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64回国会衆議院1970/12/09

社会労働委員会 第4号

発言数
281
登壇者
21
会派数
5
開催日
1970/12/09

会議録

倉成正自由民主党

○倉成委員長 これより会議を開きます。  自然公園法の一部を改正する法律案及び毒物及び劇物取締法の一部を改正する法律案を議題とし、審査を進めます。  質疑の申し出がありますのでこれを許します。川俣健二郎君。

川俣健二郎日本社会党

○川俣委員 自然公園法の一部を改正する法律案の質疑に入る前に、きょうは厚生省の政務次官のお出ましでございますから、冒頭ちょっとお伺いしておきますが、この臨時国会早々この提案が大臣からありました。その際に、提案趣旨によりますと非常になるほどということでありましたが、ところがその提案の趣旨と内容がちょっとちぐはぐだというように感じました。一部改正の勉強を深めれば深めるほど、趣旨と内容がマッチしないというきらいがあるのですが、もう一度政務次官から簡単に、今回、自然公園法を臨時国会であえて改正するんだという気持ちになったその趣旨をもう一度御説明願いたいと思います。

橋本龍太郎自由民主党厚生政務次官

○橋本政府委員 厚生大臣より本委員会に自然公園法の一部を改正する法律案を提案いたしました際の提案理由説明の中に、「すぐれた自然の保護とその適正な利用をはかることが、国民の健康で文化的な生活を確保する上において欠くことのできないものであること、また、このような自然環境の保護につとめることが新しい見地から公害対策の重要な一環であると考えます」ということを申し上げたと思います。  近年非常に貴重な自然があるいは公害、あるいは一部の場所においては心ない登山者等のために破壊をされ、あるいはまた観光開発ということに名をかりて破壊をされ、非常に無秩序な破壊が進められておることを考えますときに、私ども国立公園行政を所管する者の一人として、こうした点での力至らざるを国民に対してはおわびを申し上げなければならないと思います。  ただ、今回公害基本法の第十七条の二項に、公害行政の中で初めて「自然環境の保護」というものをうたいました。先生よく御承知のとおり、「政府は、この節に定める他の施策と相まって公害の防止に資するよう緑地の保全その他自然環境の保護に努めなければならない。」という一節が挿入されたわけであります。従来から自然公園法の中に法的にもさまざまな問題がありましたし、また行政上の問題点もありましたことは、私どもよく承知をいたしております。この公害基本法の中にこうした条文が挿入されました機会に、現在とりあえず私どもとして直ちに実施をしたい点を、この公園法の改正として皆さま方のお手元に配付し、国会における御審議をお願いをいたしたわけであります。

川俣健二郎日本社会党

○川俣委員 それで問題は、提案趣旨が三つにまとめられて提案されましたが、その第一点は、やはり一億の国民全体がわれわれの環境をきれいにしましょうという気持ちがなければだめなんだということ、こういうようなことをうたっております。イデオロギーを度外視してのいわゆる道徳教育的なものは私は必要だと思います。これはたいへんけっこうだと思います。ただ、みんなできれいにしましょうということだけではいかぬ。それはなぜいかぬかというと、利益を追求する企業を営む者が環境に入ってきた場合は、道徳教育だけではだめなのだというところに、このごろの公害問題というのが世を騒がしてきたと思います。  そこで、それじゃ法律をどのようにうたうか、規制するかという際に、第三番目に提案趣旨の中にこういうふうにうたってある。「国立公園にあっては厚生大臣の、国定公園にあっては都道府県知事の許可を要するものとした」、こう書いてある。じゃ許可制になったのだなということで中身を勉強すると、はたしてそういうところはあまり見当たらない。どこかそういうようなことが内容にうたわれておるかということを伺いたいと思います。

橋本龍太郎自由民主党厚生政務次官

○橋本政府委員 いま許可制について、一体どこかというお尋ねであります。たとえば第十八条をごらんいただきたいと思います。この十八条の中にいろいろな、たとえば十八条の第三項に一号から八号までの行為が定められています。またその他いろいろなことがここに書かれておるわけでありますけれども、端的に申し上げて、いま私ども自然環境の破壊の中で非常に急いでおります一つの問題点として、湖沼あるいは湿原、こういうものが人為的な汚染にさらされたがために、自然環境が破壊されつつある。河川においては、一度破壊をされたものであっても、それを回復することは、非常に困難な状況がありますけれども、不可能ではありません。しかし、長期間の滞水をその基本としている湖、沼あるいは尾瀬沼等のような湿原、こうしたものは一度自然環境が破壊をされた場合には、これを回復することは不可能であります。そのために、こうした特に自然回復の不可能なようなものについて、その破壊の元凶である汚水、汚物等の排出を規制したい、そうして自然環境が保持されるようにしたい、これが今回許可制に踏み切った大きな基本的な理由であります。

川俣健二郎日本社会党

○川俣委員 それでいいようなんだけれども、問題は、今回の一部を改正する趣旨というものは、許可制にしたのだということなんです。公園部長も見えておりますから御答弁願いたいと思いますが、改正して許可制になったのでしょう。ところが、十八条というのは前から許可制だった。今度改正して初めて許可制になったところはどこの条項かと聞いている。

中村一成厚生大臣官房国立公園部長

○中村(一)政府委員 お答え申し上げます。  ただいま政務次官からお答え申しましたとおり、自然公園法の第十八条では、現行の十八条におきましてはいろいろな行為が許可を受けなければできない、原則としてそういう行為は禁止するという趣旨の規定がございまして、いろいろと書いてございます。ところが、水の景観を保持するということは、いままでの法律には実は抜けておったわけでございます。それで今回それを新たに許可制の中の一つの項目として入れて保護をはかる、こういう趣旨であります。  それでは、従来なぜ抜けておったかということでございますが、従来のわが国の国立公園あるいは国定公園のような自然の中における湖沼、湿原というものは、これはもうだれもよごす者はなかった。そういうものをよごされるということのおそれがなかったわけであります。したがって、そういう湖沼や湿原をよごす行為をあらかじめ法律で規定するということは、およそ昭和六年の国立公園法ができました当時におきましては、考えられなかったわけでございます。しかしながら、最近におきましては、ただいま次官からお答えいたしましたとおり、そのおそれが非常に強く出てきた。そこで、ここにおいて、よごれる前においてそういうことがないようにする必要があるということで、急ぎこの法律の中に、許可の中の一つとして排水を規制するということを入れるようになった、こういう趣旨でございます。

川俣健二郎日本社会党

○川俣委員 それじゃ具体的に入っていきますと、自然公園を構成しておる主人公というものは、大きなものは大体森林と湖沼だと思います。土地、森林、湖沼ということになると、自然のままにしておけばこういう公害問題にならないのだが、どうしても企業を営むというところに問題がある。そうすると、森林を相手にしての企業、それから土地を相手にしての企業、そして湖沼を対象としての企業というものは、産業は非常に限られておる。それは官庁でいうと、森林を相手にするのは林野庁であり、土地は鉱山であり、湖沼は観光その他である。  そこで、公園部長にもう一度伺いますが、森林の場合、自然公園の中だから、簡単にいうと、この木は切ってはいけない、林野庁のほうはその木は樹齢だから切る、こういうような端的なトラブルが最近あったかどうか。

中村一成厚生大臣官房国立公園部長

○中村(一)政府委員 おっしゃいますとおり、木竹を伐採しますことは、自然公園の保護の面からいいますと、これは大きな要素になるわけでございます。つまり、木竹をそのままの形において保存するということが望ましいわけでございます。そこで、先ほどもちょっと触れましたとおり、自然公園法では、特別地域におきまして木竹を伐採するということは、許可がなければできないということになっております。そこで厚生省といたしましては、特別地域の中でも特に自然性の保護がはかられるべき特別保護地区におきましては、木竹の伐採は禁止する、絶対に認めないということにいたしております。それから木竹の伐採につきましては、特別地域の場合におきましては一定の基準を設けまして、そうして木竹の所有者の方々あるいは所有者の方々が委託をしてその木竹を伐採されるという場合におきまする基準を設けておるわけでございます。現在におきましては、この特別地域におきまして、その実態によりまして、あらかじめ相当長期にわたりまして相談をいたしまして、そうして区域をきめる、こういうふうにいたしております。  それで、いま先生御指摘の、いろいろな問題があるんじゃないかというお話でございますが、これは国有林の場合におきましては、林野庁のほうで管理をしているわけでございますが、伐採につきまして、こういう地区についてはどの程度というような打ち合わせをあらかじめいたしましてやっていただいておるわけでございますが、そういう地域におきまして、いろいろと学術的な見地から、あるいはその他自然保護というような見地からいろいろと意見が出てまいりまして、そういたしまして、計画につきまして、私のほうと林野庁といろいろ御相談をしてそのやり方をまた変更するというようなことは、最近一、二ございますが、原則といたしまして、そういうふうに相当長期にわたる相談の上施業がなされておるのが実態でございます。

川俣健二郎日本社会党

○川俣委員 具体的な例はなかったですか。

中村一成厚生大臣官房国立公園部長

○中村(一)政府委員 最近におきましてそういうのが、いわゆる世間でいろいろと言われておると申しますのは、たとえば奥多摩におきますところの森林の伐採とかあるいは日光、実は日光はわがほうの特別地域じゃないのでございますけれども、日光のほうの問題あるいは富士山の登山道路、有料道路ができまして、そのために木に影響を与えておるというようなことが、いろいろと世間でだいぶ問題とされているような事例がございます。

川俣健二郎日本社会党

○川俣委員 その木竹は絶対切らせないというところが、官庁同士の運営で非常に混乱するところだと思うのです。私らとしては、ちょっと口をさしはさませてもらいたいのですが、林野庁の長官、お見えになっておりますか。——かつて鹿児島県の屋久杉というのでしたか、あのてんまつ記はどうなったのですか、ちょっと……。

松本守雄林野庁長官

○松本政府委員 屋久杉の保護につきましてのてんまつということでございますが、屋久杉は大正十一年に国有林といたしまして、学術参考保護林として四千三百ヘクタール設定をいたしております。その後に、大正十三年ですか、そういうときに天然記念物としての指定、それから昭和三十九年には国立公園としての指定がございます。国有林を学術参考保護林として指定したものは一まあそういったような指定の前にすでに指定しておるわけであります。  そこで最近、屋久杉が切られ過ぎておるという御批判も出てまいりましたので、それに対しまして一応次のような対策、方針を決定いたしました。それは千三百ヘクタールの保護林を新たに追加する。これによりまして屋久杉の保護地域は、国立公園天然記念物として、国有林独自の設定というものを全部入れまして、八千ヘクタールになります。またそのほかにも、伐採個所を分散をいたしまして、一度に大面積の皆伐を行なわないというようなことをいたしまして、自然の保護を極力はかってまいりたい。  また、従来は、伐採のために林道をつけますと、そこに一般の方が入ってまいります。そうしますと、切られているではないかということになるので、伐採しないところにも一般の方が入れるような道を、簡単な道ですが、そういうものをつくって、切らないで保存するところを見ていただくというようなことをやりまして、現在地元関係方面の納得も得てやっております。

川俣健二郎日本社会党

○川俣委員 その木竹のなす機能というものが自然公園法と非常に関係があると思うのだけれども、公園部長はその木竹を保護するということに非常にウエートを置く行政にあるからそうだと思うのだけれども、現在の木竹というのは、過去何年閥の年月を経てきて現在の大竹になったのだ。屋久杉もそうです。ところがそれを保護する保護するといって過保護になると、後世の方が屋久杉を見ることができなくなるわけです。そうでしょう。だから木竹の機能というのは——ぼくは逆な言い方をするのですよ。木竹の機能というのはそういうような公益的機能というのですか、水資源であり、国土保全であり、健康、保健のレクリェーションの環境保全である、こういうのは経済的な機能ではなくて、木に対する公益的な機能を与えておるのだという固定した考え方をする。そのほかのものは経済的な機能で、樹齢が来ると切るのだというこういう考え方は、現在生きている人がそう考えると、五十年から百年たたなければならない。いずれにしても、木の寿命というものをどのように考えるかということになるが、私はそういうふうに考えるのだ。だから、自然公園法の中で森林を保護して自然公園の主人公にするには、やはり樹齢が来たら切らなければだめじゃないかという考え方がぼくにはあるのです。  そこで、そういうような考え方で林野庁長官にもう一度伺いますが、その木竹の保護と切る時期ですが、自然公園の中で特別地域だからあれは絶対林野庁が入ってはいけない、入ると切られるということを考える場合に、何か疑問を持ちませんか。その辺をひとつ……。

松本守雄林野庁長官

○松本政府委員 いま木の寿命と木竹の保護という点についての御質問でございますが、確かに樹木、森林というものには寿命、といっても何年ということは言えませんが、おおむねそういったようなものがございます。たととえば北海道のエゾ、トド松であれば大体三百年、それ以上のものは少ないようであります。また秋田の天然杉なんかも、これも三百年以上のものは少ないようであります。二百年から二百五十年が多いようであります。東北地方のブナ林にいたしましても、三百年以上を経たものはあまりないようであります。そういうことで一応の、寿命といってよろしいのかどうかはわかりませんが、そういうものはあるようであります。そういった古い状態になりますと、大きな外力が加わると、台風とかそういう大きな外力が加わりますと森林の破壊が起こる。そういったことを事前に防ぐためにはある程度森林に活力を加えていったほうがよろしいのじゃないかということで、森林の適正な施業ということと、それから自然保護ということには根本的にはそう大きな食い違いはないというように考えますが、ただ一部の地域で自然状態を手を加えないで残すという意味もございます。そういう地帯は全然禁伐にいたしまして、人工の手を加えない。その次の地帯におきましては、若干の手は加えるけれども、大きな手は加えない。それ以下の地帯におきましては、相当人工的な手を加えましても、自然の保護を破壊しない程度であればよろしいではないかという各段階、段階があると思います。

川俣健二郎日本社会党

○川俣委員 わかりました。  それでは公園部長、自然公園を管理する際に、森林という木は、これをやはり商売人は林野庁ですから、そういうものの手を借りてやって管理するという気持ちを持っていますか。それとも、われわれがこれを守るんだということで、林野庁の足はあまり入れないんだという気持ちなのか。

中村一成厚生大臣官房国立公園部長

○中村(一)政府委員 私どもが自然公園の中の主として先生御指摘の木竹につきまして、どういうような態度でその管理に当たっているかというお尋ねでありますが、自然公園の地域によりまして、いろいろとこれは地域によって違うと思われます。そこで一律的なことはできないわけでございまして、自然公園の中におきまして、原生をそのまま保つ必要がある、そこにおいては、木を切ることもあるいは植えることも困る、そのままの形で、自然に木が生え、自然に枯れていく、つまり自然交代が望ましいというような地域もございますし、あるいは御指摘のように、そこを通常の林業として、いわゆる施業をしても差しつかえないような地域もございます。植林しあるいは伐採する。したがいまして、その区分を設けまして管理に当たっておるのでございますが、その場合に一、国有林の場合は、ありがたいことに、同じ政府部内の農林大臣のところにおきましてその管理が行なわれているわけでございますので、したがいましてそこはお互いに、厚生省、農林省という立場はございますけれども、十分にその自然公園法の趣旨に応じて運営をしていただくということで、絶えず緊密な連絡をとりながらやっておりますが、私どものほうは、じゃそこはどういうことかと申しますと、これは私どもの気持ちからいうと、農林大臣は自然公園法の所管の厚生大臣の気持ちになってそこはやっていただいておる、こういうふうに私どもは考えておる次第でございます。

川俣健二郎日本社会党

○川俣委員 そうであればけっこうですね。  そこで、この間の除草剤の問題ですが、地元があんなに反対して、そんなあぶない危険物、劇物をまくんじゃない——山菜その他タケノコもやられて経済が破壊されるのはもちろんですけれども、それよりも、とにかくいろいろなあれの被害というのは全国的に出ている。国をあげて公害を防がなければならないというとぎに、何でわざと空から公害をまき散らすのかということであった。ところが、林野庁はヘリコプターで空からまいてしまった。その場合に、一つの例を申し上げますと、田沢湖の公園ですから、自然公園だと思います。ああいう場合は、厚生省に何らかのあいさつがありますか。

橋本龍太郎自由民主党厚生政務次官

○橋本政府委員 いま川俣委員から御指摘がありましたのは、秋田駒の周辺、生保内の問題だろうと思います。私どもとしては、近年国有林の経営というものが非常に合理化されましたために、大量の除草剤等を空中散布する。これは程度問題として、あまりはなはだしいものは、率直に申し上げて好ましいとは思いません。現行の自然公園法においては、実は除草剤の散布というものはその対象として考えておらぬわけであります。しかしながら、ある程度はまたこうしたものも必要だろうと思います。むしろその量、タイミング、面積、こうした点については、往々にしてその限界を越えるようなケースも従来あったやに思いますが、むしろ自然保護の立場からも、私どもとして適正な措置がなされるように関係当局とも今後連絡を密にしてまいりたいと考えておる事項の一つであります。

川俣健二郎日本社会党

○川俣委員 政務次官だいぶ遠慮されて発言しておられますが——委員長、劇物法案も一緒に考えてよろしいですか。そういう理事会の話でしたね。若干関係すると思いますから……。

倉成正自由民主党

○倉成委員長 けっこうです。

川俣健二郎日本社会党

○川俣委員 薬事関係の方、見えておりますか。——この間まいた薬は劇物に違いありませんか。

山高章夫厚生省薬務局薬事課長

○山高説明員 この間まいた薬が塩素酸ソーダであるとすれば、劇物に指定されております。

川俣健二郎日本社会党

○川俣委員 ところがこの前の除草剤散布にあたってのいろいろの論議の際に、林野庁当局か厚生省かちょっと忘れましたが、議事録には残っていますが、例のベトナム枯れ葉作戦に使われたような二四五丁、あれはたいへんな被害なんだ。あれはたいへんなものなんだけれども、今度の塩素酸塩系のクロレートというのはさほど被害がないのだ。被害を与える薬じゃないんだ。だけれども劇物に指定されておる。ところが、それ以上にひどい被害を与えておるということを認めておる二四五丁をなぜ劇物に指定されていないのか。薬事課長、せっかくですからもう一度。

山高章夫厚生省薬務局薬事課長

○山高説明員 二四五丁につきましては、その経口毒性がキログラム当たり千ミリグラムということになっておりまして、そういう関係で毒性の関係からただいまのところは指定されておりません。ただ、いろいろ最近問題になっておりますので検討を進めておるところでございます。

川俣健二郎日本社会党

○川俣委員 私はこの機会に、劇物の法案が出ておりますから、クロレートが劇物指定になっておりますだけに、二四五丁はやはり劇物に入るべきだと思いますので、その点を検討してほしいと思います。  それから林野庁のどなたかに伺いますが、クロレートをこの前まくな、まくなという騒ぎの中で酒田の現地でまかれる。現地営林署長がどなたか知りませんが、大衆の前で、クロレートはそんなに危険なものじゃありませんよということで一服飲んで見せたという話が伝わってきたのですが、これはほんとうかどうか。

松本守雄林野庁長官

○松本政府委員 営林署で説明のために、塩に酸素をくっつけたものだということで、ちょっとなめたのは事実のようでございます。

川俣健二郎日本社会党

○川俣委員 やっぱり、行政の衝に当たる権威を保持するわけじゃないでしょうけれども、劇物に指定されておるものを大衆の前でなめるというようなことはどうかと思いますので、今後検討の上注意する必要があると思います。そういうような意味の納得のしかたというのは行政上まずいと思うので、ぜひその点は強く要望しておきます。  それから、自然公園を形成しておるさっきの土地問題ですが、鉱山という問題が出てくると思います。そこでまた政務次官に伺いますが、無過失賠償責任ということばが国会でこういう論議になったのは、おそらく初めてだと思うのです。こういう活字というのは初めてだと思うのだが、大体この無過失賠償責任というのは日本の法律に過去にあったものなのかどうか。

橋本龍太郎自由民主党厚生政務次官

○橋本政府委員 原子力関係その他一、二の例外的なものを除いて、今日までのわが国の法制の体系上は考えられておらなかった一つの点であろうと思います。そのように承知をいたしております。

川俣健二郎日本社会党

○川俣委員 通産省鉱山関係の方、来ておられますね。ちょっと伺いますが、鉱業法に無過失賠償責任ということがうたわれたのは何年ごろであり、どういういきさつであったのか。(小金委員「私が局長の時代にやったんだ。」と呼ぶ)そしてさらに、せっかく御答弁願うので、どういう法律上の効果があったのか、そういった面を——いまうしろのほうで、私の局長時代だという話もあるので、歴史的な話をこの機会にひとつ橋本政務次官に聞かせていただきたいと思うのです。

佐藤淳一郎通商産業省鉱山石炭局鉱業課長

○佐藤(淳)説明員 無過失賠償責任につきましては、鉱業法を昭和十四年に改正いたしまして、昭和十五年一月一日からこの法律が施行されております。  次に、どういういきさつで鉱業法の中に無過失賠償責任制度が取り入れられたのかという経緯を申し上げますと、本来、鉱山の仕事と申しますと、地下の鉱物を掘採するのが主たる業務でございますけれども、その結果、その鉱業に伴いますところの土地の掘さくなり、あるいはまたその土地の掘さくに伴いまして坑内から水が出てまいります。その出てまいりました水を付近の川なり沼なりに放流する、あるいはまた掘りました中の鉱物以外の廃石につきましては付近の事業場に堆積しなければならない等々、あるいはまた場合によりましては、製錬所からの煙の排出という一連の事業が伴うわけでございます。もちろんいろいろな事業を始めるにあたり、あるいは実施中につきましても、地域住民に対しまして相当苦心して業務をやっておるわけでございますけれども、何しろ地下を掘採するという特有な業務でございますために、鉱業権者の努力にもかかわりませず、やむを得ず被害を与えることにどうしても結果的にならざるを得ない、やむを得ざる現象があるということが、これはもう他産業とは大いに異なる点だろうと思います。これはもともと鉱業という仕事の特異性からくる、一つの特有性のもたらすやむを得ざる被害現象だろうとわれわれ考えておるわけでございます。そのため鉱業権者は、そういうような発生いたしました被害につきましては、鉱業法の中に書いてございますいわゆる賠償責任、これは金銭賠償を原則にいたしておるわけでございますけれども、こういう金銭賠償、場合によっては復旧の仕事等を賠償の相手方に実施することによりまして、従来片づけてまいってきたということでございます。ところが、実際問題として、最初の鉱業の特有性で申しましたように、その後いろいろなことで、特に坑内の掘さくと地表に与える因果関係等につきまして、いろいろ技術的な研究を通産省でもやっておりますし、また鉱業権者自体も、できるだけ相手方に被害を与えない、あるいはまた賠償額を極力減らすという企業側の必要性から、防止の技術についてもいろいろ研究してまいっておりますけれども、やはりそれにも限度がございまして、完全に防止するということは非常に困難な場合が多いということでございます。したがって、こういうような公害が発生した場合に、従来、民法の規定からいけば故意または過失がなければ違法行為として問われることはないわけでありますけれども、地下の採掘に伴って起きますところの現象というのは非常に複雑しかも多岐にわたっておりまして、一々その鉱業権者の過失または故意を立証することが非常に困難であるということでございます。ところが、起きた現象につきましては、やはりその周辺につきましては、被害者保護の立場から、そういうことで当然賠償をやらざるを得ないということに踏み切ったのだろうと私は考えておるわけでございます。  直接の原因といたしましては、これは戦前でございますけれども、昭和十一年に尾去沢のダムが決壊いたしまして相当の死傷者を発生せしめたのが一つの動機となりまして、十四年に鉱業法改正の運びになったと聞いておる次第でございます。

川俣健二郎日本社会党

○川俣委員 どうもありがとうございました。  それで、公害と無過失賠償責任という関係ですが、橋本政務次官、私らはまだ若い年代なんだけれども、閣僚の中でも、無過失賠償責任というものは三十年前にあったのだということと、それからどういうような運営のそごがあったということをあんまり知らないのだそうです。そういう意味において政務次官からひとつ教えてもらいたいのは、いまそういう意味で質問して、私も伺ったのだけれども、無過失賠償責任を公害罪として取り上げることを金科玉条のように考えておる革新団体、それから、無過失賠償責任を載せたらたいへんだ、財界を守らなければならないのだというような保守の自民党の人方、こういう考え方で四つに組んでいるというように感じられない向きもない。ただ、無過失賠償責任というのは、三十年運営してみたら、どういう特徴があって、どういう欠点があったのだ、こういうようなことを掘り下げて説明してくれる政府委員が少ないのであります。そういうようなことをぜひ政務次官から、ひとつ学のあるところで閣僚の人方にハッパをかけてもらいたい。無過失賠償責任というのは三十年ぐらい前からわが国の法典にあった、運営されておったということです。原子力関係なんというのはもう最近なんです。  それからもう一つ、鉱山関係に関連して伺いますが、自然公園の中に非常に価値のある鉱物資源があるのだけれども、それを許可するかしないかというトラブルが最近あったかどうか、かれを伺いたいと思います。

橋本龍太郎自由民主党厚生政務次官

○橋本政府委員 何ぶん、いまの鉱業法が成立いたしましたときは、私は満二才でありまして、歴史的な経緯について知らなかった点は、これは生まれて直後でありますからお許しをいただきたいと思うのであります。先ほど、無過失責任を定めたものがあるかというお話でありましたから、私はたまたま原子力というものを例にとり、例外的な一、二の法律ということばをもって申し上げたのでありまして、むしろ鉱業法の中に無過失責任が書いてあるかないかとお尋ねをいただけば、別な御答弁を申し上げただろうと思います。ただ、それこそ閣僚協においてさえ詰め切らぬ問題を私に全部言えと言われましても、これは不可能であります。私なりの考え方を申し上げるとすれば、いまの鉱業法に対する説明でもありましたように、普通、わが国の法制上、故意または過失というものを一つの罰則その他の適用の要件にはしておりますけれども、どうしても予知し得ない状況の発生するような種類のものについては、こうした制度を導入しようということが当時の先駆者の頭にもあったであろうと思います。そしておそらくその結果この鉱業法が、小金先生局長のときと言われましたが、その当時に生まれたのだろうと思います。そういう要件そのものは今日においても変わりはないと私は思います。ただ、それこそ私どもの生まれました当時から今日に至りますまでの間の科学技術の進歩というものも、きわめて大きなものがあります。その中において、当時においては予知し得なかったようなもの、予防し得なかったような問題の発生に対しても、今日においては科学的に予知し得るもの、予見し得るものもふえておるでありましょう。当然、その当時から今日に至る技術の進歩というものを考えていくと、無過失責任というものの論議についてもおのずから違った観点が出るものと私は思います。  なお、いま公園部長に確かめましたところでは、最近において、鉱山開発と自然公園とのからみ合いの新規な問題というものは起きておらぬようであります。

川俣健二郎日本社会党

○川俣委員 十和田国立公園の中で、何か坑水が流れた流れないとかいうトラブルがあったが、あのてんまつ記がもしわかったらお知らせ願いたい。鉱業課長でよろしいです。

佐藤淳一郎通商産業省鉱山石炭局鉱業課長

○佐藤(淳)説明員 先生の御質問は十和田湖の周辺にございますところの鉛山鉱業のお話かと思いますので、もしそうであればその点について御答弁を申し上げたいと思います。  その前に、まず鉱業を実施するに際しましては、鉱山保安法に基づきまして、自然公園も含めまして、公害の防止についてはきびしい規制を行なっておるわけであります。特に十和田湖等の非常に重要な地域につきましては、自然の景観をそこなわないように、施業方法につきまして十分な監督規制を鉱業権者に課しておるわけでございます。しかるに、本年の六月に十和田湖の銅、亜鉛等による汚濁が新聞紙上等に取り上げられまして、これが付近にございますところの鉛山鉱山の排水によるものだという問題が発生いたしたわけであります。  一方、この鉛山鉱山は自然公園地域内に存在しておりますので、当然のこととして洗鉱場を別の水系から引っぱってきたり、あるいはまた洗鉱場の排水等につきまして、十和田湖への影響がないように極力防止工事をやっておるわけでございます。したがって、十和田湖に流れておりますのは、処置した坑内水の一部が流入しているというのが実態でございます。これは所管が仙台鉱山保安監督署でございますが、仙台保安監督署といたしましては、従来から公害を防止するために、排水の水質改善の目的で処理施設の増強なりあるいは管理の強化を指示して実施させてまいっておりますが、さらに、本年六月このようなことが発生いたしましたので、より強力な監督検査を実施いたしておりまして、やり方といたしましては、これはどこでもやっている方法でございますが、石灰石の投入によりますところの中和を徹底させればこの問題は解決するわけでございますが、この処理によりまして、水質の排出基準で定められております銅並びに亜鉛の基準を相当下回っておりますので、現在はその基準に合格しておる。これは何べんかの監督の結果、数字が判明いたしております。したがって、鉱業権者が現在の体制のもとで十分に排出基準を下回るように監督をすれば、われわれのほうといたしましては、十和田湖の水質を悪化させ、あるいはまた今後わが国の自然景観をそこなうということは発生いたさないものというふうに判断いたしておるわけでございますが、なお、非常に重要な地区でございますので、今後とも一そう監督を徹底させるようにわれわれとしても心がけていきたいと思っております。

川俣健二郎日本社会党

○川俣委員 公園部長、法二十一条に原状回復命令というのが載っておりますね。最近こういう例がなかったかどうかちょっと伺いたい。

中村一成厚生大臣官房国立公園部長

○中村(一)政府委員 最近の例といたしましては、北海道の昭和新山のところで売店をやっております者が、許可を得ないで売店を拡張したり駐車場をつくったりいたしましたので、それに対しまして、こちらとしても許可を与えることができない状況でございましたので、原状回復の命令を出しました。それに従いませんので、私どもといたしましてはいわゆる実力をもってそれを排除したというケースが最近、ことしの秋あります。

川俣健二郎日本社会党

○川俣委員 それで、その後それが退散してもとへ復帰したと確認していいですね。

中村一成厚生大臣官房国立公園部長

○中村(一)政府委員 そのとおりでございまして、私どもは、許可を得ないでそういうことをやる業者でございますから、相当悪らつな手に出るのじゃないかというふうに警戒をいたしておりましたけれども、その後不法な行為はございません。

川俣健二郎日本社会党

○川俣委員 そこで、昭和新山のように車庫を建てたり店をつくったりというほどじゃないのですけれども、さっき政務次官からか、秋田の駒ケ岳の話が出たけれども、いま秋田駒の観光客が一日約二千人いるわけです。それで、自然公園内ですが、立ち売りが暴力団を背景としてたいへんな騒ぎになっているわけだ。たとえばトウモロコシ一本三十円のものが、食わせたあとに三百五十円取る。うしろに暴力団という背景でやっておる。こういうのが非常に転々としておるのだな。ただし車庫を建てたりうちを建てたりというほどにはいかないのですが、自然公園法で取り締まるあれがあるのかということを伺いたい。

橋本龍太郎自由民主党厚生政務次官

○橋本政府委員 秋田駒ばかりのケースではなしに、実は自然公園内でもって、暴力団等と必ずしもからみがない場合でありましても、いわゆる立ち売り業者というものがしばしば利用者に迷惑をかけておるというケースがあることは、私どもよく承知しております。実は自然公園の特別地域の中においては、たとえば著しく騒音を発する、あるいは展望所を占拠したり、嫌悪の情を催させるようなしかたで客引きをしたりというような行為で公園利用者に著しく迷惑をかけるような場合には、これを規制することは可能であります。このような場合が生じました場合、二十四条によって処置をしてまいりたいということを最初に申し上げます。  ただ実際問題として、実はこれは先年日光国立公園内においてあった例でありますが、たまたま栃木県の県条例にそうした場合の規定が全然なかった。そして業者が立ち売りを行なった場所自体が県有地の中である。自然公園の範囲ではありましても県の条例が直接かぶる場所であるために、国立公園監視員は切歯厄腕しながらも手の出しようがなかった。県庁に連絡をとって県のほうで手配をしていただいたというようなケースもあります。こういう規定で処置できない場合、私どもとしては都道府県等を含める関係方面と連携を保ちつつ、関係法令を活用してまいりたいと考えておる次第であります。

川俣健二郎日本社会党

○川俣委員 二十四条で規制していくということ、これは利用者のための規制という程度で、罰し事項はそう見当たらないのですが、この問熊本、長崎の社労委員会の派遣委員に、そういう光栄に私は当たりまして行かしてもらったのですが、海中公園を見せてもらいました。その際に陳情になっておりましたが、人手不足だということもあるんだろうが、海中公園で船からのぞかせて中を見せたら、これはいいということでサンゴ礁の乱獲が非常に多い。これを取り締まる、乱獲に対する罰し事項というのはどの条項を適用するのですか。

中村一成厚生大臣官房国立公園部長

○中村(一)政府委員 海中公園地区におきましては、先国会におきまして改正で入れていただきましたように、厚生大臣の許可を得ないで、あるいは都道府県知事の許可を得なければ熱帯魚、サンゴ、海草その他これに類する動植物の採捕を禁止しております。したがいまして、その許可を得ないでやりました場合におきましては、それは罰則の規定がございます。

川俣健二郎日本社会党

○川俣委員 そこで話が最初に戻って結論にしますけれども、みんなで自然を守ろうという公衆道徳の教育だけではどうにもならない。これも必要なんだが、やはり罰し事項というものをある程度強くつくらなければだめだ。  それから三つ目には、管理というものを怠ってはいけない、こういうことなんです。罰し事項については法律屋さんのほうにまかせるにしても、管理の面——いま北海道から九州までの話がこの質疑応答の中で出たのだけれども、日本の自然公園を管理する人員というのは一体何人いるだろうか。一般しろうとに聞いたら二千人か三千人くらい、こう言う。一体何人くらいいますか。

橋本龍太郎自由民主党厚生政務次官

○橋本政府委員 いま管理事務所は全国に、国立公園の日光あるいは伊豆箱根等に六カ所ございます。また国立公園監視員そのものは、全国に五十五名おります。そして主要都道府県に対していわゆる専門技術者を十名、委託職員として派遣しております。同時に、民間有識者を委嘱しておる自然公園指導員、これが現員八百四十六名。状況はそのとおりであります。

川俣健二郎日本社会党

○川俣委員 五十五人の監視員ではどうにもならないと思うのだが、公園部長、そうでしょう。そこで、この前やはり熊本、長崎で見せてもらった例の天草、雲仙ですか、あそこで管理員が一人もいないで管理している、これは相当強い要望があったのだけれども、どのようにするつもりなのか、来年度の予算等々全体をお話し願えれば……。

中村一成厚生大臣官房国立公園部長

○中村(一)政府委員 ごらんいただきましたとおり、おいでになりましたときは、雲仙の管理員が阿蘇のほうに行っておりましたので、欠員の状態でございました。私ども、管理員につきましてはもっともっと増員してもらいたいということをかねがね希望いたしておるわけでございますが、御承知のとおり、公務員の増員につきましては非常な規制がありまして、いまのような状態になっております。明年度におきましては、管理員をとりあえず四名増員していただきますように、ただいま予算要求いたしている段階でございます。  それからまた、ごらんいただきました雲仙につきましては、短期の期間欠員となっておりますが、これはもとへ戻すという考えであります。

川俣健二郎日本社会党

○川俣委員 それから、予算を少し説明していただけませんか。国立公園に一体どのくらいの予算をかけているものか。来年度はどのくらいの予算を要求しているか。

中村一成厚生大臣官房国立公園部長

○中村(一)政府委員 自然公園の関係の予算といたしましては、本年度の予算が十二億二千万円でございますが、四十六年度といたしましてはこれをふやしまして、二十二億四千万円の要求をただいま大蔵省に提出しております。

川俣健二郎日本社会党

○川俣委員 私は五十五人の人員を四人しかふやさないということでがっかりしたのですけれども、しかも国立公園の管理事務所が、十和田と瀬戸内海と二つ本年度に新設になったわけですね。それだけに、四人をふやしてどうなるかということなんですが、この辺の展望、見通しというか、もう少し政務次官どうですか。とても管理なんかできるものじゃないというのです。

橋本龍太郎自由民主党厚生政務次官

○橋本政府委員 確かに五十五名という国立公園監視員そのものの数が十分であるとは、どんなことがあっても私も申せません。そうして来年度の四名という定員要求に対しても、それでは少な過ぎるというおしかりが出ることは当然であります。そして、そのおしかりは甘受をいたします。しかし同時に、この際川俣先生に非常によい点を御指摘いただいたわけでありまして、私どもとしてぜひ国民に訴えたいことをお聞きを願いたいと思うのであります。  世界各国、わが国の国立公園と同じような自然保護行政というものは行なわれております。どの国においても、その面積、個所数に比してそれほど大量の監視員を置いておるわけではありません。アメリカ等においても先生よく御承知のとおりに、たとえばヨセミテならヨセミテという一つの大きな区画内に、せいぜい二、三人の監視員がいるだけであります。そして、それだけでまた十分なのであります。なぜわが国だけがわざわざ公園法の中に清掃に関する条文を入れなければならないか。それこそ、北アルプスの劔沢の水が飯ごうの残りめしを捨てたために飲めないような事態ができるのか、富士山の清掃のために何百人という民間人の協力を得て、リュックサックをかついであきカンを拾わなければならないのか、むしろ私どもは国立公園行政、自然保護行政全体の中で一番国民に訴えたい点はこの点なのであります。現状においてはたとえ三千名、四千名の監視員を置いたところで、わが国の国土の中で将来に残すべき景観を持ち、生態を持っている自然の財産というものをそのままに残していくことは至難であります。私が高校生時代初めて北アルプスの白馬岳に登りましたときには、白馬岳の大雪漢の上にはお花畑がきれいに咲いておりました。今日あそこに一輪の花すら見ることができない。だれが一体これをなくしたのか。心ない一部の人たちのしわざであります。かつて高山植物の宝庫とまでいわれていた、また北アルプスの景観を一番楽しめる場所として人々に親しまれていた燕岳、今日ではその山の象徴のようにいわれていたコマクサなどは見る影もなくなりました。むしろ一生懸命に山小屋の管理人がそれを育てて、人工によってその花を人々に見せようとさえしております。私どもは監視員の増員また管理機構も決して現状で十分だとは申しません。不足でございます。なお伸ばしていく努力を怠るつもりはございません。しかしそれだけでは決して済まないものがあるのだということだけぜひ私は皆さん方に御理解をいただきたい。そして本来ならば監視員が一々監視をしないでも、少なくとも自分たちの子供、孫の時代にまでその自然の景観が保護され、自然の与えた美しさが楽しめるような状態になることが本筋なのであります。その意味では私どもは、監視員の増員を考え、管理機構の充足を考えなければならない今日の国立公園行政というものに対して、現場の第一線の監視員を含めて、ほんとうに情けない気持ちで取り組んでおります。私どもはたまたまいまお与えをいただきましたこの機会に、公園行政に携わる者として常日ごろ胸の中にわだかまっていることを申し上げました。私ども全力な尽くして努力いたしてまいります。どうか国民においても将来にわたっての御協力を賜わりたいと、心からお願い申し上げる次第でございます。

川俣健二郎日本社会党

○川俣委員 終わります。

倉成正自由民主党

○倉成委員長 瀬野栄次郎君。

瀬野栄次郎公明党

○瀬野委員 自然公園法の一部を改正する法律案について厚生大臣並びに国立公園部長に質問をいたします。  政府の提出議案となっておりますところの自然公園法の一部を改正する法律案は、改正の要点が自然環境の保護に関する国等の責務、公園内の公共の場所についての清潔の保持、湖沼等への汚水の排出の規制等となっておりますが、いまや御承知のごとく、一九七〇年代は公害年代といわれ、全国土にわたりまして河川汚濁、湖沼、港湾の汚濁が起こりまして、国民は公害に悩まされ、公害列島日本という異名さえ叫けばれておるのであります。このような状態で高度成長がこのまま推移してまいりますと、将来おそるべき状態になることを憂慮するところでありまして、口を追うにつれて公害は社会問題としてその度を深刻にいたしておるところでございます。  言うまでもなく、森林は林産物の生産及び国土保全その他公共的機能を通じて国民経済の発展と国民生活の向上に寄与しておることは言うまでもないことでありますが、また最近における産業施設等の拡大に伴って水資源涵養のための資源及び防災資源としての森林への依存度はますます高まり、レクリェーション利用の増大による保健林、休養のための資源としての森林の重要性が高まってきたことも、御承知のとおりであります。  さて、国立公園はその面積は、政府の数字によりますと、百九十六万三千七百四十一ヘクタールで全国土の約五。三一%、国定公園は九十一万五千三百七ヘクタールで全国土の二・四八%となっておりますが、いまや国立、国定公園の持つ意義は大きくなってまいっておるのでございます。かかる見地から順、次お尋ねをしてまいりたいと思います。  まず最初に、国立公園並びに国定公園の指定について、厚生省の指定に対する対処方針を政務次官にお尋ねをいたしたいのでございます。

橋本龍太郎自由民主党厚生政務次官

○橋本政府委員 いま瀬野先生がお話しになりましたとおりの重要性を持つ国立公園また国定公園であります。私どもは国立公園というものはわが国の自然を代表するに足る傑出した地域、いわば非常に重要な——格の高いという言い方が当たるかどうかわかりませんが——地域であるという考え方をとっておりますので、その新規指定あるいは区域の拡張等については相当以上にきびしいワクをはめております。また、国定公園については、昭和四十三年三月の自然公園審議会の答申においても、野外レクリェーションの需要の急激な増大に応じた整備を行なう必要があるという指摘も受けております。その方針に基づいて、自然の保護に重点を置くと同時に、都市の周辺に位置して国民の利用性を重視するという二つの考え方について取り組んでまいるつもりでおります。

瀬野栄次郎公明党

○瀬野委員 次に、現在国立公園、国定公園について、国立公園として指定要望中のもので、新規指定、国定公園からの昇格また区域拡張の要請により検討中のものをこの機会に明らかにしていただきたいのでございます。

橋本龍太郎自由民主党厚生政務次官

○橋本政府委員 国立公園としての要望は、まず昇格から申し上げますと、現在国定公園である足摺国定公園、これは現在検討の対象にいたしております。またこれは将来計画ともからみますので、その面ともあわせて検討いたしておりますが、新規指定の対象として検討中のものに小笠原がございます。また本土復帰の暁において私どもとしてぜひ指定をしたいという強い希望を持っておりますものには、沖繩諸島の中での特に西表島その周辺の海面、こうしたものがございます。  それと同時に、区域拡張の要望が出ており、現在検討いたしておるものは陸中海岸の久慈、これは早ければ年内にも拡張を認めたいと考えております。また日光国立公園において会津駒、あるいは伊勢志摩国立公園において、また吉野熊野国立公園において熊野灘、また吉野熊野国立公園において枯木灘、こうしたところが現在指定要望と同時に私どもとして検討いたしておるものであります。  また、国定公園として指定要望中のものは相当数がございますが、現在県立指定公園である愛知高原、揖斐・関ケ原・養老、室生・赤目・青山、大和青垣、この四カ所については、すでに国定公園に含めるべく指定の告示の手続をいたしております。  また、現在検討中のものになりますと相当数ございまして、富士川、日高山脈、津軽、男鹿、越後三山・只見、あるいは奥武蔵、伊吹山系、日豊海岸、九州中央山地、北九川、奄美群島、沖繩本島、これは検討中のものとしては非常にたくさんございます。  区域拡張については、現在すでに指定、告示の手続中でありますものに天竜・奥三河、また飛騨・木曽川、鈴鹿、琵琶湖、これらがすでに告示の手続中のものでありますし、引き続き検討いたしておるものとしては丹沢山塊の中の丹沢の大山、佐渡弥彦、金剛生駒、足摺、こうしたところでいま検討が加えられております。

瀬野栄次郎公明党

○瀬野委員 ただいま御説明いただきましたが、国定公園としてただいまの御答弁の中にありました指定要望中のもので、新規指定として現在県立自然公園であるところの日豊海岸、九州中央山地、北九州その他奄美群島、沖繩本島等の九州関係の指定の見通しについて概略をお持ちでございましたら再度お伺いをいたしたいのであります。

橋本龍太郎自由民主党厚生政務次官

○橋本政府委員 九州関係の四地域、すなわち日豊海岸、九州中央山地あるいは北九州その他奄美群島等、これはそれぞれに独特な非常にすぐれた自然景観を持っておる地域であります。私どもとしては、これらの地域については、近く自然公園審議会にはかった上で、その御決定をいただきましたら指定をするつもりで準備を進めていきたいと考えておるところであります。また沖繩本島については、現在政府立の公園として指定されている三公園及び周辺の諸島を含めてこれは調査、検討し、その中で必要な地域について国定公園に指定をしたいと考えておるわけであります。  また実は一番問題なのは西表島なのでありまして、しばらく前に原生林の伐採等の問題が起き、急遽琉球政府と協議の上それを停止をいたしました経緯等もございます。これは動植物においても非常に独特のものを持つ地域でありますし、また付近の海域においても、本州あるいは北海道、九州、四国方面の海面とはおのずから異なった独特の景観を持っておる地域であります。私どもとしては、これが復帰後直ちに国立公園に指定したいという考え方で、現在すでに実は調査を進めておる段階であります。

瀬野栄次郎公明党

○瀬野委員 九州関係の四地域及び沖繩についてはただいま詳細説明ございましたが、ぜひひとつ審議会の決定をまって早急に指定が進められて自然の維持ができますように、よろしくお願いをいたす次第であります。  次に、国立公園は地帯区分が厚生省、森林計画に基づく施業が林野庁となっておるのでございますが、自然保護の各諸団体等から、公益的見地より、林野庁が専管している国有林を全面的に厚生省へ所管がえをしていただきたいというような強い要請等がなされておるわけでございますが、この際このことについて、厚生省の御見解を承っておきたいのでございます。

橋本龍太郎自由民主党厚生政務次官

○橋本政府委員 実は過去において何回か林野庁との間に伐採計画の論議が行なわれましたために、そうした御意見が出てまいっておると承知をいたしております。現在自然公園法の第四十条一項の規定に基づいて、国立公園、国定公園それぞれの立場において、林野庁のほうからあらかじめ厚生大臣が協議を受けるというほうの形が比較的スムーズに運用されるようになりました。そういう状況から考えてまいりますと、必ずしも私どもは国有林全体を厚生省に所管がえをしていただかなくても、同じ政府の部内であります、十分な行政はしていけるものと考えております。そしてまた同時に、原生林、北海道方面にもありますし、近くに例をとれば富士山ろくの青木が原の樹海のように一切これは手を加えさせてはならない種類のも一のと同時に、人工的に造林をされ、その人工的な造林の美が自然の景観をなしているものについては、ある程度また適期の採伐の要るものもございます。そうしたことを総合して考えますと、私は現在のような協力関係にあります限り、国有林をしいて厚生省に全部移管していただかなくとも、私は同じ政府部内として行政は十分に行なわれると考えております。

瀬野栄次郎公明党

○瀬野委員 昭和二十八年度以降林野庁から所管がえを受けておるところの状況について、簡潔にひとつ件数、面積、所管がえの価格等の実績及び今後の対処方針をお伺いしておきたいのであります。

中村一成厚生大臣官房国立公園部長

○中村(一)政府委員 昭和二十八年度以降林野庁から所管がえを受けましたところは四十件でございまして、その面積は総面積六百五ヘクタール、所管がえの価格は七千五百三十八万円でございます。

瀬野栄次郎公明党

○瀬野委員 国立公園等の区域内の自然保護上必要な地域の民有地買い上げ方針についてお伺いをいたしたいのであります。なお、昭和四十二年以降現在までの買い上げ状況についても、この機会にあわせ御答弁をいただきたいと思います。

中村一成厚生大臣官房国立公園部長

○中村(一)政府委員 国立公園等の区域内におきましては公用制限の関係もございますので、御指摘のとおり、これを国あるいは地方団体で買い上げるということが望ましいわけでございます。私どもといたしましては昭和四十二年から都道府県が買い上げる場合、それに対して二分の一の補助をするということをいたしまして、今日までやっておるわけでございます。さらにまた明年度におきましてもこの補助の金額を増大するように、ただいま大蔵省に予算を要求しておるのでございますが、実績を申し上げますと四十二年一度に二地区、四十三年度に三地区、四十四年度に二地区、こういうふうな情勢でございまして、現在昭和四十五年につきましては各県と折衝いたしておるところでございます。

瀬野栄次郎公明党

○瀬野委員 次に国立公園等の区域内において、できる限り森林を自然のまま保護すべきであるということでございますが、これは当然のこととして、森林の伐採制限、全面的に禁止してほしいというような要望も出ておるわけでございますが、これらの問題についていかなる対処方針を持っておられるかお伺いいたします。

橋本龍太郎自由民主党厚生政務次官

○橋本政府委員 実は最近自然公園内の原生林の一部が伐採されて問題を起こしておるところがございます。しかし最初公園を設定するに際して公園計画上林業生産とのからみから、この地域は実は調整をしました結果、伐採もやむを得ないとしてあった地域なのであります。しかし近年の自然還境保全の重要性から考え、私どもとしてはただいま申し上げましたとおりに、原生林というものについては一木一草たりとも切らせないという方針を強化しつつある次第であります。現在、林業との再調整をはかるべく関係方面とも折衝をしておる最中であります。私どもとしてはあくまでも保護すべき原生林に関しては一木一草たりとも切らせないという方針は堅持してまいるつもりであります。

瀬野栄次郎公明党

○瀬野委員 ただいま政務次官から力強い御答弁をいただきまして、原生林等は一木一草といえども切らせない、目下調整を林野庁当局ともやっているということでございましたので、ぜひひとつこの点はよろしく今度とも推進をしていただきたい、そのように思っております。  私も従来から、東京の奥座敷といわれる奥日光、奥秩父あるいは日本全土にわたって十数カ所も調査をいたしまして、農林水産委員会でもしばしば林野庁にただしてみたところでございますが、地帯区分が厚生省、施業のほうが林野庁となっておりますので、この辺の連携を密にされまして今後ひとつ、国民の資産でもある後代に残すべき自然環境の破壊ということについては、十分厚生省当局の配慮をお願いしたい、かように思うわけであります。  次に、最も大事なことでございますが、今後国立公園等の区域内の特別保護地区を思い切って拡張すべきであると思うのでありますが、こういうことについて御見解を承りたいのであります。御承知のように自然公園法に基づきまして、自然公園区域内における森林の施業についてということで、昭和三十四年十一月二日 三四 林野指第六四一七号 林野庁長官より各営林局長あて厚生省発回第四六八号依牒によりましてこの通牒が出されております。その後昭和三十七年十一月改正が行なわれまして八年間が経過されております。この中には御承知のように特別保護地区と一般地域とありまして、一種、二種、三種の区域があることは御承知のとおりでありますが、公害によってこのように自然が破壊されておる今日、ぜひともこの自然公園法に基づく自然公園区域内における森林の施業についてということを検討を加えていただきまして、今後改正し検討をしていくべきである、かように私は思っているわけでありますが、このことについて政務次官の御答弁をお願いしたいのであります。

橋本龍太郎自由民主党厚生政務次官

○橋本政府委員 確かに自然保護という観点のみにしぼれば、特別保護地区を山ほどこしらえるということはきわめて望ましいことではあります。しかし特別保護地区を指定する場合に、他の産業行為あるいはその所有権、それらに基づく各種の土地利用についてきびしく規制を加えることになりますために、指定そのものにあたって他の行政とあらかじめ実は調整を行なわなければなりません。私どもとしては、重要な景観地あるいは原生林地域、特別保護地区の拡張あるいは新規指定を行なうべく現在も関係者との協議を行なっておりますし、大雪山等特に重要と思われる地域から拡張指定を行なうべく再検討を加えておる最中であります。その御指摘でありますけれども、自然公園区域内における森林の施業についてというそのものについては、森林施業の制限細目をきめておる、先生御承知のとおりの基準であります。その基準そのものは私どもは必ずしも改定を要するとは考えておりません。むしろ公園計画の中において私どもがなお考えなければならないのは、この基準に従って特別地域を第一種から第三種までに地域区分をしておるその地域区分がはたしてこれで適正であるかどうか、妥当であるかどうか、この地域区分について私どもは再検討を加える必要があると考え、今日取り組んでおる次第であります。

瀬野栄次郎公明党

○瀬野委員 このことについてはいずれまたいろいろと質問をいたすことにいたしまして、あと三点お伺いをいたしたいのでございます。  次は国立、国定公園内の自家用車の制限ということについてお伺いをいたしたいのでありますが、米国等ではいわゆる国立公園内の自家用車の混雑とか排気ガスによるいろいろな被害あるいは事故または諸般のことから、ある場所までは自家用車で参りまして、ある場所でバスに乗りかえてそして公園地内へ参りまして、そこから遊歩道を歩くというようなことで制限を加えておるところがございます。日本の国定公園、国立公園一がいにはいえませんけれども、こんなに自動車もふえ、公園内が、先ほどから答弁ありましたように、富士山に何千名の人がリュックをしょってあきかんを拾って歩かなければならぬというようなことになってまいりますと、もうたいへんな管理の手が要るわけでございます。そういったことからも、そういった地域を限定いたしまして自家用車の乗り入れの制限をし、自然の破壊を少なくしていく、こういったことを今後わが国においても大いに考えていくべきではないかと思いますが、このことについてひとつ御見解を承っておきたいのであります。

橋本龍太郎自由民主党厚生政務次官

○橋本政府委員 確かに、最近の自動車ラッシュが国立公園あるいは国定公園等においても影響を与えておる事例があることは事実でございます。ただ、いま自動車そのものの制限という点から出生はお話しをいただきました。実は私どもは従来から、むしろその自動車道路を建設することそのものについて、重要な地域についてはその可否を慎重に検討してまいりました。非常に自動車が多数入る、あるいは自動車ばかりではない、人間そのものでありましても、非常に多数の人が入った場合にその自然環境を破壊するようなおそれのある場所には、むしろ道路そのものを建設させないという方向で行政を進めてまいったわけであります。ただその当時には予測しなかった自動車ラッシュの状況から、その当時としてはだいじょうぶだと思っておりました場所でも、今日問題が起こっておるケースはございます。こういう場合にはむしろ私どもは現在の道交法第七条でありましたか、その道交法の第七条一項の規定を生かして、警察庁あるいは地元の公安委員会と連絡をとりながら乗り入れ規制を行なう、あるいは迂回々させる、一定以上の車を入れさせないといったような行政をしてまいり、また今後もそうした方向で進めてまいりたいと考えております。

瀬野栄次郎公明党

○瀬野委員 ただいま御答弁がありましたように、自然公園法の一部を改正する法律案の提案がなされておるときでもございますから、どうか今後特にそういったことについても強力にひとつ御検討をいただきたい、かように思います。  次に国立、国定公園内の遊歩道の設置ということでありますが、予算も伴うことでなかなかたいへんだと思いますけれども、幹線道路にやはりコケ、シダ類の観賞植物、あるいは学術研究のため、あるいはいろいろと昆虫採集とかあるいは散歩をするというようなことで、自然道路の遊歩道等を今後つくって、みだりに林地内に入って山菜をとったりあるいは高山植物等をとるというようなことがないように配慮が必要である。と同時に、標識等も自然の景観をこわさない標識等をつける。最近はずいぶん配慮がなされておりますけれども、こんなことについても今後ますます配慮していただきたい、こう思うのですが、この点について簡単に御見解を承っておきたいのであります。

橋本龍太郎自由民主党厚生政務次官

○橋本政府委員 確かに現在の国民的なレクリェーションのあり方、またその方向から見まして、遊歩道等の整備、またその道そのものをふやしていくことも必要であろうと思います。そうしてその一つの国の大きな考え方のあらわれが、本年から始まっております、いわゆる東海自然歩道等にもあらわれておるわけであります。   〔委員長退席、増岡委員長代理着席〕 その際にやはり問題になりますのは、その遊歩道をつくることによってその自然環境が破壊をされない、道路そのものをつくることによって破壊はされなくても、そこを歩く人々の心ないしわざによって破壊をされるものについても、これは現実に防ぎようがないわけであります。私どもは遊歩道その他の整備も考えておりますし、現にたとえば日光公園湯滝の下から戦場が原を横切って中禅寺に至る遊歩道等が非常に活用されておる状況を存じております。そうした意味での活用は今後もはかってまいりますし、増強もはかってまいります。あわせて、先ほど川俣委員にも申し上げたような、監視を必要としない良識ある態度というものを利用者の方々にもお願いしたいわけであります。

瀬野栄次郎公明党

○瀬野委員 時間の制約もございますので、最後に一点だけ申し上げて終わりといたしますが、本法の一部改正とともに、国民の自然保護に対する要請がますます高まっております。国立、国定公園地域内の監視員、これは管理員ですか、それから自然保護指導員等の大幅の増員、それから指導管理の充実、こういったことが大事になってまいりましたが、これらのことが昭和四十六年度予算要求等にいかに検討されておられるか、最後に承りたいと思うのであります。

橋本龍太郎自由民主党厚生政務次官

○橋本政府委員 先ほど申し上げましたように、現在わずか五十五名とおしかりを受けております国立公園監視員、私どもは来年度四名の増員を要求をいたしております。しかしそれと同時に、先ほど川俣先生にも申し上げたことでありますが、私どもは今後も管理体制の強化をはかり、増員をはかってまいりますけれども、同時に、監視が必要のない状況にまで利用者の方々にもお考えを願いたい。現行のような自然破壊が行なわれている限りは、何千何万の監視員があっても、それを完全に防ぎ切るということは不可能なのであります。自分たちの子供の代、孫の代にまで、先祖から代々引き継がれてきた自然環境というものを伝えていく上において、国民にも御協力を願いたいと思うのであります。

瀬野栄次郎公明党

○瀬野委員 時間が参りましたので、以上で私の質問は終わります。

増岡博之自由民主党

○増岡委員長代理 吉田泰造君。

吉田泰造民社党

○吉田(泰)委員 自然公園法の一部を改正する法律案で、同僚委員の質問をいろいろ拝聴をしておりまして、率直に言いまして、法律そのものにはたいしたことはないと思います。私はまず具体的に、この法律の一部改正の中の清潔の保持という問題と、それからもう一点はいわゆる排水規制の問題、三点目は政府並びに厚生省の——先ほど来次官のお話を聞いておりまして、政府の態度といいますか、そういう三点について、時間もありませんので簡単に御質問申し上げたいと思います。  まず第一点の清潔の保持という問題でありますが、先ほど来いろいろの御答弁の中で、あとで結論的に質疑をしたいと思うのですが、ちょっと私の考えている点と違っている点がありますので、明らかにしていただきたいと思います。  清潔の保持と簡単にいっておりますが、中身はなかなかむずかしくてできないことだ、非常に困難が伴うであろう、こういうふうに考えます。現在清潔の保持ということを改正の趣旨の要点の一つにうたって厚生省としては具体的な施策をお持ちかどうか。法改正に伴う具体的な施策があるかどうか、公園部長にまずお伺いしたいと思います。

中村一成厚生大臣官房国立公園部長

○中村(一)政府委員 国立公園の中におきますところの美化清掃につきましては、実は国立公園行政の中で非常に頭の痛いむずかしい問題であるわけでございます。と申しますのは、先生御承知のとおり、その地域が非常に広いということ、それから、それを利用します者の数が爆発的にふえてきておるということ、それから、捨てます、よごしますごみ等が、都市における産業廃棄物と同様、まことに扱いにくいものがだんだんふえてきたということ、それから、現行の清掃法でございますが、現在の清掃法のたてまえから、季節的な清掃地域になりませんと、市町村におきましてもそれが清掃の地域にならないという法制上の問題もございまして、なかなかやりにくいところでございますが、現在まで私のほうは、国立公園の現場の管理事務所あるいは管理員等が地元の都道府県、市町村と連絡をとりまして、清掃をいたしますところの地区を組織づくりをやって、事実上はいろいろ努力しながらやってきておるわけでございます。  今年度で申しますと、たとえば昭和四十四年度におきましては、国立公園の地区におきましては、国立公園の中で百二十六の地区におきまして約八千二百万ほどの経費をかけましていろいろとやっております。しかしながら、このことにつきましては、やり方におきましていろいろ地方によってまちまちでございまして、性質はいろいろとあるわけでございます。私どもは、今回の法律改正をお認めいただきましたならば、この清潔の保持ということが明らかに国の義務あるいは地方公共団体の義務となりました暁におきましては、今回の清掃法の改正と相まちまして、自然公園内の清潔保持につきましては、あらためて本腰を入れてやっていきたい、こういうふうに思っております。

吉田泰造民社党

○吉田(泰)委員 公園部長からいろいろ話をお伺いしましたが、問題点は、清潔の保持をはかろうとすると、人と金と、しかもその歯どめが要ると私は思うのです。そのいずれを欠いてもできないと思うのです。ところが人は、政務次官から先ほど委員の質問でいろいろお答えいただいておりますので重複は避けますが、国立公園が二十三カ所あるのに五十五名の監視員——監視員を違った次元で政務次官は御答弁なさっておられましたが、私はやはり絶対的に不足だと思います。この点がまず一点。この問題は、いずれにしても国民の利用する側の態度いかんにもよりますけれども、やはり何とかしなければならぬ問題だろう。  もう一つは予算の問題、金の問題です。清掃予算というのは、誤りがあったら訂正していただきたいのですが、清掃予算そのものにはいままで八百万足らずしか金をかけていない。しかも、それも厚生省の持っている土地、いわゆる公園というのではなくて、厚生省所管の土地のみに使われておった。農林省予算は全然ない。地方自治体はどうかといいますと、地方自治体は自発的なものですね、今回の改正によって責任を明示したから、これだけは直してもらわなければいかぬ。自発的な姿で予算を出しておる。ほとんどのものが受容者、あるいはその土地の保護会とかあるいは美しくする会とか、もっぱらそういうような民間団体に依存しておるという形ではたして清潔の保持ができるか。  もう一つついでに申し上げますが、人と金と歯どめが要ると私は言ったのでありますが、それは法規制の問題だろうと思うのです。つまり、ごみを捨てる、はたして次官の御説明のような、趣旨は非常にけっこうで、ほんとうにごもっともでございますが、そのことだけではたしてできるだろうか、私はできないだろうと思うのです。結局は清掃法の、いわゆるごみを捨てて一万円以下の罰金ということに清掃法できめられていますね。これは私の提案なんですが、厚生省で単独でできることでもありませんし、一つの提案として、あとで私が政府の態度について述べますけれども、反則金制度というようなものを考えてみたらどうなのか。いわゆる発想の転換を望みたい。アメリカがきれいというけれども、子供さんが窓から物をほうったら三十ドルの反則金を取られるのです。子供のときからそういう環境の中で育っているから、公害をかけてはいけないのだ、経済的にも困る、そういうことがある。一万円の罰金といったところで、公園内を非常によごした者をいままで清掃法によって処罰されたことがあるかどうか、そういうことは私は監視員がおってもできないと思うのです。そういう姿の何にもしない監視員なら、政務次官の言うように私は要らないと思うのです。五十名でむしろけっこうだと思うのです。しかし、真剣にいろいろなことを考えて、むずかしい問題でしょうけれども、新しい時代に将来の公園を考える、自然保持を考える、将来の子孫のことを考えるならば、例をアメリカにとるならば、そういう形のいわゆる反則金というようなもの、前科にもならないそういう形において経済的にちゃんと損害は賠償させる、即決主義でやらすという一つのアイデアを私は提案をして、人と金と歯どめがなかったならば清潔の保持はうたい文句で、ざる法で何にもできない。人もふやし、金もふやし、そういうことでは効果はあがらぬだろうという気が私はするのですが、政務次官、反則金の提案に対してはどうですか。

橋本龍太郎自由民主党厚生政務次官

○橋本政府委員 多くの問題点がありましたが、順を追ってお答えをしてまいりますと、来年度の予算の概算要求に、実は私どもは国立公園の清掃の費用として八千五百万円の予算計上をいたしております。そして、その予算を国立公園管理事務所及び国立公園監視員が中心となりまして、関係の地方公共団体あるいは地方民間団体等の協力を得て、美化、清掃の組織をつくって、これは年間または季節的に清掃活動を実施していく、国定公園においても同様に美化、清掃の実をあげるように、都道府県と緊密な連絡をとりたい、このように考えております。その意味では、吉田先生がいま御指摘になりました考え方と私どもは変わりはございません。従来においても、実は公園内の清掃に必要な予算というものは何回も要求をいたしましたが、遺憾ながら力足らずで予算化できなかったということであります。  また、現在の自然公園法、ざるであると言われますが、先生御承知のとおりに、ごみを投棄をすることは禁止をしておりますし、この違反者に対して罰金を科することもできるようになっております。むしろこういう禁止規定のあること自体を知らぬ利用者もずいぶんありますので、今後こうした規定自体の周知徹底をはかっていくと同時に、この罰則の適用をきびしくしてまいりたいということを考えております。  いま先生、アメリカの例をお引きになりました。確かに反則金制度がアメリカにおいて活用されておることは事実であります。アメリカの国立公園、わが国と遺憾ながら性格の違いますのは、向こうは全部国有地であるという点、私どもの所管する自然公園の中には、民有地もあれば公有地もあれば国有地もある、いわゆる所管地であります。完全な国有地であれば、反則金というような制度そのままに採用することができると思いますが、いまの日本の国立公園というもの、国定公園というものの土地の所有権のあり方から見ると、反則金というものに今日の時点で踏み切ることは非常に困難な点がございます。  また、五十五名の監視員でも、現在の仕事ならばそんなものはなくたって同じだと言われました。これは、一度先生、彼らが毎日第一線においてどのような努力を繰り返しているかを見てやっていただきたいと思います。私は、五十五名、先ほども決してこれで多いとは言わない、われわれ不十分だと思っているということを申し上げました。その能力の限度一ぱいに、彼らは彼らなりに一生懸命の努力をしてくれております。そして、その努力があればこそ、今日の状況でなお自然公園というものの価値が存続されておるのであります。その点は特に申し添えさせていただきたいと思います。

吉田泰造民社党

○吉田(泰)委員 反則金の提案に対しては、いま即時に採用は不可能だ、いろいろな困難な問題はあろうかと思います。ただ、いま御答弁の中で——あとで日本の政府の態度、国の態度あるいは厚生省の態度ということで第三番目の質問をさせていただきたいと思いますが、たまたま話が出ましたので、現在の公園法そのものが自然公園ということで、国立公園、国定公園の場合は、たとえば国立公園の場合をとりますと、景勝地を見てばっと投網を張って、人のものでも国のものでも——それは非常に安易な法律だと私は思うのです。したがって国立でその中の国有地は大体六〇%くらい、国定の場合四〇%くらいと称しています。あとは民間地とかほかの所有者ですね。その態度にも問題があって、私は正しい姿ではないというような感じがします。それはあとに譲ります。  反則金の問題は、いま法律的に清掃法による罰金制度、そういうものがあるから歯どめになるという考え方ですが、私はもうそれだけではならないという気がします。その考え方を変えていただきたいと思います。  その前に、この監視員の毎年の就職状況を聞きますと、大体大学の農学部を出た方が、専門家が監視員に就職を希望される方が非常に多い。大体五名くらいの採用に対して百名をこす造園学の専攻者がやってくる。私はそれを聞いて、ある意味で一いま政務次官が現場の五十五名の監視員の仕事ぶりを見てくれというお話でしたが、私は十分理解して発言しておるつもりなんです。これはどういう意味かといいますと、私はなぜ就職のことを持ち出したかといいますと、この就職する動機を一応考えてみたいと思うのです。就職する動機を考えてみますと、やはり自然に対する新しい若者のあこがれといいますか、そういう新しい分野だと思うのです。少なくともわれわれの大学時代の学部では、監視員の希望者というのは、私の経験、見聞きするところでは少なかった。いまや非常に多いということは、そういう時代感覚を、いまのいわゆる就職適齢期の方々が、公園というものについて古い人よりか非常に認識を深く持っている。ほかに要因もあると思います。あるいは会社へ入っておつき合いするのに人間ぎらいな人とか、自然に親しもうとか、そういうような方もあるとは思いますけれども、ほとんどの目的は、いわゆる造園を研究したい、興味を持ちたい、自然に親しみたいというような動機があると思うのです。したがって、五名の募集に対して非常に多い百名以上の就職希望者がある。この人を育てるということは、私は新しい日本の国民の若い感覚も先取りすることだと思うのです。いままでと違った就職希望なんですね。だから、学校に残って大学の教授になるよりか、いわゆる造園学をやりたい。外国では風致工学と言うておるようですが、新しいそういうものに取り組みたい、将来のそういう使命感というものをちゃんと認識しておるという気がするのです。だから、その先取りした形でないと、私はいまのいわゆる罰金制度でいいじゃないかというような議論が成り立つのじゃないか、この辺でひとつ発想を転換しないと、清潔の保持なんと言ったって、言うばかりでできやせぬぞという気がいたします。  私はこの間ある厚生省の方に勉強をさしてもらったときに、たまたま監視員の話が出まして、八時十五分ですか、「虹」というテレビドラマがございますね。その中で新しいいまの若者が監視員に就職したそうですね。私はこれを聞きましたので、帰ってうちの女の子がおるのですが、子供に聞いてみた。そうすると、私これは質問さしていただいて恐縮ですが、自然公園というものを初めて勉強さしてもらったのです。だから初めていろいろなことを知ったわけです。ところが子供に聞くと、小さい女の子がその監視員という職業を知っていますね。たまたま「虹」というテレビドラマで毎日やっておるわけですよ。それほど時代というのは、私はなるほどな、厚生省あるいは大蔵省の態度の中にも、公園に対する考え方——政府と厚生省の問題はあとに譲りますが、いま就職の問題を出したりあるいは「虹」の話を出したのは、そういう考え方で新しい時代を先取りしなければ、公園なんというものは決してりっぱにならない、百年河清を待つごとく、いままでの法律のままでは言うべくしてできないのではなかろうか。交通違反みたいに切符を渡してばさっとやってしまう。それから、あとで述べますけれども、モラルの高揚とか、利用者の態度とか、両々相またなければなかなか公園内はきれいにならないという感じがいたしますので、再度反則金という問題を新しい提案として何とか研究をしていただきたい。心からお願いをいたします。

橋本龍太郎自由民主党厚生政務次官

○橋本政府委員 最初にちょっと、たいへん恐縮でありますが、先生、先ほどの私の答弁が不十分だったかもしれませんが、お間違えのようでありますので訂正をさしていただきます。  私は、その罰則、罰金というものは清掃法で申し上げたのではありません。自然公園法二十四条の一項一号「国立公園又は国定公園の利用者に著しく不快の念をおこさせるような方法で、ごみその他の」という条文、それを受けた五十二条の「一万円以下の罰金」というその条文を引用して申し上げたのでありまして、清掃法の規定を準用するつもりはございません。  それで、いま一言だけつけ加えさしていただきたいのですが、いま先生からはしなくもお話がありましたように、吉田先生でも、自然公園法を初めて見たと言われた。そして、お子さんは国立公園監視員の存在を知っておられたと言われた。現実に現在、実は国立公園、国定公園をよごしてしようがない者は実はおとなでありまして、明治、大正、昭和の初期であります。今日育ちつつある青少年は、自然また国立公園、国定公園を大切にしなければならぬということをよく知っております。おとなが問題である。その場合に、反則金という新たな制度を——これは私ども考えさせていただきたい提案の一つではありますけれども、今日の時点で採用するよりは、いまある法律、おとなたちがその時代におつくりになった法律でやはり罰金をわれわれは取りたい。率直に申し上げて罰金を取りたい。それがわれわれの気持ちであります。

吉田泰造民社党

○吉田(泰)委員 これは、即座に一つの提案として反則金制度を提案いたしましたけれども、なかなか困難な問題があろうということはよくわかっております。そういう方向でひとつ考えていただきたい。いま政務次官の御答弁でもそのとおりですが、なかなかむずかしい問題があろうかと思います。  時間があまりありませんので、先へ進みます。  次は排出の規制の問題なんですが、現在の国立公園の排出規制、いわゆる国立公園等の湖沼への排出の規制方法について、基本的な方針というものを厚生省当局から私は手元にいただきました。その基本的な方針を読みますと、原則として特別地域は、各地域に分かれておりますけれども、原則として湖沼への人為的排水は認めないという方向で処理なさる、それももちろんけっこうです。そのとおりだと思います。ただ私は、原則として許可しないという中には許可するものもあると思うわけです。現在考えられております許可するもの、どういうものであったらいわゆる原則として許可しないというらち外のものか、これは公園部長、いかがでしょうか。

中村一成厚生大臣官房国立公園部長

○中村(一)政府委員 お答えを申し上げます。  自然公園法で排水を規制いたします趣旨と申しますのは、湖沼等の水質につきましては、自然景観として見ます場合には、いわゆる公害対策といたしましての水質汚濁防止と違いまして、透明度でありますとか、あるいは水の色というものが基本的に問題となるわけでございます。そうしまして、さらに自然環境のほうでございますので、自然そのものの状態に湖沼や湿原があることが望ましいわけでございますので、したがいまして個々の湖沼ごとにその基準が違ってまいるわけでございますから、一つ一つの湖沼、湿原ごとに排水あるいは環境の基準というものはつくらなくちゃいけない、それが特色でございます。  そこで今度は具体的に中身に入りますと、ただいま先生御指摘になりましたように、特別保護地区の湖沼、湿原につきましては、これは自然環境を厳正に維持すべき地区でございますし、また湖沼等の水質も、透明度あるいは水の色に特性を有するものが多うございますので、それは原則として人為的な排水は許可しない。  それから二番目に海中公園地区でございますが、これは海中の動植物を保護し、水を通してそれらのものを観察することが目的でございますので、これも原則としては同地区内への人為的排水は許可しない。  それから第三番目に、特別地域内の湖沼または湖沼に注ぐ水域あるいは水路の場合でございますが、この場合には、まず自然環境の基準としては、これは湖沼の汚染の最大許容限度は、特に湖が富栄養湖となっては困るわけでございまして、これは貧栄養湖の状態でとどまっていなければならないわけでございます。その場合、一般的に富栄養湖と貧栄養湖を区分する場合の指標といたしまして、透明度でございますと五メートル、水質の指標といたしましてはおおむねBODが〇・五PPM、窒素〇・一五PPM、燐の場合が〇・〇二PPMというふうに出されております・こういうことを参考といたしまして当該湖沼の現況を勘案いたしまして、正常な状態を保てる段階を決定いたしたいと思います。  次に、そこへの排水の基準でございます。自然公園内におきますところの湖沼の特色といたしましては、そこに大きな工場があるとかいうことは考えられないわけでございますので、したがって汚染源は主として旅館とか食堂、売店等から出てくるところの排水でございます。これらのうちで、屎尿処理槽とかあるいは下水の終末処理施設から出てきます排水は、これは建築基準法あるいは下水道法によりまして、それぞれの基準でそれに適合しているわけでございますから、それはその基準に従うことといたしまして、厨房とかあるいはふろ場とかいうところから出てきますところの雑排水等につきましては、これは浄化槽または沈でん池を整備するというふうなこと、そういう条件によってこれは認めていきたいと考えておりますが、要は個々の河川ごとに固めていきたいと思っております。  しかし、これらの措置をやりましても環境基準を上回るような事態になるという場合におきましては、これはもう旅館等の施設そのものの新設とか増設に問題があるわけでございますので、それは現在の自然公園法の規定によりまして、そういう新増設を制限せざるを得ない、こういうふうに考えております。

吉田泰造民社党

○吉田(泰)委員 いまの排出規制を法改正をして、先ほどの基本方針に従って各地区の公園計画を全部変更しますね、ほとんどの地区は一応変更せざるを得ないと思うのです、公園計画としてすでに策定されたものは。その公園計画を変更する場合に、たとえば海中公園なんかは排出しておるものがないところを十カ所指定していますね。だから、将来の予防だからこれは問題ないと思うのです。だが、すでに限界を越えておるようなところ、これが私は行政上一番問題として残ってくると思うのです。公園計画を変更することによって生ずる問題点、非常に危険なところの問題点ですね。ということは、レジャー人口の増加の予測が非常に変わってきた。ということは、公園計画の中では、私は幾つかの公園計画を拝見しました。各地区の、たとえば日光国立公園の公園計画とか、いろいろな二、三の計画をくださいということで拝見しますと、少なくともこの参考資料をいただいた末尾のレジャー人口の増加とこの計画が必ずしも符合していないのです。ということは、厚生省の計画と伸びとは、非常に予想しないほど経済的な発展の余波がこういうレジャー人口の増加になってきている。これはいいことですが、厚生省の策定の中には平面的なプランしかないということですね。地区指定はやっていますね。収容人員、これくらいの旅館設備はつくってよろしいというけれども、キャパシティーの制限がない。排出の総量の規定がない。したがって、いまでもあぶない。たとえば日光の中禅寺湖とか、そういうところは現在でもすでにもう現状のものを規制せねばいかぬわけです。そうしないと、この法律は死んでしまうと思うのですね。そのときに、この自然公園法の政令の施行令の第十七条で改善命令が出されますね。改善命令を出す気があるのかないのか、危険なところに対して。

橋本龍太郎自由民主党厚生政務次官

○橋本政府委員 改善命令を出すつもりはありますし、またこれを活用しなければ、現在進行しつつあるものはとめられません。私どもは出すつもりであります。  ただ、先ほど部長の答弁の中で一つだけ実は落ちておりました点がありますので、つけ加えますと、海中公園、また特別保護地区は排出規制をきびしく行なうわけでありますが、海中公園のほうは問題がない。したがって特別保護地区には、いま先生が例を引かれた日光国立公園に一つの例をとるなら、尾瀬沼における長蔵小屋のような、どうしても管理上必要な施設というものがございます。こういうものに対しては、水質を十分調査した上で浄化槽その他を置かせて、直接排水をしないように規制をして排出をさせることはあり得ます。

吉田泰造民社党

○吉田(泰)委員 既設のものの改善命令を出したならば、たとえば排水槽をこしらえろといっても、これは許可を受けてすでにつくっておるのですね。これは法律的に厳格にいえばたいへんな問題になると思うのです。はたしてそれが可能なのかどうなのか、だって業者が金がないといって断わったらどうしますか。

中村一成厚生大臣官房国立公園部長

○中村(一)政府委員 確かに法律的にはすでに改正の施行日以前にやっておりますことにつきましては及ぼすことができないわけでございますが、先ほど先生御指摘いただきましたような改善命令、これはただいま次官がお答えいたしましたとおり、ぜひこの規定によりまして努力をいたしたいと思っておりますが、問題は、聞かないときにどうするかというお話でございます。これは私ども努力をいたしまして、これで協力をいただくように繰り返しお願いするほかございませんが、ただ財政的なお金の問題でございますので、そういう資金等の手当等につきましても、私どもはかねがね本問題について環境衛生金融公庫ともお話をいたしておりますが、この点につきましては重点的な貸し付けをお願いするようにただいまお互いに話をしているところでございます。

吉田泰造民社党

○吉田(泰)委員 環境衛生局からどなたかお見えになっておられますか。−いまの既成のものに改善命令が出た場合に法律的な疑義が残ると思うのです。行政指導になったやつを、繰り返し訴えて、法改正に伴う説明をしなければなりませんが、ほんとうは現状のままで危険なものに対しては何らかの助成措置が要る。助成の金をやることはできなくても、融資なんかで、せっかく環境衛生金融公庫があるんだから、そこらでこの法改正に伴ういわゆるワクなんというものは組み得るかどうかということです。いかがですか。

三浦英夫厚生省環境衛生局環境衛生課長

○三浦説明員 確かに現在は自然公園法の中では特段の措置はいたしておりませんけれども、私ども、自然公園法の改正を契機といたしまして、融資ワクをつくるとか、あるいは貸し付け条件を、利子を検討するとかというような前向きで、改善命令を出すまでもなく、業界のほうにそういう特段の措置を講じてまいりたいと思います。

吉田泰造民社党

○吉田(泰)委員 それが、法改正に伴った親切な行政指導ということは、改善命令の出しっぱなし、願いっぱなしではなかなかできないと思うのです。そういう点で厚生省が環境衛生金融公庫があるんだからそれを使う。しかも、ほかの人に迷惑をかけないような増ワクを大蔵省にも求めるという態度でないと、なかなか改善命令一本ではできないだろう。むしろ、日光尾瀬沼なんかの計画を見てみますと、数字の膨大なのに私もいささか驚いたのですが、ほんとうにすごい人が来ている。こういう時点をとらえて、そういう困難な地区だけに改善命令を出さなければいかぬような場所が多いわけです。そこに対して金融的な措置、そのことまでも考えてやらないと実行ができないのじゃないか、このように考えます。政務次官からそういう措置について、将来のそういう金融の助成までをお考え賜わりたい、このように考えます。

橋本龍太郎自由民主党厚生政務次官

○橋本政府委員 確かに御指摘のとおりでありますけれども、国民の税金を特定業者の施設改善のためにただで上げてしまうわけにはまいりません。いま環衛課長からお答えを申し上げましたとおり、私ども環衛公庫というものを持っておりますので、これを活用することによって、そうした事態に対処してまいりたいと考えております。

吉田泰造民社党

○吉田(泰)委員 この問題が起こった原因は、そういう利用者のいわゆる予想見込みが正しくないからなんですね。だから将来発生する国立公園、国定公園についての予想をキャパシティ指定をしておかぬとたいへんなことになりますよ、平面の指定じゃいけませんよということだけは、この問題の質問を終わるにあたって提案をしておきます。収容人員をきちっときめて、多いときと少ないときと人数で規定しておかないと、施設だけではいけない。そうしないといわゆる規制になりませんからね。また許可して改善命令を出さなければいかぬような状況になる。そこにあくまで法律的な問題が残る。いま既存のものはすでに起こってくるだろうと予測されますので、そういう点特にお願いしておきます。  時間もあまりありませんので、最後に結論を急ぎます。  これは委員長に申し上げたい。大蔵省、お見えになっておられますか。——この委員会に差しかえでやってまいったのですが、私は、この法案担当の者で、政府の公園に対する姿勢を最後の締めくくりとして結論的にお伺いをしたいのです。また、きのう予算関係で大蔵省の人をお呼びしたのですが、先ほど、二十分ぐらい前ですか、ノーという回答だったわけです。私、おこったのです。皆さん、予算編成あるいは公害国会で忙しいだろう。しかし、忙しくとも、立場はわかるけれども、きのうまでに連絡をいただきたい。きょう——いまお見えになったらしいのですが、出ぬでよろしい。私、これは委員長にもお願いしたいのですが、あとの問題にも関係すると思います。  自然公園法というのは、言うならばたいした法律ではないというようなお考えかどうかわかりませんが、事実私は、結論が必要だから申し上げるのですが、まず外国の公園と比較をしてみたいと思うのです。それと、政府の態度と発想の転換を望みたい。外国と比較をする場合に、先ほどちょっと触れましたが、日本の国立公園の場合は、国有地が約六〇%、四〇%は民間の土地ですね。そこにも一つ問題がある。これは政務次官おっしゃるとおりです。アメリカなんかの場合には基金を持っておりますから、非常に運営が楽だと思うのです。日本にはそれがない。予算も少ない、いま言ったように人も少ない。もう一つは、これは再度政務次官繰り返しておいでになりましたが、国民のいわゆる利用する側の態度、これにも問題があると思います。いわゆるモラルの低下といいますか、私はモラルを向上する一助として反則金という提案を申し上げたのです。ところが、それだけではなかなかむずかしいということですね。日本ほどきたないところはない。外国の場合は、公園に勉強をしに行ったり、ながめに行ったり、静かな心境になったりするために行く。日本の場合は飲み食いしてどんちゃん騒ぎをするために公園に行く。そのように利用者の態度も非常に違うと思うのです。その違いはある。また公園内事業者の心がまえも全然違うと思うのです。いわゆる一発的にぶったくり主義が公園内の事業者に非常に多い。そこらに対するチェックがない。ここらにも一つ問題がある。それに加えて、何度も政務次官が、国民に訴えるという国民の皆さん方のモラルの向上、徳義の高揚を説いておられましたけれども、その前に私は政府の公園に対する考え方そのものも非常におくれていると思うのです。  先ほど就職問題で申し上げましたように、ひとつほんとうに思い切った時代感覚を先取りして公園に対処していただきたい。大蔵省の政府委員に出席を求めて来てくれなかったと皮肉を申し上げたのも、実は公園の予算なんというものは——前段の質問のときに、私はもうけっこうですと断わりましたからおいでになりませんでしたけれども、清掃費なんというものは、いままで八百万円足らずです。その範囲内でもっと大事なことがあるのだという問題、これは他省にまたがりますが、たとえば公務員の問題で人の問題を説く場合でも、私は一つの提案として、たとえば食糧事務所なんか二万七千名もいるじゃないか。これは農林省所管ですからこの場で論議することではないかもしれません。米の検査員も二千五百名もおるじゃないか。しかも一体何を仕事にしているのだという気がいたします。人がない。人がないばかりではこれはいけないので、硬直した現在の政府のあり方、特に政務次官なんか非常にお若いのだから、ほんとうは発想の転換の急先鋒に立ってもらいたい。そうしなければ、予算はない、人はない、しかも人は余っているところは幾らもあるわけです、転換さえすれば。むずかしいことであるけれども。やっぱりそういう時代が来ておるのじゃないか、そんな気がいたします。  したがって、大蔵省当局の考え方も、もう少し公園などというものにほんとうに時代を先取りした予算を組むようになれば、私はほんとうの実質的な近代国家の仲間入りをすると思うのです。そうしなければ、あくまでごみの山があり、モラルの高揚にたよったところで、二十年たっても、なかなかいまのような教育制度では私は望めないと思うのです。総合的な成果が出てくるものには相当な時日を要するのじゃないか、そんな気がいたしますので、そういう点で、いわゆる政府の態度——日一日と公園は悪くなることを私は懸念する一人であります。レジャー人口がふえればふえるほど悪くなるのじゃないか、それに対する具体的な施策を政府が考えないと、たとえば先ほども私は述べましたけれども、公園にするのにばっと投網をかけて公園にしてしまう、これははなはだもって無責任な行政の態度だと私は思うのです。最小限度のものは国が国有にするというような形に持っていかないと外国並みの管理はできない。したがって、基本的に政府の態度、これは政務次官に最後に御答弁をお願いしたいのですが、政府の態度——利用者側の態度も大事であるけれども、モラルの高揚だけに依存しないで、モラルの高揚が具体的にできるような反則金の問題とか、政府の投資の問題とか、そういうことをもう少しお考えいただかないと、なかなかこの自然公園がよくなるということは非常にむずかしいことであろう。しかし、十年後、二十年後に自然の保持ということを、たとえばケネディ大統領がその教書の中にうたったごとく、日本も政府がほんとうの自然保持に金をかけて取っ組んでもらいたい。ものを言うだけでなくて。そういう気がいたしますので、最後に私は、政府に対する要望、態度の発想の転換をお願いして——大蔵当局の主計官の方にははなはだ恐縮でしたが、もう質問が終わったあとでお見えになったのですから、だからそういう態度も——委員長にお願いしたいのですが、出席できない場合は、前日にできないと、私はそれでもけっこうだと思うのです、忙しいから。しかし私はそのことを了とするわけじゃない。質問の十分前になって出席できないと言うから私はおこったのです。そういう態度も、これは厚生省に関係がありませんが、少しまじめに考えていただきたいと心からお願いを申し上げまして、質問を終わります。

橋本龍太郎自由民主党厚生政務次官

○橋本政府委員 最後に総まとめとして吉田先生のお話しになりましたことの中には、確かに私どもとして考えなければならない点が多々あることは事実でございます。ただ、先生と私ども一つ食い違う点があるように思います。と申しますのは、先生のお話のような形で国の規制を強めること、これは私は公園行政として必ずしも本筋のものだとは思えません。率直に申し上げて、国立公園であれ、国定公園であれ、できるだけ多くの国民に利用してもらい、できるだけ多くの国民に、その自然環境に親しんでもらい、その中でのレクリエーション活動をしていただくための場であります。それにいろいろな法的規制をかぶせ、制限を加え、法律の上で利用を制限することがその基本になるということ、これは私はやはり一つ先生と食い違う点であります。  確かに予算面その他、私どもが努力をいたさなければならない点は多々ございます。そうして私どもは、こうしたものをなおざりにしておいてよいとは決して思いません。私自身がずっと山を歩いてきて、今日なおひまがあれば山へ逃げ出す人間であります。しかし、かつて、たしか私が高校の二年のときに、秩父の大洞川を遡行しまして三峰へ出た一週間の旅行の中で、一人お目にかかっただけであります。高校二年の秋に燕に登りましたときは五人の人に会いました。今日は沿道列をなすほどの方々が自然に親しむことを求めております。確かに利用度は非常に変化しています。しかし、それと同時に、それを法律によって規制しなければならなくなったということは、私はどうしても情けないという一言しか出てこないのです。  先生のお話にありましたように、私どもとして考えなければならない点、これは先ほどの反則金の問題を含め、私ども検討をさしていただき、またお力添えを願わなければならない点もあります。基本的に、私はこうした公園の中において、法律上の制限によらなければその環境が維持できないという、その状況そのものについて、はなはだ情けない思いをしております。そして、先ほど先生のおたくのお話で出ましたように、今日育ちつつある青少年の多くは、そうした点に対する関心をきわめて深く持っております。それを心ないおとながいつの間にか誤らさないようにしていただきたい。最後にこの点だけを申し添えます。

吉田泰造民社党

○吉田(泰)委員 終わります。

増岡博之自由民主党

○増岡委員長代理 この際、午後一時三十分まで休憩いたします。    午後零時三十六分休憩      ————◇—————    午後一時四十八分開議

倉成正自由民主党

○倉成委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  質疑を続けます。田邊誠君。

田邊誠日本社会党

○田邊委員 公害の発生源にはいろいろありまするけれども、特に古来から最も問題にされておるのは何といっても毒物、劇物でありまして、これについては従前もある程度の規制をはかってきたのであります。しかし、なおかつ、この取り締まりの不完全さによって起こるところの事故の発生というものは絶え間ない状態であります。つい最近、特にこの毒物劇物の輸送中におけるところの事故というものがかなり多くの要素を占めているように思っておりまするけれども、あなた方のほうで把握しているこの毒劇物の事故は一体近年どんなような趨勢にあるのか、ひとつお話しをいただきたいと思います。

加藤威二厚生省薬務局長

○加藤政府委員 先生御指摘のとおり、最近におきまして毒劇物の運搬の事故というのが逐年ふえております。私どものほうで把握しております事故を数字で申し上げますと、昭和四十三年は四件でございましたけれども、昭和四十四年は十五件、昭和四十五年は、これは九月までの実績でございますが、七件でございます。  それで、最近の事故といたしまして、たとえばこれは四十五年の九月でございますが、千葉県の市川市でトラックで弗化水素という劇物を運んでおりましたのが、ガードの下をくぐるときに、積んでおった弗化水素の容器の上部がガードにぶつかりまして、バルブが破損いたしまして、約五トン積んでおりました弗化水素が全部流れ出た。そのために運転手一名、消防士三名がやけどをいたして、住民約七十名が治療を受けたという例がございます。  それから、これは四十五年六月でございますが、栃木県の小山市におきまして、塩素を運んでおりましたトラックが急ブレーキによりまして、容器のバルブがゆるんでガスが放出いたしまして、付近の住民約百名が中毒したというような事故がございます。  大体そういうような事故が最近ふえておるというのが実情でございます。

田邊誠日本社会党

○田邊委員 特徴的に言われました、市川で弗化水素が気体となって漏れて、非常に大きな臭気が起こって、この刺激の強い臭気で運転手と消防関係者が三人もやけどをしたという。さらには付近の住民を含めて六十数人が頭痛あるいは目、咽喉に炎症を起こしているという、こういう報告がありました。これは一体事故が起こった直接的な原因というのは何だと思っていますか。

加藤威二厚生省薬務局長

○加藤政府委員 これはやはりその毒劇物を運搬しておる運転手並びにその運送業者の間に、毒劇物の運送についての注意が必ずしも十分でなかったということがその最大の原因というぐあいに考えられるわけでございます。

田邊誠日本社会党

○田邊委員 事故が起こるについては、いろいろな要素があると思うのでありますけれども、いま局長のお話でも、運転手のいわば運転上の不注意という面が大きなウエートを占めているというのですけれども、この種のものは一体どういうふうにしたらその安全性がはかれるのですか。これは警察庁なり運輸省なりおいででございましょうから、自分のほうが担当だと思うところからお答えをいただきたいのでありますけれども、私はそれ以外にも、実は要因はあると思っているのですが、いま薬務局長の答弁を受けて、担当の警察庁なりは一体どうお考えですか。

竹岡勝美警察庁交通局交通規制課長

○竹岡説明員 お答えいたします。  こういう危険物の運搬につきましては、御承知のとおり火薬類取締法に基づきます火薬につきましては非常にきびしい制限がございます。運搬いたします場合には、必ず公安委員会に届け出をしなければなりません。届け出をします場合には、公安委員会のほうで、たとえば日時、それから通路、それから積載方法、そういう必要な指示をいたしておるということで、火薬は非常にきびしい制限をやっておりますけれども、現在の毒物及び劇物取締法では、若干四アルキル鉛が容器の制限あるいは積載の方法の規定がございます。そういう意味では、運搬の経路その他についての規制はいまのところございません。やはりこれから非常に車がふえてまいりますので、道路上非常に危険が起こる可能性があるというものにつきましては、ある一定経路の指定とか何かの規制が今後考えられていいのじゃないかというふうに考えております。

田邊誠日本社会党

○田邊委員 さらにその面で、あとで容器等の問題はお聞きをしまするけれども、道交法上からいって、いま言った順路の指定等について考えなければならぬと同時に、いわばスピードの問題とか、それからその道路地点におけるところのガードの高さの問題とか、あるいはガードレール等の横のいろいろな施設の問題とか、そういったものが実はここに起ったところの市川のガードにタンクのバルブが当たった、こういう事故と関係があるだろうと思うわけでありまして、そういった面における今後の取り締まりの関係で改善すべきところの要素はございませんか。

加藤威二厚生省薬務局長

○加藤政府委員 毒劇物の運搬につきましては、先生御承知のとおり、いわゆる特定毒物、非常に毒性の激しい四アルキル鉛とかその他約十種類ばかりございますが、毒物のうちでも、特に猛烈な毒性のあるものにつきましては、現在の毒物劇物法上、運搬、貯蔵その他について基準を定めてございまして、その取り扱いについての万全を期するという意味の基準があるわけでございますが、その他の特定毒物以外の毒物劇物を運搬する場合に、その運搬やその他の技術上の基準について欠けておるということが、やはり最近いろいろな事故を起こしました一つの原因ではないかということでございます。  ただいま御審議をいただいております毒劇物法の一部改正におきましても、改正点の一つといたしまして、そういう一般の、特定静物以外の毒劇物の運搬について特に規制を強めていく、そういう措置を講じたいというぐあいに考えておるところでございます。

田邊誠日本社会党

○田邊委員 いま実はまとめて警察庁にお聞きをしているのでありますから、あとでまたいろいろ技術上の問題はお聞きをするのでありますが、いまお答えのありましたように、いわば火薬類取締法に基づく火薬の運搬等については、これはかなりの規制があると私は思うのです。ですから、いわばその状態を把握することもできるわけでありまするけれども、特定毒物を含めて毒物劇物については、そういったことについてのいわばあなたのほうで把握できない状態にある。私は実はこれは厚生省の薬務局からいただいた事故調査の結果というものを拝見をいたしますると、やはり事故の起こった状態を見ますると、トラックがスピードを出し過ぎたというような問題、それからほかのトラックに衝突したというようなこと、そうしてまた、小山で起こったことについていま御報告がありましたけれども、四十一年に東京大田区一の路上で起こった硫酸、硝酸の事故を見ましても、文京区で起こったところの濃硝酸の事故について見ましても、トラックの急ブレーキによってその荷台のかめが割れた。そこから引火したトラックが転倒した、こういう事故が起こっているわけですね。ですからそれらの輸送についてのスピードの問題、あるいは急ブレーキをかけるというような問題、そういう運転をする場合におけるいろいろな注意というものが、ある程度事故の発生を防ぐことにもなるのじゃないか、こういう点からあなたのほうで取り締まり上やはり必要なものが出てくるのじゃないかと私は思うのでありまして、今後に備える意味からいっても、それらの事故の原因について探究された結果どういうふうな措置が必要なのかということに対するお考え方があれば、この隠忍は、国民のためにも親切に示していただくことが必要じゃないか、こう思って質問をしているわけであります。お答えをいただきたいと思います。

竹岡勝美警察庁交通局交通規制課長

○竹岡説明員 従来警察のほうが交通安全の立場で規制しておりますものの代表的なものは、そういう危険物、たとえば火薬の場合などは標識をつけておりますね、そういう危険物を運搬しておる車について、おまえの車は速度何キロであるというようなつかまえ方をしないで、車両の形態上、いわゆる大型車という形でつかまえまして、大型車は速度制限をし、あるいは最近は住宅街乗り入れ禁止をする、そういう規制の方法はやっておりますが、特にそういう危険物を運搬しておる、その標識で少なくともわかるわけですから、そういう危険物を運搬しておるものを法令上しっかりつかまえていただきまして、したがって、それに対してある程度の、先ほど申し上げましたように、繁華街とか人込みの中の通行制限とか、そういう届け出制によって把握できますならば、その後の指導なりなんなりもしやすいのじゃないかという感じもいたします。しかし、今後道路交通法の世界でさらに大型車のワクをかけまして、危険物運搬車に対しての通行規制、それを道路交通法に入れるかどうかは、この次の通常国会に出しますので、検討したいと思います。と同時に、こういう業者はほとんど車五台以上は安全運転管理者を置くということになっております。これは公安委員会のほうの指導までそういうことができるわけでございますので、特に危険物を扱っておる業者に対します安全運転管理者を通じての運転者の教育、これはさらに一そう力を入れたいと思います。

田邊誠日本社会党

○田邊委員 ひとつ次の機会における道交法の改正等においていまの趣旨を生かしてもらって、車両の型やあるいは過密地帯における制限等ももちろん必要でありまするけれども、私はその運搬をしているところの車両自身に対して、ある程度の規制を加えるということがどうしても必要になってくるんじゃないかと思うのです。したがって、それのみによって私はすべてが守れるとは思っておりません。実は本題は、いわばあとの技術上の問題やら容器の問題等は厚生当局によってきびしい規制をすべきである、こういうふうに思っておりますけれども、ぜひ警察庁のほうもその趣旨を生かした万全の措置をお考えいただきたいということを強く要望しておきたいと思うのであります。  それから運輸省のほうに対してでございますけれども、道路運送上の危険物の運搬規制というものの関係において、一体こういった危険物を運搬する業者に対して安全基準を厳格に守らせるということについて、現在の状態でもって完全であるのかどうか。さらに、これらの措置については何らか別途のことを考えなければならぬというような考え方があるのかないのか、ひとつお伺いしたいと思います。

飯塚良政運輸省自動車局整備部車両課長

○飯塚説明員 お答え申し上げます。  運輸省では、道路運送法並びに道路運送車両法等の一般輸送法規で運搬一般について規制をしております。その中で、一定の一般の運送事業者には運行管理者という制度がございまして、この人は運転者の指導監督その他輸送の安全、そういうふうなことをつかさどっておりまして、こういうふうな運行管理者には陸運局長の教育を受けるようにこれは義務づけてございまして、そのつどこういうふうな危険物の運搬に関する教育等はしております。また、車体の整備、そういうような面につきましては、道路運送車両法で整備管理者という規定がございまして、車の保守、整備等についてはそういうふうな業務を行なわせるようにしております。また、車両の構造の面では、毒物あるいは劇物というふうなものは一般のトラックにその容器を積み込んで運送する方法がきわめて多く、タンクローリーのように容器を自動車に固定して運搬するというふうなものは数としては少のうございますけれども、このタンクローリーのような車両構造につきましては、道路運送車両法に基づく車両の保安基準でこれは規定しております。ということでございまして、一応こういうふうな危険物等を運搬する事業者には、そういうふうな制度で現在のところは十分指導しておるというところでございます。

田邊誠日本社会党

○田邊委員 まあその指導が万全であるかどうかということになりますると、かなり危惧される面もあると思うのです。たとえばいまお話しのように、普通のトラックなり車両に容器を載せて運転をする、こういう場面の中で、そのバンドがゆるんだ、あるいはバルブを締め忘れたというようなことから起こってくる、たとえば四十二年の四月に高知市で起こった塩酸の事故なども、そのバルブの締め忘れというようなことから起こっております。したがって私は、あなたのほうでそういう指導をされていることについては当然なことと思いますけれども、あるいは運行管理者の不注意もあるし、管理の行き届かないところもありましょうけれども、あなたのほうの事前のいろいろな管理というものが完全でないということからくる事故の発生というものに対して、さらにいままでの規制だけでなくてきびしくする必要があるのではないか、こういうふうに思っておるわけでありますが、今度のいわば毒物劇物の輸送上の規制の強化と相まって、法改正ということに直ちに考えを及ぼさなくても、行政上の措置としてさらにそういった面に対するところの管理、規制、監督を強化する必要がある、こういうふうに私は思っておるわけでありますけれども、いかがですか。

飯塚良政運輸省自動車局整備部車両課長

○飯塚説明員 その点につきましては今後検討いたします。

田邊誠日本社会党

○田邊委員 ひとつぜひ検討の結果、十分な対処をお願いしたいと思っておるわけであります。  それから、運搬上の問題が出てまいりましたので、今度の法改正によりまして、特定毒物以外の毒劇物についても運搬上についてかなり規制をするということで「技術上の基準等」設けることにいたしておるようでありますけれども、この毒物劇物の運搬、貯蔵その他の取り扱いについて技術上の基準を定める、こういうふうになっておりますけれども、はたしてこの運搬、貯蔵その他の取り扱いについて、包括的には一体何と何をさすのでございましょうか、それによっていわば万全の取り締まりができるのでございましょうか、ひとつ中身についてお教えをいただきたいと思います。

加藤威二厚生省薬務局長

○加藤政府委員 毒物劇物の先ほど申し上げましたように特定毒物につきましては、現在の法律のもとに運搬の基準ができておりまして、それに基づいて運搬の安全を期しておるわけでございますが、今度の法改正におきましては、それを特定毒物以外の毒物劇物にも及ぼすということでございまして、その基準といたしましては大体、現在特定毒物についてつくっております基準というものを大体そのまま準用したような基準をつくっていくという、いまのところは方針でございます。現在、特定毒物につきましては、運搬する場合に、たとえばドラムかんで運搬するとすれば、そのドラムかんというものはどういう種類のドラムかんでなければいかぬ、政令では、たとえば日本工業規格乙一六〇一号、これははがね製のドラムかんのようでございますが、そういうドラムかんの容器の種類を指定するということ、それから運搬いたします場合には、そのドラムかんの口金が上にくるように置くというようなこととか、あるいはドラムかんの動揺を防ぐために必要な措置をするとか、これは一つの例でございまするけれども、そういういろいろな規制を現在やっておるわけでございます。大体今度そういう一般の毒物劇物について運搬の基準を広げます場合にも、いま申しましたように運搬の容器についての基準と運搬方法の基準というものを定めていこうというぐあいに考えておるわけでございます。

田邊誠日本社会党

○田邊委員 そういたしますと、いわば容器の基準、それから運搬の基準というものを今度は規制する、こういうことで必要にして十分な取り締まりができる、こういうお答えのようでありまするけれども、私はいま言った運搬、貯蔵の面においてそれだけではたして足りるかといえば、そうじゃないと思うのであります。実は先ほど警察庁にお伺いいたしましたのも、私はいろいろな総合的な判断でもってこの取り締まりはしなければならぬと思うのです。これから先、いまの時点でもって十分であると考えても、ますます過密化するところの都市における運搬、それからいろいろな交通が錯綜している現在の状態、それから容器が過大になってくるという現在の傾向、そういったものと相対して考えたときには、やはりそれだけではいけない。たとえばそれに対するところの表示の問題にしても、私はさらに厳格にしなければならないと思いますし、いろいろな器具を処置する場合における処置の方法についても、当然そういったこと等についてある程度の規制は必要になってくると思いますし、これらのものが他の法律とのかね合いの中でもって万全であれば、いまのお答えでもって私は満足いたしますけれども、これから先のいろいろな起こり得るところの事態を予測したときには、いまのお答えだけでは不十分になってくることを私は憂慮するわけでありますけれども、そういった点に対してはさらに一考をわずらわしたいと思うのですが、いかがですか。

加藤威二厚生省薬務局長

○加藤政府委員 確かに、先生御指摘のとおり、現在のままで十分だということはいえないと思います。今後ますます交通も非常にふくそうしてまいりますし、また産業の発展に伴いまして毒劇を移動するという例も起こってくると思いますので、いままで以上にそういった注意が必要だと思いますが、先生御指摘のたとえば表示の問題等につきましても、表示につきましては現行法でも毒劇についてははっきり容器その他にちゃんと表示をするようにという規定がございますので、今後さらにこれをフルに活用いたしまして手落ちのないようにする必要があると思います。やはり毒劇を取り扱います場合には、その容器の中に毒劇が入っているんだということを、取り扱い者にも、また第三者にもはっきり知らせておくことが一番大事だと思いますので、そういった面につきましては、実施面におきまして今後さらに努力をいたしたいと思います。  その他、たとえば今度の法改正で考えておりますのは、毒劇の運送業者というものをやはり毒劇法の中に取り入れまして、毒劇の届け出業者というような取り扱いにいたしまして、そして毒劇法の中にそういう運送業者もある程度取り入れまして、毒劇法の面からも運送業者を指導していく、そういう方向で努力をいたしてまいりたいというぐあいに考えておるわけでございます。

田邊誠日本社会党

○田邊委員 いまいろいろと運搬基準についての説明があったわけですけれども、しかしやはり容器の基準等を定めるだけでは不十分でありまして、さっき私がいろいろと質問をした中にも出てまいります自動車等に対する積載の方法等についても、ある程度技術的な基準を設定をして規制をしなければならなくなるんじゃないかということを私は考えておるわけであります。警察庁のお話にもありましたように、タンクローリー等をいわばある程度固定化して運搬できるという状態ばかりではないわけでありますから、そういった面におけるところの方法を適正化するということが必要ではないか、こういうふうに思うのですけれども、その点に対してお伺いしたいのであります。

橋本龍太郎自由民主党厚生政務次官

○橋本政府委員 先ほどからの御質問を伺っておりまして、私ども確かにそのとおりだと思います。将来においてもう少し考えてみたいという気を持っておりますので、検討させていただきたいと思います。

田邊誠日本社会党

○田邊委員 そういう政治的な一般的なお答えで満足するんではないのでありまして、かなり技術的な基準を設けるわけですから、いまの政務次官の答えを受けて、一体具体的に処置ができるのかどうか、処置をすべきじゃないか、こういうように実は思っておるのでありまして、基本的ないまの政務次官の考え方の上に立って技術的な面で検討する余地がないか、こういうようにさらに伺いたい。

加藤威二厚生省薬務局長

○加藤政府委員 先ほど私がこの基準といたしまして、運搬の容器の基準と運搬方法の基準についてそういう基準をつくりたいということを申し上げたわけでございますが、運搬方法の基準といたしまして、いま先生御指摘のように、どういうぐあいにして積み込むかというようなことも、これは確かにいまの基準を見ますると必ずしも十分には入ってないような点もございますので、そういう点もあるいは警察庁とか運輸省と十分連絡をとつて、その基準をつくる際におきましていま先生御指摘のような問題を十分検討いたしまして、この基準をつくってまいりたいというぐあいに考えます。

田邊誠日本社会党

○田邊委員 そういう前向きの状態をぜひ実現をしてもらいたいと思います。今回の改正の中で特に毒物劇物については運搬、貯蔵等の取り扱いについて技術上の基準を定めて規制をするということになっておるわけでありますけれども、その他という面で一体どういうものが予想されるわけですか。そして、それの基準についても適正を期せられるというお考えでございましょうか。したがって、運搬や貯蔵等についての規制があると同時に、それ以外のものについて危険はないのかどうか、予想されるところの危険の状態というものに対して、一体どういうふうにされるつもりでありますか。

加藤威二厚生省薬務局長

○加藤政府委員 運搬、貯蔵その他でございますが、たとえば表示の方法、色をつけるとか、あるいはその毒劇物それ自体に色をつけるとか、あるいは表示をするその表示のしかた、それからものによっては使用の方法とか、あるいはそういう現在の特定毒物についてやっております運搬、貯蔵のほかに、着色とか表示の方法、それからほかのものに混入いたしますときの混入の割合の問題それから表示の問題、そういう点が基準をつくります場合の一つの問題点だろうというぐあいに思います。

田邊誠日本社会党

○田邊委員 それは今度の毒物劇物の取り締まりの対象に入ってないのでしょう。

加藤威二厚生省薬務局長

○加藤政府委員 いま申し上げましたことは、要するに現在毒物劇物につきましては運搬その他について政令の基準が適用されておりませんので、それを特定毒物以外の毒物劇物に適用していくということでございますから、いま申し上げましたようないろいろな表示の方法とか、それから運搬の方法、貯蔵の方法、そういうものについて一般の毒劇物について新たに基準をつくって適用していく、こういうことでございます。田邊委員 これはあなたのほうの説明を私はこの間受けたけれども、そういうものは今度の毒物劇物の取り締まりの中に入っていないという説明ですよ。私の受けた説明のほうが間違いですか。

加藤威二厚生省薬務局長

○加藤政府委員 あるいはちょっと答弁が違っていたかもしれませんけれども、一応今度実施しようといたしておりますのは、使用方法、それから保管の方法、混入の割合、そういったものについて基準はつくる、こういうことでございます。

田邊誠日本社会党

○田邊委員 だからそれは結局表示や着色や品質の問題等については、今度の毒物劇物の取り締まりの対象ではないのでしょう。

加藤威二厚生省薬務局長

○加藤政府委員 表示につきましては現在の毒劇法十二条に表示をしろということを書いてございます。たとえば毒物については赤地に白色をもって毒物という字を書け、それから劇物については白地に赤色をもって劇物という文字を表示しろというぐあいに、現在の毒劇法でやれるということになっているわけでございます。

田邊誠日本社会党

○田邊委員 しかし、その中身について、いわば種別等についてさらに詳しく表示するということについては、これは規制をしないのですね。

加藤威二厚生省薬務局長

○加藤政府委員 御指摘のとおり、毒物であるとか劇物である、そういう表示をするという意味でございます。

田邊誠日本社会党

○田邊委員 それで、それは結局その容器の処置等についてその残存物があったりなんかする場合に、これはやはり取り扱いが種別によって違うわけですよ。一様に毒物劇物といっても、簡単に処理できるものもあるし、あるいは相当念入りにあとの処置をしなければならないものもあるわけで、したがってその表示等について、私はただ単に毒物劇物というような表示だけでなくて、その内容についても表示をしなければ親切な形ではないと思います。あとで家庭用品等についてもお伺いしますけれども、やはりそういう国民にわかる状態の中で実際に取り締まりが行なわれなければ完全なものではない、私はこう思っているわけですから、そういった面で不十分ではないかと言っているのです。

加藤威二厚生省薬務局長

○加藤政府委員 確かに、さらに万全を期するという意味におきましては、毒物劇物という一般的な表示よりも、いま先生御指摘のように、毒物劇物にもいろいろな種類がございまするから、これはこういう毒物であるとか、こういう劇物であるという内容をはっきり表示したほうがよりベターであるということは事実だと思います。現在の法律では一応毒物劇物という表示をしなければならないということが書いてございますが、それをさらにこまかく表示しろとまでは法律では書いてありませんけれども、そういう行政指導をやるということは別に禁止しているわけでもないと思いますので、行政上の指導といたしましてそういう方向で努力いたしたいと思います。

田邊誠日本社会党

○田邊委員 まあ私は、別に法律や政令だけですべて終わるわけではありませんから、その具体的な行政処置の中でもってさらに適切な処置をすることも一つの方法ですから、決してきつく言うわけではありませんけれども、今日こういう公害発生源の中でもって毒物劇物の占める割合というのは、これは実はたいへんなものになってきているわけです。何といったって一番危険なものはやはり毒物劇物なわけですから、そういった点でほかの公害についてもかなりの規制をしようという今日、この毒劇物についての取り締まりというのは厳格にして厳格にし過ぎるということはないと思う。どうかひとつ、法律改正や政令の改変というところをわずらわさなくてもできる行政的な措置については、ぜひひとつそういうふうな面で御努力をお願いしたいと思う。  それから、さっき局長の答弁の中に、運搬の業者等について届け出をする、その届け出業者についてかなりの規制や監督をしていきたいというおことばがありましたけれども、この処理業者についてもう少し明確にする必要があるのじゃないかという意見があると思うのです。廃酸や廃アルカリの処理業者等についてひとつこれは登録等をしてやるべきだという意見がかなりあると私は思うのでありまして、これは廃棄物処理法との関係もございまするけれども、あなたのほうでも当然思いつかれる考え方じゃないかと私は思うわけでありますけれども、この点は一体どういうふうなぐあいにいままで処理をされ、今後それに対するところの取り締まりをしていこうというふうに考えておられるか。登録制の問題とあわせてお答えを願いたいと思います。

橋本龍太郎自由民主党厚生政務次官

○橋本政府委員 実は、運送また処理、その両方を通して取り扱い業者の登録というものを私ども最初考えたのであります。そして今国会に提出する毒劇法の中でその登録制というものをとりたいということで実は案を練りました。しかし、実際上道路運送法上に自動車運送事業というものが免許業種として現に存している、これによってそうした場合の必要な取り締まり等が行なわれるということになっております。登録業種という形でこの毒劇法の中でとるよりも、一般の交通体系その他とのすり合わせ等も考えてまいりますと、むしろこの中で届け出を要する業務上の取り扱い者として政令で規定をして、そうしてその指定をすることによって必要な取り締まりをしていくことのほうが、よりすみやかな措置としてできる、実際上の措置もできるということで、運送について私どもは登録という考えを一応捨てたわけであります。  また、処理業について、廃棄物処理法のほうに廃酸、廃アルカリその他の不要物という固形状、液体状のものが廃棄物ということになっているわけでありますけれども、この収集、運搬、または処分を業として行なう者は、産業廃棄物処理業としてこれは都道府県知事の許可を受けることとしてありますが、これもむしろ毒劇法という体系で押えてまいりますより、産業廃棄物全体の中で、特に取り扱いに注意を重ねてその危険を防止しなければならないものとして所要の規制を行なっていくことができるという結論に達しましたので、毒劇法での登録という考え方はここに捨てたわけであります。

田邊誠日本社会党

○田邊委員 産業廃棄物の中ですべて処理できる、包括的に処理ができるという考え方は、私は最低基準としてはわかります。しかし、その中でも注意を要するものについては、私はさらに念には念を入れるということが必要だろうと思うのです。いま政務次官からの話でもって、われわれとしては廃棄物処理法について十分考えを出さなければならないと思っておりまするけれども、しかし、やはり最低基準だけでもって押しとどめるということになれば、これは一律一体の処理ということになりがちなんでありまして、ごみや屎尿等のいわば事業主の処分の義務規定の中に包括されるという形だけでは弱いのではないかと思うのであります。   〔委員長退席、増岡委員長代理着席〕  これはひとつ運輸省のほうは、登録制の問題とからめて、いま実際に業者が届け出をするときに相当チェックができて、これに対して誤りがないという方法がとれるということをお考えでございますか。

武石章運輸省自動車局業務部貨物課長

○武石説明員 お答えいたします。  道路運送法による事業免許につきましては、事業者として当該事業を適確に遂行するに足る能力を有するものである、それから事業遂行上適切な計画を有するものである、その他各種の資格要件について厳重な審査を行なった上で免許をいたしておりますので、この際に他の方面で義務づけられている事項についても、順守の方途についても、明らかになる限りにおいて確認を行なっておるわけであります。そういうことでございますので、事業者の規制という点では、いまの道路運送法の体系で一応充足している、むしろ事業者の事業のしかたという意味で、事業といいますか、特別な毒物とか劇物の取り扱いのしかた、そういうものについてはこの毒劇法によって規制も強化されるということでございますので、それで十分ではないかというふうに考えております。

田邊誠日本社会党

○田邊委員 いわば現実の実際の問題の中でもって処理することが私は最低限度必要だと思うのです。しかし、いま国民が不安に思っている公害の発生源に対して、なるべく起こらないようにしてもらいたい、こういう願望についてわれわれが考えるときには、やはり一番先の時点でもってできるだけチェックをして、そういったものが発生しないような状態をつくることが必要だ、こう思うわけでありまして、あなたのほうの、いわば次の段階でもって、この取締法でもって実際にはできるじゃないか、こういうお話がありまするけれども、いわば業務を行なっているという事態の中よりも、やはり行なわんとするところの業種についてかなりチェックをする必要がある、こう思っておるわけでありまするから、そういった認可をする際の、あなた方のいままでの一般的な規制というのはもちろんできるでしょうけれども、さらに、そういった業者に対するところの規制をさらに加えるという意味からいえば、厳格にしてもらう。何も事業を抑圧しろというのでありませんで、そういったことのおそれの起きないような状態をつくり上げるという意味から、登録措置ということについても私は考えていいのではないか、こういうふうに思って、実は御質問をいたしたわけでございまして、政務次官のお話で一応いままでの経過はわかりましたけれども、今後私は、これらの問題に対して、法の実際の運用の中で必要な事態が起こってまいるということも予測をしながら検討をしていただきたいというふうに思っておりますので、一言お答えをいただきたいと思います。

橋本龍太郎自由民主党厚生政務次官

○橋本政府委員 確かに田邊先生の御指摘のとおりに、これで足りないような事態が起こらないとは私ども断言することはできません。私たち自体が毒劇法において処理業者も含めて登録という制度を最初考えたのも、実はそういう点をおもんばかったからであります。しかし、現実に現在の制度を活用していくことに対処し得るということが、一応いま想定される範囲内では明らかでありましたので、今回私どもは登録という方法はとりませんでした。ただ、私どものその想定を越えるようなケースが予測されるようなときになりましたら、むろんこれは再度検討しなければならぬものと今日も考えております。

田邊誠日本社会党

○田邊委員 質問を続けてまいりたいと思うのですが、いろいろな取り締まりをいたしまして、事故を未然に防ぐということでありまするが、われわれとしては、そういったおそれのあるものも事前に規制をするというたてまえが貫かれておることが最も望ましいと思っておるわけでございます。しかし、不幸にして事故が起きた際の処置についても、やはり万全を期さなければならぬというふうに思っておるわけでございまして、いわゆるこういった毒劇物の事故が起きた場合に、飛散をしたり、流れ出たり、しみ出たり、しみ込んだりする場合、あるいは廃棄をする場合、こういった場合におけるその取り扱っておる者にかかる毒劇物の処理について、私は万全を期さなければならぬと思うわけでありますけれども、これに対しては事故の報告義務があるというふうになっておりまするが、はたしてそれだけで一体万全の形になるのだろうかというように私は思っておりますると、やはり事故についての報告義務等のそういったいわば事後処置だけでなく、これらが事前にチェックをすることによって、さらに事故を未然に防ぐ、こういうことも考えなければならないと思うわけでありまするけれども、これらの営業者あるいは研究者の、いわば取り扱い者に対するところの事前にこれらの問題に対して十分なチェックをすることが必要ではないか。立ち入り検査等もありまするけれども、そういっただけでなくて、施設や設備についての事前の十分な調査を行き届かせる、こういうことはできないものかということに対して、ひとつお答えをいただきたいと思います。

加藤威二厚生省薬務局長

○加藤政府委員 確かに毒物劇物は、その名のとおりに非常に毒性の強いものでございますので、そういうものを扱っている施設というものは常に注意をしなければ、保健衛生上の危害を生ずるおそれが常時あるということがいえると思うのでございます。そういう意味におきまして、毒劇法においても、毒劇物の取り扱いについて、たとえば施設の外に飛散したりあるいは漏れ出たり、流れ出るというようなことのないように、あるいは施設の地下にしみ込むというようなことのないように、常に必要な措置を講じなければならぬというような規定があるわけでございます。  それからまた、おのおのの施設に毒劇物についての取り扱い責任者というものを設置させまして、その責任者が常に毒劇物の適正な処理ということについて注意をするという義務を課しておるわけでございます。  そのほかに、先生いま例に引かれましたけれども、法律上立ち入り検査という規定も設けまして、毒劇物の監視員に随時施設の中に立ち入りをさせまして、施設がはたして毒劇物の被害防止に十分であるかどうかということを、一応事前にチェックさせているというのが現状でございます。

田邊誠日本社会党

○田邊委員 この立ち入り検査をした場合における対象というものは、一体どういうものをいうのですか。この十七条にいうところの立ち入り検査のいわば権限の範囲内における対象というものは、一体どういうものでしょうか。いま私の言いましたような、そのものの施設や設備等に対する全体的な、いわば事前チェックもできるというふうに解釈していいのでしょうか。それよりも、通例におけるところの帳簿その他の直接的な物件の検査等のいわば狭い意味における検査、調査ができるというように解すべきものなのでしょうか。この点は一体どういうふうに解釈しますか。

加藤威二厚生省薬務局長

○加藤政府委員 十七条では、毒劇物の登録検査におきましては、その施設の場所に立ち入りまして「帳簿その他の物件を検査させ、関係者に質問させ、試験のため必要な最小限度の分量に限り、毒物、劇物、第十一条第二項に規定する政令で定める物若しくはその疑のある物を収去させることができる。」こういう規定でございますが、これを読みますと、その立ち入り検査の権限というものが、何か非常に限られておるというぐあいにも読めるわけでございますが、関係者に質問させるというようなことは、業務全般について質問ができるわけでございますし、したがって施設の状況がどうなっているか、あるいは廃棄する場合にどういう方法で廃棄しているか、そういうことも全部質問できるということでございますので、施設についての検査というのは特別に書いてはございませんけれども、そういう検査をする権限というものは、この条文全体あるいはこの法律全体から、一応そういうこともできるというぐあいに私どもは解釈しているわけでございます。

田邊誠日本社会党

○田邊委員 いまの点は、私はお答えがそのまま生きていけばそれでいいと思うのでありますけれども、実際にはそれは間接なんですね。いわば間接的な検査じゃないかと思うのでありまして、私の言うのは、必ずしもその不正なり不法なり危険があるということでもって、それに立ち入ってその状態を検査するという、こういう形ばかりでなくて、いわば全体的な設備、施設、建物等の状態、あるいはまた取り扱っておる現状、こういったものに対して把握する、それが基準に適合する、皆さん方の考えていらっしゃる適正なものである、こういうようなことに対する事前の調査というものが、私は事故を未然に防ぐ要因になるんじゃないかというように考えておりますので、通例における他の法律においても、立ち入り検査についてある程度法的な見解を見ましたけれども、やはり全体的なものを俯瞰をして、それに対して調べる、こういうことがなかなかむずかしいのではないかというふうに思って御質問申し上げたわけでありまして、局長の言われるように、演繹してできるというようなものがありましても、私は、直接的な意味ではない、帳簿等も、いわば状態を見る、報告を求める、そういう中で初めて把握ができるのではないか、こういうふうに思うので、かなり間接的な意味にそれは解さなければならないと思っておるわけでありますけれども、念のためにもう一度お伺いしたい。

加藤威二厚生省薬務局長

○加藤政府委員 確かに、先生御指摘のとおり、この条文そのままをすなおに読みますと、先生御指摘になったような施設について直接検査をするという点について若干隔靴掻痒の感のあるような文章だと思います。しかし、その必要性は、先生も御指摘のとおりでございます。私どもも、そういう問題が、立ち入り検査した場合には一番重要だと思いますので、この条文をフルに活用いたしまして、こういう指導員の指導におきましても、そういう点に注意をして検査をするようにという指導をしてまいりたいと思いますし、指導するについても、この十七条で何とか読めるのではないかというぐあいに解釈しておるわけであります。

田邊誠日本社会党

○田邊委員 読めただけでは困るからね。実際にそれが行なえるようにしてもらいたいのであります。私の言うことがいわば事実として必要な場面があるだろうと思うわけでございます。それに対して、ただ単に法的な拡大解釈ではなくて、実際にできるという状態をつくっておいてもらいたいというふうに思って質問をいたしたのでありますから、その趣旨を十分生かしていけるようにお願いしたいというふうに思っております。いろいろな事故が発生をすることを防ぐためのいろいろな技術的な措置というものが何といっても必要であると同時に、いわばこれに対するところの、いま立ち入り検査をあげましたけれども、人的な配置もかなり重要だろうと思うのであります。これを話しますと、政務次官から、たとえば自然公園法の監視員の問題等とからめて前向きに答弁があるかと思いますけれども、実際問題としてどうなんでしょうか。兼任を含めて二千九十四人、専任者百四十三人、こういったいまの監視員体制の中で、公害の直接の発生源であるところの毒物劇物の監視取り締まり体制が十分確立されているというふうに一体あなた方はお考えなんでしょうか。こんなことで、国民が求める安全性なり無事故の状態をつくり上げることができるとお考えなのでしょうか。どうでございますか。

橋本龍太郎自由民主党厚生政務次官

○橋本政府委員 率直に申し上げて、十分に監視ができておるとは申し上げ切れません。私どもは確かにいま二千数十名の者を持っておりますけれども、兼務であるということが実は最大のネックであると思っております。私どもはいま、単に増員だけをしようということよりも、まずこれを専任にすることのほうが先決だということで、いま専任にすることに全力を注ぎ、一応私どもの希望がかないました時点で今後の増員を考えてまいりたいと考えております。遺憾ながら今日の状態は決して十分とは申せません。  なお、御質問に対する直接のお答えにならぬかもしれませんが、毒物劇物の監視体制を、公害が非常に多いこの世の中においてなお強化しなければならないことは当然でありますし、また、地方においてもそれなりの財源を必要とすることもよくわかることであります。国のほうにおいて、現在兼務の者を専任に切りかえていく努力を傾注すると同時に、来年度の地方交付税を増額してもらいたいという要求をいまいたしておる最中であります。

田邊誠日本社会党

○田邊委員 専任監視員の百四十三人というのは、一体どこに置いておるのですか。

加藤威二厚生省薬務局長

○加藤政府委員 大体都道府県でございまして、薬務課というところに置いてある場合もございますし、あるいは保健所に出ておる者もある。県によって違いますけれども、百四十三人というのは都道府県の職員でございます。

田邊誠日本社会党

○田邊委員 兼任者は主としてどこに置いていらっしゃるのですか。

加藤威二厚生省薬務局長

○加藤政府委員 兼任も同様でございます。兼件は大体薬事監視員が兼任している場合が圧倒的に多いわけでございますが、これも薬務課におる場合もございますし、保健所等におる場合もあるということでございます。

田邊誠日本社会党

○田邊委員 大体現場の保健所を主体として、一体どのくらい置いたらまあまあという状態になるとお考えですか。保健所の数とあわせて、一体どのくらい置いたらよろしゅうございますか。

加藤威二厚生省薬務局長

○加藤政府委員 はっきりした数字は積算はいたしておりませんけれども、私どもの達観で言いますと、大体現在の陣容で監視の実績は、大体施設に対して一回くらいの回数になっております。これは少なくとも年に二回くらいやるためには倍くらいの陣容が必要だということでございまして、現在の陣容が倍くらいになれば相当実効があがってくるのじゃないかという感じがするわけであります。非常に達観的な数字で申しわけございません。

田邊誠日本社会党

○田邊委員 やはり積算の基礎を明らかにしなければ、要求についても迫力がないのじゃないかと思うのです。大体保健所なら一つの保健所にどのくらい必要だということが明らかにならなければいけないと思うのですよ。いまあなたのほうでもっていろいろ立ち入り検査したところの状態というものが、統計調査部からございますけれども、立ち入り検査の施行個所というのは、四十四年度において七万三千カ所、違反が一万七千カ所です。そのうち収去をしたものが四百十一、その他無登録、無届け業者の発見の回数が四百三十六というかなりの回数になっておるわけです。そういったことから見れば、このまま取り締まりなり監視体制というのをさらに強化をすれば、この違反の状態をもっと発見できるし、違反の状態を発見できるということは、すなわち事故を未然に防ぐことにつながるわけですから、そういった点から見まして、やはり最低このくらいは必要である。したがって、いま政務次官が言ったように、いますぐ数はふやせないにしても、その中でもって兼任者について薬事監視員と切り離して専任者も置ける、こういう要求をしなければ私はなかなか迫力がないと思うのです。   〔増岡委員長代理退席、委員長着席〕 どうも取り締まり法ということになれば、何か技術的な面だけ取り締まれば一応済んでいるような感じを私は受けるのですけれども、実際には人が運営をし、人が監視をするわけでありますから、これが両々相まって初めていわば十分なことになるということは言わずもがななのでありまして、この点に対する一つの見識を持っていないということはいかがかと思うんですよ。早急にこれに対するあなた方の最小限度必要な人員配置についての具体的なものをお出しになる必要があると思うのですけれども、どうでしょうか。

加藤威二厚生省薬務局長

○加藤政府委員 先生御指摘のとおりだと思います。それで政務次官が、地方交付税について現在増額要求をやっておるということを申し上げましたけれども、これは事務費的なものでございます。これについては、本年約四倍の要求をいたしております。人員につきましては、いま申し上げましたように、これだけは最小限必要だという確たる数字をいま持っておりませんが、確かにこれは地方交付税でまかなうことでございますが、地方自治体なりあるいは自治省に話をいたすにつきましても、やはり相当確たる数字をもって——これだけの人員の増ということで地方交付税の問題を考えてもらいたいという申し入れをするにつきましても、やはり数字が必要だということは、先生御指摘のとおりであります。私どもも最小限これだけは出してもらいたいという数字を早く固めまして、自治省あるいは都道府県のほうに申し入れる数字を至急につくりたいというぐあいに考えております。

田邊誠日本社会党

○田邊委員 私の質問に対して、大かた趣旨は賛成をされておるわけですけれども、必ずしも私はそれで満足しておるわけではありませんよ。ほんとうはそれらのものに対して、あなた方の確固たる対策要綱というものが出ていなければ、それは絵にかいたもちになるわけですから、そういった点で、私の要望というのは、ただ単に質問の中で希望を申し上げたというだけではないのでありまして、実施についてのあなた方の体制を早急に固めてもらいたいということを強く要求しておきたいと思うのです。  それから、この毒物劇物の取り締まりをいたしまするが、これは非常に必要なことですけれども、このことによって、いま非常に厳格に取り締まりをしておるところの特定毒物の取り締まりというものに対する基準なり、それからその特定毒物の範囲なりというものを、さらに変えていくという必要はございませんか。

加藤威二厚生省薬務局長

○加藤政府委員 特定毒物につきましては、先ほど申し上げましたように、毒物のうちでも特に毒性の強いもの、これを約十種類前後のものを政令で指定しておるわけでございますが、この特定毒物の指定を特にふやすという必要性は、いまのところは考えていないわけでございまして、毒物劇物全体についてならまた問題は別でございますけれども、特定毒物について特にその指定をふやすということは、現在のところは考えていないわけでございます。

田邊誠日本社会党

○田邊委員 これは時代の進展に従って、これらについてやはり再検討を要するときが来るわけでございますから、私は刻々に変わる状態をにらみながら、特定毒物の範囲なりその基準の強化等についても常時検討をしてもらう必要があるというふうに思っておるわけでございまして、科学的な開発等の状態等をにらみ合わせながら、ぜひひとつそれらについていろいろと御検討を願いたいというふうに思っておるわけであります。  それから、毒物劇物の取り締まり強化を、今度いろいろさらにはかるわけでございますから、これと呼応しまして、医薬品の取り締まりについても強化をし、それの対象等についてもいろいろと考えていかなければならないのではないか、具体的には薬事法の改正等も必要になってくると思うのでありますけれども、これは御案内のとおり、アメリカでもってFDAが発表したところによりますと、抗生物質の複合剤について有害無益の薬品三百六十九を公表したということが報道されておるわけであります。これはもちろん、いわば複合の際においてこれが有害であり、あるいは無益である、こういうことが内容としてはあることは承知をいたしておるのでありまするけれども、これの日本における市販のリストもあなたのほうで調査をされておるはずでありますが、このFDAが発表いたしました無益または有害の薬品、このブラックリス下をあなたのほうでは受けとめて、この市販をされておる薬についてひとつ検討を始めるところの御用意がございますか。特に抗生物質あるいはホルモン剤等について、一体安全なのか、あるいは危険なのかということについて、国民はかなりの不安を持っておるというのが現状ではないかと思うのでありまして、これに対するところのあなた方の対応策は一体どうなっておるのか、お聞きをいたしたいと思います。

加藤威二厚生省薬務局長

○加藤政府委員 アメリカのFDAで発表いたしました三百六十九種でございますが、これは新聞の報道で私ども知ったわけでございまして、現在早急にそのリストを、外務省を通じてFDAから取り寄せるということ、これは急いでもらいたいということを外務省に十日ほど前でございましたが申し入れまして、いまその到着を待っておるわけでございます。これはニューヨーク・タイムズによりますと、いま先生がおっしゃいましたように、三百六十九種の中には、それ自体がつまり有害であるというようなものもある程度含まれておるかもしれませんけれども、相当多くのものが要するに配合剤でありまして、配合の理由がはっきりしない医薬品を合わせまして配合剤をつくるためには、その合わせるだけのメリットがなければいかぬわけでございますが、合わせてもほとんどメリットがない、ただ合わせただけだ、そういうものは配合剤、複合剤として適当ではない、そういう見解のもとに、FDAではそういうものを全部リストに載っけておる。あるいは表示のしかたが非常に不適当であるというようなものもあるようでございます。たとえば歯みがきなんかの一例をあげておりますが、この歯みがきを使えば虫歯がなおるというような宣伝をしておるという場合には、その宣伝が悪いわけでございまして、虫歯がなおるという宣伝をしなければ、歯みがきとしてはそれは売ってもけっこうだというようなものもあるわけであります。そういうものも全部理由を確かめた上でなければ、私どものほうといたしましても措置ができないわけでございまして、早急にそのリストと、それからどういう理由でそういうリストにリストアップしたかということを確かめまして、私どもの日本におきましても、特に有害なもの等、同じような医薬品があるというようなことでありますならば、早急にこれは措置をする必要があろうというぐあいに考えておるわけであります。

田邊誠日本社会党

○田邊委員 あなたのほうでとりあえず見た中でも、アイロタイシンあるいは有名なトローチとか、あるいはストレプトマイシン等も含まれておることを認めておるわけでありまして、これらの抗生物質がやはりそのリストの基準に当てはまるとすれば、かなりの不適格品があるのではないかというように見込まれておるわけであります。いま局長の言うように、配合をした場合においてこれが特別の効果がない、こういうものももちろんありましょうけれども、それはそれとして、かなり私は問題が含まれておるというように思っておるわけでございます。これが実際に当てはまるということになれば、かなり大きな問題になるわけでございます。ややもすれば、いろんな業界からこれらに対して問題も提起をされておると思いまするけれども、ひとつ厳格な意味で、日常市販をされておるものも含めて、国民に与えるところの影響というのは非常に大きいわけでありまして、国民の不安を取り除く意味からいっても、私は早急に措置をしなければならないというように思っておるわけでございまして、そういうふうな対策を講ずる決意と準備ありというように考えてよろしゅうございますね。政務次官どうですか。

橋本龍太郎自由民主党厚生政務次官

○橋本政府委員 いまFDAの三百六十九品目については、局長から御答弁申し上げたとおりでございますが、これはとにかく外務省から入手次第それに対応した処置をとりたいと考えております。  なお、つけ加えて申し上げますと、昭和四十二年からすでにわが国自体が、配合剤については配合理由を示す十分な資料を提出して、中央薬事審議会にはかり承認をとるという制度をとり出しておりますので、わが国自体の方法としてこういう制度を措置しつつあるという点をお考えいただきたいと思います。同時にこれは、安全性について大学付属病院、国立病院等の協力による副作用のモニター制度等実施して、現在わが国自体でも安全対策に対処しておるものであります。  なお、FDAのリスト、非常に早く提出をされたわけであります。いま日本の医薬品そのものについても再評価をしなければならぬ時期にまいっております。そしてわが国自体が現在薬効問題懇談会を設置し、再評価の方法、その範囲、そしてその後に続く単品の検査というものに踏み切ってその審議を始めておるさなかであります。私どもとしては、こういう方針を駆使してこの状況に対応してまいりたいと思っておりますし、同時にこれは、通常国会というようなことを申し上げるところまでまだ中身は煮詰まっておりませんけれども、現在わが国の薬事法中の最大の欠陥である、一たん承認してしまった薬に問題があった場合の取り消し規定がない、承認取り消しができないというようなこと、こうした点も改正をいたしたいと現在準備を進めております。

田邊誠日本社会党

○田邊委員 この毒物劇物、それから医薬品等の取り締まりも、私は時代の進展とともにかなり考え方を新たにしていかなければならないと思っております。今回の改正の中でさらにわれわれとして関心を持っておるのは、毒物劇物でもって家庭用に供されるものあるいは毒物等含有する家庭用品、これの処理というのは、直ちに台所につながるわけでありまして、主婦の皆さん方もたいへんな関心を持っておると私は思うのであります。台所用品やトイレット用の洗剤等いろいろなものがある。あるいは日曜大工とかいいまして、塗料等も実際国民が使用するということになっておるわけであります。いままで衣類等の防虫剤等で用いてきたものにすらもいろいろと中に包含されるものもある、こういうことになっておるわけでございまするが、ひとつこの基準を定めて、適合しないものに対しての販売、使用を規制をする、こうなっておりまするけれども、この基準を定めるということに対して、一体適正にできるのかどうか。それから一体区分が公平にできるのかどうか。あるいはまた、この基準を厳格にすることが必要でありまするけれども、それをしたことによってその製品の効力を失うという逆の結果も出てくるだろうと思うのでありまするけれども、これらを含めてあなた方としては断固とした処置をとり得る確信を持っておるのかどうか、これに対するところの適正な、公平な区分というものができるというようにお考えであるかどうか、その点をお伺いしたい。

加藤威二厚生省薬務局長

○加藤政府委員 今回毒劇物法で取り締まりをしようという家庭用品につきましては、これはトイレット用の洗浄剤でございますとか、あるいはふろ場なんかのタイルを流すための洗浄剤とか、あるいは衣料用の防虫剤、塗料というようなものを考えておるわけでございますが、これにつきまして、たとえば毒物劇物が入っているといたしますれば、その含有量はどの程度がいい、それはその品物によって、たとえばトイレット用の洗浄剤の場合と一般タイル用の洗浄剤の場合は、トイレット用は少し毒物劇物が多くてもいいというような基準になるかと思いますが、それぞれの品物の用途に応じまして必要最小限度の毒劇物の基準というものを定める。それからその容器の問題、容器が悪いために、家庭の主婦その他の方が被害をこうむるという例も相当あるようでございますので、その容器についても基準をつくっていく、そういう考え方をいたしておるわけでございます。  それで、こういう規制をすることによって効能が減るのではないかというような御指摘でございますが、やはりこういうものも必要でございますので、毒劇物というものを全然入れないでそういうものができれば一番理想的でございますけれども、なかなかそうはいかぬということであれば、やはりその品物として有効なだけの毒劇物というものは入れておかなければならぬということになろうと思います。ただ問題は、その場合にそれをはっきり表示しておく。これにはこういう毒劇物が入っている、だから使用をする場合にはこういう注意が必要だ。素手につけてはいかぬとか、そういういろいろな注意が必要かと思いますが、そういう表示が非常に大事になってくると思います。そういった問題、これは通産省との関連もございますが、通産省ともよく連絡をとりまして、そういう表示の問題につきましても万全の注意表していく、こういう考え方でやっていこうということでございます。

田邊誠日本社会党

○田邊委員 そこで、表示の問題がこの基準という中に含まれておるといういまのお答えでありまするが、これは一体あなた方はどういうふうに表示をするおつもりでございますか。私は、たとえばこれは毒物だとか劇物だとかいうさっきの表示のようなことじゃもちろん足らぬということを運搬上の問題のときも言いましたけれども、まして家庭上の問題のときには、国民が見てかなりわかる表示でなければ、これは私は意味がないと思うのであります。たとえば塩化水素や硫酸がトイレットの洗剤に入っておる。あるいは台所の洗浄剤にアンモニアが入っている。こういうことだけでは実際は主婦の人たちはよくわからぬと思うのであります。したがって、せっかく表示をして、それに対する誤りのない使用をしてもらうということになれば、国民にわかる形でもって表示をしなければ、これは意味が少ない、こういうふうに私は思っておるわけでありますけれども、具体的にひとつ、たとえばトイレット用の洗浄剤の表示については一体どういうふうにするのか、具体例でもってひとつお示しいただきたいと思います。

加藤威二厚生省薬務局長

○加藤政府委員 実はこの表示の問題につきましては、これは通産省のほうにおきまして家庭用品品質表示法という法律がございます。それで、通産と話し合いました結果、とにかく厚生省のほうで含量とかあるいは容器等について基準を定めるわけでございますが、それを表示する場合には家庭用品品質表示法で通産省のほうで指導する、こういう話し合いになったわけでございます。確かに先生御指摘のように、科どももこの表示のしかたが非常に大事だというぐあいに考えております。それで外国の例をも調べてみましたけれども、アメリカとかカナダでやはりこういう表示の問題を非常に重要視して、表示を非常に丁寧に書いてある。そして手についたときはどうやってそれをとったらいいということまで書いてあるということでございますが、これは通産省と十分連絡をとりまして、法律は向こうの法律でございましょうとも、その表示をいたします場合には、厚生省と十分協議をしてもらって、家庭の主婦たちがそう化学の知識がなくても安全に使えるような、そういう具体的な表示の方法というものを考える必要があるだろう。また個々について、たとえば塩酸の入っているものにはこういう表示をするというふうに、その表示のしかたまでまだきめておりませんけれども、表示をいたします場合には、ただ塩酸が何%入っているということじゃなくて、これははだに直接触れちゃいかぬとか、要するに使用のしかたとして、万一ついた場合にはどういう処置をしろというような、そういう具体的な表示をするように通産省と協議してきめていきたいというぐあいに考えております。

田邊誠日本社会党

○田邊委員 昨日家庭用品品質表示審議会がありまして、通産省の考え方というものが認められたということを実は聞いております。そして、たとえばいまの合成洗剤については、成分の表示としてアルカリ性、弱アルカリ性、中性等の種類別をする、あるいは使用目的別に衣料品用、野菜、くだもの用、食器用、家具用、こういうふうに表示をする。あるいはまた、野菜やくだものの洗浄に適さないものは適さないと書くというようなことがございます。それからまた、洗剤用とそれ以外のものとを併用してはならないということを書くというようなことがいわれておるわけでありますが、私はこれは業者にまかせたり、あるいはまた、適当にその範囲内でやれといっても、そうすると、かなり親切に書くところもあるけれども、あるいは余分なものも書く、あるいは書き足らない、その書き方がまちまちである、いろいろな弊害が出てくると思うのですが、特に家庭用品については子供が使う場合がある。幼児が使ってシャボン玉遊びなどをして幼児の口に入らないようにするというようなことが特にいわれるわけですけれども、そういったものに対してはかなり注意が行き届かないとたいへんなことになるだろうと思うわけでありますから、いま抽象的に局長からお話がありましたのでは実は私は十分なことにならぬと思うのであります。私はいま、昨日のこの審議会でもって一応認めたものだけでも足らないと思っておるわけでありまして、具体的に北欧等でやっておる表示のしかたは具体例を出してやっておるのです。あとで手はこういうふうに洗いなさい、あるいはまた、はだ荒れを防ぎなさいというように、実は具体的な事後処置までうたっておるのです。ですから、そういったことも考えて、この際、いわば役所のやる仕事というのはきわめて不親切だ、こういうことがありまするけれども、この家庭用の毒物劇物の取り扱いについては全く親切だ、厚生省よくやった、なるほどわれわれ主婦はあなた方の指導に従ってやれば間違いない、安心して使える、こういうものを私はつくってもらうことがぜひ必要ではないかと思うわけでございますから、これは政務次官もお聞きでございますし、局長さんもおわかりのとおりだと思いますので、そういった点に対してぜひとも安全対策上からいって万全の体制をはかっていただいて、親切な行政、安心してついていける行政、こういったものを確立していただきたいということを心からお願いをしたいと思うのであります。時間がありませんから、それはよろしゅうございますか。

橋本龍太郎自由民主党厚生政務次官

○橋本政府委員 けっこうであります。

田邊誠日本社会党

○田邊委員 そこで、時間がございませんので、実はいろいろお聞きをしたい点がありますが、簡単にお聞きをしますので明確にお答えいただきたいのです。  こういった毒物劇物の取り扱いをする者、営業者、製造、販売等をする者が、これらのものを廃棄をするということに対して、私は厳格にやってもらいたいと思うのであります。毒物もしくは劇物で政令に定めるものは廃棄の方法について技術上の基準に従ってしなければならない、こういうことになっておりますけれども、この技術上の基準に従って廃棄したものがかなり具体的な面において害を及ぼさないということを私はやはり的確に守ってもらいたいと思うのです。液体の場合は薄めるというようなことがありますが、しかし、薄めてそれを廃棄した場合に、地下水や土壌にしみ込んで蓄積されて有害な物質になるというおそれがあってはならないのでありまして、これらの土壌や地下水に対する汚染は絶対に出さないということをぜひとも守らなければならない、このように思っておるわけでありますけれども、これに対してはいかがですか。

橋本龍太郎自由民主党厚生政務次官

○橋本政府委員 確かに御指摘のような点を私どもこの点で考えていかなければなりません。そして、いまの施行令の四十条でそういう廃棄の方法について実は規定をしておるわけでありますが、たとえばこの中の四十条の四号のように、この基準を定めました当時と社会通念が完全に異なってしまった現在では、むしろこういうものがあってはならないようなものも実は残っております。法律制定をしていただくと同時に、こういうものは早急に削除して実態に合わせるようにいたします。

田邊誠日本社会党

○田邊委員 施行令四十条のシアンの問題等は、他の公害法との関連もございまして、いままでは二PPM以上のものは違反として取り締まるということになっておりますけれども、これは当然水質汚濁法の改正等によって、一PPM以上についてはいかぬということになるわけでございまするから、ひとつ施行令については全面的に改めていただいて、適切な、厳格な廃棄ができるように処置してもらうということを、いま政務次官のお答えのとおりぜひやってもらいたいと私は思います。  それから、こういった有害物質が出た場合には、これは回収しなければならないということになっておるわけでございますけれども、回収に応じなかった場合一体いかがなんですか。これは法務省どうでしょう。

佐藤道夫法務省刑事局参事官

○佐藤(道)説明員 厚生省当局からお答えするのが筋かもしれませんが、一応法務省の立場での考えを申し述べたいと思います。  確かに、現在改正案として提出されております法案につきましては、回収命令違反に対する罰則がついてございません。行政庁の命令違反の場合にこれをどういう形で担保するのかといいますと、行政法の上で直接強制のしかた、間接強制のしかた、行政代執行のしかた、いろいろのしかみが考えられております。罰則をもって担保するのは、このうちの間接強制に入るわけでございます。御承知のとおり、毒物を不法に廃棄した場合には、現行法二十四条で懲役三年もしくは五万円以下の罰金という重い刑の担保がついております。さらにそれに屋上屋を重ねるような担保をつけるということについては、実質的な理由に之しいのであります。むしろ行政代執行の形の担保の範囲のほうが適当ではないか、こういうふうにわれわれとしては考えたわけでございます。

田邊誠日本社会党

○田邊委員 しかし、実際にはその基準に違反した場合には、二十四条の罰則はありまするけれども、さらにそれを犯して回収にも応じないというようないわば悪質なものであります。これに対して一律一体に基準に違反したというそういう罰則規定だけで事足れりというのは、私はいかがかと思うのであります。これは国民の側からいえば、そういった悪質なものに対しては、これはさらに重い罰則を科することは当然の処置である、こういうように私どもは考えておるわけでございまして、これは法務省の考え方もありましょうけれども、二重罰則ということもありましょうけれども、私は、具体的に取り扱うほうの厚生省の側でも、当然回収に応じなかった、そういった悪質なものに対しては、これはこれなりとして罰則の適用を科してしかるべきではないかというように思うわけでありますけれども、いかがでしょう。

加藤威二厚生省薬務局長

○加藤政府委員 確かに先生の御指摘のような御意見もあろうと思いますが、私どももいろいろ法務省とも相談の結果、最終的に一応政府案としては現在提案申し上げているような法案になったわけでございますが、いま法務省の参事官のほうからお話がありましたように、私どもといたしましては、これで十分担保できるのではないかという最終的な判断に立ったわけでございます。この廃棄の方法に違反して廃棄したという場合に、毒劇の法文のうちで一番重い罰則が科せられておるということでございます。  そういう点もございますし、また廃棄、回収命令に違反したというような場合には、当然登録の取り消しとか、そういうきつい行政的な措置もやれるわけでございます。それからまた、行政代執行のやり方もございます。そういうことで、現実の問題としておそらく回収に応じないというような例はないのではないかという感じがするわけでございます。現に数カ月前にもこういう事例がございました。これは法律の規定がございませんでしたけれども、こちらが回収の勧告をいたしましたら直ちに回収をしたというような事例もございます。一応これでやってみまして、どうしてもこれに罰則がないために回収に応じない悪質の業者がどんどん出るというようなことが将来出ました場合には、法務省とも相談いたしまして、またこれの手直しということも考えられると思います。ひとつそういうことでやりたいと思います。

田邊誠日本社会党

○田邊委員 そんな、回収に応じなかった者が出た場合にあらためて協議するなんということじゃ困りますよ。そんなことが出たら、それは手おくれなんですよ、あなた。それをあらかじめ出ないように規制をすることは、当然のことでしょう。登録の取り消しなんということでもって済むものではありません。国民がこれに対して一体どういうように思いますか。それならば、回収に応じなければならないというようにこれは厳格にきめますね。どちらですか。

加藤威二厚生省薬務局長

○加藤政府委員 これは法文で回収を命ずることができるということがあるわけでございまするから、行政庁がその回収を命じたという場合には、当然行政法上回収しなければならないという一応法律上の、そういう義務といいますか、そういうものは当然あると思います。それについて罰則をつけるかっけないかという問題はございますけれども、命じた場合にどうでもいいという問題ではないと思います。

田邊誠日本社会党

○田邊委員 それじゃ、回収を命ずるものとするというふうに直してもいいですな。

加藤威二厚生省薬務局長

○加藤政府委員 これは「命ずることができる」ということは、命じてもいいし、命じなくともいいということではないわけでございまして、一応少なくともこれは行政庁がやることでございますから、大きくいいますと、国民の保健衛生上危害が生ずるという場合には、行政庁としては当然命ずべきものでございます。これは権能規定をいったものでありますから「命ずることができる」と書いてあった場合に、保健衛生上危害のあるおそれがあるのにそういう命令を出さなくともいいという規定ではないわけでございます。実質的には先生のおっしゃったような意味と同じ意味だと思います。

田邊誠日本社会党

○田邊委員 それなら直しなさい。それはやっぱり行政庁も縛らなければいかぬのですよ、実際は。あなた方が別にサボるなんて思っていませんよ。しかし、実際には両方からこれは厳格な規制をしなければ国民は納得しない、こう思うのでありまして、法務省の見解も法律的な意味ではわかります。しかし私どもはやはり実体論として国民がほんとうに安心をする、そういった悪質なものは絶滅をする立場からいえば、これはもちろん回収を命ずるものである。行政庁からいえば回収を命ずるものであり、そしてまた回収に応ずるものでなければならない、こういうふうに私どもは思うわけでありまして、その中に幾らかの逃げ道があったり、余祐があったりするものではない、こういうように私は思うわけでありますから、これはひとつそういった趣旨に従って、あなた方も従うということにひとつぜひ御了解いただきたいと思うのですが、どうですか。

橋本龍太郎自由民主党厚生政務次官

○橋本政府委員 田邊先生の御議論、実は心理的に私どもはむしろ同感でありますけれども、ただこれは、むしろ法体系の中で先生もう一度お考えをいただきたいと思います。というのは、結局二重罰則という形になる。その以前の、廃棄の違反の時点で罰則がかかる。むしろ今度は、その人間を回収の命令に応じない場合に、もう一回罰していくよりも先に、そんな事態だったらむしろ代執行しなければならないのです。そういう形でいきます限り、むしろ私どもは今回法務省の法体系全体からの議論というものをこういう形で受けたわけであります。むしろこの運用で、実際問題としてやっていこうというだけの考え方を私どもまとめております。御了解を願いたいと思います。

田邊誠日本社会党

○田邊委員 私の言う趣旨は、あなた方はわかっておるわけでありますから、法律上それがどういうふうにいわば制定できるかということは、これは技術上の問題ですから、私はやっぱり私どもの議論が一致点があれば、それについて法律的な整備について検討してもらうことはどうしても必要だというふうに思っているわけでございます。二重罰則の規定がないなんということはありませんよ。そういった点から、ぜひひとつそういった趣旨でもってやってもらいたいというふうに思います。  時間が参りましたので、たいへん残念ですが、残余の質問がいろいろございますのですが、最後に二百だけ、この運搬技術上の基準や家庭用品に対する基準、これは施行期日が六カ月をこえない範囲でやるわけですが、本来ならばひとつこれらの基準も正確に、さっきの質疑応答の中から出てきたものもありますけれども、実はあわせて提示してもらわなければならない、こういうふうに思っているわけでありますけれども、これはひとつ早急の機会にわれわれの前に提示できますね。

加藤威二厚生省薬務局長

○加藤政府委員 この国会中はちょっと間に合わないと思いますけれども、できるだけ早い機会にごらんに入れたいと思います。

田邊誠日本社会党

○田邊委員 最後に一つだけお願いしたいのでありますけれども、このあなた方の毒物劇物の別事の中で、農薬で散布するものの中に塩素酸ソーダ系のものが入っておりますが、フェノキシ系の二四五Tについて、これは入っておらないのであります。これは化合するもの自身が問題だということもあります。しかしこれはかなり、空中散布等でもって使用されて危険な状態である、ソーダ系とあわせて散布する、こういうこともありますので、これに対してはひとつ検討されて、ぜひひとつ、必要であると思いますならば、別表の中に入れるように措置してもらいたいというふうに思います。いかがですか。

加藤威二厚生省薬務局長

○加藤政府委員 確かにこの二四五Tについてはいろいろ問題があるようでございますので、毒性それ自体につきましては毒劇法の基準よりちょっと下回っておるようでございますが、いろいろ問題があるということも承知いたしておりますので、そういう方向で検討してまいりたいと思います。

田邊誠日本社会党

○田邊委員 終わります。

倉成正自由民主党

○倉成委員長 古川雅司君。

古川雅司公明党

○古川(雅)委員 議題になっております毒物及び劇物取締法の一部を改正する法律案についてお伺いをいたします。ただいまの田邊委員の長時間にわたる質問で問題点はほとんど出尽くした感じがいたしますので、多少重複は避けられないと思いますが、よろしくお願いいたします。  この取り締まり法につきましては、遠くは明治四十五年に端を発し、近くは昭和二十五年に制定をされました長い歴史と経過を持っているわけであります。ことに昭和三十九年七月に、公害防止という面で改正が加えられております。そうしてまた今回臨時国会を迎え、特に公害防止ということが臨時国会の大きな焦点になっているわけでございますが、初めにこの昭和三十九年の改正以来今日に至るまで、この取締法が公害防止に果たしたメリットについて簡単に御報告を願いたいと思います。

加藤威二厚生省薬務局長

○加藤政府委員 この毒物劇法は、御指摘のとおり公害の源泉になるような毒物劇物、それについての取り締まりということがねらいでございまして、毒劇物を製造している場所あるいは販売しているところ、そういうものにつきまして詳細に、毒劇物というものがやたらに施設の外にしみ出たりあるいは流出したり、そういうことのないようにする、そういうねらいで規定されておる法律でございます。したがって先生のいまの御質問について具体的に数字的に御返答申し上げる資料を持ち合わせておりませんけれども、これがありますために公害の源泉となるべきところが相当チェックされているという役割りは果たしていると思うのでございますが、もちろんこれが従来の公害防止という役割りについて非常な貢献をしたかどうかということは、これはいろいろ見方によっても違うと思いますけれども、とにかくそういう公害の源になる道をある程度チェックできたという役割りは果たしているというぐあいに考えておるわけでございます。

古川雅司公明党

○古川(雅)委員 ただいまの田邊委員の御質疑を通して私も伺っておりましたが、いまの局長の御答弁は私いささか疑問に思う次第であります。と申しますのは、今日の深刻化した公害の現状から考えましても、はたしてこの取締法がどれだけ公害防止に役立ってきたかということは十分考えられるわけでありまして、そういった点ではいまの御答弁は納得がいきません。先ほど来の一つ一つの指摘がまさにその証拠であります。ことに今回の公害国会において改正を提案されたということは、当然三十九年の改正に加えて公害防止のために強力な効果を期待しての上だと思いますが、その点いかがでございますか。

加藤威二厚生省薬務局長

○加藤政府委員 確かにおっしゃいますとおり、公害問題というものはここ数年来非常に社会的にも政治的にも問題になってきたわけでございますので、したがって、毒劇法というものも従来の急性毒性ということのみに小さく固まらないで、もう少しやはり公害という広い立場からもう一回再検討して、悪いところは直していく、そういう趣旨で、今度の法案ももちろん完全とは申しませんけれども、そういった趣旨でいろいろな手直しをやっているということでございます。

古川雅司公明党

○古川(雅)委員 政務次官に伺いますが、この取締法がもっと厳格な規定を定めていれば、今日の公害問題の大半は起こらなかったというふうに私は感ずる次第です。そういう点では、これから指摘をいたしますけれども、全く今回の改正の趣旨が、いわゆる生活環境の保全という点では何ら明確なものを打ち出していないのじゃないか、かように考える次第でありますが、提案理由の説明にさかのぼって、その点いかがでございますか。

橋本龍太郎自由民主党厚生政務次官

○橋本政府委員 提案理由の御説明を申し上げましたのは実は大臣がされましたので、私は大臣がどのように御説明になったか存じません。しかし、先ほどから先生たいへんおしかりでありますけれども、この毒劇法そのものが制定をされました過程をお考えいただきますときに、この法律から保健衛生上の見地というものは常に離れてはおらなかったわけであります。そしてその中において最も危険の高い、いわゆる急性毒性というものをこの法律は今日まで押えてまいりました。むしろその急性毒性以外の部分において、なるほど確かにその範囲その他で問題はあったでありましょう。なかったとは私も決して申し上げません。しかし保健衛生上の見地から設定され、今日まで運営をされてきたこの法律、いまあらためてこの公害全体の中で生活環境の保全ということがいわれる時代になりましたけれども、法制定の目的そのものが保健衛生というものを考えてきた立法であります。私どもはそういう意味での役割りは十分果たしてまいったとは思いますし、そしてそれなりの評価を私は今日までこの法律に与えております。

古川雅司公明党

○古川(雅)委員 先ほども問題になりまして、私もその点については深くお伺いをしたいと用意をしていたわけでありますが、毒物または劇物の廃棄の問題でございます。政務次官は先ほど施行令四十条の内容について十分な反省の上に立って削除すべきは削除するというふうに言明をされましたが、それは当然であると私は思います。この点も私は一番強調したかった点でございます。特にこの毒物劇物の廃棄につきまして、今回、昨日一昨日にわたって質疑が行なわれました廃棄物処理法の中の、いわゆる廃棄物の定義の廃酸、廃アルカリとの関連はどうなりますか、局長、お願いいたします。

加藤威二厚生省薬務局長

○加藤政府委員 いま先生御指摘の廃棄のところでございますが、現在の法律の十五条二に「毒物若しくは劇物又は第十一条第二項に規定する政令で定める物は、廃棄の方法について」云々と書いてございますが、その「政令で定める物」というものについて、現在無機シアン化合物を含んだ液体状のもの、こういう規定がございまして、それだけが政令で規定されておるわけでございますが、今後のこの法律の改正と同時に私どももこの点の政令を改正いたしまして、先生いま御指摘になった廃酸それから廃アルカリにつきましても、この政令でうたうというような方向で検討してまいりたいと思っております。

古川雅司公明党

○古川(雅)委員 先ほど政務次官は、この取締法がいわゆる保健衛生上の見地から十分に役割りを果たしてきたというふうに答弁をされましたけれども、少なくともこの廃棄という項に関しては、この施行令の四十条に見るごとく、特に少量ずつなら放出してもかまわない、あるいは少しずつなら燃しながら捨ててもかまわないという項を加えて非常にあいまいな点が多かったわけでございます。これがひいては保健衛生上はおろか、環境の汚染につながってきた。そういう点では、こうした法の運用の誤りが今日の公害を激増させる大きな原因になったのではないか。したがって立法の精神が「保健衛生上の見地から」という第一条を受けてはおりますが、むしろ公害防止の見地で改正を試みるならば、この保健衛生上の見地に加えて、生活環境保全あるいは環境汚染の防止という、そういう一項を加えて、この取締法の強化をはかるべきではなかったかというように思うのでございますが、いかがでございますか。

橋本龍太郎自由民主党厚生政務次官

○橋本政府委員 私は必ずしもそうは思いません。そういう意味ではこの「保健衛生上の見地」というものがむしろそれをひっくるんだものだと、私どもはこの点理解をいたしております。そして施行令の内容について先ほど田邊委員から御指摘を受け、事実確かに私どもこういう点は問題だと思い、改正しようとしているわけでありますけれども、先生、この毒劇法施行令あるいは毒劇法そのものについてもたいへんおしかりでありますが、今日公害というものがきわめて大きな問題として真剣に議論されており、また数年前からさかのぼって議論をされるようになったものでありますけれども、こういうものが制定された当時の科学の水準、こういうものをお考えいただきますと、今日ほど自然の浄化力に対するリミットというものについての考え方は実は明らかではなかったわけであります。むしろ自然の浄化力というものは無限に近いものという考え方が、これは学者をも含めてあった時代、そしてそういう中での行政を行なってきたその経緯、過去において足りなかった部分については、私はお許しをいただきたいと思うのであります。むしろそのときどきの科学の進歩に即応して何回か毒物等に対する追加も行なわれてきたのでありますし、今後もそうした努力を私どもも怠るつもりはございません。

古川雅司公明党

○古川(雅)委員 こうした毒劇物を廃棄するにつきましては、基準によるということは規定してございますが、こうしたものを取り扱ういわゆる処理業者について今後どのように規制をしていくのか、その点、局長からお願いをいたします。

加藤威二厚生省薬務局長

○加藤政府委員 廃棄物の処理業者につきましては、今度やはり御審議願っております廃棄物の処理法案の中の処理業者との関連になってくるわけでございますが、その処理業者といえども毒劇物を取り扱います場合には、この毒劇法の十五条二の廃棄の規定が適用されるわけでございます。これは何人も廃棄する場合はこうしなければならぬ——何人もというのは書いてございませんが、これが書いてないということは、だれでも廃棄する場合はこの基準によらなければいかぬ、こういうことでございますから、当然廃棄物処理業者も毒劇物を廃棄する場合には毒劇法の十五条の二によって廃棄しなければならぬ、こういう関係になろうかと思います。また今度の廃棄物処理法案の十一条の二項にも、処理業者は廃棄に関する基準に従わなければならないということで、当然こういう基準が定まると思うのでございますが、これもひとつ、できますればこの基準の中にも特に、毒劇物については毒劇法の基準によるというようなことを念のために入れてもらいまして、そして処理業者が毒劇物を廃棄する場合に間違いのないように、そういうことにいたしたいと思います。

古川雅司公明党

○古川(雅)委員 毒劇物の処理に関して廃棄物処理法案の中に入れてもらうという御発言でございましたが、これは今回の廃棄物処理法案の中に含まれているのでございますか、今後の問題でございますか。

加藤威二厚生省薬務局長

○加藤政府委員 さっき申し上げましたように、とにかくこっちの処理法案のほうは全然手をつけなくても、当然この処理業者が廃棄物を廃棄いたします場合には毒劇法の十五条の二が働くわけでございますから、ほっておいてもいいわけでございますが、これは環境衛生局と今後の話し合いになると思いますが、基準をつくる場合には、できれば私どもは念のためにそれを入れておいてもらったほうがいいのじゃないか、そういうぐあいに話し合いをしたいというふうに考えております。これからの問題でございます。

古川雅司公明党

○古川(雅)委員 少なくとも現行の廃棄に関する施行令では非常にずさんであることは、お認めになったとおりであります。いまの局長の答弁を伺っていますと、いわゆる取り扱いの基準についてのお話はございましたが、実際問題としてこうした毒劇物を廃棄するにあたって、何ら毒劇物に対する専門的な知識を有さない人が取り扱っている場合が多い。取り扱いの基準は定めても、その取り扱う人のそうした知識を含めた資格をはっきりさせなければ、今後大きな問題が起こってくるのじゃないだろうか、そういう考えがありますが、いかがでございますか。

橋本龍太郎自由民主党厚生政務次官

○橋本政府委員 その点の御指摘でございますけれども、毒物または劇物、いずれの場合におきましても、その処理業について、廃棄物処理法案に対しては廃酸、廃アルカリ、先ほど毒劇本体について先生から御指摘のあったものでございます。その廃酸、廃アルカリを含めたその他の不要物であって固形状あるいは液状、こうしたものが廃棄物とされ、この収集、運搬、処分、これを含めて業として行なう者は、産業廃棄物処理業として都道府県の知事の許可を今度は受けることになるわけでございます。その中で所要の規制を行なっていけば、私どもはその状態は、いま御指摘になったように、無知識な者がその処理に当たるというような事態は十分防げると考えております。

古川雅司公明党

○古川(雅)委員 本来この毒劇物はむしろ廃棄してはならないというものであります。したがって、その取り扱いについては、くどいようでありますが、専門的な知識を持っている者が当たらなければ危険が生じてくる。あるいはこれまでの廃棄基準では、放任されていたような、そうしたところからいわゆる広く住民に危害を及ぼすような事故を発生しかねない状態が起こってきた。たとえば一つの倉庫を片づける、その中には水銀やあるいは青酸や燐やそういったものが詰まったびんなんかがごろごろしている。それの実際に取り片づけに当たる人たちには何ら毒物劇物に対する専門知識がない。そこにまたそれの監督に当たる、管理をする人もいない。そうやって行なわれてきたこれまでの現状に対してどうお考えなのか、この点をお願いいたします。

加藤威二厚生省薬務局長

○加藤政府委員 この十五条の二は、廃棄の方法をきめておるわけでございますが、「毒物若しくは劇物又は」云々と書いてございますが、そういうものを廃棄する場合には一定の基準によって廃棄しなければなりません。これはだれでもそうやれということでございまして、これは毒劇を専門につくっておりますとかあるいは毒劇を専門に販売しておる者にはそれぞれ毒劇の専門家がおりますけれども、しかしそれ以外で販売も何もしていないということで、ただ毒劇を扱っているという業者というか、そういう状態の者は幾らでもおるわけでございます。あるいは一々そういう専門家はいない場合もあるわけでございますが、そういう場合でも廃棄の基準というものにみな従ってやれ、こういう規定のしかたをしておるわけでございまして、この廃棄処理業というものをこの法律で今度やるわけでございますが、その場合におきましてもやはり、それは専門家ではないかもしれませんけれども、また今度の法律の基準において特に毒劇についての取り扱い方をうたってもらうというような措置を講じて、よくその点を徹底いたしますれば、そうたいした危険な状態にはならないのではないか。毒劇物というものは要するに毒劇物業者以外でも扱っているものでございますから、それでしかも廃棄の場合にはみんな廃棄の基準に従う、こういうことでございますので、こういう廃棄業者だけに特別に専門家を置かなければならないということまでは、その必要まではないのではないかという感じでございます。

古川雅司公明党

○古川(雅)委員 そうしますと、こういう毒劇物の処理に当たる人たちが、こうした薬品に対する知識を持っているかどうかという点をチェックする、その必要性についてはどうなんですか。あるいは機会をどうとらえればいいのですか。

加藤威二厚生省薬務局長

○加藤政府委員 少なくとも毒劇物を処理する場合にはこういう毒劇法による基準によらなければならないのだということを、業者には何らかの方法で徹底させるという必要はあると思います。

古川雅司公明党

○古川(雅)委員 そこで問題になってくるのは、先ほどのいわゆる回収命令にかかわる十五条の三の問題でありますが、私も答弁を伺っておりまして非常に御答弁については納得できなかったわけであります。基準に従って廃棄しない場合には罰する。ところがその廃棄をして、その後その回収の命令あるいは原状復帰ということを求めた場合、それに従わなかったことに対して何らそれを強く規制する措置がない。なぜ、命ずるとならないのか。法制上というふうにおっしゃいましたけれども、このように非常にそれこそ保健衛生上重大な危害を及ぼすおそれのある行為をし、そしてまたなおかつその原状復帰回収の命令に応じないということは、これは重大な犯罪に準ずるものであると思います。したがってむしろここははっきり都道府県知事に対して回収あるいは原状復帰を命ずることを明記した上、なおかつここに厳重な処罰規定を設けるべきではないか、これはもう一度、くどいようでありますが、見解をお伺いしたいところであります。

橋本龍太郎自由民主党厚生政務次官

○橋本政府委員 先ほど田邊先生にも申し上げましたとおり、私どもも同じようなことを考えなかったと申し上げたわけではありません。ただ法理論の上において、法体系の上において、その廃棄の基準に違反した時点ですでにその本人は処分されておるわけであります。それは罰金の場合もありましょう。しかし、懲役を食っている場合もあるわけであります。その時点で今度はそれに対して原状回復命令、あるいはその廃棄物の消毒といいますか、そういう命令を出す。私どもはそういう場合を考えてこれは一たん命令ということを考えましたが、法務省としてそういうケースに対する二重罰則の考え方というものはなじまない、むしろそれ以前の問題で、廃棄に違反した段階においての処分というものを中心に考えるべきだということでありました。私どもは最終的にこういう法案にまとめたわけでありまして、ただし、むしろそれでなおかつ回収命令等にも違反をした業者に対して、その職業そのものを、その登録そのものを取り消す、あるいは停止をさせるということもできるわけでありまして、私どもはこれで運用させていただきたいということで、先ほども田邊先生に申し上げたわけでありますが、同じお答えを申し上げなければなりません。

古川雅司公明党

○古川(雅)委員 これは実際の運用上については実例との関連等の問題もありますので、いろいろ問題は残ると思いますが、先ほどから二重罰則、二重罰則というふうに御答弁でございますけれども、この毒劇物を不法に廃棄するということと、それからその廃棄したあとそれを発見して回収を命ずるということは、同一の行為でありますか。別の行為じゃないんですか。同一の行為であれば二重罰則ということは当てはまるかもしれないけれども、不法に廃棄するということと、回収しろと命じてそれに従わないことは別じゃないですか。

橋本龍太郎自由民主党厚生政務次官

○橋本政府委員 ただその時点になったら、おまえは回収命令を聞かなかったんだからおまえに罰金を課すとか、なおおまえの懲役期間を延長するとか議論をする以前に、行政上の代執行をしなければその状況を解決できない状態になっておるわけであります。むしろ私どもは、そういう事態にまでいかさないようにするんだという考え方で行政に取り組むということを申し上げておるわけでありまして、御了解を願いたいと思います。

古川雅司公明党

○古川(雅)委員 納得できませんね。不法に廃棄しているわけです。ここですでに罰せられることははっきり規定されている。当然社会的な、道義的な重任上、これを回収しなければならない。保健衛生上危害のないように原状復帰しなければならない。都道府県知事がその違反者に対してこれを命ずるというのは当然でしょう。しかも、それを「命ずることができる。」これは、命じなければならないということと同意義だとおっしゃいましたけれども、私たちはそうは考えない。命ずることもできるし命じないこともできると、私たちはとっております。いままでの法の運用はそうじゃないですか。その原状回復、回収をしないことを行政代執行ということでかわってやってやって、それで罰しないというのは、あまりにもこれはなまぬるい規制ではないか、このように考えるのですが、いかがでございますか。

加藤威二厚生省薬務局長

○加藤政府委員 いろいろこの点については御議論もあろうと思いますけれども、ただ私どもといたしましては、前の田邊先生に対する御唇弁を繰り返すようで恐縮でございますけれども、違法に廃棄するということそれ自体に対しまして非常にきつい、きついと申しますか、この法律では最高の罰則が規定されておるわけでございまして、おそらく普通こういう罰則というものはなかなか、最高限の罰則を科する、たとえば三年以下の懲役と書いてあります場合に、三年の懲役ということは普通はないわけでございます。したがってそういう場合に、廃棄をして、しかも回収をしないという場合には、その三年の懲役というものを認定いたします場合に、普通なら一年というのを、回収しない場合にはそれを二年にするというような裁判上の措置も講ぜられると思うのでございます。それからまたそういう悪質なものについては業務停止もやる、こういうこともできるわけでございますので、これで回収についての罰則がないためにたれ流しをやって、あとはほっておくということは、おそらく出てこないのではないか、私どもはそういう判断をいたしたわけでございます。  そしてまた「命ずることができる。」ということにつきましても、もし命じない場合には、これは保健衛生上の危害があるわけでございますから、少なくとも都道府県知事といたしましてはこれをほっておくわけにはいかないので、行政代執行とか何とか自分がかわりにやるということをやらざるを得ないわけでございます。おそらく、そういうことでございますから、当然保健衛生上危害が、ある場合には、これは必ず措置を命ずることになると思うのです。そういう「必要な措置を講ずべきことを命ずることができる。」というようなことは、これは立法上の慣用句と申しますか、そういう立法例が一つあるわけでございまして、先ほど申しましたように、「命ずることができる。」ということは、かってに命じたり、気が向かなければ命令しなくてもいいという問題ではないというぐあいに私たち解しておりますので、「命ずることができる。」という、こういう条文で、先生の御指摘になっておるような事態が法律上担保される、こういうぐあいに解釈いたしておるわけでございます。

古川雅司公明党

○古川(雅)委員 局長の答弁については一応すなおにそのまま受けますが、現段階では「命ずることができる」を命じなければならない、に、そしてまた罰則規定については、十五条の三の知事の命令に従わないものに対しての罰則規定を設けて提案し直すということは、いましないわけですね。

加藤威二厚生省薬務局長

○加藤政府委員 いまのところは考えておりません。

古川雅司公明党

○古川(雅)委員 当然これは問題が残るところであると思いますので、議論をまた後に譲ってまいりたいと思います。  次に、これも先ほど問題になったところでございますが、いわゆる毒劇物の運送中の事故が多発しておるということ、これは今回の改正の大きな主眼になっております。特に運搬等についての技術上の基準、この十六条の定めの中で、必要があるときは政令で定めるというふうにうたっておりますけれども、「必要があるとき」というのは、これはどういう意味でございますか。   〔委員長退席、粟山委員長代理着席〕

加藤威二厚生省薬務局長

○加藤政府委員 十六条は、保健衛生上の危害を防止するため必要があるときは、政令で、毒物または劇物の運搬その他について基準を定めることができる、こういう条文になっておるわけでございまして、「保健衛生上の危害を防止するため必要がある」、こういうときは政令で定められる、こういうことでございます。これは条文どおりでございまして、要するに、毒物または劇物というものを運搬するというような場合には、往々にして保健衛生上の危害を生ずるおそれがあるわけでございます。したがって、それを防止するためには、政令でやはり技術上の基準をつくる必要がある、こういう趣旨でこの「保健衛生上の危害を防止するため必要があるときは、」こういう字句がうたってあるわけであります。

古川雅司公明党

○古川(雅)委員 現行法の運用においてすでに運搬中の事故が起こっておるわけでございます。したがって、すでに運搬の技術上の基準については当然最も必要を生じておる段階であります。したがって、この基準についてはすでに明確に再検討を加えていると思いますが、その内容についてお伺いしたいと思います。

加藤威二厚生省薬務局長

○加藤政府委員 これは先ほどもちょっと田邊先生の御質問で御答弁申し上げましたけれども、現在ございます基準は、特定毒物について基準があるということでございまして、その他の毒物劇物についてはまだ基準がないわけであります。先ほど例をあげて申し上げましたけれども、特定毒物の事故はほとんどございませんで、その他の毒物劇物について非常に事故がふえておるわけでございます。そういうことで、したがって、特定毒物だけではなくて、その他の一般の毒物劇物につきましても、特定毒物に準じまして基準を設ける必要がある、こういうことが大きなねらいでございます。なお、その基準につきましては、先生も御指摘のように、私どももいまの基準で万全とは考えておりませんので、さらに直すべきところは直して万全を期することの努力はいたしたいと考えております。

古川雅司公明党

○古川(雅)委員 先ほども議論がございましたが、一般にいわれる危険物、LPガスとか塩素アンモニアあるいは酸素、こういった高圧ガス、それから石油、ガソリン、ベンジンなんかのいわゆる液化ガス、こういったものについては非常に厳格な輸送上の規制が行なわれているわけであります。この毒劇物を最近大量に輸送するにあたって、全く野放しの状態であったという批判がずっと行なわれてきたわけであります。こういう輸送中の事故、毒劇物の輸送中の事故を防止するためには、やはりその運送に当たる事業者の実態の把握ということが一番大事になってくるんじゃないか。さらにまた、そうしたものを取り扱う、運送に携わる人たちに対する毒劇物の知識の指導、そういった点も現在全く欠除していると思うのであります。今後この実態の掌握あるいは指導についてはどういう形で行なっていきたい、あるいは行なうんだというふうに考えていらっしゃるか、その点お伺いいたします。

加藤威二厚生省薬務局長

○加藤政府委員 確かに、この運搬に際してのそういう危険を防止するということのためには、その運搬業者に対して適確な指導をするということが何よりも必要だと思います。そのために今度この法律の改正に際しまして、一般毒劇物についての運搬上の基準を設ける、こういう措置に伴いまして、いわゆる運搬業者につきまして、これを私どものほうで届け出業種ということで把握いたしまして、届け出てもらう。登録とまではいきませんけれども、届け出てもらう。そうすると、どこにどういう業者がいるということがわかるわけであります。そこでいろいろな立ち入り検査等もできますので、そうやって届け出によりまして運搬業者を把握いたしまして、そしてその業者に対しまして、運輸省とも協力いたしまして、この毒劇物の運搬の安全ということについて指導をしてまいりたいというぐあいに考えております。

古川雅司公明党

○古川(雅)委員 運送業者の届け出ということだけではたして実態の掌握ができ、運送中の事故の軽減に効果があるとお考えでございますか。

加藤威二厚生省薬務局長

○加藤政府委員 おそらく先生の御意図は、登録ということじゃなくて、届け出でいいのかという御質問だと思いますが、確かに届け出と登録と比べますと、登録のほうがきついということはいえると思います。しかし私どもは、現在の段階では、登録については運輸省が道路運送法によりまして登録をいたしております。道路運送法におきましても、たぶん三十条だったと思いますけれども、安全の規定がございます。したがって、運輸省のほうでもそういった運搬に際しての安全ということについて、道路運送法上監督をしてもらう。そして、運輸省のほうでちゃんと登録はいたしておりますので、私どものほうは届け出によって実態を把握していく。そして、もっぱら毒劇に重点を置いてその安全の万全をはかっていく、両々相まってやっていこう、こういう趣旨でございます。

古川雅司公明党

○古川(雅)委員 毒劇物というのは特殊なものなんです。その取り扱いについてはあくまでも専門的知識を要することが前提じゃないかと私は思うのです。したがいまして、それをいわゆる運輸省の云々ということでまかすのは、非常に厚生省としては腰が弱いんじゃないかと思うのです。この点いかがでございますか。あなたの本心は、むしろ運送業者については登録業種にして、これを厚生省が管轄してしっかりその実態を掌握して指導を行ないたいというのが本音じゃないのですか。

加藤威二厚生省薬務局長

○加藤政府委員 確かに、万全を期するためには、そのほうがベターかとも思いますが、現在の段階におきましては、一応届け出制度にいたしましても、その毒劇物の責任者というのは届け出業者におきましても全部置きますから、したがって今後は運送業者につきましても毒劇物の責任者というものを置かざるを得ないわけです。そういう意味で実質的に、登録をいたしましたのと、指導と申しますか、そういう点においてはあまり大差ないわけでございます。問題は、登録の取り消しとかそういうことができるかどうか、こういう問題になってくるわけであります。したがいまして、私どもといたしましては、いまのところはこれでやってみまして、そうしてどうしても届け出ではだめだ、登録にしないとやはりまずいということになりますと、事後ではけしからぬということでまたおこられるかもしれませんけれども、一応いまのところはこれでスタートいたしまして、どうしてもこれでいかぬということになれば、またもう一回その登録の問題に戻って考えてみたいということでございます。

古川雅司公明党

○古川(雅)委員 輸送中の事故については、届け出制にするかあるいは登録制にするかということだけで、直接事故発生の頻度には目に見えた結果は出ないかもしれないけれども、少なくとも今日までの野放しの状態で——これはおたくのほうからいただいた事故の調査結果の表でありますけれども、これだけ事故が起こっているわけであります。したがいまして、中途半ばな、あいまいな対処のしかたでは、事故の軽減には何ら役に立たないと思うのでございます。届け出制をやってみてというような御答弁でございましたが、登録制度にして、登録業種としてさらにきつい規制を積極的に検討すべきだ、あるいは今度お考えになっているその届け出制を一年なら一年、半年なら半年やってみて、どうしてもまずければ、その段階で登録業種とする、登録制度とするというような、はっきりした目安をお立てでございますか。

加藤威二厚生省薬務局長

○加藤政府委員 別に、一年やってみてその結果やるというところまでは考えておりませんが、とにかく一応私どものいまの段階では届け出制で十分やっていけるんじゃないか。それで毒劇物について非常にやり方が悪い業者があれば、これは運輸省に連絡いたしまして、運輸省のほうで道路運送法による取り消しをやってもらうということも可能だと思います。そういう意味で、むしろこれは運輸省と私どものほうの緊密な連絡をやりますれば、こっちが登録するのと事実上同じような効果が得られるのではないかという感じがいたしますので、運用面にあたって運輸省とよく協力をしてやっていきたいと考えております。

古川雅司公明党

○古川(雅)委員 運営にあたってはひとつ厳重に今後措置をしていただきたいと思います。  時間もございませんので先を急ぎますが、先ほどもちょっとございましたいわゆる毒性基準の決定についてでございます。LD50というこの決定の考え方、その点は基準の決定にあたってはいわゆる主軸をなすものでございますか。

加藤威二厚生省薬務局長

○加藤政府委員 毒劇物につきましてはLD50というものを基準にして、特定毒物劇物というものを一応分ける中心的な基準というぐあいに考えております。例外ももちろんございますが……。

古川雅司公明党

○古川(雅)委員 たいへん幼稚な質問で恐縮でございますが、そうしますと、いわゆる生理学の染色体への影響を及ぼす薬品、あるいは発ガン性を持ったもの、あるいは最近カネミ油等で問題になりました塩化ジフェニール、こういったものに対する考え方はいかがなんでしょうか。

加藤威二厚生省薬務局長

○加藤政府委員 毒劇法で一応考えております土性と申しますのは、やはり急性毒性ということに主眼を置いておりまして、催奇形性とか——先生言われました染色体というのは結局催奇形性の問題でございますが、催奇形性の問題とか発ガン性、これは相当長期にわたって摂取した場合にそういう事態が起こってくるということでございまして、一応毒劇物という場合におきましては、現行法におきましては、急性毒性というものに重点を置いてやっておる、こういうことでございます。

古川雅司公明党

○古川(雅)委員 毒劇物の取り扱いでございますが、たとえば工場等におきましてこうした毒劇物をいわゆる触媒として取り扱う、そういう製造工程に携わる人について、この取り扱い者についてはこの取り締まり法はどのように左右するのでございますか。

加藤威二厚生省薬務局長

○加藤政府委員 結局、その毒劇物について、それを製造いたしておるとか、あるいはそれを販売しておるというところについては、この毒劇の取り締まり法が全部適用されるということでございます。したがって、そういうところに働く人たちにとってもちろんその事故の生じないようにといういろいろな措置が講じられておるわけでございます。その他、その毒劇物そのものを製造するのが目的じゃない場合におきましても、それを使用するというような場合におきましても、これは毒劇物全体、毒劇法全体ではございませんけれども、そのおも立ったところが準用されるという措置もございますので、相当ひんぱんに毒劇物を使うというような事業場等は、大体この毒劇物取締法によってカバーされている、こういう実態でございます。

古川雅司公明党

○古川(雅)委員 こういう毒劇物を職業上取り扱うその過程で起こるいわゆる工業中毒というのがございますけれども、これは労働衛生の見地から労働基準法あるいはその施行規則等において一応定められておりますけれども、実際問題として、そうした工場の中で毒劇物を取り扱うその取り扱いに当たる人自身が、毒劇物に対して専門の知識を有しない、そういう実情のために、いわゆる廃棄等に問題を起こす場合があるわけでございますけれども、その点についてはいかがでございますか。

加藤威二厚生省薬務局長

○加藤政府委員 結局問題は、そういう場合にはもっぱら内部のものでございますので、これは労働基準法の問題になってくると思います。したがって、労働基準法でやはり労働者を守るという立場から特にこういう毒劇物を扱っている工場、事業場で働く労働者の保護というのは、労働基準法のほうで手当てをしていただくということになろうと思います。

古川雅司公明党

○古川(雅)委員 時間がなくて非常に残念なんですが、最後に、先ほどありました家庭用品についてであります。田邊委員も指摘をしておられましたが、昨日家庭用品品質表示審議会の答申があったわけでございます。特にこの点につきまして通産省関係の家庭用品品質表示法の施行令にその実施をゆだねているわけでございますけれども、むしろこれは厚生省が積極的にこの点を管轄して取り締まりに当たるのが当然じゃないか。これまで、この新聞の記事にもございますけれども、いわゆるメーカーサイドで、洗剤一つにしても、安全で強力だとか、あるいはぞうきんに浸して使ってもだいじょうぶだ、そういった宣伝が表に立っていた。いわゆる保健衛生上の危険を防止するための表示の方法については何ら配慮が行なわれていなかった。これはいわゆる通産省サイドであるためにこうしたあやまちをおかしてきたわけでありますが、今後もまた通産省サイドでこの規制を考えていくということについては疑問があるのでございますけれども、むしろこれは毒劇物に対して専門的な知識を有し、この取り締まりを負っている厚生省自身がこれに当たって厳重に監督していくべき立場にあるんじゃないか、このように考える次第でございますが、いかがでございますか。

加藤威二厚生省薬務局長

○加藤政府委員 確かに、その点につきまして私どもも先生と気持ちを同じくするものでございますが、現に通産省のほうで日用品についての品質表示法という法律を持っておりまして、それで通産省も今後は特にそういった安全面について重大な関心を持ってその法律を運用するということを約束いたしておりますので、今度の段階におきましては、この表示の問題は一応通産省の権限ということで話し合いをつけたのでございます。現にきのうかきょうの新聞に出ておりました表示法の政令でございますが、その改正につきましても、今度はだいぶそういった点に注意を払った表示のしかたをしておるようでございます。今後もそういう点につきましては、まあ私どものほうで、保健衛生を一番扱う責任ある役所といたしまして、通産省と十分連絡をとって、向こうの法律の運用がいやしくも業者の保護になる一そういうことはないと思いますけれども、やはり使う人の安全ということに最大限のウエートを置いてその表示をやっていく、そういう方向で通産省と共同してやっていきたいというぐあいに考えております。

古川雅司公明党

○古川(雅)委員 最後に、次官にお伺いいたしますが、ただいまの家庭用品品質表示法でございますが、今後連絡をとってしっかりやっていくという局長の御答弁でございましたけれども、いままで決して連絡をとってなかったわけじゃないと思います。連絡をとっていたでしょう。それから十分消費者サイドで安全を確保するように配慮をしたのでありましょうけれども、なおかつ現実としてはメーカーサイドで事が運ばれてきたわけであります。この点特に毒劇物が、くどいようでありますが、危険な特殊なものであるという前提に立って、やはり毒劇物を含んだ家庭用品にあっては、むしろ厚生省で引き取って、厚生省の監督のもとでこれを厳重に監視していくという方向に持っていくべきではないかということと、最初に戻りまして、この毒劇物の取り締まり法は、いわゆる保健衛生上の見地から定められたものであります、その保健衛生上の見地の中に、環境保全という見地も、あるいは環境汚染の防止という見地も含まれているんだと、冒頭に次官は答弁されましたけれども、含まれているというあいまいなことではなくて、むしろ第一条において保健衛生上の見地及び環境汚染防止の見地ということをはっきり明記すべきではないか。むしろそのように第一条を訂正して提案し直す、そのくらいの姿勢が必要ではないか、このように思うのでございますが、いかがでございますか。

橋本龍太郎自由民主党厚生政務次官

○橋本政府委員 順番をさかさにしてお答えをして恐縮でありますが、毒劇法は、できた時点から、公害というようなことが言われない当時から、保健衛生すなわちわれわれの身辺に気を使ってつくった法律であります。よってあらためて提案をし直すつもりはございません。そういう意味でございます。いまのお話のような形で提案をし直す意思はございません。  それから表示について、通産省に対して、通産省の方がおられぬのがたいへん残念なくらい手きびしい御評価をいただきまして、今日までの点については私どもも同感をするものであります。ただ、今日まで私ども自体についても、ある意味で弱みのあった部分は、家庭用品について急性毒性のみを対象にしてまいった、今日まで毒劇法で対象にしておらなかったという欠点がありました。今回、先生いま御指摘をいただきましたとおりに、家庭用品そのもの、これを毒物または劇物を取り締まるべき法律の中に取り入れて、その上で話し合ってきたことであります。私はまさか同じ政府の中で通産省がうそをつかれるとも思いません。そして、同時に、表示というものが、これはお互いにいろいろなものを使ってまいりました場合、あまり複雑になりましてもまたわかりにくいものであります。むしろ表示全体の中で通産省としてとられる態度を私どもは監視もし、また要請もし、また、場合によっては強硬に論戦を張ることもあるでありましょう。その中で安全を確保してまいるつもりでおります。

古川雅司公明党

○古川(雅)委員 残念ながら時間がなくなりましたので、あとに譲らしていただきまして、私の質問を終わります。

粟山ひで自由民主党

○粟山委員長代理 田畑金光君。

田畑金光民社党

○田畑委員 この法律を読んでおりますと、政令というのが非常に多いわけです。たとえば今度の改正条文の十三条の二を見ますと、「政令で定めるものについては、」云々、「政令で定める基準に適合するものでなければ、これを販売し、又は授与してはならない。」したがって、こういう大事な法律の審議を進めるにあたっては、あなた方が出される資料の中には、政令の内容などについてもあわせて出してもらわぬと、法律全体を理解することが困難ですね。この点については十分ひとつ注意をしてもらわなくてはならぬと思うのです。これは希望として申し上げておきます。  それから第十五条の三、回収等の命令、こうなっておりますが、その前に、先ほど来の質問で、いままでこの毒劇物の取り扱いをめぐって、運搬上の不注意なり、あるいはまた、実際の家庭用品として販売されておる、しかも毒性を含む商品等について、国民の健康にあるいは生命にいろいろ危害を与え、危険をもたらした事例がしばしばあったと思いますが、そういうのの中で、特に人命に影響をもたらした案件があれば、それをまず簡単に御説明を承りたいと思います。

加藤威二厚生省薬務局長

○加藤政府委員 私どもの持っております資料におきましては、特に最近毒物等の運搬をする際の事故におきまして、いろいろ人の健康に危害を与えているという例がふえておるわけでございます。先ほど田邊先生の御質問にも若干お答えしましたけれども、たとえば四十五年の六月に栃木県小山市において塩素を運搬しておって、そのトラックが急ブレーキをかけたために、その塩素が漏れ出て——ガスでございますけれども、住民が約百名中毒をいたしたというのが一番最近の事例でございます。それから四十四年の八月、いろいろございますが、比較的事故の多いものをあげてみますると、四十四年の八月に高知市におきましてクロルピクリンという毒物でございますが、これを五百ミリリットル七本運送のときに、積みかえておりましてそのときにそれを落として、そのために容器がこわれて住民が五名中毒して、二名が重体におちいったという例がございます。それから四十四年の三月でございますが、福井県で、これは青化ソーダでございますが、これがトラックで輸送中追突されまして、約二トンの青化ソーダが流れ出まして付近の住民十一名が中毒をした。それから水道の給水を停止した。井戸水の使用を禁止し、それから付近の魚類が死んだというような事例がございます。その他いろいろございますが、そういう事例が最近特にふえてきておるということでございます。その他の毒劇物につきましては、農薬関係で相当いろいろの事故があるということを聞いておるわけでございます。

田畑金光民社党

○田畑委員 そのような事故によって人命の損傷がしばしば起きておる。そういう場合について、損害補償なり医療等についてどのように事後措置がとられておるのか、その点をひとつ説明願いたいと思うのです。

加藤威二厚生省薬務局長

○加藤政府委員 その事後のそういう民事的な措置については、私ども調べておりませんけれども、これは当然そういう事故を起こした業者、運搬業者の側——運搬の場合は私は運搬業者だと思いますが、特に容器が悪かったというような場合には、その運搬を依頼したその荷主のほうに責任があるかと思います。それはケースによって違うと思いまするけれども、当然そういう事故を起こした責任者のほうで、十分かどうかはこれはわかりませんけれども、そういった点について補償をいたしておるというぐあいに考えておるわけでございます。具体的な例を持っておりませんので恐縮でございますが、当然そういうことになっているというぐあいに解釈しておるわけでございます。

田畑金光民社党

○田畑委員 政務次官、私いまの局長の説明を聞いて感ずるわけですが、せっかくこの法律をお出しになりましたが、毒劇物の取り扱いで相当に事故が起きて、そのために人命の損傷がしばしばあるわけですね。そこで私は感ずるのでございますが、今回の公害国会といわれておる公害対策基本法の改正をはじめ、その一環として毒劇物取締法の一部改正が出されておるわけですね。そこで私としては、いわゆる無過失責任の立法化の問題でございますが、ある種の危険物を管理する者は絶対的な注意義務を負い、自分のつくり出した危険については責任を負うというのがやはり無過失責任論のたてまえだと思うのです。私は、この毒物劇物取締法にあるような危険な仕事を業としている、製造なり販売なり輸入なり輸送なり、こういう仕事を担当しておる者は、それだけ重要な社会的な責任というものを当然とらなくてはならないと思うのです。いま局長から事故の内容についての説明がございましたが、中には重傷を負うておる者もあれば、あるいはまた、そのために後遺症のある人方も相当出ておると思うのです。こういうことについては、当然無過失損害賠償的な性格で処理されてしかるべきだと思うし、また私は、毒劇物取締法というものは本来そういう性格のものではないだろうか、こういう感じを持つわけです。ですから、この公害を今後阻止するためには、あるいは被害を最小に押えるためには、今回の提案もよくわかりますが、いま私が申し上げたような点でもっときちんとしたものをつくらなければ、法律の有効性を確保することはできぬのじゃないか、こういう感じを持つわけでありますが、せっかくの機会でありますので、厚生政務次官の御見解を承っておきたいと思うのです。

橋本龍太郎自由民主党厚生政務次官

○橋本政府委員 今国会における私どもにとって最もいやな問題を田畑先生御質問になられたわけでありますけれども、連合審査会あるいは本会議、そしてその後の審議等において、無過失責任の問題が、公害担当副本部長である山中国務大臣自体もよくわからぬかのごとき答弁が繰り返され、また法務大臣も、きわめてあいまいな日本語を使っておるほどむずかしい議論でありますだけに、はたして私程度でお答えをする資格があるのかどうかちょっとわかりません。ただ、これは完全に私個人の考え方としてお聞きを願いたいと思います。  実は私は、産業公害の特別委員会において同様の趣旨の御質問を受けましたとき、たとえば水銀でありますとか、毒劇物のようなものは無過失責任制になじむものではないかということを申し上げました。そうして、その根本的な考え方は今日も同じことを先生に申し上げたいと思います。  ただそのとき、実は私は毒劇ということをその中に入れたのであります。よく冷静に考えてみますと、むしろこの毒劇法の対象にならないような、亜毒性を云々されるようなものについてはあるいは無過失責任がなじむかもしれません。しかし、この毒物劇物取締法に規定をしておるような毒物または劇物、これはむしろ排出してはならないものであります。それだけに、それが排出される場合、無過失ということはあり得ない。故意であるか、過失であるかは別として、この法律の対象になっておるものが何らかの形で排出をされた場合に、これは故意または過失のいずれであるか、無過失ということは許されない問題である、そのように考えております。

田畑金光民社党

○田畑委員 結局、いまの厚生政務次官のお答えは、やはりこういう問題については、こういう法律の性格上、また取り扱っておる毒劇物という商品の性格上、言うならば故意、過失を越えて、当然これは無過失という前提で業者が責任をとるべきである、こういう考えだと私は思います。  実は昨日の夕刊で、衆議院の産業公害特別委員会で、橋本厚生政務次官、きのうはだいぶ活躍なさったようですな。テレビでも何でも、あなたの顔が出てきたし、新聞を見ると、あなたの答弁の出ていない新聞はないのです。まさにいまのお話のように、昨日の橋本厚生政務次官のお答えは、毒物及び劇物取締法に定められた物質、亜毒性物質は無過失責任制になじむ。食品公害、薬品公害はむしろ過失を許されないもあだ。さすがに若手の有能な政治家らしい発言であることを見て非常に安心しましたが、これがほんとうのあなたの気持でしょう。

橋本龍太郎自由民主党厚生政務次官

○橋本政府委員 確かにそのとおりであります。ただし、毒物劇物については、ただいま取り消しをさせていただきました。むしろこの法律そのもので排出を許されておらないものでありますから、それが排出された場合には、過失であれ故意であれ、許されていない行為をしたということで、むしろ無過失責任ということにはならない。  一晩ゆっくり寝て、冷静に考えました結果、むしろ毒物及び劇物取締法の対象は、かえって無過失責任ということばをいまさら当てはめるのがおかしいのじゃないかという感じがいまはいたしております。ただ、その他の点においては同じであります。

田畑金光民社党

○田畑委員 厚生政務次官とあまり論議してもしょうがないので、私の言いたいことは、鉱業法なり、あるいはきのう申し上げたが、水洗炭業法なり原子力の法律等によれば、無過失責任というものがはっきりうたわれているわけです。したがって私は、この法律もそのような性格である、むしろそのようなものを考えるべきではなかったか、こう申し上げたいのです。同時に、毒劇物取締法を今回の法改正として出しておられますが、薬事法も当然同じような問題をはらんでおると思うのです。いわゆる薬品公害といわれておりますね、そういうことを考えてみますと、たまたま薬事法も薬務局長が扱っていらゃしゃいますね。それから薬事課長、毒劇物の取締法並びに薬事法は、あなた方の扱っておられる大事な法律ですね。薬事法も、当然この国会で薬品公害というものが出ておることを考えますと、以下いろいろ私は質問をしたいのでございますが、私は薬事法の改正が出ていないこと自体、ちょっとふしぎな感じがするのでございますが、どうでしょうか。

橋本龍太郎自由民主党厚生政務次官

○橋本政府委員 実は、先ほど田邊先生にも、同じ点でちょっと一部をお答えしたのでありますけれども、確かに先生お話しのとおり、私どもは薬事法に問題がないとは思いません。そして、現実に部内で改正のための、また改正するならどの程度の改正をすべきかの作業は進めさせております。現在の薬事法中最大の欠点である、一たん許可をしてしまった医薬品というものは、あとで問題が起きても取り消しができぬという実にみっともない姿になっております。この点を、例をあげて先ほど田邊先生に薬事法についてのお答えを申し上げました。  そのほかにも問題はまだあるわけでありまして、それだけを手直しすれば薬事法の改正が終わるものでもございません。現在作業をいたしておりますし、その作業が終わり次第、私どもはこの改正の御審議をお願いをしなければならぬと、むしろ今日積極的に考えております。

田畑金光民社党

○田畑委員 これも先ほど質問に出たかどうか知りませんが、例の米国のFDAで十一月の二十七日に、過去何年かの間、三千種の医薬品について、市販されておるものについていろいろ検討した結果、三百六十九種の薬品を無効あるいは有害として一般に公表したということですね。私はこの調査をいろいろ聞いてみますると、米国政府が米国アカデミーの協力のもとに、FDAの専門家が六二年までに発売された三千種の薬品を対象に四年がかりでまとめたものだ、こういうことです。国民の生命あるいは健康に関する厚生行政あるいは薬事行政というものは、やはりきびしいものがなければいかぬ、こういうことです。この毒劇物法についても同様、薬事法についても同様だ、こう思うのです。私は、こういうことについて、厚生省としては、日本の薬事行政として、厚生行政として、どういうことをとっていかれようとするのか。しかも、伝うるところによれば、アメリカで忌避されたこの三百六十九の薬品については日本でも出回っておるということです。こういう問題等について、厚生省としていま一体どうなさっておるのか。今後の方針なり、そういうものを承っておきたいと思うのです。

橋本龍太郎自由民主党厚生政務次官

○橋本政府委員 FDAの正式発表となりました三百六十九品目、そのものの措置の根拠となった正確な資料及びその正式発表文を実は現在外務省を通じて入手すべく手配をしておる最中でありまして、そのものについては、入手次第ただちに検討をしてまいるつもりでおります。ただ、その三百六十九種の中には、実はたとえば歯みがき等の誇大広告に類するものであるとか、幾つかの医薬品を配合したその配合剤、配合効果がないというような理由のものもあげられておるようでありまして、正式文書を入手し次第、この点については確定した処置をとってまいりたいと私どもは考えております。  ただ、日本自体でも、実は四十二年から配合剤というものについては配合理由を示す十分な資料を提出させると同時に、中央薬事審議会にはかって承認をする、そうして安全性についても同じく四十二年から大学の付属病院、国立病院等の協力による副作用モニターの制度を実施するなどの安全対策を講じてまいりました。そして今日、先ほど申し上げましたとおりに、実は、一たん許可をした薬は取り消すことができないというみっともない話が一つの原因でもあります。わが国には山ほどの、万をもって数えるほどの薬が実は認可をされております。そしてその中には、今日の医学水準、薬学水準から問題を提起されておるものもあります。そうした点の再評価をしなければならないということ、本年の九月に薬効問題懇談会というものを設置して、再評価をすることを前提に、その再評価の方法、どのような手法を使ったらいいか、同時に、どの程度の範囲までやらなければならないのか、その範囲などを検討して、その結論を得次第、今度は単品の再評価に入っていこうという作業を進めておる次第でありまして、その意味では今度のFDAの調査も、正確なデータを私ども入手いたしました場合に、こうした意味でも私どもにとって貴重なる資料になると考えておる次第でございます。

田畑金光民社党

○田畑委員 どっちみちこういう問題については、医療問題あるいは医薬問題等については、この次の通常国会の大きな問題になると思いますので、私は本格的な問題提起はこの次の機会にしたいわけでありますけれども、ただ申し上げたいことは、とにかくわが国の医療費というのは、次官、局長よく御承知のとおり、べらぼうにふえていっておるわけですね。また国民自体が薬好きだという性格的な面もありましょう。同時にまた、製薬業者なりあるいは販売業者なりの売らんかなの誇大宣伝広告に見られるような傾向というものも薬が非常にふえていく原因だと思います。しかし、いま次官の答弁の中にもありましたように、わが国の今日市販されておる薬が一体どれだけあるのか。その中で、ほんとうにFDAのいうように、専門的に検討したならば、どれだけが不要であり、むしろ有害であるかということですね。薬は乱用することによってかえって生命と健康に害があるということは常識でございます。そこに薬品公害というものが現実の問題として出ているわけです。したがって薬事法の問題についてもきびしい態度で取り組むべきではないか。この国会に毒劇物取締法の一部改正法律案を出されておるが、薬事法の改正が出てこないということですね。まあわが国のいま申し上げた薬事行政の立ちおくれ、こういう問題についての反省がないということは片手落ちだと思いますが、どうですか局長、あなたとしては一番大事な最高の薬事行政の責任者でございますが、事務当局としては、この問題について内部で検討してきておるのですか。また、次の通常国会あたりには薬事法の一部改正法律案等についても、こういうような問題について何か提案する用意があるのかどうか、ここらあたりもひとつこの際はっきりしてもらいたいと思うのです。

加藤威二厚生省薬務局長

○加藤政府委員 確かに薬の公害ということばはございますけれども、いわゆる今度の公害国会におきまして提案されました公害関係の法律というのは、公害対策基本法にいう公害というものと関連するものに一応限られたわけでございます。薬事法については、確かに薬品のいろいろな害というものはございますが、これがいま今度の国会で議論されておりますいわゆる公害というものとはちょっと違っておりますので、そういう意味で私どもといたしましても、もちろん準備もできておりませんでしたけれども、今度の公害国会に薬事法の改正という問題は提案しなかったわけでございますが、ただ薬の問題については、先生も十分御承知のようにいろいろ問題がございます。ことに医療保険との関連その他におきまして、むしろ薬の問題というものは改めるべき点が非常に多いと思うのでございます。そういう意味におきまして、薬事法等も、いま政務次官からお答え申し上げましたように、改めるべき点が多々ございます。そういうことで私どもも検討を重ねております。今度の通常国会に間に合うかどうかという点については、いまのところではお約束はできませんけれども、ただ私どもといたしましては、これをいつまでもほっておける問題ではないと思います。医療保険の問題がこの次の国会に出ますれば、必ず薬の問題についてこれは各方面から激しいいろいろな御批判が出てくると思うのでございます。そういう意味におきましても、やはり薬の姿勢を正していくということがいろいろな意味で必要だと思うのです。この次の国会で必ず提案するということをこの席でお約束する段階には至っておりませんけれども、できるだけ努力をいたしまして、薬の問題を少しでも悪い点を是正していくという点につとめてまいりたいと考えております。

田畑金光民社党

○田畑委員 まあ局長の答弁で問題点の問題把握だけはよくわかりましたが、ひとつ政務次官、こういう問題については非常に大事な問題ですから、できるだけ社会情勢の変化に即して薬事法についても検討をされて、次の国会には改正案等が出せるように御努力を強く希望しておきたいと思います。  それからまた、さっきの法律に戻りますが、毒劇物取締法に第十五条の三を今度新しく加えられておりますね。回収または毒性の除去等必要な措置を講ずるように命ずることができる、こうなっておりますが、これは先ほどの質疑応答ではっきりしたと思いますけれども、ちょっと聞こえなかったのであらためてお尋ねしますが、もし命令を聞かなかった場合には行政代執行等も考えておると、こういうことなんですか。

加藤威二厚生省薬務局長

○加藤政府委員 そのとおりでございます。

田畑金光民社党

○田畑委員 それから、今度この法律を改正なされたにかかわらず、たとえば運搬業者について、あるいは製造業者について、いまよりもきびしい規制というか監督を強化されておるわけでありまするが、これに応じて罰則の強化ということがなされておるのかどうか、どうも罰則強化の面はないように私は読んだのでございますが、これは読み間違いかどうか。どうなんですか、その点は。

加藤威二厚生省薬務局長

○加藤政府委員 既定の現在の法律に定めてございます罰則を重くするというような改正はいたしておりません。

田畑金光民社党

○田畑委員 やはり私は、そういう点などについても、当然行政面において規制を強化されるわけでございまするから、罰則などについても当然均衡をとるべきではなかったか、こういうことを感ずるわけです。  それからまた、この登録などについても、登録手数料などというものは、読んでみると非常に低いんですね。こういう問題作についても、もっと取り扱い業者の責任というものを自覚させるためには、登録手数料なども千円とか二百円とか三百円じゃなくして、いまの状況に即応するように引き上げるということは当然のことじゃございませんか。  さらに、このような大事な仕事をやらせるのに、取り扱い業者の中に、資料によれば、昭和四十四年毒物劇物営業者立入検査結果表によれば、無登録の業者発見は四百三十六となっておりますね。こういう大事な危険な仕事、しかも次官のお話によれば、国民の保健衛生に大事な仕事をやらせるのに、しかもいろいろな規制を法律上は持っておるにかかわらず、もぐり業者が四百三十六もあるということ、これはどういうことなのか、どこに欠点があるのか、これが第三点の質問です。  第四点として、十八条によれば毒物劇物監視員というのがございますが、これも一体どの程度の人員なり権限なりあるいは予算の措置によって動いておるのか、こういう点などもあわせてひとつ御答弁願いたいと思うのです。

加藤威二厚生省薬務局長

○加藤政府委員 手数料の点については全く先生と同感でございます。私どももこの際これを改正しようという気持ちは持ったのでございますが、とにかく法制局が非常に短時日の審査でございますために、公害に直接関連のある条文以外の手当ては今度は見送れということで、もっぱら審査の手間を省くといいますか、とにかく非常に時間がなかったために、一応手数料の問題はこの次の機会に譲ろうということにいたしまして、これが非常に実態が安いということは、先生御指摘のとおりでございます。この次の機会にこれは相当大幅に引き上げるという考えでおります。  それから無登録の業者が四百三十六件もあるということでございますが、これは全く行政上の手落ちでございまして、申しわけないと思います。これにつきましては、第一線の毒劇物の監視員はフルに働いておるわけでございますが、非常に人数も少ない、手が回りかねるという結果こういうことになったのではないかと思うのでございます。そういう意味におきましても、今後はそういう人員の増加あるいは活動の事務費の増額というような点で可能な限りの手当てをいたしまして、毒劇物についてのこういう事故のないようにいたしたいと思います。  監視員につきましては、先ほど申し上げましたように、現在総数が二千九十四人でございます。ただその中で、残念ながら専任が非常に少なくて、百四十三名ということでございます。専任が非常に少ないということは、毒劇物だけになかなかかかっておるわけにいかぬ、こういう状態でございますので、この点につきましても、やはり専任をもっととかやしてもらうというようなことを、これは都道府県にも働きかけまして、そういう面から実施面を相当強化いたしませんと、法律を手直しいたしましても実効があがりませんので、そういう面の努力を今後とも続けてまいりたいと思います。

田畑金光民社党

○田畑委員 時間がきましたので、私の質問はこれで終わるわけでございますが、ひとつ希望として申し上げておきたいことは、この毒劇物取締法一部改正についても、私が二、三の点を指摘したとおり、いろいろまだ不備な点があるわけです。この法律の運用を全うするためには、いま言ったような問題点について、人の配置の問題等々について、あるいは法律の内容等についても十分整備をやっていただきたいということ。  同時に、第二点として希望することは、昨日政務次官が産業公害対策特別委員会で答弁されたことは非常に大事なことだし、ああいう方向で、やはりこの毒劇物法とか薬事法とかいうような法律においては、無過失責任という制度を確立して、行政を全からしめることが、今日の社会環境から見て当然の行政の方向ではないか、私はこう考えておるので、この点もひとつ検討願いたい。  第三点は、先ほど申し上げましたように、薬事法についても十分検討されて、しかるべき機会に提案されるように強く希望を申し上げて、私の質問を終わります。

粟山ひで自由民主党

○粟山委員長代理 寺前厳君。

寺前巖日本共産党

○寺前委員 もう同じ質問はやめますよ。そのかわり発言の順番をときにはかえてもらわぬと、いつでもこういうことになってしまいますから…。  二つの法律案についてお聞きすることになりますので、だめ押しみたいなことになりますが、要領よくやりたいと思うのです。  毒劇物は、先ほどからせっかくやってますから、これからひとつ押えてしまいたいと思います。  国民の観点に立って三つの点だけ明確にしてもらったら私はこの質問は終わりたいと思うのです、先ほどからのやつがありますから…。その三つの価というのは、一つは特定家庭用品の問題だと思うのです。それから一つは、廃棄処理の取り扱い上の問題です。それからもう一つは、何度も話になっておりましたところの運搬上の問題、これが国民の不安に思っているところの焦点だと思いますので、この三つの焦点についてだけ、ずばり国民に責任を負える体制をこれでつくれるのだということさえ明確にしてもらったらいいと思うのです。  まず第一番目、特定家庭用品の取り扱いの問題です。これについては、要するに今度は毒物劇物も法律の対象の中に入れるということになって、きびしくやろうという方向が打ち出されてきたわけですね。これはいいと思うのです。ところが、これが混合液になったもので、単独では九%ぐらいであっても、混合になって十何%という形になってきて非常に危険な状態が現実に起こっている。そこらで売られているものを買いに行って手を洗ったらいかれてしまうというような事態がいまの現実の問題だと思うのです。そこでこれを明確に、先ほどからも質問が出ておるけれども、それはあぶないですよ、気をつけなさいよ、まあいろいろ取り扱い上の問題はありますけれども、要するに一番わかりやすいやり方をして、国民に保証してやるということが行政的にも大事な問題だろう。  そこで、さっきも話が出た問題ですけれども、色をつけたらどうだとか、あるいはこれは危険ですよという表示のしかた、だれが見てもわかるようにしたらどうだということが端的な指摘だと私は思うのです。だから簡単に言ったら、その端的な指摘をやるようにならぬものかということです。メチルアルコールにはちゃんと色がついておるから、このアルコールは飲んだら危険ですよ、こうなるわけですね。それと同じように、色がついておったらこれは危険ですよ。しかし特殊な場合があるから、色をつけられぬものもある。そういう特殊な場合には、特別に違う形で警戒できるようなやり方をもっと明確に打ち出すやり方はできぬものか。あるいはまざっている状況でもパーセントで表示していませんね。いまのやり方は何%入っているという表示じゃないでしょう。われわれの生活からいったら、何%入っているというやり方をしたら、ざっくばらんにいってわかりやすいと思うのです。そういうふうにもつと国民的な立場に立ったやり方でやることによって、責任を負いますということを私は聞かせてもらったらいいのです。これが一番目の問題です。

橋本龍太郎自由民主党厚生政務次官

○橋本政府委員 これは個々に答えたら非常に複雑になるので、非常に荒く答えさせていただくことをお許し願います。  たとえば毒劇だけで危険が防止できるかといえば、必ずしもできません。そして、現在の純度その他からいって、着色したほうが好ましいというものはすでに着色しておる。いま薬用アルコールで先生が例に引かれたとおりです。また、パーセンテージを表示すれば国民にわかるかといえば、物によってはそのパーセンテージが高くたってあぶなくないものもありましょうし、パーセンテージが低くたって危険なものもあります。ですから必ずしもパーセンテージの表示というものが万全でもございません。そういう意味では、いま御指摘になりましたケース、いろいろな場合に、それぞれのやり方があると思います。わかりやすくする努力は払います。

寺前巖日本共産党

○寺前委員 それでは努力ということで終わっておきましょう。  第二番目は廃棄の問題です。これは現に新聞を読んでおったら、工事人が下水道の中に入って死んだという事件もありましたね。これは拡散方式で流しているからなんですね。一定の基準で流してよろしいというのがあるんですね。だから、その排出の基準のやり方をもう少しこまかく検討するということと、拡散方式を許しておくというやり方がいいのかどうかという問題があると思うのです。そういう意味で、この問題については現実に処理の基準のあり方、それから回収作業場の問題ここらをぴっちり改善するという方向がないものかという問題です。それからメッキの業者の場合には届け出制になっているんですか。ところが、ところが、そうでないやつがありますね。シアンの出るところのやつですね。これも熱処理の業者のやつですよ。これもきっちりやらないとシアンの系統が出てくるから、こういう処理の基準のあり方の問題それから届け出の対象の問題ですね。この辺をきっちりすることによって危険な状態を何としても防いでいくのだというような改善を具体的にやるのかやらぬのか、どうだというのが第二番目。

橋本龍太郎自由民主党厚生政務次官

○橋本政府委員 熱処理は対象にすることにして現在すでに作業を進めております。  それから、先ほどお答えした条文にもからむ問題でありますけれども、産廃法のほうの廃棄全体ではなくて、この際毒劇のほうだろうと思いますが、この毒劇の施行令そのものにも不十分な点があることは、先ほど私自身が認めたところであります。これは改正をいたします。

寺前巖日本共産党

○寺前委員 それじゃ第三番目にいきます。運搬上の問題。績局、取り扱う業者は登録することになるのですが、運搬業者そのものは登録されぬことになりますね。それで東京都の場合を見ておっても、二千数百台が現実に走っている。ところが運転手一人で走っているわけですね。だから業者の場合には、直接の事業所を持っているところにはそこにいろいろな取り扱いの管理者がいるとしても、たとえば車の運転手は毒物劇物取り扱いのあれがありません。だから、たとえば助手席にそれの取り扱いについての資格を持っている人を乗せるとか、それから、たとえばタンクローリーの場合に、危険な構造、たとえばこの前事故を起こしたやつで見ても、出口がどこにあるのかという問題が一つの要素になっていたと思うのです。だから、構造上の基準とか、あるいは運転する過程におけるところの基準とか、どういう人を乗せていかなければならぬとか、あるいはこういう活動をやるときには事前に警察に届け出て、そして昼間のラッシュのときじゃなくて夜間に走るとか、あるいはコースについてもこのコースはどうだとか、何か特別に十分配慮をする、そういうような体制を全面的に検討する必要があるのじゃないか。どうです。

橋本龍太郎自由民主党厚生政務次官

○橋本政府委員 確かにそういう御指摘もあるかと思います。ただ、これは簡単に短時間に答えよと言われても無理なところがあります。というのは、自動車による毒物劇物を運搬する事業者というものは届け出を要する。業務上取り扱い者を指定することにする。そうすると、これによって営業所等については毒物劇物の取り扱い責任者が置かれることになるわけです。その場合にはこの取り扱い責任者の仕事の中には毒物劇物による保健衛生上の危害の防止が入ってくるわけです。ですから、いままでの点では確かに御指摘のような意見も出るかと思います。そういう状態まできめてまいった場合には、私は取り扱い責任者を常に車に同乗させなければならぬとは思いません。その意味では先生の御質問にはイエスとは申し上げるわけにまいりません。ですから、同じことが言えるわけでありますから、その構造上の規制であるとか、いま幾つか例示されたようなケースについては、むしろ道路運送法の中でお考えをいただくべき部分が大半ではないかと思います。ただ、運搬の状況、が現状より非常にひんぱんになってくるというようなことを考えた場合には、むしろ時間指定等はこれは考えていくべきことの一つでありましょう。

寺前巖日本共産党

○寺前委員 再度その問題だけもう一つ押えておきますと、同乗者の問題というのはいろいろむずかしいのか知らぬけれども、取り扱いというものは非常に重要な問題だから、何らかのことを考える必要があるということですね。たとえば運転手に負おすとしたら、それこそこれはたいへんな深刻な話だと思うので、そこをどうするかということは研究してもらう必要があると思う。事故が発生した場合に、何かばっと消化器式の押えるようなものを当然積んでいって、すぐにその場ででも押えることができるもの、そういうことぐらいは考えなければいかぬじゃないかな。どうです。

橋本龍太郎自由民主党厚生政務次官

○橋本政府委員 簡単に答えろということでありましたから、きわめて簡単にお答えしたのでありますけれども、確かにそういうケースがないとは決して申し上げていません。むしろいま特定毒物について二百キロ以上の長距離を走る場合には二人にしなさいということにしてもらいたいということを運輸省と実は交渉はしております。ですから、いま先生の御指摘のようなことを全然私ども考えてないわけじゃない。ただ、むしろその中身の大半が厚生省そのもので決定をする問題というより、道路運送法に基づく免許権を有する官庁として運輸省自身がおやりになるべき範囲の仕事が非常に多いということなのであります。私どもはだから考えてないということじゃ決してありません。簡単にということでありましたから、簡単に申し上げただけであります。

寺前巖日本共産党

○寺前委員 何か消火器式のものを積めというのはどうですか。毒物や劇物を扱う場合には、そのくらいのことを考えておかなければだめだろう。

橋本龍太郎自由民主党厚生政務次官

○橋本政府委員 それは中和剤を積むという方法もあるでしょう。しかし、むしろそんなものをぱっと振りかけたら一ぺんで毒性がなくなってしまうようであれば、毒劇法として私どもが頭を悩まさなければならぬような状態でもないわけです。ですから、即効性のある中和剤のようなものが考えられるものについては当然考えなければならぬと思います。しかし、味の素のようにばっとかけたら一ぺんで味が変わるというようなうまいものはなかなかないのです。

寺前巖日本共産党

○寺前委員 時間がないから、あまりこまかいことはやらぬけれども、それは考えておいてもらいたいと思います。  次に、自然公園法について二つの点で聞いておきたいと思います。  一つは、法律上の現在出されておる問題をめぐっての問題、それからもう一つは現に執行している上での問題、この二つの問題について聞きたいと思います。  第一番目の法律をめぐっての問題においては、これも先ほどから何度も出ている話でありますので、私はこまかいところを突っ込んで聞こうとは思いません。要するに特定地域の特別なところが非常にひどいことになってきたから何とかしなければならないということが今度の基本的な問題だ。そうすると、ほんの一部分じゃない、特定地域全体が重要だと思うのです。そういう意味では一キロ制限というような問題はよくわからぬ。将来にわたって、あの地域全体をどうして保護するかという立場から考えると、ああいう地域の云々というようなものはやめてしまって、全体にしたほうが適切なんじゃないだろうか。  それから、これからつくるものに対する処理問題として出されきているけれども、すでによごされてきている既存の段階があるのだから、既存の段階のものに対しても、これを何年以内にこういうふうに共同施設をつくって、そしてそういうよごれた状態からもとへ戻すために努力をするとか、そういうようなものにする必要があるのじゃないだろうか。今度提案の問題をめぐっての問題の提起の一つはそのこと。  もう一つは、よごれてきている問題の上で考えなければならない問題は道路の問題があると思うのです。道路をだっとつくって、その結果の破壊というのが一つの大きな要素を占めていると思うのです。そういう意味では、これは特定公園の中に占めるところの国有林のウエートがかなりのウエートがありますね。だからこれは、林野庁の仕事とかそういう分野の仕事がそこでは非常に大きな位置を占めてくるのだ。そうするとこれは、厚生省は仕事の面に対する協議事項になっていますね。だから協議事項の面においてもかなりきびしく厚生省は処理してもらわなければならない問題があるわけです。これは第二の問題として別に提起したいと思いますので、とりあえず私は第一番目の出されてきているこの法律をめぐっての問題としては、もっと全面的に特定地域全体にわたって汚濁を防いでいくという立場から、共同処理施設として、既存のものに対しても手を打っていくという問題を考えなければならぬ。それはどういうふうに考えているのか、その点だけ聞かしてもらいたい。

橋本龍太郎自由民主党厚生政務次官

○橋本政府委員 たいへん適切なところを御心配いただいたわけでございますけれども、既存のものに対して、先生のおっしゃる意味は、たとえば旅館なんかがすでにでき過ぎちゃっている、そういうものをどうするのだということでありましょう。そういうものに対して、私どもは改善命令をかけます。そして、それと同時に、いままで許しておったものを急に今度はストップをかけるわけでありますから、場所によっては、それは国のほうの施設を今度は、現行でいえば清掃法の体系の中で処置するものはあるでしょう。しかし、それぞれの事業者にしょってもらわなければならぬものも当然あるわけであります。そういう場合には、環衛公庫の融資というものを駆使してこれに対処していこうと考えております。これが第一点に対するお答えであります。  それから、周辺一キロでは少ないのじゃないかという御指摘もいただきました。確かにあるいは少ないようなケースが出るかもしれません。しかし、問題となる湖沼等のある、あるいは湿原等のある場所から考えてみた場合に、むしろ一番問題になるのは、その周辺一キロ以内にある生活環境施設のほうが、あるいは観光施設のほうが実は問題でありまして、それより上流に長々と事業場が連なるというケースはほとんど考えられないというような点もありまして、私どもは周辺一キロという押え方をしているということであります。

寺前巖日本共産党

○寺前委員 それから第二番目は道の問題ですよ。最後だからちょっと具体的にやります。  それで、たとえば長野県、山梨県の県境に南アルプスの地帯がありますね。国立公園の地帯、ここにスーパー林道をつくっているわけですよ。海抜二千メートルで、それで原生林があるわけでしょう。国有林だからスーパー林道というてやっておるけれども、結局国有林だから国自身が——民有林の場合は自分の財産であり、財産活動があるから、自然公園の問題との調和はいろいろ問題を含んでくると思うんだ。しかし国有林の場合には、これはやはり国立公園だという地帯になった場合には、国立公園の保存の立場に、自然公園としてのそれに従属させるという立場を厚生省は協議事項の場合にしっかり立てる必要がある。ところが、現に起こっているのはどうかというと、その海抜二千メートルの原生林地帯に道路をつくる、ブルドーザをかける、ハッパをかける、そうしてがけくずれが起これば、原生林が、何百年という樹林のやつが破壊されていく。こういう事態が発生しているわけです。これと同じことがここの東京の奥秩父のところでもそうなんだよ。奥秩父の場合だって、結局国有林でありながら、ばっさ、ばっざ、ばっさ倒していくわけですよ。そうして林野庁の長官は、逆にこれは営林署の独立採算というか、採算問題との関連性において、あまり自然保護ということを言うてもろうたら、そちらのほうを考えさしてもらわなければどうもならぬと、林野庁の長官は居直られておるじゃないですか。居直られて厚生省はどうするんだ。居直らすわけにはいかぬでしょう。ほんとうに原生林を協議事項だと、この場合に断固として自然保護のために厚生省はやります、林野庁のやっている問題について調査をして処理をいたしますということを言ってもらわぬことには、ほんとうにこの道の面をめぐっての問題は解決しない。これは多くの国立公園関係をめぐって、原生林問題を真剣に考えている人々の中で批判の対象になっているんですよ。この問題について答えてください。

橋本龍太郎自由民主党厚生政務次官

○橋本政府委員 いまあげられたケース、いずれも実は国立公園を指定する時点において、林野庁のほうから条件として、将来の伐採というものを約束させたれた地域だそうであります。国立公園指定以前に。南アルプスの場合には、むしろ工事が始まっていた。これは、私どもとしてやむを得ないことだと思います。ただ、今日の時点で、私どもは決して原生林を黙って切らせているつもりもありませんし、そのチェックもしてきたつもりであります。  いま例に出された奥多摩の道路というものは、相当に価値ある部分を避けてもらうように、厚生省側の意見も入れて、路線を修正をしてもらいました。また、これは非常に卑近な例で恐縮でありますけれども、現に、実は私どもは東京都知事とけんかの最中であります。それは、都知事さんが高速道路をつくりたい、新宿御苑の一部を削らせろ、というお話がありました。たまたまそこに非常に樹齢の古い木があります。だから、これを切ってもらうことは絶対に困る、ここの公園の指定を解除することはできないということで突っぱねておるような例もありますし、これはほかの場所で生じました例もあります。たとえば東京オリンピックの予定地域内で、原生林に対して危険が考えられるので、道路の工事が途中で切れている場所等もあります。私どもは、決して安易に譲っておるつもりはありません。ただ、公園設定の時点以前に工事の始まっていたもの、また、その設定をする際の条件として伐採を将来にわたって約束してしまったもの、これは私どもとしても今日いかんともしがたいものがあります。

寺前巖日本共産党

○寺前委員 奥秩父の問題、これは昭和二十五年に国立公園に指定されたんだね、九千何百ヘクタールというやつ。現在伐採されている地域は二千何ぼだよ。この二十年間に十何%の地域をずばずば切っていっているんだよ。これが協議事項だというんだから、これは国の——さっきからこういう約束だったというんだから、一体国はまじめに国立公園を守っていくという気があるのかいなといわれますよ。あなたは、所管は厚生省かもしらぬ。あっちは私らと別だ。しかし、いずれにしたって日本政府が仕事をしているんだよ。前のことは知らぬで済まぬでしょうが、この問題は。いまから新規まき直しで、断固として国立公園を守るために私はやります、ということで、もう一度検討させるということを明らかにしてもらいたいと思うのです。

橋本龍太郎自由民主党厚生政務次官

○橋本政府委員 私は、できないお約束をするつもりはございませんから、過去の約束においていたし方のない部分についてまでお約束を今回はするわけにはまいりません。しかし、未伐採地域については、現在林野庁と協議をしつつある最中でありますし、現在私どもは全力を尽くしておるということだけを申し上げます。

寺前巖日本共産党

○寺前委員 それじゃ、必ず国民の期待に沿うように改善させるように努力していただけますね。

橋本龍太郎自由民主党厚生政務次官

○橋本政府委員 今日までも払ってきたつもりでありますし、今後も払います。

寺前巖日本共産党

○寺前委員 終わります。      ————◇—————

粟山ひで自由民主党

○粟山委員長代理 この際、請願取り下げの件についておはかりいたします。  本委員会に付託になっております管理美容師制度の改正に関する請願外八件、第二四五号につきまして、請願者の紹介議員左藤恵君より、昨八日、取り下げの願いが提出されております。これを許可するに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

粟山ひで自由民主党

○粟山委員長代理 御異議なしと認め、左藤恵君紹介の本請願は、取り下げを許可するに決しまししこ。     —————————————   〔報告書は附録に掲載〕     —————————————

粟山ひで自由民主党

○粟山委員長代理 次回は、明十日午前十時理事会、十時三十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。    午後五時十九分散会

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