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64回国会衆議院1970/12/11

社会労働委員会 第6号

発言数
279
登壇者
28
会派数
4
開催日
1970/12/11

会議録

倉成正自由民主党

○倉成委員長 これより会議を開きます。  労働関係の基本施策に関する件について調査を進めます。  質疑の申し出がありますので、これを許します。田邊誠君。

田邊誠日本社会党

○田邊委員 郵政事業にとっては最も熾烈な年末繁忙期に差しかかりました。間もなく年賀郵便の取り扱いも始まるという時期であります。しかし現在全逓の年末闘争が終結をしてないという事情の中で、郵便物の滞貨は日一日と増加する一方である。これは国民にとっても郵政省にとっても、非常に重大な危機に来ているのではないかと私は思うわけであります。例年やっておるからそのうち片づくだろうというような、そういう安易な考え方でこれに対処することは最も避くべき事態になってきておるのじゃないかと思うのであります。   〔委員長退席、小山(省)委員長代理着席〕  私が前々から当委員会あるいは逓信委員会等を通じて郵政当局に対してただしてまいりました各般の問題がありますけれども、この私の質問はこの前政務次官もお聞きをいただいておわかりのとおり、ただ単に組合側の立場に立って話しをする、あるいはまた当局を一方的に攻撃して屈服をさせるとかというような立場ではないのでありまして、何としても国民のために正常な郵政事業を運行してもらいたい。そしてこの年末の繁忙において国民に迷惑をかけない状態というものを早くつくり上げてもらいたいという立場でありまするから、私は郵政当局の改むべき点、足らない点はもちろんこれは厳正に改めてもらわなければならぬと同時に、組合に対しても言うべきことがあれば言ってもらいたい。私どももまた実は、同じような仲間意識を持っている人たちであっても、この際ひとつ改むべきことがあるとすれば、行き過ぎ等については是正してもらおう、こういう私の気分であります。委員会で私がそういうことを言うのは実はかなりいわば冒険でもありますけれども、あえて私はそのことをまず強調しておきたいと思っておるのです。  そこで一つは、郵務局長、いまの年末繁忙の状態は一体どうなっていますか。実はたいへんな滞貨があるということをお聞きしておるわけでありまするけれども、この滞貨というものは例年のこの時期におけるところの滞貨の状態と比べて、一体どんな状態ですか。

竹下一記郵政省郵務局長

○竹下政府委員 ただいま全国で五百六十万通の郵便物の滞貨がございます。これは毎日どんどんふえておるというものでもございませんで、ここ二、三日横ばい状況を続けております。郵便物は毎日ふえる一方でございますけれども、それに対応する手段といたしまして、アルバイトを多量に雇用したりいろいろな方策を講じまして、郵便物の滞留がふえないように懸命の努力をやっております。

田邊誠日本社会党

○田邊委員 五百六十万通という状態がきわめて固定的なものであって、その上に上積みをしていくという状態でないことは私もよく承知していますが、これは例年に比べて、この時期においては非常に多い滞貨であるという認識をしてもいいわけですね。

竹下一記郵政省郵務局長

○竹下政府委員 そのとおりでございます。

田邊誠日本社会党

○田邊委員 そういうことになってまいりますと、いよいよ十五日以降において年賀の取り扱いが始まるというこういう事態に対して、一体郵政省は、この年末を乗り切るのにどういう対策を講じたならば、いわばこの滞貨をさばき、そしてまた正常な年賀郵便の取り扱いができるようになるわけですか。

竹下一記郵政省郵務局長

○竹下政府委員 いまの郵便物の滞留は、申し上げるまでもございませんが、組合の闘争に原因するわけでございます。したがいまして、私どもといたしましては、組合と団体交渉をここのところ連日詰めておりますけれども、さらにそれを詰めまして打開策を講じまして妥結を見るように努力をする。これが一番の滞留解消のきめ手でもございますし、年賀郵便物の今後をうまく処理する方法である、かように考えます。

田邊誠日本社会党

○田邊委員 この年末首の繁忙ということは例年のことですけれども、私はこの際、抜本的な改善策を考えなければならぬと思うのですよ。いまのような全逓の年末闘争の結果であるところの、これは主要な原因であるということについてはもちろんわれわれもそういう認識を持っております。しかし、それだけではないのですね。やはり慢性的に起こるところの人員不足あるいは局舎の狭隘、交通の渋滞、そういう中でもっていわばこの年賀の取り扱い維持についても、私は時代の進展とともに考えなければならぬ時代に来ているのではないかという気がするのであります。そういうことも含めて、郵政省はきわめて時代に即応した近代的な対策というものを講じていかなければならないと思うのであります。  さっき郵務局長のお話の中にアルバイトを多量に雇っているとのことですが、実はこれが問題になっているのでしょう。アルバイトをたくさん頼んでいると言っているけれども、この人たちは高校生を主体とした学生が多いですね。これは一体身分はどうなっているのですか。それからいろいろな災害補償はどうなっているのですか。また、いま言った学生が労使の紛争の中に巻き込まれることは困るという教師や父兄の意見がたくさんあるということは、御案内のとおりですね。したがって、こういう学生アルバイトを多量に採用する中で郵便物をさばこうというような考え方は、本来的な考え方ではない。これは年末としてはやむを得ないといっても、そういったことについてはなるべくセーブできるような方向をとらなければ、本来のいき方にならぬのではないかと思うのですよ。ママさん配達なんかといっていますね、町内会で頼んで問題になっているでしょう。この身分はどうなっているのですか。一体どういう形で信書の秘密を守り、ほんとうに郵便物が相手方に届くという状態になるのですか、ならないでしょう。ですからあなたが簡単にアルバイトでもっていまの滞貨をさばいていますなんという、そういう話だけでは私は済まぬと思うのですよ。私もいささかその点に対しては知っているつもりであります。したがって、私のこの質問に対して、そういったいわば当面を糊塗するようなやり方だけではどうにもならぬので、もっと抜本的な郵政事業の改革、年末首の繁忙対策、これを講じなければならないのだということに対して、あなたのほうの端的なお考えがあればひとつお伺いしておきたい。

竹下一記郵政省郵務局長

○竹下政府委員 一年じゅうで一番忙しい時期でございますから、もとより本務者の皆さんの努力に期待するところでございます。ただ年末は郵便物数が異常にふえる時期でございますので——これはことしに限ったことではございません。毎年アルバイト、これはおっしゃるように主として学生でございますけれども、アルバイトを有効適切に使用いたしまして、この年末の仕事を乗り切るということを数年来続けてきておるわけでございます。  それから身分は、学生にいたしましてもママさんにいたしましても、非常勤職員という発令をいたしまして、公務員の身分を与えます。信書の秘密等につきましても十分申し聞かせまして間違いがないようにいたしております。  町内会の協力を求める場合がございますが、その場合におきましても、郵便の仕事に携わる人につきましては非常勤職員の発令をして、間違いがないようにいたしております。

田邊誠日本社会党

○田邊委員 いまいろいろな隘路があることをわれわれはお聞きしておるわけですが、世論は必ずしもあなた方が考えておるようなぐあいに、郵政省のやり方に対して賛成をしてそれに協力しようというのじゃないのです。言うなれば自衛手段ですよ。実際は、あなたのほうがそういったアルバイトやその他ママさんバイトを頼んでやっておることに対して得々として説明をするような状態ではないのですよ。したがって、そういった郵政省に対する評価はどんどん落ちておるというそのことに対しても、あなた方は深刻に考えなければならぬということを私は特に要望しておきたいと思っておるわけです。——郵務局長はもういいです。  いま年末闘争の妥結がはかれないでいるという点に対して非常に心配をしておるわけです。これは郵政当局もこれに対していろいろと対策を講じておると思うのですが、いまだに実はこれが解決に至らない。この年末闘争が例年に比較をして熾烈で、今日までこの解決がはかれない最も大きな原因は一体何ですか、要因は何であると考えますか。

北雄一郎郵政省人事局長

○北政府委員 ことしの年末の場合、全逓はその要求項目に非常に多くの項目を出してまいったわけでございますけれども、なかんずくそのうちでも最も重要な項目となっておりますのが、四つのグループがございまして、一つは年末手当等の経済要求、二つが郵便労働者の諸般の処遇の改善、それから合理化に対する一つの要求、それから最後に最も大きなものとして省の労務政策を変えさせる、こういう四つのグループを最大の項目として年末闘争ということに相なったわけであります。しかしこれらの問題はいずれも省の経営あるいは財政、そういったものの基本にかかわる問題でもございますので、そういったことでたいへん解決に難渋をしておる、こういうことでございます。

田邊誠日本社会党

○田邊委員 四つの柱があるということをいまお聞きしましたが、その中でも年末手当等の経済要求はある程度話し合いで済むものだろうと私は思うのです。これは組合の要求が一〇〇%とれる場合もあるし、あるいはそのうちの何%で終わる場合もあるけれども、それは話し合いによって解決のできる問題である。また事実、そういう方向にいけるものであるというふうに私は考えておるわけです。郵便労働者の問題も深刻です。これは世論が言っているように、いわば外務員軽視の人事制度を徹底的に改めて、思い切って昇進の道を開かなければならないというような、こういういわば新聞の主張があるとおりですね。これは私は深刻な問題だと思うのですよ。いまの若い人たち、あの郵便の制服を着て、交通難の中における谷間を縫うようにして赤い自転車を運転しながら郵便を配達するいまの若い人たちが、しかも労働力の不足のこの現状の中でもって、一体定着をして郵政の仕事に生涯をかけようというような状態になるかと言ったならば、労働条件の面からいってもその他の面からいっても、できないですよ。小渕政務次官は一日配達をされた。このことを私は聞きまして、非常に実は一つの感銘を持ったのでありますけれども、しかし一日配達をしただけでもあるいはおわかりのとおり、いまの郵便の労働者、特に外務員、外務の仕事に携わる人たちの労働条件なりいろいろな状態というものは非常に悪い。こういう状態というものを何とかしなければならぬということは、あなた方も気がついていらっしゃると思うのです。ですからこれは前向きに取り組んでこれが解決策をはかってもらいたいと思うのです。  しかし問題は、一番最後に人事局長が言われた労務政策の問題、この問題の解決が今度の年末闘争の最大の問題であることは、御案内のとおりであります。しかも年末の繁忙時期においてこれらのいわば長い懸案事項を解決しなければならぬというところに、郵政労使の一つの大きな問題があると私は思うのです。そういった点で、私はさっきの意見を言ったわけですよ。しかしともかくもきょうはその労使の間における使用者側、いわゆる管理者側の郵政当局の態度は一体どうなのかということをお聞きをしておるわけでありまして、この労務政策について一体あなた方はどういうような考え方でもってこれに対して解決をはかろうとするのか、その根本になるものは一体どこにあるのかということに対してこの際——内容の説明はいずれでもけっこうであります。あなた方のほんとうに腹のすわった一つの態度というものはどういうものかということを、国会の場所を通じて国民の前に明らかにしてもらいたいと思います。いかがですか。

北雄一郎郵政省人事局長

○北政府委員 私どもは労使関係の現状が非常に望ましい状態にあると思っておらないわけであります。したがいまして、この労使関係を改善していく、そして安定した労使関係をつくっていく、これが国民から負託されました郵政業務というものをりっぱに遂行していく根幹である、こういう考え方でもって努力をしておるつもりであります。ただ今日、そういったことで労務政策の変更というような問題が出てまいりました。これにつきましてはすでに今年の四月にも同じようなことがございまして、当時省と組合の間で、そういった労使関係を前向きに解決していこう、しかし労使関係は相対的なものであるので、お互いにもし出過ぎ行き過ぎがあったならばこれについては自省をしていく、こういうことで、よい労使関係を築いていこう、こういう確認がなされておるわけであります。しかしその後もそれがなかなか定着をしておらぬということで今日の問題になったわけでございますけれども、私ども組合との交渉の場を通じましてもそう言っておるわけでありますけれども、最初に申し上げました趣旨というものに立ちまして、ことしの春のそういった労使の確認といったものをさらに具体化し、深める、そういうことによりまして、現実の労使関係を改善する手がかりをここで発見いたしまして、そうしてこういった労使関係という問題についてはそれぞれ相対の立場で責任がある、そういう角度でともどもに新しいよい労使関係を築いていく、こういうことについて日夜組合と話をしております。こういう状況でございます。

田邊誠日本社会党

○田邊委員 いま人事局長は、労使関係は相対的なものだというようなことを言いました。私は最初から発言の中でもって言っているとおり、何も一方づいて郵政当局だけの非を責めようなんという立場をとっていないことを最初にことわったのですよ。ですから、あなたの口からそのことを強調される必要はない。問題は、四月九日の大臣回答なり、その後に私は再三にわたって当委員会でもって小渕政務次官とも質疑応答をして、その大臣の約束したことについては厳格に守るという、こういうふうに国会の場所を通じてもあなた方は言っているはずだ。それが一体守られておるのかおらないのか。あなたは守られておると考えていますか。厳格に行なわれていると考えているか。どうですか。

北雄一郎郵政省人事局長

○北政府委員 四月九日以来、省といたしましては特段に、四月九日のただいまおっしゃいました筋というものを徹底するということにつとめてまいりました。したがいまして、そういった事態はない、こういうつもりでおったわけであります。しかし現実に組合のほうからそういった幾多の問題を提起されまして、その提起された具体的な問題ということにつきまして、いま日夜組合と私どもと話し合いを詰めておる、こういう現状でございます。

田邊誠日本社会党

○田邊委員 郵政大臣、あなたは決算委員会に出られる状態の中で出席をしてもらっておるわけですが、いま年末闘争を何としても解決しなければならぬところまで来ておると思うのです。年末繁忙を切り抜けなければならぬところに来ていると思うのですが、しかし最大のネックは労使間の問題である、労務政策の問題であるという実はお答えがありました。私もそのとおりだと思います。その解決策の基本になるものは、四月九日に大臣が組合に示された基本的な考え方というものがもとになっていると思うのです。ところがそれがなかなか行なわれておらない。実際には、反則ということばを政務次官なども使っておりましたけれども、その反則が——大臣がそのときに言われたと思うのですけれども、反則が行なわれておる。これが私は、組合に対して、あるいは職場の若い労働者に対して大きな不信感を呼んでいるところの最大の問題じゃないかと思うのです。したがっていわば相手方をなじるだけでなくて、あるいは労使の問題は相対関係だというような、そういう考え方だけでなくて、いわば郵政当局が約束したことを着実に守るという姿勢と、その決意と、実行策がまずもって優先しなければ、やはりこの問題の解決にならぬ、こういうふうに私はいま実は質問しておったのであります。どうでしょう、大臣。  あなたの良識ある立場でもって考えて、この解決のために私はどうしても一臂の勇をふるってもらわなければならないというように思っておりますけれども、大臣、この問題についてどういうようにお考えですか。

井出一太郎自由民主党郵政大臣

○井出国務大臣 ただいま田邊委員からお述べになりました本年の四月九日の確認事項でございますが、これにつきましては鋭意この線で事あるごとに、あるいは私の口から局長会議を招集したり、文書による通達を流すということで徹底につとめてまいったつもりでありますが、残念ながらなかなかそれがまだ浸透しておらないという事態だと思うのでございます。それは長い歴史や沿革もございますから、すぐに徹底をというのには若干の時間がかかるかとも思うのでございますが、それにしてもいま起こりつつある紛争を一刻も早く解決をしなければならぬ、これはおっしゃるとおりでございます。そこで私もずっと心を砕いてまいっておりますが、ここ一両日かなりのところまで煮詰まってまいっておるように思います。そういう次第でありますから、機を逸することなく、私みずからも汗を流してこれに立ち向かう、こういう所存でありまするので、もうしばらく時間をおかしいただきたいと存じます。

田邊誠日本社会党

○田邊委員 郵政大臣が誠意をもって事に当たっている形に対しては、私は昨晩も実はいろいろと次官にお聞きをした経緯もあります。しかしあなたの意図にかかわらず、いわば郵政官僚なり郵政の現場の管理者というものの態度は一向に改まっていない、こういうまことに憂慮すべき事態がことしになっても、四月以降において行なわれている具体的な事実をもって証明しているわけです。  これはどうですか。ある郵政局長は、いわば基本的な方針は変わっていないと言っておりますよ、普通局長を集めて。その郵政局の人事部長は、幾ら言われてもわれわれが直すことがなければ基本的に何ら変える必要はないと、現場の管理者を集めて言っているではありませんか。まず、あなたが集めていろいろと話をされたいわゆる三局長会議、郵政局長なり実際に労務政策を行なうところのいわゆる各郵政局の人事部長は、四月九日以前の状態と何ら変える必要はないという態度をとっている。これでは下部のいわば現場の管理者に私はとやかく言うことはできないと思うのです。したがって現業の局長なり課長なりというものは、四月九日に大臣がどういう言明をしたか知りませんけれども、反則はしっぱをつかまえられなければやっていいのだ、これはどんどんやらなければいけないのだ、こういうように解釈しているわけです。  郵政の当局が、業務に対して協力する者、業務に精励する者と、業務に対して協力をしない非協力な者とは区別する、こういうことばを吐かれている。これは一見普通のように思いますよ。ところが業務に協力をする者とは一体何かといえば、これは全逓を脱退する者であり、全逓に対して反旗をひるがえす者であり、そういうことに対して懸命に努力したいわば現場の管理者というものは、これは業務に協力するものだ、イコールという姿をとっている。ここに問題があるのです。あなた方の言うことと、下部で行なわれていることとは全く逆である。こういうことに対して大臣が十分な認識を持たなければ、この問題の解決にならぬ。いかにあなたが精力的にやるといっても、実際にはそういうふうに事は運ばないというふうに思わざるを得ないのです。私どものところに来ておるところの人事部長から各郵便局長に対してのいわゆる通達、それから現場の管理者から昇格候補者の名簿を提出した中に、全郵政の所属であるから昇格に値するというふうなことが書いてある事実、こういう数々の実は具体的な事実があがってきている。一体これでは、あなたがいかに言明をされても、それがほんとうに行なわれているというふうにわれわれは解することはできない、こういうふうに思わざるを得ないわけであります。しかも具体的にはいわゆる良識派グループといい、あるいは第二組合派グループといい、それらの問題に対して具体的な報告を現場の管理者、郵便局長が人事部長あてに出している。こういう事実がある。これは一体あなたはどうお考えですか。これではいまあなたが精力的に事の解決に当たりたいとおっしゃっても、そのことはいま何らの労務政策の変更はないのだ、表面上はそう言っても、いや、裏と表は違うのだ、こういう二面性を持って、また再び下部に対して指導をする。そういうおそれが出てくるのであります。したがって、いまあなたのとり得る態度というのは、そういう二面性、下部に対する不信、あなたの言明と全く違う態度をいわゆる郵政局なりあるいは下部の管理者がとっていることに対して、これをひとつ全面的に改める。こういう態度がなければ、決意がなければ、私は問題の解決は絶対できないというふうに思っているのですけれども、どうでしょう。あなたも認識をされたと思うのです。現状認識をされたと思うのですが、これに対して、断固として改めるべき点は改める、こういう態度をおとりになる必要があると思いますけれども、大臣、どうですか。

井出一太郎自由民主党郵政大臣

○井出国務大臣 お示しになりました資料は、私全部ではございませんが、拝見をしております。さらに役所のラインを通しての、それぞれ御指摘のあった問題の調査も進めております。いずれにせよ、四月の九日の確認事項というものは、これは世間周知の事実でありまする上に、公に出されたものでございますから、これをゆがめるようなことがあっては相ならぬ、したがって、いまの時点に立ってさらにその精神を充分に確認をいたしまして、さっき私がなかなか時間がかかると申し上げておるのですが、その方向なり姿勢なりは、これはちっとも変わらない。むしろそれを強化しなければならぬ、こういうつもりでこれからの処置に当たってまいる。それには若干の時間がかかることはお認めいただき、私が誠心誠意やっておる、これは田邊さんも御了承を願えるであろう、かように考えます。

小山省二自由民主党

○小山(省)委員長代理 関連で米田東吾君。

米田東吾日本社会党

○米田委員 関連で、大臣に、せっかくの機会でありますから、この際所信をお聞きしておきたいと思います。  実は、きょうは、大臣が確認されました、ことしの四月九日以降、全逓の北海道、山形県、愛知県、この三つの郵便局で、いま田邊委員が質問されました、この郵政省の労務対策の犠牲になりまして、最も大事な職場の役付の、しかも中堅幹部の方が三名自殺をしておるわけであります。その遺族の方がきょうお見えになっておられます。三名それぞれおいででございます。  私は、この問題につきまして、これが、いま問題になっております全逓が出しておる郵政省の労務対策を変更せよという人道的な要求の基本になっておりますから、したがって私はこのことについて、きょう大臣から所信をお伺いしたい、率直な所信をお聞きしたいと思って、実は予定しておるわけでありますが、お帰りになるそうでございますけれども、ぜひ私はこの機会に、大臣の率直な、この三名の犠牲者に対する切なる気持ちを、ひとつこの際お聞かせ願いたいと思っております。

井出一太郎自由民主党郵政大臣

○井出国務大臣 ただいまお述べになりました三人の方々の問題につきましては、私も報告を受け取っております。ましてや、きょうは御遺族の方がお見えになっておると伺いまして、ほんとうに御同情といいますか、心からお悔やみを申し上げたいのでございます。  ただ問題は、私思うのに、これは人命のことにわたるわけでありますから、何としても切実な問題でございます。したがいまして、いろいろとこれは事情はおありになったと思いますが、人の生命は地球よりも重い、こういわれますように、そのことが、おそらくいろいろ深い御事情はおありになった、あるいはこれが郵政省の労務管理のあり方に主たる原因があるというふうに御指摘になるわけでありますけれども、私は、これは御遺族を前にして申し上げるのは失礼でありますが、おそらく深い悩みに沈吟されて、その結果そういう道を選ばれたわけでございまして、まことにお気の毒の次第と思いますが、もし管理者の側において落ち度があるといたしますならば、十分にこの点は究明しなければならぬと思うのでございますが、事はたいへん切実な、微妙な問題でありますので、私ども誠意の限りを尽くす、こういうことで御了承をお願いいたしたいと思います。

米田東吾日本社会党

○米田委員 あなたの心情につきまして、私としてはわかるわけであります。率直に私は、大臣のいまの御答弁を受け入れたいと思います。ただ、私、いまさら申し上げるまでもありませんが、とにかく佐藤総理大臣も、もうこれからの七〇年代はあくまでも日本の高度成長というものを国民の側に返します、そうして人間尊重の政治を基本にいたします、こういうふうに述べられまして、これがいまの政府の政治の基本になっていると私は思うのであります。ところが、その高度成長を生み出した労働者が、このような不当な——これは法律の禁止条項でありますけれども、不当労働行為によりまして、そして死んでいかなければならない。これは私は、単に悲劇だというようなことだけでは済まされない、私はヒューマニズムの問題じゃないか、こう思っておるわけであります。したがって、いま大臣の御答弁でも、その事実については十分きわめるという御答弁がございましたが、ぜひこれはきわめていただきまして、二度とこういうようなことが、少なくとも郵政省の全国の職場に出ないように、私はひとつここで約束をしていただきたいと思います。  それからもう一つ、これはまだ、大臣が帰られましてから、私はその内容につきまして郵政省の担当によくここで質問をいたしますから、いずれ内容は明らかにされると思いますけれども、その内容が明らかにされました段階におきましては、いま大臣も決意を述べられましたが、あなたのほうに非があったとするならば、行き過ぎがあって、その犠牲になったということが明々白々となった以上は、これは裁判だとか、あるいは労働法の関係では労働委員会の判定だとか、そういうようなものをまたないで、まずあなたのほうで姿勢を正すという意味で、その当事者である、あなたのほうの側の局長なりあるいは人事担当の責任者にすみやかに責任をとらせるように、処分をされるように、これをはっきり約束をしておいていただきたい、こう思うのでございますけれども、いかがでございましょうか。

井出一太郎自由民主党郵政大臣

○井出国務大臣 時間がたいへん、私、制約されておりますので、この辺は相済まぬと思いますが、いまおっしゃいます問題は、まことに普通の事態とは違うわけでありますから、十分に行き届いた調査をいたしまして、それを待った上で善処をいたしたい、かように考えております。

米田東吾日本社会党

○米田委員 人事局長、ただいま大臣が答弁されましたけれども、あなたも聞いておられたと思いますが、あなたの答弁をひとついただきたいと思います。

北雄一郎郵政省人事局長

○北政府委員 この問題につきましては、先般組合のほうからそういう問題提起がございまして、自来私どもいろいろ調査をしたわけであります……

米田東吾日本社会党

○米田委員 そんなことを聞いているのじゃないよ。大臣の答弁に対して、あなたは率直に大臣の答弁どおり責任者としてやるかどうかということなんです。——それはあとで聞きますよ。

北雄一郎郵政省人事局長

○北政府委員 特に組合の問題提起が、これらの三件はいずれも省側の不当労働行為に基因するものである、かような問題提起でございましたので、特にその点に重点を置いて調査したのでございますけれども、現在までのところ、そういった不当労働行為に関係があるというような事実は認められない、かような見解でございます。

田邊誠日本社会党

○田邊委員 いま米田委員の質問はこの委員会等を通じて、われわれはわれわれの資料を持っているのだから、それを通じてその事態が明らかになり、その原因がいわゆる現在の労働政策に基因するものであるということが明白になったならば、それに対して断固たる処置をとるべきである。大臣は善処すると言ったのだから、あなたは大臣のことばを受けて、そういう事態が、あなたの調査によってではないのだ、国会の場所を通じ明々白白になった場合には、それに対して大臣の言明どおり実行いたします、あなたはそう言えばいいのであって、いまあなたのほうの調査の結果が云々なんということを聞いておるのではない。国会を侮辱してはいかぬよ。国会の委員会は、委員会の中でわれわれが発言をしたことに対して、あなた方がそれに対して了解を与え、そしてもって一致点が見出せれば、その方向でもって最後の決断をしてもらいたいということが質問なんです。そういう質問に対していまの人事局長の答弁は、これは委員会無視だ。そんな答弁をされては、われわれは国会の審議できぬよ。あなたの答弁を信用して、あなた方の結果によって事を処置しようということを言っておるのではない。そんなことではだめですよ。

北雄一郎郵政省人事局長

○北政府委員 ただいまの私のお答えが不適切でございましたならば、それは取り消させていただきます。先ほど大臣が、調査をいたしまして、調査の結果その管理者側に責任がある、管理者側のいわゆる不当労働行為によりましてこういった事態が生じたということがもし明らかになれば、それに対して善処するとおっしゃいました。私どもも当然、大臣の御指示のとおりに事を運ぶつもりでおります。

田邊誠日本社会党

○田邊委員 きょうは実はいろいろなせっぱ詰まった事態もございまするので、私予定しておりました時間をなるべく切り詰めて、あなた方自身も具体的な作業をしてもらいたいというように思っておりますので、私は自分で予定してまいりました前回のいわば引き続きの問題、各全国でもって起こっておるところの不当労働行為に類する事象について、あなたのほうから一応の回答があった分もございまするけれども、きわめて不満足でありまするから、それに対してもさらにお答えをいただきたいと実は考えておったのでございますけれども、これは大かた省きたいと思う。これは人事局長としても郵務局長としても、それぞれ実はこの秒読みの段階におけるいろいろな作業のあることをわれわれは承知しながら、それを省きたいと思う。しかしそのことは決して、具体的な事実はそれによって没却されたものではない。したがって、その点は十分承知を願いたいと思う。  私はただ一点だけ、前回お聞きをしました中でもって、愛知県の稲沢の局における吉田さんのなくなられた不幸な事件に対して、実はあなた方のいろいろな調査をお願いいたしました。しかしその中でもって、なお明らかでない点がいろいろざごいます。特に吉田さんがなくなる前日において郵便課長に対して行なったところの、主事の降格をしてもらいたいというそういう申し出に対して、何らの措置をしておらない。具体的に時間が迫って仕事につかなければならなかったという、こういうことだけでもって、その吉田さんの主事をやめたいという、こういう実は重大な申し入れに対して自後の措置をしていない。この手落ちに対して、あなた方は一体どういうふうにされるつもりであるかということをお聞きをしたい。吉田さんの自殺に至るところの経緯について、私はあの現場に行きまして局長にお聞きをしました。私がこれこれではないかと言ったのではなくて、その郵便局長が、私の、原因は何かという質問に対して答えたところは、いわゆる全逓の脱退の事実がある。全逓復帰の勧誘があった。そしてなくなられる、行くえ不明になられる前日において、午後一時二十分、郵便課長に対して主事を降格させてもらいたいという申し出があったという三点であります。したがって、吉田さんがなくなられる最も近い前日の、この主事の降格の問題はきわめて重要ではないかというふうに私は質問をいたしたのでありますけれども、これに対して現場の管理者は、何らの処置をしなかったことに対して、あなた方は一体どう考えるかということに対するお答えがなかったと思うのであります。これに対して一体どういうような処置をされるつもりであるか。当時の状態からいって、この管理者の態度というものに対して、あなた方は十分であったと考えるのかどうか。十分でなかったとすれば、一体これに対してどういう処置をされるつもりなのか、この点に対してだけひとつお答えをいただいて、あとは他の委員の質問に譲りたいと思います。いかがでございますか。

北雄一郎郵政省人事局長

○北政府委員 先生おっしゃいますように、前日そういう申し出が御当人から当該所属の課長にございました。その申し入れというのは結局、主事をやめたらどうかという話があっての話ではございませんので、全く本人のそういう申し出があった。そこで課長は、むしろ文字どおりそんな気の弱いことではあかん、あとでゆっくり話を聞こう、こういうことで励ましをしたわけであります。ところが先生おっしゃいますとおり、すぐ二号便の出発ということで御本人出発なさいました。そういうことで、そのままそのときは事前に別れて、そしてそのあと吉田さん御当人が局に帰ってまいられたのでありますけれども、帰られたときには課長と顔を合わせておりません。そして数分で友人と一緒に退局して、近所の喫茶店に行かれた、こういうようなことでございまして、あとでゆっくり話を聞こうと言ったものの、その後顔を合わせなかったために、また課長といたしまして、そんな重大な思い詰めたふうには全然考えなかった、その日の午後も御本人は平素と変わりなく勤務をしておられましたようですし、また接した同僚の間でも御本人が特段に思い詰めたような御様子もなかったというので、課長もまたそのように何も特別の様子ということに全然気がつかなかった、したがって全く何の悪意もなく、そういう経過の中であとでゆっくり話をするという現実がなかった、こういうことでございます。したがいまして、課長に悪意とかあるいは重大な過失という問題があった、そういうケースではないと存じます。ただ結果的にその翌日なくなられたということでありますので、いまとなって考えますと、二号便の出発をおくらせても、もっと事情をよく聞いてやればこんなことにならなかったのではなかろうかと残念に思うということを言っておるわけであります。したがいまして、私どもといたしまして、課長に特段の悪意あるいは重大な過失というものがあったわけではございませんので、そういった反省を深くするようにという——本人もその点深く反省しておるようでありますので、結局特段の措置ということにはならないと思うのであります。ただ私どもといたしまして、当時名古屋を通じまして稲沢にも申しましたけれども、平素からそういったことによく気をつけるようにということは言っております。  以上であります。

田邊誠日本社会党

○田邊委員 私はそういうあなたの答弁を聞いておって、ますますもって悲しくなります。私は悪意味がないということを聞いているのじゃないのです。三年半も主事をやった練達の吉田さんがなぜ主事をやめなければならぬ気になったか、その気持ちを上司が察するという考え方がないから、郵政の職場は暗くなるのですよ。吉田さんはそういうことで、こんな暗い郵便局になってしまった、一人になって考えたいと言い残しているじゃありませんか。まさに形式主義である。これが愛情のある管理者のやり方、考え方であれば、その愛情のある考え方というものが郵政の職場に、あなた方の指導でもってしみわたっておれば、三年半も主事をやった人がそれをやめたいという心境になっているということに対して、この重大さに気がつく、それに対してその真意を確かめる、そういう状態というものが当然くると私は思うのですよ。それをしないところに、いまの郵政の職場のこの問題が実はひそんでいると考えざるを得ない。しかし実際には、それにはいろいろな前提条件があります。実際に吉田さんに対して、第二組合に入らなければ主事を降格させるぞというおどかしが行なわれ、これは局長名だ、こういうことも行なわれておるわけであります。しかし、なくなられた吉田さんの口からそのことの事実を問いただすことはできない。できないけれども、そういういわばいろいろなものが積み重なった結果の中でもって、吉田さんが主事をやめなければならぬ、そういう気持ちになっているというその深刻なことをあなた方が読み取らないことはないと私は思うのです。これは悪意でないと言うけれども、実際にはそういう前段があるとすれば、これはきわめて悪意に満ちた行動ではないかと思う。しかし悪意であれなしであれ、この吉田さんの発言に対して当然とるべき処置を怠った管理者の責任は決してそのまま看過するわけにはいかないというふうに思っているわけでありまして、これに対する今後におけるところのあなた方の十分な調査と厳正な処置をお願いしなければならないというふうに思っておるわけであります。そういう面でさらに調査を続行してもらうことをお願いすると同時に、私の大部分の質問はきょうはやめておきます。  私は、群馬県下に起こっているところの問題についても、あなたのほうからもらった、酒飲みながらやっている会合に労務管理官が出ていって得得として労務の状態について話をしたなんて、こんな報告を私のところに持ってきて、ふまじめきわまるよ。これは酒を飲みながら話をした中でチェックオフの問題だの、局長の胸章問題なんか話したなんて、こんな労務管理官がおって一体労務政策の正常な運行ができますか。こんな報告をもって私は満足するものではない。この問題に対してはあらためてお聞きする機会を持ちたいと思います。きょうはやめておきますけれども、私の質問に対してさらに次の機会に十分なお答えをいただくことを私は要望しておきます。

小山省二自由民主党

○小山(省)委員長代理 米田東吾君。

米田東吾日本社会党

○米田委員 私も全逓の今日の労使問題について、これから御質問をいたしたいと思います。  最初に私労働大臣にぜひ御見解をお聞かせいただきたいと思うのでございますが、全逓が今度の年末闘争で、先ほどの人事局長の答弁によりますと、労務対策の変更という項目が今度の年末闘争の中の一つの項目に入っている。私どもよく聞くことばに労変——労務対策変更ということを略しまして労変闘争ということばを聞いております。一体、近代的な日本の労使関係の中で、しかも最近の労働運動の傾向を見ましても、労働組合が年末というこういう時期に、あなたのほうの労務対策を変更しないかというような要求を出して闘争しなければならぬ、こういう事態は、全逓のほかにどこかにありましょうか。大臣は労働大臣でございますから、こういうことは専門でございます。こういうことが今日の政府の労働対策、あなたが所管されます労働対策の中にあっていいのかどうか。労変闘争は何かということは、先ほども人事局長の答弁で大体述べられておるわけであります。しかも労働大臣は全逓の関係も御存じだと思いますので、ひとつこういうばかげた——私はまことにばかげたことだと思うのです。これは労に対しても使に対しても、私は率直にそう申し上げたい。そういう労変闘争というようなことが通用するような郵政省の労働事情、労働対策、こういうものが基本だと思いますが、こんなことがあっていいかどうか。ひとつ大臣から率直に所信を聞かしていただきたいと思います。

野原正勝自由民主党労働大臣

○野原国務大臣 先ほど来いろいろ伺っておりましたが、どうもまことに遺憾な問題が多々あるということを知りました。郵政事業は国民生活にとりましてはきわめて重要な事業でありまして、この事業の円滑な運営が強く要請されておる。そのためには労使の相互信頼というか、やはりあたたかい人間関係、理解と協力というものがなければだめだと思いますが、どうもその点が、遺憾ながら先ほど来お話のございましたようないろいろな不幸を生み出したと思うのであります。その点を部外の者としましてにわかに批判を加えることはどうかと思いますが、いずれにしましても、労働運動以前の問題で、もっと人間関係が相互の信頼の上に立ち、あたたかい思いやりのある明るい職場というものでなければならぬ。その面で、どうもどちらの責任というわけにもいかぬと思うのでありますが、やはり今後は相互に反省を要する問題がたくさんにあるのではないかと思うのであります。その点で、どうも私担当でございませんのでよくわかりませんが、いままでの郵政問題、特に今回の争議の問題等はその辺のところから発生した問題である。したがって、この年末の忙しい時期に、あえてこうした問題を提起してやるというふうなことはふさわしい時期を得ていないと思うのであります。ともあれ、よき労働慣行を、お互いが相互に信頼し合って、ほんとうに明るい職場を一日も早くつくり上げていただきたいということを要望する次第でございます。

米田東吾日本社会党

○米田委員 大臣の御答弁をいただきましたが、労働大臣は決して部外者ではございませんで、郵政省から見ればそうかもしれませんけれども、日本の産業の労使関係というものは大臣の主管でございまして、ひとつそういう立場で、今後ともいま大臣が述べられましたような所信の方向でひとつ積極的に御指導いただかなければならぬ、私はこう思っております。  それから後段に、あえてこういう問題が年末の忙しいときに出てきたのはどうもよくないんじゃないかという御趣旨の御答弁があったわけであります。私もその点につきましてはよくわかるのでありますけれども、ある日年末の忙しいときに突然この問題が出てきたのではないようであります。これは大臣も御承知でありますように、先ほど来の答弁にもありましたように、こういうことをなくしようということで実は郵政大臣と全逓の間で、ことしの国会の逓信委員会等もわずらわしまして、四月九日に一つの約束をいたしました。もうそういうことがないように、そして、大臣がおっしゃるように、対話の労使関係というものをつくっていこう、こういうことで前向きに方向を変えたはずであったのでありますけれども、方向が変わっておらないで、やはり既定方針どおり郵政省の労務対策は進んでおった。こういうことが積もり積もって、この年末の時期に反省を求めなければということになって出てきているようでございまして、まことに私も残念でございますが、事ほどさように郵政省の関係というものは、大臣おっしゃるように、労使関係以前の状態にある、こういうことが実態じゃないかと思いまして、ひとつ労働大臣並びに労政局長さんにおかれましても十分関心を持って御指導いただきたい、こう思っておるわけであります。関連する問題が出てさましたら、あとでまた御見解をお聞かせいただきたいと思います。  私は時間の関係もございますので、主として問題をしぼりまして、しかも人事局長並びに郵政省のほうは年末で忙しい時期でございますので、なるべく切り詰めて要点だけ御質問をするようにしたいと思います。  その第一の問題は、先ほどの田邊委員の質問にも関係をするのでありますが、ことしの四月九日郵政大臣が約束をいたしまして、労務管理については対話の方向でひとつやっていきましょうということで、幾つかの約束の項目を確認いたしました。中心の柱になるのは不当労働行為はしません、そういう疑いや誤解があれば積極的にそれを取り除くように誠意をもって当たりましょう、そういう趣旨の約束をされたわけでありますが、それ以後全国で最も端的な悲劇的事件が全逓組合員の自殺事件として実は出ているわけであります。この関係を私はまず第一に取り上げましてお聞きをしたいと思うわけであります。  これについては、実は十一月九日の本社会労働委員会におきまして、北海道の兵藤さんが自殺をされた事件について島本委員、それから愛知の吉田さんがなくなられましたことにつきましては田邊委員が質問をされまして、当時の状況を明らかにし、郵政省の責任ある答弁を求めておるわけであります。  もう一つ、同じこの時期に、正確に言いますと、ことしの九月十二日から十四日の間でございますけれども、山形県の鶴岡郵便局に同様、諏訪さんという方がやはり自殺をしておられるわけであります。これにつきましては全国の新聞が取り上げました。全逓の「相次ぐ局員自殺」郵政省の「労務政策の犠牲」「組合脱退迫り圧力」をかけて、そうして自殺に追いやったという記事が、これはほとんど全国の中央紙から地方紙にも出ております。との三つの事件を取り上げまして、端的な郵政省の殺人的労務対策というものを追及する新聞記事になっているわけであります。私は、この山形県の鶴岡郵便局における事件につきましてひとつお聞きをしたいと思っておるわけであります。  当局の答弁を求めましても、どうもたてまえ答弁でありまして、国会の議事録に間違いなく手落ちなく残ればよろしいというような趣旨かと思いますが、きわめて一方的な抽象的な答弁で、腹が立ちますけれども、一応郵政省の人事局長のほうから、山形県の鶴岡郵便局のこの自殺事件につきまして、概況をお聞かせいただきたいと思います。

北雄一郎郵政省人事局長

○北政府委員 お答え申し上げます。  その方はことしの九月十二日朝、いつも局へ出られる時間に自宅を出られたまま局へ来られず、行くえ不明になられました。その後捜索を行なっていたのでありますが、九月十四日の午前八時ごろ、市内の山中の作業小屋で総死体となって発見されたという、たいへん悲しい事件でございます。  この方は、三十七年に郵便課の主任となられまして、四十四年の八月に庶務会計課の主任になった方であります。非常にきちょうめんな性格の方で、勤務成績も優秀な方でありました。   〔小山(省)委員長代理退席、増岡委員長代理着席〕 どういうことでこういう悲しい死ということにつながったのかということにつきまして、これも先ほど申し上げましたように、かねて全逓のほうから、これが不当労働行為である、それに基因するというようなお話がありましたので、それに重点を置きまして本件も調査いたしました。調査いたしました結果、やは結論的にはそういった不当労働行為というものは何もなかったということであります。  しからば、なぜかという問題が残るわけであります。全くなぜかということがわからないわけであります。こういう行くえ不明になられた前、それに近接する前の日に、それでは平生と異なるどのような事実——その死亡されました前、引き続く相当前から御本人に平生と違うどのような変わった事実があったかということにつきましても調査をいたしました。しかし、この点についてもとりたてて変わったことはなかったわけであります。  しいて申し上げますと、ことしの八月十二日に組合の役員改選がございまして、分会の書記長、職場運営委員に選出されたということであります。それから、次に八月になりましてから、局長が講師になりまして主任訓練を行なっております。この訓練は、同局の主任を三名ずつ集めまして、局長が講師になって訓練をしたというものであります。この訓練の中で、御本人は積極的に建設的な発言をしておられたということであります。それから、九月の十六日から郵政局で主催いたします主任訓練に出席する予定になっておりました。それは鶴岡局ではこの方一人ではなくて、郵便課の某主任と一緒に出席する予定になっておりました。その主任訓練で必要なレポートもすでに準備をしておりました。その一緒に行く郵便課の主任と、仙台の研修所へ入るための打ち合わせも行なっていたということであります。それからその後、御遺族のお話によって判明したのでありますけれども、九月の八日に市内の川に入水をはかられた。そういった御本人個人の事件もございまして、そのころ同人は奥さんに対しまして、自分は局をやめたい、あるいは局に行くのがいやになったと漏らしていたというようなことがあります。  以上のようなことが、八月ごろから九月に至る間に御本人の身辺に起こった事柄であります。しかし、これらの事柄どれを調べてみましても、それが御本人の不幸な帰結につながる原因であるということにつきまして、正直わからないわけでございます。そういった意味から、私どもこれが真の原因であるとして断定できるものは、今日に至るも残念ながら明らかになっておらない、かような状況でございます。

米田東吾日本社会党

○米田委員 あなたの考えておられる不当労働行為というのは一体どういうことです。不当労働行為の事実はなかった、これは十一月九日に、北海道の事件あるいは愛知の事件につきましても、あなたはきわめてそのことを強調しておるわけだけれども、あなたの考えておる、不当労働行為はなかったというその不当労働行為というのは、一体何のことですか。ひとつ聞かしてください。

北雄一郎郵政省人事局長

○北政府委員 不当労働行為につきましては、これは労組法に明瞭にございます。こういった鶴岡の場合、要するに管理者が組合員に対しまして、いろいろなケースがございますけれども、一口に言いますと、管理者による組合の組織介入ということでございます。

米田東吾日本社会党

○米田委員 これはあなたのおっしゃるとおり、労組法の第七条にはっきり書いてある。もう一回正確に読んでみてください。支配介入という、そんな抽象的なことだけじゃないですよ。具体的な項目が書いてあります。団体交渉をサボってはいけないとか、あるいは人事権を使って差別をしてはいけないとか、金を出してやってはいけないとか、幾つか書いてあります。そのやっていけないことが、あなたの調査では、そういうことをやっていないということでございました。じゃ、私のほうでもしそういう事実がはっきりある、やっておる、これが立証されて、あなたが確認されたとき、どうします。

北雄一郎郵政省人事局長

○北政府委員 私ども、先ほど申し上げましたようにいろいろ調べたわけでございますが、不当労働行為に基因するという事実はつかめなかったわけであります。したがって、今後そういったことにつきまして、こういった点から不当労働行為につながる疑いがあるということでありますれば、それにつきまして私どもさらに十分調査をいたしまして、それによってさらに判断をいたしたい、かように考えます。

米田東吾日本社会党

○米田委員 あなたの調べた不当労働行為の具体的なものは何ですか。はっきり言ってください。たとえば全逓の労働組合に対する支配介入はなかったとか、あるいは人事権をもって差別人事はあったかどうかということを調べたところがなかったとか、金銭上の便宜や供与はなかったとか、不当労働行為を正確に調べた結果を言ってください。  なお、私と先輩の安宅委員と現地に行きまして、具体的に局長あるいは担当課長、それから遺族の方々、局の方々に会って調べてきました。私どもは確実な資料に基づいていまあなたに聞いているわけであります。調査はだれがやったか大体わかりますが、それだけを信用されてはだめですよ。もしそんなことを信用されて、ありませんなんて言っておって、最終的に、私どもが出した資料で、あったら、あなた以下全部責任をとりますか。そんなあいまいなことじゃだめですよ。あなたが責任をとる。なおかつ、私の部下が不当労働行為をやっておることはあり得ないとか、あなたが確証があるならばはっきり言ってくださいよ。

北雄一郎郵政省人事局長

○北政府委員 私ども調べましたのは、最初に申し上げましたように、組合のほうからそういう問題提起がございました。その中でも、局長が講師となって主任訓練を行なった、そのときに本人に対していろいろ組織介入的なことを言った、それに本人が悩んだというようなことがございましたので、その点に重点を置いて調べたわけであります。しかし、この局長の主任訓練と申しますのは、同局の主任を二つの班に分けまして、そしてそれぞれ三名づつを局長が……(安宅委員「具体的に項目ごとにそういうことをやっていないならやっていないと言えばいいのに、職場訓練だの、特訓だのなんて聞いてないじゃないか。時間ばっかりかかってしょうがないじゃないか」と呼ぶ)そういうことで、局長が不当労働行為的なことをあるいは不当労働行為をしたことは全然ないということであります。

米田東吾日本社会党

○米田委員 この調査は、あなたが権威ある国会の委員会に答弁されたその資料は、どなたが調査された報告に基づく御答弁でございますか、それだけ聞かしてください。

北雄一郎郵政省人事局長

○北政府委員 私ども所轄の仙台郵政局に指示いたしまして調べたわけでございます。

米田東吾日本社会党

○米田委員 人事局長、人の命がかかっておるのですから、私ども冷静に聞いておるのですけれども、あまりあなたが何とかこの委員会を無事過ごせばいいというようなことだけにきゅうきゅうとしているようでございまして、私全く不愉快なんですよ。だからもっと率直に、あなたが確信を持っておられるのならば、仙台郵政局じゃなしに、仙台郵政局の人管の何々課長あるいは何々労務連絡官とか、あるいは現地の鶴岡の局長とか、はっきり根拠のある調査資料でしょうから、その調査者の名前を言ってください。答弁できなければできないとはっきり言ってください。

北雄一郎郵政省人事局長

○北政府委員 鶴岡郵便局所管のところは仙台郵政局でございます。私ども人事局でございますので仙台郵政局の人事部に連絡をして、そこで責任ある調査をさせたわけでございます。

米田東吾日本社会党

○米田委員 一つ申し上げますが、まず労組法第七条にいう禁止事項の組合に対する支配介入、この事実ははっきりあります。いまあなたが答弁されましたように、庶務会計の主任になってから、あなたは両立できないはずだ、組合のほうをやめなさい、何回もそれは局長室に呼ばれてお説教をされておる。これはどうです。もしそれが実証されれば不当労働行為でしょう。どうですか。まず一点聞いておきます。

北雄一郎郵政省人事局長

○北政府委員 そういうことであれば私は不当労働行為になると存じます。

米田東吾日本社会党

○米田委員 それから第二の問題であります。職場にもう一つの組合がある。私どもは第二組合というふうに一般的に呼んでおります。その組合に入りなさい、その組合に入って良識者グループをひとつあなたが先頭になってつくりなさい、こういうことを局長が盛んにオルグをされる、このことも不当労働行為になりますか、なりませんか。

北雄一郎郵政省人事局長

○北政府委員 局長が、管理者が一つの組合に所属しておる者に対しまして、その組合を出ろ、あるいは出て他の組合に入れと言いますことは不当労働行為に相なる事案だと思っております。

米田東吾日本社会党

○米田委員 今度はその事実を出しましょう。ただ、局長にもう一回聞いておきます。これは十一月九日の委員会で島本委員が質問されまして、この質問に関してあなたは正確に答弁されておりませんが、あなたのほうの労務対策として現場の局長に指示をされている。その中に幾つかの項目がありますけれども、要するに端的に言えばしっぽをつかまれないようにせいということです。おまえさんがやらないで人を使ってやらせなさい、その人はなるべく第二組合の幹部がいいぞとか、そんなふうにしてみんなやらせる。労働大臣、ここに資料全部あるのです。それを種にしてやらせているのです。現実にやっているのです。あなたのほうでは調査されましたけれども、確かに主事、主任の特別訓練はやりました。しかし局長室と庶務課は隣合わせ、しょっちゅう、おい諏訪君、ちょっと来てくれないかと局長室に呼んで、そしてだれもいないところで説教されるわけだ。出てくると頭をかかえている。あなたが答弁されましたように、この人は、少なくとも庶務課の主任になるまでは、まことに明朗濶達、性格はもう全然明るい人だった。これはだれでも認めておる。同僚諸君も奥さんも認めておられる。ところが、特訓は特訓で一つやりましたけれども、それだけではない。しょっちゅう局長室に呼ばれて、そうして君はどの道を選ぶのだ、もし君が全逓に残るなら、もうおれは君のことについてはめんどうを見ない、主任もやめてもらわなければならぬ。とにかくそういうことで盛んに——この場合は第三者を入れないで一人でやられるわけであります。そういうふうにして結局本人は死の道を選らんだということです。そうして死ぬときには、おれは組合を裏切ることはできないと、最愛の奥さんにぽつんとそのことばを残しておられる。おまえは組合をやめるか官につくか、その決断を求められた彼は、考え抜いたあげく、おれは同僚、組合を裏切ることはできないということばを残して、とうとう彼は、自分は死んでしまおう、こういう道を選ばれたわけです。  私は、時間がありませんからこれは読み上げませんよ。十一月九日の議事録、島本委員の質問九ページ、ここに一から三十二項目まで書いてあります。これは決して局部的な、ある郵政局の限られた労務対策だとか、あるいはある郵便局の限られた局長の方針だとかいう局部的なものでありません。そんなことがかってにやられていたら、あなたの権限はないはずなんです。みんなあなたのところで統制されておるはずなんです。これによってやっているのです。しっぽをつかまれないようにじょうずにやる、知能犯なんだ。知能犯を養成しているんだ。そして、とうとうこの一人の人が犠牲になったんだ。もし私がその証拠をここに示さなければ、あなたはそれでも認めないのですか。その事実についてはどうですか。認めないならこれは言わなければならぬ。その場合はあなたも責任をとってもらわなければならぬ。

北雄一郎郵政省人事局長

○北政府委員 ただいまこの問題につきましても、組合との間に詰めておる最中でございます。(米田委員「詰めてなんかいないですよ、冗談じゃない」と呼ぶ)ほかの多数のそういうような件と一緒に詰めておりまして、ごく近く詰めあげるという段階を迎えております。双方調査の結果をぶつけ合いまして、正確な突き合わせということをやっておりますので、その中で私どもも真実もしくは真実に近いものをさらに得ることができるであろう、かように考えておる次第でございます。

米田東吾日本社会党

○米田委員 安宅委員もまた予定しておりますので、もう一つ人事局長に聞きます。  あなたのほうは、組合対策の面で、電話を盗聴しなさいという指示をしておりますか、指示しておりませんか。局長に対してあるいは労務連絡官に対して、できるだけ電話は盗聴しなさい、組合員相互間あるいは組合員がある組合の組合員に話す場合、いずれの場合でも——憲法や公衆電気通信法をあなたは知らないはずはないと思うんですよ。電話の盗聴をやっても労務対策を遂行しなさいということをやっておるか、やっておらないかということを答弁してください。

北雄一郎郵政省人事局長

○北政府委員 さようなことは一切やっておりません。

米田東吾日本社会党

○米田委員 電電公社おいででございましょうか。——公衆電気通信法の第百二十一条にある、この関係でございますけれども、これはどういう解釈になったらいいのですか。百二十一条の二項です。「公衆電気通信業務に従事する者が前項の行為をしたときは、二年以下の懲役又は十万円以下の罰金に処する。」この「公衆電気通信業務に従事する者」というのは、委託をされている特定郵便局の場合は局長以下だと私は思うのでございますけれども、この解釈はいかがでございますか。

井田勝造日本電信電話公社総務理事

○井田説明員 公衆電気通信法百二十一条とおっしゃいましたが、百十一条でございます。百十一条と百十二条に関連がございますが、この公衆電気通信法の「業務に従事する者」、これは御存じのように公社と郵政省との間で委託業務の契約をしておりまして、公社の定めるところにより郵政省が責任をもって実施をされております。したがいまして、法律上だれがそれに該当するかということは、第一次的には郵政省のほうで認定される筋合いのものと考えます。

米田東吾日本社会党

○米田委員 第一次的にはという、それは一般的な通説としての解釈はあなたのほうには確立しておらぬのですか、電電公社は。

井田勝造日本電信電話公社総務理事

○井田説明員 一次的にといいますか、法律の解釈の最終的な権限というのは郵政省のほうにあろうかと存じます。

米田東吾日本社会党

○米田委員 わかりました。  では人事局長にちょっとお聞きいたしますが、特定郵便局長は、この公衆電気通信法の第百十二条の第二項の「公衆電気通信業務に従事する者」という者に該当しますかしませんか。

北雄一郎郵政省人事局長

○北政府委員 私、ただいま知識を持ち合わせませんので、後刻調べまして……。

米田東吾日本社会党

○米田委員 いや、それでは困る。人事局長、後刻調べてなんということはちょっとどうかと思う。それでは私のほうが困る。これはひとつどなたかに即刻調べさせてください。それで私は質問をいたします。  人事局長さん、ちょっと聞いてくれませんか。具体的に申し上げます。  山形県の米沢の郵便局、この局長が、交換手からレシーバーを取って、甲と乙の通話を約三分間にわたって盗聴いたしました。それは証人はその交換手であります。もうこれほどいい証人はないと思う。これは具体的にいって、公衆電気通信法のこの条項に該当するかしないか。憲法第二十一条の規定、この百十二条の規定、いかなる場合でも例外規定はありません。これは民主主義の最も基本的な原則の問題であります。通信の秘密、検閲の禁止、したがって、こんなことが業務上許されるなんという解釈が出てきますと、皆さんは電話を利用しませんよ。電電公社はたいへんなことになりますよ。これはひとつ答弁してください。山形県の米沢の関根郵便局であります。

北雄一郎郵政省人事局長

○北政府委員 私、ただいま初めて先生からお伺いいたしましたので、さっそくさような事実があったかどうか調査をしたいと思います。(「あったかなかったかじゃない。あったらどうするのか」と呼ぶ者あり)あったといたしました場合にどうなるかということでありますが、これは公衆通信の電話であったかどうか——公衆通信の電話であったのだろうと思いますが、そのことをおっしゃっていると思いますが、それについては、そういう事実を調べることが第一だと思います。万一こういった事実があったという場合にどういうことになるか、これはしばらく調べさせていただきます。

米田東吾日本社会党

○米田委員 では、調べるならもっと具体的に申し上げます。  昭和四十三年九月一日、山形県関根郵便局。局長の氏名は、わかりますね。要するに局長は、全逓が結成されたことを怒り、全逓取りつぶしのためのあらゆる工作をしましたが、その一つとして、全逓組合員の通話を盗聴していました。右通話者は、氏名が二人あがっておりますが、この二人の通話を盗聴した。電話を交換していた私から交換用レシーバーを取り上げて盗聴しました。そのあとで局長は、私に向かって、全逓と全郵政の組織の違いを知っているか、全逓はストライキを好む組合だ、どのような動機で全逓に走ったのかと言ったので、私は、組合に入ることは本人の任意だ、干渉される筋合いはない、自分が決定して入った以上覚悟していると言ったところ、おこって帰っていきました。  私がなお具体的に聞いたところでは、午後の九時ごろ何で局長は残っておったのだと言ったら、第二組合ができるその前後でありまして、局長はそのころまで局に残って、あっちこっち動いておったようだ、こういうことでございます。  私は、これは単なるミスだとかそういうことでは済まされない。法規法令を知っていなければならない特定郵便局長、しかも職権を利用して交換手がかけているレシーバーを自分で取って盗聴しておる。その盗聴する目的が何であろうと、こういうことが許されるはずがないと私は思う。もしこんなことが許されたら、日本は民主主義国家でありませんよ。基本的な問題です。これは即刻あなたのほうで処置をしなければならぬと私は思います。絶対これは許せない。十分調べてこの委員会にひとつ報告してください。米田東吾はもちろんでありますが、この社会労働委員会に、あなたの調べた結論を、委員長を通して報告してください。

北雄一郎郵政省人事局長

○北政府委員 承知いたしました。

米田東吾日本社会党

○米田委員 私もう時間がありませんから終わりますが、一つお願いだけ申し上げておきます。  これは、政務次官もおいででございますが、実は昨晩も私ども心配いたしまして、早く全逓の争議が片づくように、それから、労変といわれる郵政省の労務対策が、円満裏に両者話しずくでいい方向を見出すように努力していただきたいということで、きのうは大臣や政務次官にもお会いいたしました。ひとつ、それはそれで私はぜひ促進をしていただきたいけれども、基本的に、いま申し上げているようなこういうことが直らない限り、どんな確認をしても、あるいは調印をしても、今後とも郵政省の労変闘争は続くだろう、私はそう思いますから、ひとつあなたのほうで十分監督をしていただきまして……。問題は役人なんです。郵政省の役人、特に人事局系統の役人なんです。各事業局は迷惑しているはずなんだ。郵務であろうと、貯金であろうと、保険であろうと、実際的には私は迷惑していると思う。郵政省は人事管理が事業に先行している。これはひとつ改めて、こういう間違った不名誉な労変闘争を行なうなんということは、日本の労働運動の歴史で決していい歴史じゃないと私は思うのですが、こういうことが起こらないようにぜひひとつ御配慮いただきたい。しかも労働対策というものが四・九に立ち返って厳正に実施されるように私はくれぐれもお願いしたいのです。  それから、実は本委員会に、私資料がありますけれども、資料を出すのを差し控えます。もうこうなったら、局長以下、腹を切らなければならぬと私は思いますから。しかし私ども資料は全部そろっております。どんなに不当労働行為やりませんなんて言っても、みんなそろっております。田邊委員も示しましたが、なおそれ以上に私どもはみんな資料を持っておりますから、それを突きつけてあなたのほうとひざ詰めでやる必要があったらいつでもやります。根拠のないことは申し上げておりませんから、どうかそういうことで——そこまでやらぬでも、やはりあなたのほうが主導的に解決されるようにやっていただくのが一番好ましいと私は思いますから、ぜひひとつそういう方向で御努力いただきたいと思います。御答弁をもらって終わりたいと思います。

小渕恵三自由民主党郵政政務次官

○小渕政府委員 御指摘の点につきましては、これからりっぱな労使関係が確立するために、大臣はじめ私ども誠心誠意努力をいたしまして、長い目で——この問題が解決し、こうした事態が解消されるように全力をあげていきたいと思っております。

米田東吾日本社会党

○米田委員 では終わります。

増岡博之自由民主党

○増岡委員長代理 安宅常彦君。

安宅常彦日本社会党

○安宅委員 米田委員が大体一般的なことについて、特に山形県内における不当労働行為事件の問題について質問をなさいました。私もこのことを重点にやりたいと思っています。それから、いま全国的な全逓と郵政省との間に起こっているいろいろな問題について数次にわたってこの委員会で論議をされたところでありますが、私も基本的な問題で、しかも人間が死ぬということは、何か賃金を上げるとか上げないとか、こういう問題よりも極限的な命の問題、まあ古いことばで言うならば、こんなことば使いたくないのですが、これは生きるか死ぬかの問題なんです。たとえば、そのことである一部の人々がたいへん大きな紛争を起こしたりした歴史は人類の中にあります。しかし、民主的な今日の国家の中でそれをどういうふうにして解決するかということが問題でしょう。ただいま政務次官が言われましたが、長い目で見てくださいということ、長い目で見るということは死に至らないときの話です。いままで全国的に三人もなくなっている組合員がいる。何もないところに生命を落とすような組合ができるということはあり得ないのです。何かあるのですね。それを私は言いたかったのですが、きょうは時間がありません。逓信委員会等でまたやらしていただくことにいたしまして、具体的に鶴岡の例などを取り上げて、おもに郵政当局に質問してみたいと思います。  郵政省はただいま電話を盗聴することは調査しなければわからないと言いましたが、公衆電気通信であるかないかという問題もありますがなどと言っておりますけれども、あなた方郵政省が委託を受けている電話というのは公衆通信のほかに何かあるんでしょうか。

北雄一郎郵政省人事局長

○北政府委員 実は先ほど先生が米沢局長とおっしゃいましたので……。

安宅常彦日本社会党

○安宅委員 だから関根と直したじゃないか。

北雄一郎郵政省人事局長

○北政府委員 先に米沢局長とおっしゃったことが頭に残っておりましたのでああいう御答弁をしたのでありまして、山形県の関根ということであれば、これは公衆電気通信の用に供する電話であることは明瞭だと私も思います。

安宅常彦日本社会党

○安宅委員 あなたはそういうことを、逃げよう逃げようというような態度でやってはいけません。私のほうは具体的ですから。  それでは申し上げますが、鶴岡の郵便局の諏訪さんという人がなくなった事件で郵便局長に会ってきました。それから全郵政という労働組合ですか、いわゆる労働組合に入っている人とも会ってきました。それから特訓を受けた人とも会ってきました。家族の人とも会ってきました。その中で私非常に心配していることは、局長と会ったときにたくさんの課長さんがおいでになりまして、それから郵政局の人事担当課長ですか、この人も来ておりましたが、あなたのほうの綱紀というのは乱れに乱れている。室町幕府みたいなことになっているんじゃないですかね。そう思うのです。局長が答弁しようとすると、若い課長——地元の人じゃないです、あなたのほうで特別に任命したと思われる人が、他の局長やなんかを差しおいて答弁に立つ。法律的なことは私が知っていますからといって——局長は知らないことになるでしょう。そんなことを平気で私どもに言う。こういう局内の雰囲気というものは、労務対策どころか、あなたのほうは、何か職制というものがめちゃくちゃに乱れているんじゃないですか。そういうことについて、言われてみれば、そうかなと思い当たるような節はありませんか。

北雄一郎郵政省人事局長

○北政府委員 特段に思い当たる節はないわけでございます。

安宅常彦日本社会党

○安宅委員 だから、何か部隊を送り込んだとか、それからおしっこに行く時間まで監視するという体制、その局の自主的な運営あるいはそういうものとは別に、局長が好むと好まざるとにかかわらず、当局のほうから派遣される、こういうような中で、局長の権威、それから課長という職分を遂行する権威、そういうものがなければ局長や課長の責任で行なえますけれども、何かたとえば鶴岡の郵便局でいうならば、郵便課長が、局長が答えようとしたら、法律のことは私が知っています、私が答弁します、こう言いましたね。それじゃ局長は法律を知らないということですかと言ったら、顔を赤くして、それでも傲慢な態度で答弁しました。局長は員数で何にもならない。そういうことがあなた方の職場の中で起きているのです。いろいろな監視部隊やなんかを派遣しているようだけれども、そういうことによって職制の乱れというものが一般的にそういう場合には起きるのではないでしょうか。その局長の責任において局を運営するというものはなくなって、何かアメリカがベトナムに入ってきて、アメリカだけがやって、ベトナムの人は、政府なんかかいらいで何にもやらないのと同じみたいな結果が郵政省の中にないでしょうか。私はそういうことが一般に起こり得るのではないかと思うのです。そういう者を特別に派遣したり、課長をお目付役に特に派遣したり監視班を出したりすることは、そういうことになりかねない心配というものをあなた方は持っていないのですか。

北雄一郎郵政省人事局長

○北政府委員 郵政局員が現場の局へ参ることは多々あるわけでございます。その場合、一日というようなことであればこれは出張、それからある程度の期間に相なります場合には必ず併任という形にいたしております。すなわち併任という形をとることによりまして、当該局長の隷下に入れて当該局長の指揮命令のもとで働くという手続を厳重にとっておるわけであります。

安宅常彦日本社会党

○安宅委員 これは労働大臣に質問しますが、一般論として、たとえば労働省にどこかの省から、いま言った併任だとか出向だとかいろいろな者ばかり来て、大蔵省あたりにぐっとにらまれて、労働省の役人さんは何にもできない、そういうことがあり得るという心配は一般論としてあるんじゃないですか。大体そういうものじゃないでしょうか。郵便局の中に上局から特別な部隊が派遣されたことによって局長の自主性が失なわれるということは、一般論としてそういう心配はあり得るのではないでしょうか。大臣どうですか。

野原正勝自由民主党労働大臣

○野原国務大臣 そういう事実は現在ございませんので、考えたことはございません。

安宅常彦日本社会党

○安宅委員 労働省にはない……。

野原正勝自由民主党労働大臣

○野原国務大臣 はい。

安宅常彦日本社会党

○安宅委員 ありますよ。逆に言うと、たとえば県の労働部なんてあるでしょう。あなたのほうはやっているほうだな、ほんとうの話。そこの人が県の仕事をしているのだけれども、労働省の事務官というのが二人来ていてなかなかうまくいかない。対立があったり、身分が違ったり、あなたのほうだってそういうことがあるんですよ。あなたを苦しめようとは思いませんからあとは言いませんが、県が独自でやれない、そういうことがあります。だからそういう心配はある。  それからもう一つ、これは政務次官にお聞きします。たいへん新進気鋭の政務次官ですから、そういう論議を数回聞いておって大体御感得なさっていると思いますが、たとえばあなたは所管事項の中に電電公社も受け持っているわけですね。したがって、電電公社の職場と郵政省の職場と随時訪問したりなんかされていると思いますが、職場が郵政省のほうが暗いなという感じがしたことがありませんか、何か雰囲気が。

小渕恵三自由民主党郵政政務次官

○小渕政府委員 ずばり申し上げて、暗いという印象ではありませんが、比較をしてみますればそこに相違のあることは事実であります。しかし、そのことが必ずしも労務政策によるものかどうか、あるいは現在の企業の実態によるものかどうかにつきましては、さだかではありませんけれども、その相違のあるという事実は私も現場に行ってみて了解をいたしております。

安宅常彦日本社会党

○安宅委員 それで、この暗さということを一つ一つ申し上げると時間が長くなるので例を言ってみましょう。郵政省、答弁してください。  九月十二日に諏訪さんがなくなりました。そのとき局長は私どもにこう言っていますね。主任のくせに欠勤するとはどうもおかしいのではないか、けしからぬことではないかという話にその局議でなった。それから、前にどうも非常に悩んでいるということがあって、局長や局長側近や、あるいは組合の人が知っているのです。ですから、時間になってもぴしっと来る人が来ないので、さてはというのですぐ連絡しているのです。実際に局では予感をしているのです。それでなくては捜索隊なんか出しませんよ。そういう中で論議のあったことは何かというと、年休扱いにしたらよかろうとか、病休扱いにしたらよかろうとか、欠勤にすべきかとか、分限懲戒もあり得ることだからどうしたらいいかとか、こんなことをやっておって、そうして捜索隊を出しているのです。それはおかしいと思うのです。まるきり精神分裂みたいな対策をとっているのです。こういうやり方というのは手の打ち方がたいへんまずい。それこそ労務管理の一番悪い面を出したと思うのですね。そして、こういう事件があったということを十四日まで報告していませんね。組合のほうから東北地方本部を通じて、こういう事件があったが知っているかと郵政局は言われて、びっくりして郵政局からそういう事実があるのかという照会をしているのです。そしてまた、私どもが行った段階では、文書によってこういうことがあったというてんまつも報告しておりませんでした。こういうことがあり得ることでしょうか、人事局長。

北雄一郎郵政省人事局長

○北政府委員 この方は非常に平素きちょうめんな方でありましたので、いつも判で押したように定刻前に出勤しておられたようであります。ところが、当日は出勤時間を過ぎる八時四十五分になりましても出勤がない。あのいつも八時半前に出てくる人がどうしたんだろう、連絡もなしにどうしたのだろうかというので、その点不審を持ってお宅へ電話いたしましたところ、いつものとおり出勤した、こういうことであったわけであります。それでおかしいというので、局へ行きますのに非常に交通の激しい道路なんかもあるようでありまして、あるいは交通事故も考えられるということで、警察やらあるいは庄内病院やらそういったところにも電話で連絡をしたようであります。そして、そちらのほうでも何も情報がございませんので、奥さまに連絡をいたしまして、それで奥さまが局に来られまして、ある程度事態がわかったということでございます。  それから郵政局への報告が十四日になったということでありますが、(安宅委員「報告はしていませんよ。逆に十四日に上から聞かれている。私の言い方が悪かったかもしれませんけれども」と呼ぶ)そうですか。十四日に郵政局からどうなっているかと聞かれるまで報告していなかったということでございますが、これにはたしか十二日が日曜だったか……(安宅委員「そんなことありません。十二日が日曜だったら出勤しないじゃないか」と呼ぶ)十三日が日曜だったはずであります。そして十二日が土曜日であったと思います。そういった関係で十二、十三日に局長が元締めになりまして、庶務課の職員でありますので、庶務会計課長等が先頭に立ちまして、いろいろ捜索をしておったというような関係でおくれたものというふうに思われます。  以上でございます。

安宅常彦日本社会党

○安宅委員 おくれたんじゃなくて、いまでも出していないのです。こんなことあり得るかと聞いているのです。「いまでも」と言うのは、私が調査に行った段階で、あれから何カ月たっているのですか。文書で報告していませんね。

北雄一郎郵政省人事局長

○北政府委員 報告しておらぬということは私は実は初耳なんでございますが、職員がどういう理由であれ死亡いたしました場合には報告をすることになっておると思います。したがって、いまのことにつきましては、よく私存じませんので、調べてまたお返事いたします。

安宅常彦日本社会党

○安宅委員 これは人管課長が言うのには、報告がないので調査に入りました、組合に言われて調査によって事実を調べたものを報告とみなして処理しております、こういう答弁なんだ。これは人管課長が私に答弁したのですから間違いありませんよ。そして局長が直ちにそういう庶務課やなんかの人に指示して捜索に当たらせたなどと言っていますが、十三日ですか、何ぼさがしてもいないというので、あとどうしたらいいか指示を仰ごうと思って、ある従業員が局長のうちに夜電話していますが、局長はおりませんでした。こんなときにばかくさい、何をやっておるんだとおこっておる。局の電話で電話していますから、隣の人たちもみんな知っています。それは局長も認めております。それから十二日のなくなった日も、ある人の新築祝いで夫人同伴で一ぱい飲んでいるのです。局長が先頭に立ってとあなたは言ったけれども、何も捜索を続けたなんということはやられておりません。つまり、こういう局の雰囲気というものは、人を死に追いやるたいへん大きな原因になっていると私は思いますが、あなたはそういうことであっていいと思うかどうか、ひとつ答弁を願いたいと思う。

北雄一郎郵政省人事局長

○北政府委員 十二日、仰せのとおり奥さんと一緒にどこか知り合いのうちへ午後行っております。(安宅委員「ある局長のうちだ」と呼ぶ)それはある局長のうちに行っております。そのことは事実であります。それから十二日、局長が先頭に立って捜索しておらない。十二日にも同様でございますが、これはいずれも、少なくとも日中は自宅におりまして、そして両日とも局員が捜索に出ております。庶務会計課長あたりを中心に、あるいは先頭にいたしまして捜索をいたしております。この捜索隊員の連絡を自宅において受けていろいろ判断をしておった、こういうことでございます。

安宅常彦日本社会党

○安宅委員 局員といいますが、庶務課長や何か二、三人はおりますよ。あなたのほうは、いわゆる省側とかなんとか言うけれども、そういう人は少ないからしかたがないんだと言われればそれまでの話ですが、大部分は全逓の支部の職員が死にもの狂いでさがしているのですよ。局長は自宅待機で、その前の十二日は新築祝いだからしかたがないといえば、その人の頭の問題常識の問題だから別だが、そういうところに行っておって、あとは自宅待機で、報告したら局長はうちにいないとこの人は私どもに言っているのです。局長は常日ごろ、夜中に電話がかかってくるとうるさいから押し入れにしまっておいて出ないことにしているんだと言っているそうです。ですから、このときいたのかどうかわかりませんよ。こんな重大なときに電話に出られないような自宅待機なんということはないじゃないですか。自宅待機なんということばをあなたは言いましたが、そんな自宅待機がありますか。

北雄一郎郵政省人事局長

○北政府委員 十二日は局長の指示によりまして会計主事、郵便主事、労担主事、庶務会計課員が捜索をいたしております。それから、さらに十三日におきましては、庶務会計課長が同課の男子職員全員と郵便課主事で捜索をしております。むろんそれに組合の支部長、副支部長が加わっております。十四日におきましては庶務会計課長と庶務会計課の課員、そのほかに支部長、副支部長で捜索をしておるという状況でございます。  なお、日曜日の晩と思いますが、局長宅に電話をしたある人が、局長が電話に出なかったという由でございますけれども、その点調査いたしておりません。

安宅常彦日本社会党

○安宅委員 そういう序論から入っていっているうちに持ち時間がないのですけれども、私はこういうところを非常に——これは私の地元なんですが、変なことがあるのですよ。たとえばある郵便局が自動電話になる、だから配置転換の問題が起きる、そのときに特定局の局長連中が、全郵政に入ったらどうかということを盛んにすすめる、だから交換手の人たち、運用職員の人たちは、いいよ局長さん、あなたの世話になるのは自動改式するまであと何年もないんだから、おれは全逓に残っているよと言ってやったら、この局長かんかんにおこって、理性を失って、今度はあなたのほうの電電公社と郵政省の事前協議がありますね、いろいろな協議事項があるでしょう、自動改式するために定員を何人配置するとか、着工はいつにするとか、その人員上の問題で折り合わないということにして本省まで上げてきているのです。それは局長が一生懸命働きかけたということがわかってそこの町長さんも助役さんもかんかんにおこっているのです。それで私が調査に行ったときでしたが、四十七年度以降に自動改式が延びたからということで、どうだと言わぬばかりに交換手のところにわざわざ局長が報告しているのです。おくれてしまっておれの監督下におる時間が長くなるのだぞとデモンストレーションをやっているのですよ。交換手はびっくりしている。本省は四十六年度と言っていたのに、七年度以降というのはどういうことでそういうことになったのかというので、私は両者間を調べました。そうしたら、何も問題がないのに変なことで協議相ととのわずということで電電公社の本社にわざわざ話が来ているのです。まるで全逓が合理化に反対して局長が賛成しているみたいで、村の人はかんかんにおこっていますよ。そういうことまでやっているのです。そういう地域です。特定郵便局側からも局長さんが交渉委員に入りますね。ある良心的な局長さんは、私が行ったら、安宅さん、久しぶりだ、一ぱい飲もうと言うので飲んだら、ばからしくて交渉委員なんかに入っていられるか、おれはやめたと言うのです。何のためにやっているのかわからぬというのですね。組合員をいじめたって貯金の成績があがるわけじゃない、保険の成績があがるわけじゃない、ただ組合いじめのために交渉委員になったみたい、局長になったみたいで、仕事もできません、私はいやですと言っている。そういう状態というものをあなたのほうは直ちに中止させなければならない、こう思うのですよ。だからこういう死亡事件が起きるのです。この局長さん、香典を持っていった。それもずっとあとで持っていっているのです。ほんとうはなくなったということがわかったらすぐ悔やみに行くのが人情じゃありませんか。あとで行って、そして奥さんはおこって香典をまるめたというのです。親類の人に公的な香典だからこれはもらったらどうだと言われてやっと受け取った。もう一人、職場でたった一人しか全郵政に入っていない人が局長と一緒に行っています。この人の分はあとで返しています。奥さんがどういう態度をとったかによって、証拠があるとかないとか、そういうことがあったとかないとかいう問題とはまるきり観点を別に考えても、人間として考えた場合に、そのために私の夫が死んだんだというその奥さんの気持ちがそこまで発露されたときに、なるほどこれはおかしいぞというのがあたりまえじゃないでしょうか。そういう意味で労働行政をやるのが労働大臣だと思いますが、私の話を聞いて、なるほどこれはおかしいぞと大臣もお思いになりませんか。

野原正勝自由民主党労働大臣

○野原国務大臣 お話を伺いまして、まことにそのとおりだと考えます。

安宅常彦日本社会党

○安宅委員 この鶴岡を中心とした地方の不当労働行為事件については、きょうは時間がありません。詳しく米田さんも言っておられたが、解決のめどがあることをわれわれは期待しています。だから、名前を出して、こういうことがいついつあったということを私はきょうは言いません。だけれども、そういう死ぬか生きるかという問題を論議するときは、もっと真剣な、真摯な気持ちでもっと詰めてきちっとしたいと思っています。そのために、あるいは別な人が罪を負わなければならないことになるかもしれません。いろいろなことが起きますから、そういう問題をきょうは一応はしょりまして、郵政省が誠意ある行動を必ずとりますということを答弁していただくことによって、私の質問を終わりたいと思います。

北雄一郎郵政省人事局長

○北政府委員 先生御指摘のとおり、当方といたしましては、一そうの誠意をもってこういったことに当たってまいりたいと存じております。

安宅常彦日本社会党

○安宅委員 ではこれで終わります。

増岡博之自由民主党

○増岡委員長代理 島本虎三君。

島本虎三日本社会党

○島本委員 前回、北海道の、ことに名寄局の兵藤勇さんが自殺をした件で、労働行政とからんで郵政省内部の運営のしかたが明朗を欠くのじゃないかという点で私は皆さんに申し入れをしておきました。その際小渕政務次官、あなたの答弁があまり常識的な答弁だったので、そういうような答弁ではだめじゃないか、こういうことを言ったときに、あなたは、表現はそうだけれども、私自身、別な決意をしておりますということを込めておられました。労働大臣もいままでずっと聞いておられたとおりなんです。少なくとも一つの労働行政が、あなたの手の及ぶところと及ばないところがあるという。労働省は無視されておるのです。郵政省の中でかってな労働行政をやられて、労働大臣は社会的に責任を負わなければならない、こんなばかな話がありますか。あなたも職場を今度は総点検しなければだめです。労働行政がどのように各省によって行なわれておるか、民間にどうなっているのか、それぞれ分掌割り、それぞれの所管はあっても、労働行政全体としてあなたの責任ですから、あなた、職場を総点検する必要があると思う。まず大臣にその意思があるかどうか。  それとあわせて、小渕政務次官に、いままでに自殺者が続々と出ているでしょう。続々と出ているような職場で、これではたして業務の運営が円満に行なわれているのだ、こういうような評価を与えるならとんでもないことだ。それについてはもう責任があると思うのです。別な決意を持っているというような前回のことば、これとあわせて、私の質問に入る前に決意を聞かしておいてもらいたいと思います。

野原正勝自由民主党労働大臣

○野原国務大臣 郵政事業について労使間の理解と協力が必ずしもうまくいっていないということを強く感じました。今後はできるだけお互いに理解と協力によって明るい職場をつくって郵政業務に当たらせるよう、側面から御協力申し上げたいと考えております。

小渕恵三自由民主党郵政政務次官

○小渕政府委員 悲しい事件が相次ぐことにつきましては、私もこれが正常な姿などとはさらさら考えておらないわけでありますので、今後こうしたことの起こらないように、決意を新たにして対処いたしてまいりたいと思います。

島本虎三日本社会党

○島本委員 では、起きた事態に対しての対処は十分であるかどうか。この兵藤さんの場合には、私、現場へ行って調べてまいりました。死んだというその場所は、首をつって、自分が苦しければ、ちょっと手でもさわるならばどうにもなるような場所ですが、本人はやはり決意を持って、そのままの状態で死んでいるのです。背の高さからして、大地までの間はほんの若干しかないのですよ。その場所も行ってきました。しかしながら、そういうような状態で本人が追い込められて死ななければならない、こういう職場の暗さ。上にいる人の態度として、それでいいのですか。この兵藤さんの場合でも、保険の外務員で、長い間、仲間や地域の人から親しまれた人です。そして信頼されてきた人です。当然、局の命令もあります、解約防止という。そのときは四十万円、これは解約しないようにという管理目標があったのです。そうして得意先のいろいろな親しい人、翁さんという人、きょうだい同様に親しい人です、その人のために、解約させないために、その金をちょっと運用した程度です。解約防止のために使っているのです。それを今度立てかえ払いした、それが犯罪だとして旭川から監察官が入っているのです。そして監察官の前で一週間調べられている。そのあとで、第二組合のほうへ行ったならばこれは穏便に済まされるぞ、加入しないか、こういうようないろいろな誘惑もされているのです。全郵政、第二組合のほうに入ったら、事はおさまるから、全逓脱退を考えないか、こういうようなことまでしつこく言われているのです。十月七日に朝早くついに自殺してしまった。この間に入って、気の弱い人ならばどうにもできないような状態に追い込めているのが、いまの職場の労務政策なんです。何回も言ったとおりなんです。それを事もあろうに人事局長、下から、あなたの部下が命令によって動いている、その人たちの報告を一々それを信じてやっているのがあなたじゃないか。これで職場の暗さがどうして明るく戻りますか。これは体制を改めないとだめです。こういうような状態なんです。  それなら政務次官、この残された未亡人や家族、兵藤さんの場合どうなっていますか。これに対して十分あたたかい手を差し伸べておりますか。

小渕恵三自由民主党郵政政務次官

○小渕政府委員 適切な処置が講ぜられるように命じております。

島本虎三日本社会党

○島本委員 どういう適切な措置を講じたか、人事局長。

北雄一郎郵政省人事局長

○北政府委員 在職中死亡ということで、正規のことをしております。

島本虎三日本社会党

○島本委員 在職中死亡という正規の手続をした——これがあたたかい行為か、これが。それは当然な行為じゃないか。行為というより義務じゃないか、それは。義務を果たせばそれがあたたかい行為か。それが郵政官僚の考え方か。

北雄一郎郵政省人事局長

○北政府委員 仰せのとおり、私申しましたのは当然なすべきことであります。(島本委員「当然だよ、それは」と呼ぶ)それをしておりますし、むろん現場では現場の管理者も、このことにつきまして弔意は十分に表しておるわけであります。また、私どもといたしましても、原因は何であれ在職中の方が死亡なされたということに対しまして深い弔意を表しております。

島本虎三日本社会党

○島本委員 もういい。もういい。どういうことをやったかと具体的に聞いているのです。わからないならわからない、やっていないならやっていないと言いなさい。どういうことをやったんですか。

北雄一郎郵政省人事局長

○北政府委員 十分弔意は表しておるつもりでございます。

島本虎三日本社会党

○島本委員 弔意を具体的にどういうふうにしたか。思っただけか。ことばにあらわしただけか。何もしてないのか。

北雄一郎郵政省人事局長

○北政府委員 同町におきまして、その葬儀の場合に当該局長が葬儀委員長を相つとめておると聞いております。

島本虎三日本社会党

○島本委員 葬儀委員長をつとめればあたたかいもてなしをしてやったことになるのか。それも全逓がわざわざ葬儀をしようとしたら、全逓に葬儀を頼んだら懲戒免になる、だからということで第二組合のほうが仕組んだしわざじゃないか、それは。当然じゃないか、それくらいやって。何があたたかい処置をしたことになるのか。死んだ人にまでそういうような一つのワクをはめるのか。これが郵政官僚のやり方か。(安宅委員「そんなことやったのか」と呼ぶ)そうなんです。全逓に葬式をしてもらったら懲戒免になる、そうされる。大臣、こんな労働行政が行なわれているのですよ、死んだ人にまで。何ですかこれは。

北雄一郎郵政省人事局長

○北政府委員 私ども、名寄ではそういった死亡がございますと町内会長が葬儀委員長になるのが通例だそうでございますが、ところが町内会長が当日遠くへ出ておりまして葬儀委員長になれないというので、郵便局長が葬儀委員長になり、全逓の委員長が副委員長となって葬儀を執行させていただいた、かように承知いたしております。

島本虎三日本社会党

○島本委員 何ぼ聞いてもその程度しか答えがないということは、何もやってないということなんです。じゃあ聞く。その遺言をあなたは知ってますか。御迷惑をかけました——この中に「にくいのは上司(課長、主事二人、主任三人)組んでやったのだ。上司であるなら少し位下部の味方になっていいだろう。とくに外務主事、幼ななじみではないか。口だけうまい事いっていて、自分の事だけは棚上げし、自分だってやっているだろう。」このやっている事実について前回ははっきり二つ例証をあげました。局内で、それも二組の人がやっていることならば何でもないという、それで局の職員、局員の通帳からかってに金を出して、そして入れるべき金を入れないで解約防止のために使った人は表彰されている。何ですかこれは。そして友人として親しい人のために、自分がちょっとその人の金を融通して解約防止のためにやれば自殺に追い込まれる、これがいまの労務政策じゃないか。こういうようなことでは困るのだ。だめだ。それと同時に、あらためて聞くけれども、その課長、主事二人、主任三人、これらの人の、処分と申しません、この人を自殺にまで追いやった人たちに対してはどういうふうな待遇をしていますか。

北雄一郎郵政省人事局長

○北政府委員 私その遺書については存じておるわけであります。課長、主事、主任について恨めしいということがその遺書にあったと聞いております。これにつきましては、局内に御本人にそういった保険料の問題がございます。と申しますのも、これもお客さまの親告に端を発したことであります。お客さまから親告がありまして、満期の保険金を受け取ったけれども、一カ月分の保険料未払いでその中から引かれておる……(島本委員「聞かない余分なことは答弁せぬでもいい」と呼ぶ)したがいまして、どうなっているか調べてくれというのが端緒で、それで局としては当然ここで調べざるを得ないわけでありますので、それで調べたわけであります。まず局で調べます場合に、これまた当然当該課の課長、主事、主任という上司が課長の命によって調べをするということになったわけであります。でありますから、遺書のその点につきましては……。

島本虎三日本社会党

○島本委員 委員長、答弁は質問によって答弁するように注意してください。時間がないのに、くどくどとそのために時間を浪費する。政務次官、あなたから注意しなさい。

北雄一郎郵政省人事局長

○北政府委員 でありますから、その中には、たとえば主事でありますが、平素からお隣住まいでたいへん親しい幼なじみの人もおったわけであります。それが本人のことを調査したことを冷たい、あるいは上司としてかばってくれないという感じで受け取って、そうしてそういう遺書の条項になったのではないか、かように考えておる次第であります。

島本虎三日本社会党

○島本委員 やはり考えは何にも改まっておりませんね。政務次官、小渕さん、あなたも若いし、こういうようなことに対してほんとうにあなた自身すべてを賭しても善処する、私はそういう人だと思っている、今後もやってくれるでしょう、私はそれを期待する。しかしながら、官僚にまかせておいたらだめなんです。官僚は、自分が大過なく過ごして退職金に影響しないようなこういう考え方しか持てないのだ。犬、ネコのように下級官吏を使って、職員を使って、そうして報告だけあたりまえのような報告をさせているのです。やっているこの冷たさは何ですか、自殺したその人の遺書にまでけちをつけているじゃありませんか、こういうようなばかなことを許してはだめです。  その「名寄すゞ石」という幹部回報、このことを私が言いました。人事局長よく聞きなさい。この幹部回報で自殺を推定するということばで報告され、調査したことによって問題が大きくなったことを苦にして死んだのである。死因にまで推定してこんなことを言っているのです。問題が大きくなったことを苦にして死んだならば、大きくしたのはだれですか。犯人こそ、そこじゃありませんか。それが第一ですよ。監察局に報告され調査されたことによって問題が大きくなったことを苦にして死んだのだ、本人は本件により懲戒免になると思い込み免職後の生活を心配して死んだ、それが二番目の問題。こういう犯罪的なことを考えないで、前の晩まではっきり同志と話し合っているのですよ。こういうような、まさに推定をして死んだ人の遺書にまでけちをつけている。三番目には、課長以下が本件について真相調査をしている状況を、局幹部が組んで自分をおとしいれようとしているものだと誤解をしているのだ。何ですか、これは。幹部回報にこういうふうにして、せっかく本人が遺書を書いていっている、その遺書を全部推定によって、誤解だ——本人は、これで地球より重い命をなくしているのですよ。その死んだ人のかばねまでむちうってもまだ足りないのですか。だめだ。その後の幹部回報はどうしているか。発行させているかどうか。注意を与えたか、与えないか。次官、これをよく聞いておいてください、どうしているか。

北雄一郎郵政省人事局長

○北政府委員 当時、本件につきまして地元で労働組合の方が、これは省側の不当労働行為によって御本人が死に追いやられたのだ、こういうPRをしたわけでございます。それがもちろん当時地元の新聞にも出たわけでございまして、その付近の管理者のほうで、一体真相はどういうことなんだ、たいへんなことではないかという話がございまして、そこで……

島本虎三日本社会党

○島本委員 幹部回報を出しているか出していないか聞いている。委員長、注意しなさい。

北雄一郎郵政省人事局長

○北政府委員 この前の委員会でも先生からお話がございましたので、私は札幌の郵政局を通じてその記事については注意をいたしました。その回報自体は、もう発刊するなということは言っておりませんので、発刊しておるのではなかろうかと思います。

島本虎三日本社会党

○島本委員 その後の回報はどうなっているかわからない。死んだ人にまでむちうつようなこういう理不尽な回報を出しておる。これに対して、注意せよだけでいいのですか。労務政策を強硬に追跡調査するなら、なぜこういうものに対して追跡調査しないのだ。全然わからないと言う。次官、だめだな、これは。誤りであるかどうか。同時に、こういうようなことをやっていいのか悪いのか。やったか、やらないか。その後の調査くらいしないでどうしますか。だめだ、そういう体制では。まさに全責任を郵政省が持たなければならない。郵政省はこれに対してどういうふうに責任を感じたのですか。あなたはっきり言いなさい。どういう責任を感じましたか。

北雄一郎郵政省人事局長

○北政府委員 本件自殺が生じたことにつきましてはたいへん残念に存じております。ただ本件につきましては、やはり原因が不当労働行為であるという御指摘が当時組合からございまして、私ども、本件につきましては十分調べたつもりでございますけれども、そのような形跡はないというふうに考えております。そして御本人の死亡直前のいろいろ顕著な事実ということも調べたわけでございます。その内容は、先生御承知と存じます。私どもとしては、それがまさしく原因であるというふうに断定することはできないというように考えておるわけであります。

島本虎三日本社会党

○島本委員 これに対して小渕さん、あなたの考えを率直に聞きたい。こういうような態度でいいのですか、下部のほうで。

小渕恵三自由民主党郵政政務次官

○小渕政府委員 各局におきまするそうした問題を取り扱っております幹部会報ですか、そうしたものの発刊につきまして、これを否定するということはできかねると私は考えます。しかし、その内容につきましては、いま御指摘のように、かりにもその原因の徹底究明が行なわれた結果が明確でない場合に、推測的なそうした記事を載せるということについては、これはいけないことだろうと考えます。

島本虎三日本社会党

○島本委員 だからこそ注意したのでしょう。注意したのだけれども、する理由もわからない、管理者のやることみな正しいではだめですよ。その後そういう事件が起きていませんか。十一月七日に、北海道の琴似の局で四名が訓告、五名が口頭注意、こういう処分を受けたのです。これは、新規採用の人に第二組合に当たる人が、六カ月間は条件つき採用期間だから、全逓に入れば首になるぞ、こういうことを言ったので、今度朝礼で全逓の組合員が課長の見解を問いただした、その四分間、これが欠務だ、こういうふうにして処分している。全逓にいる限り役職につけない、組合を脱退せい、こういうように強要をする気違いじみた課長、これは正当なる任務を果たしているのか。これが不当労働行為じゃないのか。どうなんですか、これは。

北雄一郎郵政省人事局長

○北政府委員 その処分の件につきまして私は存じませんので、よく調べてみます。  ただ、組合の所属によりまして、利益、不利益ということ、これは不当労働行為に相なることでございますので、その点についてもよく調べておきたいと思います。

島本虎三日本社会党

○島本委員 私はもうはっきり言っておきたい。労政局長、大臣がいない限り、今度はあなたです。いいですか。こういうようにいわれている。田邊委員もやっている。米田委員も安宅委員もきょうはやっている。この以前にも同じようなことを、人をかえてやっている。あなたは十分知っているはずだ。こういうような現場が日本国じゅうにある。労働省では、基準法によってシアンその他いろいろな有害な物質を出している、その処理をどうしているのかを全部点検をして調査している。そして新しい資料を出している。あれは全部称賛されている。人手不足なのによくやった。ただ今後これを効果あらしめなければだめなんです。労働行政が各方にこういうふうにまちまちで、人殺しに類するようなことが平気で行なわれている。今度はあなたの立場で総点検しなければなりませんよ。大臣も考えると言ったが、あなたはどう思いますか。

石黒拓爾労働省労政局長

○石黒政府委員 先般来しばしば御指摘の事案につきまして、私ども非常に遺憾に思っております。ただ御承知のごとく、労政職員は、これは県に所属する職員でございまして、基準監督官のごとく強制立ち入りということは権限がございませんので、基準監督署が行ないましたような総点検は、行政上いたしかねるたてまえになっております。しかし、このような事態が起こりますことは、もちろん非常に遺憾な事態でございます。今後とも労政局から一そう注意をいたすよう督励いたします。

島本虎三日本社会党

○島本委員 労働省は労働者に対するサービス機関だろう。職務の執行やいろいろな管掌によってこっちをやっているのだから、そっちの労働者はどうなってもいい、そういうようなことでは労働省なんかないほうがいいのです。どこが所管しようと、どのような管掌であろうと、全労働者のことをあなたたち、ちゃんと見て、指導しないとだめなんです。労働行政にも欠陥があるのですよ。だから郵政省内にこういうことが行なわれている。労働大臣もいま、英断をもって今後やると言った。今度官僚のほうにいくと、そういうようなおとなしいかまえになる。だめだ、労働行政も。もう少し英断をもって、蛮勇をふるってもいいと総理が言っているのだから、あなたもやらなければだめだ。それから政務次官、あなたも、そんなことをやっている人を全部首にせよとは言わないが、首にしてもいいでしょう。いま神妙な顔をしているが、向こうに行ったら、いばりくさるのだから。  それで最後に聞いておきたいと思うのです。公害でも企業責任が問題になっているのですよ。そして避けて通られないというのがいまの一つの傾向になっているのですよ。御存じでしょう。公害の面での企業責任、これは世界的に日本が一番おくれているのです。そして企業責任は、公害の場合だけではなく、労使の関係の中にも、ことに郵政省の中では端的に一番大きくあらわれているのです。自分らがよければいいという考え方です。大体労働環境だとか労働条件の改善というようなことを十分やって明るい職場にする、こういうのが一般的な考え方ですが、郵政省のほうでは管理体制を強化して、これによって締めていこうというような考え方じゃありませんか。当然反発が出るでしょう。公務員だから自覚が足りない、こういうようなことでおどしつける、これは思い上がった考えじゃないですか。ことに、言うことを聞かなければかってに処分できるんだぞ、これがいままでのやり方です。まさに古い官僚的な、権力主義的な行き方に貫かれているのです。あなたは若いのだから、政務次官として、これらの官僚的な、一つの権力主義的な行き方を是正させるのが、新しい明るい職場をつくることになると思うのです。やれるのはあなたと大臣です。事務次官以下、全部あれは官僚だ。まさにあなたはすべてをここに集中して勇断しなさい。そうしないとだめです。これを私は指摘して、強く要請しておきたいと思う。それとあわせて、明るい職場にするためには——全逓なんか反対制闘争をやっていませんよ。政治闘争に集中しておる組合じゃないでしょう。こういうような組合となぜ話し合いを十分しないのですか。下部あたりに行ったらみんな権力主義で押しつけておるのです。労務管理官だとか人管だとか、こういうような人を各局に配置してある。こういうのは全部引き揚げなさい。そういうのがある限りは、どういうことを言ってもだめなんです。あなたたち官僚に牛耳られているのだ。こういうようなことで議会制民主主義を唱えるからだんだん離反されるのです。あえて自民党の責任だと、これは選挙のときに言うことで、いまは言わぬけれども、少なくともあなたは、いまそういうような立場にあるから、これははっきりといまここで是正する義務がある。これを私はあなたに要請しておきたい。あなたは行政機関にいるし、われわれは立法機関にいるから、お願いしますとは言わぬ、これは要請しておく。これだけははっきりやってもらいたい。そしてもう建設的な意見、労使間のいろいろな話し合い、こういうものは下へいったら行なわれていない。すべきです。それからある日突然でもいい、あなたは政務次官ということをかなぐり捨てて、そのバッジをはずして、そして鳥打ち帽をかぶってこっそりこの諸君の中に入っていってごらんなさい。どういう措置を受けるか。あなたは犯人扱いにされますよ。こういう職場なんです。よく覚えておいてください。私なんかもつまみ出されるのですが、こういう明るい職場がありますか。  それとあわせて最後に、全然やっておりませんということはよくわかりましたが、こういうような犠牲者の家族に対して——奥さんもいるはすです。もう一回あたたかい措置をしてあげなさい。せめて死んだ人に対して、こういうようなことぐらいやってもばちは当たりません。政務次官、やったか、やらないか、あなた自身よく調べて、どういう措置をしたか、これはあとから報告してもらいたい。これまた人管だとか、労管だとか、こういうようなのにまかせて、ただやりましたよではだめです。ちゃんとやったという証拠をつけてやってもらいたい。私はこれを強く要請しておきたい。  ほんとうはもっともっと手きびしくやりたいのでありますけれども、もう時間にもなりましたからこれで終わっておきたいと思います。今後こういうようなことがないように、いままで起きたことに対しては責任をもって処置されるように、これは心から要請しておきます。次官、最後に決意を承っておきたいと思います。

小渕恵三自由民主党郵政政務次官

○小渕政府委員 全力を賭して努力いたします。

田邊誠日本社会党

○田邊委員 議事進行について。  いままで各委員からそれぞれ質問がありまして、私どもの質問の真意は、小渕政務次官あるいは北人事局長以下出席の郵政当局はよくわかったと思うのですが、あなた方の立場からするところの調査は決して万全でないとわれわれは考えておるわけでありまして、いまそれぞれの質問に対して、さらに調査を徹底をして行なう、こういう答弁もありましたが、私はこの際、遺族に対するところのいわゆる法的に定められた措置以外に、何らかのなし得るものがあると思う。郵政の実際につとめている人が現職のままで自殺をしたというこの異常な事態に対して、通り一ぺんの法的な措置だけで済ますというようなことは、私はあってはならないというように思いますので、それらの措置についても具体的に措置をお願いしたいということを重ねて私はお願いすると同時に、その状態、そしてその結果あるいは調査の状態について当委員会に報告をすることは、もちろん要求に基づいて成規の手続でやることが必要でありまするけれども、いま質問をした委員に対して、ひとつじっくりその経過、結果あるいはまたあなた方の措置のしかたについて話し合いをする機会を私は持ってもらいたい。単に委員会における正規のやりとりでなくて、ぜひひとつそういうものをはさみながら、今後明るい職場ができるように、そうして、なくなられた方々の冥福がお祈りできるように、この自殺した方々の犠牲というものが無にならないように、生きていくように、私はほんとうに生きた行政をやっていただきたいということをお願いして、そういった措置ができるかどうか、正規の委員会を通じての報告以外に、質問をしたわれわれに対して別の機会を設けて、それらの経緯についてお話をいただくということができるかどうか、ひとつこれに対するお答えをいただいて終わりたいと思います。

小渕恵三自由民主党郵政政務次官

○小渕政府委員 最後の点についてはしかとお約束をいたしたいと思います。こうした事件が起こってまいりますには、かなり長い期間の歴史が存在するわけでございますが、私ども、大臣ともに四・九の確認、これを必ず実施をすることによって、同時にまた、御指摘をいただきましたそれぞれの個々の点について、誠意をもって一つ一つ解決をしていくことが、同時に全体の解決につながることでありますので、それぞれにわたって誠意をもって対処いたしてまいりたいと思います。

増岡博之自由民主党

○増岡委員長代理 この際、暫時休憩いたします。本会議散会後再開いたします。    午後一時三十四分休憩      ————◇—————    午後二時四十六分開議

倉成正自由民主党

○倉成委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  質疑を続けます。藤田高敏君。

藤田高敏日本社会党

○藤田(高)委員 私は先日の産業公害対策特別委員会で、公害が発生をした事業所における組合運動、またそのことを社会的に労働組合活動の一環として発表をしたことの理由をもってその組合幹部、労働者を解雇した問題について大臣にお尋ねをしたところですが、その問題についていわば継続的な性格を持つ質問を行ないたいと思います。   〔委員長退席、佐々木(義)委員長代理着席〕  その前に二、三事務的なことをお尋ねいたしたいと思います。  労働省がことしの九月ですか、有害物質取り扱い事業所の総点検をいたしております。この全国一万三千六百六十五の事業所に対して有害物質の取り扱いがどうなっているか、その調査をした一覧表をみてみますと、私が質問することに関連するわけですが、京都におきましてはシアン関係の事業所として四十七カ所の調査をいたしております。この四十七カ所の調査の中の本社は大阪市北区小松原町二七、富国生命ビル四階、日本計算器株式会社、社長小島義雄、この事業所の京都府中郡峰山町字丹波七七五、日本計算器株式会社峰山製作所、この後段の事業所を有害物質の点検事業所として対象にしたかどうか。その調査した結果はどういうものであったか、このことについてまずお尋ねしたいと思います。

岡部實夫労働省労働基準局長

○岡部(實)政府委員 ただいま先生御指摘の日本計算器峰山製作所につきましては、この一斉監督の前に、すでに定期監督及び再監督、再々監督ということでいま御指摘のような点について監督をいたしまして、違反事項の改善命令を出し、違反是正を行なわせたのでございますので、この定期監督のときにあわせてこれを確認したということでございます。

藤田高敏日本社会党

○藤田(高)委員 具体的にどういう改善措置をとらすように指導してきたか。

岡部實夫労働省労働基準局長

○岡部(實)政府委員 たとえば基準法四十二条並びに安全衛生規則七十三条の規定に基づきまして、窒化炉の青酸ガス、塗装場の酢酸エチルが許容濃度をこえている、これを指摘いたしまして、この改善を命じ、それからさらに有機溶剤中毒予防規則の十九条に基づくものといたしまして、窒化炉と塗装場においてバッフルを設けて換気を妨害する気流を排除する等、局所排出装置が有効に稼働していないということに対しましての必要な改善措置を命じ、さらには有機溶剤業務の取り扱い作業場におけるフード及びダクトの損傷等について点検をしていない等、それからさらに有害業務に携わる者の健康診断についての規定に違反しておる等の事実を、改善命令を出して改善をさせたわけでございます。

藤田高敏日本社会党

○藤田(高)委員 私の手元にある資料だけでも労働省の出先機関である監督署が、定期監督を通じて、一年間に十八件に及ぶ基準法違反の事実を指摘し、その改善要請をしておりますが、その実態に基づいて、さらにこういったことは労働常識として考えられないことですけれども、いわゆる再監督復命書によって発表されておりますように、いま一部基準局長から御報告がありましたが、労働者の安全衛生に関する事項を中心にした再監督命令を出した件数だけでも八件にも及んでおります。私は、命令の出しっ放しでは何にもならないので、具体的に労働者の安全衛生に関して、あるいはその他の基準法違反の事実がどのように解消されていくかというところに基準監督行政のねらいがなければならぬと思うわけです。それだけじゃなくて、今国会でやかましく言われてきておりますように、こういう工場に限って社会的には公害問題を起こしておるわけでありまして、具体的なこの事業所に関する公害問題と雇用権の問題は後ほどお尋ねいたしますが、いま言ったように、命令を出しておるというだけでなくて、指摘をしたような事実がどのように改善をされているか、そのことについての報告を求めたいと思います。

岡部實夫労働省労働基準局長

○岡部(實)政府委員 先ほどお答え申しましたようないろいろな違反事項を指摘いたしまして、それをさらに再監督をして、それまでに是正された以外のものをまた改善命令を出して、一応ここに指摘いたしました事項につきましては、ほぼ是正をされたという報告を受けております。ただ復命書の中には所定期日までに是正しない場合には送検手続をとるということも警告いたしまして、その手続をとったことは聞いておりませんので、ほぼ是正されているものと思っております。

藤田高敏日本社会党

○藤田(高)委員 送検事項の対象になっておる件数は、何件ぐらいありますか。

岡部實夫労働省労働基準局長

○岡部(實)政府委員 最後に来ておりますのが、違反事項として九件あがっております。

藤田高敏日本社会党

○藤田(高)委員 それは、送権する予定にしておるのか、それとももうすでに送検の手続をとっておるのか。

岡部實夫労働省労働基準局長

○岡部(實)政府委員 ここにございますように、先ほど申しましたように、送検手続をとることもありますということで警告を発しておりまして、いまだ具体的には送検の手続をとったという報告は受けておりませんので、まだ個々の件数について送権手続をとったかどうかはちょっと未確認でございます。いまだ報告を受けておりません。

藤田高敏日本社会党

○藤田(高)委員 労働基準監督署がこういう再々命令といいますか、違反事実を再度指摘をして、しかも意見書までつけておるわけですね。これは局長御承知かどうか知りませんが、再監督復命書の中には、「経営者は組合対策に没頭し、安全衛生管理の基本的姿勢が消極的である。時には人命尊重精神の欠如と認められる程であり、大手業者ではあるが経営者の責任を認識せしめるため」に、こういった再監督命令というようなものを出している。しかもその意見の中には、「敢て再々監督実施により猛省を求めることが妥当と思料される」という、念のための意見がつけられておるわけです。こういういわば悪質とも目される法律無視のことをやるような、そういう企業家に対して、労働基準監督署のとっておる対策なり処置というものは、非常に手ぬるいんじゃないか。たとえばどろぼうをやったら、人のものを百円取っても時と場合によるとすぐ送検をされて起訴をされていく。こういう人の生命に危害を与えるような基準法違反のことが、その他たくさんあるわけですよ。あるけれども、そういう違反事実を再度指摘をされてもなおかつやらないものに対して、ぐずぐず何もやらないというようなことで、私は基準監督行政というものはスムーズに実施できるのかどうか、これはできないと思うわけです。いわんや今日公害問題がここまでやかましくいわれているわけですが、企業の中で働く労働者にとっては、ここはメッキ工場ですから、シアンの有毒ガスの発生する事業所であります。労働者にとってはそのことが企業内における労災問題を引き起こす原因をなしておるだろうし、あるいは一般的にいわれる公害も起こしておる、こういう事業所に対してこういう緩慢なやり方でいいのかどうか、これはひとつ大臣の所見を伺いたいと同時に、いま一つ大臣にお尋ねをいたしたいのは、こういう企業家は、労働行政の立場から考えて、企業家としての資格があるかどうかという見解をひとつお尋ねしたいと思います。

野原正勝自由民主党労働大臣

○野原国務大臣 企業家としてどうも十分な責任を感じていないというか、公害に対する考え方がはなはだ不徹底である、そのことは企業家として適格でないことになりますが、これは、そうしたものについて深い理解を持ち、熱意を持って自分の事業場を改善するという決意があり、その努力によってはじめて企業も成り立つと思うのであります。一日も早く反省をされることを切に望むわけであります。

藤田高敏日本社会党

○藤田(高)委員 これは大臣として望むのでなくて、こういう基準法違反の事実がたくさんあるわけですから、具体的に効果のあがる実行を迫るような措置をおとりになるかどうか。

野原正勝自由民主党労働大臣

○野原国務大臣 先ほど来数次にわたって注意をする、あるいは改善命令を出した、しかるにそれがじんぜんとして改善の措置を講じないということにつきましては、法律の事項はどうなっておりますかよくわかりませんが、当然そういった熱意がなく、全然改善が加えられないということになりますれば、きびしい行政措置をとるということも必要であろうと思います。

藤田高敏日本社会党

○藤田(高)委員 その点についてはすみやかに実効のあがる方法をとってもらうことを要請して、私は質問の観点を公害問題と、この事業所に関する公害問題に関連をするいわば労働問題について質問をいたしたいと思います。  まず、質問の前提として大臣にお尋ねするわけですが、これはもちろん臨時国会開催以来、本会議あらゆる委員会を通して論議をされたところでありますが、どんな企業であっても、私は企業家というのは、株主に対して責任を持つと同時に、地域社会に対しても、また地域住民に対しても責任を持つ、こういうやはり企業家としてのモラルがないことには、公害問題というものは解決できないと思うわけであります。  このことは、私はきょうの質問の観点は労働問題ですから、その問題点に関連をさして質問をいたしたいと思いますが、この事業所において昨年、この会社の生産工程の中から有毒なガスが発生した。またそのことで廃液処理の問題をめぐって、周辺の農作物に被害を与えたというような事実問題を通じて、労働組合が組合活動の一環としてビラを出したわけなんです。そのことが労働者の解雇になっておるわけであります。私は基本的な問題として、冒頭指摘したような考え方を、企業家としては企業家のモラルとして持つべきであると思いますし、また、それにもかかわらず、いま日本計算器峰山工場においては、先般指摘したような首切り問題が起こっておるわけであります。この点については、すでに大臣としても御調査をいただいておると思いますが、現在調査をされておる範囲、調査をされておる段階において、この解雇は私は不当なものだ、絶対に不当なものだと思うわけですが、まず大臣の見解を承りたいと思うわけであります。

野原正勝自由民主党労働大臣

○野原国務大臣 具体的なことはよくわかりませんけれども、峰山製作所の従業員について会社側が三名の幹部を首切りをしたという事実、これは裁判所でいま裁判にかかるということでありますから、裁判の過程でどういう結論になりますか、おそらく十分な検討の上に近く結論が出されると思われますので、その結論の前に私の見解を申し上げることは差し控えたいと思いますけれども、とにかく労働組合が正常な形で組合活動としての立場からやった行為につきまして、絶対に首を切られるようなことがあってはならぬと思うのでありますが、会社側に言わせれば、何か虚偽の事実を発表したとか、そういうことでもって首切りをしたということを伝えられております。したがって、虚偽であったかどうかということはわかりませんから、その辺はあれですが、正常な形での労働組合の主張というものは、あくまでも尊重され、保護されるべきだというたてまえで考えたい。きのうの御質問にもそういう意味で申し上げたわけでございまして、決して労働組合の行為について警告を出したというふうな気持ちではなかったのでありますが、たまたま事務当局が非常に懇切丁寧にそのことについての見解を書いておったものですから、そのとおり私は申し上げましたので、事実はやはり労働組合が正常な形で自分たちの考え方を主張することは、あくまでもこれは当然のことであるというふうに考えております。

藤田高敏日本社会党

○藤田(高)委員 私は産業公害対策特別委員会で大臣が答弁されたことについて、あまりしつこく論議をしようとは思いませんが、あのとき、たまたま周辺がちょっと騒がしかったものですから、私自身も十分判断できなかったものがあるわけなんです。しかし大臣の答弁の中には、社会通念上行き過ぎと目されるようなものがあれば、これは解雇の対象になり得るというようなことを答弁されたと思うのです。私は具体的に峰山工場の問題を出しておるわけなんで、この具体的事実に基づいて論議をする限りにおいては、社会通念上問題にしなければならないのは、企業家のこういった十何年も二十年にも及ぶような基準法違反をやっておる、そうして具体的にその事業所の中でもガスが発生しておる、そうしてその事業所の職場の担当責任者が、それはシアンガスだということで、窓をあけろというところまで、その事故があったときには指示をしておる。あるいは京都大学の木村という教授が中心になって専門的にその工場の周辺を調査をした結果、廃液処理のやり方がまずくて、そうして稲作にも、その周辺の河川についても汚染をしておるという事実がある、こういう実態に即して労働組合があるいは労働者が、事実をした指摘したことが——公害が起こっておる、公害が起こったというその事実を指摘し、それを社会的にもビラ活動だったらビラ活動を通じて発表したということが首切りの対象になったんでは、これは労働運動というものはできません。また、企業の秘密といいますけれども、たとえば原子力ではありませんが、原子力も自主、公開、民主の三原則で、公開を原則とするくらいですから、私は公害問題に関する限りは、そういう意味の技術的な秘密さえないと思うのです。秘密があったら公害問題撲滅できませんよ。しかしかりにも論議のしかたとして、百歩譲って、今日の資本主義社会における競争の原理からいって、一応企業の秘密というものを認めるという立場をとるにしても——技術的な問題については、たとえば秘密があるかもわからない、その秘密を社会的に対外的に暴露するというか、告発をするようなことは、これは百歩譲った議論としては問題があるかもわからぬと思うのです。しかし、いわゆる技術上の秘密であろうとも、結果的にそのことが、イタイイタイ病や水俣病じゃないけれども、そういう実態が起こった、あるいはそのガスを吸って周辺の人が、何といいますか、人体に危害を及ぼした、農作物に被害が起こった。その起こっておるじゃないかという事実、起こったじゃないかというその公害の事実を発表することは、労働協約の中にたとえば機密保持の条項があったとしても、その対象にはならないと思うのです。その点についての見解はどうでしょうか。

石黒拓爾労働省労政局長

○石黒政府委員 不当労働行為の法律解釈の問題に入られましたように感じましたので、私から申し上げます。  おっしゃるとおり、公害という問題は非常に重要でございますので、通常の場合、会社機密であるといって発表できないようなことでありましても、事、公害で明白なものにつきましては、常に企業機密ということのほうが優先するものではないというふうに考えるわけでございます。で、問題の事件につきましては、私どもも組合の全金日本計算器支部の名で配られましたビラは入手いたしております。これが組合の言うとおりの、事実をこういう形で発表したという場合に、企業機密というだけでそれを処分することがあったら、これは問題じゃなかろうかという気がいたします。しかしながら会社側の言い分は、これはうそなんだということを言っておるわけでございます。虚偽の事実を宣伝すればやはりいかぬわけでございます。私のほうは基準局と違いまして、強制捜査の権限も何もございませんので、両方の言い分を聞くということしかできませんので、これがほんとうに虚偽であるのか、あるいはいかなる会社の機密に触れているのかということにつきましては、それ以上判断する材料もございませんし、特に大臣が言われましたように、地裁及び地労委に目下係属中でございますので、私のほうで白とか黒いとかいうふうには申し上げることはできません。一般論といたしましては、いま申し上げたようなことではないかと思います。

藤田高敏日本社会党

○藤田(高)委員 なるほどこの問題は裁判所あるいは地労委に提訴をされ、そして正当な権利擁護の手続をとっておるわけですが、裁判に問題が移行したとかあるいは地労委に問題が移行したということだけで、労働行政いわゆる行政的な立場がそのことによって後退をしたり、あるいは時間待ちする必要はないのじゃないか。客観的に見て、この解雇問題のように、これはもう明らかにビラだったらビラを見れば、このビラで解雇になんかなるのでしたら、労働組合活動なんか全然できませんよ。これはもう事実、会社のほうは虚偽のなにをやったと言っておりますけれども、この実態というのはこのビラに載っておるだけのことなんですから、その点では局長もこのビラをごらんになっておるように、このビラ程度のことが労働者の解雇の対象になるなんということは、これは地労委や裁判所の見解をまつまでもなく、私は労働行政の範囲内で適切に指導し解決をすべき問題だと思うのですが、その点についての見解はどうですか。

石黒拓爾労働省労政局長

○石黒政府委員 御指摘の点はまことにごもっともな点で、私どももそういたしたいと思うこともしばしばあるわけでございますが、しかし労使関係の問題というのは非常に微妙な問題でございまして、できれば労使が自主的に解決するのが望ましい。自主的に解決できない場合には、公平な第三者の手によって解決するんだというのが、これは大原則でございます。この場合、かなり疑いが濃いとか薄いとかいうことによりまして、私どものほうがいいとか悪いとかいうようなことを申しますと、労働委員会は行政府から独立したものでございまして、それに大臣がああ言っているんだからというような影響を与えるということはよろしくないと思いますので、私ども実は言いたいことがあります場合でも、ここでやはりそれを慎しみまして、公平な第三者の裁断にゆだねるということよりないのじゃないかと思っておりますので、御了承いただきたいと思います。

藤田高敏日本社会党

○藤田(高)委員 私も、労使間の問題は、当事者双方が自主的に賃金の決定を中心に解決をはかっていく、あるいは問題が惹起した場合に公正な第三者機関を通して解決策を見出していく、この原則は私も十分了承いたします。しかし問題は、このようにすでに基準法違反をたくさんやっておるような事業所、そこでこういう労使問題が起こったときに、労働委員会あるいは司法機関である裁判所にまで問題を発展させるまでの段階で、当然そこには労働行政の作用、指導というものがあってしかるべきじゃないか。そういう点については、この現地の事情はどういうことであったかわかりませんけれども、この問題に関する労働行政というものは、出先の問題を含めて、あまりにも怠慢ではないか、私はこういうふうに思うわけですが、その点についての見解をお聞かせいただきたいと同時に、時間の関係もありますから、一、二質問をかためて申し上げます。  基本的な問題になろうかと思いますが、私は今回のこの問題に関連して考えることですけれども、公害を撲滅していくためには、公害が発生するかどうか、この企業はどういう公害問題をかかておるかどうかということは、そこで働いておる労働者が一番よく知っておると思うのです。また、その労働者で組織されておる労働組合がこの公害問題を摘発していくという——これは適切な方法で摘発をしていく、告発をしていく。それはただ社内向けだけではなくて、社会に対しても告発をしていくのだ。そういう権利が労働組合及び労働者に対して保障されない限り、何ぼこの国会でやかましく議論をしても、公害問題というのは根本的に解決がつかないだろう。やはり憲法で保障された民主的な労働組合が、組合運動を通じて社会的にも公害問題を告発していく、そういう権利が労働組合及び労働者に保障されてこそ、公害問題の根本的な解決があり得る。そういう点から申しますと、この際労働省としては、そういう労働者の基本的な権利を保障する新たな立法措置を講ずる必要があるのじゃなかろうか。その点についての見解をひとつ聞かしてもらいたい。もしそういう新たな労働立法をつくる必要がないとすれば、現行労働三法と申しますか、そういう関連法規の中で、具体的に労働者はこの種の問題についてはどういう保障がなされておるか、見解をお聞かせ願いたい。

石黒拓爾労働省労政局長

○石黒政府委員 第一点につきましては、労政当局、これは御承知のごとく府県の労政課というのは私どもの指揮監督下にあるわけではございません。したがってその行動等につきましても、全国の基準監督官のごとくに全国斉一性を持つものではございません。それは、御相談に応じて法律の一般解釈なんかは常に申し上げておりますが、具体的な事件について、まず労政課がいいの悪いのと言って、そして手に負えない場合には労働委員会というふうな段階を踏むのは、必ずしも適当ではないのじゃなかろうかというふうに考えておりますので、御了承いただきたいと思います。  それから第二点につきましては、労働組合が公害問題を取り上げることにつきましては、これは公害の中身によりまして労働条件にかかる場合もございますし、かからない場合もございますが、いずれにいたしましても最近労働組合が積極的に公害問題を取り上げるという動きもございますし、これらの動きは目的といたしましては労働組合のなし得ることの中に入っております。したがいまして、その手段、方法が正当でございますならば、すなわち社会通念上正当と思われる方法によりまして公害問題を労働組合が取り上げるということは、これは労働組合の正当な行為でございます。これに対して経営者が解雇その他の不利益処分をするということは、不当労働行為に当たって厳に禁止せられておる。そういう意味におきましては、労働組合の公害活動というものは、すでに法の保護を受けておると考えます。

藤田高敏日本社会党

○藤田(高)委員 いまの局長の答弁を聞くと、それでは新たにこの日本計算器のような問題が起こった場合に、組合労働者が公害問題で摘発をしたわけですね。それによって解雇されておる。そういうことについて、その雇用権を保障するような新たな立法措置の必要はないということですか。もしその必要がないというのであれば、たとえば基準法なり労働組合法なり、どこでそういう保障が約束されておるのか、その見解を聞かしてもらいたいと思います。私はないと思う。

石黒拓爾労働省労政局長

○石黒政府委員 労働組合がなすことにつきましては「労働条件の維持改善その他」という書き方で、「その他」のほうにつきまして一々列挙はしてございませんが、正当な範囲の政治活動であるとかあるいは福祉共済活動であるとか、あるいは御指摘のような公害反対運動だとか、そういうものは一切労働組合法七条にいう「労働組合の正当な行為」の中に一応入るわけでございます。したがいまして、その正当なものについて解雇その他の不利益処分を行ないました場合には、これは組合法二十七条の手続によって労働委員会の救済がある、あるいは裁判所から解雇無効の判決があるということによって救済を与えられておりますので、組合活動に関しましては特別に公害についての立法をする必要もなく、現行労働組合法上明白な事実であるというふうに私は考えております。  なお、組合活動以外のものにつきましては、それは私から申し上げる限りではございません。

藤田高敏日本社会党

○藤田(高)委員 それでは、労働組合法七条は労働組合活動ということですが、労働者が個人としてこの種の問題を社会的に提起をしたという場合はどうなるのかということ。  それと、これはあえてお尋ねしますが、労働組合法が制定をされたのはたしか二十四年であったと思いますが、その当時、いま局長の番われる「その他」の中に、公害というものが具体的な概念として、労使関係のいま問題を提起しておるようなものが、私はあえていえば入ってなかったのじゃなかろうかと思う。しかしそれは、拡張解釈ではないですが、もちろん解釈として入っておる、こういうことなのかどうか、そのあたりひとつお尋ねしたいと思います。

石黒拓爾労働省労政局長

○石黒政府委員 第二点のほうの、公害が労働組合の活動の中に二十四年当時具体的に意識されておったかと申しますれば、これは率直に申して、当時は公害ということばもまだないほどでございますので、意識されておりませんが、しかし労働組合の行為というものは限定的に列挙されておるものではございません。したがって、おっしゃるとおり、これはもちろん解釈として、公害反対運動は組合活動の中に入るものと考えております。したがって手段方法が正当であれば当然、不当労働行為の保護を受けるわけであります。  第一点の労働組合と関係なく公害活動を労働者個人がした場合には、御指摘のごとく労働組合法の保護はございません。その点につきましては、基準局関係は基準局長からお答えいたします。

藤田高敏日本社会党

○藤田(高)委員 そこでいまの答弁に関連をしてお尋ねしますが、それでは正当な手段方法とは、たとえば今回の場合でいえば正当な手段の中に当然入ると私は思うのですが、そのように解釈をされますかどうか。

石黒拓爾労働省労政局長

○石黒政府委員 正当なものとはどういうものであるかというのは、しばしばこれを具体的に列挙しようという研究が学者によってなされましたけれども、とても具体的には書けないので、社会通念によるということになっておりまして、これは最高裁の判例でも支持された確定解釈。そこで社会通念でございますが、公害というのがこれだけ世間の注目を浴びており、今日の日本にとって重要なことでございます。それに関する手段方法につきましても、非常に狭く解するということであってはならないのじゃないか、かなり広く解し得るものではなかろうかというふうに考えております。それじゃどこまでかと言われますと、たとえば明白なうそなんかついてはいけないということは申し上げられますけれども、それ以上どこまでがぎりぎりかということにつきましては、具体的な事案について判断するよりなかろうと思います。

藤田高敏日本社会党

○藤田(高)委員 時間も参りましたからこれで終わりたいと思いますが、今回の問題については、これはもう明らかに、労働組合破壊の立場に立った経営者側の手段方法に誤りがあると私は思います。またこれは明らかに公害に名をかる馘首、不当な首切りだと思います。しかしこれはいま裁判所やあるいは労働委員会に提訴をしておるわけですから、そちらの結論も待たなければならないかと思いますけれども、この種の問題が今日及び将来にわたって起こらないとは限らないわけですから、そういう点では、公害を撲滅するためには、基本的な考え方として、いま若干それに関連する答弁もありましたが、公害を摘発していく自由というものが労働組合にも労働者にも保障されておる、こういう原則はやはり労働省の労働行政の大黒柱としてはしっかり打ち立てる必要があるのじゃないかと私は思います。ひとつそれについての大臣の御答弁を承って、私の質問を終わりたいと思います。

野原正勝自由民主党労働大臣

○野原国務大臣 これからも公害問題等はますますむずかしくなってくると思いますが、やはり問題は、企業を行なう人たちは広く公害の問題に十分な注意を払って、公害を起こさないように、また工場内部のみならずその周囲、地域住民にも迷惑を及ぼさぬようにつとめることは当然の義務でございます。そういう意味で、これからの企業に対しては強く公害対策ということを忘れてはならぬと思うのです。したがって、それと取り組んで実際に仕事をしておる従業員、労働者の側におきましても常に公害問題に関心を持って、でき得れば企業側を督励し一体となって公害の防止につとめる、それが望ましいのでありますが、ときに利害が相反することもありましょうけれども、いずれにせよ、公害問題にはできるだけの努力を払っていただきたいということであろうと思います。

藤田高敏日本社会党

○藤田(高)委員 一つだけ追加して質問さしていただきたいと思います。  いまの大臣の答弁にも関連しますが、企業家に対して公害をなくするように努力を求めたいというこの気持ちですね、そういうものももちろん、大事ですけれども、やはり労働省、労働行政としては、労働組合が労働組合としての社会的な責任を果たすという立場からも、手段方法にはもちろん、先ほどから議論をしておるようにありましょうけれども、やはり民主的な手段方法を通して、憲法に保障された立場に立って労働組合が公害問題を摘発をしていく、そういう組合運動の新たな社会的使命というものが一つ労働組合の中にできてきたと私は思うのです。そういう原則はやはり労働行政の大黒柱として考えていく必要があるのじゃないか、そうしないと公害問題に対する労働省の立場というものはなくなっていくと私は思うのです。  ですから、この点をあえて最後に見解を聞かしてもらいたいのと、いま一つは通産省に、ちょっとそちらへ議論が発展して、時間がありませんから、半ば要望的な質問になりますが、先ほどから議論しておる問題はやはり通産行政に関係があるわけです。私の知識では、工場排水法のたてまえによれば、これは一応指定地域になって………。  それでは、きょうのところは終わります。  いま言った問題については、工場排水法のたてまえからいけば、地域指定を受けて、それから工場の立ち入り検査というか、そういうことがなされて改善命令が出されるということになるのです。ここはおそらく指定地域になってないのじゃないかと思うのですが、こういった工場に対しては、労働省の関係ももちろんいま指摘したようなこともありましょうけれども、通産当局として具体的な施設改善なり、公害をなくするそういう処置を大急ぎでとってもらいたいことを要請しておきたいと思います。

野原正勝自由民主党労働大臣

○野原国務大臣 労働組合あるいは労働者が公害に対して積極的に御協力いただきたい。これからは公害問題についてはやはり多数の働く人たちがその気になって、公害は一切出さぬというくらいな気持ちでやっていただくことが望ましいわけでございます。その気持ちで日本のあらゆる企業が公害対策に真剣に取り組んでいただきたいということを、私どもは期待しております。

佐々木義武自由民主党

○佐々木(義)委員長代理 古寺宏君。

古寺宏公明党

○古寺委員 九月二十六日に労働大臣が八戸においでになった際に、八戸市は奥羽開発拠点という立場から、国立総合高等職業訓練校をつくることを検討したい、こういうふうな発言をなさっていらっしゃるのですが、御承知のように、むつ、小川原の大規模工業開発、あるいは八戸市は新産都市でもございますので、公害とは直接関係がないにしても、いわゆる訓練校というものは今後必要になってくると思うのです。そういう点について、その後どのように検討をなされているのか承りたいと思うのです。

野原正勝自由民主党労働大臣

○野原国務大臣 青森県八戸市では、地域の非常な御要望もございまして、総合訓練校をぜひ設置したいということがございました。実は青森県には、青森市及び五所川原にすでに二カ所の総訓がございます。しかし新産都市としてこれから大きく発展すべき八戸市には、県立の職業訓練校はございますけれども、総訓がない。そういうことで地元では、八戸にないことが非常に御不満でございます。しかし何せ一昨年五所川原に総訓をつくったということでございまして、しかも、これも県の御要請であり、地域の方々の熱心な御要望があって五所川原に設けられた、しかし現在を見ておりますと、必ずしも十分な体制になってないというふうなことで、非常に問題があるわけでございます。まあ一つの県に三つも総訓を置くということはなかなかむずかしい問題でございますから、何かの機会に、ああした新産都市であり、小川原湖あるいはむつの新しい開発地域を含めて何とか考えられないものかということで検討を命じていますが、まだ結論は出ておりません。まあ地域住民の非常な御要望でありますし、同時にまた、あそこは青森県ではございますけれども、一部は岩手県の北のほうも非常に利用される地域でございます。そういった面で、他の地域においても同じような情勢、必要な事情が出ておりますので、それらの事情とあわせ考えまして、できるだけ地域の要望を満たすように十分検討させていただく考えでございます。

古寺宏公明党

○古寺委員 最近は公害による悲惨な被害が続発しておりまして、それに伴いまして当然、企業あるいは事業場内の職業病というものもこれから非常に増加してまいるのじゃないか、そういうふうに思うわけでございます。昭和四十一年に一万九千百八件が昭和四十四年には二万九千五百三十一件というふうに、職業病がウナギ登りに増加をいたしております。しかも現在まだ掌握されていない、潜在している職業病も相当にあると思うのですが、職業病が増加をしていくその原因対策といいますか根本対策も大事ですが、こういうもののいろいろな研究とかあるいは治療の面においてもいろいろな問題がございます。  そこで、一番大事な問題は、労働省の職業病に取り組む姿勢というものが、通産省と同じように企業サイドに立った、そういう取り組み方をいままでやってきているんじゃないか。やはり今後は厳正中立の立場で、労働者の健康を守り、衛生、安全を守るという立場でこの職業病対策というものを進めていかなければならない、そういうふうに私は考えるわけでございますが、大臣は今後、この職業病について、いままでのような姿勢ではなくして、あくまでも厳正中立の立場で労働者の健康を守る、そういう姿勢で取り組んでいくというお考えを持っておられるかどうか、まず承りたいと思います。

野原正勝自由民主党労働大臣

○野原国務大臣 職業病がこのごろだいぶ急にふえております。したがって、これの対策はきわめて重大でございまして、労働省側もすでに職業病に対する対策を一生懸命講じておりますが、これは、今後の問題としましては、省をあげて職業病対策を講じてまいりたい。そうして職業病の絶滅を期し、あるいは不幸にして職業病になった場合にも、その治療については遺憾なきを期す。リハビリテーションなり、あるいは重症に対しては職場復帰とかいろいろな訓練を行なうとかいうようなことで、職業病をできるだけ少なくしてまいるということが今後の大きな問題であろうと思います。職業病を軽視するということは絶対いたさぬ考えでございます。

古寺宏公明党

○古寺委員 そこで、職業病の問題ですが、わが国の大学の講座で職業病に対する講座というのはほとんどないわけです。そういう問題がまず一つございます。それから職業病の専門の病院がない。ですから、一般の病院に行きましても、お医者さん方は職業病という問題にあまり深く突っ込んで関係したくないと申しますか、そういう考え方が潜在しておりますので、職業病に対するところの治療なり診断なり研究というものが非常におくれているわけでございます。こういう面から考えて、今後公害問題とからんで職業病が増加する傾向にございますので、職業病専門のいわゆる職業病センターと申しますか、そういうものをつくって、そこには職業病の患者さんを入院させる、また診断もするし、研究もあわせて行なっていく、こういう職業病センターというものをわが国においてはどうしてもつくる必要があるのじゃないか、こういうふうに考えるわけです。この点について、大臣は在任中にこういう構想をぜひひとつ実現していただきたいと思うのですが、いかがでございましょう。

野原正勝自由民主党労働大臣

○野原国務大臣 労働省では前々からそういった問題を考えまして、特に産業医学総合研究所というものを設けたいということで、これはもうすでに準備をしております。四十六年度中に敷地を決定いたしまして、四十七年度には建築に着手をする。これは相当大きな施設となりますが、こういうことによってそこに研究、治療、リハビリテーションあるいは職場復帰という一連の、あらゆる職業病に対する対策を遺憾なく研究していくという体制を設けたい。わが国ではそういった面が非常におくれておったのでありますが、ようやく、各方面の御要望等もございまして、強力にこれをぜひとも実現せよという御趣旨もいただいておりますので、これはぜひとも実現したいと考えております。

古寺宏公明党

○古寺委員 いままでは、工場では公害源になるような有害物質は窓からあるいは換気扇で外へ出しなさい、こういう指導を労働省は行なってきたわけです。そのために、公害の局地汚染と申しますか、そういうものが非常に発生して住民から突き上げられる。当然外部にいままで出しておったものを出せなくなるわけでございますので、そういうものに対する防除施設を今後強力に進めていきませんと、この職業病というものが非常に増加をしてくるわけです。しかし、この職業病対策としてのそういういろいろな施設をする場合等の税制の優遇と申しますか、あるいは金融の面の優遇策というものが全然ないわけです。これは先ほども申し上げましたように、労働省そのものが通産省と同じように労働者の立場じゃない、職業病を防止しようという立場に立っていない姿勢からそういうふうになっているのだと思いますが、今後そういう面について税制、金融上の措置を具体化していく必要がございますけれども、大臣としてそういうことをお考えになるかどうか承っておきたいと思います。

野原正勝自由民主党労働大臣

○野原国務大臣 いままで融資がないというお話でございましたが、実は安全の対策のための融資はすでにあるわけでございます。ただこれは必ずしも十分でないので、わずか二十億でございます。公害問題がここまで大きくなりますと、どうもいままでの程度ではいけない、思い切ってこれを画期的に増額しよう。明年度は二十億を七十億くらいにとりあえずふやそうということになっております。そういったことで、同時にそういった税制上の問題につきましても何らかの優遇措置をとろう。これは公害対策本部のほうでただいま検討しております。したがってこうした公害関係の予算、税制の問題、おそらく四十六年度からあらゆる方面でそういったものが発足をするというふうに考えております。こういった政策があって初めてきびしい公害対策が講ぜられるということになりますから、何らかの対策を講ぜずしてただいたずらに公害を取り締まるというふうなことでは酷でありますから、そういった点も十分な対策を講じようということの決意でいま進めておるわけでございます。

古寺宏公明党

○古寺委員 また職業病対策を進める上において、労働省自体の体制というものが非常に大事な部分になってくるのでございますけれども、現在何かお聞きするところによると、非常に貧弱である、厚生省に比較するならば天地の差がある、こういうふうに聞いているわけでございます。今後こういうような職業病に取り組んでいく体制の強化、充実と申しますか、そういう点について現在労働省はどういう構想をお持ちになっているか、また来年度はどういうふうにそれを具体化していく方針であるか、そういう点について、これは大臣から承りたいと思います。

野原正勝自由民主党労働大臣

○野原国務大臣 労働省ではただいま衛生監督官というものを設けて、それを相当数置こうということの構想ですけれども、厚生省に比べればとおっしゃいましたが、労働省はあえて厚生省と同じようなわけにはまいらぬと思うのでありますが、しかし全国に実は労災病院等もございまして、きわめてまじめに真剣に職業病等の方々に対しましては治療に当たっておる。非常に進んだ医療も行なっておりまして、そういった方々には安心して利用されておるというのが現状でございます。ただ、これでいいかといえばどうも十分じゃないので、これらの施設につきましても将来はもっと拡充強化して、職業病対策に遺憾なきを期したいというふうに考えております。

古寺宏公明党

○古寺委員 具体的に申し上げますと、こういう問題に関する技術者と申しますか、技術官と申しますか、そういう職員の方が労働省には十一人しかいない。本省には五人しかいない。こういう問題で、こういうスタッフでもって、この日本国じゅうに続発している職業病をやっていけるかどうかというのです。そういう面について、その一つの問題を取り上げますと、今後一体どのくらい増員して取り組んでいかれるのか、そういう点について承りたいと思います。

北川俊夫労働省労働基準局安全衛生部長

○北川政府委員 いま先生御指摘のように、全国に約二千七百名の監督官がおりますけれども、医師の資格を持つ監督官は十数名に過ぎません。今後先生御指摘のように、非常に職業病がふえてまいりまして、それに監督機関として適切な手を打つためには、そういう先生方の増員ということを考えてはおりますけれども、これは言うべくしてなかなか実行がむずかしい問題でございまして、直ちに医師の資格のある監督官を急増するというわけにはまいらないかと思います。  ただ一般事務系あるいは技術系の監督官でございましても、あるいは監督官でなくて一般の事務官でございましても、最近の職業病に関してかなりの期間の専門的な研修を行なわせまして、資格のある医師のような指導あるいは監督というわけにまいりませんけれども、事業所の臨検に際しまして適切な助言ができる、あるいは問題点を発見してそれを専門の医師に相談をさせるというようなことで、今後の職業病対策については万全を期してまいりたい、こう考えます。

古寺宏公明党

○古寺委員 万全を期すといっても、これはなかなか不可能に近いと私は思いますね。  そこで次へ行きますけれども、最近公害がたくさん発生しております。その公害源が事業所である場合には、当然その事業所内において職業病対策というものが立てられると思いますし、また公害源が近くにあって、そうしてその公害源でない事業所においても公害病対策、職業病対策というものを考えていかなければならない、こう思うわけですが、そういう点についての労働省の対策ですね、それはどういうふうになっているか。

北川俊夫労働省労働基準局安全衛生部長

○北川政府委員 最近非常に問題になっております公害のほとんどの発生源が工場でございまして、工場外の一般市民の方が公害で悩まされる前に、事業所内で有害物あるいは有害ガスを取り扱っております労働者が職業病あるいはそういう疾患にかかる可能性が非常に多いわけであります。したがいましてわれわれは、まず事業所内の労働者の衛生問題を徹底的にやるならば公害の問題はかなり防ぎ得るのではないか、そういう意味では大きく公害対策に労働行政として貢献ができる、こう考えております。  それでいま先生御指摘の、内の対策でございますけれども、安全衛生規則で有害物を取り扱います場合の規定が百七十二条以下にいろいろ書いてございます。ただ現行規定では、この前の総点検の結果を見ましても、抽象的な表現でございまして、しからばいま事業所内でどういうものが有害物として非常に問題になっておるかという物質の焦点、あるいはそれに対してどういう抑制をすべきかというようなことにつきまして明確な規定が欠けております。この前の総点検の結果をあわせまして、いま専門家のお医者さんやあるいは工学関係の先生方にお願いをしまして、すでに専門家会議が発足しまして、早急に結論を出しまして、それに基づいて法令の整備をいたす、こういう考えでございます。

古寺宏公明党

○古寺委員 最近の新しい職業病として頸肩腕症候群あるいは腰痛の問題が非常に起こっておりますが、これに対して業務上にするかどうかという診断基準でございますね、これが非常に明確でないためにいろいろと問題が生じているようでございますが、今後頸肩腕症候群あるいは腰痛に対しては、労働省としてはどういうふうに対策を考えているのか承りたいと思います。   〔佐々木(義)委員長代理退席、伊東委員長代理着席〕

松尾弘一労働省労働基準局補償課長

○松尾説明員 御質問の点でございますが、実は事務労働者におきましても、機械化の導入とか省力化の進行によりましてかなり作業の実態が変わってきておる。したがって、従来は手指作業を中心とした認定基準がございましたが、御指摘のような頸肩腕症候群が発生いたしてまいりましたので、昨年以来専門家会議を設けまして新しい認定基準を設定いたしまして、目下現地で認定に当たっております。ただいろいろと問題になりますのは、御存じのように本人の素因により、本人が頸肩腕症候群を起こしやすい疾病を本来持っておったというものと、当該事務によって起こったものとの区別がなかなか困難なために多少いろいろと紛争がありますけれども、基本的には認定基準でまかなえる、こういうように考えております。

古寺宏公明党

○古寺委員 実は先日大阪証券というところに呼ばれて行ってまいったのです。八名の従業員がこの頸肩腕症候群ですか、そういう問題で職業病の認定をしてもらったところが、五名はそういうふうに認定されたけれども三名は認定されなかった、そういうことでいろいろと問題が起きて、現在労働保険審査会に不服の申し立てを行なっている。ところが二年たったのだけれども全然何の音さたもない、こういうことを申しておるわけでございますが、こういうような事例がいろいろなところで起きているわけでございましょう。また、こういうような問題が起きるということは、やはり診断基準そのものがはっきり確立されていない、研究があまり進んでいないというところに問題があるのではないかと思うわけでございますが、そういう点をあわせて御答弁願いたいと思います。

松尾弘一労働省労働基準局補償課長

○松尾説明員 大阪証券会社の例は具体的に承知いたしておりませんが、現在いろいろと紛争になりましたり、あるいは紛争の結果不服審査を通して、段階的には局の審査官、地方の審査官を通して検討してもらっておるということはあると思います。しかし、事柄がきわめて医学的な医証に基づいて行なわれている。そこでいろいろ問題になりますのは、医学上の対立と申しますか、一人の医者は業務上であると言い、一人の医者は業務外と言うというようなことで非常に問題が対立する。その場合はさらに客観的な医者をお願いして、医証を求めて行政処分するという姿勢で今日万全を期しているわけでございます。医学の問題ですから万全ではないのでございますけれども、およそわが国の権威といわれる方々のお集まりの結果出てきた認定基準で、ございますから、私どもといたしましてはそれで一応進めてみて、それからさらに支障が生ずるならば、具体的な事案によって検討してみたいと思います。

古寺宏公明党

○古寺委員 いまの大阪の問題については、あとでお調べになってその内容をひとつ報告していただきたい、こういうように思います。今後ますますこの職業病というものは増加の傾向にございますので、こういう面の診断基準の確立であるとかあるいは研究の問題であるとか、いろいろございましょう。そういう面については積極的に、先ほども申し上げましたようにあくまでも労働者の健康を守るという立場で、厳正中立の立場で今後強力に推進をしていただきたい。そういうことを御要望申し上げまして、きょうの質問は終わります。

伊東正義自由民主党

○伊東委員長代理 古川雅司君。

古川雅司公明党

○古川(雅)委員 たいへん予定の時間がおそくなりまして、私がこれからお尋ねをすることは労働行政の基本的なことでありますので、一々労働大臣の御所見をお伺いしたいところでございますが、伺うところによりますと、これから参議院のほうの公害問題に対する連合審査のほうに御出席であるというように伺っておりますので、個々の問題につきましては直接の担当の最高責任者である局長ないし部長の方々にお伺いをしてまいりたいと思います。  大臣があと四分ほどいらっしゃいますので、その間に一つだけ御決意を伺いたいと思うのでございます。労働行政で最も基本的な労働基準法の第一条に、労働条件の原則が明記されております。これはもういまさら申すまでもありませんが、「労働条件は、労働者が人たるに値する生活を営むための必要を充たすべきものでなければならない。この法律で定める労働条件の基準は最低のものであるから、労働関係の当事者は、この基準を理由として労働条件を低下させてはならないことはもとより、その向上を図るように努めなければならない。」というふうにございます。そうしてまたさらに第五章の「安全及び衛生」に対する規定につきましては、「危害の防止」について第四十二条に「使用者は、機械、器具その他の設備、原料若しくは材料又はガス、蒸気、粉じん等による危害を防止するために、必要な措置を講じなければならない。」ということもはっきり明記してございます。  そこで、きょう私は二つの点にわたりまして、一つはアセチレン等の高圧ガス爆発事故等に関連して、もう一つは先ほど来の公害問題と関連していわゆる有害物質を取り扱っている事業所における工業中毒といいますか、いわゆる職業病の実態に関連して、この二点についてお伺いをしていきたいと思うのでございます。  そこで、大臣に、先ほどからいろいろ所見は答弁をなさっておるようでありますが、ことにこうした事故が最近多発しているという現状にかんがみ、今後の労働安全衛生行政についてこれまでのような取り組み方ではさらに事故が続発するだけだ、これから相当の決意をもってこれに臨まなければ、当然、解決は期し得ないと思うのでありますが、初めに大臣のその御決意を一言伺っておきまして、以下順次こまかい点にわたっていきたいと思います。よろしくお願いします。

野原正勝自由民主党労働大臣

○野原国務大臣 労働安全対策につきましては、かねがね非常な決意をもって労働省は取り組んでおるわけでございますが、労働災害をいかにして撲滅するか、基本計画としまして少なくとも労働災害による死亡者等はこれを半減させようというようなことでいま進めております。このためには労働基準監督官なども、公害対策も関係ございますし、この増員もいたしまして、思い切って公害対策はもとより安全対策、安全衛生の問題ともしっかり取り組んでいこう、全国の労働安全のための組織の強化、また安全功労者の表彰というようなことも年々やっておりますが、それらを通じまして、最近におきましては安全思想がだんだん普及されまして、もう一歩で安全基本計画の線に達することが不可能ではないという希望を持ちましていま一生懸命安全の対策と組り組んでおるというわけでございます。同時にまた、安全問題につきましては産業医学研究所の創設という問題も含めまして、職業病の問題であるとか、あらゆる問題を検討していくという体制で目下進めておる、こういうわけでございます。

古川雅司公明党

○古川(雅)委員 いま冒頭に大臣の所見を伺ったわけでございますが、以下具体的にこまかい点にわたってお尋ねをしてまいりたいと思います。  最初にアセチレン等の高圧ガスの爆発事故に関連をいたしまして伺いたいのでありますが、ことにごく最近爆発事故が相次いでおりまして、最も近い例では十二月八日の事故、それから十二月九日には二件起きております。特に労働省のサイドで、いわゆる労働安全衛生の管理という面で冒頭に所見を伺っておきたいと思います。

北川俊夫労働省労働基準局安全衛生部長

○北川政府委員 いま御質問にございましたように、最近アセチレン関係の爆発その他重大災害がこのところ相次いで起きているような気がいたします。特に十二月九日に起きました埼玉県下の石黒製作所のアセチレンガス爆発事件では死亡者が六名も出たという非常に重大な事故になっております。これにつきましては現在原因等を究明中でございますけれども、いままで死亡災害につきましては、たとえば墜落とかあるいは飛来、崩壊などとともに爆発事故というものが非常に大きな原因でございまして、この問題につきましてはそういう原因を根本的に検討をして対策を十分にして、死亡を絶対に起こさないというような指導をかねがねやっておりますけれども、まだその取り扱い者の不注意あるいは器具の不完全というふうなことからこういう事故が絶えませんことは非常に残念に考えております。

古川雅司公明党

○古川(雅)委員 いま御報告がありましたとおり、こうして年の瀬が迫るにつれまして、ことにこうした中小企業で大きな事故が目立っているわけでございます。この高圧ガス取り締まりあるいは管理につきましてここに何らかの問題があるのではないかというふうに感ずるのでございますが、ことにこれは通産省との関連もございますので、まず最初に労働省の側でいま御答弁のありました指導あるいは監督の強化ということと、また取り扱いについて基準を定めている通産省のサイドと、その分かれ日あたりが非常に問題があるわけでありまして、まず労働省のほうからこのことについて最初にお伺いしたいと思います。

北川俊夫労働省労働基準局安全衛生部長

○北川政府委員 先生御指摘のようにこういう高圧ガスの取り扱いにつきましては、容器そのものの取り締まりは通産省の所管でございまして、それを作業の場合にどう取り扱うか、作業動作等につきましては安全衛生規則で規定をいたしております。そういう意味では両省に事柄がまたがっておるというようなことがありますけれども、われわれといたしましてはかねがね通産御当局とも十分連絡をとりまして、取り締まりあるいは規則が両省にまたがっておるがゆえに事故が起きるというようなことがないように注意はいたしておりますが、その点がはたして万全であったかどうかというような点につきましては、われわれとしても謙虚に反省をしなければならない点があろうかと思います。今後とも通産当局とよく連絡をいたしまして、あるいはわれわれのほうで法令に整備をいたすべき点があれば、すみやかにそういう点につきましては補充あるいは改正というようなことを考えたいと思っております。

古川雅司公明党

○古川(雅)委員 通産省の御答弁をいただく前にもう一つお伺いしたいのでございますが、この問題につきましては、こうした爆発事故が相次いでいる現状から考えれば、そしてまた特に中小工場等において危険が充満している、そういう要素が充満している、そういう実情にあっては、これは単にこれから検討するとかあるいは監視を強化するという一片の努力目標だけでは済まされないと思うのでございます。ことに通産省とよく連絡をとってという御答弁がいまございましたのでお伺いするわけでございますが、これまでそうした連絡が密でなかったところにこうした事故が多発してくる要素があったのじゃないかと思うのでございますけれども、この点いかがでございましょうか。

北川俊夫労働省労働基準局安全衛生部長

○北川政府委員 ただいま御答弁いたしましたように、かねがねこの問題につきましては通産省と十分連絡体制をとりまして、今回の事故発生につきましても通産省と共同で調査をいたすなど、そういう点につきましてはわれわれとして種々努力をいたしておりますが、万全であるかどうかという点につきましてはなお反省をいたしまして、今後さらに充実をいたすようにいたしたいと思います。

古川雅司公明党

○古川(雅)委員 では、通産省の公害保安局の工業保安課長の眞野さんでいらっしゃいますか、おいでいただいておりますので、冒頭にこうした爆発事故に対する総体的な御所見と、なお、こうしたアセチレンガス等について危険性が考えられる、こういう高圧ガスを使用している工場がどのくらいあるか、その辺からお伺いしてまいりたいと思います。

眞野温通商産業省公害保安局工業保安課長

○眞野説明員 ただいまの古川先生の御質問にお答えいたします。  今回の事故につきましては、先ほど労働省のほうからもお話がございましたように、かなり死傷者が出ておりまして、私どものほうも労働省さんと御一緒に現地に直ちに人を派遣いたしまして原因究明をいたしております。残念ながら今回の事故については、従来と違って原因が非常に複雑でございまして、これから科学的に原因を究明せざるを得ない状況でございます。  それから今回のアセチレン関係の事故でございます。これは先ほどお話がございましたように、労働省さんが特にやっておられます溶接関係の問題でございますが、溶接という問題になりますとかなり人の要素もございますし、かねがね私どもと労働省とは、その点については十分連絡しながら定期的にもいろいろお話をしてまいっておるところでございます。したがって、今回の事故についても、先ほど申し上げました科学的な調査については、十分労働省と連絡をとって、かつ地元の関係の消防署あるいは警察署とも連絡をとりながらやらなければいけない問題だと思います。その点はすでに県のほうで具体的に調査研究を始めるということで、先ごろ協力依頼がございましたが、私のほうはできるだけこれに協力してまいりたいというふうに考えます。  第二の点のアセチレンガスを取り扱う事業所の数でございますが、御承知のようにアセチレンガスというものは溶接に使うものでございまして、溶接は大別いたしますと電気溶接とガス溶接がございます。機械関係の事業所では、おもなものは電気溶接でございますが、特に普通の構築物でございますとか、大半はこういうアセチレン酸素を使うわけであります。もう一つの大口としましては、最近ございます建築関係、工事関係、こういう土建関係の事業所が非常に多いわけでございます。私どものほうでつかまえておりますのは、製造所、販売所までは許可制でございますからわかりますが、実際に使っておる場所、それについては正確な統計はございませんので、若干推計いたしますと、まず事業所の数でございますが、機械関係、鉄鋼業、非鉄金属製造業、金属製品製造業、一般機械、電気機械、輸送機械、こういうものを合わせまして、全国で工業統計表に基づきますと、十四万余でございます。それから建設関係でございますが、これがやはり相当ございまして、登録事業所全部入れますと十六万、合計三十万でございます。これは全部アセチレンを使いませんので、三十万のうちの何割かが使う。  それからもう一つ、アセチレンの容器が全国で百七十万本ございます。これの流通段階の滞留状況とか事業所における滞留状況を推計しますと、事業所としてはおそらく二十万前後、常時ではございませんが、使用するというような状況でございます。

古川雅司公明党

○古川(雅)委員 相当の数でございまして、その実態掌握に一つの大きな問題があると思います。高圧ガスを製造販売する側と、それから消費する側、これはその規制については立場が違うということでございますが、届け出の義務があるわけでございまして、その基準についてひとつ御説明をいただきたいと思います。製造、そしてまた販売、それからまた使用する、消費をするほう、それぞれ基準が違うというふうに伺っております。それをお伺いします。

眞野温通商産業省公害保安局工業保安課長

○眞野説明員 私どもの所管いたしております高圧ガス取締法に基づきましては、アセチレンの製造事業所とそれから販売については許可が必要でございます。しかし実際消費する場合は、これは溶接という工程でございますから、消費については、法律上はこの消費についての基準をきめておるだけで、現在届け出制はとっておりません。

古川雅司公明党

○古川(雅)委員 その辺に一つ私は疑問を持つわけでございますが、特に少量でありましても、これは危険を伴うものでございますので、その取り扱い者の事故の防止という点を考えますと、これは早急にひとつ何らかの結論を下さなければならないのじゃないか。まあ製造のほうにありましても、一日に三十立方メートル以上の設備をして製造をしておるものということだそうでございますし、販売業種は許可制ということ、いまも御答弁がありましたとおり、使用するほう、消費するほうには届け出義務がないということであります。ことに溶接業等において、工場内で絶えずこうした定められた以上の量を使用しておるところについては、かなり監督ができる、あるいは指導ができるということになると思いますけれども、五キロ、十キロという、そういった小さいガスボンベを使用して作業を進めている、最初に申し上げた、いわゆる事故の多発しておる中小会社では、届け出制がないために、こうした事故を誘因する要素になっておるのじゃないかというふうに思うのでありますが、これは労働安全衛生を担当される労働省の側としては、どうお考えなんでありますか。

北川俊夫労働省労働基準局安全衛生部長

○北川政府委員 アセチレンの溶接装置につきましては、ボンベに詰められる前に、発生装置でアセチレンガスをつくっておりました時代には、発生装置につきまして、これは免許制あるいは検査というものを非常に厳重にやっておりまして、それがボンベにかわりましてから、いまも通産から御説明がございましたように、圧力容器ということで通産省の所管で厳重に監督をされております。まあそれはかっての発生器に比べますと事故もかなり少なくなってきましたので、その辺につきましての届け出あるいは検査というようなものが、従来に比べますと、やや手薄になっておるということは事実でございます。今後、こういう事故の発生もございますので、その対策については十分考えてみたい、こう思っております。

古川雅司公明党

○古川(雅)委員 通産省のほうにお伺いいたしますが、さっき数字を申し上げました三十立方メートル、これは重量で三千キログラムになりますが、これ以上に限って届け出制としているということになりますが、問題なのはこれ以下でございますけれども、通産省として、担当の所管の行政機関として実際の取り扱い方法やあるいは安全対策がどうなっているかという、そういった実態についてどの程度掌握していらっしゃるのか。ここにいま事故が起こっておるわけでありまして、この辺、どう対処していらっしゃるか。特にこの三千キログラム、三十立方メートル、ここを境として届け出の規制を設けている。その辺に何か問題はないでしょうか。

眞野温通商産業省公害保安局工業保安課長

○眞野説明員 ただいま古川先生の第一点の三千キログラム以上について届け出制があるのじゃないかというお尋ねでございますが、実はアセチレンは三千キロもまとめて貯蔵するところは製造所以外には考えられません。現実にはほとんど少量で、たとえばボンベ一本で七キロぐらいしか入っていない。三千キログラム以上貯蔵する場合におきましては、法律としては規制をしておりません。現在規制のガスになっておりません。ただ御趣旨のように、非常に危険なものでございますから、これをどう取り扱うかについては、従来私どものほうでも非常に厳重に注意いたしておりまして、実は四十二年、一年前後に、非常にアセチレンの消費場所における事故が多発いたしまして、そのときにいろいろ措置をとりました。一つは、消費についての基準の強化をいたしまして、それに基づいて化学局長通達で各県の取り締まり担当者を通じて、相当、消費場所における実態把握と事故防止、この指導をいたしております。  それからもう一点、私どものほうでこういう業界の問題については、自主的な保安対策の確立という面から、高圧ガス保安協会という特殊法人をつくりまして、この協会を通じまして、消費についての自主的な基準、これは法律できめている以上に細密にわたり、かつ、より高度の知識なり技能を必要としておるものでございますが、そういう基準をきめまして、これを各業界団体を通じて末端まで浸透させるというやり方をいたしまして、実はそのあと非常に事故が激減したわけでございます。したがって、私どもとしましても、今回の事故については、まずそういったガスの基準にこれがはたして——今回の事故の経緯にかんがみまして見直す必要があるかどうか。これは先ほどの原因究明とあわせていたしますが、同時に、とりあえずと申しますか、現実には、非常に事業所の数が多いわけでございますので、こういう事業所の親企業であるいろいろな工業団体——鉄鋼連盟だとか造船工業会だとか、こういうところから特に下請企業に対する保安指導をやるように私どものほうから指示をいたす予定にしております。  それからもう一つは、実際にアセチレンについて、これを取り扱う販売業者がございます。これは幾つかの団体がございます。そこから使用者、消費者と申しますか、ユーザーに対してそういう保安指導を行なうように、同時に措置いたします。そういうかっこうで末端の消費段階に至るまで現在少なくともある法律の基準なり、先ほど申し上げましたような自主的基準を浸透させることが、とりあえずの第一の重要なことではないかと考えまして、そういう手はずをとることになったわけであります。

古川雅司公明党

○古川(雅)委員 高圧ガス、アセチレン等を取り扱っておる、そうした工場における取り扱い上の注意ですね、あるいは安全に対する指導をこれからなさっていくということでありますが、通産省としては、そういう態度で臨んでいらっしゃる。同時にまた実態をつかめない実情ということも、そうした対策をなさる以前の問題として、これは重要な問題ではないかと思うのでございますが、その点についてはどう考えていらっしゃるのか。  それから、あわせて、いま通産省のほうではそういう対処策を考えていらっしゃるということでございますが、一方労働省のほうは、労働安全衛生という立場で、また同時に通産省と並行して同じような指導監督をこれから進めていくのか。最初のほうで、連携をとってということをおっしゃっておりましたので、両者の施策のその辺の具体的な今後の連携のあり方について、ひとつ御答弁をいただきたいと思います。

眞野温通商産業省公害保安局工業保安課長

○眞野説明員 アセチレンの消費場所の実態把握が、非常に企業者の数が多いので不十分ではないかという御指摘でございます。この御指摘については、私どももそのとおりだと考えております。何ぶん数が非常に多いものでございますから、それを網羅的にいたすことは——高圧ガスの取り締まりは各県に権限を置いておりますが、各県の担当人員だけではなかなかできないという現状でございます。  ただ、そういうことだけを言っておるわけにはまいりませんので、私どもとして、先ほど申し上げました事後措置の一環としまして、先ほど申し落としましたが各県の担当部局に対して実態把握を依頼しまして、特に販売業者は許可制で登録制度がございますので、そうした販売業者の販売先等についてこれをキャッチすることはできると思います。そういう方向での各県を通ずる実態把握ということが大事であると思います。それと同時に、こういうような事故というのは、むしろ非常に零細な中小企業に起こりがちでございますので、その辺に重点を置いての監督指導という方面で、各県を通じて指導いたしたいと考えております。

北川俊夫労働省労働基準局安全衛生部長

○北川政府委員 ボンベその他容器につきましては、通産省で今後いろいろ施策が講ぜられることと思いますが、私のほうはそれを取り扱う作業者に対する対策でございます。御承知のように、現在アセチレンのみならず、ガス溶接作業者につきましては、すべてこちらで指定をいたしました講習終了者でなければ溶接作業には従事ができないというふうに規定をいたしております。現在その者が約七万人というふうにわれわれは考えております。  ただ、指定講習を受けた者のみが溶接作業に携わるという規定のみではどうも十分ではないのではないかということがかねがねいわれておりまして、先般検討をいたしました結果、たとえば作業主任者を置くとか、あるいは自主検査というものを業者に励行させるというような要旨の規則改正につきまして、実は公聴会等も開きまして、大体業界あるいは関係労働組合等の了承も得ておりますので、来年早々にはその点について労働安全衛生規則の改正をいたしたい、こう考えております。

古川雅司公明党

○古川(雅)委員 これは技術的な問題になりますので、どちらへお伺いしていいか私わからないのですが、いわゆるアセチレンのガス漏れ対策としては、その作業に当たる個々の人たちが、緊張して、気持ちを張り詰めて注意をしながらやらなければならない。これは基本的なことになるわけでありますが、実際問題として、いまガス漏れについては、臭覚といいますか、においにたよるというようなことしかないように私は思うのでございますけれども、ガス漏れの探知器、そういった点の技術開発、あるいはそういったもので実用性のあるものについてそれを設置することを義務づけるとか、そういった点の技術的な取り扱い上の安全対策という点についてはいかがでございますか。

眞野温通商産業省公害保安局工業保安課長

○眞野説明員 ガス漏れの原因としましては、おそらく容器の問題、それから容器に付属する燃焼器具、ホース等から漏れる場合、いろいろございます。過去の実際の事故例のほとんどは、実はホースから漏れております。容器については、先ほどお話のありましたように、容器検査ということで厳重にチェックいたしております。三年に一ぺん必ず検査を受け、不合格なものは容器として認めないということになっておりますので、容器自身から漏れるということは最近の事故例ではございません。むしろそれに付属する燃焼器具、特に弱いホースから出ておるのが大半でございます。そういう意味でホースのJIS規格も定めておりますが、規格だけではなかなかまいりませんで、やはりある程度古くなりますとどうしても漏れるので、そういうものの取りかえその他そういう面での対策がまず第一であると思います。漏れてからではややおそいわけでございます。漏れないようにする対策、私どもも今回の事故は、実はガス漏れそのものではなくて、別の原因、先ほど申しましたような、やや想像できないような事故ではないかというような専門家の意見がありましたので、必ずしもガス漏れと結びついておりません。ただ、実際のアセチレン関係の事故としてはガス漏れによるものが多いので、これからの私どもの考え方としては、その燃焼器具関係について品質の向上というようなことをメーカーに対して要請したい、そういうことを中心に考え、場合によれば、たとえばメーカーの自主検定というようなことをいろいろ考える余地があろうかと思います。その辺はもう少し——現実に営業をいろいろ制限するわけでございますから、その辺の事情も考えまして、十分検討し、実態を把握した上でやっていきたいと思います。

古川雅司公明党

○古川(雅)委員 そうした使用器具の保全の万全を期して、とにかくガス漏れをさせないように、未然に防ぐということ、それはよくわかるのでございますが、実際問題として、事故はガス漏れが発生して起こっているわけです。そこまでの事業所の監督ということも一つの大きな前提にはなるでしょうけれども、このガスそのものについて、そのガス漏れそのものを探知する探知器あるいは警報器といったものの開発、そこまで考えて対策を立てていらっしゃるのかどうか、その点をお伺いしたかったわけでございます。

眞野温通商産業省公害保安局工業保安課長

○眞野説明員 実はガス漏れについては、アセチレンのみならず、御承知の都市ガスとか私どものほうの所管しておりますLPガスとかいろいろございまして、そういうガス漏れ検知器とかいうようなものも若干市販されております。しかしながら、こういう器具にたよった場合、もう一つの危険は、器具が確実に作動しない、逆にそれに依存して事故を起こすというケースがございます。残念ながら現在までのところ、法律なり一つの業界全体の自主基準なりで、これを信頼してこれに基づいて作業を行なえるというようなことまでいたすだけの信頼度はございません。したがって、なおこの点について十分な研究なり品質の向上、技術の開発というものを行なわないと、現状ではちょっと法規制というかっこうには困難であろうと思います。  ただ、この点についても、ただいま申し上げましたように、特にプロパン関係の事故、都市ガス関係の事故の問題もございますし、それぞれのメーカーの自主的な努力、研究開発というものを、できるだけわれわれとしては行政指導の面において推奨いたしておりますけれども、その精度、品質の向上というものができた暁においては、そういうものを装置するということは十分考えられます。

古川雅司公明党

○古川(雅)委員 その点については、これは今後の大きな課題ということでございますね。ひとつ精力的にそうした安全装置あるいは警報装置の開発についても努力をいただきたいと思います。  時間がございませんので先へ進ませていただきますが、労働省の統計によりますと、安全基準の違反率が五〇%にも達している。これは四十四年度の違反率で四七・七%、これがいわゆる労働災害発生の大きな下地になっているのではないかと思います。この点については、いつも労働基準監督行政の強化についてそれぞれ指摘をされているわけでありますが、その違反率五〇%弱としても、これはもう最低の基準であって、いわゆる一定の基準すれすれでそれを守ればいいというような問題じゃないわけです。   〔伊東委員長代理退席、小山(省)委員長代理着席〕 こうしてみますと、いわゆる工場の作業場内における労働災害の防止、労働災害の発生を未然に防いでいくということについては、さらに強い姿勢で行政指導に当たらなければならないのじゃないかというように思うのでございますが、この点どのように対処していらっしゃるのか、その点ひとつお答えいただきたいと思います。

北川俊夫労働省労働基準局安全衛生部長

○北川政府委員 最近の事故の趨勢を見ますと、昭和三十六年以来最近まで災害の発生件数が実は非常に減ってきております。件数でいいますと、かつて年間四十二万件ございましたのが、三十八万件くらいに減ってきておりますが、最近の状況を見ておりますと、どうも災害の減り方が少ない。それから、先ほど先生御指摘のように、死亡災害、重大災害がかなり多く発生しておるということの、なぜそういう背景をつくっておるかというようなことを分析してみますと、やはり安全衛生規則が必ずしも十分守られておらないという点が一つでございますが、もう一つ突っ込んでみますと、安全衛生規則の違反はないけれども事故が起きておるというような例もございます。これは最近の技術革新あるいは新しい原材料の導入に、安全衛生規則が追いついていっていないというような面もあるいはあるんではないかと思いますが、われわれの姿勢としましては、いま先生が御指摘のように、最低基準で災害が発生しないように、あるいは病気にならないようにというような消極的な態度にとどまらずに、もう一歩前へ出て、いかにして健康にして安全な職場をつくるかというような良好条件、最低条件を一歩越えたような望ましい条件の指導ということもこれからはやらなければならない、こう考えております。

古川雅司公明党

○古川(雅)委員 こうした労働災害が起こるたびごとに私思うのでございますが、監督に当たられる労働省としては、常にその職場の責任者、作業に携わる人が、いわゆる安全確保に全力を尽くしてくれというふうに呼びかけることにとどまっているんじゃないか、それしかできないのじゃないかというような非常に危惧を感ずるわけであります。  ここで一つ問題になりますのは、わが国におけるいわゆる安全担当者といいますか、事業所の中で安全を確保していくために責任をとっていく、その担当者の地位が非常に問題になるのじゃないかと思います。私もかつて工場に勤務していた経験がございますけれども、安全衛生委員なんというのは——それは特異な工場だったかもしれませんが、それぞれ順繰りに一カ月交代にかわって、そして腕章だけは巻いて一通り工場内を見て歩くというようなことも現に行なわれておりました。今日それがどう改革されてきたか、全体的には私はつまびらかではありませんけれども、いずれにしてもこの安全担当者の地位の問題、これは今後の大きな課題になると思います。これは私書物で読んだのでございますが、いわゆる先進諸国といいますか、労働安全衛生の施策について真剣に考えている国々では、安全技師というような立場、いわゆるセーフティーエンジニアといいますか、そういう地位が確保されている。しかも、そういう例としてアメリカでは非常に高度の教育を受けて、全米の安全技師協会というような機関でさらに訓練教育を受けて、そしてこれが企業の安全水準をささえているというのが実情であるというように聞いております。こうした安全技師は、もちろんその企業の中でも非常に尊重されておりますし、地位が保障されている。こういった点の開発構想という点も、やはり労働省が主体になって、文部省ともこれは当然連携をとらなければならない大きな問題でございますけれども、検討され実現の方向へ向かうべきではないかというふうに思うのでございますが、労働省内ではこの点についてはどのようなお考えを持っていらっしゃいますでしょうか。

北川俊夫労働省労働基準局安全衛生部長

○北川政府委員 災害を防止するためには、やはりその企業あるいは産業の最高責任者が、安全について非常に熱意を持っておるのが一番効果があるというのを、私たち実態に当たりまして感ずる次第でございます。そういう観点からいたしますと、安全管理者といいますか、あるいはそういう組織というものがはっきり確立しておって、相当な権限を持っておるということが不可欠の要件だろうと思います。  では、いまの日本の企業、産業における安全管理組織あるいは安全管理者というものが、御指摘のように権限の面あるいは地位の面でどうかといいますと、一部においては社長みずから陣頭に立って非常に御熱心な企業もございますが、一部は非常に形式的に流れておる。安全委員会というのは開くけれども、月に一回全くおざなりに開くというところもございます。そういうところにやはり災害が絶えない原因の一つがあるのではないか。いま先生御紹介のように、私たちも漏れ聞いておりますけれども、アメリカとか西ドイツ等では、セーフティーエンジニアという制度がかなり確立をしております。その人は高度の専門的知識を持つほかに社会的地位も相当高いようでございます。そういう人たちが企業内においてあるいは企業外におって、コンサルタントとして企業、産業の安全管理について相当な貢献をしておるということは、われわれとしては十分学ばねばならないのではないか。現在そういう問題についてどうするかというようなことは、実は専門家の先生方によって検討していただいておりますが、その検討の中間報告の中でも、安全技師といいますか、セーフティーエンジニア制度の導入というようなことが指摘をされておりますが、今後そういう問題につきましては前向きに取り入れるような方向で努力をいたしていきたい、こう考えております。

古川雅司公明党

○古川(雅)委員 そういう安全技師の制度を採用すべきかどうかということを、それこそ最終的に決断をする段階に迫っている。いまの部長のお話をお伺いしましたのですが、この点について、そうした答申を受け、それを受ける側のおたくのほうの局として、あるいは大臣としての姿勢といいますか、その点はどうなっておるのでしょうか。

北川俊夫労働省労働基準局安全衛生部長

○北川政府委員 実は余談のような話になりますけれども、先日、関東電気工事の社長さんが「ゼロ災害への挑戦」という本をみずからお出しなりまして、そしてその問題について大臣にぜひお話しをしたいということで、大臣が一時間ほど社長といろいろお話しをなさいました。その中で社長が非常に強調されましたことは、いま先生御指摘のように、安全についてはまずトップレベル、経営首脳が自覚する、それからその組織が確立しておる——セーフティーエンジニアとは言われませんでしたけれども、安全管理者というものを重役ぐらいがやるというような、そういう技術専門の重役をそういうものに充てることが重要だというようなことを強調されまして、大臣はそれに対して非常に共感を覚えておられます。そういう意味からいたしますと、こういう方向につきまして労働省首脳も、この採用につきましては積極的な御判断をお持ちだろうと私たちは推測をいたします。

古川雅司公明党

○古川(雅)委員 安全技師、この制度の検討につきましては、今年度はともかく、来年度に入って現在よりさらに進めて検討を加えていくというような御予定でございますか。

北川俊夫労働省労働基準局安全衛生部長

○北川政府委員 安全衛生対策全体がやはり産業の伸展にややおくれておるのではないかというような反省もいたしております。したがいまして、安全衛生行政そのものの全般的な検討に取り組もうということでございますが、その中で来年度それに取り組むとするならば、この安全管理組織、特にセーフティーエンジニア制度の導入というものが一つの大きな項目というふうに考えて今後取り組んでいきたい、かように考えております。

古川雅司公明党

○古川(雅)委員 時間がございませんので、アセチレン等の高圧ガス爆発事故に関連した安全衛生行政についてのお尋ねはここで終わるわけでございますが、いずれにいたしましても、事故が起こってしまいますと、言うまでもなく非常に悲惨な結果を招いているわけでありまして、今後ともひとつ万全を期して事故の激減、むしろそれよりも、いま御答弁のおことばの中にもありました、災害事故ゼロへの挑戦ということで、ひとつ果敢に御努力をいただきたいと思うのでございます。  第二点についてお伺いをするわけでございますが、これは先ほど来公害防止という見地から二、三御質問があったようでございまして、今回労働省におきましては、いわゆる有害物質を取り扱っている事業所の総点検を行なわれました。その結果を十一月の三十日に発表をしていらっしゃるわけでございますが、この点に関連しまして二、三お尋ねをしてまいりたいと思います。  いまさらここであげるまでもないのでございますが、一昨々日でしたか、厚生省の所管でいわゆる毒物及び劇物取締法の改正案の審議があったわけでございます。その中でいわゆる工業中毒しいいますか、作業場においてこうした毒劇物を取り扱っている作業員が中毒症状を起こしていく、疾病にかかる、こういった災害——職業病ともいえると思いますが、こういった点についても問題が出たわけでございます。この点はいわゆる労働基準法あるいは就業規則等にわたっていくんだというようなことでございまして、実際その取り扱いの管理責任の所在については、明確な厚生省としての答弁は得られなかったわけであります。こうなってまいりますと、当然労働省のほうにおきましても、いわゆる労働安全衛生規則の百七十四条ということが一つの大きな問題として浮かび上がってくると思います。「排気又は排液中に有望物又は病原体を含む場合には、洗じよう、沈でん、ろ過、収じん、消毒その他の方法によつて処理した後、これを排出しなければならない。」先ほど来、公害と関連をしてこの点の指摘が二、三あったわけでございますけれども、この点について、この条文の適用、運用に非常に具体性を欠いているのじゃないかという感じがするのでございますけれども、この点についていかがでございますか。

北川俊夫労働省労働基準局安全衛生部長

○北川政府委員 事業場内で有害物を取り扱います場合には、いま御指摘のございましたように、労働安全衛生規則の百七十二条以下特に百七十四条の規定によりまして、それを取り扱う労働者の健康を保護するということにいたしておりますが、御指摘のように、百七十四条というのは、何でも引っかかるように、有害物あるいは病原体を含むような場合にはこれこれ、洗浄とかそういう措置をしろということ。ではどういうものについて取り締まりをするか、あるいはどういう措置をなすべきかというような点が不明確である、こういうように考えます。

古川雅司公明党

○古川(雅)委員 この百七十四条につきまして、いわゆるきめ手になっていく排出の抑制基準値というものがあるわけです。これが、伺うところによりますと、鉛、四エチル鉛、それからPCP、ベンジジン、この四種に現在のところ限られているということでございます。いわゆるカドミウムとか水銀、弗素、塩素ガス、それからCO——一酸化炭素でございますね、そういった非常に公害と関連のある物質については、この基準が明らかにされていないという点は一つ問題じゃないかと思うのでございますが、安全衛生管理の面から、この点についてはいかがでございますか。

北川俊夫労働省労働基準局安全衛生部長

○北川政府委員 御指摘のように、特別則で、たとえば四アルキル鉛とかあるいは有機溶剤とか、それから鉛中毒予防則というようなもので取り締まっておりますほか、ベンジジン、ベータナフチルアミン等は、通達をもちまして排出等につきまして規制を行なっております。それ以外の御指摘のシアンとかあるいはカドミとか、そういうものにつきましては何らの基準を示しておりませんでした。先般の総点検の結果、労働者が非常に危険にさらされる物質というものがクローズアップされてまいりました。例をあげますと、たとえばクロムとかシアンとかカドミとかアンモニアとか、そういうものにつきましては規定がございませんけれども、やはり労働者がそれをかなり扱って疾病も出ておる、こういう結果でございますので、百七十四条の中身につきまして、排気についてはどういうものを重点にやるか、あるいは残滓物についてはどうするかということをいま検討中でございます。  一応そのおおむねの方向を申し上げますと、排気につきましては今後ベリリウムとか、きょうの新聞で問題になっておりますアスベスト(石綿)、それからベンジジン、ベンジジンはやっておりません。有機燐、砒素、こういうものを考えておりますし、排液の関係でもアルキル水銀とかあるいはクロムとかシアン、それから残滓物でもカドミ、鉛、こういうようなものを今後検討いたしまして、その抑制目標あるいは基準というものをどこに置くか、それに近づけるためにはどういう措置をすればいいかというような具体的指導等も、法令の整備とともに通達等で明らかにしたい、こう考えております。

古川雅司公明党

○古川(雅)委員 これは、先ほど藤田委員の御指摘にもあったと思うのでございますが、そういった基準、抑制のきめ手がない上に、それを検討するというようないま段階ではないと思うのです。  さらに大きな問題になってくるのは、労働省自体の人手不足によって監督行政のしようがないという点がもっと大きい問題じゃないかと思うのでございますが、この点はいかがでございますか。検討もけっこうでございますし、当然基準をきめていくことも十分これは必要でありますし、これまで野放しになってきたということが最大の問題でございますけれども、基準を定めてそれをまた監督していかなければならない、指導していかなければならない。人手不足の面についてはいかがでございますか。

北川俊夫労働省労働基準局安全衛生部長

○北川政府委員 御指摘のように、いま基準監督官が全国で約二千七百名程度でございます。全事業所についての監督がなかなか行き届かないという点がございます。特に最近では機械設備が非常に新しくなる、あるいはいままで知られなかったような工業中毒が出てくるということで、数が足りない上に、そういう面についての資質の向上というものが不十分であったという点は、率直に言って認めざるを得ないと思います。先ほど大臣も答弁いたされましたけれども、一挙に大幅増員ということはなかなかむずかしいにいたしましても、われわれはこの三年間で、少なくとも一倍半くらいになるような増員を関係当局に予算要求として提出しておりまして、ぜひとも今度の公害のこの総点検の結果等もあわせまして、第一線の基準監督官の増員、資質の向上ということが必要でございますので、何とか実現させるということで、全省打って一つになりまして努力をいたしてまいりたいと思っております。

古川雅司公明党

○古川(雅)委員 今回この有害物質取り扱い事業所を総点検されたということは、労働省としては初めての試みではないかと私記憶いたします。ただその場合、やはり非常に体制が弱体であるということ、これは調査にあたっても非常に苦心をされた点じゃないかと思います。現に調査に当たった監督官がほとんどろくな検出器具といいますか、そういうものも用意していない、あるいは有害物質についての十分な研修も受けるいとまがないまま調査、点検に携わらなければならなかったという点、この総点検の成果が今後評価されればされるほど、こうした実態の掌握と、そしてまた対策を立てていく上において重大になってくるんじゃないかと思うのでございます。これは部長であるあなたを責めてもどうにもならない問題でございますけれども、特にこうした有害物を取り扱っている事業所に働いているそういう作業員の健康のために、あるいは危害防止、安全保持のために、やはりこういった総点検について十分認識をして、その機能を拡充していくべきではないか、強化していくべきではないかと思うのでございますが、その点、労働大臣とどういうことにお話しになっているか、また、政府首脳部に対してどういう働きかけをしているのか、その点伺いたいと思います。

北川俊夫労働省労働基準局安全衛生部長

○北川政府委員 いま御指摘のように、これだけの全国にわたって悉皆調査に近いような調査は基準局でなければできない、私はこういうふうに思います。全国的なこういう有害物についての調査が不十分であるけれどもできたということは、これから事業場内の有害物取り締まりをやるにあたって一つの新しい段階に一歩踏み出たんだ、そういう自負をいたしております。  ただ、御指摘のように、では第一線の監督署に検知器とかあるいはそれをこなし得る能力の職員が十分であるかどうか、あるいは絶対数において監督官が不足であるではないかというような点につきましては、もう先ほども御答弁申し上げたとおりでございますが、きょうの閣議でも、公害罪関連の監視員というようなことが問題になったようでございますが、労働大臣からは積極的に御発言をいただきまして、いまある司法権を持つ基準監督官、それの活用、それの増員というものをひとつぜひ検討してほしいという御発言を閣議でなさったと伺っておりますし、大臣はじめ大蔵大臣にも直接お願いをしておられるようでございますので、今回の場合は、いままでになくぜひ監督官陣容の充実をやりたいというのが労働大臣の御意図だろう、こういうふうに推察しております。

古川雅司公明党

○古川(雅)委員 今回のこの事業所の総点検につきまして、私は、この「週刊労働ニュース」という新聞の十二月七日付で読んだわけであります。そのほかの新聞にも報道されておりまして、当局のほうからも調査結果の概要について資料をいただいておりますし、いずれにいたしましても、有害物質を取り扱っている事業所の実態、そしてまた有害物質の排出処理の状況あるいは健康障害に対する健康診断の結果、そういったものを重点的に調査をしておられるわけでありますが、この総点検の結果をどう今後の安全衛生対策に生かしていくか、この点に大きな労働者としての期待が集まると思います。この調査で明らかにされましたように、六十五万人の人たちがこうした危険な労働環境の中に置かれているというこの実態ですね。そしてまた、この総点検の結果によりまして、その中から千九百四十五事業所に労働衛生規則違反で警告や行政措置を行なったというふうに報告をされているわけでございます。この総点検のそういう報告を受けたわけでありますけれども、先ほどの質問にもございましたように、再度やはり労働者の保護という立場で、これ以上危害を拡大しないという意味で、このあとどういう手を打っていかれる予定か。さらに警告を続けていくというような措置によるのか、あるいは何らかの行政指導というものを考えていかれるつもりか。さらに基準監督局の指導にもかかわらず、その改善に努力をしないというようなそうした事業所が当然出てくると思いますが、そういう事業所に対してどういう態度で今後臨んでいくおつもりであるか、その点をお伺いしたいと思います。

北川俊夫労働省労働基準局安全衛生部長

○北川政府委員 今回の調査を今後行政にどう反映さしていくかという問題でございますけれども、今回の調査によりまして、どういう地域にどういう物質が使われておって、どれだけの有所見者がいるかということが明確になってまいりました。そういう意味では、行政の的をしぼることができるのではないか。先ほど百七十四条については、抽象的でしり抜けではないかという御指摘がございましたように、ややおそきに失しますけれども、百七十四条をもっと明確にしようということで、先ほど申し上げたような物質等につきまして、早急に抑制目標あるいは基準あるいはそれの措置というものを明らかにするということが第一点でございます。それから、健康診断をあわせてこの際やっておりますけれども、法律で健康診断を義務づけております、特殊検診を義務づけております業種につきましては、八〇%から九〇%の実施率であるにかかわらず、行政指導あるいは法律の規制のない業種につきましては、二〇%くらいと非常に、実施率が悪い。その結果、有所見者の数につきましてもはなはだ信用できないような数字ではないか、その部面についてはそういうような感じもいたしますので、健康診断の実施義務についてもっと広く業種を指定する必要があるのではないか。あるいはそれに応じて検診項目も追加する必要があるというようなことでの行政面の充実をまずいたしたいと思います。  それから、もうすでに一部につきましては器具等を配置をいたしておりますけれども、まだまだ検知器あるいは測定器というようなものが不十分でございますので、これにつきましては、来年度予算でかなりの増額要求をいたしておりまして、それの実現をぜひお願いをいたして、今度の調査の場合には、少なくとも清浄装置があるかないかというだけでなくて、なければ、ではその結果どうなっているか、あるいはあっても有効に働いているかどうかというようなところまで突っ込んで、そのときは物質をしぼらなければいかぬかと思いますが、そういうもっと正確な一歩突っ込んだ総点検というものもなるべく早く実施をいたしたい、こう思っております。  それからもう一つは、こういう結果もございますし、それから最近続発しておりまする災害、さらには古寺先生御指摘の新しい職業病対策という意味からも、何といいましても第一線機関の増強というものに結びつけていきたい、そういう方向で今後努力をいたしたいと思っております。

古川雅司公明党

○古川(雅)委員 この有害物質を取り扱っている事業所の問題につきましては、公害問題が今日これほど大きな社会問題としてそれこそ臨時国会が開かれるまでの大問題に発展しながら、そういうものを実際に取り扱っている事業所自体において、こうしたシアンとかクロムとかカドミウムあるいは石綿とか鉛とか、そういったものを取り扱っている全国の工場、事業所の七割がほとんどその処理施設を持っていない、あるいは二割余りが廃液や残りかすの処理装置を持っていない、こういったことをこの総点検によって明らかにしたわけであります。これは、一面から言えば非常にショッキングな総点検の結果の公表ではなかったかと思います。こうしたシアンなんかを未処理のままにたれ流しているというようなことが今回の臨時国会の論議の中にずいぶん繰り返されましたけれども、少なくともこうした有毒物、毒劇物の取り扱いについで、これはやはりこうした事業所の中で個々の作業員が取り扱っていくその危険の中で、そうした労働環境の中に置かれているという点から考えますと、これまでいろいろ御答弁をいただいてまいりました数々の問題点について、これはもう早急に対処しなければならない。さしあたって今度の総点検の結果をどう反映していくかという点についてはいま御答弁をいただいたわけでありますが、昭和四十六年度、来年度の労働省の施策の中にこれが大きく反映され、大きな効果を生むように期待をいたしまして、ちょうど私の持ち時間になりましたので、これで質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。

小山省二自由民主党

○小山(省)委員長代理 西田八郎君。

西田八郎民社党

○西田委員 時間がだいぶ延びておりまして、連日の審査でお疲れのところでありますから、簡単に質問をいたしますから、ひとつ答弁のほうも簡潔明瞭に御答弁を賜わりたいと存じます。  最初に婦人少年局長にお伺いしたいのですが、最近ウーマンリブというようなことばも出てまいりました。アメリカで昨年の八月に火がついたようでありますけれども、まあこのウーマンリブが日本でも非常に話題となりまして、連日テレビの企画ものに登場をいたしております。事ほどさように女性の解放という問題が非常に大きな問題になっておるわけでありますけれども、しかし日本ではまだ国際労働機構、いわゆるILOの条約でありますが、批准されていない条約あるいは勧告等があるように思うわけでありますけれども、それについて一体どういうものがまだ批准されないままになっておるか、ひとつお伺いをいたしたいと存じます。

高橋展子労働省婦人少年局長

○高橋(展)説明員 ILO条約のうち、婦人に関するものについてのお尋ねだと思いますが、今日まで批准しておりませんものといたしましては、ILO条約の第八十九号条約というのが一つございます。これは工業に使用される婦人の夜業に関する条約でございまして、いわゆる婦人の夜業を制限する趣旨の条約でございます。それから第百三号条約というのがございます。これは母性保護に関する条約でございまして、産前産後の休業その他を定めたものでございます。それから第百十一号条約がございますが、これは雇用及び職業についての差別待遇に関する条約でございまして、これは必ずしも女子ということが条約の主眼ではございませんが、これも一応女子に関する条約として未批准のものとしてあげられるかと思います。

西田八郎民社党

○西田委員 いずれも戦前から戦後にかけて非常に問題になってまいった条約といいますか、婦人の労働基準に関する問題が非常に多いと思うのですけれども、これが批准されないで今日まで放置されている理由は何か特別にあるのですか。

高橋展子労働省婦人少年局長

○高橋(展)説明員 一般的に申しますと、わが国の国内法は、いま申し上げましたような条約と、その基本的な精神あるいは趣旨においては大きな相違があるという点はないわけでございますが、なお細部にわたって形式的な問題あるいは技術的な解釈等において、必ずしもILOの条約の規定するところと合致しない点が幾つかあるために批准いたしかねるというのが現状であると思います。

西田八郎民社党

○西田委員 その条約と、日本のいわゆる基準法あるいは安全衛生規則、そうしたものとの関連において合致しないというのはどういうところでしょうか。

高橋展子労働省婦人少年局長

○高橋(展)説明員 たとえば先ほど申し上げました八十九号条約でございますが、これは婦人の夜業を禁止する趣旨でございますが、その中でILO条約は夜間ということの定義を日本の基準法よりもやや厳密に定めているという点でございます。わが国の基準法では午後十時から午前五時までの七時間、これを深夜業として禁止するわけでございますが、ILO条約におきましては、午後十時から午前七時に至るまでの間における継続七時間を含む十一時間と、このような規定がございますために、一応日本のとは相違がある、このようになるわけでございます。  また、母性保護に関する百三号条約につきましては、おもな相違点といたしましては、ILO条約のほうでは出産休暇の期間を少なくとも十二週間としまして、特に産後につきましては六週間を下ってはならないと、このようにいたしております。わが国の労働基準法も、趣旨におきましてはやはり産前六週間、産後六週間と同じような考え方ではございますが、しかし産後につきましては、五週間を経過した後は本人の請求があれば働いてもよろしい、働かせてもよろしいとなっております点が一つ差異がございますのと、それから産前産後の休業中の給付につきまして、ILO条約はその従前の所得の三分の二を下ってはならないといっておりますのに対して、わが国の健康保険法によりますと、産前産後休業中の支給は標準報酬日額の百分の六十ということで、三分の二と百分の六十という僅少な差ではございますが、一応合致いたさないわけでございます。これらがおもな点でございます。  それからもう一つの百十一号条約については、これは雇用におけるあらゆる差別を排除するという趣旨の条約でございまして、その際、人種、皮膚の色、性、宗教、政治的見解、国民的出身または社会的出身、それらを理由とする差別を排除するといっておるわけでございますが、わが国の国内法におきましては、御承知のとおり基準法におきまして労働者の国籍、信条、社会的身分をあげ、また賃金については性別による差別を排除しているのでございますが、皮膚の色であるとか、あるいは人種、国民的出身というようなことは、わが国の問題意識としてもそのようなものは盛り込まれていないといったことがございまして、やや形式的ではございますが、一応合致しないという点としてはあげられるかと解釈いたします。

西田八郎民社党

○西田委員 そこで大臣にお伺いするのですが、いま局長の答弁のありましたように、まあ問題点は多少残っておりますが、しかしそれも大差はないということであります。解釈のしようによっては非常に大きな差にもなります。解釈のしようによっては小さな差ということになるかもわかりませんけれども、いずれにしましても、日本が今日経済大国としてこうした発展をしてまいったわけでありますし、特に東南アジアのいわゆる先進国としてやはり他に範をたれていかねばならぬこの日本でありますから、その中の労働者の基準、特に婦人というよりも、私は男女という感覚ではなしに母性を保護するという立場からのこれは定めではなかろうかと思うのです。そういう意味からいきますと、やはり早急にこれは基準法を改正をするか、あるいはそうした措置をとってこれは批准すべきだと思うのですが、大臣いかがですか。

野原正勝自由民主党労働大臣

○野原国務大臣 御指摘のとおりでありまして、もうILO条約の点はできるだけ早く批准ができますように国内の体制を整えまして、できるだけ早い機会に批准ができますように努力いたしたいと考えております。

西田八郎民社党

○西田委員 それで大臣、これは私的なというと少し語弊があるかもしれませんが、労働基準法の改正等について研究会をお持ちのようなんでありますけれども、これは公的な機関ではありませんのでなにでありますけれども、もしその研究会の経過等についてお話がいただける点があるなら、どの程度まで進んでおるのか、ひとつお聞かせいただきたいと思います。

野原正勝自由民主党労働大臣

○野原国務大臣 労働基準法が制定されましてからもうすでに二十四年を経過しておりまして、労働者の保護、労働慣行の近代化等に大きな役割りを果たしておるわけでございます。他方、この間におけるわが国のめざましい経済成長や技術革新の進展に伴いまして、労働事情や労働の態様等に変化が出て、労働基準法の運用においても種々の問題が発生しておるようでございます。このような実情にかんがみまして、学識経験者二十名に研究委員を委嘱いたしまして、昨年の九月から労働基準法研究会を開催いたしまして、労働基準法の実情及び問題点について、実態的、法制的調査研究をいただいておるところでございます。この調査研究は、あくまでファクトファインディングを目的とするものでありまして、いずれ研究の結果をちょうだいいたしました上で検討いたしたいと考えております。

西田八郎民社党

○西田委員 さらに、条約の批准を先にして、それから国内法を改正するという手続も私はあるように思うのです。ですから、やはり条約を批准してないということは、これは特に女性の深夜業等につきましては香港の英国政庁あたりからもかなりきびしい批判が生まれておるわけであります。日本の基準法では婦人の深夜業は禁止されているのです。中には悪徳な人がありまして、違反を犯している人も——私自身も摘発した経験もありますが、おりますが、しかし法律では定められている。ところが、ILO条約を批准してないということが、これが香港あたりでは日本は条約を批准してないのだから、法律ではああいうふうになっているけれども、実際は深夜もやっているのだというような、非常に悪い面での宣伝が行なわれておるわけであります。  日米繊維交渉がデットロックに乗り上げておりますが、おそらくやがて解決するでありましょう。そうなりますと、香港、台湾、韓国といったようないわゆるアジアの開発途上の国々との競合というのは避けられないことだと思うのです。そういう中で日本の婦人の労働に関してそうした悪質なデマゴギーといいますか、それが流れては、私は日本の名誉のために、また実際にこれを守っておられる労働省の各位の方々にとっても、これはうれしくない、好ましくないことでありますから、ぜひとも条約の批准をお急ぎいただきたいと思いますが、重ねてひとつ御決意を聞かしていただきたいと思います。

野原正勝自由民主党労働大臣

○野原国務大臣 御指摘のような方向で急ぎたいと考えております。

西田八郎民社党

○西田委員 次に、東京の商工会議所が、ちょっと日月はさだかではないのですが、一月ほど前であったと思うのですけれども、労働基準法に関する意見書というものが提出されてまいりました。これにはいろいろの商工会議所としての要望意見がかなり多く盛り込まれておるようでありまして、新聞等によりましても婦人の深夜業を禁止しておるから婦人の就労の場所が非常に少なくなるのではないか、あるいは生理というものは女性につきものなんだ、そういうものに対して休暇を与えるということは、これは男女差別ではないかというようなこともいわれておるようでありまして、これはもとに戻るといいますか、非常に後退する姿勢のものがいま出てきておるように私は感ずるわけでありますが、この意見書につきましては、労働省として正式にこれはお受け取りになっておるものか、それとも非公式にそういうものが発表されたものによって論じられたのか、その辺のところをお聞かせいただきたい。

野原正勝自由民主党労働大臣

○野原国務大臣 東京の商工会議所から意見書を受け取っておるそうでございます。いずれあとから御報告申し上げますが、この機会に申し上げますが、会議所からの御意見が出ましたといっても、すぐに法律の改正等行なう考えはございません。これはやはり労働基準法研究会等の研究の結果と相まちまして、今後慎重にひとつ検討してみたいと考えております。

西田八郎民社党

○西田委員 慎重に検討するとかしないとかいう問題よりも、これは東京商工会議所として正式に労働大臣あてに提出された意見書であるのかどうかということを聞いておるのです。それに対して労働省としては受理されておるのですか。

吉本実労働省労働基準局監督課長

○吉本説明員 東京商工会議所から正式に大臣あてに意見書として出ております。

西田八郎民社党

○西田委員 そうしますと、正式に受理したものであるとするならば、やはり検討をしてそれは回答をしなければならぬと思うのです。したがってその解答をするような準備をしておられるのかどうか。

吉本実労働省労働基準局監督課長

○吉本説明員 その意見書につきましては、一々回答を要請しているような内容ではございませんし、もちろんそういった要望ということにつきましては、ただいま大臣からお話がありましたように、基準法研究会の場におきましてもいろいろ検討されておるところと存じます。

西田八郎民社党

○西田委員 そこで婦人少年局長に伺うのですが、私も持っておって聞くのはどうかと思われますけれども、やはりはっきりとお答えをいただいておいたほうがいいと思います。この意見書の中で、婦人の労働に関する問題でどういう点が問題になってきているのか、ひとつお聞かせを願いたい。

高橋展子労働省婦人少年局長

○高橋(展)説明員 ちょうどだだいま私手元には持っておらないのでございますが、大体において記憶いたしておりますところは、まず女子の時間外労働の制限、これを緩和してほしいというのが第一点であったかと思います。それから、先生御指摘の深夜業の禁止についても緩和してほしい、あるいは生理休暇の規定について再検討を求める、そのようなことがおもな点であったかと思います。あるいはまた特に女子に多いパートタイムの雇用の諸条件について基準法の規定をさらに明確なものにしてほしい、このようなものがあったかと思います。

西田八郎民社党

○西田委員 そこで、それらの問題に対して、婦人少年局長の意見をひとつ聞かしていただきたいと思うのです。その意見書の内容については大体御存じなんですね。したがって、その内容について見解の御表明というものをしていただけませんか。

高橋展子労働省婦人少年局長

○高橋(展)説明員 先ほど大臣もお答えになられましたように、この意見書が提出されましたということは、これは数あるいろいろな意見書の一つというように私ども考えておりまして、ほかからもまた違う趣旨の意見書等も参っておりますので、私どもといたしましては、あくまでも参考にするということでございますが、一応お尋ねの点についての考えを申し上げますと、先ほど申し上げました女子の労働時間あるいは休日、深夜業等の制限の緩和という点でございますが、これにつきましては、やはり諸外国におきましても同様の規定が設けられているわけでございますし、何と申しましても女子の母性という特質、これを守るというところからの規定でございますので、それをゆるめるというようなことは軽々にきめることではない、そのように考えるわけでございます。  それから、申し落としましたが、会議所の御意見のもう一つの重点は、女子の危険有害業務就業制限、これをゆるめるという趣旨のものがあったわけでございます。この点につきましては、基準法で女子の就業してはいけないという業務をかなり広くきめているところでございます。しかし、それにも幾つかのカテゴリーがございまして、一定の経験、技能等を要する危険な業務が法の四十九条によってきめられておりますが、それには女子を就業させない、また、一定の重量物を取り扱う業務について就業させない、また、年少労働者について就業を禁止している危険有害な業務のうち一定の業務、その三つのカテゴリーについて就業の制限の規定があるわけでございます。これらは、就業の制限の規定が設けられたのは、もちろんそれなりの十分な理由があってのことでございますが、やはり二十年をけみしました今日、作業の態様等にも大きな変化が出てまいり、また、女子の能力あるいは学歴等にも非常に大きな変化があるという点から、この就業制限が必ずしも女子の能力発揮とマッチするとは限らない、そのような問題も起こってきているようでございます。私どもといたしましては、女子の能力の発揮という一つの大きな目標と、それから女子の母性の保護、この接点というものを見出していくべく慎重に検討してまいりたいと考えております。  それから、生理休暇の点でございますが、生理休暇につきましても、基準法では、女子であって、生理日に就業が著しく困難な者あるいはその生理に有害な業務に従事している者が請求した場合には就業させてはならない、このような規定になっているわけでございます。これも当然に母性保護の見地から設けられた制度でございまして、意味のある制度であると思います。  最近、この生理休暇がとかく問題視されやすいのは、主としてその制度そのものよりは、その運用の面で多少行き違い等がある、そのことが大きな原因であるように思われますので、その点について労使の指導に当たってまいりたい、かように考えております。

西田八郎民社党

○西田委員 ぜひともひとつ、いまおっしゃったような面から——最近は、各事業場等におきましても、育児休職というような制度も取り上げられてきておるときでありますから、特にミセスパワーといいますか、婦人の労働力というものは、これから産業発展のために尽くしていく力が非常に大きいと思う。そういう意味から私は、職場に働く婦人の生理的な面と、もう一つは、反面、先ほどもお話がありましたように、母性としての女性をどう保護していくかという両面からの対策を立てていかなければならないし、だからといって、有能な人たちが家庭の中に引っ込んでいるということも、私は社会的な損失ではなかろうかと思うのです。そういう意味では私は、やはりそれに対する対策というものが十分立てられる中でこそ初めて両面を生かすことができるのではないか。あるいは育児、託児というような問題もいろいろ発生してまいりますが、きょう私その点まで触れようとは思いませんけれども、ぜひひとつそういう面で、東京商工会議所あたりが出されております、あるいはまた、一部の経営者の中にも、そういう改正といいますか、少し女性を甘やかし過ぎるというような意見さえ出ておるわけでありますけれども、これは何といいましても、次代の子供を産んでいく母体なんでありますから、そういう意味からも、ぜひとも保護する点でしっかりと、自説といいますか、いままでのものよりもより高いものを求めてお進みをいただきたいと思うわけであります。  次に、関連をいたしまして、労働基準法でいろいろと問題点が出てきておるようであります。先ほど古川委員の質問の中でも、保安課長から、安全対策基準は守っているのだけれども事故が起こっているというようなことになりますと、一体これはどういうことなんだということであります。公害でもそうでありまして、環境基準は今度一律に定められたのですけれども、いわゆる工場排水等の排出基準が守られているのに水がよごれるというのは一体どういうことなんだということになりますと、私はやはり、これは政府の施策というものが、進んでいく科学あるいは企業の技術というものに一歩も二歩もおくれているためではないかと思うので、そういう点で私は、やはりよほど努力をしていただきまして、そうして企業がやっております研究開発というようなものは秘密にいたしますから、なかなか公表をいたしませんけれども、しかし、そういう面で産業労働研究所等もできておるわけでありますから、そういうところで一歩進んだ研究をひとつ進めていただいて、法律の規定あるいは政府の定める基準が、とにかく時代の流れにおくれているということではどうにもならない。民主国家におきます法律は、やはり生活のルールであるということを考えましたときには、そうした点きわめて重要な問題であろうと思うのです。どうかひとつ、そういう点が監視体制あるいは監督体制等の強化をしていただきまして、そうして現在の基準法、いま婦人少年局長がおっしゃったように、事婦人の問題に関しましては、若干国際的なレベルとの差異もあるようでありますけれども、りっぱな基準法ができておるわけでありますから、ひとつこれを守るために一そうの努力をいただきたいということを大臣に要望いたすわけであります。これは答弁はけっこうでございます。  次に、勤労青少年の国鉄運賃の割引、これは私はこれでもう三回目なんですけれども、なかなか思ったようにやっていただけないので、実は歯がゆく感じておるわけであります。年末も近づいてまいりまして、相当また大量の人たちが帰省をされるわけでありますけれども、これが往復切符を買わなければいかぬというような指導がなされているようであります。これは企業のほうから、そのまま帰りっぱなしになってしまうと、鉄砲だまになると困るのでということであるいは条件をつけているのか、その真偽のほどは知りませんが、そういうようなことで非常に利用がしにくいというようなことを申したわけでありますけれども、ひとつこの点について十分な配慮をしていただきたいと思うのですが、大臣いかがでしょう。

高橋展子労働省婦人少年局長

○高橋(展)説明員 勤労青少年の盆、暮れの帰省のための国鉄の割引につきましては、これは労働省当局、国鉄が御相談をいたしまして、三年ほど前から学生並みに割り引くということにして進めてまいっているわけでございますが、やはりその趣旨が盆、暮れに家に帰るということであって、当面はそこに限定しておりますために往復というふうなことになっているわけでございまして、別にいなくなってしまうとか、そういったことのための強い圧力があったとか、そういったことではないわけでございます。ただ、手続その他でなかなか利用しにくいというような声も私ども耳にすることもございますので、なお一そう国鉄側と相談してまいりたいと思います。

西田八郎民社党

○西田委員 これはどなたにお伺いしたらいいかわかりませんが、いま運輸省のほうで計画されております青少年の旅行村というのがありますね。何か全国に十六カ所指定地をこしらえて、そこへ青少年の心身を健康にするためにということで旅行をさせる、それには政府として一定の補助を与えるというような制度が考えられているようでありますが、労働省の婦人少年局としては御相談に応じておられるのですか。

高橋展子労働省婦人少年局長

○高橋(展)説明員 その件につきましては特に御相談にはあずかっておりません。と申しますのも、青少年の休暇村と申しますか、そういったことで対象が勤労青少年に限らず広くお考えになっていらっしゃるのではないかと思います。

西田八郎民社党

○西田委員 しかし、最近若者の働く数というのはたいしたものです。その産業労働者、いわゆる雇用者でない一般の青少年というのはどれくらいいるのですか、高校、大学を除いて……。

高橋展子労働省婦人少年局長

○高橋(展)説明員 おっしゃいますとおり、青少年人口は大体学生と勤労青少年でございます。学校にも行かない、働きもしないというような人口は、今日ではきわめて少ないわけでございますが、申しわけございませんが、ただいま手元に数字がございませんので……。

西田八郎民社党

○西田委員 いや、私は数字を示せという意味じゃないのです。ほとんどの者が働いておる。働いてない者は学校へいっておる。学校へいっておる人も働いている人とダブっている人がおりますね。そういう中でこういう問題が考えられるときに、労働省の婦人少年局が相談も受けぬというのは、これはどういうことなんですか。これは大臣、ひとつぜひとも閣僚会議ででも主張していただいて、これは絶対に入ってもらわなければいかぬと思いますよ。やはり今日青少年は、職場の中でも、進みいく産業社会の中で人間疎外、労働疎外ということでそれぞれに苦しんでおるわけです。そういう中でやはりストレスもたまってくるわけで、それが転職を余儀なくせしめたり、あるいは定着が悪くなったりするわけですし、一部不良化に進むというのもそういうところから来ると思うのです。したがって、勤労青少年の健全な育成というのは、私は国家の将来の発展のためだと思うので、そういう意味から考えましても、こういう施設ができるというのに、労働省の婦人少年局に全然相談がなかったというようなことは言語道断だと思います。ぜひひとつ大臣、閣僚会議で主張していただきたいと思う。約束していただけますか。

野原正勝自由民主党労働大臣

○野原国務大臣 たいへんいい提案でございます。さっそく運輸省と相談いたしまして実現に努力いたしたいと考えております。

西田八郎民社党

○西田委員 次に、同じ割引のことなんですけれども、洋裁学校やあるいは家政学校、料理学校やなんかに通っている人なんかも国鉄の割引はしておるわけです。ところが、職場の中で、実際には定時制なんですけれども、認可許可という関係から公立高校あるいは私立高校の通信教育という形で、工場の中で人を集めて教育している場所がございます。これは御承知であろうと思いますが、大阪にあります向陽台高校は全国に相当多数の通信教育をやっておるわけです。これはスクーリングということはしたがって少ないのですけれども、しかし公立高校ですからスクーリングをやって、これはやはり必ずその単位を取らなければならないということになっておるわけですが、そういう通信教育生に対して割引がいま行なわれていないという実情であります。これは私は運輸省のほうへ、特に国鉄当局にお願いをしておるわけでありますけれども、いま国鉄は赤字の再建問題が出ておりますだけに、割引制というようなことはけしからぬ、こういうことでなかなか応じてもらえないのですが、私はこれは片手落ちだと思うのです。身分は学生で、そして働きにいっているアルバイトというのもありますし、働きにいきながら学んでいるというのもあります。いずれがいいのか悪いのか、これは判断を軽々にすべきではないと思いますけれども、しかし、そういう人たちにこそそうした社会的な恩恵を与えるのが私は政治というものではなかろうかと思うのです。ましてや向学心に燃えて勉強にいそしむ勤労青少年に対し、片や定時制なり学校の名のつくところへいけばそこで学生割引がもらえる。ところが通信教育生だけは割引がないということは、私は片手落ちだと思うのです。こういう勤労青少年で、働きながら通信教育を受ける生徒の割引についてもぜひひとつ実現をしていただくように特にお願いをいたしたいのですが、大臣、いかがでございましょうか。

野原正勝自由民主党労働大臣

○野原国務大臣 通信教育については、現在スクーリング及び地方における出張試験の際に、一定の条件のもとに、片道百キロ以上の場合に限るということで認められておりまして、国鉄の認めた学校等に限られてすでに行なわれておるということでございます。

西田八郎民社党

○西田委員 それは国鉄公社からのなにですか。

吉本実労働省労働基準局監督課長

○吉本説明員 ただいま大臣からおっしゃいましたとおり、これは文部省の所管になっておりまして、結局通信教育をやる場合の中央の大学等の講義等に二、三カ月来るとか、それから試験を地方でやる場合に、その人たちが試験を受けられるような仕組みでもって割引をするというのは、一般の勤労青少年の割引制と同じようにいままでやっておるわけでございます。ですから、先生のおっしゃいますことは、なおこの範囲を拡大すべしというようなことだと思いますが、その点は文部省なり国鉄当局にもいろいろと今後折衝さしていただきたいと思っております。

西田八郎民社党

○西田委員 ぜひひとつお願いをいたします。  次に、家内労働法なんですが、十月一日からいよいよ発足をいたしまして、かなりな混乱もあるだろうと思うのですけれども、家内労働室長がお見えになっておりましたら、ちょうど一カ月を経過したところでございますが、どういう状況かひとつお聞かせをいただいたらと思います。

高橋久子労働省労働基準局賃金部家内労働室長

○高橋(久)説明員 それでは家内労働法の施行状況について御説明いたします。  まず法の施行体制でありますが、家内労働法は御承知のとおり五月十六日に公布されまして、六月一日から一部施行になり、十月一日から全面旅行されております。この全面施行に先立ちまして、三者構成よりなる中央家内労働審議会を発足させまして、法の施行に必要な省令等の御審議をお願いしたわけでございます。その答申をいただきまして家内労働法の施行規則を作成、九月三十日に公布いたしまして、法の施行の体制を整えたわけでございます。  それから家内労働法につきましては、御承知のようにこれまで労働保護立法の対象とならなかったという新しい分野でございます。また、その労働が家庭内で行なわれているというような特殊性がございますので、法の施行にあたりましてはいろいろ困難な問題が予想されておるところでございますが、私どもといたしましては、まず法の周知徹底ということが一番重点的に行なわれるべきであるというふうに考えまして、法の周知徹底につきましてポスターの掲示、パンフレットの配布あるいは新聞、放送、そういった一般報道機関を通じて広報を行なっております。そのほか、地方公共団体等にお願いいたしまして、その広報紙等に掲載させていただく、このような方法をとっております。また、都道府県労働基準局、労働基準監督署等におきましては、産地を中心にいたしまして集団指導を行なっております。この集団指導の際に、それぞれの産地の特別な問題、安全衛生の問題、労災の問題等について指導いたしております。  それから家内労働手帳でございますが、この家内労働手帳制度は、家内労働法の第三条に規定されておりますが、委託条件の明確化をはかっていく、それから家内労働者の権利の保護ということのための基本的な事項であるというふうに私ども考えておりまして、これも法の周知にあたりまして重点事項としてポスターの掲示にあたってその中に盛り込む。それから、手帳のモデル様式を含めたパンフレットを配布する。それから、モデル家内労働手帳の指導、そのような方法によって普及につとめております。しかしながら、家内労働が自宅で行なわれているとか、家内労働者の協力を要するというようなことのために、その普及は非常に困難でございますけれども、私ども今後とも十分にその点は法の施行の重点といたしまして継続的に努力をいたしてまいりたい、このように考えております。  そのほか、安全衛生の問題、労災の特別加入の問題等ございますけれども、これらの問題を含めまして家内労働法の施行に私ども十分努力してまいりたい、このように考えているわけでございます。

西田八郎民社党

○西田委員 実は私は党のほうのこうした仕事をいたしておりますので、全国へ出張する機会が多いのですけれども、お話しをいたしますと、まだそういうことを聞いていないという人が案外数が多いわけであります。特に駐在人というのですか、まん中に立つ仲介人の人が、自分がそれをすることによって不利になるというような意識が非常に強いようであります。そしてまた、そのためにいままでやってきたしきたりというものがくずれるのではないか、そういう心配からあまり積極的でないようなんです。特にこの点は各地方の労働基準局を督励をしていただきまして、一番家内労働手帳を交付しなければならない人がそういうことであってはならないと思いますので、ぜひひとつ、この点についてのさらに一そうの監督をお願いをいたしたいと思います。  何か意見ばかりみたいになりましたが、できるだけ早い時間に短縮をいたしましてと考えておるわけですけれども、次に住安定局長にお伺いしたいのですが、最近事業所等における定年が五十五歳というのがまだかなりあります。さらに五十六歳、七歳に延びてきているところもあるわけですけれども、そういうことで、定年にはなったけれどもまだ働けるのだという人がたくさんおるわけです。これに対して特別の配慮を今日までしていただいてきたわけでありますけれども、特に今後こうした——老人というと少し言い過ぎでありますので、いわゆる高齢者の就労の機会を与える、付与とか、あるいはまた、そうした人の就業転換等についての指導というようなもので、これはきわめて重要な問題になってこようかと思うのです。若い人がドアマンをしたり、エレベーターマンをしたりということは、私は今日のような状態になってくるともったいないという気がするわけです。そこで、取ってかわって、一応社会の任務を終えたというといささか語弊があるかもしれませんが、そういう高齢者をそういうところへ御就労いただいて、そして持てる力と経験を生かしていただく、これは私は貴重なことじゃないかと思うのですが、高齢者の就労対策について何かお持ちでございましたらお伺いいたしたい。

住榮作労働省職業安定局長

○住政府委員 若年労働力が非常に不足をしておる。しかも、そういう意味で非常に労働力不足になってきておる。これはもう御承知のとおりであります。御指摘のように、定年制というものがわが国にある。最近の傾向といたしましては、平均的には逐年延びてまいっておりますが、それが五十六、五十七、こういうような状況でございまして、非常に長い職業生活あるいは生活経騒、そういう貴重な経騒を生かして働ける職場があるにかかわらず、定年ということで職場を去らなければならない。これは労働力をほんとうに生かして使う、あるいは労働者がその能力を発揮させないままに去らなければならない、こういうような意味で非常に問題だと思うわけでございます。  そこで、私どもといたしましては、そういう高齢者の再就職と申しますか、より適当な職業における再出発という観点から、基本的には、一つは今後のわが国の労働力の状況というものを訴えまして、若年労働力にたよらないで、そういう趣旨でもう一ぺん見直してみる、全事業主、全労働者がそういうように見直してみる、こういう国民的な風潮というものが必要であろうと思います。  さらに、そういった人たちの再就職を促進するための援助といたしまして、先生御承知のように、職業転換給付制度を設けております。これは職業指導期間中における指導手当の支給とか、あるいは職業訓練の場合における手当の支給とか、あるいは職場においてその職場になれるために経験を持つ、そういう場合の手当の支給、事業主に対する謝金の支給、あるいは住宅移転の場合の住宅確保奨励金の支給とか、あるいは雇用促進住宅の建設とか、そのほかいろんな融資制度、こういうことをやっておるわけであります。  それからさらに、これは六十歳以上から六十五歳未満の方々に対しまして、特に雇用を奨励するという意味で、本年度、事業主に対する雇用奨励的な意味での謝金の制度をつくったわけであります。十五職種でございますけれども、非常に成績をあげております。私どもは今後これを一般的な制度として考えていきたい、来年度予算においてもそういうようなものをぜひ広げていきたいというように考えております。  また、職業紹介面につきましては、御承知のように、人材銀行だとか各安定所に高齢者コーナーとか、あるいは区役所、市役所等には高齢者の職業相談室、こういうようなもの、さらには社会福祉協議会に対しまして無料の職業紹介の許可を与えておる、こういうようなことで、できるだけ広く連携しながら就職の機会を見つけ出すお世話をする、こういう体制をとりたいというように考えております。

西田八郎民社党

○西田委員 まことにけっこうでありますけれども、実際はそう実効があがっていないように思うのです。安定所の高齢者コーナーにいたしましても、行くとやっかい者が来たというような扱い方をされるのでいやだという人がおる。私も直接耳にしております。おっさん働けるのかいなというようなものの言い方で、私どものほうで行きますとそういうようなことで、いままで何ぼもらっていた、そんな高いこと言ったってもらえへんでというようなことで、非常な粗雑な扱いをされて、一週間に一回安定所に行くのはかなわぬということで、失業保険ももらわぬとしんぼうしている人を知っております。ですから、そういう点で、本省でいま局長がお示しになったそういうものがちゃんとできておるわけですが、できておるのがまだ実効をあげていない。そういうふうに末端——末端というと語弊があるかもわかりませんが、地方の行政の末端まで浸透していないように思うのです。ですから、この点ぜひひとつ御努力をいただきますとともに、高齢者の雇用促進といいますか、あるいは職業転換あるいは職業訓練というようなことについて、何かひとつまとめておつくりになる意思がありやいなや、それをもう一度お伺いしたいのです。

住榮作労働省職業安定局長

○住政府委員 御指摘のようなことでありますと非常に遺憾でございます。私ども特に高齢者コーナーとか高齢者職業相談室、これを設けた趣旨は、一般の容易に再就職できる方と違って、特別な職業相談なり職業指導を要する、こういう観点からつくっておるわけでございますから、実際の運用がそうなっておるということであればそれはたいへん申しわけないことでございます。それはもう今後十分気をつけまして、ほんとうに親身になって職業相談なりに当たり、その衝に当たる人に十分徹底するようにいたしたいと思っております。  それから、特別な施設を設けるかということでございますが、実は私どもその試みといたしまして、たとえばいま申し上げましたような精神をより生かすために、人材銀行のような、ちょっと安定所とは別な場所における別な相談環境でやるような施設というものを考えておるわけでございます。別につくるかどうかは別問題としまして、やはり安定所にそういうコーナーを置くような場合におきましても、やはり考え方は、人材銀行におけるような環境の中で相談できる体制をつくり上げていく、こういうことは数があればあるほどいいことでございますから、単に一カ所に集中するということのほうがいいのかどうなのか、それともいま申し上げましたような趣旨のものを数多くつくったほうがいいのか、私はどちらかと申しますと、後者のほうに力点を置いて今後やっていきたいと考えておるのでございますが、いずれにいたしましても、その趣旨が生かし得るような施設なり、それから中の人的な関係においてのそういう相談態度、そういうものについては十分配慮してまいりたいというように考えております。

西田八郎民社党

○西田委員 最後に、最近は労働運動自体が非常に流動的であります。そこで、御承知のように日本には主流として総評系と同盟系がある。中立労連もあるわけですけれども、それの組織のいわゆる加盟脱退というのが相次いで、脱退し、新しく加盟をするというような現象も起こっておるわけであります。御承知のように一つの企業の中に、あるいは一つの職種の中に二つの組合ができるというようなことが起こってきているわけです。具体的にどこの組合がどこでどうしたと言えば一番いいのですけれども、これは差しさわりがありますから言いませんが、最近闘争中のある組合で時間外拒否をしておる。ところが、片一方でその時間外拒否、そういうものはいけないのだ、これは現業の個所ですけれども、いけないのだということでストライキに反対する勢力が生まれる。そうしてその人たちが過半数を得て労働基準法によるところの三六協定を締結した。そして基準局に持っていったところが、やはりそういう争いの激しいところでありますから、今度は過半数をなくしたほうの圧力が一段と基準局にかかって、そんなものを認めたら承知ならぬぞというわけで、相当圧力がかかっておるというようなことで、基準監督署のほうもちゅうちょをしておられるようであります。私は、法の規定というものは、たとえ一名でもやはり厳格にやらなければならぬと思う。したがって、それがどういう組合だからということで、組合の信条なりその組合の持っておる闘争方針がどうだということで判断をするのじゃなしに、これが適正に基準法に基づいての協定がなされておるかどうかということで判断をすることが大切ではなかろうかと思う。ところが、その協定を締結して申請を持っていったけれども、どうもこれは非常に——社会問題とまではいかないけれども、かなり政治問題化しましてもめておるということが実際に大阪にあるわけであります。こういうことであっては、何がために法があるのか、これは非常に問題がありますので、そういう点については、ひとつ厳重にお守りをいただくように大臣にお約束をいただきたいのですが、どうですか。

吉本実労働省労働基準局監督課長

○吉本説明員 御承知のように、基準法の三十六条に基づきまして御指摘のような問題があることは私どもも承知をいたしておりますが、やはり法律の規定どおり、過半数の者が中心になりまして協定がつくられれば、監督署は許可をするということになりますが、問題は、争議中の問題になりますといろいろと確認するのがむずかしい、こういう点もございますので、この辺の確認につきましてはたいへんやっかいな問題がいろいろあるのではないかというふうに思っております。

西田八郎民社党

○西田委員 それはわかりますよ。争議中のところにいわゆるスキャッブとして入れるという意味ではなしに、そういうことがかりに禁じられている職種だったら、そういう態様の労働だったらどうするか。争議そのものが違法行為だということになる場合もあるわけです。だからそういう点も十分考えていかなければならぬと思うのです。具体的な例をあげてお話しすれば一番わかりいいのですけれども、こういうところでそういうことを具体的に例をあげてやることは、言うこと自体がはばかられるし、あまり感情的にもよくないので、私は抽象的に申し上げているのでわからぬかもしれませんが、争議でなかったらどうしますか。争議をやっていなかったらどうするかということがあるわけです。ですから、そういう面は、法の規定を厳正に守るということをお答えをいただければそれでいいわけです。大臣、約束してもらえますね。

野原正勝自由民主党労働大臣

○野原国務大臣 御意見は十分尊重したいと思っております。

西田八郎民社党

○西田委員 尊重だけでは困るのです。ひとつ約束をしていただかないと……。

野原正勝自由民主党労働大臣

○野原国務大臣 ではお約束をいたします。

西田八郎民社党

○西田委員 終わります。

小山省二自由民主党

○小山(省)委員長代理 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。    午後五時五十五分散会

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