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63回国会参議院1970/04/17

予算委員会 第22号

発言数
279
登壇者
29
会派数
6
開催日
1970/04/17

会議録

堀本宜実自由民主党

○委員長(堀本宜実君) ただいまより予算委員会を開会いたします。  まず、理事の補欠選任についておはかりをいたします。  委員の異動に伴い、理事が一名欠員になっておりますので、その補欠選任を行ないます。選任の方法は、先例により、委員長にその指名を御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

堀本宜実自由民主党

○委員長(堀本宜実君) 御異議ないと認めます。  それでは、理事に、向井長年君を指名いたします。     —————————————

堀本宜実自由民主党

○委員長(堀本宜実君) 昭和四十五年度一般会計予算、昭和四十五年度特別会計予算、昭和四十五年度政府関係機関予算、  以上三案を一括して議題といたします。  昨日に続いて、鈴木強君の質疑を行ないます。鈴木君。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 建設省の関係でちょっと一つだけ。簡単なことですが、一問だけ建設省にお尋ねします。  東名、中央、両高速自動車道を結ぶ清水と甲府間ですね、この間に高速自動車道を建設してほしいという意見が強く出て、関係地元は一体になって促進同盟会をつくり、陳情を行なっております。十三日には甲府で総会を開いて、今年度は中央道振興会に二百万円で予定路線の調査を委託する、こういうことをきめると同時に、四十六年度には国の調査路線に認定していただきたい、こういうことをきめて陳情することになっております。これは非常に大事な路線だと思いますので、ぜひ実現方御協力をいただきたいと思いますが、建設大臣の御所見はいかがでございましょうか、承ります。

根本龍太郎自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・中部圏開発整備長官・首都圏整備委員会委員長

○国務大臣(根本龍太郎君) 御指摘のように、中央道と東名と連結することは非常に経済的にも有意義なところだと思って検討しています。ただし、いまあそこを高速道路にするという計画はいたしておりません。ただし、それにかわるべきものとして、いろいろ事務的に検討さしておりますので、そのことにつきましては道路局長から説明いたさせます。

蓑輪健二郎建設省道路局長

○政府委員(蓑輪健二郎君) ただいま御指摘の東名高速道路と中央高速道路を結ぶ線といたしましては、現在五十二号線が清水と甲府を結ぶようになっております。これにつきましては、昭和六十年に一次改築を完了する予定でございます。そのほかに、富士から大月まで行きます一般国道百三十九号線がございます。これと、その途中の精進湖から甲府へ行く県道、これにつきましてはいま二次改築とあわせまして不通区間をトンネルで抜く予定でございます。ただ、もう一つは、先生のいまお話しございました五十二号線の高速道路、企画の、道路の問題だと思いますが、これにつきましては、非常にあの地帯が地すべりその他もございまして、工事的には非常にむずかしいように思われますが、まだ十分調査をしておりませんので、将来の重要な路線として今後前向きで検討していきたいというふうに考えております。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 どうぞよろしくお願いします。  それからLT貿易についてはきのうも横川委員から御質疑がありましたが、政治会談の共同コミュニケの作成をめぐっていろいろ困難があったようですけれども、きのう双方の意見が一致したというニュースが伝わっております。政府は何か情報をお持ちでございましょうか。

宮澤喜一自由民主党通商産業大臣・外務大臣臨時代理

○国務大臣(宮澤喜一君) ラジオ等の報道では聞きましたが、正式にはまだ報告を受けておらない段階でございます。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 総理大臣にちょっとこの機会にお伺いをしておきたいのですけれども、先般来、周総理とそれから金日成首相ですね、この共同コミュニケでもそうですが、特に今回のLT貿易交渉をめぐって、中国側がかなり佐藤内閣を非難しております。一つは、佐藤・ニクソン会談の日米共同声明を非難すると同時に、この日本の軍国主義復活、それと日本本土の沖縄化、こういうことを攻撃をしておるわけです。台湾に対する日本の進出も中国にとってはたいへんじゃま者のように激しく攻撃をしておりますが、この際、総理としては、例の吉田書簡等の問題もありますし、選挙中の、中国に対しては前向きにひとつ取っ組んでいこうというお考え方もあるわけですから、私はこの機会に、ぜひ総理の所見を明らかにしておいていただきたいと思います。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) いろいろ、私とニクソン大統領との共同声明が批判にあがっているとか、あるいは最近の日本の行き方について疑念を持たれるとか、これは相手の事柄でございまして、私はとやかくは申しません。はっきり申し上げ得ることは、私どもが敵視政策をしていないこと、日米共同声明そのもの自身も台湾海峡においてはたいへん書き方も区別して書いてあるわけでございまして、相手方を刺激しないようにと十分努力したつもりであります。それがなお誤解がされているということは、私はたいへん遺憾に思っております。また、わが国が再軍備するとかあるいは軍国主義の方向へ進んでいるとか、さようなことは絶対にございません。私は、わが国の国民は、わが国が平和国家として平和憲法を守り抜く、その意味においての政府のあり方について何ら疑念、疑惑を抱いておらないと、このことだけをはっきり申し上げまして、私は、周総理がどういう批判をしたとかという点は、これはもう別個の問題としておきたい。私は、どこまでも平和国家として軍国主義化しない、このことだけははっきり申し上げておきます。  また、私どもが台湾における中華民国といろいろ交渉を持っておること、これは過去からもたびたび申し上げたとおりです。私どもは、サンフランシスコ条約締結の際に、この中華民国を中国の正統政府として承認すると——承認するというか、そういう相手としてこれと交渉を持つという態度をとって、その後サンフランシスコ条約に引き続いて日華講和条約を締結をした相手方でございます。そこに国際上の権利義務のあること、そこで私どもも、国際上の権利義務、これを守っていくと。また、交渉したからといって、また貿易上の通商関係を結んだからといって、とやかく言われる筋のものではないと私はかように思いますが、いずれにいたしましても、私ども、深い誤解があり、また相互不信——相互とは申しませんが、北京政府から日本政府に対しての不信を買っている。いまなおそれが根強くて、それらの点が解けておらないと、たいへんむずかしい状態だと。私は、それが両国のためにも、またアジア全域のためにもまことに不幸なことだと、私は遺憾に思っておるような次第でございます。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 総理の考え方はそのとおりだと思います。で、中国としては、やはり台湾と日本が接触することについて深い警戒心を持っていると思うのですね。まあひとつ、具体的にそういう感情をほぐすように、積極的に総理としてもあらゆる機会に御努力をいただかなければならぬと思うのですけれども、一つの具体的な例としては、たとえば吉田書簡についてもいろいろ言われておりますけれども、そういったものでも、一つ一つ解決していくということが積み重ねになるのではないでございましょうか。きのうも横川君への御答弁に、大使級会談をやってもいいというような御意見もありましたし、通信の開通とか気象の問題とかそういったことでも、ひとつ、向こうが手を差し伸べてくるのを待つことでなくて、むしろ日本のほうからも積極的にそういうことを働きかけていくというようなことも必要なことではないのでしょうか。そういうことが積み重なって初めて、国交は回復されておらなくとも、中国側の日本に対する感情というものもやわらいでいくのじゃないかと思いますから、そういう積み重ねをひとつぜひやってほしいと思うのですけれども、いかがでございましょうか。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) 松村先輩、さらに古井君、藤山君等が北京に出かけるに際しまして、まあ松村先輩とは会うことができなかった、しかし、言づては十分伺ったのであります。古井君や藤山君とは直接話し合って、ずいぶん深い誤解があるようだがその誤解をぜひ解いてもらいたい、われわれはどこまでも善隣友好、その立場で話をするのだし、また敵視政策などはとっていないし、また内政には干渉はしないし、二つの中国、そういうものをわれわれも考えておるわけではない。だから、そういう点でいろいろ深い誤解があるようだと。ただ、いままでのいきさつから見ると、どうも日本が中華民国、台湾にある中華民国、これをそでにはできないこと、それはひとつ理解してもらいたい、そういう点でその点をよく説明してほしいと、かように申したのでありますし、また、私ども政府筋から見ましても、与党の大幹部が出かけるということそれ自身がたいへんな政府としては大きなパイプだと、かように思っておるので、君たちがいま両国間を結ぶ唯一のパイプだと、そういう意味でどうかひとつこの機会を無にしないようによく連絡をとってほしいと、そういうことも申しましたし、また、面接政府機関ではございませんから、留守中にどういうような連絡ルートをとられるか、留守番はだれに指定されるか、それなどもよく確かめてあります。  私は、政治交渉が難航したということ、まあラジオ、テレビ等の報道では、その表現のしかた等について双方の意見がだいぶん違っておるようだと、それらの点も煮詰めたと、かように思いますけれども、決裂を見ないでともかくも妥結したということ、これはやはり双方が忍耐強く交渉したということですし、私は、相手方においても、非難しながらも、やはり日本政府というものを無視はしないというそういう気持ちがあるのだろうと思いますので、こういう点は私どもも理解していかなければならぬと思う。また、われわれのほうで、もうすでに当方の意向は、この覚え書き貿易の交渉を通じてもはっきりさしたつもりでございますが、なおその他の機会におきましても、すでに大使級会談も望むところだということを表明しておりますから、そういうところはできるだけアプローチもしたいと、かように思っておりますし、また、社会党の方やその他の方がお出かけになる際も、やはり両国間の関係を緊密にする、そういう点ではお互いに御協力願いたいと、かように私は思っておる次第でございます。  私、いろんな問題がありますけれども、長い間にわたる問題でありますから、そう簡単に短時日の間にすべてがスムーズに解決されるとは思いません。思いませんが、いまのような状態を続けていいとは絶対に思っておらないと、かように思いますので、これがいわゆる私どもの基本的態度だと、かように思います。  そこで、しばしば言われますように、吉田書簡というものがしばしば問題になりますけれども、吉田書簡はこれは政府の関与したものじゃないと、いまさらそれを変更するとか廃棄するとかそういうものではないんだと、こういうことはしばしば説明しておるとおりでございます。したがって、私は中国大陸との交渉におきましても、ケース・バイ・ケースでそういうことについての処断は、処置はするということを申し上げておりますから、いまの吉田書簡にとらわれることはないように願いたいと思いますし、また、私どうも報道そのものが率直過ぎた報道かもわかりませんが、あるいはそこに誤解があるのじゃないか。台湾に肥料を出しておる、そういうようなものは大陸のほうではお断わりするとかいうようなことまで報道されておるが、ここらにもやっぱり誤解に基づくものではないだろうかと、そういう点はお互いにあまり深入りしないほうが望ましいことではないだろうか。とにかく隣同士ですから、隣同士でいまのような状態で疎遠であってはいいはずはございません。どうしてももっと緊密な関係がつくられること、これが望ましい姿である、かように私思いますので、率直に申し上げておきます。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 もう一つ外交問題でお尋ねしますが、これは外務大臣と農林大臣からお答えいただきたいんですが、去る十三日、ホテルオークラで倉石農林大臣とイシコフ・ソ連漁業相の会談が行なわれました。そして、この北方水域での安全操業問題について早急に話し合いに入る、こういうことで両相の意見が一致したと聞いております。そこで、今後この交渉は政府の外交ルートによって行なうようになるのか、あるいは従来日ソ漁業交渉の場合には農林大臣がしばしばソ連に出かけられた、こういうこともあるわけですから、その辺こういうふうなベースで交渉されるのか。倉石農林大臣の訪ソをイシコフ氏は期待しておるということも聞いております。それともう一つは、この交渉に臨む日本の態度です。愛知提案が昨年九月に行なわれておる。その前には赤城試案というのが出ておるわけです。この内容を時間の関係で私はここでは申し上げませんが、そういうものを基礎にしておやりになるのかどうなのか、そういう日本側の態度についてもこの際お聞きをしたいと思うんです。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(倉石忠雄君) 先般、ソ連の漁業相が参りまして、こちらもいまお話しのように会見をいたしました。それで、先方で申しまするには、いろいろ先方の政府部内で相談をいたして、その代表者として自分が任命されたと、かねがね日本政府側からお話のあったことについて相談をいたしたいと、こういうお話でありました。たいへん友好的な態度でございました。で、私のほうからは、わが国の漁民がしばしば国境で拿捕されておることにつきまして、いまお話しのように、赤城元農林大臣、それから昨年は外務大臣からもそれぞれこちら側の考え方について申し入れてあるのでそれについての返答を聞きたいと、こういうことでありました。そういたしますというと、これにつきまして、もっと具体的にひとつ日本側の意見を聞きたいと。で、今回は時間がないので十分相談、あらかじめ検討しておいて、そして、この次にそのことについて会談をしようと、それはどこの場所であるか、いつであるかということは外交チャネルを通じて御相談いたしましょうと、こういうことでございました。したがって、そういう機会を持つかどうか、日本政府部内で相談をいたしまして、またその内容等につきまして政府部内で相談をいたしまして、外交チャネルを通じていまのような時期等について打ち合わせると、こういうことになっておるわけであります。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) ちょっといまの問題の背景を申し上げるとおわかりがいただけるかと思います。ノビコフ副首相並びにイシコフ漁業相が、その他の沿海州知事等と一緒に日本を、万国博のソビエトデー、その関係で訪問したと、私ども心から歎迎をしたと、同時に、その前に当方から日本の商品見本市、これに川島副総裁が日本の特使として出ていったこと、これもいろいろ向こうで感謝しておるわけであります。そこで私会いました際に一番先に申し上げたのは、両国の間にはいろいろの懸案事項もある、しかし、とにかく戦時中にも同盟国にも使わさなかったシベリア上空を開放してくれたと、日本が単独でその上を飛べるようになったと、これはたいへんありがたいことだ、これは厚くお礼を申し上げると、しかし、まだ両国の間では講和条約ができていない、平和条約ができていない、領土問題がまだ解決されてない、そのことが両国の間に主張が非常に相違している、しかし、まあノビコフさん自身はその交渉にいらっしたわけでもないのだから、きょうはその基本的な日本側のその主張——講和条約を早く締結したいと、それには領土問題を解決すべきだと、しかもこの問題はソ連側と日本側の意見がまっこうから対立しておる、それを指摘するにとどめておく、しかし、その他の問題等についてもぜひ解決し得るものは進めていきたいのだと、こういうことを申しましたら、自分たちも今回来るについては何かおみやげがないだろうか、かように思ったが、まあこの機会に申し上げますが、三十三名の拿捕抑留漁民、これは直ちに釈放することにしよう、また、特定水域についての安全操業については話し合う用意があると、こういうことを申してくれたのであります。そこで私のほうも、たいへんそれはけっこうなおみやげですと、まあいま基本的な問題についてはより以上は申し上げられないが、その問題は心から厚くお礼を申し上げると、こういう話をして、そこでその安全操業の問題はそう簡単にはいかないから、話が片づくまではイシコフさんも日本に抑留しようかというような冗談まで言えるような仲であった。それで漁民も釈放してくれる、同時にまた、水域についての話もしよう、こういうことで、それがただいま倉石農林大臣から報告したようなことになったわけです。もちろん具体的な話ができたものではございませんけれども、相手方から安全操業について話し合う用意ありと、こういうことを申し出てくれたこと、これは積極的に向こうから話し出てくれたこと、これはいいきっかけにもなるのでありまして、私どもは十分この発展性、成果があがるようにこれから話を詰めたい、さように思っております。拿捕漁民はもうすでに釈放する用意、その準備が整っておる、かように聞いておりますが、いまの安全操業の問題になりますと、水域等やっぱりその領土との関連が密接にありますので、ただ単にこの領海の幅の広さだけの問題でなしに、その本来の領土権を主張する観点に立っての安全操業というような主張になりますから、向こうも慎重であったろうと思いますし、当方もそれを通じてソ連側の意向もある程度キャッチすることができるのじゃないだろうか、かように思っておりますので、これはよく話を詰めていきたい、かように思っております。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 たいへん背景を親切に説明していただきましたから、私が質問しようとした四つが消えました。そこでこの外交、外務省のベースでやるか農林省ベースでやるかということはまだこれから御相談なさるわけなんでしょうか。

宮澤喜一自由民主党通商産業大臣・外務大臣臨時代理

○国務大臣(宮澤喜一君) 愛知外務大臣が帰られましてから御相談をすることであろうと思っております。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 北方水域の安全操業の問題はよくわかりました。ぜひひとつ成功のためにさらに格段の御配意をいただきたいと思いますが、それでもう一つ、いまモスクワでやっております日ソ漁業交渉ですが、カニのほうは妥結をいたしましてよかったと思いますが、さらにサケ、 マス、ニシン、これは難航しているようです。この見通しについてはどうでございましょう。農林大臣か、外務大臣ですか、どちらでもけっこうです。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(倉石忠雄君) 先ほどお話のございました、先般イシコフ氏がこちらへ来ましたときに、一番時間をかけましたのは、私とはサケ、マスの話、こちらは本来の仕事であります。これにつきましては、先方はわがほうとたいへん違った主張をしております。そこで難航いたしておるわけでありまして、ことにことしは不漁年でありますので、かなりきびしいことを言っております。また、ニシン等については、これも極端な意見を主張しておるようでありますが、そういうことではとてもお話になりませんので、ただいまのところ、モスクワに駐在いたしておりますわがほうの漁業委員の代表が熱心にわれわれの技術的な正しい主張をやっておるという段階でございまして、まだはっきりいたしません。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 せんだってイシコフさんとお会いになったときに、サケ、マス資源をふやすために日ソ両国の技術を生かしてサケ、マスの共同ふ化に取り組む、こういうふうなことについては話が出ませんでしたか。日本としてはどうお考えですか。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(倉石忠雄君) 技術的なそういう協力のお話がこの前、愛知外務大臣からありましたと、あれにつきましては、わがほうは、つまり先方、ソ連側はたいへんに深い関心と興味を持っておりますというお話でありました。したがって、こういうことにつきましては、相互でなお話し合って進めてまいったらいいんじゃないか。ことに日本では御存じのように、魚はとるというよりもこしらえるものだといったようなことで、このごろはだいぶ養魚技術が進歩してきた、そういうことについて協力をいたしたいというふうなことをこちらから申しておるわけでありますが、たいへんそれには関心を持っておるようであります。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 もう一つ。沿海州からカムチャッカ、サハリンなどのソ連側の漁業基地ですね。ここに冷凍かん詰めあるいは塩乾などの工場を日本の資金でつくる。そして加工品を日本に輸出する。そういうふうな考え方が話に出ませんでしたか。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(倉石忠雄君) そういうような協力も、今度安全操業の話のときに先方からもいろいろ希望が出てくるではないかと、こういうふうに見ております。  先ほどちょっと私申し落としましたが、お話し合いの前提に、愛知外務大臣や中川大使がしばしば先方に申し入れてありました。つまり平和条約による領土問題は別個にして、安全操業をやろうと、こういうことにつきまして、先方が私にも答えておりますのは、それでけっこうだということでありますが、そういうことはたいへんな前進ではないかと思っております。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 その次に、駐留軍労務者の労働条件の問題について防衛庁長官にお尋ねいたします。  沖繩軍労働者の争議の問題は、政府の特別見舞い金の支給、さらに現地米軍の理解ある処分軽減などによって第三波のストライキが避け得られましたことは、まことによかったと思います。これは総理府総務長官ほか関係の皆さんに心からお礼申し上げます。  それからいま私がお聞きしようとするのは、本土の駐留軍労務者の件でございます。  昨年の三千名の人員整理に引き続いて、本年一月から六月までの間に五千名余の大量整理が行なわれるわけでありまして、これに対して全駐労は、雇用安定対策などの要求をひっさげ、特に雇用安定対策の確立ということを中心にして、いま団交をやっておるわけですが、なかなかうまくいかない。そこで四月の二十七日と八日の両日、四十八時間のストライキを予定していると聞いております。私はストライキというのは簡単にやるべきものではございません。したがって、誠心誠意交渉を煮詰めて、ストライキなどが行なわれないようにすることが政府に課せられた大きな使命だと思いますので、この際次の点についてぜひ善処をしていただくようにお願いをしたいのであります。  一つは、日米間で解雇前の調整期間として約束された九十日ですね、この九十日の期間に足りない人員整理者に対して、その不足日数について政府の保障措置をどのようにしていただけるかどうか、措置をしてもらいたいということです。  二つ目には、昨年にもいろいろ御理解をいただいてやったのでありますが、人員整理者に対して適用していただきました退職手当の一カ月分に相当する特別給付金の支給について、これは何か政令等を変えることによってできるとも聞いております。したがって、この特別に御配意をいただきました給付金というものを、本年度予想される解雇者五千名にもぜひ適用していただきたい、こう思うのですが、いかがでございますか。  もう一つは、駐留軍労働者の雇用不安を解消するため、いま提案されております雇用安定法について、その三条の「解雇制限」条項を修正をし、一定期間を再就職の予備期間として生活保障を行なうようにしていただきたい、こう思います。ぜひこれは総理以下御善処をしていただきたいと思いますが、防衛庁長官から御所見を承ります。

中曽根康弘自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(中曽根康弘君) 駐留軍労務者につきましては、現行の基本労務契約におきましては、予告期間は一応四十五日となっております。しかし、昨年年末に大量解雇が相当行なわれ、しかも期間が短かかったものでございますから、大蔵省に対しまして特別の措置をお願いをいたしまして、一カ月の特別給付金を認め、また米軍側とも交渉いたしまして、三カ月間の調整期間を置くように了解をすべく努力いたしまして、米軍側も基本契約にかかわらず、その点は了解して努力するということになりました。今回の、ことしに入ってからの大量解雇につきましては、大体その三カ月の調整期間というものは守られておりますけれども、中には守られていない不幸な方々もございます。特に五月以前に短期間で解雇されるという方々は、五月から公務員のベースアップのかげんもありまして、非常に均衡を失するわけであります。五月以前の方々は昔の給料で計算されるということになりますから、非常に均衡を失するわけでございます。したがって、その間の措置につきまして、われわれとしてはできるだけ努力をして事態を改善させたいと思いまして、大蔵当局に対して日夜努力しておるところでございます。しかし、大蔵省の壁はなかなかかたく、われわれがいま努力いたしましてもかいがない状態でございます。しかし、その必要性は十分私たちも感じておりますので、今後とも努力してまいりたいと思います。  なお、離職者に対する雇用安定法につきましては、ほかの関係の、労働関係法令とのバランス等の関係もありまして、これは検討を要するものと思います。現在の離職者対策法を活用いたしまして、さまざまな手当てをして善処してまいりたいと思います。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 防衛庁長官の日夜の御苦労は心から私もお礼申し上げますが、何か聞くところによると、孤軍奮闘しているようにも承れるのでありまして、同じ内閣の閣僚であるし、きょうは総理大臣も大蔵大臣もおるのですが、福田大蔵大臣も、必要な金はわしは幾らでも出すのだということを言っておられますから、総理もいらっしゃるし、そうあなたを孤立させないのではないかと思いますから、ぜひひとつこれは英知を集めて解決をし、ストライキが回避できるように重ねて私は総理以下、いらっしゃる方々にお願いをしておきます。  それから次に、長官、これもちょっとまずい話なんですけれども、あえて私はお伺いするわけです。それはきのうちょっと触れました東京多摩町と稲城町の両町にまたがってつくられております米軍の空軍用のゴルフ場の問題ですが、いろいろ調べて見ますと、これは米軍はほとんど使っておらなくて日本人のゴルファーがほとんどこれを使っているということなんです。防衛施設庁としては、この実態を調査されておられますでしょうかどうでしょうか。おりましたらひとつその内容を明らかにしていただきたい。

中曽根康弘自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(中曽根康弘君) 多摩ゴルフ場は米軍が先に使っておりましたゴルフ場が民有地でございまして、その地主との関係がまずくなりましたので、やむを得ず国有地である多摩にゴルフ場をつくりましてそれと交代さしたわけでございます。この多摩ゴルフ場は米軍人及び軍属、その家族の利用に供するために、米軍当局が公認した合衆国政府歳出外資金による機関が管理しておりまして、その運営は独立採算制であり、もっぱら利用者からの料金収入という方法で行なわれております。現在は独立採算制のために、米軍人及び家族が紹介した日本人に限って利用させております。その使用状況につきましては、米軍人軍属等は平日が二ドル、土曜祭日が三ドル、日本人の料金が平日千八百円、土曜祭日が三千六百円ということになっております。多摩ゴルフ場につきましては、やはりこのような福利厚生施設の設置は、米軍人家族等のレクリエーションのためにも必要でありますので、これを返還させるということは困難であると考えます。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 米国の人たちは、ゴルフというのはお茶を飲むようなものだと思うのですからね、私も何も利用を十分していただくことについてけちをつけようとするものではないのですが、問題は、これは日本人の税金でおそらくつくったものだと思いますから、アメリカ軍が使うというものを使われないで、日本人がこれを利用するということは、当初設置したときの趣旨からいって反するのじゃないですか。大体一日、米国の軍人さんと日本人の利用率はどの程度になっておりますか。

山上信重防衛施設庁長官

○政府委員(山上信重君) 多摩ゴルフ場におきまする使用の詳細につきましては、私のほうでもいま調査を求めておりますけれども、今日現在ではまだ具体的な詳細なことは不明でございます。ただ新聞等に報ずるところによりますと、八割ぐらいは日本人がやっておる実情であるというようなことを、当時行かれた方が現地で聞かれております。そういったことは聞いておりますが、まだ正確に一応さした資料はございません。大体その程度じゃなかろうかなというふうには考えておりますが、はっきりいたしておりません。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 独立採算でやっているというのですが、収支状況はどうなんですか。

山上信重防衛施設庁長官

○政府委員(山上信重君) それらにつきましても米側に照会をいたしておりますが、まだ返事をいただいておりません。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 この厚木の基地とかキャンプ朝霞あるいはキャンプ座間にもゴルフ場がございますね。これらの使用のほうはうまくいっておるのでしょうか。

山上信重防衛施設庁長官

○政府委員(山上信重君) 厚木あるいは座間にも米軍のゴルフ場がございまして、厚木につきましては飛行場の安全地帯を利用いたしておるのでございます。座間につきましては、これまたその敷地の中を利用いたしておるのでございまして、これもやはり米軍人軍属並びにその家族がレクリエーションに用いておるのでございますが、同じようにやはり会員の紹介のあった者、日本人等につきましても、独立採算制のたてまえあるいは日米親善というようなことから利用を認めておるようでございます。現在まだ、具体的に内容がどの程度使っておるかということはわかりませんが、相当使っておることは事実のようでございます。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 それからこの多摩のゴルフ場の場合は、防衛庁とか施設庁の役人さんは利用しておるのですか。けさも会計検査院の何とかという人が、監査を地方にしに行って、勤務時間中にゴルフをやっておったというようなことが新聞に出ておりましたけれども、これはまことに不心得もはなはだしいことなんだが、まさか規律を正す防衛庁や施設庁のお役人さんがここを使っておると思わないのだけれども、やっぱり使っているのですか。

山上信重防衛施設庁長官

○政府委員(山上信重君) 利用の具体的な実情はつまびらかにいたしませんが、平日におきまして公務員がゴルフに興ずるというようなことはないことと信じております。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 経営状況と収支関係、それから利用者の関係ですね、米軍と日本人との利用者の関係、それはちょっとわかりませんので、調査をしておるそうですから、ぜひ早く、できるだけ早く調査をして別途資料としてお届けをいただきたいと思いますが、よろしゅうございますか。

中曽根康弘自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(中曽根康弘君) 報告が来次第提出いたします。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 それから次に、防衛庁長官にお尋ねしますが、四十五年度の防衛費は五千六百九十五億円でございますが、そのうち兵器の購入費というのは幾らになっておりますでしょうか。また、四十五年度中に調達をする兵器の種類、数量、金額、これを発注会社別に教えていただきたい。

中曽根康弘自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(中曽根康弘君) 政府委員をして答弁せしめます。

蒲谷友芳防衛庁装備局長

○政府委員(蒲谷友芳君) 四十五年度の装備品の調達予算に組んであります予算額は二千五十四億円というふうに試算しております。その内容は、当然武器なり航空機なり艦船なりあるいは整備費、その他研究開発費という関係でございます。  会社別の問題でございますが、御指摘でございますが、現在予算の御審議をいただいておりますし、また契約も今後の問題でございますので、理論的に申しますと、会社別の内容は申し上げるという段階ではございませんが、現実にわれわれが契約する場合には、現在航空機製造事業法なりあるいは武器等製造法なりあるいは技術導入の契約なりの関係で、特定の会社に固定される予定はございます。しかし、現実のやり方は、そういう問題につきましても部内にあります審査会で個々の会社にするしないの審査をいたしまして長官の承認を受けるという形式になっております。その関係でいまおもなもので、いま申しましたようなもので予定されるようなものを例として申し上げますと、大きなものでは超音速高等練習機、いわゆるXT2というのが二機、二十四億で三菱重工に予定しております。それから対潜哨戒機、P2Jという、これは十一機ございますが、約百六十六億で川崎重工業に予定されると思います。それから対潜飛行艇PS1というのがございますが、五機、これが百三十一億円で新明和工業に予定されると思います。それから、電子機器系統では、三次元レーダーというのが開発を終わりまして、第  一回目の一式を四十五年度で予定しておりますが、十一億八千万円で三菱電機になるんではないかと思います。それから探信儀ソーナーでございますが、これは二基、約三億九千万円。日本電気を予定されます。それから火砲では、五インチ砲という艦船用の大口径砲二門が十一億円で、日本製鋼所に予定されると思います。小銃がこれも一万八千挺予定しておりますが、これも豊和工業というふうに考えられます。大体以上がおもなものでございますけれども、御参考に申し上げますと、四十三年度の集計しました契約件数が中央だけで約九千三百件でございまして、その契約しました実企業数の総計が約八百ございます。そういうような関係でございまして、詳細につきましては今後の問題ですけれども、一応おもなるものを申し上げました。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 これらの兵器はほとんど国産でございますでしょうか。若干外国から技術を導入しているようなものはございますか。

蒲谷友芳防衛庁装備局長

○政府委員(蒲谷友芳君) 現在の四十五年度の調達の問題及び今後の調達の方針という中で、いまの御質問の点にお答えいたしますと、現在自衛隊が持っております武器の相当部分が米国から有償ないし無償で例与されました武器が多いのでございまして、その関係部品につきましては、大体米側から入手するということが、最も安く安全な方法でございます。で、また、そういうものの更新を考えておりますが、それにつきましては、日本の防衛という実情に合ったものを開発していくという考えでございます。で、もう一つは、現在装備品の今後の動向としましては、航空機なりあるいは電子機器なり、あるいはミサイルなりというものが中心になると思いますけれども、そういうものにつきましては、現在の日本の防衛産業の技術の点からできるだけ国産を考えますが、勉強になるところ、あるいは必要なものにつきましては、外国の技術を導入していくという関係も出てまいると思います。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 そうしますと、米軍のほうから有償、無償で供与されたものの付属品といいますか、修理なんかはアメリカから来ているんだけれども、全体の自衛隊の装備の中で、どの程度のパーセンテージになりますか、そういうものは。

蒲谷友芳防衛庁装備局長

○政府委員(蒲谷友芳君) 詳細については資料いま持ってまいりますけれども、大体小銃あたりでも六〇%以上がまだ米軍のものを使っておりますし、戦車などでも六〇%強が大体米軍のものを使っているという姿でございまして、それを現在、先ほど申しましたように、小銃を一万八千挺買っているというふうに、国内で生産しまして、代替をしているという姿でございます。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 特車というのを戦車と呼んだのはどういうわけですか。

蒲谷友芳防衛庁装備局長

○政府委員(蒲谷友芳君) 警察予備隊が出発当時には特車と呼んでいたそうでございますが、何年かわかりませんが、だいぶ前から戦車と呼称を変えております。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 何年からかしっかり言ってくださいよ。その理由がわからない。どういうわけで特車を戦車、いつからやっているんですか。だいぶ前じゃないですよ。まだ、せんだって変えたばかり。二、三年前だよ。

蒲谷友芳防衛庁装備局長

○政府委員(蒲谷友芳君) 三十五年から特車を戦車というふうに名前を変えたそうでございます。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 どういうわけですか、理由は。なぜ特車を戦車に名前を変えたのか。

蒲谷友芳防衛庁装備局長

○政府委員(蒲谷友芳君) 現実に世界の呼称が戦車でございまして、警察予備隊の出発当時にはいろいろな関係がありまして、そういうような特に戦前の名前と変えた方式を取ったのでございましょうけれども、三十五年という時点に、詳しい経過は私存じませんが、戦車という呼称に変えておるということでございます。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 そうすると、自衛隊なんて呼んでいるところはないですね。これは陸軍、海軍、空軍とこう呼ぶようにするわけだな名前は、あなたの論でいくと。いつからやるのですか。

中曽根康弘自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(中曽根康弘君) 警察予備隊でありますときには、警察予備という名前でございますから、特車という名前を使ったのだろうと思いますが、自衛隊となりますと、防衛のための武装兵力でありますから、戦車というそういう普通の、通常の名前に変わったのだろうと思います。しかし、陸軍、海軍、空軍という名前につきましては、これは憲法第九条との関係もございますので、それは使わないほうがよろしいと思っております。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 戦車といいますね、戦力でなくて自衛力だ、軍隊でなくて自衛隊だ、こういうことでいま言ってきたわけだ。その戦車のところだけ先にいっちゃったんですね、これは。ほかが残っちゃった、これはどうしてくれるのですか。

中曽根康弘自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(中曽根康弘君) 別に先行したというわけじゃなくして、普通の、通常の名前に、わかりやすい名前に返った。むしろ自衛力というものができて、そうして自衛力で認める範囲内の装備力という意味におきましては、国民にわかるような名前のほうがかえっていいのではないか、そういう考えではないかと思います。たとえば師団という名前もいまはございます。あるいは司令官という名前もございます。それをやはり国民にさっとわかるようなポピュラーな意味で使っているのじゃないかと思います。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 中曽根さんは何か都合が悪いときになると英語を使ってやるのですが、時間がないからまたやりましょう、それは。  次に、四十五年度の兵器の開発研究費というのは幾らになりますか。それから、いま開発中の新兵器は何と何がありますか。それから民間のほうへ開発研究費を渡しているということはございませんか。

蒲谷友芳防衛庁装備局長

○政府委員(蒲谷友芳君) 予算のほうで申しますと、四十五年度の開発系統の予算は百八億円ございますが、その中でいわゆる開発研究費系統が九十億でございます。その中で先生の御指摘の民間に渡ります金と申しますか、試作費という関係で組んでおります金が六十四億円ございます。現在約八十件の試作というか研究を、研究開発項目に取り組んでおります。おもなものをということで申しますと、航空機関係では、先ほど申しました超音速高等練習機XT2というのと、それから中型輸送機XC1というその二点が航空機の大きな開発でございます。それからミサイル系統では、短距離地対地ミサイル、それから短距離地対空ミサイル、空対空ミサイルという三つの開発を行なっております。そのほかに、たとえばソーナーとか戦車とか、そういうものの開発が大体おもなるものでございます。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 民間に試作費として渡しております六十四億円の会社名と、その金額は、いまわかりますか。

蒲谷友芳防衛庁装備局長

○政府委員(蒲谷友芳君) いま申しましたもののおもなるものについて申しますと、超音速高等練習機XT2につきましては、三菱重工が開発を担当しておりまして、四十五年度予算で約十億円組んでございます。それから中型輸送機XC1でございますけれども、日本航空機製造が開発を担当しておりまして、今年度の予算が三十四億。それから先ほど申しましたほかにPS1、これは開発が済みましたから……。短距離地対地誘導弾、これは川崎重工が担当しておりまして、約一億でございます。それから短距離地対空誘導弾、これはたぶん四十五年度予算の執行につきましては、東芝電気か担当するのではないかと思いますが、約三億八千万円。それから空対空誘導弾II型と申しますが、これは三菱重工が担当しまして約二億八千万。それから新型戦車につきましては、これも三菱重工が開発を担当しまして、約二億五千万ということでございます。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 大体わかりました。  それから、防衛庁長官、戦術的な攻撃力の強化ということを第四次防で考えておられるのですが、空対地のASMというミサイル、AFW——空飛ぶレーダーですね。こういうものの研究は、いましておりますか。

中曽根康弘自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(中曽根康弘君) 最後のところはよく聞けなかったのですが、どういうことでございますか。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 空飛ぶレーダー、AFW。

中曽根康弘自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(中曽根康弘君) 短距離のミサイルは必要であると思います。これらは開発を促進してまいりたいと思います。  それから空飛ぶレーダー機につきましては、低空で入ってくるものに対する探索が現在のレーダーでは非常にできないので、将来はそういう計画もございますが、目下のところ、開発するというところまではいっておりません。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 第三次防から第四次防へと自衛隊の装備も次第に充実をしていくと思うのでございます。それに伴って、日本の兵器工業というのも漸次拡大をしていくと思うのですね。いま日本の兵器産業の水準というのは、防衛庁としてどの程度に達しておるか、おわかりでしたら教えてもらいたい。

中曽根康弘自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(中曽根康弘君) 日本の工業総生産高の中において〇・五%ぐらいであります。GNPから見ると、もっとぐっと低くなるわけでございますが、大体皮革工業——革の産業程度のプロダクトになっております。したがいまして、国民全体の総生産の中から見ると、まだ非常に少ない微々たるものになっておる状態でございます。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 先ごろ、伊藤忠の受注をめぐって、機密漏洩ということが問題になったようですけれども、昔は、機密性の高いものは、兵器工廠というものを軍が直接持っておりましたから、こういうところでおやりになったと思うのですけれども、そういうことを考えているかどうか。機密保護に対する対策、それから昔の兵器工廠のようなものをつくって、そこでやるというようなこと、一部については考えているかどうか。

中曽根康弘自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(中曽根康弘君) 現在のところは、会社と契約いたしまして、そしてその契約条項の中にいろいろ法規典例に基づく制限がございます。ライセンスの使用等についてもいろいろな規則をもうけ、契約条項に入っておるわけでございます。しかし、昔、海軍工廠やあるいは燃料廠というような大きなものを持っておりましたが、そういうものを復活しようとは現在のところ考えておりません。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 時間がないので、もう少し詳細聞きたかったのですが、また次の機会にして、次に物価の問題でお尋ねをします。  きのうも、この委員会で論議になったのでございますが、二月の消費者物価は六・四、それから三月の卸売り物価も五%−六・四%、五%、それぞれ上昇をしておりますので、まさに日本の物価は異常なものだと思います。大蔵大臣はインフレじゃないと、こうやってきのうもがんばっておりましたが、だれが見ても、常識的に、現状はインフレだと、こういうふうに考えていると思うのですが、経済企画庁長官は所信表明の中で多少インフレ的というふうなニュアンスのことばを使われたのですが、佐藤長官も、大蔵大臣と同しような考え方ですか。

佐藤一郎自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(佐藤一郎君) 大蔵大臣のお話、私も聞いておりましたが、そのとおりだと思います。ただ、今日のような事態が続きますと、われわれとしてもインフレになるおそれがあると、そういうことを申し上げたいと思います。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 そういう意味じゃなくて、総理大臣はこの物価に対してどう——インフレじゃないですかね。総理はこのいまの物価高をインフレとはやっぱり思わないと、こう言うんでございましょうか。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) このインフレという見方はいろいろあると思います。社会党の木村君、そのほうの専門ですから、私も木村君から教えられたこともありますが、私の見るところでは、貨幣価値の非常な変動、貨幣価値、貨幣信用、それがなくなった、不信用で貨幣価値が下落する、大きな下落があれば、それはインフレだと、かように私考えておりますが、いまの物価の上昇、これは一面から見ると、ただいま積極的な貨幣価値の減少だと、かようには考えられない節もありますけれども、とにかく物価の上昇は、一方で、ただいまの貨幣価値というものについてある程度の低下を来たしておるのじゃないかと、こういうことを言われるだろうと思います。そういう意味から見ると、さっき企画庁長官の言っているように、長く続けばこれはもうインフレのおそれありと、こういうことになると思います。  私、もう一つ、なぜそういうことを申すかというのは、この国際円、その円の相場が国際的にどう評価されておるかと、こういうことを申しますと、いまたいへん円は強いと言われておる。これは、ドルに対しても、ポンドに対しても強い形ですね。そういうところを考えてみると、日本はいわゆる悪性インフレではないと、こういうことが指摘できるのではないかと思います。  しかし、とにかく卸売り物価が高騰するという、これが総需要の結果にしろ、これは通常の状態ではないと思いますね。この卸り物価の上昇は、まあ多く影響は国外から受けておると、かように思っております。これは、ただ単に国内だけで卸売り物価が上昇した、そうすれば、輸出やなんかが伸びるはずはないのですね。やっぱり、卸売り物価が上昇しても輸出は増大しておる。かような状況を見ますと、国際的のその需要というものは、いまの日本の価値、その価格それに対応してやっぱり消化力を持っておるというか、需要がやっぱりある。かように私は考えざるを得ないんだ。その点から見ると、どうもいわゆる悪性インフレだと、かような指摘はできないんではないか、かように思っております。しかし、とにかく卸売り物価が上昇する。かつては、卸売り物価で生活はしてはいない、だから卸売り物価が安定している、といってそれで安心はできないんだと、こういう議論を聞かされたものですが、私もそういうふうに思います。いまも卸売り物価でわれわれは生活はしていないが、消費者物価、それはやはり卸売り物価が高くなれば当然高くなるのもあたりまえだろうと思いますので、そこらの影響も考えて、異常な物価高というものをやっぱり指摘せざるを得ない。そういう意味で、インフレ論よりもそのほうに重点を置いて、異常な物価高、これとやはり取り組まざるを得ないんじゃないか。これを片づけるんだ。円がいかに強かろうと、また円の信用が国際的にはちっとも落ちておらなくとも、どうしても物価はそれとは別にやっぱり対策を立てるべきだ。私かように思っておるんです。でありますから、インフレ論よりも、異常物価だ、かような見方のほうが適当じゃないだろうかと思います。  私は、いま、土地に対して投資が行なわれる、こう言われますが、異常な換価処分、物への換価、現金よりも物だ、こういう方向に非常に急激に進んでおるとは思いません。しかし、御指摘のように、卸売り物価、あるいは国際的需要、そういうことを加味しているにしろ、とにかく異常な状態だと、かように思っておりますので、これらについてはインフレ論とは別に対策は立てるべきだ、かように思っております。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 日本の場合には、戦後の悪性インフレを想像するんです、われわれも。したがって、それとの関連で、インフレであるかないかという論も確かにあると思います。総理のおっしゃるように、呼び方はとにかく、非常に異常な物価高であるからして、それに対して具体的な対策を立てなきゃいかぬと、こうおっしゃる、それもわかります。インフレ論は、ちょっと私も時間がないものですから、ここでやっているわけにはいきません。  そこで、先般来いろいろ論議をしてきておりますけれども、物価政策の不在ということを私どもは終始追及をしているわけですよ。ですから、それに対してインフレだと、こういうふうな表現になると、そうでないということで反論があるわけですけれども、やはり事実は事実としてこの物価高を認める、総理のおっしゃるようにですね。そうして、これに対して本腰でもって安定政策を打ち立てるために取っ組んでいくという、こういう姿勢がなきゃどうにもならぬところへ来ていると思うのです。いま、この高物価高を何とかしようというで、大蔵大臣は、本年度の第一四半期の予算の比率を昨年並みにして引き締めを行のうとか、それから日銀のほうでは、同期間財政金融面から量的な引き締めを続けていこうとか、輸出金利の一%引き上げ、こういうことによってインフレを食いとめようとしておるんですけれども、これでは不十分ではないでしょうか。たとえば、政府・日銀は公定歩合をもう少し上げていくとか、あるいはもっときびしい金融政策を立てるとか、物価対策の根本策をやっぱり考えなきゃいかぬと思います。それから卸売り物価も、いま総理がおっしゃったように、この上昇は一部品目の輸入制限、それから海外要因にあることは総理のおっしゃるとおりだと思いますが、そこで、物価安定という立場に立てば、輸入制限というのはできるだけ解除する、そうして輸入原材料の高騰など、海外における要因があるとすれば、これは為替レートを切り上げるとかなんとかということによって相殺する、こういう措置をやっぱり具体的にとっていかなきゃいかぬと思いますが、いかがですか。

福田赳夫自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(福田赳夫君) お話は、私は一々ごもっともと思います。非常に物価問題が重要な段階に来ましたので、あらゆる手段を講じなきゃならぬ。それには、まず総需要を抑制する、そういうことで金融調整政策もとっておるのであります。また同時に、財政につきましても、この予算につきましてきめこまかい配慮をいたしてきたわけでございますが、しかし、この予算の執行上におきましても、これも弾力的に景気調整の配慮をいたしたい、かように考えております。しかし、総需要対策ばかりじゃ、お話のとおり、もういかないので、やっぱり輸入政策、これも非常に私は大事だと思います。そういうような見地から、関税あるいは非関税、あるいは輸入の制限をしておる、その自由化の問題、そういう問題にも努力をいたしていかなければならない。その他、流通問題もまた考えなきゃならぬ。低生産性部門の近代化、合理化、こういうこともやらなければならぬ。また、この間の中山さんの御提言、これもずいぶん重要な問題を提起しておるというふうに考えておりますので、私どもといたしましては、それに前向きで取り組んでいくという姿勢で、何とかして物価をここで克服いたしたいと、かように考えております。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 大蔵大臣のおっしゃるように、要の抑制ということについては、ここへ参考人で来ていただいた下村開銀設備投資研究所長さんですか、この方なんかも、物価の面では見当はずれのことじゃないかというようなことも言っておりました。それから経団連の植村会長も、十五日の信託大会でもってそのことに触れて、大して値打ちのあるものじゃないというようなことも言われているわけですね。佐藤経済企画庁長官は、一日の物価対策閣僚協議会のあと、方々財界のほうを回って、物価安定政策に協力を仰いでいるようですけれども、みなそでにされているようですね。あなたは何か所得政策みたいなことを振り回しているように新聞は書いているのですけれどもね。それはどういうのですか、経過を少し教えてもらいたい。

佐藤一郎自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(佐藤一郎君) 私たちも、インフレであるとかなんとかという文句は別にしまして、物価を抑制しなきゃならぬということで、政府としましても目下非常な努力をしつつあるわけでございます。先般の閣僚協議会におきましても、総需要の抑制につきまして今日の金融の引き締めの基調というものを再確認をする、そういうような種々の点につきまして決定をみたわけでございます。そこで、物価政策全体として、ひとつ財界の諸公にも認識を十分にしていただきたい、こういう意味で私お話をしました。そのときに、当然のことでありますけれども、賃金の問題も出たわけであります。今日、一方において民間設備投資が二四、五%という高い水準で伸びてまいる。そうして、その結果として、経済成長が一三%、一四%、こういう高い速度でもって成長しておる。そうしてまた、一方において、賃金が一七、八%という高い伸びでもってまいる。そうしますと、一方において民間の設備がどんどんできるのに対して、一体需要が今後追いついていくかどうか、あるいはまた、賃金のそういう高い上昇に対して、生産性の上昇がそれに追いついて、十分これを吸収することができるかどうか、こういうような点について、やはり経済全体のバランスのある発展という見地から見まして、やはり相当私は心配な点もあると思います。そういうような意味におきまして、物価問題全体の観点から意見を交換した、こういうことでございます。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 大蔵大臣がおっしゃるように、幾つもありますね、当面やらなければならぬことが。しかし、あなたのおっしゃった中の物価安定政策会議が、四月の六日に経企庁長官に提案した「行政介入と物価について」という提言があります。これはひとつぜひやってもらいたいのです、私は。やってもらいたい。物価安定政策会議の中山会長に、きょう来ていただきたかったのですけれども、未来学会議に行っておって、おいでいただかなかったのですけれども、これはぜひやってもらいたい。これが佐藤内閣の、ほんとうにやるか、やらないかの試金石となることだと思うのです。ですから、この提言について、私はほんとうは、一つ一つ内容を申し上げて意見を聞きたかったのですが、時間がありませんから、前からも対策を立てていただくように私は要求してありますから、それをひとつぜひ各省から、品目別にここで発表してもらいたいのです。タクシーから始めて……。

佐藤一郎自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(佐藤一郎君) ただいまおあげになりました行政介入についての物価安定政策会議の提言、私たちも、これを受け取りまして、非常に示唆に富んでいる点が多いと思います。これはできるだけひとつ、内閣全体といたしまして、物価対策閣僚協議会等においてこれを取り上げて、そして十分検討してまいりたい、こう思っております。

福田赳夫自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 各省ということでございますから、大蔵省関係の問題について申し上げますれば、まず、酒の小売り・卸売り店舗の問題でございますが、これにつきましては、いま直ちにこれを廃止するというわけにはまいりませんけれども、しかし、提言の御趣旨に従いまして弾力的にその趣旨が生きるようにいたしたいと、かように考えております。それから、清酒の方面につきましては、これは五年後に自由化をするという考え方を持っておりますが、そういう目標に向かって逐次体制を整えていきたい。  それから、塩につきましては、これはイオン交換樹脂膜製法を取り入れておりますので、もうこれは急速度に価格の引き下げが行なわれるであろう。また、これは専売としておりますが、この専売制度がいいのかどうか、こういう問題につきましては、私は、イオン交換樹脂膜製法が普及するに伴いまして、その必要はないのじゃないかというふうに考えておりますが、これは専売審議会等の意見も十分聞きまして結論を得たい、かように考えております。  それから損害保険の料率を一律にしているのはどうかという御提言でございますが、これも私は御趣旨ごもっともと思います。自由化の方向、そうして自由競争原理、こういうことを活用いたしまして、その料率を引き下げてまいりたい、こういうふうに考えておる次第でございます。

橋本登美三郎自由民主党運輸大臣

○国務大臣(橋本登美三郎君) 安定会議の提言は、御承知のように、タクシー問題ですが、タクシーの台数規制を廃止しろということ、第二は、事業免許に対しては、一定の条件があればこれを遅滞なく許可するようにしたらどうか、こういう二点であります。原則としては、運輸省はその方針にのっとってやっております。ただ、御承知のように、いま既存のタクシー業者におきましても、東京だけで申しますれば、大体許可しました台数に対して二千五百台ぐらいの運転手が不足しております。個人タクシーを別にしまして、二千五百台の車があって運転手がおらないという。問題はそういうところにももちろんありますけれども、なお、職業運転手をどうして得るかという問題です。ペーパードライバーは一千五百万もありますけれども、職業運転手に必ずしも進んで来ないということは、一つは待遇の問題があろうと思います。そういう意味において、いま運輸省としては、運転手をいかにして確保するか、そのためには運転手の待遇をどうすべきか、こういうことについて行政指導をしておる次第であります。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(倉石忠雄君) 農林省の関係では、ノリ、豚肉、砂糖が指摘されております。ノリにつきましては、きょうから民間の方々に集まっていただいて、その取引状態等、いろいろ研究会をきょうから開催いたしているわけであります。  糖価安定事業団による砂糖、これは、国内産糖と輸入との関係で、価格調整のために非常にいい役割りを果たしていると思うのでありますが、いろいろ御提言の趣旨等もしんしゃくいたしまして、十分検討して趣旨に沿いたいと思って努力しております。  豚肉につきましては、畜産振興事業団がああいう操作をやっております。これは、生産者の利益を保持することも必要でございますが、価格安定のために十分な役割りを果たしていると思いますが、やはり弾力的輸入のことについて、さらに検討しなければならないと思っているわけであります。

宮澤喜一自由民主党通商産業大臣・外務大臣臨時代理

○国務大臣(宮澤喜一君) 通産省の関係といたしましては、中小全業のカルテルの洗い直しであるとか、再販価格の品目の再検討であるとか、百貨店法の運用とか、そういう問題がございます。そういうことをやっていこうと思っておりますが、私が実は感じておりますことは、この問題で、これは企画庁長官には進言を申し上げておるのですが、大切なことは、結局、いままでやってきた行政というものは、説明させればみんなおのおの理屈があるわけであります。それを聞いておったのでは、これはもうしかたがないので、やはり各省間のバランスとか、今度は一つの省の中で各局間のバランスとかというものが、言えば幾らでも理屈はあるわけでありますけれども、昔佐藤総理が一局削減という、一見乱暴なことをおやりになりましたが、やっぱりあのくらいの観点で閣僚会議がこの問題を取り上げるということが一番大事だ、私は、企画庁長官が今度閣僚会議でそういうことをひとつ打ち出されて、われわれが一緒に協力をするということが大事ではないかというふうに思っております。

内田常雄自由民主党厚生大臣

○国務大臣(内田常雄君) 厚生省関係では、理容料金等の環境衛生関係営業の料金の問題が指摘され、あるいは浴場対策、さらにまた水道料金でありますとか、再販売価格維持契約の対象になる薬品の価格等が指摘されておりますが、少なくとも、いまの環営関係等の対象になる営業の料金、あるいは価格等につきましては、現行の仕組みが価格カルテル、料金カルテルのような形になって、そうして料金の上昇を来たさないように、これらの体制にメスを入れてまいりたいと思います。  浴場代金につきましては、はなはだ旧式な物価統制令が適用されておりますので、これらについては、もっとさかのぼった対策が講ぜられないと、物価対策という見地ばかりでなしに、公衆浴場というのは全滅するようなかっこうの面もありますので、それらの面もあわせて考えてまいりたいと思います。  水道料金などにつきましても、新しく開発する水道の料金は非常に高いので、それらについても根本的な対策を検討したいと思います。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 公取の委員長に、お忙しいところをおいでいただいたのですが、独占禁止懇話会が中間報告をまとめておられます。最終報告は出ておりませんが、谷村委員長としては、独禁価格についてはどういうお考えを持っているか、伺いたい。

谷村裕公正取引委員会委員長

○政府委員(谷村裕君) ただいまのお尋ねは、いわゆる管理価格のことであろうかと思います。これは、独占禁止懇話会で三べんか四へんほど議論していただき、さらにまた、あと二回ぐらい議論をしていただきました上でまとめようと思っておるのでございまして、まだ実は、新聞に出ましたような形において、中間段階で、まとめというものはございません。そういう段階でございます。  なお、管理価格等の問題は、先ほどの行政介入のことに関連して直接触れられてはおりませんけれども、今後の物価問題の一つとして、私どもは、独占禁止政策の上からどういうことができるかということを、そういった場でもって検討もさしていただこうと思っておりますが、さらには、もっと深い問題と申しますか、他面、多角的な問題を含んでおるというふうに思いますので、私どもの力の及ぶ範囲をあるいは出る問題であるかとも思います。そういうことも、いろいろとその場で御議論していただこうと、かように思っております。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 時間がまいりまして、これ以上考えを伺うことができませんので、いずれまた、これは物価対策委員会等で伺いたいと思います。  それで、ひとつ総理大臣に、この予算で総理とここで質疑するのはこれが最後だと思いますから、伺いたいと思うのですけれども、きのう、総理はウ・タントさんに、国連二十五周年記念でたぶん御期待に沿えるようになるだろうと言われたというお話を聞きまして、私は、ああ、総理はもう決意がきまったと、こういうふうに受け取ったわけですね。これは率直に、私は失礼になる点があるかと思うのですが、国民は、出席ということについても非常に関心を持っておりますから、伺っておったのですが、これと自民党の総裁としての四選問題、これがからんでいると思うのですね。だからして、たぶん御期待に沿えるということは、自民党大会を十月に繰り上げないで十一月やるということになれば、これは現総理大臣として行けるわけですね。それからまた、四選をされて行くということになると、もっと早くしなければならぬわけですから、いずれにしても政権を引き続いてやるという決意を固めたと私は理解をしているわけですが、そういうように国民は受け取ったと思いますが、どうですか。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) 国連二十五周年記念に出席するかどうか、 これは四選とからんでいると、こういう御指摘でございますが、あえてからまそうとしているのが、いまのマスコミその他じゃないかと思っておるのです。私は、本来、もちろん国内問題と国際的な記念事業と、これがからんでおるとは思いません。ただ、いま御指摘になりましたように、党大会がいつの時期になるか、これが私の行動を縛ることになるだろうと思うのです。だから、そういう意味で、私が今日明言しなかっただけでございます。別にからましての話ではない。これはもうはっきり申し上げて、これは別個の問題だ。また、それは、元首または総理が臨んでほしいというか、出席してほしいという、その期待にこたえるのが、国連中心のわが国の政策から見ましても、当然のことではないかと、かように思っております。私は、それで十分お答えしたように思っておるのであります。なお疑問はないと思います。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 決意がきまったのでしょう。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) どうもおわかりにならないようだが、国内問題と国際問題、これは全然別だ、かように御理解おき願いたい。あえてからまして、マスコミに材料を提供しないようにひとつしていただきたい。お願いします。

堀本宜実自由民主党

○委員長(堀本宜実君) 以上で鈴木君の質疑は終了いたしました。     —————————————

堀本宜実自由民主党

○委員長(堀本宜実君) 次に、渋谷邦彦君の質疑を行ないます。渋谷君。

渋谷邦彦公明党

○渋谷邦彦君 初めに総理にお尋ねいたします。  御承知のとおり、最近の国際世論の高まりの中には、国連の機能を強化すべきではないかということがございます。機構改革あるいは国連憲章の改正まで、そういうような意見がなされているやに聞いております。いまもお話がございましたように、政府としても国連中心主義を標榜する以上、この問題に真剣にお取り組みになっていらっしゃると思いますが、特にアジア地域における問題が山積しております。やはり、いままでもしばしばいろんな角度からいろんな人が申されておりますように、アジアの問題はアジア人の手で、こうしたことを踏まえて、やはり、アジア地域における国連のアジア極東地域本部というものの設置というものが切望されるのではないか。昨年十月、わが党の竹入委員長がウ・タント事務総長に書簡を送りまして、そしてその返書には、日本政府の政策として具体化してもらいたい、さらに、最近来日された際にも、再び国連の会議場を東京に設置してもらいたいということを申し入れましたところが、やはり、日本政府の提案として具体的に進めていただきたい、という、きわめて前向きの態度を示されたわけでございますが、この点について政府はどのような見解をお持ちになっていらっしゃるのか、お伺いしたいと思います。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) 私は、ウ・タント事務総長が訪問されたこの機会に、ただいまの点をも含めていろいろ懇談をいたしました。わが国が国連中心の外交、これは一つの柱でもあるのだということを申し上げ、同時に、公明党御自身が、国連のアジア本部というか、そういうものを設置しろ、こういうような要望も出しておられることはすでにお耳に達しておると思うし、また、国連大学等についても私どもは積極的に協力する意向があるのだ、まあこういう点で、日本政府がそういう問題について積極的な態度で臨んでおる、協力を惜しまないという、それをひとつ御記憶にとめられて帰っていただきたい、こういうことを実は申し上げておいたのであります。  と申しますのは、いままで、アジア地域においての、エカフェにいたしましても、またアジア銀行設立の本店をどこに置くか、こういうような問題におきましても、いわゆる開発途上国等において、自分のところに置いてくれろという強い希望があるのでございます。したがって、日本が今日のような国力を持っている、国力だけを背景にしてただいまのようなことを、ここへ持ってこい、こう言うのは、やや他の国等の考え方をも考えて、そうしてすべての国の協力を得るという方向からは、なかなか端的に言いにくい事柄でもあります。そこで、ウ・タントさんも言われておりましたが、国連大学の場合、いまのアジア本部の問題ではありませんが、国連大学の問題、これはなかなか各国とも評判がいいので、各国とも誘致運動がなかなか強いのです。したがって、ただいまの段階でどこの国に置くということを自分の口からは話しかねる、発表しかねる、こういうことを言っておられました。なお、その際もウ・タントさんが言っているのに、国連の協力費、これでは日本はいま六番目の拠出国だが、いまに五番目になるのじゃないか、さような財政的な援助もされておるので、日本の状態については十分私は考慮しておきます、これだけの話で、それより以上話は詰まっておりません。そのことを申し上げておきます。

渋谷邦彦公明党

○渋谷邦彦君 ただいまの御答弁を伺っておりますと、今後協力することにやぶさかではない、こういう印象を受けるわけでございます。したがいまして、政府としても、おそらく前向きでお取り組みになるのではないか、このように判断されるわけでございますが、具体的に申し上げますと、ことしの秋に開かれます国連総会に、あるいは佐藤総理の御出席があるのではないかと伝えられておりますけれども、そういった機会に正式に申し入れをされる御用意はないか、この点をお伺いしたいと思います。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) 先ほどの鈴木君のお尋ねにもお答えしたように、二十五周年記念の際に総会に出席するかどうか、まだはっきりきまっておりませんが、しかし、先ほど冒頭に説明されましたように、もう二十五周年を迎えた国連、これがいつまでもサンフランシスコ体制、創立当時の体制であってはならないように思うと、そういう意味の発言は必ずすべきだと思いますし、もうすでに昨年の愛知外相からも、その意向の一部を発言しておりますが、重ねてこの話がされると、かように思いますが、これは十分すべての構想を練りまして、どういうことになりますか、ただいまの国連の強化と、こういうような意味の問題が必ず一部あるわけですから、それにはやはり地域的な本部を設置するというような問題も当然言及しなければならないことだと思います。ただ、それがどの程度に表現できるか、その表現のしかたの問題もあろうかと思いますけれども、いまの出かけて話をするとすれば、国連の二十五周年、二十五年の歩みから、今後は一体どうあるべきか、もうサンフランシスコ体制というものは、もうすでに変わってしかるべきではないか。そうして、これからのほんとうの世界平和へ前進する国連、まあそのためにはどうしたらいいかと、そういうような話が出てくるだろうと思っております。いろいろ、安保理事会の問題もありますし、あるいは国連憲章の問題もございますし、その他いまのように組織の面から強化する、そういう点に触れざるを得ないんだろうと思いますから、これはひとつ外務当局でいまのうちから十分準備を進めるようにしたいものだと思っております。

渋谷邦彦公明党

○渋谷邦彦君 先ほどの御答弁の中に、国連大学の設置というものが各国においてもたいへんな評判を得ていると。たいへんけっこうなことだと思います。それに関連いたしまして、現在アジア地域において設置されてない機関が幾つかございます。御承知のとおり、国際開発協会、世界気象機関、あるいは国際原子力機関というようなものがございまして、もし直ちにアジア本部というものの設置が困難であるというならば、せめてもその足がかりとして、こうしたものの支部なりあるいは事務所を招致すると、こういうふうなことも含めてお考えになっておられるほうがよろしいのではないかと、こう思いますけれども、この問題に対する御見解を伺いたいと思います。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) 渋谷君の幅の広い御希望、御意見の——いまのは質問というよりも御意見だろうと思いますが、それ伺っておきます。と申しますのは、先ほどもちょっと触れましたように、アジア諸国でやはり国際会議場を持つという、これが一つのみんなの望みなものですから、そういう意味で、過去においてもしばしば本拠地をどこにするかということで争ったようなことがございますけれども、全体が協力のできるような方向、それが望ましいんだろうと思います。したがって、ただいまは、いまのようなお話しをも含めてアジア本部の設置ということについてのお話しとして伺っておきたいと、かように思います。

渋谷邦彦公明党

○渋谷邦彦君 次に、インドシナ半島を中心といたしますアジア情勢というものは、依然としてこんとんとしております。加えて、カンボジアの紛争等を見るにつけましても、一刻も早くそうした事態の収拾というものがアジアの一員たるわが国としても当然要望されるところでございます。べトナム戦争の終結についても久しい前から論議されておりますけれども、パリ会談が膠着のまま、しかも伝えられるところによりますと、パリ会談の今日までの進捗状況から判断いたしますれば、まずその成果というものは望めないという、そういうもうぎりぎりのところまできているやにも伺っております。そうした場合に、あるいはこのまま推移するならば、百年戦争というような、まことに悲惨な状態も決して不可能なことではない、あり得ることではないかということすらも想像できるわけでございますけれども、わが国として独自の立場に立っての収拾策、現在の時点に立ってさらに積極的にこうした問題にお取り組みになるお考えはないかどうか、この点をお伺いしたいと思います。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) 私はインドシナ半島における事態、これを甘く見るつもりはございませんし、たいへん憂慮しておる。心配しておる。いまの平和国家である日本が、はたしてどういうような手を用いることができるかと、このことを実はその点についていろいろ腐心しておるのであります。  わが党の川島副総裁がこの前ソ連に参りました際に、やはり強国であるソ連やあるいはアメリカ、同時にまた言い出した日本と、こういうような意味で、これらの諸国が話し合って、そうして会議を持つことが望ましいのではないかと、こういう提案まで実は川島副総裁はいたしたのでありますが、これが実を結ばなかった。まあそれほど困難な問題であると、かように実は思っております。おそらくここらに、中近東の場合も米ソ両国で話し合いをしない限り発展がないように、やはりインドシナ半島の問題も米ソ二国を入れて話し合う、そのことが望ましいと、かように私は考えております。ただいまカンボジア内におけるあのベトナム人の虐待、虐殺等が行なわれた、あの残虐な行為等を見まして、アメリカも、軍事的援助をカンボジアから頼まれながらも、態度を表明し得ないでいるという、これはたいへん賢明な方法であろうと思っておりますが、いずれにいたしましても、これが発展しないようにぜひやりたいもんだと、かように思っております。  まあそのためにはベトナム、ラオス、カンボジアこの三地域の地帯が一体として平静になるような、そういう処置をとるべきだと、かように思いますが、日本のなし得ることは、ただいまのような国際会議を開催することができるかどうか、そういう意味のあっせん、これは自分たちで可能なことじゃないかと思うし、また、ポストベトナムということがしばしばいわれ、その後におけるこの復興あるいは経済自立、それらについて各国をさそい合わしての共同援助による経済復興、そういうことを提案すること、それなどがわれわれの可能なことだろうと思っております。  ただいまそういうような方向でいろいろ実情を把握しながらそういう機会の到来を待っているというのが実情でございます。  私は一面、きわめて最近まではたいへんものごとがわれわれの考えておるように平静に向かいつつあるのじゃないか、ラオスでジャール平原が占領されたとはいいながらも、パテト・ラオに占領されたとはいいながらも、大体所期のように米軍は撤退を開始し、ベトナムは順次順調に推移するんじゃないかと思っていたやさき、カンボジアの政変等がありまして、その後の状態がやや混乱を来たしやしないかと、そこらに心配があるのではないか、それもただいま申し上げるように、大国が介入しない限りにおいては、これもあまり発展性がなくて済みやしないか、かように私は思っておるような次第でございます。

渋谷邦彦公明党

○渋谷邦彦君 従来もせっかく政府が努力されましても、それぞれの国の事情等がからみ合ったために実現ができなかったというお話でございますが、やはりアジア情勢はいま平静に戻りつつあるとは言いながらも、いつ起爆するかわからないという、そういうやはり危険性をはらんだ情勢下に置かれていると、私は思うわけでございます。したがいまして、やはり一つの慣行というものをつくることが必要ではないか。その面に立って考えてみた場合でも、日本がイニシアチブをとりながら、せっかくいまあっせんの可能性があると、また十分それは考えられることであると申されましたけれども、むしろただそれだけのことではなくして、具体的に手をつけられる、積極的に平和への推進をはかるために努力をすることのほうが望ましいんじゃないか。したがいまして、今後政府としてそうしたあっせんが可能だという前提を踏まえまして、これから具体的におやりになるお考えがおありになるのかどうなのか、あわせてお尋ねをしたいと思います。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) これは渋谷君とほんとうに打ちとけた話し合いで、いわゆる質問というよりも、なすべき事柄が、こういう手があるじゃないかと、こういうものがあれば率直にお話をしていただきたいと思うんです。私どものいま申し上げるような基本的な態度では望んでおりますけれど、なかなかそれかと言って力の問題じゃございませんから、われわれの説得の問題でございますから、そういうものがはたして効果をあげ得るかどうか。それには何といっても国際世論を背景にしての発言以外にはわれわれないと、かように実は思っております。幸いにして、国際世論は激化しないように、火を吹かないようにと、かようにみんな望んでおるのですから、そういう方向で努力しようといま言っておるわけであります。しかし、この機会にただ気持ちだけでそういうこと幾ら言っても、具体的に処置がないじゃないかと、こう言われると、残念ながらそういうことが、具体的に何々をするということがなかなか言えない。ここらに私どもも非常なむずかしさというものを感ずるのであります。しかし、お互いに誠意のあることだけ、また平和を望んでおることだけ、その気持ちを理解してもらえば、おそらくわれわれの努力もやはりチャンスをつかみ得るんじゃないかと、私はかように思っております。そういう意味で、何か具体的にこうしたらどうかとか、ああもしたらどうかというようなことがございましたら、これは党の問題もありましょうが、ひとつお話しくださるとたいへんしあわせのように思います。よろしくお願いします。

渋谷邦彦公明党

○渋谷邦彦君 この問題は後に譲ることにいたします。  次に、これはむしろ自民党総裁というお立場でお伺いしたほうがよろしいのかと思いますけれども、先月の末でございますか、伝えられるところによりますと、自民党の総務会におきまして、国連の平和維持機能強化のための決議案というものを超党派でもって成立をはかりたい意向である、こういうようなことが言われております。これは寝耳に水でございますけれども、これはうがって考えますと、最近のいろんな国際情勢の変化に伴いまして、国連軍の参加という名目で自衛隊の海外派兵をする一つの手段にするのではなかろうか、こういうことを非常に心配するわけでございますが、そのために一応の世論形成というものをしながら、そこにくさびを打って、そうしてできればそういう方向へ持っていきたいものだと、こういうふうに判断されるわけでございますけれども、総理は、こうした決議なるものが具体的に討議されたものであるのかどうなのか。もしそうであるとするならば、その意図がどこにあるかということをお尋ねしたいわけでございます。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) 自民党の総裁でもありますから、自民党のやっていることは何でも知っておるはずだ、こう言われても、これは当然だと思いますが、しかし、国会における決議案というもの、決議案を提出する場合には、それぞれ議運で十分その決議案の性格等も話し合うということ。これが普通のやり方だと思っておりますので、各党の協力を得た上でないと、自民党が多数を持っているからこの決議案を出すという、そういう筋のものでないことを御了承いただきたいと思います。私はそういう意味で、まだ私どもの耳に達するまで、ちょっと下部でいろいろの手続をやっているその段階ではないかと思っております。別にそういう決議があったからといっても、私どもは自衛隊が外国へ出かける、そういうことが許されるとは思っておりませんし、またそれとは別でございますから、この派兵の問題と関連をして、そこまで気をおつかいにならなくて、決議案はひとつ国会のそれぞれの機関で十二分にその決議案の意図するところ、適否を御協議願いたいと、かように私は思います。

渋谷邦彦公明党

○渋谷邦彦君 これも衆議院の予算委員会等において、しばしば論議が繰り返されてきた点でございますけれども、ただいまの総理の御答弁であれば杞憂に終わるであろうと、こう推測をいたします。ただ昨年の国連大使、鶴岡大使でございましたかの発言等を伺っておりましても、あるいは自衛隊法の一部を改正するような方向に持っていくんではないかというような印象を受けるわけです。文字をいじくって、派遣ならばよろしい、派兵はまずいけれども、派遣はよろしいんだ、これは憲法違反にならないんだと。ついでながらお伺いするわけでございますが、重ねてこの際明確なひとつ御方針をお示しいただきたい、こう思うんでございます。

宮澤喜一自由民主党通商産業大臣・外務大臣臨時代理

○国務大臣(宮澤喜一君) 政府にはそういう意図はございません。

高辻正巳内閣法制局長官

○政府委員(高辻正巳君) お答え申し上げますが、まず最初に朝鮮国連軍、いわゆる朝鮮国連軍との関係につきましては、政府は実は従来からしばしばお答えを申し上げております。私の記憶でも、ちょうど一年前の四十四年の三月だったと思いますが、多田省吾委員の御質疑に対して答えた覚えがございます。要するに武力攻撃を撃退するというようなたぐいのものに自衛隊を派遣して、これに参加をさせるということは、ただいまの御指摘の中では自衛隊法だけの改正の問題としておっしゃいましたけれども、わが憲法の許容するところではないと思うというお答えをいたしておりますので、その点はそれで御了承願いたいと思います。  それから一般問題として、派兵と派遣とを区別して何か説明をしているようにおっしゃっておられるわけでありますが、その感じはよくわかるわけでございますけれども、当の当局である私どもとしましては、わざわざ派兵はいけない、派遣はいいというようなことでお話をした記憶はございません。ただ、そのことばから出てまいりますように、武力の行使、兵力の使用をもって平和維持一破壊された平和を回復するということも広い意味では平和の維持になるかもしれませんけれども、ともかくもそこに武力の行使、兵力の使用というものによって目的を達成するものである限りは、平和主義を基調とするわが憲法が、他国の領域においてそういうことをわが国が当たるということは、憲法上大いに問題がある。ただ、そういう武力の行使や兵力の使用とおよそ無関係な部分について、国際的にお役に立つというようなことがあれば、むろん政策上の問題は別でございます——政策上の問題は大いにあるかもしれませんが、憲法九条というものが直接に顔を出す問題ではないだろうというのが、きわめて大ざっぱに申し上げて、いままでの政府の考え方でございます。

渋谷邦彦公明党

○渋谷邦彦君 その議論はその程度にいたしまして、次に、沖繩の問題について少々お尋ねをしたいわけでありますが、一九七二年に沖繩の復帰が決定いたしたわけでございますけれども、非常に問題が多過ぎる。これは総理御自身も十二分に御承知置きだと思います。基地の縮小問題あるいはB52の問題、こうしたこともしきりに議論された焦点でございました。そこで、復帰後において考えてみた場合に、はたしてどういうような経過をたどって沖繩県民の要望するような、あるいは日本国民の要望するような方向に向かうであろうかということでありますが、私自身も沖繩へ参りました際に、高等弁務官の言明を聞くにつれて、沖繩の基地の存在価値あるいはその兵力、装備というものは、特にB52について申し上げるならば、その必要がなくなった際には撤退をする、十二分に考えている、こういう答弁が常にはね返ってきたことを記憶しております。しかし、はたしてその必要がなくなったというのは、どういうことをもって言うのかということが非常に心配になるわけでございます。こうした点について、特に防衛庁においてはどのように今後の推移を考えながら、そうした点の判断というものをお持ちになっていらっしゃるのか、お聞かせをいただきたいと、こう思います。

中曽根康弘自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(中曽根康弘君) 総理府総務長官等とよく連絡をいたしまして、議会が終わりましたら米軍当局ともいろいろ協議を重ねて、アメリカ側が沖繩をどういうふうに評価し、どういうふうに将来使いたがっているかという要望も聞き、当方の判断も加え、相互協議しながら、できるだけすみやかに日本側の管理に移す便宜を整えてまいりたいと思います。そうして、やはり地元の住民のいろいろな御要望もございますから、長い間御苦労なすった地元の住民たちの皆さんの御要望をできるだけ達成するように努力してまいりたいとも思っております。

渋谷邦彦公明党

○渋谷邦彦君 少なくとも、この問題につきましては、いま突然に起こった問題ではございません。もうしばしば、やはり指摘されてきております問題だけに、当然防衛庁といたしましても、返還がきまった現在におきまして、何らかの詰めというものを今日までおやりになってきていらっしゃるんじゃないか、こういうふうに考えたからいま申し上げたわけであります。近く国会が終わってからという、その具体的な御方針をいま明らかにされたわけでございますが、私自身が考えられる点は三つないし四つあるのではないか、こういうふうに思うわけでございます。  一つは、先ほども総理にお尋ねした中にございますように、インドシナ半島が依然として危機をはらんでいる。やはりそのためには沖繩がキーストーン的な役割りを果たす必要性、価値というものは今後も続くであろうと。したがって、将来ともB52を含む有力な装備については撤退をすることは考えられないと、こういうふうな判断が一つあるのではないか、こう思いますけれども、長官がその話し合いにいかれる前に、長官御自身の御見解というものがおありになるんだろうと私は思いますが、まず、この点からお尋ねをしてまいりたいと思います。

中曽根康弘自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(中曽根康弘君) 沖繩が正式に復帰いたしますれば、当然安保条約がかぶるわけでございますから、本土の一部として日本の自衛隊が沖繩を守ることは当然のことであると同時に、また一面におきましては、安保条約の諸条項のもとに沖繩というものの取り扱いも考えなければならぬと思っております。そういう意味におきまして、アメリカ当局ともよく協議をいたしまして、お互い遺漏のないように手当てをしてまいりたいと思います。

渋谷邦彦公明党

○渋谷邦彦君 第二点は、これはあくまでも想定から発する質問でございますので、あるいは具体性に乏しいと言われるかもしれませんけれども、米国が絶えず、先ほども申し述べましたように、必要と認めるか認めないかというこの判断が非常に重要だという観点から申し上げておるわけでございますが、中国の脅威というものが、これまた繰り返し論議されてきたわけでございます。おそらく核開発についても、かつてのマクナマラ長官が、もう現在の時点において、おそらくあの当時ですから、現在の時点においては有力な水爆を保有しているだろうというふうにも想像されるわけでございますけれども、こうした脅威というものについて、やはり米国側はそういうことも判断の一つに組み入れているというふうに防衛庁のほうでは判断されておりましょうか。

中曽根康弘自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(中曽根康弘君) 沖繩の問題に関しまして、そういう話し合いをしたことはございませんけれども、日本の安全保障に関しましては、当然そういう条件も一つの条件として入ってくるだろうと思います。

渋谷邦彦公明党

○渋谷邦彦君 それから、最近伝えられております中に、すでに米軍が撤退した基地があるそうでございます。七カ所、いままで使っておった軍事訓練場であるとか、あるいはナイキ基地というものが七カ所あるそうでありますが、いわゆる沖繩復帰以前において、自衛隊がそこに進駐する可能性が十二分にあるというようなことが取りざたされ、沖繩県民に強い抵抗意識があらわれているというようなことがございますが、この点はいかがでございましょうか。

中曽根康弘自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(中曽根康弘君) 沖繩が復帰する以前に自衛隊が派遣されるということはないと思います。

渋谷邦彦公明党

○渋谷邦彦君 当然、この復帰後におきまして、自衛隊がどういう形であるいは米軍の肩がわりをするかわかりませんけれども、現在防衛庁として想定されている中に、装備あるいは兵力、兵力ということばが妥当であるかどうかは別といたしましても、もうすでに計画もある程度立っていらっしゃるのじゃないか、こういうふうに想像されるわけでございますが、いずれにしても、戦略的に見てあるいは軍事的に見て、復帰が終わったという時点においても依然としてその意味の大きいことにおいては変わりがないというふうに思われるわけでございます。そうした場合に、はたして米軍がどの程度の撤退をするか、あるいは装備その他の撤去をするかわかりませんけれども、それに見合うだけのものをやはり米国側から要求される。その要求された場合にどういうふうに対処されていくか。またそういう要求があったとしても、実際に自衛隊の現状としてはこの程度のことしかできない、この程度のことならば復帰後において沖繩に進駐することは十分にあり得ると、こういう点はいかがでしょう。

中曽根康弘自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(中曽根康弘君) もちろん協議の際は、日本側の自主的判断に基づきまして日本側の考えを述べ、先方とも調整してまいるつもりであります。

渋谷邦彦公明党

○渋谷邦彦君 次に、去る十四日の予算委員会分科会で中曽根長官は、わが党の矢追議員の発言に対して、原子力潜水艦の保有はあり得るということを述べられたのでございますが、むしろあり得るということよりも一歩前進して、すでに計画の段階に入っているんじゃないかと、こんなふうに受け取れたわけでございます。あるいはまた四次防、五次防の中に、すでにその計画というものを組み入れているのではないかというふうにも思える節がございます。この点はいかがでございますか。

中曽根康弘自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(中曽根康弘君) そういう計画はございません。正確にあのときの発言をふえんして申し上げますと、私はあのときの原子力基本法の提案者の一人として、国会におきまして提案趣旨の説明を申し上げました。その中で申しましたのは、原子力を軍事的に利用するということは、原子力の持っておる爆発力あるいは放射能というようなものを、人間の殺傷あるいは破壊等のために直接的に使うということを意味します。原子力の平和利用の結果、たとえば、いい鉄板ができるとか、あるいはそのほかのものができて、それを間接的に装甲板に使うとか、あるいは鉄砲に使うというような場合、あるいは原子力発電を平和利用として完成した場合に、その電気を自衛隊が使うというような場合、あるいは原子力の動力が一般化して商船その他が普通に原子力を動力として使われるという場合には、その場合にはそれはその恩沢を日本の防衛庁において使うということもそれは考えられる。それまでは否定していない。そういう意味において、将来原子力推進による船舶というものが一般化した場合には、自衛隊もその場合には考慮していいと思っておる。ただし、それは今日使うとか、計画するとかということではございません。そういう意味のことを申し上げたのでございます。

渋谷邦彦公明党

○渋谷邦彦君 さらに原子力潜水艦の今後の建造ということについて明確になったわけでありますが、ただいまお述べになりました、原子力基本法というものについて抵触しないと、またその当時、長官が提案者の一人であったというお話がございましたが、防衛庁内部においても、もしこれが実現化された場合に、原子力基本法に触れるという、そういう意見の対立があるやに聞いておりますけれども、その点いかだでございましょう。

中曽根康弘自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(中曽根康弘君) 意見の対立はございません。なおまた、科学技術庁長官及び法制局長官とも、ただいま私が申し上げたような考えにおいて一致しております。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 関連。いまの問題について、特にこの間も分科会で申し上げましたけれども、自衛隊で船をつくる、そこに原子炉を置く場合に、公開という問題が、特に民主的な運営という面がやはり非常に問題になってくると思います。で、自衛隊の機密保護という規則が訓令として出ておりますけれども、そういう自衛隊の機密保護の問題と、それからいまの原子力基本法にある公開という問題とはどういう関係になっていますか。基本法があくまでも重視されるのか。それとも、自衛隊の場合には、機密保護という点で、原子炉をつくる場合、いろいろな危険もありますし、それから査察の問題等も出てきますから、この点はどうなっておるか。それが一点。  具体的計画がないと言われましたけれども、現在の政府のとっておられる自衛隊の性格の上からいって、はたして原子力潜水艦が必要なのかどうか。それから現在、ほとんどアメリカの原子力潜水艦でも現在サブロックを積んでいないような潜水艦はないといわれております。特にスレッシャー型からあとは全部サブロックがあると、こういうふうにもいわれておるわけであります。したがって、もし原子力潜水艦の建造ということが計画されるならば、当然サブロックをつけるということが含まれているような気がします。それは非核三原則の上からはできない。また、日本の防衛の範囲内ではたして原子力潜水艦というものが必要なのかどうか。もしそれが計画されているとすれば、私はかなり長い距離を航行するということで海外派兵というような問題も出てくるのじゃないか、こういうような疑念を持たざるを得ないのですが、この二点について明快な答弁を承りたいと思います。

中曽根康弘自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(中曽根康弘君) 自衛隊法ないし防衛庁設置法と原子力基本法との関係につきましては、正確に法制局長官から御答弁願いたいと思いますが、私の感じでは、原子力基本法が優先すべきものであると考えます。  それから第二に、原子力潜水艦の使用及び公開等との関係でございますが、これは原子力基本法をつくりましたときにも、商業上の機密、パテント、そういうものについては一般の商業規範に従う、そういうような解釈であったと思っております。それから将来原子力商船というものが普遍化して、それが普通に使われるようになりました場合に、日本が船を護衛するという場合に、原子力商船に追いつかないような潜水艦では、あるいは海上艦艇では、これは問題にならぬと私は思うのです。やっぱり皆さんが自動車に乗るときは、こっちも自動車に乗って——自転車で追いかけるというのでは、これでは防衛の目的も達せぬと思うのです。そういう意味で、平和利用が普遍化して、その平和利用の副産物として、あるいは主産物として出てきたものを使うという意味においては、私は許されるのではないかと思っております。いまのようなそういう普遍化した段階におきましては、やはり私は商船と同じ並みのレベルに持っていく必要がある、こういうように考えます。

高辻正巳内閣法制局長官

○政府委員(高辻正巳君) 私、ただいまそこで伺っておりましたが、前の中曽根大臣が御答弁になったのは、新聞で拝見して、正確には存じませんが、先ほどおっしゃいましたように、原子力基本法との法理論上の問題について御答弁になったのじゃないかと思うわけです。私ども、しばしば理論上の問題が政策上の問題にすぐとられまして、私なんかはしばしば閉口することがあるわけでございますが、そういう意味で、たとえば、原子力潜水艦に推進力として利用するということを現実にただいま考えられているわけではないと思うのでございます。それは私どもがそういう場合についての法律上の問題について御相談を受けたことがいまだかってないわけです。おそらく原子力基本法と秘密保持の訓令との関係いかんというお尋ねでございますが、おそらく推進力に原子力を利用するという場合には、そういう問題もおそらく一つの問題として研究をしなければならぬと思いますけれども、いずれにしても、その場合に勝つのは原子力基本法の法律であることは申すまでもないことでございます。その場合に、はたして現実にはどうするかということはもう少し問題が現実化したときに私どもじっくりと考えてみたいと思っております。  それから基本法の問題でございますけれども、中曽根国務大臣が前に原子力基本法の制定に際して大きな役割りを演じられましたが、その際のお考えもさることながら、いまから五年前、昭和四十年でございますが、衆議院の科学技術特別委員会で、当時の愛知長官が政府のいわゆる統一見解として、全く中曽根大臣がおっしゃったとおりの答弁ができておりますので、御参考のために申し上げます。  それは言うまでもなく、その当時は、私どもよく覚えておりますが、殺傷力、破壊力として用いるものではない、単なる動力として使うならかまわぬではないかという議論が一方にはございました。私どもの部内でもございました。しかしやはり、そうであっても、原子力の特異性というものを軍事用に使うということは間違いがないから、やはり殺傷力、破壊力に使うものでなくても、それが推進力として一般化した場合でなければ、特異性を非平和的に利用するというそしりは免れないだろう。したがって、原子力基本法でこれを許すということは言うべきではないというので、非常にそこは渋いほうが勝ったような状況で、五年前に申し上げ、あるいは中曽根大臣が先日申し上げたとおりに、一般化しない状況のもとでそれを潜水艦に使うというのは、原子力基本法に抵触する。同時にそれが、原子力利用が一般化する、推進力として使うということが一般化するという場合には、自衛艦だけが旧式の推進力でなければならぬということはないだろう。一般化したものに従ってやっても、それは殺傷力、破壊力に用いられるのではないから、厚子力基本法に違反するとまでいうことはあるまいというような結論になって、統一見解としてお話を申し上げたことがございます。要するに、これは政府の見解としてはりっぱにでき上がって、すでに皆さまにも統一見解としてお示ししたことであることをつけ加えておきます。

堀本宜実自由民主党

○委員長(堀本宜実君) 渋谷君の質疑の途中でありますが、午後一時再開することといたしまして、これにて休憩をいたします。    午後零時二十一分休憩      —————・—————    午後一時六分開会

堀本宜実自由民主党

○委員長(堀本宜実君) ただいまから予算委員会を再開いたします。  午前に引き続き渋谷君の質疑を行ないます。渋谷君。

渋谷邦彦公明党

○渋谷邦彦君 先ほど沖繩問題について触れましたが、引き続きお尋ねをしたいのでありますが、申すまでもなく、沖繩復帰についてはたくさんの問題があり過ぎる。とりわけ経済振興について、いわゆる産業開発等においてはもうたいへんなものがある。今後財政措置にしても何にしても、たいへんなものがあることは当然でございます。こまかいことはさておきまして、先般経済視察団が沖繩に参りまして、いろんな角度から今後の沖繩経済の振興について調査をされてこられたようでありますが、この調査内容というものは非常に克明にわたり、また相当政府としても前向きでお取り上げになる、あるいは行政指導をなさるべき問題点がおありになるんではなかろうかと、こう思いますが、まず総括的でけっこうでございます、こまかいことまでお触れになる必要はございませんから、この点についての政府の見解をお示しいただきたい。総務長官にお願いいたします。

山中貞則自由民主党総理府総務長官

○国務大臣(山中貞則君) 先般、通産省の嘱託の立場をもちまして、沖繩経済についての現地視察団を派遣いたしました結果は、ただいまお話しのとおりの詳細な内容でございました。さらに、政府側に対しまして十数点の要望等もつけ加えられておったわけでございますが、私も直接それらの視察団の方々全員と二時間ほど意見交換をいたしまして、その結果、松下電器産業が具体的に進出を決定をいたした。さらに、アルミ産業界におきましては、独自の視察団を四月の十五日に、ただいま派遣中でございますが、現地にやりまして、その結果、アルミとしては三カ月以内に進出をするかしないかを含めて決定をすると。さらに、鉄鋼その他につきましては、現地産業と競合しない範囲の企業において、六カ月以内にその態度を決定するということでございました。しかしながら、その前提に、政府のほうに、輸銀の四%金利の適用とか、あるいは法人税、これは地方税でありますが、事業税、固定資産税等の免除をしてくれとか、いろいろの要望もございましたけれども、私の心がまえとしては、現地沖繩の人々の立場から考えますと、資本の制限もなく、あるいはそのような税制上の恩典、金融上の恩典等を要求することもなく、外資が進出したいという目の前に現実の事態が起こっておりまするだけに、やはり一義的に本土の産業界の人々が沖繩に出る決意——出るならば、その出るという企業に対して国のほうで何をしてあげられるかという、受ける立場に立ちたいと考えておりまして、それらの産業界の方々に私の気持ちを伝えまして、すみやかに沖繩に対して態度を決定してほしい、それが本土産業の義務であるということを申し上げている次第でございます。進出産業が決定をいたしますれば、それに対しまして、どの企業ということでなく、進出企業ということに対して、政府のできるだけの援助、恩典を考えてみたいと思います。

渋谷邦彦公明党

○渋谷邦彦君 各企業間においても相当積極的に意欲を燃やし始めているということは好ましいことだと思いますが、とりわけ基地経済というものを背景として沖繩の経済が成り立ってきたという背景がありますだけに、その収拾というものもたいへんではなかろうか、また一方においてはたいへん困難な面もある、このように判断されるわけでございます。特に第三次産業については、全島の平均が五〇・五%、その中でも那覇であるとかあるいはコザに例をとって見た場合には、何と八六・六%というのが第三次産業の実態であるということが報告されております。第一次産業の開発あるいは第二次産業の振興ということに相当強力な措置が講じられませんと、やはりゆがんだままの形態でこれからも進むのではないかということをおもんばかると同時に、むしろ復帰前に摩擦混乱というものを起こさないためにも、次善の策というものがとられていかなければならないように思うわけであります。特に、総務長官も御存じのとおり、那覇あるいはコザにおいてはAサイン業者という特殊な立場に立つ方々がたくさんおるわけでございますが、これらの人たちの要望をまとめてみますと、すぐにでもあるいは第一次産業、第二次産業に切りかえたいけれども、いままで投資した金額の回収というものがつかないし、またはたしてそれがつくものかどうかというたいへんな不安がある。せめて政府としてそういう面に配慮をしていただくならば、われわれとしてはもう喜んでそういう面の産業開発に従事したいものだという希望があるわけでございます。政府といたしまして、こうした真剣な意向というものにどのように対応されていかれるのか、この点をお伺いしたいと思います。

山中貞則自由民主党総理府総務長官

○国務大臣(山中貞則君) 沖繩全体の所得のウエートが、三次産業において七〇%、従事者数において五〇%を占めており、那覇、コザにおいては八〇%近いものが三次産業従事者であることも、お話のとおりでございます。しかもこの形態が、基地依存形態という傾向が非常に強いということと、いま一つは、観光関税——特殊な観光のための税制というものにささえられたショッピングに関する産業従事者が多い、このことが非常に特色づけられておると考えます。そこで、これらの三次産業の人々の長い間の産業形態でございますから、これを一挙に一次産業、二次産業にということも非常に困難であります。そこで、でき得るならば、三次産業の形態のままで長年やりなれた業種の形、形態の大きなジャンルの中で、ワクの中で転業ができたらば一番いいことであろうし、あるいはまたそのままの形態で営業が続けられ、所得が維持向上できるという見通しが立てられることが一番必要なことであろうと考えます。しかしながら、Aサイン業者等につきましては、その背景に一応現在のアメリカの民政府の布令なりあるいは現在あります沖繩琉球政府の中の既存の婦女の売春等に関する法律がありますものの、そのような法律をくぐりましての形態が根を張っておることは、これは周知の事実であります。そこで、沖繩におきましては、いま立法院に主席のほうより立法勧告をいたしておる売春防止法、すなわち本土の売春防止法とほとんど同じ内容でございますが、これ等の成立をはかっていただくように相談をいたしておりますけれども、これ等の成立がはかられまする際は、琉球政府自体で、転業等についてどのような資金を必要とし、あるいはまた従事者、従業婦と申しますか、それらの方々の更生、そういうものに対してどのようなごめんどうを見て差し上げる必要があるか、対応する琉球政府の措置に対しわれわれは援助を惜しまないつもりでございますが、それらの特殊な問題をひっくるめまして、第三次産業をどのようにするかというのは、沖繩のこれからの経済政策の大きなポイントであろうと考えます。今後なるべく早くこのような方向に向かうであろうということを示すことが現地の雇用需要の喚起にもつながるわけでありますので、先ほど申し上げました本土企業の進出による直接雇用、間接雇用、関連需要の喚起と相まって、既存の人々の営業というものを、所得というものを守ってあげたいと考えておる次第でございます。

渋谷邦彦公明党

○渋谷邦彦君 こまかくは次の機会に譲りたいと思います。  続いて、物価問題につきまして、総理をはじめ各関係閣僚の方々にお尋ねをしたいと思います。午前中の質疑応答の中でもございましたように、先ごろ物価安定のためのいろいろな提言がなされております。行政介入と物価についてまさに刮目に値するものもございましょう。先ほど御答弁を伺っておりますと、前向きで努力をするという意味のものでございました。ところが、さかのぼって考えてみますと、物価問題懇談会以来、さまざまな形で現在の物価安定に資するための提言が繰り返しなされてきたわけでございますけれども、どうやらそのつどはね返ってくる政府の答弁は、努力をする、検討をするということで、おそらくはほとんど具体的に実施の段階に移されたものはなかったのではないかという印象を受けるわけでございます。総理御自身、物価安定ということについてはたいへん熱意を持って取り組まれる、これはもう総理に御就任なさってからの一貫した方針であるというふうに伺っておりますけれども、それだけにやはり具体化するものがなければ何にもならない。国民の眼はそこに注がれていると、こういうふうに思うわけでございますけれども、あるいはダブる質問かもしれませんが、再確認の意味を込めて、総理に、今回出された行政介入と物価問題等を軸にして従来行なわれてきた提言というものとどういうふうに取り組まれたのか、またこれからどう取り組んでいくのか、そうしてどういう時点においてこれを具体化するのかということについて、総理及び経企長官にお尋ねをしたいと思います。

佐藤一郎自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(佐藤一郎君) 御指摘のように、物価問題については、ただいまの物価安定政策会議、あるいはまたその前身である推進会議、あるいは懇談会、各種の提言をいただいております。ただいま渋谷さんがおっしゃいました点も、私もわかるような気がするのですが、そうした提言についても、政府といたしましては、私も実績を振り返ってみまして、相当やってはいるというふうに私は感じました。ただ、その後の実績が、遺憾ながら物価が上昇してまいる。そういうことと照らし合わせてみて、やってないのじゃないかという感じがお強いと思うのでありますが、米価の据え置き、あるいは土地問題につきましても、公示制度の問題にしましても、いわゆる土地利用計画の確定ということで計画法の改正にしましても、一つ一つ取り上げてまいりますと、ずいぶん項目的にはやっておるのです。あるいはまた、低生産性部門の生産性上昇ということで、予算措置を含めまして、いろいろやっておるように思うのですが、何分にも今日の物価問題というものが経済構造に深く根ざすむずかしさを持っておるという一面があると思います。そういう意味におきまして、従来相当提言についても行なっておるにもかかわらず、率直に申し上げまして、全体として十分な効果があがっておらない、そういうことでいよいよ物価問題のむずかしい段階にさしかかってまいりました。私たちも、今後、そうした過去の経験に照らしまして、十分そうしたことを考えながら、今後さらにさらにこの物価政策を集中的に努力をしてまいりたい、こういうふうに考えております。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) 経済企画庁長官からただいまお答えしたとおりですが、政府が努力しないわけでもないけれども、成果があがらなければ努力をしたとは言えない、これはもうそのとおりです。これは国民の皆さんから見れば、とにかく弁解がましいことを聞くよりも、現実に下げてくれる、安い物価、それを要望しておると思います。まあ、一つだけ、いま生産者にはずいぶん迷惑をかけておりますが、米の生産者米価、あるいは消費者米価、その水準を維持しているということ、これだけはもう実効をあげておる。しかしながら、そのために生産者にもずいぶん迷惑をかけておる、ここらにまあ一つの問題があると思います。今度は消費者の立場じゃなしに生産者の立場も考えなければならぬ、こういうような入り組んだ事柄が起こるわけです。そこで、まず景気の問題、経済成長の段階におきまして、ともすると心がゆるむと、ただいまのような物価上昇を来たす。しかし、生産性の向上、経済拡大に伴う生産性の向上というものを、これを最終受益者である消費者の利益に還元するという、そういうことに考えますと、物価はもっと下がっていくべきだ、そのことを考えざるを得ないのであります。また、そういう方向で私も努力をしておりますが、いまや国内経済だけでなしに、国際的な影響もありますので、そこらの関係はたいへんむずかしいことになっております。国際的なことは二の次におきましても、国内的の関係において一般にいわれるのは、総需要というものと需給の調整をはかることだ。経済成長は、これは適度にすること、あまり過熱状況を起こさないようにして、適度の経済成長を保ちつつ需給の調整がはかれないか、これがいままでもいつも議論をされ、大まかにはいわれてきて、国内の設備投資の抑制の方策をいろいろとってきている。これは金融措置であり、あるいはまた予算ができ上がりましても、財政的にもこれの使い方についてそのときの状況において私どもが目を光らせて十分効果があがるようにしなければならぬ、そういうような需給の調整、これを内需の立場ばかりじゃなく、同時に外需をも加えて、やはり調整をはかっていかなければならぬ、かように思っております。ところで、経済をささえておるものに価格の問題もありますが、もう一つは、労働力の問題がある。ただいまのような日本経済の成長下において一番困っておるのは、労働力の不足だ。また、そういう労働力が不足はしておるが、産業部門によっては中小企業、これはある程度体質は改善されましたけれども、なお大企業に比べれば生産性は低い、あるいは農業部門等においては生産性は低い。その生産性を高めない限り、労働力不足に対処することはなかなかできないような状況であります。そういうことを考えると、なおさらいわゆる賃金のアップに対する対策というもの、需要に対する対策、これも講ぜざるを得ない。ここらに私どもがこまかな注意もいたしますが、同時に、大筋というものでどういうような方向でいくかというと、積極的な国民の協力を求めるという点においては、ただいまのような経済成長そのものについても適正な規模であるとか、また、ただいまのように産業部門のそれぞれの生産性の違っておる際に、やはり一律の高賃金、それはなかなか実現しにくいのであります。だから、そういう意味で生産性の高い部門においても賃金アップについては十分気をつけて理解ある措置をとっていただきたい、他の部門とも均衡をとっていただきたい、こういうことを考えざるを得ないのであります。私どもいろいろそれぞれの各省の、きょう鈴木君から各省の対策について具体的に聞かれました。ただいま申し上げるような基本的な態度の上にこまかな注意が必要である、それを一つ一つ各省でやっていく、それこそ政府自身がそういう意味ではこの問題と積極的に取り組む、足並みをそろえてかかる、そうして国民の協力を得る、また、できますることならば、さらに地方公共団体等の協力も得て、そうしてほんとうにこの物価問題がたいへんなんだ、お互いに賃金はアップしても名目賃金のアップに終わった、こういうことのないように、どうしても適正な物価、これを維持する、その努力が払われないと、賃金アップということが意味をなさなくなる、かように私は思いますので、それらの点についても積極的な協力を得たい。それには何よりも政府の施策が一つでも二つでも実現をして、そうしてそれが実効をあげるということでなければならない。ところが、物価の関連性から申しまして、普遍性とでも申しますか、一つのものが高いと、それに大体右へならえする、賃金が上がるとやはり右へならえする、生産性がどうあろうとも。これらのところに問題があるように思います。私どもはこれは政府の責任であると同時に、国民の皆さんもたいへんお困りのことですから、積極的な協力を得るように政府が音頭をとることが必要だろう、かように思って、各種の審議会等の答申も忠実にこれと取り組んでいく、その姿勢で前向きに、国会が終了すれば、さっそくそういう方向で一歩一歩踏み出していきたい、かように私ども考えております。

渋谷邦彦公明党

○渋谷邦彦君 たいへん意欲的な総理の御決意でございます。にもかかわらず、どうも実効があがっていない。先ほど経企長官は、経済機構の複雑さというものによって残念ながらその成果をあげ得ることができなかった、決して努力をしていないわけではない。しかし、いま総理がお答えになりましたように、たとえ一つでも二つでも、施策の上で実効をあげていきたいということにはまだほど遠いものがあるのじゃないかというふうにも考えられるわけでございます。ならば、その見通しが甘かったのか、あるいはその分析のしかたに誤まりがあったのか、この辺はいかがでございましょうか。一つ一つは伺いません、総体的に。

佐藤一郎自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(佐藤一郎君) いま御指摘になりました、われわれとしても、たとえば、現在、今度新しい計画になりましたが、前の五カ年計画というものがございまして、あのときにも非常に意欲的な目標を掲げまして、まあ最終年次には三%ぐらいには持っていきたい、そういう気持ちでもって計画を作成したわけであります。ところが、これは計画は物価だけでございません。経済成長その他全体のバランスをとって総合的に作成しておるわけでございますが、どうも従来の計画等が実績としばしば相当乖離する結果になっております。国際貿易に対する依存度の高い日本経済でありますし、しかも、潜在成長率の特別に高い国であるというような特別の条件もありまして、しばしば乖離しております。そうして、その一環としてやはり物価の目標というものに狂いがきました。これにつきましては、いま御指摘のように、いささか甘い点もなきにしもあらずであると私も思います。問題は非常にむずかしいわけでございます。そうした点をわれわれも今後十分に考えてやらなければならない、そういうことで今回の新しい計画を作成するに際しましても、たとえば成長率について前回よりもややむしろ高目になっておりますけれども、日本の潜在成長力というものをもっと高く評価する、その上に立って、しかも物価と成長をいかにして両立させるかということで、今回はまあ四・四%の平均でありますけれども、最終年度には三%台にとにかく持っていきたいというようなことで、今日のそうしたむずかしさも十分考えた上で目標も立てまして、そうしてそれに向かって努力をしてまいりたい、こういうふうな感じでおります。

渋谷邦彦公明党

○渋谷邦彦君 経企庁は各省にまたがるいろんな物価問題の分析等もおやりになるはずでございます。けれども、実際にはその機能を発揮できていない。経企庁には勧告権もなければ調査権もない、ただ寄せられた資料のみに基づいて分析する以外にはない。いろんな動態の研究とか何とか、それは時に応じてはおやりになっていらっしゃるでしょうけれども、そういったところにも不備な問題があるんではないか。そうしたことを踏まえて、せかっくこれから物価安定の対策をお立てになるというときに、物価対策総合基本法というような方向に考え方をまとめていかれる御方針をお持ちになっていらっしゃらないかどうか、これは総理にもお伺いしたいと思うんです。

佐藤一郎自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(佐藤一郎君) まあ物価対策基本法のその中身が私は問題だろうと思います。どういう具体的な内容を頭に置いての御質問でありますか、私もわかりませんが、目下そういう対策基本法というものを早急に制定をするという計画は持っておりません。ただ、御存じのように各省にわたる問題でございます。そこで、御存じの物価対策閣僚協議会と、その他、それと調子を合わせました各種の会議その他の機構というものを十分フルに活用いたしまして、そうしてただいま御指摘のような点について遺憾のないように運営をしてまいりたい、それでもってとにかくやってみる、こういう決意でおるわけであります。

渋谷邦彦公明党

○渋谷邦彦君 先ほど出されましたこの提言についての、政府としての結論はいつごろお出しになる御予定ですか。

佐藤一郎自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(佐藤一郎君) 私たち、いま申し上げました物価対策閣僚協議会等を中心に、早急にこの物価対策を点検し、そうして新しい角度から物価の総合的な対策を立てたいと思っておりますが、その際に、いわゆる行政介入について最近出されました物価安定政策会議の提言も十分に取り入れてまいりたい。まあ五月中には形のあるものにしたいと思っています。なお間に合わないものがございましたら引き続きさらに検討いたしましてやってまいりたいと、こういうふうに考えております。

渋谷邦彦公明党

○渋谷邦彦君 そうしますと、具体的なめどはまだおつけにならないわけでございましょうか。いま国民が一番、どの時点で政府の強力な施策ができるんであろうかということを待ち望んでるわけですね。

佐藤一郎自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(佐藤一郎君) 非常に提言には示唆に富んだものが多いので、私たちも大いに参考にしたいと思っております。ただ、提言の中身を読んでいただきますとわかりますように、相当、事は制度に関係するものもございます。そういう意味で、すぐ結論の出るものと、それからあるいはさらに検討を進めなければならないものと、いろいろあると思います。そういう意味で私はいま二段に分けて申し上げたんでございます。できるだけわれわれとしてもすみやかに結論を得たい。そういう意味で五月にまずやってみたい、そうしてさらに追いかけて、逐次結論を出してまいりたい。物価問題はわれわれの経済にとっては日常の問題でございますから、いつやっていつが終わりだという問題ではないと思います。できるだけひとつわれわれとして検討を深くいたしまして、しかもすみやかに結論を出したい、そういう気持ちでおります。

渋谷邦彦公明党

○渋谷邦彦君 特に食料品についてはどうですか。

佐藤一郎自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(佐藤一郎君) これは食料品も範囲が広うございますが、その中でもって、問題になっているようなものについて、五月までに結論を出したいと思っているものもございます。生鮮食料品等につきましては、実は相当精密な追跡調査を現在物価安定政策会議の下部機構である研究会で、これを専門的に実施しております。これの提言が五月末か、たぶん六月ごろに出ると思います。そうした分につきましてはまた新しい提言を待って、さらに追加していきたいと、こういうふうに考えております。

渋谷邦彦公明党

○渋谷邦彦君 現在国民が多大の関心を持っております生鮮食料品、とりわけ野菜の問題、これもいままで何回となく議論されてきたと思いますが、野菜の高騰については、農林大臣がおっしゃられたという話でございますけれども、冬の約五十日間にわたる異常乾燥が原因である、また、春野菜と冬野菜の端境期のときにそういう天候異変があった、したがって、品不足となって高値を呼んでいると。こういうふうなことでは、やはり国民の食生活というものを確保するなんということは、何か取ってつけたような感じをぬぐい切れないでもない。ならば、四十一年に制定されました野菜生産出荷安定法というのはどういうふうに運用されているのかということでございますが、この辺はいかがでございましょう。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(倉石忠雄君) 野菜につきましては、いまお話のように、私どもといたしましてもいろいろ調査してみましたが、やはり冬野菜の出回りが悪かったのは、いまお話のように寒波、それから五十日あまりの日照り等の結果、出荷が非常に悪かった。その証拠には、最近になりまして春野菜がどんどん出るようになりまして、大根はやや停滞しておりますが、ほかのものはほとんど日に日に低落をしております。しかし、私どもといたしましても、やっぱり野菜を安定的に供給するために、さらに努力をしなければならないわけでございますが、いまお尋ねになりました出荷安定法、これは需給を、長期的に見ますと三十五年から四十年にかけて需要の伸びに、供給が追いつきませんでしたために、価格も急上昇いたしまして、野菜の消費者価格は約二倍になりました。そこで、野菜生産出荷安定法に基づきまして、毎年、野菜指定産地をつくって、四十五年度予算では六百十一カ所に増加いたしまして、それで大きな消費地に対して特段の配給の手配をいたしまして、運用がきわめてうまくいってまいっております。そういう動向を反映いたしまして、いまは野菜価格は、長期的に見ますというと大体安定の傾向になっておりまして、たとえば四十四年の消費者物価総指数は、一番大消費地であります東京都の年平均は、四十年に比べて二割以上上昇いたしましたのに対し、野菜の消費者価格は一割以下の上昇にとどまっております。こういうふうに、この法律の運営は非常に効果をあげておるものだと思うのでありますが、私どもは野菜のことにつきまして、生産地から出回ってまいります、消費者の手に渡る過程における流通機構については、しばしば申し上げておるように、さらに改良しなければならぬと思うんでありますけれども、消費者の教育も必要だということが生産地の大きな声になっておるわけでありまして、ごらんのとおり、このごろはネギでもタマネギでも、昔のように生産されたまま八百屋でそれを買いにこられた主婦に渡るんではなくて、まるで手入れをしてりっぱなきれいなものにいたしております。そのために非常な手数がかかって、消費者価格は上がってきておりますので、私どもといたしましては、生産と流通両面に対してできるだけロスを省いて、実際の消費価格というものを安定的に差し上げるということについてのくふうをしなければならないんではないか、こういうところまでいま努力をしておるわけであります。

渋谷邦彦公明党

○渋谷邦彦君 どうもはっきりしないんですけれども、少なくとも出荷安定法のねらいは暴落、暴騰というものを防ぐ、そういう意味が含まれていたはずだと私思うんです。いまお話のとおり、冷害だとか干ばつが起こったたびごとに野菜の価格の変動があるということは、当然考えられることでございましょう。これはもう農林大臣といたしましても、いろんなふうに専門的に御研究もなさっていらっしゃるから、いまここであえて議論する必要もないかと私思うんです。そんなことはもう当然のことなんでございますが、それに対するいわゆる対策というものが当然とられて私はしかるべきではないかと、こういうふうにすらも思うわけでございます。  それで昭和四十五年度の予算を見ますと、知のとおり野菜が暴落した場合には廃棄処分の費用を計上しておりますね。ところが暴騰した場合にはどういう措置をとるんだと、こういう矛盾が指摘されはしまいかということを心配するわけでございます。この点いかがでございましょう。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(倉石忠雄君) いま御指摘のように来年度予算で四千万円余りの予算を計上いたしまして、暴落の場合に試験的に、これはキャベツだけであります。渋谷さん御存じのように、いまの人間の知識の程度では、キャベツを長期に保管するということはなかなか困難なようであります。産地に行ってみますというと、ちょっと多量にこの生産がされますというと価格が大暴落する。そういうことになりますと、翌年はそれをやっているお百姓がもう捨てて仕事をいたしませんから、非常に増産が多くなって、価格が暴落いたしましたときには、その翌年は生産意欲がなくなってしまって、そして昨年低落いたしたものは翌年には暴騰するというふうな悪循環を繰り返しておるのが今日までの野菜の状況でございます。したがって、キャベツみたいなものにつきましては、今度試験的にやってみますのは、やはり一定の生産意欲を持ってもらうために、外国でもやっておりますシステムを試験的に実行してみようということでありますが、さっき私が申し上げました野菜の価格の暴騰等が、しばしばわれわれが申し上げておるように、いろいろ研究してみましたけれども、長期の干ばつ等によるものであると、こういうことを申し上げたことについてとかくの御批判もあるようでありますけれども、大体ああいう最中でも、施設もの、つまりキュウリ、トマトというものは依然として安く出ておりましたことは、御存じのとおりであります。つまりいままで野ざらしにいたしておりました作物と施設ものとの間に生産がそれだけ違ってきておるということでございまして、したがって、タマネギだとか大根であるとかいうふうなものが施設ものと違って、天候の影響を受けて品薄になりましたので、一時的に高騰いたした。私どもはそういうことがいいというわけでありませんから、将来も十分研究をいたさなければなりません。そういうことのために指定産地におけるいろいろな施策をいたしまして、価格を安定的に供給できるようにということで、いろいろな予算を計上して努力をいたそうとしておるわけであります。

渋谷邦彦公明党

○渋谷邦彦君 もう努力もわっこうですから、具体的にそれが実現の方向へぜひとも向けていただきたい。それも可及的すみやかにとお願いを申し上げたわけですね。  それから輸入の自由化に伴いまして、この価格の調整がはかられるべきじゃないかというふうに思うわけでございます。これは大蔵大臣も関係のありますことでございますから、その辺の御見解を承りたいわけでありますが、これはやはり例をもって申し上げないとまずいと思いますので、その例を申し上げますと、バナナについては現在六〇%の関税がかかっています。これは特に国内のリンゴ業者を保護する、そういう意図があるというふうにいわれております。もちろん業者を保護することも大事でございましょう。けれども、ほとんど多くは消費者であります。やはりこの消費者のことを考えてみた場合、この関税率を下げるわけにはいかないか。それで業者の保護についてはもっと別な面から前向きに解決してあげられる考え方はないのか。こう思うわけでございますが、この点いかがでございましょうか。

福田赳夫自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 輸入の自由化につきましては、政府は一つのスケジュールを持っておるわけであります。これは渋谷さんよく御承知のとおりでありますから申し上げませんが、そのスケジュールを実施するにあたりましても、なるべくこれは私は繰り上げて実施すると、早目に実施する、こういうふうにしたらどうかというふうな見解を持っております。いまのスケジュールは、大体まあ来年末をもって一応の目標にしておりますが、その後に六十品目は制限物資が残るわけでありますが、これは先進諸国に比べますと、この六十品目というのは水準が少し多過ぎる。そういうような状態でありますので、残ったものにつきまして、四十六年末に残るべきものにつきましても、これは検討しておかなければならぬというくらいにいま考えておるのです。  また関税、また非関税障壁、これらにつきましても同様な私は考えを持っておるんです。いまバナナのお話がありましたが、これは私は何とか下げたらどうかというふうにいま考えておるんですが、一方リンゴ業者を保護するという内政上の問題がありまして、なかなか私の希望するような方向にいっておりませんけれども、この上ともリンゴ業者、これの生産性の向上というほうに努力してもらいまして、バナナが入ってきても十分太刀打ちできる、こういうようなリンゴ体制をつくりまして、そうしてバナナの関税の引き下げというものに努力する。その他各般の物資につきまして同様な努力をいたす。同時に、金融面におきましても考える必要があろうと思っておるのです。今度輸出の公定歩合を引き上げをいたしましたけれども、輸入の面におきましても、輸入金利の引き下げができないものかどうかと、こういうふうに存じまして、その検討をいまいたしております。

渋谷邦彦公明党

○渋谷邦彦君 これは農林大臣にお伺いするのですが、いまの大蔵大臣の御答弁とからみまして、業者保護のための前向きの姿勢というのはどの程度検討されているでしょうか。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(倉石忠雄君) 私どもの立場としては、もちろん生産者の保護もしなければなりませんが、一方において、生産されることは消費が目標でありますから、消費者の立場も考慮しなければなりません。関税を取り扱うにつきましても、そういう見地に立って対処していかなければならないと思っておりますが、いまお話しのございました、たとえばノリにつきましても、ノリは四十一年に一枚二円から一円五十銭と関税を引き下げております。この関税は高いものではございません。牛肉の関税に対しましても、これは決して国際的に高いものではございません。いまお話しのバナナの関税でございますが、これはもう二回にわたって引き下げました。それでいろいろいまリンゴのお話がございましたけれども、リンゴ生産者だけでありませんで、国内の全般の果実生産者のいろいろ御意見等も、立場等も考えまして、将来もだんだん下げていくつもりでありますが、そのかわりにわれわれのほうでは、わが国で生産された果実を台湾にもよけいに買ってもらうというふうなことを従来もやってまいっております。そういうようなことで努力をいたしてまいりたいと思っておりますが、砂糖の関税、これは現行の糖価安定制度、しばしば問題になりますけれども、渋谷さん御承知のように、私どもといたしましては、わが国の領土であります南西諸国の競合いたします物資等の立場も考えておりますので、こういうような、ただいまのような制度を実行いたしていかなければなりません。これはやはり沖繩がわが国に返ってまいりますにつけましても、やっぱり私どもは生産性をあげることにうんと協力をしてやらなければいけないと思いますので、最終的にはやはり砂糖価格の国際的に接近できるようにすべきではないかと思っておるわけであります。  輸入割り当てにつきましてしばしば問題になります。いま畜産振興事業団のことでありますが、これはもうしばしば申し上げておりますように、需給調整のためにやっておるわけであります。このように見てまいりますというと、農林省が非常にがんこで、輸入についてもわからずやを申しておるように一部申す者もあるようでありますが、そうではないんでありまして、やはり全体として私どもは、国のためになるべく多く自由化をしていくことが総合的には利益であると、しかし、いますぐやられてはいけませんので、その競合するような物資については、できるだけ生産性を上げて体質を改善して、そして国際競争力を増進させるということに全力をあげながら、その過程においては、やはり課徴金制度、関税制度というものを弾力的に適用していくべきものではないか。したがって消費者を対象とする農産物価格の安定については、農林省は十分な理解を持って努力を前進さしておるわけであります。

渋谷邦彦公明党

○渋谷邦彦君 くどいようですけれども、国内の業者についての保護については、先ほど台湾の例も申されましたように、あるいは東南アジア、私が伺ったところではベトナムではたいへん喜ばれてリンゴが売れたという話を聞いております、外務省の方に。こういうところにやはりまだまだ研究する余地が残されている、そういうことを踏まえての御答弁だろうと思うんでございますけれども、やはり相当輸出の面についてもこれから抜本的に推進をはかっていくと理解してよろしゅうございましょうか。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(倉石忠雄君) 農政の中で一つ大事な問題は、なまのくだものを食べている分量は、文明国の中で日本が一番多いようでありまして、大体アメリカでもヨーロッパでもジュース、かん詰め——労働力もなくなったせいでもありましょうけれども。そこでわが国の果汁かん詰め等につきましては、地域によりまして非常にりっぱなものをつくって、そして純度の高いものがいまどんどん売れておる傾向であります。たいへんいい傾向だと思うのでありますが、将来はそういうほうに進出しなければいかぬと思っております。農業協同組合などもそういうことについてずいぶん検討を始めてくれております。先般ソビエトの閣僚たちが来ましたときに、リンゴの輸出の話がありまして、長野県知事は前々からソビエトにリンゴを買ってもらうようにたいへん努力をいたしておりますが、これなどもやはり、私はいまひとつソビエトのお話をしたんでありますが、御指摘のように東南アジア地域だけじゃありませんで、香港はまあたいへん出ております。あとは各地に、なまで出し得るか、かん詰め、ジュースで出すかは別といたしまして、私どもは農産品の海外進出についてかなりの意欲を持って、業界と一緒になってこれを努力しておるわけであります。

渋谷邦彦公明党

○渋谷邦彦君 次に、もう一つ例をあげてお尋ねをしたいのでありますが、土地の問題であります。  これもしばしば指摘されてきた、しかも重要な物価安定の要素を含むものであると、このように思われるわけでございますが、建設大臣にお尋ねしたいことは、土地の価格公示制度というものが、どのように理想的に運用されているのか。まあ罰則規定もないそうでございますけれども、罰則規定等も設ける用意はないのかどうか、まず、最初にこの点お伺いしておきたいと思います。

根本龍太郎自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・中部圏開発整備長官・首都圏整備委員会委員長

○国務大臣(根本龍太郎君) 市街化区域と調整区域のいま線引きをやっておるのでございまするが、これは御承知のように最近の都市化に伴いまして、従来のままにしておきますれば、もうどんどん周辺部がスプロール化していきます。一方におきましては、市街地周辺地域が公共投資等が十分に投資されていないために、非常にこれが環境が悪化しておると、こういうことにかんがみまして、新都市計画法におきまして、市街化区域と調整区域に分けまして、市街化区域は大体現在市街化しておるところ、さらに将来十年中に市街化されるものを予想してこれは線引きいたします。その他のほうは調整区域に入れまして、調整区域は原則として市街化しない、そうして緑地、農業関係等を保存していくということが原則でございます。しかし、一定の条件が整いますれば、そこに計画的に市街化を認めていくと、こういうふうなやり方をしておるのでございます。これと建築基準法等をあわせてまいりまして、建築基準法を適用することによってスプロール化を防いでいく。これには、直接の線引のところについては、御指摘のように罰則規定はないということでございまするが、建築基準法等においては罰則規定がございます。それから運営面において厳重に地方自治体に行政指導をすることによって、弊害のないように心がけておる次第でございます。

渋谷邦彦公明党

○渋谷邦彦君 ちょっと私が申し上げた質問と、御答弁が先のほうへいっていらっしゃるようでございましてですね。価格公示制度というものが厳格に運用され、守られていけば問題は起きないと思うんですけれども、これはおそらく、現在守られておりますか。守られていないために、その土地の値段がどんどんつり上っていくと、そうしたことに対して、私は罰則規定の適用というものを設けるべきではないかというお尋ねをしたわけでございます。

根本龍太郎自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・中部圏開発整備長官・首都圏整備委員会委員長

○国務大臣(根本龍太郎君) 価格公示の制度は、このたびようやく実施した段階でございまして、この市街化区域の中でも首都圏の東京が主体と、それから大阪、名古屋、三都市とその周辺だけでございます。したがって調査しておることも非常に件数が少ないので、これをもって直ちに、そのまま公示した価格をもって厳密に公共用地の取得や、それに適用して、それに違反したものを罰則でやるということは、現在の日本の法制上では非常に困難だと思います。ただし、これがだんだん普及していきまして、これが一つの国民全体から受け入れられるようになりますれば、一般の取引もこれにならっていくことでございましょうから、そういうことを期待しつつ、現状ではこの価格公示したことに対する一般取引がこれに追従しないということだけで罰則を適用することは困難であろうと思います。

渋谷邦彦公明党

○渋谷邦彦君 公示されたものに対して順法されないということになりましても罰則の適用はどうかと思うというのであれば、これはやっぱりざる法的な性格を帯びるんではないか。ならば、その譲渡段階におきましてその譲渡差額に対する課徴金というものを取り立てるというようなこともいままではなかったわけですね。そういう考え方はないのかどうか。

根本龍太郎自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・中部圏開発整備長官・首都圏整備委員会委員長

○国務大臣(根本龍太郎君) 先ほどの御質問もございまして、これにつきましては厳密に一〇〇%課税せいという御意見もありましたけれども、そこまではなかなかいけないと思います。現行法でも、いわば一つの所得が多くなったものについては課税ができるわけでございますから、この点は大蔵省と十分に連絡の上善処していくべきことであろうと考えている次第でございます。

渋谷邦彦公明党

○渋谷邦彦君 先ほど建設大臣がせっかく市街化区域あるいは調整区域のことについてお述べになりましたので、引き続きそれに関連して申し上げたいと思うのでありますが、六月からは新都計法が実施されると、こういう運びになっているわけでございますね。で、当初建設省で計画された市街化区域の面積というのはどのくらいでございますか。それと、四月現在、各都道県から推定面積の報告がなされておられると思うのです。この実態についてひとつお答えをいただきたい。

根本龍太郎自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・中部圏開発整備長官・首都圏整備委員会委員長

○国務大臣(根本龍太郎君) 前国会ではこれは一つの前提のもとに御答弁したようでございまするが、それは御承知のように、線引きは都道府県知事が実施することでございますので、その際に、建設省が机上で一応の概算したところでは八十四万ヘクタールと御報告をいたしたようでございます。で、現在、大体のところ百十ないし百十四万ヘクタールというふうに見られているのでございまするが、しかし、これは現実に実行してみなければはっきりした区画がわかりません。これだけの差が出たような結果になった原因はどうかということになりますと、御承知のように、本年から水田の転用というようなことが相当高く叫ばれておりまして、これに対応しまして各都道府県がこの際にできるだけ農地の都市化し得るところも、これは市街化区域に入れたいという意図がかなり強く響いているものと思われます。

渋谷邦彦公明党

○渋谷邦彦君 当初の計画目標からいきますと、相当大幅にふえているようでございます。ということは、先ほど御指摘がございましたように、これ自体がスプロール現象というものを招くおそれがないかということですが、いかがでしょうか。

根本龍太郎自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・中部圏開発整備長官・首都圏整備委員会委員長

○国務大臣(根本龍太郎君) われわれは逆に考えているのでございます。従来そうしたところの市街化区域あるいは調整区域等というものを明定しないでそのままに放置しておきまして、これが御承知のように農地委員会の許可を得て一件一件ずつ宅地化していくということが行なわれたために、不動産業界が相当先買いをいたしまして、そうしてそこにいろいろのスプロール化現象が出てきていると思うのであります。今度はそうではありませんで、少なくとも十年以内に都市化する可能性のところを一つの標準として線引きをし、その線引きを終わったところにはいろいろの都市化機能を整備する公共投資もやっていくわけでございます。そういうような形において、無秩序にいくことを一つのレールに乗せていくということでありまするから、むしろ、この市街化区域と調整区域を策定し、それに建築基準法等を適用することによって秩序ある都市化が一面においては確立される。他方においては緑地、農地が保護されていく。こういう目的で実はやっておる次第でございます。

渋谷邦彦公明党

○渋谷邦彦君 この市街化区域というものとそれから調整区域ですね、これはどういう基準でお定めになるのでしょうか。

根本龍太郎自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・中部圏開発整備長官・首都圏整備委員会委員長

○国務大臣(根本龍太郎君) ただいま一部申し上げましたように、現在相当都市化されておる地域と、それから将来十年に市街化される地区と、さらにもっと一つの標準を示しますれば、一ヘクタール当たり約六十人の住人がそこに定着するということが一応のめどとしておる次第でございます。

渋谷邦彦公明党

○渋谷邦彦君 まあ、要するに、はっきりした基準はないということのように受け取れるわけでありますが、そうすると、無差別にこの市街化区域というものが起こり得る、あるいは不動産業者がはびこるという、そういう可能性はございませんか、危険性はありませんか。

根本龍太郎自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・中部圏開発整備長官・首都圏整備委員会委員長

○国務大臣(根本龍太郎君) お答えします。  これも先ほど申し上げましたように、スプロール化あるいは無差別に無秩序にいくことを押えるためにこれをやったのでございまするから、われわれとしてはそういうことがないということを期待し、そのために立法したという次第でございます。

渋谷邦彦公明党

○渋谷邦彦君 当然、これはおきめになる際には、幹線下水道の基盤というものが完備しているかどうかということをちゃんと見られた上でおきめになるのでございましょうね。

根本龍太郎自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・中部圏開発整備長官・首都圏整備委員会委員長

○国務大臣(根本龍太郎君) これは現在幹線下水道がないからということで全然不適格にはいたしません。これは御承知のように、首都圏とかあるいは近畿圏とかあるいは中京圏の中心都市を除いたところは、大体これは県庁の所在地を、その周辺を主たるものと認めております。したがって、地方のいわゆる市というものが全部この線引きの中に入るというわけではありません。八百数十の市町村が大体これの対象になっているのでございます。それと同時に、いまの幹線下水道等も、これが指定されることによって、今度は優先的に、重点的にそこに予算づけをしていき事業化していくということでございまして、現在幹線下水道がないからということで市街化をさせないというわけにはいかないと思っておるのであります。

渋谷邦彦公明党

○渋谷邦彦君 そうなりますと、公害の発生ということは当然予測されると思いますが、この点いかがですか。

根本龍太郎自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・中部圏開発整備長官・首都圏整備委員会委員長

○国務大臣(根本龍太郎君) そういうものを従来は無秩序にやっていくからそういうことがありましたので、それをでき得るだけこの線引きといまの公共施設を調整をとりながらやっていくというところにこの目的があるのでございます。

渋谷邦彦公明党

○渋谷邦彦君 いや、それはおかしいと思うのです。やはりこの幹線の下水道というものが完備しなければ、そこに住宅区域、市街化区域というふうに設定することも、やはり公害の多発ということが当然起こるのではないか。あるいは都市の農村ですね、要するに。そこにおいては、たんぼにも現象があらわれるというようなことが指摘されているわけですよ。水質汚濁であるとかあるいは窒素分が非常にふえちゃって、それでたんぼの稲が実らないというようなことや、いろんなそういうような現象があるがゆえに、この幹線下水道というものが完備しないところには指定しないほうがよろしいんじゃないかというふうに考えるのですが、いかがですか。

根本龍太郎自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・中部圏開発整備長官・首都圏整備委員会委員長

○国務大臣(根本龍太郎君) そういう考え方もありまするが、これが指定されなければ無秩序にどんどんと都市化が進んでいきまして、かえって弊害があるということがあり得るのでございます。したがいまして、幹線下水道をつくることは必要でありまするけれども、それがなきがゆえに線引きしないとなると、もうどんどんと無秩序にいってしまう。そこで一面においては、これは秩序ある都市計画、あるいは市街化すると同時に、他方では今度はできるだけ抑制する、その二つを分けて、そうして市街化というものは、いま申し上げた市街化区域を重点的にやっていく。そうしてその地域にはいろいろの下水道も上水道も街路も整備していく。さらに一方においては、そういう地域においては純住宅地域、それから二種住宅地域、それから隣接地域、あるいは消防地域、あるいはビジネスセンター、工場地域というふうに秩序を立てて、そうしてやっていくということでございまして、単に幹線下水道だけで、それが完備したところだけやるということについては、一応の理屈はありまするけれども、今日のようにこの都市化現象の激しいときは、むしろ総合的な観点から線引きをしていったほうがよろしい、こう考えた次第でございます。

渋谷邦彦公明党

○渋谷邦彦君 この問題はこれぐらいにいたしまして、次に社会保障の点について伺いたいと思います。  これは一口に言いましても所管する官庁が非常に各省にまたがる、また事務についても非常に複雑膨大である。まあそういったことの均衡だとか、あるいはその適正な運営というものが行なわれるためにも、一つの行政庁にまとめたほうがよろしいのじゃないかと、これは三十七年の社会保障制度審議会でも、一つの行政庁においてこれを取り扱うことが最も望ましいという答申が出ておるわけでございます。したがいまして、先進国の例にならいまして、まあわれわれとしては、この機会に社会保障庁というようなまあ仮称でございますが、そういったものを設けて前向きに推進したらいかがなものかというふうに思うわけでございますけれども、厚生省としてはいかがでございましょうか。

内田常雄自由民主党厚生大臣

○国務大臣(内田常雄君) 社会保障省という役所の呼称でございますが、私は厚生大臣といたしますと、いまの私どもがやっておりますことは、国民の健康と生活を守るすべての仕事の中心をなしておると、こう考えておりまして、名前にこだわろうといたしません。しかし、これ英語に訳しますときは、私どもやはり健康と社会保障省というような翻訳を使っておりますので、まあ気持ちは渋谷さんのおっしゃることと全く同じでございます。

渋谷邦彦公明党

○渋谷邦彦君 いまの点は、いずれにしても、触れましたように社会保障制度審議会においても——そういう意向をからめて私がいまお尋ねしているわけでございますから。で、いままでも、この社会保障制度審議会に触れたついでに申し上げるのですけれども、いろいろなやはり答申が出されております。しかし、これまたどういうわけか、他の審議会と同様に、具体化されたというようなことを聞かないわけです。しかもなかなか、これは採用に値する、そういうような示唆に富んだものも含まれているというふうに判断されているわけです。この社会保障制度審議会のそういった前向きの姿勢に対して、政府はどういままで取り組んでこられたのか。

内田常雄自由民主党厚生大臣

○国務大臣(内田常雄君) 社会保障制度審議会の答申は、たいへん私どもに対して示唆に富んだ点をたくさん含んでおられまして、私はこの答申の精神は尊重せらるべきだと思います。したがいまして、たとえば医療保障にいたしましても、給付の割合を引き上げてまいるとか、あるいは生活保障、すなわち年金等につきましても、これの金額等を引き上げますとか、あるいは福祉年金の制度についても充実を考えてまいりますとか、さらにまた生活保護基準でありますとか、あるいはまた各種の生活福祉施設に収容されておる人々の、それらの方々の生活水準に対する国の措置費というようなものの引き上げでありますとか等々、できる限りの努力はいたしまして、毎年度予算の絶対額は実はふやしてまいりました。しかし、これは渋谷さん御承知のとおり、国民所得の伸び方というものが非常にこの数年間著しかったために、国民所得に対するこの振替所得といいますか、あるいは社会保障給付費の割合というものは、三十七年の社会保障制度審議会が、早く西欧並みに追いつくべしと、こういうような御勧告をいただいておったにもかかわらず、その割合は伸びておらないことは事実でございます。しかし実質的には、また制度の形におきましては、あの御答申と勧告がありましてからかなり進んでまいっておりますことと私は考えるものでございます。しかし、今後さらに充実を期してまいる所存でございます。

渋谷邦彦公明党

○渋谷邦彦君 そうしたことに関連して、もう一つ、この新経済社会発展計画によりますと、長期的展望に立って体系的に整備を進める必要がある、こういうように述べられております。大臣も御承知だろうと思いますが、これを厚生省ではどう一体受けとめられて、そうして今後の考え方のスケジュールの中に盛り込まれるのかどうなのか、その辺の考え方を伺いたいと思います。

内田常雄自由民主党厚生大臣

○国務大臣(内田常雄君) この新経済社会発展計画に盛り込まれました社会保障に対する一つの構想というものは、私は正直に申しまして、わが意を得た卓見であると思います。したがいまして、あれはまだ閣議決定に至っておりませんが、社会保障についてのああした構想、長期的視野に立って、そうしてその体系的な整備を進めるということを私たちはうしろだてにいたしながら、その具体的な展開をぜひはかってまいりたい。また、この振替所得の伸び方等につきましても、御存じのとおり、かなりの取り上げ方をいたしておりますので、あの線でまいりたいと思います。

渋谷邦彦公明党

○渋谷邦彦君 さらに、この社会保障制度については非常に複雑多岐にわたっている。困難性等いろいろございましょうけれども、法律的にもだいぶ整備をはからなければならない、そういう面もあろうかと思います。そうした点を踏まえて、こうした機会にやはり総合的な対策樹立を考えるべきであろう、そんな観点に立って、社会保障基本法というようなものをわが党もついこの間提出いたしましたけれども、政府自身としてもやはりまっ正面から取り組んでお取り上げになる必要があるんじゃないか、こう思いますけれども、いかがでしょうか。

内田常雄自由民主党厚生大臣

○国務大臣(内田常雄君) 先般私は当参議院の社会労働委員会に出席いたしておりました際に、公明党御提案の社会保障基本法の趣旨説明を親しく拝聴いたしました。私は大いに示唆を受けたところがございます。しかし政府といたしましては、直ちにいま基本法的なものをつくるよりも、この際、先ほどお尋ねがございました新経済社会発展計画のあの構想を掘り下げ、掘り広げまして、ことに医療保障などにつきましては、御承知のように抜本改正の諮問をいたしておりまして、その方向づけというものもまだはっきりいたしておりませんので、直ちに公明党御提案のあの法律の医療保障、あるいは生活保障等の形における基本法というものはまだとり得ない。しかし私は非常な貴重な御示唆をいただいたものとして、研究をさせていただく資料といたしたいと思うのでございます。

渋谷邦彦公明党

○渋谷邦彦君 最後に、時間がありませんので、一問だけお尋ねして終わりにしたいと思いますが、かねてから申し上げてございます児童手当の問題でございますが、衆議院においては、たしか厚生大臣は、八月ごろに答申を待って何とか前向きに検討すると、こういうようにお述べになりましたけれども、はたしてその八月に答申が出るものかどうか。そしてまた、もし出なかったならば予算措置にとうてい組めないと思うのですけれども、昭和四十六年度の予算に組み込む、そういう御方針を持っているのか、どうなのか、これが一点です。  それから、この児童手当については、企業側の協力が得られないというところにいろいろ障害が起こっているやに伺っておりますけれども、かりにそういう協力を得られない場合でも、金額の面で多少アジャストしながら、三千円のところを二千円あるいは千円という、そういう足がかりをつくって児童手当制度への突破口をつくるというおつもりはないのか、どうなのか。その辺まとめてひとつお答えをいただきまして、私の質問を終わることにいたします。

内田常雄自由民主党厚生大臣

○国務大臣(内田常雄君) 児童手当制度の課題につきましては、たびたび申し述べてまいりましたとおりの態度を変えておりません。また八月までには児童手当審議会のほうから、政府のとるべき施策についての示唆をいただけるものと私はいまでも考えておるものでございます。また財界の反対等のおことばがございましたが、必ずしもそういうことだけで児童手当制度がまとまってこなかったとも私は考えておらないのでありまして、これは今日、現行の他の社会保障制度、あるいはまた民間の給与制度でありますとか、あるいは税制における制度でありますとか、それらとの調整、あるいはまた構想の内容等につきまして国民的な合意といいますか、コンセンサスというものがまとまっておらなかった。また審議会の中においてさえも、各方面を代表せられる委員の方々の一致した御意見が得られなかったというところに問題があるわけでございますので、ちょうどいま渋谷さんがおっしゃいますように、私はまあ、最終的なりっぱな案でなくても、とにかく出発点になるような案を八月までにお示しいただきたい。こういうことで臨んでおりますので、このまま進んでまいる所存でございます。

渋谷邦彦公明党

○渋谷邦彦君 突破口を開く、たとえば金額や何かの面で……。

内田常雄自由民主党厚生大臣

○国務大臣(内田常雄君) それもいま申したとおりでありまして、最終的なりっぱな案でなくても、とにかく最大公約数を得られるような案を審議会から出していただきまして、それを出発点にして関係方面と打ち合わせて、そしてあとの段取りを進めたい、こういうことでございます。

堀本宜実自由民主党

○委員長(堀本宜実君) 以上で渋谷君の質疑は終了いたしました。     —————————————

堀本宜実自由民主党

○委員長(堀本宜実君) 次に、松下正寿君の質疑を行ないます。松下正寿君。

松下正寿民社党

○松下正寿君 中曽根防衛庁長官にお尋ねいたします。  中曽根さんが長官に就任されましてから、防衛問題について一般の国民の関心が非常に深くなり、防衛庁と国民との結びつきが非常に密着してきたことは、私は非常に長官に対して感謝しておる次第でございます。また長官のこの国会内においての質疑応答、その他世間一般でいろいろ発言されていることも私は大体賛成でございます。そこで私は、特に政府の方針に対して批判するという立場よりか、むしろもっと明確にしていただくという意味において若干の質問を申し上げたいと思いますから、よろしくお願いいたします。  第一に、防衛問題は、外交問題はもちろん各般の国内問題と非常に密接に結びついておるということは、これはいまに始まったことではございませんが、特に核兵器がほとんど決定的な重要性を持つようになりましてから、核兵器を実際に使うよりか、むしろ核兵器の持っているところの威力というものを心理的に利用して、これを政治的に利用する、あるいは外交上の手段にするという、その面が非常に大きくなってきておるわけであります。したがって、非常に防衛問題というものが複雑になってきておることは、これは長官のしばしば指摘されておるとおりで、私は全く同感であります。  ところで現在、日本が核兵器を持つか持たないかという問題になりますというと、これは持たないことが国民の常識になっており、私もそういうふうに信じておるのでありますが、核兵器を持たないとするならば、いわば一旦緩急のあった場合に、日本の持っているところのわずかばかりの防衛力——かりに四次防が完成しましても、ひとたまりもなくやられてしまう。そのくらいならば、むしろ全然防衛力なんかないほうがいいのじゃないかという、いわゆる無防備中立論というものが出てくる可能性というか、その根拠があるのじゃないかと思うのであります。これに対して一般国民は、それは非常識だ、それはちょっと早過ぎるというような、一種の常識論で反駁しておるように思われますが、私はそういう時期ではないのじゃないだろうか。むしろ大臣としてははっきりと、こういうわけで無防備中立論というものはいけない、こういう根拠があるということを、はっきりした、理論的な根拠をお示しになることが必要じゃないかと思いますが、その第一点について、中曽根長官の御意見を伺いたいと思います。

中曽根康弘自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(中曽根康弘君) 御激励いただきまして、まことにありがとうございます。  まず第一に、国際情勢に対する評価と認識において、無防備中立論という考え方と私らは違います。私は元来、民族非武装、人類非武装というのが人間としての理想であると、今日において考えますけれども、しかしこれは理想の星でありまして、現実の国際情勢やら人類の歴史をながめてみますと、そういう人類としての悲願が、一日にして達成できるものではございません。やはり長い間の歴史の積み上げと、それから人間集団の血のにじむような努力の蓄積の上に、そういうものはできておるように思います。たとえば八時間労働ということがいま普遍化し、あるいは六時間労働になる国家もございますけれども、調べてみますと、労働時間が一日に一時間切り下げられるというためには二十五年から五十年ぐらいの歴史を要しているようであります。そういうように人間の労働時間というようなものを短縮することですら、二十五年から五十年の長い人間の苦労の蓄積の上にできるのでありまして、国家の存在というような非常に歴史的に、また複雑な様相を持った存在を維持していくという面について、いままでの常識を一挙にくつがえすような考え方がこの世に現出するとは考えられません。そういう意味において、その言わんとすることはわかるのでございますが、多分に宗教性を帯びた考え方であって、現実性が欠除しておる、そのように思います。したがって私たちは、日本の平和と安全を守っていくためには、やはり現状に即した具体的な方法を持っておらなければならないと思います。そういう場合に、国家の防衛というものを考えるときには、三年や五年や十年の短期間で考えてはいけない。私は何を守るかと言われれば、祖先から子孫に引き継いでいく民族の共同生活体並びにその国土を守るということを申し上げておりますけれども、やはりたとえば明治維新以来、日清、日露の戦争、あるいは欧州大戦、あるいは大東亜戦争あるいは朝鮮事変、最近の百年を見ましてもいろいろ風波は起こり、あらしは起こっておるわけであります。今日、日が当たっているからといって、翌日雲が出ないとは限らないというのが、現実の国際情勢であり、現にわれわれは半島の朝鮮においても、あるいはベトナムにおいても、ラオスにおいても、今日見ておるものでございます。もちろん、昔の戦争と様相は違っておりまして、私が申し上げますように、政治と軍事が混在している形になっておる。今日のカンボジアやラオスの情勢を見れば、完全に政治と軍事が混在をして、どちらが何だかわからないような情勢で紛争が持続されてあります。ああいうようなことを一つ考えてみましても、外と内とが一緒になってああいう国際紛争が出てくるという可能性も十分ございます。そういう様相の変化を微妙に察知しながら、その国に合った防衛力を整備していくということは、国をあずかるものとして当然の責任であり、また国をつくるものとして当然考えなければならない配慮であると、このように思います。

松下正寿民社党

○松下正寿君 お説ごもっともだと思いますが、私の一番問題としておるところは、にもかかわらず、いざ熱核戦争になった場合に、現在の防衛力では何にもならぬのじゃないか、だからむしろ何にもないほうがいいじゃないかという、ちょっと暴論のように思われますけれども、そういう議論が世間に行なわれておりますから、これに対して、一言でもってそれをスパッと反駁するような理論がないかどうかということをお伺いしたいわけであります。

中曽根康弘自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(中曽根康弘君) 今日においては、核戦争というような事態に対しては、完全に防御し得る国家は一つもありません。アメリカでもしかり、ソ連でもしかり、どの国でも同様でございます。そういう意味において、完全な防衛というものを持っている国はないのでありまして、その国その国の情勢に応じたでき得る限りのことを、民生の安定を考えつつやっておるというのが国家の現状であります。日本は日本の国情に応じて、日本の国民のコンセンサスを求めながら、やはり防衛を身分相応に考えていかなければならぬと、このように考えます。

松下正寿民社党

○松下正寿君 やはり一つの常識論に落ちつくわけでありますが、まあこれ以上いたしかたないんじゃないかと思います。  次にお伺いしたいことは、これは、私は総理大臣と長官と、両方にひとつ御答弁を願いたいわけであります。  防衛庁長官は、第四次防が完成されても、なお日米安保体制というものは、いわば半永久的に必要であるというふうに考えておられるようであります。これは、私は常識であって、これに対して反駁するつもりはございませんが、ただ、御承知のとおり、現在アメリカは、アジアから漸次後退する傾向を帯びておるわけであります。むろん、きょうあした、もしくはあと一年くらいのうちにアメリカが急に引き揚げるという公算はきわめて少ないわけでありますから、そうすぐどうということはないと思いますが、ただ、われわれが問題としておりますのは、日米安保条約のこまかいことは別としておいて、日本のように核兵器を持っていない国がアメリカの核のかさを着る、これが日本の安保体制で一番大事な点ではないかと思いますが、ところで、いざという場合にはアメリカはやはりかさを貸すだろうということが一応予想されるわけでありますけれども、しかし、アメリカが漸次にアジアから後退しておるというこの傾向を見ますというと、そのかさを貸す可能性がやはり減っていると見るのが常識じゃないかと思うわけであります。私は、このいざというときにはだいじょうぶかもわかりませんが、いざというときが起きてはたいへんなことで、いざということがあり得るということを前提としたそういう考え方、可能性が、外交上、いろいろなバーゲンの能力になると思うのであります。私が心配しておりますことは、いざという場合にどうこう、これは心配してもしかたがないと思いますが、そうでなくて、その可能性が、かさを貸す可能性が、幾らあがいても減ってはいないだろうかと、それに対して日本は、やはり外交上のこのバーゲン能力を幾らか減退しつつあるのではないだろうか。これに対してどういうような、これを補っていく方法としてどんなようなことが考えられるか。まあこういう問題につきまして、総理大臣と防衛庁長官との御意見を伺いたいと思います。

中曽根康弘自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(中曽根康弘君) 外交上のバーゲン能力ということが、どういうことを意味せられるか、私にはよくわかりませんが、私の感じでは、今日の状態におきましては、やはり核——大国の核抑止力というものが厳然として動いておる、働いております。今日、核抑止力が働いておるというのは、アメリカの核の力だけではない、ソ連もそれに匹敵するものがあるから核抑止力は働いておるのでありまして、そういう総合的に抑止力というのはできつつあるものであるだろうと思います。そしてやはり小さなかさは大きなかさの中に包摂されている。たとえばフランスの持っている核は、大きい意味ではアメリカの中であれは安住しておるのであって、それを意識しつつ、ある意味においてはバーゲンとか国家のプレスティージというものを考えながらドゴール大統領は統制し維持しているのではないかとも思われます。しかし、それはフランス独自の見解でございますけれども、日本は日本独自の憲法があり国民の世論というものがございます。したがって、その日本独自の立場に立った防衛戦略なり構想を考えて、アメリカの核抑止力をたくみに利用しつつ、経済的にもうまくいき、国民的にもコンセンサスができるという防衛戦略をつくることが賢明であると思っております。その場合に、アメリカの核抑止力をどういうふうに使うかということは、日本とアメリカと太平洋やアジアにおける機能において別の面があります。日本は文化的、経済的に協力するということが非常に大きなファクターとして登場しつつあります。防衛防衛というけれども、国が乱れたら防衛は成り立たないのでありますから、東南アジアにおきましても、民生が安定するということが防衛と同等以上に大きな意味を持ってきておるわけでもあります。こういう点をよく認識して、われわれの働くべき分野を見出しながら、ある意味においては日米双方がお互いに協力し合いつつ緊密にまた連携もしていくという要素ができ得ると思います。そういう線を日本はねらっていくべきであると考えております。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) 端的に申し上げますが、昨年の暮れに、私、ニクソン大統領と共同声明を発表いたしました。そうしてただいまのように、アメリカが漸次東洋から引き揚げるとか、いわゆるグアム・ドクトリンなるものについてとやかくの心配があるように見受けられます。その際にもかかわらず、共同声明では安保体制を相互に堅持するという、そういうことを確認しております。したがって、私、ただいま、半永久的と、かような意味はどういうことを意味するか、そういうことは私申しませんが、今日の情勢下におきまして、ただいまアメリカがかさをだんだん貸さなくなるんじゃないか、そういう御心配のないこと、共同声明を出したばかりでございますから、その際から、最初から心配がない、最初から心配を持たれないように、ただいま、だいじょうぶかさは貸してくれると、かように御了承いただきたいと思います。

松下正寿民社党

○松下正寿君 アメリカがかさを貸してくれるそうでありますから、総理大臣がおっしゃったのですから、だいじょうぶだろうと思います、安心いたしました。ただ、同じことを繰り返すようでありますけれども、これはアメリカさんの御都合であって、総理大臣がおきめになるわけにいかないわけでありますから……。そこで私は、そういったような一種の水かけ論になることは避けまして、客観的に見まして、いままでのような、つまりアメリカを中心とした防衛政策ということがだんだんに不可能になってきておる、これは中曽根防衛庁長官もしばしばおっしゃっておるとおりであります。こういうときになりますというと、やはりアメリカは結局はかさを貸すかもわからぬけれども、これはいざという場合に貸すだろうと、こちらがいわば想像し、もしくは想定するわけであります。その想定の度合いというものが、あるいはまた外国が、日本をかりに侵略する国があるとするならば、そういう国の考え方というものが、幾らかやはり変わってくるのじゃないだろうかということを私は考えているわけであります。そういう国際情勢の変化といいましょうか、もっと具体的に言いますというと、日米の防衛関係というものが、もうちょっと、いわば核のかさよりか日本の自主防衛のほうにもつとウエートが移った場合、その程度の差の場合に、それが日本の、つまり外交上の発電権といいましょうか、あるいはもっと端的に言いますというと、ほかの国からおどかされる可能性が多くなりゃせんかどうかということを心配しているわけで、それに対して長官の御意見を伺いましたが、もうちょっと具体的にこういう方法があるということをお伺いできれば、なおさら安心だと思います。

中曽根康弘自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(中曽根康弘君) 私は、国家存立の一番根本義は、やはり「天はみずから助くるものを助く」というこの一言でありまして、みずから助けることをしない国民を外国が助けるはずもないし、天も助けるはずはない。これはもう非常に大事なことばであると私は思っております。したがいまして、日本の防衛についても、みずから助けなければならない、そして足りないところはわれわれの友好国と協力し合う、そういう基本原則で進むべきであると思っております。それ以外にいろいろテクニックやなんかを考える必要はない。自分のやるべきことを自分で最大限の努力をしてやるということが、それに徹することが一番大事であると、そういうように考えます。

松下正寿民社党

○松下正寿君 私も全く同感でありまして、みずから助けるという気概がない者はだれも助けてくれないし、また助ける必要はないと思っております。ただ問題は、もうちょっと具体的にみずから助ける方法としてどういうことをしたらいいかということを、実はお伺いしたかったわけでありますが、いろいろあると思いますけれども、たとえば今度の核防条約でありますが、あれと関連いたしまして、日本が非常な努力を払って、もっと核燃料の自給というようなことを達成しますというと、それ自体が平和利用一点ばりでありますから、何ら外国に対して脅威を与えるものではないが、同時にまた必ずしも核のかさだけではなくして、日本独自にこれだけの力があるという、そういうような一つの事実の認識が日本の安全をもっと高めるゆえんではないか、たとえばでありますけれども、たとえばそのようなことが考えられるかどうか、中曽根長官の御意見を伺いたい。

中曽根康弘自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(中曽根康弘君) その点は全く同感でございます。エネルギーの補給にいたしましても、あらゆる多様なものを各方面から日本が供給を得、その保障を得ておくということは、日本の安全保障の面におきましても非常に大事であります。ある一国やある一方面からのみ偏在して受けるということは、総合的に見た場合に危険性を伴うものと思います。そういうようなものの補給の面におきましても、自活と申しますか自助の努力をやっていくということは非常に大事で、最近ウラニウムの発掘につきまして、日本の各県が非常に協力しまして、各方面にそういう資源を協定によってつくろうとしているということは、非常に喜ばしい現象であるとも思います。しかし、そういうような考え方はほかの面にも幾らも適用されますし、それからやはり一番大事なことは国民のコンセンサス、政局の安定というものであるだろうと思います。そういうようにして国民が営々として協力一致しながら、生活を向上させ、自分の国をりっぱな、みんながなつかしむようないい国にし、国際的にもプライドが持てるような国になっていけば、それだけ国に対する結束力というものが固まりますし、また世界から見ても、そういう国がりっぱな平和外交の実績を持っておれば、国際世論の上からも、非常に大きな力を得ることになると思います。ある意味においてはそういう国家の品性が非常に大事であり、この品性を守っていくための外交というものも、これからは非常に大事になると思います。意見には全く同感でございます。

松下正寿民社党

○松下正寿君 抽象論みたいなものを繰り返してまことに申しわけありませんが、私はもうちょっと国会はこういう抽象論をやったほうがいいのじゃないかと私は考えておるわけであります。これはもっと根本的な抽象論になりますが、総理大臣、防衛庁長官の御意見を伺いたいと思いますが、これは至ってわれわれ年配の者から見ればあたりまえのことなんでありますが、何のために防衛するか、さっき長官もちょっと簡単におっしゃいましたが、これはわれわれ年配の者から見ますというと、国土防衛ということはあたりまえのことであって、何も特別な論議も必要ないし、検討の必要もないわけです。ただ、このようにわれわれから見てあたりまえなことが、必ずしもいまの若い人たちから見てあたりまえでない。何のために一体日本を防衛しなければならぬか、かえって場合によったら負けたほうがいいじゃないか、日本も負けたおかげでこれだけ繁盛したのだ、西ドイツもそのとおりじゃないか、こういったような半分冗談かもわかりませんが、案外こういうような考え方は相当に考え方が深いのじゃないだろうか。また、いろいろ世論調査など見ますというと、日本を防衛していいかどうかという問題、抽象的な問題では防衛論者が相当多いようですが、そんなら命を投げ出してまでやるかというふうに聞いてみますというと、若い世代のうちにはそれはごめんだと、そうすると実際上は矛盾するのじゃないかという感じもするわけです。そこで、必ずしも国土防衛ということばだけではすぐ若い者は納得できないのじゃないか。もう少し何のために防衛するかという基本理念というものを明らかにしておかないと、若い世代を引きずっていくことはできないのじゃないか。私の私見を申し上げますというと。やはり私は、現在の自由——長官はさっき伝統も含めたことをおっしゃったわけであります。私は現在の自由、もっと日本をよい国にすること、これはけっこうでありますが、これは必ずしも防衛あるいは安全保障とはちょっと違うわけであります。少なくとも現在われわれが味わってわれわれが持っておるところの現在の自由というもの、これは確保していきたい。それに対するところの侵略、脅威、つまり自由を侵すものがこれがわれわれの敵であるということをはっきりと認識をして、それをもっと理論的な根拠を持った上にPRするということが必要ではないかと、さように考えるわけであります。総理大臣、防衛庁長官の御意見を伺いたいと思います。

中曽根康弘自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(中曽根康弘君) 御意見には同感でございます。いまの戦後の民主主義教育を見ますと、自由とかあるいは自己表現という権利を獲得するということを非常に教えて、それによっていままで戦前日本にあった民主政治の歪曲された部分を直そうという考え方が支配的でございましたが、しかし、自由ばかり言えば、これはバランスを失することになります。やはり国家をつくって自由を享有する以上は、その自由を守るための責任も随伴してこなければならぬと思うのです。西田幾多郎先生がかつて学生に対して講義の初めに、フランス革命で自由、平等、博愛ということを言ったけれども、民主主義はこれではできない。自由の背後に責任あり、平等の背後に差等あり、博愛の背後に懲罰あり、この六本柱で民主主義は初めてできるのだ、ということを西田先生が教えられた由に私は承っております。私もそのように、六本の柱がなければ、国は今日においては存立し得ない。自由、平等、博愛というのは、封建主義とかあるいは人間の正しい道を歪曲したものに対する攻撃理論として、あれは非常にりっぱな輝かしい業績を残しましたけれども、人間の生活や集団生活が安定していくためには、あの攻撃理論だけではだめなのでありまして、維持管理していく理論が必要であります。それは逆の面において責任であるとか差等であるとか、あるいは懲罰ということも出てくるのだろうと私は思います。そういう意味における教育的要素が戦後少ないと思うのです。そういう点についてわれわれは大いに戒心して、国民を啓蒙しなければならないと、そういうふうに思います。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) いろいろの表現のしかたあろうと思いますが、私どもが自衛力を持つ、みずからこの国を守る、あるいは民族の伝統を守り抜く、それは一体何に対して守るのか、これは一つの問題だと思います。その場合に、先ほど来議論されておるのは、核戦争から守るという、こういうような意味もあったかと思いますが、私はそのほうは比較的にただいまはその危険がないだろう。いわゆる軍事的強大国も、核兵器の持つ人類滅亡への道をたどるという、そういうおそるべきもの、これよく知っておりますからそれは容易に使うとは思いません。しかし、しからばいわゆる直接侵略というものは全然ないのか。これはしかし、直接侵略は現に各地である。やっぱり私どもは仮想敵国を持たないと、かように申しておりますが、いつ直接侵略があるかもわからない、それに対して防衛をしなきゃならない。それよりも、もっとわれわれがこの国の安全を確保する、安寧秩序を維持する、こういう上からは、国内の秩序を十分守っていく、これは警察力だけでこと足りるかというと、事柄によりましては警察だけでは足りない場合もある。そういうことも考えてやはり防衛力、自衛力、こういうものをやっぱり強化せざるを得ないのです。これは一体何を守るかということと、何から何に対して何を守るかという、その二つの問題があるだろうと思います。私は、核戦争ばかり、あるいは直接侵略ばかりを考えないで、やはりいわゆるこのごろあまり口にしないことばですが、間接侵略、そういうこともわれわれは念頭に置きながら、やはりこの国の安全を確保するということでなければならぬと、かように思っております。

松下正寿民社党

○松下正寿君 総理大臣、防衛庁長官の御説明によりまして、相当全貌が明らかになりました。私も同感でございます。ところで、防衛というものは単純な武力一点ばり、兵力だけで防衛の実を達することができないということ、これはいまに始まったことではなく昔からそうでありますが、特に核兵器が出現いたしましてからは、むしろ心理的な要素が多くなって、したがって、防衛ということの意味が非常に変わってきたわけです。これはもうすでに天下の常識になってきているわけです。一言で言えば、軍事力のウエートが相当に下がったということばを使ってもいいんじゃないかと思います。そうしてみますというと、現在の防衛ということばが、やはり昔からの国防、あるいは戦争ということばと非常に強く結びついて、何かそこに一種の古い連想がまだ相当強いのじゃないかと思うわけです。そういう点において、一つは名称のこと、それから内容のことでもありますけれども、一つの考え方は、現在の防衛庁という名称を改めて、あるいは安全保障省、もっと広い意味に改称するということ、それからその省においては、いままでのような狭義の防衛だけではなくして、やはり国民精神の統一も必要でありますから、そこで文部省、さらにまた運輸関係、これは船舶と関係がありますし、さらにまた、私の郷里の近くの津軽湾の海峡がどうなっておるかというような、こういうことも防衛に密接に関係あるわけでありますから、各省との連絡を密にして、そうしてもっと基本的な防衛政策を立て、そうして基本的な防衛の技術をそこで研究する。むろん、これは最後には内閣で決定しなきゃならぬ問題でございますが、そういうことをやるためには、むしろ名称を現在の防衛庁を変えて安全保障省というような名称にして、もっと総合的な防衛政策のいわば本部にするというようなことをしたらどうかというふうに考えられますが、総理大臣並びに防衛庁長官の御意見を伺いたいと思います。

中曽根康弘自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(中曽根康弘君) 防衛ということは必ずしも戦争することではない、この御意見には同感でございます。防衛ということは平和を維持する行為である、平和を守っていく行為である、ある意味においては、また別の表現で、仰せのとおり、安全保障の行為であると思います。したがって、そういうような広義の方向に日本の防衛という考え方を持っていき、また、そういう政策を実行するという考えには同感でございます。ただ、省と庁とは行政官庁としての性格が異なるものでございます。私は当分防衛庁で、庁でけっこうである、そういうように思っております。しかし、国防会議というのがございますけれども、いまのお説のとおり、名称からいえば国家安全保障会議とか、そういうような意味のことばのほうが今日から考えると適当であるように思います。これらはしかし、将来の問題として検討すべき課題であると考えます。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) いま中曽根君が答えたとおりでございます。

松下正寿民社党

○松下正寿君 防衛庁長官にお伺いしたいのでありますが、完全な自主防衛ということは、これは口では言いますが実際上不可能なことである、これは常識であります。ところで、ある程度まで自主防衛に近づけることはできるのじゃないかと思いますが、それは現段階において一番適したような、日本として一番適したような戦略思想を持つ。まあ戦略ということばが物騒であるとするならば、これは安全保障思想でもけっこうであります。これはいままでも常識的に大体間違っていないと思いますけれども、もっとこれを掘り下げて、哲学的その他にもっと掘り下げて、日本独自の戦略思想もしくは安全保障思想というものをもっと考える必要があるのじゃないか。また、それに基礎を置くところの技術の研究開発ということが独自のものを立てることが必要じゃないか。第三次防におきましては、研究開発の予算というものは、この総額が五百億円、総予算の二%である。で、昭和四十四年度には九十一億円計上されておるわけであります。これを主要国に比較してみますというと、まあアメリカ、ソ連等、こういう強大国は別としておいて、イギリスの二千億以上、西ドイツの九百六十三億と比べますというと、日本の研究開発費はドイツの十分の一以下であります。これはほかの問題と同じように、やはりいままでアメリカにたより過ぎたためじゃないかと思いますが、少なくとも、この研究開発においては、日本独自の研究開発ということをするためには、この予算ではちょっとお粗末じゃないかと思いますが、中曽根長官の御意見を伺います。

中曽根康弘自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(中曽根康弘君) その点は全く同感でございまして、ことしは特にその点に対する改良、改革を志しまして、昨年に比べて約二〇%予算を増大いたしました。しかし次の計画、次の時代の計画に至りますれば、相当その部分は拡大しなければいけない分野であると、そのように心得ております。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) いま科学技術会議という私の諮問機関がございます。これあたりでは、とにかく科学技術の積極的な研究開発、これはぜひとも必要だと、こういうことを申しております。先ほど防衛庁長官が答えましたが、まあ防衛庁長官から答えるととかく兵器あるいは軍事的な必要からというような誤解を招きやすいのですけれども、平和的な意味からも、科学技術の進歩のためにも研究開発、これが必要でございます。いつも指摘されるのであります。そうして特にわれわれが心しなければならないことは、基礎的な研究がどうも手がつきにくいと。最近はいわゆるビッグサイエンスの時代になっておりますが、そうなってくるとなおさら、こういういまのような規模の技術援助あるいは開発指導、これではこと足らないようです。ことに基礎研究の部門にこと欠くるところがあればやはりおくれをとるようになるのでありますから、私が施政方針演説で話したように、ようやくもう模倣の時代は過ぎた、かように言って、独自でみずからの道を開いていかなければならない、そのときだと、こういうことを言っておるから、その点から見ると、もっと充実させなければならない、かように私は思います。ことに民間の協力を得る場合には、基礎研究というよりも応用あるいは利用研究、そのほうはこれはもう民間の産業の部門においても十分協力されることでありますから、やはり国家的に欠くるものは基礎的なものだろう、かように思います。ただいま御指摘になったように、その方向で一そう政府は努力していく。  それからもう一つ誤解のないように申し上げておきますが、もうこれからは軍事力だけで国力がきまるのではないだろう。軍事力、もちろんその一部には違いございませんけれども、その他の要素が総合されて初めて国力が増大したということにもなり、同時に、その国力が増大すれば、その上に立っての国際的発言力もまた大きくなるんだと、それだけ私どもも責任を感ずるわけでありますが、そういうことを考えると、ぜひとも科学技術の分野において積極的な開発研究、これに取り組まなければならない、かように私は思っております。

松下正寿民社党

○松下正寿君 自治大臣に一つお伺いいたします。  新聞で問題になっておりますような江東区の選管の開票ミス、これはまあちょっと見るとちっぽけな事件みたいに思うかもわかりませんが、われわれ議員生活をしておる者から見ますというと、ああいうことがあったのではこれはたいへんなことであって、故意であったらこれははなはだ重大であります。故意でなくて過失であったとしたら、なおさらあのような過失がわれわれの場合にもあったんじゃないだろうか、将来もあるのじゃないだろうかというような非常な不安が出てくるわけであります。これに対して、自治大臣個人としての御責任はないでしょうが、事実をはっきりと説明していただくことと、今後どういうような方法であのようなことを防ぎ得るかということについての御方針をお伺いして、私の質問を終わります。

秋田大助自由民主党自治大臣

○国務大臣(秋田大助君) ただい夜御指摘の開票ミス事件は、日本の選挙史上においてもまことに遺憾な不祥事だと思います。自治省といたしましても、断じて再びこういうような間違いのないように強い指導をいたしまして、その選管の事務その他に対する信用を落とさないようにしなければならないと深く感じておりますが、さてこれが故意に基づくものか、あるいはミスか。ミスとしてもこれはもちろん、御指摘のように重大なミスでございますが、故意でないことを信じたいと存じますけれども、この最終の結論につきましては、ただいま自治省といたしましては、東京都選挙管理委員会に対して、その全貌等につきまして詳細かつ最終的な正式の報告を求めており、ただいまのところまだ届いておりませんので、この段階で私から、これが故意か過失かにつきましての見解を申し述べることは差し控えさしていただきたいと思います。いずれにいたしましても、遠からずこれの正式調査報告にも接し得るでございましょうし、また、東京高裁において裁判の結果の判決も出ようと予想されるわけでございますから、それを待ちまして、今後に処する具体的な選挙開票等の事務その他につきましての指導をいたしたいと思います。これはたいへんな事件でございますが、故意でなく過失とすれば重大な過失でありますが、原因は比較的簡単なことではなかろうかと思うのであります。とるべき処置を、少しく従来の例になれてとり違ったというようなことかと存じますが、これは調査に待つべきでございますが、とにかく、具体的事情が判明いたしますれば、それに基づきまして具体的な指示を強く与えることにより、また、全国の選挙管理委員会にあまねくこれを通達指導することによりまして、再度このような事件の発生がないように強く指導してまいる所存でございます。

堀本宜実自由民主党

○委員長(堀本宜実君) 以上で松下君の質疑は終了いたしました。

堀本宜実自由民主党

○委員長(堀本宜実君) 次に、岩間正男君の質疑でありますが、ただいま運輸大臣が衆議院本会議に出席中でございますので、十分間休憩をいたします。    午後三時五分休憩      —————・—————    午後三時十九分開会

堀本宜実自由民主党

○委員長(堀本宜実君) ただいまから再開いたします。  岩間正男君の質疑を行ないます。岩間君。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 まず、佐藤総理にお伺いしますが、総理はこのたびの「よど号」事件について、一体どんな反省を持ち、それからさらにこの事件からどんな政治的な教訓を引き出しているか、それを伺いたいと思います。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) お尋ねになるのはどういう意味か、私の感じを率直に……。事件が落着した直後、私の談話を発表いたしました。この談話で大体のことはおわかりだと思います。私は最も大きなウエートを置いて考えましたことは、これがただ単なる国内的な問題でなくて、国際的な犯罪、その方向に発展した、そのために関係諸国に多大の迷惑をかけた、また同時に、関係諸国からたいへんその立場が人道的な立場だ、こういうことで積極的な協力を得たこと、これに心から感謝しておる次第であります。私はこの種の問題が国内で取り締まりが十分できることをまず第一に考えましたが、国内でこれを取り押えることができなかった、この点をいかにも残念に思っております。しかし、国際的に他国に、大韓民国、さらには北朝鮮に飛行機が飛んで行った。しかし、それらの関係諸国、また米ソ等にも協力してもらった、こういうことを私ども高く評価しなければならないのです。やっぱり今日まで日本がとってきた態度が、こういう問題が起きた場合に、各国から協力を得るゆえんではないだろうか。これはむしろ反省といいながらも、そういう意味ではもっと徹底して善隣友好を深めていく、こういうことでありたい、かようなことを考えた次第であります。しかし、第一段の国内でこの問題を処理することができなかったことについて深い反省をしております。そうしてこれに対する対策等、いろいろ種々の観点からいまくふうしている最中でございます。これは国民の皆さんも、個人の権利に関するような事柄が起きましても、了承できるような、そういう範囲でこの取り締まりもこれから行なっていかなければならない。そうして事故再発を防ぐ、そういう方向でありたい、かように思っておりますので、この意味のこれからとる政府の処置等について、ぜひとも国民や各党の御理解ある御協力を願いたい、かように思います。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 国民は、いま金浦着陸に際して、政府が事前にあずかり知らないと言っているのは実におかしいのじゃないかということを言っているわけですね。初めからほんとうにこれはあずかり知らなかったのかどうか。まあ締めくくりの質問でありますから、このことについて、関係閣僚の説明をあらためてこの機会に伺っておきたいと思います。荒木国家公安委員長、それから愛知外務大臣はおいでになりませんから宮澤大臣、それから中曽根防衛庁長官、それから橋本運輸大臣、各閣僚の答弁を願います。

荒木萬壽夫自由民主党国家公安委員会委員長・行政管理庁長官

○国務大臣(荒木萬壽夫君) 警察としましては、金浦空港に着陸の指示などをしたことはございません。「よど」号が金浦飛行場に着陸しましたことについては、警察は一切関知していないのであります。当日は、午前八時過ぎに、警備局長から事案発生の報告を受けましたが、その際にも、人命の安全を第一とし、もし板付空港に着陸したならば、あらゆる手段を尽くして発進を阻止し、乗客の安全、救出につとめることを事案処理の方針とすることを打ち合わせ、その趣旨を警備局長から現地の福岡県警察本部長に伝えるよう指示したところであります。その後も警備局長には再三発進を阻止することについて念を押していたわけでありますが、犯人脅迫のため二十三人の乗客を救出し得たのみで、突然の発進により、板付空港から飛び立ったのはまことに遺憾に存じております。

宮澤喜一自由民主党通商産業大臣・外務大臣臨時代理

○国務大臣(宮澤喜一君) すでに愛知外務大臣があずかり知らないところであるという答弁をしておられますが、外務事務当局におきましては、乗っ取られた日航機が板付出発後何ゆえ金浦に着陸したのか、その経緯については関知していないと申しております。

中曽根康弘自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(中曽根康弘君) 前にも申し上げましたように、全くあずかり知りません。

手塚良成運輸省航空局長

○政府委員(手塚良成君) 「よど」号の金浦空港着陸につきましては、事前に何らそういう情報はキャッチしておりません。ただ、機長の言によりますと、国際的に通常使用されておる周波数で誘導を受けて着陸をしましたら、金浦の飛行場であったという、こういう報告を受けております。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 いま聞きましたように、関係閣僚はみな知らないと言っているわけです。これでいいかどうかということが非常に私は重大だと思う。このほうがむしろもっと重大ではないか。こういうことでは、政府の知らないところで何者かがどこかでかってに事を進めていたということになるわけでしょう。これは一国の主権のあり方にとって私はきわめて重大な問題を含んでいる。いわばこれらの期間は主権不在といわれてもしかたがない。私はこういう意味で佐藤総理にお伺いしますが、政治姿勢を正すという意味からいっても、これは総理はこの間の経緯というものを徹底的に究明する必要がある。それからさらに、事件の背景と真相を明らかにして、国民の前にこれを示す必要があると思う。その決意のほどをお伺いしたい。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) いわゆる体制批判の連中、いわゆる暴徒と、かように申してもいい者でございますが、これが国の国権そのものも認めない、いわゆる国法をみずからが乱しておる、こういう暴徒が脅迫のもとに石田機長をして発進せしめた、こういうところに私どもは特別な措置を講じなければならないと思うんです。ただいま申し上げますように、いわゆる山村君の言をかりれば、彼らは気違いだと、狂人だと、それに対する対策というものがやっぱり私どもになければならない。いま岩間君から言われるように、その事態を究明し、そうしてそれを明らかにし、そうしてそれを国民に知らせろと、私もそうしたいと、かように思っております。ただいま犯人たちが北朝鮮にいることもまだその点を明らかにすることができませんけれども、その他の方法でできるだけ材料を集めたい、かように私は考えておる次第でございます。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 私のお聞きしたいのは、このように主権不在みたいな形になったことについても調査してほしい、そうでなければいかぬ。  私は、次に進みますが、情報によると、「よど」号の金浦着陸は、いわゆる北からの対空砲火やミグ21の出撃があったからだと、こういうことが言われております。しかし、事実があったかないかということは、「よど」号が軍事境界線を越えたかどうか、こういうことに私はかかっていると思うんですが、政府はこの事実を確めたかどうか、伺いたいと思う。

橋本登美三郎自由民主党運輸大臣

○国務大臣(橋本登美三郎君) その問題については、前に防衛庁長官から答えた機会がありましたが、その後、その事実については機長等の話によりますというと、やはりなかなか確認しにくい、かようなことであります。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 中曽根長官に伺いますが、未確認情報を、あなたは未確認情報という名前で公然と流したわけですね。その後「よど」号の乗員、乗客がすべてこれを否定しているわけです。帰ってきて記者会見でそう言っている。ところが、あなたはこのような怪情報にいまでもこだわっている。これを取り消そうとしないんですが、これでいいですか。

中曽根康弘自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(中曽根康弘君) そのような情報が韓国軍から米軍に来て、それがわれわれのほうに来たという事実は、これは取り消しても事実として残っておるのでありまして、そういう事実を否定することはできません。したがって取り消しもする必要はないと思います。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 これはわれわれも調査しました。韓国情報などというものによれば、これは軍事境界線を越えたことはなくなっています。それからいろいろな情勢を検討してみまして、そういうことはない。ところが、実際はこれにいまだにこだわっているんですが、私はこの情報という問題を実は今度の「よど」号の教訓の中で非常に重大視しなければならぬと思うのです。これが日航機乗っ取り事件、これもたいへんな問題ですが、それはまだしものことで、戦時状態ならこれはたいへんなことになるんじゃないか。われわれ日本国民は柳条溝とか盧溝橋、ああいうにがい経験を知っているわけですよ。それから最近では米軍提供の一片の情報でアジアが危険な事態に巻き込まれたことは、トンキン湾決議一つをとってみてもはっきりしていると思います。このトンキン湾決議によってアメリカ議会は侵略阻止という名前でベトナム戦争拡大のあらゆる権限を大統領に白紙委任しました。そうしてその結果北爆をはじめ、償うことのできない戦争の惨禍はいまだにこれは続いているんです。これがほんとうに謀略的なこの情報のおそろしさです。つい最近アメリカ上院外務委員会は、これは総理も御承知のように、トンキン湾決議がアメリカのでっち上げ挑発事件に基づく誤った情報であることを確認した、そうしてこの十日に満場一致で同決議を否決、廃棄しています。こういう事態を考えますというと、これは重大だと思うのです。これに対する総理の御見解を伺いたい。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) ただいまの「よど」号事件のいわゆる未確認情報というもの、これは条件つきでございますから、その意味でいろいろ責められることは、私はその態度もやはり気をつけていただきたいと思います。その未確認情報というものがこれはだんだん取り上げられて質問を受けると、それが未確認でなくて確認した情報というようなことにもなってまいりますから、その辺にもやはりお互いに注意すべきじゃないだろうかと思います。  トンキン湾の事件については、これはアメリカのことでございますから、私はアメリカ国内の問題でございますから、とやかくは申しません。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 総理はそう言っていますが、日本政府はいつもアメリカ側の情報をうのみにしてベトナム戦争に協力してきたんではなかったですか。私は何回もこれはやっているんですよ、外務大臣とこれはやっている。またこれを今後繰り返す、そういうことじゃアメリカ国内の問題じゃないですよ。もう一度お伺いします。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) これはどこまでもアメリカ国内の問題です。私どもはまたどういうことがあろうと戦争になど参加し、あるいは国外に派兵などするとか、あるいは自衛隊を出すとか、そういうことはこの新しい憲法のもとでは絶対にやることじゃございませんから、そういう御心配はないように願っておきます。それだけにただいまの問題は、わが国がみずからが侵略されたというか、衝撃を受けた、そこで初めて自衛隊は発動するのでございますから、その辺もあわせ考えられて、あまり何でもかんでも日本がアメリカの、日米安保条約の名のもとにおいて同じ行動をとるんだ、かようなことではないことをぜひ御理解をください。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 謀略情報のおそろしさについて言っているわけですね。現になぜ北爆をやる、この根拠はどうですかと言ったら、それはアメリカではベトナム白書の結果でございます、そしてトンキン湾の決議、それを出してきているんです。外務大臣そうやっていたんです。私はそれを追及したはずです。ですから、こういうことを考えますと、非常にこれは重大な問題です。  そこで私は防衛庁長官に今度の情報の入手の経過、こういうものについて伺うんですが、この情報は韓国釜山のアメリカ第三百十四師団司令部、それから板付の米軍基地に入って、それから府中の米第五空軍の司令部に入って、それから府中の基地内の航空自衛隊総隊に入って、それから防衛庁航空幕僚監部作戦室に入って、それから防衛庁内の運用課、それから防衛庁長官、こういう経路で日本政府にもたらされたものだと思います。この情報伝達の経路を見ると、これはまさに日米共同作戦体制における指揮系統そのものでないかと思いますが、これは一体そう考えてよろしゅうございますか。

中曽根康弘自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(中曽根康弘君) 指揮系統はおのおの独立でありまして、日本のほうの指揮系統は内閣総理大臣が最高指揮権者であり、アメリカ側はアメリカ大統領でありましょう。日本とアメリカとの関係が途中で混淆して、どっちが上になったり下になったりすることはありません。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 情報入手の系統はどうですか。

中曽根康弘自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(中曽根康弘君) 情報入手の系統は、日本側からアメリカに渡す場合もあり、アメリカ側から日本側が受ける場合もあります。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 今度の場合は。

中曽根康弘自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(中曽根康弘君) 今度の場合はアメリカ側から日本が受けた場合でありまして、相互主義でやっておるわけであります。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 これまでもキューバ事件とか、プエブロ事件、それからEC121のスパイ機撃墜事件とか、みなこういう形で情報が流されておる。米軍提供の情報が防衛庁長官や国防会議議長の総理に伝わる前に、この系統を通じて直接航空自衛隊に伝わって、米軍の指示によって航空自衛隊がスクランブル体制に入ったことはこれはしばしばあったと思います。これでは日本の自主的判断も自主防衛も非常に困難になるんではないかと私は思うのです。自主防衛ということを防衛庁長官言っていますけれども、こういう情報の系統でこれはどういうことになるんですか。これは安保体制下のこういう事態では、これはあなたの言う自主防衛はできないと思いますが、これはどうですか。

中曽根康弘自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(中曽根康弘君) 米軍の指示によってスクランブルをしたなどという事実は一回もございません。現在レーダー網は日本の航空自衛隊が全部管掌しておりまして、その航空自衛隊のレーダーの判定によって日本の航空自衛隊総隊司令官が中心になってスクランブルを発しておるものであります。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 よく調べてください。池田内閣時代、キューバ事件で池田総理は知らなかった。そういう時代がはっきりありますから、ですからそれは調べないで、あなたは新任早々だからいまのような答弁をされたと思いますが、それじゃいかぬと思う。  さらに私はこういう事態の中でもう一つあなた抜かれたが、どうです、こういう情報のやり方でいいんですか。自主防衛成り立つんですか。

中曽根康弘自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(中曽根康弘君) 日本とアメリカとは安全保障条約を締結いたしまして、相互信頼のもとに情報の交換もしておるわけであります。これは相互主義で、相互に独立の立場を維持しながら協力し合っておるという関係でありまして、この関係は良好であると思います。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 府中のあすこのオペレーションの姿、それからその中でどういうふうな指揮系統にこれはなっているのか、それから松前・バーンズ協定、こういうものについて触れたいと思うんですが、時間がない。そこで私はこういうものはあと回わしにしまして、この次のこととして、私はお聞きしたいのは、日米共同声明との関係です。日米共同声明によりますと、韓国の安全は日本の安全にとって緊要であるということを述べていますね。そうして佐藤総理は、さらにナショナルプレスクラブで、一朝有事の際は前向きにすみやかに事前協議に応ずる、こういうことを言明されたわけです。そうすると、未確認情報でもアメリカの情報であれば無条件に承認する、こういう態度をいまだに防衛庁長官捨てていないんですか。そういう態度をとる限りは、前向きにすみやかにということは非常に危険きわまりないというふうに思うのです。日本はその意思でないのに、アメリカの意思によって火中のクリを拾わせられる危険が非常にある。私は一億国民にいまさらながらアメリカの君臨する空のもとで、国民の命と権利がいかに支配され制約されているかということを直接に体験した、これを感じとったのが今度の「よど」号事件ではないか。これは、私は非常に大きな教訓だと思うのです。安保条約が延長され、日米共同声明によってアメリカの支持のもとで日韓の共同作戦体制が強化される限り、この危険はいつもわれわれが直面せねばならぬ、そういうものを持っている。それが日本の現実、この現実に対して総理はどういうふうにこれは直面されるかというのが一つ。  もう一つは、私は実は四月三日午後六時、「よど」号が山村次官らを乗せて金浦空港を飛び立ってから、翌四日正午、赤旗の小林特派員が「よど」号の平壌安着を報ずるまでの十八時間というのは、日本の外交はその機能を失ったんじゃないか。いわゆる外交不在の空白がそこにあったと、こういうふうに考えます。これは、私自身もそういう経験の中にいた。その原因は言うまでもなく、佐藤内閣が長年とってきた反共政策にあるんじゃないか。一億国民はいまさらながら朝鮮民主主義人民共和国との友好を心から切望していると思います。それで、政府はこのたびの朝鮮民主主義人民共和国の「よど」号に対してとった人道的措置に対しては感謝する、こういうことを言っています。私は、国民がいまほんとうに今度の問題からこの壁というもの、こういう壁に——これは解決をはっきりするためには国交を回復すべきだと考えます。これに対する、これはあなたの態度ですね、これをお聞きしたいと思います。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) 第一点は、日米共同声明、それから今回の事件についてどういうように割り出していくか。どうも先ほども日本がアメリカの情報に無批判的に追随するんじゃないか、その危険がありと、こういうことでいろいろお話がありました。ことに韓国というもの、これはニクソン大統領との共同声明で、そこの安全、これは重大なる関心を持つということ、それを引き合いに出されて、日本がアメリカの情報にそのままをまっすぐに信じて猛進する、それはたいへん危険じゃないかと、こういう御指摘であります。私は、このことは申し上げるまでもなく、善意の国民にたいへん不安を与えることだから、あえて誤解のないように申し上げます、さようなことはないと。先ほど防衛庁長官が申しましたが、防衛庁長官が確認した情報なら、必ず私の耳に入ってくるはずです。防衛庁長官がこの当時の情報を防衛庁長官だけでとめたこと、そうして記者諸君に話をしたいわゆる未確認情報という、そこに十分私どもも理解を与えてやってもらいたいんです。そういう状況ならば、別に何ら行動に出ないという、そういう意味の問題があるわけであります。でありますから、私はいま何事によらず共産党の岩間君がアメリカの言いなりになるだろう、それはたいへん危険だという、国民に不安を与えるような発言がありましたから、あえて申し上げるんです。そんなことは御心配はないように、われわれは独自の立場において独自の判断をしていくと、したがって、事柄の性質上、重大なる戦いの場に臨むということ、そういう時代なら、これはもうもちろん慎重な上にも慎重を期する、こういうことでございます。だから、この点を誤解のないようにひとつお願いいたします。  第二の問題。いま平壌にいるのは御指摘になりましたとおり、赤旗の特派員がいる一人だけであります。その方が小林君と言われるか、名前も私は知りませんけれど、この赤旗の情報が一番そこに駐在しておられるだけに正確だろうと思います。最近のあの暴徒学生どもの処遇がどんなになっているのか、これは私も赤旗を通じて知る以外にはないんだが、ひとつこれも知らしてもらいたいと、かように思いますけれども、その後どういうようになっているだろうかと、この状態はまだ報道されておらない。私は、いま「よど」号が着きました際、これも石田機長その他から伺いますと、まあ自分たちで見つけた飛行場、それにほとんど誘導なしに着陸したと、かように申しておりますから、私はここらにもまだそれぞれやっぱり誤解を生むような要素があるんじゃないだろうか、たいへん危険な状態であの飛行場に降りたという。また飛び立つ場合も、たいへん危険をおかして、視界のないような、わずか二十メートル先もう見えない、そういうような状態のもとで出発したと、こういうことでございますから、ここらにも私はやはり考えさせられるものがあるのでございます。しかし、とにかく北鮮がああいう状態で、予期しない侵入者、その飛行機もろとも全部を送り返してくれたこと、暴徒は別ですが、全部を送り返してくれたこと、まあ無事に返ってきたこと、このことを心から感謝しているわけでございます。  そこで、お説のようにこういう問題があるから外交不在の状態がいま続いておるじゃないか、こういうことに思いをいたして、もっと外交を開くような余地はないのかと、こういうことだと思いますが、これはもうせんだってもお答えいたしましたように、もちろん国益に反しない限りにおいて私どもはこの交流をする用意があると、したがって、ただいまでも貿易はわずかながらでも続いております。また郵便も開設されておる、かように聞いております。その他の問題はただいまのところとだえておりますが、しかし、とにかく近隣の問題でございますから、近隣の諸国との友好関係はぜひとも結びたいものだし、とにかく早く同一民族、その韓国、大韓民族との間にいまの平和に返る、一民族一国家のそういう本来の姿に返ることが望ましいと、こういうことだけ申し上げまして、いまの外交不在だとか、あるいはこれを改善すること、これはただいまのところあまり容易でないということだけ申し添えておきたいと思います。  それからもう一つお尋ねが——最後何だったですかな。何かもう一つあったように思うが……。以上で大体よろしいようですが、以上で……。

堀本宜実自由民主党

○委員長(堀本宜実君) 以上で岩間君の質疑は終了いたしました。     —————————————

堀本宜実自由民主党

○委員長(堀本宜実君) この際、橋本運輸大臣から発言を求められておりますので、これを許します。橋本運輸大臣。

橋本登美三郎自由民主党運輸大臣

○国務大臣(橋本登美三郎君) これは春日委員さんと了解を、また岩間さんと了解しておるんでありますが、去る十一日の予算委員会で春日さんの御質問に対して私の答弁の中で説明不十分な点がありましたので、補足説明申し上げます。  自動車の排出ガスの防止装置の点でありますが、炭化水素の排出防止のためのブローバイ・ガス還元装置につきましては、新型車について本年九月から、継続生産車については明年一月から取りつけ規定を行なうことになっております。  排気管から排出される一酸化炭素及び炭化水素を清浄するためのアフターバーナーにつきましては、本装置開発初期の昭和三十九年から昭和四十三年にかけて科学技術研究補助金を交付する等により、その開発を促進してまいりましたが、なお耐久性等については改善の余地もありますのでさらに研究を進めていくとともに、近く発足を予定されている運輸技術審議会の意見を求めるつもりであります。はなはだ恐縮でありますけれども、以上申し上げます。     —————————————

堀本宜実自由民主党

○委員長(堀本宜実君) 次に、市川房枝君の質疑を行ないます。市川君。

市川房枝第二院クラブ

○市川房枝君 最初に国税庁の長官と総理に納税問題でお尋ねしたいと思います。  この三月十五日には四十四年所得の確定申告が締め切られましたし、この五月一日には五百万円以上の高額所得者の発表があるはずなので、大臣、議員の方々の所得額が新聞紙上に掲載され、論議を呼ぶことと思います。そこでこの機会に四十四年に国会議員で税務署から修正の申告を要求された方の人数と、申告漏れの金額、税金等を長官から伺いたいと思います。

吉國二郎国税庁長官

○政府委員(吉國二郎君) 四十四年分の申告はただいま出たばかりでございますので、おそらくお尋ねは四十三年分であろうかと思います。御承知のように、四、五年前でございますか、国会議員の方の所得計算についていろいろの問題があるということが出てまいりました。たとえば雑所得の損失を給与所得から控除した申告が出ているというような問題が、現に国会でも問題になりましたので、実は国税庁では、すべての議員の方の申告書を取り寄せまして、その点を検討いたしましたところが、取り扱いその他について不明確な点がございましたので、御承知のとおり、いろいろ国会方面ともお話をいたしました結果、雑所得の取り扱いについては一つの扱い方がきまりまして、それによって申告をしていただくことになったのでございます。さらに四十三年度の国会におきましては、雑所得の損失を給与所得から控除できない、他の所得から控除できないという改正をしていただきました。かたがたその間におきまして、修正申告その他の内容を検討いたしました結果、昨年亀徳長官がここで申しましたように、増差額があっても重加算税の対象となるようないわゆる問題の点は一件もなかったということを御報告申し上げました。で、税務署における調査も、取り扱い等がすっかり完備をいたしまして、非常にスムーズに行なわれておりますので、四十三年分につきましては、軽微な申告漏れその他については全部局署にまかせております。そういたしまして、若干資料等があるものについて国税庁で持っておりますのはごくわずかなものでございますので、総体としての数字を昨年のように申し上げる資料はございませんので、実際に手元にございますのはむしろ個人的な関係がはっきりするようなものばかりでございますので、総体としての数字は手元にないので、この点を申し上げておきたいと思います。

市川房枝第二院クラブ

○市川房枝君 いまの長官の御説明ではちょっと納得できかねるのです。いまお話にも出てきましたけれども、四十二年には申告の修正を要求された国会議員の数は五十名、申告漏れの所得は一億五千四百二十二万円、追加納税分は二千四百四万円あったと当時の泉長官から、それからまた四十三年には国会議員の数六十八人、申告漏れ所得九千二百十六万円、追加納税分千七百四十一万円あったと当時の亀徳長官からこの予算委員会で報告を受けております。いまの御報告ではその数字がないんだと、非常にスムーズにいっているからないんだと、こういう御答弁でしたけれども、長官に事実を申し上げましょうか。  実はきのう所得税課長にあらかじめ連絡をしましたところが、私個人になら数字を見せるがと、書類を御持参になっておられました。しかし国会では聞いてほしくないんだということ。で、私は個人で知りたいとは思わないんで、むしろ国民が知りたいんだからと言って、その書類を見ませんでした。ところがその書類の内容として、実は金額は前よりも少し多くなっているんだと、しかし人数だとか追徴の税金の額とかは横ばいなんだという御説明をちょっと伺ったんです。だから調査の数字がないんじゃないんであって、ここで発表したくないと、その理由がどういうことでありますか、この国会から圧力がかかったわけではないんでしょうか。従来は私は政治家とか国会議員などの権力を持っている人たちは、聖域と称して国税庁はお触れにならなかったらしい。ところが国民の強い要求があったので、ここ二、三年はその聖域に少し足を踏み入れてきたと、こういう状況のようでありますが、だからさっきおっしゃいました政治献金の税法上の扱いの問題が、所得云々という話でありましたが、これはずいぶん私に言わせればごまかしがあるわけであって、そのことのこまかいことは別の機会に譲りますが、とにかく私は税務当局のここ二、三年来の態度といいますか、努力を国民は多としておったと思います。ところがいまの吉國長官のお話ですというと、この政治家に対しての納税の問題を、また聖域としてあと戻りしてそれに触れないと、こういう印象を受けるわけですが、どうなんですか。

吉國二郎国税庁長官

○政府委員(吉國二郎君) 誤解があるといけませんので申し上げますけれども、昨日所得税課長が持っておりました書類と申しますのは、私がいま申し上げました中央で管理しておる少数の方の具体的な事件でございますが、そういうものについては国会のところで発表ができないという意味で申し上げたわけでございまして、あの聖域へ足を踏み込みながらまた引っ込めたというお話でございますが、これはそういうことではございませんで、むしろああいうことがございましてから、税務署の調査というのは非常に政治家の方にもスムーズに行なわれております。また申告の際もよく御相談をいただいたりいたしております。取り扱いも安定いたしましたし、そういう点で実際問題としては軽微な申告漏れというのは相当あるんでございます。これは私どもでもしばしば支払い調書が着かないために困るという問題に遭遇いたしますが、そういいケースが相当ございますが、そういうものは一般の納税者の方と特別に区別をして扱うべき問題ではない、そういうものについてはそれぞれもう国税局、税務署で処置すればいい。特に資料等から見て所得と申告の額が違いそうであるという方については若干国税庁そのもので管理をいたしておりますけれども、その分はさっき申し上げましたように、申し上げますと個人の方に属する問題が出てまいります。そういう意味では特に申し上げる必要はないんではないか。概数で申し上げますと、たとえば申告された所得と調査した所得とが百万円以上違っている方というのは、まあ大体十数名、昨年もほぼその程度でございました。その程度の方はございますけれども、これはもうごく個人的な事情その他営業の問題とかいうことに関係しておりますので、特に申し上げることもないであろう、そういう意味で私申し上げたわけでございまして、調査は従来同様に適正に行なっていることを申し上げておきたいと思います。

市川房枝第二院クラブ

○市川房枝君 どうもまだ納得できないんですが、総理、あなたまさか発表しないほうがいいとか、隠せとおっしゃったわけではないんだろうと思いますが、私は税金については、特に国会議員は一般国民同様に扱うべきだと、いや国民に手本を示す意味においてむしろ厳格に扱うべきだと、こういう平常から主張をしておるわけですが、いままで発表していたのを発表しないと、よほど悪いんだなと、こういう印象を国民は受けるわけでありますが、いまのような程度なら事実の数字を発表して一向差しつかえないと思うんですが、総理の御所見を伺いたい。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) まあ理論的に申せば発表してちっとも差しつかえない問題だと、かように私も思います。しかし、これは事柄が個人の問題、そういう立場もやっぱり尊重しなければならないと思います。これはまあ国会議員だから納税の義務を緩和すると、そういう意味ではないのです。それはもう範を示すべきその立場にあると思います。しかし同時にそれかと言って普通一般より以上に責任を問うという、そういうような立場にもないのじゃないだろううか、かように私は思っておりますので、そこらはあまりかどばった議論をしないほうがうまくスムーズに行くのじゃないだろうかと思います。そういう意味で特にないしょにすると、こういうものでないことを、まあ前回も亀徳君時代もそのとおりやったのでございますから、今回もその点においては別に変わってはおりません。しかし、議員、そういう立場の者は責任を明確にする、こういう意味でみずから進んでやれ、こう言われるのもいかがかと思います。

福田赳夫自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(福田赳夫君) ちょっと補足さしていただきますが、いま御指摘になりました昨年五十件程度まあ問題があったというお話でございますが、これは申告と更正決定ですね、これは些細なところで違いのある案件が非常にあるわけです。たとえば原稿料のつけ落ちをいたしたとか、まあ大体がそんなようなことなのです。それを報告せいと、こういうものですから、一切がっさい集めまして、わざわざ集めて、そして御報告をした。そうするとまあ市川さんから、さあ五十件もある、税額にすると二千四百万円にもなる、こう言っておしかりを受けるわけでございますが、ことしはもう大体このルールができたと、こういうふうに存じまして、それでまあ異例の、国税庁長官として判断を要するものは持ってこい、その他のものは税務署限りで処理してよろしいと、こういうことになっておるので、資料を持っておらないわけなのです。したがいまして、国税庁といたしましてここで総括して申し上げるということができない、こういうことなんですが、まあ市川さんの御意見の影響もあろうかと思いますが、非常に国会議員の申告状況は改善をされてきておりまして、私は国会議員の申告はまあ普通の水準よりはよくなってきておると、こういうふうに認識しておりますので、どうかこの程度でひとつ御了承のほどを願いたいと思います。

市川房枝第二院クラブ

○市川房枝君 私は個人の方のお名前を知らしてくださいとは言わないし、政党別さえ、私は伺ったけれども、それは言えないとおっしゃって、それはまあそれで御無理ないと思ったのですが、総数として、それでいまの大蔵大臣のお話のように、軽いのだったら軽いのだとおっしゃって、それでこうだと、いままで数字を発表していたのを発表をしないというとやはりこれはどうもおかしいと、国民が私は疑問を持つのはあたりまえだと思うのです。まあ皆さん方の御答弁を伺ったのですけれども、どうも私納得しないのですが、国民もみんな納得しないと思うのですが、まあ時間がありませんので、この程度できょうはやめておこうと思います。  続いて、総理に言論、出版の妨害の問題とギャンブルの問題について伺いたいと思うのであります。この言論、出版妨害の問題は、憲法に関連する重大な問題でございますので、国会でこそ証人を喚問して十分に討議されるべきであったと思います。四月十三日に発表された東京新聞の世論調査でも、その過半数が国会で取り上ぐべきだったと言っております。総理は、まあ大したことではないと、こうおっしゃっておりますが、これが国会に来なかった責任は自民党総裁としての総理にあるのではないかと思うのですが、このことについての御所見を伺いたい。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) 言論、出版の問題、これは大したことではないどころか、これはたいへんな問題だと、かように私は考えております。もしも政府自身が力を用いて言論、出版を圧迫したと、こういうことがあれば、これはたいへんな問題だ、これは憲法で保障されたそういうものを侵害することになりますから、これはたいへんな問題であります。私が申し上げるのはそうじゃなくて、政府は関与しない、これはただ単なる私人間の問題だと、そうしてそれが、まあたとえばですよ、私自身が何か非常な悪口を書かれていると、それが事実に反していると、事実どおりでないと、こういうようなことがあると、その出版はやめてくれと言うのは普通のあたりまえのことじゃないのか。それがどうもその程度じゃないのだ。買収だとか何だとか、こういうような話にまで発展してきておるところにいろいろ問題があるようでございます。私はそういうことはむしろ国会ももちろん基本の問題ですから、審査、これがないとは申しません。審査なさることもけっこうですが、しかし救済の方法はおのずから司法の場においてそういうことはなされるべきではないだろうか、かように思います。私はむしろその言論あるいは出版の自由ということがこの国会の場で取り上げられて、そうして事柄は市川君の言われるように、たいへん大事な問題で、これはどうしても保障されなければならない問題だ。しかし同時に、そういうものがこの国会の場で取り上げられると、そういうことが暗黙のうちにある程度の力を与えることにもなるのだ。それこそ私は真の言論、出版の自由を守るほうから申せば、やっぱりその場所をわきまえてやっていただきたい、かように私は考えるのであります。したがって、ただいま御指摘になりました証人喚問の問題、これなどは私はまあ数だけできめるべき問題じゃないのだ。各党が了承されることならばこれは反対ではございません。こういうことを申し上げたのであります。私は重大だと、かように考えればこそ、ただいまのように申したのでございます。いわゆる決議案というようなものは、もう慣行として各党で共同決議というか、賛成を得たときに出そうという、そういうことになっております。私どもも数だけで決議案を出す考えはございません。ただいまのような問題も、そのデリカシーを考えると、どうもこの場でこういう問題を取り上げること、これは逆な効果があるのじゃないだろうか。さような意味において私はむしろいままでのような発言をして、ただいまもまだ同じような考え方でおるわけであります。むしろ言論の自由を尊重すると、そういう名のもとにおいてどこかの圧迫が加わるのじゃないだろうか、ほんとうの自由な状態ではないのじゃないだろうか、かように私は思っておる次第でございます。

市川房枝第二院クラブ

○市川房枝君 あの問題で自民党と公明党の最高幹部の方の間に連絡があったということ、これは両党の性格、平生の活動から見てまことに意外で、両党の間に借り貸しといいますか、取引というものがあったのではないかというような印象を私は国民に与えたと思います。これで、両党はもちろんのこと、私は政治家なり政党全体への国民の不信というものを深めたのではないかと考えて残念に思うのですが、それはどうですか。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) 私は国民に政治に対する不信を深めたとか高めたとか、さようには考えません。ただ、いま公明党と自民党との間の最高のところで連絡があったのじゃないのかと、こういうことについては、かつて田中幹事長が国会討論の場でも、よけいなおせっかいをいたしましたと、これはもうはっきり申しておりますから、その程度のものだと私は思っております。私自身にはもちろん事前の打ち合わせだとか事後の打ち合わせもございません。だからこれは、私のここで答弁していることは、これは公明党にあるいは御迷惑かもわからない。しかし私の真情は、さっきから申し上げるような意味合いで、どうも言論の自由と言いながら、ある程度の圧力を加えるような方法で言論の自由の問題が論ぜられるんじゃないか、かように私は思う次第でございます。あまりなまなましい問題でありますだけに、これはまあ抽象的な議論なら、どこで論議されようとも、ちっとも問題はございません。しかし、具体的な問題についてとやかく論議されると、その場所が場所だけに、私はかえってむずかしい方向へいくのではないかと。だから、むしろほんとうにその救済を必要とするような問題ならば、これは司法の場でそれぞれの手続を踏まれるほうが本筋だろうと。だから、原則論——むろん、憲法の二十条、二十一条、これはもうだれも否定する者はございませんから、そういう意味では十分御理解をいただきたいと思います。

市川房枝第二院クラブ

○市川房枝君 総理、もう一つ伺いたいんですが、美濃部東京都知事が、十五日に、来たる十一月で京王閣の競輪の主催を中止すると発表しましたが、政府は、この間の大井競馬のときみたいに、この廃止の分をまたほかの自治体に肩がわりをさせるおつもりでしょうか。

宮澤喜一自由民主党通商産業大臣・外務大臣臨時代理

○国務大臣(宮澤喜一君) 実は、その詳細をまだ何も私どものほうへ言ってこられませんのでわかりませんし、関係市町村の意向もわかりませんので、よく事情を聞きましてからきめなきゃならないと思っております。

市川房枝第二院クラブ

○市川房枝君 総理並びに通産大臣に伺いたいんですが、三十六年の内閣の公営競技調査会の答申の中に、一部の地方団体でその財政が公営競技に強く依存しているのは好ましくないので、国及び地方団体は協力してできるだけ早くかかる事態をなくするよう努力することというのが一項入っておりますが、最近のギャンブルに対する自治省、農林省なんかの態度は、私は、この方針に全く反していると思うのですが、どうですか。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(倉石忠雄君) 農林省は、ただいまお話しの御意見を尊重いたしまして、その後もそういう措置を講じておるところでございます。

市川房枝第二院クラブ

○市川房枝君 ギャンブルの問題はまた別の機会にもっと詳しく伺うつもりでございますが、最後に、労働大臣に伺いたいと思います。  労働省が今国会に提出した勤労青少年福祉法案は、すでに本院を通過して衆議院に送付されておりますが、この法案には最初に一般の勤労婦人も含まれていたやに聞いておりますが、どうして婦人だけ落としてしまわれたんでしょうか、そのことを伺いたい。

野原正勝自由民主党労働大臣

○国務大臣(野原正勝君) 婦人の労働力に期待する傾向が日に日に強まっております。その意味におきましては、立法の案の当初においてだいぶ問題になったことでございます。しかし、勤労青少年の福祉法と同時に婦人の問題をどうするかという問題につきましては、まだ審議会等におきましても必ずしも結論が出ませんので、これは次の段階——私どもは、今後、婦人の地位の向上とか、あるいは家庭婦人と職場との調和の問題、職場参加の問題、いろいろな面で婦人労働という問題は慎重に検討して、将来必要があれば立法に進みたいと、目下検討を進めておる段階でございます。

市川房枝第二院クラブ

○市川房枝君 必要があれば将来検討すると。いま必要はないというお考えですか。

野原正勝自由民主党労働大臣

○国務大臣(野原正勝君) ちょっと言い間違いましたが、必要はあるのではないかと、そういうことで検討しておる。まだ必ずしも各方面の意見が出そろっておりませんので、これから十分に慎重に検討していただきまして、将来何とかりっぱな、婦人労働が社会復帰できますように、大きな社会の発展のために役立つように、もろもろの対策を講じてまいりたいと、その検討を進めておると、こういう段階でございます。

市川房枝第二院クラブ

○市川房枝君 なお、働く婦人や青少年のための行政機構として、地方に婦人少年室というのがありますが、労働省は昨年これを廃止する案をつくって国会に提出しようとされたんですが、私ども婦人議員はこれに反対して、私自身この委員会で総理及び労働大臣に質問をしましたけれども、その後労働省の機構改革はどうなっておりますか。

野原正勝自由民主党労働大臣

○国務大臣(野原正勝君) 婦人少年室はまだあるわけでございます。勤労青少年の対策と同町に婦人の問題を扱っておりますが、この問題につきましては、この前、将来廃止しようという方向で話がまとまっておるということでありますが、どうも婦人労働力のむしろ拡充強化を要するその段階を考えてみますると、これはにわかに廃止をしていいか悪いか、もう少し検討してみる必要があるのではないかというふうに考えて、目下検討しておるわけでございます。しかし、婦人問題は、国及び都道府県におきまして労働関係の部局がそれを所管しておりまして、その地方公共団体の御意思を尊重いたしてやっておるわけでございますが、ただいまのところ、婦人少年室を通じましてそれらの施策をやっておるわけでございます。

市川房枝第二院クラブ

○市川房枝君 もう一つ労働大臣に伺いたいんですが、この婦人少年室は、今度できます勤労青少年福祉法では特に何にも言及されていないんですが、一体どういう役割りをするのか。それからまた、この福祉法の実施は、都道府県ではどこが担当するのか、労政課とかいうことを聞いておりますが、それはどうもおかしいのですが、その辺のこともちょっと伺いたい。

野原正勝自由民主党労働大臣

○国務大臣(野原正勝君) 国及び都道府県が勤労青少年の福祉法について担当するわけでございますが、国は各県における婦人少年室を使って対策を講ずるという方針になっておるわけでございます。

堀本宜実自由民主党

○委員長(堀本宜実君) 以上で市川君の質疑は終了いたしました。  以上をもちまして、締めくくり総括質疑通告者の発言は全部終了いたしました。よって、予算三案の質疑は終局したものと認めます。     —————————————

堀本宜実自由民主党

○委員長(堀本宜実君) それでは、これより三案の討論に入ります。通告がございますので、順次発言を許します。賛否を明らかにしてお述べを願います。鈴木強君。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 私は、日本社会党を代表して、ただいま議題となりました昭和四十五年度予算三案に対し、反対の討論を行なうものであります。  本特別国会の再開冒頭に行なわれた施政方針演説におきまして、佐藤首相は、七〇年は内政の年であり、人間尊重の精神に基づいた社会の調和ある発展の諸施策を進めるために、民主主義の擁護、教育の刷新充実と社会道義の確立、社会開発の推進と社会保障の充実、国際的視野に立った経済政策の運用、農業の近代化、特に総合農政の積極的展開及び物価の安定という六つの柱をたて、これを七〇年の国家目標として、それぞれ重点的に取り組む旨の所信を明らかにされました。  また、福田大蔵大臣は、財政演説のなかで、「七〇年代は経済成長の質的内容を高めるべき時代」で、当面「特に物価の安定は、調和のとれた国民生活の向上を実現するために不可欠なものである」と言い、七〇年代の第一年に当たる昭和四十五年度予算の編成にあたっては、特に「財政面から経済を過度に刺激することのないよう配慮」するとともに、「税負担の軽減をはかった」旨を強調されました。  しかるに、その後、国会に提出された四十五年度予算三案を検討し、さらには前後一カ月間にわたる本委員会の質疑応答にかんがみますと、あの堂々たる施政方針演説も財政演説も、実はその場限りの単なる美辞麗句にすぎなかったのかと、いまさらながら驚いている次第であります。  以下反対の理由を申し述べます。  その一つは、佐藤内閣の政治に対する基本姿勢、特に現状認識の甘さと数々の公約違反についであります。  すでに六〇年代の後半において、国民総生産で世界第三位といわれるまでに量的拡大を遂げたわが国の経済が、七〇年代においてなすべき課題は、経済成長の質的内容を高めることであり、それには消費者物価の安定をはじめ、社会資本、特に住宅、道路等生活関連諸施設の充実、農業、中小企業の近代化及び公害、交通難、過密過疎現象などの諸問題の解決を急ぐとともに、他方で貿易、資本両面での自由化を促進して、国際的要請にもこたえなければならぬことは、申すまでもありません。ただ、問題は、政府がいうところの内政の年の年度予算において、これらの諸要請に対し、はたして適切な財政措置が講じられているかどうかという点でありますが、率直に申して、ノーと答えざるを得ないのを遺憾とするものであります。  政府は、この新年度予算案を、景気警戒の中立型予算と自賛しているようであります。なるほど、予算編成前には、物価安定会議や財政審議会などから、総需要抑制の必要が強調され、そのため、大蔵原案の段階では、幾らか景気刺激への配慮にくふうのあとがうかがわれたのでありますが、しかし、それも、政府、与党及び財界や圧力団体をめぐる復活要求、俗にいう予算ぶん取り合戦の中で、後退また後退の修正を余儀なくされております。  すなわち、政府案では、大蔵原案に比べて、一般会計の規模こそ変わってはいないのですが、財政投融資計画を大幅に膨張させて、景気過熱的性格を一段と強めるとともに、新たに、米の生産調整対策、公共事業及び恩給等の面で、明らかにうしろ向きとみられる財政支出を計上することによって、財政の硬直化要因を招いております。この結果、決定された新年度予算案の性格は、政府みずからが第一義的政治課題として重視したはずの物価安定の政策目標はどこか遠くへ追いやられ、むしろ物価値上がりを助長するインフレ促進型膨張予算の登場となっておるのであります。  政府の託宣を待つまでもなく、物価問題はいまや国民生活にとって最大の問題になっております。最近の消費者物価の連続的な上昇は、国民の生活を圧迫し、将来の生活設計を灰色のものにしています。昨年一年間の消費者物価の動向をとってみても、その上昇率は五・八%にも及び、また、年度末には、政府の改定見通しの五・七%をも大きくこえて、六・四%にも達しているのであります。しかし、激しい物価高と重税にあえぐ一般庶民の生活実感からいえば、いまの物価は一〇%以上にも上がっているというのが実情であります。打ち続く物価の異常な値上がりに、政府は、去る四月一日物価対策閣僚協議会を開いたが、これまでの作文や物価問題懇談会、物価安定推進会議などの提言にも及ばないおざなりのものであります。確かに、総需要の調整、低生産性部門の構造改善、行政介入の再検討、大企業寡占価格など、指摘された問題点は幾つかあったようですが、これらを有効な物価安定生活に生かすことは、真に消費者大衆の側に立った価値判断がなければ不可能だと思うわけであります。  佐藤首相は、就任以来、事あるごとに、物価安定を最重点に置くと言い、七〇年は内政の年と喝破された施政方針演説においても、この点を強調されておりますが、佐藤内閣発足以来、今日までの五年間に、消費者物価の上昇が実に三二・六%に及んでいることも、とくと御記憶を願いたいのであります。これは昨年末のことでありましたが、物価問題には内閣の生命をかけて取り組むと言いながら、総選挙が終わった時点で、にわかにタクシー料金、医療費、通運料金などの値上げを認めたのみか、最近に至って、私鉄運賃、バス料金など、公共料金が一斉に値上げ機運を盛り上げている状況に対し、政府として、いまだはっきりした態度、方針を示していない点は、一般国民に何か割り切れない感情を与えております。  こうしたことは、国民の間に政治不信を醸成するゆえんでもあり、ひいては日本経済の将来に暗い影を投げかけることでもありますので、この点を指摘して強く反省を求めるとともに、物価安定が最大の課題だという政府の公約に偽りがないのであれば、この際、まずみずからの姿勢を正し、勇断をもって物価安定の具体策を作成して、これを実行に移すべきであります。  反対理由の二つは、新年度予算の中でいま一つ重大な問題は、六十年代から持ち越してきた古い政策課題に、いまなお多額の財政資金が支払われていることであります。  たとえば、食糧管理特別会計の赤字に直接つながる問題ですが、農林予算の中に総合農政の重点施策として米の生産調整対策費が計上されております。八百十四億円からの巨額の財政資金を投入して、百五十万トン以上の減産を予定しておりますが、その計画実現の可能性ははなはだ暗いと思います。政府において、この生産調整策が確かに実効をあげるという確信があり、また、そのための経費も今後漸減していくというはっきりした見通しがあるのであれば、八百億円が千億円であっても納税者を納得させることができましょうが、転作にも期待できない、離農促進にも名案がないというのでは、あまりにも無責任な計画と言わなければなりません。  問題は、米作転換奨励金にせよ、離農年金にせよ、いずれもうしろ向きの農業切り捨て政策でありまして、あすの農業への展望を切り開くものではないということであります。政府が期待するように、この減産計画が、農業の構造改善と日本経済の効率化につながり、さらに財政硬直化が打開されるという一石二鳥、三鳥の効果をねらうからには、それなりの首尾一貫したビジョンがなければなりません。その場その場の御都合主義で動いているかに見える政府の計画立案に対しては、むしろ「食管制度は堅持する」という公約を厳に守るよう、強く要望しておきたいと存じます。  同じことは、地方財政計画に対しても言えることであります。今回もまた、地方交付税交付金の年度間調整、補助金をどうするか等の根本策は見送られ、逆に、国の地方に対する三百億円の交付金借り上げといった好ましからぬやりくり算段が行なわれております。この借り上げは、財政硬直化打開が強く叫ばれ出した四十三年度予算から始まっておりますが、以来毎年同じことが繰り返されて、その現在高は九百十億円にのぼっております。この金は、いずれ国が地方へ返済しなければならない金額ですが、四十六年度以降に制度の改革でもない限り、地方財政は、財政全体の基盤を掘り荒らされる要因になりかねない状態であります。  こうした役人同士のなわ張り争いを避け、国と地方の財政を一体的に運営したいものですが、それには、二十年も前にきめた中央と地方の事務、財源の配分を根本から再検討すべきなのに、かけ声だけで何らの成果もあがっていないのは、政府の怠慢無能のせいであり、懲罰に値する重大問題だと考えます。  佐藤首相は、施政方針演説の中で、七〇年に対処する内政の柱の第一に民主主義の擁護の必要性を強調し、行政の能率化、裁判の迅速化、国会運営の正常化を具体的な目標にあげておられます。言やまことによしと言いたいところでありますが、皮肉なことに、これらの目標は、いずれも政府の怠慢か努力の至らなさのために、改革がたな上げになっている問題ばかりであります。たとえば行政機構の簡素化でありますが、三十九年に佐藤内閣が誕生した当時から重要施策の一つにあげられ、臨時行政調査会の答申尊重とその実現を公約されてきましたが、その後の五年間の足どりを顧みますと、わずかに総定員法の成立があげられるくらい。その総定員法すらが、目標とする一省一局削減の実をあげ得ないまま、半ば空洞化しているのであります。首相は、七〇年の国家目標を高い調子で国民に押しつける前に、内閣の最高統率者として、各省の抵抗を封じていただきたいものであります。お役所の簡素化は国国のひとしく熱望するところであり、また、行政の硬直化打開が即財政の硬直化を防ぐゆえんでもありますので、この機会に、首相並びに各省大臣に前向きの決断を促したいと思うものであります。  以上、本予算三案にあらわれておりまする政府の基本的姿勢等について反対の意を表しましたが、なお、若干付言しておきたいことがあります。  それは、今回の税制改正が、税負担の不公平を拡大し、重税と不公平是正を要望する国民大衆の期待を裏切るものであるということであります。  政府は、所得税減税について、課税最低限を約百三万円に引き上げ、同時に中堅所得層を中心に高い累進税率を緩和するという税制調査会の長期答申を完全に実施したといっておりますが、税調の長期答申は、二年前、当時の資料を基礎につくられたもので、前提に大きな相違があり、政府の言う完全実施というのは妥当なものではなく、逆に法人税率の引き上げを、当初二%だったのを、財界や金融界の圧力で、留保所得に対してのみ一・七五%と値切り、他方で引き当て金制度の拡充をはかるなど、不公平を一そう拡大しております。  税の不満感は住民税に対しても同様で、年収百二十一万円の夫婦と子供三人の標準世帯では、所得税と地方税の課税額はほぼ二万円で均衡いたしますが、百二十一万円を下回ると所得税より住民税が高くなります。大幅減税などといわれても、国民大衆にとってはぴんとこないのであります。  また、防衛関係費の著しい伸び率から見て、軍事力増強政策を推し進める危険がうかがわれるのであります。防衛関係費の伸び率一七・七%というのは、自衛隊発足以来の大幅な増加であります。しかも、平和憲法下における自衛隊の限界や、防衛費を大幅に増額しなければならない根拠が不明確であります。  いずれにせよ、政府のこのような平和憲法に逆行する行き方には賛成することができません。福田大蔵大臣は、本年度予算のごろ合わせを「ナガクヨクナロウヨ」などと言っております。なるほど、資本家にとっては、確かに「ナガクヨクナロウヨ」に間違いない予算でありましょう。しかし、一般国民大衆にとっては、この予算は、七〇年は「クルシクナロウヨ」というごろ合わせになります。ことしもまた一年間、大衆は苦しめられる予算でありますので、ここに私は重ねて反対であることを申し上げて討論を終わります。(拍手)

堀本宜実自由民主党

○委員長(堀本宜実君) 柴田栄君。

柴田栄自由民主党

○柴田栄君 私は、自由民主党を代表いたしまして、ただいま議題となりました昭和四十五年度一般会計予算外二件に対し、賛成の討論を行なうものであります。  わが国経済は、昭和四十年の不況を克服して以来、すでに今日まで満四年をこえる経済繁栄が続いておりまして、四十五年度もこの拡大基調の傾向は続くものと予想されます。このような経済の好況を反映して、四十五年度の国民総生産は、自由世界第二位の七十二兆五千億円程度が見込まれるほか、国際収支におきましても、外貨準備高は、本年三月末には三十八億六千八百万ドルに達しておりまして、このようにわが国の経済の充実と発展は、国際社会におけるわが国の地位と信用を飛躍的に高めるものとして、国民とともに御同慶にたえないところであります。  本年から始まる一九七〇年代の課題は、こうした拡大する経済に対処して、新たな展望の上に立って、真に福祉国家としての調和のとれた社会開発の推進と国民生活の一そうの質的改善にあると思うのであります。  以下、本年度予算の特色について述べてみたいと存じます。  まず第一は、財政規模と景気についてでありますが、昭和四十五年度の一般会計は七兆九千四百九十七億円、財政投融資は三兆五千七百九十九億円でありまして、前年度当初予算に比較して、それぞれ一七・九%、一六・三%の増となっております。これは、政府の名目経済成長率一五・八%を上回るため、景気に対し過熱の心配をする向きも一部にあるのでありますが、財政の景気に及ぼす影響は、政府の財貨サービスの購入の伸び率と比較するのが国民経済の計算上妥当でありまして、四十五年度の財貨サービスの購入の伸び率一四・八%から見ますれば、名目経済成長率を若干下回っておりまして、景気に対して過度の刺激は避けられるものと思うのであります。その他、公債発行額を六百億円減額いたしておりまして、公債依存度も前年度の七・二%から五・四%に低下されておりまするほか、法人税率の引き上げ措置がとられておりまして、投資活動抑制の効果が期待できるのであります。このように、昭和四十五年度予算は、財政面から刺激の回避をはかっておりますほか、金融面からの運用措置と相談って警戒中立型の予算であると思うのであります。  第二は、税負担の軽減についてでありますが、今回の減税は、給与所得者を中心といたしまして、従来にない所得税の大幅減税を断行いたしております。すなわち、平年度三千五十億円の減税を実施して、夫婦子三人のいわゆる標準世帯の課税最低限を百三万円に引き上げておりまするほか、サラリーマンの必要経費ともいわれる給与所得控除の拡充、中堅層以下に適用する税率の緩和をはかっております。これは税制調査会の長期答申の完全実施でありまして、サラリーマン諸君の減税要望に対する政治的配慮を多とするものであります。  その他、租税特別措置の整備合理化及び地方税の負担の軽減措置が行なわれておりまして、国民の税負担の軽減に大いに資するものと思うのであります。  第三は、物価問題についてでありますが、政府は、四十五年度の予算編成に際して、この安定を主眼として、両米価の据え置きをはじめとして、その他の公共料金を極力抑制すること、流通機構の整備合理化、農業、中小企業の近代化、労働力移動の円滑化等、物価安定のための諸施策を強化いたしておりまして、総需要の適正保持の財政政策とともに、その効果が期待できるのであります。  しかしながら、物価の安定は、ひとり政府の施策のみではその実効を期することはなかなか困難でありまするので、国民各位におかれては、物価と賃金の悪循環を断ち切るためにも、生産性を無視した賃上げや便乗値上げに対しては、正しい世論でこれを排除していただきたいのであります。  第四は、重要施策に対する予算の配分についてであります。私は、昭和四十五年度予算は、中立型予算の中で、さきの総選挙に掲げたわが党の公約を忠実に予算化した公約実行予算であると思うのであります。さきに述べました経済の安定成長の持続とサラリーマンの大幅減税をはじめとして、十兆三千五百億円の新道路五カ年計画、社会保障関係費の大幅拡充、約六十二万戸の住宅建設、農業と中小企業の近代化、文教と科学技術の振興、社会資本の整備、公害、交通安全対策等、各般にわたる党の重要施策について、限りある財源を、適切かつ効率的に配分して均衡と調和のとれた財政措置が講ぜられておりまして、政府の予算編成はきわめて妥当であると思います。  特に総合農政につきましては、過剰米の累積状況にかんがみて、新たな農政の展開がはかられております。すなわち、百五十万トン以上を目標に、米の生産調整を実施するために転換奨励金を交付することは、農民の協力により食管制度の根幹を堅持するものとして時宜を得た施策だと思うのであります。また、農民年金制度が明年より発足する予定であることも、農業経営の規模の拡大と老後の生活保障の確立に資するものとして適切であると思うのであります。その他、農業生産基盤の整備、構造改善、農業生産の振興、農業金融の拡充等につき、農林漁業の近代化のためのきめこまかい配慮がなされておりまして、これはわが国農政史上画期的な施策であると思うのであります。  以上、昭和四十五年度予算は、現下の経済の命題に十分こたえ得る予算として満腔の賛意を表するものでありまして、政府におかれては、予算の執行に当たっては、財政金融の両面にわたって適時適切なる経済運営をとられるよう希望いたしまして、賛成討論を終わります。(拍手)

堀本宜実自由民主党

○委員長(堀本宜実君) 矢追秀彦君。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 私は、公明党を代表して、ただいま議題となっております昭和四十五年度予算三案に対し、反対の討論を行なうものであります。  佐藤総理は、施政方針演説で、四十五年は内政の年と言明し、公害、交通難、過密過疎、社会資本の立ちおくれ、住宅難等、社会的ひずみ拡大の諸問題に積極的に対処し、また、物価の安定をはかりながら持続的な経済の発展を主張しているのであります。ところが、政府は、警戒中立型予算という看板もどこへやら、七兆九千四百九十七億円という景気刺激のインフレ膨張予算を編成したのであります。  現在、わが国経済は景気行き過ぎの危険もあって、金融引き締め政策がとられており、こうした情勢下に編成される本年度予算は、ポリシーミックスのたてまえから、当然景気鎮静型に徹すべきであります。しかるに、本予算案は、超大型予算で、景気調整の機能を喪失し、その役割りを金融政策に押しつけており、こうした経済運営を強く批判するものであります。  しかも、従来の放漫財政の惰性からくる当然増経費の増大による財政硬直化はますます進んでいるのであります。ここには、内政の年といわれ、国民が大いに期待している施策は残念ながら不十分といわざるを得ません。  以下、数点にわたって私は反対の理由を申し上げたいと思います。  反対の第一は、税制についてであります。自然増収が巨額に見込まれながら、その減税割合は少なく、しかも、負担の不均衡は是正されず、依然として大法人優遇、高所得者並びに資産所得者の手厚い保護が行なわれようとしていることに強い不満を表明するものであります。  所得税では、五人家族のサラリーマンで約三万円まで課税されないようになったといいますが、現実の家族構成を見ますと、四人家族で算定するのが常識であり、さらに、三年前、わが党委員の質疑に当時の水田大蔵大臣は、基準を四人家族に改めると約束したにもかかわらず、いまだにこれが実行されずにいることは、この基準が課税最低限を高くみせかけようとする手段として使われているとの疑いを持つものであります。そうして、この機会に、わが党は、課税最低限百三十万円への引き上げを強く要求するものであります。さらに、利子配当所得の優遇措置を撤廃せよという国民の強い要請があるにもかかわらず、実効が期しがたい源泉選択制度を設けてお茶を濁したり、配当控除をいいわけ程度に下げているなど、資産所得優遇の方向は改められておりません。また、同じ所得課税である地方住民税では、依然として課税最低限は所得税との間に三十万円も格差を残しており、しかも、きわめてゆるい累進税率を放置するなど、大衆課税の意図が明確に示されているといわざるを得ません。いずれにしても、今回の減税案は重税、不公平という税制の矛盾を解決したものとはいえないのであります。  第二に、物価対策であります。全国民が何よりも最も強く要望しているのが物価の安定であります。ところが、政府は、四十五年度予算で、財政規模をいたずらに膨張させ、過度に景気を刺激し、物価高騰を招く原因をつくり出しております。法人税の引き上げ、財貨サービスの伸び率の少ないこと、国債減額を行なうことを示し、これが物価への配慮であるとしているのであります。しかし、法人税の引き上げにしても、当初の案より大幅に後退しています。国債減額といっても、四十四年度発行実績より大きいのでありまして、財政からの緊縮処置ははなはだ疑問であります。さらに、政府は、現在の経済成長には五%くらいの物価上昇はやむを得ないとうそぶいているのが現状であります。こうした政府の姿勢が物価を高くしておる最大の原因であると思うものであります。政府は、真に国民生活優先の政策を唱え、社会福祉の向上を叫ぶのであるならば、積極的に物価引き下げにつとめるべきであります。  第三は、社会保障費についてであります。二〇・一%の増加で規模を一兆円の大台にまで拡大したが、社会保障給付費の国民所得に対する比率はわずか六%にすぎず、昭和三十八年当時、西ドイツではすでに一九%をこえていることからしても、はるかに低いことが明らかであります。  特に児童手当については、わが党がかねてから強く要望し、政府は、四十五年度実施を公約したにもかかわらず、これを見送ったことは、明らかに国民に対する背信行為と言えましょう。今度の予算は、人間尊重という政府公約が国民にとって唯一の頼みの綱であったにもかかわらず、児童手当が見送られたことは全く国民を裏切ったものと断ぜざるを得ないのであります。政府として、本年度において児童手当制度発足のための財源措置を講ずることは、国民への公約を果たすことであり、社会保障推進のかなめであると考えるものであります。このための必要な措置を早急にとることを強く要求するものであります。  第四は、防衛関係費についてであります。不十分な予算配分で国民生活の向上が押えられているとは対照的に、防衛費は、前年度からの伸び率一七・七%、五千六百九十五億という、自衛隊発足以来の大幅な増加となっております。いままでの質疑を通し、政府は、国民に平和憲法下における自衛力の限界や、防衛費を大幅に増額しなければならない具体的な根拠については何ら明らかにしていないにもかかわらず、このような大幅増額をしていることはまことに遺憾と言わねばなりません。また、軍事費については、世界的にも削減傾向にあり、平和憲法を持つわが国としては、軍縮の方向をとるならばまだしも、防衛費を増額することは、この世界の趨勢に全く逆行するものであります。このような国民生活を圧迫し、社会資本の充実をおくらせている防衛関係費の大幅増額には強く反対するものであります。  最後に、米の減産対策がまことに不明確であり、わが国の農業の再建をどう導くかという積極的かつ長期的展望を欠いたまま巨額の財政資金を投入することは、かえって農民を不安のどん底に突き落とし、納税者の不満をますます強めることを強く主張して、反対討論といたします。(拍手)

堀本宜実自由民主党

○委員長(堀本宜実君) 向井長年君。

向井長年民社党

○向井長年君 私は、民社党を代表して、ただいま議題の昭和四十五年度予算三案に、次の理由で反対をいたします。  理由は多くありますが、ごく簡単に、抽象的でございますが、四点を指摘したいと思います。  その第一の理由は、切実な勤労国民の一致した要求であります大衆減税について本格的に取り組まなかったこと、そして利子配当課税、法人税、交際費課税などの不合理に対し、一部手直しした程度でお茶を濁したことに対する不満であります。  第二にあげます理由は、防衛関係費の大幅増加、すなわち専守防衛について国民合意の確立に努力もせず、ただ自主防衛の名に隠れ、ひとり政府ペースで防衛力の増設をはかろうとする姿勢に対する批判であります。  第三の理由は、国民生活の充実、向上に積極的対策を講じていない点であります。特に社会保障関係費について、なるほど高率の伸びは見たものの、大部分は医療費値上げに回され、実質的社会保障とはなっていないのであります。また、住宅についても、みずからの計画が達成できないと見るや、これを民間依存でカバーしようとしておりますことは遺憾にたえません。  第四の理由として指摘いたしますのは、物価安定の具体策が明示されなかったことであります。  すでに物価安定政策会議が提案いたしました公共料金の一定期間停止、流通機構の合理化、大企業製品価格の引き下げ、農業、中小企業の近代化促進等々、これらの基本的提案に政府はどう取り組もうとするのか、遂に本委員会の審議を通じては納得できる回答が得られなかったことはまことに残念であります。  私は、以上の理由からこの予算案に反対するものでありますが、同時に今後、政府がこれらの諸点についてきびしく謙虚に反省されることを強く切望いたしまして、討論を終わります。(拍手)

堀本宜実自由民主党

○委員長(堀本宜実君) 岩間正男君。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 私は、日本共産党を代表して、本予算三案に反対するものであります。  反対の理由の第一は、さきの日米共同声明にもとづく日米共同軍事体制の強化をはかるため自衛力の増強をさらに推し進めようとしていることであります。  すなわち、防衛関係費は、過去五年間の増加率一二・六%をはるかに上回って一七・七%と、自衛隊発足以来最高の増加率となり、五千七百億円に達しております。  特にこの中で海上自衛隊と航空自衛隊の増強がはかられていますが、これはアメリカのニクソン政権のアジア侵略の新たな戦略に積極的に加担し、台湾、韓国にまでも日本の防衛圏を広げようとするものであります。  これは、第三次防衛力整備計画の四年目として、その完全な遂行を目ざすとともに、第四次防衛計画の布石を固めるものであり、アメリカ帝国主義の核のカサのもとに日本軍国主義を公然とよみがえらせ、再びアジアの平和の安全に大きな脅威をつくり出そうとする危険が十分あります。これは国民を戦争準備と生活苦に引き込むものであり、国民の断じて容認できないものであります。  反対理由の第二は、本予算案が、いわゆる公共事業費や海外援助費を大幅に増大させ、独占資本、大企業への奉仕を強化していることであります。  その中で公共事業費は、昨年度に比べて一八・四%と大幅に増大し、一兆三千億円に達していますが、その中味は大企業本位の幹線自動車道路を中心に、港湾、空港、工業用水などに重点が置かれており、佐藤総理の強調する社会開発も、生活をないがしろにして独占企業のための産業基盤の強化とその需要の拡大をはかるためのものにすぎないことを示すものであります。  また、海外援助費は財政投融資を含めると約五千億円に達していますが、これは政府、自民党のいうような発展途上国人民の生活の安定、向上に役立つものでは決してありません。それどころか日本独占資本がアメリカのアジア侵略政策に積極的に協力しながら、七〇年代の高度成長を維持するために海外の資源・市場の確保をおもな目的とするものであります。  反対理由の第三は、本予算案が、以上述べたように大企業、大資本に対する手厚い奉仕に貫かれていることとは裏腹に、国民の生活と権利を著しく圧迫する内容を持っていることであります。  佐藤内閣は本予算案について物価の安定を重点とし、財政規模をできるだけ抑制した警戒中立型予算などと宣伝していますが、四千三百億円の赤字公債の発行を含み、実質一九%をこす伸び率を持つ本予算案が、軍事力の増強と独占資本の高度成長を保障するための大膨張インフレ予算であることは、だれが見ても明らかであります。かかる本予算案の実施が、物価上昇に拍車をかけ、国民の生活をますます耐えがたいものにすることは最近ちまたに満ちている怨嗟の声を聞くまでもなく、明らかであります。  所得税減税も、この物価値上がりに伴い、低中所得者は、実質的増税となり、しかも自然増収の名による一兆四千億円にのぼる大収奪と相まって勤労者の過重な税負担は何ら解消されません。  住宅関係予算も、公営住宅の補助率が低く、超過負担が大きいために住宅建設を中止する地方公共団体があらわれ始めているところであります。政府は、公営住宅の建設よりも持ち家主義に重点を移しており、特に住宅産業の利益をはかっておるのであります。  社会保障関係費も、生活保護費の引き上げはわずか一四%にすぎず、しかも、対象人員を削減し、特別失対事業の廃止、就労人員の削減などによって改悪されつつあります。  特に重大なのは、米作削減を突破口として総合農政を強行し、米の買い入れ制限、農地法改悪などによって、中小農民の土地と水を取り上げ、農村から追い出そうとしていることであります。  これは、近代化による中小企業、流通部門の整理淘汰、独占企業の系列支配の強化とともに、全く国民生活を破壊するものであります。  本予算案は、以上見てきたように、一部の独占企業の繁栄を十分保障する一方、国民の切実な要求は、これを無視するものであります。  総理の施政方針演説によれば、七〇年代は内政の時代であるとして、それをうたい文句とする佐藤内閣が国民生活をいかに犠牲にしようとしているか、いまや全く明らかであり、わが党はこの予算案に強く反対するものであります。  以上で討論を終わります。(拍手)

堀本宜実自由民主党

○委員長(堀本宜実君) 以上をもちまして、討論通告者の発言は全部終了をいたしました。よって、三案の討論は終局したものと認めます。  それでは、これより採決に入ります。昭和四十五年度一般会計予算、昭和四十五年度特別会計予算、昭和四十五年度政府関係機関予算、以上三案を一括して問題に供します。三案を原案どおり可決することに賛成の諸君の起立を求めます。   〔賛成者起立〕

堀本宜実自由民主党

○委員長(堀本宜実君) 起立多数と認めます。よって、三案は原案どおり可決すべきものと決定いたしました。(拍手)  なお、本院規則第七十二条により議長に提出すべき報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

堀本宜実自由民主党

○委員長(堀本宜実君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  本日はこれをもって散会をいたします。    午後四時五十九分散会

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