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63回国会参議院1970/03/12

法務委員会 第3号

発言数
46
登壇者
9
会派数
3
開催日
1970/03/12

会議録

小平芳平公明党

○委員長(小平芳平君) ただいまから法務委員会を開会いたします。  委員の異動について御報告いたします。  本日、木島義夫君が委員を辞任され、その補欠として玉置猛夫君が選任されました。     —————————————

小平芳平公明党

○委員長(小平芳平君) 訴訟費用臨時措置法の一部を改正する法律案及び戸籍法の一部を改正する法律案を便宜一括して議題といたします。  まず、政府から提案理由の説明を聴取いたします。小林法務大臣。

小林武治自由民主党法務大臣

○国務大臣(小林武治君) 訴訟費用臨時措置法の一部を改正する法律案について、その趣旨を説明いたします。  この法律案は、民事訴訟及び刑事訴訟の証人、鑑定人等の日当、宿泊料等の最高額をそれぞれ増額しようとするものであります。  第一点は、日当の増額であります。現在、民事訴訟における当事者及び証人並びに刑事訴訟における証人の各日当は、その最高額を千三百円と定められ、また、民事訴訟における鑑定人等及び刑事訴訟における鑑定人、国選弁護人等の各日当は、その最高額を千百円と定められているのでありますが、最近における経済変動等を考慮いたしまして、いずれもその最高額を引き上げることとし、当事者及び証人の日当につきましては千六百円に、また鑑定人、国選弁護人等の日当につきましては千四百円に、それぞれ改めようとするものであります。  第二点は、宿泊料並びに鉄道及び汽船の通ずる水路を除く旅費すなわちいわゆる車賃の増額であります。現在、民事訴訟及び刑事訴訟における証人、鑑定人等の宿泊料及び車賃の最高額は、国家公務員が出張した場合に支給する宿泊料及び車賃の定額に準じて、宿泊料については特別区の存する地等においては二千円以内、その他の地においては千六百円以内と定められ、車賃については一キロメートルごとに八円以内と定められているのであります。政府におきましては、国家公務員の旅行の実情等にかんがみ、国家公務員について内国旅行における宿泊料等の定額を引き上げる必要を認め、別途今国会に国家公務員等の旅費に関する法律の一部を改正する法律案を提出いたしましたが、証人等の宿泊料及び車賃につきましても、右の法律案における取り扱いに準じて、それぞれその最高額を引き上げる必要があると考えられますので、今回、宿泊料につきましては、特別区の存する地等においては二千七百円、その他の地においては二千三百円、車賃につきましては一キロメートルごとに十三円に改めようとするものであります。  以上がこの法律案の趣旨であります。  何とぞ、慎重御審議の上、すみやかに御可決くださいますようお願いいたします。  次に、戸籍法の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨を御説明いたします。  現行戸籍法によれば、出生及び死亡の届け出は、事件発生地においてすべきものと限定されておりますが、届け出人の便宜をはかるため、事件本人の本籍地または届け出人の所在地でするものとするほか、事件発生地でもすることができるように、戸籍法の一部を改正しようとするものであります。  なお、これに伴い、戸籍法と同様の趣旨で定められている死産の届け出に関する規程及び墓地、埋葬等に関する法律等の一部につきましても、附則において、戸籍法の改正と同趣旨の整理をしようとするものであります。  以上が戸籍法の一部を改正する法律案の趣旨であります。  何とぞ、慎重御審議の上、すみやかに御可決くださいますようお願いいたします。

小平芳平公明党

○委員長(小平芳平君) 以上で説明は終了いたしました。  両案に対する自後の審査は後日に譲ります。     —————————————

小平芳平公明党

○委員長(小平芳平君) 次に、検察及び裁判の運営等に関する調査を議題といたします。  御質疑のおありの方は順次御発言願います。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 先般、参議院の法務委員会で国政調査のための委員派遣がありまして、その際に現地においていろいろ要望もあり、またわれわれとしてもなるほどこういう問題は至急処理しなければならぬというふうな問題に若干ぶち当たったわけでありまして、そういう点につきまして具体的にひとつ指摘をして大臣ほか関係者の御意向を承っておきたいと思います。  これは、単に承るだけじゃなしに、何とか処理を一つずつしていってもらいたい、こういう趣旨でお伺いするわけであります。いろいろございますが、まず法務省関係から順次申し上げたいと思います。  法務省関係で、まず第一は、神戸市の法務合同庁舎、ここに暖房用の石炭燃料ボイラーが現在使われておるわけですが、ここから出る煙が近隣から非常に苦情が出ておるわけです。これに対しては、昨年の四月十八日に、神戸市の衛生局長からも神戸地検の検事正に対して勧告文が来ております。あるいはまた、資料によりますと、「橘通附近住民」、こういう署名で検察庁に対してはがきが舞い込んでおりますが、そのはがきの中にはこういうことが書いてある。「拝啓一筆苦言申し入れますが公害に関しきびしく市民に対処さるる貴庁が暖房の噴煙を一度とくに御覧下され度く役人の身勝手あきれ申し短時間とは云へ今後共続く節はフイルムに取り本庁又はマスコミの話題といたします事御承知下さる様」、こういう投書が行っておるんですね。お聞きしてみると、あそこは官庁街ですが、もとはみんな石炭ボイラーを使っていたようですが、最近ではほとんど重油燃料に切りかえて、この法務合同庁舎のものだけがこういうふうに取り残されておる。そのため非常に目立つわけなんですね。これは法務省にも何とか早くこのことを解決してほしい要望が地元の役所からも出ておるようですが、いまだに片づかないで困っておるんだ。これはまことにもっともなことなんでして、その後この問題について何か具体的な処理の方針というものをきめられたのかどうか、まずこの点をお伺いいたします。

伊藤榮樹法務大臣官房会計課長

○政府委員(伊藤榮樹君) 御指摘をいただきまして、たいへん恐縮でございます。先生の御指摘のように、昨年十一月ごろ現地から、いろいろ暖房用ボイラーのことで近隣から苦情が出ておるし、神戸市からも勧告を受けておるという実情の報告がございました。さっそく私どもでも現場を見まして、これは取りかえなければいかぬというふうに判断したわけでございますが、何せ取りかえ作業中暖房が切れてしまいますので、現在のところでは、この冬暖房期が終わり次第重油燃料のものに切りかえたい、こういうふうに考えております。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 取りかえの工事というのは、期間は相当かかるのですか。

伊藤榮樹法務大臣官房会計課長

○政府委員(伊藤榮樹君) 私もしろうとでございまして、詳細を熟知いたしませんが、工事額にいたしまして約五百万円くらいのもので、やはりかれこれ一カ月くらいはボイラーがとまってしまうんじゃないかというふうに考えております。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 これはもう少し何か事前の準備等をきちんとやればもっと早くできるんじゃないかというふうに、これはしろうとなりに考えるんですがね。まあ、家の修繕でも、このごろは外でちゃんと仕組んできて、実際の工事現場では非常に短時間でやる。この技術の進歩しておるときですからね、一カ月もかかりゃせぬのじゃないかと私思うんですがね。で、やはりこれは法を守る立場の検察庁のことですからね、それが一週間ぐらいで片づくものであれば、多少の不便をしのいででも片づけてしまうというくらいのやはりきちんとした姿勢があっていいんじゃないかというふうに私たち思うんです。もう取りかえるという方針なら、これは時間の問題だから、早いほどいいわけです。あたたかくなるまで待つというのは、どうももうひとつ、こういう問題が非常に社会的な関心を集めておるときだけに、少し私は姿勢がなまぬるいように感ずるんです。一カ月ということがまず問題になるかもしれませんが、技術的に私はこれはもっと簡単にいくと思うんです。その辺、そう言うておるうちに、これはあたたかくなってしまうと自然に解決するかもしれませんが、私はそれくらいに、やっぱり昨年から問題になっておるんですから、それくらいの自分にきびしい態度で処理してほしい。そうすれば、いままで苦情の出ておった人も非常に気分的にまたやわらぐんじゃないかと思うんですが、これ大臣どうですか。

小林武治自由民主党法務大臣

○国務大臣(小林武治君) 私はこういう具体的な問題を国会で取り上げて督励をいただくことは非常にありがたいことだと思います。法務省のやり方は従来とかくスローであったと、こういうことが何事についても言われておりますので、そういう態度を直したいというのが私の強い希望でありますし、またいまの、あとから出てくる現業部門の人の増員問題ですね、あるいは各種の庁舎の問題、これらについては相当にこれはもう急がなきゃならぬ問題がたまっておりますので、こういう問題の解決については、これはもう事務当局におまかせしないで、私も、要するに職員の執務環境をよくする、こういう趣旨から、登記所にしましても、出入国管理にしましても、いろいろの庁舎の改築あるいは新築ですね、あるいは職員の増員、待遇、こういうものについては私は一番大事な仕事だと。御承知のように、法務省には別にそう大きなものを除いてはふだん政策的なものはきわめて少ない。大体の予算等が、要するに人件費、あるいは事務費、庁舎、こういうふうな問題でありますから、私はこれらの問題については自分でひとつ事情もお聞きをし、そして先に立ってこれを解決をしたい、かように考えております。さような意味から、こういう具体的な問題について国会で督励をいただくということは非常に私はありがたいことだと、かように考えておりまして、努力をいたす。それから、ただいまの問題につきましても、これはもうすぐにでもやらせる、やってもらう、こういうことにいたしますから、ひとつあとをごらんをいただきたいと、こういうふうに考えます。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 もっと早くやれそうですよ、私はあまり知らぬけれども。まあ金額もたいした金額ではないでしょうし、こういうものは適当に処理ができるはずのものですから、ただいまの大臣のひとつお答えの線で善処願っておきます。  それから第二は、これは大阪の入管ですがね、現場の実地調査をやりましたが、あそこでいろんな調査をやっておる状況を拝見したんですが、庁舎が狭いために調べる人がずっとほんのわずかの間隔で並んでおるんですね。そこへ外部から来た人に前にすわってもらって、みんなが一様に調べておるわけなんです。これを見ましてね、なかなかちょっとお調べになる方も能率があがらないし、また調べを受ける方もちょっと言い渋ったりすることが出てくるんじゃないかという感じを受けたんです。すぐ隣にほかの知らない方がいて、同じように調べを受けておるわけですから、これはまあ場所が狭いものだから、しかたなくこういうふうになっておるんだということであります。私は、その狭さというものが、実際に仕事をする内部の方がそこをがまんしてやればまあ何とか片づくという程度の狭さであればいいんですが、外部から来る人までその中身に非常に支障があるんじゃないかというふうな狭さですね、これは至急改めないといかぬのじゃないか、問題によってはやはり人権問題にも関すると思うんですね。そういう感じを持って見てきたわけですが、大阪の入管ですね、これは毎年仕事もふえていっているようですが、このままじゃいかぬ、一つの計画は持ってるんだというふうなことはお聞きするわけなんですが、実際にどういうふうな具体的な計画を持っておられるのか、御説明をまず願いたいと思います。

伊藤榮樹法務大臣官房会計課長

○政府委員(伊藤榮樹君) 御指摘のとおり、大阪の入管事務所というのはたいへん手狭になっております。そのほかに、大阪にございます法務省関係の出先の中で、大阪法務局が、昭和二十五年の建築の木造庁舎で、継ぎ足しは若干しておりますけれども、相当狭くもうなっておりまして、これが整備が必要であるという状態でございます。また、近畿公安調査局、これが昭和二十六年の建築の木造でございますが、相当いたんでおります上に、史跡になっております難波宮の区域内にございますために、何とか手当てをしなきゃならぬ状況にございます。したがいまして、この大阪入管事務所、それから大阪法務局、近畿公安調査局、この三つをまとめて、なるべく早い時期に、予算事情も勘案しながら予算措置を講じて合同庁舎をつくっていきたいというふうに考えて、検討しておるわけでございます。その敷地としては、さしあたり現在の大阪法務局の敷地が適当ではないかというふうに考えております。しかしながら、御承知のとおり、法務省所管全体としまして、全国に相当、狭隘、あるいは老朽、あるいはそれに近いものをかかえておりますので、それら全体を勘案しながらやらなければいかぬと思っておりますが、御指摘のような状況でございますので、大阪関係の三つの施設につきましては、予算事情の許す限り、なるべく早い機会に計画いたしたいと、かように考えておるわけでございます。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 そうすると、三つの合同庁舎というものを現在の大阪法務局の場所に計画をしておるということですが、いま課長から御説明のあったように、大阪法務局自体も非常に手狭なんですね。これはもう外来者がそのために非常な不便を感じておるというのが実情です。そういう二つの不便なものが重なっておるわけですね。だから、これはいまのような、ただ考え方と、方針というものだけじゃなしに、来年度からでも具体的なやはり着手をしてもらいませんと、来年から着手としてもそれはなかなか完成までには年度がかかるのだと思いますが、それぐらいにこれはやってもらわぬといかぬのじゃないですかね。  地元でもらった資料ですが、大阪法務局で徴収する登録免許税ですね、これが年間百四億、手数料か一億八千万——これは昭和四十三年の数字ですね。昭和四十四年度ですと、税金のほうが百十二億、手数料が三億二千万と、毎年こう非常に上がっていっているわけですね。ところが、それに対する大阪法務局の予算は、昭和四十三年度が約五億五千万、四十四年はちょっと書いてありませんが、それは金の入ったものをそれだけ使うというのじゃ、これは国の政治は成り立ちませんが、あまりにもアンバランスが大き過ぎるじゃないか。やはり職員にしてみれば、それだけの収入手続というものをやるためには、やっぱり間違いがあってはいかぬと、お金のことですからそういう気苦労などもするわけですね。だから、もう少しきちんとした職場に早くしてほしい。気持ちの一端として、そういうことも言いたいというところなんでしょうね。気持ちはわかると思うのです。だから、ぜひこれは来年度の予算——いま出ておる予算案では何もないわけですね、調査費もないようですが、もう一つ昭和四十六年度には着手できるような方向でやれないのですか。

伊藤榮樹法務大臣官房会計課長

○政府委員(伊藤榮樹君) いま仰せになりますごとく、まことに私どもとしましてもありがたいお話で、ほんとうに心から私どもも何とか早くしたいと思っておるわけでございますが、何ぶん、下世話な表現で恐縮でございますが、私ども一の家庭のさいふの中身が限られておりますところでどの子供に先に物を買ってやろうかというようなことでございまして、現にこの程度に困っておるところが他にもあったりいたしまして、たとえば、現在でございますと、名古屋の法務局等を計画をいたし、それとこれとが一体金額的に一緒に一つのさいふから出せるかどうかという問題もございまして、仰せの御趣旨は非常によくわかります、私どももそうしたいと思いますので、なるべく早い機会に実現できるように努力いたしたいと思いますが、なお若干検討してみませんと、私ども事務的な立場といたしましては、四十六年度からすぐもう取りかかれるかどうか、その辺はいまの段階ではどうもはっきりと申し上げかねる、なるべく早い機会にやらしていただきたいと思っておるわけでございます。

小林武治自由民主党法務大臣

○国務大臣(小林武治君) 私は、いまどこへ行っても、地方へ行って一番きたないのは三等郵便局と登記所だ、こういうことが言われておるのですね。法務局の出張所関係の改築ですね、こういうものは大体十カ年計画でやる、こういうふうなことが従来でありましたが、もうそれではいけないと、私は、どうしてもこれは五カ年計画くらいに縮めて、要するに画期的にひとついまの法務局等の関係は改築しなければならぬ、こういうふうに考えておりますので、私は、来年度の予算においては、いまからもう計画をつくってもらっておきます、こういうふうにいたしまして、どうしてもこれらの問題を、ひとつ場合によったらある程度政治的な扱いとしてでもこれを推進しなければならぬ、かように思っておりますので、できるだけそういうものも入れたい、こういうふうに考えております。とにかく建物はもうどこもかしこもまことに粗末で老朽で困るのでありますから、いまのように、私が申すように、五カ年計画に縮めて、画期的なひとつこれらの計画の立て直しをしたい、かように考えております。したがって、できるだけお話のようなことも早くに実現できるようにくふうをしたい。これは通常の事務的折衝ではいまのような大きな改築計画の変更はできませんから、これもひとつ私がやはり正面に出て話を進めたい、かように考えております。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 まあひとつ小林法務大臣の腕を大いにふるうてもろうて、ぜひこれは促進してほしいと思います。ことに法務局の場合、これは大阪でもそうですが、あれだけのたくさんの書類を預かっていて、火災にでもあったらたいへんなことになります。そういう心配のある法務局がほんとうに全国にたくさんあるわけでして、大阪だけじゃなしに、これはひとつ画期的な何か促進策をとってもらいませんと、権利書があるのですから。まあ普通の役所は大体人がいるだけです。それから行政関係の書類ですからあとからでもまた思い出してつくれるというふうな可能性のあるものが多いわけなんですが、これはそういうわけにまいりません。だから、ぜひいまの大臣の考え方で促進をしてほしいと思います。  これは庁舎ではないのですが、民事局長にちょっとお尋ねしますが、登記所の地図ですね、地図が、これが非常に古くて、そうしてまた現状と必ずしもマッチしておらぬというのが真相のようです。したがって、分筆とか合筆とかいうことになりますと非常に困る問題も起きたり、閲覧してもはっきりしないというふうなことがあったり、これは非常な不便を感じておることは事実なんですね。図面の補修なり整備という問題について、これも相当時間をかけなければならぬと思いますが、何か積極的に取り組む必要があるのじゃないかと思うのですが、これは実際に、裁判所なり、あるいは弁護士なり、そういう関係者の諸君からも強く出ておる要望なんですね、図面の整備というものは。  それからもう一つは、謄本をもらっても不鮮明だというのですね。原本自体が非常に不鮮明な場合もあるだろうし、まあその場合には原本自身を早くつくり直していかなきゃどうにもならぬ。しかし、まあ原本はきちっとしていても、写す機械がどうも悪いものだからはっきりしない、そういうものが法廷などにも出てくるというふうなことで、関係者が非常に困っているわけですね。こういう苦情もだいぶん聞かされたわけですが、こういう点について民事局としてどういうふうに処理されるのか、ひとつ考え方を承っておきたいと思います。

新谷正夫法務省民事局長

○政府委員(新谷正夫君) いろいろ法務局の問題点につきまして御指摘をいただきまして、恐縮に存じます。  最初にお尋ねの地図でございますが、これは御承知のように明治初年の地租改正の時代からの沿革がございまして、税務署から引き継ぎましたそのままの状態で大部分は現在まで至っておるのでございます。あの地租改正のいきさつがいろいろございますために、地図そのものが必ずしも正確なものではなかったのでございますが、登記所で引き受けました以上は、これを正確なものにして、権利関係を明確にしていくということはどうしても必要なわけでございます。ところが、残念ながら現状はただいま御指摘のとおりでございまして、私どもとしましては地図の整備ということが非常に重大な関心事の一つになっておるのであります。もうすでに数年来、いろいろの試みをやっております。たとえば土地改良あるいは区画整理等の場合にでき上がります図面、さらに国土調査事業によってでき上がります図面、こういったものもできるだけ登記所で利用できるものはそれを取り入れていこうということのほかに、さらにいろいろ市町村等で備えつけてある比較的精度の高い図面もございます。こういったものをマイラーで取りまして、それを登記所の備えつけの地図に利用しようということを年来やってまいっておるわけでございます。この問題はたいへん重要な問題でございますだけに、私どもも一つの予算上の重点としてこれまでやってまいったわけでございます。ただ、そのような地図の手がかりのあるところはその方法もとれるわけでございますけれども、ごく一部でございますけれども地図が必ずしもないところもあるようでございます。こういったところにつきましては、やはり新規に測量いたしまして地図の作製にかかる必要がございます。これはなかなか重大な問題でございます。現に国土調査を経済企画庁でやっておられますが、このほうとも緊密な連絡をとりながら、できるだけこれを推進していただくようにお願いはいたしておるわけでございますけれども、登記所で必要といたしますものと国土調査の面でやっておられます面が必ずしも一致しない面もございます。そこで、最近経済企画庁等とも相談をいたしまして、この仕事の分野をもう少しお互いに明確にして、法務省でやれるものは法務省で積極的にやれないだろうかということも協議いたしておるのでございます。その着手いたします準備作業といたしまして、実はモデル的に若干のところを指定いたしまして、実地に測量いたしまして地図の作製作業もやってまいりました。来年度もそれをさらに推進してまいりたいと、このように考えておるわけであります。  予算の面で申しますと、四十四年度におきましてはこの地図の作製整備の経費が四千百万円計上されておりましたが、来年度は四千九百万に増額になっております。わずかではございますけれども、できるだけこの地図の整備を促進したいという考えで、このような措置を講じておるわけであります。  次に、登記所の謄本がまことに不鮮明であるというおしかりを受けます。庁によってはそのようなところもないではないようでございます。私どもも、機会がありますたびに、一般国民に迷惑のかからないように謄本は鮮明なものにして出す必要があるということをたびたび注意はいたしておるのでございますが、御承知のように、登記所はいま非常に人手不足で、事件はふえますし、まことに多忙のきわみを尽くしておるわけであります。そのような状況下でつい事務の扱いが粗漏になる場合もあるのじゃないかというようなことを私心配いたしておりますけれども、ただいま申し上げますように、この点はたいへん重要な問題でございますだけに、機会をつかまえまして、そういうことのないように指導をいたしておるわけでございます。そのためにどのようなことをしたらいいかということが問題になるわけでございますが、これは原本が、御指摘のように、不鮮明なものがございます。終戦直後の粗悪な用紙を使って登記簿をつくりましたものは、機械になかなかうまく乗っておりません。そこで、まずその根源を直す必要があろうというので、これも前にも申し上げたのでございますが、粗悪用紙の移記作業と称しまして、悪い用紙を使った登記簿の改正作業をやらせております。これが完成いたしますと、機械にも乗りやすくなりますし、また登記簿そのものの保存の面から申しましても有用であろうかと思いまして、鋭意その点につきまして努力もいたしておるような次第であります。  予算の面を申し上げますと、四十四年度におきましては約四千万でございましたが、来年度におきましては六千万に予算がふえております。この粗悪用紙の移記作業ということは登記所の中ではことに重要な仕事でございますので、できるだけすみやかにかような粗悪用紙がなくなるような方策を積極的に推進してまいりたいと、このように考えております。  なお、この用紙を改正いたしましても、機械が十分でございませんと、やはり謄抄本の作製が完全なものになりませんので、これもいろいろと私どものほうでも研究いたしまして、機械の導入について積極的にやってまいっております。  御承知のように、最近機械の開発がたいへん進んでおりまして、毎年のように新しい機械が次々に出ております。これも十分調査いたしまして効率のいいものを採用しようということで、この登記所の事務の機械化ということを、これも一つの重点項目といたしまして努力いたしておるわけでございます。来年度におきましては、いろいろの複写機がございますけれども、合わせまして全部で約三百七十台くらい購入の予定でございます。その金額は約四千九百万円をちょっとこえるぐらいの金額になっております。  いずれにいたしましても、現在の登記所の事務量の増加に対処しますために、増員のほかにこういった内部的な事務の取り扱い方の積極的な改善が必要であろうと思いまして、そのほかにもいろいろございますけれども、ただいま御指摘の点につきましては、ただいま申し上げますような状況で、積極的に私どもとしましては推進してまいりたいと、このように考えておる次第でございます。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 詳細な御説明をいただきまして概略わかりましたが、いま昭和四十四年度についての予算上の数字もお聞きしたわけですが、そういうテンポでいきますと、まあ大体図面なりあるいはまた謄本を出す場合でも、整備されたというふうなかっこうになるまでには何年間ぐらいかかるんですか。

新谷正夫法務省民事局長

○政府委員(新谷正夫君) まあ、いろいろの問題がからまってまいりますので、一がいには申し上げられませんが、あと四、五年すればかなり整備するんじゃないかと思います。これは、先ほど大臣もおっしゃいましたけれども、登記所庁舎の整備そのものもテンポがのろいといえばのろいだろうと思います。事務の効率を上げますためには、私が申し上げましたように、ただ事務的な面だけの問題でなくて、執務環境が非常に影響するわけでございます。これは具体的に申し上げれば例は幾らもございますが、たとえば東京の日本橋の登記所というのがございます。これは商業登記専門でやっておりますが、これがかなり事務が渋滞したことがございます。これを解消するためにいろいろの事務の取り扱いの面におきましても改善の措置を講じたのでございますけれども、それでもまだ十分でなかった。そこで思い切って、現在仮庁舎でございますけれども、庁舎の中の倉庫と事務室との関係、あるいは事務机の置き方、そういった点に思い切って新しい試みをとってみたのでございます。そういたしましたところが、従来謄抄本の交付に約一週間ぐらいかかっておりましたのが、全部その日に処理できるようになった。これは一にあげて庁舎のあり方の問題だったと思うのでございます。そういった庁舎の問題と事務の面もあわせ考えまして、できるだけすみやかに正確な仕事ができるようにしていきたいというのが私どもの考え方でございます。たとえば粗悪用紙にいたしましても、これはまだいまのところ全庁についての計画ではございません、比較的忙しいところについてのまず処理としていまやっておるわけでございます。それが終わりまして、さらに引き続いてその他の登記所にも及ぼしていこうということでございまして、とりあえず緊急を要するところをいまやっておるわけでございます。しかし、先ほど申し上げましたように、あと四、五年もしますれば、広舎の整備もある程度完了いたしましょうし、また事務の体制もかなり整ってくるんじゃないかという感じがいたしております。まあこれからもいろいろ問題が出てこようかと思いますけれども、私どもいろいろの面に知恵をしぼりまして、できるだけ積極的にこの問題を解消する方向に努力いたしたいと考えております。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 その来年は相当複写機のいいのを買い入れるということですが、古くてあまり性能のよくないやつですね、これはどういうふうにされるんですか。それを使っておれば、どうしてもそこのやつは不鮮明だ。だから、これは普通ならば、ちょっと早く処分してもらって、もったいないと思われるものであっても、事柄がそういう謄本という問題ですから、そういうものはいつまでも使わないで、新しいのが一方にあるわけですから、何とかそういうのは全部ほかへ回すなり、あるいは同じ国家の機構なんですから、多少薄くてもいいという役所はないだろうが、まあこんな程度でも使えるというふうな個所がほかにあればそちらに回すなりして、その古いやつ、悪いものとわかっておってそれを使わせ、苦情が来るのはそれを使っておる担当者のところに来るわけですね。だから、担当者としてはどうにもならぬわけです。その辺のところを思い切って何か処分するような——処分する以上は、それに対する取りかえをこれは当然大蔵省考えるべきなんです。事柄の性質上当然そうすべきだと思いますが、普通の処分の概念よりももっと早くそういうものを処理してしまう、そういうことはできませんか。

新谷正夫法務省民事局長

○政府委員(新谷正夫君) この複写機につきましては、登記所の機械化を考えました最初からの問題でございまして、ただいま御指摘のように、性能がだんだん悪くなってくることは、これは避けられません。それをどうしておるかということでございますが、複写機の配付が十分でない時代におきましては、ただいま御指摘になりましたように、比較的忙しくない登記所へそれを回していくと、そうして忙しいところには性能のいい新しいものを導入する、こういう措置を講じてまいりました。しかし、おかげさまで、来年度の予算で購入いたします機械を含めますと、いま複写機の総数が日本全国で約二千百台ぐらいになっております。そういたしますと、大体各登記所におおむね行き渡っている状況になっております。この上は、性能の悪いものが出ますれば、やはりこれは新しいものと取りかえていくべきであろう、いわば機械の更新でございます。古いものは廃棄し、そこへ新しいものを導入していく。さらに、今後も可能な限りこれはできるだけ活用していく必要がございますので、ある程度のものは末端のそれほど忙しくない登記所に保管転換をするようなこともあると思いますけれども、これからの措置といたしましては、この急速に動いておる情勢に対処しますためには、できるだけ性能のいい新しいものをどんどん取り入れていくべきであろう、このように考えております。古くなったものは、当然これは廃棄いたしまして更新していくということになるだろうと考えます。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 これは希望ですが、予算等に制約されておる事情はわかりますが、登記所なんかの場合には、とにかくいいものが出てきたら、全部が各官庁に行き渡るというふうにやっぱり早くやってほしいですね。そうせぬと、登記所によって非常に鮮明な謄本をもらえる、ある場所ではどうもはっきりしないということになると、責任はそれは機械にあるのですけれども、どうしてもそこの登記所に苦情が来る、担当者も忙しい仕事をやっておりながらおもしろくない、そういうことになるわけでして、普通のこの物件の更新ということよりももっと思い切って早くやってほしい、事柄の性質上これはひとつ希望しておきます。大臣にもひとつその点を……。  それではもう一つ、神戸の入管の関係ですが、ここでも具体的に視察をしてなるほどと思われたことが一、二点あるのですが、一つは、神戸港が非常に大きくなっているのですね。新しい桟橋ができたり、ポート・アイランドというのですか、新しく港の中を埋め立てて、そしてそこに船がたくさん着く。これは一部すでに使用しておりますね。そういう関係で船が足らないということを言っているのです。現在の船は昭和二十八年と三十二年に一隻ずつつくってもらったが、第一速力がのろいというのですね。非常に忙しいときに、のろいので走っていると、やっぱりいらいらする。税関のほうはとても速いらしいのでよ。さっと来る。こちらのほうは入国手続を早くやってやりたい。外国から来たお客さんにしてみれば、ともかく日本の船は税金取ったり何かするほうの船だけは速いけれども、お客さんのサービスのほうはちょっとおそいというふうな感じを与えるようじゃ、これはまずいなあと、これは役人の人が言うのじゃなしに、われわれが視察をして感じた、そういうことなんです。それで、速さもさることながら、二隻ではとても足らぬ。足らぬところに速力がおそいのですから、これはもう限度にきているから、どうしても至急一隻鉄のいいやつを、税関が使っておる程度の性能のやつを一隻はどうしても至急そろえてほしい。それから、現在自動車が一台あるのですね。これももう一台ふやしてほしい。いろいろ説明を聞きますと、なかなかやっぱりたいへんなようです。桟橋がふえてきたりすると、こちらへ行ったやつを、こちらの仕事を済ませてすぐこちらへ走っていくとか、いろいろあるようです。これは実務上入管の役所の方が困るだけじゃなしに、結局外から来た人がそれだけ待たされるということになるわけでして、何とか早くわずかのことだからやってもらわなければいかぬなとぼくらは感じました。きょうは特に人のことは触れないつもりでおりましたが、入国審査の手続の関係で非常に不足しているというのです。審査官六名はほしい、神戸港だけで。ことに万博等開かれてこれはもうたいへんなんですということをこまかく現場で説明を受けましたが、なるほどと私たちも思うのですがね。これはおそらく本省にも陳情が来ていると思いますが、何かこれに対して、万博も十五日から始まりますが、そろそろお客さんがふえてきているわけですが、臨時的な措置なり、これをお考えになっておるのだろうと思いますが、ひとつ御説明を願いたいと思います。

西澤憲一郎法務省入国管理局総務課長

○説明員(西澤憲一郎君) 亀田委員はじめ法務委員の方々に親しく神戸港を御視察いただきまして、まことに適切な御指摘と御鞭撻をいただきまして、われわれ感激しておるわけでございますが、確かに、御指摘のとおり、神戸港は非常に最近港域が拡大いたしまして、勤務しておりまする職員としましては相当な労働の強化になっておることは事実でございます。われわれも予算の面においてもいろいろ大蔵省にお願いしまして、御指摘になりました舟艇につきましては、そのうち一隻は新鋭の舟艇に四十五年度の予算が通りましたら更新することになっております。これを大型にするという問題につきましては、実はまだこのほかにも舟艇が不足しておる港が幾つかございまして、逐次その整備を全般的に終えた上で、さらにその後に大型化と、あるいはスピードの速いものをと考えております。しかし、今度新しく配備されます新鋭の一隻が配備されますと、だいぶ能率が向上するのではないかと考えておる次第でございます。  また、自動車につきましても、これは老朽化しておりますので、できるだけ近い間に更新したい所存でございます。  そのほか一般の審査の関連といたしましては、御指摘になりましたポート・アイランドのところに羽田のブース式の専用の審査場を設けまして、そこに審査官を配備することによってある程度、まあ交通整理といいますか、若干の合理化が行なえるのではないかと思っております。  その他増員の点につきましては、万博のためには、観光船が参りました場合には随時近傍の入管から応援の職員を繰り出せるように、この点は旅費の配付を受けております。その他、まあなるべく、港のことでございますから、非常に年配の方なんかは、臨船の審査なんかには、困難なといいますか、苦しい向きもございますので、人員につきましてもできるだけ精鋭を神戸港には送り込むという配慮をいたしまして、何とか当面の事務の繁忙化を切り抜けていきたいと考えておる次第でございます。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 そうすると、いまの御説明ですと、船と自動車は台数、隻数はふやさないで更新すると、そういうふうに聞いたんですが、そうですか。

西澤憲一郎法務省入国管理局総務課長

○説明員(西澤憲一郎君) そのとおりでございます。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 更新だけじゃいかぬのじゃないですかね。更新もけっこうですがね、それだけ能率があがりますから、特に船の場合には。ともかく入ってくる船の数がふえておるようですね、その資料もいただきましたが。そういうことで、どうしても二隻では困る、手分けしてやらなきゃならぬということになるんでしょう。忙しいのに速力がおそいものだからよけいいらいらする、そういう状態だったのだろうと思うが、そのいらいらの原因である速力ですね、それは今度更新される船というものはどんな程度よくなるのですか。

西澤憲一郎法務省入国管理局総務課長

○説明員(西澤憲一郎君) 速力の点では現在の型と同じものでございますが、ただ現在のものは非常に老朽化しておりますために、実は性能一ぱいの速力も出せないといったような事情でございましたので、この新しい新鋭艇が入りますとだいぶあるいは能率は違ってくるかとも思います。その他エージェントの方なんかをいろいろ極力依頼いたしまして、できるだけ事前に、入港する船舶の時間とか、停泊場所とか、そういうものを前広に知らせてもらいまして、なるべく臨船を効率的にやっていくとかいうふうな努力もいろいろ重ねておる次第でございます。

小林武治自由民主党法務大臣

○国務大臣(小林武治君) いま入管の問題がいろいろ御指摘がありますが、とにかく世界じゅうで一番手間が取れるのは日本の入管だと、こういうことをもう言われておることは事実でありまして、日本に入ってきて一番日本の印象に残るのは入管の問題だ、こういうことまで言われておりますから、私は、ともかく事務の迅速化は政府としても大いにつとめなければならぬ、かように思っております。ただいまのお話もごもっともなお話でありますので、私もこれは気をつけてまいりたい、かように考えます。  それから人の問題でありますが、とにかくいま一番政府がやかましく言うのは増員の問題。したがって、私どものほうの登記事務とか、入管事務とか、こういう受け身の現業事務は、一般のほかの官庁要員と同じように考えておっては事務に対処できない、こういうふうに私は思うのでございまして、これらにつきましては、私はひとつ特別な配慮を政府にも頼まなければならぬ、そういうふうに思っております。入管の人員でありますが、ことしはまあ万博の関係もあって、羽田にも、少ないので、とにかく十一人の入国審査官の増員と、あるいは警備官を三人ふやす。それからまた伊丹の空港につきましても、四人全く純増の増員をしておるわけでございます。法務省全体としまして、毎年既定の減員があるものでありますから、ことしもある程度定員を組んだが純増は四十六人しかないということでございまして、その中からそれだけの配置をしたということで、だいぶそのほうに注意はいたしておりまするが、いまお話のようなことがやはりあります。伊丹空港などもお話があるかと思いますが、これもいまのような増員をしたり、よそからの応援をさせたりしたい、こういうふうに思います。かように考えまして、とにかく入管事務の迅速ということにつきましては、非常にわれわれも注意をしてまいりたい。  それから、やはり事務所の狭隘等の関係がありまして、入国審査をしておる場所なども非常に不適当なものがあるのでありますから、こういうものもぜひ改良していきたい、かように考えておりまして、御注意の点は、私どもも、いまの物的設備の関係は、やはりどうしても来年度予算においては相当な配慮をしなければならぬ、かように考えております。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 まあ大臣ひとつ、非常に積極的な御意向を示しておられますから、この程度にしておきますが、ぜひ来年は、自動車一台、船一隻、これをやはりふやすような姿勢で検討してほしいのです。そうしませんと、あなた、急ぐために自動車事故などが起きたらどうなんですか。これはあなた、上の責任ということになると思いますよ。船の場合だって。法務省のほうが衝突事故などを起こしておったのでは、それはとても示しがつかないわけです。しかし、忙しさのあまりついそういうことが起きてはたいへんなのです。だから私は、やはりそれだけの強い現実の要求——数字をはじいて出てきておるやつですから、これは何とか本省の車一台減らしてでも回してやるくらいにしてほしいと要望しておきます。  それから最高裁の関係が二、三ありますが、その前に、自治省の税務局長、一つですから先にお聞きします。  弁護士会館の固定資産税ですね、これを法律上免税措置にしてほしい、こういう要求が非常に強いわけです。これは理由は、申すまでもなく、地方税法の三百四十八条に免税の団体というのがたくさんありますね、これらの団体に比較して決して弁護士会というのは公的な面において薄いことはない。こういう団体を免税にしておきながら、なぜ弁護士会を同じ扱いにしないのか。特に、戦後の弁護士会というのは、簡単な表現で言えば、日本の司法の三本の柱の一つです、法律上。これがないと日本の司法制度が成り立たぬようになっているわけですね、制度的にも。そういう特殊な、法律でできておる公法人に対して、なぜ固定資産税を免除ができないのか。これは金額の問題とは違うということで、これは地方自治体でそういうことを了承して免税措置をとってくれている場合もあるわけなんです。しかし、それはだめじゃと、法律がきちっとしなければいかぬじゃないかと、今回の調査でも相当強い要求が出たわけです。前にも法務委員会で一度議論したことがありますが、自治省のこれに対する考え方をひとり承っておきたいと思います。

降矢敬義自治省税務局長

○政府委員(降矢敬義君) ただいま御指摘のような弁護士会の性格というものは、全くおっしゃるとおりであると思います。現在地方税法の三百四十八条二項に書いてありますいろんな団体の事務所などと比較しても、あるいは同一に並ぶものかと思います。ただ、いままでいろいろ並んでおるものは、かなり古い時期のもあからバランスをとって、大体三十五、六年ごろまででありまして、その後、たとえば公団、公社におきましても、あるいは国立競技場というような国が出資をした特別な法人でありましても、少なくとも大きな事務所をかまえているというようなものにつきましてはぜひ固定資産税を負担してもらいたいということで、国がそういうかっこうで設立した事務所につきましても負担を求めるということで法律の整備をしてまいったわけでございます。逆に、いま先生御指摘のように、弁護士会館などについても非課税の要望が団体からおありだというお話でございますが、これは地方団体のほうからはいわゆる非課税規定の整備ということでいつでも問題にされますのは、実は三百四十八条にあがっております各種の団体事務所、地方団体側からもぜひ整備をしてもらいたい、非課税規定の整備というときにはぜひあれを改正してもらいたいということが長い間要望としてあがってきているわけであります。そういうことにつきまして、私たちは、事務所につきましては、国が認めている公団、公社をはじめといたしましていろんな団体につきましても負担をしていただきたいということで法律を整備したわけでございます。ただ、最後に先生御指摘のとおり、地方団体が地方税法第六条の規定に従って独自の判断に基づいて減免の措置を条例できめるということでありますれば、これは法律に基づく独自の判断でございますので、その点で問題を解決してしかるべきじゃなかろうか、こういうふうに思うわけでございます。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 非課税団体がむやみにふえるということは、税金を取り立てるほうから見てもおもしろくないことだと思いますね。ただ、本件はそういう一般的な気持ちから判断されちゃ困るわけなんです。それはくそもみそも一緒です。そういうことで、整理すべきものは整理し、新たに加えるべきものは新たに加えていくということでなければ、筋が通らぬと思うんですね。それで、弁護士会館の場合ですと、これは全部でき上がったところで全国で五十に満たぬ数なんです。五十前後なんです、各府県に一つなんですから。東京だけは三つ——歴史的な経過もありますが、そういうものですから、決してそれが全体の徴税にどう響くというものじゃないわけです。ともかく弁護士会のいまの使命からいいましても、たとえば、現在、裁判官、検察官、弁護士になっていくには、二年間の修習をやるわけですね、試験通ったあと。その間、一定期間弁護士会がその責任を持つわけですね。非常に重要な仕事をやっているわけです。そのほか法律扶助の関係とかね。これは法律上義務化されているのですから、だからそういうふうなことをずっと検討すると、あそこにたくさん並んでいる団体ね、どうかなと思うのもありますよ。じゃどれかということは、私から言う筋合いのものじゃない。それは皆さんのほうで整理すべきものはしたらいい。それは多過ぎるからというて、新たに加えるものはどんな理由があろうととにかくお断わりだ、そういう考えじゃそれはいかぬと思うのです。そんな考えだから整理もできないわけですよ。だから、そういう意味で、まあ条例でおやりになるならけっこうだなんて、そんな、地方にまかせるんじゃなしに、弁護士会で言っているのは、自分たちの公的な性格というものを自治省自身が認めるべきだと、そのことを言っているのです。だから、これはひとつよく研究してください、弁護士法自身をね。法律上どれだけの義務があり、どういう仕事を具体的にやっているのかといったようなことについて検討してもらって、ひとつ前向きに結論を出してほしいのです。無理やりにとは言いません。納得してもらわなければいかぬわけですね。どうですか、そこまであまり研究しておらぬのじゃないですか。私、説明に行ってもいいですよ。どうですか。

降矢敬義自治省税務局長

○政府委員(降矢敬義君) 弁護士会の性格は弁護士法に書いてありますとおりでございますが、もちろん具体的に私が詳細に承知しておるわけじゃございません。ただ、私が理解しているところでは、いま先生のおっしゃったようなことでありまして、公的な団体であることにはもちろん間違いはないわけでございます。ただ、私たちの考え方としては、要するに、事務所というようなものにつきましては、国の公団、公社、あるいはその他事業団等におきましても、少なくとも一つの店をかまえておる場合には、その店というか、事務所というものについての固定資産税だけは負担していただきたいということで、新たな事務所の追加ということはずっとやってきておらないのでございまして、そういう意味におきまして、整理をできないということについてのおしかりは甘受しなければなりませんけれども、新しく事務所の非課税を追加していくという考え方はとらないということでまいっておりますので、そういうことで御了承いただきたい、こう思っております。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 とらないといって、そんなことはかってじゃないですか、あなたのかってな一方的な方針ですね。現に非課税の団体がたくさんあるわけでしょう。これが多過ぎるものだから、とらない、追加はね。そんなことはきわめて形式的です。だから、整理するものは整理してもいいのですよ。しかし、新たに理由のあるものは当然加えていかなければ、その筋は通らぬですね。そんな答弁じゃ、とても了承できるものじゃない。新しいものは何もかにもとらぬのだ、加えないのだ、それじゃともかく早く言い出したものが勝ちだと。そんなものじゃないでしょう、国の政治は。それはあなた、根本的に検討しなければならぬですよ、検討すべきじゃないですか。そんな答弁じゃ筋が通りませんよ。

降矢敬義自治省税務局長

○政府委員(降矢敬義君) いまあるものが多いからどうということではございませんで、つまり、公的団体というものにつきましては、公団、公社、事業団というようなものから、ずっと公的団体というものがたくさんあると思いますが、まあ国が特別の出資をして法律で設立する、こういった団体につきましても、事務所につきましては非課税というものをとらない、納めてもらうのが筋じゃなかろうか、こういうことで法律の整備をはかってまいりましたので、そういう意味からいたしまして、弁護士会も一なるほど公的団体でございますけれども、やはり事務所に関しましては、法律で非課税にするということはいかがなものか、こういうことで御答弁申し上げているわけでございます。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 それは筋が通らぬです。そんな答弁は。まあきょうは、これは一つだけ注文しておきます。それは研究してください。そんなことはない。何であろうと事務所があれば取るんだというなら、みんな取らなければだめですよ。先に何かうまくかけ込んだものが勝ちだ、そんなことでは国の政治は筋が通るものではないです。まあこれだけにしておきます。  最高裁のほうに三つばかりお伺いします。  第一は、大阪の裁判所の合同庁舎ですね、これは予定は聞いておるのですが、あらためてここで明らかにしてほしいのですが、完成の予定はどういうことになりますか。

大内恒夫最高裁判所事務総局経理局長

○最高裁判所長官代理者(大内恒夫君) 大阪高等裁判所の完成の時期でございますが、昭和四十四年度、つまり、現在工事に着手いたしまして、第一期工事と第二期工事に分かれております。第一期工事におきまして法廷棟をつくりまして、これが昭和四十六年度に第一期工事の法廷の部分ができ上がるわけです。第二期工事といたしまして、四十六年度から四十八年度まで三カ年かかりまして事務部分——事務棟と称しております。そのほうの工事を完成する予定でございます。ただいまお尋ねのございました工事の完成時期は、昭和四十八年度ということになるわけでございます。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 そこで一点だけお聞きしますが、裁判官の部屋というものは、完成された場合のかっこうとしてはどういうことになるのか。もう少し具体的に言いますと、裁判官に個室がちゃんと配付されるようになるのか。  それからもう一つは、同じ個室であっても、一日おきに使うということになるのか、そうじゃなしに月曜日から土曜日までともかく専用でそこを使えるようになるのか。その辺のところを、きちっとした計画が立っておらぬかもしれぬが、しかしそんなことを頭に入れなければいかぬわけです、これだけの工事であるのですから。考え方を承っておきます。

大内恒夫最高裁判所事務総局経理局長

○最高裁判所長官代理者(大内恒夫君) 裁判官の部屋でございますが、現在大阪の裁判所の裁判官の部屋は狭い状況でございまして、現在は裁判官それぞれに机が十分配置されていない、いわばきわめて劣悪な状態になっているわけです。のみならず、裁判所も堂島地区と法円坂地区に分かれておりまして、関係者にたいへん御不便をおかけしておるのでございます。私どもといたしましては、早急に、裁判官室を含めまして、裁判所の職員の室の関係等も改善いたしてまいりたい、かような方針で鋭意実現のために努力しているわけでございますが、ただいまお尋ねのございました裁判官室はとりわけ重要な問題であると考えております。裁判官室につきましては、現在こまかい設計をなお行なっておりますが、広さで申しますと、現在は法円坂地区を含めまして裁判官室の合計が約千百平米でございます。今度の計画によりますと、これを三倍以上でございます三千五百平米に拡張するということを目的といたしておりまして、裁判官が勤務いたしましても、現在は一つの机を共用しているような非常に悪い環境でございますが、今度はそれをすっかり解消いたしまして、裁判官が月曜日から土曜日まで、つまり毎日出勤して自分の部屋で完全に執務できるような体制を必ず実現するように、私どもとしては計画いたしているわけでございます。  そこで、裁判官室の中をさらに具体的にどうするかというお尋ねでございましたが、これにつきましても、裁判官室を個室に近いような形にできるだけ整備いたしてまいりたいと、かように考えております。もっとも、各裁判所によりますと、合議部の部屋のあり方といたしまして、できるだけ裁判官が三人集まって仕事をしたほうがいいというような要望も場所によってはあるわけでございまして、大阪はまた大裁判所でございますので、さらに現地と打ち合わせをいたしまして、完全な個室にいたしますか、そこら辺につきましては、最終的な設計を詰めます段階でよく検討いたしたいと考えております。いずれにいたしましても、裁判官が裁判官室におきまして訴訟記録を読み、いろいろものを考えるということにふさわしい静かな環境を整備して、個室に近い環境を整備してまいりたい、かように考えております。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 ぜひそういう考え方で整備してほしい、これはもう重ねて要望しておきます。裁判官の数が足らぬとか、しょっちゅう問題になるのだが、こういうことをきちんとしてごらんなさい、これはもう必ず希望者が何がしか私はふえてくると思うんですよ。それは、いまの大阪の裁判官の部屋の状態を修習生が見ておったら、とても行こうかという気には私はならぬと思うんですね。よほどまあそういう乱雑なところを好きな人は別としてね。まあ、あまりそういう人は多くはないと思う。ぜひこれはひとつきちんとやってほしい。  それから、神戸の家裁で非常に調停室が不足しておることをお聞きしたのですが、幸いあそこは敷地があるわけですね、多少の調停室の増築などは。部屋がないんじゃ、これはもう話にならぬわけでしてね。何かその点はお考えになっているでしょうか。

大内恒夫最高裁判所事務総局経理局長

○最高裁判所長官代理者(大内恒夫君) 神戸の家庭裁判所の調停室が不足しているというお話でございますが、実はまだ現地から具体的に要望が出てまいっておりませんで、おそらくは今回御視察の際に最近の実情に基づきましてそういうお話があったものかと考えておりますが、非常に有意義なことを承りましたので、早急に検討いたしまして、実情に沿うような配慮をいたしたいと考えております。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 調停室というようなものは、ぜいたく言っちゃ切りがないかもしれぬが、多少使わない時間があっても、必要な場合にともかく場所がない、これじゃ非常に大事な機会などを逸するというふうなこともあるわけでして、ぜひこれはひとつお調べ願いたいと思います。  それからもう一つは姫路支部のことですが、あそこで何か増築の計画があったようですね。ところが、あそこはちょうど姫路城の近くになる。何か文化財の関係、文化財保護法の関係ですか、何かそういう関係で文化庁が承認をしないので、それで増築の計画が取りやめになったようですが、現地では非常に残念がっているわけです。私も事情を聞きましたけれども、現在の裁判所の構内に若干増築をするという話なんですね。現在の構内をさらにはみ出して姫路城の近くのどこかの土地を新たに手に入れる、そういうのじゃなしに、現在の構内の中にその建物がある、その建物に若干こう継ぎ足す、それは文化財保護の関係からどれだけ支障があるのか。私も文化財保護はやかましいのですよ。これはもう、最近のようなああいうむちゃなものであれば、開発であれば、私自身反対している一人なんですが、しかし、姫路支部のような問題は、これはちょっと文化庁としては介入し過ぎているのじゃないか、横やり入れ過ぎているのじゃないかという感じを持っているのですが、一体向こうはどういう説明をされ、そうして裁判所としてはどういう考えでその説明を受け入れられて引き下がっておるのか、その辺をちょっと説明してほしいのです。

大内恒夫最高裁判所事務総局経理局長

○最高裁判所長官代理者(大内恒夫君) 姫路支部の庁舎のことにつきましてたいへんありがたい御支援のことばをいただきまして、深く感謝を申し上げます。  姫路支部の庁舎は昭和三十五年に新しくでき上がりました庁舎でございますが、私どもといたしましても、増築をしなければならない状況だと感じておりまして、実はかねてからそういう計画をつくっておったわけでございますが、ただいま御指摘がございましたように、文化財の関係と申しますのは、姫路城のすぐ前にある建物でございまして、現在特別史跡というものに指定されているわけでございます。その関係で若干話がむずかしくなっているわけでございますが、具体的に申しますと、姫路市の当局といたしましては、姫路城のすぐ前の地区でございますので、地元といたしましては、裁判所の付近も含めまして、将来それを緑地にしたい、現在ある裁判所の建物も将来は撤去してもらって緑地にしたい、そういう計画なので、裁判所の敷地内についても現状を変更するような増築をすることは差し控えてもらいたいというのが地元の意向なのでございます。しかし、特別史跡に指定されているほどの地区でございます。非常にいい地区でございますので、裁判所としては、現在地にさらに増築をいたしまして裁判所を整備したいというのが私どもの念願でございまして、その点に食い違いがあるわけでございます。で、私どもといたしましては、現在地元におきましてその折衝を重ねているわけでございます。できるだけ早い機会に姫路支部の庁舎の増築を実現したいと、かように現在も考えているわけでございまして、そのためには、現地における折衝を通じ、これが若干手間がかかるかと思いますけれども一、私どもといたしましても強い関心を持っておりますし、ことに、今回当法務委員会の方々が現地におかれましてつぶさにそういうなまの声をお聞きになって、いまさらにそういう力強い御鞭撻のおことばもいただきましたので、この機会にさらに検討いたしまして、現地とも密接な連絡をとりながら、私どもといたしましては、将来私どもの希望に沿うように、実現いたすように一そうの努力を重ねたいと、かように考えているわけでございます。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 それを聞いて一応安心しましたが、もうすでにあきらめてしまったのだと思ったのですが、なるほどそれは、ああいういい場所ですから、姫路城の周囲全体を緑地にしたいとか、そういう気持ちはよくわかります。しかし、現にあるのですからね、裁判所が。そうして裁判所も、ほんとうはそういう静かなところのほうがいいんです。だから、何かここで公団がアパートをつくるとか、そういう問題とは違うわけで、いろいろと外観というようなこともあるかもしれないが、あるものについてちょっとつけ加えるだけだから、外観全体がそれほどこわれるとか、そんなものではないと思いますよ。昭和三十五年にできたわけですから、まだ建物はしっかりしておりますし、当分ここにいなければならぬわけです、どうしても。だから、その辺は文化庁もよく説明すれば私は納得してもらえる案件だと思いますからね。ぜひひとつこれは話し合いをもっと煮詰めて、筋が通るように善処してもらうように要望しておきます。それから、総務局長来ておられますが、ひとつ事務総長にもそのことは特に伝えておいてください、いいですか。

寺田治郎最高裁判所事務総局総務局長

○最高裁判所長官代理者(寺田治郎君) ただいま亀田委員からのお話しの趣旨、十分帰りまして事務総長に報告いたすことにいたします。

小平芳平公明党

○委員長(小平芳平君) 他に御発言がなければ、本件に対する質疑は本日はこの程度にとどめます。  本日はこれにて散会いたします。    午後零時十二分散会      —————・—————

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