予算委員会第三分科会 第2号
- 発言数
- 318 件
- 登壇者
- 33 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1970/04/14
会議録
○主査(足鹿覺君) ただいまから予算委員会第三分科会を開会いたします。 分科担当委員の異動について報告いたします。 昨日、予算委員異動に伴ない、欠員の補欠として、山田勇君が本分科担当委員に選任されました。また同じく昨日、小野明君が委員を辞任され、その補欠として川村清一君が選任されました。 —————————————
○主査(足鹿覺君) 昨日に引き続き、農林省所管の質疑を行ないます。
○川村清一君 私は、北洋漁業の問題に関連しまして質問を申し上げたいと思います。 まず第一に、北洋漁業の安全操業の問題についてお尋ねいたしますが、この問題につきましては、昨日倉石農林大臣は、イシコフソ連漁業大臣と会見されまして、いろいろお話をなされたことをけさの新聞で拝見いたしましたし、またきのうは本委員会において、鈴木強委員の御質問に答えて、大臣からいろいろ御報告を兼ねて御答弁があった模様でございます。したがって、私はきのうのお話の内容には触れないで、これからどうするかという問題を主にしてお尋ねをしたいと思うわけでございますが、まず第一に、これから水産庁におきましては、ソ連に対し提案する具体案の作成に取りかかることと思うわけでございますが、外務省と種々打ち合わせすることは当然でございますが、その際に、地元の漁民の声を聞いて、その関係漁民の要望というものをその具体案の中に盛り込んでいく用意があるかどうかということ。 続いてずっと伺いますが、第二番目には、その提案する水域でございますが、この水域につきましては、前に愛知外務大臣が提案いたしました国後、択捉、歯舞、色丹、この周辺の水域とするお考えかどうか。 それから第三番目には、三海里から十二海里の線、これも愛知外務大臣の提案された線でございますが、この線は大筋において変えないと、こういう御意向であるかどうか。 それから、これを提案するに際しましては、当然それにかわって払う代償といいますか、対価というものを考えなければならないわけでありますが、この場合において、まあいろいろあるでございましょうが、漁獲物に対する代金、あるいは入漁料というようなものを支払う、こういうようなことを考えるかどうか。さらには、ソ連がかねてから要求しておりますソ連漁船の日本漁港への寄港、これを認めるようなことになるかどうか、こういうことも考慮の余地があるのかどうか。 それから現在、御承知のように貝殻島周辺のコンブ漁につきましては、民間協定によるコンブ協定がなされておりますが、今度政府が提案されますところの具体案、こういうものがソ連との話し合いの結果まとまったとするならば、その協定は政府間協定になるのかどうか。 そして最後には、これはきのうイシコフ漁業相から要請があったそうでございますが、倉石農林大臣が訪ソをしていろいろ話し合って最終的には取りきめると、農林大臣はその場合において訪ソする用意があるかどうか。 以上の問題につきまして、ひとつ御答弁を願いたいと存じます。
○国務大臣(倉石忠雄君) 日ソ間の漁業、ことに安全操業の問題につきましては、昨日きわめて友好ムードの間に二時間余り会見いたしました。それで安全操業以外には、現在交渉中のサケ、マス、ニシン等についても当方の主張の正当なるゆえんを強調したわけでありますが、いまお尋ねのことにつきましては、お話のございましたように、これから外務省、農林省両省の担当者の間で十分にこちらの考え方を検討いたすつもりでありますが、そういうときに際しましては、もちろん関係漁民の方々の御意見も十分に承るつもりであります。 それからこちらが申し出ることについてのたとえば水域の問題、これも研究事項に属するかもしれませんが、一度わがほうの外務大臣が先方に申したことでもございますので、一応はそういうことが水域を論ずる場合の基礎になるのではないか、こう思っておりますが、こういうこともさらに検討はいたしてみたいとは思っております。 それから対価というようなお話がございましたが、私のほうは対価を考えてはおりません。新聞の記事等に対価というふうな文字がございましたけれども、あれは私の口からも先方の口からも出ておりません。経済協力について、つまりこれから日ソ間において漁業等でいろいろ協力し合う問題がたくさんあります。それで相互の国の善意のもとに協力をしてまいるということでありまして、私ども現在考えているところでは、そういういわゆる日本語で考えられる対価というふうな意思は持っておりません。それらにつきましてもこれからの研究問題であります。 それから政府間協定になるのかどうかというお話でございますが、御存じのように先方の立場と当方の立場は違うのでありまして、先方は領土問題は解決済みだという主張を政府としてやっておられます。わがほうは歯舞、色丹はもちろん北海道付属の島嶼であって、これは問題がありませんけれども、国後、択捉につきましては、歴史的にわが国固有の領土である、こういうたてまえでありますので、そういう問題については立場が違うわけであります。この立場をくずすことは絶対に日本政府としてはいたしませんからして、そういう上に立って漁業の安全操業ということになるわけでありますから、相互間でこの領土問題を表に出してきたのではおそらく話にならない。したがって、いままで愛知提案でもそうでありますが、この領土問題にはいま触れないで、いまのような状況を改善することが両国親善のために必要であるということで、漁業の安全操業について交渉してまいったのであります。今般先方においてはそういう原則について了解をされましたので、そういう立場に立って私どもは交渉をすべきであると思っております。そういうことになりますれば、あるいは政府間協定になり得るんではないかと、こう思っておりますが、これらも外交問題でありますので、これから十分検討いたさなければならないと思っております。それから私の見解によれば、もちろん漁業でありますから、農林省の仕事に一番深い関係のある事業ではありますけれども、これは両国間の外交交渉の性質を帯びているものでありますから、外務省が表面に立たれて折衝の衝に当たられるのが妥当なことだと思っております。しかし、いままでの漁業関係プロパーの問題につきましては、農林大臣が折衝いたしておりますので、その事の性質によっては私が表面に立つこともあり得ると思いますが、そういう場合には先方と打ち合わせまして、こちらへ来てもらうか、モスクワに出かけるか、あるいは最終的にはそういうことがあり得ると思いますけれども、私も与えられた重要な安全操業の問題でございますので、これからも精力を傾けて、できるだけ日本漁業のために安定した操業のできますように努力を続けてまいりたいと思っております。
○川村清一君 ちょっとお聞きしたことについて答弁漏れがあるようでございますので、重ねてお尋ねしますが、これはまあ愛知外務大臣が提案した事項でもあるので、これはさらにやはり提案する、こういうふうな意味の御答弁がございましたが、その中に含まれておるとも思いますけれども、安全操業の水域でございますが、島は先ほど言いましたが、今度の距岸距離でございますが、三海里から十二海里、いわゆる島の距岸三海里まで操業することを認めるかどうか、この線は大筋において変える意思はないというふうに受け取っていいのかどうかということと、もう一つは代償になりますが、これは従来ソ連が要求してきている事項なんで、それはソ連の漁船が日本の漁港に立ち寄る、寄港することを認めれば、これは数年前から要求してきておりますが、沿岸漁民においてはこれは非常にある意味においては死活に関する問題でございますので、反対がございます。したがって、日本政府はこれを拒否し続けてきておるわけでございますが、今度具体案を作成するにあたっては、この点はやはり従来どおり拒否するという基本線に立って案をまとめられるお考えかどうか、この点をもう一度お聞かせいただきたい。
○国務大臣(倉石忠雄君) お答えが抜けておりまして、失礼いたしました。こういうことの代償に、安全操業の代償に、ソ連の国でもどこの国でも、外国の漁船をわが国の港に寄港を認めるということは絶対にいたさないというのが政府の確固たる方針でございます。
○川村清一君 距岸距離は。
○国務大臣(倉石忠雄君) これはいろいろ議論があることだと思います。なぜならば、私がさっき申し上げましたように、歯舞、色丹はもちろん固有の北海道付属の島嶼でありますから問題はございませんが、択捉、国後につきましても、わが国の国有の領土である、領土権を国際的に主張しているのでありますから、その安全操業という場合に、距岸三海里というのは国際法上領海の意味でありますから、そういうような区域のことが安全操業の中に出てくるということ自体私はあまり愉快に思わないのであります、個人的に。しかし、いずれにしてもこの領土問題はたな上げだというのでありますから、それならば先方と交渉の上でできるだけ都合のいい水域まで漁獲ができるように望むことは当然でございますので、その辺のところはなおこれから折衝の余地があるのではないか、こう思います。
○川村清一君 安全操業の問題は、申し上げるまでもなく大臣がおっしゃっておりますように、北方領土問題が解決すると、こういう問題はもう解消してしまうわけです。問題が解決しないから安全操業の問題があるわけでございまして、したがって、本来から言うならば、国後、択捉は固有の領土であると主張しておる以上、三海里という線を引くことがそもそもおかしいことであって、当然これはゼロ海里にならなければならないと思いますが、領土問題が解決しないからそういう線が出てくる。これは政府間交渉でいろいろ話し合ってまとまっていくと思いますが、私の要望としてはできるだけ岸近くまで行って操業すると、これが漁民の利益になるわけでございますから、この点は十分考慮していただきたい。そして、結論的に言いますならば、北洋におきましては常に拿捕の危険にさらされながら生きるために漁業を続けておるほんとうに零細な漁民がたくさんいるわけでございます。大臣御承知のように、北洋における拿捕事件というものは、李承晩ラインにおける拿捕の隻数あるいは抑留漁夫よりもずっと多いのでございます。この点を十分ひとつお考えいただきたい。この問題はまさに人道問題でございます。漁民の悲願というものを一日も早くかなえてあげるように最大の努力を私は御要望申し上げたいと思います。 時間がございませんので問題を進めますが、北洋漁業についてお尋ねします。カニ交渉は出漁期間近になりまして、ようやく妥結をいたしました。妥結の内容についてもいろいろお尋ねしたいのでございますが、もうきまったことでございますし、時間がございませんので、これは省略し、またあとでこのカニの問題でお尋ねしますが、まず第一に、サケ、マス、ニシンの漁業交渉に関しましてお尋ねします。 この交渉は、ことしもまた例年どおりきわめて難航しておる模様でありますが、今日ただいまどういうような状態になっておるのか。漁期もだんだんと迫まってまいっておりますので、今後の見通しについてこの際御説明を願いたい。
○国務大臣(倉石忠雄君) お話のように、ことしは不漁年でもございますので、なかなか先方はきびしい要求を出しております。ことにニシンなどにつきましては、もうとうてい容認できないようなきびしさをもって臨んでおるわけであります。しかし、ただいま武田代表以下全員こちらの技術的調査に基づく根拠によって先方と非常に熱心にやってくれている最中でありますから、私どもといたしましては、この方々と緊密な連絡をとりながら、最終的にわれわれの要望が達成されるように督励しておるというのが現状でありまして、まだ詳細なことはわかっておりません。
○川村清一君 さっぱり大臣の御答弁では、木で鼻をくくったような御答弁でさっぱりわからないのでございますが、いろいろ現在日ソ漁業委員会で交渉中であり、まあかけ引きもあるんでございましょうから、ただいまは国会で御説明できないとするならば、さらに突っ込んで聞いていってもしようがないので、私も遠慮をしますが、それではもう済んだことは聞いてもいいでしょうね。 カニ交渉について質問します。カニ交渉は一体日ソ漁業条約の範疇で論議されておるのか、または新聞記事等で報道されておりますように、大陸だなに関する条約の範疇で論議されておるのか。どちらの範疇で論議されてことしの妥結をみたわけでございますか。
○国務大臣(倉石忠雄君) 率直に述べているつもりなんですけれども、ものの言い方がへただから、ひとつお許しいただきたい。 先ほど申し上げたサケ、マスのほうは、実際こっちにほんとうのところまだわかってないのです。毎日こうやっている。きのうイシコフ漁業大臣にも安全操業のほかにもこちらの要望すべき事柄を強く述べておきましたから、できるだけ効果の上がるように期待いたしておるわけですが、カニは実に困ったものでありまして、御存じのように、ことしはもうきまりました。ある程度いいところの線だと思いますが、ところが、いままでは日ソ漁業条約に基づいての漁業委員会の交渉でありましたが、先方の考え方といたしましては、従来と変わって西カムチャッカのタラバガニの漁場等は、あそこは大陸だなであるとか、それで大陸だなに生息しておるカニはソ連のものだと、大陸だなの領土権のある国の所有に属するものであるから、公海を泳いでいるサケ、マスなどと同一に論ずることはできないという主張で、今年からはソ連のカニを日本がとることについての協定というようなことで、切り離してしまったわけであります。私どものほうでは、カニもまた泳いで歩く公海の魚であるという主張に基づいてやっているものでありますから、その辺のところは折り合いがつかないわけでありますが、したがって、こちらは武田代表以下漁業委員会の日本政府代表は一本でありますが、相手方はカニの交渉委員とサケマスの日ソ漁業委員会の代表とが違うわけです。相手が二組に分かれておる。こちらは一本。そこでまあカニのほうを先に片づけて、残余のサケ、マスをいま継続しておる、こういうやり方になってしまったわけであります。
○川村清一君 まあ大臣のおっしゃることはよくわかるわけでございますけれども、これは日ソの漁業交渉というのは、かってにそのお互いの代表が集まって話し合いをしておるのじゃなくして、この話し合いの根拠は昭和三十一年に、一九五六年に締結され発効されました日ソ漁業条約、詳しく言うならば、北西太平洋の公海における漁業に関する日本国とソヴィエト社会主義共和国連邦との間の条約、この条約に基づいて毎年交渉されておるわけでございます。したがって私のお尋ねしておることは、このカニ交渉というものは、この日ソ漁業条約の範疇で議論されておるのか、それともソ連のいう大陸だな条約というのが一つあるわけです。これは日本は加盟してない。この大陸だな条約の範疇で議論されておるのか。これは去年からすっかり変わったわけです。そうして大臣がいまおっしゃったようなことになったわけでありますが、条約に双方がきめられたことで話し合って出された結論は双方が平等なる義務を負っているわけですね。そこで私がお尋ねするのは、一体このカニ交渉というのはこの日ソ漁業条約の範疇で議論されているのかどうかという点。
○政府委員(大和田啓気君) 日ソのカニの問題は昨年から政府間の協定になっておるわけでございますが、一年ずつの協定でございまして、いわば性格からいえば日ソ漁業条約に比べれば暫定的なものでございます。したがいまして、もしも日ソのカニの協定がかりに将来結ばれない機会があるといたしますれば、それは日ソ漁業委員会の潜在的な取り扱い事項だというふうに私どもは了解をいたしておるわけでございます。ただ実際問題といたしまして、日ソ漁業条約の中で論議をいたしておりましたカニを、先ほど大臣が申されましたようなソ連の要求もあって、政府間の協定にいたしたわけでございますが、これは大陸だな条約のもとにおけるカニ交渉というふうに私どもは理解をいたしておりません。ソ連はそういう主張をいたしておるわけですが、私どもはカニは大陸だなの資源でないということをるる言っておるわけでございます。また日ソのカニ協定の中でも、ソ連の立場と日本の立場とをことしも相変らず併記をいたすわけでございますが、カニの協定が大陸だな条約のもとにおけるカニの協定だというふうには私ども考えておりません。ただソ連がいろいろやかましいことを実際問題として言いまして、昨年からは日ソ漁業委員会のワクの中ではなかなか論議しづらい、むしろサケ、マス、ニシン等はたにもいろいろ迷惑をかけることにもなりますので、政府としては政府間協定に踏み切ったわけでございますけれども、性格としては私がただいま申し上げましたように、大陸だな条約のもとにおけるカニの協定ではない、あるいはカニの折衝ではない。それは必要なので政府間の協定をするものでございますけれども、大陸だな条約とは直接の関係はないというふうに考えておるわけでございます。
○川村清一君 ただいまの水産庁長官の御説明を聞いて、私は大きな問題が二つあると思うのです。一つはカニ交渉につきましては、日ソのカニ協定ができて、日ソ漁業条約からはずして個別に両国が交渉しておるということになりますれば、漁業条約の範疇からはずして交渉している、こういうふうに理解するわけです。これが一点大きな問題。それからもう一点は、大陸だな条約に基づいて議論しておるのではない。しからばカニ交渉の結果、まとまりました結論というものは国際法的にはどういう一体地位にあるのか、こういう問題が一つあるわけです。それから日ソ漁業条約範疇外のものであるとするならば、一体カニ資源というものはどういう法的地位を持ったものであるかという問題も派生してくるわけでございますが、これらについてどういう御見解をお持ちになっておられるか。
○政府委員(大和田啓気君) 日ソ漁業委員会は条約の規定に従いまして、毎年の資源状況あるいは資源保存措置等の検討を行ないまして、これに基づきまして、どのような漁種を協同措置の対象とするか、あるいは資源の保存と発展のためにどのような措置をとることが適当であるかということをきめるということに条約で定められておるわけでございます。したがいまして、規制対象の範囲、あるいは規制区域、その他の措置の内容をどのように附属書に定めるか、これは日ソ漁業条約に基づく漁業委員会の責務でございまして、これは条約に基づきまして委員会に定められた一つの権限であるというふうに考えておるわけでございます。それから、しからば日ソのカニ協定は何かという性格の御質問でございますが、日米タラバガニ協定という政府間協定もございます。これはアメリカは大陸だな資源といい、日本は公海資源だということで対立をしながら、しかも両者の立場をたな上げして、そこにおいてタラバガニをとるという政府間の協定でございます。日ソのカニ協定も全く同様な趣旨でございます。 それから、一体その場合にカニ資源というのは大陸だな資源か、いかなる性格の資源かというお尋ねでございますが、これもソ連は大陸だなの資源だといい、われわれは公海における資源だということで対立をいたしておるわけでございます。これは私どもはソ連の言い分を認めませんし、ソ連は私どもの言い分を納得しないという形で現在も平行線をたどっておるわけでございます。しかし、私どもはこれは間違いなく公海資源だという立場に立って協定に臨んでおるわけでございます。
○川村清一君 その御答弁もまた重大な要素を私は持っておると思うのです。いわゆるカニ交渉は日ソ漁業条約からはずした。どういう法的地位を持っているかといえば、日米カニ協定と同じようなそういう性格のものであるという御答弁、これが一点ございました。それから大陸だな条約ではない。これは日本は大陸だな条約には入っておりませんし、カニの生態からいって、一体大陸だな条約であるかどうかということは論議をしていかなくちゃなりません。むしろ論議というよりも科学的にこれは究明をして決定されなければならない問題だと私は考えております。ただ、日ソ漁業委員会からはずして、これは公海資源である、こう長官はおっしゃっていますが、その主張には法的根拠がないわけです。すなわち日ソ漁業条約というものは、北西太平洋の公海における漁業に関する資源の条約でございますから、したがって、この日ソ漁業条約の範疇で議論される限りにおいては、何人もカニは公海資源であるということを否定することは私はできないと思います。これからはずして、そうして公海資源であるとあなたがおっしゃっても、この議論は科学的な究明は別として、政治論的には、法理論的には法的根拠は私は生まれてこないのじゃないか。日本はこれは公海資源、ソ連は大陸だな資源だ、こう両方が言い張り合って、もしこの条約の中において議論されておる問題とするならば、この条約においてタラバガニというカニ資源は公海資源であるということをはっきり明記しておるわけでありますから、これはソ連側の横やりを受け入れるわけにはいかぬわけです。この問題が一つ。 それから長官は、日米カニ協定のようにこれをはずして別に協定を結んだと、こういうふうに受け取られるような御発言をされておりますが、それでは一体この日ソ漁業条約というものは改定されたのですか。もし改定されたとするならば、当然これは国民的合意を得なければならない。国会において批准を得なければこの条約の改定にはならぬでしょう。何を根拠にして一体あなたはカニの問題はこの条約からはずしたと、こういうことをおっしゃるわけですか。この条約によってはずせますか。どうでしょう。
○政府委員(大和田啓気君) 日ソのカニ協定の前文にも明瞭に「日本国政府は、かにが公海漁業資源であり、したがって、日本の国民及び船舶は、北西太平洋でかに漁業を行なう権利を有するとの見解を有している。」、ソ連は大陸だな資源ということを言っているわけですが、そうしてソ連の立場を言った上で「しかしながら、両政府、北西太平洋のかに資源について、日本の国民及び船舶が長期間にわたりその開発に従事してきた歴史的事実にかんがみ、前記の両政府のそれぞれの立場を害することなく、次のとおり合意した。」、というのがカニ協定の前文でございます。ことしも多少の字句の修正はありましても、おおむねこの立場を貫いておるわけでございます。したがいまして、私どもはカニが公海の資源であり、その立場に立って日ソのカニ協定を結んでおるということは明瞭でございます。 それからカニの問題に関連して、日ソ漁業条約を改定したのかどうかというお尋ねでございますが、これは改定ではございません。附属書のカニに関する規制と申しましても、従来漁獲量の制限はございませんで、カニの体長制限、あるいは雌ガニをとってはいかぬ、そういう制限とか、それから刺し網についての制限だけでございましたのを、日ソのカニ協定ができまして、それに規制を盛り込むことによりまして、すでに日ソ漁業条約の附属書のいま申し上げました若干の規制はもう意味がなくなったわけでございますので、それを削除したというわけでございます。あくまで日ソ漁業委員会がいかなる漁種についていかなる規制を行なうかということを決定し、それを附属書に書くというたてまえから附属書を修正したのでございまして、日ソ漁業条約を改定したということではございません。
○川村清一君 それでは、日ソ漁業条約に基づいて日ソのカニ協定を締結したと、こういうことでございますか、そういうふうに理解していいですか。日ソのカニ協定というものは、日ソ漁業条約の範疇でそういう協定が結ばれた、こういうことですか。
○政府委員(大和田啓気君) カニに関する協定は政府間の協定でできたわけでございます。しかし、先ほども冒頭に申し上げましたように、潜在的には日ソ漁業条約の中にやはりカニも含まれている。しかし、実際問題として政府間協定でもうすでに実体はあるわけでございますから、日ソ漁業条約の附属書からそれを落としたというふうに私どもは考えております。
○川村清一君 長官は日ソ漁業条約の附属書から落としたと、いとも簡単におっしゃっていらっしゃいますが、附属書というものはこの条約においてどういう位置づけにあるか、長官十分御承知のことだと思うわけです。この条約の第二条の二項には「この条約の附属書は、この条約を構成する不可分の一部とする。」、こういうふうに書いてあるわけでございます。この附属書は条約の一部なんです。不可分の一部なんです。ですから、条約を両国の話し合いによってこれを改定した、そう簡単に改定できない。附属書を改定するということは条約を改定するということなんです。なぜかならば、「附属書は、この条約を構成する不可分の一部とする」、こうなっておる。ただし、この附属書を修正することはこの条約において認められておるわけです。御承知のように第四条の(イ)に「必要に応じ、この条約の附属書を修正することができる。」、こうなっております。しかしながら、その前提として、「その時に実施されている協同措置が適当であるかどうかを検討するものとし、」、必要に応じてこの附属書の修正を認められておるわけです。そうして「この修正は、科学的基礎に基いて決定されなければならない。」、とも明記されておるわけであります。ですから、安保条約第六条に基づく交換公文のようなものなんですよ。非常に大事なものなんです。しかも、この条約はどういう目的、趣旨において締結されたかというと、いまさら私が言うまでもなく、この条約の前文に書かれておりますように、「北西太平洋における漁業の最大の持続的生産を維持することが人類の共通の利益及び両締約国の利益に合致することを認め、各締約国が前記の資源の保存及び増大を図る義務を自由かつ平等の基礎において負うべきことを考慮し、両締約国が関心を有する漁業の最大の持続的生産性を維持することを目的とする両締約国の科学的研究を推進し、及び調整することがきわめて望ましいことを認め」、この条約が締結されておるわけでございまして、ですから、この条約によって北西太平洋に存在する資源の持続的な生産を維持するために資源の保存及び増大をはかることを目的にしておる。しからば、この条約において規制されておる資源とは何か、これも御案内のように、附属書に明記されておりますように、これはサケ、マス、ニシン、それからカニでございます。これらの資源を維持し、またこれを増大をはかる、こういうために認められた条約において、この中に含められておるところのカニという資源が、両国の協定だといってこれからすぐはずされて、そして協定を結ぶ。その協定を結んだことのよしあしは別です。協定において公海資源だということを双方が認めているから、大陸だな議論は除きましょう。しかしながら、私が問題とするのは、この条約からはずしてそういう協定を結ぶことは、条約を構成する大事な一つの資源であるカニ資源をこれからはずしてしまうということば条約の改定ではございませんか。それまで一体この第四条の(イ)項にある附属書の修正というものをこの条約は認めておるのかどうか。私は第四条(イ)項の修正する権限というものは技術的なきわめて小範囲のものである、条約を構成しておる基本の問題をはずしてしまうということになりますれば、これは当然条約の実質的な改定ではございませんか。ですから、私は改定することのよしあしを言うのではなくして、そうするならば、当然法律的な手続が必要ではないか、国会でこれを批准する必要がある。しかもこの条約は十年間が期限でございます。十年は過ぎたのだから、安保条約のように自動延長のような形でこれがいま運用されておる、こういう機会でございますから、条約を離れてカニ協定なんかを両国政府がつくったならば、当然これからはずして条約を改定すべきじゃございませんか。私はそう思うのですが、いかがでございましょうか。
○政府委員(大和田啓気君) この日ソ漁業条約の中には、いかなる魚種をどのように規制するかという条文はないわけでございます。それはすべて日ソ漁業委員会できめて附属書で修正すると、いうそういうたてまえをとっておるわけでございます。それでサケ、マス、カニについては当初から附属書にございましたが、後にニシンを附属書に追加したという事例もございます。さらに昭和三十七年には、いままでA地域の規制だけにきめておりましたのをB地域に規制が及ぶということがございます。これはすべて附属書の修正、日ソ漁業委員会の権限に基づく附属書の修正ということで処理をしてまいったわけでございます。したがいまして、いま附属書の意味でありますとか、あるいは委員会の修正権でありますとか、いろいろお話がございましたけれども、私どもは、かつてニシンを追加し、あるいは漁区をA区域ばかりでなしにB区域に延ばしたということ、そういうものとの関連で、昨年カニを政府間の協定にしたときに附属書からカニに関する若干の規制を落としたということも、これまた委員会の権限の範囲内であり、また附属書の修正権の範囲内であるというふうに考えておるわけでございます。いずれにいたしましても、魚種あるいは規制の内容について日ソ漁業条約そのものには規定がございませんから、したがいまして、改正ということもまたないようなわけでございます。
○川村清一君 ですから、長官はその規制の魚種とかあるいは区域とか、こういうものは条約の内容にはない、これはないのです。ないからそれらのものは附属書にあるわけです。そこで附属書というものは非常に重大な問題です。ですから、この条約ははっきりと先ほどから言っておりますように、第二条に、「この条約の附属書は、この条約を構成する不可分の一部」、であるというふうに規定しているのですよ。ですから附属書そのものはこれは条約なんです。このことは私の主張は間違いないと思います。ところが、長官は条約にないのだと、附属書にあるのだと、だから附属書は両方の話し合いで修正していくのだと。もっとも修正権はあるわけですよ。修正する権限はこの条約は与えているわけですよ。しかし、修正する範囲というものがどんどん拡大していくならば、条約そのものが究極のところ存在の意味がなくなるではございませんか。そうじゃないですか。だからして、ニシンがなかったのにニシンを入れた、今度はカニをとったと、だんだん時代が変わっていきますと、今度はサケもとりましょうと、マスも別な条約をつくりましょうと。魚種の規定がないのですから、また魚種はどんどん入れられると、今度は底魚のたとえばカレイだとかスケソーダラであるとか、こういうものも入れようと、自由にどうでもなるわけでしょう。そうしたならば、この日ソ条約そのものが意味ないものになる、こういうことになりませんか。 それから規制海域も北緯四十五度以北ということに最初なっておった、これは以南になった。これも自由にできる。結局は両国の話し合いでなかなかまとまらない、力関係で押し切られて海域はどんどんと広がっていく、魚種も今度は非常に向こうの都合の悪いものはここからはずしてしまうということになったならば、この条約がはっきり自由かつ平等の基礎において義務を負うべきことを規定しておるこの条約が平等でも何でもなくなる。力で押し切られてしまって、向こうの都合のいいようにどうにでもこの条約が運用されていくということになりませんか。私の言うこと間違いですか。
○政府委員(大和田啓気君) 附属書が条約と一体的な意味を持つということ、それから日ソ漁業条約の運用として、北洋漁業を日本の側から守るためにそう後退をしてはいけない、適正な運用をしろという御意見は私はそのとおりだろうと思います。ただ、私が申し上げておりますことは、以上の上に立って漁業委員会制度を、日ソ漁業条約なりあるいは日米カ漁業条約なり等々で漁業委員会方式というものをとっておるわけでありますが、漁業委員会制度をとります以上は、これに相当包括的な権限を与えなければ、委員会自体がなかなか動かないということは、これもおわかりいただけることではないかと思います。そのためにこそいままでもニシンを入れたり、あるいはB地区の設定をしたりということを附属書でやっておるわけでございますから、日ソ漁業関係を適正に条約を運用すべきである、いたずらにソ連の理不尽な要求に屈すべきではないということは、これは私ども水産行政のたてまえからして当然でございますけれども、それと包括的権限を漁業委員会にまかすかどうかということは、これはまた別個の理論でございますから、私どもはいま申し上げましたように、漁業委員会方式をとって日ソ漁業条約の運営をする以上、相当包括的は権限をこの委員会にまかせることがむしろ条約の運営を円滑にするゆえんであるというふうに考えております。
○川村清一君 いや、その考えに私は別だん何も反対しているわけではありません。漁業委員会に相当包括的な権限を与える、これは条約のたてまえですからそれはけっこうなのです。ただ、それにしても無制限に何でもできるというものでは私はないと思うのです。あくまでも漁業委員会というものは漁業条約の範疇の中で運営されるものであって、漁業条約の基礎をなしているものまでも漁業委員会がかってに改定していくということは、これは全く権限外の仕事であり、また条約の基礎、本質的なものをもしも変更する場合におきましては、当然これは条約の改定なのです。ですから、政府は条約を改定し、そして国会において批准を求めなければ、これは手続上間違いであるということを私は質問をしておるわけです。しかし、カニ論議ばかりやっていると時間がなくなってしまうのでこれはもうやめますが、問題点だけ指摘いたしますが、それは日ソのカニ協定によってきまったということでお答えがあると思いますが、現在論議されておるカニの魚種につきましては、条約はタラバガニ、アブラガニということになっている。ところが現在はそれ以外にイバラガニ、ズワイガニ、ケガニ、花咲ガニにまで及んでおるわけであります。これは私の立場から言えば、明らかにこれは条約違反でもある、かように私は考えております。それからイバラガニあるいはズワイガニなどは沿岸漁民の長い歴史において開発されたものであります。それからケガニ、花咲ガニに至ってはもう申し上げる必要もないわけであります。しかるにこれらの実績がすべて無視され、沿岸漁民の生活を脅かすことが国際法的な手続並びに法律上の性格が、私がいろいろ議論しましたように非常にあいまいであります。そのまま行なわれておる。それから今年は幸い妥結いたしましたけれども、一時新聞等に報導されたところを見ますと、カニ漁業はもう壊滅的な打撃を受ける、あるいはニシン等は全面的な禁止、これはニシンなんかはこの中に入っておりませんが、それにひとしい措置が地域的にとられるような場合においてはこれはたいへんなことであります。その場合には、法的にも政治的にも私はその責任は政府にある、かように思いますが、このことをこの機会にはっきり指摘をしておきたい、こういうふうに思います。 それからサケ、マス漁業について、これも総括的なお尋ねでございますが、昭和三十一年に日ソ漁業条約が発効して以来、毎年漁業委員会が開かれておりますが、例外なく委員会は難航を続けております。漁期を迎えて関係漁業者が見込みのつかないまま、まことに不安な気持ちで交渉の推移を見守っております。日ソ交渉は期日が切迫したぎりぎりの線でようやく妥結してほっとした気持ちで北洋に向かって出漁していくのが実情でございます。しかも漁獲量は年々削減されていく。このようなやり方はこの条約の趣旨に沿ったものではないと私は考えております。この条約における漁獲量の決定は、あくまでも科学的論議を基礎としたものでなければならない。ところが、このことも毎年委員会の前に科学技術小委員会が開かれまして、両方の科学者がそれぞれ資料を出し合って論議をするわけでありますが、なかなかその合意された結論が出てこない。したがって、最終的には科学的な論議を基礎としたものではなくして、政治的折衝によって決定されております。政治的折衝になりますというと、結局のところ最後には力関係で押し切られるか、あるいは足して二で割るといったようなそういう妥協によって漁獲量が決定されておる。毎年毎年このようなことが繰り返されている。私はこれは全く納得できないのであります。したがって、条約締結以来十年以上も経過いたしまして、条約の期日も過ぎたことでもあるので、この際条約を改定するか、それとも抜本的に運営を改正していくか、こういうような問題につきまして、政府は十分ひとつ検討していただいて、この問題について日ソ間で話し合う、こういう考え方がないかどうか、これはひとつ大臣にお考えをいただきたいと思います。
○国務大臣(倉石忠雄君) 日ソ漁業条約の長期化につきましては、きのうの会談でも私から話をしております。しかし、これは相手のあることでありますので、私どものほうの希望がすぐに達成されるというわけにはなかなかまいりませんが、ともかくもきのうの会談ではたいへん友好的にこれから種々の問題についてお打ち合わせをしてまいろう、こういう態度でありますので、私ども前々から長期化については考えているわけであります。なお一そうそういう方向で努力を続けてまいりたいと思っております。
○川村清一君 もう時間が過ぎましたので、最終的に質問をいたしますが、この交渉はまあ資源論が基礎になるわけでございますが、何を基礎にして資源論が行なわれておるかというと、ソ連の川に遡上する親魚の量、それから沿岸でとる漁獲量、日本が沖合いで沖取りをしますが、その漁獲量、これを基礎にして資源量の減少がいろいろと議論されておると私は考えております。もちろん漁獲は大きく資源に影響いたしますけれども、しかし資源の減少というものはあながち人為的な原因ばかりではなくて、自然的原因も大きく影響することは私は否定できないと思う。資源に対する自然的影響度について一体研究されておるのかどうか。漁獲量ばかりが資源を減らす原因とするならば、もうこれは三十一年以来今日まで毎年毎年漁獲量ということで、日ソ漁業交渉できめられる漁獲量というものは減っていっている。こういうように減っていっても、なお毎年資源は減っていっている減っていっている、こういうことになりますならば、とどのつまりは資源を減らさないためには何もとらない、漁獲量をゼロにする、こういうような議論にまで発展していかなければこの問題は解決しないのではないか、かように考えております。そこで、日本の資源研究というものはどのくらい進んでおるのか、聞くところによれば、科学技術小委員会に提出される日本側のデータというものはきわめて不備なものであって、ソ連側を納得させるに足るものではないと、かようなことも聞いておるのであります。まさかそんなことはないと思うのでありますが、一体農林省はこの資源の究明のためにどのような努力をされておるのか、予算面等を見てもあまり予算も多くないようでございますが、日ソ漁業委員会においてソ連側を納得させるような資料をつくるような研究を進めなければならないと思うのでございますが、その点はどうなっておるのか、これは最後にお聞かせいただきたい。
○政府委員(大和田啓気君) 私どものサケ、マス、カニ等の資源調査は、公海における漁獲量の調査という単純なものじゃございません。きわめて複雑な北洋漁業関係で約三十隻の調査船を持っておりますし、サケ、マス、カニ等の商業的漁獲をやっております船からも詳細なデータをとっておりますので、どういう系統の魚がどういうふうに動くか、あるいは何歳のサケ、マスが一体どういうところにいるかというところまで含めてきわめて詳細なものでございます。ソ連の科学者の資源研究を別に非難するわけじゃございませんけれども、川へさかのぼるサケ、あるいは沿岸でとるサケということの調査でございますから、ソ連の側のほうが相当片寄っておることも事実でございます。科学者同士の議論で、きわめて客観的に行なわれたという雰囲気ばかりではございませんで、むしろ沿岸国の利益を強調するというソ連の態度によって資源問題が相当毎度難航する理由にもなっておるわけでございます。私ども水産試験場で静岡県の清水に遠洋水産研究所というのがございまして、そこでカニ、あるいは函館にその支所がございますけれども、サケ、マス、ニシン等について相当優秀な技術者が数多く資源問題に取り組んでおりまして、現状で私ども満足しているわけではございませんけれども、決して日ソの漁業交渉において日本の科学者がきわめて粗漏な資料を出しておるという事実はございません。 —————————————
○主査(足鹿覺君) 分科担当委員の異動について報告いたします。 本日、予算委員異動に伴う欠員の補欠として小林国司君が本分科会担当委員に選任されました。 —————————————
○主査(足鹿覺君) 分科会担当委員外委員の発言についておはかりをいたします。 堀本宜実君から発言を求められておりますので、これを許可することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○主査(足鹿覺君) 堀本宜実君。
○担当委員外委員(堀本宜実君) 大臣たいへんお急ぎのようでございますので、ごく簡単に御質問申し上げたいと思います。ことに割り込みましたので、時間も少ないようでございます。 去年の四十四年十月の八日に、全国果樹研究連合会というものが佐賀県で開催をされました。長谷川農林大臣が御出席になりましたのであります。そのときの録音がございますので、その一部を例にとりましてお伺いをいたしたいと思うのでございます。 いま問題になっておりまするわが国のミカンをアメリカが全般的に輸入を認めてくれるならば、しかもそれがアメリカ四十八州がこれを購入するならば、グレープフルーツを日本に購入することもまた考えなければならないことである。そういうことがあったとしても、季節的な関税、すなわち常時関税と違いまして、皆さま方のミカンができるような季節になりますると、倍の関税をかけまするようにいたす条件をととのえてまいりたいと思います。こういう発言をしておられます。そのことは、日本のミカンというものに脅威を与えるアメリカのグレープフルーツを輸入するにあたって、アメリカ全土が輸入することができる、日本から言わせれば輸出することができるということならば、グレープフルーツを輸入いたしましょう。しかしそのときといえども季節関税をかける用意がございます。季節関税をかけるということに承服しなければ輸入をいたしません。こういうはっきりした割り切り方をしてお祝辞を述べて、全国からそれぞれ果樹大会に来ておられる人たちにお話をしておられるのでございますが、その後この問題についてどのようになっておるのか、まずグレープフルーツの輸入がどうなったのか、関税に関しまして季節関税をどのようにアメリカと契約ができたのか、その点をお伺いをいたしたいと思います。
○国務大臣(倉石忠雄君) グレープフルーツにつきましては、昨年十月に開かれました日米交渉にあたりまして、日本側におきましては、米国が日本産温州ミカンの輸入解禁州を実質的に拡大するという了解のもとに、日本はグレープフルーツを四十六年末を目途に自由化することとする考えである旨を明らかにいたしたのでありますが、この場合、グレープフルーツについて、ただいまお話のありましたような季節関税を新たに設けることを表明いたしておる次第であります。このような日米協議の結果を勘案いたしまして、昨年十月十七日の関係閣僚協議会において、昭和四十六年末までにグレープフルーツを自由化することにいたした次第であります。
○担当委員外委員(堀本宜実君) ただいまのではよくわからないのでありますが、それではアメリカは全州に——大臣は四十八州と言われておりますが、全州に日本の温州ミカンを輸入するということにきまったのか、それはまだきまらないのか。季節関税というものを設けることは、それは承知をしたのか。その点を分けてお伺いをいたします。
○国務大臣(倉石忠雄君) わが国といたしましては、米国側が当然先般の日米交渉における、すなわち米国が日本産の温州ミカンの輸入解禁州を実質的に拡大するという了解に基づいて必要な措置をとるものと信じておるわけであります。したがって今後事態の推移を見守る必要がありますけれども、アメリカ側政府の態度について、日米交渉の結果からその後変化があるとは私ども信じておりません。またこういう方向に基づいて農林省も努力をしてまいるつもりであります。
○担当委員外委員(堀本宜実君) これは少し時間が短いものですから、飛び飛びに申し上げて恐縮なんですが、大臣はこう申しておるんです。これはまあ大臣が違うんだからおれはそういうことを言わないと言えばそれまでなんですが、つい去年の十月のことなんです。しかもまだ輸入になっておらない、これから輸入自由化するであろうグレープフルーツに関することでございます。したがいまして、その予備段階でございますので、私はあえて申し上げるわけでございますが、「いま言う条件については回答がございません。ただいま本国と打ち合わせ中であるということでございます。おそらく今晩か明日中には御返事があると思っております。」、こういう回答を大衆の前でしておるのでございます。ですから、いまごろになって、まだわかりません、回答がございません、おそらくわれわれの言うことを信じていてもらえるものであろうと思っております、というのでは、この答弁にはならぬと私は思うのですが、どうでございますか。
○国務大臣(倉石忠雄君) 先ほどもお答え申し上げましたように、実質的に、願わくば全州でございますが、温州ミカンの自由化をわれわれは熱望し、またそれをわれわれの方針としてこれからも努力を続けてまいる。 それから季節関税につきましては、これはまあ双方で相談をいたすことでございますけれども、私どものほうの前提としては、そういう季節関税を設けるという態度に変わりはないわけであります。
○担当委員外委員(堀本宜実君) これはもう私も質問をやめます。これは幾ら申し上げましても私の申し上げておることが徹底しないようでございますので。これはおそらく私は大臣のお答えとしてはそれがすなおな、当然なことであろうと思うのでありますが、この大臣のお祝辞の一節から取れば、もうきまっておらにゃならぬはずのように私は思うのであります。生産者はそういうふうに信じております。それはもう一度申し上げますが、「本国と打ち合わせ中であるということでございます。おそらく今晩か明日中にはお返事があると思っております。」、こう言うておるのですから、そういうことについてお返事があったかないかを聞いておるのですけれども、まだお返事がないのでしょう。ないのだと思いますから、これ以上お伺いはいたしません。しかし、少なくとも権威ある大臣がこういうことを全国の業者を集めてお話しになったわけでございますから、その方向で検討をしていただきまするように私はお願いをここでしておきます。いずれゆっくり申し上げます。これの印刷したのもございますから、差し上げておきますから、お読みをいただきまするようにお願いを申し上げたいと存じます。 また、これは園芸局に申し上げておきますが、十月七日の新聞に「グレープフルーツ条件次第で自由化」という見出しで農林大臣がいろいろとお話しになったことが記事に載っておるわけでございます。こういう新聞も、もう済んだことと思わずに、すでにそういうことを世間に発表したことはもう一度反省して、これをお読みになって、そしてその条件等を振り返ってみることが必要なのではなかろうか、こう私は思うので、あえてここで申し上げておく次第でございます。 ただ、農林大臣は御承知でないと思いますが、日本のミカンにはかいよう病という病気がございます。私はその病気のためにアメリカが日本のミカンを買わないのではないかというふうに思っておる。この長谷川農林大臣が四十八州が買わなければグレープフルーツの約束はしないのだ、こう言っておるけれども、その根っこになっておるのはそうでなくて、かいよう病という病気がある、それだからアメリカは買わないのだと、こう逃げるのではないかと思うのです。ですから、日本の農業者はそのかいよう病というものを撲滅させなければならぬということでございます。その撲滅するために予算がございません。しかし、われわれが陳情いたしましたところ、非常な御苦心をしていただきまして、今年は何かから予算をおさきいただきまして、ただいまこれが新薬を研究するよう御努力中と聞いておりますので、これ以上申し上げませんが、少なくともその病気がありますために輸入をしないということでありまするならば、その病気を撲滅するような対策を、技術、薬品を発見することが大事なことである、かように私は考えます。それがために予算の要求を明年度は必ずしていただきまして、早くその対策を講じなければ、たいへんな立ちおくれをするというふうに考えますので、特にお願いを申し上げたいと思います。その点につきましてはいかがでございましょうか。
○国務大臣(倉石忠雄君) この問題は前大臣の御発言等も私も承っております。これは私ども後任者といたしましても十分尊重いたし、政治不信のないようにやる義務があるわけでございますので、本日特に委員長から特別な御発言もございましたので、なお一そういろいろなことについて検討いたしまして、できるだけ御期待に沿うように努力いたしたいと思います。
○白井勇君 私、きのう農林大臣の大方針を承っておりまして、昨年度と非常に変わりました一点があると思うのであります。具体的に申しますと、去年のこの分科会におきまして、前の農林大臣が述べられました大方針の第一に取り上げましたものは、「農産物需給の問題であります」ということであります。読んで見ますと、「最近の農産物の需給は、国民所得の上昇に伴い、需要は高度化しつつ増大しておりますが、これに対して、生産はかなり伸びてはおりますものの需要の顕著な変化、増大に対応できず、米の需給が大幅に緩和する反面、かなりの農産物について価格の上昇と輸入の増大がみられます。国民に良質豊富な食糧を安定的に供給するためには、農業の生産性を高め、国際競争力を強化しつつ、農産物の需給の長期見通しに基づき、米ばかりでなく、畜産物、野菜、果実など総合食糧の安定的供給を確保し、食糧の自給率をできるだけ高い水準に維持することがきわめて重要であります。」、こういうふうに大臣の呼びかけというものは農産物の需給問題であって、従来どおり国内の自給率というものをどこまでもこれは高い水準に維持をしていかなきゃならないということをまず呼びかけをいたしておるわけであります。ところが、きのう倉石農林大臣は、近年食糧の自給率が低下する傾向にありますが、私は人口が一億をこえるわが国において、国民が必要とする食糧を大幅に海外に依存するのは適当でないと考えております。今後の農業生産は従前にも増して需要の動向に即して進めることが特に必要であると考えます。と、こういうことであります。よしあしは別であり、またそれぞれ人によってこの点は批判されるでありましょうが、たいへんなこれは方向転換であると私は思うのでありますが、これにつきまして、農林省はどういう考え方で、特に四十五年度からこういうふうに切りかえてまいったのでありますか。そのあたりの感触を承りたいと思います。簡単に申しますと、去年までは自給率の維持向上というものが一番大事であると長谷川農林大臣は言っておった。これについて当時からいろいろ批判がありましたが、今回はそうじゃなく、裏からいっているわけで、大幅に海外に依存することはおもしろくないけれども、大幅にですよ。だけれども、大体自由化でいいじゃないかと、むしろ国民の需要の動向に即してこれからは進めなければならぬと、こういうたいへんな踏み切り方をしているわけです。
○政府委員(亀長友義君) 自給率の問題につきまして、私ども需要の動向に即応するということと同時に、自給率もやはり少なくともこれは現在程度は維持してまいりたいという考えを持っております。もちろんこれはなお向上することができるにこしたことはございませんけれども、五十二年までの需要と生産の長期見通しでも、大体現在の七八程度の自給率を少なくとも七七前後には維持したいという考えでございます。ただ総合自給率という観点から申しますと、そういうことに相なるのでございますが、総合自給率ということをいろいろ議論されますけれども、総合自給率という考え方にはこれはいろいろ問題があるようでございまして、外国でも総合自給ということは最近あまり言わないで、個々のものについての自給率をやはり需要の動向なり、あるいは国際競争力なり、あるいは合理的生産の可能性というような判断から、個々のものの自給率を判断をしていく、こういう傾向にございます。そこで先ほど御質問にもございましたように、需要に見合った生産を伸ばすと、こういうことになるわけでございます。私どもの考えでも、米につきましては生産が落ちますけれども、あとの果樹あるいは野菜、肉類、そういうようなものにつきましては、現在よりもはるかに大幅な増産を考えておるということでございます。そういう面でも自給率を現在よりは上げていくという考えでございます。
○白井勇君 私一時間しか時間がございませんので、いろいろお尋ねしたいことがございますが、要点だけさらっとお聞きしますから、すわったままでいいんですから簡潔にお答えしてください。 私はこの方向というものを否定しているわけではございません。むしろ一つの前進であろうと思っているわけです。そこで需給の動向に即しまして進めるという御答弁ですが、いま農林省で具体的に申しますと、どういうようなことをさしあたり考えていらっしゃるのですか。
○政府委員(亀長友義君) 具体的に申しますと、やはり、これは果樹、蔬菜、あるいは畜産、こういうものを伸ばしていくということにほかならないわけでございます。すでに農林省で公表しております長期需給見通しも御存じのとおりでございますが、これは一つの見通しでございますけれども、やはりそういう需要なりが伸びるという見込みのものに生産振興の努力を集中してまいりたいという考えでございます。
○白井勇君 果樹はそう何も海外に——特殊なものは別としまして、依存しているわけではないのでありますし、この全文から読んでみれば、そのほかのものにつきましても、たとえば東南アジアに契約栽培をやっていくとか、あるいは民間の商社等におきましても、いろいろ聞きますと、何かそういうことを自由にやっているものがあるようです。ああいうことを大いに助長していこうという考え方がこれに入っているんじゃないですか。
○政府委員(亀長友義君) これは現在国際的にも資本自由化とかいろいろなことがございます。でありますから、日本の商社が台湾その他で果樹をやったり、蔬菜の輸入をはかるというようなこともございます。それは私どもむしろ日本の商社とか、そういうところがやるかどうかは別といたしまして、消費者対策という趣旨からいたしましても、やはり日本の国内でまかなえない、あるいは一時的にどうしても外国に輸入を仰がなければ消費者対策からいいましても妥当でない、たとえば豚肉であるとか牛肉というようなことでやっております。あるいはタマネギの緊急輸入をやるとか、そういうようなものを消費者的な配慮で輸入をいたすということは考えておりますけれども、それ以外に積極的に日本の資本で海外でものをつくるということを特に総合農政の方針の一つとしてうたっておるわけではございません。
○白井勇君 くどいようですけれども、大体こういう方向でもしいくとしますれば、やはり従来言っておりますとおりに、どこまでも国内の生産性を上げまするとともに、海外競争力を強化する、それからどうしてもやむを得ない場合は関税、課徴金でいくとか、いろいろ考え方があるわけです。むしろそれよりも大きく国内でこういう程度のものはむしろ海外へ依存して、そこで生産さしたほうがいいんだというような構想がありとしますれば、できるだけ早くこういうものはこういう方針でやるというようなことは、やはり早目に国内にお知らせする必要があるんじゃないかと思いますから、私はこういうことをお尋ね申し上げておるんです。 その次に、お尋ねしたい点は、いま農林省で地域分担作成作業というものを進めておるわけですね。これは三十六年に農基法ができましたときに、第八条の第一項にありますとおり、あの条項に基づいての作業というものがいままでおくれておったので、今回初めてあの条項に基づいてこれが作成をされつつあるものだと、こう思っておりますが、私の判断に間違いありませんか。
○政府委員(亀長友義君) 農業基本法第八条に御指摘のように、地域分担は明らかに必要に応じ、地域の生産を示せという趣旨がございまして、私どもいろいろ作業をいたしておりますが、やはりこれは基本法の八条に基づいて作業すべきものだというふうに考えております。
○白井勇君 それから野菜、くだものというものは、曲がりなりにもいろいろ尋ねてみますと、それぞれの立法に基づいてわりあいに順調に進んでおるようでありますけれども、たん白資源にしましても、畜産物を地域分担作成の作業におきまして考えます場合に、卵でありますとか、豚肉であるとか、鶏肉であるとか、牛肉であるとか、ああいうものをやはりたんぱく資源として一様にこれは考えるべきものなのか、あるいはまた最小限度あればできるだけ安くあがる卵であるとか豚肉、鶏肉というようなものを中心にしまして蛋白資源というものを五十二年目安に確保しまして、まあそう言っちゃ悪いけれども、牛肉なんというものは多少高級品になって値上がりしたってかまわぬじゃないかというような、一つの順位というようなものを考えて作業をするものかどうかということ、これはどうですか。
○政府委員(亀長友義君) 当然これは需要の動向というものを勘案をしてまいりますので、人間の消費生活における需要、消費性向というものは十分考えなければならないと思います。と申しますのは、卵だけ食って生活できるわけじゃないので、動物蛋白でもいろいろなものを組み合わせ、さらに植物油脂、生鮮野菜、さらにでん粉食糧である米麦というような人間の食生活との組み合わせ、これは所得の伸びとも関連いたしますから、そういうものを需要の動向を勘案しながらつくってまいりたいと思いますが、しかしそれはナショナルベース、国全体としての消費量がどのくらいになるかという判定の目安になるだけであります。これを地域的に分割していく場合には、これは地域の自然的条件あるいは経済的優位性、こういうものを加味しながら、それらの地域で何をつくれば最も合理的であるかということを考えていくつもりで、特に優先順位というような考え方はございません。また地域の生産条件、生産特性を生かしていく、かような考え方で処理をしてまいりたいと思っております。
○白井勇君 これは私の私見になりますけれども、やはり一定の国の財政力なり助成の限度というものがあるわけですから、私はやはり蛋白資源としては日本では、もちろんそれは国民の嗜好なり需要に相反してはいけないわけでありますけれども、できるだけ安上がりにするようなそういうものでできるだけ安い価格で、しかも農家は再生産が確保できるような援助を加えてやるというようなことを考えますと、やっぱりそこに蛋白資源なら蛋白資源としても、たとえば鶏卵であるとか、鶏肉であるとか、豚であるとか、そういう大衆的なものを重点にまず考えていくということが、ぼくは筋じゃなかろうかというような実は考え方を持っております。これは私の私見であります。その蛋白資源の場合、新蛋白食品というものについては農林省はどういうふうに取り組んでいく考え方ですか。
○政府委員(小暮光美君) 新蛋白食品と言われておりますものには、現在脱脂大豆を原料とするものと小麦粉を原料とするもの、開発途上の石油関係から考えているものと三通りございます。最後のものはまだ衛生的な見地から結論が出ておりません。脱脂大豆と小麦粉を原料とするものにつきましては、現在の技術水準の技術の発展のテンポから考えますと、かなり近い将来に、食肉としての栄養という点で動物蛋白食品と競争できるものができる十分の可能性があるというふうに思っております。ただ、いまだ新しい開発中の技術でございますし、また価格も必ずしも安くないという状況でございますので、関連企業と十分連絡をとりながら、よりよい製品のつくり出しに努力したいというふうに考えております。
○白井勇君 そういう考え方に基づきますと、農林省としまして、たとえば農林中金なりその他の金融機関でもいいわけですけれども、その開発のための資金援助というものにつきまして積極的に何かやっていらっしゃるのですか。
○政府委員(小暮光美君) 現在試作しておりますのは、かなり有力なメーカーが多数ございまして、それぞれ企業の自主的な努力として研究開発を続けておるわけです。ただ先ほどまだ衛生上に問題があると申し上げた石油関係のほうが全くの新しい分野でございますので、国に資金援助を求めてきた事実はございますが、これにつきましては開銀等と相談いたします前に、厚生省の見解が固まるのを待とうということで、本年は特段の措置をいたさないことになっておりますが、なお引き続き検討しようと思っております。
○白井勇君 これも私の私見になりますけれども、たとえば通産なんかになりますれば、どうしたって国産品を奨励しなければならない。新しい新規の産業ということになりますれば、輸出物はもちろんでありますし、国内向けのものにしましてもそれぞれ融資関係、税関係におきまして特別の援助を与えるように働きかけているわけですね。私は石油蛋白のことはあとにしましても、少なくとも前者の二つのものにつきましては、もうとにかく実用化できる段階まできていると私は聞いておりますが、もうちょっとやっぱりこういうものは積極的にやって、安い蛋白資源というものが国民に充満されるような措置を講ずべきだと私はこう思っております。 それからいまの地域分担作成作業ですか、これは大体農林省の試案といたしまして出ますのは大体いつごろになるのですか。
○政府委員(亀長友義君) まあこの地域分担ということをいままでいろいろ言われながら着手できなかったのでありまして、私どもも方法論としても非常にむずかしいので、いまいろいろ外国等で研究しておる例、あるいは外国で研究して帰ってきた日本の学者等の意見もいろいろ聞いております。それから基礎データもだいぶ集まってきておりますが、いろいろ資料上の制約もまだございますので、今年一ぱいに少なくとも農林省の素案と申しますか、そういうものは固めてやりたいと思っております。まあそうなりますと、府県ともいろいろ相談をするとかということになりますと、四十六年ということになるので、むしろそれではおそきに失するではないかというお話がだいぶ外部からわれわれのほうにございますので、これは一応、慎重にできるだけかまえたい、そういうことに相なりますが、できるだけ一生懸命やりまして、少しでも早くこれをつくるように努力をいたしたいと考えます。
○白井勇君 まあ官房長、いやに何といいますか慎重ですけれどもね、事務当局に当たりますと、何とかあくまでやってしまう、そうしなければ来年度の予算には組めない、少なくも農林省の考え方でする作業というものは出しますよ、そのあと県なり農業団体あたりの関係方面の折衝が問題になるけれども、とにかく秋までには出るというような話も聞かれる一方、今度は外部におきましては、あれは農林省やる気があってもできっこないのだと、こういうような見方をしておるものまでもあるのですよ。これは急がなければならないことは、先ほどのお話のとおり三十六年に農基法ができまして今日まで放っておいたわけですね。ですからどこに隘路があるのか、むずかしいことは初めからわかっているわけで、もし陣容なり予算というものが足りないとか、あるいは人材がいないということであるならば、やっぱりそれぞれ手を打ってもっと速度を上げるようなくふうをすべきではないかと私思うのですが、その辺はどうなんですか。
○政府委員(亀長友義君) 確かにもう先生御指摘のとおりでございます。私どもも少しでも早くこれを完成したいと思って努力をいたしておるつもりでございます。まあ見通しとして早目に早くやるという目標で見るか、安全性を見ていつごろというふうに言うか、表現の違いでございまして、やることは、非常に私ども農林省本省、さらに地方農政局も動員をいたしましていま作業を一生懸命急いでいる次第であります。御指摘のように、来年の予算に何とか間に合わないかという御要望も熾烈のものがございますので、そういう点も考えながら御指摘のような線で最大の努力をいたしたいと考えております。
○白井勇君 これはぜひひとつ。お尋ねするたびごとに夏から秋になる、秋から来年になるということがないように、速度を上げるようにぜひお願い申し上げたい。 それから私いつもふしぎに思っているのですが、農林省には統計調査事務所と食糧事務所というものと、ほかに官庁にはない一つの組織網というものを持っておるわけですね。私が詳しく申し上げるまでもない。市町村の数がいま三千二百ぐらいです。片一方がおたくの関係は四千二百ぐらい、市町村の数より多い。人員も約三万八千ですよ。そういう網を張ってしかも調査ができるのに、たとえてみますと、初めは米は大体将来とんとんにいくんじゃないかというような自給生産が出たかと思いますと、四十年ごろ前後になりまして急に苦しくなってくる。そうかと思うと今度大臣からハッパをかけられて農民は一斉に米をつくってまいりますというと、今度は去年おととしあたりからが然として米は過剰なんだと、こういうことです。これは米の問題、食糧事務所の調査網をそれだけ持っておってそういうことです。豚の問題を考えましてもそうです。年末ごろになると必ず豚肉を入れなければならない。それも押し迫ってからです。これはタマネギがそうであるというようなことで、これは米だけじゃない。農林省があずかっていらっしゃるものにはこれだけのほかにない組織網を持っていてなぜそういうことをもうちょっと正確に把握できないのか。これは私まことにふしぎだと思っているんですが、これはどうなんですか。
○政府委員(亀長友義君) 統計、食糧合わせまして非常に大きな地方組織を持っていることは御指摘のとおりでございます。食糧庁の食糧事務所は、これは食管会計並びに食糧の保管、管理ということでございますけれども、統計調査部につきましては、毎度だいぶ運用なり調査の対象内容というものが非常に変わってきております。御指摘のように、米麦作付けの統計の中心の時代から、いま流通統計あるいは経済調査ということに非常に業務が内容的に行政需要に即応して変化をし、これに対応してきているつもりでございます。ただ御指摘の農産物の需給関係につきましては、非常にむずかしい面がございまして、豚につきましても御承知のように、ピッグサイクルというようなものが国際的にもこれは当然あるというとおかしいですが、避けられない運命としてある。さらにタマネギにつきましても、これはやはり日本の野菜生産自体が気候に左右される、あるいは個々の経営が零細であって必ずしも市場の需要に即応できないとかいろんな問題がございます。しかし、こういう面にもできるだけそういう不可避なことは別として、そういうものをできるだけ解明するように、たとえば統計調査部でも各市場に調査員を置いて流通統計をつくるとか、あるいは市場速報を生産者団体に流すとかいうサービスをして、できるだけそういうものを克服する措置をとっているわけでございます。もちろん、私ども現在の状態で満足しているわけでもございません。また食糧事務所につきましても、米麦保管、管理だけでなくて、やはりこれは農家の生産の動向あるいは食糧消費の動向というようなものをもっと正確に把握することに活用できるように、活動範囲も広げていくということも考えなければならぬと思います。現在非常に御指摘のように不十分な点もございますが、私どもできるだけこれは両事務所、農林省全体としての農政局も含めまして、組織を活用いたしまして、いろいろ農産物の自給度、生産のかみ合わせがうまくいかない点をできるだけ是正するように今後とも最大限の努力をいたしたいと思います。率直に申しまして、従来、本来の業務でないものをやらせるのはいかがかという議論もまたございますけれども、そこはまた組合等ともいろいろ話し合いをしまして、農林行政全体のために食糧事務所、統計事務所が役立っていただくような話し合いも現在進めてまいらなければならぬというふうに考えております。
○白井勇君 これは私も知らないわけじゃないんですが、それはきまりきった仕事であるけれども、予算の裏づけをもってやっているからそれだけに妙なことになるので、あなた官房長なんですから総括的な予算を握られて、その時宜に適したような臨時的な調査というものを常時やるような体制を考えませんと、これは現にあなた行管から廃止の案すら出ている姿でしょう。いままでのことにこだわっているからそういうことになるのであって、新規のことがたくさんあるわけです。そういうものに融通のきく予算をもって常時これを活用していくようになることを考えないからそういうことになるのであって、あなた官房長なんですから、これから大いに活用して、あんな結論が出ないように鞭撻してください。 米のあれですが、大体平年作というのは生産は千四百万トン、需要が千二百万トンというのがこれは平年時の状態と判断していいわけですか。
○政府委員(亀長友義君) 私どもの長期の需給見通しとして考えておりますのは、きわめて大まかな数字で申しますと、いま先生の御指摘のとおりでございます。
○白井勇君 そこで四十五年産につきましては、まあ先ほど来お話を聞いておれば、国民の需要に応ずるようなものをつくっていくということになるのでしょう。一体農林省の国民の需要というのはうまい米を食わすということですね。それが結果的に安く食わすということがねらいだと思うのですが、四十五年産についてうまい米をつくるように農林省は一体どういう施策をやっておりますか。
○説明員(遠藤寛二君) 技術的な指導面についてお答え申し上げますが、だんだん米が余ってまいりました二年ほど前から毎年指導通達を出し、また地方局、県を通じて指導を行なっております。 要点は、米の品種の導入の選択の問題。それからもう一つは、最近増産に走りまして晩期追肥などを行ないまして品質を落とすということがございます。そういうものを適切な施用の範囲でとどめるという指導。それからもう一つの重点といたしましては、収獲乾燥調製以後の問題でございます。その点につきましては労力不足等もありまして乱暴な乾燥をしないようにというその三点に重点をおきました指導を毎年行なっております。ことしも春夏作に先立ちまして、そういう指導を行なってまいっております。
○白井勇君 四十五年産米について、特に従来に付け加えたことは何もなかったのですか。
○説明員(遠藤寛二君) 特に項目といたしましては、先ほど申しました三つの点しかございませんので、項目としてあらためて付け加えておりませんが、事情の変化というものがたいへん御承知のような様子でございますので、さらに強くこういう指導をいたしております。 それからもう一つ、品種の育成普及の対策でございますが、四十五年度から、いままでの品種の普及が原々種、原種、採種という段階をとっておりましたが、それを緊急増殖圃というものを各都道府県に補助いたしてやっておりまして、優良品種の普及度合を二年くらい早める措置をとったのであります。
○白井勇君 国民の需要に応じましてうまい品種をつくるという奨励はしないのですか。
○説明員(遠藤寛二君) 品種につきましては多収穫に流れまして品質を落とすような品種はつくるな、裏を返しますと、食味がよくて品質がいいものをつくれという奨励はこれは根強くいたしているのであります。
○白井勇君 それならばあれですか、県の奨励品種というものはあれだけの数あるわけですが、あなた方から見ればいまの該当するようなものが相当あるわけでしょうから、こういうものを重点につくれというようなことを具体的に指導していることはないのですか。
○説明員(遠藤寛二君) 国の段階で直接何県でどういう品種をつくれということは言っておりませんで、県におきまして奨励品種の採択にあたりまして、奨励品種の採択の審議会というようなものがございます。消費者それから流通販売に当たられる方、それから試験研究者等集まりました段階で、その採択を検討するという審議会というものをつくっておりますが、その場において、またこれは各県の状況によりますので、ある地域によりますと、国全体から見まして非常にいい品種ができるといっても、先生御承知のように、入らないものができますので、その点を勘案いたしまして、その範囲内でいいものを県の独自の実情に応じまして採択するような措置を指導しているわけでございます。
○白井勇君 そこですが、従来だれもおそらく安定性のある、増産の可能のようなものを中心に奨励品種をきめているわけですね。そういう行き方につきまして農林省としましては、これからそうはいかないんだから、やはりそういう県の奨励品種をきめます審議会等においても、できるだけやはり国民の需要するような味のよい米をつくるように奨励をするような方向に重点を置いてもらいたい。こういうような指導というものは今年はやらなかったわけですか。
○説明員(遠藤寛二君) 今年の三月に出しました春夏作の指導におきましてはそのことを重ねて申しております。
○白井勇君 そこで私は食糧庁に聞きたいのですけれども、この四十五年産米につきまして、その前に四十四年産米から銘柄設定をしたわけですが、これは今年は去年のものをさらに変更をいつごろするかっこうになりますのですか。
○政府委員(森本修君) 御指摘の、昨年自主流通米について設定をいたしました検査上の銘柄、これはいま各県からいろいろな要望その他きておりますから、二、三カ月後にそれを整理して再検討したいというふうに思っております。
○白井勇君 その次の問題に関連しますからあとから申し上げますが、四十五年産米につきまして、私は検査規格というものを改正しなければならないと思っているのですが、と申しますことは、これは戦争中から相当何と申しまするか甘くいたしておりまして、その後昭和二十六年四月検査法が制定され統一されたあと、昭和三十一年四月におきましても改正され、その場合におきましてもやはり規格というものは従来より甘くなってきておる。ことばをかえまするならば、くず米を買い、水を買いしておるわけでありまするから、こういうふうにものが過剰状態になりますれば量よりも質なんであります。その国民の需要に応じましたような検査規格に根本的に私は改正しなければならぬと思う。そういう考え方があるのかないのか、そしてそれはいつごろおきめになるのか、それをお話し願いたい。
○政府委員(森本修君) 検査規格の問題は、御指摘のように、三十一年に改正をいたしまして十年余り経過しております。事情がかなり変わっております。御指摘のように、特に米の品質についての要望が非常に強くございます。したがいまして、私どもも再検討の時期にきておるのではないかという減じがして、そういった専門家に集まっていただきまして検討をしておる段階でございます。ただ、これは急にはいきませんで、私の感じとしましては、本年産米にはなかなか間に合いにくいという感じでありますけれども、できるだけ早くひとつ早急に検討を進めたいと考えております。
○白井勇君 これはそう私は日数のかかる問題でもないと思うのですね。私が大ざっぱに計算をしまして、いまいわゆる整粒でないものをどのくらい買っておるか考えてみますと百四、五十万トンぐらい買っておるのですね。だから、ことし生産調整で、もし検査規格がただ整粒だけ買うということになりますれば、極端な言い方ですけれども、何も生産調整なんかに金かけなくたってすらっといった数字になるわけですよね、これは極端な言い方ですけれども。そういうことは一ぺんにできないわけでありまするけれども、これはそう手間のかかる問題でなしに、あなたのほうには専門家がそろっておるわけで、そんなことは常時やっておる筋合いのものですから、長官がこれでけっこうですというふうに判を押しさえすればあしたにも私はきまる筋合いのものだと、こう思っておるのですよ。 それからもう一つは、先ほどお話にありました銘柄設定に二、三カ月もかかるなんというようなことになりますと、これは私は前から申し上げておるのですけれども、ほんとうを言いますれば去年種を取りまする前に来年のものはこういうふうにしたいのだということがきまっていなければならない。それも種まいちゃっておるわけですね。これが今度の作付をするわけでしょうが。そういう場合に少なくともこれだけの銘柄というものが設定されるならば、先ほど長官は自主流通米について銘柄を設定したようなことをおっしゃるし、大臣は銘柄の設定についてはいま検討中でありますなんというああいう答弁をしておるのですが、あれはほんとうに間違っていますよ。産地銘柄はちゃんときめているのじゃないですか、ただ、それを政府としましては格づけ上は格上げをしていないというだけの話であって。銘柄はちゃんと二十三品目にきめておるのですからね。これは自主流通米についてきめたものではなく、ただそれが自主流通米に流れておるという姿だけのことであって、それはちゃんと検査法に基づいて検査規格によってきめておるのですから、そこらあたり大臣にも誤解のないようにはっきり説明しておきませんと、銘柄設定については検討中でありますということでは困ります。これはできるだけ早くこういう問題もきめなければ、米が出回ってくる、あるいは価格が決定する当時まで延ばしておくなんということでは、これはやっぱり私はほんとうに生産者のことを考えていないと思うのです。今年は等級間差はこれだけ開くことになります、銘柄というものはこれこれの品種につけられます、こういうようなことは早期にはっきりしませんというと生産者が困ることですから、これはできるだけ急いでもらうように特にお願いを申し上げておきます。 それから、きのう大臣の大方針の中に、第七ページを見ますと、「このような米の需給事情にかんがみ、政府の米管理の面におきましても、生産者米価および消費者米価の水準を据え置く方針をとることとするとともに、米の需要の増進に努力いたす考えであります。」、こう言うのですね。これは一体、生産者米価と消費者米価というものを据え置いて米の需要の増進ということはどういうぐあいに一体考えていらっしゃるのですか。
○政府委員(森本修君) こういった米の需給の関係でございますから、米価につきましてはただいま御指摘がございましたような方針でいきたいということでございますが、その他米の需要の増進という観点から、政府の米の売却のしかたなり、あるいは需要の増進のためのPRといいますか普及でありますとか、学校給食にも米の利用を積極的な形で前向きに考えていくとか、あるいは原材料用に国内米を検討するとか、また輸出についても特段の措置を講ずるよう、新規用途についてもできるだけ開発を進めていくといったような項目につきまして現在検討いたしておるものもございますし、すでに実行に移しておるものもあるわけでございます。まあそういうようなことで需要の増進ということでこれを努力をしたい。 なお、先ほど自主流通米についての銘柄という、これはまあ御指摘のように、検査規格として一応ああいったものを検査をするというたてまえになっております。 ただ、銘柄格差ということになりますと、自主流通米について自然に格差が発生しておるということであります。 なお、あれの二十三品目につきまして、新しい品種が優良銘柄といったようなもので出てきておるものですから、そういったものは昨年度の売れ行きの実績とか、それから販売業者なり消費者の嗜好の程度、そういうことを、昨年の流通の実態に即して調べなければいかぬということもございますので、多少まあ準備期間が要るというわけでございます。ただ、基本的には、いままで選ばれました銘柄が、それほど大きな変動をするということはないと考えております。
○白井勇君 まあその品種、銘柄を設けましてね、それを政府では格上げをしないという措置は、私はなかなか善政だと思って敬意を表しているのですけれども、ただ、大臣の先ほど申しました表現は、品種、銘柄について格上げすることについて検討を加えていくというなら話はわかりますけれども、いかにも品種、銘柄になってないようなふうにとれるような表現をしていますから、あれはよく御訂正願いたいと思います。いまは消費者の拡大についてあまり積極的なお話しもないようですけれども、まあ私たち見ておりまして、たとえば搗精歩どまりというものが完全精白度九〇・五%ですか、それがいまの市販米じゃ八九%か八八%くらいだろうということを言われておりますが、ああいうあたりをもうちょっとたとえば上げていくとかなんとかということにしましてね、常時、まあ多少赤字はふえるわけでありまするけれども、最後にトン二万円で飼料にするということを考えますれば、そのほうがはるかにそろばんがとれるじゃないか、一つの例を申し上げますとね、そういうふうに思うのですよ。 それから、私まあふしぎに思っているのですが、いまの玄米を八二%について飯用になるのですか。
○説明員(森重弘君) ただいまの御質問としては、精白度を幾らでも上げたらよいというふうなようには考えておりませんで、私どもの食味について研究しておるところでは、現在の完全精白米から二、三%若干までの間でよくなるのではないかという傾向も見られますが、必ずしもそうではない。まあ古米におきましては、若干そういう傾向が見られますが、新米におきましては、精白度を高めれば高めるほどよろしくなるという傾向はないような感じがいたしております。
○白井勇君 それはまあそのとおりでね、それは八七、八くらいがせいぜいで、それ以上ついたってあなた、御飯がうまくなる筋合いのものでもちっともない。そこらあたり、間違わんでください。 きょうは文部省の給食課長さんいらっしゃっているようですが、私、あなたがいろいろそろばんをはじきましてね、米を使いますと施設に何ぼ要って、炊事婦の増置に何ぼ金がかかって、父兄負担は何ぼ要るという非常に詳しい計算がございましたね。ああいうふうに次々に計算をされて六十万トンくらいやってみたって、これだけ何十億という金をかけても大した効果がないじゃないかと、こういうことで、あのお考え方には一面におきましては非常に敬意を表しているんですがね。ただ、私この前もちょっと文部大臣に申し上げたことがありますけれども、私たちは学校給食法というものをつくります場合にね、やはりこの前申し上げたと思うのですが、いまの給食法のような趣旨でつくったことですよ。そうしていきますとね、ここにありまするとおりに、第二条ですか、「日常生活における食事について、正しい理解と望ましい習慣を養うこと。」二には「学校生活を豊かにし、明るい社交性を養うこと。」三には「食生活の合理化、栄養の改善及び健康の増進を図ること。」四には「食糧の生産、配分及び消費について、正しい理解に導くこと。」とこういうことがありましてね。こういうふうに幸い米が余ってきておる世の中になってきているんですから、私は経費の問題はさておいて、全面的にきりかえるべきものである。あなたのほうじゃことしから試験的にやると、こういうことで非常に私は私個人の考え方としてはなまぬるい。 さらに、私は非常に遺憾だと思いますことは、農林省の総合農政ですか、その基本線においてはどういうことをいっているかと申しますとね、希望のある学校に米を供給すると、こういうことをいっております。文部省以上に消極的なわけですね。米を何万トン何百万トンというものをかかえておって四苦八苦しておりながらですよ。非常にまあそういう点では文部省以上に私は農林省というものは消極的だ、こう私は思っているんですよ。ですけれども、これはまあことし試験されるということをきめてやられたわけですから、まことにけっこうでありましょうけれども、来年からはひとつ全面的に切りかえるように、切りかえてやって、いまここにありますような法律の趣旨でやはり運用していく。経費のことはこれはまあ大蔵省で考える。あるいはまた農林省でこれだけ米が余っているんですから新米の最もおいしいところをただで出すというようなこともそれは考えられなくないと思うのですよ。そこのところはいろいろな方法が私はあろうと思うのですよ。だから文部省もひとつ積極的にその点につきましては今後御協力を願いたいと思うのです。
○主査(足鹿覺君) 答弁はいいですか。
○白井勇君 いいです。 企画庁の政務次官さんにわざわざおいでをいただきましてまことに恐縮でありまするが、産地の米どころの婦人方は、工場に働いております人たちはベースアップベースアップで上がっているのに米価は据え置かれていてたいへんだと言う。片一方、消費の御婦人方からすれば、米はうんと余っているのに何でこれは毎年毎年——まあ、最近は据え置かれているわけですけれども、配給米はまずいものばっかりだ。少しおいしいものを食べようと思えば十キロ千八百円か二千円出さなければ買えないじゃないか。こういうふうに両方にたいへんな不評があるわけですね。まあ政務次官さんは両方によく御同情のある方ですから、何かうまい方法はないものかというような気がしておるわけです。 この前、実は農林省におきまして小麦粉の政府の売り渡し価格をひとつ引き上げようということを考えたわけですね。そのときたしか企画庁におきましては、それは物価に影響するからということでとめられたわけです。 私、ずっと見ておりますとね、いわゆる米の価格と小麦粉の価格との比が、小麦粉の対米比価というようなことばで呼ばれておりますけれども、昔は米がない時代ですから、小麦粉は大体八割見当見ますとか何とかいうことになっていた時代も時にあったわけですが、その後は大体七割なり、六割から六割五分見当のところできておったわけです。ところが最近消費者米価がずっと急激に上がってきておりまして、政府の売り渡し小麦というのはパンに影響するとか何とかいうことでとめられてきたわけですが、その対米比価というものは四七ぐらいになっているんです。それをこの前、私詳しく知りませんけれども、農林省はそれをせめて五〇ぐらいに持っていきたいというようなことで御相談したとき、企画庁からそれはいかぬじゃないかと、こういうふうにことわられたようでありますが、いまの米はだぶついておりますし、消費者米価というものを、一部におきましてはいわゆる消費者米価をきめます場合に、国民の可処分所得というものがどれぐらいになっているか、それは毎年毎年十何%ずつふえていっているわけですね、ですからそれだけ所得がふえていっているんだから、米の値というものの上げ下げというのは昔のように物価そのものにそれほど影響はないんじゃないか、こういうような考え方がありまして、可処分所得も幸い大体一〇%内外ふえておりますから、その範囲内で少し消費者米価というものを上げてみたらどうか、こういう考え方が一つあるんですが、これはどういうものですか。
○政府委員(山口シヅエ君) お答え申し上げます。 お米の消費者物価に占めますウエートは、外食を含めて考えますと全体の一割弱に相なります。そこで消費者米価の引き上げにいたしましても、引き下げにいたしましても、一般的には物価に一割程度の影響を来たしてまいりますので、これは引き下げの場合は非常に好ましい影響を来たしていくと私は考えておりますけれども、でございますから、先生の御意見はよく私もわかりますけれども、これは釈迦に説法で、申し上げるまでのこともございませんが、消費者米価の取り扱いは生産者米価との関係や、また財政負担の問題などを含みます食管制度の全体のあり方の一環といたしましてやはり検討すべき問題がございますので、慎重に考えなければならないと考えておる次第でございます。
○白井勇君 政務次官のおっしゃるとおりに、米は余っておる、むしろこれは下げなければならぬじゃないかという状態の中に、可処分所得が一応ふえているんだから、これは米価が上がってもいいじゃないか、これはなかなか世間に通らないと思うんですね。ですから結局消費者米価というもののいまの姿から申しますと、これは物価対策上から見ましてもなかなかこれはいじることはできない、据え置きということになるんではなかろうかと私も思いますが、それならば片一方、生産者米価というものはどうかといいますと、これもやはりいまの姿におきましてこれだけものが余ってきておりますと、それを引き上げるということもなかなかこれは実際問題としてむずかしい、結局やはりその間何とかかんとか埋め合わせしてもらうということになりますと、先ほど来私農林省にお願いしておりますとおり、できるだけやはり生産者には努力をしてもらっていい米をつくってもらう、そして自主流通にでも回して——そういっては悪いんですけれども、私ども配給米は千五百円のものか、千七百円なり千八百円、私ども二千円のを食っていますが、そういう方面でかせいでもらうというようなことをいろいろくふうするという必要があるんじゃないかと私は思っているんです。それにしましても農村に、ことに米だけで立ってまいりました単作地帯になりますと、農林省が簡単に言うように転作というものが何一つできないわけです。そうしてきますと、まあいま申し上げましたように、一生懸命いい銘柄のものでもつくって、自主流通米に高く売っていくというのがせいぜいのことである。そうするとまあ何が一番求められるかといいますと、これはやはり単作地帯の姿になりますというと、できるだけ早くいまのたんぼというものを何でもつくれるような耕地に整備をしてもらいたい、こういう点だと思うのです。そこで、農林省に基盤整備のことをちょっとお尋ねをするのですがね、これはいまの経過からいいますと、日本のたんぼ三百四十万町歩ですか、それは大体いつごろにどのくらいのものが、いわゆる田にも畑にもなるし、機械化ができるというかっこうに完成し得るものなのか、その見通しはどういうふうになっておるのですか。
○説明員(井元光一君) 四十四年度に実施いたしました土地改良の総合計画の補足調査によりますと、水田の整備状況はおおむね次のとおりとなっております。 区画整理の一応済んでいる面積は約百九万町歩、そのうち二十アール以上の区画整理済みの面積は二十七万町歩であります。なお基幹用排水条件について見ますと、用水、排水ともに完備している面積が約六十八万ヘクタール。また農道条件について見ますと、取り付け道路とか、地区内道路ともに完備している面積はおよそ四十七万町歩となっております。 なお田畑輪換を行なうためには、土地及び水の条件の整備が前提になるわけでありますけれども、そのためには用排水の完全制御を可能とする水利施設の整備、圃場区画の拡大等を行なうことが必要でありまして、現行の土地改良事業におきましても、田の区画の大型化、用排水の完備等につとめてきておるところでありますけれども、このような条件を備えた圃場は全水田面積の現在は約一割弱にすぎないと考えられますわけであります。
○白井勇君 二十八分までしかないそうですからもう時間もなくなりましたけれども、これは何とか単作地帯というものをできるだけ早く基盤整備を速度を上げてやっていただきませんというと、それは希望も何もないわけですね。それが完成しない限りにおいては幾らあなたのほうで転作転作なんと言われてみてもやりようがないわけですから、これは農林省は最重点に力を入れていただくようにあなたからもひとつ御鞭撻をいただきたいと思います。 最後に私お願いしたいことは、そういうつまり基盤の整備と、もう一つはやはり農村へ工場を分散する、職場をつくっていただく、これが最重点になると思いまするが、幸い農林省と通産省におきまして、あるいは労働省も入りましたか、まとまった一つの考え方をもって進めておられるようでありますが、これの立法化を急いでいただきたいと思うのですが、農林、通産等におきましてどういういま準備態勢になっておるんでしょう。
○政府委員(亀長友義君) 農村地域への工場分散の問題につきましては、昨年来私どもで関係の通産省、労働省といろいろ相談いたしまして、四十五年度につきましては、この工場分散の問題につきまして一応農業団体及び企業団体の代表者関係、行政機関の職員等による連絡協議会の開催、調査等を行なう、これを通じて検討していきたいというふうに考えております。所要の予算も四十五年度予算に計上いたしておりますが、当面四十五年度は調査を中心といたしまして、立法その他の問題につきましては、四十六年度を目途に検討いたしたいと考えております。
○説明員(黒田四郎君) 農村工業化の問題につきましては、先ほど農林省の官房長からお話がございましたとおり、昨年の秋以来農林省さんとともに非常に密接な連絡をとりながら検討を進めさせていただいたわけでございますが、本年四月九日に通産省の中に産業構造審議会というのがありまして、その審議会の産業立地部会の中で農村工業化の問題につきまして検討を加えていく、こういうことにさしていただいたわけでございます。したがいまして、その答申を得ました場合においてはその立法化等の問題につきましても検討を加えさせていただきたい、こういうふうに思っております。
○白井勇君 いろいろその他お尋ねいたしたいこともありましたし、ことに山口経企庁政務次官さんには食品総合点検の問題等についてもお尋ねしたかったのですが、時間がございません。まことにお忙しいところお差し繰りいただきましてありがとうございました。そのほか建設省なり自治省の方もおいでになっていらっしゃると思いますが、時間がありませんでしたので、また次の機会に譲りたいと思いますが、どうもいろいろありがとうございました。
○主査(足鹿覺君) ちょっと速記とめて。 〔速記中止〕
○主査(足鹿覺君) 速記をつけてください。 〔主査退席、副主査着席〕
○任田新治君 本年度の予算はもちろん、農林省としては総合農政の立場から非常なくふうがなされておるというふうに思います。私は個人といたしまして特に今回新しく方策を考えたなあというふうに思うものでございます。畜産関係として肉用牛の価格安定対策、それから農地関係として大規模農道、一、二あげろということになると、文字どおりこの二つくらいじゃないかというふうに思います。しかし、全体として予算書を拝見しますと、それぞれ新規項目が非常にふえてきまして、近年まれな新規項目があるというふうに思います。毎年の努力ではありますが、ようやく四十五年度の予算に表面化して総合農政の姿がこれから出てくるのじゃないかというふうに思います。 そこで、まず第一番に質問を申し上げたいことは、広域営農団地農道整備事業です。簡単に申しますれば、大規模農道ということで話をしていきたいと思います。この仕事はいまも申しましたように、初年度であるにかからず、予算のほうでは三十八億というふうに非常に大きな予算が獲得されておることは、これは望ましいことであり、今後も引き続いて継続されてどんどん予算化されていくものだというふうに思います。ところでその事業の伸ばし方でありまするが、あるいは農林省内で、もうすっかり基本方針が定まっておるだろうとは思いますが、その概要についてお尋ねしたいと思います。 第一番には、大まかな採択基準を示していただきたいと思います。 それから第二番目には、大規模農道というものを一カ所仕上げるためにはおおむね何年計画でやるのだというようなこともあろうかと思います。年次的にどういうくふうがなされるか、規模がどういうふうになっていくかということをお聞きしたいと思います。たとえば四、五年前から出発しておるいわゆる農免道路は、御承知のとおり油の関係の税金をこっちに回せということで始まっておるわけでありますが、大体、一本について三年計画でやるということで、今日までその方針が堅持されておるわけでありますが、そのような方針でやるのかあるいは取れた予算だけ随時配分していって年次計画が一本一本について明確なものになっていないのか。この点についてお尋ねしたいと思うのです。まずそういうことで一、二の点でお尋ねをしておきたいと思います。
○政府委員(中野和仁君) 広域営農団地の農道整備事業につきまして、通称大規模農道、非常に今度の予算の特色をなしておるとわれわれも思っておりますし、今後これを拡充したいと考えております。いまお尋ねの採択基準をまず申し上げたいと思います。 この名前のようにやはり今後の農業の進め方といたしまして、広域の営農団地を育成していく、それの基幹をなすという意味でございますので、われわれといたしましては、少なくとも一千ヘクタール以上の受益地があるというふうに考えております。ただ離島なり振興山村あるいは過疎地帯、急傾斜地帯につきましては、そういう実情がありますので、三百ヘクタール以上というふうに考えております。そしてこれはその地域の基幹をなす農道でございますので、車道の幅員は少なくとも五メートル以上、先ほど申し上げました特殊な地帯につきましては四メートル、延長はおおむね十キロ、それから急傾斜等につきましては、五キロというふうに考えております。なお補助率は六五%、北海道の寒冷地の法律のこういう地帯につきましては七〇%というふうに考えております。これはいま各県からいろいろ御希望が出てきております。非常に大きなものがありまして、中には数十億を要するようなものもございます。これから審査をやるわけでございます。なお最後は建設省とも詰める必要がございます。現在、いま概略申し上げました採択基準に基づきまして細部を詰めており、できるだけ早い機会に本年度の採択をいたしたいというふうに考えております。 それから、一つの事業につきましては、これはなるべく早い機会に完成したほうがいいと思いますけれども、かなりの規模ということもございますので、まずやはり三年から五年くらいはかかるんではないかというふうに考えております。
○任田新治君 そこで、三年ないし五年ということですが、それはそれで、それぞれの事業費の内容によって、これくらいの弾力性が必要かもしれませんが、ところで、これからは農免道路の新規の場合と同様に、ことしは初年度で三十八億だか、引き続いて来年も大体本年と同様に六十二本というか、まあ五十本ないし六十本程度のものを毎年採用していくとすると、二、三年たちますと、この予算というものは、もちろん百億を突破するというふうになるだろうと思うのです。で、そういうような方針であるのか、あるいはまた、いまのベースでやっていって、そうして、また逐次大蔵省との話をつけながら予算を何割かずつふやしていくというような方針であるのか、基本的な考え方をひとつお聞きしたいと思います。
○政府委員(中野和仁君) 御承知のように、ことしの予算の積算は、原則的に各県一本と申しますか、一つの道はつけたいというふうに積算をされておりますけれども、必らずしも全県全部つくかどうか、かなりむずかしい基準でございます。わかりません。できるだけ多くつけたいとは考えておりますが、そういうことでございます。で、来年以降どうするかといいますと、いま申されましたように、一つの事業費が非常に大きいものですから、その辺の二年目以降もやらなければならないし、またある程度の採択も必要だというふうに思います。それじゃ、具体的に来年以降どれくらいにするかというところまでは、まだ固まってはおりませんけれども、今後の基盤整備の一つの眼目といたしまして、農道整備を重点に置いておりますので、できるだけこの事業がスムーズにいくように、われわれ予算獲得に努力をしたいと考えております。
○任田新治君 土地改良との関係の団体から見ますと、このほうの仕事が非常に大事であるというふうに思っておることは間違いありません。しかし、去年からこれはぜひやってほしいといいながらも、はたしてこういうことが建設省との関係もあって、実現するかどうかというような一まつの不安もあったわけです。したがって、四十五年度で、農林省においてどの地区を採択するかというような場合、その候補地の数はいまの段階では皆さんは多いと思っておられるかもしれないが、来年からは何倍にふえるかわからないと私は思う。したがって、それを十分頭に置いて、過去の農免道路の場合のように、ことしは一ならば来年は二、さらに再来年は三倍になるというようなくらいの覚悟を持ってこの事業を進めていただきたいと思います。 それから、次にお尋ねしますが、いま通産省の関係として、公害問題で、特に煙のほう、これに非常に悩んでおるわけですが、いまでは中近東からの油が非常に多くて、したがって硫黄分を含んだものが向こうからやってくる。これをたきますと、亜硫酸ガスや、その他の硫黄分のものが出てくる。当然出てくるわけですが、これが日本の工場地帯の公害になっておるわけでありますけれども、その硫黄分を取り除くために、日本自体で、いま盛んにいわゆる脱硫作業をやっておるわけですが、そこで、副産物としてアスファルトが出てくるわけです。このアスファルトの、通産側から見た脱硫作業の全国的な量と、それから、そこから生まれるところのアスファルトの量というものから見て、単に農道というだけではもちろんないので、建設省所管の道路もみんな含めまして、将来は、副次的にでき上がっていくアスファルトというものと、日本の道路の舗装というものとの関連が、自給自足できる方向で関連が持っていかれなければならないだろうと、こういうふうに思うんです。そういうようなことに対する農林省としての通産との話し合いなり、あるいは積極的に、全国的にこれからどう持っていくというようなことは考えてありますか、どうですか。
○政府委員(中野和仁君) たしか昨年でございましたか、国会のほうの商工委員会でもアスファルトを道路舗装に使え、こういう御決議等もございました。農林省といたしましては、すでに御承知のように、四十四年度から農道の舗装をしようではないかということで、まず畑作地帯につきまして、国費にいたしまして、たしか一億八千万か九千万であったと思います。予算を初めてつけたわけでございますが、単に畑作地帯に限らず豪雪地帯その他も含めまして、全国的な舗装の必要があるのではないかと考えております。まだ土地改良の長期計画の改定までに至っておりません。いま検討しております段階におきましての、一つの農道という柱を立てて、その中で、舗装もまた別の柱で立てまして、大々的にやりたいというふうに考えております。すでに四十五年では去年の予算の六倍程度、約十一、二億近い予算を組んでおりますが、今後とも拡充したいと思っております。
○任田新治君 通産との関係はどうですか、そういうような話し合いはしておられますか。通産のほうで、生産されていくアスファルトというものの消化という点で、何か話し合いはしておられますか。
○政府委員(中野和仁君) 通産省からも、私先ほど申しましたように、国会の御決議のあと、事務的にもわれわれのほうにお話がございまして、その辺で打ち合わせはしておりますので、かなりの量が出てくるようでございますので、具体的にそれじゃ何万トンどうするかというようなことにはまだなってないと思いますけれども、できるだけ事業面からの拡大をはかっていく、できてまいりますものを使っていきたいというふうに考えます。
○任田新治君 ぜひ具体的にこの点を、将来のこともありますから、どんどん進めていっていただきたいというふうに思います。 それから農地局のことになるのか、いまの段階では農政局であるかもしりませんが、予算書を拝見しますと、農業基盤総合整備調査というのがあります。これは内地が九本、北海道が二本、合計十一本の調査地区を採択するというふうになって、新規事業でございます。それから一方、農村総合整備調査というのがございまして、千九百五十万ついております。この両者の区別はどういうことになっておりますか。
○政府委員(中野和仁君) ただいま御指摘の二つは、共に農地局の予算でございますが、農業基盤総合整備パイロット事業調査と申しますのは、大体三千ヘクタール以上の広域な農業地帯をわれわれのほうで選定をいたしまして、そしてそこでの、地域によりましては、稲作あるいは果樹地帯もございますし、あるいは工場地帯の背後地というようなところも、いろいろございますが、そういうところについてのそれぞれ生産性の高い農業はどうしてつくっていくかということにあわせまして、農村の環境整備の改善をする必要があるんじゃないか。そういうことのために単に土地基盤の整備だけではございませんので、その上に乗せます農業近代化の施設なり、あるいは場合によりましては集落の整備、あるいは道路の整備、こういうものをどうやっていくかということの調査でございます。これにはそれをどう進めていくかという方法論もあわせてやりたいと考えております。一方、農村総合整備調査と申しますのは、ただいまの事業とも非常に関係があるわけでございますが、そういうことを具体的に進めていきます前提といたしまして、それぞれの地域におきまして立てる計画の諸元といいましょうか、そういう計画の基準をつくっていきたいということを考えておるわけでございまして、いわばこちらのほうが基礎的な調査、その調査をもとにしましていろいろ最初に申し上げましたパイロット事業を具体化していくためのものさしといいますか、そういうものをつくりたい、こういう関係にあるわけでございます。
○任田新治君 了解。時間がないので簡単にひとつ質問いたしたいと思いますが、米の問題でございます。米の生産調整ということで各予算委員から総括質問あるいは一般質問でいろいろ御意見も出ておるわけでありますが、そうしたような意見がありますけれども、それに加えましてちょっと御意見を伺ってみたいと思います。 私は米の生産調整ということは、この場合、いまの日本としてはとにかく米の生産を抑制することと、それから、当面余っているものはしょうがないから、極力品質を落とさないでしかも備蓄をしなければならぬ。それからもう一つは、政府自体が米を買ってそうして売る立場である以上は、一般の商人の場合と同じように消費拡大というものをやらなければならぬ。この三つの方法だろうと思います。抑制の関係は、いろいろ辛らつな各委員からの質問もありましたので、これは省略いたしますが、備蓄の問題はあまりさわっておられませんので一言申してみたいと思うんです。 社会党の皆さんは、備蓄をこの際半分ぐらいやるような体制をつくったらどうかというような話があるわけです。これからの日本というものはやはり海上の防備というか、そういうものを格別他の国に対抗して持っておらない現状でありますから、やはり戦争とまではいかなくても、とにかく相当海上輸送という問題については苦労が多い。したがって、やはり備蓄というものはこの際考えてもいいんじゃないかというふうに思うわけです。ところが米だけを備蓄をするということについて、食糧庁も努力しておられる。あるいは琵琶湖に沈めてどういうふうにするかという実験をされた。または穴倉に入れてどういうふうなことになるかということもやっておられる。極力備蓄の施設を簡単にして何とか持ちこたえるようなくふうがないかというふうにやっておられるだろうと思うんです。そこで、これからの総合農政では、水田地帯でもそこに場所を得られれば果樹をやるとか、あるいは野菜をやるとかいろんな方法を取らざるを得ないわけでありますので、この際果樹、野菜というものの備蓄を将来考え得る水田地帯というようなところに対して、それぞれ各農協あたりが自主的に考えられる意欲があるならば、そうしたようなところに対して将来の冷温倉庫というか低温倉庫、そういうような野菜、果樹に適する倉庫の施設を一応組み入れて、そうして当面は米の備蓄をやらすというような方法もできるんじゃないかと思うんですが、一応意見として申し上げます。これについて何らか御意見がいただければ幸いです。
○説明員(遠藤寛二君) 米の低温倉庫の問題それから野菜の問題、いずれも私どもの直接の所管ではないのですが、適当な方がおりませんのでかわりましてお答え申し上げますが、米の低温倉庫は御承知のように大体十五度以下くらい、十五度ということで設計されているようであります。それから野菜とかくだものにつきましては、ものによりまして非常に幅があるようでございます。米に適するような積み方をいたします場合と、それから野菜のようにわりあいこまかい仕切りをして貯蔵をいたします場合とで非常に差があるように聞いております。したがいまして、どの場合でも両方に共通するようなものということは非常にむずかしかろうと思いますが、場合によりましては、あるいはそういうことが、両方が貯蔵できることが、これは野菜の種類とくだものの種類と関連するのでありますが、そういう場合もあり得るかと思います。全般的に申しますと、共通性というものは私は非常にむずかしいのじゃないか、私はそう思うのであります。
○任田新治君 私それを承知の上で申し上げているわけでありますが、それは倉庫をつくる場合に、あらかじめ将来の冷温、低温の施設を考えてこの際やっておいたらどうかという意味で申し上げているので、いまは米です。しかし将来はその地域に新しく果実なりあるいは野菜とかというものができてくるわけです。それに合うような低温施設をこの際やっていく必要もあるだろうという意味で申し上げたわけであります。
○政府委員(荒勝巖君) まず、くだものの点から貯蔵庫の問題を申し上げますと、私たち園芸局といたしまして、果樹につきましてはやはり今後相当国内において生産が伸びてまいりますので、いわゆる季節といいますか、出回り期に一挙に大量に出回って価格の不安定を来たすよりも、やはり年間の供給安定といいますか、生産の出荷調整とあわせて供給の安定をいたしたいということで、過去相当長い年月かかりまして科学技術庁とタイアップいたしまして、くだものにつきましては相当見通しも立ちましたので、具体的にリンゴ等につきましては低温貯蔵庫を産地に設けまして、これの助成をはかってまいりたいというふうに考えております。したがって、今年もリンゴのいい品質の維持事業として約一億六千百万円くらいですが、全国十五カ所のリンゴの産地に貯蔵庫を設けて低温で貯蔵したいというふうに考えております。また、その他のミカン類につきましては、さしあたり低温という段階ではございませんが、一応いわゆる出荷の調整ということで、各産地に出荷のための貯蔵庫を設けて維持してまいりたい。しかし、なお果実につきましては、将来の需要供給の安定という両面から見まして、やはり今後ミカン等につきましてはさらにジュースという形で貯蔵してまいり、ジュースの生産と貯蔵を維持してまいりたいというふうに考えております。また野菜につきましては、将来あり得るだろうと思いますが、現在におきましては、参事官が申し上げたように、多少技術的に十分解決されていないものもありますが、こういったことで、しかも経済的、採算的にも多少問題も残っておりますので、貯蔵性のきく野菜等につきましては、今後さらに検討を続けてまいりたい、こういうように思っております。
○任田新治君 いまの園芸局長のお話は十分わかっておることで、そういうふうに努力されているわけですが、私の言っているのは、将来そういうふうな果実あるいは野菜が伸びるようなそういう地帯であって、しかも現在米作地帯だと、将来はその米作地帯がミカンに化けてみたり、あるいは付近の山がブドウ園に化けてみたりする場合があるわけですから、それに対して当面米を入れるという倉庫をつくるが、将来は果実あるいは野菜を入れる、そういうくふうがなされないだろうかということを聞いているんです。
○政府委員(荒勝巖君) 私たちのほうでも米の転換に伴いまして果実あるいは野菜への転換を期待している次第でありますが、現在の時点におきましてたとえばミカン類を見ますと、水田あと地に直ちにミカンを植えるということにつきましては、技術的に多少まだ難色がございまして、いわゆる水田の排水事業が十分できるということが前提になりますので、米作地帯が直ちにくだものの産地に適すかどうかにつきましては、十分各産地とともにわれわれは研究してまいりたい、こういうふうに思っている次第でございます。またリンゴにつきましては、多少状況が変わりますが、ただいま申し上げましたように、米倉庫と多少リンゴの倉庫とは違いますので、この辺につきましてはなお倉庫関係の技術者とも十分一ぺん打ち合わせをしてみたい、こういうふうに思っております。
○任田新治君 園芸局長はその困難性を言うだけであって、私の言っている質問に当たっていないんですね。これはやっぱり食糧庁から話してもらわないと。
○政府委員(森本修君) たいへん今後の倉庫問題について御示唆に富むお話だと思います。といいますのは、現在米がこういった需給事情でございますから、私どもとしても低温倉庫の普及、倉庫の建設といったようなことについて苦心をしておるわけでありますが、さりとて、現在のような在庫のいわばピークの事態に合わしたような倉庫をつくって、あとどうなるんだろうかということが、倉庫を普及してまいる、あるいは倉庫の経営をしてまいる方にとってはきわめて心配なことだと思います。そういう点からいきますれば、将来米が入らないという場合に、野菜なり、あるいは果実なりに使えるというような技術的なうまい方法が見つかりますれば、そういったネックもひとつ解決をされるということになるわけであります。ただ園芸局なり農政局からお話がございましたようなことで、うまく産地として将来性があるかどうかといったような問題、それから倉庫の低温のしかたとか、そういった技術的な問題、そういうことを十分詰めませんと問題があるわけでございますけれども、倉庫を将来普及してまいるというふうなことについての一つの考え方の方向としてはきわめて御示唆に富んでいると思いますから、私どもも十分研究さしていただきたいと思います。
○任田新治君 よろしくひとつお願いします。 最後に、時間がありませんので食糧庁までにとめておきますが、先ほど白井委員から話もありましたが、これからのうまい米、そういうものに対する方策、こういう点で等級間格差の拡大をしたらどうか、あるいは地域銘柄を導入してはどうかということは、去年の年末からわれわれが政府に申し入れておるわけでありますが、この点はその後、具体的には非常に進めにくいことだと思います、等級間格差そのものはこれは政府が値段をきめてこれでどうじゃというふうに審議会にはかっておきめになるわけでありますから、これは原案がそういうふうでありますから、きまりやすいかもしれませんが、地域銘柄の問題になると非常に技術的にも困難だろうと思います。しかし、これをどう持っていくか、大体の見通しを持っておられるのかどうか、簡単に御説明願いたいと思います。
○政府委員(森本修君) 私どもの感じといたしましては、米に対する品質的な需要がこれだけやかましいわけでございますから、生産の面あるいは流通、消費の面にそういった品質上の観点を入れてまいるということはきわめて長期的な方向としては必要なことではないかというふうに思っております。その際に、先ほど白井先生のお話にございましたけれども、ともかくもひとつの政府の管理の中に昨年自主流通米という制度を設けましたのも、やはり消費者の品質に対する選好を配給面に生かしていくということでございます。そういう観点から、二十数種の銘柄を設定をして検査をしているということであります。そういう点でかなり今年度あるいは将来にわたって自主流通米を育成していけば、現在の管理制度と調和のとれたような形でいま言った要請にこたえられるだろうというふうに思っておるわけでありますが、政府の管理の米について、現在の買い入れ制度あるいは配給制度の中でそういった問題をどの程度入れるかということは、これはまた一方管理面との調整の問題がございますから、一定の限界があるわけであります。したがいまして、買い入れ価格にどういった格差を設けるかということになりますと、私どものいまの感じでは等級間格差はかなり拡大してやってみたらどうかということで、いま検討を進められている次第であります。銘柄格差につきまして、買い入れ価格なりあるいは販売面なり、そういうことを反映するということは私ども技術的に考えますとなかなかむずかしい問題がございます。しかし、一方非常に強い要請がございますから、現在専門家に集まっていただきましてそういった点を鋭意検討してもらっているということでございます。なるべく早くそういった検討をお願いをいたしまして、結論を出していきたいというふうに思っております。
○任田新治君 最後にお尋ねしますが、休耕の問題、転作の問題、それから農地転換、こういう問題が米の生産調整の手段として使われておるわけですが、来年は一体どうするんだというふうになりますと、大蔵大臣の言うことも、あるいは農林大臣のおっしゃることもあまりはっきりしない面があるのですが、いわゆる労働者農民というような感覚からいえば、きめられたとおりに農民はやっていけばいいじゃないかということかもしれませんけれども、いまの日本の農家はやはり経営者でありますし、そういうような観点に立ちますと、来年の仕事が一体どうすればいいのかということを全然方針も立たないままでおるということは、非常な農家に対して不安を与えているわけでありますので、この問題はやはりさらに継続してやるのかやらないのかということは、少なくともことしの夏あるいは秋早々のうちにきめていただかないと農家としてまことに迷惑である、こういうふうに思いますが、これはぜひともその覚悟でやっていただきたいと思います。御意見をひとつ。
○政府委員(亀長友義君) 確かに生産調整の明年度における扱いと申しますか、そういうものにつきましてはいままで農林大臣からも御答弁申し上げたとおりでございます。具体的にどういう措置をとるかは本年度の動きを見てきめたい、こういう大臣のお答えでございます。ただ、時期的には、先ほど先生御指摘のように、農家としては経営の立場からやはりできるだけ早くそれを明らかにしてもらいたいという気持ちはわれわれも十分了承できることでございますので、御承知のように、予算編成というものが日本のたてまえでは毎年正月前後に行なわれるため、予算成立は三月になるということで、農業の生産とうまくマッチしないというようなことから、いろいろほかにも御迷惑をかけておると思うのでありますが、私どもとしては、少なくとも今回の生産調整も大まかな筋書きは秋ごろから順次固まってきたような状況でございますし、明年度につきましても、少なくとも去年よりは早くいろんな段取りを進めてまいりたいと考えております。
○任田新治君 時間がないので、あと畜産の関係ほか林業、水産ございますけれども、別途農林水産委員会で質問することにいたします。どうもありがとうございました。
○小林国司君 時間の関係からごく概括的な問題をお尋ねいたしますし、また政府当局のほうからは簡単明瞭にひとつお願い申し上げます。 まず最初の問題は、米の生産調整の問題でございますが、ことしは御承知のとおり百五十万トンの調整を行なう。そのうち転作、休耕によるものが百万トン、水田の転用によるものが五十万トン、こういうことになっております。で、百万トンの生産調整について、まずその順序は、御承知のとおり、農林大臣から米の生産調整の目標数量を県別に知事に配分、通知をなさる。知事は市町村別に配分して通知をする。市町村長は農業者別に生産調整の目標面積を定める、こういう順序になっております。そこで、農業者は生産調整の実施計画を市町村長に提出する。市町村長はそれをとりまとめたものを知事に提出をする。知事は全県をとりまとめた上で、五月三十一日までに地方の農政局長に提出する、こういう順序になっておりますので、したがって、現在の段階はその途中でございますから、百万トンの生産調整について、最終的な結論は出ておるわけではございませんが、現在の段階において百万トンの生産調整がどの程度実施できる見込みであるかということを中間的にまず御報告をお願い申し上げます。
○政府委員(亀長友義君) 米の生産調整の進捗状況でございますが、現在は市町村と農家との実施計画についての準備段階というふうにお考えを願いたいと思います。御指摘のとおり、五月三十一日に公式の報告があるのでございますが、それまでの間、私どものほうで暫定的に各県から達成見込みをとっておりまして、その概要を申し上げますと、一〇〇%以上達成見込みのものが二十一道県、ほぼ一〇〇%達成見込みあるいは一〇〇%達成のため努力中というのが二十三府県、これはしかし府県の努力目標というものも多少入っておりますので、そのような趣旨で御理解を願いたいと思います。現在のところ一〇〇%達成が困難と考えられるものが二府県ございます。以上のような状況でございまして、最高のものは二七二%、最低のものは三〇ないし四〇%というような状況でございます。全体としてどのくらいいくかということでございますので、この中間の——まだ話はほんとうにきまらないが、やはり一〇〇%いくであろう。あるいはそういう方向へ努力しておるというのが二十三府県ございまして、この動向いかんにもよるわけでございますが、私どもとしては全体としてやはり一〇〇%におおむね達するように各県をさらに督励をいたしたい。またその可能性も現段階においてまだ十分あり得る、かように考えておる次第でございます。
○小林国司君 具体的な内容はこまかくおわかりになっていないのが当然だと思います。大体百万トンというのは二十三万町歩、平均四百三十キロと見て二十三万町歩ですが、転作、休耕の内訳がわかりましたらお知らせ願いたい。
○政府委員(亀長友義君) 転作すなわち果樹、桑、蔬菜等、いわゆる他の作物をつくるというのが、現在の見込みでは五万六千ヘクタールと見込んでおります。それから、いわゆる通年施耕による休耕と申しますか、米をつくらないというのが三万三千ヘクタール、そのほかに転換、たとえば造林をする、あるいは養魚池にする、あるいは豚舎とか、その他の畜舎等の施設をつくるというのが三千六百ヘクタール、合計いたしますと約九万三千ヘクタール程度に相なろうかと思います。そこでいま御指摘のような百万トンを平均反収で割りますと、二十二万五千ヘクタールぐらいに相なろうかと思いますが、その数字と九万三千との差が、いわゆる休耕になろうかと思います。しかし、これはいずれも現在までの概況調査でございますが、御承知のように、低い反収のところをやれば面積はよけいやらなければならぬというシステムができております。反収の高いところをやれば面積は少なくて済むというシステムになっております。私の申し上げましたのは、あくまで概況というふうに御理解願いたいと思います。
○小林国司君 転作の中で蔬菜、果樹、桑等に五万六千町歩と、こういうお話でございますが、いつか新聞に出ておりましたが、農林省は水田のこのたびの転作に対して、主として野菜に振り向けては困るのだ、こういう農林省の意向が発表された。しかしながら、今年の野菜の高値等から見ても、もっと野菜にこれを振り向けてもいいのではなかろうかという、いろいろ意見がございますが、この点についてはどのようにお考えですか。
○政府委員(荒勝巖君) 蚕糸園芸局といたしまして、野菜につきましては、従来から大消費地向け野菜を供給する集団産地の育成強化をはかり、計画的な生産出荷が行なわれるよう実は指導している次第でございます。冬野菜はたまたま面積的にはわれわれは十分確保しておったと思うのでありますが、多少異常な天候によって、こういうような事態を招いておりますが、夏野菜につきましては、昨年約二千ヘクタール水田から夏野菜に転換をいたしました結果かとも思いますが、多少過剰傾向になりまして、その結果、野菜生産出荷安定資金協会の基金から補てん金を多少出さざるを得ないようなかっこうになったわけであります。したがいまして、この稲作から野菜作への転換に当たりましては、無差別につくり過ぎによる価格の暴落ということは、やはりわれわれとしては極力防止いたしたい、暴落がありますと、また冬野菜を農家がつくらないようなかっこうで、非常に価格変動が激しくなりますので、市場の動向に十分細心の注意を払いながら、計画生産ということで、十分今回も指導してまいりたいと思います。したがいまして、われわれといたしましても、水田から転換するにあたっては、やはり昨年程度の転換が大体需要の増加、あるいは所得の増加というようなこととからんで、まあやむを得ないのではなかろうかと、こう思っております。野菜に転換するに際しましても、葉茎類といいますか、キャベツとか白菜といった葉菜類はなるべく抑制いたしまして、日持ちのいい根菜類、たとえばニンジン、ゴボウその他の系統のいわゆる根菜類に重点を置くとともに、需給の弾力の非常に強い、いわゆる果実的野菜——われわれはそういって呼んでおりますが、プリンスメロンとかスイカとかこういったくだものに近いような野菜に極力転換するよう、ただいま各県を説得している次第でございます。
○小林国司君 百万トンの生産調整は、農林省並びに関係都府県の御協力でおおむね目的達成ができるやに伺いまして、食管制度堅持のためにまことにけっこうなことだ、こういうふうに思うわけでございます。なお休耕の中における土地改良の通年施耕が三万三千町歩実施した、こういう御説明でございますが、来年以降の米の生産調整は任田委員からもお話がございましたように、どういうことになるか、来年はわかりませんが、いわゆる土地改良の通年施耕という問題は、本来これはあってしかるべきでないかという感じがいたします。したがいまして四十六年以降、米の生産調整の方策がとられるかとられないか、それの問題にかかわらず、土地改良の通年施耕という問題をできるだけお進めになったほうが、少ない事業費でいい仕事ができる、機械の配分もよろしい、こういうことが明らかにわかっておりますので、四十六年度以降、米の生産調整のあるなしにかかわらず、通年施耕をおやりになるお気持ちがあるかどうか、私としてはぜひお進めいただきたい。その場合の休作の補償についてはどのような措置を農林省はお考えになるのか、来年の問題でございますので、質問するほうが無理かも存じませんが、お考えがありましたら御説明を願いたいと思います。
○政府委員(中野和仁君) 積雪寒冷地帯を中心に工事の事業量の拡大なり、あるいは工事費の節減という面から見まして、非常に必要なことは御指摘のとおりだと思います。したがいまして土地改良の面から見れば、来年も通年施耕をやったほうがいいと私も思います。ただ、最後にお話しのありました、それに対する休作の補償をどうするかということになりますと、来年、先ほど官房長が答弁をいたしましたように、どうするかということに非常に関連をしてくると思います。万一それはやらないということになった場合に、それじゃ事業費の中に含んでやるかということになりますと、これはちょっと目の子算で計算いたしましても三万三千ヘクタールをやるのに三万出すということになりますと、約百億という国費が別に要るわけであります。相当なこれは財政負担に基盤整備事業としてはなるわけであります。 〔副主査退席、主査着席〕 この辺の事情がありますので、来年以降どうするか、まだわれわれとして決断のつかない段階でございます。十分検討はいたしたいと思います。
○小林国司君 次に、先ほど白井委員から質問がございましたが、いわゆる農業の地域分担、地域別の生産目標の問題でございますが、これはしばしば言われておりますように、早く農林省は作業を完成さしていただきたい。さて官房長の御説明によりますと、すでにその作業に入っておるということでございますが、そこで作業方法の内容、たとえば各種条件——自然条件、社会経済的な条件あるいは将来規模拡大ができるかどうか、機械化が可能になるかどうかというような条件も組み合わせて、いわゆる主産地を形成するという適地適産の観点に立って、この地域の分担を定める必要がある、こういうことを大臣もしばしば言われておるわけでございますが、そこで作業の方法等、現にお考えになっている問題あるいは条件をどのように加味されようとしておるのかという点について、これ一点だけお願い申し上げます。
○政府委員(亀長友義君) 地域分担は、御承知のように、私ども基本法の第八条の線に従ってやりたいというふうに考えますので、したがいまして、重要な農産物について作成をする考えでございます。この場合の重要な農産物としましては、それぞれ地域の経済状況も判断をして、さらに全国的な需給調整が問題になる、こういうふうな点をかみ合わせまして、具体的には水稲、野菜、果樹、畜産というようなものを考えておるのでございます。さらにその他の条件につきましては、基本法の趣旨から申しましても、全国的な農産物の需要及び生産の長期見通しに基づくというたてまえがございますので、この点もまず現在の五十二年のものを一応の指針にいたしまして、さらにその後の条件等を加味して一応全国的なものを想定して出発の前提にいたしたいと考えております。それからさらに条件と申しますか、それぞれの地域の産業構造、就業の条件、労働条件、就業構造、それから市場条件これが非常に大きく左右するものでございまして、消費地への輸送の条件、最も多いものはそういうものでございます。さらにいま御指摘の経営上の条件、たとえば規模拡大の可能性、さらに自然条件、これは気温であるとか土壌であるとかいうような条件を総合的に取り入れまして、具体的にこういうものをやはり組み立てるためには指数化をしてまいらなければならない。こういうものを一つの指数にあらわしまして、そこでその指数を、総合化した一つの指数をつくる。そこで各地域に最も適する作物を発見していくと、こういう段取りに考えておるわけでございます。その間におきましていろいろ電子計算機とかあるいは最近外国等で用いられて、日本でもそういう研究をしておる空間モデルというような方式もあるそうでございまして、そういうふうな方式等もいろいろ資料の整備と同時に現在研究をしておる段階でございますが、取り上げるべき大筋といたしましては、私が前段に申しましたようなものをこの地域分担作成の基礎条件に考えてまいりたいと思います。
○小林国司君 この問題はなかなかたいへんな問題でございまして、しかもこれからの農政の一つの指針ともなる重大な課題でございますので、政府は全力をあげてこれに取り組んでいただかなければならぬと思いますが、それに対する熱意と申しますか、あくまでもやり抜くんだというお気持ちがなければ中途はんぱなこと、あるいは途中で挫折するかもしれないというようにも感ぜられますので、先ほどの御答弁によりますと、ことし一ぱいにはやり逐げたいという官房長の御説明でございましたが、ぜひこれは中途はんぱなおざなりなものではなくて、非常に困難な作業ではございますが、全力をあげてひとつおやりいただきたい、これは要望でございます。 次に、先ほどから白井委員等から御質問ございましたので、重復しない意味で簡単にお尋ねいたしますが、食糧農産物の自給率の問題でございます。このことは昨年五月農林省から農政審議会に対して「総合農政推進のために」という検討資料が提供されております。その中にもはっきりとうたわれておりますが、自給率の問題について、品目別に生産目標を具体的に設定することを検討すべきである、こういうふうにその文章の中にうたわれております。先ほどからの御説明でも、なかなかこれはたいへんな問題でございますが、あるいは消費の動向、あるいは価格の問題、あるいは国際的な関係等から、目標を設定するということは品目別に非常にむずかしい作業だと思いますが、すでに昨年以来、農林省は品目別に具体的に生産目標を設定する必要があるということをお述べになっておりますので、今後品目別に生産の目標を設定されるお気持ちであるかどうか、これをお伺いいたします。
○政府委員(亀長友義君) 御指摘のように、品目別に生産目標を設定するということは非常に重要なことであります。また同時に困難でもあり、これがまかり間違えばまた危険性も存在するわけでありまして、私どもとしましては、一応すべてのものについてこの生産目標をつくるというようなことよりも、現在は一応五十二年までの長期需要の見通しというものを立てておりますので、これが四十三年に発表されましてから、その後のそれぞれのものをめぐる情勢の変化というようなものを考えながら、今後の生産をどうすべきかというふうに検討していくのが最も妥当ではなかろうかというふうに思っております。しかしながら、すでに個々のものにつきましては、生産目標というものが可能なものにつきましては目標を立てておるものがございまして、たとえば果樹につきましては、果樹振興に基づく生産計画がございますし、また畜産の分野におきましても、そういうふうなことが可能なものは、具体的に五十二年の需要長期見通しと基本的には関連をいたしておりますけれども、それとまた別個に具体的な計画を立ててまいっておりますし、今後それが可能なものは立ててまいりたいと考えております。
○小林国司君 私の持ち時間を過ぎたわけでございますが、最後に、基盤整備の中の圃場整備事業についてお尋ねをいたします。 いまさら圃場整備事業の必要性については申し上げるまでもないわけでございます。そしてこれがどれほどこれからの農業の展開に重大なる役割りを占めるかということも、すでに一般に知られておるところでございます。そこで現在の水田面積は三百四十万町歩前後ありますが、その中で圃場整備事業を将来やっていくという、この必要面積をまずお知らせいただきたいと思います。
○政府委員(中野和仁君) 最近、われわれのほうで土地改良長期計画を改定しますために補足調査をやったわけでございますが、それによりますと、傾斜が百分の一で、団地の大きさ五十ヘクタール以上、こういう集団的なところが大体二百万ヘクタールあるということでありますので、この程度が今後圃場整備をする必要があるところだというふうに考えております。
○小林国司君 そのうちすでに終わったものの面積と、これは明治、大正、昭和になってから半世紀の間にだいぶやっておるわけでございますが、すでに終わったもの、さらにいまの時点に即しないがために再整備をその中で必要とするもの、おわかりになっておりましたら、その面積を両方お願いします。
○政府委員(中野和仁君) ただいまのお話の、区画整理が全部済みましたのは、戦前から含めまして約百九万ヘクタール、その中で、将来機械化をしましてもいまで大丈夫だと思われますのが約二十七万ヘクタールでございますから、全体の面積からいたしますと、一割にも満ちません。それから二百万ヘクタールに対しましては一三、四%程度がよろしい、あとは再整備をし、あるいは新しい圃場整備が必要だと考えられます。
○小林国司君 そうすると、二百万ヘクタールの中に百九万は入っているのですか、入っていないのですか。
○政府委員(中野和仁君) 大部分は二百万ヘクタールの中に入っていると思いますけれども、あと百四十万ヘクタール程度の水田の中にも、もちろん区画整理を戦前やったものもございます。全部が二百万ヘクタールの中にあるということは申せないと思います。
○小林国司君 先般閣議で決定されました新経済社会発展計画、あの中にいわゆる基盤整備事業というものも相当見込まれておりますが、つまり四十五年から五十年までの間に圃場整備を一体幾ら実施されようとしておるのか、その計画がおありになったらお知らせをいただきたいと思います。
○政府委員(中野和仁君) 新経済社会発展計画、まだ正式に決定を見ておりませんが、すでに新聞等にも答申が出ております。それによりますと、農林漁業部門の投資は全体の五十五兆の中で三兆二千五百億ということになっております。そこで従来の実績のその中のシェアと申しましょうか、そういう面からいきますと二兆四千億ぐらいとわれわれ胸算用しております。その中で圃場整備が幾らかということになりますと、内々われわれそういう計算はやっておりますけれども、まだ公式の席上で申し上げるような段階ではございません。ただ圃場整備はその中でも最大重点を置きたいと考えておりまして、少なくとも現在やっております程度の倍以上は考えなければならないというふうに考えております。
○小林国司君 いままで圃場整備事業があまり進んでいなかったような感じを受けるわけでございますが、たとえば四十四年度では大体四万町歩前後である。いままでのお話のとおり、二百万町歩も整備しなければならぬ、またできる可能性のあるところがあるにかかわらず、年々のペースは四十四年度でわずか四万町歩である。こういうペースで進みますというと百年河清を待つような感じがいたしますが、いままで進まなかった理由はどこにあるのか御説明願いたいと思います。
○政府委員(中野和仁君) いまお話しのように、最近圃場整備という名前をつけまして大々的に始めましたのは、昭和三十八年だったかと思います。それから年々重点を置きまして予算の獲得につとめてまいりました。四十五年度は予算上は五万五千ヘクタールやろう、こういうことになっております。それでもお尋ねのように二百万というのを頭に置きますと相当な年月を要します。そこでわれわれは予算の獲得というのが一番大事だと思います。いわばその逆にいままで進まなかった理由、いろいろあるかと思いますが、その一つには財政問題があると思います。それからもう一つは、圃場整備そのものが、いわば農家の土地そのものを形質を変更しましたり、あるいは改良したり、その間権利関係が非常にややこしいというようなことがありまして、これが調査なり設計なりあるいは換地計画まで入ってきますので非常にむずかしい。それに対応するための技術陣営あるいは換地関係の体制というものもまだ不十分である。そういう両面の問題があるかというふうにわれわれは考えております。
○小林国司君 いままでの進まなかった事情等のお話を伺ったのでございますが、今度の新経済社会発展計画は、いままでのペースの倍以上実施しなければ、とうてい社会の情勢に追いついていかないという御説明でございますが、いままでのようなことでやっていく自信がございますか。
○政府委員(中野和仁君) いますぐ自信があるかと言われますと、私のような事務屋がすぐ、ありますと、なかなか言いにくいわけでございますが、先ほど来申し上げておりますように、今後の農村の労力の減少、それに対応して機械化を進めていく、そうでなければ他産業と匹敵した経営にならないということから、最大の重点を置いてこの事業を進めたいと、そういうつもりで取り組みたいと考えております。
○小林国司君 ぜひひとつ、いろいろ問題を整理されて、これを促進するための方策をお考えの上、円滑に進めていただくことを御要望申し上げておきます。 最後に、各県の区画整理を行なった、いわゆる換地処分の未済面積がかなり累積しておるようでございます。全国各県累計してどれくらいになっておりますか。
○政府委員(中野和仁君) 昭和三十九年、土地改良法を直します前は、工事と換地が分かれておりした。その結果、農家のほうでもすぐにはなかなか換地処分をやらないというような事態もございまして、四十二年現在では十二万二千ヘクタールございました。そこで新法以後の問題につきましては、工事と換地処分を結びつけておりますので、順調にいっておりますが、それ以前十二万二千ヘクタールあったものでございますので、これを五カ年計画で促進をするということでやっております。現在、四十四年度末では、大体あと四万ヘクタール残っておるという段階まで進めてまいりました。四十六年度までにはこれを解消したいというふうに考えております。
○小林国司君 最近、高速道路あるいはその他の道路等、あるいはまた工場建設、そういったものが行なわれるときに、換地処分が終わっておりませんというと、所有者がだれかわからないという点で非常に困った問題が各所に発生しておりますので、四十四年度末で約四万町歩までこぎつけたと、四十六年度で全部完成したい、こういう御説明でございますが、四十五年以降さらにまた新しい圃場整備も続々と出てまいりますし、今後も、新経済社会発展計画に基づくいわゆる区画整理事業というものも急速に伸びてくるということになりますと、いまの陣容、いままでのやり方では、とうていこれは消化し得ないのではないか。さらに累増して残っていくのじゃないかということが予測されますので、登記事務、これは法務省の関係もございますが、さらに土地改良法の改正等によって事務手続を簡便にするということも一つの方法でございましょうが、いろいろなことを勘案されましてぜひこれを促進するように御要望申し上げまして、質問を終わります。
○主査(足鹿覺君) これにて農林省所管の審査は終了いたしました。 〔主査退席、副主査着席〕
○副主査(柳田桃太郎君) 昭和四十五年度総予算中、建設省所管を議題といたします。 まず政府側から説明を求めます。根本建設大臣。
○国務大臣(根本龍太郎君) 建設省関係の昭和四十五年度歳入歳出予算につきまして、その概要を御説明申し上げます。 まず、総額につきまして申し上げますと、建設省所管の一般会計歳入歳出予算といたしましては、歳入は四十一億四千百余万円、歳出は八千八百九十一億二千六百余万円であります。 歳出におきましては、このほか、総理府の所管予算として計上されておりますが実質上建設省所管の事業として実施される予定の経費がありますので、これらを合わせますと、昭和四十五年度の建設省関係予算は、一兆百五十億七千百余万円となり、前年度の予算に比べ一千四百八十二億九千六百余万円の増加となっております。 なお、国庫債務負担行為として官庁営繕に七十九億八千七百万円、公営住宅建設事業費補助に百五十七億九千四百余万円、住宅地区改良事業費補助に五十八億五千五百余万円、下水道事業費補助に六億五千万円、河川等災害復旧事業費補助に七十六億五千万円を予定いたしております。 次に特別会計の概略を申し上げます。 まず、道路整備特別会計の予算総額は、歳入歳出とも六千五百九十七億五千百余万円で、前年度の予算に比べ一千六十二億五千余万円の増でありまして、おもなる財源といたしましては、一般会計からの受け入れ五千八百億一千百万円、地方公共団体工事費負担金収入五百六十七億三千六百万円、前年度剰余金の受け入れ十三億円を予定いたしております。なお、国庫債務負担行為として二百九十九億四千万円を予定いたしております。 次に治水特別会計でありますが、本特別会計の予算総額は、歳入歳出とも二千二百八十五億七千百余万円で、前年度の予算に比べ三百三十八億三百余万円の増加となっております。 これを勘定別にわけますと、治水勘定につきましては、総額二千四十五億五千百余万円で、前年度の予算に比べ三百二十九億六千七百余万円の増でありまして、おもなる財源といたしましては、一般会計からの受け入れ一千六百九十一億二千百余万円、地方公共団体工事費負担金収入二百五十三億二千六百余万円を予定いたしております。 また、特定多目的ダム建設工事勘定につきましては、総額二百四十億二千余万円で、前年度の予算に比べ八億三千六百余万円の増でありまして、おもなる財源といたしましては、一般会計からの受け入れ百五十四億二千八百余万円、地方公共団体工事費負担金収入二十五億九千九百余万円、電気事業者等工事費負担金収入四十六億三千八百余万円、前年度剰余金の受け入れ一億六千七百万円を予定いたしております。なお、国庫債務負担行為として百五十二億八百万円を予定いたしております。 次に都市開発資金融通特別会計でありますが、本特別会計の予算総額は、歳入歳出とも九十三億九千八百余万円で、前年度の予算に比べ十六億三千三百余万円の増でありまして、おもなる財源といたしましては、一般会計からの受け入れ六億円、資金運用部資金からの借り入れ金五十九億円を予定いたしております。 次に大蔵省との共管による特定国有財産整備特別会計でありますが、このうち、建設省関係分の歳出は十七億三千八百余万円で、前年度の予算に比べ十一億五千五百余万円の増加であります。なお、国庫債務負担行為として三十二億七千余万円を予定いたしております。 建設省といたしましては、この予算により都市、住宅、国土保全、道路等に関する各般の施策を推進し、立ちおくれている社会資本を充実強化するとともに、適切な土地対策を実施して、国民経済の発展と国民生活の安定向上をはかり、住みよい国土の建設に努力する所存であります。 建設省関係予算の事業別の重点施策の概要につきましては、お手元に配付してあります「昭和四十五年度建設省関係予算概要説明」によりまして御承知を願いたいと存じます。よろしく御審議のほどをお願い申し上げます。
○副主査(柳田桃太郎君) これより質疑に入ります。
○足鹿覺君 建設大臣にまずお尋ねを申し上げますが、都市再開発並びに地方都市の都市施設整備についてであります。 その一点は、過般の一瞬にして七十余名の生命を奪った大阪のガス爆発の原因と対策についてであります。建設大臣が現地からお帰りになりまして、先日参議院本会議で発言をされました。何をおいてもまず原因を究明することが緊急課題であるという御趣旨の御発言に対しましては、私も全く同感であります。しかるところ、その原因について大阪府警は、三百ミリ中圧管の継ぎ目からのガス漏れが事故の第一原因であろうと、こういう総合判断が伝えられておりますが、建設大臣としてその原因をおつかみになっておられますか。また、ただいまの府警の考え方に対する御所見を承りたい。
○国務大臣(根本龍太郎君) 原因の究明は私が帰ってから閣議に報告いたしまして、客観的に、科学的にこれは検討して、徹底的にこれは洗い直さなければならぬと申し上げまして、私の趣旨が了承されまして、現場で科学的な綿密な原因探求の結果出たことでありましょうから、それに対して私があれこれ言う段階ではないと思います。ただ、私が現場に行って関係の人々の意見を聞いたときに、相当建設省で地下工事等について訓令あるいは示達したことがよく守られているという報告でございました。なおまた、安全の確認については数日前、あるいは前日、当日までガス会社あるいは建設現場の関係者等が一応確認しておりながら、ああいう事故が起こったということについて、私は非常な疑点を抱いたんです。一体これはいままでいろいろ訓令なり令達しておったことを守っておるというのは形式的であって、的確な工法をやっていなかったんじゃないかという反省が必要だということをそこで指摘したのであります。それと同時にあの事故を見た場合にいままでの工法でまあまあいいということでこのままにしていいかという疑問が出てきました。したがいまして、ああいう地下埋設物のたくさんあるところでは、工法自体にもっと抜本的に再検討する必要があるんではないか。これは建設省においても、通産省においても、そういうふうに私は意見を申し述べておるのであります。その結果、通産大臣を長とする関係のいろいろの事務当局が連絡してそれぞれの対策を講じて万全を期しておるという状況でございます。
○足鹿覺君 きょうはまだあとにたくさん御質問がありますので、この問題にさらに言及することを避けたいと思いますが、国としての死者並びに遺族、負傷者その他に対する見舞いの対策ないしは補償の措置等をお考えになっておられますかどうか。また現在の工事関係者がこれらの被害者に対する見舞いあるいは補償措置等をどのようにいたしておりますか。所管大臣とは申しかねますが、御存じになっておりましたならば、この際明らかにしていただきたい。
○国務大臣(根本龍太郎君) この補償の問題はたいへんだと思っています。私現場で見た感じでは、ただここに問題になりまするのは、あの死傷者のほとんど大部分は工事関係者じゃないのです。工事関係者はわずか数名でございます。ところがそれらの人々にはそれぞれ労災保険とかいろいろなものがありますけれども、大部分は通行人なんです。こういう状況から見ますというと、確かに災害を受け、ああいうふうな負傷を受けたけれども、原因が爆発によることではありまするけれども、一般の人々に対してまことに気の毒であるけれども、私は補償の方法に非常に問題があるような気がするのでございます。まあ関係の業者の人も補償の責任はあるでしょう。また同時にあすこは大阪市でやっておることでございまするから、大阪市が起業者であると同時に監督者でもある、これは二重に問題になるところの性質のものでございます。現場においては確かになくなられた方には一人五十万円、負傷者については十万円でございますか、それから住宅を全焼したのは三十万円か五十万円を一応手配したということであるようでありまするが、補償の問題は被害を受けた方々との団体交渉で進めていっておるということを聞いております。なおまたこれに関連して政府がどういう態度を取るべきかについては、これは通産大臣を長とするところの対策連絡会議でこれも一応議題になると思いまするけれども、いま政府がこういう問題について補償したということはどうも例がないようでございまして、その点が今後の研究課題であると存ずるわけでございます。
○足鹿覺君 工事関係者がきわめて数が少ない、通行人または遠くから取り巻いて状況を見ておった人々、それは直接工事に関係はないといたしましても、市街地再開発そのものが不備であり、欠陥があったわけでありまするから、これに対して全然見離すということも私はできない立場にあるのではないかと思います。要するに政府としましても、市当局としましても、工事関係者といたしましても、十分ひとつなるべくすみやかに結論を出して遺憾なきを期していただきたいと思います。 そこで今後再びこのような悲惨事を起こさないために、都市の再開発の条件とでも申しますか、共同溝の整備問題が私は一番大きな課題だと思います。先般一般質問の際に通産大臣は引火性のガスを電線その他と同じ共同溝の中へ埋設することについてはまだ問題があるのではないかという意味のことを言われておりました。しかし外国等の事情はどうか知りませんが、現在の状態からいたしますならば、科学の進歩した現状からいたしますならば、私は他にいろいろ方法もありましょうが、この方法を中心に検討することが必要ではないか。これは技術的なことでありますから、その担当の政府委員に伺いますが、共同溝一メートル当たりの工費はどれくらいかかるのでありますか。また、今後都市再開発のための必須条件として、共同溝の構築を年次計画をもってどのように進めていかれようとしておりますか、伺いたい。
○政府委員(蓑輪健二郎君) 共同溝の現在やっております大部分は、やはり地下鉄の建設の際にその上に乗せるようにしております。地下鉄のコンクリートブロックの上に共同溝を乗せるようにする。これによりますと、大体いまの計算ではキロ当たり五億から六億ぐらいかかると思います。私たちのことしから、四十五年から始まります第六次五カ年計画でも、大体キロ六億ぐらいの予想をして五カ年計画を組みたいと考えております。 現在の共同溝の建設の現状でございますが、現在はほとんどは東京都でございまして、名古屋、大阪——大阪に一部ございますが、そういうところにはまだまだ進んでいない。東京が大部分でございますが、現在東京で実施されておりますものが四十四年度末で二十五・九キロございます。さらに、四十五年度の予算では十三・七キロぐらいを完成させたいという計画でございます。将来はこの共同溝をさらに延ばしていきたいということで、今度の第六次の五カ年計画では、まだいろいろ検討中でございますが、全国——東京のほかに名古屋、大阪、そういう主要都市を含めて大体百キロぐらいはぜひやりたいという計画を考えております。
○足鹿覺君 ガス管はその共同溝の中へ入れる構想でありますかどうか。先ほどの通産省の見解とあわせてひとつ承りたいのです。私はいろいろと調べてみましたが、地下鉄の一メートル当たりの工費は大体百六十四万円から五百十万円、これは昭和四十四年の東京の実績であります。首都高速道の一メートル当たりが三百九十二万円、少ないところで二百四十五万円、東名高速道が九十九万、名神が六十万程度。これは古いことでありますが、昭和三十四年から九年にかけたオリンピックの関連道路は、その当時の金額にして二百三十万円一メートルに使っております。やろうと思えばかくのごとくやれるのです。日本の繁栄といいましても、私は、外国から何か日本に行事があって来る、オリンピックが来るあるいは万国博をやるとかいうようなときになるとあわててそういうことが行なわれる、また大きな事故が起きるとその根本対策が急造で検討される、こういうことを繰り返しているのではないか、かように思います。ぜひこの際この共同溝対策は高速道やあるいは地下鉄やそれらと並行するような重点を置いて都市再開発に遺憾なきを期すべきだと思いますが、いかがでしょうか。
○政府委員(蓑輪健二郎君) ただいまの御質問の、この中にガス管を入れるか入れないか、これは昨年の板橋のガス爆発事故のあと、通産省にガス導管の防護対策会議というものをつくりまして、ガス導管をどう防護していくかというような検討をしていただきました。その報告は、昨年の十二月に出ております。やはり共同溝の問題をこれからの問題として指摘しているわけでございます。ただ、それにも書いてありますように、共同溝にガスを入れるということの一つの大きな問題は、やはりガスが漏れた場合に、ほかの電線、電話、電灯、こういうものの火花によって爆発をしないか、その防護対策がまず第一だというふうに考えております。ただこれは、ああいう共同溝の中でございますと、ガスが漏れた際に、ガスの探知器なり、それが漏れた場合の警報装置、そういうことが十分完備できると思います。それによって、ガスを適当な、安全な装置をつけまして締めるということで、技術的には私は可能ではないかというふうに考えております。また、共同溝というものが、埋設物が異常に大きくなりますと、いろいろコンクリートの箱を縦に切りまして、こっちには水道、こっちには電話というような、部屋をつくっていけば、たとえガスが——ガスの部屋だけ設けて置けば、ガスが漏れてもほかのほうに被害を与えないということもございます。そういうことで、多少建設費がかかっても、十分ガスを共同溝の中に入れることは、私はこれら安全対策を十分検討していけば可能だというふうに考えております。ただ、もう一つのむずかしさは、共同溝に入れたガスのような公益事業者は、いわゆる受益の範囲内で金額の負担を願っておりまして、これがまあ先行投資という形になりますが、この辺が電電公社とか、電灯会社と違いまして、非常にガス会社は経営規模も小さいために、そういう先行投資資金がなかなか出てこないというふうな点もございます。これはやはり政府で低利の融資をするとか、財政上の援助を当然加えていけば、こういうガス管も共同溝に入っていけるようになるというふうに考えております。
○足鹿覺君 とにかくこの問題は対策会議もできているようでありますので、早急に結論を得られまして、本国会の会期中に結論をこの国会で御報告を願い、これについての十分な審議ができるようにお取り計らいあらんことを希望しておきます。 次に、地方中小都市、言うならば人口十万以上の都市で新都市法の市街化区域、農業調整区域との線引きがいま行なわれている最中でありますので、この地方中小都市における都市施設とは何をさすのか、整備とは一体どういう定義なのか、範囲はどうなのか、整備といっても何を基準にしていくのか、その限界はどの程度に考えておいでになりますか。これが今度の市街化地域の課税問題とからんで、非常に国民の知らんとしているところだと思う。大臣の御構想があれば承わりたい。
○国務大臣(根本龍太郎君) これはのちほど政府委員から事務的に御説明いたしますが、全体として申し上げるならば、中小というか、いま御指摘のようなところにおきましては、やはり都市機能が整備されていなければならない。都市機能と申すならば、われわれとしてはまず第一に街路が、都市機能ができ得る一つの一番の前提条件です。それから上水道、下水道、さらにし尿処理と、こういうものが整備されておるところであり、かつ適当な場所に緑地、公園等、そうした人間生活に必要な施設、それからまた住宅地、商業地あるいは工業地帯というふうに機能別の整備をはかって、一方における過密と一方におけるスプロール現象がないように、個々に全体として調和のとれた都市生活ができる施設を整備していくということが一つのねらいでございます。 事務的については、都市局長のほうから説明いたさせます。
○政府委員(竹内藤男君) 都市によりまして、都市施設をどこまで都市計画として整備するかという問題はあろうかと思いますが、ただいま大臣からお話ございましたように、快適な生活をする、あるいは機能的な都市活動を行なうという上から申しますと、やはり道路それから緑地等の空地、上下水道、義務教育施設というようなものが最も根幹となる都市施設であろうと、こういうふうに考えております。
○足鹿覺君 市街化の整備にいたしましても、また下水道の整備にいたしましてもなかなかはかどっておりません。地元負担の受益者負担の問題が非常に大きな問題になりまして、各地で難航をいたしていることは御承知のとおりであります。新都市法の説明会では、地方自治体なりまた農業委員会は、市街化区域が全部宅地並みに評価されることはない、心配ないからという説明を住民にしてきました。ところが、この施設の整備ということの解釈いかんをめぐって問題が出てくることは、過般、総理が市街化区域内の農地を宅地並みに評価すべきであると指示したといわれることに端を発しまして、固定資産税が市街化区域内の農地も宅地並みに引き上げられるんだと、こういうふうに伝わりまして、各地で問い合わせが殺到してきております。で、もしそうだといたしますならば、ただいま承ったような施設とは、その整備の状況とは、いま承った範囲内においては、私はまだばく然としておりましてよくわかりませんが、もしある程度のところに線を引いて、都心から三キロ程度の線を引いて市街化区域をきめたといたします、介在農地は宅地並みに評価されたということになりますと住民はだまされたことになる。建設大臣は総理からこのような御指示をお受けになったことがあるでしょうか、この点は非常に重大な点でありますので、明らかにしていただきたい。
○国務大臣(根本龍太郎君) 総理から私は指示は受けておりません。ただ私は、この都市計画の円滑なる推進、地価対策等からして、市街化区域に入ったところで、本年が固定資産税の評価がえの時期でございます、この時期にありましては、一挙に市街地と同じようにするということではございませんけれども、近隣の住宅地に漸次これは近づけていくという政策をとることが適当であると考えております。この点については、自治大臣並びに経済企画庁長官、大蔵大臣とも、この問題について国会が終了後適当な時期にこれで協議をしようと、こういうふうな話はしたことはございますけれども、総理から固定資産税を宅地並みに上げろという指示は受けておりません。
○足鹿覺君 一昨年都市計画法案が審議された際、衆議院建設委員会においては四十三年四月十九日、参議院建設委員会においては同年五月十六日、それぞれ超党派の決議をもって、衆議院においては、「市街化区域内において、市街地としての環境が整備されるに至らない地域に存する農地については、固定資産税等の課税にあたり、土地所有者の税負担が増加しないよう配慮する等農業経営の継続に支障を及ぼさないよう所要の措置を講ずること。」という附帯決議を満場一致で採択いたしております。参議院におきましても、「市街化区域内の農地については、固定資産税等において過重な税負担をきたさないよう適切な措置を講ずること。」と、こういう趣旨の附帯決議がなされ、また農林水産委員会においても、昨年農振法審議の際には、これまた超党派の決議をもって、同様の趣旨の決議が採択されております。これを御尊重になっていかないと、私はたいへんなことになる。いやしくも超党派の決議というものは国民の総意と受け取るべきだと私は解する。この点について慎重に対策を講ぜられるやいなや、過重の負担を介在農地等に課することなきよう万全の御配慮をされる御決意がありますかどうか、決議尊重について御意思を承りたい。
○国務大臣(根本龍太郎君) 国会の決議を政府が尊重することは当然でございます。ただ、いま御指摘になりました条件については、現在農地でありましても、今度は御承知のように、農地法の適用が市街化地域に指定されますと自然にこれは排除されてまいります。そうしますと、農地が宅地あるいは工場用地に転換することが非常にスピードが早くなるわけでございます。そうした場合においては、それぞれに転用されたものが農地のままに評価するということは適当でなくなるわけでございます。また名目上の農地にしておいて実際は荒れたままにしておく、そういうものが農地として尊重されるということも、またこれはしかるべきものではないというようなことで、その点は十分に国会の決議をも尊重しつつ、一面におきましては、固定資産税の改定期でありまするので、これは地方自治体の判断でやることでございまするので、漸次市街化区域に入ったところのものは原則として、そこは宅地化するという前提にありまするから、そういう方向において検討されることになるだろうと存じます。しかし、先ほど冒頭に申し上げましたように、国会の決議はこれは十分尊重していくつもりでございます。
○足鹿覺君 固定資産税の問題は、御承知のように収益還元の原則というものがあります。この大原則は固定資産税課税上の大原則として今日まで貫かれてきております。いまの大臣の御答弁のように地目の変換が正式になされて、しかし現状は先行取得のために農地であるというような顕著な事例が起きたときには検討を要するでありましょうが、その他の市街化地域内における介在農地というものは現状も農地であり、また農業がそこで営まれておる、これにいわゆる介在農地として宅地並みの評価をするなどということは暴挙中の暴挙だと私は言わざるを得ません。そういう点でよく御配慮をいただいていかなければならぬと思います。いかがですか。
○国務大臣(根本龍太郎君) 都会地に介在する農地が農地である限りにおいては、宅地としての課税はしないことは当然でございます。ただし都会地において農業する場合は、相当の集約的な農業をやられるのでございましょうから、いまの足鹿さんの御意見からいたしましても、収益還元の立場からいたしましても、その坪当たりの収益還元率は非常に高いということになりますれば、やはり農業地でありましてもそれだけの高い評価がされるということもまた自然の成り行きであろうと考えるのでございます。
○足鹿覺君 特殊な施設園芸等の場合はこれはまあ別なものでしょう。これ以上申し上げませんが、この基準緩和の措置が二月十九日に発せられまして、一種農地に指定されていた水田でも許可されるという今度の措置でありますから、各地を歩いてみますと、農振法審議の際に地方公聴会もわれわれはいたしましたが、あまり都市側からも農村側からも評判がよくない、両方に不満がある、地域によって非常な意見の相違がある、なかなかむずかしい問題だと思いますが、つまり都市計画や農業振興計画に大きな支障を来たすと、私は今度の緩和措置は心配しておるのであります。反面、国県道の両側は百メーターの範囲において一種農地といえども地目変換が可能になりまするから、そういうような市街化地域はもちろん、調整地域、振興地域に不動産業者あるいは建設業者が殺到する、特に比較的地価の安い市街化調整区域や都市計画区域が一応野放しになる地域が出てまいりまするから、これに乗じて買いあさりが盛んになり、いわゆる悪徳不動産業者が横行するおそれがあるということを指摘いたしまして、これについてどういう御所見をお持ちになっておりますか承りたいと思います。
○国務大臣(根本龍太郎君) 御承知のように、調整区域は原則としてこれは宅地化をしないという原則になっております。ただしこれが二十ヘクタール以上のまとまった構想のもとにこれがはっきりと系統ができているものについては、その県のケース・バイ・ケースでこれは検討いたします。その際は農林省と十分協議の上、これが市街化することが適当であり、かつそのほうが地域社会の利益になるというときに限って、これは両者の合意のもとに許可してやるということになりますから、スプロール化現象のないようにいたさせるつもりでございます。なおまた御承知のように集団的な優良農業地帯については、これは原則として許可しないことになっておりますから、そういう思惑をしてもこれは思惑はずれになるわけでして、その点は十分不動産業者に対しても警告を発しておる次第でございます。 なおわれわれも、最初は市街化区域と調整区域を線引きした結果、相当これは農地の買い占め等の現象が起こるではないかと心配したところでございます。実質は現状では金融引き締めでそういう動きが非常に少ないようでございます。むしろ逆に私どものほうに不動産業者はもう少し政府がいわゆる大型の宅地開発に対して政府の資金融通をしてほしい、この状況では全然手が出ないという陳情があるくらいでございまするので、特定の場合にはあるいはあるかもしれぬが、全体としてはこの措置をとったために農地がいわゆる民間の不動産業者によって非常に食い荒らされているということはあまりないように感じておりますが、事務当局にその状況について説明いたさせます。
○足鹿覺君 ちょっと待ってください、事務当局は。この問題に関連をいたしまして、農業振興地域その他新全国総合開発計画等との関係上、経済企画庁が横やりと言いますか、意見を述べられましてずいぶんもめたと聞いております。農林省との間で基準についての合意に達した……、いま大臣が言われました優良農地その他に対する沿道百メートルの線を除く、その他どういうものは地目変換を認めるか認めないかというような合意に達した点はどういう点でございますか。時間がありませんから簡潔に……。
○政府委員(竹内藤男君) 御承知のように、今度の水田の転用許可の暫定基準におきましても市街化調整区域については特別な扱いになっているわけです。そこで市街化調整区域におきましては、普通の場所と違いまして甲種農地、乙種農地というような区分になるわけでございます。特に優良農地が入っておりますようなところは甲種農地になるわけであります。それにつきまして沿道百メートルについて沿道サービス施設についてだけ水田の転用許可基準の緩和で緩和をいたしたわけであります。これにつきましては都市計画法の開発許可と農地転用許可と、二つのかんぬきが調整区域にはかかっているわけであります。その場合に農地転用許可のほうは、そういうふうに沿道サービス施設については緩和しており、都市計画法の開発許可のほうにつきましても調整区域については例外的に許可する場合があります。その場合にドライブインとか、あるいはガソリンスタンドのようなものについては例外的には個別の許可をもって市街化のおそれがない場合に許可をするということになっております。大体考え方は合っているわけでございます。ただ実際に手続といたしましては農地転用の許可と開発の許可の両方が要りますので、許可がリンクいたしておりますから、開発許可がなければ農地転用許可がもらえない。こういうようなかっこうになるわけでございまして、両方の許可制度によって運用をしてまいりたい。このように考えております。
○足鹿覺君 農地局長、いま都市局長が言われたような点で合意に達したと、こう見てよろしいのですか。
○政府委員(中野和仁君) ただいまの都市局長のお話のとおりでございまして、市街化調整区域につきましては一般の転用許可基準よりも本来調整区域の性格にかんがみまして非常に厳重に抑制をするという趣旨で、この中での農地転用基準の緩和でございますので、沿道サービス事業に限り一種農地も例外的に許可し得る場合があるということにとどめたわけであります。
○足鹿覺君 去る四月九日の予算委員会におきまして私が悪徳業者の対策いかんということについてお尋ねをいたしました。政務次官から簡単な御答弁がありましたので、押して御質問をいたしましたら、官房長は、建設省の開発許可基準による、この一言で御答弁になりました。あなたのあの御答弁と、いまの大臣や両局長の御答弁とは違うではありませんか。あなたは大体あのような態度で、国民に接せられる公僕の態度と言われますか。ただ一言、私の質問に対して、しかも政務次官の補足答弁に、建設省の開発基準によるのです、この一言で、いわゆるあなたは御答弁を打ち切られました。私はあとに問題もありますし、他日に問題を譲ると申し上げて、そのときはあえて反論を申し上げませんでした。ただいまの大臣の答弁といい、都市局長の答弁といい、農地局長の答弁といい、それにはそれで程度と手続と、ちゃんと懇切に私見を交えて答弁されているではありませんか。あなたはその実態を知らなかったんじゃないですか。われわれ国会に対してもそういう御発言をなさるということは、一般国民に対しては、建設省の大臣を補佐する最高の官房長があのような態度であるということは、私どもは憂えるものであります。最近の心境をお聞きしたい。あのような御答弁をされるような態度で国民にも対処されますか。他の省庁とも交渉されますか。私はこの問題についてあなたが釈明をされない限り、いろいろな事実をもってこれから追及いたします。
○政府委員(志村清一君) 過日の予算委員会で私お答えしましたのは、開発許可等の問題でございませんで、たしか先生からお尋ねございましたのは土地需給の緊急調査費の問題であります。それから農地の転用の目標、面積等についてのお話でございまして、それ以外のことについては、私の担当でございませんので、お答えはいたしていないというふうに思っております。
○足鹿覺君 速記録をごらんなさい。私はそのときお尋ねをした原稿のとおり言っているのです。何を言っているのですか。そのときの原稿をまず大臣に中心にお尋ねをし、都市局長から裏づけを求め、農林省の見解を求めておるのです。何をとぼけたことを言うのですか。
○政府委員(志村清一君) 先生のお話のとおりでございましたら、私の説明が不十分でございまして、まことに申しわけないと存じます。
○足鹿覺君 これ以上は申し上げませんが、今後十分質疑の趣旨をよく考えられまして、親切、懇切に御答弁あらんことをつけ加えておきます。 先ほど大臣は、あまり土地需要が、金融引き締めで、ないであろうというやや楽観的な御見解を述べられましたが、不動産業者が農家に日参をして、大体この事あることを知って仕入れ競争が行なわれておるということは、これは事実ですよ、特に大都市の周辺においては。そこで、造成後の売り値というものは、買い取り価格の三倍が大体相場だといわれております。これじゃとてもサラリーマンがわずかな金を貯蓄して、ともかせぎをして貯蓄をしてそうして家を建てようとしても、とても歯が立ちません。税制を若干緩和するとか、あるいは許可基準がかりに厳正に施行されたといたしましても、その網の目をくぐって、前後に先行取得が行なわれ、これを宅地化すると一躍上がっていく。この思惑が、これはマイホーム主義のこの時代においては避けがたいむずかしい問題だと思うのです。で、こういう点についてはもっと詰めた対策を考えていただかないと、私は新都市法の趣旨そのものが、都市のスプロール化を食いとめて計画的に市街地づくりをするという本来の趣旨に合致せず、また一般庶民の宅地を求めることに対しましても、非常に高いものを悪徳業者によって押しつけられる。これは、ずっといままでこの悲劇はあとを絶っておりません。今後も、ふえるともこれは減らないと思いますが、その点についてもう一度御再考になって、しかるべき措置を聞きたいと思います。
○国務大臣(根本龍太郎君) いま足鹿さんがいわれたことが非常に重大な問題でございます。そこで、土地についての基本的な考え方を変えるべきだということが、最近は、学界あるいは野党の方方からも口をそろえて言われております。 その一つとしては、要するに都会地周辺の農地、山林等を持っていることによって税制上は優遇され、これを今度適当なときに切り売りすることによって膨大な利益を得られる。そこに問題点があるのだ。したがいまして、東京都の東京問題調査会は、あげてまず第一に首都圏内の農地等を、固定資産税と都市開発税で、これを持っていることによって不当な利益を得られないようにすることが第一、それらの土地については政府が強制収用権をもって大量に買い取るべきだということ、それからさらに大規模な宅地開発をやるべきだということを提案し、また衆議院の予算委員会等においては、そうしたところの抜本的なことをやるべきだということは、社会党の委員長からも提案されておるという状況でございます。 しかし、それは確かにそういう構想は一つの傾聴すべき意見でありまするけれども、先ほど、一面においては、足鹿さんが指摘されたように、宅地問題としてだけ考えれば、それが非常に雄大な構想でいいけれども、しからば一面において、現在の農地保有者をそのままばっさりやっていいかというところに矛盾を感ずるのでございます。先ほどの議論からすれば、いま足鹿さんが、むしろ固定資産税を農業のままで持っておこうとする者にすらかけるということは非常に暴挙だから慎めという、この矛盾した意見が出てきておるわけです。 そこで、われわれといたしましては、政治はどこまでも現実でなければなりませんので、まず第一に、先ほども実は参議院の建設委員会でもこの問題が出たわけですが、大量の宅地供給の姿勢を政府が考えるべきである。すなわち、いままで首都圏内で相当に、いろいろ民間デペロッパーあるいは公的機関において土地開発をやっても、手の届かないところが相当残っておるはずでございます。それはどういうところかというと、丘陵地帯で、交通機関が整備されていない、水の関係が整備されていないために、とても五十億や六十億投資してもできない、こういう土地が残っておるはずだ。そういうものを調査しています。これは政府全体の協力のもとに大量供給の姿勢を示すということが、いままでの投機的に持っておった土地がそれでダウンするということが一つ。それからもう一つは、いままでは東京都それ自身の再開発に一生懸命やってきたわけでありまするが、これは非常に金がかかります。地下鉄一キロつくるといってもいまは五十五億円ぐらいかかります。路面電車一キロつくるにも十六億もかかっておる。しかもそれで解決されるかというと、ますます過密化が出てくる。こういう状況から見るならば、首都圏にもう少し総合的ないわば産業文化の核を周辺にもう少しつくるべきであろう。そうすれば、そこに吸引されて求心力が緩和されてくる。そういうことで現在宇都宮を中心とするところを百万都市あるいは高崎、前橋を一つのブロックとして百万都市ぐらい、それから現在の水戸から鹿島方面についてのブロックというところに投資をすることによって、そうしてこれが吸引力となりまして、過密化を防ぐ、こういうような総合的なことをやらないと、ただ単に宅地政策だけではできない。それからいまの都市の再開発だけですぐにこれが解決できるというように単純じゃないというようなことで、そうした点をも含めて総合的にこれは意欲的にやらなきゃならないと考えておる次第でございます。
○足鹿覺君 次に新しい問題で、各種の水利権と農業用水と工業用水との関係、これをめぐる慣行水利権等について伺いたいと思います。政府は二月十七日閣議の申し合わせで、総理府審議室を中心に慣行水利権の実態調査を進める方針をきめたと言われます。これは何を目的としたものでありますか。慣行水利権のみでありますか。あるいは伏流水、遊休水利権と発電用水利権、河川法と流水権等々、水に関するすべての問題を対象として、今後いわゆる工業の地方分散あるいは工業用水のあるいは都市の拡大による飲用水の不足対策等に備えようとするものでありますか。伝えるところでは、慣行水利権を中心に審議室が設けられたと聞いておりますがいかがでありますか。
○国務大臣(根本龍太郎君) これは私が発言をいたしまして、こういう調査をすることにしたのでございます。 まず第一にこの慣行水利権は御承知のように、これは非常に古くからおそらく、あんまり多く私も調べていませんけれども、荘園制度が設置されたいわゆる水田耕作が日本の主たる農業形態になったときからこれはできたものだと思われます。これが明治二十九年に河川法を制定するときにあたりまして、その慣行水利権を法律上認めたということがいわゆる現行法における慣行水利権です。けれどもその名前のごとく慣行水利権でありますがゆえにですね、非常に地方によっていろいろの態様が異なっておる。そこで今日のように日本の高度成長した場合においていま御指摘になりましたように、非常に水に対する需要がふえているときに、このままにすればいろいろのトラブルが起こってくる。そこでわれわれとしては、慣行水利権の実態を調査の上、そうしてこれを許可水利権に明定していこうじゃないかということです。 一部では私がこれを提案したというのは、慣行水利権を農民から取り上げるためにやっておるのだという誤解もあるようでございますが、そうではなくして、慣行水利権を河川法上の許可水利権に切りかえてはっきりと明定していこう、そうしてそれを正確にこれを保護すると同時に、一面においては、非常に重要の多くなっておる都市用水とか工業用水その他の水を、今度はいかにしてこの整備の後に総合的にこれを利水の面で活用するかという点をこれは考慮すべきである、また農業につきましても、最近では御承知のように、首都圏、近畿圏等はどんどん数としては減っていくのです。そうして都市用水や工業用水がふえると同時に、農業用水についても、むしろこれは畑地かんがいが必要になってきておる。ところが畑地をやっておる人たちはいままで慣行水利権から遮断されております。そのため本年のように気候が悪く、干ばつが続くと非常に野菜が暴騰してしまう。私は先般も経済企画庁長官と話をして、農林省ともこれから話をしようじゃないか、それはいままで水田の用水路については非常な補助をしておるけれども、畑地かんがいに対する補助助成がないのは、どうも片手落ちのような気がする、これは私の所管ではないけれども、水に関係して私が物価対策から見ても、私は畑地かんがいに対する助成もすべきだというふうなことを発言したこともございまするが、総括して申し上げますれば、内閣に山中長官を長とするところの調査機能はまず慣行水利権の歴史的それからいままでの経緯について調査をする、現実の個々の問題については建設省の河川局が主としてこれはやります。それができた後に、今度は全体の利水計画を今度はこれは総理府になるか、経済企画庁になるか、全体の今度は水の総合開発の点をこれから考えなければならない、そう思っておる次第でございます。
○足鹿覺君 懇切な御答弁で時間を食いまして、もう持ち時間がなくなりました、この水の問題についてはまだ一時間くらいかかってもし切れませんので、別な機会に譲りますが、まず慣行水利権に手をつける、その後に水全体についても調査検討するということでありますが、ただいま申し上げましたように伏流水の問題、発電用水利権と遊休水利権の問題、また河川法と流水権そのものの調査といったようなものとが、やはり大きな問題として提起されております。また大都市周辺における農業水利との調整の問題、これらは非常に重要な問題でございます。いわゆる電力会社が占有しております発電用水あるいはその遊水等につきましても、私はもっと検討してみなければならぬ問題があると思う。いずれ機会を得て十分検討したいと思いますが、要するに私は水の都市あるいは工業用水に必要な部分を回すということは、国土の総合開発の上からこれをはばまんとするものではありませんが、農民の長い間の慣行水利権というものが結ばれるあるいは慣行水利権として届け出てあるものもあるし、ないものもあります。またみなし水利権というようなものもございます。建設大臣は特に秋田の米どころでございますから、十分それらの実情を御調査になりまして、いやしくも農民が慣行水利権を取り上げられるというような形にならないように、十分配慮されんことを期待いたします。 最後に、これは御答弁はなくてもけっこうでありますが、先ほども、この問題は自分で発想したんだ、こういうことであります。さきには米の消費拡大で、玄米パンの推奨もされました。私は、ああいうことは、言い出されたからにはもっと徹底して、閣僚会議でも主張し、そうしてそれが一般に普及していくことを私は期待いたします。特に有力閣僚として、その実力を私どもは期待しておるわけでありますが、自民党の政調会長当時の農工一体論というその構想を進めて、建設相は過密・過疎を同時に解決していこうという雄大な構想であるとも聞いておりますが、なかなかそう簡単にはまいらないと思います。進行のいかんによりましては、かえって離農を促進する一面、兼業が定着するという場面も出てくると思います。また、兼業そのものが増大していくという傾向も出てくると思います。このような面から考えてみまして、慣行水利権の調整という名のもとに、農業用水を工業用水に大量に回す一策として、農民の慣行水利権の規制制限ということをお考えにならないで、あくまでも先ほど述べられた水そのものの実態を深く調査されまして、あやまちなきを期してもらいたいと思います。それでなくとも農民の最近の心境は、労働力不足に悩んで、他産業に中高年層を奪われている。後継者もない。政府は公然と離農促進政策を唱えられておる。農地の転用によって、市街化地域から農民を締め出そうとしておる。また、農業用水そのものもどういう方法で調査をするか、調査地点等も明らかでない関係から、相当自分たちの慣行水利権を取り上げるんではないかという心配をしております。 そういう理不尽なことは私はなさるまいと思いますが、要するに、一連の政府の農業縮小・合理化政策の一環として慣行水利権に手を伸べていくと、こういうことにならないように、農業は農業として、あくまでも一つの産業として、水なくして私は水田の経営はできませんし、また、今後、大臣が指摘されておる——私は、十数年前から畑地かんがいを提唱してまいったものであります。水田を畑地化していく、それに水が必要であるということは言うまでもありませんし、現在の酪農・果樹に対する冬季間の畑地かんがいを行なうことによって、品質・数量ともにいい成績をあげておるということは、もう実例としてあがっております。ただ、政府の補助が足りない。水田本位から完全に脱却しておりませんから、それらに手が伸びておらない。全く私が言わんとするところを大臣みずからも言われたわけでありまするので、十分、その点も施策の上に、農業の経験豊かな建設大臣でありますから、十分に力を発揮していただきまして、農民の反発や強い怒りを受けられないように、今後対処されんことを期待をし、そのことだけを申し上げまして、私の持ち時間が少し超過いたしましたので、これできょうは質問を打ち切ります。失礼いたしました。
○国務大臣(根本龍太郎君) 簡単に、答弁要らないようでありますが、申し上げます。 足鹿さんも、二十数年来、農業関係をお互いにやった間柄でありますからおわかりをいただけると思いますが、私のほうはあなたのほうよりももっと水田中心地です。今度の選挙にあたりましても、だいぶ私も心配したが、よく農民諸君が理解したためにまた出てきたわけであります。私が申し上げるのは、ただ単に農業の水田が今度大転換の機であるから、ただ米の値段を上げろとか、減反してはいけないという、それだけではたして農業が維持できるかというと、これはできないわけであります。だからこれは勇敢に転換しなければいかぬ、そのためにわれわれが苦心していわゆる総合政策をやっているわけでありますけれども、たとえば建設省としては、従来でありますれば道路等は国道あるいは地方道、あるいは市町村道と、みんな予算をはりつけております。それを今度は、いわゆる営農団地が設定される、あるいは農工一体の立場から工業団地が出てくる、そういうような場合には、もう市町村道であろうとも、これについては公共事業で道路を整備してやる、あるいは過密・過疎をなくするために生活圏構想で一つの過密都市を中心として道路のネットワークをつくってやる、こういうようなことをいたしましてきめこまかな配慮をしてやっていくつもりでございます。 それから水利権の問題も、いままでの慣行水利権というものは非常に実は錯綜しております。私のほうでは一万数千町歩にわたっていま土地の再開発を国営でやろうとしております。いままでは同じところの農地が、もう二本、三本の水系から水をもらうために、水利権があるために、一面において非常に水利負担が多過ぎる、それをも体系的にやるとこれが整理される、そういうふうに慣行水利権を調査するということが、すぐに水利権を奪うということではなくて、むしろ保護して、そうして整備して許可水利権にしてやる。同時にまた、さっき言ったように、畑地かんがい等も、これはやっぱり水利権はいってないわけです、畑地には。けれどもそこにはやはりこれは配分してやるべきだ、許可水利権として認定してやるというようなことをやらなきゃならぬということを含めてやっているのでございまして、御心配をかけるような発想ではございませんことを申し上げて終わります。 〔副主査退席、主査着席〕 —————————————
○主査(足鹿覺君) 分科担当委員の異動について報告いたします。 本日、鈴木強君が委員を辞任され、その補欠として鶴園哲夫君が委員に選任されました。 また、予算委員の異動に伴い鈴木一弘君が本分科委員の補欠に選任されました。 —————————————
○木村睦男君 私は、本州・四国連絡橋についてお尋ねをいたしたいと思います。時間が非常に短くございますので、きわめて項目少ないわけでありますがお尋ねしたいと思います。 その前に一言お礼を申し上げたいのですが、この架橋のルートの一つでございます児島−坂出のルートにつきまして、関係各県の出身の国会議員でこの促進議員団をつくっておりまして、私、その副会長としていままでたびたび建設省はじめ関係各省、公団等に御質問を申し上げ、また詳細に調査の結果等を報告を願いまして、ようやく今国会にわれわれが待望しておりますこの架橋公団法が提出になり、予算も十三億五千万円でございますが、つくという段取りになりましたことにつきまして、ややわれわれにしてみれば時期多少遅き感はございましたけれども、たいへんな御努力をいただきましたことを厚く感謝申し上げる次第であります。 ところでお聞きしたい点でございますが、先ほども申し上げましたように、本州−四国の架橋については前々から幾多のルートがあったわけです。その中で、最終的には三つのルート、つまり明石−鳴戸、児島−坂出、尾道−今治、この三ルートについて架橋を建設するという方針を政府はきめられたわけでございます。そうしてこの完成の時期を昭和六十年というふうに予定されておるやに聞いておりますが、そのとおりでございましょうか。
○国務大臣(根本龍太郎君) 大体それを目標としてやるつもりでございます。
○木村睦男君 そういたしますと、六十年までにこの三ルートをやるもくろみで、これから計画されるわけでありますが、すでにいままで相当の調査もやっておられますが、それから今後このルートを三ルートとも完成するのには相当な工費がかかると思いますが、この調査費を含めまして、全部完成するに必要な全工費と申しますか、大体どの程度というもくろみでございましょうか。
○政府委員(蓑輪健二郎君) このルートについては先生御承知のように、いままで相当鉄道、道路両方で調査をしてまいりました。建設省においては、いままで大体三十億くらいの調査費を使っております。鉄道におきましてもこれも二十六億の調査費を使い、四十五年の十三億五千万、これは今後の実施調査の費用が入っておりますが、それを含みまして、われわれのいま考えております各ルートの建設費でございますが、これはAルートにつきまして、道路橋の場合が二千五百十一億円、併用橋の場合が三千七百二十八億円、Dルートにつきましては道路橋の場合が千八百三十三億円、併用橋については二千五百五十一億円、Eルート、尾道−今治につきましては、道路橋を一般国道規格の四車線にいたしまして、千四百七十八億円ということになっております。この中で併用橋といいますのは、これは新幹線を含みませんで、在来線の併用橋で一応計算いたしております。昭和四十二年にいろいろ計算をいたしまして、四十三年の二月に発表した数字でございまして、その後単価の上昇その他は織り込んでいないものでございます。
○木村睦男君 そこで昭和四十五年度の公団予算として十三億五千万計上されてあるわけでございますが、この財源捻出の方法として、政府出資が二億、地方公共団体の出資が二億、財政投融資が七億、民間資金が二億五千万、こういう配分になっておるわけでございますが、この資金の調達なかなか問題でございますが、この割合ですね、こういうふうな割合に一応まとめられたというのには何か理由といいますか、こういう事情でこういうふうにしたのだというふうなことがありましたらお教えいただきたいと思います。
○政府委員(蓑輪健二郎君) 四十五年度につきましては、いま先生おっしゃいました資金の内容でございますが、これは実は四十五年だけの暫定的なものでございます。私たちやはり将来の調査段階はどうするか、建設が本格化した段階ではどうするか、この点、このときになりますと、政府の出資はどのくらいにするか、地方の公共団体の出資もどのくらいにするか、民間の借り入れ金をどのくらいにするかということになりますと、やはり相当これはよく関係地方公共団体と協議をしていかなきゃならないと思います。ただ一方的に、地方公共団体の出資幾らと押しつけることもできませんので、それは実は公団発足したあと、よく関係公共団体で協議してきめていこうという考えでございます。ただ四十五年度予算につきましては、そういうような協議をする時間もございませんので、とりあえず四十五年はこういう資金の内容にしておる次第でございます。
○木村睦男君 そうしますというと、私ちょっとお聞きしたかったのは、その六十年まで全部完成するための総工費全体をながめたときの政府出資あるいは地方公共団体の出資あるいは財投というものの比率が、四十五年度のこの比率を大体モデルにして、こういう割合で将来ともいくのかどうかという点が一つ疑問だったわけですが、それはいまの御説明で、四十五年度は一応暫定的にこう考えたので、今後は関係各方面と十分相談をしながらやっていくということで、これはそのモデルになるということはないというのでわかったわけですが、そのとおりですね。
○政府委員(蓑輪健二郎君) そのとおりでございます。
○木村睦男君 そうしますと、次に今度はその四十五年度の十三億五千万円についてちょっとお尋ねしたいのですが、この地方公共団体の出資二億とございますが、これは関係する府県は、聞くところによりますると市も入っておるようでございますが、この関係県あるいは市に対する二億の配分についての何か案かあるいはもくろみがありましたらお示しいただきたいと思います。
○政府委員(蓑輪健二郎君) 実は関係いたします地方公共団体で、出資をする地方公共団体でございますが、これは法律案では政令できめるようになっております。まだ私たちどこの地方公共団体を出資団体としてきめるかまだ検討しておる次第でございます。一つの案といたしまして、やはり四国四県及び中国側は兵庫県、岡山県、広島県それに神戸市——これはちょうど橋のかかるところにございますので神戸市を入れまして、そのほかに大阪市、大阪府のような受益県をどうするかがこれからの問題になろうかと考えております。それからそれではそのうちでどういうふうにこの二億を分けるのだということでございますが、これはやはりその出資をいたします地方公共団体とよく相談して配分をきめることになると思いますが。ことし四十五年度に使われるものについては、各ルート非常に共通的なものが多いと思います。技術開発にいたしましても共通的な技術開発が非常に多いこともございまして、この出資の二億につきましては、これは一つの考えでございますが、やはり各ルートの建設費に分けるのではなくて、やはりルート三本に全部同じ割合で分けるのか、また出資公共団体に全部同じ割合で分けるのか、その辺はこれから関係公共団体とお話してきめてまいりたいと思います。
○木村睦男君 この間、衆議院を通りまして参議院に送付になりましたこの法案の附則の八条それから六条等を読んでみますというと、この公団ができるまで道路公団あるいは鉄道建設公団で、この架橋のために使った調査費は、これは新しくできる架橋公団が支払うことになっておるということになっております。またこの現在の二つの公団の継続調査費の四十五年度以降の分はこれは繰り越し額として、新しくできる公団に継承されることになるように書いてあるわけでございますが、いままでの既存の二つの公団が使った調査費の支払いの方法なりあるいは支払い期間というものはどうなるか。それから継続調査費で新公団に継承されるものは、これは四十五年度の十三億五千万円という一応国会に提出になっております新公団の四十五年度予算にプラスして四十五年度の新公団の使う予算というものがふえる、こう考えてよろしいものであるかどうか。
○政府委員(蓑輪健二郎君) 十三億五千万はこれは新公団の資金でございまして、このほかに新公団がいまのところまあ早く発足しても七月ぐらいかと思いますが、その間のいろいろ道路公団なり鉄建公団が昨年以来やっております継続的な調査費につきましては、道路公団については財政投融資で六億、鉄道建設公団については五億の調査費がついております。これにつきましては、その支払い債務その他を新公団のほうに引き受けようという趣旨でございます。
○木村睦男君 継続された調査費は四十五年の中でふくらむかどうか、それはどうですか。
○政府委員(蓑輪健二郎君) 結局、いま言いました道路公団についております六億の調査費というのは、そのまま一部が道路公団で七月ぐらいまでに契約をし、支払いをするものが出てくると思います。その残余のものは、全部新公団に引き継ぐということでございます。
○木村睦男君 時間がありませんので、次に参りますが、大臣にちょっとお尋ねしたいと思いますが、最初この三ルートにつきまして政府の決定したところによると、同時着工という表現を用いてあるわけです。これについていろいろ疑問の点がございますので教えていただきたいと思うのですが、いままですでに調査に着手し、しかも、三ルートとも調査そのものの完了の時期がおのずからみな違うわけでございます。そういう現状に照らして、同時着工という意味は、調査とは別で、いよいよ工事に着工するときに同じ年度といいますか、同じ時点で着工するという意味なんでございますか。どういう意味であるか、説明してもらいたい。
○国務大臣(根本龍太郎君) これは、御承知のように、他の公共事業でも、実施設計に入った場合がまあおおむね着工と普通言っておるわけでございます。三ルート同時着工というのは、この架橋は、理論的には一応可能だと言っておりますけれども、これを現実に工事をする場合には、技術開発が非常にむずかしいものがございます。それからその技術開発を受けて、今度は機械その他の設備の開発もしなければならない。それから一方においては、実施設計をするための調査に入るわけでございます。その意味において、実施設計に入ることを同時着工と、こういうふうに申し上げているわけでございます。現実に今度は工事そのものに行くときには、同時にやるつもりでやっておりましても、あとで御質問があるかもしれませんが、いままで衆参両院で建設委員会で非常に問題になりましたのは、漁業補償の問題、それから航行安全のための諸施設の施策、それから橋を取りつける場所の用地の取得の問題、あるいはずっと一貫して四国まで行く間の今度は国道にするための用地の買収と、これが非常に難易があります。したがいまして、これらの条件を具備したものをわれわれは地元の受け入れ態勢と、こう称しているのでありますが、それがまた現実の着工の場合の大きな要素になる。その難易によって、物理学的時間からすれば必ずしも完全には一致しないかもしれない、こういうふうに見ておる次第でございます。
○木村睦男君 ただいまの大臣のお話の、実施設計に入るときを着工と見て、その着工は同時にやるのだというお話でございますが、私も技術のことはよくわからぬのですが、現在その既存の公団がそれぞれ調査をやっておりますが、これはつまり実施設計の前の段階の調査だろうと思うわけですが、そうしますと、実施段階前の現在やっている調査そのものが、三ルートともまちまちに完了すると考えられるわけですが、そうすると、その調査が完了した次が実施設計ということになりますというと、早く調査の終わったところも、一番あとまで調査を続けているのが終わるまでは、その間は実施設計は同時にやるということであれば待っておる、一番おくれるのが終わるまで待っておるということにもなるようにも考えられますが、その点はいかがですか。
○政府委員(蓑輪健二郎君) この辺は、まあ実施調査でございますから、実施設計ができたらそれではすぐにやるのかやらないのか、また、三ルートとも非常にむずかしい問題がございますけれども、技術的な難易度につきましてはやはり東のほうがむずかしいというようなことは常識的なことだと思います。そういたしますと、技術調査と実施調査を始めても、同時に始めたのだから同時に三本が終わるというものではないと思います。そうなりますと、いま先生の御質問のように、早く終わったところはどうするのだ、あとが終わるまで待っているのかということになると思います。それは、その工事を実施するという点になりますと、昭和六十年までに三本完成するという前提目標をもってやっておりますが、その中で資金の配分の問題、それから先ほどから大臣の言われておる幾ら資金があっても地元とのいろいろな用地の交渉、船舶の航行の問題、また、漁業の問題が解決しなければ、いつまでたっても施行できないということで、実施設計をまずやって、その間にそういうような地元の受け入れ態勢の問題、また、工事費の調達の問題、三ルートの技術的な問題が解決したあとの経済効果の問題、そういうものを勘案して資金の中で着工していくということになろうと思います。
○木村睦男君 そうしますというと、同時着工という意味は、まあ三本のルートがきまるまでにいろいろな政治的な問題があったわけでございますので、やむを得ず同時着工ということで一応方針をきめられたと思うわけなんで、いまお話を承っておるというと、実施設計そのものも事実上はそろって始めそろって終わるということもあり得ないし、それから実施設計ができてからいざ着工という段階に入るときも、航行安全、あるいは漁業補償、いろいろいまお話しになったような問題がそれぞれのルートでみな違うのが普通でございますから、実際の着工も軌を一にしてやるということはなかなか困難である。したがって、ほんとうは、そういうふうな段取りがそれぞれ順調にずっとその速度を別に妨害することなしに早く進んだものは早く手をつけていくというふうに考えて別に差しつかえないわけでございますね。
○国務大臣(根本龍太郎君) 大局的に申し上げれば、そうなるわけです。ただ、私のほうで同時着工というのは、政府が同時にやるということを言っているものでございます。それで、このルートはしばらく待てというようなことはありませんということです。従来の調査で一応のあれは出ていますけれども、繰り返すようでございますが、現実にこれをやるという場合における機械設備開発がまだできていないのです。これをまずやらないと、いままではいわば観念論——少し言い過ぎかもしれませんが、観念論みたいなもので、たとえば東大の宇宙衛星、これはすでに十年前から可能であるということをはっきり理論づけられております。そうして、これは可能だといってやって、五たびでようやくできた、こういうことなんです。しかも、今度の道路たるや、非常にむずかし条件が累積しております。海底の条件、それから海流の速度、台風、地震、それに航行の安全、こういうものが全部累積しているところでございますから、理論的に可能だからといってあわててやって、途中でこれがいろいろの問題にぶつかって、そこでまた技術的な検討を始めるなどといったら、この膨大な資金が抜けてしまう。それからまた、今度は、もし事故が起こった場合にはたいへんな問題になりまするので、やはりちゃんともう総合的な技術開発ができて、はじめてその段階でこれは着手する、こういうようなことになるわけでございます。それと同時に、先ほど申し上げたように、航行の安全とか、漁業補償、それから取りつけ道路の買収、先行投資にこれがないと、いくら技術開発をやってもできない。そこで、地元の受け入れ態勢をしてもらう。そうすれば、おのずからそこに条件が整備されるところと整備されないところが出てきますから、そこで同時設計に入っても、実質的には時間的な差が出てくるのはこれはやむを得ない。ただ、政治的にこっちを先にしてこっちをあとにするというふうな意識的な措置はしないと、こういう意味でございます。
○木村睦男君 よくわかりました。そこで、いまもちょっとお話の中に出たのですが、地元の協力あるいは民間の協力といいますか、この問題は、各ルートともそうであろうと思いますが、非常に心配をしておるわけでございます。あるいは、早くやってやるからおまえのほうはうんと協力しろ、協力しないところはあと回しだぞというふうに言われやしないか。また、それを利用して非常に重い負担を負っかぶせてやらざるを得ないようにしてはせぬかということを心配しておる向きもだいぶあるようでございますが、いまのお話によりますと、民間協力というものが事実上はやはり着工の時期その他にきわめて重大な関係があるというふうに理解されるわけでございますが、そういうようにお考えでございますか。
○国務大臣(根本龍太郎君) そのとおりでございまして、それには、さらに、先ほど道路局長も言いましたように、民間資金の協力の問題もその一つのファクターになるということでございます。
○木村睦男君 それから各ルートの橋につきまして、単独橋、道路専用の橋と、鉄道併用と、法律の上ではいずれもできるようになっております。しかも、さっきの自動車局長の予算の御説明のときにも、単独橋の場合はどうだ、併用橋のときはこうだという御説明があったのですが、単独橋にするか併用橋にするかという問題はどういう段階で各ルートともきまるようになるわけでございましょうか。いまの調査と、それから実施設計、実施設計は当然入ると思いますが、時点としてはどの辺でこれはきまることになっておるのでございましょうか。
○政府委員(蓑輪健二郎君) 実は、鉄道をどこのルートに乗せるか、また、鉄道の乗せ方が在来線にするのか新幹線にするのかというのは、いま運輸省には鉄道建設審議会もございますし、やはりそういうものの議決を経てこないとはっきりしたことはきまらないというように考えております。
○木村睦男君 これは、たとえば鉄道併用橋の場合ですね、鉄道が在来の狭軌の鉄道であるかあるいは新幹線のような広軌の鉄道になるかというようなことによって判断に影響があるものですか、どんなものでしょうか。
○政府委員(蓑輪健二郎君) これは、在来の鉄道だと、貨物を通すということ、これがまあ橋の荷重に対しては一番最悪の条件になりますので、技術的にはそういうようなものが対象になって実施の設計を進めていくわけでございます。いま言いましたように、鉄道は鉄道としての日本中新幹線のネットワークの構想もございますし、やはりそういう構想の中でこれをきめていくことになろうというふうに道路側は考えておる次第でございます。
○木村睦男君 時間がなくなりましたが、先般の衆議院の運輸委員会で、大臣の御答弁の中で、地方道路公社のようなものによる建設の方式というものがある、それは、島と島とをつなぐようなものはこういったものにやらしてはどうかという御発言があったように聞いておりますが、この問題といまの三つのルートとの関連性はどういうふうなお気持ちでお考えになっての御発言でございましたか、お尋ねしたいと思います。
○国務大臣(根本龍太郎君) これは質問に対して答えたのでございまして、ある議員から、地方道路公社法でやり得るとも思われるし、そういうときにやらせるかというような御質問でございました。これは、実は、ある関係の地元の知事さんからも、私的に——公的か私的かその辺はよくわかりませんが、私に、早く開発して、しかもその開発利益を地方開発と連携させていくためには、地元資金で全面的にやりたいという申し出のあったことも事実です。たぶんそういう背景のもとに質問されたと思います。ただし、御承知のように、地方道路公社法の構想は、一貫した国道を全面的にそれにやらせるというたてまえではないのです。原則としてこれは地方道を開発することが主体で、その中に国道を含んでも差しつかえないというやり方でございます。したがって、初めから一ルートを全部公社法でやらせるということには、若干法律上も疑義があると思います。しかし、島々をこう通って一つずつやっていくのだ、結局結んだというようなやり方でなし得ることもまた事実だと思いますから、そうした場合にはこれにやらせるかという意味の質問と受け取りまして、そういう場合には、条件が整っていますれば、地方道路公社法でやり得る条件と、それから資金その他の条件が整っておりますれば、それはやらしてもいいと思う、こういうふうに答弁いたした次第でございます。
○木村睦男君 もう時間がなくなりましたので、この辺で終わりますが、われわれとしまして御要望したい点は、戦後日本の国土が非常に狭くなり、しかも、四つの島を有機的に結合して、そして一つの陸地として一体化したいということで、すでに九州とはつながっておりますし、北海道も海底トンネルが掘られつつある、四国が一番おくれておったわけでございますが、このたび三ルートをやろうということで政府方針をきめていただいた、また、それに必要な予算、あるいは法案も提出いただくことについては、非常にわれわれも期待いたしておるわけであります。しかも、大体の目標を、道路の長期計画に合わせまして、昭和六十年をめどにやるのだということは非常にけっこうでございますが、この三ルートとも相当な経費がかかることは、先ほどお聞きしたとおりでございます。したがいまして、初年度三ルート同時にやって同時に完成することは一番いいことなんですけれども、そうそう日本の財政力も余裕があるとも考えられませんので、それぞれのルートについて、技術的に、あるいは経費の面において、あるいは工事の方法において、あるいは航行の安全、あるいは漁業補償等、それらの問題解決のいろいろな要素があるわけですが、そういう問題が極力早く解決するように地元も協力いたしますので、そういう問題が解決するところから次々と手を打ち着工していただく、そうして、無理のないように、画一的にならぬように、できるだけ一つでも早くこの橋の完成が実現いたしますことを私は特に要望いたしまして、質問を終わる次第でございます。
○鶴園哲夫君 私は、シラス対策についてお伺いをしたいわけです。 これは、去年の六月から七月にかけまして集中豪雨があって、九州はじめ、特に九州にたいへんな災害を招いたわけでございます。その中でも、特に鹿児島と宮崎の一部のシラス地帯にたいへんな死傷者、あるいは住宅が没する、土砂が流入するというようなたいへんな被害を出しまして、その直後に参議院の災害対策特別委員会で論議された。さらに、参議院のほうから災害の視察団が出まして、帰りましてからまた特別委員会が開かれて、その際にも熱心な論議になったのですが、シラスという特殊土壌がもたらす災害について非常に論議を行なったわけなんです。そのときに、政府としましても、シラスという特殊土壌についてやはり対策を進めたい、検討したい、こういうお話だったのです。そこで、どういうふうに検討を進められていらっしゃるのか、そういう点についてこれから若干お伺いをしたいと思います。なお、地元の鹿児島県では、シラス対策の特殊立法が必要だということを昨年末あたりから訴えているわけなんです。この問題についても意見を伺いたいと思っています。 まず、第一点は、四十五年度の予算で、シラスに対してどういう措置をしていらっしゃるのか。去年私が伺ったときは、二十万円程度の金で九州地建でシラスについての土壌の研究みたいなことをしていらっしゃるという話を記憶しているのですが、四十五年度予算でどういうような対策なりあるいは検討を行なわれているのか、お伺いいたします。
○国務大臣(根本龍太郎君) 御指摘のように、私もかつて農林を担当しておった当時から、シラス土壌というのは特殊土壌中の特殊土壌といってもいいほどの非常に難問題の土壌でございます。私はよく話したのですが、天孫民族は本来米作民族だった。それが、伝説によると、あそこから逃げてきたというのは、シラス地帯だったために、水田耕作ができないために瀬戸内海から大和に入ってきたのだというくらい私も申したことがあるほどでございます。 ところで、この宮崎、鹿児島におけるシラス地帯の対策については、昭和四十四年で緊急砂防事業費として約一億三千万円、これでダム、土留工を十一カ所やっております。それから緊急急傾斜地崩壊防止工事関係については、緊急事業費で約三千百万円をもって擁壁工五カ所をつくっておる。また、宅地造成等規制関係につきましては、宅地造成規制区域千二百二十一ヘクタールを数カ所指定いたしまして、宅地造成に伴う災害防止をはかることにいたしておるわけでございます。なお、四十五年度におきましては、砂防事業費として約九億七千万円を計上し、さらに急傾斜地崩壊対策事業費として約五千六百万円を予定をしておるわけでございます。 いま鶴園さんの御指摘になりました地すべり対策のシラス研究費として若干の経費を例年つけておりますが、これは非常に金額が少ないということは御指摘のとおりでございますけれども、私が任についたときに、ほとんどこれが事務的に固まってしまったあとでございます。来年度については、若干これについては研究費を増強しなければならぬだろうと考えておる次第でございます。
○鶴園哲夫君 宅地としてのシラス、これは昨年の災害の場合も若干の論議になったのですが、あまり金をかけてシラス地帯における宅地をつくることはどうかというような話もありました。ですが、どうしても、鹿児島の場合は、シラスの台地あるいはシラスの丘陵地以外にないわけですね。特に鹿児島市は、県全体は過疎地帯になりつつありますけれども、市は年々人口が膨張してまいりまして、そのために宅地の造成が急がれており、県なり鹿児島市がそれぞれ金を出し合いまして開発公社をつくって、非常に大規模な宅地造成を丘陵地帯あるいは台地に行なっているわけです。ところが、これが一たび雨が降りますと、たいへんな被害を起こす。そういうものに対してどうも自治体——県なり市なりに負担させるにはむずかしい、困難な面がある。ですから、農地なり河川なりこういうものに対しては特土法によりましていろいろ公共事業費として国の費用を出してやっているわけなんです。それから人間が住む宅地の宅地造成についても、やはりそういった公共事業費による援助が必要だというふうに私は思うわけです。県が昨年から宅地のシラス地帯について特殊立法の必要性を訴えているのも、そういうことだと思うのです。シラス地帯でないところに宅地がどんどんできるということであればいいのですけれども、御承知のとおり、鹿児島は、ほとんどシラスでおおわれている。そして、まずまず個人が安泰だと思うところはすでに家が建っている。これから膨張しようとすれば、どうしてもシラスの台地か丘陵地帯につくらなければならないという特殊な条件にあるわけですね。ですから、私は、いまございます急傾斜地の崩壊による災害の防止に関する法律、あるいは建築基準法、都市計画法に基づきます特殊土壌地帯の宅地の規制の問題、あるいは宅地等の規制法だとか、いまもありますこういう宅地の災害防止についての条項を見てみましても、シラス地方についてはどうも当てはまらないように思いますし、何か特殊な立法が必要ではないかと思うわけなんです。ついこの間の十一日の東京の新聞でも、鹿児島市にまたシラスの崩壊が出たと報道されておりましたですが、県と市がやっております原良団地が、去年もたいへんな災害を起こしたわけなんですが、今度また十七日の豪雨で百十ミリくらい雨が降りまして、去年と同じように土砂が出まして、そしてたいへんな騒ぎになったのですね。ですから、どうも地方自治体にこの問題を負担させるのは非常にむずかしい、困難な面があるのじゃないかと思うのです。ですから、大規模の十ヘクタール以上のような宅地を造成する、これは事業体としては、県とか市とか公共団体、あるいは県なり市が出資している開発公社、こういうものがやる場合に、やはりシラス対策というものを十分講じなければいけないという面がありますから、また、五ヘクタール程度の小規模のものでありましても、その宅地の造成地から川までの排水路というものを完備しませんと、どうしても土砂が流れましてこれが宅地の中に流入してくる、いわば道の両側の人たちは徹夜で土のうを道の両側に築いていかなければ家の中へ土砂が入ってくる、たたみに入り込むというようなことを繰り返しているわけですね。あるいは、排水路をよくして改良していかなければならぬというような、どうしても工事をしなければ宅地造成ができないという状況にあるわけですから、いまの法律ではなかなかそういう面の配慮ができないように思いますから、検討していただきたいというふうに思うんですけれども、大臣の御意見を承りたいと思います。
○国務大臣(根本龍太郎君) これは私もよく状況を聞いて心配しておるところでございますが、特別立法をするということは非常にむずかしいようでございます。これは関係する省庁がたくさんございまして、ずいぶん前から特別立法をすべきだという意見等があったようでありますが、これはなかなか合意に達し得ないような状況で今日に及んでいるようであります。そこで、今日までの宅地造成規制法とか、あるいは砂防法、地すべり防止法、あるいは森林法、急傾斜地の崩壊による災害防止に関する法律とか、いろいろな法律を総合的に運用しているはずでございますが、なかなかその網の目が大きいというか、あるいは全然それに引っかからなかったりして、実質上困難を来たしているということで苦慮しているところでございますが、立法措置よりも、現実にそこに現在までの法律を十分に連携をとりながら、いま御指摘になりましたように、河川法上の助成、あるいは砂防法関係の助成等、綿密に連携をとっていまやらざるを得ないところにございますが、一応今日までとってきたことについては、特に宅地造成との関係については計画局長から一応御説明いたさせます。
○政府委員(川島博君) 原良団地の件につきましては昨年の災害で付近の住民の方にたいへん御迷惑をかけたことは、たいへん申しわけなかったと思います。 今月の十日からあの地方にやはり連続豪雨がございまして、百五十ミリ雨が降ったようでございますが、特に十日の夜の零時から三時までの間にはわずか三時間で七十三ミリという降雨がございまして、付近の民家に約四十戸近い床上または床下浸水をもたらしたわけでございます。今回の浸水につきましては、県に報告を求めましたところ、昨年の災害にかんがみまして、昨年の危険個所は全部手当てをいたしまして、今回の報告によりましても、昨年の破壊個所は今回は全部完全に機能を果たしておったようでございます。報告によりますと、原良町は床上二戸、庭先五戸、計七戸の浸水がございますが、これは排水が不良ではございませんで、道路の側溝に大きなポリバケツが詰まっておってこれが流水をふさぎまして隘水をした、こういう報告になっております。永吉町のほうは、床上七戸、床下二十戸、庭先二十六戸程度浸水いたしております。これにつきましては、現在、団地内の幹線道路を築造し、その幹線道路に沿って排水溝をやっておりますが、その排水溝が未完成でございますので、暫定的に隣接の鹿児島実業高校のグランド、これに盛り土をいたしまして、隘水を防ぐためにそういう応急工事をやっておったようでございますが、これがくずれまして既存の道路沿いの民家に流入したという状況のようでございます。したがいまして、この幹線道路並びにそれに付置されております排水溝の工事を完成いたしておりますれば、今回のような浸水を見ることはなかったということで、応急対策といたしまして、土砂の搬出とかあるいは浸水家屋に対する救援は当然いたしたわけでございますが、そのほかに、この幹線道路並びに排水路の完成を急ぐように県のほうからも指示をいたしまして、これは県の建設業協会にも協力を依頼いたしましたところ御快諾を得たようでございまして、この工事を急ぐことによって今後はこの浸水被害を完全になくすという努力をいたしたいと思っております。
○鶴園哲夫君 いまお話がありましたが、私は、鹿児島の「南日本新聞」、これは鹿児島の新聞なんですが、それを見まして、いまお話しのようなことに受け取れない点もたくさんあるのですけれども、原良団地では、もう昨年六月の水害と全く同じ状態を再現した、原良町の本通りは土砂があふれ出してたいへんだ、徹夜で土のうを築いたというふうに書いてありまして、そのほかにちょっと違うような感じがするのですが、それは別にいたしまして、河川なり道路なりそれから農地なりというものに対しまして、公共事業費で特土法においてやっておりますですね。シラス地帯の宅地について、公共事業費といいますか、特土法といいますか、こういうものを適用して国が若干の補助を出すことによって、大きな宅地造成についての安全をはかる、あるいは災害を防止するということができないものかどうか。いろいろいま大臣のほうからも話がございまして、幾つかの宅地関係の災害についての法律をいろいろ適用しておる、しかしなかなか網の目に入らぬようなものもあるというお話ですけれども、私が見ますと、現地から見ますと、どうも入らないという気がするわけですけれどもね。
○政府委員(川島博君) 公共土木災害でございますれば、当然国庫補助の対象になるわけでございますが、宅造工事に関しましては、これはがけが自然にくずれたというのではございませんで、やはり人工を加えたためにいわば災害が発生する。つまり、いわば天災ではなくて、原因をさかのぼればやはり人災だろうと思います。したがいまして、単に住宅供給公社の宅造事業ばかりではなく、公共団体等の行ないますもの、あるいは住宅公団等の公共機関が行ないます宅造工事についても、実際国は補助は一切いたしていないわけでございます。ただ、公共的な宅造工事については、現在県あるいは供給公社に対しましては住宅金融公庫から比較的低利資金の、七分五厘でございますが、資金の融通の道が開かれております。また、災害の防除工事等についても、同じく公庫から融資をしておるわけでありますが、公共土木災害のように国庫補助という形で国家資金を流すということは、どうも工事の性格上至難ではないかというふうに考えております。
○鶴園哲夫君 それで、いまおっしゃるように、山を切り開いた、あるいはシラス台地を切り開いたということが直接の原因だと。確かに、切り開くということ、あるいは台地を造成するということによって災害が起こる。しかし、それは、シラスという特殊な土壌のために発生するところが非常に大きい。じゃそういうところを宅地造成しなければいいじゃないかということになるのですが、これは、御承知のとおり、なかなかそういうわけにいかない。どうしてもシラスの台地なり丘陵地を宅地にせざるを得ない。しかし、それをするには、いま言ったシラスという問題で特殊な土壌のために、大きな雨があれば崩壊をする。非常な被害をその宅地造成地に与えるだけじゃなくて、その周辺の河川が詰まって排水が詰まってしまう、普通の民家の中に土砂が流れ込んでしまうという、普通の土壌では想像もできないような被害を広範囲に与えるという実情なわけですね。それじゃ、それを自治体なり市なりに負担をさせるということになりますと、これまたなかなかむずかしい点があるのではないか。だから、そういう意味で、国がある程度の補助をしてやったらどうかということを私は申し上げておるわけです。で、特土法によりまして、先ほど来申し上げておりますように、農地だって、そこを畑にしなければ、たんぼにしなければ、災害は起きないわけです。シラスの上に畑ができているということになりますと、これは雨が降ればそれだけで済まないということで、それに対する国庫補助によりましでやっているわけですね。それ以上に私はシラスの宅地造成は問題があると思うのですけれども、これはぜひ検討してもらいたいと私は思っているわけです。
○政府委員(川島博君) お話でございますけれども、確かに、農地の場合は、全くの自然状態でやるのじゃなくて、土地改良その他で補助を施すことができるわけでございますけれども、農地は生産施設でございます。農業になくてはかなわぬ施設でございますし、造成宅地は、開発はなるほど県なり公社なりという公的団体あるいは半官半民の団体がやるわけでございますけれども、最終的にはこれは分譲という形で個人の財産になるわけでございます。そういう最終的に個人に売り渡すいわば商品でございますので、そういった商品の製造について政府が補助金を出すということは、現行の財政制度のもとでは困難じゃないかと思います。
○国務大臣(根本龍太郎君) 事務当局が言ったとおりですけれども、やっぱり私もこれは何らかの措置を考えなければならぬと実は思っているのです。ただ、これは、すぐに特殊立法でやるというのはなかなかむずかしいから、私はこれは大蔵省と政治的折衝をしてみようと思っております。何らかこれはやらないと、いままでの立法例からいってできないからといって答弁しただけでは、あそこの人は気の毒だと思うのです。実は、十二年前、例の諫早の大災害が起こったときに、熊本、鹿児島、あそこあたりやっぱり同じようにシラス地帯がやられておるのです。そのときも非常に私は気の毒だと思っておりましたが、いまのような状況では、これは答弁はまあ理屈をつけて答弁しているけれども、心情としては私はまことに忍びなきものがあります。したがいまして、いまここでどうするということははっきり私のいまの責任では言えませんけれども、いまあなたが御指摘になったように、これは何らかの形において補助をする。建設省でこれやるのがしかるべきか、あるいはいまの地方自治体がやるものについては特別なる交付税の配分とかなんとかで特別に見るとか、何らかの方法がありはしないかというような感じもするのでございます。あるいはまた、公営企業体とかなんとか必ずあるだろうと思いますから、それに対する特別融資を認めるか、何かの形でやらないと、非常に気の毒だと思いますので、その点は十分に関係の方面とも連絡をして、できるだけ御趣旨に沿うように努力したいと思います。
○鶴園哲夫君 ぜひそういうふうに御努力をお願いしたいと思います。 それから先ほど、宅地は財産になり譲り渡すのだというお話がありましたけれども、これは水田でも畑でも財産で譲り渡すわけですね。だから、どの程度公共性があるかということですから、ぜひ、大臣、先ほどの答弁のように御努力を要望しまして、終わります。
○中村喜四郎君 私は筑波研究学園都市に問題をしぼって、この学園都市建設に関する問題点を大臣にお尋ねしたいと思います。 まず、第一に、研究学園都市の主務官庁はどこであるかということをお伺いしたい。
○国務大臣(根本龍太郎君) これは、御承知のように、用地とそれから公共事業については建設大臣、それから宿舎については大蔵大臣が主管でございます。それから移転する機関は、それぞれの行政官庁の長官がなっておる、こういうことでございます。ただし、全体としてこれを連絡調整しながら推進する役は、建設大臣が総理大臣から特命を受けて推進する役目を与えられておる、こういう状況でございます。
○中村喜四郎君 そうすると、法律根拠ということではなく、各主管する仕事とそれらを連絡調整するために総理大臣から特命を帯びて連絡調整をやる、さらにこれを推進するという役、あるいはおくれている場合に勧告するというその職務権限も与えられておるわけですか。
○国務大臣(根本龍太郎君) たぶんそうだと思います。
○中村喜四郎君 そうですか。そこで、特命を帯びている立場の建設大臣、推進本部長としての建設大臣に、いまの学園都市の用地買収の実態とか、あるいは建設状況等については大体おわかりでございましょうか。
○国務大臣(根本龍太郎君) 大体承知しております。たとえば、ここに用地全体として五百八十万坪のうちで、五百二十万坪九一%はすでに買収済みでございます。あとのほうも手配しております。それから今日まで、昭和三十九年から四十四年までに百七十億ほどの費用をもって進めてきておりまして、本年は六十七億円の予算をもってさらに推進しておるという状況でございます。
○中村喜四郎君 そこで、いまのように用地買収が相当進んでいる。これは、単純買収のところと、区画整理のところと、それぞれあるでしょうが、単純買収地帯の四百六十二万坪は、すでに、九九・三%、ほとんど一〇〇%近い用地買収が完了しておって、なおかつ政府が前期、後期に分かれて五十二年までにほぼ概成するという閣議決定をなしておるが、現実には建設計画がきわめておくれておるわけですが、おくれている原因を御説明いただきまして、これを除去する方法、推進する方法はどういうふうにするか、ひとつ……。
○国務大臣(根本龍太郎君) まず、第一に、移転すべき機関を持っておる各省庁、特に文部省とかそういう方面が、いわゆる学校紛争等のいろいろの事件のためにこれがなかなかおくれておるということが一番の大きな原因と思われます。なおまた、一つの、わずかの小さなものであるけれども、大きな原因をなしたと思われるものは、あそこに移転すべき機関の住宅ですね、公務員の住宅が非常に手配されていなかった。これがまた、機関が移転を決定しないから住宅はあとなんだと、これはまた相互関係になっております。公務員住宅ができないのに移転したってだめだと、どうもそういう傾向がありました。ですから、本来ならば建設大臣の所管ではなかったけれども、本年度予算にあたって、大蔵大臣に、これは大蔵省の所管だけれども、私から特に学園都市の建設のためにまず公務員住宅ことし優先してやってくれるように要請して、これは予算をつけられたというような状況でございます。
○中村喜四郎君 おくれた原因者は政府である。土地の提供者は、国の仕事に協力するために、先ほど申しましたように九九・三%の買収に応じておりながら、どの機関も移転がおくれておる。そのことのために地元からは非常な苦情が出ておることも、大臣、これは御存じでございましょう。
○国務大臣(根本龍太郎君) 承知しております。
○中村喜四郎君 そこで、なぜ苦情が出るかというと、政府は頭脳センターをつくるんだ、研究学園都市をつくるんだ、したがって、農民の皆さん、土地は放しにくいだろうけれども、政府にぜひ御協力いただきたいというそのことのために、県や市町村当局も最大の努力を払いつつ九九・三%になったわけです。しかも、移転は原因者である政府の態度が具体的にならなくて、計画も進めてまいらないところに問題の起点があるわけでございます。そうしますと、地元を納得させるための具体的な推進方策というものを、総理の特命を受けているという大臣としては、おそらく各省に対しては勧告権その他も当然あるはずと思うわけでございます。先ほど、大臣が、積極的に公務員住宅等の問題も手配して今年二億七千万の予算をつけた、大蔵省もこれに快く応じたという、こういう事態は了承できるわけでございますけれども、私は、問題は、推進のしかたと推進の体制にあると思うんですが、今後具体的に地元の人を納得させるための方策についてお伺いしたい。
○国務大臣(根本龍太郎君) これは、移転を予定しておる機関を持っておる関係大臣には、積極的に、いままで移転のおくれておる原因を究明して、そうしてその原因を排除することを要請しております。たとえば、大学等では、いままではいずれにしても大学紛争でどうにもならなかったと言っておりますが、これも根本的には解決しないけれども、だいぶ鎮静したから、この際に積極的にこれをやるべきである。あるいはまた、研究機関を持っておる各省庁がもっともっと熱意をもって移転の手配をしてもらうように要請しておる次第でございます。現在のところは、私としては、それ以外に方法がございません。はなはだ残念でありますけれども、結局、私は、粘り強く、閣議で決定し、しかもそれぞれの各省大臣が引き継いで今日まできておるところでありますから、自分の本来の任務でもあるはずだから、それを要請するつもりでございます。
○中村喜四郎君 よく大臣の本意はわかるのです。熱意はわかるのです。いまのように、建設省においては、後期に移転するような計画のものも積極的に前期に移転しようという、こういう積極的な態度、あるいは、公共道路を早くつくって環境整備をしようという姿勢はわかるのですが、私がお尋ねしているのは、いわゆる推進本部長として特に権限を持たされた大臣に要請、質問をしているわけでございますが、たとえば通産省等におきましては、御承知のように、七機関移転するということで、用地確保は一番最初に名乗りを上げた。ところが、今日まで、用地は完全に通産省の団地としては確保されているけれども、いまだに何らの手も打たれていない、こういう現実。あるいは、教育大学の問題でもそうでしょう。教育大学は、すでに評議員会でもって移転決定という決定線を出されていながら、現実にこの問題に対処する文部省の姿勢が打ち出されていない。土地は買った。買った土地は、たとえば松林を買ったらば、松林は松毛虫に荒らされたままで、だれも管理する人がいないわけです。そのことが周囲の山林に大きく影響を与えておるし、草ぼうぼうになった団地は、よその農地にとってたいへんな迷惑をかけておる。だれも管理する主体というものがないわけです。したがって、地元側は、もし移転機関が移転しないなら、この土地を返してもらいたいという要請が起こるのは当然です。しかも、たとえば教育大学なら教育大学の場合、あなた、ここの場所に教育大学が移るから、ぜひ協力してもらいたい、もし協力いただけないなら最後には土地収用もやむを得ないという前提に立って用地買収をしておる。もし移転が不可能、移転がなかなかできないということならば、当然土地収用法の収用原因というものはなくなってきているわけです。返還要求というものが起こるのは当然だと思います。かつて加えて、大臣もよく御承知のように、この筑波学園の用地五百七十万坪、九九・三%の用地買収で、この筑波の土地と成田の対比を考えてみると、同じ五十キロ圏内、しかも、条件は山であり、落花生やサツマイモや麦という農業形態も同じです。しかし、土地の評価価額、役場の土地台帳を見ますと、筑波のほうがはるかに土地台帳は高い。固定資産税が高い。しかし、現実の用地買収の場合には、筑波のほうの坪当たり千百七十円程度に比較して約四倍の価格で買収されておることは、大臣御存じでしょう。同じ距離で、四分の一で買収がきまった。地元がよく協力した。価格は、片方が一であり、四である。しかも、これに対する農民の土地提供者に対しては、成田空港の場合には代替地対策をやった。代替地対策をやって、かんがい、排水、開墾、いろいろなことをやって、営農対策について万全の措置を講じて至れり尽くせり、しかも周辺土地の開発について同様の特例措置をやっておる成田の状況は、大臣もよく御存じだと思います。そういう点からしますと、同じ距離、同じ時点でありながら、そうして同じ国家的要請でありながら、なぜ筑波だけこういう価格でするのかという問題が地元から不満が起こるのは当然だと私は考えるのですが、そのことについて大臣はこういう不満を解消するためにどんな措置が——これは非常にむずかしいと思う。いまこの時点でそれじゃ成田と同じように買収価格を上げてここの地主に与えてやるということは、私は、現実問題としては、政府がやるべき問題ではなかろうかと思うわけでございます。そういう点を考えますと、地元の要請というものは、国の政策に協力するんだから、われわれはあえて犠牲を忍んでも協力しましょうと。現に、先般、二十日ばかり前に最後の交渉がまとまったところは茎崎村というところですが、これは反対をし続けた。むしろ旗を立てて反対をし続けた。ところが、やはり多くの人の説得によって協力した。その用地買収価格は反当三十六万円です。その道一つくっついたところでいま二百五十万円で売買になっているんです。同じところの団地にかからなかったところは二百五十万円であって、ここは三十六万円だという、こういう現実は、私は農民の皆さんとしても納得いかないことは当然だと思う。そうすると、納得いかせる政策をとっていかなくちゃならない。納得いかせるにはどうするかというと、原因者である国が、ここに移転するんだから、こういう年次計画でやっていくんだから、あなた方協力していただきたい、ここへ来ることによってあなた方の土地提供が国のためにもあるいはあなた方自身のためにも将来生きるんだという、そういう具体的な計画が明示されない限り、私は、金や何かで解決できる問題じゃないと思うんですが、大臣、いかでしょうか。
○国務大臣(根本龍太郎君) 御指摘のとおりと思います。したがって、まず何よりも、政府が計画したことをすみやかに実行することです。そして、あそこにりっぱな学園都市ができますれば、それは空港と違ったよき環境であり、そこの地域住民が一つの誇りを持っていけると思うのであります。したがって、何よりもいまやるべきことは、移転すべき所管の各省と十分に話し合いをして、できるだけこれを促進するということに私の使命があると存じます。そして、できたところの都市がさらに新しい日本における頭脳の中心たる機能を十分果たし得る条件を整備していくということが、私は、地元の皆さんの御協力に対するこたえになると考える次第でございます。
○中村喜四郎君 そこで、地元の人たちが納得し得ることは金の問題でないということを私はあえて申し上げましたが、一番の問題点は、政府が具体的に移る姿勢、すなわち、科学技術庁なら科学技術庁、農林省なら農林省と年次計画を立てて、こういう計画で移るんだと、こういう姿勢が打ち出されない限り、これは地元の人は納得できないと思う。すでに茨城県の地元県議会では、昭和四十三年の十二月の本会議におきまして、年次計画をすみやかに政府は示せ、もし示さないならば用地返還を要求すると、これは各関係六カ町村においても同様なことがされておるわけですが、年次計画はいまだにどの省においてもなされておらないんです。なぜ年次計画を立てることができないんですか。
○国務大臣(根本龍太郎君) 御指摘のような状況であるようでありますから、私もいずれ近く閣議においてこの問題を発言をいたしまして、年次計画を立てることについての各省の各関係大臣の協力を求めるつもりでおります。いずれこの国会が委員会等が少なくなりましたときに時間的に余裕がある場合に関係閣僚会議を招集していただきまして、私が推進役でありまするが、これは総理によくお話しの上でそうした年次計画を樹立するために努力いたしたいと思います。
○中村喜四郎君 私は、大臣にこの質問をする前に、各省に対して、移転する機関に対して、年次計画はどうかと、その予算のワクはどうかというのは全部文書による質問をいたしました。これに対する回答をいただいたのでありますが、いずれも明確なる年次計画というものは私どもに出していただけなかった。研究する、調査する、できるだけ早くやるということで。このことばは、すでに三年前、四年前から繰り返されたことばなんです。いま、大臣が、特に閣議でもはかってこれを推進する体制を整えていくと。それで、私は、一応この考え方については了承いたしますが、総理も、私どもがこの用地買収の経過報告をしましてこれに対してどういう措置をするかと言ったときに、総理は、万博が終わった後は筑波に全勢力を傾ける、各大臣にもその旨を指示するということばを私どもは承っておるわけでございますが、かりに万博の問題を考えて、万博は、百万坪、そうして政府出資その他だけでも約九百億円、半年の仕事にそれだけぶち込んでいった。成田の場合は、御承知のように、三百万坪、しかも、その三百万坪は、国有地、県有地が多くはさまれて、二百万坪が民有地であって、その権利者、地主というのは三百二十名です。学園都市の場合は、万博の六倍の五百七十万坪、しかも、その所有者は三千五百名、筆数の権利者は一万名を突破しておる。一万名を突破する人たちが九九・三%まで協力したというこの現実は、私は、政治の上から見て忘れてはならない現実の問題だと、かように考えるわけです。その意味で、大臣が特に閣議において発言してこれを推進するということばに対しては、心からそうあってほしい。そして、大臣みずからも現地についても適当な機会に行っていただいて、あの人たちがどう考え、そうしてその土地がどう利用されるか、すばらしいものであるということを直接目で体験された上で、その推進体制を整えていただきたいと、かように思います。 そこで、各省に関係ない問題で、特に建設の年次計画やその他に関連しなくても建設大臣としてできる仕事の問題についてお尋ねをしたいと思うのですが、各省が移転することを渋っているのは、生活環境が充実されていない。道路交通網もまだ整備されていない。あそこに移った場合に子供たちはどうなるかというそういうふうな生活環境の問題と、もう一つは、いま言ったように、道路交通網が開けてないために、あそこは非常に不便なんだと。だから、行くのにもおっくうがるのは当然のことだと思う。だから、建設省としては、道路事業の面、公共事業の面で、建設省独自の考えで、ある面においてはどんどん進めていくことが、学園都市を進めていく大きな一つの初動力になると思うのですが、大臣、その点はいかがでしょうか。
○国務大臣(根本龍太郎君) 御指摘の点は、非常に重要なことだと思います。それで、常磐自動車道、これの基本整備計画をすみやかに策定して発表して実行に移すようにいたしたいと思っております。
○中村喜四郎君 その常磐自動車道の問題ですが、整備計画をすみやかにということばが出ていますが、今度の審議会あたりにはかけられるまで準備が整っておるかどうか、お聞きしたい。
○政府委員(蓑輪健二郎君) この次の審議会には、この用意が整っておりますから、それに提出したいというふうに考えております。
○中村喜四郎君 常磐自動車道の第一期工事の埼玉の三郷から石岡までの五十五キロのこの整備計画が、実質的に工事に着工して現実に仕上がるまでの期間は、大体どのくらいの期間に想定できますか。
○政府委員(蓑輪健二郎君) 本年度中に整備計画を出しまして道路公団に施行命令を出せば、ことしから道路公団で現地の実施設計に入ると思います。何年ぐらいに完成するかということでございますが、整備計画が決定いたしまして、施行命令をもらって、道路公団が実施設計を始めて用地の買収に入るまで、どうしても三年ぐらいはかかってしまうのじゃないかという感じがしているわけでございます。そのあと三、四年の工事があるということを想定しますと、普通やはり七年ぐらいかかると思います。ただ、これは、現在の六号の国道が非常に混んでおりますので、そういう意味もありまして、できるだけ早くこれの工事を施行していきたいと考えております。この問題はやはり用地がどれだけ早く解決するか、いわゆる用地の解決をすれば、あと三年ぐらいで供用開始に持っていけるのじゃないかと考えております。
○中村喜四郎君 用地の問題ですが、そういう場合には、学園都市の用地提供の過去の例等を考えて、やはり地元の協力を求めるために、常磐自動車道が早く整備計画を立てると同時に、その用地調査、用地買収に三年、四年もかからせないために、計画が成り立ったらば、たとえば茨城県やその他に用地の先買い先行投資等の方法をさせて、これをより具体的に学園都市の建設の手を打つことが考えられるのではないかと思うんですが、いかがでしょうか。
○政府委員(蓑輪健二郎君) ことしの高速道路の用地の問題につきましても債務負担行為が三百億以上ございまして、できるだけそういうような地方公共団体に用地を先買いをしてもらうということを考えております。ただ、このルートについては、率直に言いますと、やはりこれからの問題でございますから、茨城側より千葉の流山、あの辺に一つの大きな用地としては問題がありはせぬかというような感じがありますので、これを誠意をもって説得をしていくということに考えております。
○中村喜四郎君 同じ茨城側におきましても、この自動車道とすれば、道路の用地買収価格というのは流山やその他と関連して坪単価買収価格というものが織り出され、しかも、学園都市の中を貫通する場合、用地買収の価格というのは、今日の時点で買う場合には、相当開きが出てくる。開きが出てきて、しかも、片方は同じような条件で三十六万で土地が提供される、片方は高い価格で買収されるという、こういう不合理が当然できてくるわけです。こういう点についてもすみやかなる手を打たなければ、この手を打つことはできないのではなかろうかと、こういうふうに考えるわけですが、いかがでしょうか。
○政府委員(蓑輪健二郎君) これは、先生の御指摘のとおりだと思います。つくることにきまりましたら、できるだけ早くそういう地方公共団体の協力を仰ぎまして、大きな価格の差がないような形で用地の先行をしていくということに心がけたいと思っております。
○中村喜四郎君 さらに、常磐自動車道との関連事項において、学園都市内を八団地に分かれる団地をつなぐところのもろもろの道路の問題でございますが、この道路の問題を具体的にすみやかに進めるためには、住宅公団等々をして思い切って先に仕事をやらせる方法をとったらいかがでしょうか。科学技術庁にしても、その他の省にしても、現地に行ってみまして、でこぼこだらけのほこりだらけの中で、そこで意欲がわいてこない。こういう現実から考えますと、住宅公団の手ならば、仕事を早める方法があるんじゃないですか。何かの方法、いかがですか。
○国務大臣(根本龍太郎君) そのとおりと思いますので、極力そういう方法をとるようにいたしたいと思います。
○中村喜四郎君 道路の問題に関連して、なおかつ上下水道、下水の関係の問題ですが、建設大臣の御骨折りで公務員住宅百十戸、二億九千万の住宅提供をし、科学技術庁の現在の無機材質研究所やその他の機関が今年中に移動できるようになる、そこへ住宅が片方はできると考えていくと、下水設備も全然ない、上水設備も全然ないと、こういう無計画性がこの中にやっぱり暴露されておるわけですけれども、上下水道等の関係についてはどうお考えになっておりましょうか。これは建設大臣に直接お伺いしましても聞きにくいかと思いますが。
○政府委員(竹内藤男君) 下水道の関係を申し上げます。 あそこの研究学園都市の下水道計画につきましては、現在宅地開発をやっております住宅公団が主体になりまして、検討中でございます。それから地区が二以上の市町村にわたりますので、茨城県とも計画を調整いたしまして、とりあえずの措置といたしまして、土地造成に伴う雨水の対策といたしまして、四十五年度の予算が成立いたしましたならば、あそこに対して都市下水用として措置をやってまいりたい、こういうふうに考えております。さらに、学園移転の進展に合わせまして、下水対策としての公共下水道の整備をいたす考えでございます。現在、御承知かと思いますが、処理場の位置その他を検討いたしておる段階でございます。
○中村喜四郎君 そこで、上水道の問題については、建設省にお聞きしてもこれは無理だと思うのです。私は厚生省に対しまして年次計画を要請いたしました。ところが、その厚生省の年次計画の上水道の文書回答をいただいておるわけですが、昭和五十四年度を目標として、最初の半分六万人の人口まで給水するだけの予定を立てておる。そうすると、学園都市の概略完成するのが、三十六機関の移転と同じような姿になっていくのが昭和五十年。そうすると、上水道の完成は五十四年をもって幾らかこれをやるという、こういうふうな計画の矛盾があるわけです。これは下水道においても同様だと思うわけです。そこで、まず第一に私は先ほどからお願いしておるのは、建設省所管のことにおいてできるところの下水道の問題と道路の問題だけなんですが、思い切った措置をしていただきたい。 なお、建設省が移転計画をやっております三機関については、これはひとつ独自の計画をもってすみやかに進めていただきたいことをお願いしたいと思うのですが、いかがでしょうか。
○国務大臣(根本龍太郎君) 御趣旨に沿いまして極力推進いたしたいと思います。
○中村喜四郎君 そこで、大臣が閣議等にはかってこれを推進するための一つの手段としては、各省でなぜ移転することがなかなか計画が立たないのかということの一つの原因としては、予算の問題が常に横たわっておるわけでございます。その予算でございますが、まず、学園都市が完成するためには、概略の予算は全体でどの程度かかると思いますか。
○政府委員(井上義光君) お答えいたします。 筑波研究学園都市の建設資金につきましては、先ほどからお話がございましたように、移転機関の年次計画、移転計画の整備計画といったようなものもまだ明確には確定しておりませんので、概略しか申し上げられませんが、用地買収はすでにほぼ完了に近づいておりますが、約八十九億円でございます。その間に、いまのところ、宅地造成費としまして大体三百億を予定いたしております。 なお、関連公共事業費は道路、下水道、それから小中学校等含めまして、おおむね五百億を若干上回るというふうに考えております。 なお、宿舎建設は、公務員宿舎のほかに公団住宅等の公共住宅も要しますが、おおむね宿舎としまして三百五十億から四百億というものを考えております。 それから移転機関はすでにきまっております。三十六機関で、概算いたしますと、おおむね各省庁の検討いたしました数字は大体二千億円になりますので、三千三百億円になるかと存じますが、そのほかに共同利用施設でありますとかあるいは宇宙センター、あるいは素粒子研究所等の新設機関もございますので、全部含めますと三千五百億から四千億にはなると、こういうふうに考えております。
○中村喜四郎君 そうしますと、大体概算三千五百億から四千億程度かかる。昭和五十二年までというから、あと八年程度と考えていくと、年間の支出額というものはずいぶん膨大に、年においては五百億、七百億ということになろうかと思いますが、そういうふうな財源措置あるいは年次計画、こういうことについては今日まで閣議等においてお話し合いになったことがあるわけですか、大臣いかがでしょうか。
○国務大臣(根本龍太郎君) 私が建設大臣になってからは、御承知のように、各省とも予算編成と、それから国会になりまして、まだそれまでは入っておりません。その点は、以前においてはどういうふうにやったか、これは引き継ぎをあまり私受けておりませんけれども、そういうふうな年次計画を立てて要求しておるようではないようでございます。したがって、今日まできたと思いまするので、いま中村さんが御指摘になりましたことを一つのいい何といいますか、推進の機動力といたしまして、この次に関係の建設省の事務当局にどういうふうな持ち方、どういうふうな発議をしたらいいか特に研究をいたさせまして、それには中村さんからもひとつ御意見をお聞きいたしまして、そうして近く私は閣議に持ち出したい、こう思っておる次第であります。
○中村喜四郎君 非常に積極的な発言、お答えでありがとうございます。 それで問題は、いまのように、概算三千五百億から四千億という予算から考えて、それの年次計画を立てていかないところに政府のやるという姿勢が、これは、どうしてもそこに五百七十万坪の用地買収に呼応しながら移転の閣議決定——三十六機関を移転するのだ、それに対して移転する機関の公務員の人たちが渋っているのは、公共施設あるいは生活環境が非常に十分でなかろう、あるいは住宅はどうであろうかと、こういう問題がからんでいるところに、用地提供はできたけれども片方の移転が遅々として進まない、年次計画が立たない大きな原因があることは、もう申し上げるまでもなかろうかと思いますので、どうかそういう点につきましては、大臣のいまの決意を閣議においてひとつ御披瀝いただきまして、これらの年次計画ができるだけ早くすみやかに立てられるようお願いいたします。 なお、この年次計画の問題と関連して、私は特に大臣の御発議をいただきたいのでございますけれども、この学園都市の建設に関して地元県やあるいは各省が大蔵省に要請する場合におきましても、なかなか大蔵省のほうでは、たとえば来年度の予算要求は二〇%とか二五%というワクにしぼられがちなために、各省では出すことについて、新しい事業を新しい計画として出すことについてちゅうちょする姿も見え、大蔵省から言わせれば、各省から出てくればわれわれは決してけちんぼうにせずにこれをやるのだと言うけれども、現実問題としてはなかなかうまくいってない現状でございますので、この学園都市に関しては強力に推進するために概算要求の、予算要求のワク外としてもこれを取り扱ってほしいというような、こういう強い御発言をいただきまして、そういうふうにひとつお願いいたしたいと思うのです。先ほど申しましたが、総理も万博の後においてはこれは筑波だと、そしてこれについては強力な予算措置もするようにしたいということを直接現在の橋本運輸大臣、茨城県知事等にもはっきりとこのように申しておりますものですから、その点特に御発議をいただきたいと思うのですが、いかがでしょうか。
○国務大臣(根本龍太郎君) の趣旨に基づきまして私は発議したいと思っております。ただ、別ワクとすれば、特別会計とか、そういうわけにはいきませんので、やはりおのずから年次計画で、初年度はどうというようにだんだん増強するというようなことも考えなければならぬと思います。したがいまして、この点は総合的に私は問題を持ち出しまして、それから今度は関係各省の会議を開いてどういうふうに年次計画を持つべきかということはその後にひとつ検討しなければならないと思います。まず第一に、私は、きょうこの問題を出されたことを契機にして、閣議に、この問題についてこれから総合的に精力的に計画的に推進すべきであるという発議を持ち出しまして、これに対する関係閣僚会議を開催し得る前提条件をつくることがまず先だと思います。そうじゃなくて、直ちに私が考えたことを持ち出してもなかなか急にいかないから、やはり十分に慎重に配慮しながら順序をもってこれはいかなければならないと思う次第でございます。
○中村喜四郎君 わかりました。ぜひそういうふうにひとつ極力全体の計画の中で、どう持っていくかを進めていただきたいと思います。 そこでもう一つ、いまの首都圏の事務局長の御説明で関連公共事業が約五百億という、この五百億という関連公共事業をやる場合には、地元の負担というものは相当ばく大になってくると思います。この地元の負担の軽減措置は当然これはとられるべきものと思いますが、軽減措置をとりますと、たとえば成田の場合にも特例の措置をとりましたけれども、成田とは違いまして、成田は国際空港であるから財政収入があると当然地元に返ってくるわけでございますが、ほとんどは国の機関であって地元町村に還元されるようなものはなくなってくるわけでございます。しかも、五百七十万坪の土地を提供したために、国に売ってしまったために固定資産税も役場に入ることも少なくなるし、人口も新しく受け入れなければならない、こういう問題が起きてくるわけであります。地元軽減措置を当然これはとらなければならぬと思いますが、特別な何かそういうことについて大臣はお考えになっておりましょうか。
○国務大臣(根本龍太郎君) そういう問題等も、これは閣僚会議のようなものを設けまして、そうしたものを含めて善後策を講じなければならないと思う次第でございます。
○中村喜四郎君 そういうことを含めた進め方の際に、私は、地元負担の軽減措置を法律的に特例措置を講ずるということもなかなかこれは至難なこともよくわかりますから、各地の開発の問題と関連しまして、そこで、私が先ほど申しましたように、成田の場合においては三百万坪に対して特例措置をしたり何かして営農対策もやっておりますけれども、成田は筑波の場合の約四倍の価格で買ったという、先ほど局長の説明でいえば、土地代価が八十九億円ということです。八十九億円というものの大かたは、これは各土地提供者に対して渡された分、筑波の地主が取った価額。成田の取った額では、これが四倍だということは先ほど申し上げましたけれども、金をまた地元に戻すということではなく、もし、できることならば、ひとついろいろ大蔵省と折衝されまして、かりに筑波の場合千百円、成田の場合に坪四千円とすれば三千円の開きができる。五百七十万坪ですから百七十億の開きがこれはあるわけなんです。現に成田の価格で百七十億だとすれば、百七十億安い価格で買ったわけですから、これを国に住宅公団が渡す場合に上のせするというか、そういうテクニックはわかりませんが、何かの財政的な方法をとりまして、地元のいわゆる新しい農業近代化や、研究者の町ができても住む町でない姿のようなものでなく、理想の町をつくるためには、そういう面から財政支出をまかなっていかなければならないと思うのですが、これらの点についても、これは私いま思いつきのことでございますけれども、しかし、国が成田と同じに買ったならばこうなるのだという観点に立てば、財政的な措置ができそうな気がするのですが、こういうこともあわせてひとつ考慮の中に入れておいてもらって御検討いただきたいのですが、いかがでございましょうか。
○国務大臣(根本龍太郎君) いま直ちにあなたの思いつきをコメントするわけにはいきませんが、一つの考え方だと思います。そうしたことをも一応考慮に入れて諸般の問題をこれは検討していかなければならないと思う次第でございます。
○中村喜四郎君 首都圏事務局長にちょっとお伺いしたいのですが、八十九億で用地を買収をしたというけれども、これが今日までのように三年も五年もたっていった場合に、この住宅公団が買ったこの金額に対する利子は当然ついていくと思うのですが、どのくらいになっていきますか。
○政府委員(井上義光君) 利子総額を——いま私まだいただいておりませんが、コストとしまして七分二厘でしたかかかっておりますので、その分の金利が加算されてくると思います。
○中村喜四郎君 よく私どもが大蔵省あるいは各省のあれをいたしますと、用地買収費がこれだけかかったのだという。それは住宅公団等で用地を買っておって利子がどんどん重なっておる。片一方では上物は乗せられない。受け取った土地提供者はそんな国が考えているような金で受け取っていない。土地は早く手放したが、そこに移らないままの姿に政府のむだがあることもひとつ十分御検討いただきたいと思うのです。なお、私は質問の問題を幾つかあげておるわけでございますが、きょうは、まだあとの質問者も控えておりますので、きょう大臣等からお伺いしたこと、さらに各省からいただきました私に対する文書回答をもとにいたしまして、十六日の総括質問の際にはひとつ大臣にもこの間の問題のやりとりを基盤として、具体的に私どもにわかるような——私にわかるということよりも、県や土地提供者に対して、なるほど国はこういう姿勢でやってるのだと、まあしばらくがまんしよう、返還運動なんていうこともさらに考えようというふうになるように、具体的な姿勢を打ち出していただくようお願い申し上げまして、私の質問を終わらせていただきます。
○鈴木一弘君 時間がだいぶ詰まっておりますので、私も質問を要領よくまとめて行ないたいと思います。 最初に、都市公園の問題について若干伺いたいのですが、これは大臣も御承知のように、現在のわが国の都市公園の住民一人当たりの面積というものは、諸外国に比べて四分の一、五分の一という惨たんたる状況で、経済社会発展計画の新しいのによっても、一人当たり三・四五平米ですか、そこまでにしようということまで大体あるようであります。ところが、これはいままで建設省として都市公園事業五カ年計画というのを努力目標としてつくっておられたということを聞いております。昭和四十二年から始まる五カ年間に何とかして二千七百五十五億円で六千七百ヘクタールという都市公園ということを考えておったようですけれども、この計画がスタートしてからすでに三年たっておりますが、いまだに閣議決定もされていないというようなことですが、この点についてはどういうふうになっておるのか。閣議決定を得るにしても、すでに三年もたっているのですから、改定をし直してやる必要があるのではないかというようにも思うのですが、その点についての御意見を。
○国務大臣(根本龍太郎君) 鈴木さん御指摘のとおり、わが国における都市公園が非常におくれておるということは事実でございます。これは海外の国でございますれば、大体がシティが発達しておりますから、広場と公園というものは都市そのものの発生の時代から準備しておって、そうして自治体自身が非常に多くの公有地を持っておるというたてまえであったのでございます。日本は、都市の周辺はほとんど農村地帯であったということからちょっと外へ出れば自然を楽しめるというようなことが習慣になっておったのですが、戦後、急速なる高度成長とそれに伴う過密が出てきまして、そうしたところの配慮が十分足りないで今日になったと思います。したがいまして、この再開発ということが都市生活にとって非常に大事な問題になってきているのでありますけれども、現実に都市に公園をつくるということは、これまたたいへんな経費がかかるので、いまその矛盾にわれわれは苦しんでいるところでございます。そのために都市計画法あるいは都市再開発法というようなものを設けまして、これはおそまきながらもじっくりと腰を落ちつけながらやらなければならないと思っている次第でございます。具体的ないろいろの今後の計画については都市局長から一放説明いたさせていただきます。
○政府委員(竹内藤男君) 都市公園につきましての五カ年計画の問題でございますが、従来、いま大臣の御答弁にもありましたように、都市公園に対する国の援助というものが少なかったのでございますが、最近になりまして、伸び率といたしましては相当高い伸び率で予算措置等もなされておりますし、地方でも単独費を投入いたしまして公園を建設しているわけでございます。われわれといたしましては、今日のようなビル化、アパート化が進行しておるというような状況では、都市公園の必要性が特に大事でございますので、現在検討いたしておりますが、何とかその一部計画としての五カ年計画を策定したいというふうな気持ちをもって検討いたしている次第でございます。
○鈴木一弘君 これは都市公園法に定められている一人当たり三平方メートル、それ以下というような状態なんですね、はっきり申し上げると。大臣御承知と思いますが、わが国の法律以下になって、ひどいのは東京であるというような状態でありますけれども、いま都市局長から答弁があって、都市公園事業の五カ年計画というものができる、これからつくりたいということですが、そうすると、これはただのペーパープランではどうにもならない、やはり閣議決定を見なければいけない。その点についてはどうでございましょう。
○国務大臣(根本龍太郎君) いま直ちにこれを閣議決定まで持っていくことは非常にむずかしいと思います。これはいずれ予算との関係もあり、それから現実にそうしたことが、特に大都市において現実にこれをやる場合に、しかるべき手段並びにそれだけの可能性があるかどうかということをも十分に考慮しませんと、この閣議決定したことが二重にこれが実は負担になっていくのではないかと思うのでございます。これは現実にやる場合は、主としてやっぱり東京都なり、大阪府なりあるいは名古屋市等とか、そういう自治体が現実にこれを公園化していかなければならないわけでございます。政府は予算を若干援助してやるというか、そういう方向にいくものであって、政府が全部直接買収して公園を設定するという方式ではないので、そうした面も十分都市局で検討の上、具体的な裏づけがある程度まで出てこなければ閣議決定までいくことは困難ではないかと考えている次第でございます。
○鈴木一弘君 大臣は、いま東京、大阪というような例をあげたのですが、大宮にしても、宇都宮にしても、そういうような大都市だけじゃなくて近郊の都市もみなそうなっているという実情、そうなりますと、ただのペーパープランじゃ私は無理じゃないかと思う。ある程度裏づけを持ったら閣議決定をされるようなものでなければならないと、その点はそういうふうにしていただきたいと思います。 で、佐藤総理が、四十二年六月二十三日の閣議で、国有農地のうちで農地として使えない都市近郊の土地を子供の遊び場に開放しろということを指示しているわけです。建設省の調査でも、それに該当する土地が全国で千八百七十三カ所、二百十三ヘクタールもあるということでありますけれども、総理のそういう構想の実現に向かって、どういうふうな努力を建設省としてははかってきたのかということです。いま、地方団体云々ということがありましたけれども、こういうような一つの総理の指示もある程度あることなんでありますから、そういう点では、私は、財政的な問題でなくてもできる問題があると思うわけなんです。その点はいかがでしょうか。
○政府委員(竹内藤男君) 先生おっしゃるとおり、国有農地で全国で二百十三ヘクタールぐらい児童公園等に転用できる面積があることは、調査の結果わかったわけでございますが、一方、農地法では、自作農創設または土地の農業用の利用の目的に供しないという場合に、原則として農地開放のときの買収前の所有者または一般承継人に売り払わなければならないということになっておりまして、その国有農地買収前の所有者または一般承継人に売り払わなければならないという義務の関係からいいまして、直ちにこれを公園に利用するというわけにはまいらない状況でございまして、この点は、農地法の取り扱いの問題といたしまして、農林省と折衝いたしておりますが、まだ結論が出ておらない、こういう状況でございます。
○鈴木一弘君 問題は、そうなると農地法の改正ができなければ、建設省としては軽々しく動けないということ、今回の国会に出た農地法の一部改正案を見ても、この問題には全然触れていない。総理の指示が四十二年に出ている。それが実行できないということは、これはたいへんな問題だと思うのです。私は、そういう点では、ことばは悪いけれども、職務怠慢だということになると思います。これは、農林省の方も来ていらっしゃると思いますが——来ていますか。これはどういうふうになったのかということ。 それから、大臣は、この総理の言われたことをただのいわゆるアドバルーンにしないということで、どのようにこれを今後はかっていくかということ。この点をお聞きしたいと思います。
○説明員(小山義夫君) 総理から、以前に国有農地を直接公用、公共用に使う道が開けないか、そういう方向で検討しろという御指示がございまして、以来、前向きに努力をして今日まで検討を続けております。具体的には、先年も学識経験者の方々、主として行政法関係の先生方を中心にお集まりをいただきまして、そういう法律改正が可能であるかどうかということも検討してまいったわけでありますが、やはり農業目的のために買収をしたものを他の公共目的に転用するということについてはいろいろ問題もあり、議論もあるけれども全く不可能ではないかもしれないという意見があったのでありますが、その場合にも、もしそれが許されるとしましても、旧所有者に対する補償、完全な補償が必要であるということが大方の御意見でございまして、右から左に、いま国有農地であるということだけの理由で、旧所有者に何らの金銭的な手当てをしないで直接使うということはむずかしかろうということが大方の御意見でございます。 それからまた、もう一点は、今日までずっと現行法に基づきまして、旧所有者に旧買収価格で売り払いをいたしておるわけですが、それとの継続と申しますか、つながりからいって、いきなり法改正をして、その法改正した施行の翌日から旧所有者の権利を打ち切ってしまうということは、公平の原則と申しますか、バランスからいって、なかなかとり得ない措置であろうというその二点が、いろいろございましたけれども、大きな問題点でございます。 なお、本件につきましては、旧所有者に、国に対して売り払いの請求権があるかどうかという法律上の争いも具体的になっておりまして、下級審ではかなりの件数争われておるわけですが、現在最高裁判所に三件事案が係属しております。その三件は、いずれも旧所有者側に売り払いを求める法律上の請求権があるかどうかという点が共通の争いの内容になっておる。これの結果を見ませんと、もし旧所有者に売り払いの請求権が法律上ありとすれば、それが最高裁判所で確定をいたしますと、直接公用、公共用に使うような法律案をかりに国会に提出をいたしましても、国会の審議中に売り払い請求の申請が出まして、それに国が応ぜざるを得ないということになりますと、現在残っております国有農地が、極端に言えば、全部からっぽになってしまうというふうな事態になりかねないものでありますから、最高裁判所に現在三件係属をしておりますが、それの成り行きもあわせ考えながら措置をしていかなければならぬといったような事情がございまして、今日まだ直接公用、公共用に使うというふうな立法措置ができないでまいったというふうな事情でございます。
○国務大臣(根本龍太郎君) ただいま農林省の事務当局から言われたように、たしかこれは私が党におったときに、松野農林大臣当時、農地法に基づいてこれは旧所有者に払い下げすると、返還するというような措置を講じようとしたところが、たまたまこれが世論の反撃、それは少しおかしいじゃないかということから発したのでございまして、それ以来、総理の指示もありまして検討しましたが、発想としてはいいけれども、現実に法律の権限の争いということが、もしいまの最高裁で逆の裏目の判決が出るというとこれはたいへんな混乱を来たすということで、いまその解決を待ってやっていきたいと考えている次第でございます。
○鈴木一弘君 それは、大臣も御承知のように、とにかく一坪当たり二円だなんという値段で下げられると、それでこれは問題になったわけです。いずれにしても、公共優先ということをやらないと、住宅問題にしても道路問題にしても、これは片づかないことは目に見えています。そういう方向にひとつ努力をしていただきたい。 それからもう一つ、やはり同じく昭和四十二年の十二月に、保利さんが建設大臣のときに、建設省が児童公園についての緊急措置をやり出したわけです。そうして、児童公園として私有地を五年以上市町村に無償提供した地主については固定資産税を免除するとか、その公園に地主の名前をつけるとか、あるいは市町村は未利用の私有地を五年以上児童公園に賃借りし、その使用料は交通反則金を充てるというようなことが発表になったわけです。当時は、児童公園が大量にすぐにもできるような錯覚を受けたわけですが、その後計画倒れに終わったのか、どうもはっきりしていないようでありますけれども、どういうわけでそんなになってしまったのか。また、河川敷の利用等についても大々的にそのときに言われておるわけでありますけれども、この建設省の構想の計画倒れに終わった最大の原因は何だったでしょうか。
○政府委員(竹内藤男君) 民間の方が持っておられる土地をある程度長い期間、五年ないし十年借りまして、それを児童公園、児童遊園にするという点につきましては、各都市で現在相当やっております。それから、固定資産税も減免をいたしております。現在全国的に申し上げますと、四十二年九月三十日現在で、全国で民有地を借りて公園にいたしておりますところが二千四百四ヘクタールございます。それからまた、それに対しまして、これは精神面でございますが、建設大臣の表彰というようなことも現在毎年実施をいたしております。それから河川敷、緑地の開放並びにそれの公園化につきましても、これは河川局とタイアップいたしまして、当初は大都市だけに限っておりましたけれども、逐次地方都市にも及ぼして、要求のある限りこれは予算化していきたいということで、河川敷の公園化については努力いたしておる次第でございます。
○鈴木一弘君 わかりました。いずれにしても都市公園についてはあまりにもおくれが目立っていて、これで文化都市、文化国家ということはできないことははっきりしております。毎年のように都市公園についての大きな大会がありますけれども、そのたびにいいわけをしているのじゃしようがないので、本気になってやっていただきたいと思います。これは要望です。 次は、道路の問題で、今度第六次の道路整備五カ年計画ができたわけですけれども、いまの第五次の道路の整備五カ年計画がちょうど三年目ですけれども、進捗率が五二・五%ですが、第三次の場合には三年目で五九・六%の進捗率、第四次のときには五三・四%。それに比べると、この第五次のは多少進捗率が下がっておる。ここで第六次としてまた再び策定をされたわけですけれども、何で悪かったかという原因と、早期にあえて第六次をつくったねらいと、この二つを伺いたい。
○国務大臣(根本龍太郎君) 具体的な問題については道路局長から説明いたさせますけれども、この従前の道路五カ年計画は、経済の急速なる発展とモータリゼーション、それに過疎、過密の状況等が著しく変わってまいりまして、したがいまして、道路構造令そのものも変えなきゃならない。それから道路全体として歩道橋とか、そうしたものの安全措置、こういうものも整備していかなきゃならない。それから、御承知のように、コンテナ化が進んでおる今日、コンテナを利用するための港その他との関連も考えていかなきゃならない。それからこのごろフェリーが非常に発達してきましたので、それとの関連も相当これは考え直さなきゃならない。具体的に言えば、御承知のように、新全総、新しい社会経済発展計画、こういうものにあわせて再検討しなきゃならないということでございます。また、御承知のように、いままでの道路整備特別措置法においては、現在のままの特定財源と一般財源ではなかなか充足ができない。そこで五カ年計画を改定することによって特定財源の充足もはかる、こういうような観点からして、この道路新五カ年計画を策定する決意をしたというわけでございます。今日まで進捗率がおくれたことについては道路局長から説明いたさせます。
○政府委員(蓑輪健二郎君) 第五次の道路整備五カ年計画は、いま先生御指摘のように、四十四年度で三年たちまして、全体の進捗率が五二%といいうことでございます。これは非常にいままでの各五カ年計画、第二次、第三次、第四次が大体三年で終わっておりますが、それに比べますと、ことに一般道路事業が五〇・五%というふうに低い率になっております。いろんな理由もあろうかと思いますが、私ども、四十二年度でまた第五次の道路整備五カ年計画をつくりましたころには、当然ある程度の財源不足は生じるけれども、何らかの方策を講じればこれはできるというつもりでおりましたが、四十三年の財政硬直による財政支出の緊縮といいますか、これがございまして、この年が対前年比四%ぐらいしかふえておりません。これであとが影響を受けましてこういう達成率、少ない達成率になったということも一つの原因ではあろうかと思います。そのほかにあるいは有料道路事業が非常に進捗率が悪いのでございます。これはやはり幹線自動車道、国道を中心とした幹線自動車道、この整備計画を出しまして、ようやく昨年ぐらいから用地の買収も順調にいきまして、非常に資金が不足してくるような状態でございました。やはり整備計画を出してもなかなか用地の買収までに二年ぐらいかかるということもございます。有料道路の進捗率の悪いのはいまの幹線新規高速道路、これに相当影響があろうかというふうに考えております。
○鈴木一弘君 これは大臣のあげ足を取るわけじゃありませんけれども、先ほどは道路構造の問題、コンテナ船の問題、フェリボートの問題等でと言われたのですが、この新第六次の五カ年計画を見ても、一年ごとのいわゆる伸びというものは年々一七%、期間中。それが第五次でもそうです。第六次もそうです。ということは、いまの計画のきめ方を変えただけじゃないかということを思ったわけなんです。その点やはりもう少し内容の上で前向きにそれは考えていかなければ、新しい五カ年計画も前と同じような結果を生むんじゃないか、こういう心配があるためにその点一つ伺いたいことと、もう一つは道路の財源問題であります。十兆三千五百億というものが第六次五カ年計画にかかるわけでありますけれども、その財源問題は四十六年度の予算編成時までにきめるということですが、一体これの構想等についてはまとめられておりますか、おられましたらそれを伺いたい。
○国務大臣(根本龍太郎君) 先ほど申し上げたところに言い足らなかった点もあったと思いまするが、御承知のように、従来の五カ年計画の内容では、実は例の五道あるいは最近は七道と言われる、先ほど出ました常磐線とかあるいは関越線とか、高速道路に対する需要が非常に大きくふえてまいります。それから大都市では、いままでの放射線から環状線をつくらなければこれが全然吸収できない。そういう意味で、従来の五カ年計画で予定しておった路線を大きく考え直さなければならなくなったということも一つの原因でございます。それから一方におきましては、農村に至るまでモータリゼーションが非常に急速に出ましたので、従来の国道、主要道路を重点的にやっておったのと相関連しまして地方道整備ということが言われてきましたので、そうしたものを含めてこの新しい五カ年計画を策定しよう、こういう意味でございます。それから事務当局から御説明したような理由でおくれておったことも事実でありますが、根本的にはやはり財源措置が十分なされずに、まあ、ガソリン税の自然増だけが唯一のたよりでございまして、一般会計からの繰り入ればなかなか困難だ、これではできない。そこで特定財源をきめなきゃなりませんですけれども、本年のこの新五カ年計画を閣議で決定するときにあたりまして、なかなかそこまで実質上意見調整ができなかったわけです。そこで、これは四十六年度予算編成までにはこの財源について、これは与党のほうも含めまして、関係閣僚で意見調整をしようということでございます。現在出ておる一つの構想の中には、いわゆる自動車債券の問題もありますれば、新しい自動車に対する課税、それからトラック税の問題もございます。それから地方財源としては軽油引取税、これの問題等ございますし、さらにはまた、市街地区については、例の都市計画税等も見てやらなければいけないのじゃないかというふうに、かなり多元的な提案を建設省側としては出しているところでございます。これにつきまして通産省なりあるいは自治省なり、あるいはまた大蔵省なりにそれぞれの意見がございまして、にわかにこれがまとまらない。しかも、これが税金との関係が出てきますというと、税調との関係、それからいまの物品税との関係における税体系の問題等複雑な問題がございまするので、にわかにこの道路五カ年計画のときに、直ちに財源を特定するわけにいかなかったので、四十六年度の予算編成までにこれをまとめるということを関係閣僚で意見をまとめてさようにいたした次第でございます。
○鈴木一弘君 この道路の問題で、具体的なことで若干伺いたいのですが、一つは例の武蔵水路のところの道路の問題でありますが、これは水資源公団にまず伺いたいのですが、これは武蔵水路の管理のためにつくったパトロール用の道路でありますけれども、現在、県との間に協定書というようなのができている。その協定書の締結に至るまでの経過について、大体どんなようだったかお伺いいたします。
○参考人(藤岡大信君) お答えいたします。 埼玉県の県道、上中森−鴻巣線及び古名−行田線が当公団の武蔵水路の堤防と並行している区間につきましては、昭和三十九年の一月に、武蔵水路の工事が始まるのと同時に着手をいたしまして、昭和四十年に概成をして以来、昭和四十三年の七月末まで管理を継続してまいったわけでございます。そのうち、埼玉県知事から、地方開発にとってぜひ必要であるからこの道路を県道として管理することが必要であるという御趣旨から協議がございまして、四十二年の二月に路線の認定がございまして、さらに四十三年の七月末に武蔵水路管理用施設と県道との兼用工作物管理協定書というものを当公団と埼玉県との間で締結をいたしました。昭和四十三年八月一日から県道として供用を開始、以後埼玉県知事が管理しておるものでございます。
○鈴木一弘君 初めからこういう形で使用する予定で工事をしたのかどうか。その点で非常に疑義があると思います。パトロール用道路としてつくったものかどうか。そういうような道路として使う予定でつくったものか。それと公団の施設をこういう形で使用できるという法的な根拠を伺いたい。
○参考人(藤岡大信君) 先ほども申し上げましたように、最初は水路の管理をするための道路といたしまして、いわゆる管理用道路ということで建設をいたしました後に、埼玉県のほうから、地方開発のために県道として使用するのが適当であるということの協議がございまして、先ほど申し上げましたような協定書をつくって、県道として供用を開始するということになったものでございまして、最初から県道にするつもりでやったものではございません。
○鈴木一弘君 そうすると使用にたえられるように設計されているのですか。
○参考人(藤岡大信君) われわれ管理用道路としての使用にはたえられるということでつくったものでございまして、県道の規格その他について完全であるかどうかということについては、必ずしも自信はございませんが、管理用に支障がないということでつくってまいった道路でございます。
○鈴木一弘君 これはもうこういう施設を使用できるという、こういう形で使用できるという法的根拠は建設省でわかりますか。
○政府委員(蓑輪健二郎君) これは、いま水資源公団から説明されましたように、当初は水路の管理用の道路でございましたが、地元の非常に強い要望がございまして、これを兼用工作物ということで県道に認定したわけでございまして、まあ、たとえば堤防上の道路をよく兼用工作物として道路法の道路に認定するのでございます。それと同じ方法でやったものでございます。
○鈴木一弘君 これは法律でいえば第何条にあたるのですか、道路法の。調べてから言ってください。道路法上の道路かどうかということが私は疑問なんです。 その前に伺っておきますが、ここで一月以来、この水路にだいぶ次から次と車が転落いたしました。水流もかなりこれは早いのです。そういう状態のところで、これがとうとい命が五人も六人も失われるというような事故が起きております。この供用、使用を認めるときに、建設省にも当然相談があったと思うのですけれども、道路の構造、ガードレールそのほかの問題がありますけれども、そういう安全施設等について実情を調査したものかどうか、先ほどの答弁と一緒に御説明願いたい。
○政府委員(蓑輪健二郎君) これは、道路法の二十条の兼用工作物となっております。そこで「道路と堤防、護岸、ダム、鉄道又は軌道用の橋」、こういうようなものと、道路としての兼用工作物ということで、道路管理者が県道認定ということを道路局に伺いを立てまして、それによって許可するわけでございます。実はこれはおい立ちが、いま言いましたように、水路の管理用の道路ということでございまして、カーブその他に非常に問題がございますので、車両制限令によりまして重量制限六トン、また速度制限も、公安委員会で五十キロということで供用をさしたわけでございます。
○鈴木一弘君 私は、二十条には適用しないのじゃないかと、道路管理者のほうからこれは言ったわけじゃないですからね。だから、どうも法的根拠がないように思うのですよ。その点は、あとで答弁をしていただけばけっこうです。資料で下さってもけっこうですけれども、この安全の問題について、私が見たのでは、確かにあすこは非常に便利ですよ。一日に何千台、四、五千台の車が通っています。なければ非常に不便だということはわかりますが、街路灯がまずない。それからガードレールもわずかしかない、ただせいぜい金網がある程度である。非常におそまつなわけです。一方は、そのままちょっと入れば端に落っこってしまう。こういうことで、しかも、カーブ等についても無防備であるというふうになっておりますし、その点が私は非常にこれは手落ち過ぎるんではないかという感じがするのです。その点について、ただ速度制限云々ということはありますけれども、それは事故が起きてからあとのことじゃないですか。そういう点では、先ほどのは答弁にならないように私思うんですけれども、時速五十キロといえば、すいているときは七十キロくらい出しますし、そうなると、あすこは非常に危険な区間になるわけです。そういう点についてのこまかい行政指導はどういうふうにされてきたのか。
○政府委員(蓑輪健二郎君) 実は、こういうものにつきましてやはり県道にします際に、道路管理上の問題は、県の管理者に全部まかせておるような次第でございます。ただ、これは私たち聞きましたところによりますと、そういうことで県道として供用したところ非常に事故が多いということで速度制限もしたんだと思います。また、私たちいま見ますと、幅員は、車道幅員六メートル五十ございますから、道路としての幅員については問題ないと思いますが、ただ、こういう初めから道路として設計されてないために、水路のふちを通っておるために曲線半径、曲がりかど、これが非常に狭い。また、曲線半径において、普通の道路の構造令だとそこに肩勾配もつけるわけでありますが、そういうものがないということでございます。私、この地点をあとで考えますと、県では四十五年度でもってさらに照明十一基とガードレールを一キロ二百を設置する予定だと聞いておりますが、どうもいまお話によりますと、こういうものについては、あらかじめとにかく必要なものをやってから供用するというようなことでいくべきだと思います。深く反省いたしまして、またこういうことのないようにしたいと思います。やはりいまとなっては、こういうような照明なり、ガードレール、安全の施設をできるだけ早くつけることがまず必要かというふうに考えております。
○鈴木一弘君 これは国民の側から見ると、水資源公団云々といわれても国家という受け取り方をするわけです。そうすると、当然国に準ずべき機関でありますから、そういう点では、国民の側からいうと、なぜ国のほうはかってにこういう道路を県に使用さしたのだろう、便利は便利でいいけれども、道路の構造上も不十分じゃないか、こういう点で非常に不満が出てくるわけです。そういう点、これから後このような公団等において供用の道路工作物というのができる場合もあると思いますが、そういう点は人命尊重という立場をもって直接なタッチというような、かなりのタッチまでしてほしい、こういうように思うんですが、その辺の答弁をしていただきたいと思います。
○国務大臣(根本龍太郎君) 御指摘のとおりと思います。せっかく好意によってやったことが、その好意は好意として、道路の安全の面で欠けるものを情にほだされてやるということについては、これは慎むべきだと思います。もし供用を許すという場合においては、やはり県に改善命令なり、改善する措置を付帯条件として許可する等の配慮が必要だと思いますので、今後十分そういう点を考慮して供用するように指導いたしたいと考えます。
○鈴木一弘君 時間がありませんので、あと五、六分で私は終わります。 道路の問題で伺いたい。先ほど常磐高速の問題についてはございましたけれども、東北縦貫自動車道、関越自動車道、こういうのが現在あるわけであります。これからいろいろ整備計画ができてくる段階だろうと私は思うのですけれども、東京を中心に考えると、神奈川から南の方面にかけて、あるいは西の方面にかけてはかなり高速自動車道路というものの建設が進んでいる。大臣も御存じだと思いますけれども、これから北部へ行くとなれば、とにかく東京都内を抜けるだけでも一時間以上かかってしまう。私は大宮におりますけれども、とにかく二時間以上覚悟しなければとてもじゃない、それを使用できない。そういう点で東北縦貫自動車道とか、関越自動車道の整備というものが急がれるわけでありますけれども、それについての基本的な考え方と、岩槻市と川口市の間の東北縦貫自動車道、それから関越については東松山市以北の整備計画、これは一体いつごろできるのか。 それから審議会で審議しているとすれば、その経過等を教えてほしいと思うのです。
○政府委員(蓑輪健二郎君) 東北縦貫自動車道の岩槻市と川口市の間は十一キロでございまして、これについては四十四年の一月に基本計画が決定されまして、現在整備計画を策定するための調査を尽くしております。ここは先生も御承知のように、中を通る用地はもうすでに買ってあります。これは実はできるだけ早くこの次の国土開発の幹線自動車道を審議会にかけまして、岩槻市から以北ができると同時に、中も完成さしたいというふうに考えております。 次に関越自動車道につきましては、川越から東松山市間の十九キロは、昭和四十三年四月に整備計画を出しまして、道路公団に施工命令を出しております。その後の、その先でございますが、東松山−渋川六十四キロでございます。これについては、四十四年の一月に基本計画をきめております。現在、整備計画をつくるためのいろいろな調査をしております。特に問題になりますのは、圃場の問題と、あそこの東松山の城跡等の問題がございます。それの文化財の問題でルートを検討しておる次第でございます。これもできるだけ早く審議会にかけて整備計画をきめていきたいというふうに考えております。
○鈴木一弘君 時間がないので、ものすごくはしょりますけれども、この点については、大臣にも決意のほどを伺っておきたいと思います。実際、車に乗ってみられれば、いわゆる富の集中されているところへの開発が進んでいる。過疎対策、つまり富の集中を避けていこうといったように、そういう面へのいわゆる道路の開発がおくれている、こう言わざるを得ないわけであります。ですから、ますます地域格差が増大していくということになってくるわけですけれども、この点については積極的にやっていただきたい。 その決意を伺いたいのと、いま一つは一般国道の問題で、私も、年じゅう行って困って自分で悲鳴をあげているのが戸田橋の問題であります。十七号国道の戸田橋は、すでに昭和五年にできているわけです。通ってみればわかりますけれども、十センチくらいの段差ができているという状態ですし、現状では、あそこを通過するためにものすごい努力を払わなければならぬ。この改築計画というものは、一体将来どんなふうになっているのか、おありになるのか。 いま一つは、私が当該建設委員会にいるときに出しました例の深谷バイパスの早期着工に関する請願、これが採択されたのが昭和四十三年の三月に採択をされております。この処理状況。国会で請願が正式に採択されたものについて、その以後どうなっているのか、さっぱり見当がつかない。実際問題として、もう超満員の状況であることはよくおわかりだと思いますけれども、採択までされたものがいいかげんにされているのでは、ちょっとこれは問題だと思うので、その点についの経過も教えてもらいたい。
○国務大臣(根本龍太郎君) 鈴木さん御指摘の道路計画を実施するにあたりまして、いわゆる産業集中、人口集中のところの再開発に重点を入れ過ぎている。むしろその原因となるところの最も根本的な対策ともいうべき地方に道路をつくって、少し勢力を他に伸ばすというところに重点を入れるべきだという点、私もそのとおり思います。そういうことで今後の新五カ年計画を推進してまいりたいと思います。 それから、いまの具体的な問題につきましては、事務当局から御説明させたほうが適当と思いますので、道路局長から説明させます。
○政府委員(蓑輪健二郎君) いま先生御指摘になりました十七号の戸田橋でございます。これはいまの規格のほんとうに四車線ございません。東京都内のほうが広がっておりまして、その先もまだ狭いような状況でございます。根本的には、いまの戸田橋の上流にあります笹目橋から大宮のほうに行くバイパス、これを鋭意やっておるのでございます。将来の計画は、やはりいまの戸田橋についても拡幅しなければならないということでございます。ただ、ああいうような戸田橋の橋の構造でございますので、また、かなりこれも昔かけました橋で老朽化しておりますので、実は四十五年で四車線にすることと、老朽に対してどういう対策をするか、四十五年度の予算で調査費をつけたいというふうに考えております。 また、もう一つの深谷のバイパスでございますが、これも十七号が非常に込んでおりまして、ただ、いまのところ熊谷のバイパスを実施しております。将来の計画としては、熊谷のバイパスから深谷のバイパスにつながるという計画を持っております。もう一つは、深谷のバイパスの途中から群馬県の伊勢崎に向かって上武国道というものをやっていく、それのほうを十七号にして、現在の十七号を——これは政令の変更が必要になるのでございますが、十八号という形で高崎のほうに持っていきたい。その一環として深谷バイパスを実施していきたいというふうに考えております。昭和四十五年においては、熊谷バイパス、これは鋭意用地の買収をいまやっておりまして、これの完成のための促進をはかると同時に、深谷バイパスの早くルートをきめるための調査を四十五年度は本格的に実施していきたいというふうに考えております。
○柳田桃太郎君 もう地価の問題については、大体その対策も出尽くしておりますし、要は、これは勇断をもってやるかどうかという問題なんですが、建設大臣は合理性に徹する勇気ある大臣と思いまして、私はこれから項目別にお聞きいたします。内容については私も存じておりますから、もう簡明に、これはやるんだ、やらないのだということでお答えを願えばけっこうでございます。 まず、鈴木委員からもいま質問しておりましたが、わが国の地価の値上がりは国土の全面的な効率的利用がおくれたということが一つの大きな私は原因だと思います。そこで新幹線あるいは高速度道路、あるいは地方空港、あるいは電話の自動即時化等をやりまして、交通通信網を整備することによって非常に快速に、ある程度は商工業の疎開もできると私は考えておりますけれども、これは昭和二十五年に国土総合開発法ができたときに、われわれ大きな期待を持ったのでありますけれども、この法の十三条に、御承知のとおり、国土総合開発事業は毎年予算の許す範囲内においてこれを実施するということになっておるが、毎年度、よく伸びて一八%あるいは一七%という伸び率しかない。その中において、抜本的に日本の国土に動脈静脈に相当する交通通信網を急速に整備するということは、これは困難であろうと思います。ところが、大臣もいまちょと御答弁になっておりましたが、新税の設定についてはいろいろの障害がある。また公債の発行には、総需要を増大して消費力を刺激するといって、これまた反対がある。それならば、いままでどおりのような財源をもって、いかに代々の建設大臣が国土総合開発計画を実行しようとしても、これはなかなかできない。そこで、現在の根本大臣のときに、何とかしてこの財源の突破口をまず開いておくということが大切ではないかと思いますが、御所見をお聞きしたいと思います。
○国務大臣(根本龍太郎君) いま御指摘のとおりだと思います。私は、十二年前建設大臣を拝命したときに、道路特別会計をそのために設けました。従来は、いろいろ計画がありましても、単年度でございますから、ほとんどこれは毎年毎年の大蔵省の査定によってもう左右されてしまう。全体計画ができないということで道路特別会計を設けた。いまこれがずっと進んで、今度は土地改良なりあるいは治水計画というものが、大体特別会計かあるいは長期計画として設定されると、これは一つの前進だと思います。ただ、しかしながら、特定財源の裏づけのないものは、結局、計画だけで現実に進んでいかない。そのために、これはすべてのものについて特定財源を張りつけるということ、これは税制上困難でございまするけれども、少なくとも道路についてはこれを明定したいということで、昭和四十六年度予算にこれははっきりときめようというところまでは合意を見た次第でございます。
○柳田桃太郎君 さきの道路五カ年計画には自動車税の見返りをもってこれに向かったわけですが、今度のこの新しい計画についてはどういう財源をこれに裏づけをしようというお考えなんですか。
○国務大臣(根本龍太郎君) 先ほど鈴木さんにお答えをしたように、これはいろいろ考えられる点がございます。まず自動車債券の問題がございます。それからトラック税をつけるということもございます。それから地方財源においては軽油引取税というものもございます。それから都市街路については都市計画税というものをもう少し取っていいじゃないか、こういうふうにし、それからさらに地方自治体で、いま非常に市町村の整備のために苦労している。そのためにも、私は、必ずしもそれに直結する財源ではないけれども、固定資産税の再評価ということが当然これは考えられる時期になってきたと、こういうふうに考えておる次第でございます。
○柳田桃太郎君 そういうことがこの実施の推進力となって大いに実現されることを期待をいたしておきます。 次は、財産権の過度尊重の問題でございます。さきに農地改革をやりましたときにも、これは憲法上違反ではないかという問題が起き、今回また都市計画法ができまして、市街化調整区域というものを設けるということに対しまして、地方議会などではこれは憲法違反ではないかというような声さえある。これが財産権に対する一般国民の声でございます。したがって、この財産権というものは一体どういうものであるか、もちろんこれは憲法学者によっていろいろな諸説もありましょう。しかし、国民に対して、これが公共の福祉とどういう関連のものであるかということを、やはりある程度の私はPRといいますか、一般の教養といいますか、そういうものが足りないのじゃないか。これは下筌ダムの例に見ましても、また成田新空港の例に見ましても、非常に建設省関係で苦労しておりますが、この財産権に対する大臣のお考え方を国民の前にひとつはっきりおっしゃっていただきたいと思います。
○国務大臣(根本龍太郎君) 御指摘のとおりでございます。現在はいろいろの財産権が実は公共のために相当程度制限されていることは事実でございます。しかるにかかわらず、土地所有についてのみ何か絶対権があるがごとくに従来は動いてきた。戦後、日本の土地が高くなった一つの大きな原因は、御承知のように、只見川の電源開発に関連してあの補償からでございます。当時は、いわゆる革新勢力という人々がこのしいたげられた、あるいは貧しい者の保護という名前のもとに、そしてまた国が実施する事業は国家権力との対決というすりかえ論議のために非常にこれが土地を高くしたということは事実でございます。それから都市内におきましては、特に銀行が目抜きのところに経済的な合理性をこえたと思われるお金でどんどん買収した、これが写真相場になっていってしまった。こういうような状況があまりに過度に出てきたために、最近では、幸いにも国民のほうから土地所有権に対してはもっと公権を使ってこれの制限をすべきである、場合によっては国家が土地を収用権を発動してどんどんこれは収用すべきだということさえ出てきまして、これには野党の方々も、むしろ政府に勇断を持って土地政策を実施すべしという支持も出てきたし、また、マスコミも、いまや本格的にこの問題を国民的な合意のもとに解決すべきだというふうに取り上げられてきたので、チェンジマインドの一つの時期である、かように信じまして勇敢にこれに対する私は所信を述べてきております。これについてはいろいろ問題が錯綜しておりますので、近く国会等の御論議が支持してくださるならば、関係閣僚協議の上で土地対策、地価対策について本格的な検討を加えて、内閣全体として措置を講じたいと思っている次第でございます。
○柳田桃太郎君 もし建設大臣がそういうお考えならば、土地収用法、あるいはその特例である公共用地の取得に関する特別措置法——これは大臣に直接お伺いしませんが、一体、これがどれだけややこしい法律であって、どれだけ手間のかかる法律であるかということを私は政府委員にお聞きしたいんですが、一般に一番要領よくやった場合に、土地収用法で事業の認定からしまいまで一体どれくらいかかるものか、うまくいって。
○政府委員(川島博君) 土地収用法に関しましては、先生御承知のように、昭和四十二年に大改正を行ないました。この要旨は二点ございまして、従前の収用による補償価格は、収用委員会が裁決をいたしますときの価格によって決定をいたしておりましたものを、建設大臣なりあるいは都道府県知事が最初にこの事業は収用に適格であるという認定をいたしましたその事業認定時の価格によることといたしました。これは、従来、事業認定から収用裁決に至ります間に二年とか三年とかの時間が経過いたしますので、その間に土地が非常に値上がりをする。したがって、任意買収に応じた者と、収用裁決までごねた者との間に非常に値段に差がある、いわゆるごね得を排するという意味におきまして大改正を行なったわけでございます。 それから改正の二点は、ただいま先生御指摘がございましたように、従来の収用手続が非常に時間がかかる。従前の旧法におきますと、事業認定から土地細目の公告まで三年、さらに土地細目公告から収用の裁決申請まで一年、法律で許される期間だけでも裁決申請まで四年間の期間がかかることになっておりまして、これを四十二年の改正におきましては、事業認定から裁決申請に至る期間はわずか一年、従来の四年を一年に、四分の一に短縮したわけでございます。したがいまして、この制度改正によりまして、従来の収用期間は、手続に要する期間は一段と縮まりまして非常に最近は早くなっております。したがいまして、この改正によりまして、最近の事案につきましては非常にスピーディに行なわれておるわけでございます。
○柳田桃太郎君 実際に土地収用法を適用するに至るまでに相当長い期間示談で長引くわけでありまして、それからさらに一年ということですが、これは財産権の問題については、一般的国民の支持があれば、事業認定があるならば、ある程度の金を供託したならば仕事にかかれるというような体制に、やはりこの際一般世論を喚起して、もっとスピーディにこれをあげなければ、ますます公共事業の着工がおくれることになることを憂慮しておりますので、ちょうどいい機会でありますから、私は、土地収用法の改正をひとつお考えになったらいかがかということを、これは意見として申し上げておきます。 次は時間がございませんから急ぎますが、土地税制の問題でございます。これは地方税にも非常に関係がありますが、私は、たまたま以前に地方の仕事をしたことがございますから気がつくのでございますが、日本経済新聞でございますから、これは確認したわけではない。しかし、東京の固定資産税の評価並びに今度建設省が地価公示制度によって発表した価格の一つの例をここで申し上げてみますと、皆さんが御承知と思いますが、杉並の下高井戸の場合が出ておりますが、宅地の評価額は、固定資産税の場合、三・三平方メートル当たり二万六千四百円、同じところで畑の評価額が二百六十円、なお今回の地価公示制度による宅地としての公示額が二十万七千円、大体これが東京の例のようであります。これは固定資産税評価にいたしましても、地方都市から見ましても、非常に安いんですが、何らかのいままでの沿革によってこういうものが出ているんでしょうから、あえてこれを追及はしませんけれども、さきに足鹿委員からも発表がありました市街化区域になった農地を直ちに宅地並みに評価がえをして課税するということは、これはたいへんなことです。私もこれには反対です。というのは、全国の五百有余の都市の中では、まだまだ非常に農村地域の多い市街化区域もあるわけであります。しかし、東京のこの二十三区のどまん中に近いところで、施設園芸をしても、どんな高級園芸をしても、収益還元の法則から見れば、坪二十万円の土地が農地として適当であるかどうかということは別として、私はとても資本還元はできないと思います。それならば、ある一定の限度を設けて、それ以上の農地についてはやはり宅地並みの課税をするということのほうが租税のこれは負担公平の原則からみて適当ではないかと思うのであります。この点について、もし自治省からお見えになっておれば御答弁願いたい。
○説明員(山下稔君) 土地の評価にあたりまして、農地につきましては、農地法による使用目的等の制約があること等も考慮いたしまして、農地として利用する場合の標準価格を基礎にして評価をいたしておりますために、宅地に転用する等の場合ではなくて、あくまでも農地を農地として使う場合の価格ということで評価をいたしております。したがいまして、東京のような大都市におきまして、周辺が市街化されてきた地域におきまして、周辺の宅地との間にかなり評価の差がありますことは御指摘のとおりでございます。この点につきましては、こうした農地の特殊性にかんがみまして、あくまでも農地として評価すべきであるという意見があります反面、御指摘のように、市街地内の農地については周辺の宅地と均衡をはかるべきであるという意見もございまして、税制調査会におきましては、四十三年の七月に、市街化区域内の農地で都市施設が整備された地域内におけるものについては周辺宅地と評価の均衡をはかるべきであるという答申をいただいております。したがいまして、私どもは、この線に沿いまして、市街化区域の線引きの状況を見ながら、都市施設が整備された地域を認定する基準を見出して、周辺宅地との評価の均衡をはかるのが適当であるというふうに考えまして、関係各省とも御協議申し上げ、検討を続けてまいりたいというふうに考えております。
○柳田桃太郎君 市街化区域の農地を全部宅地並みに評価しろという意味じゃございません。収益還元の法則というものをあくまで考えて、これはもう農業資本としては適当じゃないじゃないかというものについてはという意味でありますから、誤解のないようにお願いしたいと思います。 そこで、東京都内二十三区の中にも八百平米以上という空閑地が六千四百ヘクタールある。かりにこれに中高層を建てたとすれば、二百四十万の人口が収容できると言われております。この空閑地に対する対策を建設省はどういうぐあいにお考えになっておるか、ちょっとお聞きしたい。
○国務大臣(根本龍太郎君) この問題は、実は各方面から最近にわかに指摘されております。東京問題研究会、あるいはまた清水馨八郎教授、その他各方面から首都圏、特に東京都は全然土地がないと思っているが、そうじゃないんだ。問題は、これの活用方法に欠けるところがある。その一つの大きな問題は税制であるという点すら指摘をされた。その意味において、ただいま自治省方面から言われたように、土地税制について考える。ただし、これは急激な変化ということから非常に重大な影響を国民生活に及ぼすので、いわゆる激変緩和を考えつつ、漸次そういうふうに持っていくべきだということでございます。それとの関連において、今度は都市の再開発、これをやらないと、ややもするとスプロール化が行なわれてくる。そこで、いま線引きをしているゆえんのものは、これによって都市化したところ、それからもう少し十年間に都市化すべき場所、これについては、指定されたところにおいては原則として住宅地あるいは商業地、あるいは工業地域というふうに八種に分けて、それぞれにその公共施設をも整備して、そうして秩序ある機能的な土地開発をするということでやっておる次第でございます。
○柳田桃太郎君 税制についても特段の考慮を払っていただくということで次に進みたいと思いますが、この土地投機に関する資金の問題について大蔵省の銀行局にお伺いいたしますが、一般企業も小会社を使って土地の思惑買いをするので困るということを三井不動産の江戸社長が四十五年三月三日の毎日に意見を発表しておりますが、これをそのまま——私は事情はわかりませんが、私の推測では、これは民間の設備投資と住宅投資をさらっと見ましても、昭和四十四年度が十六兆七千億、四十五年度は二十七兆七千億でありますから、かりに建設省並みに二割を土地代といたしますならば、三兆円ないし五兆円が土地投機に回わっておる。しかも、建設省、都道府県知事が認可した五万三千余の不動産業者が、これは不動産の流通に貢献しておる面もございますけれども、非常に活躍なさっておる。そこで、大蔵大臣と日銀の総裁が地価抑制のため土地投機のための貸し出しを抑制しようとしているが、なかなかうまくいかない。特に、私が気がつきますのは、相互銀行と信用金庫の担保物件の三六%から三八%がこの土地である。土地の値上がり待ちをして、この信用力を強化していって、それが信用取引の大きな、また通貨膨張の原因をつくりつつあるということにみえますが、銀行局は、何とかして、必要な土地はいいんですが、この地価抑制について、午前中、建設大臣は、不動産業者が資金を押えるので困るという意見もあるそうですが、特に大会社がその大会社の名前を冠した不動産会社をつくってかなり動いておる。これは地価の値上がりは一八%から二〇%であるのに対して、銀行預金は一割以下でありますから、金のあるものはどんどん土地に投資したほうがいいという現象がここにあらわれておるのじゃないか。そうすると、ますます大きな土地の買い荒らしが行なわれて、地価の高騰を招く。どこかで、これは開発工事のほうで都市計画上押える手もありますけれども、やみで行なわれるものについては、都市計画事業が行なわれていないところについては手が届かない。銀行のほうでも押えられないということになれば、ますますこの土地の思惑買いの大きな金が動くのじゃないかということを心配しますが、簡単でよろしゅうございますが、銀行局では、これを何とかチェックする方法ありますか。
○説明員(佐上武弘君) お答え申し上げます。 まさに先生御指摘のとおり、まあ銀行と申しますのは、経済の円滑な発展のために、安定した低利の資金を供給するという一つの公共的な使命を持っているわけでございまして、その意味におきまして、先ほど申されましたような企業活動、設備投資その他について資金を融通する、あるいは宅地造成、そういった民間デベロッパーの適正な土地の供給の増進というものに対して、やはり公共的な見地において供給の任に当たるべきではございますが、御指摘のございましたように、いやしくもその土地の騰貴をあおるがごときような事態を招来いたしますれば、これはゆゆしき問題でございます。私も、銀行課長を拝命する以前、企画庁で物価政策課長をやりまして、非常にその地価問題の重要性も、自分自身考えているわけでございます。そういった次第でございますから、私どもも、昨秋以来、各金融機関の例会あるいは代表者を集めまして、こういうような問題があるから各金融機関の融資実行にあたりましては、慎重にひとつ審査してもらいたい。そうして、また、土地投機に流用されるような不動産融資につきましては、これはもう厳重にひとつ自粛してもらいたい。同時に、私ども、銀行検査をいたしておりまする、そういう方面におきましても、特に注意をいたしてやっております。御指摘の点が具体的にどうか存じませんけれども、少なくとも、その点については最近非常に徹底してきているように存じます。先ほど建設大臣から、どうも銀行が駅付近に大きな土地を非常に買いあさってという御指摘がございました。こういう批判もあることも事実でございますので、少しこそく的ではございますけれども、この点につきましては、昨年十二月十六日の通達をもちまして、「現在地価問題の重要性にかんがみ、金融機関の店舗用の土地取得により、いやしくも地価騰貴に拍車をかけることがないようきびしく指導する。」、そうして、かりにその取得価格が不当に高額である場合と認められる場合は、かりに店舗を認めるという内示はいたしましても、その認可を取り消すという強い姿勢を示しております。その意味におきましては、金融当局も地価問題の問題性というものを、問題意識をかなり最近痛感してきたように思いますが、今後もますます先生の御指摘がございますので、さらにこの点の指導監督を充実してまいりたいと考えます。
○柳田桃太郎君 最後に大臣にお尋ねしますが、都市計画法ができまして、土地の先買い権というより、まあ向こうが先売り権と申したらいいんですか、計画決定をいたしますと土地の使用制限がありますから、土地の所有者がその土地を買ってくださいといって持ってきた場合は、その都市計画の施行者は買わなければならない、いや、買っていいことになるわけです。しかし、現在自治省、建設省が考えておられる程度の土地資金では、土地の先行投資もそう大したことはできないと思いますし、さらにまた、このいまの一般の土地不動産に回っておる資金が何兆という大きな金が回っておりますので、なかなか地方団体も買いにくい状態が起こるんじゃないかと考えておる。そこで、大臣は、土地基金構想というのを新聞にこの間発表されておりますが、しかし、私がいま申し上げたいのは、わが国のこの土地先行投資というものは、もし、地方団体がその先行投資の仲間入りをいたしますと、土地の買いあふりになって、値上がりの原因をつくる場合もあるわけです。しかも、いままで考えられております近郊都市のニュータウンと申しましても、あれはニュータウンじゃなくてベッドタウンなんです。住宅公団がある程度公共施設を整えたベッドタウンをつくりますけれども、職住一体のものではないわけです。少なくともベッドを中心としたものなんで、これは建設省は住宅をやり、道路をやり、通産省は商工業を担当しておるというようなぐあいで、住宅団地をつくるものあるいは流通団地をつくるもの、工業団地をつくるもの、いろいろ所管が違っておるせいもありまして、イギリスのようなまとまったニュータウンができにくい事情もあると思います。しかし、やはりこの法をずっと見ますと、都市計画法というもので一切のものに投網をかぶしたようになりますけれども、事業そのものはばらばらなんですね。だから、まとまって職住一体の衛星都市をつくる構想があるということを大臣はこの間ちょっと言われました。少なくともロンドンの近郊には、完全に成功はしませんでしたけれども、十二ぐらいのほんとうのニュータウンがあるわけです。それは自立都市でありまして、職住ほか、都市施設が一セット整っておる。いまの日本のように膨大な住宅団地ができ、せめて学校ぐらいあるけれども、ほかのものはないというような、あんなところは外国にはあまり例がないわけです。そこで、私は土地基金制度というようなものが必要だと思いますけれども、そういった意味の職住一体の新都市計画を完成していくための、そういう一つの公団か、公社か、事業団か、あるいは民間デベロッパーでもいいんですが、そういうものを考える必要があるんじゃないかということを最後に申し上げて私の質問を終わります。
○国務大臣(根本龍太郎君) いま柳田先生から御指摘された点は、基本的に私賛成でございます。そのために、実は私は党におるときから、そうしたことをやるためには各省の相協力することのほか、資金についても相当めんどう見る必要がある。そのためにいまの日本開発銀行の機能の中で、地域開発というものを相当重点的にやる時期である。かつての復金時代、それから、現在、これほど高度成長をしておるとき、一般金融のほうが相当いま高度成長で伸びているときに、さらにこれに拍車をかけるよりも、むしろ地域開発、その中にはいまの職住近接、一体となったところの地域開発が今後相当伸びなければならない。それについて、その道を開くべきだという意見を私は出しております。そうした点をも今後前向きに検討しまして、総合的にやるために、実は建設省自体につきましても、道路だといえばみんな五カ年計画で、国道何号線は何年間でやる、そうするとそれが自動的に予算が張りつけられておる。社会情勢の変化とあまり関係がない——と言えば、はなはだ極端でございますが、そういうことでやっておる。そこで、本年から私は、いまの総合農政あるいは地方のいまのいろいろの団地、流通団地とか、そういうものができた場合には、たとえそこが市町村道であろうとも、これには優先的に道路予算をつけてやる。そのためにいま相当部分保留しております。そうして弾力的につけることによってやらなければ、道路予算ができた、そうするといままではどこそこの県の何道には何ぼというふうに、みんな個所づけられてしまうのでそういう事態に対応できない。そこで、これは特に道路についてはそういうふうな配慮をしてやってまいりたい。それが今度地方に参りますと、御承知のように、例の生活圏、こういうものでそれを全部カバーしていきたいと思っておる次第でございます。
○中村喜四郎君 ちょっと関連で。大臣、いま柳田さんの質問の中で非常に暗示を与えてもらったんですが、私も外国のニュータウン構成の財源をどうするか、民間資金をどう投入するかという問題の見聞をしてまいりましたが、スエーデンではこういうことをやっておるわけです。会社法人ですね。法人の税の場合に、利益の六〇%ないし七〇%ぐらいは通常の税率をかけておいて、あとの三〇%なり四〇%なりは開発基金として出しておいて、たとえばその四〇%は、もし会社が赤字になった場合は還元されるけれども、五年間なり十年間保留されておって、そういう全体のものが開発資金として、政府資金以外に、民間資金の開発に対応するものとしての措置をとって、税制上にもそういうふうな特権を与えると同時に、実質的に開発資金を出させる道を講じてニュータウン構成をやったと、これは政府資金がなかった、市の資金がなかったときそういう構成をやって非常に成功した例があるわけです。こういう点も一つお考えになったらと思います。
○主査(足鹿覺君) これにて建設省所管の審査は終了いたしました。 これにて散会いたします。 午後六時七分散会