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63回国会参議院1970/10/13

法務委員会 閉会後第4号

発言数
116
登壇者
6
会派数
3
開催日
1970/10/13

会議録

小平芳平公明党

○委員長(小平芳平君) ただいまから法務委員会を開会いたします。  委員の異動について御報告いたします。  昨日、山田徹一君が委員を辞任され、その補欠として阿部憲一君が選任されました。     —————————————

小平芳平公明党

○委員長(小平芳平君) 理事の補欠選任についておはかりいたします。  委員の異動に伴い、理事が一名欠員となっておりますので、この際、その補欠選任を行ないたいと存じます。  選任につきましては、先例により、委員長にこれを一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と叫ぶ者あり〕

小平芳平公明党

○委員長(小平芳平君) 御異議ないと認めます。  それでは、理事に阿部憲一君を指名いたします。     —————————————

小平芳平公明党

○委員長(小平芳平君) 検察及び裁判の運営等に関する調査を議題といたします。  御質疑のある方は、順次御発言を願います。

小林武日本社会党

○小林武君 大阪拘置所に起こった問題についてお尋ねをいたしますが、松本祐之というのですか、これが現在は大阪市都島区友渕町二丁目大阪拘置所に、懲役六年の刑を受けて、昭和四十二年十二月から服役中であります。なお、別件余罪の被疑者として——これは恐喝事件でありますが、大阪地方裁判所で審理を受けているところでございます。この者は、現在大阪の、申し上げました拘置所の中におるでしょうか。

羽山忠弘法務省矯正局長

○説明員(羽山忠弘君) 在監いたしております。

小林武日本社会党

○小林武君 この者は、この拘置所に来る前は、大東市の大阪の拘置所からここに移された、このことも事実でございましょうか。

羽山忠弘法務省矯正局長

○説明員(羽山忠弘君) お尋ねの点は事実でございます。その経緯を申し上げますと、本人は……。

小林武日本社会党

○小林武君 いや、あとでお伺いいたしますから、あることだけでけっこうです。  そこで、この者は不動産売却の代金として一千五百万円の金を預金として持って、所持しておると、こういうことは拘置所のほうでは承知いたしておるのでありましょうか。

羽山忠弘法務省矯正局長

○説明員(羽山忠弘君) 不動産売却の金かどうかは存じませんが、千五百万円の預金通帳が入所後に差し入れになりまして、約一カ月間拘置所の会計課で預かったことはございます。

小林武日本社会党

○小林武君 現在は、それはどういうことになっておりましょうか。

羽山忠弘法務省矯正局長

○説明員(羽山忠弘君) 現在は、本人の家内のように聞いておりますが、返還を受けて持って帰っております。

小林武日本社会党

○小林武君 それから、その拘置所に移った理由ですね。これ、何か理由があったのでしょうか。

羽山忠弘法務省矯正局長

○説明員(羽山忠弘君) 本人は受刑者でございますが、ほかに恐喝事件の被疑事件がございまして、昭和四十四年の十月三十一日に恐喝で起訴になったわけでございます。その公判のために、また本所のほうへ移したということになろうかと思うのでございます。

小林武日本社会党

○小林武君 それから大東市拘置所、大阪拘置所の前にいた拘置所ですけれども、そこに拘置所警備隊の通本——名前はわかりませんけれども、通本という人と、大島副看守長、これが前におりました。それからもう一つ、大東拘置所から現在の拘置所に移ったわけでありますが、そこに西村という、これは看守か何かわかりませんが、西村という者と、それから看守長の山口、医務課の犬飼部長、こういう拘置所の職員がおられますかどうですか。

羽山忠弘法務省矯正局長

○説明員(羽山忠弘君) 山口看守長、それから西村看守、犬飼看守部長、それから大島看守部長、通本看守、これが四条拘禁所の勤務でございます。いずれも勤務いたしております。ただし、西村はその後やめております。

小林武日本社会党

○小林武君 この松本は拘置所の中において、昭和四十五年の六月十六日に大阪地方検察庁あてに告訴をしている問題があると聞いているんでありますけれども、そういう事実はございますか。

羽山忠弘法務省矯正局長

○説明員(羽山忠弘君) ございます。

小林武日本社会党

○小林武君 問題はどういうことでございましょう。

羽山忠弘法務省矯正局長

○説明員(羽山忠弘君) 告訴状によりますと、四十五年の四月の八日ごろでございますが、電報の返信料の金三十円を看守長の山口隆市が横領したというのが一つございます。それからこの松本が山口看守長に対しまして、三十円を横領したではないかということを言ったのに対しまして、山口看守長が憤慨して、同人の肩をこぶしでなぐるというような暴行を加えて、全治二週間の傷害を負わせたというのが松本の告訴状の内容でございます。

小林武日本社会党

○小林武君 その結果、これは起訴処分になったわけですか。

羽山忠弘法務省矯正局長

○説明員(羽山忠弘君) 大阪地方検察庁検事正の三長官報告によりますると、本年八月十一日付で不起訴になっております。

小林武日本社会党

○小林武君 起訴ですか。

羽山忠弘法務省矯正局長

○説明員(羽山忠弘君) 不起訴です。

小林武日本社会党

○小林武君 ひとつ局長にお尋ねいたしたいんでありますけれども、先ほど来私が読み上げましたこの拘置所の職員、通本看守、大島副看守長ですか、西村看守、犬飼看守部長、山口看守長、これらの職員について、松本との関係において、何か拘置所といたしまして、職務上のことで問いただすとか、あるいは行政的な処分をするとかそういうような事実はありませんでしたか。

羽山忠弘法務省矯正局長

○説明員(羽山忠弘君) ただいまお尋ねの点でございますが、職責処分をいたしたことがございます。減給一ヵ月百分の五というのが二人でございます。

小林武日本社会党

○小林武君 だれですか。

羽山忠弘法務省矯正局長

○説明員(羽山忠弘君) それは西村と大野でございます。それからその他の三人が訓告になっております。

小林武日本社会党

○小林武君 減給一ヵ月ですね、百分の五。それからあとは訓告。大島でしょうね、大野でなくて。大島ではありませんか。大野ですか。

羽山忠弘法務省矯正局長

○説明員(羽山忠弘君) 大野でございます、処分になりましたのは。

小林武日本社会党

○小林武君 大島というのは何でもなかったわけですね。

羽山忠弘法務省矯正局長

○説明員(羽山忠弘君) 大島も訓告に相なっております。

小林武日本社会党

○小林武君 そうですが、大野というのがね。これはどっちの拘置所ですか。

羽山忠弘法務省矯正局長

○説明員(羽山忠弘君) 本所でございます。

小林武日本社会党

○小林武君 一体その訓告、減俸一ヵ月を受けた理由は何でございましょう。

羽山忠弘法務省矯正局長

○説明員(羽山忠弘君) お尋ねのこの収容者の松本が、先ほどお尋ねになりましたように、千五百万円の預金通帳を持っておりまして、所内でだいぶ景気のいいような話をしたようであります。そこでこの看守がつり込まれたようでございまして、西村看守が松本に対して、自分の妻——妻と申しましてもこれがはたして正式の妻であるかあるいは婚約者であるかはっきりいたさないのでありますが、いまかりに妻ということにさせていただきますが、その妻が美容院を経営するから資金として三百万円貸してもらいたいというようなことを申し込んだと、これは西村看守はそういうふうに申し込んだことはなくて、向こうがそういうふうにとったのではないかというようなことを弁解いたしておりますが、とにかく松本のほうではそういうふうに申し込みを受けたというふうに理解いたしております。それが最も西村につきましては大きな理由でございまして、まだほかに二つばかりございますが、これが一番大きな理由でございまして、そのために減給一ヵ月百分の五という処分をいたしたわけでございます。それは時期は昨年の六月ごろでございます。  それから大野のほうは、やはり昨年の秋から冬十二月下旬ごろまでの間に、松本の依頼によりまして、松本の妻に電話をかけて食料品等の差し入れの仲介をした。これは収容者の個人的な依頼によって、各看守が私的なルートでその収容者の自宅に連絡をとるということは厳禁いたしておりますので、その内部規律違反にかかるということで、これが減給百分の五ということになったわけでございます。

小林武日本社会党

○小林武君 訓告のことについてはお話ございませんでしたけれども、この書類のことについてはよくわかりませんけれども——よくわからないというのは専門的なことで私にはよくわかりませんけれども、弁護士の「大阪拘置所職員の職権濫用の被疑事実上申書」という、上申書の形をとっておるその文書から申し上げるわけでありますが、一千五百万の金を入手してそれを預金として所持した。いまそのことはお認めいただいて、たいへん景気のいいような話があったとかなかったとかということでございますけれども、これがこの貸してくれというようなこと、いま局長のお話ですというと西村だけのように……。貸してくれというようなことには貸してくれという条件があると思うのです。そこが問題なんですね。私は法務委員になりましてから日が浅いのですけれども、この拘置所の問題、刑務所の問題については、二、三ほかの委員から御質問がございまして、驚き入った。法務省の側といたしましても、金嬉老事件のときには金嬉老の刑務所における問題については、起こり得べからざることが起こったというような、たいへんな最大の表現を使ってびっくりされたようであります。その後しかし大阪拘置所の問題について、浅井委員だと思いましたが、詳細な質問があった。どうもわれわれ法務委員会とかそういうことにわりあい経験のないものは、ちょっと皆さんがおっしゃるような起こり得べからざることというのは、われわれならばまさに起こり得べからざること、想像もできないようなことが起こっているということを感じたわけであります。そういうことを感じているものが、いまあなたも何人か処分されたということを言われておりますけれども、これについてどうもあまりお知りにならないのではないかと、調査が十分に一体行なわれているのか、それに対して手だてというものもほんとうに真剣になってお考えになっているのかというようなことを、若干私は疑問を持ち出したわけです。そういうことで質問いたしますけれども、金を貸してくれと言ったのは一人でないように、この上申書の中には書かれているわけです。通本という看守は松本に対して外部との不正連絡をしてやる、面会等についても便宜をはかってやるから二十万円ほど借用さしてくれ、大島副看守長は自分の妻が車のセールスをして金が足りないから百万円ほど借用さしてくれ、拘置所で懲罰を松本が受けておるのだが、許してやるし、差し入れや面会等についても便宜をはかってやるとこう言った。百万円の借用の代償、こういうふうに言われている。そういうことがあって、その事実を大東市の寺川拘置所の所長にこういうことを言われて困ると申し入れたところ、きさまは、ばかなことを言っているが弁護士や家族のものに伝えたら仮釈放は一日もやらないぞとしかられて、それから後大阪拘置所に移された。こうこの中には書いてあるのですね。先ほど来は公判のために移されたと言うけれども、そういう事実があるのかないのか。あなたのあれだというと、訓告を行ない、それから減俸もやられたというからかなり調べられたようであるけれども、この弁護士の上申書の内容、これはだいぶ違うように思います。それからついでですから、時間の関係上言っておきますが、先ほど来西村看守の話が出ましたが、おまえの奥さんは守口でパーマ屋をやっているが、自分の妻を店で使えといったことが一つ、妻がパーマ屋を経営したいから資金として三百万円貸してくれ、もし貸すということがぐあいが悪ければ奥さんが保証人になることを認めてもらいたい。そのかわり差し入れ等の連絡には便宜をはかる、なお指定の銀行に三十万円でも振り込んでくれないか——これが事実かどうか、ちょっと私もびっくりしたのですが、職員同士が野球賭博をして自分が胴元になって金に困っているからというような理由が三十万円のことらしい。それから犬飼部長というのは血液を抜く注射器を入れてやるから、血液を抜き取って刑の執行停止の手続をしてやるというようなことで、成功したら三百万円云々というようなことを言ったとこう言う。それから最後に、先ほどお話がございました山口看守長に切手の返信料の問題で事情を尋ねたところが、これに全治二週間のけがをさした。こういうことがこの上申書の中に書かれているのでありますけれども、私はこの真偽については何も断定することはできません。しかしいままで起こりました静岡の刑務所ですか、のこととか、前回の質問に出ました大阪拘置所内の返信料にかかわる問題等を私この委員会で聞いておりまして、まことに奇々怪々と言われるようなものが、それがたとえ風説にいたしましても、まさか弁護士が風説のあれを書くわけでもないでしょう。こういうことがあり得るのかと思われるようなことが書かれているわけです。私は全く火のないところに煙が立たないということではないと思うのです。それは何かというと、訓告が行なわれ、減給が行なわれたという事実があるわけでありますから、そういうことについて厳重な調査をやって——やられたかどうかということにきわめて不安を感ずるのです。やられたかもわからないから不安を感ずるのですが、この点についてどうなんでございますか。厳重に取り調べて責任を持って局長としては間違いなし、こう断定できますか。

羽山忠弘法務省矯正局長

○説明員(羽山忠弘君) まことに疑惑の多いようなことが重なりまして、まことに遺憾に思うのでございますが、私どもはこの事件は告訴事件をきっかけに、当初はこれは告訴事件であったわけであります。当時あたかもお尋ねのございました印紙事件その他が大阪拘置所にございまして、すでにわれわれが調査いたしまして結論を出すというのはもはや適当ではないというふうに考えたのでございます。そこで大阪の地検に依頼いたしましてこの徹底的な捜査を頼んだわけでございます。拘置所あるいは本省矯正局といたしまして検事がいないわけじゃございませんが、やはり同じ身内でございますから、別の専門家に調べてもらったほうがいいであろうということが一つと、それからとにかく犯罪事実を告訴いたしておりますから、そしてこれは検察庁がそのものずばりであるということを考えて検察庁に依頼した——依頼と申しますか、徹底的な捜査を依頼したわけでございますが、その捜査の結果、ただいま御指摘になりました西村、犬飼、大島、通本、大野というものの非行が出たわけでございます。これは拘置所側といたしましてはまことにうかつであったわけで、申しわけないと言わざるを得ないのでありますが、検察庁のほうでこういう事実があるぞということを指摘になりまして、ただその検察官のほうが先ほどの松本の告訴にかかる二つの事実のほかに、おそらく松本がこういうことを申したのだと思いますが、職員からいろんなことをされたということでこういう事実の申告があるぞということでありまして、そこで検察庁のほうにまたその点についても十分な捜査を依頼したわけでございます。これは、お話のように、金を貸してくれれば便宜をはかってやるとか小づかいをくれればどうしてやるというようなことはまさに枉法収賄でございまして、もしそれが事実であるといたしますれば、枉法収賄に該当するわけでございます。そこで、これもまた検察庁に頼んだわけでございますが、そのすべての調査結果が、検察官の結論といたしましては犯罪の嫌疑はないと、ただ行政処分として、そのようなことを軽々しく言うということはいかがなものであろうかということで私どものほうに通報になったわけでございますので、そこで私どものほうであらためて調べまして、その結果懲戒処分をいたしたと、こういう経過に相なっておるわけでございます。

小林武日本社会党

○小林武君 ちょっと納得いかぬところがあるんですがね、いまの御答弁ですと。やはり局長の立場からいえば、刑務所の内部の規律、刑務所というところがどういう仕事をやるかというようなことを考えますと、そこに起こった問題について自分たちの手に負えないと感ずるのはどういうもんでございましょうか。だから専門家にまかしたと言うが、そういうことになりますと、何か適当に処理されるような印象をわれわれには与えますわね。専門家にまかしたとか、それは司直の手にどうしたとかということをよく言いますけれども、法務省だって皆さんも専門家であるわけです。自分の部下の中に起こっているそういう問題を行政的な責任者として一体十分に確かめ得ないということは、これはどういうことになりますかね。これはよその官庁にもたくさんあることなんですがね。これはもう間違いというものはたくさんあるはずです。懲戒免職になる者もあればいろんな者が出てくるわけです。不当であればそれに対して大いに公務員法によっても提訴することができますけれども、そういう問題がたくさんあるんですね。特にこの問題なんというものは深刻な問題だと思うんですね。私は、司直の手に、いわゆる皆さんは、専門家に捜査を依頼したということで終わるということは、問題をとかく引き起こしている刑務所に対するいわゆる法務省の態度として妥当かどうかということが疑問なんですが、そのことについては最善の策を局長はとられたと理解なされますか。

羽山忠弘法務省矯正局長

○説明員(羽山忠弘君) 私は最善の策をとったと思っております。と申しますのは、これは収容者が職員を訴えている事件でございまして、しかもそれが犯罪事実の嫌疑を内容とするものでございます。したがいまして、収容者と職員との係争中の事実をその職員の側の者がまずこれを調査するというよりは、むしろ第三者である検察庁にまかす、しかもそれが犯罪の嫌疑があるという場合には、まずそれを第三者のほうにまかすというのが順序でございまして、私どもが妙にいじくり回しまして、あとで検察庁に回りましたときに、拘置所のほうで変なふうに聞かれたから、こっちはあとの捜査がやりにくくなってしかたがないというようなことを言われるごともあるわけでございまして、検察庁の捜査が進みましたあとで、その結論等を踏んまえましてこちらで調査をする。これは本件の場合についてはやむを得なかったというふうに考えるのでございます。

小林武日本社会党

○小林武君 まあ水かけ論になりそうですけれどもね、しかしちょっとこれはあれですな、納得いきませんね。たとえばこれは最高裁の大法廷で判決が出た——これは都教組、都の教員組合のストライキについての判決が出た。これは刑事罰は行なわないという、そういうたてまえだと文部省は考えて、これはストライキとは認めないという、そういう考え方に立ったし、またそのストライキそのものに対する解釈についても、文部省のような態度でなく、いわゆる憲法上に保障された労働者の権利というものは地方公務員といえどもあるという、そういうたてまえの判決であった。文部省はそれに対して、判決が出ても行政罰というものは何らしてかまわないんだという式のことをやっておるわけです。そういうやり方について私は大いに問題を感ずるし、これは徹底的にそういう考え方は改めさせなければならないと思いますけれども、同じ政府の中に、そういうとにかく考え方もあれば、いまのあなたのような考え方もある。検察庁にまかしたのだから、検察庁でとにかく不起訴になったのだから、その範囲内でもって行政罰をやられたということは、私はそれでは済まないような気がするんですがね。一体どういう実情であるかということについて、徹底的にあなたのほうでも刑務所の現状、そこに起こっている幾多の諸問題、それがどういう影響を社会に与えているかということについて考えられないで、事は落着したというような論理は、私はきわめて形式的で、いささか納得いかないんですけれども、これはあれですかね、矯正局長というお立場にいらっしゃるあなたとしてはきわめて当然だということになると、ちょっと私はやはり刑務所の問題というのはなかなかこれからもたいへんだと、こう感ずるんですが、これはしろうと考えでしょうかね。

羽山忠弘法務省矯正局長

○説明員(羽山忠弘君) 検察庁にまかせてしまって、検察庁のそれだけですべて事を処理しているのではございませんで、そのあとで私どももまた調査をいたしているのでございます。で、もう一度申し上げますが、この告訴人がいろいろなことを言っておりますが、その中に犯罪事実にわたることがあるわけでございまして、問題は、告訴人を信用するかどうか、告訴人を信用するかあるいは職員のいろいろな弁解を信用するかということでございまして、それにはやはり第三者のほうにまず先に判断をしてもらうのがいいんではないかということが、われわれが検察庁に事件の捜査を御依頼した理由でございます。また、この事実自体が検察庁で出てきたわけでございまして、拘置所でこれが出たわけではないわけでございます。

小林武日本社会党

○小林武君 それはちょっとおかしいじゃないですか。私、先ほど来申し上げているように、あなたか、前の矯正局長だったか知りませんけれども、静岡の刑務所の問題が出ましたときに、先ほども言いましたけれども、起こり得べからざることが起こったというような、非常に驚愕の態度でもって御答弁なさった。私はそれは当然だと、こう思うわけです。そうするならば、当然どうなんですか、そういう問題が起こったということになれば、そのときの御答弁の中には、今後十分その点について調査をし、対策を考えて、かかることの二度と起きないという意味の態度を私は示されたと思うのです。たまたまこの事件がもし地検のほうに告訴されたという事実からわかったといたしましても、そういう問題が告訴というさたまで起こさなければならなくなったと考えた場合に、地検の捜査は捜査として、一体あなたのほうの法務省としてどういうことになっているかという現状の調査をやるのが私は至当だと思うのですがね、普通の諸官庁ならそうじゃないですか。そういう刑事事件が起こった、そうするならば、そういう刑事事件の事実が存するのかどうか、部内にそういうことが起こるというようなことはどういう面で一体綱紀が乱れていることがあるのか、あるいはいろいろな事務上の扱いにおいて欠陥があるのかということを調べるのが私は当然だと思うのですが、その点を特にあなたたちは検察庁とはこれは立場は違うといったところで、全く同じかまのめしを食っているようなものだと私は思うのですが、そういう人たちの間のやりとりで、それはおまえのほうだというような式の、いまのようなあれはちょっと私は納得できませんが、それでいいんですか。私はいまのところを、もう少しわれわれのような考え方の者にわかるように説明してもらいたいと思うのです。そういうことが一体内閣の所属する諸官庁の中に通用するのですか。そういうことはぼくはしていないと思うのですが、ぼくの見ている限りにおいては。て、勝尾前局長が申しましたことと私がここでお

羽山忠弘法務省矯正局長

○説明員(羽山忠弘君) 金嬉老事件に関しまして、勝尾前局長が申しましたことと私がここでお答えいたしますこととは必ずしも違っていないと思うのでございますが、金嬉老事件の場合には犯罪事実というものがなくて、不正に、持ってはならぬものが監房の中に入っておったというような、もっぱら部内の規律違反の問題が主だったわけでございます。したがいまして、そういうことにつきましては、かりに検察庁に持ち込みましても、向こうがおそらく調べる権限もないでありましょうし、おそらく受け付けてもくれないと思うのでございまして、同時に、それを調べるのはまさしくこちらの職責でございますので、徹底的に調べて善処するというのがわれわれの職責になると思います。  本件の場合は犯罪事実、しかもそれが検察庁で認知された犯罪事実ということでございますれば、それはまず検察庁にお願いして、そのあとで、これは犯罪にならぬということになりましても、なおそこに行政規律違反が残れば、その点は徹底的にこちらで調べる、そういう措置をとったわけでございます。従来でも、たとえば受刑者が看守に金を渡したというような事実の密告などがございますと、われわれはそれが収賄であるというような容疑がございますと、すぐ出先の検事正に連絡をとって検察庁のほうで調べてもらうというように指導をいたしておるのでございます。

小林武日本社会党

○小林武君 金嬉老の場合には、これは規律の問題で、今度の場合は犯罪事実だ、そういうことでありますが、専門家というものはなかなか使い分けがじょうずだと私は思うんです。たとえば、金嬉老のときには、入ってはならないものが入った。金嬉老が持ち込んだか、外部から持ち込んだか、だれかが入れてくれたか、もし規律が乱れておって、それを部内の者が持ち込んだとするならば、それは犯罪になるんじゃないですか。ただ、規律だけの問題ですか。爆発物のようなものを持ち込んだとか、あるいは刃物を持ち込んだというようなことは、規律の乱れだけの問題ではないでしょう。そういうものを持ち込んできたら、それはやっぱり犯罪になるんじゃないですか。われわれはそう思うんです。だから、規律の乱れと犯罪というものが、そんなはっきり二つに分けて考えられる筋合いのものじゃないとぼくは思うんです。これは間違いですか。規律の乱れからそこに犯罪が起こり得る、そう考えるんです。何もなければ犯罪は起きないだろうけれども、規律の乱れによって事実そういうものが部内の者においてやられたら、規律の乱れ即犯罪をそこに構成するように思うんですが、そういうことはありませんか。

羽山忠弘法務省矯正局長

○説明員(羽山忠弘君) お尋ねの点はまことにそのとおりでございますが、ただ問題は犯罪の容疑が生じた場合どうするかという手続の問題だと思うのでございます。

小林武日本社会党

○小林武君 手続の問題であろうが何であろうが、部内にそういうことが起こったという場合には、行政的な問題としてどう処理するかということは、それは全く行政担当者の責任じゃありませんか。そういうことを抜きにして、これは検察庁にまかしたから、その結果に従ってというようなことを言うのは、私はそれは責任回避だと思うんですよ。そういうことがある限りにおいては、こういう問題の種は尽きないと思うんです。それはもちろん、部内の問題だから、犯罪があってもそれを外部の警察、検察に手を入れさせないなんというのは僣越しごくの話なんです、そんなことはあり得ない。しかしながら、それが司直の手にゆだねられようが何しようが、行政当局としては行政当局としてそれについて十分な調査をし、手当てをするというのは、これはあたりまえだと私は考えるんです。それを二つに分けて考えるようなあれでは、ちょっとぼくにしてみれば責任回避のような響きが持たれる、こう思うんです。そういう論争を長くやってもしかたがありませんのであれしますが、いま松本という者はどういう扱いを受けておるんですか。何か精神病者、精神異常者として取り扱われてしまうのではないかという恐怖感を抱いておるようです。何か食べもの等の制限、あるいは収容する部屋でそれをとにかく証拠づけるような行動の監視、こういうものを続けておるという恐怖心があるようでありますが、話に聞きますと、松本は大阪大学の医学部の診察を受けたとか、受けさしたとかいうようなことを聞いておりますが、この点はどういうことになっておりますか。

羽山忠弘法務省矯正局長

○説明員(羽山忠弘君) 本年の五月十九日でございますが、精神科医の診断を受けたのでございます。若干の神経症、拘禁性反応、それからてんかん性格ということでございまして、投薬治療をしながらであれば、通常の作業に服させることは可能であるということで、現在その処方に基づきまして薬を飲ませながら処遇をいたしておる。ただ、通常の作業は差しつかえないということでありますが、本人は左足が前にけがをしておって、それがぐあいが悪いということで、現在は作業をさせていないという状況にございます。

小林武日本社会党

○小林武君 その何だか拘禁性何とかというのは、物事の判断ができるかできないか、正確にですね。それからあるいは何か被害妄想的なものになって、自分に求められないことまで求められたとか、あるいは脅迫感を持つとかというような、そういうものではないようですね。若干の薬を飲めば作業もできるし、ということであれば、通常の人間だと見ていいということになるようにも考えられますが、どうですか。

羽山忠弘法務省矯正局長

○説明員(羽山忠弘君) 本人の訴えによりますと、腰が痛い、それから足がひどく痛い、前頭——前の頭の部分が痛いと、夜寝られない、食欲が不振である、音などに非常に敏感でやかましいとかというような訴えが多い。こういうことでございまして、それらを総合しておそらくこのお医者さんは診断をされたのではないかと思うのでございます。

小林武日本社会党

○小林武君 その診断というものを拘置所では十分ひとつ理解できる能力が私はあるんだと思うのですがね。その診断を受けて正常の人間に近いというような理解が、いまの説明を聞いてもできるわけでありますが、そうするというと、とにかく事実存在しないようなことを、頭が狂っているというふうにも思わないとすると、私はやはり先ほど来申し述べた各看守その他の係の者が松本との間にどういうことを一体言われておったのか、話し、あるいは回答を求めておったのかということについて私は多少疑問を持つのです。それから先ほどのあなたの御答弁の中にも、軽々しく何か言うたというようなことがあるんですね。軽々しく言うということは、この金を貸せとか何とかということを軽々しく言ったと、こういうことも入ると思うのですけれども、そういうことは冗談であるのか、軽々しく言ったのか、あるいはどうしても貸せと言ったのか、それはわかりませんけれども、そういう事実はそれらの人たちが言っているわけですね。言っているとすれば、言って、しかもその中に金を貸してくれればこういうことをするという、そういう冗談も言われているということになる。冗談じゃない、軽々しく言ったようにも受け取られるんですが、そういうことは何といいますか、日常の軽いやりとりだというぐらいに矯正局長は考えられておりますか、またはそういうことは刑務所内においてはきわめて日常の冗談事ぐらいに理解されてやられているのですか、それはどうですか。

羽山忠弘法務省矯正局長

○説明員(羽山忠弘君) 相手が悪い場合には、非常に軽々しい軽口をきいたことが予想外の結果を生ずるのでございます。で、私どもの実務の指導といたしましては、みだりに収容者と私語してはならないと、たとえば私的なことをべらべら話し合うというようなことをしてはいけない。特に一部の収容者は限界を越えてことば巧みに誇張、虚飾もしくは架空の話に事寄せて軽率な職員の関心をそそり、私的接近をはかりやすいものである、ということを申しまして、厳重に職務に必要な程度以外の話をしてはならぬということになっているのでございます。しかるに本件におきましては、これが一つの拘置所の雰囲気であったのかもしれませんが、その点がまことに残念に思うのでございますが、その松本にかなり多数の看守が職務上必要でないような話をいたしておるわけでございまして、それで、それがこのたびうまく松本に利用されたと申しますか、こういう結果に相なったわけでございまして、まことに遺憾に思うのでございます。で、かりにもしこれが幾らか金を受け取っておったということに相なりますれば収賄というような問題が起きてくることは当然でございますが、そのことは別にいたしましても、今度は、おまえ金を貸してやったからたばこを持ってこい、菓子を持ってこい、こういうことになることはこれは長年の、また多年の実務経験上明らかでございまして、収容者に対して金を貸してくれなどという愚かなことを言うことは、看守としてその初歩の初歩ともいうべきところを誤っていると言わざるを得ない。その点でまことに遺憾に思うわけでございます。

小林武日本社会党

○小林武君 これでやめますけれども、矯正局長さんに一つ私申し上げたいのは、松本に利用されたというお考えがあるとすれば、これは私は間違いだと思います。相手は犯罪人だと、どうせろくな者じゃないというようなことを頭に置いてそういう人間に乗ぜられてはいかぬというような考えだとこれは私はたいへんなことだと思うのです。そんなことではなくて、拘置所の中に、刑務所の中に入れられておるそういう状態の中における人間の弱さ、せっぱ詰まった者に起こる心の動き、そういうものに対処する拘置所の職員というような者は、少なくとももっと指導的な、もっと矯正という意味にほんとうに値するような態度でもって接するべきであって、冗談にしろ、おまえ、金を持っているそうだが貸してくれないか、貸してくれたらこうこうしてやるというようなことを言ったとしたら、これはどちらが罪が重いかといったら、言ったほうが重いですよ。乗ぜられるなんということはこれはちょっとおかしいと思う。われわれも子供でありませんから、世の中のことも多少知っておるから、それはいろいろな人間がいるということは間違いない。しかし、その場合におけるわれわれの態度としては、何といっても職員が一体どういう態度をとるかということに考えを置かなければいかぬと思う。どうも悪いやつが入っておるものだからそれに利用されたなんということを考えるというと、いつまでたっても私はこの種の問題は絶えないように思います。その点を意見として申し上げておきます。また、それに従ってひとついろいろと御検討もいただきたいと思うわけです。  なお、前回そういう問題が起きたときに私申し上げたのでありますけれども、いわゆる刑務所の職員という方たちの研修について、研修期間あるいは研修に対する経費、そういうものについては非常に、他のこの種の職員に比べてもいささか軽視されているというようなことを言ったわけです。ある意味では、最も、ここでは魂の傷ついた者に対する一つの刑罰を科しているというような、そういうものであるから、本来やはり一つの誇りを持つような待遇なり、そういう日常の行動に対する研修なりが重要視されなければならぬ。その問題がない限りにおいてはなかなかあとを断たないのではないかというようなことを申し上げましたけれども、ひとつその面についても十分の御検討をいただきたい。これを希望として申し上げて、きょうの質問は終わります。     —————————————

小平芳平公明党

○委員長(小平芳平君) 間もなく大臣見えますから。

小林武日本社会党

○小林武君 いま出ておられる方はだれですか。

小平芳平公明党

○委員長(小平芳平君) 入国管理局次長です。

小林武日本社会党

○小林武君 それじゃ始めてましょうか。  在日朝鮮人の申請を受理して、韓国籍から朝鮮籍に外国人登録上国籍記載の書きかえを認めた地方自治体というのはどのぐらいあるんですか。

瀧川幹雄法務省入国管理局次長

○説明員(瀧川幹雄君) 御質問の御趣旨は、市町村限りで訂正をいたしたという御趣旨かと思いますので、その点を申し上げますと、原票を書きかえましたのが十八市一ヵ町でございまして、三百七十件ございます。なお、登録証明書のみを書きかえましたのが三町、四十五件でございます。

小林武日本社会党

○小林武君 これについて法務省としてはどんな手だてを講じたというか、どういう措置をしたわけですか。

瀧川幹雄法務省入国管理局次長

○説明員(瀧川幹雄君) 外国人登録原票の国籍欄の記載につきましては、「朝鮮」という記載は単に朝鮮半島出身者という用語でありますが、「韓国」という記載は国籍を示すものであるというのが昭和四十年以来の政府見解でございます。したがいまして、その「韓国」という記載を「朝鮮」にかえるということは、過誤に基づいて韓国に記載された場合に限られると考えております。したがいまして、田川市につきましては、十四名分を訂正したという報告がございましたので、これに対して元に戻す措置をとってもらいたいということを福岡県知事あてに依命通達した次第でございます。

小林武日本社会党

○小林武君 それでも改めなかったら、どうなるわけですか。

瀧川幹雄法務省入国管理局次長

○説明員(瀧川幹雄君) 今月七日付をもちまして、さらに福岡県知事に対しまして、地方自治法第百四十六条十二項によりまして職務執行命令を出されたいという趣旨を申し伝えてございます。

小林武日本社会党

○小林武君 それでもなおかつ法務省の見解に従わなかったらどういうことになりますか。

瀧川幹雄法務省入国管理局次長

○説明員(瀧川幹雄君) もとの韓国の記載に書き直されない場合には、百四十六条の規定に従いまして訴訟に持ち込むことになるのもやむを得ないと存じております。

小林武日本社会党

○小林武君 訴訟に持ち込む……。

瀧川幹雄法務省入国管理局次長

○説明員(瀧川幹雄君) はい、さようでございます。

小林武日本社会党

○小林武君 大臣おいでになったから、ちょっと前に戻りますけれども、愛知外務大臣が、李厚洛駐日韓国大使と会談した際、在日韓人の永住権申請を促進するため、その協力を求められて、外務、法務、自治三省間で協力体制を固めることを表明した。この中に、韓国側は日本政府の協力が十分でないとの印象を持っている、こう感じているというのですが、この永住権の申請に協力するというのは、どういうことになるんですか。これは大臣にお聞きしたいんですがね、これは三省のあれですから。

小林武治自由民主党法務大臣

○国務大臣(小林武治君) 協力するということは、日韓でああいう合意がある、そういう事実を周知する、こういうことが協力というふうに考えております。

小林武日本社会党

○小林武君 その永住権を、韓国籍を持った者については、申請すれば永住権を得られる、そういうことになってるんだぞということを周知させるということですか。

小林武治自由民主党法務大臣

○国務大臣(小林武治君) あの条約で、地位協定で、永住権を認める、こういうことになっておる。知らない方もあろうから、それをできるだけひとつそういうことの約束と申すか、そういう事柄があるということを周知させるということでございます。

小林武日本社会党

○小林武君 その周知について、いままで協力を得てなかったというのは、韓国側が不満に思っていると、ことによっては日韓間の国交上にも影響があるというような言い方をする者もある。それで外務大臣が、関係の三省が協力して協力体制を強化すると、こういうことであったようなんですけれども、一体、その三省間における、これは大臣が列席されてやられたのか、それは事務段階でやられたのかわかりませんけれども、一体どういうことになりますかね。周知ならば、これは周知のしかたとしては、いままでどんなことをやっておったのか。それでもおなかつ周知するということは、周知さしてもやらないという気分の者もあるだろうと思うんですが、韓国側の要請は一体どういうことなんですか。その申請する者が数が少ないところに問題があるのか、日本側がそれを周知させるような手続を取らぬというところに問題を感じているのか、これはどちらなんですか。

小林武治自由民主党法務大臣

○国務大臣(小林武治君) 協力方が足りるとか足りないとかということは、これは向こうさんの見方であって、われわれはそうではないと、こういうふうに思っております。協力するための周知のしかたとしては、市町村役場へポスターを出したり、あるいはラジオでこういう事柄がありますよと、こういうことを言うておるわけでございます。韓国側はもっと個人個人にわかるようにやってもらえぬか、こういう御希望を持っておる。たとえば、韓国籍の者に、こういうことがありますよと、期限は一月十六日ですよと、こういうことを個人個人へ、できたらはがきなども出してもらえぬか。こういうような希望もあるわけです。そこまではわれわれとしては、あまり出過ぎたことじゃないかと思う。こういうようなことでいまのように御不満をお持ちかもしれません。しかしそれは向こうさんの見方でありまして、われわれとしては協力をしておる、周知も従来これこれの方法でやっておるということを向こう側にも知らしておる。こういうことでありまして、お互いのことでありますから、一方が不満があるかもしれませんが、われわれのほうはやっておると思っておりますから、多少の行き違いはあろうと、こういうふうに思います。

小林武日本社会党

○小林武君 それではこのことについては韓国側の考え方はどうであるか、これは大臣も十分なことはわからないし、そういうことが、永住権の申請をすれば韓国籍の者は許されるという、そういう事実について日本の側としては知らせればいい、こういうことにとどまっているわけですね。その点は三省の協力体制という点では一致しているわけですか。

小林武治自由民主党法務大臣

○国務大臣(小林武治君) これはもう知らせるについてできるだけの方法をとろうと、そういう抽象的なことは一致しておって、じゃ具体的にどういう方法をとるか、いまわれわれとしてはわれわれがやる方法としてはいまのようなことをやっておると、ラジオで流したり、ポスターを出したり、あるいは公告をしたり、これらのことでそういうことを周知させているということでございます。

小林武日本社会党

○小林武君 それからいま大臣がいらっしゃる前に質問しておったんですけれども、十八市一ヵ町かではこの朝鮮籍に書きかえるということを認めた。これに対して法務省から先ほどのような—田川市だけですか、いまのところは。田川市の書きかえたようなことはみなやるだろうと思うのです。何か新聞を見ると、酒田でもやった、どこもやったということも言われているのですが、これについてどうなんでしょうか。北海道における書きかえをやった市長は、法に従って——日本の憲法なり、法に従って正しいことをやったのであって、市町村長といえども間違ったことはできないと、こういう考え方のものがあるんですけれども、法務省として、書きかえの申請があって、それを書きかえることを認めたという場合においては、訴訟に訴えてもやられる。地方自治法何条とかいうふうな、そういうあれをやらなきゃならぬという考えになる根拠はどこですか。

小林武治自由民主党法務大臣

○国務大臣(小林武治君) これはこの前もここでそういう議論がありましたが、要するにいまの問題が非常な政治的の争いかどうか知りませんが、まあ北鮮と韓国側とのいざこざが日本の国内においても波及してきておるというふうに私どもは思っておりまするが、朝鮮、韓国、こういうことでお互いにその多きを競うというわけではありませんが、どっちのほうが多いとか少ないとか始終問題になっておりまして、何か調べによると、いまは韓国籍のほうが多い、朝鮮総連のほうが少ない。したがってこの際まあうそかほんとうかわかりませんが、巻き返しだというふうな一つの考え方を持ってやっておるようなうわさもありますが、いずれにしろ国籍の選択は個人の自由だ、こういうことを言われますが、それはまあ国際的な宣言もあるんです。それが望ましいということも世界的に宣言したと思いまするが、しかし、国籍そのものは、やっぱりそういう選択の自由というものは、それぞれの国籍国の国籍法の制限を受ける。こういうことになっておりますから、事実そこらで言っておるように、これは勝手ほうだいだ。こういうわけにはまいらない。たとえばわれわれ日本人についてもこれは属人主義をとっているから、生まれた者はみな日本人、日本人から生まれた者は日本人、こういうことになるから、これがアメリカ人になりたいといって、国籍選択は自由だから、なれるというわけでありません。日本の国籍を離すわけにはいかない。無国籍にするわけにはいかない。したがってアメリカの国籍を取得されればそういうことがあり得るということで、自由ではありません。これはどこの国でも同じでありまして、今日の韓国の問題も、韓国籍というもの、アメリカ国籍というものがあって、そうして本人の自発的な考えで韓国という国籍を直した、そういう者がまたみだりに朝鮮に直したい、こう言っても、その韓国の国籍を離脱しなければ、私どもは認めることはできない、こういうことであります。それで市町村長もむろん違法なことをやっているとは思っていないでしょう。それぞれの解釈によって、そういう解釈のしかたもあるから、自分の法規の解釈ではこれは直してよかろう、それが適法であろうと、こういうお考えで直したと思います。しかしわれわれのほうが、有権的の解釈は、やっぱり事務を委任した国にある。こういうことでございまして、市町村長が適法に考えても、われわれは適法でない、こういうことになれば、委任事務の性質上、その委任者の意向によって動いていかなきゃならぬ。こういうことになるのであって、私は市町村長が、これでいいと思ってやったことは、それはそういうことでございましょう。しかし私どもが、委任者の立場においてはそれは困る。こういうことになると、その意向に従って直していくだろうということになろうと、こういうふうに思います。それで方々で直した、直したと言いますが、私どもは報告がなければ、直したか直さぬかわからない。こういうことでまだ正規に報告があったのがおそらく二、三だけしかない。したがってお直しになった方は早くに国に報告されたらよかろう、報告する義務がある。報告された際にまた私どもそれに対して、こういうことになっておりますが——いまのところ何か田川市そのほか、一つ二つらしいが、報告を受けておる。報告を受けておるところには、国としてはこういうふうに考える、したがってこれを直してもらいたい。こういうふうな通知を都道府県知事に出す。それでそういうふうに私ども委任者の意思がきまっておれば、それに違ったことをおやりになる場合には、いわゆる地方自治法によって処置をする、こういう方向ははっきりきめておるわけでございます。いまたとえば訴訟に訴えてもと、こういうお話がありますが、そういう場合もあり得る。こういうことでございます。

小林武日本社会党

○小林武君 先ほど来大臣が、朝鮮と韓国との関係のことについて、どっちが数が多いか、巻き返しであるというような、こういうお話もございましたが、この問題は、そういうことを日本で取り扱う場合には、そういうことは大した問題じゃないんですね。

小林武治自由民主党法務大臣

○国務大臣(小林武治君) そうです。ありません。

小林武日本社会党

○小林武君 そういうことは別にこれは韓国が何と言おうと、北朝鮮が何と言おうと、それはそういう問題じゃない、われわれそういう渦中の中にあった場合に何を考えるかといったら、私は国籍というものを決定するのにはどういう基本的な立場に立つかということだと思うんです。基本的な立場といったところで、法律もあれば憲法もあるし、先ほどお話のとおり国籍法というようなものもある。憲法もあるということになったら、それに従ってものを見ると、それから一体国際的な傾向としては国籍というものについてどういう態度をとっていくかということについて——全部はそうでないでしょう。おおむね一体近代的な国家というものはこういう方向をとりつつあるという、一つの型があるわけですから、私はそういう問題にやはりよっていくべきだと思うんです。先ほど来地方自治体の首長が言うのは、私の知っている限りではそれを言うわけです。正しいことをやらなきゃならぬのではないかと。そうするともうこれは大臣いろいろなことをおっしゃったけれども、国籍というものをきめるのはだれだと、これは言うまでもなく国は無関係だとは言われないですよ、これね。この点についてはもう佐藤総理の答弁だってそういっているんです。在日朝鮮人の国籍について、御承知のように国籍の取得喪失というようなことは国籍の属する国とその人との問題ですね。日本がきめる問題ではない。それはそのとおりだと。いわゆる国籍選択の自由というのはそういうところだとはっきり答弁している。それからこのことについて高辻法制局長官も国際法上の大原則は日本政府もはっきり認めざるを得ない。国籍というものがいかにして決定されるものであるかということについての基本問題は、要するに国籍はその属する国と国民との間できまる問題であって他国の政府がこれをかってにきめる問題ではないというのが基本でございます。こう言っている。そういう基本原則を次長どうなんですか、事務的に処理するだけで認めているんですか、いないんですか。

瀧川幹雄法務省入国管理局次長

○説明員(瀧川幹雄君) 先生仰せのとおり、韓国なり北朝鮮の国籍を決定する権限は日本には全くないわけでございます。日本側といたしましては、外国人登録原票の国籍欄に、外国人の旅券によって国籍を記載するのがたてまえでございます。ただ、在日朝鮮人は旅券を所持しておりませんので、これにかわる国民登録証明書によって記載をいたしている次第でございます。

小林武日本社会党

○小林武君 まあいま旅券の話がありましたが、先ほど言ったように、総理の答弁並びに高辻法制局長官の答弁は、お認めになっている。そうすると、在日朝鮮人は——あなた、いま旅券を出しましたけれども、まあ旅券とか、その国の在日の大使館とかなんとかいうようなものの国籍証明というものがあればいいんでしょう、これ、結局ね。そういうことでしょう。しかし、そういうものはまず抜きにして考えても、私はどこの国の国籍ですということを言うた場合に、それは否定することはできないわね、そうでしょう。それは証明持ってこい、旅券持ってこいとか、そういう国籍証明を在日のそれぞれの公館から出してもらえとかいうようなことを言われればいいわけでしょう。しかし、その自分で選択するということについては異議はないわけでありますか、どうですか。

瀧川幹雄法務省入国管理局次長

○説明員(瀧川幹雄君) 現在、外国人登録原票に韓国と記載されておりますのは、本人の申し出に基づきまして、先ほど申し上げました国民登録証を呈示させた上で記載をしておるわけでございますから、今度それをまた朝鮮に変えてくれと言われる場合には、韓国の国籍を離脱してもらわなければ、日本側としてはそれを認めるわけにはいかないということでございます。

小林武日本社会党

○小林武君 旅券がいいとかなんとか、あるいは国籍証明とか、たとえば朝鮮人民民主主義共和国の、これは国籍を持つ者ですという証明があればいいわけですか。   〔委員長退席、理事阿部憲一君着席〕 そういうわけでしょう。そうして本人が申し出ればいいわけですね、これは。それはどういうことになりますか。あなたのほうの事務的処理としてどうなんです。

瀧川幹雄法務省入国管理局次長

○説明員(瀧川幹雄君) 北朝鮮につきましては、御承知のとおり、わが国はこれを承認しておりませんので、承認していない国の旅券なり、証明書を公のものとして認めるわけにはまいりません。

小林武日本社会党

○小林武君 ちょっと待ってください。その承認、不承認は別として、朝鮮が悪ければ別なところへいってもいいです。そこの政府から自国の国籍の者であるということを証明するものがあって、本人が私はここの国民ですと、こう言ったら、それは認めないわけにはいかないんでしょう。

瀧川幹雄法務省入国管理局次長

○説明員(瀧川幹雄君) 御質問の点は、国籍の変更の問題になろうかと思いますので……。

小林武日本社会党

○小林武君 いや、それでも国籍の決定ということについてだれも干渉できないでしょう。

瀧川幹雄法務省入国管理局次長

○説明員(瀧川幹雄君) そうでございます。

小林武日本社会党

○小林武君 総理大臣の答弁はそうだから、そうでしょう。

瀧川幹雄法務省入国管理局次長

○説明員(瀧川幹雄君) はい。ただ韓国籍を離脱しない……。

小林武日本社会党

○小林武君 いや、それは離脱も何も……。そういうことをきめることができるのでしょう。それであなた、やっぱり形式的だと思うのは、非常に形式論議で私納得いかぬのは、朝鮮の場合に一体どうですか。一体朝鮮人というのはどういうことなのか。朝鮮人というのは、われわれの場合は、韓国とかなんとか抜きにして日本にやってきた。日本にやってきたのか、連れてきたのか、あなたもそういうことは十分御存じだと思いますよ。旅券を持ってくるなんということは必要あったですか。なかったでしょうね。旅券なんというものは必要なくて、むしろ連れてきた。いやだという者まで連れてきたんだからね。そうして日本国民だった。それが戦争が終わって朝鮮というものが日本から放れた。日本の植民地から放れたという、そういう事態の中で起こったんだから、これは旅券がどうだとかなんとかいうことはまず言うべきことではないのですよ。そうでしょう、経過的に見たらそういうことが言われませんか。いや、そうじゃないと、旅券のないのはけしからぬというようなことをあなたおっしゃいますか、どうです。

瀧川幹雄法務省入国管理局次長

○説明員(瀧川幹雄君) 戦前から日本に在留しております朝鮮人については、旅券を持たない場合が多いと思います。

小林武日本社会党

○小林武君 とにかく先ほどの大臣の答弁からして、やっぱり国籍というものは、これはもう総理大臣や法制局長官が言うまでもないことであって、この二人の答弁がどういう一体国民に対してなされたかということを考えますというと、これは佐藤総理でも高辻法局長官でもこう言わなきゃならぬような性格のものでしょう。国と国民と、一人一人のそれによって決定されるもので、日本が決定するものじゃない。そのことがまず根本になかったら、これはもうおかしいです。何かそのことについて市、町でも人道主義的立場ということを強調しますけれども、人道主義的立場というものは、そういう基本的な問題の上に立って、認めないということが、人道的な問題だということに、そういうことに解釈するべきですよ。ほんとうはやらぬでもいいんだけれども、人道上問題があるから、かわいそうだからやるという問題じゃないです。私はそう解釈します。基本的にそういう一つの方向になっている。その基本的なものに対してかれこれ言って、自分の国籍というものを取得できないというような、そういうやり方が人道的でないと、こう言って人道主義ということを言っているのだろうと私は解釈しているのですけれどもね。そういうたてまえに立って考えた場合に、先ほど大臣はいろんなことをおっしゃったけれども、その見解をとっている市長の考え方は大臣やはり誤りだと思いますか。この点は認めないわけにいかないということになりますが、どうですか。

小林武治自由民主党法務大臣

○国務大臣(小林武治君) いま申しましたように、市町村長はそれを正しいとお思いになっておやりになったに違いない。しかし国の理解あるいは解釈はそうでない。そういうことが違っておるということを申し上げておるのでございます。で、お話のように、とにかく戦争が終わってからこれは外国人登録の上では全部朝鮮人になられた。その後、韓国というものができて、それで韓国に直した方がたくさんおる。いまでも朝鮮人の籍の方はとにかく三十万近くおる。それを別にわれわれは韓国に直しなさいといったこともありませんし、そういう歴史的な事実からしてそのままになっておる。しかしまあ一たん朝鮮というのから本人の自発的意思によって韓国となった以上は、これは明瞭に韓国籍を選択されたのだ、韓国籍になられたのだ。韓国籍になられたということになると韓国人だ。したがって韓国人としては今度朝鮮に直すのには、韓国の国籍を離脱するというか、韓国の責任者の許可といいますか、了解と申しますか、そういうものがあってから直したらどうか、これは私どもの取り扱いとしてやむを得ないのじゃないか。しかし、たとえばみな登録証を持ってきてこれは韓国に直してもらいたいということでみんな直された。中にはおれが知らない間に直されたあるいは詐欺によってあるいは錯覚によって直された、あるいは脅迫によって直されたということになると、これは自己の意思でないという問題はあり得る。しかし自分はとにかくだれも別に、——だれもということは、要するに日本国としては関係しませんで、韓国に直しなさいと言ったことはない。したがってその方々は、朝鮮から韓国に自発的にお直しになった方は、自分が韓国籍をその際において選択された。そして韓国もこれは自分の国民だと、こういうふうになったと思うのです。したがっていま逆に移る場合には、われわれの取り扱いとしてはやはりこれは韓国の方だ、したがって韓国の了解を得てくれば、それをわれわれは国籍そのものについて日本はこれに関与すべきじゃありませんから、これはお話のとおりです。そういうわけでありますから、いまの自発的に韓国籍になった方はひとつ韓国の理解を得てお直しになったらどうか、こういうことでございます。しかしいま理論的に選択は自由だとかいろいろこれはいまの市町村長もおっしゃる。おっしゃる方はそれが正しいと思っておっしゃっておる。しかし国はこういうふうな考え方をしておりますからひとつ変えてほしい、こういう立場でございます。

小林武日本社会党

○小林武君 まあ国の考え方がこうだといえば、地方自治体というものは一〇〇%それに従わなければならぬというようなことではないと私は思うのです。これは砂川事件のときにおける最高裁の判決の中にもあることでありまして、正しいことであるなら——そうそのすべてがもう国が言ったら皆だめだということはない。その自主独立性というものは害されないというやはりそういうものは持っているわけでしょう。それはあなたもお認めになると思うのです。だから国籍の問題は、私は何も地方自治体が国の方針のことを何も全然認めないなんということを言っているのじゃない。その独自性を発揮するということはどういうことかというと、やはり適法であるということ、憲法に照らしても何に照らしてもこれはもう間違いがないというようなものであれば、これはもう大方のものは三割行政なんといっているのだから、七割も八割も国の方針に従ってやっているという、しかし国籍の問題についていま出たわけだけれども、この問題になってくるというと、はたして国のとっておる方針が一体正しいかどうかということになると、やはり書きかえを認めるというのは正しいというたてまえに立ってやっている。先ほど次長から、法廷においてもひとつ争うという決意のようですけれども、それはおやりになったらけっこうだと思うのです。やられて、自信があるならやったほうがいいと思う。これは相手方も受けて立つでしょう。しかし私が言いたいのは、そんな問題にまずとにかく入っていくことや、あるいは韓国と朝鮮の関係がどうだとか、在日朝鮮人と在日韓国民との、一体、問題だとかというように考えないで、国会で議論する場合は、国籍とは何ぞやということを、どう一体扱うものかということを基本的な立場に立ってやはり考える必要があると思うのですよ。だから、日韓の問題が出たときに佐藤総理がその点について明確な答弁をしているわけですから、方針はもうすでにできていると、こう私は見ていいと思うのです。そうすればこの問題の帰着点というものは私は案外明らかになると思うのです。何かそれを非常に、入管次長の考え方でいうと、何かそれについて自分のほうの考え方を押し通さなければならぬというようなあれが出るから、すぐ法廷で争うとか、地方自治法のあれによってどうするとか、あるいは罷免することができるというようなことがすぐに口の先に出てくる。  法務大臣、出席要求があるそうですからあとは二人でゆっくりやりますから。  そういう考え方はちょっと私はおかしいと考えるのですが、どうなんですか。国籍離脱というようなことは絶対できないなんと考えていないのでしょう、たとえば韓国籍であったところでね。そうでしょう。韓国民が国籍離脱ができない、間違って書いたのに対して、間違っていましたと、しかしその離脱の手続上の問題があるわけです。あなたはそこの逃げ道を何と言っているかといったら、北朝鮮との間に国交が結ばれていない。だからとにかく何も証拠を出しようがないじゃないかというところに逃げられたけれども、そこに逃げるべき問題じゃないと思うのですよ。国籍というものはだれがきめるのだといったら、その在日朝鮮人自身がきめることであり、彼らが母国だと思っている、祖国だと思っているもののそこの国によって決定するのだという、そういう原則でしょう。その点はどうなんですか。

瀧川幹雄法務省入国管理局次長

○説明員(瀧川幹雄君) 先生が先ほどから仰せのとおり、国籍はその国とその人との間できまることでございまして、日本政府が外国人の国籍について干渉すべき問題でないことは先生仰せのとおりでございます。したがいまして外国人登録原票の国籍欄の記載をかりに韓国から朝鮮に直したといたしましても、その人が韓国籍から朝鮮籍に移るものではないと考えております。私どもの登録原票に韓国と記載されてある人は一応韓国の国籍を持っているものと認められますので、それをなくしたとか、あるいは初めから韓国と書いてある記載が間違いであって、初めから韓国籍は持っていなかったのだということが明らかになりますれば、これは朝鮮と直すことは一向差しつかえないことであると考えます。

小林武日本社会党

○小林武君 そこで先ほど大臣の話にも出てきたし、いまのあなたのあれにもあるのですけれども、何か通達を出したわけですか。いままでから見ればだいぶやわらかくなって、いまのようにまあ本人の意思によったものでない。たとえば前だというと相当きびしかったですわな。何であろうが、一たん韓国籍と書いたからには絶対手直しはさせぬというあれだったけれども、だいぶこのごろはものわかりがよくなったかどうかしらぬけれども、たとえば知らないうちになっておった、一括とにかくある団体の手によってやられておったとか、そういう種類のものは全部それでは今度は認めてよろしいという通達かなんか出したのですか。

瀧川幹雄法務省入国管理局次長

○説明員(瀧川幹雄君) 以前から係員の過誤によって韓国と記載された場合はこれをもとへ戻すという取り扱いはしていたんでございますが、その本人の申し立ててくる理由がはっきりしないためにあまり数多く訂正を認めていなかったわけでございます。その趣旨を徹底させるために九月二十六日にあらためて通達を出しました。これは先生仰せのとおり係員の過誤によって韓国と記載された場合、あるいは本人の意思によらずに第三者によって韓国と書きかえられた場合でございます。ただしその場合であっても本人が国民登録をしている、あるいは韓国政府から旅券をもらったことがある、あるいは協定永住許可を受けているという場合はこれは韓国籍であることが明らかでございますので直すわけにはいかない。こういう趣旨の通達でございます。

小林武日本社会党

○小林武君 その通達は出してもらえますか。文書を資料として出してもらえますか。

瀧川幹雄法務省入国管理局次長

○説明員(瀧川幹雄君) 差しつかえございません。

小林武日本社会党

○小林武君 出してもらいたいと思います。  それから、それ以前に出したというのは、以前の通達はどれですかね。それ以前にそういういまと同じような、徹底しないものだから再度同じようなものを出したというのでしょう、いまのお話ですと。

瀧川幹雄法務省入国管理局次長

○説明員(瀧川幹雄君) 訂正をしてもらいたいという理由が明らかでなかった……。

小林武日本社会党

○小林武君 そうでなく、今度の通達は、前に一度出したものが十分徹底しておらなかったのでまた再度通達を出した、こういうことでしょう。

瀧川幹雄法務省入国管理局次長

○説明員(瀧川幹雄君) そうでございます。

小林武日本社会党

○小林武君 その前のやつはいつ出たのですか。

瀧川幹雄法務省入国管理局次長

○説明員(瀧川幹雄君) 四十年であったと思います。

小林武日本社会党

○小林武君 それも出してもらえますか、資料として。

瀧川幹雄法務省入国管理局次長

○説明員(瀧川幹雄君) 四十一年の二月十二日でございます。これは通録課長から都道府県の主管部長あてに出しております。

小林武日本社会党

○小林武君 それをひとつ出してください。

瀧川幹雄法務省入国管理局次長

○説明員(瀧川幹雄君) はい。

小林武日本社会党

○小林武君 それから今度、それじゃ態度としてはなお、あれですね、たとえば墓参あるいは帰省、そういうようなことで、そこでなければいけないというようなことであったものだから、旅券をもらったというような過去にそういう事実のあったものはだめだと、こういうわけですね。

瀧川幹雄法務省入国管理局次長

○説明員(瀧川幹雄君) 旅券をもらった人は明らかに韓国の国民であると認められますので、これは朝鮮へ戻すわけにはいかないというわけでございます。

小林武日本社会党

○小林武君 入管の関係ですからひとつ聞きたいのですけれども、朝鮮のあれはなかなか出さぬですね。もうめんどうだから略しますけれども、朝鮮人民共和国は出さぬですね。旅券出しますか。なかなか墓参なんかといったって、やかましくて墓参もさしてくれぬ。あなたのところへ私は——あなたというのは入管の関係のところへ実は何度かそういう種類のことで行ったのですが、一番びっくりしたのは、子供がサッカーの試合に遠征する、そういうことで、そのサッカーの大会の何か主催に当たっている方は自民党の議員の方で、スポーツを通してとにかく親善をやってこられたのでしょう。そうしてその結果、優勝チームが北朝鮮人民共和国のほうへ遠征することを、大体これは皆許されるだろうということであった。われわれもたいへんいいことだと思っておったのだが、この子供のあれを旅券出さなかったですね。私はそういうことをやはり考えてもらわなければ、旅券の問題だってやはり扱いのことについてあまり一方的なことを言われないと思うのですよ、子供さえ——そのとき法務省の事務次官は私にこういうことを言ったですよ。治安上のことについては何も問題ないですが、しかし国としてそういう、政府としてそういうふうに決定いたしましたからやむを得ませんと、こう言うのです。治安上の問題もないし何もない。問題は何もないのに、子供さえとにかくやれぬというようなそういうことになっておる。その際にとにかく故国の土を踏んでみたい、老いたる父、母にも会ってみたいというようなそういう熱望が、韓国籍でもいいからとにかく行ってみたいというその心情を日本の政府はたてにとってやるというようなことは、朝鮮と日本との関係というものを考えた場合にはできることじゃないと私は思うのです。分裂している国家というものがいかに悲劇的なものであるかということは、あなた方だってよくわかっているはずです。あるいは政府も考えるべきことなんです。だから私は、やはり佐藤総理の根本的な方針のところに戻ってものをやるということが必要だと思うのです。先ほど法務大臣に私質問しましたら、さっきの問題、これは永住権の問題について、日本のやるべきものというのはおのずから一つ、日本の立場でやるということを言っている。向こうは向こうの注文はあるだろう、しかしこちらはこちらのたてまえがあるということを言った。私はいろいろなことを考えるよりかも、基本的なこの問題をひとつとらえて議論してもらいたいと、こう思うのです。  ちょうど時間が来ましたからきょうはこれでやめますけれども、後ほど私、この次になるかその次になるかわかりませんけれども、おそらく、大臣が言っていましたけれども、まだ来ませんと、こう言っているが、県段階で押えられているところがありますね。北海道がまだ来ないとすれば、北海道は道庁内にその問題はとどまっているのじゃないですか。あれは経由機関でしょう、そうでしょう。北海道はみんな来ましたか。

瀧川幹雄法務省入国管理局次長

○説明員(瀧川幹雄君) 北海道は北見、三笠、赤平の三市が参っております。そのほかはまだ参っておりません。

小林武日本社会党

○小林武君 だからそういうことになりますから、同時にあなたのほうでこれから、先ほど来あなた非常に力強くがんばっておりましたが、法廷でもひとつ争いましょうというようなあれがあれば、この問題はなかなか簡単には片づかぬ問題です。その他のことについてさらにひとつ質問することにいたしますが、十分御検討をいただきたいのですよ。国籍なんというようなものは、われわれがかれこれ言うべき筋合いのものじゃないですからね。この点、ひとつ検討を要望して、きょうは質問を終わります。

阿部憲一公明党

○理事(阿部憲一君) 他に御発言もなければ、本件に対する質疑は本日はこの程度にとどめます。  本日はこれで散会いたします。    午前十二時散会

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