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63回国会参議院1970/03/31

予算委員会 第11号

発言数
339
登壇者
32
会派数
6
開催日
1970/03/31

会議録

堀本宜実自由民主党

○委員長(堀本宜実君) ただいまから予算委員会を開会いたします。  昭和四十五年度一般会計暫定予算、昭和四十五年度特別会計暫定予算、昭和四十五年度政府関係機関暫定予算  以上三案を一括して議題といたします。  まず、三案の取り扱いについて理事会で協議を行ないましたので、その要旨について御報告いたします。  審査は、本日一日といたします。質疑時間の各会派への割り当て、質疑順位等につきましては、お手元に配付いたした刷りものの要領により取り運ぶことに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

堀本宜実自由民主党

○委員長(堀本宜実君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。     —————————————

堀本宜実自由民主党

○委員長(堀本宜実君) 次に、参考人の出席要求に関する件についておはかりをいたします。  本日、三案審査のため、参考人として、日本万国博覧会協会副会長菅野義丸君、同事務総長鈴木俊一君の出席を求め、意見を聴取することに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

堀本宜実自由民主党

○委員長(堀本宜実君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     —————————————

堀本宜実自由民主党

○委員長(堀本宜実君) それでは、福田大蔵大臣から提案理由の説明を聴取いたします。福田大蔵大臣。

福田赳夫自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 昭和四十五年度暫定予算の概要について御説明いたします。  昭和四十五年度予算は、昭和四十五年度開始前に成立をみることが困難であると思われますので、四月一日から四月十八日までの期間について、暫定予算を編成することといたしたものであります。  まず、一般会計暫定予算について申し上げます。  今回の一般会計暫定予算の歳出総額は六千百十六億円、歳入総額は千五百五十億円でありまして、四千五百六十六億円の歳出超過となっております。  なお、国庫の資金繰りについては、五千億円を限度として、必要に応じ、大蔵省証券を発行することといたしております。  今回の暫定予算におきましては、暫定予算が本予算成立までの応急的な措置であることにかんがみ、人件費、事務費等の経常的な経費のほか、既定の施策にかかる経費は、法令に基づき国の義務となっている経費等必要最小限のものについて所要の額を計上することとしております。なお、新規の施策にかかる経費は、原則として計上しないことといたしておりますが、教育及び社会政策上の配慮等から、暫定予算の期間といえども放置することが適当でないもの、すなわち、生活扶助基準の引き上げ、失業対策事業の賃金日額の引き上げ及び大学生の増募等につきましては、特にこれを計上することといたしております。  また、公共事業関係費につきましては、災害復旧の緊急性にかんがみ、所要の額を計上するほか、直轄事業について、人件費、工事雑費、維持修繕費等の経常的経費を計上いたしております。  歳入につきましては、租税及び印紙収入千二百八十四億円、税外収入三十六億円及び前年度剰余金受け入れ二百三十億円と、暫定予算の期間中に見込まれる額を計上することといたしております。  以上、一般会計暫定予算につき申し上げましたが、このほか、特別会計、政府関係機関につきましては、一般会計に準じて暫定予算を編成いたしております。  何とぞ御審議の上、すみやかに御賛同いただきたいと存じます。

堀本宜実自由民主党

○委員長(堀本宜実君) 以上で説明は終了いたしました。  これより質疑を行ないます。亀田得治君。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 最初に、けさ起きました飛行機の乗っ取り事件につきましてお尋ねをしたいと思います。  今朝羽田を立ちました日航機のことでありますが、これは日本の全国民に非常に大きなショックを与えたと思います。この経過と現状、どうなっておるかという点を、まず国家公安委員長から御報告を願いたい。

荒木萬壽夫自由民主党国家公安委員会委員長・行政管理庁長官

○国務大臣(荒木萬壽夫君) 飛行機の便名は、日航機三五一便。七時十分羽田発板付行き。搭乗員は石田機長外六名。乗客人員は百二十九名、うち子供二人。  凶悪事件の概要は、羽田を離陸後しばらくしてから、機長室に赤軍派と名乗る青年十四名が乱入し、日本刀様のものを所持して、この飛行機を北鮮にやれとおどし、管制官をしばりあげた模様。  警察処置。自衛隊に自衛隊機の緊急発進を要請、警視庁警備部長名をもって要請しました。なお、自衛隊では八時十四分に入間基地よりF86F一機が発進。それより少しおくれて福岡の築城基地よりも同機種二機が発進した。福岡県警では、板付基地に機動隊の一個中隊を配備し厳重警戒している。  八時五十八分板付到着、第二スポットに到着した。犯人等は、給油しなければ乗客をおろさないと脅迫中である。  その後の続報でございますが、飛行機は、その後米軍専用の第二スポットに着いた。空港所長と係員二名が乗客をおろさねば給油しないと説得中。給油らしき作業を行なっている。警察官は給油員等に変装しており、制服は姿を見せないように留意している。現在乗客は全員無事。乗客をおろしても、給油作業等に時間をかけて模様を見る模様。犯人等は、警察が来れば乗務員の命がないぞと言っている。——という情報を得ておるわけであります。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 この犯人は、爆発物などは持っている模様なんですか、どうでしょうか。

荒木萬壽夫自由民主党国家公安委員会委員長・行政管理庁長官

○国務大臣(荒木萬壽夫君) それは、爆発物を持っているかどうかを確認する方法はございませんで、持っているかもしれず、持っていぬかもしれないですけれども、いままでの情報の模様では、持っていないようにも推定されます。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 これは、機長と外部との連絡というのは十分とれているわけですか。

荒木萬壽夫自由民主党国家公安委員会委員長・行政管理庁長官

○国務大臣(荒木萬壽夫君) 飛行機内のだれが連絡に当たっておりますか、わかりませんが、断片的に飛行機内の情報が入っておる模様であります。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 結局、警察の方針としては、時間をかけても死傷者を出さないで逮捕したい、こういうふうに理解していいわけですか。

荒木萬壽夫自由民主党国家公安委員会委員長・行政管理庁長官

○国務大臣(荒木萬壽夫君) 乗客、乗務員の生命を第一に考えまして、なるべく時間をかけて、あらゆる方法をとりながら救出をするという考え方であります。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 まあそういうことで、私も当面の措置としては了解をいたします。ただ、今後こういう飛行機等についての本件に類したこと、これが再発しないようにするためには、相当事前の警備ということがやはり問題になろうかと思うのですが、そういう点はどういうふうにお考えになっておりますか。

荒木萬壽夫自由民主党国家公安委員会委員長・行政管理庁長官

○国務大臣(荒木萬壽夫君) 極力事前の警戒を厳重にいたしまして、赤軍派などというがごとき者の潜入を防ぐということに重点を置いて警戒にあたらざるを得ないと思います。ただ、現行法に基づきましては、なかなか取り締まりが困難であるという点もあるようでありますが、そのことはそれといたしまして、さしより同種の事件が起きないように、飛行場における警戒を厳重にするという考え方であります。

山本利壽自由民主党

○山本利壽君 関連。  今回の事件は、ただいま亀田委員からも申されましたように、まことに遺憾なことであると思うのであります。しかしながら、幸いにも、その飛行機が直接北鮮に持ち運ばれないで、一応板付の飛行場に着いておるということについて、われわれは喜ぶものでありますけれども、先ほど政府から申されましたように、何とか人命に損傷のないように、ひとつ十分な措置をとってもらいたいと思うのでございます。  この際にお尋ねいたしたいことは、こういう飛行機を途中で占領といいますか、自由に他のほうへ向けたという例がすでに他の国であるのであります。国内におきましても、大学の問題その他で、そういう危険性は起こり得ると一応考えなければならぬと思うのでございますけれども、そういう点も考えて警備しておられたのに、しかもこういうことがあったのか、まさかわが国ではそういうことはあるまいという油断があったのか、という点を一つ承りたいことと、もう一つは、一体、電車あるいは列車等におきましても危険物の持ち込みということは、これは許されていないはずであります。しかも、今朝の事件は十四人の者が日本刀をかざして云々という情報が入っておるわけでございますが、日本刀あたりを持ち込んで航空機に乗るということは、一体警察あるいは公安調査庁あたりでも少し気をつけておればわかるのではないかと普通考えるわけでございます。もちろん、乗る者はこれを極秘にして何とかいろいろカモフラージュもして乗るでありましょうけれども、まことにこれは手落ちであったということは私は免れないと思うのでございます。でありますから、ことに、きょうの飛行機にも、百二十九名でございますか、先ほどの御報告にはあったのでございますが、それだけの人が乗る、その人たちの人命にも影響することでございますから、これは若い人たち、おそらくそういうことをやるのは若い青年たちであろうかと思いますが、これはあやしいと気づかなければならぬように思うのでございますが、今後は十分それは気をつけられるでありましょうけれども、一体いままでの航空機に乗る乗客の状況等に対しての警戒といったようなことは、どういうことであったか、一応承っておきたいと思います。

荒木萬壽夫自由民主党国家公安委員会委員長・行政管理庁長官

○国務大臣(荒木萬壽夫君) 率直に言って、抜かったと申さねばならないかと思います。実は現地の警備状況等をまだ照会しておりませんのでわかりませんけれども、結果的に十四名の赤軍派と称する者が乗り込んで、かようなことをしでかしましたこと、そのことは抜かったと一応感じざるを得ないのであります。  それから、空港の乗客の身辺をあらためて、持ち物を検査したりすることは、当然にはやっておりませんようであります。要は、空港警備に当たりまする警察官と空港長の担当します乗客等の取り扱いについての注意とが双方密着して行なわれなければ目的を達し得ないわけでありまして、そういう意味で、今後はさらにこういうことが再び起こらないようにという考え方に立っての特別の配慮が必要かと思われます。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 きょうの質疑は、これ、往復時間できめられておるようでありますので、できるだけひとつ答弁は簡潔にお願いをいたしておきたいと思います。  それでは次に、万博関係についてお尋ねをいたします。  きょうはお二人の参考人に来ていただいたわけでありますが、非常に長い間準備で御苦労されたことに対し、厚くお礼を申し上げておきます。で、お忙しいところ来ていただきましたのは、ほとんど連日のように、いわゆる万博事故ですね、こういうことが報道されてくるわけです。関係者の皆さんはいろいろ苦心もされておるのだと思いますが、これから気候もあたたかくなりますと、なお一そう入場者もふえるし、したがって事故も懸念されると思うのでありまして、何とか事故の少ない万博ということであってほしいという気持ちから若干お尋ねをしたいと思うわけです。  まず最初に、現在まで起きた事故のおもなるものですね、どういうことであったか、この点を簡単にひとつ御報告を願います。警察的な関係以外の状況。

菅野義丸日本万国博覧会協会副会長

○参考人(菅野義丸君) 日本万国博覧会協会の副会長菅野でございます。  ただいまの御質問に対してお答えいたしますが、おことばのとおり、開会以来多数の事故を起こしまして、まことに申しわけないと存じております。  十四日の日に開会式を行なまして、その後も、特別観覧と申しまして約五万人の方々に御観覧を願ったのでございますが、そのときに、エキスポランドの中にございます空中ビュッフェという、一つの回る装置でございます。一つ一つゴンドラがついておりまして、その中で軽い食事をする設備がございますが、これが頂上で回転しないで、とまったという事故がございます。  それから十八日に、国際バザールで中国の売店のシアター・ポールというものが倒れまして、ちょっと婦人にけがをさしたのでございます。  それから翌十九日の日には、エキスポタクシーといいまして、電気自動車が一般の需要に応じて走っておりますが、これが歩行者に接触いたしまして、この歩行者というのは営業の従業員でございますけれども、事故がありました。しかし負傷者はございませんでした。  それからエキスポランドのフライパンという遊戯道具でございますが、これが故障をいたしまして、観客にちょっとすり傷をつくらしたのでございます。  それから三月二十一日には、モノレールがちょっとオーバーランいたしまして、急停車をいたしましたために、外人二名を含んで五人の方に負傷をさしたという事故がございます。  それから同じ日に、エキスポタクシーがやはり歩行者と接触事故を起こしまして、やはりすり傷程度のことをやっております。  それから二十二日には、アメリカ館の西側の歩道で女性の観客が一人倒れまして、全治三カ月の、これは骨を折ったのでございます。  それから三月の二十四日には、エキスポランドの遊園地の中に創造遊園というのがございますが、その立体道路でもって一・八メートルの高さから子供が一人落ちまして、けがをいたしております。  二十六日には、これが一番大きく報道されたのでございますが、動く歩道の中で一人転倒いたしまして、それが原因となりまして、あとからあとから押し寄せる乗客がその上に重なりまして、結局、四十七名の重軽傷者を出したという事故がございます。  それからダイダラザウルスといいまして、ジェットコースターの大きいようなものでございますが、そのうちの一つが機械の故障によりまして途中で停車いたしまして、これは安全装置でとまったのでございますが、これは、けがはございませんけれども、乗客に非常に不安の念を抱かした。それから、同じ事故が二十八日にも起こっておりますので、これはもちろん、すぐいま停止をいたしております。  それからもう一つ、食傷事故が一件ございまして、会場の中で売られておりましたものを食べて食中毒を起こした患者が三十数名にのぼっております。  こういうふうに、次々に事故を起こした次第で、まことに申しわけないと存じております。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 食中毒は三月二十九日のことですね。

菅野義丸日本万国博覧会協会副会長

○参考人(菅野義丸君) さようでございます。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 まあ、そのほかにも、こまかいのを拾い出すと、これは相当多数あるようですが、時間の関係上、そういう点は省きます。  そうして、いままで一番大きな事故といわれる動く歩道の事故ですね。この点についてちょっとお聞きしたいのですが、あなたのほうで、万博開会後約一週間、専門家に依頼をして観客の流動調査ということをやられましたね。専門家二十五名を使って調査をやられたわけです。この調査表を私いただいたわけですが、これを拝見いたしますと、その七ページのところにこう書いてあるのです。「動く歩道の運営の仕方が適格でない。観客の流動の変化に対して、向きの切り換え等が、うまく行なわれていない。又、切り換える時の観客の誘導、伝達も、不完全である。」、こういう指摘がその専門家の調査によってなされているわけですね。私は、したがって、二十六日の事故というものは、その前にこの報告書は協会のほうにも提出されておりますし、報告書が来るまでにも、すでにそういうことはわかっておったと思うのですね。そういう意味では、この二十六日の負傷の結果——具体的な直接のきっかけというものは、あるいは入場者に相当な責任もあったりする点があるのかもしれぬ。これは警察関係でもこまかく調べているだろうと思いますが、大きく見て、やはり協会として大きな手抜かりがあったのじゃないかというふうに、この報告書を見て私感ずるのですが、どういうふうにお考えになっているでしょうか。

菅野義丸日本万国博覧会協会副会長

○参考人(菅野義丸君) ただいまの御指摘の流動調査でございますが、これは、私どもの実際衝に当たっている者がいろいろ調査するより、第三者の専門家の目で見ていただいたほうがいいというので、お願いして流動の調査をしたのであります。実は、ちょっと余談になりますけれども、私どもが初め計画いたしましたときよりか、お客さんの流動状況が非常に違うのでございまして、全入場者のほとんど半数がアメリカ館の「月の石」を見に行く、あるいはまたソ連館に行くというような、非常に変わった、極端な、片寄ったような流動状況になっておりますので、その点を調査していただくために会場内の流動の調査をお願いしたのがその報告書でございます。  御指摘のとおり、二十六日の前に来ておりまして、われわれは当然これに対して注意をしなければならないわけでございますが、当日も、私どものほうといたしましては、雑踏の整理ということに力を入れておりまして、やや動く歩道のほうに注意が欠けておったということも事実でございます。しかしながら、必ずそこには警備員あるいはエキスポフラワーという女性がおりまして、現に、この事故が起こります前に、この状態においてはこれはとめたほうがいいというのでもって、付き添いのエキスポフラワーがとめるべく努力をいたしまして、キーを取りに行っておったときでございます。そのところへそういう事故が起こったような次第でございます。現在におきましては、刑事上の責任があるかどうかという点につきまして、所轄の吹田署を中心として詳細に御調査いただいておるようなわけでございますが、いずれにいたしましても、原因はその調査によってわかりますが、原因のいかんにかかわらず、協会としてはまことに遺憾な次第でございまして、国民の皆さんに対して申しわけないと存じておる次第でございます。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 それから協会では、入場の予想五千万と、この目標は現在もやはり維持しておられるわけですか。

菅野義丸日本万国博覧会協会副会長

○参考人(菅野義丸君) 普通五千万人と申しますときには、有料無料両方を通じてでございますが、私どものほうでは、一応有料が四千五百万、その他従業員とかそういう関係で料金を払わない者が大体五百万と見て、五千万人という数字を計画しております。それに従って設備その他の点については対応するように計画しておる次第でございます。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 五千万といたしますと、これを一日に平均いたしますと約二十七万になるわけですね、二十七万。そこで、先ほど私が引用いたしました流動調査報告書ですね。これを拝見いたしますと、こういうことが指摘されておる。「パビリオンの観客収容能力が小さく、二十五万人以上の入場者のある日には、人気のある所に入ることは非常に困難であり、比較的すいている群小パビリオンを求めて観客が流動する。」、こういう指摘があるわけです。だから、二十五万をこえると、どうもお客さんの希望どおりにはいかない、したがって、当然お客さんに不満を与える、こういうことの裏づけになるわけですね。裏づけになる。したがって、五千万を一日平均にいたしますと二十七万。二十七万と二十五万ですから、そう大きな開きはないと思うんですが、しかし、毎日平均二十七万というものがきちっと来るなら、これは、この調査報告書の指摘と、まあまあつつ一ぱいのところまでいっていると、こう理解していいと思うんです。しかし、これは非常に、どうしたって、でこぼこができるわけですね。だから、その点にやはり若干無理があるのではないか、無理が。だから、解決のしかたは、五千万という数字にあまりこだわっちゃならぬと、事故防止という立場からいったら。このことがやはり一つの大きな問題点じゃないかと思います。  それからもう一つは、観客を平均化できないものか。これはなかなかむずかしいことですが、しかし、いろいろな情報等を流すなどによって平均化できないものか。協会が最初立てられた入場の予定ですね、予定数も、これは非常に狂っておりますね。いろいろの情報によって、来る人が差し控えたり、いろいろやっぱりしている気持ちが端的にあらわれているわけですね。だから、その辺をよく検討すれば、もう少し平均化できるのではないかというふうなことも考えられるわけです。  この二つの点について協会としてはどういうふうにお考えになるか、この際基本的な考え方をひとつ明らかにしてほしいと思う。

菅野義丸日本万国博覧会協会副会長

○参考人(菅野義丸君) ただいま御指摘のとおり、五千万人会期中百八十三日間に入るとすれば、平均二十七万人になるわけでございますが、実は、その流動調査の二十五万人といいますのは、二十五万人になりますと、人気館、たとえばアメリカ館とかソ連館とか、あるいはフランス館とかいうようなところに入るのに相当の列をつくるということでございまして、会場内のスペースとしては二十五万人ではまだ相当余裕がございまして、ことに、ほかのパビリオンにおきましては全然待たずにどんどんと入れるような状況でございます。しかも、この二十五万人というのは、ある一定の時間に滞留しておる人数でございまして、一日の入場者数とは限らないのでございます。現に、昨日はレコードをつくりまして、四十二万人以上になったのでございますが、ピークといたしましては三十万人ちょっとでございます。ことに、だんだん夏になりますと、夜間の入場が非常にふえまして、五時過ぎからは半額になりますので、夜間券の入場者が非常に多いと思います。私どもといたしましては、団体の方などは昼間に観覧をお済ませになって、近隣の人は夜間においでになるようにお願い、宣伝もしておりますが、こうなりますと、人が入れかわりますので、ピークとしてはそんなに上がらないで一日の入場者数は相当になるということになるわけでございます。  なおまた、御指摘の平均化という点につきましては、私ども機会あるごとにいろいろな方法で宣伝をいたしておりまして、ことに国際共同館等に参加しておる小さい国のパビリオンにおきましては、どうしても人が集まりにくうございますので、そういう点について、こういう小さい国は非常な犠牲を払って来ているのだからというので、できるだけそういうところに行ってもらうように、いろいろな方法を講じておるような次第でございまして、今後とも平均化ということにつきましては、御指摘に従いまして努力いたすつもりでございます。  また、五千万人の点につきましては、決して私どもこだわるわけではございませんで、何といっても安全第一でございますので、情勢によりましてはこれに対して適当な措置を講ずるということも決してやぶさかでない次第でございます。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 それからもう一つ、食堂関係でいろいろ問題が起きておるようです。食堂と協会とが取りきめた価格よりも高いものを売っておるというふうな問題なり、あるいは協会のほうで調査をして回ると、調査に来ると安い価格の札を出して、それが行ってしまうとまたもとの高いのを出すというふうなこともあるやにうわさに聞くわけであります。こういう点について、あるいはまた、全然許可のない人がホットドッグなり清涼飲料水などを手軽に持ち込んでかってに売るというように、こういうようなことも、若干でしょうが、あるやに聞くわけですが、こういう点についてどういう対処のしかたをしておるか、明らかにしてほしい。

菅野義丸日本万国博覧会協会副会長

○参考人(菅野義丸君) お答えいたします。  最後に御指摘になりました全然許可のない者がホットドッグその他スナックを持って中で売るということは、これは絶対にございません。それに似たようなことが会場外で行なわれているように見受けますけれども、会場内におきましては、無許可の販売ということは、これは必ず目につきますから、いままでそういう事例は絶対にございません。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 駐車場などは……。

菅野義丸日本万国博覧会協会副会長

○参考人(菅野義丸君) 駐車場でも、これは会場内でございますので、これは売らないことにしております。これは許可を受けた者だけが売るということになっております。  それから協定いたしました価格で売らない場合にはこれは明らかに契約違反でございますし、また特別規則にも違反するものでございますから、契約を解除して営業を停止することはできます。ただ、一回そういう事件があったらすぐやるかといいますと、実際問題としては、一、二度注意してどうしてもきかない場合には解除するという方法をとっておりまして、いままでのところは、注意を受けたところは数例ございますが、まだ解除いたした例はございません。  それから、現実に高い食事を提供しているところは客が入らないものですから、こちらから注意して下げさしたものもありますが、自発的にこれでは売れないからといって下げたところもございます。いずれにいたしましても、私どもの方針は、市内のデパートあるいは遊園地等でもって売っているものと同じものを同じくらいの価格で売るということを基準にいたしまして、それぞれ協定をいたしておる次第でございます。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 当初、自動車の駐車場がこれで足るかどうかということでずいぶん心配されたようですが、その点は予想に反して非常にすいておるというふうに聞くんですが、現状はどうです。

菅野義丸日本万国博覧会協会副会長

○参考人(菅野義丸君) 御指示のとおり、全くそのとおりでございまして、私ども一般乗用車につきましては二万台のキャパシティを持つ駐車場をつくっておりますが、現在までの平均ですと、半分にも至らない、四八%ぐらいにしか利用されておりません。したがいまして、まあこれもいろいろな予想でもって自家用車が非常に多いだろうということで、予備の駐車場まで考えて計画したのでございますけれども、現状におきましては会場内の駐車場で十分でございまして、言いかえれば、会場外の交通は至ってスムースに行なわれておるということでございます。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 まあ事前の予想では、名古屋以東まで何か規制をしなければならぬのじゃないかというふうなことまで言われたわけなんですが、どうもこういうふうに見ると、そのコンピューターか何か知らぬが、なかなか計算というものはむずかしいものだということを思うわけですが、まあすいておればこれは非常にけっこうなんで、ひとつ大いに今度は来るように宣伝もしたほうがいいと思うんです。  そこで、宿泊の関係ですね、これもどうも当初の予想とは非常にこう狂っておるような状況のようですが、実態を簡単に説明してほしいと思います。

菅野義丸日本万国博覧会協会副会長

○参考人(菅野義丸君) お話しのとおり、宿泊の点も当初予想いたしましたよりもぐっと楽でございまして、私どもが一番心配した二つの点、交通の点と宿泊の点は、現状までのところでは幸いにして何の問題もなくいっておるようでございます。ただ、宿泊につきましては、大阪あるいは神戸、京都、奈良というようなところの非常な高級のホテルはかなり込んでおりますが、これは外国人その他貴賓の予約が非常に多いので相当一ぱいになっておりますけれども、まだ日本旅館その他最近できましたホテル等におきましては相当余裕があるようでございます。問題になりますのは、万博を目当てにたくさん会場の近くにつくりましたほんとに一時的な宿泊施設でございますが、これはもちろん協会は全然何の権限もございませんで、大阪府のほうで建築許可あるいは防火、衛生、あるいは旅館業法による許可をいたしまして営業させるのでございますが、その許可のないものはもちろん営業はやっておりませんから、営業違反という例は聞いておりません。建物の許可が得られないので開業できないという例はたくさん聞いておりますが、あるいは改造を命ぜられてその改造をしておるという例は聞いておりますけれども、無許可でやっておるという例はございません。しかし、こういうところは非常に安く簡単に泊めるというので、したがって、設備も十分ではございませんので、とかくいろいろな問題が、たとえば非常に寒いとか、設備が不完全であるとかというような問題が起こるようでございます。協会といたしましては、とにかくこれは万国博には非常に欠くべからざる問題であるので、常に府等と連携を保ちまして、お客さんからそういう非難が起こらぬようにということを心がけておるような次第でございます。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 日本旅館の使用率ですね、これは何%ぐらいですか、数字で言って。

菅野義丸日本万国博覧会協会副会長

○参考人(菅野義丸君) 日本旅館の数字につきましては、必要な確実な数字はございませんけれども、私ども聞いておるところでは、大体五〇%ちょっと上回る程度だそうでございます、予約状況は。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 そういう点もこれは全国の皆さんにやっぱり知っていただいて、そんなに来ても御不自由はかけぬと、大阪では。そういうことでひとつもう少しこれは宣伝しませんと、大阪に行ったら宿がないと、こういうことを頭からもうきめてかかっておる人がたくさんおるわけなんです。だからきょう五〇%というわけですから、だいぶすいておるわけですから、ひとつ気軽に来ていただくように、まあ皆さんにもお願いしておきます。それからここで問題になるのは、やはり民宿ですね、これは万博協会が呼びかけて、いろいろコンピューターではじくととても宿が足らぬということで、みんなの好意に訴えたわけですね。中にはそれならというので、その機会に若干お金をかけて部屋をつくったりした家もあるわけです。ところが、そういうところは全くだまされたような感じを受けている人もあるわけなんです。こういうことは、これは精神上はなはだ悪いのでして、こういう点はどういうふうにお考えになっておるでしょうか。これは業者がかってに万博は宿が足らぬようだと、そうして周辺にいろいろなものをつくる、これはもう初めからもうけ本位で、目当てがはずれたということで、これは済まされると思うのですが、個人個人の善意が裏切られるということは、私は大きな問題じゃないかというふうに思っておるのですが、そういうことを一、二苦情を訴える方もあります。どういうふうにこれはお考えになっておりましょうか。

菅野義丸日本万国博覧会協会副会長

○参考人(菅野義丸君) 民宿の問題は、協会で取り扱っておりますのは、主として外国から来られた観客に対する、土地不案内の人々に対する制度でございまして、これは各府県、近隣の府県を通じまして希望者を実は募ったのでございます。そういたしましたらば四百軒、千三百ベッドという登録が得られたのでございます。それらの方々は非常に奇特な方々で、自分のところをぜひ提供したいというふうに自発的にお申し入れになった方々ばかりのように承っておりますので、協会はそれを全部登録しておりまして、そうして外国人からその民宿の希望がございましたときには、それを地図をつけて紹介する、こういうことをやっておるのでございます。現在までの一日平均は百四十人、約一割強でございますが、百四十人ぐらいが利用しております。これはだんだんと数が多くなるのではないかと思いますが、登録しているベッド数は千三百人でございます。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 ともかく使用率が非常に低いことは私は事典だと思うのです。それから私、協会に対する希望でありますが、ひとつ御所見を承っておきたいのです。あるいはここで即答ができなければお帰りになって、役員会等で十分御検討願ってもいいと思うのですが、いわゆる原爆の映画ですね、御存じの映画です。これが万博が始まって三月十八日の夜、TBSで約十六分放送されたわけですね。これに対する反響が非常に全国的に出ておるんです。これは各新聞に対する投書等をごらんになったら、もうおわかりのとおりです。それで、その人たちの投書は若い人が多い。そうして、あのわずかの十六分間の映画であったが、非常な感銘を受けた、ぜひ、こういう映画こそ、万博で上映してもらいたいものだ、万博の関係の皆さんにお願いします、というような投書がずいぶん出てきておるわけなんですね。私は、万博協会としては、万博の精神からいっても、当然これにこたえるべきだと思います。  で、何といっても、この原爆の映画の問題の扱いになりますと、いろいろな議論はあります。ありますが、原爆のおそろしさというものは、これはやはりたとえば日本館でああいう抽象化したようなものを出してみたりしても、これはなかなかぴんとこないわけですよ。やはり、その当時におけるなまなましい現実、こういうものの訴える力というものは一番大きいわけですね。われわれのような年代の者であれば、その当時のことを知っておりますから、まだ若干この感じが違うと思いますが、若い人、それから遠い国の人は、われわれほど原爆被害というものに対して敏感ではないと私は思うんです、これは確かに。五千万も世界じゅうから集まってくるわけですからね。原子力というものがあやまって使われると、こういうことになるぞと。こういうことが浸透するということは、世界平和のために非常に私は意義のあることだと思うのですね。この青年たちがそういう投書をくれるのは、決してみんな政治的な一つの立場でものを言っているんじゃございません。万博に行くと、非常に進んだ面がたくさん出ておる。しかし、現実の社会ではそれとまた反対の場面というものもたくさんあるわけで、進んだ面だけではどうも現実離れして、かえって疎外感を受けるという気持ちから発しておるわけですね。非常に大事なことだと私は思うのです。こういうことを押えるから、妙なほうにまたいくということもあり得るわけです。だから、そういう意味で、ぜひこの原爆映画——やる場所はちゃんと協会の万博ホールですか、なかなかいい設備もあるわけでして、それを毎日上映するというほどまでやらぬでも、いろいろな催しものの間に、適当な説明をつけて、そうしてこれを上映するということは、私はこの七〇年の日本の万博に非常に一つのしんを入れるものだというふうな感じを持っておるわけです。私は、その点だけを実は石坂会長にお聞きをしたいと思いまして、ぜひ会長に御出席願いたいという連絡をしておったんですが、何か健康上の理由等で出れぬようですが、ひとつ菅野さんの忌憚のない御所見を、この際承っておきたいと思います。

菅野義丸日本万国博覧会協会副会長

○参考人(菅野義丸君) ただいまのお話しの原爆映画でございますが、御指示のとおり、会長並びにほかの役員とも相談いたしまして、最終的には決定いたしたいと思いますが、ただ、万国博ホールあるいはその他の催しものをやるところは、開会の相当前からぎっしりとスケジュールが詰まっておりまして、現在ナショナルデーをするために各外国からこういうものを入れてくれというような要請がございますが、それもお断わりしなければならぬような状態でございまして、はたしてその原爆映画を映す余裕があるかどうか、これは私詳しくは知りませんけれども、そういう状態になっておることは事実でございます。なお、この点に関する協会の考え方は、御指摘のとおり、みなとよく相談してきめたいと思います。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 ぜひひとつ積極的な立場で御検討願います。まあ万博ホールが非常に行事で詰まっておるというお話のようでありますが、しかし、何かくふうをこらしたらできないことはなかろうというふうに思います。たとえば日本館なり各外国館、いろいろなものがたくさんあるわけですから、あっちこっちで映画をやれる場所もたくさんあるわけですね。協会から、これはこういう特殊な意義を持ったものだから協力してくれぬかと言えば、これは世界平和の立場で、設備さえあり、あいておれば、いやだという国はないと私は思うわけでして、何とかこれはひとつ実現できるように要求をいたしておきます。これはこの万博の成功のためにぜひやってほしいと思います。  大体おもなる点のお尋ねをしましたが、これからの万博の対策ですね。これから日本は春が過ぎまして、つゆどき、それから真夏に入っていくわけです。また台風期にも入っていくわけですね。ちょうどそのころになると、また中毒事件も起きやすい時期にもなるわけですね。こういうことを見越していろいろ対策は立てておられると思いますが、どういうことになっておるか、この際ひとつ大綱を明らかにしてほしいと思います。

菅野義丸日本万国博覧会協会副会長

○参考人(菅野義丸君) 先ほどから繰り返して申し上げましたとおり、開会間もない今日いろいろな事故を起こしておりまして、これにつきましては、ほんとうに心からおわびを申し上げる次第でございますが、われわれの責任は、何とかして同じような事故を絶対に二度と起こさないことと、それから国民の皆さんが安心して愉快に観覧ができるようにするということが一番緊要なことであると確信しております。  そこで、いろいろな事故にかんがみまして、その原因を徹底的に追及いたしております。原因がはっきりしたものは、もちろんそれによって施設の不完全を直すとか、部品を取りかえるとか、いろいろなことをやっておりまして、また、要員の訓練不足というような点が考えられるものにつきましては、十分訓練をし直しております。動く歩道につきましても、現在全部停止いたしまして、徹底的に施設面を洗っております。  それからとかく問題になっておりますように、いつ出口になるかわからぬというような非難もございますので、今後出入口は約七メートルにわたりまして全然外が見えないようにして、そうして、このおり口が近づいたということを知らせるようにいたしております。それからエンドレス・テープレコーダーによってそういうことも十分注意いたしますし、掲示等においても初めからおり口に用意をしてもらうようにお願いをしよう。それから団体客その他等につきましては、その指導者について詳しいパンフレットをお配りしまして、そうして、動く歩道の御利用のしかたをこちらからお願いするというようなことも考えておりまして、これが私どもだけの考えじゃいけませんので、それぞれ専門家の意見を聞きまして、四月に入りましたらなるべく早く再開いたしたいと思いますけれども、今度再開したならば絶対に同じような事故は起こさないという確信の得られるまでは、現在のようにとめておきたいと考えております。その他遊戯施設等におきましても同じでございまして、これなら絶対だいじょうぶというものだけをやるというふうに安全を本旨といたしたいと考えております。  また、食中毒につきましては、亀田先生の御説のとおり、これからだんだんその時期になりますので、府の防疫センターとも十分連絡を保ちまして、これが普通の飲食店では立ち入り検査というのは非常にわずかしかやりませんけれども、毎日立ち入り検査をやりまして、また協会のほうでも監督者を毎日食堂に訪れさして、そして材料その他の点検をやるというような気持ちを持っております。今後とも私どもといたしましては、先ほど申しましたとおり、国民の皆さんが安全に、そして愉快に観覧ができるということをモットーにいたしまして、全力を尽くす考えでございます。御了承を願いたいと思います。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 お二人、もうけっこうですから……。  総理がまだお越しになりませんから、法務大臣に先にお尋ねいたします。政府は、先週の土曜日、小野さんの質問に答えまして、公害罪を新設するという決意をされ、そうして次の国会に出すという考えを明らかにされたわけですが、この立法のしかたですね。こまかい一々の条文を申し上げるんじゃなしに、二つの考え方が現にあるわけです。そのいずれの立場でやろうとするのか、この点をひとつ明らかにしてほしいと思います。それが明確になりませんと、これはただ国会で言うただけに終わるということになるわけです。どちらの方法でやるにいたしましても、相当立法作業としては問題点の出てくる内容ですから、そういう意味で私お尋ねをするわけです。二つの考えというのは、御承知のように、刑法改正のための法制審議会等で議論になりましたこのやり方です。ここに私その案は持っておりますが、結局、これは包括的な規定を置いていく、空気、水などを有害なもので汚染をして、そうして多数の人の生命、身体に対して危険を生ぜしめたもの——傷害の結果が出れば、これは傷害罪、現行法でいける。そうでない危険を生ぜしめたもの、これを公害罪として処罰していく。こういう考え方が一つですね。これは非常にやはり専門の刑法学者から見ると問題があるわけです。工場がたくさんある——二つ三つあった場合には問題なかったが、四つ五つとふえたために、この危険性が発生してきた。一体この際に、どれを処罰するのか、一番あとから参加したやつだけを罰するのか。さあ、どうもそれでは少し不公平ではなかろうか。いろいろ問題がやはりあるわけです。そこでもう一つ出ておるのは、やはり公害に関してこの守るべき基準ですね。煙突であればその煙の出し方、あるいは川であれは排水のしかた——工場からの排水のしかた。この基準を行政上きちっとはっきりしていく。で、十分これを各業者に徹底をしていく。したがって、その基準に今度は反したものがあれば、もうそれだけできちんと処罰をしていくと。その基準に反すること自体がもう危険につながっているんだ。こういう前提でもってやっていくのが処罰としてはきわめて明確だし、実際上使えるのだ。この二つの考えが対立しておることは、法務大臣も御存じだろうと思うのです。私は、公害法を——全体の刑法改正を待たないで、現状からいって特別立法をしなければならぬという考え方には賛成ですが、しかし、この問題をどちらに割り切るのか。中間のやり方というものは、この問題についてはないわけなんです。これをはっきりしませんと、これは単に言うてみたというだけに終わってしまうおそれがある。そういう意味で、せかっく土曜日、小野君の質問にあれだけはっきりお答えになったわけですから、もう一歩進めて、この点についての御所見を承りたいと思うのです。

小林武治自由民主党法務大臣

○国務大臣(小林武治君) 公害問題は、御案内のように、第一次的には所管の行政官庁が指導あるいは規制する、こういうことがたてまえでありまするが、いまの段階では、それだけにまかしておけない。こういうふうなことになってきておると、こういうふうに思うのでありまして、しかも実は、行政法規の中にも、基準とか、あるいは改善命令等に従わないものは一応の罰則の規定がある、こういうことになっておりますが、それらの罰則も必ずしも適正でない。しかも現在のところ、これはいろいろお尋ねがあると思いまするが、これが有効に動いておらぬ、こういうふうに私どもは認めておるのでありまして、公害罪といえども無過失というわけにはまいりません。したがって、これについては、検察等においても過失、故意の証明を立証しなければならぬ、こういう問題が当然出てくるのでありますから、いまの前段のお話のようなことはきわめて困難でございまして、やはりある程度の故意とか過失とかの立証問題については、いまの後段のような考え方を導入しなければなるまい、こういうふうに考えております。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 そうすると、第一、第二——二つの考えのうちで、法務大臣の考えは後段のようにいま感ぜられたのですが、それは現在でも公害関係のたくさんの法規がありますね。それに罰則が若干ずつついているわけです、行政措置に従うものについて。単にそれを多少強めるという意味ではなく、各種の公害法規の——公害法規にある罰則は全部そのままにしておいて、別個に公害特別立法というものを、現在の行政法規よりももっと強いものをきちんとつくる。こういうことじゃないと、これは公害罪の特別立法ということにはなりませんね。そう理解していいですか。行政基準をはっきりして、それの違反を処罰したらいいんだというのに、これまた二つあるのです。これは各行政法規でやったらいいじゃないかと。そうじゃなしに、これは現在あるのをそれ以上強化すると言っても、いろいろ問題があるから、それとは別個にひっくるめた公害特別立法というものを、ここで考えるのだ。——そのどっちなんです。

小林武治自由民主党法務大臣

○国務大臣(小林武治君) これも、御案内のように非常にむずかしい立法であるということは御承知のとおりでありますが、いまの行政法規にそのまままかしておけない。すなわち、公害そのものを行政罰でなくて一種の自然犯、こういうふうなとらえ方をしてやっていこう。こういう考え方でありますから、これは内容そのものはいま検討をして、これからだんだんこれを具体化していかなければならぬと、こういう段階にありまするが、ある程度いまおっしゃったように強化すると、そして問題を自然犯としてとらえると、こういうことになるから、おのずからそういうふうな結論が出てくるのじゃないかと、こういうふうに私は考えております。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 結局は、刑法の一部改正でやる考え方の中で論議された包括的な公害罪、それから現在の行政法規にある公害の処罰規定、その中間のところをねらった特別立法をすると、こういう考え方に承ったわけですが、私はそれが一番やはり妥当だと考えております。ぜひ、そういう立場でひとつ取り組んでほしいと思いますが、すでに事務当局にも御指示をされておるということですが、簡単でいいですが、どういう手順で進めようとされておるか、いろいろな機関もありますからして、法制審議会なり、その辺のところを明らかにしてもらいませんと、次の通常国会といいましても、結局、いろいろやったけれども間に合わなかったと、こういう御答弁しか聞かれぬことになるわけでして、そういう意味で、老婆心ですが、事務当局への指示はどういう状況になっておるのか、明らかにしてほしいと思います。

小林武治自由民主党法務大臣

○国務大臣(小林武治君) 刑法の一部改正でやるよりか、お話のように少し広範な規定ができると、こういうふうに思うのであります。しこうして、この順序といたしましては刑法の改正というのはまだある程度期間を要する。したがって、いまお話のようにこれを抜き出して単独立法の形でやりたいと、それでこの問題につきましては、もうすでに検討しておりますから、私どもとしては、この前申し上げたように四十六年の通常国会にはひとつ提案するようにしたい。しかして、これを出すにはやはり法制審議会にも刑罰法規として審議にかけなきゃならぬと、こういうことでありまするからして、審議会にかけるのは、やはりできるだけこの夏ごろまでにこういうものを審議願う、諮問をする。そういうことによって四十六年の通常国会には出すようにいたしたいと、かようなことを考えております。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 それでは次に移ります。  現在、いわゆる公害が起きて、それに対して刑事法規を使って処分をしていくと、しなきゃならぬというふうな問題がこれは相当にあるわけなんですね。だけれど実際はあまり使われておらない。刑法の場合もそうですし、あるいは大気汚染防止法なり工場排水等の規制に関する法律とか、あるいは騒音規制法とか、いろいろなものの罰則があるのですが、ことに行政法規の場合にはこれは一件もないのですね。食品公害に関しては相当数使われております。しかし、あれだけたくさん世間で問題になっておる食品公害の実数に比較したら、これはまことに微々たるものである、使われておるその率というものは。私は、そういうことですから、単に公害の特別立法をすればいいという問題ではないと思うわけでありまして、ぜひ陣容をそろえなきゃいかんと思うのです、陣容を。特に食品公害では、せんだっても厚生大臣が監視をする人か足らんで困っておるのだと——私も全くそのとおりだと思うのです。しかし、これは厚生省だけではありません。この公害関係法規を持っておる、企画庁にしても、通産省にしてもみんなそうなんです、実際は。検察庁だってそうなんです。だから私は、公害問題がいろいろな角度から論議されておることは非常にけっこうなことで、そして最終的に司法的な支えとして公害特別法をつくるというところまで総理大臣も決意をされたことは、非常に高く評価するのですが、それを扱う陣容ですね、これができておりませんと、これは単なる名前だけになってしまう。だから、そういう立場から、ひとつ時間もありませんから、これは総理に、ちょうどお越し願いましたから、お尋ねいたしますが、この公害関係法規の整備をされることはけっこうなんですが、そのとおり行っているかどうか、これをちゃんと調べる手だてというものが同時につかなきゃだめなんですね。だめなんです。もう時間がありませんから、こまかいことはもう申し上げません。厚生大臣には非常にこまかいことをきょうは用意しておってもらったのだが、それにも触れません。しかしこれは事実なんです。公害関係の全部の行政法規についていえることです。それから、それだけじゃなしに検察官や裁判所のほうでも私は同じようなことがあると思うのです。公害関係の事件が持ち込まれた、普通の裁判官ではなかなかわかりにくい点があるわけですね。どうしてもこの事件の扱いが延びる。自信がないと、もう没にしてしまうと、こういうことになりがちです。だから私は、この行政関係の陣容だけじゃなしに、検察庁においても、あるいは裁判所においても、そういう科学関係のことがよくわかる専門家、これを調査員として置くということでなければ近代的な司法制度とは私は言えぬと思うのです。だからぜひ、そういう立場での整備までこの際考えてほしい。具体的には、いまこまかいことはお聞きしませんが、そこの基本的な考え方をこの際総理から承っておきたいと思います。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) 飛行機がちょっとおくれたものですから、おくれてまいりまして、たいへん皆さんに御迷惑をかけました。まずおわびをしておきます。途中から私、突然にいま入りまして、どんな質疑応答が重ねられたか、これはわかりません。しかし、公害についても、いまのそれぞれの基準はできつつあります。また、その基準もいま低いとか、これは産業がどうかとかというような議論がございますけれども、これは適正な基準を皆さん方とともどもに設定をしたいと、かように思っております。また総合的な原因による総合対策というもの、これが必要だし、また総合公害とでも申しますか、その総合的な公害対策というものでなしに、現にいま発生しているまあ粉じんその他のものに対する対策も、これは必要だと思いますので、それぞれのものをさらに掘り下げて、厚生省でそれぞれ基準をつくるようにはなっております。それとはまた別に、ただいま言われるような公害罪という刑法上の刑事責任をやはり問うべきじゃないのか。民事責任はもちろんだが、刑事責任という問題と取り組まなければならない。これはまあ刑法そのもので改正意見があるやに聞いておりますけれども、これはなかなか時間がかかるんだろう、それよりもやっぱり公害罪を引き抜いて、そして懲役あるいは罰金等の処分をはっきりさすほうが、まあ当然ではないだろうか。こういうことで、それらの点もあわせてただいま研究している最中でございます。ただ、非常に困りますのは、おそらく、私にはよくわかりませんけれども、民事上の損害賠償等になりますと、挙証責任というような問題になってくる、そのなかなかむずかしさがあるんだろうと思いますが、そこらのものもこれから手続その他が簡便に、そして迅速に処理されるようにひとつくふうしてみると、そういうことでなければならぬのではないだろうかと、かように思います。お尋ねの点が私、突然でございますから、あるいは的をはずした答弁をしているかわかりませんが、いま公害罪、その責、また公害の民事上の責任あるいは刑事上の責任、それらについての対策のあらましを申し上げた次第でございます。

小林武治自由民主党法務大臣

○国務大臣(小林武治君) いま亀田委員の言われることは、もうきわめて適当なことでありまして、私どもも今後公害問題を扱うには検察関係におきましてもこれらの特殊訓練あるいは特殊教養というふうなものをして、そうしてこれに専念できるような者をこれから養成していきたいと、裁判所等におきましても、いま民事の公害を扱っておりますが、裁判官の中にはもう特別な調査官みたいな者をぜひ設けてもらいたいと、こういうふうなお話もありまするし、これには専門に当たれるような者をこれから養成するとかいうようなことは、もう当然しなければならない、かように考えております。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 総理、きょうは私往復十二時までと、こうなっておりますのでひとつお答えはきわめて簡潔に、よろしくお願いしておきます。しかし、大事なところは十分中身のあるように……。  それでは、総理の御出席をお待ちしていたのですが、例の懸案になっておるソ連の爆撃演習のことについて若干お尋ねします。  これは、昨日ソ連側の水路報道によって明らかになった結果としては、土佐沖はやめる。ただし能登半島は依然として残ると、こういうことのようです。それで総理にお尋ねするのですが、これは一回こういうことがありますと、前例にもなりますし、非常に私は大事な時期だと思います。で、おそらくきょう川島副総裁がソ連に行かれるについて、総理も親書を託されたというふうにニュースでは聞いておるのですが、この親書の中ではこの問題についても触れて、そうして相手のソ連の責任者に総理の意向を明らかにしておるということなんでしょうか。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○国務大臣(愛知揆一君) ちょっと私からお答えをいたしたいと思いますが、昨日までのところは、いま亀田委員のお述べになったとおりでございますが、さらに累次御説明いたしておりますように、あらゆる努力をソ連側に対して展開をいたしておるわけでございますが、ただいま現在の情報によりますと、土佐沖以外の三つの水域につきましても、相当希望の持てるような状況になっております。正式なソ連側の外交ルートを通しての通報はございませんけれども、しかし、モスクワにおけるソ連側の反応その他から見ましても、他の三水域につきましても相当当方の申し入れに対して希望が持てる、明るい見通しがつき得るのではなかろうかという心証をただいま私としては得ている次第でございます。さような状況でありますことをとりあえず御報告申し上げておきます。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) 私の親書にはその点までは触れておりません。しかし、川島君とはよく話はしてございますので、当然その話に触れる、こういうことになると思います。けさもそういうことで日・ソ間の関係についての、また演習の具体的な事柄について、よく打ち合わせをしておきました。また、いまチェコスロバキアの大統領を出迎えた際もソ連大使に空港で会いまして、そうしてだんだん君のほうでも考えてくれるようでたいへんけっこうだがと言ったら、両国国民のためにも誤解を生じないようにしなきゃならぬ、この上とも努力するつもりでございますと、こういう言い方をしておりましたし、ただいまのところでは比較的にいい方向に進むんじゃないだろうかと、かように思っております。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 まあそういう方向に進んでおるんなら非常にけっこうだと思います。  外務大臣にちょっとお尋ねしておきますが、外務大臣からはソ連側に口上書を渡したわけですね。これは正式にしたがって向こうから回答がくると、こういうやはり性格のものなんでしょうか。あるいはこちらはそれを出したが、まあいまのところ、見ておりますと、こちらは書面で意見を出したと、何か向こうから入る電波をこちらがキャッチして、そうして向こうの意向というものを見ておると。もう一つ何かぴんとこない点があるわけですね。こっちが文書で出しておるのだから、向こうも正式にやはり外務大臣のほうに連絡があってしかるべきものじゃなかろうか、あるいはその前段の段階として、モスクワの日本大使が接触でもしているのかどうか、その辺のところがちょっとふに落ちぬところがあるわけです。どういうふうになっているんでしょう。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○国務大臣(愛知揆一君) この接触は非常に急を要する事態でございます。二十六日に傍受した電波によりましても、早いところは四月一日に実施することになっておりましたから、きわめて急を要するわけでございますから、口上書はもちろんのことでありますが、口頭で私も委細ソ連政府に直ちに通ずるような詳細な日本政府の態度というものを明らかにいたしておいたわけでありますが、先ほど申し上げましたように、もちろんモスクワ駐在の日本の大使館にも詳細な訓令をしておりますし、これも接触をいたしております。それから東京におきましても、先ほども申し上げましたように、あらゆる手を尽くしてソ連大使館に対して説得を展開しております。おそらくここ一両日中に、私先ほど申し上げましたように、全体についての相当期待のできる態度と措置がとられると思いますけれども、すでに御承知のように、一昨日夜から昨日にかけては、土佐沖については全面中止すると、それからその他の水域につきましては、演習の期間を相当大幅に短縮する、あるいは水域を若干移動するというようなこともすでに明らかにされておったところですが、それでは満足できませんので、さらに折衝を続けているわけでございます。まだ、したがって、全部が決着したわけではございません。  なお、通常の口上書のような場合、相当期間を要するような場合には、これに対していろいろ意見をさらに口上書の形で回答する場合もございましょうし、事柄が急を要して具体的な措置で済めばそれで決着したと解せられる場合もございましょうし、一般の慣例として、必ずしも口上書には口上書の回答を必要とするというようなことでは慣例上もございません。ことに、ただいま申しましたような今回の事件の性格からいえば、とりあえず、もし向こうが一〇〇%に当方の申し入れをいれるような事態になればそれで決着するわけですし、もしそこまでいきません場合には、さらに今後の措置ともあわせまして十分また協議をしなければならぬ、かように考えております。要するに、まだ最終の決着ではございませんから、最終の決着がつきましたときに、また御報告をすることにいたしたいと思います。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 川島副総裁がソ連におられる期間中にこの問題の決着がつくように、ひとつ最後の御努力をお願いしておきます。  どうも質問の順序が、いつも総理にやってほかの方にということが逆になっておるものですから、少しやりにくいわけですが……。  公害問題についてもう一つお聞きします。日本の経済にタッチしておる諸君のモラルの問題ですね。この点をもっと改める必要があるのじゃないかということを常々感ずるわけです。二つあります、問題は。  企業が自分のもうけのために他人に迷惑をかける、こういうことはもう断じて許せない。他人に迷惑をかけて自分のもうけをふやしていく。これは純粋な経済人から見るならば、少々のことはやってももうけていくほうがあたりまえだ、こういうふうに考えている人があるかもしれぬが、これは断じて逆ですよ、逆。こういうことをはっきりする必要があると思います。  それからもう一つは、公害問題を扱う場合に、その公害をなくする処置、この責任はあげて原因者にある、これをはっきりすべきだと私は思いますね。何か公害問題が持ち上がった、いやそれは国のほうでも援助してくれとか、いや府がどうだ、市がどうだ、こういうことはもう間違っておりますね、これは。大衆がこれは迷惑しておるんですから。その大衆が、迷惑させられておる人に対して、何で自分の税金からその援助をしなければならぬですか。私は個々の公害法規の問題はもう触れませんが、この二つの問題が日本の経済人の中にきちっと確立しなければいかぬと思うのです。総理の見解はどうですか。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) たいへんごもっともなお話だと思います。企業が企業モラルというものをやっぱり守るということ。そうでないと他人には迷惑のかけっぱなし、また外国へ行ってはエコノミック・アニマルというような批判を受けるということにもなると思います。これはもう当然のことでございますが、その点は亀田君の御指摘のとおりであります。  第二の問題、これは企業そのものの責任ということははっきりしておりますが、ただ単純な原因者である場合なら、比較的これは対策が立てやすいと思います。しかしその原因が複雑な場合、その他のものと一緒になって初めて一つの事態が起こる、公害が発生する、こういうような複雑な様相を来たしております場合だと、なかなか企業者だけの責任というわけにはいかない場合もあるだろうと思います。したがって、そういうものは国や自治体やあるいは企業者等々でこれを解決をする、こういう形になろうと思います。しかし本体、その主体は、ただいまお述べになりましたように、企業者、その公害を発生した者の責任だ、かように私は考えます。その意味において基本的な考え方には私は賛成でございますが、具体的な問題については、もう少しゆとりがあってしかるべきじゃないかと思います。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 そのゆとりが問題になるんで、それが大きくなりますと、結局公害を国——みんなが税金で援助をしておるということにもなりかねないわけです。はっきり言って、それじゃ国なりの援助がなかったら工場つぶれるじゃないかという問題に突き当たると思うんですよ。それはつぶれていいんですよ。そこまで割り切らなければだめですよ。この問題は解決つきません。まあしかしこれは原則的には佐藤さんも私の考えを否認されないと思いますので、ひとつそういう気持ちで強くやってもらいたい。  それから、佐藤さんに公害問題で二つちょっとお尋ねしますが、ニクソン大統領が二月十日に三十七項目の提案をしましたね、公害について。大統領としてはずいぶん思い切った、しかも具体的な中身もずいぶん含まっておる。私は、この公害問題が世界的に、また国連においてもこれだけ取り上げられてきておるときですから、やはり相当思い切った考え方をみんなが出し合うべきじゃないかということを痛感するんです。思い切ってそれを出しますと、みんながそれを考えるということになるわけですね。  そこで二つお聞きする。とっぴだとお思いになるかもしれません。総理の見解を聞きますが、一つは自動車ですね、自動車と道路というものは、これは専門家に聞いたっていつまでたっても自動車は後手だと。道路をつくるのはたいへん金がかかるわけですよ。自動車をつくるのはすぐつくれるんですから、いいものをつくればすぐまた一ぱいになってしまう。だからどうしてもこれは行く行くは自動車の所有、使用の制限、そこまで考えなければいかぬのじゃないか。もちろんそれにはそれ相当の手当てが必要ですよ。地下鉄をもっと便利にするとか、そういう大衆輸送機関を整備するということが必要ですが、そういう意見、これはどういうふうに総理はお考えですか。  それからもう一つは農薬ですね。これが水の汚染に相当関係のあることは明白です。水がよごれる。それだけじゃない、その水を飲む虫、鳥、これが急激に減少しているわけですね。そういう面からの自然の破壊、そうして食物を通じて人間の健康の破壊。ともかく原因不明なものが最近たくさん出るわけですね。スモン病とかいろんなものが。そこで農薬を禁止したらどうか、こういう説があるんです。農薬のない農業がやれないのか。それで、これ計算している人がある。農薬をいま全面禁止したらどれだけ減収になるかといったら、初年度三割といっておる。ちょうどお米が余っているときでしょう。何だかいろんなごたごた紛糾起こさぬでも一挙両得というのはこのことです。何といったって健康のための食物でしょう。こういう強い専門家の意見があるんです。こういうことを最終的に決するのは総理大臣ですからね。えらいとっぴなことを聞かれたということかもしれませんが、あなたのひとつお考えをここで聞いておきたい。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) 別にとっぴなことじゃございません。自動車がどんどんふえて、自動車は簡単につくれるが道路はなかなか簡単でないと、だから自動車を製造禁止しろとか制限しろとか、こういう議論のあることは私の耳にも入っております。しかし、私は、使用制限やあるいは駐車制限、あるいは車庫等の制限によりまして、まあいまの、自動車は持ちたいんだし、自動車の便益は進めたいんですから、自動車、道自身がそれに相応しないからといって、ただいまのような制限で所有あるいは製造禁止というところまで考えなくてもいいんじゃないかと思っております。これが第一の問題。  第二の農薬の問題、これはお説のように、もう人体に被害のあるもの、これは農薬は使わさない、そういうことでこれは特殊な処置もとっておりますが、その範囲をもっと拡大しろ、こういう意見があると。ただいま言われるように、ちょうど米の生産制限もやるときじゃないか、思い切ってそれに踏み切れ、こういう意見が私の耳にも入っております。したがって、ただいまこういうことも、いわゆる人体へ、またその他の影響度を十分考えなきゃならないと思いますので、許可基準、これはもっと精密にどういう影響があるか、農薬自身を考えていくべきじゃないだろうかと思っております。ただ単に有機酸、あるいは有機燐というような程度だけではなしに、もっと農薬自身の人体に及ぼす影響、または野鳥その他考えるべきものについて、自然の破壊、そういうことについて考うべきだと思っております。私は、まあ先ほどなかなか原因が複雑な場合には議論がございますと言ったのは、ただいま言われるような自動車の排気ガス、なかなか自動車、いまのガソリンを使っておる限りにおいて、製造工程で排気ガスが出ないようにずいぶんやる、制限を加えてみても、約束さしても、おそらくわずかなものは出てくるに違いない。それが重なると、これはやっぱり大気は汚染するんじゃないかと思っております。また私どもは水洗便所をいまずいぶん使っておる。しかし、水洗便所はどうも不徹底きわまる。そのために河川の汚濁は目に余るものがあるわけです。しかし、これが加害者というか、その害を発生したものが何の何がしと、佐藤のうちだと、こうは言えないだろうと思うんですね。そこらにむずかしさがあるということで、先ほどのようななまぬるい答弁をしたわけです。しかし、そういうものを実際に合うようにしていく。これからはもっとそういう点でくふうすべきだと思っております。私は会社をつぶすことが目的じゃありませんが、会社もともに立ち行くためには、公害を発生しないようなりっぱな車をつくること、そういうエンジンをつくること、それによって会社は繁栄していくんだと、かように考えております。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 じゃ最後に一間お尋ねします。動物の保護及び管理法案こういう法律が、前は虐待防止法といったような名前をつけたこともありますが、いま保護及び管理法と、こういうことで各党の有志の間で何とかこれをつくろうじゃないか、こういうことの話し合いがなされておるわけです。で、そこで最高責任者としての総理にお尋ねをするわけですが、ぜひこの法律を早く成立さしてほしい。中身は総理も概略は知っておるかもしれませんが、結局動物に対する虐待を禁止する、そうして動物愛護の精神を高揚していく。このことは同時に単に動物だけのことじゃなしに、生命の尊重と平和、こういう人間の一番大事な精神に触れていく問題だ。こういうことが一つ、それからもう一つは動物の管理ですね、管理。これが野犬がたくさん、ある地方に行くといたり、非常な被害があるわけですね。この管理を適正にすべきだと、この被害者は子供が多いわけですね。子供の中でも二歳、三歳、そういう野犬などに抵抗力が最も弱いそういう諸君が、そういう方々がかみ殺される、こういう事案が全国でも毎年たくさん起こるわけですね。この二つの目的でこの相談がされておるわけです。文明国ではどこでも大体こういう法律はできておるようであります。そこで私、こういう問題について、総理としてはどういうふうな考え方を持っておられるか、この際、ちょっと御所見をお聞きしておきたいと思うんです。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) 私は趣旨においてはしごく賛成でございます。ことにこの法案はもっとよく審査してみないと、皆さんの各党で一致した意見だというので抜かりはないだろうと思いますが、同時に犬、ネコというような名前が出ておりますから、そういうところで特にわれわれのかわいがっている、愛している動物、そういうものが虐待はされないと同時に、いろんな制限を受けることがあるだろう。したがってそういうものがあまり立ち入った制限を受けることは、場合によっては個人の問題にも関連しますから、そこらはどんな意見になっているか、よく精査する必要があるだろうと思います。私、最近の工業の発展から、もっと自然そのものがこわされている、先ほども言われましたように、農薬が野鳥その他の自然をこわしているという、そういうものはどうしても保護しなけりゃならない、そういう意味からも、この動物虐待というようなことがあってはならないと思いますので、そういう意味で、私はこの種の法案ができることはたいへんけっこうであると、議員立法で、各党で賛成して御検討しておやりになるということ、これはたいへんけっこうなことだと思っております。一言申し上げておきます。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 どうもありがとうございました。けさも関係者が寄って意見を交換しておったんですが、総理がいまちょっと御心配になったような点は、これはいろいろ検討して、差しつかえないようにこまかいくふうを加えております。ぜひ一つ自民党においても積極的にお願いをします。ただ、その際問題になったのは、どこの所管になるだろうか、どこの所管に。厚生省が一番関係が深いんじゃなかろうかとか、いろいろ出たわけですが、こういう点も最終的には政府の考え方が相当重要になると思いますので、それらの点も、有志の議員の諸君の超党派的な意見がまとまったら、ひとつ話し合いをしたいと思いますから、前向きでひとつ扱ってほしいと思います。いかがですか。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) もちろんその法案ができ上がれば、政府が前向きにそれと取り組むことは当然でありますから、いまのうちからもうすでにこの法案が出ておりますし、おそらく加藤さんも向こうにいらっしゃるようですから、提案者のお一人だろうと思いますから、そういう意味で、いまの所管も、政府部内で十分相談をしてきめて、御協力申し上げるようにしたいものだと思っております。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 ちょうど十二時だ、正確……。

堀本宜実自由民主党

○委員長(堀本宜実君) 亀田君の質疑の途中ですが、午後一時、再開することといたしまして、これにて休憩をいたします。    午前十一時五十八分休憩      —————・—————    午後一時八分開会

堀本宜実自由民主党

○委員長(堀本宜実君) ただいまから予算委員会を再開いたします。  まず亀田君の残余の質疑を行ないます。亀田君。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 それでは午前中に若干残りました質問を簡単に補足していたしたいと思います。  今朝来の日航機乗り取りの問題につきまして、運輸大臣の考え方をお聞きしておきたいと思います。その後の経過は、午前中に荒木公安委員長からお聞きしましたからけっこうですが、現状とそうしてこれからどういうふうに政府としては指示をする方針か、その二つの点を明らかにしてほしいと思うのです。

橋本登美三郎自由民主党運輸大臣

○国務大臣(橋本登美三郎君) 日航機の事件は、午前中に荒木国家公安委員長から報告がありましたので、その点については省略をさせていただきます。  目下、飛行機の機内は石田機長が非常に冷静沈着に事を処しておりますので、平静な状態でおるようであります。また福岡の空港長は、赤軍派の学生と思われる十五名の諸君に対して、説得これつとめておるという状況であり、かつまた子供、婦人、病人等がおるからして、これらをとりあえずおろしてはどうか、こういうような交渉をしておるといわれております。こまかい点は、現状のことでありますからして、かえって申し上げてあやまちがあってもいけませんので、その点については一応明確になるまでお許しを願いたいと思います。運輸省当局いたしましては、このような事件が起きましたことはまことに遺憾千万であり、今後これらの事件が起きないような措置を緊急に考えなければならぬ。飛行場の警備及びものの取り扱い方その他についても、具体的に、積極的にこれを考えていくつもりでありまするが、この事件を現在いかにしてこれを処理するかということは、まず第一に人命を尊重したいと、百三十何名という多数の人がおるのでありますからして、その人たちに何らかの間違いがあってはこれはたいへんでありますからして、人命尊重の立場からこれを処理するということで、現状では積極的にまず説得をすると、そうしてこれが解決をはかりたい、このような方針で、現在は空港長その他の人をもってして学生諸君を説得しておるというのが、現在の状況であります。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 昼のNHKのニュースを先ほど休憩中見ておりましたが、その中で、羽田の本件事件に対する対策本部長である斎藤さん、斎藤さんが直接話をしていたところによりますと、やむを得ない場合には北朝鮮に飛ぶことを認めざるを得ない、こういう考えでそのことを政府側に申し込んだが断わられたと、こういう意味のことをしゃべっておりました。私たち、そのニュースを見て、日航としてはそういうふうに考えておるのかなあという感じを受けたわけであります。そういうことがあったのかどうか。それからもう一つは、これも同じニュースの続きですが、午前の衆議院の運輸委員会において。運輸政務次官が、やはり最悪の場合は北朝鮮に行くこともやむを得ない。そのため韓国等にも連絡をとりつつあるというふうな意味の答弁をされたと、これはニュースでやっておりました。私だけではない、同僚の横川君はじめ皆さんが見ていたわけであります。そこで、運輸大臣にその点についての考え方をはっきりここでお聞きをしておきたいと思うんです。問題はもちろんそこへ煮詰まってくると思うんです。説得はけっこう、しかしそれがだめになった場合、まあいま現時点がどういうことかわかりませんが、そういう話が出るということは、なかなか説得も簡単にいっとらぬというふうにも見れるわけですね。いかなる場合にもそんなことは日本政府としては許さぬ、そういう立場なのか、そこへ焦点がしぼられてくると思うんですね。この点についての運輸大臣の基本的な考え方をひとつ承っておきたい。

橋本登美三郎自由民主党運輸大臣

○国務大臣(橋本登美三郎君) ただいま亀田委員からのお話でありまする、政府当局のほうへ、事態解決のために北朝鮮に飛ばすことを要請があったかどうかというお話でありますが、その件については、正式にわれわれのほうには要請はありません。かつまた山村政務次官と航空局の総務課長が緊急に向こうに出発して、向こうでいろいろの相談にあずかり、あるいは協力をするために正午過ぎの飛行機で向こうにたちましたから、いずれ詳しい事情がわかると思いまするが、ただ委員会において山村政務次官がそのように思われるような節の話か答弁があったやのお話でありまするが、その事案はないということであります。ただ御承知のように、航空管制区域その他の諸問題がありまして、そう簡単に向こうに日本の飛行機が飛んでいけない状態にあります。かえって危険の状態もあり得る。かつまた外交問題にも関係がありますからして、私たち運輸省当局としては、万難を排して学生諸君を説得をする、決して正しいいい手段をやっているのではないのでありますからして、しかも百三十何名という人命を、それをおとりにして行なう行為は、学生諸君としてみれば、よく話せばこれはわかることであると思います。したがって誠意と熱情をもってこれを説くなれば、私は円満に解決することができるのではないか、その方針でこれからも続けてまいる決意であります。

横川正市日本社会党

○横川正市君 関連。いまの運輸大臣の答弁は、前段と、それからいまの答弁とはそれぞれニュースの中で明らかにされた内容で、ニュースの中に取り上げられた問題点の指摘と少しも変わっておらないと思う。ただ政務次官の発言が、もし運輸大臣の言うようなことがあるとすれば、いささか意思の疎通を欠いているんじゃないかと思われる点があります。政務次官はニュースの中ではすでに東京−福岡間、福岡−清津ですか、韓国と北朝鮮との地図を明確にして、そして領海その他を侵犯するようなことがあっても韓国の攻撃を受けないような処置をとって、北朝鮮へ飛ばすこともやむを得ないという説明をしておるわけであります。いささか大臣と政務次官との間に意思の疎通を欠いている点があるんじゃないかと思うんですが、その点どうでしょうか。

橋本登美三郎自由民主党運輸大臣

○国務大臣(橋本登美三郎君) 委員会の政務次官の話については、私自身がちょうどチェコの大統領をお迎えに行っておりましたので、具体的に直接には聞いておりませんが、その席上におりました航空局長をしてその間の事情を答弁させます。

手塚良成運輸省航空局長

○政府委員(手塚良成君) お答え申し上げます。  私も前段は同席いたしておりませんので、その図面を出された云々のところは私は承知いたしておりません。ただ後段から一緒に出ておりました。後段におきまして、ややそれとおぼしきようなお話、そういうふうにとられるようなお話と思われますことを申し上げますと、御質問の一つにもし万々一北鮮へ飛ばなければならないという事態があった場合にその措置は考えておるか、かような御質問がございました、まあこれに対しまして、やはり飛ぶからには、先方にそういった連絡がなければ飛ぶわけにいかない。よってその連絡の手段として直ちに思いつくものは、赤十字系統を通じての連絡ぐらいしかなかろう。それ以外において、これ、やはり国際問題でもあるので、外交当局間とも十分な連絡をとった上で、今後そういった対策は考えるべきではないかと、考えようと思っておる、かような趣旨の御答弁であったと思いますので、向こうに行くということを本則的に考えるというような考え方である、そういう御答弁ではなかったと記憶いたしております。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 原則は運輸大臣のお答えだと思うんですが、つまり、やむを得ぬ場合にはという前提のもとに、先ほど指摘したようなことがニュースで放送されたわけであります。これはわれわれみんなが見たわけなんです。だから、それはよくお調べ願って、ひとつ御検討願いたいと思います。  外務大臣に一言お聞きします。これは、まあ休憩中ですね、ソ連の爆撃訓練全面的に正式にストップしたと、こういう、これも報道がありました。午前中総理並びに外務大臣、非常に希望を持ってもらっていいという意味のことの裏づけだというふうに感じたわけでありますが、その後、何か正式にソ連側から外務省に対して全面ストップするということでもあったのでしょうか、どうでしょう。何かそういうものがあったような感じを与えるような、きわめてはっきりしたニュースであったもんですから、確かめておきたいと思うんです。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○国務大臣(愛知揆一君) 午前中お答えいたしましたときと、いまとの間に新しい発展はございません。で、要するにソ連の政府から外交チャンネルを通しての、まだ最終的なソ連の態度というものは、明確に掌握はできないわけでございます。しかし、毎々申し上げておりますように、いわゆる水路通報とかその他の情報は、私がソ連側と外交交渉をしておる、これが、午前中申し上げましたように、だいぶ状況は好転してきておるように、私の心証として、私は持っているわけですが、それを裏づけするかのような情報が一つ、二つ出てきたと、こういうふうな状況でございますので、もうしばらく時間がかかるかもしれませんが、私としては、期待を持って、正式のソ連側の回答と申しますか、行動を待っていたいと、かように存じております。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 農林大臣に一問だけお聞きします。日ソ漁業交渉がことしは特別難航しておるという状態のようでありますが、それらの原因をひつ端的に明らかにしてほしい。  それと、まあ関係の方々は、非常に一日も早く妥結することを待ち望んでおると思うのですが、そのめどを、どのように農林省としてはつけておるか、その点。  それから、第三に、川島さんとともに赤城さんまで一緒にきょう立たれたわけですね。おそらく漁業交渉についての、相当側面的な援助といいますか、てこ入れといいますか、そういう気持ちがあってのことだろうと思います。その点につきましても、ひとつ、進め方ですね、赤城さんまで送って……。その点の、ひとつ現状、お答えを願いたいと思います。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(倉石忠雄君) 日ソの話し合いは、御存じのように二つありまして、一つは二月九日から始めておるカニ交渉であります。一つは三月二日から漁業条約によりますサケ・マス・ニシンの話し合いを進める。こちらは代表団一つですけれども、相手方は二つ、分かれておりまして、で、カニ交渉につきましては、たいへんことしは資源関係等を理由に、先方の主張はかなりきびしいものがございます。それでこちらのほうと非常に違っております主張は、御存じのように西カムチャッカにおける大陸だな、この大陸だなに生息しておるカニは定着しておるものだという主張、こちらはそうではない、公海のものであるという、そういう技術的な主張で、最近までいろいろ討議が重ねられております。まだ結論は出ておりませんが、さらに引き続いて、いま申し上げましたように、三月の二日からサケ・マス・ニシン、例年のようにやっておりますが、一年おきに不漁年ということでありますが、ことしは不漁年でございますし、それからまた資源保護の主張で、先方からいろいろきびしい態度で出てきておることはたしかでございますが、大体、カニにつきましては、来月の十日前後にはふだんは出ていかなければならない時期でありますので、なるべく結論を急ぐようにいたしております。サケ・マスは二十日ないし一カ月はおくれるわけでありますが、そこでただいままでの状況は、いま申し上げましたような理由で、たいへんきびしい状態ではありますけれども、いろいろこちらのほうといたしましても、筋道を立てて、理論的に説明をいたしておりますので、若干、いままでのような態度で押し切られるということではないんではなかろうかという感じを持っておりますが、いまお話のございましたように、幸い川島副総裁、赤城元農林大臣——ことに赤城君は、先方に非常に親しい仲でありますので、いろいろ私も今日までの過程を土台にいたしまして、情報の交換をいたし、この両氏がそういうことについて、かなりの御協力を願えるものであると確信いたしておりますが、当初伝えられておりましたきびしさというものは、だんだん溶解していくんではないかと、こういうふうに見て、なお一そう、私どものほうの希望が達成されるように、さらに代表団その他に命じて努力を続けておるというのが現状の段階でございます。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 まあひとつ、うんと努力してください。  えらい質問が飛び飛びになって恐縮ですが、外務大臣に一言お伺いします。先ほど日航機乗り取り事件に関して、運輸政務次官が韓国の上空通過について何か打診をしておると、私が聞いたのではもう了解を取りつけてあるような感じのニュースでしたね。もしそういうことをやるとすりゃ、これは当然外交ルートを通じてやるべきものであろうと思いますが、何か、そういうことが現実になされておるのかどうか、ちょっとその点だけ外務大臣にお聞きします。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○国務大臣(愛知揆一君) 先ほど運輸大臣から詳細お答えをいたしましたとおりでございまして、まだ運輸省にも日航から協議がない段階でございますから、外務省の当局としての意見を申し上げることはこの段階では差し控えさしていただきたい。私も、運輸大臣が言われたように、ともども、まず説得をして、何とか円満に解決をしてもらいたいと、かように望んでおる次第でございます。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 いや、だから、私お聞きしているのは、韓国のほうにそういう連絡をしたようなことはないということなのかどうか、あるいは正規の連絡じゃないが、そういう話もあるので、非公式に打診させてみたというふうなことでもあるのかどうか。ニュースがきわめてはっきりとその点を報じておりましたから疑問を持つわけです。どうなんでしょう、事実関係だけ。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○国務大臣(愛知揆一君) 事実関係として韓国政府等に何らまだ連絡はいたしておりません。

堀本宜実自由民主党

○委員長(堀本宜実君) 以上で亀田君の質疑は終了いたしました。     —————————————

堀本宜実自由民主党

○委員長(堀本宜実君) 戸田菊雄君の質疑を行ないます。戸田君。

戸田菊雄日本社会党

○戸田菊雄君 質問の時間が若干変更されましたんで、私がいまの質問予定している内容は、おおむね暫定予算関係、それから地域開発関係、国鉄財政関係、それから内政のひずみ解消の問題、こういうことであるわけですけれども、総理の質問時間の中でそれらの問題を全部処理をしていきたい、こういうふうに考えますので、そのときに本論に入りたい。  いまの亀田議員が質問されたことに対して、関連で、運輸大臣にお伺いをしたいと思うんでありますが、この727の現在の事故がやられておって、いま運輸大臣から決意のほどが説明あったんですけれども、私は最も妥当な解決策だと思うんですけれども、それを前提にして十分対策というものをとってもらいたいと思うんですけれども、もしそのことが不可能な場合ですね、不可能な場合に、はたして北朝鮮へ、外交上の諸般のかけ引き、取引ですね、折衝、そういうことによってやり得るというような場合もあるのかどうか。その辺はひとつ、どうしてもいま運輸大臣が言われたようなことで解決がつかない、当事者十四名ないし十五名乗っているというそういう赤軍派といわれる、そういった人たちの主張をあくまでもいれるには北朝鮮へ行かなければだめなんだと、こういうことになったような場合、これは想定ですから非常にむずかしい問題だろうと思うんでありますが、そういう場合一体どうするのか、この点は運輸大臣と外務大臣もおられますから外務大臣のほうからもひとつお答えを願いたいと思う。

橋本登美三郎自由民主党運輸大臣

○国務大臣(橋本登美三郎君) 先ほど亀田さんにお答え申し上げましたように、問題は、いま現在福岡の飛行場に乗っ取られた飛行機はおるわけであります。そこに乗客合わせまして百三十六人という生命は目下軟禁状態にある。したがって、とにかくわが国土の中におるのでありますからして、しかも、それをやりました犯人といいますか、学生も日本人でありますから、これは私はある程度時間はかかりましょうけれども、日本の国益のみならず、その人々の生命、財産何ら関係ないんでありますから、その生命を何といってもこれは第一義的に、たとえ思想上の問題その他がありましても、その学生諸君は乗客の生命についてはやはりみずから責任を負わなければならぬのであります、単なる暴徒ではないのでありますから。したがって、多少の時間を要しましてもやはり人命をその場で救助するということが大前提であって、そこで万一の場合は、私はいまのときには考えるべきではない。とにかく、わが国土におるのでありますから、その国土の上において何としてもこれを救い出すということが私は第一の使命でありますから、その方針で進んでまいりたいと思います。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○国務大臣(愛知揆一君) 私もただいま運輸大臣が申されたのと全く同感でございまして、日本の国土の中で、しかも日本の飛行機の中でこうしたことが起こったことは非常に遺憾でございます。しかし、この若い諸君にいたしましても、私は日本の国内の世論があげて、この国内における現場において解決されることをほんとうに心から望んでおると思います。このことがこの若い諸君の気持ちに映じないはずはない。どうかしてひとつこれは国内において、現場で解決をすべきである。またどうかして説得が効果をあげるようにしなければならない。かように考えておりますので、私、率直に申しまして、仮定の場合というようなことはこの際考えたくないわけでございます。どうか私の心情も御了察、おくみ取りいただきたいと思います。

戸田菊雄日本社会党

○戸田菊雄君 現実に発生している非常に重要な問題でありまするから、いろいろとありまするけれども差し控えたいと思うんであります。  ただ、一つ、防衛庁長官にお伺いしておきたいんでありますが、何か聞きまするところによると、防衛庁長官が自衛隊に対して——航空自衛隊に緊急発進指令というものを出した、厳戒体制をとれ、こういうようなことがあるというのですが、その辺はどうなんでありますか。

中曽根康弘自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(中曽根康弘君) けさ七時十何分か要請を受けましたときに、直ちにスクランブルをかけまして、自衛隊のF86並びに104八機をもってエスコートをいたしました。それで福岡の飛行場に着陸しましてからはF86二機で上空を警戒しておる、そういう状態でございます。

戸田菊雄日本社会党

○戸田菊雄君 総理がおりませんから橋本運輸大臣にもう一度お伺いをしたいんでありますが、本問題の対策については閣内の不統一というようなものはございませんね。全体が一致して同一方向で本問題解決にいっておることは間違いないと思うんですが、そういう理解でよろしゅうございますね。

橋本登美三郎自由民主党運輸大臣

○国務大臣(橋本登美三郎君) 総理大臣がお答えすべきか、あるいは官房長官お答えすべきでありましょうが、当該の責任者は私でありますから私からお答え申し上げまするが、閣内においては、私が先ほど申し上げた方針でこの問題を円満に解決をしたい、かように考えております。

戸田菊雄日本社会党

○戸田菊雄君 あと一分ですから、本題の質疑は総理出席の三時からやりたいと思うので、委員長のほうからよろしくお取り計らい願います。     —————————————

堀本宜実自由民主党

○委員長(堀本宜実君) 次に、沢田実君の質疑を行ないます。沢田君。

沢田実公明党

○沢田実君 去る三月二十五日、本委員会におきましてわが党の二宮委員の質問、労働省の答弁によりまして、失対労務者の不正事実につきましては、きわめて明確になったわけでございます。これに関連いたしまして、日雇い労働者健康保険の取り扱いはどうなっているか、厚生大臣から御答弁をいただきたいと思います。

内田常雄自由民主党厚生大臣

○国務大臣(内田常雄君) 緊急失業対策法に定める失業対策事業あるいは公共事業を行なう事業所に使用される日雇い労働者は、日雇い労働者健康保険の被保険者となるわけでありますが、しかし、その日雇い労働者健康保険が適用されることになっておりましても、二宮さんからこの間お尋ねがありましたような、実際にはこの日雇い労働に出ていないというようなことであれば、この健康保険の被保険者とはならないことになるわけでございます。

沢田実公明党

○沢田実君 就労の事実がないのに支払われた賃金は返納してもらう旨の労働大臣の答弁がありましたが、同じく就労の事実がないのに日雇い健保手帳に印紙が張られて受給資格を取得してしまっている問題について、労働省としてはどのように処置されるお考えであるか、お尋ねをいたしたいと思います。

野原正勝自由民主党労働大臣

○国務大臣(野原正勝君) そのような事実がありますれば、厳正に処分、処置いたす考えでございます。

沢田実公明党

○沢田実君 福岡県の監査委員の失対事業就労の議員に対する賃金支払いに関する監査、その報告によりますと、就労の事実がないのに賃金を受領していることは明瞭であります。これらの人々が日雇い健保の受給資格を取得して、医療給付またはその他の給付がすでになされた場合は、厚生省はどのような処置をとられる方針であるか、お尋ねをいたしたいと思います。

高木玄社会保険庁医療保険部長

○政府委員(高木玄君) 日雇い労働者として使用されていないにもかかわらず、日雇い労働者の健康保険手帳に日雇い労働者の健康保険印紙を貼付を受けまして、それに基づいて保険給付がなされた場合には、その保険給付に要した費用は不正利得でございますので、日雇労働者健康保険法の第二十五条の二の規定に基づきまして、保険給付を受けた者から返還させることにいたします。また、事業主にも責任の一部がありまする場合には、事業主は連帯して返還義務を負わせることにいたしております。

沢田実公明党

○沢田実君 日雇い健保には、厚生省の運用として擬制適用というのがあるようでございますが、法第何条によってこのような運用をなさっているのか、お答えをいただきたいと思います。

高木玄社会保険庁医療保険部長

○政府委員(高木玄君) 擬制適用制度でございますが、これは日雇い労働者健康保険制度は昭和二十八年に発足以来、行政措置によって行なってまいっているものであります。それは土木建築業に従事いたしまする大工、左官等の技能労働者の就労の実態が、日雇い労働者健康保険の被保険者と同様の状態にありますが、これらの方々は個人の住宅の修理建築等に当たることも多く、したがいまして、健康保険の適用事業所に使用される機会が少ないわけでありますので、日雇い労働者健康保険の受給要件を充足できない実態にありますので、この点を考慮いたしまして、これらの者が日雇い労働者の健康保険の適用被保険者と全く同様の就労状態にある、こういった点を考慮いたしまして、特例的に行政措置として日雇い労働者健康保険制度の適用を行なってきている、こういうことでございます。

沢田実公明党

○沢田実君 そういう適用をおやりになったのは、いわゆる日雇労働者健康保険法第何条に基づいておやりになったのかという質問でございます。

高木玄社会保険庁医療保険部長

○政府委員(高木玄君) 日雇労働者健康保険法の第何条に基づいてというのではなくて、これは法外措置といいますか、全くの行政措置として行なっているものでございます。

沢田実公明党

○沢田実君 その擬制適用の発足当時の擬制組合の数、それから被保険者の数、最近の組合数及び被保険者数はそれぞれどのくらいになっているか、お尋ねをしたいと思います。

高木玄社会保険庁医療保険部長

○政府委員(高木玄君) 擬制適用の被保険者は、これが、この制度を発足させました昭和二十九年におきましては四十組合、被保険者数約一万五千人でございました。これが昭和四十四年の三月末では、百八十二組合、約四十一万人となっております。また、この擬制適用被保険者が日雇い健康保険の全被保険者に占める割合は昭和四十四年三月末で約三八%でございます。

沢田実公明党

○沢田実君 発足当時はわずか一万五千人であったわけですが、現在は約四〇%近い、全日雇い健保者の百十万そこそこの中の四十万近い人たちがこういう適用を受けているわけですが、こういうようなあり方は、日雇い健保のあり方として正常なあり方としてお考えになっていらっしゃるかどうか、お尋ねをいたしたいと思います。

高木玄社会保険庁医療保険部長

○政府委員(高木玄君) 今日、日雇い労働者健康保険の実態を見てまいりますと、本来の日雇い労働者が減少の傾向にございますに反しまして擬制適用被保険者が急激に増加しておる傾向にある、これが今日きわめて特徴的な姿でございます。ところで考えてまいりますと、この日雇い労働者健康保険制度というのは、今日財政的に非常に破局的状態になっておるわけでございまして、私どもとしては、この財政を何とか維持するためには、実のところこれ以上被保険者数がふえるということが非常に財政悪化に拍車をかけますので、四十三年の四月以来この擬制適用につきましては、新規組合の設立を一切認めないと、かような方針でまいっておるわけでございます。

沢田実公明党

○沢田実君 その辺の事情はわかりましたが、新規組合の結成を認めないということになりますと、既存の組合に特権を与えることになると思いますので、法の運用上公平を欠くということになるのではないかと思いますが、法の公平な運用、こういう立場からの御意見を承りたいと思います。

高木玄社会保険庁医療保険部長

○政府委員(高木玄君) 先ほど申しましたように、擬制適用被保険者につきまして、擬制組合の新規設立は一切認めないということでこの方針は堅持しております。同時に、既設組合の新規加入につきましても、新規加入の際の審査を厳重に行なうことといたしておりますし、また、すでに既設組合に加入している者につきまして適用の適正化ということで調査を実施いたしておりまして、適用すべからざる者が既設組合に加入している場合にはその者を排除し一手帳を返納させるというような措置を講じてまいっているところでございます。

沢田実公明党

○沢田実君 大臣にお尋ねをしたいと思いますが、いま御答弁がありましたように、新規組合の設立は認めない、こういうふうに運用していらっしゃるようでございますけれども、そういたしますと、すでにできている組合に対しては特権を与えるようなことになりますので、法の公平な運用ということに欠けるんじゃないか、こう思いますが、大臣のお考えを承りたいと思います。

内田常雄自由民主党厚生大臣

○国務大臣(内田常雄君) 政府委員から答弁申しましたように、この擬制適用の問題は、元来法律の問題ではなしに、過去の沿革的の便宜の取り扱いとして起こったものでございますので、そのこと自身に問題があることは御承知のとおりでございます。ことにこの日雇い健保というものは、今回国会に改正法案を提出はいたしていますけれども、その改正ができましたといたしましても、給付の改善もございますので、なお巨額の赤字を残すというような状況にございますので、私どもといたしましては、擬制適用の問題につきましては四十三年、四十四年の適正化の努力を四十五年におきましても継続をいたしまして、そしてこの保険の健全化をはかってまいる以外にないと、かように考えるものでございます。

沢田実公明党

○沢田実君 その御趣旨はわかりますが、毎年この会員は数万ふえております。それで、いま政府委員の方からは、新規の組合の設立を認める考えはないというような御答弁でございましたが、大臣も同じく新規組合の設立については今後認めない方針でしょうか、お考えをいただきたいと思います。

内田常雄自由民主党厚生大臣

○国務大臣(内田常雄君) ただいま申し述べましたとおり、現状では、この擬制組合の課題につきましてはこれをシビアにせざるを得ませんけれども、法律の改正を見て財政状況が改善される状態のもとにおきましては、さらに新しい情勢のもとに考えを考え直さなければならない点がございましたならば、その時点においていろいろ考えてまいりたいと思います。

沢田実公明党

○沢田実君 さらに県知事と擬適の組合との間に交換されている覚え書きというのがございますが、その覚え書きについて御説明をいただきたいと思います。

高木玄社会保険庁医療保険部長

○政府委員(高木玄君) この擬制組合に関しましては、都道府県の保険課長と擬制組合の長との間で覚え書きを交換しておりますが、その覚え書きの内容は、保険料に関すること、それから組合員の範囲等を定めること等が覚え書きの内容になっております。

沢田実公明党

○沢田実君 その知事と擬適の組合との覚え書きの内容が、県によって、あるいは同一の県でも相手の組合によってその内容を異にしているというような事実がございますが、それはどういうような理由に基づいてそんなふうになったんでしょうか。

高木玄社会保険庁医療保険部長

○政府委員(高木玄君) この覚え書きの締結当事者を、都道府県の保険課長と擬制組合の組合長といたしておりますために、覚え書きの内容は必ずしも全国的に画一化されていない実情にございますが、現在できるだけ統一的なものとするように強力に指導しているところでございます。

沢田実公明党

○沢田実君 内容が統一できるように指導しているということはわかりましたが、肝心ないわゆる保険料、印紙を何枚張るか、一カ月何枚張るかという問題も、県によってあるいは二十枚、県によっては十六枚というような違いがありますが、そういう問題はどうしてそのようになったのか、また、今後の考え方はどういうふうに改めようとしていらっしゃるのか、お尋ねをいたしたいと思います。

高木玄社会保険庁医療保険部長

○政府委員(高木玄君) 私どもの方針といたしましては、擬制適用の被保険者につきましては、健康保険印紙の貼付枚数を月二十枚以上ということで指導しておるわけでございます。しかしながら、現実におきましては、百八十二組合のうち百二十八組合は二十枚以上の貼付になっておりますが、その以外の組合がまだ二十枚を割っており、御指摘のように十五枚、十六枚、十七枚、十八枚というように区々になっておるわけでございます。この点は、私どもは各県の保険課長に強力に行政指導いたしまして、できるだけ二十枚の線に持っていくように指導いたしているところでございます。

沢田実公明党

○沢田実君 大臣いまお聞きになったとおり、同じ日雇い労働者健康保険組合が、その組合法をもとにしてできた擬適の組合、県によってそういうように保険料が違う。これがその日雇い健保の実態なんですが、大臣の所感をお尋ねしたいと思います。

内田常雄自由民主党厚生大臣

○国務大臣(内田常雄君) もともと先ほども述べましたように、法律事項ではございませんので、そういうような事態が沿革的、経過的にできておりますことを聞いておりますが、私は遺憾であると思います。今回法律改正の過程におきましても、こういう点におきましては御論議を願って、その姿勢を正してまいるべきだと考えるものでございます。

沢田実公明党

○沢田実君 ただいまの御答弁の中から、この擬適の組合の運用というものは、法の精神を生かしてたいへん弾力的に運用なさっていることがよくわかりました。しかし、擬適の組合は、保険料、まあ二十枚として五百二十円になるわけですが、その五百二十円の保険料のほかに組合費として五百円ないし七百円、したがって、一カ月千円ないし千二百円を徴収して、その中から保険料の二十枚を支払っているような、そういう取り扱いをしている組合が多いわけです。このように、保険料よりも組合費のほうが多いというようなあり方については、この組合は任意組合ですからとやかく言う筋のものではないとお考えになるかもしれませんが、日雇い健保という被保険者に対する特別な国費の負担というものがあるという組合のいわゆる日雇い健保の性質から考えまして、私は適当ではなかろう、こんなふうに思います。このような取り扱いの盲点を悪用いたしまして、日雇い労働者または擬制適用で認めております二十種類の職種を範囲を越えて入会をさせ、特定の政党が党勢拡張に利用するというようなことが事実あるわけでございますが、せっかくの法の運用の精神を踏みにじっているものではないか、私はこう思いますが、当局のお考えを承りたいと思います。

高木玄社会保険庁医療保険部長

○政府委員(高木玄君) 組合費の問題でございますが、擬制組合の組合員が、日雇い労働者健康保険の保険料を徴収されるときには、この保険料のほかに労働組合の組合費をあわせて徴収しておる事例が多いようでございまして、このような場合には、日雇い労働者健康保険の側から労働組合の組合員に対して規制を行なうことはできないわけでございます。それから、ただいま先生の申されたように、この擬制適用制度というものの盲点を悪用しているというお話でございますが、さようなことのないように、被保険者としての資格を持たない者が擬制組合に加入するというようなことがないように、新規加入の際には、被保険者資格の有無について慎重な審査を行なった上で手帳交付をするように指導いたしておりますほか、適用の適正化ということで、現に既成組合に加入している被保険者につきましても、その被保険者資格を調査いたしまして、被保険者資格を持たない者は手帳を返納させるという適正化の措置を講じておるところでございます。

沢田実公明党

○沢田実君 ということでございますが、大臣、実はこの擬適の組合の内容をよく見てみますと二十種類、いわゆる建築関係に従事する方々の二十種類の職種がきまっているわけですが、その職種とは全く関係ない方々で入っている人があります。で、どういうようないきさつで入会をしたかということを、組合に入ったかということを聞いてみますと、保険料が非常に安いからと言われて入った、というようなことで入っているようです。この極端な例を申し上げますと、バーのホステスさんもこの日雇い健保に入っている。隣のうどん屋さんも、あるいはげた屋さんも、その辺の鉄工屋の主人公も日雇い健保に入っているというような現況でございます。いま申し上げましたように、そういうようなその取り扱い、その盲点を悪用して党勢拡張に使うなどということは私は非常にけしからぬのだ、こういうふうに思うわけですが、大臣はどのようにお考えでしょうか。

内田常雄自由民主党厚生大臣

○国務大臣(内田常雄君) そういう見地から考えますと、お説のとおりだと思います。

沢田実公明党

○沢田実君 一つその具体例を申し上げますと、高知県から陳情に来られました方々のお話でございますが、既存の組合は共産党に入党することが組合員になる条件になっている。ですから新規組合の結成を認めてほしい、こういう陳情でございますが、そのほかに先ほど申し上げましたように、たくさんの事実を私は聞いております。厚生省でも御承知のことと思います。また、厚生省で統計を出しておりますが、その統計の上から見ましても、四十三年の擬適の新規加入数、それから特別療養費受給票交付数、そのようなものを対比してみますと、このようなことが十分に推定できると思うわけでございます。というのは、この特別療養費受給票というのは、この組合に入りましてすぐその医療の受給資格を得ることができる特例がきまっているわけですが、新しく加入した方々が相当多数こういう受給票の交付を受けているということは、相当悪用されていることが推定できるわけです。また、適正適用化のお話もいまございました。四十三年の後半だけを見ましても、相当その極端なのだけを私は整理したのだろうと思いますが、手帳を取り上げられた者が三千名近くあるように厚生省の報告にもございます。そのような統計やらいろいろな事実の上からも適正適用化の問題も非常に大事なことですし、この擬制適用に対する根本的なその対策を考えなくちゃならないのではないかと、こう思うわけですが、厚生大臣の所信を承りたいと思います。

内田常雄自由民主党厚生大臣

○国務大臣(内田常雄君) 私どもも考え方としては先生のお説のとおりにまいりたいと思います。ただ、擬制適用の対象になっておる労務者というものはいわゆる一人親方でありまして、雇い主が常に一定していない、したがって、雇い主のほうの掛け金というものをきめてかけていただく道がないということからできた制度であろうと思いますので、そういう制度からはずれまして、際限なくこれは拡張せらるべきものではない。ことに一つのグループ、特定のグループのためのものではございませんので、先ほどもたびたび申しますように、制度の改正、今回の法律の改正とも相まちまして、これらのことにつきましては十分検討してまいるべきだと思います。

沢田実公明党

○沢田実君 その辺のところもよくわかるわけでございますが、今回の改正といいましても、日雇い健保については、こういうようなわけで赤字がたくさん出ているから健保の保険料を値上げしようというようなことが今度の国会に提案されている問題だと思います。したがって、私は、赤字が多いから保険料を値上げすればいいという安易な考え方でなしに、日雇い健保の本筋の適用される範囲よりも擬適のほうが多くなってしまっているような現状を考えますと、根本的な考え方をすると同時に、これに対する改正も考えていかなければならない現状である、こういうように思うわけです。もう少しひとつ突っ込んで大臣のお考えを承りたいと思います。

内田常雄自由民主党厚生大臣

○国務大臣(内田常雄君) 擬制適用者の数が日雇い健保加入者の半数をこえるというところまでには至っておりませんけれども、先ほど政府委員からも御説明申し上げましたように、その数がふえてまいっております現状は、私も非常に心配をいたすものでございます。また、この制度は一つのグループ、また勢力のために利用されるべきものではないことは言うを待たないことでございますので、私はこれにつきましては、十分その制度の本旨にはずれないような検討を進めてまいりたいと思います。

沢田実公明党

○沢田実君 もう少し時間がございますので、次に日ソ漁業交渉のことについて農林大臣に承りたいと思います。  先ほど質問がございまして、若干の答弁があったわけでございますが、ニシンについては全面禁漁というようなことがいわれておりますが、そのニシンの問題について、まずお尋ねをしたいと思います。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(倉石忠雄君) いろいろ中間で新聞等に出てまいりますけれども、まだこちらのほうで、こちらの代表から公電で最終的なものを言ってまいっておりませんので、これは外交折衝の途中でございますので、その辺は申し上げることを遠慮させていただきたいと思います。

沢田実公明党

○沢田実君 その点はわかりましたが、カニの大幅規制、あるいはサケ、マスの減船というようなこともいわれておりますが、いまおっしゃったことと同じでございましょうか。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(倉石忠雄君) その点は亀田さんに先ほどお答え申し上げましたように、先方は、本年は非常にきびしい態度で臨んでおります。したがって、なかなか交渉は難航いたしておるわけであります。

沢田実公明党

○沢田実君 タラバガニにつきましては、欧州諸国で非常に需要が多い国際商品として、ソ連のドルかせぎ商品の一つになっている。こういうようなことから、ソ連がこのような主張をしているのじゃないか。しかし、そういう主張は、自国の利益を中心にすべてを考えたソ連の露骨な大国主義、そういうように言わざるを得ないと思いますが、いま大臣のお話のように、さらに努力をなさるわけでございますけれども、政府はこの問題を解決するためにさらにひとつ努力をお願いしたいと思います。そういう考え方に対する大臣のお考えをお尋ねをしたいと思います。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(倉石忠雄君) タラバガニにつきましては先ほどもちょっと申し上げましたように、西カムチャッカの大陸だなにおりますタラバガニは大陸だなに付着しておる生きものである。したがって、これは元来ソビエトロシアの所有に属するものだと、こういう御主張でございます。ところが、国際的にも、また専門家たちの定説は、カニは泳ぐものであるという議論、これはもう数年来やっておりまして、ことしもまた専門家会議では同じような主張が繰り返されておるのでありますが、わが国はこれは公海のものであるということで、技術的にもまた非常に掘り下げた研究を長くやっておりまして、そういう主張に基づいて、こちらの正しい主張を立証してやっておるわけでありますが、さっきもちょっと申し上げましたように、私どもとしては、今日以後さらに打開できる見込みで全力をあげて努力をさしておる最中でございます。

沢田実公明党

○沢田実君 カニの出漁が迫っておりますので、交渉の早期妥結が望まれているわけであります。昨年の交渉で操業規模は最小限のところまで規制された。この上さらに譲歩するということになりますと、業界の死活問題であろうと思います。また、国民の食生活にもたいへんな影響があろうと思います。国民は重大な関心を持って見守っているわけでございますので、大臣ただいま御答弁いただきましたように、この問題については全力をあげてひとつよろしくお願いをいたしたいと思います。  時間の都合もありますので一たん……。あとの分でやらしていただきますから。     —————————————

堀本宜実自由民主党

○委員長(堀本宜実君) 次に、高山恒雄君の質疑を行ないます。高山君。

高山恒雄民社党

○高山恒雄君 私は、けさほど問題になっております福岡の問題でお聞きしたいんですけれども、大臣見えませんですね、運輸大臣。

堀本宜実自由民主党

○委員長(堀本宜実君) 速記をとめて。   〔速記中止〕

堀本宜実自由民主党

○委員長(堀本宜実君) 速記を起こして。

高山恒雄民社党

○高山恒雄君 早朝から福岡の問題で亀田議員ほか多数の人が質問されましたが、いまニュースも入ってきましたところだし、質問したいと思いましたけれども、あと回しにして、他の問題で質問したいと思います。外務大臣に——外務大臣も行かれたんですか。  それでは繊維の問題に関連しまして私は各大臣にお聞きしたいんですが、今度のアメリカの包括規制の問題で、非常にまあ長期にわたる混乱が起こっております。この混乱は、非常に無理な規制を、日本の外務省を中心とする交渉が、あるいは資料に基づかないで、ただ親善ということが優先しての外交のように、われわれがいろいろ新聞、テレビその他から拝見しますと、そういう感じを受けるわけです。  で、今度の繊維の問題は、言うまでもなく、綿紡の規制をしましたときに、その他の規制はしないんだ、これがまず大原則なのであります。特に私はいろいろ調べてみたんですが、政府が昨年の輸出の実態について最高輸出会議を開催して目標をお立てになっております。その平均が一五・四%の増になっておるわけです。その中で、農水産物、鉄鋼、重機械、軽機械、化学品、窒素、建材、あるいは繊維、パルプ、いろいろございます。その中で一番少ないものが農水産物です。これは〇・五%の輸出を見込んでおるわけです。その次が繊維で、〇・九八しか見込んでない。その一番悪い産業のものをアメリカが規制しようとしておるのです。どうして、日本の産業の一番悪いものを目標にしてきておるアメリカに対して、日本がき然たる態度がとれないのか。しかも筋が通っておるではないか。このことについて、私は、国際収支はいま黒字だといって大蔵大臣も言っておられますが、日本の国際収支の黒字がいつまでも続くとは考えられないのであります。そうすれば、これは大蔵省として、この繊維の輸入規制に対しては、やっぱり日本の産業を守るという立場から、大蔵大臣はどうお考えになっておるのか。ひとつ大臣の見解を私は聞きたいのです。輸出面に対する考え方。

福田赳夫自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(福田赳夫君) いま、日本の国の国際収支は非常に好調であります。ところが、国内で物価騰貴という問題がある。そこで、総需要を抑制しなければならぬ、こういう議論が起こっておるのです。一部にそういう議論がある。ところが、総需要というのは、国民消費、産業投資、それから財政需要と、第四番目が輸出需要、こういうことになる。そこで、投資も押える、財政もまあ警戒型にする、同時に輸出需要も押えたらどうだろうということを言う有力意見があります。しかし、私はそれには実は反対なんでありまして、輸出というものは一朝一夕にできるものではない、市場を世界各国に拡大し、これを定着させる、これは容易なものでないので、幾ら総需要を押えるという必要がありましても、輸出だけはこれを押えるという考え方は適当でない、こういう考え方をとっているわけであります。  それから繊維についてはどうだというお話でありますが、もちろん、繊維ももう輸出の一環として考えなきゃならぬ問題でありますが、これは繊維交渉もある程度の段階に来ておるようで、まあ外務大臣、通産大臣、たいへん苦労しておる最中であります。私は、この繊維問題についてはその交渉の経過を何事も知らされておりません。したがって、この具体的問題につきましては私はお答えする資格が残念ながらないのであります。

高山恒雄民社党

○高山恒雄君 大蔵大臣はそう言われますけれどね。やっぱり、この問題に関係がないと言われますけれどね、私は、こういう重要な問題は閣議で決定すべきだと、基本原則、こう思うんです。それが一つ。  もう一つは、アメリカは、全産業の中の繊維のウエートは一二・二六%だと思っております。日本は一六・八%です。日本より規模の小さい、アメリカ全産業の中で規模の小さいものをまだ擁護しようとしておるんです、アメリカは。日本の場合はそのウエートとしてはるかに大きいにもかかわらず規制をしようとしている。自国防衛をしようとしている。産業防衛をしようとしておる。こういう面からいけば外務大臣と通産大臣と総理におまかせしないで、閣議で決定して、き然たる正義の立場の、やっぱりガットならガットでいくべきだ、こういう主張を出すべきだということを私は考えるんですが、大臣遠慮なしにその点は言っていただいてもいいんじゃないですか。

福田赳夫自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(福田赳夫君) われわれも、この問題の基本的な方針として、ガットの精神にのっとっていくべきである、筋はどこまでも通すべき問題であるということは、もう私も十分心得ております。しかし、その筋を立てながらここに妥結の道があるかないか、これがいま総理や通産大臣、外務大臣が苦心をしているところなんであります。筋を立てながら、しかも日米友好という広い幅の中でこの問題を解決しようと、まあそういう最中と思います。

高山恒雄民社党

○高山恒雄君 次は、農林大臣にお聞きしたいんですが、私は、繊維はかりに四分の一の二五%を規制したとしますと、綿紡が横ばいです、そこに化合繊とウールの規制をするということになりますと、現在ですら困っておる状態の地域がありますのに、かなりの影響があると思うんです。しかも、繊維は北陸四県、それから近畿、中部、中国、なお北関東、こういう中心を考えてみますと、少なくとも農業収入の半額にひとしい、いわゆる農家がこれに従事しておることを私は承知いたしておりますが、農林省あたりも、出かせぎで困っておる現状から、農業対策の一環として繊維の立場にも一応関心を深めていただいて、私は閣議で十分なる討議をすべきだという論を持っておるわけです。農林大臣はどうお考えになりますか。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(倉石忠雄君) お話がございましたので、いろいろ研究してみましたのですが、大局的にはいろいろな御意見があると思いますが、とりあえず私どもに直接関係のありますものを調べてみますと、生糸はもう全部これは養蚕家でありますから私どもの関係でありますが、生糸を含めまして四十二年度に全体の就業人口のうち二十二万七千人がこれであります。四十三年には若干ふえて二十三万八千人、したがって、全体の中で繊維産業に関係をいたしておると見られる者の数は、パーセンテージで言うと、四十二年が五・四%、四十三年が五・六%であります。これは私どものほうの農家就業動向調査の統計でございますが、いま問題になっておりますのは合繊のほうでございますので、これが兼業としてどの程度にわれわれの農家の生活に寄与しておるかということをつまびらかにいたしませんけれども、全体としては、たとえば生糸などは、昔はアメリカに対する輸出の大宗でございましたが、今日は御存じのような状態になっておりますが、全体としては、お話のように、私どものほうから見ますというと、兼業で多くの関係があると思います。そういうことでございますので、政府がいま考えておりますような考え方で円満に妥結されることを待望いたしておるのは当然でございます。

高山恒雄民社党

○高山恒雄君 閣議の決定はどうですか。閣議で決定すべきだという論にはどうですか。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(倉石忠雄君) そういうことにつきましては、担当のほうの閣僚がそれぞれ考えておられるでありましょう。私ども、担当しておられる閣僚の御意見を尊重して、そういう方向に従うつもりであります。

高山恒雄民社党

○高山恒雄君 労働大臣にお聞きしますが、いまさら言うまでもないと思いますが、二五%の規制に対しては、かなり労働条件に問題があると思います。最近の繊維に携わっておる労働者はですね、簡単にやめられない実情がふくそういたしておりまして、定時制の高校に七五%行っている。短大に約一二%行っているんです。こういう実態から見ますと——不況になり、かつまた合理化が起こるということは私は目に見える状態ではないかと思うのです。輸出から見てもですね。労働省はこれに対して黙っておってもいいのか。閣議で決定すべきだというこの趣旨に対して、どうお考えになりますか。

野原正勝自由民主党労働大臣

○国務大臣(野原正勝君) 先日全繊同盟の皆さまが私のところに参りまして、この問題についてはまさに労使一体となって何とか打開の道を講じてもらいたいと、非常に強い要請がございました。資本家及び働く諸君のお気持ちがまさしく一体となって、この繊維規制の問題に対しては絶対に主張を曲げるわけにいかないというような気持ちを訴えられたわけでございます。私も十分その点を理解できましたので、できるだけひとつ御協力申し上げようという点で、閣議の席上でも一言お伝えいたしまして、労働側の強い御要望であるから十分この点を考慮してもらいたいということを申し上げておったわけでございますが、正式に閣議の問題として取り上げるかいなかという問題は総理大臣の御意向できまると思うのでありますけれども、いやしくも各閣僚がそうした閣僚の御意見を十分に反映させるように、閣議におきましても適切な助言をする、あるいは発言をすることは必要であろうかと考えております。

高山恒雄民社党

○高山恒雄君 通産大臣にお願いしますが、通産省は、最近はかなり基本原則を守るという前提に立っておられるように私はいろいろの情報で見ておるわけですが、どうですか、通産大臣、この問題は非常に重要な問題です。先ほども申しましたように、綿の規制から綿が横ばい、その上に化合繊とウールをやるということになれば、もう繊維は横ばいだ、いわゆる日本全産業の中からウエートはますます小さくなるのだ、こういうことを考えますと、アメリカが主張するこの包括規制は重大な問題だと私は思うのです。閣議でこれを決定するという考えか、あくまでもガットの精神に基づいてやるのだ、こういう意思はございませんかどうか。

宮澤喜一自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) 先ほどから、アメリカが繊維について規制を求めてきているということはどういう理由であろうかというお尋ねがございまして、これはまあ向こう側のことでございますので、私としてはそんたくをするしかないわけでございますけれども、一般的に申しまして、アメリカの繊維産業の生産性というものは決してよその国に比べて低くない。むしろ、設備の更新等はかなり進んでいるというふうに思われるわけでございます。ただ、しかしながら、繊維産業というものは、化合繊の綿、糸を除きましては、いずれにしてもかなり労働集約的な産業でございます。織物にいたしましても、二次製品はもとより、縫製加工などは非常に労働集約的なものでございますから、そこでやはり米国の賃金水準というものとその他の国の賃金水準というものは現実にかなりまだ違っておりますから、そこで、それらの産業をアメリカで相当設備更新をいたしましても、本来労働集約的であるだけに、比較競争力はだんだん弱まっていく、追い詰められていく、これはしかし私は当然のことだと実は考えておるわけでございます。そういう事実が一つある。その上に、わが国その他の国から、まとまって入ります品目としては、やはり米国としては相当輸入量の多いものであることも確かでございます。そういたしますと、アメリカの国際収支の問題があるというようなこともあって、それらのことを総合いたしまして、まあこの繊維というものという感じになったのではなかろうか。これは私がそんたくをいたしますわけであります。まあしかし、そう申しましても、わが国自身も、化合繊のそういう綿、糸は別にいたしまして、発展途上国からだんだん追い上げられているときでもございます。わが国自身も非常にむずかしい問題を業界が持っておるのでありますから、原則を踏みはずしまして妥協いたしますと、先ほどから御指摘のように、わが国の業界、それからそれに関連いたします雇用、地方の経済等々にはやはり相当大きな影響がある。したがって、前々から総理が言われておりますように、私どもとしては、この問題を誠意を持って早く解決したいとは考えますけれども、やはり守らなければならない原則もあり、また国会の御決議もある、こういうふうに考えておるわけでございます。

堀本宜実自由民主党

○委員長(堀本宜実君) 橋本運輸大臣から発言がございます。許します。

橋本登美三郎自由民主党運輸大臣

○国務大臣(橋本登美三郎君) ただいま福岡の飛行場からの報告によりますと、説得これつとめましたが、残念ながら説得することができませんで、十数名の人を、婦人、子供、病人等をおろしまして、そうして二時ちょっと過ぎに、機長の判断で、管制塔からの許可を求めないで、そこで自分は三十八度線をこえて平壌に向かう予定だ、ということで、二時ちょっと過ぎに問題の飛行機は福岡を立ったのであります。まことに残念ながら説得することができませんことを心から遺憾に存じます。現在飛行機は釜山沖大体百キロの地点でありますから日本海方面でありますが、そのほうを通って約二万三千フイートの高さで北上中であります。その状態から見まするというと、約三十分後には、平壌か、適当な、まだはっきりしたことはわかりませんけれども、北朝鮮の飛行場に着くのではないかと、かように考えられます。たいへん心配でありますので、外務大臣に対して、乗客の生命の安全及び飛行の安全等を関係各国に連絡をしてもらいたいというお願いをいたしまして、外務大臣からそれぞれの措置をとったと存じまするが、それらについては外務大臣からお答えがあると思いますので、私は残念ながら説得に成功しなかった、遺憾ながら彼らは残りの乗客を一緒にして、北朝鮮に向かったという点を御報告申し上げて、遺憾の意を表する次第であります。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○国務大臣(愛知揆一君) ただいま運輸大臣から御報告申し上げたとおりの状況になりまして、ほんとうに残念に思う次第でございます。ただいま関係閣僚緊急協議をいたしまして、運輸大臣から直ちに私に対しても御要請がございましたので、それを待つまでもなく、北朝鮮に向かったとまず見られる公算が大でございますから、人命、人道上の問題として、北朝鮮側に対しまして、人命の保護、まず第一にこれに対して要請をすることにいたしました。その方法といたしましては、ソ連政府を通じて北朝鮮側に直ちに要請するようにただいま指示をいたしました。それから赤十字を通しまして、朝鮮赤十字に対しましても同様の協力を求めました、なお、朝鮮半島東側を北上中のようでございますから、韓国政府に対しましてもその安全航空に対して協力を求めました。  以上、まことに遺憾でございますが、御報告申し上げます。

高山恒雄民社党

○高山恒雄君 非常に重要な問題でございまして、たいへんだと思いますが、この十数名の人、病人と子供を救済することができた、これは、方法としてはどういう方法で出したのですか。そういう点は明らかでございませんか。

堀本宜実自由民主党

○委員長(堀本宜実君) 暫時休憩をいたします。    午後二時四十分休憩      —————・—————    午後二時五十八分開会

堀本宜実自由民主党

○委員長(堀本宜実君) ただいまから予算委員会を開会いたします。  山田勇君の質疑を行ないます。山田君。

山田勇第二院クラブ

○山田勇君 質問時間がきわめて短時間でありますので、さっそく本題に入りますが、現在非常に大きな社会問題となっておりますスモンについて質問いたします。  ここに一つの新聞の切り抜きがございますが、「スモン病は社会的災害」という見出しで、スモン調査研究協議会のある学者が、スモンの正体に迫るのはとてもこわい。〇〇ウイルスだ、××ウイルスだといって、犯人さがしみたいな気持ちで扱える疾患ではない。「これはかつてない社会的災害ではないのか。その全容が現れてきたとき、いや応なく、わが国の荒廃のさまを同時に突きつけられることになるのでは」ないかと語っている。ちょっとセンセーショナルな記事でありますが、現在、感染説とか、中毒説、アレルギー説、代謝障害説などといろいろ言われておりますが、原因も治療法もわかっていないということでは、患者はもちろん国民にとっても大きな不安であります。まして、スモンが年々増加の傾向にあるということは、一応恐怖感をつのらせます。  そこで、この際、まず予防ということを最優先に考え、病気をこれ以上ふやさないよう最大の努力を払うことが緊要ではないかと思うのであります。そのためには疑わしきは徹底的に究明する態度が必要かと思います。そこで一つの問題を提起するわけですが、ここにアメリカン・ドラッグ・アンド・コスメチック・インダストリー、医薬品と化粧品工業の一九六〇年四月号のチオグリコレート物語という文献の写しがございます。その記事の中で、米国において一九四六年の夏、コールドパーマによって筋肉のしびれや舌の障害のおそれがあるとして、コールドパーマ産業に突然の停止がもたらされたことが述べられております。このことは次の二点でも興味を呼びます。すなわち、症状がスモンと似ているということ、それにスモンのきめ手として大きなウエートを占めているウイルス、その感染母体となる嫌気性菌を培養するチオグリコレートがパーマ液に配合されているということであります。ところで、このチオグリコレート培地というのがありますが、これはウイルス、伝染母体となる嫌気性菌を分離し、培養し、検疫する世界共通の培地でありますが、市販されておりますこの培地にチオグリコレート酸分を六グラムと水を加えて百グラムとすれば、市販されている二浴式パーマ液と同じものになるといわれております。ちなみに、パーマ液は大別してこの一浴式と二浴式があります。そういたしますと、二浴式パーマをかけることによってチオグリコレート培地が頭の傷口や皮下の真皮にできる結果となり、危険性も十分と考えられるのですが、この点いかがでしょうか。

内田常雄自由民主党厚生大臣

○国務大臣(内田常雄君) 近来、スモン病が山田先生お述べになりましたとおり、非常に社会的に大きな問題になっておりまして、私ども厚生省といたしましても、これに全力をあげて実は取り組んでまいっております。毎年相当額の予算を計上いたし、またその方面の学者、専門家にお集まりをいただきまして、国立予防衛生研究所の河野博士がその協議会長になりまして、全国の学者の方の御協力のもとにそのの原因あるいは診断法、治療法等究明いたしておりますけれども、いま先生からお述べになりましたように、まだ原因がはっきりいたさないことはまことに残念でございます。疑わしきものにつきましては、できるだけこの予防の見地から対処すべきことはもちろんで、私どもといたしましてもそれを怠るつもりはございません。ただいまお尋ねがございましたある種の、現在もっぱら行なわれている二浴式のコールドパーマ液についての御疑念でありますが、これは、私はその方面は専門家ではございませんが、厚生省が取り調べまして、ここに回答として書いてまいりましたものをそのまま読ましていただきますと、現行のパーマネントウエーブ用剤基準の制定に当たっては、医学、薬学の専門家により構成されている中央薬事審議会において、それぞれのパーマネントウエーブ用剤の安全性について調査、審議が行なわれたものである。コールドパーマ液の使用は、この審議会の判断によっても所定の注意を順守して使用する限り、保健衛生上の危害を生ずるおそれのないことが確認されているものであって、コールドパーマ液自体の品質に対する安全性は十分確保されているものと考えている。なお、諸外国においても、わが国において使用されているものと同様の、いま御指摘の、これにはチオグルコール酸を主成分とするコールドパーマ液が使用されているが、安全性の確保の面から、特に現在問題になっている事実は聞いていない。なお、専門の学者から、二浴式コールドパーマ液がスモン病あるいは小児麻痺や奇型児の原因になるという話も厚生省としては聞いておらない。また、米国でかつて二浴式コールドパーマ液が二年間使用を禁止されたというお話に関連いたしまして、これは大使館を通じまして調査をいたしました結果、そういう事実も目下のところ聞いていない、こういうのが厚生省の態度でございます。

山田勇第二院クラブ

○山田勇君 二年間停止されたことはないということですが、こちらはこちらのまた確証があるんですが、時間がないので、またいずれ厚生省のいろいろと御見解を聞きたいと思います。  先ほど大臣は安全性の確保ということを言われましたが、百十八社あるパーマ液を製造しているメーカーを無差別に私は百社ほどのいわゆるパーマ液、原液というものを持って帰りましたけれども、それにはそういう生理日、また妊産婦にはかけてはいけないというような表示をしなければいけないというんですが、その表示は全く守られておりません。各パーマ店を見ましても、そういうようなポスターをあげているところはございません。これは厚生省通達であげるように指示しているはずですが、その指示どおりされていないということは、行政上の大きな欠陥があるんじゃないかと私はさよう承知しております。つきまして、二浴式パーマ液の取り扱い規程では、液が皮下に付着するのを防止しなければならないと書かれておりますが、大体二十五歳以上の婦人の場合、ほとんどの人がショートヘアのため液は必然的に皮下につくわけでございます。このことはスモン発生の年齢、性別調査の結果と関連があるように思うんですが、どうでしょうか。また、チオグリコレート培地の使用条件として、培養の適温は三十度から三十七度ということは、スモン発生が五月から九月と夏季に多く、湿度の高い関西地方に多発していることとは関係ないでしょうか、ひとつその点をよろしく。

内田常雄自由民主党厚生大臣

○国務大臣(内田常雄君) コールドパーマ液は薬そのものではなしに、部外品という法律上の扱いを受けているものだそうでございまして、したがって、法律上はその成分とか、使用上の注意を同時にこれに貼付しなければならないということにはなっておりませんけれども、しかし、厚生省は行政指導といたしまして、このパーマの液の製造、販売の承認をいたします際に、使用上の注意をつけろということを申し渡しているわけであります。それが、山田さんの御指摘のように、十分守られていないというような状況があれば、これは私どもといたしましてもまことに遺憾なことと存じますので、十分ひとつ調査をいたしまして、そして使用上の注意を貼付するよう強力に関係団体に対して指導をいたしてまいりたいと存じます。  また、スモンですが、これは私が承知をいたしておりますところによりましても、わりあいに男子よりも婦人のほうが多く、また中年過ぎの方に多いというようなことでありまして、パーマを盛んになさる御婦人の年齢よりも少し年をとった方のほうに多いようでございますけれども、そこの因果関係というものは多少常識からずれるわけでありますけれども、先ほど私が読み上げましたように、現在までのところでは、二浴式のパーマの液、あるいはその成分というものが疑わしきというものの範囲に専門家の判断で入ってきておりません。しかし、これは御注意もありますので、調査研究を行なうのにやぶさかではございませんので、先ほど私が述べましたような学者にも山田さんのお説を伝えまして、そして検討として取り上げるべきかどうかというようなことも、これは私どもといたしましてやってまいりたいと思います。

山田勇第二院クラブ

○山田勇君 そういうささいなことでも少し取り上げていただいて、鋭意検討していただくということはたいへんけっこうかと思います。アメリカでは、すでに財団がそういう医療財団を組みまして、どんなわずかなインフォメーションでも与えてもらって、それを徹底的に究明、解明していくという説がとられております。どうか厚生省もそういう点で前向きの姿勢でひとつよろしくお願いしたいと思います。  とりあえず、一九四六年にアメリカの二浴式パーマ液は全面停止されております。そうして二年半の製造禁止後、新しい、きびしい規格でコールドウエーブ工業は再出発したそうですが、日本でもこの例にならった措置を講じるお考えはありませんか。先ほど厚生省の見解では、そういうことはないと言いますが、ここにこういう原文を持ってきております。これには完全に停止されたとされております。アメリカで調べましたところによりましても、先日私がアメリカへ行って調べてきましたところによりましても停止されております。ですから、そういう点、もう一度お考えになっていただけませんか。また、現在のアメリカ、日本におけるパーマ液に含まれておるチオグルコール酸の比率はわかっておられるでしょうか。その点ひとつ濃度の基準でけっこうですから。

内田常雄自由民主党厚生大臣

○国務大臣(内田常雄君) その方面の専門家の政府委員からお答えをいたさせます。

加藤威二厚生省薬務局長

○政府委員(加藤威二君) 二浴式パーマの液に含まれておりますチオグルコール酸のパーセントは大体二%から七%ということでございます。

山田勇第二院クラブ

○山田勇君 じゃあ、時間がきたようですから、二部に移らしていただきます。

堀本宜実自由民主党

○委員長(堀本宜実君) 次をお使いになれば、いいのですよ。

山田勇第二院クラブ

○山田勇君 じゃああとに回します、あとは総理にあれですから。     —————————————

堀本宜実自由民主党

○委員長(堀本宜実君) 次に、戸田菊雄君の質疑を行ないます。戸田菊雄君。

戸田菊雄日本社会党

○戸田菊雄君 本題に入る前に、総理に、けさ727の飛行機事故等について、現在までも機会を見まして、運輸大臣、外務大臣からいろいろな対策の内容についてお伺いをしたのでありますが、けさほどの運輸大臣の報告によりますと、あるいはまた対策の方針によりますと、あくまでも説得をして、人命第一主義、こういう立場で対処していきたい、こういうことであったのですけれども、ニュースによりますると、三時に飛び立った。先ほどまた運輸大臣から報告になりまして、聞くところによると、目下北朝鮮の上空を飛び回っておる、こういう状況だそうでありますけれども、本問題の一連の事故防止ないしは人命救助、あるいは、北朝鮮に行っているわけでありますけれども、そういった外交上の問題、こういった各般のこれらに対する対策について総理から一言お伺いをしたいと思います。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) いまお尋ねがありまして、実は私も宮中から帰って大体の報告を聞いたところでありますが、たいへんむつかしい状態の問題でございます。  そこで、 まず一つはっきりしておきたいことは、両国政府間の問題でないこと、政府が関係しておらないということ、これだけははっきりしておるようでありますから、そこで政府間に誤解があってはならないと、かように思っております。そのことを一応申し上げて置く。そうして、いまの飛行機が、私が宮中に参りますまでは、何とかして飛び立たないで済むような話がつかないだろうかという、そういうことでいろいろくふうしたようでございましたが、しかし、どうも機内の状況が、外部とは切断はされておりますけれども、いわゆるラジオその他は適当に機内でもキャッチしておりますので、機外の情勢、これは逐一機内にもわかっておったのではないかと思います。そういうようなこともあって、とにかく私どもが飛び立たないようにと念願したにかかわらず、一部乗客をおろして、そうして飛び立って北上したこと、これは御承知のとおりであります。そうして御承知のように三十八度線を越したと、そうして北鮮に差しかかり、ところが、いま私がこの席に来ます直前ですが、どうも北鮮の飛行場は使えそうにないというか、どうも北鮮で入国を拒否しているんではないかと思える節があるわけでございます。したがって、どうも北鮮の上空から南下を始めたと、飛行機が南下しつつあると、こういうような話でもございます。とにかくいまのところ、一部の暴徒というか、暴力行為者、それらの連中、無謀な連中に乗っ取られて、ただいま行く先がわからない。案外、われわれが心配はしているが、福岡までまた帰ってくるかもわからないと、あるいは途中でとまるかもわからない、そういうような状態でございます。けれども、とにかく私一番心配しておりますことは、この問題が両国間の問題でないようなこと、そこに誤解を生じないようにすることが第一の努力であり、そうして第二は、多数の人たち、その生命が安全に無事であるように、そういう意味でどういうような処置をとるかということを私どもはいま考えておるような次第でございます。いまメモが入ったところのその情報では、一たん北鮮に入りまして、三十八度線以南では韓国の飛行機がエスコートしたと、それから北鮮の上空になってからは、北鮮の飛行機がこれをまあ追っ払ったというようなことになるわけですが、もう南のほうに、飛び立った日航機を南下さして、そうして金浦飛行場に着陸許可を求めていると、こういうことであり、北鮮機は北に戻ったと、こういう情報でございます。これは、求めていたのが、これが着陸したと——金浦というのはソウルの南の飛行場でございますから、そこに着陸したと、したがって、ただいま、私ども心配したような事態、爆破されない限り、ただいまのところ無事であると、かように思います。

戸田菊雄日本社会党

○戸田菊雄君 結局彼らの主張するそういうものは実現されなかったわけでありますが、南朝鮮の金浦飛行場に着陸をして、その後のやはり状態が私はいろいろ心配されると、いずれにいたしましても国外に行っておるわけでありますから。こういう問題については、運輸大臣なり外務大臣のほうから、万全の遺憾のない措置がとられておるとは思いまするけれども、今後のこの対策、見通し、そういう問題について、ことに十数名乗っておるようでありまするが、自暴自棄になって、事後のいろいろな罪の追及その他をおそれてどういうことをしでかすかもわからないという、全く暴徒でありまするから、そういう問題についてもあわせて慎重な対策をとってもらうことが必要ではないだろうかと、こういうふうに考えますので、その辺に対する所見を総理からお伺いしたいと思います。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) この問題については、最悪の事態を免れることができたようでございます。おそらく、金浦に着いたということですから、爆破するなどはまずないことだろうと思います。そこで、韓国に対して、どうか乗客全員の生命をひとつ保障してもらいたいし、また適当に送り返してもらうと、そういう交渉はいたします。また、国内の飛行場のこれからの取り締まりの問題でございますが、いまも相談をしたのですけれども、ある程度、これはたいへん不幸なことだが、こういうことができ上がると、もう少し飛行機に乗る場合の点検その他がいわゆる人権の侵害にわたらないような方法でもっと徹底できないだろうか、そういうことはもっとくふうしてみようじゃないかと、いま話して出てきたばかりであります。あるいは、そういう意味で、万国博が開かれておりますし、外国の客は盛んに日本にやってくるし、空の旅は、飛行機は機数もふえてくると、こういう際でございますが、そういう際に飛行場の取り締まりが厳格になるということは、まことに残念なことでございますけれども、こういう事態を考えて、影響するところを考えると、国民の皆さん方も、また諸外国の方々も、ある程度御協力願って、ごしんぼう願わなきゃならぬのじゃないだろうか、かように思っておるような次第でございます。ただいまその詳細は、国家公安委員長、また運輸大臣、あるいは防衛庁長官等々で相談はしておりますが、ただいま一応この問題が、金浦に着陸した後のどういうように収拾されるか、いましばらく時間をかけておかないとわからないんじゃないかと思います。この問題については、後刻情報が入ったそのつど皆さま方にお知らせすることにし、一般飛行場の取り締まり等について、ただいま申し上げるような、ある程度厳格にならざるを得ないだろうと、自由自在にはなかなか飛び立てないと、そういう意味で、政府はたいへん苦しい立場にはございますが、積極的に御協力を願う以外に方法はないと、かように実は考えて、ただいま指図をしておるような次第でございます。御了承願いたいと思います。

戸田菊雄日本社会党

○戸田菊雄君 それでは本題に入りたいと思いますが、まず暫定予算の問題について若干質問してまいりたいと思いますが、今回の暫定予算は、人件費、事務費など必要最小限度の経費にとどめて、政策的経費は計上されておらないと考えるわけでありますが、そういう理解でよろしゅうございましょうか、大蔵大臣。

福田赳夫自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(福田赳夫君) さような御理解でけっこうでございます。

戸田菊雄日本社会党

○戸田菊雄君 暫定予算の性格上、ただいま大蔵大臣がお述べになったとおりだと思うわけでありますが、この国会の本予算の審議を抑制するようなことがあっては私はいけないんだろうと思います。しかし、この産業投資特別会計へ一般会計から約八十億円の出資が行なわれておるわけでありますけれども、これは一体どういうことで、どこへ一体出されているのか、その辺の内容についてお伺いをしておきたい。

福田赳夫自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 本予算におきまして産業投資特別会計へ輸銀の出資分として七百六十億円を予定しておるわけです。今回は暫定予算において、その一カ月余りに相当しますが、八十億円を繰り入れると、こういうことにいたしております。これはどういう趣旨かと申しますと、輸出入銀行におきましては、輸出の誘導的助成、そういう役割りを尽くすという見地から、まあときには低利な金も使わなけりゃならぬ、それには国庫からの出資というような形で無利息の金を入れる必要があるので、しかも、これを早く入れておきませんと、年度を通ずる利息負担、利息が安くならない、そういうような事情がありまして、大体暫定予算でありまするから十八日分ということが通例でございまするけれども、まあ、約二倍に当たりますか、その額である八十億円を産業投資特別会計へ繰り入れるということにいたしたわけです。産業投資特別会計は、その八十億円と自己資本の十億円をもちまして、九十億円を年度早々に輸出入銀行に出資をいたすと、こういうことにいたし、もって貸し出し利息がなるべく低利に実行できるようにという配慮をいたしておるわけでありまして、これは四十三年度の際もそういう同じ趣旨から暫定予算におきまして五十億円を繰り入れいたしておるような次第でありまして、これは輸出入銀行の業務を正常に維持するという意味合いにおいて暫定予算に計上いたして支障はないと、かような見解でございます。

戸田菊雄日本社会党

○戸田菊雄君 ただいまの御答弁を聞きますと、まあ、四十三年度暫定でもそういう措置をとったというようなことを言われるわけでありますが、それは決して輸出入銀行だけが暫定を組まなければ支障を来たすというような性格ではないと思うのでありますね。全体として、いずれにいたしましても、四月一日以降それぞれの影響を受ける、こういう立場になるのだろうと思うのであります。それに対してなぜ一体輸銀の関係にだけそういうことで出資をしなければいけないのか。たとえば輸銀の中には日中等の貿易の問題なんかも含まれておって、いわば非常に政治的な配慮のある内容になっておるのではないかとも思う。そういうものに政策的計上という形でもっていくことは一体妥当なのかどうかということについて、もう一度質問いたしたいと思います。

福田赳夫自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 輸銀の量を充実するという結果にもなりまするが、それはねらいとするところじゃないのです。なるべく年度初頭におきまして金利のつかない金を入れたいという趣旨なんです。本予算では七百六十億繰り入れいたしますが、この七百六十億が実は非常に窮屈なんで、これでは、輸銀の輸出金利は低いものは四%があります、高いものは七%がありますが、その利息が非常に窮屈になる。そういうようなことから、まあ、利息を多少頭に置きながら、十八日分よりは少し多額の繰り入れを年度当初早々にいたしたいと、これは政策的な意味は全然ございません。

戸田菊雄日本社会党

○戸田菊雄君 農林大臣にお伺いをいたしたいと思うのですが、この米の減産対策と暫定予算の関係でお伺いをしたいのでありますが、この前の補正予算でいろいろと対策費用等の問題について審議をしたわけでありますけれども、暫定予算には、四十五年度の農政最大の課題である予算編成段階でも大きな問題になりました米の減産に対処する予算は全然組んでないのですね。これは一体どういうことでしょう。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(倉石忠雄君) なるべく田植えに間に合わせるように早く処置をいたす必要があると存じまして、そのための準備費を補正で二十億計上いたしたことは御存じのとおりであります。そこで、それにさらにこれを促進させるために前の予算の流用をいたしまして、二億二千万円前にやりましたのの残額がございますので、これを流用いたしまして、準備のための仕事ができますように措置をいたしました。そこで生産調整の準備はそれによって軌道に乗ってきておりますので、いまあなたの御指摘になりましたのも、その期間を通じて必要な奨励の事務費等どうして計上しなかったかというお尋ねも入っていると思うのでありますが、いま申し上げましたように、十八日間も、前の二十億と、いま申しました前の予算の残の流用によりましてすでに準備のための事業が行なわれておりますので、これで間に合うのではないかというふうに考えて、そういう処置をいたしたわけであります。

戸田菊雄日本社会党

○戸田菊雄君 この前私はこのことについて若干質問したのでありますけれども、その際に農林大臣の答弁といたしましては、植えつけ前に着手をしなければならない米の減産対策のために組んだ、こういう答弁ですね、これは会議録で明らかでありますけれども。そういうことであるとするならば、三月三日ですから、今日まで二十日間とちょっとでありますね。四月十八日までの暫定予算期間と私はほとんど同じだろうと思う。そういう補正予算に組んで着手しなければならなかった米の減産対策が、なぜ暫定では措置をしなくてもいいのか。この辺が非常に疑問に思うところです。補正予算の時点よりもはるかに田植え時期は近づいてきているわけですから、そうだとするならば当然暫定予算にそれらの対策費用というものをやっぱり組むべきではないか、このように考えるのですけれども、大臣の見解はどうですか。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(倉石忠雄君) お話の趣旨よくわかりますし、そこで、補正予算のときになぜ補正に、こういう小規模の土地改良だとか種や苗の予算、それから機械化の予算などを組んだのかというお話もございましたが、補正で組みましたのは、いま申し上げましたように、取り急いで諸般の準備をしていただくということが生産調整を進めるのに実際にやっていただくほうの側に好都合であろう、こういうことで急いでそういう準備費を二十億計上いたしたのでありますというお答えをいたしまして、補正にいたしました理由を御説明申し上げたのでありますが、いま申し上げておりますように、前に取ってありました予算の残りがございますので、それを、いま申し上げましたように、二億二千四十万六千円、これを流用いたしております。このような措置をとっておりますので、この十八日間の暫定期間も、私どもの期待いたしておるような準備のための事業を継続してもらえるであろう、こういうことであります。

戸田菊雄日本社会党

○戸田菊雄君 どうも大臣の答弁ちょっと理解しにくいのでありますけれども、別な角度でちょっと質問したいのでありますが、原則として四十五年度予算の十八日分だということなんですね、今回の暫定予算は。そういうことだとすれば、農林省の四十五年度予算に米の減産対策費は反当たり三万五千円、八百十億円、事務費四億七千万円以外にこれは組んでありましょうか。その点はどうですか。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(倉石忠雄君) お説のとおり、奨励補助金が八百十億円、あとは指導推進費補助金一億八千六百二十七万八千円、それから奨励補助金のこれは交付事務費の補助でありますが、二億一千七百九十九万四千円、これは合計して四億になります。これを四十五年度予算に組んであるわけであります。

戸田菊雄日本社会党

○戸田菊雄君 結局、ほんとうの米の減産対策費というやつは四十五年度予算には組んでないということですね。これは暫定予算に計上しようがないんだろうと思うのです。結局、四十四年度補正に組んだ二十億円だけで、それでもこの米の減産対策についてはもうそれが手切れ金だと、こういうことでいっているんじゃないかと思うんですが、この前私が指摘したとおりじゃないかと思いますが、それはどうですか、見解は。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(倉石忠雄君) 手切れ金というのはどういうのかよく知りませんけれども、御存じのように、これは実際に生産調整をやっていただいた方に、それぞれ地方で適当な調査をいたしまして、九月からおそらく十月ごろでございましょう、お支払いいたしますのは。でありますから、八百十億のさらにいま申した四億、それがそのころになって支払われるわけでありますから、生産調整に対しては所期のとおりに実行できるものと考えております。

戸田菊雄日本社会党

○戸田菊雄君 私は、いまの転作ないし土地買い上げ、各般の転作等の問題について非常に農民が不安を持っておる。政府の対策が一体どういうものなのかということで首を長くして見ているんですね。そういうものに対して、今日国会の審議を通じても安心できるような対策というものは全然出てきておらないと思う。そういう中で、ほんとうに政府が一貫して答弁をしておりますように、転作体制というものをしていくためには、もっと私はやはり真剣に考えていかなきゃいけないんじゃないか、そういうふうに考えるわけです。かつて石炭が斜陽産業に向いたときには相当金をつぎ込んでおるわけですね。今年度においてもそうであり、全体二十万の労働者をかかえて、そしてそういうものを転換していく場合には、時間をかけつつ、逐一現地の了解を求めつつ、各会社も、いま立っているようなものは、その処置をうたいながら、あるいは販売部門についても適切な手を打ちながら、今日までやってきておるわけです。この農村の転作の大問題については、帰するところ、これから三万五千、八百十億円ですべてを没にしていこう、こういう政府の考えではないかというふうに思うのですが、そのことで、この転作や買い上げというものがはたして成功するのかどうかということになれば、多くの疑問を持たざるを得ないわけでありますけれども、この辺に対しての総理見解と農林大臣の見解をひとつ伺っておきたいと思います。

福田赳夫自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 御質問のおもな点は、暫定予算に減産対策費が載っていないじゃないかというようなことにあるようでありまするが、これは本予算に載っておるわけです。で、今回の減産対策は、これは政策上の一大転換でございますので、これを暫定予算に載っけるわけにはまいりません。これはかえっておしかりを受けることになる。先ほど申し上げましたとおり、原則として政策的な配慮は用いない。必要最小限度の費用を載っける。そこで本予算のほうでは八百十四億円の転換対策費を載っけておるわけであります。本予算が成立いたしますれば、それを一文も引くことはございません。フルに活用いたして減産対策の推進に当たると、かようなことになるわけであります。

戸田菊雄日本社会党

○戸田菊雄君 時間が往復でだんだん減ってまいってきておりますから意見は申し上げませんが、ひとつ自治大臣に暫定予算に計上されました地方交付税三千五百四十二億四千万円の内訳を説明していただきたいと思います。

秋田大助自由民主党自治大臣

○国務大臣(秋田大助君) これはただいま大蔵大臣も申し上げましたとおり、暫定予算でございますので、政策的な収支関係を見ないということから、ことしの交付税には、御承知のとおり法人税増徴の政策的な要素が入っておりますので、昨年度四十三年度もやりました先例によりまして、昭和四十四年度の国税三税の三二%を見る、こういう措置を講じまして、それから四十三年に借り入れましたものの返済分の処置がございます。これは返済金並びに複雑な借り入れ金をやっておりますので、この収支計算を修正をいたしまして、それに、特交等の分を除き、その前に三二%を取りましたりして、そうして最後にまた返済金を加えるという、これは法律上きめられておりますものですから、まず今回の分をやっておく。そうして、交付税は御承知のとおり四回に分けて交付していきますので、最初にそれを取る、三カ月分をまず計上する、こういうことになる。数字的に申し上げますと、前年度補正後の国税三税が四兆五千百七十八億円ある。右の三二%が一兆四千四百五十七億円でございます。これから四十五年度処置する返戻金百六十五億円を取りまして、そうして借り入れ金の八十億を加えます。それの普通交付税分ですから九四%を見て一兆三千五百十億円になります。四月概算交付額はその四分の一ですから三千三百七十七億になりまして、先ほど申しました返戻金の百六十五億を加えるという複雑な計算をいたしまして、三千五百四十二億円というものが出てまいるわけでございます。

戸田菊雄日本社会党

○戸田菊雄君 その四分の一計上の問題については私もそれでいいと思うんです。ただ、国から地方の借り分、あるいは地方から国に返す分、こういうものの相殺まで暫定でやってよろしいかどうか、これは一体好ましいと思うかどうかということですが、見解はどうですか。

秋田大助自由民主党自治大臣

○国務大臣(秋田大助君) この点は交付税法に書かれてございますので、その詳細につきましては、必要があれば事務当局から説明をさせます。

長野士郎自治省財政局長

○政府委員(長野士郎君) ただいま大臣が申し上げたとおりでございまして、四十五年度における借り入れ金の問題——借り入れ金と返済金を算定に加えておりますが、これはこれらの措置が法律上、地方交付税法の附則第七項、八項、交付税及び譲与税配付金特別会計法の附則第二十四項におきまして、法律上の義務費として当然に返還すべきものとなっておりますので、この点を加算をして交付税の算定の基礎に加えた、こういうことでございます。

戸田菊雄日本社会党

○戸田菊雄君 まあ、私は暫定でありますから、あくまでも交付税法十六条によって処理をすべきじゃないかというふうに考えておるわけでありますが、時間がありませんので先へ進みたいと思うのであります。大蔵大臣に質問したいと思うのでありますが、この今回の暫定歳入歳出の差は四千五百六十六億円、こういうことになっておるのであります。そのうち大蔵証券約五千億円発行するということになっておるわけであります。これは過大見積もりをやっておるように思われるのでありますが、この辺の見解はどういうことでしょう。

福田赳夫自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(福田赳夫君) お話しのように、今回の暫定では歳入不足が四千六百億ばかりになりますが、でありますから、その差額を一体どうするんかという問題が起こってくるわけであります。これは普通大蔵省証券、これで泳ぐ、こういうことになるわけでありますが、実際問題といたしますと、国庫余裕金がかなりあります。さようなことで、大蔵省証券を現実に発行するということになるか、あるいはわずか発行するというようなことになるか、そういうことでございまするけれども、とにかく暫定予算とすると収支じりが合っておらない。これは理論上大蔵省証券をもって泳ぐ、こういうたてまえをとらざるを得ないのでありまして、したがって、四千六百億円でありますが、少し余裕をみて、本予算でお願いをいたしておりますると同様の額である五千億円をお願いをするということにいたしたのですが、実際問題とすると、これを使う機会がありますか、あるいは使いましてもごくわずかなことになるだろうと、かように考えております。

戸田菊雄日本社会党

○戸田菊雄君 その蔵券発行で充当することは当然財政法上これは認められておることですから、それは別に問題がないだろうと思うのです。ただ、四十三年の暫定措置等の場合には、少なくともこの歳入歳出額が三千四百九十六億円。で、蔵券発行は三千億円になってるわけですね。非常に過小見積もりでもってやっておるわけであります。今回は非常にこの大蔵省証券発行が拡大されたような印象を受けるのです。その点だけなんであります。そういう問題について若干疑問を持っておるものですからお伺いをしたいと思います。

福田赳夫自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(福田赳夫君) まあ四千億としても別に支障はなかったのですが、たまたま本予算のほうで五千億というお願いをいたしておる。あるいは場合によれば三千億というお願いをしてもあるいはいいのかもしれませんというくらい国庫余裕金があります。しかしまあ四千六百億という赤字予算である。そこで、まるく本予算の場合と同様まあ五千億としておこうというくらいな軽い気持ちでございます。

戸田菊雄日本社会党

○戸田菊雄君 次に、この国鉄の財政再建策につきまして、運輸大臣がおりませんので、総裁がまいっておりますから総裁関係だけについて若干お伺いをしておきたいと思うのです。  その第一として、これは運輸省提出の審議資料によりますると、四十四年度の実績見込みで、収入合計一兆五百六十四億円、支出合計で一兆一千九百三十億円、差し引き一千三百六十六億円の営業損失と、こういうことになっておるのでありまするけれども、こういう結果、昨年いろいろ問題があって、国鉄財政再建十カ年計画というものを策定をいたしたのでありまするけれども、初年度においてこういう損失が出たということは、どの辺に一体原因があるか、その辺について、第一点であります。  もう一点は、この計画でまいりますると、昭和五十三年度にまいりまして三百三十四億円、黒字経営に転ずるという計画になっておるわけであります。初年度から狂っておるわけでありまするから、これが今後十カ年間押していって、はたして計画どおり財政再建というものが軌道に乗るのかどうか、こういう心配が一つあるわけであります。そういう内容について、第二点としてお伺いをしておきたいと思うのであります。

磯崎叡日本国有鉄道総裁

○説明員(磯崎叡君) いまの御質問の第一点でございますが、昨年運賃を上げていただきましたけれども、その後必ずしも旅客収入、貨物収入とも伸びが芳しくございません。予算に対しまして、大体五月まで一カ月間運賃値上げがおくれたこともございますが、それで約百十億でございます。それを含めまして約五百億近い予算の収入の減が目下見積もられますが、ただ三月に入りまして万博が始まりましてから急に収入が伸びております。多少減は減ると思いますけれども、いずれにいたしましても、予算に比較いたしまして相当大きなマイナスになると思います。で、私どもは実は昨年の九舟、政府から財政再建の基本方針をいただきまして、それによりましていろいろ具体的な十カ年計画をもう一ぺん数字的に練り直したのでございますけれども、いま申しましたような収入の状況、並びに四十五年度予算の編成期でございましたので、ことしの二月まで再建計画の提出を見合わせまして、そして具体的な数字に基づきまして新しく政府に提出いたしました再建計画によりますれば、現在の時点の違いが約百億ぐらいというふうに考えております。したがいまして、一昨年財政再建推進会議でいろいろ御検討願いました数字に比較いたしますと、相当の減でございますが、ことしの二月に提出いたしました政府に対する計画に対しましては、目下それほど大きな減ではございません。しかし第二の問題に当然からんでまいりますけれども、それで一体はたして十カ年間で当初の計画どおり償却後の黒が出るかどうかという問題でございます。これは数字はいろいろ出ておりますが、非常にもちろん私はむずかしいと思います。しかしむずかしくても何としてもやらなければならないのが私のつとめだというふうに思っております。  ただ、問題点といたしましては、何と申しましてもいまの現時点における輸送構造の非常に大きな変革がございまして、東名道路の全通等が、私どもの実はいろいろな角度から推定いたしましたものよりもはるかに影響が大きい、あるいは航空機の発達、あるいは内航海運の伸びというようなものが鉄道に対する影響が予想外に大きいということで、私どもといたしましては今後の営業施策としてよほど思い切った、いままでの古い国鉄的な常識を破って仕事をしない限り、なかなか収入の大きな伸びは期待できないということで、実は昨日も全国の管理局長を集めまして、ここで思いを新たにしてひとつあらゆる角度から収入の増加をはからなければいけないということを考えているわけであります。  それからもう一点は、後刻お尋ねがあるのかと存じますが、ベースアップの問題でございます。これも予想外に非常に大きい。現在私どもの平均年齢が約四十歳でございます。したがいまして一人千円上げますと百億かかります。もし現在組合の要求のごとく一万五千円とか六千円とかということになりますと、その分だけで千六百億というベースアップ分だけの経費が必要でございます。一%で約七十億必要でございます。非常に御承知のとおりの人員構成が年齢が高うございますので、一人当たりの単価が高い。したがって同じ一%でも、私どもの一%とほかの公社の一%とでは実額が非常に違ってくるというようなことで、今後ベースアップがどういうことになるかということにつきましては、相当大きな問題だというふうに考えております。

戸田菊雄日本社会党

○戸田菊雄君 運輸大臣がおりませんから、あとは運輸大臣と大蔵大臣に質問する予定でありましたけれども、順序が不つり合いになりますので、一つだけ大蔵大臣にこの機会に質問をしておきたいのでありますが、国鉄が二十五年に現下の独立採算制、いわゆる支社制度の移行措置がとられたのでありますね。その際に、国債整理基金約年間十二億円返済分借用したわけでありますが、その残額がいまだに四百三億ばかりあるわけですね。非常に国鉄財政というものは苦しい状況にあるだろうかと存じますが、この四百三億円はでき得れば政府出資としてこの辺でもう処理をしてもいいのではないか、まあこういうふうに考えるわけですね。片や公共負担やあるいは納付金の問題やら、そういうことで別なほうに出ていく金も相当あるわけであります。そういう問題について大蔵大臣はどのように考えているか。これは最後になりますけれども、ひとつ。

福田赳夫自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 理財局長から答弁いたします。

岩尾一大蔵省理財局長

○政府委員(岩尾一君) お答えいたします。  先ほど申されました四百二億という数字は、当時国債整理基金のほうへ移管をいたしました四百七億の数字ではないかと思っております。これは整理基金のほうに入れまして、そして国鉄が従来持っておりました公債あるいは借り入れ金を全部一般会計のほうに引き継ぎまして、そして引き継いだことに伴って年々償還をしてきた額、それが四百三億になっているわけであります。それ以外に当時一般会計から国鉄の特別会計に入れた金が四百億ございます。これは当時公社ができますときに、一般会計のほうからこの分は借金を免除をするということにいたしまして、出資にかえたような形になっておるわけであります。なお御質問の四百七億につきまして、これは政府出資したらどうかということにつきましては、国鉄は現物出資をいたしておりますので、その再評価をいたしますと、大体自己資本比率というのは非常に多額になりまして、まあ三〇%を少しこえる程度になるかと思います。したがって、ほかの重要なる産業の自己資本比率と比べましても現在の国鉄の出資率は十分だと思います。私は出資の必要はないというふうに考えております。

戸田菊雄日本社会党

○戸田菊雄君 運輸大臣がおりませんから、総裁これでけっこうです。ありがとうございました。  質問を飛ばしまして、地域開発について若干企画庁長官にお伺いをしたいのでありますが、全総計画によりまして東北地方開発の構想なるものが、骨格ということが定まったんでありますが、経企官長として今後の地域開発構想というものは一体どういうふうにあらねばならないか、この辺の基本的な方針についてまずお伺いをしたいと思います。

佐藤一郎自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(佐藤一郎君) 戸田さんも御存じのように、先般策定いたしました新全国総合開発計画、まあこれがわれわれの今後の開発の一つの指針になると思います。それでこの構想は、御存じのように全国にいわゆるたくさんの大型のプロジェクトというものをいろいろと構想しております。そうしてそれらを実現するためには、全国に交通通信のネットワークをまず整備する、そうして各地方の都市と中央とを結びつけ、そうしてただいま申し上げたような今後日本の開発を促進する基点となるような各種のプロジェクトを発展さしていく、そうしてまた今度はその地方を中心にいたすところの地方の開発計画というものを立てつつございます。現在各府県においてこの地方の開発計画をいま練っておりまして、まあ大体ことしの夏ごろまでにはこれが出そろうことになっております。目下そういう状態であります。

戸田菊雄日本社会党

○戸田菊雄君 この開発構想の土台になっておる東京、名古屋、大阪、この都市三圏を土台にいたしまして、さらに全国六ブロック体制をとっておるわけでありますね。こういういわば開発のブロック体制というもの、こういうものはやっぱり今後も継続していくという構想でしょうか。いかがですか。

佐藤一郎自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(佐藤一郎君) 御存じのように、北は札幌から南は福岡までのいわゆる七大都市をつなぐところの枢軸的な幹線というものがもちろんこれが中心になっております。そうしてこれらの都市はそれぞれのブロック地域におけるまた中心的な役割りを果たす、これはまあ開発の処点として当然のことであろうと思います。ただ御質問の趣旨ははっきりわかりませんが、それらに伴いまして今後それらの開発を進めていく際に、現在のいわゆる地方制度のあり方とか、いろいろと問題があることは御存じのとおりでございます。こうした点につきましては、私たちもいわゆる広域圏の構想を持ちまして、できるだけ従来のいわゆる開発区域にとらわれないやはり発展のしかたというものがどうしても必要になってまいると、こういうふうに考えております。でありますから、地方開発にしましても、従来の狭い市町村単位というようなものをもっと離れまして、いわゆる地方生活圏あるいは広域圏と、こういうようなやはり構想のもとにこれを実現してまいりたいと、こういうふうに考えております。

戸田菊雄日本社会党

○戸田菊雄君 これは東北開発株式会社の具体的な予算内容でありますけれども、この予算の内容を見ますると、今年度はこの陸奥湾、小川原湖地域開発機構ということで調査費を二億四千八百万、これを計上して本格的に調査に乗り出すと、こういうことをいわれておるのでありますね。しかし、この調査の態様、具体的な作業、そういったものまでがまだはっきりしておらないようでありますけれども、この調査の実施要領等について、もし検討されておるならお聞かせを願いたいと思います。

佐藤一郎自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(佐藤一郎君) 今般私どもが推進しようとするこの大規模なプロジェクトでありますが、いま御指摘の小川原なんかもその一つでありますが、これはまあいままでにない規模のものを考えております。そういうことで、よほど慎重な下調査と、それからそれを進めていく場合の手順の検討というものを慎重にいたさなきゃならぬと思います。これらは今回の予算が成立いたしましたらば至急にその検討に入りたいと、こういうことになっておりまして、まだ目下内容確定したものは持っておりません。

戸田菊雄日本社会党

○戸田菊雄君 いつごろまでですか。

佐藤一郎自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(佐藤一郎君) これはできるだけ早く——まあ計画自身が非常に大きいものですから、できるだけ本年度内には基本的な構想をまとめなければいかぬと、こういうふうに考えております。

戸田菊雄日本社会党

○戸田菊雄君 質問が前後いたしますけれども、全総計画の東北地方開発の構想の中で、おおむね私が読んで理解をするには、三点あると思うのですね。その一つは何かというと、過日、三年ほど前から東北七県知事が提示をしてまいりました東北食糧基地構想というもの、その点については全総の中にもちょっと入っておるように私ども見受けるのであります。その点が一つであります。もう一つは大工業化をですね、広域工業化というものを具体的に推し進めて、そういう限りにおいては農工併進という立場を基本的に推進しておるのじゃないか、こういうふうに理解をするわけです。それからもう一つは、シベリアあるいはアラスカ方面に対する北太平洋一体の開発構想、こういうものが含まれておるようでありますけれども、おおむね今後の東北開発構想については、以上のような諸点を土台に据えて開発というものを進めていくという、こういうことに基本を置いておるわけですか、その辺の理解をひとつお示しを願いたいと思います。

佐藤一郎自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(佐藤一郎君) いまお話のあったとおりでございます。

戸田菊雄日本社会党

○戸田菊雄君 この機会にもう一点伺っておきたいのでありますけれども、最近シンガポールか何かで北太平洋の開発構想に基づた開発会議ですか、シンポジウムを持たれておるという話を聞くのでありますが、何かそういうものに対して企画庁はタッチをいたしておるのでありましょうか。

佐藤一郎自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(佐藤一郎君) まことに寡聞でありますが、私聞いておりません。

戸田菊雄日本社会党

○戸田菊雄君 具体的な内容で二、三お伺いをしておきますが、その第一は、今年度の予算総額十七億でありますけれども、現地のほうでは東山にあるところのハードボード工場あるいはセメント工場、こういうことがあるわけでありますが、この開発会社といたしましては、これら両工場の今後の事業拡大、こういうことに相当意欲的に取り組んでおられるわけですね。その辺に対する企画庁の今後の考え方、それが第一であります。それからもう一つは、最近非常に現地としては努力をいたしておるのでありますが、それで岩手県においては肉牛センター、これも発足をしてやや軌道に乗ってきたようであります。それからこの前懸案事項となっておりました福島県磐梯高原の観光開発、それから宮城県の三牧場の設置の問題、各般の開発事業というものを企画庁等に申請をしていろいろと意向打診をしておるようでありますけれども、こういう諸般の現地の意欲的な事業拡大、こういう問題について企画庁は一体どういうふうに考えておるのか、その辺が第二点であります。  それからもう一つは、北・東開発公庫に共通した例でありますけれども、いまこの開発促進のために、東北には東北開発公庫というのが持たれております。しかし、これは仙台だけにあるわけですね。新潟を含めた七県全域でありまするから、非常に広範な地域にわたるということになります。ですから、その現地といたしましては、でき得れば新潟もしくは青森ですね、こういったところに支所等を一体設置できないものだろうかというようなことが希望として持たれておるわけでありますが、そういう支所設置等に対しては、企画庁として、一体どういうふうに考えておられるか。第三点については大蔵大臣の所見も伺いたいと思います。

佐藤一郎自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(佐藤一郎君) 最初のセメントであるとか、そうした従来の東北開発が手がけておりました事業でございますが、御存じのように、この会社もたいへんな赤字会社ということで、たいへん再建に苦労いたしまして、やっと再建が軌道に乗りまして、少しではありますけれども、ようやく黒字が出るようになってまいりました。そこで、私どもといたしましては、ただいま御指摘になったような事業を、ようやく芽が出てきたところでございますからして、ここでもってできるだけ育成をしてまいりたい、こういうふうに思っております。まあ東北開発の性格といたしまして、逐次新しい事業を開発していく。そうしてある程度いわゆる民間的な経営に乗るようになった場合においては、むしろ新しいものを入れる意味において、あるいは民間に開放するとか独立するとか、こういうふうな問題も今後起こってくると思いますけれども、目下のところは、いま申し上げたような事業も継続して強化をしてまいる段階であろう、こういうふうに思われます。  それから、御指摘の肉牛その他の案件につきましても、これもできるだけやってまいりたい、こういうふうに考えております。それからこのいわゆる北・東関係に属するところのいろいろな事業がございますが、こうしたものも、私たちとしてはできるだけ資金の許す限り今後まあ育成してまいりたい、こういうふうに考えております。  最後の支店の問題は、これはまあ大蔵省とも相談しなきゃなりませんが、御存じのように、地元の金融機関を目下活用いたしております。そういうことで、しいて特別に一カ所支所を設けるという考えは目下のところは持っておりません。

福田赳夫自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 北海道東北公庫は、開発銀行の北海道、東北地区における開発金融というような性格を持つものであります。これは、もうむやみやたらにまあこれを融資対象にするという性格のものではないのです。非常に限られた国策的というか、そういうもののみが対象になるわけでありまして、したがって、こまかい支店網というようなものにつきましては、その必要をただいま感じておらないのであります。いま企画庁長官からも話がありましたが、必要があるという段階になればこれを設けることにやぶさかではございませんけれども、ただいまのところは、まあ各地元の各金融機関等に調査等はお願いをするということで十分間に合っておるというふうに見ております。

戸田菊雄日本社会党

○戸田菊雄君 最後に企画庁長官にもう一点だけお伺いをしておきますが、それは、たとえば全国をながめてみまして、この東京以西、まあ東京であるとか名古屋であるとか、大阪であるとか、こういう地域に対する開発資金の投資内容ですね、そういうものと、それからこの東北の仙台とか岩手とか、山形とか、こういう部面に対する開発投資ですね、こういう割合の統計というものは、いま企画庁等で持っておられましょうか。

佐藤一郎自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(佐藤一郎君) いまちょっとその数字、手元にございませんが、もし必要でしたらば、資料等でお出ししたいと思います。

戸田菊雄日本社会党

○戸田菊雄君 時間がありませんから、保育問題について若干質問をしたいと思うのでありますが、説明を受けていると時間がなくなってしまうものですから、私の持っている資料で質問をしてまいりたいと思うのでありますが、現在、四十二年度現在でありますけれども、雇用されておる全国婦人労働者の数は九百四十六万人おります。その内容は既婚者が四百五十一万人、有配偶者が三百五十二万人、平均年齢で二十九歳、平均勤続年数が四・一年という状況でありますけれども、こういう婦人労働者のいわゆる状態というものは、今後もっと悪化する方向に私はあるのじゃないか。そういうところから、保育所に対する施設増設等の問題については、非常に強い声がいまあがっていると思うのであります。ですから、今年度の予算の内容と、それから現在の時点における施設状況、全国的な施設状況、こういうものについて、ひとつ厚生大臣からまず説明をいただいておきたいと思うのであります。

内田常雄自由民主党厚生大臣

○国務大臣(内田常雄君) 御意見のように、保育所に対する要請が非常に多くなってまいりまして、四、五年前に私どもが調べた以上に要保育児童の数はふえております。現在保育所の数は一万三千内外で、入所児童数は約百十一万でございますが、まだ三十八万人ぐらいの児童が入りたくても入れない状態におるということが考えられますので、これらにつきましては、従来以上に保育所の整備というものにつとめてまいる所存でございます。保育所の予算は、運営費が昨年から比べますと二九%ぐらい増加をいたしまして、約三百八十億円程度のはずでございます。施設整備費のほうは別でございまして、これはまだはっきりきめておりませんけれども、それは施設費全体で五十三億円の補助金をきめておりますが、まあそのうちから、でき得る限り多く保育所の整備費にさいてまいりたいと、かような考えでおります。

戸田菊雄日本社会党

○戸田菊雄君 先ほど来の一分があるかと思いますので、最後に総理にちょっとお尋ねをしておきたいと思うのであります。  総理は、今次国会の施政方針演説、あるいは国会、衆参の予算委員会等を通じた各国会の答弁の中におきまして、常に今年度以降七十年代に向けましては内政を重点にやっていきたい、こういうことでありますね。私たちが、内政重点ということになれば、当然この重い税金を少しでも軽くしていく、あるいは物価上昇を抑制をしていく、あるいは交通災害、公害、各般の災害が発生をしているわけでありますが、こういうものをよりやっぱり撲滅態勢に向けて政策を実行していくと、こういうことになるのだろうと思うのです。さらに、この裏返しをしていけば、保育所の設置であるとか、あるいは老人対策の問題であるとか、あるいは出かせぎをなくしていくとか、各般のひずみというものが相当多くあるわけでありますね。そういう問題について、総理としては、どの辺にこの中心を置いて、具体的に重点的に取り上げて、当面実行されていこうとしているのか。内政のひずみ解消というものをどの辺においてこの政策を実行していくのか、その辺の所信について最後に承って終わりたいと思います。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) 御承知のように、施政方針演説でもその大綱の幾つかを説明したはずでございます。それらの問題をさらにこまかく申し上げると、いま何と申しましても景気を持続する。経済成長を適当な成長度に保って、そうして物価を安定さす。同時に、私どもが必要とし、おくれておる社会資本の充実をはかっていく。また、教育問題もここらで取り組んでまいります。そういう事柄ができると同時に、これは社会保障制度も均衡を保ちつつ整備されると、かようにお考えいただいていいんではないかと思います。  そこで、具体的な問題として、税金を安くすることは一体どうかと、こういうような話になりますと、適当な負担限度は——国民の負担限度、それを考えてはまいりますが、もうただいまの長期減税計画、それを実施した今日でございますから、さらに収入が増加できるような景気の持続、そのほうに重点を置けば自然とそういう問題は片づいてくるのではないだろうか、かようにも思いますし、また、立ちおくれの社会資本の充実、それこそこの際に追っかけてやらなきゃならない。住宅だろうが、道路であろうが、その他一般の社会資本と言われるものの充実を積極的にはかることだと。また、物価の問題、これがいま一番の問題で、目につきやすい状況であります。この委員会でも、わざわざ大根を持ってこられて、われわれもメンタルテストやられたと、こういうような状態でございますから、物価がいかに皆さま方国民を悩ましてるかと、こういうことがございますので、これとも積極的に取り組んでいかなきゃならぬ等々、いろいろと考えてまいりますと、私はまあいずれにしても基本的には国民の協力がなければこういう事柄はできるものではないと思いますので、その意味で、エネルギッシュな国民の活動をますます盛んならしめるように、政治の姿勢も正していくと、こういうことをして、ただいま申し上げるような幾多の目的をそれぞれ補強していきたい、かように考えております。  ただ私、そういうことで、以上でいいかと思いますが、ただいま保育所の話が出ましたので、一言——これは私の個人的考えです。どうも社会的あるいは国家的な責任は追及されるが、あるいは親としての責任を十分果たす、そういうような世の中になりつつあるかどうか、また、縁故者というようなものが、血縁というものがだんだん薄らいでいくのじゃないだろうか、ここらに一つの問題がありゃしないだろうか。ことに教育の問題、幼児教育など考えると、母親の慈愛のもとで育つというのが何よりも大事なことのように実は思っております。したがって、ある社会学者が、ソ連の保育所の整備を非常にうらやましく思うと同時に、これではたしていいだろうかといって首をかしげたということがあります。たぶん戸田君もお聞き及びだろうと思います。いま、社会保障、あるいは社会施設、そういうものが非常に整備されてきたそのソ連自身におきましても、やはり母親中心のものを取り返すという状況になりつつあります。私はここらに一つ考えなきゃならぬのじゃないだろうかと。そこで、先ほども家内工業あるいは婦人労働というような問題についてお触れになりましたが、これはおのずから限度が出てくるんじゃないだろうか。また二つ——婦人労働、同時にまた母親としてのつとめ、それは矛盾すること、ぶつかること、そういうことがございますから、それをうまく調和をはかっていく。したがって、昼間は、そういう婦人労働もいたしまして、社会福祉の施設で幼児を保育していくが、少なくとも日暮れればやはり母親のもとで子供は育っていく、そういうようなやっぱり一緒になる時間ができるだけ長くないとほんとうのしあわせはなかなかもたらされぬのじゃないだろうかと、私は、一方で国家社会の責任を追及しながらも、同時に、親としての責任もまたそこらにあるんじゃないか、こういうことを考えざるを得ないようになっておるように思います。どうもよけいなことを申しましたが、一言多く実はしゃべったような次第です。

佐藤一郎自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(佐藤一郎君) 先ほどの数字をちょっとお答えしておきます。  開発資金は、北海道東北開発公庫と、開発銀行の地方開発資金でございまして、そのうちの北海道分が二四%、東北が二六%、この二つで合わせて五〇%になっております。

堀本宜実自由民主党

○委員長(堀本宜実君) 以上で戸田君の質疑は終了いたしました。     —————————————

堀本宜実自由民主党

○委員長(堀本宜実君) 次に、沢田実君の質疑を行ないます。沢田君。

沢田実公明党

○沢田実君 先ほどに引き続きまして、農林大臣にお尋ねをいたしたいと思います。  わが国の農業は、いまや内には生産調整という嵐が吹きまくっております。外からは農産物の輸入自由化という高潮に攻められて、全く暗たんたる現況でございますが、農産物の輸入自由化に対する農林大臣の所信を承りたいと思います。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(倉石忠雄君) たびたびこの席でもお話が出ておりますが、私どもは、国民の主食である米は一〇〇%の自給度を維持しておりますが、その他のものにつきましても、できるだけ現状を維持してまいりたいと、こういう考えでやっておるわけでありますが、しかし、沢田さん御存じのように、輸入しなければ間に合わないものがたくさんございます。そういうものはそれぞれ必要に応じて調整いたすんでありますが、いまお尋ねの中にあります輸入につきましては、おそらく自由化を伴ったそういう輸入のお尋ねだと思いますが、私どもやっぱり、生産者と消費者の合意で成り立つような安定的な価格で食糧その他を供給することがわれわれの任務でございますので、そういうことを考えながら、必要に応じてその調整の場合に輸入を活用してまいりたいと、こう思っております。

沢田実公明党

○沢田実君 農産物の輸入の総額が一体どのぐらいになっておるか、また全輸入総額に対して農産物の輸入額がどのぐらいの比率が適当と考えておられるか、お尋ねをしたいと思います。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(倉石忠雄君) ただいま、輸入額につきましては、四十四年には約二十六億ドル程度と推定されておりますが、これは全輸入額に占める割合は一七・四%でございます。農産物輸入額の全輸入額に占めております割合は、全輸入額の伸びが総体的に大きくなっておりますので、四十年以降は、四十年の比率で申し上げますというと二三・一%である、そのように低下いたしております。今後ともこういう傾向は継続するものであると想像いたしておるわけでありますが、輸入は、総輸入額に占める農産物輸入額の割合がどの程度が妥当かということは、なかなかこれはむずかしいことでありまして、総輸入額の推移にもよりますので、一がいには申し上げかねると思います。

沢田実公明党

○沢田実君 四月一日から、さらに十一品目が自由化される、こういう報道がございます。そのうちで七品目が農産物です。で、閣僚の協議会は、残存輸入制限品目についても、極力自由化を繰り上げるよう決定した、こんなふうに伝えられております。特に農産物自由化の今後の具体的計画、わが国農業に及ぼす影響並びに対策等についてお尋ねをいたしたいと思います。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(倉石忠雄君) 農林物資の自由化につきましては、一昨年の閣議決定の線に沿いましてこれを進めてまいることといたしておりますが、四十六年末までに三十一品目についてこれを実施することといたしております。このうち三品目につきましては、ただいま御指摘がございましたように、二月十四日に自由化を実施いたしまして、さらに七品目については四月一日にこれを実施することといたしております。農産物の輸入の自由化の推進にあたりましては、基本的には国内農業の生産性の向上をはかり、それからまた、わが国の国際競争力を強化することにつとめていくことが肝要であると思っておりますが、政府も、現在言っております総合農政の展開という重要な時期にございますので、政府といたしましては、農産物の自由化が今後の農政の発展について一面においては非常に必要でありますし、またもう一つは、なかなか困難な問題もあるわけであります。で、最終的には、そういう残された品目の取り扱いにつきましては、しばしば申し上げておりますように、関税または課徴金制度等の活用を研究していかなければならなくなるのではないかと、このように思っております。

沢田実公明党

○沢田実君 残存輸入制限交渉における米国の態度は非常に強硬だと聞いております。で、アメリカが自由化を要求している十三品目、特にそのわが国農業、水産業にとっては全く大問題だ、こういうふうに思います。で、四十六年末を目ざして、農林省も大幅な自由化を余儀なくされる。ただいま御答弁にありましたとおりだと思います。それがまたわが国の農業政策の推進に大きな影響を及ぼす心配もあろうと思いますので、この問題になっておる特に十三品目、アメリカが特に要求している十三品目については、日本の農業の立場から、おそらく大臣は最後まで自由化しないようにがんばられる立場だとは思いますけれども、その点についてお考えを承りたいと思います。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(倉石忠雄君) いまおっしゃいました十三品目というのはどういうことかよくわかりませんが、一昨年十一月以降、アメリカから十数品目の農林物資につきまして自由化の要請がありましたわけでありますが、その後しばしば折衝いたしておりました結果、例のペットフードほか五品目につきまして自由化の方針を明らかにいたしておるわけであります。その他のものにつきましては、先ほど申し上げましたとおりであります。

沢田実公明党

○沢田実君 農産物の自由化につきましては、農林省としては、わが国の農業の現況から考えまして、相当慎重に取り扱うように、お話を通じて受け取れるわけでございますが、その農産物の自由化に対して、貿易という面から通産大臣はどんなふうにお考えになっていらっしゃるか承りたいと思います。

宮澤喜一自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) どういう物資にかかわらず、一般に貿易の自由化をしていく、あるいは資本の自由化を進めていくということは、わが国の国益である。また、世界の自由貿易国としてのガットなりあるいはOECDにおけるわれわれのつとめだというふうに考えております。しかし、ことに農産物につきましては、先ほどから農林大臣がおっしゃっておられますように、総合農政の展開との時間的な関係で非常にむずかしい問題を含んでいるということは、私も実は以前から考えておりまして、そういう意味で、農林大臣が、それにもかかわらず、極力態勢としては前向きに前向きにと考えておられることに、私は非常に実は敬意を表しておるところでございます。まあ、通産省の物資の中でも、鉱山関係でありますとか、皮革でありますとかいうものに一部むずかしい問題がございますが、まあ、両省、できるだけ協力をして、なるべくいろいろな施策も講じながら、自由化のテンポを早めていきたいと思っておりますが、農林大臣と私とのものの考え方は、非常にそういう点で一致しておりますし、農林大臣のお立場も私は実は心から御支援もしまた御同情もしておるというのが実情でございます。

沢田実公明党

○沢田実君 私の質問の趣旨がよく通産大臣に通じないかもしれませんが、通産大臣の立場としては、いまの御答弁は当然だろうと思います。しかし、農業という立場に立って見ますと、農産物の自由化というものは、日本の農業が徹底的な打撃を受ける危険性があるわけです。農林当局のいろいろお話を聞いてみますと、日本の農業に大きな打撃を与えるような農産物については、極力自由化をおくらしたい考えを持っている。しかし、政府の部内では、自由化を、いま御答弁のように、通産大臣等は進める方向をおとりになっていらっしゃる。そういうふうになりますと、日本の農業にとっては、たいへん重大な問題があるわけです。そういうわけでお立場をお聞きしたわけですが、大臣の立場としては、自由化を促進する立場だ、こういうふうに理解をいたしました。また、物価という関係もございますので、そういう点から、経企庁の長官は農産物の自由化についてどういうふうにお考えであるか承りたいと思います。

佐藤一郎自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(佐藤一郎君) いまいろいろお話がございましたように、まあ今日、いわゆる自由化の態勢というものに日本は直面をいたしております。そして、特にわが日本の場合におきましては、農業の比重がまだほかの先進国よりも非常に高いのでございます。しかも、一方において生産性の格差というものが、これまた比較的に大きいのでございます。それだけにこの問題はわが国のいわゆる経済にとって非常に大きな問題でございますが、しかし、これからいよいよ七〇年代に入りまして、わが日本の経済の効率化という大きな目標に向かって進んでまいります際には、多くの問題はあるのでございますけれども、これは適当なテンポにおいてやはり自由化という方向に進まざるを得ない、こういうことは言えると思います。問題は、しかし、それらをいかにして衝撃を緩和しながら進めてまいるかと、ただいま展開中の総合農政とどういうふうに調整をしていくか、こういう点に非常に困難な問題がございます。しかし、特に物価問題一つとってみましても、やはり態勢といたしまして、少しずつ自由化をしていかなければならない、そういうような感じを持っております。

沢田実公明党

○沢田実君 また農産物の自由化は外交問題もあって外務大臣と思っておりましたが、いらっしておりませんので、大蔵大臣にお尋ねをしたいわけですが、農産物の輸入金額は一兆円になんなんとするほどの金額に達しております。相当の外貨を消費するわけです。普通の原料ですと、輸入いたしまして、加工してまた輸出をするということになるわけですが、農産物はほとんど消費してしまう。こういうわけで外貨の消費という点もあろうと思いますので、農産物の自由化について大臣はどんなふうにお考えか、お尋ねをしたいと思います。

福田赳夫自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(福田赳夫君) お話のように、農産物は石油でありますとか石炭を買い入れますのと違いまして、再生産にならない。そこが非常に違う点でございまして、なるべく私は農作物はこれは自給をしたいというふうに考えますが、しかし、いまや世界で第二の生産を上げる日本になった、この日本の国際社会における立場というものは非常に苦しいのです。つまり、喬木風に強しというようなかっこうになってきておるのでありまして、非常な風当たりが強い。なぜかと申しますると、毎年毎年外貨はふえる、輸出も飛躍的にふえていく。それなのに日本は門戸を閉ざして、百二十品目もの輸入禁止品目制度をしいておる、けしからんというような空気でございます。日本がそういう体制をとっておる。それに対抗的に諸外国においてまた日本品の輸入禁止というような挙に出ましたならば、これは日本とするとたいへんなことになる。もう資源の乏しい日本とすると、外国の品物をうんと輸入して、それに加工して、輸出をして日本の経済を伸ばしていくほかはないのでありますから、それが、世界の大勢が保護貿易主義という方向に万一なるというようなことがあったらたいへんなことなんです。わが日本の強大な経済力、こういうことになってきますと、その点をよほどよく考えておかなければならないと思います。ですから、農作物は他の商品とは性格が違いまするけれども、これにつきましても私は自由化ということをもう決意してかからなければならぬ。もちろん準備もあり、段階もありますから、その辺はよく心得なければなりませんけれども、決意だけはしておかなければならない。決意をしないで、門戸を閉ざしてそれでいいのだということじゃこれはいかぬと思うのでありまして、その決意をしてかかるか、かからないか、そうしてそれに対する準備体制をとるか、とらないか、そこが非常に重大な問題点であるまいか、さように見ておるのであります。

沢田実公明党

○沢田実君 最後に、その問題について総理に承りたいわけですが、米を見ましても、国際価格は日本の米価の半分くらいだ、自由化のいま品目の中にはそれは除外されておりますけれども、小麦等考えましても、現在ではほとんど輸入で、日本の国内で裏作をするものもなくなってしまった、トウモロコシを見ても同じでございます。いろいろな作物がみな海外に追い落とされてしまって、日本の農業は非常に心配な状況にあります。担当大臣、それぞれの立場からいまお話のような考えを持っていられるわけですけれども、アメリカにしましても、繊維については規制をしろ、そうして農産物については日本も自由化しろ、結局アメリカの有利な立場、自分の国の利益を主張しております。日本の農業の立場を考えますれば、農林省としては、日本の農業に大きな影響を与えるものについては、その自由化を極力伸ばす努力をすることは当然であろうと思います。そういう立場もございますので、総合的に総理の所信を承りたいと思います。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(倉石忠雄君) ちょっとお願いします。  先ほど各閣僚のお話とあなたのお話を承って、ちっとも間違ってはいないと思うのでありますが、それによって誤解を生ずるといけませんから、私のことばが足りませんでしたので申し上げたいと思います。  それは、私どもは輸入というのが常にわがほうの敗北を招く結果になるのだという、そういう敗北主義的考えではないということを前提に申しておることは、沢田さん御存じのとおりであります。したがって、昭和四十五年度予算を見ましても、圃場整備であるとか、構造改善であるとかいうところにうんと予算をつぎ込んでおりますゆえんのものは、自由化をしてもなおかつわれわれは国際競争力を維持し得る、そういう体質改善を農業にいたさなければならない。そこでいま各閣僚からお話のありましたように、自由化というものにつきましては、国全体の方向から見て、われわれももちろん協力をすべきでありますけれども、その中において困難を伴っておる大事なものにつきましては、関税その他の問題を考慮いたしまして、そうして競争力を維持するように努力をするのだと申しておるのでありまして、基本的には農業は敗退主義ではないのでございますので、誤解のないようにひとつお願いいたします。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) 各大臣から、それぞれニュアンスがやや違っておるようでございます。また私自身の考え方も、これはまとめる意味で申し上げるので、あるいは表現のしかたがその他の大臣と少しは違うかもわかりません。  私は物事が、やはり自由経済のもとで日本の国の経済を押し進めていく、これが基本の態度である。自由経済は国内においても競争いたしますが、国際的な競争もやはりしなければならない、かように思っております。しかし、何と申しましても、自分の国の産業、これは私どもが一番気にかかることでありますから、わが国の産業をまず第一に考える。しかし、その産業自身、これを考えてみましても、これがただ単なる保護だけに終わるようならば、これは考えたということにならないだろうと思います。もうすでに指摘されるように、国際価格の倍もするような米の値段だ、消費者はそれでよろしいのか。そういうことを考えると、農業自身も自立するが、同時に消費者の利益にもなること、それでなくちゃならないと思います。私どもはいま生牛乳、牛乳、これは日本の牛からしぼった牛乳だ、日本のとりが生んだ卵だ、かように思っておりますが、あにはからんや、牛や鶏のえさはみな外国から来ているということ、そういうような状態のことを考えると、私どもはもっとくふうしなければならないものがあると思います。さっきも隣にいる大蔵大臣と話をしていたのですが、どうも君のところの県はコンニャクの産地だ、しかし、そのコンニャク玉も外国からいま来ているようだ。とうふの原料、材料になる大豆、これも外国から来ておる。そういうことを考えてみますと、国内の産業が自立する、近代化する、それはもっとテンポを早めなければならない。そこに生産者の利益がある。同時に、消費者たる一般国民が、安くまた豊富に食糧が口に入るようにしなければならないと思います。ただ単に日本とアメリカとの間の競争だというそういう観点に立って物事を判断することは、ちょっと沢田君にも似合わない狭い見方じゃないだろうか、かように思いますので、私はただいま申し上げるように、食糧だけくらいは、少なくともこれは外貨を使わなくて済むようにしたいものだと思っております。しかしながらその食糧自身を現実はそうじゃなくて外貨をどんどん使わざるを得ないような状況になっておる。それだけ近代化がおくれておるということです。産業としての農業、それがまだ樹立されておらないと思う。そこに過渡的には私ども関税その他によって保護はいたしますが、やはり基本的には、何と申しましても消費者たる国民の利益を考えていかなければ、もうおくれているものを、それに力を幾らかしても、これは無理なんではないだろうか、かように思います。だからその辺は私ども政治を行なう面から見まして、生産者もかわいければ消費者もかわいいんだと、その生産者、消費者ともどもに相助け合い得るようなそういう状態をつくりたいと、かように思って私は立ち上がったような次第でございます。どうぞよろしくお願いいたします。

沢田実公明党

○沢田実君 次に、生産調整の問題の中の休耕地の問題についてお尋ねをしたいわけですが、生産調整百万トンの目標を立てて進めていらっしゃるわけですが、大体どの辺の目標までできそうか、お伺いしたいと思います。新聞等では大体その目標を突破できそうだということを承知しているわけですが、そのような現況かどうか、承りたいと思います。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(倉石忠雄君) まだいま一生懸命でやっていただいている最中でありますから、集計はいたしておりませんが、地方地方の状況のあらましの報告を見ておりますというと、おかげさまで地方の生産者、農業団体、自治体、非常に御協力を願っておるようでありまして、この分ならば、われわれの期待しておるようにいけるんではないかと楽しみにいたしております。

沢田実公明党

○沢田実君 いまお話のように、生産調整百万トンの問題については、農家の協力によって大体目標が突破できそうだというようなことはたいへんけっこうなことだと思います。しかし、その大部分がいわゆる休耕だというようなことですと、これは根本的な問題の解決にはならないわけでございます。その休耕地に対して、四十五年度休耕、四十六年度は一体どうなるんだということの先の目標までないと、今年百万トン分の休耕が来年はまた米をつくるということになりましたんでは、先ほど申し上げましたような根本的な解決にはなりませんので、その休耕地に対する今後の指導目標といいますか、方針を承りたいと思います。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(倉石忠雄君) 私ども本来生産調整の場合には、たてまえとして転換していただくことが一番望ましいことでありますので、四十四年度の補正予算に二十億を計上いたしまして、あらかじめその転換のための種を買うとか苗木を買うとか、あるいは小さな規模の土地改良をやってもらうとかというふうないろいろなことのために予算を計上いたしました。御存じのとおりであります。地方へ行って聞いてみますというと、ああいうところの上にさらにそれぞれの県がそれぞれ自発的にいろいろな予算を計上して研究していていただくようでありまして、まことにありがたいことでありますが、しかし、とにかく大きな量のことでありますので、転作だけ期待いたしておっても無理でございます。したがって、休耕も同じような奨励金を出すことにいたしたわけでありますが、その後、これから先どうするかといういまのお話でございます。全くそのとおり私どもも一番頭を使っておるのはその点でございますが、ただいま私どものほうでは、それぞれの地域に適した作物にどのようにして転換してもらえるかということで、大体全国的なおよその見当をつけまして、それをもちまして、今度はそれぞれ地方地方に適した作物について、地方の農政局を通じまして自治体、農業団体等にそういう指導をいたしておる。そのことのために昭和四十五年度予算を活用してまいりたい、こういうことでいまその指導を一生懸命でやっておる最中であります。

沢田実公明党

○沢田実君 その休耕地をどういうふうにするかということは検討中だ、努力中だというお話でございますが、その休耕地をあるいは畜産、あるいは果実、野菜等に転換させるためには、たんぼを畑にしなければいけません。草地、あるいは果樹園、畑にするためのいわゆる土地改良ということが必要になってこようと思いますが、土地改良、いわゆるたんぼを畑にして、畜産、果実、野菜等に転換させるための土地改良の予算といいますか、四十五年にはどのようなお考えを持っていらっしゃるか、お尋ねをしたいと思います。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(倉石忠雄君) ただいま申し上げましたような方針で指導をいたしているわけでありますが、それにつきましては、御存じのように各地で新規の土地改良等を計画中のもの、着工いたしているもの、調査中のもの、それぞれございましたけれども、御存じのように私どもはただいまのような米の状況でありますので、これから着工してまいるもの及び工事の過程にあるもの、いずれも水田のほうはやめていただいて、他のものに転換するように、そういう指導をいたしているわけでありますが、四十五年度予算にその土地改良等について計上いたしております予算の数字、御必要とあればいま事務当局から申し上げますが、そういたしましょうか、よろしいですか。

沢田実公明党

○沢田実君 大臣ちょっと私の質問を取り違えられていらっしゃるような気がいたしますが、現在土地改良をやっておりますのは、たんぼのいわゆる圃場整備をやっているわけですが、通年施行をやる分について生産調整の云々、その辺はわかっておりますけれども、ただ、お話は別にその休耕地を今度たんぼじゃなしに、畑にして将来長く米をつくらないというふうにするためには、たんぼを畑にするというそういう土地改良をしないというと、同じたんぼの中で畑作物をつくるといってもできませんので、そういうような考え方が必要ではないか、そういうようなことは四十五年の予算には計上されていないように思うわけですが、その点について承ったわけです。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(倉石忠雄君) ちょっと事務当局から申し上げます。

亀長友義農林大臣官房長

○政府委員(亀長友義君) 御承知のように、四十四年度の補正予算で二十億の転換指導費を計上いたしております。これは都道府県等でさらに積み増しをすることを考えますと、大体四、五十億程度になるだろう、この部分が四十四年度中にあるいは府県等の指導の基金となりまして、小規模の土地改良等に使われる。これは休耕する場合に休耕ではなく転作でいく、その際に多少水の取り入れ口を締めるとか、あるいは多少周辺の水路を直すとかいうような小規模の改良に該当するというふうにわれわれは考えております。四十五年度予算におきましては特段の転換対策としては計上いたしておりませんが、先ほど大臣からお話がありましたように、新しく土地改良をやる計画は、開田をやめて開畑に切りかえるというふうなことで、両者あわせてこの対策にいたしているような次第でございます。

沢田実公明党

○沢田実君 農産物の輸入総額は先ほどお聞きをいたしましたように一兆円になんなんとするような現況から考えまして、価格対策によろしきを得ますれば、作付転換は十分可能だというふうに私ども思うわけでございますが、農産物の価格対策についてはどんなふうにお考えでしょうか。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(倉石忠雄君) これはまあ御存じのように非常にバラエティーに富んだ作物をつくっているわけでありますから、いろいろございますが、たとえばただいま衆参両院の農水委員会でいろいろ御議論をしていただいております乳価、肉価、そういうようなものもございますし、野菜、果実その他いろいろございますが、総括して私が申し上げますことは、つまり先ほども私が申しましたように、わが国の米以外の農作物について、できるだけこの間からここでお話し合いのありますように自給度を維持してまいるために必要なる土地改良、圃場整備その他のことをいたしまして、わが国の農業の産物が国境において輸入品と対抗のできるだけにやはりコストを下げる努力をいたさなければならないと思います。したがって、そういうためにはやはり総合農政の推進についても申し上げておりますように、経営規模を広げてしっかりした体質を備えた農業を維持してまいることが必要である。輸入に対しては、先ほど来申し上げておりますように、わが国の農業の体質をしっかりして、国際競争に勝てるように体質を強化することにつとめることはもちろんでありますけれども、その上なお必要の場合には課徴金制度等を検討して対処していかなければならないのではないかと、こう考えておるわけであります。

沢田実公明党

○沢田実君 先ほど来御答弁がございましたように、需要に応じた計画的生産、それから価格の安定ということが非常に大事だと思います。一年じゅう新鮮な野菜を供給するというふうなことが非常に大事なわけですが、そのための施策として施設園芸というようなことがいま盛んに唱えられており、重要視されておりますが、施設園芸について、農林省ではどんなふうにお考えか、お尋ねをしたいと思います。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(倉石忠雄君) 大体、このごろたいへん野菜の値段が問題になっておりますが、ああいう冬野菜はやはり寒波であるとか干ばつであるとかというものの大きな影響によりまして、高値を招来いたしたわけでありますが、いまお話しのような施設物につきましては、かなりこれは普通の状態を継続しておりますし、そういうことで、私どもといたしましては、現在たしか六百十カ所だと思いますが、野菜指定産地をつくりまして、それに対してあらゆる施策の援助をいたしておるわけでありますが、施設作物というものは、わが国の人々がだんだん食生活が高度化していくに従って需要が多く見込まれるものでありますので、なお、こういうものもさらに盛んにしてまいる必要があろうと、こう思っております。

沢田実公明党

○沢田実君 最後に、総理にお尋ねいたしたいと思います。  生産調整の問題は、先ほど来申し上げておりますように、休耕地が来年以降も他の作物に転換されなければ米の根本的な解決にはならないわけです。そこで、今年の生産調整分は来年はどうするという質問については、農林省としては、今年度やってみなくちゃわかりませんと、こういう答弁ですが、これは、長期にわたる農政、場当たり的な政策じゃなしに長い期間にわたっての農政の根本施策が必要だ、こういうふうに思います。その問題に対する総理の所信を承りたいと思います。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) 今度百五十万トン分の減産を計画したと、これはいまだかつてわが国の農業でないこと、予想しないことですね。ついきのうまでは増産ばかり奨励していた。それが急に百五十万トン分も減産しようという、これはたいへんな画期的な政策だと言わざるを得ないわけです。したがいまして、これはやっぱり、いまいろんなことが言われております。もうすでにある程度計画以上を上回るという地方もありますが、なかなか計画どおりに進みませんというそういうようなところもあります。まちまちであります。したがって、農林当局が、やってみなきゃわからないと言うのも、これも御了解がいただけるんじゃないだろうかと思います。私は、ただいまのところ、地方自治体、さらにまた生産者、農業組合等々の積極的に支持を得ておる施策でございますから、どうか何とかして十分効果があがるようにと、ただこれを祈っておるような次等でございます。ただいままでのところ、結局は、いままでもう事務当局が話をしておるように、やってみなければわからないと言わざるを得ないと、かように思いますが、私は十分期待を持てるのじゃないだろうかと、かように期待をしておるような次第でございます。

沢田実公明党

○沢田実君 先ほど総理より、日航機についてのお話がございましたが、外務大臣お帰りになりましたので、その後の経過等についてお尋ねをしたいと思います。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○国務大臣(愛知揆一君) 先ほど御報告いたしましたのは大体午後三時現在のところであったと思いますが、そのときの情報では、朝鮮半島をこの飛行機が北上いたしまして、いよいよ旋回をして平壌方面に向かうと見ざるを得ないような状況でございましたので、先ほどお答えいたしましたように、北鮮のどこかに着陸する場合を予想して、北鮮側に対しまして、ソ連政府それから赤十字等を通して、人命の安全についての保護を求めるように手配をし、またはまさにせんとしつつあったときに、三時十八分ごろに、この飛行機は韓国の金浦飛行場に着陸したという情報を得たわけでございます。そこで急遽今度は韓国政府側に対しまして、まず人命の保護について、そしてまたできるだけすみやかに日本に帰してもらうように、乗客並びに乗り組み員の安全、機体の安全を守り、なるべくすみやかに、できるならきょうじゅうにも日本に帰ってくることができるようにという協力援助方を要請をいたしたわけでございます。  ところが、現在に至りますまで、飛行場には着陸いたしましたけれども、飛行機の内部からロックされておって、一人もまだ飛行機からおりてくることができないと、こういう状態が、その三時十八分以降ただいままで続いておるわけでございます。その間、韓国の政府においては、実に周到で緻密で、至れり尽くせりの工作を展開してくれておるようでございます。たいへんこの点については感謝をいたしておるわけでございます。また、在ソウルの日本大使館員等も、総力をあげて救出方にあらゆる努力を傾倒いたしておりますけれども、遺憾ながらこの二時間ばかりの間には変化がない状況でございます。  着陸直後におきまして一時乗客が飛行機からおりつつあるという情報もございましたけれども、これは誤報でございまして、まことに残念なことでございますが、そういう状況であります。ただいま、刻々、韓国側の努力の状況をソウルを通じまして情報を得、また新たにいろいろの協力もお願いをいたしまして、まあおよそ考え得るあらゆる措置を講じつつあるわけでございますが、いまのところさような状況で、たいへん心配いたしておるような次第でございます。  以上御報告申し上げます。

沢田実公明党

○沢田実君 先ほど総理からお話がございまして、この問題については政府は関係ないという意味のお話があったわけですが、今回のような事件の場合、いわゆる民間機が航路以外のコースで領空に入った場合一体どうなるかということなんですが、外務大臣いかがでしょうか。——もう一ぺん申し上げましょうか。先ほど総理大臣が、この問題は政府は関係ないという意味のお話があったわけです。今回のような事件の場合に、民間機が航路以外のコースで領空に入った場合一体どうなるかということです。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○国務大臣(愛知揆一君) ちょっと御質疑のあるいは意味を取り違えたかもしれませんけれども、今度のこの飛行機につきましては、きょうの午前に御説明いたしましたような状況で、飛び立ったやはりいろいろの問題があると思いましたものでありますから、とりあえず韓国政府あるいは米空軍等につきましても、安全航行についてはいろいろ依頼もし、また十分の協力もしてくれたと私は理解いたしておりますが、こういう異例の場合でございまするので、先ほど運輸大臣からも御報告いたしましたように、福岡空港を飛び立つときには、これはどうも機長の判断でやったことらしくって、航空管制塔の指示に従わなかったと申しますか、それとは関係なしに飛び立ったようでございます。これらの点については、なお所管の当局で十分調べてみる必要があると思いますけれども、まことに予想もできないような異例中の異例のことでございますから、この事件をもって一般論を論ずることはいささか不適当かと存じますけれども、何ぶんこれは事件が幸いにして早く終結いたしまして、その当時の状況なども十分調べてからまた御説明することにいたしたいと思います。

堀本宜実自由民主党

○委員長(堀本宜実君) 以上で沢田君の質疑は終了いたしました。     —————————————

堀本宜実自由民主党

○委員長(堀本宜実君) 次に、高山恒雄君の質疑を行ないます。高山君。

高山恒雄民社党

○高山恒雄君 外務大臣、突然の災難が起こってたいへんだと思いますけれども、外務大臣にちょっと——総理大臣中心にひとつ質問申し上げたいと思いますのでよろしくお願いします。  私は繊維の問題について第六十一国会において、ニクソン政権担当と同時に、新聞記者の発表で非常に心配したもんですから質問したことを記憶いたしておるのでありますが、この自主規制もあり得ないという観点に立って私もそのときに質問申し上げたつもりでおります。そのときに愛知外務大臣は、自由貿易があくまでも原則である、世界貿易の拡大をはかることがわが国のためにも国益であると、こういう原則の上に立って適切な処置をとりたいと、こういう御答弁をなさっておるわけです。総理もまた同様のことをこれに対して御答弁願っておるわけです。国益に反するようなことはやりたくないと、こういうことを御答弁なさっておるんです。その後、国会決議になり、さらに委員会でも本会議でもこれは決議されて、かなり問題化してきておるわけです。まあ最近総理の態度がある程度明らかになったと思いますが、議会決議は尊重すると、重視するということについては変わりございませんですね。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) 変わりございません。

高山恒雄民社党

○高山恒雄君 それで、もう一つ率直にお聞きしますが、私に与えられた時間が二十分なんです。それで、いまのように変わりなければないでけっこうです。  それから二国間の協定もあり得ないという考え方には変わりございませんか。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) これも変わりございません。

高山恒雄民社党

○高山恒雄君 外相はどうですか、いまの二つの問題で答弁してください。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○国務大臣(愛知揆一君) 総理がお話しになりましたとおりでございます。

高山恒雄民社党

○高山恒雄君 ところがですね、私は外務大臣に聞きたいんですが、多国間できめる前に日米間できめるということを表現しておるように思います。けさの新聞にもそれが出ております。二国間できめることがなぜ悪いかと私考えますと、綿製品の規制は多国間で協議して日米の問題だから協議せよということで日本が譲ったのです、これは。それを今度は逆をとっておられるわけです。日米間で協議をして、そうして多国間で協議を進めればいいじゃないか。それは日米できまれば多国はそれに干渉ができないのが当然じゃありませんか。非難を加えるのが当然じゃありませんか。こういう逆なことを外務省が最近提案するところに私は問題があると思うのです。もっと外務省は実情の調査が足らないんではないかという私は心配をするわけです。それに対してはどういうふうにお考えになりますか。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○国務大臣(愛知揆一君) いまお答え申し上げたとおりの姿勢と態度でこの問題に対処いたしておるわけでございます。で、前前から、これも率直なお答えになって恐縮なんでございますが、この繊維問題というのは日米ともに非常に関係する人たちが多い、それからやはり日本としての大産業でもございます関係もございまして、いろいろの方々がいろいろの角度から御心配になっております関係もありまして、いろいろのこの情報などが出るわけでございまして、その中にはまあ当たっている考え方もございましょうけれども、政府とし、外務省といたしましては、通産省と日ごろから密接な連携をとってやっておりますから、そういう態度には御懸念をお持ちにならないようにお願いを申し上げたいと思います。  そこで、具体的な問題でございますが、これは御承知のように、昨年の五月スタンズ長官が来日されて以来、まあ米側が非常に熱心にというか御執心といいますか強いと申しますか、いろいろの意見を言ってこられるわけです。やはりこういうふうな状況でございますとある程度このアメリカ側とのものの考え方を寄せておくということは私はどうしても必要じゃないかと思いますが、しかし、まとめる場合にはあくまでガット精神で、ガットの場であり多数国間の話し合い、あるいは協定ということでなければならない、この原則というか基本の態度というものは十分に守っていきたい、あらゆる機会に米政府側に対しまして、外務省といたしましても、本件のような問題は多数国間の協議が成立しなければだめなんですよということは、もうほんとうに繰り返し繰り返しこちらの主張を述べておるというような状況でございますので、私は二国間の協定ができるなどということはこれは筋の違うことである。ことにただいまもお触れになりましたけれども、綿製品協定という、まあこれも率直に言えば不幸な経験もいたしているわけでございますから、そういうような前例にもかんがみまして、この際筋目をきちっと通すことがどうしても必要であると、かたく私はこういうふうに信じかつ行動しておるつもりでございます。

高山恒雄民社党

○高山恒雄君 まあ政治的な外交面におけるいろいろなニュアンスをお使いになるということについては、これは外交ですからあり得ると私は信じます。けれども、基本原則を外務省が線を出すということはあまりにも外務省としては現在の繊維業界の実態というものを把握してみえないのではないかという感がするのです。したがって、私はいろいろ外務省の内部の問題を多少私ながらに調べてみたのですが、いま米国の大使館は日本に二百六十三人の人が見えております。日本はわずかに五十九名です。これで対等の貿易ができるかというと、私はできない。これは大蔵大臣も予算をもっと組んでもらわなければいけません。一般予算の中で外務省が占める予算は六・七%、これは一般会計の中ですから、これ外務省は人的な問題と渉外費問題と非常に限られた狭いものでしょうけれども、一般会計の中でそういうふうに単純に割り切ることはできないにしても、あまりに日本の外交面における国の予算、人員の動員、これが貧弱だ。これは御承知のように、外務省も三カ年計画でいろいろここに出しておられます。それは三年計画、もう三年目です。それでも通産関係の各大使館におられる派遣の通産官僚はわずかに一名か二名です、これ。それで業界の資料よりも通産省の資料のほうがまずいです。そういうことで世界の三番目になったという日本の——生産国である、しかも輸出国である、——先ほど大蔵大臣も説明されたとおりです。私は大賛成です、そのとおりです。それにもかかわらずこういう貧弱な外交公館で、しかも日本から提案をするということは大きなあやまちだ。むしろ日本の企業をどうして守るか。先ほども、通産大臣、総理大臣は見えなかったんですが、一応政府が考え、政府としても大体四十四年度はもうきょうで終わりですが、一五・四%の伸びを全産業で見ておられる。そのうちで一番悪いというのが農業なんです。その次が繊維なんです。一〇%以下というのは繊維と農業です。いわゆる農産物。そのほかはほとんど一七%から悪いので一二%ぐらいのがあるわけです。悪いものをどうしてしわ寄せを政府はしなくちゃならないのか。そこらの基本原則が私は間違っておると思うんですよ。しかも、なぜ繊維が、一〇%こさないかということは、綿で規制されています。そこに化繊が四〇%ないし四二%伸びても、あるいはウールが伸びても、綿が横ばいでありますから、カバーして見れば伸びはわずかに〇・九八%しかならないんです。  そこでもう一つ問題になりますのは何が問題になるかといいますと、繊維の場合は御承知のようにこの地域に大きく歴史とともに拡大されております。それがほとんど中小企業です。こういう立場からいきますならば、繊維にいま規制すべきでないという私は原則が出るはずだと思うんですよ。どうしてその原則が出ないのか。その認識がないから、外務省から、外交的なテクニックならいいですけれども、基本原則は変わらないといいますから安心をしますけれども、私は日本はき然たる態度でやってもらうべきだ。したがって、総理大臣並びに通産、外務大臣が見えないときに、私は農業にも関係がある、農林大臣は私に対して生糸だけの答弁をされましたけれども、私が言うのは、農業の人口は出かせぎに出ておるではないか。繊維産業が地域に拡大されておる地域は出かせぎ労働者いないんですよ。それは繊維産業があるからです。その繊維産業で働くから出かせぎをせぬでもいい。これは北陸四県は、御承知のように新潟の一部にありますけれども、近畿にしても中部にしても中国にしても北関東にしてもほとんどがやっぱり農業外収入として繊維で働く労働者が多いんです。こういう日本の総合的な計画のもとに外交をやっていただくなら私たちは安心しますけれども、いまの外務省の人員とそうして国家の予算から考えてみても、これは十分なる御理解をしてみえないんじゃないか。この点を私は申し上げたいのであります。これに対してはどうお考えになっておるかですね。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○国務大臣(愛知揆一君) 繊維産業全体の問題につきましては、私も大体同じような見方をいたしておるわけでございまして、これは詳しく申し上げるまでもなく、したがって、対米輸出にいたしましても、もしアメリカ側として日本からの輸出について、ガットでも認めているように、大きな被害あるいは大きな被害のおそれが目前に大いに迫っておるというようなことであるならば、これは検討して話し合いに乗っていかなければなるまいと私は思いますけれども、先ほど申しましたように、多く申せば相当多くの方々がこれに従事しておられるし、それから地方的にもお示しのとおりでありますし、さらにまた、二次製品と申しましょうか、関連産業と申しましょうか、こういう面を考えてみますと、まさに中小企業の問題でございますから、そういう点についての認識は私も及ばずながら持って、その上に立って今後もき然として話し合いに応じてまいりたいと考えておるようなわけでございます。  それから外務省の機構や人員の問題についてはたいへんありがたいお話をいただいたわけで、高山委員にはお求めによりまして資料も差し上げておりますのでごらんいただいたと思いますけれども、各国に比べまして確かに在外公館あるいは本省におきましても、人員の不足ということはもうほんとうに私も痛切に感じておるところでございます。同時に、しかし、現在の機構の中において、たとえば通産省から出向して外務省の籍において本省あるいは在外公館で働いておる人がたしか四十数名程度になっておるというようなことで、これは各省比較いたしてみますと、外交機関に協力してもらっておるのは通産省が飛び抜けて多いのでありまして、そういう点には現在の機構あるいは定員、予算の範囲内で経済外交に対してできるだけの努力をいたしておるような次第でございますが、なおこうした点につきましては今後とも、もう四十五年度予算についてはただいま御審議をいただいているわけですが、さらに引き続きその年度以降におきましても、政府全体の協力をもとにいたしまして拡充策をはかってまいりたいと思っております。

高山恒雄民社党

○高山恒雄君 時間がありませんから答弁も簡単にしていただきたいのですが、私は総理に意見を申し上げたいのですが、意見も入りますが、いま私が外務省の問題を心配いたしましたのは、先ほど申しますように、総合的な繊維の実態から考えてみて、基本線が、私は閣議でもこれはガットの精神に基づいてやるべきだという主張になるべきじゃないか。これは総理が見える前にいろいろお話をしたんですけれども、そこで問題は、通産省から出て見えます関係のアメリカにしても他の国にしても一名から二名なんですね。ところが、通産大臣も先ほど答弁されましたが、日本は後進国に追い込まれておるのです。これは合板、繊維さらに農産物も一部入りますが、そういう問題を考えますと、何と合板なんか五十五倍の伸びでやっておるわけです、後進国が。繊維も北朝鮮は約九倍です、伸び率が。中国が一・五倍、香港が三五%、まさにアメリカで規制をされるし、一方では後進国からこうした追い上げがきておるし、日本の繊維に対する経済外交というものはゆゆしき問題だと私たちは考えるわけです。そういう問題を考え得ればこそ、私たちは、もっとこの問題については政府がき然たる態度で、しかも筋を通すと。この筋を通して経済外交をやっていただくという、総理のき然たる態度がなければならぬことを私は切望すると同時に、所見をお聞きしたいんであります。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) 先ほど外務大臣から詳しくお話しをいたしました。私はもう重ねてお答えするというよりも、ただいまの御鞭撻をいただいたことにお礼を申し上げたい。なお、この上ともしっかりとひとつ御鞭撻を賜わりますようお願いしておきます。

高山恒雄民社党

○高山恒雄君 大蔵大臣にお聞きしたいんですが、先ほどの農産物の輸入自由化の問題等にからんでいろいろ見解をお述べになりました。私もお聞きしておりました。どうかこの外務省の強化というものの予算は、産業立国として輸出を基本にする日本としては、もっとめんどうを見るべきじゃないかと私は基本的な考えを持つわけですが、大蔵大臣もそれについてはどういうふうなお考えか、お聞きしたい。

福田赳夫自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 国際社会でのわが国の地位も、年とともに向上していくわけです。それにつれて外交活動もまたますます大事になっておるということ、それに応じてわが外交陣営も整えなきゃならぬと、かように考えております。できる限りの御協力を申し上げます。

高山恒雄民社党

○高山恒雄君 通産大臣にお聞きいたしますが、通産省としても、大臣はもう今日来ていただいて先ほど御答弁願いましたから、いまさら聞く必要もないと思いますけれども、通産省自体が、経済外交に対する要員がいかに必要かということは痛切にお感じになっていると思うのです。この点を積極的にやっぱり進めていただく意味から、各大使、総領事等には、必要な人員は確立するというたてまえで要求していただくことを私はお願いしたいのです。通産大臣、これにどうお考えになりますか。

宮澤喜一自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) できるだけ優秀な人間をたくさん出したいと思っております。一つ大切なことは、通産省から出ましても、任地の大使の指揮と統率のもとに仕事をするということが大切なことでありまして、したがって、外務省の指示を受け、任地の大使の指揮を受けるべきものであって、自分の出どころがどこの役所だというようなことはあまり考えてはならない、日本政府の官吏として働くべきだと思っております。私どもとしても、できるだけ優秀な者をたくさん出したいと思っております。

高山恒雄民社党

○高山恒雄君 総理に最後にお聞きしますが、いろいろ外務省の希望と見解をお聞きしましたが、非常に日本はいま大事な岐路に立っていると私は思うのです。したがって、先ほどの三つの問題について、総理がお答えになりましたから、あえて聞く必要もないかと思いますけれども、業界を説得して親善を優先させるために何とかこれをまとめるという考え方は、この際おやめになってはどうかと、少なくとも先ほど私が申し上げましたような立場に立って、日本の政府はあくまでも筋を通すと、この基本原則でやっていただけるかどうか、この点について総理の見解をお聞きいたします。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) 普通なら御意見は御意見として承っておきますとかように答えればいいかと思いますが、しかし、この段階にきて、さようなしらばくれた話もいかがかと思います。私は、日米両国間の関係等から考えますと、どうしてもこういう懸案事項は早目に解決すべき問題だと思います。これは一方だけの問題ではないんです。相互にそういう責務がある。アメリカ政府にもあると思います。ごらんなさい、アメリカでも業者大会をやっている、日本でも業者大会をやっている。業者大会がそれぞれ行なわれて、そのとおりにものごとがぶつかったら一体どうなりますか。それは解決のめどはつかないだろうと思う。しかして二次産業では、わが国の国内においてもすでにもう労賃はうんと下がっておる。こういう状態を見ればなおさらのこと、いま理屈を言うこともけっこうですが、とにかく具体的に懸案事項として残さないように最善の努力を払うこと、これが私は必要なことじゃないか、かように思います。高山君はその方面の御出身でもあられると思いますので、特にこういう点にも御理解をいただきたいと思います。私は別にそこで負けるとか、あるいは後退するとか、かようなことを申すわけではございません。鞭撻は鞭撻としてしっかりひとつ政府を鞭撻してもいただきたいと思いますが、両国の親善関係等から見まして、これをいつまでもほっておくような能のない状態は、これはいかぬと、かように思っております。

高山恒雄民社党

○高山恒雄君 委員長、答弁がちょっと……。これは誤解があってはいけませんからね。総理の答弁に誤解があるのです。ちょっとお許し願います。総理ね、……。

堀本宜実自由民主党

○委員長(堀本宜実君) 簡単に願います。

高山恒雄民社党

○高山恒雄君 はい、簡単に言います。  総理自体がやっぱり間違っておられますね。いま日本の繊維産業の国際的な賃金を申し上げますと、日本は一時間当たり、時間当たりですね、七十五セント九ですよ。約七十六セントですよ。これは昨年の賃金の値上げ入っておりませんよ。フランスは七十七セントです。昨年の賃金入れると、時間当たりはフランスより以上です。さらにイタリーは七十一セント、こういう状態。アメリカは三百一セントですがね。それから英国は百一セント。西ドイツが百二十一セント、時間給です、これは。こういう状態でアメリカが何を言っているかということです。それを知っていただかなければいかぬ、外務省も。アメリカの業界は日本の賃金は時間給二十五セントだと言っているのですよ。そういうことを外務省でつかんでないところに問題があると私は申し上げたい。これは時間がありませんから、私は詳しいことをここでよう発表しないのですけれども、いま日本の賃金が安いからという観念は、これは今度の、物価が上がれば皆さん一万円、五けたの要求はしておりませんけれども、八千円か九千円の要求していますよ。日本はこの物価の値上がりでは賃上げをせざるを得ないのです。いやがおうでもしなくちゃいかぬ。したがっていかに日本の経済外交をよくするかということは、筋を通さなければ親善が優先して日本の産業が犠牲になることはいかぬということを私は申し上げておるのです。総理大臣の感覚はその点違うのじゃないか、こう思っておるのですが、どうですか。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) 簡単に申しますが、私は一次産業でなくて、二次産業の面で申したのでございます。混乱を生じておるのは機織りその他にいま混乱を生じておるのじゃないか、このことを御指摘している。

高山恒雄民社党

○高山恒雄君 違いますけれども、まあいいです。

堀本宜実自由民主党

○委員長(堀本宜実君) 以上で高山君の質疑は終了いたしました。  この機会に外務大臣から発言を求められております。これを許します。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○国務大臣(愛知揆一君) ソ連の日本近海における演習の問題でございますが、土佐沖については前に申し上げましたとおりですが、能登沖につきましても演習は中止することになりました。それから他の北方水域に二つの水域がございましたが、これも演習中止に相なりました。都合四水域とも全部演習が中止されることになりました。  以上御報告申し上げます。     —————————————

堀本宜実自由民主党

○委員長(堀本宜実君) 次に、岩間正男君の質疑を行ないます。岩間君。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 質問に入るに先立って、先ほどから大きな問題になっております日航機の乗っ取り事件につきましては、事国民の人命に関する重大な問題であるので、あくまで万全の措置をとられること、さらに、この事件の真相を徹底的に究明すること——トロツキスト暴力集団の悪らつな態度、これに対する政府の泳がせ政策については、われわれしばしばこの議場でも言明してきたところであります。したがいまして、国民の前にその真相を徹底的に明らかにすることを要求しまして、私は本題の質問に入りたいと思います。  政府は、今年十月行なわれる国連二十五周年記念集会に国連改革案を提出する準備を進めていると聞きますが、その内容はどんなものなのか、その骨子でもいいから示していただきたい、これが第一問。  さらに、改革案の重点は、日本が安保理事会に常任理事国もしくはそれに準ずる形で参加するということが最も重要な点だろうと思うのですが、この点はいかがでしょうか。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○国務大臣(愛知揆一君) この問題は、しばしば申し上げておりますように、昨年九月の第二十四回の総会で、抽象的ではございますが、日本といたしまして、二十五周年にもなる国連であるから、これからこの国連の前向きの姿勢で時勢に合うような、あるいは過去を反省しながら国連の機構や運営方式を変えることについて、お互いに積極的に検討しようではないかという提案をいたしておるわけですが、まあこうしたことがどの程度反映したかどうかはわかりませんけれども、国連憲章等についての研究のための委員会設置というようなことも現実に取り上げられ、話題にもなっておる、こういう状況でございます。  そこで、今後どうするかということにつきましては、ただいまのところは、外務省におきまして、学界の方々そのほか専門の方々等のお知恵も事実上拝借しながら、いろいろと具体案を検討いたしております。一口に申せば、考え方として、やはり、総会の運営のしかた、ことに安保理事会のあり方というようなことが一つの中心と考えていいのではないだろうか。それから本委員会で総理からもお答えがありましたように、敵国条項というような、もはや全く存在の意義を失ったと私は思いますけれども、そういうような問題、これを削除することというようなことも一つの考え方に出してよろしいのではないかと思います。それから信託理事会というようなことも、もうその使命は終わったものである、これも解消していいのではないか。反面において、社会経済理事会の活動などは、新しい世界の動きに当面してもっと機構を拡充していいではないかと、こういうふうな考え方が中心でございます。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 時間がないですから、この骨子案を出すかどうか。もう一つは、何といってもこの問題の改革案の中心は、安保理事会の常任理事国あるいはそれに準ずる常任理事国になる、そういうところにある。これは確認していいですね。——そこでは、常任理事国だろうが、準常任理事国ということになれば、当然これは安保理事会の決議にいままでよりも非常に拘束される、義務負担も非常に拡大強化される、そういうことになると思いますが、総理、いかがですか。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○国務大臣(愛知揆一君) ただいま、確認せよというお話でしたが、先ほど申し上げたとおりでございます。そして、まあいろいろまだ研究の過程でございますけれども、安保理事国の規定を直すということになれば、これら現在の五カ国を含む全体の三分の二の表決が要りますし、また、拒否権の問題もそこに出てくる、こういうような関係もあるので、あるいは拒否権というような問題をさしあたりはさわらずに、準常任理事国という考え方もありはしないか。ことに、地域別に、たとえばアジアにおいてこうした安保理事会などにおける発言権を持つということが必要だ。地域性も入れてしかるべきではないか。それから日本のような平和国家として世界的にももう定着した状況にある国が、従来言われていたように安保理事国になるのには武力をどうだこうだというようなことではなくて、日本のような国がここに参加することに大きな意義があるのではないかと、こういうふうな考え方で取り上げていきたいと思っているわけであります。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 聞いたことになるたけ端的に答えてほしいと思いますね。そうでないと、あなたのほうの時間の自由はあるが、こっちは少ないわけだ、きょうのやつはね。方式が違うから。  そこで、ここに外務省がこの一月に出した国連情報ナンバー三十三というのがあります。この「国連による平和の維持について」という文章によりますと、国連に対する協力の姿勢を従来よりも積極化し、国連の国際平和と安全の維持機能に応分の実績を積み重ねていくことが緊要であろう、こういうふうにうたっています。これは外務省が出したんだから、御存じだろうと思う。これは、国連の平和維持機構、つまり国連軍への参加を意味するものと解していいですか。これは自然そうなると思うが、総理、いかがですか。——総理から言ってください。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○国務大臣(愛知揆一君) 必ずしもそういう意味ではございません。ただいま申しましたように、武力をどうこうというようなことは考えるべきではないと思います。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 国連軍といっても、監視機関なんかも国連軍というふうなことに考えられておりますから、そういう広い意味で言っているわけですが、とにかく平和維持機構に参加するんだと、そういうことを積極的にやるべきだということを外務省がこの宣伝文書の中でPRをやっている。ここにいまの情勢があるわけでしょう。そこで、政府は、いま、この国連の平和維持機構に参加するどのような構想をもってどんな準備を進めているか、お伺いしたい。現在の進めている状況を示していただきたい。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○国務大臣(愛知揆一君) 具体的な案は、先ほどから申し上げておりますように、ただいま研究中、勉強中でございますが、一番大事なことは、平和憲法を守り、平和に徹するという考え方を基礎にして、国連にいかに積極的に寄与できるかという、そういう方法論を探求中でございます。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 なるたけ総理から答えてください。ここに自民党の安保調査会の議事録があります。この議事録によりますと、「政府はすでに一九六六年の初めに国連協力法案要綱をつくり、自衛隊法の一部改正を検討し、国連警察軍参加の法律改正に取りかかっている」と、こういうふうに述べている。あなたが総裁をされている自民党の安保調査会の議事録の中でこれはちゃんとある。これは政府の態度について言っているのですか、どうなんですか。——総理に。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○国務大臣(愛知揆一君) そういう研究案もあったと思いますけれども、現在の政府の立場、考え方は、ただいま私が申し上げたとおりでございます。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 総理にちょっと聞きます。総理は総裁だ。自民党にこういうものがある。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) いま外務大臣が答えたとおりでございます。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 まあ白々しく——ちゃんとここに準備しているわけでしょう。そういうことを、こういう調査はあるけれども現在は違いますなどという、そういう答弁ではまずいと思う。そんなことじゃ事態をごまかします。  それから私は次に聞きたいのは、これに関連して、日経連の代表常任理事の桜田武氏が昨年の十月に臨事緊急総会で発言して、日本の国連加盟国としての義務を履行することを非常に重要だといって強調している。そして、「国連の軍事安全措置への参加を可能にするため、憲法を改正する必要がある」ということを力説しておることは、これは天下周知のことだ。当時、この問題は非常に衝撃を与えた問題である。したがいまして、総理大臣は、この問題についてどういうお考えをお持ちになりますか、お聞ききしたい。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) 私は、いまだかつて憲法改正論を唱えたことはございません。一部に、私の党とは申しませんが、憲法改正論を唱える方もあることは知っております。桜田君の発言などはそのとおりだと思います。しかし、政府また党の総裁、それが改正を唱えたことがないということ、これははっきりした事実でございますから、御了承願います。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 まあ桜田発言をあなたは否定されたわけですね。しかし、どうでしょう、これは私は続いてお聞きしたいんだが、昨年の七月にニクソン大統領のグアム・ドクトリンが発表されました。そうして、そのあとの九月に、佐藤総理は、島根の一日国会で、アジアの安全に対してアジアの主役になるというようなことを演説されている。そうして桜田発言です。私は、こういう一連のつながりというものを考えますときに、この国連参加の問題を通じての、海外派兵を含めたこのような問題というものは、非常に一つの問題になりつつある、そういうふうに考えざるを得ない。これはどう解釈しますか。ニクソンのグアム・ドクトリン、それから佐藤総理のアジアの主役、それから桜田発言の憲法改正というものは、どうもこれらのものを総合して判断するということが非常に重要だ。あなたも、この中で、主役をとるという、そういう主役の役割りをしたのでありますから、これについて明確に答弁してください。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) 明確に申し上げます。ニクソン大統領のグアム・ドクトリン、これは、御承知のように、いままでコミットしたことはアメリカとしては義務を負ってその責任を遂行すると。しかし、新しい問題については十分考えていこうと、こういうことで、慎重さに返ったと思います。  私が、アジアの主役をつとめようと。私は、軍事的に主役をつとめるということは一度も言ったことはございません。御承知のように、私どもは、自衛隊こそ持っておりますけれども、それは軍事力としてで、攻撃的なものではございませんし、ただいまの状態で軍事的に主役がつとまろうとは思いません。しかしながら、いまやわが国の経済力は、私が指摘するまでもなく、岩間君も御承知のように、たいへんな成長をしてまいっております。私は、そういう面で、安全、平和、繁栄、それに寄与し得るいわゆる主役をつとめ得る立場にあると、かように思います。  また、私と桜田君と別に話し合ったこともございませんし、また、桜田君が発言するについて私の意向を聞いたこともございません。これは全然関係のないことで、この公式の場、最も大事な予算委員会の席上を通じまして、関係をはっきり、関係はなしと、かように申し上げておきます。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 日米共同声明をあなたは結んできて、アメリカの核戦略体制の中に日本の国土と国民を新たな体制で編入しようとした。本土の沖繩化の問題もこれはまぎれもない事実でしょう。こういう体制の中でそういうふうに説明されても、国民はいささかきょとんとするだけです。だから、そういう点の中で、しかもあなたは平和を守ると言っているのですが、まあそういう中で、どうですか、憲法の許す範囲内で国連の平和維持機構に参加する、あるいはこのPKOを強化するということが、少なくとも最小限の要請である、そういうことをこの外務省の文書はうたっているわけですね。  そこで、私は、ここでどうしてもこの議場を通じて明らかにしておかなくちゃならない問題は、憲法の許す範囲内というのは、これは具体的にはどんなことをさすのか、これを明らかにしてもらいたい。つまり、国連軍といわれるものの中に、朝鮮国連軍、あるいは国連待機軍、あるいは国連緊急軍、あるいは国連監視団というような、こういう仕分けがある。憲法の関係でこれはどうなるのか。私は、この際、国連平和機構への参加、これは海外派兵と非常に深い関係を持ってくるわけでありますから、憲法との関係を示してもらいたい。第一には、政府のこれに対する統一見解がないんだ。私はずいぶん読んでみましたが、いろいろ変わっております。いろいろ混乱しておる。統一見解をはっきり示すことが一つ必要です。しかし、これは、時間の関係からここでできなければ、文書であとで出していただきたい。しかし、一つの問題については、これは明らかにしてもらいたい最も重大なことです。国連軍参加は、集団自衛権の発動ということになると思います。憲法では、個別的自衛権の発動はこれは自衛権の範囲だという解釈をあなたたちはしているわけです。しかし、集団自衛権の発動はこれは認められるのかどうか、憲法との関連においてこれを明確にしておくことは、先ほどから論じた問題を明らかにするために必要だと思います。したがって、これについての見解をお聞きしたい。

高辻正巳内閣法制局長官

○政府委員(高辻正巳君) いわゆる国連軍というものと憲法との関係については、いままでにあまり統一的なことが言われていないというお話でございますが、これはもう実にたびたび申し上げておることでございまして、あらためて文書を出すような必要はないのではないかと思います。ただいまの御質疑は、国連軍参加ということと集団的自衛権というものとの関係といいますか、それが必然的慣例になるような前提でのお話でございますが、それがまず私にはよくわからないのでございますが、かりに、お話の意味が、他国が武力侵略を受けた場合に、わが国が国連の勧告ないし勧奨を受けまして他の国連加盟国とともにその防衛に当たることが憲法に抵触しないかどうかというお尋ねでありますならば、これも毎度申し上げていることでありますが、たとえそれが国連の意向に沿うものでありましても、戦争の放棄を規定したわが憲法の許容するところではないと考えるということをしばしばいままでも申し上げております。現在もその考えに変わりはございません。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 集団自衛権の発動は憲法では許されないと、こういうことですね。その点、確認しておきます。  さらに、このような解釈について、これを変更するということはないでしょうね。解釈——憲法そのものじゃなくて、今度は解釈の問題です。佐藤総理、どうです。これは佐藤総理にお聞きしておく。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) いまの憲法解釈論は、法制局長官が専門的に述べたのでございます。これは変わるわけはございません。私が解釈を変えるというようなことはございません。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 さらにお聞きしたいのですが、国連の平和維持機構の参加をめぐって、これは海外派兵を含む国連監視団、こういうものまでの範囲がいま考えられておるでしょうが、そういう中で自衛隊法あるいは公務員法などの国内関連法規の改正ということが、これは世上取りざたされております。これについて、これは防衛庁長官にお伺いしたいんですが、あなたの態度をここで明らかにしておいていただきたいと思います。  それから国内関係法については、これは総理でしょうな。公務員法とか、そういうものにつきましては。自衛隊法については防衛庁長官。

中曽根康弘自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(中曽根康弘君) 外務省の方針に従って検討を加えております。私は、将来改正して国際協力の実をあげるようにしたら適当であると思っておりますが、いますぐという問題ではございません。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 まだある。佐藤総理、どうです。関係の公務員法の問題もちょっと聞いたわけです。国連の機構に参加、これは総務長官か……。

山中貞則自由民主党総理府総務長官

○国務大臣(山中貞則君) 公務員法をいまのところ改正するという考えは全くありません。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 委員長、最後に、防衛庁長官の発言は非常に重要……。

堀本宜実自由民主党

○委員長(堀本宜実君) 岩間君。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 何だ、さっき五分まで認めているのですよ。だから、そういう何じゃだめですよ。なんで共産党だけにそういう……。まずいですよ。言論の問題がいま出ているときに、まずいですよ。公平にしなさい、そうでしょう。  将来、これは外務省の方針で検討しておる、自衛隊法の改正もあり得ると、そういうことをこれは答弁されました。これはまさにこの海外派兵の問題とも関連して、私は重大な課題だと思うのです。時間がないので、これは内閣委員会その他において引き続いてこの問題を明らかにしたいと思いますけれども、これは非常に重大です。佐藤総理もその意向に変わりありませんか、防衛庁長官の答弁に。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) 私自身は検討したことございません。いずれ検討しても防衛庁だけでその法律ができるわけじゃございませんから、御審議をいただくものですから、そのときにその御議論は伺わしてもらいたいと思います。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 総理の見解はないというわけですな。  これで終わります。

堀本宜実自由民主党

○委員長(堀本宜実君) 以上で岩間君の質疑は終了いたしました。     —————————————

堀本宜実自由民主党

○委員長(堀本宜実君) 次に山田勇君の質疑を行ないます。山田君。

山田勇第二院クラブ

○山田勇君 先ほどの問題ですが、パーマ液二浴式の基準といいますと、二%から七%という局長の御答弁がございましたが、アメリカの二浴式のいわゆるパーマ液の濃度と日本の基準との違いがわかればお答え願いたいと思います。

内田常雄自由民主党厚生大臣

○国務大臣(内田常雄君) アメリカにおけるチオグリコール酸含有量の濃度は四%、日本では二%ないし七%ということでございます。

山田勇第二院クラブ

○山田勇君 日本の場合は六・五%になっております。この四%も、私がアメリカに行ってまいりまして、原液を持って帰ってきて研究した結果を厚生省にお教えしたような状態でございます。先ほど申しましたとおり、このスモンというものと、この二浴式パーマとは何ら因果関係はないと黙殺なされないで、どういうささいなことでも取り上げて前向きの姿勢で研究を続けていっていただきたいと私は思います。  次に、通産大臣にお尋ねいたしますが、万博の会場におきまして、国際バザールで売られている商品についてお尋ねいたしますが、万博協会としては、この商品の価格とか品質について、どのような管理をしているか、ちょっとお聞かせ願いたいと思います。

宮澤喜一自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) これは、けさほどもちょっとお話が出ておりましたが、特別規則というものがございまして、これが契約の一部になっておるわけでございますから、その特別規則によって、出品するものの内容なり価格なりの協会と協議がございます。で、その協議のとおりやっておるかどうかを協議の上でときどき調べる。協議にはずれておりますと是正を求める、こういう仕組みになっております。

山田勇第二院クラブ

○山田勇君 いま協議の中にそういうものを管理しているというようなことですが、私が承知するところによれば、これは国際間の問題もあろうと思いますので、その国の名前は申し上げませんが、メイド・イン・ジャパンを堂々と、その国の品物であると言って、不当な価格で販売している事実があります。これは証人もおります。私もその証拠品を持っております。ですが、あえてその国の名前は申しませんが、こういうことがしばしばああいう場所で行なわれているということは、私、たいへん遺憾だと思います。そういう点につきまして、もう一度その規制ということがあろうかと思いますので、その点についてもう一度お伺いしたいのです。

宮澤喜一自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) それは、同じことであるかないかよくわかりませんが、私の聞きました例は、何かオルゴールの関係でそういうことがあったと。これは調べてみますと、本体といいますから、おそらく楽器の部分と思いますが、この部分を日本でつくりまして、相手の国に輸出をして、相手方が再加工をしてそれがわが国に入ってきた、こういう例があるそうでございます。したがって、楽器の部分にメイド・イン・ジャパンと書いてあったということかと思いますが、加工はあちらでしてわが国が再輸入した、そういう例はございましたようで、これは私は適法であろうと思います。

山田勇第二院クラブ

○山田勇君 それならいいんですが、そうじゃないのです。私が持っておりますのはスカーフですが、これはもう明らかにメイド・イン・ジャパンと打ってある。それをその場ではずして、販売員にこれは何々製だということにして売れということで、高額な給与を払ってその販売をさしているという事実でございます。それは証拠品として私はそのスカーフも持っております。その国に対してその商品を入れている会社名も私は知っております。納品伝票も持っております。そういうような逆輸入的なものならばまだ良心的に許されるのですが、そうじゃなく、明らかにメイド・イン・ジャパンというものを売っておるわけでございます。そういうような逆輸入的なものじゃない。ですから、そういう点について規制をしていただきたいというのが私の願いです。金持ちが買う間はいいのですが、御承知のとおり、修学旅行生あたりが行きまして、おねえさんに、おかあさんにと、わずかな小づかいから、乏しい中から三千八百円——その値段のつけ方も非常に不明瞭であります。千八百円、二千八百円、三千八百円、何でも八がつけばいいような値段のつけ方をしております。そうして、高校生がしわくちゃな封筒の中からお金を出して、おねえさんに、おかあさんにといって買って帰る品物が全く人絹である。それもシルクならまだいいのですが、人絹の製品を買わしているというようなことで、それを明らかにどこどこの国製であると、はっきりと販売員に言わして売っているというのが状態でございます。万博は、御承知のとおり、そういう国際的ないろいろな問題もあろうかと思います。あえてその国の名前は申しません。もし、よければ私は教えてもけっこうですが、そういう点がございます。ですから、そういう逆輸入的なものじゃございませんので、その点もう一度御答弁願いたいと思います。

宮澤喜一自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) さっそく調査をいたしますが、おそれ入りますが、個人的に内々でお教えをいただけましたら、すぐに調査をさしていただきたい。非常に店がたくさんございますので、そういうことは万博規則にも違反いたしますし、また買われる人もお気の毒でございますし、わが国の信用にもかかわるかと思いますので、調査をさしていただきたいと思います。

山田勇第二院クラブ

○山田勇君 まあ、後ほど通産省の係の方にその国はお教えいたしますが、よろしく善処していただきたいと思います。  それと、最後に総理にお伺いいたしますが、先ほどパーマ液体とスモンという関係につきまして、いろいろと厚生大臣並びに関係者にお聞きしたのですが、そのスモンは原因不明とか、感染するとか、非常に不気味な状態ですが、患者の周囲では社会的な隔離をはじめ、医療機関までが敬遠するというふうに聞いておりますが、これでは患者の不安はますます増大し、行政当局への怒りも激増するものと思います。一日も早く原因究明、治療対策の確立が望まれるわけですが、それとあわせて患者の隔離状況、生活状態を調査し、医療体制、生活保障など具体的施策が必要と考えます。最後に総理のスモンに対する御所見と御決意をお伺いいたします。  それと同時に、こういう施設並びに、こういう施設ばかりでなく、精神薄弱施設とか、そういう施設を、総理、一度ごらんになられたらいかがかと思います。総理は非常にお忙しいので、そういう施設を一々回ることはできかねると思うんですが、今国会はわりかた早く終わるようですから、もしひまがありましたら私お供さしていただいてもけっこうです。いま歴代の総理の中で一番そういう行政視察をちょっと——なまけているわけじゃないでしょうが、行かれてないように私は承知しておるのですが、ひとついかがでしょうか。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) スモン病に対するいま山田君の現状調査と対策、治療費等、また生活状態等の調査もやれと、こういう区分けをしての御提案、私は、そのとおりを衆議院でも答えておりますので、また特に厚生省にも申しつけておりますから、その辺はしばらく時間をかしていただきたいと、かように思います。  この問題は、ただ単にスモン病は原因不明という、そういうだけでそれから先に対策が進まない、かようなことではいけないと思いますので、積極的にこの問題とは取り組む。私、衆議院の段階であったと思いますが、写真を詳しく見せられ、そうしてたいへん心が動いて気の毒だと、かように思っておるような次第でございます。  それはそれとして、またその次に施設を見ろと、こういうことでございますが、私は、施設も見たことはございますし、ただいま山田君の特別な御案内を受けるまでもなく、そういう点ではすでに一応心得ておりますし、また気の毒なこれらの方々に対してもっと施設も整備しなければならない、かように思っております。そういう意味で、高崎のセンターなどはこれはたいへん有効に使われるようにと心から願っておる次第でございますし、また各種各界の方々による「あゆみの箱」などについても、私もよくその実情を知っておる一人でございますので、どうかもうあの気の毒な状態、わざわざもう一度見ろとおっしゃらないように、ひとつお許しを願いたいと思います。

堀本宜実自由民主党

○委員長(堀本宜実君) 以上で山田君の質疑は終了いたしました。  以上をもちまして、質疑通告者の発言は全部終了いたしました。よって、暫定予算三案の質疑は終局したものと認めます。

堀本宜実自由民主党

○委員長(堀本宜実君) 討論は、理事会において行なわないことを申し合わせましたので、直ちに三案の採決に入ります。  昭和四十五年度一般会計暫定予算、昭和四十五年度特別会計暫定予算、昭和四十五年度政府関係機関暫定予算、以上三案を一括して問題に供します。  三案を原案どおり可決することに賛成の方の起立を求めます。   〔賛成者起立〕

堀本宜実自由民主党

○委員長(堀本宜実君) 起立多数と認めます。よって、三案は原案どおり可決すべきものと決定をいたしました。  なお、本院規則第七十二条により議長に提出すべき報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

堀本宜実自由民主党

○委員長(堀本宜実君) 御異議ないと認め、さよう決定をいたします。  明日は、午前十時開会し、昭和四十五年度予算三案を審査することといたしまして、本日はこれをもって散会をいたします。    午後六時十五分散会     —————————————

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