予算委員会 第20号
- 発言数
- 10 件
- 登壇者
- 5 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1970/04/15
会議録
○委員長(堀本宜実君) ただいまから予算委員会を開会いたします。 昭和四十五年度一般会計予算、昭和四十五年度特別会計予算、昭和四十五年度政府関係機関予算、 以上三案を一括して議題といたします。 本日は、各分科会におきます審査の経過につきまして、各主査の方から御報告を承ることになっております。順次御報告をお願いいたします。第一分科会主査八田一朗君。
○八田一朗君 第一分科会における審査の経過を御報告申し上げます。 当分科会の担当は、昭和四十五年度予算三案中、皇室費、国会、裁判所、会計検査院、内閣、総理府(防衛庁、経済企画庁、科学技術庁を除く)及び法務省所管並びに他分科会の所管外事項であります。 以下質疑のおもなもの若干について、その要旨を御報告申し上げます。 まず皇室費につきましては、伊豆下田への御用邸移転の経緯と建設の状況並びに京都にある皇室用財産の管理、参観などについて質疑が行なわれました。これに対し宮内庁当局より、従来使用してきた沼津の御用邸が海水のよごれ等がひどくて利用できなくなったので移転することとした。四十二年度に土地を買収し、四十三、四十四年度で土地の造成、道路整備を済ませ、本年度から御用邸の建設にかかり四十六年秋の完成を目途に工事を進めたい。京都御所などの皇室用財産の管理は、宮内庁京都管理事務所の職員二十六名が当たっている。広大な御所や離宮の管理は手一ぱいの状態だが、定員削減計画との関連もあって、増員は目下のところ期待できない。参観については、桂・修学院離宮の希望者が多いので、一日二百人に制限している。人員を無制限にふやすと施設損傷の危険も大きいので、慎重に検討したい。ただし、万国博開会中に限って三百五十人程度に増員の措置をとっている旨の答弁がありました。 次に国会につきましては、滞貨図書の整理状況、明治期刊行図書目録の作成作業の進行状況並びに国会付属調査機関の機能向上対策等の質疑が行なわれました。これに対し国会事務当局より、四十一年度から始めた滞貨図書の整理は、四十四年度まで大口寄贈がなかったこともあって、ほぼ計画どおり進んでいる。明治期刊行図書目録の作成は、今年度が八年計画のちょうど半ばに当たり、計画より一年おくれたが、今年度中には目録の第一冊を刊行したい。調査機能向上の問題は、戦後新たに発足したこれらの機関については、何よりも人材の育成に意を注いできたが、今日相当数の専門員を内部登用できるところまでになった。情報化時代を迎え、調査の仕事の内容も大きく変わりつつあるので、さらに前向きに機能の充実、強化につとめたい、との答弁がありました。 その他、国会職員の給与、勤務条件の改善等について、具体的で詳細な質疑が行なわれました。 次に裁判所につきましては、裁判の長期化が世間の注目を集め批判を受けているが、事件の迅速な処理対策はどうなっているか、との質疑があり、これに対し最高裁判所事務当局より、裁判の近代化、能率化をはかるため、四十五年度予算では、人的機構充実の見地から、裁判官二十五名を含め予算定員を百六十名増員したほか、事務の能率化をはかるため、検証用器具の整備や電子計算機による事務機械化の研究開発を推進することとしているとの答弁がありました。 次に会計検査院につきましては、民間の工事単価に比べ、官庁の工事単価が低過ぎることが、手抜き工事等の原因ではないか、単価引き上げの改善意見を出すべきではないか、との質疑に対し、検査院当局より、検査結果からは工事単価が特に低いとは考えられないが、本年度の検査実施の際、この問題に重点をおいて調べ、必要があれば改善意見を提出する、との答弁がありました。 次に総理府につきましては、公務員の法定外福利厚生費は、民間に比べ著しく劣っているのではないか、間もなく決定される第三次北海道開発計画では、人口増加をどのように見込んでいるか、などの質疑があり、これに対し総理府当局より、法定外福利厚生費は、本年度予算で三百円引き上げ、公務員一人当たり千六百円を計上している。各省庁には、その他食堂、診療所、理髪などの厚生施設を持っており、費用の一部を官側が負担しているので、それらを勘案すれば、民間とそう大きな開きはないと思う。しかしながら、従来十分な調査が行なわれていなかったことを反省し、急いで調査し、民間との比較検討をしたい。第三次北海道開発計画は五、六月を目途に開発審議会に諮問したい。一、二次の開発計画は基盤整備を中心に進めており、今日ようやく経済効果を発揮する時期を迎えたと思う。三次計画では、産業開発に力を入れることによって、雇用機会の拡大をはかることによって六百万人程度の人口増加は可能だと思う、との答弁がありました。 最後に法務省につきましては、ここ数年登記事務が著しく錯そうしており、国民の権利並びに財産の保全に直接関連することだけに、早急に事務処理体制を整備することが肝要ではないかとの質疑があり、これに対し法務当局より、この十年間に登記の事務量は三倍半にふえながら職員数は二倍にしかなっておらず、手不足の状態がはっきりしている。現業官庁的な登記事務を一般管理業務と同一視して定員消滅計画に入れていたことは間違いだと思う。考え方を全面的に改め、人員の確保をはかるとともに、登記所の統廃合や事務の機械化などを進め、早急に解決したい、との答弁がありました。このほかにも各所管事項にわたり熱心な質疑が行なわれたのでありますが、その詳細は、会議録によって御承知願いたいと存じます。 以上御報告申し上げます。
○委員長(堀本宜実君) 次に、第二分科会主査川上為治君。
○川上為治君 第二分科会における審査の経過を報告申し上げます。 第二分科会の担当は、総理府のうち、防衛庁、経済企画庁並びに外務省、大蔵省及び通産省の各所管に属する昭和四十五年度予算でございます。 本分科会は、四月十三日、十四日の両日及び本日の三日間にわたってそれぞれ所管の大臣の出席を求め、慎重に審議を行なったのであります。以下その概要について申し上げます。 まず、大蔵省所管につきまして、フィスカルポリシーの一環として、租税特別措置法に合理化機械の特別償却の停止の制度を定めているが、昨年秋以来の景気調整にあたってなぜ発動しないのか。設備投資の行き過ぎ是正の必要ある今回の事態に発動せねば発動する機会はなく、条文の存在意義は疑問ではないか、との質疑がありました。これに対して福田大蔵大臣より、理論的には発動すべき時期であるが、合理化機械の投資額は設備投資の総額の一%にも達せず、また、一部の業種にしか影響しないということと、法人税全体の引き上げで景気調整に対処することにしたので発動しなかった。しかし、この制度は、景気調整を立法措置でなく行政的に機敏に対処できるというメリットがあり、より効果的にするよう再検討したい旨の答弁がありました。 また、今後の税制改正の方向に関連して、四十五年度の所得税の減税は、税率の緩和が中心で、低所得層に不利であったと思われる。長期答申実施後の税制検討の中で所得税減税の方向の重点をどこに置くのか。また、税制調査会の構成メンバーは元高級官僚とか民間会社の重役などが多く、低所得層の代表が少ない、再検討する考えはないのか、との質疑がありました。これに対して福田大蔵大臣からは、日本の租税負担は全体として低率であるが、所得税など直接税についてはなお問題がある。長期答申を完全に実施した段階で終わりとは考えず、なお減税を考慮するが、その場合、所得税の諸控除を率より重く見る考えは自然の動向であろう。税制調査会は利害関係者と学識経験者で構成しており、そのほか、参考人として識見ある人に随時参加してもらう仕組みになっており、間違った構成をしているとは考えないが、変化する社会に適合させることは必要であり、弾力的に検討する旨の答弁がありました。 次に、外務省所管につきまして、ベトナム問題で、トンキン湾決議を廃止すると伝えられておるが、米軍行動を支持してきた日本政府としてはどういう態度をとるのか。また、ベトナム戦後に二億ドルの援助資金を設置する計画はどうなっているか、との質疑がありました。これに対して愛知外務大臣より、トンキン湾決議を今期限り廃止するとしても、アメリカの行動の国内法上の根拠は行政的権限にある。それが米政府の行動にどう反映するかは別問題であるが、日本政府としては、特に同決議の廃止について検討はしていない。ベトナム戦後の国際緊張緩和の基本的な考えに立って、従来の難民救済でない建設的な援助がインドシナ全体に必要と考えている。援助資金についての財政当局の同意はできていないが、ぜひ実らせたい旨の答弁がありました。 次に、防衛庁所管でありますが、四月十二日に新聞報道されたいわゆる長期防衛構想につきまして、防衛庁の構想として固まったものかどうか。四次防が正式に決定されるのはいつか。構想の考え方では、防衛力に限界がなくなり、憲法を持たない国と同様、無制限に軍備を持つことになるのではないか。また、公海、公空上で侵略を排除するというのは、従来の方針の変更ではないか。その場合、他国に接近することもあり得るのか、などの諸点がただされました。これに対して中曽根防衛庁長官より、新聞に出た長期防衛構想は、自民党の安全保障部会で話をしたものを文書にしたもので、防衛庁としてまとまったものではない。しかし、一つの重要な参考資料として、今後討議がなされ、防衛庁としての案が生成されていくと思う。四次防については来年の夏ごろの国防会議できめるようにしたい。 防衛力の限界については、政策、運用あるいは根本の思想について限定されており、その根源に憲法が存するのであるが、具体的な装備について数量の限度を示すことはむずかしい。しかし、攻撃的なICBMやB52などは持たないということで限界は示してきていると思う。 自衛権の発動は、公海、公空上でも可能であり、従来と変わったわけではない。この場合、論理的には他国近辺まで接近することはあり得るが、あくまでも侵略を排除する防御的なものである旨の答弁がありました。 また、自衛隊員の公務中の死亡事故に対し、救済措置が不十分で、隊員の士気に影響を与えている。改善の努力がされているか、との質疑がありました。これに対しては、自衛隊員の殉職者に対する保障額は、現在交通事故などの事例に比較して著しく劣っている。改善の努力はしているが、警察官、消防士などとの関係もあるので、内閣で均衡を失しないよう統一して改善したい旨の答弁がありました。 次に、経済企画庁所管につきましては、物価関連予算は九千億円と言われるが、それによってどれだけ物価が下げられるのか。中身は生産者保護的で、むしろ全然支出しなければ有効需要を減らし、物価が下がるのではないかと皮肉を言いたいほどである。物価対策費としては、目標をはっきり定め、効果あるものにする必要があると主張されました。これに対して佐藤経済企画庁長官より、物価関連予算として計上されているものには、長い目で見て生産性の上昇をはかるとか、直接の値上がりを防ぐといった間接的なものが多く、支出によって直接引き下げ効果はむずかしい。直接的なものに限定することを考えたが、従来のいきさつもあり、今年度はそのままにした、一度洗いなおしてみたい、との答弁がありました。 また、新しい経済社会発展計画に関連して、旧計画では、公債発行を約五兆円としていたが、新計画ではどの程度を考えているか。公債について、歳入依存度を五%に下げる目標を達成した段階でどうするのか、それとの関連で財政計画をつくる考えはないのか、との質疑があり、これに対しましては、新経済社会発展計画で財政バランスを計算しているが、公債発行を必要とする数字は出ていない。五%台を達成した以後も、趨勢としては下がると思うが、金融の運用面からもある程度必要だとの声もあり、ゼロになることはない。財政計画については、最終年度三十三兆円と試算しているが、不確定要素が多いので計画として示すことはしていない旨の答弁がありました。 最後に、通商産業省所管につきまして、卸売り物価が連続十四カ月上昇しておるが、その中で、従来安定的といわれた大企業製品が上がっておる。その原因をどう考えるか。また、アルミ、フィルム、合成洗剤などについて、生産の集中により寡占価格の形成が見られるというが、物価対策としてどのように対処するのか、との質疑がありました。 これに対して、宮澤通商産業大臣から、卸売り価格の顕著な上昇はいままでになかった事態であり、これが輸入原材料の高騰による一時的なものか、トレンドを示すものか、注意深く見守る必要がある。国際的なインフレ傾向に対して日本は例外をなしていたのであるが、いまやその影響を受け始めたとすれば重大である。また、その値上がりを需要側が寛容に受け入れておるところにも問題がある。アルミなどの価格が硬直的であるとする公取委の見方については、現在までの実態調査では必ずしも反消費者的であるとはいえないが、ニュー・エントリーに対していままでと同じ見方でよいかどうか、価格形成のあり方などを検討してみたいと考えておる旨の答弁がありました。 このほかにも、各所管事項にわたって熱心な質疑が行なわれたのでありますが、その詳細は、会議録によって御承知願いたいと存じます。 以上、御報告申し上げます。
○委員長(堀本宜実君) 次に、第三分科会主査足鹿覺君。
○足鹿覺君 第三分科会における審査の経過を御報告申し上げます。 第三分科会の担当は、昭和四十五年度予算三案中、農林、運輸、郵政及び建設の四省所管に属するものでございます。 分科会におきましては、去る十三日から本十五日まで、これら四省所管予算につきまして、順次関係大臣から説明を聴取し、質疑を行なってまいりました。以下、質疑のおもなるものにつきまして、その要旨を簡単に御報告申し上げます。 まず、農林省所管におきましては、物価安定政策会議は、その提言の中で、農産物の価格支持政策の再検討を指摘しているが、物価対策の観点から考えるならば、むしろ流通、加工等の面にメスを加えることが必要なのではないか。日本農業を国際的に太刀打ちできるようにするためには、農業構造改善事業の土地基盤整備事業に対する全額国庫負担を検討すべきではないか。米の生産調整百五十万トンのうち奨励金交付の対象となる百万トン分はどの程度実施できる見込みか、などの質疑がございました。 これに対して、農林省当局から、物価安定政策会議の提言については、改善を要するものがあれば検討するが、農産物の価格支持政策については、生産者、消費者を含め国民的合意を得られる適正な水準であることが必要なので、長期的には、国際価格の動向を勘案しながら適正な運用をはかっていくことを基本として、畜産物の価格、砂糖、ノリ等の問題に対処していきたい。農業構造改善事業については、かなり高率の補助になっているので、現状では全額国庫負担は困難であるが、将来の農業を考えると大切な問題なので研究したい。米の百万トン分の生産調整については、農林省の調査では、一〇〇%以上達成が二十一府県、ほぼ一〇〇%達成見込みが二十三府県、一〇〇%達成困難が二府県という状況なので、全体として一〇〇%達成はあり得ると考えている、との答弁がございました。 次に、建設省所管におきましては、今年度から第六次道路整備五ヵ年計画が発足するが、第五次五ヵ年計画の進捗率は三年目で五二・五%であり、おくれている。第五次五ヵ年計画のおくれた理由及び新しく第六次五ヵ年計画をつくったねらいと財源対策を聞きたい。また、地価対策に対してどのような考えを持っているか、などの質疑がございましたが、これに対し建設省当局から、第五次五ヵ年計画の進捗率がおくれたのは、他にも原因はあるが、四十三年度は財政硬直化で伸び率が低く押えられたことと、有料道路が用地買収等の関係でおくれたことなどがおもな原因である。新計画が必要になったのは、経済の急激な成長による高速道路への需要の増大、都市、農村を通ずる交通事情の変化などで旧計画ではこれらに対応できなくなったため、新経済社会発展計画、新全国総合開発計画等にあわせ改定することになったのであるが、特定財源の充実も改定理由の一つである。しかし、財源については、自動車債券、新車課税、トラック税、軽油引取税、都市計画税など多元的な案が出ており、まだ関係当局間の調整がついていないが、四十六年度予算編成までにはきめることになっている。地価対策については、土地収用法で収用すべしとの意見も出ており、マスコミもいまや国民的合意を取りつけるべき時期であるとしているので、国会論議の支持があれば、地価対策について抜本的な検討を加えたいと考えている、との答弁がございました。 次に、郵政省所管におきましては、郵政事業特別会計は百二十三億円の赤字で、収支の状況は最悪の状態にあるが、このような事態をどう打開していく考えか。公社化、料金値上げなどについてはどのような考えを持っているか。電電公社事業は、物価上昇率を政府見通しの四・八%を前提に組まれているが、最近の物価情勢から見ると、予算の執行が困難になっておるのではないか、などの質疑がございましたが、これに対し郵政省当局から、郵便事業については、仕事の性格から見て機械化には一定の限界があり、さらに都市の交通事情の悪化、若手労働力の不足等が重なり重大な局面に立たされているので、抜本的対策が必要になっている。その意味で、公社化ということも一つの考え方であるので十分検討してみたい。郵便料金については、四十一年の値上げからすでに四年もたっており、賃金や物価の水準から考えれば少しアンバランスともいえるが、事業努力が第一と考えており、それでも足らないときは一般会計からの繰り入れあるいは借り入れ金等を考え、なおかつ足らないときは料金値上げも必要になるかもしれないが、物価対策との関連もあり、考え方は固まっていない、との答弁があり、また、電電公社当局からは、公社予算については、賃金、物価の上昇等は政府の指標により見込んで組んであるが、予算執行にあたっては一そうの努力を払うことによって消化したい、との答弁がございました。 最後に、運輸省所管におきましては、国鉄はいま十年間の間に財政を黒字にすることを目標に再建計画を進めているが、十年間に国から投入される資金の額は幾らか。十年間に二回運賃値上げが予定されているが、値上げしない場合どのくらいの穴があくのか。十年間の人員整理はどのくらいか。赤字線の廃止はやれるのか。国鉄監査員の角本氏は、自動車、航空機の時代に再建計画はむだだというような発言をしているが、これに対しどのような考え方を持っているか、などの質疑がございましたが、これに対し国鉄当局から、国鉄財政再建のために十年間に国から投入される資金は約二千億円であり、十年間に運賃値上げを二回予定しているが、これが行なわれない場合、二兆六千五百二十六億円の穴があく。合理化による人員整理は、減耗不補充による実員の減として六万人を予定している。赤字線の廃止は八十三線区を考えており、四十四年で廃止したものは七線区である。角本発言については時期を得たものでないと考えており、国鉄としては、政府の援助を受け合理化に努力している最中であるので、再建には難問が山積しているが、最大限の努力をしていきたい、との答弁がございました。 このほか、本分科会担当の各予算につきまして、各委員からいろいろな面からきわめて熱心な質疑が行なわれたのでございますが、その詳細は会議録によって御承知を願いたいと存じます。 以上をもちまして第三分科会担当の予算全部の審査を終了した次第でございます。 以上御報告申し上げます。
○委員長(堀本宜実君) 次に、第四分科会主査塩出啓典君。
○塩出啓典君 第四分科会の審査の経過並びに結果について御報告申し上げます。 本分科会の審査の対象は、科学技術庁、文部省、厚生省、労働省及び自治省所管でありますが、去る十三日より本日までの三日間にわたり慎重審査を行ないました。その詳細につきましては会議録でごらん願うこととし、ここでは質疑のあらましにつき簡単に御報告いたします。 まず、文部省所管でありますが、小・中学校教員の充足問題について、現在小・中学校における教員の不足が問題化しているが、文部省は教育界に人材を集めることでどのような対策を持っているか。明治以来、教育公務員には待遇の上で特別の配慮があったが、戦後の教員の給与は全体的に低過ぎる。このようなことでは、ますます教員不足を来たすのではないか。この際、十年もつとめた教師には研究費を支給するなどの措置を講ずるとともに、教員の全国的人事の交流につき行政的配慮を行なうなど、法制面での改革も必要と思うがどうか、との質疑がありました。 これに対し、坂田文部大臣から、教員不足の現状は教育上の大問題で、これは待遇のいい産業界などに人材が集中することなどが原因だと思うので、安心して教育に専念できるような体制をつくるよう鋭意検討している。教員の給与等が戦前に比べ実質的に低下していることは確かなので、最近の給与実態調査を分析の上、前向きに対処したい。また、教員の人事交流については、必要な点は十分承知しているが、教員個人の承諾を得ないとやれない面もあるので、なおよく検討し、善処したいとの答弁がありました。 このほか、外国人留学生に対する取り扱い一元化の問題、人口急増地域における学校建設用地費国庫補助の問題、国立大学教官の待遇並びに定年制の問題、私立大学等に対する人件費など助成費の分配基準並びに私学振興財団の人事、運営問題、幼児教育、特に公私立幼稚園のあり方の問題、防災科学に関する研究体制の問題及び都道府県教育長の権限範囲、都教組問題の最高裁判決、私大医学部の入学寄付金等々の問題につき、熱心な質疑が行なわれました。 次に、厚生省所管におきましては、僻地医療の確保、保育所建設用地費の国庫補助、潜在看護力の活用、児童手当制度見送りの理由、母性保護の立場からの育児休暇制度、公害対策費の内容、騒音規制法から交通騒音を除外した根拠、農業者年金の国民年金に及ぼす影響、保育所保母の給与改善、大衆保健薬の認可基準及び神経性難症を保険対象にすることの問題点等々につき、活発な質疑が展開されました。 このうち、過疎地域における医療確保の問題をめぐって、僻地の市町村では医師を求めるのにたいへんな苦労を重ねている。たまたま医師が見つかっても、五十万から百万という大金を払わないと来てくれないし、せっかく診療所をつくっても、医者の来手がないというのが実情である。僻地に医師を呼ぶために、医学志望の学生に対し、一定期間僻地に赴任することを条件に、特別の給費制度を設ける等、思い切った優遇措置を講じられないか、との質疑があったのに対し、内田厚生大臣から、僻地医療の実態はお説のとおりで、所によっては診療所が遊休状態のままになっていることも承知している。厚生省としては、さしあたり親元病院が責任を持って診療所を見るよう、その費用を助成するとともに、診療所が赤字になった場合の予算措置を講じる一方、巡回診療、患者輸送などを行なって、その運営費を見るようにしているが、まだ十分とは言えない。また、奨学金制度については、なるたけ僻地に定着するよう、大学卒業後も必要経費を貸与するなどの点を含めて検討中であり、同時に、若い大学卒の医師だけでなく、中高年層の医師の採用も考えているが、いずれの場合にも義務づけるわけにはいかないので困っている。今国会に提案されている「過疎地域対策緊急措置法案」には、これら医療面にわたる措置をも規定しているので、この際十分御審議されたい旨の答弁がありました。 次に、労働省所管では、現下の労働力不足の問題が大きく取り上げられました。すなわち、高度成長十年、さらにこの先十年の経済発展を考えるとき、労働力がどう推移するかはきわめて重要な課題である。労働力の不足から中小企業の倒産が相次ぐ中で、これからの日本には工業の地方分散が必要だとして、いろいろ計画も進められているが、これに要する労働力の問題を抜きにしては、せっかくの計画もこま切れになるおそれがある。労働省は労働力不足の実態をどうとらえ、また、七〇年代の見通しをどのように考えているのか、所信のほどを聞きたい、との質疑がありました。 これに対し、野原労働大臣並びに政府委員から、七〇年代には、労働力人口の伸び率が漸次低下し、労働力供給の面では、学卒者数が次第に減少し、新規労働力の学卒構成も昭和五十年には中学卒と大学卒がほぼ匹敵するようになり、同時に、出生率、死亡率の関係から、労働力の高年齢化が進むことは各種の資料に徴して明らかである。このため、労働省としては、職業訓練、技能者養成等で労働力の質的向上を目ざすとともに、労働力のむだ使いをなくすることにつとめる一方、新しい労働力を開発する意味から、今後ふえる傾向にあるパート・タイマー、家内労働を含めた婦人労働力の活用をはかる必要があり、この点で、厚生省とも密接な連携のもとに、婦人が安んじて職場で働けるよう、保育所、託児所施設の整備を急ぐなど、でき得る限りの方途を講じる所存である、との答弁がありました。 なお、このほか、中小企業における求人難、パート・タイム雇用の問題点、保育所用地費の国庫補助、企業内保育所の現状、専売公社の二交代制と女子従業員の立場、ILO八十九号条約の批准、身障者、精薄児の就業状況、下請、孫請会社の労働実態、労働基準法と育児休暇制度の関係などの問題について質疑がございました。 さらに、科学技術庁所管におきましては、資源調査会勧告の実施状況、東京十二チャンネルの役割りと経営状態、東京十二チャンネル・プロダクションの事業内容、宇宙開発事業団の四十五年度計画、宇宙開発に関する日米交換公文、国立防災科学技術センターの大型降雨実験施設、原子力軍艦寄港時の監視体制、放射能による海水汚染、海洋開発に伴う功罪両面の問題等につき、熱心な質疑がありました。中でも、海水の淡水化の問題については、現に通産、厚生両省のほか、科学技術庁の原子力研究所でも、それぞれの目的、方法による研究が進められており、将来に備えて、この際科学技術庁を中心に、海水の淡水化研究を強力かつ総合的に推進する必要があると思うが、新年度の科学技術庁予算にはそれらの点に関する予算措置が何らなされていない。科学技術庁はこの問題について真剣に取り組むつもりなのかどうか、との質疑がありました。 これに対し、西田科学技術庁長官から、科学技術庁としては、問題の重要性はかねてから認識しており、すでに原子力研究所において、海水から真水を生産する調査実験を行なっているが、特別の予算をもらってやっているわけではない。しかし、通産省の予算にはこのための経費六億五千万円が計上されており、近い将来、厚生省その他、関係機関の調査研究が拡大され、経済性の効果が出てくるのに応じて、さらに真剣に取り組む考えである、との答弁がありました。 最後に、自治省所管についてでありますが、昨年末の総選挙に見られた、十万票で落選、三万票で当選した事例、現行の法定選挙費が最高四百万円、最低二百万円台できめられていること、選挙違反者が恩赦によってたやすく許され、選挙運動に参加していること、などの事実を指摘し、国民はすでに選挙に対し深い疑惑と不信を抱いている。選挙の公正を期するため、この際、議員定数の是正一つきめかねている選挙制度審議会の運営を根本から考え直すとともに、党派をこえて、現行公職選挙法を政党本位の方向に改正すべきだと思うが、担当大臣の所見はどうか、との質疑がありました。 これに対し、秋田自治大臣から、公正な選挙は健全な民主主義確立には不可欠な問題で、現在のように野放図な選挙のやり方には、節度のくふうが必要だと反省している。定数是正等の問題は衆参両院でしばしば論議され、政府においても検討を加えており、政党本位の選挙にすべきだという趣旨にも大筋において同感だが、選挙制度審議会が形骸化しているとは考えていない。政府としては、審議会の答申をまってあらゆる点の是正をはかりたい、との答弁がありました。 このほか、自治省における電子計算機導入の効果、地方自治体における身障者の雇用率、自治体病院の看護基準、土地公示価格、固定資産税の課税方式、地方税と国税のアンバランス及び救急業務の問題点等々について質疑がありました。 以上をもちまして、第四分科会担当予算の審査を終了した次第であります。 以上御報告申し上げます。
○委員長(堀本宜実君) 以上をもちまして、各分科会主査の報告は全部終了いたしました。 —————————————
○委員長(堀本宜実君) この際、委員長から御報告をいたします。 過般、日本社会党から当委員会で要求され、日本共産党からは理事会で要求のありました、言論出版問題に関しまする参考人等の出席要求に関する件につきましては、五回にわたって理事会を開き、慎重かつ前向きに協議を行ないましたが、当予算委員会で取り上げる点につきましては各党間で意見の一致を見ず、また、時間的余裕もない等の理由から、十三日の理事会で、同件は各党の国会対策委員会間で協議されるのが妥当であるとの意見の一致を見ましたので、御報告をいたします。 明日は午前十時から締めくくり総括質疑を行なうことといたしまして、本日はこれをもって散会をいたします。 午後五時五十三分散会