P政策ポータルPOLICY PORTALウォッチ
64回国会衆議院1970/12/10

逓信委員会放送に関する小委員会 第1号

発言数
49
登壇者
6
会派数
4
開催日
1970/12/10

会議録

水野清自由民主党

○水野小委員長 これより会議を開きます。  放送に関する件について調査を進めます。  本日は、放送番組に関する問題について、まず参考人より御意見を聴取することにいたしたいと存じます。  本日の参考人として御出席をいただきました方方は、日本視聴者会議理事長金山正直君及び全国地域婦人団体連絡協議会事務局長田中里子君であります。  この際、参考人の方々に一言ごあいさつを申し上げます。  参考人各位には、御多用中のところ、本小委員会の要望を入れ御出席をいただき、厚く御礼申し上げます。御存じのとおり、最近の放送の現状、特に一部の放送番組について各方面から強い批判があり、当小委員会としても強い関心を持たざるを得ません。つきましては、参考人の方々はそれぞれの立場で忌憚のない御意見をお述べいただき、調査の参考といたしたいと存じます。ただ、時間の都合もありますので、最初に御意見をお述べいただく時間はお一人五分程度に願い、後刻小委員からの御質疑もあろうかと存じますが、その際十分お答えくださるようお願いいたします。  それでは、御発言の順序ははなはだかってながら小委員長に御一任願い、金山参考人からお願いいたします。金山参考人。

金山正直日本視聴者会議理事長

○金山参考人 ただいま御紹介をいただきました金山でございます。日本視聴者会議という放送番組向上のための視聴者運動をやっております。  大ざっぱな言い方を許していただきますと、放送は、よきにつけあしきにつけ国民生活に与える影響がきわめて多いことば御存じのおりでございまして、幼稚園教育はもとより学校教育そのものよりも影響が大きいというようなこともいわれておる時期でございます。それで、好ましい番組をいつも見つけているのと、好ましくない番組を見つけておるのとでは、先へいって国民の精神形成と申しますか、文化の上に大きな開きが出てくるということは、まぎれもなく想像されるわけでございます。そういうわけでございますので、なるべくいい番組をたくさんやってもらおうじゃないか、悪い番組はなるべく少なくしてもらいたい。幸いにして電波は国民のものであるというような規定もございますので、他の映画とか演劇のメディアとはいささかそこに相違があって、放送の受け手側の意見を結集して、送り手側にお返しするという場があっていいのじゃないか、そんな発想のもとに結成されましたのが日本視聴者会議という団体でございます。三十九年の一月に発足いたしまして約七年間の運動を継続しているという状態になっております。  ところで、現在の放送界を大観してみますと、御存じのとおり、情報として教養としてあるいは娯楽として有意義ですぐれたものもたいへん多いことは言うまでもございませんし、放送によってわれわれが非常に裨益されているということは申すまでもないところでございますが、同時に低俗目をおおうものあるいは子女の教育上好ましくないというようなものもたくさんございまして、国民の精神をむしばんでいるようなものもまたたくさんあるわけでございます。  それではどこに番組の低俗化または俗悪化の原因があるかと申しますと、これは放送局にもスポンサーにもあるいは視聴者の側にもその責任が多少ともある、考え方によっては国にも政府にも責任があるというふうに考えておるわけでございます。  さて、低俗化の原因でございますが、幾つかの点がございますが、これは申し上げてもしかたがないことかもしれませんけれども、順序を立てて申しますと、まず、東京に放送局、キー局が多過ぎるというようなこともいえるのじゃないかと思うのです。これは許可してしまったものですからどうしようもございませんけれども、あまりにも局が多くて、一日に何百という番組が流されているということになれば、当然、たとえばドラマに例をとってみましても、種切れ、いいものが切れている、いいものはつくられてこない、手間ひまかけていられないというようなことから粗雑なものがはんらんするということはいえるのじゃないかと思います。  第二に、これも筋道として申し上げるのですが、放送事業者のモラルといいますか、企業意識がきわめて低いというようなことがいえるのじゃないかと思います。と申しますのは、やはり電波を預かっている放送事業者というものは一般企業者と多少そこに違いがありまして、コマーシャリズム一辺倒では困るというのですが、コマーシャリズム一辺倒に流れているきらいがある。放送事業者の企業意識の変革が少しでもできるというようなことになれば、したがってたいへんいい結果が出てくるのじゃないか、こういうようなことが考えられます。  なお、視聴率競争、局とスポンサーによって視聴率競争が行なわれている、視聴率をとるためにはどんな低俗なものでもやろうじゃないか、視聴率を上げてもうけようということになりがちで、これは大きな問題だと思います。  また、こまかいことを申し上げれば、スポンサーの番組内容への介入ということもかなり行なわれているようですし、またもっとこまかいことを申し上げますと、たとえばドラマの場合には脚本家が冷遇されておって、タレントに大金をかけておるとかいうような点も大いにあるかと思いますが、最後には視聴者の側の責任、というのは視聴者の意識がまだまだ低いというようなこともいえるのじゃないかと思います。つまらないものを喜んで見るという視聴者も多いというようなこともいえるのじゃないかと思います。  以上のものが因となり果となって低俗化の傾向をますます助長しているというようなことがいえるかと思います。  さて、低俗番組をチェックする段になりますと、どこにもこれといった強力なこれだというきめ手はないばかりか、さらにめんどうなことは、たとえば物価の問題であるとかカラーテレビの二重価格の問題とかいうような悪いときまりきったことですと、基準がきわめてはっきりしておりますので、強力にこれに対抗するという措置がとられ得ると思いますが、放送番組あるいは放送CMの場合には、俗悪だと判定する基準がまことにあいまいで、はっきりこれをはかるものさしというものがどなたにもつかない。非常に悪いというものについては大体人間の良識ではかることができますけれども、あいまい微妙なところが大きいので、これをチェックすることがなかなかむずかしい。しかしながら、そのまま放置して低俗化がますますエスカレートするということでは困るわけで、何とかしょうというようなことが方々で考えられておるわけでございます。  ということで、長年、まあ長くもございませんけれども、視聴者運動をして、番組その他を注目してまいりました私といたしましては、本日、これらに関する知識を多少とも用意してきておりまするので、後ほど御質問をいただければ、そのつど逐次意見を述べさせていただいて御参考に供したい、こういうふうに存ずる次第でございます。  これでひとまず終わります。

水野清自由民主党

○水野小委員長 次に田中参考人から御意見を承りたいと存じます。田中参考人。

田中里子全国地域婦人団体連絡協議会事務局長

○田中参考人 全国地域婦人団体連絡協議会の事務局長をしております田中でございます。  私どもの全国地域婦人団体連絡協議会は、大体主婦を会員としております一般家庭の主婦の集まりでございまして、組織としては全国に約六百万人の会員を持っている団体でございまして、非常に一般的な主婦の意見を代表できるというふうに考えております。  それで、私どもの団体の中で昨年あたりから非常に問題に出ておりましたことは、テレビのCMが子供に与える影響が非常に大きいということがグループでの集まりのときにそれぞれの地域から出されております。子供たちは、子供の番組にも増してCMはたいへん好きで、それもいち早く覚えて、コマーシャルソングでも何でも子供が一番早く覚えるではないか、それから、テレビの画面にしても、子供はすぐそれのまねをするというようなことがいわれておりまして、それでは一体どういう番組が、それからどういうCMが子供に与える影響が大きくて、われわれとしても好ましくないと思うかということを一度全部で調査してみようではないかということになったのが、ことしの初めでございます。  大体二月ぐらいを中心にいたしまして、全国に調査用紙を配りまして、参考にお回ししておりますような、俗悪テレビ広告・番組の実態調査というのをやってみたわけでございます。一万枚配布いたしまして、回収率約四四・八%で四千四百七十六枚ですが、この回収率の少ないのは、三月三十一日で切りまして——何しろCMなり番組は回転が非常に早うございまして、CMに至っては二カ月ぐらいで回転していきますので、あまり調査期間を長くすることに疑問を感じましたので、こういうふうに切ってやってみたわけです。それをやりましたところ、ごらんのように、その当時だいぶ問題になっておりますものが幾つか、番組としてもCMとしてもあがってきたわけです。  私どもとしては、一体こういう問題をどういうふうに考えていくかということに重点を置きましていろいろ話し合ったわけですが、私どもとしてはこれを公表し、スポンサーにも、制作しておられるテレビ局にも申し入れをいたしました。私どもの方針としては、ともかくそういう番組をつくっておられる方に自粛してもらいたい、それがまず第一のねらいでございます。私どもは、こういう番組のこと、それから言論に関することが、法律とか取り締まるという方向に向かって規制が行なわれるということは好ましくないと考えております。そういう意味から、視聴者というものの声をより大きく出していくということに重点を置いていきたいと思います。  そういう意味から、スポンサー、テレビ局の方々も招きまして、一体皆さんはこういうことをどういうふうに考えるかということで話し合いも行ないました。そうしますと、一様にして、自分たちとしてはできるだけ視聴者の意見を入れて自粛する方向に向かいたいということは言っておりますし、民放連としても放送基準を設けていますが、ただそれが現状では、私どもの立場から見ますと空文に終わっているということをいなめないような状態です。それですから、私どもとしては定期的にこういう調査をして、私どもの場合でしたら、主婦の意見を代表するものを大いに打ち出していきたい、そういうふうに考えております。  ともかく、CMの場合については、視聴者が選択する自由というものがございません。テレビのチャンネルを見ておりますと、結局、番組は選択できますけれども、CMのほうは私どもが見ようと思わないものでも目に入ってまいります。そういう意味から、特にスポンサーのほうの自粛を頼みたい。私ども、会合のときに、スポンサーがそれはよくないと思った場合には自粛できるのではないかという疑問を申しますと、いや、スポンサーは自粛してもテレビ局のほうでつくられて、なかなかスポンサーの意見は入らないと言いますし、テレビ局のほうは、スポンサーがこれは続けてもらいたいというふうに注文するからわれわれはつくらざるを得ないということで、両方が責任のなすり合いをしているような現状でございます。  私どもがこういう調査をやりましたことで反響がありましたと思われるのは、やはり主婦に関連のあるスポンサーからは、わざわざ足を運んできたところもございますし、できるだけ自粛をしたいということを言ってきて、現に自粛されて、その番組が変わったりCMが変わったりするようなこともございました。ですけれども、それ以外の若者を相手にするところでは、主婦がワースト十五の中に入れた番組はかえって若者が喜んで見るのだから、そういう意味ではわれわれは成功したといえるという逆手も使われておりますが、私どもとしては、こういう運動を根強く続けることによりましてあくまでも自粛の線を強調していきたい。それで、あまりひどいものに関しては、私どものできる手段としては、その品物を買わないという方向に持っていくことも考えられるのではないか。そういう意味で、私ども民間団体の力をできるだけ反映させていきたい。テレビ広告・番組の問題について、私どもの団体としてはそういうふうに考えているわけです。

水野清自由民主党

○水野小委員長 以上で参考人の方々の御意見開陳は終わりました。  参考人の方々に質疑の通告がありますので、順次これを許します。樋上新一君。

樋上新一公明党

○樋上小委員 参考人のお二方、今日はお忙しい中ありがとうございます。  今度初めてこの逓信委員会の中で番組に関する小委員会というのができまして、きょうが第一回目でございますので、私たちは参考人のお二方からいろいろなことを聞かしてもらおうということで、あまり質問の用意もしておりません、非常に初歩的な幼稚な質問になるかもわかりませんが、ひとつよろしくお願いいたしたいと思います。いま、この資料に基づいてということでございまするが、その前に、これは金山先生にお伺いするのですけれども、日本視聴者会議というものは、番組審査会というものとは別なものでございますか。

金山正直日本視聴者会議理事長

○金山参考人 全く別なものでございます。

樋上新一公明党

○樋上小委員 それでは、いまいろいろな、長い間ずっとこの問題に携わって、処しておいでくださったのですが、一番その運動の中で効果的な、また、こういう問題に対してこういう結果が出てさたというような点を一つ二つ、お伺いしたいのです。

金山正直日本視聴者会議理事長

○金山参考人 お答えいたします。昨年の九月二十九日、うちでベスト10、ワースト5という調査をいたしまして、ワースト5というのは、どこの新聞社でも雑誌社でも、やはりいろいろ放送局と関係もお持ちだろうと思いますし、どこでも利害関係が放送局とあるので、ワースト番組を麗々しく調査してそれを発表するというようなことはできないだろう。ついては、うちの場合はどこからも——ひもつきということばはよろしくありませんけれども、どこからも寄付金にいただいておるわけではなししますので、うちばらできるということで考えまして、ちょうど三回目に当たりますが、そのときにべスト10、ワースト5をうちのわずかな会員千名ばかり、その中のうちで、また六百人にアンケートを発送しまして、千分ぐらいしか回収できないというような状態ですけれども、それでもその結果を発表いたしましんところが、朝日新聞でちょうど低俗番組についてのキャンペーンみたいなことをやっておりましんし、民放労連でも、労働組合が会社に向かってのまり低俗になっちゃ困るというような申し入れがあったりしたそういうタイミングだったものですから、各新聞社が取り上げますし、週刊誌が取り上げますし、かなり大きな反響を呼びまして、ての結果、うちであげましたワースト5の番組は「裏番組をぶっとばせ」というような野球けんのやつですが、それが一位でした。それが間もなくなくなりましたし、「女子プロレス」——まあ、これは、悪いとは、私自身はともかく必ずしも思いませんけれども、「女子プロレス」もワースト番組に入っておりました。これまた十二チャンネルでしたが、やめましたし、それから最近では「スターびっくり箱」という、女性のスカートを切るやつですが、これもなくなりましたし、ことしに入ってから「でっかくゆこう」というTBSのクイズ番組、これまたなくなりましたし、残っておるのは、NTVの「11PM」だけというような状態でございまして、うちのワースト5だけがそういう効力を発揮したとは限りませんけれども、うちで口火を切りまして、いまこちらにいらっしゃる地婦連のほうでも同じような調査をやりましたし、放送番組向上委員会でも、各局の番組審議委員というのがございますが、それにアンケートを発送して、その結果もほぼ同じでありましたし、それから「暮しの手帖」というのでこれまた愛読者の調査をいたしましたし、「家の光」でも農協の婦人を対象に調査をいたしましたし、大同小異のものが出てきたということで、もちろんうちばかりの功績ではございませんけれども、先ほど申し上げましたとおり、ワースト番組の五つのうち四つはすでに消えてしまっているということ、その辺が一番の大きな効果じゃないかと思います。  それからもう一つ、私のほうでは、ワースト番組をあげるのが商売じゃございませんで、優秀番組を表彰する、あるいはそれを年間にまとめて、日本視聴者会議賞をお贈りするというようなことのほうがむしろ力を入れてやっておるようなわけで、たまたまワースト番組のほうがマスコミと世間にアピールしたということだけでございまして、優秀番組を表彰するたびに、われわれは表彰状をひっさげて四、五人の会員が各放送局へ参りまして、そして表彰状を読んで、差し上げる。その場合、三十分なり一時間なり、放送局の方々と必ず懇談をして意見交換をする。私のところでは、優秀番組についてくだすったスポンサーも表彰状を差し上げておりますので、スポンサーも列席いたしますので、その場合に、放送についていろいろ意見を交換する、そんなようなところで、かなり良心的な制作者を勇気づけているのじゃないか。スポンサーの方の御理解も——スポンサーも表彰いたしましたのは六十社から七十社にすでに及びますので、私たちの話を聞いて、向こうの御意見を述べてくださるというような中で、やはり放送の社会的責任というようなものについては、かなりスポンサーの方も御理解願ったところがあるのじゃないか、そういったところでございます。

樋上新一公明党

○樋上小委員 スポンサーが内容にタッチするということもあると思うのですが、まずその内容を見て、そしてそれからこれは自分のほうのコマーシャルをここへ挿入しようとするのでしょうか、それとも番組はまかせて、スポンサーはその時間を買うのでしょうか、その点どうでしょう。いわゆるそのスポンサー好みの番組になるのか、それとも番組を見てスポンサーがつくのでしょうか。

金山正直日本視聴者会議理事長

○金山参考人 いろいろな場合があると思いますが、一がいに申し上げられませんけれども、番組をスポンサーが買う場合がございます。従来はそういう場合が非常に多かったのです。一社で買うという場合が非常に多うございました。最近では、やはり三社、四社で一つの番組を買うという場合がございます。それから番組を買うのでなしに、スポットCMといいまして、番組と番組との間に流すというスポットCMというのがございますが、これは秒でもって、ゴールデンアワーとかAタイム、Bタイム、Cタイムというのがございまして、料金はそれぞれ違うわけで、ゴールデンのところが一番高いでしょう。十五秒幾らとか三十秒幾らとかという値段がきまっておりまして、そういうスポットをさしはさむために時間を買ったというのは番組とは関係ございませんです。  ですから二つがありまして、アメリカあたりでは大体スポットCMに移行しつつある。要するに、スポンサーの介入をさせないようにするためそのほうが合理的だというので、そういう傾向になっておりますし、日本自体もそういう傾向にだんだんなっております。民放労連などでは、番組を買うということはやめたらどうか、スポットCM一つに限ったがよろしいというような意見を持っているようです。

樋上新一公明党

○樋上小委員 じゃ、田中先生、お願いいたします。全国のこの一万人ですか、婦人を対象とされてアンケートをとられたんですが、これは主として婦人のみに限られたんでしょうか、それとも家族じゅう、子供もまじえてそのアンケートを出したのでしょうか、その点をひとつお伺いしたい。

田中里子全国地域婦人団体連絡協議会事務局長

○田中参考人 私ども会員で主婦が記入いたしましたけれども、記入者は主婦ですけれども、家族ぐるみの意見を反映させるような方向で記入しているものが非常に多数でございます。あとでその問題、いま御質問受けましたような疑問で、書きましたところに当たりましたところが、やはり家族ぐるみで、こういう調査が来たけれども、どういうふうだということで、みんなで書いたというものが大多数を占めておりました。

樋上新一公明党

○樋上小委員 さらにお伺いするのですけれども、その家庭によって、子供が主にスイッチの権利を持っているという家庭もあるように思うのですが、この点どうでしょうか。

田中里子全国地域婦人団体連絡協議会事務局長

○田中参考人 私どもはそこまで調査をいたしておりませんので、的確なお答えはできかねますけれども、これは話し合いなどのときに、時間帯によりましては子供がチャンネル権を持っているというところが相当ございます。ですけれども、やはりどういうふうにテレビの見方をしたらいいかということでも、だいぶ婦人たちの間で学習が行なわれておりますので、そこに母親である婦人会員の意見が織り込まれているという現状もございますけれども、時間帯によっては子供が相当主導権を持っているようなのが現状のようでございます。

樋上新一公明党

○樋上小委員 これはお二方、どちらでもけっこうでございますけれども、ヨーロッパにおきましては、子供の受験時期ですね、いわゆる入学試験を受ける前にはテレビを映さないといいますか、そういうもののチャンネル権を与えないというようなこともヨーロッパで行なわれているように聞くんですが、この点どうでしょう、御調査なさいましたこと、ございますか。

金山正直日本視聴者会議理事長

○金山参考人 調査はそういうことをしたことございませんけれども、私の聞いている限りでは、受験勉強の時期といいますか、時間にテレビ放送を流さないという話は聞いたことばございません。日本とだいぶしつけが違うらしい欧米ですので、それはおそらく自主的に家庭でそういうことを必要ならやるのじゃないか、それだけしかちょっとお答えできません。

樋上新一公明党

○樋上小委員 田中先生、もう一回お伺いしたいんですけれども、私もこの小委員会が持たれるということになって、ちょっと間を盗んでいろいろ見ておるんです。全部ここに出ておりますのを見たことないんですけれども、これはひどい、こう思う番組と、いまお話が出たように、年齢層によってひどくないんだ、これはいいんだというのもありまして、なかなかこの基準を、どれが悪いんだ、いいんだということはきめにくい。いろいろな見る人の主観によってあると思うのです。ですから、ときどき私、低俗番組といわれるものを見まして、ちょいちょいと当たってみるんですけれども、それが案外見ているんですね。やっぱり見ているなと思うのです。たくさんあるんですね、こんな人まであれ見ているのかと思うのが、ここにある中のものですけれども。低俗番組の中のものをよって尋ねてみると、案外な人が見ておって、そしてこれはばかにならないということを感ずるのです。そのときに、奥さんに尋ねた場合と主人に尋ねた場合と、そこにおのずから異なってくるのですね。だから主人と奥さんとの好みがまた違ってくるということになるのですけれども、まあ低俗番組というようなものは夜おそく、十一時ごろから後に行なわれるのだったらいいのですけれども、ゴールデンアワーの一番いい時間にそういうことが行なわれている。さらにまたお昼の三時ごろに、よろめきドラマのようなものがいままでちょいちょいあった。最近は私、なくなったように思うのですが、そういう点について、何か男性と女性との区別をされて検討されたことがございましょうか、意見の交換をされたことがございましょうか、お伺いしたいと思います。

田中里子全国地域婦人団体連絡協議会事務局長

○田中参考人 私どもの調査の中に、記入者が主婦でございますから、やはり自分の意見が強く入っているということは、私どもの調査の場合にはいえると思います。ただ、いろいろな家庭で聞きましたところ、私どももこのワースト番組の調査をいたしましたときに、やはり「野球ケン」が一番にその時期ではあがってきておりますし、これは視聴率にかけてはなかなか——視聴率はたいへん高い番組でございましたし、事実見ているときにはくだらないなと思いながら、みんな笑いながら見ているというのも現状でございます。ですけれども、そう言いながらあとで、じゃ一体どういう番組が悪いだろうと話し合いをしたときには、主人も、やっぱりどうも「野球ケン」は好ましくなかったなという意見が出てこういうふうに反映されたということは、二、三、幾つかの家庭から聞いております。そういうわけで、番組は非常にたくさんございますから、男性の好むもの、若い者の好むもの、それと主婦と全然意見の違うものもありますけれども、やはり俗悪というところでレッテルを張って、上位一、二にあがってきているものというのは、やはり大きく見て一般的な全部を代表する意見と見て差しつかえないのではないかというふうに判断しているわけです。  ですから、視聴率が高いということがなかなか番組のよさと比例してこないというのが、やはり視聴者のほうにも問題があるということはいえるわけですけれども、視聴率が高いからといって、そういう番組を流しているということが社会的に問題だということを私どもは言いたいわけで、制作者のほうは、私どもがこういう調査をいたしますと、視聴率の高いものが悪いほうにあがってくるので、それは制作者側から見ると自分たちの番組のつくり方がよかったというふうに逆にとられる向きが非常に多いのですが、そこいら辺をやはり社会的な問題として取り上げていく風潮が出ないものかと、私ども、まあ調査もその気持ちでやっておりますが、まだそこまで反映するに至っていない現状です。

金山正直日本視聴者会議理事長

○金山参考人 視聴率が高いのになぜワースト・ナンバーワンになるかというような御質問は、去年来われわれ何回も繰り返していろんなところから質問を受けましたが、はっきり一言で言いますと、視聴率が高いものがいいというわけではない。いいものが視聴率が高い場合、これは理想的で、こういう場合もございますね。たとえば非常にりっぱな演劇をやるとか、あるいは映画でもすばらしい大作をやるといえば日劇のまわりをぐるっと人が取り巻くというようなのは非常に好ましいのですけれども、テレビの場合はそこまでいっておりませんで、視聴率の高いものはいいんだ、人気のあるものはいいんだというわけにはまいらない。  たとえて申し上げますと、「野球ケン」はあの程度で、ブラジャーとパンティを残してだんだん脱いでいくというようなことですけれども、より視聴率をとろうとするには、オールヌードにすれば視聴率があれの三倍ぐらい上がるのは目に見えているわけでございます。そういうことをやられたんじゃお話にならない。やはり人間には、向上しようとする気持ちといろんなものをのぞき見たいという劣情というものを、どなたでもお備えになっていると思うのです。劣情にぶつけて、それをかき立てるという方向の番組ができれば、視聴率はおそらく八、九〇%に上がるんじゃないか。  これは初めてのことばでございませんけれども、たとえば女ぶろと男ぶろとの境に大きな穴があいているというようなおふろ屋には、われわれも家庭ぶろをやめてでも行ってみようというようなことになりますし、女ぶろを全開して、だれも怪しまないという時代が来れば別ですけれども、現在においてはやはり女ぶろは女ぶろで閉じておかなくちゃいけないというようなことでして、劣情を持っているそこへスポットを当てるような番組ができれば視聴率が上がるわけですから、そんなことは制作者のほうとしては百も二百も承知の上で、すれすれのところをやって視聴率を高めてかせごうというわけで、やはりそれをコマーシャリズム一辺倒と申し上げて、それでは困る。少なくとも電波を預かっている事業者というものは、国民の教養といいますか、精神的なものを十歩高めてくれとは申しませんけれども、たとえ一歩でもあるいは半歩でもとにかく引き上げようという意識なしに電波をいじくり回すということはやはり許されないことだというふうに思います。

樋上新一公明党

○樋上小委員 最後にお二方にお願いをするのですけれども、今後低俗番組ということのみじゃなしに、いい番組、ホームドラマまたほのぼのとして家庭のお茶の間で名作物語ですか、いろんなものを見て、それを語り合うような味のある番組、そういうものをどんどん発表してもらう。こういう番組がいいんじゃないか、こういうところも非常にいいんじゃないか、低俗番組と反対にいい番組でそういったもののベスト10はこれなんだ。また子供に対する教育、子供がほんとうにテレビにかじりついて勉強のかてになるとか、またその中に子供の情操教育にも相当プラスになるものがあるというのは、忙しい家庭の中では案外知らずにおるのが多いと思うのです。だから、そういうものがあるんだ、こういう子供が喜ぶものがあるんだ、そうしたよい番組のベスト10などもどんどん発表してもらって、先ほど金山さんもおっしゃったように、スポンサーにもテレビ局にも民放にも、そういう表彰というのは何ですけれども推薦するというような、全国地域婦人団体連絡協議会推薦——映画でもありますね、文部省推薦というような、こういうようなものがあってもいいと私は思うのですよ。芸術祭参加作品というのが映画にありますように、低俗番組ばかりをやるのではなしに、そういう点を発表していただきたいということを望む次第です。

金山正直日本視聴者会議理事長

○金山参考人 ただいまおっしゃいましたようなこと、先ほどもちょっと触れましたけれども、優秀番組を随時見つけ次第、年間十本ぐらいうちでは表彰状を各局に差し上げております。それをまとめまして、年間優秀賞としてその中から四本ぐらいを選びまして、なけなしのさいふをはたきまして、ちっちゃなトロフィーとかたてを仕込みましてお渡ししているというようなこともやっておりますし、現に日本視聴者会議推薦番組というスーパーが流れているのも七、八本でございますし、うちで推薦した番組は十本以上のものが現に流れておるということでございますので、われわれの世帯といたしましては、要するに会員が会費を出し、それから広告代理店あたりのいろんなモニター依頼なんかもございまして、その手数料を取ったりいたしまして、みずからかせいで、どこからも浄財もまだ集まってきておりませんし、思うようにはできませんけれども、そういう中でささやかなことはやっておりますし、これからもできる限りやっていこう、こういう気持ちでおります。

樋上新一公明党

○樋上小委員 ありがとうございました。

水野清自由民主党

○水野小委員長 阿部未喜男君。

阿部未喜男日本社会党

○阿部(未)小委員 参考人の金山さん、田中さんからたいへん御指摘を受けましてありがとうございます。先ほども樋上先生から申されましたように、初めての試みですので、まだ私どもも不勉強でございますが、二、三点について聞かしていただきたいと思います。  この調査の対象は、地婦連の場合も視聴者会議の場合もそれぞれ数についてお伺いしたわけですけれども、その地域的な分布と申しましょうか、たとえば九州のほうではどのくらいとか、いろいろな関係があろうと思いますが、その対象にされた地域的な分布がもしわかればお伺いしたいと思うのです。実は私、九州の大分県なんですが、私のほうの場合には民放が二局ございます。ございますけれども、そのうちの一局はUHFでございますから、したがってまだこれは普及しておりませんので、民放の場合一局。そうすると、キー局との関係から考えて、たくさんの番組の中でも見ていない人が非常に多いわけです。一つのキー局だけの番組しか見ていない方も多いわけですから、それだけで全般の意見を律することには若干の疑問があるような気もしますので、対象とされた地域別のお考えがわかれば知らしてもらいたい。これは両先生からお願いしたいと思います。

田中里子全国地域婦人団体連絡協議会事務局長

○田中参考人 私どもは組織が全国の四十六都府県にわたっておりますが、そういう意味で全国的に配布をして聴取したのがこのアンケートの結果でございます。いま四十六都府県といいますのは、これは沖繩も入れてで、北海道がちょっと抜けております。そういう、ちょっと変則的なことはございますけれども、大体どこでも一様のものですから、実は地域別で集計をいたしました結果を見ますと、やはり東京であがってきますものと九州地区であがってきておりますものと違ってきております。東京ではずいぶんキー局が多いですから、いろいろな意味でわれわれはこれは相当問題だなと思っているものも、よそからは結局、流れていないとみえて、あがってこなかったような例もございました。

金山正直日本視聴者会議理事長

○金山参考人 私たち視聴者会議のほうは、会員がわずか千名しかおりません。全国的にわたって、もちろん九州にも会員はおりますし、広島にも、高知にも、名古屋にも、金沢にも、岐阜にも、札幌にもおりますけれども、わずか千人ばかりの会員で、その八〇%近くは東京都内と近県、神奈川とか茨城とか千葉とか、そういった近県が八〇%というようなことでございます。それから、九州のほうで放送局が二つしかないというような場合には、もちろん見られないわけだと思います。しかし、見られないところは見られないが、そのやった調査に何か疑点があるというようなことは起こらないんじゃないかと思います。

阿部未喜男日本社会党

○阿部(未)小委員 では次に、金山先生にお伺いしたいのですけれども、地婦連のほうでは調査を分けて、いわゆるCMと番組とに分けておられるようです。これは非常に画期的な試みのような気がするのですが、番組は見たいけれども、CMはどうもぐあいが悪いのが出てくるというのがしばしばあるし、番組のほうは非常に悪いけれども、CMはいいとか、いろいろあると思うのですが、視聴者会議のほうでそういう試みをなさったことはございませんのですか。

金山正直日本視聴者会議理事長

○金山参考人 ございます。CMは、私たち全体的にまとめてやりましたのはうちの何号でしたか、最近号の新聞に発表してございますが、要するに好きなCM、きらいなCMという題でことしの調査が載っております。好きなCM、きらいなCMというのは、一般視聴者で、専門家でございませんで、印象批評的な結果が集まるので、好ききらいでもって判定したらいいんじゃないか、書きやすいんじゃないかということで、そういうこともやっておりますが、出てきたものは結局いいCM、悪いCMというようなことにすりかえられると思いますけれども、そういう調査は全体的には一回やってございます。なかなかおもしろい調査だと思います。それから、まだCM調査などというようなものは、代理店以外にはどこでもやらないで、民間団体としてはうちのほうが一番最初に手をつけたと思いますが、それはばく然とたくさんのCMを、酒のCMあり、衣料のCMあり、薬のCMあり、企業のイメージアップをするためのCMあり、雑然としておりますので、一ぺんにやってもあまり効果があるアンケートにならないのじゃないかということで、部門別に大体一わたりやりましたところで、ことしに入って全般的に見てみようということで、そういう調査ができております。ただし、CMに関して私の考えますところは、田中さんとちょっと違うかもしれませんけれども、CM自体は番組に比べますと、暴力番組とかに比べますと、与える影響といったものは、うるさいということはございますけれども、問題なく小さいというようなふうに私は考えますし、またCM自体も、昔のCMからごらんになっている方はお気づきと思いますが、多少裸が出過ぎるとか、関連性なしに裸が出るとかというようなことはございますけれども、画面の上では非常に美しくなっている。番組以上にお金もかけてりっぱなものをつくるとかいうような意欲も十分あらわれておりますし、CMについては私のところでは、よほどとっぴな、困るとはっきりしろうとでもわかるようなCMが出たような場合には、そのスポンサーといいますか、それを出している企業のほうと接触を持って懇談会を開いて、どうであるかというようなことを検討するというようなことでございます。たとえば、大橋巨泉のハッパフミフミという万年筆のあれがございましたけれども、あのときなどは賛否両論で、どちらとも判定つけがたいというような、悪評のほうが多少多いということだったものですから、一緒に研究しようということで、パイロットのほうに申し入れいたしまして懇談を申し上げたこともございます。

阿部未喜男日本社会党

○阿部(未)小委員 それから先ほどワースト番組と視聴率との関係をお話しになっておったのですが、たとえばワースト5をおとりになっておりますが、これらの視聴率についても調査をなさっておられると思うのですが、もしわかっておれば知らせてもらいたいと思うんです。  田中先生のほうもとっておられるようですが、視聴率そのものはとっておられませんか。

田中里子全国地域婦人団体連絡協議会事務局長

○田中参考人 視聴率は、私どものほうではとるというより、視聴率をとっているビデオリサーチなりのところを対比させて見るという方法をとれればよろしゅうございましたが、ここでは載っておりませんものですから……。

金山正直日本視聴者会議理事長

○金山参考人 視聴率調査をうちでできる筋合いのものではございませんで、視聴率調査をするにはビデオメーターというものを特定の家庭に備えつけてそしてやるものですが、関東で五百といわれておりますね。五百を千にしたら採算がとれないというようなお金がかかるものらしくて、われわれの団体でとうていやれるものでもございませんから、視聴率調査はうちでも地婦連さんでもおやりになっておらないと思います。

阿部未喜男日本社会党

○阿部(未)小委員 最後にもう一つ、金山先生、田中先生お二人に聞かしていただきたいのですが、いま郵政省のほうで番組のモニター制をとったらというようなことが提起をされておるようですが、これについて両先生のお考えを最後に聞かしてもらいたいと思います。

田中里子全国地域婦人団体連絡協議会事務局長

○田中参考人 この問題につきましては、私どもの団体としてはまだ結論を出しておりませんので、この席ではちょっと申しかねると思います。

金山正直日本視聴者会議理事長

○金山参考人 郵政省のモニター制度というのは、手持ちのモニターを持って、そして何かをやろうということらしゅうございますが、番組の低俗とかあるいは報道番組の偏向とかいうようなことに御注目になったというそのことは非常に評価できると思いますね。しかしながら、これは郵政省がモニター制度をお持ちになっただけで、非常に誤解を招くのじゃないか。誤解を招くばかりでなしに、事が言論、表現の自由に通ずる問題でございますので、おそらくマスコミとかあるいは評論家とかあるいは学者、先生とかあるいは一般の若い方とか、やっぱり言論統制につながる一つの芽ではないかということで非常な論議を呼ぶし、反撃もあると思います。しかしながら、一方政府といたしましても、憲法はあまりよく存じませんけれども、国民の健康にして文化的な生活を保障する義務があるというようなところからいきますと、国民の健康な生活に支障があれば、やはり最終責任は政府にあるというようなことをもちろん考えておりますけれども、しかし、それで世論の反発を食ってよろしいかどうかということになると、あまり賢い方法じゃないというようなこともいえますし、現に各局に十五人ぐらいの一般主婦を集めたモニター制度もございますし、その上には審議委員会というものがございますし、そういうものを——そういうものといっても、局のモニターはちょっと問題にならないと思いますが、審議委員会を、現在は有名無実であるといってもはばからないと思いますが、それをもっと正しく機能させるような方向に何か手を打たれるとか、あるいは放送番組向上委員会というのがございますね、そこをもっと予算措置なりつけて——予算措置というと政府一辺倒になりますけれども、お金の出どころは民間の浄財でも集まるようにして、もっとしっかりした仕事のできるような措置を講ずるようにするとか、あるいはうちのような——うちを例にとるのははなはだおこがましいですけれども、みんな手弁当で七年間も放送のために続けている、これはなかなかたいへんなことですが、そういう団体を育成するとか、そういうことも考えられていいのじゃないかと思います。  もっと詰めて申し上げますと、郵政省そのものが直接的にそういうものを持つよりも、向上委員会というものをもっと強化するような方向に持っていき、しかし、向上委員会だけでは手足がないですから、これは話にならないというわけで、手足をつけなければならないという場合に、それじゃどこが手足になるかといいますと、大体世論の支持も得たりマスコミの支持も大かた得ておるうちなんかを向上委では手足にしたらいいのじゃないかなというようなことも考えましたり、あるいはうちとは限らず、いろいろ関心を持ってくださるなら地婦連の一部をそういう手足にされてもよろしいでしょうし、というようなことが考えられますね。  要するにわれわれの団体が政府のあれじゃないかとかNHKに依頼されてやっているのじゃないかとか、あらぬ誤解を受けるわけで、うちでは左右に片寄らずというところをモットーにしてやっているので、はなはだ迷惑ですけれども、そういう際ですから、うちがどこにつくとかここにつくとかいうことになりますと、かなりの誤解を招くようなことになって、慎重に検討しなければならないと思いますけれども、向上委をもっと仕事のできるようなところにして、そして調査の対象は——やはり団体なりグループなりを持っているということば、その団体の性格によって意見が限られるようではありますが、しかしながら、一般大衆にばらまいて、はっきりしない意見が何万枚集まってきてもあまりメリットが出ないということもいえるわけです。団体なら団体なりの性格に規制されるところはあっても、信頼できる面があるというようなことも考えられますので、いろいろなことがございますけれども、私が考えて、現状でできる一番実現可能なのは、いま申し上げたようなことじゃないかと思っております。  ほかにも方法がないわけではございませんけれども、時間があると思いますので割愛さしていただきたいと思います。

阿部未喜男日本社会党

○阿部(未)小委員 質問を終わります。どうもありがとうございました。

水野清自由民主党

○水野小委員長 栗山礼行君。

栗山礼行民社党

○栗山小委員 いろいろ放送に関しまする両団体の御活躍の点をお伺いをいたしております。感謝をいたすわけでありますが、視聴者会議の理事長でいらっしゃいます金山先生にちょっとお伺いいたします。  お話を伺いますと、視聴者会議は大体千余名、千名程度の規模における会議構成をされていらっしゃるということを、いまお話の中で伺ったのでありますが、これの構成は全国的規模における構成としての千名であるか、構成単位、その内容というものについてお伺いいたしたい。千名でございましても、これはいわゆる足場を持った形における一つの代表機関としての千名であるかどうか、団体の量的な評価をいたすということじゃなくて、視聴者会議それ自体の構成の中身をちょっと伺っておきたい、こういうことでお答えいただきたいと思います。

金山正直日本視聴者会議理事長

○金山参考人 わずか千名といっても、放送を愛するといいますか、あるいは放送が大事なものだという意識をされて、年間会費千円を納め、そして新聞がときどきいくとか、あるいは調査をお願いするとかいう程度で、見返りというものは、言ってみればゼロにひとしいわけです。にもかかわらず、会費を納めて会員になる。それから私たちのほうとしては、それほど会員を勧誘するという無理な方法は講じておりませんで、自然発生的にふえたものが一番信頼できるものだという立場をとっておりまして、初め百名ちょっとこえるぐらいのところで発足しましたものが、ようやく七年間にたったの千名になったばかりというような伸び率でございます。ですから、放送に関心を持っているという程度においては、かなり意識的と申しますか、幾らかそういうことがいえるのじゃないか、そういう人員構成です。  それからもう一つは、男女の比率は大体男性が三分の一、女性が三分の二というような、おおむねそういうあれになっております。女性の中で主婦が約五〇%というようなことです。ですから、男性の中には公務員もおりますし、学校の先生もおりますし、自由業もおりますし、サラリーマンもおりますし、学生もおります。女子も同じですが、そういう比較的一般視聴者の集約されたものといいますか、縮図的なものができ上がっているのじゃないか。もちろん高等学校の生徒ばかりのところへ持っていってアンケートをぶつけたのとは大きな相違がございますけれども、まあ主婦層に片寄っているというようなこともいわれましょうけれども、おおむね視聴者の縮図みたいなものといってもよろしいのじゃないかということがいえるのです。

栗山礼行民社党

○栗山小委員 どうもありがとうございました。ただ、会の私の勉強が足りませんので、視聴者会議それ自体というものの要素をちょっとお伺い申し上げる、こういうことでお尋ね申し上げたわけでありまして、御了承をいただきたい。  全国地域婦人団体連絡協議会の問題につきましては、先ほど全国的規模における主婦を中心とする地域婦人の団体だ、そういうことで、しかもその会員の横成は六百万だというようなことを承りまして、重ねてこれを承る内容はございません。たいへん大きな婦人としての位置と勢力を占めていらっしゃる、こういうことでございます。  この両団体が、特に視聴者会議のほうは七年の長い歴史にわたって、国民の財産でございます波を通じて、日本のよりよい一つの電波の活用を通じて、総合的な文化あるいは教養あるいは人としての豊かさを保つ放送の番組の向上はいかにあるべきか、こういうことでいろいろ御苦労をいただいておると私どもも評価をいたしておるのであります。  小委員の諸氏がいろいろお尋ねを申し上げましたので、私、ずばり両先生にお尋ねをいたします。  いろいろな苦心のある御調査をされまして、それを公表なさいました。私は、その評価というものを、どのように調査の結果の評価及び反響というものがあったか、こういうことが非常に注目する問題の一つであろうかと考えておるのでありますが、私は、端的に、その苦心をされた調査の結果というものの反響がどのように受けとめられておるかということを、御両氏にお尋ねを申し上げたい。

金山正直日本視聴者会議理事長

○金山参考人 先ほど同じような御質問がございましたので、簡単に申し上げておきますが、うちで昨年調査いたしましてワースト5というのに載っかったもののうち、「野球ケン」をはじめ四つの早々となくなってしまった。一番長く残っておったのでも、ことしの春ごろ、クイズ番組ですが、あまり賞金が多過ぎるというような「でっかく行こう」というクイズ番組がなくなりまして、五つのうち四つがなくなって、一つだけ、「11PM」という番組が残っておるだけということでございます。  また、このたび私のほうで最近発表いたしました、お手元にも資料がございますと思いますが、それは私たちは、郵政省でモニター制度を持つというようなときでありまして、日本視聴者会議のワースト5と低俗番組問題が政府規制の呼び水になるというようなことをずいぶん書かれたりいたしましたので、去年のような人を集めて大々的な発表をやるというようなことは避けようじゃないか、それでNHKの記者クラブで発表会を行なったというような、非常にじみな発表のしかたをしたわけです。にもかかわらずと申し上げますか、一般朝日、毎日、読売、サンケイですか、そこらは去年に比べますれば三分の一あるいは四分の一ぐらいにしか取り上げませんでしたけれども、いずれも取り上げておりますし、そのほか東京タイムズとかあるいは東京新聞とか日刊スポーツとか東京中日新聞とか、私の目にとまりましたのでも十社以上の新聞に載っておる。また週刊誌は、きのうまでほとんど毎日のように取材に見えられたりあるいは取材の電話がかかってきたり、新聞協会もかかってくるとか農業新聞からもかかってくるというような、思いがけないところから取材にお見えになるというようなわけで、それが私たちの立場からすれば、低俗番組というものに対してマスコミと世間の皆さんがお考えになる契機をつくっておるというふうに、このくらいの手ごたえがあれば十分じゃないか、われわれの使命は八〇%果たされているのじゃないかというふうに考えます。

田中里子全国地域婦人団体連絡協議会事務局長

○田中参考人 私どもは視聴者会議と違いまして、まだ継続してやっている段階でございませんし、ことしの三月に調査をまとめましたのが、あの調査としては初めてでございますので、その時点で発表いたしましたのは、だいぶそのときに問題になっておりました番組の部では、やはり「野球ケン」とか「でっかく行こう」が一、二位になっておりますし、そういう意味でそこいら辺を境にそういう番組が消えていったということについては、私どもも何か一つの力になったかなというふうには考えております。しかし、まだずいぶんいろいろ問題が残っておりまして、CMのほうではパイロット万年筆のパイロットカラカラがおっぺけぺのべと言って舌を出していたのをやめたという、そこいら辺ぐらい幾らか私どもも力があったかなと思っているわけです。これを公表しました時点で、東芝、武田薬品、三菱鉛筆、タイガー魔法瓶などから私どものほうに、主婦の方々に見ていただけないと困るから、応援をいただく意味で自粛の方向に向かいたいということを、実は向こうから申し入れがございましたけれども、結果的にはまだあまり期待できる方向にいっていないと私は思いますし、私どもとしてもそれ以上のスポンサーとの話し合いがまだ非常に不徹底だったということも考えておりますし、やはりこれからはもう少しアフターケアのほうを、調査をいたしましたあとの問題については、これからまた定期的にやっていきたいと思いますので、そういう意味で、もう少し強力に話し合いを続けていって、それでわれわれば一つの自粛の方向に持っていくというふうにやっていきたいと思っておりますが、私は、非常にまだ不十分だと考えております。

栗山礼行民社党

○栗山小委員 金山先生の反響のすこぶる効果のあがったお話をいろいろ伺いまして、皆さんの御苦労の成果というものが顕者に、自粛と申しますか自主規制と申しますか、そういう心する一つの方向に入っておるということを伺いまして、非常に意を強くいたすわけでございます。いろいろ関係方面について調査の結果意見開陳をなさるということについて、大きな直接的な方法があるかと思いますけれども、視聴者自身の大きな啓蒙をいたしましていい番組の向上、こういう一つの世論の喚起を高めていくという事柄については、今後に残された非常に大きな問題提起の一つではなかろうか、こう考えておるのであります。もちろん最善を尽くして御継続をいただくことを念願をいたしております。婦人団体のほうについても、今後の活躍を期してひとつ進めていきたい、こういうことでございますので、非常に感謝を申し上げて、今後の御活躍を期待いたしたい、こう考えておるわけであります。  先ほど金山先生のほうから、放送当局なりあるいは審議会のメンバーの方々なりについて、いろいろ懇談を重ねて御要望を推進するという活躍をはかってまいった、こういうようなお話でございます。番組向上委員会のほうについてはあまり大きな評価をなさらずに御意見があったと思うのでありますが、放送当局についてのいわゆる低俗化、俗悪化、こういうふうな定義についてもいろいろ問題があるようであります。倫理観の問題、価値観の問題等も関係方面についていろいろ論議がされておるようでありますけれども、今後の課題として当局に具体的にどう進めるべきか、あるいはまた放送番組向上委員会に向かってどうひとつ求めるべきか、あるいは審議会についてその位置づけとあわせまして、どう取り組んでまいれば通俗的にいわれております放送の俗悪化、低俗化、こういう問題の解消を通じて、より高い品位のある放送が行なわれるようになるか、こういう願いで御所見がございましたら、これはひとつ具体的に御両氏からお答えをいただきたい、かように考えます。

金山正直日本視聴者会議理事長

○金山参考人 放送番組向上委員会の仕事を評価しないということではございませんでして、向上委というものは、現在の状態ではNHKと民放からわずかの金を出してもらってそれで運営して、十人くらいの事務員がおってやっているのでは仕事らしい仕事ができないじゃないか、そういうふうに考えるわけで、あの機関は現状においては、先ほども申し上げましたとおり、放送向上に力を尽くすための機関としては、一番手近といいますか一番近いところにある団体だ、——団体とはいいませんでしょうけれども機関である。それをやはり十分に力を発揮できるような、政府資金かあるいは民間基金か知りませんけれども、そういう方向に持っていかなければ思うような仕事ができないんじゃないかということなんでして、そうして各放送局の番組審議委員会というものは、現状は全く正しく機能はしていないということですね。  たとえば東京十二チャンネルの「ハレンチ学園」ですね、ああいったものは少なくとも漫画くらいでやればちょうどいいところであって、漫画でやることもあまり賛成ではございませんけれども、それを普通の俳優がやるということになると、あまりにもばかばかしくて俳優さんにも気の毒なんですね。あんな俳優をやらなければならない。お金のためにやるのかどうか知りませんけれども、やらなければならないなら、ことばは不穏当かもしれませんけれども、全く土方でもされたほうがいいんじゃないか。土方ということばは悪くて、それは申しわけないですけれども、そのほうがむしろ国のためになるということなんです。土方がりっぱな職業じゃないというふうに誤解されると困りますので、くれぐれもお断わりしておきたいのですが、かわいそう過ぎますよ。ああいうものに、放送局の義理のためか、金のためかどっちか知りませんけれども出て、ああいうことをやらなければならないタレントはかわいそうですよ。十二チャンネルにはちゃんと審議委員があるのですよ。十人の審議委員がありながら、それすらチェックできないということでは、郵政省がモニター制度を持って番組審議会に三下り半をつけるのももっともだといわれてもしかたがないような現状だと思います。それをいかに改善するかということになりますと、まあ案はありますけれども、この場で何もかもぶちまけてしまっていいものかどうか、テータテートでもってお話し申し上げたいということで、公開の席ではこの程度にさせていただきたいと思います。

田中里子全国地域婦人団体連絡協議会事務局長

○田中参考人 私は、番組向上委員会の果たしているものがどの程度かということがまだはっきりわかっていないわけですが、一つこういう同じような問題で映画の問題がございまして、映画には映画倫理規程委員会、映倫というものがございます。あれは映画各社がお金を出している自主規制の団体です。当然、民放連という組織がありますし、それぞれの民間放送がお金を出し合いまして、自主規制の団体ができるという形で放送基準もできておりますことですから、それによりましてチェックしていくことをもう少し一それぞれのテレビ局の審議会では自分のことだけを考えまして、なかなか規制がしにくいし、スポンサーの視聴率のこととあわせてできにくい場合がありますから、民間放送の中でもう少し自主規制が強化できる方向に持っていかれないものだろうか。映倫の場合には、婦人団体からも私どもの団体からも、委員ではございませんけれども、青少年委員会というのがさらにその下にできておりまして、特に青少年に関するところはこの委員会でいろいろ意見を出せる場がございます。そういう意味で、やはり民間団体の意見も出せるような、委員の中に婦人団体なり適当な視聴者会議のようなところなりそういうものもお加えになった委員会において、相当委員の意見を重んじる方向で自主規制を強化なさるということについて考えておりますけれども、そういう方向で強化ができることが望ましいのではないかと考えております。

栗山礼行民社党

○栗山小委員 いろいろ御両氏から腹の中に含むような御意見も伺いました。ずばりいろいろお説を拝聴したかったのでありますが、こういう席でありますから御遠慮申し上げるのがよかろう。ただ、私の理解としてはこのように理解をいたしたい。現在の放送向上委員会の現状における構成、実態というものについて、皆さんが望み、あるべき姿としての放送向上を望めない機能的要因を持っておるのじゃないか。いまお話がございましたように、ほんとうに成果のあがる放送番組向上委員会という機能的なものを再検討して、そして取り組んでいく必要があるのではないか、こういうふうなお説を伺っておるやにいま理解いたすのでございます。いろいろこまかい問題につきましては別として、ずばりそういうふうな評価をいたします。  それから審議会の問題につきましては、これまたそれぞれどう評価をさせていただくか、どう理解させていただくかということについては、いろいろ苦慮いたすのでありますけれども、もう少し審議会それ自身の自律、自省の立場において番組の向上のはかれるような一つの活動及び成果を望みたい、こういうふうなお説のように理解をいたすのであります。先ほどちょっとお話を伺っておりますと、私の評価、認識が必ずしも両先生の御意見に適正に評価を認識いたしておるかどうかということは疑問でありますけれども、大体そういうふうな御指摘をいただいたということで御確認をいただけるかどうか、こういうことであろうかと思います。  先ほどの委員の質問について、ちょっと私、金山先生に伺った中でのことなんでございますが、NHKを別といたしまして、いわゆる民放におけるスポンサーとの関連で番組向上の一つのあり方をどう求めるかということについて、いろいろ意見を拝聴いたしたと思うのでありますが、私は、やはりこの関連というものは非常に大きな問題点を含んでおる、番組編成それ自身の構成の上における要素を持っておる、こういうふうに評価をいたしておるのでありますが、スポンサーと民放との番組編成についての一つのあり方、こういうことについて率直に御意見を承れれば非常にけっこうだ、このように私考えておるわけであります。

金山正直日本視聴者会議理事長

○金山参考人 放送局とスポンサーとの関係におきましては、先ほど田中さんもおっしゃいましたけれども、放送局にいわせれば、スポンサーがこういう番組をやってほしいというのでやるんだ。反対にスポンサーのほうからいわせますと、いやそうじゃない、何も介入していない、放送局におまかせしているんだというふうに、お互いに言いのがれをするということがやや事実に近いんじゃないか、私もそんなふうに考えておりますが、ただ、そこに残る問題というのは、放送局にしろスポンサーにしろ、やはりコマーシャリズム一辺倒であると——電波を使うんだから、コマーシャリズムにも多少の意識の変革を加えてもらわないことには、番組がよくなる可能性は非常に少ないということですね。一般企業家と同じ態度で、公共の電波を預かって金もうけをするということじゃ困るんで、そこにやはり国民の生活、文化の上に多少とも役立つということを考えていただかないと、根本は改まらないというふうに考えます。

栗山礼行民社党

○栗山小委員 最後に、いろいろむずかしい問題点を教えていただくということで御意見を徴しまして、たいへん感謝をいたしております。最近の放送の低俗化、俗悪化という一つの問題についてはかなり深刻な問題でございますので、明日を創造する放送の向上の内容はいかにあるべきかということは国民的課題で、あるいは二千万世帯を中心とする波の大きな影響を持ってまいりますと、日本の国家形成のたいへん重要な問題だということを私は認識いたしておる一人でありますが、非常に権威ある識者におきましても、いまのような放送番組の低俗化、俗悪化という傾向が続いていくなれば、いわゆる大きな放送公害となって社会悪が増大するであろうということで、非常に警鐘を乱打されておる知名の先生方もあるわけでございます。私は、こういう論についてどうこれを受けとめて評価すべきかということについて、私自身についてもいろいろ苦悩いたしておるわけであります。ためにこそ、放送のよりいい向上の方策を求めるということで、いろいろ各界の方を招いておる。何といいましても、やはり業界各方面の自主規制こそ今日残されておる問題でなかろうか。そのためには、良識ある一つの世論の喚起と、そして良識ある関係各方面の国民の明日の明るさをつくる放送番組を提供してもらう、こういう願いが切なるものがあろうかと思うのであります。  この問題はなかなかむずかしいし、かつ短期的に解決できる問題ではございません。私どもも私どもの立場における問題を踏まえてまいり、皆さんの、視聴者のあるいは国民的規模での大きな世論喚起の御活躍をお願い申し上げたいということで、ひとつ感謝を申し上げて、私の質問を終わることにいたします。ありがとうございました。

水野清自由民主党

○水野小委員長 ほかに御質疑はございませんか。——別にないようでありますので、参考人の各位に一言お礼を申し上げます。  本日は、長時間にわたり貴重な御意見を伺い、まことにありがとうございました。本件調査に資するところ大なるものがあったと存じます。本小委員会を代表して厚く御礼申し上げます。  本日はこれにて散会いたします。    午後零時一分散会

国会会議録検索システムで原文を見る ↗