P政策ポータルPOLICY PORTALウォッチ
64回国会衆議院1970/12/08

大蔵委員会 第1号

発言数
171
登壇者
18
会派数
4
開催日
1970/12/08

会議録

毛利松平自由民主党

○毛利委員長 これより会議を開きます。  国政調査承認要求に関する件についておはかり  いたします。  国の会計に関する事項  税制に関する事項  関税に関する事項  金融に関する事項  証券取引に関する事項  外国為替に関する事項  国有財産に関する事項  専売事業に関する事項  印刷事業に関する事項  造幣事業に関する事項の各事項につきまして、今会期中国政に関する調査を行なうため、議長に対し、国政調査承認要求を行なうこととし、その手続につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

毛利松平自由民主党

○毛利委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。      ————◇—————

毛利松平自由民主党

○毛利委員長 次に、小委員会設置に関する件についておはかりいたします。  先刻の理事会で協議いたしましたとおり、それぞれ小委員十四名よりなる、税制及び税の執行に関する小委員会、金融及び証券に関する小委員会、財政制度に関する小委員会を設置することとし、各小委員及び小委員長は、委員長において指名いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

毛利松平自由民主党

○毛利委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。  なお、小委員及び小委員長は、追って公報をもって指名いたします。  なお、委員辞任に伴う小委員及び小委員長の補欠選任、小委員及び小委員長の辞任の許可並びにその補欠選任につきましては、あらかじめ委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

毛利松平自由民主党

○毛利委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。      ————◇—————

毛利松平自由民主党

○毛利委員長 この際、参考人出席要求に関する件についておはかりいたします。  税制に関する件(ビール価格等の問題)について、明九日参考人の出席を求め、その意見を聴取することとし、参考人の人選等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

毛利松平自由民主党

○毛利委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。      ————◇—————

毛利松平自由民主党

○毛利委員長 国の会計、税制及び金融に関する件について調査を進めます。  質疑の通告がありますので、順次これを許します。藤井勝志君。

藤井勝志自由民主党

○藤井委員 本日は大蔵大臣御出席をいただきまして、目下四十六年度予算編成が大蔵省においては着々進んでおると思うのでございまして、非常にお忙しい中であり、しかも公害国会では、先立つものは金でありますから、常時大蔵大臣の出席も要請されておると思うのでありますが、大蔵委員会に対しての大蔵大臣の御熱意といいますか、姿勢に対して、私は敬意を表する次第でございます。  ところで本日は、先ほど触れましたように四十六年度予算編成のさなかでございまして、年内予算編成を予定されておると承っておりますので、やはり先立つものは金でございますが、先立つものは金であるそのまた前提の日本の現在の経済の見通し、行くえをいかように判断をされておるか。私は、特にアメリカの昨今の保護貿易の高まりというものをいろいろ確聞いたしますと、非常に日本の経済の前途は多難であるという、従来からもしばしば使われたことばでありますけれども、本格的にきびしい時代に日本は突入をせざるを得ないと判断するわけでございまして、何せ貿易高の三割以上がアメリカとの貿易関係であるというこの事実を考えた時分に、経済はたいへんな先行き不安定要素があまりにも多過ぎる。同時にまた、いままでの高度経済成長をささえておった背景は御承知のごとくガット体制で、いわゆる商業ベースでどんどん物が日本に輸入できておった。そして日本は、勤勉な日本国民が高度な技術を駆使して、これに加工して再輸出、いわゆる加工貿易、こういったことのために、敗戦後、あの廃墟の中に加工設備をどんどんつくり上げまして、いわゆる臨海工業地帯を設置したわけでございますけれども、今度はそのせっかくつくった加工設備を動かす原材料はあげて海外に依存しておる、この現状から見て、昨今アメリカでは原料炭の輸出自主規制をしようか、こういう動きが伝わると、やはりさしもの日本の製鉄企業も高炉の火を落とさなければならぬではないかというふうな心配も一部に伝わっておるわけでございまして、こういうふうにあれこれ考えると、経済の見通しはきわめて困難が予想されておる。このような事態に対して、大蔵大臣はどのような認識を持って四十六年度予算編成をされようとしておるか。一応ひとつ御見解を承っておきたいと思う次第でございます。

福田赳夫自由民主党大蔵大臣

○福田国務大臣 藤井さんのお話のように、これからの日本の経済は非常に見通しもむずかしく、困難な諸問題が多いと思います。過去数年間、超高度成長を続けたわが日本経済、私は、この勢いが少し激し過ぎる、成長の速度が早過ぎる、かように考えまして、景気抑制政策をとったことは御承知のとおりでありまして、特にその主軸として昨年の九月から金融引き締め政策をとりました。この金融引き締め政策が経済の実体面に効果をあらわしつつあります。すなわち、昨今における経済の諸指標、これはいずれも頭打ち、つまり鎮静化、われわれがねらった経済の超高度成長抑制という方向に動き出しておる、こういうことが認められる段階になってきたのであります。したがって、本年度の初めごろは、おそらくわが日本の経済は実質一三%成長ぐらいな勢いでスタートしてきたと思います。上半期全体を通じて見ますると一二ないし一三%成長ぐらいな勢いだったと思います。下半期はそれが一〇%ないし一一%成長、したがって下半期の末端ともいうべき来年の第四・四半期、つまり一−三月、このころは一〇%成長の程度の経済状況になるのではあるまいか、そういうふうに見ておるのであります。その勢いが来年の経済にずっと引き続いていく。来年の経済がどうなるか、これはいませっかく検討中でありますが、私の気持ちといたしましてはこの一〇%成長——まあ一〇%というのはきちんと数字的に一〇%というわけでもございません。これは一〇・五になるかあるいは九・五になるか、その辺のフレはあると思いますが、一〇%を見当とした成長の姿勢、これが来年度には続いてもらいたいし、また続かせることが、私は、日本の将来の経済のためにこれはどうしても必要である、こういうふうに考えておるのであります。そういう考え方におそらく落ちつくのではないかと思いますが、まあこれから年末、予算の編成、その前提として誤まらざる、的確な経済見通しというものを策定してみたいと、せっかく努力をしておるというのが現況でございます。

藤井勝志自由民主党

○藤井委員 ただいま大臣からお話を聞きますと、一〇%経済成長の伸び率を保ちたい、こういった御見解を承ったわけでございます。  ここで私は、先般大蔵当局から手に入れた資料でございますけれども、昭和四十一年から四十五年のGNPの伸び率の当初見通しが、四十一年は一一・三%、四十二年は一三・四%、四十三年は一二・一%、四十四年は一四・四%、四十五年は一五・八%ということに相なっております。このとき一般会計の伸び率、これは四十一年が一七・九%、四十二年が一四・八%、四十三年が一七・五%、四十四年が一五・八%、四十五年が一八%である。これは御案内のとおりでございますが、これに対して税収の予算額が、四十一年度は、われわれの記憶に新しいごとく不況のどん底で、マイナス二・七%であった。それが建設公債発行に踏み切られまして、四十二年度は税収がぐっと伸びて一九%、四十三年度は二三・六%、四十四年度は二二・一%、四十五年度は二〇・九%ということになっております。これに配するにいわゆる公債収入予算額、私はこの問題にしぼって、これから大臣に御見解を承りたいと思うのでありますが、四十一年度は七千三百億円の公債発行に踏み切られたことは、われわれよく承知をいたしておりまして、いわゆる公債の依存度は一六・九%、これが逐年公債の依存度を低めるという大臣の御方針、関係者の御努力によりまして、一六・九%から四十四年度は七・二%、四十五年度は五・四%、こういう方向にいっておるわけでございます。  私は、先ほど経済の見通し、経済の伸び率をいろいろお尋ねをいたしましたのも、四十六年度の予算編成にあたっては、やはりこのようなそれぞれの指標を踏まえて財源対策を考えなければならぬ。この四十六年度においては、いわゆる道路とか鉄道、港湾とか、純粋な公共投資の中でもほんとうに主軸をなす社会資本充実に対しては、これができることによって孫子の末までごりやくを受けられるわけでございますから、やはりわれわれが一年間にかせぎ出すかせぎ高のみに依存するという、税収に依存ということよりも、公債に依存するという割合を、経済の見通しを考えながら多少ゆるめていいんではないだろうか、このような見解を私は持つわけでございます。この点についてはあくまで、公債の依存度は健全財政のたてまえからいえば低いほどいいわけでございますけれども、健全財政も日本の健全な経済の成長あってのことであり、特に最近社会資本の充実の必要性が強調され、これをまかなう財源対策にはなかなか新税のいいのも見つからない、こういう客観情勢を考えますと、やはりある程度経済の見通も考えながら、これがインフレに結びつかない方法において建設公債発行ということについて、やや従来の方針から弾力的なかまえで予算編成をされて、いわゆる財源対策に万遺憾なきを期せられてはいかがなものであろうか、このように思うわけでありますけれども、大蔵大臣の御見解を承りたいと思う次第でございます。

福田赳夫自由民主党大蔵大臣

○福田国務大臣 来年度の予算の編成につきましては、いま申し上げました経済見通しがどうなるか、これが非常に大きな関係を持つのですが、先ほども申し上げましたように、来年の日本経済をどの辺に持っていくか。私は一〇%がらみの成長ということを追求するということになるだろうというふうにいま思っておりますが、経済の実勢が一〇%を大きく割っていくような傾向があるということがなしとしない。そういう際には財政上、金融上それを防止する政策をとらなければならぬ、こういうふうに考えるわけです。逆に、一〇%ということを展望しながらも、また過熱がぶり返しまして一二%、一三%というような経済の勢いだという場合におきましては、財政もあるいは金融もそれに対しては抑制の働きをするようなかまえをとらなければならぬだろう、こういうふうに思うのです。その辺を一体どういうふうに見るか。私はぶり返しというようなことはまずまずなかろうと思います。またそう一〇%を大きくめり込んでいくというような事態もあまりないというふうに思う。そういうことになりますと、四十五年度におきましては、いわゆる景気に対しまして財政金融は警戒中立型、むしろ警戒に近いような気持ちを持ってこれを運営してきたわけでありますが、どうも四十六年度になりますと警戒という字がとれるんじゃないかというような気持ちがするのです。そうすると中立型というようなことになる。  そういうことになりますと、公債に対する考え方、これも四十五年度よりはゆるやかな気持ち、そういうことになるだろう。こういうふうに思うのでありますが、いずれにいたしましても、公債を一体増額するのかしないのか、あるいは公債依存率を下げるのか下げないのか、こういうようなことは、これは国の物価政策の基本にも触れてくる重大な問題でありますので、なおこの上とも、こだわった考え方を持たないでひとつ考えていきたい、対処していきたい、かように考えております。

藤井勝志自由民主党

○藤井委員 ただいま大臣の御答弁で、私は以心伝心、私なりによく理解をいたしたわけでございまして、非常に困難な客観情勢を踏まえて四十六年度予算編成、せっかくの御努力をお願いをいたす次第でございます。  次に、問題を変えまして、私は直接金融と間接金融のあり方についてひとつ、大臣は今後どのような方針で対処されんとするか、私の見解を前提として御質問を申し上げたいと思うのであります。  わが国の資金の流れが、直接金融に対して間接金融の比重が著しく高いということが特色であることは御承知のとおりであります。私は数字的な内容をちょっと調べた結果驚いたのですが、十年前は直接金融の比率が三〇%くらいだった、これが昨今は一〇%になっているという。むしろ時代の要請は直接金融、すなわち企業の体質、資本構成からいっても逆にならなければならぬ時代ではないか。特に資本取引の自由化という時代を迎え、日本の企業はいわゆる企業としての資本構成を、自己資本比率というものを高めなければならぬことは、もうだれしも常時強調され、必要性を認めておるわけでございますけれども、逆になっておる。これに対してどのような手段を考えていくべきか。なかなか妙案は見つからないと申しますか、せっかく大蔵省にもそれぞれ専門家を動員されての審議会もありまして、先般来、後ほどちょっと触れますが、中期預金の問題とか、民間金融機関のあり方とか、ある程度の改善の答申が出ておりますけれども、私は、一番基本は間接金融と直接金融とのあり方にメスを入れて、そしてバランスのとれた金融市場といいますか、こういった基礎を確立しなければならない、これがたいへん大切な問題だと思うのでございます。なるほど、敗戦後間接金融が日本の経済復興に寄与した功績を私は否定するものではございませんけれども、最近はえてしていわゆる金融資本の産業支配という、いわゆる金融資本の系列化、こういったことに相なっておるわけでございまして、たまたま私のおやじは、しがないいなかの銀行マンをやっておりましたが、昭和三、四年のころ、これは実際苦労の多い仕事であるということで、孫子の末まで金融機関はさせないとおやじが言っていたことを幼心に覚えておりますけれども、昨今は全く時代が逆になっておる。しかし私は、本来の姿は、金融は産業に奉仕すべきものである、こういうたてまえから考えると、ちょっとさか立ちをしておるのではないか、こういうように思いますので、この点について大蔵大臣として、いまの間接金融、直接金融の現在の現状から見て、どのような方向でこれが政策を進められんとするか、ひとつ御見解を承りたいと思う次第でございます。

福田赳夫自由民主党大蔵大臣

○福田国務大臣 お話しのとおり、いま日本の国の状況は、間接金融に対する金融の依存度が非常に高い、高過ぎる、こういう状態かと思うのです。これは、なぜそういうふうになってきたかということを考えてみますると、やはり日本の経済が超高度成長、その大道をばく進し続けてきた。つまり、直接金融というか、自己資本を充実するいとまもなく、借金借金と間接金融にこれを依存をしてくる。この結果こういうふうになってきたのだというふうに理解をいたしておりますが、さて、そうなりました日本の国の産業の状態はどうか、その経理状態はどうかというと、自己資本が非常に少なくなり、昨今におきましては自己資本比率が二割を割るというような惨たんたる状況になってきておるというふうに承知しておりますが、やはり私は、経済が安定的に成長する、そういう考え方と歩調を合わせまして、産業におきましても自己資本、つまりその主軸をなす直接金融、これを伸ばしていかなければならない、こういうふうに考えておるのであります。これの見地からいいますと、やはり証券市場の健全化、または市場の体制の整備、またさらには、もっと大きな問題になりまするけれども、国民一人一人の蓄積、貯蓄に対する態度の更新というか、増強というか、そういう問題、あらゆるきめこまかな配慮をしながら直接金融が一段と躍進をするという方向の施策をとらなければならないだろう、かように考えております。

藤井勝志自由民主党

○藤井委員 次の国会には、聞くところによりますと証取法の改正の準備も進んでおるやに仄聞するわけでありまして、ただいま大蔵大臣は直接金融の道に積極的な姿勢で対処したい、こういう御答弁でありますから、ぜひひとつそのような方向に努力していただきたいと思うのであります。先ほどもちょっと触れましたように、わが国の企業が国際化に対処するためには、いわゆる国際資本との競争裏に企業が立つわけですから、言わずもがな、企業の体質の強化をはからなければならぬ。ところが日本の企業は極端に自己資本比率が低いわけでございますから非常に脆弱な体質を持っておる。ところがいまのような客観情勢に迫られております。一日の猶予も許されないということにもなりますし、同時にまた反面、国民の所得もずっと向上してきておる。よその国の例もいろいろ聞いてみますと、ある程度所得がふえてくると間接金融から今度は直接金融に金が回ってくる。われわれも静かに考えてみると、まだわれわれの蓄積では株を買おうかというところまで手が届かぬ。余裕が出てくると株にも手を出そうかということにもなるわけですから、大体だんだんそういう方向へ向かいつつある。同時にまた、金融行政の効率化という、こういった点も大蔵省はいろいろ努力されて今日まできておりますし、あるいはまた国際金利水準の格差も縮小してきておる。こういうふうな情勢をいろいろと考えると、まさにそういう方向に向かって施策がもろもろの手段を講じて進んでいく。そのためには証券業界自体の体質もやはり大衆に親しまれる証券企業にならなければならぬ。同時にまた、そういう体質を改善する証券企業に対して、税制の面を含めて国がいわゆる誘導政策をやって、直接金融と間接金融とのアンバランスを是正していくということ、これは非常に大切な問題ではないか。したがって、それについていままでは、中小企業金融のあり方についての専門家の審議会の答申を得られ、この間は民間金融機関をやられる。今度一つやられるとすれば、いまのような間接金融と直接金融とのあり方についていかなる具体的な提案が適当であるか、こういうことについてひとつ積極的に大臣のほうで事を進めていただきたいと思うのでございますが、御見解を承りたいと思います。

福田赳夫自由民主党大蔵大臣

○福田国務大臣 よく考えてみたい、かように存じます。

藤井勝志自由民主党

○藤井委員 最後に、時間がございませんからごく簡単に、中期預金の問題についてちょっと私、確認をしておきたいと思うのであります。  私は、貸し出しと預金とが期間的に対応する必要はない。むしろ期間の短い預金があたかもダムに水がたまるごとく集積して、そして中期、長期の金融を行なうというところに間接金融のメリットがある、このように考えるのでありますけれども、大蔵大臣はいかがお考えでございましょうか。

近藤道生大蔵省銀行局長

○近藤政府委員 ただいま御指摘のとおりの面が多いかと存じますが、同時に若干の関連も両者の間にはあろうかと思いますが、ただいま御指摘になりましたように、直接にフルに関連しておるということではないと存じております。

藤井勝志自由民主党

○藤井委員 私は、物価の値上がりというようなことを勘案されて、金利が五分五厘では一年定期預金をする人がいないだろう、こういうことから金利を六分に上げる、そのためにはやはり一年の定期ではなんだから一年半という、こういった線を考えなければならぬだろう、こういったことを新聞を通じて拝見をしたわけでございますけれども、これはあくまで私は、本来ならば金融機関の企業努力によって、従来の一年定期で金利は六分、こういう線が出せないものであろうか。もしどうしてもそれは無理だということになれば、この一年半というのはいわゆる中期預金——私は、一年半ということになれば今度は二年、二年半、三年、結果的には中期預金を誘発する芽ばえではないかというふうに受け取られる節もないことはない。これは問題は大きくわれわれの考え、私の考えとは違った方向に行く危険性がある。この点について銀行局長、どういう考えを持っておられるか、御見解を承りたい。

近藤道生大蔵省銀行局長

○近藤政府委員 中期預金のほうは、金融制度調査会で議論をされた過程から見ましても、先ほど御指摘の長短金融の業務分野の相互乗り入れというようなことにも関連いたしまして、そういう観点からいろいろと議論をされてまいったわけでございます。一方、ただいま世上に伝えられております一年半定期、これはまだ具体的には関係者の間の話が煮詰まっておりませんので、具体的な案にはなっておらないわけでございます。ただ、発想方向といたしましては、中期預金のように基本的に業務分野の相互の乗り入れといったような思想ではなくて、むしろ、たとえば貯蓄増強、金融資産の種類を豊富にして貯蓄を増強するという観点、あるいはまた金融機関の収益を一般預金者大衆に還元をするというような考え方、そういった観点から考えられておるものでございまして、その他の金融機関に対する影響、あるいは各種金知への波及というようなことはむしろ逆に極力押えるという方向の発想から出ております点で、中期預金の考え方とは違うということを申し上げ得ると思います。

藤井勝志自由民主党

○藤井委員 私は先ほどお話ししたごとく、直接金融の道を大いに確立をしていくということのためには、その先兵的な役割りといいますか、公社債市場の育成ということが非常に大切だということも多言を要しないと思うのでありまして、そういったことのために、かりに一般に伝えられるいわゆる中期預金というものが新たな考え方の上に制度として発足するならば、この健全な公社債市場の育成を妨げる、こういうことになることをおそれるわけでございまして、この点は、貯蓄総量が増加する、こういうことならけっこうでありますけれども、同じ国民のふところから資金がこちらへ移動するというだけでは意味をなさない。かえって既存の金融秩序を混乱するというおそれたしとしないわけでございますから、ひとつよくその点は考えていただかなければならぬ。一般にちょっと考えると、ころがしで二年、三年とやっている。だからそれに対応して中期預金を認めてもいいのじゃないかということになりますが、その結果は貸し出し金利を引き上げるということにならざるを得ない。これはさしあたりすぐはね返るのは、いわゆる大蔵省の資金運用部資金ですね。郵便貯金の金利というものをどう考えるかというようなことを考えますと、これはよほど慎重にやらなければならぬ。たまたま物価が上がっておる、それに沿うて金利を上げなければならぬ——私は、預金金利を上げるということは、金融機関の企業努力によってこれが消化につとめるべきであって、他に金融機関全体の秩序を乱していくような方向には問題の解決を求めるべきではない、このように思っておるわけでございまして、特に一般の都市銀行、普通銀行、これはずっと網の目のごとく全国に支店網といいますか、吸収する毛細管があるわけでございますけれども、いわゆる長期金融機関というのは限られたパイプしかない。そうするとそこら辺、金が集まるのが、いわゆる一般都市銀行、普通銀行へ集まってくるという結果になれば、さなきだにいわゆる金融資本の産業支配という方向が一そう強まってくる。長期金融機関というのは国民経済的立場で中立性をもって運営されるというのが本旨でありますから、これを弱体化させないようにして、しかも国民全体の貯金をうまく集めてくる、こういう配慮をすべきである、このように思うわけでございまして、この基本的な考え方に対して大臣の御見解を承って、私の質問を終わらしていただきます。

福田赳夫自由民主党大蔵大臣

○福田国務大臣 藤井委員のお話、一々ごもっともだと思います。要は、直接、間接を問わず、預金の総量、貯蓄の総量というものがふえるということにねらいがなければならないと思います。そういうねらいをもって、均衡のとれた貯蓄増強政策、これを進めたい、かように存じます。

毛利松平自由民主党

○毛利委員長 阿部君。

阿部助哉日本社会党

○阿部(助)委員 このあと、わが党の委員から税金問題を中心に質問が展開されるそうでありますので、私は、その前提になります物価問題にしぼってお伺いをしたいと思います。  政府はいよいよ四十六年度の予算編成に入るわけでありますし、この予算問題ももちろんでありますが、また国民の生活にとりましても、総理が施政演説のたびごとにおっしゃるように、これは当面する重大問題であることには間違いございません。しかし、政府が物価安定に努力するとか、これはたいへんな心配ごとだとおっしゃるたびに、国民の期待に反して物価は大幅に上がっていっておるわけであります。私のところに恩給をもらっておる人たちから手紙が来ておりますけれども、大事な半生をつとめ上げて恩給をもらっておるけれども、いまのようなインフレが続いたんではとても生活ができない、さればといって自分みずから命を断つわけにもいかないという、切実な手紙が来ておるわけでありますが、一体物価の問題について政府は本腰を入れて対策を講じておられるのかどうか、私たちは疑問を持たざるを得ないのであります。企画庁もありますけれども、何といっても経済閣僚の一番重要なポストであり、次期総理をもって任ずる福田大臣に、ひとつ率直な見解をお伺いしたいと思うのであります。  まず、いろいろな物価の見通しが毎年毎年狂っておるのですが、ことしはたしか四・八%という見通しを政府は立てられた。今日、この十月で前年対比をすると八・六%程度の値上がりをしておると思うのですが、これはどなたがあれでしょうか。

福田赳夫自由民主党大蔵大臣

○福田国務大臣 ことしの物価情勢は、通見しとたいへん狂いまして、今日この時点を昨年のいまごろと比べてみますと、八%をこえる消費者物価の上昇ということになっておるのです。ただ、年を通じまして、四十五年度の物価水準が四十四年度と比べてどうなるかということにつきましては、おそらく七%上昇、それを多少こえる線になるのじゃないか。もとよりまだ的確な見通しもできない時期ではございますが、大かたの見当はそんなふうにつけられておる、そういう現状でございます。

阿部助哉日本社会党

○阿部(助)委員 いまよりも少し下がるということでありますが、七%といってもこれはたいへんであります。しかしまた、せっかくの大臣の見通しでありますが、どうもあまりにも狂い過ぎますね。というのは、十月の一日に農林省はこういっておるのです。秋野菜を中心に十月は生鮮食料品が全般的に安くなります、ということを発表しておる。その前には、万博の関係等もあって西高東低になって、十月には下がるであろうなんということをいっておった。ところが全くこれは逆で、生鮮食料品は猛烈な値上がりをしてきておるということで、何か政府の発表と全く裏返しの物価の値上がり、こういうことが一体どこに原因があり、どこでそう狂うのかという反省をされておるのか。この野菜の問題を一つとってもそうでありますし、魚の問題等も、もう近海で魚はなかなかとれなくなった。遠くへ行くといえば、やはりこれは大企業が遠くまで行ってとってくる。そうすればこの大企業のとった魚というもので価格が操作されるという可能性を持ってくるというあたりに、もう少し政府自体、具体的な手を打たれなければ、何か、下がるだろうと言うと上がってしまうということで、全く国民は政府に対する不信感を持つだけじゃないだろうかという感じがするのであります。  もう一つ、次に公共料金の例をあげますると、これは政府自体がほんとに腹をきめれば上げずに済むのではないか。なぜそれを政府はそういうことにやらないのか。私鉄の例をとってみますると、私鉄は、大手十四社、今年は赤字だったのですか、黒字だったのですか、この前の決算は。

須賀貞之助運輸省鉄道監督局民営鉄道部長

○須賀説明員 お尋ねの件は、いわゆる十四電鉄の運賃改定の件かと思いますが、十四電鉄は鉄道軌道部門と自動車部門あるいは不動産その他のいろいろの事業をしておるわけでございますが、この十四社を合計いたしますと、大体全体の収入の半分が鉄軌道の収入でございます。それで会社全体で見ますと、確かにいままでも黒を出しておりまして、配当も持続しておるわけでございます。ただその間、鉄軌道部門だけをとってみますと、これは非常な赤字になっておりまして、四十四年度で申しますと百九十億程度の赤字でございます。これは収入を一〇〇といたしますと経費は一二三ということでございます。そういう鉄軌道部門の赤字を主として不動産の利益によってまかなっておる、それで配当を持続しておる、こういうのが実情でございます。  つい最近の四十五年度上期の決算が出ておりますが、これについて見ますと、十四社のうちで四十四年度上期で赤字を出しておったものが一社でございます。四十四年度の下期はゼロでございますが、今回の四十五年度上期で見ますと四社が営業内の損失を来たしておるわけでございまして、これに対しまして営業外費用、いわゆる金利、そういったものを加えますとまたさらに赤字が増大する、こういうことになっておるわけでございます。この赤字というものはどうして起きてきたかと申しますと、いわゆる装置産業ではございませんので、人件費の比率が非常に大きいわけでございますが、これと同じくらいのウエートを資本費——輸送力増強工事に向けました金利負担、償却の増、こういったものによりまして人件費と同じくらいの資本費がかかっておって、最近の経費の増高傾向を見ますと、人件費のアップよりも資本費の増高、こういうことのほうが経費を上げる寄与率としては大きいわけでございます。そういう点をひとつ御了承願いたいと思います。

阿部助哉日本社会党

○阿部(助)委員 私鉄のほうで、あなたは軌道部門とほかの土地だとかいろいろな関連の部門等を分けられるけれども、会社はもうかっておるわけでしょう。その利益はどれくらいあがっておるか、わかりますか。

須賀貞之助運輸省鉄道監督局民営鉄道部長

○須賀説明員 九分ないし一割配当が可能な程度でございます。

阿部助哉日本社会党

○阿部(助)委員 この十四社で、株主向けの営業報告によると百九十二億もうかっておるわけですね。そうしておいて運輸省へ出した報告によれば百九十六億の赤字だ。差し引きずると約三百九十億という狂いが出ておるわけですよ。そうでしょう。

須賀貞之助運輸省鉄道監督局民営鉄道部長

○須賀説明員 配当所要額というものを、配当する前の姿で百九十二億の黒字を出しておるわけでございます。

阿部助哉日本社会党

○阿部(助)委員 私鉄は全体で百九十二億の黒字を出しておる。運輸省に出した報告書によると逆に百九十六億の赤字となっておる。よく話を聞けば、これは軌道部門で赤字を出して、土地やなにかでもうかった、こう言っておるけれども、そのほかにもう一つ、税務署に出した報告書はまた違うのじゃないですか。三重帳簿になっておるといううわさすらある。そういうような中でなぜこんなものを値上げしなければいかぬのか。この値上げが十月、十一月における物価値上がりの指数に大きく寄与しておる、こういわれておるわけでありまして、こんなものは政府自体がもう少し全体を見てやるならば、値上げを押えるということは私は可能だったと思うのであります。いま値上げをしようとする公共料金は軒並みであります。そういう中で一つの企業について、この部面で損をしておるから税金を取らないとか、この部面でもうかっておるけれどもこっちのほうで損しておるからこれはつり上げなければいかぬなんていうことをやっておれば、物価政策などというものはもう国民不在の政策だということであって、こんなやり方で国民が物価政策に期待を持つはずはないのじゃないか、こう思うのですが、大臣、いかがですか。

福田赳夫自由民主党大蔵大臣

○福田国務大臣 物価政策につきましては非常な重点を置いて努力しておるのです。しかし、この問題は非常にむずかしい問題で、わが日本ばかりではないんです。世界じゅうがいま物価物価で悩んでいるのです。世界第一の経済大国であるアメリカも、景気のほうはほとんど横ばい、ことしの春あたりまではGNPがマイナスになる、失業者がどんどんと続出をする、こういうような状態であるにかかわらず物価が上がっていく。これはアメリカばかりじゃない、ヨーロッパ諸国においても同じ傾向があるのです。しかも、これらの国々は消費者物価ばかりじゃないのです。卸売り物価もまた上がる、こういうような状態です。  そこにいきますと、わが日本ではとにかく卸売り物価は安定しておる、こういうので、世界じゅうから日本の経済情勢に対しましては非常にうらやましがられておるというような状態なのでありますが、しかし物価がとにかくこのような情勢であるということにつきましては、これは非常に憂慮すべきことである。わが日本の経済全体を見まして、私は物価だけだと思う。ほかにそう心配することはない。ただひとり物価問題だけだ。しかも消費者物価問題だけだ。こういうふうに思っておりますが、なぜ卸売り物価が安定しておって消費者物価が上がるのだということを考えてみなければなりませんが、卸売り物価は大企業物価といってもいいのです。その六割までが大企業製品の価格によって構成されておる。これは生産性がとにかく上がる。賃金も上がりますが、賃金の上昇率が生産性をオーバーするという状態ではありますけれども、とにかく生産性が一五%も上がるという状態だものですから、賃金の上昇にもかかわらず価格の上がりぐあいというものは少ないです。その大企業物資で構成する卸売り物価、これはともかく比較的安定状態だ。ところが大企業製品の占める分野が非常に少なく、農産物であるとかあるいはサービス料金でありますとか中小企業商品でありますとか、そういうものが大部分を占める小売り物価になりますと、これらの部面は生産性が非常に上がらない。そこで賃金の上昇がありましてもこれを吸収し得ない、そこに消費者物価が上がる根源がある、こういうふうに見られるようになってきた。アメリカで経済は不況だ、マクロでは大いに不況だけれども、物価は一向鎮静しない。これは一致した観測として、賃金と物価の悪循環がアメリカ経済に出てきたんだというふうにいわれておりますが、わが日本でもそういう要素もあるのです。  そういうような点をどういうふうに解決していくか、私どもも知恵がないので弱っているのですが、阿部先生あたりにひとついろいろ知恵をおかりいたしましてこの問題には対処していかなければならぬ、こういうふうに考えておるのです。流通の問題、あるいはおくれた産業の近代化の問題、あるいは自由競争、自由価格の問題、いろいろあります。そういう問題、また予算に関連いたしまして公共料金をどうするかという問題、これは最善の努力をいたしますけれども、新しい世界的問題としてそういう悪循環の問題が出てきているということもひとつとくと御了承願いまして、御鞭撻のほどをお願いいたしたい、かように存ずる次第です。

阿部助哉日本社会党

○阿部(助)委員 まあ、アメリカの問題はほかの問題でありますけれども、アメリカにはベトナム戦争というようなばかばかしい戦争をやっているとか、いろいろな点で問題がありましょうし、また資本主義そのものに矛盾を持ってきておることだと思うのでありまして、私、北朝鮮へ行ってみても中国へ行ってみても、社会主義の国では物価は全く安定しております。  そういうことを考えていくと、問題はいろいろあるわけでありますが、まずよその国の問題よりも、郵便料金が、きょうの新聞にも出ておりますように上がろうとしておる。郵便料金は一体どこに損しておるのだ。これは主としてむしろ大企業のダイレクトメールなんということでいろいろな手数がかかる。大衆の使う年賀状なんというのではもうけておる、こういわれておる。電話も電報もまた上がろうとしておる。大体電報の略文をなくして料金を上げようなんていう考えは、私は情報化時代に逆行するんじゃないか、こう思うのですが、そういうことまでやって料金を上げようとしておるのです。こういう問題は、政府が三十九年の場合には一年間ストップしたという経験をお持ちになっておる。いまこれだけ国民が物価問題で悩んでおるとすれば、政府がほんとうに腹をきめてやれば、まず公共料金ぐらいは押えるのが当然だと思うのであります。  まあ私も繰り返しませんけれども、この私鉄の問題にしても、三重帳簿といわれる、私はもう少しそれを突き詰めたいのでありますけれども、こんなばかばかしい話を大衆のところへ持っていったって大衆は納得しませんよ。全体で百九十二億もうかっておる、こっちのほうで百九十六億損しているからもっともうけさせてくれ、上げてくれなんという話をしたって、これは大衆が納得するやり方だとお考えになりますか。納得できるはずがないのですね。そういうばかばかしい政策を、打つ手を打たずにおるというところに問題があるんじゃないか。  いま大臣は、大企業の製品はそう上がっていないけれども、中小企業や何かのもの、あるいは農民、漁民の生産物が値上がりすると言うけれども、大企業の場合にはむしろ生産性向上部門を消費者に回すということを総理もおっしゃっておったはずであります。ところが一体これが回されておるのか。もう私がいまここでくどく申し上げなくとも、カラーテレビの問題だって、政府がこれに着手したわけじゃないじゃないですか。むしろ消費者の大衆が騒ぎ出したので、そこでやむなく公取も少し動いてはみた。動いてはみたけれども、あの審決案を一ぺんごらんになってみれば、大臣、これはもう不可解千万なんですよ。審決案によると、大手六社は三十七年から四十一年にかけて価格協定したのは事実であるけれども、最近十日会を開いていないので特別の措置を命じない、こういうのでしょう。特別の措置を命じないということは、これは無罪放免ということなのでしょう。それでもこの六社は公取に対して異議の申請をしておるということになると、一体公取なんというものは何をやっているのか、国民は期待ができない役所になっておるんじゃないか。  もう取り上げてみれば数限りがない。一体大蔵省の監督下にあるビール、酒はどうしたのか。大臣、このビールは、麒麟麦酒が五五%のシェアを持っておる。まあサントリーの四・五%を除けば全く三社で独占をしておるわけです。そして麒麟麦酒の利益を見たところで、一体なぜこれに値上げをしなければならぬのか、国民には理解ができない。大蔵省はなぜこれを押える努力をされなかったんですか。大臣、これくらいは押えられたんじゃないですか。いかがですか。

福田赳夫自由民主党大蔵大臣

○福田国務大臣 ビールは、御承知のようにこれは自由価格でありまして、大蔵省としては何らの権限はないのです。それにもかかわらず私どもといたしましては、ビール値上げの動きがあるということを察知いたしまして、ずいぶん勧告に勧告をいたしたのです。最後の段階におきましても私自身がまあ警告を発するということをいたしましたが、とにかくこれは自由価格であるというようなたてまえのもとに、ついに値上げが行なわれるということになりました。これが、いま麒麟麦酒がというお話でございますが、サッポロが値上げした、麒麟が値上げをしないということになると、またそれがいろいろ産業構造自体にたいへんな影響を及ぼしてくるというようなこともあるのです。でありますが、とにかく各社そろって値上げということになりましたことははなはだ私も残念に思います。まあビール業界のあり方、これをどうするかというようなことにつきまして、なお考えてみたい、かように考えております。

阿部助哉日本社会党

○阿部(助)委員 これは自由価格なんだ、こうおっしゃるのだけれども、これは大蔵省の強力な指導のもとで成り立っておる。それで大臣、考えてみたいというのはどんなようなことを考えるのですか。考えてみたいというのは、もう少し具体的に何かあるのだろうと思いますが……。

福田赳夫自由民主党大蔵大臣

○福田国務大臣 具体的ということですが、そのお答えはまだできません。できませんが、とにかく非常な寡占状態で、したがってその寡占状態から価格決定もきわめて独占的というか独断的というか、というふうにきめられる傾向がある。そういう状態に対して大蔵省としてどういうふうに立ち向かうか、その辺のことをよく考えてみたいと思います。

阿部助哉日本社会党

○阿部(助)委員 まあ、酒にしたところで、一ぺんに上げれば問題が出るということでしょうから、これはさみだれ的に酒も上げてしまうという形で、政府には手がないということをおっしゃるのだけれども、私はもう少し強力な指導性を発揮されてもいいのではないかと思うのです。  それならば私お伺いしますけれども、政府自体で掌握しておるものがまだあるわけであります。最近この数年間の日銀のお札の発行高はどの程度毎年比率で増加しておるか。私は、最近ずっと二〇%から二五%程度の増発になっておるのではないかと思う。ただ昨年は、大臣のおっしゃった引き締め政策で一八%程度でおさまっておるわけでありますが、これは日本の鉱工業生産の伸び率が一五・四%程度、その伸び率に比べればはるかに高い比率で日銀券が増発をされておるというところにもインフレの一つの大きな要因があるのではないか、こう考えるのですが、いかがですか。

福田赳夫自由民主党大蔵大臣

○福田国務大臣 日銀券の発行は、経済情勢のしりというか、しっぽがそこにくるのでありまして、それが原因になってインフレ、という見方はどうかと思うのです。それにいたしましても、とにかくこれが物価情勢、インフレ、デフレ情勢と非常に関連の深いものであることはそのとおりであります。いま現在の情勢は鎮静化しつつあります。すなわち、ことしの夏ごろまでの状況は、御指摘のように去年に比べまして二〇%をこえたり引っ込んだりというような情勢でありましたが、金融調整政策の効果が実体経済面にも波及するというような、鎮静の状況が経済界全体にあらわれると同時に、日銀券にも鎮静の様相があらわれてまいりまして、今日この時点ではおそらく一七・五、六%増というところまで落ちつきを示しておる、こういう状態でございます。

阿部助哉日本社会党

○阿部(助)委員 先ほど藤井委員からお話がありましたように、日本の企業の自己資本比率は一七%程度、たいへん低いわけであります。これは数年前から、自己資本比率を高めなければいかぬとか、貿易の自由化、資本の自由化を控えて、企業の体質をあらゆる面から強化しなければいかぬなどということで、私、お話はお伺いをしてきたわけでありますが、依然として低いのは、一つは政府自体が高度成長のためにこういう形で金融の道を開き、援助をし、やってくるから、資本としてはますます設備拡張をする。そのために借り入れをする。借り入れをするから自己資本比率は依然として高まらない。そういう形できておるものは、これは大蔵省自体、政府自体が高度成長を進める大きなてこ入れをしてきたのではないか、こういわれてもしかたがないのじゃないですか。こういう形で金融の企業を甘やかしてきたところに、一つは物価高、インフレという問題を引き起こしておるのではないか。そうしてもうかったところは、生産性向上部面を国民の側にも回してやるなどという話はさっぱりやらないで、もうけはもうけです。そういうことでいくと、政府自体が管理のできる、特にこの通貨問題等は大蔵省が管理のできる問題、そういう問題まで企業の高度成長あるいはまた資本のわがままを助成をしてきた、こういわれても私はやむを得ないのじゃないか、こう考えるのであります。本来、金本位制の場合だったら金の裏づけがありますから自動調節機能が働きますけれども、今日のような管理通貨の場合には、政府が権限と責任をお持ちになっているはずであります。そういう点で、この物価問題の大きな責任はだれが見ても政府にあると思うのだが、政府自体責任をさっぱり感じられないのじゃないですか。いかがですか。

福田赳夫自由民主党大蔵大臣

○福田国務大臣 物価問題については終局的に政府に大きな責任がある、私はそういうふうに思います。つまり物価は、申し上げるまでもございませんけれども、物資の需要と供給の関係、それからもう一つの要因といたしましては生産コスト、この両面からきまっていく。これはもう長い間の学説等で争いないところでありますが、総需要をどういうふうにするか。つまり成長の高さをどういう程度をもって経済運営をするかという点につきましては、私は政府のさじかげんというか、かじ取りにおいてかなり支配し得る問題ではあるまいか。それがとにかく非常に高い水準で日本の経済が発展してきておる。それをかりに非常な切り詰めた考え方でやったといたしましたならば、私は物価問題にはかなり鎮静の影響があったというふうに思います。しかし同時に、わが日本の経済が今日このような状態にはならなかったという一面もあるわけでありますが、とにかくそういう意味において、物価問題の最大の問題である総需要ということに関連いたしまして、政府が及ぼし得る大きな力、そういう場面があるわけであります。なお、公共料金でありますとかその他のいろいろな面において、政府の施策が響いていく。  しかし同時に、政府の努力では及びがつかない面があるのです。それは主としてコストの問題です。コストの問題で一番大きな問題は、政府の力の及ばない問題は賃金の問題、この問題は非常に大きな峠に差しかかってきておる、こういうふうに思います。それからもう一つは、海外の物価高のわが国に対する影響、これもわが国の物価に影響してくるわけでございまして、それがコスト要因になるわけでありますが、これもまた政府の力のなかなか及びがたい分野である。  ですから、物価は政府が努力はしなければならぬけれども、ひとり政府だけの努力でこれはおさまるものじゃない。これは国民各界各層みんなが努力して初めてほんとうの効果をあげるものである、こういうふうに思っておるのです。これは言いわけを言っているわけではないのです。政府も最大の努力はいたします。このことははっきり申し上げます。

阿部助哉日本社会党

○阿部(助)委員 私、いままで、生鮮食料品に対する政府のあり方、あるいはまた公共料金の問題、あるいは管理価格の問題、そうしていまの通貨問題等、こうお話を聞いてきたわけでありますけれども、どれ一つをとってみても、政府は責任がある、こうおっしゃるけれども、どのように責任をとったということもなければ、実際政府の言うこととはうらはらに物価のほうは上昇していくというこの現実、これはどこかで歯どめをしなければならないのじゃないか。そしていま大臣は、いよいよこれはコストインフレの観点がある。何か物価が出てくると、財界や政府のほうでは賃上げが犯人であるかのように宣伝をされるわけであります。しかし私、日銀の調査月報の二月号を見ますと、賃金よりも利潤が上がるから物価が上がる、こういっておるので、これはたいへん珍しく私と同じ意見を述べておるわけであります。また開銀の設備投資研究所長の下村治さんがこう言っております。大臣、ちょっとこれを読みますが、「見落とせないのは、企業が笑いの止まらぬ増収増益を続けていることだ。これで、なぜコスト・インフレの恐れがあるというのか。わが国の賃金水準は米国に比べるとまだまだ低い。大幅賃上げを認めないと、企業はもうかりすぎて困るはずだ」、こうおっしゃっておるのですね。私はある意味でこれはほんとうだと思うのです。日本の賃金が多少上昇してきたといったところで、まだアメリカ、ヨーロッパに比べれば問題になりません。そういう中で賃金が下がることは、資本家にとってはいいにきまっておりますが、労働者はたまらぬのでありまして、今日まだ日本の賃金がそれほど大きく問題になる段階ではないのではないか。むしろいまいろいろ指摘をいたしましたように、政府がほんとうにやろうとするならば、一年間公共料金をストップするとか、あるいはまた可能な限り手を打っていくならば、物価をまだまだ安定させる道はあるはずであります。  しかしいま大臣の話を聞いておりますと、いろいろやっておるけれどもと、こうおっしゃるが、具体的には何一つやっておられない。私は、失礼だけれども、ほんとうに何一つやっておられない、こう申し上げても過言じゃないのじゃないか、こう思うのでありましても、もう少し——物価問題は国民生活にとっても深刻な問題でありますし、これだけ、四・八%の見通しが八・六%にも上がるなんという状態であったら、これは全く異常なことであります。外国はどうであろうと、日本の国民生活にとってはこれは異常なことであります。何といっても大蔵大臣という重要ポストにある福田大蔵大臣に、異常な決意でこの問題にほんとうに真剣に取り組んでいただけるのかどうか。いままでの佐藤内閣の姿勢から見て、私たちはどうも、失礼だけれども信用がおけないわけであります、この現実の前に。そういう点で福田大臣からもう一度この決意をお伺いしたいと思うのであります。

福田赳夫自由民主党大蔵大臣

○福田国務大臣 経済運営の二つのかなめといたしまして物価と公害、こういうこと、特に昭和四十六年度の予算の編成にあたりましてはこの二つを眼目として編成をいたしたい、かように考えておるわけです。いま公共料金のお話が具体的にありましたが、これはきょうの閣議においても、当面の公共料金政策をどうするか、掘り下げた検討をしておきたい、こういうので明朝その問題を中心に政府の意見の交換を行ないます。物価対策にはそれほど慎重に取り組んでいるということを申し上げさせていただきます。

阿部助哉日本社会党

○阿部(助)委員 もう一つ大臣にお伺いしたいのは、最近、新聞を見ている限り、米の問題では農林省よりも大蔵省のほうがいろいろとおっしゃっておるので、特に大蔵大臣にこの問題でお伺いをしたいのであります。  大臣は十二月四日にお米の買い入れ制限について記者会見をしておられるようでありますが、「お米の買入れ制限は現行食管法を改正しなくてもできる。来年は三百万トンの米の減産政策を実施するのだから、効果を確実にあげる歯止めとして、買入れ制限の具体策をいま検討している」、こうおっしゃっておるようでありますが、これはほんとうですか。

福田赳夫自由民主党大蔵大臣

○福田国務大臣 米の問題につきましてはいろいろの角度からいま検討しておるまっ最中でございます。ひとり買い入れ制限という問題ばかりじゃありません。あらゆる角度から米の問題の検討をやっておる、こういう段階でございます。  この間の記者会見のお話がありましたが、これは米の問題を考える道筋を記者団に申し上げたわけでありまして、具体的にどういうステップをとろうとしておるか、そういう点にはまだ触れておりませんが、まず申し上げたのは、一番大事なことは、とにかく米が余るんだ、減反をしなければならぬ、ならぬが、その減反分をどういう方面の農業に転換をするのか、この青写真というものをはっきりする必要があると思うのです。これがしかしなかなかむずかしい問題なんで、多年農林省において苦しんでおる問題であるけれども、とにかくこの青写真ができることが大きく要請される。それから、それができた上に立ちまして、大かたいまの米作の二割程度が減産となるような減反政策が必要となる。その場合に、その減反の歯どめというか、保障というか、その方法についていまいろいろな考え方が出ておるんだ。そのいろいろな考え方について検討中であるというお話を申し上げました。その辺が新聞に出ておるようでございますが、なかなかむずかしい段階に来ました。何とか問題をはっきりさせなければならぬというふうに考えておりますが、これからさらに、どういう方法がいいかという具体案につきましては検討をしてみたい、最後の検討をしてみたいというふうに思っておる段階でございます。

阿部助哉日本社会党

○阿部(助)委員 今日、米は重大問題だ、こうおっしゃって、いろいろと政府はアドバルーンをあげられるわけでありますが、農民はつい先般まで政府の方針に従って増産に励んできた。多額の金をかけて土地改良をやったりしてまいりました。私の新潟県でも、昨年までは県知事の百万トン増産運動というものが県政の重大な柱であったわけであります。そういうふうに農民は政府の指導方針に従ってやってきた。まあ戦争直後のあの強権供出の時代のことはいま申し上げませんけれども、あれだけ苦しみながらも政府の方針に従ってやってきた。そうして今日このように減反だ、あるいは米価の値下げだ、あるいは買い入れ制限だというようなこと、これは食管法のたてまえからいっても私は大いに疑義のあるところだし、同時に政府自体がもう少し具体的にこの案を出して、農民あるいは農業団体等とも話し合うということでなければ、かってに——かってと言っちゃおかしいですが、政府がときどき思いつきのような形でアドバルーンをあげられては、農民はそれでなくともいま迷っておると思うのであります。もっとも政府のほうは、農民を混乱させてそうして農業に対してあきらめさせるためにこういうやり方をやっておるというならば、これはまたそれでわからぬではありません。だけれども、政治というものはもう少し親切に、理解をさせ、そうして対策を立てていくべきだと思うのでありますが、農民にとってみてもこれは全く混乱であります。特に私の新潟県等においては何といっても米作地帯であり、つい昨年まで、先ほど申し上げたように県政の最大の重点施策として、百万トン増産運動というものを県知事が提唱をしてきておったわけであります。本年になって急にそれを転換したようでありますけれども、農民はそう簡単に転換ができるものではないことは大臣御承知のとおりであります。  そういう点で、何か政府のほうでは買い入れ制限をするとかあるいは三百万トンの減産をおやりになるとかいうけれども、もう少し政府自体も農民に親切な考え方に立てないのだろうか。なぜ米にこれだけ集中したかといえば、米以外に安定した農作物はないからであります。大臣はよくアメリカの例を出されるけれども、アメリカだって小麦だけじゃなしにほかのものにも価格支持政策をとっておられることは御承知のとおりであります。日本でももう少し、あるいは酪農にあるいは主要農産物に積極的な価格支持政策をとって、農民が安心してある程度つくれるという対策を前向きに検討をされたことがあるのかないのか、大臣にお伺いしたいと思うのであります。

福田赳夫自由民主党大蔵大臣

○福田国務大臣 必要な農作物につきましては価格支持政策をとっておるのです。しかし、その価格支持政策をとった結果、もう用途もないというような作物ができる、こういう事態に臨んで依然として同じ価格支持政策をとっていくことは妥当であるか、これはたいへん問題だろうと思うのです。  いま米の問題、とにかく食管制度というものがある。この食管制度を維持するためにどのくらいの金が使われておるか。本年度で五千億をこえるんです。来年はどうなるか。これはいま農林省が考えつつあるというような、阿部さんから見ればおしかりを受けるような考え方、はっきりはしておりませんけれども、そういう考え方をとるにいたしましても七千億かかるという。これはよく自衛隊よりもよっぽど多い額だなということがいわれますが、そのとおりなのです。しかし、そういう事態になって、しかもいままでの制度を続けていって、もうどこにもどうにもならぬというような米をつくることを刺激していくということが、はたしてこれは農民にとってもいいのか悪いのか。この辺、私はまあ、もう考えるところに来ておるのじゃあるまいか。農民の相当の部分も、たいへんな事態になってきておる、何かしなければならないのじゃないかということを御理解になっておるのじゃないか、こういうふうに思います。一々農民と相談しろ、あるいは農民の立場を考えろとおっしゃいますが、一々相談することは無理なので、しかしやはり農民の代表というふうに思われる宮脇会長、この方々としばしば農林大臣は会う、私も会う、また総理大臣までも会うというふうにして、意見の交換をいたしております。農村が非常に苦しい立場に立っておる、これにつきましては同情を禁じ得ない、だれよりも農民を愛すという精神は今日なおますます燃え盛っておる、そういう気持ちでございまするけれども、しかし何か考えていかなければこれは農民のためでもない、こういう気持ちでいろいろあれやこれやと考えておるのでございます。

阿部助哉日本社会党

○阿部(助)委員 いまおっしゃった価格支持政策というのは、大豆であるとか酪農等で形だけはあるんですよ、大臣御承知のように。だけれども、これは実際酪農なら酪農農民のためにあるのかというと、そうではないのじゃないですか。酪農メーカーのためにはこれはなるかもしらぬけれども、実際言うて農民のためにどれだけなっておるんです。こんなはんぱなものをやってみたところでこれはどうしようもないんですよ。だから一番安定しておる米のほうへ農民が転換をしていくのはこれはやむを得ない。しかも今日まで政府自体も見通しが狂ってきたわけでしょう。政府はその責任を感ずるならば、このしわ寄せを全部農民にかぶせるという手はないのじゃないですか。私は百歩を譲って、このままでいいとは言いませんよ。しかし、それにしてももう少し前向きな方針というものが出されてしかるべきであって、余ったから全部農民がしょってしまえというわけにはいかぬのじゃないですか。そういうことからいけば、終戦直後の食糧不足のときに、あれだけ需要供給の点からいくならば、価格でいくならば三倍半にでも売れた時代もあった。しかし、それはこの食管法というたてまえから供出をさせられたわけであります。大体食管法というのは、大臣、あれじゃないですか、需給のバランスがとれないからこれはやったんでしょう。生産が少なくて消費が多い、アンバランスだということでやったわけです。今度は、そのアンバランスはアンバランスにしても、逆な形のアンバランスになっておるというだけの話であって、大体需給関係というものがアンバランスだからこそ食管法というものを政府は強行されたわけでしょう。いまになって需給がどうだこうだということで価格を決定されることも、これもおかしいんですよ。食管法の第三条の二項のたてまえからいってみたところでこれもおかしいのです。そういう点から考えていくと、政府自体、もう少し積極的なほかの主要農産物に対する価格支持政策なんというものを考えても当然なことじゃないかという感じが私はするわけであります。政府は、この十二月一日の新聞によりますと、来年は八百万トンほど過剰米が出てくる、それに対する財政措置をとる、次には、来年度以降過剰米を出さないように二百五十万トンから三百万トンの生産調整をする、それを三年間ぐらい継続したい。三番目には、その際歯どめ措置として米の買い入れ制限をする。四番目には、三年以内に新食糧管理制度に移行する準備をしたい。こういうことを自民党のほうにお話をなさった、こう新聞は報道しておるのでありますが、この一つの、いまの食糧法の中で米の買い入れ制限をするということが法律違反に私はなると思うのでありますが、大臣はこれはならないというお考えなのでありますか。

福田赳夫自由民主党大蔵大臣

○福田国務大臣 私は法律には弱いのですが、やり方によるそうです。やり方によっては制限をいたしましても法律違反にはならない、こういうふうに聞いております。

阿部助哉日本社会党

○阿部(助)委員 そのやり方によってはというのは、どういうやり方をした場合に違反になって、どういうやり方をした場合に違反にならぬのですか。

竹内道雄大蔵省主計局次長

○竹内(道)政府委員 買い入れ制限の問題、ことばとしてはあまりよくないことばで、生産調整に協力した農民の方からは米を買う、協力しなかった人からはごかんべん願いたいというような考え方でございまするけれども、これは現行の法律でできるかどうかという問題については、現在農林省あるいは法制局のほうも含めていろいろ検討させていただいておるところでございます。買い入れ制限のやり方という点につきましては、たとえ一定の割合について減産をお願いするという場合に、その減産部分を除いた分については買い上げを行なう、一律に買い上げをするという方法もございましょうし、それからしばしばいわれておりまするように、生産調整に協力した人と協力しなかった人の公平を保つというような観点から、生産調整に全く協力をしなかった人からは全量買わないというようなやり方もあるということでございますが、そこらについて、一体どの程度まで現行法でできるかという点について目下検討を続けておる最中でございます。

阿部助哉日本社会党

○阿部(助)委員 おかしいじゃないですか、あなたの話は。食管法は法律なんですよ。生産調整に協力をお願いするというのは、これは法律じゃないのです。そうするとあなたたちの行政指導のほうが法律に優先をするということですか。皆さんのかってな解釈や考え方が、国会できめられる法律に優先をするということになるのじゃないですか。いまのお考え、おかしいじゃないですか。

竹内道雄大蔵省主計局次長

○竹内(道)政府委員 食管法の基本的な考え方について御説明しなかったので多少誤解があったかと思いまするが、申し上げるまでもなく、食管法は国民食糧の確保のために必要ないろいろな規定をしておるものでございまして、現在かような米の過剰状態におきまして、食管法の第一条でいっておる国民食糧として必要な米というのは何であるかということにおいて、第三条の米の買い入れ義務規定というのが御承知のようにあるわけでございますが、それとの関連で、三条の規定の適用を受けて買い入れる米というものは一体どういう米であるかということについては、ただいま申し上げましたような趣旨からいろいろな考え方がある。それを現行法においてどこまで読み取ることができるかという点について、いま法制局等とも話をしておるということでございます。

阿部助哉日本社会党

○阿部(助)委員 これは米の問題だけじゃなしに、行政機関と国会との関連の問題をはらんでおると思うのです。そうかつてに法律を解釈されたのでは、国会なんというものは要らなくなるのじゃないですか。それならば、いさぎよく食管法を法律改正をした上でおやりになるならば、またこれは法律上うなずくことができるわけであります。しかし、この生産調整に協力するとかしないとかといったところで、これは法律で国民が規制を受けるのではなしに、行政指導でしょう。行政指導で片一方でやっていく。それを聞かないから、法律を曲げてそれを買い上げないというのはおかしいじゃないですか。農民はいままで、法律のたてまえからいけば自由に売るわけにはいかぬわけであります。自主流通米そのものが私は法律違反だと思っておるのです。そういう点を逐次皆さんは国会を無視して進められることには限度があるはずであります。その歯どめをなくすれば、国会なんというものはもうほんとうの飾りであって、全く政府の独断専行になってくる。やがてこれはファッショ政治になってくるという危険を持つわけでありまして、私はあなたのいまの答弁は何としても納得できません。そういうことを認めておれば国会はほんとうに形骸化してしまうのですよ。これは今度国会の問題です。そんなわがままなことは私は許されないと思う。その点は大臣どうなのですか。私は、これはむしろお役人さんの答弁ではなしに、やはり責任者の大臣の御答弁でなければいかぬと思うのですが、いかがですか。

福田赳夫自由民主党大蔵大臣

○福田国務大臣 行政府はあくまでも立法府の立法を執行する、それが最大の任務でありますから、それが主従逆転いたしまして、そして法律の解釈をむやみに変えるというようなことがあっては断じて相ならぬ、かように考えます。しかしいま現実の問題としてはそういうことを考えておるわけじゃございませんから、これもひとつ御了承願います。

阿部助哉日本社会党

○阿部(助)委員 大臣の御答弁、そのとおりだと思います。そういう点からいきますと、生産調整というもの、これは法律でも何でもない。あなたがおっしゃったように、お願いなのです。農民に要請をしておる。それに、言うことを聞かないから買い上げをしないなんということは、これは断じて許されないことだということを私は念を押しておきたいと思うのであります。  それで次に、新しい食糧管理制度に移行する準備をしたい、こうおっしゃっておるそうでありますが、これだけの案をお出しになるならば、ぴっしゃりとコンクリートされていなくても、もう少し国民にわかるような形のアウトラインくらいは示されなければ、農民は混乱をすると思うのであります。そういう点で、これをもう少し詳しくお示しを願いたいのであります。

福田赳夫自由民主党大蔵大臣

○福田国務大臣 新食管ということはまだ政府のほうでは言っておりませんです。これは自由民主党の一部の人の中に新食管というようなことを言われる方もあるのですが、まだ党としても、私ども伺ったところでは、意見がきまっておるわけでもないようであります。食管制度をどうするか、これは非常に重要な問題であります。これから考えるべき問題である、かように御了承願います。

阿部助哉日本社会党

○阿部(助)委員 おそらく間接統制を指向せられておるのだろうと私は考えますけれども……。  私はきょう、政府の物価対策をお伺いをしてまいりました。実際に私の質問の過程で納得のいくような御答弁は得られなかったわけであります。政府が当然打つべき手も打たない。そうして大資本のほうに対する高度成長のためには、日銀券の増発であるとかいろいろやる。また管理価格の問題にしても、政府のあり方で物価が安定をするなんということはとても考えられない。そういう中で、一体高度成長というので、物価が上がってだれが一番困っておるか。そうしてだれが一番もうかっておるのだということを考えると、高度成長でもうかっておるのは大企業じゃないですか。佐藤総理じゃないけれども、まさに笑いのとまらない、そよ風の吹くようなものじゃないですか。しかし国民大衆にとってはこれぐらい困ることはないのであります。そういう困ることには、大資本のほうにはまことに甘い。そうしながら、いまの食管法に見られますように、むしろ政府の責任で今日まで進めてきた、それをいまになって米が余るということで、このしわをまるまる農民にだけかぶせようというのは、私はあまりにも残酷だと思うのであります。そういう点で積極的にほかの農産物にも価格支持政策をとって、むしろ米から適地適産という形でそちらに農民が指向をしていくという積極策をとることこそがいま重大なことではないのか。そうしながら農民が納得のいく中で転業をしていくならば、またそれでもやむを得ないでしょうけれども、いまのような形で、法律を行政府がかってに無視する中で強行をされようということには多くの問題があろうと思うのでありまして、私は、もう少しこの問題については慎重に政府は態度をとられることを要望いたしまして、私の質問を終わります。

毛利松平自由民主党

○毛利委員長 広瀬君。

広瀬秀吉日本社会党

○広瀬(秀)委員 私の質問は本会議の関係で午前と午後に分断されることになるわけでありますが、最初に、政府委員の都合も考えまして、アジア開銀債の問題について若干質問をいたしたいと思います。  これは日本における円建て外債ということで初めてのケースである。しかも最近の経済の好調を反映して非常に外貨準備も蓄積され過ぎるという傾向にある。これを国際協力に、しかも二国間援助というような形ではなしに、国際機関を通じての援助というようなことにかなった一つのいいアイデアであることを、私どもそういう点では認めておるわけであります。ただこの問題をめぐりまして、これは十一月二十七日に調印をされたわけでありますが、発行額六十億、こういうことになったようであります。この発行について——これは国際金融局に最初にお伺いをいたしますが、どういう形でこの調印がなされたのか、調印の内容についてごく簡単にひとつ御説明をいただきたいと思います。

稲村光一大蔵省国際金融局長

○稲村政府委員 ただいまの御質問でございますが、どういう形でという御質問でございますが、これは普通の外債の引き受け契約と同じでございまして、アジ銀の総裁とそれから引き受け団の代表との間で調印が行なわれました。

広瀬秀吉日本社会党

○広瀬(秀)委員 そういうことはわかっておるのですけれども、国金局にアジア開銀から、この債券の発行にあたっては、その利子について無税の扱いにしてほしいというような要求があったケースなんですか、ないケースなんですか。

稲村光一大蔵省国際金融局長

○稲村政府委員 アジア開銀債の免税の問題でございますが、これはアジア開銀を設立する協定に、アジア開銀自体が国際機関といたしまして免税とするという協定ができておりますので、この点、その協定に基づきました要求と申しますか、これはございました。これはあくまでアジア開銀自体の話でございまして、応募者のことはこれは別の問題でございます。

広瀬秀吉日本社会党

○広瀬(秀)委員 そこで伺いますが、アジア開銀債の発行説明書というものがあるということ、それでこの説明書からいろいろ利子課税の問題について問題が出てきているわけですけれども、これは一体どこでおつくりになったものですか。

稲村光一大蔵省国際金融局長

○稲村政府委員 この発行のときの募集要領書と申しますか、そういうものの文言につきましては、先ほど申しましたアジア開銀を設立する協定に基づきましたところによって表現されております。

広瀬秀吉日本社会党

○広瀬(秀)委員 主税局に聞きますが、この説明書の中に、「本債券の債権者は告知書もしくはその他の文書の提出を要しないものとする」、こういうように明記されているということでありますが、この点について事前に主税局は、あるいはまた国税庁は知らなかったのでありますか、この点を確かめておきたいと思います。

吉田太郎一大蔵大臣官房審議官

○吉田(太)政府委員 支払い関係を含めまして外債の発行要領につきましては、アジア開銀が国際的に使っておるものとおおむね同文のものを提示されてまいりましたと承知しております。ただその中で、アジア開発銀行自身は非課税であるということであるが、それに対する応募者に対しては所得税がかかるということについては念を押したというように承知しております。これは国税庁のほうと話し合いがあったように承知しております。

広瀬秀吉日本社会党

○広瀬(秀)委員 そこでどうして、こういうようなことが、告知書もしくはその他の文書の提出を要しないんだということが説明書の中に書かれているというのに、それを大蔵当局が、関係当局が、これは日本の税制と反する結果になるのではないかということについてお気づきになって、その段階でチェックするというような情勢にはなかったわけでありますか。その点をお伺いしたい。

吉國二郎国税庁長官

○吉國(二)政府委員 ただいま御説明がございましたように、アジア開銀債につきましては、アジア開銀が源泉徴収義務その他を免除されているわけでございます。したがいまして支払い調書等の提出も要しないという解釈になっているわけでございます。そして、御承知のとおり、ことしの改正が行なわれますまでは利子所得については分離課税が行なわれておりましたので、源泉徴収をしないと当然にまた課税が行なわれないという結果になりかねないことであったわけでございます。しかし前回の改正によりまして、利子所得については源泉選択をしない限り総合課税をするというたてまえになったわけでございますから、その点では、支払い調書の提出等がなくても実際には消化先その他関係機関の協力を得て十分把握できる。したがってまた同時に、納税者としては総合して申告をする義務があるということを明らかにすれば、当然それを申告に入れてくるべきものであるというたてまえになるわけでございます。その点が若干、協定ができましたときの国内法と、いよいよ開銀債が出るという段階の国内法とが食い違っていたことは事実でございます。そういう点で興銀から事務的な問い合わせがあったことは事実でございますが、そのときに、各国で、開銀債はすでにドイツ等で発行されておりまして、それに書いてございます募集要領を基礎にしたものを持ってまいったそうでございますが、これについては、いま申しましたような点で総合課税が行なわれるということを明らかにすることが必要である。そうすればいまいろいろいわれております脱税という問題がなくなるはずでございますが、その点の徹底がやや欠けておったように思います。そのために誤解を生んだのは非常に遺憾でございますが、消化関係機関その他を通じまして、これが総合課税のものになるということを徹底させ、申告納税を遺憾のないようにやっていきたいというのが私どもの気持ちでございます。

広瀬秀吉日本社会党

○広瀬(秀)委員 対策までお述べになったわけだけれども、私がいまこの時点で問題にしているのは、こういう説明書、先ほど読み上げました説明書というもので、国内における応募者が、これはもういわゆる申告の必要がないのだということにとられた。この関係についてはいかなる文書も出さなくていいのだというようにとられた。そういうような趣旨でこの説明書が解釈されるということになったとすれば、それは明らかにこの文書自体が日本の税法に反するものですね。法律に反するものは無効ですね。そういう解釈をすべきなのか、いま国税庁長官が言われたような解釈なのか、どっちですか。

吉國二郎国税庁長官

○吉國(二)政府委員 ただいまの文章の文句からは申告書を提出しないでよろしいということにはならないようになっております。いわゆる支払いの際の告知をさしていっておりますので、申告納税そのものを免除するという意味は出てないのでございます。ちょっとその辺読み違えられるという——もう少しはっきりしてもらえばよかったという感じがいたしますけれども、その点では申告納税そのものを否定する文章にはなっておりません。

広瀬秀吉日本社会党

○広瀬(秀)委員 それは申告といい、支払い調書といい、いずれにしてもそういうものを出さないでいいのだ、こういうようにとられて、応募者はそう考えておる。現にそう考えておる。そしてそういうことになれば、これはまあ来年一月以降は源泉分離選択制度に変わるわけだけれども、実際に利子支払いというような段階は新法の適用ということになるだろうと思うんですね。そういう中で支払い調書をやはり提出をして総合課税するという段階、さらにはまた源泉分離を選べば源泉で一五%を支払う、こういうようなことをやらなければならぬわけでしょう。そうだとするならば、支払い調書を出すことを必要ないのだというならば、まるっきりこれは脱税債券だということにマスコミでも取り上げられておるわけです。しかしまあ、先ほど読み上げたこの文章自体はそういうことを意味しているのじゃないということを解釈で出しておられるということなんだけれども、現実問題としてはもうすでに個人消化もあるわけでしょう。証券会社あるいは受託銀行というようなものも引き受けているけれども、個人消化もある。そういうものについて、やはり源泉分離を選ぶというような人の場合にそれがどうなるのか。それから総合課税ということにした場合に、その支払い調書の提出が要らないのだといえば、やはりそれも証明ができないということになるのではないか。結局はやはり今回のこの協定に基づく債券発売というものは、その利子についてはすべて非課税になるというような状況が出るのではないか。その辺のところを明らかにひとつしていただきたいと思う。

吉國二郎国税庁長官

○吉國(二)政府委員 先ほど申し上げましたように、従来の税制でございますと、分離課税で源泉徴収をしなければ、あと納税者が申告する手続きはなかったわけでございますから、ある意味では確かに源泉徴収をしないということが即非課税ということにつながるようでございます。今回の改正で、源泉選択しない限りはすべて総合課税になるということが明らかになってまいりましたし、またそれも徹底を続けていけば、その点でまじめな納税者は申告するということにはなると思います。しかし、確かに支払い調書が出ないという点は若干問題があると思います。現在、外債が大きな形で出てまいったのはこれが初めてと申してもよろしいわけでありまして、こういう新しい事態が今後どんどん出てまいると思いますので、主税局ともいま相談をいたしまして、法制的に、たとえば支払いの取り扱い者に支払い調書を出させるというような方向で検討をして、早急に手を打つべきではないか、かように考えております。

広瀬秀吉日本社会党

○広瀬(秀)委員 どうもやはりいまの答えでは……。正直にみんな、私はこれを買ったんです、したがって利子が配当されるときに私は一五%納めますよ、こう言ってくればいいが、そういうものが手続として支払い調書も何も要らないのだということになり、しかもこれが、まあ不正直な者はいまの解釈では払わぬでも相済むということだと思うのですね。しかし私の考えでは、少なくともこれも国際的な協定の一種です。しかしこれは別に国会の批准を得るというような、いわゆる国と国との間の協定ではない。そういう意味で、少なくとも税に関する日本の国内法、これに反するものであるから——支払い調書を出さないということまで意味しているのだということは、それ自体やはり日本の国内法に反するわけですよ。したがって、その部分については税法上からいえば無効なんだという形で、その問題を行政指導なり何なりであとからでもカバーをしていく、そういうものが当然の解釈であり、そういうものなのだ、こういうことにならないのですか。

吉國二郎国税庁長官

○吉國(二)政府委員 支払い調書の点につきましては、実は現行法でも、発行者が海外で支払いを行なうことになりますと、支払い調書の提出義務は実はないわけでございます。また現行法の書き方から申しますと、たとえ支払い調書の提出義務を書きましても、それが国内で支払いを実際にやる取り扱い機関にそれについての事務を委託しないと、これはまた支払いの取り扱い機関自体は支払い調書の提出義務がその段階では出てこないという問題があります。これはやはり法制的に手続きを早急にやるべきではないかと考えております。同時にまた、実際の第一回の消化者につきましては、関係機関の協力を得て、だれが消化をしたかは実はわかり得るという状態になっております。その点については間違いなく把握をするように今後努力をいたしまして、法制的な手当ては早急にやっていったほうがいいのではないかというのが、私どもの結論でございます。

広瀬秀吉日本社会党

○広瀬(秀)委員 重ねてお伺いしますが、言うならば初めてのケースであったから十分な国内法の対処のしかたというものができてなかった、こういう盲点の中に発生したような形に聞こえる。そしてその分を完全にカバーするための何らかの方策を考えたいということを述べられた。そこで、その何らかの方策を考えられる時期はいつなのか。そして、これが実際に新聞等で報道され、これは脱税債券なんだときめつけられておる状態がカバーできる時期までそういうことなしに、やはり国内の税法がこのままで、この開銀債を購入した応募者にもその利払いの際に全額徴収できるような方策というものを立てることができるのかどうか。それともやはり一部は、いまの税法の解釈からいっても脱落して、先ほど長官が、正直に申し出てくれなければ、あるいは支払い調書を提出してくれなければ漏れるものはどうしてもありますといった状態なのか、どっちにするのか、その辺のところ、きちっと態度をこの際表明していただきたい。

吉國二郎国税庁長官

○吉國(二)政府委員 今度の開銀債の第一回の利子の支払い時期は六月であります。次の通常国会で所得税法改正の際にこの間の手続は明らかに直したいというふうに主税局とも打ち合わせておりますので、その改正を行なえばこういう欠点は全部解消する。同時にそれまでに——おそらくこれは問題ないと思いますが、御審議願えればだいじょうぶだと思うのでありますが、第一回の消化者等については十分捕捉の手段を講じております。一部報道されたような脱税債に終わるというようなことは決してないということを申し上げておきたいと思います。ぜひ次の通常国会では支払い調書等の手当てをいたしたい。そうなれば今度は、仰せのとおり募集要領そのものが法律によって意味がなくなるわけでありますから、問題は解決をするであろうということになると思います。

広瀬秀吉日本社会党

○広瀬(秀)委員 この問題について最後に大蔵大臣にお伺いしたいと思うのですが、いま国税庁長官の答弁によりましても、できるだけ捕捉したい。第一回債の発行については、これはいかなる法律の対処をもってしても、もうすでにやってしまって、まあ一種の国民の期待権というか、そういうものが発生してしまった。今回脱税ができる余地を残したままで、これは捕税の方法はもうないのだというような結果がいま述べられたわけです。そういう第一回分についてはもうしようがありません、あとはもう国民の応募者の良心に待つ以外にありませんという説明であります。こういうおかしな結果について、大蔵大臣としてどういう責任を感じられますか。これはやはり大蔵省のミスであるということをお認めになりますか。

福田赳夫自由民主党大蔵大臣

○福田国務大臣 今回のアジ銀債の発行手続が思わしくなかった、そういう結果、税法上疑義を生じたということにつきましては、私は遺憾に存じます。つまり、この問題は、発行者側がその債券の利息の扱いについて、これは法律上当然総合課税になるわけであるにかかわらず、その点をはっきり言わなかった。言わない結果、総合課税も免除されるというような印象を与えたというところに問題がある。そこで、それをどういうふうに調整するかという問題が残されておるわけでございますが、吉國長官が言っているようにこれは矯正に努力をする、こういうふうに申し上げておりますので、御期待を願いたい、かように存じます。

広瀬秀吉日本社会党

○広瀬(秀)委員 大臣、どうもあなたの答弁は——少なくとも第一回分については、これはもうこういう事務上の手続のミスで、もう取れない。利子課税をできない。本来やらなければならない、税法解釈上取らなければならないものが、堂々と利子課税を一五%も払わないで済むのだ、そういうものを残したということなのですね、第一回分については。そういうことはやはり税法上もっと大臣は厳格に考えて、事務当局を鞭撻をしておかなければならない。けじめをきちんとしなければならない。責任をだれにとらせろの、かれにとらせろのということを私は要求するつもりはない。しかしながら、優秀なスタッフのそろっている大蔵省としてはまさにこれはミスであったというふうに私は思うのです。その点はやはり認められて、ミスはミスとして認められるところから、新しい、しっかりした方向というものも出るのですから、その点、はっきり認めてください。

吉國二郎国税庁長官

○吉國(二)政府委員 どうも私の説明が悪かったように思いますのでもう一回申し上げますが、第一回の支払いは来年の六月でございます。したがいまして、昭和四十六年分の所得税の総合申告にかかってくるわけでございますので、次の通常国会で支払い調書等の規定を整備いたしますと、最終的には第一回分を含めて間違いなく申告になるという体制になると思います。

福田赳夫自由民主党大蔵大臣

○福田国務大臣 ただいまの長官の答弁で御了解かと思いますが、とにかく今回の発行者のとった態度についてはちょっと不手ぎわがあったかとも思うのでありまして、今後は十分気をつけていきたい、かように思います。

広瀬秀吉日本社会党

○広瀬(秀)委員 午前中もっと予定していたのですが、わりに時間をとりましたので、あとは午後に譲りたいと思います。

毛利松平自由民主党

○毛利委員長 午後二時より再開することとし、暫時休憩いたします。     午後零時四十二分休憩      ————◇—————     午後二時六分開議

毛利松平自由民主党

○毛利委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  質疑を続行いたします。広瀬秀吉君。

広瀬秀吉日本社会党

○広瀬(秀)委員 大蔵大臣にお伺いいたしますが、税負担率の問題でございます。新経済社会発展計画によりますと、昭和四十四年度、これは実績見込みということで——予算ベースの税収負担率は一八・七くらいだったわけです。これははっきり主税局ではつかんでいると思うのですが——経済発展計画では二一・二%という状態にある。予算ベースで四十四年度は一八・七が、実績見込みでは二一・二%くらいになっている。こういうような状態でございますが、最終年度の五十四年度におきましては二%程度は税負担が高まるであろう。国民の租税負担率は所得水準の上昇に応じてある程度高まらざるを得ないということもはっきりいっておるわけであります。  そこで大臣にお伺いいたしたいのは、このようなことでおそらく四十五年度、ことしの場合も予算ベースで一八・八%くらい租税負担率が算定されておるわけでありますが、これもおそらく二一、二%くらいまでいくだろう、こういうことに大体推定をいたしまして、五十四年度にはこれが二%程度上がるであろう。こういうことになりますと二三、四%くらいまでは上昇をするということで、フランスあたりの租税負担率にきわめて近い数字になってくる。大臣も大体そういうように見通しでありますか。まずその点からお伺いいたします。

福田赳夫自由民主党大蔵大臣

○福田国務大臣 いま一八・七%というふうに見ておるわけです。しかし、これが年とともに多少の比率が進んでいくということは、これはどうもやむを得ないように思います。なぜかならば、国でなすべき仕事、特に社会資本の立ちおくれであります、それと、さらにこれに次いでは社会保障の問題、これらが今後の展望といたしましてどうしても強く推し進めなければならぬということが要請されておる。そういうことを考えまするときに、どうしても負担率は多少の増加となるであろうということは避けられないのじゃないか、そういうふうに見通しておるわけであります。

広瀬秀吉日本社会党

○広瀬(秀)委員 そこで、いま四十四年度は一八・七%というのが租税負担率として予定されかものだったのですね。ところが新経済社会発展計画では、先ほども申し上げましたようにもうすでに二一・二%になっている。そういう差があるわけです。おそらく四十五年度はさらにその負担率を上回るのではないか。経済のGNPの伸びからいって、あるいはその他の諸指標からいってこれをさらに上回るのではないか。そういうことですと、一八・七%あるいは四十四年度の一八・八%というような負担率からはかなり大きく、三%程度オーバーしているというような状況の中でお考えになっておられるのか。そういう実績をさらに上回るであろう、こういうことではかなり差が大きくなってくるわけですね。したがって、その点、五十年度において租税負担率というものを——これは税制調査会でも分母のほうを現行の国民所得じゃなくて国民総生産をとったらどうかというような議論もあるようですけれども、大体現在の負担率算定方式というものに依拠すれば何%ぐらいまで持っていこうというのか。諸般の経済社会発展の構図を描きながら二%ぐらい上昇するであろう。こういっておるのでありますが、一八・七%なり八%というものから二%というのと、もうすでに二一・二%を、あるいはことし四十五年度はそれをこえている、それを基礎にして二%ふえたものか、そのどっちなんだということを大臣の感触としてひとつ伺いたいと思います。

細見卓大蔵省主税局長

○細見政府委員 数字にわたることだけを私から申し上げておきたいと思います。  いま広瀬委員のお話しになっております二一・二%という負担は税及び税外負担が入っておりまして、税外負担が大体二・五%ないし三%ぐらいは含まれるものだということになっておりますので、その分を差し引きますと現在より大体二%程度重くなる負担、こういうことになろうかと思います。

広瀬秀吉日本社会党

○広瀬(秀)委員 その辺のところを、大蔵省も予算ベースの負担率は出すけれども、実績でなかなか出さない。これは租税特別措置についても同じことを何回も指摘したわけだけれども、この経済社会発展計画を読みますと、「国民が負担すべき「税および税外負担」と「社会保険負担」の国民所得に対する比率は、昭和四十四年度(実績見込み)の二一・二%および四・三%」というように分けてあるわけですね。だからこういう点では、やはり二一・二%というのは税及び、社会保険を除いた税外負担も入っておるということなんでありますね。だからその辺のところでこういうようにはっきりしておりますから、二一・二%プラス二%なのか。実績もやはり大体一八%から一九%ぐらいのところなのか。その辺のところをもう少ししっかり答えてください。

細見卓大蔵省主税局長

○細見政府委員 四十四年の実績見込みが大体二一・二%ぐらいになるわけでありますが、そのとき税だけで見ますと一八・七%、こうなっているわけです。経済社会発展計画では四十四年度水準から、この税及び税外負担を含めましておおむね二%程度負担が高まる、こういうふうにいっておるわけであります。

広瀬秀吉日本社会党

○広瀬(秀)委員 数字の論議をしておってもしようがありませんから次に進みますが、租税負担率が、高度社会になるに従って、さらに所得の上昇に従ってふえていくのはある程度やむを得ない。これは私どももある程度認めておるわけでありますが、しかし常に忘れられてならないことは、言うならばそういう高福祉は高負担を当然伴うのだといういい方の前提として、税の公正が確保されなければならないということ、さらに税金の使い道の効率化というようなものが前提とされなければならないということはまさに常識なわけであります。  そういうようなことを踏まえて一つお伺いいたしたいことは、全体的に二%程度上がるであろうというのでありますが、大きく分けまして、所得税の現在の所得に対する負担率、さらに間接税の負担率、また法人税の負担率、こういうもののどこに重点を置いて——いま所得税、法人税、それから間接税、いわゆる消費税というふうに大きく三つに分けてみましたけれども、その間には、負担の公平の角度からあるものは二%以上上がる、あるものは二%以下だというものがあって、ならして二%ぐらい上がる、こういうことになるんだと思うのですが、その辺のところについて、どういうところに重点を置いて二%という結果が出るような方向に持っていくのか。いま私が言ったようなより多く負担率が上がるものと、それから大体現状程度の負担率で移行するものと、法人税、所得税、間接税とこういうように並べてみて、どこに重点を置いていくか。そして大臣はその上がりぐあい、上げぐあいというようなものについてどういう配慮をやっていくおつもりなのか。政策的な考えをひとつ聞かしていただきたい。

福田赳夫自由民主党大蔵大臣

○福田国務大臣 高福祉高負担ということで国民の税負担がふえていきます。そのふえていく見当がここ数年間で二%ぐらいだ、こういうことをいっておるわけなんですが、さてその二%の中身をどうするかということにつきましては、高福祉高負担という中では別に区分けをして考えておるわけじゃないんであります。しかし、これから大蔵省は税制改正にも取り組んでいかなければならぬ、その際の心がまえといたしましては、所得税につきましてはそういう中におきましても軽減をする、こういう考え方、そして軽減したそのギャップは何で埋めるかというと、間接税においてこれを埋めていくんだ。大ざっぱなことでありまするけれども、大体こういう考え方をいたしておる、かように御了承願います。

広瀬秀吉日本社会党

○広瀬(秀)委員 大臣の考えは前々からそういう説明をされておるということで、きょうは議論をしているひまがないので、いずれまた税法がかかった段階で詳しくそれらの問題をやりたいと思いますが、大臣は、租税について非常に重いという負担感がある、そういう意味でしばしばそういう発言をされておるわけです。したがって、それが経済社会発展計画でもあるいはまた税制調査会の基本問題小委員会においても、所得税が一番負担が重い、いわゆる負担感というものがそこに集中しているんだということを、ことばは違うけれども、いろいろな形でそういう趣旨を表現されておるわけです。大臣がそれと同じようにとらえられておるんだということだけ確認して次の質問に移りたいと思います。  租税負担感というものについては、基本問題小委員会の中でもたいへんな紙数を費やしてこの問題を分析検討されておるわけであります。一々そのことに触れませんけれども、午前中に藤井委員からも言われたが、現時点に生存し、そして働いておる者だけが将来何十年——まあ公共施設の平均耐用年数は六十年だといわれている、そういうような長期にわたる社会資本、公共投資、公共施設というようなものの立ちおくれを取り戻していくためにいろいろな施策を展開しなければならぬわけでありますが、そうしてその財源を増大する方向に考えていくということも長期的な非常に大きな意味もある。そういうようなもろもろの問題をやるのに金がかかる。その財源を調達するのに、今日でもなお相当負担感の重い税制だけに、しかも現時点に生きている者だけにその負担をかけていくという考えについては、やはりもっと負担を長期に、後代にまでその遺産が利便となって残るわけでありますから、そういう将来の利用者というものにもある程度負担を配分をしていく、適正に公平に配分をしていくということは、これはやはり公平問題を考えるにあたっての重要な一つのポイントであろうと思う。  そういうような意味から、やはり公債政策というものをもう一ぺん見直してみてはどうかという議論をしばしばこの委員会でやってきたわけでありますが、赤字公債というようなものはもういかぬ。さらにインフレを引き出すような公債はいけない。その目的というものがきわめて厳格に限定をされて、建設的なものであること。しかもその建設が社会資本の充実というようなものに——それぞれ社会資本の充実といっても幾つも項目はあるわけですが、そういうものに使っていくのだという目的を厳格にすること。それから日銀引き受け的なものでなしに、一年たったら日銀に来てしまうというようなことじゃなしに、国民大衆がいわゆる資産ストックというような形で国債を買って持っているというような、しかもそういう面ではこれは国債発行の条件というようなものをかなりよくする。そして国民が魅力ある資産ストックとして飛びつくようなものにしていく、大衆が買えるようなものにしていく、こういうような条件。それから、長い将来にわたって不安のないように、償還計画あるいは減債計画というようなものをより一そう明確にしていく。現在の七年というようなもの——七年償還というものばかりずっと四十年以来出しているわけだけれども、これをさらに二十年なり三十年なりというような長期のものにかまえていくというようなこと、そういうようなことも考える。さらに公社債市場の育成というようなことも同時に考えていく。こういうようなものをやりながら、そして、とめどもなく赤字公債的に、公債が安易に流れて発行されていくというようなことの歯どめというものをしっかりされれば、いま申し上げたようなもろもろの条件を満たせば、やはり建設目的のために公債を出すというようなことは当然考えていいと思うわけであります。  しかもここで——ここまでは大体藤井さんが聞いたと思うのですが、私どももいまいろいろな問題点を考えて、これから七〇年代が特に生活優先の時代だ。公害をなくしたりあるいは住宅をよくしたり道路をよくしたり、いろいろなことで生活環境整備という、そういう意味での社会資本の立ちおくれの取り戻し、しかもその多くの役割りを地方自治体が果たしているというようなことから、国債だけじゃなしに、地方債に対して、これにかなりその起債のワクというようなものを大幅に広げていっていいんじゃないか、こういう考えを持つわけなんです。特に地方債の場合には日銀引き受けの可能性が少なくともいまのところない。したがってインフレにも結びつかないという利点もあるし、さらに国債の現在高を下回るというような状況、依存度も下回っているという状況、しかも先ほど言ったように社会資本の充実の面では生活環境整備というようなことで、地方自治体がやらなければならない面が非常に大きい。これらの点を考えたら、きちんとした先ほど言ったような条件の上に、国債をもう少し弾力的に出していいではないか。それと並行しながら地方債のワクを広げていく、こういう問題点もひとつ十二分に考えてもらいたい、考えるべきだ。国債よりもむしろ地方債に重点を置く立場というものも、この際大きく飛躍的に前進さしていいのではないかという考えを持つわけなんです。それらの点についての大蔵大臣の御所見を伺いたいと思うわけです。

福田赳夫自由民主党大蔵大臣

○福田国務大臣 公債発行の問題につきましては、戦後初めて四十一年に公債発行に踏み切る、その際に社会党のほうからは非常に御批判を受けまして、私もたじたじとなっておった時期があるのです。しかし、きょうは積極的なしかも建設的な御意見を拝聴することができまして、非常に欣快であり、かつ深く敬意を表する次第であります。  公債発行の問題は、公債を発行することによって国なり地方財政の財政の規模を伸び縮みさせるというところに考える問題点があると思う。つまり、私は、国の財政、また国民生活、また産業活動、これらを通じての総需要、これが均衡しておれば、基本的に、インフレを起こすという、そういう総需要からの要因はない、需要供給からの要因はない、こういうふうに見ておるわけなんです。したがいまして、四十一年のときにも繰り返し申し上げたのでありますが、民間活動が、ものが要らない、つまり鎮静しているという際におきましては国の財政規模をふくらましてよろしい。その財源を調達する手段、税を急に起こすというようなことはむずかしい、そういう際には公債を用いていい、こういうふうに考えるということを申し上げたわけでございますが、さてこれからの状態において公債政策をどうするかということになりますると、やはりその当時申し上げた考え方と同じでいいと思うのです。つまり、民間の活動が低調であるという際におきましては政府活動を活発化する。その財源として公債を活用するという考え方。ただし、ただいま広瀬議員の御指摘のように、公債は非常に便利なものです。便利なものであるだけにこれの運用を一歩誤まりまするとたいへんな害毒を残す。つまり、便利なものですからそれによって財政を拡大させる。その拡大の結果、国民経済全体としての需給のバランスを失するというようなことになる。そうなるとこれはインフレを巻き起こす根源になってくるわけですから、その辺はお話しのように十分に気をつけていかなければなりません。と同時に、民間の経済、また国民生活の状態、これを通じまして過熱傾向があるというような際におきましては、政府財政がまたそれと歩調を同じくして拡大をされるということになりますると、国をインフレにいたしますので、そういう際には公債に対しましては消極的な配慮をしなければならぬ、こういうふうに考えておるのです。いずれにいたしましても非常にこれは便利なものである。それだけにいろいろ危険性をはらむ側面がありますので、注意しながらこれらを活用していくということが大事じゃないか、さように考えております。地方債においても同様に考えております。

広瀬秀吉日本社会党

○広瀬(秀)委員 非常に原則的な基本的な考え方、一貫して変わらない考えだということで説明されたわけですが、今日のようにまだ経済が拡大基調がずっと続いている、そういう中でやはり社会資本の立ちおくれというものを急速に取り戻したいという要求がある。民間の産業経済活動が停滞し、不況の局面である、そういうようなときには公債を出していく、これだけの論理ではいけない。やはりこういう好調の段階においても、建設目的がはっきりして、インフレを拍車しないというような歯どめの中で、この公債で社会資本の充実のために、公共投資の財源としてそういうものもあわせて考えていく、そういうことでないと、やはり今日自動車新税ということが出てきて非常に問題になっている。この問題についても簡単に伺いたいのですけれども、やはりそういう経済の好況段階においても、一方において減税をやりながらその足らざるところをどんどん公共投資というものを進めて、社会資本の立ちおくれを早い時期に達成させていくんだという視点がなくなってしまうわけですね、大蔵大臣の論理だけでいけば。だからそういう歯どめを——さっき私五項目か六項目あげたわけですけれども、そういうことを考慮しながらやるということも、そういう新しい視点というものも公債政策としてあっていいのではないか、こういう議論を展開しておるわけです。その点をお聞きしたいことと、自動車新税は、先ほどるる申し上げたような立場において一体この問題をどういうように処理されるおつもりなのか、この点についてお伺いをいたしておきます。

福田赳夫自由民主党大蔵大臣

○福田国務大臣 先ほどから申し上げておるように、問題は、国の活動、地方団体の活動あわせまして、それが民間の産業活動、また国民の消費生活活動、それらと一体として見た場合に、国の総需要供給、これが均衡するかどうかということが問題である。その中において政府財政の財源として何をとるのがいいのか。税がいいのかあるいは一時公債ということでしのぐのがいいのか。それは私はそのときの経済情勢等によって決定すべき問題であるというふうに考えております。しかし、広瀬委員が同時に申されております社会資本の充実、これは非常に必要な段階になってきた。これは全く同感であります。さればこそ国の財政需要が今後だんだんふえていく。総理の高福祉高負担、こういう高福祉というのは何も社会保障のことだけじゃなくて、社会資本だとか生活環境を整える、そういうものも含めましての高福祉だと思いますが、そういう必要に迫られておる。それに対して国は財源をととのえてその要請にこたえるという姿勢をとらなければならぬということはもう当然のことでございます。  そういう中におきまして自動車新税という問題が起こってきておるわけであります。つまり、社会資本の中において特に大量の投資を要するものは何といっても道路である。それからなお、そのほか国鉄でありますとか——国鉄には旧路線方式による運営の問題もありますれば新幹線方式による運営の問題がありますが、それらを含めまして国鉄の問題、それから港湾を整えるという問題、さらに飛行場その他航空施設の整備という問題、それらをくるめまして総合交通体系をもっともっと充実しなければならぬという要請にいま当面々いたしておるというのが実情であろう。それに対してはいままでの財政体系による財源だけではとうてい十分でない。何らかの財源をくふうする必要がある。特に差し迫りまして道路五カ年計画というのがあるわけです。これは本年度から発足したわけでありますが、本年度から五カ年にわたる道路計画、その財源を検討してみますと三千億をかなり上回る額が不足をするという状況であり、それに対しまして何らかの財源措置を講じなければならないということに当面をいたしておるわけです。そういう事態がある。そこへもっていってただいま申し上げましたような道路以外の交通体系整備の問題、それらを含めまして新財源を模索する必要がある。こういうことから自動車新税という問題が提起されておるわけでございまするが、さて、その財源を何らかの形において整備しなければならないというような情勢かと思うのです。特に今後の数年間の見通しを立ててみますときにそんな感じがいたします。そこでその財源対策を講じなければならぬというふうに思いますが、いろいろ名案が出ておる。あるいは車検税という形はどうだろうというようなこともいわれております。あるいは蔵出し税の形でいろいろの形の税というものが考えられるというようなこと、それから自動車のボデーは相手にしないで、ガソリンによって所要の財源を調達するという考え方はどうだろうという考え方も一つの方面から出ております。いろいろの構想が出ておるわけでありますが、さてどういう構想がこの際としていいのであろうか。これはなかなか判定の困難な問題でありまして、ただいま政府といたしましては、そのいずれの方法がいいのか、その利害損失というものにつきまして検討中である。まだなま煮えのところでなま煮えのお答えをいたしますといろいろ不要の誤解等を招くおそれがありますので、ただいま検討中である、そういうことだけを申し上げさせていただきたいと存じます。

広瀬秀吉日本社会党

○広瀬(秀)委員 話はよくわかったのですが、自動車新税についてはなかなかむずかしい問題がある。大体自動車新税そのもののやり方の問題もあるし、その徴収した金をどこにどう使うかというところでも意見が大きく分かれておるし、建設省案あり自治省案ありということで非常に混線の状態にあるわけですから、なま煮えの段階でということなんだけれども、そういう場合に私どもが提案しているのは——前に税制調査会長もこの委員会においでいただいたときにいろいろ論戦をしたわけですが、私の意見に賛成だ。交通体系というものがきちんと整備をされる。そして今日の道路財源をささえる税体系というものを、それに見合ってぴしっとしっかりしたものに体系づけていく。洗い直しをして、統合的な税制を——自動車保有者にあるいはメーカーにというような形で、どういうように配分をしていくかというもろもろの問題があるから、そういうようなものをちゃんとしたあとでなければこの自動車新税のあり方というものは結論が出ないではないかということに、税制調査会長も全く同感だというお話をされたわけなんですが、そういうようにすればこれはおそらく三、四年にかかってしまう。道路五カ年計画はどんどん進行する、こういうようなことで財源が足りないということなんですから、そういうようなもろもろの場合には、やはりこの不足財源について明確に公債を出しますというようなことでいって国民に協力を求める。先ほど言ったような条件をしっかりさせながらやっていくというようなことも一つの方法ではないか、こういうように考えるわけで、これは提案としてひとつ聞いておいていただきたいと思うのです。  時間があと三分間かそこらしかないようでありますが、自治省来ておりますが、新都市計画法で線引きがもうすでにかなりの程度になされておりまして、市街化区域が設定をされている。線引きされている。その中の農地に対する課税の問題であります。これは何回かこの委員会でも取り上げられたわけですが、確かにこの市街化区域の中で、宅地の分と農地の分が固定資産税の評価額においてたいへんな差があるということは私ども承知をいたしておる。しかしながら、なるほどその市街化区域の中で農業をやっておる人を追い出そうということでつくった法律ではあるに違いないけれども、市街化区域に線引きをされて、その中に農地を保有して、農業をやる以外にいまのところ手がない、こういう事情なんかもあるはずだ。それでなければいまのところ生きていけないんだ、こういうような人たちだってあるわけです。ところが、聞くところによると、四十六年度の税制改正でこれを宅地並みの評価がえをしていくのだという考えのようでありますが、この点について、やはり誘導的にある程度評価をかえていくということはあり得たとしても、すぐに明年から宅地並みの評価にしていくというようなことはまさにおかしいことであって、これについてどういうお考えを持って進められておるか、その点を伺っておきたいと思います。

鎌田要人自治省税務局長

○鎌田説明員 お答え申し上げます。  市街化区域内の農地の課税の適正化ということばを私ども使っておるわけでございます。要するに、新都市計画法によりまして市街化区域内の土地は十年以内に宅地化する、こういう前提があり、農業の経営は市街化調整区域内において行なわれる、こういうことで地域土地利用計画というものが明確にされるわけでございますが、そういう実態に即して現在の市街化区域内の農地の固定資産税の評価額というものを適正な評価まで上げてまいりたい、こういうことで現在作業をいたしております。  考え方といたしましては、やはり市街化区域内におきましてある程度農地の所在しておりまする状況、こういったものによりまして何らかの段差というものもつけざるを得ないだろうと思いますし、あるいはまた現実の固定資産税の負担の急増ということにつきましては、やはり所要の調整措置というものも必要になろうかと思っております。いずれにいたしましても、この問題の取り扱いは慎重を期したいと考えておりまして、政府税調あるいは中央固定資産評価審議会という機関もございますので、そういうところの意見も拝聴しながら政府部内の意見を取りまとめていきたいと考えております。実情に即した取り扱いというものを考えてまいりたいと考えております。

広瀬秀吉日本社会党

○広瀬(秀)委員 この市街化区域の中にもまだかなり農地、そして農家が存在している。こういう人たちにきわめてドラスティックな生活破壊的な影響を与えるようなことを避けて、十年以内に完全に農地を取りつぶして市街化区域にするというようなことなどについても、いわゆる都市における美観の問題あるいは緑の問題、自然破壊——都会生活というものは緑のない状態、そして空気がよごれていてもしかたがないのだということでなしに、都会の中にも緑が必要だし、自然破壊がされない状況というものもつくり出していくということでなければ意味がないわけであって、そういうような点なども含みながら、影響が、きわめて急変するということを絶対的に避けて考えていってもらいたい。特にこれは、市街化区域に線引きされたばかりに、先祖伝来の仕事を放棄して出ざるを得ないというような立場に対する理解、こういうものも十分やった上で、きわめて漸進的な形で、先ほど申し上げたような観点も十分含みながら処置をしていっていただきたいと思うわけであります。  そのほかたくさん問題を用意しておったのですが、時間がありませんのでこれで終わります。要望だけしておきます。

毛利松平自由民主党

○毛利委員長 貝沼君。

貝沼次郎公明党

○貝沼委員 特別国会を終わってからずっと日本のあちこちを歩きまして、現在の日本の公害の進行というものがあまりにもひどいということを私はこの目で見てまいりました。そして同時に感じたことは、いままで公害に対してあまりにも政府の態度というものがなまぬるかった、これは緊急に対策を講じなければならない、そういう立場から私どもも臨時国会というものを盛んに主張をしてまいったわけでありますが、今回こうして臨時国会が開かれまして、そして各党から公害の議論が続出しておる。私は一日本人としてほんとうにこれはうれしいことだと思うのです。しかしながら、先日以来あの連合審査あるいは各大臣の答弁等を聞いておりまして、ほんとうにこれでやる気があるのだろうか、こういうことをしみじみと実は思っているわけであります。そしてさらに、その審議の過程におきましても、環境基準その他についてはいろいろ詳しく論じられておりますが、事財政問題になりますと何となくばく然としてつかみにくい、こういうような点がいなめないと思いますので、今回私は、公害の財源に関して何点か大蔵大臣の見解をお聞きしたいと思うのであります。  そこで、まず初めに、公害に対しましては、私たちは単なるイデオロギーとかそういうようなものにだけ執着するのではなく、日本人を救わなければならない。また日本の船が外国に行って油をおろした場合、やはりそこにバラスト水も出るわけでありますから、当然世界の人類の一人としてこの問題を考えなければならない、こう思います。そこで大蔵大臣に対しまして、いろいろ立場もあるでしょうけれども、とにかく全人類を救うという共通の点を持った上での誠意ある答弁をまずお願いしておきたいと思います。  初めに、たとえば財政問題につきまして質問がありました、そのときに、大蔵大臣は確かに答弁はしているのですけれども、どうしてもつかめない点があります。そこでもう一度ここで私は確認をしておきたいのですけれども、大蔵大臣は全力をあげて公害対策に対して取り組む姿勢があるかどうか、この点をまずお伺いしておきたいと思います。

福田赳夫自由民主党大蔵大臣

○福田国務大臣 全力をあげて公害問題と取り組みます。

貝沼次郎公明党

○貝沼委員 そこで、臨時国会が開かれたということにつきましては、私はやはりここに緊急性があると思うわけであります。もし緊急性がなかったならば、通常国会もあるわけでありますから別に大急ぎすることはないわけです。しかしながら、現在起こっているたとえはイタイイタイ病であるとか、あるいは水俣病であるとか、私の肉親のうちにも実は農薬であてられて現在半身不随になっている人もあります。あるいは私の住んでいる倉敷なんかにおいても、夜中にのどが痛くて目がさめるとか、それは日本国じゅう公害でたいへんな問題である。そこで、もしも今年度内において緊急な予算の追加等が各省から出てきた場合、あるいは今度のこの臨時国会において当然そういう方向にいかざるを得ない、たとえば一つの例でありますが、無過失責任の問題が出ております。そしてさらに、現実に被害者が出なければ賠償を請求することができないような法律になっておる。そうするとどうしても、これはあぶないという場合には、それを調査するとかなんとかということが必要になってくる。その場合には予定しないお金が必要になってくると思うのであります。そういうような場合に要求が出てきた場合、大蔵大臣はこれに対して前向きにそれと取り組んで、そしてそれを認めていくという、そういう姿勢があるかどうか。この点をお伺いしたいと思います。

福田赳夫自由民主党大蔵大臣

○福田国務大臣 公害問題で政府の財政支出を要する必要が予算編成後の事情に基づいて起こるというような事態がありますれば、これは既定経費の差し繰り運用をはかる。あるいはそれで間に合わぬという際には予備費を支出するなどの方法によりまして、支障ないというふうにいたす考えです。

貝沼次郎公明党

○貝沼委員 いま予備費という話もありましたけれども、予備費の話はまたもうちょっとあとで触れたいと思うのですが、とにかく去年あたりの、たとえば厚生省の魚の汚染の問題一つ見ましても、一種類の魚につき七匹か、たしか九匹くらいだったと思うのですが、東京湾の調査もやった。はたしてそういうことであれだけ大騒ぎをしている東京湾——大臣もうごらんになったと思いますけれども、東京湾の水はいわばポタージュみたいになっておる、それほど汚染されておる、そういうような状態にある。ところがほうとうの実態がそれだけの予算でつかめるかどうかということは、私は非常に疑問だと思うわけです。したがって、それを今度は厚生省あたりにいろいろ伺ってみますと、予算がないからできないんだということが話に出てくる。そうすると、やはり元凶は財源問題になる。そこで、各省とも出したいことは出したいのだけれども、どうも通りそうもない、どうもぐっと締められておるというふうな感じがあるのではないか。もしも大臣のほうから、どうしても必要なものについては考えるというふうな姿勢をちらっとちらつかせればあるいは出てくるのではないかと思うのですが、そういった態度はございませんか。

福田赳夫自由民主党大蔵大臣

○福田国務大臣 公害対策は非常に大事なものでありますから、ほんとうに公害対策に役に立ち、また必要である、こういうものにつきましてはこれを出し惜しみをするということをいたすべきではない、こういうふうに考えております。ただいま御心配のような事態は、いままでもなかったし、今後もなからしめたい、かように考えます。

貝沼次郎公明党

○貝沼委員 もう一回、くどいようですけれども、それは年度にかかわらず、本年度内においてもそういう事態があった場合はお認めになる考えですか。

福田赳夫自由民主党大蔵大臣

○福田国務大臣 年度にかかわりません。

貝沼次郎公明党

○貝沼委員 そこで、先ほど予備費という話がありましたので、主計局の方にお伺いしたいのですけれども、いままでの予備費の支出の内容、これについてちょっと説明していただきたいと思います。

橋口收大蔵省主計局次長

○橋口政府委員 お答え申し上げます。  昭和四十五年度の予備費総額は千百億円でございますが、ただいま現在の使用残は三百十二億七千六百万円となっております。いままで支出いたしました内容でございますが、災害関係が二百三億六千九百万円でございます。その他一般経費が五百八十三億五千五百万円でございます。使用残が先ほど申し上げました三百十二億七千六百万円でございます。

貝沼次郎公明党

○貝沼委員 大蔵大臣、先ほど予備費から考えるという話がありましたけれども、この三百億の予備費でどれだけのことをお考えになっているのか、私はちょっと理解に苦しむわけであります。このほかに実は予備費を当てにしているものの大きなものとして、今国会にかかっております給与法案、これがあると思うのです。そこで、給与法案がどれくらい予算が必要なのか。この点について総理府のほうからお願いいたします。

福田赳夫自由民主党大蔵大臣

○福田国務大臣 新たに必要となっているのは千二百四十億であります。

貝沼次郎公明党

○貝沼委員 千二百四十億必要なわけですね。実際予備費は三百億しかない。まさか政府として裏づけのない法案が出るとは思えないのです。必ずそれだけの裏づけがあってその法案を出していると思うのです。それならばこの千二百四十億というものはどこから出ることになるのでしょうか。

福田赳夫自由民主党大蔵大臣

○福田国務大臣 千二百四十億円の給与費のほかに、まだあるのです。それは米が予定以上に政府買い入れが行なわれたという問題とか、その他恒例の義務費の不足、そういうものがあります。それに対する財源といたしまして、いま予備費三百億余り、それから給与問題に関連いたしまして行政費の整理節約をいまいたしておる。それとさらに年度末になりますとかなりの不用額——予算には見ましたけれども実際は必要なかったというものがかなり出てくるだろう、それらの見通しが、年度末まではまだ四カ月もありますのではっきりいたしません。いたしませんが、それらをもって給与費その他の財政需要、これに対処したい、こういうふうに考えておるのでありますが、どうも千二百億円の給与費の支出あり、その上に米の関係の食管の繰り入れがあり、義務費がありというようなことになりますと、いかに不用額が出ましてもそれらをまかなうだけの財源の調達は、これはとうていむずかしいのではないかというふうに、だんだん、だんだん考えざるを得ないようた状態になりつつあるのです。そういうふうになりますると、これはどうしても増ワク補正を組またければならない、こういうことになります。いま、ただいまは節約でありますとか、不用額だとか、予備費だとか、そういうものを当てにいたしまして一生懸命やってみます。やってみますが、どうも財源調達がそれではできないというようなことになりますれば、また、なる公算が多いのでありますが、その際には補正予算を編成いたしまして御審議をわずらわす、さようなことになると思います。

貝沼次郎公明党

○貝沼委員 私もこれは補正予算を組まざるを得ないと思うわけであります。ただしかし、その組むワクにつきましてはこれはいろいろと議論があると思うのです。そこで、現在新聞等を見ますと、実はその補正予算につきましてのいろいろな推測、そういったものが載っております。私もいま一つ一つこの内容を勉強している最中なのでありますが、問題のあるところもあるし、また非常にいいところもあると思うのです。そこで、大体ここまで大蔵省あたりの考えが進んでいるようでありますので、この補正予算をもし組むとすれば、大体いつごろをめどにして考えていらっしゃるのか。大蔵大臣、いかがでしょうか。

福田赳夫自由民主党大蔵大臣

○福田国務大臣 ただいま申し上げましたように、補正予算を編成する際におきましては、一つは年度末にどのくらいの不用額が出てくるのだろうかということを考えてみなければならぬ。それからもう一つは、不用額や節約額や予備費をもって足らない、その足らず前が出た場合におきまして、それを自然増収でまかなわなければならぬということになりますが、さて自然増収がどのくらいになるだろうかという見通しをつけなければならぬ。そういうようなことで、なるべく先へいってというふうに考えざるを得ないのでありますが、しかし先へいってと申しましても、給与費の支払い、その財源を調達しなければならぬという性格の補正予算でありますので、その支払いがどうしても二月になりますと必要になってくるのです。そういうことも考え、二月早々にはおそくとも補正予算を提出しなければならぬかな——場合によりましては一月下旬にも提案をするということかと存じます。

貝沼次郎公明党

○貝沼委員 次に、いま自然増収ということが大臣の答弁の中にあったわけであります。この自然増収の見込みですけれども、これは現在上半期の計算しかないと思いますが、その辺から推定をしてどれくらいの見込みがあるのか。主税局のほうからお願いをいたします。

細見卓大蔵省主税局長

○細見政府委員 現在までわかっております税収は、十月末までの税収でございます。収入で約五四%弱入っておるわけでありますが、これを昨年の収納の状況と照らしてみますと、二、三%収納割合がよくなっておるというような姿でございますが、御承知のように、この九月期を境にいたしまして——昨年の九月期はその前の三月期よりも増益というような形になっておったのに対しまして、今度の場合は三月期に対しまして九月期がかなり減収の企業が出てくる。全体として好調でないというようなことがいわれております。あるいはまた、ボーナスは出たけれども年末の売り上げはそんなに大きく期待できないというような議論もございますので、若干の増収はあるいはあろうかと思いますが、それがどの程度になろうかというのは今後の推移を見守ってからでないと、先ほど申し上げましたように非常に微妙な経済局面でございますので、例年むずかしいわけでありますが、ことしは特にむずかしいのではないかと思っております。

貝沼次郎公明党

○貝沼委員 新聞等を見ますと、税の自然増収三千五百億とかあるいは四千億くらいとか、いろいろ出ておるわけでありますが、全然根拠なしにこういう推定をしているわけではないと思うのですね。はたしてこういうような推定というものがある程度当たっておるとお考えですか、どうですか。

細見卓大蔵省主税局長

○細見政府委員 算術をすればそういう数字になるということでありましたら、当たっております。つまり三・幾らの収納の状態のよさを年に換算すればそういう数字になるというわけでありますが、それは半分のものを倍にしたという意味でございまして、そういう税収が出るか出ないかは、先ほど申し上げましたように今後の実体面におきまする経済の状況というものに左右されるわけでございます。

貝沼次郎公明党

○貝沼委員 この問題についても来年度予算に関係して、たとえば国債の問題あるいは交付税の問題とか、また報道されておりますようなたとえば四十六年度の関係予算の繰り上げとか、いろいろ出ておりますので、そういうことも実はちょっと聞きたかったわけでありますけれども、時間の制限がありますので次に進みます。  今度は、公害関係の四十六年度の概算要求が総理府のほうから出ていると思うのでありますけれども、どれだけの概算要求をなさっているのか。総理府のほうから概略を説明していただきたいと思います。

下山修二内閣官房内閣審議官

○下山説明員 公害対策本部のほうでまとめました四十六年度の各省要求でございますが、公害対策関係の費用といたしまして一千六十二億円でございます。別に財政投融資の関係につきましては二千三百七十三億円が要求されておるわけでございます。

貝沼次郎公明党

○貝沼委員 それじゃちょっと簡単過ぎるので、もう少し、何省関係が幾らとか、財投についてももう少し詳しく御説明してください。

下山修二内閣官房内閣審議官

○下山説明員 それでは、先に各省別を申し上げます。  総理府が一億三千五百万円、警察庁一億三千二百万円、防衛施設庁百六十四億六千二百万円、経済企画庁四億六千三百万円、科学技術庁四千四百万円、文部省十二億五百万円、厚生省四十五億二千百万円、農林省二十六億二千三百万円、通産省三十一億九千百万円、運輸省四十一億八千五百万円、労働省一億四千九百万円、建設省七百二十六億五千四百万円、自治省四億二千五百万円でございます。  それから財投を申し上げます。財政投融資の各機関別に申し上げます。  公害防止事業団六百二十億、日本開発銀行二百七十五億、北海道東北開発公庫六億、農林漁業金融公庫二十億、中小企業金融公庫五十五億、国民金融公庫十二億、私学振興財団八億、以上で、いま申し上げました計が九百九十六億になります。そのほか地方公共団体からの起債要求がございます。これは自治省から提出される分でございますが、総額一千三百七十七億になっております。  以上でございます。

貝沼次郎公明党

○貝沼委員 もうこのことは大蔵大臣よく御存じのことだと思うのですけれども、いまのこの数字を見てみますと、相当多いわけですね。従来のものから比べると相当のパーセント多いわけであります。しかし大蔵大臣は先日連合審査のときに、予算については事の重要性にかんがみ二五%にとらわれずに対処したい、こういう答弁が出ておりますが、この二五%にとらわれないということは、大幅に増額を認めるという意味に解してよろしいですか。

福田赳夫自由民主党大蔵大臣

○福田国務大臣 つまり、概算の要求は各省ごとに二五%という天井があるのです。しかし公害問題は重要なものですから、公害問題につきましては二五%をこえる要求を各省するところが多いのです。それに対しまして大蔵省はどういう態度をとるかといいますと、公害問題につきましては二五%というワクにとらわれた考えは持っておりません。その事の性格に応じまして、必要なものはこれを認めるという態度でいきたい、こういうことを申し上げたわけであります。

貝沼次郎公明党

○貝沼委員 非常に前向きな答弁で私はけっこうだと思うのですが、そこで、これを全部が全部認めるということは、これまた限度のある話でありますからなかなかむずかしいとは思うのですが、総花的に全部薄くするか、それとも本年度においては大蔵省としてはこの辺に重点を置いてはっきりした予算をつけていきたいとか、そういう重点主義をとるのか、この辺のお考えはいかがでしょうか。

福田赳夫自由民主党大蔵大臣

○福田国務大臣 抽象的に重点主義かどうかというお尋ねであれば、これは重点主義です。そして具体的にいいますと、国は公害予算につきましては、公害技術の開発だとか、いろいろな公害関連の調査でありますとか、そういう総合的なものです。公害対策事業は、これは権限も地方に委譲されますが、もとよりこれは地域社会の問題なので地方財政が担当する問題になってくるのです。その地方財政はその財源をどうするかというと、あるいは四分の一だとかあるいは四分の三だとか、そういう幅の中で企業から財源を調達する。その足らず前はどうするかといいますと、交付税交付金の配分を公害地域に厚くする、それによってできるところの財源でありますとか、あるいは、政府資金はこれに対しまして財政投融資計画上特に配当するつもりでありますが、そういうものを充当するとかしますが、それでも足らないというものにつきましては国庫がこれに補助、助成をすることになっておるのであります。一番大きなのは水道事業なのでありますが、水道におきましては何割でありましたか、政府が補助をする、その補助がまた水道事業を行なう重要財源になる、こういうかっこうになる。そういう形で、いま政府のほうとすると、中央官庁としてやる調査だとかあるいは技術の開発だとかいうほかは、一番大きな問題は水道事業でございます。水道事業については、これはとにかく量的な拡大ということをいま考えております。新たに新五カ年計画を設定しようという関係省の要求でございますが、大蔵省といたしましても積極的にこれにこたえていきたい、かように考えております。

貝沼次郎公明党

○貝沼委員 積極的によろしくお願いいたします。  次に財投関係でありますが、実は先日の新聞に非常に心を打たれるというか、非常に悲しい事件が実は載っているわけであります。これはもうよく御存じのことだと思うのですが、東京の例であります。銅を溶かしてそれで棒をつくっている会社なんですけれども、この会社は資本金が千八百万で従業員三十五人です。参考のために申し上げるわけですが、昭和二十八年に社長が資本金二百万でその会社をつくった。土地がその辺は非常に安いためにそこにつくったわけでありますが、反対に今度は三十年ごろからその安い土地のところにアパートとか民家ができるようになった。そのために公害が問題になってきたわけです。そしてばい煙が出るとかあるいはクレーンとかモーターの音がうるさいということでずいぶん騒がれ、三十五年に近所の奥さん方十数人が、ばい煙をとめてほしい、こういうような事件がありまして、結局この社長さんは工場周囲の壁を高くすること、そして騒音苦情の多かった民家三軒は自分で買い取ったわけであります。ところがその後また公害問題を民家から言われまして、たとえばこういうふうに書いてあります。「この応急措置も二年ともたなかった。民家はますますふえ続け、三十七年にふたたび付近の住民代表が事務所へ押しかけた。バイ煙で洗たく物がよごれる、窓があけられない、など十数項目の苦情を突き付けた。困り切った社長は当時発足したばかりの都の公害融資を受け、集じん装置をいれることを決意した。都の第一回融資百万円と自己資金五十万円で四十馬力の集じん装置サイクロンを設置したが、除じん装置そのものが開発途上であったこともあって、二、三〇%しか効果がなかった。そこで四十二年には都の公害融資や工場を抵当に入れ一千万円をかけ大型の集じん装置を入れた。サイクロンが九十馬力、集めたバイ煙を水で洗うという最新の設備で、工場の生産機械のモーターでさえ最高出力五十馬力しかないのに、公害設備の方がゼイタクという形になった。増資したとはいえ、資本金千八百万円の会社が千万円の借り入れをするというので「会社をつぶすのか。無理をするな」と周囲の人からは思いとどまるよう説得されたという。しかし、九十馬力のサイクロンのモーターが始動すると付近一帯に激しい振動が起こり、そのうえバイ煙を水で洗うと今度は水滴が飛び出した。一難去ってまた一難。」ということで、この社長さん、とうとうこの会社をしめてしまったわけであります。これは一例であります。そのほかたとえば、これは新潟の燕の話でありますけれども、食器の原形をプレス加工する業者なんですが、これがやはり騒音の苦情を持ち込まれまして、「経営者は郊外の田んぼのまん中に移転を決意した。ところが、移転後は工場拡張の無理と、場所が不便で従業員が集まらなかったこととで、結局は金利負担に耐え切れずに倒産。」そこで経営者はこう言っているわけです。「大企業のように、苦情に抵抗して元の場所にいれば倒産することはなかった」と。こういうふうにまじめに公害対策をやろうという人たちが、現実はこうして倒産をしていかなければならないというような状態になっておる。  そこで私は、この財投による公害関係融資制度の問題につきまして、政府に対して、もっと積極的な姿勢で、中小零細企業が安心して公害対策ができるような、装置ができるような、そういう方向にしていかなければならないと思うのです。そこでこの財投を使用している、たとえば公害防止事業団とかあるいは中小企業金融公庫とか、いろいろありますが、この事業団等がお金を貸す場合、融資をする場合に、融資の対象であるとかあるいは融資限度あるいは利率とか償還方法、いろいろあるわけでありますけれども、この総額は、要求は非常に多く出ているので私はけっこうだと思うのですが、大蔵大臣はまずこの予算要求に対してこれを大幅にのむ姿勢があるかどうか、この辺ひとつお願いいたします。

福田赳夫自由民主党大蔵大臣

○福田国務大臣 財投の要求に対しましても、これに臨む私どもの態度は、一般の財政のほうと同じように前向き、積極的でございます。いま中小企業に対する金融のお話がありましたが、すでに、公害が中小企業に対しましては非常に重荷になるという認識を持ちまして、中小企業政府機関につきましては別ワク制度をとっております。それから民間の金融機関におきましても、最近は公的任務を遂行しようという機運から、公害勘定というような別勘定を起こしまして、前向き、積極的な取り組み方をいたすようになってきております。昭和四十六年度の財政投融資計画におきましてもさらにこれらの制度を拡充いたしたいというふうに考えておりまするし、民間のそういう傾向は、それは非常にいい傾向でございますので、さらにこれは助長いたしたい、かように考えております。

貝沼次郎公明党

○貝沼委員 そこで、さらにもう少し具体的なことをお聞きしたいと思うのですが、これは理財局のほうでもう検討なさっているのじゃないかと思いますが、融資限度、これについては、いまのワクを変えるというふうな検討はなさっておりますか。

相澤英之大蔵省理財局長

○相澤政府委員 公害関係の財政投融資の要求といたしましては、開発銀行、北東公庫、中小企業金融公庫あるいは国民金融公庫等、各種の機関にわたっております。なおまた公害防止事業団というような、このための融資機関もあるわけであります。これらの機関につきまして、来年度、公害対策のための融資につきまして、その融資対象の拡充、融資期間の延長あるいは金利等の条件の改定というような要求がございますが、目下のところ、こういう問題につきましては、民間企業における公害防止事業が円滑に推進し得るよう、前向きの姿勢で検討いたしております。

貝沼次郎公明党

○貝沼委員 前向きの姿勢で、ということでありますので、強力に前向きにお願いいたします。ただちょっとだけじゃやはりまずいですね。ひとつ強力にお願いしたい。  で、このような融資制度というものができておりましても、これにまつわってくる問題といたしまして担保の問題があるわけです。実際、こういう担保がありさえすれば金は借りられる。しかしながら、その機械を担保にしても公害の場合は安く見られるということがありまして、その差額は結局自分で金を足さなければならない、こういうようなことがいま巷間でいわれていることなんですけれども、そうするとせっかくの制度というものがほんとうに困っている人たちのためには意味をなさなくなってしまう。そこで、たとえば無担保あるいは差額の分について国の金でさらに融資してあげるとか、こういうようなことはお考えありませんか。

相澤英之大蔵省理財局長

○相澤政府委員 これらの融資機関におきまして融資をいたします場合の担保に関しましては、私ちょっと、その担保について取り扱いを従来と変えてほしいという要求のあることを承知いたしておりませんけれども、万一そういうような御要求がありますればなお検討はいたしたいと思いますけれども、ただいまのところはそういう要求がないと承知しております。

貝沼次郎公明党

○貝沼委員 たとえば全国中小企業団体中央会、こういうところでいろいろそういうことをいっております。一度目を通していただきたいと思うのです。この担保の問題は実は深刻な問題でありまして、無担保でないとほんとうの零細企業というものは設備ができないというところがあるわけであります。したがって、無担保のワクをふやすとか、その辺を考えていただきたいと思うのです。との辺はいかがでしょうか。

相澤英之大蔵省理財局長

○相澤政府委員 具体的にこれらの融資機関につきまして関係の省庁から御要求がございますれば検討はいたしますけれども、しかしながら、金融機関でございます限り、何らの担保なしに融資をするということはなかなか困難な面もあろうかと存じます。

貝沼次郎公明党

○貝沼委員 大蔵大臣、ほんとうの零細企業が、まじめに設備はしたい、だけれども金がない、公害関係は担保が、わりと安く見られるということで実際困っておる人たちがおるんです。したがって、大臣もその辺を一度研究をしてみていただきたいと思うのです。  時間がありませんので次へ進みますが、次に税制上の配慮でありますが、新聞等によりますと、「中小企業に限り公害防止施設費の二分の一は初年度で非課税扱いとする特別償却を認めるほか、非課税扱いの適用施設を拡大、優遇する方針である。特別償却は従来三分の一が原則であり、これを二分の一に拡大したのは、まったく異例の措置である。」こういうふうな報道が出ておるわけでありますが、主税局としてこういうお考えを現実に持っているのかどうか。これを伺っておきたいと思います。

細見卓大蔵省主税局長

○細見政府委員 いまおっしゃったような具体的なところまでまだいろいろ検討が及んでおりませんが、しかしこれは先ほど来大臣も申しておりますように、公害の問題には積極的に取り組む、その場合に税制におきましても同様の姿勢で取り組みたい、かように思っております。

貝沼次郎公明党

○貝沼委員 くどいようでありますけれども、中小企業、零細企業の場合が問題なんですが、たとえば小さなメッキ工場、これは外国の場合は、メッキ工場というのはほんとうはちゃんとそれだけの公害設備をしなければこれができませんので、非常に安定した職業といわれておりますけれども、しかし日本の場合は、公害に対する基本的な態度というものがたれ流しの態度であったために、これが実はたくさんあるわけです。そこで、たとえばシアンが出るために公害問題でやり玉に上がってくるのはメッキ工場です。こういうメッキ工場あたりは資本も非常に少ない。そうして、たとえば改善命令が出た、またこういう装置をしなさいといわれる。そうするとこれはせざるを得ない。やりたい。融資制度ということもさることながら、実際に金を借りてやったとしても、それは一時的にかかる金であって、そのために今度は経営状態というものが非常に左前になってくるわけです。そこでやはりいま申し上げましたように、そういう零細企業とかあるいは小企業とか、こういうような方々に対しては税制面でやはり特別償却というものを私は認めてやるのがほんとうではないか、こういうふうに思うわけでありますが、もう一度主税局長からお願いいたします。

細見卓大蔵省主税局長

○細見政府委員 御趣旨の点はよくわかりますので、私どももそういう方向で実現できるように勉強してまいりたいと思います。

貝沼次郎公明党

○貝沼委員 同じことでありますが、大蔵大臣に伺っておきたいと思います。新聞によりますと、これにつきまして経団連あたりからは、全企業に、と圧力がかかりそうである、こういうふうに報道されているわけでありますが、全企業になるとこれまた問題なのであって、現在の大企業をまた優遇するようなことになってしまう。なりはしないかとむしろ心配をするわけです。したがって、中小企業に対して前向きでこれを検討するかどうか、大蔵大臣にお伺いいたします。

福田赳夫自由民主党大蔵大臣

○福田国務大臣 経団連は全部に対してやってくれと、こういっておるそうです。しかし大蔵省としては中小企業に重点を置いて考えたい、いまこういう状況でございます。

貝沼次郎公明党

○貝沼委員 そのほかあるわけでありますけれども、いずれにいたしましても、この公害問題というのは時を待ってやればいいということではなくて、非常に緊急性を要する問題であります。これは現在臨時国会を開いているということでも当然であります。したがって、この結論というものをできるだけ急いで、そして現在の日本の公害をなくするためにこれを早く実現させて、公害対策を実現していきたい、こうつくづく思うものでありますが、その点につきましても大蔵当局におきましては十分に留意されまして、ひとつ真剣に取り組んでいただきたい、こう要望いたしまして終わります。

毛利松平自由民主党

○毛利委員長 小林君。

小林政子日本共産党

○小林(政)委員 今回の国会は公害国会ということで、ただいま公明党の貝沼委員からもいろいろと御質問がございましたけれども、私は、公害防止対策というものは公害を発生させてきた企業の責任、そして企業の責任によって防止をするということが原則であろうというふうに考えます。したがって、公害防止のための費用負担というものは、原因者である企業が負担をするということが当然であろうかというふうに考えますが、大蔵大臣は、公害防止の費用負担、この問題について原則的にどのような見解をお持ちなのか、まずお伺いをいたしたいと思います。

福田赳夫自由民主党大蔵大臣

○福田国務大臣 企業である場合もあるし、政府事業であるというような場合もあるし、地方公共団体の事業だというような場合もあります。あるいは個人という場合もありましょうが、とにかく公害を起こした人、それが全責任をとる、これが原則である、かように考えております。

小林政子日本共産党

○小林(政)委員 私は、公害を起こしている現在の大きな原因、主要な原因と申しますか、これは大企業側に責任があるという点をまずはっきりとさせなければ、費用負担の問題あるいはその他さまざまな対策の問題を行なうにいたしましても、その責任の所在と申しますか、その点が非常にぼやけてしまうのではないか、このように考えます。したがって、私どもは、いま大臣も公害を起こした者の責任であるという御答弁でございますけれども、この点につきまして、利潤を追求するためにいままで人命を全く軽視する、あるいは生活環境を汚染する、こういうようなことをやってまいりました、今日の深刻な社会問題を引き起こしてきた企業の責任というものを一番はっきりと明確にしなければ対策が立てられないのではないかと思いますが、重ねて大臣にお伺いをいたしたいと思います。

福田赳夫自由民主党大蔵大臣

○福田国務大臣 重ねて申し上げるわけでありますが、企業であれ、だれであれ、公害を起こした人、つまり自分のする行為によりまして他人に迷惑を及ぼすという者はその責任を全面的にとらなければならぬ、これが原則だと思います。

小林政子日本共産党

○小林(政)委員 その責任を全面的にとるというお話でございますが、それは、公害対策に対しての費用負担にも当然そういう考え方が貫かれるということでございますね。

福田赳夫自由民主党大蔵大臣

○福田国務大臣 そう考えます。

小林政子日本共産党

○小林(政)委員 先ほど貝沼委員からもこの問題が出ておりましたけれども、聞くところによりますと、一般のすべての企業を対象にして、公害対策を行なうためには減税だとか、あるいはまた融資はこれを無条件で貸し出せとか、このようなことが財界等から要望されている、こういうようなことを私どもも耳にいたしております。これについて先ほど大臣は、私どもは中小企業を中心にしてということでの御答弁でございましたけれども、大企業は排除するというお考えでございますか。

福田赳夫自由民主党大蔵大臣

○福田国務大臣 大企業の側から、全面的に減税をせよとか、あるいは公害だからといって特別の融資を幅広く厚く考えよということを特にいっておるわけではございません。その点は誤解なきようにひとつお願いします。しかし、公害対策というものは非常に大事なことですから、これを税制上あるいは財政上、金融上、刺激をするという政策をとる、これは必要だと思います。そういうような見地から、大企業といわず中小企業といわずそういう政策はとりたいと思っております。ただし、中小企業は、公害対策をとるにあたりまして、資力が薄弱でございますので、特別に重点を置いてこの中小企業の立場というものを考えなければならぬ、そういう認識でございます。

小林政子日本共産党

○小林(政)委員 ただいまの大臣の御答弁では、私、企業責任と費用負担の原則の態度というものを認めたということにはならないんじゃないかというふうに考えます。公害防止という点では、公害の最大の原因、ここに当然その費用の負担についても課していくということが原則でございますし、もし国民に危害を加えてきた加害者というような大きな企業に対して国がそのような態度で臨むのであれば、国がその企業の責任を免罪にし、あるいは税制の措置とかその他をいろいろお考えになるというようなことがあるのであれば、実質的にはその国民に危害を加えてきた加害者に補助金を与えると同じような結果になるのではないかということをたいへん危惧をいたすものでございます。私も、いま大臣も言われておりましたけれども、国が特別の配慮や援助を行なうのは資力の乏しい中小企業の公害防止対策についてであろうというふうに考えます。そこで私も中小企業の問題等について二、三お伺いをいたしたいと思います。  当面の緊急の問題としては、何といっても製造業者の中での中小企業、いわゆる三百人以下の工場数は、これは大臣も御承知のとおり全体の九九・四%を占めている。しかも一人から四人あるいは五人の企業というものがその中でも五〇%をこしているというような現状の中で、私は、中小企業に対するところの配慮というものが緊急に最大の課題に一つはなってきているんじゃないか、このように考えます。そしてその当面の問題としては、何といっても公害防止対策に対する金融の措置、あるいはまたその設備を整えた場合の税制の配慮等について、具体的に検討をする必要があるというふうに考えます。大臣自身も、これについては積極的、前向きという御答弁でございますが、これらの構想、内容についてはどの程度まで本格的にやろうとしておられるのか。総合的にお伺いをいたしたいと思います。

福田赳夫自由民主党大蔵大臣

○福田国務大臣 まず、大企業、中小企業の問題でありますが、これは対策事業について完ぺきを期そうというので、そういう公害を出さないような施設なんかをしようという企業につきましては、大小にかかわらずこれを援助しよう、こういう考え方を申し上げたわけなんです。ただし、特に中小企業には手厚くしたい、こういうふうに考えております。  中小企業に手厚くするその方法をいかんとするということになりますと、やはり税と金融、こういうことに主力はなりますが、金融につきましては政府に御承知のような中小企業金融機関があります。これらの機関の特別ワクを拡充いたしたい、こういうふうに考えております。それから税の問題につきましては、大企業、中小企業を通じて、現にすでにかなり手厚い公害防止対策特別措置があるのです。しかし、それの拡充も考えておりますが、さらに特に中小企業者に対しましては何らかの特別の助成措置を講じたい、こういうふうにいま考えております。この点は先ほど貝沼委員に申し上げたとおりでございます。

小林政子日本共産党

○小林(政)委員 具体的な内容の問題等についてどの程度までという点が触れられておりませんので、非常に抽象的な前向きの態度ということで、たいへん残念に思うのですけれども、これは次の四十六年度の具体的な予算に関連する委員会なんかでも引き続いてお伺いをしていきたいというふうに考えます。  私は、中小企業金融の具体的な問題について二、三お伺いをいたしますけれども、公害防止事業団の内容一つを見ましても、いままでの融資実績をずっと見てみますと、四十年から四十四年のこの五年間に、貸し付け件数は、集団での施設とかいうことになりますけれども、百二十一件で、その数もそんなに大きな件数ではございませんし、しかもその中でも大企業関係に八十一件、パーセントにしますと五七・六%で、貸し付け対象は大企業に相なっております。そして中小企業の場合は三十八件でございまして、これは二四・八%、こういう結果が出ておりますけれども、これなどは、貸し付け手続をいま市中銀行で行なっておる。決定は公害防止事業団で行なっておりますけれども、その審査などはすべて市中銀行で行なわれているために、非常にきびしい条件がつけられて、規模の小さな業者は実質的には借りられない、こういう結果が出てきたのではないかというふうに思われます。  一方、いま東京都で行なっております公害融資、これも実績を見てみますと、直接貸し付けとあっせん貸し付け、こういうものを実施いたしておりますけれども、一つの企業に対して十万円から三百万円、しかもこれに対しては無利息、十二年間の返済期間。しかもその件数を見てみますと、直接貸し付けの場合には、四十年から四十四年の間のこの時期に三百六十八件、あるいはまたあっせん融資四百三十六件。一地方自治体が行なっております直接あるいはあっせん融資等は、非常にその利用度というものも高くなっておりますし、また非常にこれが借りやすいというようなことで喜ばれておるようでございます。  私はこの事実を見まして、直接国が行なう国民金融公庫での貸し付けというようなものがいま非常に必要なんじゃないだろうか。今回初めて公害対策としての国民金融公庫の貸し付けというものが、概算要求でも十一億円計上されておりますけれども、しかしこれをもっと大幅にふやしていくというようなことがきわめて必要ではないかというふうに考えますけれども、この点について大臣のお考えをお伺いいたしたいと思います。  さらにまた、金利補助等についても都では実施をいたしております。先ほどの貝沼委員の御意見の中にも出ておりましたけれども、この金利補助、これも国が当然考えるべき必要な措置であろうというふうに思いますし、融資ワクを大幅に広げるということ、これらの点も含めて大臣の御答弁をお願いいたしたいと思います。

福田赳夫自由民主党大蔵大臣

○福田国務大臣 中小企業に対する金融は、これはもう量からいいますると民間の銀行が担当しておる部面が圧倒的に多いわけであります。民間の金融機関におきましてはたいへんな貸し出しをしておるわけでございますが、その中に公害融資という別勘定を設けて、公害に対してどのくらいの貸し出しが行なわれているかということをチェックする、そういう銀行がぽつぽつと出てまいりまして、この動きが一般化、普遍化されようとしておるし、そういうふうにさせるように私どもも金融界にお願いをしてみたいと、こういうふうに考えておりますが、その民間金融の量に比べますと、政府関係金融機関は量的にはかなり少ないわけでございます。しかしその少ない中におきましても、ただいまお話がありましたが、中小企業が公害対策事業をやる、これは非常に負担が重いことになるだろうというふうに考えまして、金融の面でも、また税の面でも、両々相まって便宜をはかるようにいたしたい、こういう考えでございます。

小林政子日本共産党

○小林(政)委員 私は、民間の場合には利子補給を当然政府がひとつ考えるべきであろう。どのような形にしろ利子の補給ということで負担を軽くするということが、非常にいま緊急の措置として必要ではないだろうか、このように考えますし、本格的には、私はむしろ中小のそれこそ弱体企業、こういったようなものの場合には、直接金融と申しますか——民間からの融資ということになりますと何かときびしい条件等もつくわけでございますし、そういう点については政策金融という、公害という問題に対しての政策金融として、国の国民金融公庫などの貸し付けワクを大幅に広げていくというようなことがいまきわめて重要ではないか、このように考えますので、その点について、二点だけお伺いをいたしたいと思います。

福田赳夫自由民主党大蔵大臣

○福田国務大臣 民間金融について利子補給を行なうという考え方はとっておりませんし、またとるべきではないというふうに思います。そういう考え方であればこそ政府金融というものが存在をするというわけなんですね。政府金融につきましては、ただいまお話がありましたように、これは中小企業の置かれておる立場等を十分考えまして、できる限りのことはいたしたい、かように考えております。

小林政子日本共産党

○小林(政)委員 次に、私は税制面の問題について、これもちょっと先ほどすでに質問のあった公明党の方からの質問とダブるわけでございますけれども、私の近くにやはり銅を扱っております小さな企業がございまして、そしてそこからは——銅は御承知のとおり今回の水質の問題等については基準に触れておらないわけでございますけれども、しかし製造過程で酸を発生する、こういうようなことで、実は何とかこれを迷惑のかからないような処理をするということで、その機械を据えつける、その場合には二百五十万円かかるということを言われて、とても困ったものだということで相当深刻に考えておられました。こういったような実情から考えましても、無理をしてその施設を良心的に取りつけていくということであれば、この問題については税制面等について、経費として落としていくというような、今回抜本的にそのような対策をとる必要があるのじゃないか。これらの点についてどういうお考えをお持ちか、この点をお伺いいたしたいと思います。

福田赳夫自由民主党大蔵大臣

○福田国務大臣 設備をすることは投資であります。したがって、これを経費として、税の対象として考えるということはできません。できませんが、償却年限を短縮する、つまり特別償却という考え方をとるとか、耐用年数を短縮いたしますとか、いろいろな特別の考え方、そういうことができると思います。経費という考え方ではなしに、償却だとかその他の面において考慮をしてみたい、かように考えておるわけであります。

小林政子日本共産党

○小林(政)委員 中小企業の問題についていまいろいろと質問をいたしたわけでございますけれども、これらの問題等につきまして今後具体的に問題が持ち込まれるところは地方自治体であろう、このようにも考えられます。また、地域住民の中からもさまざまな問題が自治体に持ち込まれる、そして自治体が具体的に防止事業等も実施をしていく。こういうような状態の中で、私ども、やはり地方自治体が十分権限を行使できるような財源の確保というものが緊急に必要であろうというふうに考えます。現在深刻な公害問題をかかえております都市、その多くは、財源にゆとりがあるところだということでいままで交付金の不交付団体になっておりました。たとえば東京都とか神奈川県、愛知県、大阪などというところは不交付団体になっていると同時に、また、川崎、富山、富士、四日市、市原など、公害多発のこれらの地域等についても、この権限委譲の問題は非常に大きな問題であると同時に、その裏づけが必要であろうというふうに考えられます。たとえば大気汚染の測定器を一台取りつけるにいたしましても二千万から三千万という経費がかかるわけでございます。そのほか技術者とか専門家の人員の確保の問題ということも起こってまいりますし、この体制をほんとうにきちっと保障していく、こういうことがなければ、私は、公害問題は実際に効果をあげることができないというふうに考えます。現在東京都などでも、この亜硫酸ガスの測定器といったようなものも非常に高い機械でございますので八カ所しか据えつけられておりませんし、総合的なコンピューターの体制をとるとかいうような科学的な処理体制というものが今後の課題としてきわめて重要な問題になってくるというふうに考えられますが、これについては、不交付団体だというようなことでいままでそれすらおりていなかったわけですけれども、補助金を大幅に、公害対策について自治体の財源を確保していくという体制をおとりになるかどうか。この点についてお伺いをいたしたいと思います。

福田赳夫自由民主党大蔵大臣

○福田国務大臣 地方の財政は、公害対策によってかなり大きな影響を受けるわけです。ただしかし、それは見てくれというか、形式的、表面的には大きな影響を受けることになる。つまり、公害対策事業というのを地方団体がやるからです。ところがその財源となりますと、これは先ほどからお話がありまするように、おおむね企業者がこれを負担する、こういうことになる。それから残りの、企業者が負担しない部分につきましても、その財源のかなりの部分はおそらく地方交付税の配分という形で処理されるのじゃないか。そうすると残りが非常に少なくなるわけですね。それは一体どうするかというと、ものによりましては国からの補助金というような場合もあるわけです。それでも足りないというような場合におきましては起債という場合が考えられます。その起債につきましては政府の財政投融資資金を使うということも考えられる。また考えておるわけであります。したがいまして、地方財政は、見てくれというか、形式的にはかなり大きな事業を行なうことになりますが、財源としては見たところほどのことはないので、いま地方財政の状況を見てみますると、大体これをこなし得るものであるというふうな見通しを持っております。

小林政子日本共産党

○小林(政)委員 地方財政はたいへん困ることはないのだというようなお話でございますけれども、実際にほんとうに亜硫酸ガスを測定する機械だとか、一酸化炭素を測定する機械というようなものは、これはもう自治体が非常に無理をしてこういうものを買い入れておりますし、まだまだ台数なども足らない、こういう実情もございますし、補助金として国がそういうものを備えつけなければ本格的な公害対策というものはできないという立場からの財政補助というものが必要であろう。もちろん起債の問題とか、あるいはまた交付税、いろいろな形があると思いますけれども、私は総合的な地方財政の拡充というものが必要だというふうに考えますと同時に、できれば起債というような自治体の借金として残っていくというようなものよりも、この緊急な問題については補助金という形で大幅に地方財政を保障していくということが必要ではないだろうか、このように考えますが、もう一度お伺いをいたしたいと思います。

福田赳夫自由民主党大蔵大臣

○福田国務大臣 中央財政といい、地方財政といい、これは別のものじゃないのです。別のものという形はとっておりまするけれども、結局これはもう車の両輪のようになって国を動かしていく財政の仕組みだ、こういうふうに思います。そういうようなことで、公害対策事業を行なうという結果、中央財政に対しましても地方財政に対しましてもそれぞれ影響があるわけでございますが、その中央財政の状況が現実の問題としてどうなっているか、また地方財政がどんな勢いになっておるか、そういうようなことをよく取り調べまして、そうして全体として中央、地方の財源調整ということをやってみたい。いずれにいたしましても、公害対策事業をやると、それによって地方財政が非常に大きな影響を受けるということのないようにはいたしたい、かように考えています。

小林政子日本共産党

○小林(政)委員 いずれにいたしましても、公害問題を根本的に解決するためには、やはり相当の資金と、そして専門的な人と、それから新しい知識、技術というものがなければならないというふうに考えます。この点について、やはり公害問題を抜本的に解決をしていく、こういう国民の期待に十分こたえていかなければならない今度の国会であろうというふうに考えますけれども、御承知のとおりその中身についてはいろいろと問題点があまりにも多く、いま幾多の論議が行なわれているところでございます。私は少なくとも、公害問題に実際に対処する場所である地域の自治体、ここでの財源の確保という点と、それから中小零細業者に対する配慮と援助というものが抜本的に解決されなければ、この問題もまた本格的な解決をすることができないというふうに考えますので、それらの点についてやはり十分な積極的な取り組みを一段と要望いたしまして、私の質問を終わりたいと思います。

毛利松平自由民主党

○毛利委員長 広瀬君から関連質問を一問要請がありますから、これを許します。広瀬君。

広瀬秀吉日本社会党

○広瀬(秀)委員 いま貝沼委員、小林委員から、公害防止施設に対する国の税制面、金融面における優遇をもっと強化すべきだという意見が出されたわけでありますが、十二月の五日の新聞にも発表されておるのですが、この点をもう少し大蔵省は税制面において大胆に、とわれわれはこう考えておる。いま主として税制面でございましたから、発表すべきだと思うのですが、汚水の処理の問題、廃油の処理の問題あるいは重油脱硫の問題、ばい煙処理、騒音防止、液化石油ガスの保安設備、さらに悪臭防止というようなことに対象を広げて、そういう施設については、私どもの考えからすれば、ある年限を限って、特別措置として——特に力のある大企業よりは中小企業に重点を置きたい、そういう思想もけっこうですから、年限を限り、中小企業なら中小企業についてはこれだけの税制の優遇を与えますというようなことで——公害防止施設というのは企業の立場から見れば、直接生産にいわゆるプラスの面というものはない。しかしながら公害を出すということは絶対まかりならぬのだ、こういう立場からいうならば、年限を限り、中小企業ということにして、まず公害関係の施設というものは経費として認める、費用性を認める。同時に、投資として資産取得であるというような解釈をとらずに、必要経費として認定をするんだというような措置を考えてもいいではないかという考えが一つあるわけであります。新聞の伝えるところによると、大蔵省の考えでは、特別償却三分の一というものを、それらについては今度は二分の一にしようじゃないか。したがって、たとえば公害防止に三百万かかった、五百万かかったという場合に、その三分の一から今度は二分の一、半額は非課税扱いにしようという考えを持っているんだ。さらに耐用年数等についても短縮をはかるんだ。こういう具体的な考え方があり、方針もほぼかためたと新聞は伝えておるのですが、その辺のところを具体的に、大蔵当局の公害防止に対する税制面の裏づけとして、具体的な考えというものをひとつこの際御明示をいただきたい、このように考えるわけです。

細見卓大蔵省主税局長

○細見政府委員 広瀬委員がお読みになった新聞、何新聞か知りませんが、私どもは何もきめていませんし、ここで大臣がお答え申し上げましたように、前向きに検討いたしておる最中でございます。  どんな要求が出ておるかと申しますと、先ほどお話がありましたように、公害防止施設について、三分の一割り増し償却の現在の制度を二分の一割り増し償却にしてほしいというような問題。それからいま一つは、昨年も重油脱流装置とかあるいはばい煙処理施設とかいうようなものを御追加願ったわけでありますが、そういうふうに公害防止のための特別償却の対象になる施設を拡大してほしいというような御要望。それからいま一つは、企業が団体で何らかの公害防止の施設をつくりまして、それのための分担金が課せられたような場合に、その分担金の損金算入、あるいはその分担金の経理上の処理について優遇してほしい。およそこのような三つに分かれる御要望がありまして、それらについて前向きに検討をいたしておるというわけでありまして、まだ政府の税制調査会からの答申もいただいておりませんし、これらの機関にもはからなければならない段階でございまして、何らかきめたものがあって、それを言わないというようなことではございません。

広瀬秀吉日本社会党

○広瀬(秀)委員 いずれにいたしましても、この国会は公害国会と銘打つ、こういう国会が必要だったということ、しかも公害の現状というものがどんどん深刻化しておる、こういうようなことでございますから、大蔵省としても、金融面においてもしかりでありますが、特に税制面においても、この公害防止というものが本来企業の責任であるというものの、やはり力の弱いところで、それをやったらつぶれてしまうのだということのないような、そういうものについてできる限り思い切った施策を早く講ぜられるように、要望を最後に申し上げて終わりたいと思います。

毛利松平自由民主党

○毛利委員長 次回は、明九日水曜日、午前十時より理事会、十時三十分より委員会を開くこととし、本日は、これにて散会いたします。     午後四時六分散会

国会会議録検索システムで原文を見る ↗