農林水産委員会 第8号
- 発言数
- 132 件
- 登壇者
- 7 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1970/04/07
会議録
○委員長(園田清充君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。 肥料価格安定等臨時措置法の一部を改正する法律案を議題といたします。 これより質疑に入ります。本案に対し御質疑のある方は順次御発言を願います。
○武内五郎君 肥料法案の審議にあたりまして、私はすでに失効になって年を経ておりまするが、前の旧二法の性格について実はいろいろ考えておりまするが、さらに現行法の性格と対比いたしまして旧法の性格、旧法の目的とするところを相継いできておるということは、第一は価格の安定の問題、それから第二は肥料産業の合理化推進の問題、これが大きな眼目になると考えております。同時に、これが現行法案において特に強く考えなけりゃならぬ問題であり、さらにこれが私は肥料の輸出の問題に関して、この問題が非常に強い意味を持って出てきておると考えております。いろいろ両方の二つの法律の性格等にいま論及することは避けまするが、すでに現行法の審議の際にいろいろ論議され尽くされておりまするので、これは略します。 そこで現行法がすでに施行されまして年を経ておりまして、三十九年から施行されておりまするから、六年たっておるわけであります。この間の肥料の生産と供給等の関係においてかなりな推移が感ぜられると思うのでありまするが、私はこれらの問題に関して二、三点にわたって大臣をはじめ政府当局のお考えを承っておきたいと考えるわけであります。私はこの法律が施行される一番大きな問題というのは、何といっても日本農業の重要な資材でありまする肥料が、低廉にして良質で豊富に供給されるということが最も重要なことであると考えます。そして、何といっても内需優先ということをわれわれこの肥料法の持っている性格から持たなきゃならぬと考えております。そこで、そういう立場で質問を進めたいと考えます。 まず、この肥料法の施行にあたって、肥料政策としていまとられてまいりましたのが、肥料のおそらくこれはもうそのとおりだと思うんでありまするが、需要供給の円滑化をはかるために第一次、第二次にわたる大型計画が進められてきておるわけであります。そこで私はまず第一にこの大型化の問題について若干お尋ねしたいと思いますが、先ほど申し上げましたように、農業生産における肥料の重要性というものは、農業の最も大事な点でありまするので、その肥料の生産にあたって大型化が進められている今日、私はそういう非常な大きな資本と国費を投じて大型化が進められておるその段階、そこから生まれてまいりまする効用、メリットというものが、需要者である農民に均てんされる形でなければ私は意味がないと考えるんであります。私は今日、この大型化を一見しまして非常に強く感じますることは、第一はこの大型化を通じて急速に寡占化が進められている。寡占体制が強められてまいりました。それが同時にメーカー本位の立場から考えられ、全く需要者の立場というものは軽視されてまいっておるように考えられます。 特に私は今日の肥料工場の配置を考えてみまするときに、大きな肥料生産工場は太平洋沿岸を中心として配置されておる状態であります。偏在されている状態であります。したがってここで生産されまするいろんな肥料は、需給上に大きな阻害要因をつくっているように私は考えております。このことはあとでお尋ねしまするが、こういうふうな偏在状態が生じたことによって、私は需要者でありまする農民が非常な不便を感じる、まず第一に非常な不便を感じているということを考えなければなりません。このことは、昨年九月から十月にかけまして農林省で肥料の需給調査の実態が行なわれたことがあります。それによりますると、太平洋沿岸から離れた地域における肥料需給というものが非常な渋滞が見られる。しかも今日の農業生産の最も大きな仕事を受け持っておりまするのは、むしろ東北、北海道等の地域、豪雪地帯でありまする北陸、信越地方のごとき、これらの地方は大体においてその調査の結果を見ましても、肥料渋滞の関係が起きております。このことはもう少しあとで、次の項目でお尋ねしたいと思うんでありますが、そういうふうに、まずその点から考えてみても、この大型化というものは農民を軽視した形でメーカー本位に進められてきているということが否定できないと考えておるわけであります。 そういうふうなことでございまして、もちろん私はここに肥料の原料の地域の関係等で、あるいはまた輸送の関係等で、太平洋岸に生産が集中されておるということは否定するわけではありません。同時に私は、これはまた同時に輸出に関する競争からまた出てきているとも考えられるのであります。そこで、こういうような関係が出ておりまするので、こういうようなことに対する私はまず農民の消費円滑化のための施策というものがとられなければ、今日の法律そのものも意味がない。むしろ生産メーカー、肥料メーカーの利益が中心になって、農民の負担が加重される、需要が渋滞するという形が出てくるのではないかと考えるわけであります。これらについて、まず大臣の前に局長から、その昨年行なわれた調査に基づいていかに考え、これにいかなる施策をもって対処するかということを、これは事務的にお伺いしておきたいと思います。
○政府委員(池田俊也君) 昨年の十月に私どものほうで、肥料の流通の実態を知りたいということで、まあこれは聞き取り調査等でございますが、調査をいたしたのでございます。それにつきまして、いまお話があったわけでございますが、確かに御指摘のように、地域によりまして肥料の価格につきましてはかなりいろいろな事情の違いがございます。この調査はそう正確な調査ではございませんが、大体この調査を通じまして私どもが把握をいたしておりますのは、やはりたとえば東北でございますとか、北陸でございますとか、そういうような積雪単作地帯になりますと、どうしてもその肥料の出荷というものが、一つの時期がございますので、平均して非常に行なわれにくい、こういう事情があるわけでございます。それに対しまして西南のほうでございますと、これは年間平均的な出荷等ができる、こういうことで需給的には非常に有利な点がございます。それから、先ほど御指摘のございました工場が太平洋岸のほうに集中をしておるということで、そういうような距離的な問題も確かにございます。私どもがこの調査から一応把握をいたしましたのは、やはりそういういろいろな地域によります需給事情の異同がございまして、一般的には全購連等におきましては、肥料価格につきまして限月価格を設けておるわけでございますが、たとえば積雪地帯等におきましては、農業団体において早どり保管というようなことをやっておりまして、そういうような関係の奨励金も支出している。それから西南地方におきましては、必ずしもそうではなしに、当用的な買い方がございますので、地方保管というようなごく短期的な保管方法を行なっている、こういうような事情がございます。それから、一般的にそういうことでございますが、やはり農業団体のほうはさほどではございませんが、業者関係ではどうもやっぱり保管施設がやや不足しているのではないか。これにつきまして今後共同保管というような方向でもう少し整備をいたしまして、消費者に御迷惑をかけないようなことが必要ではないかというようなことを実はこの調査を通じまして把握をいたしておるのでございます。 なお、基本的な点に関連いたしまして、どうも従来の肥料法の運用がややメーカー中心ではないかという御指摘があったわけでございますが、私どもはやはり生産段階におきます大型化によりましてコストが低下をする、それが結局消費者に還元をされる。現に肥料法ができましてから五カ年間にも、硫安で見ますと八%程度の値下がりを来たしておるわけで、これは一般的に物価上昇の中にあっては非常に珍しい一つの例だと思うわけでございますが、そういうような形で還元をされておるわけでございます。 なお、地域によりまして距離の関係でございますとか、あるいは保管の関係でございますとか、そういうようなことで若干肥料価格が高くなっているところがございますが、こういうことも、私どもはいま申しましたような保管方法等に改善を加えまして、それからまた農業団体等によります出荷方法等につきましてもいろいろ改善を加えまして合理化をはかってまいりたい、かように考えておるわけでございます。
○武内五郎君 特に私はいまの問題について至急考えなければならぬことは、輸送の問題、保管——いま局長がお話しになりました保管の問題、これが特にこの問題に関する大事な点だと考えております。 そこで、今日、特に昨年あたりから米がかつて肥料倉庫であった倉庫まで占領してしまって、肥料は野ざらしになっている、野積みされております。あるいはせいぜい下屋に積まれておるという状態で、これがまず野ざらしに近い状態、特にまた肥料の成分によって、ことに最近の高度化成になってまいりますと、保存期間が長引けば肥料の成分に変化が起こる、こういうような心配も出てくるのです。そこで地方では、せめて肥料倉庫の拡充を望みたいというようなことが出ております。これらについての積極的な対策が考えられておるのかどうか。
○政府委員(池田俊也君) ただいま御指摘がございましたが、昨年あたりから米の問題、米が非常に過剰状態でございまして、そういう関係で倉庫が一般的に非常に逼迫をしておるわけでございます。そういう影響を受けまして、肥料の保管につきましても若干地域によりまして窮屈なところがございます。先ほども申し上げたわけでございますが、私どもが従来調査をいたしておりますところから申し上げますと、農業団体は比較的よく倉庫を確保しておりまして、一般的には農業団体の肥料に関しまする限りでは、非常に不足をしておるという事態は実は承知をしておらないのでございますが、業者系統におきましてやや倉庫が不足をしている地域があるようでございます。倉庫はこれはある長期間採算をとらなければなりませんので、一時的に不足をしましたために倉庫をつくった、ところが、その事情が一時的でございまして、しばらくたったらまた解消をしたということになりますと、倉庫の経営上非常に問題があるわけでございまして、十分先行きの見通しをつけなければなりませんが、やはり私どもはそういうことに十分対処をいたしますために、業者が共同いたしまして倉庫をつくると、そして現在の不足状態を緩和していく、こういうことが必要であろう、こういうふうに考えているわけでございますが、基本的にはそういうことでございますが、これに対するやり方といたしましては、やはり融資によりまして措置をするというのが従来のやり方でございますので、そういうことについては必要に応じまして通産省とも十分これは御相談をしなければならない問題でございますが、対処をしてまいりたい、かように考えます。
○武内五郎君 その問題はひとつ前向きに積極的に考えていただきたいと思います。 そこで、私はこの大型化に関連して、内需と輸出の調整に関する二、三の問題をお伺いしたいと思います。 御承知のとおり、最近における日本の肥料の輸出状況というものは非常な勢いでのぼってまいりました。特に近辺のアジア地域はもちろんのこと、それにアフリカ、南米等に至るまで、日本の肥料がかなりの量が出ておるわけであります。その輸出の割合も年々上昇するというような形が出ておる。この法律が制定された三十九年では、生産に対する輸出の割合は大体四五%程度であったものが、今日でははるかに五〇%をこえておるという状態であります。そういうように肥料の輸出の量とその地域がだんだん広がってまいりますると同時に、これが日本の肥料ばかりでなく、そういう地域に対する今度は外国の激しい競争が見られておることは御承知のとおりであります。 そこで、たとえばアメリカがここ数年来、韓国、フィリピン、マレーシアあるいは。パキスタン等に開発投資をやって、現地に大きな肥料工場を建設しておるわけであります。たとえば韓国には石油資本のガルフが投資して工場を建設し、またスケーリーオイル、これも石油会社ですが、これも日産三百トンの工場を建設する。フィリピンにはエッソ、あるいはマレーシアにもエッソというふうに、石油資本家が現地に大きな肥料工場の建設を進めてまいっております。こういうような大きな外国の進出と相拮抗した形でいかなければならぬので、日本の肥料業界というのもそれはたいへんなことであろうとは十分考えておるわけであります。特に昭和四十二年にスイスのチューリッヒに本社を置いているニトレックスという肥料輸出のカルテルがありまするが、これが中共へ非常に低廉な肥料でなぐり込みをかけた事件がありました。これをニトレックス旋風といって、日本の業界が大型化計画の推進に夢中になっているときに、頭からそれをやられたので、非常な混乱が起きたことは御承知のとおりでありますが、そういうふうに、だんだん外国の強い競争が出てまいりました。特にシドニーから入った通信によりますと、豪州で窒素肥料工場が二個完成した。しかも大型の窒素肥料工場が完成して、豪州ではせいぜい需要が二十万トン程度のところへそういう大型の工場が二個も完成するに至りましたことは、これはもう当然豪州自体が生産過剰の状態になってくることは当然であります。しかも最も近いニュージーランドあるいはインドネシア、マレーシア等に大量の肥料の輸出が行なわれるとするならば、日本の輸出ルートというものも大きな打撃を受けることは当然であろうと思うのであります。私はそういうことは否定しません。 そこでこれに対抗するためには何が考えられるかというと、まず第一に日本の輸出肥料が場合によったら生産費を割っても安い価格でその競争に耐える形をとるだろうと思う。いわゆる出血輸出、この出血輸出が私は資料として提出されておりまするこの中にも明らかに出ておることは、内需の価格よりも輸出価格のほうがすでに今日においてさえ安くなっておる、こういう数字が私どもを強く刺激するわけであります。こういうような状態で、私はここに問題が、こういうことが出てくる。出血輸出によって生じました赤字を内需に転嫁させやしないかという問題が一つ、これが今日まであらゆる方面から論ぜられた問題であります。その出血輸出を内需に転嫁する、こういう問題がまず私どもは考えられなければならぬ。しかも私はこの問題が肥料問題に関する非常に重大な問題であると思います。これは日本ばかりでないと思う。ドイツにおいてもあるいはフランスにおいても、イタリアにおいても、イギリスにおいても出血輸出はされております。私は、それは日本ばかりでないということを申し上げておきますが、しかしながら出血輸出をやっても、それが内需に転嫁されている措置がとられていないということ、私はそこに問題があると思う。もしそのとおりにされるならば、私は貿易上の競争に勝つためのあるいは一つの手段であるかもしれないので、そのまま一応は納得しまするが、転嫁されるということになってまいりまするときに問題が出てくる、こういうようなことで問題は、肥料問題の中心は、今日出血輸出が内需に転嫁されるかどうかということにかかってきておると考えます。この問題をいかに解決し、いかに処理するかということによって、私は肥料問題の解決ができると考えるのでありまするが、現実に内需と輸出価格とが違うのですから、肥料政策の重点でありまするこの問題を大臣はどういうふうにお考えになって、どういうふうに御処理されるかをお伺いしておきたい。
○国務大臣(倉石忠雄君) 諸外国の肥料に関する政策について、武内さんから詳しくお述べいただいたわけでありますが、この政策は通産行政に関係することでありますから、私ばかりがお答えするのもいかがかと思いますが、わが国の国内価格と輸出価格との間に格差のございますことは御指摘のとおりであります。けれども、諸外国に比べましてわが国の国内価格は安いのであります。それからまた輸出価格が高くて、国際市価ではわが国の農家はしたがって安い肥料を使っているという結果に相なっておることも御承知のとおりでございまして、わが国が国内価格よりも安い価格で輸出いたしておりますのは、先ほど来るるお話のございましたように、西欧諸国の低価格攻勢に対抗するためにやむなくいたしておるものでありますが、今後有望と見られます輸出市場を確保いたしますことに努力するとともに、大量の輸出量の確保によって、先ほど来お話のありました大型設備の建設を可能ならしめることにもなりまして、かつその稼働率を高いところに安定させて、これによって輸出、内需を含めた全体としての肥料コストの低下に寄与していくべきではないかと、私どもはこのように理解いたしておるわけであります。
○武内五郎君 赤字輸出の欠損を内需に転嫁させないという一つの方法に、イギリスや西独でとられておりまする農民に対する肥料買い入れについての補助あるいは肥料生産について農民に対する出荷の場合に工場に補償するというような補償制度が諸外国でとられておるようでありまするが、そういうような前向きの姿勢で肥料対策というものは考えられないかどうか、お伺いします。
○国務大臣(倉石忠雄君) ただいまのようなお話は、貿易政策上からもいろいろな問題が起きるのではないかと思いますし、先ほども申し上げましたように、わが国の肥料というものは国際市価に比べて安いのでありますから、ただいまはそういうことをやろうということを考えてはおりません。
○武内五郎君 いま大臣は安いとおっしゃられるのですが、決してそう差があるほど安くもなっておりません。しかも、外国でも安いところもあります。たとえば・ドイツよりは幾らか安い。しかし、ほかのイタリアなんかよりも幾らか高くなっておる。こういうような、まあいろいろあるのでありまするが、しかし、そういうところでさえも、私は肥料購入額について農民に補償を与える、あるいは内需出荷についてメーカーに補償を与えるというような制度を考えてしかるべきだと思うのでありまするが、まだ考えておらぬというならば、ぜひひとつそういう点は積極的に考えていただくように——何か方法があると思うんです——お願いしておきたい。 次に私は、価格の問題がもうすでに出ておりますので、価格の問題に触れたいと思うのであります。 最近の肥料製造が大型化し、非常に近代化されてまいりまして、むしろ大臣が主張されるように、単価もぐっと下がってまいっておりますし、肥料の量等も非常な勢いで上がってまいっております。そこでそういうような状態で、生産の近代化、生産技術の進歩されたものがどんどん採用されまして、従来非常に高価な原料を使って生産されておった肥料も、最近は廃液を利用したりあるいは廃ガスを回収してやったり、いろいろな形で原料単価がうんと下がってまいりました。したがって肥料の価格を構成するその単価というものがもう昔のような形ではなくなってきておることは御承知のとおりであります。ところが案外——この肥料はだいぶ、去年よりことしは十円下がったなんていう報告を受けておりまするが、もっと下がってもいいと思うのでありますけれども、なかなか下がっていない。しかもこの価格決定にあたって旧法では審議会の議を経て大臣がそれを決定して告示しておったわけでありますが、今日そういう公的な決定の機関がない。メーカーと販売業者との相談の結果やることになります。団体交渉といっておるようでありますけれども、その交渉が行なわれて価格の決定がされていくわけであります。そうするとこれはそこには全く消費者の意見というのは何も入っていない。審議会当時は消費者の意見が入り、第三者でありまする学識経験者の考え方も入って、いわゆる公正な価格であるという形のものが形成された。ところが、今日それがない。私は、これは需要者である農民を非常に軽視する体制であると考えざるを得ない。そこに全く、生産業者と販売業者とのそろばんの結果が農民に出されているということになってまいっておるわけであります。農民の考え方というものはそこに何も入っていないことは、そういう今日の価格決定の体制というものにいろいろな問題が生ずるのではないかと考えておりますが、まず第一に、価格を構成するしかも単価というものは、先ほど申し上げましたように、非常に安くなってきておる。廃液と廃ガスを利用することによってできてまいりまする肥料であります。私は新潟の、たとえば天然ガスの利用等を見ておりましても、全くこれは、出てまいりましたガスを熱と圧力で調整すると肥料になって出てくる、こういうような生産工程においてもきわめて簡単になってきた。単価というものはもうガス採取だけの費用になってくるようにも考えられます。そういうようになってまいりまする価格構成について、私はもう少し農民の立場、需要者の立場というものを考えた価格決定の体制——第一は価格決定の体制、第二は価格構成上の単価の問題等について、いま少し監督権限を持っている農林大臣の積極的な肥料対策というものを望んでやまないのであります。私は、そういうような調整ができるようにしなければならないと考えるからこそ、この今度の現行法に盛られているカルテルの容認というものが、独占の体制を容認するという法の趣旨がそういう調整を必要とすることを認めているからやっているのじゃないか。それをやらなければ、現行法の十四条が意味がなくなってくる。同時に、私は肥料対策についての農林大臣のお考えというものはまことに情ないものだと考えざるを得ない。その点をどういうふうに今日お考えになっているか、お伺いしたいと思うのであります。
○国務大臣(倉石忠雄君) まことに御指摘のように、やっぱり消費者の考え方がそこに当然反映するようにいたすことがいいことだと思っております。先ほど団体交渉というお話がありましたけれども、まあ団体交渉というかどうかわかりませんが、とにかくいま一番大手の需要家であるのは全購連でありますから、メーカーと全購連がお話しのように交渉いたしまして、そこで多くの価格がきまってまいるという形は、全購連は私が申し上げるまでもなく、農業者をもってつくっております団体であります。ここで一番の需要家である農家の考え方が集約されておるわけでありますから、武内さん御指摘のような趣旨は、いまのやり方で十分需要者の考え方が価格決定に当然参加されておるではないか、このように私どもは考えておるわけであります。
○武内五郎君 いま大臣のお答えの中に出ておりませんが、私が申し上げた第二の問題は、今日、生産コストが非常に低くなってきておる。したがって、内需価格においてももっと下げてもいいではないかということを尋ねた。そこで私は、そのコスト並びにコストについての十分な調査監督が農林大臣にあるのではないかと、こういう意味なんであります。それを思い切って使って単価の引き下げ、価格の引き下げに努力されるようにという意味なんであります。これはこの法の中にもどこかに出ておるはずでありますが、そういう意味でありますので、価格引き下げのために、単価の調査等によって監督の点を施行するお考えはないか。
○政府委員(池田俊也君) ちょっと技術的なことにわたりますので、私から申し上げますが、いま御指摘になりましたのは、私の理解では、硫安につきましては現在御存じのように、農林省、通産省相協力をいたしまして原価調査をいたしておるわけでございます。でございますから、これで把握しております限りにおきましては、私は公正な原価を一応把握しているというふうに考えるわけでございますが、おそらく御指摘のございました点は、いまの原価調査というものは、これは合成硫安だけしかやっていないじゃないか、——御存じのように、最近は回収硫安でございますとか、副生硫安等がかなりウエートがふえてまいっておりますので、そういうものでありますればもう少しコストが安い、こういうものを十分把握してそれを消費者のほうにも反映させることが必要なのではないか、こういう御指摘だと思うわけでございますが、私どもは、実は方向といたしましてはそういう方向でまいりたいという気持ちを持っておるわけでございます。 ただ、御存じのように、回収硫安なり副生硫安の原価というものは、これは非常に価格の把握がむずかしいわけでございます。他の化学工業と結びつきまして、そこの廃液を利用するとか、そういうことでございますので、非常にむずかしいのでございまして、現在もある程度ごく一部につきまして参考的に調査はいたしておりますが、まだどうも十分自信のある数字の把握ができない、こういうことでございますので、方向といたしましては御指摘のとおりだと思いますので、私どももそういう点についての原価を十分に把握するように、今後も努力をいたしまして、将来の方向としてはそういうものも価格決定に反映さしてまいりたい、こういうふうに考えておるわけでございます。
○武内五郎君 次に、この価格にはね返りの心配のある問題が最近出てまいりました。海上運賃がアップされてきておると思います。特に、これは日本の肥料原料をあるいは中南米等から輸送する場合に、非常な高価なものになってはね返ってくるのじゃないかと考えざるを得ないのであります。最近全購連の計算したところによると、海上運賃のはね返りが過燐酸四十キロが一ドルあたりで八円三十銭も上がるという計算が出てまいっております。そういうようなものが実際に肥料の需給の中であらわれてまいるとすれば農民の生産費が高騰してまいります。農産物の価格等に大きな影響はまた避けられないと考えられます。これらについての対策があるかどうか、ひとつお伺いをいたしたい。
○政府委員(池田俊也君) 御指摘のように、最近船賃、海上運賃がかなり値上がりをいたしておるわけでございます。たとえばカリについてみますと、トンあたり二ドル程度の値上がりになっておるようでございまして、燐酸等につきましても同じような実情にあるわけでございます。これが結果といたしまして末端価格に影響を及ぼすことは当然でございますが、私どもの試算によりますと、塩化カリなりあるいは硫酸カリ、大体同じでございますが、輸入業者の販売価格で見ますと、四%程度の値上がりという計算が一応出てまいるわけでございます。燐酸の場合はもうちょっと率が多いようでございますが、いずれにいたしましても、私どもは、これは現在は肥料年度の途中でもございますし、これを消費者にはね返らせるということは適当でございませんので、これにつきましては輸入業者が一応負担する。そして四十四肥料年度におきましては価格は一応据え置きにする、こういうような方向で実は指導いたしておるわけでございます。しかしながら、こういう状態が継続いたしますと、四十五年度以降につきましては、国内価格につきましても若干の波及は避け得ることが非常にむずかしいのではないかというふうに考えておるわけでございますが、いずれにいたしましても、これに対しましてはやはり輸入業者なりあるいはメーカーなりで吸収できるところは極力合理化をいたしまして吸収をしていただいて、そうして消費者へのはね返りというのは極力避けるように指導をいたしたい、そういうように考えておるわけでございます。 なお、海上運賃の今後の動向というのは的確にはわからないわけでございますが、非常にさらに引き続き上がるということはまずないのではなかろうかというふうに私どもは観測をいたしておるわけでございます。
○武内五郎君 私はその次に、最近の滞貨状態、最近報ぜられるところによると、もう五カ月にわたる在庫をかかえてたいへん困っている。三カ月で満々だそうでありまするが、それをもう越えている状態だといわれております。こういうような滞貨があると同時に、大型化で大量生産が一方で行なわれる。ことに最近非常に大きな大量生産の能力が出てまいりました。ちょうど昭和三十四年から三十五年にかけて非常な滞貨状態が出て、肥料界が非常に困ったことがあったのであります。そういう状態が出てくるのではないかとも考えられます。 これに対してまず考えられることは、業者としては操業短縮をとるのではないか、こういうことであります。それによって生産過剰と価格の下落を押えようという手は、業者としてはまず業者らしい考え方で操業短縮をするのではなかろうか。こういうような状態ですが、同時に私は、先ほど申し上げましたように、外国の肥料の競合がだんだん激しくなって、外国における日本の肥料市場がだんだん狭められるということになってくれば、ますます滞貨状態が激しくなり、滞貨増に対する何らかの措置がとられねばならないのではないかと考えます。しかも一番日本の大きな肥料のお客さんは中共であります。現在中共貿易については、松村さんが陣頭に立って老体にむち打って出かけられておりまするが、まだ見通しが立っていない。そういうようなことで実は非常に前途暗たんたる気持ちになってきた。こういうことについていかなるいまからの心がけが必要なのか、大臣のお考えを伺っておきます。
○説明員(中沢三郎君) 通産省のほうからお答え申し上げます。 いまお話がございましたように、ア系肥料の滞貨は実は多くございます。ただ、先生のお話によりますと五カ月ということでございますが、生産総量に対しましては約四カ月程度の在庫をかかえておるわけでございますが、この在庫のよってくるところは、御承知のように、昨年の中国大陸に対する輸出の成約が数カ月おくれて成立したという影響が今日出てきております。しかし、そうかといたしましても、そういう滞貨が多いことは事実でございますが、これもいま御指摘ございましたように、現在行なわれておりますところの中国との覚え書き貿易の成果いかんにもかかわるわけでございます。これは結果を見ないとわからないわけでございますが、しかし肥料工業の立場から考えますと、中国なりあるいは東南アジアにおきますところの肥料の潜在需要そのものはやはり大きいわけでございまして、これをいかに顕在化し、それに対して地理的に有利なわが国の化学肥料を送るかということにかかっていると思うわけでございますが、したがいまして、中国との交渉の経過を見ながら、なお新しい事態に対処いたしまして、できるだけ操業短縮というようなことによりますコストの値上がり、その悪循環というものを避けるような方向で輸出の振興をはかっていきたい、こういうふうに考えるわけでございます。
○国務大臣(倉石忠雄君) 中共は、肥料にとりましてはかなり大きな得意先であることは申すまでもありませんので、松村老をはじめ御苦労を願っておる話が実を結ぶように私どもも願っておるわけであります。
○武内五郎君 次に、特定肥料については、尿素が今日まだ指定されていない。御承知のとおり、尿素はぐんぐん伸びて、もう肥料の単肥としては最も王座にすわっている。それが今日指定されていないということは、何かやっぱり肥料の対策としての手落ちがあるように感じてくるわけなんであります。これについて第六十一国会の衆議院の農水で、ちょうど池田局長がこの問題について答弁しております。永井衆議院議員の質問に対して答えられております。それによりますと、この尿素をなぜ指定しないか、政令を改正して尿素を指定すべきではないかという永井議員の質問に対して、これは法案が成立をいたしまして施行されまするときに同時にそういうふうにしたいと、こう言っております。今日まだそれがされていないということはどういうことか、指定をこれからやるつもりなのか、お伺いしておきます。
○政府委員(池田俊也君) 前の国会でそういうお答えを申し上げたわけでございますが、その考え方は現在でも全く変わっておらないのでございます。今回御審議を願っております法案が成立をいたしましたならば、さっそく尿素を追加して特定肥料にいたしたいと、こういうふうに考えておるわけでございます。現在実はいたしておりませんのは、御存じのように、現在の状態というのは非常に変則の状態でございます。昨年の夏までに廃止するものとすると、現行法は実はこういう規定になっておるわけでございますが、その解釈といたしましては、なお法律い内容とのたしましては有効である、こういう見解を法制当局も下しておるわけでございますが、何せ非常に変則状態で存続をいたしておるということでございますので、そういう変則状態のもとにおきまして政令指定をいたすというのはいかにも適当でない、こういういろいろな——公正取引委員会等ともいろいろ話し合いをいたしました段階でそういうことがございましたので、実は御遠慮をいたしておるわけでございまして、法案が成立をいたしましたならばさっそくにも指定をいたしたい、かように考えております。
○沢田実君 このたびの法律案の提案理由を見てみますと、内需の確保と、国内価格の低位安定と、輸出体制の一元化ということがこの法律で一番肝心かなめの三つの柱だと、こういうふうに説明もされておりますし、そのとおりだと思います。私は、これからいろいろお聞きをいたします趣旨は、内需の確保は現段階では十分にできるのではないか、あるいは価格の安定についても、輸出の一元化についても、もはやこの法律がなくとも十分可能ではないか、こういう立場で質問をいたしますので、そのつもりでひとつお願いをいたしたいと思います。 まず内需の確保でございますが、現在の生産状況を、いただきましたこの資料に基づいて見てみますと、内需それからプラス輸出ですが、輸出については三十八年以降ずっと統計を見てまいりますと、すでに四十三年には三十八年の倍近くに輸出が伸びております。さらに生産はそれを上回って、尿素の欄を見ただけでも百七十二万トン、いわゆる生産と内需プラス輸出の方式でやってみますと、それだけ残っている計算になります。こういうことですので、すでに内需の確保ということは、この法律ではすでに役目を果たしているのではないか、こういうふうに思うわけですが、まずその点について御説明をいただきたいと思います。
○政府委員(池田俊也君) この法律ができましてから五年余を経過したわけでございますが、私どもこの法律ができます当時、いろいろ懇談、研究会等も開きまして、いろんな専門家の方の御意見等も伺いました結果、やはりこういうような形の方向が肥料行政として最も好ましい方向である、こういうことで法案の立案をいたしまして国会にも御承認を受けたわけでございます。その当時の事情と現在とを比較いたしてみますと、かなり事情が異なった点がございます。非常に生産能力が大きくふえまして、内需のウエートが減ったというようなことがあるわけでございますが、しかしながら、やはり先ほどもいろいろ御指摘があったわけでございますが、肥料というのは、何といたしましても、農業生産では最も基礎になる資材でございまして、特に今後農産物価格が急速に上昇をするというようなことが期待できないときにおきましては、その価格の低位安定というものが非常に必要でございます。そういうような意味で、内需を確保すると同時に、低位の価格安定を確保する、こういうことが必要であるわけでございます。 それから一方、これは通産行政の範囲になるわけでございますが、先ほどいろいろ御指摘ありましたように、海外におきます輸出競争というものが非常に激化をいたしておりまして、まあカルテルによります国際競争という形になっておりますので、日本といたしましてもそれに対抗するための方策を考えていかなければならない、こういうようなことがあるわけでございます。そういうようないろんな事情を考えますと、いろいろな面で変化はございますが、基本的にはやはりこういうような制度、やり方をぜひとも当面は続けていく必要がある。そういうふうに実は私ども考えておりまして、御審議をお願いしておる次第でございます。
○沢田実君 局長は私の申し上げたことを聞かないで御答弁になっている。全体的な答弁になってしまったと思うのですが、そういうものをつくった結果、あなたは、できた当時とあまり変りはないとおっしゃっておりますけれども、私の申し上げるのは、内需プラス輸出、その輸出は昭和三十八年ごろに比べればすでに倍額になっている、それだけ伸びている。しかも尿素の統計で見ますと、そういうふうにしても三十八年から四十三年までの生産、内需、輸出の合計をしてみますと百七十二万トンも余る計算になっているのです。ですから内需の確保ということは、五年間の法律の結果によって十分内需の確保ができる段階になったのじゃないですかと、こうお尋ねをしているわけです。
○政府委員(池田俊也君) 的確なお答えをいたさないではなはだ申しわけございませんでした。いま御指摘の点は、私ども内需の確保と言っておりますのは全体の数量として確保するということが一つございます。その点は確かに御指摘のように内需のウエートは全体といたしましては減ってまいっているわけでございますから、前に比べますとやや減退したような感じを受けますけれども、しかし肥料というのは御存じのようにこれは一つの生産時期との関係がございまして、内需として要ります時期と、それから輸出いたします時期と、やや似たような時期に競合して行なわれる可能性があるわけでございます。でございますから、そういうような点を全く自由に放置をいたしますと、そのときどきのいろいろな輸出情勢等によりまして内需が非常に撹乱をされる、こういうようなこともございますので、やはり的確な需給見通しを立てまして、そうして国内用といたしましてはこういうような数量をこういう時期において確保すればよろしい、残りは輸出に回してよろしい、こういうはっきりした見通しを立ててやりませんと、いろいろ問題が起こってまいりますので、そういうような時期的な調整も含めまして内需の確保ということが必要である、そういうふうに考えておるわけでございます。
○沢田実君 せんだって、もの説明書をお持ちになったときにそのことをお聞きしました。そして内需は大体十月から三月までだと、中国向けの輸出は年中よろしゅうございますと、ですから十月から三月までという特定の時期に内需を確保する必要があるといういまお話ですけれども、これは現在の輸出の状況ではその心配はございません、内需はいつでも十分確保できます、こういうふうに私は説明を聞いております。
○政府委員(池田俊也君) どういう者が参りまして御説明申し上げたか私、実は知らないのでございますが、先ほど申し上げましたのが私どもの基本的な考え方でございまして、必ずしもそれはそのときどきの事情で、中共輸出等はたとえば前年におきましては時期がおくれるというようないろいろな事情がございましたけれども、やはりそういう輸出によりますいろいろな事情の変化というものが国内にそのまま波及をいたしまして国内の内需を一時的に圧迫をするというようなことがあっては非常にこれは問題でございますので、そういうことがないように、これは法律にもはっきり書いてあるわけでございますが、見通しを立てまして、そうして見通しに基づきまして残りを輸出に回す、こういうのが基本的な考え方であるわけでございまして、そういう事情はやはり私どもは基本的には現状においてもそうは変わっていないというふうに考えておるわけでございます。
○沢田実君 これは通産省のほうにお聞きをしたのですから、通産省のほうではいかがですか。
○説明員(中沢三郎君) 基本的にはただいま池田農政局長がお答え申し上げたとおりでございますが、ただ全体の数量といたしましては、法律当初よりも国内の内需確保という観点から見ました場合に、緩和の条件が熟しているということはある程度言える、こういうふうに考えるわけでございます。
○沢田実君 昨年この法律が出ましたときに特定の内需の需要期の確保ができないからこれが必要だ、こういう説明があったので、私はその点を指摘してお聞きをしたら、いやそれはそうじゃない、それは心配ないのだ、——変わっております、こういうような説明がわざわざあった。ここの答弁と違うような説明なら説明に来なくてもいい。それはわかりました。それ以上言っていても何ですから、それでは次にまいります。 通産省のほうの担当になるかどうか知りませんけれども、四十四年度では尿素だけでも八十万トンの減産になるような見込みのようですが、これは何か特別な事情があったのですか、対前年比……。
○説明員(中沢三郎君) 四十四年度の尿素の生産が前年度より減産するということはないというふうに承知しております。
○沢田実君 あなた方、私にこうして資料くださって、そうして違ったことを答弁されてはしようがない。それならこれは農林省の統計だから農林省にお聞きしましょう。
○説明員(中沢三郎君) 先生のもとにお届けいたしまして御説明申し上げました資料は当初の見通し計画でございますが、私がいま申し上げましたことは四十四年度の尿素生産の実績の立場から申し上げた関係上、前年度よりも少なくなるようなことはないというふうにお答え申し上げたわけでございまして、御了承いただきたいと思います。
○沢田実君 それで私は少ないと申し上げたのではなしに、少ない見通しのようであるけれども何か事情があるのですかとお聞きしておる。
○説明員(中沢三郎君) 先ほどもお答え申し上げましたように、昨年度の中国との輸出成約が、時期が数カ月ずれておる関係上、在庫がかなり多くなってまいってきておったわけでございます。したがいまして、四十四年度の生産計画を立てる場合にそれを考慮いたしまして、通産省といたしましては生産見込みを若干落としたと、こういう次第でございます。
○沢田実君 そうしますと、その在庫の状況等を考えて、実際の生産能力よりも下回った見通しをつくって、それでメーカーに対しては大体この辺で生産しろ、こんなふうにやるわけなんですか。
○説明員(中沢三郎君) 生産見通しを、いまお話のございましたように、政府が立てましても、それに基づいてメーカーがその範囲内で生産しなければならないという趣旨の指示はいたさないわけでございます。あくまでも政府の生産及び需給に対する見通しとして立てたわけでございます。
○沢田実君 次にお尋ねしますけれども、新しい計画がありまして、その計画が完成をいたしますと、一千四百万トン、それで内需が四百万トンで一千万トンくらいの輸出をしなくちゃならないことになるわけですが、内需の確保なんということは、もう十二分にできるような数字の計算になるわけですが、もうそれだけ輸出が伸びる可能性が現段階において考えられるのかどうか、その点の見通しをお尋ねしたいと思います。
○説明員(中沢三郎君) 御指摘のように第二次のアンモニアの大型化計画を立てましたときの需要見通しといたしまして、御指摘のような数字の増を見込んだわけでございます。これは検討する中身といたしまして内需、輸出及び工業用、三つの要素について考えたわけでございますが、当時考えました内需見通しといたしましてはほぼ二、三%の増を見込んだわけでございます。その後総合農政の展開というようなこともございまして、若干内需が考えておりましたほど伸びないという要素が出てきておりますが、大きな狂いはないのではないか。それからまた輸出につきましては、過去の状況などを考えまして、あるいはまた輸出意欲というようなもの、目標というような要素を加えまして、八%ほどの輸出増の見込みを立てました。そのほか工業用のアンモニアといたしましては、非常に年率一五%以上高い需要増を年々続けておりますのでありますが、かなりきつめな増加というものを考えて需給見通しをつくりましたので、実際にはかなり計画以上の工業用の需要の増加があるのではないかというふうに考えられるわけでございます。したがいまして内需、輸出、工業用の増加というのを総合して考えますと、ほぼ当初考えておりました需給見通しに現在の段階でも大きな狂いがなく推移し得るのではないかと、こういうように考えておるわけでございます。
○沢田実君 その内需のことはわかりましたが、一千万トンからの輸出が可能な見通しなのかどうかということです。これはどちらの担当になりますか。
○説明員(中沢三郎君) 一千万トンの増加分の輸出の可能性につきましては、やはり先ほどもお答え申し上げましたとおりに、一番大きな輸出先でありますところの中国に対してどれだけ出し得るかということに現在の段階ではかかっているというふうに考えておりまして、したがいまして先ほどもお答え申し上げましたように、現在行なわれておりますところの覚え書き貿易の成果に期待すると、こういうことでございます。これまでの中国の輸出の趨勢を見ますと、ニトレックスとの競争ということもございますが、やはりフレート等の優位性もありますし、その後中国サイドの国内情勢の安定ということの条件から考えれば、かなり期待を——希望的な気持ちもございますが、期待を持ち得るのではないかと、こういう考え方でおるわけであります。
○沢田実君 そうするとお話のように、合理化して、そうして日産能力が非常にふえる、内需はそうふえない、輸出に回る分は非常にふえてくるということですから、当然その内需の確保なんということはほんとうに肥料は余るようになってくるのじゃないかと、いまいろいろな事情はありましょうけれども、通産省の見通しとしては、この新しい合理化計画が完成した暁ですね、肥料はダブつくほど内需の確保なんか全然問題ない、心配ないと、こういうような見通しになりませんか、いまのお話を通じますと。
○説明員(中沢三郎君) 端的にお答え申し上げますと、量的には沢田先生のおっしゃるそのとおりだと思います。ただ、この内需確保という内容でございますが、価格をできるだけ低位に、しかも安定して確保するという観点からいいますと、先ほど農政局長からお答えいたしましたように、内需確保、しかも低位で輸出の関係においても安定して確保されていくという観点から考えますと、やはり現在の体系を今後しばらく継続する必要があるのではないか、こういうふうに考えるわけであります。
○沢田実君 内需の確保で数量のことをお聞きしますと、価格の答弁ばかりなさいますので、それでは次の価格の問題に入りたいと思いますが、これは硫安だけでけっこうですけれども、統計はおそらく四十三年しか出てないと思いますので四十三年でけっこうですが、全購連の扱う肥料の量と、それから元売り商社が扱う肥料の比率はどんなぐあいになっておりますか。
○政府委員(池田俊也君) 四十三年の数字でございますが、全購連の扱います、これは硫安でございますが、数量で申し上げますと五四%程度、それから元売り商社のほうが四六%くらい、金額でも大体同じでございますが、若干違いはございますが、そういう数字でございます。
○沢田実君 金額はどんなふうなんですか。金額は、できれば額でお伺いできればたいへんけっこうです。
○政府委員(池田俊也君) 比率で申し上げさしていただきますと、全購連の扱う額が五六%、それから元売り商社が四四%、こういうことでございます。
○沢田実君 私の質問がちょっと不十分でした。この数量と価格の対比についてはわかりました。で、その全購連が扱っているいわゆるメーカーから出る値段、これに載っております、四十四年度で六百六十八円七十一銭になっておるわけですが、これに相当するその元売り商社に出る値段はどのぐらいになっておるかお尋ねしたいと思います。
○政府委員(池田俊也君) まあ私どもの承知しております価格といたしましては、たとえば四十四肥料年度の価格でございますが、メーカーから全購連に参ります価格が、四十キロ当たりでございますが六百六十八円七十一銭、こういうことでございますが、商社系統におきましても同様であるというふうに理解をいたしております。
○沢田実君 そうしますと、商社は東京の商社が買っても九州の商社が買っても同じ値段ですか。
○政府委員(池田俊也君) たてまえといたしましてはそういうことになっていると私どもは理解いたします。
○沢田実君 そうしますと、商社に渡す値段も結局その商社の倉庫渡しの値段ではなしに、いわゆるその実際に消費者の住んでいるレール渡しといいますか、着駅のレール渡し、そういうことで値段は商社ともきめているのでしょうか。
○政府委員(池田俊也君) 消費地最寄り駅の貨車載せ価格、こういうことでございます。
○沢田実君 それは全購連のほうはそうでございますが、元売り商社のほうも同じですか。
○政府委員(池田俊也君) 商社系統も同じであると私どもは理解をいたしております。
○沢田実君 全購連と元売り商社の比率は先ほどお尋ねをいたしましたが、今度は、それが実際にずっと末端に行きまして単協が取り扱う比率と、それからそのいわゆる商人が取り扱う比率、それはどんなふうになっておるでしょうか。
○政府委員(池田俊也君) まあ硫安だけのがちょっと手元にないわけでございますが、肥料全体で若干の端数が出ると思いますが、概略申し上げますと、農協系統の扱いが八割でございます。
○沢田実君 そうしますと、五四%が単協へ行きますと八〇%にふえます。そうしますと、元売り商社から途中で農協へ入る肥料というのがあるわけですが、なぜそんなふうになるのでしょうか。
○政府委員(池田俊也君) 先ほど申し上げました数量で申し上げますと、全購連の比率が五四%と申し上げたわけでございますが、これは硫安につきまして申し上げたので、八割と申し上げましたのは全体でございますので、若干そこの食い違いがございますが、その他の理由といたしましては、まあ非常に詳細の点はわからない点がございますが、全購連が扱っておりますのは、全購連がいろいろ経営をしておる肥料工場等もございますので、そういうものに向ける原料用のものも含んでいる、こういうふうに御理解をいただきたいのでございます。したがいまして、全購連が末端に流します比率からいうともうちょっと高い比率になってくるわけでございまして、八割にやや近くなってくるということが一つ考えられるのでございます。 それからなお、これも詳細はよくわからない点があるわけでございますが、単協で扱いますものが全部全購連から流れないで、これは非常にわずかではあろうと思いますが、一部ほかのルートから流れるものもある。こういうような関係で全購連の段階と末端段階がやや数字が食い違ってまいる、こういうようなことであろうと思います。
○沢田実君 それで、いま価格のことでそういう議論をしているわけですが、要するにメーカーから出たときは農協と、いわゆる全購連と商社と半々——半々と言うと何ですが、四分六。それが今度ずっと末端にいきますと単協の取り扱う肥料が八割、商社が二割、こういうふうに商社のほうが減るわけです。それはいまいろいろお話ありましたけれども、途中で商社の肥料が単協のほうに入っているわけですよ。出た値段は同じだ、それで商社のほうがこっちに入ってくる。もと出た値段は同じで、しかも中間のパーセントは全購連にしても何にしても安いわけですけれども、低率なわけですけれども、商社の肥料が何でそっちに流れ込んでいるのかということを聞きたいのです。
○政府委員(池田俊也君) まあそこいらのいろいろな事情につきましては、実は私どもも十分に把握をしておるわけではございませんので、的確な実はお答えがなかなかしにくいのでございますが、やはりいろいろな事情で、単協が本来ならば全購連を通じて買うのが一番ノーマルな形でございますが、そうじゃなくて、途中商社系統からも買い付ける場合がある、こういうことでございまして、あるいはその場合に若干価格面の異動等がございましてそちらのほうが有利であるというようなこともあろうかと思いますが、詳細のあれはちょっと私どももお答えがしにくいわけでございます。
○沢田実君 それでは次にお尋ねしますが、その末端価格は、全購連の扱っている末端価格はどれだけで、元売り商社がどれだけになっておりますか。
○政府委員(池田俊也君) 末端におきます価格の資料といたしましては、統計調査部で調査をいたしておる資料があるわけでございますが、これは商人系統とそれから農協系統と区別をして実は調査をいたしておりませんので、末端におきましてどういう具体的な差異があるということは実は的確にはつかめないわけでございます。いろいろな商売上の事情によりまして、ある時期におきましては商人向けのほうが安いというようなこともあろうかと思いますし、またある場合には逆のこともあるかと思いますが、ちょっとそこいらの的確な数字は持ち合わせがございません。
○沢田実君 なぜ私はそんなことをお聞きしているかといいますと、商社の肥料が単協に流れ込むということは、商社のほうがあなた方のおっしゃるよりもメーカーから安く買って安く単協に入れるから単協に流れてくるのじゃないかと、何も全購連がなくとも商社が自由に取引ができるような状態になっているのじゃないか、数量の上ではもう内需を確保するのに十分なだけの数量があるわけです。輸出がそんなに伸びるかどうか心配されるほど数量があります、実は。あなた方はメーカーから出る値段は全購連も商社も同じだとおっしゃっておるけれども、もしそうだとすれば、全購連はわずか二・二%の手数料でやっているわけですから商社が単協に入れるということは考えられない。そうすると出ている価格は違うのじゃないか、何十%か減っているわけですから、単協に入っているわけですから、その辺がはっきりしない、この法律があるから価格は安定している、低位安定じゃなくてこれは高位安定じゃないか、こういうことが考えられますので、その辺、どの辺まで掌握していらっしゃいますかお聞きしたわけですが、その辺あまりはっきりしていないようですので次に移ります。 実際に単協の末端価格にまいりますと各単協がばらばらです。ばらばらであるということは、着駅の貨車渡しですのでそこからおろして持っていく、農協まで持っていって農家の庭先へ持っていくという運賃がかかりますからばらばらというのはやむを得ませんけれども、あまりにもひど過ぎます、差が。そういうふうな非常に、硫安の値段で申し上げますと、まあいま末端価格がお宅のほうの統計では七百八十一円が全国平均だとこうおっしゃっておりますけれども、地方別にお調べ願ったのにもありますけれども、同じ県でも市によって百円くらいの開きがある。末端価格になぜそんなに、同じ硫安なら硫安一俵でなぜそんなに百円も開きができてきているのか、そういう点はどんなふうに調査していらっしゃるでしょうか。
○政府委員(池田俊也君) これはいま先生からもお話しございましたが、消費者の庭先まで運びます場合にはこれはいろいろな小売り商の経費でありますとかその他の経費がかかるわけでございます。そういうのは地理的な条件によりまして非常に違いますので、百円というお話がございましたが、それは非常にまれな例外であろうと思うわけでございますが、かなりばらつきがあるのは事実でございます。それはもっぱら私どもはそういう、運搬賃でございますとかそういうようなものが価格に影響しておるというふうに考えておるわけでございます。
○沢田実君 それはそういうふうにおっしゃってもそれだけの、一俵当たりそういう雑費が一体どのくらいかかると言って単協に聞いてみると、二十円だとか二十七円とか言っているのです。そんなに違うものじゃないのです。私も市を幾つか聞いてみました、直接電話をして。そうしますと条件がほとんど同じような条件でありながら相当の違いがあるのです。なぜそんなに末端価格に違いが出てきているのかということなんです。
○政府委員(池田俊也君) まあ先生のお尋ねになりました数字は私よく知らないのでございますが、やはり私どもは基本的なそういう運搬賃なんかがかなり違いまして、それによって差が出てくると思うわけでございますが、なお単協によりましてもこれは全く同じ経費ではございませんで、その単協の経営内容によりましてそれに必要な経費の額というものも違ってまいる場合がございますので、それによりましても差異を生ずると、こういうことであろうと思うわけでございます。なお、もちろん単協の場合と商人経営の場合とでございますればなおそれはその差異があるわけでございます。 それから、先ほどお話ございましたことにも関連いたすわけでございますが、私どもはやはり現在の肥料末端価格というのは農協系統の価格がやはり基礎になっているというふうに実は考えておるわけでございます。商人系統といたしましては当然それとの競争がございますからある時期におきましてはかなり無理をいたしましても安い価格で販売をするということがございます。しかし、それだからもういまのようなシステムは要らないということには相ならないわけでございまして、これは農協の事業一般と商人系統の事業の違いの点でございますが、そういう農協の価格に対して商人系統の方がかなりある場合におきましては競争いたしまして需要者を確保するということがございますので、一時的にはかなり安く販売をいたしましてもそういう状態は必ずしも長続きできないと、こういうこともあるわけでございます。
○沢田実君 局長、私申し上げているのは、局長の答弁の趣旨と違いまして、同じ農協でありながら、同じ条件であるのに末端価格で非常な違いがあるということです。ですから、その違いはあなたがおっしゃるように輸送や何かにかかるのだろう、それもわかります。だけれども、そう違っても一俵当たり二十円とか二十七円とか——十円も違えばたいへんな違いなんです、一俵当たり、相当距離が離れておったって、そのくらいでできるのです、それが百円もの開きが第一線の単協にはあるということなんです。それ以上は申し上げませんので、そういう現況であることをよく掌握をしていただきたいと思います。 次に申し上げたいのは、全購連がメーカーから買いますときに、先ほど来御説明がありましたように、若干早目に引き取るためにメーカーが倉庫に保管するのを現地の単協が保管する、その保管料だけ安くする、それはわかります。それ以外にどういう名前かわかりませんけれども、メーカーからある程度の手数料みたいのものを全購連がもらっている、こういうことを私聞くのですが、その実態をどのように掌握なさっていらっしゃるか、お尋ねをしたいと思います。
○政府委員(池田俊也君) 御指摘のように、全購連が私も詳細な正確な名前は存じませんが、メーカーから協力費といったようなたぐいの金額につきまして、相当な金額でございますが、受け入れをいたしておる、そういう事実がございます。これは私どもの理解では、現在全購連は系統組織を通じまして肥料の年間特約共同計算運動、こういうのをやっているわけでございます。これは要するに需要を安定的に十分確保いたしまして、そうして年間を通じましてこれだけの需要があるということをまずつかみまして、それに応じましてメーカーとの間の取引をする、こういうことが取引を有利にいたします場合の一つの必須の条件でございますのでそういうことをやっておるわけでございます。そのことは同時にメーカーのほうといたしましても非常に大量の取引でございますし、その時期が非常にはっきりいたしておれば生産なり出荷なりも非常にしやすい、そういう利点がございますので、メーカーもそれに応じまして経費が若干安上がりに済むような点がございますので、そういうものに応じて若干の協力費を支出をする、こういうことをやっておるようでございます。なお、全購連はそういうことで受け入れました金につきましては、奨励金——いろんな名前がついているようでございますが、奨励金というような形等で県連あるいは末端の単協に流す、それでなおそういう運動を強化する、こういうことでやっておるというふうに私どもも承知をいたしておるところでございます。
○沢田実君 こういうふうにきめた値段以外にメーカーからそういうのをもらっているということを局長はいつごろおわかりになったのですか。
○政府委員(池田俊也君) 私自体は不勉強でございまして、ごく最近でございますが、これは担当課といたしましては必ずしも最近ではございませんで、かなり前からそういう事態がある、これは御存じのように農林省は農協の検査をいたしておるわけでございまして、全購連につきましても従来検査をいたしておりますが、その段階で把握をいたしまして、これはいろんな考え方があろうかとは思いますが、どうも非常に仕組みがややこしいわけでございますし、またその金がどういうふうに末端組織なりあるいは消費者にどういうふうに還元されることが確保できるのかというような点についても問題がございますので、こういうものは整理をするのが望ましい、こういうことで従来検査を行ないました段階におきまして指導をいたしておるわけでございます。
○沢田実君 どうも局長のお話と、私が聞いておる話と一つ一つ違いますので非常にまずいのですが、大臣、実は農林省の方の御説明と通産省の方の御説明を事前に私ども聞きました。その段階ではそういうものがあることは農林省も通産省も知りません。つい最近そういうふうに答弁していらっしゃるのです。ところが局長は、私は最近聞いたけれども、担当のほうではちゃんと会計検査をして十分そういうことがわかっておるとおっしゃいますけれども、要するに全購連がメーカーからもらっておる金は、これまでここに明らかにされておりません。メーカーのほうとしてもはっきりものを言いたがりません。しかしメーカーから全購連に出ておることは間違いございません。そこでいまおっしゃるように出ておることは間違いありませんので、その値段だけ末端価格が安くなっておるかというと、先ほど末端価格をお聞きしたように、それだけ末端価格が安くなっておるという証拠が何にも出ておりません。そういうわけでございますので、私はせっかくこういう法律をまた五年間延長して、そうして価格を安定し、内需を確保し、しかもいまたいへんな日本の農業段階ですので、これを変えてとおっしゃるならばもう少し農協の方々も農家の方々の立場に立ってメーカーから安く買ったならば安く出すと、六百何ぼですか、きまった値段よりもたとえ五円でも十円でも下げることができるならば、自分たちが口銭をもらうよりは、六百六十八円七十一銭をまた十円でも五円でも下げる、こういうふうなお気持ちがあるならば、私はこの法律を延ばしてもいいと思うのです。ところが事実はそうじゃなしに、そのことについてはいろいろなうわさもありますが、私は確実なものを持っておりません。うわさだけではものを申しませんが、確かにメーカーは出しておりますし、全購連はそれを受け取っておることは間違いなさそうです。そこで私はそれに対する大臣のお考えをお聞きすると同時に、もう一つは、ここで資料がないものを何だかんだと言っておっても始まりませんので、そういうふうにメーカーから年間に全購連はどれだけの金を受け取って、その金をどういうふうに使用しておるのか。そういう資料を私は要求をしたいと思います。
○国務大臣(倉石忠雄君) 私もきょう初めてこのことを承るわけでありますが、先ほど農政局長が申し上げたとおりだと思いますけれども、お説のように、中間で、ロスでもないでしょうけれども、もしロスがあるとすれば、それを整理すればそれだけだけ傘下の需要者の利益になるわけでありますから、全購連でもそれぞれいろいろやっておいでになるのだと思いますが、いまのようなことについてただいま各方面から要望されておりますのは、農業団体に対するいろいろな意味における検討をせよということでありますので、ただいまのようなお話等もよく当事者とも会って話を聞いてみたいと思っております。できる限り調査いたしまして、御要望でございますから出すようにいたします。
○沢田実君 では、価格の問題はそのくらいにいたしまして、さらに価格を下げるように御努力をお願いしたいと思います。 次に、生産の合理化によって価格は相当に下がったようにこの書類にはなっております。次の段階の大型合理化によってさらにまた価格が下がっていくであろうことを期待しておりますが、反面、流通経費が非常に値上がりをいたしまして、農家渡し価格というのは、せっかく生産合理化で下げても下がらない心配がございます。 で、通運料金の値上げでございますが、これも相当肥料に与える影響が大きいと思いますが、汽車の関係はよろしいと思いますけれども、それが駅に着いてそこでマル通で扱って単協の倉庫に入れてということになりますと荷扱いが高くなります。またその倉庫料金の値上げということも問題になっております。で、倉庫料金の値上げがございますと、メーカーが倉庫に入れてある間値上げになりますと約束をする価格にもまた影響が出てくるのじゃないかということが心配されます。それからもう一つは、国鉄の運賃で政策割り引きというものがございますが、それも来年から廃止をしてくれというような要求が国鉄から出ているやに聞いております。いろいろな点でせっかく合理化をして単価を下げましても、そのような流通経費がかさむことによって、またひとつ農家の末端の価格がちっとも下がらない、あるいはかえって値上がりするというようなことが考えられるわけですが、その辺の御配意はどのようになっているか、お尋ねをしたいと思います。
○政府委員(池田俊也君) 御指摘がございましたように、通運料金の値上げが先般あったわけでございます。これにつきましては当初七割ぐらい値上げをしてほしいという御要望がございまして、私どもはそれは消費者に対する影響から言いましてあまりにも値上げ幅が多過ぎるということで、いろいろ関係省間で折衝をいたしまして、人件費の値上がりということもございますので、ある程度の値上がりは避けることができないと判断をいたしたわけでございますが、まあ七割というわけにはまいりませんので、一九・八%の値上がりにこれを押えまして認可をいたしたのでございます。こういう通運関係の値上がりによりまして、その前に港湾関係の荷役についても値上げがございましたが、合わせますと肥料関係で十八億円というぐらいで約一%に該当するわけでございます。これは極力努力をいたしました結果がそういうことであったわけでございます。 なお、今後倉庫料金等の値上げが一応業界から要望されておるわけでございまして、六割程度の値上げをしてほしいという御要望がございますが、これをそのまま認めるということになりますと、肥料の分野におきまして約八億円の値上がりになります。これはやはり非常に大幅でございますので、もう少しとにかに納得のできるものにしなければならないということで、私どもは極力値上げを避けたいわけでございますが、目下関係者間におきまして話し合いをいたしておる段階でございます。 なお、国鉄によります公共負担の問題、これは金額で計算をいたしますと約二十六億ぐらいでございますが、これにつきましてはまだ具体的にどうこうという話は私ども伺っておりませんが、いずれにいたしましても肥料価格には非常に影響がある問題でございますので、慎重にこの問題は対処をいたしたいと、こういう気持でございます。いずれにいたしましても、いろいろな人件費のアップ等によりまして、こういうものが逐次出てまいる可能性がございますので、これにつきましては極力押さえるというのが基本原則でございますが、同時にいろいろな合理化によりましてそういうものを吸収することも必要でございますので、そういうことについてはなお私どもも努力をいたしたいという考えでございます。
○沢田実君 通運料金のほうは運輸省の認可を要しますので、これは歯どめがきくと思うのですが、いま御努力の結果こういうふうに一九・八%で押えたということはけっこうなことでございますけれども、倉庫料の値上げの場合はそういうふうな認可が要りませんので、歯どめがきかないのではないかと思いますけれども、いまお話のようにお話し合いによって相当特別に倉庫料の値上げの率を少なくすることが可能な状況かどうか、この辺はどうでしょうか。
○政府委員(池田俊也君) 倉庫料金の値上げにつきましては、これは従来も大手の利用者と倉庫業界との間で極力折衡をいたしまして、そして利用者がまあある程度はやむを得ないということで、曲がりなりにも納得をしました上で値上げをするということが従来のルールみたいなことになっておるわけでございます。肥料につきましても非常に大手の利用者でございますので、そういう業界の意向を無視いたしまして一方的に値上げをするということはこれはあり得ないというふうに考えているわけでございまして、私どもは妥当な結果が出ることを期待いたしておるわけでございます。
○沢田実君 その倉庫料の計算が従価料金から量目料金に変わるようなこともお聞きしておりますが、その辺の状況はどうでしょうか。
○政府委員(池田俊也君) まあそこらの問題も若干そういう話があるというふうには聞いておりますが、具体的に目下の折衝段階でそれをどう扱うかということの方法につきましては、私どもまだ承知をいたしておりません。
○沢田実君 それでは最後の輸出体制の一元化という問題についてお尋ねをしたいわけですが、第二次大型化の計画が完成をいたしますと、いままで二十社ぐらいあったのが大体八つぐらいになってしまう。それがさらにもう一歩前進をいたしますと、おそらく三井、三菱系のメーカーだけが残って、あとはもう肥料はみんなやめてしまうのではないかというような見通しが話されているような昨今でございます。そういうような現況を考えますと、この法律で輸出体制の一元化というようなことで特別なことをしなくても、これは三井、三菱系の商社であれば非常な力を持っておりますのでできるのじゃないかと思いますが、その点どんなふうに農林省としてはお考えでしょうか。済みません、通産省ですか。
○説明員(中沢三郎君) 御質問の第二次大型化計画によりまして肥料メーカーの数が非常に少なくなるのではないか、しかもそれが、少なくなった各メーカーのグループを考えれば輸出体制の一元化というようなことも必要ではないかという御趣旨の御質問かと思いますが、現在行なっておりますところの第二次のアンモニアの合理化計画の八計画というのは、アンモニアメーカー、したがってアンモニアからつくる尿素なり硫安メーカーが八社になるという計画ではないわけでございまして、八計画に参加しますところの既存のアンモニアなり、ア系の肥料メーカーの数はほとんど変らない状態でございます。その構造改善以前に二十三社あります会社数、メーカーなり販売を行なっているところの会社数が二十一社になるという程度でございまして、それによりまして、言ってみそば非常に少なくなったグループが市場を何といいますか大部分を占めてしまうという事態になるのではなくて、従来とほとんど変わらない状態で事態が推移していく、こういうふうに考えているわけでございます。もちろん八計画の中身を見ますと、それぞれ関連のある会社が共同投資というようなことをやっておりますので、そういう意味におきましてはグループ化というようなことが行なわれていくわけでございます。しかし、それがこのまま輸出体制の一元化というような効果を代替し得るような、何といいますか、少数のグループ化がはかられるというわけではないわけでございます。それはただいま申し上げましたように、国内の各社の実態はそう変らないということのほか、輸出体制一元化の問題は、単にそういう国内体制の寡占状態との関連におけるというよりも、大きなねらいといたしましては、主要な輸出国の先々が、中国なりあるいはインドなりインドネシアというようなところがほとんど輸入の一元化、国家によりますところの輸入の一元化というようなことの体制をとっていることに対応するものでございまして、そういう意味からいきますと、依然として現在の輸出一元化の体制はこのままでいく必要があるのではないか。ことに大型化の必要から第二次合理化計画を進めておりますが、その完成という過程を考えますと、そこに一挙に大型化計画が実現するわけではございませんで、国内秩序及び輸出秩序を保つという意味においてなお必要なものである、こういうふうに考えているわけであります。
○沢田実君 最後に大臣にお伺いしたいのですが、いまずっと申し上げましたように、内需の優先確保は十分にできそうだ、価格につきましてもこの法律でなくても価格の安定はあるいはできるのではなかろうかといろいろお尋ねをしてきたわけですが、輸出の一元化の体制についても、この法律がなくても、あるいは五年というような長い期間を要しなくとももうできる体制になっているんじゃないか、私はこういうふうな立場でいろいろ質問したわけですが、大臣としてはどうしてももう五年これを延ばさなくちゃならないというふうにお考えであるかどうか承りまして、私の質問を終わりたいと思います。
○国務大臣(倉石忠雄君) 私どもは総合農政という考え方に立ちましていろいろ農政を進めてまいりますためにも、一番大事な肥料その他の生産資材というものの価格の低位安定な供給を必要とすることは申すまでもございません。そこで、先ほど来いろいろお話し合いもございましたように、肥料をとって考えてみますと、だんだん大型化になってその国際的競争が非常に激しくなってまいる、こういうことに対処いたしましてやはりもうしばらくこの法律を存続させることが必要ではないかと、このように考えまして、延長の御賛同を得たいと思って御提案申し上げている次第でございます。どうかよろしくお願いいたします。
○北村暢君 だいぶこまかい質問が出たようでございますから、私もなるべく重複しないように御質問いたしますが、まず需給計画、需給の問題についてお伺いいたしますが、消費構成の上からいって米の生産に対する肥料の使用量というのは非常に高いわけでありますが、 〔委員長退席、理事商橋雄之助君着席〕 今度の米生産調整の問題が出てまいりまして約一割減反をするということになりますというと、大体趨勢的に見まして四十三年度の肥料年度における国内の需要に対して従来の需要の伸びからすれば低くなっておるわけです。特に肥料の内容等も硫安は前年に比較して四十三年度は減っておりますし、塩安は若干ふえておりますが、まあ肥料の、内容的には高度化成がふえてくる傾向にあるようですが、それでも相対的には肥料の内需が停滞してきているという傾向があるわけです。それに加えて米の生産調整ということで内需の減少を来たす原因が加わっているわけでありますが、四十五年度のアンモニア系窒素肥料の需給の計画はどのようになっておりますか。
○国務大臣(倉石忠雄君) 需給の計画の前に一般的な考えを申し上げますが、米のほうで使っております肥料の割合は大体肥料の四割でございます。百五十万トンに相当する休耕及び転作が行なわれるわけでありますが、それが行なわれたといたしましても、肥料の需要量の四割の減少ということになるわけでありますが、まあかりに全部が休耕するわけでもありません、転作もわれわれはできるだけやってもらうようにお願いをしておるし、また相当部分が他作物への転作が考えられるわけであります。そういうことを考えてみますというと、今回の米の生産調整によりましてもやっぱり園芸作物その他の施肥料の増加を計算しなければなりませんので、たいした違いはないのじゃないかと、このように見ておるわけであります。いまの需給量のほう、ちょっと……。
○政府委員(池田俊也君) 概略の傾向につきましてはただいま大臣から御答弁がございましたが、具体的な数字につきましてはまだ確定したものができておらないのでございます。現在関係省間におきまして検討中でございます。まあしかし傾向といたしましては先ほど大臣からお答えがあったとおりでございます。
○北村暢君 そうすると、四十五年度の内需の計画は検討中で、これはいつごろ——生産にもすぐ関係してくるわけでしょう。それは春肥の問題も出てくるし、検討中ということのようですが、いつごろ確定されるのですか。
○政府委員(池田俊也君) これは御存じのように、肥料年度は七月から六月末ということに相なっておるわけでございまして、現在は四十四肥料年度のやや終わりに近づいている時期でございます。それで従来の例でございますが、六月中には関係省間におきまして数字を確定いたしまして四十五肥料年度からの基礎的なデータにいたしたいということでございますので、もうあと二カ月程度はかかろうかと思います。
○北村暢君 そうすると、内需は米の生産調整によってもあまり影響は受けないということの答弁のようですから、肥料の生産にはあまり影響はしないだろう、こういうことの答弁で受けとめます。それで四十三年度の在庫量が大体アンモニア系窒素肥料全体で、いただいた資料によるというと百四十一万トンくらい在庫があるようでございます。これの原因と、四十四年はこれはまあ現在集計ができておらないかもしれませんが、この中国の輸出の関係の契約高、これとの関係から四十四年度は一体どういう傾向にあるか、この点御説明願います。
○政府委員(池田俊也君) 四十四年度の動向が基礎的に必要なわけでございますが、先ほど大臣からお答えがありましたような一般的な状況でございますが、内需といたしましては前年に比べてそう大きな違いはないのではないか、ただ気分と申しますか、やはり生産調整という非常に大きなショックがございますので、従来の傾向で申し上げますと若干肥料の出荷が停滞をいたしております。そういう事情がございます。それから輸出面におきましては、これはまあ通産省の担当でございますが、先ほどもお話ございましたように、前年の中共輸出が非常に時期がおくれましてそれがかなりずれ込んでおりますので、それが全体の需給に影響いたしておりまして、現在在庫量がかなり多いわけでございます。年度当初の数字でございますと、大体ア系の窒素肥料で申し上げますと大体三百万トンくらいの在庫がございまして、それでもかなり適正在庫に比べますと在庫量としては多いわけでございますが、そういう実態でございます。そういうような上で今後四十五年度の需給見通しを立てるわけでございますので、四十五年度の需給見通しといたしましては、やはり輸出を相当大幅にふやしていくことによりまして需給を逐次妥当なものに持っていく、こういうことが必要なことであろうと考えているわけであります。
○北村暢君 四十四年度の内需も停滞はしているがというが、大体ア系窒素肥料全体で内需は四百万トンくらいあるのですか。それから存庫が四十四年度肥料年度で現在で三百万トンくらいある、ということになると、この四十三年度の百四十一万トンというのは相当な在庫ですわね。適正在庫とは言えない。さらにそれが倍の三百万トンというと、内需を百万トンくらい下回る程度のこれはばく大な在庫ですわね。ですからそうなりますと、この肥料がだぶついてきておるという実態ですが、それを通産省側にお伺いしますが、その原因が四十四年度の中国貿易の契約高、四十五年四月までの契約済みのものが、 〔理事高橋雄之助君退席、委員長着席〕 大体四百三十五万トンであったというふうに言われておりますが、さらにそれの昨年の十月ですかね、硫安と尿素が追加契約が成立してこれが五十三万トン。大体四百八十八万八千トンくらい中国との間に契約済みになっている。これが一体輸出実績は——契約はこうでありましたが、輸出実績は一体どうなって、この三百万トンの在庫との関係がどうなっているのかということをちょっと説明していただけませんか。
○説明員(中沢三郎君) 契約ベースにおきますところの中国との間の数字はほぼ先生ただいまお話のとおりでございますが、それが四十四年度の在庫との関係でございますが、御承知のとおりに四十三年度、四十四年度におきますところの中国との成約自体がおくれまして、したがいましてその船積みがほぼ半年くらいおくれているというふうなことから、現在、四十四年度で申し上げますと約三百万程度の在庫になる、こういう関係でございます。
○北村暢君 まあ契約自体おくれたのだけれども、実際に引き渡したものは一体どのくらいになって、契約高のうち四十五年三月現在契約済みのものがどのくらい実施されないで残っているのかこれを聞いているのです。
○説明員(中沢三郎君) 先ほど申し上げましたように、船積みがおくれて押せ押せできたわけでございますが、年度末船積みの期間が昨年の六月から今年四月末までということになっておりまして、契約数量全量の船積みが今月末までに行なわれる、こういうことになっております。
○北村暢君 今月末までに四百八十八万トンが船積みされてなお三百万トンの在庫が、三百万トンが二百万トンになるかならぬか知りませんが、四月末でそれでは在庫幾らになる見通しですか。
○説明員(中沢三郎君) いまここに持っております数字が肥料年度末の数字でございまして、先ほど申し上げましたように四月末までに契約数量全量の船積みが行なわれました場合におきましても、四十四肥料年度末の在庫として硫換で約四カ月ほどの在庫になる、こういう計算になるわけでございます。
○北村暢君 大体わかってまいりました。そうすると、四十四肥料年度の中国向けの膨大な四百八十八万トン何がしというものは中国へ輸出されると、そういうことにおいて四十四肥料年度のことし六月の末に在庫がなおかつ三百万トン在庫になるだろう、こういう見通しなんですか。
○説明員(中沢三郎君) そのとおりでございます。
○北村暢君 これは相当なものですね。そうなると大へんなことになるようですね。そうしますとちょっとお伺いしますが、この第二次アンモニア設備の大型化の計画の完成時における需給の見通し、これは四十六肥料年度、再来年度を見越しておるのですが、この肥料用内需、輸出、工業用合わせてアンモニア設備四百二十一万トン、これはアンモニアでの計算でありますから、この四十六肥料年度におきますアンモニア系肥料の需給計画はどういうふうになっておりますか。これアンモニアに換算すればどういうふうになりますか。
○説明員(中沢三郎君) 御指摘のように、第二次大型化の完了時である四十六肥料年度の需給見通しは、四十二肥料年度をもとにいたしまして先ほど武内先生の御説明にも申し上げましたような考え方から見通しを立てたわけでございますが、内需におきまして硫換で三百八十二万トン、それから輸出肥料用で七百五十万トン、計一千百三十六万トン、これが肥料関係でございますが、さらにアンモニアの工業用といたしまして三百六十二万トン、合計千四百九十八万トンの数字を見込んだわけでございます。
○北村暢君 そうしますと、大体内需については若干下がり得る、輸出において七百五十万トンですから、これは輸出が内需の大体倍のような傾向になっておりますね。そこで輸出肥料産業、特にこのアンモニア系窒素肥料はもう明らかに輸出産業のほうに重点がかかってきている。これはもう間違いないようでありますが、そこで四十四肥料年度の在庫が三百万トン近くあるということからして、これは輸出の伸びというものが今後大きなウエートを持ってくるわけでありますが、先ほど武内委員からの質問でもありましたように、東南アジアの各国も肥料の自給体制というものをやってきているという状態でありますから、中国というものが輸出先における非常に大きな役割りを果たすことになるのでありますが、一体この第二次アンモニア設備の大型化完成後における輸出七百五十万トンの輸出先別の計画は、見込みはどんなように考えておられるのですか。
○説明員(中沢三郎君) 御指摘のように、四十六年度でアンモニアの第二次大型化が完成した場合の需給計画の見通しといたしまして問題のあることは事実でございますが、輸出そのものの可能性という問題は、先ほども申し上げましたように、主として東南アジア、中国大陸を含めて輸出を考えております。ただグロスとしての見通しを立てたわけでございまして、国別にどういう輸出を行なうべきかという見通しは立てておらないわけでございます。ただ、このアンモニア工業という立場から申し上げますと、あくまでもその需給のバランスをとらなければならないわけでございますが、輸出産業としての性格、実体の強い化学肥料の輸出につきましては、もちろん市場の確保という観点から輸出の実現につとめるつもりでございますが、なお工業用プロパーの需要の増という観点を織り込みまして、たとえば四十二年度の工業用に対しますところのアンモニアの割合を投入ベースで見ますと約三五%でございますが、四十六年度の推計は固めに見ましてもそれは四五%の投入率になるというようなことがございますので、両々相まちましてそのアンモニアの需給のバランスをはかっていきたいというように考えるわけでございます。もちろん市場の確保という観点から、輸出市場が確保され、なおかつ化学工業の基礎肥料でありますところのいわゆる工業用のアンモニアの供給という二つの拡大をはかりまして、そのバランスの大きな狂いのないように持っていきたい、こういうように考えております。
○北村暢君 いや、あなた、現実に完成時の輸出は七百五十万トン、こういう目標を立てているのでしょう。そうしてそのグループ別のことを言われておりますけれども、中国を除いたところの輸出先の伸びというものはだんだん減ってきているわけでしょう。そうではないですか。中国を除いたもの、インド、アフリカもこれからいくかもしれませんが、韓国も自給するようになってきましたし、フィリピンもそうですし、東南アジアもあまり将来期待できないだろうということで、中国を除いた以外のところはグループ別に見てあまり伸びる公算がない。四十三肥料年度よりも約二百万トンくらいのものでしょう。そうすると七百五十万トンということになれば、中国が飛躍的に伸びないと輸出関係が大きな狂いがくるというように思われるのです。ですから相手国の、一番最大の輸出国である中国がこの覚え書き貿易その他友好貿易等で今日非常に交渉が難航している、政府間交渉ではできない、こういう状態で最大の輸出先である中国が政治的にも要素が加わって大きな問題を含んでいるということになると、この輸出があまりにも中国貿易に依存し過ぎているという結果が出てくるわけですね。中国でちょっと狂いが出てくるといろいろな肥料の在庫がものすごく出てくるという、現実にそういう問題が出ているわけでしょう。ですからこの輸出の問題について、一体七百五十万トンの輸出というものをどういう方針で考えているのか、まあ内需の工業用のことはあとで聞きますが、まずこの点について実際に心配ないのかどうなのか、中国にかわる市場というものが今後考えられるのかどうなのか、グループ別ならグループ別に、一体どういう傾向にあるのか、そういうことを聞いているわけです。
○説明員(中沢三郎君) お答えが非常にまずくて申しわけなかったわけでございますが、先ほど東南アジアというのを一括して申し上げたわけでございますが、その中身を考えますと確かに御指摘のように、現在の時点にかんがみますと中国に対する依存度がきわめて大きなものがございまして、そういう観点から言いますと、あまり特定の国に依存度が高いということは輸出先の安定性という観点から非常に問題があることは承知しているわけでございます。しかし、中国自身に若干不安定の要素があると言いましても、中国市場における顕在化してきている需要そのものについてはこれはかなり大きいというふうに見ることができますので、まず第一にこの面に期待を大きく寄せているものでございます。 そのほか、従来、中国のほかにいわゆる借款国としてのインド、インドネシア等への輸出のウエートがかなり高うございまして、四〇%近い輸出量の中のウエートを占めておったわけでございますが、日本ばかりではなくて、欧州あるいは米国等のインド、インドネシアに対する借款供与との関係もございまして、現在、両国とも在庫過剰というような事態でございまして、現在、この国に短期的には大きな数量を期待するのはなかなかむずかしいのではないかというように考えております。しかし、現在の在庫状況がいつまでも続いて、日本から肥料は買わないという状態が続くというふうには考えておりませんで、やはり、その両国の農業開発の進展、流通機構の整備、いろいろのことが進展しまして出てきますところのその需要に期待する。のみならず、そういう需要を大きくするような働きかけも、経済協力その他を通じまして必要ではないか。そう考えてまいりますと、現在の時点ではやや苦しいわけでございますが、やはり中期的な見通しとしては、相当期待できるというふうに考えておるわけでございます。 なおまた、セイロン、パキスタン、あるいは南・北両ベトナムというような市場があるわけでございますけれども、セイロン、パキンタンにつきましては、数量がやや小さくて、大幅な今後の期待はできないわけでございますが、ベトナムの情勢によりましては、昨年、尿素が両ベトナムで約五万トンほど出ておるというようなことを考えますと、今後相当な期待をし得るのではないかというふうに考えるわけでございます。したがいまして、四十六肥料年度の輸出用の増加の総量としての七百五十三万トン、これは四十二年度に比べますと二百万トンの増加でございますが、ここ二、三年の——先ほど申し上げたように、その在庫の圧迫が押せ押せで出ておりますが——ここ二、三年の努力あるいは事態の推移によりまして、全然機運がないということではございませんが、大きな可能性のないことではないのではないかというふうに考えておるわけでございます。
○北村暢君 それでは、質問が前後しますけれども、大臣に早く帰ってもらったほうがいいかと思いますから、大臣に関係のある質問だけ先にいたしましょう。 いまの国内の肥料の使う形態が非常に変わって来て、単肥が、硫安等が減ってきて、尿素に切りかわったと思ったら尿素も今度は高度化成に変わってきている、こういう状況なんですが、農業技術の進歩、発展というものと、この肥料の利用形態が変わってきているということについて、一体どういう見通しを持っておられるのか。一方的な肥料メーカーの都合でこういうふうになっているのか、農業技術の進歩が高度化成を要求しているのか、あるいはこの高度化成に対する使用上の農民に対する指導、そういうものが行き届いておるのかどうなのか。こういう面について、肥料の種類別の内容が、肥料の形が変わってきておりますので、また窒素系肥料ばかりでなしに燐酸、カリ等の率も非常に高くなっているようです。こういう問題について、肥料全体の運用の問題について、いかなる方針で臨んでおるのか。この点をまずお伺いしておきたい。
○政府委員(池田俊也君) 御指摘のように、肥料の形態がかなり変わってまいっておるわけでございます。これはいろんな理由があると思います。従来は御存じのように、硫安のウエートが非常に高かったわけでございますが、やはり硫安は土壌を酸性にする、こういうようなこともございますので、それが逐次尿素に置きかわると、一方ではやはりいろんな作物がかなり多岐になってまいりまして、それに適した肥料を農協等におきましてもいろいろ指導をする、こういうことで燐酸なりあるいはカリ、尿素等を含んだ化成肥料というような形で、そういう指導をするというようなことで逐次高度化成肥料みたいなものを中心に、そういったもののウエートが増してきたというようなことがあると思うわけでございます。 それからまた一方から見ますと、普及員でございますとかあるいは農協の営農指導員でございますとか、そういうところの指導がだんだん徹底をいたしまして、かなりいろんなこまかい指導をいたしまして、それと同持に農協等におきましても購買事業というものと営農指導というものを密着させると、こういうような方向で営農指導と結びついた肥料の供給をする、こういうような体制が逐次出てまいりました。端的に申し上げますと、非常に芸がこまかくなってきたと申しますか、そういうような面でいろいろな種類の肥料がつくられておる、そういうもののウエートが増してきた、こういうふうに一応私ども考えているわけでございます。 ただいろんな、非常に複雑な肥料ができておりますが、やはり基本的には私どもは土壌の状態にうまく適合をいたしました肥料、それから、もちろんそれぞれの作物に最も適した肥料を合理的に、ただ肥料をよけいやればよいということではなしに、合理的な肥料のやり方が必要でございますので、こういうことにつきましては、実は基本的には土壌の調査からしなければいけないということで、従来から土壊調査をやっておりまして、これは四十八年度までに大体五千万ヘクタール近くの土壊調査を完了する、こういう予定でございますが、そういうものを基礎にいたしまして、そしてさらにはいろんな試験場等を使いまして、土壊のさらにこまかい分析をいたしましてそれに応じた施肥を指導する、こういうことをやっておるわけでございまして、いろんな肥料が出てきておりますが、あまりむだな肥料の投下をいたしてもこれは意味がございませんので、そういうような意味で合理的な施肥の方法を指導する、こういう方向でまいっておるわけでございます。
○北村暢君 農林省は合理的な肥料の使い方を指導する、まあそういうのはけっこうな話なんだが、農民がこれを使いこなせるかどうかという問題が問題だろうと思うんです。そういう面の指導というのは、これは農協も指導しておるんでしょうけれども、そういう普及体制というようなものは行き届いておるのかどうなのか。あまりにも複雑な成分で農民は一体どういうところにどういうふうに効くのか、非常に施肥の技術というものがむずかしくなってきているわけでしょう。そういうものと農業技術の進歩による農民のこれの受けとめ方というものがバランスがとれているのかどうなのか、ここら辺がちょっと心配になるからお伺いしているんですがね。
○政府委員(池田俊也君) 御存じのように、肥料の施用というのは日本農業の場合、かなり古くから非常に多量の肥料を使うというのが特色であったわけでございます。肥料というものが農業生産の一つの非常に大きなウエートを占めておったわけでございまして、そういう意味では日本の農家というのは、わりあいに肥料の投下については古い歴史を持っておりますし、またそれなりの知識を持っておるわけでございますが、やはり最近におきましては、かなり兼業化が進んできたというようなことで、まあ奥さんがもっぱら農業をやっているというような事例もございますので、そういうような、わりあいに農業知識が十分でない方にも適した肥料が最近は出てきていると、まあいろんな単肥をまぜ合わせましてやるのではなしに、たとえばこういう地方のこういう稲であればこうだと、あるいはミカンであればこうだと、そういうようにそれぞれの種類に応じた肥料が出てきているわけでございまして、そういう意味では、私どもはそう心配はないといいますか、むしろかなりぜいたくな肥料の使い方が現在なされているというふうに考えるわけでございます。ただ、そういうことでございますけれども、なお合理的な施肥を指導する必要がございますので、現在は御存じのように、普及員とそれから農協の営農指導員が互いに密接な連絡をとりながら農家を指導する、それに基づきまして農家が農協なりあるいはその他から肥料を買うというかっこうになってきているわけでございまして、私どもは基本的には、一般的には合理的な施肥が行なわれているというふうには理解をいたしているわけでございます。
○北村暢君 それからもう一つ、流通面のことで先ほど沢田委員から、全購連がメーカーから何か奨励金のようなものをもらっているんではないかというお話ですが、商習慣として全購連が大量に取り扱うということで、これはメーカーが取り扱うよりは経費その他において節約できるので、そういう面における大量出荷の奨励金みたいなもので全購連に出ているのではないかというふうに思われるんですがね。この点は、これは肥料メーカーばかりでなしに、購買事業だけでなしに、販売事業等においても農協の大量出荷について出荷奨励金というようなものを業者が協同組合に出すというようなことが行なわれているわけですね。したがって、これが出ているからといって直ちにけしからぬということにはならないんだろうと思うんですが、大臣はそういうものが出ているか出てないか、いまここで初めて聞いたというのですが、そういうことは何か隠しだてしているように受け取れるんで、こういうものは出ているなら出ているとはっきり言ったらいいんじゃないですか。 それから全購連の肥料の手数料率は、四十三年度で〇・六一%と手数料の率は若干前年度より低くなっているようです。それの一袋当たり二十キロ詰めで手数料平均一円四十銭、全購連の全体の利益金に占める肥料の比率というのが、これが四十三年度で六億六千五百二十一万という、わずかな手数料でも全購連は六億からの肥料だけの収入があるわけですね。これが全購連の財政全体の、利益金全体における一四・七%であると、こういう資料をいただいているわけですが、この六億六千五百二十一万という全購連の肥料に関する利益の中に肥料メーカーから出る奨励金のようなものが、これは手数料だけなのか、これが奨励金なんというものが含まれているのか、こういうことが私はより問題だと思うのです。で、奨励金というものが出て、それが全購連の経理の中に入っていないとなるとこれは問題になるわけだけれども、入っておればこれは何も隠したり何かする必要のないものでしょう。ですから、そういう点はやはり疑惑を受けないようにはっきりすべきだと思いますね。そういう点で承知しておられるかどうかお伺いしておきたい。
○政府委員(池田俊也君) 先ほど協力費という名前で申し上げたわけでございますが、これの基本的な性格はただいま先生がお述べになりましたようなことであると、私どもも基本的には理解をいたしておるのでございます。まあそういうような性格のものでございますが、これはいわゆる手数料によります利益で、先ほどお述べになりました四十三年度でございますと六億六千万程度でございますが、これの中には人っておらないのでございます。これはなぜかと申しますと、一応そういうことで受け入れをいたしまして、なおこの系統の年間特約共同計算というようなことで運動をやっております。それの一つの資金として使っておると、こういうことがあるわけでございまして、内容が非常に複雑でございますが、一部は出荷奨励金というようなことで下部に流す。それからまたあるいはその一部は年間特約奨励金というようなことで特約の額に応じまして、これも末端に流すと、こういうことでいろんな形があるわけでございます。で、私どもは、肥料の確かに全購連がいまそういう運動をやっておりますので、そのためのいろんな経費も要るであろうということはよく理解をいたしておるのでございますけれども、しかしなるべくならばやはりそういうものは合理化をいたしまして、できるならば消費春に還元をしていくというのが方向としては好ましいであろうということで、確かにいろんな商習慣もございますし、いろんな事情があるとは思うのでございますが、方向といたしましては先ほど沢田先生から御指摘がございましたが、なるべくそれは合理化するような方向で指導をいたしたいというふうに、いろんな検査等を通じましてそういう指導は従来もいたしておりますけれども、なお努力をしたい、こういう気持ちでございます。
○北村暢君 それじゃ先ほどの需給の問題と合理化の問題、主として通産省側にお伺いいたします。 先ほどの在庫の問題、第二次の大型計画の完成時の結果についてお伺いいたしたのでありますが、アンモニア工業の構造改善についてということで第二次の合理化計画が実施されているわけですが、その際における工業用のアンモニアが百二十万トン完成時において計画されているわけですね。この工業用のアンモニアが大体現状においてどういうような状況にあるか。四十六肥料年度において合理化計画が百二十万トン、そして合理化計画をやらないところも生産するわけでありますから、これよりはもちろん生産は多くなるわけでしょうが、四十四年度の計画で一体どういうような状況にあるのかということをお伺いしたいんです。四十四年度では工業用アンモニアは大幅に不足しているという実態があるようですが、その状況を説明していただきたい。
○説明員(中沢三郎君) 四十四年度において工業用アンモニアが不足しておるのではないかというお話でございますが、総体として工業用のアンモニアが不足していることはないのではないかと考えるわけでございます。もちろんその場所、あるいは一時的に、ある部分的にそういうことがあるいは先生のお耳に入っているかもしれませんけれども、全体といたしましては工業用のアンモニアが供給不足であるということはないというふうに考えておるわけでございます。
○北村暢君 私の承知しているところでは、大体肥料同業者向けの供給量が十二万四千トンである。その場合に需給計画からいくと百九十四万七千トンのようですね、需要は四十四年度の見込みでは。そういう需要に対して純消費量が百五十八万トンであるが、なおかつ希望が非常に多くて、供給量の不足が約十四万二千トンぐらいあるというふうに言われているんです。それは四十四年度の当初からこの第一次の設備が休止した場合にはこれは稼働するということを予定しておるので、これが休んでしまえば三十一万五千トン不足するんじゃないかという予想が立てられているようです。そういう点で実は工業用のアンモニアというのは不足をして、アンモニアの市況は、価格はもう高水準に推移しているということが言われているんですね、こういうことは御存じないですか。
○説明員(中沢三郎君) 先ほど総体といたしましては工業用のアンモニアの供給量が不足していることがないというように申し上げたわけでありまするが、いまの御質問によりますと、先生の耳にはそういったことが入っておるようでございます。経過的に申しますと、確かに新しい大型設備の計画ができました場合には、現在のアンモニアの製造施設というものは廃止することになっておりますが、しかしながらまだそこまでいっておりません。現在フルに動いておるわけでございます。ただ、昨年の暮れから正月にかけてでございますが、一時御指摘のような事態がございましたが、御承知のように第二次大型化の第一号である三井東圧の千トンプラントがすでに稼働しておりまして、その操業度を高めることによりまして、一時窮屈になったといいますか、工業用のアンモニアの価格が上がりかけたのを、供給量の増加によりまして先ほど申し上げましたように緩和したという事実はございました。しかし、その後お話のような事態が続いておるというふうには考えておりませんで、現在の工業用アンモニア生産能力の施設がほとんどフルに、つまり工業用の需要をまかなう供給力にふさわしい稼働をしておる、こういうふうに考えておるわけでございます。
○北村暢君 四十三年の十一月ごろから大型化が始まっておるわけですね。それでこの計画が進んでくるにつれて、いま申された一時的に緩和の方向に確かにあったようです——あったようですが、相対的には肥料用は現実にいま在庫がふえており、そうして工業用のアンモニアのほうは割り振りの関係からいくと逼迫しておるという形で、肥料用は余り、工業用は不足しておる、こういうような形が出てきておるのですが、この第二次大型化が完成した場合において、この矛盾がなおさら表面化してくるんじゃないかということが心配されておるようです。一体そういう点についての打開策というのをどのように考えておられるのか、この点御説明いただきたいと思います。
○説明員(中沢三郎君) お話の中にございます工業用アンモニアの需給関係が四十六年度の完成時点において窮屈になるようなことが肥料生産との関係においてないかという御指摘でございますが、第二次大型化を考えましたときに、先ほども申し上げましたような需給見通しの場合には、基準といたしまして千トンなら千トン、千五百トンなら千五百トンの稼働能力のあるものの稼働率を、先ほどの需給見通しとのかね合いにおきましては、八二%という想定で、なおかつ非常に多額の投資をいたしましてする施設でございますので、その後にふえる需要へのアローアンスを持ってきた計画でございます。したがいまして、今後の工業用の、先生の御懸念になりますような需要の伸びがありました場合にも、完成してまいりますところの施設の操業度のアップによりまして十分対処し得ると、こういうふうに考えているわけでございます。
○北村暢君 そうしますと、昭和四十三年度でアンモニアの工場の稼働率が九五%なわけですね。それが四十六年の完成時で八二%もしくは八七%、ここにある資料では八七%になっているようですが、その稼働率を落とさなければならないぐらい生産過剰になるというのか。四十三年度のこの九五%の稼働率でコストを見た場合と、稼働率が下がった場合のコストというものは、これはまた相当影響してくるのじゃないかと思いますがね、そういう面における見方というのはどうなっているのか。
○説明員(中沢三郎君) 御指摘の中にございます九十何%と八十何%という稼働率の問題でございますが、現在の九五%という稼働率は、いわゆる規模の小さい、従来からありましたいわば老朽といいますか、つまり第二次大型化の大型化でない施設の稼働率をも含めた問題でございますし、もちろんいまお話のございました八七%という稼働率も全体そういうものを含めた稼働率でございます。先ほど私が申しました八二%という数字は大型化されたものの稼働率でございます。したがいまして、大型化率というものが完成した暁には非常に大きくなるわけでございますので、直接的に九五%という稼働率と八二%という稼働率を比較しまして、それがすぐコストにどうはね返るかという問題には結びつけて考えないほうがいいのではないか。むしろ新しい大型施設が全体の中の施設の八〇%近い場合の稼働率として考えますと、価格なりコストというものに、稼働率を下げることによってマイナスの要因が出てくるというふうには考えてないわけでございます。
○北村暢君 次に、これはア系肥料ばかりでなく燐酸工業等にも関係が出てくる硫酸の需給の問題ですがね。最近この硫酸の在庫が九万八千トン、これは四十四年九月末現在で大体九万八千トンということで、百万トンを割ったということが言われているんです。それで、この硫酸の生産が停滞をしているということが一つ最近の問題になっているようです。そこで、こういう逼迫をしているのは一体どういう原因なのか、それから今後の対策としてどういうふうな見通しを持っておるのか、この点お伺いしておきたい。
○説明員(中沢三郎君) 御指摘のように、硫酸の需給が逼迫いたしまして、通常考えられる在庫が少なくなっているという事態がございます。で、硫酸をつくる場合の原料としては、これまでいわゆる鉱山廃ガスを原料とする硫酸と硫化鉱からつくる硫酸がございますが、現在の時点の硫酸不足の原因は、硫酸需要の伸びが非常に多いわけでございますが、生産の原料の大部分を占める硫化鉱の供給力そのものがわが国の場合には不足しておりまして、それが硫酸不足の原因の一つになっているわけでございます。もう一つは、硫酸施設の現状を見ますと、老朽施設が非常に多うございまして、各企業ともまだこの硫酸施設への投資をどうするかというかね合いがまだ態度がきまってないというようなことがございまして、この二つがおもな原因になっております。そのほか御承知のような安中におきますところの某企業の事件などによりまして、製錬ガスからの硫酸の供給力があのアクシデントで非常に減ったということが原因で御指摘のような不足の事態が出たわけでございます。これに対しましては、硫化鉱の輸入措置を講じまして、硫化鉱の供給力の増強によりますところの硫酸の増産をはかったわけでございます。この硫化鉱の輸入につきましては、四十五年度においても引き続き輸入を促進しまして硫酸の不足に対処していきたいというふうに考えておるわけでございます。
○北村暢君 硫化鉱の逼迫によるので輸入を促進するというんですが、四十四年度はこの硫酸が三回にわたって値上げがされておるようですね。トン当たり千円からの値上がりが続いているので、最近四回目の値上げがあるんじゃないかということが言われているんですが、価格の状態はどうなるんでしょうか。 それと、この硫酸の値上がりの問題が肥料工業にどういう影響を与えると見ておられるか。
○説明員(中沢三郎君) 御指摘のように、硫酸価格の引き上げが数次にわたって行なわれたことを承知しております。ただ、硫酸の需要先といたしましては、肥料用と工業用に分けますと、ほぼ肥料用が五〇%でございます。滅ってきておりますが、五〇%ほどでございまして、従来の硫酸業界と肥料工業界との関係からいいまして、価格が値上がりしているとはいいましても、やはり特別の配慮が行なわれているようでございます。しかし全然肥料用の硫酸が値上がりしないというわけではございません。化学肥料工業という立場からできるだけ低廉な肥料を供給するという観点から言いますと、やはり特にこの肥料用の硫酸が硫安に約半分、燐酸肥料用に約半分ほど充当されているわけでございますが、特に合理化を必要とする燐酸肥料に対する影響というものを看過し得ませんので、この面の対策といたしましてできるだけ価格の低い燐酸質肥料を製造するという観点から、当面の硫酸の不足を補うために、先ほど申し上げました硫化鉱の輸入だとかあるいは現在施設の稼働率のアップということのほかに、回収硫黄を原料としますところの大型施設一基を新設することといたしまして、これは本年度中に完成いたしましてほぼ来年からは稼働するという計画でございますが、こうした措置によりまして現在不足ぎみの硫酸の供給力を増加し、この施設の十分なる稼働によりまして肥料用の硫酸の不足が続くことのないようにし得る、こういうふうに考えておるわけでございます。
○北村暢君 あまりこの点やっていても需給そのものにあまり関係——関係はあるのでしょうけれども、やってもどうかと思いますから、次に第一次、第二次の合理化計画による政府の助成による措置というものはどういうようなことが行なわれたのか、融資等の問題も含めてどうなったのか、ひとつ……。
○説明員(中沢三郎君) 第一次の大型化措置は四十年度から四十二年度にかけて行なわれました。これは一基の能力を日産五百トン以上ということでございましたが、これにつきましては政府からは財政資金あるいはその他の援助はいたしておりません。第二次合理化計画が四十二年度から始ったわけでございますが、これは御承知のように千トンプラントという計画がありまして、このプラントを設置するに要する資金が非常に多額でございます関係上、開銀あるいは北東公庫からの融資措置を講ずるということといたしておるわけでございます。それから税制措置といたしまして新らしい施設をつくりますと同時に古い施設を廃棄することというたてまえで新規施設をつくっている関係上、スクラップ税制措置の恩典を与え、なおかつ新らしい施設につきましては特別償却制度というような税制上の措置によりましてこの完成につきまして政府側から援助を行なっているわけでございます。
○北村暢君 そこで今度の第二次合理化計画の進行に伴います過剰人員の問題についてお伺いいたしますが、中でも先ほど来言われているように、この合理化計画では石油産業と密接な関係を持つためにそういう地域に工場の合理化が行なわれる、そういうふうに変わってまいりましたので、それなりの過剰人員の対策というものが問題になっているようです。 そこで端的にお伺いいたしますが、東北肥料の場合ですね、どのような形になるのか。その過剰人員として対策をしなければならない人員が二百十五名ほどおるようでございますが、その措置について一体どのように考えられているか。特に東北肥料の場合は、そのあとの施設ですね、スクラップしたあとにおける措置についてどのように考えておるか。それからもう一つは、八戸の日東化学でありますが、これも三百八十二名の人員が過剰になるということで対策が講じられているわけでありますが、いずれもこれは首を切るわけにいきませんので、完全雇用という配置転換その他で処理をしようということのようでありますが、どういう配慮がなされているか。特に八戸にしても東北肥料にしても、秋田、青森であり、工場の立地条件からいえばあまり芳しくないというようなことで、経営の面においてもこの合理化における被害というものは非常に大きいわけです。したがって、いずれもこの二つの工場は新産都市の指定地域における工場なんですね、そういう意味において東北の現在ある工場施設を縮小するとか何とかということは、政策上から言ってもこれはひとつ考えなけりゃならない問題だ。第二次の合理化計画で助成措置して千トンプラントを融資なり何なりで助成をしているという反面、立地条件の悪いところに取り残されていく工場についてほうっておくということは、これは許されないのじゃないかと私は思う。そういう意味において、産業の配置の点から言っても通産省は当然その事後対策というものを考えていかなきゃならない。このように思うのですが、いま指摘いたしました二つの工場について今後どのような指導をされるおつもりなのか。この点を従来の経過と方針をお伺いしたい。
○説明員(中沢三郎君) 御指摘のように、アンモニアの工業の大型化をはかります場合に、当然そこに廃棄施設というものが生まれますし、それに伴いまして工場の余剰人員というものが出てくるわけでございますが、しかし御質問の中にありましたように、地域の産業の問題、あるいはまた労働問題という観点から、大型化だけが完成されればいいという考え方に立つわけにいきませんので、設備の調整をいたしますときに、通産省といたしましては、設備の廃棄に伴いまして出ますところの余剰人員の吸収等につきまして見通しがあるものに限ってこれを認めるという方針をとってまいったわけでございますが、そういう観点から言いまして、各計画とも計画を立て、通産省の、私たちの省にくる前に、基本的には余剰人員の処理に関しましては、労働組合と話し合いができた上計画が提出されてきております。 お話がありました具体的な東北肥料及び日東化学につきましても、その一環として考えられておるわけでございまして、東北肥料は日水と一緒に小名浜に日本化成というアンモニア会社をつくるわけでございますが、そのときに予定されました人員が、先生御指摘のように二百十五名でございます。それで現在の時点で百五十名でございまして、その差の六十五名は小名浜のほうの、すでにいわきのほうへの配転が完了しているわけでございまして、残っております百五十名につきましては、現在東北肥料が秋田で新たに酸化チタン工場の新設、あるいは弗化アルミに関する仕事、それから亜鉛電解工場というようなことで、むしろ百五十名では不足でございまして、二百名近い人員を必要とするという事態になっておるように承知しておるわけでございます。 それから日東化学につきましては、これは御承知のように、三菱油化と鹿島アンモニア会社をつくるわけでございますが、その際にも余剰対象人員になりましたのが三百八十二名ほどございますが、現在の時点におきますと百三十五名が問題になる人員でございまして、この差額はすでにそれぞれの配転などで吸収されておるわけでございます。その百三十五名に対する問題でございますが、これも鹿島といたしましては、むしろ百五十五名の人員を必要とするというようなことでございます。新しい仕事なり、あるいは横浜工場への転換というようなことを考えますと、そういう事態でございますので、具体的な余剰人員に関する措置といたしましては、いわゆる犠牲者が出るというようなこともなく推移する、こういうふうに考えておるわけでございます。もちろんこの過程におきまして各工場とも御指摘のように地域との関係がございまして、どういう産業を新たに起こすなり配転いたしまして、こういう人たちを吸収するかということが、その過程において考慮されてまいったわけでございますが、それにつきましては企業局並びに出先にある地方の通産局で検討を続け、御協力を申し上げるというふうに考えておりますし、今後も同様なケースにつきましては、企業局を中心にいたしまして、産業立地なり地域開発の関連で御協力を申し上げていきたいと、こういうふうに考えております。
○北村暢君 いま東北肥料のほうについては、あとの企業の運営によって百五十名がかえって人員が不足して二百名ぐらい要るようになるだろう、こういうことのようで完全雇用という点については達成できるようですが、いずれ雇用面については労働組合とやっておりますからむちゃくちゃなことはもちろんされないだろうと思いますが、その場合に、これはやはり従来の施設その他をだいぶかえなければならない、あるいはいろいろな企業が分散するというような問題が出てきているわけです。したがって、私の言っているのは、その完全雇用はもちろんやってもらわなければならないし、そういう合理化するほうの、大型化するほうだけは財政的な金融面においても助成の措置を講ずるが、残ったものについてはこれはめんどうを見ないということになると、これはやはり問題があると思うんです。 で、秋田の場合でも、東肥の場合でも、これはいま言ったような形が偶然できたんではなくして、小畑知事等も入って地元産業を維持するという意味において非常な努力をした結果そうなっているわけですね。ですから、まあ八戸の場合なんかは日東化学そのものは会社の経営そのものも悪く、もちろん無配当ですよ。そうして現在持っている土地を処分して会社の経理をまかなっている面が——運営上やっておるわけでしょう。そういうようなことで決して楽な形でやってないんですよ。そういう意味において、立地条件の悪い八戸とか、あるいは秋田の東肥であるとか、こういうようなところは、私はせっかくあるものをスクラップする場合に、その後の措置というものはあたたかい措置をとってやるべきだと思うんですよ、非常に努力しているわけですから。それは合理化に協力する意味においてそういう形になるんですからね。だからそれが一つ私は通産省の指導面においても配慮があっていいと思うんですがね。経営者はもちろんそれは自分の企業なんですから、自分の企業のことを責任を持ってやるというのは、第一義的には確かにそうでしょう。しかしながら第二次合理化計画の指導方針からいったって、交通の便からあるいは原料の面からこういうところならばいいというから、ひりでに八戸や秋田の東肥はスクラップになるわけでしょう。ですからそういう面では私はやはり別な意味における再建策というもので通産省はあたたかい指導をすべきだと、こう思うんです。そういう点において配慮がなされたかどうかということについて、また今後どのように対処せられるのか、この点をお伺いしておきます。
○説明員(中沢三郎君) 大型化に伴いまして影響を受けます企業の、何といいますか、別な観点から新たな事業を興すという問題について、通産省としてこういう態度をとるべきではないかという先生の御指摘、まことにそのとおりだと思います。たとえば秋田の先ほど酸化チタンに関する計画があって、そこにかなりの人が吸収されるということを申し上げたわけでございますが、もちろんこれにつきまして財政融資が必要があるというお話であるならば、北東公庫の融資ということにつきまして、私たちが計画を期しまして必要があれば融資のあっせんにもちろんやぶさかでございませんし、当初からそういう方針でおります。そのほかにつきましても企業のあり方に関する問題でございますから、御趣旨のような考え方で協力し、御指導申し上げたい、こういうように考えております。
○北村暢君 それじゃもう時間が時間ですから、最後に貿易関係で実はやりたかったんですけれども省略をいたしまして、最後に輸出会社と発足当初にこの肥料新法の発足、昭和三十七年の売り掛け金の償却の状況についてお伺いいたしますが、当時二百十五億の赤字を背負っておったわけでありますが、その輸出硫安会社の赤字の処理はどのようになされておるか、この点をお伺いいたします。
○説明員(中沢三郎君) お話の赤字額でございますが、三十七年十二月末現在で二百十五億ございました。それで各企業が自己償却分が三十六億ございまして、いわゆる特別法によりまして償却の延期を認められた額が百七十九億ございます。累年償却してまいりまして、現在二十七億償却残が残っておる、こういう状況でございまして、順調に償却されてきております。また今後十年以内に全額が償却されるというふうに見ておるわけでございます。
○北村暢君 そこで、十九社のうち十二社が償却を終了しているわけですが、繰り越しを持っておるところはこれでいうと七社ばかり残っておるわけですが、その残っているうちに日東化学、それから日本水素等があるわけですが、そのほかにもまあ五社あるわけですが、他の企業は、残っておるところは一割配当をやっておるようなところもありますが、日東化学と日本水素は無配——配当なんか無配ですわね。しかも日東化学は十六億のうち残っているのが八億六千万、日本水素が八億五千万のうち五億六千万残っているですね、五億六千八百万ですか、そういうふうに残っているわけです。で、日東化学が半分くらいしか償却しておりませんし、日本水素はまだ三億弱くらいしか返していないわけです。そういうようなことで順調に返済はされておるわけで、償却されておるわけでありますけれども、こういう無配で非常に経営の苦しいところが残っているようですが、今後の見通しはどのように考えられておるか、この点お伺いしておきます。
○説明員(中沢三郎君) 御指摘のように未償却の赤字を持っておる会社といたしまして日東化学、日本水素その他がございます。また、その日東化学及び日本水素の償却残額は先生御指摘の数字のとおりでございます。それからまた、償却ができませんと配当ということがなかなかむずかしいわけでございますが、この二社に代表されるような会社の性質を考えますと、やはり会社の売り上げ総額といいますか、事業ウエートにおきます肥料のウエートが高いところでございましてその他の会社が、この二社も含めてでございますが、やはり何といいますか、脱肥料化といいますか、化学肥料でなくて、新しい石油化学に、化学工業分野に事業を拡大いたしまして、そちらの事業の振興によってこの肥料の負担のウエートというものを下げていくというのが基本的な方向であるべきであるというふうに考えるわけでございまして、もちろん企業の責任者としてもそう考えておりますし、それからまた私たちもそういう方向が望ましいということでございまして、たとえば具体的に日東化学で申し上げますと、やはり合成繊維アクリロニトリルの分野を新たに拡大することによって、そういうような方向での実現をはかろうとしているわけでございまして、私たちといたしましてそういう方向につきましては一そう進めるとともに、またその成果を期持する、こういうふうに考えておるわけでございます。
○委員長(園田清充君) 本案に対する質疑は本日はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。 午後五時二十七分散会 —————・—————