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64回国会衆議院1970/12/16

建設委員会 第5号

発言数
198
登壇者
18
会派数
4
開催日
1970/12/16

会議録

金丸信自由民主党

○金丸委員長 これより会議を開きます。  参考人出頭要求に関する件についておはかりいたします。  すなわち、建設行政の基本施策に関する件調査のため、本日、東京都建設局長玉村栄二君及び日本住宅公団より総裁林敬三君、理事宮地直邦君に参考人として御出席を願い、御意見を聴取することにいたしたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

金丸信自由民主党

○金丸委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。      ――――◇―――――

金丸信自由民主党

○金丸委員長 本日の請願日程全部を一括して議題といたします。  審査の方法についておはかりいたします。  各請願の内容につきましては、文書表で御承知のことと存じますし、また、先ほどの理事会で御検討願ったところでありますので、この際、各請願について紹介議員からの説明聴取等は省略し、直ちに採決を行ないたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

金丸信自由民主党

○金丸委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。  これより採決いたします。  本日の請願日程中第一ないし第四及び第二〇ないし第二二、以上の各請願は、採択の上内閣に送付すべきものと決するに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

金丸信自由民主党

○金丸委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。  ただいま議決いたしました各請願に関する委員会報告書の作成等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

金丸信自由民主党

○金丸委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。     ―――――――――――――   〔報告書は附録に掲載〕     ―――――――――――――

金丸信自由民主党

○金丸委員長 なお、本委員会に参考送付されております陳情書は、お手元に配付いたしてありますとおり四十四件であります。  この際、御報告いたします。      ――――◇―――――

金丸信自由民主党

○金丸委員長 次に、閉会中審査申し出の件についておはかりいたします。  理事会の協議によりまして、本委員会といたしましては、閉会中もなお審査を行なうため、  建設行政の基本施策に関する件  国土計画に関する件  地方計画に関する件  都市計画に関する件  河川に関する件  道路に関する件  住宅に関する件 及び  建築に関する件 について、議長に対し閉会中審査の申し出をいたしたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

金丸信自由民主党

○金丸委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。      ――――◇―――――

金丸信自由民主党

○金丸委員長 建設行政の基本施策に関する件について調査を進めます。  この際、先ほど決議いたしました参考人からの御意見は、質疑応答の形式でお聞きすることにいたしたいと存じますので、さよう御了承願います。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。阿部昭吾君。

阿部昭吾日本社会党

○阿部(昭)委員 私は、本日参考人として出席をお願いしました東京都の建設局長に主としてお尋ねをしたいと思うのでありますが、その前に、都市局長に若干あらかじめ見解を承っておきたいのであります。  いま、わが国の都市はたいへんな過密の状況にあるわけであります。したがって、私ども都市再開発法の審議を通じましても明らかにいたしましたように、今日の都市が再開発をされていかなければならぬということは当然であります。その際に、一体何が一番重要と考えられなければならぬのかという点でありますが、私は、何といっても、その再開発事業の対象地域に住んでおります住民の利益ということが、住民の立場というものが一番守られなければならぬのじゃないか、こう思うのでありますが、このことについて、まず都市局長の見解を最初に承って、それから質問に入りたいと思います。

吉兼三郎建設省都市局長

○吉兼政府委員 お答えいたします。  ただいま阿部先生からの基本的なものの考え方についての御指摘がございましたが、まず再開発といいますものは、これから、大都市を中心といたしました地域の都市政策上まことに重要な事業になってくると思います。そのためにわが国におきましても、新都市計画法並びに都市再開発法というような法律も整備をいたして、今日その新制度に基づきまして事業を推進いたしていこうといたしておるわけであります。  その際に、御指摘のような事態のプロジェクトにおきまして事業を進める際に、従前そこに住んでおりました権利者の取り扱いにつきましては、他の諸外国の再開発関係のいろいろな制度に比較いたしまして、非常に手厚いといいますか、従前の権利者の保護にかなり重点を置いた制度になっておるものと私どもは了解をいたしております。つまり、従前の権利者を新しい再開発事業におきますところの施設に収容するということをたてまえにしましたような法律の立て方になっておるのでありまして、そういう点において、わが国の再開発法は特色を持っておると申し上げていいのじゃないか、かように存ずるのであります。

阿部昭吾日本社会党

○阿部(昭)委員 都市局長、なかなか学のある御答弁をなさったのでありますが、つまり、私が指摘しておると同じように、その地域に住んでおる住民の権利をあらゆるものに優先して保障してやらなければいかぬというふうに、私と見解が一致すると理解していいのですね。

吉兼三郎建設省都市局長

○吉兼政府委員 基本的には、先生のお考え方と私同様だと申し上げていいと思うのです。ただし、そこに手続上、制度上はいろいろ規定がございますので、その手続に従ってものごとが進められていくわけでございますから、まあその段階によりまして、そういう従前の権利者の保護が優先するといいますか、そういう扱いが制度上においてきめられておるわけです。基本的には私は先生のお考えのとおりだと思います。

阿部昭吾日本社会党

○阿部(昭)委員 東京都の玉村局長は、いまの問題についてはどういう御見解ですか。

玉村栄二東京都建設局長

○玉村参考人 私どもも、現にそこに住んでおられる方を、そのビルに入れることをもちろん考えながらやる必要があろう、こういうふうに考えております。ただ、これは強制的にはできませんので、そこにおる人々との話し合いにおきまして、そのでき上がりますビルに入りたいという人は、もちろん法律上の権利のある方でございますので、そういう方はもちろん優先的に入れることになっております。しかし、自分は新しいビルに入りたくない、一応立ちのきたい、こういう意思表示をされた方に対しましては、適当な補償をいたしまして立ちのいていただく、こういう方法をとっております。

阿部昭吾日本社会党

○阿部(昭)委員 どうも役人というのは、大体理屈を言うわけであります。私がいま問うておるのは、立ちのきたいという人が立ちのくのはあたりまえですが、基本的には権利を保障するたてまえかどうか、イエスかノーか、こう問うておるのでありますが、きょうは玉村局長はお昼までしか時間がない。伝え聞くところによると、衆議院の建設委員会できょう社会党の阿部昭吾がやるそうだ、しかし、まあ都庁は外者でありますから、きょう一日行って、何だかんだと言われてもいろいろ受け答えをすれば済むのだ、きょう一日のしんぼうだ、そういう話が都庁の中の局長周辺であるそうでありますが、私がきょう準備しておる質問はきょうで終わりません。今後通常国会の中で、一般質問の形でさらにずっと掘り下げなければならぬ問題だと思っておるのでありますが、そういう意味で、きょうは時間がございませんので、あまり理屈じゃなくて簡潔に私も質問しますから、答弁もぜひひとつそうしてもらいたいと思います。  そこで、新橋駅前の東口、西口のビルの市街地改造事業の概要についてきわめて簡略な説明を求めたいのでありますが、その計画の目標とねらいは何であったのか、これが第一。  それから第二は、計画当時の状況、つまり私が冒頭に申し上げました権利関係者の状況、権利を持っておった地域の住民の皆さんの状況はどうであったというふうに把握しておるのか、これもくどくどならぬように簡略にひとつ。これが第二。  第三は、事業の資金計画の概要はどうか。この三点を、まずきわめて簡潔にお答え願いたい。

玉村栄二東京都建設局長

○玉村参考人 第一の目標は、新橋の駅前は、御存じのとおり終戦前に一応建物疎開をいたしましたが、終戦後非常に混乱した時代に、その疎開あと地にいろいろな方が入ってまいられました。そして、そういう人たちが多数木造の建物に住んでおられますので、非常に危険な状態にございまして、火事なども再三ございましたので、新橋の駅前を整理いたしまして、公共用、つまり道路とか広場をちゃんととりまして、また建物もきちんとした建物に入れまして、駅前広場を一応整理しようというのが目標でございます。  第二点の関係者の権利の関係でございますが、これは非常に入れかわりが激しいので、そのつどはっきりした数字というものは変わってまいりますが、大体三百人くらいの関係者が当時おられまして、それを整理しながら市街地改造事業を実施いたしたわけでございます。その三百人のうち、百人ほどは立ちのきを承諾されてよそに行かれました。あとの二百人のうち百人ほどが、法律的にはちゃんとした関係の権利を有しておられ、あとの残りの百人は、まあちゃんとした法律的な関係はないけれども、とにかくあの地域に住んで当時営業しておられた。大きく分けて、関係者はこういうふうになっております。  それから資金関係でございますが、全部の資金といたしましては大体百四十六億の事業費が必要でございました。建物、施設等の関係につきましては約五十億、用地及び補償等につきまして約七十五億ほど、その他公共地の築造費等々、事業費といたしましては大体百三十億、それに借金の利息等の金利、それからビルが完成するまでの管理費といったようなものを加えまして、大体百四十六億ということでございます。

阿部昭吾日本社会党

○阿部(昭)委員 そこで、新橋西口に新橋商事という会社があることを御存じでしょうか。この会社はいつ創立をされて、代表者はだれか、創立当時の資本金額は一体幾らか、それからこの新橋商事は今度の西口改造ビルとどういうかかわり合いを持っておるか、この点について簡単にお聞きをしたい。この中でもしわからぬ点があれば、ひとつ十二時まで時間があるわけでありますから、あとで御説明を願いたいのでありますが、わかる点だけ最初に御説明を願いたい。

玉村栄二東京都建設局長

○玉村参考人 最初に、いつできたかというお話でございますが、はっきりした日にち等はちょっといま覚えておりませんが、昭和二十二、三年ごろにできたというふうに聞いております。  それから資本金も、約二千万ぐらいというふうに聞いております。多少違うかもしれませんが、なお、ここに資料を持ってきておりますが、いまちょっとさがすのにひまがかかりますので、後ほど正確な数字は申し上げたいと思います。  それから、新橋の市街地改造事業とのかかわり合いでございますが、これは新橋商事が、先ほど申し上げましたように、建物疎開をしましたあとで東京都と賃貸契約をいたしておりますので、そういうことで関係がございまして、この事業にかかる前に、すでにそういう権利を有しておる方でございます。  なお、新橋商事のたな子の方がたくさんおられますが、先ほど申し上げましたような数字は概略の数字でございます。ただ、非常に出入りが激しいので、こまかい数字につきましては多少の出入りがあろうかと思います。

阿部昭吾日本社会党

○阿部(昭)委員 代表者は……。

玉村栄二東京都建設局長

○玉村参考人 代表者は井手光治さんと申しまして、元の芝区長さんでございます。

阿部昭吾日本社会党

○阿部(昭)委員 そこで、当時、十九年の五月だと思うのでありますが、新橋駅周辺において相当大ぜいの皆さんが強制疎開をやらされておるわけですね。   〔委員長退席、天野(光)委員長代理着席〕 したがって、皆さんが疎開をさせられたあとのこの土地の管理は都が行なっておったわけですね。都はこの強制立ちのきをやらしたあと地の管理をすると同時に、地主に対しては地代を払っておったわけですね。これは間違いありませんか。

玉村栄二東京都建設局長

○玉村参考人 当時の詳しいことを、私も資料を持っておりませんし、存じませんが、建物疎開をやって後に都が管理しておりました時代には、もちろん地代は払っておったと思います。その後のことについて、終戦後のこまかい数字等につきましては、ちょっと私いま資料を持っておりませんのではっきりは申し上げられませんが、何らかの形で地主との契約関係があったろうと思います。ただ、現在私はそれを確かめておりませんので、後ほどまたいつか機会がございます際にはっきり申し上げたいと存じます。

阿部昭吾日本社会党

○阿部(昭)委員 そうして終戦を迎えたわけです。二十一年の八月に罹災都市借地借家臨時処理法という法律が公布されておる。このことを御存じでしょうか。この法律の趣旨は、強制疎開等で立ちのかされた皆さんがもとの状態に戻ることを保障した法律がこの臨時処理法の立場だ、私どもこういう認識をしておりますが、局長はどうですか。

玉村栄二東京都建設局長

○玉村参考人 当時そういう法律がございまして、そういう趣旨であったと思います。

阿部昭吾日本社会党

○阿部(昭)委員 局長、その臨時処理法に基づいて、強制疎開をされた皆さんがもとの状態に戻ることを、当時都は保障したと考えておりますか。

玉村栄二東京都建設局長

○玉村参考人 保障したかどうか、ちょっと私、当時のことをよく存じませんので、よく調べてから御返答したいと思います。

阿部昭吾日本社会党

○阿部(昭)委員 これはぜひ調べて、次の機会に明らかにしてもらわなければならぬと思うのですが、私の調査では保障しておらぬのです。この臨時処理法に基づいてもとに戻るように保障してもらおうというので、時の芝区長井手光治さんという人に、関係者の皆さんは何度も何度も陳情したり談判をしたりいたしておるのであります。その当時芝区長井手光治さんは、いまこの強制疎開の都の管理地であるあと地についてはやみ市場がたくさん建っておる、したがって、このやみ市場を整理をし、ここから出してしまうようなことをやらなければ、臨時処理法のとおりに戦争によって犠牲になったこの疎開者がもとへ戻るわけにいかぬので、その整理のために一、二年間ひとつ待ってほしいということになりましたね。その話しは御存じありませんか。

玉村栄二東京都建設局長

○玉村参考人 当時のことは、私ちょっと、あまりよく存じておりません。と申しますのは、当時私は東京都におりませんでしたので、東京のそういうこまかい点につきましては話を聞いたことがあるような気もしますが、現在はっきり覚えておりません。

阿部昭吾日本社会党

○阿部(昭)委員 それじゃ私のほうから教えてあげたいと思うのであります。私の調査によりますると、そういう状態になっておるので、陳情を受けました芝区長の井手光治さんは――これは先ほどあなたがお話しの新橋商事社長井手光治さんでありまして、この人はあとで代議士にもなったことがあるようでありますが、長続きはしなかったようであります。この人はそういう陳情を受けておりながら、やみ市場を整理するために一、二年間これは待ってくれ、そう言って待たしておる間に、ここにみずからの責任において七棟ないし八棟くらいだと思うのでありますが、マーケット街の建設をやりましたね。そして、このマーケット街の建設が完了した段階で、芝区長をやめて、マーケットの会社、つまり新橋商事の代表者に就任をしたわけです。このことはあなた御存じですか。

玉村栄二東京都建設局長

○玉村参考人 新橋商事をつくられたということは存じておりますが、そのつくるまでに至りました詳しい経過等につきましてはちょっと私存じておりませんので、よく調べてから御返答いたしたいと思います。

阿部昭吾日本社会党

○阿部(昭)委員 お隣に少し事情の明るい方もいるわけですから、よく連絡をとり合って、これじゃ答弁になりませんので、少しまじめな答弁をしてほしいと思う。  そこで問題は、その当時都は保障しなかっただけじゃないのです。新橋商事のみならず、ある人のごときは、写真もちゃんと私いただいておるのでありますが、当然私の場所はこの場所だと言う人がいるわけですね。都が芝区長及び愛宕警察署長の名において、「当地域の管理人」――つまりこれは都になるわけですが、「当地域の管理人以外仮設建物及び如何なる簡易建設といえども建設することを厳禁す。」という立て札をして、このように立ち入りができないようにしておるわけです。つまり、この臨時処理法では疎開をされた皆さんがもとへ戻ることを保障しておるにかかわらず、都はみずからこういうふうに、もとの人が入れぬように当時立ち入り禁止の立て札などをやって、さくなどを回しておった。そこで、いま私どもが非常に考えなければならぬのは、戦前から何世代にもわたって新橋で生き抜いてきた皆さん、あるいはそれこそ汽笛一声新橋の時代からやってきておった皆さんが、今度の新橋駅前の市街地改造ピルによってどういう状態になっていくのかという問題。冒頭に指摘をいたしましたように、この皆さんの立場というものが、理屈はどう言おうと保障されたことにならぬというところに問題があるのです。いろいろ理屈をこれから言うでしょうか、私も、私の調査の結査に基づいてこれに反論しなければならぬ。そこで問題は、臨時処理法をじゅうりんして皆さんをもとへ戻さなかった当の当事者であった芝区長の井手光治という人――この人は住民から選挙で選ばれたる区長ではなくて、知事に任命をされた官選の区長のはずです。この人は、陳情を受けておきながら、いまのやみ市場その他を整理しなきゃ皆さんを入れるわけにいかぬのだからちょっと待ってくれ、一、二年待ってくれ、そのうちに整理をして皆さんが入れるようにしてあげましょうということを言っておきながら、みずからの立場でそこにマーケットを七棟、八棟も建設をして、建設を終わったところで芝区長をよして、そのマーケット会社の新橋商事の社長におさまった。そこで、今度は話が違うというので、新橋の皆さんが都のほうに抗議、談判ということに相なったわけです。そのときに都が一体どういう態度をとったかということ、これが大問題だと思う。その当時陳情を受けておった区長が、そこにケーケットを建てて社長になったら一これが二十一年の暮れだと思うのでありますけれども、二十二年の一月か二月のころ、二カ月間くらいしかたたぬ間に、そのマーケットの一部分が火災で焼けておる。そうすると、不法に建設をした建物が焼けたのでありますから、地上物がなくなったのでありますから、そこがあいたわけでありますから、このあいだ場所だけは、ひとつ何とか疎開者に開放してもらいたいということになったが、都はぐずぐずぐずぐず言って、二十四年の三月八日までほぼ二年間余の時間が経過をするのです。そうして二十四年三月八日になって、当時の安井知事と、新橋商事代表元芝区長井手光治と――この契約書では新橋商事代表であるが、それから戦災あと地の地主との間に契約が締結をされた。  この契約によりますると、百二十二万二千二百十四円ですか、これを地主に支払う。それから新橋商事に対して、マーケットが現実に建っておったわけでありますから、五十万円を内払い金として、借地権に見合うような部分の金を払う。私はどうもわからぬのであります、が、この五十万円というのは、不法に建物を建てた者に借地権を認めて、そこに今度は金を払うというのでありますから、どろぼうに追い銭じゃないかというふうに思うのですが、とにかくそういうことをやっておるわけだ。都は二十三年の暮れに議会にかけて、三百二十八万円の予算計上をやって、そしてその予算の中から地主に対する百二十二万二千二百十四円の地代を払い、所有権は都のものになった。そしてそのうち五十万円というものを――当時借地権の請求は六百七十七万何がし、新橋商事のほうではこう請求しておるようであります。これを契約書の中では認めて、その内払い金が五十万だ。さらに六百二十七万何がしのものは、契約書を見ると何だかんだ書いてあるのでありますが、二十カ年の年賦契約で、いろいろそこからあがってきた利益なんかを都、が監査をしながら払わしていく、こういうようなしかけの契約になったようでありますが、不法に占拠をした者に対して、二十四年の三月八日に至って初めて都がどろぼうに追い銭をやるような形で金をやり、さらに、残債権を認めるような形で新橋商事の存在を認めたわけです。これは間違いありませんか。

玉村栄二東京都建設局長

○玉村参考人 ただいまのは、もとの新橋の西口広場の関係だと思います。その当時は、たしか新橋商事と東京都の間にそういう契約を締結したことがございます。その面積は約五百十坪で、契約期間は二十年以内ということでございます。ところが、昭和四十一年の八月に部分的に返還を受けまして、昭和四十四年に全部の返還を受けたわけでございます。

阿部昭吾日本社会党

○阿部(昭)委員 都が全部返還を受けてどうしたのですか。

玉村栄二東京都建設局長

○玉村参考人 返還を受けて、現在広場をつくりつつあります。前の広場を含めましてなお広場を広げまして、なお道路等をつくりまして、先ほど申し上げました市街地改造事業によって新しく整備をし直しておるということでございます。

阿部昭吾日本社会党

○阿部(昭)委員 ちょっとあなた、話が違うんだが、いまのは五百坪ですね。

玉村栄二東京都建設局長

○玉村参考人 さようでございます。

阿部昭吾日本社会党

○阿部(昭)委員 それ以外に、戦災あと地の関係というのは、二十二番地の場所を除いて千四百坪くらいあるのじゃないでしょうか。それがいまの市街地改造事業というものの全体の中に入ってきておると思うのです。そこで、私が言いたいのは、返還を受けましたじゃなくて、つまりどろぼうに追い銭をやるような形で都の血税の中から金を払ったという事実、不法にそこへ建物を建てた新橋商事、芝区長の会社に対して金を払ってやったという事実、これは間違いがないかどうか、こう聞いておるのです。

玉村栄二東京都建設局長

○玉村参考人 当時、そういう契約をいたしておることには間違いございません。

阿部昭吾日本社会党

○阿部(昭)委員 そこで、あなたはこういうことは御存じですか。都議会では三百二十八万の予算議法をやっておるわけであります。そのうち百二十二万二千二百十四円というのは地主に支払った。不法に建てておいて借地権があるといって請求した新橋商事に、六百七十七万円の内金払い五十万円を払った。そうすると約百五十五万円くらいの金がどこへ行ったかわけがわからぬのですが、当時、それはどこを調べてみても、余ったからといって返却をされた形跡もない。百五十五万といいますと、いまの金に直すとたぶん三億何ぼか四億くらいの金だと思うのですが、この金が、当時東京都政の中で汚職や腐敗に使われたのだということをいま言われているわけです。あなたはその話を聞いたことがありますか。

玉村栄二東京都建設局長

○玉村参考人 私、当時はもちろん東京都におりませんでしたし、そのこまかいことは聞いておりません。しかも、ただいまの、その予算のうちどういうふうに使われたかというような内容についても、私は聞いたことがないので、今度調べてまいります。

阿部昭吾日本社会党

○阿部(昭)委員 そこで、新橋商事は疎開地のあとをとにかく不法に占拠して、二十四年三月八日には初めてどろぼうに追い銭をもらって、その上に今度はちゃんとした契約になって、表舞台にちゃんと一定の資格を持って登場することに相なったわけです。そこで、その新橋商事は、その当時、バラックではありましたが、七棟か八棟の建物を建てて、たくさんの借家人というものをそこに入れておった。借家人からたいへん高い権利金やその他を取って、そしてどんどん大きくなっていったわけであります。  そこで、私は、その問題をまずここで一たんあげておいて、そういう背景、そういう経過があるという上に立って次の問題に入っていかなきゃならぬのでありますが、一つだけ前提として承っておきたいのは、先ほどの御答弁にありましたように、臨時処理法というのは、戦災で立ちのいた皆さんがもとに戻れという、このことを保障する法律ですね。そうすると、新橋商事が不法にそこにものを建てておりますから戻るわけにいかぬ。戻るわけにいかぬから、その疎開者は除外した状態で、安井都知事と、新橋商事井手光治さんと、それから地主との間にさっきの契約が結ばれて、ここからは疎開者を除外したかっこうで現地の状況はずっと動き出していくことに法律上も片づいてきたわけですね。これは何度も言ったように、どろぼうに追い銭をやって、その人の存在を都が認めたということになり、ここからは疎開者が除外をされていく、疎外をされていくというスタートになった。こういう認識をするのですが、玉村局長の見解はどうでしょうか。これをまず前提に承って次の質問に入ります。

玉村栄二東京都建設局長

○玉村参考人 当時の詳しい事情はよく存じておりませんけれども、とにかく、戦後の混乱した時代におきましては、ある程度そういうようなニュアンスのあることが行なわれたということは察せられると存じます。

阿部昭吾日本社会党

○阿部(昭)委員 あなたはよくわからぬから察せられるとか何とか言うのですが、かりに一つ前提条件を付して、私が言ったとおりだとするならば、あなたはおかしいと思いませんか。私がいまここで指摘しておるとおりの経過に基づいてかようになったとすれば、臨時処理法の立場を踏みにじり、そしてどろぼうに追い銭をやって、ここで一個の存在を認めていったという都のやり方はおかしいというふうにあなたは思いませんか。私の言ったとおりだとすればですよ。

玉村栄二東京都建設局長

○玉村参考人 いまから考えればおかしいということがたくさんあろうかと思いますが、当時これを処理する人たちは、やはり真剣にこれを取り扱ったものと存じます。

阿部昭吾日本社会党

○阿部(昭)委員 ちょっとふまじめな答弁じゃありませんか。私の指摘するとおりの前提条件だとすればと、前置きしておるわけです。そうだとすれば都のとった処置はおかしい、間違っておると思わぬかと聞いておるのです。私の指摘しておるとおりの事実経過だとすれば、あなたはこのやり方ば間違っておると思わぬかと聞いておるのです。前提をつけておるわけです。

玉村栄二東京都建設局長

○玉村参考人 前の都政のことでありましても、その当時とすればやむを得ぬいろいろな事情があったと思いますので、私がその当時に処理しても同じであるかあるいは違うかということについては私もはっきり御答弁ができないわけです。

阿部昭吾日本社会党

○阿部(昭)委員 もうちょっとまじめな答弁をやってもらわぬと困る。少しいいかげんな答弁じゃありませんか。私は、私の指摘するとおりの前提だとすればという前置きをしてあなたの見解を求めているわけです。私がその当時やってもどうやったかこうやったか、その当時の状況になってみなければわからぬというような答弁では、ふまじめ千万な答弁ではありませんか。あなたは、百五十五万円という、現在の時価に直せば三億か四億くらいの価値の金が使途不明金になったという話を聞いたことがありますか。

玉村栄二東京都建設局長

○玉村参考人 私は聞いたことがございません。

阿部昭吾日本社会党

○阿部(昭)委員 どうも、都合の悪いところはなかなか聞かぬようにできておる耳らしい。  そこで、この段階で土地の所有権はすべて都に移ったわけです。ことばをきわめて言えば、都はいままでの管理費と地代を払って、新橋商事の育成助長のためにいろいろ手を回したのです。しかし、この二十四年三月八日の契約書の段階から、地主には百二十二万二千二百十四円で一切無権利の状態に切りかえて、所有権はすべて都のものに、そうしてその上の管理運営は新橋商事に、五百坪に関する部分ですが、そういうことになりましたね。  そこで、私がこれからお尋ねを申し上げたいのは、この疎開者問題というのはこれで終わったのじゃない。ここでやられてそのまま終わったのじゃない。それ以降疎開者の皆さんが、もうずいぶんと回を重ねて都との間に談判をしておる。   〔天野(光)委員長代理退席、委員長着席〕 その談判が行なわれ、三十六年の十二月二十六日、都の審議会で――どういう名前の審議会かよくわかりませんが、九段の学士会館において、疎開者問題は、市街地改造事業によって新しいスペースをつくり、その中で救済をしていこうという方向になった。そういう答申が行なわれておる。これは間違いありませんか。

玉村栄二東京都建設局長

○玉村参考人 おそらく、当時の都市計画地方審議会ではないかと存じますが、そこで、いま御指摘のように、そういう前々からのもろもろの問題はこの事業の中で解決したいというふうにきめたということでございます。

阿部昭吾日本社会党

○阿部(昭)委員 そこで、この疎開者特別処理委員会というのが四十年の十二月に発足して、万博事務総長として名をはせた当時の鈴木副知事が責任者になっていますね。そうしてこの処理委員会が、四十一年の七月十三日に、疎開者は二十年間踏みつけられてきた、新橋商事は不法に占拠をして建物をおっ建てて――これも全く他の第三者がやったというなら別ですけれども、官選の芝区長がこれをやって、そしてそこに居すわって、建てました建物の中からたいへんな権利を積み重ねてきた。権利金や何か高いものを取って太りに太ってきた。そうして疎開者の皆さんは、これが四十一年の七月でありますから、もう二十年以上じゅうりんされっぱなしだったわけであります。大体みんな限界以下に落ち込んでおる。そこで処理委員会が、二十年間踏みつけられて力尽きたるこの疎開者に対して、今度の市街地改造ピルの中におきましては、入居代金は二十年間の年賦、それから七・五%の金利、さらに都に払う特別の頭金が一〇%要りますから、あるいは、そのほかにビルへ入って何かやらなければいかぬわけでありますから、そういう意味の運転資金等々資金のめんどうも見よう、こういう特別入居の方針というものをこの鈴木委員会において四十一年七月に決定をしていますね。この経過を少しお聞かせをいただきたい。

玉村栄二東京都建設局長

○玉村参考人 ただいまのは処理運営委員会のお話だと存じますが、鈴木副知事が司会をいたしまして、その中では――この新橋の事業は東口と西口に分かれておりますが、東口の場合を取り扱ったか西口の場合を取り扱ったかちょっとわかりませんが、西口の場合でございますと、ただいまお話のございましたように、頭金を予約のときに一割いただきまして、入居してからは、二十年の、七分五厘の利息をつけて年賦償還でよろしいというふうに、新橋の事業を始める前におりました関係者に対しましては、そういう特別の分譲をやる措置を講じようということをきめたわけでございます。

阿部昭吾日本社会党

○阿部(昭)委員 いまの頭金や運転資金、こういうものについて資金のめんどうを見てあげるということはいまあなたは触れないのですが、それはどうですか。

玉村栄二東京都建設局長

○玉村参考人 運転資金というお話は聞いておりません。それから、疎開者はおそらく東口のほうにもうすでに入ったというふうに聞いております。

阿部昭吾日本社会党

○阿部(昭)委員 ちょっと困ったな。あなた何も知らないんだな。何も知らないんじゃちょっと困るのです。そこで、何でも知っておる人がいるんですが、こいつはちょっと弱るんですが、あなたじゃありませんよ。あなたの前の局長。たとえば新橋の東口のあるバーに行って、ツケだけは全部業者に払わせておるという方もございましたね。西口のある待合に行って、何だかんだやって地元から問題を起こされて、そこの待合までひっくるめてどこかへみんなですっ飛んで行ってしまったという。ですから、そういう人々はよく知っておったのかもしれませんが、どうもあなたは何を聞いてもあんまりよく知っておらぬ。それにしてもやはりこの問題は、わざわざおいでいただいたのでありますから、もう少し克明に調べて国会に出てくださるということにならなければいかぬのじゃないでしょうか。  そこで、いまの鈴木委員会は資金のあっせんということをやってやる。疎開者はとにかくみんな二十年間たなざらしをくらって、じゅうりんされて、踏みつけられてきたのでありますから、みんなたいへんな状態に落ち込んでおったわけであります。だから、普通の状態でこの市街地改造ビルに疎開者を何とかしょうといっても、皆さんそこまで普通の人と同じように入ってくる力はもうなくなっておるわけです。したがって、この鈴木委員会というのが、いまのように二十年年賦、七・五%の金利、それから頭金やその他資金についてめんどうを見ていく、こういうことになった。この経過を、あなたは全然知らぬじゃ話にならぬじゃありませんか。

玉村栄二東京都建設局長

○玉村参考人 私が、申し上げたのが少し違うように受け取られたように存じますが、私が申し上げましたのは、即売でないわけでございますから、資金を結局都が立てかえて、二十年の年賦償還でよろしいというふうにしたわけでございますから、それは一応立てかえというふうにも考えられますが、私らのほうは、これは分譲代金というふうに受け取りまして、入っていただくにつきましては、やはりかかった費用は支払っていただくというふうに考えたわけでございます。

阿部昭吾日本社会党

○阿部(昭)委員 とにかく都が二十年間も、臨時処理法のたてまえでその当時補償されるべき、もとに戻るというこの権利をじゅうりんされて、官選の区長がそこに居すわって膨大な利権をつくっていた。そのかたわらで、疎開者は踏みつけられっぱなしで二十年間経過して力がないわけでありますから、今度の市街地改造ビルの中で新たなスペースをつくって、高層建築になるわけでありますから、その中で疎開者の問題というものを救済しよう、そういうところで鈴木委員会が、疎開者に対して特別なる計らいをやろうということになったが、この資金のめんどうなんというものは、ほとんど見てないじゃありませんか。

玉村栄二東京都建設局長

○玉村参考人 疎開者につきましては、先ほど申し上げましたように、東口では特別な扱いをしましたけれども、西口につきましては、私そういうふうに聞いておりません。当時事業を始めるときにおられました方を対象にして事業を始めたというふうに聞いております。

阿部昭吾日本社会党

○阿部(昭)委員 そこで、今度の西口のビルが始まっていった。そうなりますと、いままで烏森一帯におった皆さんに一ぺん全部出ていただかなければビルの工事は着手できない。そこで出ていくことになったわけですが、その場合に、新橋商事に対して、都のこの事業の中から支払われた金の総額は幾らですか。

玉村栄二東京都建設局長

○玉村参考人 約二十五億と聞いております。

阿部昭吾日本社会党

○阿部(昭)委員 新橋商事のたな子に対して支払った額は幾らですか。

玉村栄二東京都建設局長

○玉村参考人 新橋商事とたな子との関係は、新橋商事が支払っておりますので、私どもはその内容について詳しく存じておりません。

阿部昭吾日本社会党

○阿部(昭)委員 新橋商事は、この工事期間中新たに都から金をいただいていますね。この額は幾らですか。

玉村栄二東京都建設局長

○玉村参考人 約五千万でございます。

阿部昭吾日本社会党

○阿部(昭)委員 五千万というのはいつ現在ですか。あとこれで終わりですか。

玉村栄二東京都建設局長

○玉村参考人 立ちのいてから二年間ということで、もう問もなく終わると思います。   〔委員長退席、天野(光)委員長代理着席〕

阿部昭吾日本社会党

○阿部(昭)委員 新橋商事は都に対して、たしか、五百坪近い延べ坪のスペースを、新しい改造ビルの中で所有権を持つために金を支払いましたね。その金の総額は幾らですか。

玉村栄二東京都建設局長

○玉村参考人 二十五億のうち、約十億権利保留されておりまして、そのうち売られた分もございますので、現在残っているのは四億分でございます。

阿部昭吾日本社会党

○阿部(昭)委員 二十五億のうち、十億の権利を新しい改造ビルの中に確保しようということは、そのスペースは幾らだったのですか。

玉村栄二東京都建設局長

○玉村参考人 ちょっと詳しく調べないと数字が……もここに持っておる数字を分析しなければなりませんので、ちょっとこれは次回までに調べさせていただきます。

阿部昭吾日本社会党

○阿部(昭)委員 それば次回までに調べておくということで……  そこで問題は、新橋西口の改造ビルというのは、都のほうでは第一段階全部を一つのビルでやろうという計画を持たれた。ところが、二十二番地の二十二世帯というのは争いもなければ何にもなかった場所で、したがって、この二十二番地の場所だけは別のビルでいこう、西口を二つのビルにしよう、こういうことになって、都のほうでも当初烏森を二つのビルでいこうというふうに決定されましたね。これは間違いありませんね。

玉村栄二東京都建設局長

○玉村参考人 一時そういう案があったというふうには聞いておりますけれども、きめたというふうには聞いておりません。それで、きめたというのは、最終的に一つのビルというふうに聞いております。

阿部昭吾日本社会党

○阿部(昭)委員 都のほうで配っております図面やその他を見ますと、二つのビルの図面というのはずいぶん配られていますね。

玉村栄二東京都建設局長

○玉村参考人 初めいろいろ案をつくるときに、そういう図面が説明のために用いられたというふうに聞いております。

阿部昭吾日本社会党

○阿部(昭)委員 それはそうじゃありませんか。最初の方針は都は一つだったのです。しかし、新橋商事の関係する二十二番地以外のところは、裁判ざたになったものだけでも、新橋商事のたな子と新橋商事の間のものだけでも八十何人に四十何人、たいへんな方々が新橋商事と争いになっておった。さらに家主、借家人、又借り人と、こういう争いになっておった。新橋商事関係以外の当事者間で争っておる裁判ざたのものだけでも四十八件。そこで二十二番地は何にも争いがない。都のほうでは、最初は一つのビルでいこうということであったが、地元の二十二番地の問題のないところの皆さんが、がたがた裁判ばかりやってもめておる者と一緒にいったのでは、西口のピルはいつになるかわけがわからぬ、片方はもめておってがしゃがしゃ入りまじってくるわけですから、このままでいくと烏森、新橋というのがだめになっちまうというので、もめておるところはまず別にして、この二十二番地の問題のないところだけ一つの区画としてビルをやろうじゃないかという地元の動きが出て、都のほうでも、よしそれではやむを得ないじゃないかということに一ぺんなった。その辺はどうですか。

玉村栄二東京都建設局長

○玉村参考人 一ぺんなったということは、そういう話しがあったというふうに解しております。  ただいま申し上げたことに少し違っている点がございますので、訂正させていただきたいと思いますが、当初の案は地下が一体になっておりまして上が二つ、こういうふうになっておったそうでございます。その後変更いたしまして一つのピルにした、こういうふうになっております。

阿部昭吾日本社会党

○阿部(昭)委員 それも違うのだ。一番最初は一つなんですよ。地元を説得して何とか西口をやろうということで、都が最初説明して説得にかかったのは一つ。ところが、いま新橋商事のほうはがちゃがちゃもめておるが、二十二番地二十二世帯、これは全然もめておらぬ。そこで、もめておるところともめてないところが全部一緒くたで、ビルがおくれてはかなわぬという地元の動きが大になって、二つのことに途中で変わったのです。よく側から聞いて正確な答弁をしてもらいたい。これは重要な個所です。

玉村栄二東京都建設局長

○玉村参考人 私、いま確かめましたところ、当初の議案、つまり最初計画の時代にどういうのがあったのかはわかりませんが、正式にきめましたときには、地下が一体になっておりまして地上を二つのむねにする。その後その議案を正式に変更いたしまして一つのビルにした、こういうふうになっております。

阿部昭吾日本社会党

○阿部(昭)委員 最初、全部これは一つでいく予定だったのです。ところが、都で出した図一面でも、ここだけ色を塗り変えて別なものにしようということにしたいきさつは、片一方のほうは問題がない、もめておる場所と一緒になってはかなわぬという地元のほうの動きが中心になって、都のほうも二つにしようとした。ところが、二つにするという方向を、キャバレーで業者に金を払わせたというその偉い人が、いろいろ地元の動きが出てまいりまして一ぺん二つにしたけれども、二十二番地の皆さんに、何とかひとつ一つにしてくれぬかという話になった。そこで、一つにしてもいいじゃないか、そのかわり、ずるずるもめておっていつビルができるかわけがわからぬということではかなわぬ、都はこのもめておる問題をちゃんと解決するのか、そうして早期にビルが完成できるようにできるのかということになって、その努力をしようということになったわけですね。その努力をするという前提で、二つになったビルがまた一つでいこうということになったのですよ。この経過はどうですか。そのとおりなんですよ。

玉村栄二東京都建設局長

○玉村参考人 いまお話しのとおりでございます。

阿部昭吾日本社会党

○阿部(昭)委員 それでは、ちゃんとそう言えばいいじゃないか。一つだったが、頭のほうだけ二つにすることにしたとか。  ここで私が言おうとするのは、もめておった問題、当時の新橋商事と借家人との関係の問題が八十何件、それから借家人の又借り人対新橋商事との間に起こっておる問題が四十何件くらいあったと思う。この問題を都で解決いたしましたか。

玉村栄二東京都建設局長

○玉村参考人 新橋商事とたな子との関係でございますから、都ということではなしに、新橋商事が解決したというふうに察せられます。

阿部昭吾日本社会党

○阿部(昭)委員 そこのにおられる、井手光治さんの親戚じゃないかとぼくは思っているのですが、井手課長、もうちょっと正確に教えてやってくれませんか。新橋商事が解決したのですか。私はその解決書類をみんな持っておりますよ。だれが解決したのですか。

玉村栄二東京都建設局長

○玉村参考人 たな子と新橋商事との間に訴訟になりまして、それを和解したわけでございますから、だから両方で合意に達して解決したということでございます。

阿部昭吾日本社会党

○阿部(昭)委員 玉村さん、あなたはほんとうに何にも知らない。ほんとうに知らないのか、とぼけているのか、どっちなのか、こっちも迷ってしまうのですけれども、こういうことなんですよ。都では解決できなかったのです。弁護士だけでも七十何人入っておったのですよ。そこで、二十二番地の皆さんを中心にして、一つにすることをオーケーと言ったけれども、これ以上ずるずるもめておってビルが建たぬなんということではえらいことになる。そこで、この解決は、やはり汽笛一声新橋の時代から新橋におった者が、人間関係や故事来歴のわかる者が中心になって、地元の連帯関係の上で解決をつけなければ、お役人仕事ではもつれやもめごとは解決つかぬ、こういうことになったのですよ。特に、その際になぜもめたかということになると、これも都の責任は非常に大きいと私は思う。家主と借家人との関係は都が責任を持っていろいろやりましょう――しかし、借家人の下には又借り人、又々借り人というのがいるわけですよ。その又借り人、又々借り人なんというのは、焼き鳥屋をやっておったりバーをやっておったり、いろいろなものをやっておるわけですから、この皆さんのことまで、とてもじゃないが都が関係をするというわけにいきません。そこで家主、借家人の関係だけ都で責任を持とう、あと借家人と又借り人、又々借り人のことは、借家人が、これが私の又借り人間違いなしと認めた者以外は都では関知するわけにいかぬという態度をとりました。だからまとまらなかった。それは、私は考えてみますと、一番そこで強い立場に立っておるのは、現実にそこで焼き鳥屋さんをやっておったり、バーをやっておったり、何をやっておったりして、そこで生活をかけておる皆さんです。これは新橋商事なり何なりに高い権利金を払ったりなんかして、現実にそこでいま生活をかけておるわけですから、この皆さんがそう簡単に承知するはずがない。だからたいへんなもめごとになった。  そこで、これ以上もめられてはかなわぬということになって、新橋の地場に興こった地元の皆さんが都と何回かのかけ合いをやった。やってどうするかということになると、とにかく現在のあのごちゃごちゃしておった烏森が十何階建てのビルになるのですから、スペースはたいへんにふえる。疎開者の問題を含めて、この段階でとにかく最終的な決着はつけられる。そこで、いま争いになっておる問題も何も地元の責任において整理するから、一体どうするかということになって、都のほうでは、きょう来ておるかどうかわかりませんが、上野の山にある事務所に何とかいう人がいますね。こういう人たちが話し合いの対象になって、そして、とにかくもめるのはなぜかということになると、法定入居という原則に立つ以上もめるわけですね。法定入居というのは、とにかくビルの工事中は外に出て、工事が終わったらもとの見合う場所に戻るというのが法定入居でありますから、法定入居である以上、焼き鳥屋さんであろうと、バーであろうと、又借り人であろうと又々借り人であろうと、それは命がけになるわけです。そこで、裁判ざたがどうにもならぬというので、法定入居ということをみんな固執するな、そのかわり次の段階の特別入居という方法で、法定入居に準ずる扱いをするという話し合いになって、そこでこの地元の関係者が、ここにありますようにほんのわずかの期間に、もめておった一件というものを全部一ぺんで解決をつけたという経過がある。都なんか全然この解決はやらなかった。解決をつけたのは、新橋の地元の皆さんが解決をつけたのです。それは間違いありませんか。

玉村栄二東京都建設局長

○玉村参考人 まとまるまでの間にはいろいろな話し合いがあったと存じます。しかし、先ほど私が結果だけ申し上げましたが、最終的には、裁判になっておりました問題が和解になって、問題は解決したという形をとっておるわけです。

阿部昭吾日本社会党

○阿部(昭)委員 これをあなたは何度も見ているはずだと思うのですが、地元の皆さんがどういうようにして解決つけたか、一ぺん見てみなさいよ。――玉村さん、地元の新橋の皆さんがたいへんな苦労をしてその解決をつけたということは、あなたは認めますか。

玉村栄二東京都建設局長

○玉村参考人 もちろん、この事業が今日に至りましたことにつきましては、地元の皆さんのいろいろな面の御協力をいただいておると思います。   〔天野(光)委員長代理退席、委員長着席〕

阿部昭吾日本社会党

○阿部(昭)委員 あなたは、きょう一日だけ国会に呼ばれて何だかんだ言われても、御無理ごもっともとやっておればよろしいと思っておったそうでありますが、残念ながらあなたは何も知っておらぬようだし、きょうは決着がつかぬようであります。したがって、来国会にわたって長く長くこのことを私は追及しなければならぬと思っている。  そこで、一つだけお伺いしますが、この新橋商事は、新橋の駅前に面した一番いいスペースをずっととっておりますね。その中の約八十坪というものを平和相互銀行に貸すことになった。このことをあなたは御存じですか。

玉村栄二東京都建設局長

○玉村参考人 いまお話の場所は、新橋商事から竹中運輸に移りまして、その後その場所を、竹中がいまの銀行に売るという形でしょうか、貸すという形でしょうか、そういうふうになっているということでございます。

阿部昭吾日本社会党

○阿部(昭)委員 その権利金は、坪当たり五百万円です。権利金ですよ。八十坪で四億円。都は一体ここを、入居代金というのか、いわば所有権と見合うものを一体幾らでやったのですか。  私がこのことを言うのは、ここで前に商売をやっておった高田屋さんという方が、こんな状態で新橋商事だけが太るならば、私はこのピルができ上がったら、その屋上から三島由紀夫のように腹かき切ってみせる、新橋商事のわら人形をつくって、五寸くぎ打ってのろい殺してやりたい、こう言っておるのです。都はそこを一体どれだけの評価でやったのですか。平和相互銀行は、ここを借りた権利金――権利金ですよ。所有権じゃないのですよ。それが坪当たり五百万円、八十坪四億円です。

玉村栄二東京都建設局長

○玉村参考人 銀行と竹中との間の取引は存じませんが、都が評価いたしておりますのは、坪約二百五十万でございます。

阿部昭吾日本社会党

○阿部(昭)委員 都は二百五十万、それが新橋商事からそして平和相互へ――その中にいま妙な者が一人浮かんできたわけですが、平和相互銀行があそこの借家権、権利金、そのほかにきっと家賃をずっと払うでしょう。その権利金が坪当たり五百万円というのは倍ですね。そこで住んでおった方が、かつて商売をやっておった方が、抽選をしたけれども落っこってしまったのです。いまの平和相互銀行が入る場所におった人ですが、来年の四月か五月にあそこにみんな入ったならば、屋上から三島由紀夫のように腹を切って腹わたを投げつけて、バーの払いまで業者にやらすような東京都の役人によってやられたこの仕打ちに私は恨みを晴らしてやる、こう言っておるのです。  私は、きょうは時間がなくてこれ以上追及できませんが、とにかく冒頭申し上げましたように、新橋商事というのは、四分の一世紀の間、戦後、疎開者が強制立ちのきをされたそのあとに不法に入り込んできて、いつの間にやら――その人は官選の区長をやって代議士をやった人でありますが、区長時代に不当にそこに建物を建てて居すわって、どろぼうに追い銭のような金を取って、さらにその建物の中からどんどん権利金を取ってふくらんでいって、いまや都市改造事業の中で決定的な利権というものの積み上げに成功したと言っていいと思う。一方において、疎開者は惨たんたる状態になっておる。疎開者は力がないのです。こういう皆さんに対して、私はもっともっと手厚い保護を加えなければならぬものだと思う。都市改造事業というのは、そこで住んでおった皆さんが、新たな改造事業が行なわれた段階で、まず優先をして保護をされていくということにならなければいかぬ。いま、入居についてどういう状態が起こっているか。二十二番地の皆さんで、私が聞いておるのでもそういう方が二人おります。何にも問題のなかった、争いもなかった二十二番地の二十二世帯のうち、二戸の方は抽選をして落っこっちゃったのですよ。そこで、抽選に当たった人の権利を、私は新橋から立ちのくわけにいかぬのだと言って、いまあなたのほうに支払うべき年賦金、頭金のほかに、一千万円も二千万円も金を払って買い取らざるを得ないという人がいるのです。このようなことがなぜ始まったかということになると、東京都庁は、新橋商事のあそこを、新橋の駅前の一番いい場所にいかにしてスペースを取らすか――一番いいところをそうやって取ってしまいましたから、あとの皆さんがそういう状態になってくるのは当然です。  東口ビルの中で起こっておる家賃の問題も同じ問題です。あの家主の皆さんはいながらにして金をもらって、そして都の責任でビルはりっぱになった。家賃は、かつて千五百円ぐらいだったやつを、今度八千円に値上げするなんということを最近あなたのほうでやっているじゃありませんか。私は上げて悪いと言うのじゃない。法律上いろいろなことがあるでしょう。しかし、問題は、何にもしないで黙っておった人が、公共事業に名をかりて、新橋商事のように不法に乗り込んでそこを押え込んだ者がものすごい利権を積み上げて、戦時中軍部の力でけ散らすようにされた疎開者は依然疎外をされる。新橋とともに生きてきた新橋の人たちが疎外をされていく。こんな市街地改造事業というのは、一体どういうことなんですか。私は考えなければならぬ問題だと思う。  あなたはきょう限りと思っておったそうでありますが、私、まだ実はきょうは十分の一くらいしか終わっておりません。来国会を通じてさらにさらにずっとやるつもりでおります。来年の四月にはいまの美濃部さんも再選されるでしょうから、美濃部知事にも、今度部下職員を厳重に監督をしてもらって――もちろん安井都政、東都政以来のいわば吹きだまりの問題であります。しかし、現実には美濃部都政でありますから、この美濃部都政がこんなようなでたらめなことを許しておいてはいかぬと思う。私は美濃部都知事とも十分連絡をとって、きょう限りではなしに、これから先この問題の究明のために徹底的にやりたいと思う。あなたの感想をひとつお聞きしたい。

玉村栄二東京都建設局長

○玉村参考人 この問題は、戦時中に強制疎開をさしたときから問題が発生しております。しかし……(阿部(昭)委員「知らないと言っておったじゃないか」と呼ぶ)いや、そういうお話でございますね。そういうことでございますが、私どもが事業を始めるときに、それ以前にさかのぼっていろいろ考えるということはしなかったわけです。その事業を始めるときに、現実にそこにおられて、そこに権利を持っておられ、あるいはそこで営業を営んでおられる方、そういう方々を対象に仕事を始めたわけでございます。ですから、それ以前の問題につきましては、先ほどからいろいろお尋ねがございますが、私もよく存じておりません。いろいろなことがあったようでございます。  なお、本日参りますについて、きょう一日で終わるとか終わらぬとか、私はそういうことを全然考えてもおりません。ただ、周囲の人たちがいろいろ言われたかどうか、それはちょっと私も存じません。この問題につきましてお尋ねがあれば、もちろん私、誠心誠意をもってお答えいたしたいと思います。

阿部昭吾日本社会党

○阿部(昭)委員 きょうは局長も時間がないようでありますし、なお非常に答弁に準備がないようであります。したがって、あらためてまたこの問題は――私がおそれておりますのは、新橋のこういうやり方をやるのだということになったら、今後日本の過密都市は至るところで再開発事業をやっていかなければならぬと思うが、その場合にみんな新橋みたいに、地元のそことともに生きてきた皆さんがだめにされて、そして一部の利権が積み上げられるのだということになったら、日本全国各地の都会において再開発事業をやらねばならぬ今日の課題というものがなかなか進みづらい状態になっていくと思う。そういう意味で、私どもは、この問題は徹底的に明らかにしていかなければならぬ問題だと思う。問題の本質は、やはりそこで住んでおるそういう皆さんがまずその立場を守られて、その上に空間の中にずっと新たなスペースがつくられていくのでありますから、その中でいろいろなことが考えられるのは、これはいいと思う。しかし、問題は、そことともに生きてきた皆さんや戦時中の犠牲になった疎開者の皆さんの問題ということで、この再開発の市街地改造のビルの問題が始まりながら、これが全部疎外されていくなんということは、私は許されないと思う。  そういう意味で、とにかく四分の一世紀の間に、無からどろぼうに追い銭のように取って、そしてふくれ上がった一つの利権も存在をする。庶民は全部追い散らされている。こういうむちゃなことを私は許すことができないので、今後さらにこの問題の究明を続けることを申し上げまして、きょうの段階では質問を終わります。

金丸信自由民主党

○金丸委員長 玉村参考人には御苦労さまでした。  この際、約束の時間がまいりましたので退席してけっこうです。御芳労さまでした。  次に、小川新二郎君。   〔委員長退席、渡辺(栄)委員長代理着席〕

小川新一郎公明党

○小川(新)委員 私は、通告順に従って質問いたしますが、第一点は尾瀬の分水について、分け水の件について、第二点は住宅ローンの件について、第三点は地代家賃統制令についての大臣の見解。大臣も時間の都合がおありでございますので、私、大臣質問を先にまとめてやらしていただきます。  第一番目の尾瀬の分水の件についてお尋ねいたします。この問題は、首都圏の水の需要の問題とからみまして大きな問題になっております。  そこでまず第一番目に、昭和四十一年以来許可問題等についていろいろと問題になっておりますこの問題点でありますが、この点について、水の需要と尾瀬の分け水がどういう関係に今後なっていくのか。これは一体なぜいままで放置されていたのか。私は、前国会においても、この尾瀬の分水については法的な問題で追及いたしましたが、いまだに解決ができない。ところが、この間この分水問題がまた再燃いたしまして、今月の二十一日に福島県知事、新潟県知事、これらの知事が建設省へこの問題について話し合いに来る。要するに、尾瀬の分け水には反対の立場から大臣に陳情したいということです。また、群馬県側では、この水がどうしても首都圏の水として重要である。実は、こういった問題になったという背景は、建設省の宮崎河川計画課長さんが、分水計画をいま検討していると言ったということで、このようなことを言ったか言わないか、私、聞いたわけじゃありませんが、伝え聞いて、さあたいへんだということでこの問題がまた再燃してきた。  そこで大臣に伺いますが、この尾瀬の分け水とということを首都圏の都市問題、水需要問題とからみ合わせ、なおかつ利根川の水資源、また印旛沼や霞ケ浦の開発、それから利根の一群の群馬県の八ツ場ダムとか、その他の一連のダムができた時点において、昭和五十年を限度として、東京に、首都圏に一体水が間に合うのか、この分け水をしなくてもいいのか、こういう問題が十数年来の争いになっております。これは御存じのとおりだと思う。いまも同僚の阿部君が、東京都の問題で、古い問題でありますが、大事な問題を出しておりますが、この問題と、あとで私が質問いたします地代家賃統制の問題は、長い間の建設省の懸案になっております。そこで、この問題についての大臣の率直なる御意見、まずこれを承りたいと思います。

根本龍太郎自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・中部圏開発整備長官・首都圏整備委員会委員長

○根本国務大臣 いわゆる首都圏の昭和六十年までの水需要の長期展望の結果は、大体首都圏全体で十億トン足らないと、こういった算定を現在しておるようでございます。そういう立場に立ってみますれば、尾瀬の分水をしてこっちに持ってきたいという願望が首都圏に、特に埼玉、千葉、東京、それに神奈川関係にもそういう点があるようでございます。しかしながら、これは一面におきましては地域社会の非常な対立がございます。御指摘のように、福島県あるいは新潟県、この地域の方々はあれは困ると言っている。特に二人の知事さんは、みんなも私もよく知っている連中です。亘知事も再選してからすぐに、あれだけは何とか勘弁してくれということで、とてもたいへんだということを言ってきておりますし、福島の木村知事も言ってきておることは事実です。で、これはなかなかむずかしいのです。法的には、あれは東電ですか、一応東電の水利権があるようですけれども、東電といえども、自分たちが水利権があるからといってもなかなかこれはできないというので、今日に長引いてきておると思います。  そこで、一応いままでの試算によりますれば、首都圏で昭和六十年までに十億トン足らなくなるということも事実ですが、私は、もう少しこの首都圏内の水の活用の方法を考えてしかるべきだという検討を事務当局にも要請をしております。それはいま御指摘になりました霞ケ浦、これの活用方法もあるでしょう。それからまた、もう一つ問題になっておるいわゆる沼田ダムの問題の活用の方法もある。それから、今後の産業立地の全国的な調整の問題も私はからんでくると思います。従来は、首都圏に現在の集中の傾向をそのまま積算していって、昭和六十年になればこれこれの産業人口が集中する、そのために水がこれだけ足らない、こういうことになっている。けれども、現在は、御承知のように、公害の問題あるいは労働力の問題、土地の問題等からして、産業界においてもかなりに考えを変えてきたようであります。いわゆる大きな施設、産業については、大都市周辺ではむしろたいしたメリットはないのじゃないか。そこで、御承知のように、小川原湖を利用した陸奥湾開発、あるいは北九州等の山口県を含んだ周防灘の開発、あるいはまた北海道の新苫小牧の開発等、いろいろ構想が出ております。これは私は新しい課題として前向きに検討すべきだと思う。そうしてそういう場合には、現在都市のほうにある工場あるいは東京湾岸の大きな施設をむしろそっちに移そうという傾向が出てきておりますが、こういうものをじょうずに誘導しますれば、水の需要も、従来考えたよりは少し緩和できるのじゃないかという点が一つ。  それからもう一つは、首都圏内においても、私はこの前も幾たびか申し上げましたが、東京湾岸に物を集めるからこういう問題が出てきておりますので、むしろ逆に北関東、具体的に言えば群馬県、栃木県、茨城県、ここに、工業と商業、それに住宅を結びつけたいわゆる百万都市を三つ配置するということをいたしますれば、いずれもこれは、北関東地区は水資源においても土地においても、それから人的資源においても十分余裕があります。そういうふうになりまして、今度は同じ圏内で新しい総合的な計画がなされるとしますれば、水資源の開発についても抵抗感がだいぶ減ってくる、これが一つあります。  それからもう一つは、御承知のように、現在いわゆる農業の大きな転換期になってきております。水田が漸次、これは首都圏においては特に減ってくると思います。そういたしますれば、いわゆる慣行水利権の抵抗もだんだん解消されてくる。この首都圏にあるところの水の利用の方法も変わってきていいじゃないかというような諸般の状況を勘案していきますれば、昭和六十年度に十億トンが足らないというこの結論に膠着する必要はない。むしろこれを積極的に首都圏全体として、あるいはまた全国的な視野において検討してしかるべきじゃないか。そういう意味からして、いま、尾瀬分水を現実の行政上の問題として、直ちにこれにタイムリミットをつけて解決しなければならぬほどのものではなかろう。私はそういうふうに感じて、慎重にこの問題は検討させております。  なお、建設省の事務当局が何か発言したそうでありますが、これはおそらく、従来の首都圏全体の水需要からすれば、いまのところでは足らなくなっているから何かしなければならぬという従来のことを事務当局として繰り返しただけであろうと思いまして、特にこれは私の意図を報じたものでもなければ、これで新たなる問題を提起したものとは私は考えておりません。

小川新一郎公明党

○小川(新)委員 私はここでどうのこうのと議論したくないのですけれども、大臣のように広域的なものの考え方というものは私も賛成ですが、一つ一つもう少し緻密に洗い直していくと、経済企画庁の水利用計画というものと建設省の計画しておるものと多少の違いが出てくる。多少といっても、それはわれわれが考えている多少ではない。そこで利根川水系の今後の展望として、これは水系ですから、これを全部含めた水資源開発基本計画によりますと、昭和五十年度における水道、工業、農業の新規需要水量は、合計二百三十三トン毎秒ですね。これに対して四十五年度までの手当済みが七十九トン毎秒です。矢場、霞ケ浦、川治、思川、先ほど私が言いました、大臣もいみじくも言ってくださいました埼玉、茨城、栃木、群馬、この北関東へ工場群を散在させたとしても、関東の百キロ圏七十キロ、八十キロ圏、五十キロ圏内に工場群を散在させたとしても、北九州とか北海道へ分散させないない限りは、なおかつ毎秒七十一トンで、差し引き毎秒八十三・七トン不足する計算になってくるという問題が起きてくる。これは事務当局からお答えいただいてけっこうですが、毎秒八十三・七トン不足する。これに対する手当てはどうするか。私が言っているのは五十年度です。大臣は六十年度、さらに十年長期ビジョンを言っておられる。それが一点。  第二点は、きょうは福島県の先生もおられますが、福島または新潟、東北方面でも、関東だけに集中している都市化という問題に水需要を張りつけるところに、福島やその他反対する県が抵抗を感じている。わがほうだって、これから都市問題にいけば、こっちにも工場群ができるだろう、また、首都圏というものの需要度がどんどん拡大してくるだろう、まして、東北新幹線とか、東北縦貫自動車道路とか、国土幹線自動車道路ができ上がってくると、当然福島県あたりの相当大きな開発が今後見込まれてくるだろうと思う。私も当然そういうことは思っております。そうなってまいりましたときに、尾瀬が二つの水系の分水をやってしまっては困るという考え方がここに出てくる。しかし、現実にそれだけの張りつけるビジョンというものが打ち出され、現に工場群というものが移動していかない限りにおいては、現在のままでは昭和五十年で八十三・七トン不足する。これに対しては当然分け水の問題が起きてくる。それをたいへんな問題だ、たいへんな問題だと言ってたな上げにしておくということは、ちょっと常識を欠くのじゃないか、こう私は考えております。  それから、先ほど農業用水の問題が出ましたが、農業用水の需給面も調べましたが、たんぼというものはたとえ一〇%、二〇%減反しても、その分の水が減るというものじゃないそうですね。当然その水というものは要るのだ。農業用水の慣行水利権の問題が、大臣の勇断でいま相当短期のうちに解決を望むような運びになっておりますが、その解決策もまだ示されておらない現時点において、建設省の課長さんの発言が類が類を呼んだのでしょう。お互いのメリットを考えて、知事さいが乗り込んでくるというところまできたので、これは大きな問題になっております。  そこで、具体的にお尋ねしたいことは、現行五年間は尾瀬分水はそのまま、毎秒八十三・七トンの試算というものは建設省がやったのじゃない、経済企画庁の水需要計画なんだから、もう一ぺん洗い直しを行なう、それとあわせて昭和五十年以降にこの問題を検討するとか、ここに具体的なる大臣の御答弁をいただきませんと、毎年毎年こういうちょっとしたトラブルで問題が起きたのでは、たいへんな問題になってくる。特に、実力大臣でありますが、そういうビジョンの点で裏づけという問題がはっきりしないで、ただ知事さんの顔を立てるとか立てないとか、あるいは友人だから困ったとか、人情論だけでは私ちょっと理解できない。その点ひとつ明快に御答弁いただきたい。

根本龍太郎自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・中部圏開発整備長官・首都圏整備委員会委員長

○根本国務大臣 私は人情論で、亘君や福島県知事からいろいろ頼まれたからどうだということではなく、そういう事実もあったということを言っただけであります。  そこで、まず第一段の経済企画庁の水需要の長期見通しは一応の試算です。御承知のように工場を経営する経営者は、みんな最も現実主義者です。幾らそこに立地したいとしても、今後の工場の最大の要件は何よりも水です。水の手当てが具体的になされないところに行けといっても行きません。従来の経済企画庁と通産省あたりの試算は、一応従来の傾向性をそのまま年次的に伸ばしたということです。それで実業家は、決して自分の社運をかけてやらせはしない。その証拠には、いわゆる議員立法で、かつてはたいへん大騒ぎをして新産都市などをやったけれども、新産都市がそのままにはいっていない。私は、水資源の十分に積極的な開発は考えるけれども、五十年の試算かこうだからということで、水の手配もできないうちに工場が来るとは私は全然考えていない。それからもう一つ。われわれのほうでは道路政策なんか全部やっています。そこで、御承知のよりに、現在尾瀬分水と関係するところの二つの県かあります。それは新潟県と福島県です。しかもこれらの県は、現在の段階では、交通関係からすれば、いわば首都圏とある意味で同じに見てもいいような状況にあります。あそこは関越道もつくらせる予定であり、それから新幹線も御承知のように計画されておる。大体五十年ころにはその目標が達せられるのじゃないか。しかも、これらの地区は水それ自身が相当豊富である。土地も比較にならないほどの相当有利な条件で入手できる。こういう段階からすれば、私は、いわゆる近代経済学でいえば、数量経済学者がいろいろ試算したことそれ自身に、あまりにも日本の一部の人たちが一つの催眠術にかけられるのじゃないか、こう思うくらいなんです。したがって、私は、現実の水の手配は積極的に開きますけれども、それを手配しないうちに業界が北関東にばあっと行って――しかも、私が北関東にこういう百万都市を三つつくるということは、一応の水の需給、それから土地、それから交通関係、それの整備をちゃんとやらせるということです。幾ら私がやれと言っても、それをやってやらなければ行きはしませんよ。だから、そういう意味において、小川さんの御心配の点はわかりますけれども、私は、五十年になると工場がぐっと首都圏になお集まって、水が足らないために政治責任を問わなければならぬというようなことにいく前に業界のほうで自制する、こう考えております。それで、むしろ積極的に北関東に産業の重点的な配置をすると同じく、全国的な配置をしなければならない、その意味において道路政策等も私は考えておるわけでございます。現在では、何よりも財界の諸君が考えているのは工業用水並びにそこに住んだ人の都市用水が確立されるかいなか、これが最大の要件になっているのです。それゆえにこそ、四、五年前までほとんど問題にならなかった陸奥湾が問題になり、苫小牧が問題になり、新潟が問題になり、さらに諏訪地区が問題になっておると私は考える次第であります。その意味におきまして、尾瀬分水が昭和五十年までに全然手をつけないということ、これはいろいろ問題が続くとは私は思いますけれども、昭和五十年までにあれを分水をしなければ首都圏がにっちもさっちもいかないということにはならないと思います。

小川新一郎公明党

○小川(新)委員 私は多摩川の水についてこの間も質問いたしましたが、要するに環境基準、水質基準のランクはAA、A、B、Cと定められていて、そのうちCの多摩川の水を取っている。これはこの間の答弁のやりとりで大臣もお聞きになったと思うけれども、工業用水にしか使えない原水をいろいろな努力をして、八種類も九種類もの薬を入れて、カシンベックの疑いまで出ている水を飲んでいる東京都ということを考えますと、私が、ここで望みたいことは、大臣が一生末生建設大臣をやってくださって、大臣のビジョンを達成するまでおれは断固日本の国土総合開発というものは一歩も引かないのだというお約束が取りつけられるなら私も安心しているのです。ところが、いまの佐藤内閣の体質からいけば、大臣のような有能な大臣だって、この次のときにははっきりいうとわからない。そうなってきますと、どれほど根本建設大臣が実力があったとしても、野に下ってしまったら、直接の責任者としての問題としては――これは政審とか政策面に関連すると思いますけれども、それにしても、時の大臣にはやっぱり嗜好とかビジョンというものが出てくる。それが踏襲されていく。ほんとうに五十年代まで五年しかないのですから、この五年間、ただいま経済企画庁で試算したものが毎秒八十三・七トンといっても、水洗便所等も義務づけされてきますと、いまの三倍も四倍も都市用水がふえてくる。そのほかに洗車だとかいろいろな一人当たりの水需要度が高まってくる。工業地帯の移転ばかりではない。それでは地下水を取ればいいじゃないかといっても、地下水を取るということにも、地盤沈下という被害が出てくる。  そういうことを考えましたときに、尾瀬の分水という問題が、毎年毎年何らかの起爆剤となって爆発するというような危険な状態の政治関係にあるということを心配していま申し上げているのです。ただいまの大臣のお答えで、昭和五十年までは分水の必要はない、このまま現行で乗り切っていけるのだ、このように私、理解しましたが、誤解しているとこれは大きな問題でございますので、一言でけっこうです。小川の考えは誤解なら誤解だ、どうだと、こういう一言言ってください。

根本龍太郎自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・中部圏開発整備長官・首都圏整備委員会委員長

○根本国務大臣 誤解ではないけれども、そういうふうな推論のできるようなことは私は言ったことは事実です。ただし、私が五十年までおるわけではないから、これこそ私が責任をもってそうさせるともいえないのですが、先ほど申し上げたようなことでありまして、分水をしなければならないという意見があることは事実です。しかしながら、それは非常に大きな政治的なトラブルが出てきて実行が非常にむずかしいということです。ここで、もうすでに十年になりますからね。そこで私は、先ほども言ったことを繰り返すようでございますが、首都圏に水が絶対的に足らないものを、その手当てもできないのにわざわざ工場を誘致する政策はとるべきじゃない、むしろそれよりも、水があって、さらに他の条件がいい新潟なり、福島なり、あるいは宮城県なり、そういうところに誘導し得る政策をとるほうが賢明だ、こういうことです。

小川新一郎公明党

○小川(新)委員 わかりました。非常に明快なるお答えで私もよくわかりました。とにかくそういうことで、当分の間は尾瀬の分水は必要としないような施策、これを実行していくのだと大臣の口からはっきりいたしましたので、この問題はそう急にはトラブルが起きないであろうということで、その間に、水の手当て、ダムの建設、政治的な配慮などについて懸命に御努力いただいて、水がなくなった時点において、昭和四十年のあの時点において埼玉県が荒川の緊急送水を東京都に行なったような事態にならないことを私はこの席上でお願い申し上げて、この問題は時間がありませんし、大臣の御立場もありますから打ち切ります。  次は、大臣が常々言っておりますところの農住構想、それから大企業に住宅の責任を持たせたらいいじゃないかという持ち家制度なんですが、私はこれは非常に感心をして聞いておるのですけれども、企業家に自分の税金をまけてやるから、とにかく社員のために持ち家をつくらせる、そうすれば日本の住宅の持ち家政策というものは非常に緩和するのじゃないか、こういう問題と、今度は、農地の信託問題とからめて建設省がお考えになりましたところの企業による持ち家制度の進展をねらいとした税額控除制度、もう一つは農住、農民による中高層住宅建設費の利子補給制度、この二つを次の国会に何とか具体化しようというお考えがあったのでございますが、漏れ聞くところによると、大蔵省が、それぞれ、税額控除制度創設は長期税制の改正の方向と反する、農住の基準の設定がむずかしいから農住構想では減反の促進は期待できない、そういう面で住宅政策に農住政策を結びつけたところの利子補給というものはいまだ時期尚早である、こういう立場に立って、大蔵省が反対の立場をとっておりますが、せっかく大臣のこのような二つのユニークな考え方が、予算面の元締めである大蔵省で反対をされておる。この点につい率直なる大臣の御意見と大蔵省の御意見とをお尋ねしたい。

根本龍太郎自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・中部圏開発整備長官・首都圏整備委員会委員長

○根本国務大臣 大蔵省のいわゆる役人ベースでどういうことを言っておるか私はよく知りません。しかし、これは農住政策にいたしましても、それから企業の従業員に対する持ち家制度にしても、私が提案し、これは大蔵大臣にもだいぶよく説明もし、経済企画庁長官にも説明してきました。これは現在予算折衝の過程でありますから、最終的に場合によっては閣僚ベースでこれはきめることですから、そう早く落胆する必要はないと思います。  かつて、私が道路特別会計を設けるときには、当時の大蔵大臣から役人全部が反対した。政治生命をかけると言った。しかし、これは実現できました。何といっても、これは国民の支持と、それからやはり政治を担当する国会の意思とをもってすれば十分に予算編成に反映するものと私は思いますから、絶対に私は自信は喪失しておりません。

小川新一郎公明党

○小川(新)委員 まことに頼もしいことばを聞いて私も元気が出たのですけれども、こういう問題が大蔵省の役人ベースで進められておるといまきめつけられたのですけれども、大蔵省側はどうですか。

藤井直樹大蔵省主計局主計官

○藤井説明員 お答え申し上げます。  現在予算編成の作業を進めておるところでありまして、いわゆる農住構想につきまして、これが適当だとか、不適当だとかいままで申し上げたことはないわけでございます。現在、農住構想に関しては、財政上から見ますと、いわゆる個人住宅に対する直接の助成になるという点が一つございます。それから将来における財政負担の増加をもたらすという点もあるかと思います。しかしながら、他方において、市街化区域内の農地の、特に水田の集団転換、そういう面の効果も考えられる。そういうようなこともあわせまして現在検討を進めている段階であります。

小川新一郎公明党

○小川(新)委員 私が質問しているのは、日本経済新聞のニュースをもとにしていま御質問しているのですけれども、新聞社側がどういうサイドで取り上げたか私はわかりませんが、これは建設大臣の二つの大きな柱――大臣、いままでずっと何度も大臣になられておりますが、今回の建設大臣になられてからのいろいろな対談を聞いておりまして、二つの柱がある。一つは、土地の信託を行なったらいいじゃないかという考え方、それともう一つは、いまの企業家に住宅の責任を持たせたらいいじゃないかという考え方と、市街化区域内における農地は住宅政策と結びつけるべきではないかという考え方、この二つの大きな柱が大臣の都市政策と住宅政策のかなめとなっておる。そこから住宅建設五カ年計画が発想され、民間自力建設の問題が出てくる。  時間がございませんから、私これ以上大臣に詰められませんけれども、いまの話を聞きましてもう一ぺん確認いたしますと、この問題は成功する、建設省のサイドからいってもこれは押し通せる、こう私は理解したのですが、これは局長どうですか。

山内宏大蔵省主税局税制第一課長

○山内説明員 先ほどの御質問の中に、税額控除についてどう考えておるかという御質問がございましたので、この点についてお答え申し上げます。  先ほどの藤井主計官のお答えいたしましたのと同様に、税制につきましても目下いろいろ検討中の段階でございます。そういう意味合いで、いま問題になりました件につきましてもまだ結論の出る段階に至っておりません。  ただ、ここで少し申し上げておきたいことは、租税政策というのは、やはり一つの政策ではございますけれども、それなりに制約というのがございます。従来租税政策を使われましたのは、主として、たとえば財産を取得をするとか、あるいは将来何らかの形で損失が発生をするとかいったようなことを見越して、資産に対してたとえば特別償却をする、あるいは将来の損失を見越して準備金を積み立てるといったような形で所得を減殺をするという形をつくって、それによって税金をまけるというのが通常であったわけでございますけれども、いま問題になっておりますのは、企業が何らかの形で従業員に金を出してやるということを促進をさせようということでございますけれども、これはそもそも企業が従業員に金を払いますと、これは損金になりまして所得から減殺をされるということでございまして、従来ありましたような、たとえば機械をつくればそれについて償却をさせて税金をまけるというのとは、少し仕組みが違ってまいるわけであります。そういう意味合いで、うまい制度といいますか、うまい仕組みが考えられるかどうか、そこら辺のところを現在主として事務的に詰めております。  それからもう一つは、別の面から勤労者財産形成に対する御要望が出ておりますが、これも非常に政策の方向としてはからみ合いがあります。そのプランとしてもからみ合いがございますが、この辺のところをどういうふうに調整して国全体としての方向をきめていくかということについても基本的に問題がございます。そこら辺のところをいま現在鋭意詰めつつあるというのが現状でございます。

多治見高雄建設省住宅局長

○多治見政府委員 先ほどの御質問に対してお答えいたします。  大臣からお答えいたしましたように、われわれといたしましては、企業の努力が住宅建設に振り向けられるようにということで、大臣の構想に従いまして、先ほど御質問がございました企業減税その他いろいろ事務的に実現するように折衝いたしております。いま大蔵省当局から御返答がございましたように、その趣旨については大蔵省も十分理解していただいているというふうにわれわれ考えておりますが、ただ、税制上の事務的な問題でいま税制第一課長からお話がございましたように、どういった事務的な手続でそういった努力を実らせるかという面についての検討は現在協力してやっているところでございますが、方向といたしましては、できるだけ企業の住宅建設に援助をしたいということでやってまいるということで努力を続けている段階でございます。

小川新一郎公明党

○小川(新)委員 大蔵省の答弁は、何かむずかしいような、いろいろ検討しなければならぬような――大蔵省があのくらい長くしゃべるときには、大体が非常なる疑問の点があるからしゃべっているのです。ただ、ここに大蔵大臣がおられればもっとはっきりするのであって、閣僚会議で――私は政治というものはいろいろな技術、テクニックがあると思う。だけれども、住宅問題が今日大騒ぎになっている。私はあとで時間があれば大臣にお聞きしたいのですが、米軍の基地の返還のために、一戸一千万円もするような住宅を四千戸も建てなければ基地の返還はしないというような問題がいま起きている。日米住宅戦争といま言われておる。片面では、大きな問題になってきています日本の住宅情勢の中で、日本の法律の中で、いろいろな問題、ユニークな問題を大臣が直接考えているわけなんです。われわれが考えていることじゃないのです。最も重要な都市問題を研究している建設大臣が、長い経験の中から考え出したこの柱に対していろいろと問題がある。野党でも、これだけこの問題については検討しなければならぬと、いま政策面でわれわれも研究しているところなんです。こういう問題が技術の面だけで葬り去られるということはまことに残念です。私は、この点は何も大臣の肩を持つわけじゃありませんけれども、こういう斬新な問題が出てきたときこそ各省が検討して、この問題をどうやったら成功させるかという点にいかなければならぬと思う。その点について、ほんとうはあなたじゃちょっとお気の毒で、ここに福田さんがいれば、閣僚会議でどうだと私はいまから詰めちゃうのだけれども、ここでできないのはちょっと残念だ。予算委員会だったら、ほんとうに大事な問題として取り上げられると思う。そういう点をお考えくださって、大蔵省ともひとつ鋭意がんばっていただきたいと思うのです。いいですか。お願いしますよ。返事ぐらいしてくださいよ。  それから、時間がないから大臣にお尋ねしますが、地代家賃統制令、この問題について大臣の率直なる御意見をお尋ねしたい。  これはもう昭和三十五年以来政府提案二回、議員立法二回、そうしていま、昭和二十五年以前に建てた住宅がもう建てかえ時期に入っています。なぜ私はいまごろになってこんな話を持ち出したかといいますと、この間下水道法の一部改正法律案のときに、水洗トイレの義務づけが行なわれた。いよいよ公共下水道が完備し、流域下水道につながれて終末処理場ができた。その段階に一おいてば、都市再開発を行ない、なおかつ、下水道完備、水洗便所を完備しなければならぬということを今度義務づけられてきた。その中に、地代家賃統制令のために低い家賃に押えられて建てかえもできない、そのまま放置されているという住宅が、はたして一部改装だけで水洗トイレができるのかという問題を考える必要が出てきたのです。改装しなければならぬどころじゃなくて、建てかえをしなければならぬ。この問題は、私は誤解されると困るのですが、小川がこういう話をしたのは、地代家賃統制令を取っぱずしてしまえという早まった考えからいま述べているのじゃありません。なぜかといいますと、約二百三十万世帯のこれに該当する住宅がありまして、この中には、低家賃で、非常にお困りになっていらっしゃる方々がいる。弱小の大家さんという方々の問題があるのと、もう一つは、家賃が払いたくても払えない住宅困窮者の中でも、生活保護者または生活困窮者の方々の問題があります。こういう方々に、この統制の法律を取っぱずすことによって一ぺんに家賃にはね返ってきたらたいへんであるといって、これは四回にわたって議論が集中した点であると思います。こういう家賃制度というものが、政府がほんとうは本来かぶらなければならぬものが、戦時中の遺物のような家賃統制令が、弱小な、それも六十、七十のおじいさんたち、または未亡人たち、こういうかわいそうな大家さんたちの犠牲によって成り立っておるところに私は義憤を感ずる。じゃ、この法律を取っぱずしちゃってワクをはずしたときには、一ぺんに怒濤が家賃にはね返ってきて、今度はそこに住んでいらっしゃる方々にしわ寄せがくる。この両板ばさみになって、先ほどの尾瀬の分水とはまた違った大きな政治的テーマになって、今日まで延び延びになってきているこの問題について、建設省は次期国会において法改正もしくは撤廃をする法案を出すといった考えを持っておるやに聞いておりますが、大臣の率直なる御意見をまずお尋ねいたします。

根本龍太郎自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・中部圏開発整備長官・首都圏整備委員会委員長

○根本国務大臣 端的にお答えしまして、通常国会にはこの統制令は撤廃する法案を出したいと思います。これは、御指摘のように、実質上非常に気の毒な人たちが犠牲を強いられておるものでありまして、現実のこの法令で押えられているのは昭和二十五年までに建てた連中です。しかも九十九平方メートルをこえるものについては適用されませんし、また下水道法、新都市計画法等から見ても、これの存在はもうすでに非常に矛盾を感じているような状況です。それから、現在そこに入居しておる低所得者の問題については、御指摘のとおり、これは非常に政治的に配慮しなければなりません。そこで、これを撤廃するにあたりましても、激変緩和のいろいろの措置を講じてまいりたい。いまその意味で、建設省も若干関係することもあるでしょうから、十分にそうした激変をなくして、しかも戦後非常に犠牲になってきました人々の救済も含めて、住宅政策の新たなる一つの活路をつくってやらなければならぬ。実はみんな相当土地を持っておるのです。普通ならばこれにあるいは合併して、ある意味では交換分合がどの程度までできるかしらぬけれども、これを中高層にしてありますれば都心部に相当の住宅がつくられるわけであります。そういうようなことも含めていま検討しております。端的に、繰り返して申し上げますが、通常国会にはこれを廃止する法案を出したいと思って、いま検討を命じております。

小川新一郎公明党

○小川(新)委員 大臣はお時間がないようですから、では、ちょっとその点でもう一つ聞きたいのですけれども、次期国会に撤廃の法案をお出しになるという重大発言をきょう大臣はなすったのですけれども、そうなりますと、そのときにいろいろ議論が出ると思います。  実は、私も、ただ単にこれを取りはずすことをどうのこうのいう段階でないことが出てきたことで心配になったのは、たとえば大阪地裁で違憲論としてこれが出てきたのですが、これは、十一軒の貸し家を持ちながら、地代家賃統制令によって毎月九千円の実収しかないのですね。私のよく知っている七十歳ぐらいのお年寄りで、中に入っていらっしゃる方は部屋を又貸ししているのです。そのほうが家賃よりも高く取っている。それでおじいさんが何とかしてくれと言っているのですけれども、年寄りなものだからだめなんです。実はこれを憲法違反だといって、国を相手どって損害補償を要求していた事件が、大阪地裁民事七部の日野達蔵裁判長から、十一月十七日に、借家人との間に争いがないのに、いきなり違憲論――要するにこういう法律があるから私が家賃を取れないのだから、国がかわって損害補償をしろというおじいちゃんの言い方なんですけれども、違憲論を法廷に持ち込むのは適当でない、また統制令家賃にかわる適当な額をきめる裁量は政府にあるのだというのです。これが問題になってくるのですが、統制令家賃にかわる適当な額をきめる裁量、要するにそれをきめてくれる力を持っておるものは政府、すなわち建設省もしくは関係各省にある、裁判所がこの裁量の当否まで審査することはできないといって、このかわいそうなおじいちゃんの願いを却下してしまった。まあ負けてしまったわけなんですが、これはいろいろとあるので、この問題についての裁量、こういうかわいそうな方々に対する問題が一点と、それでは今度ここに入っていらっしゃる方々の立場で考えますと、これを建てかえだの、いろいろな面でいきますとまた一万二千円だ、一万五千円だと、千五百円くらいの家賃から十倍くらいにはね上がってしまう。これまた社会的な問題に発展してしまうというような問題が出てくる。そうしますと、いま大臣もおっしゃったが、これはとることば簡単にとることができるかもしれませんが、この二百三十三万余世帯の方々の中には、生活困窮者も生活保護者もおるし、また、職住近接の立場でどうしてもそこにいなければならぬ立場の方もおるし、事情はいろいろと千差万別の方々がある。これらの方々にこの法律をとることによって犠牲が生じたのでは、これまた政治としての無慈悲な現実になってしまうのではないか。老婆心ながらそう考えるのですが、大臣、この二点について板ばさみになっておりますが、どうお考えですか。

根本龍太郎自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・中部圏開発整備長官・首都圏整備委員会委員長

○根本国務大臣 そういう点をも考慮して、これは家賃統制令をただはずすだけで事足りるのではありませんから、そうした激変緩和の措置も十分講じなければならないと思っております。その点をいま検討させております。ただし、入っておる者が全部困窮者とも限らない。したがって、入っておる人も、具体的なケース・バイ・ケースのいろいろの問題もあろうと思いますので、いまその点を住宅局が中心になって検討しております。

小川新一郎公明党

○小川(新)委員 それでは政務次官にかわってお尋ねいたします。  政務次官、いまお話を聞いておりまして、検討するということなんですが、このお話はよく御存じだと思いますが、過去に二回政府提案で、また過去に二回議員立法で提案されて、みんな継続審査で廃案になってしまった。それで、この問題につきまして建設省は、いままでとは全然違った角度でその借家人の立場を尊重する立場についての――来国会といったってもうすぐですから、今月中には召集があります。来年の一月二十日前後には再召集がかかって問題が出る。当然素案なり原案等はできておると思いますが、過去に四回提案された以外の新味というもの、そういった問題が盛り込まれたところの案が用意されておるかどうか、政務次官、いかがですか。

田村良平自由民主党建設政務次官

○田村政府委員 具体的な内容につきましては局長から答弁させますが、いま大臣からも御答弁がありましたように、戦前、戦中、戦後、なお今日と、いろいろと大きな経済的変化が起こっておりますので、戦前の遺物といいますか、こういう問題につきましてはひとつバランスをとる必要がありはせぬか、こういうふうにわれわれも考えております。ただいま御指摘になりました過去のいろいろないきさつ、それに基づく具体的な内容につきましては局長から答弁させます。

多治見高雄建設省住宅局長

○多治見政府委員 お答えいたします。  いままでの先生の御質問の中にございましたように、非常にむずかしい問題があることはわれわれも十分承知しております。この統制令によります貸し主側の家主なり地主なりの立場、それから入っておりますたな子の立場、その他非常に複雑な事情がございますので、御承知のように、三十五年から四回国会に提案されまして廃案になっておる経緯がございますので、そういった経緯も踏まえまして、われわれといたしましては、現在のこの統制令による影響、その統制を受けておるための影響というものを具体的にできるだけ詳細に調べまして、その影響をできるだけ緩和しながら撤廃したいという方向で検討しておるところでございますけれども、まだ具体的に正確な数値というものはっかんでおりませんので、これからできるだけ早急にそういった数字をつかんで、いま先生の御質問にありましたような影響を緩和するということで、撤廃の方向に踏み切りたいということで努力しております。

小川新一郎公明党

○小川(新)委員 これはまたあらためて法案が提出された時点においていろいろと議論していきたいと思いますので、ここではこれ以上は申しませんが、この二つの大きな住宅行政の間に入って、政府の住宅建設五カ年計画というものが組み立てられておるということを考えますと、私は政策自体に非常に貧困を感ずるのです。そうして民間自力建設五百七十万戸、三百八十万戸の政府施策住宅のうち、百三十万戸は住宅金融公庫における一部融資の手当てしかできない。私はこういった中において政務次官の正義感に訴えたいのですが、ひとつ高度の配慮を持ったところの御検討をお願いしたいと思うのです。  次に、これは同じ住宅問題なんですけれども、都営住宅の問題なんですが、公営住宅法の監査権が発動できるときはどういうときなんですか。

多治見高雄建設省住宅局長

○多治見政府委員 監査権の発動ができるときという質問はちょっと……。

小川新一郎公明党

○小川(新)委員 これは建設省が公営住宅の年次計画というものを立てて、五カ年計画で、ことしで第一次五カ年計画は終わります。ところが、今年度の割り当て分が東京都公営住宅では一々数千戸割り当てられた。ところが、できる見込みがないということが監査によって判明した。それによってへずるという問題が出てきたんですが、そういう監査権が発動できるときばどういうときなのかということです。

多治見高雄建設省住宅局長

○多治見政府委員 お答えいたします。  御承知のように、公営住宅の建設につきましては国から補助金が出ているわけでございまして、これに対します所管大臣であります建設大臣が都道府県知事に対しまして指導、監督権というのが規定してございまして、それに基づきまして指導、監督をいたしておるわけでございまして、その発動としての監査権――監査権ということばは少し強いと思いますけれども、要するに、自治体の事業がどうなっておるかということを調べる権限は指導、監督権の一面としてあるというふうに考えております。

小川新一郎公明党

○小川(新)委員 具体的にお尋ねいたしますが、東京都に昭和四十五年に割り当てられた一番最初の割り当て額は幾らなのか、それから、今回そのまま手直ししなかったかのどうか、この点について伺います。

多治見高雄建設省住宅局長

○多治見政府委員 お答えいたします。  東京都に対しましては、昭和四十五年度年度当初都が希望いたしました所要戸数であります一万七千というのを補助金として配分いたしたわけでございますが、その後都の建設状況その他を勘案いたしまして、年度内に消化ができないだろうという見込みのつきました二千七百戸につきましては、これを返還を求めまして、補助金を削減したということになっております。

小川新一郎公明党

○小川(新)委員 そうしますと、東京都には二千七百戸というものを削っちゃったわけですね。

多治見高雄建設省住宅局長

○多治見政府委員 お答えいたします。  戸数で何戸割り割てて、何戸削ってしまったか、こういうお話でございますので、受ける印象といたしましては、何戸建てなさいということを申し上げて、それについての補助金を出しましょう、それにつきまして、できない分については引き上げます、こういう形になりますが、実際の住宅の建設問題は、予算といたしましては、単年度で予算というのは計上されておりますので単年度計算をいたしますが、ただ、単年度計算に対しまして繰り越しの制度もございます。しかし、実際の建設が二年度にまたがるという戸数が非常に多いわけでございます。したがいまして、東京都に例をとりますと、毎年一定の戸数を予算として計上いたしまして、その戸数を逐次建設いたしていくわけでございますから、その年度の後半で建設されます住宅につきましては、実際の建設工事は来年度にまたがるという問題もございます。そういった工事の都合と予算の単年度制の兼ね合いの問題といいますか、調整の問題で繰り越し額というものが出てくるわけでございます。それは、通常考えられます住宅建設と工事の日程その他から、通常繰り越していいだろうという金額が大体常識的にわかりますが、それをこえるような分については、一応予算としては返せということになります。しかし、それについての予算は本年度は返していただきますけれども、その工事が進みましたら、来年度の予算でまたそれについての補助金はつけましようということで、実際の工事と何年度の予算の削減という問題は、われわれとしてはあまり実質的な影響はないというふうに考えております。

小川新一郎公明党

○小川(新)委員 影響があるかないか私はわかりませんが、現実には東京都の公営住宅というものの二千数百戸分の予算が削減されてしまったということは、その分だけできないということですね。ところが、きのう都の住宅局長に会ってこの問題を聞きましたら、昭和四十五年末ではできない。しかし、四十五年度末、正確には四十六年の三月の終わりまでならばできるというのですね。完成するというのじゃないでしょうけれども、着工の見通しはあるのだ、ところが、建設省は昭和四十五年十二月までの見通しでもってやられたからわれわれとしては非常に不満なんだ。特に、埼玉県とか、神奈川県とか、千葉県とかというところにその分だけ割り当ててしまうということになると、確かに第一次住宅建設五カ年計画は達成することになりますが、ただし、東京都の場合のように土地がないようなところは、毎年今度の第二次住宅建設五カ年計画だってできないことになる。公団だって五十五万戸の張りつけができるかどうか。あとで時間があれば基地返還問題で関連して聞きたいのですけれども、そういう問題が出てくるので、そこら辺のところは残酷みたいなんだけれども、建設省は待ってあげられないものなのかどうか。それから東京都の言い分が、ほかの府県がやっているのに東京だけできないのだ。革新都政だからそういうふうにやっているんだなんて私は勘ぐりたくないけれども、そういうところはやはりもう少しおおらかな気持ちでめんどりを見てやれないものなのかどうか。

多治見高雄建設省住宅局長

○多治見政府委員 いま御質問の中にございましたように、東京都のほうとしては、年度内に着工できるということで、住宅局長以下非常に努力しておられるということはわれわれ十分了承しております。それは、もしただいまからの努力によってそういう着工ができるということになりましたら、その着工分につきましては、国の予算としては全部やります。これは東京都も承知していると思いますけれども、何も知事さんの党派いかんの問題でなしに、現実の工事の進み方を見まして、われわれとしては、もし東京都が今後努力して年度内に着工ができるということになりましたら、その分については予算としては措置をいたしますということは、東京都にも十分伝えてございます。ただ、用地事情その他についてのわれわれの監査の結果、ちょっとむずかしいのではないかという気がしておりますけれども、まだ時間が若干ございますので、東京都に対しましても、その努力をしていただきたい、それに対する裏ずけはわれわれもやりましょうということは十分申し上げてございます。

小川新一郎公明党

○小川(新)委員 きょうは東京都の建設局長が阿部さんにぎゅうぎゅういじめられて、まことに気の毒だったんで、ここに住宅局長をお呼びしてあればまことににっこり笑ってお帰りになれたと思うので、いまの局長のその御答弁を私はほんとうは聞かせてやりたかった。ところがおかど違いで、こっちは建設局長、私のほうは住宅局長なんで一とにかく東京都がやろうとすることができるということがはっきりすれば、建設省としては回せるということがはっきりしたことだけでもこれはきょうの大きな問題だと思うのです。これができないと、東京都はそれだけ公営住宅の割り当てが減ってしまうということは大きな問題だと思うので、この点だけ確認しておきたかったので御質問したわけであります。  次に、時間がありませんが、防衛施設庁の方、来ていらっしゃいますか。――わざわざお呼び立ていたしましたのでお尋ねいたします。  なぜこの質問をするかと申しますと、都市問題と基地問題についてお尋ねしたいのでありますが、その前にどうしても聞いておきたいことは、米軍山田弾薬庫の返還通告を国が返上したというような新聞記事が出ております。自衛隊への引き継ぎかまたは地元の平和利用かで対立しておりますこの九州の米軍山田弾薬庫の問題をきょうはお聞きしたいと思うのですが、それがわかったら、あと他の質問に移りたいと思います。

薄田浩防衛施設庁施設部長

○薄田説明員 お答えいたします。  先生がいま御指摘になりました山田弾薬庫は、いわゆる九州地区で一番大きな弾薬庫でございますけれども、米軍の使用形態、その後の利用計画等につきまして、現在中央で折衝中でございまして、実は去る四日、現地軍当局が私のほうの出先の局へ、いわゆる返還書というのがあるわけでございますが、これを持ってきたわけでございます。ただ、現在いろいろ流動的に諸問題を検討しておりますので、そういう段階で受け取っていいのか、こう言いましたら、持ち帰った、こういうことが実情でございます。  その後の計画につきましては、自衛隊側の希望、それから地元の御利用の計画もわれわれ重々承知しておりますので、これらをあわせていま検討中でございます。

小川新一郎公明党

○小川(新)委員 そうしますと、この新聞に載っておりますような事態ではないんだ、これは明らかにそんな米軍の単なる事務上のミスとかなんとかではなく、当然返していただけるものである、こういうふうに理解してよろしいのですか。

薄田浩防衛施設庁施設部長

○薄田説明員 お答えいたします。  事務上のミスということよりも、いわゆる中央レベルで施設委員会というものがございますが、まだこういうところでいろいろ検討中でございます。返すことももちろん検討の中に入っておりますが、自衛隊側の使いたいという希望も一方にございますので、現在その両者をあわせて検討中と、こういうふうに御理解いただきたいと思います。

小川新一郎公明党

○小川(新)委員 きょうは大臣もおられませんので、実は、基地の問題と都市問題について大事な点をお聞きしたがったのでありますけれども、時間もありませんし、この点は割愛いたします。  それで、私、政務次官にどうしてもお尋ねしておきたいことは、住宅ローンの問題です。大蔵省も来ておりますが、金融引き締めで住宅ローンが非常に引き締まったために、五百七十万戸の第二次住宅建設五カ年計画の民間自力建設の住宅ローンの依存度というものは――第一次のときには約七〇%ぐらいあるやに私ども計算いたしました。そこで政務次官に率直にお聞きしたいことは、いまの金融引き締めのままで市中銀行の住宅ローンの貸し出しがきびしくなりますと、五百七十万戸の民間自力建設というものの達成ができるかどうか。緩和しなければならぬのじゃないか。これは日本の経済問題とからんで非常に大事な問題でありますので、大蔵当局の御答弁を先に聞いて、それから政務次官の御答弁をお聞きしたいと思います。

中橋敬次郎大蔵大臣官房審議官

○中橋説明員 昨年九月に公定歩合を引き上げまして、本年十月二十八日に引き下げたわけでございます。ただ、その間、依然として資金需要が非常に強い状況はかなり続きました。さらに、十月の末でございましたので、九月決算法人の決算資金の需要期でもあり、また、引き続きまして年末資金の需要も非常に強いということでございまして、あわせまして、いわゆるうしろ向きの資金の需要も強いということで、かなり市中の金融というのは引き締まっておるという印象を受けております。ただ、その中で、いま御指摘のような住宅ローンでございますけれども、これはまだ全体の貸し出しの中ではウエートも非常に小さいわけですが、最近の趨勢を見ますればかなり伸びてきておることは確かでございます。そういう住宅ローンの方向づけをどうするかという問題でございますが、御案内のように、戦争直後しばらくの間は、融資準則ということでもっていろいろ貸し出し先のプライオリティをつけておったわけでございますけれども、それも最近は、そういうことは一切やめておりますので、大体は金融機関のそれぞれの判断でもって貸し出しが行なわれておるということでございます。ただ、金融機関といたしましても、最近の傾向を見てみますと、やはり住宅問題の認識が強まっておりますし、かたがた預金者をかなり幅広く結びつけておかなければならないという要請も強いようでございまして、そのほうにかなり熱を入れておるということでございますから、住宅ローンも、現在の預金高は約七百億円くらいございますけれども、さらに伸びていくものと思っております。

田村良平自由民主党建設政務次官

○田村政府委員 お答えします。  いま大蔵当局の話がありましたが、お話のように、金を借りるのでありますから、ただくれというのじゃないのです。実施されるようになってまだ日は浅いですが、利用度も非常に高くなっています。建設省としても、大蔵省に対しまして、また関係の金融機関に対しましても、積極的に貸し出すように強い押し方をいたしております。特に、ただいま仰せのことにつきましては、これからもそういう体制で、できるだけ多く幅広い線に融資の道が開かれますように努力いたします。

小川新一郎公明党

○小川(新)委員 局長にお尋ねいたしますけれども、今後五年間に必要とされる民間自力建設における住宅ローンの数字というものは、建設省で試算ができておりますか。

多治見高雄建設省住宅局長

○多治見政府委員 新しい五カ年計画を策定いたします場合に、そういった要素を十分積算の要素の中に入れております。ただ、住宅ローンと一言で申されましても、いろいろな形態がございまして、いまの金融引き締めの問題にからんで考えましても、金融引き締めという政策的な措置が及ぶ金融機関と及ばない金融機関がございます。たとえば農協とか信託とか、日銀から直接の窓口規制を受けていないような金融機関がございまして、わりあいに引き締めの影響が少ないという面もございますので、そういった面で、現実的には、符に農協でございますが、これの住宅に対する需要というのは数字的に非常に伸びております。そういった要素も勘案いたしまして、民間の金融の影響による住宅建設の伸びというものを積算するにあたりましては、非常に複雑な要素がございますので、なかなか正確な判定がむずかしいというのが事実でございますけれども、そういった面も十分積算の中に入れまして新しい五カ年計画をつくっていくつもりでございます。

小川新一郎公明党

○小川(新)委員 その数字をいまここで具体的に示せますか。

多治見高雄建設省住宅局長

○多治見政府委員 ただいま手元に数字は持っておりませんけれども、大体いま申し上げましたような趨勢で、そういった金融の今後の情勢その他も勘案して計画を立てていくつもりでございます。

小川新一郎公明党

○小川(新)委員 では、時間があと五分ぐらいですが、ちょっと私の調べたところを申し上げますと、金融引き締め前の昭和四十四年四月に、埼玉県狭山市で、平均価格六百十万円の建て売り、これが十六戸売り出された。一カ月後にはその十六戸のうち七戸売れた。四四%です。二カ月後には十二戸になった。これは七五%です。三カ月後には十四戸で、八八%。そして十六戸売れたのは五カ月後であります。ところが、横浜市の緑区の一千二百五十万円の高級住宅、これは建て売り戸数が十七戸で、一カ月後に四一%、二カ月後に六五%、六カ月後に一千二百五十万円の家が一〇〇%、十七戸売れている。ところが、引き締め直後、これは横浜市の緑区の一千三百四十万円の家が二十六戸売り出されまして、十二カ月後に九六%に変わってきた。それが引き締め浸透後の昭和四十五年の四月、横浜市港北区の一千四百三十万円の家と、埼玉県春日部市の九百十万円の建て売り住宅、これは百八十六戸でございますが、いまだにこれは五七%しか売れていないのです。六カ月後に五七%しか売れてない。引き締め前においては、六カ月後に一〇〇%売れていたものが、同じ六カ月後に五七%しか売れていない。半分になった。これが現在の住宅ローンの引き締めが浸透された後の住宅の売れ行きの状態なんです。これだけ民間の手に住宅が入らない。  そこで、私が計算いたしましたのは、五カ年計画に五百七十万戸の民間自力建設を、前回の住宅ローンを使った方々の七〇%――これは建設省から聞いたのでございますが、大体七割くらいの方が銀行の長期ローン、またあとの方々は社内預金から引き出した者、親戚から借りた者。手持ちで買った者は三〇%しかない。その方々の資産を七〇%掛けにいたしますと、五百七十万戸かける〇・七で、三百九十九万戸が五年間に大体ローンを使うであろうと予想されるわけです。これを住宅の平均取得価格を大体一戸五百万円としてやりますと、どういうことになりますかと申しますと、百二十五万円が頭金、残り三百七十五万をローン、こういうことにいたしますと、   〔渡辺(栄)委員長代理退席、大村委員長代理着席〕 三百七十五万円かける三百九十九万戸ですから、十四兆九千六百二十五億円、これが五年間の民間自力建設の住宅ローンの投資額。十四兆九千六百二十五億円を一年間にならしますと、二兆九千九百二十五億、こういう計算になってくる。これに対して、従来の住宅ローンの年間貸し出し額は、昭和四十三年約五千億、昭和四十四年約九千六百億なんです。年間二兆九千九百二十五億円必要とする住宅ローンの貸し出し金がなければ、民間自力建設の五百七十万戸中の〇・七掛けの三百九十九万戸はできない。現行五〇%に見ても、この引き締めの影響で百二、三十万戸しか住宅が国民の手に買えないということは、局長、住宅建設九百五十万戸の六〇%を民間自力建設に依存をしている政府の、これはあまりにも無計算の上に立った五百七十万戸の民間自力建設の算定といわざるを得ない。そこで、こういう問題を、いま私は数字をあげて、局長の明快な頭脳の中にたたき込んだわけですけれども、これに対してどういうふうにお考えになっておりますか。

多治見高雄建設省住宅局長

○多治見政府委員 お答えいたします。  いまいろいろ数字をあげてのお話で、われわれといたしましても非常に参考になる点がございますけれども、民間金融といいますか、住宅ローンといいますか、そのとり方についてはいろいろなとり方があると思います。それで従来、新しい五カ年計画を策定いたします場合は、いまお話がございました点もわれわれとしては十分計算をして、国の経済成長その他についての、もちろん推計でございますが、そういったデータをもとにして計算もしているつもりでございます。現在、本年最終年度を迎えております第一期計画におきましては、民間ローンの働きというものが、われわれの当初推定しておりましたよりも実は相当高くなっているということは御承知のとおりでございます。それで、その働き方というものを考えてみますと、先ほどの金融引き締めのお話と関係のある面と、関係のない面というのがはっきりございます。たとえば企業の従業員に対する融資、これも住宅ローンの一つでございますが、そういったものが今後の経済発展の中でどういう推移で変わっていくであろうかという推定が必要なわけでございまして、住宅ローンの内容の分析で、今後の経済成長と、そうした住宅ローンの相関関係というものは、われわれといたしましても今後もっと検討する必要があるとは思いますけれども、現在の段階では、一応の推定としてはできているというふうに考えております。

小川新一郎公明党

○小川(新)委員 でも、ここに私の手元にある資料でいきますと、四十四年十月から十二月の間には約八百三十八億、四十五年、ことしの一月から三月には七百六十五億に新規貸し出し額がおっこちているのです。貸し出し残額においてもこれはもうずっと下がってきまして、こういう銀行一般貸し出し額の住宅ローンに占める割合なんというものはほんとうのわずかな一%足らずじゃないですか。御存じのとおり、欧米諸国においては二〇%から三〇%ぐらいは住宅ローンに都市銀行でも貸し出しておる。これが信用金庫なんかだとぐっと下がってしまう。提携ローンと非提携ローンといろいろな問題がありますが、これからは非提携ローン、積み立てローン方式でいかなければ銀行は新たな開拓ができない、業者の貸し付けだけではこれはやらない、こういうことになってきまして、民間側のいまの物価高、日本経済の動向というものが、来年度あたりから不景気がやってくるのじゃないかということになってきまして、いよいよこの引き締めの効果が出てきたということになってくると重大問題であるから、具体的には、政府の建設五カ年計画の五百七十万戸を達成するためには、事住宅ローンに関してはいろいろな問題もあるだろうけれども、一体何%ぐらいまで市中銀行や信用金庫の貸し出し額のパーセンテージを上げてあげたい方針なのか。それに対して、建設省としては、大蔵省とかいろいろな関係当局との話し合いがどう進んでいるのか。これはもう少し日本経済の動向というものともあわせて――いま私が数字で示したような動向なんですが、私どもはあくまでも住宅を建てる側から言っているのであって、日本の経済動向を無視して言っているわけではありませんので、そういう責任額達成の立場から私、論じているのです。その点いかがでしょうか。

多治見高雄建設省住宅局長

○多治見政府委員 確かに、今後の民間住宅の建設の動向を左右する大きな問題であるというようにわれわれも感じております。ただ、その中における民間住宅金融の占めます役割りといいますか、ウエートは、現在までの状況では非常に少ない。先ほどお話がございましたように、パーセンテージからいきまして非常にわずかな金額が住宅ローンに回っているわけでございまして、今後の五カ年計画におきましても、いまお話がございましたように、西欧諸国の一五%あるいは二〇%というふうな数字にはとうていいかないというのが常識的な推定であろうというふうに考えられます。ただ、現在、先ほどお話がございましたように、都市銀行だけでとってみますと、全体の融資残高の一%に満たない金額しか住宅ローンに回っていない。そのほかの地銀、長銀、農協、労金その他全部入れましても二%ちょっとというような状況でございますので、これはヨーロッパあるいはアメリカ等の例と比較いたしまして非常に少ないということはわれわれも当然考えるわけでございまして、一般の金融情勢の変化、あるいはいわば引き締めでございますけれども、できるだけこういったものとの影響なしに、住宅ローンについてだけは特別な扱いで伸ばしていただきたいということは大蔵省の当局にもかねがねお願いしておりますし、御理解願っているというふうに考えております。

中橋敬次郎大蔵大臣官房審議官

○中橋説明員 やや長期的に見まして日本の資金事情がどういうことになるかということは、日本の経済の現状がどういうふうになるかということでございまして、なかなか容易に判断がつかない問題でございます。しかし、最近までの経過を見てみますと、日本の経済の成長というのは、実は民間の設備投資にかなりささえられておりましたし、それがまた資金に対する非常に強い需要であったということはいなめない事実でございます。それがひいてはそういういわば消費者への金融というもののウエートを非常に少なくしておるわけでございまして、御指摘のように、欧米でそういう住宅ローンまで含めましたところの消費者金融のウエートが高いということは、やはり経済成長と非常に関連しておるわけでございます。日本の経済がこれからいよいよ一九七〇年代にどうなってくるかということで、かなりの高い成長があるということは予測されておりますから、やはりそういった民間設備投資その他のいわゆる企業面への融資要請というのはかなり強いだろうと思いますけれども、その中にも経済の繁閑がございますし、また、先ほど申しましたように、金融機関のそういった住宅ローンその他の消費者金融に対する態度というのも大いに影響すると思いますので、これはかなり伸びていく、いままでのような低い率ではとどまらないでかなり伸びていくだろうということは期待されるわけでございます。

小川新一郎公明党

○小川(新)委員 私が聞きたいのは、いまの状態の見通しだけじゃなくして、これを緩和するのかどうかということなんです。住宅ローンのこの問題は、衣食住の中の住宅という一つの別格の根本問題なんだから、ひとつ別格に考えていかなければならないんじゃないかということを聞きたい。

中橋敬次郎大蔵大臣官房審議官

○中橋説明員 貸し出し先の資金の需要で一々分別するということは、先ほど申しましたように、融資準則というようなものがない限りとても無理なのでございます。全体的に金融引き締めを必要とする場合には、これはもう民間設備投資あるいは、住宅投資全体がやはり引き締めの影響を受けざるを得ないということ、これはいなめないことでございます。その間に、特別に住宅についてだけの緩和措置をやれとおっしゃいましても、そういう点はむずかしくて講ぜられないんじゃないかと思います。

小川新一郎公明党

○小川(新)委員 これは非常にむずかしい問題でありますけれども、鋭意そういう点を御勘案していただきたい、こう思うわけです。  最後に、私は、きょう住宅公団の総裁がおいでになっておりますので、一つだけ聞いておきたいことがございます。それは、住宅公団の家賃の値上げの点について、ひとつ国会の場において明快にしておいていただきたいと思うわけでございます。  御存じのとおり、公団家賃の値上げの問題が、住宅公団にお住まいになっていらっしゃる方々から非常に大きな問題として先ほど来いろいろと取り上げられてまいりましたが、昭和四十六年、家賃の値上げというものを行なうのかどうか。これは、私よく存じておりますが、日本住宅公団の家賃算定方式は減価償却方式だ。ところが、昭和三十一年以来建った住宅公団の家賃というものは四千円前後、まあ四千円ちょっとですね。新しく建つ住宅公団は二万八千円、もう来年は三万円をこえるであろうといわれておる。そういう中に家賃の不均衡さという点が出てきた。それからもう一つは、これは、土地問題とか、諸物価の高騰とか、住宅建設費の値上げとか、こういったいろいろな問題にからみ合わせて当然値上げ問題というものが考えられてきたんだと思います。そうして現在住んでいらっしゃる方々の、同じ昭和三十一年以降に建った建物の中においてすら不均衡がある。あき家に入った方々は、その家賃が、現在の算定方式で割って、八千円くらいの家賃のところに、その半分くらいの値段の四千円でお住まいになっていらっしゃる方もあり、同じ住宅公団の団地の中に八千円の方もいらっしゃる。こういう不均衡さがいま問題になっております。  そこで私は、きょうは時間がありませんから、もうこの点は詳しいことは申しませんが、四十六年には公団家賃は値上げするのかしないのか、四十七年度に行なうのかどうか、この点はっきり、ずばりそのものをお尋ねいたしまして、私の長ったらしい質問を終わらせていただきます。

林敬三日本住宅公団総裁

○林参考人 公団の新旧家賃の問題については、ただいま小川さんが御質問になりました内容のとおりでございます。  そこで、そういう状態を踏まえまして、四十六年度からやるかどうかという点については、政府の方針といたしまして四十六年度はやらないということをこちらも連絡を受けております。それで、それから以降につきましては、先般御承知のように住宅宅地審議会が建設大臣に答申いたしました中にも、家賃の不均衡を是正して、家賃の負担の公平化をはかるようにという指摘がございます。これを受けまして、建設省、大蔵省その他関係各省当局が目下検討中でありまして、また住宅公団としても、これを実行し、実施する機関の立場から、それに対してまたいろいろな調査、検討をいたしまして、それらと連絡をはかって慎重にこの問題を扱ってまいりたいと存じております。不均衡の点は確かに出てまいって、これが一つのこういう答申にも出てくるような状態になってきておりますが、同時に、家賃というものは、国民の各自の生活の一つの大きな要素でありますので、生活安定というような面からいうと大切なものであって、慎重に扱わなければならないものだと存じます。また、いろいろと法律の立場からしまして、借家法その他において借家人というものが保護されているという法制上の現実もございまして、これらと、また不均衡の是正ということ、その他いろいろなことをあわせ考えて、四十七年度以降において、慎重に、一番適切な結論を出すように、公団も協力して進めてまいりたいと存じておる次第でございます。

小川新一郎公明党

○小川(新)委員 以上をもって私、終わらしていただきますが、最後に、次官、住宅公団の家賃問題は、ただ単なる住宅公団だけの問題として見られない問題が出てくる。これは資金の問題が出てくる。これは御存じのとおり非常に大きな問題がありまして、私はきょうここで申し上げませんが、よくその辺のところは政務次官御存じだと思いますから、その辺の御配慮等考えられて、ひとつ住宅にお住まいの方々の負担にならないような、そうした住宅政策、家賃政策というものを、ただいまの林総裁のお話の中からもよくおわかりと思いますので、建設省が十二分に配慮していただかなければならぬ問題だと思いますので、この際これを要望いたしまして、私の質問を終わらせていただきます。

大村襄治自由民主党

○大村委員長代理 浦井洋君。

浦井洋日本共産党

○浦井委員 一番初めに政務次官にちょっと御意見なり感想なりをお伺いしたいのです。   〔大村委員長代理退席、渡辺(栄)委員長代理着席〕  私、つい最近新聞を見まして非常に感じたことがあるわけなんです。それは政務次官も御承知だと思うのですが、ことしの十一月二十三日に、都内で、四畳半の間に親子六人が寝ておって、そしてふとんの中で赤ちゃんが圧死をされたという記事が出ておるわけでございます。その一家は都営住宅に入居申し込みをやって落選した直後だった。非常に象徴的に現在の住宅難の様相をあらわしておるというふうに私ども思うわけでございます。  つい最近、私さらに足立区のほうに行きまして、そして非常に住宅に悩んでおられる都民の皆さん方の実情を見てきたわけでございますが、その中で、これは少しひどい例ではございますけれども、六十七歳のおじいさんと七十二歳のおばあさんとが夫婦で、もう傾いた六畳一間の二戸一の長屋に住んでおられる。手で押しても倒れそうな感じの家なのです。入ってみますと、屋根は直せないので、部屋の中にビニールをつって雨漏りを防いでおる。おばあちゃん、いま一番してほしいことは何だと聞きますと、雨漏りのしない家に何とか住みたい、こういう願いなんでございます。当然のことだと思うわけでございますが、一方、私、これも新聞記事からの引用でございますけれども、ちょうど同じような十一月の末ごろに、三笠宮さんが一億六千万円の国費で屋敷を建てる、こういう記事があるわけです。それを読んでみますと、三笠宮さんの家が済めば秩父宮さんだ、その次は高松宮さんだというふうに次々と予定されておるそうでございますが、私は政務次官にお尋ねしたいんですが、私、何ぼ共産党やいうても、こういう宮さん方が足立区のおじいさんやおばあさんと同じような暮らしをせえというようなむちゃなことは言いません。宮さん方もやはり人並み以上の生活もされたらよいでしょうし、あるいは外国から人が来られた場合に人並み以上の接待をする必要もあるだろうと思うわけです。しかし、そういうふうに二つのことを比べてみますと、非常に不公平の度が過ぎるのではないか、こういうふうに私思わざるを得ない。その証拠に、日経新聞でございましたか、やはりそういうような気持ちをたくさんの庶民が抱いておる、こういう現実をどうするんだというような意見が出ておりましたけれども、その件につきまして、冒頭に政務次官の御感想なりお考えなり、こういうものをひとつ聞かしてもらいたいと思うのです。

田村良平自由民主党建設政務次官

○田村政府委員 いまお話しの点は、私たちも人間として非常に同情をするといいますか、ひどい状態だと思います。したがいまして、いまお話しのように、人並み以上の、あるいは人並み以下というお話もありますが、衣食足りて住足りない状態にあります状態、これを何とか円満な方法で処理しなくちゃならぬということは、建設省としても非常に大きな責任を感じております。お話のありました点は非常に悲惨な町の例であります。そういうことがまだたくさん各方面にもあると思いますが、そういった住宅の問題を本質的に解消するために精一ぱいがんばっていままでやってきております。また、これから新しい年度を迎えますが、そういった点も十分考慮に入れまして、われわれは問題の残されました住宅難解消に全力をあげていかねばならぬ、かように考えております。

浦井洋日本共産党

○浦井委員 次官のほうから非常にけっこうなお答えがございまして、住宅難にあえいでおる庶民はまくらを高くして安心して寝られるだろうというふうに私思うわけでございますが、ひとつ、その点今後とも鋭意努力していただくよう要望しておきたい。  それで各論に入らしていただきたいんですが、経済企画庁にお尋ねしたいんですけれども、おたくも御承知のように、いま国民は非常に物価高にあえいでおるわけでございますが、その物価高の原因の一つに、家賃そのほかの住宅関係費の高騰、こういうものが当然あるわけでございますが、経済企画庁として、家賃の値上げに対してどのような効果のある対策をとっておられるか、この点をひとつお聞きしたいんです。

山下一郎経済企画庁国民生活局参事官

○山下説明員 お答え申し上げます。  最近におきます家賃の上昇は、基本的には人口の都市集中、世帯の細分化傾向に基づく住宅需要の増大並びにコスト面における地価、建築費の著しい上昇によるところが大きいわけでございます。このような家賃の上昇を仰制する方策といたしましては、抜本的には産業、人口の都市集中を抑制することが必要でございますけれども、当面の対策といたしまして、増大する住宅需要に応じた住宅建設をはかることにより住宅需給の不均衡を是正するとともに、地価対策、住宅建設工業化の施策を強力に進め、コスト面からの家賃の安定化をはかる必要があると考えております。政府といたしましては、従来、このような観点のもとに、公共機関による住宅建設、民間による住宅供給を促進するための低利資金の融資、減税措置等の施策を講じてまいりましたが、今後ともこれらの施策を一そう拡充する必要があると考えております。  また、地価対策は住宅問題の解決にとって基本的に重要なことでございまして、従来、昭和四十年の十一月及び四十三年の十一月の地価対策閣僚協議会の決定に基づきまして各般の施策を実施してまいっておりますが、さらに本年八月、当面の地価対策が同協議会において決定されましたので、今後はこれらに基づいて総合的な地価対策を強力に推進することといたしております。  さらに、住宅建築費のコストダウンをはかるためには、住宅建設の新技術の開発、部品、建材の規格化などによって、住宅生産の工業化を一そう進めることといたしております。

浦井洋日本共産党

○浦井委員 いろいろな施策をいままでもやってきたし、今後も推し進めたい、こういうお話でございましたけれども、いままでやってきたその結果、具体的に家賃の面においてどれくらいの効果があったか、それをもう少し具体的にお答え願いたいのです。

山下一郎経済企画庁国民生活局参事官

○山下説明員 従来の家賃抑制対策といたしまして、先ほども申しましたように、住宅需給の不均衡を是正するための住宅建設の促進、地価対策、住宅建設の工業化によるコストダウン化等を柱に進めてまいったわけでございますけれども、人口の都市集中、世帯の細分化傾向によって住宅需要が増大いたしますとともに、地価、建築費の騰勢が鎮静いたしません。このために、残念ながら現実の問題としては家賃の上昇が続いております。  以上でございます。

浦井洋日本共産党

○浦井委員 いろいろ努力してきたけれども、他のファクターがどんどんと出てきて、残念ながら効果がない、むしろ家賃が上がっておるというお話なんですが、もう一度お聞きしますけれども、ほんとうに家賃を下げる気でどういうふうなことを、これはという妙案をひとつもう一ぺん企画庁として教えていただきたいわけです。

山下一郎経済企画庁国民生活局参事官

○山下説明員 今後の妙案をというお話でございますけれども、先生御承知のとおり、この問題はなかなかむずかしい問題でございまして、率直に申しまして、これはというきめ手になるある方策が突然出てくるという性質のものではない現状でございます。しかし、今後の方策といたしましては、昭和四十六年度から第二次の住宅建設五カ年計画が予定されておりますし、また、地価対策といたしましても、先ほど申し上げましたように、去る八月に地価対策閣僚協議会において決定されました地下対策を今後強力に推進することといたしておりますほか、さらに住宅建設の工業化のための施策を一そう講ずるということを考えておるわけでございます。

浦井洋日本共産党

○浦井委員 あまり妙案もないし、期待できそうな御返事でなかったというふうに私理解するわけなんですが、そこで、建設省住宅局長だろうと思うのですが、先ほど大臣から、地代家賃統制令の撤廃の法案を来年の通常国会に出したいというお話があったわけなんですけれども、なぜ地代家賃統制令を撤廃しなければならないのか、こういう点を局長のほうからもう一ぺんまとめてお話を願いたい。その理由ですね。

多治見高雄建設省住宅局長

○多治見政府委員 先ほど大臣のお話の中にもございましたけれども、地代家賃統制令を撤廃するというふうに言われますと、確かに現在あります統制令を撤廃するというような感じが出ますけれども、御承知のように、この統制令は非常に特殊な統制令でございまして、淵源から申し上げますと、昭和十三年……(浦井委員「簡単でよろしい」と呼ぶ)簡単に申し上げますと、その後、戦時中と戦争直後といった非常に特殊な時代の、要するに借家人の保護――戦災で焼かれて家がない人々はみな壕舎の中に住まなければいかぬというような状態にありました当時の必要から生まれた統制令でございまして、大臣の答弁にございましたように、その後、経済条件や住宅事情その他が完全に変わってきております。したがいまして、これは撤廃すべきであるということはどなたもあまり御異論はないように考えます。ただ、地代家賃という特殊な問題でございますので、従来統制されておりました価格について急激な変動がありました場合は、持ち主である家主あるいは地主に対する影響、それからたな子、土地の借り主、これに対する影響それぞれ相反するものがございまして、非常に高度の政治判断を要する問題であるということをわれわれ十分承知しております。制定されました当時の経済条件あるいは住宅事情というものは、もう現在においては全く変わっているということはどなたも御否定できないところでございまして、撤廃することは当然である。撤廃による影響につきましては、いろいろな影響緩和の措置が必要であろうということで考えておるわけでございます。

浦井洋日本共産党

○浦井委員 撤廃するのは当然だというお話なんですが、企画庁にお尋ねしたいのですが、おたくからいただいた資料によりますと、物価と家賃と並べて見ていきますと、昭和三十五年を一〇〇として、物価が、四十四年度ですか、四十五年度ですか、一六〇、家賃もそれ以上に一六四というような係数が出ておるわけですが、もし来年地代家賃統制令の撤廃をする法案が通るということになりますと、家賃全体としてどういうような影響があるだろうというふうに考えておられるか、ひとつ教えていただきたい。なぜこう言うかといいますと、昭和四十一年に当時の建設大臣が撤廃したいというふうに言われたとたんに、いろいろな地方で一斉に家賃が上がり出したという経緯があるわけなんで、それを心配してお尋ねするわけなんです。

山下一郎経済企画庁国民生活局参事官

○山下説明員 地代家賃統制令が撤廃されました場合の影響でございますけれども、統制令の対象になっております地代家賃がある程度上昇することは当然考えられますけれども、御承知のとおり、統制令の対象になっております住宅は一般に老朽化しているものが多いこと、あるいは修繕費なども借家人持ちの場合が大部分であること、また借地借家法による借地人の地位が保護されていることなどから考えまして、統制令の撤廃によって直ちにその家賃などが大きく上昇するとは考えておりません。また、統制令の対象になっております地代家賃は昭和二十五年七月十日以前に建てられました九十九平米以下の住宅にかかわるものでございまして、このような一部の地代家賃がかりにある程度上昇したとしても、それによって地代家賃全体の水準が大幅に上昇するおそれは少ないものと考えております。

浦井洋日本共産党

○浦井委員 建設省にお尋ねしたいのですが、先ほどもちょっと数字が出たのですが、この項をひとつ答えていただきたい。  全国的に見て、家賃統制令の対象となっておる家屋数と貸し間数、それから宅地の戸数分、それからそういうところに居住しておる人口、そういうのをひっくるめまして統制令の対象となっておる家屋の標準家賃と対象外の標準家賃との比率、これはどうなっていますか。

多治見高雄建設省住宅局長

○多治見政府委員 お答えいたします。  現在地代家賃統制令の対象となっておる家屋は、全国的に二百三十三万戸というふうに推定しております。ただし、その中に給与住宅が相当数、約四十万戸含まれておるというふうに推定されまして、これは統制令のあるなしにかかわらず、給与住宅としての家賃ということで、統制とあまり関係がない住宅であろう、したがって約二百万戸が統制の対象として家賃がきめられておると考えていいのではないかというふうに思われます。それから、いわゆる借間、間借りでございますが、これが約十五五尺それから借家と借間の敷地となっております借地が約八十五万戸分ということで考えております。  それから、その地代家賃の実態でございますが、現在統制対象――先ほどお話がございました昭和二十五年以降に建てられました住宅の家賃と、二十五年以前に建てられました九十九平米以下の家賃との比較でございますが、単純に比較できませんで、権利金その他の関係がございますし、家賃をそのまま比較するわけにいきませんけれども、おおむね推定するところでは、統制対象家屋は通常の家屋の十分の一以下の家賃で貸されているというふうに考えております。

浦井洋日本共産党

○浦井委員 人間の数はどうですか。そこに住んでおられる人の数。

多治見高雄建設省住宅局長

○多治見政府委員 人口は、ちょっと数字を手元に持っておりませんが、統制令借家約二百万戸と考えますと、一戸当たり主ないし四人というふうに推定していいのではないかと考えます。

浦井洋日本共産党

○浦井委員 そうすると、六百万人から八百万人、こういうふうに理解していいわけですね。そうですね。――それで、私思うのですが、これは政務次官にひとつ御意見をお伺いしたいのですけれども、いま出てきた数字から見まして、先ほどの大臣の答弁であるとか、あるいは企画庁、住宅局長のお答えにもかかわらず、地代家賃統制令というものは、六百万から八百万の人たちにとって、これは家賃を引き上げるということについて一定の歯どめになっておると私思うわけでございます。だから、この統制を撤廃するということに私は反対なんでございます。先ほどからの答弁にも出ておりますけれども、これを取り扱うということになりますと、この対象になっていないところの土地家屋の値段が非常に急激に上がるだろう、こういうことは疑いないわけでございますし、さらにこういう現状に対して、私は積極的にひとつ提案をしてみたいと思うのですが、現在統制令の対象になっておらないような自由に売買ができる土地、建物、こういうものに対して値上げを抑制するための新しい措置が必要ではないかというふうに私は思うわけでございます。今日の非常にきびしい住宅難、どんどんどんどんと地代、家賃の値上げが行なわれる中で、われわれの暮らしというのは非常に苦しくなっておるわけでございますけれども、政務次官にお尋ねしたいのですが、地代、家賃の値上げを抑制するような新しい法的な措置をとられるお考えというものはないのですか、どうですか。

田村良平自由民主党建設政務次官

○田村政府委員 お答えします。  お話しのとおり、安いに越したことはありませんが、ただいまの問題は大臣から御答弁がありましたので、私から補足するわけにまいりませんが、これは建設省の住宅局ないし住宅問題だけ、あるいは家賃だけで全体の国民経済の低物価政策ということはなかなかむずかしいと思います。したがいまして、お話の点は、やはり大蔵を中心とし、また関係各省ないし企画庁を中心として全体的に常に質疑応答がかわされますいろいろなこういった問題点、これに対して建設省サイドのみの答弁とか、企画庁のみのプランの説明とかいうことでなくて、私たびたび申し上げますように、政府の全体的な意思をまとめて、そして低物価政策に乗り出すという方向に行くべきでありまして、この住宅あるいは家賃をめぐります質疑応答の中から考えさせられます点は、そういう全体的な新しき経済界の鎮静剤を何によって持っていくかということではなかろうかと思います。抽象的なことになりましたが、私たちもそういう点を十分考えて、低物価政策ということは当然必要だと思っております。

浦井洋日本共産党

○浦井委員 住宅局長のほうは、いまの新しい法的措置について、全体の立場で何か御意見はないですか。

多治見高雄建設省住宅局長

○多治見政府委員 ただいまの御質問、先ほど政務次官の御答弁がございましたように、住宅局長という一役人の立場でお答えするにはあまりに問題が大きいので、私から特にどういう考え方があるということをお答えできませんけれども、私の置かれているいまの職務から申し上げまして、要するに低所得階層で自分の力では快適な住宅を確保できないという層があることは、これは当然認めざるを得ない現実でございます。これに対する措置といたしまして、公的資金による住宅をできるだけ大量に供給して、その面に対する現在の社会の欲求にこたえるということでその努力はするつもりでございますが、全体的な、家賃を下げるとか、その他経済的ないろいろな条件の変化を求めるような措置については、私としてはちょっとお答えいたしかねる問題でございます。

浦井洋日本共産党

○浦井委員 そうだろうとは思うのですが、もう一つさらに突っ込んで提案さしていただきたいのですけれども、そういう公的住宅でなしに、いまの民間の場合にこういうふうにしたらどうかと思うのですが、現在借地、借家、借間、非常に条件が悪いわけでございますけれども、それを改善するために、ある一定の居住水準とそれから一定の家賃とを条件として、そして、その改善、修理であるとかあるいは建設に国なりあるいは地方自治体なりが低利長期の融資を行なう、こういうふうにしますとそういう民間の住宅の建設も進むし、さらに家主も適切な利潤が保障されるというふうに思うわけでございます。ひいては、いまいろいろ問答がかわされておる家賃の値上げの抑制にもなるんではないかというふうに思うわけなんですが、これは政務次官なり局長なり、どちらでもけっこうですが、ひとつお答えを願いたいのです。

多治見高雄建設省住宅局長

○多治見政府委員 御質問の趣旨の政策は確かに各国もとられておりますし、われわれといたしましても御趣旨のような方向で努力を従来もいたしておるつもりでございます。たとえば住宅金融公庫によります低利融資、これはまさに御趣旨のような制度でございまして、通常の金利、市中金利から考えますと非常に低利な金を融資いたしまして、その金によって賃貸住宅を建てて国民に供給するという施策も講じておるわけでございまして、御指摘のことはわれわれとしても努力はしているつもりでございます。ただ、それが十分な効果をあげているかといいますと、一〇〇%完全な効果をあげているというふうには申し上げかねるような現状でございますけれども、今後もそういった方向では努力いたしたいということで考えております。

浦井洋日本共産党

○浦井委員 そういうやや根本的な対策、それから非常な民間の家賃の値上げで困っておられる人が多い。公営住宅にも入れないというようなことで、緊急の措置としてこういうことは考えられぬかと思うのですが、どうですか。そういう高い家賃を払って民間の借家あるいは借間に入っておる人に対して、民間の家賃と公営住宅の家賃との差額を、何らかの形で国なり自治体なりが補助する。これはもう非常に喜ばれると思うんですが、そういうことはどうでしょう。私たち、そういうのをかりに住宅手当というようなことで呼んでおるわけでございますけれども、公営住宅は非常に入りにくい、公団も家賃が高いということで、国あるいは自治体なりがこういう点で補償するというのは非常に道理にかなった方法ではないかというふうに思うので、住宅手当というようなものをひとつここで提案してみたいんですが、その件についてはどうでしょう。

多治見高雄建設省住宅局長

○多治見政府委員 住宅手当というお話でございますけれども、われわれといたしましては、現在の国民の所得階層に応じて、あらゆる所得階層の方々が適正な住宅を確保できるようにということで、新しい五カ年計画を策定いたしているのでございまして、具体的に申し上げますと、現在年収七十八万円未満の低所得階層の方は自力では適正な水準の住宅を確保できないということで、現在の経済状況がそういうふうになっておりますので、これに対しては公的資金で住宅を供給するということで、住宅供給公社も建てておるわけでございまして、こういった階層の方に対しましては一〇〇%公的資金による住宅を供給しようという計画になっておるわけでございます。その供給のしかたは、公営住宅あるいは厚生年金住宅とかいろいろな手段がございますけれども、要するに、七十八万円以下の低所得の方も公的資金による住宅は確保できるという姿を第二次計画で実現したいということで努力している段階でございます。

浦井洋日本共産党

○浦井委員 現実には、公営住宅にも厚生年金の住宅にも入れなくて非常に困っておる人が多いということで、これは数字の上で出ておるわけでしょう。それをどうするかということで、私きょう積極的な提案をさしていただいておるわけですが、結局金がないということですか。どうでしょう。

多治見高雄建設省住宅局長

○多治見政府委員 現実ただいまの段階では、確かにお話しのように公営住宅に入れない方がございます。ただ、われわれの統計で申し上げますと、現在そういった階層が全国で四十八万世帯ございますので、これに対する供給は、五カ年間のわれわれの供給計画で全部確保できるようにしたいという努力を続けておるのでございます。

浦井洋日本共産党

○浦井委員 いろいろ問題があるのですが、時間がないのであとちょっと省略させていただいて、公団の問題に入りたいと思います。公団総裁とそれから宮地理事さん、非常にお忙しいところを来ていただいて感謝しておるわけなんですが、まず公団の問題につきましても、ひとつ政務次官に最初にお尋ねしたいわけなんです。  先ほどもこの委員会で、この国会の終了にあたっていろいろな請願が行なわれた。その中で、公団住宅家賃値上げ反対等に関する請願書は残念ながら保留になったわけですね。保留になったわけですが、私も実はこの請願紹介議員になっておるわけなんです。それを見ますと非常にもっともなことが書いてございまして、これは単に少数の人が出しておるというのでなしに、私が聞きましたところでは、十万世帯二十万人の方たちがこれに署名をされ、賛同されて請願されておるということで、すでに政務次官も見られたことだと思うわけでございますけれども、四十六年度までは公団の家賃は上げない、見送るけれども、四十七年度以降は何とか実施したいということが先ほどの公団総裁のお話にもあったわけなんですが、ひとつ政務次官のほうからこの公団の家賃値上げについて責任のある御答弁を期待したい、こういうように思うのです。

田村良平自由民主党建設政務次官

○田村政府委員 内容につきましてはたびたび話も聞いておりますし、私もその考えでありますが、ただいまこの席で大臣からも御答弁がありましたように、来年度はやらない、しかし、四十七年度以降、いわゆる新旧住宅のアンバランスについては何とか是正をする必要がある、こういう見解でありますので、私が反対の意見を申し上げるわけにもまいりませんし、また、この点は、申し上げましたように、新旧住宅のアンバランスの是正が大きな問題にならないような、できるだけスムーズに移行できるような方向で検討を進めたいと考えておりますので、必ずしも浦井さんの御期待には沿い得ないかもしれませんが、よろしくお願いいたします。

浦井洋日本共産党

○浦井委員 大臣がおられると非常によいわけなんですが――いや、というても別に政務次官がどうと言うのではないのですが、そうしますと、四十六年度はもう絶対に家賃の値上げはやらないのですね。といいますのは、私鉄の運賃の値上げは絶対にやらないと言うておったのに、あれば二カ月後くらいでしたか、認可されたというふうなことが最近ございました。そういうようなことは絶対にないということはどうでしょうか。

田村良平自由民主党建設政務次官

○田村政府委員 大体私からお答え申し上げるのは――これは実は閣議で大臣が発言をされ、またきょうは委員会の席での御質問に対して正式に御答弁なされておりますので、まさか何かのように、ちょいとまたあしたは上げるというようなことはまさか考えられないので、御了承願います。

浦井洋日本共産党

○浦井委員 まさかが二度出てきましたのでないだろうとは思うのでございますが、最近はいろいろなハプニングが起こる世の中でございますので、ひとつ絶対にやらないということでがんばっていただきたいと思います。  四十七年度以降の分について、これも政府側にお聞きしたほうがよいだろうとは思うのですが、公団でもいろいろ準備を進めておられるというふうに聞いております。公団に最初にお聞きしたいのですが、四十七年度以降の家賃の値上げについて、その準備状況なり、あるいは上げるとすればどういうようなメルクマールで上げられるのか。たとえていえば、これはことしの五月でしたか、私が当時の大津留局長にお尋ねしましたら、あき家家賃は今年度は全国平均四割九分というようなお話がございました。そういうあき家家賃方式なんかも考えておられるのかどうか、この点についてひとつ具体的に、総裁でもけっこうでございますし、官地さんでもけっこうでございます。

林敬三日本住宅公団総裁

○林参考人 四十七年度以降どうなるかということでございますが、これはまだやるともやらないとも結論は出ていない段階でもとよりあるわけでございます。ただ、先ほどの住宅宅地審議会の答申などでは、そこのところがだいぶひどいからこれを是正するようにという勧告が出ておるという状況を踏まえまして、しかし、これはいろいろむずかしい問題もございますから、慎重に考慮して、その処置を一番適切に四十七年度以降はきめていく、こういう段階でございます。したがって、上げるとしたらという前提に立ちますと、私がここでお答えするのは少々行き過ぎになるのじゃないかと思うのでございまして、公団の賃貸借契約によりましても、また建設省令によりましても、御承知のように維持管理費、修理費というものがばく大に要ったとき、公租公課がばく大にふえたとき、それから不均衡になったとき、このときは上げることがある、こういうことになっておるわけでございます。その一番おもな不均衡是正というところが一番問題になってきているのでございますが、これはやはりいわゆる客観的妥当性が基礎になって、その客観的妥当性でどうしてもやらなければならないというときには一番適切な方法でもって考慮するということだと思います。実は、どんな準備をしておるかというと、ずいぶんたくさんいろいろな問題が、これはなかなか深刻な問題だものですからありまして、したがって、いまお話しの四十六年度なんかから実施はとても事務的にできないという状態だと思うのでございまして、基本は政府がきめる問題でございますから、建設当局と融資をつかさどる大蔵当局とこちらは実施機関としてよく打ち合わせをしまして、適切な処置を将来において講じていきたい、かように考えております。

浦井洋日本共産党

○浦井委員 もう一度お尋ねしたいのですが、上げるとしたらという前提ではということですが、そういう前提であるとしたらどういうような形で上げられることになるのですか。

宮地直邦日本住宅公団理事

○宮地参考人 ただいま趣旨は総裁がお答え申し上げたとおりでございますが、まだいろいろ作業をいたしておる最中でございますので、その途中の問題を申し上げる段階には至っていないところであることを御了承を得たいと思うのであります。

浦井洋日本共産党

○浦井委員 いろいろおなかの中にはあるだろうと思うのですが、せっかく参考人としておいでいただいたわけですから、現実に公団住宅に住んでおられる人たちがどういう状況かということを公団の総裁にひとつ知っていただきたいと思って、資料を整えてきたわけなんです。具体的に申し上げますと、足立区の栗原団地、これは車で十分ほど行きますともう埼玉県だそうでございますが、四十二年に入居が始まって、現在六百戸の方々が住んでおられるが、三DKの場合に、毎月、家賃が一万六千五百円、共益金が千百円。そういう状態で、私、行ってみたのですが、地盤沈下がひどいわけですね。私ここに写真を持ってきておるわけなんですが、これをひとつ総裁見ていただきたいと思うのです。こういうふうに本建築と付属物とが離れて、ばかっと口をあけておるという状態で、排水管が詰まるし、非常に住みにくいということを主婦の方々が訴えておられるわけです。それと、これは他の公団住宅でもあるだろうと思うのですが、非常に湿気が強くて、ふとんを壁ぎわに置いておけばぼとぼとにぬれてしまうというような状態。それから壁にまつ黒いカビがはえる。こういうようなところが軒並みに出ておるということなんです。それと、実際に部屋へ入ってみますと、これは主観もありましょうけれども、内装工事が非常にずさんです。天井の吹きつけがちょっとほうきでなでるとぽろぽろ落ちてくるというような状態であるとか、ふすまがしまっておったのが音もなく倒れてくるというような状態で、たてつけが非常に悪い。こういうことで、そこの住民の方々は実感として――この場合でしたら、四十七年度から値上げがあるとしたら該当するわけですね。そうじゃないですか、五年据え置きというような形になりますから。そうしますと、四十七年度から値上げされるというようなことはとんでもないというのがそこに住んでおる方々の実情なんですが、まず最初に、これは総裁でも宮地さんでもけっこうですが、こういうような地盤沈下であるとか、あるいは湿けの多い状態ということを知っておられるのか。知っておられるとしたら、いままでどういう処置をとってこられたか、これからどうしたいとか、こういうようなことをお聞きしたいと思う。

宮地直邦日本住宅公団理事

○宮地参考人 栗原団地は、御承知のように江東方面でございましたので、東京の地盤沈下の一環としていまのような現象が起こっております。特に地盤の悪いところでございますので、これは入居開始が昭和四十二年の九月でございますが、建築時にあたりまして、短いものでも二十七メートル、長いものは四十三メートルの鋼管パイルを打って、本体の基礎をはっきり支持をいたしております関係上、地盤沈下をいたしますと、たとえば目につく――いまの写真でもわかりますように、アプローチの部分、あるいは焼却炉の部分、あるいは地下埋設物の一部にそういう現象が起こってくるのでございまして、いま土地がありませんので、一部の公団住宅等は地盤沈下をするようなところに建てております。そういう場合におきましては、その後の地盤沈下の問題にいかに対処するか、一般論的な問題といたしまして十分配意いたしておるところでございまして、具体的に栗原団地の例について申し上げますと、ごく最近にも二棟につきまして特殊なそういう補修工事をいたしております。この二棟にいたしましたのは、決して二棟において工事が終わったという意味ではなくて、そういう地盤構造がありますから、こういう方法がいいのかどうかという多少試験的な意味を持ってやったのでございまして、その工法にまた改良を加えて、さらに他のむねにも及ぼす予定を持っておるのであります。  第二点の御質問の結露の問題でございますが、これは公団のように気密性の高い鉄筋コンクリートのところにおいては、間々起こる例でございます。室内の湿度が高くて、冬になりますと外気が冷える。そこに結露現象が起こりますので、われわれのほうで最近建てますものにつきましては、結露防止のためにグラスウールとかその他特殊な建材を使いますけれども、これをもってしても十分ではございません。一方におきましては、われわれ入居のときに、ぜひ換気というものに御注意願いたいということを申して、この結露防止をいたしておりますが、いまのこういう一般の日本の住宅、木造家屋のような生活状態ではそのままどうしても入りますので、われわれのほうの建築工事上の措置と相まって、こういうことについて御配意賜われば非常に幸いかと思っております。結露の結果、非常に汚染されたような場合におきましては、時期を限ってわれわれのほうで修繕している例もあるわけでございます。  なお、五年以内に云々という御質問がございましたけれども、その点につきましては、先ほどもお答えいたしましたように、まだ具体案云々という段階に至っておりません。

浦井洋日本共産党

○浦井委員 いろいろ言われるのですが、本体はしっかりしておるからだいじょうぶだ。しかし、総裁、住んでいるところ自身はしっかりしておっても、日々に横へひび割れしてきて、口がだんだん開いていくというようなところに、人間心理として安心して住めますか。そういう点で、ぜひ総裁も一度栗原団地に行っていただいて――初代の総裁である加納さんは飛んで行かれたというように聞いておる。林総裁は非常にノーブルな方だそうでございますけれども、ひとつすぐに飛んで行っていただいて、見ていただきたい。そして、いま宮地理事がいろいろごたごたと言われたですけれども、ほんとうにその処置でいいのかどうかという点を、その目でしっかりと確認していただきたいというように私は思う。  約束の時間が参っておりますのでということなんで急ぎますけれども、実はもう一カ所実情を述べたい。それは東久留米市の滝山団地、千四十戸あるそうでございますが、これも四十三年十二月で、やはり家賃が高く、三K一万五千円、二DKで一万三千五百円です。そこで、実はつい最近、家賃値上げについてアンケートをとられているわけですね。まだ集約中だそうでございますけれども、千四十世帯の中で五百十世帯の方がアンケートを出して、現在その結果が出ておるのですが、簡単ですからこれをちょっと読み上げてみますと、何度公団、公社に申し込んだかという項を見ますと、十五回以上申し込んでおられる方が六三三%。われわれ落選というようなことは縁起が悪いわけでございますけれども、十五回以上落選されておるということです。それから、中には、三十回以上落選が一四・九%あるのですよ。それから、いまの団地に入られるまでどういうところに住んでおったか、二間以下の住宅に住んでおられた方が一〇〇%、全部です。一間の方がその中で四〇%だから、狭いところに住んでおって、やっと、家賃は高いけれどもやや広い公団に入れたというのが実感ではないかと私は思う。そのときに、入る際の家賃と収入との関係でございます。これは二五%というふうにきめられておるわけでございますけれども、その入っておる方たちの実感を調べたわけでございますが、乗に入れたという人が一四・一%、それほど無理ではなかったというのが四九・一%、基準ぎりぎりで何とか無理して入ったという人が三六・八%、これも全体として相当無理して入っておられる。三六・八%ですから、三分の一以上の方が無理をしてぎりぎりで入っておられるということなんです。さらに、現在の収入の中で家賃の占める割合を見ますと、大体二五%から一〇%の方が大多数で八〇%、こういうことになっておる。その中で、何とかやっておるけれども実情はどうかということで、奥さんも働くという共働きの実情を見ますと、共働きをしないと生活できないという人が一一・三%、共働きしたいが子供が小さいというような理由でできないという人が三七・九%、これを合計しますと四九・二%、ほぼ五〇%になるわけです。五〇%に近い人々が、いままで狭いところに入っておって、遠くて家賃は高いけれども何とか公団に入れたという、そのあげく共働きをしなければやっていけない、こういうのが実情なんです。  時間がないそうでございますので、その人たちがどういうような考え方を持っておられるか、二、三読み上げてみたいと思うのですが、こういう実情なんですね。「入居のおり、収入と家賃、子の成長につれての支出の増加等考えあわせて、これくらいならまあまあやっていけると思ったのです。諸物価の値上がりの上、家賃まで上がったのでは生活は苦しくなるばかりです。」こういうことです。それから、「やっと団地に入居できたと思っていたのに、家賃が上がるとはお先まつ暗です。子供は生まれたばかりだし、共働きもできないし、生活を切り詰めるとしても、食べるところまで切り詰めていまの家賃を払っているありさま、何年かたてば少しは楽になるだろうとがまんしている最中に、また家賃が上がるのではいつになったら人並みの生活ができるだろうか。家賃値上げ反対。」それから、東久留米ですから三多摩にあるわけですけれども、「三多摩は二十三区内にくらべ上、下水道料、国民健康保険税、市民税とかなり高い。交通費もずいぶんとかかる。せめてもの家賃だけでも高くしないでいただきたい。」それからこれは簡単です。「物価高おおり、家賃くらいはいままでどおりにしておいてください。」それから、いまさっき申し上げた共働きですけれども、この人は共働きをしなくてもやっていけるというところに丸をつけられたけれども、「ただそれでは家賃を支払って食べるだけ、レジャーも貯金もできない、やっぱり共働きをしなければなりません。」こういうような非常に赤裸々な家庭生活の実情がこのアンケートの備考欄に書かれておるわけでございます。  時間がないのであれですが、こういうような実情の中で、四十六年度はいままでどおり据え置くとして、四十七年度以後は家賃値上げの方向で検討したいというお考えの政府なり公団なりの御意見を、こういうようなアンケートあるいは他の公団の実情を踏まえた上でもう一ぺんお聞きしたいと思うのですが。

林敬三日本住宅公団総裁

○林参考人 初めにお尋ねがありまして、宮地理事から申し上げたことについて、重ねて私にもどうだということでございますので申し上げさせていただきたいと思います。  地盤沈下の問題は、申すまでもなく、あの江東地区、旧江戸川の流域というのは一番ひどいのでございます。しかしながら、そこに住宅がどんどんできてまいりますし、また、そこを切り開いて再開発をしなければならない関係がありまして、公団もそこに進出しておるわけでございます。そこで、この地盤沈下につきましては、建物はだいじょうぶでございますが、そのジョイントされるものとのいろいろなつなぎのところがたいへん問題になるわけですが、これは検討をいたしまして、修理いたしまして、最善を尽くしてまいります。  それから湿気のことについても、鉄筋コンクリートがまだいろいろ不十分な点もある。また使い方のほうもなれない点もありますが、これもよく注意いたしまして、今後一そうの努力をいたします。内装、吹きつけについても同様でございます。  私も実は栗原団地は行っておりません。加納さん、よくいらっしゃったというので、ああいうお人柄というものをそのまま私もまねはできませんのですが、しかし、私も歴代の中では一番よけい見ておるほうでございます。しかし、なおここもさっそく参りまして、よく実情を見て、現実把握の上に立ってのいろいろな処置をしてまいりたいと存じます。  それから滝山団地でございます。これは、しかし新しい団地であり、またわりに評判のいい、それから希望者殺到の団地でございます。しかしながらアンケートのお話はとくと承ります。  これはいま問題になっておるのが、ずっと昔のものと新しく建つものとの間に三倍もの違いがあるという点が一番問題になっているのでございまして、そういうところが今後の詰めのどう処置するかという一番の問題になってきている点だと思うのでございます。しかし、いま個々の新しい団地のほうまでの御心配ということ、いろいろございます。それらもとくと頭の中に考慮いたしまして、関係当局とこの問題を詰めてまいりたいと存じます。

浦井洋日本共産党

○浦井委員 宮地さんに最後にお尋ねしたいのですが、公団法の家賃の値上げの変更の項ですね。施行規則の第十条。今度上げられるとしたらという仮定になると思うのですが、その施行規則の第十条は項が四つありますね。その中の四つ目は下げる場合ですから、この場合問題外になると思うのですが、この三つのうちの第何項に相当するわけですか、一つだけお伺いしたい。

宮地直邦日本住宅公団理事

○宮地参考人 第十条の第二号に当たると思います。「賃貸住宅相互の間における家賃の均衡上必要があると認めるとき。」という号でございます。

浦井洋日本共産党

○浦井委員 わかりました。  もうちょっとだけ時間をいただきたいのですが、次に、公営住宅の入居基準について伺います。  これは、この前新井委員のほうから質問があって、住宅局長でしたか、入居基準の引き上げを検討するということでしたね。これは実情は、入居基準が低いために低所得者対象だというふうに政府が言われておるにもかかわらず、入れる人がだんだん少なくなってきたという問題と、それから私取り上げたいのは、公営の場合は割り増し家賃を取っておられる。入居基準が低いために、建ってしばらくすると一応所得がふえて、ある程度自動的に割り増し家賃をとられる人がふえて、そして実質的には家賃が値上げになっておるというような実情があるわけです。これも私調べてきたのですが、都内の葛飾の新宿都営アパートですかこういうところでは――これも三年ほど前にできたアパートだそうでございますが、あそこの方の四〇%はことしの十二月から割り増し家賃を取られる予定になっておるというふうになっておる。そういう実情なんで、ひとつ入居基準をできるだけ早く、しかもぐっと大幅に引き上げていただきたいというふうに思うわけですが、この辺の御意見をひとつ。

多治見高雄建設省住宅局長

○多治見政府委員 お答えいたします。  現在公営の住宅の入居基準は、確かに、お話のように、入居者特に勤労者の所得水準が上がってきておりますが、現在の入居基準は昭和四十三年にきめた基準をそのままにしてやっております。したがいまして、入居者の収入が上がってきて、したがって割り増し家賃というような問題になっていますので、これは当然改定すべきであるということで現在折衝しておりますが、来年度予算の決定の段階までには改定したいということでぼつぼつ作業は進んでおる段階であります。

浦井洋日本共産党

○浦井委員 これはいま請願も採択、されたわけですから、ぜひやっていただきたいと思うわけですが、さらに六十一国会の公住法の改正のときに衆議院でも参議院でも附帯決議として出ているわけで、特に参議院のほうは毎年遅滞なく検討するというようなのがついておると思うわけです。私いま調べたわけなんです。だからぜひやっていただきたいと思うのですが、つい数日前の読売新聞の夕刊には、一種が上限が四万円であったのを五万円、二種が二万四千円であったのが三万円というような数字が出ておるわけですが、いま作業を進めておられるのはほぼこれくらいなんですか。

多治見高雄建設省住宅局長

○多治見政府委員 お答えいたします。  現在折衝中でございますので具体的な数字はちょっと申し上げかねますけれども、従来の入居当時の収入に対応した家賃に対すると同じような率で、現在の収入の伸びが対応するように、簡単に言えば、スライド制というような感じで考えて作業しております。

浦井洋日本共産党

○浦井委員 ちょっと先を急ぎますので……。  さっき割り増し家賃のことを申し上げたのですが、こういう場合はどうなるのですか。割り増し家賃の免除というようなのがありますね。免除というのですか、払わなくてよいという。この場合に、たとえばこれは全国でも初めてのケースだろうと思うのですが、公害つき公営住宅。このころは都営住宅でも公害つきというようなことを印刷してあるそうでございますけれども、都営住宅ができた、そのあと、隣にある工場からその都営住宅ができてからどんどん公害を出しだしたというようなケースは、これは一体割り増し家賃が免除になり得るものなのかどうか。

多治見高雄建設省住宅局長

○多治見政府委員 お話しの、公営住宅ができました後に近所に工場ができて公害の影響を受けるというような例でございますが、これは直接には住宅の家賃の問題とは関係ないと言ってはおかしいですが、公害そのものを除去する努力をしていくということでやってまいりたい。  それからもう一つ、公営住宅の家賃につきましては、一応法律的に積算されました建設費をもとにしましてこういうような家賃という上限をきめておりますので、それを、住宅の立地その他を考慮いたしまして、住宅を建てます事業主体が、この住宅はある種の事情でそういった悪い条件のところに建てざるを得ないという判断で建てました場合は、家賃を引き下げることは当然可能のような法律の構成になっておりますので、これはまた別問題として、そういう点を考えて家賃というものを設定してまいりたい。割り増し家賃の問題とは直接は関係ないというふうに思っております。

浦井洋日本共産党

○浦井委員 これで最後ですが、別問題だということなんですけれども、私行って見てきたのですが、ホルマリンとかフェノールが、これは新宿団地というのですか、名前はちょっと忘れましたけれども、ひどいのです。子供さんを見ると貧血がある、奥さんも生理不順ということで、この団地に入って、工場から公害を、フェノールとかホルマリンを出しだしてから、からだの調子が悪い。植物も生えない、昆虫もおらない、そのほかいろいろ金属が腐食するとか、非常に悪い状態です。こういうケース、別問題だと割り切ってしまえばおしまいなんですけれども、これはぜひひとつ、今度も公害国会が開かれたことでもありますから、結びつけて、都のほうでも住民の健康診断をしようということで非常に積極的な姿勢を示されておるというふうに聞いておりますので、国のほうでもぜひ、初めてのケースを積極的に取り上げていただいて、ひとつ慎重に検討していただきたい。こういうことを私要望しまして、質問を終わりたいと思います。

渡辺栄一自由民主党

○渡辺(栄)委員長 代理本日はこれにて散会いたします。    午後二時三十三分散会

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