題については、小倉武一君が農林事務次官のときに、国会に向かって、麦作の大幅削減法案というものを、これは両度の国会に出したのですよ。一回で廃案になってあきらめないで、もう一回出しましたけれども、これは日本の農業の前途を誤る悪法案であるということで、われわれ国会でこれは廃案にしたわけですが、その大先生がまた今度は後輩の皆さんを指導して麦作増産をやれというような、そういう内部事情というのは一体どうなっておりますか。 それから大豆についても、これは昭和三十六年から自由化したわけですね。福田農林大臣のときこれはやったわけです。そのとき大豆なたね交付金法というのが出て、これは従来の農安法から交付金法に移して、別個の法案をつくった経過があるわけです。毎年の価格決定のやり方を見ると、生産性の向上部分を価格で操作してこれを押えてきているのですよ。これは荒勝局長は、百六十三キロなんて言うのですが、ことしの決定のときの基準反当は百三十キロでしょう。もう生産性を上げないしかけで価格操作をやっておるわけですから、だから十年たっても生産性は上がらないのですよ。上がらないと予測される生産努力は、価格でそれはもう差し引いてしまうわけだから、よけいとっても何にもならぬことになるのですね。そういうことですからして、一挙に水田を今度は大豆に切りかえるといっても、こういうことはやると思っていないでしょうが、ただ所得政策とかあるいは価格支持政策というものをどうするかということが伴っていかないと、これは絵にかいたもちでも何でもないのですよ。絵にかいたもちであれば、見ておいしいとか美しいとかいう感じを受けるわけですが、これは絵にかいたもちでも何でもないでしょう。ですから、そういうような点については、農民の一方的な犠牲でこれを実行させるように権力的な誘導をしなければ、これは実行できないということに当然なると思うのですね。自主的にはこれはできないですよ。そういうようなことについては、どういう期待を持っておられるのですか。
○太田(康)政府委員 小倉先輩が麦について大いにやれとか言ったかどうか、よく私存じ上げておりませんけれども、私たち後輩が聞いておりますのは、小倉先輩が言っておりますことは、少なくとも飼料穀物につきまして、やはり水田がこれだけ余るようなことであれば、日本のような土地柄でいえば飼料穀物をつくらない限り、なかなか面積を埋めることはむずかしいであろう、毎度おっしゃることは、やはり——これは私が小倉きんの言っておられることを私なりに理解して解釈しておるわけでございますが、御承知のとおり現在専増産フスマのために百三十万トンの小麦、それから飼料用の大麦としてたしか七十万トンぐらい輸入をいたしておるわけでございますが、それ以外に御承知のとおりトウモロコシ、マイロ等がかなりの数量外国から入ってくるわけです。現実にそういった飼料作物なり、牧草はともかくとして、飼料穀物として少なくとも何か考えるべきじゃないかというようなことをよく言っておられます。われわれが翻訳してそれを考えますと、私畜産局長をやっておりましたので、特に考えましたことは、少なくとも飼料用の大麦ぐらいは、まだ数量も輸入している数量が七十万トンぐらいでございますから、何とか日本で自給するようなことを考えたらどうであろうかということで、実は私畜産局にまだおりましたときでございますが、明年度予算で実験事業等も仕組みまして、飼料用の大麦の実験事業も考えてみたい。さらにトウモロコシ、マイロ等につきましては、非常に技術的なむずかしさがございまして、現に全購連等が中心になりまして、北海道でトウモロコシの事業もやっております。国も畜産振興事業団を通じてこれに助成をいたしておりまして、増産をはかっておるわけでございますが、そう簡単にふえない。しかし少なくとも、これらにつきましても、実験事業としては取り組むべきではないかということで、従来全く捨てて顧みなかったわけでございますが、明年度予算におきましては、転作作物として、大きく取り上げるというわけにはまいりませんけれども、これらを実験事業としても取り上げていくというようなかまえで飼料作物の対策を徐々ではございますが、講じてまいっておるわけでございます。 それから所得問題につきましてのお尋ねでございますが、この問題につきましては、先ほど来申し上げておりますように、私たちといたしましては、やはり米をやめていただいて他の作物に転作をしていただくわけでございますから、米をつくってもらっておりましたときの米の所得というようなものを当然考えまして、これと他作物をつくった場合の所得が、格差がございますれば、転作を言ってもなかなか簡単にできるものではないということで、転作の奨励補助金を算定いたしますときに、そういったことも念頭に置きまして水準をきめてまいる。それ以外に当然転作を講ずるためには、土地条件の整備あるいは機械の導入というような資本投資も要るわけでございますから、これらにつきましても、転作の特別対策事業というような形で補助金等も現在要求をいたしておるのでございまして、これらの施策によりまして転作を円滑に進めたい、かように考えている次第でございます。
○芳賀委員 小倉さんの次官時代の話は、これは当時中澤君も角屋君も農林委員だったわけですが、そのときわれわれとしては、いまちょうど官房長が言ったとおり、主食としての麦作が日本になかなか適合しないとすれば、これは改良等をやればいいわけですが、それがすぐできないとすれば、むしろえさ用の麦に重点を移してやるべきである、何も麦を目のかたきにして、法律まで出して大幅に削減するのはおかしいじゃないか、むしろえさが足りないわけだから、飼料麦を中心に増産計画を立ててやるべきである、そういう議論をして結果的にその法律を葬ったわけです。あなたは、ちょうどわれわれと同じようなことをいま言っているわけですが、私は小倉さん個人を非難する気はないが、しかしもう東畑精一老いて次の指導者は小倉武一君ということになっているわけでしょう。もう半ば神格化してきているわけだから、そういう大先生のしばしばの農政上の誤まりというものが、農林省を中心にして政府の農政に大きな動揺を与えているということは事実でしょう。皆さんも迷惑に思っているかもしれませんよ。しかし罪のない農民は、最も犠牲を受けるわけですからね。これは何かの機会に本人に伝えておいてもらいたい、農林委員会でこういう非難を込めた指摘がありましたということを。いいですか、忘れぬで言ってください。 それでは次にお尋ねしたいのは、たとえばイモでん粉の問題がはっきり出ておらぬですね。これは、ことしの十月の農林委員会の小委員会で、イモでん粉価格対策の審議をしたときも、もうすでに国産のカンショ、バレイショを合わせて需要に対して供給力が四五%程度に落ちているわけだから、自給率が五〇%以下になっているわけだから、そうなると将来は輸入が中心になって、国産のイモでん粉は補完的な役割りになるんじゃないか。これはたいへんな事態になるので、この際、長期の自給計画というものを明確にして、その中で一体バレイショ、カンショでん粉等については、自給率をどの程度に引き上げるという目標を立てるかということをすみやかに明らかにしてもらいたいということを、委員会としても指摘したわけです。当時局長は、もう少し時間をかしてもらいたいということでありましたが、今度はこの指標なるものが出たわけですが、その中で、たとえば国産のイモ類でん粉等の自給率というものは、これによると、これは下がることになっているわけですね。しかも北は北海道、南は九州等、水田を大幅に転換するような場合において、どうして一番経済作物と言われるバレイショあるいは甘無糖を対象にしないのか、この点はわれわれとして理解に苦しむところなわけです。総体的に見て自由化が進行している国についてはこれに追随するというようなことが特徴的になっておるわけですが、それではだめだと思うのですよ。水田三〇%転換なんということが実行できないとしても、その転換方向というものは、やはり不足な食糧というものを国内における農業努力を通じて自給度を高めるという明確な指標というものがなければならぬと思う。それが全然行なわれてないですね。一体自由化との関係は、この指標というものはどう考えておるわけですか。
○太田(康)政府委員 政策全般につきましては、いまの前提といたしましては、先ほど申し上げましたように農業基本法なり「総合農政の推進について」で詳細示した方向の進度に従って、従来程度のことで済むであろう、こう見ておったわけでございますから、自由化につきましても、一応われわれといたしましては従来やってまいりましたテンポ程度で進むであろうという前提で考えておるわけでございます。
○芳賀委員 全く佐藤総理と同じようなことをあなたは言っているじゃないですか。いいですか、繊維問題にしても、アメリカが日本の繊維輸出に対してどういう理由づけでこれに制限を加えようとしているか、これはわかっておるでしょう。日本が低賃金労働でコストの低い製品を製造して、それをダンピングのような形で無計画に拡大すればいいということで海外に輸出をしておるではないか。その影響というものは、アメリカの国内においても大企業は別として、繊維の中小企業のような場合には、労働賃金の差額だけ見ても向こうのほうがコストが高いわけだ。そうなると、繊維の国際市場の中において、アメリカが日本から輸入した繊維製品のためにアメリカ自体の繊維産業というものが、中小零細企業というものは衰退する。そうなればこれに従事した労働者も失業状態に追い込まれることになる、ということになれば、自国の産業を守り、国民の労働の機会を失わせるようなことはできない。やはり国民の利益、国益の立場から日本の繊維輸入に対しては相当の規制を加えなければならぬ。そのことを十分理解して日本自身が自発的な規制を行なえ、こういうことを言っているでしょう。これは日本の農業の立場から見ればアメリカと同じようなことがいえると思うのですよ。無計画な自由化によって、結局日本の農業というものは米以外はほとんど自給率が後退しておりますね。あるいはまた所得の面においても、農業の所得だけで生活ができないわけですから、八十何%が兼業化しておるわけでしょう。今度これを実行するということになれば、これはもう一〇〇%総兼業ということになるわけです。そういう場合、やはり海外からの農産物輸入についても、自国の農業を守る、農業に従事しておる国民の利益を守るということになれば、いままで安易に自由化を進めてきた農産物等に対しても、今度の国内における大きな転換を機会にして、自国の産業を守るという立場の上に立って相当積極的な自由化に対する規制のかまえというものを打ち出す必要があると思うのですけれども、それが見通しからいえばどんどん進んでいく、これはけしからぬじゃないですか。そういう点は自民党政府のもとにおいては発表できないとしても、それでは農林省内部においてはそういう問題は真剣にどういう検討をしておるわけですか。
○太田(康)政府委員 その自給率の問題につきましては毎度農林大臣なんかも申し上げておられるわけでございますが、一億をこえるようなわが国におきまして、外国の輸入に大きく依存することは決して好ましい状態ではないのであって、自給率についてはできる限り高い水準に維持したいということでございます。この基本姿勢は決してくずしておるわけではございませんので、今回のこの見通しにおきましても、先ほど来御説明申しましたように、おおむね現在程度の自給率は維持しておるということを申し上げたわけでございます。 それから自由化問題につきましては、確かに自由化の圧力というものは非常に強まってきておるわけでございますが、われわれとしては先生方が外部から見られてどうお感じになるかわかりませんけれども、少なくとも自由化につきましては、できる限り国内農業を守るというような立場から今日までわれわれはわれわれなりの努力をしてきたつもりでおります。いままでのところではまだ、計画が具体化したものはたしか明年の九月に実行するまでの段階、たしかそこまでしかきまってないと思うわけでございます。今後自由化をどう進めていくかということにつきましては、これは最高の政府の政策決定にかかる事項でございますから今後どういうテンポで進むか、私たち、にわかに予測はつきませんが、われわれといたしましては今後自由化するものにつきましては、非自由化品目として残っておる作目につきましてはなかなか簡単に自由化のできるものではない。世界各国におきましてもそれ相当の理由をつけまして実は非自由化品目が残っておるわけでございますので、われわれもできる限り自由化に対しましては、もちろん一方において大きな自由化の要請という問題もあるわけでございますが、がんばってまいりたい。しかし万やむを得ず自由化をするような場合には、当然関税その他の措置によりまして国内農業に対する影響をできる限り緩和した形で自由化をしていくというようなことを基本の姿勢として今後取り組んでまいるべきであろう、こういう姿勢でおるわけでございます。
○芳賀委員 とにかくアメリカでは、いま上院で一九七〇年通常法案がもう成立寸前にあるわけです。それに対抗してということではないですよ。しかしああいう世界的な経済大国においてさえもいよいよ自国の産業というものが自由化によって危険になるという場合においては、これはやはり防衛の措置をとるということをやっておるわけですから、あるいは農林委員会においても非公式でありますけれども、われわれことしの夏、諸外国の農業事情を調査して一巡した際も、スイス等においてはああいう事情の悪い国ですが、しかし農業というものの位置づけを平和的な国防産業として位置づけて自国の農業を守っていく。ガットについても、ガットからスイスの農業、農産物に対しては特別の措置を受けておるわけですね。ああいう小さい国でもやはりき然とした態度で自国の農業を守っておるわけですから、皆さんにしても大きな農林省という看板がまだはずされないでおるわけですから、この機会に奮起してもらいたいと思うわけです。 あわせて園芸局長に先ほどの質問ですが、一体この中でどう位置づけておるわけですか。それとあわせて甘味資源に対しても何にも書いてないわけですね。たとえば北海道のてん菜を中心にしたてん菜糖、それから沖繩ですね。もう七二年には本土に完全復帰をするわけですから、ことしから食管の関係にしてもあるいは甘庶糖の買い入れの問題等にしてもそれに準じた措置を園芸局長のところで進めておるわけでしょう。それならば昭和五十二年を待たないで沖繩糖の問題とか、沖繩における甘味産業等についてもやはり見通しの中に取り入れて、あわせて沖繩における農業の振興をどうするかということは、やはり総合的な計画の中に包括されていなければならぬと思うわけなんですよ。そういうことで、イモでん粉の問題、甘味、特に国産のてん菜、甘蔗などの問題をどう考えておられるのですか。
○荒勝政府委員 今回ついせんだって沖繩の甘蔗糖の買い入れ価格を決定いたしまして、サトウキビの値段につきましては、国内の鹿児島できめております値段をそのまま適用いたしまして、あとは繰業度と歩どまりだけが沖繩と奄美とは違いますので、その辺のことを計算に入れまして、奄美キログラム当たり三円の値上げを決定した次第でございます。 私たち、今回のこの長期の農業生産の地域指標の試案につきましては、全体として農林省は沖繩のことは一応はずしておるものと理解しておる次第でございますが、別途、国内全体の甘味資源の目標といたしましては、沖繩産糖の買い入れ、昨年が二十万トン強でございましたが、ことしはだいぶ豊作で二十三万トンくらいで、全体として、北海道のビートも予定よりもさらに進みまして、三十三、四万トンぐらいの増産かとも思いますが、決して国内産の甘味資源としては減少ではなくして、スローなテンポではございますが、年々着実にふえまして、ことしあたりはあわよくば——七十万トンまではいきませんが、六十五万トン以上の生産数字を国内産の甘味資源としてはあげろのではなかろうかというふうに理解している次第でございます。 当然、沖繩も復帰いたしてまいりますので、またあらためていろいろな事情は計算はいたしておりますが、われわれの甘味の世界からいたしますと、すでに沖繩はもう本土に復帰したと同様に糖価安定事業団で全量、粗糖の買い入れをいたし、また関税等一切はずしまして、事業団によって価格安定をいたしておりますので、復帰によって、特にこの砂糖関係につきまして、沖繩のために何か新しいアクションを起こすということはあまりなくて、むしろ運営上、さらに今後きめこまかく、本土に復帰いたしますので、生産の指導とかあるいは統計の整備、そういったことに超重点を置いて、かつ、その能力向上のために融資等の措置を進めてまいりたい、こういうふうに考えている次第でございます。 また、その一環といたしまして、イモでん粉についての御質問でございますが、ただいま配付いたしました資料の総括表のほうの一四ページをお開き願いたいのでございますが、このでん粉の原料になりますイモ類でありますが、バレイショにつきましては、一四ページの遠隔農業地帯の北海道の欄がございますが、ここにもありますように、四十四年と対比いたしまして五十二年をむしろ多い目に出しておりまして——失礼いたしました。生産量でございますが、それで伸ばしておりまして、北海道のバレイショにつきましては、むしろ内地のほうのバレイショが、生産事情等から、こういう作物につきましては逐次北海道に重点が移っていくんじゃなかろうかということで、生産量といたしましては、むしろ北海道の場合は、長期については五十二年のほうは生産量を多く置きまして、そうして北海道のバレイショ農業というものは決して衰退するものではない。むしろ反収等が四十四年に比べますと高くなって、三トンを置いているものですから——ただし四十五年の場合はちょっとまずくて、天候が非常によかったものですから、すでに三トンは出ておりますが、これは異常な生産反収でございまして、むしろ今後逐次北海道の場合は反収は伸びていくということで、一〇ページにもありますが、生産量としましては二百十万トンという計算を置いておりますので、でん粉として北海道における地位はいきさかもゆるぎないもの、むしろ北海道農業における根幹をなすものとわれわれは理解しておる次第でございます。 ただ実はカンショにつきましては、多少事情を異にいたしまして、経営規模が非常に小さくて、年々合理化の指導の中になかなか乗りにくいということでむしろカンショにつきましては、食用カンショのほうの需用の減退もございますし、またそれに伴って、南のほうでございますので、くだもの、ミカン類あるいは野菜類等への転換もありますので、むしろ南九州のほうは、われわれといたしましては、この計画の中では下降ぎみ、北海道の場合は生産量といたしましては上げて計算をしておると理解しておる次第でございます。
○芳賀委員 私の聞いておるのは、カンショ、バレイショあるいは甘味資源のてん菜、甘蔗を原料にしてイモでん粉あるいは国産糖が生産されるわけですから、そうした自給率というものはこの表にも出ていないわけですね。だから、たとえばイモでん粉については、現在四十四年の四五%の自給率を一体五十二年に目がけてどれだけ高くするか。それから砂糖類については、てん菜糖、沖繩を含めた甘蔗糖を入れて大体自給率が三〇%ですから、それを五十二年にはどれだけに引き上げるかという、その点を聞いておるわけですよ。
○荒勝政府委員 今回の長期見通しには、そういうガイドポストの地域分担の表では一応甘味資源関係全体の資料は整備いたしておりませんが、われわれといたしまして、このガイドポストを前提といたしまして、北海道のいわゆるビート糖につきましては非常に期待をかけておりまして、稲作転換等も含めまして、われわれの計画では、ただいまの段階では今後五年間に約六千ヘクタールのビートの増産をはかりたい。サトウキビにつきましては、奄美のほうを約二千ヘクタール稲作転換をいたしまして、キビの増産をいたしたいということで、そういった計算等をただいまいたしておりますが、まだ五年後の砂糖の消費見通しまでは計算しておりませんが、いずれわれわれといたしましては当然計算しなければならないのではなかろうか、こういうふうに考えておる次第でございます。
○芳賀委員 その計算の目安ですが、自給率を高める方向に計算するのか、高めないで押えるというのか、そこが大事なんですよ。たとえば水田を転作する場合、農林省が考えている大豆あるいは豆類、雑穀類とか麦類等に比較すれば、てん菜にしてもバレイショにしても経済性は高いわけですからね。そういうものを意識的に除外しておるわけですから、そうなれば自給率の問題にしても自由化でやむを得ないということで減退していくことを是認する形でおるとすれば、これはたいへんなことですから、この次というわけにはいかぬでしょう。総体的なガイドポストを出したわけだから、その中で国産イモでん粉あるいはまた甘味資源をどうするか。これはほとんどは園芸局が引き受け人になるのじゃないですか、これを実行するということになれば。豆類にしてもあるいはイモでん粉にしても、それから砂糖類にしても、これは荒勝局長が全体の八割ぐらい引き受けることになるのじゃないですか。あとえさ関係は畜産局、麦は官房長直轄ということになるかどうかわからぬですけれども、大事な引き受け人がはっきりわからぬじゃ困るのじゃないですかね。
○荒勝政府委員 ただいまこの甘味資源関係の全体の自給バランスがまだできていないということは申し上げましたが、その中で特に国内産の砂糖の生産につきましては、われわれといたしましては、先ほど申し上げましたように、今後非常に期待をしておる。それで生産量といたしましては、なお今後相当な国内における増産が見込まれるのではなかろうかというふうに理解しております。またでん粉等の系統につきましては、カンショのほうが、先ほど申し上げましたように、いろんな事情で今後の増産があまり期待できませんので、北海道のバレイショでん粉を中心とした自給バランスをこの際改定しなければならないのではなかろうか、こういうふうに理解しておる次第でございます。
○芳賀委員 次に、この地域分担とあわせて地域別の営農類型の問題は検討したのですか。私たちの考えは、むしろ地域別の営農類型を先に立てて、それを基礎にして地域分担の誘導政策を進めるということであれば話はわかるが、いきなり地域分担といっても、これはおととしから農協が打ち出したことばですから、それだけを先取りしちゃって、さあ地域分担だといっても、これは実効性がないわけですよ。地域別の営農類型というものをどう検討しておるか。
○太田(康)政府委員 先般二月に閣議報告でしたかありました「総合農政の推進について」でも一部明らかにいたしたわけでございますが、当然、先生御指摘のように、自立経営農家の経営類型というものにつきましては、各地帯に応じて、たとえば水田作であればどういうことかというような作業を現在せっかく進めておる最中でございます。それでこれによりまして、将来当然経営指導の指標にこれを使っていきたいということでいま作業いたしておる段階でございますので、いましばらくお待ちをいただきたいと思います。
○芳賀委員 順序としては、営農類型が先に出て、それから地域分担ということになるべきだと思いますが、その点はどう考えておりますか。
○太田(康)政府委員 そういうお考えもございまして、確かに空間均衡モデルの議論をいたしますときに、経営問題というのに対する考え方が必ずしもうまく入り込んでこないというような議論も実際に取りかわされたようでございます。そういった御指摘、正しい御指摘だろうと思います。それで、私のほうといたしましては、そういったこともございましたのですが、一方におきまして、先ほど来申し上げておりますように、自立経営農家の経営類型というものは一応作業としてせっかくいま進めておる段階でございますので、できる限り早い機会にこれをお示しをいたしまして、これによって経営の指導に当たってまいりたい、かように考えております。
○芳賀委員 だから順序をどう考えておるかということです。
○太田(康)政府委員 順序はどうかというお尋ねでございますが、私たちの今回の空間均衡モデルの測定では一応、御承知のとおり四十三年の十二月に公表した需要見通しがございましたから、これを基礎にいたしまして空間均衡モデルという計測方法を用いまして——この計測方法によりますと、それぞれの地域におきましてどういう作目をつくることが当該地域における農業収益を最も大きからしめるかというようなことが仕組まれた方式のようでございます。これによりまして計測したのが先ほど来御説明申し上げたような結果として出てきたわけでございまして、順序はどちらが先かといわれるとちょっとお答えしにくいわけでございますが、結果としてはそういうことに相なったということでございます。
○芳賀委員 たとえばこの分担指標を示しても、それを三大ブロックあるいは都道府県ごとにしても、農家の経営の中で消化できるということにならなければ、これは意味がないと思うのですよ。そういうことになれば、大きな変貌を期待しておるわけですから、ブロックごとあるいは都道府県においてどういうような地域の営農類型というものを、これは単一に限ったわけじゃないですけれども、立てて、それに対して国が要請する地域分担というものをどうマッチさせるかということでなければならぬと思うわけですよ。たとえば何のために米が現状を保っておるかということになれば、これは歴史的な理由というものがあるわけでしょう。やはりその地域に生産的にもあるいは経済的にも最も適合した作物としてこれが生き残っておるわけですから、成長しておるわけですから、それを無視して地域分担だけを押しつけても、これは全然意味がないと思うのですよ。たとえば地域の営農類型を立てる場合も、米を中心にした主作物、あるいは酪農等の畜産の頭数から見ても、一体特化系数というようなものは、農林省としてそういうものを用いた試算をしたことがあるのですか。そういう計算をすれば、何のために北海道では、あるいは秋田県では、この作物が強い勢いで経営の主体をなしているかということがわかると思うのですけれどもね。全然そういうことは知らぬというならこれはやむを得ぬですけれども、どうですか。
○太田(康)政府委員 ことしでしたか、白書でも御報告申し上げましたとおり、各地域地域におきまして、いま先生の御指摘のような特化の傾向が非常に出ておるわけでございます。まさに農業生産というものはそういうことで各地域ごとに非常に顕著な傾向を順次示しつつあるわけでございまして、これらの傾向を織り込んで実は今回の地域分担の指標というものも出てきておるわけでございます。 そこでわれわれが考えております経営の問題といたしましては、たとえば酪農のような場合には、御承知のとおり酪農近代化計画という、酪農振興法に基づく法体系のもとにつくられる一つの指標なんかもあるわけでございます。それ以外にいま全体の問題といたしまして、どういった経営によりまして——自立経営農業の好ましい経営規模として、各作物についてせっかく試算中でございますので、これらをできますれば公表いたしまして、先ほど来申し上げているようにそれぞれの地域地域の指導の指標にいたしたい、かように考えておる次第でございます。
○芳賀委員 たとえば昭和四十四年度の作物について、これは道県の三十一が特化係数一以上ということになっておるわけですね。そういう現実を無視してこのブロックは四割削限とかこのブロックは三割、ここは二割でいいというような、そういうつかみ的な抽象的な地域配分を考えても、理論的にはそういう根拠というものを十分踏まえなければいけないと思うのですよ。農林省だからそのくらいのことはやっておると思ったのですけれども、全く不勉強じゃないですか、われわれ国会議員さえもそういうことは認識して農政を扱っておるのに、あなた方が行政を担当して全然そういうこともわからぬ、だから営農類型と地域分担というものの関連はどうかと言っても、太田官房長一流の政治答弁でさっぱり中身がないということになるのですけれども、こういうのはまじめにやる必要があるんじゃないですか。
○太田(康)政府委員 特化係数の問題は、当然われわれ各年次別に、先ほど申し上げた大都市近郊農業地帯とか、中間農業地帯とか、遠隔農業地帯別に数値もはじきまして、これらも先生御指摘のとおり当然頭に入れて先ほどの試算をいたしておるわけです。その結果を見ていただきますと、まさに各地域地域の特化の傾向がかなり明瞭に出ておるというふうに私たちは思うわけでございまして、当然、御指摘の特化係数の数値等は、十分過去の数値等もはじいた上で、これらを計算の中に織り込んで試算をいたしておるということでございます。
○芳賀委員 この問題はまた次の機会に議論することにして、当面の問題ですが、過剰米対策ですね。われわれは委員会等を通じて、この問題が解決しない限り、これからの食管制度あるいは食糧政策を順調に進めることができないので、短期間が望ましい。少なくとも三年間にこれは政府の責任で処理すべき努力をしなさいということをたびたび言っておるわけなんですよ。農林省のほうは最近五カ年ということを言っておるようですが、しかもその対策としては、農林省の考えは、保管米を飼料に転用するということを中心に考えておるようですが、これは将来禍根を残すことになると思うわけです。われわれとしては、ことしの国会で米の輸出ができる輸出法をつくったわけですから、いろいろな困難な事情があるとしても、やはり余剰傾向が出たような場合においては、単に国内問題だけとして処理することはできないのですから、当然、輸出する場合には国際価格で輸出するということになるわけですが、その努力もする、あるいは韓国に長期延べ払いで貸与したような方法も必要であれば弾力的にとる。さらに援助方式で食糧不足国に対しても供給する。さらに加工の用途についても消費拡大をする。いろいろやった結果どうしてもえさに転用しなければ残数量は処理できないという場合に初めてえさ転用という順序になると思うのです。こういう段階的な努力をしないで、いきなり二万五千円でえさに払い下げるというようなことになるから、これは物議をかもすということに当然なるわけなんです。だから処理対策にしてもこういう積極性のある努力というものを行なって、そうしてできるだけ三年間くらいのめどでやる必要があると思うわけです。あわせてお尋ねしますが、先般の東パキスタンにおける大災害、これはもう世界史上空前のことですから、当然食糧等についても窮迫しておるわけですね。外国の世論を聞いても、日本はこういう場合一番しり込みしてやっておらぬじゃないかということになっておるわけでありますが、こういうときにこそ、七百万トンも余剰米があるわけですから、どうして積極的に東パキスタンに対する援助米を供給するというような方針を出さないわけですか。この種の問題は当然農林大臣あるいは総理大臣にただす問題ですが、きょうは大臣が出席できないということですし、これ以上機会を延ばすことはできませんので、これに対して政府として、単に農林省としてでなくて政府として、パキスタンに対する救援等の中で一体食糧援助はどう考えておるわけですか。
○亀長政府委員 お答え申し上げます。 最初の過剰米の処理の問題ですが、御承知のように、過剰米は量が非常に膨大な量にのぼっておりますので、一つの用途ではなかなか片づかないということでございます。私ども今年の秋約五回にわたる会合を開きまして、過剰米処理委員会で、民間の方のお集まりを願いまして、その委員会でいろいろ検討していただいたわけでございます。先生御指摘のように、やはり加工原材料、これは人間の口に入るものでございますから、そういうものをできるだけ優先的に考えていくことはもちろんでございます。ただ加工原材料と申しましても、なかなか新規用途に大量にこなせるものが見つからない。まあ概略申しましてそういう結論でございまして、現在加工用にいろいろ売却をいたしておりますが、これはむしろ従来安い外米等を使っておったものの代替的な売却が多いというような現状でございます。もちろん若干の新規用途等もございますが、量的になかなか新しい用途が見出しにくいというふうに考えまして、大体加工原材料等ではおおむね年間二十万トン程度が限度であろう、かように報告されておるわけでございます。 輸出につきましても延べ払いあるいは援助、いろいろな形で海外への努力を行なっております。四十三年から始めまして、現在までに百万トンをこえる輸出をいたしておりますが、御承知のように輸出につきましてもいろいろ隘路もございます。現在後進国のタイ、ビルマ等の商権を日本がとるというような懸念も後進国はいたしておりまして、東南アジアに対する通商上の問題、さらに米の輸出を非常に大きな国の政策にしておるそういう国の利害と衝突をする場合もあるということもございます。また日本の米が必ずしも好まれない、あるいはいまの時代でございますから、金さえあれば何でも買えるという時代でございますので、米よりは金がほしいというふうな国もありまして、なかなか思うようにいかない場合もございますが、とにかく四十三年から始めまして百万トンの実績を基礎にいたしまして、年間四十万トンということがこの委員会で報告をされておるわけでございます。 そのように考えますと、どうしても残りは飼料ということにならざるを得ないわけでございまして、これにつきましては外国から大量の飼料を輸入しておる、そのうち米に代替をするというふうな考えで、年間消費量の一割を目標に現在一部試験売却を行ない、さらに本年度も補正予算等も計上して、これを実際の実需としても流していくという考え方をとっておるわけでございます。 そのようなことで加工で二十万トン、輸出で四十万トン、えさ用で百四十万トン、年間二百万トンがおおむね大体の限度であろうというのが委員会の報告でございまして、私どももそのようなベースで今後の予算措置等も考えておるわけでございまして、そのように考えますと大体四年間はかかるであろう、三年には若干無理であろうというふうに考えておるわけでございます。もちろんできるだけ早く処理をするという方針には変わりはございません。 それからパキスタンに対する問題でございますが、パキスタンにつきましては、本年度二十万トンの延べ払いというのが成約をいたしております。現在その積み出しに着手をいたしておりますほかに、緊急援助として一万トンがすでにこの災害以前に決定されておりまして、これらが逐次パキスタンに到着をいたしておる現状でございます。しかしながら先般の災害もございまして、政府としましては、外務省、大蔵省、農林省、相談をいたしまして援助費を計上して、そのうち米は五千トン、これを贈与する。同時に、別途KR援助のワク内で五千トンの贈与をする交渉を進めておりまして、これが決定いたしますればこの両者につきましては運賃も日本政府が負担をして援助をするということに決定をいたしております。決定の日付をちょっと忘れましたけれども、パキスタンの災害が起きまして間もなくそのような決定をいたした次第でございます。 なお輸出に関しましては最近韓国で四十万トンの成約ができまして、これは延べ払いにより輸出をいたすということにいたしまして、この十二月から逐次積み出しを行なう予定でございます。
○芳賀委員 あと来年の生産調整の関係があるのですが、これは午後にしますか。私だけ午前やったって午後またやらなければいかぬから。どうせ食事をしなければならぬでしょう。皆さんに気の毒だからね、委員長一人がんばってもらっても。休憩しなさい。
○三ツ林委員長代理 午後二時再開することとし、これにて休憩いたします。 午後一時一分休憩 ————◇————— 午後二時十七分開議
○三ツ林委員長代理 休憩前に引き続き会議を開きます。 午前の会議に引き続き、質疑を続行いたします。芳賀貢君。
○芳賀委員 午前に引き続いて質問いたします。 来年、昭和四十六年の生産調整に関する方針について政府として内容が大体固まったように思いますので、この際、内容の説明を願います。
○太田(康)政府委員 昭和四十六年度におきます生産調整につきまして簡単に御説明を申し上げます。 米につきまして恒常的な過剰傾向にございますので、本年度は緊急避難的に実施いたしたわけですが、四十六年度以降はこういった状況がかなり長期に続くという見通しを持っておりますので、私たちは長期的な目標のもとに転作等の定着の問題も考えまして、五カ年間ぐらいの実施計画を持った生産調整措置というものを実施いたしたい、かように考えております。実施期間は、私たちの考えでは四十六年度から五十年度までの五年間に実施して、この間に転作の定着をはかりたい。 それから調整の対象になる目標数量でございますが、これにつきましては、現在なお数字等を詰めておりますが、少なくとも単年度に関する限り絶対余剰の米を出さない、単年度需給均衡ということで考えております。いま一応そういう考え方で試算をした数字といたしましては、二百五十万トンということがいわれておるのでございます。 それから生産調整の態様でございますが、私たちの考えは、転作——もちろんこれには林地とか養魚池とか、農業生産に必要な施設の敷地への転換も含みます。それから休耕、これは土地改良の通年施行によるものも含む。この二つの対策によって実施をいたしてまいりたい。 それから奨励金、補助金の交付でございますが、私たちといたしましては、先ほども申し上げましたように、稲作所得との関連を考慮して定めてまいりたいということで、一応転作に重点を置いてはおりますが、転作、休耕、それぞれ三段階ずつに分けて、永年性作物への転作、大豆または飼料作物への転作、それから大豆及び飼料作物以外の作物への転作と、いま第三番目に申し上げましたのをわれわれは普通転作といっておりますが、この普通転作の中には、けさほど来議論になりました麦とかなたね、こういった裏作の転作も含んで考えております。 以上が転作でございまして、それから農地保有合理化法人への貸し付け、市町村等への休耕地の寄託、それから単純休耕ということで、休耕につきましても三段階に分けまして、態様に応じて奨励補助金の交付の水準については格差を設けてまいりたいということでございます。 それから、水田転用の促進も当然はからなければならないわけでございますので、公共事業とか農村地域への工業導入、あるいは農住構想の推進等による水田転用の促進の措置をはかってまいりたい。そこで、このために公共施設等への水田の優先利用とか、地方公共団体等が水田等の取得を行なうために必要な資金措置等について、現在関係各省に協力を要請いたしておりますし、地方公共団体等による水田の取得のための資金として、系統農業資金の利用ということも考えられますので、できれば、これらが円滑に活用されるような利子補給等の措置が考えられないかというような点についても検討をいたしまして、これらによりまして農地転用の円滑化をはかってまいりたい。 それから造林につきましても、水田の林地への転換を促進するために、水田あと地への拡大造林をやりたい。それから自作農創設特別措置特別会計で、水田の所有者から水田の売り渡しの申し出があった場合には、生産調整の補完的な措置として、買い入れ等もできれば行ないたい。それから、これは昨年もたしか議論になったわけでございますが、生産調整の公平確保というような観点から、やった方とやらない方で食管法上の扱いが同じであるというのは、いかにも実施の過程においてなかなか困難な問題も伴うというようなことで、生産調整の実効を確保するために、食糧管理の制度の運営の改善をも行なうということで、いま世上よくいわれております逆二段米価とか、買い入れ制限とかいうような点についての検討をいたしておる。これらはいずれも農林省がいま検討をいたしておる案でございますことをお断わり申し上げまして、大体以上のような方向で現在せっかく検討を進めて、大蔵省と話し合いに入ったりいたしておるということでございます。
○芳賀委員 いまの説明に対して問題ごとに質問をいたしますが、五カ年計画で調整を進めるということになれば、中期的な方針ということになるわけで、これを政府としては目標を示したわけですが、生産者に対してはどういうような協力を求めるわけですか。あくまでも政府の目標、期待に対して、生産者がそれを納得して自主的に協力した結果が幸いに合致するということになれば、一番望ましいことになるかと思いますが、そういうことで進むわけですか。場合によっては行政権力を用いて、何が何でもやらすということにするのか。
○太田(康)政府委員 最近の米の需給の実態から見まして、けさほど来議論になりましたように、過剰米の処理の問題につきましては、すでにこれは四カ年で処理するということで、一応問題をそちらのほうで処理するということにいたしたわけでございますから、少なくとも単年度に関する限りは過剰米は出さないように持ってまいりたい。そのための誘導の措置といたしまして、奨励補助金というようなものを交付して、これによって誘導する。その際には、やはり米作所得との関連を十分考慮した水準というものを考えていかないと、転作等を進める場合にもなかなか支障があろう、こう考えておるわけです。それと同時に、食管制度が、いま御承知のとおり、相対価格が他の農産物に比べて非常に有利であるというようなこと、あるいは無制限買い入れというような制度が一方にある、そういうようなことがまた過剰生産への傾向を助長しやすいというようなこともございますし、単年度需給均衡を確保するというような意味では、先ほど触れましたように、実際に実行された方と実行されない方との間に食管法上の扱いで不公平が出てはいかぬ。したがって公平を確保するというようなこと、しいていえば生産調整の実効を確保するというようなことで、食管制度の運営の改善というようなことを、何と申しますか、世間ではこれを歯どめといっておりますが、そういった措置を裏づけとして、一方において補助金による誘導、食管制度の歯どめ措置というようなことによってこれを達成してまいりたい、こう考えておる次第でございます。
○芳賀委員 まず、生産調整の中の転作を重点ということになれば、これは休耕の場合には単年度でいいですが、五カ年計画で進めるということになれば、転作地に対しては継続的な損失の補償というものが伴うと思うのです。その点はどう考えておるか。五カ年間を一期にして、五カ年間にわたって水田と転作した作物との収益差額を補償するというたてまえでやるのか、それを明確にしてください。
○太田(康)政府委員 少なくとも農林省で考えている案におきましては、生産調整の実施期間すなわち五カ年間は、生産調整の奨励補助金は交付をいたします。永年性作物等については、これはそういう意味では五年間引き続き交付するとか、それ以外の普通転作あるいは飼料作物とか大豆作物等への転作については、実際になさる方については、実施期間中はおやりになりますれば交付したい。平たく言ってしまえば五カ年間交付したいという考えで、いま案を練っておるわけでございます。
○芳賀委員 結局、永年作物とか単年作物の別はあっても、とにかく転作を継続的に実施する限りは、五カ年間はその転作農地に対しては継続して奨励金を出す。ですから、最初たとえば十アール当たり四万円ということになれば、それは金額を漸減しないで、四万円ずつずっと五年間続けて出すという方針ですか。
○太田(康)政府委員 それも、漸減方式をとったらどうかというような御意見もないではございませんが、われわれがいま検討しておる案におきましては、漸減しないということで、一定額を五カ年間は交付したい、そういうふうに考えております。
○芳賀委員 それから、林地に転換する場合、これは伐採適期まで継続的にやるわけですか。林野庁長官にお尋ねします。
○太田(康)政府委員 水田の林地転換につきましては、先ほど大いに拡大造林等を進めるということを申し上げたわけですが、やはり永年性作物に準じて、われわれは永年性作物と同じだけの水準の奨励補助金を五カ年間、実施期間中は交付をいたしたい、こういうふうに考えております。
○芳賀委員 林地になった場合、植栽してから伐採まで少なくとも二十年とか三十年の一定成長期間というものが要るわけだから、収穫に至るまでの期間は、当然これは補償するということにしなければならぬじゃないか。二十年かかるのに五年打ち切りということになれば、それじゃまた植樹したのを引き抜いて水田にするかということにもなるわけですから、林地にも転換させるということであれば、その場合どうするということをよく考えておかぬといかぬと思うのですよ。これは林野庁長官にお答え願いたい。
○松本政府委員 いま官房長からお答えいたしました線に従って、林野庁でも、一定年間水田に造林した場合にはそういう転作補償金を前提にいたしまして、林野庁として考えられますことは、造林補助金をそのほかに出す。その造林補助金は普通の再造林の補助金よりも点数の高いほうを出してやるということで検討いたしております。まあこれは、そういうことは検討いたしておりませんので、ここで申し上げるのはどうかと思いますが、四万円なら四万円を伐期までということになりますと、何もしないほうがかえっていい。カラマツのような場合には、伐期になりましても百万か、せいぜい多くて二百万、三十年、四十年たってもそれぐらいしか入りません。そういう関係がありますので、いまのところ考えておりません。
○芳賀委員 政府としては、転作を希望しているようですが、どうしても転作はできないということで、ただし、協力はするということで休耕する場合も、これはどうしても多いと思うのですよ。そういう場合は、やはり、休耕奨励金というものは、今年度の実績に応じて支給するということになるわけですか。
○太田(康)政府委員 休耕につきましては、いま先生のおっしゃったように、転作をしたくても、土地条件等でできないところが確かにあるわけでございますから、しかし、一方において一定数量の生産調整をせざるを得ないわけでございますから、われわれとしては、休耕につきましても奨励金の交付をいたしたいと考えております。ただ、その水準につきましては、昨年は一応一律に、転作、休耕の別なしに三万五千円というようなことであったわけでございますが、先ほど言いましたように、われわれの現在考えております段階におきます案といたしましては、休耕にもいろいろな態様がございまして、先ほど三段階のことを申し上げたわけでございますが、これに応じて一応の差等を設けて、単純休耕の場合が三万円ぐらいの水準にしたらいかがか、それをベースにして、いまの農協とか市町村への寄託をした場合、さらには、一番確実な休耕のしかたということになりますが、農地保有合理化法人への貸し付けというような場合には、さらにそれに上積みするというようなことで考えていったらどうだろうかということで検討いたしております。
○芳賀委員 来年の一定目標を立てた場合、これは当然明らかにするわけですが、ことしのやつは一律方式とよくいわれておるわけですが、来年の場合はそれ以外に方法はないと思うわけですがどう考えておりますか。この地域分担にからんで、府県ごとに二割とか三割とか、そういう差別をして目標を示すようにするのか、あるいは政府としての一定目標というものを明確に示して、これに対して農業団体あるいは直接的に生産者の理解と協力を求めてそれに到達させるような努力をする考えか、この辺が重大ですから……。
○太田(康)政府委員 基本の姿勢といたしまして、いま先生のおっしゃったように、これは実施をなさる農業者の協力を得なければなりませんから、その組織する団体でございますところの農業協同組合あるいはこれらの全国団体等の協力を求めなければなりませんことは当然でございますし、さらに、実際の指導に当たられます都道府県並びに市町村等の地方公共団体の御協力も賜わらなければならないことは当然でございます。 そこで、数量の割り当ての問題、先ほどはしょってちょっと申し上げなかったわけでありますが、昨年は、御承知のとおり、水稲の平年収量とか転作の難易度、それに過去におきますところの水稲の政府の買い入れ実績、これらの基準をそれぞれ三分の一ずつのウエートをつけて、実施いただきますところの生産調整の目標数量の割り当てをいたしたわけであります。本年度は、先ほどもちょっと申し上げました農業生産の地域分担の指標というものができたわけでございますから、これをどう使うか、あれは実際の数値が五十二年の数値になっておりますから、四十六年にどう使うかというような点につきましては、まだ具体的にどういうウエートを置いて、それ以外にどういう要素を加えて割り当てを行なうかというような方法については、なお目下具体的にはきまっておりませんが、気持ちとしては、せっかくああいったものをつくって公表いたしておるわけでございますので、できればあれを参酌して若干割り当て基準には使いたい、こういう気持ちでおるわけでございます。
○芳賀委員 だからその点は、午前中、何の目的でこれを発表したかということを聞いておるわけですよ。午前中の官房長の答弁は、必ずしも生産調整の道具にするということはあなたは言わなかったでしょう。昭和五十二年を目がけてあくまでこれはガイドポストとして試案を発表したにすぎないということを言っておるわけだから、いまは全国の農家は、おそらく来年の生産調整の根拠としてこれを使うのではないかというふうに不安を持っておるわけなんですよ。そうなると、自信のないああいうものをいきなり発表して、それを強力に進めるということになれば、できるものもできないということになると思うわけです。きょうはおそらく農林大臣が全中の宮脇会長と話をしておると思うのです。その場合も、新聞等によっては、目標を定めて、それを農協を中心にした生産者団体にまかせる形で、自主的に目標を実行するようにしてもらうという考えであるということが新聞等には出ておるわけですが、そうなると、いまの官房長の話と農林大臣の考えはだいぶ違うということになるのですか。
○太田(康)政府委員 新聞等でどう報ぜられたか、私ちょっと不勉強で読んでおりませんので、的確にお答えになるかどうかわかりませんが、おそらく大臣のお気持ちは少なくとも生産調整数量について、これだけの減産数量が必要なんだということにつきましては、農業者を含めた農業者団体等に十分御理解をいただいた上で、少なくとも単年度需給均衡ということであれば、この程度の数量はやはり生産調整として必要なんだという御理解をとにかく賜わらなければならないだろうということの趣旨をおっしゃったのだろうと思います。私が申し上げましたのは、結局、具体的に農家の段階にその生産調整目標数量をおろしていく場合の手続としてどういった手続が要るかということで、その際は御承知のとおり地方公共団体等を通じて末端の農家までおろしていったわけでございます。その際の割り当ての基準といたしまして先ほど申し上げたようなことを昨年はいたしました。本年度地域目標の作成もできましたので、これをどう使うかということにつきましては、せっかく将来の方向としてああいった方向に日本の農業生産を持ってまいりたいという希望は、少なくともわれわれとしてはああいう目標を作成した以上持っておるわけでございますので、あれは五十二年の数値でございますから、明年は四十六年でございますので、そういった点も含めましてこれをどう使うかについてはなお慎重に検討を要するというふうに考えておる次第でございます。
○芳賀委員 同じに実行する場合に、たとえば大きな目標を示して、それに自発性の協力を求めるということが一番いいわけですが、ただ、それに今度は地域分担を加えて、都道府県ごとに差をつけて割り当てをするということになれば、問題が起きるのじゃないですか。一体、割り当ての根拠というのは、どういう権限で生産調整の割り当てをするかということにもなるわけです。それからあと、それを消化できない場合はどうなるかというような問題もあるわけですからね。地域分担が出たから、割り当てをすれば完全にいくなんという問題ではないと思うのですよ。しかも一方、耕作の自由というものはやはり憲法に保障されておるわけですから、たとえば北海道はどれだけ休めとか、太田康二はどれだけ休めなんということは、政府が割り当てするなんということはできないわけですから、そういう点は慎重にやらないと、可能なものも不可能になるということになるわけですから、慎重にこれは扱う必要があると思うのです。 それからもう一つは、優良な農地を簡単に転用させることは、われわれとして希望するものではないが、たとえば転用等についても、本年度は政府が十一万八千ヘクタール、これは行政努力でやると言ったのを全然やらなかったわけでしょう。過去の実績と同じ程度の四万ヘクタールくらいしか、これは自然転用が行なわれたにすぎないわけです。ですから、来年は一体政府が努力する転用計画はどのくらいの面積になるか、あるいはまた市街化地域等を中心として転用される農地はどのくらい推定できるか、あるいはまた過疎が進んでおるわけですからして、過疎地帯ではもう孤立した者は、やはり農地とかあるいは財産を処分して都市に転出したいという考えを持っているわけですけれども、なかなか農地等の処分はできないわけですね。これはやはりそういう地域の水田、農地等については、所有者が希望する場合には適正な価格で国が買い入れをするということもこれは必要になると思うわけです。それからまた、今後極端な生産の圧迫が行なわれるわけですからして、そうなれば、山間地等の生産性の低い地帯はもう経営拡大はできないわけですから、いままである面積も、水田は三割も削減しなければならない。他に転換させても全然所得が上がらぬという状態になれば、見切りをつけて脱農したいという者も出てくるわけです。そういう場合には、当然政府の政策の結果がそういう事態を招いておるわけですからして、希望があれば、それらの農地も買い上げをするということも当然必要になると思うわけです。そういうものを一体どのくらい計算できるかという点、もう一つは、平場の将来生産性を高度にしなければならない地帯はあるわけですから、こういう点については、単純にいままでのような大型圃場整備をやるということではなくて、幸いその地帯は水田の制限をするところも水利に恵まれておるわけですからして、以前からわれわれ提唱しておるように、田畑転換が可能になるような基礎条件をこの際国が責任をもって整備する。それも、十年なら十年の長期計画を立てて、一年間十万ヘクタールずつやるとすれば、これは十年間で百万ヘクタールになるわけですから、そういうものは当然通年施行でやる。とすれば、これは十万ヘクタールずつ毎年近代的な整備事業のために休耕ということにもなるわけですから、そうして将来また米が不足だとかいろいろな事態が当然起きるわけですから、そういう場合には、やはり完全に畑地に転換してしまうとか、林地に転換するということよりも、そういう弾力的な要素というものは、土地政策の中においても確保していく必要があると思うわけです。こうした積極性のある問題を先に整理をして、残りの分どうしても二百五十万トン生産調整をしなければならないという場合に、さて、転作あるいは休耕をどういうふうに奨励して農民に協力をしてもらうかというような筋道を立てて行なう必要があると思う。もう一年とか二年で終わるということであれば、緊急措置ということもいえるが、五年、六年ということになれば、相当恒常的な政策というものが必要になると思うわけですが、そういう点については、農林省としてどのような方策を立てていくんですか。
○太田(康)政府委員 水田転用の促進につきましては、先ほどこういうことを考えておりますということを申し上げたわけですが、全部が全部、御承知のとおり政府が実施いたすわけのものでもございませんし、私たちが考えておりますのは、明年度の生産調整を実施してまいる際にやはり水田転用の促進というのは、土地需要があるわけですから、これはやっていかなければならないだろう。過去の水田転用の実績を見てまいりますと、実は意外に少のうございまして、四十三年が一万七千ヘクタールくらい、四十四年が二万二千ヘクタールくらいというような程度でございます。それからもう一つ、われわれが一つの推計の資料として使っておりますのは、全国国土総合開発計画で推定いたしました六十年までに公共用施設用地として転用される水田面積がどのくらいあるだろうかというような調査があるわけでございます。これを見ますと、二十年間に大体二十万ヘクタールということになっておりますから、単年度で見ますと平均一万ヘクタールくらいにしかすぎないというようなこと、それから各省が、四十五年度予算から見ました公共施設用地としての水田の取得面積、一部水田が当然入るわけでございますが、それらを見てまいりますと、おおむね五千ヘクタール程度であるということでございまして、過去の水田転用の実績から見た場合にその比率はあまり高くない。もちろん政府自体も、こういった緊急事態でございますから、できる限り先行取得等による農地転用ということも考えなければならぬわけですけれども、これを実は過大にまた見込みますと、そのために、先ほどねらいといたしておりますところの単年度の需給均衡というようなことがまたくずれて、過剰米が出るというようなこともございますので、これらは慎重にいたさなければならないということでございますが、一応、われわれの先ほど申し上げました数字の中では三万八千ヘクタールぐらいを見込んでおりましたわけでございます。そして先ほど申し上げたような調整数量が必要であるということを推定いたしたのでございます。
○芳賀委員 そうすると、たとえば二百五十万トンの調整数量を立てる場合は、政府転用のこれは内ワクになるわけですね。
○太田(康)政府委員 私たちの計算は、一応四十四年の作付面積をベースにいたしまして、それから需要数量を出しまして、生産数量を出しまして、余剰面積を出しまして、それから一部壊廃の、いまの先生のお尋ねの農地転用を出しまして、それから土地改良で、ごくわずかでございますが開田される面積がございますから、これらをプラス・マイナスいたしまして出した数字が、いま言った数字になっておるわけでございます。
○芳賀委員 それからあわして農地局長から、いま私が言いました田畑輪換を含めた土地改良事業、つまりこれからの転換方針に対応した土地改良事業というものはどうやっていくかですね。——それでは農地局長が来てからでいいです。 次にお尋ねしたいのは、たとえば個別経営農家の水田の転作をやらせる場合ですね、一町歩とかあるいは五町歩という個別経営をやっているわけですが、結局それに対して二割とか三割生産調整をしょわせるということに当然なるわけでしょう。そういう場合、はたして水田地帯等において個別的に二割とかあるいは三割の水田を転換させるというようなことは事実上これはできると考えておるわけですか。周辺の水田のどまん中で、だれは二反歩とかだれは三反歩とか、規模の大きいところは一町歩とか二町歩ということになると思いますが、そういう点は一朝一夕ではできないんじゃないですか。大豆を示してもあるいは飼料作物にしても他作物にしても、そういう問題はこれは実行可能というふうに考えて転作重点でいくのかどうかですね。 それからもう一つは、大豆とかあるいは麦類等は収穫されればこれは政府が価格をきめるわけですから販売できるわけですけれども、飼料作物を転作で入れた場合、どう考えておられるわけですか。牧草とか飼料作物を水田地帯においては販売用として耕作させるつもりか、あるいは収穫された飼料作物を基礎にして兼業的な畜産を導入するという考えでやるのかですね。こういう点はどう考えているのですか。
○太田(康)政府委員 先生御指摘のとおり、これから転作をしなければならない作物、特に代表的な作物として考えております大豆作とか飼料作物につきましては、相当経営規模を大きくとりましてやっていかなければならないだろう。そこでわれわれが先ほど所得資産で考えましたのは、大豆作につきましては小規模の機械化体系に基づく三ヘクタールぐらいの経営規模、それから飼料作物については二ヘクタールぐらいの規模で考えたらどうかということでございます。そこで集団転作をやはり何としても進めなければならないわけでございますから、そういった意味を含めましてこれらの作物につきましては、もちろん所得補償というような観点もございますが、奨励補助金に差等を設ける、それ以外に転作対策のための特別事業をこれらを重点に実施する、さらに土地改良等で周囲の土地も含めて集団的にやるような場合の特別対策事業も仕組む、そのいろいろな策を講じまして、とにかく集団転作に持っていかなければ生産性の高い作物が期待できないわけでございますから、これらに重点を置いていま申し上げたような施策を講じて、順次集団転作に持ってまいるということを考えておるわけでございます。 それから飼料作物の導入につきましては、やはり第一義的には何と申しましても現在家畜を持っている農家の水田を中心に進めざるを得ないだろう。しかし必ずしも家畜の賦存の状況と土地資源の賦存の状況がマッチしているわけじゃございませんので、当然飼料作物等がどんどん入ってまいります過程におきましては流通問題が起こってくるわけでございます。そこで本年度からヘイキューブ等の導入について実験事業もいたしておりますが、これらをさらに研究を深めますと同時に、乾燥施設等の助成等も講じまして、将来流通という問題を考えての飼料作物の転作というところに順次いくであろうという想定のもとに現在の転作を考えているわけでございます。
○芳賀委員 そうした基礎条件が全然整っていなわけですね。しかも農林省はいままで集団化にしても、共同化にしてもあまり積極的にやってきておらないでしょう。だから全国的に共同化、集団化の経営をやっておるところはもう微々たるものですからね。しかも個別経営もほとんど兼業化しておるわけですからね。それをどうして集団的な転作あるいは経営に移行させるかということがこれはたいへんなことじゃないですか。そういうことを指導していないのですからね。そうかといって、個別にみんな二割、三割転作しなさいといってもこれは実際問題としてできないですからね。実行するとすれば、いま官房長が言ったとおり農協単位であればその単位で一定の集団化計画というものを立てて、それは資本主義経済であろうが何であろうが、われわれはこれは賛成しておるわけじゃないですよ。しかしあなた方がやる気になれば、やはり目標に向かっての計画的な生産体制というものをつくらなければこれは実行できないじゃないですか。計画経済でなければそんなことはできないというのであれば、やる気がないということになるのですよ。やる気がないほうがいいですけれども。それをこれから、来年の作付を前にして、半年ないでしょう。一体どういう具体的な方針を、全国の都道府県、あるいは市町村や農協等に徹底させて協力を求めるわけですか。間に合わないということになれば、ことしと同じようにこれは当然生産者に理解してもらって来年も休耕中心ということになると思うのですが、いかがですか。
○太田(康)政府委員 転作につきましての政府の基本方針並びにその指導方針等を、予算等がきまりますればさっそくつくりまして、これはいま一月を私たち考えておるわけですが、これらをさらに府県に流しまして、さらに府県の指導組織等を通じて末端の農家に徹底をいたさせまして、これら指導を通じて、もちろんその裏付けとしては先ほど来申し上げておるような予算措置等も考えておるわけでございますから、これらによってぜひいま言ったようなことを実現してまいりたい、こう思っておるわけでございます。
○芳賀委員 とにかく予算、予算で、これは早く通って三月末ですからね。来年のまき付けにかかるのは四月早々ということになるわけですからね。 それから飼料作物の関係ですが、増田局長おるでしょう。一体個別農家に少しずつ飼料作物をつくらして、なかなか官房長が言ったようなわけにいかぬでしょう。北海道でも東北でも九州の地域でも、もう専業化しておるでしょう、酪農地帯とか、畜産地帯というのは。水田地帯の中にそういう畜産経営というのは、あまり入ってないわけですね。そうなれば、その飼料作物を基礎にして兼業的な家畜導入をやるということでこれを進めるのか、毎年外国から九百万トン以上も濃厚飼料を入れておるわけだから、外国から買い付けるよりもこの転作政策に基づいて生産された飼料を、地元の酪農家あるいは畜産家に供給するために飼料の転作をやらせるか、これは畜産局としてどう考えておるか。
○増田政府委員 飼料作物につきましての基本的な考え方は、先ほど官房長からお答え申し上げましたわけでございますが、われわれは五カ年計画の年限を前期と後期に実は分けて考えたいと思っております。前期につきましては現在酪農家、特に水田を持っておるわけでございますが、その面積が大体十三万町歩ございます。これは、子畜のみを持って飼っておる農家を除いた水田面積でございます。そのうち当然飯米用等もつくるわけでございましょうけれども、それを除いた十万町歩はさしあたりの二年間の主要なる転換の対象にして考えたい。後期におきましては、畜産地帯と水田の所在というものは一致しておるわけではございませんので、当然飼料の流通という問題を考えないわけにはまいりません。そういたしますと、当然ヘイキューブ等の問題等が出てまいるわけでございますけれども、これはたびたび申し上げますとおり、そう簡単な問題ではございません。したがいまして来年度は計画表をつくりまして、計画的に、一年間じっくりかかりまして地元の体制をつくる、そしてその上に立って初めて再来年からこの事業を重点的にやっていく、そして後半においてその成果を見ながら積極的にこの問題がよければその方策を進めていくということを考えているわけでございます。と同時に、家畜の導入につきまして、そういう形で集団的な草地ができる、あるいは飼料作物もできるというようなことになりますれば、そういう地帯に優先的に乳牛の導入をはかるということを同時にやっていきたい、かように考えているわけでございます。
○芳賀委員 どうも内容が未熟でせっかくの答弁でもわかりかねますが、結局自由方式ではだめなわけでしょう。個別の中でそういうことはできないということになれば、ことし農協法、農地法も改正になっているわけですから、やはり集団化方式というものを不可避的に進めなければならぬということになると思うのです。そうなれば、やはり一定の計画、目標を立て、その計画にマッチするような、生産面においても計画生産の体制に入らなければならぬ。しかも、これからの農業はそういう体制を整備することが前提要件であるということになると思うのです。しかしそういう場合、計画生産に入った場合の不利益性を国がどうして補てん、補完してやるかということが強力に行なわれなければいかないと思うわけです。問題をそらさぬで、自由経済だから計画生産はできないんだというようなことでは一歩も半歩も前進しないわけですから、この点は皆さんが十分よく考えて、こうやればやれるんだという確信のある方策を立てて、農家もそれに納得してそのとおりすれば、犠牲にならぬで不利益をこうむらなくて、この危機を打開できるという将来に対する明るい見通しを持てるわけですから、これは地域分担よりも先にやるべきなんです。農家の首を絞めるような縄だけになって、地域分担なんて言ったって、これは殺人機械にしかすぎないわけですからね。 その次にお尋ねしたいのは、十二月一ぱいに来年度の予算を政府が編成することはもう方針がきまったわけですから、これとの関係で当然食管の予算も編成しなければならぬと思うわけです。その場合、来年の生産者米価それから消費者米価というのは、従来のように予算米価で、前年度主義、つまり四十五年の両米価を予算米価としてやる形が過去に一度事例がありましたけれども、生産者米価あるいは消費者米価も値上げを見越した予算編成をやるつもりか、この点は所管の食糧庁長官から明確にしてもらいたいと思うわけです。
○亀長政府委員 来年度予算に関しまして、米価をどうするかはまだ何もきまっておりません。
○芳賀委員 政府としてはきまっておらぬが、食糧庁としての考えはどうなんですか。
○亀長政府委員 政府としても食糧庁としてもまだきまっておりません。
○芳賀委員 食糧庁がきまらぬ場合、亀長食糧庁長官自身としてはどういう考えを持っておられますか。
○亀長政府委員 私個人も政府も農林省も、その点に関しましてはいろいろな要素がございますし、またいろいろな御意見もございまして、いまだ決着をつけかねている状況でございます。
○芳賀委員 長官がわからぬければ、その下といっては失礼ですけれども、実際の担当者の段階ではどう考えておられますか。次長でも部長でもいいんですよ。どっかでやっていなければだめでしょう。
○亀長政府委員 いろいろな考えがあることは私申し上げたとおりでございまして、個々の人の考えとしてはいろいろあるかと思いますが、それは別に組織として、農林省としてあるいは食糧庁として正式に表明をするというようなものはまだ何もきまっておらないということでございます。
○芳賀委員 いずれにしても十二月三十一日までに政府予算は編成を完了させるわけでしょう。その中で食管特別会計は両米価に対して触れない予算をつくるというわけにいかぬと思うのです。従来の経緯を見れば、前年度の米価というものを生産者米価、消費者米価にもこれを採用して、一応の食管予算というものは計上しておるわけですから、そういう従来方式を採用してやる考えでおるのか、あるいは最近の経済情勢等をよく見きわめて、そして生産者米価に対しては何%上げるというような考えがあれば、それはできるだけ確実に予算に計上するほうがいいということになるわけですから、この両様のやり方しかないんじゃないか、それはどう考えているかということを聞いているのです。
○亀長政府委員 私が申すまでもなく、食管の予算は非常にむずかしい事態になっておりまして、いま御指摘の二方法以外にも、いろいろ生産調整との関連においても検討されておる諸問題がございますので、そういう問題が解決しなければ両米価とも解決しにくい、かように考えております。
○芳賀委員 私の聞いておるのは、米価の単価をどう考えてやるか、それに数量をかければ総額が出るわけですから、一トン当たりどう扱うか、六十キロ当たりどう扱うかということです。まずその単価がわからなければ計算できないでしょう。 〔三ツ林委員長代理退席、委員長着席〕
○亀長政府委員 もちろん数量にもいろいろ問題がございますが、単価につきましても問題がございます。生産者米価、消費者米価ともに同様に上げるのか下げるのか、あるいは逆ざやを解消するのか、いろいろな問題がございます。単価の点についても決定しておらないということでございます。
○芳賀委員 ここは委員会だから、亀長さん、あまり慎重を期する必要はないのですよ。農林大臣ぐらいになればうかつな答弁はできないが、事務当局としては、実はこう考えておるが、しかし内閣の政治的な方針というものがまだきまっておらないので、その点については明らかにすることができませんぐらいの答弁をしなければ、この難局は切り抜けていけないでしょう。 次に、最近歯どめ論ですね、先ほど官房長が言ったとおり、四十五年は生産調整の歯どめがなかった、ことしは大きな歯どめをかけるということが食管の運用の中で考えられておるわけでしょう。たとえば買い入れ制限をやる。一定の買い入れ数量というものを事前に示して、その数量の範囲内においては食管法に基づいた算定米価によって買い入れをするが、割当以外の残余の米については一段と価格を落として希望があれば買い入れをする、これが買い入れ制限の方式だと思うのです。 もう一つ、最近逆二段米価のほうが歯どめになる、これはよくわかりませんが、最初に政府が決定する買い入れ価格というものを相当低い価格で決定して、これに基づいて買い入れを行なう。これはおそらく無制限買い入れの思想に立っておると思いますが、買い入れを終了したあとで、政府から見て生産調整に協力した農家と協力しなかったと認められる農家に選別を加えて、協力したと判断される農家に対しては前年度米価と買い入れ米価との差額を奨励金という形で交付する。協力しない農家には安い米価で買い入れをやって奨励金は交付しない。これが逆二段米価の内容だと思うのです。いずれにしても、現行の食管法のたてまえから見れば、これはできないやり方だと思うのですよ。もしこれを強行する考えを持っておるとすれば、まともに食管法の改正を国会に提案して、これは通るか通らぬかわからぬですけれども、やはり法的手続をしてやらなければ、この買い入れ制限の方式にしても逆二段米価方式にしてもできない方法だというふうに考えておりますが、いまの農林省としては、このいずれかの方法というものを考えておるのかおらないのか、あるいは考えておるとすれば国会に食管法の改正法案を出すか、あるいは別個の単独法を出してでも国会を押し切ってやるという考え方か、これは非常に大事な点ですからして、二点について明快な答弁をしてもらいたい。
○亀長政府委員 最初に官房長からお話がありましたように、生産調整を進めるに際して公平を確保する、このような見地から食管制度の運営を改善すべきだ、こういうことが強く出てまいりまして、自民党の総合農政部会におきましても、そういう見地から食管制度の欠陥の改善をはかる、こういうことが中間報告にも記載をされております。その具体案としていろいろな案、四つほど案がありまして、先ほど先生御指摘の二つの案もその中に含まれておるわけでございますが、さらにその組み合わせとかろいろい御検討中のところ、私ども農林省に、農林省はこの四案についてどういうふうに考えているかということでございまして、私どもとしては、たとえばその中にありました、協力した者は無制限に買うけれども協力しない者は全然買わないというようなことは、少しきつ過ぎはしないか。それから政府が必要な量だけを買ってさらに必要でないものを低い価格で買うというのは、筋としてはやや疑問があるということで、残る二つの御指摘の逆二段とそれから買い入れ制限というのが、制度上は一応筋の通った案であろうということをお答えをしてございます。 この内容は、逆二段と申しますのは、生産者米価を下げてその差額は補給金で払うという案でございます。それからもう一つのほうは買い入れ制限でございまして、政府の必要量だけを予約で買ってそれ以外は買わない、あとは政府としては買わない、こういう二つの案が筋の通ったものであろうというお答えをしてございますが、まだ農林省として、これは政治的にも非常に重大問題であり、大臣、いろいろみずから御検討中のことでございますので、私どもとしましては、その考え以上には農林省全体として、また倉石農林大臣も最終的な結論は、その二つについてどれかということは、まだおきめになっていないのが現状でございます。 食管法との関係はどうかということでございますが、そういう段階でございますので、私どもとしましても、またおそらく自民党の総合農政調査会小委員会も同様でございましょうが、法律がどうかこうかということよりも、むしろ生産調整の実現、確保を期する、こういう観点からはどういうことをやるのが一番適当であるかという御観点から研究中のものでございますので、法律が要るか要らないかということは、やることがきまってから検討すべき問題であるというふうに考え方の段取りとしてはなろうかと思います。ただ、そういうことを離れて逆二段とか買い入れ制限がいまの食管法の解釈上可能かどうかという御質問でございますれば、これはどちらをやるとかやらないとかということと離れたお答えとしましては、私どもは、買い入れ制限に関してはこの春の国会で農林大臣が、食管法第三条に関する限りは買い入れ制限可能であるというふうにお答えをなさっているとおりであります。逆二段米価に関しましては、食管法第三条の規定によりまして、第三条で買うものについては価格に関する規定がございますので、その規定に反しない限り法律の改正は要らないであろう、かように考えております。しかし、これはどういうふうにやるとかいうこととは別個の問題でございますして、一応解釈としてはそのように考えておるわけでございます。
○芳賀委員 亀長さん正直だから、いまの答弁一応聞いてはおきますけれども、しかしいずれにしても、いま食糧庁長官の言ったような、これは筋が通るというようなものではないでしょう。このいずれも筋は通っていないですよ。しかも、生産調整が基礎になって、その必要に応じて食管制度というものは改変できるというような考えは、これは逆じゃないですか。いまの食糧管理制度というものが制度的に基礎になっておるが、これをそのまま実行するということになればやはり過剰傾向が出るとか調整の必要が生ずるということで、それをどのように補完的に扱うかということがいわゆる食管制度に対する調整措置であるというふうに私は考えておるのです。調整が先で制度があとだという、こんなばかなことは筋道でも何でもないですよ。あなたは正直だから、私は議論する気はないのですけれども。それから、法律改正の必要がないなんというのは、これは全く三百代言でもそんなことは言わぬですよ。これらを行なう場合に法律改正必要ないなんというのは、気のきいた三百代言でもそんなことは言わないですからね。それもよく注意しておいてもらいたいと思います。 そこで問題は、このいずれかをやるつもりでおるわけでしょう。そこで、買い入れ制限の場合も制限数量以外は絶対に買わないということをあなたは言っていますけれども、たとえば一定の調整目標というものが講ぜられて、生産者はそれに協力した、そして耕作すべき水田で生産努力をするのはあたりまえですからね。生産者の生産努力とあわせて、これは自然条件の協力というものも当然年によってあるわけです。ですから、政府の側から見ても、善意な努力で生産された者に制限してないなんということは、これはおかしいですよ。だから、それも価格上の一定数量に差別をつける、ただし目標以外、割り当て数量以外のものについては、一段値段は下げるが、しかし、それは自由に販売してもいいが、政府に売りたいという希望の申し出があれば、これは麦と同じように無制限買い入れをします、これが一応制限を付した買い入れ方式ということになると思うのです。一方的に政府が割り当てをした以外は絶対買わぬぞというばかなことは、これはできないですからね。 それともう一つは、逆二段でやるということになれば、これは初めからもう値段を下げるわけですから、これは低い価格の第一段の買い入れについては制限なしということに当然なるわけでしょう。これは全量買い上げをする、ただし、買い入れた結果その生産者が政府の目標に協力したかどうかということをどういうことで選別するか私はわかりませんが、これは協力した農家ということを認めた場合に初めて前年度米価との差額というものを奨励金という形で交付する、これは協力していないと認めた者については奨励金は交付しないという考えでしょう。ですから、その場合であっても前段の低米価で買い入れするという場合には、これは数量制限とか差別は絶対できないと思うのです。このくらいのことはわかると思うのです。しかし、長官のいまの説明は、このいずれにも当てはまらぬようなとんちんかんな答弁をしておるわけです。だから、筋論ではなくて方法論として、私の言ったようなやり方以外はとれないということは、これはあなたもそう考えておると思うのですよ。何も言質をとるわけじゃないですから、そのとおりだというのならそういうように答えてもらいたい。
○亀長政府委員 私が先ほどお答えしましたのは、いろいろなそういう制度でございますから、ある大筋があって、それをまた多少修正をしたり変更をさせたり、いろいろな考え方がございます。その基本のものだけを申し上げたわけでございまして、たとえば買い入れ制限をして残りのものはどうするかという問題があるわけでございます。それを政府が全然買わないということが、必ずしもいまの食管法では不可能だと私ども考えておりませんけれども、実際問題として何らかの措置を講じたほうがいいじゃないかという意見もかなりございまして、その中の一つに、いま先生が御指摘のように、残ったものも低い価格で買い上げたらどうかとか、あるいは農協に持たしたらどうかとか、いろいろな考え方がございます。そういうものも含めて現在検討中でございまして、さらに逆二段につきましても、下がった米価のものは無制限で買うべきであるという御意見もございますし、下げ方がほんのわずかであれば、やはり相当量の増産が行なわれるから、それにはやはり何か過去の実績くらいまでにとめるというような方策を講ずべきだという御意見もございます。私が先ほど申し上げましたのは、考え方の大筋だけを申し上げましたので、それに対する変化とかいろいろ修正をして、いろいろな考え方が現在議論をされておる段階でございます。もちろんいま先生御指摘のような考え方も、現在検討中のものの一つでございます。
○芳賀委員 これは話が少し具体的になりますが、たとえば第一段の方法の、買い入れ制限をやる、残余は買わないという場合ですね。政府として買わないという措置はできるかもしれぬが、それでは他に売ってはならぬという措置はできないでしょう。そうじゃないですか。政府は絶対買わない、ただし政府以外に売ってもならぬという、そういう措置はできないでしょう。それでは政府以外に売ってもかまわぬということになれば、これは自由に売れるということになるわけですからね。この点もやはり食管のいまの制度に触れるんじゃないか。自由に売れるということになれば、これは農民の防衛心理からいっても、それじゃ自由に売れる分は一番良質米を確保して、精白にしても、これは一番良質米ということで売る方法はあるのですよ。それはやはり外国へ売るのじゃなくて、国内の市場に販売するわけですからね。買わないぞとか歯どめだなんていって安心してみても、結果的にはそれより先に、買わない米が市場に出回って、国内における絶対の供給量は変化なしということになるわけですから、このくらいのことはよく考えに入れておかなければならぬと思うのですよ。 それからもう一つ、逆二段についても、協力した者とかしない者の判別はどこでやるわけですか。盛んにこれのほうが筋が通っておるということをあなたは言っておるけれども、これに協力した者とかしない者というのはどこで識別するわけなんですか。
○亀長政府委員 最初の御指摘の問題につきまして、そういう事態が起こり得ることはまさに先生のおっしゃるとおりでございます。残った米をどうするかという問題点、これをまるっきり自由にしてしまうということになれば、これは私もいまの食管法でできるかどうかということについては大きな問題があろうと思っております。そこで、たとえばそういうものを農協を通じて売るとか、あるいは自主流通に回すとか、さらに、それを最終的には政府が買い上げるとか、いろいろな形があろうかと思います。買い入れ制限の一種の変形と申しますか、現在の法律の中に合うように修正をして、またあまり流通秩序の乱れないようにというような、買い入れ制限に、第一次的には政府は買わないけれども、第二段階としてはどうするかということで、原則は私が最初に申し上げました買い入れ制限でいって、その変形としていまいろいろな修正案を検討しておるということでございます。 それから、第二の点は逆二段でございますが、この生産調整をしたかどうかをどうして認定するかと申しますのは、生産調整につきましては、末端段階では市町村長からこれだけという数量がきまるはずでございますから、そのきまったものに対しては当然奨励金が支払われる。そのきまったものが一〇〇%実行されておれば、それは生産調整に協力したものと認めるということであろうかと思います。もちろんこれは割り当ての方法と非常に関係がある問題でございまして、一律ということでやるのか、あるいはいろいろな要素を加味して、県別、町村別に、総量はある程度の目標に合うようにいたしましても、個人別には町村長が実情に応じてきめたという場合には、そのきめた量が全部できておれば完遂をした、あるいは一律ということになれば、その一律の率に達しておればそれが完遂をしたということになろうかと思います。具体的な確認の方法はやはりこの奨励金を支払う際に、実際に確認措置というのを昨年もいたしております。その確認措置によって認定をされるというふうに考えております。
○芳賀委員 その場合、たとえばもう全然転作も休耕もしなかったという場合は、これは保有の水田に全部作付をして収穫をしたということがわかるから——そうでしょう、全然休耕も転作もしなければ、この五ヘクタールの水田は全部まきつけをするわけですから、収穫がされるわけだから、これを協力しないというのか。政府が一方的に協力しないといっても、それは生産者がやはり自分の、憲法に保障されたたてまえでちゃんとつくっているんです、制度を乱したわけじゃありませんということになると、これは別として、たとえば政府としては町村を通じて三割の範囲で転作、休耕をしてもらいたいという場合に、それはもう無理な協力なので二割しかできないという場合もあるでしょう。二割では協力にならぬからこれは協力しないと認めるというわけにはいかないでしょう。それから二割であっても協力した分には転作あるいは休耕の奨励金を、この協力の度合いが少ないから十アール当たりの奨励金はやらないとか半減するということもできないでしょう。そういう協力したとかしないとかいう認定は、いまの制度ではできないと思うんですよ。そういうことがやれるような錯覚で考えても、実際問題としては都道府県知事にしても町村長にしても、そういう政府の無理な代行はしないということになるんですよ。これはしなければどうするという罰則も何もないわけでしょう。そういう前例というのは日本にはないわけですからね。だから休耕しない者は罪人だというような扱いはできないでしょう。だから一体協力者、非協力者の判別というものをどうやってやるか、だれがやるかということです。
○亀長政府委員 これは官房長のほうから答えるべきことかもしれませんが、生産調整はこれは別に法律で自分が自分の水田に米をつくるという権利を何も否定するものでもございません。またかりに食糧庁のほうで値段とか買い入れ数量、予約数量をきめたとしても、別にそれ以外に米をつくっちゃいけないということをやるわけじゃございません。ただ奨励金を交付したり政府で買い上げるというものにある程度のルールを設けようというだけの話で、本質的にそういう性格を持っておるわけでございます。それから、生産調整に協力した、しないというのはどこで認定するかということで、私が先ほど御説明申し上げましたのは、一〇〇%協力した者とあるいは八〇%協力した、割り当てを八〇達成した、一〇〇達成した、こういうふうにいろいろ出てくると思います。その場合に、一〇〇%やらなければもう奨励金はやらないことにするか、あるいは八〇%やれば、やっただけはそれだけの協力の奨励金、差額補給金を交付するかという問題は両案あるわけでございまして、一〇〇%やらなければもう一切やらないというような考え方もございますし、協力したならば協力した程度に応じて、それはいろいろ一〇〇%できなかった事情もあるでしょうから、協力した程度に応じて差額の補給金をやるという考え方もございます。またそれはどっちだといわれましても、まだ私どものほうでも党でも御検討中の問題でして、いずれも一長一短あることでございますから、結論が出ておるわけではございません。ただ生産調整をどのくらいやったかという認定はいかにするのか、あるいはもとの割り当てというのはいかにしてきめるのかというお話でございますれば、それは県なり市町村なりを通じてその町村の調整目標というのができます。その調整目標を市町村長が一律に割り振るか、あるいは実情に応じて人員別に差をつけて割り振るかということになるわけでございまして、その際きまったものが生産調整の数量ということでございます。さらにその実行の確認というのは、金を払う際に生産調整の確認措置というのをやっておりまして、班をつくりまして実際に見て歩いて、町村長が確認書というのを昨年もつくっておりますから、それで実際に計画どおりやったかどうか、何%やったかどうかということは実務上判定ができるということを先ほど申し上げたわけでございます。 なお、県なり町村長がそういうことをやってくれるかという問題でございますが、生産調整なりあるいは食糧庁のいろいろなそういう補給金を払うとか、あるいは予約の割り当てをするとか、いずれにしましてもこういう問題は知事なり町村長の全面的な協力がなくしてはできないことでございまして、さようなことは協力していただけるということで、農林省と関係の団体、知事、市町村長ともいろいろ話をして、昨年生産調整が非常な協力を得て実施されましたと同じように、今後も実施をしていきたいということでいま話し合いを進めておるような状況でございます。
○芳賀委員 いま農林省の考えておる歯どめ諭については、われわれは絶対賛成するものではないですから、いずれこういうことをやるということになれば、実行にまた歯どめをかけてやらさぬようにしたいと思っておるのですが、ただ、どうも逆二段は筋が通らぬじゃないですか。あなたは逆二段のほうが筋が通ると言っているのですけれども、たとえばあとで交付する奨励金というのは、食管法上の取り扱いとしては米価じゃないでしょう。米価というのは最初にきめる安い値段ということになるのでしょう。だからことしの米価よりもたとえば一割も二割も低い米価の算定はできないでしょう。いまの食管法によってはもう全部材料を出し尽くしたでしょう。ことしの米価を据え置くために標準偏差を取りはずして、もう全部材料が出尽くして、来年据え置きにするにはどうしたらいいかということで、ことしも困っておったわけですから、それを現行の食管法で大幅に米価を下げるということは実際問題としてできないと思うのですよ。その米価の決定のたてまえから見ても、逆二段方式のまず第一段階の安い米価をきめるということはできないと思うし、それから協力をしないというそういう判断というものは非常につけづらいわけですからね。それは行政訴訟なんかになったって、どっちが協力したとかしないとかいう結論は出ないですよ。だからいろいろ頭を使っていることはわかりますが、お互い同じ頭を使う場合には効果のある頭の使い方をしないといかぬのではないかと思うのです。どうですか、官房長、頭の使い方は一体どういうように使ったらいいか。
○亀長政府委員 ちょっと誤解があるようですから答えさせていただきますが、私が最初に申し上げましたのは、党の総合農政調査会で四案とかその組み合わせということがいろいろあった。私どもではそのうち二つが一番筋が通っておるということでお答えしてあるということで、別に逆二段だけが筋が通っておるということをお答えしたつもりはございません。 現在農林省で検討中のものは買い入れ制限と逆二段米価、さらにそれぞれについても残った米をどうするかといったようないろいろな変化も含めて検討中であるということでございます。 それから、いまのかりに逆二段で米価が下げられるかという問題は非常にむずかしい問題であります。ただ、従来とられてきた米価の算定方式が唯一の方式でないというふうに考えれば、若干逆二段が考えられる余地もあるのではないかというふうに感じておりますが、御指摘のような問題も逆二段米価に伴う非常に大きな問題としてあるということは私どもも十分承知をいたしております。
○太田(康)政府委員 先生のおっしゃるとおりだろうと思います。
○芳賀委員 以上、地域分担の問題、あるいは来年度の米をめぐる問題等について農林省から率直な意見を聞いたわけですが、これはいずれも日本の農業の興亡に関する問題につながっておるからして、きょうここで短時間でこれ以上議論を進めるべき筋合いではないと思います。きょうは地域分担の問題の説明聴取というような形で質疑をしたわけですが、いよいよ予算編成も年内ということになればもう短期間ですから、その中においてやはり農林省の基本姿勢というものを曲げないでひとつ努力してもらいたいと思います。
○草野委員長 瀬野栄次郎君。
○瀬野委員 「農業生産の地域指標の試案」について農林省当局にお尋ねをいたします。 「農業生産の地域指標の試案」は、唐突に農林省が十二月十二日にまとめられて、いわゆる農業の新地図というものが公表されたわけでございますが、十三日の一般新聞に発表され、農業者をはじめ各団体等もショックを受けたことは事実であります。午前中からもいろいろ論議されてまいりましたが、農政の一大転機であり、今後の農政に重要な問題でございますので、来たる六十五通常国会等においても慎重審議することになるわけでございますが、本日若干の点につきまして一応説明を聴取しておきたいことがございますので御見解を承っておきたい、かように思うわけでございます。時間もかなり経過しておりますので、いろいろはしょって質問を申し上げたいと思います。 まず最初にお尋ねしたいのは、政府は数年前から総合農政を打ち出してきておられるわけでありますが、今回発表された地域分担の試案と総合農政との関係、この点についてまず最初に御見解を承りたいと思います。
○渡辺政府委員 お答えを申し上げます。 今回の地域分担のことにつきましては、先ほどから事務当局で詳しくお話を申し上げておりますから、くどいことは再び重ねないことにいたします。結論は、いうならばそれぞれの地域のガイドポスト的なものであって、これは生産計画ではございません。しかしながら、やはりどの地域はどういうような作目があるべき姿であるかということは当然いえるわけでありますから、その地域に示された指標というものが今後の農作物等を指導する上においてのガイドポストになることは当然だと思います。総合農政の適地適産というようなことは総合農政の中でやはり考えておるわけでありますから、そういう意味においては、総合農政を実現する上においてやはり今回の地域分担の指標は、当然ガイドポスト的な役割りを果たしていくであろう、こういうような関係があるといえば関係あるだろうと存じます。
○瀬野委員 今回の「農業生産の地域指標の試案」というものは、農業者は農林省の方針として受けとめるわけでございます。わかりやすくいえばうのみにするということもいわれるわけでありますが、こういったことから各地でいろいろな批判も起きております。そこで、各県ではそれぞれ生産計画を定めているわけでございまして、農林省は各県別の地域分担計画というものが影響が大きいということで公表しないやに聞いておるわけでございますが、それだけこの計画というものが誘導政策ということになるわけでしょうけれども、各県別の地域分担計画との食い違いというか、いろいろな問題が起きてくると思うのですけれども、この点についてはどのように検討されましたか、この機会に御見解を承っておきたいのであります。
○渡辺政府委員 このガイドポストをつくる過程においては、各県の計画というようなものももちろん参考になっておるわけであります。しかし、これはどこまでも、先ほど言ったように、日本全国を十四のブロックに分けたきわめて大まかなものでございますから、そのブロックの中でも、土地柄によって事情の異なるところ、同じ県の中でも市町村によって事情の異なるところ等は多々あることと存じます。ただ全体的な大勢といいますか、ながめといたしましては、このガイドポストというものが将来の日本の作目の望ましいあり方として、全体としてはやはり集約をされるのでないか。だから、このガイドポストのとおりに、その地域に入ったものは全部右へならえでそのままそっくり画一的に生産計画を立てろというような性格のものではございません。
○草野委員長 先ほど芳賀委員の質疑中農地局関係の答弁がありませんでしたが、ただいま農地局参事官が出席されましたが、御答弁されますか。住吉参事官。
○住吉説明員 先ほどの田畑輪換の関係につきましての御質問に対してお答えいたします。 水田から畑地へ転換をはかっていくことにつきましては、その地域、地域の特性、土地の条件とか営農の形態とか、諸般の情勢を考えまして畑地化をはかるとともに、田畑輪換も今後大いに進めていくべき一つの施策であろうというように考えております。しかしながら、御承知のように、過去におきまして田畑輪換が必ずしも順調に伸びてまいっておらないというような原因もございますので、田畑輪換の指導をひとつ強くやりまして、この実績を見ました上で、将来の長期にわたりましての施策を十分に検討してまいりたい、さように考えております。
○瀬野委員 政務次官から御答弁いただきましたが、さらにもう一点これに関連してお伺いをいたしておきます。 市町村段階まで掘り下げて特産物を含めたこまかいところの作目にわたって、今後の農政の方向というものを踏まえながら、将来の望ましい姿というものが必要である、こういうふうに思うのでありますが、この点については検討の段階でどのように検討されましたか、御見解を承っておきたいと思うのであります。
○太田(康)政府委員 先ほど来御説明申し上げておるように、代表的な十の作目につきましての地域分担の指標を公表いたしたわけでございます。それはすでに政務次官のお答えにもございましたように、地域の農業生産を長期的な観点に立って誘導するガイドポストである。われわれの期待といたしましては、都道府県なり市町村なり農業団体等がそれぞれの農業計画をおつくりになっておる場合も非常に多いわけでございますから、これがその際の参考資料になることを期待いたしておるわけでございます。先生お尋ねのように、市町村の段階で確かにいろいろな計画があるわけでございますが、マイナーのクロップになりますと、あるその地域だけの特産物というようなことになりまして、やはりマクロでとらえるようなこういった地域分担の指標の中にすぐ全面的に取り入れにくいというようなこともございまして、実は代表的な作目にしぼっておるわけでございます。さらには、これは御理解をいただけるかと思いますが、やはり私のほうの農林統計上のいろいろな制約もございまして、実際にはつくりにくいというようなことも実際問題としてはあるわけでございます。しかし将来の課題として、われわれはさらにこれをもとにいたしまして、こういった勉強もいたしたわけでございますから、できますれば、都道府県くらいの段階におろした地域分担というようなものをつくっていくことを検討していかなければならないのではないかということを目下考えておる次第でございます。
○瀬野委員 都道府県段階までにおろした将来の課題を考えているというようなことでございますが、午前中から説明をいただきましたこの試案というものはきわめて大ざっぱなものだといえるわけでございます。たとえば、この試案作成の作業の段階で聞くところによりますと、水陸稲、麦類、野菜、果樹、大豆、養蚕、工芸作物、牛肉、豚肉、鶏卵等、全農業生産の九〇%以上のものを対象としていろいろ検討されたやに聞いておったのでありますが、コンピューターによって十品目にしぼられておるというような説明がなされておりますけれども、この十品目だけでは各都道府県あるいは市町村で農家の方たちを具体的に誘導していくことができるかどうか、こういったことを危惧するわけであります。ただいまも若干説明がございましたが、さらにこの点についてもう一度明確に御答弁を承りたいのでございます。
○渡辺政府委員 個々の農家にこのガイドポストで指導するかというふうな御質問でありますが、これは個々の農家を指導するものではございません。先ほど言ったように、それぞれ十四のブロックで、そのブロックにはこういうようなものがこの程度生産されるのが望ましいというような指標でございますから、その中でさらに県が町村別のものもつくるでしょうし、町村がまた部落別の計画というようなものもつくると思います。したがって政府は、そういうようなものがガイドポストの中で望ましいというふうに考えられておる地域やそういうような数量等に見合うものであれば、そういうものに対する助成措置を今後講ずるというようなことはあろうかと存じますけれども、直接このガイドポストを個々の農家に割り当てるというようなことは考えておりません。
○瀬野委員 次の問題に入りますが、農林省が今回発表しました農業地図ともいうべき「農業生産の地域指標の試案」でございますが、これのビジョンを打ち出されたわけでありますけれども、今後この実現に向かってどのような決意を持って臨んでいかれるか、重ねて承っておきたいと思います。
○渡辺政府委員 これは先ほどから再々申し上げておるように、総合農政と裏表でありますから、総合農政の予算というようなものでこれを誘導していく。四十六年度においても総合農政の予算としては、農林省は五千数百億円を実は要求をいたしておりますし、融資等の問題についても四千数百億円の要求をして、目下大蔵省と折衝中である、この事実をもってしても、やはりそういうような総合農政の予算等で、このガイドポストに近づくような誘導をしていく、こういって差しつかえございません。
○瀬野委員 この計画を実行するにあたって、貿易の自由化問題ということを考慮に入れなければならぬわけでありますが、流動する国際経済あるいは国内の需給関係上、農産物の自由化が進み、対策が十分果たされなければ、見通し自体が変わってくるのではないか、かように思うわけでございます。また営農として定着するまでには相当時間がかかるわけでありまして、需給が変わることも当然考えられるわけでございます。先ほど午前中の説明で、自由化については従来のテンポで進む、こういうふうに御答弁がありましたが、この点について、さらに農産物を自由化することによって変わってまいります関係でございますので、この点の検討はどういうようになされたものか、さらにお伺いをいたしておきたいのであります。
○太田(康)政府委員 ちょっと私の午前中の答弁、必ずしも正確でなかったわけですが、私どもが考えましたのは、すでに自由化計画で決定している段階で、この計画を作成するまでにわかっているものは、これは当然織り込むべきであるということで、そういうことを念頭に置いて作業はいたしたわけでございます。それから先のことは、農産物相互間の相対価格の問題と同じように、これは不確定の要因でございますから、直ちにこれを取り込んで云々するというわけにもまいりませんので、いま申し上げたようなことで将来の自由化という問題は不確定でございますから、これは一応この計算の中には織り込んでいないということでございます。
○瀬野委員 農業生産の伸びというものが、この試案によりますと遠隔地ほど高くなっております。現状は、茨城県だとか愛知などにおいては農業生産のベストテンに入っておるわけでありますが、大都市近郊農業地帯が、地域分担で予想されるように、稲作をやめる人が続出するか、たくさん出てくるかということは、これは疑問であるのではないか、こういうように思うわけであります。私も本日政府の具体的な案並びに総括表をいただきましたので、内容をこまかくまだ十分に検討をしておりませんけれども、そういったことを直感的に見て感ずるわけでありますが、その辺の見通しについてはどのような検討をされたのか、お伺いをしたいのであります。
○太田(康)政府委員 今回の計画で四十一年から五十二年にかけましての平均の伸び率が二・五%ということを申し上げましたが、それを各地帯に見ますと、先ほど御説明申し上げましたように、遠隔農業地帯がきわめて高いということでございます。このことは、実は過去におきます姿においても全くそのような傾向を描いておるのでございまして、三十五年から三十七年をベースにして、四十二年から四十四年の伸び率をいま私たちが地帯分けをいたしました大都市近郊農業地帯、中間農業地帯、遠隔農業地帯について見てまいりますと、最も生産の伸び率の高いのは遠隔農業地帯でございまして、その次が中間農業地帯、大都市近郊農業地帯が最も伸びが低いという結果が出ておりまして、この傾向は将来とも持続をされ、むしろ何と申しますか、より開いた形で遠隔地帯の農業が伸びが非常に高くて、大都市近郊農業地帯の伸びが非常に鈍化をするということの傾向がよりはっきりと出てくるのではないか、こういうふうに思っておるわけでございまして、過去の傾向を最も強く反映をいたしておるというふうに考えております。
○瀬野委員 政務次官にちょっとお尋ねいたしたいと思うのですが、本州は将来ほとんどが都市近郊型農村になることも考えられるわけでございますが、新全総との関連はどういうふうにお考えであるか、検討されたか、この点をお伺いしておきたいのであります。
○渡辺政府委員 新全総の数値は採用してはじき出す資料になっておるわけであります。
○瀬野委員 次に自給率を見た場合に、全体で四十三年の八三%から七七・五%になっておりますし、耕地利用率も低下を前提として地域分担を描こうとしておられるようでありますが、これでは農業縮小を前提としているのではないか、こういうふうに各団体からもいろいろと批判が出ているわけですけれども、この点についてはどのような見解をお持ちであるか、重ねてお伺いしておきたいのであります。
○渡辺政府委員 これは決して四十四年度より自給率が低くなっているというわけではありません。七六ぐらいのものが七七ぐらいになっておるわけであります。したがって、横ばいよりもちょっと上がっておる。ただ、四十四年度の米の自給率を過剰に見るか、一一〇何%に見るか、一〇〇%に見るかというようなところの食い違いがあるわけでありますが、これは実際問題として七六から七七・何%に全体として上がっておるということで、少なくなっておるわけではありません。
○瀬野委員 次は来年度の米の生産調整に直ちに適用されて、大幅な減反をしいられるのではないか、また、農協の営農団地との関連、地域分担への移行に伴うところの行政上の裏づけ等が、今後の予算編成などにどう盛り込まれるか、こういったことで、農業団体との話し合いというか、詰めが甘かった結果、強引な農政の展開となりはしないかというようなことが、唐突として今回発表された関係からいろいろいわれておりますが、この点についてはいかなる見解でございますか、ひとつ全国の農業者が、また団体が安心できるように、この機会に御答弁をいただきたいと思います。
○渡辺政府委員 先ほども申し上げましたように、農林省といたしましては、米の生産調整等もございますので、相当多額の思い切った転作の促進予算、あるいは総合農政の予算等をいま要求をしておるわけです。ただ、ここで予算が決定をしたわけじゃございませんので、数字をこまかく申し上げるということにできないのが残念でありますが、それは農業団体の方々が御満足していただけるように目下努力をしておる最中でございます。
○瀬野委員 政府は御承知のように、十五日の閣議で四十六年度予算編成を三十日までに行なうときめたようでありますが、本日は先ほどからお話がありましたように、倉石農相が全中の宮脇会長ともいろいろ会談を持たれておりまして、生産調整数量が二百万トンから二百五十万トンの間で、歯どめ措置というものが、先ほどから話がありましたように、逆二段米価で見切り発車をするのではないか、こういうような可能性があるのではないかというふうにいろいろ憂慮されておりますが、この地域指標の試案の総括表の中で四ページに作付面積、飼養頭数の伸び率というのが出ております。大都市近郊の農業地帯が六二・一%、中間農業地帯で七一・八%、遠隔農業地帯で七一・六%、このように出ておりますが、生産調整というものは従来一律減反でございましたが、今度は各作物に生産調整の色が濃くなるのではないか、こういった懸念も持たれますし、農家の側としましても、率直に心配をいたしておるところでございます。この誘導目標が米の生産調整と同様に、農政自体が規制の色を強めていくんじゃないかということも心配されて、いろいろ批判をしているところでございますが、来年度の生産調整というものは、こういったものを取り入れて行なわれるものか、この機会にお伺いをいたしておきたいのであります。
○渡辺政府委員 これはいまあなたがおっしゃったような数字が出ておるわけですが、これは五十二年の姿を考えた数字でありまして、たとえば水稲等についても、大都市近郊地帯は六二・一%というような数字が出ておりますが、これは五十二年の四十四年に対する数字が出ておるわけであって、来年度このとおりになる、このとおりにしたいというようなことは考えていないわけであります。したがって、この数字をそのまま生産調整上の割り当て等に採用するということはいたしません。そういうことは直接採用することはいたしません。しかし、去年も景況指数というようなものを使っておりますから、何らかそれと似たような考え方の参考にすることはあり得るかと存じます。参考程度であります。
○瀬野委員 その点は参考にするということで、一応現在の時点では了解をいたしておきます。 さて次に、午前中政府から説明を受けました中で、試案の中の説明で、「米の需要と生産および麦類、豆類の生産については新たに見通しを行ないそれぞれ前提とした。」というようなことで、いろいろ説明がございましたが、「長産物の需要と生産の長期見通し」そこの中で、中央値で千百六万三千トンというように修正をしたということでございますが、この算定の内容について、どのような経過を経て千百六万三千にされたか、お伺いをいたしておきたいのであります。
○太田(康)政府委員 私が先ほど申し上げましたのは、昭和四十三年十一月に公表いたしました「農産物の需要と生産の長期見通し」におきましては、五十二年の米の需要の中央値、たしか千二百四十四万トンだと思いましたが、と見ておりましたが、ところが四十四年におきます米の農林省全体の食糧需給表が公表になりました段階で、四十四年度で千百九十七万トンか何かに需要が落ち込んだわけでございます。すでに四十四年で千二百万トンを切るというような事態にも相なったわけでございます。そこで、この点につきましては、何としても修正をせざるを得ないだろうということで、修正をすることにいたしたわけでございますが、その際、需要の見通しにつきましては、先ほどの試案の概要の八ページから九ページにも申し上げましたとおり、三十七年度の百十八・三キログラムをピークにいたしまして、四十四年度の九十六・九キログラムが一人当たりの食糧の消費の水準になっておるわけでございます。これらに人口増等の増加要因もあるわけでございますが、大ざっぱに言いますと、大体年々二十万トンぐらいずつ減じておるというのが、ここ数年来の傾向でございます。しかし米につきましては、何と申しましても米が国民の主食であるというようなこともあるわけでございますので、今後米の需要増進ということにつきましても、皆さま方のほうからももうちょっと政府が力を入れたらどうかというようなこともございますし、そういったことを考慮しますれば、そういうようなテンポで長期的にはいかないであろう、むしろ鈍化をするであろう、そういうようなことを考えまして、大体四十四年度の九六・九キログラムに対しまして八十・三キログラムというふうに見通したのでございまして、人口等の統計は整理をいたしておりますので、これに人口の増加等を加えた人口の推計、あるいは加工需要の増加等の要因も含めまして米の需要量というものを推定いたしました。その数値が千百六万トン、こういうことでございます。
○瀬野委員 「農業生産の地域指標の試案」の中の三ページでございますが、遠隔農業地帯の中に北九州というのがございます。この中に福岡、佐賀、長崎、熊本、大分が含まれまして、南九州は宮崎、鹿児島、こういうことになっておりますが、いろいろ他の計画等を見ましても当然北九州に入れるべきだ、こういうことで入れられたのじゃないかと思っているのですけれども、特に熊本、大分を北九州の地帯に入れたということについて、いかなる検討の上でこういうようになったのか、この機会にお伺いをしておきたいのであります。
○太田(康)政府委員 ちょっと私もこまかい経緯は存じあげていないのでたいへん恐縮でございますが、従来農林省の統計調査部で用いております地帯区分でこういう三地帯に区分けし、さらに三地帯を十四地域に分けまして、北九州、南九州と申し上げますときには、いつも統計を集計いたしますときにこういった分け方をとっておりますので、今回の作業をやります場合にも当然統計等の数値がもとになってつくられておりますから、先生から見ますと確かに多少おかしいのじゃないかというような御意見があろうかと思いますが、今回も従来どおりの慣習に従ってこういった地帯区分で公表いたしたというわけでございます。
○瀬野委員 さらにこの試案の中の七ページの三のところの最後のほうに「「総合農政の推進について」の示す方向にしたがい、かつ、この地域指標を考慮して、各般の施策を講ずるものとする。」とありますが、この「各般の施策」ということについての具体的な点をひとつ明らかにしておいていただきたいのであります。
○渡辺政府委員 この「各般の施策」というのは、四十六年度における総合農政の展開についてというようなものの本にも書いてありますが、これは農林省が要求しておる明年度の予算のことを総合的に「各般の施策」、こういうことを言っておるのでありまして、たとえば第二次農業構造改善事業の推進とかあるいは農業者年金制度等、離農の助成促進、地域農業の総合的整備開発と新しい農村建設とか、いろんな項目で数十項目にわたって、先ほど言ったように総合農政費と見られるものを合計四千数百億円を要求いたしております。そのほかに融資として五千数百億円を要求いたしております。「各般の施策」ということについて一々申し上げると長くなりますが、そういうようなことを総体的にさして言っておるわけであります。
○瀬野委員 一つの例でお尋ねいたしたいと思うのですが、御存じのように佐賀県なんかは米どころでございます。今回、遠隔地帯で北九州地域に入ったわけでありますが、国の地域分担で米の生産を二〇%減と示されておりますが、全国平均が三〇%でありますので、それよりもかなり低いわけでございます。言うまでもなく佐賀県というのは米どころでございますが、今年県と農協が出しておりますところの佐賀県の新総合長期計画というものでつくられた地域分担なんかを見ますと、全然このようなことは考えていなかった、こういうことで、実は新聞を見たということでけさ電話をいただいたわけでありますが、こういったことについて、これは一つの例で申し上げたわけでございますが、これは今回の試案によってどのようにお考えであるか、一つの方向をこの例でもって示していただきたい、かように思います。
○渡辺政府委員 これは、たとえば米のお話があったわけですが、佐賀県として載っておるわけではなくて北九州——北九州の中には福岡、北九州市というような大工業地帯も中に入っておるわけですから、そういう工場地帯の付近は壊廃も進むでしょうし、まあいろいろあるわけです。全体的にやはり先ほど言ったように、一人当たりの消費量というものが一方においては減る、一方においてはそういう北九州のように、遠隔地帯といってもその中で部分的にではあるが農地の壊廃がどんどん進むという地域もありますから、平均してならせば昭和五十二年の七年先には大体こんなことになるということで、佐賀県の米作地帯のところだけが何割すぐにすっと減るということではございませんから、そのように御解釈をいただきたいと存じます。
○瀬野委員 ただいまの政務次官の答弁ではっきりしましたので、この点は一応了といたしておきます。 あと若干でございますが、地域分担の考え方というのは、各農業団体等も一応はわかるが、この指標の基礎となる農産物の自給見通しというものについてあまり信頼を置けないのが問題ではないか、こういった批判をしております。これに対してひとつ政府の御見解を述べていただきたいのであります。
○渡辺政府委員 私もこれは専門家でなく特別に数字のこまかい計算をやったわけではありませんが、大体のところいいところへこれはいっているんではなかろうかという気がするわけであります。米も過剰生産で、一一七というようなものをこれは需給を均衡させるということで、これは一〇〇%にいたしました。大豆のようなものは、確かに現在五%の自給率であるものを、この前の見通しでは二・九ぐらいになる、それが一二・一になるということはふえる。大豆が何で一体ふえるんだというようなところで御疑問を持っておられるのかどうかわかりませんが、これは米の転作というようなものともからんで、今後大豆等については適地を選んで相当大幅な作付をしていただこう、そのためにいろんな助成もやろうというようなことで、これは前の自給見通しというものを変更をいたしております。しかし、その他のものにつきましては大体四十三年度の自給見通しを踏襲をしておるということでありまして、果実にしても肉類にしても牛乳・乳製品にしても九〇%前後の自給見通しを立てておくということは、常識的に考えてそう悪い自給見通しではないんじゃないか。一〇〇%全部国産というばかりでもないし、やはり外国品なんか好きな人もおりますから、日本の自給見通しとしてはまずまず横にながめたところうまい数字ではないかというふうに、われわれは政治的に判断をいたしてOKをしておるわけであります。
○瀬野委員 政務次官は政治的に判断をしてOKをしておるということでありますが、六十五国会でいろいろとまた審議することとしまして、時間の関係もございますので、あと二点お伺いして質問を終わりたいと思います。 先ほども質問があったわけですけれども、政務次官もおいででございませんでしたので、沖繩のことについて触れておきたいと思うのです。総体的なガイドポストが出されたわけでありますが、沖繩もすでに国政参加をいたしたわけでございまして、いよいよ検討を進めていく段階になっておりますが、先般沖繩に参りましても、沖繩の主産物というのはサトウキビ、パイン、畜産というようなのが農業の柱みたいになっておりますが、米にかわるサトウキビということで沖繩の人たちもずいぶんと期待をして、政府に対する要望も強いわけであります。こういったことから、沖繩の北部には羽根地米という有名な米もありまして、米作地帯も若干あるわけでございますが、沖繩の問題についてこの指標の中に織り込むべきではなかったか。一応沖繩ははずしてあるやに聞いておりますが、この点についての見解を明確にお伺いいたしておきたい、かように思うわけであります。政務次官にひとつよろしくお願いします。
○渡辺政府委員 御指摘のように時間の関係等もあって、至急にまとめなければならぬということで沖繩ははずしてございます。また政府としても、長らく日本の施政権下になかったものですから、こまかい資料その他の実情等について完全に掌握をしてないというような点等もございます。しかしながら、すでに返還がきまって日本に帰ってくるというような時期も間近でございますので、農林省の中でも沖繩の対策室というものをこしらえて、そこで沖繩の農業事情の内容の分析等を綿密に行ない、そうして近い時期に正確な資料のもとに、やはり同じようなガイドポストをつくるべきである。目下その準備の最中でございます。
○瀬野委員 政務次官の答弁で、近いうちにガイドポストをつくるべきである、目下準備中であるということでございますので、ぜひそのようにお願いをいたしたい、かように要望申し上げておきます。 最後に一点だけお伺いして質問を終わることにしますが、午前中からいろいろと長時間にわたって論議されましたので、質問をはしょってまいりますけれども、この地域分担には御承知のように、るる説明がございましたように強制力も拘束力もないということでございますが、この「農業生産の地域指標の試案」というものが実行の段階になりまして、成功するかどうかというキーポイントは、この点が問題になってくるのじゃないか、私はこう思うわけです。この点について政府の確たる決意のほどを最後に承りたいわけであります。
○渡辺政府委員 これ自体は、御承知のとおりこのとおりやらなければいかぬよというものではありません。自然の条件や気候の条件、交通条件、いろいろな条件を取り入れた結果、大体この作物についてはこの地方はこれぐらい伸ばして、このものについてはこれぐらい減すべきであるというような数字がここに出ておるわけです。しかし、これはせっかく科学的根拠に基づいてつくられたものが、全然これは無関係で政府の予算が組まれていくということは、そういうむだなことはできません。したがって、この指標というものは直接生産計画ではございませんけれども、やはりこれらのものが実現できるようないろいろな助成措置、予算措置というようなものを政府は総合的に考えていく。それによってそれぞれの地域に重点的と申しますか傾斜的と申しますか、いずれにせよ推奨されるべき地方に推奨されるべき銘柄が伸びるようないろいろな措置を総合的にこれは立てていく。それによって終局的にはガイドポスト的な日本の農業というものができ上がるであろう、そういうふうに考えておるわけです。
○瀬野委員 本日は、唐突として出ました農業生産の地域指標の試案について一応政府のお考えもお伺いしましたし、若干の補足説明もお伺いいたしましたが、さらに次の国会でいろいろ慎重審議をさせていただくことにしまして、私の質問をこれで終わらせていただきます。どうもたいへんありがとうございました。
○草野委員長 長谷部七郎君。
○長谷部委員 私は、この機会に、いままで議論された問題と角度を変えまして、出かせぎ対策につきましてお尋ねをいたしたい、こういうぐあいに考えます。 御案内のように、ことしも農村では出かせぎの時期に入っておるわけであります。特に米の単作地帯におきましては、御承知のとおりの米価の据え置きやら減反、さらには一面においては物価の上昇、こういうわけで農家の経済は極端に行き詰まっております。したがって例年にも増して出かせぎ農民の数が激増しておる、こういうのが実態になっております。 この農民の就労先を検討してみますると、大部分が土木建設業のもとに行っておるわけであります。しかも、この土木建設業の職場を見てみますと、労働者の規模が五十人以下の、いわゆる零細な業者のもとに約八割以上の農民が就労しておる、こういうのが実態でございます。十一月二十日ごろから今月の十日まで、約一カ月にも至っておりませんけれども、私の出身の秋田県の出かせぎ農民は、死傷者が十一人、それから負傷者が七人、こういうぐあいになっております。毎年、年間二十人ないし二十五人程度の死傷事故は発生しておりまするけれども、ことしのように、一カ月にも達しないわずかの期間に十一人の死者を出すという災害はいまだかってないわけでございます。このような調子でまいりますとたいへんな事態になるんじゃないか、こういうことで、留守を守っておる家族の方々はいま非常な不安の中にあるという状態でございます。私、直ちに現場を調査いたしましたが、水戸労働基準局管内では死者が三人、負傷者が一人、それから横浜の労働基準局管内では死者が二人、負傷者が二人、東京基準局管内では死者が三人、負傷者が一人、その他秋田労働基準局管内では死者が一人、重傷が二人、札幌の基準局管内では死者が二人、こういうぐあいで、現地調査によりますると、いずれも就労してから一週間前後の期間でこういう災害が発生をしておるわけであります。 この事故現場を拝見いたしまして共通しておる点は、いずれも業者が現場監督を置いてないということです。さらに発注者である県なり市なりあるいは営団の工事監督というものがきわめてずさんである。御承知のとおり、出かせぎ農民は従来農耕に従事しておるわけでありまして、いわゆる土建労働というものについてはきわめてふなれであるし、未熟でございます。こういった未熟な季節労働者に職業訓練も施さない、あるいはまた現場監督もおらない、ほとんどこういうふなれな労働者に仕事をまかせきりでおる、こういうところに今日の労働災害発生の一番大きな原因があるように承っておるわけであります。労働省も来ていると思いますが、警察の取り調べがあるからということで、あまり積極的な原因の追及をやっておらないのが現地の状況のように私は見受けてきております。したがって、労働省は、こういった土建労働に働く未熟な季節出かせぎ農民の安全対策……。
○草野委員長 長谷部君、労働省はまだ来ていません。もうすぐ来ると思います。建設省は来ています。
○長谷部委員 まあ関連がございますので進めますけれども、いずれにいたしましても、建設業者の現場監督というものがおらない、ここに一番大きな原因があるやに私は見受けてきております。特に秋田県の本荘市内に起きました事故があるわけでありますが、これなどは、道路工事でございますけれども、その道路の両わきに擁壁をつくりまして仕事をやっておるわけであります。その擁壁のすぐ真下に側溝をつくる、こういうことで作業をやらせた。その結果擁壁が倒れてきた。十八メートル、高さ一・二メートルの擁壁が倒れまして、それによって即死をした、こういうような事故が発生しておるわけであります。これは明らかに、安全対策についての手抜かりもありますけれども、私は工法上のミスというものについても指摘せざるを得ないと思っておるわけであります。
○草野委員長 長谷部君に申し上げますが、労働省が来ました。
○長谷部委員 いまの点につきまして、建設省からおいでになっているようですので、この国道百七号線の道路改良工事に伴う設計あるいは監督、こういった面に手落ちはなかったのかどうか、この点をまず第一に承っておきたい、こう思うわけであります。
○川上説明員 ただいま先生から御指摘のありました国道百七号線の本荘市内の工事現場の事故について申し上げます。 本工事を含む一般の国庫補助事業におきましては施工主体は県でございますが、職員の不足等の理由によりまして現在ほとんど業者の責任施工体制をとっているような状態でございます。発注者でありますところの県は、設計書及び仕様書によりまして必要な事項を指示するほか、特に工事が一般交通の安全確保に支障を及ぼすおそれのある場合や施工上の問題について特に請負業者から指示を求められた場合に指示監督を行なうことにしておりまして、通常の施工管理については請負業者の裁量行為としておりまして、業者は労働基準法その他に基づきまして工事現場の安全を確保することにつとめておるわけでございます。先ほど申しました職員の不足等によりまして、大体の監督体制は特に重要な工事を施工する場合に立ち会う程度でございます。現場には業者の現場代理人が常駐いたしまして、工事の監督指導を行なっておるわけでございます。 本件の事故の原因並びに処分につきましては、原因につきましては先ほど御指摘がございましたが、擁壁の高さは一メートル二十でございます。それから擁壁の下編が五十一センチというのりどめ擁壁で、非常に一般的な工事でございまして、そういった施工法につきましては一々こまかい注意は業者にはいたしておりませんで、業者の責任において解決することにいたしております。 この事故の原因は、低気圧の影響によりまして当日豪雨がございまして、すでに三十ミリ程度の雨が降っておりまして非常に地盤がゆるんでおった。そういうところにもってまいりまして、擁壁はでき上がっておったわけでございますが、擁壁の下にL型側溝をつくる工事のために、これの床掘りを実施いたしたわけでございます。たまたまこの事故の起きましたときには、現場代理人がその現場におりませんで、これは延長が約二キロほどの道路工事現場でございますが、その中に橋梁が一カ所ございますが、その橋梁の現場の近くに行っておりまして、その擁壁の事故の現場には居合わせておらなかった、そういうのが実情でございます。したがいまして、現場を離れるときには、代理人が床掘りを指示いたしまして立ち去ったわけでございますけれども、その指示に不十分な点がありまして、床掘りが深過ぎた、規定の床掘りの深さ以上に掘ったというのが直接の原因であろうかと思われます。 事故の原因につきましてはそういうことで、現在警察当局あるいは労働基準局におきまして調査中でありますので、近日中に結論が出るものと思いますが、いずれにいたしましても業者の施工のミスであるということには間違いがないわけでございます。 なお、この被害者に対します補償につきましては、現在請負業者におきまして措置することといたしておりまして、死亡者に対しましては直ちに葬式費用と見舞い金を三十万円支出しておりまして、現在本荘市の福祉事務所の仲介によりまして示談の話し合いを行なっておりますが、本月中に円満解決する見込みでございます。また負傷者一名は今月十四日に退院いたしまして、他の一名も二十日ごろに退院の見込みでありまして、これにつきましても入院費用と見舞い金につきまして十分配慮することにいたしております。 本件のような事故が再度発生することを防止するために、県において直ちに県に登録いたしております全請負業者に対しまして厳重に注意いたすとともに、県の各出先機関に対しましても指示いたしまして、工事現場におきます安全確保について請負業者が万全を期するように指導しているわけでございます。
○長谷部委員 ただいま建設省からいろいろ御答弁がございましたけれども、明らかに、この工事は国道百七号線ですけれども、県の委託工事でございます。したがって工事の発注あるいは設計、こういうものは県が行なっておる。それで、県の職員が足りないからということで業者の責任施行にしておるのだ、だから現場を監督しなくてもよろしいのだという考え方については、私は納得いたしかねます。少なくとも設計——私はもう一つの点は、かかる擁壁等を組み立てる場合の工法上といいますか、設計上の不十分な面があるのではないか。たとえば高さが一・二メートル、それから底幅が五十一センチ、天端幅が十二センチですか、こういう擁壁を組み立てる場合にはそれに即応した基礎工事というものが当然必要なのではないか、こういうぐあいに思うのです。ところがその基礎工事はほとんどない。要するに十五センチくらいの栗石を一列に敷いたくらいの基礎になっているのです。ですからこれは工事中にかりに倒れなくても、将来国道として車両の交通量が増大していった場合に、必ずこの擁壁は倒れるようになっておったのではないか、かようにも考えられるわけであります。そこで建設省は県のほうといろいろ打ち合わせされたことだと思いますけれども、設計上の手落ちはなかったのかどうか、その点ひとつ御見解を承っておきたい。 いま一つは、こういった明らかに業者の施工上のミスである、こういうことを国の建設省でも認められておる、こういう業者に対する今後の行政措置、こういったものは一体どういうぐあいに考えておられるのか、この点につきましてもひとつ承っておきたい、こう思うわけであります。
○川上説明員 ただいま御指摘のまず第一点、設計上のミスはなかったかということについてでございますが、土木工事は地形、地質その他施工条件が非常に複雑でございまして、その施工条件に合わせた設計をするということを常に心がけているわけでございますが、しかし、非常に大量の事業を現在消化いたしておりますので、そういった擁壁などにつきまして、各種構造物がございますが、そういったものにつきまして標準設計というものを土木研究所でつくっております。本件のこの擁壁も、一メートル二十というものはこれは決して高い擁壁ではなくて、一般的な条件では非常にやさしい工事でございます。したがいまして、これは標準設計をそのまま採用したわけでございますが、施工の段階におきまして、現場の条件に合わせまして施工法は千差万別でございます。それにつきましては、なお一般的な注意といたしましては土木工事共通仕様書というものがございまして、工事施工上の安全管理につきまして注意を促しておりますが、一般的な基準といたしましては、土木工事安全施工技術指針——指針でございますが、これを出しておりまして、これにこういった擁壁などの床掘りなどにつきましても詳しい指示がなされております。要するに、そういった指示を十分守ってなかったということが、今回の事故の原因だというふうに考えられます。したがいまして、設計上のミスはなかったというふうに思量するわけでございます。 それから第二番目の点につきまして、施工業者に対します行政上の措置でございますが、これは現在契約者は知事でございますので、秋田県知事が考える問題ではございますが、知事といたしましては、現在警察あるいは基準局の事故調査の結論を待って、しかるべき措置を考えるというふうにいたしております。
○長谷部委員 この際労働省にも承っておきたいと思うのですが、先ほどもお話し申し上げましたように、ことしも出かせぎの時期に入りまして、わずか一カ月足らずの間に、秋田県の出身農民だけですでに十一人も死亡事故、そして負傷者もかなり出ておるわけであります。この事故発生の現場を調査してまいりますると、ほとんど全部といっていいわけでありますが、建設現場である。この建設現場も、労働者の使用数約五十人以下の零細な企業、いわゆる下請の下請企業に働いておる者が非常に多い。それで事故発生の原因を見てみますと、共通していえることは現場の監督者がいないということです。御案内のとおり、出かせぎ農民は、農耕作業については専門家ですけれども、土木建設労働についてはきわめてふなれであり、熟練しておらぬわけであります。全くのしろうとでございます。したがって、こういう方々に監督も置かないで、また職業訓練も何らやらないで、仕事をまかせっぱなしでおるというところに、事故発生の一番大きな原因があるのではなかろうか、かように私ども現地調査の結果見てきておるわけであります。したがって、労働省は、一体この種の建設現場における事故を未然に防止するためにどういう指導方針をとっておられるのか、この際承っておきたいのであります。
○吉本説明員 ただいまの御質問でございますが、労働省といたしましては、特に出かせぎ者の多い建設業が中心だろうかと思いますが、 〔委員長退席、安倍委員長代理着席〕 それがただいま御指摘のように技術も熟練されてないで、非常に職場にふなれな人が就労しているというのは、まさに先生のおっしゃるとおりでございます。そういうわけでございますので、こういった方々の事故防止ということをはかってまいらなければなりませんが、この場合に一つの監督面といたしましては、特に建設業につきましては、現在の監督体制の中で毎年いろいろ計画を立てておりますが、四〇%程度をその重点にして監督を実施しております。それから、扱います危険な機械器具につきましての防護措置、こういったところを徹底さしていきませんと危害防止になりませんので、そういった点の指導、それから未熟練労働者につきまして危険作業等につかないような仕組みを指導してまいる、こういうふうな形をとりながら、いわゆる安全衛生教育なりあるいは健康診断の実施ということでやっておる次第でございます。 それから、特に先ほど先生のおっしゃいました本件の事件につきましては、まさに、いわゆる監督者と申しますか、これは安全衛生規則で作業主任者を特定の場合には置かなければならない、かようにしておりますが、そういった作業主任者の設置というものを徹底さしていく、こういうふうな形で指導をしておる次第でございます。本件の場合は、不幸にしましてそういった形がなく、犠牲者を出しましてたいへん遺憾に存ずる次第でございますが、本件につきましては、先ほども建設省のほうから答弁があったと思いますが、被疑者の最終取り調べに入っておりまして、近く送検の予定にしておる次第でございます。
○長谷部委員 先ほど建設省にも申し上げました秋田県の本荘市に発生した事件などは、これは現場に作業主任がおらなかったということだけじゃなくて、労働安全衛生規則の百六十三条の十を拝見いたしますると、こういう擁壁等の下の床掘りをやる場合などには、必ず補強をした上で作業をしなければならないということが、規則の中に明文化されておるのです。しかも、先ほど国道二課長が申したように、豪雨のために地盤がゆるんでおった、だとすればなおさらその補強をした上で工事をやる、こういうことがぜひ必要であったのじゃないか。加えて、現場の主任は、いわゆる擁壁の下のL型側溝をつくるために深さ二十センチ、幅四十センチぐらいの掘さくを命じておったようでありますけれども、その指示もいわゆる作業人にとっては聞き違えたのか、あるいは指示のやり方が悪かったのか、まるで逆の、いわゆる擁壁の真下を約三十センチも掘っておる。こういうことに至っては、倒れてくれと言わぬばかりの作業をやらせておる、こういう状態でございました。ですから、これは明らかに百六十三条の十に抵触するものである、こういうぐあいにわれわれはしろうとなりに判断をしてきているわけでありますが、それでも基準局ははっきり原因については言っておらない。非常に調査の進め方がなまぬるい、これが現状でございます。ですから、私は、基準局はもっと積極的にかかる事故の原因の究明というものをやるべきではないか、こういうぐあいに考えるものでありますけれども、これに対しての御見解をひとつ承っておきたい。
○吉本説明員 ただいまの先生の御質問でございますが、本件につきましては、まさにただいま申し上げました擁壁等の倒壊防止の問題、それから作業主任者の問題、こういったようなことを注視しまして、事件の調査をいたして送検の予定に考えておるわけでございます。
○長谷部委員 その点は了解いたしましたが、次にお尋ねをいたしたい点は、遺族の補償問題でございます。御案内のとおり、労働者災害補償保険法ですか、こういうものがありまするので、それがあるからということで、業者は一人の人間を失った場合に葬式料は全部出す、あるいは見舞い金として五十万ぐらいのものを出す、そういう程度でかかる事故のけりをつけられておるわけでございます。すでに御承知のとおり、今日、交通災害でなくなった場合にも、もう最低五百万にのぼる補償がなされておる、こういう時代でございます。そういう時代なのに建設業界ではまあよくて百万、地方の零細業者などになりますると、二、三十万の見舞い金でそれを処理しようとしておるのが実態でございます。したがって、私はこのようなことではきわめて不十分である。いかに労災保険があるかもしらぬけれども、これではまことに不十分である。したがって、この際、労働省は行政指導という面で遺族と業者の中に入って、そうして必ずしも一〇〇%までいかないにしても、ある程度の円満な補償問題についての解決ができるような行政措置に手をかしてもいいのではないか、こういうぐあいに考えますが、この点はどういう御見解を持っておられるか、承っておきたいと思います。
○吉本説明員 ただいまの御質問でございますが、労災保険につきましては、その保険は御承知のとおり使用者の無過失責任を基礎といたしまして、被災者の稼得能力の喪失を補てんすることを目的としております、したがいまして、企業が先ほどのような形で何らかの一時金として出すという問題につきましては、労災保険とは当然別個の制度になるわけでございまして、この点につきましては労災保険のシステムからはいかがかと存じている次第でございます。ただ先生おっしゃいます、いわば行政指導としてそういったことはどうかという点でございますが、これはまだ国といたしましてはその段階ではないのではないか。と申しますのは、現在御案内のとおり秋田県、青森県等、特に出かせぎ者の多い地帯におきましては、いろいろ互助会組織等も設置されまして、いろいろな施策を講じつつあるところでございますので、そういった推移を見ながらいろいろ検討さしていただきたい、かように存じております。
○長谷部委員 ただいま秋田県や青森県等の互助会組織の成り行きを見守った上で将来労働省としても対策を検討したい、こういうお話については了解をいたしますが、私はたしか四、五年前だったと思いますが、小平労働大臣で、労働基準局長はいま退職されました村上さんでなかったかと思うのですが、長野県のダムの崩壊によって十四人の犠牲者を出したことがございます。その際に、元請の鹿島建設は遺族に対する弔慰金の問題で法律をたてにとられまして、われわれ業者には責任がないんだということで一方的に逃げようとした経緯がございます。そういう場合に村上局長が中に入って、遺族とそれから鹿島建設の間に入りまして円満に遺族補償の問題についても調整をしていただいたという経緯があります。このときは遺族の皆さんも訴訟を提起しておったんでありますが、その村上局長の誠意を認めまして訴訟を取り下げて、そのあっせん案に従った、こういうことで非常に喜ばれた経緯があるわけであります。私はここいら辺までは労働省としても取り組んでもいいのではないか。こういった建設業者とあるいは遺族との中に入って円満な遺族補償問題についてのあっせんをやってもいいのではないかと考えますが、この際もう一回見解を承っておきたいと思うのです。
○吉本説明員 ただいまのお話でございますが、私十分に存じ上げてなかった次第でございます。おそらくそういった事態の重要性にかんがみまして、いわば一種のあっせんを試みたということでございましょうが、行政全体としまして、そういった方向にまで現在の段階でいくというところまでは、まだ実は検討している次第ではないわけでございますが、御趣旨の点は十分留意いたしまして今後の参考にさしていただきたいというふうに思います。
○長谷部委員 特に私はこの種の事件が発生した場合に、遺族としては泣き寝入りをするかあるいは訴訟に持ち込むか、この二者択一なわけです。どちらかというと泣き寝入りをしている者が非常に多いのが実態でございます。したがって、私は労働省は一歩前進して、そうしてこういう不幸な遺族補償問題等について十分行政指導がやっていただける方向にひとつ善処方を願いたいものだ、かように考えるのであります。 そのほか、いま出かせぎ農民が一番問題になっておる賃金の未払い、あるいは労働災害、これをなくすために各県ごとにいま互助会というものが発足してきておるわけでありますが、これでは必ずしも不十分だと私は思います。やはり賃金不払いをなくすためにも賃金支払い保証制度というものを国の責任でひとつ確立をする。あるいは労働災害によってなくなった遺族のめんどう、あるいは労働能力を失ったけが人等に対しては、それなりにやはり国の責任で共済制度というものをもっと拡充していく必要があるのではないか、かように考えているわけでありますが、この点につきましても、ひとついま一回御見解を承っておきたい、こう思うわけであります。
○吉本説明員 ただいまの互助会の問題につきましては、先ほど申し上げたとおりでございますが、さらに賃金不払い等の問題につきまして、各県でいろいろそういった制度を考えておられるということでございまして、実はこれは労働省といたしましても、賃金不払いの防止ということから、建設業におけるそれぞれの団体を通じて、建設業自体が地域別にあるいは職種別に、一つの保証制度をつくっていく、こういうような形で現在指導をしておる次第でございます。新潟、東京等そういった点が徐々にできておりますが、そういった制度をさらに推進してまいりたいというように考えております。
○長谷部委員 以上で質問を終わります。
○安倍委員長代理 本日はこれにて散会いたします。 午後五時二分散会