予算委員会第三分科会 第1号
- 発言数
- 259 件
- 登壇者
- 18 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1970/04/13
会議録
○市川房枝君 ただいまから予算委員会第三分科会を開会いたします。 本院規則第七十五条により、年長のゆえをもちまして、私が主査及び副主査の互選につき、その議事を主宰いたします。 これより正副主査の選任を行なます。 正副主査の選任は、投票によらないで、主宰者にその指名を御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○市川房枝君 御異議ないと認めます。 それでは、主査に足鹿覺君、副主査に柳田桃太郎君を指名いたします。 ————————————— 〔足鹿覺君主査席に着く〕
○主査(足鹿覺君) ただいま主査に選任をいただきました足鹿でございます。 参議院の慣例等につきましては、私未経験でございまして、また未熟な者ではございますが、皆さん方の御協力によりまして職責を全ういたしたいと存じまするので、何ぶんともよろしくお願いを申し上げまして、ごあいさつにかえる次第でございます。 さっそくでありますが、参考人の出席要求についておはかりいたします。 本分科会において必要な参考人の出席要求についての取り扱いは、これを主査及び副主査に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○主査(足鹿覺君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 —————————————
○主査(足鹿覺君) 審査に入ります前に、本分科会の議事の進め方についておはかりいたします。 本分科会は、農林省、運輸省、郵政省及び建設省所管を審査することとなっております。十五日の委員会で主査報告を行なうこととなっておりますので、議事を進める都合上、主査といたしましては、おおむね、本日午前農林省、午後郵政省、明十四日午前農林省、午後建設省、明後十五日午前郵政省、午後運輸省の順で審査を行ないたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○主査(足鹿覺君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 —————————————
○主査(足鹿覺君) 昭和四十五年度総予算中、農林省所管を議題といたします。 まず、政府側から説明を求めます。倉石農林大臣。
○国務大臣(倉石忠雄君) 昭和四十五年度農林関係予算につきまして、その概要を御説明申し上げます。 最初に、各位の御協力を得て御審議をいただくにあたりまして、予算の裏づけとなっております農林水産業施策の基本方針について申し上げます。 まず、農業についてでありますが、最近の農業をめぐる諸情勢の変化は著しく、米の過剰をはじめ種々困難な問題に直面しております。このような情勢に対処し、政府としては総合農政の展開をはかることとし、鋭意検討を続けてきておりますが、第一に、今後の総合農政の推進にあたって最も重要なことは、規模が大きく高能率の近代的農業を育成していくことであると考えております。そこで自立経営農家の育成に努力するとともに、今後とも兼業農家がなお相当の割合を占めるものと考えられるので、兼業農家をも含めた各種の集団的生産組織を育成助長することにも努力していきたいと考えております。さらに、基幹施設を有機的に結合して、生産から加工、流通まで一貫して組織化される広域営農集団の形成を進めてまいりたいと考えております。 このような近代的農業を育成するためには、何よりも農地制度の改正等により構造対策の一そうの推進をはかっていかなければならないと思います。また、中高年齢層を多数かかえた就業構造の改善をはかることが重要であることは言うまでもありません。そこで農業者が希望に応じて他産業へ円滑に転職できるよう離農の援助促進のための施策を進めていく考えであります。また、農業者年金制度を創設し、農業者が農業から引退しても老後の不安が残らないようにするとともに、これが経営規模の拡大に資するようにしてまいる所存であります。このように、農業構造の改善を進めるにあたっての大きな前提となるのは、土地基盤の整備であります。このため農道網の整備、圃場条件の整備、草地の造成改良など農業生産基盤の整備開発に力を入れていきたいと考えております。 第二は、近年食料の自給率が低下する傾向にありますが、私は人口が一億をこえるわが国において、国民が必要とする食料を大幅に海外に依存するのは適当でないと考えており、今後の農業生産は、従前にも増して需要の動向に即して進めることが特に必要であると考えます。 最近の米の需給の動向を見ますと、国民の食生活の変化により消費は減退しているのに対し、生産は増加しているため相当な供給過剰の状態になっており、今後ともこの基調に変化はないものと思われます。このような米の需給事情にかんがみ、政府の米管理の面におきましても、生産者米価及び消費者米価の水準を据え置く方針をとることとするとともに、米の需要の増進に努力いたす考えであります。さらに、新規開田を厳に抑制するとともに、米の生産調整を緊急の課題として実施することといたしております。 畜産物、園芸作物等については、需要の伸長が見込まれますので、生産性の向上を基本として生産の振興につとめる考えであります。畜産物については飼料基盤の整備を中心に対策を進め、また、養蚕、野菜、果実等の園芸作物については、主産地を中心に安定した供給を確保するよう対策を講じてまいる所存であります。 第三に、農産物価格政策については、価格変動の著しい生鮮食料品のうち、新たに肉用牛、野菜などについて価格の安定のための対策に意を用いるつもりであります。さらに農産物の流通、加工の問題も重要でありますので、その近代化を促進してまいりたいと考えております。 第四に、都市に比べて立ちおくれている農村生活環境の整備と農村の整備、開発を推進することが重要であると考えております。このため、農村における道路、通信網、医療施設等の整備を進めることがぜひとも必要であると考えております。 次に、林業及び水産業についてでありますが、それぞれ最近の需給事情、資源の動向及び従事者の所得水準等について問題が多々存在しておりますので、これらにつきましても、生産基盤の整備、構造改善の促進、従事者に対する福祉対策の充実等諸施策を強化し、生産性の向上と従事者の所得の増大及び生活水準の向上をはかってまいる所存であります。 以上申し述べました農林水産業に対する施策の推進をはかるため、昭和四十五年度予算の編成におきましては、農林関係予算の充実をはかることに一段と配慮した次第であります。 まず、昭和四十五年度の一般会計における農林関係予算の総体につきましては、農林省所管合計は八千五百三十億円で、これに総理府、厚生省及び建設省の他省所管の農林関係予算を加えた農林関係予算の総額は九千百七十七億円となり、これを昭和四十四年度の当初予算と比較しますと、一千五百十二億円の増加となります。 以下、この農林関係予算の重点事項について御説明をいたすことになっておりますが、時間の都合もございますので、委員各位のお許しを得まして、説明を省略し、その内容は速記録にとどめていただくことに御了承いただきたいと思います。よろしく御審議くださいますようお願い申し上げます。
○主査(足鹿覺君) おはかりいたします。 ただいま農林大臣の御発言中にありました以下の説明につきましては、会議録の末尾に掲載いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○主査(足鹿覺君) 御異議ないと認め、さよう取りはからいます。 これより質疑に入ります。 〔主査退席、副主査着席〕
○足鹿覺君 若干御質疑を申し上げますが、まず第一に、農産物の価格政策について大臣から御所見を特に承りたいと存じます。 従来から農相は、価格政策を洗い直すとたびたび方針を述べておられますが、一歩踏み込んでその構想の大要について明らかにしていただきたいと存じます。と申しますのは、去る四月六日物価安定政策会議は、行政介入が自由な競争市場の形成を妨げているとの根本思想から、行政介入廃止の提言をいたしたことは御承知のとおりであります。具体的に申しますと、農林水産物関係では、豚肉とかあるいは畜産事業団のあり方とか、ノリの高値等を引用しておりまするが、きわめて重大な問題であります。ただいまも大臣が述べられましたように、今後の価格政策は流通加工の近代化を含めてのあり方が必要であることは申し上げるまでもありませんが、むしろ場合によっては行政介入を強めなければならない場合も必要かと考えるのであります。要するに、農産物の価格制度について、自由経済の原理とは異質な生産者所得補償的見地に偏した制度の運用を改めるべきであるなどと提言にも述べておりますが、もしこの基本的政策に転換を迫っておるものだといたしまするならば、さらにまた最低補償価格保証制度についてすら再検討を提言しておることはきわめて重大視せざるを得ません。 日本経済は現在独占体制であると言われ、価格や地下カルテルによる協定価格等、これらにメスを入れることなくして物価問題の解決は根本的にあり得ないと思います。しかるに、公正取引委員会は日に日に弱体化の傾向を示しておることはまことに遺憾にたえません。こういう見地に立って価格政策、物価安定政策会議の提言等とも関連をされまして、大臣の御決意を含めた御所信を承りたいと存ずるのであります。
○国務大臣(倉石忠雄君) ただいまお話の提言につきましては、その趣旨を体しまして、それぞれの実態に即応して改善し得るものから早急に検討を進めるのでございますが、当面およそ次のように考えております。 その一は、農産物価格政策につきましては、価格水準は生産者、消費者を含め、国民的合意の得られるような適正な水準であることが必要でございまして、長期的には国際価格の動向を勘案しながら、かつ物価の安定に寄与するよう留意する等適正な運用をはかってまいりたいと思います。 その二は、加工原料乳、乳製品につきましては、制度の仕組みや運用の実態から見まして、必ずしも生産者保護に偏しているとは私どもは思わないのでございますが、今後の運用にあたりましては、生産者、乳業者及び消費者のそれぞれの立場を考慮いたしまして、適正な価格の決定につとめてまいりたいと存じます。 その三は、豚肉につきましてでありますが、価格の安定をはかるため、供給の安定的確保に一そう努力いたしますとともに、価格の高騰時における緊急輸入の適時適切な実施、関税減免制度の改正等輸入政策の弾力的運用をはかってまいりたいと思います。 その四は、砂糖についてでありますが、現行制度は海外価格の異常な変動による国内市場の混乱を防ぐとともに、国産糖価格の支持をあわせて行なう制度でございまして、今後ともより一そうの適切な制度の運用につとめてまいる所存であります。 その五は、ノリについてでありますが、現行の輸入制度を前提といたしまして、消費者の利益をも十分に考慮いたしまして適切な運用につとめるほか、このたび関係者を集めまして、ノリ問題研究会というのを開催いたしまして、国内産ノリを含め円滑なる流通を促進するための検討を進めてまいりたいと思っております。
○足鹿覺君 現在日本農業は、貿易自由化の脅威に直面をし、前近代的経営からようやく脱皮の緒についたばかりのところでございます。したがって、農相はただいまも述べられたごとく、この提言をまるのみにするとか、あるいは基本をかえるとかいう受け取り方ではなくて、具体的に必要なものについては、ただいまもお述べになりましたように、適時これを処理せられますとともに、今後物価対策閣僚会議等に臨むにあたっては、まず生産者の価格安定を旨とし、しかも消費者の立場を考えた場合には、むしろ現在では流通加工段階に大きな問題のあることをわれわれは指摘したいのであります。このような点にも深くメスを入れられ、弱肉強食の自由競争から、当分の間日本農業が国際競争力にたえ得る力を得るに至る施策を進めながら、慎重に対処されんことを期待いたしまして、この点を強く要望申し上げておきたいと存じます。 次に、農業情勢の急激な変化と、農林水産技術会議等について伺います。すなわち、政府はみずからの行政機構について反省し、最近の社会経済の著しい変動に即応し、検討すべき時期に達したのではないかと考えます。たとえば農林行政機構を従来の縦割りから機能別横割りの組織への大幅の改革を検討すべき段階だとも考えます。この意味において行管が過般農林大臣に勧告をいたされました、農業技術の開発と普及に関する件でありますが、農業動向と試験研究機関体制との対応を強く要請いたしておりますが、農林省のこれが評価と対応策について、前段の行政機構問題等も含めて、大臣より御答弁を願いたいと存じます。
○国務大臣(倉石忠雄君) 私ども総合農政を推進いたしますために、その裏づけとなりますいわば革新的な技術の開発と試験研究の果たすべき役割りが重要でございますことは申すまでもございません。したがって、農林水産技術会議の今後の運営といたしましては、試験研究の効率的推進をはかるために必要な研究問題を的確に把握いたしまして、解決を要する諸問題につきまして、総合的組織的研究を推進いたしますとともに、研究体制の整備をはかるなど、今後の農業の発展に積極的に強く寄与し得るように格段の努力をはかってまいりたいと存じます。また、農林省の全体の組織は、そういう方向に向かって効率的に機能を発揮し得るようにつとめてまいりたいと存じます。
○足鹿覺君 特に農林水産技術会議のあり方について私は具体的に伺いますが、現在の会長は非常勤特別職公務員と聞いております。大体月二回の会議に出勤するのが恒例のようでございます。この農業情勢の急変に対応する技術体系の即応体制を急速に整備しなければならない重要なときに、会長がそのようなあり方であっては、とうていよき成果を期待することができないと思います。そこで私は農林水産技術会議そのものは強化してそのまま残し、農林省内に新しいいわゆるその普及等を中心とした完備した行政機構を設立して、この技術革新に即応できるように体制を整備すべきだと考えます。これは昨年も私は技術会議の問題に例を引いて申し上げました。こまかいことはあとで関係局長に伺いますが、大臣にこのことだけはよく御検討願いたいと思っております。いかがでしょうか。
○国務大臣(倉石忠雄君) 農業の動向に即応いたしまして、試験研究を総合的に、また効率的に推進いたしますとともに、その成果を普及事業等を通じまして十分に活用する必要がございますので、技術会議としては、その設置以来畜産、園芸等成長部門についての研究内容、研究体制の充実と生産性向上のために必要な試験研究等の拡充をはかるとともに、総合的、組織的な試験研究の推進に努力してまいったのでありますが、最近の農業をめぐる諸情勢の推移にかんがみまして、今後さらに効率的な試験研究を推進し得るよう試験研究内容、組織体制の整備に一そうの努力をはかってまいりたいと存じますが、ただいま御指摘の技術会議のあり方等につきましては、いまも申し上げましたように、変転してまいります農業の情勢、農業は御存じのようにいろいろな一般社会情勢、経済情勢の影響を受けるのは当然でございますので、そういうことに十分対処し得るようにその運営をはかってまいることが私どもの任務であると存じます。ただいまお述べになりました御意見、これは農業の面にとって重要な問題でもございますので、さらに私どもは農林水産技術会議が一般の御期待に沿い得るように効率的に運営するように刻々と検討してまいりたいと存じます。
○足鹿覺君 一応大臣に現地の声を伝えておきたいと思いますが、一例をあげますと、農林水産技術会議に所属しております農業機械化研究所、あるいは今度できるといわれております農薬の残留研究体制等を見ますと、いずれも業界の寄付を相当程度求めて行なうというような、全くわれわれとしては残念な状態だと思う。当然国がこれは責任を持ってやるべきことだと思うのです。したがって、機械化研究所でできた成果は農機具メーカーのいわゆる利益と、結果としては好ましくない結びつきも出ざるを得ないでしょうし、どうもいまのあり方については、私はこの技術革新のときにあり得べからざることである。特に農薬の残留問題等については生産者も、消費者はもちろんです、非常に問題になっているときに、政府が権威あるこの研究と取り組むということが私は当然だと思うのです。こういう点についてぜひもっと国費の充実をはかって必要な措置を講じてもらいたいと思いますが、特に畜産振興を唱えられておる最近の状況のもとで、一例をあげますと、試験場と種畜牧場が別々に現在存在しております。そのことの長短はこれはここで論議することは避けたいと思いますが、ある和牛を中心とした種畜牧場の四十四年度の経費は七千万円を相当割っております。定員が百数十名である中に四人不足しております。新しい肉用牛体型の育種については八年かかると場長は言っております。ところが、基礎牛となる種牡牛の保有が少ない。種牡牛の対策費をふやしてもらわなければなかなか思うようにいかないと言っておる。こういう態制の中で毎年そこから種牡牛としての育成牛を配付いたします頭数は十頭余だと聞いております。このような育成能力しかない。しかも七千万円弱の予算の中には六百万円余の農場収入を見込んでおるという貧弱なありさまで、非常に遺憾に思います。 今度新しく草地試験場が予算化されたと聞きますが、事務局長は新しい予算がついたとたいへん喜んで新聞に談話を発表されておりますが、要するに試験場も別、種畜牧場も別、草地試験場も別と、こういうようなことでは私は縦割り行政の中で畜産対策の中がまた縦割りになると、こういうことではたして所期の目的が達成されるであろうか、こういうふうに考えるわけであります。一例を申し上げますと、同じ種畜牧場でも外国種を中心としたF1——一代雑種をつくる種畜牧場は北のほうにある。和牛の種畜牧場は山陰のほうにある。ですから、現在の因伯牛というものは、ブラウンスイスと在来日本の黒牛をかけてできたものであることは大臣も御承知のとおりであります。こういう経過から見ても、種畜牧場が遠く離れておるというようなことは、技術的にはあるいは根拠があるかもしれませんが、私どもには理解がつきません。最近アバーデンアンガスとか、あるいはフランスのシャロレー等の一代雑種が相当いいものも出つつある。私の県ではわざわざ東北まで行ってその一代雑種を安く買ってきて飼育をし、相当の成果をあげておる、年間三千万円程度の粗収入をあげておる農場がございます。先般もその農場を見てまいりまして、どうも私は合点のいかないいまの畜産行政だと思う。と申しますのは、結局米にウエートがかかり過ぎて、米の博士や米の権威は数あるけれども、この畜産等については、まだ日本の行政指導体制も即応ができていないじゃないか、こういうことが言い得ると思うのです。技術会議は学理的な、これこそ自分の専門分野を守って他を顧慮しないという保守的な典型の姿である。これでは畜産の振興が急速にはかり得ないのではなかろうか。これを心配いたしますが、大臣に御所見があれば承りたいし、専門的過ぎますので、他の政府委員からでもけっこうでありますので、お話をいただきたい。
○国務大臣(倉石忠雄君) まず政府委員から申し上げさせていただきます。
○政府委員(横尾正之君) ただいま先生から各般にわたって御指摘があったわけでございますが、私ども試験研究と普及指導行政とが両々相関連して、御指摘になりましたようなばらばらにならぬようなことにつきましては、従来も配慮してまいりましたけれども、御承知のような農業をめぐる内外の諸情勢にかんがみまして、その点につきましては今後特段の努力をしてまいりたいというふうに存じておる次第でございますが、御指摘のございました個別の問題につきまして、私技術会議事務局長として責任を持っております分野に関しまして申し上げたいと思います。あと関連の局長がおられますので、その点は関連の局長から御答弁するということにいたしていただきまして、技術会議事務局の立場から、御指摘になりました点について申し上げたいと思います。 機械化研究所の問題、それから民間でつくられる農薬に関します機関の問題、最初に御指摘ございました機械化研究所の運営そのものは農政局で担当いたしております。ただ機械化研究所でやっております試験研究は、御承知のごとく機械の開発改良にかかわることでございますし、その機械の開発改良にかかわる試験研究は国立の試験研究機関——私どものほうで直接管理運営に責任を持っております国立の試験研究機関の機械の利用、研究、具体的に申し上げますならば、機械化栽培等、あるいは機械を導入いたしました作業技術にかかわる試験研究と密接な関連がございますので、両々両者相連携して進まなければならないことは申し上げるまでもないことでございます。したがいまして技術会議といたしましては、そのように両者関連している試験研究の連携につきまして、諸会議等を通じまして、かつまた日常の研究活動を通じまして、両者の連携、調和をはかって、そうして先ほどから先生の御指摘になっておりますようなことのないように、今後とも十分努力をしたいということで考えておる次第でございます。 それから民間の農薬の研究機関につきましては、直接的には農政局の所管でございますので、その内容についての御答弁は私からは省かしていただきたいと思います。 それから第二点の種畜牧場に関しまする関係でございますが、種畜牧場は御承知のように育成事業でございますとか、あるいは大規模飼育についての飼育管理の実験研究でありますとか、広範な事業をやっておりますけれども、私ども試験研究機関の立場からいたしますならば、試験研究の成果を適時に的確に種畜牧場の事業に反映させる。それから種畜牧場の事業の実際の中から出てくる問題を適時的確に試験研究機関が受けとめまして、そうして相互連携をはかる。もう一つは、新たな試験研究を始めます場合、施設等につきまして種畜牧場の協力を得なければならぬことが非常に多いわけでございます。そこで私どもといたしましては、先ほど来先生も御指摘がございましたが、アバーデンアンガスとかあるいはシャロレーとか、そういうものについての耳をつくる研究等につきましても、特別研究等で連携をはかっておりますが、今後さらにその辺につきましては、十分連携を畜産局とも協議をいたしまして、改良につとめてまいりたいということを考えておる次第でございます。 それから草地試験場の問題も出されましたけれども、もちろん草地試験場ができたからと申しましても、先ほどから先生の御指摘にあるように、草地試験場の立場から研究を進めますと同時に、その研究も現実に関係機関と十分連携をとりながら試験研究を進めますし、その成果を実際に生かしていくということにつきましても、行政面とも十分連携をとっていかなければならないわけでございまして、その点につきましては、せっかくつくる試験場でございますので、特段の配慮をしてまいりたいと思っておりますし、試験研究全般について、そのような状況でございますので、さらに立ち入った検討をし、先ほど来大臣からも御答弁ございましたような方向で努力をいたしたい、こういうふうに考えておる次第でございます。
○政府委員(池田俊也君) 機械化研究所の問題あるいは農薬の問題の御指摘がございましたが、こういう分野につきまして国費の充実をはかるということは、お説のとおりだと私ども考えておるわけでございます。農業機械化研究所におきまして、一部民間から寄付を仰いでおるということですが、これはどういう事情かと申しますと、設立されました当初に研究基金というものを、一応これは将来の研究のための基金になるものでございますが、そういうものを設定いたすことをきめたわけでございますが、その半分につきましては国が出資をする、半分は民間の出資等に仰ぐ、こういうことであったのであります。これはどういうことかと申しますと、機械化研究所の事業の目的は、日本農業に適した機械を開発改良する、そしてその成果を早急に企業化する、こういう点がございましたので、民間との密接な関連を保つことが必要だ。民間におきましても、機械化研究所の業務については常に関心を持っていただく、こういうこともございまして、当初研究基金というものを設けたわけでございます。主たる事業につきまして、人件費でございますとか施設費等は国が出しておるわけでございます。そういうような観点から研究基金を設けまして、それに対します拠出が従来毎年行なわれておる、こういう事情でございます。 それから農薬の問題につきましては、これは最近農薬残留の問題がうるさくいろいろ言われるようになりまして、私どももこの点のつきましては、国の試験研究機関、あるいは私どもに農薬検査所というようなところの予算の充実をはかっておるわけでございますが、今回四十五年度におきまして、新たな農薬の試験施設というものを実は設けることを予定いたしておりまして、それに対します国庫助成が出ておるわけでございますが、残りは民間が負担をする。これは新農薬の登録をいたします場合に、相当うるさい試験の成績を添付させるようにいたしておるわけでございますが、これにつきましては、従来民間の業者が大学等に頼みましてそういう試験をやっておるわけでございますが、最近非常に農薬の登録がふえまして、なかなかそういうものでは間に合いませんので、こういう機関をつくって促進をしよう、こういうねらいでございます。でございますので、民間が従来負担しておりました分野でございますので、全額助成をするというわけにもちょっとまいりませんので、一部国庫助成、こういうことに相なっておるわけでございます。
○足鹿覺君 この農薬の残留規制問題に関連して畜産局長にお伺いいたしますが、厚生省が今月の二十日ごろを予定して、牛乳のBHC含有量について何か行政措置をとるということが伝わっております。特に局部的に行政措置をとるところととらないところを考えておるというようなことから、ひんぴんとしてその方面から実情の問い合わせがまいりますが、畜産局として厚生省とどのようにお打ち合わせをしておいでになりますか。事実牛乳の中に含まれておると言われるBHCが、たまたまある特殊な場合に規定量をこえたものも一、二あったやに伺いますが、局部的に規制を加えるというようなことはあり得べからざることだ。もしおるとすれば、はっきり畜産局と厚生省、あるいは厚生大臣と農林大臣がよくその実態を見きわめ、とことんまで突き詰めて、そしてBHCが事実上牛乳に含まれて、今後の成長作目である酪農に障害になるということであれば、これは重大問題でありますから、断固たる措置をとらなければならぬと思います。その点いかがですか。
○政府委員(太田康二君) 御承知のとおり、昨年の十二月十六日に一部の新聞によりまして、牛乳中におきますところのBHCの残留毒性の問題が報道されたのでございますが、これを受けまして、これも新聞紙上等で足鹿先生御承知だろうと思いますが、十二月十六日の閣議におきまして、厚生大臣から牛乳のBHCによる汚染は、現状では人の健康に影響を与えるおそれはないが、汚染の実態の全国的な調査を行なうという報告が行なわれましたし、また、当時の長谷川農林大臣も、原因について調査し、対策を講ずる旨の発言をいたしたのでございます。そこで、厚生省といたしましては、その後北海道をはじめといたしまして、全国八県でBHCの残留の調査をいたしておるのでございまして、実は農林省も農林省の機関を動員いたしまして調査をいたしたのでございます。その結果は、大体問題はなかろうというような結果を得ておりますが、その調査の結果で、われわれの得られましたことは、やはり昨年非常にウンカ等が発生いたしまして、BHCを多量に使用した稲わらを給与した地区におきましては、BHCの汚染度がかなり高いというような結果を得ておりましたので、直ちにわれわれといたしましては、その対策として、ことしの一月に畜産局あるいは農政局におきまして、畜産局といたしましては、飼料作物に対し、または畜舎内において、現在までBHC及びDDT——DDTはほとんど使用されていないが、今後とも一切使用しないとか、あるいは放牧地等の家畜に寄生するダニの駆除のために一部にBHCが使用されておりますが、今後は低毒性の有機燐酸等にこれを切りかえてもらいたいとか、あるいは四十四年産稲作において、栽培の後期にウンカ等の排除のためにBHCやDDTを含む農薬を散布した稲わらを乳牛に給与しないというような指導をいたしました。これは生産者団体あげて御協力を賜っておるような次第でございます。 それから農政局におきましては、有機塩素系の殺虫剤の使用に関しまして、乳牛の飼料に用いる作物には一切BHCは使用しないということ、さらに稲についてはBHC剤、DDT剤の穂ばらみ期以降の使用は行なわないというような指導通達をいたしまして、少なくとも今後におきましては、BHCの含有量が漸次減るような方向に持ってまいりたい。こういう指導をいたしたのでございます。 ただいままで、私たちが厚生省と接しておりまして聞いておる段階におきましては、WHOの基準がございますDDTのガンマーにつきましては、大体問題がないようなふうに聞いております。ただ、それ以外にべーターとかいろいろBHCの関係があるわけでございますが、これらにつきまして、事やはり人の健康に関する問題でございますから、厚生省としては、これらについての毒性のあり方の問題につきまして、今後さらに検討を深めなければならないということにつきまして、いろいろ御検討をいただいておると聞いておるわけでございますが、私も環境衛生局長とお会いいたしまして、今後の取り扱いにつきましては、いま申し上げたような試験研究の成果も出ておるようでございますから、先生御指摘のように、このことがわが国の酪農振興に支障のないようなことに必ず持ってまいりたい。かように考えておる次第でございます。
○足鹿覺君 そうしますと、伝えられておるように、二十日ごろに何かの行政措置を行なうというようなことはないと、こう理解してよろしいですか。
○政府委員(太田康二君) 私は明後日向こうの局長に会うことにいたしておりますが、さようなことはないということで、私のほうとしては厚生省に申し上げたいと、かように考えております。
○足鹿覺君 これは農政局長にも申し上げ、大臣にもお聞き取り願っておきたいと思いますが、塩素系の農薬も、これは稲わらに多量に含まれておる場合は、タバコ、ナス科系統、それからウリ類等には非常な影響が出てくる。去年もその被害が顕著で、農薬会社がその損害について対策を考えなければならぬというような事態もあったようです。ただ問題は、ではかわるべき代替農薬の開発はどうかということについてみますと、それは必ずしも進んでおらない。こういうことでありますので、先ほど農政局長からお話のありました残留農薬等に対する研究はもちろん、かわるべき、無害でしかも低廉に農家が使用し得るような農薬の開発について、もっと農林省も本腰を入れてやっていただきたい、このことを強く申し上げ、何かこれらの点について御所見がありましたら承っておきたいと思いますが、いかがでしょう。
○国務大臣(倉石忠雄君) BHCの問題が起きまして、農林省でもそういうことについて、メーカーをはじめわがほうもいろいろ研究をいたしておるわけでございます。御指摘のように大事な問題でありますので、引き続いてそういうことについて十分な検討をしてまいりたいと思っております。
○足鹿覺君 次に、いま問題になっております大規模経営、たとえば稲作の一貫技術体系について、水稲直播を取り入れた稲作の一貫体系でなければ、今後はこの農業労力の老齢化、婦人化、また後継者の不足というようなときには、私は大規模農業の技術一貫体系はできない、こういうふうに思っておるものであります。この点についての御所見を聞きたいのでありますが、現在の研究段階はどうなっておるか、商社や農協がばらばらに農業機械を売り込んでいる。田植え機が四十三年には三万六千台も入ったと伝えられておる。現在では数倍になっているといわれておる。またバインダーあるいは乗用型のコンバイン等はこれまたばらばらに入っておる。この田植え機の問題にいたしましても、農家の労働を軽減することには直接効はばあっても、一方しろかきとか管理肥培とかの面におきましては、苗床の苗のつくり方はもちろんでありますが、一そう手植えの場合よりも精度の高いことが一面に伴うということが伝えられております。したがって、労働手段の体系化としては私は田植え機は本筋ではない。もし本格的な大規模化をはかろうとするならば、いわゆる直播体系を中心とした肥培管理、収穫、脱穀調整、大量保管という方向へ行くべきものだと思います。どうもそういう点でばらばらであって、一つの指導体系によってこれが導入されていくことは、計画経済ではありませんからやむを得ませんが、何かそこにいまの技術会議なり機械化研究所、一般メーカーとの間にもう少し横の連絡をつけて、合理性があるようにすべきではないかと考えますが、大規模農業ということが当面の課題になっておる以上、この問題はきわめて重要だと思いますが、いかがでしょうか。
○政府委員(池田俊也君) 機械化体系の問題についての御質問でございますが、直播方式のほうが労働生産性等からいいましても、方向としては将来そういう方向に行くべきではないかという御意見でございますが、私どもも事情が許すならばそうであろうというふうに考えておるわけでございます。事情が許すならばと申しますのは、やはり直播栽培は現状におきましては、収量が移植に比ベまして若干劣る、あるいは生産の安定性等にも若干難点がございます。でございますから、労働生産性の点からいえば非常にすぐれているわけでございますが、現在の程度の経営規模でございますと、若干それがふえましたぐらいの段階ではなかなか直播というわけにまいらない点があるわけでございます。それを補うために現在田植え機が開発をされまして、曲がりなりにも水稲の場合には大型機械とかあるいは中型機械と田植え機とを組み合わせまして、そうして一貫体系が体系としてはできる状態になってきたわけでございます。当面私どもは、従来のやはり手植え等を極力田植え機等によりまして一貫した機械化体系を完成する、あるいは収穫段階でもバインダーでございますとか、あるいは乗用型コンバイン等も組み合わせまして機械化体系を完成する、それが最も現実的な機械化体系の実現の方策ではないか、そういうふうに考えまして、そういう指導も実はやっておるわけでございます。しかし、いずれにいたしましても、将来の方向は大型体系が完成するというのが一番好ましいわけでございまして、このためには基盤整備の問題でございますとか、あるいは農家の経営規模の拡大でございますとか、あるいは集団栽培の育成でございますとか、そういうような条件が完成といいますか、改善をされませんと、なかなか大型の体系というのはむずかしい。こういうことなんで、方向としてはそういう方向を目ざしておりますけれども、過渡的といいますか、現状におきましては田植え機とかバインダー等を入れました体系でいかざるを得ないのではないか、それを当面の目標にしておる、こういうことでございます。
○足鹿覺君 将来に備えて直播体系を中心とした検討も進めておるんですね。また必要と認めますね。
○政府委員(池田俊也君) これは試験研究機関等におきまして、非常に熱心にやっておるわけでございまして、私どもも事情が許せばそういう方向に持っていく目標のもとにやりたいと考えておるわけでございます。
○足鹿覺君 第二次構造改善事業に関連をいたしましてお尋ねをいたしますが、第二次構造改善事業は四十四年度指定される二百地区が四十五年度から事業実施に入るわけでありますが、順調に進んでおりますか。
○政府委員(池田俊也君) 私どもいまお話のございましたように、二百地区につきまして地域指定を終わりまして、計画の作成をやっておるわけでございまして、全般といたしましては、ほほ順調ではなかろうかというふうに考えておるわけでございます。
○足鹿覺君 二百地区全部実施に付せますか。
○政府委員(池田俊也君) 二百地区の地区はきまりまして、現在それぞれの計画が私どものほうにも出てまいっておりますので、その内容の整理等をいたしておるわけでございます。
○足鹿覺君 一例を私あげますと、計画段階で非常に難航しておる地区があるのであります。ある県のある町のことでありますが、その理由は、構造改善事業指定地区内の現在農家は専業農家九十三戸、第一種兼業が九十四戸、第二種兼業が五十六戸、計二百四十三戸あるところであります。この農家戸数を構造改善後の営農計画によりますと、営農類型別に見ると、米が一・七ヘクタール、これにプラスしてタバコ一・三ヘクタールのものが大体六十戸、所得目標二百十六万一千円、こういうことです。特にその内訳は、水田一・五ヘクタールは自作、請負が一ヘクタール、畑自作が〇・五ヘクタールという農家群と、第二の農家群は、米二・五ヘクタール、プラス酪農、乳牛十頭、飼養作物水田裏作、十戸、所得目標二百四万四千円、内訳は水田一・五ヘクタール自作、請負一ヘクタール、畑自作〇・五ヘクタール、というのが第二群であります。第三群は、米一・一ヘクタールにプラスしてタバコ〇・八ヘクタール、プラス豚、養殖豚十頭、肥育豚百頭、これが十戸、所得目標二百十八万円、内訳は一・四ヘクタールの水田を自作し、畑の自作は〇・五ヘクタールということになっております。これを見ますと、ここに計画書を持っておりますが、二百四十三戸現在ある地区が八十戸に縮小されるわけであります。そういう計画になっておりますために難航しておるのであります。育成すべき営農類型別の農家経営には、私はそのことそれ自体はけっこうだと思います。ただ、その推進の方法として、きわめて非民主的にいわゆる部落でこれ強行していこうとするから抵抗が起きる。一農林事務次官通達で行なわれる。第一次構造改善事業に次いで第二次構造改善事業を行なわれるわけでありますが、事務次官通達ごとき行政措置で農民に、表向き強制はしないが離農を迫っている。二百四十三戸を八十戸にするというわけでありますから、そうしなければなかなかうまくいかない。職業選択の自由そのものにすら制限をするような行き過ぎがあったといたしますならば、憲法にも私は抵触する疑いが出てくると思います。でこういうことのないようにしてほしいと思うんです。表向きはきれいごとですけれども、部落へ入ってごらんになりますと、この二百四十戸の農家群を八十戸の農家群にして三分型するということは、計画そのものとしてはきれいごとでありますけれども、これを進める者の身になりますと、これはたいへんな難事業だ。そういうことでいけるものでしょうか。私はよほどこの第二次構造改善事業の事業遂行過程における進め方は反省を要すると思いますが、いかがですか。
○政府委員(池田俊也君) 先生御指摘の地区がどこか私もよく知らないのでございますが、私どもたてまえといたしましては、この構造改善事業というのは、とにかく地域の実情に即し、また関係農業者の意向に基づいて行なわれるというのが大原則でございます。でございますから、先ほどおあげになりました通達等におきましても、そういうような趣旨が貫徹されますように、市町村におきましても、それから該当地区におきましても、協議会をまずつくりなさい、特に末端の場合には地区の協議会をつくりまして、全農業者がそこに入る、そしてそこでいろいろ相談をしてください、一方そこから選ばれました推進委員というような方が個々の農業者の御意向をさらに確かめまして、そうしてそれに基づいていろいろな計画を立てなさい、こういうことを実は言っておるわけでございます。でございますから、いまお話ございましたように、これは将来農業をやるかやらないかということは、これはそれぞれの人の意向できまることでありまして、よその人がきめる筋のものではないわけでございます。そういうことで、私どもはいろいろな調査をやった上で計画をつくるという指導をいたしておりますので、本来からはそういうことはあってはならないわけでございます。しいて推測をいたしますと、私ども計画をつくる場合の基礎的な考え方といたしまして、今回の二次構造改善では自立経営でございますとか、あるいは協業経営を積極的に育てる、こういう趣旨でありますので、それにつきましての一つの基準みたいなものを示しております。そういう観点からあるいは自立経営がこれだけないと計画に認めてもらえない、こういうような趣旨から若干無理をしたということがあるのかなという感じがいたすのでございますが、これとても自立経営でなければならぬということは一つも言っていないわけでありまして、協業経営でよろしいということも言っておるわけでございますから、大部分の農家が離農しなければ計画ができないということはないと私どもは基本的には考えておるわけでございます。あるいは若干思い違いをしている方がありまして、指導の行き過ぎがあったということかと思いますが、そういうことのないように私どももさらに念を入れて指導をいたしたいと考えております。
○足鹿覺君 この計画を見ますと、トラクターが四台、コンバインが五台というふうに、動力大型農機具が入ってくるような計画になっておる。問題は、私どもの農協で請負耕作をやって苦い経験をなめておりますことは、オペレーターの養成、その定着、せっかく養成してやらしてみると、すぐやめてしまう、なかなか農協の薄給ではしんぼうができぬらしいです。今度かりに農協法が改正になって、請負耕作が表向き大っぴらでやれるようになったといたしましても、こういう問題に農林省なり地方自治体なりあるいは農業団体が本格的に取り組まなければ、だれが一体オペレーターになるか、問題になりません。この機械化機械化といいましても、国から半額補助金をもらって、そしてあとは補助残融資を受ける、あるいは地元受益者が負担するというかっこうになりますし、農民の負担は重なります。そういうようなところからなかなか負担上の問題からオペレーターのいいのが見つからないし、見つかっても定着しない。原因はどういうふうにお考えになっておるか、対策はどういうふうになさるおつもりか。農業大学校等をつくったり、いろいろ対策を講じておられるようでありますけれども、末端のこの大規模化が進んでいけばオペレーターが一番必要なんです。これの確保、定着を一体どう考えておられますか。何か考えがあったら承りたいし、なければ早急にこれをひとつ具体化してもらわなければ問題は進行しないと思うのです。何から何まで行政でやらなければならぬとは私は申しません。もっと農協なら農協にやらせるような体制をとらす、あるいは地方自治体にやらせるような体制をとらせる、あるいは技術普及員のあり方を再検討するとか、いろいろあると思うのですが、どうですか。
○国務大臣(倉石忠雄君) お話のことは大事なことでありまして、いまお話の今後の機械化の方針は、できる限り機械化一貫作業体系を確立することによりまして労働生産性を高め、農業生産のコストを低減することに主眼を置く必要があることは申すまでもないことでありますが、このためにすでに機械化一貫作業体系の確立が可能となりました稲作におきましては、今後は助成及び融資の措置によりまして、実情に応じた体系導入の指導につとめてまいりたいと思っております。 それから畜産、園芸等におきましては、いまなお人力に依存する分の機械化を早急に実現するために、農業機械化研究所等における試験研究の強化につとめることといたしております。 なお、必要なオペレーターの養成、確保、これは大事なことでありますが、四十五年度から都道府県におきまする養成施設、そういうものの整備拡充のために予算措置を講じて、その強化をはかってまいる所存であります。 具体的なことは事務当局から申し上げさしていただきます。
○政府委員(池田俊也君) 大臣からいまお答えがありましたのが基本的な考え方でございますが、さらに、お話ございました農協のオペレーターがいてもすぐいなくなる、こういうお話がございました。確かにそういう実態があるように私どもも思います。なぜそうなっていたかということでございますが、それは農協が従来農業経営をやるという体制が必ずしも制度的にもできておらなかったのは御存じのとおりでございます。今度農協法の改正によりまして、農協にも農業経営を受託できる道を開く。これによりまして、相当農協が本格的に大規模機械を持ち、オペレーターを置き、そういう事業に当たるという体制が私どもはできるのではないだろうか。やはり農協がそういうことに相当本腰を入れてまいりませんと、したがいましてどうもオペレーターに対する処遇等もよくないということでそれがいなくなる。こういうことがございますので、そういう基本的な体制をつくるということと、いま大臣からお話ございましたが、非常にオペレーターが不足しておりますので、それを緊急に養成する。こういうことで実はやってまいりたいというふうに考えておるのでございます。
○足鹿覺君 先ほどの第二次構造改善事業の問題に関連してオペレーターの問題、大臣から御答弁いただいて、かつ補足の御説明をいただいたわけでございますが、ぜひこの問題は普及員との関係等ともにらみ合わせて早急にやっていただかないと、今後の大規模機械化農業の運営に重大な支障になろうと思いますので、特段の御配慮をわずらわしておきたいと思います。 そこで、この第二次構造改善事業の問題については、若干進め方に手違いがあるのではないかというような局長の御答弁でありますが、全国二百地区がスムーズに進行しておるということでありますので、一応私はきょうはこれ以上申し上げませんが、代表的なブロックなり、県の一、二の代表的な計画をひとつ資料としてお示しをいただきたい。私どもも一、二のものをもって全体を類推するということは危険なことでありますから、よく調査をし、現地に当たってみた上で、さらにこの問題は申し上げたいと思いますので、いただけますか。
○政府委員(池田俊也君) 先ほど申し上げましたように、地区がきまりまして、現在計画の立案と申しますか、取りまとめと申しますか、そういうことをやっておりますので、まだ計画としては実はまとまっておらないのでございます。したがいまして、いま具体的なものをちょっと御提出申し上げるのはむずかしいのでございますが、計画がある程度まとまった後でありますれば、御提出申し上げたいと思います。
○足鹿覺君 そうしますと、まだ計画そのものが四十四年度中には全部できないということですか。
○政府委員(池田俊也君) まあ若干作業がおくれぎみでございまして、現在までにまだ知事の認定が完了していないものでございますから、実質的にはもうほとんどまとまっているように私どもも承知いたしておりますが、知事の認定が済んでいないものですから、ちょっと資料として御提出はできないと、こういうことでございます。
○足鹿覺君 大臣に。私が先ほどある県のある町の実情を申しました。総事業費が四億三千七百五十五万八千円、これの補助金が一億八千九百八十一万二千円と、こういうことになっておる。これはまあ一切がっさい含めたもの。で、補助率が相当低いのですね。補助残融資の点は午後の金融のときに申し上げますが、この上に県が、あるいは市町村で理解のあるところがかさ上げをしておるのです。なるべく農家の負担を軽減するようにかさ上げをしておるようでありますが、私は基盤整備のごときものについては、この世論なり、学者なり、今後農業で一生懸命やっていこうという人々のアンケートをとってみましても、やはり全額国費負担でやっていくと、しかし、ただでやってもらうのではない。それは基盤整備の成果があがってから、長い間の期間をかかって元金だけを払うと、こういう行き方がほんとうの行き方がと、学者により、あるいは人によっては全額国庫負担をいきなりぶち上げておりますけれども、私は他産業との関係もあって、そう簡単に全額国庫負担ということは容易なことではないと思う。しかし、年一回の資本回転率の季節産業でありますから、元金だけは政府に納めさしてもらう、それは相当長期のものでいいと、こういう考え方を長年主張してまいりました。この構想は、政府として、特に日本農業の転機を迎えて一大決意をしていただくときだと思っておりますが、そういう点について御検討いただくということにはまだなっておりませんか。
○政府委員(池田俊也君) まあこれはもう先生よく御存じのとおりでございまして、いまさら申し上げるまでもないわけでございますが、構造改善事業は事業の性格からいたしまして、事業の性格との比較から見ますと、他の事業に比べまして非常に高率の補助になっておるわけでございます。さらに地方でそれにかさ上げをするというようなことがございまして、制度といたしましてはかたり高率の補助の形になっておりますので、私どもといたしましては、これをさらにいまお話しのありましたような方式にしていくというのは非常に困難ではないだろうかというふうに考えているわけでございますが、まあ今回の二次構造改善は全額がかなり前回に比べますとかさむというようなことで、あるいは物価の上昇等もございまして、この実際の補助率が、たてまえの補助率より若干下回っているというようなことはあると考えるわけでございますけれども、とにかく制度としては非常に高率な補助をとっているわけなので、これをいまお話しのようなことにいたしますのはなかなかむずかしいのではないかと考えているわけでございます。
○足鹿覺君 局長段階ではなかなかむずかしいことであっても、これは決断の問題だと思うのです。たとえば今度同和対策事業に対して国が三分の二を補助し、あとの三分の一は県、市町村に起債を認めてこれを基準財政需要額に見込むこととし、元金利息は地元負担をせしめないで、基盤整備事業を行なうこととなったのは画期的なことである。こういうことで全額負担ということになった一つの例が出ておるわけです。ですから、現在地方自治団体もかさ上げをしておりますし、もう一息入れれば、私はある程度目鼻がつく問題だと思う。また補助残融資にしましても、現在五分五厘でありますが、五分五厘の融資は高過ぎると思うのです。あとで金融のときに申し上げますが、もっとこれは他に新しい制度が次から次へと出てくるわけでありますから、日本農業を国際農業に太刀打ちをさせようという大事業をなされようとしておる立場から、真剣にひとつ基盤整備を考えていただきたい。その所要経費の分担等につきましても、一段とくふうを要するのではないか、この点を特に大臣に強く御要請申し上げたい、御検討をわずらわしたいと思いますが、いかがですか。
○国務大臣(倉石忠雄君) 従来しばしばそういう御意見があり、今回の衆議院の予算委員会でも出ておりました。私どもはいまお話のございましたように、農業の関係につきましては、御存じのように逐次農家負担の軽減に努力してまいっておるわけでありまして、事業費全額を国庫で負担するということはなかなか現在の状況では困難でございます。衆議院の予算委員会における財政当局の答弁等もございました。私どもはもちろん将来の農業を考えますときに大事な問題でございますので、検討はいたさなければなりませんけれども、これは全体としては現在のところはそういうところまで考え及ばないと、こういう段階でございますが、研究はしてまいります。
○足鹿覺君 大問題でありますので、とくと御検討いただきたいと思います。 それから、今回の二月十九日次官通達による水田の宅地化緩和措置に伴いまして、土地改良法との関係が出てきておると思うのです。目的外に農地を利用したときは、工事完了後八年以内の場合、補助金の返還の規定もあるようでありますし、また決定そのものの取り消しもあるようでありますし、これに即応して四十四年五月には農地局長通牒も都道府県に出ておるようです。会計検査院が昭和四十三年度検査した結果を報告しておりますが、岡山県のある町のできごとも伝えておりますし、相模原の県営畑かん事業地区のことも伝えております。これはいわゆる目的外に使ったため転換農地の補助金の返還を命じた事例があるのであります。その他八十九地区一万四千ヘクタールの転用の事実を指摘しておるわけであります。今度の二月十九日の次官通達にはこれらの取り扱いが明示してない。したがって補助金の返還等の事態を生じはしないか、こういう心配をしておる向きもあるようでありますが、この点についてどのような措置を講じられますか。
○政府委員(中野和仁君) 水田転用の基準の緩和の問題と土地改良との関係でございますが、ただいまお話にございました補助金の返還の問題につきましては、国会にも会計検査院から御報告がございまして、当初農林省で予定をいたしまして事業実施いたしましたところ、都市化あるいは市街化の影響を受けまして受益面積が減ってくる、そうして他に転用されているものもある、それを一体どうするのだという話でございました。そこでわれわれ考えましたのでありますが、かなり都市周辺を中心にしまして市街化は進みますので、当初予定いたしました計画どおりいかない場合もあり得るかと思います。しかし漫然とそういうことを続けておったのでは必ずしもよくないというふうに考えました結果、ただいま御指摘のように、四十四年度から新規採択の事業から受益地の一部が農業以外の目的に転換された場合には補助金の返還をさせるのだということにしたわけであります。ただ水田転用との関係で申しますと、今回転用基準の緩和をいたしましても、御承知のように現在土地改良事業実施中のところ、あるいは完了いたしまして五年たたない、そういうところは原則として転用許可を認めないということにいたしておりますので、実際的にそういうところがどんどん水田転用になるというふうにはわれわれ考えておりません。 それからなお、相模原の例あるいは岡山県の例等がございましたが、過去の土地改良の済んだところについて補助金の返還を求めるということはないわけでございます。ただあるとすれば、いま御指摘の中であるいはあったのかもわかりませんが、農林省で補助いたしましてつくりましたダムとか水路そのものをほかの用途に使う、そうしますと、そこで収益が出てまいりますので、その部分は返還をしろということでございます。ただ受益地一般が工業用地になるといった場合には、これは補助金の返還は過去のものについては求めないということになっております。
○足鹿覺君 大体明らかになりましたが去年の通達と二月の通達との間に若干の間隔がありますが、緩急よろしきを得て御運営をいただきたいと思います。 そこで、もう一つこの問題に関連して、休耕、作付転換あるいは水田の転換基準緩和に伴って、将来とも農業に見切りをつける人も私はないとは言えないと思うのです。そこでこの水田の面積減に伴う農業用水の問題について先般予算委員会の一般質問で若干触れました。これは主として建設大臣に明日伺いたいと思っておりますが、一点だけ農林大臣なり農地局長から明らかにしておいていただきたい、御所信を承っておきたいことがございます。元来余剰となった水を別途農業開発、たとえば田畑輪換、畑地かんがい等にまず計画を指導して、なお残ったときにはこれを有効に需要に応じて使っていくのが大原則だろうと思うのです。ただ、ことしの休耕あるいは転換によって相当水が余ってきた、将来も余るであろう、慣行水利権も何もある程度一括して、これを工業用水が足らないから回す、工業用水あるいは飲用水に回していく、こういう乱暴なことは政府はなさるまいと私は思うわけです。しかし、内閣にこの審議室ができて各省が共同で作業をするということになっておるそうでありますが、この点は十分留意をしていただきたい。もし工業用水等に転換することが地域開発上から具体化された場合は、またされ得る条件のところは指導して検討すべきであり、もし転譲を許可する場合、農業用水を他の工業用水に転譲等を許可する場合は、転譲先に対しまして工事費及び施設耐用年数に見合う年限中の維持管理費適正額を確実に支払うことを条件として付し、土地改良区と譲渡先との間の仲介的な役割りを果たすものがなければ、私はこの問題は力関係も出てまいりまして円滑に進まないのではなかろうか。最近工業用水の不足、あるいはこれに拍車をかける工場の地方分散等も起きてきますが、ただいまの局長の御答弁になったような状態では補助金の返還等も出てくると、こういうことでありますので、この点について十分慎重な立場から対処していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(倉石忠雄君) 現行制度におきましても、農地を工業用地に転用するものが農地転用許可申請をする場合に、あらかじめ土地改良区の意見を求めることになっておりまして、その際にそのものと土地改良区との間の農業用排水についても必要な調査を行なうように指導いたしておるところでございますが、工場分散をはかる場合にも転用許可に際しまして、その立地の選定等につきましては、農業用排水への影響等も十分考慮させなければならないことは当然なことでございます。農林省はそういう方向で指導してまいりたいと思っております。
○政府委員(中野和仁君) ただいま大臣から御答弁ありましたことにちょっと補足させていただきますと、具体的に都市周辺では、かなり水が農地としては余ってきている場所がございます。その場合、そこを今後とも農業としてやっていくために田畑輪換や湿田を乾田化するのに水が要る場合もあります。もちろん農林省といたしましては、そういうことを第一義的に考えたいと思いますけれども、やはり地域の実情によりましては、もうほとんど水が要らないという地帯もできております。そのままそれじゃ工場のほうに水をかってに使うということにはなかなか実態としてはまいらないということもわれわれよく承知をしております。そこで農林省といたしましては、四十四年度から水利問題研究会というのをつくりまして、特に都市周辺の農業と他種用水との関連をどう詰めていくかということを現在学識経験者を集めて検討をしております。それと同時に、四十五年度の予算でお願いしておりますが、農業用水の合理化対策のための調査、特にそういう問題が出てきております四つの河川につきましては、具体的にそういう問題をどのように処理するか、いま足鹿先生御指摘のように維持管理費をどうするかということまで含めまして、方法論を探究していきたいということで現在検討しておるところでございます。
○副主査(柳田桃太郎君) 午後二時から再開することとし、これにて休憩いたします。 午前十一時四十四分休憩 —————・————— 午後二時九分開会
○副主査(柳田桃太郎君) これより第三分科会を再開いたします。引き続き農林省所管の質疑を行ないます。
○足鹿覺君 まだ大臣がおいでにならないようでありますけれども、その衝に当たられる最高の責任者からお尋ねをしているうちに、おこしになるでありましょうから、お伺いいたしますが、古々米の政府再納入の真相について伺いたいのでありますが、私は三月二十四日の予算委員会総括質問において古々米の試食の結果、その実物までお示しをし、十分食糧足り得ることを強調し、そのためには、つきぐあいを上げることによって十分役に立つ、こういうことを申し上げ、古々米の飼料化については慎重を期せられるよう御注意なり、御警告申し上げたと思っております。その後の状態はどういうふうになっておりますか。進展があれば承りたい。
○政府委員(森本修君) 御指摘がございましたようなことで、私どもとしても過剰米の処理につきましては、いやしくも政府から過剰米として払い下げをいたしました米について横流れがないようにということで、目下飼料用に試験的な売却をしようということで検討しておりますが、関係の実務者にもお集まりをいただきまして、さような点を含めて十分御検討願っておるところであります。したがいまして、御指摘がございましたようなことは、私どもとしては十分念頭に置きつつ、今後の米の払い下げに対処していきたいというふうに思っております。 なお冒頭にお話がございました茨城県におきますところの事件でございますが、何ぶんにもいま警察等におきまして調査中のことでございますので、実態の調査にはなお若干の日時がかかることと思っておりますが、私どもが入手いたしておりますところでは、事件がありましたと言われますのは、水戸の上大野の農協というところでございますが、主として陸稲の買い入れについて問題が発生したという報告を受けております。この農協は、従来の実績からいきますと、陸稲は約百俵程度の集荷があるといったような規模の農協でございますが、五十五俵、昨年産のものについて集荷をいたしましたのちに、さらに百八十六俵の売り渡しの申し込みということで検査の請求があったのでございますが、従来の実績等からいきますというと、多過ぎるというような感じがいたしまして、それぞれ委託を受けたと称する生産者を調べましたところが、委託をした事実がないということが判明いたしましたので、百八十六俵については買い付けを行なわなかったということでございます。ただ、そういった事柄がございましたので、なお当該農協につきましてもその事態を調査をいたしております。また若干、付近の二、三の農協についても疑惑があるというふうなことが言われておりまして、目下水戸警察署において捜査中でございます。私どもの出先き並びに県庁におきましても同様それぞれの所管に従いまして調査をいたしておるところでございます。
○足鹿覺君 ただいま茨城県で起きた古米の、しかも四等米を再納入をした。みそ、しょうゆ用として払い下げを受けたものを、これを格上げして検査員もわからない、農協長もぬかっておる、こういう実情でありますから、真相はいずれ警察がお調べになった上で明らかにされましょうから、この際とやかく申し上げませんが、だから古々米の飼料化問題はよほど注意をしないと、六万トンはその工場の現場へ持っていくんだから、そこで、格上げなどというようなことをして古米が化けて出るようなことはない、こういう先般の御答弁でありましたけれども、これが本格化して百数十万トンの古々米が飼料化あるいはその他菓子原料あるいはみそ、しょうゆの原料等に放出をされるというような場合に、とてもこれは農林省としては手の届くことば不可能だと思います。業者の良識といいましても、良識ある人もありましょうし、いまの事例に見るような悪らつなことをする者も出てまいる。ですから、学識経験者に委託をして御研究になり、慎重を期するということでありますから、私はこれ以上は申し上げませんが、このたびの六万トンの実験用には、私は飼料工場へそのまま持っておいきになれば、これが全購連の飼料工場であるそうでありますから、問題が起きるようなことは私はないと思う。だけれども今後百万トン以上のものが方々へ散らばって出るということになりますと、これはたいへんな間違いが起きぬとも限りません。このたびの茨城県のこの古米四等格の逆納入は、国を裏切り、消費者に迷惑を及ぼし、そうして善良な農協やその管理者、一般国民に迷惑を及ぼしたいわゆる典型でありますから、十分配慮をされまして、今後遺憾なきを期してもらいたい。特にこのことを申し添えておきたいと思います。 大臣がお見えになりますまでに、これは大臣をわずらわすまでもないことでありますので、経済局長に伺いますが、農災制度が再検討される段階が、あなた方も研究会をもって対処されたことは存じております。今国会に提出が間に合わなかったのか、間に合うだけの準備はあるが出さなかったのか。またその改正の骨子は、組織的にも大地区制をとるとか、あるいは対象を農家そのものを対象にした総合保険制度をとるとか、あるいはいわゆる農単制度をとるとか、あるいは新種共済の開発を考えるとか、いろいろ伝えられておりますが、とにかく米が中心のこの制度は、この状態では唯一の、いざというときの農民の災害からの被害を守る制度としての存続が困難になろうかと思います。未提出の理由なり、今後のこれに対処する方針を明らかにしていただきたい。
○政府委員(小暮光美君) 農災制度につきましては、ただいま御指摘のように、最近の農業事情の変化に即応し、特に総合農政の推進という大きな目的との関連でできるだけ時宜に適したものにこれを組みかえる必要があるだろうという判断に立ちまして、研究会等を何回もやりまして、おおむね改正の方向についての議論は終わったわけでございます。 そのおもな内容を申し上げますと、一つには、農作物共済につきまして長い懸案でございました農家単位方式をどのように扱うかという問題でございます。この点につきましては、地域の状況が御存じのように全国各地でまちまちでございます。すべての地域を画一的に扱うことはいかがかという観点から、従来どおりの仕組みで行ないます場合と、地域の農民が組合の組織の手続を経て選択いたしました場合に、新たに農家単位という形での作物共済を仕組み得るという選択制を導入したらどうだろうということが一点でございます。 それから共済掛け金の国庫負担の考え方でございますが、米につきましては全国津々浦々にさまざまな生産条件の耕地がございまして、そのすべてのものを使ってできるだけの食糧を増産するという考え方で多年やってまいりました。水稲に関する作物共済もそうしたものの考え方に即応して、非常に被害の高いところには高率の国庫補助をもってこれを制度の中に組み入れるということをやってまいりましたけれども、御承知のような米穀の需給状況でございまして、農業全体としてそれぞれの地域の特性を考えながら農業生産の内容を逐次組みかえていこうという時期でございますので、畜産、果樹あるいは養蚕といった面での共済制度の中身を充実いたしますことを一方に考えながら、水稲につきましてはあまりにも高率の負担金、国庫補助を高被害地に適用するという考え方はこの際再検討したらどうだ、また新規に開田されました水田についての引き受けをそのまま形式的に認めるということも、一方で作付転換をしようといっております需給状況のもとでは、こういったような問題がございます。 これらの点につきまして、それぞれ案を一応考えておるわけです。 それから、いま申しましたことの中に関連してでありますけれども、蚕繭共済あるいは家畜共済、こういったものにつきましては、それぞれの制度の内容を充実し、一部補助の国庫負担率の引き上げ、あるいは対象事項を拡大するというようなことを考えたわけです。また施設園芸、その他全く新たな農業の分野につきまして従来の作物共済とは若干角度を変えまして、たとえばビニール ハウスについての共済というようなものを考えるといたしました場合に、新種の共済を制度的に仕組める根拠を設けたらどうかという問題もございます。 なお、先生の御指摘にもございました共済組合そのものの組織としての強化という観点から、従来一町村一組合ということを法律のたてまえといたしまして、例外的に合併することを認めるような考えがございましたのを、必ずしも一町村一組合の原則ということを掲げないでも、組合の広域化という角度からものを考えていってよいのじゃないかというようなことでございます。 以上が、大ざっぱに申しまして事務当局が考えました当面の改正案の骨子でございます。御承知のように、作物共済は本年度はもうすでにその仕事が始まっているわけでございまして、それぞれ従来の仕組みに従って仕事が進行いたしております。いま申しましたような形を、できますれば明年度から、昭和四十六年度からこれを実施したいというふうに考えまして、これについての法律をできればこの国会に御提案申し上げたいと思って検討いたしておったのでございますが、ただいま申しました幾つかの考え方の中で、一、二従来農協と共済組合がいろいろ仕事の分野を分け合うということで、多年の経緯がございまして、過去においていろいろ話し合った線がございます。それらの線と、いま申しました新しいものの考え方をどこで調和するかという点について、なお若干の議論がございました。これは十分時間をかけて慎重に相談すれば、二つの組織の間でお話し合いの余地があると思いますけれども、いかんせん今度の国会は非常に会期等につきましても限られておるのではないかというふうに事務的にも推測され、これを御審議に間に合いますように提出いたしますためには、ただいま申しましたような点についての組織の間での十分な話し合いの時間が足りないということがございまして、明年度から実施したいという気持ちは変わりませんけれども、なお十分関係の方面と相談いたしまして、なお総合農政の進展等を十分見きわめながらできるだけ早い機会に成案を得たいというふうに考えているわけでございます。
○足鹿覺君 構想なりお考え方はわかりましたが、いまも最後の段のくだりで述べられましたように、本制度は昭和三十八年の大改正まで十年間もみにもんだ経緯があるわけです。昭和三十八年の大改正によってようやく関係団体の調整がつき、今日円滑に運用が進んでおる。しかし、農業情勢が変わったからこれに対応していかなければならぬということはわかりますが、ただ両者の紛争の経緯から見て、これを無視して法案を一方的に上程されることは慎重を期せられたほうが私はよいと、かような見解を持っておったものでありまして、そういう見地からするならば、慎重を期せられたことはよかったと思います。ぜひこの調整を円満につけて、しかる後もっと、問題もあるわけでありますので、御検討されて完ぺきを期してもらいたい。 一例を申し上げますれは、現在どの程度——三分の一くらいは私は市町村に移管しておると思います、見当でありますが。その実績はあなたのほうから伺ってけっこうですけれども、一ぺん市町村に移譲された職員は比較的計数に明るく、農村の事情に経験が豊かでありますので、ほとんど市町村の農業関係のほうへいわゆる職場を変わらせられておる、そうして相当の地位についておる。それを今度広域組織にすると、市町村からまたもぎとって一つの組合をつくるということになりますと、その優秀な職員をもとへ戻すことは、これはなかなか現在自治労等の立場もあってそう簡単にいかない。むしろ身分の格下げになる。といって、新しい者を入れたのでは役に立たない。こういった問題があり、既定方針のごとく思い切って市町村にこれを移譲していくということも考え方によってはあり得る。ただし、これは一方的にはなし得ないことでありまして、それも慎重を期さなければなりませんが、とにかく市町村へ一たん三分の一以上の組合が事務を移管したものをまたもとへ戻すということそれ自体、非常に私は問題がその前後に発生するきらいもある。そういう点もとくと御配慮になりまして、御提出になるときにはよく整理をされて、そうして見通しをつけて御提出にならないと、無用の混乱と紛争を惹起すると思いますが、いかがですか。
○政府委員(小暮光美君) 御指摘のように、農業情勢の変化に即応して、大胆にものを直すということが必要であると思いますが、同時に、きわめて広範囲にわたって一つの組織がございまして、長年にわたって仕事をやってまいりまして、その間、他の組織との間にさまざまな経緯がある問題もございます。また、ただいま御指摘のような組織の運営は、これを担当します実質的な職員の力による面が非常に多いわけでございまして、それらの人的な裏づけというものも必要でございます。それらの点を十分私どもといたしましては論点を整理いたしまして、万全の議論を済ませた上でこれを御提案申し上げたいというふうに考えております。
○足鹿覺君 次に、農免道路の問題について伺いますが、大型農道を、しかも環状道路として整備されていこうという意図につきましては、私どもも異論のあろうはずはございません。が、一面、昭和四十年度において私どもの党が予算委員会において指摘いたしました農林漁業用の揮発油の財源身がわり農道整備事業というものが実施になりまして自来六年になります。本年は百二十八億七千六百万円という、発足当時三十四億円であったものがここまで伸びてきた。ところが、最近この伸びが非常に鈍化してきておるようでありますが、この算出の根拠は一体どういうふうにしてたされたものでありますか。また、今日までの年度別、キロ数にしての実績はどの程度ございますか。私は、この昭和四十二年ごろまでは相当の伸び率を示しておりますが、四十三年以降、農業機械化が進みつつある中で、画期的に消費量が増大したであろうと思われる四十三年以降の伸び率が鈍化しておる理由がわかりません。その点、いかがですか。
○政府委員(中野和仁君) 算出の根拠はそれぞれの年の十月の一回の使用台数に一台当たりのガソリンの使用量を掛けまして計算をしております。ただいま御指摘になりました過去の経緯を振り返ってみますと、実は四十年、四十一年までは揮発油税の単価が一万八千六百円だったのです。それが四十二年から二万四千三百円、こうなりまして、したがいまして四十一年から四十二年にかけましては非常に大幅に予算額がふえております。それからあとは単価が変わりませんので、あとはガソリンの消費量の増に応じてふえてきております。ただ、非常に多く使いますトラクターは最近大型化してまいりまして、ガソリンを使わないで重油を使うというような実態にございますので、台数ほどは伸びないということはございますけれども、最近でも四十二年から四十三年にかけては八・二%、それから四十三年と四十四年と比べまして九・九%、ことしは去年に比べまして一一・一%というふうに、徐々には伸びておりますけれども、先ほど申し上げましたように、四十一年から四十二年にかけましては単価の違いでございます。 それから、もう一つお尋ねありました最近のキロ数でございますが、これは当初、最初の四十年度は約三百二十五キロでございますが、四十四年度は七百六十五キロ、ことしの四十五年度は八百四十四キロぐらいの事業量を予定しております。
○足鹿覺君 軽油または揮発油が重油に変わったのだということでありますが、それはある一部そのとおりでしょう。しかし、いわゆる手押しバインダーとか、あるいは運搬用の軽四輪車、そういうものば最近増加の一途をたどっております。これの根拠と申しますのは、あなたから御説明のありました数字は資料によって農林予算についておりますから拝見をいたしましたが、私の言うのは、あなた方がお示しになりました当初予算の税収見込みの際の二億二千四十二万キロリットルというものの農用に使ったと思われる推定の根拠を聞いておる。わかりますかね。いわゆるこの数字は何か特別のチケットがあってやられたわけでもないでしょうし、ほんの推定だろうと思うのです。何かこの農業機械化が目ざましく進んだときに、小型のものが若干大型に変わったからといってこういうふうに鈍化するということは、私は納得ができない。四十年度私が衆議院の予算委員当時取り上げて——大蔵当局は執拗にねばりましたが、これを党全体として取り上げて、私が予算委員会においてきびしく追及した結果、四十一年度以降においては相当の伸びを示すようになった。そういう経緯を踏まえて私は聞いておるのであります。 なお、大臣もおいでになったようでありますから、その経緯と、それから、これから農免道路というものも舗装してもらいたい。これからの道路というものは、道は道でも舗装したものが私は道路だと思う。舗装のないものは道に過ぎない、かような考え方を持っておるものでありますが、その点も簡単に御答弁を願います。
○政府委員(中野和仁君) 計算の基礎についてのお尋ねでございますが、一台当たりと申しますか、一件当たりの消費量は昭和四十年度の統計調査部のガソリンの使用量調査を使っております。それからの伸びでございますが、御指摘のように、確かに昭和四十年から比べますとかなりの台数が伸びております。そういう点は御指摘のような、稲の刈り取り機であるとか、そのほかこまかく計算をしております。田植え機等についても計算等をやっておるわけでございまして、そういうものを全部合計いたしまして、四十五年度は五十三万キロリットルというのを出しておるわけでございます。その点について別に大蔵省が査定をしたとか、われわれがけちったということはないはずでございます。 それからもう一つ、舗装の問題でございますが、われわれといたしましても、農免道路をつけると同時に舗装するほうが望ましいということはよく承知をしておるわけでございますが、これを実際に、それじゃ全部舗装するということになりますとかなりの金がかかりますので、新規採択をいたします際に、非常に各地の希望が多いものですからなかなかそこまで手が及ばなかったわけでございます。そこで、すでに昭和四十四年度から農地局といたしましても、畑作地帯については舗装するということで手をつけておりますが、四十五年度の予算からは畑作地帯に限らず水田地帯も含めまして、全国的に舗装を大々的にやりたいというふうに考えまして、昨年度の予算が一億八千九百万円であったものを、ことしは十一億八千三百万円ということで六倍以上にふやす。今後とも先生御指摘のように、当然基幹的な農道については舗装の必要があろうかと思いますので、これの拡充はいたしたいと考えております。
○足鹿覺君 大臣がおいでになりましたので、先般の総括質問のときにしり切れトンボになっておりました農業者年金の機構の問題をむし返すようでありますが、ひとつ伺っておきたい。 これは、法案も出ておることでありますし、詳しいことにつきましてはその際に譲るといたしまして、この制度が農民のために運用されるような構成になっておらない。これをもっと民主的に改める意思はないかということが一点であります。構成は、理事長一人、主務大臣−厚生大臣が任命をする。理事、常勤三人、非常勤五人は主務大臣の承認を受けて理事長が任命をする。「監事は、主務大臣が任命をする。」基金の組織運営は、理事長の諮問に応じ、基金の業務に関する重要事項を審議調査する。「理事長が主務大臣の承認を受けて委嘱する。」全くもう大臣の権限の中で運用が行なわれようとしておる。これは、私はこの前も指摘いたしましたように非民主的であろうと思う。で、基金みずからが行なう業務は、加入員の記録、年金及び一時金の決定、離農給付金の交付、決定、農地の買い入れ、売り渡し積み立て金の運用、農地取得についての融資。委託業務のほうに重きがあって、市町村農業協同組合に対し加入予定者の名簿作成、加入員証の交付、掛け金の徴収、領収書の交付、年金及び一時金の支給、離農給付金の支給。これではいいところは、簡単なところだけ基金が握って、そして一番めんどうな仕事は市町村、単協にやらせる。しかも、その単協からは、農民にかわって基金構成には何らの発言の場も与えられておらない。しかも四十五年度中は、三カ月間ではありますが、一農協当たり五万五千円の賃金分が予算として組まれておると思います。一月当たり一万八千円にすぎません。私が関係しております農協の方々と話し合ってみましたが、平均でありましょうが、一万八千円のはした金をやって、これだけの大量の仕事をこなそうとしておられることは、少し虫がよ過ぎはしませんか。おそらく、組合員としては、私のところは約五千になんなんとしておりますが、これだけのことをやろうとすれば五、六人の人が要る。しかも組合の預金口座から掛け金を引き落とすということになりますと大金がころげ出てしまう。私は、それらの受ける被害等々を考えてみましたときには、あまりにも実際とかけ離れた虫のいい構成、運営だと言わざるを得ません。そもそもこの農業者年金は、年金法という法律じゃなくて基金法という法律でありますから、国民年金制度の付加年金としての上積みでありますから、市町村役場がやるのが妥当な措置だと私は思います。これを私はもっと御再考になる必要があると思うし、農協が難色を示すことは意味がないではないかというようなことをいわれるそうでありますけれども、こういうことを主客転倒してあなた方がもし引き受ける立場になりましたらどういう感じがいたしますか。その点、大臣、あまり据えぜんだけじゃなしにひとつやっぱり真剣に考えていただきたいと思いますが、時間もありませんし、この点を一点だけまずお尋ねいたします。
○国務大臣(倉石忠雄君) 農業者年金の取り扱いにつきましては、よくおわかりのような性格のものでありますので、その組織につきましては役員の任命制等を採用せざるを得ないと思うのでありますが、運営につきましては御指摘のように、まあ自治体もそうでありますが、一番前線にあります農業団体が協力していただくことが一番必要だと存ずるのであります。したがって、私たちはできました基金の中に評議員会というものを設けまして、その中にそういう方々に入っていただきまして、運営について御相談をいたしてまいりたいと、こう思っているわけであります。基金の運用等につきましても、もちろん一般の方々が入っていただくのでありますから、私どもはそういう農業団体の御意向も十分参酌して運営するように指導してまいりたいと思っております。
○足鹿覺君 時間もまいりましたので、最後に、農業金融のあり方と制度金融の充実について一点お尋ねを申し上げて私の質疑を終わりたいと思いますが、本問題については三月二十四日の予算委員会においてお尋ねをいたしましたが、速記録を見ましても、あのとき聞いたときにもそう感じましたが、私の申し上げておることに対して的確にお答えになっておりません。 一点は、現在農民が一番求めておるものは総合資金制度であります。据え置き十年、四分五厘、償還二十五年以内で、この間は五分という条件であります。これは四十三年度から総合資金制度が発足し、個人なら八百万円、法人なら三千万円のセット融資が行なわれることになっておりますが、この制度は今後伸びようとする農家にはきわめて有効でありますが、何ぶん融資ワクに乏しい。個人だけに貸すとしても四十四年度の八十億円では全国でわずか一千戸が対象になるだけでありました。ことし百八十億に予算をふやしておられますが、これを戸数にしますと二千二百五十戸 一府県当たり平均四十八戸にすぎません。これではいかにあなた方が大規模農業あるいは効率的近代農業の建設をいわれましても、それには相当の資金装備がいるわけであります。少なくとも現在行なわれておるといわれる地方農政局を中心に地域別、作物別の経営類型が明らかにされますならば、八百万円では足りない、こういうことが私はもう明らかに出てくると思うのです。それを機会にひとつ善処していただきたい、 これが一つ。 それから農地取得資金についてでありますが、ただ単に農地法を改正されることだけで農地は流動化しません。すなわち必要な資金の手当てが必要であります。政府は農地の流動化の名のもとに農地法の根幹に触れる修正案を御提案になりました。しかし農地法の最も重要な柱ともいうべき自作農主義をあくまで貫かれるとするならば、政策のほとんど唯一の積極的具体策は農地等の取得資金であると私ば思います。その貸し付け限度は一人についてたった二百万円ですよ、大臣。これでどうして農地の流動化がはかられますか。だから、小作制度を復活するんだとおっしゃるかもしれませんが、それはたてまえが違うと私ば思うのです。この点を十分お考えになって、取得資金についてひとつ十分御検討を願って、総合資金制度とともに考えていただきたい。 いま一つは、中小企業金融との対比において、農業制度金融が不十分でないかと思います。中小企業金融と農業金融とのそれぞれの制度金融を対比してみますと、中小企業側には、中小企業振興事業団による構造改善関係融資制度では、必要事務費の六五%を年利二分七厘、同じく八〇%を無利子で融資する制度があります。これは中小企業者が構造改善計画に従って合併協業化、集団化する場合の措置であります。また中小企業設備近代化資金の制度でも必要資金の五〇%を無利子で融資することになっております。これは合併協業化、集団化とは無関係に設備資金に融資する制度であります。農業金融においては、農業改良資金が無利子でありますが、これは技術導入資金、農家生活改善資金、農業後継者育成資金と障子がいっぱい立っておりまして、この三つだけを対象にしておりますので、設備資金というものを真正面から取り上げたものだとはどう考えてみても受けとめられません。中小企業金融との対比について、制度の不十分さをお認めになり、資金装備の充実の見地から御善処をされる御意思がありますかどうかということを承りまして、私の質問を終わりたいと思います。
○国務大臣(倉石忠雄君) 農林漁業金融公庫の平均運用利率は逐年低下傾向にあることは御存じのとおりでありますが、近代化資金につきましても四十四年度から利率を特例的に引き下げる営農団地資金制度などを設けておりますが、ただいまお話しのございましたように、今後における制度金融の問題点は、貸し付け金利を引き下げるという努力もさることながら、やはり農家が必要とする資金をなるべく円滑に融資のできるようにする必要があると思います。ことに総合農政を推進してまいるにあたりましても、そういうことが必要ではないかとわれわれも考えておるところでありますが、ただいまお話しのようなことにつきましては、農林省といたしましてもいろいろ考えてやってまいったわけであります。今後もそういう点についてはさらに努力をしてまいるつもりでございます。 〔副主査退席、主査着席〕
○鈴木強君 きょう私はたくさんの質疑をやる予定で通告をいたしておりましたが、御承知のようにこの委員会、だいぶおくれておりまして、おそらく七時過ぎになるのではないかと思います。そういう関係でございますから、私は議事進行に協力をする意味において、約三十分間とるようにいたしました。そこで、多少私の質疑を変更せざるを得ないのでありますが、そういう点御了承をいただいておきたいと思います。 そこで第一番にお尋ねしたいのは、倉石農林大臣は先刻万国博覧会に政府の客員として来日中のソ連イシコフ漁業相と会談されたようでございます。この席上、北方水域の安全操業問題についての話し合いがなされましたでしょうか、どうでしょうか。もしなされたとするならば、その内容を聞かしてほしいと思います。
○国務大臣(倉石忠雄君) ソ連のイシコフ漁業相と私は本日零時から二時半まで会見をいたしました。たいへん友好的に終始いたしまして、私のほうからは先般行なわれましたカニ協定のことにつきまして、それからただいまやっておりますサケ・マス漁業と、それに関しまして双方の主張を十分にいたしまして、先方もそれぞれ先方の考えている意見を述べられました。 それから北方水域における安全操業のことにつきましては、たいへん長時間いろいろ話し合いましたが、先方の申します考え方は、両国とも同じ海に、一番近い地域に接触しておるのであるから、相互に親善関係を保持してまいるというたてまえは、お互いにくずさないという前提に立っているんだから、話は両方とも満足のいくようにいくはずであると思う、それにつきまして私どものほうからは愛知外務大臣、それからその前に赤城前農相らからいわゆる赤城試案とか、それから愛知外務大臣の北方水域の安全操業について提案がありました経路にさかのぼりまして、これを議題にしていろいろ話し合ったのでありますが、先方の結論としては、まだいままで日本側から提案されました中に具体的な提案がありません。したがって、今度は具体的な日本側のお考えをお持ちになってぜひお話をしたい、こういうことでございます。なるほど、御存じのように、歯舞にはたくさんの島が群島でありますからあります。色丹それから択捉、国後、それぞれございます。どの地域で漁業を操業したいんだという、そういう具体的な話がいままで提案がなかった。したがって、そういうことについて十分友好的に話し合いたいと思いますので、双方政府間で十分な準備を整えて、なるべく早くそういう相談のし合える機会をつくりましょう、こういうことでございます。
○鈴木強君 現在北方水域で拿捕されて、抑留左されている漁民はどのくらいおりますでしょうか。何か先般釈放されるという話聞いておりましたですけれど、実情はわかっておるんですか。
○政府委員(藤村弘毅君) 三十二名でございます。
○鈴木強君 一番長い方はどのくらいになりますか、抑留期間の。
○政府委員(藤村弘毅君) 現在資料を持ってまいりませんでしたので、ちょっとお答えを申し上げかねます。
○鈴木強君 資料持っておりませんのでお答えできませんということは、私の質問に答える答えではないですよ。なければないでどうするかということを答えてください。
○政府委員(藤村弘毅君) 帰りまして、資料を整えましてさっそく御報告申し上げます。
○鈴木強君 帰りましてじゃなくて、すぐ連絡をとってください。
○政府委員(藤村弘毅君) ただいま電話で照会いたしまして御返事いたします。
○鈴木強君 先般川島副総裁がソ連に参りましたときに、この抑留者については全員を釈放するという話を聞いておるわけですが、それは正式に農林省としてはキャッチしておりますか。
○国務大臣(倉石忠雄君) そういうお話は承りましたけれども、まだ正式の通告を受けておりませんです。
○鈴木強君 これは非常に人道問題でもあるし、やっかいな問題でございます。そこで、私はこの北方水域の問題についてもう少し伺いたいんですが、きょうの会談ではまだ具体的なものを日本が示しておらないではないかというお話しだったんですね。私はそれならば伺いたいんですが、先般、八日の日に愛知外務大臣とノビコフ副首相とが会談をしておりますね。その際にソ連側が水域拡大について話し合う用意があると、こういうふうに従来よりかやや前向きの態度を示されたように聞いております。そこで、昨年九月、愛知外務大臣が訪ソの際に示したいわゆる愛知提案というものは、グロムイコ外務大臣との間でいろいろ話がされておるわけです。われわれが知っていることだけでも、まず第一番は歯舞、色丹、国後、択捉の周辺三海里までの日本漁船の入漁を認めるということ、二つ目には日本側はその代償として漁獲量の一部か、あるいは経済技術協力の形で対価を支払う、こういうことをソ連側に示しておるはずですね。したがって、この考え方はあれですか、外務大臣が持っていかれたわけですから、倉石農林大臣は当時農林大臣でなかったかもしれませんね。したがって、そういう引き継ぎをされておらなかったのでございましょうか。ですから、私は、現在日本がソ連に提示をしている日本側の態度というものはその内容に尽きていると理解しておったんですが、それは違いますか。
○国務大臣(倉石忠雄君) 愛知提案ももちろんきょう話し合いの中に出ました。その前の赤城試案なるものもお話が出ました。しかし、先方は、そういうことを一切含めて友好的に日ソ双方で話し合いをして親善を増していくという原則については、ぜひそうしましょうという向こうからの話でありました。そしてソ連側はイシコフ漁業大臣がその折衝の任に当たることに決定いたしました。そこで日本政府はどういうふうにおやりになりますかと、こういうのでありますから、そういう点についてはわがほうの政府部内でこれから相談をして取りきめることでございますが、先方が具体的でないと申しておりましたのは、いま伝えられておりますように、去年三海里から十二海里の間と、こういうふうに愛知提案というものはなっておったようでありますけれども、島によってそういうこともあるいは可能な——可能とは言いませんけれども、可能な地域もあるでありましょうし、絶対にだめだという地域もあるでございましょう。したがって、そういうようなことについて、それからそこで行なう漁業の種類等についても、また考え方もあるわけでありまして、そういう専門的な技術的な話をこれから突っ込んでいたしましょうというきょうの提案であります。
○鈴木強君 かなりわかりました。 そこで、それでは、まあ私はきょうの会談でおそらく愛知提案を中心にした話がなされたと思いましたし、それに対してソ連側がどういう態度を示されるかということを実は注目をしておったわけです。で、まだ愛知提案に対しては、これはソ連側が保留されておりまして、一切態度を表明していないわけです。ですから、今度のイシコフ漁業相の来日の機会に何らかのソ連側のこれに対する対案が示されるのではないかと思ったんですが、お話によると、きょうは窓口をきめたのが主の目的だったようですから、おそらくこれからその窓口を通じていろいろと話が進められていくものと思います。 そこでお尋ねいたしますが、イシコフ漁業相はいつまで日本にとどまる予定なんでございましょうか。
○国務大臣(倉石忠雄君) きょう聞きましたら、明日の午後二時ぐらいの特別機で帰りたいと言っておりました。 ちょっと、さっきのお話しの中にも触れましたが、その話し合いの中には、もちろん抑留漁民の問題であるとか、その他ずいぶん話し合いが出たわけでありますが、もういろいろなことを相互で話し合いをいたしまして、こういうことを一切ひとつこの次までに日本側の考え方をきめておいていただいて、なるべく早く相談をしたい、こういうことでありました。
○鈴木強君 明日の二時ごろお帰りになるとすれば、おそらくイシコフ漁業相が日本に御滞在中にその結論を出すことはちょっと無理なように思うんですけれども、大臣としては、あすの午後二時までにても積極的に——御先方のイシコフさんの御都合もあるでしょうけれども、会談をさらに続けて何がしかの方向だけはきめようというふうにお考えでしょうか。私は願わくば、一日二日でもイシコフ漁業相の帰国が延期してもらえるならば、そういうことも考えながら、この機会にぜひひとつ結論の方向に導くような話し合いをしていただきたいと思うんですけれど、この辺大臣としてはどうお考えでしょうか。
○国務大臣(倉石忠雄君) 抑留漁民のことであるとか、ただいま進行中であります日ソ漁業委員会のサケ・マス、ニシン等のことについては、先方も意見を述べましたし、私も十分こちら側の意向を伝えたわけでありますが、根本の安全操業のことにつきましては、先ほど申し上げましたように、いろいろ具体的な問題がございますので、これは当方においても十分その用意をしてからかからないとなりませんので、かなり時間がかかるんではないかと思います。 それからもう一つは、わがほうの政府が向こうのように——イシコフ氏が代表に任命されたと、こう向こうは言っておりますけれども、こちらのほうはまだ当面、外務大臣のお仕事だとは思っておりますけれども、そういうこともはっきりいたしておりませんし、これからそういうことをはじめとして、緊急に政府部内で相談をいたしてみたいと思っております。
○鈴木強君 まあこれは私は大臣に対する希望ですけれども、いまもお話しのように、三十二名の方々が長い間抑留生活を続けておられるわけです。あそこを中心に操業をすれば拿捕されて、ソ連の本土に連行されていくというようなことで、北方の漁民にとりましてはたいへんこれは困った問題です。ですから、何とか安全操業の基本方針を確立していただきたいというのが、これはほんとうの願いだと思うのです。すでにコンブについては、御承知のように、貝殻島を中心にした協定ができておりますね。これじゃ困るわけですね、この程度のことでは。ですからやはり、南千島全体に操業区域を拡大するということになると、そこに領土権の問題で出てくると思います。したがいまして、たいへんこれはむずかしいことだと思いますけれど、ぜひやらなきゃならぬことだと思うんです。幸いにして日ソ間の友好ムードが出ているときですから、この機会にひとつ政府が本腰を入れてこの交渉のためにがんばってもらいたいと思うんです。私は十四、五年国会におりますけれど、いつか福田農林大臣のときでしたか、赤城さんのときだとか、かつては漁業交渉の場合には農林大臣が現地に出かけていかれて、その衝に当たられたようですね。その後いろんないきさつはありますけれども、時間をかけて交渉が何とかまとまっていくということからして、担当の農林大臣がお出ましになることは最近少ないようですけれども、しかし、こういう問題は外務大臣になるのか農林大臣になるのか、これは政府で御相談になることですけれども、従来の例からいくと、農林大臣が漁業交渉では行かれましたね。これはそれと関連して安全操業のことですから、あるいは外務大臣の所管になるのかもしれませんが、それはどちらでもいいのですが、やはりこれは現地へ出かけていって、そしてできるだけ短期間に解決するような努力をしていただかないと、これは漁民にとりましてはたいへん困ることですから、そういう点をひとつとくと含んで、この機会はいい機会だと思いますから、ぜひ積極的に、しかもできるだけ短期間に解決への方向の努力をしていただきたいと思いますけれど、最後に大臣の御決意をぜひ伺わしていただきたいと思います。
○国務大臣(倉石忠雄君) 大事なことでございまするので、なるべく部内によって努力をいたしたいと思います。
○政府委員(藤村弘毅君) 先ほど失礼いたしました。抑留漁船員が四十二年から抑留されておるのが六名、四十三年からのが四名、昨年が二十二名、合計三十二名でございます。
○鈴木強君 わかりました。 それではきょう私は、物価安定政策会議が先般物価安定問題について、政府が介入を直接的、間接的にやっているということからして、農林省関係についてもいろいろ勧告が出ておりました。これをぜひやりたいと思いましたが、これはまた総括質問のときに譲ります。 そこで時間がありませんから譲りまして、この四十五年度の農林省予算の中で、特に外国から輸入をする農産物をどの程度予想しておるのか、品目と数量、それから金額別にひとつ教えていただきたい。
○政府委員(小暮光美君) 御承知のように、全部の農畜産物について政府が計画を立てておるわけではございませんが、たとえば食管会計あるいは糖価安定その他の仕組みの関係で現在考えておりますものがございますので、それを申し上げますと、まず主食用の小麦でございますが、主食用の小麦は四十五年度には三百二十六万トンというふうに一応見込んでございます。それから砂糖でございますが、これは砂糖年度ということでものを考えておりますので、四十四年の十月から四十五年の九月までの推計で御理解いただきたいと思いますが、一応百九十一万トン、ただしこれは精製糖換算。それからえさでございます。えさにつきましては原料形態でのトン数で千二百五十九万トン、以上のように見ております。 中身を申し上げますか。
○鈴木強君 金額を。
○政府委員(小暮光美君) ただいま申しました小麦につきましては……ちょっとお待ちください。ちょっといま金額のほうはございませんが、トン数の数字だけ持ってまいったのですが……。
○鈴木強君 それでは金額とそれから輸入食糧管理勘定、それから農産物等の安定勘定、それから輸入飼料勘定、こういうふうに勘定別にひとつもっと詳しい品目と数量と金額をぜひ教えていただきたいと思います。
○政府委員(小暮光美君) たいへん失礼しました。輸入一般ということで、私のほうのところでトン数の数字を用意してまいりましたが、ただいまの点、至急食糧庁のほうから出しますように私から連絡いたします。
○鈴木強君 あとでいいです、時間がないわけですから。
○政府委員(森本修君) さっそく御提出申し上げたいと思います。
○鈴木強君 それで小麦はわかりましたが、主食の米はどうなんですか、全然やらないのですか。
○政府委員(森本修君) 米は原則として輸入をしないという方針でございますが、一部モチ米が三万トンばかり不足をする見込みでございますので、予算上はモチ米は三万トンの輸入を計画しております。
○鈴木強君 大臣ね、私はしろうとですけれども、ちょっと目の予算で考えてみても、えさは千二百五十九万トン、小麦が三百二十六万トン、こういうふうに、千五百万トンから六百万トン近い食糧を外国から輸入をしておるわけですね。ですからいま米が余っているとかなんとかいっておりますけれども、それは米が余っているなら、これはひとつ他に転作をすることもけっこうでしょう。ですから百五十万のうち百万トンは転作、あとは水田をつぶして公共用地その他に売っ払う、そういう方針をきめられたのですけれども、将来いわゆるアウタルキー、自給自足ということを真剣に考えてみたならば、私は国内でこういう飼料だとか小麦等をどんどんつくるような、そういう御奨励をなさっておくことこそ大事じゃないですか。こういう転作をして、一たん有事の場合に……、われわれは大東亜戦争で苦い経験をしているわけです。ですからあのとき、小さい庭先をほじくって菜っぱを植えて食べたことを覚えております。そういうことを考えると、絶対的に需給のバランスをとるということは必要だと思うのです。ですからそういう意味からいっても、どうもわれわれしろうとには、休耕するとかなんとか言いますけれども、なぜ積極的にそういう方向に転換できないかということを疑問に思うのです。
○国務大臣(倉石忠雄君) とりあえずの問題として、まあ転換作物の全部、百五十万トン分転換できないだろうと思いますのは、やはり急速に大量をやってもらうせいもありますけれども、御存じのように、四十四年度の補正の中で、すでに二十億も組んで地方に小規模の土地改良をやったり、種の手当てをやったりいたしましたのは、できるだけ作付転換をしてもらいたいということでありますが、私どもこれもしばしば農林省申し上げておりますことでございますけれども、原則としてはもう転換に全部いってもらいたいということなんでありまして、それがいま申したようなことでありますけれども、そこで、どういうものが一番いいかということにつきましては、それぞれその地域地域における地味、気候、風土その他の状況を勘案してきめるわけでありますから、農林省といたしましては、わが国の一般的な農作物の中でこういうものはぜひ、いわゆる選択的拡大の中で増産してまいりたいというふうなその全体の計画はございますから、それをその地域に何が一番向くであろうかということを考慮して指導をいたさなければなりません。そのために地方農政局は地方の自治体及び農協等、そういうところと連携を保ちながらやっておるわけでありますが、いまお話しのございましたように、たとえば一番大きなものは濃厚飼料の原料、これはかなりの量、いまお読みになりましたような量が輸入されているわけであります。そこで、これにかわるべきものを日本でそれだけ生産できるかといったら、御存じのように、まあこれ私もしろうとでございますけれども、これはたいへんむずかしい。そういう諸般の事情がございますので、できるだけ自給度は維持するのでありますけれども、飼料等については草地造成などをいたしまして、粗飼料についてはある程度までいけるのでありましょうけれども、なかなかトウモロコシ、マイロその他のそういう濃厚飼料の原料というものは、これは非常にむずかしいようであります。したがって、全体の経済計画の中で農業の占める地位を勘案いたしまして、その中で輸入と見合ってどういうふうにしていくかということが一番研究の課題と思うのであります。もちろん、私どもばしばしば予算委員会等でも申し上げておりますように、食糧に関する自給度をできるだけ維持してまいりたいというたてまえでもありますので、そういう方向はくずしてはおらないのでありますけれども、いまのお話しの濃厚飼料の原料等については、まあこれからさらにわれわれは研究を続けますけれども、なかなか困難な問題も伏在していることをひとつ御了承願いたいと思います。
○鈴木強君 農林省は、まあ米作農家、穀倉地帯の農民とか非常に地域の広い機械化の可能なような大農の人たちにはいろんなことを考えているわけですけれども、大臣も長野ですけれども、私は山梨県ですが、似たりよったりなところがたくさんありまして、要するに、兼業農家というのは非常に多いですよ。われわれの子供のころには少なくともそこに十軒住んでおっても、十軒の農家があっても、その農家は山を切り開いてそばをつくる、あるいは裏作でたんぼに麦をつくる、そういう努力をしておりましたがね。ところがそういう兼業農家のような弱いところには農林省の農政というものがちっとも行き渡ってこない。だからして、まあそこにおっても全然見通しがつかぬものですから、山をおりて下におりてくる。そして狭い地域でまた何とか生きていく道を考えていく。そういうような状態が繰り返されておるわけですよ。いままあ水田の裏作なんていうのは、山梨の私のほうでも、昔は大麦、小麦をつくったものですけれども、まずほとんどないですね。そして今度はそれがどこからくるかというと、外国から小麦が三百二十六万トンも入ってきている。ですから、もう少しそういう裏作を奨励するなら奨励する、これに対してはもっと大所高所から国が金を出すというようなことを考えてみたらどうなんでしょう、くれていると思うのですがね、私らかつてILOの農業委員会というのに、昭和二十九年ですか、日本代表で出たことがありますので、あの当時でももうすでは世界の農業国で、オランダとかアメリカだとか、そういう大国の人たちは別としても、ほかの国ではもう相当思い切って国は農村に金を出してます。そういうバックがないと農民成り立っていかぬという状況を私は見てきた。それからもうすでに二十年近くたっていますけれども、まあ進歩がないわけです。だから私は、そういう自分の一年間食うだけの米もないというような、要するに、転落農家と昔いったような、そういう零細農家というのはもう農林省頼むに足らずというような、そういう気持ちさえ持っていると思うのですよ。なぜもっとそういうところにあたたかい手が差し伸べられないものでしょうか。きこりをしながらわずかなところを耕しては米をつくる。つくるけれどもそれはしかし全体から見ると三カ分か一年分くらいしかない。そういう零細な農家に対して何をしてくれているのでしょうか。私はきょうは少しそういう点も言いたかったのですけれども、もう持ち時間がきましたからこれで最後の質問になるのですけれども、もう少し、願わくばそういう零細農家に対して、施策というものを積極的にやってほしいと思う。そういうことがすなわち大豆をつくる、そばをつくる、トウモロコシをつくる、そうして小麦をつくることになる。すなわちそれは外国からの依存度をそれだけ少なくして、自給の方向にそれが役立っていくはずです。たとえ少しでも。それが全国のそういう高知県の山の中だとか、山間僻地の山村農村、そこらの人たちがそういうことをもっとふるい立ったら、私はこの問題は多少なり前進をすると思う。米が余っている、余っていると言うけれども、その余っている米をどういうふうにお使いになるのでしょうか。せんだってもどこか茨城県でしたか、とんでもないことをやらかした農家がありますね。これは払い下げの古米二千俵が新米に化けて、ブローカーと農協とあくどい搾取、詐欺をしているということが、茨城県ですね、新聞をにぎわしておりますけれども、今度は古々米に有毒カビがはえたとか、これは全国の農協倉庫に眠っているのでしょう。私は農家で育ちましたから、昔よくおだんごというのを食べさせられました。それは米をひいて石うすで粉にして、熱いお湯を入れてそれをかき回しておだんごをつくる。これは実にうまいですよ。それから玄米パンのほやほやといって、昔よく売りにきたものだけれども、米をもう少し加工化して、何とかやはり学校給食もいろいろ問題がありますが、これは最初からパンでやってきたのに、今度米に切りかえるのはけしからぬということもありますけれども、国家の一大事だからまあ学校給食も何かこの際積極的に態勢をつくるとか、そういうふうな工夫をしてみたら、このカビのはえた米というものはもう少しはけるのではないでしょうか。私たちなかなか皆さんとお会いする機会がないものですから、実際には苦労されていると思います。それなのに私の言い方は失礼かもしれません。だけれども具体的にそれはこれこれこうしているということをあまり聞いていませんからこういうところでお尋ねするわけです。ですからまあこういう古米の処理についても私は非常に心配する一人ですけれども、そういうふうな問題について何か努力されていることがあったらひとつ聞かせてもらいたいし、それから山間にある農村、こういうところに対して、もう少し血と涙のある農政というものを示していただいているなら、私はそれを示していただきたいし、ないならこれからやっていただきたいと思います。これだけ伺ってやめます。
○国務大臣(倉石忠雄君) 農政の中で一番大事な、しかもネックになっているところをいま御指摘いただいたと思うのですが、当初麦でございますが、麦は御承知のように長野県あたりは、この地域は一番たくさんとっていたところでありますが、年年その作付が減退してきている。これは表でやっているのは北日本の一部くらいのものでございまして、あとはほとんど水田の裏作であります。やはりこれは今日の状況ではそろばんもとれなくなっているものですから、何といってもだんだん減退してまいって、ほかのものに転換してきていると思います。また、麦につきましては、これは食糧のものもございますが、ほかの用途のものもあります。麦につきましては、御存じのように、確たる数字はいま記憶しておりませんが、食管会計の中では政府負担は米よりも麦のほうがはるかに多く政府は負担しているのではないかと思っております。それで先般も米価審議会等で麦価、麦に対する対策についていろいろ懇談の会もありました。私どもといたしましては、できるだけこの裏作を通じまして、生産性をあげてもらいたいのでありますから、決しておろそかにしているわけではありません。けれども他に有利なものが出てくるならば、どうもやっぱりそういうものは転換していく傾向にあることは否定できないと思います。同時にまたいまお話のございました山間部でございますが、この間国会で御審議願っておりました僻地対策に関する法律案などでもなかなかよくできておりますけれども、あれだけでは十分ではありません。 そこで私ども、いわゆる総合農政の一環として考えております一つの考え方は、先ほど来申し上げておりますように大規模経営の、自立経営の農家を育成して、そして農業としての国際的競争に立ち向かえるだけの体質改善をしていくことは必要でありますけれども、さりとて、私はやっぱり兼業農家というものはわが国においては相当長年月厳として存在するだろうと思っております。したがってこういう人たちに対するこういう人たちがまた余った労働力を地方に活用してやっていくということが一つ。 同時にまたいま農林省が非常な精力的につとめておりますのは、自立経営農家を中核にいたしまして、それに配するに、いま申し上げましたようなわりあいに余った力、労働力を持っておる兼業農家のような人々のそうしいう農地も一緒にして集団的な営農をやっていこうと、こういうことでございますので、そのためには、まずいろいろありますが、道路、水の関係をやらなければならぬ。で、すでにもう三年ほど前からでありますが、そういう方針にのっとって政府は地方道に補助金を、国庫補助を半額できるような制度にしました。それからまた農林省でも、御存じのように、大型農道というようなものをいま各地から要望のありますああいうものも入れるようになりまして、農免道に対する保全について全力を傾倒するといったようなことでありまして、したがって私どもといたしましては、農業というものを、及び農業を中核にいたしました農村地帯の整備ということについては、たいへん力を入れてやっておるわけでありますが、何しろなかなかじみな仕事でありまして、とかく見そこなわれる傾向はあるかもしれませんが、いまの政府の、農林省としては、たいへんな努力で省内一致して奮闘努力しておる姿は、もう私が見てりっぱなものだと思います。そこでひとつ鈴木さんにおかれましても、大いに直接、間接にこれを御支援、御援助を賜わりますよう、ついでにお願いをしておきたいと思います。
○政府委員(森本修君) 先ほどお答え漏れになっておりました輸入の金額でございますが、外国米が十八億、それから外国の小麦、これは食糧用でありますが、九百二十七億、それから輸入の小麦は三百四十一億、大麦が百九十億、それからふすまが約十三億、そういう数字になっております。
○鈴木強君 えさは、飼料は全部で幾らになるのですか。
○政府委員(太田康二君) まだ私のほう、ちょっと推算をいたしておりませんので、価格の変動等もございますが、大体四十三年度の数字が確定しておりますが、これがたしか六億八百万ドルくらいだと思います。
○鈴木強君 古米の利用の方法は答えてくれなかったのですけれどもね。
○国務大臣(倉石忠雄君) 古米の処理につきましては、まあ一番いいと思いますのは、私ども、学校給食、これを考えまして、文部省ともいろいろ話をしたわけでありますが、先ほどもちょっとお話しがありましたように、なかなか長年の間、子供たちの腹にパン食がなれておりますので、全部に普及するには困難でありますけれども、逐次試験校を設けて試験しながらこれを増強してまいることに政府で努力しているわけでございます。 それからして原料用、たとえばみそ、しょうゆ等、そういうものにも使うようにいたしたい。それからいままでまあ韓国であるとか、それからパキスタン、インドネシア等に米を輸出いたしておりましたけれども、こういうものも今度はいままでのようなああいう制度でなくして、延べ払いでわりあいに簡単な手続でやれるようにということで、法律を御審議願っておるわけでありますが、こういうことにも力を入れてまいりたいし、それからまたアルコール原料に用いるということで、これも進めております。 それから飼料に使いたいということでありましたので、飼料用にどういうふうにやったら一番いいのかということについて研究をしてもらうために、最近にその原料の米を出そうというわけでありますが、これはまたさっきちょっと新聞にもございましたように、 へたいたしますというといろいろトラブルを生じますので、そういうことをなからしめるように、ひとつどうしたらいいかということをいま検討しておるようなわけでありまして、古米の処理についてはできるだけそういう形で早くはけるように努力しておるわけであります。
○三木忠雄君 私は養殖事業の問題並びに地方競馬会の問題について、若干御質問したいと思いますが、その前に一点だけ大臣にお伺いしたいと思います。 この農林大臣の説明によりますと、特に私ば経済協力の問題あるいは農業協力の問題については、今後の東南アジア、特に発展途上国に対する問題として非常に重要な問題ではないかと私は考えているわけでありますが、この中に述べられておりますように、「東南アジア地域の農業協力とわが国の農業研究の発展に資するため、農林省の附属機関として熱帯農業研究センターを設置することといたしております。」と、こういうふうに申されておるわけでありますが、この「東南アジア地域の農業協力」に対して農林省としては具体的にどういうふうにお考えになっているのでしょうか。
○国務大臣(倉石忠雄君) 開発途上国、まあそれぞれ国によって事情はえらい違いますけれども、大体において肥沃な地味であって、太陽にも恵まれておるにもかかわらず生産性が非常に低いというような国がたくさんございます。そういうところでは、わが国の農業技術家を招聘したいという先方から依頼がしばしばありますので、各国に派遣してございます。いままでもやっております。これからもあると思います。またそういうことを基礎にいたしまして、低開発国ではプロジェクトをつくりたい、したがって日本の経済的、技術的援助をしてもらいたいという要望もございますけれども、まだいままでは若干民間でそういう仕事をやっておるところはあるようでありますけれども、政府としてそういうプロジェクトについてわれわれが政府責任において協力いたしておるところはないようであります。しかしこれから私はいろいろ有望になってくるのではないかと考えられますし、また必要なことだと思うのです。東南アジアの諸国に対しては、アメリカ合衆国あたりではもうあらゆる努力をいたしまして、彼らの持ち場持ち場でやはり農業関係ではありませんけれども、非常な協力体制をしております。私どもといたしましても、やはりわが国の独得な、持っているもので、東南アジア諸国の経済開発、経済復興に協力するということは非常に有意義なことではないかと思うのでございます。したがって、これから政府の方針としてはそういうことに力を入れてまいろうと思っております。
○三木忠雄君 これで、この農業協力あるいはまた経済協力の問題等で特に公務員の人たちが派遣される場合があるわけですね。農業技術者というのは非常にわが国においても少ない、特に熱帯、東南アジア方面ではなかなか希望者も少ない、こういうふうに私たちは承っているわけでありますけれども、今後やはりそういう熱帯農業研究センターをつくるとか、あるいは協力体制をつくるといっても、具体的に人員の確保という問題について、あるいは東南アジアに派遣されて帰ってきたあとの処遇の問題、こういう点について私は非常に問題点が多いのではないかと思うのです。こういう点を相当強力に改良していかないと、たとえば経済協力等においても、東南アジアに派遣され帰ってきてからの処遇の問題が非常に不平等である、こういう問題でなかなか発展しない。こういう傾向を私はよく聞いているわけでありますが、この東南アジアの農業協力という問題は、私は今後における大きな問題ではないかと思う。こういう点についての大臣のお考え、あるいはまた熱帯農業研究センターを具体的にどういうふうに運営されていくのか、この点についてお伺いしたい。
○国務大臣(倉石忠雄君) 具体的なことを、計画につきまして後ほど政府委員から御報告申し上げますが、海外に出て行く公務員の人たちの扱いにつきましては、これは私は政府の方針として申し上げるわけではありません、私の感触でありますが、よその国の政府の公務員の海外派遣及び海外勤務、在勤等については学ぶべきものが非常に多いのではないかと思います。これは一口に結論だけを申しますならば、政府全体として再検討すべきではないか、こう思っているわけでございます。
○三木忠雄君 この問題は私は深く入りませんけれども、いずれにいたしましても私は要望として農業政策の問題から将来の問題として農林省あるいは経企庁あるいは通産省、外務省、こういう問題で一九七〇年代の発展途上国への経済協力あるいは農業協力というのは非常に重大な問題ではないかと思う。こういう点については人員の確保等についても真剣な検討をしていただきたい。このことを私は要望いたしまして、次の問題にまいりたいと思います。 水産業の中において特に養殖事業について、水産庁としてこの事業の現状をどういうふうに認識しておるか、あるいはまたこの将来の見通しについて意見を伺いたいと思います。
○政府委員(大和田啓気君) 私どもよく、「とる漁業からつくる漁業」というふうに言っております。もちろん遠洋漁業あるいは沿海漁業等、とる漁業の重要なることは申すまでもありませんけれども、現在の国際的な漁業の規制あるいは沿岸地帯における公害の問題等々考えますと、ただ、ある資源を取るということだけではなくて、人工ふ化あるいは養殖等によって、つくる漁業ということに相当力を入れなければいかぬというふうに考えておるわけでございます。数年前から瀬戸内海で栽培センターをつくりクルマエビその他のふ化養殖をやっておりますけれども、四十五年度の新しい仕事といたしましては、現在までのところ実験室の形として成功いたしておりますけれども、なかなか企業的に行なうことはむずかしいとされておりところのマグロあるいはカニあるいはサケ・マス等の人工ふ化養殖の問題を、農林省の水産研究所あるいは大学等々と共同いたしまして相当大がかりに取り上げるつもりでございます。 また、ウナギの養殖等で申し上げますれば、これは天然の種苗をとることば現在やっておるわけでございますけれども、将来の問題としてはなかなかむずかしいけれども、人工ふ化の問題を考えるということ、あわせて天然の種苗を採取いたします場合でも現在では河川がある程度限られているわけでございますが、それを広範囲に開発といいますか、もっともっといろいろな、現在利用しておらない河川においても種苗の採取が可能ではないかということで、数県の県の試験場を対象といたしまして、私ども種苗の合理的な捕捉の方法あるいは種苗の新しい地点の開発等々をやるつもりで現在準備をいたしておるわけでございます。
○三木忠雄君 まあ養殖事業といいますと非常に経営主体が弱い体制なんですね。こういう問題について特に私も昨日静岡のほうへ行ってきたが、大体静岡を中心にし、愛知、三重、あるいは四国、九州のほうで最近伸びてきたそうでありますけれども、ウナギの養殖の問題について具体的に二、三伺いたいと思うのです。実は本年特にウナギが非常に原因不明の病気にかかって静岡だけでも被害が大体二十億円、三月十日現在。四月の十二日現在になるともう少しふえるのではないか、こういうふうな養殖事業にダメージといいますか、非常に大きな損害を受けているわけですね。こういう問題について水産庁はお聞きになっておりますか。
○政府委員(大和田啓気君) 静岡県の吉田地区から問題が起こりまして昨年の十月ぐらいからどうも原因不明の病気でウナギが死ぬという、特に原料ウナギが死ぬという問題がございまして、私ども県からの報告もございますので、農林省では東京都下に淡水区の水産の研究所を持っておるわけでございますから、そこが中心になりまして大学あるいは県の試験場とも連絡をいたしまして実はこの病気の原因の追究をやっておるわけでございます。いま御発言にもございましたように、私ども県から受けております報告によりますと、三月十日現在で約九百トンほどの被害がございまして、あたたかくなるに従いましてこの病気はだんだん下火になってはおりますけれども、九百トンよりはもう少しふえて千トンを下らない程度の被害になるのではないかというふうに考えておるわけでございます。これで水産研究所を中心といたしまして大学あるいは県の試験場のほうの技術者を動員いたしまして討議、検討いたしておりますし、また県の水産試験場では現地に研究者を常駐させまして、相当熱心にこの問題を検討いたしておるわけでございますが、ただいままでのところは全く新しい病気で、病気でありますればまず菌の発見ということが考えられるわけでございますが、新しい菌の発見ということはどうしても見つかりませんので、おそらく水の問題でありますとか、あるいは吉田地区というのは元来相当ウナギの過密といいますか、池の中に相当ウナギをたくさん飼っておるところで名のあるところでございますので、少し密居させ過ぎたのではないかという問題も若干あるようでございます。その他いろいろ原因が複合をいたしておりまして、いままでに知られている病気ではない、どうも新しいものではないかというふうに思います。私どもいま申し上げましたように、農林省の水産試験場が中心になって大学あるいは県の試験場とよく連絡をとりまして、現在その病状の探究とその対策について現在せっかく研究をいたしておる次第でございます。
○三木忠雄君 ウナギに限らず養殖業に対する研究機関が非常におくれている。農業に比べてみれば事業者も少ないという点は、これは考えられないごともないわけでありますが、やはり新しい産業として、水産庁としては、この養殖業に対する研究機関ですね、こういう問題をもう少し充実したらいいのではないかと、こう私は強く要望するわけなんですけれどもね。たとえば東京の日野の淡水区研究所ですか、これだけで、たとえば静岡のウナギで考えてみましても、何か研究員が一人か二人しかいない。何の研究をしているかわからないような研究体制で、実際に従事者から考えてみれば、これはもう死活の問題でありますし、こういう研究体制を水産試験場なりあるいは県とも協力するとか、いろいろ方法はあると思いますけれども、もう少し予算もつけ、あるいはこの水産試験場の充実、拡充をはかっていくという方向に、そういう方向にもっと力を入れていかなければならぬのではないかと私は強く考えるわけです。これに対する水産庁のお考えを承りたいと思います。
○政府委員(大和田啓気君) 先ほど申し上げましたように、養殖の問題というのはこれからだんだんその比重を増すわけでございますから、海面養殖に限らず、内水面の養殖につきましても、私どもは試験研究機関を大いに充実させるつもりで、現在いろいろ研究をいたしておるわけでございます。
○三木忠雄君 本年度はどのくらい予算がついておりますか。
○政府委員(大和田啓気君) 全体といたしまして先ほど申し上げましたように、 マグロあるいはカニ、サケ・マス等の養殖につきまして六千七百万円、それからウナギ等の種苗の開発につきましてこれは五、六百万円ほどでございますが、私どもの試験研究機関といたしましては、まあ経常費の研究費として若干あるわけでございますから、それを相当振り向けて、たとえば今回の静岡県のウナギの病気等につきましても、淡水区の試験場を中心といたしまして県あるいは大学の人たちと連絡をして、かなりの額をかけて研究を推進するつもりでおるわけでございます。
○三木忠雄君 この研究要員がいないそうなんですね。非常に地元のほうでも、国にまかしても県にまかしても、なかなかこういう研究体制が進まないので、地元でもお互いに費用を出し合って研究所を吉田なんかの場合にはつくっておるわけです。こういう体制についても、やはりもう少し私は積極的に国のほうで援助をされるなり応援をするなり、私は特にやっていただきたいと思います。これは要望です。 それから次に、こういう養殖事業は海水のほうから比べてみれば幾分少ないのではないかと思うのですけれども、やはり、今回のウナギなんかの場合には、原因不明の病気で実際に多く死んでおるわけですね、被害をこうむっておるわけです。こういう問題について、やはり養殖の共済制度の確立ですね、こういう問題についてはどういうふうにお考えでございますか。
○政府委員(大和田啓気君) まあ漁業共済制度を三十九年に出発をいたしましたときに、私ども内水面の養殖事業を共済として取り上げることができるかどうかということを、実はある研究所に委託をして相当研究をしたわけでございます。ところが、なかなかこれはむずかしい問題がございまして、御承知のように、たとえば海面養殖でハマチの漁業共済をやっておりますけれども、ハマチは大体冬の前に一通り一年ものは売るということで、しかも漁業協同組合がそれを扱うということで、相当はっきりいたしておるわけでございますが、ウナギにつきましては、小さな稚魚を何カ月かにわたってちびちび池に補給するということでございますし、それからウナギの成魚を市場に出す場合も冬の前というふうにはっきりきめておりませんで、まあ夏湯は土用のうしの日ということでウナギの需要が多いわけでございますが、夏に限らず常に出荷をしているという状態でございまして、どれだけのものが出荷され、あるいはどれだけのものが一年でふえるかということの探求がなかなかむずかしい問題でございます。 あわせて、漁業共済の掛け金は何といいましても、どの程度この事業について損害があるか、あるいは被害率がどの程度かということが十分わかりませんと、これは共済掛け金の計算もできないわけでございますけれども、ウナギの場合は、いま申し上げましたように、絶えず補給し、絶えず市場へ出す関係で、私どもの漁業共済にはなかなか簡単に乗れないような事情があるわけでございます。ただ、業界のほうからも、漁業共済に何とかして乗せてほしいという要望がかねてあるわけでございますから、私ども別にこれはだめだというふうにあきらめないで、現在も、一体どういう形で乗せられることができるのか、なかなかむずかしいけれども、乗せる方法がないかどうかということを現在も事務的に相当熱心に研究をいたしておるわけでございます。
○三木忠雄君 こういう被害はめったにあるわけじゃないと私は思うのですけれども、やはりどんどん養殖業者はふえてまいりますし、こういう漁業だけではなしに、養殖業者のほうにも、特に内水のほうについてもやはり共済制度の確立をはかっていくと、これはひとつ積極的に私は進めていただきたいと思うわけです。 それから災害はこういうふうに突然起こってきますと、非常に経営主体が弱い、こういう関係で共済制度もないし、非常に資金で苦しんでくるわけでありますけれども、こういう災害のときに、やはり低金利の融資の貸し付けですね。次の稚魚を買い入れるといっても、なかなかこういうダメージを受けてくると金融面にも非常に行き詰まりを来たしてくる。こういう場合に、現地の要望等を見ておりましても、一年据え置き、あるいは三年払い、あるいは五年でもいいし、こういうふうに、一年ぐらい据え置いての低金利の融資制度をもう少し養殖業者にも活用させていただけないだろうか、こういう強い要望があるわけです。こういう点に対してはどうでしょうか。
○政府委員(大和田啓気君) 私ども漁業近代化資金の制度を昨年つくりまして、資金は昨年度百億でございましたが、今年度二百五十億というふうに相当拡充をいたしまして、この施設資金の利用はひとつ十分この漁業近代化資金によってはかっていただくように私からもお願いをいたしたいと思います。ただ、災害のときの天災融資法は、たてまえからいたしまして、天災による災害ということに限定をいたしておりますので、今回のように、原因不明でございますが、病気によって災害を受けた場合は、災害資金の利用はなかなかできない、私は主として漁業近代化資金の御利用をひとつお願いしたいというふうに思います。そのワクは十分とってございます。
○三木忠雄君 ワクは十分あるのですけれども、実際こういう人たちはなかなか借りられないのですね。こういう点はよく見ていただきたいと思います。 それからこのウナギの種苗の問題で、研究費は今回少しついているそうでありますけれども、この種苗の輸入について、何か学者の意見によってきめられているそうなんですけれども、たとえば台湾あるいはフランスからシラスウナギですか、種苗の輸入を行なっているそうでありますけれども、大体十七センチまでは免税で、それをこえると関税率を八%かけられると、こういうふうに種苗の輸入には関税がかけられているそうでありますけれども、これはちょっと学者の意見に左右され過ぎているのじゃないか、一センチ違うから、二センチ違ったから関税をかけるというような役所的ないき方を——やはり種苗業者が輸入するわけなんですから、養殖ウナギに使うわけなんですから、これはもう少し水産庁のほうからも、できれば積極的に大蔵省と話し合いをして——私は大蔵省をきょうは呼んでおりませんから言いませんけれども、こういう問題についてはやはり業者の立場に立って、もう生産業者なんです、ブローカーとかそういう販売業者じゃないわけですから、種を輸入するわけなんですから、それをやはり税金をかけて、一センチ違うから二センチ違うからといって、お役所的な仕事で片づけられてしまうというのはちょっと私は合点がいかないと思うんです。この点どうですか。
○政府委員(大和田啓気君) いまお話しのように、実ば関税定率法の適用につきまして、体長十七センチ以下、体重十三グラム以下というものを稚魚として関税はゼロというふうにしておるわけでございます。これはただし、学問的な区別ということ以外に、ウナギの養殖業者の中には非常に小さいものをある程度まで育てる業者と、それがらある程度まで大きくなったものを普通食べられるウナギにするものと二種類ございます。これは御承知かと思いますが、一人で両者を兼ね備えるものもございますけれども、どうもその二つの種類の業者がある意味で利害の対立ということも裏面にあるわけでございます。私ども確かに業者の方の意見といたしまして、いま申し上げた十七センチ以下十三グラム以下ということではなくて、二十五センチ以下、体量二十グラム以下のものを稚魚として取り扱ってほしいという声も聞いておるわけでございますが、説によりますと二十五センチぐらいのものはちゃんとして食べられるウナギとして使われる危険があるという、そういう意見もあるわけでございます。で私どもいま申し上げましたように、現在のやり方がもう一番いいんで絶対変える必要ないというところまでは申し上げません。私どもよく御趣旨もございますから検討はいたしますけれども、ただこれは一方の意見だけでなかなかきめられないむずかしい問題があるわけでございますから、その点ひとつ十分御了承をいただきたいと思います。
○三木忠雄君 関税問題で長く時間とりたくありませんけれども、たとえば二十センチ、二十五センチで輸入されてきますと厚生省の立ち合いが必要なんですね、食べる場合なんですから。そういう点で非常にお役所的に片づけられてしまって、生きものを預かっておるうちにいつの間にか死んでしまうというような状態で、非常に業者としては憤慨している例もだいぶあるわけです。これぐらいの関税はかけなくても私はいいんじゃないかと、こう強く主張したいわけです。だから、もう学問的にこうだとかああだとかじゃなしに、こういうウナギの、わずかだろうと思うんです、種苗で輸入している例なんかほんの限られたところじゃないかと思うんですよ。一部の業界の数グラムでこうなったとか、ああなったということじゃなしに、そんなものは限られた輸入量なんですから、思い切った撤廃方向に通産省としては大蔵省と話し合うべきじゃないかと、こう思うわけですが、どうですか。
○政府委員(大和田啓気君) 実は台湾からシラスを三十トンくらい最近年間輸入をしておるわけで、台湾の情勢を聞きますと、ウナギ、食べられるウナギの輸出をしたいという希望も非常にありますようで、その希望はまた日本のウナギ養殖業者から申しますと、ある程度まで歓迎すべからざることでもございますので、なかなか簡単にはまいりませんが、私ども先ほど申しましたように、いまのやり方が一番いいんで、これ以外にないというふうには思いませんので、十分研究をいたしたいと思います。
○三木忠雄君 それから餌料の問題ですね。養殖業に対する最近はなま餌料から配合餌料のほうに変わってきているそうなんですが、今回のこの被害等も断定はできないでしょうけれども、餌料に相当影響があるんじゃないかと、こういうことが言われてもいるわけです。吉田方面だけじゃなしに静岡、愛知、あるいは岐阜、そういう方面にもおのおの被害を受けているわけですから、こういう点に対してやはり餌料の検査制度の拡充ということが私は大事ではないかと思うんです。牛や豚の飼料については検査制度がありますけれども、この養殖事業に対する餌料の検査制度というのが非常に弱い、あるいはない、こういう体制では、養殖業者がまるまるこの配合餌料のためにある場合は被害を受ける場合も相当あるんではないかと思うんです。こういう点についてはどうですか。
○政府委員(大和田啓気君) 飼料の品質改善に関する法律というのがございまして、飼料の品質改善に資しているわけでございますが、その対象は家畜、家禽のえさで、たとえばウナギの養殖用の配合餌料はまだ取り上げられておらない。これは成分あるいは品質、規格等につきまして、私ども十分きわめるべきところが多いと思いますが、従来、ウナギの養殖の餌料は生きた魚あるいは冷凍の魚等々が利用されておりまして、配合餌料というのはわりあい最近のことでございますので、残念ながら私どもの研究が十分それに追いついておらない。しかし先ほど申し上げましたように、養殖に関する試験、研究というのは、私ども大いにこれから取り上げて行なわなければならないことでございますから、餌料につきましても早急に体制を整備し、研究をいたしまして、その目鼻がつくのに応じまして養殖用のえさの品質あるいは規格等につきましても十分遺憾のないようにひとつしてまいりたい。もう少し、これは試験、研究が十分でありませんうちに規格、品質等について何かを行政的にやるということも、これもなかなか問題でございますんで、私ども何よりもまず試験、研究を急がせる、大いに体制を整備させるということに力点を置いて現在やっておりますので、御了承願います。
○三木忠雄君 これはひとつ厳重に早く、静岡県のウナギ業者だけでも二十億、三十億の被害を受けている、こういう状況でありますし、やはりそういう研究施設あるいは試験場等が非常に体制が弱いということについては、業者としても非常に不安ではないかと思います。県のほうでも力を入れているそうでありますけれども、国のほうも相当積極的にこの養殖事業についても力を入れていただきたい、こう考えるわけであります。 次に、時間があまりないものですから、簡単に何点か申し上げたいと思うんです。中央競馬会の問題について、私は二、三大臣に伺っておきたいと思います。今後もいろいろ私は議論を重ねたいと思っておりますが、特に場外馬券売り場の問題ですね、私は東京に住んでおりまして、東京に数カ所場外馬券売り場、あるいは中京地区あるいは関西地区、こういうところに場外馬券売り場が設けられているわけでありますけれども、この周辺から、非常に私たちも陳情を受けたりあるいは意見を聞かされるわけです。場外馬券売り場をもう少し検討してもらえないだろうか。ファン自身もやはり狭いところで押し合いへし合いやりながらやられている、こういう場外馬券の、法律的にも制限されているそうでありますけれども、もう少しファンのことも考え、あるいはまた周辺の地域住民の側に立ってこの場外馬券売り場の問題は私は検討すべきじゃないか、こう考えるのでありますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(倉石忠雄君) 場外券発売所の利用者は年々増加いたし、これに伴って、周辺の混雑等の問題によりまして住民に御迷惑をかけている例もあると聞いております。農林省といたしましては、昭和三十六年の公営競技調査会の答申の趣旨に即しまして、場外発売所の増設は認めないとの立場に立って、一方、これら弊害をなるべく取り除くために、施設の整備、改善を極力推進するように指導につとめてまいってきたのでありますが、この一方策といたしましての場外発売所の移転の問題につきましては、ファンの交通の便をはかります観点からの土地の確保、さらには地域住民の場外発売所設置についての同意を得なければならない等、いろいろの問題がございますが、最近においては名古屋におきまして、これらの条件が満たされて移転した例もございますように、適当な場所の調査、その実現の方途等について検討を進め、できるものから実行に移すように今後指導してまいりたいと思います。
○三木忠雄君 これは私はいろいろな法律的な問題があるのだろうと思うのですけれども、後楽園の一つ例をとってみましても、後楽園の競輪場なんかあいているわけですね。いろいろ競技場の関係もあるでしょうが、あるいは公営競馬場は国営競馬をやっているときはあいているわけです。ああいうところをもう少し活用できないか。あるいはファンにテレビでも見せながら、もう少し交通の混離等もさばけるわけでありますし、こういう施設が相当土曜日曜等についてはあいているわけです。こういう問題の活用ということはこれはもう少し検討されてもいいのではないか、こう思うのですけれどもいかがでしょう。
○政府委員(太田康二君) ただいま先生の御指摘のとおり、実は大レースのときには競馬場の施設なんかも利用いたしておるわけでありまして、たとえば昨日のさつき賞のような場合には府中の競馬場のほうで発売するというようなことを実はいたしておるのであります。
○三木忠雄君 これは府中だけでなしに、公営競馬場とかいろいろあるわけですけれども、もう少し地域住民の側に立って、これは決して私はなくしようとかというのでなしに、やはりもう少し周辺の人たち——商店の関係なんかの人たちはあまり文句は言わないでしょうけれども、それを取り巻く周辺はずっと車が駐車をして、交通問題に対しても非常に当惑しているわけです。こういう点については国の姿勢としても、もう少し場所を考えるとか、前向きに検討していかなければならないのではないかと私は思います。 それからもう一つは、最近競馬ファンがふえたというのですが、サーファイトクラブというのですか、大衆資金をどんどん投入して馬主にしていくと、こういう傾向があるのでありますが、これは投機的な問題があって、私は将来の問題としては非常に危険視されるのではないかと、こういうふうにも考えるわけですが、この問題の実態はどういうふうになっているのですか。
○政府委員(太田康二君) ただいま御指摘のとおり、たくさんの者が共同出資して馬を所有する形態が最近出てきておるのでございますが、私たちが中央競馬会等を通じましてその登録の状況を調べてまいったのでございますが、現在ございますのはサーファイトクラブ外四つ、全部で五つということになっておりまして、一応その代表者を把握しているというのが現状でございまして、現在のところはこのために特に競馬の公正の確保上問題を生じているというふうには聞いてはいないのでございますが、将来の問題といたしまして問題が生ずることも考えられますので、この点につきましては慎重に今後検討を進めていく必要があるのではないかというふうに目下のところ考えておる次第でございます。
○三木忠雄君 これは一部の人に独占されるといいますか、あるいはまた大衆資金を相当投入していく、そうして現在でも少しうわさにはいろいろ障害を私は耳にするわけでありますので、こういうふうにしてどんどん大衆資金が投入されていく、まとめられて一部の人にゆだねられてしまうということになると、非常にファンの人たちに対する問題といいますか、いろいろな隘路が出てくるのではないかと思うのですね。こういう点に対する考え方が非常に私は甘いんじゃないかと思うのです。いまプロ野球がいろいろ話題になっておりますけれども、こういう中でこういう問題を放置しておきますと、必ず一部の人にゆだねられてしまって、せっかく何千万の人たちが、ある意味じゃ大衆的になってきている問題が一部の人のからくりに惑わされてしまうような結果になりかねないのではないか。こういうことはやはり登録等の問題、いろいろなことがあると思いますけれども、厳重にこの問題は私ば考えていただきたい、こう思うわけでありますけれども、いま弊害が出てないから問題ない、いつまでもこういう体制でいかないようにひとつ進めていただきたいと思いますが、どうですか。
○政府委員(太田康二君) 確かにこの問題も御指摘を受けまして、われわれも中央競馬会とよく話し合いをいたしたのでありますが、ただいまのところ世間で言われるような暴力傾向等が登録に関係しているというような例はないというふうに聞いておるわけでありますが、確かに御指摘のとおり問題もあろうかと思いますので、私たちは慎重にこの問題につきましては検討してまいらなければならないだろうというふうに考えております。
○三木忠雄君 それからこれは読売新聞に載っておった社会面の、「私は馬になりたい」というような、こういうような表題なんですけれども、トレーニングセンターが滋賀県と茨城県でございますか、二百四十億をかけたトレーニングセンターができるという、こういうように言われているわけです。これの経緯についてちょっと説明願えますか。
○政府委員(太田康二君) 御承知のとおり、近年競馬場周辺の市街化に伴ないまして、環境衛生の問題が惹起されていることは事実でございます。それからファンの増加によりますところの混雑緩和対策のためのファンサービス施設の拡充、たとえば駐車場とか発売所の窓口を競馬場にふやすとか、ファンサービス施設の拡張が必要になってきたこと、それから競走馬の増加によりまして、従来ございましたところの厩舎あるいは調教施設の狭隘を告げてきたということのために、競馬場の本来の機能の充実をはかるという見地から、厩舎とか調教部門を競馬場から分離せしめるということにいたしまして、競馬場においては、競馬場本来の機能の充実をはかるとともに、調教面の強化を行ないたいという趣旨から、実はトレーニングセンターというものを設けるということに相なった次第でございまして、日本中央競馬会は、このために競走馬のトレーニングセンターを、関西におきましてはただいま御指摘のとおり滋賀県の栗東町におきまして、これはほぼ建設を完了いたしております。それから関東におきましては、茨城県の美浦村に用地を確保いたしまして、現在その建設に着手いたしておるというのが設置の理由並びにその経過でございます。
○三木忠雄君 私は詳しいことは何とも言えませんけれども、いろいろな問題点は私はないと思いますけれども、社会常識通念として、豪華な二百四十億もかけて四千頭とか五千頭しかいないと私は聞いているのです、こういう問題に対して、トレーニングセンターも必要でしょうし、いろいろなことがあるでしょうが、やはりもう少しこういう問題に対する配慮が足りないのではないか。ただもう中央競馬会がもうけたと言ってはあれですが、潤沢な資金を投入して、こういう公営住宅が約一万戸も建つほど大量な資金を投入して、競走馬の大団地をつくっていくということについて、一般国民として私は納得できないのではないか、やはりこういうところはもう少し農林省としても取り締まっていかなければいけないのじゃないか。もう少し話し合いを進めていくとか、経費を削減していくとか、いろいろな方法でもっと進められるのではないか、こういうふうに考えられるわけでありますけれども、こういう点に対する農林省の取り組み方の姿勢が非常に私は弱いのじゃないか、こう考えるわけでありますけれども、いかがでしょう。
○政府委員(太田康二君) 先ほど申し上げたような理由で、トレーニングセンターの必要性を認めまして、実はこの中央競馬会の計画を承認いたしたような次第でございまして、決してわれわれは中央競馬会に対しまして予算の執行面で甘くこれを見ておるというようなことはないわけでございますが、確かにこれだけの大きな金を使って施設をいたすわけでありますから、そういった面でいろいろ問題もあろうかと思いますので、その執行面につきましては十分監督を強化してまいりたいと、かように考えております。
○三木忠雄君 もう一つ伺っておきたいのですけれども、今後私はこの問題についていろいろ進めたいと思っております。特に輸入馬の問題ですね、中央競馬会がその何億かを投じて特別に中央競馬会が購入している輸入馬もあれば、生産者が直接輸入馬を輸入している、こういうふうな系統が二通りに分かれているんですね。いろいろ、あらぬうわさかもしれませんけれども、いずれにしてもこの中央競馬会から購入資金を一億円、二億円出してその種馬の輸入をする。ある人たちは民間独自で自分たちの金を出し合ってその種馬の輸入をする、こういう点について私は非常に不公平な、不公正な問題があるんじゃないかと思うんですが、こういう点についてはどうお考えですか。
○政府委員(太田康二君) 御承知のとおり、現在の競走馬の輸入につきましては、割り当て制度のもとにおきまして、わが国の軽種馬の品種改良上必要なものに限って輸入を認めておるわけでございます。中央競馬会といたしましても、競馬施行上良質な軽種馬を確保いたしますとともに、わが国の競走馬の生産者が組織いたしております日本軽種馬協会という公益法人がございますが、これに対しまして、確かに御指摘のとおり、良質の種雄馬を寄贈しておる事実がございます。そこで確かに問題のそういうやり方についていろいろ御議論もあろうかと思いますが、競馬会が寄贈する種雄馬はきわめて良質でございまして、これを広く各地につなぎまして、その利用をはかるという趣旨で先ほど申し上げたようなことを実施いたしておるのでございまして、価格も相当高価なものでございまして、生産者個人ではなかなか取得しがたい性質のものです。なおかつ公益法人の軽種馬協会の仕事の一つとしてこういったことはまことにふさわしい仕事であるという認識のもとに大体毎年一頭ぐらいずつ実施をいたしておるというのが実情でございます。
○三木忠雄君 いろいろな理由はつけられるんですよ。いろいろな理由をおっしゃられるのですけれども、実際に民間で輸入した人もおれば、あるいは競馬会で輸入した種馬等の使用等についても公正を欠く、こういう問題いろいろ聞くわけです。しかし、国の施策として、中央競馬会でも監査もし、いろいろなことをやっている以上、やはり国民平等の立場において私は適用されなきゃならぬのじゃないかと思う。 一部の人たちの手によって——詳しく一々調べてみればいろんな問題があるわけです。きょうは時間がありませんから、そんなことはやりたくありませんけれども、いずれにしてもこういう競馬の問題についてもやはりもっともっと厳重な監査をしていかなきゃならないんじゃないか、あるいはもう少しよくこまかく見ていかなきゃならないんじゃないか、こういうことが、やはり社会に対するどういう影響を及ぼしているか、そういう点をもう少し私は検討せられたいと思う。そしてやはり協会で輸入するなら協会で輸入するような、全部が協会でまとめてやっていくとか、あるいは協会は全然やらないで、全部民間でやっていくとか、こういうふうに、どっちかにはっきりさしていくべきじゃないですか。一部の特別な人たちだけが甘い汁を吸うような考え方が、関係者から声が出てくるということ自体が私はちょっと問題じゃないかと思うんです。こういう点で、私はもっと公正な形でこういう問題を取り扱っていただきたい、こう思うわけでございますがいかがでしょうか。
○政府委員(太田康二君) そういった心配が実はありますので、日本軽種馬協会の中に特に中央競馬会から寄贈を受けました種雄馬の利用が特定の地域に偏することのないように、種雄馬の管理委員会というのを設けまして、各地域の生産者が利用し得るような措置を講じておりまして、おおむね三年くらいでまた場所を移動して広く利用に供するということをいたしておるのでございます。ただ、実際に種つけをいたす場合におのずから種つけする限度もございますし、入れた馬それ自体が非常な高価な優秀な種雄馬でございますので、たとえばあまりりっぱでない種雌馬には種つけしないということも実はあるわけでございまして、そういった方からのあるいは不満等があろうかと思いますが、なお御指摘の点につきましては今後も十分注意をしてまいりたい、こういうように考えております。
○三木忠雄君 これはファンが相当ふえておる、こういう問題で、運営上の問題、あるいはそういうところまでいろいろさかのぼって検討されておるわけですね、あるいはもろもろの問題等についても、そういうところの問題点は私は結果として入ってくるということでいろいろ議論されておるわけです。こういうことにつきまして、やはり競馬の運営に携わっている人たちが、やはり公正な、国民の人たちが納得できるような方法で、こういう運営等にも当たっていただきたい、こういうことを私は心から念願いたしまして私の質問を終わりたいと思います。
○市川房枝君 この予算分科会で農林大臣のお顔を見ました以上、全国の台所を担当しております主婦を代表して一言申し上げたいと思います。それはいまの野菜物の値上がり、特にダイコンが一本三百円もするという状態、これをどうお考えになりますか。
○国務大臣(倉石忠雄君) 御存じのように、何べんかもう申し上げまして、私どもも、何べんかお尋ねあるものですからただお答えだけではと思いまして、さらに事情を突っ込んで調べてみましたが、やっぱり同じようなことでありまして、御存じのように、数回寒波がまいりまして、同時に五十日余りの干ばつがございましたので、野菜は御存じのようにたいへん出回りが悪うございまして、そのために値段が非常に高くなりまして、ぼつぼつ春野菜の時期になってまいりましたから、いろんな野菜が値下がりを見せる傾向になってまいりましたが、なお、私ども野菜につきまして地方農政局を督励いたしまして、消費地付近に向かってできるだけ早く大量に出荷できるように督促をさせておるような次第でございます。
○市川房枝君 ほうぼうで大臣に対しての質問が出たでしょうが、いまお答えのように、原因はいろいろあると思うのですけれども、しかし食料の問題は農林大臣の担当、御責任でございますので、特に一番重要な野菜物については、主婦たちも恨みと申しますか、それは農林大臣に集中しておることはひとつ忘れないでおいていただきたいと思います。 そこでお伺いしたい点が二つありますが、第一の問題として、農林省はいままで農産物、畜産物、あるいは海産物等の生産の対策を基本として、そのためにばく大の国費を使ってきておるわけですけれども、その生産のためには従業者の生活、健康、家族関係等々がうまくいっていなければ生産ができないと思います。この点について大臣はどうお考えになっていますか。あるいはその方面に対する対策はどんなふうになっておりますか。
○国務大臣(倉石忠雄君) 私どもの立場では、国民に必要な食料を安定的に供給するということ。それからまた、その供給する人の生活が翌日への生産意欲を持っていただけるようにあらゆる御協力を申し上げて、農業の経営を安定せしめる、こういうのが目的でございますので、もちろんいろいろなことについて配慮をいたさなければならぬ、またそのように努力をしておるわけでございます。
○市川房枝君 農林省の予算課のほうから御配付をいただきました予算の説明書によりますと、その第八に「農業従事者の福祉の向上」という項目がありまして、約十八億円そのための予算が計上されておるようです。農林省所管の会計予算は全部先ほど御説明を伺ったのですが、八千五百三十億円。とすると、この農業従事者の福祉のためには〇・〇〇%ぐらいですか、こういう計算になるかと思うのですが、これでは農民の人間としての生活、あるいは家庭の生活の問題等々はあまり考えられているとは言えない、こういうふうに思えるのですけれども、いかがでしょう。
○国務大臣(倉石忠雄君) 特にそういう予算項目で出してありますものは、それなりの仕事でありますけれども、私ども全体といたしましては、いま申し上げましたような食料の安定的供給、そのために農業に従事していただく方の生活環境の向上、これがあるわけであります。それはいま予算に計上してありました、お聞き及びのものだけではございませんで、全体としての農業生産が向上し、そしてそれに従事しておる方々の生活環境がよくなるというのは他の要因がたくさんあるはずでございます。ほかの社会保障制度もございましょうし、それから経済全体が上昇することによってその影響はいろいろな意味で入ってくるわけでありますから、私は一がいにその特定の項目だけが、その生活環境をよくするための予算であるというふうに限定される御批判だけでなくて、やっぱり全体としての政府の施策、国全体の施策が、われわれのいま申しました考え方によって、それぞれの持ち場、持ち場の人々の生活環境がよくなっていくのではないか。そういうことのために国の施策が総合的に行なわれていくべきである、こう思っているわけでありますが、御存じのように一つ一つ取り上げますと、いろいろの問題が各業種別にあると思いますけれども、やはり農業者全体としては、もう最近の生活環境の向上は、一ころにくらべて著しいものがあることは否定することのできないことであります。政府全体としてそういう姿勢で、取り組んでまいりたいと思っているわけであります。
○市川房枝君 国全体として国民の福祉の増進を重要な政治課題として扱っていただいていることはわかりますが、私は特に農林省として、その生産の一番の指導力である従業者の問題に対してあまり関心を——大臣のいまおことばでしたけれども、私のあげたほかにも幾つか拾えばありますけれども、全体としてそのほうが非常に薄いという感じを実は持つわけです。大臣にけさほど御説明いただきました説明書の中で、総合農政のいろいろな基本政策をおあげになっていますが、その中の第一の総合農政推進に関連しておっしゃっている中で、「中高年齢層を多数かかえた就業構造の改善をはかることが重要であることば言うまでもありません。」というので、「農業者が希望に応じて他産業へ円滑に転職できるよう離農の援助促進のための施策を進めていく考えであります。」こうあり、その次に「農業者年金制度を創設し」ということをあげておいでになりまして、この二つがいわゆる福祉の増進のことかと思いますが、この年金制度はもちろん私はけっこうだと思うけれども、それは老後の問題であって、現在の問題ではないと私は思う。問題は、現在の農業従事者の福祉の向上、私はこういう点にしぼって、実は対策を進めていただきたい。それが足りない、こういう感じを持つのですけれども、私のほうが間違っておりますか。
○国務大臣(倉石忠雄君) 間違っておるなどと決して申し上げるわけではございませんが、地域、地域によってもかなり環境が、ことに農業をやっていらっしゃる方の環境に相違があることは私ども認めておりますし、さればこそ私どもはそういう辺境の地にあられる方々のために特段の考えを持たなければいけないわけでありますが、たとえばいま農林省がたいへん、毎年毎年そうでありますが、土地改良あるいは圃場整理、そういうようなことによって農家の方々の労働力というものはかなり節約されてきております。まるで私の郷里などは長野県でございますが、蚕飼い一つ見ましても、稲をつくるお百姓さんよりは蚕を飼うお百姓さんのほうが何倍か労働力が必要であったが、御婦人たちもそれで非常に疲労された。ところが、最近はどんどん技術が進歩いたしまして、蚕を飼うにはほとんどその労働力というものがむしろ何分の一かに減退してしまっている。それで能率はより以上あがっておるわけであります。したがって、そういうようなことに力を入れるということが私どもにとりまして大事なことでありまして、一口に生産性を上げて云々と言っておりますのは、そういうようなことを包括して申しておるわけでありまして、私ども他産業の工業等に比べて生産性が必ずしも上がっておりませんものですから、そういう比較においてはいろいろ御批判もあるかもしれませんけれども、わが国の農業というものは、私は国の施策によっていろいろな意味においてたいへん近代農業というものは変化してまいっておりますので、決して満足、十分であるとは申しませんけれども、そういうようなことに結果的には非常な効果が出てまいっておりますことは、地方の農家の御婦人にただしていただけばよくわがることだと思います。
○市川房枝君 農村の家庭収入がふえたといいますか、生活水準が高くなったということは確かに言えるのですけれども、しかしそれはむしろ農業従事者、特に婦人の犠牲において成り立っているのである。だから一方において、婦人はそのために健康をおかしておる。あるいは家政がおろそかになっておるといいますか、子供の教育の点が手が抜けているというような問題があるわけであって、これは婦人が農業従事者としての率がだんだんふえていくに従ってそういう問題が私は大きくなってきておると思うのですが、さっきあげました大臣の、中高年齢層を多数かかえた就業構造の中に婦人が入っていないのですね。これは私は婦人の農業者としての率は毎年ふえてきておると思うのですけれども、最近の男子と婦人との率をちょっと伺いたいのですが。
○政府委員(小暮光美君) ちょっといまこまかい数字がないのでございますが、大体申し上げますと、六割が婦人で四割が男子ということでございます。
○市川房枝君 私はそういう事実は毎年率がふえてきておると思うのですが、農林省はそれをむしろ認めないという態度ではないのか、したがってこういうところになぜ婦人がふえてきておるということをお加えにならないのか。結局農業従事者としては婦人と男子の区別はしないのだ、同じだという見解にお立ちになっておるのかどうか、それならこういう言い方も私は一応了承できるのですが、私は同じではないと、農業従事者としてたんぼや畑で働いたほかに婦人にはやはり家庭を主宰する責任があるし、また子供を教育する母親としての任務がある。だから私はそのことをやはり考えていただかないと、いま申し上げたように、主として婦人の勤労者の犠牲において収入がふえあるいは生活の標準は高くなっておるけれども、一方においてそれよりももっと大きなマイナスが出ておるんではないかということを実は心配をしているわけですが、その点はどうですか。
○政府委員(池田俊也君) 最近におきますいろんな就業事情等の変化といいますか、他産業におきます労働の吸収力が非常に強いというようなこと、一方農業面から見ますと、先ほど大臣からお答えがございましたが、非常に生産の合理化が行なわれて必ずしも——従来でごさいますならば男子の労働力でなければならなかったものが、最近においては婦人労働で十分こなせる、こういうような事情がいろいろございまして、そういうようなことが反映いたしまして婦人労働のウエートが非常にふえてきておるわけでございます。私どもは実はある程度やむを得ない現象だとは思っておりますけれども、またそれに伴いまして幾つかの問題が起きてきている。先ほど先生の御指摘もございましたように、農家の主婦が非常に負担が多くなってきた。従来、御存じのように生活改善事業で私どもは食生活の面とかそういう面ではかなりいろいろ指導をいたしまして農家の生活もよくなってきたとは思うのでございますが、そういう面では、いま申し上げましたような意味では、むしろ非常にむずかしい事態になってきている。で、これについてはやはり相当考えなければならない事態が起きてきているというふうに考えているわけでございまして、これについての的確な指導を生活改良普及員を通じて現在やりつつある、こういう状況でございます。
○市川房枝君 いまちょっとお話に出ました、農林省農政局に生活改善課というのがあって、そこが主として——さっきの予算もほとんどそこの予算なんですし、福祉の向上というのはそこで担当しているわけなんですが、この課は前から私ときどき申し上げているんですが、人員が少ないし、また予算も少ないのに実によくやっていると高く評価しているわけなんですが、この生活改良普及員の人数は私どもはもっとふやすべきだと思うのに、三年来、毎年減ってきているでしょう。どのくらいずつ減っていますか。したがって予算もそれは減っているわけです。
○政府委員(池田俊也君) 確かに御指摘のように、若干ずつ数が減っているわけでございます。これは政府全体といたしましての行政機構の簡素化、こういうこともあるわけでございますが、一方でば私どもが機動力を強化することによりまして、少ない比較的限られた人数で有効な指導を行ないたい、こういうことでそういう体制も逐次整備をしてきておりますので、事業の活動内容として落ちてきているとは一つも考えておりません。むしろ充実の方向に向かっていると思うわけでございますが、職員の数自体はそういうことになっているわけでございます。年によりまして若干の違いはございますが、大体数十人、たとえば四十四年度でございますと三十五人ぐらい減少、それから四十三年度は前年に比べまして二十五人ぐらい減少、その程度の減少になっておるわけでございます。
○市川房枝君 定員法によって人員を減らすことは私も承知しているんですが、どの局、どの課を減らすかということは、それは農林省が御決定になるんでしょう。私は農林省はそれこそ農民の数がどんどん減ってきているんで、そちらの関係のほうでは少し人が余っておいでになるんじゃないないかと思うんですが、特に私どもが非常に重要だ、もっとふやすべきだと考えておりまするこの課に、毎年減すのを割り当てておいでになるというのは、この事業をあまり認めていないんだ。いま能率はあがっておるとおっしゃったけれども、私はちょっと納得しかねるんですが、だから人数の問題は、農林省の幹部のお考えによって私は変更できることではないか、こう考えておるんです。 時間がだんだんなくなりますので、もっとこの問題について申し上げたいことはありますが、さっきちょっと農政局長さんでしたか、私は農村の問題、いま構造改革といいますか、総合農政の問題がいろいろあって御苦労なすっておるわけですけれども、やはり就業者の問題、特にさっき申しました婦人の問題はもう少し総合的に、これはほかの官庁も関係があるわけですが、特別にそういう一つの審議会と申しますか何かをおつくりになって、そうして検討をしていただいて——もう私は少し手おくれだと思うんです、農村の婦人たちの健康の今日の状態を見ますと。しかし、いまからでもおそくないんですから、できるだけ早く、ひとつ全体的にそういう検討をして、そうして日本の将来のためにやっていただきたいことをお願いをしてこの問題は終わります。 あといまひとつ伺いたいのは、この間三月四日の補正予算のときに、私農林大臣に八王子、三鷹の分として都が主催しておりました四回は東京の二十三区特別区が現在の十六回に追加して開催したい旨の申請をしましたことについて、農林大臣はどんなお考えかということを伺ったんですが、その後どう処理されたか、その理由もあわせて伺いたい。
○国務大臣(倉石忠雄君) お話の東京都の四回の開催を減少することは、大井競馬場の従業員、それから大井競馬場を含みました南関東四競馬場に所属する従業員、騎手、馬丁等の生活に関係することでもございますし、公正円滑な地方競馬の施行を確保する上で、これらの経済的な影響をできる限り緩和することが必要でありますとともに、特に川崎、浦和、船橋の各市は、最近の人口の増加に伴いまして、財政需要が急増いたしております等の事情から、開催回数の増加を要望いたしておりましたので、これらの事情を勘案いたしまして、今回の方針を決定いたしたものであります。
○市川房枝君 大井競馬の従業員の問題ということで言いますと、一回だけで三回はほかへ行っちゃったわけなんですから——それは騎手だとか馬丁は浦和だとか千葉とか川崎なんかへ行かれますけれども、従業員はそこまで働きにいくわけにはいかないんで、結局そういう人の生活の問題が残るわけですけれども、それについては一体どう考えておりますか。
○政府委員(太田康二君) 確かにそういった問題もあろうかと思いますが、御承知のとおり、特別区は東京都が廃止いたしました四回を全部実はやらしてもらいたいというような要望があったことは御承知のとおりだろうと思います。しかしわれわれの考え方としては、ただいま大臣がお述べになりましたように、一つは昭和四十三年に法律改正いたしましたときに、当分の間競馬主催市町村とみなすというふうに特別区につきましては法律改正がなされたわけでございますが、この際の参議院の附帯決議におきまして、できる限り早く廃止できるように措置しなさいということもございましたし、これらを勘案いたしまして、なお従業員に対する影響も考えまして、特別区につきましては一回ということにいたした次第でございます。
○市川房枝君 この問題について四月九日でしたか、東京朝日新聞の「今日の問題」というところでこの問題を取り上げて批判をしておりましたが、大臣お読みになりましたか。
○国務大臣(倉石忠雄君) まだ読んでおりません。
○市川房枝君 これも時間がかかりますので私省きますけれども、それは大臣、一ぺん読んでいただきたい。私どもは大体同じような考え方でありまして、もうその問題を取り上げる時間がなくなりましたから省きますけれども、今度の農林省の処置に対しては賛成できないという不満の意を申し上げておきたいと思います。 最後にこの問題について、実は東京都内の婦人青年団体が農林大臣及び畜産局長あるいはその他の方に四回伺って反対の陳情を申し上げたわけでございまして、そのとき大臣にはただ陳情書を差し上げただけでございましたが、畜産局長には二回お目にかかっているわけでございます。で、畜産局長にお目にかかったときの局長の御態度について、そのとき参りました婦人青年団体の人たちから私に陳情がございまして、局長は、一体国民からの陳情というものをどういうふうに御解釈になっておりますか、まずそれを伺いたい。
○政府委員(太田康二君) 私は大臣の代理で、たしか二回御陳情をお受けいたしたのでございますが、約一時間ぐらいにわたりゆっくりと御陳情の趣旨をお聞きいたしたのでございます。
○市川房枝君 そのときの局長の態度——まあ、いろいろ私のところへ問答なんかも実は書いてきているんですけれども、そのときの態度として、国民の要望を聞くという態度は全くなく、法律も知らない女どもがこの忙しいのに何を言いにきたかという態度で、真剣に聞こうとされなかったと、こういう印象を言っております。実はいろいろもっとひどいこともあるんですけれども、それはまあこの席では省きますけれども、関係の業者といいますか、あるいは従業者は、こういう問題についてはいわゆる当時者であり、それによって自分たちの利益を守る、こういう立場にありまするけれども、一般の国民——この婦人団体あるいは青年団体の人たちは、この運動をしたって一文も得にはならない、いや、そのために電車代も使うし時間も提供している。しかしながら、この問題は非常に重要な問題なんだ、こういう考え方からみんなで陳情に参ったのでありまするから、農林省の当局としては、私は、もっとそういう人たちが納得するよう親切に応対をされてしかるべきだと思うんですが、大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(倉石忠雄君) 全くそのとおりでございまして、われわれは、行政を預かっておる者の立場といたしましては、国民各位の御陳情については、誠心誠意、承るようにつとめなければならないと思います。で、私にもときどき面会の御要望がございましたが、市川さん御存じのように、何しろ両院の予算委員会はとにかく午前午後出席いたさなければなりませんので、やむを得ず畜産局長にかわりに会ってもらったのでありますが、畜産局長は、決してそういう気持ちは——いまお読み上げのようなお話や態度ではないと思います。それは、大体人間というのは、まあその人の持ち味でいろいろに相手に映るかもしれませんが、これほど親切な局長はなかなかありませんで、私にも逐一、きょうの陳情はこういうことでありましたと、あとで予算委員会が済んでから報告してくれておりましたので、その陳情される御趣旨につきまして私どもはわからないのであります、よく御理解できるわけでありますけれども、先ほど来申し上げておりますようないろいろな周囲の状況を判断して、こういうふうにすることが一番いいことだと。さっき局長も申し上げましたように、全部特別区に回せという意見すらあったのでありますが、それは、私どもといたしましては一番妥当な方法ということで、最善だと信じてやったことでございまするし、これは、農林省は大臣をはじめ全部一体でございますので、決して、そういう陳情をおろそかにするような、そんな意思は毛頭ございませんので、どうぞ御了承を願います。
○市川房枝君 いま、大臣のことばだと、畜産局長さんは非常に丁寧な親切な人だというのですが、婦人団体、そのときに行きました証人、きょう傍聴に来ておりますが——それだったら局長は二重人格者と言わなきゃならないことになっちゃうんですが、しかし、それは今後その点は気をつけていただきたいと思います。 畜産局長、そのときにこういうことをおっしゃったらしいんです。ギャンブルは健全娯楽である。うそだと思ったら一度見に行ったらどうか。こういうおことばがあったという報告なんですが、ほんとうにそう考えておいでになるかどうか。いや、あのときの婦人の大部分はギャンブルを見に行っております。私もおたくの監督課長さんに御案内されて大井競馬を見に行きましたが、来ている人たちの目は血走っていて、その辺にうろうろとしていたらけ飛ばされるくらいで、こわくてちょっとなかなか行く気にならないと思います。健全娯楽と言ったからには、私は家族同伴で行けるようなところを健全娯楽と言うのじゃないかと思うんですが、私は大衆娯楽というのは必要だと思います。そういう機会をやっぱり国民に与えるべきだと思うんですが、現在のギャンブル、地方競馬も、私はそう言っていいと思うんですが、健全娯楽とは言いがたい。これを健全な娯楽にするにはどうするか。これはやっぱり農林省の一つの御責任ではないかと思いますが、この点、健全娯楽かどうか、局長さんからひとつ。
○政府委員(太田康二君) 私が陳情の方に申し上げましたのは、私たちがなぜ競馬をやるんだというお話がございましたので、競馬法にはっきり目的が書いてございませんが、現在われわれが考えておりますのは、一つは馬匹の改良を含む畜産振興、一つは大衆に対する健全娯楽の提供、三つ目には財政への寄与ということで競馬をやっておりますということを申し上げたのでございます。そこで、大衆娯楽ということで、射幸心の過熱化の抑制とか、公正適確な運営の確保ということがぜひ必要でございますので、この点につきましては、すでに昭和三十六年の公営企業調査会の答申にもあるわけでございますので、私たちといたしましては、従来からそういった意味での指導監督にもつとめてきたわけでございまするが、最近におきましては、平日のレース数を削減する、あるいはこれに伴います競馬の開催時間の短縮、あるいは警備要員の増強をはかりますとともに、不測な事態に備える施設の整備改善を進めるように、各主催者に対しましても指導をいたしておるのでございます。さらに、中央競馬の場外設備の混雑を緩和する等の対策といたしましては、場外で、これはいろいろまた批判もあるわけでございますが、勝馬投票券を発売する競走の数を大幅に縮小するというような措置を講じておりますほか、適中率を高めて射幸心の抑制をはかるために、中央競馬につきましては、昨年の十月から連勝単式を全部廃止いたしまして、複式にする。それから地方競馬につきましても、本年度からごく一部の競馬場を除きまして、全面的に連勝単式を廃止いたしまして、連勝複式を採用するというようなことによりまして、いたずらに射幸心をあおるというようなことは、できる限り避けるような措置を講じておる次第でございます。
○市川房枝君 この問題、なおいろいろ申し上げたいことがありますが、時間がまいりましたので、きょうはこれで終わります。
○主査(足鹿覺君) 農林省所管の審査は、本日はこの程度といたします。 —————————————
○主査(足鹿覺君) 次に、昭和四十五年度総予算中、郵政省所管を議題といたします。 まず政府側から説明を求めます。井出郵政大臣。
○国務大臣(井出一太郎君) 当省所管各会計の昭和四十五年度予算案につきまして、その概略を御説明申し上げます。 まず一般会計の予算でありますが、歳出予定額は六十三億一千百万円で、前年度予算額五十五億三千五百万円に比較して七億七千六百万円、一四%の増加となっております。 この予算には、衛星管制施設の整備に必要な経費二億三千百万円、実験用通信衛星の基礎研究の推進に必要な経費四千二百万円、電波監視体制の整備強化に必要な経費六千万円のほか、データ通信制度の確立、放送大学に関する調査に必要な経費が含まれております。 次に、郵政事業特別会計でありますが、この会計の歳入予定額は、六千九百九十五億七千六百万円で、前年度予算額六千二百六十七億四千九百万円に比較しますと、七百二十八億二千七百万円、一二%の増加となっております。 この予算には収入印紙収入で一般会計へ繰り入れる、いわゆる通り抜けとなる業務外収入が一千八百五十五億一千二百万円ありますので、これを差し引いた実体予算、すなわち郵政事業運営に必要な経費の財源となる歳入は五千百四十億六千四百万円でありまして、これは前年度予算額に比較しまして五百六十三億七千百万円、一二%の増加となっております。 一方、歳出予定額は七千百二十八億六千万円で、前年度予算額六千二百六十七億四千九百万円に比較いたしまして、八百六十一億一千百万円、一四%の増加でありまして、これから業務外支出を除きますと、実体予算としては五千二百七十三億四千八百万円で、前年度予算額に比較しまして一五%の増加となっております。 したがいまして、昭和四十五年度歳入歳出予定額におきましては、百三十二億八千四百万円の歳出超過となっておりますが、これにつきましては前年度からの持ち越し現金を充当することといたしております。 この予算の中には、昭和四十五年度の重要施策としておりますところの事業の合理化近代化のための諸施策、すなわち、各種作業の機械化、郵便局舎等の改善、郵便番号制度の推進等に要する経費及び郵便貯金・簡易保険の増強に伴う経費などが含まれております。 なお、四十五年度の建設勘定予算は二百四十八億七千七百万円でありまして、前年度予算額に比較しますと、三十八億四千万円、一八%の増加であります。 この予算には郵便番号自動読み取り区分機の配備、郵便局舎の新増築、郵便貯金会館の設置などの経費も含まれております。 次に、郵便貯金特別会計でありますが、この会計の歳入予定額は五千二百七十八億三千七百万円で、前年度予算額四千百九十八億九千五百万円に比較しますと一千七十九億四千二百万円、二六%の増加となっております。 歳出予定額は、四千二百十九億六千八百万円で、前年度予算額三千三百三十一億八千八百万円に比較しまして、八百八十七億八千万円、二七%の増加となっております。 次に、簡易生命保険及び郵便年金特別会計でありますが、保険勘定におきましては、歳入予定額は六千九百二十一億六百万円で、前年度予算額の五千七百三十億二千二百万円に比較しまして、一千百九十億八千四百万円、二一%の増加となっております。 歳出予定額は三千四百五十八億九千百万円で、前年度予算額三千十四億一千百万円に比較して、四百四十四億八千万円、一五%の増加となっております。 また、年金勘定におきましては、歳入予定額、歳出予定額ともに三十億四千万円で、前年度予算額二十八億九千七百万円に比較しまして、一億四千三百万円、五%の増加となっております。 最後に、日本電信電話公社の予算案につきましてその概略を申し上げます。 損益勘定におきましては、収入予定額は一兆四百四十四億円で、前年度予算額と比較いたしまして、一千五百七十八億円の増加となっております。 他方、支出予定額は収入予定額と同額の一兆四百四十四億円でありまして、これを前年度予算額と比較いたしますと、給与その他諸費、営業費等で九百八十六億円、資本勘定への繰り入れ額で五百九十二億円の増加となっております。 資本勘定におきましては、収入予定額は内部資金で四千二百七億円、外部資金で四千九億円、総額八千二百十六億円を計上いたししております。 このうち公募債によるものは二百億円、縁故債によるものは五百五十億円となっております。 他方、支出予定額は建設勘定へ繰り入れ額で六千九百億円、債務償還等で一千三百十六億円となっております。 建設計画につきましては、最近における大都市周辺の電話需要の急増に重点的に対処するため、前年度予算に比べ三〇%増の二百十万個の一般加入電話を増設することに、地域集団電話三十万個、公衆電話四万二千個、市外回線数九万六千回線等の実施を予定するほか、情報革新の社会的要請に応じるためのデータ通信の飛躍的拡充、同一行政区域を考慮した加入区域の合併、さらに非常災害対策等の実施をはかることにより、一そう電信電話設備の拡充とサービスの向上を推進することとしております。 以上をもちまして、私の説明を終わりますが、なお、詳細の点につきましては、御質問をいただきましてお答えいたします。
○主査(足鹿覺君) これより質疑に入ります。
○鈴木強君 今年度の郵政事業特別会計の予算は、予算委員会でも大臣に御質問いたしましたように、百三十二億八千四百万円の歳出超過となっております。この超過分は、前年度からの持ち越し現金、これを充当してバランスをとっておることは、いま御説明をいただいたとおりです。この持ち越し現金というのは、百三十二億八千四百万円を使ったあと、幾ら残っておりますか。
○政府委員(溝呂木繁君) 四十三年度決算によりまして、持ち越し現金として歳出に充当し得る金額は、百四十七億円というふうに推算いたしております。
○鈴木強君 そうすると、あと十五億足らずですね。そこで、四十五年度は何とかやりくりができておるんだが、四十六年度以降については一体どうなるのか、たいへんわれわれも心配をしているわけです。それで、予算委員会で大臣に伺いましたが、もう少しその点は待ってほしいと、こういうことでした。ですから、私は、一応おきましたけれども、ここは予算の分科会でもありますし、もう少し突っ込んで郵政特別会計の経理内容についても伺いたいと思うんです。その上で、この経営の悪化している状態をどう克服していくかという考え方を聞きたいんです。 まず、最近の特に郵便事業というのは、最悪の状態でしょうね、私はそう思います。現に、私たちは、国会の日程を知るために公報というのを出していただいておりますが、私のうちは世田谷の代田三丁目です。ところが、この公報が、私が自宅を出るまでに届いたということはまずない。九時半から十時ごろでないと公報が届かないんですよ。これだけ見ても、いかに郵政事業というものがわれわれの信頼を裏切っているかということがよくわかるのです。私は、あとからまた、新宿郵便局のきわめて悪らつな事件について、郵政省の顔にどろを塗るような、郵政省の信頼をなくすような事件もありますから、これも伺いますが、まずひどいものですよ。一体これがどこに原因があるのか。これは、郵政大臣として、長い伝統と歴史の中に国家独占企業としてやってきたこの郵便事業というものが、今日ほど国民から信頼をされていないというのはないんですよ。その原因は一体どこにあるか、そうしてそれをどう立て直していこうとするのか、まずその基本的な考え方を伺わせていただきたい。
○国務大臣(井出一太郎君) 私も、就任以来、この問題に心を痛めておるわけでございますが、問題の本質はなかなか根が深いのではないかという感じがいたします。今日、何もかもスピードが要求されるという時代になりまして、ともかく一戸一戸足で配達をして歩かなければならない、こういう仕事の性質からいたしまして、あるいは機械化と申しましても、機動力を持たせるといいましても、どうも一定の限界があるようでございます。しかも、都市における交通事情は日増しに険悪を加えている。かてて加えて、若年労働力の供給状況が非常に悪い。ないしは、住宅関係にしましても、都会地は移動がひんぱんであるとか、いろいろな事情が加わっておるようでございまして、おっしゃるように確かにいまや重大な壁にぶつかっておるという感じは御同感であります。したがいまして、これを抜本的にどうするかという事態に差しかかっておるわけでありまして、昨年来、公社化というのも確かに一つの考え方でありましょう、まだこれをいつやるかというところまでは踏み切っておりませんが、事態の重大性というものは私も非常に深刻にこれを受けとめておるわけでありまして、鋭意検討を加え、また、各界の御意見も伺い、鈴木委員をはじめこういった仕事の先輩の皆さんのお知恵を拝借をして何とか打開をしてまいりたい、こういう所存でおるわけであります。
○鈴木強君 就任早々大臣もたいへん御苦心をなされ、問題の本質を解決するために努力をされていることは、私たちもよく知っております。ですから、その限りにおきましては私は心から感謝をいたします。私もかつて郵政事業の中で働かしていただいた一員です。われわれは、逓信従業員の魂をあくまでも強く持ち続けて、公共性の強い事業が国民の信頼に沿えるようにということで、勤務時間も長かった、給料も安かった、劣悪な労働条件ではあったけれども、歯を食いしばってがまんをしてやってきた。ところが、そういったわれわれの尊い過去の対策と使命というものが今日だんだんと失われつつある、これは私は非常に残念に思うんです。問題は、やっぱり、そこに働く約三十万に近い郵政職員というものがほんとうに郵政事業のためにやろうという根性を持っているかどうかということですね。今日は、労働運動も存在しております。私たちの当時は、労働運動はなかった。しかも、三等郵便局という請負制の中で、局員は、女中かそこいらの農家の働き手みたいなふうに働かされてきた。だから、何といっても事業は人ですから、そこに働く人がやる気にならなければだめだと思います。ところが、今日、全逓の労使関係を見ても、一体どうなっているんですか、私はいつも憂慮をしておる者の一人です。だからといって、またそこにわれわれが介入することはどうかと思いますから、われわれはときには意見を言いますけれども、よき労使間における善処を期待しておりましたけれども、まあ先般大臣の御配慮で一応労使間の紛争は正常化したようですから、この点は大臣の御労苦を多といたします。問題は、そこいらから問題を考えていかなければだめですよ。これはどんなに高邁な理想を並べてみても、計画を立ててみても、いま大臣からいろいろ説明を聞きましたその計画を実施するのは人間でしょう。機械ではできないのです、郵政というのは。だから、ほんとうに郵政の職員が事業のためにというそういう気持ちを持てるような、労働運動の面においてもよき慣行をもっと強く前進させていただきたい、そこに私は基本があると思うんです。それなくして郵政事業はよくなっていくかというと、私はならぬと思う。不当に合法的な労働組合へ介入してその組織の切りくずしをするような機運があることは、私も二年ぐらい前に奈良県のほうをちょっと回ってみましたけれども、随所でそういうことを実際に見てきました。これは残念なことです。だから、そういう気持ちがなぜて出てくるのか。全逓という労働組合は、大臣も御承知のように、戦後なかなかむずかしい段階に、非常に自由にして民主的な労働組合として少なくとも立ち上がってきたんですよ。われわれは共産党の諸君の指導する労働運動も知っております。しかし、これはめちゃくちゃだった、実際。それは日本の再建のために不幸だと思うから、われわれはあえて民主化運動をやってきた。そして今日の全逓というものがあると思うんですよね。労働組合だから、ときには強い意見も言うでしょう。それは、長い先輩の諸君に失礼なことを言うかもしれません。労使対等だという立場に立ってものを言うかもしれません。それは当然でしょう。だからといって、そのことがすぐ目上に対してどうとかという感情を持つことは、これはもう前時代的な経営者の考え方であって、そういうことに意を介せず、管理者の諸君は管理者の諸君としてやはりき然たる態度であくまでも理解と納得の中で問題を解決するという気持ちになってもらわなければ、この問題は解決できないのです。私は、そういう点に根本的に問題があるように思いますよ。幸いに、大臣のせんだっての御苦労で、もしそういうことがあれば改めるということをちゃんと言っておりますから、その点はそのとおりに指導してください。そこに、はじめて私は光明を見出すことができると思うんですよ。もう一度、私の言っていることは間違いないと思うのだけれども、大臣のお気持ちを聞いておきたいと思います。
○国務大臣(井出一太郎君) 「人は石垣人は城」ということばがありますが、やはり事業の中心はまさに人であります。そういう意味で、先般、たいへん残念なことでありますが、郵政労使間に紛争がございました。その場合、私は、何をおいてもまず考えなければならぬことは対話をしなければいかぬと。先ほど理解と納得というおことばを使われましたが、やはりそれが基調にならなければいかぬ。そこで、両者が話し合いをする土俵をまず設定をする必要がある、こういうことで、私も少し汗をたらしましてそういう方向で問題を煮詰める努力をいたしました。まあ幸いにして一応の終局を見たわけでありますが、私はここで思うことは、これが単に一段落したからそれでいいというものではない。むしろ、いままでの経緯を見ておりますと、何か少し断絶があるのではないかという気もする。してみれば、これを一つの契機にいたしまして、さらに労使双方が十分アフターケアといいましょうか、そういう気持ちでこれから正常化をはかっていく努力をすべきである、こういうことを、私のほうも郵政局長会議を開きまして伝達をする。一方、宝樹委員長とも二回ほど会いましてその点をよく申し上げまして、とにかくお互いによくアプローチしようじゃないか、こういうことでただいま進めておるわけであります。
○鈴木強君 これからが大臣のおっしゃいますように大事なところですから、われわれもできるだけの御協力を惜しみませんけれども、どうか、せっかく糸口をつかんだわけですから、これを大事にしていただいて、われわれが期待するような郵政労使関係というものを樹立し、その中から事業の信頼を取り戻していただきたいと心からお願いします。それで、もう一つ、私は、経営者の諸君の気持ちの中にありまする、一体いま何を考えているかということについてお聞きしたい。かつて、小林郵政大臣が、郵政公社化について郵政審議会に諮問をなさった。この公社制度というのは、戦後御承知のようにアメリカから学んだ制度でありまして、専売、電電、国鉄と、こうございます。しかし、この経営自体が、私に言わせるならばまことに中途はんぱのものであって、蛇のなま殺しと私は言うのですけれども、その経営の実権というものについてはほとんど経営者にまかされておらない。したがって、国会なり政府の干渉というものが非常に強いわけです。立場上は、公社の社員になる。したがって、国会の政府委員という立場はなくなって、国会に来れば説明員だ。郵政省がある官庁を通じて予算をきめてもらう。まことに中途はんぱな制度なんです。だから、昭和二十九年公共企業体審議会、それから三十二年にも、二度とも制度の改革について答申が出ている。ところが、その答申自体が十数年間——私は国会に十四、五年おって、毎年毎年歴代の大臣にこの公社制度に対して答申をなぜ尊重してやらないかということを迫ってきておる。検討しますといって棚ざらしになっておる。そういう中で、はたして郵政事業を公社化することがどれだけの効果があるだろうかということについては、私は私なりに心配しておった。ところが、小林さんは郵政審議会にやや強引にかけたように思うんですね。それならば、その時点において郵政の気持ちがぴたっと合っていなければいけない、管理者の諸君の気持ちが。それは、事業は、郵便あるいは貯金、保険と幾つにも分かれております。片や、そういう動きについては、全国の民間の保険会社あるいは銀行筋、こういうところがら、これ以上公共企業体化してやられたんじゃかなわぬという抵抗はあるでしょう。また、大蔵省は大蔵省として、公社にした場合の地方交付税の納付金の問題もあります。国有国営として公租公課を免除しておったものが、その後ああいう交付金という形でもって地方自治体に出ていく。自動車も全部地方税がかかってくる。だからして、その公課については大蔵省は大蔵省として疑義があるでしょう。しかし、少なくとも当時郵政省が審議会に諮問したということは、それらの点を全部整理して、そしてどうだということを私は諮問したのだと思うんですね。それで、次の通常国会には出しますということも言った。にもかかわらず、今日、公社化は一体どこへどうなっているのか、まことに私はふしぎなことの一つだと思う。われわれもできるだけ情勢はつかもうとして努力しております。一々局長に会って聞くこともできません。だが、しかし、そういうやり出したことなんだから、小林郵政大臣の思想が正しいならば、しかも、答申が出ている、公社化することがいいということが。それに向かって省は一体になってやっておられるのかどうか、私はその点にもちょっと疑問を持ちます。だから、そういう中で郵政というものが宙ぶらりんになっているんですよ。郵政事業というものをどうしなければならないのか、いま大事なときに来ておって、一体の力というものを発揮しなければならぬときでしょう。私はそういう点にも何か国民から見てもの足りなさを感ずるんですよ。そして、もし公社にするならばどうするか、そのときに貯金、保険はそれにどういうふうに協力していくかということを早く国民の前に示して、皆さんが足元を固めて前進しなければ、いろいろな外部からの力が加わってきますよ。それが、私は、今日、公社法が国会に提案できない理由だと思う。もし間違っておったら、私の一方的な考え方ではいけませんから、おおよそ私はそこらにネックがあるように思うのですけれども、大臣としては、それは鈴木君ちょっと違うという点がありましたら、ひとつ教えていただきたい。
○国務大臣(井出一太郎君) 公社の問題につきましては、郵政審議会に諮問をし答申をちょうだいした、一年余りにわたってのいろんな御検討もなされたわけでありますが、私はいまその記録などをもずっと検討を始めておるところでございます。おそらく、郵政省としましては、これは非常な大転換だろうと思うんです。長い間、百年の歴史をけみして、郵政省の中にある、何といいましょうか、郵便という仕事が一種の聖なる職であるかのごとくに扱われてきたというふうな心情的なものを飛躍的に転換をするというのには、なかなか脱皮にあたっての生みの悩みもあるのではないか、こうまあ私なりに観測をしておるんですが、やはり省内十分の納得を得なければ、これを推進する上においても力が出ません。その意味で、省内に対策委員会をつくりまして、次官を長とする大規模な委員会というものが発足をしておるのでございまして、私も、国会が少しからだがあきますれば、ひとつみずからそれに参加をしながら、なるべく早目に結論を出したい。先ほどもちょっとお答えしましたように、郵政事業そのものが行き詰まっておる今日、この公社という考え方は、十分にこれをとってもって用いる値打ちはあるんだと、こう考えておりますから、いつか申し上げましたように、もうしばらくかすに時間をもってしていただきたいと、こういう気持ちであります。
○鈴木強君 これは、郵便という事業がございますから、なかなかむずかしい点があると思うんです。特に特定郵便局制度というものですね。今度また簡易局というのもありますけれども、これは個人経営に委託されているというような、われわれから見るとちょっと想像もつかないような橋渡り、綱渡りをしようとしていますね、郵政省は。だから、そういうものをかかえているだけに、公社化する場合に非常にめんどうだと思うんです。極端に言ったら、いまの特定局を郵政公社の出張所なり営業所なりというふうにしていくかどうかですね、そういうところまで割り切ってものを考えないと、一番むずかしい点がそこにあるように思うんですね。それと、やっぱり貯金、保険でしょうね。貯金、保険の民間との問題があるだろうと思います。私は急いですぐ結論を出せとかなんとかいうことは申しません。ただ、そういう方向がいいと皆さんがお思いになるならば、やっぱりそれだけの努力をしていただいて、どこにネックがあるならあると、そのために延ばすんだと、そうでなかったら、こうしたらいけるんだというそういう一つの方向をちゃんと打ち出していただいて、その方向に向かって全局長が大臣とともに進むような、そういう体制を早くつくっていただかないといけないと思います。ですから、私は、この法案を次の通常国会に出せとかいうことは言いません。言いませんから、ひとつ慎重な御配慮をしていただいて、大臣、少なくとも御在任中にその方向だけは打ち出してやっていただきたい。そして、その方向がいいならば、従業員がそのことによって意識を向上し、全体がさあ行こうという気持ちになればいいと思うんですよ。私は電電公社が公社化するときにいろいろ心配しましたけれど、しかし、法律案が通ってしまえば、私たち労働組合の側でも、窓口にすわっておって、もう考え方を変えようじゃないか。いままでの電報を打ってやるんだとか電話をかけてやるんだという考え方を変えようじゃないか。相手はお客さんなんだと。だから、打たしていただく、かけさしていただくという、そういう気持ちになろうじゃないか、ありがとうございますということをみずから言おうじゃないかと私は指導しました。そうすることによって、公社事業というものが、ここまで十数年の歴史の中で、まあ比べてみると明るさがあると思うんですね。まあ、郵便局の場合には、事務局の局舎を見ましても、最近皆さんの御努力でかなり職場環境もよくなっておりますが、まだまだ特定局の場合とか地方に行きますと、ほんとうにこんなところに郵便局の人たちが働いておるのかなといういやな気持ちを持つようなところに働いておりますよ。最低限その職場環境ぐらいはどんどんと重点的に金を出してもして差し上げるとか、何か希望を持てるようなことをやらなければだめですよこれは。いつまでたっても、郵便屋というのは、あのきたない行のうをかついで、夜も寝ないでヨタカのように元日から弁当を持って働かなければならぬのですよ。四六時中。そういう人たちに勇気と希望を与えるのは一体何か。待遇の改善でもあるでしょう。職場環境の整備でもあるでしょう。そういうことを計画的におやりになっていると思いますが、少しスローモーションだから、そういう点を少しピッチをあげてもらうということも私は大事なことだと思うんですよ。まあ少し話が横に飛びましたけれども、そういう意味で、公社化の問題については、ひとつ慎重な御配慮の中で方向を見出していただきたい、こう思います。それからきょうは非常に時間が制約されておりますから、郵便関係について多少聞きたいのですが、要は、大臣もおっしゃったように、機械化のできない仕事を郵便というのは一人一人が足でもってかせがなければならぬ。しかも、住まいの構造がたいへん変わってきておる。たいへん御苦労があると思うんです。しかし、われわれの側からしてみれば、やはり速達は早く来てもらいたい。山梨県から送るはがきが、新聞が、二日も三日もかかっちゃ困るんですよ。きのうの新聞は——私は山梨のローカル新聞をとっていますけれども、きのうのやつはきょうというふうにしないと、ニュースバリューがなくなりますから、そういう意味でちゃんと配達してもらいたいのだが、なかなかそういかない。それは、結局、外務員といいますか、外務の人たちが足りないのだと思うんですよ。決してなまけているのじゃないと思う。なまけているんじゃないんだけれども、要員配置というものが十分いっていないのじゃないかと思います。いま、なかなか、あれでしょう、郵便外務員になるというのは、なりてがないんじゃないですかね。相当欠員もあると思うんですよ。それはそうでしょうね。若い人たちには魅力がない仕事ですから、女子の人たちまで、中高年齢層まで雇わなければならぬというようなところまで出来している。団地に行けば、奥さんがアルバイトで郵便配達をしている。通信の秘密はどうなるか、たいへん心配しますね。そういう要員の点はどうなんですか、ちょっとその点を説明してくれませんか。
○政府委員(竹下一記君) 郵便の定員でございますが、特に東京地区は取り扱い部数も多うございますし、問題が多いので、重点配置をしておるわけでございます。お尋ねの欠員の数でございますが、京浜地区でいま百六十六名の欠員になっております。内務が七十四名、外務が九十六名、この数から申しますと、特に外務が欠員が多いというふうには私どもは思いませんが、若干まあそういう傾向があろうかと思います。定員のことにつきましては、予算定員といたしましては、事務量に応じた要員措置はできておると思います。ただ、昨今の大都会の様子を見ますると、やはり雇用難でございまして、せかっくとりました定員が実際の労働力となりますまでに若干の時間がありますとか、欠員が出ましたときにしばらく空白時間があると、こういう事情がありますために、労働力といたしまして若干の不足がある時期がある。ただし、それにつきましては、私ども、アルバイトを有効活用いたしまして極力穴を埋めておるわけでございますけれども、おっしゃるような多少要員のやりくりの中で苦しい面があるということは、そのとおりでございます。
○鈴木強君 いま、京浜地区で百六十六名、内訳が、内務七十四名、外務九十六名と言いましたが、それじゃ数が合わないじゃないか、百六十六名にならない。
○政府委員(竹下一記君) 数字を間違えました。百六十六名ではございませんで百七十名です。
○鈴木強君 具体的に、いま東京都内で外務員がそうすると何名、大阪市内何名になりますか。
○政府委員(竹下一記君) いま東京の京浜地区で内外合わせまして二万四千名こういうふうに見ております。内外の区別をちょっと私いまここに数字を持っておりませんが、しかも……。
○鈴木強君 そうじゃなくて、竹下さんね、いま東京、大阪だけでいいから外務員の欠員ば何人かと聞いているんですよ、京浜地区じゃわからぬから。
○政府委員(竹下一記君) 東京につきましては、関東全部について見ますと若干数字が違ってくると思いますが……。
○鈴木強君 東京都内、東京都内です。
○政府委員(竹下一記君) 京浜地区の大部分が東京都内でありますから、いま申し上げましたように、外務が九十六名の欠員。
○鈴木強君 京浜地区ではわからぬから、東京は幾らかと聞いているんです。大部分だけど何人がいるか、九十六名のうち、都内は何人ですかと聞いている。
○政府委員(竹下一記君) その内訳はあとで、ちょっとわかりません。
○鈴木強君 あとでいいです。大阪は。
○政府委員(竹下一記君) 大阪につきましても数字を持っておりませんが、大体この程度の数、あるいはもう少し少なかったかと思います。
○鈴木強君 そうすると、やり繰りで、多少困難はあるが、要員については問題ない、それで、季節的というか、忙しいときにはアルバイトを雇う、そうすると遅配の原因というのは一体どうなんですか。従業員がサボタージュをしているということですか。
○政府委員(竹下一記君) おっしゃるように、従業員の能率問題が若干あろうかと思います。職員が一定数安定的に、かつ長期雇用の形で働いてくれますると能率もよろしいというわけでございますが、採用はなかなかむずかしくて、かつ、せっかく採用いたしましたものが定着性が少ない、やめていく人が多い、こういうことを繰り返しておりますると、勢いマンパワーといたしましても、個々の単位能率が落ちてくるという傾向がございます。それから一部は、これは杉並局等で見ましたように、これは全部じゃございませんけれども、とても能率の悪い分子がおる局がございます。これも遅配の一つの原因になっておる。そのほか一般的なことにつきましては、先ほど大臣が申しましたように、急激なる人口の膨張あるいは非常に多くの人が出入りする、出入りが非常に激しいといったようなこと、あるいは住居表示の混乱、交通難、こういったものが遅配の原因として重なっておるかと思います。
○鈴木強君 まあ、個人の能率差もあるわね。ですからいろいろ能率面における問題があると思うんだが、要は外務という仕事がたいへんな仕事ですから、一生涯自分ば郵便配達をやろうというような人はあまりないと思うんですよね。ですから四年なり五年なりたったら内務のほうに採用してやるとか、そのかわり五年間だけはおまえ一生懸命やれ、こういう仕事も経験上大事なんだ、そのかわりおまえ五年たてば、あたたかく内勤にしてやるよというような政策でも加味しながら定着率を上げていかないと、五年たてばみんなやめてしまったのじゃ、一番油の乗ったときに問題が起きてしまうのです。だから、そういう定着率というものをよくするための具体的な対策ですよ。これは待遇の問題もあるでしょうし、いま言ったような人事管理の問題もあるでしょうね。それは一部の意識的にサボタージュするなんというのは、これは徹底的に考えを変えてもらわなければならないし、それはもう遠慮会釈なく、責任をとってもらわなければならないですよ。ただ、それだけじゃないと思うのです。杉並の場合なんか、管理者は何をしているか。私はもう少し時間があれば杉並のことも聞きたいのです、一体どこに問題があるのか。そうして、新聞なんかでも見ましたけれども、ああした監視をつけて、ストップウォッチを持って一々監視しておるなんて、こんなものはとんでもない話ですよ。ILOの強制労働の問題が批准されていないから、私は、この前の予算委員会で労働大臣に迫ったのですけれども、あんなことは、まずわれわれには想像したくもできないし、考えたくもないことだし、あっちゃならぬことなんだ。それがいまあるのですね。同じ職員の中で——おやじと子供だ、一家の中では。それ々子供に監視をつけてやらせるなんということは不届き千万だ。しかし、そのよって来た原因はどこにあるのか。管理者の姿勢の中に全然問題がなかったのかどうなのか、これはもっと追及してみなければ私はわからない。ただ、一般的に見ると、そういう感じを受けるのです。これは時間がないから、いずれまた逓信委員会のほうでも時間を持っていただいて、私の意見を述べる機会があると思いますから、これはとめますけれども、やはりお互いに反省をしなければいかぬですよ。あっちが悪いのだということで、それだけであんなことをやっている。そのかわり、はしにも棒にもかからないやつもおるから、こういうものはしかたがないですよ。いまの赤軍派みたいなものとか三派全学連みたいな、これはどうにもならないのだから、これはこれとしてまた別の考え方でやってもらわなければならないが、だからといって、全体がそれに同調するような空気がもしあるとすれば、これはやはり平素の労務管理が悪いからだよ。これは管理者の責任もあるのですよ。そういうことをもっと深く突っ込んで考えてやらなければ、それを何か若いうろちょろする者をどっかへすぐ栄転させてやるとか、そんなことをやっているからこれは問題が起きるのです。あとで私は新宿のこと聞きますけれどもね。そういうばかげたことをやっておる。もう少しこれはお互いに頭を冷やしてやる必要があると思う。だから、いまの定着率をよくするための具体的な待遇改善、これはまあいろいろ郵便だけの人を特別にやるということもできないだろうけれども、全逓ともよく話し合っていただいて、そういう任用の問題だとか、待遇の問題等についてはもう少し考える必要があるのじゃないでしょうか。これは郵務局長でいいですがね、どんなものですかね。 〔主査退席、副主査着席〕
○政府委員(竹下一記君) 東京の郵便外務の仕事、これはもうおっしゃいますように、なかなか労働としてみましてもつらいことでもございますし、若い人たちにとりまして決して魅力のある職場ではないと思います。したがいまして、この応募者もないということでございますので、省といたしましては、東京の中の郵便外務につきましては特別の給与措置を講じまして、初任給に調整額といたしまして五千円ばかりの加算をいたしまして、高校卒の外務員の初任給は三万七千円ですか、これは世間の給与ベース、初任給としてみました場合相当の額をはずんでおるわけでございます。それから、いままた居住ということが非常にむずかしいのでございますが、外務につきましては優先的に寮施設を提供してあげるというようなこともやっておるわけでございますが、先ほどお話がございましたが、外務職になったらば一生もう外務で終わるのじゃないかといったような——これはもう少し内務職に転ずるとか、ほかの職種に転ずるとかいった、そういう道も開いておく要があるのではなかろうかということでございますが、なかなかほかの職種にあきが出るということができにくい郵便局の実態でございますけれども、極力その方向で努力をいたしておるわけでございます。ただ、おっしゃいますように、それらのことは十全であるかどうか、もう少しほかにも打つ手があるのじゃなかろうかと、おっしゃいますようなことにつきましては、あるいはまだやるべきものがなお残っておるかとも思います。
○鈴木強君 そういう点をいろいろくふうされて、これは若い人たちが、よしそれならばやってやろうというような気魄を起こすような施策をやっぱり出してもらいたいと思います。 時間がありませんから、最後に東京の新宿郵便局で起きた事件についてお尋ねをいたします。実は、私も二月ごろからこういう記事を見まして、かつて職を奉じた者の一人としてたいへん恥かしく思っておりました。それで、国会においてぜひ伺いたいという気持ちは強くございますが、また一面恥かしいような気もいたしまして、実は多少ちゅうちょしたようなこともございます。しかしながら、これは非常に重大な事件でございますから、私は、あえてこの問題を取り上げて大臣に所信をただそうという気持ちになった。どこかでだれかがこういう問題を取り上げて、ほんとうに郵政の職員のあるべき姿をはっきりしてもらわなければいけないと思うためにお伺いするわけです。 まず、もう御承知と思いますが、東京新宿の郵便局の局員が郵便局を舞台にして架空の高利回りの共済資金制度というものをでっち上げて、未亡人の方々——中には御主人が戦死をされてその恩給をためて墓標をつくってあげようという、そういうけなげな気持ちでお金をためておった未亡人の方々とか、あるいはお店屋さんとか、アパートを経営しているような、そういう方々に出資を勧誘して九十五人から八千五百五十七万円をだまし取った。こういう出資金詐欺事件というものが起こったのであります。これはまことに残念でなりません。しかも、この事件は、郵便局の局員であるという制服を着た者が勤務時間中に行なったものである。この被害者の方々は、郵便職員であるということ、しかも制服を着ておる人であるということからして、全くこの局員を信頼しておったという。それだけに、私は、こういう巨額をだまし取ったということは悪質な犯罪事件であって、これはどうしても許すわけにはいかぬ。しかも、郵便事業、郵政事業というものに対する国民の信頼を裏切っておるし、郵政省の顔にどろを塗った。さっきも言ったように、これは重大事件だと思う。最初にこの事件の概要を説明していただこうと思いましたが、時間がございませんから、私のほうから質問しますから、その点だけ答えてください。 まず、この事件は、いつからいつまでにわたって行なわれたものか。
○説明員(中根敬一君) お答えいたします。昭和三十八年二月ごろから四十四年の八月ごろまでの間でございます。
○鈴木強君 そうしますと、六年六カ月間にわたった長期の計画的な犯罪であった。一体、こういうことが行なわれておったのだけれども、そこの郵便局長や、あるいは責任者である課長はそういう問題について全然気がつかなかったのかどうか。そうして、その事件は一体どういう端緒から発覚されたのかどうか。その点からお聞きします。
○説明員(中根敬一君) 先ほどお話にありましたように、郵便局の信用を背景に行なわれましたたいへん悪質な犯罪でありまして、遺憾に思うわけでありますが、本事件の内容は、ただいままだ捜査中でございますが、聞くところによると、高利をえさにいたしまして出資という名目で行なわれた詐欺でございます。月二分の金利で二年間で元本を返済する、こういううまい話であったわけでございますが、その対象がいまお話にもありましたように、未亡人その他あまり貯蓄ないし投資のことを外にあらわすのは好まないという相手方がほとんど全部であったということでございますから、そして実態は、調べますと、昨年の春ごろまでは利息の支払いあるいは元本の返済等につきましても約束どおり行なわておりました関係上、全然表にも出ませんでございました。昨年の春ごろに申告がございまして、そのときに現場の管理者が直ちに相手方に照会をいたしたわけでございますが、まあ、その相手方は、後ほど電話がございまして、あの話は話がついたからけっこうだということもございまして、したがいまして、そういった個人関係の貸借が行なわれておるということは承知しておったわけでございますが、これほど大きな不正が行なわれておるということは気がつかなかった模様であります。そういった事情であるわけでございますが、いずれにしましても、先ほど申し上げたとおり、非常に悪質な犯罪でございますので、その間における管理者の勤務管理あるいは服務の実態の把握、いま聞いていますと、生活に対する指導という点について徹底しない点があったということはいなめない事実でございまして、これにつきましては、事件直後、大臣のほうから厳重な綱紀粛正についての通達が出されたような次第でございます。なお、これがわかりましたのは、いま言ったような形におきましては、現場の管理者に昨年の七月ごろからわかったわけでございますが、具体的に捜査関係としてわかってまいりましたのは、昨年の十月に、四谷署に対する申告によって捜査が開始されたわけでございます。また、郵政省のほうにも、昨年暮れに申告があったことがございます。端緒はそういうところでございます。
○鈴木強君 昨年の七月ころに、現場の管理者にそういう苦情がきたわけですね。それで、四谷警察のほうにもそういう申告があったのだというのだが、現場の管理者が七月のそういうふうな申告を受けたときに、これはもう少し内容をよく調査し、東京郵政監察局のほうにこの事件を知らせるということがなければいけないと思うのですが、そういう東京郵政監察局への通知といいますか、申告といいますか、そういうことはいつやったのですか。
○説明員(中根敬一君) 先ほど申し上げましたように、当時の状況といたしましては、現場の管理者といたしまして、かように大規模な不正が行なわれているということには気がつかなかったものでございますから、調査の状況を徴しますというと、個人間の借財という、しかもこれは他人に迷惑をかけることでございますので、借財の返済について指導したという事実もございますし、その間、具体的に事実も出ておりますけれども、いまおっしゃいますように、そういった申告によりまして、もう少しそれを突っ込んでみるとか、あるいは所定の手続によって、お話のとおり、郵政監察局なり、郵政局のほうに報告をして措置をとるという点においては欠くところがあったことはいなめない事実でございまして、通達におきましても、さような申告受理の体制並びに処理のしかたにつきましても強く戒められておるところでございます。
○鈴木強君 いつですか、監察局が知ったのは。
○説明員(中根敬一君) 監察局が受けましたのは昨年の暮れでございます。十一月の二十九日だと思います。
○鈴木強君 それで、そういう申告があって監察局が捜査に入ったと思うのですが、この事件は、刑事事件として警察のほうが捜査をするようになったのか、あるいは郵政監察局がやるようになったのか、その辺は共同してやるのか、捜査のしかたについては四谷警察署とはどういう打ち合わせをしたのですか。
○説明員(中根敬一君) これは、御承知のとおり、犯罪の種別としては一般犯罪に属しますので、主として四谷警察署が捜査を進めてきたわけでございますが、犯罪の容疑者が郵便局員でございますし、また、これは結果的になかったと思われておりますが、いまのところ、郵政関連犯罪がありますといけませんので、そういった点についての捜査をする必要もございますので、東京郵政監察局でこの捜査に協力したと、かようなかっこうで進めてきておるわけであります。
○鈴木強君 そうすると、共同捜査ではなくて、事件は警察に移って、それに郵政監察局が協力するという、そういう態勢でいままで進めてきたのですか。
○説明員(中根敬一君) その間密接な連絡をとりまして、警察の状況についての通報を受けまして、こちらとしても、こちらの担当部分につきまして協力をしたということでございますので、協力ということでございますが共同というような形にもとれるわけでございまして、密接な連絡をとりましてお互いに捜査を進めておる、こういう状況でございます。
○鈴木強君 わかりました。それでは、もう少し伺います。 事件の主犯ですね、それから共謀したのはだれとだれですか。主犯者はだれですか。
○説明員(中根敬一君) これは新聞紙上等でも発表されておりますが、主犯と見られますのは山並良一という元保険課員でございます。それから共犯と見られます者は進藤千又並びに大越輝雄という、いずれも新宿の郵便局の保険課の元課員でございます。
○鈴木強君 事件は、捜査が着々と進んだと思いますね。一方、それではこういう不心得者に対して、郵政省としてはどういう処分をやったのか、その三人に対して。それを伺いたい。
○説明員(中根敬一君) 処分につきましては、捜査の状況が判明いたしまして、二月七日、さっそく進藤千又を懲戒免にいたしております。なお、山並と大越につきましては、昨年の七月十二日に依願免になっておりますので、これはいま考えると、懲戒免の措置がとられておりませんのは残念でございます。
○鈴木強君 昨年何月に山並を依願免職にしたのですか。
○説明員(中根敬一君) 昨年の七月十二日でございます。
○鈴木強君 どうして山並と大越が昨年の七月十二日に依願免職で、それから進藤をことしの二月七日に懲戒免職したのか、これはちょっと考えてもおかしいですね。主犯である山並が依願免職で、それから共犯であった進藤が懲戒免職だということはこれは反対じゃないですか、間違いじゃないですか。
○説明員(中根敬一君) 結果的にはさようなことでございますが、先ほども申し上げましたとおり、山並と大越並びに進藤、全般的に昨年のその当時の状況といたしましては、繰り返すようでございますが、かような大規模な不正事件が行なわれておるということまで考えておらなかったので、この点はたいへんに遺憾と思いますが、したがいまして、勤務の状況その他があまりよくなかったわけでございまして、たまたま、家庭の事情で山並は郷里に引っ込みたい、それからその退職金を借金の返済に充てたい、こういう希望の申し出等もございました。当時、新宿局幹部といたしましても、借財の返済については、これはみんなに迷惑をかけちゃいかぬですから、すみやかに解決するようにと、こういう心配をしておったわけでございますので、そういう観点から指導しておりまして、まあ、勤務状況等から考えましても、当人の申し出につきまして十分に考えたわけでございます。なお、その際に、この保険の関係がございますので、保険の犯罪等はありはしないかということにつきまして懸念いたしまして、その点については十分に調査したわけでございますが、保険の郵政犯罪等もなかったものでございますので、こういう状況を考慮いたしまして、借金の返済等に充てるためにその退職金をもってと、そういう立場も考えまして依願免にしたものと思われます。
○鈴木強君 この点はちょっと納得できないですね。被害者の中の一人の御婦人の方が——昨年七月十二日、山並が依願免になった日、区会議員の紹介をもって会田という人が新宿の局長に会っていますね。そして、自分は二百九十万円の出資をした、おかしいようだがその返済をするよう督促をしてくれと、こう言って頼んだ。会田さんはその話の途中で中座して、その局の、何といいますか、次長さんというのですか、次長と保険課長にこの御婦人が会ったが、彼らには退職するよう求めている、その退職金を押えて埋め合わせをさせる、こういう説明をしておる。その日に依願免職にした。それほど悪いことをしているということがわかっているのに、依願免職に山並を先に七月にしたということは、これは納得できないわけですね。では、なぜ進藤と大越というのはそのときやらなかったのかですね。当時、まだ進藤、大越ばこの事件の共犯として加わっておるかどうかということがわからなかったんですか、その辺の事情は、もう少し説明を聞かぬとわかりません。
○説明員(中根敬一君) おっしゃいますように、そういう事実がございましたので、十分にその点も——まあ、当時といたしましては、十分のつもりで検討したわけでございます。それで先方の言い分等も聞きまして、退職金をもって返済に充てるということがよかろうということでもって、先ほど申し上げたような処置をしたわけでございます。もちろんかような不正には思い至りませんでやったものでございますが、したがいまして大越並びに進藤について、大越については依願免にしているわけでございますが……。
○鈴木強君 懲戒免職じゃないんですか。
○説明員(中根敬一君) 大越は依願免でございます。
○鈴木強君 さっき進藤と大越は懲戒免だと……。
○説明員(中根敬一君) 進藤千又が二月七日懲戒免職、千又というのは名前でございます。大越は昨年七月依願免です。
○鈴木強君 では、山並と一緒ですね。
○説明員(中根敬一君) そうです。
○鈴木強君 どうもその辺がちょっとわからない。それでは、何ぼ退職手当をもらったかわかりませんが、こんな悪いことをしたやつが依願免で退職手当もらうのはとんでもない話です。それはその当時の局長なり次長がやったんだから、その責任は追及されると思いますけれどもね。それで。結局、この御婦人は二十万しかもらってない二百九十万円出したのに、約一割しかもらってない、まあ、三十万円としても。そんな適当なことを次長なり保険課長というのが、申告をしてきた被害者に約束をしているなんていうのはとんでもない話です。ここに裏切り行為がある、被害者に対して。そういう悪いことをした者が依願免職などということで済まされていいものですか。一体、それをやったのはだれですか、最高の責任者は。中根さんは首席監査官だから、いま矢面に立っておるけれども、あなたに聞くのはひどいように思うんです。実際にそうでしょう。
○説明員(中根敬一君) 現場の局長、次長、課長、課長代理というところの管理責任につきまして十分調査を了しまして、ただいま監察について取り運び中でございます。
○鈴木強君 いや管理者責任でなくて、この進藤千又というのと、大越何がし、山並というのはこれを依願免職にするように発令したのはだれか、それから懲戒免職の発令をしたのはだれかということを聞いているんです。
○説明員(中根敬一君) 発令いたしましたのは郵便局長でございます。
○鈴木強君 その郵便局長が何を寝ぼけてこういうことをしたのか、まだ事件の概要もわからないのに。起訴された場合は当然休職処分になるわけですね。大体原則としては休職処分にできることになっている。だからして事件が懲戒免職に値するという、これは二月七日にやった進藤君のやつは事件がかなり明確になってきたから、これはやめざるを得なかったのはわかるが、ところが、山並君、大越君の場合は、七月十二日そういう申告があって、どうもまずいということで諭示免職というのか、要するに依願免職、そういう手続でやったんじゃないですか。だからそんなことは少し軽率じゃないですか、この処分の出し方というのは。もう少し事件の概要をつかんで、事実それがそうだという判断になるなら懲戒免職です、こんなものは。懲戒免職でも悪いくらいだ。それを依願免職にするなんというのはあまり聞いたことがない。
○説明員(中根敬一君) もう一度繰り返して恐縮でございますけれども、当時の措置といたしましては、先ほど申し上げましたような措置を欠く点があったわけでございますので、依願免の措置をとったということにつきましてもそれに関連してくると思いますが、そのような発表があるということがわかっておれば、そういう措置はとれなかったわけでございますけれども、それにつきまして探求の不足があったわけでございますし、また申告の受理体制並びにその処理の体制に欠くるところがあったと思っております。この点については率直に不徹底を認めるわけでございます。
○鈴木強君 もう少し事件の内容を聞きたいんですけれども、ちょっと私の持ち時間がなくなったという御注意を受けましたから、もう締めくくりますけれども、私は、最終的に、この郵政省の責任問題がこの事件とどう関係があるかということをもう少し聞きたいわけです。それで、まず共済資金制度というものがあるということも言ったわけですね。実際に新宿局にあるかどうか私は知りませんけれども、しかし、そういう制度があるとすれば、制度の申し込みということが当然どういう形かであったわけですね。それから聞くところによりますと、月々掛け金は市販のりっぱな領収書を使って、それに何十万と書いて領収書を置いてくるわけです。そのときに肩書きは郵政事務官とか何とかいう、そういうものを使ってあるかどうかということです。それから契約する場合、郵政省とか何とか、郵便局ということが入っておるかどうか、そういうこととの関係で民法七百十五条による使用者の責任ですね、こういうことが一体どうなるのかということが一つ。それから国家賠償法というのもありますから、そういうものとの関係は、一体これはどうなるのか。五千何百万という多額の金をだまし取っているわけですから、その被害者の方々は泣き寝入りになるわけです。この辺の関係を聞きたかった、もう少し詰めたいところがあるんですけれども、時間がありませんからそこだけきょうは伺っておきます。その点どうですか。
○説明員(中根敬一君) お話の共済会という組織はございません。それから領収証につきましては個人の名前で書かれております。肩書きはございません。印判も個人の印判でございます。そういうことを十分に承知した上で相手方も手続を行なっておるわけでございます。したがいまして、先ほどの賠償関係でございますが、お話の国家賠償法は、公務員の公権力の行使による場合に他人に故意に損害を与えた場合ということでございますので、この種の行為は公権力の行使とは認められませんし、また簡易保険事業にいたしましても、公権力の行使に基づく事業ではございませんので、国家賠償法の適用はないと思いますが、したがいまして、お話のとおり、賠償関係につきましては使用者責任になると思いますが、民法七百十五条の関係になると思いますが、これはあの事業の執行という点につきましての解釈でございますが、いまの話に出ました領収証の関係にいたしましても、個人名で受け取りをやっておりますし、その後、元本の返済の際には、個人の借用証に切りかえておるという事実もございまして、相手方もその点を十分に了承しながら取引をやってるということでございまして、事業の執行という点については、事業の執行自体のみならず、外形上もあるいは何かその牽連するものにおいても関連があるかということになりますが、そのいずれにおいても関係ないというふうに、ただいま出ておる案件につきましては見られるわけでございます。したがいまして、使用者責任は、いまのところ発生してはおらないと考えておるわけでございますが、これは調査中でございますので、今後、具体的な案件において万一該当するものが出てきますれば、その扱いをすることになると思いますが、ただいまのところは、七百十五条に該当する案件は出ておらないと認めておるわけでございます。
○鈴木強君 制服を着て勤務時間中に郵政省の顔でやったのだな。 これは、大臣、最後にあなたのこの事件に対する考え方、将来の対策、いまの問題を含めて言って下さい。
○国務大臣(井出一太郎君) たいへん遺憾な事件でございまして、私も、このことを聞きましたときに、実は激怒したくらいであります。いまの御質問と答弁の間で大体真相はおわかりと思いますが、郵政には監察局という特別な機構があって、常日ごろ、こういう問題に対する監視がなされなければならぬはずでございます。それをくぐって非常に巧妙なやり方でやったようでございますが、それにしても、こういうことが未然に防がれなければならぬはずでありまするし、それから大きなお金を取り扱う保険とか、貯金とかいう仕事をやっている以上は、もう少し相互牽制的な、チェックする仕組みというものがなければならぬという気が私はするわけであります。したがいまして、このことを知りまするや、私も、いま鈴木委員が言われましたように、当事者に対してあれこれと追及をしたわけであります。その結果、綱紀粛正というふうな一つの通達を出すことによって部内を引き締めるという措置も講じたわけでございますが、まだ司直の手によって、最終的にはどうなるかということは未決定でございますから、そういう点などもこれからずっと勘案しつつ、今後かようなことが絶対にないようにという配慮を、できるだけ講じなければならないと、かように存じております。
○足鹿覺君 私は、郵政事業の問題について、衆参両院の二十年近い生活の中で、初めて発言をするわけです。農政の政府与党きっての第一人者であられる井出郵政大臣が実現をいたしまして、それに全くのしろうとの私が御質問を申し上げるということは、何か因縁を感ずるものでございます。私は私なりに、鈴木さんの専門的なお尋ねに比べましてきわめて素朴でございますが、庶民の声を聞くにつけて二、三これを代弁いたしまして、大臣なり、政府委員からお答えをいただきたいと、かように思います。したがって幼稚な質問もいたしますが、率直に大臣なり、政府委員の方々からそれなりに御評価をいただいて、率直な御答弁をお聞かせいただきたいと思います。きょうは六時五十分には大臣がここを御出発にならなければならんそうでございますので、やれるところまでやりたいと思いますが、なるべく簡潔に終わりたいと思っております。 あちこち歩いておりますと、郵便料金が値上げされるのではないかという声をちらちら聞きます。来年度、再来年度あたりではないだろうかというような声も聞いておりますが、それでなくても物価が上がり、公共料金を次々と上げていくことは好ましくない、こういうちまたの声だと思います。これについて、郵政大臣は、現在どのようにお考えになっておられますか、御所見を承りたい。
○国務大臣(井出一太郎君) 足鹿さんとは長いおつき合いでございますが、郵政のほうは私もしろうとでございまして、的確なお答えになるかどうか存じませんが、いま庶民の間で郵便料金が話題になっている、こうおっしゃいますが、御承知のように、いまの郵便料金というのは、昭和四十一年に、端的にいえば封書の十五円、はがきの七円というものの改定がございましたわけで、そのときは大体二九%程度の値上げでありました。自来四年の歳月をけみしてみますと、あるいは賃金べース、物価水準、そういう点から申しますならば、現状は少しアンバランスではないかという感じがいたします。そこで、先ほどの説明でも申し上げましたように、百三十三億という赤字予算を組んでいるわけでございますから、郵便ないし郵政事業の内容というものはかなり窮迫しているわけであります。 そこで、これは一体、ことしはいいとしても、明年あたりどうするかという段になれば、まず第一にしなければならんことは、これは企業努力だろうと思うのです。郵便物数などもだいぶ伸びておるのでありますから、こういうものを受けとめて、内部でどれだけの合理化ができるか、これが一番先決問題だろうと思います。その上に、どうしても足らないという場合は、一つには一般会計から繰り入れということもこれは考え方としてはあり得るわけであって、戦後二十何年の歴史を顧みると、一ぺんぐらい一般会計から補てんした例はあるようであります。あるいは国鉄がずっとやってきたような借り入れ金にこれを依存するということも一つの方法でございましょう。しかし、そういうことができ得ない場合は、これは料金に手をつけなければならぬということにもなるかもしれません。しかし、おっしゃるように、物価問題のやかましい際で、ことに公共料金がその先頭を切ったんじゃというブレーキもかかっておるわけであります。したがって、そのいずれを選ぶか、ことに御指摘の郵便料金の問題については、まあ、私は、世論もこれあり、十分慎重に対処しなければならないということで、まだ考え方が固まっておらないと、こういうことであります。
○足鹿覺君 この赤字の現状は、先ほども承ったわけでございますが、少々の料金値上げでは、この事業の特質上、解決がつかない。人件費が郵便事業では八〇%を占めておると聞いております。そういう特殊な事業の性格から見て、それを郵便料金の値上げでまかなうというようなことは、事業の性質それ自体から非常に無理ではないかと、これが国民の常識ではないかと、私はそういうふうに受けとめております。 そこで、これは事務当局でもけっこうですが、最近の種類別郵便物の年間数量の推移、現状はどういう状態でありますか。要するに利用度の推移はどういうふうになっておりますか。
○政府委員(竹下一記君) いまこまかい数字を持ってきていないのでございますけれども、四十四年度の差し出し郵便物数はおおよそ百十億に達したかと思うのでございますが、そのうち三割程度のものは個人通信、個人の消息安否通信でございまして、七割程度のものは産業通信と申しますか、会社、企業、そういったところから出まするところの業務用の通信でございます。これは以前はそうでございませんで、十年ばかり前でございますと、その比率は逆でございまして、個人の安否通信が七割、産業通信が三割ということであったのですが、ここ十数年来、経済の非常な高度成長というものがございまして、それに伴なって郵便の利用構造は大きく変わったわけでございます。
○足鹿覺君 情報化社会と言われる現代におきまして、そういう傾向があらわれることは、私もしろうとでありますけれども、よくわかりますが、郵便料金の先般値上げになった四十一年度の実績と比べてどういうようなパーセントを占めておりますか、増加の傾向ですね。
○政府委員(竹下一記君) 四十一年七月に料金値上げをいたしました。ところが、これは今度に限りませんで、値上げをいたしました直後におきましては——直後と申しますか、時によりましては二年あるいは三年、いわゆる値上げショックというのがございまして、物数の伸びが非常に低くなることがございます。したがいまして、四十二年度、四十三年度におきましては二%、三%程度の物量の伸びにとどまったわけでございますが、漸次回復をいたしまして、最近の四十四年度におきましては、前年度に対しまして六・七%の伸びを示しております。産業経済の活発化という事情もあろうかと思いますが、郵便物数は漸次ふえてきております。
○足鹿覺君 次に郵便番号自動読み取り機の問題で素朴な質問を申し上げてみたいと思うのですが、まあ、たまに一通や二通のたよりを書く場合には郵便番号の記入はそう苦になりません。しかし、正直に言って、われわれの立場に立ちますと、相当郵便物を一時に大量に発送する場合がありますが、これに郵便番号を書く、こういうことは相当の手間がかかることでございます。気のせくときにはいらいらする。こういう事態も御想像にかたくないと思います。しかし、これは励行いたしております。ただ、励行するその心理的過程において、記入しないものは配達がおくれはしないか。また、そういうようなふうに世間を、何か郵政当局の御指導といいますか、国民へのアピールといいますか、そういうように印象づけるような方法をとられておるのではないか。そういうふうに一時受けとめました、私どもは。こういう点から調べてみましたら、自動読み取り機の普及率というのはまだ大都市、六大都市ですか、その程度であって、まだ今後相当の年月を要するということであり、本年度の予算も新しくついておるようでありますけれども、まだこれが全国に行き渡るという段階ではないように思われます。したがって、いま言ったような国民感情があるといたしますならば、できる限り励行はいたしますものの、思い切って、自動読み取り機が普及した段階にこれは一斉励行ということになることもやむを得ないと、しかし習慣づけていくということはこれは大事なことでありますので、それをおろそかにする気は毛頭ございませんが、やはり自動読み取り機の普及事情というものを率直に世間に言われて、どことどこの局には自動読み取り機がありますよと、そういうところから発信をされる場合にはお書きになったほうが便利ですよと、こういう親切なサービス精神というものが私はあってしかるべきだと思いますが、いかがなものでしょうか。
○国務大臣(井出一太郎君) 私から最初に。 おかげさまで国民の皆さんもたいへん協力してくださいまして、この三月の時点では約七五%郵便番号を書いてくださいます。これは、足鹿先生言われるように、なかなかわずらわしいことだと思うのですけれども、たいへんな御協力でございます。それにこたえなければならぬということでありまして、自動読み取り区分機は四十四年度までで二十一台、それからことしの予算で四十台、そういう設置をいたしますから、まず大きな局、県庁所在地くらいまでは配付されるということに進んでおります。 そして、もう一つ申し上げたいことは、これを書いていただくことによって、たとえ機械にかけなくても区分がたいへん楽になりまして、たとえばアルバイトを雇いましても、この番号でもって仕分けをしていただくことによって非常に迅速化されるというようなメリットはあるわけであります。私からはその程度申し上げまして、なお詳しくは郵務局長から御説明をいたします。
○足鹿覺君 ついでに、事務当局からお答えになりますならば、大体この自動読み取り機が何年ぐらいかかったらあなた方が予定しておられる局への配置が完了いたしますか。
○政府委員(竹下一記君) 全国に百六十台程度備えつけができればひとまずよかろうと考えるわけでございますが、そのために要します期間はやはり四、五年かかるのではなかろうかと思います。極力急ぎたいのでございますけれども、何ぶん非常に精密なる機械でございまして、電子工学の応用によりますところのきわめて性能の高いデリケートな機械でありますが、現在やはり満点の性能ではございません。若干なお改良、改善の余地を残しておりまして、目下いろいろと研究の段階にある部分もあるわけでございまして、極力急ぎますけれども、やはり四、五年かかるんではなかろうかと思います。
○足鹿覺君 御要望を申し上げておけば、やはりそういう計画を国民によく理解をさせて、そして誤解を生じないように協力を求めていくことが国民への親切であり、こまかいことでありますが、政治につながる問題ではないかと私は考えますので、その点についても十分御配慮をいただきたい、かように強く御要望を申し上げておきます。 それからまことにこまかいことでありますが、転居をいたしますね。そうしますと、一カ月たってもなかなか郵便物がもとのほうへいきまして、そしてちょっと困った事態がたくさんあるようなんです。私も、最近それを体験しておる一人でございます。こういうときには自動読み取り機というもので、また番号によって相手の局に配るが、しかし、すでに転居して郵便番号の変わった地帯に住まっておるというような点でうまくかみ合わないというような気もせぬではありませんが、郵便局にもちゃんと御通知を申し上げておるにもかかわらず、ぐるっと一回りしてくる、そのときにはもうすでに何かの行事に間に合わぬというような事態があるわけなんですね。こういうようなことも、郵便を利用さしていただく者の立場からいいますというと、転居したくって転居するわけではないのでありまして、事情やむを得ず転居する場合等、特に私ども公務を持っております者としましては、その意味においても困ります。また、個人的な御事情の立場において受け取るべく予想された日々に受け取ることができなかった場合、思わざる支障、障害を生ずる場合等もありまするので、そういう点については、こまかいことでありますが、善処をしていただきたいと思いますが、何とか早くそういうことの解消するように御尽力をいただきたいと思いますが、いかがでございますか。
○政府委員(竹下一記君) 転居された場合に、転居届けを出していただきますると、郵便局相互間で連絡をいたしまして新しいあて地へ配達する、こういう仕組みになっておるわけでございますけれども、そいつが必ずしも励行されないということがございまして、まことに申しわけないと思っております。一つは、東京の場合ですと、出たり入ったりする人の数がものすごい数になる。東京都の調べでは、年間二百七十万人の人が出入りをするそうでございますが、そういうことが郵便の外務の仕事を非常にむずかしくしておる一つの原因でございます。そうは申しましても、そういう事態に対処しまして正確に仕事をするのが私どものつとめですから、極力職員を訓練し、なれさせまして、そういうことが起きないように十分気をつけてまいるつもりでございます。
○足鹿覺君 郵政事業の公社化についてはベテランの鈴木さんから先ほど御質問がありましたので、私は、ごく簡単に一点だけお尋ねをいたしておきたいと思いますが、貯金や簡保を切った場合の公社化というものは、これは全く成り立ち得ない、とするならば、これを含めた公社化ということになると、民間金融方面からの異論、抵抗もあると聞いております。いずれにいたしましても、赤字事業を公社化することによって何か大きな制度の前進が見られるのかというような性格のものではないと私は見ておるわけであります。その利害得失というものはいろいろあるでありましょう。きょうは伺いませんが、省略いたしますが、要するに、警察だとかあるいは消防だとか、こういうようなものは必要最小限度の民主社会における国がなすべき仕事だろうと思う。郵便事業もまたしかるべきではないかと私は思うわけであります。そういう観点から考えました場合には、これはもちろん公社化するならば、独立採算制ということにならざるを得ない。こういうことにつながると思うのでありまして、この利害得失という点については、私どもは、これによって郵便事業が強化され、サービスが向上し、国民の共感を得るようなことになるようには受けとめられませんが、これは先ほども慎重に対処するということでございましたので、私の所見だけを申し上げておきます。いま述べましたような民主的な事業として国家が責任を負う最小限度の事業のうちに入るべき性質のものだと、私はそう理解しているわけでありまして、何か大臣のこれについて御所見がありましたらおっしゃっていただきたいと思います。
○国務大臣(井出一太郎君) 足鹿さんのお立場は、郵便事業の公共性にたいへん重点が置かれた御見解だと思いますが、まあ、この公共性と企業性をどういうふうに調和するかというところが実は一番の問題点だろうと思うのでありますが、郵政審議会でこの問題を審議されました経過などをずっとトレースしてみますと、足鹿委員のお立場のような方もずいぶん多くて、そういう御所見も見られます。公社にすることによって何かメリットがあるかと、いろいろ私なりに考えてみますと、国鉄を例にとりますれば、さっき鈴木さんも言われましたように、十河さんとか石田さんとか、こういうリーダーシップを十分に取り得る方が総裁におさまって、目をみはるような能率をあげるといいましょうか、そういう個人——パーソナリティがイニシアチブを取り得ると、こういうことは国鉄なんかの例にはあったかと思うのです。あるいは、さっきお触れになった鈴木さんの御質問の中に、せびろを脱いで前だれがけになると、こういうあり方がよくわれわれの耳にも、郵便局よりはどうも電話局のほうの応対が丁寧であろうというようなことが耳に聞こえることもあるわけであります。だから、確かに利点もあるであろう。しかし、そうかといって、デメリットも考えなければなりません。その辺をただいませっかく比較検討、いかなる選択をするかというあたりをただいま模索をしておると、こういうことであります。
○足鹿覺君 最後に、大臣のお出かけになる時間が迫ってまいりましたので、人手不足の悩みを、先ほど来、鈴木さんとの応答の中で聞いてきました。現代の若者たちが肩から郵便かばんを下げてオートバイや乗りものに乗って歩くのはまだいいが、農村のような交通の悪いところではたまには歩かねばならぬ。また団地などでは、一々上がったりしなければならぬ。あまりかっこういいものとは思わぬようですね、このごろの若い者は。そういうことが人手不足のやはり大きな要因の一つにもなっておる。この現代の若い青年の気持ちに合うような外務職員のあり方というものについては、やはりくふうが要るのではないか。この間新聞で見ますと、団地のパートタイマーにママさん配達を使ったら非常にいい成績を得たということも出ておりました。これなども、ある集団した密集地帯には効果があることの一つだろうと受けとめられますが、ただ一点、そういうことに甘んじておると、外務員そのものの確保自体がだんだんみずから退化していくのではないだろうか、そういう気もいたします。情報化社会に対応していくためには、思い切った外務職員というものに対する処遇なり、また、いろいろな現代の若者の心理にかなうような方法をひとつ郵政当局で考えてもらうことが私はまず先決ではないか。これには衆知をしぼらなければならない。それからママさん配達の場合に、同じようなところに住んでおると、たとえば信書の秘密というようなことがまあ確実に守られるかどうか、あけて見る者はもちろんないでしょうけれども、守られるかどうか。また、国家公務員としての採用の根拠なり、基準は一体どうなるのか。相当ある程度の期間つとめる気持ちの者もあるでしょうし、やってみて投げ出す者もあるでしょうし、なかなか問題があるのではないかと思います。いずれにせよ、外務職員が非常に足らないということは、これはたいへんなことでありまして、日本農業のあと継ぎがだんだん減って、後継者対策に頭痛はち巻きをしておる政府当局、またわれわれ農政関係者の悩みにある程度匹敵することではないか。したがって、先ほども鈴木さんが提案をされておったように、もっと外務員たることにいつまでも甘んずることのない向上心のある若者たちには、思い切った登用の道とか、あるいは外国の郵便事業の視察、研究に行かせるとか、あるいは特定の訓練を受けてその能力を十分発揮し得る職場に登用するとか、もう少し希望を持たせなければ、私は農業の場合と同じように、郵政事業は斜陽化の、特に外務を中心とする郵政事業というものの斜陽化は、一つの現代社会の傾向の中から免かれない運命に甘んじなければならないことが出来しないかと案ずるものでありまして、そういう点についてもよくわきまえていらっしゃる苦労人であり、かつ農政には与党政府を通じての第一人者であり、農民の立場と私はやや趣を一にしておるような気がいたしますので、十分ひとつ御配慮をわずらわして、遺憾なきを期していただきたい。 もっと申し上げたいことがありますが、時間が参りましたので、以上所見を述べ、きょうはこれで質問を終わらしていただきます。
○国務大臣(井出一太郎君) かあちゃん農業に相対するママさん配達みたいな実情にあるようであります。いまおっしゃいましたもろもろの建設的な御意見は、われわれのほうも十分受けとめまして、何かくふうをしなければいけないという気持ちでおります。十分注意をいたしたいということを申し上げてお答えといたします。
○副主査(柳田桃太郎君) 郵政省所管の審査は、本日はこの程度といたします。 これにて散会いたします。午後六時五十二分散会 —————・—————