内閣委員会 第6号
- 発言数
- 128 件
- 登壇者
- 10 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1970/12/11
会議録
○天野委員長 これより会議を開きます。 一般職の職員の給与に関する法律等の一部を改正する法律案、特別職の職員の給与に関する法律等の一部を改正する法律案及び防衛庁職員給与法等の一部を改正する法律案の各案を議題といたします。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。鬼木勝利君。
○鬼木委員 私は、給与三法について、少しきょうは人事院総裁にもとっくりとひとつお話しを申し上げたいと思います。 人事院の勧告は、例年どおり四月ということで調査になっておるのでありますが、民間追随で、民間の給与の水準と同じようにしよう、それはわかりますが、実施時期は、四月に実施でなくして五月から。調査は四月に行なっておる。この四月からでなくして五月からとされた根拠がどういうところにあなた方お考えになっておるのか。これは非常に不満ですからね、まずその点をひとつお伺いしたいと思います。
○佐藤(達)政府委員 これは御承知でございましょうけれども、昭和三十五年の勧告から五月一日というのが入り、その前に、やはり国会あたりの御議論でも、四月調査ならそれにふさわしい実施時期をはっきり勧告の中に書くべきではないかというようなお話も出ておりました。私ども調べたときの結果では、やはり四月調査なら五月一日からというようにすべきではないかというような御趣旨の発言等も見受けられるわけです。とにかく私は当時おりませんから、どういう理由でということは存じませんけれども、まあ、当時の総裁の法学博士の浅井清先生という方がおやりになって、そうしてそのまま各方面から何らの疑念も表示されることなく、法律家的な表現でいえば平穏公然とずっときておったわけであります。ところが、突如として二、三年前、二年くらい前になりますか、いまお示しのような御意見がだいぶ出始めてまいりました。四月調査なら四月実施はあたりまえではないかというような御議論を拝聴するようなことになってまいりました。それから、私ども五月一日実施というのは間違っておるという証拠もありません。しかし、四月一日に実施すべきでないかというお話も、まんざら聞き捨てにしてしかるべきものでもない、一理なきにしもあらずというような気持ち、これは正直に申しまして、そういう気持ちで、そういうお声が出てからずっと検討はしておりますけれども、四月一日にどうしても切りかえなければならぬという理屈をまだ発見いたしませんから、私どもとしては当分なお検討を続けた上で、そうしてはっきりした結論が出れば、またそれに応じた処置をとりたい。これはもう正直なところであります。
○鬼木委員 四月から実施をしなければならないというその根拠、四月から実施しなければいけないという理由をわれわれは何ら見出し得ない、こういう御答弁でありますが、四月に調査した時点から、それを起点にして、そうして四月にさかのぼってこれを実施するということは、これは常識であって、それを見出し得ないなんというようなことは、あなたはそういうことをおっしゃるならば、これはたいへんな問題ですよ。そもそもこの給与をあなた方がきめられるということは、これは第一条にも載っておるように、あくまで民主的に、しかも公務員を保護しなければいけない、公務員の立場がいいように、公務員の皆さんの生活が豊かになるようにという、これは保護しなければならぬ目的のものです。それを四月から調査しておりながら、何も文句は言わなかった、突如として二、三年前からと、そういう考え方はおかしいんじゃないですか。それはあなた、二、三年前からそういうことを突如言ったようなことをおっしゃっていますけれども、大体あなた方がおやりになって、いまのお話しのように三十五年から勧告をして、五月実施ということはようやくことしからじゃないですか。十年間もかかってようやくあなたたちのおっしゃったのが通った、こういうことでしょう。いままで五月実施だ、五月実施だなんて言っても、かつて一度も十年間にそういうことはあっていない。ようやくことしから五月ということでしょう。だから、皆さんは四月からやってもらいたいのは当然ですけれども、四月からどころか、あなた方の勧告された五月からということまでもやらないのだ。そういう公務員がみんな涙をのんで今日までやってきておるというような事情をあなたはお考えなくして、何にも文句は出なかった、また当時は自分は総裁じゃなかったから何も知らなかった、そういう無責任なことを言って、人事院傘下の四十八万の公務員、一般公務員を合わせれば五十万の人々を、どうしてあなたは守ることができますか。そういうお考えは公務員法の第一条に反しますよ。もう少しあたたかい、なるほど四月に調査いたしております、四月からというその希望は現在ほうはいとして起こっております、よく存じております、そうでございましょう、こう言うのならあたりまえで、そんな冷淡なことをおっしゃってあなたいいのですか。非常に温情ある人事院総裁だと私はかねがね承っておったけれども、その点どうですか。
○佐藤(達)政府委員 温情のあることはおっしゃるまでもないと思いますけれども、しかしその温情も、やはり筋と温情というものは二本建てで私はきておるつもりであります。温情だけに流されてもこれはいけない。筋を立てながら温情を尽くす。いま最後に、五月一日といいながら十年間もほっちゃらかして、公務員はどういう気持ちを持っているかとおっしゃいましたけれども、それは公務員諸君がどういう気持ちを持っているかということはよくわかりますが、私たち当の勧告をした責任機関がどういう気持ちを持っておったか、そのつどこの委員会において私の申し上げたところにおいて十分おわかりのとおりであります。今度やっと苦節十年が報いられて、きょうおそらく完全実施の御可決があると思いますが、これをどれだけ待ち望んできたか、その気持ちはたびたびのここでの発言によって十分おわかりいただいておると思います。ただ、いまの実施時期の問題は、やはり筋の問題がからまってまいりますから、もう少し検討を続けさしていただきたい、そういうことでございます。
○鬼木委員 よく検討さしていただきますということであれば、前向きに十分これは検討いたしますという、そういうお気持ちであればけっこうですけれども、これは何もその当時のことを知らなかった、みな何とも言わなかった、突如として二、三年前からこんなことを言ってきた、これに対して自分はそれについて考えるという何ら理由を見出し得ない、そういうことを言われるから、私はいま申し上げたのです。あなたが御自分で温情のあることはもう間違いないとおっしゃったから、これからどのくらい温情が出てくるか、将来に私は期待いたします。 そこで、これは将来の問題ですが、今度五月ということになりましたけれども、これはもう将来絶対的なものである——ここに山中総務長官が来ていないからぐあいが悪いのですが、将来五月は絶対的なものである。これをまた六月にしたり七月にしたり往復するようなことのないように、これで完全に苦節十年が報いられて、将来はもう断じてこの五月ということに間違いはない。それともずっと以前のように、昔のことはあなた知らぬとすぐおっしゃるから困るが、昔は実施時期というものはつけてなかった。それは御承知でしょう。昔のことは知らぬとおっしゃるが、やはり御存じのこともある。昔は実施時期はつけてない。できる限りすみやかにとか、なるべく早くとか、そういうことで表現しておったと思うのです。そういうことになりますと、調査は四月であっても、実施時期はおくらせてもいいというような考え方を昔は持っておったんじゃないかと私は思うのです。実施時期が示してなくて、すみやかにとか、なるべく早くとかいうようなことが昔はあったと思いますので、これから将来も実施時期というものをはっきり明記すると同時に、それを絶対的のものにするという確信がおありであるか、あるいはもうこれは五月にきまったから実施時期というものは勧告しなくとも、すみやかにとか、なるべく早くとか、そういうようなことになるんじゃないか、やはりそういう懸念があるのです。でございますから、今度のこの給与改定の時期というものが将来動かないものであるか、そういう点について少しあなたの御見解をお尋ねしたいと思います。
○佐藤(達)政府委員 四月にするか五月にするかは研究問題ということを申し上げましたから、それは研究問題にいたしまして、勧告で何月から実施していただきたいというその実施時期の表示をするかせぬか、今後はもう安心してすみやかにくらいで済ますんじゃないかというようなお尋ねであると思います。そういうことですね。——それはあたりまえのことでして、そういうお尋ねでしたら、これはもうわれわれとしては、やはりはっきりと実施期日をうたいまして、そうして、いま実施期日のお話だけでありましたけれども、内容はもちろん、実施期日も完全に実施していただきたい、そういう態度は今後も貫いていくつもりであります。
○鬼木委員 人事院総裁としては、先ほど申しましたように、公務員法の第一条にございますように、「職員の福祉及び利益を保護するための適切な措置」、こういうことが載っておりますので、その点は十分ひとつ考えていただきたい。むろんこの公務員法にもいろいろのことを書いてございますが、私は無制限に利益を保護せよということを申し上げておるんじゃなくして、法的に許される範囲内においては、あくまで善意に法を生かして、そして公務員を保護していただきたい。ことに申すまでもないことでございますけれども、労働三権制約の代償機関である、そういう機能を持っている人事院でございますから、できる限り公務員の保護ということをなぜ私がこういうことを申し上げるかというと、あとでまたこういう問題をお聞きしなければならぬから、前提的にその点をあなたに聞いている。だから、常に公務員側に立って、公務員の利益を保護するという立場において、私は総裁のお考えをそういう点に持っていただかなければ困る。あとでいろいろ問題が出てきますので、それを前提としていまから総裁に申し上げたいと思う。 ところで、二十八条の第二項でございますが、勧告の問題でございますが、「報告にあわせて、国会及び内閣に適当な勧告をしなければならない。」、こういうふうになっておる。そこで、人事院総裁にお尋ねいたしたいと思うのですが、報告と勧告の定義といいますか、その意味をひとつお尋ねしたいのです。
○佐藤(達)政府委員 これこそは釈迦に説法でございますけれども、報告は、これはわれわれの調べましたところ、あるいは業務上改変したところ、その事実をしるしまして、そして御審議に提供するということが主体であろうと思います。ところで勧告のほうは、今度はこうしていただきたいという要望を主体といたしておる。したがいまして、今回の場合をごらんになりましてもおわかりのように、こういう事実になっておる、たとえばこの辺は欠陥がある、あるいは手薄になっておるというようなことを報告書でうたっておりまして、よってこうしていただきたいという形で今度は勧告のほうが出ておる。大まかなお話でございますけれども、そういうことであろうと思います。そういう趣旨でやっております。
○鬼木委員 いまのあなたのお話を承っておきますから、それを前提としてあとで事例でいろいろお尋ねしたいと思う。 ところが、この二十八条の第二項の問題でございますが、百分の五以上の増減がある場合にはこれを勧告せよ、こうございますが、増のみでなくして減ということがうたってある。増減ということですね。民間の給与水準よりも五%低ければ勧告をする、これは常識的にわかりますが、減、低い場合のことが書いてありますね。つまり、低い場合というのは、民間のほうが低い場合ですね。その増減の減、これはどういうことですか。ようございますか。二十八条の二項の問題でございますが、公務員の給与が民間より低ければ困る、だからこれは保護するために上げろ、これはわかるのですね。ところが、民間よりも高かった場合には下げろ——これは私はむしろ民間より高かったならば喜んでやるべきであって、これを下げろということは、これは保護にならないと思う。この第一条の趣旨に反する。公務員の利益保護ということにならないと思うのですよ。これはどのように御解釈になっておりますか、人事院総裁。
○佐藤(達)政府委員 何でも正直に申し上げるものですから、そのつどおしかりを受けるわけでございますけれども、この条文から申しますと、確かに増減の減という場合があるわけです。これはたいへんな経済的な不幸な事態が来て、民間はどんどんと賃金切り下げをやるという場合に、公務員だけが安閑としてそのままおれるか、特権的な給与を受けておれるかどうかという場面をおそらく想定したものと思います。思いますけれども、それから先のことは、私どもいまのところは、夢にもそういう縁起の悪いことは考えておりませんものですから、正直に申し上げてその点の研究はやっておりません。しかし、この法文の趣旨はそういうことであろうということだけは申し上げておきます。
○鬼木委員 そこで、私は政府機関は勧告を待たなくても給与の改定はすることができると思うのですね。そういうことになりますると、その改定案が増の場合だけでなくして減の場合に、人事院のほうで、あなた方は保護する立場なんだから、それはちょっと待ってくれ、こういうふうに私ども解釈しますれば、これは非常に消極的な保護になるのではないか、私はこういうふうに考えるのですよ。人事院の機能として、人事院の本質的な問題として、ただ単に情勢適応の原則をそこに掲げたのみだと私は解釈するのですね。これは私は、人事院の本来の本質的な使命ではないと思うのですよ。そういうところに頭脳明晰な人事院総裁が何にも問題にしないで黙して語らずでは、これは私らとしては困るのですよ。経済界の大変動で公務員のみが便々として高い俸給をとっておるというのは忍べぬ、そういうことはあなたの単なる想定であって、法の本質から、たてまえからいったならば、これは人事院としては非常に消極的な保護になると私は思うのですよ、常識的な解釈でなくして。どうですか。
○佐藤(達)政府委員 それは、縁起の悪い例をお出しになりますから、私どもとしては研究はいたしておりませんということを申し上げたのでありまして、いまのお話は縁起がよかろうと悪かろうと、たとえば賃上げの場合にでも適用する場面のお話であります。これは、公務員法の根本の問題に触れての重大問題だということでお答え申し上げます。 結局、先ほどおことばにありましたように、人事院という独立性を持った中立的の機関をなぜ公務員法がここに設けて大きな役割りを持たせているか。これは、もちろんいわゆる労働三権の代償の機能を営むものというようなことも大きな柱になっておると私は思います。要するに、公務員法が人事院を設けて重大な中立の役割りをさしておるということから申しますと、たとえばいま御指摘になりましたように、政府限りでしからば給与をいじくることができるかどうかという問題につきましても、その法の精神というものはひとしくそこに働いていくべきものだとわれわれは考えております。したがいまして、従来の実情を見ましても、政府案で給与にかかることをお出しになることがございます。そのときは必ず人事院の意見をお聞きになっている。そして国会の御審議の場においても人事院総裁は出てこいということで、必ずわれわれの意見を御聴取になるという場面を保障されておるわけであります。また、それは今後もそうあるべきであろうという気持ちでおります。
○鬼木委員 だからいま私は申し上げた。政府機関はあなた方の勧告がなくても給与改定をすることは可能である。だから、いまあなたがおっしゃったように、その場合にはおれに出てこいと言われる。おれの意見を聞かれる。だから私がさっき言ったでしょう。そういう場合に、それはしばらく待ったということであなたが待ったをかけられるということになれば、これは消極的な保護ではないか。よろしゅうございますか。そこで先ほどあなたがおっしゃったように、縁起の悪いことを鬼木が言うからとおっしゃるけれども、そうじゃないんじゃないですか。公務員法二十八条の第二項に縁起の悪いことが書いてあるから私が言っているのだ。増減の減が書いてある。だから、減の場合は、あなたのおっしゃるとおりですよ、私も。人事院総裁のお考えは、まことに私の考えとこれも一致している。そういう縁起の悪いことは法的に条文に書く必要はないじゃないか。いつでも政府は、給与改定のあれを出すことはできるのだから、そして、あなたの意見を聞くのだから、だから減のことを書く必要はないじゃないか。あなた方、絶対に利益を保護しなければならぬ立場の方がマイナスの場合を想定するということは——そういう点において何も御研究がないという、私の言うことに縁起の悪いことを言うな言うな、そうじゃないのです。縁起の悪いことが載っているから私は申し上げているのですよ。そうすると、その場合に、あなたがどうだという意見を述べられるということは、それは非常に消極的な弁であって、もっと積極的に保護するというならば、増であって減があるはずがない、こういうふうにいくべきではないかということをあなたにお尋ねしているのです。そういうことはいままで御研究になったことはないか、その私の気持ちがわかりますか、あなた。もう少しはっきり、まだ朝のうちだから、頭はクリアなはずだから……。
○佐藤(達)政府委員 いつもクリアではないものですから、どうもはっきりいたしませんで申しわけありませんが、先ほど研究しておらぬと申し上げましたことが非常にお気にさわったようで、研究しておらぬとは何事だということから話が出てまいりましたものですから、研究しておらぬというのは、縁起の悪い場面を想定しての研究はしておらぬということを申し上げたので、いまのお話は、実は公務員法なり給与法の根本にかかわる問題であって、縁起が悪かろうとよかろうと、いずれの場合にも共通する原理が問題になっておりますから、それは十分研究ももし、また確信を持ってお答えができますので、それを申し上げておったわけです。したがいまして、増減そのものの問題とは離れまして、要するに、人事院の勧告というものなくして、政府が給与関係の提案をすることはできるかというような面に話を単純化してまいりますれば、これはできないという条文ははっきり言えばない。しかし、公務員法がなぜ人事院というものを設けて、重大なる役割りをこれに負荷しているかといえば、それは先ほどおことばにあったように、労働基本権の代償機関というような使命のもとにこれを設けておるということからいえば、かりに人事院の勧告抜きで政府がおやりになるということを許さない、禁止するという規定はなくても、それは当然人事院の意見というものを十分尊重して、すべての処置がなされるべきものであるということは、公務員法のたてまえからいって当然でございましょう。したがいまして、従来、たとえば手当その他の関係で、政府限りで御提案になったものもございますけれども、その場合において、常に人事院の意見を正式にお聞きになって、そして人事院の意見を取り寄せられた上で処置をしておられる。そうして、その法案が審議される場合には、人事院の政府委員が御審議の場に出ている。そして、十分見解を述べる機会を保障していただいておる。それからあとの判断は、これは国民全体の判断にまつということになるべきだと思います。
○鬼木委員 私とあなたの話がだいぶ接近しました。あなたに言わせると、最初から接近しているのだとおっしゃるかもしれぬけれども、どうも表現があまり適当でなかったので申し上げたのでありますが、先ほども申しましたように、これは繰り返すようでございますけれども、あくまで公務員の利益保護の立場の上に立った給与の立て方でございますので、ただ単に、四月調査をして五月から実施をすればいいんだというような機械的なことであってはならない。いろいろそういう点を申し上げてくるというと、公務員諸君の不満というものは数限りなくあるわけなんです。私は、そういうことを一々申し上げようとは思いませんけれども、たとえていうならば、春闘の積み残し分なんかも、これは全然皆さんのほうでは考えに入れていらっしゃらないように思われるのですね。これはあとでまた出てきますけれども、期末手当の問題なんかも切り捨ててあるのですね。だから、保護という立場に立つならば、むしろよくなるのならけっこうだけれども、そういう根本的な考え方からして——これは民間なんかにおきましても、春闘のようなものがあとから支払っておりますから、あなたのほうで言うと、それは全部ひっくりまとめて算定しているというようなことをおっしゃるかもしれぬと思いますけれども、これはこまかいことをいいますれば、遡及率でも何でも、これはあとでまた申し上げますが、例年遡及率は非常に率が上がっておるのですね。そうすると、こまかいことになりますけれども、昨年の四月の時点と今度は来年の四月の時点と、もう金の価値も違ってくるのですね。その間遡及するとおっしゃるけれども、遡及されても、じゃ、その金利はどうなるか。そういう点を考えていきますと、公務員の利益保護ということをおっしゃっておるけれども、非常に不徹底な、まことに隔靴掻痒の感があるのですね。だから、そういう点について私は、どういうふうにお考えになっておるか、そういう点のところをこまかく算定しておられるかどうか、そういう点を私は考えますというと、やはり筋論としては、四月調査ならば四月から実施すべきが一番妥当である。その実施期日を人事院はまかせてある。そうすれば、人事院は、そういうことをまかせてあるから、自分がやるんだという法的根拠がないと私は思うのです。実施時期は人事院でかってに自由にきめよというような法的根拠は何も持っていない。私は不肖にして見出し得ないのですね。だから、やはりこれは世論に耳を傾けて、世論のおもむくところに皆さんが情勢を判断されるのが一番適当だ、妥当だ、このように考えるわけですけれども、いかがですか。
○佐藤(達)政府委員 非常にわが意を得た方向にお話が進んでまいりましたが、先ほど、まさに基本的な問題については完全に初めから一致しておったというようなことを私も思っておりましたし、鬼木委員もおっしゃいましたけれども、ただ、そこに条件を入れなければいかぬと思っておったのであります。と申しますのは、いまのお話をずっと承っておりますと、公務員の保護機関ということを非常に強調されます。その結果、労働基本権の代償機関ではなくて、労働基本権なり公務員の代弁機関ではないかというふうにつながってくる、そこに誤解の種があるんじゃないか。私どもは御承知のように、中立機関というたてまえで公務員法はできております。私どもの最終の責任は、やはり国民に対する責任であるということは、第一条の「国民に対し、」ということばがうたってあります。したがいまして、公務員の利益を考える機関であることは間違いありませんけれども、といって、それが公務員の利益の代弁機関ではない、私が先ほどから筋を正しながら申し上げているのは、そこにあるわけです。その筋というのは何か。国民全体の方々がごらんになってなるほどと御納得になるような筋がなければいけないということを私は基本に持ってお答えしておったわけです。いま世論というおことばがありました。まことにそのとおり、適切なおことばを御表明になったと思って、同感をしておりますのも、そういうことであります。やはり世論から批判されてもびくとも動かない。ただ信念によってすべて勧告でも何でもする、あるいは実施期日をきめるについてもそう独走はいけないといっても、また組合その他労働権の代弁機関としてそれに流れてもいけないということは申すまでもないわれわれの基本的な考えでございます。
○鬼木委員 私もさようにいま申し上げたつもりです。何も人事院の皆さんが代弁機関であれということを私は言っているのではない。いやしくも世論の動向ということは十分的確にこれを見きわめていただかないと困る。万人が納得するところの給与体系をあなたのほうで樹立していただきたい、こういうことを私は要望しておるのです。それに対しては、あなたも同感だとおっしゃっておりますので、四月に民間の給与との比較は、これはもう申し上げるまでもなく八・五六%の差異がある。ところが春闘の積み残し分が六月十五日現在で四・二%であった、こういうふうにあなたのほうでお答えになっております。そこで四月にさかのぼって実施すれば一二・六七%、ところが春闘積み残し分の比較の問題ですが、それは皆さんが調査なさっておる四月の調査は、従業員対象でおやりになっておる。ところが春闘の積み残しは、従業員じゃなくして事業所対象に比較をなさっておる。これは従業員よりも事業所対象のほうが便利で簡単に早くいくからというような安易な形でこれを比較対象にされるのか。私は先ほど、これはもう何回申し上げても同じだけれども、公務員の利益を保護していくというならば、もっと丁寧に四月の時点においては従業員でこれを比較する、六月の積み残し分は事業所で比較する、そんな非合法的な、不合理的な、ずさんな、便宜的な、場当たり的な、出たとこ勝負、これは承服できませんが、その点をひとつ。
○佐藤(達)政府委員 どこまでいくかと思ってはらはらしながら承っておりましたが、その辺のところで打ちどめにしていただいて安心しました。要するにこの積み残しの問題は、おっしゃるとおり、私どもとしては特に頭の痛い問題でございます。御承知のように、昭和四十年まではそういう計算も何もしないまま、四月調査そのまま、そして多少残ったものがあっても、これは翌年に回すということでやっておったわけです。ところが、あのころからいわゆる春闘と称せられる動きがだんだんおくれてまいりまして、そうすると、いままでのようなかたいことをやっておったんでは、せっかくの賃上げの反映が翌年回しになってしまう。それこそ公務員の利益保護の立場からいって、捨てておいてよかろうかということにくるわけです、筋から申しますというと。いまお話のように、やはり精密な調査を本調査と同じように積み残し分についてもしなければならぬということになるわけです。そんなことをいっておっては、要するにいつまでたっても来年回しということになってしまう。そこでいまのような非常に皮肉な表現によって形容されるようなことであってもそれはしのんで、やはりそれはできるだけ取り入れておいたほうが公務員諸君の利益であろうということから、実は勇断をもって昭和四十年に踏み切ったつもりであります。そういうことでございますから、どうしてもきめのこまかさにおいてはやはり多少違うところがある。しかしながら、それが非常にあいまいなもので何ら正確性のないものかと申しますと、これは翌年の勧告のときの本来の較差の問題として必ずそれが出てまいりますから、われわれは翌年の勧告の際の調査の際の較差を、よくその点を気にしながら見ております。幸いに積み残しの取り入れ方についてあまり誤ったところがないらしいということで、実は安心感を持ってきておるわけです。しかし、これがだんだんといま御心配のように積み残し分がふえてまいりますと、そういうことで一体今後もそのままいけるかどうか。これは深刻なわれわれの不安になっております。といってそれをいかにわれわれとして調整するかということになりますと、これは限界がある。そうなると、いつもこれは申し上げておるのでありますけれども、春闘というものをなぜそんなにおそくおやりにならなければならぬものか。昔のように早くやっていただけないものでしょうか。春闘のおくれなり早まりにわれわれが追随せなければならぬということは、どこからくるんでしょうかという不満さえここで暴露したことがある。外国あたりはみなさみだれ式に年じゅうやっておりますね。これは春闘というのが一定の時期だけにそういう闘争が行なわれるのは日本の特殊性なんです。これはひとり言であって、こういうところで公言すべき事柄じゃありません。ただ気持ちを述べておるだけでありますけれども、そういうこともついぐちになって心の中に浮かぶというような事態でもある。そうかといって、われわれは労働組合に対して早くやってくれという命令権がありませんから、いまのように追随するほかはありませんけれども、それならそれで、いまの四月調査というのは早過ぎるのではないか。春闘がおくれるということになるならば六月調査あるいは七月調査でつかまえれば大体積み残しの問題がなくなるのではないかという、そっちの方向に問題がいく。そうするとまた、六月調査七月実施がどうのこうのというような問題になってまいりまして、これもなかなか軽率に踏み切るべき問題でもないということを考え合わせながら、われわれとしては当面現在のような措置をとっておりますけれども、確かにこれは重大な研究課題としてわれわれも頭を悩ましておることには違いありません。
○鬼木委員 いまあなたの御説明を聞いておりますと、私もなるほど一々ごもっともだと思います。それは時間的にそういう操作もできない。なおまたそういう複雑なことを短期間のうちにのせるということはなかなかむずかしい。いろいろの御事情はわかると思います。御事情はわかりますけれども、いま結論としてあなたが、これは私ども将来どうなるか非常に心配しておる、これの対策は十分検討しておるということでございますけれども、いつまでもいつまでも検討では−どうも政府筋は検討検討ということを盛んに言っていまはやりことばになっておりますが、ただ単に検討検討では困るので、何らかの形において解決をしていただかなければならぬということを私は強調したいんです。だからといって、いまこれは私のひとり言だとおっしゃったから私もそれは了としますけれども、春闘は春闘の立場でやっていらっしゃるんですからね。だから人事院の給与改定のために、人事院のために春闘があるんじゃないんですからね。だから春闘は春闘で、外国あたりのはさみだれ闘争だ。それはさみだれと春闘は違うんだから、年がら年じゅうやっているのは春闘じゃないんだ。冬やるのは冬闘であり、夏やるのは夏闘であり、そういう言ってかいのないことをおっしゃっても私は問題にならないと思うのですね。ですから、そういう隘路をどうして打開していくかということに、四六時中人事院の皆さんはその対策のみ研究をしておられるベテランばかりそろっているんだから——はたしてベテランかどうか内容はわからぬけれども、そろっているんだから、もう少し全知全能を集めてこれが解決に努力をいたしますという決意を私はほしいと思うのですよ。総裁にのみ私お尋ねして何ですが、だれでも勇気のある者は発言をしたらどうだ、勇敢に。総理のことばで言うならば、蛮勇をふるって。どうですか。
○尾崎政府委員 いま総裁が申されたとおりでございまして、技術的にもいろいろ問題がございますので、調査方法、それから積み残しの計算方法、その他についていろいろ検討を重ねておるという状況でございます。
○鬼木委員 だから、そこをひとつ十分これに対しては皆さん研究に研究を重ねて、きめのこまかい納得のいく給与体系を、一日も早くその実現をはかっていただきたいと思う。そうしないと、先ほど言いましたように、人事院傘下の四十八万の、広くいえば一般公務員全部、そういう方々に非常に不親切である、親切が足らない、このように私は痛感するわけなんです。 そこで、先ほどもちょっと申し上げましたが、一般職の職員の給与に関する人事院の報告と勧告の概要が私の手元に参っておりますが、昭和三十五年から勧告をされて、四十五年までの表がここに出ておりますが、遡及改定率の説明をしていただきたいと思うのです。三十九年までは白紙で載っておりません。そして四十年から四十一年、ずっと四十五年まで逐年遡及率が非常に上がっておる。一・六が一・七、それから二・二、二・六、三・四、四十五年度は四・二、このように上昇している。この表を何とあなた方はごらんになっておるか。ただ議員の手元にこれをやっておけということで、ただ単に数字を羅列されたのか。この遡及率の改定率に対して、どのようにあなた方はこれを考えておられるか、その点について、総裁でなくてもよろしゅうございます。総裁もだいぶお疲れだろうけれども、しかし、まだまだこれからがたいへんですよ。いまから疲れておったんじゃ話にならない。ほかのどなたでもいいからひとつこの説明をお願いしたい。
○尾崎政府委員 昭和四十年からこの積み残し関係を算定をしておるわけでございますけれども、昭和四十年の場合には、いわゆる遡及改定事業所の割合が二三・四%でございます。それにいわゆる民間の引き上げ率というのがございますから、それと調整して一・六%ということに計算をしたわけでございますが、その後の動きといたしましては、この二三・四%という遡及改定の率が四十一年には二二・〇%で一・七%、四十二年には二三・二%で二・二%の改定の計算になり、それからその次の年は二四・一二%で二・六%の計算になり、それからその次の年は、昨年の場合には二六・三%で三・四%の改定になっております。本年の場合には二七・四%で四・一一%の改定になるということで、遡及改定の事業所の割合と、それから民間のいわゆる賃上げ率、その両方の要因から四・一%というのが算定されますので、本年のように民間の賃上げ率が高いということになりますと、四%台のものが出てくるということになるわけでございます。遡及改定の事業所の割合そのものは大体二三%程度でございますが、本年の場合には二七%になっております。全体としまして、大体三分の二の事業所がいわゆる春闘に参加しておりまして、そしてその半分が四月に妥結をして支払っておるという状況でございますので、春闘に参加していない三分の一の事業所と、それから四月に妥結した三分の一の事業とがこちらのほうの本調査に入ってまいりまして、おくれている事業所は全体の大体三分の一という状況でございます。その中で本年の場合には、そういうことで二七%ということでとらえたという状況になっているわけでございます。
○鬼木委員 だから、その点は私は非常に不正確であると思います。事業所においてあなた方がこういうことを対象としておられる、しかもおくれた事業所が三分の一もある、その間の非常な移動、出入りというようなものの正確、的確な把握ができていないと思いますね。いま少しこれを的確に把握するならば、私はもっとこの数字は上がると思いますね。そういう点はどのように考えられますか。
○尾崎政府委員 この把握のしかたでございますけれども、四月に妥結していないで、四月以降に妥結をして四月に追い払いされるという遡及改定の事業所、二七%ほどでございますけれども、この関係の積み残しの計算方法の問題になってくるわけでございますが、そういう事業所に参りまして、あとから個々の職員を全部調査しまして、そして個人別に官民比較をするという詳細な調査をすべきではないかというお話になってまいるわけでございますが、そうするためには、どうしても八月勧告には間に合わないわけでございます。あとからこまかい調査をしにいくということになると、先ほどございましたように、調査の時期をずらすということにならざるを得ないという技術的な問題がございますので、どうしても六月なり七月なりまでにずらして、そして詳細に調べるということにならざるを得ない。しかし現状は、どうしても実施時期の問題になってまいりますので、すみやかにそれをとらえるという意味合いにおきまして、事業所単位のベースアップ率というものを簡易にとらえているというのはやむを得ないという状況でございます。こういう賃金統計というのは、すべて事業所統計でございまして、労働省の調査も、あらゆる調査が事業所統計でございまして、そういう労働省の場合のいわゆる春闘の引き上げ率というのも、事業所ごとに計算した数字でございますし、われわれのほうの関係も事業所ごとに計算した数字ということになるわけでございまして、事業所ごとに計算した数字と個人別にやった場合とどちらが高いか低いかという点は何とも言えない。特に民間の場合には、いわゆる職員、工員に分けまして、工員の割合が多いわけです。工員の引き上げ率のほうが高いわけでございまして、公務員の場合には職員の割合が多うございますから、はたしてこまかくやった場合にどうなるかという点は、何とも言えないという状況でございます。われわれは試算的にやった場合には大差はないという結果を得ているわけでございます。
○鬼木委員 そこにあなたの考えの甘さがあるように私は思うのですよ。他が事業所を対象としておるからわれわれも事業所を対象にしておるのだ。四月の調査は人員を対象にしておる。それだったら八月に勧告しなければ時間的に操作ができない。それが最も大きな原因だと私は推察しておる。それを事業所単位に調査しても個人別に人員を対象として調査しても大差ないと思う、とんでもない考え方ですよ。そんなことはありませんよ。人員のほうを対象にすれば率は上がってきます。やりもしないで自分の考えでそれを決定的なものにしよう。ではその資料を出してください、はっきりやってください。実際やりもしないで、そんなことを断定するというのはおかしい。実はこうして、人員もこうやって、こうやったから大差はございませんというんだったら、私も納得しますよ。操作もやりもしないで、そんなことをあなたが断定するというのはどういうわけですか。それだけの自信と確信と、何か的確な証拠がありますか。
○尾崎政府委員 民間の事業所のベースアップ率の平均をとった場合と、それから個々に調査した場合の引き上げ率という関係で、つまり公務員と同じ職種の人をとってきた場合の引き上げ率とどっちが高いかという問題になるわけです。その場合に、民間のいわゆる賃上げの一つの要因といたしまして、職員と工員に分けます。かりに民間の場合の平均のアップ率が一〇%の場合には、職員が八%、工員が一二%といったようなことの場合が相当ございます。そういう傾向は最近の非常に強い傾向でございます。その場合に、公務員のほうは職員が非常に多うございますから、いわゆる工員的な職種というのは非常に少のうございますから、そういう点で申しますと、公務員と同じ職種の人だけをとってきますと、その場合には相対的に低目の要因が出てくるということでございまして、賃金決定要因としまして幾つかございますけれども、そういう職員、工員の別の引き上げ率の違い、その他年齢別の引き上げ率の違いとか、そういういろいろな賃金決定要因につきましての引き上げ率の動向をつぶさに見てまいりますと、そういう確実な推定ができるということでございます。ほぼ大差はない、損にはならないという推定ができるということでございます。
○鬼木委員 それはあなたも推定で、そんなもの何も的確な証拠は出ていない。あなたも推定なんだ。私はそんな大差がないということはない、差はある、これも私の推定だから、推定と推定だからいつまで行っても平行線じゃないか、そんなことをあなたがえらそうなことを言ったって話にならない。何を言っている。時間が刻々迫ってきますので、その点はよく研究してください。そして資料を出してください、私も研究しますから。 調整手当の問題でございます。これはここに出ておりますが、甲地のうち、民間給与の特に高い地域に在勤する者に対して、支給割合を現行の百分の六であったのを百分の八にする。こういうことが調整手当のようでございますが、甲地、乙地の判定基準はどういうところから算出してあるか、その点をちょっとお尋ねしたい。
○尾崎政府委員 現在の甲地、乙地の地域区分でございますけれども、これは昭和三十二年以前におきまして、いわゆる勤務地手当という名称で法制化されておった当時からのものでございまして、それ以前におきましていろいろ問題があったものでございますので、特に本内閣委員会に小委員会など設けられまして、三十二年の給与法改正のときにこの制度は凍結ということになり、その後地域区分というものは変わってきておらないわけでございます。これの踏襲がなされまして、現在の甲地、乙地、当時は四級地、三級地という形でございましたけれども、そういう形で現在の地域区分になってきておるといういきさつがございます。したがいまして、現在のそういう意味の甲地、乙地の区分というのは、昭和三十二年当時の勤務地手当のときの区分ということでございまして、賃金、物価、生計費、特に大体当時は消費者物価の較差、それに生計費、それに賃金という関係の三者をもって区分されてきたといういきさつがあるわけでございます。
○鬼木委員 いまあなたの御説明のあったように、最初はいわゆる地域給、これは承知をいたしております。やがてそれが暫定手当として本俸に繰り入れられた、ところがまた都市手当というものを創設したらどうか、こういうふうな話があって、それじゃ三年間研究しようじゃないかということで、三年間研究した結果、都市手当が、名前が変わって調整手当、そういうことになりますと、名前だけ変えたのであって内容は同じじゃないか、都市手当ということがどうもおかしいから調整手当にしよう、しかも最初地域給というものができたときは、いまあなたの御説明のように、物価の問題あるいは生計費というようなこと、むろん給与もあったと思いますが、そういうことを主体に、非常に物価の高いところだとか、あるいは生計費が非常に高いというようなところに地域給をつけようじゃないか、それと同じような姿のものだ、いまあなたの説明も一昔はそうだった。だからこれは単なる延長にすぎない。それが、今日調整手当ということが生計費とかあるいは物価という問題でなくして、給与に基準を置いた、給与の高いところ、それに調整手当をつける、こういうことになっておると解釈しております。いいですか。それで、あなたのいまの解釈は非常に中途半ぱで、あまり詳しく言うとやかましく言われるから、あまり言わなかった。ちょっとそれをもう一ぺん言ってください。
○尾崎政府委員 ただいま、いきさつ的な御説明を申し上げたわけでございますけれども、昭和四十二年におきまして、いまお話がございましたように、都市手当の勧告をいたしたわけでございます。その際に、十年間ブランクがございましたので、いろいろその後の地域的な経済変動がございます。そういう関係で、新しい情勢に即した調整手当の地域区分を、賃金、物価、生計費の関係で区分をしようということで勧告を申し上げたわけでございますけれども、やはりこれにはいろいろ問題があるということで、当分の間は従来の四級地、三級地を甲地、乙地としてやっていくべきだというお話で現在に至っておるわけでございます。 その後の状況といたしまして、非常に変わってまいっておりますのは、やはり地域的に人の採用がどうかという問題が非常に問題になってきております。もちろん生計費及び物価の較差というものが、十年前とは若干違いますけれども、相当な較差がございます。その上に、最近の状況としましては、人のとり方ということが非常に焦点に浮かび上がってまいりまして、たとえば公務員の場合の採用といたしまして、東京、大阪等の大都市における採用が非常に困難でございます。それ以外のいわゆる無級地の場合には比較的にとりやすいという関係もございます。したがいまして、たとえば東京の場合には、南関東地区の試験をいたしますと、公務員の応募者というのがなかなか参らないし、合格をしてもなかなか入ってこないというような問題がございます。やはりこの点、いわゆる地域給の較差の問題にかかわっておるのでございますので、相対的にいいますと、いわゆる官民比較をいたしますと、大都市では民間より低く、いなかのほうでは民間より高いというのが現在の公務員の給与でございます。そういう人のとり方が非常に問題になってきておるという関係で、今回は、特に人のとり方が非常に困難でございます地域に限りまして、民間賃金との関係におきましてせめて少しでもという意味合いの改善をということで、八%地域をお願いしたという状況でございます。
○鬼木委員 私は調整手当でも、つけるな、上げるなと言っているのじゃありませんよ。これはけっこうですけれども、いまのあなたの御説明でもどうも納得がいかないのです。これは最初都市手当というものをつけたい、こういうことであったのが、どうも適当でないというので三年間の研究期間を置いて、そうして今度調整手当となった。あなたはいなかと都市ということをいまもおっしゃった。ところが、そういう物価水準、生活水準が高いとか低いとか、物価がどうだこうだじゃなくして、給与の問題を主体にしていますからね。そうしますと、大都市といなかということはあながちいえません。いなかであっても、大会社があって給料の高いところがあればそれは甲地になりますよ。都市手当がイコール調整手当ということであれば、それはわかりますよ。だけれどもそうじゃないのです。あなた方のおっしゃるのは都市手当ではない、あくまで給料を主体にした調整手当だ、こういうことをおっしゃっておるから、そこに私どもの考え方と——あなた方のお考えは少々ずさんだと思うのですよ。そういう点は考えていらっしゃいますか。たとえば大会社で給料が高い、非常に景気のいい会社がいなかにあったとする。そうすると無級地のいなかでも一躍して甲地になるということは解釈できないこととは思われない。それは給料が主体になっている。だから、たとえば東京周辺の郊外のいなかのほうで、そこに大会社がある、そうして給料も高い、ところがそれは乙地である、あるいは無級地である、そのために必ず不平が出ますよ。これは物価の問題ではない、生計費じゃない、給料を主体として計算しているのだ。いや、われわれも当然これは適用を受けるべきはずじゃないか、これはおかしいじゃないか、納得できませんよ、そういう例がないとはいえませんよ。何ぼでもありますよ。そういうような場合に、私はこの調整手当というのは、それはやってくださるのはけっこうです。私は大いにやってもらいたいのだが、納得をしない人たちに対してどうするか、そういう点を全国的に詳細に調べてあるか。皆さんの報告にもありますが、従来人事院規則で定める甲地は、東京、横浜、名古屋京都、大阪、北九州などにあっては六%、乙地の札幌、千葉、静岡、和歌山、広島などにあっては三%となっている。ところが今度これを新しく皆さん方は八%に引き上げられるということになると、京浜地区において横浜市、中京は名古屋、京阪神で京都、大阪、神戸、北九州は落ちている、こういうことになりますよ。そうすると、そういうところの的確な比較対照ができておるか。私はこの表ではわからないんですよ。ただ一方的に空にこういうことをやっている。これははっきり科学的に数の上からこうだこうだと——これは非常にあいまいですね。知恵者ぞろいの人事院としては少し水が漏っておるな。どうですかその辺、的確にひとつ説明してください。
○尾崎政府委員 現在甲地、乙地の地域区分そのものは、先ほども申し上げましたように、従前からの、昭和二十七年の地域区分と申しますか、そういうことによって行なわれておりまして、それが凍結ということで現在に至っておるわけでございますから、どうしてもその後の経済変動に伴いまして問題がいろいろございます。そういう点で私どもも前回、昭和四十二年に新しい地域区分を現状に即して切り直すということを考えまして御勧告申し上げたわけでございますけれども、やはりその地域の切り方そのものにはいろいろ問題が多い、当分はやはり現状でいくべきだというお話がございまして、そういう決定になりまして現在に至っておるということで、地域区分そのものについては現状でも私はいろいろ問題があるというふうに考えております。しかしながら、やはり前回の附帯決議の趣旨を尊重しまして、そういう地域区分そのものは今回はやはり改正をしないで、今後さらに検討をしたいということを申し上げておるわけでございます。今回はしたがいまして、特に民間の賃金が高くて公務員がなかなかとれない、民間の給与との較差が非常に多うございまして、公務員給与が相対的に低いものでございますからどうしてもとりにくいという地域に限りまして、八%地域を設けていただきたいということで申し上げておるわけでございます。 その地域というのはどういうふうにして考えたかという問題でございますけれども、それは各県別あるいは都市別等におきましての民間の初任給のあり方等につきまして、現在人事院は、先ほど御審議になりましたように、民間の調査をいろいろやっておりますから、各県別あるいは都市別にどのような初任給水準になっているかということを非常に詳しく調べております。そういう膨大なデータを御提供するのもいろいろ問題でございますので、それはしまってございますけれども、そういうものを考慮して検討してまいっておりまして、具体的には、今回の民間の給与調査におきまして、民間のほうで公務員に似たような、全国各地に事業所がある、支社を持っておるという大会社のみを調べまして、そういう民間の会社では地域給をどのようにやっているかということを調べましたところが、そこに御表示してございますように、京浜、中京及び京阪神というところでは、大体八%ないし九%程度の地域給が出ておる。さらに申し上げますれば、北九州市及び福岡市におきましては、五・七%程度の地域給が出ておるということで、現在北九州市その他は六%の地域給が出ておりますので、まあ現状でいいのではないか。 それから、それ以外の甲地につきましては、現在六%でございますけれども、民間の初任給水準その他もそうでございますけれども、非常に較差がございますので、そういうところだけは人が採れないという意味合い、民間の初任給が高いという意味合いにおきまして、八%地域を設定させていただきたいという趣旨でございます。
○鬼木委員 そこで、いまあなたの御説明の中に、経済の変動云々ということもおっしゃっておるわけですが、そういうことはこれには関係ないのですよ。各地域におけるところの事業所の給与の平均を出してもらいたいのです。それによってあなた方は算定されておる。そういうふうに変わっているのですね。これは最初は生計費だ、物価だというようなことを盛んに人事院総裁は声を大にしておっしゃっておったが、いつの間にか、そんなことは関係ない、給与だ、こういうことになっておるのですね。だから私が言っておりますのは、的確なそういうはっきりした資料が何にもないじゃないか、これは一方的じゃないか。こういうことでは皆さんが納得しませんよ。中京地区であろうが京阪神地区であろうが、決して北九州あたりが地場賃金において安いということはない。あそこは高いのです。だから、そういう点において納得するような表も何もつけてありゃしない。ただ一方的に、今度甲地に上がるのはここ、ここ、ここだ、こういうわけでこうなってこうなるんだ、かようしかじかだということは何もない。こういう非民主的なことはありませんよ。おそらくこれでいいんじゃなかろうかというような、そういうあいまいなことじゃ承知できない。その点どうですか。
○尾崎政府委員 ただいま申し上げましたように、民間の賃金調査をいろいろと詳しくやっておりますので、そういうデータを基本にしまして必要な資料だけここに提示してございますけれども、なおそういう点の御要求がございましたら、資料をお手元に提出するようにいたしたいと思いますけれども、いずれにせよ、そういう各地のデータというものは非常に膨大でございますので、全部ここに資料として書くということもなんでございますから、一応必要なものだけということで差し上げてあるわけでございます。
○鬼木委員 あなた、そういう答弁はいけませんね。必要な資料だけ出している。必要な資料がないじゃないか。われわれが審議することができないじゃないか。あなた、何をおっしゃっているのですか。必要な資料だけ出しました。必要な資料がないじゃないか。だから、これをわれわれが審議しようたって審議しようがないじゃないか。だれにこれを審議させるのですか。いやしくも国会議員に審議させるというならば、こういうことでございますという——何も全国的な膨大な数字を車に積んで持ってこい、そんな無理なことを私は申し上げているのじゃないですよ。今度乙地から甲地に上がるのは、あるいは六%が八%になるのはここ、ここ、ここでございます、落ちるのはここでございます、ここはこういう状態でございますという審議資料をわれわれに提供して、そうして委員会で十分審議していただきたいというのが親切なやり方じゃないですか。それを、必要な資料だけ出している。何もあなた——いま山中長官が見えたから長官に言うが、こういう不親切なことがありますか。(「そのとおり」と呼ぶ者あり)ああいう賛成者もおるじゃないですか。長官、どうですか。いま私は、長官がお見えにならなかったものだから、総裁以下皆さん方にお尋ねをずっとしてきたのですが、調整手当の問題でいまお尋ねしておる。これは御承知と思いますけれども、いままで生計費とか物価ということを主体に算定をしておった。ところが、今度は給与を主体にこれを算定するのだ。だから、これこれこれが甲地で、いままで六%であった。ところが落ちるのがある。それを現状維持と落ちるのと上がるのと、ただ表に書いて、どういう理由でこうなったということが何も書いてない。その資料をなぜ出さないかと言ったら、必要な資料を出したのであって、それ以外は出していない。とんでもない。断じて承知できませんよ。そういうことだったら給与の審議はもうやめるよ。長官いかがですか。長官はものわかりがいいから……。
○山中国務大臣 鬼木先生ほどものわかりがいいかどうかわかりませんが、あるいは聞き漏らしておる点があるかもしれませんが、私の判断では、現在の調整手当より落ちるところはないと思うのです。調整手当の中で上がるところが新しくできる。したがって、その上がらないところが、いわゆる自分たちも上がればよかったという意味の、あるいは落ちた感じですね、そういうものはあると思います。そこらの説明はやはり親切でなくてはならぬと思います。ですから、人事院のほうでどのような答弁をしたか知りませんが、中立性を尊重して、人事院のほうに私からも、鬼木先生が御審議くださるのに必要な資料は提出していただくようにお願いをいたします。
○鬼木委員 そうこなくちゃいけない。さすがに長官だ。では、あなたの答弁を聞きましょう。
○尾崎政府委員 個々の都市のお話になってまいりますので何でございますけれども、全部の資料の提出ということでございましたから……。 福岡市及び北九州市につきましての検討した資料を申し上げたいと思いますが、調整手当の現在の甲地、乙地その他地域のつかない非支給地という三つの区分を一応簡単に申し上げたいと思いますが、非支給地を基準にしまして、これを一〇〇%にいたしまして、初任給の場合にはどうなっているか申しますと、非支給地が一〇〇%でございますが、その場合には乙地の平均が一〇一・一%でございますが、福岡市及び北九州市の場合には九八・七%ということで、非支給地とほぼ同じ程度でございます。これに対しまして、従来のいわゆる六大都市でございますけれども、これは一〇八・九%ということで八%をこえております。いずれもこれは八%程度になっておるわけでございます。それが初任給のデータでございます。 それから民間のいろいろな職種がございますけれども、民間と公務員と同じ職種の職員をとりまして、それで民間給与水準が高いか低いかという点の調査をした場合の話でございますが、初任給水準じゃございませんで、いわば全員の平均でございますけれども、この平均的な水準といたしましては、非支給地を一〇〇といたしまして乙地平均の場合には一〇五・五%でございますが、福岡市及び北九州市の場合には平均いたしまして一〇〇・六%。これに対しまして旧来の六大都市の場合には、いずれも一一〇%を大体上回っておりまして、平均して一二・四%ということで、較差が、やはり民間の給与水準としましては、たとえば個々には八幡製鉄とかいろいろ高い水準のところもございますけれども、平均して民間水準としてはいま申しましたようなことでございまして、現在の段階では、民間の初任給水準が八%にするほどではないという判断でございまして、今後の推移を見てまいりたいというのが現状でございます。
○鬼木委員 大体あなたたちの算定された基準、根拠というものははっきりしたものがあるかと思いますけれども、それを私にはっきりひとつ資料をいただきたいと思います。私が十分研究いたしますから。いまいかにももっともらしくおっしゃったけれども、内容はどのように調査されておるのか、私も詳しく研究したいのであります。だから、そういう資料をいただいておれば私どもも研究してここへやって来るのだけれども、何も研究するところの資料がないものだから、無鉄砲な質問であなたも心証を害したかもしれないけれども、その点あしからず。 次に指定職の問題でございますが、一般職員の給与に関して、私比較してみますと、今回の指定職の各省の次官クラスですか、非常に引き上げ率が大きいようです。二八・八%と大幅に上がっておる。そうしまするというと、この一般の公務員の方々の対象は、あるいは中小企業なんかであったと思うが、指定職になりますというと、一流会社を対象にやっておられるのじゃないかというようなことも考えられる。しかも一号俸、号俸を上げてある。ベースアップはする。しかも二八%である。そして号俸を一号俸上げておる。これは二重に今度優遇される。こういうことになりますが、よくしていただくことに対して私はいけないと言うんじゃないのです。よくしていただくことはけっこうでございますが、そうでない方がはたして納得されるかどうか、これはその内部に非常にごたごたが起きるんじゃないかというような憂いが私はないでもない。そこで、どういう意図でこういうふうに優遇をなさったのか。たとえて言いますならば、このボーナスなんかでも、今度の二八・八%の引き上げというと八万円余り上がることになるのですね。そうしますると、ボーナスなんかにしましても、あるいは退職手当などにしましても、八万円の上積みですからこれは非常にばく大なアップになると思うのですよ。一号俸上げて、それからアップも一二八・八%だ。二重、三重にアップされておるが、これではたして皆さんは納得されるか。よくしていただくことはけっこう。もっとよくしていただいてもけっこうだが、皆さんが納得をされるような処置を私はとってもらいたい。言いかえますならば、職階制あるいはそういう点を強化するような意図があるんじゃないかというようなことまでわれわれは考えなければならぬような状態になってくるのですね。そういう点について、総裁いかがでございますか、あなたの御見解を伺いたい。
○佐藤(達)政府委員 鬼木先生にお答え申し上げます。 まさに今回の勧告ではその点が相当注目を浴びまして、高齢者に対する対策はわりあいに新聞では評判がようございましたけれども、こっちのほうの指定職関係は少々批判的な論評が多うございました。しかし、これは御説明の機会をやはり与えていただきませんと御納得いただけないことでございますが、要するにこの指定職等の上のほうの等級の人たちを優遇すると申しますか、これ自身、従来、私どもも率直に申しまして、上厚下薄というような批判におびえておったということも、これはあったと思います。したがいまして、わりあいに今日まで遠慮がちにきておったということは事実でございます。まあ遠慮がちではありますけれども、しかしできるだけの手当はしておりましたが、今回、民間その他のいわゆる役員で、これらの官職に相当する者との比較をとりまして、その較差を調べましたところ、たとえばいまの東大、京大の学長に相当するような者というのは、民間では四十万円というような数字がずっとランクが出ております。その意味では、やはり民間の役員給与に合わせるのが当然の筋であろうというのが一つの要素。 それから、一番注目を引きましたのは、これも正直に申しますけれども、事務次官が一番注目を引いたわけでございます。これは上がりがあまりに激しいじゃないかというような指摘がございました。これには、いまの一般の給与の増額の問題とあわせてもう一つの要素がございます。それは現在、御承知のように、事務次官の格づけというものがわりあいに低くなっておる。これもいろいろ沿革がございまして、東京、京都、その他の大学の学長の認証官問題というようなことからこの指定職の表ができておるものですから、要するに東大、京大を一番トップに据え、その下に旧五帝大というのがありまして、さらにその下に事務次官というのが格付けされておる。これはわれわれとしても、初めからちゃんとすべきであったということになるかもしれませんけれども、そういう沿革も反映してそういうことになっておったのでありますけれども、この際反省してみますと、一省の大臣を助けて、大臣に直属して、そしてその省内の仕事を全部掌理しているというような重要な役割りを持っている人が、旧五帝大のまたその下にあるということは一体どうだろうかということが一つ大きく反省の対象になりまして、そして、あるいは東京、京都の大学の学長並みにするのはほんとうかもしれぬけれども、これはもう一息御遠慮申し上げて、せめて旧五帝大の学長並みくらいにしようじゃないかということで格付けをしているわけです。その格付けを、一般のベースアップとがダブリましたものですから、特にこの事務次官に対しましては、相当顕著な変更になってきた。それから、一番下位等級の人と指定職の上のほうの人との比率は、それでは一体今度の改定によって幅が開いていやしないかということも、われわれは一応計算してみておるのでありますけれども、これが実は開いておらぬのです。少ししぼみかげんにはなっておりますけれども、決して開いてはおらぬということも考え合わせまして、われわれとしても、もっと説明を尽くして、一般の御理解を得なければならぬことだと考えております。
○鬼木委員 だから、私の申し上げておるのは、次官級であろうが指定職であろうが、よくしていただくのはけっこうだ。これは私は望むところなんです。これをよくしておるのを悪くしろと言っているのじゃありません。しかしながら、指定職の優遇の恩恵を受ける人は私はたいへんけっこうだと思うが、今後指定職までいけないような方は必ず不満があると思うのです。現実にそういう恩恵を受ける方は文句ありません。喜ばれると思うし、私どももけっこうだと思うけれども、そういう方はきわめて少数の方であって、大部分の方は、あるいはそこまでいけないんじゃないかと思うのです。そういうことに対して皆さんがはたして納得しておるかどうか。しかも指定職ということに対しても、これは一体どういうものか、どういう範囲の方が指定職に入られるのか。その指定職というものが人事院にまかせられてあるということだろうと思いますが、そうするならば、指定職の性格というものも私は当然あるべきだと思うのです。だから、指定職というのはこれこれのものだ——御承知のとおり、昔は指定職というのは、次官あるいは外局の局長とか、大学の学長とか、それから局長の一部もあったと思いますが、そういうのが指定職であったと思うのです。今日は局長といえば全部指定職になっておる。そうすると、将来は課長さんたちもあるいは指定職になるんじゃないかと思う。いわばどんどんいいのになるのは、先ほどから私が何回も言っておるようにけっこうですが、そこに、指定職というものはこういうものだ、範囲はこういうことだ、性格はこういうことだというような的確な根拠が一体あるのかどうか。そうしないとどうも納得がいかないのです。いかがですか。
○佐藤(達)政府委員 これは根本問題に触れての重大な御質疑であろうと思います。先ほどちょっと職務給というようなことばがございましたけれども、実は現在の公務員法あるいは給与法のたてまえは、すべて給与は職務と責任に基づいてやるということになって、それを裏返せば、実は職務給の行き方が現在の制度の主眼ではないかということがうかがわれるわけであります。しかし一方において、まだまだ現在の給与の水準は一般に考えれば非常に低いと思います。したがいまして生活給的の部面というものがまだ非常に幅広く濃厚に残っている。したがって、いかに職務と責任といっても、それにすべて割り切って徹底してしまうということはできない。ところがだんだん近々の情勢を見てまいりますと、このいわゆる指定職に当たるような人々、これは職務と責任の範囲の限定もできますし、生活的にどうというような問題もきわめて薄くなっておるのじゃないか。御承知のように指定職になれば昇給も何にもないわけですから、調整手当以外の手当もないということでくぎづけの形になる。しかしそういうくぎづけの給与というものをつくってもよかろうという部面が、一応指定職の中に並んでおる人々について考えられるというわけで、指定職というものをつくったわけであります。したがいましてこれはだんだんだんだんと、方向としてはいわゆる職務給の方向に徹するということになれば、指定職的な扱いをするものがだんだんだんだんふえていく傾向になる。そういうことは申し上げられると思いますけれども、少しずつ指定職のほうに上がっていくものもありますけれども、まだまだ先ほど申し上げましたような生活給的な考慮を捨てるような立場ではないと私は思っておりますから、それを全面的に押し広げることはまだ考えておりませんけれども、できるものは指定職としてきちんと扱っていきたい。先ほど申し上げましたように、昇給も何にもない、このポストにいる人はこれだけという限られた給与でやっていく、そういうことが指定職の根本の考え方になっているわけであります。
○鬼木委員 それでお話はわかりますが、大体指定職とその他の職との給与体系を違えられたというのは、ほかのいろいろな手当もついておらぬ、あるいは据え置きになっておるということで、特別に法を変えてこういうふうにやっているのだ、そういうことはわからぬでもないのですが、指定職というものを将来際限なくどんどんどんどんふやしていく考えはない。それはないでしょう。どれもこれも指定職になれば、みな指定職だから特別にそういうふうなものを設ける必要はない。それはむろんそういうお考えはあると思いますが、大体において指定職の性格、指定職というものはどういうものだ、指定職はこれこれの性格を持っておるものだ、指定職はここまでだ、そういう線引きのようなものはないのですか。これは公務員法にも載っておりますけれども、実際はそうでなくして、先ほど申しましたように、最初は学長や次官、外局の局長、それから局長の一部であったのが全部になる。それからまた将来は課長にも広がるのじゃないかというふうに、どこまで続くのか。そういう点はこういう点できちつとやっておりますというならば、そうした根本のお考えを承りたい、こういうことを言っているのですよ。
○佐藤(達)政府委員 これは周辺のいろいろな事情とあわせ考えなければならないことでございますために、ここまでで打ち切るというようなことは、私どもは数字的な基準その他においてはっきりさせることはできないと思います。ただ先ほど来申し上げましたような趣旨から見て、個別にそれぞれの官職を洗って、これは指定職に移してもよかろうというようなことで移していくということ以外にはちょっと方法はないというふうに思います。ただ指定職ができまして、指定職は非常に優遇をされるというような面をお感じになるかもしれませんけれども、これは先ほど申しましたように、扶養手当もなければ通勤手当もないし住居手当ももらえない、管理職手当もない、昇給もないというような点がございますから、それらを相勘案してみなければなりませんけれども、そういう実質の問題は別として、その官職というものははっきりこれだけの給与で十分だという見きわめのつくような官職は、やはり漸次指定職のほうに上げていくということにならざるを得ない。こういういろいろな手当てで生活給的な補助をしなければならぬ官職というものがあります。これらはやはりにわかに指定職に持っていくのは早過ぎるのではないか、逆にいえばそういう言い方もできると思います。
○鬼木委員 それでは、そういうことは線引きはで責、ないということであればしかたないと思いますが、無制限にそういうことがあるわけはない、私もそれは常識的に考えられます。ところが二八・八%アップした、それから号俸もまた一号上げる。二重に今度アップした。というのは、いま人事院総裁の御説明のように、かねがねが諸手当なんかはやっていない。それから据え置いておるというような気の毒な状態だったから、こうやってこうとおっしゃっておりますが、そうやられて、大体においていままでそういうことが不足しておったものを補って、ちょうどそれでバランスがとれる、こういう御答弁ですか。世間では先ほどあなたのおっしゃったように相当問題になっておりますので、その点をここで納得の上にひとつ御発言願いたいのです。
○佐藤(達)政府委員 私どもの勧告の根本は、やはり民間追随主義ということばは悪うございますけれども、官民を比較しながらいくというのが鉄則になっておりますので、したがいまして、指定職といえども民間との関係を常に照らし合わせながら、それとの均衡をはかっておるというのが基本的な態度でございます。今回の場合におきましても、先ほど触れましたように、民間の役員クラスの給与というものをことしの四月現在で調べまして、それと照らし合わせてこれが落ちておる、民間並みに合わせようという、そのたてまえからきておるわけでありまして、基本的には普通の他の職員の場合とちっとも変わらない。ただし一つあるのは、先ほどちょっと事務次官のごときについて触れましたけれども、いままでの格づけで落ちておる、旧帝大の学長の下というのはそれはおかしいんじゃないか、これが一つあります。それが事務次官等についてはかぶったものですから非常にはでな形になっておる、そういう申し上げ方ができると思います。
○鬼木委員 そうしますと、指定職の比較ですが、甲と乙の比較について私はちょっとお尋ねしたいのです。一号俸上げる。これには学歴とかあるいは年齢等についての考慮がされたのであるか、ただ民間役員との機械的な比較によって定められたものであるか、その点についてちょっとお尋ねをしたいと思うのです。そこで、今回の八%の調整手当はこの指定職には上積みされてあるのですか、その点もあわせてお尋ねしたいと思います。
○尾崎政府委員 具体的に民間の役員の給与調査をいたしましたところが、専任役員といたしまして、社長を除きます常務あるいは専務等の平均が、本年の場合月額四十万円ということでございました。これは平均でございますけれども、この平均の四十万円のところに一般職の公務員の中で最高のところを調べて合わせようということで、東大、京大の学長を四十万円という形にいたしたわけでございます。事務次官は、先ほどのお話でございますけれども、それより一ランク下がった形で三十八万円という形になっております。それから部長等兼任役員、民間におきまして取締役の何々部長という場合の給与が、平均いたしまして二十五万八千円ということになっておりましたので、それになるべく近づけようということで指定職乙の平均を二十三万三千円程度に引き上げるということにいたしてございます。 調整手当の八%関係は、在勤地という面からいたしまして八%は適用になるということでございます。
○鬼木委員 そこで、一般は非常に規模の小さい会社と比較をして、指定職なんかは最高の報酬を受ける専任役員、これは社長なんかをいうんだろうと思うのですが、これは五十八万三千円、それから専任役員、これは取締役なんかをいうんだと思いますが、これが四十万円、二十五万八千円の部長兼任役員、こういう大きいところと大体どのくらいの——これも事業所単位で比較されたんだと思いますが、都合のいいときに自分の調査のいいような方法でばかり、事業所で比較してみたり人員で比較してみたり、どうもずさんな比較のしようで、あなた方の調査の趣旨が一貫していないように思うのですが、そういうところはどうですか。ただ事務的に都合のいいほうでやっていくというんですか。あくまで福祉の保護というので生活を保護していく、あくまで人間性を尊重していくという意味に立脚して調査をされるのか、なるべくデータの早く出る調査のしょい方法でやるのか、その根本の問題をひとつ聞いておかぬと、非常にずさんで簡単な資料ですから、どうもわれわれの判断のしようがないのですよ。あなた方のように非常に頭脳明晰であればいいですけれども、私すこぶる駑鈍だから了解しにくい。その点ひとつ……。
○尾崎政府委員 やはり民間と比較をしていくという場合には、職務と責任と申しますか、そういう関係で個々に比較をするということが基本かと存じます。 〔委員長退席、伊能委員長代理着席〕 したがいまして、やはり同じような仕事をしておるというような職員につきまして、なるべく近い仕事をしておるという職員を個々にとるということが調査の基本だと思うのでございますけれども、そのように比較する場合には、同じ仕事のものをなるべく個々に選んで比較をするということだろうと思いますが、その場合に、賃金調査と申しますのはやはり特殊な調査方法、統計のとり方がございまして、会社と申しましても、会社の調査というのはなかなか不可能でございます。どうしてもやはり事業所の調査をするとか、そういう技術的な調査方法がございますので、現在の調査方法をとっているわけでございますけれども、指定職の関係の民間の役員の調査は、五百人以上の役員の平均給与ということで調査をいたしてございます。公務員の場合には、五百人以上の平均くらいでいいかどうかという問題は別にございますけれども、一応そういうものをとって参考にしておるということでございます。それから、それ以下の部長以下の場合にも、五百人以上の平均と五百人以下の平均とでは、職務と責任が同じ課長でも、五百人以上の大規模の場合には公務員の場合の二等級と合わせる、それから五百人以下の比較的小さい会社の課長の場合には公務員の場合の三等級と合わせるという形で、職務と責任の上の評価としましてほぼ同等と見られるようなところとなるべく比較をしようというのが原則でございます。
○鬼木委員 そこで、いまの問題をまた続けます。 指定職の今度の給与改定の問題でありますが、これは私はよくないというのじゃありません。けっこうですが、一般の人が納得するようなあなた方の説明が必要だと思うのです。それに対しては勧告にもあるいはいただいたこういう資料にも納得するようなあなた方の御説明が足らないと思うのです。すこぶる一方的にこれをやっておられる。 これに関連してお尋ねしたいのですが、今回の給与改定で総理大臣並びに国務大臣の給与は引き上げてない。何か山中大臣は、これは政治的配慮によるとかということをおっしゃったように記憶しておりますが、もしそうでなかったらお許しを願いたい。そういうことになりますと、私はますます不可解だと思うのです。山中長官は、何も人事院の総裁と話し合って、なれ合いでやっているんじゃない、あくまで人事院の勧告を受けて、それを尊重して実現をはかっていくのがわれわれの立場だというようなこともおっしゃったように記憶しております。これも間違っておったら取り消します。そうしまするならば、政治的配慮ということに対しては私はいささか納得がいかない。また人事院の立場といたしましては、私はこれは当然上ぐべきであると思う。何ゆえに総理大臣と国務大臣を除外したか。それだったら除外した理由を明白に報告書にでも書くべきである。公平、中正に行なわなければならない人事院が、私は使命を全うしていないとは申しません、使命を全うしていないんじゃないかと言っている。いや使命を全ういたしておりますというのなら、理由はどこにもないじゃないか。そういうことは何にも案内書に載っていない。これは何か圧力がかかったのか、あるいは指定職はあまりにも上げたから、それの一つのカムフラージュであるか、ゼスチュアであるか。いやしくも、みなが納得するようなやり方をせよ。内容に対しては皆さんの意思を尊重いたしますので、納得すればそれはけっこうだ、こういうことになりますけれども、そういう点についてこれをはっきりしておきたい、かように思うのです。意図するところは一体那辺にあるのか。それを山中大臣並びに人事院総裁からお答えを願いたい。
○山中国務大臣 これは前提が少し違いまして、人事院勧告は一般職について勧告を受けるわけです。それに従ってわれわれはそのとおり完全実施をいたすということで、内容に一指も触れておりません。ただ、それに対して特別職をどうするかについては、一般職の勧告に従って特別職もそれに応分する比率でもってそれぞれ上げたわけでありますが、政治的配慮と申しますのは、人事院と全く関係ありませんで、総理が閣議において、総理並びに国務大臣は物価高騰その他の今日の時勢等から考え、あるいは政治姿勢としても、この際ただ人事院勧告に準じて惰性で上げるということを政治的にやめようではないかという発言があって、異議なく、たとえば司法関係が一部影響が出ますので、小林法務大臣も、若干われわれとしては、総理大臣、国務大臣が政治的にそのような配慮をもって据え置くことによって自動的に波及させられることについて、少しいままでの較差、ランクというものが狂いますのでつらい点がありますけれども従いましょうという御発言がありました。また、立法府においては、議長、副議長、事務総長等がございますが、これは立法府の意思でございまして、自主的な判断を総理大臣、国務大臣に準じてとられたものと解釈いたしておりますので、これを据え置くことについて、人事院と私とが話し合って政治的な配慮をしたほうがよかろうというようなことは全然存在しなかったわけでございます。
○鬼木委員 いや私もそうだろうと思う。山中大臣がまさかそんなことがあるわけはない。だから間違っておったらお許し願いたいということを前もって言っておる。そういうぬかったことは私は申し上げない。そこで、そうしますると、これは勧告が出て皆さん方がそのとおりに従おうということで政治的にきめた。そうすると、私は人事院はなおおかしいと思うのです。じゃなぜ最初から人事院はそういうことを出さなかったかということを私は聞きたいのです。そうすると私がさっき言ったことは生きてくるわけなんだ。人事院は使命を全うしていない。それはそうでしょう。人事院が総理大臣や大臣の特別職を今度は除外するんだというた場合に、まさか皆さんが承服できないといってすわり込みをやるわけにいかない。それはごもっともですよ。そこで人事院の総裁にその点をはっきり解明していただきたい。
○佐藤(達)政府委員 山中長官がちょっと触れられましたけれども、公務員法及び一般職給与法で——この給与法の名前が第一、一般職の給与法となっておりますけれども、要するに人事院が勧告を申し上げるのは一般職の人たちに対するものであり、特別職には全然関係ない。したがって、われわれの受け持ちの範囲とは別の問題であるわけです。したがいまして、私どもはただ横からこれを見守っているほかはないということに尽きるわけです。
○鬼木委員 それは法のたてまえであって、それでは、あそこに報告をあなた方毎年なさっている、何のために報告しているのですか。あとで私また報告の問題についてちょっとお尋ねしたいのだが、報告書にはあなた方の意見を述べてしかるべきだと私は思う。特別職はわれわれは全然関係ない、知らぬと、対岸の火災視するということは私はおかしいと思う。国家公務員が全部上がっているのだから、それに対するあなた方の意見は具申されてもいいと思います。これは勧告じゃなくて報告でいいと思う。まあそれはそれで了解します。 時間がありませんので、期末・勤勉手当でありますが、今回人事院の調査による民間の平均が四・七九、公務員の平均が四・五、こういうことになっておる。そこでその差額は〇・二九、こうなっている。ところが〇・二しか増額しないで、四・七ということになっている。だから、どういうわけで〇・二九の差があるのに〇・二カ月分しか増額しないのか。〇・〇九はなぜ打ち切ったのか。これをはっきり言っていただきたい。民間との差は〇・二九というのははっきりしているんだ。期末手当は四・七九と四・五だから、〇・二九差があるはずだ。それを〇・二九アップするならいいけれども、〇・二だけやって〇・〇九落としてある。これも手間ひまかかるから、計算で時間がかかるから切ったんですか。ひとつこの的確な理由を説明していただきたいと思います。
○尾崎政府委員 民間のいわゆる特別給の関係は、多くの場合金額として支給されておるわけでございますけれども、一方におきましていわゆる月給を調べまして、月給に対しまして何カ月分出ているかという形で私どもとしては調査を毎年やっているわけでございます。そういうふうに何カ月分出ているかという調査によりますと、その内容は、どうしても民間の場合にはその年々の景気あるいは業績というもので増減をいたしてまいっておりまして、たとえば昭和四十年の場合には四・三三月分というのが出たのでございますが、その次の年の四十一年の場合には四・三〇月分という形で、〇・〇三月分引っ込んだという面がございます。そのように景気によりましてやはり常に上がるとは限らないという面がございますが、公務員の場合には非常に恒久的な措置でございますので、端数の関係は従来から切り捨てをいたしまして四・七月分というもので、従来からそういう慣行でまいっておりますが、ことしもそういう意味合いで結果として〇・〇九月分切り捨てられることになったということでございます。
○鬼木委員 例年の慣例だなんということは私は承知はできない。最も科学性を持った、数の上からはっきり万人が納得するような行き方でなければ私は納得できない。例年の慣例だというが、間違った慣例は当然改善すべきである。給与改定なんだ。改悪じゃないんですからね。例年の慣例だなんということは私はとんでもない考え違いだと思う。 私はこれを詳しく聞きたいんですが、特に民間企業の場合には、企業の業績とかあるいは利益等によって特別給が決定しておるかもしれない。しかしながら、公務員の場合は、私は一律にやってあると思うんだが、その基準が非常にあいまいである。それと、大事な問題なんですが、「民間における特別給の支給割合には、職務の段階等に応じて相当の差異があることが明らかとなったので、一般職国家公務員におけるこの種給与のあり方について、今後さらに検討する必要がある」と報告がしてある、これは皆さんおわかりのとおりである。そうしますと、ことしそういうことを報告すれば、来年は今度はこれが勧告としてあらわれてくるんじゃないか。そこを私はひとつ人事院の総裁にはっきりお尋ねをしておきたいのです。 というのは、あとでまたお尋ねしますが、高齢者の昇給延伸の問題も昨年報告してある。そこで、本年勧告となってあらわれてきている。時間がないから、読もうと思って持ってきているけれども、もう読まぬでもわかるでしょう、あなたのところから出ておるのだから。昨年あなた方が高齢者の問題を報告されて、そうしてことし勧告になってきた。そうしてことしいまのような報告をされたから、今度は来年は勧告になってくる、こういうことになるんじゃないか。そうすると、来年は期末手当というものが非常に段階的に私は違ってくるんじゃないか、こういうような心配がまた一つここへ出てきたわけです。 そこで、先ほどお尋ねしたのですが、報告というものと勧告というものの定義ですね。報告というものは予告であるか。報告をすれば、その翌年はこれは勧告となるものであるか。言いかえれば、報告はイコール予告にして、その翌年に勧告となるのだ。そうだとしたら、報告ではなくてこれは予告だ。ことばの使い道を知らぬといわれてもしかたがない。ところがこの給与小六法には、ちゃんとそういうことが書いてあるのです。予告だなんということは、ここには書いてないのです。「報告にあわせて」と書いてある。御存じでしょう。一々これを証拠を見せぬでもわかっているでしょう。報告と並びあわせて勧告をするんだ。だから報告は単なる事情の報告であって、予告を意味すべきものではない。ところが、あなた方はまたこれは慣例とおっしゃるかもしれぬが、報告というものは辞書を引いたってそんな意味はない。予告じゃないです。予告というのは全然意味が違うのです。そうすると、あなた方は報告をされると翌年は必ずそれを勧告にしている。またことし期末手当の報告をしていらっしゃるから、来年はこれが勧告となって、違った形になってあらわれてくる。こういうことを私は憂慮している、危惧している。これはとんでもない問題ですからね。重大な問題です。その点、人事院総裁……。
○佐藤(達)政府委員 報告そのものは、別にどういうことを盛り込めということはありませんから、勧告との違いは、先ほど申しましたとおりでございますけれども、報告の中には事実の認識あるいは問題点の認識というものを書いても、これはかまわぬということに思います。たとえば昭和三十九年でしたか、学校の先生方の超勤問題を報告で指摘しまして、問題を投げたという例もございます。それから、いまお示しの去年の高齢者対策、これは問題の指摘は、それはそのままそれでちっとも問題ないのですが、たとえば去年の高齢者対策の問題は、これは私どもとしても相当の程度まで考えたあげくのことを報告に盛り込んだ。このままほうっておいたら、たとえば去年の場合であれば、勧告の幅が二けたになるか一けたになるかというのが注目の中心だったわけです。この高齢者の皆さんのために較差の面でマイナス面を持っているということから、これは将来、このままほうっておいたら、毎年給与の全体の問題として較差が沈んでくる要因になるんじゃないかという面もありまして、相当緊迫した気持ちでこれを考えた。そうして、実はここでもその後たびたび申し上げておりますように、これはもう研究がまとまり次第法案にでも一緒にのっけていただきたいつもりですということまで、ここではっきり七そのときそのときの情勢を申し上げていたわけです。したがって、今度の勧告にはそれを載せました。しかし、それはこの一年間の期間を置いただけで、皆さんに対する趣旨の徹底と申しますか、これは足らなかったと思いますけれども、そういう研究の期間はあったと私は思っております。 いま御指摘の今度の問題は、ちょっとそことは違うのです、これは何でも正直に申しますけれども。しかし、この報告書の中にたしか参考資料の中に出ておりますが、この事実、このものはきわめて顕著である。問題視するに値する事実であるということは、どなたがごらんになってもこれはお気づきになるだろう。そこでわれわれは、これを一体どういうふうに持っていくべきか。民間と公務員の部面とでは全然性格が違うのだから、何もそれをまねする必要はないという議論をはっきり伺わしてもらえば、われわれはそれを参考にして、いやなるほどそれはそうだ、向こうに合わせるべきだという御議論があれば、それはそれでまた大いにそれを聞かなければならぬというような面で、この問題については、これは非常にフランクな態度で臨んでいるわけであります。たまたまいまそれにお気づきになって、ここで御指摘いただいたことはむしろうれしいことで、どんどんそれについて御意見を拝聴させていただきたい。
○伊能委員長代理 鬼木君にあらかじめ申し上げてお願いしておきますが、先般御希望の質疑時間につきましては、理事間の話し合い並びにあなた御自身の御希望によって、委員長としては各段に配慮をいたしたつもりでございますが、本会議の都合もございますので、すでに二時間を経過いたしておりますので、ひとつ一時ごろになりましたら、他にもう一人質問者もございますので、できるだけその点を御配慮の上で御質疑を願いたい、かように存ずる次第でございます。
○鬼木委員 委員長のお話はよくわかりました。しかし、申し込みは三時間でございますので、私は三時間ということを申し込んでおりますので、この点もまたよろしく御配慮願いたいと思いますが、これは互いに互譲の精神でございますので……。 そこで、先ほど人事院総裁に申し上げましたように、報告にあわせて、国会並びに内閣に適当な勧告をする。ですから、勧告と報告というのは全然意味が違うのです。そこで私が言っておるのは、慣例だなんていって、ことし期末手当の報告をしたから、来年はこれを勧告の中に出すというようなことはやってもらいたくない。しかしまた、いま総裁の御答弁で、報告を出して一年間の研究期間があるから、それに対して、いやおれたちはこうだ、ああだこうだという御意見があれば尊重いたしますというお気持ちでございますから、今回のように高年齢者の延伸の問題でも、去年報告されて、それでもうパンとことし出してきた。そういうことを私は申し上げているのですから、十分われわれの意のあるところをお考え願いたい。報告と勧告は絶対意味が違うということを、これは釈迦に説法、それぐらいのことはおわかりだと思いますけれども……。 そこで、時間がありませんので、委員長から注意も受けたんですから、超特急でまいります。 最後に、高年齢者の職員の昇給延伸の問題でありますが、私どもは人事院勧告の完全実施を主張して今日までまいったわけでございますが、今回、はたして先ほどから申しますように勧告どおりになった。しかしながらすべて——私どもは勧告どおりにしなければならぬということはもちろんでございますけれども、勧告の内容に不満があれば、それは改めてもらわなければならない。ただ勧告を尊重しろ、尊重しろ、こういうことを私ども言い続けてまいりましたけれども、その勧告に不満な点があれば徹底的に私どもはそれを解剖して、そして改善してもらわなければいけない。今回、五十六歳以上で人事院規則で定める年齢をこえた人に対しては、こうなっておりますが、五十六歳というその年齢に置いた基準、どういうところから五十六歳ということを持ってこられたのか、それをひとつ的確に承りたい。私どもの判断材料では、人事院の資料は十五表しかないです。それにわずかに説明がいたしてあります。それより以外には的確にこれを把握するものはございません。十五表に載っておりますが、これでは簡単でわかりません。「官民の年齢階層別給与較差」というのがここに載っております。これも数字を見ればずいぶんおかしな数字が出ております。それをひとつ説明してください。なるべく急いでやってください。
○尾崎政府委員 お手元にございますこの十五表には年齢階層別に表記してございますけれども、その詳しい内容のものがそこにはいろいろございます。当面の問題といたしまして、五十歳以上につきまして年齢別に二歳刻みで申し上げたいと思いますけれども、五十歳−五十一歳の場合には公務員を一〇〇といたしまして一〇六・七%、五十二歳−五十三歳の場合には一〇六・五%、五十四歳−五十五歳の場合には一〇三・三%ということで、五十五歳までは公務員一〇〇%よりも高くなっておりますが、特にその傾向は若いところで一〇%ないし二〇%という較差がございまして、だんだん年齢が高まるに従いましてその較差が小さくなってくるという傾向にございますけれども、五十六歳−五十七歳のバウンドのところでは九三・一%ということで、公務員が一〇〇%でございますから公務員のほうが六・九%逆に高目になっておるということ。ここが一つの転換点でございます。五十八歳−五十九歳の場合に八〇・八%ということで公務員のほうが約二〇%高という状況でございますし、六十歳ないし六十四歳の場合には七七・九%、六十五歳以上の場合には八五・六%ということで、大体公務員のほうが二割高いという状況でございますので、五十五歳までは民間のほうが高目になっておりますけれども、五十六歳を過ぎますと公務員のほうが逆に高目になるという傾向が、どの俸給表におきましても顕著でございますので、今回そういう形で勧告を申し上げたということでございます。
○鬼木委員 この表は非常にずさんですよ。もっとはっきり——私らがこれをやるならば、たとえば五十歳以上六十歳未満、こうやりますと、これは一〇〇・三%、つまり〇・三%しか民間は高くないということになる。またさらに五十歳以上五十六歳未満あるいは五十六歳以上六十歳未満、二つに分けますと、前者は一〇四・八%、後者が九一・四%という計算になる。これを五十歳以上五十七歳未満、五十七歳以上六十歳未満という分け方にするとまた変わってくる。こういうあらゆる観点からの皆さんの研究の度合いが非常にずさんで、はっきりしていないと思うのです。 時間がございませんから、こんなに私は研究してきておりますけれども、もう一つ申し上げたいことは、皆さん方の報告の中で、官民較差の別表第一 官民給与の較差ですが、これを見ますというと、もともと公務員の高齢者は高いから延伸するんだというようなことをあなた方言っておられるけれども、その高い分は、この表を見ればそのままになっているのですよ。海事職俸給表(一)、(二)、教育職俸給表(一)、(二)、これはみなそのままになっておるのです。つまり年齢ということではなく、もともと公務員のほうが高いですね。それはそのままにしてある。これは直すべきであると私は思うが、これは除いてない。皆さんが出されたこの表ですよ。何ですか、これは、年齢じゃないですか。海事職俸給表、それから教育職俸給表、これは決して民間より低くない、高いじゃないか。それは除いてない。これは私は除けとは言わないけれども、こうしてある。年齢じゃないわけです。もっと緻密にきめこまかい研究をしてくださいよ。これは出たらめですよ、高齢者の昇給延伸というようなことは。まことに私はおかしなものだと思うのです。また、高年齢者の昇給によって若年者が非常に損をする、だからそれをストップすると若年者が潤おう、そういうことにはなりませんですよ、数字から考えた場合に。だったら的確な数字を出してください。そんなことになるわけないのです。これは言いかえますならば、非常にていさいのいい勧奨退職、給料を上げないで、そして肩たたきをする。詰め腹を切らせる、ヘビのなま殺しみたいなものです。 そこで、公務員の利益をば保護するという人事院の本質的な問題に私は触れたくなるのですが、はなはだもってこれはおかしなもので、しかも御念の入ったことには——よろしゅうございますか、これは人事院総裁、ひとつよくお考え願いたいのです。人事院総裁がこういうことを言っておられる。冷酷むざんなことではない、そういうことをあなたはおっしゃっておるが、これはどういう意味ですか。これは冷酷むざんなやり方ではない、いたずらに冷酷むざんになることのないよう、他の運用上の改善もあわせて十分に心がけています、冷酷むざんなことではない、ということは冷酷むざんということを意味しているのじゃないですか。いかがですか。これを置きかえて、高齢者の昇給を延伸いたします、これはあたたかいわれわれの温情主義から出たものでございますとは書けないでしょう。冷酷むざんにならないようにということは、すなわち冷酷むざんということを意味しておる。問うに落ちず語るに落ちるということなんです。そういうことをなさるということは、これは人事院の存立の根本からいたしまして最もよろしくない、かように思うのですが、その点どのようにお考えであるか。高年齢者の昇給延伸というようなことを、いままで人事院の勧告は十年間も実施されないで、しかも今度は高年齢者の延伸が、ただの一回の勧告で、一発でこれを実施しようとする。とんでもない。しかも一方的な考え方で、私はこれは断じて承服できない。もっと人間性の尊重という立場から十分あたたかい配慮があってしかるべきだと思うのです。どうですか。
○佐藤(達)政府委員 忠ならんとすれば孝ならずということがありますけれども、私どもの心境からいうと、これに共通する心境でございます。先ほどちょっと触れましたように、去年一〇・二の官民較差が出ましたけれども、その出るまではたいへんなことで、ことしは一けたになるのか、二けたになるのか、ことに公務員団体の諸君は非常にその点に注目をしておられましたし、私どもも一けたと二けたでは、これはたいへんなことですから、その点にかたずをのんで、私の申します投票の集計をにらんでおったわけでございます。そのときに、先ほど御説明申しました年齢別の官民較差を見ていくと、三十歳未満の人では一一七%、一七・一%はそこに較差があるわけです。ところが、ずっといまの高齢層にいきますと、今度はこっちのほうが高くなって逆になってしまっている。こういう素因が今後ずっと積み重なっていったならば、全体の較差の算定においてこれはどういうことになるのか。いまお話が出ましたように、期末・勤勉手当すら〇・〇九、コンマ以下二けたのところが問題になっている。これはわれわれとしては、やはり公務員の全体の利益というものを考える立場から申しますと、捨てておけないことであります。そうして、これでかりに較差が助かるならば、その助かった較差を働き盛りの人のほうに、お年寄りにはお気の毒だけれども、回していただけないだろうかということが一つあるわけです。片や昇給制度そのものの本質からいっても、そういう理論が成り立ちます。民間においてやっていらっしゃるのは、相当の年齢の上の人は、もう昇給なし、あるいは昇給のスピードを落とすというのが八十%以上、みなそういう昇給制度をおとりになっているという面もございまして、昇給制度の筋からいっても、これは踏み切らなければいかぬということで踏み切ったわけです。 しかし、それにしても、冷酷むざんということばを私使いまして、この間のあれでは、山中総務長官から、あれはちょっとオーバーだったということばがありましたけれども、まあ冷たいことにならないように、できるだけあたたかい気持ちで、急激なショックがこないようにというはからいは、われわれとしてはやらなければいかぬということで、たびたびここで前に出ましたように、在職者調整の問題だとか、やめるときの号俸のアップとか、いろいろあわせて急激な変化のないように、これは年齢についてもそうでございます。
○鬼木委員 いまのあなたの御説明には、私もまだ反駁のあれをたくさん持っております。民間のことなんかもおっしゃったけれども、民間には定年制がありますから、退職金ももらい、年金ももらって、そしてまたお金をもらってやっていらっしゃるのだから、現職時代と変わらないような状態の人がたくさんいるのだから……。いろいろ申し上げれば、たくさんありますけれども、結論として、こういう勧告に対しては私は絶対に承服ができない、考え直していただかなければいけないということを申し上げておきます。 次に、教職員の給与に関する人事院の勧告をいつごろされるのか。教員の給与の水準は非常に低いのです。特に小中学校の教員の給与は、民間や他の公務員と比べました場合に非常に低いのであります。そこで先般新聞に、これはあなたじゃなく、文部省の宮地初等中等教育局長は、東京平河町の都道府県会館で開かれた全国都道府県教育長協議会の総会で、教員の超勤手当の問題について、本俸の四%の調整額を支給することで人事院と話し合って、十日から二十日までの間に人事院が勧告するよう期待すると述べた。また宮地局長は、超勤手当問題の処理とあわせて教員の特殊性に見合った給与にするよう若干のものを織り込みたいと述べている。こういうことでございまして、宮地局長を私はどうこう言っているのじゃありません。このようにみな期待をしておるので、あなたのほうとお話し合いをしておると、こう言っておるが、しておられるか、またされるつもりか、またどういうふうにされるか。いずれにしても給与改善をしていただかなければ困る。私らのところにも、こうしてたくさん給与改定に関する陳情書が来ております。もう夜を日に継いで来ている。でございますから、こうした教職員諸君の悲願をほんとうに聞き届けてあげなければ相済まぬという気持ちで一ぱいでございますが、それについて一言でいいから……。
○佐藤(達)政府委員 目下猛勉強をしております。
○鬼木委員 一言でけっこう。勉強が実るようにしていただきたい。 そこで、防衛庁長官に、たいへんお待たせをいたしまして相済みませんが、少しお尋ねをしたいと思うのです。 自衛官の給与の問題でございますが、これは一般職と違って勤務時間が定められておらない。一応八時間ということになっておるかと思いますが、常時勤務体制だ、昭和四十二年の十二月の委員会の席上でそういうことをおっしゃっておられるのです。そのようにわれわれは解釈しておりますが、間違いございませんか。
○中曽根国務大臣 常時勤務体制にあります。
○鬼木委員 さすれば、一般職に準ずる、こうございますが、職務の危険性あるいは服務の危険性、そういう服務の特殊性等を考慮すれば、自衛官の俸給そのものをいま少し抜本的に、独自なことに——全然独自なことということはできないと思いますが、改善される必要はないか。自衛隊の待遇がよくないから募集難で、非常に皆さんが苦労しておる。しかも陸上において二万人も欠員がある。衣食足って礼節を知る、十分与うべきものを与えるのが私はほんとうじゃないかと思うのですが、その点の長官のお考えをひとつ承りたいと思います。
○中曽根国務大臣 その点は全く同感でございまして、御高配を感謝する次第であります。ただ一般の公安職と牽連を持ちまして、それに劣らないようにという配慮は一生懸命しておるところでございますけれども、勤務自体が非常に特殊的性格を持っておりますから、それに見合うような諸般の手当が必要である、配慮が必要である、そのように考えております。
○鬼木委員 現在の自衛隊の俸給のもとをなしておりますものは、ずっと古く保安庁時代の俸給だと私は思っているのですね。特に曹や士の方々、第一線に勤務しておる人たちに対する待遇の点につきましては、特に私は考慮を払っていただきたいと思う。 〔伊能委員長代理退席、委員長着席〕 その一つとしまして、自衛官の営内手当でございますが、これは食費とかあるいは光熱費等に要する経費のうち、本人の負担分が控除してある。それで、この営外の方にはその負担分をあげている。そうすると、営内に居住している人は俸給から食費としてお金が引かれる。ところが営外に居住する人は食費を引かないで俸給をそのままやる。これじゃ、私は住宅手当にはなっていないと思う。食費の手当であって、しかもいままで六千七百円であったのを今度は七千三百三十円に引き上げた。そういう点においても私は非常に考え方がおかしいと思うのですよね。いいですか、長官。営内の隊員の食費は、これは何百人、何千人という人が一緒に食べて、材料も安い。したがって、一人の単価も安くなるわけなんですよ。それをもって今度は営外に親子三人、四人と住んでいる方々に、この単価で食えるわけはないです。そういうものの考え方が私は非常におかしいのじゃないかと思う。しかも防衛実務小六法の中の四百四ページに、「食事の有料支給」として、第五条削除としてある。どういうわけで削除するのですか。これは知らせては困る、わかってしまっては困る、それで削除しているのじゃないか。何のために削除するのですか。そのもとはどういうことなんですか。そこに住宅手当というものと食費というものをいつすりかえたのですか。こういうこまかいことになると、防衛庁長官は高度のことはおわかりだけれども、そういうことはおわかりにならぬかもしれない。何だったらだれでもいいから、えらい人がたくさん並んでいるのだから、明快に答弁しなさい。時間がないのだから……。
○江藤政府委員 営外手当は住宅手当とは別個のものでございまして、住宅手当は、人事院勧告どおりにこれを準用しまして自衛官に支給いたします。
○鬼木委員 それは今度からの話か、いままでのか。いままでの話だったら、いままでは幾らやっておったかということをはっきりしてください。
○江藤政府委員 従来一般職におきましても住宅手当はございませんでしたので、今回新設されるに伴いまして、自衛官もこれに準拠しまして、住宅手当は別個に支給するということになります。
○鬼木委員 それはわかった。それで今度は営内にいらっしゃる方はつまり七千三百三十円を差し引く、ところが営外に居住している人には俸給はそのまま差し引かないで差し上げる。その上に住宅手当を三千円、つまり九千円までは三千円だからね、そうでしょう。そうやるのですね。それをもう一ぺん念のために……。
○江藤政府委員 住宅手当は一般職の例に全く準じて行ないます。
○鬼木委員 そうしますと、先ほどの説明が落ちておりますが、防衛実務小六法の第七章の給与のところの、第五条を削除した理由、これはどういうわけで削除したのか。ごまかしのために削除したのか、はっきりした筋が通っておるのか、その点を明らかにしてもらいたい。
○江藤政府委員 その点は、従来自衛官の場合にいろいろな制度がございまして、これは営外給与とか営内給与とか、そういうものに対する、営外手当というものに全く関係なく別個にいろいろな場合に有料支給しているケースがあったわけでございますけれども、その後いろいろ検討しまして、こういう有料支給制度は適当でないということになりまして、この条文は削除いたしました。これは営外手当とは全く関係のない制度でございます。
○鬼木委員 それでは時間がありませんから、恐縮ですけれども、次に災害補償についてお尋ねしたい。 これは、出動中とかあるいは訓練中において不慮の死亡とかあるいは不具廃疾となったときは、功労の程度に応じて、賞じゅつ金を授与することができる。これは昭和三十八年の四月に、志賀健次郎さんが長官の場合に訓令として出しておるわけです。訓令として出しておられますが、その別表を見ますと、非常に賞じゅつ金が僅少である。かって習志野で落下傘の訓練中になくなられた曹の方であったかと思いますが、賞じゅつ金が百二十万出ております。これも第一表、二表、三表とあります。これを持ってきておるけれども、見せぬでもあなた方が出している。それにはこれは百二十万と載っております。これは七年も八年も前、志賀健次郎さんが訓令で出したときのことなんです。それから葬祭補償として八万円、遺族補償金として十四万七千円、退職手当として十七万円、計百六十万出でおります。現在の自動車賠償法におきましても、改正になって最低五百万円以上になっております。そうすると一番とうとい人命の補償に対して、七年も八年も前のことが据え置いて今日までそのままになっておる。これは長官、考えていただかなければ……。それは四次防も大切かもしれぬけれども、あくまで人間尊重、人間が大事じゃないですか。今日自衛隊は、やあ合憲だ、違憲だといろいろ甲論、乙論はあると思う。それはあってしかるべきだ。しかし、中につとめているところの自衛隊員そのものには何ら罪はないじゃないですか。徹底的にこれは国民に親しまれるところの隊員として愛していかなければいけない、優遇をしなければいけない。長官はこの国防白書にも書いていらっしゃるじゃないですか。隊員の優遇ということは十分考えておると国防白書にも書いていらっしゃる。ただ書いたり言ったりするばかりが長官の役目じゃないと私は思う。先ほどから申しますように、私はほんとうに隊員を思って——それは隊員も気の毒です。世間から、変だ、合憲だ、違憲だといろいろいわれてまことに気の毒な立場にある。しかし何ら隊員に罪はない。なぜこういう点を改善しないか。七年も八年も前からそのままに据え置きだ。非常に隊員思いで、日ごろから名長官といわれているところの中曽根長官がこんなことに気がつかないというのは私はうかつだと思う。いかがですか、長官。
○中曽根国務大臣 御高配をたいへん感謝いたします。私も同感でありまして、来年度から五百万円程度いただけるように、いま大蔵省と折衝しようと思っている最中でございます。
○鬼木委員 私はほんとうに長官にそういうことを望みたいんですね。自衛官というのは、先ほどあなたのおっしゃっている常時勤務だ。それは一応は八時間勤務となっておるかもしれませんけれども、世間のいろいろな批評を受けながら、黙々として国土防衛のために尽瘁しておるところの隊員はかわいがらなければいけない。したがって、この自衛官の定年制問題なんかにつきましても、二佐以下一曹までが五十歳だ、二曹が四十五歳だ、三曹が四十三歳だ。私はこれは民間の会社などにおいては最も働き盛りで、その会社にとっては重要な人材であると思う。それが自衛隊員になりますと二佐以下一曹までは五十歳だ、二曹は四十五歳だ、三曹は四十三歳だ、それで定年だ。これはあまりに私は過酷だと思う。こういう定年制の延長と——これは世間一般社会はそうです。御承知のとおり定年制の延長ということは、いま世論として非常に大きな声になっております。そういうような点も、私はもう少しきめこまかく長官はお考えを願いたいと思うのです。自衛官という職務の特殊性を考えた場合に、再就職もなかなか簡単ではないと私は思う。それが今日の現実だと思う。だから時間があれば、私はその資料を出してもらうつもりだった。こういう二佐以下一曹までは五十歳、二曹は四十五歳、三曹は四十三歳、その方々がいままで退職されてどういう会社、どういうところにどのように就職されておるか、今日の状況はどうであるかというようなことも、こまかくお聞きしたいのでございますけれども、遺憾ながら時間に制約されておりますので申し上げませんが、そういう点まで私は長官に考えていただきたいと思うのです。そうせぬとほんとうにかわいそうだ、気の毒だと思うのです。たびたび申しますように、あくまで私は人間尊重という意味に思いをいたされて、長官の温情ある防衛行政をお願いしたい、こういうふうに思うわけでございますが、長官、いかにお考えになりますか。
○中曽根国務大臣 その点も私が苦慮している点でございまして、一つには自衛隊を出て社会で就職するということを考えますと、案外若いうちに出たほうが就職先が多い、条件もいいという場合もあるわけです。五十近くになりますとなかなか就職先もない。四十も半分くらいですとかなり売れ行きもいい、そういう点もございまして、一つには本人のことも考えています。 もう一つは、定年を延長いたしますと、先輩が非常にだぶついておりまして、昇進の問題にまたからまってくるわけです。それで昇進が非常におくれまして、八年、十年と同じ位にとどまっている諸君も多いわけです。そういう点も考えます。しかし、いまのように一般論として定年が延長されているという時代に、自衛隊をそのままにしておいてよいかということもあります。また一面においては、部隊を精強にするために、若い人間をできるだけ置いておくという必要もまたあるわけです。そういういろいろな点を考えましていま検討しておる最中でございます。
○鬼木委員 いま長官のおっしゃることもわかります。それは他に再就職するならば少しでも若いときがいいということはよくわかります。しかしながら、これは昔の軍隊のことを言うとおかしいですけれども、四十歳や四十歳出たくらいで全部定年でどんどんやめるということは必ずしもなかったわけです。でございますから、私はそうじゃなくして、こういう有能な方は年齢でなくて、若くてもぐあいの悪い方はやめられますから、希望退職はやむを得ないといたしましても、ある程度職に安んじて落ちついて自衛隊で仕事ができるように、もっと定年制は延ばしていただいてしかるべきだ、こういうふうに私は思っておるのです。ただ就職することばかりを考えれば、それはいつでも若いときがいいと思う。だったら、そういうことは公務員でもいわれます。他に就職するのがいいというなら若いときに早くやめさせる、それは一理はあります。おっしゃることはわかります。いずれにいたしましても、今日の自衛官の皆さま方のお声を聞いても、定年を延ばしてもらいたいというのが声のようです。私どもあちこち回りまして皆さんの御意見を承りますと、そういう要望があるようです。そういう点を勘案していただいて、遺漏がないように長官にお願いしたいと思うのです。あくまで人間尊重という立場からやっていただきたいということが私の本旨、本意でございます。 山中長官は来るといって、来られぬが……。
○天野委員長 すぐ戻ります。
○鬼木委員 どうですか、待っておると時間がたちますがね。 それでは、長官がお見えになりませんから、私は、皆さんの御要望にこたえてこれで一応質問は終わりといたします。 そこで、先ほど人事院総裁にも申し上げましたように、あなた方の御苦労に対しては、私はこれは大いに多といたしますが、あくまで公務員の保護ということを念頭に置かれて、皆さんが納得するような給与改定をしていただきたい。皆さんが、ああ今度はよかったと喜ばれるような給与改善をしていただきたい。一人でも、非常に不平、不満な、取りこぼしのないように、その点を賢明なる人事院総裁にお願いいたしまして、これで私の質問は終わります。たいへん長いことありがとうございました。
○天野委員長 東中光雄君。
○東中委員 総務長官は……。
○天野委員長 いますぐ来ます。
○東中委員 長官が見える前に人事院総裁に聞いておきたいのですが、先ほど来も論議されておりますが、いわゆる調整手当であります。八%地域については、東京、神奈川、愛知、京都、大阪府、兵庫県の現行六%地域を全部八%地域にするということ、これは確認できるわけでございますね。
○尾崎政府委員 指定の人事院規則は、国会を通りましたあとで決定するということになるわけでございますけれども、現在、そういう点で最終的に詰めておるという状況でございますが、いま申されました点は大体そのような方向で検討しております。
○東中委員 それで、周辺地域と比較して特に陥没になっているところ、たとえば大阪の摂津市や熊取、あるいは埼玉県の与野、こういったところがあると思うのですが、周辺が全部上がっておって、陥没になっておるところを、同じように適正に処置されるということかどうか、その点を確認しておきたいと思います。
○尾崎政府委員 いま御指摘の、今回、地域指定の関係を、同じ市町村区域は同じにするという形にいたしたいと存じますので、そういたしますと、いま御指摘のようなところが、ほとんどまわりが支給地域に囲まれまして非常に不均衡な状態になるということは承知いたしております。しかしながら、今回は、地域指定そのものは基本的には変えないという基本方針をとっておりますので、官署指定の上でその関係をできるだけ処理してまいりたいというように考えております。
○東中委員 総務長官がお見えになりましたのでお聞きしておきたいのですが、八月に人事院の勧告が出まして、この委員会でも、上下較差の問題あるいは中だるみの是正の問題、あるいは高齢職員の昇給延伸処置の問題あるいは実施時期、支給時期の問題、いろいろ論議をされてきました。そしてまた、この給与法改正までに政府のほうで考えてもらいたいという趣旨で論議をしてきたのですが、人事院勧告後にこうして討議審議されたこと及び公務員労働者とその労働組合が、総務長官、政府あてに再要求を出したり意見を言ったり交渉したりいろいろやってきているわけですが、こういう審議、それから総務長官あるいは総理府との交渉、こういう経過、そういう意見を受けて、今度の給与法改定案を出されるまでにどういうふうにしんしゃくされ、あるいはどういうふうに努力されてきたか、その点をお伺いいたします。
○山中国務大臣 私もお会いをいたしましたり、湊副長官や人事局長はもちろん、公務員共闘の方々も含めてたびたびお会いして意見を承っております。しかし、今回は、勧告がありまして、それらの内容について政府は完全実施するかどうか、その他についても、また完全実施等についても期末手当等についてどういうふうに措置するだろうかという疑念等もあると思いましたので、私の努力は、もっぱら勧告を完全実施するという閣議決定を延ばさないで、すみやかに実施するということで、勧告がありまして完全実施の線を閣議で決定いたしましたのは、たしか一週間以内であったと考えますが、そのことに全力を傾けて、不安、動揺を避けたいということで政府の基本線を明示することに努力をいたしました。
○東中委員 閣議決定後も交渉されておると思うのです。そうして人勧の内容自体についてやはり政府としても検討されておるのだと思うのですが、今後も使用者としての政府の立場で公務員労働者なり労働組合から要求を出してきたことについて、勧告内容にも触れて検討されていくというふうにお聞きしていいかどうか。
○山中国務大臣 同席しておられた方は知っておられるはずでありますが、ずいぶん打ち明けた話も、お互いに具体的な問題でやりとりもいたしました。お気持ちもよくわかったし、また私たちの、いわゆる使用者側の国の負わなければならぬ義務の範囲内においてそれにどうこたえなければならないか等については、話し合いも進めてきましたし、われわれはわれわれでまた考えなければならない点は考えるということで、具体的に人事院勧告のどこを直すことにしたかという点では、直していないことで明白でありますが、今後の人事行政に反映するように、もちろんお会いした以上は何らかの成果がなければならぬ、また、私が成果を得るばかりでなくて、お会いした相手方のほうもやはり何らかの感触を得てお帰りになっておるはずだと私は思うのです。
○東中委員 要するに、使用者としての政府の責任で労働者あるいは労働組合と交渉して、今後もそういう立場で政府としての、使用者としての責任を果たしていくという方向を進めてもらいたいということを強く要請しておきたいと思います。
○山中国務大臣 交渉じゃないでしょう、正式に言いますと。
○東中委員 あなたのほうは交渉と言っていないのは承知しています。ぼくのほうは交渉に応じてやっていくようにしてもらいたいということを強く要請しておきたい、こう申し上げておるのです。
○山中国務大臣 私はこういう性格ですから、いつでも気楽にお会いしてよく話し合いをしております。それを団体交渉権であるとかなんとかという形でいわれますとなかなか会いにくくなりますから、そういうことはあまり格式ばっておっしゃらずに、いつでもお会いして話し合うという線で進みたいと思います。
○東中委員 言われていることは、趣旨はよくわかっています。ただ私のほうで要望しているのはそれだけじゃない、本来の労使関係というのはそうでないんだということを特にこの機会に申し上げておきたい、こう言っているわけです。 それで本俸関係についてですが、最低引き上げ額、底上げの問題ですけれども、御承知のように六千円底上げということで再要求でも出されたわけですが、これが平均では六千九百五十三円ということになっておりますけれども、本俸改善額六千円以下の人たちは行(一)で九万五千十人、行(二)で二万六千八百三十一人、全俸給表で合計すると十四万九千七百七十五人とずいぶんたくさんの人がいるわけであります。特に行(一)では八等級、七等級が全員が六千円以下です。行(一)の全体で見ても総員の三七%が六千円以下だ。行(二)の場合は五等級、四等級が全員六千円以下、行。全体で実に四四%も六千円以下、こういう結果が起こっているわけであります。全俸給表で見れば全体の三一%、約三分の一近くが六千円以下だ。ところが一方では、言われておりますように次官の場合は月額九万七千七百円の引き上げになっている。この金額でいうとアップ額の差というのは二十数倍ということになるわけですね。これは非常に高率だということになります。そういうことで高卒初任給と次官給与との較差はいま一挙に十五倍になっています。これは人勧史上最高の上下較差であります。まさに上厚下薄といわれる記録づくりをやったことになっているわけです。ですから、大幅かつ高額アップだと言われても、そういう点で非常に不満がある。むしろそれは当然だと思うのです。また一方、国民一般から見れば、大幅かつ高額な給与引き上げが行なわれたと新聞、テレビにいろいろ報道されておりますが、しかし多数の公務員はこれに反対している、不満を持っているという状態で、釈然としないものを感じるということになっている。これは結局公務員に対する信頼感という点からいってもよくないことではないか、こう思うわけであります。こういう点から見て、最低引き上げ額を少なくとも六千円の線に引き上げるべきだ、これは当然の要求じゃないかというふうに思うのですが、そういう点、人事院総裁としてはどうでございましょうか。
○佐藤(達)政府委員 私どもの基本的な立場は、従来たびたび申しておりますように、やはりそれぞれの職種の、あるいは等級の対応する民間の職種あるいはその地位というようなものと横にもにらみ合わせながら、その均衡をはかっておるという立場でございますからして、御指摘のような結果、多少の額の違いというようなものは——多少というとまたなんですけれども、多少は取り消しますけれども、額の違いというものは当然出てくるというふうに言わざるを得ないと思います。
○東中委員 初任給でいいますと、民間企業の高卒初任給は、昨年の約二〇%アップ、五千円ほど上回っているという状態だと思うのです。月額にして初任給は大体三万円前後。ところが公務員は、四千円アップで二万八千円程度にしかなっていない。結局また較差がふえてきている。そういう中で応募率が滅ってくるという問題も起こってきていると思うのです。公共企業体との関係で、これもいつもいわれますけれども、初任給較差というものは本年もまたふえてきておるわけですね。電電公社の場合は高卒の初任給が五千二百円アップで三万一千三百円、郵政現業職員が五千四百円アップで初任給が三万二千二百円でアップ率、アップ額が多い。そして初任給の較差がふえてきた。こういう点からいっても、やはり底上げというのは、非常なむちゃなことをいっておるのではなくて、むしろその比較からいっても当然やられるべきもんではなかったのか。原資をお聞きしたら、何もかも関連のものを含めて約四十億くらいだとお聞きしたのですけれども、まだファントム二機分ですね。防衛計画が五兆八千億というような膨大な数字が出ておるときに、これがなぜやれないのかというふうに思うのですが、この点について、今後そういう較差をなくするように、前向きで進めてもらいたいし、進められるかどうか、その点をひとつお聞きします。
○佐藤(達)政府委員 総額の原資のお話が出ましたが、私どもの立場は、給与それ自体が民間との対応関係で均衡を得て、適正であればよろしい、それについて多くお金がかかるからこの辺は少しへこまそうという考え方は全然とっていないということを申し上げておきます。 それから先ほど来お話が出ておる上下較差ですね。これは今度相当指定職等を上げておりますけれども、それは減りこそすれ、ほとんどふえておらない。たとえば三十九年、指定職制度ができましたときの上下較差は十四・九倍であった、それが今度の四十五年の割合で申しますと十三・九倍であり、決してふえておらない。初任給の関係は、またこれは上がっておりますから、そういう関係もありまして、いわゆる下のほうにもずっと厚くなっているということがそれからも証明される。電電さんにはとても及びません。これは民間の一番トップクラスのところにいっていると思います。これは及ばないけれども、初任給については十分考えておる、したがって、較差の問題は決して開かない、そういうことでございます。
○東中委員 電電公社に及ばないといってかぶとを脱がれたようですけれども、同じ公務員である郵政現業との較差も開いてきておるという状態があります。そういう点、これは今後の問題として、ひとつぜひ検討してもらえるかどうか、その点ひとつもう一回……。
○佐藤(達)政府委員 先ほどのおことばにありましたように、今日採用難で四苦八苦しておるのでありますから、私ども初任給に対しては非常に重大な関心をもって臨んでおります。したがいまして、おことばを待つまでもなく、今後も重大な関心をもって臨んでまいりたいと思っております。
○東中委員 それから等級間較差が拡大して、いま昇格頭打ち者が行(一)で四〇%をこえております。行(二)では八三%をこえております。こういう状態で中だるみの問題が起こってくるわけですが、昇格頭打ちをなくしていく、等級間較差を是正する、中位等級の高位号俸の昇給間差額を改善していく、こういう方向で中位、下位等級の圧倒的多数の公務員労働者の俸給改善をやっていく、そういう方向をぜひとってほしいと思います。
○佐藤(達)政府委員 おっしゃるとおり、その点も大いに配慮しておるわけでございまして、今回の勧告におきましても、中位等級の俸給表そのもので、できるだけのことはいたしたつもりでありますが、あわせて級別定数等の割り振りにおいても、御趣旨のような方向に持っていくつもりでおるわけです。
○東中委員 時間がありませんので簡単に進めていきたいと思うのですが、高齢者の昇給延伸の問題、ずいぶん論議されておりますが、結局この問題については、いま対象になる人が戦後の混乱期に働き盛りの時期を経てきた、非常に苦労してきた人たちばかりであるという点、そういう点ではむしろ処遇をもっと考えなければいかぬ問題であるのに、これが逆に延伸という形になってきたという点が、一つ非常に重要な問題だということと、それから昨年観測気球を出されたような形になって、ことしから実施ということになると、これはもともと労働条件の中へ入ると私は思うのです。また、法律論議をするわけじゃありませんけれども、昇給がどうなるのかということはやはり重要な労働条件だと思うのですが、民間なら労働契約の内容に入っているわけですから、それを一方的に変えていくというのは、しかも卒然として変えていくということになれば、これは、民間の場合だったら不同意だといえば、それで効力は発生しないことになっていく性質のものだと思うのです。賃上げが、経営者が合意しなければ上がらないというのと同じように、労働条件の改悪についても労働者が同意しなければ成立しない、そういうような性質のものだと思うのです。民間との関係からいえば、これはもう一方的にやられていくことになるわけですから、やはり基本的には該当者の人たちの意見を十分聞かれて、十分な合意に達する、そういう方向を堅持してやらなければいかぬ性質のものじゃないか、こう思うわけですが、そういう点について見解を……。
○佐藤(達)政府委員 民間におきましても、たとえば一定年齢以上は昇給ストップあるいは昇給の額を減らす、すなわち延伸する、そういうようなたてまえをとっておる民間企業は八十何%にのぼってているが、これもやはり団交でおきめになった結果だろうと思います。したがって、いまのお話と直接つながらないと思いますが、ともあれ私どもの今度お願いをしておりますのは制度上の問題でございます。したがって、実質においても、また問題の性格においても、制度上の問題として御理解いただけることじゃないか。つけ加えて申しますけれども、ベースアップは毎年もちろんかぶります。それから特別昇給あるいは昇格という問題も条件さえ備われば適用があり得るわけです。少なくともベースアップはそのまま均てんしていくたてまえになっておりますし、そうひどいことでもないのじゃないか。それから先ほど申しましたような諸般の考慮を加えるということでぜひこれは動かしていただきませんと、公務員全体の較差の問題としてだんだん深刻なことになりますから、忠ならんと欲すれば孝ならずというのはそこにあるわけでございます。
○東中委員 公務員全体という立場から人事院としては問題を出されるわけですけれども、該当する当該の対象者からいえば、やっぱり労働条件の改悪のほうになってくるという側面は、これは否定できないわけです。そういう点で、対象者、該当者の意見を十分尊重するという、それの合意に達するという方向で貫いていただくべき筋のものだ、こう思いますので、その点を強く要望をしておきたいわけであります。 それからもう一点、住宅手当で、これは公務員宿舎入居者との実質的賃金較差の是正のためということでありますから、そうなれば公務員宿舎入居者以外の全員を対象にするということに論理的にはなってくると思うのですが、まだ今度新設されたばかりですから、今後の問題として十分そういう点はやられるものだと思うのですが、ひとつその点をはっきりしておいていただきたい。
○佐藤(達)政府委員 いろいろそういう種類の周辺の問題がございまして、私どもも次々と勉強し、次々と解決いたしたいと考えております。ただし、なかなかむずかしい問題だとおいことだけは申し上げておきます。
○東中委員 最後に一点、大蔵省から来ていただいておると思うのですが、国家公務員共済組合連合会病院の賃金の問題についてですが、これは大蔵省から理事長その他役員が派遣されておって、監督されているという状態になっているのですが、しかし賃金関係は公務員法とは全く関係がないのですけれども、ところが、いま紛争が起こっておって、公務員の賃金が改定されるときまでは改定しない、要するに公務員の賃金の改定に準ずるような形でやるのだというような意向を出されておるようなんですけれども、だから、民間を調査して人事院は公務員の勧告をされる、今度は公務員の給料に準じて、大蔵省がその監督権を持っている病院でそれに準じていく。それまでは、公務員の改定がなければ平和条項をやれというふうな要求が理事者側から出ているようなんで、これは非常に不合理きわまる、本末転倒になっていると思うのですが、そういう点について大蔵省はそういう指導をされているかどうか。あくまでも当事者間の、民間と同じような態度でやるべきだと思うのですが、どうなっているか、ちょっと明らかにしてもらいたい。
○谷口説明員 国家公務員共済組合連合会の職員の給与の問題につきましては、実は御承知だと思いますけれども、現在運営規則におきまして、その給与は公務員に準じて行なうというふうに規定されておりますけれども、その運営規則は、実は国家公務員共済組合法の中に、連合会は運営規則を定めるということになっております。同時に、その運営規則は、協議を大蔵大臣、要するに監督官庁である大蔵大臣にしなければならないという形になっております。 そこで、実は先ほどの組合との間の交渉の問題でございますけれども、実は私ども・承知をしております範囲では、いま先生がお話しになりました平和条項、いわゆる有効期間の規定でございますけれども、これはいままでの間、理事者と組合との間で長い間これが、長いというか、年数的に長い間そういう条項が入っておりまして、いわば双方自主交渉の立場でその条項を入れてきた、このように了解をしております。 で、そのこと自体は、実は両者の、先ほど申しましたように、合意であると同時に、一定の期間いわば紛争がない状態にあるという平和条項そのものであるから、私どもそのこと自体は妥当であるとは思っておりますが、ただ、現在の交渉の段階におきましてといいますか、きのう現在までは、まだその議論はしておりましたけれども、私どもの承知をしております範囲では、昨夜ずっとおそくまで両者の間で交渉が行なわれて、朝方近くでございますか、正確にはまだはっきりいたしませんが、要するに話が全部ついた、こういうふうに了解をいたしております。
○東中委員 要するに、私申し上げたいのは、公務員の給与が上がったら、それに準じて今度は上げるか上げないかということが問題になってきます。ところが、引き続いて公務員給与の改定に至るまで、要するに平和条項をつくらなければ賃上げを実施しないというふうな問題の立て方は、これは民間企業の中で、要するに公務員法の適用のないところで公務員の賃金を押しつけていく、そういうことになるので、賃上げは賃上げとして解決をつける。従来の協約は別です。今後の問題として、そういうことでは、民間に準じて、民間の調査と比較して公務員給与を出して、その公務員給与でまた民間を縛っていくということになって、非常に適切ではないというふうに考えるわけであります。 時間がありませんから、この点は具体的に当局側でも話し合いをしたというふうにいまお聞きしましたので、もう申し上げませんけれども、筋道だけは明らかにしておきたいと思うわけです。 質問を終わります。
○天野委員長 各案に対する質疑は終了いたしました。 —————————————
○天野委員長 これより一般職の職員の給与に関する法律等の一部を改正する法律案、特別職の職員の給与に関する法律等の一部を改正する法律案及び防衛庁職員給与法等の一部を改正する法律案の各案について討論に入るのでありますが、別に討論の申し出もありませんので、順次採決いたします。 まず、一般職の職員の給与に関する法律等の一部を改正する法律案について採決いたします。 本案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○天野委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。 次に、特別職の職員の給与に関する法律等の一部を改正する法律案について採決いたします。 本案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○天野委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。 次に、防衛庁職員給与法等の一部を改正する法律案について採決いたします。 本案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○天野委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。 —————————————
○天野委員長 ただいま議決いたしました一般職の職員の給与に関する法律等の一部を改正する法律案に対し、伊能繁次郎君外四名より、自由民主党、日本社会党、公明党、民社党及び日本共産党の各派共同をもって附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。 まず、提出者から趣旨の説明を求めます。伊能繁次郎君。
○伊能委員 ただいま議題となりました自由民主党、日本社会党、公明党、民社党、日本共産党、五党共同提案にかかる附帯決議案につきまして、提案者を代表して、その趣旨を御説明申し上げます。 まず、案文を朗読いたします。 一般職の職員の給与に関する法律等の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案) 高年齢職員の昇給延伸については、該当職員の採用その他の実情にかんがみ、その実施に当ってはその処遇に急激な変動を来さないよう適切な配慮を加えるべきである。 なお、国家公務員の退職手当の改善についても速やかに検討することとし、その際右の事情をも十分考慮するよう要望する。 右決議する。 本附帯決議案の趣旨につきましては、先日来の本委員会における同僚議員の質疑応答を通じて明らかになりましたように、高年齢職員の処遇は、その採用事情等により多種多様になっておるという実情がありますので、今回の高年齢職員の昇給延伸があまり過酷にならぬよう適切な配慮を加えていただきたい。経過措置として、いままで一年昇給であったものを、今回の昇給制度の合理化によって、これを延伸するというような具体的な内容につきましては、すでに質疑を通じて十分政府並びに人事院に御理解を賜わっておることと存じますので、詳しくは申し上げません。 また、退職手当の改善につきましてもすみやかに検討を加えていただきたい。特に今回の制度改正に基づいて昇給延伸が行なわれる方々については、特段の御配慮をお願いいたしたい。 かような趣旨で本附帯決議案を提出した次第であります。よろしく御賛同をお願い申し上げます。
○天野委員長 本動議について採決いたします。 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○天野委員長 起立総員。よって、本案に対しては附帯決議を付することに決しました。 この際、山中総務長官より発言を求められておりますので、これを許します。山中総務長官。
○山中国務大臣 ただいまの附帯決議については、その御趣旨に沿い努力する所存であります。 なお、高齢者の昇給延伸の措置については、法律の規定に基づき人事院規則により定められることになっておりますので、御趣旨を人事院に連絡いたします。 —————————————
○天野委員長 なお、ただいま議決いたしました三法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任を願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○天野委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 ————————————— 〔報告書は附録に掲載〕 —————————————
○天野委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午後一時四十五分散会