農林水産委員会 第4号
- 発言数
- 166 件
- 登壇者
- 12 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1970/03/13
会議録
○委員長(園田清充君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。 農林水産政策に関する調査を議題といたします。 昭和四十五年度農林省関係の施策及び予算に関する件について調査を行ないます。 これより質疑を行ないます。質疑のある方は順次御発言を願います。
○北村暢君 過日農林大臣の所信の表明がございましたが、これに対しまして若干質問をいたしたいと思います。 まず、今日の日本の農業をめぐる情勢というのはきわめてきびしい情勢にあることはいまさら申し上げるまでもございませんが、それに対して、政府は、総合農政の展開をはかることとしたと、こういうことを言われておるのでありますが、この総合農政というのは、いままでの六〇年代の基本法農政と一体どういうふうに違うと考えられておるのか、総合農政とは基本法農政と本質的に違うのかどうなのか、その点をどういうふうに考えておられるか、まずお伺いをいたしたい。
○国務大臣(倉石忠雄君) もちろん、この農業基本法のたてまえを私どもはその基本にいたしておるのでありますが、私ども最近の情勢を見ておりますというと、著しいわが国の経済の成長、それから外国、つまり国際的な影響をも非常に受けてまいりました昨今のわが国の産業構造の中における農業を考えてみますというと、やはりその体質を国際競争に耐え得るような、しっかりした体質に改善をいたさなければならないということ、つまり農業の構造を改善してまいることが必要であると考えるわけでございます。そこで基本法にいっております精神を、もちろん私どもはその精神は同じでありますけれども、そういう意味で農業の体質をしっかりしたものに構造を改善していこう、こういうことを終局的に総合農政というものの考え方の基本としているわけであります。
○北村暢君 いまおっしゃられたことは、まあ前段に述べられました国際競争力に耐え得る農業という点は基本法そのものには直接うたっていないようでありますけれども、そういう構造改善等の問題は基本法にはっきりうたわれておるわけですね。したがって、基本法と政策の目標なり、国の施策において総合農政というのはあまり変わってないようです。基本法もまた総合的に農政全般についてのことが国の施策としてうたわれているわけです。 それで、どうも大臣の答弁で私ははっきりしないんですが、いまの構造改善等において、過去十年間第一次の構造改善事業を実施をした。実施をしたが農家の構造改善は全然進まなかったということははっきりいたしております。したがって、この十年間の反省の上に立って、基本法のうたっておることができなかったからあらためてやるというのであれば、基本法農政を続いてやっていくということで、何も差しつかえないはずなんです。したがって、私は総合農政も基本法農政も本質においては変わってないというふうに見ておるのですが、何か特に変わっておるという点はあるのですか。
○国務大臣(倉石忠雄君) さっきも申し上げましたように、私どもは農業基本法のたてまえというものは、ああいうたてまえで農政はやっていくべきものだと、いまも思っているわけであります。しかし、先ほども申しましたように、いろいろな環境も変わってきておりますので、それに対処して若干の考え方をそこに加味してまいる。まあ私どもの考え方を率直に述べております中にも言っておりますように、自立経営農家を育成していくこと、そしてそれを中核にひとつ集団的な営農団地をつくってまいりたい。これもやはり基礎的な考え方は農業基本法にあります考え方と同じでありますからして、そういう趣旨でこれからの農政を進めてまいろうというのが私どもの言っておる総合農政の基本的な考え方に共通している問題であると思います。
○北村暢君 まあ、この問題はあまり論議していてもあれですが、これは基本法を読めばいま大臣の言われたことはみんな書いてあるのですよ。(国の施策)というところの第二条第一項第一号には、「需要が増加する農産物の生産の増進、需要が減少する農産物の生産の転換、外国産農産物と競争関係にある農産物の生産の合理化等農業生産の選択拡大を図ること。」とはっきりしている。いま総合農政で推進しようとしているこの米の生産調整の問題についても、基本法にはっきりうたっているのです、これね……。それから農業構造改善の問題にしても、自立経営農家の問題にしても、「農業経営の規模の拡大、農地の集団化、家畜の導入、機械化その他農地保有の合理化及び農業経営の近代化を図ること。」、これは構造改善事業だということで、もうはっきり基本法にうたっている。何ら変わっていないと思うのですね。ただ大臣のおっしゃられる若干変わった思想というのは、自立経営農家を中心として集団的な営農をやっていくのだ。これも基本法には若干そういう趣旨のことをうたっておりますから、あまりこれも新しいことではないというふうに思うのです。したがって私は、この基本法の精神を忠実に実行していけば、いま大臣のおっしゃられた総合農政に近いものになっていくというふうに思っているので、これはあまり総合農政、総合農政といって何か新しいように聞こえるけれども、さっぱり新しいものではないというふうに思います。この点についての、もう少し進んだ考え方の問題については、農政審議会の答申あるいは経済審議会の農業問題研究委員会の農業の装置化とシステム化という問題について検討をされておりますから、そういう若干新しいものは確かに出てきておりますけれども、これは後ほどの問題として私もいろいろ御質問したいと思います。 いずれにしてもこの総合農政と基本法農政というのはあまりたいしたことでなくて、基本法農政も総合的にやっておったことは間違いないのですが、ただ成果があがらなかったということであろうと思うのであります。 そこで今度の総合農政というのは、農政審議会の答申に基づきまして、「総合農政の推進について」という政府の方針を明らかにしておる、こういうふうに思うのですが、この農政審議会の「農政推進上留意すべき基本的事項についての答申」、これに対して政府の「総合農政推進について」というのは、一体どういう関係を持っておるのかということをまずお伺いをいたしたいと思います。
○国務大臣(倉石忠雄君) 私どものほうでは、かねてからさっき申し上げましたような変転していく社会に処して農業をどのようにやっていくべきであるかという、もちろん基本法のたてまえが中核ではありますが、それにつきまして農政審議会にいろいろ御相談をいたしておりました。で、農政審議会もいま御指摘のように中間の答申を出していただいております。私どもはもちろんそういう御意見も十分にしんしゃく、参考にいたしながら、われわれの考えを進めてまいろうとしておるわけであります。
○北村暢君 この農政審議会の答申は、米の生産調整というのが冒頭に出てまいりまして、あとの総合農政の推進について」は非常に抽象的であって、具体性がないということで非常に不評判ですね。それで農林省はそういう点を配慮されたとみえまして、農林省の「総合農政の推進について」というのは、米の生産調整は冒頭に持ってこないで、農業の近代化といういわゆる構造改善というものを冒頭に持ってきておるという点については、これはだいぶ答申の不評判に対して農林省も反省している点が確かに見受けられます。まあそういう点からいえば、この農業構造改善事業が今度の農林省の大きな政治的な課題でもある。農地法の改正、農協法の改正あるいは年金等の一連の農業構造改善ということを重点に農林省としては考えておる。米の生産調整というのは、これは農政の部類に属さない。農業の切り捨てのようなものですから、こんなことはだれでもやれることですから、農政に部類しない、そういうことの反省はあるようですね。その点は私どもも認めるわけです。したがって、この答申の方向というものはもちろんあまり総合農政においても変わったことはないのですが、それでもこれをしさいに検討するというと、だいぶちょいちょい変わった点がございます。表現等においても変わっている点がございます。 そこで、先ほど話のありました国際農業に太刀打ちできるような日本農業の体質改善をやる、そのために構造改善事業をやる、こういうことなんですが、まず冒頭に御質問いたしたいのは、この農政審議会の中において、この答申が出る過程においての論議でありますが、答申の中に私は非常に重要なことが出ておるというふうに思うのです。それは、「農政推進上の基本的事項」というところで、「農業をどのように方向づけるかはむずかしい問題である。一部にはこの厳しい現実を素直に肯定して、日本農業の衰退はやむをえないものとし、農政は農業の後退作戦をとるべきだ」との意見もあるということで、農業の後退作戦をとるべき段階にきているのだという論議が農政審議会の中で堂々と行なわれたということなんです。これは私は日本の農政の中において、かつてなかったことだろうと思うのですね。したがって、大臣にお伺いしておきたいのは、非常にきびしい情勢にある国際農業の中にあって、環境が変わった中で、日本の農業というのは後退作戦をとるべき段階にきているのではないかという意見、これをある程度肯定したような形における表現が各所に出てきておると思うのです。したがって、この問題に対する政府の基本的な考え方、日本の農業に対する基本的な考え方、これをひとつお伺いしておきたい。
○国務大臣(倉石忠雄君) 私はこういうことを書きましたこの意見は、どなたがどういうふうに言われておるのか、まだ不勉強でよく聞いておりませんけれども、これも結論ではございませんようです。私どもは、日本の農業というものは絶対に維持、強化していかなければならない、こういうたてまえを基本的に持っておるわけであります。そこで、できるだけそういうことのために、あらゆる施策を講じなければならないというたてまえでやりますので、こういう後退作戦というのはどういう意味か存じませんけれども、われわれは、いま御指摘のように、米はこういう状態でありますから生産調整をいたさなければなりませんけれども、農業全体としては、私どもの総合農政の考え方でも申しておりますように、これはできるだけ保護し、育成していくべきものである、こういうふうに考えておるわけであります。
○北村暢君 大臣は、いま日本の農業は維持、拡大をしていくために構造改善その他総合農政を推進していくのだ、こういうふうに言われましたが、実はあなたのおっしゃるようなことの表現になっておらないわけなんですね。そこで、私は、食用農産物の自給率について、答申はこういうふうに表現しておりますよ。「食用農産物の自給率は、今後若干は低下せざるをえない見込みであるが、自給率が大幅に低下することは、一億をこえる人口をもち、……」云々ということで、「自給率が現状の八〇%程度から著しく低下することのないよう、需要の強い畜産物、」その他、これは選択的拡大の方向で努力するんだ、——答申はそういうふうになっている。「食用農産物の自給率は、今後若干は低下」するということを認めておるわけですね。はっきり認めておる。したがって、現在の状態を維持、増進するというこのニュアンスから考えれば、自給率を高めていくというふうに受け取られるのですけれども、答申ではそういうふうに言っておらない。 ところが、政府のほうの「総合農政の推進について」というところを見ますというと、若干違っておる。ということは、答申のほうは、「今後若干は低下せざるをえない見込みであるが、」と言って、もう断定しておるのですけれども、政府のこの「総合農政の推進について」を見ますというと、この点が書かれていないのですね。若干下がる見込みであるということはうたっていない。ここはだいぶ配慮したところだろうと思うのです。政府のほうの表現から言えば、「自給率が著しく低下することのないよう」に、今後の日本の選択的拡大の方向の施策をとっていくのだ、こういう趣旨のことが書かれ、「生産性の向上を基本として近代的農業によって相当程度の自給率を確保することが必要である。」こういうふうに言っているのです。 したがって、いま大臣の答弁のありました現状を維持し、さらに積極的に拡大をしていくという、維持、増進をしていくということを御答弁になりましたけれども、あなたのところで出しているこの「総合農政の推進について」というのでは、そういうふうになっておらない。非常に消極的でしょう。「自給率が著しく低下することのないよう」にやっていく——もう自給率は低下している。そうして、「相当程度の自給率を確保することが必要である」と、こう言って、あまり極端に下がることのないように、ある程度のところで自給率を確保するんだ、こういう表現なんです。積極的に自給率を拡大していくという表現は一切出ていない。答申にもなければ「総合農政の推進」にもない。あなたの最初の答弁の維持、増進ということは、どういう趣旨であなたはそういう答弁をされておるのか。その点、もう一度はっきりしていただきたい。
○国務大臣(倉石忠雄君) この農政審議会の答申を読んでみると、このままずっといけばと、放っておけばというふうにとれる文句に書いてあります。われわれは、しかし、まあ北村君御存じのように、昭和三十九年ごろからわが国の国民の食料の嗜好というものがだんだん変化してきて、米の需要は少しずつ減っておりますけれども、そのほかの、たとえば肉類、野菜、くだものの需要は一人当たりの消費量が徐々にふえております。したがって、そういうようなものの供給は、ひとつできるだけ国内で間に合わせるようにいたしたい、したがって、たとえば畜産にいたしましても、そういう方向でそれぞれの計画を立てながら増産するようにつとめております。したがって、私どもとしては、ここにも言っておりますように、一億をこえようとするわが国の人口のまかなうべき食料についてできるだけ自給度を維持していきたいと、こういう考えでありますので、必要な物資につきましてはできるだけ国内で生産することのできるものはやってまいりたい、こういうことの努力をしていきたいと、こういう考えを私は述べたわけであります。
○北村暢君 どうもまだそこのところはっきりいたしませんが、そうしますというと、基本的に農政審議会の中でも論議になっておる、いわゆる「農業の後退作戦をとるべきである」という論議は、これは、日本の農産物の価格は国際価格よりはるかに高い、したがって、そういうものを保護政策をとっているからいつまでたっても近代化が進まない。したがって、高い農産物を国内で生産することを奨励するよりは、外国の安い農産物をどんどん輸入したほうがいいという、端的に言えばそういう思想だと思うのですね。したがって、そういうことが堂々と論議せられて、しかも国民総生産の中における農業総生産の占める地位というものは、現在もどんどん下がりつつあるし、将来も下がっていくだろう、したがって、農業の就業人口も減っていくし、農家も減っていく、そういうことで「農業の後退作戦をとるべきだ」という論議が私はあったのではないかと思うのです。貿易の自由化もしかりです。そういう考え方から出てきているのだと思う。したがって、私は大臣にもう一度はっきりお伺いしておきたいのは、自給率を積極的に拡大をしていく、引き上げていく、そういう努力を今後もやられるのだというふうに理解していいかどうか、この点を大臣はっきり答弁していただきたい。
○国務大臣(倉石忠雄君) 農政審議会でもやはり、私がいまお答えしたと同じようなことを言っておるわけですが、農政は農業の後退作戦をとるべきだとの意見もある。しかし、やがて人口が一億二千万人に達しようとするわが国において、食料の供給を主として海外に仰ぐこととするのは、国民生活の恒久的安定と向上を希求する政府のとるべき政策の方向とはなりにくいであろう。」——まあ私どもも、ここでえらい遠慮がちに答申ではいっているようでありますが、やっぱり私どもは先ほど申し上げましたような考え方で後退作戦というようなことは考えるべきではないとこう思っておるわけでありますが、したがって食料を大幅に海外に依存することは私どもとして適当でないと思っておりますので、できるだけ国内でまかなうことが望ましいと考えているわけであります。そこで、いやしくも自給率が現状より著しく後退するようなことのないようにあらゆる施策を講じて努力をしていかなければならない、こう思っておるわけであります。
○北村暢君 だから、その自給率を著しく後退しないように努力をしていく、後退しないように。そういう表現になっているんですよ、いま大臣のおっしゃったような、この文章はそういうふうになっている。したがって、「しないように」でなくて、現状においても自給率八〇%程度でしょう、この八〇%程度の自給率を八〇%よりも上に持っていこうとするのか。黙っておげば下がるから、下がらないように現状維持で八〇%に維持していこうというのか。これは後ほども私こまかく聞きますけれども、大臣には姿勢の問題を聞いている。その八〇%にいまきている。これは自給率下がってきているんですよ。下がってきているので八〇%程度に押えて、さらに積極的に自給率を上げていくように今後努力すると、こういうふうに理解してようございますか。
○国務大臣(倉石忠雄君) もう、この点は御存じのように生産条件、海外の状況、そういうようなものの影響ももちろんありますから、ときにはその間若干の上下はあるだろうけれども、やはり現状程度の自給率はぜひ維持していくように努力しなければならないと、私はそう考えており、またそのように努力していきたいと思います。
○北村暢君 それでは、自給率の認識のために少しこれはこまかくなってまいりますから事務当局のほうがよろしいと思いますが、自給率というのは一体どういう算定のしかたをしているのか、これをひとつ説明していただきたい、自給率そのものについての認識がないというと論議になりませんので。現在の自給率八〇%というのは一体どういうふうにして算定しているのか。
○政府委員(亀長友義君) 自給率と言う場合に総合自給率と品目別自給率と両方の意味がございます。一般に総合自給率という意味できょうの御論議がなされておるようでございますが、私ども総合自給率八〇%といま考えて、こういう資料も出しておりますが、これは国内の農産物、輸入農産物等すべて金額に換算をしまして、金額でどのぐらい自給になっておるか、こういう計算をいたしておるわけでございます。 それから品目別につきましては、これは量的計算をいたしております。総需要量に対して国内生産量の割合がどれだけあるか、こういう計算をいたしておるわけであります。 総合自給率につきましては、なぜ金額をとったかという点につきましては、いろいろ御議論もあるかと思いますが、これは各国との比較等から、従来、金額のほうで各国でやっておったというような観点が主としてあるわけでございまして、トン数でやること、あるいはカロリーでやれという御意見もありますが、これは品物が違う場合に、トン数で並べるということに一いろいろこれは食生活の消費性向の問題もございますから、全く違うものを同じトン数で並べても意味がないという御議論もありましょうし、カロリーにつきましても、同一カロリーでも品物が違えばやはり消費性向という点から見て問題があろうということで、各品目につきましてはそれぞれ量の計算をし、総自給率を出す場合には、やむなく金額を使って比較をいたしておるという方法によっておる次第でございます。
○北村暢君 その総自給率が、金額に換算をして自給率を出しておるということですが、金額で出す場合に、これはやはり非常に問題があるのは、先ほど言ったように、国内の農産物は国際価格に比して高いわけですね。非常に高いわけです。したがって、安い農産物が入ってきているわけですから、金額で自給率を出した場合、総合自給率、——これは出しているのが悪いというわけではないのですよ。その場合には非常に自給率が高くなって出てくるわけですね。そうして、これをかりに国内の生産量とそれから輸入量とにおける物量面での自給関係を見ると、この総合自給率は金額換算の自給率よりはるかに低いものが出てくるということは当然考えられるのですね。そういう点について検討されたことがありますか。
○政府委員(亀長友義君) 御指摘のように、農産物のものによりましては、海外のものは非常に安い。日本のものは非常に高いというものが現実にございます。ただこの自給率の計算におきましては、私どもは、輸入品たると国産品たるとを問わず、国内の卸売り価格の基準によっておるということでございます。したがいまして、これは経済的な議論になるかもしれませんが、外国のものがかりに外国で安い、あるいは日本に入ってきて関税がかかってもなお原価としては安いという場合もありましょうけれども、卸売り価格に表現されました場合には、それぞれの消費価値に応じて価格が実現をしておる。原価の高低と直接に相関連するものではない、かような観点から、それぞれの品物の消費価値に応じて価格が実現しておると見られる卸売り価格をとっておりますので、原価の安さということがこの自給率の算定に大きな影響を与えることがないように、そういう配慮で卸売り価格によっておる次第でございます。
○北村暢君 まあ卸売り価格での自給率、いずれにしても価格でやった場合と物量でやった場合、価格でやった場合、八三%の自給率は物量にならせば七〇%くらいになるということが試算をされておりますね。比較としてそのくらいになっているようです。 それから、これはまあ自給率の認識の問題ですが、これは八三%というのは、これがまた非常に問題です。八三%の自給率はこれは若干最近になって高くなっておるのですね。というのは、いわゆる四十二、三年ごろから米がだぶついてきておる。この米を除いたものの自給率というふうなものは、これは低下しておると思われるのですが、米を除いたものの自給率、これはどうなっておりますか。しかも米というのは価格でいえば農業生産の約五〇%近い——五〇%か五〇%近いわけでしまう。だから米の過剰であるということは自給率に非常に大きな影響を与えているから、この八三%というのが出てきている、自給率に。価格でやっておりますからね。農業総生産に占める米の比重というのは非常に高いわけですから、それが一〇〇何%で出ておるようですから自給率が八三%になって出てきている。だから米を除いたものの自給率の傾向というのはどうなのか、これは検討されておると思いますが……。
○政府委員(亀長友義君) 総自給率を出すのに、要するに金額を用いるのが私は一番いいということを申し上げておるのではございません。量でやっても、たとえばその米が幾らあっても肉がないというような、同じ米の一トンが牛肉の一トンというような計算になるので、ほかに方法がないから金額でやっておるということで先ほども御説明申し上げたつもりでございます。 具体的な数字の御質問につきましては、四十三年で八三という数字は米の自給率が一一八という前提でございますから、一八だけはほかのものの足りない分に食い込んでおるという、御指摘のようになっております。そこで、米をかりに一一八で一八というのは過剰であるから食わない、一〇〇とおろしますと、自給率というものは当然八三より下がります。米の自給率を一〇〇とすると七八だそうでございまして、四十二年と同じだそうでございます。米を除いて経年的に自給率が増大したかどうか、別途まだ計算をいたしておりませんが、四十二年、四十三年は同じだということでございます。全体の米を含めました自給率としましては、四十年ごろの八〇からは四十三年には八三と、若干上昇をいたしております。 まあ確かにこういう食料の総合自給率というものを求める上で金額による場合、あるいは余っている物資はどういうふうにこれをはねて計算するのか、総合的に計算をするのか、いろいろ金額でやった場合には問題があることはもう御承知のとおりでございます。でありますから、もうヨーロッパの国では総合自給率という計算は最近はやめておるわけです。それぞれのもので、ものごとの自給率について議論をしているというふうな状況でございます。私ども従来やってきました便宜上現在継続してやっておりますが、いろいろそういう内容のある数字であるというふうに御理解いただければ幸いであると思います。
○北村暢君 それからもう一つ自給率について問題のあるのは、いま畜産が非常に伸びてきている。果樹、畜産が伸びているということは、この自給率の向上に非常に役立っているわけです。ところが、この食用農産物の自給率の中にはえさが入っていないわけですね。えさはこれは農業資材と同じで、農薬や農機具と同じで、食料の自給率の中に入っていないわけです。えさの自給率というのは一体どうなっているのか。
○政府委員(亀長友義君) 総合自給率を計算いたします場合には、えさでたくさん買って国内の生産はわずか、そういう点はどうなっているのか、こういう問題につきましては、総合自給率を計算をいたします際に飼料の額はそれぞれ全体の消費の額から飼料の金額だけ落とす、それから国内生産の金額から国内の飼料の生産の分だけ落とす、要するに輸入の飼料も国産の飼料もその金額だけは両落ちにしているということで国内自給率は出してあります。それから濃厚飼料の自給率を出す場合には全体の供給量、国産も外国も入れましたものを分母にして、分子のほうへ国内産の供給量を出すという比較になっております。そこでそういう計算での濃厚飼料の自給率は大体四十二年で四〇%、四十三年で三六%、こういう状況でございます。
○北村暢君 この濃厚飼料が問題なんですね。濃厚飼料が三十五年で六六%で、自給率六六%のものが、いま答弁のありましたように四十二年で四〇%、四十三年で三六%、飼料の自給率はもうどんどん下がっているのですね、これ。それが実は先ほど言う八三%の食用農産物の自給率に入っていないのです。これはえさは直接人間が食べるか動物の腹を通してから食べるかの差だけであって、これは食用農産物の自給率というものを考える場合に、私は非常に大きな要素をなしているものだと思う。ところがこれが加わっていないわけです。したがって、この産業計画会議で物量によるえさを含めた自給率、食用農産物の自給率、これを四十四年の十月に検討しているようですが、その自給率によるというと、びっくりするほどですが、五三%の自給率であるということを算定しているのです。いいですか、私はその産業計画会議の自給率五三%の是非を言っているのではない。いわばこの物量による価格で八三%の自給率でございますと、こういっている日本の農業のえさを含めての物量の自給率というものは、驚くなかれ五三%である。五三%がどのくらい動くかわからない。が、しかし、概数においてそういう状態であるということなんです。したがって、ここで私は農林大臣に、自給率八三%ということで、これが著しく低下しないように今後の農政をやっていくんだと、こうおっしゃるのであるが、この自給率八三%というものは、実は物量に換算し、えさを含めていくというと驚くなかれ五三%の自給率程度しかないということです。したがって、私は、先ほど来この自給率にこだわっておるのは、自給率を飛躍的に積極的に引き上げるという努力をしていくのかどうかということについて、私は大臣の見解を先ほど来ただしているのは、こういう実態があるからです。私は、日本の農業というものは積極的に自給率を高めていくという努力を今後やるべきである、こういう観点に立って実はしつこくこの自給率という問題にこだわっているわけです。 したがって、大臣の見解も聞いておきたいと思いますが、四十三年に出している農林省の「農産物の需要と生産の長期見通し」、これによります需要と生産の比較が出ておりますね。これは、米、小麦等の作物別の需要と生産との比較がなされております。これは一体、昭和五十二年度の目標における需要と生産の差というものを出して、それのパーセントも出しております。この農産物の需要と生産の長期見通し、これの自給率というのは一体どの程度に計算されているのか。五十二年度になれば自給率は何%になるのか、これをひとつお伺いしたい。個々の物資についてはここに出ております。これは相対的にいったら昭和四十三年の八三%に対して五十二年度は一体何%になるか。これをお伺いしたい。
○政府委員(亀長友義君) 恐縮でございますが、私から多少数字について説明させていただきます。 産業計画会議は、六十年までで農業の伸びは年率二%くらいである、消費の伸び率は四%くらいである、こういう前提で計算をされておるようであります。私どもも、ほかのところで計算したもので詳細は承知をいたさないのでありますが、そういう前提を置かれておるということは、われわれの計算とかなり違っておる。さらに、六十年であるということも違っております。 私ども、五十二年の農産物需要と生産の長期見通しを四十三年十一月に公表しておるわけですが、総合自給率というのは実は公表いたしておりません。しかしながら、そこで計算をいたします自給率としましては、米を一〇〇に落とした現在の自給率は七八でございますが、五十二年にはこれを米をやはり一〇〇に落とすという政策をとって、その他の畜産物あるいは果実類等を伸ばす、こういう見通しを立てておりまして、総合自給率といたしましては、七五ないし七九、大体八〇、そのくらいのものを維持したいという、これは特に米につきましてはいろいろな政策を講じられておりますし、今後畜産、果実肉類等に関する施策を講じて七九程度までは維持したいということでございます。——米を一〇〇に落として現在七八であるそうです。五十二年には米を同じように一〇〇にいたしまして、これを七五からないし七九に維持したい。そういたしますと米以外のこれから伸ばしたいと思う果実、肉類、牛乳、乳製品等は九割の自給率程度に持っていきたい、こういうふうに考えております。もちろんその際に米、麦類等は現在の自給率よりは低下をいたすという反面がございます。そのようにいたしますと結果的に現在から伸ばすものについて申し上げますが、畜産につきましては現在の二・二倍、野菜につきましては一・三倍、果実につきましては一・七倍というふうな生産の伸び率を期待いたして五十二年の長期見通しを作成したわけでございます。
○北村暢君 いまの説明で総合の自給率、昭和五十二年を目標において積極的にこの自給率を拡大していくということには理解できるような形にはなっておりませんね。米を除くというと現在七八%の自給率だと、こういうのでしょう、これは米を除くということは米を一〇〇にしたわけでしょう。
○政府委員(亀長友義君) はい。
○北村暢君 五十二年も米は一〇〇ですから同じですわね。それで七五から七九程度に持っていきたいということは現在と何もほとんど変わってないということでしょう、これ。いまの説明ではそういうふうになりませんか。
○政府委員(亀長友義君) 米、小麦等につきましては、自給率は現在より低下をいたしますが、その他の分につきましては先ほど申し上げましたように大幅な生産の伸長を見込んでおります。 全体の自給率は、これは金で計算をいたします関係上個別の品目の量的計算とは、やや感じが違ってまいりますが、金額的に申せば七九と七八の違いでございますが、中身については御承知のように米のとにかく数量が大きく変わる、小麦が変わるというふうな、非常に金の張る、しかも大量のものが変わるという関係で金額的な自給率としましては大した変化がないといえば変化がないというふうにいわれるわけですが、個別のものの量的変化、量的に見ますと大幅な自給率の変化がある、かようにお考え願いたい。
○北村暢君 この点はまたいつか詳しい論議をやることにいたしまして、どうも見通しと品目ごとの若干の差はあるが、自給率は積極的に拡大をしていくという姿勢はここにはあらわれておらない、これが積極的に書けない要素なんですね。「著しく下がらない程度に」なんてある。これは上がらない。上がらないから、下がらない程度に努力するということしか表現できない。これはまことに正直に表現しておる。しかしいまのあれも、えさについては入っておりませんね。
○政府委員(亀長友義君) 総合自給率の計算においてはえさは除外してございます。これは非常にたとえば畜産物の価値とダブるというような要素もございますから、そういう意味で飼料は、抜いておるということでございます。
○北村暢君 飼料の需給総括表の中でも、濃厚飼料の国産と輸入の関係、これによりましても、国産の濃厚飼料は昭和四十一年で四百万トン、それから五十二年が五百二十三万四千トンですね。輸入飼料は四十一年が六百八万四千トン、五十二年が一千二百九十万八千トン、約二倍の濃厚飼料を輸入する計画になっておりますね。これは一千二百万トンの濃厚飼料を輸入するのですよ。米が生産が一千二百万トンでしょう。米換算にすればどのくらいになるのかわかりませんが、そういう比較からいっても、米に匹敵する膨大な濃厚飼料を輸入する計画で、畜産が、先ほど二倍程度伸びますなんてこう言っておりますが、伸びると同時に、輸入飼料もまた二倍ぐらい伸びるようになっておりますね、これ。それを前提に置いているわけですね。そういう点からいって、やはりえさの自給率というものが入ってないところに非常に大きな問題があるのです。 そういう点で、いかに今後における自給率の問題について、日本の農業というものはほんとうの意味における自給率が向上をしていくような形にはなっておらぬ。最大に伸びる畜産が外国の輸入飼料にたよるようにちゃんとできておるのだ、これ。そういう点をひとつ、五十二年においてそういうことがはっきりしているでしょう、あなた方の計画自体で。こういう点を説明されておりますけれども、えさを入れての自給度というものをやはり厳密に検討する必要がある、こういうことなんです。したがって先ほどの米は一〇〇%で、小麦その他が減って、畜産が大いに伸びるようになって、自給率は七五から七九%ですと、こういう説明だけで、現状維持かなというふうに軽く見過すわけにはいかない。そういう事態にあるということをひとつ御理解願って、大臣に私は最終的に御答弁願いたいと思いますが、自給率にこだわっているのはそういうところなんです。決して自給率が上がるような形になっておらない。またそういう姿勢がないのです。ですから、私は大臣に、日本の農業の将来を展望しても積極的に自給率を高めていく、こういう積極姿勢があってしかるべきだということを繰り返し繰り返し言っているのはそういうところにあるわけです。いま自給率の問題について質疑をかわして大体明らかになったのですから、はなはだ失礼でありますけれども、大臣もこの自給率八三%というのは内容はそういうものであるということを御理解いただけたと思えるのですね。ひとつ今後の方針として大臣の所見をお伺いしておきたい。
○国務大臣(倉石忠雄君) えさの、ことに濃厚飼料の状況は、先ほどここで政府委員も御説明申し上げ、あなたも御指摘になったとおりだと思います。私どもはできるだけ草地の造成に努力をいたしたり、そういう飼料の自給度を高めることに努力はしておりますけれども、とにかくいま御指摘のように、飼料の需給のバランスが合ってないということ、そのことは率直に何人といえども認めなければならぬ問題だと思います。
○北村暢君 認めてどうされるのですか。そこを、大臣の腹を聞いている。
○国務大臣(倉石忠雄君) これは御存じのように、たとえばわれわれが鶏を飼うトウモロコシ、マイロ、こういうものがわが国でそれだけできるかといいましたら、大部分、大きな量は不可能であるということは御存じのとおりであります。ですからして、私どもはそこに一つの大きな悩みがあるわけでありまして、国民の食生活がだんだん進化してきて、肉類あるいは卵、そういうものを要求する量がふえている。それを充足するための濃厚飼料の原料というものが、わが国にはそれに間に合うだけの産出はほとんど不可能、そういう点にわが国の畜産関係においては非常な悩みがあるわけであります。
○北村暢君 悩みがあるので濃厚飼料の輸入はやむを得ない点がある、こういうふうに受け取れるわけなんですが、確かにそのとおりでしょう。そのとおりでしょうが、この農政審議会の答申には、そういう点を配慮してかどうかしらぬが、「輸入の調整」というところで、東南アジアの発展途上国との貿易関係の問題について「国内供給が増大する需要に対応できない産品の開発輸入をすすめる必要がある。」ということを言っておる、答申のほうには。ところが「総合農政の推進について」のほうにはこの開発輸入のことは触れておらない、載っておらないのですよ。そこでお伺いしておきますが、この濃厚飼料の現在の輸入先は圧倒的にアメリカ、カナダですね。で、この東南アジアの各国との、発展途上国との開発輸入との関係を、濃厚飼料の輸入の問題に関連して、政府はどういう考え方をしているか。答申には開発輸入をするとうたっている。政府の案には「総合農政の推進」の貿易のところには出ておらない。一体、政府の考え方はこの開発輸入という考え方をとらないのかどうなのか、答申は出ておりますから、それをひとつ伺いたい。
○国務大臣(倉石忠雄君) これは、政府としては、そこまではっきりした方針を、政府として言明すべき段階にきておるかどうかは別として、まだそこまでいっておりませんが、実は東南アジアの国でもそういうことを希望している国がございます。たとえば、インドネシアなどではわが国の農業技術を活用して、開発輸入的な計画、大きなプロジェクトを研究しておる地域があります。かつて農林省におりました技術者の方もそういうところに依頼を受けて調査に参加いたしておる者もあります。そこではかなり大きな計画で、米とトウモロコシのようでありますが、これがまだ、はたしてわれわれがそういうものに協力して、そろばんに合うような濃厚飼料の原料——米は要りません、米はもちろんインドネシアは不足でありますから、自分のほうで処理したい。そういうことについて特別な協力を要請されて研究をしておる者もございます。私どもそういうものの経過を見まして、これがわが国の濃厚飼料の原料に引き合うような計画が立つならば、これは大いに国際的にも両国の関係にもプラスになることであるし、大いにいいことだと思っておりますが、まだそこまではいっておりません。あと一、二そういうようなことを考えておる開発途上国もあるようでありますが、そういうことについては十分に私どもも注意をしながら、好意を持って見ておるわけであります。
○北村暢君 そうしますと、貿易の構造上からいってもですね、どうせ輸入するならば——どうせ輸入するならばアメリカからトウモロコシをはじめとするばく大なえさを、飼料を輸入するよりは、東南アジアの発展途上国からの開発輸入のほうが望ましいということだけは言うのですが、そういう面についての技術援助なりあるいはそれに類する協力、経済協力の意味における協力というものは、農林省としては方針としてとっておられるのかどうか。いま大臣の説明を聞くというと、インドネシアの例をあげられて、開発がされて、アメリカのものと競争の上において安いものであるならば、品質がいいものならば、東南アジアから買ってもよろしい、こういうような意向のようですがね、そういう積極的な経済協力なり何なりにおける措置というのは農林省としてはとっておるんですか。これは経済協力は通産省なり外務省なり、個人資本の投下ということになれば大蔵省、所管がいずれもみな違いますがね、違いますが、どうなんですか。えさの輸入先をアメリカから東南アジアに転換するということが積極的にやられるのかどうか。安くなれば買ってもよろしいという程度のものなのか、どうなのか、この点をはっきりしていただきたい。
○国務大臣(倉石忠雄君) 農林省では、東南アジアの諸国に農業技術の開発について技術者を派遣してもらいたいというような要望にはこたえておるわけでありますから、いま私が申しましたのは、一例をあげましたのは、インドネシア、向こうの政府がいろんなことを考えておられるようでありますが、そういうことに対して、わが国の政府として関係いたしておるわけではありませんで、日本の農業技術者がそういうことの調査検討に協力をしておりますと、そういうことでありまして、政府がそれについて公式に手をつけるかどうかということは、やはり政府全体のいろいろな方針もあるでありましょうから、あらためて相談しなければなりませんが、現にそういう地域が東南アジア地方でもあれば、これは私どもとしては十分考えてみる値打ちがある問題ではないかと思うんでありますが、現在政府が公式にそういうことについて協力をしているというものは、私は存じませんが、何かあるか。
○政府委員(小暮光美君) ただいま大臣からお話ございましたように、私ども農業開発協力というものの考え方につきましては、ただいま関係各省協力しまして、海外技術協力センターという組織を通じて技術援助をいたしております。そのために技術者を派遣するという問題につきましてはかなりの件数がございます。延べ七百名以上の人が、この計画に基づいて各地に技術を援助するという形で参っております。ただ、開発輸入というような形は、御承知のようにその産品を買い付ける仕組みをどうするかという問題でございます。この問題につきましてはきわめて慎重な検討を要する問題であろうと考えております。
○北村暢君 いまの技術協力センターに七百何名というのは、そのうち農業関係の技術者はどのくらいおるんですか。それは全部ひっくるめてでしょう。
○政府委員(小暮光美君) 具体的に申しますと、たとえばパキスタンの農業機械化訓練センターに二名、インドの農業普及センターに七名——第一次七名、第二次八名、カンボジアの農業技術センターに四名、カンボジアの畜産センターに五名といったような形でございます。
○北村暢君 ですからね、答申には、答申にはですよ、「開発輸入をすすめることが必要である。」と、こう言ってはっきり答申しているわけですよ。ところが大臣の説明を聞くというと、まだ政府としてその開発輸入をやるということについては、これから検討するようなふうにも受け取れるんだが、民間はやっているかもしれないけれども、政府間ではそういうことはまだやっていないのだと、こういうお話のようですね。そうでなくて、開発輸入はある程度やっているのじゃないですか、政府としても。たとえばこの間決算委員会でもやったのですけれども、タイ国に対して製糖の開発をするとか、そういう技術指導をやって、日本がこれのできたものを輸入するという目的でやっておるというのが出ておりますよ。そういうのは政府としてやっていないのですか。
○政府委員(小暮光美君) 製糖の問題は、私、申しわけありませんが、具体的にいま承知いたしておりません。いずれも民間ベースで、たとえば木材あるいは冷凍エビあるいはトウモロコシ、こういうものを東南アジアの国で生産して輸入したらいかがであろうか、そういう希望なりあるいは見通しなり、民間ベースで議論されておるものはございます。政府として直接関与いたしますのは、先ほど申しましたように、東南アジアの農業開発のための技術援助という角度で技術者の派遣等を援助いたしておるということで、経済ベースの問題について政府が直接取り上げておる計画は、まだ私承知いたしておりません。
○北村暢君 開発輸入ということばは、ことばからいえば、これは飼料にしてもあなた方が買わないのは、価格のわりに東南アジアのトウモロコシなり食用小麦なりえさ用の小麦なりが、どろがまざっているとかなんとかいって品質が悪いから買わないわけでしょう。これはとれないのじゃない、とれるのですよ、トウモロコシは。したがって、経済ベースに合わないからアメリカから輸入しているわけでしょう。したがって、この発展途上国は農業技術等おくれているから、そういうことで買わないだけの話で、民間べースで開発輸入をやっているというのは、これはやはり通産省なり大蔵省なり指導しているわけですよ、開発輸入するように。だから、そういう農産物の直接の問題だから、機械や何かのことを聞いているのじゃないのだから、しかも答申には、開発輸入をすることが必要であるということを答申しておる。ところが、あなたのほうの「総合農政の推進について」には開発輸入というのは載っておらない。いまの大臣の答弁のようなものだから載せられなかったのだろうと思うのですけれども、したがって今後の方針として、私は、アメリカからばく大な、しかもこれから一千万トン以上の飼料を輸入するというのに、発展途上国から輸入したほうが日本の経済全体からいっても好ましい方向であろうと思うから政府の方針を聞いているので、民間がやっているのでしょう。全然、わしゃ知らぬということでそれでいいものかどうなのか、そういう点を聞いているのですよ、どうなんですか。
○国務大臣(倉石忠雄君) いま事務当局から申し上げましたのは、いままでの経過のことでありまして、私どもといたしましては、やはり十分そういうことについても研究し対処していきたいと思っております。
○北村暢君 次に問題を変えまして、先ほど来出ております一つの大きな目標である選択的拡大ということを推進しているということで、果樹、養蚕、畜産というのが今後伸びていく成長農産物であるということをうたっておりますが、特に果樹については、一体今後具体的に何を伸ばしていこうということなんですか、果樹ということだけで、どこを見ても何というのが出ておりません。ミカンをやるのかリンゴをやるのか、その点をひとつ、五十二年度の農産物の見通しについてこの内容を若干お伺いしておきたい。
○政府委員(荒勝巖君) 答弁申し上げます。 われわれといたしまして果樹につきましては、今後とも需要の増大は十分見込まれると、こういうふうに考えておりまして、消費量からいたしましてもまだヨーロッパの水準の約半分前後というふうに理解しておりますので、今後さらに伸ばしていきたい、基本的に伸ばしていきたいと、こういうふうに考えております。ただ現在までの果樹の新植状況なり生産状況等から判断いたしますと、農林省で三年ほど前に、いわゆる果樹農業振興基本方針というものを園芸局で策定いたしまして振興してまいったのでありますが、その中に経済の情勢と、それから農民の、生産者のほうの対応のしかたの間に多少ズレがございまして、たとえばミカン等につきましては、われわれが予定いたしました一応五十一年の目標を立てたのでありますが、当時の基本方針で五十一年を目標として生産を進めてまいりましたが、ミカン等につきましては、すでに九〇%前後の達成率を四十四年ですでに出しておりまして、そのほかの、たとえば端的に申し上げますと、ミカン類でも夏ミカン等につきましては一二〇%の達成率、われわれといたしましてはこの辺の指導に多少誤りがあったのではないかと思っております。なおそのほかの、いわゆるまだ非常に需要の強いブドウとかナシとか、あるいは桃といったものにつきましては、ナシ、ブドウは四〇%前後の達成率でありますが、桃に至っては二三%しか達成してないという状況でありますので、われわれといたしましては、この四十五年度予算でお願いいたしておりますが、果樹農業振興基本方針の改定作業を四十五年度中にいたしたい、そして四十六年度からあらためて果樹農業振興基本方針を改定いたしまして、今後まだ十分われわれとしても、まだ計画といいますか、もくろみもできておりませんが、五年ないしあるいはその他の基本年次とあわせまして今後の果樹の振興基本方針を立ててまいりたい。多少ミカン等につきましては、先ほど申し上げましたように九〇%の達成率でありますので、一時的なこの二、三年あるいは需給のバランス上くずれるおそれがなきにしもあらずということで、われわれといたしましてはことしの予算でもそうでございますが、生産よりも、生産はむしろミカン等につきましては抑制ぎみにしまして、消費者の需要に合わないようなミカン類がございますので、そういったものはむしろ品種更新によりましてそれを押えぎみにやっていきたい、できますミカンにつきましては生産と出荷の間にバランスがとれるように平均的な出荷をならしていきたい。それからなお、このミカン等の生産状況がふえる過程で、副産物であります多少規格外のミカンもできますので、果汁等に回しまして、年間消費の平均的な消費のほうに調整をしていきたい、こういうふうに考えておる次第でございます。
○北村暢君 次に畜産関係についてお伺いいたしますが、これも政府の長期見通しによりますというと、家畜飼養の頭羽数においていずれも相当の伸びを示すような計画になっておるわけでございますが、まずお伺いしたいのは、乳製品が最近だぶついてきて、畜産振興事業団が改良を行なっておる、こういうようなことのようでございます。そこで、加工原料乳の生産補給金の交付の状況並びにこの数量、金額、それから四十三年度、四十四年度における予算と資金の運用の関係、この点について、事務的でありますから畜産局長からでも御説明いただきたい。
○政府委員(太田康二君) 昭和四十三年度におきましては、御承知のとおり畜産振興審議会にかけました限度数量が百七万一千トンであったわけでございます。これに対しましてたしか五円九十四銭だったと思いますが、その支払いをいたすということで六十何億の予算が要ったわけでございますが、予算といたしましてはたしか一般会計で二十億しか計上しておりませんので、さらに補給金勘定に従来積み立てておりました二十億を充て、不足分につきましては農林中央金庫からの借り入れによって支払ったのでございますが、これにつきましては今回の四十四年度補正予算で補正をいたしまして、その不足分は交付金として今回補正予算で事業団に交付することに相なった次第でございます。それから四十四年度の予算でございますが、これは一応百三十五万トンということで、一般会計予算で四十五億の計上をいたしておるのでございますが、この不足払いの単価は六円四十九銭ということに相なっております。本年度におきましては一応現在までのところ若干これを上回るかというような状況でございますが、四十五億で支払いまして、不足分は当然農林中央金庫からの借り入れによりまして支障なく支払いをいたしておる、こういう状況でございます。
○北村暢君 それから乳製品の保管の状況はどうなっておりましょうか。
○政府委員(太田康二君) 御承知のとおり現在の不足払い制度におきましては、政府が定めました安定指標価格を一割割りました段階で製造業者から申請がございますと買い上げをすることにいたしておるのでございますが、四十四年度におきましては、生乳生産は引き続きかなり高い水準で伸びたのでございますが、どうも飲用乳が思うように飲用化が進まない、そのために御承知のとおり加工原料乳化がかなり進みまして、これが脱脂粉乳になりバターになるというようなことでかなり長い期間市況が低迷をいたしたのでございます。そこで昨年の十一月、生産者によりますところの調整保管計画を一部実施いたしたのでございますが、これによりましてもなお市況が回復しないということでございましたので、本年に入りまして二月十七日以降、実は事業団による買い入れをいたしておるのでございまして、たしかバターが四千トン、脱脂粉乳が一万二千トン、生乳に換算して十四万トンの買い入れを現在実施いたしておるところでございます。
○北村暢君 そのほかに四十三年、四十四年の乳製品の輸入状況はどうなっていますか。
○政府委員(太田康二君) 四十三年、四十四年、いずれも需給が非常にゆるみましたので、事業団としては原則といたしまして主要な乳製品は全然輸入をいたしておりません。
○北村暢君 事業団でなしに民間の輸入はどうか。
○政府委員(太田康二君) 民間輸入の分を申し上げますと、御承知のとおり学校給食用に脱粉を——まだ全量生乳切りかえが行なわれておりませんので、四十三年度の学校給食用の輸入が三万四千トン、それからチーズが、御承知のとおりナチュラルチーズはすでに自由化をいたしておりますが、これが二万五千トン、ミルクカゼインが二万五千トン、乳糖が四万一千トン、こういう数字でございます。
○北村暢君 いま御説明ありましたように、現在加工原料乳の補給金が相当高額にわたって支払われており、さらにこの畜産振興事業団で乳製品の買い入れをして価格支持をしなければならないような状態にある。それでなおかつ民間では相当の乳製品の輸入があるということなんでありますが、これはこまかに一つ一つのことはいつかの機会にまたやりたいと思いますが、そういう状態の中で、酪農を振興させるという方向で選択的拡大ということを考えているわけでありますが、しかも今後においては一戸の農家で二十頭ですか、相当規模も大きくしてやっていこうという考え方のようですね。一体この見通しとして相当の保護政策をとって、酪農はここまで伸びてきているわけなんです。いま言うような状態で消費が頭打ちになってきたということ、これは先進国から比べればまだまだ消費量は少ないのだから、伸びるという理屈はあるのでありますが、どうでしょう、現実の問題として、こういうふうにだぶついてきているのに、政府はこれからもどんどん酪農振興をして消費がどんどん払大していく。そのために、畜産事業での赤字要素がそう心配なしに運営をやっていけるという見通しがおありになるのかどうなのか。いまのような情勢で、なおかつ酪農振興というのは——私も賛成ですけれども、その自信がおありになるのかどうなのか。今後の方針について大臣の見解を聞いておきたい。
○国務大臣(倉石忠雄君) 私ども、いまお話のように、大体搾乳牛二十頭程度の酪農家を育てたい。これは一つのそういう意図、見通しを立てておるわけでありますが、大体、いまお話のように、いまの消費よりももっと、御承知のように、世界的に見てみますと、市乳及び酪農品の使用量というのはわが国は非常に率が低いわけです。したがって、これをなるべくよけい使ってもらうように、たとえば来年度の予算なんかでも学校給食の量をふやすとか、それからまた一般にもそういう傾向がだんだん出てくるでありましょうからして、なるべく輸入に待たないで、国内生産でそれをまかなえるように合理化をしてコストダウンをして、そして国内生産でできるだけまかなわれるということのためには、やはり酪農家の体質を改善して競争力のあるようなものにしていくことが必要ではないか。基本的にはそういう考えを持っているわけであります。
○北村暢君 基本的な考え方は「総合農政推進について」に出ておりますから、おおむねわかるわけなんですが、いま畜産局長から御答弁のありましたように、飲用乳の消費がどうも思うようにいかなかった。消費があまり伸びなかった。それで加工原料乳のほうに回ったので、補給金を出すのだ、こういうことなんですが、私もまあ大臣の答弁のようには考えておりますけれども、そういうふうに振興をしていって、どんどん消費が先進国並みの消費量に追いつくようにいける自信があるのか、どうなのか。まあ学校給食その他についても対策を講じておられるようですけれども、とりあえずの問題としてどうなのかということをお伺いしているのです。どうでしょう。
○政府委員(太田康二君) 先生も御承知のとおり、生産あるいは需要、ともにかなり変動があるわけでございまして、不足払い制度発足以後の状態を見てまいりますと、四十一年、四十二年というのは生産が非常に鈍化して、需要が伸びるというような形で、御承知のように畜産振興事業団による大量の乳製品の輸入ということを実施いたしたわけでございます。その後、政策効果等の浸透がございまして、四十三、四十四年、生産が一二%台を維持する、逆にやや飲用乳消費の伸びが従来の一〇%台から七%台に落ちるというようなことで、需給の緩和を見たわけでございますが、先ほど先生自身もおっしゃいましたように、いまだ一人当たりの消費は諸外国に比べますと四分の一ないし八分の一というような状況でございますが、平均して現在飲んでいる飲用乳の量は〇・三一本というような状況でございます。国民所得水準の向上に伴いまして、当然こういったものに対する需要が伸びるということはこれは常識でございまして、そういった意味で、長期的に見ますれば、現在の「需要と生産の長期見通し」で見通したようなことに相なろうかとわれわれは思うわけでありますが、短期的には若干そういった問題も出てくるわけでございますので、われわれは昭和四十五年度におきましては少なくとも需給の均衡を確保するということが重点であろうということに主眼を置きまして、たとえば政策需要を大いにつくるというようなことで、学校給食等におきましても前年度より六十万石ふやしまして二百七十万石、五十七万六千トンの供給計画にする。しかもその際、従来の一八〇ccを二〇〇ccに切りかえるというようなことも実行いたしておるのでございまして、それ以外になお、たとえば消費の拡大のために列車牛乳の販売も開始するというようなこと、さらには最近小売り段階におきましての合理化といたしましてワンウェー容器の採用というようなことも実施いたしておりますし、さらに容器の大型化というようなことも実行いたしまして、飲用乳化の促進ということに格段の努力を払いまして、すみやかに需給の均衡をはかるということが四十五年度におけるわれわれの行政の課題であろうと考える次第でございます。
○北村暢君 そこでね、畜産の選択的拡大をやることは私も賛成で否定しているのではないのですが、ところが先ほど来、非常に畜産が伸びた伸びたということを言われている。たしか事実、乳用牛、豚と鶏、これはま、驚威的な成長をしているわけです。しかしながら反面、肉用牛は大幅に減っております。大家畜である馬も、これまた極端に減っております。ヤギ、綿羊の中家畜、これも減っており、中家畜でふえているのは豚であります。こういう形で、総体的に言えば畜産はそう伸びておらぬ。家畜単位に言ったならば、一体ここ十年間における実畜単位における成長率というのはどうなっているか、この点をちょっと御説明いただきたい。
○政府委員(太田康二君) 家畜単位別に実は数字を持っておりませんので、基本法が始まる以前の昭和三十五年と昭和四十三年の数字で申し上げますと、乳用牛は三十五年が八十二万四千頭、これが四十三年が百四十八万九千頭、肉用牛が二百三十四万頭がこれは御指摘のとおり減っておりまして百六十六万六千頭、四十四年にはこれが約百七十九万頭に伸びております。それから豚が百九十一万八千頭が五百五十三万五千頭、鶏が五千四百六十二万七千羽が一億三千百八万四千羽、馬が六十七万三千頭が二十一万六千頭、綿羊は、いまここにちょっと数字がございませんが、四十年がたしか二十万頭が四十四年が六万頭くらいになっておるかと思っております。
○北村暢君 その家畜単位というのは、牛馬が一頭、豚五頭、ヤギ十頭、鶏百羽をそれぞれ一として家畜単位という計算の方法を従来とっているわけでしょう。それでいくというと、どのくらいの伸びをしておるかということ、これはあなた数字が出ているでしょう。表に、統計表に載っているでしょう。それを聞いておる。
○政府委員(太田康二君) いまここに数字を持っておりませんので、後ほど計算をして御説明申し上げます。
○北村暢君 それによると、大体家畜単位でいくというと、昭和三十三年を一〇〇とすれば四十二年が一二二、わずか二二%しか家畜全体としては伸びていない、こういう試算があるんですがね。これは先ほど畜産局長計算をしてあとから答弁をするということですから、私もちょっと資料をここに持ってきているはずが見つからないからこっちから言うわけにいかないんですが、わかっている。そういうことで確かに乳牛、豚、鶏は飛躍的にふえている。しかし、大家畜の役牛が減り、馬が減り、綿羊、ヤギというものは大幅に減っているわけですね。そうして総体的にいって家畜単位でいけばわずか二二%、十年間で二二%しかふえていない。ばかに畜産が拡大したように聞こえるわけでありますが、そういう状態であります。もう一つの見方として、伸びたのは鶏、豚という形で、濃厚飼料を必要とするものがふえて、いわゆる草食的な傾向にある馬、肉牛、綿羊、ヤギというのが減っておる。こういう結果になっておる。しかもこれは需要がないではないですよ。馬にしても綿羊にしてもヤギにしても、これの肉というのはもう相当ばく大な輸入をしておるわけですね、今日まで。これは需要はあるわけです。需要はあるが生産が減っている。したがって、今日の畜産の選択的拡大の方向における伸びの状況は乳牛と豚と鶏に偏重しておるわけですね、そういうことなんです、総体的に。カロリー的な点からいってもそんなにばく大に畜産が伸びたという結果になっておらないというわけです。 そこでお伺いしたいのは、もう時間も時間ですから、そろそろやめますが、この長期需要と生産の見通しの中で肉用牛が相当伸びることになっておる。しかも肉用牛はいまどんどん、毎年毎年減ってきておるわけですね。最近ちょっとふえたけれども、最近の話で、これは圧倒的に減っておる。それで肉用牛が今後伸びる可能性があるのかないのか。これはあなた方の畜産審議会でも論議されておるようですが、乳用種の雄牛の肥育それから廃牛の肉用化、これが肉用牛の肉の半値ぐらいでもって酪農の振興とともと肉用牛の牛肉生産というものが行なわれ、価格が非常に安い。そういうような形で、肉用牛の生産というのは相当政策的な手段を講じないというと伸びないのではないかということが論議されておるわけです。そういう点で、一体肉用牛の五十二年の二百五十九万一千頭の目標というのは達成可能なのかどうなのか、この点についてお伺いいたします。
○政府委員(太田康二君) 御指摘のとおり、四十三年十一月に公表いたしました「農産物の需要と生産の長期見通し」におきましては、肉用は四十一年が百五十七万七千頭、五十二年に二百五十九万一千頭にいたしたいものでございますが、これは年率に直しますと、大体四・九%の平均伸び率で到達し得ることになるわけでございます。そこで最近におきます実績を申し上げますと、肉用牛につきましては、確かに農業機械の伸展によりまして飼養頭数が減少していたのでございますが、四十一年以降肉用牛の振興対策をとりまして、この政策の効果もございましたし、価格が比較的堅調に推移しており、さらにただいまお話しの乳用種雄牛が肉用として飼養されはじめたということがございまして増加をたどっておるわけでございまして、四十二年から三年にかけまして七・三%、四十三年から四十四年には七・七%という増加頭数で、先ほど申し上げました平均年率四・七%というものよりも早いテンポで伸びておるのでございます。そこでこの傾向をわれわれは今後維持をいたしまして、目標といたしますところの二百五十九万一千頭に到達しなければならんわけでございますが、そのために飼料基盤の整備、あるいは畜産経営の規模の拡大、価格の安定、特に子牛の段階あるいは乳用雄肥育牛の価格安定、これは四十五年度から十三億何がしの金で強化実施することにいたしておりますが、こういった畜産振興施策を強化することによりまして、目的を達成するべく努力をいたしたい、かように考えておる次第でございます。
○北村暢君 あなた、そうおっしゃるけれどもね、畜産の専門家はなかなかそう見ておらないようですよ。ここにも、あなた方の食肉の価格安定の問題についても、豚肉については価格安定制度がありますけれども、肉牛にはそれがない。まあ県等で若干子牛に対する基金制度をとっておるようですけれども、そういうような形で、どうもこの肉牛の生産というのは、将来において伸びるというのは非常に困難でないかということが言われております。まあいまの畜産局長の非常に自信ある答弁で、しばらくこう様子をこの数年見なければならないことだろうと思います。畜産の専門家は、計画は立てられたけれどもも、それを実施していくところの具体的な施策に欠けておるので、この計画が達成できるかどうかということについては非常に疑問がある、価格の問題についても疑問があるということを、非常に強くこれは指摘をしておりますね。ですから、この点について私が非常に問題があると言うのは、この肉用牛についての基本的な生産の考え方ですね、たとえていうと、これは野草等を使用するという面についても、生産者は牧さくをするようなことではもう肉用牛の生産は成り立たないということで、国有林等を放牧に貸してもらいたいと、こう言うんですが、それじゃ牧さくをしてください、貸しましょうと言うと、牧さくをやるのならだめだと、もう採算はとれないと。これくらい肉用牛というのは土地なり生産手段にちょっと金かけるというともう採算がとれなくなる、こういうしろものなんです。したがって、いままでの肉用牛は、役牛として一応目的を達して、それから肉にするんですから、それなりに肉は安くても採算とれるわけですけれども、これからの肉用牛は役牛じゃないので、本格的に肉を目的でやるわけですから、したがってこの生産資材に金をかけたり、またこの子牛の流通の問題について非常に問題があるということで、肉牛の生産を拡大していく上においては幾つかの障害がある。そう簡単な問題では私はないと思っているんですよ。何か畜産局長の話を聞いていると、伸び率がいいからこれを維持していけば達成できるのだというような話、ごく簡単に考えられているようでございますけれども、これは非常に大きな問題です。ですからこのいままでの伸び率が少なかったから、ちょっと伸び率が高い率で出てくるのかもしれない。あまりはっきりしませんが、とにかくこれは大きな問題だと思う。しかもこれは今後の生産を拡大していくためには、何といってもこれは牧草等の土地の問題が関連してくる問題で、したがって飼料の需給の総括表の中においても、最後に草地、牧草の用地の拡大ということがたいへんな問題だと、現在、草地、牧草地が十五万五千ヘクタールしかないものを六十一万一千ヘクタールに持っていこう、こういうふうに出ておりますがね、これに濃厚飼料をあまり与えたのではまた採算が合わなくなってくるわけでありますから、どうしてもこれは粗飼料によらざるを得ない。それが用地確保の問題とも関連して非常にむずかしい問題だと思うのです。ですからそういう点について、しかも乳牛については不足払い等がありますが、したがってその乳牛に対する、酪農に対する保護政策は非常に徹底しておりますから、酪農のほうはどんどん伸びるでしょう。それと同時に乳用牛の牛肉というのが出回るわけですから一これは肉用牛の値段の半値ぐらいでしょう、同じ牛肉でも。ですから価格の面においても、それから保護政策の面においても、用地確保の問題においても、これは大きなネックがあるのですよ。したがってこれはよほどの政策的な手段を講じないというと私は簡単に伸びない、こういうふうに思っておるのですが、これは最後ですから、この畜産局長の自信のある答弁に対して、そういう安易な考え方でいいのかどうなのか、大臣の見解をひとつ承って、私の質問は終わりたいと思います。
○国務大臣(倉石忠雄君) 畜産局長の申し上げておることも、えらい安易な観測をしておるわけではないと思います。私ども部内で話しておりますときにも、このことにつきましてはかなりな努力を必要とすることであるということで苦労しておるわけでありますから。なおただいまたいへん貴重なお話を承っておりますので、われわれも十分心して、ぜひこの計画の目的が達成されるように施策の上で努力をいたさなければならないと思っております。
○委員長(園田清充君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時二十分まで休憩いたします。 午後零時四十分休憩 —————・————— 午後一時四十三分開会
○委員長(園田清充君) ただいまから農林省水産委員会を再開いたします。 休憩前に引き続き質疑を行ないます。質疑のある方は順次御発言を願います。
○村田秀三君 私は先般の倉石農林大臣の所信表明に対して質問を申し上げるわけでありますが、主として当面大きな政治課題となっております米の生産調整問題、それに重点を置いて質問をいたしたいと存じます。質問も簡略にいたしたいと思いますが、どうぞひとつ答弁も要を得て簡にお答えをいただきたいと存じます。もう本会議あるいは衆議院の予算委員会等、これに関する各派それぞれのあるいはそれに対する政府答弁も一応は目を通して承知をいたしておるところでありまして、いままでお答えをいただいたような部分についてはできるだけ重複を避けたいと思いますが、関連する問題は重複をいたしますので、その点御了承をいただきたいと存じます。 そこで、何といたしましても、この米の調整問題は、四十五年度はもとよりのこと、四十六年度以降もやはり重要なこれは農政の大きな課題であると私は理解をいたします。したがいまして、四十五年度、単年度といいますか、あらかじめ政府の施策は承知をいたしておりますが、それとあわせまして、四十六年度以降どのように処置をしていくのかお聞かせをいただきたいと存じます。
○国務大臣(倉石忠雄君) 一応四十五年度で百五十万トンの調整をいたしたいということでございまして、それから先のことは、その経過を見て判断をしてまいりたいとこう思います。
○村田秀三君 その経過を見てということでありますが、私は、経過を見てといいますが、いろいろな資料を見ましても、経過を見なくてもどういう状態であるかということは、もう一目瞭然であるわけですね。したがって、それに対する対策がないなどということは、私は了解できる話ではないと、こう思いますが、それはさておきます。 次の質問でありますが、昨年、これは初めての試みといたしまして、一万ヘクタールの転作奨励をいたしました。二万円の補助金もつけました。これが一つの新しい試みである。 それから二番目の問題は、ずいぶんと論議がありました自主流通米、これが実施をされたのであります。その結果、四十四年度はまだ半月少々あるわけでありますけれども、ほぼ推定をされるとこう思いますので、その結果、実績はどうであったかということをお伺いしたいと思います。できればこの転作の問題は、地域別あるいは作目別のものを承知をしていればお聞かせいただきたい。 それから自主流通米でありますが、生産者価格としてはどの辺に格づけをされたといいますか、政府管理米と比較をいたしまして高かったのか安かったのか、それから流通経費、それから末端価格といたしましての消費者価格、これがどのように動いておるのか、この辺のところもひとつお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(倉石忠雄君) 政府委員からお答えいたします。
○政府委員(亀長友義君) 昭和四十四年度の転換対策の実施結果につきまして、現段階でまとまっている数字について御報告を申し上げます。現段階では五千三百二十ヘクタールというふうに考えております。その内訳は、飼料作物が千六百二十七ヘクタール、野菜が、——これは露地栽培のものでありますが、千九百六十三ヘクタール、それから果樹が五百三十三ヘクタール、桑が七十三ヘクタール、砂糖キビが二百八十五ヘクタール、造林が六百十六ヘクタールその他が二百七十一ヘクタール、以上でございます。地域別には、実はここに別県の数字を持っておりますけれども、各県によりまして、かなり達成率と申しますか、それに差がございます。比較的西南地帯では転作の容易なところでは転換が進んでいるように思われますが、詳細は別の資料を提出することにいたします。
○政府委員(森本修君) 自主流通米の流通の実績でございますが、去年の秋からことしの一月まで流通をいたしましたのが約六十四万トンということになっております。それから価格でございますが、生産者の手取り価格は、実は詳細いま各食糧事務所に命じまして調査をいたしておるところでございますから、最終的な調査結果はまだまとまっておりません。私どもの感じでは政府買い入れ価格より少し高いといったようなものから、一俵当たり二百二十円ないし二百六十円高のものまでばらついておるというふうに思っております。ただ、御案内のように、実態といたしましては、同一銘柄のものにつきましては、自主流通米に売りましたものと、政府に売りましたものと、単協単位で共同計算をして生産者に支払っておるようであります。したがいまして、実際に生産者に支払われておる額はそういうプールの結果でありますから、この数値とは多少異なってくるということになろうかと思います。それから生産者団体と卸売り業者の売買は、消費地における着駅オンレールといいますか、そういう受け渡しの仕切り値段ということになっております。これは大体時期的にもあるいは地域的にも消費別にも差がございます。達観して申し上げますならば、早期に出荷をされる銘柄のもの、あるいは出荷をされたものが高い。最近になりますと、それから下がってきておるというふうな状況でございます。で、一番早期に出されましたものは九千百円といったような価格がございます。最近は八千円台——八千九百円とか、そういった数字になっております。 それから流通経費でございますが、流通経費も実は調査をするのが、御案内のように、民間の取引でございますから実態の調査はきわめてむずかしいわけでありますが、私どもが一つの仮定計算というと非常に語弊がございますけれども、一定のやり方で算定をいたしましたところでは、産地の経費といいますか、産地の段階でかかります経費、それから先ほど言いました鉄道の運び賃といったようなものを合計いたしますと、つまり消費地まで持ってくるまでに要する経費を合計いたしますと、約四百三十円というような一応の計算が出ております。それから消費地における流通経費が卸が二百五十円程度、小売りが九百五十円程度というふうな一応の試算でございます。これはある一つのケースをとりまして役所で推定をしたというふうな表現を用いたほうがよかろうかと思いますが、さような計算の結果でございます。
○村田秀三君 ただいまの実績はそれはそれとしていま参考にお聞きをしておくわけでありますが、具体的に四十五年度百万トンは減産、休耕転作、そうして五十万トン相当分の耕地を転用する、こういうことなんですね。そこでこの転作休耕の百万トン減産措置について、若干お聞きをいたしたいわけでありますが、各県段階、地方自治体、それから農業団体などもこれに協力をする形の中で作業が進められておるといいます。そうしてまたけさの朝日新聞によりますると、まあ相当いくんじゃないかというような楽観的な見方が報道されておったわけでありますけれども、現在省として把握されている状態、これをひとつお聞かせいただきたいと思います。
○政府委員(亀長友義君) 生産調整対策の実施につきまして、私ども二月の十三日に各府県の部長を招集いたしまして詳細本件の実施について指示をいたしてございます。さらにその後各府県におきましては農政局等と打ち合わせましてすでに各県におきましては、京都府を除いては、各県の生産調整の推進協議会というのを開きまして、各市町村に対する目標面積の指示は終わっております。京都府におきましては町村に直接参考資料としてこれも京都府も町村に示しておるという状況でございます。現在の段階は町村と各農家とのだれが引き受けるかという具体的な人、具体的な面積についてそれぞれ交渉中でございます。各地の模様につきまして、私ども具体的に何%達成の見込みかということを現段階ではまだ明言する段階まで各地の実態が進んでおりませんので、その辺の報告は受けておりませんけれども、地域によっては目標以上にいきそうだと、そこで奨励金もこれは面積がふえればもっと出してくれるかというふうな話を持ってくるところもございます。また地域によっては非常に難航しておるという地域もあるように聞いております。全国平均でどのくらいいくかということは現段階では目安がなかなかつけにくいという状況でございますが、ま、率直に申しまして私どもが当初予想したよりは大体において順調に進んでおるというふうに、当初予想したよりはやや状況はよいというふうに考えております。しかしこういう問題でございますので、そうは言いましても非常に各地においていろいろな問題あるいは町村と農家との交渉、こういう問題があることも十分承知をいたしております。
○村田秀三君 これは新聞に農協中央会見通しということで出ておりますがね。見通し不明というところが十二県あるのですよね。五〇%いくというところも一県ございますし、一〇〇%こえるところもなるほど北海道あたりはあるようです。まあこれは三月のもうすでにきょうは十三日ですから、おか苗代はもうすでに種おろしの始まる時期であるわけですね。で、いまの話を聞きまするとと、各市町村段階に割り当てを完了したという時点の報告であるわけでありますが、しかし市町村に割り当てても個別的に農家がそれを了承しなければ、これは実績になってあらわれないことは私が申し上げるまでもないわけですね。そう考えてみますと、この割り当て完了、農協中央会の見通しが市町村段階で末端農協が各個別農家と話し合いをして完全に了承を受けたものをこの資料にあらわしておるのかどうかは私はわかりませんけれども、まあ私の感じではあるいは私が農家に聞きました範囲の中で考えまするには、まあそれはそれで進めてくれと、おれはつくるんだというのがだいぶ多いようです。そうしますと、この一〇〇%達成ということは非常に困難ではないか、こう考えられるわけでありますけれども、その点はいかがですか。
○政府委員(亀長友義君) 先ほどの繰り返しになるようで恐縮でございますが、現在の段階におきまして、数量的に何%達成ということは、私どもまだ申すだけの情報を十分持っておりません。先ほど申し上げましたように、非常に多くいきそうだという、予想外であるというところもあるし、思ったより難航しておるというふうなところもあるようでございます。また作付時期、播種時期のお話がございましたが、西南暖地等におきましては、かなりそういう地帯もございますけれども、北なり北海道のほうにおいてはまだ若干の余裕もあるというところもございますので、私のほうとしましては、できるだけ状況を正確に把握するようつとめておりますけれども、まだ数量的にこれをお答えするなり、教量的な見通しを持ってお答えする時期には至っておりませんので、できるだけの最大の努力をするように各地方局なり各県にお願いをしておる段階でございます。
○村田秀三君 しかし対策本部としてもう少しやはり積極性があってもいいのではないかと、こう思いますが、それはそれとして、その程度のことをいま承知いたしました。 そこで、昨年成功したとは私は見ておりません。農林省としても成功したとは考えておらないと思うのですが、どうですか、その辺のところは。
○政府委員(亀長友義君) 昨年は御承知のように、面積一万ヘクタールということで、それから今年のように実施する上の条件というのは前回と今年とはまるっきり変わっております。前回は御承知のように転換だけにしか金は出さないという方針をとっておりまして、しかもそれには一定規模以上まとまって集団的にやる場合に限るのだ、こういう指導、そういう方針で金を出しております。それから必ず転換をやるということで補助あるいは融資等によって転作の機械等も導入するのだ、そういうようなかなりきびしい条件が要件になっておったということもございます。それから金額につきましても、もちろんことしよりはるかに低い反当二万円ということでございまして、ことしの、今回の四十五年度に実施いたしますものと根本的に制度の仕組みが違っております。そういう点から、もう昨年残念ながら一万ヘクタールが先ほど申し上げました五千ヘクタールにとどまったということから、もちろんこれは四十五年度においてはかなり性格も変えましたし、また奨励金の交付のしかた等も、必ずしも転作だけでない、休耕でもいいんだというふうに方式も変えておりますが、昨年半分ぐらいしかいかなかったということから直ちにことしもそういう結果がそのままあらわれるということではなかろうというふうに思っております。
○村田秀三君 そうしますと、昨年の実績、これは不成功に終わった。不成功に終わった原因、その原因というものは本年度の措置においては解消できるのだという、そういう理解ですか。
○政府委員(亀長友義君) まあこういう仕事でございますので、いろいろそれをやる条件と申しますか、補助金なり奨励金なりを交付する条件、それからそういうものをやる、稲作転換をしなけりゃならぬような環境と申しますか、気分と申しますか、そういうものも大きく影響をいたすと思います。ただ数字の目標の達成率だけから見ますと、昨年五〇%であったけれども、ことしとしてはおそらく私どもとしては半分であるというようなことは毛頭考えない、もっとこれは目標に近いという期待を持って全体の制度を仕組んでおる考えでございます。
○村田秀三君 その辺のところで少し議論してみたいと思うのですがね。何かいま聞いておりますると、昨年とは条件が相当に変わっておる。結局休耕であっても補助金は出す。しかもその補助金は三万五千七十三円ですか、その辺のところも私聞いてまいりたいわけでありますけれども、金額が上がったから転作、休耕が成功するのだという、そのことだけで理解をしてもいいのかどうかということを私は疑問に思うわけです。次の議論をする前にお聞きをいたしますけれども、百万トン分の転作、休耕ということは農林省の原案にもありましたし、大蔵省に要求する原案は二万一千円じゃなかったですか、二万一千円。それが予算折衝の過程で三万五千七十三円になった、こういう経過と私は承知をするわけですね。そうすると、結果的には金の面だけで申し上げるならば、確かに三万五千七十三円になって、去年よりは一万四千幾ら多いのであるから、まあ休耕もしやすかろう、転作もしやすかろうと、そういう言い方はいまはできるかもしれません。しかし、当初二万一千円であるとするならば、これは昨年と同じものでしょう、大体。休耕にも出しますよということは、これは去年とは若干違っておったかもしれませんけれども。そうしますと、農林省が当初期待したものは何なんですか。と同時に、三万五千七十三円になった理由、一キログラム八十一円というのは、実際何に根拠を置いてそういう補助金というものが算定をされておるのか、このことを聞いてみたいと思います。
○国務大臣(倉石忠雄君) 昨年は、いま官房長がお答え申し上げましたように、初めてのことでもありますし、不なれな点もあってああいうことをやりましたが、ことしは百五十万トン以上生産調整をしなければならないと私ども考えて相談をいたしておりますときに、やはり農業団体でもそういうことに御賛成をいただくと、それから県知事、市町村長、議長会、そういう方々にお集まりいただきまして生産調整の協議会をつくっていただきまして、そこで何べんか私どもも出席をいたして会議をいたしたわけで、その結果、政府と全く考えが同じで、これは百五十万トン以上の生産調整はやらなければなるまい、こういうことでございまして、そこで、私は先般の内閣の改造で内閣に入ったわけでありますが、その前、すでに昨年から事務当局におきましては予算折衝が行なわれておったようでございますけれども、たまたま村田さんも御存じのように、農業団体はそういう場合に転換奨励金として平均四万円以上希望される、それからまたいろいろな方面から御要望が出てまいりました。そこで私はこの予算折衝の過程におきまして、生産調整というようなことは、これはいままで初めてのことでありますし、農政の上に、その面においては一つの大きな転換でありますので、こういう場合にはひとつ財政の許す限り、転換していただく方のやりよいように協力すべきではないかということでだんだん折衝をいたしまして、キロ八十一円、こういうところに落ち着いたわけでありまして、まあそういう理由で事務的に出しておりましたものを上回って三万五千七十三円となりましたのは、そういう経路とそういう趣旨で決定いたしたわけでございます。
○村田秀三君 そうすると、この転換奨励補助金というのは根拠はないわけですね。計算の基礎といいますか、そういうものはないんだということですね。たとえば十アール転換をする、休耕にして損害を与えるからそれを補助するとか、まあ転作をする、転作をする場合に転作はしたけれども、結果的にはその作況なり、あるいは市況というものがどうなるかわからない。わからないと損害を与えるからその損害に対して補償するという意味ではなくて、いま大臣がおっしゃられた経過から考えますと、協力を願わなくちゃならないから要求するものの額の目の子計算をしていいところを出した。意地悪な言い方かもしれませんが、そう理解するほかないと思うのですが、いかがですか。
○国務大臣(倉石忠雄君) 財政当局というのは、御存じのように一銭でも出したがらないわけでございます。そこでいろいろ折衝いたしてまいる過程においてやっぱり財政当局を説得するための努力を明け方までやったわけでありますが、それにはいろいろな基礎で計算をしてキロ八十一円となった。私こまかな内容、折衝過程のこまかい数字は知りませんから、事務当局に申し上げさせます。
○政府委員(亀長友義君) 三万五千七十三円というものは反当でございまして、これをキロ当たり幾らに換算して交付をすることになっております。キロ八十一円ということになっておりますが、この八十一円の基礎になりますものといたしましては、米の生産費という面から見ますと、今回は米をつくらないわけでございますから、直接に種代であるとか、肥料代というものはかからない。しかし水田のまま置いておいても、建物の償却であるとかいうものは見なければならぬ、あるいは地代とか、資本利子というものも見なければならぬ。それから従来家族労働で行なってきたものが家族労働をしなくなる。それに対する収入というものも考えなければならぬ。こういうふうに考えてまいりまして、米の生産費の基礎から算定をいたしまして、これが大体三万五千円、正確に申しますと三万五千八百二十四円ということになりますが、そのくらい米の生産費の面から見ましても、どうしても見なければならぬ金がある。それからもう一つは転作をするあるいは休耕をすると、こういうふうな場合には何がしか特別の費用というものもかかるのじゃないかというふうに考えられるわけであります。それを三千五百円程度見まして、私どもとしては三万九千三百二十四円、そういうものを見るともっと金がかかる。これを平均の反収四百八十五キログラム、これで除したものが八十一円、こういう生産費の面からみました数字を一応基礎に描いているわけであります。一方単純に農家の所得という観点から三万五千円という数字をながめますと、これは純粋の収入というのは、農家の米の生産費にあらわれます家族労働費、それから地代、資本利子、こういうようなものであります。さらにそのほかにいわゆる純収益というものもございます。こういうものを最近の米価を取り入れて計算をいたしますと、これがやはり四万九千六百八十五円、こまかに申し上げますと、大体そういう数字が所得になる。それでこれの大体少なくとも八割ぐらいはまかなうようなことを考えたらどうか。御承知のように失業保険等では所得の六割ということでございますけれども、しかし一〇〇%見るということもなかなかこれは社会的にもいろいろ批判のある問題でございますので、大体八割ぐらいという見当で考えますと、これがキロ当たりやはり八十円を若干上回るというような数字になるわけでございます。かような米の生産費あるいは従来米をつくっていた場合の純粋の所得の両面から考えまして、この数字を大体今回三万五千七十三円、キロ当たり八十一円というふうに考えたわけでございます。
○村田秀三君 補助金の問題にのみかかるつもりは実はなかったわけです。というのは、何かこう金をふやしたから成功するんだというような、そういうような言われ方を聞いたもんですから、それではちょっと私は問題があると思ったもんですから、若干金額の問題に入ってみたんですが、しかし実際農家の人の心理としてはどうなんでしょうか。田を荒せば補助金をくれる、こういう政策を歓迎するかといえば私は歓迎しないと思うんですね。とにかく耕地を荒らすなどということは希望しない、何かしらつくりたい、結果的にそれが安かろうが高かろうがっくりたい、そういう心理も実は持っておると見なければならないと思います。そういうふうに考えてみますと、少し生産調整をしなくちゃならぬから、少し田を荒らせというような政策というものは、これはけっこうじゃないわけでしょう。率直に言って、これはけっこうでないということはお答えは私は大体わかりますから、それでけっこうでございますが、そうしますと、喜んで転作をする措置を講ずることがむしろ私は大切じゃないかと思うんですね。米が余っているから、まあひとつ控えてくれないかと言えば、これはやぶさかじゃないでしょう。まあ一律減反反対あるいは減反反対という声は聞かれるけれども、必要のないものまでつくってもいいんだけれども、しからば何をつくったらよろしいのか、これをひとつ指導してもらいたい。これが率直なやっぱり農家の人たちの希望だろうと思うんですね。同じ朝日新聞のきょうの記事ではありませんけれども、転換作目、野菜は二千ヘクタールと農林省は希望するけれども、しかし実際は各県段階でいま計画しているのはすでに五千六百ヘクタールの計画があるというんです。そらして暴落を防ぐために県段階において保証措置を、これはどういう形でつくっておるか知りませんけれども、保証措置を講じようとしている、こういうことなんですね。私はその辺のところに問題があるんじゃないかと思うんです。転換、転作ということは決して悪いことじゃないと私は思うんです。ただ転作をしても、ものをつくっても、それが世の中のために、国民のために生かされるのか、生かされないのかというところに私は問題がある。しかもなおかつそれをつくって、米をつくったと同じようなわけにはいかぬかもしれぬけれども、その所得がある程度保証されるというところに力点を置く必要があるんだろうと思うんです。これが私は転換の重要なポイントじゃないかと、こう思うんですが、具体的に聞きますが、いわゆる転作作目指定をいたしておりますか。あるいは休耕地はどの程度に予定していますか、お伺いいたします。
○政府委員(亀長友義君) 私どもとしまして、御指摘のように、休耕はやむを得ざる場合のものであるというふうに考えております。したがいまして転作を原則といいますか、転作を奨励をするという考えでもちろん臨んでおります。具体的には各県に補正予算で御承知のように、二十億の転作指導のための金もすでに認められておりまして、こういうものを活用しまして各県が生産調整する場合に転作に最大の努力を払うよう要請をいたしておる次第でございます。具体的に何を幾らつくるかということは非常にむずかしい問題でございますし、また実際に生産調整を実施する水田あるいは地域がどういうふうになるかということによってかなり作目ということも変わってまいります。それはむしろ具体的に県なり町村が農家と協議をした上でなければ実際の水田はきまらないという性格のものでございますので、私のほうからあらかじめ何が幾ら何が幾らという指示はいたしておりませんし、またそのようなことはなかなかむずかしいことだというふうに考えております。 そこで、具体的に生産調整ができる水田、地域がきまって、それに基づいて各県が転作指導その他講習会等をやって、どういうものがどの程度転作の方向にあるということがある程度明らかになりました段階におきまして、私どもとしましては各ブロックの地方農政局ごとにそれを持ち寄って、あまり過剰な結果にならないように指導いたしたい、かような態勢で考えておるわけでございます。したがいまして現在の段階でその作目別の計画でなくて見込みはどうかというあるいはお話であるかもしれませんが、もう少し時期をその点につきましては、お貸し願いたいと、かように考えております。
○村田秀三君 ともかく私はその姿勢がやはり問題だと思うのですね。金だけを各県段階に預けてこれでひとつやれということになるものですから、結局農林省が二千ヘクタールの野菜耕地、こう思っておっても、五千六百ですかになってしまう、こういうことになるわけです。生産調整をしなくちゃならぬというのはどこが一体一番先に言い始めたんですか、その必要性を感じてやらなければならないと考えたのはどこですか。これは農林省でしょう、そうじゃありませんか、率直に言って。そうであるならば、それはやはり転換を必要とする面積、それに対する作目を指定して、そして行政責任を持つというやはり確固たるものがなければ、これは一〇〇%実施できるなどということにはならぬですよ、はっきり申し上げて。調整ができないということはあとに問題をこれはより困難に、いろいろの問題が処理をより困難にするだけでしょう。まあ後ほどそれに触れますけれども、各県段階でそれはわかりませんよ。 それからもう一つ、いまお話を聞いていますと、農林省で何を幾らつくれと、こう言ってみても、いわゆる転換する地域によって作目が変わってくるから、農林省としては一律にはできないんだ、こういうことを言っている。ところが減反奨励というのはどういうかっこうでなされていますか。これは一律でしょう。一町歩のところも二町歩のところも、あるいは五反歩のところも、ある程度のそれは各地域、各市町村段階において話し合いをして、おれのうちはそれじゃ二町歩ことしは休むということになるかもしれません。しかし方針としては一律減反ですよ。湿田も、あるいは山村の土地も、たんぼも一律に減反するということの指導でしょう。その中から適地を選んで適当な作目をつくるなどというわけにはいかんですよ。ましてや常識的に考えてみてください。広い耕地がある。一ヘクタール、二ヘクタールと個別にある。その個別のものを一割減反ということで、一ヘクタールのところを九反歩つくる、Aの人は。その隣の地域にBの人が二ヘクタールある、一町八十アールをつくって二十アールを空地にする。湿田もあれば乾田もあれば、山村の田畑もある。こういう状態の中で、もともとこれは地域別に作目を指定して云々なんということにはならぬでしょう、これは。そういうところにいまあなたがおっしゃった、とにかくどこでどういうふうに減反されるかわからないから作目指定はできないというような、そういう言い方と矛盾する措置がすでにとられているわけでしょう。それは別にいたしましても、私はやはり転換を必要とするならば、休耕などというのはなるたけ避けるようにして、これはやむを得ない事情、それはわかります。これは別にいたしましても、転作をするという方針を出したならば、それに対して行政責任を持つということが前提でなければ私は成功しないと思いますが、農林大臣いかがですか。
○国務大臣(倉石忠雄君) もちろんこの転作を主とすることをわれわれは待望いたすわけでありますけれども、いまここで全部転作を希望すると申しましても、現実の問題としてなかなかむずかしいことであろうと思います。また地方の状況を聞いてもそういうことでありますので、とにかく今回は奨励金は一応そういうことの差別をつけずに差し上げますが、なるべくはわれわれは転換でやっていただきたい、こう思っております。
○村田秀三君 まあ四十五年度はそういうことで出発をしておりますから、今回は私はそれ以上のことを申し上げませんが、少なくともこれは四十六年にも尾を引くのですよ。四十六年はやってみなければわからぬなどと言っておりますが、これは明らかにやらざるを得ない。四十六年度の場合には、いま私が申し上げましたような姿勢でひとつ措置をしていただくように希望しておきたいと思います。 それから次の問題に移りますが、五十万トン相当の耕地を転用するというこういう計画は確認をされているか。その内容といってもばく然といたしておりましょうが、どの地域にどの程度の転用が可能であろうか。ないしは使用区別にしてどういう計画がなされるのか。これは衆議院の予算委員会におきましては総理大臣から、予算委員会の開会中に計画を出すという答弁があったそうであります。いまそれ、できておりますか。
○国務大臣(倉石忠雄君) こういう仕事は農林省だけでできるもんでもございませんので、政府全体としてこれをひとつ完成させなければならないということで、関係各省に調査費をつけまして、全体として補正で一億つけていただいたわけであります。それを各省に分割いたしまして、いま一生懸命で各省自分たちの受け持ちの仕事について分担して調査いたしておるところでありますが、総理大臣の申し上げておりますような期間内に大体の各省の見込みが出てくるはずだと思っております。
○村田秀三君 それでは総理大臣を尊重いたしまして、この問題はこれ以上追及いたしません。 新聞にも出ております実は各省担当者会議で大体方向が確認されたと出ておるわけです。内定したと出ていますね。その記事が読んでみますと、四〇%、四万七千ヘクタール住宅用地、一八%、二万一千ヘクタールは工場用地、一五%は道路、交通用地、二七%は学校、公園、商業用地、建物施設等。そして、これは民間に八〇%消化をしていただいて、国や地方団体が二〇%受け持つと、こうなっています。これはまあうそかまことか、新聞報道でありますからこの際論及はいたしませんが、いずれにいたしましても、転用の構想の大綱としてはやはりこんなものですか。 それからもう一つお伺いいたしますが、都市計画法、これが制定をされまして、各県では該当市の線引きを進めておるようです。そうすると、都市計画法で指定をされる地域は市街化区域ができるということになるわけでありますが、この転用構想の地域というのは都市計画法に指定される地域のみ指定しようとするのかどうなのか、その辺のところを二つお伺いします。
○国務大臣(倉石忠雄君) いまお読みいただきましたのを私は聞いておりませんで、全然、そんなのが外へ出る前にほんとうなら私どもが相談にあずかってなきゃならないはずであります。よく知りませんです。実際のことにつきましては、事務当局の作業ができましたら、いずれ国会でも御報告があることだろうと思います。 もう一つは、したがって各省がそれぞれ別々な立場でやっておりますので、いまお尋ねのような市街化区域に入っているものだけにするのかどうかというふうなことにつきましては、私ども別に何の相談にもあずかっておりませんので、各省どういうことを考えておりますか、まだそういう各省の考え方を聞いておりませんのでよくわかりません。
○村田秀三君 ではやむを得ません。 そこで、五十万相当耕地を転用するということは、それが使用区分等はどうあれ、やはり転用するという方向は、いま私がかりに申し上げましたような形でしか転用ということは実はあり得ないわけですね。まあ国が全部買い込んで、そうして造林でもするなどというような話しになればこれは別でありますけれども、しかし、大体いまのような構想である、いずれにいたしました場合でも。政府の計画を見ますと、十一万八千ヘクタールを転用して、五十万トン減産すると、こういうことになりますね。しかしながら、まあ作業がおくれておる云々という、そればかりではなくて、よしんばそういうような方針をきめたとしても、四十五年度中にこの十一万八千ヘクタールの土地というものが転用できるのかどうかということです、植えつけをしないままに。どう考えられますか、それは大臣でなくともけっこうですが。
○国務大臣(倉石忠雄君) どうも農林省でやりますことだけならわれわれの計画を御返事もできるわけでありますが、いま一生懸命でやっておりますのは、まあちょいちょい予算委員会等で答弁しておるほかの閣僚の話を聞いておりますと、たとえば自治大臣は公共用地のために先行投資をする、そういう財政的な措置はどのようにするとか、そういう話をやっております。間違っちゃいけませんから私はあんまり数字をしっかり申し上げられないのでありますが、したがって、そういうそれぞれの役所においてそういう計画を立てておるようでありますからして、しかし、いま村田さんのお話しにありましたように、私はいわゆる新都市計画法の中に包含されるであろうと思われる農地、その市街化区域の、それは非常に多いんではないかというお話しがありましたが、それはたぶん多いと思います。これは御存じのようにあの法律で市街化区域に編入——いま全国で一生懸命で線引きが行なわれておるようでありますけれども、線引きが行なわれて、市街化区域に編入されますというと、農地転用の許可というものは要らないことになりますから、そういう意味ではかなりあるでしょう。それから通産省なんかでは、いままで私どものところへ、これは全国からの傾向でありましたけれども、農転が非常にきびしいので、せっかく、これこれの地域に進出したいと思うのだけれども、それができないで困ってるんだというふうな訴えが役所筋からも、それから財界からもあります。われわれのほうはそういうことについてはいままでの立場でそのままにしておりましたけれども、このたびは農転をやや暫定的にゆるめておりますので、そういうようなことも加わって、ある程度いけるではないかという考え方をほかの役所でも持っておるようでありますから、まあ全体としてかなりいけるんじゃないかと、こう思っておるわけであります。
○村田秀三君 これは農林大臣も知っておるでしょうが、米の植えつけはもう四月末か五月初旬から始まるわけですね。まあそういうことになってるんですね。(「予算が通ってから……」と呼ぶ者あり)いまちょっと何か参考意見が出たようでありますが、まあよしんば十一万八千ヘクタール完全に消化できたとしても、これは作付してしまってからですね、こう見ざるを得ない。どう常識的に考えてみても、これは方針がきまるのが——予算終了、これは四月の中旬ですよね、明らかに。それから具体的に執行していくということになって、これはもう米の作付と方針が確定する時期が同じなんですから、どう常識的に考えてみても。農林大臣はよく、まあ先般も言っておられましたが、事前にものを考えていけば間違いないんだと、こういうお話しがございました。事前にものを考えていきますと、これは植えつけ終わってしまうということなんですよね。しかも——食糧庁長官に聞きますけれども、その五十万トン分というのは、食管会計の中ではどう考えられているわけですか、これは結局百五十万トン減産というところに入っているわけですか、これは。
○政府委員(森本修君) お尋ねは、四十五会計年度の食管会計の買い入れ数量に関連することだと思いますが、買い入れ数量の六百五十万トンという算定は、ことしの米の平均の収量から百五十万トンの減産があるものという前提に立ちまして、それぞれ自主流通米等を計算に織り込みまして算定をされた数字でございます。
○村田秀三君 政府買い入れ米六百五十万トン、買い入れ計画の前提として、自主流通米が百七十万トン、減産が百五十万トン、こう見ておるわけですね。そうしますと、参議院では予算審議まだ入らない、、その段階でも五十万トンの減産というのがこれは不可能だということになるわけですね、明らかに。大臣どうなんですか。
○国務大臣(倉石忠雄君) 各省協力して所期の目的を達成するために努力しているわけでありますから、私はいけるものと確信しているわけであります。
○中村波男君 さいぜんから質疑応答を聞いておりまして、農林大臣はどこの農林大臣かというような、佐藤内閣の農林大臣でないような印象を受けたのであります。もともと生産調整という政策が決定されますまでの経過を見てみますと、全く腰がすわっておらなかった。大蔵原案の二万一千円が三万五千円に上げるという、その立場で五十万トンの農地転用という方針が打ち出されてきたという、こういう偽らざる経過がある。それはそれとして、少なくとも閣議決定をし、政府の方針としてきまった以上、どこかの省でいま検討しておるというような、そういう言い方というのは、少し責任がなさ過ぎるのではないか、こういうふうに思うわけです。 そこで、議事録を読んでおりませんから、正確を期するわけにはまいりませんが、新聞等の記事によりますと、農林大臣は衆議院の予算委員会等で、福田大蔵大臣の農地転用三カ年計画というのは政府の決定ではない、しかし、いまもお話がありました新都市計画法による市街化区域の農地は十八万ヘクタールある等々をあげられまして、達成できる。また二、三日前の重ねての質問に対しても、十分自信がある、こういう答弁をなすったというふうに新聞は伝えておるのであります。しかし本日ただいまの村田委員の質問に対しては、まあ何とかなるであろうというふうに答弁の内容がたいへん後退したように思うわけです。したがって、最初にお断わりしたように、議事録を読んで申し上げておるのでありませんから、衆議院で十分自信があるという発言が、今日こういう発言に変わったということは、むずかしさというものを、もう一つ率直な言い方をすれば、自信をお失いになった結果の発言であるかどうかということをまずお聞きしておきたい、こう思うわけです。
○国務大臣(倉石忠雄君) 私の申していますことはちっとも変わっていないのであります。農林省だけでようやれることでもありませんので、政府全体としてこれはやれと、こういうことになりまして、各省閣僚はそれぞれ自分の持ち場持ち場に応じてどのように十一万ヘクタールについて処理できるかということを検討せよということで、いま分担してやっておるわけでありますからして、私がこういう公式の場所で間違ったことを申し上げることはいけませんので、それは遠慮いたしますと、こう言っているわけであります。近く各省閣僚集まりまして、その計画について各省の意見を出されるでありましょうから、それは総理の言っているように国会に報告があるはずであります。したがって、私はそれはいけるものであると、こういう確信を持っております。こういうことでありまして、衆議院で言っていますことといま言っておりますこととちっとも変わっておるわけじゃないわけであります。
○村田秀三君 どうも、なるほど先ほどから説明を聞いても理解できないわけですが、まあ答弁は答弁として、この際伺っておきますが、この五十万トン相当分といいますかが植えつけはされるわ、収穫はできるわ、そのあとで土地の転用ということも想定されるわけですね、だから五十万トン相当分云々ということは別にいたしましても、これは植えつけをしてしまうわけでありますから、転換もしないわけでありますから、当然収穫されたものは政府は買い入れざるを得ない、ある部分は自主流通米ということになるかもしれませんけれども、そういうことになりますね、その点確認をしておきたい。
○政府委員(森本修君) 先ほど来大臣からお話がございますように、私どもとしましてはいま生産調整が末端においても努力されておる、また、五十万トン分につきましても各省で御努力願っておる最中でありますから、百五十万トンの減産が行なわれるものというふうに考えております。したがいまして、いまのところでは食管会計としては六百五十万トンの買い入れ数量でおさまるであろうというふうに思っております。
○村田秀三君 まあ、いかように説明を聞きましても了解できないわけですが、こういうことで実際審議するということがいいのか悪いのか、私も疑問を感じてくるわけでありますが、一応予想されることを憂慮して私どもはものを申し上げているわけでありますから。まあしかし、一応政府が計画して、それ以上一歩も出ないという決意のほどはわかるような気もいたしますから次の問題に移ります。 自主流通米百七十万トン、この自主流通米も昨年の経過から見ると、転作、休耕などというよりもこれは消費者が選択する問題であります。そうしますと、昨年はまあ不評判であったが今年度は評判がよろしくなったというような、そう単純なものではないわけですね、そうしますと、この百七十万トンというものははたして達成できるのかどうかという問題、同時に、ことしの何といいますか、米の政府買い入れの方針は等級間価格差、銘柄価格差等をつけるというふうにも実は聞いておるわけであります。そうしますと、むしろ自主流通米に乗りにくくなるという状況が強められたと見ざるを得ないということを考えてみますと、この百七十万トンというのははたして目標どおりに、常識的に考えてみて、いくのかどうか。これは食糧庁長官でもけっこうであります。
○政府委員(森本修君) 四十四年産の自主流通米は、先ほど実績を申し上げましたようなことで、最終的な見込みでも当初計画をいたしました数字よりは下回るであろうというように私どもは思っております。それは御案内のように、制度が発足をした初年度でありまして、長年にわたりまして米の統制という中におりました業界が初めてやや自由な取引をするといったようなことでございますから、いろいろな面で不なれがあったということもございます。それから残念なことに、最初の早場米の自主流通の際に、やや品質の悪いものが出回るというふうなことで、当初あまり芳しくないというふうなことで推移をいたしました。最近の様子では、かなり需要もついてまいりまして、ある程度自主流通米制度が定着を見つつあるというふうに私どもは判断をしております。さようなことでございますから、業界の方々も来年度といいますか今年産については、できるだけひとつ自主流通をある意味では計画的にやってみたいということでかなり意気込みを持って取りかかっておられるというふうに私どもは承知をしております。まあさようなことを考えますと、初年度の実績は実績といたしまして、そういう経験の上に立って、業界が熱意を持ち、また私どももある程度の指導、助成を加えるというふうなことによりまして、予定をしております百七十万トンに達するようにぜひやってみたいというふうに思っているわけであります。
○村田秀三君 ここで成功しないんじゃないかなどと言うと、いやだいじょうぶですという答えになりそうな気がいたしますがね。しかし去年のこれは六十四万トンでしょう、まあ補正で九十万トン、こういうことですがね。そうしますと、この六十四万トンの中に酒米とか加工米というのが入っているわけですか、入っていないのですか、別ワクですか。これをちょっとお知らせください。
○政府委員(森本修君) 入っております。
○村田秀三君 そうすると、これは昨年の計画からすると、私、数字をちょっと記憶しないのですが、ほとんどこれは酒米と加工米じゃないですか。ほんとうに一般消費者の食用として何トンあったのですか。
○政府委員(森本修君) これは酒米とモチ米が加わっております、普通の主食用以外にはですね。それで実績では、主食用のウルチが約十七万トン、それから酒米とモチ米を加えますと四十七万トンといったような数字になります。なお、これはいままでの実績でございますが、これからの見込みということになりますと、先ほども御指摘がございましたように、九十万トンになるであろうというふうに想定をしているわけであります。
○村田秀三君 まあこれは結果を見なかったらわかりませんけれども、六十四万トンのうちのほとんどは酒米とかあるいは加工米ですからね、もともとこれは当初から必要量が固定しているものです。したがって主食を伸ばさないと百七十万トンにはならないという結果になるわけですから、私はそうなまやさしいものではないと思います。思いますが、しかし結果的には、努力する、で終わるでしょうから、この際はその問題はとどめておきたいと思います。 次の問題ですが、四十四年米穀年度の末の在庫高を生産年次別にひとつお知らぜいただきたいということ。それから四十五米穀年度の末の推定される在庫高。それから四十四年度産米は、ことしはまだ買い入れ中でございましょうが、最近の買い入れ数量、これをひとつお知らせいただきたい。
○政府委員(森本修君) ちょっとあと数字の足らないところは補足いたしますが、とりあえず持っております数字では、四十四米穀年度末の数字は、四十二年産が約百二十九万トン、それから四十三年産米、これがいわゆる古米でありますが、四百二十四万トン、ちょっと四十四年産、いま調べておりますから、とりあえず古米の数字だけ申し上げます。それから四十五米穀年度末、これはあとで年産別を申し上げますが、古米、古々米合わせまして約七百七十五万トンというような数字になります。抜けた点はまた補足して申し上げます。
○村田秀三君 四十五年度推定七百七十五万トン在庫というのは、先ほど来いろいろと話が出されております減産百五十万トン、自主流通米百七十万トン、これが一〇〇用達成されたときに七百七十五万トンでしょう。これはもちろんそうだと思うんです。
○政府委員(森本修君) これは先ほど申し上げましたように、古米、古々米の数字でありますから、ことしの生産がどうなるか、あるいは自主流通米がどうなるかというふうな数字には関係がないわけであります。古米の数字でありますから、新米とは関係のない数字でございます。
○村田秀三君 百五十万トンの減産、それから自主流通米の百七十万トン、これは七百七十五万トンには入ってないでしょう、完全に達成させるという政策努力をするわけですからね、これは入るはずがない。そうでしょう。そうすると、成功すればもちろんよろしいわけでありますが、昨年のように成功しないということになると、結局先ほど来申し上げました耕地転用の五十万トンがそっくり入ってくる。同時に自主流通米百七十万トンのうち百万トン成功したとかりにいたしましても七十万トン入ってくる。百二十万トン。七百七十五万トンにプラス百二十万トンというものがことしの十月末に在庫する数字です。この数字は、国際の米の流通量というのが聞くところによると七百万トン前後だと、こういうことを言われているわけでありますが、国際流通量よりも多いところのいわゆる日本の、過剰米という言い方は私はあまりしたくないわけでありますけれども、余剰ができる。実に八百九十五万トン。まあ百二十万トンは、これは私の結局目の子計算で申し上げたわけですが、ことし一年これだけ努力をして、なおかつことしの十月末には七百七十五万トンの米が余るわけでありますが、大臣、これどうなされますか。
○政府委員(森本修君) 結局過剰米の処理をどうするかということでございますが、先ほど御指摘がございましたように、七百万トン程度のものが過剰米としてことしの十月、在庫になるということになりますが、私どもとしましては、一つはできるだげ輸出に努力をしたいということがございます。すでに昨年から今年にかけまして貸し付けでありますとか、あるいは援助でありますとか、いろいろな形態がございますが、そういった形態で約八十万トンぐらい外国に出しておるという状況でございます。なお、近く特別の法案をお願いをいたしまして、さらに輸出の円滑化をはかっていきたい、こういうふうに思っております。なおこういった状況でございますので、一般の国内における米の消費の拡大ということにも努力をしなければならないということで、来年度の予算で米についてのいろんな知識の普及といいますか、一種のPRというようなこともやりたい。また、政府の売却の方式についてもできるだけ改善をしたいということでいままでやってまいりました。なお、学校給食等につきましても、来年度からは積極的に米飯の利用に取り組んでいくということになっております。なお、そういったことでも古米なり、古々米なりというものにつきましては特別の処理を要するというふうなものも相当量残ってまいります。これは、要するにいままで米を使っていなかった新しい用途に古米なり、古々米を向けていくというようなことになるわけでございますから、近く学識経験者にお集まりいただきまして、すでにいろんな用途についての試みといいますか、そういったものもございます。また、新しい着想もあるようでございますから、さようなことをよく皆さんに御相談をいたしまして、どういう用途に向けていけば一番合理的であるかということを早急に固めまして、処理の全体的なめどをつけたいというふうに思っておるわけであります。
○村田秀三君 いま輸出の話がございましたが、昨年、輸出どうかという論議もしたことがあると思うのです、おととしあたりでございますか。ところが、米が不足している地域はこれは低開発国でございまして、しかも硬質米が主食でございますと、軟質米はどうもなかなか輸出に合いません、こういった答弁を正式にいただいた記憶があるわけです。輸出、私もたいへんけっこうだと思うんですが、その中にはインドネシアだとか、パキスタンとか、南方のほうがあるわけでありますが、先行きどうでしょうか。輸出というのはもっと拡大される見通しというものがあるのかどうか。
○政府委員(森本修君) 最終的には、いま主要な米の輸入国に見本なり、日本米の紹介のパンフレットといったようなものをもちましてしかるべき人を通じて市場調査をしておりますから、その結果を待たないとちょっとわかりませんけれども、一般的に申しまして、価格の関係で、通常の価格で輸出をするということにはなかなか困難があるのではないか。また、ある国では嗜好が合わないということもございましょう。しかし、いろんな一、二年来の向こう側との接触を通じて感じましたことは、嗜好の問題にいたしましても、やはりいろんなくふうをすることによって対応できるといったようなことがございます。いろんなことをいたしますれば、過剰米の対策といいますか、こういった供給過剰の状態における一つの特別の対策といたしましては、輸出の手段ということはかなり私どもとしても重視をしなければならぬのではないかというふうに思っております。
○村田秀三君 まあ、そういう話になりましたから、この際もう一つお伺いしておきますが、貯蔵ですね、備蓄米と言いますか、これは昨年来しばしば論議になりまして、前長谷川農相は、これは検討してみるということを、まあ結果的には言わざるを得なかったと、こう思うのですね。いろいろ研究なさっていることは私も承知をいたしております。備蓄米制度というものを制度としてということになりますかどうか、常態として一定の数量を確保するということがやはり必要だという意見がいままでもずいぶん強く出ておるわけでありまして、しかも、検討するということでありますから、それをどのようにひとつ考えられておるか。これは農林大臣にお伺いをいたします。
○国務大臣(倉石忠雄君) 現在あります米の備蓄——蓄積しておく手段につきましてはいろいろ技術的に検討いたしておりますけれども、いまお話のように、これからのこともやっぱり考えてみる必要があるのではないか。もみ貯蔵等についてあらためて検討すべきだという意見も有力に出ておりますが、それらのことについて引き続いて農林省としてはさらに検討を続けてまいりたいと思っております。
○村田秀三君 いままでの論議の経過からすれば、結局備蓄米というものを一定数量確保するという前提に立って検討すると、こう理解してよろしいですね。
○国務大臣(倉石忠雄君) そういうことも含めて検討しなければならないということで検討しておるわけであります。
○村田秀三君 私も時間をせかされておりますから、そろそろまとめていきたいと思うのですが、いま食糧庁長官から余剰米の処理対策についての幾つかの方策は聞きました。しかし、ことし減産措置をすると言いましても、百五十万トン、これは平年作マイナス百五十万トン、これは一年間の消費量にほぼ見合う額なわけですね、実は。そうすると、これから考えてみます限りにおいては、いわゆる八百万トン近い余剰米の処理も合わせながら毎年百五十万トン減産をしていかなければならないということになるような気がいたします。昨年の十一月に出しましたところの食料の長期需要見通し、五十二年には大体千二百四十四万トン、そうして、水田面積は二百七十七万ヘクタール、こういうことになっておりますね。そういうことを展望して、農林大臣は衆議院の答弁におきましても、また、今回もそうでありますが、何かしらことしやってみなければ来年の施策が出てこないというような言い方をしておるようでありますが、そういうなまやさしい問題じゃないと思うのですよ、考えてみますと。農家だって、ことしはまあ一応いいようだけれども、それじゃ来年どうするのだというようなことに非常に憂慮しておる。何か米をつくるのが悪いことでもしているような感じを与えられながら生産に励まねばならないというようなことは、これは悲劇ですよ、大体、政治としては。四十六年以降どうされようとしているのか。それをひとつ明確にお答えいただきたい。
○国務大臣(倉石忠雄君) 私どももいまの一般的な空気の中に、いかにも米をつくっている農家がよけいなことでもしてきたんだというふうに思われるような印象がややありますのを、非常に残念千万に思うわけであります。これではいけないと思うんです。米が非常に足りなかった時代のことを追想してみますというと、まことに私は遺憾千万だと思っております。今日のような結果になるであろうことは、およそいろいろな政界におります人々は、何年か前に感じとっておったんではないかと思います。私ども微力ながらこれを阻止することのできなかったことを、私自身個人的に代議士として非常に恥ずかしいと思っております。毎年行なわれた米価の運動等、いまに至って考えてみまして、私自身が非常にざんきにたえないことであると思っております。しかし、われわれは農業というものをどうしてもしっかりやってもらわなければならない、これは国家の至上命令でありますので、本来ならばいわゆる総合農政というふうなことについて、もっと先行して私は政府や党が結論をつけられて、その将来のビジョンを持って農村の人々に呼びかけることが先行されればよかったと思うんであります。しかし、たまたま予算編成や衆議院の選挙その他のことに際会いたしましたために、自由民主党のほうでもいわゆる総合農政という問題に真剣に取り組んでおる人たちの作業が中断いたしまして思うように進みませんで今日に至っているんであります。私はみんな、今日政界におりまして、農業問題に多少なりとも接触しておられる方々は、おそらくそれぞれ御反省もあり遺憾に思っておられるところだろうと思います。そこでいま生産調整をやらなければならないというこのことはやむを得ないことでありますから、これはぜひひとつ農業をやっていらっしゃる方をはじめ、一般の方々にも全面的に協力していただいて、そしていまのある管理制度というものは、やっぱり維持していくほうが農業の安定のために必要ではないかと、そういうことのために私どもは苦慮しているわけであります。したがって、その間若干の計画に狂いはあるかもしれません。けれども、もし狂いのありましたときには、なぜこういうことになったのであろうかということを深く掘り下げて私どもも検討いたしますし、それぞれの御関係の方の御意見も承りまして、その時点に立ってこれから何をすべきであるかということに邁進していきたいと、こう思っておるわけでありまして、現在はただひたすらに——幸いに農業団体、地方自治体の諸君も全面的に協力していただいておりますので、それの成功をひたすら祈ると同時に、事務的にできるだけの御指導、御協力を申し上げておるわけであります。もし最終的にいけなかったという過程に立って考えてみますと、そのときのよって来たる原因を掘り下げて勉強して対処してまいりたいと、こう思っておるわけであります。
○村田秀三君 どうも気持ちとしてはわかるんですが、精神条項だけ述べられておるように思うんですよ。これはまあ衆議院の予算委員会でも西宮委員ですか、言っておったようでありますが、今日の事態というのは三、四年前から知っておるという、想定できたということですよね。私もこれはまあ国会に顔を出したばかりの一人でありますけれども、やはり私、参議院の予算委員会の中で、今日の開田ブームを見た場合に過剰時代が必ず来ると、したがって、計画的にひとつ進めてはどうか、行政指導しなさい、こういうことを申し上げたわけです。四十一年——四十三年ですか。その際はまあ計画経済というと、これは社会党の政策だなどというような錯覚を持ちまして、資本主義、自由経済でありますから、計画経済はとらないというようないまの総理大臣のお答えも返ってきたことを私は記憶しておるわけでありますけれども、とにかく今日の状態、いま単年度の努力をしておる農林省の方々もほんとうに苦労しておると思うのです。地方自治体ももとより、農業団体もまたそのとおりです。これは農民に対して農業団体はいわゆる信を失うか失わないかのこれはもう関頭に立たされた今回の手段だと思うんですよね。関係する団体が農民の信頼を失って、これから何を農政としてやっていくわけですか。重大な問題だと私は思います。今年度の努力はいまのままでおるならば来年度もまた続くという想定は、これは成り立つわけでしょう。したがって、来年度以降はどうするのかという、変化があるのか、ことしと同じようなことをやるのかですね、何かしなければならぬことだけは間違いないですよ、これはね。その辺はどうですか。
○国務大臣(倉石忠雄君) 百五十万トンがだめだという前提にお立ちになっていらっしゃるようだけれども、私どもはこれはもうやっていただけるものだと確信しているわけなんでありますから、そういう前提に立って、その行なわれたときに何をなすべきであるかということを考えなきゃならないと、こう申しておるわけであります。
○村田秀三君 それでは何回ここでいろいろ申し上げても、それから一歩も前進しないと思いますので、私一つ提案をしてみたいと思います。 だいそれたことを言うわけじゃありませんが、私は転作を認めないとは言っていないんですよ。いま何か誤解なすったようですけれども、もちろん、これは今日のようなやり方における一律減反というものに対しは問題としておりますけれども、根本的な農政の姿勢が変われば協力しないなどというような、そういうものの言い方はしておりません、実際は。要は転作できるにしても、喜んで転作できる状態をつくるということ、そのためには私は、かりに将来を展望して、余剰米である八百万トンを処理し切ったといたしましても、ことしは百五十万トン分減産措置をする。耕地の転用は、これは耕地がなくなるからいいようなものでありますけれども、百万トン分は来年はまた復活するかどうか、まだはっきりしないわけですね。復活をするということになれば、またこれは百万トン毎年上積みされていくという計算になるわけですよ、これは計算上。そういう事態を憂慮する限りはこれはやはり計画的に生産を調整していくということは当然必要なことだと私は思います。その際に、計画的で、つまりことしは田にした。ところが生産量が上がったようだから、需要量よりも供給量がふえたようであるから、ふえそうであるから、またはひとっことしは畑にしないか、つまり輪換作付ができるようないわゆる耕地を造成する、現実の問題としてそういうところもありましょう。そうして、それを前年度にいつでも調節ができれば、そこで作物を転換しても、それに対してはどのような形かは別にいたしましても行政的に責任を持つ。この農政の基本姿勢さえできるとするならば、何もこういう大騒ぎをしなくても私はやっていけるような気がするわけです。少なくとも計画的に今日の自民党の政治の理念の中においても、事、農業に関する限りは私はそれはやれるはずである、またやらねばならない、こう実は思っているのです。それ以外に意図があれば別です。つまり過剰状態に持ち込んでいって、そして一般の消費者から、つまり納税をする側からすれば云々などというようなものの言い方もされておるようでありますけれども、とにかく生産者米価がずっとダウンしていくわ、国際競争力を米をしも早急につけさせるということで、しかも外国から輸入をしてくるわ——米の生産農家はどんどんどんどんなくなってしまう。農家も減少する、労働力も減少する、国内における生産量も減少する。そういうことを何か意図的に期待しているというならば話はまた別でありますけれども、しかしそうでない限りは、私はやはり前段私が申し上げましたような方法というのは、皆さん方とれないということはないと思うのですよ。そういう点についてのお考えをひとつお聞かせをいただきたい。
○国務大臣(倉石忠雄君) 農業を維持してまいりたい、農業が他産業に比べてひけをとらない所得の農業として育成したいという基本的な考えでございますので、ただいま村田さんの御提案もひとつ研究してみたいと思います。
○村田秀三君 終わります。
○沢田実君 私も実は米のことについてお尋ねをいたしたいと思います。ただお尋ねをいたそうと思いましたことの相当部分がいま質問がありましたので、重複をいたさないように簡単に御質問をいたしたいとこう思います。 質問の第一は、いままで大臣がお答えになっていらしたのを見ていますと、米穀の輸入はしないと、こういうふうに御答弁になっているように記憶をいたしておりますが、四十五年度の計画を見ますと、もち米三万トンを輸入する、こういうような計画になっているようですが、モチ米の輸入もしないで、国内で生産するというようなぐあいにいかないものか。モチ米の輸入について大臣のお考えをお尋ねいたしたいと思います。
○国務大臣(倉石忠雄君) 政府委員から……。
○政府委員(森本修君) モチ米のほうは近年国内における生産量が減少してきておるというふうなことがございまして、四十五年度の米穀年度におきましては、わずかな数量でありますけれども、約三万トン輸入を予定するというふうなことで需給計画を見ております。モチ米のほうはなぜふえてこないかというのは、御案内のように生産の反収がかなり低いというふうなことがございます。それから人手不足といったような関係でありますのに、かなり生産には手間を食うというふうないろんな生産の側の条件がございまして、残念ながらモチ米が完全に自給されるというふうな状態になってまいりません。若干ずつではございますけれども近年輸入しており、来年もさような関係になっておりますが、できれば私どもとしても生産対策その他に力を尽くしましてそのような方向にいかないようにひとつやっていきたいとは思っておりますけれども、需給計画ではさような計算をいたしております。
○沢田実君 三万トンはほんのわずかだというお話でございますけれども、四十四年の作付転換一万ヘクタールを計画いたしまして約半分しかできない。おそらくその数量は三万トンぐらいじゃないかと思います。ですから一年一生懸命農林省で努力した結果が三万トンということになりますと、モチ米三万トンの輸入というのは私は決して少ない数量ではない。こういうふうに思います。それからいまおっしゃったように、国内で生産することについての手間の問題やら単価の問題やら、あるいはそれを使用する側の単価の問題等等、これはいろいろあると思います。しかしいまその百五十万トンも生産を調整しようと言っているときなんですから、ですからモチ米は不足しているが、しかし国内でこれをつくろう、輸入はしないようにしようじゃないか、こういうような基本的な考え方にいかないものか。大臣のお考えを伺いたいと思います。
○国務大臣(倉石忠雄君) 気持ちは全く同感でございまして、余っているときでありますからなるべく入れないのにこしたことはないのでありますが、いま食糧庁長官が申し上げましたようにモチ米についての需要を満たすだけのものがないということははなはだ残念であります。したがって、そういう事情にあるわけで、なるべくそういうことを解消するようにもちろん私どもはつとめるべきではないかと思っております。
○沢田実君 大臣、その四十五年の作付が終わってしまったんですともうこれはつくれないのだと、こうなるわけですが、これからつくるのだと、しかも百五十万トン生産調整するのだ、こう言っているときですから輸入をやろうと思っておったけれども、輸入をしないで国内でつくる方針だと、こんなふうに大臣、お考えいただくわけにいかないでしょうか。
○政府委員(池田俊也君) モチ米の生産でございますが、先ほど食糧庁長官から御答弁があったようなことでございますが、現実に生産者の立場から見ますと、反収が非常に低いということ、それから価格関係も若干あるかと思うわけでございますが、どうもウルチに比べまして収益性が低い。こういうことが原因になりまして、生産量といたしましては若干減退ぎみでございます。私どもといたしましては生産対策の面から見ますと、ウルチだけに熱意を入れて、モチ米には熱意を入れてないということではございませんで、まあいろいろな品種の育成でございますとか、その他の生産指導等にも同じにやっているわけでございますが、現実には先ほど申し上げましたような事情があるわけでございます。そういう事情がございますが、いまのような事態の中で現実にモチ米の輸入をいたさなければならないということは確かに御指摘のように非常に問題でございますので、さらにそういうようないろいろな難点はございますが、努力をいたして国内で充足をするという方向で指導をいたしたいと思います。
○沢田実君 その反収が少ないとか何とかあると思いますけれども、たんぼを休んで何に作付転換すればいいのだ、米よりいいものがないと言っているときですから、モチ米をつくればそれ以外のものをつくるよりは断じて収入がいいと思います。ですからいまおっしゃったようにひとつ御努力願いたいと思います。 次に生産調整の問題ですが、先ほどもだいぶ詳しくお話がございましたけれども、四十五年度の基本方針といたしましては、百五十万トン以上生産調整をいたしたい、百万トンは農家の努力によって休耕あるいは転作をしたい、五十万トンに相当する分のたんぼは政府なり地方自治体なり、あるいは民間なりがその耕地を買収するようにしたい、しかも四十五年度にそれをしたい、こういうような基本的な農林省のお考えとこちらでとってよろしゅうございますか。
○国務大臣(倉石忠雄君) そのとおりであります。
○沢田実君 そういたしますと、先ほどお話がございましたように、五十万トン分に相当する面積については、すでに作付が終わってしまうのじゃないか、こういうお話がございました。それについてはどうするというお話も別になかったようでございます。極力自信をもって努力するというお話でございますが、たとえば私が一農民としてたんぼをあるいは地方自治体あるいは民間会社にことし売る、こういうふうにしたといたしますと、たとえば一町歩なら一町歩を売る、こういうふうに仮定いたしますと、ことしは休耕にいたします、そして休耕の分のおそらく補助金の支給が終わってそれからそれを売却をいたします。そういたしますと、一町歩については、いわゆる百万トンの分、五十万トンの分と重なります。ですから、百五十万トン、こうおっしゃっておりますけれども、実際私は百万トン分しか目標にしていないのじゃないか、こういうふうに思うのですが、その辺は農林省はどんなふうにお考えなのか、お答えをいただきたいと思います。
○政府委員(亀長友義君) 百万トンにつきましては、あくまで当初から生産調整を実施するという意図で耕作をやめるなりあるいは他の作物をつくる、こういう場合に限定をいたしたいと考えております。五十万トンのほうはそういう意図を持たないで他に売る、あるいは農地を他の用途に転用する、こういう場合でございまして、奨励金をもらっておいて間もなく他に売るというような場合には、奨励金を返還させるというのを原則に考えております。したがいまして、そういうふうな場合には奨励金を返還すれば、これは百万トンの生産調整の対象から落ちるわけでございますから、私どもとして二重計算は起きないように方策を考えておる次第でございます。
○沢田実君 そうしますと、休耕した面積については四十五年度中は売却をすればその補助金は返さなければならない、こういうふうになるわけですか。
○政府委員(亀長友義君) 原則としてそういう措置を講じたいと考えております。しかし、たとえば収用された、これは自分の意思によらないでやられるわけでございますから、そういう場合は返せというのは酷だろう、こういうふうに思っておりますが、自分の意思で住宅に売るとかいうような場合にはこれを返還をしていただく。したがって、その分は金の支払い対象からはずれますから、払ってもあとで返納になりますから、百万トンのほうが減ってしまうということになります。
○沢田実君 そういうお取り扱いの方針については、地方自治体へはすでに発送済みでございますか、文書等によって。
○政府委員(亀長友義君) まだ政府部内で若干調整する余地がございますので、まだ地方自治体に正式の通牒は出してございません。ただ、来年度予算は実質的にはまだ成立をいたしておりませんので、正式には本予算の成立を待って正式に通知をいたすという考えでおりますが、大体農林省としてはそういう考えであるということは、各県に、照会があった場合には返事をいたしております。
○沢田実君 その点はわかりましたが、そうしますと、作付をした、それからいまのお話のように各省でいろんなことが計画されて四十五年度中にたんぼを売る、そうするとおそらく収穫後でなければ、先ほどのお話のように買収はおそらく間に合わないだろう、こうなりますので、最初から百五十万トン分を農家は生産調整しないと百五十万トン実際に減るというふうには私はならないのじゃないかと思うのですが、その点はどういうようにお考えでしょうか。
○政府委員(亀長友義君) これは五十万トンとの調整問題でございますが、私どもは当初から生産調整の目的を持って対処した場合と、そうでない場合ということで境をつけていきたいと思います。したがいまして百万トンがどの程度達成をするか、五十万トンがどの程度達成するかという問題とは別に、それぞれ最初からその水田について百万トンの分類に入るか五十万トンの分類に入るかは、最初の農家の態様で行き先まで分類されている、かようにお考え願いたいと思います。
○沢田実君 私の言うことが少し御理解をいただけないようですが、要するに百万トンは作付をしないように努力するわけです。五十万トンについてはいまのお話の作付がされてしまうだろうというお話です。しかも四十五年度の収穫後に買収されるとなれば、すでに四十五年度の米はできてしまうのじゃないかということなんです。しかも国なり地方自治体なりあるいは民間が買収する予定をされることはまだあとになるわけでありますから、作付前にその分についても要するにきまってしまえば、これは別個に作付けをしないで待つからいいのですけれども、百万トンの作付をしない分、これはよろしいけれども、五十万トンの分についてはもう作付をしてしまうでしょう。そうすると実際四十五年度は五十万トンの米ができてしまうのじゃないかと思います。それはどういうふうにお考えですか。
○政府委員(亀長友義君) これは最初の百万トンと五十万トンとの間に混同があるかないかというお話とは別の問題かと思いますが、結局五十万トンがうまく作付前に水田転用になるかどうかという問題に帰着するのだと思いますが、その点につきましては私から申すまでもなく、先ほど大臣がお答えしたとおりでございます。
○沢田実君 先ほどの答弁は極力努力をいたしますということなんです。だけれども実際問題間に合わないのじゃないかというお話です。ですからわれわれが考えても当然間に合わないだろう。そうするといま計算して、百万トンは努力するのはわかります。五十万トンについては、これはもう作付されてしまうような段階なんだからいわゆる百五十万トン減らすという目標で計画するということがそもそも無理じゃないか。もしそうだったら最初から百五十万トン分のたんぼを農家に協力してもらって、作付をしないというふうにしないと無理じゃないかと、こう申し上げておるわけです。
○政府委員(亀長友義君) 五十万トンの実行可能性の問題につきましては、もうすでに大臣がお答えになりましたので、私から何も補足するところはございませんが、もちろん百五十万トン全部生産調整でやるという方式も、御承知のように予算の当初においてはそういうこともございましたけれども、政府全体の方針といたしましては、やはりこれは恒久的な見方をすれば、できるだけのものは水田以外の用途に供するという方向が適当であろうということで、五十万トンは転用という方針に決定をされたわけでございます。
○沢田実君 いまのようなお話ですと、私は、米は先ほどいろいろな御質問がありましたと同じように、四十五年度の生産については所期の目標のような生産調整が一生懸命努力されるけれども、できないのじゃなかろうか。そうしまして、また米がたくさんできたときに一体どうなるのだろうかということが非常に心配なわけですので、その点についてお尋ねをしたいと思うわけです。 で、食糧庁長官にお尋ねをしたいのですが、食管法の第三条の「米穀ノ生産者ハ命令ノ定ムル所ニ依リ其ノ生産シタル米穀ニシテ命令ヲ以テ定ムルモノヲ政府二売渡スベシ」というところでございますが、「命令ノ定ムル所」というのと「命令ヲ以テ定ムルモノ」というそのことについてどういうふうに解釈をしていらっしゃるかお尋ねしたいと思います。
○政府委員(森本修君) 「命令ノ定ムル所ニ依リ」というのは、一つの手続を命令の規定に委任しておるわけであります。それから「命令ヲ以テ定ムルモノ」といいますのは、政府に売り渡すべき米の数量の定め方について命令に委任をしておるというふうに思っております。それぞれの委任をされました条文の中にもございますけれども、またこの三条の趣旨はさようなことでございます。
○沢田実君 「命令ノ定ムル所」というのは売り渡しの時期というふうに考えますが、そういう考えでは間違いでしょうか。
○政府委員(森本修君) これはこの法律の規定によりまして委任をされて規定をしておりますのは省令の十三条、十四条、十五条といったようなところでございますので、米の売り渡し方、つまり登録をした指定業者を通じて売る、あるいは登録をしない場合におきましては直接売り渡すといったような手続規定でございます。
○沢田実君 施行規則の第三条の「都道府県知事は、食糧管理法第三条第一項の規定により政府に売り渡すべき米穀につき、その売渡の時期を定めなければならない。」、また第三条の第一項の規定についてこうなると書いておりますが、「これ」とはこの時期をきめているというふうに解釈しては間違いでしょうか。
○政府委員(森本修君) その点もこの条文の根拠によって売り渡しの時期が定められるというふうに理解をいたします。
○沢田実君 しかも、その生産者の申し込み数量というのが市町村長が過小であると認められるものについては、申し込み数量以上にあるいは政府の買い入れ数量をきめることができると売り渡し令等にあるわけです。そういう権限が市町村長に委任されておる。さらにまた申し込みをしない生産者に対してもその数量を指示する権限、そういうのが市町村長にございます。またさらに市町村長は農家の最小必要数量そういうものを残して政府買い入れ数量をきめよと、こういうように責任が負わされております。そういうふうに考えてみますと、この法律というもののいわゆる立法の精神^法令体系全体の構成ということを考えてみますと、これは当然農家がこれだけ売り渡したいというものについては、その申し込んだ数量については当然政府が買うんだと、こういうことが立法の精神のように思いますが、長官はどういうふうにお考えでしょうか。
○政府委員(森本修君) この第三条の規定によりまして命令の定むるものというのをきめましたいままでの経緯は、こういった数量をきめる手続を政令あるいは省令で従来から書いたあれがございますが、累次の改正といいますか、変更を経まして今日に至っております。で、現行法といいますか、現行の買い入れの政令の規定では、御指摘がございましたように、たしか三十年でしたか、そのころからいわゆる事前売り渡し制度というのをやっておりますから、いま御指摘がございましたようなことで売買条件による売り渡しの申し込みがございましたものについて市町村長の指示数量とするというふうな形で政令ができております。この政令も多少ずつは毎年変わってきておるような経過はございますけれども、三十年当時から今日までは大体かような形で政令がつくられておりますから、政令の規定の読み方としてはいま申し上げたような形になっておるということでございます。
○沢田実君 食管法第八条ノ二には米の流通について明記されておりますが、政府が買い上げて現在のような配給機構にのせるやり方、それから自主流通米それ以外に現在の食管法で流れる米の流れ方というものが考えられるかどうか、お尋ねしたいと思います。
○政府委員(森本修君) 食管法の規定は、いろいろな条文がございますが、御指摘がございましたような八条の規定は、政府で配給の計画にのせました米なら米につきまして八条ノ二から八条ノ四等に、あるいは八条ノ五あたりまで記載がされております。ただ第九条というふうな条文がございまして、この、条文に基づきまして必要な売り渡しなり、あるいは処分なりその他配給といいますか、そういうふうなものにつきましても、ここに書いてありますような要件に該当いたしましたときには、命令を出し得るということになっておりますから、さような条文の規定で食糧についての流通の規制をいたしておるものもございます。
○沢田実君 食管法の第四条ノ二には「政府ハ命令ノ定ムル所ニ依リ麦ヲ其ノ生産者又ハ其ノ生産者ヨリ委託ヲ受ケタル者ノ売渡ノ申込ニ応ジテ無制限ニ買入ルルコトヲ要ス」というふうに麦についての無制限買い入れのための条文があります。まあその他先ほど申し上げたような点から考えまして、立法の精神、法令全体の流れるその構成から考えまして当然農家が生産したものは全部買い入れるということが法の精神だろうと私は思います。しかし法の解釈にはいろいろ御意見もあるようでございますので、その法の問題についてはそれ以上申し上げません。 先だって大臣は、米が現在の食管法でも買い入れ制限ができるような法律上の解釈をおっしゃいました。その後いろいろな機会に今年は買い入れ制限はしないというふうに言明なさっているようでございますが、それもおそらく百七十万トンの自主流通米の成功、あるいは百五十万トンの生産調整の成功等をお考えの上で買い入れ制限はしない、こういうようなお考えで言明をなさっているのじゃないかと私は思うわけですが、いろいろこうして自主流通米というような問題あるいは生産調整問題を考えてみますと、おそらく政府が買い入れを予定している六百五十万トンをはるかに上回る数量を昭和四十五年度においても買い入れをしなければならないのではないかというようなことが考えられます。 そこでそういうふうに六百五十万トンを上回るような生産が上がりまして政府が買い入れなくちゃならない、こういう事態になりましても、今年度においては断じて買い入れ制限はしない、こういうふうに大臣はここでお約束ができますかどうか承っておきたいと思います。
○国務大臣(倉石忠雄君) いまの食管法のことを政府委員といろいろ御質疑がありましたようですが、私どもはそういった買い入れ制限のことを全然いま考えておらないのでありますが、これは何べんか私どもの方針として衆議院でも申しております。もししかしそういうことを考えるとすれば、これはまだいろいろ法的にも研究してみなければならぬ。そこで現在の状況でどういうふうになるであろうか、先ほど村田さんともいろいろ政府の計画がうまくいくかいかないかというふうなことがありましたが、私どもとしては、それは必ず成功させたいし、またするものであると思っておるわけでありますが、ただいまのところはどういうふうな事情にあろうとも、買い入れ制限ということは少しも考えておりません。これが私どもの方針でございます。
○委員長(園田清充君) 本件についての質疑は本日はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。 午後三時五十一分散会 —————・—————