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63回国会参議院1970/09/10

物価等対策特別委員会 閉会後第3号

発言数
187
登壇者
16
会派数
4
開催日
1970/09/10

会議録

林田悠紀夫自由民主党

○理事(林田悠紀夫君) ただいまから物価等対策特別委員会を開会いたします。  当面の物価等対策樹立に関する調査中、当面の物価対策に関する件及び消費者行政に関する件を一括して議題といたします。  質疑のおありの方は順次御発言を願います。  竹田現照君。

竹田現照日本社会党

○竹田現照君 まず最初に、郵政大臣にお伺いをいたしますが、最近、通信料金の値上げの問題について新聞その他でいろいろと伝えられておりますけれども、これについて郵政当局の真意を、まずお伺いいたしたいと思います。

井出一太郎自由民主党郵政大臣

○国務大臣(井出一太郎君) これは、郵政あるいは電信電話、両方にわたるかと思いますが、御承知のように、郵便料金のほうは、昭和四十一年に現行料金体系ができましてすでに五年たちます。その間いろいろとくふうをいたしてまいっておりますものの、やはり郵便の仕事自体が、どうしても労務に待たなければない、つまり、人件費を費用の中心にする仕事でございまして、これは五年間に約七割前後上がっておるようであります。したがいまして、明年度予算を策定をいたすにあたって計算をいたしてみますと、これは後ほどあるいは予算についての御質問もあろうかと思いますが、概算の数字で、五百七十億円ぐらいの赤字が出る予想でございます。したがいまして、これをどういうふうに処理するか、このことは、さきの特別国会の際も、たびだび当該委員会において御質問があったんでありまするが、まあ借り入れ金でしのぐか、一般会計からの補てんというものが考えられるか、やむを得ない場合は料金に手をつけなければいかぬかもしれぬと、こういうふうなお答えをしてまいりました。そこで、いまの現時点に即応いたしまして、これが対策をどうするかという問題でございますが、八月末の概算要求におきましては、これはそのままの赤字を出して大蔵へ持ち込んだということであります。そこで、この具体的の措置につきましては、目下どういう道を選ぶか、あるいはその内容をいかように設定をするかといったような問題をただいま検討中であると、どうせこれは郵政審議会等の議を経なければなりませんが、そういう方向で準備をしておるという程度にひとつ御了解を願いたいと思います。  それから電信電話等につきましては、これは、電電公社のほうでまあ長い間の検討の結果、具体的な値上げというよりも、料金体系の合理化とでも言いましょうか、そういう形で、ある程度数字にまでわたったものを私どものほうへ提示をされましたし、これは世間にも公表されておるわけでございます。この面も一応私どものほうで目下検討をいたしまして、その中には首肯し得べき部分もございましょうし、さらに検討を要する面もあろうかと、こういうことで、これもあわせて検討をいたしておるわけであります。  まあこの料金関係が、郵便と言わず、電電と言わず、一緒に吹き出してきたような感じでございまして、物価問題はたいへん慎重にしなければならない時期でありまして、私どもも非常にその辺を苦慮しながら、できるだけ摩擦の少ないような方向で処理をしたい、大ざっぱに、とりあえずそのようにお答えいたします。

竹田現照日本社会党

○竹田現照君 たしか二月の末か三月の初めだったと思いますけれども、党の逓信部会で郵政省の四十五年度予算について御説明をいただいたときに、私は、四十一年の料金改定以来五年たっておる、現実に四十四年度百何億かの赤字の予算である、そうすればこの問題についてどういうふうにお考えになっておるのかということをお尋ねしたら、関係の皆さんは、目下検討中だというお答えでした。それで、借り入れや、あるいは一般会計補てん、あるいは料金値上げの三つが考えられる——同じことをいまもって繰り返されているわけですけれども、何も私、無理して上げろとは言いませんけれども、いま法定公共料金で一番注目されているのはこの通信料金でありますから、まだきまらないということは、来年度約六百億近い赤字になる、これを政府全体の責任において何とか措置しなければ郵便事業というものはどうにもならぬというかっこうで、郵政当局がむしろ開き直って、どうでもしてくれという意味で態度をきめないのか、あるいは大蔵省や経企庁のいろんな考え方に左右されようとするのか。生きた事業体を預かっている行政の責任者として、その点はもう少しはっきりした態度というものを、いま示されてしかるべきじゃないかと、そう思うんですけれども、いかがですか。

井出一太郎自由民主党郵政大臣

○国務大臣(井出一太郎君) たいへん御心配をいただくわけでありますが、私ども、タイミングといいますか、時間的順序といたしまして、従来、四十一年の例を振り返ってみましても、年末ぎりぎり、予算の最終数字がきまるまでにそれぞれの段階を経ておるようであります。したがいまして、時間的には、九月の初めでございますから、決してそれほど切迫しておるというふうにも考えないのでございまして、十分その間に政策部内の考え方を統一をいたす、これだけの余裕はあるつもりでございます。それで、何といいましても、これだけの赤字が歴然と出ておるということであります以上は、さっき申し上げました三つの案の中で、やはり独立採算というふうな面もあり、ないしは、この仕事を受益者の負担でまかなうというような性質もございますから、料金というものを一番中心に考えなければなるまいかと、こういうふうに存じておるのでございますが、それにしても、郵便の事業のあり方というもの、この春などは郵便の遅配などでたいへんお小言もいただいておるようなこともあり、そういう点、事業自体の国民に対するあり方というものをもあわせ検討をいたしまして、そういう、料金に先行するような郵便事業全体のサービスの確立といいますか、そういった面もあわせて検討しておるというのが現状でございます。

竹田現照日本社会党

○竹田現照君 具体的にお伺いしますが、四十六年度約五百七十億の想定される赤字ですね、これから五十年度までの収支の見込みというものは、郵政省はどういうふうにはじいておるのですか。

溝呂木繁郵政省経理局長

○説明員(溝呂木繁君) 一応事務当局として試算いたしましたものがございますので、それをもって答弁さしていただきたいと思いますが、まず、四十六年度は今度の概算要求を出しましたので、その概算要求をもととしまして、それ以降四十七年、八年、九年、五十年というところまでを一応推定したわけでございます。  それで、その推定には前提が非常にございますので、一応その前提についてだけ簡単に前もって御説明さしていただきますと、まず、収入の見込みをどう見るかということが事業としては非常に大きなポイントでございまして、いろいろ研究しました結果、過去十年間のいろいろな趨勢をながめまして、それに基づきまして、まず、郵便物数がこの五年間にどれだけ伸びていくかということを推定いたしましたところ、大体五・一%ずつ安定的な伸びを示すであろうということを考えまして、その五・一%の郵便物数に従って収入がそれぞれ入ってくるという考え方をいたしました。それから支出につきましては、御承知のように、郵便事業につきましては、人件費が七〇%、そのほか物件費の中にも人件費的なものもありまして、それらを入れますと八〇%近くになるわけでございますが、要するに、この人件費関係がどのくらい伸びていくかということが、またポイントでございます。そこで、実は四十五年度の定期昇給と仲裁裁定を見ますと、すでにもう一五%の伸びではありますが、一応これをもって五年間の見通しをすることにはちょっと問題があろうかということで、例の新経済社会発展計画に予定されております一人当たり一二・一%というのが一応前に出されておりますので、人件費につきましてはその一二・一%というものをもって、一応推定で伸ばしていくということに計算いたしました。それから物件費につきましては、一応物価上昇といったようなものをそれにつけ加えました。それからあと、間接費とか、そういうもろもろのものがありますが、こういったものは、過去の実績とか、そういったものをもって大ざっぱに見込んだわけでございます。  その結果、これは収支の赤字だけを申し上げますと、四十六年度の概算が、ただいま大臣から御説明申し上げましたように、五百七十二億ございますし、それが四十七年度では八百七十八億、四十八年度では千二百二十六億、四十九年度では千六百二十三億、五十年度では二千百十三億ということでございまして、ちなみに、その五十年度において二千億の赤字に対応する郵便業務収入というものを見込んでみますと、約二千七百億といったようなことで、かなり赤字の率が高くなってくるというような推定でございます。しかし、御承知のように、四十六年度のもとになりましたのは概算要求でございます。これは、例年、予算決定時期においては歳出はある程度査定といいますか、という問題が出てまいりますし、それから歳入の見込みにつきましても、事業財政が苦しくなれば、かなり無理してでも歳入をもう少し高く見積もるとか、今後十二月ごろまでには、いろいろそういった作業をなされますので、この五百七十二億の赤字は、どちらかと言えば、その予算決定時期にはこれより減るという感じはいたしておりますが、一応、先ほど申しましたように、四十六年の概算をもとにした五年間の推計ということで御了解願いたいと思います。

竹田現照日本社会党

○竹田現照君 そうすると、いまの御説明によりますと、五十年度に至ると累積赤字が約六千五百億になるわけですけれども、いま国鉄の問題が大いに騒がれておりますけれども、郵便事業の六千五百億の赤字ということになりますと、これは五年先のことになりますけれども、たいへんなことだと思うのです。いま説明がありました人件費の一二・一%が、ことし並みの一五%だなんということになってくると、これはたいへんな金になりますね。それで、その郵便物数の伸びが五・一%ということにいま御説明がありましたけれども、郵政統計年報の郵便編を私が拝見しますと、四十一年から四十二年は二・七%、四十三年度が三・七%。四十三年までしか年報が出ていませんから、それしかわかりませんけれども、四十四年と四十五年の推計を含めて、過去五年、ことしはまだ出ませんけれども、五・一%になりますか。

溝呂木繁郵政省経理局長

○説明員(溝呂木繁君) ただいま御質問のように、四十一年度、二年度あたりは、四十一年度に例の料金値上げがございまして、だいぶ種別体系の改定ということで、五種が一種に入ったり、そういったことと、それから料金値上げに伴う値上げショックというようなことで、かなり物数が落ちております。そこで、私どもの推計として、どれをとったらいいのか非常に迷ったわけでございますが、長い期間をとることが一番いいであろうということで、過去十年間の物数の伸びを見まして、しかもそれを単純に伸ばしませんで、ちょっと専門的なことばになりますが、郵便の物数のうちに、いわゆる業務的なものと思われるもの、いわゆる別納、後納という、先生御承知と思いますが、あの制度でございますが、そういった収入の割合がわかっておりますので、その別後納については、ある程度GNPに比例するというような試算もできましたので、いわゆる別後納については、別に出ております昭和五十年のGNPに関する式をかけてそれを出しました。それから、そのほかの家庭通信的、いわゆる切手貼付の一般の通信と思われるものについては、これは過去十年間のもので、これは直線的になりますが、それでもって伸ばしまして、一応昭和五十年度というものをまずセットいたしました。それと、昭和四十六年度は、また、これは四十五年度の物数等から見まして四十六年度の概算における物数が出ておりますから、そこで、四十六年度、五十年度がセットされましたので、その間を同じ率でいくとしたならば何%かということを計算したのが五・一と、結果的にはそういうことになっております。したがいまして、先生のおっしゃった四十一年、二年、三年ごろの増加を見ますと、とてもそういうことにいきませんが、四十六年度では五%ということで回復はいたしております。

竹田現照日本社会党

○竹田現照君 そこで、約六千五百億の累積赤字の見積もり、あるいは郵便物数の伸び——これはふえてみないとわかりませんけれども、かりに四十一年度のように料金値上げにこの解決策を求めるとすれば、また料金値上げの一、二年というものはダウンするのですね、いままでの例からいって。そうすると、私は、五・一%というものの見通しというものは必ずしも当たるかどうかということは、これもまたちょっと疑問だと思うのですが、それはそれとして、郵政省が一貫して言ってる三つの方策の中で、私は、いまのこの内閣の方針が変わらないうちは、この一般会計の補てんなんていうものは実際郵政の郵便事業のほうにはようやらぬと思うのです。あるいは、借り入れといったら、これは借金ですから返さなければいけないのですね。それで、あとは料金値上げ。ですから、郵政省のほんとうの腹は、現実にこんな六千五百億と想定をされる赤字を前にして、そのどれに解決策を求めようとしているのか、その本心をやっぱり示していただきたいと思います。だから、三つは言われなくてもわかってる。解決しなければならない。だから、いまの政策の大きな転換をやらない限り、打ち出されてくる方法は、料金値上げということに解決策を求めてくるのではないかと、こう思うのですね。その点、どうなんですか。もったいぶって、いつまでもこねくり回さないで、事業の扱いをどういうふうに考えているのか。

井出一太郎自由民主党郵政大臣

○国務大臣(井出一太郎君) まあ、三つの方式があるということは、ずっと申してまいりましたが、この段階に差しかかりますと、おっしゃるように、料金体系に手をつけるという方法で臨まざるを得ないのではないか。その間、あるいは他の方途を併用し得るというようなことが、これはまああれば、それも決して考えないわけではございませんけれども、大筋は、料金にたよらざるを得ないのではないか、かように考えています。

竹田現照日本社会党

○竹田現照君 郵政省としては、公式に料金改定の方法によらざるを得ないという表明をされたのは、いまが初めてですね。  そこで、例の郵政公社化の問題に関連してお伺いをいたしますが、私が記憶する限り、四十三年の十月四日に、郵政公社化に移行をすることについて郵政審議会に諮問をされました。これは、いまの郵便事業のあり方というものは国際的に見ていまのような事業形態ではうまくない、したがって、郵政公社に移行するということが当面、当面というより、今後の郵便事業を解決をする最もいい策だと、こういうようなことなんですが、貯金、保険その他の問題もありますが、それで昨年の十月の十七日に答申が出て、大筋——大体いろいろなことが、尾ひれがついていますけれども、公社に移行したほうがよかろうという方針が出たわけですね。ところが、当初、金融界から反対が当然に予想されておりましたけれども、はたせるかな、反対がありました。小林前郵政大臣が新聞等でいろいろ見解を述べられておりました。ところが、ことしの春、大臣は、総理に言われて以来、慎重に検討するということを言われたと新聞には出ていますけれども、それ以来、この公社の問題は口を緘して郵政当局は言わなくなった。それで、最近は、あれなんですね、郵便事業の現状打開の道は必ずしも公社に移行しなくても、現行のいろいろなことを改善をしていけば何とかできる、したがって公社化は行なわないと、こういう見解を出されたわけですがね。私は、公社構想というものが小林郵政大臣が出されたときのものの考え方と大幅に変わったように思いますが、公社に移行するしないの問題は私なりの考えがありますけれども、いわゆる経営者のものの考え方として、事業というものを安全に守っていくという前提の上に考えられたものが、二年たたずして、がらっと——がらっとのように変更をしなければならなかったその真意が私はどうもわからぬのですけれどもね。その実質的な改善をはかるという方針をきめたというのですけれども、それじゃ一体、実質的な改善の方法というものは、公社化に移行しない改善の方法というものは、どういうふうな方法を取られようとしているのか、ひとつ御説明いただきたい。

井出一太郎自由民主党郵政大臣

○国務大臣(井出一太郎君) ただいまの御質問の前段に新聞を引用されましたが、そういうことは別段ございません。そこで、昨年の十月でございますから、まあ今日までまだ一年はかかっておりませんが、その間、省内に公社化を検討する委員会を設置をいたしまして、鋭意この答申の線に沿って検討を続けてきたわけでございます。そこで、これ、小林大臣のころに郵政審議会に諮問をいたしました。そのいきさつ等もずっと私トレースして今日まで来ておるのですが、まあ、公社化の是非を問うという形で諮問しておると思いますが、その答えが竹田さん御承知のような形で出ておりまして、その書き方の中には、公社化に至る前提としてもいろいろなやるべき措置があるであろうと、こういう指摘がございました。そこで、郵政事業百年の歴史上相当大きな変革をするという公社化の問題でございましたから、なお踏み切りますまでにはいろいろな準備も必要でございます。したがいまして、この答申は尊重しつつ、さてそこに至るまでの過程としてなすべき問題は何かというふうなことを検討をいたしました結果、とりあえず、組織の面でございますとか、あるいは法制的な、事業法制の面でございますとか、こういうものにまずひとつ手をつけようというような考え方のもとに、次の国会を目ざして諸般の準備を続けておる、こういう事態でございますから、決して公社化そのものをギブアップしたとか、あるいは著しく後退したとかいうものではございません。むしろ、その前提として、まず地ならしを、やるべきことをひとつやっていこうと、こういう態度で臨んでおるような次第でございます。

竹田現照日本社会党

○竹田現照君 その公社は、できれば昨年、おそくてもことしの六月か七月ごろからは発足をさせたいというのが当初の意向のようだったですね。それが変わりましたけれども、公社全般の問題については、ここは物価対策特別委員会でもありますから、避けて、料金に関係する点でひとつお尋ねをしていきますが、いま大臣のお答えになりました、臨時国会あるいは通常国会に向けてのいろいろな作業の中で、伝えられているように、いわゆる基本料金、これは答申にもありますけれども、基本料金以外は大臣認可の方向で法改正をするということを考えられているのですか。

野田誠二郎郵政大臣官房長

○説明員(野田誠二郎君) 私ども、答申をいただきましてから、答申を尊重いたしまして、できるだけこの答申の実現をはかっていきたいと、こういう態度をとっておりますが、いま先生御指摘のように、答申にありますように、一種、二種の基本的な料金については、これは法定すべきである、そのほかの郵便の料金については、法律からはずして、何といいますか、国民の需要に応じた、あるいはサービスの実態に応じた料金を、機動的に、効率的にきめるべきであると、こういう趣旨の答申をいただいておりますので、そのように努力をしてまいりたいと、かように考えております。

竹田現照日本社会党

○竹田現照君 そうすると、基本料金以外は大臣認可の方向の法改正案が出されるというふうに理解をいたしますが、先ほども、大臣、料金値上げに解決策を求めざるを得ないだろうとおっしゃっていましたけれども、その大臣認可に移行しようと考えている基本料金以外の料金を約五〇%値上げをすることによって、先ほど経理局長から説明がありました五十年度までの約六千五百億の赤字の問題というのは何とかやっていけるというように、ほぼ事務当局の案もまとまったやに伝えている新聞もあります。その辺の真偽はどうです。私、新聞の切り抜きを持っている。

溝呂木繁郵政省経理局長

○説明員(溝呂木繁君) 実は、この赤字、先ほど申しました今後五年間の試算による赤字の問題と、それからどのようにこの赤字を解消するかという問題と、二つに分かれようかと思いますが、まだ、この赤字解消のために何を幾ら上げるべきだというところまで作業いたしておりません。しかも、いまいろいろ質疑応答がかわされました料金制度というものは、またちょっと別の問題になります。したがいまして、基本料金というのはどういうものをさすのか、要するに、一種、二種をさすとすれば、今度のこの大きな赤字を解消するのに料金値上げによらざるを得ないと思われる場合には、ある意味においては、当然、一種、二種も改正しなければこの赤字は無理じゃないかという感じもいたしますし、いわゆる大臣認可、あるいは政令、省令以下の料金だけでこの赤字が解消できるかどうかという、そういったところまでも突っ込んだ計算を、実のところ、いたしておりません。

竹田現照日本社会党

○竹田現照君 この伝えられているのは、これはまあ基本料金のはがきを十円にするとか、封書の十五円を二十円にするとかいうのが出ていますわね。これは法定事項で、その問題その他も含めておるのですけれども、大臣認可の五〇%と伝えている。これ、かなり大幅な値上げになりますけれども、そこで、私はなぜこういうことを聞くかというと、四十一年度の値上げのときも私は指摘をいたしましたけれども、あのときは、一種、二種というのは黒字だったんです、あの段階でも。値上げをして、ますます黒字。ところが、三種以下というのは赤字だったんですね、あのときでも。ところが、赤字が値上げでますます赤字になるんですね。赤字を値上げして黒字にするという値上げなら、まだ理屈はわかるけれども、黒字はますます黒字、赤字はますます赤字になる料金値上げというのは、ちょっと説明のつかないふしぎな値上げ案じゃないかということを指摘した。その当時、逓信委員会で。そのときの郵政、審議会の答申の中でも三種の問題だけは手直しされた。郵政審議会の答申とは別に。そのほかは大体答申どおりでした。  ところが、私は、この間郵政省から資料としていただきました原価計算によりますと、第三種のごときは、原価と収入が約五分の一ですね。低料扱い。その問いろいろありますけれども、そこで、基本的にひとつ、第三種の低料扱い、この問題についての郵政省の考え方も聞いておきたいんですが、この低料扱いの歴史的な経過というものは、私はいろいろな文献を調べあげて言うんじゃないですけれども、これはあれですね、吉田元総理の遺稿になったといわれている「日本を決定した百年」という本がありますが、あれによりますと、まあ、明治維新で近代的な国家体制に基づく産業を育成するために、鉄道、電信、郵便の制度というものを国の事業としてやった一ずっと書いていって、政府は一般国民に対する啓蒙活動を重んじ、新聞を読むことを奨励し、当時は無学文盲もあったでしょうから、なるべくものを読ませて、文盲を解消していく、文化の質を高めようという趣旨で、新聞の郵送料を安くした、その当時は新聞社に対する原稿の郵送も無料にした、その点の真偽は確かめていませんけれども、本にはそう書いてある。とすると、それ以来百年たって、いま少なくとも世界一教育が普及して、文盲なんていうのはほとんどないと言われているときに、百年前の政策というものがいまもって郵政の料金体系の中に生かされておらなければならぬという理由というのは、私はわからないんです。そして、この問題は、郵便料金が問題になるたんびに、郵政当局でもこのことがいろいろと論議され、郵政審議会でもいろいろ言われる。あるいは国会論議の中でも言われるけれども、なぜかこの問題だけは政治的に扱われておるんですね、結果的には。どうしてそういうふうにしなければならぬのか。今後の郵政当局から出されるいろんな問題を検討する上にも参考になりますから、ひとつこの問題に対する考え方を説明してください。

井出一太郎自由民主党郵政大臣

○国務大臣(井出一太郎君) 沿革史的には、おっしゃるとおりだと思います。したがいまして、今日、まあテレビとか、ラジオとか、いろんなマスメディアによるコミュニケーションの手段というものが拡大されてきておりますから、当初第三種というものを設定した当時のような事情はたいへん変わってきておるのではなかろうか、こういう認識には立っておりますが、まあ一方、各国の通信政策などを見ましても、私も全部の国をつまびらかにしておるわけではございませんが、先進国といえども、この制度を全廃しておるというふうには聞いておらぬのでございますし、そういうふうなことをかね合いといたしまして、確かに、おっしゃるような意味において、ここに大きな問題点があると、こういうふうには私認識をいたしております。なお、詳しいことは郵務局長から申し上げます。

竹下一記郵政省郵務局長

○説明員(竹下一記君) 第三種の郵便物の制度のことにつきましては、ただいま大臣が申されたとおりでございます。ただ、私が補足して申し上げたいことは、その制度は、この郵便の事業が始まって以来今日まで、ずっと続けてやってまいりました。たいへん公共性に即したサービスの一つでもございますのと、世界各国がやっておるということもございますので、制度そのものをとやかく申す気持ちはございません。ただ、料金をながめてみますと、原価を割ることたいへんはなはだしいものがございまして、三種郵便料金は通例が六円でございますが、その下にまた一つございまして、日刊新聞紙等は三円であると。新聞を帯封にいたしますと、これは相当のかさものになりますけれども、これが三円であるということは、これはまことに経営上問題でございますし、世界各国の例を見ましても、このような低廉な料金でやっているところはございません。これが郵政の財政に非常な圧迫を加えてきておることは、もう事実でございます。と申しますことは、物数がだんだんふえてきまして、三種郵便の総物数は十三億くらいになっております。郵便の年間の総引き受け物数は百十五億くらいになりますから、一五%近くこの三種郵便が占めておるわけでございます。これは年々ふえつつあるということでございます。その中で、先ほど申しました低料三種、つまり三円のものが九億あるわけです。これが事業財政上非常に大きい圧迫を加えておるということを私は申し上げたいと思います。

竹田現照日本社会党

○竹田現照君 事業財政に圧迫を加えているから、どうしようとなさっているんですか。考え方です。

竹下一記郵政省郵務局長

○説明員(竹下一記君) やはり原価主義というものに立脚いたしまして、原価を償うような料金、あるいはそれに近いような料金にしていただくということが必要ではないかと私は考えます。

溝呂木繁郵政省経理局長

○説明員(溝呂木繁君) それ、補足させていただきます、いま原価の問題が出ましたので。  いま、郵政省として四十一年度の料金値上げのとき以来とっている一つの考え方がございます。いま郵務局長から一応原価主義ということを答弁していただきましたが、総合原価主義をとるべきか、それぞれの種別の個別原価主義をとるべきかということは一つの大きな問題になっております。郵政省としましては、一応いま総合原価主義をとっていこうと、したがって、郵便事業全体の原価を償う料金を取ればいいだろう、その中で、種別によっては、ある程度そこに政策料金的なものによる差別価格制度があってもいいんじゃないかという意味におきまして、したがって、三種低料あるいは四種、特に盲人用点字などはただにしておりますから、こういったやはり政策料金、差別価格制度によっても、総合、総体的な原価が償えればそれでいいんじゃないかというのが、いままでのわれわれの考え方であります。ただ、その場合、全く野方図に価格というものを、かってにきめられるかということになると、いま一般に学界等でいわれていますが、直接費だけは取るべきであるとか、あるいは限界原価的なものを取って、そのほかのものをほかの基本的なものにかぶせるとか、あるいは負担力主義、そういったようなものによって、たとえば私のほうで言いますと、速達とか、ある程度利用者のほうの利用価値、こちらのコストより利用価値によってそれを負担していく負担力主義とか、サービス価値、そういうものを総合的に料金にはね返していいんじゃないかという考え方を持っておりますので、したがって、三種につきましても、先ほど先生言われました原価——私のほうでとりました原価は平均原価でございます。何もかも平均的に配分した原価でございまして、その限りにおいては五分の一程度にしか収入がありませんが、じゃそれを五倍にするという意味ではなく、やはりそこに正当な理由を見つけて、その正当な理論の原価までは料金によって償うと、そういう考え方でございますので、ただこれをいきなり四十三年度の先生のお手元にあると思われます原価に全部引き上げるという意味ではございませんので、その点、つけ加えさせていただきます。

竹田現照日本社会党

○竹田現照君 これは具体的に出てきたときに、またいろいろと質問しますけれどもね。  もう一つ、新聞等の社説でも、通信料金の、特に郵便料金の問題等についていま取り上げられております中に、事業経営の合理化というものをどういうふうにするのか、このことの、いわゆる体質の改善その他を含めても、もう少ししっかりやらなければいかぬのじゃないかということが書かれています。端的にお伺いしますが、この料金値上げの方法をとら、ざるを得ないという先ほどの大臣のお答えとあわせて、いま問題になっている国鉄の赤字線の廃止だとか、あるいは小駅の無人化、あるいは退職者その他に対する請負化ですね、これと同じようなことが郵政省の中にもないわけじゃないのですね、極端に言うなれば。中央郵便局クラスあるいは県庁所在地の郵便局クラスを除きますと、大半の郵便局というのはほとんど赤字でしょう、収支は。その中でも特に過疎地帯の特定局、あるいはまあ夫婦でやっている、家族ぐるみでやっている特定局であるとか、どう考えたって、これ、採算上から言ったって、あれでしょう、人件費だけでもたいへんな額だ。おそらく、人件費あるいは局舎料を払ったら、その半分はおろか、十分の一も収入がないというようなところだってないわけじゃないでしょうね、極端に言えば。そういうところを、さきの国会で通った簡易郵便局法に基づく簡易郵便局化、あるいはまた、ある一定までの郵便局の国有化をして、あとは全部国鉄方式のようなかっこうの合理化、事業経営の体質改善といいますか、こういうような方向というものをとることに追い詰められるようなことにならないのか、また、そういうようなことについての検討がいま郵政省としては行なわれておるのかどうかですね。私は、小さい郵便局なんかに行きますと、よくいろいろと聞かれますね。ほんとうに簡易郵便局にならないのですかと。小さい局というのは、これはやはり動物的本能で、防衛策がありますからね。それはいろいろなことを、公社の問題から、いろいろと言われてくるのですからね。それはもう必然的にそのことについて考えいくのは私は当然の心配だと思うのです。だから、私もいろいろな立場を離れて考えてきて、抜本的にこの企業体質の改善をやるということは、料金値上げだけでは、国鉄と同じように、解決しないですね、実際問題として。だんだん想定をされる赤字というのは、五年に一ぺんずつくらい料金値上げしたから郵便事業の危機というものは解決をされるというような、なまやさしい問題じゃないわけですね、国際的に。そうすると、いま私がお尋ねをしたようなことについて手をつけざるを得ないことになるのじゃないかと私は思うのですよ。そういう点についての検討はどうですか。

野田誠二郎郵政大臣官房長

○説明員(野田誠二郎君) いま先生から具体的に国鉄の例を引用されまして、郵政事業の財政危機といいますか、財政的な立て直しにつきまして、郵政事業の中におきます事業の運営のしかたの合理的な、あるいは効率的な具体策をいろいろ考えておるかという、また、これは一つの例としまして、小局制度とか、御指摘になったわけでありますけれども、御承知のとおり、前国会におきまして、非常にへんぴなといいますか、しかしながらなお通信の需要がある、あるいは郵便局設置の要望があるところにつきましては、簡易郵便局の受託者を、それまでは公益法人あるいは公共団体等に限られておりましたのを、まあ個人にまで範囲を拡張いたしまして、郵政サービスの窓口を、非常にへんぴな、それこそ僻地、離島にまで拡張するような制度的な改正をやっていただいたのでありますけれども、それとの関連におきまして、特定局制度あるいは特定局の運営等につきまして、これは少し古くなっておりますけれども、昭和三十三年に特定郵便局制度調査会というものをつくりまして、その特定郵便局制度調査会が郵政大臣に答申をいたしております。この答申の線に沿いまして、たとえば局長の任用であるとか、あるいは局舎の問題、その他、たとえば具体的な定員配置の方法、会計経理の方法等、これら万般につきまして、この答申にのっとりまして、改善すべき点は改善し、あるいは社会経済の発展に即応する各般の改善措置がとられておりますが、基本的な態度といたしましては、やはり特定局制度を維持をしていくという方針で現在も運営をいたしております。しかしながら、御指摘のとおり、まさに小局の運営ということは郵政事業の経営にとりまして非常に大きな問題でございます。これは労働組合からもいろいろ意見が出されております。また、それに伴いましていろいろ話し合いも持たれておるのでありますが、十分組合等の意見も聞き、あるいは各方面の意見も聞きまして、この小局のあり方、あるいは運営のしかた等につきましては、逐次、先ほど申し上げましたように、時運に沿うような方法で、各般の改正が行なわれておる実情でございます。

竹田現照日本社会党

○竹田現照君 重ねてその点、もう一ぺんお聞きしますが、国鉄のような方向をとらざるを得ないことになるのではないかと私は言っているんです。いま皆さんが事業を預かっておって、そういう心配は全然五年、十年には考えられないなら考えられないでいいんです。しかし、これは四十一年の料金値上げのときの関連と全然別で、世の中の事情が変わってきておりますから、今後かりに、大臣が言われるように料金値上げのような問題が来国会以降出されるような場合、この問題は激しい世論の一つの声として強く出てくることだけは確かなんです。五年先十年先に検討しますということで逃切れることではない。どうなんです。

野田誠二郎郵政大臣官房長

○説明員(野田誠二郎君) 非常に重要な問題であると思われるのでありますが、ただいまこの時点におきまして、特定局制度、小局の制度について抜本的にこれをどうするかということは、いまの時点では考えておりません。

竹田現照日本社会党

○竹田現照君 だいぶ政治的にもむずかしい問題だから言えないでしょうが、いずれあとにします。  時間もあれですから、最近のことについてちょっとお伺いいたしますが、郵便の場合というのは、首に縄をつけて郵便を出させるわけにはいかないですね。それから国鉄のように政治路線とかなんとかいうことで赤字が出てきたというものと違うのですね。自発的に出てくる郵便物がだんだんふえてくる、それに伴って人件費その他もふえてくる、そういうわけですが、どうも最近、事業危機を訴えるあまり、いわゆる増収対策、一生懸命やるということはけっこうですけれども、特にこの三、四カ月、私の選挙区等を回って見まして、ちょっと行き過ぎている面があるのではないかと思う。郵便事業の本来の、何というか、任務というものから、そういうものからはずれて増収対策を前面に押し出しているような傾向がある、そう思うのです。たとえば、窓口のお客さんに、必要がないのに、大事なものだからと、書留にする、ちょっと急ぐ人には速達郵便をすすめる、それを言わないと、局長は局員におこるというんです。ところが、私は、この郵便というものは、答申にも書いてありますが、安全確実、そうして迅速で、そうして低廉で届けるというのが、ぼくらの認識している郵便の本質です。ところが、このごろちょっと、それは書留にというように、そんなふうにすすめろと言う。経営者は、自分の使っている局員自身があてになりませんから、だから、さっぱり着くあてもない郵便は、急ぐやつは全部速達、こういうかっこうのことまでして増収対策を下のほうにやらせるということは、ちょっと私は間違っているのではないか。増収対策の限界といいますか、あり方というものが一体どうあるべきか、そのことをひとつ御説明いただきたいのです。そうしないと、下に目標を与えておいて、そのためにはということでやるのであれば、これ、準急を廃止して急行、急行を廃止して特急と、着く時間はさっぱり変わらないというのと同じで、特に郵便の持つ独占事業としての本質からいっても、ちょっとおかしいような気もするのですけれども、これ、どうですか。最近私は現実に皆さんがやっておられる実際を見ながら、そう思っておるのですが、どうですか。

竹下一記郵政省郵務局長

○説明員(竹下一記君) 郵便事業も企業でございますので、私どもは郵便の従事員に対しましてはやはり収入というものを十分考えるようにということは平素から申しております。しかし、同時に、郵便の収入の増加はどうして得られるかということの説明といたしましては、先ほどおっしゃいましたように、郵便を正確に迅速に確実に届けるということを日常繰り返すことによって収入はふえてくるのだ、つまり、利用増がございますから、それに伴って収入がふえてくるのだと、ことばをかえて言いますと、遅配は起こさない、正常運行をするということが、イコール増収対策であるということを繰り返して申しておりますので、ただいまお話が出ました、窓口で、その必要もないのに速達をすすめるとか、書留をすすめるとかいうことは、私どもは、まことに、いまお聞きしまして心外でございますので、はたしてそれが事実であるかどうかにつきましてはひとつ調査をさせていただきまして、事実でありますならば、ひとつ直すように持っていきたいと思います。

竹田現照日本社会党

○竹田現照君 それは私、事実、自分でそのことを臨局をしながらいろいろなところでぶつかったことですから、よく言ったけれども、あなた方自分の使っている局員を、何かどろぼうでも養っているというようなことを思わせることになるのじゃないかと指摘したこともありますし、場合によってはお客さんから文句を言われるところもあるそうです。事実問題ですから、いま郵務局長がおっしゃったように、えらい人に話をするとそういう答弁はしますけれども、いろいろと下に行くと、増収増収でいきますと、どうしてもそういうことになるのです。それが一番収入になるのだから、速達にさせたり書留にさせたりすることが。だから、そういうことになるわけです。そのかね合いというものをやはりうまく指導しないと、やはり行き過ぎがあります。これはもう正していかなければいかぬと思うのですね。  最後に、大臣にお伺いしますがね。四十一年の料金値上げのときも、この料金が上がった場合にということで国民に約束をされたいろいろなことがありますね。たとえば、きょう出したら翌日に郵便を配達するとか、区域外は違いますけれども、こういうようなこと。東京都内というのは遅配が慢性化していますけれども、これはいろいろ労働事情その他の問題もあるでしょう、いろいろありますがね。私は、そういうことについて、やはり約束は約束ですから、万難を排して約束を実行するような手だてというものはぜひとつていただきたい。いろいろなさってはいますけれども、非常にそのことが不十分な点がありますね。札幌と東京間は必ず翌日配達しますという約束だったのです、航空便を使ってね。このごろちょっと回復しましたけれども、一時は一週間もかかっているのです。いろいろ理由はあると思いますが。都内だってそうです。国会の公報が満足につかないなんということがいっぱいありますね、都内に。そういうようなことについて、ひとつ真剣に対処していっていただきたい。  それから、郵便事業そのものの危機というものをどう打開するかということは、機械化だとかあるいは勤労意識とか、いろいろなことを言われておりますけれども、これはあのときに私は郡郵政大臣にお尋ねしましたが、挙省一致、そういうような問題について解決に当たろうというのには、もう少し郵政省の労使関係というものを何とかしないことにはならぬのじゃないか。何か、料金値上げのような問題が出てくると、ちょっと低姿勢になるが、問題が片づけば、また何かおかしくなるというようなことの繰り返しでは問題にならぬ。ことしの春の労使の紛争の原因がどこにあったかというと、大臣御自身がおわかりでしょうけれども、労使のトップにおいてお約束になったこともあるのですね。ところが、郵政省というのは、大臣が何を約束しようと、下の官僚というものは全然われ関せず、かってほうだい、依然として同じことをやっているという役所というのは全然おかしいと思う。そのことが非常にこの労使の不信感というものを助長する一方で、一つも緩和されていないというのが実情です。私も出身だからよくわかりますけれども、このごろの部内の空気というのは異常なものでしょう。実際は全く常識をはずれている空気です。こういうようなことを、やはり大臣が責任を持ってお約束されたことであれば、この問題を下まで威令が行なわれるようなかっこうにして、そしてなおかつ、大臣が志向する郵政事業の危機の乗り切りの方向に歩みを進めていくということが一番必要ではないかと思うのですけれども、残念ながら、こういうことを私が言わざるを得ないような状況にあるということをひとつお考えをいただいて、これについて最後に大臣の御見解をお伺いして、私は質問を終わりたいと思います。

井出一太郎自由民主党郵政大臣

○国務大臣(井出一太郎君) 前段に言われました四十一年の際にいろいろとお約束をいたしましたことを私も承知をしております。おっしゃるように、航空機を使って主要都市の間は翌日配達をしよう、同一の県内は、これまた翌日配達、こういう線で進めてまいっておりまして、それは行なわれておる分もございますし、いまだしという残念な分もあるようであります。これは、御指摘のように、鋭意努力をいたすつもりでございます。その基本をなすものは、やはりおっしゃるように、労使一体となったヒューマン・リレーションというか、それが一番基本的な問題であろうかと思うのでございます。そういう意味で、私も、この春、就任早々、ああいう事態にぶつかりまして、宝樹委員長とは胸襟を開いて話し合ったわけであります。そういうことで、漸次そういう考え方が浸透しつつあるとは思いますけれども、まだ決して十分とは思っておりません。そういう点、ひとつ今後とも相戒めまして、これはなかなか根深い問題のようでありますので——私はタッチしてみてですね、ですから、きょう薬を飲んで、あすすぐきくというわけにもいきますまいが、その方向でさらにしんぼう強く努力をいたしたいと、こう考えております。

林田悠紀夫自由民主党

○理事(林田悠紀夫君) 大臣、たいへん御苦労さんでした。  では、引き続いてお願いします。

竹田現照日本社会党

○竹田現照君 では、公取に若干御質問いたします。  まず、再販問題についてお尋ねをいたしますが、これは具体的な例でお伺いしますが、最近、役所の関係——そう言ったほうが一番わかりやすいでしょう、そのほかにもありますが、共済組合あるいは参議院の場合なんですが、職員組合か消費組合でやっておりますね、ああいうようなところで化粧品等を割り引いて売っている。ところが、有名メーカーというか、一流メーカーというか、そういうのがときどきやって来て、ごっそり買い占めているような事例があったり、あるいは、だまって買っていくばかりではなくて、これは再販品だからたいへんなことになりますよとか、あるいは、この安売りが周囲の小売り店に波及すると困るというおどしをかげているという事例を私は最近耳にする。そして、安売りを、値引きをして売っているものを、もとに戻させる、そういうようなことが最近ずいぶんあります。たとえば、参議院の売店だって、私が出てきた当時は、ある有名品というのは値引きして売っておったのですよ、現実に。ところが、どういうことか、またもとに戻りました。で、その後はどういうことをやられるかというと、今度、なんか商品券というか、何というか、そういう金券みたいなものをくれて、それでその売店に関する限り買うことが自由だ。事実上の値引き。その化粧品は値引きしていないけれども、結果的な値引き行為ですね。そういうようなこともやらざるを得ないというのですけれども、こういうようなことというものは、実際、公取として何らかの取り締まり措置というものができないものかどうかですね、これはどうなんですか。こういうことについて。

谷村裕公正取引委員会委員長

○説明員(谷村裕君) 御質問の点、そのとおりの事実であろうと思います。そして、法律的には、ただいま再販指定商品について認めております再販価格維持契約というのは、一般の業者についてはそういうことはやってもよろしいけれども、たとえば消費生活協同組合であるとか、たとえば、いまおっしゃった国家公務員共済組合法に基づく共済組合の経営する事業であるとか、そういうようなところとは、そういうことをやってはいけないと、こういうことになっております。したがって、いま参議院の売店という具体的な例でございますが、それがもしそういった再販契約をやってはいけないというのに該当しているとすれば、それは、そういうことを、片っ方で再販契約を実行するというようなことでおどしをかけたりなんかすることは違反になると思います。しかし、そういうふうになりますと、いわゆる再販商品というのが扱えないという話になるかもしれません。それを現実的に解決する意味において、再販品は扱う、しかし、再販品については——私どもは自発的にということばで言っておりますが、契約でやっちゃいけないのですが、お話としては、実行上再販の値段で売り渡すようにいたしましょう、しかし、それではまた会員になっていらっしゃる方に申しわけないから、あとで別途金券で出しますと、いまおっしゃったようなこと。これは本なんかでもよくある話でございまして、学生さんたちの生協が扱う場合に、本というのも、これは著作物でございまして、再販の商品になっておりますが、そういう扱いをするというふうな例がございます。で、それこれ含めまして、一体再販というものをどういうふうに運用するのがその法益に合致するのか、また、消費者のためになるのか、利益を害さないかという問題を考えております問題の、それは一つになっております。

竹田現照日本社会党

○竹田現照君 再販問題がいろいろと検討されて久しくなりますが、販売秩序の維持あるいは中小メーカーの保護とか、いろいろな名目を並べておりますけれども、その面も確かにあるでしょう。しかし、結果的には大手メーカーの市場支配力を強化する道具に使われている、このことだけは事実なんですね。たとえば、資生堂も再販制度というものを利用して世界的な大メーカーにのし上がちゃったわけですから、これは事実が雄弁に物語っているわけです。物価の問題が論議されるときに常にこの再販問題というものが取り上げられるわけですけれども、なぜこの再販という制度の現状が独禁法の中に残されなければならないのか、やはり公取はもう少し明確に消費者に説明のできるようなことをなさる必要が特にあるのではないか、そう思いますが、あらためてこの点について……。

谷村裕公正取引委員会委員長

○説明員(谷村裕君) 私もさように思います。本来、自由に市場で価格が形成されていくべきものについて、特別にそういう再販という、いわば特例を認めているゆえんのものは、それに値する法益があるからにほかならないわけでございますから、それは、立法当時の話としては、たとえばおとり販売の問題でありますとか、あるいは小売り業者の問題でありますとか、いろいろ言ってございます。しかし、それが行なわれる以上は、消費者の利益ということと、いかにうまく調和させていくかという問題でございまして、私自身としても、そういうことを、ただ、こう、感情的に言うんでなくて、論理的にちゃんと消費者の方にもわかってもらう、業者の方にもわかっていただくという意味において、いろんな角度から私は詰めておるという、そういうところでございます。

竹田現照日本社会党

○竹田現照君 いま委員長がおっしゃった、守るべき法益ですね、これがあると言うんなら、これは、化粧品だとか、あるいは洗剤、薬品、こういうもの以外にも守るべき法益がないのかどうかですね、理論的に。私はその点の説明というのはなかなかむずかしいと思いますね。何も薬だって、病気にならなきやあれですからね。まあ、日本人みたいに絶えず飲むものは別ですけれども、いま問題になっている電機製品と薬と並べたら、国民の日常生活にどっちが関係あると言ったら、電機製品のほうが関係あるのですね、と言ったほうがいいかもしれない。ところが、その電機製品について公取はいろいろと努力をされているようですけれども、それでは薬だとか化粧品の再販の問題というのは一体どうなのか、そこらのほうの再販ということになると、公取としてはやっぱり強い態度に出られないのではないかという気がするんですね、理論的にすっきりしないから。  それから、それと、そういうことも含めて、また、化粧品関係の団体がいろいろと——私のところにはまだ来ませんけれども、業界の新聞を見ますと、何か今月の中、下旬ですか、全国から集めて、また再販問題について、再販護持のために一大圧力の大会をやると、こうなっている。私、きのうあたりの新聞を見ますと、この再販の洗い直し作業をなさっているという公取が、この業界の新聞を見ると、二十日の閣議にその問題が出るとか出ないとかという問題になっていて、いまやまさに、再販護持でなくて、再販を死守しなければならないという状態になっていると思うんですが、そういう状態にいま作業が進んでいるのか、一体どういうふうになっているのか、説明を願いたい。

谷村裕公正取引委員会委員長

○説明員(谷村裕君) お話が二つあると思います。  一つは、現在よく言われておりますように、化粧品とか薬とかいうふうに指定商品を限定しておりますけれども、ほかにだって、同じ考え方から指定できるものがあるんではないかというお話、これは、やはり私も最初に公取委員長になりましたときに感じた率直な問題なんでございますが、やはりよく勉強してみますと、現在の再販のやり方についていろいろ考えなきゃならぬ問題があると、そしてそのやり方それ自体をいわば一つのきちんとした軌道に乗せていったときにはそういう問題として考えてもいいけれども、いまの段階のままで追加するということにはやはり問題があろうということでストップしておると、さように聞いております。したがって、問題は、再販問題それ自体をどういうふうに処理していくかということになるわけでございます。  そこで、第二の御質問になりました動きとしましては、率直に言って、私、二つの動きがあると思うんです。一つは、メーカーのほうの問題でございます。本来、再販の問題は、メーカーのブランド保護ということが一番中心になって設けられているところでございます。しかし、第二に、むしろそれから出てきております問題は、小売り店の問題でございます。小売り店が、再販というあの契約によって、メーカーあるいは卸と、いわば縦の結びつきをしておることによって、実態は横にみな一定のマージンなり何なりが守られている。そういう意味で、どういう方々がどうお集まりになるかということを私つまびらかにいたしておりませんが、いわゆる小売り店の方々、が再販によって守られている自分たちの立場というものについて、もし何かがあったらたいへんだ、かような考え方を持っていらっしゃると思います。しかし、この小売りの問題というのは、これからの流通問題、特に大量販売店等との関係において、一体わが国においてどう考えていかなきゃならない問題かと、かようなこととして非常に重要な問題を私は含んでいると思います。

竹田現照日本社会党

○竹田現照君 それで、その再販洗い直しの作業というものはどういうふうになっているのですか。

谷村裕公正取引委員会委員長

○説明員(谷村裕君) 実は、この間、物価安定推進会議でございますか、あそこから「物価と行政介入」というのでも指摘されておりますように、大きな問題が二つ三つございます。私どもは、あそこで指摘されている問題だけでなくて、もっと広く、あらゆる再販制度それ自体についての問題点というものを実は検討いたしております。  その一つ二つの例を申し上げますれば、たいへん長くなりますけれども、たとえば、あそこで指摘されている問題としては、一般のマージンのほかに、リベートという問題がある、それが一体どういう形で出ておるかという実態の問題から、それをどういう方法で規制できるかという問題まで、たとえばそういう問題を検討しております。また、別の角度から言いますならば、いわゆるおとり廉売ということに使われることが困るということから、もし発しているとすれば、おとり廉売という問題を一体どう処理できるか、これは何も再販品だけでなくて、もっと一般的に出てきている問題でございます。それから、おとり廉売を防ぐという意味も、必ず再販価格というものはもうきちんとした定価だけでやるという線なのか、あるいは定価から多少の幅があったほうがいい、しかし、おとり廉売になるようなものは困るというふうな、そういう考え方があり得るのかとか、そんな、言い出すと長くなりますが、一、二の例を申し上げたわけです。

竹田現照日本社会党

○竹田現照君 それで、四十二年ですか、再販の問題も、法律を出すとか出さないとかということでいろいろあって、それ以来、今日に至ってなおこの問題がくすぶっていますけれども、私は、もう研究の段階というものは、四年もたてば大体過ぎているのじゃないかと思う。ですから、百歩を譲っても、いまの指定品目というものは独禁法二十四条に定める要件というものは満たしてないのか、もしこの問題が削除できないというのであれば、いまの指定品目が法律に適合しているんだということを、国民——国民というか、いわば消費者に、はっきりとわからせて、そうして納得をさせる、そうしてこの再販の問題に一つのピリオドを打つなら打つと、そういうことをやっぱりもうすべき段階だと思うのですね。じんぜんとして日をかせいでいれば何とかなるというようなものでないような気がするのですよ。そういうような意味で、そういう具体的な立証、こういうものを詳細に公取は出していただきたい。できれば、今月はこの委員会は開かれないと思いますけれども、今度はいつになるかわかりませんけれども、来月の委員会にでも、この問題というものは、私はひとつ資料を出して立証していただければいいんではないかと思いますが、いかがですか。

谷村裕公正取引委員会委員長

○説明員(谷村裕君) お説のとおり、私は、じんぜん日を送ることはよろしくないと思います。で、やはりこれだけ各方面から、積極、消極いろいろな立場の方はございましょうけれども、それについての御指摘のある問題でございますから、ある時点において、これをちゃんと、はっきりする必要があると思います。経済企画庁のほうからも、物価問題の元締めとして、私どもやいやい催促も実は受けております。  そこで、資料という問題でございますが、どういう形でやるかという問題は、まあ国会の当委員会にそういうものをお出しするという形においてするという御提案かもしれませんけれども、実は、私ども勉強しておりますものだけでもずいぶんだくさんございます。それで、いずれにしましても、私どももまだ実はこういうふうにしたいという最終的なあれは持っておりませんが、いろいろなことを考えております。一つは、公正取引委員会は公聴会というものをよくいたします。そして、その場で消費者の方からも何が問題だという意見を公にしていただきます。また、業界のほうからもいろいろ言っていただきます。そういう意味での公聴会という制度がございますので、その問題を頭の中に置いて考えてみたい。それから、私どもが別途独占禁止政策の懇談会というふうなものを持っております。そういうところで、ここにも消費者の代表の方、学識経験者、いろいろな方がおいでになりますが、そういうところでこういう問題の問題点を出すということも一つ考えております。ただ、国会に資料としてお出しするということになりますと、どういう形でどういうふうにするかという問題がございますので、その点はただいまのお話で直ちに私そういたしましょうというふうには、ちょっと申し上げかねます。

竹田現照日本社会党

○竹田現照君 いずれにしても、あまり日をかけないで一つの方向というものを出される段階であると、私はそう思います。時間が限られておりますから、あとがありますから、これはこれで終わります。  その次は、いまいろいろと値上げが相次いでおりますから、その問題についてお尋ねしますけれども、まず最初に石油ですね。これは、大手の日石がここの二十一日から五百円、十月一日から五百円、合わぜて千円、これを上げると、こういうことなんです。灯油も、一かん三百五十円が三百八十円に上がる。あとでお聞きする酒だとか、しょうゆもそうでありますが、一見個別に自発的に値上げするようなポーズをとっておりますけれども、これはもう協定行為であるということは、容易に、われわればかりでなく、みな推測がつくと思うのですけれども、なぜ公取が——まあ酒の問題は、実はきのう質問を通告したときとは、公取は、けさの新聞ではだいぶ情勢が変わったから、酒の問題はあとにしますけれども、石油の問題についても、公取は積極的にこの問題について、介入というか、取り締まるというか、そういうようなことをなさらないのか、ひとつお伺いしたい。

谷村裕公正取引委員会委員長

○説明員(谷村裕君) 私どものいたしておりますところは、やはり、そういうふうに想像できるとか、何かそうらしいということでなくて、一つの証拠、と言うと大げさでございますけれども、事実をつかまないとならぬわけでございます。そういうわけで、実は値上げ、灯油、ガソリン等の話が出ましたときに、さっそく業界及び所管官庁から事情を聞いたわけでございますが、その限りにおきましては、もちろんそういうことがあるということは言うはずはありませんし、それからどういう事情でそういう動きがあるかということも大体わかったわけであります。そして、具体的には、いま御指摘のように、たとえばメーカーならメーカー相互の間に、いつどのくらいお互いにやろうかという話し合いが具体的にあるかどうか、そういう問題になると思います。私どもは、そういうことがあってはならないという意味において、見てはおりますけれども、いまの状況から直ちに、いわゆる臨検したりなにかして指導するという、そこまではまだいっていないというふうに事務当局のほうでは見ているようでございます。しかし、一言つけ加えさしていただくとすれば、ガソリン関係は末端において非常に激しい競争がございます。その激しい競争の中で、しかも価格を上げなければならないというときに、どうしても足並みの問題ということが実態問題として出てくるおそれがございます。その激しい末端の競争ということと、それからたとえば、運賃が上がったとかなんとかいうコスト面での状況、それがどう組み合わされるか、これは私どもとしては非常に注目して見ていかなければならないところだと、かように考えております。

林田悠紀夫自由民主党

○理事(林田悠紀夫君) ちょっと速記をとめて。   〔速記中止〕

林田悠紀夫自由民主党

○理事(林田悠紀夫君) 速記を起こして。

竹田現照日本社会党

○竹田現照君 歴然とした証拠がないとなかなか手をつけられないということになると、いままでの過去の問題もあわせて値上げが、ずっとまかり通るということになると思うのですけれども、委員長から時間を限られましたが、酒の問題ですね。これ、けさ各紙に報ぜられておりますけれども、国税庁がこういうようなことをやるというようなことは、一体これはどういうことなんですか。これは、新聞によりますと、国税庁の長官はうまいこと言っておりますけれども、「清酒業界には競争よりも、他のメーカーに歩調を合わせようとする悪い習性があり、同一幅の値上げ申請もこの業界の古い体質に起因していると思う。」ということを言っておりますけれども、私なんかが聞いてみますと、酒の値上げだとかなんとか全部税務署が介入する、そして、たとえば上げないようなところには、何か専門用語で、記帳報告とか何かあるそうですね。どこに何ぼ出荷したとか全部出せと。そのことによって税金がどうとかいうことになるんでしょうけれども。それから各地の酒の組合に行けば、そういうようなことを言えば、実際そういうものがあるとまで言われている。ですから、酒の業界と国税庁というか税務署というか、こういうくされ縁というのは、いまや常識ですね。大体、税務署のちょっとした署長とか何か、やめれば、酒の組合の理事長とか専務理事に天下っていくわけですから、地方に。関係がなければ、そんなことはないです。それが、はしなくも今回公取からつつかれて白状したと書いてありますけれども、こういうことに私はなったんではないか。これは国税庁、どうなんですか、こういうようなことは。

塚本石五郎国税庁間税部長

○説明員(塚本石五郎君) 最初に申し上げたいと思いますが、酒の価格は、現在は、たてまえ上自由価格ということになっております。これは実は、先生御承知のように、昭和十三年から、原料米の配給というか、統制が始まりまして、それを割り当ていたしまして、その範囲内で酒をつくる、そういうことから、長年、酒のメーカーは、いわゆる統制といいますか、そういうもののもとにやってきたわけでございますが、昭和三十五年に公定価格をまず廃止いたしまして、基準価格と申しますか、それを基準にして、上下いかようにも売ってもよろしいと、基準価格を設定いたしまして、そういう制度に切りかえたのでございます。次いで、三十九年には基準価格を廃止いたしまして、もうこれは全く自由である、したがって、税務署あるいは国税庁は価格にはタッチできないと、法的にはそういう制度になって現在に至っておるわけでございます。ただ、それでは野放しでいいのかということになりますると、これはまた、消費者対策あるいは物価対策という点から考えまして、必ずしもそれを全く自由にしておくことはどうかということで、実際上、行政指導でございますか、によりまして、税務署に届け出る、価格を改定する場合には一応希望販売価格というものを届け出するというふうな制度に三十九年から切りかわったわけでございます。したがいまして、現在そういうようなたてまえになっておるわけでございます。  ところが、最近の情勢でございますが、御承知のように、酒は四十三年の五月に、かなりの業者が値上げをされた。その後二年余りたったわけでございますが、この間に、特に人件費のアップですか、これが相当引き続いた。これは先生御承知のように、最初一、二年のアップ率は、春闘ベースから見まして毎年——一五%くらいの勢いで上がる。その前は平均八%、九%くらいのアップ率だったのです。最近は非常にひどい。そういうふうなこととか、それから、原料米が最近はかなり安定しておりますが、それでもちょうど四十三年米——四十三年の秋の米でごさいますが、これが値上がりいたしまして、これが酒の原価に響いておる。それから運賃その他いろいろな要素がありまして、値上げをしたいのだというような希望の表明がかなり出ておりました。それで、大体その当時は八十円とか——私が直接にメーカーから聞いた話では、八十円とか九十円、まあメーカーによっては百円とかというようなことを言っておるものもございました。それで、現在のたてまえからいたしまして、届け出制でやっていかれたらどうしようもないというふうなことでございますものの、これをそれでは放置いたしますると、どうもかなり高いアップの価格の改定が行なわれかねないというふうな懸念を実は持ったわけでございます。そこで、私どもといたしまして、この二年来、ほんとうに合理的なコストアップはどのくらいであろうかということをひそかにはじいてみたわけでございます。で、いろいろ計算につきましては、相当きびしい経営の合理化努力によりまして吸収すべきである、あるいは生産性の向上によってコストアップを解消するような努力をすべきであるというような、いろいろな前提を立てまして、六十円というのは実はそれぐらいかなりきびしい線でありますが、一応合理的な線として数字が出たわけでございます。  それで、私ども国税庁といたしまして、ちょうどそんなことを作業しておりますときに、とうとう八月の十二日でございましたが、岡山県、福岡県から値上げの届け出が税務署に届けられてしまった、六十円の値上げの届け出が出てしまったというような報告を受けたわけでございます。これはどうも、従来の状況から察知いたしまして、私らがいろいろ聞いておりました状況から見まして、もっと高い値上げが行なわれると困るということで、とりあえず、国税局に対しまして、さっそく、一応の合理的な線としては六十円だと、それ以上の値上げをもしした場合には、先ほど申し上げましたように、法的な権限はないわけでございますが、抑制する権限はないわけでございますが、とにかくそれ以下に押えてほしいということを国税局に対して強く申したわけでございます。それなら六十円はやむを得ないかといいますと、それは、国税局に対しまして、税務署が、値上げのことにつきまして届け出をしてまいります場合に、個別に見る場合に、それをめどとして、それ以下のものはそれ以下で受理するように——もちろん、それよりももっと低い五十円、四十円ということがあってふさわしい、しかるべきことと思いますが、そういうふうなことで、もう一ぺん指導をするようにということをさっそく連絡をしたわけでございます。  そういうことで、その後、ずっと現在まで約七百社ほどの値上げ届け出が出ております。これは一律に六十円くらいというようなことをよく申されておりますが、大半は約六十円でございます。中には、そうでない、いろいろバラエティーもございますけれども、かなりのものは六十円。これは、最初の届け出をしたものの状況を見まして、さっそく全国的に新聞等にも報道されまして明らかになったものですから、これならいけるということで、次が続々と六十円の値上げ届けを出してきたというふうな状況に相なったのじゃなかろうか、こういうふうに考えておるわけでございます。

竹田現照日本社会党

○竹田現照君 これは、あとの質問者も質問しますから、あれですけれども、いずれにしても、けさの新聞で、あなたのほうが指導した価格指導の内容について詳細はわかりませんから、いずれその指導の内容について、資料を出してください。いま説明をされたように受け取れるのか受け取れないのか、これは読んでみないとわからぬです、いまの点は。これを一つ。  それともう一つ、きょうは時間がありませんから、問題を提起しておきますけれども、酒と同じようなポートワイン、これは酒税法上、甘味果実酒ということになっておりまして、ワインが一〇%以上になっていればいいと、こういうことになっておるのです。これはどうして、ワインの含有率が一〇%のような少ない規格にそのままにしておくのか、これが一つと、それから実際の各社の含有率——赤玉とか、それからハチとか、あるいは大黒とかいろいろありますが、この含有率は、きのう国税庁に聞くと、あなたのほうはわからぬ、税務署のほうでわかっておる、こういうことなんですけれども、これは少しおかしいような気がいたしますけれども、国税庁がやるのか、公取がどういうふうになされるかということは別として、各社のワインの含有率、これが幾らなのか、これもひとつ、はっきりした調査を資料として出してください。  それから、話に聞くと、赤玉のほうは一〇%以上、そのほかのやつは一〇%ぎりぎりだという話もありますし、私はけさ酒屋でちょっと聞いてきた。そうすると、赤玉というのは着色があったりなんかして、ハチと比べると、だいぶ質が悪いようですと言うんです。そこのおかみさんは、お飲みになって比べてみてくださいと言うので、聞くだけではかっこうが悪いので、私は買ってきましたけれども、店がそう言うんですから、これは大体間違いはないのです。それにもかかわらず、二百六十円なら二百六十円という値段は一緒なんですね。ワインの含有率が三〇%も五〇%もあるやつも、それから一〇%も、これは値段が同じだというのは大体ちょっとおかしいですね。これは国税庁がそういうふうに酒と同じように規制しておるのか、この点も私はたいへん疑問です。それで、ここにびんを持ってくるわけにはいかないので、包み紙だけ持ってきましたが、これには含有率は何も書いてないで、アルコール分だけ書いてある。実際は一四%です。だから、純粋のワインがどれだけあるかということを消費者がわかるように表示をする必要があると思う。ないと、これは製品によってみな違うのに値段が同じというのは第一おかしいし、大体不当表示の疑いがあるのですね、いまのままでは。ですから、われわれが買っても、ワインは三〇%なのか一〇%なのか、選択が容易にできるように公取は処置をする必要があるんじゃないかと、そう思います。全国にどれだけのワインメーカーがあるかわかりませんけれども、代表的なのはいまの三つでしょうけれども、それすら差がある。売るところですらそうですから、他は推して知るべしです。ジュースや酢についても——酢は九月十日から施行になりました公正競争規約があるが、そういうものを公取はいろいろ出して、早急に公正競争規約というものを設ける必要がある。ポートワインはいままで俎上に上がりませんでしたが、私は含有率だけだと思っておりますが、何かいろいろなものが含まっているということを店が言うようではたいへん心配ですから、その点についても早急に対処していただきたい。  ちょうど持ち時間になりましたから、これ以上言いませんが、いま私が言ったようなことについて、具体的に国税庁の資料の提示——あるいは公取はどうなのか、私の質問のことについて公取の委員長にちょっとお答えをいただきますけれども、具体的な資料の提示を求めて私の質問を終わり、問題の提起だけをしておきます。

谷村裕公正取引委員会委員長

○説明員(谷村裕君) たいへん適切な御指摘であると思います。私どもも、よくその点を調査いたしたいと思います。

林田悠紀夫自由民主党

○理事(林田悠紀夫君) 何か答弁ありますか。

塚本石五郎国税庁間税部長

○説明員(塚本石五郎君) いまの先生の御質問に対しまして若干御答弁申し上げてよろしゅうございましょうか。  いま二、三点、先生から御質問ございましたが、順序は逆になるかと思いますけれども、まず、果実酒には、甘味果実酒とそれから普通の果実酒とございます。その甘味果実酒の中の果実酒の混和量が相当差があるのじゃないかというお話。で、これ、私ども調べましたところ、大体大きな差はない。それは、率はまたあとで先生に詳しく御説明したいと思いますけれども、簡単に申し上げますと、現在の五百五十、ミリリットル入り、アルコール分が十四度という、一つのそういう規格があります。それは大手メーカーのうちで三社出しております。その中の果実酒の混和割合というのは、大体二十五度から二十六度でございまして、そんな大きな差はございません。それからもう一つの例を申し上げますと、一升びんでございますが、一・八リットル入りですが、 これはちょっと、いわゆる大衆品でございまして、アルコール分が十二度でございますが、これにつきましても、果実酒の割合は大体十一度内外、ちょうど四社ございますけれども、十一度、いろいろ端数がございますが、そういうふうな状況でございまして、大きな変化はないということは言えると思うのでございます。  それからもう一つは、元来、果実酒は、これはもう昭和二十五年から物価統制令に基づいて統制を廃止いたしまして、全くこれは自由価格になっておるわけです。ですから、原料につきましても全く自由でございます。価格についても、もう国税庁は全く関与しておらないというような状況でございまして、それぞれの社が、自由でかつ自分の適切と考える価格を決定しておるような状況でございます。現在のところ、いま私が申し上げましたいわゆる高級品、それと大衆品に分けまして、大体値段はそろっておるようでございますが、国税庁は全く関与しておらない状況でございます。  それから、先ほど先生の御指摘ございましたもう一点の、一〇%しか入れてないじゃないかというお話、これは規制が一〇%じゃおかしいじゃないかと、これは三十五年までは果実酒の割合につきましては特に規定がなかったのでございますが、三十五年から改正いたしましてへ酒団法と申しますか、それによりまして、一〇%以上入れるべきであるというふうな、簡単に申し上げれば、そういう規定を入れたわけでございます。一方、たとえば生ブドウ酒ですね、一〇〇%アルコール分があるもの。いろいろそういうバラエティーがあるということで、甘味ブドウ酒は一〇%以上あれば、あとそれにいろいろな糖分だとか、あるいはブランディーを入れるとか、いろいろ混和をして、それぞれにふさわしい社の製品ができるという、そういうふうなことで、一〇%以上ということを規則として制定したというふうな状況でございます。

林田悠紀夫自由民主党

○理事(林田悠紀夫君) ただいまの資料は出せますね。

塚本石五郎国税庁間税部長

○説明員(塚本石五郎君) はい。ただいま私が申し上げましたようなことを……。

林田悠紀夫自由民主党

○理事(林田悠紀夫君) じゃ、次の委員会に出してください。

竹田現照日本社会党

○竹田現照君 そういう説明をするから、なお私は含有量その他について疑問があるんだ。差があるんだから値段にしても当然差があってしかるべきだ。それが、二百六十円なら二百六十円に統制をされておるところに、私は、酒と同じで、酒税法上の関係は大蔵省が関係するけれども、そういう、どうもきょうの新聞に出たようなことが実際に行なわれておるような心配があるから指摘しておる。それが、あなたのほうが、ないならないでいいですけれども、資料として出していただきたい。いま言われたようなことが何にも書いてありませんから、どれだけ入っておるかということが消費者はわからぬから、それがわかるようなかっこうで、公取というものは指導をしてもらう必要があるということを指摘しておるわけですから、そういうことを早急にやっていただきたい、こういうことです。   〔理事林田悠紀夫君退席、理事小枝一雄君着席〕

小枝一雄自由民主党

○理事(小枝一雄君) 竹田君。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 最近、非常に各種の物価が、価格を引き上げるということが行なわれておるのですが、お酒問題で、ほとんど一律という形で、特級酒は九十円、それから一級、二級は六十円という形が出てまいりました。私も、これはどうも裏のほうでだれか操作をしておるのではないだろうか、こういうふうに思っていたところが、けさの新聞で、公取委員長の公取における調査結果と警告というものが出されたわけです。まず、公取委員長に、今回の酒の値上げについて、まあ新聞にはある程度報道されておりますけれども、特に具体的に、国税庁が価格指導をされたのではないかという形での御発表をなさっておりますが、その調査の結果わかっておる点について、ひとつここでどういうことなのか、御報告いただきたいと思います。

谷村裕公正取引委員会委員長

○説明員(谷村裕君) ちょっとお断わり申し上げておきますが、実は、私のほうは、きのう定例の記者会見をやったわけでございます。その際、この話が出たわけでございまして、そのときに私が触れて話したわけでございますが、先ほど国税庁のほうから申し上げましたように、国税庁当局は一生懸命値上げをできるだけ低いところに食いとめようという努力をなすったことが、実はそこまでいいのかというふうに読まれてしまった、まあそう言っておりますけれども、実はそういうふうに裏目が出たというようなかっこうになったことを、実は私のほうが調査したというわけではなくて、九月四日の衆議院の大蔵委員会において、いま御答弁があったような原価計算のようなことをやって、そして税務署を通じて業界を一生懸命指導しようとしたのだと、かような発言があったわけでございます。で、私どもがそれを承知をいたしまして、やはりなるほど業界というところは、まあさっき吉国長官の体質論というようなことも出ておりましたけれども、そこまで、それじゃということでやってしまったのかということが一つそこで明らかになったということを実は言ったのでございまして、私どものほうがつついたり調査したりした結果では実はないわけでございます。そこをまず一つ申し上げておきます。  それから第二に、私は、やはりこの春国会に関係の法律が出ておりましたときに、カルテル問題と値上げ問題ということについて質問を受けました。で、私は、値上げが絶対にあってはならないということは、これは、原料事情あるいは労賃の事情その他から見て、全くそういうことをやってはならないと言うことには無理があるかもしれないというふうに、そのとき答弁をいたしました。しかし、できれば、カルテルという形で自由競争という条件をはばんでいるわけでございますから、そういうときには、業界が一体となって、そのいわば特別の事情でカルテルが認められているそれをできるだけ早く解消していくように努力してもらいたい、と同時に、価格問題についてもできるだけ、たとえば余裕のあるところはがまんしてもらう、それからどうにもならぬところは最小限度やむを得ないというふうに、個別的に、さっき国税庁のほうもそう申しましたが、やってほしいと、さようなことを、これはやはり衆議院でございましたが、御答弁したことを覚えております。さような意味で、私も、一切値が上がっちゃいかぬということは、これはなかなか事実問題として問題があるにしても、願わくは、みんな同じにならぬでもいいじゃないかと、たとえば余裕があるところだったら、私のところは三十円でやります——そして酒の流通というものは全国的に銘柄が通っているところもあれば、地方的な小さな市場しかないようなお酒もあるわけで、値段がその地方あるいはその銘柄によっていろいろあったっていいじゃないか、現に、小売りの間でほんとうならばもっと競争があってしかるべきだ、あるいは大手メーカーの間でもあれだけテレビ広告をしているくらいなら、もっと値段に差があっていいんじゃないか、そういうことを言っておるのでございますけれども、直接行政指導に当たった国税庁としては、まあ経済企画庁からもずいぶんつつかれたようでございますし、ずいぶん努力をされたということは私は聞いておりますけれども、実情は遺憾ながら現状のような形になっておる、かように私は聞いております。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 確かに、いま委員長がおっしゃられるように、酒造メーカーというのは大小合わせて三千五、六百あるわけです。この中には、大きいのから、あるいはほとんど銘柄を市場に出さない、おけ売りの業者まであるわけです。こう考えてみますと、おそらく企業の経営実態というのはおのおの違うはずだと思うのです。非常に合理化が進んでいるところ、合理化が進んでいないところ。当然、私どもは、一律に値上げをする形、そういう形はどうも納得ができない。そういうところで、国税庁としては、原価計算の結果六十円だというものを各国税局なり税務署に出された。これは、出されたのはどなたで、具体的にどういう文書で国税局やあるいは各税務署に、だれが責任者の名前で出されたのか、そういう書類あるいは原価構成、あるいはそれに対する指導のあり方、そういうものを出された責任者と文書をひとつこの委員会に提出していただきたいと思います。

塚本石五郎国税庁間税部長

○説明員(塚本石五郎君) 文書で出したのではございませんで、実は、先ほど私申し上げましたように、十二日に最初に値上げを届け出たものがございましたので、その報告を聞きまして、それで直ちに電話によりまして、責任者と申せば私の指示によりまして、各国税局へ先ほど申し上げましたような内容のことを電話で指示したということでございます。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 私、国税庁というのは大蔵大臣の所管に属しているのだろうと思うのですが、この点は間違いないだろうと思うのです。時間がありませんから端的にお聞きしますけれども、総理大臣のことしの施政方針というのは、大蔵省の方々というのは、これは何らかの形で通達で全員にそういう教育はなさったのですか、なさらぬのですか。私は、この辺非常にふしぎだと思うのです。ことしは物価を是正する年なんだ、物価の年なんだ、こういうふうに施政方針の中に明らかに述べているわけです。それが、各省の中でしかも非常に有力な役所であるところが、先ほどのお話を聞いていても、非常に大ざっぱです。そして、今日の物価というような問題を何か頭に置かないで指導している。ほんとうに指導しているなら、私は、これはおそらくかなり個別の指導があるはずだと思う。ただ一括して平均的に九十円、六十円という線を出すということではないはずだと思う。ですから、具体的にあなたは電話でどういう指示をしたのか。おそらくそのメモぐらいは残っているだろう。何か、あなたの先ほどのお話ですと、もっと上がるのを低くしたのだから、ほめられてもいいんだと言わぬばかりの口ぶりなんですが、消費者にしてみたら、たいへんなんです。こんなはずがあるわけないのです、いまの経済の現状で。大きな企業、小さな企業、合理化が進んでいる企業、進んでいない企業、全国的な市場を持っている企業、地方的な市場を持っているところ、各種各様のはずなんです。それを、こういう形で指導をしているということは、私は、国税局にしても、税務署にしても、現在の物価問題に対する認識というのは、まことにないと思う。この辺についてもひとつ承りたいと思うのですが、どうですか。

塚本石五郎国税庁間税部長

○説明員(塚本石五郎君) 先ほど公取委員長からも御答弁がございましたように、物価の値上げが絶対にいかぬ、何が何でもいかぬ、そういうふうなことまで割り切れるかというと、これはなかなかむずかしい問題ではなかろうかと存じます。現実にいま、三千五、六百のメーカーの中で、昨年度の数字でございますけれども、赤字を出している企業が約二割ございます。本年度はもっとひどいんじゃなかろうかと思いますが、また、その利益が十万円という——これは、赤字を出しますと税務署から酒税法上担保の提供を命ぜられる、そういうふうなことで、極力黒字を出したがる傾向がございますわけでございますが、それで、十万円という黒字を出したものまで含めますと、それ以下のものが三割、五十万円以下となりますと、これは約半数が該当する。そういうふうな酒屋は、ほとんど、九九・五%が中小企業でございます。そういうふうなことで、確かに収益状況はかなり悪いことは事実でございます。そこへもってまいりまして、この二年間の原料あるいは人件費の値上がりが相当はなはだしい。そこで、やむを得ず、といいますか、個別に企業が自主的に価格問題に取り組むということ、それまで、けしからぬことだ、押えるということは、これはまた行き過ぎたことじゃなかろうかと思います。  それでは、値上げについて、ずいぶんなまぬるいのじゃないのか、そういうようなおしかりでございますけれども、私どもといたしましては、そういうふうな事情もあり、また、かつ、消費者物価を極力安定させなければならないというような総理の御発言、あるいは経済企画庁のほうの御努力等もございます。私どもも、政府の一員として、それに協力するのは当然でございます。そういうような両方の面をにらみながら、個別に企業が自主的に値上げをする、それが合理的な範囲内で値上げをする、それを一切がっさい押えつけてしまう、これはなかなかむずかしいことだ、ただ、それを、よそが上げたからといっても、ある程度まで生産性の向上によってそのコストアップを吸収する余地がある企業もあると思います。それから、まだ合理化の努力が足りないで、それでコストアップを招いている面、そういうような企業もあると思います。したがって、そういうようなものにつきましては、苦しいといいますか、よそが上げたからわしのところも上げるというようなことは、これはぜひ避けたいというようなことで、いわゆる便乗値上げとかいうようなことは極力押えたい、そういうことで、いままで努力してまいったわけでございます。

小枝一雄自由民主党

○理事(小枝一雄君) 間税部長、簡単明瞭に願います。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 いまのお話ですと、必ずしも上げるのはいけないという考え方じゃないんだ、各企業がどうのこうのということを言っておりますが、そういうことはわれわれもわかっているんですよ。企業の実態によって価格をいろいろ出してくる、出してきたものが、市場の中において、価格競争の中で、いいものは伸びていくであろうし、悪いものは、それが一つの刺激になって、さらに経営の合理化につとめていくだろうと思うんです。ここに自由競争あるいは市場原理の最もよさがあると思うのです。ただそれを一つの企業の中だけの問題で、ここはできないからどうだということを私どもは言っておるわけじゃないんです。私自体も、絶対に上げちゃいけないということを言っておるわけじゃないんです。しかも、一律にこういう形で、業界に言わせれば、大蔵省がそういう基準を出してきたん、だから、それまでは認めたんだというふうな印象を与えるような指導をしているところに私は問題があると思うのです。これは、国税庁、今度だけじゃありません。三年前ですか、四十三年だったですか、ビール値上げのときだって、そうです。事前にビールのメーカーにある程度上げてもよろしいというふうな態度を示して、そのあとで上げているわけです。  もう一つここで聞きたいのは、この六十円、九十円というコストを計算した際に、これは公取なり国民生活局なりに何らか相談をした上でそういうものをやったのか、どうなのか、これはどうですか。

塚本石五郎国税庁間税部長

○説明員(塚本石五郎君) 私どもの独自の判断におきましてやったのでございます。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 これは、国民生活局長にひとつお聞きしたいと思うのですが、この前、そういう問題については物価担当官会議等を通じて各省の連絡というものをよくやって、経企庁としても事前にそういうものについて情報を得て、そして適切な指導をしていくことによって物価の安定をはかっていくのだ、こういうようなことを長官が言われたのですが、そういうことは全然国民生活局あるいは経企庁としてはやられなかったわけですか、どうなんですか、そういうことは、新聞に清酒の値上げがあちらこちらにずっと出てきたとすれば、国税庁だけにまかしておかないで、物価の担当局として、当然、そういう形の横の連絡の中で具体的にどういうふうな形で指導をするべきかということは相談があってしかるべきだし、経企庁のほうとしても、私は、物価対策上、これはこうすべきだという意見があってしかるべきだと思うのですが、その辺の経企庁の考え方、あるいは具体的に、連絡はしたけれども、そっぽを向かれたとか、何かあろうかと思うのですが、その辺、どうなんですか。

宮崎仁経済企画庁総合開発局長

○説明員(宮崎仁君) 御指摘のとおり、最近、いろいろのものの価格が上がるというようなことが問題になってまいっておりますので、物価担当官会議において、こういった動きがある際には直ちに御連絡を願って、そうしてまた、御相談の上で、できるだけそういうものを回避するなり抑制する方向で行政指導していただく、こういうことで、先般の物価担当官会議でそういうことを申し入れまして、これは各省そういうふうに御了承いただいておるというふうに考えております。今回の清酒の問題につきましても、いま国税庁のほうの御説明のように、八月十七日に、こういった動きが出てまいったわけでありますが、私のほうとしましても非常にこれは重視をいたしまして、直ちに国税庁当局のほうに私が直接参りまして、文書をもって申し入れをいたしました。内容は二点でございまして、現在の物価情勢から見て極力値上げの動きを回避してもらいたいというのが第一点でございます。それから第二点は、酒団法に基づくカルテルが認められておりますが、もし今回の値上げが一斉値上げだというようなかっこうになるとすれば、当然このカルテルの問題というものは廃止を含めて再検討してもらう必要があるだろうということで、その点を申し入れております。これに基づきまして、国税庁当局のほうでは直ちに酒類関係の業界の代表者の方を招致をされまして強力に指導をしていただくということをやったわけでございます。その後、私のほうも動きを見ておりましたが、だんだん値上げする会社がふえてまいりました。どうも一斉値上げに近いような状況になってきているのではないか、こういうおそれもございましたので、去る九月九日に、もう一ぺん口頭で、ひとつ極力八月の申し入れの線に沿って努力をしてもらいたいということを申し入れた次第でございます。いま話のありましたような、国税庁当局のほうからある程度の値上げの幅を御指導になっておるというようなことについては私ども全然聞いておりませんので、むしろ、私の申し上げたようなことで非常に御努力をいただいておるということは、確かにそういった動きをしていただいたわけでありまして、認めておるわけでありますが、どうも事情を聞いておりますと、国税庁内部の計算の結果出た一つの数字というものが、指導の形を通じて裏目に出たようでございまして、たいへんその点は遺憾だと、このように考えております。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 どうも、先ほどの公取委員長も、いまの宮崎国民生活局長も、何か、裏目に出て気の毒だというような印象しか私ども受けないのですけれども、国税庁には前科があるのです。私は、その点はもう少しきびしく、物価担当の行政庁として、もう少し強くこれは言うべきである。いまのお話で、国税庁のほうは、企画庁からそういう話を受けた際に一体どういう検討をしたのですか。

塚本石五郎国税庁間税部長

○説明員(塚本石五郎君) 企画庁のほうから御答弁がありましたように、八月の十七日だと思います。いまの二点の申し入れがございました、私どもは、さっそく、それを受けまして、酒造組合中央会の幹部を呼びまして、それで便乗的に値上げが波及することを一応会長として押えてもらいたい、それから、もしそれが押えられなくて、便乗値上げというような、一斉値上げというような事態になった場合には、現在は生産カルテルを結んでおるわけでございます、その生産カルテルを再検討しなくちゃならぬ、ちょうど五年間という一応の目途をもってやっておりますが、これを再検討することになる、せざるを得ないということを強く申し入れたわけでございます。その後も、各国税局を通じまして、それぞれの管内の業界に対しまして、その趣旨を絶えず指示しておったわけでございます。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 あなたのおっしゃっていることは、私はいいかげんな御答弁だとしか思えないのですよ。いまあなたがおっしゃった一斉値上げというのはどういう意味ですか。この間あなたが御答弁になった点では、メーカーの半分以上が値上げを申請したときにはカルテルを云々と、こういうふうに新聞は報道しています。ところが、酒造業界というのは、先ほども言いましたように、自分の銘柄を出しているところは少ないわけですね。あっても、ごくわずかなんです。大手メーカーと地方的なメーカーにすぎないわけなんです。おけ売りのメーカーというのが非常に多いわけですね。具体的に、あとで資料でもけっこうなんですが、たとえば、灘地区でメーカーが百社あるそうです。今度、その中で、これは九月の八日現在の資料でございますが、三十社程度が値上げを届け出してきている、こういうのですが、この百社の中で、大半を、おけ売りに依存しないで、自分で銘柄を出しているところは一体どのくらいあるのか。あるいは、伏見地域においても私は同じだと思うのです。こういうふうに考えてみますと、あなたが答弁されたように、メーカーが一斉値上げをしたらカルテルは云々と言っても、そんなものは意味ないのです。実際、おそらく、おけ売りを主体としたメーカーは、そうした小売り値の値上げについて届け出をしなくたっていいのです。おけ売りをしているのですから。そう考えてみると、あなた方が言っている一斉値上げなんという、一斉値上げをしたらカルテルを云々するということは意味ないのです。何らか酒造メーカーのほうに強いことを言っているようなことであるけれども、それを受ける酒造メーカーとしては、これは意味ないのだ、そうじゃないですか。具体的に、これはあとで資料でけっこうですが、値上げを申請してきた会社が七百社くらいあるというふうに先ほどおっしゃられましたけれども、その中で、値上げを申請してきたメーカーが銘柄として出されている量というのは一体どのくらいになるのか。私はかなり多いと思うのです。このパーセンテージでいけば、五分の一、二〇%程度でございますけれども、市場のシェアからいったら、もっともっと多いだろうと思うのです。そういう中では、一斉値上げをしたらカルテルをなんとかということは全然意味がないことなんです。どうですか、それは。カルテルの問題をとやかく言うなんということは全然意味がない。少なくとも銘柄の中で五〇%をこえたならばいままで認可しているカルテルは取り消すというくらいの意思でいかなければ、あなたの言ったことは意味ないと思いますが、どうですか。

小枝一雄自由民主党

○理事(小枝一雄君) 間税部長、ちょっと発言の前に私から申し上げておきますが、必要な、いまの要点についてはこの際御答弁いただき、それからあとで文書で差しつかえないという質問者の指示の問題については文書でひとつ御回答願えるように、時間がありませんから、注意申し上げておきます。

塚本石五郎国税庁間税部長

○説明員(塚本石五郎君) それでは、業者のおけ売りがどのくらいあるかという数字でございますが、これは全体をつかんでおりません。たとえば灘、伏見はどうだろうということになりますと、これはつかんでおりますので、あとで資料にしてお届けいたしたいと思います。  それから一斉値上げ、全体の過半数が一、二カ月のうちに値上げすることになれば、これは一斉値上げと言わざるを得ないということを、九月の四日でございましたか、衆議院のほうで私申し上げたんですが、これは、一つのめどと言いますか、感じを申し上げたわけでございまして、必ずしもそれが過半数にならなかったからそれじゃ一斉値上げじゃないんだとか、あるいは二カ月を若干過ぎたから、それで過半数になってもそうじゃないんだということを申し上げるつもりは毛頭ございません。大体のめどと言いますか、大体のところを申し上げたわけでございまして、いやしくも、一斉値上げととられる、世間の常識からいたしましてそういう状態になった場合には、これはそのように受け取るんだということを私申し上げたわけでございます。そのようにひとつ御了解願いたいと思います。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 どうもその辺、はっきりしないし、むしろ、そういう点をおっしゃればおっしゃるほど、うしろで国税庁が、値上げしろ、一斉値上げはこれは公取がこわいから、ひとつさみだれ式にぼつぼつ上げなさいよというようなことを私は指示しているように思えてなりませんが、時間がありませんから、私はこの辺でやめたいと思いますが、私はまず国税庁に言いたいことは、もうほんとうに日本の政府の大きな幹になっている、そういう官庁が、他と十分な相談をしてない中で、総理大臣の方針と違うような中で、また国民が物価値上げに対して反対をしている中で、おれのほうはメーカーとの関係で上げるんだ、こういうようなことは、これは公務員としてやるべきことじゃないと思うんです。そういう点では私は反省をしてもらいたい。これは要望しておきまして、一応お酒の問題はこれでやめますけれども、その辺を厳重に反省していただきたいと思います。  それから、公取委員長にお伺いしますが、先ほどもお話が出たんですが、どうも最近は、証拠を調べてもあんまりつかまれないようなうまい形で、国民から判断すると、どうもだれかが糸を引いて協定をやっているような動きというものが非常に多いわけですね。しょうゆの場合もそうなんです。中堅から中堅以下ぐらいの小さなメーカーから五十円上げる、それから逐次あっちこっちが上げていく、そして今度はプライスリーダー的なキッコーマンが上げる、大勢がそうなっているから、あともそうなってくる。実際うまい。それから石油関係にいたしましても、丸善が上げる、モービルが上げる、それに応じてあとがずっと上げていく、こういうような形で、非常に、何と言うんですか、公取委員長、一生懸命やっている点は私は評価しますが、どうもその裏をくぐってやっているような気が最近強くするわけです。公取委員長もその点は同感だろうと私は思うんです。こういうものに対して、もう少し手を入れる方法はないのか。現在ないとなれば、もう少し手を入れるように法律改正をしなければ、もっと巧妙になって、法網をくぐって物価を上げていく、個別価格を上げていく、全体として物価を上げるという、そういう傾向が顕著になってきている。この点について公取はどういうふうにお考えになっておるのか、この際聞いておきたい。そういうような、公取の目をくぐり、法網をくぐって、協定を実際にはしているけれども証拠をつかまれないような形で上げていく、そういうものをどう防ぐつもりなのか、この点についてお聞きしておきたいと思います。

谷村裕公正取引委員会委員長

○説明員(谷村裕君) たいへんむずかしい御質問でございまして、私も、内々実はそういうことで頭を使って考えているわけでございますが、やはり一つの法治国としてどこまでやれるかという、非常に限界のむずかしいところでございますが、ちょっとこれをここで、おまえどう考えておると言われましても、こう考えていると言いますと、また裏をかかれますし、ちょっとそういう名案を実は持っておりませんので、とにかく一生懸命努力するようにいたしますから、ひとつごかんべん願いたいと思います。

小枝一雄自由民主党

○理事(小枝一雄君) 阿部君。

阿部憲一公明党

○阿部憲一君 いま酒の問題がだいぶいろいろと論議されていますので、引き続き、私も二、三国税庁の方に、間税部長にお伺いしたいと思いますけれども、先ほど竹田委員からお願いしました、例の、最近まで値上げを発表と言いますか、届け出た業者並びにいわゆるおけ売りの業者、要するに、ほんとうに市販をしていない業者の数というのを知りたいと思いますから、これはひとつぜひお願いしたいと思います。正確な数字を発表していただきたい。ということは、もっと基本的に言うならば、現在の酒造業者のうち、自分で直接自分の銘柄を販売している業者、それから、いわゆるおけ売りをしている業者の数、そのうちで、いままでどれだけの業者が値上げの申請をしたか、この数字をお願いしたいと思います。  先ほど来いろいろ承っていますと、国税庁もだいぶこの問題について、酒の値上げのないようにというような努力をされていたというように、いろいろと弁解をされているというふうに私は感じましたけれども、私自身も、先月の半ばごろから、いわゆる酒の値上げというのは、それまではうわさだったのですけれども、次々と発表されてきた、そうして、しかもその値段が、一級酒、二級酒は六十円だ、特級酒は——特級酒はあとで出てきましたが、九十円だ、このようなことが行なわれまして、しかも、これは全国的にびまんしてきますので、何かやっぱり価格協定みたいなものをしているのじゃないか、このことについて公取の御活動を大いに期待していたわけでございますが、はからずも昨日表向き発表になったように、ほかならぬ国税庁自体がこの価格値上げについてのリーダーシップというような動き方をしていた。まあ、それはそういった気持ちでなくても、現実に結果がそういうふうに出た。裏目に出たと言われておりますが、裏目であろうが何であろうが、結果としては確かに、国税庁の指示した値段、ここまではよかろうというような指導のしかた、そこから発生したのじゃないかと私は思います。  もともと、先ほど竹田委員も言われましたけれども、一昨年のビールの一斉値上げなんかで考えましても、あのときも国税庁が、これもまた、リーダーシップじゃなかったかもしれんけれども、ああいうサゼッションのもとに各ビール会社が動いた、このように伝えられております。したがって、今回の場合も、悪意といいましょうか、故意に酒の価格を上げようという意思ではなかったと思いますけれども、しかし、その考え方の中には、酒の値段も上げなければいけない一と申しますのは、やはり世間で言われまするように、国税庁あるいは税務署、非常に酒屋さんべったりと申しましょうか、過保護の状態でずっと来ておるように言われておりますけれども、まあそんなことから、私どもも勘ぐるわけじゃないのですけれども、酒の値段を上げてやらなければ酒屋の経済もたいへんだろう、利潤も減ってきたのじゃないか、そのような気持ちが反映しているのじゃないかと思うわけでございまして、その点、何といいましょうか、いままでの国税庁あるいは税務署のいき方に多少不満を持っているわけでございます。そんなことから、よく問題になっております、酒屋の数をふやせとか、販売業者をふやせとか、いろいろなことについても、どうも税務署あるいは国税のほうでもってそれをチェックしている、なかなかさせないということは、結局これも過保護のあらわれじゃないかと思います。その辺について、私の言っていることにどんなふうにお考えでしょうか。

塚本石五郎国税庁間税部長

○説明員(塚本石五郎君) 先生のおっしゃっていること、私、ごもっともな点が非常に多いと思います。私自身も、いまのような仕事についたのはまだ最近でございますけれども、入ってみまして、そのようなことを痛感いたしております。それで、現在、いままで確かに過保護の状態に置かれてきたことは事実でございます。長年、原料米の割り当てということ、それを通じて酒屋が国税庁にいろいろ依存をしているといいますか、そういう状態があったと思います。これが、昨年の自主流通米制度の実現によりまして、一挙に自由化に持っていこうかということに相なったわけでございます。そこが何しろ非常に数も多いし、零細な業者も多いし、酒税の保全ということもありますので、混乱なく自由化に持っていきたいということで、五年間を目途として構造改善を始めた。それから生産カルテル、そういうふうな制度が出発したわけでございますが、私自身といたしましても、五年間という線を、先生のおっしゃるような線で、もっとピッチを上げて、自由化のスケジュールをもっと早めたいということを痛感いたしております。先生のおっしゃっているようなこと、基本的には私全く同感でございます。  それから、先ほど資料の御要求がございましたが、おけ売り業者の全国の状況はあるのでございます。ただ、いままで値上げした業者は、これは七百二十六社でございますが、全部びんに詰めて売り出しております。もちろん、おけで売っているものもございますけれども、市販をしていないものは全然ございません。この三千五、六百の中には、市販していないものもあるいは若干あろうかと思いますけれども、いままで値上げしたものの中で、先生の御要求の資料あるいは御要望に十分添えられない点があろうかと思いますけれども、後ほど提出をいたします。

阿部憲一公明党

○阿部憲一君 そうしますと、いまの最後のお答えの中では、おけ売りをしている業者を除く、いわゆる自分で売っている業者の中で七百社、ほとんどすべてじゃないかと思います。大部分の酒造業者、自主的にやっている酒造業者が今度値上げを発表したということでございますね。そうすると一斉値上げということばがぴたりと当てはまるような気がいたしました。それだけに、よけい、いまの国税庁のおとりになった措置が裏目に出たことを非常に残念に思うわけでございます。いまのカルテルの問題についてお触れになりましたけれども、このカルテルをこれからどうするかということを再検討されると思いますけれども、私先ほど申し上げましたように、カルテル自体も、やはり酒造業に対する国税庁、税務署等々の過保護の一つのあらわれじゃないかとさえも私は思っておりましたけれども、このようなカルテルは、現在のような一斉値上げという事態をとるにしても、むしろこれは消費者の利益をそこなうものでございますし、その意味において、このカルテルの再検討をされると言っておられますけれども、これはむしろ廃止のほうに再検討を進めてもらいたいと思います。その辺、いかがでしょうか。

塚本石五郎国税庁間税部長

○説明員(塚本石五郎君) カルテルにつきましては、五年間ということで、四十九年の六月までを一応予定いたしておりますが、これを私ども再検討するということで、従来態度をはっきりさしておるわけでございます。その再検討の内容でございますが、実際に廃止することが、もちろんこれはもう、先ほども公取の委員長からお話がありましたように、望ましいことだと思います。ただ、これが廃止した場合の影響が、何しろ三千五、六百の中小業者がございますので、それにどういうふうな影響を及ぼすか、また、それに伴って、酒税保全上どういうふうな影響が出てくるか、その辺のところを十分見きわめないと、いますぐ廃止というような結論はなかなか出しにくい。これは十分検討いたしまして、あるいは廃止ということもあり得るかもしれないと思います。それからまた、検討した結果、ワクを十分自由化といいますか1現在のカルテルは、これは詳しく申し上げますと、先生にまたおしかりを受けるかと思いますけれども、非常にゆるやかなカルテルでございまして、いわゆる普通言っております不況カルテルとは性格を異にしまして、規制数量というものが、実際の需要量に比べまして一割、ことしは八%でございますが、来年は一割、そういうふうな上積みをしたものをもって規制数量としているわけでございまして、かなりだぶだぶなカルテルでございます。そこで、したがって、生産が制限されたために、そのために、生産制限されて値が上がったということには、直ちにはならないのじゃなかろうかと思うのでございます。ただ、いま申し上げましたように、カルテルがありますために、やはり頭を押えられた業者もあるのでございます。で、こういう業者が、そういうカルテルがなくなった場合に、じゃどういうふうに……、設備投資をして、どんどん自分でつくることになるのか、それとも、依然として従来どおりおけ買い一おけから買ってきて自分の自製酒をまぜて売り出す、そういうことにするのか、その辺の動向を十分見きわめまして……。いずれにしても、早くやめるということは、これはもちろん望ましいことでございます。したがって、段取りといいますか、具体的なタイミングあるいは方法につきましては検討いたしまして、いずれにしても再検討したい。先ほど申し上げました五年間ということを、これのピッチを早めたい。いずれにしても早めたいというふうなことを考えておるわけでございます。

阿部憲一公明党

○阿部憲一君 よくわかりましたが、酒の原料のお米も海に捨てようかなという時代でございますので、そういったことからも、カルテルをなるべく早くやめるような方向に指導していただきたいと思います。  なお、この問題については公取委員長にお伺いしますけれども、行政指導の名目でも、これは自由価格に介入して値上げ幅の指示を行なった。と、ぴったり今度のことについて当てはめていいかどうかということは別問題といたしまして、そういうことをするのは独禁法の違反じゃないかと思いますが、この辺のこと。それから、少なくとも違反でなくても、これは独禁法の精神を踏みにじるもの、要するに行政の行き過ぎじゃないかと、こういうふうに思いますけれども、委員長のお考えを伺いたい。

谷村裕公正取引委員会委員長

○説明員(谷村裕君) 値上げをここまでみんなやってもよろしいというふうな指導をしたのであれば、私は、精神からいってもよくないと思いますし、また、一斉にそういう行為を起こさせるということ自体は、行政官庁はそういうことをしちゃいけない。また、独禁法に違反する形になると思います。しかし、いま伺っておるところでは、国税庁ではそういうつもりでやったのではないわけでありまして、さっきから弁護しておるようだとおっしゃいますが、私自身大蔵省出身ですから、弁護しておるとおりになられると困りますが、国会との約束で、できるだけ価格はぎりぎりに押えるようにしますということを私この耳で聞いております。で、具体的にどういう措置をとられるかというふうに見ておりましたところが、ああいうふうなことをやられて、それがまあ利用されたようなかっこうになってしまったというふうに思います。さような意味で、私は独禁法の問題がいま直ちに出るというふうには考えておりません。

阿部憲一公明党

○阿部憲一君 いまお話がありましたように、酒の一斉値上げに見られますように、また、四十三年のビールの値上げ、同時にこのような物の値段が上がる。これは、今度の、いま例にあげました酒はむしろこの場合当てはまらない。言うならば行政が介入したと思いますけれども、それ以外にも、たとえば石油の製品だとか、しょうゆの問題だとかいうように、プライスリーダーシップによるものだとか、あるいはカルテル類似行為のものだとか、また、再販行為によるもの、こういったことが、需給や、それからまたコストの変動に関係なく利潤追求のために価格を操作する、つまり、広い意味の管理価格によって市場が動かされていく、このような非常に巧妙な、知能的な価格の操作に対しては、いままでのような独禁法の解釈といいますか、運用では太刀打ちができないように見受けられる節もあるわけでございますが、そのために、どうも価格協定が行なわれたらしい、今度の場合もそうですけれども、しかも値上げ幅が何か一定している、こういうような場合に、おそらくその業者、生産業者あるいは販売業者の団体または組合というようなものが内々で何か協定した、打ち合わせをした、こういうふうに思われる場合が非常に多いわけでございますけれども、これをいままで公取としては取り締まっておられたわけでございますけれども、これがなかなか確実に価格協定したんだというような証拠がないために、まあ放任せざるを得ない、傍観せざるを得ないというふうなケースが相当あったように思いますが、これなども、多少疑いを持った場合に対しても、やっぱり疑われるような場合も罰せなきゃいかぬ、取り締まらなきゃいかぬというようなことで、また取り締まれるような、成果をあげるようなふうに持っていきたいと私は思いますけれども、先ほども竹田委員の御質問にお答えがありましたが、非常にむずかしい問題だとおっしゃられましたけれども、まあ私も、やはり公正な、自由な競争をさぜるというような、消費者保護のたてまえから、要すれば現在の独占禁止法を改正してもそのように持っていくべきじゃないか、こう思いますけれども、委員長、いかがでございましょうか。

谷村裕公正取引委員会委員長

○説明員(谷村裕君) 率直にお答え申し上げますと、むしろ、わが国が置かれている経済の現状、あるいはこれからわが国経済がどういう姿になっていくであろうかということを踏まえて、全体的にわが国経済のあり方を考えなければならない問題につながっているというふうに私は思います。情報社会というふうに言われるように、いわば市場情勢を企業がつかむこともじょうずになってきましたし、また、市場に対してどう働きかけるかということも、これはどんどんと進んでおります。そうしてまた、規模の大きい企業も出ております。そして、一方では、ほぼ完全雇用に近い状態になっている、こういう姿でございまして、日本だけでなくて、世界各国みなそういう完全雇用下におけるいわば物価問題というのが大きな問題として取り上げられてきておるのでございまして、先ほど阿部委員が御指摘になりましたように、一種の、何と申しますか、必ずしも寡占時代——寡占と申しますのは、あの少ない、独占じゃない寡占でございますが、あの寡占体制だけとは言い切れないいろいろの問題があるように私は思います。独占禁止法の線でやっていける問題というものは確かにどうも限界が出てくる面があるんじゃないか、こういう気がいたします。前回でございましたか、竹田委員が、いわゆる企業の提携の問題、そういうようなことも御指摘になりましたが、いろいろ考えてみますと、そういう問題、いままさに阿部委員の御指摘になったような問題がこれから出てくるように思います。そういう意味で、実は私は、非常に行き過ぎたかとも思いましたけれども、先般、管理価格問題についての私の考え方というものをある程度公にいたしました。また、企画庁のほうも、本気になって物価問題を考えるのであればそういう問題をどうするかということを、近いうちに、何と申しましたか、物価安定推進会議の第二部でしたか、何部かで、そういう勉強も始められるようでございます。確かに非常にむずかしい問題があり、政府全体がそれに向かって対処しなければならぬことだと思います。

阿部憲一公明党

○阿部憲一君 わかりました。  話題を変えまして、ちょっと再販問題について二、三お伺いをしたいと思いますが、まあ現在、化粧品だとか、それから家庭用石けん、医薬品だとか、歯みがき、それから海外旅行者用カメラが再販指定商品になっておりますけれども、それと類似したもの、たとえば加工食品とか日用雑貨類というようなもの、あるいは文房具とかはどうしてその必要性がないか、このような現在再販制度を認めているものと認めていないものとの区別、これはどういうわけかということを、ちょっと御答弁していただきたいと思います。

谷村裕公正取引委員会委員長

○説明員(谷村裕君) 御指摘になりましたように、日用品であるということと、それからまた自由に競争されているということとが二つの要件になっておりますが、もう一つの要件といたしましては、やはり法律にはそれがあまりはっきりとは書いてございませんけれども、品質が一様であることを容易に識別できる、これはブランドものということでございます。で、日用雑貨その他において、必ずしもブランドのはっきり特徴がないというふうなものが多うございますが、まあ、ブランドものがよくおとり商品に使われるといったことが、この再販問題の出てきたところでございまして、そう言ってみると、それじゃおまえ、商標品についてどう考えるんだと、こういうふうにおっしゃると思うんです。さっきここで私も申し上げましたが、独禁法の例外として再販制度ということを認めて今日までやってきましたときに、途中で、確かにこれも指定してほしいというものも出てきた例があるようでございます。しかし、それが出てきましたときには、すでに再販についての再検討という問題を実はしょっておりまして、そこでちょっと、そういうものを受け付けるわけにいかないという姿に実はなっておりますが、論理的に言えば、法律案を提案いたしましたときに当時の当局者が説明しておりますように、必ずしもいまのものだけに限定されるというものではないはずであります。ただ、いかに再販を、必要なものの、何と申しますか、限度にうまくとどめることができるかという問題をまだ解決しておりませんものですから、とまっている、そういうふうなかっこうだと思います。

阿部憲一公明党

○阿部憲一君 例の「原価の秘密」という本がございますが、お読みになったと思いますけれども、あの本の中にも書いてございますけれども、化粧品や医薬品がごく少数の有名なメーカーによってつくられている。これは非常に高いけれども売れる。それからまた、製品の差別化と申しましょうか、高くても売れるんだという差別ですね。これなども、メーカーの数が幾らたくさんあっても、あまり有名でないメーカーが幾ら安く売っても売れない。これはまあ、自由な競争とは言えないんじゃないかと思います。それからまた、あまり名前の知れてないメーカーの製品が、安いからまた品質が悪いのかというと、そうではないんでございまして、業務用として専門家がそれを購入して現に使っております。それからもおわかりになると思いますが、公正でかつ自由な競争が各メーカーの間にあれば、生産性の向上や合理化によって消費者価格は下がるはずでありますけれども、しかし、そういった消費者価格の面におきまする競争はほとんど見られない。反面には、膨大な有名メーカーによる広告宣伝競争、まあ例によく言われますように、佐藤総理の顔がテレビに出ない日があっても、化粧品や医薬品の名前が映らない日はないと言われるくらい激しい宣伝競争がありますが、これは、マージンやリベート、景品等による小売り販売業者に対する競争や、消費者に対してのこれらの価格競争でない非価格競争、自由競争が行なわれているというふうに見るのであると思いますけれども、これを伺いたいと思います。

谷村裕公正取引委員会委員長

○説明員(谷村裕君) まさに御指摘のとおり、最近はマスコミの社会であり、広告の世の中になってきておりまして、消費者がそれによって一つのイメージをつくり、まあそれに、何と申しますか、すっかりとりこになってしまうという実態がございます。これは、いい悪いという問題をこえた、一種の人間の持つ、何と申しますか、弱みではないかと思います。法律でどうというふうになかなかできる問題ではないような問題であるかもしれません。特に薬というもの、私は正直言って薬はあまり好まない人間でございますけれど、日本人はたいへん薬が好きだそうでございまして、薬というものに一つの信仰を持つ、あるいは化粧品というものに一つのムードを持つというところがあって、それを助長しているというふうに思います。で、いわゆる製品差別化ということが起こりますこと自体、これはやはり、何と申しますか、経済の進化の一つの姿であろうかと思いますけれども、そういうことがもたらすいろいろな社会的な弊害というものをどういう角度からため直していくかというのが今後の一つの消費者行政のポイントではないかと思います。で、私ども独禁法の立場から申しますならば、先ほどちょっと一、二の例を申し上げましたが、再販品の問題でいろいろと検討しております中に、再販というのは一種の特別に認めた特権でございますから、その特権がある商品については、逆にどれだけの守るべきルール、義務をお願いするかという問題として、たとえばそういった宣伝広告、製品差別化への努力等についての問題もあるのではないかと、そういうような検討をいたしております。しかし、一般的に製品差別化への企業の努力というもの、これを情報社会の進化においてどう取り上げていったらいいかと、必ずしも独禁法だけの問題ではない、そういうふうに考えます。

阿部憲一公明党

○阿部憲一君 物価安定政策会議では、ことしの四月に「行政介入と物価について」という中で、「現在指定されている化粧品、医薬品、家庭用石けん等について、独占禁止法上の指定要件に該当しているか否かを早急に検討し、問題がある商品については速やかに指定告示改正を行ない、これを削除すべきである。」と提言しておりますが、この指定要件の自由な競争について非常に問題がありますし、提言後すでに五カ月もたっておりますけれども、この点、委員長、いかがでございますか。

谷村裕公正取引委員会委員長

○説明員(谷村裕君) 指定要件というのが、先ほど申し上げました、いわゆるブランド商品であるということ、それから日常消費者によって消費されているものであるということ、それから自由な競争が行なわれていることということでございますが、日常消費者が使っているという問題は、これはまあ生産財ではないという程度の意味であるというふうに理解いたしますと、問題は、自由な競争が行なわれていることという、その問題になると思います。そして、先ほど御指摘になったような製品差別化がある場合には、実体問題として、はたして競争があると見るのか、ないと見るのか、そういうふうな問題になると思います。しかしながら、私どもが、いま言われましたような、もう五カ月もたっておるじゃないかと言われますけれども、この問題だけを取り上げていかないで、いろいろな角度から再販問題というのを検討いたしておりますので、その中に含めて、いまの品目についてははたして妥当かどうかという問題は、それは勉強していないわけではございません、しております。しておりますが、それがどういうふうな結論になって出るかということについては、いまの段階では申し上げるわけにはいかない状況でございます。

阿部憲一公明党

○阿部憲一君 いま、独禁法上で指定要件を満たすということで指定された商品があれば、再販という、本来は不公正な取引行為を例外として認め、特別な取り扱いを受けている以上、それは生産者にもそれだけの責任があると思います。その意味から、消費者を守る本来の立場から、当然、コストとマージンを発表して、消費者の正しい理解を得、そしてリベートを禁止するというふうに規制する必要があるのじゃないかと思いますが、この点、いかがでしょうか。  もう一つ、もし現状のままであれば、日常使用しているもの、ほんとうはそういったものこそ、品質と価格で競争して、安くなってほしい、そういった消費者の希望があるにかかわらず、先刻来申しましたように、誇大広告だとか、それからあるいは販売者に対するマージンだとか、消費者に対しては非価格的な競争によって、それらが今後全部コストに含まれまして、高いものを使わせられていくということに、消費者を軽視された状態になるわけでございますが、そういうことから早く抜け出して、消費者を守るために、品質と値段で競争に勝っていこうという、まじめな企業を発展さぜる意味からも、コストの発表を要望するわけでございますけれども、このようなことに対してどういうふうにお考えになっていますか。それから、このようなコストの発表というようなことが実現するとすれば、いつごろになりますか、委員長のお考えを承りたいと思います。

谷村裕公正取引委員会委員長

○説明員(谷村裕君) いまおっしゃったようなポイントのことは、再販制度というものをどう消費者のために正しく運用していくかという問題についていろいろな角度から検討していると申し上げました、その角度の一つでございます。外国の例などもいろいろ勉強いたしておりますが、確かに、一方的に消費者は何か値段を押しつけられているという感じを持ちます。したがって、再販制、それが自由な価格として出ておるならという問題を、一体自由な競争がそこにあって、メーカーがその競争の中で値を建てているかどうかというのが、いま一番問題になるわけでございますけれども、まあいろいろなことを長々申しては恐縮でございますが、ともかくそういった問題も含めて、いま勉強しておるということを申し上げておきたいと思います。タイミングは、まだちょっと申し上げるわけにまいりません。

阿部憲一公明党

○阿部憲一君 時間がございませんから、もう一問だけ御質問申し上げます。  再販に関しまして根本的なあり方ですけれども、この制度が、販売業者の間の価格競争を制限し、かつ長期間における値下げから守って、その販売マージンを保障するという点から考えますと、むしろ私は、日常使わないもの、あまり使わないもの、しかもいざというときになきゃ困るというもの、そういった商品こそ再販にして、そうして小売り店の立場から、また同時に消費者の希望にも沿えるわけですから、そういうふうにしたらどうかと思うわけでございます。たとえば、あまりふだんひんぱんに売れないものとすれば、電機製品の部品だとか、あるいは自動車の部品なども含められますが、あるいはまた、始終飲まない薬、まあ急に、珍しい病気のときに使う、熱が出たときとか、そういうふうなもの、このような商品を小売り販売店にそろえさして、そしてこれを再販制度のもとに置くというようなことはどうかと思うのでございます。また、もう一つ、再販を認める指定要件につきましても、いま長官は外国の例もというふうにおっしゃられましたけれども、現在、御承知のように、イギリスでは、日本と全然行き方が違って、具体的に積極的に必要な理由があって必要な要件を持っているものだけに再販制度を許している。こういうふうにすべきじゃないかと私は思いますけれども、これについて、ひとつ委員長からお考えを承りまして、私の質問を終わります。

谷村裕公正取引委員会委員長

○説明員(谷村裕君) いま言われましたようなことは一つの御意見であると思います。そして、私どもただいまの立場では——現在の法律を全く根本から新しくつくり直すということであれば、それなりにまたいろいろな考え方もできるかと思いますが、現在の法律の上に立って、消費者の利益を不当に害することとなる場合はいけないといろ運用を——これはできるわけでごさいますが、そういう場合にはどういうふうなやり方ができるか、そういうふうな角度からいま実は検討しているわけでございまして、基本的にひとつ法律を立て直すという話になればなったで、またそれ相応にいろいろな勉強もあると思います。タイミングの問題としては、いまは現行法の上でどういうふうにやっていくかという問題として、いまの段階では考えております。しかし、おっしゃるような意味でのいろいろな角度から、どういうのが一番理想的な、立法論まで含めて、望ましいかということも、もちろん勉強するつもりでございます。

阿部憲一公明党

○阿部憲一君 いま私が申し上げました英国の例なんか、いかが考えられますか。

谷村裕公正取引委員会委員長

○説明員(谷村裕君) 白紙で考えて、将来一つの考え方として取り上げる場合には、いいことではないかと思います。

小枝一雄自由民主党

○理事(小枝一雄君) 竹田君。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 きのう公取のほうからいただいた資料に、山高しげりさんが代表をやっております地婦連の二重価格の調査というのをまとめた資料をいただいたわけですが、いまの再販関係に関連して、ここでまとめの中で出ていることで、家庭用洗剤、これは再販価格からはずすべきである一これは、この前の委員会でも私その点は特に申し上げたと思いますが、いろいろ御勉強なさり、御研究なさっているようでありますが、いま再販の問題が非常にやかましく言われている中で、何かひとつ出していただくことも必要だろう。少なくとも家庭用洗剤等については、いまの段階ではたして再販制度が必要かどうか、これは私ども非常に疑問に思っております。ある程度この問題だけでも、ひとつ期限を限って検討して、成果を出してもらえないか、こう思うのですが、いかがでしょう。

谷村裕公正取引委員会委員長

○説明員(谷村裕君) 先ほど申し上げましたように、各般の立場からいろいろ検討しておりますところでございまして、具体的にいま何についてどうということを、ちょっとこの場では申し上げることを控えさしていただきます。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 経企庁の長官にお尋ねしたいと思います。  けさほども月例報告等をいただきまして、その中に、最近の経済情勢の動きが述べられているのでありますけれども、全体として、かつて言われたような経済の過熱化という方向よりも、むしろ、それが鎮静をされて、金融引き締め等もかなり下部まで行き渡っている。下部のほうでは、むしろ、中小企業等においては若干金融が逼迫してきているという向きも見られるわけです。一方においては、公害問題が国民の間にたいへん大きく反対運動あるいはその是正のための措置をとれということで、この面からも、ある程度の操業短縮といいますか、操業度がある程度落ちてきている。こういうふうになりまして、そういう点では、どうも経済の見通しとしては、これから若干、不況とは言えないにいたしましても、かなり経済の伸び率というのは落ちていくだろう、場合によっては相当程度の生産停滞というようなものも出てくるのではなかろうか、こういうふうに思っておりますけれども、銀行の金融なんかを見ましても、若干金融をある面ではゆるめるべきだ、具体的にはポジション指導等によるところの若干のゆるみも見られるという形で、経済全体としてどうも落ち目に来ているように私は思うのです。こういう認識というのは、どうですか、長官。大体経済動向というのは、最近そういう方向に向かっていくのじゃなかろうか、こういうふうに私思うのですが、どうでしょうか。

佐藤一郎自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(佐藤一郎君) いま竹田さんのおっしゃいましたような様相について、ある程度そういう様相も確かに出てきている面があると思うのですが、われわれの目から見ますと、まだそれが決定的なあらわれ方というわけではないと、こう考えています。一部の指標には多少鎮静化のきざしが見える面もございます。しかし、依然として生産も高く、日銀券の発行高の増加率も高く、また、たとえば百貨店の売り上げ高等も依然として高い増加率を示しております。そういうことで、全体としての様相というものは、まだ過熱が十分に鎮静した、過熱ぎみの情勢が鎮静したという断定をするところまでは私はいっていないと思います。  もともと、御存じのように、今回の金融引き締めそのものが、かつて日本の経済がしばしば繰り返してきました金融引き締めと出発点が多少違ってきております。と申しますのは、過去の経験では、国際収支の赤字、こういうものが大体契機になって引き締めに踏み切っております。そういうことで、いやおうなしに引き締め、したがって、ある程度相当徹底した引き締めをとってきておりますが、今回は、いわゆる国際収支の黒字下におけるところの金融引き締めということで、当初の、金融引き締めを行ないました際から、従来から見ますとずいぶん穏健といいますか、そういうような、同じ引き締めでも引き締め自体の度合いというものがだいぶ従来と違っているように思われます。それだけに、一方において、四年間続きました経済の過熱、これを取り去るにはどうしても相当の時間がかかる、こういうことで、やむを得ないことであります。そういう点もあわせ考えてみまして、私たちは、まだ、いますぐ金融引き締めがどうという結論を出すわけにはいかない、そんなふうな感じを持っています。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 確かに、景気の様相というのは、かつての、輸入が多くなって国際収支が赤字になって引き締めをやるという様相とは、かなり違ってきておりますが、しかし、そういう情勢の中で、どうも最近の物価、特に消費者物価との関連で見ますと、むしろ景気が停滞をしているときのほうが消費者物価は非常に上がる、これが私は四十年代の一つの新しい傾向だと、こういうふうに見てもよかろうと思うんです。四十年でも、たしか七・五%程度でしたか、消費者物価が上がっておりまして、むしろ、経済成長が激しいときのほうが、四十年の事態に比べますと、まだ上昇率が若干低い。こういうことで、景気が、どうも数字の上では別といたしまして、かなり心理的にも停滞しているんじゃないか。金融引き締めの影響がかなり強まっているんではないか。こういう中で、一方では、ここで名前をあげ切れないほどの個別価格の値上げというのは、先ほどもお酒、ビールの話が出たわけでありますが、あるいはガソリン、石油類、あるいは一般の食品だとか、公害もそれに関連して、次から次へ上がってくる。値上げの季節というふうな記事もずいぶん見られるわけです。経済がどうも沈滞の方向に向かいつつある。そういう全体的な情勢の中で、消費者物価はまたここで大きく上がってくるんじゃないだろうか。こういうふうな感じがいたします。  いままで政府がやってきた物価対策と景気過熱防止の対策として取り上げられてきました総需要の抑制政策というものが、不十分ではあったろうと思いますけれども、ある程度そういう方向できたわけなんですが、その総需要の抑制ということは、おそらく私の理解が足りないのかもしれませんけれども、ある程度景気というものは、うまくコントロールされればいいわけですけれども、とかくコントロールがきき過ぎて、あるいはそれが不況局面というような形になる可能性というものが、どうもかなりあるんじゃないか。そういう時期だけに、はたして総需要を抑制するというだけで物価を鎮静することができるか、そういう分かれ目に何か来ているように現在思います。それだけに、事態が四十年のような事態に踏み込んでしまってからでは、これはなかなか手の施しようが私はなかろうと思います。そういう意味で、一体総需要抑制政策というものが消費者物価を押えることにほんとに効果があったかどうか。総需要抑制政策の中でも、金融政策によるか、財政政策によるか、こういう面もあると思います。いまの日本の場合には、どちらかと言うと、金融政策にそれをたよっている面がかなり強いように私は思います。そういう意味では、たいへん重要な段階に私は来ていると思うのであります。特に、経済の高度成長の中で、資本の有機的構成というのは非常に高まっておりますし、そういう立場では、当然、減価償却にいたしましても、その他の問題にいたしましても、リセッションの場に入りますと、必然的に単位商品の価格というものは引き上げられる。これも、ほんとうに自由競争という経済の組織、産業組織といいますか、そういう組織の中でありますれば、むしろ、これはいままでの利益を吐き出すという形で、個別商品での価格の値上げというようなものはあまり起こらないかもしれません。いまは特にメーカーの市場支配力といいますか、あるいは管理価格といいますか、こういうものが非常に強い局面であるだけに、そういう点では非常に消費物価が上がっていく可能性が強まっている。こういう面でも、財政金融政策から、この際何か新しいといいますか、局面を転換する何らかの方法が必要じゃないかと思いますが、来年度、四十六年度予算もいまいろいろ編成されつつあるようでありますが、そういう局面に対して、一体いまの佐藤政府においてはどのようにお考えになっているか、ある程度その面を考慮しなければならない時期に来ているのじゃないか、そう思います。この点について、佐藤政府を代表して、ひとつ長官の考え方を承りたいと思います。

佐藤一郎自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(佐藤一郎君) 総需要抑制政策というものが物価政策としてどの程度の評価をされるかという問題でありますが、その前提として、竹田さん、相当景気が沈滞しつつあるという前提で話を進めておられたようでありますが、まあ今日の企業の収益状況、あるいは売り上げの状態、あるいはまた、それを裏づけるところの消費需要の強さ全体を通じて見まして、おそらく史上でも空前の好景気のさなかであろうと私は思っております。一部に、特殊な個別的な理由によりまして倒産等もありますけれども、全体に大勢的に見ましても、やはり今日はまだまだ景気がいい段階である。指標的に落ち着いてきたというのも相対的な過去との比較の問題でありまして、経済全体はまだまだ過熱をしているというふうに私は見ております。そしてまた、この過熱を取り去るためには、やはり何といっても、行き過ぎたところの需要の抑制というものを行なう必要がある。また、これを行ないませんと、たとえば個別の価格対策、低生産性部門における生産性の上昇であるとか、あるいはいわゆる自由な競争条件の整備であるとか、あるいは本格的な意味の個別価格対策というものが結局実らない。ふところぐあいがあたたかいものですから気前よくぼんぼん買ってしまうという全体の風潮の中にあっては、なかなか個別対策ということが生きてこないうらみがあると思います。そういう点から見ましても、総需要の抑制というのは、やはり今日、これは日本だけでなくて、世界各国において一番信頼できるところの価格政策の本筋である、こういうふうに一般に見られております。今日の価格の上昇につきましては、コスト・プッシュかデマンド・プルかという、いろいろ議論がございますが、やはり経済全体が超過需要の状態であるという基本的な条件がもとになっていることには疑いない。こういうふうに私ども考えておりますだけに、総需要の抑制ということをやってまいらなければならない。依然としてその必要性がまだ消えておらないというふうに考えているわけでございます。私たちとしては、もちろん、総需要の抑制だけにたよるわけにはまいりませんけれども、これはやはり大きな価格対策の柱である。  そうして、たとえば昭和四十年を引例されましたが、あの四十年は非常に特殊な事情でございまして、御存じのように、三十九年でしたか、一年間公共料金のストップを行ないました。結局、その無理が来まして、四十年にはずいぶん公共料金を軒並みに上げざるを得なくなりまして、上げたのであります。そうしたような特殊な状況等もございますし、また、御存じのように、あのときに引き締めをやりましたけれども、今日においてはタイムラグを相当見なければならない情勢にございます。長い間の好景気のあとでの引き締めというものは、その好景気の期間が長いのに比例して、そのブレーキのかかり方も時間がかかる。そういうことで、むしろ、四十年よりも四十  一年、四十二年に相当物価も落ちつき、鎮静してまいりましたが、そのころに引き締めの効果が出たというふうにわれわれは見ております。確かに、もちろん、現在は昔と違いまして、いわゆるコストプッシュの様相も相当出てきておりますから、いわゆる価格における下方硬直性、こういうことも否定はできませんけれども、一面において、四十年の引き締めはそれなりの効果をもたらしているというふうに私は考えておるわけでございます。なかなかむずかしい問題でありまして、あまり需要の抑制をすると、将来に供給を抑制することになるんじゃないか、こういうような心配の議論も出ておる際であります。これはまた商品によっても違うのでありますけれども、私たちはそこいらのところを十分に考えながらやっていかなきゃならないと思っておりますが、少なくとも現在においては、まだ総需要の抑制というものはやはり価格対策の重要な柱の一つである、こういうふうに信じております。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 それは長官の認識でございますので、これがどういうふうになっていくのか、今後の推移を見なければいけないと思います。不景気の中でも物価が高くなってきているという情勢、いま長官は、それは四十年の特別な事情だと、こういうふうにおっしゃっておりましたけれども、私は、そうじゃなくして、むしろ、そういう形態というのは四十年代の一つの傾向である、こういうふうに理解をしているわけであります。いままで個別価格の対策というものをやってまいりましたけれども、いまの日銀券の発行量とか、あるいは預金通貨の流通量とか、こういうところから見ますと、どうもその方面は毎月非常に伸びている、こういうふうに思うわけであります。全体的にどうも、貨幣数量説ではございませんけれども、通貨あるいは預金通貨というものが多く流れ過ぎているんじゃないか、日銀券の発行等についても若干抑制をしていく必要があるんじゃないか、そういうことによって全体の物価情勢というものを落ちつかせることができるんではなかろうかと思うんですけれども、日銀券の発行増加量を見てみますと、経済成長率をはるかに上回っている、こういうことだろうと思うんですけれども、日銀券の発行について政府として何かこれを引き締めていく——これは総需要抑制政策の一環であるかもしれません。その中でも、ひとつ、日銀券の増加というものを抑制していくという具体的な何かお考えはお持ちでないかどうか、承っておきたいと思います。

佐藤一郎自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(佐藤一郎君) 日銀券の発行高そのものは、いわば経済の実態の反映であろうと思います。むしろ、その結果といたしまして、各金融機関において手元の日銀券の需要というものが窓口において非常に強い、これは経済の実勢を反映しておることでございます。でありますから、日銀券の発行そのものを押える、こういうようなことはもちろん考えられないことでありますし、むしろ、その全体としての、たとえば貸し出しの問題であるとか、そうした面から押えていくことになるわけでありまして、それが今日の金融引き締めであろうと思うのであります。そういう意味で、直接日銀券をどうするということは考えられないことである、こういうふうに考えております。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 最近、IMFの年次報告の中で、世界のインフレ克服の問題を非常な問題といたしまして、日本の経済についても、西欧諸国に比べれば、まだ救いようがあるけれども、このままでおけばやはりインフレになっていくだろうということで、特に国際収支が黒字基調というものを続けているということについては、どうもそれがさらにインフレを助長する可能性がある、国際通貨全体の関連とも関係して、円の切り上げの問題等に対する圧力にもなっておる、こういうことで、資本の輸出、あるいは輸入をもっと多くしていけ、こういうような勧告が出ておりますし、また、それと同時に、コストプッシュ・インフレという見方をしておるのかどうかわかりませんけれども、所得政策を考えてみるべきではないか、こういう勧告が出ているわけでありますが、もちろん、勧告に従わなければならないという拘束力はなかろうと思います。それから、OECDのほうでも、大体それに似たような日本経済に対する評価というものをしておりますけれども、こういう国際的な機関からの勧告に対してどのようにお考えになるか。そういう方向でひとっこたえてみようというふうなおつもりになっているのかどうか、御意見を聞かしていただきたいと思います。

佐藤一郎自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(佐藤一郎君) いま御指摘になりました点は、私たちも十分考えておるつもりでございます。できるだけ輸入をふやさなければいけない、また、いわゆる経済協力あるいは資本輸出、いろいろな形で国際的な自由化の風潮にこたえて、日本もそうした方向でもって動いてまいる、これも当然われわれとして考えなければならないことでございまして、そのために、すでに、御存じのように、ケネディ・ラウンドの一括引き下げの繰り上げをやりましたり、あるいはまた、輸入担保金の担保率をゼロにしてしまいましたり、あるいはまた、対外援助の率を、援助額を引き上げるために、一九七五年を目途にして、対GNP比一%の宣言を行ないました。あるいはまた、対外投資について、いわゆる自動的な認可限度を引き上げましたり、これらの措置を講じておるのでありますが、なかんずく、輸入の自由化の問題、あるいはまた、これは別の立場からいろいろと反対、抵抗も強いのでありますけれども、さらにこれを積極的に進めてまいる、そういうような方向に今日日本はどうしても持っていかざるを得ない状況になっておる。そうしてまた、そのことがやはり物価問題に対しても非常に大きな効果的な一つの方向を示しておる、こういうふうに考えております。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 やっぱりいまの日本の物価高というものの一つの大きな原因は、私は、国際収支の黒字基調が非常に続いている、しかもそれは、均衡を保っている、ちょっとの黒字基調というならば、これは理想的であろうと思いますが、かなり黒字がたまってきている、それが国内における紙幣の発行量を多くしているという原因にもなっていると思います。こういう観点から、企画庁の経済研究所長の篠原三代平さんですか、この方、あるいは国民経済研究協会ですか、稲葉さんのやっておられる、その付近から、最近、日本の黒字基調をなくして均衡的な国際収支をはかれとか、あるいは国内におけるところのインフレを克服するために円の切り上げをしてはどうか、一ドル三百四十円程度にしてはどうか、こういうような専門的な意見がだんだん出てきているように思いますが、この円の切り上げ問題と日本のインフレ克服の問題に関連して、どのようにお考えになっておられますか。

佐藤一郎自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(佐藤一郎君) 確かに、今日の御時勢でございますから、国際的な影響というものは、これを無視するわけにはまいらないと思います。特に輸出を中心とするところの、いわゆる日本経済全体に与えておるところの景気に対する刺激、これもまた非常なものであると思います。そういうようなこともございまして、いま御指摘のような点も出てきたのだろうと思うのですけれども、実は、この円の切り上げという問題は、やはりよほど慎重に考えないといかぬのではないか、西独でマルクの切り上げを物価対策を主眼として実行しましたが、必ずしもいい成果をあげておりません。結局、一割ばかりのマルクの切り上げを行ないましたけれども、それを上回る賃金の上昇がすぐそれを追っかけて、結局それを打ち消してしまった。こういうような情勢にもなっております。大体、通貨の調節、国際経済の観点からの通貨調節ということなら別でありますけれども、物価ということを主眼にして考えます場合には、ある程度条件が整備されてないと効果的でないように思われます。私はよく言うのですけれども、まあ、かりに一割切り上げまして、千円のものが九百円で入るようになるという場合に、人件費が上がる、コストが上がるから千円のものは九百円に下げないということでは、もとの木阿弥でありますし、結局、全体としての情勢、ムードというものがある程度整備されてこないと、物価政策としては、少なくともなかなか効果的なものになってまいらない。もちろん、物価政策だけの見地ではございません。円の問題は、そういう意味で、さらに国際金融全体の問題に関連する問題でありますから、いまここで詳しく申し上げることもないと思いますが、目下のところ、政府としては円の切り上げということを全然考えておらないのでございます。海外のほうの情勢も確かに心配な点があるのでありますが、まあ、アメリカにおいてもなかなか効果は早急に出ておりませんけれども、インフレ対策にニクソン大統領も必死になっておりますし、それからヨーロッパ各国も、いずれもインフレ対策に相当力を入れておる際でございますからして、今後時とともに鎮静の方向に向かうものというふうに私どもは期待をしておるわけであります。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 いろいろお聞きして、どうも全体的なインフレ対策——インフレとの戦いという佐藤さんのなされたことばに対して、どうも弱いような感じを私は受けるわけでありますが、もう一つは、私は、国内における管理価格といいますか、市場支配力が非常に強まっている、こういうことが、午前中の討議でも、酒の問題にしても、その他の問題にしても、たいへんそういう問題があると思うのです。それに対して監視体制を今度はつくろう、このようにこの前からおっしゃっておられる。これは具体的に四十六年度でどのようにお考えになって監視体制をおつくりになるのか、かなり、予算もいろいろ部内では編成されておられるでしょう、具体的にそういう面が四十六年度の中にあらわれてきつつあると思うのです。そうした管理価格の監視体制、あるいは市場支配力を弱めるための、これも一つの監視体制になると思う。そういう問題について、四十六年度では一体どういうふうに考えておられますか。

佐藤一郎自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(佐藤一郎君) 私もインフレとの戦いという表現を用いましたが、先ほども申し上げましたように、私はこれは一九七〇年代を通じての戦いだと思っております。先ほども申し上げましたように、少なくとも、従来の経緯から見ましても、好景気の期間が長く続けば長く続くほど、これを抑止し、これにブレーキをかけるのにも時間をある程度覚悟しなければならぬ。それは、先ほど御心配になっておられたように、経済に不当なショックを与えないように注意しながら物価を押えていくのが道筋ではなかろうかと、こういうふうに考えております。その際に、やはり今日われわれが物価政策として基本に考えるのは、先ほどの議論に出ました総需要の抑制、あるいは場合によっては、所得政策の問題も将来問題にのぼってくると思います。今日の賃金の情勢というものをさらによく見なければならない。あるいはまた、輸入の自由化の問題。やはり競争条件の整備といいますが、結局、輸入が自由化されていないと、これが、先ほどからの輸入をできるだけふやすという政策の見地からいっても、いろいろ問題があるわけですが、輸入の自由化ということがやはり大きな一つの柱である。あるいは円の切り上げというようなことについて先ほど私はお答え申し上げたのでありますけれども、まだ今日の日本においては日程にはのぼせられないというようなことも申し上げましたが、いわゆる世上伝えるところの価格対策、いろいろたくさんございますし、その中で、時期尚早である、あるいはまた今日の日本にとっては適当でないというようなものを除いて考えますと、やはり総需要の抑制あるいは輸入の自由化をできるだけ早める、こういうようなことが大きな柱になると思うのであります。そういうことで、これらについては、もちろんある程度の期間はかけなければならないと覚悟をいたしておりますが、政府としても、できるだけインフレ圧力というものをまず取り除く、このためにはできるだけのことをしなければならない。その際に、いま御指摘の管理価格の問題も一つの面でありましょう。管理価格につきましては、実際、管理価格の定義自身にもいろいろ問題があると思うのですが、一体具体的に、ある業界に存在するかどうかと、こういうふうな、実はなかなか率直にいいまして認定がむずかしい問題が多うございます。そういう際でありますから、われわれとしては、やはり実態の把握が大事であろうと、こういうふうに考えておるのでありますが、われわれとしましても、まず調査の能力を、そういう意味でもって、できるだけ充実する、これが先決だろうと思います。先ほど監視の問題が出ましたが、私、別に監視機構をつくるということを申し上げたことはないのですが、それよりも何よりも、まず実態の把握、こういうことが大事である。これは前々から私も申し上げておるところでございます。明年、実は非常に痛いのですが、時期も悪いのですが、いま行政機構の簡素化ということが一方において取り上げられておりまして、そういう際に、いかに重要な政策であっても、機構の充実に、拡充につながるようなことは避けるべきであるという意見が強くて実は私も弱っておるのですが、しかし、その中にあって、ひとつできるだけそうした方面の、多少なりとも充実をはかっていきたい、こういうことで概算要求もしておる際であります。まあ率直に申しまして、現在の企画庁の機構では、なかなか具体的な調査能力というものに限界があります。まあ結局、そういうことで、各省を動員しまして、そしてこれをできるだけやってまいらなければならない。あるいはまた、公正取引委員会の充実、こういうことも、われわれとしても非常に関心を持っておりますし、これもまた要求をされておるわけでございます。そうしたいろんな形を通じて、やはり、いま御指摘のような問題にもできるだけ取り組んでまいりたい、こういうふうに考えております。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 時間がありませんので、いろいろお聞きしたいことがありますけれども、あと二点にしぼってお伺いしたいと思います。  まあ、最近、公害問題、先ほどもちょっと触れましたけれども、公害除去という形で、その除去するための費用というものは一体だれが持つべきかということが最近かなり論議をされておりますが、ガソリンの値上げ等を見てみますと、脱硫のために非常に費用がかさむから、そのためにガソリンを上げるということが、ガソリン値上げの一つの口実といいますか、そういうふうになっておるわけでありますが、まあ田子の浦のヘドロの問題あたりにいたしましても、ある意味では、若干操業を短縮しなくちゃいかぬということになっておりますし、その次にはおそらく紙代の値上げという問題が消費者のところにかかってくる。この論理というのは非常に身がってな論理のような気がします。その前に自分がなすべきことはなさないで公害を起こして、その公害が付近住民に迷惑をかければ、今度は、公害対策のために資金がかかるから、そのためにコストが上がるんだ、だから価格値上げは正当である、こういう論理が最近出始めましたけれども、私はたいへん身がってな議論だと思うんです。私は、当然、そうしたものは、まず第一義的に企業が責任を持って、いままでの蓄積の中からそれを出していくべきだ、それを消費者にその価格で転嫁するというようなことは、これは非常にもってのほかだと、こういうふうに思いますけれども、そういう、公害をなくすための対策費が明らかに価格に影響してくるという場合に、私はこれは政府としても考えてもらわなければ困る問題だと思うんですけれども、この問題について、一方では公害問題にたいへんお取り組みいただいている長官でありますけれども、片方で、そのために、それが物価のほうにはね返ってくるのでは、これは国民は踏んだりけったりされるということになりますので、この辺の、公害除去の費用を消費者にしわ寄せしないような対策を何かお考えになっているだろうと思いますが、その辺に対するお考え方をひとつお聞きいたします。  時間がございませんので、もう一つ。まあ、ことしの初めに、長官は、物価対策関係の閣僚協議会ですか、これはひとつ毎月開いてやっていこう、そして実効をあげようと、たいへん前向きな姿勢でこれに臨まれ、さらに六月九日においては、二十数項目の当面の物価抑制に対する対策というものをおあげになったわけでありますが、どうもその後、そうした物対協も何か開かれておらないように承っているわけでございますが、まあ物価のほうは、個別価格のほうは、次から次へとくつわを並べて値上げ攻勢があるという中で、どうも物対協に対する政府の関心というものは非常に弱いと思いますけれども、この辺に対する、一体どうして、夏休みになってしまったのか、この辺をひとつお聞かせをいただきたいとともに、この前、六月九日の当委員会でお出しいただきました「当面の物価安定対策について」という、さっき申し上げました二十数項目の問題がありますが、これは一体どのくらい実施されて、その成果は一体どうなのか、こういう、総括と反省の段階に私は来ているんじゃないかと思うんです。この点について、ひとつ、どのようにお考えなのか、どのように総括と反省をなされているのか、この辺についても。  以上二つを、時間がありませんので、一括してお聞きして、私の質問終わりたいと思います。

佐藤一郎自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(佐藤一郎君) 最初の公害の問題でございますが、まあ、竹田さんのおっしゃる御趣旨は、私も根本において異論はございません。公害に要する経費も、たとえそれが生産にプラスしなくても、やはりその公害の費用を支出するということが、やはり円滑なる生産の前提であるという限りにおいて、当然これはコストでございます。コストでございますから、これはコスト一般と価格との関係と同一でありまして、公害のコストだけが価格との関係において特別のものであると私は考えておりません。いま御指摘がありましたように、率直に言って、もっと早く公害の対策費を講ずべきであったのでしょう。投資すべきであったのでしょう。残念なことに、日本においてその面の関心が薄かったこと、それからまた、それに伴いまして技術開発がおくれておった。したがって、その技術を前提にするところの防止のための投資というものがやはりおくれがちであったこと。それでありますから、そういうことが重なりまして、今日から見ると、まことに怠慢きわまりないという感じにもなるわけでありますけれども、そうしたことがなおざりにされておる。本来ならば、もっと早くこれがコストとして計算されておったと思うのであります。それが、いまごろになってコストとして加算せよ、こういうことでありますから、感じとしては、まことに問題が多いのでありますけれども、いずれにしても、コストであるという意味において、価格の一部をなしております。で、問題は、いろいろのコストが全体として価格を形成するわけでありますけれども、しかしそれは、御存じのように、できるだけ生産性の上昇なり、合理化の努力なり、そうしたものによって、コストの上昇というものを価格にできるだけ転嫁しないように努力する、これがまた同時に企業の義務でございます。そういう努力をして、その上で価格が成り立つわけでございますからして、私は、そうしたコスト一般と特別に区別する必要はない、いわゆる企業が負担をするということの意味はそういうことだろうと思います。まあ、OECDなんかでも、最近、日本の企業が公害投資に十分金をかけないで、そうしてそれだけコストが安い、競争力があると、そうして海外にどんどんものを輸出してきた、そのために、公害投資を十分にしておった国が太刀打ちできなかった、こういうことは不公正な競争である、アンフェアである、であるから、国際的な会議においてこうした公害の問題も一緒に取り扱え、同じような歩調でもって進むようにすべきである——国際会議の提唱は何もその見地からばかりではございませんけれども、そうした議論も一部には出ておるくらいでありまして、日本としても、国際的にも恥ずかしくない、国際的に指弾を受けない、これも一つの公害対策の一面であります。もちろん、公害投資そのものの必要性は、国際的に言われるからどうとかいうことでなくして、われわれ自体の必要性から来る問題でありますけれども、そういう一面もあるわけであります。そういう点からもわかりますように、日本経済としては、これだけ公害の問題にいよいよ本格的に取り組むということ下ありますからして、これにかかるところのコストというものは覚悟しなくてはなりませんけれども、できるだけそれが物価に転嫁しないように、当然そうした努力が払われなければならない、こういうふうに思います。したがいまして、単に公害の防止のために費用を投じたからというだけの理由で簡単に値上げを行なったり、値上げの宣言をするというようなことは、いわゆる便乗値上げに類するたぐいでありまして、絶対にこれは許せないのであります。一面におきまして、中小企業その他の負担の問題もございますし、でありますから、今後政府は、一面において企業の負担であるという原則を維持しながらも、財政その他によって助成すべきものは助成していかなければならない。そうしたことで、これもまた一つのそうした面での対策の一つになろうか、こういうふうに考えております。  それから物価対策閣僚協議会、これは、御指摘を受けまして、私もまことに面はゆいのでありますが、実は、いま、まさしく御指摘になった点を総まとめをしておりますが、なかなか時間がかかっております。大体、この十六日に物価対策閣僚協議会を開きまして、そして各省から、先般あげました二十五項目の問題についてのその後の報告を聞き取り、そしてそれをさらに、不徹底なものがあった場合に、いかにして徹底させるか、大体、いろいろな価格対策について唱えられておるものは、この前の二十五項目の中に大部分尽くされていると思います。もちろん、再販の問題とか、まだ宿題として残されておるものもさらに検討を急がなければなりませんけれども、尽くされておりますので、問題はトレースの問題であろうと思います。そういう意味で、各省にこれの要求をだいぶ前から出しておりましたが、なかなか取りまとめに至りませんでした。物価対策閣僚協議会の開催もとかく遅延をいたしまして、この点については私もまことに遺憾に考えております。一面、土地問題等についての閣僚協議会等を開きまして、その間、土地の問題について対策を、御存じのように、決定したようなわけであります。今後ひとつ、やはり実行が中心になってまいりますからして、そうしたことを頭に置きながら物価対策閣僚協議会の開催を考えてまいりたい、こういうふうに考えております。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 長官、その総まとめですが、われわれにもひとつ、非常に関心を持っておりますから、できましたら資料を御配付いただくことをお願いします。

佐藤一郎自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(佐藤一郎君) ええ。

小枝一雄自由民主党

○理事(小枝一雄君) 長官、いまの点をひとつしかるべく……。  瀬谷君。

瀬谷英行日本社会党

○瀬谷英行君 ことしの五月に閣議できめられた新経済社会発展計画によると、まず物価の安定を最重点課題の一つとする、こういうことになっております。そのほかに、内容を拝見すれば、住宅、生活環境の整備と土地対策の推進、あるいは公害対策の強化ということがあるわけでございます。閣議でこの間きめたばかりですから、きめたことはやはり守ってもらいたい、こう思うのですけれども、ところが、ここに書いてあるようなことは、さっぱり効果があがっていないわけですね。それはやはり、どうも責任を全うしないということになると思うのです。国際収支等の影響によってどうにもならない問題は、これはある程度しかたがないとしても、国内の政策の拙劣さによって生じてくる問題については、これは政府が、もう、あくまでも責任を持って処理しなければならないと思う。ところが、最近、私鉄の運賃の値上げの問題が出てまいりましたし、それから公営住宅の家賃の値上げの問題が出てまいりました。公団の事業計画でも、賃貸住宅の平均家賃は中層住宅の場合でも二万六千円になるということですし、家賃が上がるということは、これは収入がそれに伴わなければ暮らしがそれだけ苦しくなるのはあたりまえのことです。いま問題になっておる、酒であるとか、たばこであるとか、カラーテレビであるとか、そういうものは、上がっても、いやならやめろといって済むかもしれません。しかし、家賃と、それから運賃のほうは、これはいやならやめるというわけにいかないわけですよ。最低限必要経費になるわけですから、こういう価格は政府があくまでも責任を持って抑制をするということでなければならぬと思うけれども、一方において、私鉄運賃のほうは、申請が今日出ておるけれども、一体どうするのかという問題が一つあります。きのう——きのうは質問しなかったんですけれども、前に質問した人への答弁で、国鉄との関係を考えて運輸省のほうは処理をする、こういう意味の答弁があった。しかし、国鉄との関係を考えると、国鉄は去年キロ当たり四円二十銭に値上げをしておるわけですから、私鉄から、現在三円幾らのキロ当たりの運賃を国鉄並みの四円二十・銭にしろということを言われた場合には、それじゃ国鉄並みにするという点では、これは認めなければならぬということになるのかどうか、この辺は、佐藤総理が押えているということなんですが、佐藤総理がどういうねらいで押えているのか、総裁公選がきまるまでという政治的な含みがあるのか、あるいは一つの確信なり何なりを持っておるのか、まず、私鉄運賃の問題について政府側の方針をお伺いしたいと思います。

佐藤一郎自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(佐藤一郎君) まず、いま御指摘になりました国鉄と私鉄との関係、これは、それぞれ事情の違うことでありますから、国鉄が上げたから私鉄は必ず上げるのだ、こういう方針はとりません。国鉄がどうであるかということよりも、私鉄自身の経営内容、私鉄の事情、それ自体の事情というものを十分に検討をした上で決定をしたい、そういうふうに考えております。別に、御指摘になったような政治的な理由とか、そういうことではなくして、一体、私鉄の経営者がどういう態度、方針を持ってわれわれに対してこの値上げの申請をしてきておるのか、そこいらのところを十分検討をし、見きわめをしたいということで時間がかかっておるわけでありまして、国鉄との関係を非常に重視するような、もし答弁があるとしましたら、それは私は間違っておると思っております。目下、そういうことで、できるだけ結論を急ぐようにいたしております。

瀬谷英行日本社会党

○瀬谷英行君 それじゃ、たとえば、具体的な問題になりますけれども、ことしうちは私鉄運賃は上げないということが約束されるのかどうか、来年になったらどうなるかというような問題について、端的にお伺いしたいと思います。

佐藤一郎自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(佐藤一郎君) 別に、いま、まだ最終的な結論を急いでいる際でありまするから、ことしじゅうに上げない、ことしじゅうは上げないとか、そういうような既定の方針を持って臨んでおるわけではありません。

瀬谷英行日本社会党

○瀬谷英行君 それじゃ、ずっとこれで押えていけるという自信があるのかどうか。私鉄の場合は、国鉄と違って、いろいろだくさんの申請があるから一括して答えにくいと思うのですけれども、考えようによれば、答弁はごまかしやすいということにもなるのですよ。   〔理事小枝一雄君退席、理事林田悠紀夫君羊席〕 しかし、ごまかしじゃなくて、これは、個々の問題、影響するところは大きいので、たとえば大手私鉄の場合は一体どうするのか。これの申請の内容について経済企画庁として目を通して、そして運輸省と連絡をとって押えていく、あるいは一つの方向でもって指導する、こういうことがあるのかどうか、その点をお伺いしたいと思う。

佐藤一郎自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(佐藤一郎君) 御存じのように、十四社について目下検討をしておるわけでございます。できるだけ早い機会に決定をいたしたいと、こういうふうに考えております。

瀬谷英行日本社会党

○瀬谷英行君 決定をしたいということは、内容的には、これはもう二つに一つしかないのですよ、上げるのか上げないのかということですよ。その点については、上げないで済むのか、上げるということを認めざるを得ないのか、どっちかということですが、それはどうですか。

佐藤一郎自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(佐藤一郎君) 上げないか、上げろか、また、上げるとしてどの程度上げるか、そういうようなこと全体を含めて、まあこれからまた正式に、たとえば運輸関係等もあわせて決定をいたしたいと、こういうふうに考えておるわけであります。

瀬谷英行日本社会党

○瀬谷英行君 まあ、検討するということだけで、われわれのほうは見当がつかないのですが、しかし、問題が具体的ですから、イエスかノーかなんですよ、こういうことは。だから、どうしても上げなきゃならぬということならば、やはり政府としての見解を明らかにする必要があると思うのですよ。まあ一つの論文としては、私鉄の場合運賃を上げれば地価の安定を期することができるという説を述べている人もあるわけですね。はたしてそういうふうに器用にいくかどうか。運賃を若干上げさしてもらう、そのかわり、その沿線の地価は下げる、といったようなことが約束をされるならば、話はまた別になってくる。上げるほうの約束だけは守って、下げるほうの約束はほっぽらかしにされるということであったのでは、これは、利用者はたまらないわけです。  それと、今度は、私鉄の運賃とからんでくるんですけど、私鉄なり国鉄の沿線に住宅公団ではどんどん住宅を建てる、それと、公団の家賃のほうは、なるべく通勤区域が近くなるようなところに住宅を建てる、だから多少の家賃の値上がりはやむを得ません、こういう弁明も出てくるわけです。しかし、家賃が上がる、運賃も上がる、両方じゃ、これは立つ瀬はないわけですよ、利用者としては。家賃の抑制ということはこれまた大事な問題だと思うのですけれども、これは政府の政策が非常に大きくものをいうわけです。もし、じゃ運賃の問題を一応おくとして、じゃ家賃のほうはどうするのか。言われているように、野放しでもって値上がりするのを見送るほかはないのか、その点はどうですか。

佐藤一郎自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(佐藤一郎君) これは新聞等にも出ておりますが、四十六年度の住宅公団の概算要求の中身が伝えられておるわけでありまして、これをどういうふうに扱うかということは、これからいわゆる予算の決定を通じて政府がそれまでに方針をきめるべき問題でありますから、まだ上げると決して政府はきめているわけではありません。ただ、まあ、公団が要求を出している理由というのは、いまあなたの御指摘になられたように、できるだけ職住の接近をはかりたい、そのために遠隔地よりもできるだけ近いところを選ぶ、いわゆる立地の改善を行ないたい、あるいはまた、企画についてもだんだん改善を行なわなければなりませんが、その規模の引き上げをはかりたい、あるいはまた、住宅の高層化をはかりたい等々ということで、いわゆる質の向上も、こういうこともはからなければならない。で、そういうことになりますと、現在のコスト主義による限りにおいて、家賃の上昇を要求せざるを得ないと、こういう言い分で概算の要求をしておるところである。こういうことでございます。まあ、それらの実態を今後よくわれわれとしても検討をしなければなりません。いずれにしましても、住宅費が上昇しがちであるというのは、いわゆる土地の問題に主としてなる。あるいは、まあ建築費の問題もございますけれども、一方においては人件費が上がるが、一方において、またその他の面において合理化をはかりまして、建設コストの低減をはかる面もずいぶん余地は残っております。そうした基本的な、建設コストの低減、あるいは地価対策というようなことを行なってまいるのが、いわゆる住宅費の上昇を防ぐ基本的な方策でございますから、これはこれでわれわれとしてできるだけ推進してまいりたい、こういうふうに考えております。

瀬谷英行日本社会党

○瀬谷英行君 まあ、政府の経済社会発展計画というものの中には、「良好な住宅、生活環境を確保することは、国民生活の質的向上をはかるうえの基本である。」、こう書いてある。「住宅地価格の高騰をおさえるためには、土地の計画的利用や高度利用をはかり」ということも書いてあるわけですがね、書いてあるとおりになりそうもないから、われわれ心配しているわけです。じゃ、たとえば新しく建設される公営住宅の家賃がどのくらいになるという見込みなのか、その点をお伺いしたいと思います。

宮崎仁経済企画庁総合開発局長

○説明員(宮崎仁君) 四十六年度の家賃の問題は、いま大臣からお答え申しましたように、これからの予算編成上の議論によって決定されるわけでありますが、四十五年度の実績で見ますと、たとえば公団住宅の中層住宅の家賃というので見ますと、一万七千百五十四円ということでございまして、平均が五十三平米、一平米当たり三百二十三円、四四年度に比べて一〇%程度上がっている、こういう状況でございます。

瀬谷英行日本社会党

○瀬谷英行君 四十六年の見込みはどうですか。

宮崎仁経済企画庁総合開発局長

○説明員(宮崎仁君) 四十六年度は、概算要求で出しているのは、規模を五十五平米に上げまして、家賃としては二万六千二百円、こういう要求になっております。これを平米当たりにすると四百七十六円、対前年度四七%引き上げの要求になっておりますが、これはいま大臣からお話がありましたように、立地の改善、質の向上、その他いろいろのことが織り込んでございます。これがなかなか要求どおり通るというわけにもまいらぬと思います。その決定は、これから十二月ごろの編成の過程においてきまる、こういう状況でございます。

瀬谷英行日本社会党

○瀬谷英行君 もっと具体的にお伺いしますけれども、3DKという程度の間取りで、新しくできる公団住宅の場合は、どの程度の家賃でおさまるのか、その点をお伺いしたいと思います。

宮崎仁経済企画庁総合開発局長

○説明員(宮崎仁君) 四十五年度で申しました五一三平米ということは、大体3DKでございます。したがって、現状この程度——来年の問題になりますと、いま申しましたようなことで、これからの査定作業によるわけでございまして、ちょっとどの程度という見通しは私ども立っておりません。

瀬谷英行日本社会党

○瀬谷英行君 たとえば、建設費と地代の金利を引き下げるといったような方法で、家賃を現在計画をされているよりも安くするということは可能なのか、可能でないのか、また、そういうような意図があるのかないのか、その点をお伺いしたい。

宮崎仁経済企画庁総合開発局長

○説明員(宮崎仁君) 住宅公団の原資は、御承知のように、財政投融資でございますが、これは、資金運用部資金と、できるだけ金利の安い長期の資金を入れてやっておるわけでございます。この内容をさらに改善いたしますれば、それなりに家賃は下がってくるわけでございます。しかし、まあ財投原資そのものもなかなかこれは窮屈でございますから、実際問題として大幅にその点を改善をするということはむずかしい点があろうかと思います。したがいまして、昨年から傾斜家賃制度というようなものを取り入れまして、新築後五年間ぐらいの間の家賃をコスト家賃よりも下げるというような形で、家賃負担のほうを軽減するしいうことがとられておりますが、こういう方針も四十六年度にもとっていくことにしたい、こういうことで建設省は考えておるようでございます。私どもも、そういう考え方を推進したいと思います。

瀬谷英行日本社会党

○瀬谷英行君 じゃ、今度は運輸省関係にお伺いしたいと思うのですけれども、私鉄運賃の場合、いろいろコストの形成には要素があると思うのですけれども、こういう公団住宅をどんどんどんどん建てるということが私鉄の運賃にどういうふうに影響するのか、たくさん利用者ができることによってコストダウンができるかどうか、あるいは逆に通勤者だけが多くなるので運賃のコストダウンにはつながらないということなのか、その点は今後の運賃形成に影響があると思うし、そういう点では、公団は、私鉄あるいは建設省、運輸省といったようなところとの連携というものが非常に大事なことだと思うのです。特に私鉄の場合、これは国鉄でも大同小異だと思うのですけれども、特に私鉄の場合、これからの運賃がどういうふうにきまるかという問題と大いに関係があるので、その点、お伺いしたいと思うのです。

須賀貞之助運輸省海運局参事官

○説明員(須賀貞之助君) お答えいたします。  輸送力に余裕のある場合、団地ができてそこに住民がたくさん住みついて通勤通学で利用する、こういう場合におきましてはコストダウンという効果が結果としてあらわれてくる、こう思うわけでございます。輸送力がピークに達しておるという場合に、新たに輸送力増強あるいは新線建設、こういうような工事を行なわなければならないという場合には非常にコスト高になる、こういうことになると思います。

瀬谷英行日本社会党

○瀬谷英行君 それだけじゃ、ちょっと具体的にはわからないのですがね。じゃ、個々の私鉄は今日輸送力がどうなのか。どんどん住宅を建設をしても——建設をされて、そこに人が入るということを前提とするわけです。それらの人を運ぶだけの輸送力があるのかないのか、もしないとすれば、その輸送力を強化をする策はどういう方向に求めているか、運賃値上げという方向にいかざるを得ないのかどうか、という問題ですね。それから、その問題が出てきた場合に、政府として、——今度は企画庁長官にお伺いしたいのですが、その場合に、私鉄の運賃を抑制をする方法としてはどういうことを経企庁としては考えるか。これは関連した問題ですから、企画庁長官としてやはりお考え願いたいと思います。この二点についてお伺いして、質問を終わりたいと思います。

須賀貞之助運輸省海運局参事官

○説明員(須賀貞之助君) ここ七、八年前の輸送力、いわゆる輸送能力に対します輸送需要というものが非常にオーバーでございまして、いわゆる乗車効率というものであらわれるわけでございます。朝の一番ラッシュ時一時間当たりの乗車効率  乗車効率と申しますのは、定員百名に対して何人乗るかと、こういうことでございますが、乗車効率が二五〇%程度にまでなったわけです。これをできるだけ下げよう、混雑率を緩和しようということで、輸送力の増強工事というものを数度にわたってやってきたわけでございまして、現在、第三次の輸送力増強計画をやっているわけでございます。これには二二〇%まで落ちておりますので、まあもっと混んでもいいということであれば、かつて二五〇%まで行ったものでございますので、その程度まではしんぼうはできないことはないと思うわけですが、今後どんどん住宅ができるということになってまいりますと、これはパンクするということになるわけでございます。この輸送力増強工事も前向きにやって、かろうじて現状を維持し、あるいは若干ずつ乗車効率を低下させるという段階であるわけでございます。まあ、これには、現在は、六両連結を八両連結にする、あるいはホームの延伸をする、車両の増備をする、こういったようなことでやっているわけでございますが、住宅団地がたくさんできるというところにおきましては、多摩ニョータウンでもいま計画されておりますように、新しい線路を建設するということを計画しているわけでございます。

佐藤一郎自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(佐藤一郎君) いま必ずしも御趣意ははっきりしなかったのですが、要するに、輸送力の増強の結果として私鉄運賃を計算上上げざるを得ないときにどう対処するかということの内容に私は理解したのでありますが、まあこれは、一面において収入の増加があり、一面においてコストの上昇をもたらしているわけであります。しかも、また、それに応じて、土地の開発等による利益というものも入ってくるかもしれません。これらを総合的に見まして、そうして私鉄の経営というものの立場から見てどうしても成り立たない、こういうときには、もちろん値上げの問題が起こるかもしれませんが、これらはやはりそのケースによって具体的に認定する以外にはないのじゃないかと思っております。

林田悠紀夫自由民主党

○理事(林田悠紀夫君) 阿部君。

阿部憲一公明党

○阿部憲一君 秋になりまして、非常に食料費、それから衣料費などが軒並み値上がりするというような動き、あるいは値上がりしたものもありますが、これと並行して、来年度の予算編成になりまして、各省から公共料金の値上げの動きがあります。聞くところによりますと、郵便、電報、電話、さらに国鉄、公団住宅の家賃、あるいは健康保険料、授業料、いろいろあるようでございますが、これらの公共料金に対して、長官、どのようにお考えになっておりますか、対策をお伺いしたいと思います。

佐藤一郎自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(佐藤一郎君) いろいろと伝えられておるのでありますけれども、概算要求に出てきておりますのは電電公社だけであります。電電公社の問題だけがございます。これも、電報料については、要求として、御承知のように、たいへんに赤字であります、こういうことで、これはむしろ、値上げというよりも、電報制度を基本的に改革をして、もう無理してまで電報を使う必要がない御時勢なんだから、そういうものについては、むしろもう、やめるべきものはやめると、こういうような気持ちの改正案のように思われます。まだ私どもも要求を詳しくは見ていないのですが、そういう要素が多分にありますし、電話のほうは、いわゆる市内と市外とのバランスをとるのだと、全体としては増収にならないようにするのだと、これはいわゆる値上げとは違うという説明を持ってきておりますが、これらはよく中身を今後検討いたしまして、そうして対処したい、われわれとしては、公共料金一般に臨む態度と同じように、極力合理化をはかってもらって、いやしくも便乗値上げになるようなことのないように十分しんしゃくしなければならない、こういうふうに考えております。

阿部憲一公明党

○阿部憲一君 総理府の発表によりますと、七月の消費者物価指数は、野菜が値下がりしたにもかかわらず、六月に比べますれば〇・七%、昨年の同月に比べて六・二%上昇しております。また、東京都区部の消費者物価指数も、八月は七月よりも〇・三%上がっておりますし、これによって全国の消費者物価指数も〇・三%前後上昇すると予想されておるわけでございますが、今後加工食品、調味料などの値上げが予想されますので、それを加えますと、本年度の政府の見通しの四・八%というのはちょっと無理な目標じゃないかと思います。すでにもう、今年の上半期におきましては、前年同期に比べて七・八%上昇したと報道されています。この辺について大臣のお考えを承りたいと思います。

佐藤一郎自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(佐藤一郎君) まあ、御存じのように、最近までの値上がりの中心をなしておりました季節商品につきましては、その中で出入りございますけれども、全体としてはだいぶ鎮静してまいってきております。もっとも、これからのちょうど時期を迎えまして、あるいは多少値上がりの問題あるかもしれませんが、昨年のあの特別な事情による値上がりというものから見ますと、正常化してまいるものというふうにわれわれのほうは考えております。まあ、季節商品以外のもので、じりじりと値上げの傾向のあるものもございます。そういうことでありますから、なおわれわれとしても、できるだけこの価格対策の推進をはかってまいらなければならぬと思っていますが、いまの結論的な点については、まあそうした情勢を加味してみまして、なおしばらく情勢を見る必要があるんじゃないかと、こういうふうに考えています。まあ、四・八%という目標をそう離れるようなことが起こるというふうには私のほうは見ていませんので、もう少し情勢を見てみたいと、こういうふうに考えています。

阿部憲一公明党

○阿部憲一君 値上げのうちで、ごく最近、石油製品の値上げが発表されたようでございますが、要するに、卸値段が上がって、結局小売り値段に波及すると思いますが、これには、最近のタンカーの運賃の急騰なども大きな要因でしょうし、それからまた、先ほど触れられました公害対策費などが石油精製業者としてはコスト高ということで値上げの発表を行なったのだと思いますが、この公害対策費でございますね、これは、もちろん、先ほども大臣がおっしゃられたように、当然これは企業の中で負担する、コストの中へ入れたいで企業自体において消化するというのが第一だと思いますけれども、現実の問題におきましては、先ほども大臣も言われたように、コストには違いないのでして、これは消費者に振りかえるか、企業の中で消化するか、これはまた次の問題になりますが、おそらく私は、これはコストとしてある部分、全体と言わないでも、ある部分が消費者に転嫁されるということは、とりもなおさず、物価にはね返ってくるわけです。この石油に限りまぜず、このような公害産業といいましょうか、公害発生産業の製品、これはまあ公害対策費がふえたということで、おそらく石油と同様に、いまのパルプ、紙類、あるいはアルミナとか、いま出ているものだけでも相当ないろんな品種に及ぶと思いますけれども、これは、結局は物価全体にも影響を及ばさないとは私は考えられません。  そうしますと、このような公害対策費がコストに入ってきて、これが単に一、二種類のみじゃなく、鉄鋼はじめ、おそらく、非鉄金属、あらゆる材料、商品に影響してくると思いますが、そうしますと、先ほどお伺いしましたような、今年度の物価を四・八%でとめるということが、今日、新たじゃないけれども、公害対策費がこれほど増加するということは、おそらく、この前の新経済社会発展計画をおつくりになるときには、それほど深刻には計算されていなかったのじゃないかと思うのであります。そうしますと、結局、今年度の四・八%の物価上昇率、それからまた、この見通しとしての平均四・二%ですか、最終年度は三%台にするというような計画自体に、公害対策費というふうな一つの項目が入る、モメントが入るということによって影響を受けるのじゃないかと思いまするが、もっと突き進んで言うならば、そのためにも、多少このような数字をいらわなければならぬのじゃないかとも考えられますけれども、この辺について大臣のお考えを承りたいと思います。

佐藤一郎自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(佐藤一郎君) 石油につきましては、いま通産省で調査をしてもらっておりますが、公害ということで、すぐに便乗的な値上げは私は許されないというふうに、もちろん考えております。ただ、公害の経費全体を見まして、いま阿部さんも御指摘になりましたように、できるだけ企業の中で吸収してもらわなければなりませんけれども、それでも、ものによって、どうしてもコストとしてかかるということで、一部上がるというようなものが今後出てくるかもしれません。まだ私は、そこまでの段階には来てないと、全体として思っています。もちろん、一つの種類の商品が個別的に上がりましても、物価水準全体として、われわれとしては、とらえていかなければなりませんから、それをもって直ちに全体が上がるというふうに言い切る必要もないというふうに考えております。まあ、八月の東京都が四・八%ですか、そうしたことも考えながら、もうちょっとこれは模様を見ていいのじゃないかと思っています。率直に言いますと、毎月上昇率は下がってきているわけです、御存じのとおり。上昇率の下がり方が、率直に言いまして、われわれが期待したよりも下がり方がちょっとおそいような気がするのでありますが、今後の情勢というものは、昨年と比較しまして、事情の改善はだいぶ一面にあるわけであります。値上げの面だけが伝えられておりますけれども、全体としての模様から見まして、この四・八が、いまもうだめになったのじゃないかという議論は、まだわれわれとしてはとっておらないわけであります。

阿部憲一公明党

○阿部憲一君 大臣のお考えのように、あまり公害問題あるいは公害対策費などが物価にはね返らないような事態を私どももちろん望んでいるわけでありますけれども、事態が相当深刻でございますし、鉄鋼業者なども、現在の設備にさらに一割以上も設備費としてかけなければならぬとか、アルミのごときは、ほとんどこれから新しく工場を増設するということは非常にむずかしくなった。また、御承知のように、最近一番問題になっている田子の浦のパルプのあれなんかでも、御承知のように、全国の四〇%を生産しています。一割五分だかの操短も発表しているわけですけれども、おそらく、もっと操短しなければならないような事態になるのじゃないか。そういうようなことを考えますと、いろいろとその影響が物価の面であらわれはせぬかということを私ども非常におそれているわけです。あらわれないように、ひとつ政府の強力なる指導をしていただきたいと思います。  なお、先ほど実は長官のお見えになる前に、いろいろ論議されたのですけれども、例の酒の問題ですが、これは、先月の半ばごろから酒の値上げがぼつぼつ業者から発表された。これでふしぎに思ったのは、みんな値段が同じ、一、二級酒が六十円、特級酒が九十円だということ。しかも、つい今日まで見ますと、酒を自売している業者がほとんどといっていいくらい、七百社ですか、全部値上げを発表した。結局、これは相当の、何といいましょうか、何かやみ協定でもあるのじゃないかというようなことを思っていたわけです。ところが、昨日の新聞並びにけさのラジオその他でもって聞いたところによりますと、それが実は国税庁がリーダーシップをとったと言い切れるかどうかは別としまして、要するに、六十円、九十円というプライスを、何かある程度指示したようなふうに見受けるわけであります。いずれにしても、全国一斉に酒の値段を上げてしまうということは、物価にもはね返りますし、ことにこれは政府がある程度関与したようなかっこうで物価値上げに協力した。先ほどから国税庁の担当官は、これはそうじゃない、押えよう押えようと思ってここでとめたのだという言い方をされておりましたけれども、結果から見れば、それだけ一斉に値上げするわけでありますから、政府は相当関与したというふうに見られるのですけれども、これについて、物価の担当大臣であられる長官のお考え方を承りたいと思います。もちろん、私は、国税庁当局のいままでとってこられた酒についての方針というものにも相当反省するところがあるのじゃないかと思いますし、また、そのようなことに便乗して、それで全国の酒屋さんの大部分が値上げに踏み切ったということは非常に遺憾に思います。そのようなことに対してどのようにお考えになるか、また、これにどのように対処をされるか、物価安定の立場からお考えを伺いたいと思います。

佐藤一郎自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(佐藤一郎君) まあ、今度の酒の値上げは、われわれも非常に遺憾と思っておりますが、われわれとしては、十分国税庁に申し入れを行なったわけであります。今日におきましては、われわれとしては、個別的なものにつきましては役所の行政指導に期待する以外にないわけなんですが、その結果が、いま御指摘になりましたように、国税庁としてはできるだけ押えたつもりだ、しかし、結果的にそれを横から見ると、国税庁の指導でもって、業者の申請とは違うけれども、結果的には値上がりを来たしたような形になっておるということで、関係省を通じてできるだけ抑制方を要求するというこのやり方の問題、なかなかむずかしいところがあるように私たちも感じておるのであります。今日としては、私たちは、関係省の行政指導を通ずる以外には個別価格についてはいかんともなしがたい。結果としては、われわれとしては上げないようにという強い希望を表明し、かつ、カルテルにつきましても、これをもやめさせるべきである、もしも値上げを強行するというようなときにはカルテルの解散を命ずべきであるという、こういうふうな申し入れを行ない、また、最近においても再度その申し入れを行なっております。こういうふうに、まだ全部ではもちろんありませんけれども、相当数のものが値上げをするというようなことになってまいりますると、これはやはりカルテルの解散問題を早急にひとつ公取委員会において検討してもらわなければならないというふうに考えております。国税庁としても、おそらく当然そうした一定の計算があってやったものと思いますけれども、われわれとしては、これをこういうふうに簡単に見込まれたことについては非常に遺憾に思っております。どうも、いわゆる酒の業者の経営という問題と、それからいわゆる価格の問題、この問題が一体両立するかどうかという基本的な問題にも触れる問題があるように思います。結局、いわゆるコストの高い経営というものを温存するかどうか、やはりそうした決意にかかってくるのじゃないかというふうにも感じられます。そうした問題を控えて、国税庁としてああいう指導を行なったのだと思いますが、ここのところは、経営をどういうふうにするか、そこいらの基本的な方針にもかかわる問題でございますし、われわれとしては、いずれにしましても、値上げというものがこういうふうな形で行なわれたことはきわめて遺憾でありますから、ぜひひとつ、このカルテルの解散を実現してもらわなければならない、こういうふうに考えております。

阿部憲一公明党

○阿部憲一君 時間がありませんので、急ぎます。  先般、佐藤総理の御発想で、ジュースが緊急輸入されたと聞いておりますけれども、それが実際にはどのようにジュースの値段に影響を及ぼしたか。要するに輸入が生かされたかどうか。新聞に書いてあるところによりますと、そのままかん詰めにして安く出回ったのは約一割強で、あとは国産ジュースと混合されて高い価格で売られた。結局、業者、メーカーの利益をふやしただけであるというように報道されておりますけれども、この辺、いかがですか。実情をお知らせいただきたい。

宮崎仁経済企画庁総合開発局長

○説明員(宮崎仁君) 先般、ジュースの輸入の問題につきまして、農林省を通じてそういった施策がとられたわけでございますが、これは輸入割り当ては実需者に割り当てるということで商社を通じまして輸入が行なわれ、そして、それぞれのところに渡ったわけでございますが、この配分がどういうふうになったかということについて、いま手元に資料は持ち合わせておりません。しかし、一部は国内のジュースと配合されて売られたという形で、どうもあまり価格の引き下げという面に役に立たなかった面があるということのようでございます。この点については、私どものほうとしても遺憾だと思っております。農林省のほうにも、こういった点についての申し入れをいたしましたが、何ぶんにも、この点についてのはっきりした指導というものを行なうことができなかったようでございます。今後の問題として、ひとつわれわれも十分考えなければならぬと思っております。

阿部憲一公明党

○阿部憲一君 同様なことで、韓国ノリについても、何かノリの価格に対してあまり影響を与えなかったということでございますが、これは、御承知のとおりかと思いますけれども、国産品とわざとまぎらわしく業者が売ったり、あるいは国産品が高騰すれば韓国ノリを高く売ったり、また、倉庫に保管して品薄になるのを待つ、このようなことで、合理化、近代化対策を早急に実施しなければ、せっかくの輸入したことが物価の安定に寄与しないというようなことになるのじゃないかと思います。これに関連しまして、輸入されている食料品関係に非常にふしぎな、何といいましょうか、メカニズムがあるような気がいたします。要するに、あるメカニズムでもって輸入品の価格が上げられて、せっかく輸入したにもかかわらず国内の物価を引き下げる作用をしないというようなこともあらわれているわけでございます。たとえば紅茶、これはCIF価格で一ポンド二百三十円、これが消費者に渡るときには九百円から千円になっている。また、グレープフルーツ、これは三倍ぐらいになっているのが普通であります。また、ジョニーウォーカー、この黒などは、いま御承知のように一万円で売られております。十倍になっているわけです。物価の安定対策として、輸入の促進、自由化、それから流通機構を整備しよう、近代化というような対策につきましては、大臣のお答えとしていろいろと承った、先ほども承りましたが、このような輸入品に対しても実効のある処置をとるべきじゃないかと思います。その辺の事情、対策をお伺いしたいと思います。

佐藤一郎自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(佐藤一郎君) 御指摘の点が実はわれわれも悩みの種でありまして、輸入を増加するだけではなかなかだめでして、結局、ほんとうに自由化してしまう、やはり徹底的に自由化してしまわないと、とかくいま御指摘のような事態が起こりがちであります。もっとも、自由化したものについてもそういう事態がないとは限らないのですけれども、まあ自由化してしまいますと、輸入割り当てによるものよりは、ずっとその事態は改善されます。いずれにしましても、私たちは輸入を自由化し、もしくは輸入を増加し、促進するというかたわら、同時に、その輸入の価格がただいまのような結果におちいらないように、流通機構についても注意を喚起するということで、各省には、くどいくらいにこの問題を十分に要求をしておるのであります。もっとも、この中には、先ほど御指摘になりましたジョニーウォーカーのように、もうそのジョニーウォーカーの英国におけるメーカー自身が国際的な一種の独占的なメカニズムでありまして、そして日本のソールエージェンシーというものが完全に独占価格として握っておる。こういうものは実は国際的な関係のものですから、一体これはどういうふうに措置していいか、これは非常にまだ検討を要する段階の問題でありまして、これにつきましても、今後、そういう国際的なものについての対処のしかた、これを関係省間でもって相談をしなければならぬ、こういうことになっておりますが、いずれにしましても、特に農林関係に多いのでありますけれども、どっちかといいますと、消費者の立場が弱いといいますか、そういうこともあるんでしょう。原材料価格なんかでありましたらば、入れるほうの企業も発言が相当強いですから黙ってはいない、こういうことがだいぶ違う。商品の性質によっても違うのですが、食品関係のものについては、特に農林省がよほどそういう気持ちを持って行政をやってもらわないと、うまくいかないと思うのです。率直に言いまして、私は、今度のジュースの問題の一例をとりましても、農林省においては、よほどこの際十分にその点について、反省というか、再検討してもらいたいというふうに考えているくらいでありまして、物価対策閣僚協議会においてもそうした問題は取り上げるつもりでおりますが、今後、そうした輸入、それに連なるところの流通機構の問題、これをひとつ十分関係各省とも相談いたしまして、そうした事態の起こらないように指導してまいらなければならぬ、こう思っております。

阿部憲一公明党

○阿部憲一君 最後に一つ。  十月一日から発足するということで、例の、国民生活上の各種の問題の解決をはかるために国民生活センターが設立されるわけです。御承知のとおりです。その準備状況、もう十月もすぐでございますけれども、どのように進んでいるか、簡単に。

宮崎仁経済企画庁総合開発局長

○説明員(宮崎仁君) 国民生活センターにつきましては、十月一日に発足という予定で、現在、人事その他の点を進めておりまして、明日設立準備委員会を開催するという予定になっておりまして、予定どおり発足したいと考えております。

阿部憲一公明党

○阿部憲一君 これはちょっとほかから聞いたので、当を得ているかどうか知りませんが、現物出資している土地、高輪ですか、あれが何か、ほかの建物、税務署の建物かなにかできる、そのようなことで、国民生活センターの出発が、要するに予期されたような計画どおりにいってないように聞きましたけれども、この辺、心配ないのでしょうか。

宮崎仁経済企画庁総合開発局長

○説明員(宮崎仁君) このセンターの使用します建物は、いまお話しのように、品川税務署、現在建設が進行中でございますが、この三階以上と、それから別棟を使ってやっていくということで、いま建築の設計ができております。建築工程そのものは大体予定どおりのようでございますが、いずれにしましても、これができ上がりますのは来年になります。そこで、当面は適当なビルを借りまして、そこでまず発足をする。そして建物ができましてから本格的な業務を始める。こういうことでございます。

林田悠紀夫自由民主党

○理事(林田悠紀夫君) 渡辺君。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 すでにほかの委員からも幾つかの点で質問がございましたが、私も、来年度予算の概算要求に関連して、各種の公共料金の大幅値上げの方針が一斉に発表されている。この問題につきまして長官に伺いたいと思います。  先ほどの御答弁の中では、概算要求として出ているのは電電公社の値上げだけだというふうなお答えがございましたけれども、しかし、新聞などで見ておりますと、各省関係の公共企業がそれぞれ値上げ案を安易に発表しているということは、私は大きな問題だと思う。それで、電話料金、電報料金のお話は先ほど出ましたけれども、そのほかにも、郵便料金の値上げ、これも出ております。それからまた、国鉄運賃も、おそらく来年はかなり大幅な値上げになるのではないかというようなことも出ております。そしてまた、医療費、国立大学の授業料、これも値上げされるだろう、あるいは公団住宅、公営住宅、公庫住宅、これらの家賃も一斉大幅な値上げというようなことが新聞で出されている。これは、根拠がなくて新聞が書いていることじゃないと思う。ですから、概算要求に正式に盛り込まれているかどうかということではなくして、各省の関係している各公共企業がそれぞれ安易に値上げ案を発表しているということは、私は大問題だと思う。もし、このような公共料金の一斉大幅な値上げを許したらどうなるか、私は、来年度は公共料金を先頭とする消費者物価の大幅値上がりは避けられないだろうというふうに思います。ことしは公共料金のさしたる値上げというのはなかった。まあタクシーその他はありましたけれども、しかし、ここに発表されているほどのことはない。しかし、それにもかかわらず、きょういただきましたこの経済企画庁の資料を見てみますと、四十五年一月から八月までの消費者物価の総合指数が出ております。どれを見ましても、政府のことしの物価上昇見通しの四・八%をはるかに上回っているというのが実情じゃないでしょうか。こういう事態に加えて、来年度公共料金が一斉大幅に引き上げられるというようなことになったら、来年の物価問題はたいへんなことだと思う。  そこで、私は長官に伺いたいのですが、経済企画庁はやはり物価担当の庁だと、各省がそれぞれの理屈をつけて公共料金を引き上げたいということをやっているわけですけれども、したがって、押えるのは経済企画庁の役割りだと思うのです。こういう公共料金の一斉大幅な値上げの意図、これに対して経済企画庁としてどのように対処されるのか、賛成されるのか、反対されるのか、この点をまず伺いたいと思います。

佐藤一郎自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(佐藤一郎君) 概算要求では電電公社のみであるということは間違いありませんが、いずれにしましても、新聞に報導されているというのは、まことに遺憾であります。もちろん、具体的には個々の問題として取り上げて十分審査をいたしますけれども、われわれとしても、もちろん値上げに賛成するわけはございません。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 両面を言われましたね。具体的には個々に問題を審査し、しかし賛成はしない。しかし、ここに問題があると思うのです。公共料金の値上げに賛成しないのか、原則的にですね、それとも、また、場合によっては値上げを認めるのか、ここに問題の分かれ道があると思うのです。その点、どうでしょう、経済企画庁としての原則的な立場は。

佐藤一郎自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(佐藤一郎君) 従来から、公共料金については極力これを抑制する、こういう方針で臨んでおります。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 そういうことばは、たびたび私伺いましたよ。しかし、私鉄運賃の場合、どういう現象があらわれたか、結局のところ、私鉄経営が赤字だとかなんとかいうふうなことを理由づけて、まず経済企画庁が賛成する、そして最後に佐藤総理に押えられる、今後どうなるかわかりませんけれども、そういういきさつがはっきり示しているじゃないですか。いまおっしゃった長官のおことば、これ、堅持されないということでしょう。私の伺いたいのは、総理も、それから長官も、施政方針演説の中で、はっきり言われた。物価問題を最重点施策として考えていくんだ、これはその後も何回も言明されておられると思う。物価問題を最重点施策として考えるということは、公共料金の値上げ等の問題が起こったときにどういう態度をとるかということで考えてみれば、とにかく公共料金の値上げは押える、そして公共料金の値上げを押えて、そこから問題が起こるならば、公共料金の値上げを押えるということを前提条件としてそれを考え、対処していくということじゃないでしょうか。どうでしょう、その点は。

佐藤一郎自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(佐藤一郎君) 公共料金を値上げした例があるからといって、公共料金の抑制の原則が立ってないというのは言い過ぎでしょう。とにかく原則としてこれは押える、そういう方針でもってすべて審査もしておる、これに間違いございません。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 原則として押えるという立場を堅持してほしいと思うのですね。個々の場合に審査して、そして、やれ経営が赤字である、それだったら、物価を重点施策にするというその原則はいつの間にやらほうり投げてしまって、今度は経営を維持することが最重点施策ということになってしまうのじゃ、物価抑制というのは最重点施策だといくら言明したって、そうでないということになってしまう。その点、重ねて伺いたい。これほど公共料金の一斉大幅値上げが行なわれようとしておる。その点について、経済企画庁として断固としてこれを押える、そのために活動するかどうか、どうでしょう、その点。

佐藤一郎自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(佐藤一郎君) だいぶ新聞の報道を前提にして言っておられるようですが、われわれ、あんなに値上げをする気なんかさらさらございませんから、その点はひとつ御安心ください。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 答弁にならぬと思うのですね。  具体的に伺いましょう。佐藤内閣には物価対策閣僚協議会というのがあると思うのです。一体、この物価対策閣僚協議会で、経済企画庁長官は、この公共料金の引き上げ1概算要求の中には電電公社の問題が出ていると言われますけれども、この一つでもいい、あるいは将来起こるだろうと思われる国鉄運賃の値上げ、あるいはその他の値上げ、これについて物価対策閣僚協議会で経済企画庁長官は反対の立場を堅持されて、佐藤内閣の物価抑制方針というのは押し通す——物価を抑制するのだするのだと言っているんだから、公共料金は押し通すつもりがあるかどうか、その点、どうでしょうか。

佐藤一郎自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(佐藤一郎君) いずれにしても、われわれとしては審査をしなければならぬことですから、これからの適当な機会に、そうした問題が起こりましたならば、第一に値上げであるかどうかの根本から十分に審査をしなければなりませんが、いまの方針によってできるだけ処置してまいりたい、こういうふうに考えております。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 それでは、次に移りましょう。——長官の考え、ある程度わかりました。非常にあぶなつかしいですね。どうも歯切れの悪い御答弁ですよ。私は、やはり、物価の問題を責任を持ってやられるのならば、はっきりと、公共料金の値上げ、これは絶対させないようにがんばりますと言ってほしいと思う。個々に審査して考えるというようなことでは、いつひっくり返るかわからない。そういうことじゃないでしょうか。  次に、カラーテレビのいわゆる価格モデルの問題、この点について伺いたいと思うのです。御存じのように、アメリカでのダンピング問題、これがだいぶ騒がれている。あるいは公正取引委員会が、カラーテレビ業界に独禁法違反の価格協定をやっている疑いがあるという審決案をつくるというようなことで、カラーテレビの国内での価格の不当なつり上げ問題が問題になりました。電子機械工業会が、御承知のように、価格モデルなるものについて公表しました。ところが、この価格モデルなるものが実情に反したものだ、インチキだという声が非常に強いことは長官も御存じだと思うのです。たとえば、当時の新聞を拾ってみただけでもはっきりしますけれども、朝日新聞の記事でもこういうことを言っております。八月二十九日ですが、「「カラーテレビの国内価格が高すぎる」という消費者の一般的な不信と疑惑を、とうてい晴らすことはできない」ということを言って、おりますし、また、読売新聞は、消費者の期待を大きく裏切るものだというふうな評価をしています。  私どもも、この価格モデルなるものの真偽について調べてみました。この価格モデルについては、大体アメリカへ輸出する卓上用の一九型のテレビで計算されている。ところが、国内で販売されているものは大体デラックスのものが多い。この点でも実情に反しているし、また、製造原価あるいは流通経費、これが過大に評価されているんじゃないか。また、正札価格では十四万八千円という値段がついているけれども、実際は十万円程度で売られているというようないろいろな問題点がありました。私ども調べてみまして、特に流通経費の点で申しますけれども、小売り店の経費は、価格モデルによると三万二千五百六十円、二二%というふうに公表されているわけですけれども、実際は一万円程度だ、それから卸の経費は一万一千八百四十円、約八%と公表されているが、実際は一万円程度だというのが実情です。製造原価ですけれども、公表された価格モデルによると六万四千八百円、こういうことになっております。これは、おそらく、輸出の船積み価格が六万四千八百円ですから、ダンピングをやっていないということを示すために、これに合わせて発表したものだと思う。これもインチキじゃないかと思うのです。そのインチキだという理由は、小売り店の経費など実際かかっている費用を計算して調べてみますと、大体諸経費が五万八千八百円になります。実際売られている値段は約十万円ですから、この十万円の販売価格から流通経費五万八千八百円を引きますと、四万一千二百円というのが、ほぼ製造原価だと見て差しつかえないのだ、大体私どもの調べたところだと、そういう数字が出ます。それから読売新聞でも、製造原価は四万円程度だというふうに言っている。ほぼわれわれの調査と近いです。ですから、この価格モデルというのはインチキだということは明らかじゃないかと思います。  事実、おとといの毎日新聞によりますと、七日の日に、家庭電機大手六社と、それから小売り商の組合ですけれども、全国電器小売商業組合連合会、これが会談をやっている。その席上で小売り商の組合から突き上げられて、あの価格モデルというのは実情に反している、特に流通経費はあまり多く見過ぎているということで攻撃されて、ついにメーカー側は何と言ったかというと、「全電商連のいうように実態に即さず結果的には不信感を強めてなんら役に立たなかった点を反省している。まずかったと思う。発表したことは間違いだった」と頭を下げている。メーカー自身があの価格モデルはインチキだったということを、あらためて自認した。そういう問題が起こっているのです。  そこで、物価対策という点から、この問題は私は非常に重大だと思う。このカラーテレビが実際の費用よりもはるかに高く国内でつり上げられて売られている。アメリカでは、その国内での高い値段ということを条件として、ダンピングが行なわれている、こういうことだと思う。これは経済企画庁としても当然メスを入れて調査すべき問題だと思います。この点、どういうふうに対処なさるのか、実情をお調べになるのかどうか、その点をお伺いしたいと思います。

佐藤一郎自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(佐藤一郎君) このカラーテレビのダンピング問題、われわれも大いに関心を持っております。そこで、さっそく通産大臣に直接に申し入れをいたしました。通産省としても、至急にこの実態の把握につとめる、価格の形成や流通機構の実態について至急に調査を進める、こういう約束をしてくれました。それに基づきまして、いま通産省が用意をしていると思います。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 これは担当閣僚にまかせておくわけにいかぬと私は思うのです。これは非常に大事な問題です。一カラーテレビの問題だけじゃないと思うのです。日本の大メーカーのつくった価格の形成の問題についての一つの典型だと思うのです。そういう意味で、物価問題という見地から重要だと思うのです。これは、この物価等対策特別委員会でも、私は、この問題の実情、これを明らかにする必要があるのじゃないかというふうに思いますが、そういう意味で委員長にお願いしたいのですけれども、このカラーテレビのメーカーの団体ですね、電子機械工業会、ここの責任者をこの委員会に呼んでいただいて、証人としてですね、そうして、いろいろこの実情について検討をさしていただきたいと思いますけれども、この問題、ひとつ理事会でも御検討いただきたいと思います。

林田悠紀夫自由民主党

○理事(林田悠紀夫君) 理事会であとではかりまして、善処いたします。  ちょっと速記をとめて。   〔速記中止〕

林田悠紀夫自由民主党

○理事(林田悠紀夫君) 速記を起こして。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 やむを得ないから、続きで長官に伺いましょう、一問だけ。  いま申しましたように、このカラーテレビの問題というのは一つの典型にすぎないと思うのですね。アメリカでダンピンングだといって問題にされておる商品、これはたくさんまだあると思うのです。けさの新聞記事によりますと、日本製のコンデンサーも、すでにアメリカの財務省から関税評価差しとめ命令を受けたというようなこともありますし、そのほかたくさんあると思います。それからまた、国内で、大メーカーの製品が実際の値段よりも高くつり上げられているのじゃないかということは、もう世論になってきているのじゃないかと思っております。ですから、やはりこういう、われわれのことばで言えば、独占価格あるいは管理価格とも呼ばれておりますけれども、問題は、こういうものを調査する必要な権限を持った公の機関がない、ここに私は問題があると思います。今度のカラーテレビの問題が実にこの問題を明らかにしたと思います。この問題は物価対策の大きな抜け穴だと思いますけれども、これについての立法上もしくは行政上の措置を経済企画庁としてどのように考えていらっしゃるか、その点を伺いたいと思います。

佐藤一郎自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(佐藤一郎君) 私は、今度のダンピング問題を契機にいたしまして、あるいはさらにほかにもそういう事態がある場合には、大いにこういう機会を利用してわれわれとして調査を進めるべきであると思っています。現在の制度のもとにおきましては、こうした機会というものは非常に一つのチャンスであろうと思うのであります。いま管理価格全般についてお話がありましたが、先ほども、担当省だけではもの足りないというお話がありました。率直に言いますと、現在の経済企画庁は、そういう調査を自分が直接するという仕組みになっていません。また、したがって、それに対応したスタッフがないということであります。私は、ですから、かねがね申し上げておりますように、これは公取とも十分相談しなければいけませんけれども、比較的そうした調査機能を持っておる公取等に、そうした調査をやってもらうようなその権限を付与するように、そうした方向でもってやはり解決するのが実際上適切ではなかろうかというふうに、いまのところ感じています。これは十分公取とも相談をして、この問題について進めていく必要があろうと、こう考えております。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 長官が帰られましたので、長官に伺いたいことを、あなたに伺わなければならぬということで、その点、了解の上で御答弁いただきたいと思います。  公正取引委員長の谷村さんが、いわゆる谷村構想というものを発表されておりますね。そのうちの一つとして、政府機関にこの管理価格などの調査をする機関をつくったらどうかというような提案があったと思うのです。いまの企画庁長官の御答弁によりますと、公正取引委員会にそのような権限を付与したらどうかと思っておるというようなおことばがありましたけれども、この谷村構想に沿ってそのように考えていらっしゃるのかどうか、その点、どうでしょう。

宮崎仁経済企画庁総合開発局長

○説明員(宮崎仁君) 公取委員長から、先般長官とお会いになりましたときに、いわゆるこの管理価格の問題に関連いたしまして、何か一種の監視機構といいますか、そういうようなものを考える必要があるのではないかというようなお話がございました。そしてまた、そういう趣旨をこの物価特別委員会等でも若干御発言になっておるようでございます。私どもといたしましても、いま大臣がお話しいたしましたように、何といっても、こういった問題についての実情把握というのがはなはだ不十分であるという状況でございますので、そういった調査機構の充実というようなことを、まずとりあえず考えていく必要があるのではないか、また、私どものほうの中にあります、たとえば物価安定政策会議の調査部会というようなものがございますが、そういったようなところにおいても、こういう問題の一般的な検討をするかどうかというような点を少し検討いたしております。また、事務当局といたしましても、来年度こういった調査機構の充実を若干ひとつお願いをして、そうして少し本格的に取り組めるような体制に持っていくということで、いま予算の要求等をいたしております。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 別に、いまおっしゃった点に反対しながら申し上げるわけじゃないのですけれども、私どもの党は、以前から国会にそういう独占価格を調査する必要な権限を持った機関をつくるべきだということを主張しております。このわが党の主張は、これは別に非現実的なものじゃないと私は思っているのです。いまの日本の条件からいって、やろうと思えばできることなんです。特に、アメリカで議会内に、ご承知の反トラスト・独占小委員会というのが設置されておる。特にその上院の小委員会は有名なキーフォーバー委員会と言われておりまして、鉄鋼だとか、医薬品だとか、自動車、それからパン、こういうような産業の独占価格の実情をかなりよく調べて、このことによって、アメリカ国内での反独占の動きにある程度の寄与をしているというような実情があるわけですね。私は、いまのカラーテレビの問題に一つ典型的にあらわれておりますけれども、大企業の製品の不当な価格つり上げ、これを調査するために、やはり国会に、必要な権限を持った機関を設けるべきだと思いますけれども、その点、どうでしょう。

宮崎仁経済企画庁総合開発局長

○説明員(宮崎仁君) 国会にそういう機関をつくるかどうかという問題について私が御意見を申し上げるということはいかがかと思いますが、御指摘のように、たとえばアメリカの場合であれば、キーフォーバー委員会というものがあって相当な活躍をしておる。また、イギリスの場合の機構等につきましても、いろいろと勉強いたしております。こういった機構をどういうふうに考えた方がいいかという問題そのものが非常に重要でございますけれども、先ほど申しましたように、この管理価格というような問題については、何といっても実情把握が不十分であるというような状況から見まして、まず、そういった実情をしっかり調査をして、そうしてその上でわが国の経済体制、わが国の実情に合ったやり方というものはどういうことか、こういうことを考えていくべきであろう、そういうことで、公取あるいは通産省とも、いま議論をしておるところでございます。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 それでは、もう一つ、私は、いまの物価政策上大きな抜け穴がある点を問題にしたいと思うのです。それは、今年の六月十八日に、公正取引委員会が、ハム、ソーセージ類について価格協定があるということで、日本ハム・ソーセージ工業協同組合へ、この価格協定をやめるべきだという警告を出しました。これは御存じだと思うのです。ところが、業界は、これが独占禁止法違反だということを認めて警告を受け入れた。警告を受け入れながら、しかも、協定によって引き上げた価格、これの引き下げをやろうとしないのですね。こういう事件がありました。このことについて公正取引委員会の見解はどうであったかと言えば、価格引き下げを命ずる権限は公正取引委員会にないのだということであったと思うのです。これは、私は、やはりいまの物価政策に大きな抜け穴があることを示していると思う。価格協定が明らかにある、業界も認めておる、しかるに、その価格協定によってつり上げられた値段を引き下げることができない、こんなばかなことがあるものじゃないと思う。しかし、現在の条件のもとではそれが行なわれておる。一体、この抜け穴はどうしてふさぐのか。明らかに価格協定が行なわれている。その価格の引き下げを命ずる権限ですね、適当な機関に、その権限を与えてやるべきだと思うのですね。経済企画庁として、その点についての法的、行政的な措置をどう考えられるのか、その点を伺いたい。

宮崎仁経済企画庁総合開発局長

○説明員(宮崎仁君) 御指摘のとおりの事態があったわけでございますが、公取委員会のほうの御解釈によると、独禁法でいわゆる排除命令等の措置をいたしますが、これは、値上げそれ自体を規制するというのではなくて、値上げを共同行為とかカルテルの行為によって行なうことを規制するという解釈になっておるようでございます。本件の場合につきましても、そういったことで排除命令が出されたわけでございますが、結果的には、御指摘のように、引き上げた価格は下がらない、こういう事態になっておるわけでございます。こういう事態というものに対して、われわれとしては、独禁法そのものの運用という面で、そういったことまでできるように何とかできないものかどうか、この辺の問題をやはり法律的にも十分勉強をいたしまして、そうしてそういうふうにひとつ運用していただくことを期待したいと考えております。この点については、なかなか実際問題になりますと、むずかしい点がたくさんあるようでございますけれども、私は、現在の独禁法の運用という面で、もう少し何か効果的なやり方ができないのかどうか、ここをひとつ検討してみたいと思っております。

林田悠紀夫自由民主党

○理事(林田悠紀夫君) 速記をとめて。   〔速記中止〕

林田悠紀夫自由民主党

○理事(林田悠紀夫君) 速記をつけて。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 独禁法の運用という点でやっていきたいということですけれども、たとえば、独禁法のどの辺をどう運用したらいいとお考えになるのか、その点をお聞かせいただきたい。  それからもう一つ。時間が来ましたので、最後に一問しますけれども、いまの物価政策上、もう一つ大きな抜け穴があると思うのですね。その点について伺いたいと思うのです。それは、カラーテレビの問題は先ほど申しましたけれども、このカラーテレビ業界、これまた、公正取引委員会によって、カラーテレビ業界はパレス会とか十日会とかいうようなものをつくって価格協定をやっていたということが調査によって明らかになった。そういう公正取引委員会の審決案が出ております。ところが、また、この審決案によりますと、現在はこのような形での価格協定の行為はなくなっているというふうに言っているわけですね。ところが、その公正取引委員会の審決案が現在はこういうパレス会、十日会などをつくっての価格協定はなくなっているんだということを言っているにもかかわらず、先ほど来私が問題にしておりますように、カラーテレビの価格が実情に反して不当に高くつり上げられて売られているという客観的な事実があるわけですね。つまり、明らかな価格協定というのはつかめないけれども、しかしながら価格が不当に高くつり上げられている、こういう事態がある。こういう事態はほかにたくさんある。けさからこの委員会で、お酒のさみだれ値上げの問題が問題になったそうでありまして、先ほどの長官の御答弁を聞いておりますと、それは担当官庁を通じて行政指導していただく以外に道はないんだという御答弁でした。私、午前中大蔵委員会に出ておりましたが、大蔵委員会において、吉国国税庁長官は何とこの問題について答弁されたかと申しますと、いや、大蔵省としては価格についての拘束力のある措置をとることはできないのだ、こういう御答弁なんですね。そうして見ますと、つまり、このさみだれ値上げ、あるいははっきりと価格協定をやっているという事実はつかむことはできないけれども、しかしながら実際上価格がつり上げられているという問題について、これを規制して値下げを命ずるというようなところが現状ではどこにもないということですね。これは大問題だと思うのですよ。こういうさみだれ値上げは、これはお酒だけじゃないでしょう。ほかにも、ガソリンだとか、ビールだとか、加工食品だとか、いろいろいまあらわれて問題になっておる。ですから、このような価格協定の事実は一応つかめないにしても、実際不当に高く値段がつり上げられているという場合に、これを押えて引き下げを命ずるということのできるような法的、行政的な措置をやらなければ、いまの物価政策というものは、これはとても大きな穴があいているというふうに言わざるを得ない。どのような措置を講じなさるか、その点もあわせて伺いたいと思います。

宮崎仁経済企画庁総合開発局長

○説明員(宮崎仁君) 最初の問題につきましては、公取のほうが、現在の法解釈としてはその値上げ行為そのものを禁止することはできないのだと、こういうことを言っておるわけでございまして、したがって、この運用として現在までやったことはないわけでございます。したがって、私どもがこの運用そのものを改善してもらいたいということを言っておりますのは、いろいろ具体的な問題も検討しておりますけれども、こういう形でということまで、ちょっとここで申し上げることは御遠慮させていただきたいと思います。ひとつこれからいろいろ勉強いたしたい、こういうことでございます。  それから第二段の御指摘の問題、これは、まさに先ほどからいろいろの各委員のお話があった点でございまして、こういった問題が、いわばいわゆる管理価格問題として取り組まなければならない問題であると思っておるわけでございます。先ほど申しましたように、調査機能の充実その他の点を通じまして、ひとつ基本的にも、また個々の問題に対しても、取り組んでまいる、こういうことでやってまいりたいと思っております。

瀬谷英行日本社会党

○瀬谷英行君 関連して。  先ほど渡辺委員から問題を提起されましたカラーテレビの問題ですけれども、参考人として必要な人を呼んでもらうことは理事会でもって御検討願いたいと思うのですが、それと同時に、価格構成の内容ですね、これをやはりある程度調べて、資料として出してもらいたいということですね。さっぱりこの内容がわからない。私も実はきょう、カラーテレビの問題、質問する予定でおりましたけれども、時間の関係で割愛いたしました。で、できれば、この内容を、国民生活局でできるかどうかわかりませんが、公取に、はたしてその調査能力があるかどうか、そういう点、私らにはよくわかりませんけれども、要するに、調査能力のあるところで調査をして、内容をある程度資料的に明らかにして出してもらいたい。それで、参考人にまた出てもらうというようにしたほうが審議の場合に都合がいいんじゃないかというふうに思います。委員長のほうで、あわせてひとつ考えてもらいたい、こういうふうに思います。

林田悠紀夫自由民主党

○理事(林田悠紀夫君) ちょっと速記とめて。   〔速記中止〕

林田悠紀夫自由民主党

○理事(林田悠紀夫君) 速記をつけて。  両件に対する調査はこの程度にとどめ、本日はこれにて散会いたします。    午後三時十九分散会

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