予算委員会 第17号
- 発言数
- 452 件
- 登壇者
- 47 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1970/04/09
会議録
○委員長(堀本宜実君) ただいまから予算委員会を開会いたします。 昭和四十五年度一般会計予算、昭和四十五年度特別会計予算、昭和四十五年度政府関係機関予算 以上三案を一括して議題といたします。 まず、参考人の出席要求に関する件について、おはかりをいたします。 三案審査のため、本日、税制調査会会長代理福良俊之君の出席を求め、意見を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(堀本宜実君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 —————————————
○委員長(堀本宜実君) それでは、加瀬完君の質疑を行ないます。加瀬君。
○加瀬完君 本日、「無残、散乱する血みどろ遺体」、「生存者はどこだ」、こういうショッキングな見出しで、大阪密集地のガス爆発が報じられておりますが、この点について、政府からまず状況の御報告をいただきます。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 御報告申し上げます。 事案の概要について申し上げます。 発生しました日時は、昭和四十五年四月八日午後五時二十七分ごろ、ガス漏れを発見し、午後五時五十分ごろ爆発をいたしました。発生の場所は、大阪市大淀区国分寺町五番地先路上、地下鉄二号線工事現場でございます。 事故の概要でございますが、前記場所で建設工事中の錦城組現場責任者が、午後五時二十七分ごろ現場付近にガスのにおいが充満しているのを感じ、元請会社たる鉄建建設株式会社を通じて、大阪瓦斯、電電公社、関西電力、水道局、警察署に通報いたしました。間もなく大阪瓦斯の応急修理車が現場に到着したところ、突然車が炎に包まれた。このため、付近住民や通行人等二、三百人が蝟集し始めたので、現場先着のパトカー及び警察官がこれらの者を整理誘導中、大きな爆発が起こり、地下鉄工事現場に敷き詰めてあったコンクリート製の板が吹き上がり、多数の死傷者を出しました。また、爆発により、付近の住宅など三十八戸が炎上したほか、沿道二百メートルにわたり、住宅、店舗、事務所等のガラス窓などが破損いたしました。その後、民家の火災は、市消防当局の活動等により午後八時五分鎮火し、ガスの火も同九時四十分ごろ消えました。 被害の状況を申し上げます。人的被害は、午前七時現在、死者七十名、負傷二百八十三名、そのうち重傷百六十六名、合計三百五十三名でございます。物的被害は、住宅、店舗等の全半焼三十八戸、爆風により付近家屋のガラス及び付近に駐車中の車両の破損が多数見られます。 次に、警察措置を申し上げます。 警察庁におきましては、午後六時、警察庁内に警察庁次長を長とし、保安、刑事、警備各局合同の「大阪ガス事故対策本部」を設けました。また、現地捜査指導のため、刑事局長、保安部長、第一課長補佐、科警研技官の四名を午後十時三十分大阪府警に派遣いたしました。 大阪府警としましては、機動隊の出動をして、午後六時三分機動隊三個中隊が現場に到着し、所轄警察署員を含めて七百人が、交通規則、避難誘導及び救護に当たっております。 本部の措置としましては、事故発生と同時に、府警本部長を長とする「地下鉄工事現場爆発事故災害警備本部」を現地多重車に設置し、死者、行くえ不明者の捜索、負傷者の救助活動、被害の調査、捜査活動、民衆の人心安定のための広報、一般人からの問い合わせに対する窓口体制の確立などを重点に部隊の活動を行なわせました。 捜査の状況でありますが、午後六時曽根崎署に「特別捜査本部」を設置し、捜査四課員八十名、所轄曽根崎、大淀両署捜査員七十名、計百五十名の体制で、業務上過失致死傷罪で捜査を開始、現場保存、死体の身元確認、検案を行なうとともに、工事関係施設の維持管理関係につき関係者から事情を聴取するなどして、刑事責任の所在の究明につとめております。 なお、現場検証については、本日九日夜明けを待って行なうこととしております。 その他、本日は、現場保存に機動隊一個中隊を中心とする四百八人を当てるほか、事故現場が復旧するまでの間、警察官百五十人をもって現場を中心として交通を規制しております。 なお、死亡者数は死体を実地検分しましたものをとらえておりますので、まだふえるかもしれない。負傷者も病院に運び込んだものを中心に計数を整理しておりますので、まだその途中にありますもの等、幾分の変動があろうかと思います。
○加瀬完君 警察庁、国家公安委員会としては、これは刑事責任ということを当然問題にするわけですが、私どもは、刑事責任よりは、政治責任というものをもっと政府が責任を持って問題としてもらいたい。といいますのは、専門家の中にも、一体何度こういうことを繰り返すんだ、人殺し都市工事ではないかという批判がございます。人殺し都市工事と言われるような問題ということになれば、これは、刑事責任ではなくて、政治責任の問題、これを政府としてはどうお考えになりますか。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) お答え申し上げます。 原因その他を究明しまして、しかる後に判断を下すべきものと思いますけれども、とにかく、ああいうふうな大事故が起こり、大惨事を引き起こしたということ、そのことははなはだ遺憾に存じます。
○加瀬完君 いままで人力によって工事が行なわれたときには、たいした事故はなかった。工事が非常に機械化してから事故が多い。安全意識が低下しておるのではないかという批判がございますが、この点はどうですか。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) お答えします。 いま御指摘になりました点が一種の盲点かと思います。しかし、盲点だからといって、免れ得るものではございませんので、今度の事故にかえりみまして、あらゆる角度から検討を加えて、その原因の究明、その対策の不備であったかどうかということを究明して善処すべきものと心得ます。
○加瀬完君 安全意識が非常に欠けておるんではないか。この原因の一つではないかと疑問視される問題に、ガス会社の車がエンジンをかけっぱなしでおったのが原因ではないかと言われておるわけでございますが、そうなってまいりますると、全くこれは安全意識がないということになるわけでございますが、「エンジンなぜかけた」というようなことが各紙に報じられておりますが、この点は警察の調査で現在判明しておりますか。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) お答えします。 いま御指摘の点は、新聞紙上等に一部報道されておりますが、その前後の関係等、十分に調査をいたしませんと明確ではないと思います。しかしながら、そういう点も特に考慮すべき点かと心得ます。いずれ調査を待って御返事申し上げます。
○加瀬完君 大惨事の原因は、群衆対策がなかったことによるのではないかと言われておりますが、退避広報は万全でありましたか。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) お答え申します。 パトカーの火災、その直後に爆発が起こりまして、パトカーの火災から爆発までの時間がきわめて僅少であるようであります。爆発が起こります前後、あたかもつとめ人の退社時刻でございまするしいたしまして、やじ馬——まあ通称やじ馬と称せられる人々が急に蝟集し始めた。そこで、警察官はその雑踏を整理しつつあった、そのとたんの爆発であるようであります。これも厳密に調査をしませんと断定はできませんけれども、結果的にはこの大惨事を引き起こしましたけれども、その間の責住の課題等につきましては、十分の調査の上でないと断定はできないかと思います。
○加瀬完君 この調査報告を伺いましても、被害状況の死者の中に労働者の死者というのは非常に少なくて、その他の死者が多いんですね。というのは、群衆の中で死亡した者が大ぜいいたということになろうかと思うんです。警察には連絡をしたという。そうであれば、ガス爆発が予見されるならば、群衆の整理をどうするかということがもう基本的な問題でありますので、その群衆の整理ができておらなかったということが、死者の多いということだけでも、これは事実です。そういう点で手抜かりはございませんか。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 繰り返し申し上げるようでございますが、詳しくは調査の上で究明したいと思います。
○横川正市君 関係者の建設、通産の責任大臣がおりませんので、おそらくこれは後刻報告を待って、その責任を問うことになるのではないかと思いますが、こういうような災害の続出ということについて、たとえばパーセンテージで言いますと、施行される工事のうちの何%くらいならばこれはやむを得ないものなんだというような、いわば事故率についての考え方ですね、そういうようなことがあって、そしてガス漏れのような案件はささいなものだと、こういう取り扱いの結果として、こういうような大惨事に発展をしたのではないか。私は、これは、事故に対する警戒心というもののゆるみが、実は次々と大きな事故を発生させる、こういうことになっているんじゃないかと思うんですが、通常、事故対策というのはどういうふうに行なわれておったのか、この点をひとつ明らかにしていただきたい、こう思います。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) いまのお尋ねの点につきましては、主管外でございますので、はっきりお答えいたしかねます。
○岡三郎君 それは、いま横川さんが言っておりまするように、通産あるいは建設、各責任官庁の方が出てきてもらわなければいかぬと思うんですが、私は一番痛感するのは、原因を調査するということ、これはもっともですが、ところが、大体こういう事故の経過を見るというと、非常に時間がかかって、長期的になって、この前の全日空の問題についても、あの惨事を起こした事故というものについてはいろいろな問題点があるけれども、長期の時間をかけて、国民の関心がほとんど薄らいだころにならなければ、原因がわからない、結論が出ない、というのがいままでの結果です。それで、東京に起こった事故、あるいは大阪、大都会に起こった事故についても、いままで、緊急にこういう問題を掘り下げて——もちろん重要なことですから、慎重にやることはわかりますけれども、慎重さが、慎重さということだけではなくて、いつの間にかみんなの関心がなくなったころになってもこういうものが明確な結論が出てこない、こういう繰り返しなんですよ。この工事現場のいままでの結果を見ると。私は、そういう点について、慎重さは必要であるけれども、こういう問題の原因を究明して、やはり確実にすみやかにこういう問題についての処置をするという方向と、もう一つは、監督官庁ですね。いわゆるその工事を発注している施行主ですね、それからこれを受けているところの元請人、それからその下の下請工事人、こういう関連の中において、工事契約書というものが、全体に言って施行主に責任がないように全部の契約がなっている。そうして、事故が起こったときには、工事を請け負ったところの会社が全責任を負うようになっていて、そうしてその下請けのほうがその連帯の責任をとらされる、それで、工事を発注したほうが責任が免れるような形になっている事故が多いのです。そういう面については、私は、建設大臣が来たら、工事上におけるこういう問題についての例を具体的に尋ねたいと思うのですが、そういう点について、これは公安委員長にいまここでどうこう言うのではなくて、こういうものがのど元過ぎて熱さを忘れたころになって結果がどうだとか、あいまいな答えになってしまっているというこの現実の中において、私は、こういう工事が信賞必罰の形で出てきてない。この点について、検察あるいは公安委員会、警察庁に対して、ひとつすみやかに、こういうものの処理にあたって、その責任の分野を明確にして、再びこういうことが繰り返されないように——といっても、なかなか事故が多いわけですから、そういうものに対する一つの防波堤をつくってもらいたいと私思うのです。どうですか。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) お答えします。 警察としては、関係の方面と連絡して、お示しのとおり、極力事を急ぎたいと存じます。ただ、この種の問題は、原因究明の一点について専門家の意見を聞くというのが通例でございますために、その専門家の関与する限りにおいて、とかく、慎重ではありますが、時間がかかるきらいがあるかと思います。それらも督励をしまして、極力すみやかに結論を出したいと思います。
○鈴木強君 昨年の板橋のガス爆発、特に地下鉄工事にまつわる。それが発生した直後ですから、非常に残念に思います。多数の死傷をされた方に対しては心からお見舞い申し上げますと同時に、負傷者の方の御全快を祈りますけれども、そこですね。公安委員長にひとつお尋ねしたいのですが、けさ私たちはここで「大阪ガス爆発事故について」という通産省の報告を聞きました。文書でもらいました。この中を見ると、被害状況で、死者七十六名、これは四月九日午前五時現在大阪府警調べ、こうあるわけです。そのうち、労働者のなくなられたのが、労働基準局の調べで、死亡三名、重軽傷十二名とあるわけです。いまの国家公安委員長の報告ですと、七十名という、これは、その事故が起きまして、特に夕刻から夜間にかけてでありますから、死体の確認とか、その他御苦労があったと思いますけれども、少なくとも一時は九十何名という数字まで発表されましたよ。これは警察当局の警備その他の扱いについてやや混乱があったんじゃないか。一時九十何名というのが、最終的には七十名というような報告、しかも、正式に国会に出した報告が七十六名という午前五時現在の報告があるわけです。こういうのは、警察が混乱しているんじゃないんですか。私はたいへん合点がいかない。だから、さっき加瀬委員が指摘されたように、ガス漏れが発見され、通報がされ、修理車が来てエンジンをストップしないでやったときに爆発した、そのときに、公安委員長おっしゃるように、いわゆるやじ馬と言われましたけれども、多数の人たちがそこへ集まった、そこで爆発してこんな大きな事故になった。ですから、そこら辺の群衆の整理等について万全の措置がとられたかどうか、こういう点についてわれわれは疑問を持つわけです。もう少しその点をはっきりしてもらいたいと思います。 それからもう一つは、とりあえず大阪市長が本部長になって事故対策本部をつくっておりますが、政府としてこれはどういうふうにされるか、この点も少しはっきりしてもらいたい。 それからもう一つは、とりあえず、死亡した方とか、あるいは重軽傷の方々には、それぞれの措置をしていただきたいと思いますけれども、こういう方に対するお見舞いその他についてもどうするのか、ひとつこの際明らかにしてもらいたい。 この三つお尋ねします。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) お答え申し上げます。 死亡者七十名と申し上げましたのは、死体の検視をいたしましたものの正確な数字である。死体が検視できないでおりましたものがあるとしますれば、先刻も申し上げましたように、七十名からさらにふえることがあるかもしれません。 それから、群衆が集まり始めて、それがどういう時間的な関係があるかは、まださだかではございませんけれども、群衆の整理については、いち早く交通整理をしておったものも現地におりましたし、一一〇番をかけられて直ちに現場に来ました者が、交通整理、雑踏の整理等に当たったはずでございますが、先刻も申し上げましたとおり、現地の正確な調査を待たなければ何ぶん的確なことは申し上げかねるかと思います。 それから、対策本部につきましては、中央でも、関係各大臣が入りまして対策本部をつくりまするし、警察庁といたしましても、警察庁内部で対策本部をつくりまするし、現地は現地で対策本部をつくっております。これらが相協力してそれぞれの分担に応じて善処していくものと心得ます。 それから、負傷者の見舞等は、申すまでもなく、できるだけの措置を講ずることと思いますが、これも対策本部を中心に結論を出す課題でございましょうから、いま私から申し上げる段階ではないと思います。
○鈴木強君 死者の数ですけれども、これは公安委員長、ちょっとはっきりしておいてもらいたいのです。これは、けさこちらに来る前に、最終的にNHKのニュースも聞いてみたのですが、いままで九十何名とか、あるいは八十何名とか言われておったが、最終的に死者は七十名だというニュースが流れておりました。いま、はからずも七十六名という、午前五時現在大阪府警調べで七十六名という報告書を文書でいただいているわけです。ところが、この七十六名よりも少ない七十名が正式に報告された。聞いてみると、検証の済んだ人が七十名で、まだ済んでおらない人がおるから数がふえるかもしらぬという、そういうお話ですけれども、それでは、いまになってまだ検証が済んでないのは何名かということがわからぬはずはないですから、検証が済んだのが七十名だったら、済んでないのは何名か、これははっきりしてもらいたい。これは少なくともわれわれが事故の規模その他を知る場合に大事なことですから。警察当局のそういう死亡者の確認ということが、さきにも申し上げたようし、夜間でありますし、いろいろ混乱はあったかもしれません。ですから、私は結果的にはっきりしたいのであって、その過程におけることはいろいろ事情もあるでしょうから、私は特に問題にしようとは思いませんけれども、やはり衝に当たった警察庁として、どこかに手抜かりがあったのじゃなかったですかということを私は聞きたかったわけですから、それをはっきりしてもらいたいです。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) お答え申します。 先刻も申し上げましたように、七十名というのは、死体の検案をした数字、午前七時現在でございます。ですから、行くえ不明等はまだ含んでおりません。確認しました数字が七十名ということでございます。
○鈴木強君 じゃ、七十六名確認して報告したというのはどういうわけですか。午前五時現在で七十六名を確認している。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) いや、午前七時現在で警察庁の報告を中心に考えまして申し上げておりますが……。
○鈴木強君 五時に七十六名で、七時に七十名ということは、おかしいじゃないかということです。だから、検視するしないは別ですからね。何人死亡されているかということを聞いているんです。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) それが、行くえ不明である限りはわかりませんので、確実な数の中に入れていないわけでございます。
○鈴木強君 これは事務当局からでもいいから、はっきりしておいてください。新聞は八十八になっている。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 官房長から御説明申し上げます。
○政府委員(富田朝彦君) お答え申し上げます。 先ほど大臣からお答えいたしましたように、午前七時現在におきまして、大阪府警察本部がそれぞれの死体につきまして検案をいたした結果、七十名、午前七時現在においては七十名ということでございます。なお、行くえ不明者、あるいはまだ地下等に埋没をされておる方につきましては、先ほど大臣が行くえ不明者ということでお答え申し上げたような次第で、それは計算に入っておりません。
○鈴木強君 七十六名という五時の発表は間違いないですか。——そうするといま何人……。
○政府委員(富田朝彦君) お手元の資料は通産省の資料かと存じますが、この通産省の資料に載りました数字をどういうふうに入手されたか、ちょっと私どもは明確にいたしておりません。私どもが最終的に午前七時現在で確認いたしましたのは、七十体でございます。
○政府委員(内田芳郎君) 私も、昨日の事故でなくなられました方々の御冥福を折るわけでございますが、ただいま御質問の、なくなられた方の人数が違うじゃないかということでございますが、昨夜、通産大臣が十時半に羽田を立ちまして、そして、けさの五時前に私のほうの通産局の中で大阪ガス事故対策本部というものを設置して、そこで関係者を集められまして、そのときに出ましたのが、このお手元に差し上げました報告書の「大阪府警調べ」、「七十六名」ということで、大阪府警で出した数字でございます。
○鈴木強君 もう少しはっきりしていただけばそれでいいんですよ。ですから、四月九日午前七時現在七十名の死亡者を確認しておる、こういう公安委員長の御報告ですから、それはそれで最近の一番新しい死者の数ですから、それでいいと思うのです。ただ、問題になるのは、死者の数について、一時は九十何名という発表があり、あるいは八十何名という発表があり、非常にあいまいだったわけですよ。そこで、少なくとも大阪府警が調べた資料ですからね。資料によって通産省はわれわれに示したわけですから、それによると、四月九日の午前五時、きょうの五時現在では七十六名の人が死亡していると、こういうことを大阪府警の調べによってわれわれに知らしたわけですね。そうしますと、あなたの言う七時現在七十名というのは数が違うじゃありませんかと。あなたのほうでは、死体の確認されたものだけであって、そのほか行くえ不明があるかもしらぬと言うのだが、しかし、死者というのはそんなあいまいじゃないでしょう。要するに、警察が七十六名と確認したのは、検視が済まないかもしらぬが死んでいると——それは確認しているはずですよ、身元がだれかは別としても。だから、そこに食い違いがあるじゃないですかと。けさのNHKの八時半のニュースでは、少なくも七十名ということを、はっきりそう言っているので、食い違いがありますから、これはひとつ明らかにしておいていただきたいということを申し上げているわけです。ですから、これはもう少し相談して、われわれの納得できる回答をしてもらいたい。もうこれは混乱している証拠だよ。
○横川正市君 調査してあとから報告してもらうことにして、何か、外務大臣の出席時間が十五分だそうですから、質問を……。
○委員長(堀本宜実君) それでは、この問題につきましては、国家公安委員長、警察庁におかれましては、直ちに正確な数字を調査して御報告をいただきますようお願いいたします。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 午前五時現在の大阪府警の調べということが、重複しておった状態を整理しないで、したかとも思われますけれども、大阪府警の調べと銘打っております以上、それも一つの数字——私のほうのは、午前七時現在で大阪府警から正式に報告をしてきました数字でございますので、そのことを根拠に申し上げておりますが、その間の食い違いがなぜ起こったかということを確かめまして御報告をいたします。
○加瀬完君 一体、何度こういうことを繰り返すのだというのが、国民のきょうのニュースを聞いての憤りですよ。 そこで、警察庁関係に一点、それから消防庁関係に一点伺いたいのは、消防関係は、こういう災害対策というものを具体的に立てておったのかどうか。それから警察庁関係は、こういう工事に道路規制をいたしますが、道規制は規制しっぱなしで、全然監督なり指導なりというのが具体的にありませんよ。それが今度の群衆対策を欠いた一つの原因ではないか。この二点について、それぞれお答えをいただきます。
○国務大臣(秋田大助君) その点、消防庁長官から説明いたさせます。
○政府委員(松島五郎君) 消防といたしましては、万が一発生するであろう火災に対しては常に消防計画を立て、また、それに基づいて訓練等を続けてきているわけでございまして、今回の災害に際しましても、その消防隊の出動状況を見ますと、ガス漏れを確認をいたしまして、そういう情報が入りましてから、直ちに出動を開始いたしまして、十八時十三分には、全消防車両、消防隊を出動させる第四出動までいたしたわけでございまして、この間の経過を見てまいりますと、不幸にして災害が起こったわけでございますけれども、それに対して直ちに対応する消防の態勢は整っていたのではないかというふうに考えております。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 政府委員にお答えいたさせます。
○政府委員(富田朝彦君) お答えいたします。 警察の、ある種工事に対しまする道路の使用許可に際しましては、警察署長が所定の条件を付して許可をいたしております。で、その条件の主たるものは、道路交通上のいわば円滑安全という点もございますが、同時に、荷物を放置しないこととか、いろいろなこまかい条件も付しているのが常でございます。したがいまして、警察署長といたしましては、これの条件の順守を十分工事関係者に求めております。また同時に、平素、パトロールあるいは交通関係幹部等の現場巡視もいたしまして、いろいろ乱雑な工事現場につきましては、そのつど是正を求めているのが通例でございます。
○加瀬完君 私は、いまの御答弁では納得いきません。そこで、通産大臣なり建設大臣なりもお帰りになるそうでございますから、各関係大臣から政府のガス対策あるいは地下工事の安全対策というものが具体的にどう立てられ、どう行なわれておったかということを、事情の報告とともに御回答をいただきます。 外務大臣がお急ぎのようでございますから、次に外務大臣に伺います。 今回のハイジャック問題で、特に北朝鮮当局の措置を、人道的立場で協力をしてくれたと、国民は感謝をしているわけでございますが、政府も同じ御見解と了承してよろしゅうございますか。
○国務大臣(愛知揆一君) しばしば申し上げておりますように、日本政府として、北鮮におきまして人道的立場から人命の保護に徹した取り扱いをしてくれるように要請をいたしましたことにつきまして、事実において、すみやかに乗り組み員、山村次官、乗機ともども帰してくれたことに対しましては、政府としても深甚な謝意を表しておる次第でございます。
○加瀬完君 官房長官は、記者会見で、今回の航空機乗っ取り事件に関して、佐藤総理から、韓国、ソ連、北朝鮮に対して感謝電を打つように指示されたというような意味の談話があったわけでございますが、これは間違いございませんね。
○国務大臣(愛知揆一君) 間違いございません。
○加瀬完君 北朝鮮への伝達方法は、これまでのルートによって行なうというような御説明がございましたが、これもそのとおりですね。
○国務大臣(愛知揆一君) そのとおりでございまして、特に赤十字のルートから伝達方を依頼いたしました。
○加瀬完君 では、北朝鮮に対し、赤十字なりあるいはソ連、休戦委員会等を通して感謝の意が正しく伝達されておりますか。
○国務大臣(愛知揆一君) 北朝鮮側のそれに対する反応というものはまだ入手いたしておりませんけれども、政府といたしましては、今回の事件の処理についていろいろの手を尽くしてまいりましたが、この北鮮政府と申しますか、当局に対する謝意の伝達は赤十字のルートが一番適当であると考えましたので、赤十字のルートによりますものを政府といたしましては一番大切に考えたわけでございます。
○加瀬完君 日赤が、いま外務大臣の御説明のような御趣旨の感謝電文を内容といたしまして政府に問い合わせましたときに——もう少し具体的に申し上げますと、日本政府も感謝をしておるという意味を打電しょうと思いましたら、政府は関与しないと日赤に対してお断わりになったということが言われておりますが、これは事実ではございませんか。
○国務大臣(愛知揆一君) 私は、そういう事実は聞いておりません。念のため申し上げますが、政府といたしましては、日本赤十字に対しまして、日本国政府は今次山村政務次官及び「よど」号乗り組み員に平壌の関係機関によって与えられた人道的処遇に対して謝意を表するということを朝鮮赤十字を通して平壌の当局に伝えてほしいということを要請いたしまして、日本赤十字はこれを朝鮮赤十字を通して打電をしてくれた。これが事実でございます。
○加瀬完君 アジア局長に伺いますが、いま大臣のおっしゃるとおりでございますか。
○国務大臣(愛知揆一君) いまアジア局長はほかの委員会に呼ばれておりますので、金沢参事官が来ておりますから、金沢参事官をして答弁させます。
○説明員(金沢正雄君) いま大臣のおっしゃったとおりでございます。
○加瀬完君 NHKの国際放送でその趣旨を流したので、それで事足れりということで、日赤の電文の中には政府のその感謝の意味を織り込むことを必要ないとお断わりになったのではございませんか。
○国務大臣(愛知揆一君) 私は、いま申し上げたとおりで、政府といたしましては、この件は、先ほど来申しておりますように、また累次申し上げておりますように、北鮮側のとってくれた人道的な措置に対してはほんとうに感謝をしておるのでございますから、日本赤十字社に対しましても、いま申しましたように、これを朝鮮赤十字を通して伝達をしてくれるように政府として依頼をいたしたわけでございます。 それからなお、NHKの点にもお触れになりましたけれども、即刻NHKの海外放送を通しまして、NHKにも協力を依頼いたしまして、日本政府として感謝をしているということを、すみやかに、かつ数回にわたって海外放送で流してもらいました。これは今回の経緯によって御承知のように、当方といたしましても、朝鮮中央放送等によりまして、こちらといたしましてもいろいろの情報を掌握することができたような関係もございますから、いろいろの筋から謝意をすみやかに伝達したいと思いましたので、NHKの海外放送にも依頼をいたしまして、これは的確に時間などのところまでは覚えておりませんが、数次にわたって放送もしてもらいました。
○加瀬完君 NHKに放送を依頼をすることはけっこうでございますが、それだけではなくて、赤十字のルートを通して感謝の表示を確実にする、もしもそれが現在行なわれておらなかったならば、至急にそういう方法がとり行なわれるべきであると了解してよろしゅうございますね。
○国務大臣(愛知揆一君) そのとおりでございます。
○加瀬完君 あと、税制関係で伺いますが、大蔵省並びに税調に伺いますが、サラリーマン所得は、他の事業所得に比べて正確に把握される、特典もほとんどない——いまの国税庁長官が主税局長のとき、こういう談話を述べられておるわけでございますが、この点はそのままお認めになりますね。
○国務大臣(福田赳夫君) そのとおりと存じます。
○加瀬完君 税調さん、どうです。
○参考人(福良俊之君) そのとおりでございます。
○加瀬完君 そういう趣旨を実現さすべく今度の減税が行なわれてきたというように了解してよろしゅうございますか。
○国務大臣(福田赳夫君) もちろん、そう考えております。
○加瀬完君 物価調整減税ということが言われておりますが、この物価調整減税も、その不公平をなくす一つの方法と考えてよろしいんですね。
○国務大臣(福田赳夫君) 物価調整も、そういう問題にある程度寄与する、かように考えます。
○加瀬完君 税調会長代理に伺いますが、この物価調整減税の構想をひとつ御説明をいただきます。
○参考人(福良俊之君) 物価調整減税という名をうたいまして減税をするというのではなく、経済成長が高い過程におきましては、当然所得も向上してくる、所得税の累進構造というものを考えて、経済成長と見合いながら一般の物価その他との関連におきまして減税を実行していくというたてまえで、今日までそのたてまえが守られてきておると、かように考えております。
○加瀬完君 すると、経済成長が現状のように推進されて、物価上昇が伴う限りは、政府といたしましても毎年調整減税という必要をこれは認めていくと考えていいですか。
○国務大臣(福田赳夫君) 物価調整減税と銘打った減税はしておらないと、いま税調会長代理が申し上げたとおりであります。しかし、減税をいたす方法いかんによりましては、物価調整的効果があると、こういうふうに考えておりますが、今回、四十五年度の減税は、一昨年税調でいわゆる長期答申というのをいたしまして、それを完全実施をしようというものであります。でありまするが、まあ今後とも物価の情勢ももちろんありますが、しかし、その他いろいろ問題がありまして、所得税の減税につきましては、昭和四十六年度以降におきましても引き続いて考えていきたい、こういうのが私の考えでございます。
○加瀬完君 昭和四十五年の物価調整減税所要額を五百三十億と押えておるのでしょう。
○国務大臣(福田赳夫君) 物価調整減税所要額五百二十億というのじゃないのです。今回の税制改正によって所得税中心の減税をいたしますが、その所得税減税の中でかりに物価調整を税制上しようとするならば幾らかかるであろうかということを計算してみますと、おおむね五百三十億程度になる、だろう、こういうことでございます。
○加瀬完君 それでは税調も大蔵省も、物価が上昇をこのまま続けるならばそのための調整減税は必要である、という原則には立たないわけですか。
○国務大臣(福田赳夫君) 税制が物価にスライド制だというような考え方は持っておりません。しかし、物価が変動する、その変動に伴って国民の負担が変動する、そういうことに対しましてはこれは重要な関心を払わなければならぬことである、こういうふうに考えております。
○加瀬完君 税調もその程度ですか。
○参考人(福良俊之君) いま大蔵大臣が述べられたのと大同小異でございますけれども、物価調整減税ということばはございます。しかし、所得税の減税をいたしますときには名目所得に対する課税である。さらに先ほど申しましたように累進構造である。そういう点から考えまして、所得税全体が所得に対する負担を考えて減税をしてまいった、こういうことだと、かように考えております。
○加瀬完君 私も断わりませんでしたが、所得税に限って御答弁をいただいてけっこうでございます。 そこで、結局消費者物価が上昇すれば、やはり減税の面でもこれは考慮をするというお立場のように承ったわけでございます。そうなりますと、一体物価上昇率を幾らに押えるかということで減税の考慮の幅は大幅にもなれば小幅にもなるということにもなろうかと思います。この点はいかがでしょう。押え方によって減税のワクが変わってくるのじゃないか。調整のワクが変わってくるのじゃないか。
○国務大臣(福田赳夫君) 物価の上昇は所得税を考える場合に一つの重大な要素になります。それは事実でございまするけれども、物価の点ばかり所得税は考えるのじゃないのです。その他もろもろの考えるべき要因というものがありますので、まあ物価は一つの要因で、重大な要因であるけれども、全部の要因ではない。
○加瀬完君 ですから、一つの要因として物価を考えるわけでしょう。そうしたら、その物価の上げ幅を七%と押えるか四%と押えるかによって考慮の幅も違ってくる。当然それは常識論として認めていいでしょう、原則として。
○国務大臣(福田赳夫君) それは考慮する場合に、物価の上昇の幅いかんということはこれは重要な資料になります。それでその幅だけできまるのじゃないので、ほかにこれをプラスしたりマイナスしたりする要因というものが多々あるわけでありまして、それらを総合して減税というものを考える、こういうことでございます。
○加瀬完君 これだけで減税をしろと言っておるわけではなくて、それがとにかく物価調整を減税の一つの要素にするということであれば、結局物価を幾らに押えるかということが問題であるということを指摘しているわけです。 そこで一応ことしの上昇率というものを四・八%と税調では押えたのでございますか。
○参考人(福良俊之君) 四十五年度の税制改正につきましては、御承知のとおり、四十三年七月の長期税制答申、その所得税減税に関する部分を完全実施するというたてまえをとりましたので、物価がどれだけ上昇するからそれを含めて幾ら減税するという形では討議を行なってまいっておりません。
○加瀬完君 これは課税最低限のところでやはり論議をしてまいりたいと思いますが、一応物価というものを考えるというなら、物価を幾らに押えるかということがきまらなければ、物価によるある程度の減税の調整をしたかしないかということは明確になってこないと思うんです。そこで経済企画庁に伺いますが、消費者物価の指数の押え方が、現在では基礎のとり方が適切でないという評がございますが、これをどう思いますか。
○国務大臣(佐藤一郎君) 最近の御存じのような野菜等を中心とします季節的な商品の値上がり、これが非常に激しい点等もあると思うのでありますが、政府の統計局の消費者物価指数というものが、どうも実感的に現在の物価の感じと遠いものがある、こういう御批評をしばしば受けます。確かに、ことしのように野菜等が上がります際には、主婦は一日に何回も買いものに行くと、その買う回数の高い、頻度の高い商品が上がりますと、どうしても実感として高さを感ずるのは無理ないと思うのでありますが、しかし、消費者物価指数は、特定のものだけでなく、全商品について平均したところの物価水準全体をあらわしているものでありますからして、毎日買っている野菜が一〇%上がっているのに、政府で出ている消費者物価指数が五%だ六%だとどうしても感じが出ない。そういうことだと思うのです。そこでその五%だ六%と出ている全体の指数の中で、たとえば食料品なら食料品をとってみますと、ことしの二月なんかでもやはり一〇%で出ているのですけれども、そこまで一般に目に触れないものですからそういう感じはいなめないと思います。また、最近の住宅難、土地問題、こういうことでそうした指数が十分入っていない、そういうことからもくると思います。御存じのように、物価指数は五年ごとですから、現在のは四十年にきめたやつです。今度四十五年に改定を考えております。そうしますと、商品のウエートの置き方も、それから新しい商品を取り入れるというような問題も、それからまた、商品の質が向上したことによる問題の取り入れとか、いろいろな点で少し現実に合うようなものに今度はさらになってくると思いますが、しかし、そうした特定の商品が買い入れ頻度の高いものが上がるとどうしても実感として多少ズレがある。そういう感じでありますが、しかし、数字そのものは間違いはないわけでありまして、物価全体の水準をあらわしている、こう申し上げていいと思います。
○加瀬完君 いまのような基礎によりまして計算すれば間違いがございませんが、大臣のおっしゃるように、購入頻度の多いものが生計費に大きく響くことはこれはお認めになっておられます。あるいは正しい物価を出すならばいまよりも新しい品目というものを入れて計算をしなければならないというお説でございますから、そのような形でお取り運びを今後はいただきたいと思うわけであります。 そこで、第一銀行の調査部で、頻度の高いものだけを中心に行ないますと、四十五年の一月の前年の比較は、低いところで一一一%、高いところで一一一・五%、一一%以上のアップになっておるわけですね。これは一つの計算の方法としてお認めになりますか。
○国務大臣(佐藤一郎君) 私もあれ見ましたが、要するに、米価そのものは物価指数でございます。でありますから、それをいま御指摘のように、頻度の高いものだけを集めたわけです。私もちょっと見ましたけれども、結局ほとんどが食料品です。それで、あの一月におきますところの食料品の値上がりが約一〇・数%、約、ほぼ一一%です。ですから、私は特別のものではないというふうな感じをあれでは持ちました。それからまた逆に、そういう組み合わせを少し変えて出したんですが、あれを今度計算しますと、四十三年から四十四年度の値上がり、これは第一銀行のほうが政府の発表より低く出てきてしまう。ですから、ある時点をとらえてスポット的に非常に浮き彫りにさせようということで、特定の組み合わせをするということはもちろん可能でございます。しかし、いま言ったように、そうすると、四十四年が、四十三年に対して出るところの上昇率が低く出ちゃうというようなことで、これはいずれがいいか。まあ、その使う目的によって考えなきゃならぬかと思っております。
○加瀬完君 第一銀行も一年間の平均で一一%というものを出しておるわけですね、頻度の高いものだけとると。十月なら十月という野菜の高いときだけ押えて一〇%上がっているというのを政府の統計としても、それが一年の統計にはなりませんから、これは統計の出し方にひとつごくふうをいただきたいと思うわけでございます。こういう点を私申し上げておりますのは、結局課税最低限の問題でございます。生活できないような程度で課税最低限が設けられておりましても、これは趣旨にそぐわないわけであります。そこであらためて伺いますが、課税最低限は消費支出金額とある程度見合うものであると考えてよろしゅうございますか。税調にお願いします。
○参考人(福良俊之君) ある程度は見合ったものと考えております。
○加瀬完君 そうしますと、家計調査の実態が、課税最低限をどこに線を引くかということに重要な参考資料になるということは認めてよろしゅうございますね。
○参考人(福良俊之君) これは当然ある程度参考資料としては役に立つものだと考えております。
○加瀬完君 経済企画庁に伺いますが、国民生活研究所の昭和四十二年十月調査の標準的世帯の世帯主四十歳の実生活費は一年どの程度ですか。年額でお願いいたします。
○国務大臣(佐藤一郎君) 四人の場合、四人の組み合わせがいろいろありますが、どの……。
○加瀬完君 四十歳。
○国務大臣(佐藤一郎君) これでは夫が四十歳の例がありますが、これが実収入は八万七千八百七十四円です。
○加瀬完君 消費支出。
○国務大臣(佐藤一郎君) 消費支出が六万七千七百三十二円、それでよろしいですか。
○加瀬完君 年額に直すと、八十四万七百六十八円ということになりますね。
○国務大臣(佐藤一郎君) 消費支出金額においてですね、おっしゃるとおりです。
○加瀬完君 大体、これは団地の公営住宅の俸給生活者というのを押えておるわけですから、大体都市近辺の俸給生活者はいまの条件であればこのくらいかかるということになりますね。そこで、昭和四十四年の総理府家計調査の消費支出は、四人家族、世帯主四十歳で幾らになりますか、四十四年。
○国務大臣(佐藤一郎君) ちょっといま手元に数字がありませんから、至急に取り寄せさせます。
○政府委員(岡部秀一君) 世帯主の年齢が約四十歳で四人世帯の場合の家計費ですが、これは全国勤労者世帯の昭和四十四年平均ですが、年齢が三九・七で、四十歳という注文どおりのは出ておりませんけれども、実収入が一カ月当たり九万八千三百円、年額にいたしまして百十八万円、可処分所得が一カ月当たり九万五百円、年額にいたしまして百九万円、消費支出が一カ月当たり七万三千五百円で、年額にいたしまして八十八万円と出ております。
○加瀬完君 そうすると、国民生活研究所の四十二年の消費支出でも八十四万七百六十八円。ところが夫婦、子供二人の課税最低限は六十三万三千五百九十九円、四十四年の課税最低限は七十八万七千八百五十七円、ところが、消費支出は八十八万千八百八十円、消費支出に見合っておりませんね。この現実は税調としてはお認めなさっていらっしゃいますか。
○参考人(福良俊之君) その事実の数字には間違いがないと思います。
○加瀬完君 そうすると大蔵大臣は、負担能力を越えたこの納税というものにはやはり注意しなきゃならないというお説でございますが、負担能力と所得税の問題が当然出てまいりますね。そこで、戦前に比べて所得税は負担が重くなったかどうかという点をひとつ伺いたいと思います。昭和九年——十一年と比較して、物価倍率は五百六十一・三倍と見て経済企画庁長官、よろしゅうございますか。
○国務大臣(佐藤一郎君) 大体いいと思います。
○加瀬完君 それでは、同年次の独身者の課税最低限は幾らですか、大蔵省。
○国務大臣(福田赳夫君) 戦前基準年次で千八百七十五円であります。
○加瀬完君 それを独身者千五百円ですね、今日の物価に直すと八十四万千九百五十円になっていますね。ところが、昭和四十五年の独身者の課税最低限は三十三万八千六百三十七円、戦前の四〇%にしか当たりませんね。これはお認めになりますね。
○国務大臣(福田赳夫君) そう考えてもいいそうです。
○加瀬完君 戦前と現在の納税人員を調べますと、大体戦前九十五万、現在は二千四百万、納税人口が非常に多いということは、それだけ所得税が大衆負担になっているということにはなりませんか。
○国務大臣(福田赳夫君) 納税者の数が非常にふえてきているのです。そういう意味において大衆化ということばをお使いになっても、まあ差しつかえないんじゃないかと、かように思います。
○加瀬完君 税調副会長に伺いますが、課税最低限の機能というものをどういうようにお考えになっていらっしゃいますか。
○参考人(福良俊之君) 全体の所得水準にも関係してまいりますけれども、できるだけ生活費部分までは課税の対象にしないようなことが好ましい、そういう考え方をしております。
○加瀬完君 戦前に比べては、課税最低限が戦前の四〇%にしか当たっておらない。実際の消費支出よりははるかに低いところで課税されているということは、いまの御趣旨には合いませんね。 そこで経済企画庁に伺いますが、平均国民所得に対して課税最低限は戦前戦後でどう変わっておりますか、御説明をいただきます。
○国務大臣(福田赳夫君) いま独身者のことをお話しでございますが、家庭を持っている人、たとえば夫婦子三人というような家庭の例をとりますと、戦前の課税最低限と、大体今日、今回御審議を願っておる税法の最低限と、大体同じ程度になるのです。戦前は何といってもこれは公債財政、まあ普通収入ですね、つまり税ならびに専売、この収入が大体半分ぐらいの程度でありましたが、これが今日は九〇%に上がっている。しかも、戦前は間接税中心主義、今日は直接税中心主義、しかも直接税の比率が総収入の九〇%を占める。その総租税、専売収入の中で直接税が実に六五%を占める、こういう状態でございまするから、直接税の比率というものが非常に高まっておる。そういう状態下において課税最低限が大体戦前の水準であるということでありまするから、かなり最低限につきましては考慮を払っている状態である、こういうことがいえると思います。
○加瀬完君 戦前、年収千八百円というサラリーマンはごく少数ですね。したがいまして、独身者で千五百円、今日に直しますと八十四万円以上。八十四万円まで課税されないということは、いまの課税最低限とははるかに意味が違ってくると思うわけです。そこで、平均国民所得は戦前は千四十五円、それに対して課税最低限は千八百七十五円。四十二年は、国民所得の平均は百六十二万二千四百五円、課税最低限は七十一万千八百九十九円。戦前は、平均所得の一七八・六%でなければ所得税はかからなかった。ところが戦後は、四十二年を押えれば四三・九%に税金がかかっておる。サラリーマンの所得税は戦前に比べてはるかに重いということがいわれませんか。税調の副会長さん、いかがですか。
○参考人(福良俊之君) ただその数字だけでは議論にはならないかと思います。全体として社会保障その他振替所得との関係もございますから、いまお示しになった数字だけで議論を進めるわけにはいかないように思います。
○加瀬完君 それはおかしいと思うのですね。九十五万人しか税金を取られなかったのが、今日は二千四百万人が取られている。八十四万円までは税金を取られなかったのが、ことしは三十三万円から税金を取られている。そういうことであれば、戦前に比べてかなり低い所得層から所得税を取っているということにはなりませんか。
○参考人(福良俊之君) ただその数字だけから議論すれば、そのとおりだと思います。
○加瀬完君 社会保障とかいろいろ言いましても、それが確実にそれぞれの納税者のところに返ってくるものばかりはないわけです。税金が重ければ負担が重いと納税者としては感ずるわけです。 もう一つ、課税は公平であるべきだということは、たびたび政府からも言明をされておりますが、税調においても公平な課税ということは大原則だと承知をしてよろしゅうございますか。
○参考人(福良俊之君) 租税の原則は、まさにそのとおりだと思います。
○加瀬完君 朝日新聞の昭和四十五年一月二十日の投書に、東京の北島武彦さんという方が、「医師の税制をただせ」と題して、年収一千万円の医師は二百八十万円にしか課税されない。三百三十三万五千円のサラリーマンは、二百八十万円が課税対象となる。あまりに税負担が不公平ではないかと言われておりますが、これに対する御所見はいかがですか。税調。
○参考人(福良俊之君) 医師の診療所得に対する課税の特例につきましては、今日まででも税調で課税公平の原則にそむくのではないかという議論がしばしば行なわれております。
○加瀬完君 それでは、医師の社会保険診療報酬に対する経費率の七二%は妥当ではないと税調においてもお考えになっておると了承してよろしゅうございますか。
○参考人(福良俊之君) そのような趣旨の議論はしばしば行なわれております。
○加瀬完君 大蔵大臣に伺いますが、医師の経費率は五一・二%だと言われておりますが、これはどうですか。
○国務大臣(福田赳夫君) 医師の経費はどう見るかということが非常に問題になるわけでございますが、まあ実態は一体どうなんだ、経費は幾ら実際かかっているんだということをよく調査しなければならぬし、また、医師の経費問題は、いわゆる一点単価をどうするかというものと深いからまりがあって、今日七二%というふうにきめられておりますが、それも配慮しなければならぬが、とにかく現実の経費、その一点単価問題は除いての経費いかんということを調べなければならぬ、調べておりますが、まあ中間的に抽出的な調査なんかでは、ただいまおっしゃるような数字も出てくるのです。しかし、まだ大体この程度であろうということをはっきり申し上げられるだけの整った資料はまだ持っておりません。
○加瀬完君 税調副会長に伺いますが、医師の経費率とサラリーマンの給与所得控除とは、少なくも均衡を失しているとは御判断なさいますか。
○参考人(福良俊之君) いままでそういう議論がたびたびあったことは事実でございます。
○加瀬完君 税調は、現行の給与所得控除は大幅に引き上げられ、五十万円の場合控除率は三六%であるので、当面給与所得控除は引き上げる必要がないと、こうおっしゃっておりますが、では、百三十万円、二百三十万円の所得の場合、控除率は幾らになっておりますか。私は、この前段に申し上げた税調のお考えには賛成できかねますので、お答えをいただきます。
○政府委員(高木文雄君) ただいま加瀬委員からおっしゃいました税調の御答申の中にあります分は、給与所得控除のうちの定額部分のことだと思います。
○加瀬完君 控除率……。
○政府委員(高木文雄君) 二百万円の場合の控除率は、ことしの改正の平年分で一九・五%になります。三百万円の場合の控除率は、同じく今度の改正の平年分で一四・八%になります。
○加瀬完君 七二%は別としても、巷間伝えられている他の経費率というものは、二五%とか三五%とか言われている、低いものでも。それが一九%、一四・八%ということになれば、給与所得控除という率は、ほかの業種に比べて低いと、相変わらずサラリーマンの給与所得控除額は引き上げられるべきものだと考えてよろしいじゃないか、それを引き上げる必要はないという議論は少しおかしいというふうに考えられますが、いかがですか。
○国務大臣(福田赳夫君) 所得税は、所得に対して課せられるわけであります。つまり所得とは何ぞといえば収入から経費——収入を得るに必要な経費を控除した額である、こういうことが言えます。その収入のいかんによりまして、これを取得するために要した経費というものはそれぞれ違うのは、これはあたりまえでありまして、たとえば預金をしておるその金利所得、これのごときは経費は一つも要らないのであります。経費は控除いたしません。これに反して、鉄工所というようなところになりますれば、人も使います。原材料も使います。またいろいろな雑費も営業費も要りますというので、それらを差し引いて所得を計算する。ですからサラリーマンの場合におきましては何が経費かといいますれば、職場において働くのに必要な洋服でありますとか、あるいはくつでありますとか、あるいは交通費でありますとか、そういうようなものが経費になるわけです。これを一々計算しておったならば、その洋服の何%が自分の生活のためで、何%が役所のためであるかというようなことが非常に判定困難でありますので、一律に経費控除、定率定額の制度ということにいたしておるわけであります。必ずしも私どもは今日の、ただいま申し上げましたサラリーマンの控除率、これが低いものであるというふうには考えておりません。
○加瀬完君 医師の場合は法律で七二%がきめられている、この是非は別として。それで、いまそれに経費率に見合うべき所得、給与所得控除のサラリーマンの場合の三百万なら三百万を見ると、それは一四・八%。あまりにそれでは見合いができておらないじゃないかという点も申し上げておるわけです。 私は、もっと不公平な具体的な問題を出してみたいと思う。最近法人化の現象というのが非常にふえております。そこで、昭和三十四年の法人は五十六万四千十八。それが四十四年六月になりますと九十九万三千八百一。法人の増加の激しいのはどういう理由ですか。税制上どう考えますか。
○政府委員(吉國二郎君) 法人がふえてまいりますのは、一つには法人形態をとるということによって経理が正確になり、それによって金融機関の融資を受けやすくなるというような経営的な面も相当あると思います。また、一時は税制上の問題といたしましていわれましたのは、法人化をいたしますと、これは当然別人格になりますので、家族が法人につとめましても、それが給与所得として控除をされる。したがって、個人で事業をしている場合には、家族専従者というものは一応主たる事業者の所得に合算をされまして、それが専従者控除という形で最近では引かれるようになりましたけれども、専従者控除ができた当座、あるいはできる前は、明らかに法人になることによって所得を分けることができる。したがって、累進税率の適用が非常に緩和されるということ、それらがございましたので、昭和二十年代にはその意味から法人になるものが多いということがいわれておりました。しかし、最近では青色申告を提出いたしますと、家族専従者に払いました給与は無制限に控除されることになりますので、その点は現在ではあまり強い動因にはなっていないというふうに考えております。
○加瀬完君 法人名義のほうが税が安いわけですよ。それは戦後だけじゃないわけだ。四十四年だって非常にふえている。論より証拠ですね。あなた方のほうで法人の実地調査をいたしますね、毎年。そうして調査結果では不正申告が非常にふえていますね。四十三年度では四十二年度に比べて七・四%不正申告がふえているということは、法人のほうが脱税しやすいと、そういう見方があるとうことにはなりませんか。
○政府委員(吉國二郎君) 現在でも、法人の中に申告が正当な所得に対して不足しておるものが相当あることは事実でございます。したがいまして、私どもといたしましては、法人のうち、さような疑いのあると申しますか、準備調査というものによりまして法人を選び出しまして調査をいたしております。その結果として不正所得が発見されるということも事実でございまして、大体さようなはかりにかけて選び出しました法人の三割ぐらいにいわゆる不正所得というものがあるということは最近でも事実でございますが、それだけに、逆に法人の形態をとっておれば、帳簿その他が備えられておりますだけに的確に脱税を把握できるという面もございます。そういう意味では、法人の調査というものに対しまして相当現在法人調査班の人員をふやしまして、集中的な調査をいたしておりますので、今後さような傾向が減少していくことを期待しておるわけでございます。
○加瀬完君 調査人員をふやしたり、今後その減少を期待するということは、脱税が行なわれているということだ、少なくも。源泉徴収されるものよりは脱税しやすいと、こういう状況を認めざるを得ない。それから配偶者控除にいたしましても、サラリーマンの奥さんがアルバイトをいたしまして、年間所得十二万円を取れば、これは控除は受けられませんね。ところが、株式投資で十二万円以上の収入があろうとも、何百万円の所得があろうとも、これは配偶者控除は受けられますね。勤労者でやりくりがつかなくてアルバイトをする奥さんには税金はかかる、資産があって配当所得を受けておる者には税金かからない、こういう問題を解決しなければ、やっぱり税負担の公平というものをサラリーマンとしては感じられませんよ。この点はどうですか。受け取り配当金についても同様のことが言われるでしょう。
○政府委員(吉國二郎君) 御承知の配偶者控除は扶養控除の一つの形でございますので、みずから所得がある場合には独立して基礎控除を受けられるわけでございます。つまり従属者に対する所得控除でございますので、本人が所得がある限りは本来控除すべきではないわけでございます。シャウプ税制のときには、むしろ一定の金額までの所得のある者は、その所得を本人に合算した上で扶養控除を認めるというたてまえでございましたが、それはいかにもめんどうだというので、現在では五万円までは一応所得があっても扶養控除の対象にすると、ただし配偶者控除の場合は十万円までよろしい、十万円というものは、給与所得に換算いたしますと二十二万五千円でございます。それぐらいの内職収入はあえて無視をして配偶者控除を認める、こういう趣旨でございます。それから配当がございます場合には、むしろ大所得者の場合は、その配当所得を主たる所得者に合算をいたしまして、いわゆる資産合算をもって重く課税をするたてまえにいたしております。ただ御承知の臨時措置といたしまして、配当について申告扶養という制度が五万円、一名が五万円以下についてはございますし、源泉選択という制度がこれは臨時措置として認められておりますので、その制度を使った場合には、これは制度上課税が起こりませんで、配偶者控除を受けられるという結果になりますけれども、本来の税法で申しますと、これは配偶者控除は得られても、逆に合算によってかえって重い課税を受けるという制度になっているわけでございます。
○加瀬完君 それはそう御説明をせざるを得ないのですけれどもね。私どもは納得できません。それではあなた方がそういう御説明を続けられますが、今回の改正案は一体下の者に有利なのか、高額所得者に有利なのか。昭和四十五年の給与収入金額について、百万、百五十万、三百万、五百万の人たちが、現行法に比べて、減税分は何%になったか。ひとつお示しください。
○国務大臣(福田赳夫君) いまパーセントは国税庁のほうから申し上げますが、今回の改正は、所得税につきまして戦後十数年ぶりで税率調整というのをやったのです。やりました趣旨は、子供を持つようになったいわゆる中堅家庭というものが税率調整をしない結果、その負担が非常に重くなってきている。これをひとつ調整しなければならない。これはいわゆるサラリーマン減税の要請するところの中心眼目でございますが、ですからその税率調整をやって、中堅家庭、まあ二、三百万円の所得のある階層です、これの負担を初めて軽減をするという措置をとる。同時に、課税最低限を引き上げまして百三万円まで持っていく、これで低所得者に対して配意をする、こういうことになった。そうすると、その場合に百十万円だとか百二十万円だとか、そういう谷間になる方々、これに対する軽減がわりあいに薄くなるような結果になるわけでありますが、これは毎年毎年やってまいりました課税最低限の引き上げ、それのもとになる諸控除の引き上げ、そういうことによりまして過去においてかなり軽減をされているのです。ですから、この数年間を通じて見まするときには、中堅所得層以下、特に低い階層の者に厚い減税になっておる、こういうかっこうになっておるのであります。
○政府委員(高木文雄君) 先ほどの百万円、百五十万円、三百万円、五百万円の給与所得者の軽減割合を申し上げます。 夫婦と子供三人の場合でございますが、百万円のところでは平年分では今度は課税最低限以下になりますから、いわば軽減割合では一〇〇%軽減ということになります。百五十万円は二九・一%、三百万円が二七%、五百万円が二四・九%、以上でございます。
○加瀬完君 夫婦子供二人というのが一番多いわけですよね。その夫婦子供二人でやりますと、現行法と改正分と比較をしますと、百万のものは〇・四九%しか低くなっておりませんよ。五百万の者は四・〇二%下げられておりますよ。大臣のおっしゃるようにほかのほうは別として、ほかのほうで低所得者を控除するというのは別として、少なくも大臣の説明も含めて改正法は低所得者にはいまのように高所得者に比べて恵まれておらないような扱い方をされておりますよ。 そこで、あらためて聞きますが、低い階層には諸控除をして課税最低限を引き上げたというならば話は別ですが、その課税最低限というのをどう考えるかということをここであらためて問題にしなければならない。課税最低限とは税金をかける最低線、これ以下には税金をとらない線だ、生活費に食い込んだ課税はすべきではないという財政学の考え方が基礎になって、そういう意味の課税最低限と考えてよろしゅうございますか。
○国務大臣(福田赳夫君) そういう考え方でやっております。
○加瀬完君 では給与所得者と事業所得者の課税最低限が違っているのはどういうわけですか。
○政府委員(高木文雄君) 給与所得者で大体標準五人の家庭で百万円と申しますのは、諸控除と給与所得控除を考えた上で所得で百万円ということでございますし、事業所得者で七十何万円と申しておりますのは、これは収入について言っているわけでございます。
○加瀬完君 生活費に食い込んだ課税はすべきでないという線が課税最低限だとするならば、生活費は事業所得者であろうが給与所得者であろうが同様にこれははじき出せるわけですね。最低限を別々にするということはおかしいじゃないですか。
○政府委員(高木文雄君) 御質問は、先ほど御指摘のありました生計費との関連でのお話かと思いますが、生計費でたとえば四十四年でございますか、八十七万とかなんとかいう数字が出ておりますのは、平均家計支出でございますから、非常に所得の多い方も調査対象に入っておりますれば平均の数字に入ってまいりますし、それからまた……。
○加瀬完君 事業所得者と給与所得者で課税最低限が、生活保障だというなら、それで違っているのはおかしいじゃないですか。
○政府委員(高木文雄君) それは先ほど申しましたように、片方は所得でありますし、片方は収入でございますから、所得と収入とは別の概念でございます。
○加瀬完君 所得であろうが収入であろうが、課税最低限が生活費に見合うものだとすれば、同額でなければおかしいじゃないですか。ということは、課税最低限が事業所得者に低いということは「クロヨン」とか「トーゴーサン」と言われているようなことを暗に認めているということになるわけですね。課税最低限が低くても、事業所得者はまかないがつく。課税最低限が高くてもサラリーマンは困るということは、これは「クロヨン」なり「トーゴーサン」というようなそういう傾向があるということを是認していることになるじゃないですか。
○政府委員(高木文雄君) あくまで事業所得の場合の七十万という場合は必要経費を引いたあとの金額の問題でございますから、そこで単純な比較はちょっとできないと思います。
○加瀬完君 税金をかける最低線、これ以下に税金をかければ生活の保障ができないという線だとするならば、それならば事業所得者、いろいろの理屈がたっても、一体住民税の課税最低限と所得税の課税最低限を別にしてあるのはどういうわけですか。国税と地方税で最低限の開きがあるというのはおかしいじゃないですか。
○政府委員(高木文雄君) 従来から所得税につきましては応能負担の考え方が非常に強くございますし、住民税については応益負担といいますか、その市町村に居住をしている以上、ある程度いろいろの市町村なり都道府県なりの諸掛かりについて持つべきだという考え方がありまして、必ずしも応益負担の思想がありますところの住民税について、所得税と全く同じでなければならぬということではないという考え方に立っているということが言えると思います。
○加瀬完君 課税最低限は、生活費に食い込んだ課税はすべきでないということでしょう。生活費に食い込んだ課税はすべきでないというなら、地方税だって生活費に食い込んだ課税はすべきでない。あなたはいま応能の原則とか応益の原則とか言うて、この前も言ったように、均等割りで取られているわけだ、均等割りで取られている。払っていないわけではない。ですから、生活費に食い込んだ課税はすべきでないというところへ課税最低限を引くならば、これは所得税と住民税の最低限は一致させなければ、これはどう考えたっておかしいでしょう。大蔵大臣にひとつこれ、伺いましょう。
○国務大臣(福田赳夫君) 所得税と住民税は現に最低限において格差があるわけでございますが、これは一緒にし得ればたいへんけっこうだと思います。思いますが、現在の地方財政の現状から見まして、なかなかそこまでの住民税課税最低限の引き上げということはできない。しかし、それだと租税原則に反するかと、こういうことになりますと、私はそうも思っていないんです。つまり国におきましては、これは国をささえるその財源を調達するということでございまするが、地方におきましては、地域社会をささえるその財源を調達するという財源問題の性格から、その地方自治体の行政をささえるその階層というものは幅が広くなる。これがあって私はまたしかるべきである、そういうふうに考えるわけです。課税最低限というのは先ほどから申し上げておりまするとおり、なるべく生活の最低限には食い込みたくない、こういう趣旨でやっておりまするけれども、これは最低限ぎりぎりの線じゃないと思っております。いま最低限がかりに八十万円だと、こういうふうに考えた場合に、最低限が平年で言いますれば百三万円になる。それだけの余裕がある。余裕があって私は別に悪いものではないと思いまするし、また言われるところの必要消費支出を多少食い込むということがあっても、地域社会をささえるその財源であるという性格、そういうものから見まして、これも多少のことはあってこれもやむを得ざるものではあるまいか、さように考えておるのであります。しかし、なるべくこれは一緒になったほうがいいというふうには考えますので、地方の住民税につきましても、課税最低限の引き上げを行なうということにつきましては、今後とも努力をいたさなければならぬ、そういう考えであります。
○加瀬完君 これは大臣が先ほどお認めいただきましたように、課税最低限というのは、生活費に食い込んだ課税はすべきでないと、こういう原則であるとするなら、その課税というものは地方税だから生活に食い込んでいいということが許容されるものではないと思う。しかしながら、いま御指摘のように、いまの課税最低限は生活費にはるかにゆとりのあるものだとおっしゃるなら、戦前と比べて、それならば戦前の四〇%にしか課税最低限が当たっておらないけれども、それでも戦前に比べてゆとりがあるといえるかという反論をしたい。いまどんなに所得税法をいじっても、住民税の重圧感というものは一つも解決されておらない。課税最低限を最低生活費をカバーする限度と考えるなら、国と地方の税制がこんなに差があってよろしいのかという問題が当然これは出てくるわけだ。しかし、ここで確認をしておきたいのは、当然これは原則としては地方も国も課税最低限は一致さすべきものであるので、将来そういう方向に持っていくというような意味にも受け取れる御答弁もございましたから、一体将来住民税の課税最低限は所得税のそれに合わせるように努力がされるものだと考えてよろしゅうございますか。
○国務大臣(福田赳夫君) 国と地方の課税最低限を一緒の水準に持っていくということ、これはいろいろ理論の面から言いましても、また実際税務行政をやっていく面から見ましてもいろいろのメリットがあるわけであります。ですから、そうあってほしいと思うんですが、現実はなかなかそうはいかない。地方のほうを課税最低限を上げるというようなことになると、また状況に応じては、国のほうでもそれを並行して上げるというようなことにも努力をしなければならぬという必要が出てくるようなことが想像されるわけです。私は今後も、昭和四十六年度以降も所得税の負担軽減というものに努力をいたしていきたい。こういう考え方をいたしておるわけでありますが、その際に考慮されるやり方は何だというと、税率の問題もある、あるいはもろもろの、たとえばサラリーマンの控除の拡大という問題もありますが、まあしかし、課税最低限の引き上げという問題も重要な問題として取り上げられるということになってくると思うんでありますが、国においても努力しますが、地方においてもまたさらに一そうの努力をする方針であるということだけをはっきり申し上げさせていただきます。
○加瀬完君 私は先ほども申し上げましたが、この課税原則というものは国みずからが守っていくようにしていただかなければならないと思うわけです。それから当時の主税局長でありました、いまの国税庁長官が、ある新聞の座談会で、サラリーマン控除額をその意味で大幅に手直しすることが目下の必要であると、こういう御答弁をしておりますので、給与所得控除はこれはよほど、どこで線を引くかというものを今後検討をしていくべきものだ、検討されるべきものだと了解をしてよろしゅうございますか。
○国務大臣(福田赳夫君) いまサラリーマン給与に対する必要経費の概括控除として定率一割という制度をとっておりますが、これは概算大体一割が妥当であろうという見解に基づいておる。この見解は私は大体当を得ておる。こういうふうに思いますが、この当を得ておるのかおらないのかということにつきましては、常時よく調査をしていきたい、かように思います。
○政府委員(吉國二郎君) 御引用になりましたのは、おそらく私が主税局長時代でございますので、長期税制答申をまず実施しなくちゃならない。長期税制答申の一つの眼目は、給与所得控除の拡大にあるということを強調した趣旨でございます。将来の問題といたしましては、おそらく税調等でも御検討になると思いますけれども、やはり世の中が進んでいく、必要経費が多様化していけば同じ問題が将来また生ずるであろうということは考えられるかと思います。
○委員長(堀本宜実君) 以上で加瀬君の質疑は終了いたしました。 午後一時再開することといたしまして、これにて休憩をいたします。 午前十一時五十八分休憩 —————・————— 午後一時九分開会
○委員長(堀本宜実君) ただいまから予算委員会を再開いたします。 まず、宮澤通商産業大臣から、大阪のガス爆発事故について報告を求めます。通産大臣。
○国務大臣(宮澤喜一君) 昨八日、大阪市大淀区天神橋六丁目付近においてガス爆発事故が発生いたしまして、多くのとうとい人命が失われ、また、多数の重軽傷者が出ましたことは、まことに遺憾にたえないところでございます。このたびの事故でなくなられた方々の御冥福を、慎んでお祈り申し上げます。 昨晩おそく私東京を立ちまして現地に参りまして、現場を訪れまして説明を聞き、また、その後なくなられた方に哀悼の意を表したわけでございます。 事故の概要でございますけれども、ただいままでのところ、私ただいま東京に帰りましたところでございますけれども、原因等々の究明につきましては、本格的には、今朝から警察、消防当局が究明に着手をいたしましたので、はっきりいたしません点が多うございます。そういうことを含めまして、概要を申し上げますが、現場は、大阪市大淀区国分寺町十五番地先、大阪市道において、大阪市が施行しておりました地下鉄二号線の工事現場で昨日の夕刻発生したものであります。 現地で、事故発生前後の事情につき調べましたところ、午後五時二十分ごろ何かの原因によってガスが漏れていることが発見されました。直ちにそれが関係方面に土地の人々から通報されました。事故は、地下鉄工事のために掘さく工事中、オープンカットでやっておりました、したがって、そういう露出しております直径五百ミリの鋳鉄管からガスが漏れまして、それが何かの原因で引火爆発して惨事を起こしたものであります。 引火の原因が何であったかについては、関係者の話が矛盾をいたしておりますので、取り調べ当局の究明に待たなければならないと思います。ガスが漏れました原因につきましても同様でございます。 被害の状況は、これも多少報告によりましてまちまちでございますけれども、死者七十一名、重傷者百六十五名、軽傷者百十七名というのが、今朝九時五十分ごろ現在で大阪府警が調べたところでございます。なお、道路の両側の三十メートルにわたって多くの家屋が焼失しております。完全に焼失いたしました家屋は三十数戸と言われております。 事故の現場を見、事情を聞きまして、あと弔問いたしまして、その後大阪市役所におきまして関係者の参集を願いまして、市当局からは交通局長、消防局長あるいは民生部長等々、おのおの所管の説明なり処置を聞き、また、そのころには東京から何人かの関係官も参りましたので、その人たちにも指示を与え、なお、各省の出先の長、地方局長でございますが、等にも、一緒になって万全の対策をとるようにということで、今暁第一回の打ち合わせ会を終わりました。なお、この席上で、政府としては今朝内閣に、大阪ガス爆発対策連絡本部を総理府に設けることになったこと、その本部長には通産大臣が任ぜられる予定であると聞いておることを申しておきました。この協議会は、今朝設置されることが決定をいたしました。 なお、私と入れかわりに、今朝根本建設大臣が現地に到着されましたので、今暁開きました対策会議の第二回目を、昼前から根本建設大臣が中心になりまして開催いたしましたはずでございます。 私といたしましては、今回の事故について考えますと、従来、このような保安につきましては、昨年板橋で類似の事故がございましたこともありまして、万全の措置を講じておったつもりでございましたが、なおこのような事態になりましたことは、まことに申しわけないことであると考えております。同様の工事が、ただいまの時点でも、あちこちで行なわれておることでもございますので、一そう関係者に厳重な注意を促しますとともに、また、必要な保安規定の整備強化につきましても、できるだけ早く処置をいたしたいと考えております。 以上御報告いたします。
○委員長(堀本宜実君) 次に、荒木国家公安委員長から発言を求められております。これを許します。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 通産省が大阪府警から得たという死者七十六名という報告と、警察庁の七十名とが相違しておる理由はどうだという点について御報告申し上げます。 通産省資料の死者七十六名は、九日午前五時現在で大阪府警から連絡を受けた数字であるとのことであります。大阪府警では、当時遺体の確認を急いでいましたが、病院で死亡した遺体が遺体安置所に移動されたことなどもあって、必ずしも正確な数字ではないことをつけ加えて連絡した数字であります。その後、死体検案書をもって遺体を確認することとし、午前七時現在で七十の遺体を確認したものであります。なお、その後午前十一時現在で死者は七十二名となっております。これは、重傷者の中に数えておりました警察の機動隊の中隊長外一名の重傷者が、不幸にして死亡されたことによりまして、七十二名となりました。したがって、負傷者数は二百八十三名が二百八十一名となりました。
○鈴木強君 関連。 この死傷者の数の点はわかりました。ただ、いままでも申し上げておりますように、九十九名だとか八十何名だとか、いろいろまちまちな死者の発表がありまして、たいへんこれは弱ったものだと思いますが、事が重大ですから、もう少し慎重に扱ってほしいということを要望しておきます。 それから、いま通産大臣から御報告を受けました。昨夜来たいへん御苦労さまでしたが、私は簡単に二、三の点をこの際確かめておきたいと思いますが、まず、この事故の原因ですが、お話のように、昨年の三月板橋で同様な事故が起きまして以来、都市開発に伴う地下工事については、あらゆる角度から十分な検討を加えて、安全第一主義でやってほしいということを強く要請をし、政府のほうでも対策委員会等を持っていろいろと御苦労をいただいたことはわかります。しかも、昨日ガス事業法が参議院を通過したというような、そういう段階で発生した事故でありますから、政府が何ら手をこまねいておったということは申し上げません。しかし、法律は法律として整備をしていただくと同時に、問題は、法律が通ろうが通るまいが、再びあのような地下工事にからむ事故が起きないようにということのために、もっと強力な行政指導をやるべきではなかったかと私は思うのであります。それには、施行者あるいは工事業者、関連の会社の皆さん、こういう方々と十分な連絡をとることはもちろんであります。今回の場合も、われわれが知り得る範囲でも、ガス管は、直径五十センチと三十センチとあるそうですが、長さ四メートル、この鉄管を鉛のおおいでつなぎ合わせ、地下二・五メートルの空間に帯鉄でつり下げ、宙づりの状態にあった、こういうことですね。ですから、その宙づりになっておるガス管を安全に守っていくという監視体制があったかどうかということだと思うんですね。また、専門的に言うと、何か、地下に埋没された場合の圧力のかかり方と、そうでない場合の圧力との関係で問題があるような話も聞いております。特に、つなぎ目の場合ですね。そういうことについて、万全な監視体制ができておったかどうかということですね。そういう点が一つ私は問題になると思うんです。 もう一つは、けさもちょっと公安委員長にも申し上げたんですが、あのときに、ガスが漏れて、ガス会社の救急車がかけつけて措置をするまでに、かなり広範囲にガスが漏れておったんじゃないか。そこへ自動車が参りまして、エンジンをとめなかった。そこで、かなり、そういう状態になっておりますと発火しやすい状態だというんですね。だから、少なくともそういう場合にはエンジンをとめるというのが常識だっただろうが、それがとめられなかったということを見ましても、一たん緩急ある場合における関係者の心がまえというものができてなかったんじゃないかということの一つの私は実証ではないかと思うのです。ですから、もう少し、この安全対策ということに重点を置いてやってもらわなくちゃならなかったんだが、この点に対する、通産省の指導が欠けておったのではないか、こう私は率直に思いますが、この点はどうか。 それからもう一つは、政府がさっそく中央にも対策本部をつくっていただいたそうでありますから、ここで原因の追及その他やっていただくと思いますが、とりあえず、不幸なくなられた皆さん、それから重傷、軽傷を受けられた被害者の皆さん方にどういう償いをするのか、これがやっぱり問題になると思うんです。で、これは民法七百十七条を引用することになると思うんですけれども、昨日通過したガス事業法の問題との関連も多少あると思いますが、一体、この補償はどういうふうになさろうとするのか。 それからもう一つは、この際、私は、東京とか大阪とか、地下鉄工事をやっている都市に対して、もう一回、思い切った点検活動というのをやってほしいと思うんです。そして、念には念を押して、再びこういうことのないようにしていただくためには、もっと真剣に、指令をしていただいて、工事の点検をしてもらいたい。そして、ややもするとたるんでおる、そういう気持ちをもう一回奮起して工事に当たっていただくようなことがとっていただけないかどうか、こう思うんです。 時間もありませんから、その三つだけお尋ねしておきます。
○国務大臣(宮澤喜一君) 昨年の板橋事故の場合と今回の事故の場合と、共通点は、すでに埋設されておりました導管が、他の工事との関係で、その下を掘りますために、今回の場合には上からつったわけでございますし、板橋の場合には、土の盛り返しをいたしましたときに、下からやぐらでささえたわけでございます。その違いはございますけれども、いずれも、よその工事が行なわれましたその関係においてガスの漏洩を生じたということであろうと思います。したがって、長いこと土の中に埋設されて、おそらくは一つの安定を得ておったであろうガス管が、そういう何かの変化によってガス漏れを生じたのではないかという推定ができるのではないかというふうに、これは原因をまだ最終的には究明いたしておりませんので、いまの段階での私の受けておる感じでございますが、そういう印象がございます。かりにそうであるとして、そのようなことが何ゆえに起こりやすいかと申しますと、たくさんの関係者が、おのおのの立場からこれに関係をする。たとえば、今回の場合でございますと、工事の発注者は大阪市、市営の地下鉄でございます。それから工事請負人、これは個人の会社でございます。それから大阪瓦斯株式会社。この三者がよほど緊密に協力をいたしませんと、責任の所在が不明確になりやすいわけであります。今回の場合も、私どもの指導で、それらの三者の間には、工事をする際の、いわばつり防護をいたしますときの施工については、三者が立ち合う、それからその後の、いわゆるガス漏れ等を防ぐためのチェックとか、パトロールとかいうものについては、おのおのが責任を持つという協約になっておるわけでございますけれども、えてして、こういう場合に責任が分かれますために、ひょっとして、おのおのがそのチェックを十分に自分の責任として行なわない場合があり得るのではないかと思うのでございます。そういう点に、確かに、他工事が行なわれますときに問題がある。その点は今後よほど気をつけていかなければならないと思うのであります。今回の場合、私が聞き得ました範囲では、表面の、いわゆる覆工板でございますが、今回の工事の場合には、覆工板がただの鋼鉄ではございませんで、鋼板の上にコンクリートの厚みをつけておるわけでございます。幅にして二十センチほど、長さにして二メートルというような、かなり大きな覆工板を置きまして、しかも、そこからつりますと、車が通りましたときの振動をじかに受けますので、それと少し離れた距離に、もう一つはりを出しまして、そのはりからつっておるようでございます。これは振動を直接に受けないためのくふうであったと思われますが、しかし、それでも何ゆえかガス漏れを生じたということのようでございます。 それからチェックでございますけれども、関係者の話すところが、いろいろ矛盾がございますけれども、一関係者の話によれば、実は事故の起こる小一時間前に、その地点のガス漏れをたまたまチェックをしておったということを申しております。しかも、そのときにはガス漏れが発見できなかったということを申しております。もしそれが事実でありますと、チェックの方法が十全であったかという問題を生じ得ると思うのであります。これらのことは、いずれにいたしましても取り調べ当局の究明を待つ必要があると存じます。 第二に、発火の問題でございますが、関係者の多くが申しておりますことは、大阪瓦斯の修理自動車は、かなり早く、迅速に現地にまいったわけでございますけれども、自動車の到着以前に、何かの、大きなものではございませんが、発火がすでにあったというふうに言っておる関係者が多いようでございます。しかし、その後に、自動車が来て間もなく——その間もなくというのは、五分であるという人もございますし、もっと短いという人もあるのでありますが、爆発にそれが転じた、多くの人はそういうふうに語っております。したがって、発火の原因が何であったか、さらに、それが爆発に転じた原因は何であったか、これもいまのところ不明でございます。取り調べ当局の究明を待たなければならないと思います。 第三に、犠牲になられた人々に対する償いの問題でございます。私が今朝言い残してまいりましたことは、これはいずれにしても刑事上の責任あるいは民事上の訴訟というものがおそらく予想されるのでありますが、そういうことといなとにかかわらず、直接関係者において自発的に、しかるべき方法を講ずることを考えることがいいのではないか、いやしくもお互いに責任をなすり合うというようなことははなはだ好ましくないのではないかというふうに考えましたので、そのようなことについて公益事業局長をして関係者を打診し、また私どもの考えておりますことも伝えるように、現地に残してまいりました。この点につきましては、したがって、しばらくお待ちをいただきたいと存じます。 第四に、現在類似の工事があちこちで行なわれているという点でございますけれども、この点につきましては、特に総理大臣からも強い指示がございました。そこで、つり防護にいたしましても、あるいは受け防護、やぐらの防護にいたしましても、従来やっておったことそのままでいいのかどうかということは、今度の事故でも非帯に強く反省をされますから、現在工事中のものはその方法を強化させることが、少なくともそういう方向で再点検させることが、必要であると思います。それからまた、同時に、ガス漏れを生ずることがないようにというためのチェックは、もっとひんぱんに、かつ確実な方法で行なわなければならない。それも、先ほど申しましたように、他工事の場合にはえてして責任の所在が不明確になりやすうございますから、関係者が一致して、できれば一緒になってチェックをするような、そういうことを厳重にやらせるように、さっそく関係者に呼びかけたいと考えておる次第であります。
○岡三郎君 委員長、けさほどの話で、ちょっと一点だけ、通産大臣……。
○委員長(堀本宜実君) ちょっと速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(堀本宜実君) 速記を起こして。
○岡三郎君 簡単ですが……。板橋の工事にしても、また大阪の尻無川の十一名の生き埋めの事件があったですが、これは工事上の問題で。ところが、事故が起こってから、原因の追及のためにいろいろと学者やいろんな人を要請してやりますが、時間の経過とともに、結局、災害補償の問題とかそういう問題について、いわゆる原因が明確になるというと、たとえば会社なら会社の負担というものがどうなるのか、大阪市が施行主であった場合に、工事契約上においては、事故が起こったときにはその当該の——この場合で言うと鉄建建設ですか、あるいは大阪瓦斯になりますか、大阪瓦斯は別の問題と思うのですが、要するに、時間の経過の中において原因究明というものが従来不明確のまま終わっている例が多いのです、具体的に言って。そういう点において、いま宮澤さんが言ったように、緊急に公益事業局長を中心にしてやられるということについては非常に私は好感を持つわけですが、この点については、工事の今後の進捗状況とのからみ合わせで、いつまででも現場というものをそのままにしておくわけにもいかぬという形の中において、いろいろと究明することがむずかしくなる、時間とともにそういう経過が多くの事件にあるわけです。ですから、この点については、次の事故というものを考えていった場合に、やはり明確に所在というものをはっきりするということが私は大事じゃないかと思うのです。これがいままでなされていなかった例が多いのですよ。一年か二年か、まごまごすると三年ぐらいたって、原因不明であったということで、これがお茶を濁されている。 こういう点で、特に今回の事故は、労働者の死亡、重軽傷が比較的少なくて、一般市民なり見物人の人々の死傷者が非常に多いですね、これは特殊の例ですが。こういうふうなガス漏れの場合におけるいわゆる事故の拡大という面についての警備上の問題ともあわせて、大きな問題が起こされてきていると思うのですが、私のお願いすることは、建設大臣とも協議されて、具体的にとにかく緊急の間に、むずかしい問題はあると思います、慎重にやらなければならぬ問題もあると思いまするが、うやむやにならぬように、先ほど言われたようなことをひとつ具体的に実践してほしい。そのことを特にお願いしておきたいと思います。それは、そのうちに大臣がかわったり、係がかわったりしてしまって、行政的にも全然関係のない方々が新しく出てきたりして、こういう問題についての関心とか、そういうふうな問題についての真剣味というものは、事故が過ぎてしばらくたつというと、その損害弁償というものに重点が置かれて問題の処理というものがなされてきている例が非常に多いと思います。この点はひとつ特段に私のほうからお願いしておきたいと思う。
○国務大臣(宮澤喜一君) ごもっともな御指摘であると思いますので、今回はひとつ事故の原因の究明をとことんまで関係当局にやってもらおうと思います。地下鉄の工事も急ぐことではございましょうけれども、しかし、やはり原因を究明することのほうがこの際大事だと考えますから、運輸大臣、建設大臣、大阪市とも相談をいたしまして、場合によっては工事が延びましても、原因の究明をはっきりするということを優先にいたしたい、こう考えます。
○岡三郎君 宮澤さん、宮澤さんにお願いしたいのですが、そういうふうにやりながら、時間の経過とともに、工事のほうを進めたいという意向が強くなるのですよ。それで、一月、二月、三月たつに従って、原因がわからない、いろいろとむずかしいむずかしいと言いながら、工事はそのままにしておくわけにいかぬから、とにかく工事を始めろという形の例が非常に多いのです。尻無川のやつも、事故があって、究明されないままに工事は完成しちゃっているのですよ。完成しちゃっている。事故の原因がわからないままに工事が完成してしまっているといったところですから、結論がどう出るか、これはあいまいになってしまうにきまっていると思う。だから、いま言われたように、原因を究明するまでには現場を保存し、そしてとにかく急速に結論を出すような方向で、その中から工事を進めていく方向にひとつしっかりとお願いしたいと思う、この点は。
○国務大臣(宮澤喜一君) 御趣旨はよくわかりましたので、御趣旨に沿いますように善処いたすべく関係閣僚と相談いたします。 —————————————
○委員長(堀本宜実君) それでは、足鹿覺君の質疑を行ないます。足鹿君。
○足鹿覺君 最初に、大阪のガス爆発の問題で、大体尽きておると思いますが、一点だけ通産大臣にお伺いいたします。 死者の数が不一致の点がありましたが、これは緊急混乱の際でありまして、やむを得ないと存じます。ただいまの公安委員長の御報告で大体明らかになったと思いますが、行くえ不明者というものはなかったのでありますか。問題はこの点に一つ気がかりな点がありますので、その点も御答弁願いたいし、私は、このたびの不幸なできごとは不可抗力ではなかったと思います。人為的な問題が原因でありまして、問題は、天災にしろ人災にしろ、災害の未然防止対策がきわめてお粗末であるというところから来ておると思います。将来いろいろな御構想があると思いますが、問題は、過密都市における共同溝の整備が私は基本的な問題だと言わざるを得ません。この点に対して思い切った施策を今後とられることが、まず問題の根本的解決策だと思いますが、いかがでありますか。
○国務大臣(宮澤喜一君) 行くえ不明の点でございますけれども、実は私が現地に首を突っ込んでしまいましたために、そのような報告を総合して受け取る立場になくなってしまいまして、申しわけございませんけれども、その点私のところではわかりかねております。ただ、一般には行方不明というようなことが言われておりますんでしたように思います。私が当初心配いたしましたのは、かなり多くの労務者がオープン・カットの下に入っておりましたわけでございますから、その人たちが何かの事情で一番おそらく災害を受けやすいと考えましたから、救出されないままになってしまったのではないかということでありましたが、これは今暁二時近くまでガスの危険がなくなりましてから、現地の消防の人たちが、いわば下をさらえまして、そういう経験者たちの話では、おそらくこの中に新たに発見されるような人はないはずである、したがって先ほど岡委員も言われましたが、一番あぶないと思われるようなところで働いておった労務者に幸いにして被害が比較的少なかった、それはなぜであったかということがはっきりいたしませんが、関係者の話では、ガスが漏れたと同時に早く避難をしたというふうに言っております。あるいは爆風というものが低い地点にはこなかったということにも関係があるのかと思いますが、したがって、行方不明の点は私のところには申し上げる資料がございませんので、まことに残念でございますけれども、お答えを申し上げられません。 それから共同溝のことでございますが、これはもう全く仰せられるとおりであると思います。実は、昨年の板橋で事故がございましたあと、学識経験者を集めまして防護対策というものを数カ月間協議をいたしました。そのときにも一番先に出てまいりました報告の中の最重点は、共同溝にこれを収容することだということでございました。従来からこのことがいわれておりましたが、ガス管でございますためにこれを共同溝の中に取り込むことがはたして安全であるかという問題が御承知のとおりあったわけでございます。この点は、技術的にもう少し究明することは究明いたしまして、新しく仕事をいたしますときは、もうできる限り共同溝に置いてだいじょうぶだ、また置かなければならないというふうにいたすべきものと考えております。
○足鹿覺君 きょうは衆議院の本会議や大阪の災害等で閣僚の御出席のない方もありますし、質疑もあと先すると思いますが、その点お含みの上、御便宜のほどをお願いいたします。 倉石農林大臣に最初に伺いますが、水田の転用基準緩和措置についてであります。休耕、転作の実績及び水田転用、先行取得等の進捗状況はいかがでありますか。休耕及び転作による百万トン減産分については、すでに目的達成の見込みがついたと先日仰せられましたが、休耕別面積は地域別に、都道府県別にはっきりいたしておりますか、お伺いいたしたい。
○国務大臣(倉石忠雄君) お話の転用利用調査の進行状況でございますが、この調査は、農地転用の必要面積、転用用途などに関係各省が地方公共団体または民間各界に対して調査を行なったものでございまして、すでに四十五年三月末に一応の調査を終わりまして、現在その結果を取りまとめておる最中でございまして、大体私どもの見込みではおおむね二十日ないし三十日かかれば全部の集計ができると思います。それから、水田転用につきましての農地転用緩和の措置を講じまして以来、各地でいろいろな施策が進行いたしておるわけでありますが、ただいまお話しにありました生産調整の休耕と作物転換、これいま現にそれもやはり私どものほうでいま地方の農政局を督励いたしまして、各県の状況を集収中でありますが、これの中間的なものがごくあらましでありますけれども、事務当局から御報告いたさせましょうか。
○政府委員(亀長友義君) 転作、休耕等の実施見込みでございますが、現在私どものほうで農政局等から集計をいたしたものでございまして、まだ最終的にきまっていない、こうなるであろという県の推定の計算も入っておるという含みで御説明を申し上げたいと思いますが、飼料作物、豆類、野菜、果樹、桑、このような転作の合計が五万六千ヘクタール程度、それから土地改良の通年施工が三万三千ヘクタール、それから林地等への転換、これはいわゆる作物をつくるというものよりも、たとえば林地にするとか、養魚池にするとか、こういったたぐいのものでございますが、これが三千六百ヘクタール、これを合計いたしますと約九万三千ヘクタールに相なるかと思います。全体の百万トンを、これを平均反収で大体面積に換算をいたしますと、二十二万五千ヘクタール程度に相なるかと思いますが、これと九万三千ヘクタールの差額はいわゆる休耕でなるものがなるであろう、かように推定をいたしております。しかし、時期も時期でございますので、この数字は一応の見通しでございます。 以上でございます。
○足鹿覺君 四十二年全国農業地域別、経済地帯別耕地の拡張、改廃面積によりますと、工場用地が三千三百七十ヘクタール、道路、鉄道用地が二千五十ヘクタール、宅地一万九百ヘクタール、農林道七百五十二ヘクタール、植林その他五千三百四十ヘクタール、これに田畑転換千五百ヘクタールを加えまして二万二千四百ヘクタールが統計調査部の発表によって実態が明らかになっております。これに比較いたしますと、このたびの十一万八千ヘクタールはきわめて過大でありまして、ただいまの休耕転作の分はめどがついたそうでありますが、このほうは計画倒れになるきらいがあるかと私は存じますが、その点いかがでしょうか。
○国務大臣(倉石忠雄君) いまお話のございました大体二万五、六千ヘクタール、これは平年で水田の他用途への転換のものでございますが、今回は、もうしばしばこの席でも申し上げておりますように、特に五十万トン分の生産調整のために各省が鋭意努力をしてくれておりますし、また、現在まで私どもに強い要求のございました農地転用の緩和等についても、御承知のように、先般この基準を緩和いたす等いたしまして、いままでそういうことを待望いたしておりました各方面の御期待に沿うようにいたしておりますので、私どもは十一万八千ヘクタールというのは、なるほど数では相当な数で、決して少ない数ではございませんけれども、なお各省において鋭意努力をいたしておるのでございますから、大体いけるんではないかと、このように思っております。
○足鹿覺君 実績の五倍以上の大幅の減反計画がいくであろうというような御答弁でありますが、この減反計画の目標達成期間は、暫定基準の適用期間、すなわち昭和四十七年三月三十一日までと理解してよろしいですか。
○国務大臣(倉石忠雄君) 私どもは、十一万八千ヘクタールは、ぜひそのめどを今年中につけて、五十万トン分の生産調整も間に合うようにいたしたいと、こう思っておるわけでありますが、しかし、いろいろ考えまして、先ほど申しました農地転用についてはいろいろの説がございます。これをもっと緩和せよというふうなこともありますが、私どもといたしましては、大事な農地の改廃ということにつきましては、断じて守らなければならない立場でございますので、やはりいろいろ先のことを考慮いたしまして、とりあえず暫定的に緩和をいたしてみた、こういうことであります。
○足鹿覺君 明確でないようでありますが、この適用期間内における転用目標は、そうしますと三十五万ヘクタールをさすのですか。あるいは十一万八千ヘクタールをさすのでありますか。その点をはっきりしていただきたい。
○国務大臣(倉石忠雄君) 十一万ヘクタールのものを他用途へ転換するだけの目的で緩和しようとするわけではございませんで、やはりそれのほかにも、やはり各方面からそういう、この農転の緩和について要望もございますので、実は、このことの始まります前からも、若干この農転の緩和をしようかと、農林省でも考えておったようなわけでありますが、今回はそれに踏み切ったと、こういうわけであります。
○足鹿覺君 そうすると、十一万八千ヘクタールを昭和四十七年三月三十一日までに達成をすると、あとは放棄するということですね。やめるということですね。
○国務大臣(倉石忠雄君) ちょっとわかりませんでしたけども、十一万ヘクタールが済んじまったらもうあとはやめるという、そういうお尋ねでございますか……。十一万ヘクタールのわれわれの希望が達成されましたら、今度はまた農転を昔に戻すかと、こういうお話でございますとすれば、さようには考えておりません。
○足鹿覺君 そうしますと、四十七年三月三十一日までに目的が達成できなければ、また基準緩和の延長をなさるんでありますか。
○国務大臣(倉石忠雄君) 足鹿さん御存じのように、最近いろいろな、この経済、社会の一般の情勢が変化してまいりまして、地方においてもいろいろな土地の用途が出てまいっております。で、私どもの立場を主として考えますというと、やはり、土地利用区分というものは、農業を堅持する立場においてもたいへん大切なことでありますけれども、やはり、従来のような、ああいう態度を現在においても続けておくということについて、いろいろ疑問もございますので、これは緩和するという意向を持っておったんでありますが、先のことを考をえまして、とりあえず暫定的に二カ年間と、こういたしたのでありまして、やはり、生産調整等を含めまして、そのときにいろいろな状況を勘案いたしまして態度を決定いたしたいと、こう思っております。
○足鹿覺君 本委員会で、三月二十八日、大蔵大臣は他への転用分として、四十五年度は三十五万ヘクタールの三分の一を予定した、今後三年、五年、七年の年次計画で進めるという具体案はないと言明されました。何か全くばらばらで、行政としての一貫性が見られないと私は受け取れますが、その点いかがですか。
○国務大臣(福田赳夫君) 別に一貫性がないというふうには考えておりません。私が申し上げておりますのは、四十五年度において、転作または休耕を行なう、それに対して奨励金を出す。いま倉石農林大臣から報告がありましたように、これは大体うまくいきそうだと、こういうんですが、さてことしはうまくいくかもしらぬ。それを来年は一体どうするんだと、こういう問題が起こってくると思うんです。まあ特に休耕というものが多いだろうと思いますが、その休耕に奨励金を出して、毎年毎年休耕だ休耕だということを続けておって、これで減産、減反対策のねらいが、一体達成できるのかと、こういうことを真剣に考えてみますると、そうは私は考えられません。これはどこまでも臨時的な措置である。そこで根本的には、いまとにかく水田が一割、三十五万ヘクタール余っておる。ですから、これが他に転用される、水田以外の目的に使われるという状態になって、初めてこの問題は根本的に解決されるんだと、こういうふうにいま考えている。そういう考え方に立ちまして、昭和四十五年度は、一応めどといたしまして、とにかく残っておるたんぼの三分の一を、十一万八千ヘクタールをひとつ他に転用をしようと、こういうことを考えたわけでございますが、その残りのものを一体どうするかということが、四十六年度以降の問題になるんです。これも、私はただいま申し上げたような考え方を、大きく取り入れていくということが、この過剰米対策の解決、それの解決の基本になるべきだというふうに考えておりまするけれども、さあいまその膨大な二十三万ヘクタールに及ぶ水田を、どういう年次計画でどういう内容を持って他に転用していくかということを、具体的に策定するということは、これはもうはなはだ困難であることは、足鹿さんもよく御了解願えると思うんですが、考え方、思想的にはそういうふうな考え方を持っておるということを申し上げておるわけです。
○足鹿覺君 どうも私の受ける印象では、要するに、この農地買い上げは、与党の田中幹事長構想とも言われておりますし、蔵相の考え方とも完全に一致していない、思いつき的な点もあったと思われる節があります。要するに、予算編成上のつじつまを合わせるためのものではなかったかと言われても、私はしかたがないと思いますが、どうですか。
○国務大臣(福田赳夫君) そうじゃないんです。いま申し上げておりまするように、これ、もう奨励金を毎年毎年出して、そして草をはえらかして、そして農地、水田を休眠をさせておくと、これが一体日本の農業としていい姿であるかどうか、これはだれもそうは思わぬと思うんです。ですから、水田が余っておる、余っておるのを、たとえば水田の上に農家自体が住宅を建てますとか、あるいは他の米以外の作物に転換をして、それを定着させるとか、あるいは地方公共団体が、あるいは国が、公共用の先行取得として買い求めるとか、あるいは工場敷地としてこれが使われるとか、そういうことになって初めて米の過剰対策が実現をするんだと、そういうふうに考えておりますので、私は、決してこれが予算編成のテクニックだ、あるいはつじつま合わせだと、そういうような考え方でこの問題を見ているんじゃないんです。これは非常に私は、大きな問題にスタートをしたと、いままで米につきましては増産だ増産だ、また米価引き上げだと、この二つのことばかりがいわれてきた。それが、今度は、農家自体からひとつ減産をしようじゃないか、減反をしようじゃないかということが叫ばれるようになった。それがとにかくスタートをすると、そういうのでありますから、これは非常に大きなできごとであると、そういう意識のもとに、今度の予算でもそれに対応措置を講じておるというのが真相でございます。
○足鹿覺君 聞くところによると、五十万トン見合いの水田の買い上げ措置がはかばかしくないという自民党の申し入れによって、重ねて事務処理を促すような措置をとれと、こういうことで新しい行政措置が考えられておると聞いております。先日の鶴園委員に対し、また、ただいまの私への答弁によりますれば、楽に達成できるような印象を受けますが、そうであれば、新しい行政措置を続けて出せなどということを与党から申し上げる必要はないのでありませんか。新しい行政措置とは何ですか、いつ出されますか。
○国務大臣(倉石忠雄君) ただいまのお話は、少し真相と報道が違っておるようでございますが、自由民主党と私ども閣僚との懇談会のときに、地方でせっかく農転の基準緩和の通達を農林省が出したにもかかわらず、実際に地方で行なわれている状況を見るというと、少しもはかばかしく事務が進んでないと、こういうことは一体どういうことであるかということで、農林省のほうに問い合わせがあったわけであります。そこで、実情をいろいろ調べまして、先般出しました通達の趣旨がもっと徹底するように、また、いままでちょっと私さだかではございませんが、地方で転用等で農業委員会が一カ月一回ぐらいしか会合しておらないようでありますが、そういう回数も増加いたしたり、転用願いの出ている人々等の便宜をはからってあげるというようなことについて、事務を敏活化するようにということの指導をさらに行なったと、こういうことでありまして、別段の措置はないのであります。
○足鹿覺君 何か通牒が出ておると聞いておりますが、それはどういうものですか。
○国務大臣(倉石忠雄君) 内容は、御必要とあれば事務当局から申し上げさせますが、いま私が申し上げましたような趣旨で、農転を緩和する次官通達の趣旨が徹底して一般に行きわたるようにということを重ねてやったということでございます。
○足鹿覺君 新しい行政措置というものは別段考えておらないと、こういうことですね。
○国務大臣(倉石忠雄君) そのとおりでございます。
○足鹿覺君 じゃここら辺で……。 自然災害防止と気象行政等について伺い、また、農林大臣がお帰りになってから農業問題に入ります。 本年の農業長期予報等について伺いますが、米が百五十万トンもとれるようになったのは、技術の発達の結果であります。しかし、それだけによるものだと思ったら大間違いであります。ここ十年、七、八月の温度の高かったという事実を見のがしてはなりません。七、八月の温度が下がったら百万トンや百五十万トンの減収は当然あることを覚悟しなければなりません。昭和二十八年以来、ほぼ十年周期に夏季低温の周期がそろそろやってくると予報しておる気象学者等もおられることは、御承知のとおりでありますが、一例をあげますと、気象台の長期予報も冷夏予報を報じておりますし、また地方の気象台としても、盛岡地方気象台の長期天気予報によると、四、五月は寒暖の変動が著しく、特に四月は全般的に低温、五月は晩霜のおそれがあり、晴天の日が少ない。つゆ明けがおそく夏が短い等々、典型的な凶作型条件をそろえておるといっております。気象庁長官よりこの国会の場を通じ、最近のデータに基づくこれらの長期予報について報告を願いたい。
○政府委員(吉武素二君) お答えを申し上げます。 長期予報、特に向こう三カ月間の予報ということを私たちは現にやってはおりますけれども、まだまだ非常に未完成なものでして、まして量的にどのぐらい温度が低いということを申し上げ得る段階には至っておりません。いま先生もおっしゃいましたように、気象庁では三月の十日と二十日に、向こう三カ月間の大体の気候の推移ということを発表いたしました。 それを要約して申し上げますと、一番は、春の天候不順は現在の天候のとおりでございます。それから二番目は、先ほど先生もおっしゃいましたが、つゆは後半活発で、特に北日本はつゆ明けがおくれるのではないだろうか。それから三番目は、盛夏季は西日本では暑いが、北日本で天候は不安定であるということ。四番目は、秋には北日本を中心に早く秋になる。早冷と申しましょうか、それで、これが三月十日、二十日に発表した三ヵ月予報の概要でございます。それから、周期があるんじゃないかというお話でございますが、天候にはきまった、何年というはっきりした周期はございませんけれども、気象様相によっては、およそ五年とか十年とか、あるリズムでこれが変動しております。最近の北日本の冷夏についてずっと記録を調べてみますと、昭和に入ってからでは、昭和六年、九年、十年、十六年、二十年、二十八年、二十九年、三十一年、三十九年、四十年と、まあ拾ってみるとこういうことになります。したがって、そのうちのたとえば昭和九年、二十九年、三十九年というものをとると、何か十年周期がないとは言えないということでございます。しかし、必ずしもきちんと十年ごとに冷たい夏が来るというわけではございません。最近世界的に気候がどう変わりつつあるかということを調べてみますと、シベリアを中心として寒冷化が続いております。その影響を受けて、日本ではこの三月には日本各地で気象庁観測始まって以来の最低気温を記録いたしました。また、北日本の雪も多かったように思います。これが最近の天候の推移及び見通しでございます。
○足鹿覺君 桜もことしは三十六年ぶりのおくれ咲きだということでもありますし、ただいまの長官の冷夏予報が不幸にして的中したといたしますと、米の減産という立場からは、農民の立場とは別に、政府は願ったりかなったりとでも申しますか、複雑なものがあるでしょう。特に農林大臣、大蔵大臣のお気持ちは複雑であろうと、このことだけを申し上げて次へ移ります。 自然災害の防止に対応する気象業務の整備強化について運輸大臣、気象庁長官に伺いますが、わが国はその地理的条件から気象の変化が激しく、加えて地震帯、火山帯に位置することから、各種の自然災害の多いことは世界有数であります。しかしながら、気象庁の業務体制が必ずしも十分でないとする意見が各方面から出されておる。これは学術的にも災害を発生させる自然現象のメカニズムを十分に解明できないことにもよりますが、気象庁の設備、人員などの体制が、都市の過密化、地域経済政策の浸透など、社会経済の情勢の変化に即応していないことにも原因しておると思います。したがって、気象業務の体制をさらに整備強化し、自然災害の防止、軽減をはじめ、新しい大気汚染対策等を加えて対応すべきだと考えますが、いかがでありますか。
○国務大臣(橋本登美三郎君) 直ちにこの問題ではありませんが、天六の地下鉄のガス爆発の災害、運輸省も設計等に関係いたして、工事認可等に関係いたしておりますので、このたびの大災害に対し死者及びけがをされた方々、まことに御同情にたえない次第でありまして、死者に対しましては厚く御冥福をお祈りする次第であります。 ただいまの足鹿さんの御意見でありまするが、原則として、御意見は全くそのとおりであります。したがって、運輸省、気象台関係といたしましては、最近における科学技術の日進月歩、これに伴うような措置をできるだけ早くこれは実現していく必要がある。最近の気象観測というものは、昔のように目で見る、あるいは近いところの気象関係というだけではなく、かなり遠い地域といいますか、広い地域、しかもレーダー網とか、あるいは観測点をとらえるとかいうような機械化によって初めて本格的な予想ができると、先ほど気象庁長官が申しましたように、現実の毎日の気象予測すらもなかなか困難でありますが、特に気象庁関係の技師あるいは気象庁長官が考えておりますことは、できれば長期予報を正確にしたいと、これは非常に必要なことであります。そうした長期予報といいますか、未来予報、気象に関する長期予報というものが完全にできるようになれば、これはたいへんな社会自然開発に大きな利益をもたらすわけでありますが、そのためには、かなり将来の期間を要すると思いますけれども、やはり的確なる毎日の予報を出すと同時に、将来の長期予報に対しての確実性、そういうものを増すためには、いわゆる気象業務の機械化及びレーダー網等の最新の技術を取り入れて、ことに最近は御承知のようなコンピューターによるところの磁気テープ、こういうようなものが活用されてまいっておりますからして、その方針で進めておるわけであります。したがって、人がある程度必要ではありますけれども、今日の気象観測といいましょうか、気象の地図をつくるにしましても、人の手をかりるよりは、いま申しましたような機械の手をかりることのほうが多いと、しかし実際上は観測点なりあるいは観測所はだんだんとふやしていかなければなりませんからして、実際上の定員は実質的には必ずしも定員は減ってはいかないと、ある意味においては地方の定員はふえてきておると、必要なる定員はふえてきておると、こういうことを申し上げることができるわけであります。お話しのような、たとえば中央気象台以下のいわゆる地方機関、これは昭和四十二年度が三千二百四十四名でありますけれども、四十五年度におきましては三千二百四十八と、こういうぐあいにわずかながらもふえておる。しかもその中ではいわゆる測器製作所の廃止というようなことがこの間に行なわれておりますからして、これだけでもこの人員のいわゆる入れかえ等から考えますというと、気象関係の定員は、実質的には機械を導入したり、こういうものを計算に入れて考えますというと、定員は決して減っておらない、ふえてきておる。こういうことから見て、いかに気象台というところが機械化をどうしても進めていかなくちゃならぬ。ことに、レーダー関係あるいはコンピューター関係、磁気テープ等から考えまして、機機械化を進めていくための措置は十分にわれわれは考えていかなければなりませんし、大蔵省当局もこの点に関しましては理解ある態度を示してもらっておりますが、より一そうなるべく早い期間にこれらの完全な機械化、これを進めていきたいと考えております。
○足鹿覺君 長官はいまの答弁でいいですか。
○政府委員(吉武素二君) お答えします。 いま大臣もお話しになりましたが、昔は気象観測というと、測候所で温度をはかったり、風をはかったりということが気象観測の唯一の手段だったわけでございますけれども、結局突き詰めていくと、そういうことでは大気全体を何もつかんでいないんだ、やはり大気を立体的につかまなきゃいけないんだ、しかも広範囲にわたってある一点の気温というようなものを幾らこまかくはかってもしようがないんだ、面積を持った、しかもそれを立体的にものごとを観測していかなきゃいけないというようなことで、高層観測とか、あるいはレーダー観測、最近は気象衛星というようなものが使われるようになったわけでございます。やはりもういまは、気象事業というものもいま新しい時代に入りつつある、その方向で、私はよりよい気象サービスができるように今後も努力していきたいと思っております。
○足鹿覺君 この問題はあとでまた続けて申し上げますが、特に重要でありますので、次に東京地方における大震火災対策に関する消防審議会の答申に対する統一的対策について伺います。 消防審議会は、四十三年七月、消防庁長官から、東京を中心として関東地方南部に関東大震災クラスの大地震火災が発生した場合の対策について諮問を受けましたが、本年三月二十四日、その結果が答申された。注目すべきことは、この答申が、かねてから学界で多くの見解が分かれておった点であった地震周期説を全面的に採用し、これを想定して対策が考えられておることであろうと思います。人命安全対策は危険期に入る前に達成すべきである、このことを中心に答申は主張しておるのでありますが、これはきわめて重大な問題でありまして、国民の関心はきわめて高いのであります。 昨夜の大阪のガス爆発の惨害を見てもぞっといたしますが、一たび関東大震災クラスのものが起きたといたしますならば、それはりつ然たらざるを得ない。したがって、この答申の処理について、消防庁は、今後昭和五十三年から二十六年間、最も危険期に向けて対策を立てんとされておるのか、どういう具体的な方針をもって対処されようとしておるのか、消防庁長官から詳細に伺いたいのであります。
○政府委員(松島五郎君) 先般出されました関東地方における大震火災対策に関して、消防庁としてはどういう対策をとるかというお尋ねでございますが、あの答申にもございますように、大地震が起きました場合には、火災の発生ということが地震による被害を拡大する大きな要因になるということから、火災対策と申しますか、そういったものを中心にしながら答申が行なわれているわけでございます。消防庁といたしましては、当面の任務であります火災対策に対しまして、まず住民の安全を確保するための避難計画というようなものについて、地方防災計画に適切な計画の位置づけをしていくというような問題、あるいはあそこで述べられております出火防止に関します対策について、たとえば石油ストーブの問題とか、いろいろあげられておりますけれども、そういった問題について技術的な解決、あるいは行政的な解決というようなものについて今後取り組んでまいりたいと思っております。また、火災の拡大を防止いたしますためには消防体制というものの充実が必要でございます。この点につきましては、従来からも努力いたしてまいっておりますけれども、やはりさらに一段と力を尽くしていかなければならないというふうに考えておるわけでございます。そのほか、各省全体との総合的な立場からの対策ももちろんございますが、これらにつきましては、関係各省とも十分打ち合わせをし、連絡をとりながら進めてまいりたいと、かように考えております。
○足鹿覺君 自治大臣がおいでになりましたが、本省としてのお考えはいかがですか。
○国務大臣(秋田大助君) 私、先生の御質問を承らずにいま入ってまいりましたので、必ずしもわかりませんが、大震災に対する予防対策等でございましょうか。
○足鹿覺君 そうです。あの答申案に対して、あまりにもいまの消防庁長官の答弁は答弁にならないです。
○国務大臣(秋田大助君) あの対策にもまあいろいろのことが書かれておりまして、自治省のおもな管轄範囲でありまする消防、それに対する防災以外、地震のことも書かれておりますので、これを全体的な防災対策として、内閣全体として御研究願いたいところもございまするけれども、消防対策といたしましては、要点は、毎年の予算措置等において講じておりまする消防の予算措置、ことに科学的な消防体制の整備、あるいは昨晩起こりましたような事案に対しましても、いろいろこれは予防体制について、十分その人命の安全を考える措置を講じておかなければならぬということを痛感いたします。避難対策というようなことは、消防対策に関連して非常に重要なことでありまして、ことに大震災に対しましては、防避体制と申しますか、そういう計画と申しますか、そういう訓練と申しますか、そういう点にも十分配慮をすべきものである。かつ火事を起こさないためには、最近の時代的な問題といたしましては、ガスストーブ等の処置につきましても、これが取り扱い、あるいはこれが機械的な設備についても、ある程度メーカーについても措置を講じておくようなことも必要でありますし、かつ累次、最近頻発をいたしております石油施設に対する、特殊地域に対するところの設備等も十分考慮をしていかなければならないと考えております。災害はいつやってくるかわからないのでございまして、こう言っている瞬間にも起こってまいるかもしれません。したがいまして、消防庁といたしましては、まず自分の防備範囲もあるけれども、十分内閣として、また関東地区というものは、この東京等を中心に持っておりまして、重要なところでありますから、各消防署あるいは関係方面との連絡を密にいたしまして、これがいろいろな対策の通知、あるいは緊急にとるべき措置等について、常平生からよく準備をして、まだ体制的にいろいろ整備することは、今後関係官庁間でいろいろ打ち合わせをしなければならないところがあるだろうけれども、消防庁として、すぐに緊急にもとるべき措置は常に考えて、緊急な事態に応じて、周章ろうばいしないように、的確な措置をお互いとれるように準備をしておけということを常平生戒め、かつ申しておるところでございます。
○足鹿覺君 昨日の大阪の事件にしても、あれだけの類焼が起きておるのであります。混乱そのものであります。いわんや権威ある消防審議会の答申のような事態がもし起きたとするならば、これは収捨つかない事態が生ずることを私は案ずるのでありまして、それについては消防長官としては、もっと気魄のある、国民に説得力のある御説明がほしかったということを申し上げておきます。つきましてはこの際、中央防災会議の本部長である総理に伺うのがたてまえでありますが、御出席がありませんので——従来の災害対策に基づく防災会議のあり方というものは、まことに恥ずかしいようなあり方であります。この改革も含めて、ただいまの重大な問題と取り組むためには、各省庁が一体となって、防災会議を中心に協力体制を統一的に進められんことを期待しておるわけでありますが、総務長官よりその御構想なり御所見を承りたいと思います。
○国務大臣(山中貞則君) 初めに消防審議会の答申について、私は率直に疑問を持つのですが、軍隊ではよく昔、想定演習というのをそれぞれの規模のクラスにおいてやったものですけれども、消防庁も消防に関する限りは、やはり想定された状況のもとに、想定されたいろいろの対策を常時研究しなければならぬと思うのです。しかし、突如として、審議会の答申の形で、その中にはどんなに現在の消防能力をフルに行使したところで、とうてい消えない火事が、たとえば冬のストーブの、各家庭が使っていると仮定した時期であれば、とうてい消えない火事が残るというようなおそろしいことも書いてあるのでありますから、これはそういうことを想定をして、いろいろな予算措置や装備、対策等に、まずその研究に着手すべきことであって、これを公にいたしますと、一般の人々にたいへんなことになるのであるからという個々の災害に対する心がまえ、防災の準備等に対する一面的な効果は期待できるとしても、あのような場合のパニック状態というものは非常な恐怖感というものが先に立つわけですから、あの審議会の答申というものが、私は無用の恐怖感というものを呼び起こすおそれを持ったんではないかということを非常に心配しております。その点については、まだ自治大臣とも相談もいたしておりませんが、この種の取り扱いは絶えず実情というものを把握しながら対処する準備をしなければなりませんけれども、しかし表に出し方については十分の配慮あってしかるべきものだと私は考えております。 それから、総理大臣を長とする中央防災会議の今日までのあり方についての御批判でありますが、私も非常に不満であります。というのは、私はその防災会議をあずかっておる大臣のはずですけれども、実はその防災会議の事務局長にすぎません。どうしてだと調べてみると、昭和三十六年にできたのであって、そのときの総務長官は国務大臣をもってあてられていなかったからと。では、現在は国務大臣をもってあてられているわけですから、当然変わるべきはずなのに、中央防災会議の構成員には関係閣僚は全部入っておりまして、日銀総裁、日本赤十字の総裁まで入っておるのに、担当大臣の私は単なる一事務局長であると、そういうようなことが今日まで問題にならないで、そのことをふしぎにも思わないで——まあこれは役人もおかしいのですけれども、一ぺんつくった法律の再点検をすることはあまりしませんから——そういうようなことでやっているということは、すなわち、たいしたことをふだんやっていないということを明瞭に物語っていると思うのです。私は、いまこの防災会議の構成についても、当然あるべき、責任ある大臣のとるべき立場とその与えられるべき任務というものに基づいて、政令で改正できるものならば政令で改正するように厳重に指令をいたしておりますが、このようなことが看過されてきたところに、これは言いわけのつかない防災会議の常時の活動状態というものに欠除するところがあることを私は証明していると思うのです。今後は、このような答申が、先ほど申しましたように、一面貢献し、一面無用の不安、動揺を与えるおそれがありはしないかということもおそれますので、これらの問題に対処するために、単に火災のみならず、地震その他の各方面、あるいは現在は、関東大震災と違って、道路が発達した反面、自動車がまさに走る火薬庫みたいにして常時あふれておるわけでありますから、想像するだにたいへんおそろしい状況を現出するであろう。これは交通対策の基本的な問題でもございまするし、ここらの問題も十分多角的に念頭に置きながら、秋田大臣の言われましたとおり、いつでも対処できるような体制を政府は整えておく責任が国民に対してあるんだということに従って行動したいと考えております。
○足鹿覺君 重ねてでありますが、いま長官が仰せられたように、中央防災会議は災害が起きてからやっと腰を上げて、事後処理も十分できない。お粗末と言うと語弊がありますが、その一語に尽きると思います。英断的な御措置を期待してやみません。 次に、地震予知のための総合的な対策ないしは予算措置等について関連大臣に伺いますが、四十三年十一月の時点で、気象庁の中に地震活動観測センターが置かれ、国土地理院には地殻活動検知センターというものができ、東大には地震予知観測センター——俗に東大地震研究所と言われておりますが、これらが一体となって総合的機能を有する体制を整備すべきだということになっておりますが、そのための人員と予算を要求しており、それが確保されれば四十四年度から発足することになっておるとのことであります。その後の対策の経過を、文部大臣、それから関係各省及び地震予知連絡会を総括しておられます建設省国土地理院長の原田さんにお伺いをいたしたいと思います。順次お願いします。
○国務大臣(坂田道太君) 地震の予知につきましては、昭和四十三年五月二十四日に地震予知の推進についての閣議了解が行なわれました。これを受けまして、文部省の測地学審議会から、昭和四十年度以来実施されつつありました地震予知の研究計画をさらに整理いたしたものとして、「地震予知の推進に関する計画の実施について」という建議が関係各大臣に行なわれたわけでございますが、この建議は四十四年度から四十八年度までの五カ年計画による整備を内容とするものでございます。昭和四十四年度以来、この計画に基づきまして、国立大学関係の観測所の新設、各省庁の調査・観測事業の拡充強化などが行なわれております。また、これらの調査・観測等によって得られました情報は、国土地理院に置かれた地震予知連絡会で相互に交換をされ、総合的に判断をされております。 昭和四十五年度予算案における各省計上額の総額は五億九千六百万円、うち文部省関係一億九千四百万円でございます。前年度は四億九千六百万円、うち文部省関係一億七千万円でございまして、約一億円を増額をして観測体制の強化をはかっております。文部省関係といたしましては、観測所四つ、移動観測班一つを新設する計画でございます。なお、昭和四十年度以来四十五年度に至る関係各省の現在までの予算計上額は二十二億五千八百万円となっております。このうち文部省関係は約八億円で、このおもなる内容は、地震予知観測センター一つ、地磁気観測所一つ、地殻変動観測所十四、微小地震観測所十六、極微小地震の移動観測班六を新設しております。文部省といたしましては、重要基礎研究の一環といたしまして推進をはかっており、計画の実施はきわめて順調に進んでおると聞いております。
○国務大臣(西田信一君) お答え申し上げます。ただいま文部大臣から御答弁がございましたように、測地学審議会から出ました建議を受けまして、各省庁がそれぞれ担当してやっておりますが、科学技術庁の担当いたしまする部面は、東京及びその周辺地域におきまするところの深井戸等による観測を担当することになっております。昭和四十四年度から深層試掘による東京付近の地震活動に関する研究に着手をいたしました。この研究は、東京直下で発生します地震の先駆現象をとらえるため、基盤に達する深井戸——その深さは大体三千五百メートルでありますが、これを掘りまして、その坑底で微小地震等を観測する方法の研究関発を行なうものでございます。昭和四十四年度は千四百万程度の予算でございまして、観測用の深井戸を設置する基盤深度を知るための地震探査を行ないまして、この結果をもとにいたしまして深井戸の設置の位置、これを埼玉県の岩槻市に決定をいたしました。昭和四十五年度は八千八百万円、さらに債務負担行為六千三百万円がございますが、これによりましてこの井戸の掘さくを行ないまして、そうして計測装置の製作に着手する予定でございます。そうして四十七年度からはいよいよ観測に取りかかるわけでございますが、四十六年度にこの機械の据えつけ等をやりまして、四十七年度から連続観測を行なう、こういうことになっておるわけでございます。この結果によりまして、直ちに精密な観測体制の整備を検討してまいりたいと、かように考えております。 それから、科学技術庁は各省の総合調整をやるという立場でございますので、そういう立場からいたしまして、それぞれの各省庁が担当しておりますのでありますが、たとえば文部省におきましては緯度観測所におきまして、特定地域の地殻活動の観測、それから微小地震観測、地磁気、地電流の観測を行なっておりまするし、通産省では地質調査所におきまして、特定地域の地震波の速度、活断層、活しゅう曲、地熱等の研究を行なっております。その他気象庁、海上保安庁、あるいは、あなたからお話がありました国立大学等、それぞれ担当してやっておるわけでございますが、さらに、私どものほうに特別研究調整費というのがございますので、これを従来行ないましたことを申し上げますと、松代地震に対する特別研究、あるいはえびの・吉松地区の地震に関する特別研究、あるいは海底地震計による地震予知に関する研究、これらの特別研究促進調整費を配分をいたしまして、そうしてこれらの地震予知に関する基礎的な資料の収集、観測機械の開発、こういうことに使って、成果をおさめるように努力しておる次第でございます。
○説明員(原田美道君) 地震予知の推進につきましては、ただいまの四十三年の閣議了解、同じく七月の測地学審議会の建議の趣旨に沿いまして、国土地理院としましては、まずみずから各種の水準測量、三角測量、その他の測地測量と申し上げますが、そういうものを強化する。同時にまた、昨年度国土地理院に先生のおっしゃいました地殻活動調査室を発足させることができました。ここではこれまでの約八十年に及びます国土地理院で測定しました測地測量の成果の解析、それから今後行ないます資料の収集をはかるということを実施することができました。また、気象庁あるいは関係大学、そこで得られます地殻の変動、あるいは地震活動の状況というものに関します新しい情報を集めまして、この情報に基づきまして、各連絡会の学識経験者を含めました委員によって学術的な総合判断をまずする、それの連絡会の事務局をこの地殻活動調査室が実施しております。すでにこの連絡会を本年度六回実施いたしました。今後ともこういう連絡会を強化いたしまして、新しい情報、判断というものを、学術的な面で、研究面で進めていきたいと考えております。 なお、国土地理院の一番有力である、地震予知に非常に有力であるといわれております水準測量、これは地殻の変動の上下の動きでございます。それから非常に精密な横の動き、水平方向の運動、これを変歪測量と申しておりますが、これは特に南関東あるいは非常に特定な地域について二年あるいは一年ごとに実施するようにつとめるつもりでございます。 以上であります。
○足鹿覺君 いろいろとお聞かせいただきました。要するに、現段階では地震予知のための資料収集の施設が一応整ったということらしいですね。したがって、的確に予知すること自体は今後一そう継続して努力を要すると、こう私は受けとめました。 そこで、科学技術庁長官に伺いますとともに、総務長官からもお答え願いたいのでありますが、これは自然災害に付随する災害等とも関係がありますが、以上を総括される科学技術庁長官としては、過般の消防庁長官に対する答申に対応し得る現段階だと御判断になりますか。私の見解が間違っておるのでありましょうか。資料収集なのか、あるいは予知そのものに一歩近づいたと御判断になりますか。私はいま聞いておってそういう印象を受けません。したがって、予知対策の総合的な促進対策について科学技術庁長官の御所見があれば承りたいし、政府を代表する意味において、私はこの問題には官房長官の出席を求めておりましたが、どうしても繰り合わせがつかないということでありまして、官房長官にだれだろうかわって答弁してもらうには、これは山中さんから、じゃひとつお願いします。
○国務大臣(西田信一君) 科学技術庁が全体を総括するという立場ではないのでございますが、科学技術に関しまして、各省庁の予算見積もりの総合調整を行なう。それから調整費というものを持っておりまして、もし何らかの特別研究を要するという場合に、その調整費を有効に配分をして研究調査を行なうという立場でございます。それからまた、私のほうがみずから行なう研究につきましては、先ほど申し上げたとおりでございます。しかしながら、確かに地震の予知ということは非常に重要な事柄でございまするし、また最近の、ただいま御指摘になりましたような消防庁からの御指摘もございますので、そこで私どもといたしましては、そのような立場から各省庁行ないますところの研究内容等を十分把握をいたしまして、そうして十分所期の目的を達成し得るような予算の総合見積もり調整ということに対しましてはその責任を果たしてまいりたいと考えております。 それからまた、つけ加えて申し上げますが、先ほど申し上げました深井戸の調査でございますが、これは一応その結果を見た上で、さらにまた房総半島を中心とする東京周辺地域の地盤の異常隆起というような状況も見受けられまするので、これらとも総合して考えまして、今後さらに必要な調査を検討してまいりたいと、かように考えております。
○国務大臣(山中貞則君) 中央防災会議事務局長として御答弁いたします。 地震の予知については、日本のレベルは、私、非常に高いと思います。世界各国地震のある地帯は、それぞれのベルト地帯を構成しながらいろいろの国があるわけですけれども、非常に学問の進んだ国として、常時地震帯の上に居住しておる国としてはやはり日本でありますし、それにふさわしい地震研究なり予知学は非常に進んでいると思いますが、昭和四十四年の七月、建設省国土地理院に地震予測の担当官の会議というものを持つようになりまして、それから国土地理院を中心にいたしまして、各省の地震予知のベテランというものがその地震予知の担当官会議に集まりまして会合も持っておるようでありますが、これらは日本の国内のみならず、むしろ諸外国等あたりも非常に興味を持って日本の地震予知等について注目しておるというようなレベルの高いものであるように承知をいたしておりますが、これらのところを対策の基本に置きながら、先ほど私が申し上げましたように、毎年毎年、その日その日、手抜かりなくその対策ができていませんと、まさかのときに間に合いませんけれども、予算措置の総合性、企画性はもちろんのこと、日本が一番進んだ地震予知並びに地震に伴ういろいろな災害について一番進んだ構想を持ち対応策を持っておる国であるというふうにならなければならない義務を政府は負っておるというふうに考えますので、これから中央防災会議の機構、能率等の改正、再点検等をいたしながら、私どもも積極的に内閣全体のイニシアチブをとる立場を進んでとってまいりたいと考えます。
○足鹿覺君 気象庁長官に伺いますが、気象審議会にあなたが諮問されました「今後の社会的要請に対応する気象業務のあり方及びその推進方策について」に対しまして、四十二年七月十三日答申によれば、「現在の気象業務は、施設、人員、業務体制等は十分とは言いがたく、激増する社会的要請に対応できない状態であると思われる」云云とまず述べ、次いで「気象関係業務の整備にあたっては、予報精度の向上と気象資料利用効果の増大に重点を移行すべきである」と強調しております。気象庁の当局としてこの趣旨の実現にいかに対処しておられますか、具体的に御答弁願いたい。
○政府委員(吉武素二君) 従来から社会情勢の変化に対応するように気象業務の体制というものを整備、強化しなきゃいけないという努力は重ねておるつもりでございます。昭和四十五年度予算においても、いままで世界のどこにも見られないような、レーダーの情報を必要なところに電送するというような新しい計画を持っております。日本は気象観測という面からいうと、特にレーダーは現在十六台この島の上に持っております。そういう面ではかなり私は世界的には整備されておると思います。しかし、レーダーがすべてではございませんし、それだけで用が足りるわけではございません。今後とも、そういうような新しい技術を導入しながら予報の技術を上げていくというようなこと、それから得られた気象情報を迅速、的確に電子計算機をもって処理し、それを情報として流していくというようなこと、あるいは観測の機械を、従来のものを隔測化していくというようなこと、それから、きょうもお話に出ていますような地震予知の問題とか、あるいは海底地震に伴う津波の対策、そのような研究の推進というようなことを一段と推進さしていきたいというように考えております。何しろ、御存じのように、天気予報一つとって見ましても非常にむずかしい。なかなか皆さんが要望されているほどの精度を持ち得ないのは残念でございますが、私たちはその面では今後とも一そう努力していきたいと思っております。
○足鹿覺君 要は、技術と経験豊かな人間がいろいろな新しい機器を使っていくところに今後の発展があると思います。しかるに、総定員法によって一律五%の削減を気象庁も受け、本年は昨年に比較して七十九名の減、四十四年より三年間二百三十七名の減ということになると聞いております。ただいまの長官の御答弁とは実態が違うのであります。このため、気象庁当局は、大阪では過去八十年間続けてきた一日二十四回の観測通報回数を三分の一に減らし、これに対して職員が非番の人をもって自主的に補い万全を期しておるのが実情だと聞いております。ことしからは東京でも行なわれる。これに対しても職員は熱意を持って対処しようとしておる、こういう状態であり、本年からは東京、御前崎、来年には仙台、宮崎というふうにだんだん範囲を広げて回数を減らす計画だと聞いておりますが、このようなことでは、緊急非常事態発生のときは緊急対策がとれないではないか。気象庁長官はこのような事態を御承知になっておるのでありますか、いかに対処されようとしておるのでありますか。あなたの発せられた諮問に対して、「施設、人員、業務体制は十分と言えない」と言っておるではありませんか。どうされるおつもりでありますか。
○政府委員(吉武素二君) お答えします。 現在、私たちは観測データというものをもとにしていろんな気象に関係した業務をやっておるわけでございます。それで、ただ一カ所の観測データを集めた、またそれをいかに詳しく集めてみてもあまり意味がないわけでございます。やはりかなり広い範囲にわたって、しかも、それが日本列島の上だけで観測されてもそれは不十分なものでございます。やはり気象の変化というのは、非常に広い範囲をつかまないとどうにもならない問題でございます。それで私たちは多くの観測点からデータを集めまして、ふだんですと、天気図を三時間おきに一回書いております。それで気象の変化を追跡し、また予報をやっておるわけでございます。そういう意味では、天気図を書くためには八回の通報がなされればそれで一応は十分なわけでございますけれども、やはり臨時に、たとえば台風が接近してきたというようなときには、やはり気象の変化が激しいわけでございますから、 〔委員長退席、理事吉武恵市君着席〕 そのときには、一時間おきにデータを集めて、その台風の動静を追跡していくということを現在やりつつあるわけでございます。きょうも申し上げましたけれども、現在の私たちの技術の段階から見るならば、先生御指摘になった、大阪、東京、御前崎というところで二十四回気象電報を打っていたのを八回にしても、別に私は何らの支障はないと判断いたしております。それで、よく、たとえば気象庁に電話がかかってきて、現在の気温は幾らでしょう、風はどうでしょうというような問い合わせもございますが、そういうような問い合わせに対しては、私たちは、現在みんな自記の機械を持っておりますから、そういうお答えに関しても、たとえば東京都の方が気象庁におかけになればすぐにお答えできるというような段階で、毎時通報が入らないからといって、そういう面で御不便をかけないように私たちは努力いたしております。 それで、人員と予算が十分でないじゃないか——もちろん私ももっともっといただきたいという希望は持っております。しかしそれにしても、やはり単に予算をくれくれと言うのでなしに、やっぱしはっきりした技術的に問題のない計画を立てて、確かに予算をいただいただけの効果を発揮できるようなそういう面で今後努力していきたいと思っております。 ありがとうございました。
○足鹿覺君 大阪における職員の善意に基づく奉仕等について何らの御所懐も述べられなかったことを私は非常に遺憾に思います。 先を急ぎますから次に移りますが、いかに一律五%の人員削減の方針でありましょうとも、国民の総意ともいうべき、自然災害から生命財産を守るため必要不可欠である気象業務及び同施設の整備拡充への国民の期待に背を向けるような画一的行政を実施してよいという根拠は全く私はないと思います。特に六十一国会におきまして、衆議院内閣委員会において社会党委員の質問に答えられまして、総理は、「気象観測などはこれから最も大事なことで、そういうところで人を減らしていいわけはないのです。」と答えておられます。これらの点もよくお考えになりまして、特に政府の再考を促し、善処されんことをこいねがうものでございますが、この点につきまして行政管理庁長官の御所見、御見解等について承りたいと思います。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) お答え申します。 定員の三年間五%削減の各部局別の配分につきましては、各省の自主的判断にゆだねられているところでありまして、気象庁における定員削減にあたっては、気象業務の特殊性を勘案の上、事務の合理化、機械化及び民間委託等により、防災業務等サービス業務の低下を来たさないよう配慮しながらこれを実施していると承知しております。したがって、三年間五%の定員削減措置により気象業務の弱体化を招くことはないものと考えております。時代の進展、科学技術の発達に応じて気象業務の充実をはかることはもちろん必要でございますが、それは単に定員だけの問題で片づけらるべきものでなく、その合理化、機械化の進度に応じて善処さるべきものと心得ます。
○足鹿覺君 最後に、災害は忘れたころにやってくると俗に申しておりますが、以上の質疑の経緯にかんがみ、政府として自然災害未然防止と気象行政の強化整備対策に対しまして、新たなる御決意のほどを官房長官に伺いたかったのでありますが、御不在のようでありますので、総務長官より御答弁をわずらわしたいと思います。
○国務大臣(山中貞則君) 一律五%削減は、実質の出血を伴わない、実人員整理を行なわないという含みもあるわけでありますから、総定員法等が制定せられました今日、必要な技術者なり欠くことのできない要員等については確保するとともに、全体の公務員の定員のワク内で、どこに余剰があるとも申しませんけれども、能力その他実質の職務分野とそれに必要な定員とをよく行管において全面的に点検をしてもらいまして、各省大臣のそれぞれの所管はございましょうが、全国家公務員の総定員の中で最有効的な能率が発揮できて、ただいま御指摘になりましたようなことが、実際上の業務に支障がほんとうにないのだということが確認せられますように、政府全体といたしましても考えてまいりたいと存じます。
○足鹿覺君 農林大臣がおいでになっておられますので、気象問題はこれで打ち切りまして次に移りたいと思います。 転用緩和に乗ずる悪徳業者の防止対策についてでありますが、要するに一種農地に指定をされていた水田でも許可するというこのたびの措置は、都市側からも農村側でもあまり評判がよくありません。つまり都市計画や農業振興計画に大きな支障を来たすからであります。反面、不動産業者や建設業者等が、地価の比較的安い市街化調整地域あるいは振興地域また都市計画地域等が野放しの状態になりまするので、これに乗じて買いあさりが盛んになり、悪徳不動産業者が横行するおそれもあると存じます。この防止策につきましては、特に建設大臣からも御答弁願いたいと思っておりますが、 〔理事吉武恵市君退席、委員長着席〕 農林大臣の御所見を承りますとともに、建設大臣にかわって、責任ある方より御答弁を願います。
○国務大臣(倉石忠雄君) ただいまお話しのような問題が私どもにとりまして一番警戒すべきことでございます。いまお話しのように、今度転用基準の緩和をいたしましたけれども、優良な農地を確保して農地の無秩序な壊廃を防止するということにつきましては、毎々申し上げておりますように、私どもといたしましては断じて堅持いたすつもりであります。もちろん一種農地につきまして、しかもいままで圃場整備等をいたしておりますようなところにつきましては、農転をゆるめても許可をいたしておりません。大事な農地を確保するという前提に立って運営してまいるわけでございます。お話のございました建設省でただいま全国の自治体と一緒に線引きをいたしております新都市計画法に基づく市街化区域、この区域は、当初私どもの立法のときにも、これは将来やがて遠からざる間に市街化する地域であろう。こういうところについては農地転用の許可を必要としないように譲歩いたしますが、反面、私どもの必要とする農地につきましては私どもの原則を立てていくという、こういう考え方でできてきたわけでありますから、市街化区域に入っております土地につきましては、あるいは地方によっては先ほどのお話のようなこともあるかもしれませんが、元来私どもといたしましてはこういうところは市街化していくものであるという前提でおりますので、その他の区域につきましては、これは私どものたてまえはくずさないでやってまいりたい、こう思っております。
○政府委員(田村良平君) 根本建設大臣が大阪の事件で出ておられますから、かわりまして私から御答弁申し上げます。ただいまお話しのとおり、このたびの農地転用許可基準が大幅に緩和されました。この点は、非常に需要の多い宅地開発を推進すると存じます。しかしながら、いまお話しのように、これにつけ込んで、市街化調整区域等において悪徳の不動産業者が買いあさりをして、いわゆる暴利をむさぼるということは、当然土地政策上も好ましくありません。したがいまして、このたびの都市計画法によりまして、われわれはこの許可の際、新しき開発の許可制度をこういう問題を排除するような運用を期して、御指摘のような問題が起こらないように善処したいと考えております。 以上御答弁申し上げました。
○足鹿覺君 新しい開発の許可制度というものはどういうものですか、もう少し御説明願いたい。
○政府委員(田村良平君) 失礼しました。都市計画法の許可制度でございます。
○足鹿覺君 私が心配いたしますのは、国県道の周辺百メートルの幅でいわゆる基準緩和が行なわれるのですよ。これはもうたいへんな状態になるのじゃないですか。いまの政務次官の御答弁では解決つかぬではありませんか。
○政府委員(竹内藤男君) お答え申し上げます。 市街化調整区域におきましては、農地転用の許可制度と同時に、宅地開発の許可制度が新しい都市計画法で許可制度になるわけであります。市街化調整区域を指定いたしますと、そうなるわけでございます。したがいまして、われわれのほうといたしましては、無秩序な市街化が行なわれないように、開発許可制度で押えるわけでございます。その開発許可制度で開発許可にならなければ、農地転用の許可にならない、こういうふうに転用許可のほうでもなっておりますので、都市側のほうで無秩序な開発が行なわれないような許可の運用をいたしますれば、それに従って農地転用が行なわれる、こういうように今度の暫定基準ではなっているわけでございます。
○足鹿覺君 開発許可制度によって規制するとおっしゃいますけれども、転用基準を緩和しておくということは宅地化を促しているということですよ。それをどうして押えるのですか。
○政府委員(竹内藤男君) 市街化区域につきましての転用許化基準の緩和につきましては、新都市計画法の開発許可にリンクして転用許可が行なわれるということになっております。したがいまして、転用許可が緩和になりましても、開発許可が与えられない場合には農地転用の許可がされない、こういう形になるわけでございます。
○足鹿覺君 農林大臣、いまお聞きのような状態なんですが、一体何のための転用基準緩和なんですか。宅地開発許可をおろさない場合は、これは宅地にならない、農地でもない、そういう状態を許していいんでありますか。
○国務大臣(倉石忠雄君) 新都市計画法等によりまして新しいいろいろな問題が出てくることについて、建設省と農林省とはいまのような場合にいろいろ打ち合わせておるわけでありますが、先ほどお話のございました国道、県道等、これは実際問題が、そういう道路ができますというと、大体両側百メートルくらいには、たとえばガソリンスタンドであるとか、あるいは交通の便がよいものですから倉庫を建設したいとか、そういうような要望が地方でたくさん出てくるわけであります。そういうことに関しましては、私どものほうでもできるだけ便宜をはかるべきであるということで種々相談はいたしておりますけれども、その事務的なことにつきましてひとつ政府委員からお答え いたさせましょう。
○政府委員(中野和仁君) ただいま大臣の御答弁になりましたような趣旨でございますが、第一種農地は原則として許可をいたしません。例外といたしまして、いま御指摘のように、国道、県道の両側百メートルの範囲内は、ガソリンスタンドあるいは自動車修理工場等の沿道サービス事業、それから重要産業の施設を許可をする場合があり得るということにしておるわけでございます。その場合に、先ほど建設省の都市局長からお話がございましたように都市側からは開発許可制度、農林省のほうからは農地転用許可で判断する、両方の許可がありまして初めて許可になるわけでございますので、国道、県道の沿線につきましては実態的にもかなり需要が多いわけでございますので、必要なところは許可をして差しつかえないのではないかというふうに考えておるわけでございます。
○足鹿覺君 納得できません。農業振興計画は、当初の意図を達成することができないのみならず、このことによってめちゃくちゃになる、そういう状態が私は生ずるということを警告しておきます。 さらに、時間がありませんので、土地政策の転用面積について建設省に伺いますが、宅地に例をとってみましても、十一万八千ヘクタールは宅地十二億平方メートルに相当するのであります。現行第一次住宅建設五カ年計画で見込んだ住宅供給目標は一億七千五百万平方メートルとされておりますが、この中で幾らを占めるかは別として、あなた方のほうではすでに四十五年度の建設予定の用地の取得は終わっております。転用面積が土地政策上から見て過大で実情とかけ離れたものであるということの一例であろうと思います。あなたのところは千三百九十九万四千円の調査費をもらっておいでになりますが、すでに取得を終わっておられる後において何を御調査になっておるのでありますか。
○政府委員(志村清一君) その調査費は、四十五年度において買う田についての調査でございます。
○足鹿覺君 あなた方はもうすでに計画に基づいて用地の取得は終わっておるのですよ。それでなければ、事業計画も立たないではありませんか。いまの御答弁は少し不本意ですね。そういう答弁はないでしょう。
○政府委員(志村清一君) 先生御指摘のように、公共事業を施行する場合に、なるべく早目に用地を取得したいというふうなことで、先行取得はいたしておりますが、先行取得いたしたところに工事をやるという例もございます。さらにその年に次年度以降の用地を買うというふうなことでございまして、用地取得面積は毎年相当面積になるということでございます。
○足鹿覺君 それでは、あれだけの面積は絶対確保できる御自信がありますか。
○政府委員(志村清一君) 住宅地域の用地とか、あるいは道路等交通用地ということで相当膨大な面積がございますが、これらは民間事業あるいは公共団体の事業、建設省の事業等々含んでおりまして、これらにつきましては、先ほど農林大臣がおっしゃいましたように、きでるだけ努力をいたしたいと、かように考えております。
○足鹿覺君 私はただいまの御答弁では満足いたしません。追って分科会等で建設大臣に伺います。 農民は涙をのんで休作、転作に協力しております。百万トン分の減産見込みは一応ついたと農相はおっしゃいますが、十一万八千ヘクタールの問題は私はとうてい期待数字であって、未達成に終わるだろうと思います。一方、農民に協力を求めながら、政府みずからが責任を買うべき転用問題が解決がつかなかったときのその責任は私は政府にあると思うんです。政府を代表されまして、大蔵大臣は財政の立場から、農林大臣はあなた方の発意に基づくものとして、いかにこれが達成できなかったときの責任をおとりになりますか。この点を明らかにしていただきたい。
○国務大臣(倉石忠雄君) 全体を代表して私がお答えすべきではありませんけれども、生産調整がもとでこういう計画でありますから、そういう立場で申し上げます。 しばしば申し上げておりますように、このたびの生産調整はあらゆる意味において非常に緊急な、しかもぜひやらなければならぬことであるというので、政府をあげて努力をいたしまして、あの調査費等をそれぞれ分割して、それぞれの立場で努力をいたしておるわけであります。したがって、各省とも非常な御努力を願ってやっておるわけでありまして、私どもは私どもの分担区域において十分に努力をいたし、それぞれいろいろな情報を持ち寄って調査いたしておるところによりますれば、大体私どもの見込みが達成されるという自信を持ってやっておるわけであります。
○国務大臣(福田赳夫君) お話のように、この問題はなかなか容易な問題じゃないということはよく無知しておりますが、ただいま農林大臣から申し上げましたように、政府は全力をあげてこの目的を完遂いたしたいと、そういう努力をいたしております。なお、大蔵省といたしましてもこれが目的が達成されるように、たとえば地方自治団体の行なう土地の先行取得、そういうようなものにつきましては、その財源対策等につきましてはできる限り協力をしてまいりたい。これが予定のとおり実現されるということを期待いたしております。
○足鹿覺君 水田転用措置の問題にからんで、この税制についてもお尋ねをいたしますが、水田の転用促進措置にかかわる税制について、四十五年度については、農業振興地域の整備に関する法律に基づくものについてのみ特別措置が行なわれることになっただけであります。このたびの水田転用促進措置に対し税制上の特別措置はないようでありますが、何らかの減免措置をとる御意思があるかどうか、自治相並びに蔵相から明らかにしていただきたい。
○国務大臣(福田赳夫君) 所得税につきましては、水田を休耕する場合、その場合には農業所得、また転作をする場合には一時所得として課税をいたしたいと、かように考えてます。一時所得のほうは、これは何といいますか、優遇措置であります。
○国務大臣(秋田大助君) 水田転用措置による農地の売買に関する税制上の特別措置に関しまして、住民税の点について申し上げます。 新しい土地税制といたしまして、五年以上保有していた農地の譲渡による所得に対する住民税につきましては、その譲渡益から百万円の特別控除を行ない、他の所得と分離して住民税の最低税率である四%を乗じた金額といたしまして、累進税率を適用しない等、一般の住民税に比べて大幅な軽減措置を講じていくのでございます。また不動産取得税につきましては、今国会に提出されております農業者年金基金法案におきまして、農業者年金基金が離農者から農地等を買い入れる場合に、その買い入れをしやすくするために同法人の取得につきましては、不動産取得税を非課税とするよう措置することといたしております。
○足鹿覺君 続いて最後に、もう時間がありませんので伺いますが、都市住民、特に地方都市の住民は都市施設のための高額のいわゆる受益者負担に悩んでおります。しかるに新しく都市開発税の創設、都市計画税の増徴が伝えられておりますが、その前に受益者負担の軽減をはかるべきだと考えます。自治省並びに建設省の御見解を承りますとともに、市街地化の区域の都市施設の整備とは何を指すか、都市施設の整備の定義及び範囲、その基準、財政措置はどうかということであります。総合的土地対策の必要性はこれを認めるにやぶさかではありませんが、特に伺いたいのは、新都市法の説明会等では、県、市町村並びに農業委員会は市街化区域が全部宅地並みに評価されることはないと住民に説明してきております。もし説明会の説明とこれらの課税が食い違い、介在農地が宅地並みに評価され、課税されるということになったならばたいへんなことになり、住民はだまされたことになろうかと思いますが、この点はきわめて重要な問題であります。市街化区域の農地を宅地並みに評価をするということは欺瞞であり無謀であると私は断ぜざるを得ません。この点につきまして自治大臣の御見解と、農林大臣のこの無謀な措置に対していかに対処されんとしておるかを承りまして、まだあとに慣行水利権の問題、あるいは第二次構造改善事業の問題等がございますが、これは他日に譲ることといたしまして、本日はこの程度にとどめたいと思いますので、御答弁をお願いいたします。
○国務大臣(秋田大助君) 御質疑の御趣旨が、今回の休転耕の農地につきましては収益力が低下するので、固定資産税を軽減すべきであるというような御見解によるものでありますれば、固定資産税は固定資産の価額に基づいて課税されるものでありまして、現実の収益が高いかどうかによって課税の差等を設けることは適当でないと考えられます。したがって、現在における農地に対する固定資産税の負担水準にもかんがみまして、法律によって一律に軽減措置を講ずる等の必要はないと考えております。しこうして、市街化区域が設けられまして、その都市化が進みまして、どういう状態になったら都市施設の整備ができたものと考えるかということにつきましては、これはたいへんその実態につきましてはいろいろ議論の分かれるところでもありましょうし、またむずかしい問題を含んでおるわけでありまして、一律に言えないと思いますので、関係方面ともよく検討をしなければ最終的な決断は下し得ないと思いますが、とにかく線引きされました市街化区域というものは、まあいま市街化されておるところもありましょうけれども、そこに農地は農地であるわけでございまするから、これが転用の申請を求めたらそれはいざ知りませんが、農地として使っている以上、これをどうするか、また市街化区域は、今後十年間にだんだんそういう都市設備を完備していこうという土地でありますから、現状はいわゆる都市施設が整備し切れておるところじゃないわけです。まあ理屈の上でし切れたときには、あるいはそういうある程度そこの設備の進んだところにおける農地につきましては、これは宅地並みに取れというような説もございまするけれども、これはまあただいまお説のありましたとおり、慎重に考慮すべきものであります。土地政策と農業政策との接点の問題でもございまして、自治省といたしましては、やはり固定資産税その他土地に関する税の制定につきましては、やはり土地政策との関連において、むしろ二次的立場にある、補完的な作用を起こすべき立場にあるという点をよく考えまして、関係方面とよく慎重な検討のもとに将来考慮してみたいと考えておりまして、軽率な処置はいたさないつもりでございます。
○加瀬完君 関連。市街化区域の中にある農地の固定資産税は、いまおっしゃるようになさるというわけですから理解ができますが、それならば大蔵省は、市街化区域の中にある、あるいは近傍が宅地として売買されたような場合、相続税の評価あるいは贈与税の場合の評価は、やはり現状が農地であれば農地を主体として評価をするのか。現状はそうではなくて、隣地が宅地であれば宅地の評価で相続税なんかは課しておる。固定資産税の扱いと同じ農地でありながら相続税の扱いが違うことになりますが、どうですか。
○国務大臣(福田赳夫君) 近傍の売買実例等を調査いたしまして、それに準じて評価をし、それを適用すると、かようにいたしております。
○加瀬完君 関連で悪いんですけれども……。現状農地であれば、固定資産税は現状農地として評価をするというのであれば、現状農地であれば近傍が宅地価格で売られようが、農地の現状が加味されて相続税の評価もきめられなきゃおかしいでしょう。そういう扱いをしておりませんよ、大蔵省は。
○政府委員(高木文雄君) 相続税は本来その利用状況がどうであるかということには関係なく、どう、客観的に評価さるべきかということで課税するのが一般的な原則であります。したがって従来からその地目が農地であるとか、あるいは宅地であるとかということには必ずしも直結いたしません。その近在の土地の売買実例であるとか、そういうものをいろいろ見まして、そうして毎年評価基準を公表しておるわけでございまして、その意味におきまして、農地であるかあるいは市街地であるかということよりは、実際のその辺における取り引き条件ということによることにしております。
○加瀬完君 固定資産税の評価額に準じなければいかぬでしょう。固定資産税の評価額を少しも考えていないでしょう。
○政府委員(高木文雄君) 相続税の評価額は必ずしも固定資産税の評価額とは直結はいたしておりません。
○国務大臣(倉石忠雄君) 市街化区域にあります農地につきまして、いろいろ税の話が出ておることは私ども聞いておりますが、従来農地について価は特殊な扱いを受けておったことも御承知のとおりであります。いままでそういう立場を私どもとってまいったんでありますが、いろいろな御議論が出ておりますので、ただいま自治大臣のここで御説明のありましたように、関係各省十分に相談をいたし、私どもの立場も主張いたして、相談をいたしてまいりたいと思っております。
○委員長(堀本宜実君) 以上で足鹿君の質疑は終了いたしました。 —————————————
○委員長(堀本宜実君) 次に、塩出啓典君の質疑を行ないます。塩出君。
○塩出啓典君 七〇年代の最大の課題は物価安定と公害対策であるといわれております。高度成長をはかることが急で、その反面公害に対する配慮が欠けていた結果、今日では深刻な生活問題となっております。 そこで、私はまず最初に、大気汚染とともに代表的な海洋汚染の問題について経済企画庁長官にお聞きしたいわけでございますが、最近アメリカにおきましても、アラスカ湾におきましてタンカーからの油による汚染で海鳥が一万羽死亡し、漁業資源も汚染されておる。またバルト海におきましても、深海部は下水道からの汚水、工場排水、殺虫剤等で深刻な危機に見舞われておる。そのようにいわれております。わが国におきましても海洋汚染は年々深刻の一路をたどっておる。特に瀬戸内海は非常に入り口が狭いために潮の交換が非常におそい、そういうわけで汚染が急速に進行しているといわれております。私たちは海洋国日本として、漁業資源に影響を及ぼすことを非常に心配をするわけでありますが、この海洋汚染の進行の度合いというものを、水質保全の担当である経済企画庁としてはどのように掌握しておるか、お聞きしたいと思います。
○国務大臣(佐藤一郎君) いま御指摘のように、非常に海域の汚染がますますひどくなりつつあることは御存じのとおりであります。そこで、企画庁としましては四十四年度までに、ただいま五十二海域の水質調査を行なっております。さらに本年度八海域の調査をいたします。これで六十海域になるわけでございます。それからまた昨年度までの調査をしました分については、さらにそれを補完する意味で海潮流調査を海域ごとに実施しております。これらによりまして汚濁の実態、メカニズム、こういうものを把握しよう、こういうことでございます。そうして調査をいたしました結果、さらにこれをいわゆる地域指定を行ないます。ただいまのところ、四水域につきまして基準の設定を終わりましたが、本年度十六水域について水質基準を設定してまいりたい、こういうふうに考えております。 なお、いま御指摘のありました瀬戸内海でありますが、これにつきましては、企画庁といたしましては、大竹、岩国水域、こういうようなものについていわゆる指定をし、そうして基準の設定を行なっておるのでありますけれども、残る水域につきましても、所要の調査をいまやっているところです。こういうものが調査を終了いたしましたらば、たとえば三田尻湾であるとか、あるいは徳山湾あるいは宇部、小野田地先の海域、こういうようなものにつきまして、いま水質基準の設定を急いでおる、こういう状況であります。
○塩出啓典君 汚染の度合いはどうですか。汚染の度合いはどのように掌握されているか。
○国務大臣(佐藤一郎君) ちょっと政府委員にお答えさせます。
○政府委員(西川喬君) 海域の汚染につきましては、全般的にわずかながらずつ汚濁は進行している、このような状況でございます。
○塩出啓典君 数値的にどうですか。
○政府委員(西川喬君) 数値につきましては、特定の地域につきましてはわかっておりますが、たとえば四日市、鈴鹿で申し上げますと、当初CODにおきまして二・一PPMでございましたのが、最近、低いところで二・五、高いときには、これは非常にケースが悪い、状況が悪いときでございますが、その場合のときには一五PPMまでに上がっているというようなケースがございます。
○塩出啓典君 全体的にどうです。
○政府委員(西川喬君) 全般的には、全国の海域全部について調査いたしておりませんので、これを全般的に申し上げるのはちょっと困難でございますけれども、全般的な傾向といたしましては、次第に進行している、こういうことは申せるかと思います。
○塩出啓典君 部分的には調査しているけれども、全体的には調査していない、そういうお答えであったと思います。そこで今回、水質審議会から水の環境基準に関する答申が出ておりますが、企画庁としてはこれは採用するつもりか、それからまたいつから実施に移すつもりか、それをお聞きしたい。
○国務大臣(佐藤一郎君) これは御存じのように、いわゆる人間の生命に関する部分と、環境の保全に関する部分に二つ分けまして、人間の生命に関する部分につきましては、即刻全域について実施をする。それから環境の部分につきましては、現在までに調査が済み、そうして指定水域として指定されているものは、もうこれはもちろん問題ないわけであります。いずれにしましても、環境基準の設定がありました以上は、それについては直ちにそれの実施に移るわけでございます。ただ、環境保全につきましては、いろいろと基準の設定をしました後の実行につきまして、これは各実体法がありますから、それに基づきまして各省において早急に実施をはかる、こういうことになっております。
○塩出啓典君 まだ予定はきまっていないのですか。
○国務大臣(佐藤一郎君) これはもう即刻やるということでありますから、別に特別の期限は設けておりません。
○塩出啓典君 農林大臣にお伺いしますが、魚資源保護の上から考えて、今回の環境基準でよろしいかどうか。
○国務大臣(倉石忠雄君) 水産庁長官から。
○政府委員(大和田啓気君) 私ども水質汚濁にかかわる環境基準につきましては、水産業の重要性にかんがみまして、かねて農林省として検討いたしておったわけで、それに基づきまして、経済企画庁とも相当長い間御相談をいたしたわけでございますが、最近、企画庁長官に答申されましたこの環境基準の設定の基本方針につきましては、私どもは当面これで大体いいのではないか。将来、私どもの研究が進みますれば、また新しい問題が出てまいると思いますけれども、当面はこれでよろしかろうというふうに考えております。
○塩出啓典君 海上保安庁にお伺いいたしますが、昨年八月、東京湾、伊勢湾、広島湾等で海水の透明度の調査をしたと聞いておりますが、その結果を御報告願いたい。
○政府委員(河毛一郎君) お答え申し上げます。 ただいまお話しのございました透明度の調査は、水産研究所で行なわれたものでございまして、その海域別の平均的透明度を申し上げますと、たとえば東京湾では、昭和四十年六・七メートルであったものが、四十四年には一・八メートルとなっている。伊勢湾について申し上げますと、同じく四十年六・二メートルであったものが四十四年度には一・七メートルになっている、このようなことでございます。
○塩出啓典君 ただいま御報告いただいたのでありますが、調査した中で、四十年と昨年の八月と比べて、一番進行のひどいところはどのくらいいっていますか。それから調査の方法も言ってください。
○政府委員(河毛一郎君) ただいまの透明度の調査でございますが、これは主として水産研究所で行なわれておる方法でございますが、白く塗りました板を水の中へつけまして、それが何メートルから見えるかという比較的単純な方法でやっております。 それから、どのくらい変わっているかという点でございますが、ただいま申し上げた数字によりますと、透明度が二分の一あるいは三分の一に低下しているということでございまして、平均的に見れば、そのようなことがいまの趨勢ではなかろうか、このように考えております。
○塩出啓典君 一番ひどいところはどこかと聞いているのです。
○政府委員(河毛一郎君) ちょっとお答えを一つ漏らしましたのですが、非常にその方法でひどいところは、たとえば十分の一近くなっているというようなところがあるというふうに聞いております。
○塩出啓典君 それでは、海水の汚染による漁業の被害の実態をお聞きしたいと思います。
○国務大臣(倉石忠雄君) 水産庁長官からお答えいたします。
○政府委員(大和田啓気君) 工場廃水あるいは都市下水、それから船舶廃油等による漁場環境の悪化が最近あるわけでございますが、それによりまして漁業被害は少しずつふえてまいりまして、県の報告によりますと、四十二年の被害額は、百億円を少し上回る程度になっておるわけでございます。
○塩出啓典君 ただいまのは四十二年。四十二年と四十四年の比較を、工場廃水等によるものと船舶廃油によるものとに分けて報告願いたい。
○政府委員(大和田啓気君) 四十年と四十二年度につきまして、工場事業等廃水によるものを申し上げますと、四十年度は四十二億でございますが、四十二年度は九十九億でございます。さらに船舶廃油によるものは、四十年度が四億七千万円ほど、四十二年度が十七億程度でございます。
○塩出啓典君 まあ以上海上保安庁の透明度調査、ひどいところで四年前の十分の一に低下しておる。また漁業の被害も、非常に船舶からの油による被害は二年間で約四倍に増大をしております。そういうことはわかったわけであります。 そこで海上保安庁にお伺いいたしますが、船舶からの油による海水汚濁事件、これで掌握している件数及び検挙率はどうなっているのか、これを最近のを御報告願いたいと思います。
○政府委員(河毛一郎君) ただいまお話しのございました最近の検挙件数でございますが、いろいろな法律によるものがございますが、これを全部合わせまして、四十四年の検挙件数は百五十九件でございます。これは前年に比べますと検挙数といたしましては増加いたしております。ただ、私どもが具体的に海上で油その他が流れておるという通報を得ておりますが、その通報件数は、たとえば四十四年が三百八件、前年の二百四十六件に比べまして非常にふえております。このわりあいには検挙件数が伸びないということで、御指摘のように、通報に対する検挙件数の割合は前年に比べ低下しておる、こういう状況でございます。
○塩出啓典君 それで水産庁にお伺いいたしますが、まあいま報告がありましたように、船舶からの油による汚染が非常に急速に進行しておる。漁業に受ける被害も急増をしておるわけでありますが、ところが、この油による汚染の問題をどのように考えているか、今回の答申に出されました環境基準には、油による汚染については何ら規定がないわけでありますが、先ほどのお話ではこういう規定でもよろしいというお話でございます。これはどういうわけなんでございましょうか。
○政府委員(大和田啓気君) 私ども油によるノリ、貝類、その他まあ魚も当然そうでございますが、先ほど申し上げましたように、四十二年で十七億という相当巨額にのぼっておりますので、なかなか大問題といたしまして、海水油濁防止法等によります監視、取り締まりの強化につきまして絶えず主管庁である運輸省と御相談をいたしておりますし、また私どもの水産庁の取り締まり船、あるいは都道府県の漁業取り締まり船が相当数多くあるわけでございますので、これは油関係を直接目的といたすものではございませんけれども、運輸省の取り締まりにいろいろ協力を申し上げておるわけでございます。したがいまして、生活環境に関する水質の基準につきましても、私どもといたしましては油の問題も取り上げてほしいところでございますけれども、また事実そのために農林省といたしましてもずいぶん長いこと検討いたしたわけでございますが、実はきわめて精微な測定方法が必要でございまして、私どもが必要といたします、たとえば魚に悪いにおいがつきますものは、O・O一PPM程度でもくさいにおいがつくということでございますが、現在いろいろの方面で取り上げられております測定法ではなかなかそこまで厳密な測定ができかねるということでございますので、今回は油関係の基準はこれを載せない、しかし、研究が進むに従いましてそれをまた取り上げるという、そういうつもりでございます。
○塩出啓典君 いまのお話で大体了解をしたわけでございますが、それでは次に運輸省にお聞きしたいと思いますが、船舶からの油による汚濁防止には運輸省としてはどういう対策を立てておられるか、運輸大臣にお聞きします。
○委員長(堀本宜実君) 運輸大臣まだ来てないか。
○塩出啓典君 四時までに来るといったのに。
○委員長(堀本宜実君) ちょっとおくれている……。
○塩出啓典君 じゃいいですよ。
○政府委員(内村信行君) お答え申し上げます。 先ほど先生御指摘になりましたように、最近の石油関連産業が非常に増加してまいりました。また海上交通量も非常に増加してまいりまして、そのために船舶から排出されます油の量が多くなりまして、海水の汚濁というものもその結果問題になったわけでございます。したがいまして、昭和四十二年に船舶の油による海水の汚濁の防止に関する法律というものを制定いたしまして、その法律を中心といたしまして船舶の油による海水の汚濁の防止の対策を講じているわけでございます。 その内容を申し上げますと、まず第一に、いわゆる海水油濁防止法あるいは港則法等によりまして、船舶からの油の排出を規制しております。そこで、海上保安庁におきましてその取り締まりを実施しております。取り締まりにあたりましては、東京湾でありますとか、あるいは伊勢湾あるいは瀬戸内海等汚濁の多発海域というものに巡視船艇あるいは航空機を重点的に配備いたしまして、取り締まりを積極的にやっております。 二番目に、船舶からの油の排出規制を確保するために、規制対象船舶にビルジ排出防止装置というものを設置を義務づけております。そこで、そのビルジ排出防止装置につきましては、必要な資金について船舶所有者に対し船舶整備公団からの融資を案施しております。 次に、船舶からの油の排出規制を行ないますに際しましても、その廃油を受け入れる陸上の施設が必要でございます。したがいまして、その陸上の廃油処理施設を整備を推進してまいる、このために港湾管理者の廃油処理施設につきましては半額を国庫補助するとともに、民間の整備につきましては、日本開発銀行等の融資によってこの促進をはかっている次第でございます。
○鈴木一弘君 関連してちょっと。 これは農林大臣にちょっとお伺いしたいんですが、いままでの質疑ではっきりしたのは、油汚染で十七億円、その他の海水汚染によって漁業関係の損害が百億円ということでありますが、これはどの程度まで補償なりがされているのか、その点おわかりになりませんか。また、こういう場合の補償というのは現在裁判中のものもあるのかどうか、そういう点について伺いたいと思います。
○国務大臣(倉石忠雄君) 被害補償につきましては、加害者がはっきりしておる場合、それから関係都道府県等の指導を得まして、そういう場合には、漁業当事者間でそれぞれ解決しておるのでありますが、漁業被害の場合には、被害の発生原因がなかなか複雑でございまして、いま先ほどここで御質疑応答があったようでありますが、その因果関係の明らかにされないケースが少なくない実状でございます。そこで農林省といたしましては、被害発生の因果関係の究明に資するための基礎的研究を進めておるわけでありますが、さらにこの国会で公害紛争処理法案が成立いたしますれば、これによりまして公害紛争の解決を迅速、適正に行なわれるように指導してまいりたいと思っております。
○塩出啓典君 ただいま運輸省よりそういう油濁防止法により海水の汚濁を防いでおる、そういうお話でございますが、先ほどのお話のように、四年間で十倍、二年間で漁業補償も四倍になるという、そういう急速な汚染でございます。そういう点について水産庁としてはどう考えておられるのか。
○政府委員(大和田啓気君) 私ども沿岸漁業の問題といたしまして、油あるいは工場汚水等による漁場環境の悪化ということは、これは大問題でございますので、まず水質保全法に基づく水質規制に万全を期することが重要でございますが、それと同時に相当多数の重要漁場につきまして、環境保全のための基礎調査をやっております。また水質が悪化する前の用意といたしまして、水質汚濁監視施設、これは船に監視施設をつけて、それで汚濁の状況を前もって調べるということでございますが、そういうこともやっておるわけでございます。さらに事業といたしましては、沿岸漁業構造改善事業等によりまして、漁場の改良、造成あるいは四十五年度から相当大規模に浅海漁場の開発をやることにいたしております。また、水産資源保護法に基づきまして、重要な産卵場あるいは稚魚の育つところにつきましては、保護水面の設定をして、その管理をやっておるわけでございます。また、特に優秀な漁場でありましたけれども、比較的汚染の度が進んでおりますような瀬戸内海につきましては、ここ数年瀬戸内海の栽培センターを設置いたしまして、積極的に沿岸魚族の繁殖保護をはかっておる次第でございます。
○塩出啓典君 ただいまいろいろお話をいただきましたけれども、私はそういうことをやっているけれども、非常に急速に汚染が進んでおる。そういう問題に対して、水産庁としては別にこうしなきゃならないという意見とか、現状のままもうやむを得ないと言ってあきらめているのか、これからどういう手を打とうとしているのか、その点をお聞きしたいと思うのです。
○政府委員(大和田啓気君) 私ども海水の汚染を促すような工場施設等々につきましては、あらかじめできるだけ公害の発生が少ないように施設についてくふうをこらしてもらうということが第一でございます。 さらに、それにもかかわらず漁場の汚濁が進みます場合は、三十七年度から沿岸漁業構造改善事業というのを相当大幅にやっておるわけでございますが、その第一期の事業が大体明年に済みますので、四十五年度から新しく相当また想を新たにし、また国費等の増投をいたしまして、沿岸漁業構造改善事業をやりまして、それで漁場の若返り、あるいは漁場の改良をはかるつもりでございます。
○塩出啓典君 時間がございませんので、次に進みたいと思いますが、それで運輸省にお聞きいたしたいと思います。 先ほどの船舶の油による海水の汚濁の防止に関する法律、そういう法律で規制をしているというお話でございましたが、この法律を近く一部改正をし、強化すると聞いておりますが、改正の内容及び時期についてお聞きしたいと思います。
○政府委員(内村信行君) お答え申し上げます。 先ほど申し上げましたいわゆる海水油濁防止法の改正の問題でございますけれども、この海水油濁防止法と申しますのは国際条約と関係がございまして、その国際条約が今度IMCOのほうでその改正案が採択されたわけでございます。したがいましてその条約案が改正されますと、それに従いましてその条約の国内施行法たる意味を持つこの海水油濁防止法もそれと同じようにあわせてその受諾の時期と軌を一にいたしましてこれを改正してまいりたい。その内容もこの条約改正の内容に沿って改正してまいりたいというふうなことでございます。
○塩出啓典君 私はこの法律は、現在の施行の状態でははっきり言いまして、ざる法ではないか、そのように思います。この法律は御存じのように、百五十トン以上のタンカー、それから五百トン以上のタンカーでない船舶、そういうものは五十海里以内の海域で油を捨ててはならない、そういう法律でありますが、ところが第五条第二項に適用除外があります。すなわち適用除外されている船はタンカー以外の船、それと沿岸を航行するタンカー、この種類については免除されておる。ただ廃油処理施設の整備した港の中を運航中かあるいは廃油処理施設の整備された港へ行く途中以外は適用除外とされ、どこでも油を捨てていいということになっております。しかもこの廃油処理施設を整備した港は、現在は川崎港のみでございます。だから川崎港内及び川崎港へ向かう途中以外はその適用がないわけでございますが、このような状態では私は海水の汚染が防げるわけがない。先ほど言いましたように、汚濁が激しくなるのはあたりまえだ、このように思うわけでありますが、運輸大臣のお考えをお聞きしたい。
○政府委員(内村信行君) お答えいたします。 いま先生御指摘くださいましたとおり、この海水油濁防止法につきましては適用除外がございます。それは施設整備港がない場合には適用除外をする。その場合の適用除外の方法といたしましては、油送船以外のもの及び油送船につきましては、平水区域及び沿海区域しか行けないものについての適用除外をいたしております。 今後の方向といたしましては、油送船以外のものにつきましては、いろいろなビルジ排出防止装置その他もできてまいりますので、これにつきましてはこの適用除外を将来なくす方向で検討してまいりたいという考え方であります。 それからなお、小型の内航タンカーでございますけれども、そういうものにつきましては、残念ながらその技術的な理由によりまして、船内でそういう廃油を処理するということが不可能でございます。かと申しまして、外のほうへ行ってまいりますと、外のほうへ出て油を捨てるということは船舶の安全上非常に危険でございまして、そういうことはできません。したがいまして、どうしてもこの場合陸上の廃油処理施設をつくりまして、そこに廃油を捨てるということにたよらざるを得ないという実情でございます。したがいまして本件につきましては、将来とも陸上の廃油処理施設を整備いたしまして、それによって廃油を処理してまいりたいというふうに考えております。
○矢追秀彦君 議事進行でお願いですが、運輸大臣もう向こうを出られたと聞きましたので、まあお約束は十六時となっておりますが、いまの質問大事な問題ですので、運輸大臣来られればまとめて答弁をお願いしたいと思います。要求します。
○塩出啓典君 ただいまこのような適用除外を設けたのは、廃油処理施設が整備されてないために設けたというお話でございますが、ところが運輸省からいただいた資料によりますと、すでに全国十一港湾において十四の廃油処理施設が完備しているわけであります。なぜ廃油処理施設整備港に指定しないのかお聞きしたいと思います。
○政府委員(栗栖義明君) ただいま御指摘のとおり、廃油処理施設は極力整備を進めておるわけでございます。ただ、おのおのの港につきまして、油水汚水と申しますか、油の入った水をどれくらい出すであろうかということを予測いたしまして整備しているわけでございますが、処理施設は部分的にできましても、予定した処理能力が間に合わないというところには、まだ完全に十分でないということでおくれておるわけでございます。で、ただいまの状況は御指摘のとおり、現在は川崎港一港でございますが、近く横浜港ほか四港はなるべく早く指定したいというふうに考えてございます。
○塩出啓典君 ただいまのお話では、そういう廃油処理設備が整わないために、指定をしてないというお話でございますが、なるべく早くというのはいつのことか。昨年川崎港を指定したときに、去年の十二月横浜港、ことしの四月には千葉港を整備港に指定する予定だと、そのように運輸省はそのとき言っているわけでありますが、ところがまだ、いまだに行なわれていない。大体そのうちそのうちといって、だんだん延びていくと思うんですけれども、それで私は熱意がないではないか、そのように思います。この油濁防止法の第二十七条では、廃油処理施設が不十分な場合でも必要あらば港湾管理者に対し廃油処理施設の整備の勧告ができると、そのようにちゃんと明記されております。そこで私は、歴代の運輸大臣で、今日まで幾つの港湾に対して勧告をしたのか、このように海洋汚染が非常にきびしい程度に進行しているわけでありますが、そういうときに幾つの港湾に対して勧告したのかお伺いをしたいと思います。
○政府委員(栗栖義明君) ただいままでの時点におきましては、正式な勧告はいたしておりませんけれども、港湾管理者に極力そういう施設、廃油処理施設を整備するようにということで、相談してまいっておりまして、現在の時点では全国で三十三港に対しましてそういう施設を考えてございます。
○塩出啓典君 いまの、大臣ひとつ……。
○国務大臣(橋本登美三郎君) たいへんおくれまして申しわけありません。私はこの基本的なものの考え方をひとつ申し上げて御了承を願いたいし、また御理解願いたいのですが、まあ塩出先生からのお話は、いわゆる環境の正常化ということの根本的なものの考え方から立っていると思います。私は最近のこの急激な工業化、あるいは日本のごとき油をほとんど全部外国から持ってくるのでありますから、しかもその使用量はおそらく世界第二番目でしょう。そういうような工業国家、ことにこの油を使う国家でありますからして、実はそのような油による汚染というものが当然これは考えられなければならなかったと思うのであります。にもかかわらず、私はそういうことを申し上げるのも恐縮ではありますけれども、そのような急激なこの需要の増大、製造量の増加、そういうものに対して、海水の油による汚濁に対する防止対策が非常におくれておった。これはまことに国自体のいわゆる正常化のたてまえから考えて、はなはだ相すまないことであると思って、私はこの問題を就任以来、強く述べておったのであります。たとえば国際条約ができましても、それに対して参加を渋る——渋るわけじゃないのですけれども、それに対して積極性が足らない、それは一つは国内におけるところの国内法あるいは施設等が不十分であって、これに追いつかなかったという一つの事実もあるわけでありますが、それにいたしましても、そういう条約がすでに早く発効されて、しかも今度はそれを強化した改正案がいまつくられつつある、こういう世界的な環境の正常化という一つの思想に対して、われわれは少し立ちおくれておったということを、私自身も感ぜざるを得ないのであります。したがって、御質問のように、われわれの考え方に対して、積極的な御鞭撻を賜わっていることはありがたいわけでありまして、今回いわゆる海水、油によるところの汚濁の防止法というものをお願いしておるゆえんのものも、立ちおくれておりまするこのような環境の正常化、それに対して積極的な姿勢を示し、かつまた陸上におけるこれらの廃油の処理施設、これも計画的には進めておりまするが、必ずしもこれで十分じゃない。大体三十数カ所これを指定して、実行に移っておるようでありますけれども、それにいたしましても、港湾管理者が約五〇%の負担をせざるを得ないというところに困難もあるようであります。将来、これらの点も考えて、やはりこれは国民の衛生環境をするのであって、当然国が積極的にこれらを進めていくという姿勢がなければならぬと考えますので、今後いわゆる思い切った姿勢で、これはまあ油だけじゃありませんけれども、そのほかにもいろいろありまするが、国をきれいにする、環境を美しくするというところに、私は、人類社会、ことに日本のような平和国家のとるべき態度があると思います。まあ大蔵大臣にもこの点は十分にひとつ理解してもらいたいと、常日ごろからお願いをいたしておるわけでありまするが、この精神に立って処理をいたしたい、かように考えておる次第であります。
○塩出啓典君 大蔵大臣、ただいま運輸大臣からそういう要望があったわけでございますが、この点をひとつ今後とも考えていただきたいと思うのですが、その点、どうでしょうか。
○国務大臣(福田赳夫君) 私は財政演説でも、七〇年代は量的成長から質的成長だと、こういうふうに申し上げております。それはただいま運輸大臣が申されたようなこと、趣旨も含めての意味でありますから、まあとにかくきれいな日本をつくり上げていくために努力したいと存じます。
○塩出啓典君 さっきのこの二十七条の勧告にいたしましても、これは運輸大臣が勧告できるわけですから、私ははっきり勧告すべきだと思うのですね。いまのようにただ話し合いしているという、そういう弱い態度ではいけないと思うのです。廃油処理整備港をどんどんふやしていかなければ、この防止法はいつまでもざる法にならざるを得ない、そういう点で今後の運輸大臣及び当局の御努力をお願いをしたいと思います。その点、よろしいでしょうか。
○国務大臣(橋本登美三郎君) 御意見のように積極的に必要があれば勧告もするし、また話し合いももちろん必要でありましょうが、警告もして、そうして正常化に努力したいと考えております。
○塩出啓典君 海上保安庁にお伺いいたしますが、先ほどタンカーの汚濁事件等の検挙率が下がっておる、この原因は何か、また対策はどのように立てておられるのか、お伺いしたいと思います。
○政府委員(河毛一郎君) お答え申し上げます。油に限らず海水汚濁事件の発生につきまして、先ほど申し上げましたように、具体的な通報件数は年々大幅にふえております。これに対しまして、私どもは現在巡視船艇、航空機あるいは漁業組合その他の協力体制によってできるだけ取り締まりの摘発を行なっておりますが、現在やはり違反者その他の確認というものが非常に具体的なケースでむずかしいというものが増加いたしております。その結果、検挙率が下がってきておるということになっておるわけでございます。今後の対策といたしましては、何と申しましても、現場においてこのような目的で活動いたします船艇、航空機、あるいは先ほど申し上げました民間の監視協力体制というようなものの整備をはかる必要があり、また、現在特にとっておりますことといたしましては、重点的な海域をきめまして、ヘリコプターその他による特別哨戒を実施する。また、先ほど水産庁からのお話もございましたように、水産庁等に協力を要請いたしまして、漁業協同組合その他による協力体制を整備促進するということにつとめており、なお、御趣旨に沿いまして努力する次第でございます。
○塩出啓典君 それで、私は大蔵大臣にお願いをしたいわけでございますが、このように検挙率が下がっていっているということは、私は決して海上保安庁の皆さんが怠慢であるとは思わないわけであります。これは年々件数はふえているわけですね。それに対して、現在の海上保安庁のそういう体制が非常に不備である。私も、先般、広島の海上保安本部、あるいは玉野に行って参りましたけれども、第一線の人はほんとうに一生懸命やっているわけですね。設備は古いわけですよ。先般の「かりふおるにあ」丸のときにも、海上保安庁の飛行機はSOSを受けなから出発できなかった。それは、夜出発しても、夜間捜索する能力がない。そのために、米軍の飛行機の援助を借りた。また、先般のあの台湾坊主による小名浜港の空光丸の沈没のときも、大型ヘリコプターがなかったために、目の前で沈没しているのを救出できず、十五名の尊い生命が失われているわけであります。海上保安庁も何も好きこのんでそういう設備のない中でやっているのではない。要求するけれども、それがなかなか通らない。これは海上保安庁の巡視艇の表でございますが、建造年数を見ますと、昭和二十四年、一番古いのは昭和十三年、十六年。スピードにおきましても、一番おそいのが六ノット、早いほうで二十一ノットぐらいでございますが、大体いま船は二十ノット、高速船は三十ノットですね。そういう中に、巡視艇がそういう設備では困ると思うんですよ。今回も、海上保安庁は、飛行機をヘリコプター等三台要求したけれども、小さいのが一台しかいま認定になっていないそうでありますが、私は、航空自衛隊——自衛隊の整備も大事かもしれない。けれども、そういう災害から人命を守るという海上保安庁あるいは消防庁、そういうようなことにも力を入れていかなければならないのじゃないかと思う。そういう点で、今後そういう点を真剣に大蔵大臣にも考えてもらいたい。私はそのことを要望したいわけでございますが。
○国務大臣(福田赳夫君) 運輸大臣とも十分連絡をとって、できる限り御協力申し上げます。
○塩出啓典君 ここで、このついでに総務長官にもお願いしたいと思うのでありますが、非常に火事もふえている。しかも、交通も繁雑している。そういう点から、これからの消火体制というのは、どんどん機械化して、消火用のヘリコプターとか、先ほど足鹿先生からお話のありました気象観測体制の充実、そういうような点にもひとつ——総理府長官がそういう面の担当なんですから、さらにひとつ力を入れて、現状をまず知って、それから前進してもらいたい。そのことを私はお願いしたいわけでございますが。
○国務大臣(山中貞則君) 各省それぞれ精一ぱいのことをやっていると思いますけれども、日本は四面海の海洋国でありますから、ことに海というものを大切にいたしますし、沿岸漁民、沖合い、それぞれみんな海というものを死活の場ともいたしております。また、国民のたん白資源の大部分もやはり魚に求めるところもあるわけでありますし、そういうことから、海面汚濁その他については日本の国民というものは昔から切っても切れない重大な因果関係がありますので、それらの問題をも含めまして内閣としての姿勢も統一し、さらにまた、国民に対するいろいろの周知徹底等をもはかってまいりたいと思います。
○塩出啓典君 それでは、厚生省にお伺いいたしますが、先ほど冒頭にお話ししました環境基準でございますが、海水浴場の汚染を防ぐという点から考えてこの基準をどう思われておりますか。
○国務大臣(内田常雄君) 海水浴場の汚染物質につきまして、私どものほうで一番重要視しておりますのは、大腸菌群でございます。そこで、今回の水域にかかる環境基準の設定にあたりましても、私どものほうから大腸菌群の基準値をきめまして、経済企画庁と一緒に水質に関する環境基準の中にこれを取り入れてもらうように現在作業中でございまして、この作業は私どものほうの生活環境審議会というところでやっておりますので、近日中に答えが出るはずでございますので、基準の中にこれを盛り込むと、こういうことにいたしております。
○塩出啓典君 四十三年厚生省が調査したあれによりますと、二十六都道府県の二十九カ所の海水浴場のうち、基準に合格したのはわずか四カ所、あとは全部不合格であり、ひどいところは基準の千六百倍の大腸菌があったと聞いておりますが、今年の海水浴場の汚染対策としては、具体的にどういうことを考えておられますか。
○政府委員(金光克己君) 海水浴場の汚染の主な原因は、海水浴場に流入いたしております河川の汚染でございます。そういうことでございまして、河川の流入していない地域の海水浴場におきましては、たとえば大腸菌群の数にいたしましても、千ミリリッター千以下というのが約七、八〇%を占めておるというふうなことでありまして、そういった地域はかなりきれいなわけでございますが、ただ、汚染した河川水の流入している地域につきましては、やはりその沿岸にございます汚水の処理を十分やっていくということでございます。それにつきましては、まず、家庭排水、これは屎尿等も含めましての家庭排水の処理が必要でございまして、これがためにはやはり下水道の整備というのが第一義でございます。それから工場等の排水の規制が必要でございます。さらには、浄化槽等の水洗便所の機能につきまして十分な維持管理をしていく、と、かようなことが必要になってくるわけでございます。こういった点につきまして、昨年非常に問題になりました地域におきましては、それぞれの立場で総合的に検討し、対策を進めておるというような現状でございます。
○塩出啓典君 そこで、これは厚生大臣にお伺いしたいと思うのでございますが、海水浴場の基準というものがいままでできていない、それをいまつくりおるというお話でございますが、私はまさかそういうものができていないとは夢にも思っていなかったのでございますが、ほんとうにできていないのでしょうか、いままで。
○国務大臣(内田常雄君) しばしば混同されがちでございますが、基準ということばには、従来個個の排出を取り締まっておりますところの排出基準と、それからそれらの汚染物質の排出によって、水域にいたしましても、あるいは大気にいたしましても、それ全体が人間の健康やら環境の清純さを保持するに足るような行政目標としてきめられるところの環境基準というものと、二つございます。排出基準のほうは、従来もそれぞれケース・バイ・ケースにきめられておりますけれども、環境基準がきめられておりませんでしたので、今度は環境基準としてその目標に達するような行政目標を今回きめると、こういう趣旨で作業をいたしておるわけでございます。
○塩出啓典君 海水浴場というのは、やはり清浄で健康に保たれなければならぬわけであります。ところが、そういう基準がいままでできていないというのは、私は、国民の皆さんがそういうことを知ったら、非常に厚生省は怠慢だとおこるのじゃないかと思うんですね。そういう点で、これは早くつくってもらいたいと思うんですよ。それで、いつつくられるのか。また、今日まで海水浴場はこういうところまで保たなければならないということをきめてないというのは、どういう理由できめてないのか。あるいは、そういうものをきめぬほうが、縛られるからきめないほうがいいというのか。あるいは、きめるにしても、やはりいろいろ各省庁の協力を得なければなりませんので、そういう点できめてないのか。その点をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(内田常雄君) 大気、空気中に亜硫酸ガスが全体として幾らでとどまるべきであるとか、あるいは一酸化炭素が幾らでとどまるべきであるとかいうような環境基準は、昨年から実はきめられておるわけであります。ところが、水に関しましては、個々の排出を規制するやり方はやっておりますけれども、水域全体として、川について、あるいは……
○塩出啓典君 海水浴場のことを言っておる。
○国務大臣(内田常雄君) 海水浴場——海でございます。その川について、湖水について、海についての、全体の行政目標としての環境基準は、いま経済企画庁を中心としてやっておりますことは、お聞き及びのとおりと思います。そこで、厚生省といたしましても、その中におきまして厚生省が当然担当すべき分野の大腸菌等につきましての環境基準の中に設定すべき基準値というものを、今回、経済企画庁のほうが主催する水質審議会のほうに持ち込むと、こういう段階になってきておる、このように御理解いただきたいと思います。
○塩出啓典君 いままでなぜきめなかったかということを聞いておる。ちょっと答弁が……。
○国務大臣(内田常雄君) これは、大気は一つでございますが、水域は、川が何百本もある、あるいは湖水が山奥の湖水もあれば近くの湖水もある、海にいたしましてもそれぞれの地域に沿う海がありまして、したがって、全体の川に通ずるような環境基準全体の改善なり、あるいは湖に通ずるような意味の環境基準というものは、これはなかなかできにくいわけであります。そこで、今回、これは経済企画庁長官のほうからお話があるべきでありますが、それらも整理をいたしまして、どの川にもどの湖にも全部共通であるべき環境基準と、それから川や湖や海岸によってそれぞれそれらが利用される目的に従っての環境基準と、何本立てかの複数立ての環境基準と、そういう複雑な過程を経て環境基準がいまきめられることになりまして、おそらく、それは、これも経済企画庁長官からお話があったと思いますけれども、ごく最近の間にきめられる段取りが進められているはずでございます。
○塩出啓典君 わかりました。いままで海水浴場の基準等がきまっていないのを、いま検討しておるということで、すみやかにひとつお願いしたいと思います。 そこで、この問題は、ただ厚生省だけやれといっても無理だと思うんですね。やはりほんとうにできる基準でなければならない。そのためには、工場排水についての通産省、あるいは運輸省が当然協力をして、国民のために健康な海水浴場を保つための基準をつくってもらいたい。そういう点で、通産省、運輸省、ひとつ御協力していただけるかどうか。
○国務大臣(宮澤喜一君) いわゆる生活に密接した廃棄物の処理というものと産業系の廃棄物の処理というものは、おのずから処理の手法が違ってこなければならないと思いますので、そういう廃棄物の処理についての手法をいま工業技術院のほうでも研究をいたしておりますが、そういう形で私どもも海水の汚濁を防ぐということに全面的に協力をいたしたいと思っております。
○塩出啓典君 どうも、いまの答弁も、私の聞いたところと全然別なことを……。
○国務大臣(橋本登美三郎君) これはもう塩出さんの御高見どおり、思い切ってやらなくちゃいけませんし、また、大蔵大臣も、先ほど、運輸大臣の意向に対しては全面的に協力すると、こう言っておりますから、御期待に沿うようにわれわれはやりたいと思っております。
○委員長(堀本宜実君) ちょっと速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(堀本宜実君) 速記を起こして。
○国務大臣(宮澤喜一君) 協力いたします。それでございますから、その基準を守るためにどうするかということを申し上げたわけでございます。
○塩出啓典君 わかりました。どうも失礼いたしました。 それでは、原子力発電所、これは現在二基運転しておりますが、将来も非常にふえてくると思うのでありますが、そういう点で、発電所から出る廃水の放射能による海水の汚染の問題、これを科学技術庁としてはどのように管理しているのか、お聞きします。
○国務大臣(西田信一君) 原子力発電所から出ます放射性の廃液の処理の問題でありますが、これは二つに分けて処理をいたしております。 その一つは、放射性物質の濃度の高い廃液、これは一定の基準値がございまして、それ以上のものでありますが、これは固形化いたしまして、そして固形化した後廃棄物処理場にこれを保管いたしましてそして処理をする、こういうやり方をいたしております。 それから一定の基準値以下の濃度の低いものでありますが、これは大量の冷却水で稀釈をいたしまして、そうして希釈した後放射性物質の濃度が法令——法令と申しますのは、原子炉規制法等をさすのでありますが、それ以下であることを確認をいたしまして、そして海に放出をいたしております。なお、この法令に定められますところの基準値でありますが、これは国際的に権威のある国際放射線保護委員会というのがございまして、その委員会がきめております基準でありますが、人間が毎日飲み続けても安全である、こういう値でございます。したがいまして、これを海に放出いたしましても安全性は確保されておると思います。 また、発電所は、保安規定に基づきまして発電所周辺の海水を採取いたしまして、その放射能を測定して、廃水によるところの影響がないことを確認すると、こういう手段をとっております。
○塩出啓典君 それで、私は企画庁にお願いしたいわけでございますが、個々の設備の廃水は管理しても、これからどんどんたくさんの設備がふえてくれば、影響は倍加されてくると思います。特に瀬戸内海は潮の流れがおそいわけで、いま瀬戸内海にも原子力発電所のそういう設置の予定をいろいろ検討されておるようでございますが、そういうところ等を特にやはり検討していかなければならない。そういう点で、個々の規制ではなくして、やっぱりある程度のそういう環境基準のような全体にそういう規制も将来は設けていかなければならないのじゃないか。きょうの新聞にも、原子力発電について放出放射能はゼロにせよ、そのように米国の放射研究所の専門家が警告をしておるわけでございますが、そういう点についてのお考えを聞きたい。
○国務大臣(西田信一君) たくさんの発電所ができれば、一つ一つを規制しても、それが、何といいますか、加算されて非常に影響が出るのではないかということと、もう一つは、瀬戸内海の例をおとりになっていまお尋ねでございました。原子炉安全専門審査会というのがございまして、原子力発電所の安全性を審査する場合に、発電所付近の海の状況、海象、あるいは他の原子力発電所によるところの放射性の廃液の影響、こういうものを十分考慮いたしまして審査されることになっておるわけでございます。 そこで、具体的な例として瀬戸内海の沿岸についてお尋ねがございますが、現在、瀬戸内海沿岸について原子力発電所の計画なり申請なりはございません。しかしながら、将来、もしこういう瀬戸内海沿岸に申請がございました場合におきましては、ただいま御指摘の事項につきましても十分に考慮をいたしまして、その海域の状況に相応した安全性を確保する審査を行なうこのようにいたして、御心配のないようにいたしたいと思っております。
○塩出啓典君 最後に、この汚染の問題で、これは地元の問題で恐縮でございますが、瀬戸内海に特に関係省庁とも注意を払ってほしい。瀬戸内海は入り口が狭く、そのために、東海大学の渡辺教授の理論的計算によりますと、内海の水が外海と入れかわるには四年から二十年かかると発表しております。したがって、汚染は拡散しにくく、だんだん蓄積されていく。そういう点で、地元経済界等でもこの瀬戸内海の汚染を防ごう、そういう強い要望があるわけでございます。そういう点については通産省、あるいはまた、広島大学等におきましても、この研究を取り上げようとしているわけでございますが、こういう点においてはひとつ文部省、またこういう公害の調査、瀬戸内海の調査等は国全体でやはりやっていかなければならない大きな問題ではないかと思います。そういう点で、本年度は、通産省の模型実験設備も調査費のみに終わったわけでございますが、ひとつ大蔵大臣も来年度はぜひ実行予算を組んでもらいたい、そのことを御要望いたします。
○国務大臣(福田赳夫君) よく連絡を取りまして努力いたしたいと存じます。
○矢追秀彦君 関連して。いまの海洋汚染の問題が出ましたけれども、これは科学技術庁長官とあと二、三の大臣にお答えいただければと思いますが、これから日本が海洋開発をやります上において、どうしても海水汚染をどうするかが重要な問題になりまして、いま塩出委員のほうから質問が出ましたけれども、まず石油を掘る、海底都市をつくるあるいは海上都市をつくる、またレジャーセンター等をつくっていく、これから海の中あるいは海の上にしても、あるいは海の底にしてもいろいろと仕事が行なわれる場合に、石油が出てきた、あるいは工事において海がよごれてきた、そういうふうな場合海水をきれいにしていく、あるいは漁業との関係、どこの庁が、どこの省がこの水をきれいにするという監督権を持つのか。要するに、ここの海域は魚のためには絶対必要なんだ、だから絶対ここは石油を掘ってはいかぬとか、あるいは工事をやる上においてこういうふうにしなくちゃいけない、こういう一番の、要するに海水をきれいにする上においての監督官庁といいますか、それはどこが持っているのか。海洋開発というのは、一応科学技術庁がいろいろやっておられますけれども、科学技術庁がそれだけの権限を持てるのかどうか、それが一つ。それから通産大臣にもその点について、特にこれから大陸だなの開発の問題がありますので、その水をきれいにする上においてどうあるのか。さらに農林大臣にもこの点をお伺いしたい、それから経企庁にもお伺いをしたい。以上です。
○国務大臣(佐藤一郎君) あるいは内閣からの御答弁がほんとうかもしれませんが、水質保全の見地から申しますと、現在はいろいろとばらばらになってきております。工場排水等の水質保全については現在の水質保全法を中心にして、それを受けたところの工場排水の規制の法律その他の実体法でもって規制をしております。それから先ほどからお話のありました、いわゆる油濁の問題、これについては油濁防止法、こういうものでやっておる。あるいはまた、厚生行政の見地からは、一般的に清掃法の規定があるようであります。あるいはまた、港湾の海域につきましてはいわゆる港則法というものがございます。こういうことで、各官庁がそれぞれの所管の法律の実施をいたしておりまして、現在でもまだ一本になったところのものがない、したがって所管も一本にはなっておらないわけであります。まして、いま御指摘のように、大きな海洋開発、こういうような問題になってまいりますと、これは公海との関係等もいろいろ出てくると思います。こういう問題については、内閣としてもこれから取り上げなければならぬ問題だと思うのでありますが、これらの問題あるいは内閣のほうから答弁するのが適当かと思います。
○国務大臣(西田信一君) ただいま経済企画庁長官が答弁されたことに尽きておるのでありますが、現在は農林省あるいは通産省、運輸省あるいは厚生省、それぞれの所管におきまして海水の汚染対策を進めておるところでございますが、御指摘の海洋開発という問題と重大な関連を持つことでございまするから、その意味におきまして、私どももその立場において十分検討を進めてまいりたいと思っております。
○塩出啓典君 それでは、次に水の需給問題についてお伺いしたいと思います。 都市化の進展、消費生活の向上に伴いまして非常に水の需要が急速に増大をしております。また、一方においては部分的には水の不足という現象が出現しておるわけでございますが、厚生省に、上水用水の現在の需給状況、将来の見通しについて御説明願いたいと思います。
○国務大臣(内田常雄君) 現在は水道の年間配水量が約八十億立方メートル、これは上水道だけでございますが、そういうことで、大体それらが対象としておる人口は総人口の七五%というところでとまっております。私どものほうの測定によりますと、昭和五十年ごろにはこの現在の八十億立米というものは百七十億立米くらいにふえるだろう、こういう見方をいたしておるのでありまして、したがって、給水人口も七五%でとどまることなく、これからさらにこの残りの二五%を埋める努力をいたしてまいらなければならないと考えております。
○塩出啓典君 現在不足している、部分的に不足しているところはどうですか。
○政府委員(金光克己君) 水が不足いたしまして断水あるいは減水等の処置をとった上水道は、昭和四十二年度で二百七十八施設でございますが、昭和四十四年度で地域別に特に不足した地点を申し上げますと、広島県では、たとえば尾道市とか因島が給水制限をいたしております。それから長崎県、これは長崎市でございますが、六時間給水ということで昭和四十四年十月から四十五年の三月まで実施いたしております。それから佐賀県三カ所、愛媛県二カ所、香川県一カ所、大分県一カ所、以上のような状態でございます。
○塩出啓典君 工業用水についてはどうなっているのか通産省にお聞きします。
○国務大臣(宮澤喜一君) 工業用水は大体大づかみに一日いま六千万トンとお考えくださればけっこうでございます。
○塩出啓典君 将来の見通しもお聞きしたがったのですが……。
○国務大臣(宮澤喜一君) 一応昭和五十年に一億二千万トン、六十年にはその倍と見込まれておりますが、見込みのほうは多少過小評価であるかと思います。それは御承知のように、回収率が高まりましたら、あるいはそれでいけるかと思います。
○塩出啓典君 続けてお尋ねしますが、工業用水でいま不足しているところはございますか、部分的に。
○国務大臣(宮澤喜一君) 大きな工業地帯はほとんど不足しておりまして、不足しておりませんのは中京地区、名古屋周辺だけと、極端に申しますと、そういう状況でございます。
○塩出啓典君 いま工業用水、あるいは上水道水につきましては、将来急速な伸びが見込まれておるわけでありますが、すでに現在でもかなり部分的には不足しておる、そういう点では私は経済企画庁にお伺いしたいのでございますが、将来の水の需要供給についてはどのようなお考えを持っておりますか。
○国務大臣(佐藤一郎君) 長期の見通し、相当長期にわたる見通しにつきましては、いまお話がありましたように、関係各省においてそれぞれの長期の見通しを立てておりますが、私どもといたしましては、さしあたっての長期見通し、全体としての総合的な見通しについて、いまちょうど調査を実施中であります。これがまず本年中にまとまると思っております。
○塩出啓典君 それで経企庁のほうはまだそういう需給見通しがいま調査中とのことでございますので、ひとつすみやかにお願いします。 そこで建設大臣にお伺いいたしますが、建設省は、一昨年九月発表しました広域利水計画調査中間報告によりますと、昭和六十年度には関東、近畿、山陽地域では、河川の限度一ぱいまで開発してもなお水不足が心配されると述べておりますが、建設大臣はそういう限度一ぱいまでの開発ははたして可能であるかどうか、お願いします。
○国務大臣(根本龍太郎君) お答え申し上げます。 非常にこれはむずかしい情勢にございます。と申しまするのは、上流地区にダムをつくりまして、それでここを保水しないとできないのでありまするが、このダムをつくるときにあたって、地域的な利害関係と生活感情がからまっておりまするので、非常にいまでも苦労しているのでありますから、さらに今度この首都圏地帯の水開発をするとなると、どうしても例の岩本ダム等の重大な問題に取りかからなければなりません。そうなればなるほど非常にむずかしいので、今後の開発には地元の皆さんの非常な協力を得なければ非常に困難であると申し上げる次第でございます。
○塩出啓典君 地元の方が非常に反対をするために、いまダム建設も困難に面面をしておる、そういうお話でございますが、これはどういう点に原因があるのか、これは群馬県の八場ダムとか草木ダム、栃木県の川治ダム、埼玉県の滝沢ダム、非常にたくさんのダムが難航しておるのでありますが、その原因はどこにあるのか、また、これをやはり今後解決していくには、建設省としてはどう考えておられるのか、その点をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(根本龍太郎君) それぞれの地区におきまして主張される点は、特殊な理由もあるところもあるようですが、共通しておるところは、やはり自分たちの生活環境が非常に変わってくる。水没したり、あるいは自分たちの生活の根拠が失われるということに対する不安感、こういうものが一番大きな共通点であろうと思われます。したがいまして、単に用地補償、あるいは家屋移転補償等だけで、なかなかいまむずかしい段階に来ておると思うのでございます。そこで、そういうところにつきましては、できるだけ地元の方々の御意見も聞き、そうして建設省のみならず、あるいは他の通産省なり、あるいは農林省とも協力をして、集団営農団地をつくるというようなことも考えなければならない場所もありましょうし、ある場所においては工業団地みたいなものを誘致して、それとのからみ合いでやるとか、あるいはまた、そこまでいかなくとも、自分たちにある程度の代替地を出してもらえば自発的にやるとか、いろいろな条件があるようでございまして、それぞれの条件に対応して誠意を持って話し合いの上、こういう問題を解決していきたいと考えている次第でございます。
○塩出啓典君 下流では利水や治水などの広範囲の利益が得られるわけでございますが、水没地域では土地や人口が減って、だんだん市町村の行財政水準も非常に低下する。そういう点があるわけですね。それで現在の水資源開発促進法は、具体的なそういう水源地対策がなくて、わずかに水没地域の公共補償が行なわれているにすぎないわけであります。そういう地元の皆さんの意見は、将来の生活についてのそういう法的な保障が何もないじゃないか、そういうような点で、やはりこの水没地域の住民の生活を保障するための水源地域開発法をつくってもらいたい、そういう意見がある。これは全国知事会においても強く要望し、試案まで昨年できておるのでありますが、私はやはり将来の水の需給問題を考えるときに、やはりそういう制定が必要じゃないか、そのように思うわけでございますが、これは建設大臣と企画庁長官の御意見をお聞きしたいと思います。
○国務大臣(根本龍太郎君) 御指摘のとおり、全国知事会議から私のほうに要望のあったことはよく承知しております。それにはそれなりの理由がございまするが、御承知のように、このダム地点の条件がそれぞれに非常に違うのがあるのでございます。そこで一つの法律にして、その法律で画一的にこれをやるということは、はたして実際上いいかどうか、また、こういうような立法は関係者との関係でなかなかこれは立法技術上むずかしい点がありますので、いま検討はいたしておりまするけれども、当面はむしろ、先ほども申し上げたような具体的な御要請事項をどうしてこれを充足するかということが考えられなければならないと思っております。ただ、あとで御指摘になるかもしれませんが、例の琵琶湖の開発等については、その立法措置は講じませんけれども、実質上は経済企画庁を中心といたしまして、あの地域の広域的な開発計画を調査をして進めておるわけでございます。それと水資源の開発、これを関連さしてやっておるわけでございまするから、私は法律で規定するよりも、むしろそうしたやり方のほうが実際的ではなかろうかというように考えている次第でございます。
○国務大臣(佐藤一郎君) 後進地域の開発ということは、水源の開発あるいは治山治水、それとともに水源地域について当然考えなきゃならぬ問題であります。この関連工事につきましては、私たちもできるだけこれを促進してまいりたい。ただ、いま建設大臣のお話がありましたように、いろんな地域立法が重なったり、現在各種の法制がございます。たださえ錯雑しておるところを、またさらに屋上屋を架するように制度をつくるよりも、実際の運用によりまして、そしてこの関連工事等を十分に充実してまいる、こういうほうが実効的ではないか、こういう考えにいま立っております。
○塩出啓典君 それでは今後の水源開発、いろいろな問題があると思いますが、ひとつ建設省あるいは経済企画庁の御努力をひとつお願いいたします。 今後の水源開発のあり方でございますが、アメリカのテネシー河域総合開発事業の中心となった、もとTVA理事長のリリエンソール氏は、資源の開発にとって最も重要な存在は民衆である。TVAの成功は、草の根元の民主主義に基礎を置いたことである、と言っておりますが、今後の水源開発は上水道に重点を置くのか、工業用水に重点を置くのか、企画庁長官にお伺いしたいと思います。
○国務大臣(佐藤一郎君) これは全体の供給の見通し、需要の見通し、こういうものに立ちましてその間を調節をしてまいる。もちろん上水道については、これは欠かすことのできないものでありますから、これは最も優先すべき問題でございます。しかし、工業用水もこれまた重要な問題でございまして、これを欠くことも、これまた産業の維持からいっても問題でございます。結局全体の需給を見合いまして、そしてできるだけ需要の配分に際してはその目的を達成しますように調整を心がける。これ以外にはないと思っています。
○塩出啓典君 次に水道料金についてお伺いしたいと思いますが、これは政府委員の方でもよろしゅうございますが、上水道料金が全国の市町村でかなりの違いがある。そういう声が出ております。全国で一番高いところと安いところはどうなっておりますか。
○国務大臣(内田常雄君) 一番安いところは、たしか長野県の上諏訪町で一立方メーター当たり八円ぐらいのはずでございます。一番高いところは岡山県のたしか興除村といいますか、そのあたりで約十倍ぐらい高い一立方メートル当たり八十円ぐらいと記憶いたしております。
○塩出啓典君 八十七円。
○国務大臣(内田常雄君) 八十円以上と記憶いたしております。
○塩出啓典君 工業用水の場合はどうなっておりますか、通産省にお伺いします。
○政府委員(柴崎芳三君) 工業用水道の料金についてお答えいたします。 工業用水道には、補助対象の補助事業と起債単独でやります起債単独事業と二つ種類がございまして、補助対象事業につきましては一応基準料金を政府側と地方公共団体との間でいろいろ相談いたしてきめる体制になっておりまして、一番高いのが八円五十銭、これはトン当たりでございます。一番安いのが四円ということになっておりますが、起債単独の場合にはこれより若干高い料金が存在しております。
○塩出啓典君 そこで私、厚生大臣にお伺いしたいんでございますが、工業用水の場合は最高地が最低地の約二倍、上水道水の場合は最高に高いところは最低地の十倍。人間にとってなくてはならない水が全国によってこんなに差があるということは、私はどういうわけでこんなに差があるのか。これではたしていいのかどうか、お伺いします。
○国務大臣(内田常雄君) 上水道と工業用水道とは同じく水道でございますけれども、これは一律に論ずることはできない幾つかの事情がございます。その第一は、上水道のほうはまず浄水池とか、あるいは消毒装置というものが必要でありますので、それだけコストがかかりますし、また川の下流等から引いてくるというようなこともできませんので、相当遠くに水源を求めるという場合もやむを得ないようでございます。それだけ高くなる場合もございます。さらにはまた、料金などの徴収体制が、上水道の場合には個々に徴収しなければならない、工業用水の場合にはその趣が違うというような事情もございますので、同じ水でありましても、飲む水と工業用水とはそういう面が違いますので、そこで料金もかなり開いてくるようでございます。したがってまた、飲む水に関しまする限り、非常に都合のいいところは安いコストで引いてまいって供給するけれども、都合の悪い、先ほどの岡山県興除村のような場所におきましては、干拓地であって、水源を求めるのに非常に大きなコストがかかるというような事情もありまして、上水道相互間も非常に開く、こういうようなことと心得ております。
○塩出啓典君 厚生大臣は、工業用水よりも上水道水のほうが設備にもいろいろ金がかかるとか、高い、そのことはやむを得ないにしても、工業用水の場合はあまり差がないわけですね、全国的に。上水道水の場合は十倍の差があるわけです、同じ人間でありながら。私はやはり国民の皆さんに、水道を供給する厚生大臣の立場として、こういう問題でいいのかどうか、こういう問題は直そうという気持ちがあるのかどうか、その点をお聞きしたいわけですよ。何も工業用水が安いという弁解を聞くつもりじゃなかった。
○国務大臣(内田常雄君) これはまあ飲む水でございますから、またなるべく私どもは国民に水道の水を飲んでもらいたいと思います、衛生的な見地から。そこで非常に遠くから水を引かなければならないような場合には、従来はもう大体これは市町村の事業になっておりましたのを、水源開発事業でありますとかあるいは広域水道事業といったふうに、市町村の上に立ちますところの府県が水のもとを開発したり、あるいは市町村の人口まで持っていって水のおろし売りをする、そのために相当府県のほうでも負担をしてもらう。また国のほうからも府県に対しては助成金を出すというようなことをやるべきだということで、これ三、四年前からそういうことを始めておる次第でございまして、私どもの念願は、塩出委員が希望せられるところに何とか到着したいということで努力をいたしておるところでございます。
○塩出啓典君 岡山県の興除村が日本一、その隣の藤田村がトン当たり七十三円で日本第三位であります。現在広島県の下蒲刈島、大崎島方面は水の不足が深刻な問題になっておりまして、現在広島市内の太田川から水を引く計画を立てております。これは企画庁長官にお聞きをしたいと思うのでありますが、ところが、住民が使用する場合はトン当たり百円以上になるために住民が反対しているわけですね。そういうわけで、私は今後そういう水資源の開発が困難になれば、百円以上になればここが日本一になるわけでありますが、やはりどんどん上がっていく。やはりそういう点で水道料金というものはある程度までは、限度以上のところは限度以下に下がるように国の援助をすべきじゃないかと思うのですよ。先ほど企画庁長官は、工業用水よりも上水道水のほうを優先するとはっきり言われたわけですから、そういう点からいくと、私はどのようにお考えか、それをお聞きしたいと思うのです。
○国務大臣(佐藤一郎君) 御存じのように、いま厚生大臣からお話がございましたが、昔は、今日まで、比較的最近までは上水道というものは、まあお米みたいなものだということで、これについては特別の、むしろ逆に助成をしないで、そうして市町村財政を中心にしてやってまいる、こういうたてまえできたわけでございます。それがなかなか、いま御指摘のようにだんだんと高くなってまいりました。そういうことで、まあこれからは開発費がおそらくますます高くなるんじゃないかと、こういうふうに思います。そうした上水道について、いままだ全面的な対策というものは率直に言って立てられてない。できるだけ低利の資金を融通して、そうしてそれに対して何がしかの助成を行なってやるという程度のことになっています。これは本来、結局においては地方財政につながる問題であります。でありますから、これを地方財政全体の一環として片づけるか、それとも水道事業だけを取り上げて、そしていま御指摘になったような補助問題その他でこれを解決するか。これはいろんな解決方法があろうと私は思います。まあいずれにしましても、ますます開発単価が高くなってまいることは確かでありますから、これをどういうふうにとらえますか。これは全体の家計消費、生活費との問題でもありますからして、一がいにこれだけをとらえて、すぐどうするということを私もいま考えが浮かびませんけれども、まあ御指摘のようにだんだん高くなってくる。そういう意味においては、これらについてさらに検討が必要になってくると、こういうふうに感じております。
○塩出啓典君 さらに検討が必要である——検討していただくということと拝して、次に移りたいと思います。 大蔵省にお聞きしたいと思うんでございますが、この上水道水と、それから工業用水道に対する政府のいわゆる財政援助、これはどうなっておるのか、御説明願いたい。政府委員、どなたでもけっこうです。
○国務大臣(福田赳夫君) 上水道も工業用水も、これはまあ原則としてその企業者の負担と、こういうふうにしております。上水道のほうは、これは自治団体が基本的に担当すべき仕事であると、そういうことで従来は援助は国の予算面ではしておらなかったんです。しかし、いまお話もありましたように料金がまちまちであるという問題も出てくると、非常に使用料が高いというような場合、あるいはダムの建設が大規模で、その自治団体の手に負えぬというような場合だとか、そういうようなごく特殊の場合に補助をするというたてまえ、また工業用水につきましても、それぞれその工業用水の工事の難易、そういうようなものを考えまして、これも補助をするというふうにいたしておりますが、しかし国の援助は、予算上の援助はいたしませんけれども、財政投融資というか融資の面ではかなり広範な協力をしていると、こういう現状であります。
○塩出啓典君 金額をどなたかに御説明願いたいと思います。
○政府委員(鳩山威一郎君) 数字につきましてお答え申し上げます。 上水道の一般会計の予算におきましては、水源の開発の施設の整備と、それから水道の広域化の設備、それから従来からの、古くからやっております簡易水道の施設で、この水資源の四十五年度が三十五億九千九百万円、対前年度十五億一千二百万円増でありまして、それから簡易水道が三十億八千二百万円、対前年度九億八千一百万円の増加でございます。これに対しまして工業用水の補助は本年度百一億円でございます。対前年度二十七億二千万円の増加でございます。 それから、上水道の起債につきましては、四十五年度政府資金が八百二十億円、公募資金が七百二十億円、合わせまして千五百四十億円でございます。
○塩出啓典君 この工業用水、それから上水道水にいろいろ政府から補助金が出ているわけでございますが、この補助金のいわゆる計算方法、基準というものを御説明願いたいと思います、簡単に。
○政府委員(鳩山威一郎君) 最初のこの水資源の施設の整備でございますが、これは四十二年度から大規模なもの、それから先行投資になるとかいうようなもの、あるいはまた原水単価が著しく高くなるというもの——ダムをつくったりして水を引くというようなものの建設費につきまして、国庫の補助三分の一を出すという制度をつくったわけでございます。それから広域水道の建設費につきまして国庫の補助四分の一を出すことにいたしまして、これは一般会計から補助をいたしておるわけでございます。 それから、従来の簡易水道事業につきましては、設置の市町村の財政力に応じまして、三分の一ないし四分の一の国庫補助を行なっているわけでございます。 それから、工業用水につきましては、地盤沈下のために水を引かなければいけないとか、あるいは産業基盤の整備という観点から必要な場合に限りまして補助をする。なお原価が、一定の事業料金を考えまして、その採算割れと申しますか、そういったものの部分に対しまして補助をする。こういったことでやっておるわけでございます。
○塩出啓典君 そこでいまお話がありましたように、工業用水の補助金は、まあやはり八円五十銭なら八円五十銭、そういう料金をきめて、それ以上高くならないように必要な金を——やはり補助を出しているわけですね。ところが水道の場合は、そういうことと関係なしに、三分の一とか四分の一とかですね。だから極端に高いところがあるわけです。私はやはり、ほんとうに工業用水も大事かもしれぬけれども、もちろん上水道水も大事ですから、そうなればやはり工業用水と同じように、最上の料金をきめて、それでやっぱり赤字になるようなら、その分はやはり補助をする。そのように私は持っていくべきじゃないかと思うのですけれども、そういう点、厚生大臣どうですか。
○国務大臣(内田常雄君) まあ、そういうことができれば、私のほうは一番ありがたいわけでございますが、そうもなかなかいかないようでございます。(「どうして」と呼ぶ者あり)そこでこれはもう、できるだけコストは高くても安く供給できるように、コストのほうに補助金を出してもらう。また、コストのために起債の条条を緩和してもらう。さらにいま、どうしてというお尋ねがございましたが、この上水道につきましては地方公営企業としてやっておりまして、大体独立採算制度というもののようでありますが、しかし私は、それがいま御要望がありましたように、料金が高い場合にはいまもやっているようでございますけれども、一般会計から公営企業のほうの会計に、コストが高い場合——一定以上にコストが高くなる場合には、繰り入れをしてもらうというようなことを、いまでき得る限り実はやっておるところでございます。鳩山主計局長からもお話がありましたが、実は水道に関すること——上水道に関しましては、昭和四十五年度の国の補助予算は四十四年度の倍まではいきませんでしたけれども、大体七、八割ぐらいの増加の予算を実は組んでもらった。こういうような状況もありますので、御趣旨には私どもも賛成でございますので、でき得る限りコストを低める方向に努力を続けてまいりたいと思います。
○塩出啓典君 工業用水道の補助金は三十一年度から始まっておりますし、上水道の場合は四十二年から、まあごく最近。だからいままでの補助の累計を見れば、ものすごい大きな差になると思うのですね。厚生大臣も上水道のほうが金かかるというのですから、ほんとうは金かかるほうによけい金を援助しなければならないのですね。今年度だけ見てもやはり三十五億対百一億ですから、そういう点では、私は工業用水については、ある程度やはり大蔵省から金出したから、通産大臣ができたと思うのです。厚生大臣はそういう点で私は通産大臣よりも熱意が足りない。何だかんだ言っても、とにかく料金が高いというその事実が直らぬ限りは——非常に言い方よくありませんけれども、やはり私は真剣にひとつやってもらいたいと思うのです。おそらく問題はお金の問題でございますが、そういう点、ひとつ大蔵大臣どう考えられますか。私はやはり人間中心から考えて、あまりにもこう十倍の差というのはひど過ぎると思うのですけれども、どうでしょうかね、その点。
○国務大臣(福田赳夫君) 飲み水につきましては、これは地域社会の責任者はこれを責任を持ってやらなきゃならぬ、こういうことから、零細ないわゆる簡易水道、これは格別でございまするが、いわゆる上水道につきましては国は補助をしない、こういうたてまえでずっとやってきておるのです。これは中央と地方との財政調整という問題にもつながってくる問題で、そこだけの立場から考えることのできない問題です。しかし、非常に料金が高率になりそうだというようなところでありますとか、大規模なものでありますとか、あるいは広域にまたがっておる問題であるとか、特別なものにつきまして、まあごく最近、四十二年ですか、四十二年度からこの補助制度を始めた。どこまでもこれは地域社会のこの維持管理の責任のある自治団体が責任を持ってやる、こういうたてまえをとっておるわけです。これに反して、工業用水のほうは、これでできる工業製品のコストと関連をしてくるわけでありまして、あるいはそういう地域に対する、工業地帯の奨励とかあるいは当該工業自体の育成とか、そういうような意味も込めまして、前々から工業用水補助という制度をとっておる、こういう状況でございます。いま関係各省間で問題になっておりますのは、その補助の率の問題よりはその補助の量の問題、これがいつも問題になるわけでありまするが、今後ともそういう考えでやっていって別に支障はあるまいと、かように考えております。
○塩出啓典君 ひとつ厚生大臣、この点、私も前向きにそういう点は真剣に考えていただきたいと思います。極端に高いところは何とかひとつ。結果においてあまりこの差があるということはよくないと思います。その点をひとつ御要望いたします。 次に、水不足の解消策の一つとして考えられるいわゆる海水の淡水化についてお伺いしたいと思います、大蔵省に。本年度のそういう海水の淡水化に関する研究を、通産省、厚生省、科学技術庁、専売公社等でやっておられると聞いておりますが、四十四年、四十五年度予算は大体どうなっておりますか。
○政府委員(鳩山威一郎君) 数字のことにつきましてお答え申し上げます。通産省の予算におきましては、開発費との関係でございますが、四十五年度六億五千七百四十二万円でございまして、前年度は二億円でございました。そのほかに臨海試験所の施設として四十五年度に一億九千九百万円がございます。以上でございます。
○塩出啓典君 各省のをお聞きしたいのです。通産省だけではなくて、厚生省、ほかの省わかりませんか。——じゃよろしゅうございます。 厚生省にお聞きしたいのでございますが、厚生省は海水の淡水化について、四十四年度七十万円の予算で、どんな研究をなさったのですか。
○国務大臣(内田常雄君) 私のほうは海水を淡水化するという装置とか、科学的操作についての研究はいたしません。それは主として通産省の工業技術院、あるいは科学技術庁のほうの研究にお願いをいたしておるわけでありますので、したがって、いまお話がありましたように、数十万円のお金を使いまして、海水から淡水を取った場合に、一体その水質はどういう水質になるか、味はどうかというようなことを委託研究をいたしておるわけでございます。
○塩出啓典君 研究の結果は、味はどうだったでしょう。
○国務大臣(内田常雄君) 率直に申しますと、いまの研究の段階では味はまずいということでございます。その理由は、たとえば酸素の溶解量でありますとか、あるいは、水中に溶解されておる物質がなくなってしまうので、味はまずいと、こういうことのようでございます。
○塩出啓典君 通産省にお聞きしますが、現在工業技術院で研究しておる現状における淡水単価はどれくらいか、将来の見通しはどうか。製造単価でございますが……。
○国務大臣(宮澤喜一君) 工業技術院で大型プロジェクトで研究をやっているところでございます。そこで、いま現実に淡水化をやっておりますのは、御承知のように池島鉱業所と、それから姫路の火力の関係でやっておりますが、いろいろ計算があると思いますが、一般に百円くらいと言われておりまして、私どもは昭和五十年に三十円にしたいということを作業目標にして、工業技術院で大型プロジェクトでやっております。
○塩出啓典君 原子力発電の余熱を利用して、海水を淡水に変える研究を日本原子力研究所でやっておると見たわけでございますが、これについて科学技術庁から御説明願いたい、見通しはどうですか。
○国務大臣(西田信一君) お話のとおり、日本原子力研究所におきまして動力試験炉の利用の一環といたしまして、海水の淡水化の調査をやっております、特別の予算はちょうだいしておりませんが、原研の予算の範囲内においてやっております。現在までの調査によりますと、現在日本原研でつくっております炉、この炉の利用によりまして、日産、幅は少しあるのでございますが、三千トンないし一万トンぐらいの程度の真水を生産することが技術的に可能である、こういう見通しでございます。ただ、これは技術的に可能でございまして、経済性等につきましてはまだ十分な見通しは得ておりません。先ほど通産大臣からもお話がございましたが、現在他の方法によりまして淡水化しているものも相当高い、百円ぐらになっておるようでございますが、そこで、日本原子力研究所としてのこの研究を、さらにこれを実施に移すかどうかということにつきましては、製造された水、真水の利用の方法とか、それからまた、ただいま通産大臣がお話しになりました、通産省が実施されておりますところの大型プロジェクトによるところの海水脱塩の研究、これらとの関連もございますので、十分検討していきたいと存じます。ただ、また海外におきましても原子力発電余熱によるところの淡水化というのは、これは実用化された実例はないようでございます。将来、さらに経済性等につきましても、もう少し検討する必要があるかと考えております。
○塩出啓典君 専売公社にお尋ねしますが、専売公社は製塩をイオン交換樹脂膜でやる方法に順次移っていると聞いておるわけでございますが、海水から塩を取ることと海水の淡水化を結びつければ、淡水化のコストは安くなるのではないか、そういうような研究をしておるかどうか、お聞きいたします。
○説明員(佐々木庸一君) お答えを申し上げます。 専売公社は製塩の面から研究をいたしておるわけでございますが、海水の淡水化の方法は、海水の濃縮化と申しますか、濃い海水を取ります術技にも利用できる面がありますものですから、海水淡水化に使われておりますフラッシュ蒸発法でありますとか、ハイドレート法、逆浸透法というようなものを研究しておるわけでございますが、なおこのほかに研究段階——八年ぐらいかかりましたけれども——研究段階を終えまして実用化に入っておりますイオン交換樹脂膜法という方法がございます。現在でもこの方法によりまして、四十四年度におきましては、若干推定が入りますが、二十一万トンくらいの塩を現実につくったろうと推定しておるわけでございますが、この方法によりますと、塩を取りましたあとの水という問題が出てくるわけでございますが、現在のところのイオン交換樹脂膜法におきましては、海水のうちに含まれております塩分の三分の一程度を利用するにとどまっておりまして、塩を取りましたあと、廃水となります分につきましては、まだ三分の二の塩分を残しております。これを淡水化するには、理論上は別といたしまして、現実の問題としましてはたいへん無理であろうと見ておるわけでございます。 ただし、先生も御承知と思いますけれども、外国では、地下水の塩分のわりに低いものを淡水化します場合に、この方法によっておる例はあるわけでございますが、海水に含まれております塩分の十分の一ほどの含有量のものについて適用されておる例が、一番高い塩分について適用されておる例ではないかと私どものほうの技師は見ておるわけでございます。ただし、これもかなりコストはかかっているのではないかと見ておる次第でございます。
○塩出啓典君 経済企画庁長官にお聞きしますが、京都大学では海水からウランをとる研究をやっておるというようなことを新聞で見たのでございますが、いずれにしてもそういう海水から取るものがあれば原価は安くなると思うのですね。そういう点で、やはり海水の淡水化も総合的にやっていかなければいけない。アメリカでは塩水法というのができまして、法律をつくり、塩水局をつくってそうしてかん水の淡水化の研究を総合的にやっております。わが国も将来に備えて体制を整え、もっと強力に推進すべきではないか、こう思うわけでありますが、企画庁長官のお考えを伺いたいと思います。
○国務大臣(佐藤一郎君) 先ほど工業技術院の話が出ましたが、大体五十年度ぐらいまでに五十億ぐらいの金をかけて、いま技術化、実用化の研究をやっておるところでございます。なかなかむずかしい問題のようでありますけれども、できるだけそうした方向を極力進めてまいる、これは私もぜひ今後の水の需要の見通しからいいましても、ぜひこれをやっていただきたい、もしこの道が解決できれば、これは非常にわれわれにとっても大きな幸いであると思っております。
○塩出啓典君 現在いわゆる島々においては非常に地域的に水が不足をしておる、こういうところは本土から水道を引くと非常にコストが高くなるわけですね。そうなりますと、かなり海水を淡水化したコストにも近くなっていくわけであります。私は、そういうところはかん水の淡水化の施設の設置を推進すべきじゃないか、少々高くても、それをどんどんつくればそれによって技術も進歩するのじゃないかと思うのでありますが、上水道を担当する厚生大臣として、そういうのを推進していくことを検討する決意があるかどうか。
○国務大臣(内田常雄君) これは、離島には広島県呉の地先でやっておりますような方法で広域水道の施設をいたしますにしましても、非常に金がかかります。しかも、最後に売られる水の値段というものはかなり高価につくということになりますので、これはやはり幾ら金がかかりましても、離島に供給する水については、海水の淡水化の研究をさらに推進をいたしたいと考えるものでございます。
○塩出啓典君 大蔵大臣にお願いしますが、ひとつこの淡水化技術推進の意味からも、またそういう面にはひとつ大幅に財政援助をし、研究の促進もやっていただきたい。これは、先般予算委員会の視察で山口県に参りまして、佐藤さんの地元の山口県知事からも強い要請があったわけであります、そのことを、きょうは総理おりませんので、大臣からひとつよく伝えていただいて、お願いしたいと思います。
○国務大臣(福田赳夫君) 海水の淡水化の問題は、ちょうどエネルギーを原子力に求めるという問題と同じように、これから重大な問題になってくると、こういうふうに私は考えております。財政上もそういうつもりでこの問題に取り組んでまいります。総理にもよく申し上げます。
○塩出啓典君 水は産業の発展、大衆福祉に不可欠でございます。しかし、一県、一市町村の問題ではなく、国が中心となって推進をしていくべきではないかと思います。 将来の推定としては、日本海側が非常に豊富で、太平洋側は水不足の現象が激しくなると考えられております。海水の淡水化も、大量に使うには、まだ本格的に実用化できない現在では、日本海側の水を太平洋側に導入せよなんという、そういう主張をする人もおるわけでありますが、企画庁長官は、こういう問題をどう考えておられますか。
○国務大臣(佐藤一郎君) 各河川の水域の水というものがだんだん不足になってきておりますので、いわゆる広域化——ほかの水系のものを他の水系に呼び入れて、そうしてそれを広域利用する、こういう方向は、いやでも応でもわれわれがとらなければならない道になってくると思うのであります。 ただ、まだ日本海から太平洋にという雄大な計画については、私も実はいま初耳でございます。どうしても水がそこまでしなければうまく利用できないという状態がもしくるとすれば、それはそういう奇想天外な考えも出てくるかもしれませんが、われわれとしては目下のところ、できるだけ広域の利用ということをひとつやはりさしあたっての開発の目途にしたいと、こう考えております。
○塩出啓典君 これは非常にむずかしい問題で、こっちの水をこっちに持ってくるということを言えば、こっちの人は、水を持ってくるのじゃなくて、工場をこっちに持ってこいと、こういう意見もあると思うのです。これはやはり非常にむずかしい問題だと思います。 そこで、私は最後に通産大臣にお聞きしたいのでございますが、やはり将来工場の建設においても、日本全体を見ても、水の将来の需給状況で、不足しているところというのは非常に限られているのですね。そういう点で、水をたくさん使う、使用水量の多い工場の集中を制限したり、あるいは水の再生設備を義務づける等の措置を考えるべきではないかと、こう思うわけでございますが、通産大臣の御意見はいかがですか。
○国務大臣(宮澤喜一君) これはもう先ほど申しましたように、多くの工業地帯において工業用水が不足ぎみでございますから、回収率というのは、再生率というのは非常に上がっておりまして、昭和三十三年に二〇%程度であったものが四十二年には四二%だそうであります。相当高い回収率になっています。なお、そのほかにただいま私どもで調査を行なっていますのは、産業廃水とそれから下水の再生利用はできないかということで、四十五年度予算を計上いたしまして有効利用を調査しようと考えております。
○塩出啓典君 工業立地規制のほうは場所の規制は。
○国務大臣(宮澤喜一君) 立地規制は、実は工業立地の適正化に関する法律というのを一とき御承知のように考えましたが、いろいろな事情でできないことになりました。それでまあこれは新都市計画法の系統で法制的にはいくのが適当なのであろう。まあ新全国総合開発計画の非常に大きな工業地帯は別でございますけれども、そうでないものはあの調整地帯とそれから都市化地域と、そういうことでいくのがいいのではないかと思っております。
○塩出啓典君 水の問題を終わりまして、次に情報産業の問題について、少し基本的なことをお尋ねしたいと思いますが、まあ通産大臣にこの情報産業の育成というものに対する政府の役割りをどのように考えておられるか。アメリカなんかは非常にアポロ計画とか政府のコンピューターの使用、あるいは国防計画、そういう政府機関がどんどんそれを使って、それによって発展をしていったわけでありますが、そういう点は日本は非常にアメリカとも基盤が違うわけであります。いま非常にアメリカとは大きなギャップがあるといわれておりますが、それを育成していくために、政府としてはどういう姿勢でいくのか、その点をひとつお伺いしたいと思います。
○国務大臣(宮澤喜一君) 比較的狭い意味での情報産業をおっしゃったと思いますので、その例に即して申し上げますが、ハードウエアについては、わが国でハードウエアが初めてつくられましたのは、昭和三十二年ごろでございます。それで今日まず五〇%という国産化率をともかくも維持しておりますが、これは世界でも非常に少ない例でございます。大型のものはまだアメリカに遠く及びません。小型のものはかなりよくなってまいりました。そこでこの国産化率を落とさないように、これは自由化等との関係でございますけれども、そのようにこれからも進めてまいりたいと思います。ソフトウエアのほうは、これはごく最近わが国でいわれ始めたばかりでありまして、この点が主としてアメリカの宇宙開発あるいは国防による助成というようなものを、わが国が欠いておりますので、非常におくれておるわけでございます。おそらく十年おくれておるといわれております。ことにソフトウェアの中でも、これに要する技術者あるいは技術者を教えるための技術者等々の教育には、相当時間がかかると考えております。もう一つの問題は、ソフトウエアはまあ値段があってなきがごときものでございますので、この産業に金を貸そうとしましても担保価値が一応ないわけでございます、全くの頭脳的な産物でございますので。そこで、そういうものに国が何かの形で融資なり債務保証ができるような仕組みを考えて育成をしていきたいと思います。そこで、ハード、ソフトを通じまして、自由化についてはしばらくこれは自由化をすることは、幼稚産業でございますから適当でないというふうに考えております。
○塩出啓典君 私は非常にこの情報産業の育成というものに対して政府の果たす役割りは大きいと思うわけであります。そういう点で非常に各省庁が関連する問題でありますが、やはりそういう一つの産業が発展していくそういう基盤というか環境というか、そういうものをやはり政府が整えていかなければならない。そういう中においてお互いに企業が競争していく、そういう形にやはり持っていかなければならないのじゃないか。ただいま私はそう思うわけでして、そういう点はどうでしょうか。
○国務大臣(宮澤喜一君) そのとおりだと思います。ことに人間をソフトウエアに勘定することはよくございませんけれども、そういう意味でなく俗にそう言われますから申すだけですが、やはり教育からこれは考えていかないといけないと思います。
○塩出啓典君 それで情報産業ということばの意味でございますが、これは現在、政府は情報産業という定義はどのようにしておりますか、はっきりしていますか。
○国務大臣(宮澤喜一君) 一番広い定義で申しますと、頭脳の産物を産出し、あるいは処理し、流通させるというのが、一番広い定義だと思いますが、それはたとえば新聞であるとか放送であるとか教育であるとか、あるいは医療、ハード、ソフトウエアはもちろんでございます。それから、その次、中間ぐらいに広い定義は、ハードウエアとソフトウエアを含めたものと思います。一番狭義の場合には、ソフトウエアと情報処理などをいうと思いますが、私どもが普通——まあ普通と申しまして、通例申しますのは、その中間にあるハードウエアとソフトウエアを含めたものを言っておるように思います。
○塩出啓典君 はっきりした定義はまだきまってないわけですね、政府としては。
○国務大臣(宮澤喜一君) 普通、情報産業というものを、電子計算機と切り離せないというふうに考えるのは、私はあまりいい考え方ではないと思うのでございますけれども、それはまあ一つのものの理解のしかたでありまして、政府がたとえば情報処理といったような名前の法律案を提出するというようなときには、ハードウエアとソフトウエアを含めたものを法律上定義を掲げて。そういうものとして限っております。
○塩出啓典君 きょうは時間がございませんので、実は一括してお尋ねしたいと思うのでございますが、行政管理庁長官に聞きたいのでございますが、将来、現在百数十台のコンピューターもどんどんふえてくると思うのでありますが。政府で使うのがですね。そういう点、現在各省庁がばらばらに導入が行なわれてきたためにハードウエア、ソフトウエアの互換性のない点を行政管理庁が指摘しているわけでございますが、そういう点、今後はどういう対策を立てておられるのか、お聞きしたいと思います。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) コンピューターにはなはだ弱いんでございまして、政府委員から答弁させます。
○政府委員(河合三良君) お答え申し上げます。 ただいまの御指摘のとおり、現在の機械の段階におきましては、機械相互の互換性が非常に不足いたしております。そういう点につきまして、これは機械自体の問題でございますと、まさに電子計算機製造の問題でございまして、ハードウェアの間のコンバーターの問題あるいはソフトウエアの間のコンバージョンのシステムの問題、そういう点につきまして御担当の通産省において御検討をいたしておられるというように承っております。 またデータコードの官庁間の相互利用につきましては、これは行政管理庁においても検討いたしております。 また媒体と申しますか磁気テープなどにつきましては、やはりこれは通産省の工業技術院においてその互換性を高めるべく御検討いただいているようでございます。 この問題につきましては、将来の電子計算機の利用の効率化に非常に大きな影響を持っていると思いますので、私どもといたしましてもこれは今後大いに研究、調査、開発すべき分野というふうに心得ております。
○塩出啓典君 大蔵省にお聞きいたしますが、現在政府の使っているコンピューターのレンタル料金、国産の分は超過料金が払ってないそうでございますが、IBMについては超過料金を払っているけれども、国産コンピューターの料金は払ってない、私はやはり国産機を育てる意味からも、払うものはちゃんと払ったほうがいいんじゃないか、政府が超過料金を払っていないというのはあまりよくないと思うのですが、どうでしょうか。
○政府委員(河合三良君) お答え申し上げます。 ただいまの御質問の点につきましては、いろいろの省庁が関連してまいると思いますが、また個々の省庁の問題につきましては、それぞれの予算支出の問題でございますので、個々の問題については、私がお答えすべきじゃないと思いますが、一般的に申しましてレンタルの超過料金につきましては、昭和四十一年度まではそういう支払いの制度がございませんで、四十二年度以降につきまして新たに出てきた問題というふうに理解いたしております。でその際、四十一年度までの契約が更改されませんで、そのままにおりましたために、超過料金が支払われていないようでございますので、しかしながらそういう点につきましては、私ども今後十分に検討すべき課題と心得ております。
○塩出啓典君 文部大臣にお聞きしますが、コンピューターの教育について、今後はもうどんどん大学教育においてそういう基礎教育というか、そういうのをしていかなければならないというふうに考えるのでありますが、大体文部省としてそういう長期計画というのか、そういうのはできておりますか。
○国務大臣(坂田道太君) 高等学校におきます情報処理教育の推進につきましては、学習指導要領の改定にあたりまして、情報処理に関する新科目、新学科の明確な位置づけを行なう方向で検討をいたしております。この改定が実施に移される以前におきましても、同様の趣旨で、情報処理教育を促進したいと考えております。当面は設備、教員等の問題を考慮いたしまして、商業高校及び工業高校にそれぞれ情報処理科及び情報技術科の設置を促進し、これを中心に普及をはかってまいりたいと思っております。また都道府県に、生徒の実習及び教員の研修の中心となる情報処理教育センターの設置を促進することとし、昭和四十五年度予算案に六カ所分一億二千六百七十六万円を計上いたしております。さらに情報処理関係教員の養成のための研修を実施することとして、情報処理教育担当教員養成講座六百六十二万円を計上いたしております。次に大学、短大、高専におきましても、つとに情報処理教育の必要性を痛感しており、従前から関係学部、学科等においてこれを実施してきたところでございますが、昭和四十五年度予算におきましては、一そうの充実、強化をはかることとし、東京工業大学、それから大阪大学、京都大学、電気通信大学、山梨大学の五大学、それから山形短期大学、それから釧路高専、東京高専に関係学科を増設するほか、基礎研究のための研究施設の整備を行なうことといたしております。 また、教官の資質向上のため、国立の大学、高専、短大の情報処理担当教官を先進大学に内地留学——十カ二十五人でございます。させるほか、高専の教官に対し情報処理教育講習会一カ月六十人を開催する予定でございます。
○塩出啓典君 最後に、私、通産大臣にお伺いしたいわけでございますが、先般電通の労働者が、電算機公害を防げと、プライバシーの侵害だとか、そういうようなことを言っているわけでありますが、われわれも将来の社会に対して非常に期待とともに、何となく精的神にも機械に使われるんじゃないか、そういうような不安があるわけであります。私はここで、ほんとうに政府がそういう情報産業の将来というものを、あくまでも人間性尊重のプライバシーを守る世界なんだ、そういうやっぱりはっきりした方針を示すべきじゃないか、そのように思うわけでございますが、そういうお考えがあるかどうか、それをお聞きしておきたい。
○国務大臣(宮澤喜一君) われわれは主としてアメリカに刺激されて、ギャップを埋めるために一生懸命ハードとソフトについてやってまいりましたけれども、実際はコンピューターによってわれわれの社会というものは一変するようなことになるのではないかという、これは一つの期待でもありますが、またややある意味で恐怖でもあるわけでございます。ですから、いまハードとかソフトというのはほんとうに形而下的なことでありまして、これが進んでいって、人間のプライバシーが侵されるとか、あるいは人間疎外が起こるとかいうようなことがいろいろに言われております。で、そういうことをよくよく考えた上で、教育なども含めましてどうするかという問題が確かにあるではないかというのは、私はそのとおりと思うのでございます。でありますから、そういうことを基本的に考える機会あるいは基本的に考えた上での何かの措置というものは、私は早晩要りようだと思っております。
○塩出啓典君 あと二分ありますので、最後に、ガス爆発の件をお聞きしたいと思いますが、その前に、建設大臣より御報告を願いたいと思います。
○国務大臣(根本龍太郎君) すでに通産大臣から今日までの状況報告があったと思います。私は本日五時に出発して六時半に着きました。そうして直ちに現場のすぐ近くにありまする大阪市の現場対策本部に参りまして、大阪市長並びに関係者の皆さんから、今日までの経緯をまず最初に聞きました。で、非常に突発的な不慮の災害でございまして、しかも想像を絶するほどの悲惨な状況であったと思われます。 そこでいろいろの措置がございまするけれども、大阪市長並びに関係者は、何よりもまず罹災者の方々、これらの人々の人道的措置、これが大事だということで、なくなられた方はもとよりのこと、負傷した方、これらの人々をそれぞれの適当なる措置を講ずるとともに、遺族あるいは縁故者の方々の動揺を防ぐために、それに非常に集中して配慮した。私が行ったときには、すでに処理が一応終わったところでございますから、血なまぐさい現状は、だいぶ片づいておりました。しかし現場に入ってみますというと、これはたいへんな爆破が出たという感じを受けたのでございます。しかし、なかなか原因についてはわからないようでございます。私はそれで、まず現場の状況を見ておる技術者の諸君の会同を求めまして、これは市当局は交通局とそれから土木局でございます。それから建設省の地建関係、それからガス関係、これらの技術者の人に一応状況を聞きました。実はこういうようなガス漏れとそれから地下工事との関係で、最近かなり事件が出ておりまするので、建設省は数次にわたりまして、相当綿密な道路局長名をもちまして技術指導をしておるのでありますが、それがやられておるかどうかということを客観的に聞きただしましたところ、おおむねそれは充足しておるのです。非常にこれは関係者皆よくやっているようであります。ところがそれにもかかわらず、あの事件の起こった二日前並びに前日まで、関係者がみんな現場の確認をしておるにもかかわらず、当日の五時二十分ごろ現場で働いておる労務者それから付近の人が、どうもガス漏れがしておるらしいという感じを受けたので、さっそく百十番に電話をした。警察は直ちに今度はガス会社に連絡をする、ガス会社は直ちに修理班と申しますか、その人が来まして、それで現場に入って車を置いて、そうして入って間もなく今度はその車が燃え上がった。そうしているうちに今度はしばらくして少し爆発というところまでは——だいぶガスが出たような状況、ところがそういう現場に来たところの警察官は、まず被害を少なくするために交通遮断をしたらしいのです。ところがあすこは、天六は非常にいろいろの飲み屋とか、いろいろたくさんの人の出入りするところであることと、交通もかなり重複しているところであったために、バスがストップしたところが、バスに乗っておった人が、今度は道路の上で自動車が燃えているから、何事かということで集まってきたらしいのですね。その集まってきたところにこの爆風が出てきて、そのためにああいう惨事が出てきたという状況がどうも事実のようでございます。 そこで一体、なぜそんなに前日あるいは前々日に確認して安全であるということをガス会社も現場の技術者もみな見ておりながら、こういうことが起こったかということを究明したが、それがわからない。そこで、これはかなりの技術的な検討が必要であるということで、警視庁からもガス関係者あるいはその他いろいろの技術者がみな行って、それから建設省も行ってこれから調査するということで、本日の十時から現場検証に入りました。けれども、なかなか、私がその後、十一時半に関係者の方々に来ていただいて聞いても、ちょっとまだまだこれはなかなかむずかしい、こういう段階でございます。 私はここでこういうことを率直に申したほうがいいと思いますから……。実は、私が関係者に集まっていただいて、私の見た感じを申し上げて、参考にしてひとつ前向きで検討してほしいということを言ったのは、かなりの大災害であるために、ややもしますれば相当の膨大な賠償支払いということに頭がきまして、関係者おのおの責任を、悪いことばで責任を転嫁し、自分は完全な管理をしたのだ、だいじょうぶなんだったけれども、どこかに別なことがあるということで、お互いにこういうふうに言われると、この災害の真相を把握することができないで迷宮になってしまうということになると、これは今後たいへんなことになると、こう思いましたので、関係の責任者には、まず、いま現在やるべきことは、この原因を徹底的に客観的に、科学的に究明することに協力してほしい、これが第一点、お願いいたしました。 それから建設当局には、これはいままで政府が指示し、あるいは行政指導したことについては、適当にというか、わりあいに的確に実施しておるけれども、それだからこれで終わったという感じを持ってはいかない。工法これ自身に、いままで安全だということで許可しておった工法において、基本的にこれは再検討しなければならぬということまで考えてみるべきではないか、この意味でこの原因と工法について考えを新たにして研究すべきである。端的に申しますれば、ああいうふうに錯雑したところでやる場合には、いままでとっておったんですけれども、埋没しておるガス管を他に移設して、しかる後工事をやれというふうに、許可をするときに条件をつける。いままでは、なるべくそういうことを、安全の対策をこうこうとれということだけ言っておって、許可条件にしていないのです。まずそれが適当じゃないと思ったのでしょう、したがって、これは発注者である市や都あたりが自分で判定してやる。それを今後は技術の、工法の指定をするということまで考えてはどうか。たとえば、シールド工法をとれ、その条件のもとで許可するということも検討すべきではないかという課題を出しておきました。 それからもう一つは、ガスのパイプが、ジョイントをしっかりしておる、いままでもこれでだいじょうぶだったということで許可しておる。ではなくして、やはり、こういう事態が起こった今日から見るならば、私はあれに被覆をする、鉄管の上に、パイプの中に不燃物質をもって被覆してガス漏れがあってもああいうふうに急激に漏れが出てこないというような、そうしたところの条件つきの、これは通産省で考えていただいてはどうかという課題。 それからもう一つは、今度の事件を見ますと、火をふいてからガスパイプをとめるのに三時間くらいかかっているのですね。私は非常にこれは不思議に思いまして聞いたところが、私がこれは科学知識がなかったからそういう疑問を出したことになったようでありまするけれども、急にあそこのパイプをとめるというと、かえって圧力がかかって、あちこちで家庭で使っておるガスがそのために今度は爆発を起こしてくる。だから、何かゴム風船のようなものをつけて、それで圧力を加減しながらやるために三時間かかった。それはそうかもしらぬけれども、それだということで私は黙っておくことは、いかにも技術開発のされておる今日、そのままにしているということはどうもこれは解せないじゃないか。そういうときにはなるべく、ガス漏れしたならば、もう直ちにその局部的なパイプを閉塞する安全な技術開発というものをぜひこれは早急にやるべきではないか。場合によっては自動装置で警報が発するというところまで、これはやるべきじゃないか。現在は水道とか電力についてはいろいろ被覆もさしておるし、それからまた、電源スイッチを切ればとまる、水道は適当なところでパイプを締めればとまるということになっておるから、それくらいの今度は施設の義務づけも研究すべきではなかろうかというふうに感じまして、率直に申しておきました。 それからもう一つは、警察は非常によくやってくれましたが、まさかあんなふうになるとは思わないものだから、交通規制、これだけやっておる間に実はああいうふうにばっといったために、私は警察本部長にも私の意見を言っておきましたが、ガス漏れの問題については、私はむしろいろいろの問題があるだろうけれども、まず避難命令を下すということ、それから相当の地域について立ち入り禁止地域をつくって、それから措置するというふうな検討も必要であろうということを考えて、これは総合的に研究してもらうように申し上げてまいった次第でございます。
○塩出啓典君 どうもありがとうございました。 最後に、通産大臣にお願いしたいと思うのでございますが、まあ今回このような惨事がございまして、こういうことを再び起こさないようにしていかなければならないと思います。そういう点で、先ほどから当委員会におきましても、大臣から総点検をやられると、そういうようなお話がありました。まあ東京都もやっておるそうでございますが、そういう総点検におきましては工事現場だけではなくて、私はやはりガス管の規格とか取り付けの規格あるいは配管地図とか、また場所によってやっぱり道路下とか、いろいろやっぱりあると思うのですね。古いパイプもあれば新しいパイプもあるわけですから、やはりそういう総合的な総点検を順次やっていく必要があるのではないかと、そのことを私要望いたします。 それで、まあガス事業法、きのうくしくも成立したわけでございますが、これを早く実施してもらいたいという、大体まあいつごろから実施できるのか、その点をお伺いいたしまして終わりたいと思います。
○国務大臣(宮澤喜一君) いま建設大臣が言われましたように、いわゆるよその工事によって変化が起きる場合の、他工事といわれる場合についての、従来、自然に事故が起きないでまいりましたために、いままでだいじょうぶだから今後もだいじょうぶだろうというような一種のマンネリズムがあったと私は思うのでございます。他工事の場合の、いま言われましたような工作物に対しての点検、それから規制、他工事の場合の保安についての点検、規制、これらのことをこの際あらためて考え直してみなければならないと思います。 で、新法を実は半年ぐらいの期間で公布を考えておったようでございます。それはやはり技術的には、技術者が詰めますと、なかなかむずかしいいろいろな理屈があるらしゅうございますが、ともかく、しかし他工事の場合の保安なり規制なりについての部分だけでも早く省令なりで具体化をいたしたい、できるだけ早くいたそうということで、実は今日もそういう指示をいたしましたところでございます。御指摘の点に沿えるように極力努力をいたします。
○矢追秀彦君 関連。 私も昨日急遽現地に行きましてけさ帰ってきたわけでありますけれども、いろいろいま建設大臣はけっこうなお話をしていただきましたけれども、問題は結局二つ今後の対策として考えられる。要するにガス管がどうして漏れたか、絶対漏れないようにはたしていまの建設大臣の言われたやり方でできるかどうか。またそれができるのであれば、いつごろまでにそういう規制をされるか。そこは通産大臣も関係している問題でありますけれども、私が伺っている範囲では、ぶら下げておったぶら下げ方が非常に弱かったのじゃないか。非常に重いですから、そこで下へ下がって、ボルトですか、それがゆるんだのではないか。これはこれから原因調査をされるから明らかになるとは思いますけれども、ああいうぶら下げる、あるいはささえる、それに対する規制がいままであったのか、なかったのか。それはどちらの、通産省のガスのほうの関係がやるべきなのか、建設省がやるべきなのか、その点は責任の所在というものがやはり今後はっきりしていかなくちゃならない。この点についてが第一点。 それからあと、公安委員長、恐縮ですけれども、これは要望ですけれども、ガス漏れが起こってそれから交通規制が行なわれた。しかし、実際今回の事件でなくなった方の大半はいわゆる一般の方々です。作業の人というのはわずかたしか三名だったと思います。特に子供がたくさんけがをしたりなくなっている。要するにみな見に来て、そういう人がなくなっている。交通規制のあり方ははたして手抜かりがなかったのかどうか。今後こういう場合に、いまも建設大臣からも御意見がありましたけれども、公安委員長としてはどういうふうな交通規制をしてやるのか。あるいは、警察だけで全部行き届かないとすれば、いわゆる住民のほうでそういう何か組織をつくるなり、あるいはそれに対して行政指導をしていく必要もあるんじゃないか。その点です。 もう一つは、死体の処置の問題ですが、私はなくなられた方のお悔やみにお寺へ行きまして、実はえらくしかられました。私はいままで相当いろいろなお悔やみとかお葬式とか、そういうところへ行きましたが、今回初めてしかられました。というのは、死体が相当長時間、検視が非常におくれまして、ひつぎに納めて自分の家へ持って帰るとか安置ができなくて、お寺の木の床にそのまま寝かしてあって、上は新聞紙をかぶせてあるだけで、ほんとうに人間を安置してあるというようなかっこうになっていなくて、血も一ぱいたれておりまして、私も行きまして非常に凄惨といいますか、そういう感じを深くいたしました。検視がおくれた理由、やはりこういう検視に携わる体制が非常に現状において弱かったのではないか。いろいろ場所が何カ所も太融寺、それからもう一つ何とかというお寺に分かれておりましたから、たいへんだったと思うんですけれども、今後こういう大量の死者が出た場合の検視の体制はどうあるべきか。非常に家族の方は興奮をしておられました。おまえ何しに来たか、こう言われた。お悔やみに行って何しに来たかと言われたのは初めてです。そういう点ではやはり家族の人はもちろん悲しんでおるわけですから、この点の体制を特に私はきちっとやっていただきたいことを要望いたしまして、関連質問を終わらせていただきますが、それに対する答弁をお願いします。
○国務大臣(根本龍太郎君) いま御指摘のありました件は、従前にこれほどの大きなものでありませんけれども、数次、ガス漏れ等、それから地下工事との関連で起きた事態に対しまして建設省は専門の学者、技術者、それに通産省のガス関係の人々の協議において、いま御指摘になりました工法で、これで安全であるという結論が出たので、それでやらしてきたのであります。ところが、今回行って見て、どうも私はこれで不安を感じたのです。そこで、先ほど申し上げましたように、これは従来はそうであったからということで無過失だということを言い切ることは少し大胆過ぎやせぬか。それで私は、そういうふうな密集地帯であらゆる埋設施設があるところは、そういう姑息なことよりも、むしろシールド工法をとりまして、ずっと地下でやっていくと、そのほうが、これなら安全だとか、ささえたとか何かよりはずっと安全じゃないかと、それには若干のコストアップするようでありまするが、私は、そのほうがむしろコストアップしても、それをやるべきじゃないかということを、私は大阪市長に話してみた。私もそう思うと、こういうことを言っておりました。したがって、今後都市におけるああいうふうな地下埋設物の錯綜しているところでは、許可するときに、シールド工法をもってやるべしというようなことができるようなことを考えてはどうか。あるいはまた、いま御指摘になりましたように、あのようなやり方で安全だということだけではいかないから、それにはもう少し確実になる技術的な開発がなされてしかるべきではないか。かように思った次第でございまして、この点は速急に技術者の諸君の研究をすぐに進めるように、本日帰りまして事務当局に命じた次第でございます。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 御要望でございますから、お答えすべき限りじゃございませんけれども、ちょっと申し上げたいと思います。 いずれにしろ、調査が済みませんと申し上げかねることでございます。ただ、想像しまするのは、一一〇番してから爆発まで二十分の時間でございます。交通規制もやったでありましょうけれども、群衆を制止することができなかったと考えるほかにないのであります。いずれにしろ、二十分の時間間隔でございますから、容易ではなかったろうと想像はいたします。ことに、動員されました警察機動隊の中隊長が殉職したぐらいでございから、現場に立ち向かって応急の処置を講じたろうと想像をいたします。これまた調査を待ってしか確実には申し上げかねますけれども、そういうふうに思います。 死体の処理については、消防署と一緒になってさぞかし懸命の努力をしたことと思いますけれども、御指摘のこともございますから、調査を待ってではございますけれども、将来の参考にさしていただきます。
○委員長(堀本宜実君) 以上で塩出君の質疑は終了いたしました。 明日は午後一時開会することといたしまして、本日はこれをもって散会をいたします。 午後六時十九分散会