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63回国会参議院1970/09/08

農林水産委員会 閉会後第3号

発言数
146
登壇者
22
会派数
4
開催日
1970/09/08

会議録

園田清充自由民主党

○委員長(園田清充君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。  農林水産政策に関する調査を議題といたします。  まず、台風九号及び十号による農林省関係の被害状況について、政府当局より報告を聴取いたします。大河原官房参事官。

大河原太一郎農林大臣官房参事官

○説明員(大河原太一郎君) お手元の資料に即しまして、昭和四十五年の台風九号と十号による被害の概略を御説明申し上げまして、その対策の進捗状況その他について簡単に御報告を申し上げます。  まず台風九号でございますが、お手元の資料にもございますように、施設、作物を合わせまして四百九億の被害になっておるわけでございます。これは一日現在でございまして、なお若干被害が増加する見込みでございます。なお、農作物被害等については県の報告でございまして、国の調査ではございません。  その他内訳等につきましては、二ページ以下に施設を農地、林野、水産関係に分けまして、施設別、県別にその被害を計上してございますし、また農作物関係につきましては、五ページの第四表に県別、作物別に県報告の被害を明らかにしておるわけでございます。  それから六ページは、共同利用施設の被害について金額を県別に明らかにしておるわけでございます。  九号は以上のとおりでございまして、十号の被害につきましては、施設別のこまかい内訳、作物別はこの表で承知さしていただきますけれども、五百六十三億をこえる被害になっておるわけでございまして、施設関係で百九十五億、作物関係で三百六十七億という関係に相なっておりまして、九号台風の際に申し上げましたと同様、二ページに農地関係の施設災害を県別に明らかにしておりますし、それから三ページでは、林野関係の民有林、国有林別に県別、施設別の被害を明らかにしてございます。  それから水産関係が四ページ目でございまして、漁港なり共同利用施設あるいは漁船、漁具、養殖施設、あるいは水産物等につきまして県別のそれぞれの被害を明らかにしておりますが、台風の通過した周辺の諸県の被害が取も多くなっておることは御承知のとおりでございます。  それから作物関係については、五ページにございますように、やはり台風通過の地域を中心としての被害は水稲、野菜、果樹等についてそれぞれ大きな被害を示しておるわけでございます。  それから六ページは、共同利用施設関係の被害を県別に明らかにしておるわけでございます。  以上、九号台風といたしましては現段階では約四百十億円、それから十号関係におきましては五百六十億円をこえる被害ということに相なっておりまして、相当な規模の被害であるというふうに承知しております。  なお、関連いたしまして、九号及び十号の被害の対策の進行状況を、なお中途でございますけれども簡単に御報告申し上げますと、相次いでまいった台風でございますので、それぞれ対策につきましてはこれを一括して早急に処理するというような方針のもとに急いでおるわけでございます。もちろん災害直後におきます関係地方農政局等の対策本部の設置、被害調査団の編成とその派遣というようなことにつきましては、過去の災害の例にならってこれを行なっておるわけでございますし、また、衆参の災害対策委員会の諸先生の調査等につきましても、関係官が随行いたしまして、その被害の把握、今後の復旧対策の指針を得るようにつとめたわけでございます。  で、対策はまだ冒頭にお断わり申し上げましたように中途でございますが、これについて簡単にお話を申し上げますと、応急対策等については、御案内のように、災害応急住宅用材の営林署における備蓄用材の放出、これは九号台風の奄美大島等について行なっておるわけでございますが、そのほか、十号台風では、被害がひどかった高知県の高知周辺に対する応急精米の配給というようなことについてもこれを行なっておりますし、なお、応急復旧用材について要請があれば、国有林の備蓄用材の放出というようなことについても万遺憾なきを期しておりますし、また、高知県あるいは広島県、岡山県等におきます河川の堤防破壊等による農地の冠水等については、応急排水のための手当て等につきましては国有の手持ちポンプの貸し出しその他の所要の諸施策を緊急に行なっておるわけでございますし、また今後必要な農地、林野、漁港等の施設災害の復旧等に対して、それを円滑ならしめるために関係の職員を現地に派遣いたしまして、災害復旧事業の事前の実地指導につとめておるわけでございます。  以上が両災害、両台風共通の応急対策でございますが、今後の本格的な対策等につきましては、一つは作物被害が九号、十号相当大きくわたっておりますので、県の報告を賜わっておりますけれども、天災融資法その他の発動につきましては、国の統計調査部の早急な調査が必要であるということでございますので、ただいま鋭意最終の被害を取りまとめておりまして、一両日中には集計がまとまるというような段階になっております。で、これを受けまして天災融資法の発動については、これは作物被害でございまして、両台風が区分しがたいと、被害の判定が。そういう面もございますので、九号、十号一本にいたしまして天災融資法の発動をいたすべく関係省と協議中でございまして、これは早期に前向きに処理いたしたいというふうに考えておるわけでございます。  なお、天災融資法につきましても激甚災の問題がございますが、これにつきましては農地農業用関係の激甚災適用のただいまの進行状況の御報告と一緒に行ないたいと思います。  それから災害被災者に対する長期低利融資としての自作農資金の融通につきましては、ただいま現地から資金需要をとっておりまして、天災融資法の発動と相まって同時にこれを行ないたいというふうに取り進めておるわけでございます。なお、被害農家に対する各種制度金融によります既存の貸し付け金については、実情に応じて償還猶予の措置を講ずべく、これについても準備を進めておるわけでございます。また、被害を受けられました水稲、蚕繭等につきましては、共済金の仮渡しなり、あるいは連合会の組合に対する保険金の仮払い、あるいは国の再保険特別会計からの再保険金の仮払い等につきましても、必要に応じて請求をいたすように指導しておるわけでございます。  以上が従来の災害の例に徴して当然必要と考えられます諸施策の進行状況でございますが、また施設災害等につきましては、当然負担法なり、あるいは暫定法に基づきます施設災害を早急に取り進めるわけでございますけれども、これにつきましては、緊急査定につきましては農地、林野、漁港ともおおむね九月中旬には完了する目途で、ただいまその緊急査定を急いでおるわけでございます。で、これらの施設のほか、あるいは共同利用施設、また漁船関係が、今度は水産関係が相当の被害を受けておりますが、養殖施設とかあるいは小型漁船の沈没隻数が非常に多いというこれらの問題について、特別な助成方式でございます激甚災害法の適用の問題につきましても、被害の実態の判明を待ってこれについての適用を行なうかどうかという点について検討しておるわけでございますが、九号、十号というものが相接近した被害でございますので、これらをなるべく一括して激甚災の適用に必要な一定の基準にのっとるようにするというような特別な配慮についても、ただいま中央防災会議におきまして関係省が協議中でございます。  また、今回の早期水稲地帯におきましては、台風による水稲の被害が大きく、そのために等外米、規格外米の買い上げ等の問題も当然起こることでございますので、これについては高知県をはじめといたしまして、台風の被害の多かった県について実態を県及び食糧事務所を通じて調査いたしまして、これらの実態の判明次第、必要な措置について検討いたすということに進めております。  なお、そのほか果樹とか桑とか、あるいは今回は四国等におきましては倒伏林地、倒伏林木が相当多い。これについて従来にならった措置を必要とするかどうかということの問題につきましても、ただいま係官の派遣なりあるいは関係県の報告等を早急にとりまとめ中でございまして、被害の実情の判明を待って従前の例を勘案いたしまして措置いたすというような状況でございます。  以上、きわめて大づかみでございますけれども、災害の状況なり現段階で進行しております対策につきましての途中の経過として御報告さしていただきます。

北村暢日本社会党

○北村暢君 私、質問というより資料を提出願いたいのですが、それは天災融資法の運用の状況を、最近の二、三の例でいいですから、昨年、一昨年あたりの例でどういうふうに運用されているか、その結果がわかるような資料をもらいたい。ということは、天災融資法は事実の面において実際はもう貸すといっても借りる人がいなくなっている。激甚災の指定で三分資金になると借りる人が出てくるというようなことで、天災融資法の運用についてどうも法律の趣旨が生きておらぬというふうに聞いておるのです。したがって、そういうことが事実なのかどうなのか、わかるような天災融資法の——普通六分資金ですね、それの貸し出しがどういうふうになっておるか、それから激甚地の天災融資の安い利子のものがどうなっているのか、これがわかるようにひとつお願いしたい。  それからもう一つお伺いしておきたいのは、共同利用施設について、農協の共同利用施設についての災害復旧についての助成はあるわけですが、今度のように農業法人、農事組合ですね、これの施設は共同利用施設として復旧の補助の対象に現在なっておらないのではないかと思うのですが、これはやはり共同利用施設として認めるような方向で私はあるべきではないかと思うのですがね、いままでの解釈からいえば。農業協同組合の共同利用施設になっておらぬのですね。そういう点について考え方をちょっとこの際お伺いしておきたいと思うのです。

大河原太一郎農林大臣官房参事官

○説明員(大河原太一郎君) 前段の資料の提出につきましては、御趣旨に沿うような資料について用意したいと思います。  それから第二点の問題でございますけれども、これは先生御案内のように、農林漁業施設災害復旧費の国庫補助の暫定措置、これを協同組合——農業協同組合なり水産業協同組合なりあるいは森林組合、協同組合の施設、その施設、施設については政令で指定してございますが、そういうことに相なっておるわけでございます。制度の趣旨は考えますに、協同組合がそのメンバー、組合員に対する共同利用に供するという点で、そこで公共性と申しますか助成の意義を認めて、そしてそこで線を引いておるという感じだと思います。で、先生お話の農事組合法人とか農業生産法人、これは経営体で、個別農家が数戸集まっているけれども、経営としては個別農家と同じような個人的な施設だというような従来の取り扱いで法律上線が引いてあるというふうにわれわれは立法の趣旨を理解しておるということでございます。

北村暢日本社会党

○北村暢君 その点は、趣旨はそういうことでわかっているわけなんだけれども、一方は農業協同組合の施設であるハウス園芸、同じハウス園芸でも施設はこれは農業協同組合が管理していれば施設災害としてこれ復旧費出るわけでしょう。ところが農事組合がやっていればこれは出ないわけですね。それは明らかです。だから確かに経営体という点からいえばおっしゃるとおりなんだけれども、今後の災害等において施設園芸の施設が、しかも農事組合のものが相当あって、一方は同じ形の協同組合の管理しているものは復旧ができる、助成ができる。ところが一方は、農事組合のものはできない。こういうふうにいままでの解釈からいえばなるわけなんです。そういう点でどうも考え方をもう少し拡大したほうがいいのではないかという要望が強くあるわけです。したがって、もう少し弾力性を持って考えてもらいたい。これは希望でありますから、ひとつ、説明はわかりましたけれども、それを検討してもらうようにやっていただきたい、こういうふうに思うのです。

達田龍彦日本社会党

○達田龍彦君 これはあすの災害対策でも若干取り上げたいと思うのですが、一点だけ質問しておきますが、いまの報告の中で天災融資法の発動ですね、それと同時に激甚災の適用、これは見通しとして一体いつごろになるのか。これは各県や市町村ではその指定ということについて非常に強い関心を持っておりますし、しかも早目にやってもらわなければという要請が強い。特に商工関係、運輸関係いろいろありますけれども、とりわけ農林関係にはそういう被害も大きいし、要望が強いわけです。その点の大体時期の見通しですね、お伺いしておきたい。どうですか。

大河原太一郎農林大臣官房参事官

○説明員(大河原太一郎君) 先ほどの対策の進行状況についての御報告の中で触れましたように、今回の県報告の作物被害を見ましても相当大きい、したがって、天災融資法の発動をなすべきであるというわれわれは判断をいたしまして、その点については所要の準備を進めておるわけでございますが、天災融資法につきましては、繰り返すようでございますが、統計調査部の作物被害、これをまとめまして所要の被害の程度なり、所要の金額あるいは実際の資金需要について各県からの御要望もとりまして、その総ワクを発動いたすというようなことでございまして、その上で財政当局と協議いたしまして政令で指定いたすという手続でございますが、当然災害対策でございますからできるだけ早くやる。ただいまのところ何月何日というようなところまでは申し上げにくいんでございますけれども、今日から始めまして二週間以内くらいには整理して、政令公布までに持っていきたいというようなことで万全の努力をしていきたいというふうに考えております。

達田龍彦日本社会党

○達田龍彦君 もう一点だけ。いまの御説明ですが、何にしても、たとえば九号台風の場合は八月の十三、十四ですね。二十日くらいたっているわけですね。そうしますと、これは天災融資法の適用になるかならないかというのは、農林省あたりでは事前に判断がつかない場合もあると思うんですよ。ですから私は、これは大体いけるというようなところには、公式ではなくても各県なり、あるいは各市町村に内示をやって、その範囲でやっぱり応急対策、恒久対策というものを講ずる必要があると思うのです。それは手続的にはとっていたかもしれないけれども、実際に各市町村や、それから農家や漁業家の立場になってみれば、やはりすぐやらなければいけないわけですから、それが天災融資法の適用を受けるのか受けないのかということは、その復旧に対しては大きな問題ですから、少なくともそういう内示程度のことができないのか。やったほうが私はいいんじゃないかという気がするんですが、大事をとるという意味でやっていないんじゃないかという気もしますが、そういう点、現実にやっているのかやってないのか。私はやったほうがいいと思うんですが、どうですか、その点は。

大河原太一郎農林大臣官房参事官

○説明員(大河原太一郎君) 先ほども申し上げましたように、県の御報告はいただきました。これも時々刻々動きます。やはり国の制度の発動でございますので、国の統計調査組織の末端からの調査、これをとりまして被害の規模なりその他について判断いたして融資をするということになっております。理屈を申して恐縮でございますが、天災融資法の目的にも、この天災融資法を発動する場合は、国民経済上著しい影響を及ぼすというようなものがございまして、やはり国として責任ある調査をした上でやるということになっておりまして、被害をつかんだ以上は早急にいたすというたてまえになっております。  もう一つは、今回の特殊な例といたしまして、先生、九号台風が早く来たのにちょっとおくれているじゃないかというようなお話でございますが、実は十号が追っかけてまいりまして、地域によりましては重複被害というところがございまして、作物の被害調査としては把握しにくいというような点もございます。したがって、今回は一本にしまして、調査をして必要な資金需要にこたえるというようなことでおくれたという特殊な事情もございます。

園田清充自由民主党

○委員長(園田清充君) 別に御発言もなければ先に進みたいと思いますが、他に御発言もなければ、台風関係の質疑はこの程度にとどめておきます。

園田清充自由民主党

○委員長(園田清充君) 農林水産政策に関する件について質疑を行ないます。質疑のある方は順次御発言願います。

村田秀三日本社会党

○村田秀三君 私は、去る八月十三日、カドミウム汚染米の処理について前食糧庁長官にただしたんでありますが、食糧庁長官が更迭をした直後でもあり、前長官の発言を確認しながら今日、その対策、措置等についてあらためて聞いてまいりたいと思います。  十三日の食糧庁長官の発言をずっと要約してみますとまあ、いろいろな問題がありますが、筋としては特にカドミウム含有量の測定の検査能力がないから厚生省が要観察地域またはそれに準ずる地域に指定をした地域についてのみ農林省の決定、すなわち一PPM以上は買い付けをしないとか、あるいは〇・四PPM以上の米は配給に回さない。それはあくまでも厚生省が指定をした地域に関してのみの問題の処理、こう理解をいたしたわけであります。  と同時に、この際とりわけ確認をしておきたいと思うのですが、厚生省が指定した地域、これは必ずしも一以上であるとか、〇・八以下であってもよろしいとかいうことにはなっておらないわけでありまして、この環境汚染の問題、要観察地域に指定する、その指定の基準というのは、単に米だけの問題ではないように思うわけです。で、その指定された地域の中で一PPM以上のものがあれば買い付けをしない、こういうような言い方をし、なお検査して、その地域内であっても一PPM以下であれば買い付けをする、こういうような言い方をしておったと思うのですが、それらの点について現長官はそれを確認するかどうか、ないしはそれ以降何らかの変更があるとすればひとつ御説明をいただきたいと思います。

亀長友義農林大臣官房長

○説明員(亀長友義君) カドミウム含有米の政府買い入れの取り扱いにつきましては、御承知のように、要観察地域のうち、農家保有玄米中のカドミウムの濃度が一PPM以上と認定された地域以外の産米は政府買い入れの対象とする。農家保有玄米中のカドミウム濃度が一PPM以上と認定された地域の産米については、その濃度が一PPM未満であることが明らかにされない限り政府買い入れの対象としないという方針を八月十二日に決定をいたしておりまして、その後の方針には変更はございません。

村田秀三日本社会党

○村田秀三君 その問題について若干詳しくいろいろと実情と照らしながら、その決定がはたしてそのまま実行できるのかどうかという点について非常に疑問を持つわけでありますし、質問をしてみたいと思うのでありますが、その一以下は買い入れるとか云々ということはあくまでも厚生省が指定した地域の問題ですね。それ以外の問題はどうなんですか。

亀長友義農林大臣官房長

○説明員(亀長友義君) 私ども農林省といたしましては、厚生省の指定された観察地域を対象に考えております。したがいまして観察地域に指定されていないところにつきましてはいろいろな研究の結果、指定をする必要があれば早急に厚生省のほうで措置を願うということでございまして、私どもの食糧庁の買い入れ措置につきましては、あくまで厚生省の指定のある地域に限って対象にしたいと考えております。

村田秀三日本社会党

○村田秀三君 そこに私は問題を感ずるわけです。厚生省——きょうは厚生省を特別に呼んでおりませんけれども、要観察地域を指定する基準、これを聞いてみましたところが、その基準は米も含めてその地域の住民がとる食料、その食料の中に含まれているカドミの摂取量、これは総合的なものであります。そして〇・三ミリグラム摂取するとするならば、これは地域住民の健康に影響がある、そういうおそれがあるということで、要観察地域に指定をするということであります。したがって、これには米も、あるいは魚も野菜もすべて含まれるわけでありますね。でありますから、これを見てまいりますと、米だけが異常に高いのであれば総合的には米だけで結果的には要観察地域ということになる場合もあり得ます。あるいは米は〇・八であるけれども、それに野菜も相当に含まっておるからそれと足して合わせて指定をする場合があります。野菜は何ごともなかったから、米は〇・八であるけれども指定をされなかったとか、こういうこまかな計算をすれば出てくる問題でありますけれども、そういうことになろうかと思うのですね。したがって、要観察地域のみの米についてのみいわゆる食糧庁が措置をするということは、これは完全な措置ではない、実はそう思うわけです。  もう少し具体的に申し上げますと、これは福島県の磐梯の例でありますが、まだあそこは汚染地域に指定をされておりません。しかし、事実問題としては、これは県の調査によっても民間の調査によっても、そしてまたその資料について今後厚生省も認めざるを得ないということでありますけれども、すでに一・六等の含有量が検出されておりまして、しかし、実際はまだこれは指定をされておらないですね。指定をされておらないとするならば、これは従来と同じように全量買い入れをし、そして問題なく流通されてしまう、こういう結果になるわけです。もう少しこまかなことを申し上げますと、まだ最終結論ではありませんからどうなるかわかりませんけれども、この磐梯地区の中の一ノ沢というところは要観察地域に指定されるかもしれないという状況であります。で、要観察地域に指定をされたその地域、確かにその地域の、中ではいま食糧庁が決定をされた方針に基づいて措置をきれるかもしれませんが、それ以外の地域はしからばどうかと言うと、まあそれ以外の地域、付近、外郭地の水田からとれた米についてはやはり〇・八であるとか〇・九であるとか、少なくとも農林省が〇・四PPM以上は配給しないと決定をしたその含有量を持つ米がとれておる。実際にとれておるけれども、しかし地域指定をされておらないから、それはあたりまえに買い付けて流通の上に平常どおり乗せられてしまうという結果になるわけです。この問題をどうなさろうとするのか、お考えをお聞きしたいと思います。

亀長友義農林大臣官房長

○説明員(亀長友義君) 要観察地域の設定につきましては、これは厚生省が各都道府県と協議の上決定をきれて示されるわけでございまして、私どもとしましては、要観察地域以外の米につきましては食品衛生上安全と見て差しつかえない、かように考えた上で食管法での取り扱いを考えておるわけでございます。ただ、要観察地域の指定が現在のままで十分であるかどうかにつきましては、これは今後厚生省で早急に調査をしていただかなければならぬ問題でございまして、御指摘の磐梯町一ノ沢につきましてもいろいろなデータが出ておるようでございます。私どもとしましては、新米の買い入れ時期もだんだん切迫をしてまいりますので、早急に磐梯町の地区につきまして要観察地域の設定の必要性の有無についてすみやかに厚生省において措置をとられるよう要望いたしておりますが、現段階におきましてまだ確定的な返事をいただいておらない状況でございます。

村田秀三日本社会党

○村田秀三君 この問題は機械的に考えられないのじゃないかということを私は感じているわけなんです。先ほども申し上げましたように、厚生省の基準の決定、その基準は単に米だけの問題ではないのですね。だから、米だけについて〇・四PPM以上配給しないという態度を、これは食糧庁は決定をしたわけでありますから——しかし、その〇・四PPM以上の検査をどうするかという問題、これは全体の論議とひっかかるわけでありますからこまかいことは申し上げませんけれども、しかし、これは検査能力がないというのでしょう。検査能力が、一俵検査をする能力が農林としてはないから、厚生省が定めた地域のものはこう扱いますということなんですね。しかし、厚生省が定めた地域以外にも農林省が配給しないと称するカドミの含有量を持つ米がとれるということであります。これをどう措置するのかということを私は言っているわけですね。これはやはり問題だと思うのですよ。あくまでも厚生省の基準算出の根拠と、それから農林省、食糧庁が言っているカドミの問題というのは、食糧庁はただ単に米の問題であり、厚生省のものはそうではないという、そこに相当の矛盾があるわけですから、厚生省が指定した地域以外のものは従前どおりであって、要するにそのことについてはどうしてもやはりこれは理論上了承できる問題ではないと思いますね。私が言っていること、おわかりにならないでしょうか。

亀長友義農林大臣官房長

○説明員(亀長友義君) 私ども実際に大ぜいの職員を使って食糧を買い入れたり配給いたします場合に、やはり明確な基準をもって示す必要があるわけでございまして、要観察地域で厚生省の指定になりました地域につきましてはきわめて明瞭でございますけれども、それ以外の地域につきまして、政府が買い入れの際に一々PPMをはかるということは実務上不可能でございます。もし、そういう地帯でやはり相当量のカドミ米があって、これは国民健康上好ましくないということであれば、当然これは厚生省において要観察地域の御指定を早急に進められて、それに従ってわれわれは措置するというのが行政の順序であるというふうに考えております。なお、一PPM以下で〇・四PPM以上の米は配給しないといたしておりますが、この米につきましては、食品衛生法上は安全であると見ておるのを、ただ現在の非常に米がたくさんあるという時代になぜそういうものを配給するのだというお声も強いようでありますから、私どもとしては現在の需給事情及び消費者感情を考慮して配給をしないだけでありまして、食品衛生上どうこうという問題にはならないであろうと、かように考えております。

村田秀三日本社会党

○村田秀三君 そのことは、そういう答弁は前回もありまして、安全基準のことをいま私は話をしているわけではないのですね。これは図解すると一番明瞭になるわけですが、ちょっと黒板がありませんからなかなか表現がまだるっこしいのですが、厚生省がきめたものを食糧庁は前提とするわけでしょう。ところが、食糧庁がきめるその基準というのは、単に米だけの問題ではなくて、野菜も魚もこれは全部含まるのです。ところが、食糧庁は米だけの問題を扱えばいいわけですね。その米の含有量、つまり一PPM以上はこれは毒性のものであるから買い入れをしない。〇・四から〇・九九九ということになりましょうけれども、それは安全性は厚生省の話によってそうであろうと思うけれども、しかし〇・四以上は配給しないと、こういう決定であるわけですね。だとするならば、現に県の調査、あるいは厚生省も米についての含有量は明らかに〇・八なり、あるいは一以上あると認めておるそのものであっても、厚生省が指定をしない地域以外のものはこれは検査をやらないわけですから、従前どおりに買い入れをしてしまう、買い入れをするならばそれはあたりまえに流通してしまうのではないか、こういう言い方を私はしているわけですね。おわかりになりませんか。それじゃ、〇・四以上というのは、事米について〇・四以上であるのか、〇・四以下であるのかというのはどこで調査をするのですか。

亀長友義農林大臣官房長

○説明員(亀長友義君) 御指摘のように、私どもといま厚生省の関係につきましていろいろ御質問ございましたが、繰り返すようでありますが、農家保有玄米のCd濃度が一PPM以上と認定された地域の産米はこれは配給しない、それ以外はだいじょうぶだということでやっておるわけでございます。福島県の例にもございますように、各県の試験場あるいはその他のところで一PPM以上であるとか、あるいは〇・八だとか、いろいろなデータが出ておるようでありますが、私どもとしましては厚生省が少なくともこの地域は確実に一PPM以上の濃度のものであるというふうに認定をされた場合には、当然これは要観察地域に指定をきれるという手続を踏まれるものと考えております。したがって、個々のデータにつきまして——私どもが直接個々のデータを基礎に米の買い入れをする、しないというのを決定するのは、これは農林省としてはそういう直接判断にまで深入りするのは技術的にもむずかしい問題でございまして、やはり厚生省の判断と、それに基づく指定と相まって食糧庁としての措置をするのが妥当であろうというふうに考えております。

村田秀三日本社会党

○村田秀三君 私は基本的に厚生省にゆだねるというのは間違いであると思っておるのです。  そこで、もう一つ聞きますが、要観察地域に指定をされた、その中における一PPM以上の米は買い付けをしない、これはいつ、どこで、どうやって検査をするわけですか、厚生省にこれもまかせるわけですか。

亀長友義農林大臣官房長

○説明員(亀長友義君) 私どもの承知しておりますところでは、厚生省と県とが相互に協議をして、指定をするのは県が指定をする、かような手続と承知しております。

村田秀三日本社会党

○村田秀三君 私が聞きましたのは、厚生省が県の報告を待って、そうして厚生省がまた現地調査をして、データに基づいて要観察地域に指定をした。要観察地域というのは全部が一PPM以上などということにはならないですね。O・七もあれば〇・八もある。そのほかにナスやキュウリ、ネギ、そういうものも含まれる。そうして、要は、厚生省は一日の摂取量〇・三ミリグラム以上であればこれは地域指定をすることになっておる、でありますから、かりに指定をされた地域の中において一PPM以上の米は買い入れませんということであれば、その一PPM以上であるという認定をだれが、どこで、どうやるのですかというのです。おわかりになりませんか。厚生省が地域をかりに指定しても、その中から生産される米のカドミの含有量というのは、まあ北と南、東と西、まん中、田の水口、尻水口、全部別なんです。その地域からとれたものは全部一PPM以上だという断定はできない、調査をしてみないと。だからその指定された地域の中でも一PPM以上であれば買い付けをしないが、一PPM以下であれば買いつけをするという態度を食糧庁は持っておるがゆえに、では一PPM以上はどうやって認定するのかということを聞いておるわけです。

亀長友義農林大臣官房長

○説明員(亀長友義君) 私どもと厚生省と相談をしまして、先般決定をしました方針では、農家保有玄米中のカドミウムが一PPM以上と認定された地域の産米につきましては、原則として政府買い入れの対象にしないわけであります。そこで、一体その中に一PPM未満のものもあるであろう、以上のものもあるであろうというお話でございますが、地域全体についてそこの産米は買わないという指定のしかたでございますから、もちろんその線を引く際には厚生省なり県で十分慎重な御検討の結果線を引いておるかと思います。しかし一々について見ますと多少そういうことも出てくるかと思いますが、食糧庁としては一々そういう検査をすることは不可能でございますので、原則として買わないというたてまえでございます。もし私の米は一PPM未満だから買ってくれというところがございましたら、それは本人がしかるべく立証をした上で、政府としてはあらためてその立証を見た上で買うか買わないかということがきまるということに相なろうかと思います。原則的に指定された地域の米は買わないということでございます。

村田秀三日本社会党

○村田秀三君 それはきわめて重大な問題だと思うんですね、これはあくまでも個人の責任で立証するという。県が線引きをするというんですね、厚生省が指定をした地域の中で、しかもなおかつ一PPM以上の地域を指定するというんです、県が調査をして。もしもそうであるならば、その線引きをするについては、これはたんぼ一筆ごとに調査をしてみないと出てきませんね。ただ抽象的にこの辺というんで丸をつけたり何かするわけですか。まあもう少し科学性を持ったものであろうと思いますけれども、少なくとも稲をまだ刈らない前に、土壌といわゆる産米のカドミウムの関係というものを調査をしないと、その線引きというのはきわめてこれは無責任なものになると思う。実際に線引きをするための作業というものをやっておるわけですか。  それからもう一つ、少なくともまあ福島県のいわき、磐梯というのは、いま大いに騒がれておりますし、われわれ騒ぐ以上に地域住民の人は生活の問題をかげながら困っておるという問題がある。しかし厚生省はそれを指定するともしないとも、九月中旬ごろなどということを言っておりますけれども、これも少し危うい。米を刈ってしまえばそれまで。刈ってしまったらこれは土壌と米の関係というのは一々調査するわけにいきませんから、ことしの少なくとも間に合わないということです。そういうことで、言っていることはなるほど言っているなりにわかりますが、それは実情と合わないということです。認定のしようがないということです。認定のしようがなければこれは全量買い入れざるを得ない。全量買い入れるとするならば、これは一PPM以上の米が流通される結果になる。それらの問題がありますから私は心配していろいろ申し上げておるわけです。  だからいろいろ考え方は出されておりますけれども、その考え方と作業が一致しないということ。作業がかりに一致をいたしましたとしましても、これは非常に問題があることでありますから、前回北村委員も発言をしておりました。少なくともやはり〇・四以上は配給しないという原則を持っているわけでありますから、われわれ少なくとも地域指定をするしないとは無関係に、農林省が積極的に〇・四以上の含有率を持つ米の生産地帯を積極的に指定をして、その全量を文句なく買い入れて、政府が責任を持って管理するということにならないと、これは私は完全なる措置というわけにはまいらないと思います。いままでいろいろ聞かされてるもの、実際にそれは作業として進められてはおりません。と同時に、そのやり方であっては、これはやはり具体的に抜けているところがある、こういうことでありますから、これは、農林省は積極的に、厚生省の地域指定とは別にやらねばならないということなんですよ、私が申し上げたいのは。どうしても理論上そうならざるを得ないですよ。いかがですか。

亀長友義農林大臣官房長

○説明員(亀長友義君) 最初のうちの御質問も、要観察地域の線引きをするのにどういう調査をしておるかということでございますが、まあ、これは厚生省の所管になる問題でございますけれども、私の聞いております範囲でお答え申し上げますと、県では、やはり四十四年産米これはもうすでにとれてる米でございますから、そういう米について十分な調査をいたし、その土壌等の調査をした上で線引きをしておるというふうに承知をいたしております。もちろん、これは行政上の取り扱いといたしまして、一々の米に一々検査をするということは不可能でもございますし、一応こういうことで線を引いて、引いたものは原則として買わない。しかし、本人が何らかの合理的な方法で、私はこの中だけれども一PPM未満ですという証明をした場合には例外とすると、かようにきめておるわけでございます。福島県の磐梯町につきましても、まあいろいろな個々のデータが出ておるというふうに聞いておりますが、厚生省として、まだそのデータ、私は完全に取り上げてないのではないかというふうに推定をいたしておりますが、私どもとしましては、新米の買い入れ時期も迫っておるので、早急に、もし、そういう必要があるのならば指定を推し進めてほしい。ないということであれば、もちろん私どもが何も言う筋合いではございませんけれども、買い入れ時期との関係で、早急に指定を進めてもらうということを、私は要望しておるわけでございます。  それから、〇・四PPM以上の米は全部政府で買って管理したらどうかというお話でございますが、それは、そうすれば一番安全でございましょうけれども、私どもとしましては、いまの厚生省の決定から見ますと、一PPM未満のものは、これは別に食品衛生上支障があるという結論ではございませんので、ただ、私どもが便宜上消費者の感情を考慮して配給しないというだけでございますから、このことにつきましては、この態度を続けていくだけで、消費者には御満足できるんじゃないかと思います。  一PPM以上のものを買い入れるかどうかという問題につきましては、私どもとしては、やはりこれは処分のできない米でございますから、これを政府で買うということはできないと、かような態度で進みたいと考えております。  なお、もとへ返りますが、福島県の地区につきましては、私どもも御趣旨に従いまして、新米の買い入れ時期を控えて、厚生省に早急に態度を決定してもらうよう、さらに強く要望いたしたいと考えております。

北村暢日本社会党

○北村暢君 ちょっと関連してお伺いしますが、いま米の、カドミウムの汚染米として検査するのは、これは食品衛生法で厚生省が検査をする、責任はそこにあるのですね。農林省にはないわけです。それで、一々検査することは不可能だと、いま食糧庁長官は言われたんだが、だから私はこの前、厚生省に環境衛生局長に、一体、カドミウム米を〇・一PPM以上あるかないかということを検査することは、簡単にできるのかできないのかとこう聞いたところが、技術が進歩して割合簡単にできると、こう言う。したがって持ってきたところで指定地域であればそれが検査できると、こういうことです、できると。あなたはできないとこう言う。環境衛生局長は技術が進んできてできるとこう言うんですよ。できるならこれあれでしょう。その地域きまっているんですから、大体きまっている、疑わしい地域、そこに厚生省が検査をする人を派遣して買い上げるときに、食糧検査官が検査をやるように立ち会って、できるかどうかといったらこれはできるとこういうわけです。できるんであるならば、これは一PPM以上だからだめ、これはいいと、こういうふうになるわけです。だからそういった点をただしたんですよ。そうしたらそれはできると、こう言うんですよ。だからあなたのいう汚染地域の米は全部買わないとこう言うから、地域指定したところは全部買わない。それは一PPM以上であろうと以下であろうと、汚染地域であれば全部買わないと、そういうふうな説明でしたから、これはやはり問題があるんで、以下のものは買っていいことになっているわけです。それが立証できればいいという。それは食糧庁、農林省のほうでは立証の方法を持っておらんから、これは一PPM以下ですという立証を、厚生省なりで検査してもらって、いいということならば、買わなければいけないということになるわけですね。それは買っちゃいけないということにはなってないわけですから、便宜上地域のものは買わないということで安心してもらう。こういうことだけであって、これ以下のものであれば、買ってもいいということになっているんでしょう。その点が問題が私はあるんじゃないかと感ずるのが一つ。  それからもう一つは、福島のいま村田さんのおっしゃっておる磐梯町の問題については、まだ要監視地域として指定しておらないということのようですが、指定しておらなければ四十四年産米の去年のやつは、食糧庁は買ってなければならないわけですね。ところがこれは凍結米として農家の手もとにあるようですね。それを何かやみの業者が横行して、そのカドミウム汚染地区と思われる米を買っているということが、二、三日前の新聞に出ているわけです。だからこれはどうして凍結になってるのか。食糧事務所としては、凍結する理由というのはいまのところないわけですよ、四十四年産米については。四十五年産米は地域指定になれば、これは買わないということが起こるけれども、四十四年産米にすでに凍結しているということが出ているわけなんですよ。食糧事務所はそれは凍結していることはわかっているようですね。そして食糧事務所は凍結米は売らないように呼びかけておると、こう出ておるんですよ。だからあなたの説明はこの新聞の記事からいうとどうも私は合ってないように思うんですがね。どういうことなんでしょうか。やはり地域指定してないのだから、買ってなければならない。これは大学は調査して一PPM以上のものがあるということを言っているわけですが、先ほど来の説明からいうと、この新聞の記事はどうも間違っておるようにも思うが、新聞の記事が間違いなのか、実際に汚染地区として指定してないのに、食糧事務所が買ってないようです。食糧事務所も凍結米というふうなものを使って、それがやみに流れないように指導していると、こういうわけですから、どうもあなたの説明とは矛盾しているように思う。どうなっているのですか。

亀長友義農林大臣官房長

○説明員(亀長友義君) 最初の御質問の、厚生省のほうからカドミウムの検出はきわめて容易であるというお話があったということでございますが、私厚生省からまだよく聞いておりませんけれども、そういう検出の専門家であれば、あるいはそういうことであるかもしれませんけれども、私どもの食糧検査員ではたしてそういうカドミウム検出までの技術があるかどうか問題でございますし、もし県の衛生部でそういうことが立証されれば、私どもとしてはこれは買い入れに応ぜざるを得ませんというふうに考えております。また、米のことでございますので非常に量が多い。この量の多いものをほんとうに県の衛生部で、かりに検出は専門家によれば容易であっても、量的にこなし得るかどうかという問題がございますが、いずれにいたしましても、私ども立証されれば買うという立場には変わりはありません。  それから磐梯町のお話でございますが、私どもが新聞記事を見まして事実を調査いたしましたところ、磐梯町の一部の農家から、保有米があるにもかかわらず、政府の米を配給してほしいという希望がございました。私どもとしましては、保有米のある農家には政府の配給はしないのがたてまえでございますけれども、特別にこの農家から、自分たちは保有米——配給の結果自分たちに余剰米が出る、その余剰の保有米は横流しはしないから、ぜひともその配給をしてもらいたいという要望がありました。配給の結果余剰となる保有米は横流ししないような措置をとるということを条件で私どものほうで政府から配給米を渡しておるという事実がございます。これに対応しまして、県当局としましては配給を受けた農家から、適正保管をするという点に対する誓約書をとった上で、配給ルートを通じてその農家に配給をしておるというふうな実情でございます。それを新聞等では凍結米というふうに称しておるというのが事実でないかというふうに考えております。

村田秀三日本社会党

○村田秀三君 ちょっと前もって通告はしておらなかったのですが、厚生省の環境衛生局長出席のようでございますから、ちょっと関連して質問したいことがありますが、環境衛生局長にお伺いしますけれども、突然まことに恐縮でありますが、これは前回との引き継ぎ事項みたいなものでありますから、およそのお話は御存じかと思いますが、同時にいま食糧庁長官とのやりとりもお聞き願っておったようでありますけれども、厚生省が汚染地区に指定するのか、要観察地域に指定するのか、きわめてこれは米の扱いに重大な影響を与えるわけです。この米の扱いの影響というのは、生産農家に直接これは影響があるわけでありますから、きわめて重大だと思うわけであります。  そこで二つお伺いいたしますが、一つは福島県でいま問題になっておりますのは、磐城地区と磐梯地区ですね。これが厚生省としてどのように今後扱われていくのか、これをひとつ伺います。  二点目は、先ほども私若干論議をしたわけでありますが、要観察地域に指定する基準ですね、その問題。私も若干聞き及んでいるわけでありますけれども、この基準のとり方。それから食糧庁のほうはこれは米だけの問題です。でありますから、かりに〇・七や八であっても厚生省としては指定するに至らないという場合は、これは実際上流通してしまうという結果になります。さらにまた磐梯地区のように一定以上の米があるにもかかわらずこれまた指定をされないという場合には、有毒だと称されるものもこれは流通に乗ってしまう。しかし厚生省がいろいろ精査をした場合に、米のみは一定以上であるけれども、その他のものと関連をきせて、基準とする一日摂取量〇・三ミリグラムに至らないという場合もあろうかと思う。その場合には、有毒であるという一PPM以上がこれは流通されてしまう。こういう問題になるわけでありますから、それらについてひとつお答えいただきたい。

浦田純一厚生大臣官房統計調査部長

○説明員(浦田純一君) 福島県の磐梯町、それから磐城地区のことでございますが、磐梯町につきましては、ただいま県のほうからの報告を聴取中でございまして、大体九月中旬に結論が出るのじゃないかと思っております。したがいまして、その結果を見まして要観察地域指定をするかどうかということを検討したいと思います。それからいわき地区でございますが、いままでのところは、どうも要観察地域の指定条件にはちょっと十分に合致してないのではないかというふうに考えております。  なお、要観察地域の指定の条件でございますが、これは、一つは住民のカドミウム摂取量、これが〇・三ミリグラム以上の地域ということを考えておりますが、米がたとえ一PPM以上であっても、ほかの食物との関係で、場合によっては一PPM以上の米をとってもいいのじゃないかというような御質問だと思いますが、この一PPM以上という線で制限を設けましたのは、いろいろとほかのあらゆる可能性の危険と申しますか、他の食物を通じ体内に入ってくる考えられ得る最大の危険量、最大の量といったものも考慮しておりますので、一応一PPM以上の米を摂取しなければ人体には有害ではないといえるわけでございますが、お説のようにほかの食物を通じて入るカドミウム量が少なければ、それだけ健康上望ましいわけで、私どもとしてはこの一PPM以上の米を有害であるという考え方については、これでよろしいのではないかと考えます。

村田秀三日本社会党

○村田秀三君 いまの問題でも論議があるところですが、きょうは米の話でございますから話を進めますが、食糧庁長官、いまのお答えのとおりですね。磐城地区は合致しない、地域に指定されないであろう。指定されないとすれば、それは食糧庁は全量もちろん従来どおりこれを買い入れをするということになります。しかし、その米の中には、まあ一応安全だとはいいながら、配給はいたしませんと言っておりますところの〇・四PPM以上の米は磐城地区にたくさんあるわけです。県も認めておる。厚生省も認めておる。それをどうするのかという問題が当然出てくるわけでしょう。どうしますか。

亀長友義農林大臣官房長

○説明員(亀長友義君) 厚生省の御指定がない以上、私どもとしましては既定方針の線で買い入れをせざるを得ないと考えます。ただし、配給につきましては、〇・四PPM以上のものは配給はいたしません。これも従来の配給に関する方針を踏襲してまいりたいと考えます。

村田秀三日本社会党

○村田秀三君 だから、現実問題として磐城地区にも磐梯地区にもそういう問題が出てくるわけです。〇・四以上は配給しないといいながら、検査もしないでこれは全量買い入れるわけでありますから、それは文句なしに流通をきれてしまうというのです。そうでしょう。これは単純な簡単な理屈ですよ。だから〇・四以上はしないんだということであるならば、厚生省が決定をする、それとは別に農林省が積極的に〇・四含有量のある生産地帯、これを設定して、そしてそこからは全量買い入れるという方針を出さない限りは、これは完全な——それでも私は完全だとは言い切れないと思いますけれども、完全なこれは良心的な、しかも国民に不安感を与えない、不安感を除去する最善の方策は生まれてこないと、こういうことを言っておるのです。わかりませんか。どうしてもわからないということであれば……。それはわかるじゃないですか、簡単な理屈なんです。

北村暢日本社会党

○北村暢君 いま村田さん言っているのは、指定地区じゃないわけでしょう。ないけれども、したがって全量買うわけですね。何ほどカドミウムを含んでいるか含んでないか検査しないで食糧庁は買ってしまう。普通からいえば、それは配給に乗るわけですね。ところが、もう一つの、農林省が自主的にきめている配給のほうの基準として、〇・四PPM以上のものは配給しないと、こういっているわけですね。これは厚生省に関係ないわけですね、厚生省は一・〇PPM以上のものは買っちゃいけないと、こういっているだけですから。配給のほうは、厚生省は〇・四PPM以上のものは配給してはいけない、この一・〇から〇・四の間のものは配給してはいけないとは厚生省は言ってないのですから……、〇・四PPM以上は配給に回さないという、これは農林省がきめているわけですね。したがって、これは食品衛生法からいえば、カドミウム米の含有量については、農林省は検査する権限がないわけです、実際問題としてね。検査する能力も持っていない。厚生省の所管なんです。それを農林省が自主的にO・四PPM以上は配給しないというから、指定地域以外の疑わしい地域の中には、配給米の中に〇・四PPM以上のものがあるかもしれないわけですね。それは配給しておるわけでしょう。ところが、あなたのほうは〇・四PPM以上は配給しないという基準を持っておるから、一・〇PPMと〇・四PPMの間のものは、指定地域以外のものは、あなたがきめておりながら配給流通は実際はするじゃないかと、こういうことなんですよね。だからそれは一体どうするんですかと聞いておるわけです。

亀長友義農林大臣官房長

○説明員(亀長友義君) 要観察地域以外のものにつきましては、食品衛生法上安全と見られていることは申し上げたとおりであります。それから厚生省の汚染地区内においては、一PPM以上の立証がない限り、私どもとしてはかまわない。配給に関しては要観察地域の米であっても〇・四PPM以上のものは配給しないということであります。かりに汚染地区外あるいは要観察地域外にも一PPM以上の米があるのではないか、それを食糧庁は買うのであるか、買わないのかというお話であろうと思います。私どもとしまして、それは結論だけ申し上げますが、厚生省の御指定になった地区以外で、独自に食糧庁は検査をして買い入れをする、買い入れをしないという個々の検査をする意図は持っておりません。

村田秀三日本社会党

○村田秀三君 まあ理解できない話じゃないと思うのですね。ちょっと政務次官お願いしておきますが、話を聞いておって私の申し上げていることがどこが間違っているのか、食糧庁があやまちをおかしているのか明らかになっていると思うのですね。これはやはり再検討しなくちゃならない問題だと思うのですね。はっきり申し上げますと。そういう意味で再検討いただきたいと思います。いかがですか。

宮崎正雄自由民主党農林政務次官

○説明員(宮崎正雄君) 原則論としてはさっき長官がお話ししたとおりでございますが、それを現実に適用する場合にどうするかという具体的な問題になるかと思います。そこで食糧庁が〇・四PPMから九までは配給しないという、それはどうしてわかるか、こういう問題だと思うのですね。これはやはり厚生省が線引きするかしないかということを決定する段階において、そういうことはおそらく調査されているデータがあると思いますから、そのデータに従ってそれは処理する以外ないではないか、こういうふうに考えますが、よく厚生省と相談いたしまして、具体的な、技術的な問題は相談いたしたい、こういうふうに思っております。

村田秀三日本社会党

○村田秀三君 ひとつ十分検討していただきたいと思います。そこで時間もないのですが、いま北村委員からも指摘されました、いまいろいろと問題になって、そして食糧庁が凍結したわけではないと思いますけれども、やはり〇・四PPM以上というのが引っかかってくるのでありまして、そこの倉庫は米が動かないのですよ。買いにこないのですよ、現実問題として。そういう問題がある。それから農家の自家保有米というのは食べずにいること、先ほど長官もお話しをいたしましたが、それはどうするかという問題があるのです。それを食べちゃならない、売っちゃならないが、ひとつ会社に買ってもらえとはっきり言うのか、私はこれも農家の自家保有米も含めて、やはり全量政府が責任を持って買い取る。そうしてきれいな米を配給するという、そういう姿勢が、私はほんとうに親切なやり方じゃないかと思っております。だからよしんばこれは国損ということになるわけでありますから、国損をかけちゃまずいということで、企業と折衝するとするならば、これはやはり国が責任を持ってやるべきだろうと思うのです。  この問題は、同時にこれは前長官の答弁の中にもあったわけでありますが、これはいろいろと補償の問題とか何かになりますると、非常にあいまいですね。いろいろ問題があるので、関係各省庁は協議をしてすみやかに結論を出したいと、こう思うのですが、その協議をしたことがあるのか、あるいは協議したことがあるとするならば、どういう方向になさっているのか、そう時期をおける問題ではないのです、現地ではこれは人間が生活をしているわけですから。農民に言わせると、このお盆は非常にきびしいお盆だと言う。野菜も買いにこないわけです。売りに出ても値なしでありますから、畑でただ立ち枯れさせておる。金が入らない。これはもうそこにおる人々の生活の問題でありますから、そう簡単にゆうちょうにかまえておられる問題じゃないのですよ、これは。そういう意味でひとついま申し上げました二点のことについてお尋ねをいたします。  それから、それにつけ加えてもう一つ、時間がございませんからまとめて申し上げる結果になりますが、前回いろいろ話のやりとりの中で、土地を改良する、改良するというけれども、そう簡単なものではないのですね。いわゆるカドミの含有土壌を抜いて新しい土壌を入れるということと、その工場のカドミの排出をゼロにするということです、言ってみれば。まあゼロというのは極端かもしれません。厚生省あるいは通産省の基準があいまいだとか辛いとかいわれておりますけれども、その基準以下に下げるかということと合わせて、土壌改良をしなくてはならないわけでありますから、土壌改良等に対するこの場合の政府の措置、政府が責任をもって土地改良をやるというのか。それも含めて企業にまかせるというのか。そういう点についてもひとつ明らかにしていただきたいと思います。  同時にもう一つ、これはおそらく大臣に聞かないとわからないような問題であろうかと思いますが、私は、厚生省におぶさった形でものごとを頭上で処理をしようとする食糧庁なり農林省の姿勢に対して不満です、実は。もっと積極的にやらなければならないわけですね。そうして、地域住民、国民の生命を守るのか、つまりその地域に住んでおる人々の生活、生存権を守るのか。工場の存立を許すのか。ここまで問題が発展すると思います。これらに対するきちっとした姿勢をやはり農林省は持っていただかなければなるまい、こう思うのですが、それらについての御見解をひとつこの際承っておきます。

亀長友義農林大臣官房長

○説明員(亀長友義君) 汚染地域から買い入れて現在政府手持ちとなっておる古米が相当ございます。これが新米等の買い入れ時期の切迫と同時に倉庫事情等の急迫しておる事情も聞いております。私どもとしまして、買い入れた汚染米は主食用以外の用途にできるだけ早く処分をして国民の口に入らないように措置をすると同時に、倉庫もできるだけあけたいという努力をしておりますが、そう急にもまいりませんので、各地の食糧事務支所等を督励いたしまして、現地で適宜処理の推進をはかって新米の買い入れに支障のない措置を講ずるよう個々の事務所に指令をいたしておる次第でございます。  企業責任との関連につきましては、政府で買い入れないことによって生じた農家の損害というものを、私どもとしては政府で負担をするたてまえは現在とっておりません。これは農家と企業との間で話し合って解決すべき事柄と一応考えておりまして、現在若干の場所におきましてもそのような話し合いが行なわれ、また金額等の確定した地域もあると承知をいたしております。  土地改良その他排出基準等の問題につきましては、排出基準につきましては通産省でいろいろ御研究中と承知をいたしております。土壌改良について国がどのような態度をとるべきかにつきましては、まず第一にカドミウム汚染の原因が何であるかということを科学的に究明する必要があると思います。と同時に、土地改良なりあるいは用水改良の効果というものがどの程度土地を旧態に復することの効果があるかということも検討をしなければ、いますぐ直ちに土地改良事業に着手するという段階にはまいらないかと思います。私どもとしましては、明年度予算におきまして農林省の公害対策費をかなり大幅に要求をいたすことにいたしておりますので、その中に、このような土壌改良による公害排除あるいは公害を旧良田に復する措置がとれるかどうかということも含めて、公害対策費の一環としてかなり多額の調査費も要求いたす所存でおります。

鈴木省吾自由民主党

○鈴木省吾君 関連して簡単に……。  厚生省の局長に伺いますが、カドミウムの被害については富山の衛生研究所が一番研究しておるというように聞いておるのですが、そこの衛生研究所の見解では、カドミウムに有機と無機があるのだと、それで無機のほうは被害があるが有機のほうは被害がないのだと、そうして貝類とか魚介類に入っておるのは有機だからこれは被害がないのだと、そういう見解を持っておるというふうに聞くのです。そしてまた、それを近く発表して結論づけるのだとこういうことを言っているそうでございますが、それを厚生省は聞いているか、またそれについての見解を持っておるかどうか。お聞きしたいと思います。

浦田純一厚生大臣官房統計調査部長

○説明員(浦田純一君) 富山の衛生研究所でそのような調査並びに見解を発表しているということは承知いたしております。これをどういうふうに厚生省として考えておるかというお尋ねでございますが、厚生省にあります食品衛生調査会、この中で、いろいろそういった問題の専門家が委嘱されておりますので、これらの先生の御意見も聞きながら十分に検討いたしてまいりたい。ただ、いままだ結論を得ておりません。

園田清充自由民主党

○委員長(園田清充君) 午前の調査はこの程度にとどめ、午後一時まで休憩いたします。    午後零時八分休憩      —————・—————    午後一時二十二分開会   〔理事高橋雄之助君委員長席に着く〕

高橋雄之助自由民主党

○理事(高橋雄之助君) ただいまから農林水産委員会を再開いたします。  休憩前に引き続き、農林水産政策に関する調査を議題とし、質疑を行ないます。質疑のある方は順次御発言を願います。

藤原房雄公明党

○藤原房雄君 若干時間をいただきまして水産関係の問題についてお聞きしたいと思います。  今日までの産業公害特別委員会等におきまして、種々いろんな角度から論議されております。多少そういう問題とダブる点もあると思うのでありますが、基本的な問題についてお聞きしたいと思うのであります。  最初に水産庁長官にお尋ねするわけでありますが、過日も新聞で全国の漁場を総点検する、こういうことが出ておりました。水産庁といたしまして、積極的にこの公害問題、海水の汚水、汚濁の問題について、実態を洗い直すのだ、こういう趣旨のことが出ておったのでありますが、水産庁のほうから行なわんとする総点検の趣旨についてまずお聞きしたいと思います。

大和田啓気水産庁長官

○説明員(大和田啓気君) 最近水産関係の公害問題がいろいろたくさん出てまいりまして、たとえば河川につきましては、長良川等々でアユが斃死するという問題がございますし、また沿岸地帯ではその非常な極端な例が田子ノ浦等の公害問題でございます。それで、私ども気がついたときは、なかなか手おくれになって、公害対策がなかなかうまくいかないということになっては困りますので、あらかじめ全国で多少ともあぶないと感じられる漁場について相当広く被害の有無及び現状で放置して差しつかえないかどうかということの実態を調査してもらうように、先月水産庁から各県の知事に通達を出したところでございます。またあわせて、長良川のアユの被害等につきましては、なかなか原因がよくわからないということでございますので、そういう被害が起こりました場合に初動調査といいますか、被害が起きてすぐ関係者が出動してその原因の究明に当たるようなそういう体制をつくってくれということをあわせて各県の知事にお願いをしたわけでございます。

藤原房雄公明党

○藤原房雄君 とかくに後手後手になる問題を積極的に進めようという趣旨で行なわれたということでありますが、御存じのように最近は非常に漁場が荒らされておりまして、枚挙にいとまがないほどこの問題がいまクローズアップされておるわけでありますが、この実態掌握ということとともに、次の段階として公害にどのように対処していくか、水産庁としての基本的な考え方についてお聞きしたいと思います。

大和田啓気水産庁長官

○説明員(大和田啓気君) 私どもここ数年やはり公害の問題を相当重点的に考えまして、予算措置等を講じまして河川あるいは沿岸等におきまして被害が起こって、まあ汚染されて、それが漁業に対して相当な被害が生ずる前に自動的に観測できるような、そういう措置を講じておるわけでございます。また先ほど申しましたが、公害が発生いたしましたような場合は、水産試験場あるいは衛生試験所等と連絡をとって、漁協がすぐ出動できるような体制をつくってくれということをかねてから申しておるわけでございますが、これからの問題といたしましては、そういう観測施設を強化すると同時に、あわせて基本的な漁場の調査を進めることと、それからまた、ただ公害が起こりました場合に係官に出動してくれというだけではなかなか実態として動きませんので、来年度の予算措置として私ども要求をいたしておりますことは、河川等においてあるいは沿岸等において公害が起こりましたときに、直ちに出動して簡単に分析してその原因がわかるような器具の設置あるいは漁協の役職員の研修等をすることが一つでございます。またノリの漁場等におきまして、相当油等による被害が著しいものがございますので、被害の著しくなりそうな漁場に対しまして、オイルフェンスの助成をする等々、公害問題につきましてはいままでの成果を踏まえて、また私どもの努力が必ずしも十分であったとは言えないわけでございますから、いままでの経験に照らして今後の措置として、十分遺憾のないようにいたしたいと考えておるわけでございます。

藤原房雄公明党

○藤原房雄君 ただいま積極的な姿勢として、器具の設置や担当者の指導訓練というようなことをいろいろ計画なさっておるようでありますけれども、水産庁として現在は県の水産課また衛生試験所に依頼するというか、そういう形がいままで行なわれておったわけでありますが、もっと設置個所を多くするなり、また多発地帯については新たに設けるなり、そういう積極的な考え方はおありなのでしょうか。

大和田啓気水産庁長官

○説明員(大和田啓気君) ただいま申し上げました河川等において公害が起こりました場合に、まず調査をしてその原因を究明するというような、いわば技術的な講習会あるいは器具の設置またオイルフェンスの設置助成等々は、四十六年度における初めての施策でございまして、さらにいままでやっておりました漁場に関する基本的な調査あるいは自動観測機械の設置等については、その規模を今後十分に拡大をいたすつもりでございます。

藤原房雄公明党

○藤原房雄君 先ほどお話しもございましたが、非常に日本海、日本列島沿岸が汚染されておる、こういうことでたくさん数がございますが、それらの中で二、三の問題についてこの席上でただし、実態、またその対処の仕方、こういう対策等についてお聞きしたいと存じますが、まず最初に福島県の小名浜でございます。これは過日新聞にも大きく報道されたのでありますが、日本水素という会社からシアンが多量に出たのではないかということがおもな原因とされておるわけでありますが、魚が大量に死んだというこういう問題が起きております。今日までもこのシアンの問題につきましては他の委員会等においてもいろいろ取り上げられておったのでありますが、シアンは御存じのとおりたいへんな毒性を持っております。こういうことで非常に重要な問題であると思いますし、過去にもあったことが再びまた繰り返されておるという、こういうことからいたしまして、この問題についてどのように掌握していらっしゃるのか、この点を通産省にお聞きしたいと思います。

根岸正男通商産業省企業局立地公害部公害第二課長

○説明員(根岸正男君) ただいまの御質問でございますが、一応われわれのほうで聞いております状況では、小名浜港の東のはじめのほうにえさになるいけすが置いてあるわけでありますが、この中に入れてあるイワシが死亡するというようなことが起きたということでございまして、これが直接シアンであるかどうかということはまだはっきり聞いておりません。

藤原房雄公明党

○藤原房雄君 断定できないといたしましても、おもな原因であるということは考えられるのではないかと思うのでありますが、その辺についてはどうでしょうか。

根岸正男通商産業省企業局立地公害部公害第二課長

○説明員(根岸正男君) もちろんそういうことは十分考えられます。それでわれわれといたしましては、特にここは水質基準がきまっておりませんので、県条例によりまして排水口の規制が二PPMというふうに規制されておりますので、これを厳重に守らせる、あるいは今後これの規制をもう少しきびしくする、あるいは処理の方法といたしましてただいま希釈して流すという形になっておりますが、これを次亜塩素酸ソーダ等による薬品分解、あるいは将来は燃焼による方法でシアンを除去するというようなことを会社に指導してまいりたいというふうに考えております。

藤原房雄公明党

○藤原房雄君 企画庁の方にお聞きするのでありますが、指定水域でないということで、規制はできない、いろいろ問題があるようでありますが、この県条例で二PPMという、こういう一応県条例があるわけでありますが、私はこの水質的に二PPMという規定がいいか悪いか、これもいろいろ議論のあるところだと思うのでありますが、それに加えまして総排出量といいますか、総量が何としても問題になると思うのであります。これは先ほど通産省の方がシアンがおもな原因ではないという言い方でございましたけれども、それはそれといたしまして、ここで考えられることは工場の排水、その水質的に何PPMがどうこうというそのことももちろん大事なことでありますが、総量としての排出量というものが重要な問題になると思うのであります。特にシアンのような毒性の強いものであれば、特にそういうことが言えるのではないかと思いますが、その点についての考え方はいかがでしょうか。

山中正美経済企画庁国民生活局水質調査課長

○説明員(山中正美君) お答えいたします。  先生御指摘のように小名浜湾は現在水質保全法に基づく指定水域でないわけでございますが、私ども昭和四十一年にこの地域を調査いたしまして、水質保全法に基づく指定水域に指定すべく作業にかかったわけでございますが、たまたま四十二年に県条例による施行規則が県のほうで制定されまして、結局、一番地元の事情に詳しい県条例にまかせたほうがいいのではないかということで一応現在中断のかっこうになっております。また一方、先生御指摘のように、現在の水質保全法による水質基準というのは、水質によっていわゆる何PPMと濃度によって一応規制の対象にしているわけでございまして、負荷総量によって規制しているのではございません。ただ水質基準を私どもで考える場合には、一応排水量と濃度を掛け合わせまして一応汚濁総負荷量を計算いたしまして、それをさらに逆算いたしまして一応水質基準をきめているということになっているわけでございます。その原因といたしましては、水質のほうは一応サンプリングいたしまして分析すれば当然出てくるわけでございますけれども排水量のほうは、ある種の計器を備えつけまして少なくとも一昼夜調査しなければならない。そうすると、そういうふうな規制の監視、設定の対象の面で非常に隘路になってくるということで、現在では一応水質のみを規制しておる段階でございます。  以上でございます。

藤原房雄公明党

○藤原房雄君 いろいろな隘路はあると思うのでありますが、特に小名浜におきましては、商業港とそれから漁港とが隣合わせておるという、こういう立地条件の中にあるわけであります。すぐ外洋へ出ていくのではない、こういうところで、この前工場に行ってまいりましたけれども、一時間に四千トンという、その中に二PPMのシアンが含まれているという、こういう状態でありますと、これは単なる水質だけではなくして重要な問題としてこれは考えなければならない。私ども実態調査に参りまして、同行いたしました小林教授が概算試算いたしまして、一時間に大体八十キロのシアンが流れ出るという、これはたいへんなことであります。しかもこのシアンの生成される過程は、コークス工場の石炭の乾溜のときに出てくるわけでありまして、そういうことからしまして連続的に出るのではなくて、やはりある時点においては非常に高いものが出る。平均すれば二PPMかむしれませんが、非常に高い値のものが出る可能性が十分にある。このように考えますと、これはシアンのこと一つ取り上げて考えてみましても非常にこれに検討しなければならないことであり、工場に対しましてももっときびしい規制なり何らかの対策が講じられるというものでなければならないというふうに考えておりますが、その点についてはいかがですか。

根岸正男通商産業省企業局立地公害部公害第二課長

○説明員(根岸正男君) 先ほども先生がおっしゃいましたとおり、いまのところ濃度の規制ということになっておりまして、それでしかももう一つ内容について、コークスの製造の際のそういうことから出てきますものでシアンが発生する。そのシアンが一定の量で出てくるという形ではなくて、浮動するという御指摘でございますが、まさにそういうことでございます。われわれとしましては、将来これが水質基準という問題は経済企画庁のほうで御検討なさる問題でございますが、量という問題についても今後十分検討いたしまして、先ほども申し上げましたような十分な処理を行なわせて、もとからシアンを除くという方向に指導してまいりたいというふうに考えております。

藤原房雄公明党

○藤原房雄君 県の水産試験場の報告によりますと、これはこのたびただ一度あったのではなくして、過去からやはり二、三度こういう問題が起きておった。それから数値的にも高い値の二PPM以上のことがやはり観測測定されておるわけであります。で、結局こういう問題が起きますと、被害をこうむるのは漁民でありまして、特に太平洋岸でとれる魚がここへ集まりまして、そうしてそれを市場に揚げられるという、いずれにしましてもその海域というのは、漁港というのは非常に重要な役割りを果たしておる。そこにこういう問題が起きているということは、これは法のたてまえ、いろいろございましょう。しかしながら、これはただ単に見過ごされてはならない問題と、こう思うんであります。それで、やはり一つは監視体制というものがしっかりしていないということもございますし、またいま担当の方からお話しあったような問題もあろうと思うんでありますが、現実ここに被害者があるというこの事実を踏んまえて、やはりもっと積極的な姿勢がなければならない、このように考えるわけであります。最初通産省の方はシアンだけではないというような言い方でございましたけれども、これ、シアンがおもな原因とされておるわけでありますが、原因がはっきり究明されなければ、さらに積極的にこれは究明し、そして対策を講じなければいつになっても解決しない。そのために漁民の方々はたいへんな不安におののいた毎日を過ごさなければならないという、こういう状態であると思うんです。こういう現実被害をこうむる方々のいる現状でありますので、この問題については県当局に対するきびしい指導ということとともに、もっとその実態を明らかにしていただきたい、そうしてまた、早急に対策を講じてもらいたい、このように要望する次第でありますが、この点についてはいかがですか。

根岸正男通商産業省企業局立地公害部公害第二課長

○説明員(根岸正男君) 私どもシアンが原因でないというふうに考えておるわけでございませんで、完全にシアンであるかどうかということはまだ報告を受けてないと申し上げたことでございますが、いずれにしましてもシアンが影響しているということは非常に大きいのではないかと考えておりますので、先ほど申し上げましたように、今後とも県ともよく連絡をいたしまして、会社に対して十分な処理の施設を設置させるように指導してまいりたいと思います。

藤原房雄公明党

○藤原房雄君 この小名浜にはたくさん工場がございまして、午前中にもいろいろ質疑がございましたように、汚染米の問題もございます。しかし、汚染米の問題につきましては、会社も積極的にこの問題について話し合いをいたしまして、組合に協力するというようなことも報道されておるのでありますが、まだ水産関係につきましては、大きな被害がないだけに、積極的な姿勢がまだ会社としてもとられていない。このような現状でありますので、特にその点については要望したいと思うんであります。  それで、いろいろ事情を聞いてみますと、確かにいままでの排水口が港湾の工事のために隠され、漁港に近い六、七百メートルくらいの深さのところに排水口がかえられておるという、こういうこともございます。そういう条件も確かに重なったと思うのであります。それから、先ほどちょっと申し上げたんでありますが、漁港と商業港、これが水がすぐ入ってくるような、流入するような状態になっておる。これもきちっと、そういうことのないように、汚染されることのないような漁港を守る姿もなければならぬのじゃないか、このようなことも考えられるわけであります。それから最近報ぜられるところによりますと、底びきの船がとってくる魚に奇形の魚があるというような、こういうことも報道されております。水揚げの大体三分の一から五分の一、こんなことも言われておりますが、これはどういう原因でそうなるのか、これはいろいろ学問的な究明がなければならないと思うのでありますが、いずれにしてもそういう事実があるということであります。何らかのものが作用しておるんではないか、このようにも考えられるわけでありますが、そういう魚が食用に適するのかどうか、こういう問題も非常に問題になっているところだと思います。  こういう問題につきまして、厚生省といたしまして、その動物性たん白質として魚介類を非常に日本人は好んで食べるわけでありますけれども、現実こういう問題が起きている、この問題についてはどのようにお考えになっていらっしゃいますか。

浦田純一厚生大臣官房統計調査部長

○説明員(浦田純一君) 厚生省といたしましては、この魚介類は非常にわれわれ国民にとっても重要なたん白源でございます。いやしくも食品衛生上の不安がないようにということで、すでにある種の有毒物、たとえば微量重金属の含有量その他につきましては調査を進めておるところでございます。具体的に市場に回されるという段階で押えるだけでなくって、よく関係官庁のほうともまた県のほうとも十分に連絡をとりまして、実態の把握につとめまして、できるだけそういった不安の起こらないように、食品衛生上の不安の起こらないように措置してまいりたい。

藤原房雄公明党

○藤原房雄君 これはもう食品衛生上の重要な問題であります人命の健康にかかわる大事なことであります。善処しますというようなお話でございましたけれども、早急にこれは対策を立てて、漁民の方々の不安を、また食用に供する人たちの不安の除去につとめてもらいたいと思うんです。最近また魚介類のかん詰めにもいろいろ有害物質が含まれておる、こういうことも報じられております。かん詰めもきることながら、生鮮食料品の中にもまた魚の中にもそういうものがあるということになりますと、これは非常に重要な問題だと思うんであります。そういうことを踏んまえまして、厚生省として厳重な今後の監視、そしてまた対策、それを要望する次第であります。  つきましては小名浜とまた種類は違うのでありますが、松島湾、ここにもいろいろ問題が起きております。これは七月の末にヘドロが原因ではないかといわれるのでありますが、魚がたくさん死んでおる、こういう事実がはっきりいたしました。この問題につきまして、県の水産課のほうから報告を受けておりますか。

大和田啓気水産庁長官

○説明員(大和田啓気君) 私ども県の水産課から受けております報告によりますと、松島湾の要害漁協、東部漁協、その地区で七月の末でございますか、ハゼあるいはスズキの稚魚が相当量死滅したということが報告をされております。その原因につきましては目下のところ、高温による——温度が非常に高かったので硫化水素が発生したことと、それからやはりいろいろな事情で酸素の供給が非常に不足するという、そういう状態になったのが原因ではないかと、そういう報告を受けておるわけであります。

藤原房雄公明党

○藤原房雄君 あの風光明媚な松島湾にこういう事件が起きるとはちょっと予測できなかったのでありますが、いま水産庁長官からお話しございましたような事実は、過去にはあまりなかったことだろうと思うのであります。一つは、水深の浅いところで非常に高温が続いた、しかもヘドロが結局その高温のために分解して硫化水素となってその被害をもたらしたといわれておるのでありますが、これは今後同じようなことが起きないとはいえないと思うのであります。特にこの松島湾におきましては、ノリ漁業が盛んなところであります。硫化水素の発生、それはそういう条件があったからそういうことがあったのだということではなくして、今後またどんな事態に立ち至らないとも限らないこういう最近のこの公害問題は、二、三年前は考えられないようなことが起きておる。こういうことからいたしまして、ただ一度こういうことがあったということだけではなくして、今後とも再びこういうことのないように考えていかなければならない非常に重重なことだろうと思うのであります。そして、そういうことからいろいろ考えてみますると、沿岸に有機物が堆積する、その有機物は何によってそういうものができたのか、これはいろいろなことがいえると思うのでありますが、都市下水とか、水産加工場の廃水等におきましてはそういうものが非常にありますので、そういうことが原因ではないかといわれております。そういうこともきることながら、公害の一番大事なことは、その公害源を断つということでありまして、こういうことからいたしまして、いろいろ考えられることに対して今後どう処置をしていこうと、これに対する対処のしかたというものについて基本的にどうお考えか、それをまずお聞きしたいと思います。

大和田啓気水産庁長官

○説明員(大和田啓気君) 松島湾というのは非常に古い漁場でございまして、養殖としてはノリ、カキ、あるいは魚をとるための定置網その他非常に優秀な漁場でございましたけれども、最近は塩釜市に水産加工工場が相当多数集積をいたしておりまして、おそらくその数は二百五、六十になるかと思いますが、そこからの排水が松島湾を相当よごしておるということは事実でございます。そこで私、先ほど水産関係の公害対策を申し上げましたけれども、基本的には汚水の源を断つことが先決でございますので、この塩釜の水産加工工場につきまして、業者自身が非常に自覚されまして、水産団地をつくり、排水施設、浄化施設をつくるということを現在やっております。ただ非常に残念なことには、公害防止事業団による施設が多少見込み違いがございまして、まだ十分その成果を発揮いたしておりませんけれども、私どももできるだけこの公害防止事業団の事業を応援いたしまして、水産加工工場による公害の源を断つことをまず第一に考えておるわけでございます。  さらに、この松島湾は非常に古い漁場でございますので、何といいましても有機物の堆積がございまして、漁場としては相当老朽化いたしております。私ども、ことしから浅海漁場開発事業という、いわば農地につきましては農業土木と同じような相当大がかりな水産土木事業を始めまして、全国で、松島湾と静岡県の浜名湖でございますけれども、数千ヘクタールにわたって海をつくり、内海、外海の水の出入りをよくして漁場の若返りを現在計画いたしておるわけでございます。この事業は相当な金がかかり、また時間も三、四年を要するわけでございますけれども、水産加工場の汚水処理をすることと、その浅海漁場開発事業を進めるというこの二段がまえによって私どもこの松島湾の漁場の若返りをはかりたいというふうに考えておるわけでございます。

藤原房雄公明党

○藤原房雄君 現実、県でも力を入れ、国でも力を入れて工事にかかっておるのでありますが、この事件の起きたのは、沿岸でございまして、外洋がなかなか入りにくいような状況のところでもあったわけです。そういう湾全体としてはいろいろ考えられておるようでありますけれども、局部的に見るといろいろ問題があるようでございます。それにはやはり、いま長官も言われたのでありますが、都市下水とか、水産加工場の廃水とか、どうしても発生源を根絶しなければならぬ、ここにくると思うのであります。  一つ一つ問題として申し上げることは長時間を要するのでありますが、いまここで最も注目を浴びているのは水産加工団地、加工場が団地をつくって排水処理をしょう。これは非常に、こういうことからも湾内の汚染を防ぐという上からいきますとほかのところにない考えであったのでありますが、現実加工団地は工事はしたのでありますが、操業ができておらない。この問題については、わが党の峯山議員が決算委員会等でいろいろ公害事業団に対する質疑もございますが、しょせん計画はあったのであるが、計画倒れで進んでおらない。私どもとしても、是が非でもこれは操業してりっぱな成果をおさめてもらいたいものと、こう思うのでありますが、この公害事業団のした加工団地、これが最近は進んでいるのかいないのか聞いてないのでありますが、これについて御存じであればお聞きいたしたいと思います。

大和田啓気水産庁長官

○説明員(大和田啓気君) この公害防止事業団が、実は共同利用施設といたしまして水産物の処理場、あるいはすり身工場等々の事業をいたしまして、たしか四十三年十二月でございましたか、塩釜市から水産加工関係の組合に譲渡されたわけでございます。ところが、この汚水の浄化槽が当初の設計に十分でないところがございまして、その能力を十分発揮することができませんで、その後沈でん池の設置等いろいろ改良を加えましたけれども、なかなかうまくいかない。そこで、ことしの一月でございますが、公害防止事業団では学識経験者あるいは関係官庁の職員等が寄り寄り集まりまして、塩釜の基本構想検討委員会というものをつくりまして、そこでいろいろな策を検討いたしまして、四十五年の七月の半ばでございますか、ようやく基本構想をまとめたわけでございます。  その概要は、魚体処理と、すり身をするとき水にさらすわけでございますが、そこでたん白の回収を十分できるようなそういう施設を主体として、さらにくふうを加えて施設を施すと、ただその場合の経費が相当多額にかかりまして、大体いまの見込みでは五億八千万程度ということでございますが、この負担について公害防止事業団あるいは宮城県、塩釜市、それから業者の組合等々で、どういうふうにして負担をするかということを現在話し合い中でございまして、私どももできるだけこれに応援をして、この新しい施設ができて、塩釜の水産加工業が公害をもたらさないで十分発展できるように祈っておるわけでございます。

藤原房雄公明党

○藤原房雄君 そうすると長官、これは近いうちに話し合いがついて、この操業は冬近くなってから忙しくなるわけでございますけれども、その一番多忙な時期に、この冬操業に間に合わなければ、いままでの汚水が全部湾に流れるということになるわけでございますけれども、今年のこの一番忙しい、一番稼働時期にこれが間に合うのでしょうか。

大和田啓気水産庁長官

○説明員(大和田啓気君) 関係者はことしの最盛期に間に合わすように努力をいたしてまいったわけでございますが、何せ六億程度の金がかかる施設でございますので、なかなかことしの最盛期に的確に間に合うというところまではあるいはいかないのじゃないかということを心配いたしておるわけでございます。

藤原房雄公明党

○藤原房雄君 そうしますと、暫定的な方法なり何なりお考えでしょうか。

大和田啓気水産庁長官

○説明員(大和田啓気君) 先ほど申し上げました二百五、六十の工場はいずれも中小企業でございますので、なかなか操短ということもむずかしいわけでございますが、私ども宮城県庁と寄り寄り相談をいたしまして、できるだけ排水に気をつけるよう、汚水の浄化に現在の施設でもできるだけの努力をするようにという話はいたしておるわけでございます。

亀井善彰自由民主党

○亀井善彰君 ちょっと関連して……  実は六月十八日にその処理場を農林水産委員会で、河田先生も一緒ですが、こまかく視察をしてまいりました。しかし、いまおっしゃっているように、なかなか早急に間に合うということは、私どもの見た目では見通しがつかない。で、現地の処理場を共同してつくったという人たちは、処理場がいま遊んでいるのです、処理場が遊んでいるということは、その処理能力が全然動かない、したがって処理場をつくったけれども利用価値が何にもない、これでは非常に困ると。そこで、早急に公害防止事業団がその責任者か、あるいは水産庁か、そこらの点をはっきりして、一日も早くこれが稼働するような方向でひとつ御協力を願いたい、これはもう関係者一同、市長、それから議会、業者、非常にたくさんの陳情をわれわれ受けてきたわけなんです。ところが依然とその後も聞いてみますというと進行しておらない。でありますから、いまおっしゃっているように、九月とか十月とかというようなことでこれが稼働するような傾向には私はならないのではないかと思います。したがって相当な経費を投じておる関係からいたしまして、また中小企業の業者もそれを利用してそこへ出たい、こういう欲望を持っておるのでありますし、指導もそうしておるようでありますけれども、何せその施設が動かないという関係で、宝の持ちぐされというような関係で市長は責任を感じなければならない、もちろん議会も責任を感じなければならない、こういうふうな傾向でありますので、責任の所在を云々するわけではございませんけれども、いま先生からおっしゃるように早急にこれらは関係者協議の上、ひとつその施設が動くような方向で処置願うことを重ねて私からも希望を申し上げておきます。

藤原房雄公明党

○藤原房雄君 この松島湾の汚染の原因はいろいろあるわけでありますが、その中の一つとしまして水産加工汚水の問題を申し上げたのでありますが、もう一つは外材の樹皮が非常な問題になっているわけです。御存じのように、あそこには相当量の外材が運ばれまして、湾内に、塩釜の近くの海の中に入れてあるわけでございますが、その外材の樹皮が湾の底に堆積する。またこの外材からの樹液、この影響というものもあるわけです。こういうことで、この汚染の原因というものは単一じゃなくて、いろいろなことが重なって、おると思いますが、そういうようなことからいたしまして、この外材の問題につきましては早急に対策を講じなければならないというふうに考えているわけでございますが、この点についてはいかがですか。

中野和仁農林省農地局長

○説明員(中野和仁君) ただいまのお話の水面の貯木場におきます——農政局のほうでは植物防疫——防疫といいますか、植物検疫との関係でございますが、輸入木材のうちのアメリカ材等の一部につきまして、十分な殺虫の効果をあげるという目的から皮をはいでおります。そういう皮につきましては、そのまま海に流すということは非常に問題でございますので、これを一括して焼却をする、あるいは埋没をするとか、薫蒸をするというようなことをやりまして、検疫的な立場からは的確な処置をとるように、現在も指導しておるわけでございます。ただいまも申し上げましたように、ほとんど専門の焼却施設を持たせるようにしておりますけれども、今後とも港湾の管理あるいは輸入業者ともよく協議をしまして、海面を汚染しないように——汚染といいましょうか、海面を樹液で乱すというようなことがないようにいたしたいと考えております。

藤原房雄公明党

○藤原房雄君 この対策はどうしても貯木場の設置といいますか、やはりいまお話がございましたように、殺虫剤または樹液、または樹皮、こういうものが堆積することのない、影響のないような設備として、どうしても貯木場の設置ということが大事なことになると思うのでありますが、これには相当地理的な条件もありますし、資金面もたいへんなことでありましょうけれども、この松島湾のように非常にノリ漁業とか、沿岸漁業、浅海漁業として重要なところについてはやはり考えなければならないのではないかと思うのであります。また、松島湾だけではなくて、和歌山等真珠養殖業等のところにおいても同じような問題が起きつつあります。こういうことから、この貯木場の設置ということについて積極的に考えを進めるべきじゃないか、このように考えておるわけでありますが、この点についていかがですか。

中野和仁農林省農地局長

○説明員(中野和仁君) 直接農政局のほうで貯木場については指導なり監督なりやっておりませんので、的確なお答えができないかと思いますけれども、お話のようなことではないかと思います。漁業権のじゃまにならないようなところに整理場をつくるなり貯木場をつくる必要があろうと思いますので、関係方面に御連絡申し上げたいと思います。

藤原房雄公明党

○藤原房雄君 最後に、農林大臣にお話し申したいと思うのでありますが、日本列島の中に数多くの重要な沿岸漁業、漁港として、また漁場として今日まで繁栄してきておったところが汚染されまして、だんだん縮小されつつある。そこで働く漁民の方々も所を追われると、そういうことが起きつつあるのであります。このような非常に憂慮すべき状態になりまして、これは工業の大きな発展の陰にあって、将来の日本漁業の、沿岸漁業の一つの大きな問題点として私どもは真剣に考えなければならないことだと思うのであります。政府におきましても新しい国土総合計画、こういうものが検討されておりまして、今後もまた対策も講じられると思うのでありますが、所によっては、どうしても浅海漁場、また沿岸漁場として残しておかねばならないところ、また工業港としてどうしてもその地点は繁栄させなければならないところ、当然立地条件によって、いろいろあると思うのであります。四面海に囲まれた日本の国、水産国として日本の国は大きく発展したわけでありますが、こういう観点からいたしまして、今後の沿岸漁業に対する大臣としての抱負、また今後に対するお考えを最後にお聞きして、終わりたいと思います。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(倉石忠雄君) 公害の問題につきましては、いまるるお話のございましたように、経済成長と並行いたしまして、われわれにとりまして重大な問題でございます。したがって、すべての施策に伴って公害対策を講じてまいらなければならないのは当然であり通すので、政府におきましても中央に公害対策本部、地方にも各自治体に設けてもらいまして、中央、地方関連いたしまして、この公害の問題に取り組んでまいるつもりでやっておるわけであります。われわれの水産関係のことにおきましては、特に先ほど来いろいろお話のございましたようなことに留意をいたしまして、公害の問題と真剣に取り組んでまいりたい、このように努力をしておる最中でございます。

達田龍彦日本社会党

○達田龍彦君 私はこの機会に、米の生産調整と過剰米対策の問題、さらには食管制度の問題に対して政府に対し質問を行ないたいと思うわけであります。  先般農林省が、ことしの水稲の作柄概況を中間報告として発表いたしておりますけれども、これによりましても、ことしは百万トン程度の過剰が予測をきれるのでありまして、それに関連して先日、自民党の総合農政調査会において渡辺農林政務次官が食管制度の改正に取り組むための考え方を明らかにいたしておるようであります。その内容はすでに新聞その他で報道されておりますように、来年は三百万トン以上の生産調整が必要である、さらにまた転作と休耕に奨励金の差をつけるべきだ、できれば食管制度を改正する必要がある、こういう発言を、個人の資格ではあっても総合農政調査会という公式の場で発言をきれておるのであります。これに対して倉石農林大臣は四日の閣議の後の記者会見で、この渡辺次官の食管制度に関する考え方の方向に対して全面的に賛成であるということを公式の席上でお述べになっておるのであります。私はこの発言は日本の農政にとってきわめて重要な発言であると思うのであります。  そこで、まず大臣にこのことをお伺いいたしたいのは、一体、新聞報道によるとそういう報道でありますが、どういうことなのか。そのまず真意をただしておきたいと思うのであります。同時にまた、この発言は大臣が来年度以降の米の生産調整、あるいは食管制度の改革、こういう問題についてまっこうから取り組むという意向を表明されたと私ども受け取りたいのでありますけれども、一体これはそういう受け取り方でいいのかどうか。大臣からこの問題を明確に御答弁をいただきたいと思うのであります。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(倉石忠雄君) 米の生産調整のことにつきましては、まだ全体が集約されておりませんけれども、大体その方向がわかってきております。同時にまた、ことしの作況につきましても八月十五日現在のものを先だって新聞にも公表いたしました。それで私どもといたしましては、百五十万トンの生産調整、そのうちでも百万トンの生産調整につきましては、全国の農家の方々及び農業団体、それから地方自治体等の責任者にたいへん御協力いただきまして、かなりの成績をおさめておるようでありますが、それにもかかわらず、なお御存じのような結果であります。こういう現実を踏まえて、私どもは、これからどういうふうに対処していくべきであろうかということについては事務当局にも命じまして、われわれ自身のデータに基づく検討はもちろんのこと、それぞれ学識者、経験者その他いろいろな方の御意見を承って、どのように対処していくべきであるかということについては引き続いて検討をさせておる最中であります。  そこで、いまお話のように、渡辺政務次官が自由民主党の会合で述べられたことが新聞の記事にも出ておりました。これは方向としては、ああいうようなことも考えざるを得まいということであろうと思いますが、そういうことで、私どもにとりましては、まだこれといって結論を出しておるわけではありません。なおこれからも生産者及び農業団体、その他の方々とも会合を重ね、御意見を徴しながらどのようにこれから対処していくべきであるかということについての検討を続けております。こういう途中でございます。

達田龍彦日本社会党

○達田龍彦君 いまの大臣の回答では、どうも要領が得ないのでありますが、まず、四日の新聞報道を問題にしますと、この渡辺発言の考え方、この方向というものを全面的に賛成ということで報道されている。だからいまの回答の中にはそのことは表明をされなかったのでありますが、一体新聞記者団に四日に発表された真意というものは全面的に賛成という方向で表明をされたのかどうか。そのときされていないとするならば、この考え方に対してこの委員会の席で、どういうお考えをお持ちなのか、明確に態度を表明してもらいたい。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(倉石忠雄君) 私どもいまお話のございましたような党の総合農政調査会小委員会等におきまして、いろいろ研究を続けていただいているわけであります。渡辺政務次官もそういうところに出られていろいろな見解を述べておられる。しかし、渡辺君のお考えの中にも説明いたしてありますように、いろいろ新聞の報道によっては違うかもしれませんが、渡辺君の申しておりますことは、これからの生産調整をどのようにしたらいいか、これは今年の成績を見て、それからまた、どのようにして、どういう経過でこういう結果になったかというその経過等をも検討をいたしまして、生産調整はどのようにしたらいいかということ、同時に食糧管理の制度について、現状までの状態をどのようにして継続し得るであろうか、あるいはどういうような改革がここで考えられるか、いろいろな説をお立ていただいておる方もありますし、また私どもお尋ねをいたしましてもそれぞれいろいろな見解をわれわれに参考資料として出していただく方もあります。そういうものを資料にいたしまして、どのような取り組み方をしたらいいかということをいま鋭意検討中であると、こういうことでございまして、そういう掘り下げて基本的な問題を再検討しなければならないという点については、渡辺次官も私も同じ考えであります。したがって、一生懸命でそういうことについてあらゆるデータを基礎にして検討を続けておると、こういうことでございますので、まだわれわれとして腹がきまってはおりませんし、これからなお多くの方々の御意見を伺ってみたいと、こう思っておるわけであります。

達田龍彦日本社会党

○達田龍彦君 ややはっきりしてきましたけれども、そうなりますと、この四日の記者会見で大臣が表明された態度というのは、確かにまだ過剰米の処理の問題や生産調整の問題、さらには食管制度の改正の問題等は、基本的に私は煮詰まってない段階にあるということは了解ができるのでありますけれども、この発言を契機にしまして、大臣が来年度以降の米の生産調整、あるいは過剰米の処理、あるいは最も根本になりますところの食管制度の改正について、いわゆる食管制度の改革を直ちに正面から取り組む意向を表明したと、こういうふうに受け取っていいのかどうか、その点を大臣の意向として明確にしてもらいたいと思うのであります。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(倉石忠雄君) 制度全体としてどのように、このままで継続できるか、継続できない場合はどういう点をどのように改革すべきであるかというようなことについていろいろな御意見を徴しておる最中でございますので、その上で私どもとしてはやはり多くの方々の御意見をも承って対処いたしてまいりたいと、こう思っているわけで、研究を進めておる最中でございますので、私どもにまとまった見解というものはまだないわけであります。

達田龍彦日本社会党

○達田龍彦君 私は、基本的な問題だけにきわめて慎重な大臣の回答でありますけれども、非常に多くの問題をかかえておると思うのであります。こういう公式の委員会では大臣はなかなか表明をきれませんけれども、すでに今日まで八月以降の各新聞が報道するところによりましても、かなり米の生産調整、さらには過剰米対策、進んで食管制度全体をどう変えていくか、こういうことが各省間でかなり論議がきれ、ある程度の構想がまとまっているように報道がきれておるのであります。またその報道が今日の事態の中に表面に少しずつ出てきているという状態でありまして、私はそういう意味でかなり、農林省の中でもこの基本的な問題については相当固まっておるのではないかという気がいたすのであります。また固めなければならぬ段階であろうと思います。  そこで、さらに一つ一つ私はお尋ねをしてまいりたいのでありますが、まず生産調整の問題でございますが、ことし政府は百五十万トンの生産調整を行なったわけでありますけれども、結果として私は生産調整は失敗に終わったというふうに考えるのであります。減産対策そのものが非常にどろなわであったし、またことしの状況を見てみましても、結果として過剰米を生み出す結果になった。そういう意味では生産調整が必ずしも私はうまくいかなかったという判断を持っておる。そういう観点から、この前の自民党の総合農政調査会でも、ただ単に需要供給に——当年度の需要供給に応じて生産調整をするだけではだめだ、要はいままでの過剰米も含めて生産調整の対象にすべきだ、こういう意見が私は一つには出てきていると思う。  それからもう一つは、いまのいわゆる減産対策というのは、農家の協力、農業団体の協力を求めて進めるという程度のことでありますから、これはことしすでに失敗したように、来年度減産対策をとってみても、これで完全に需要供給がバランスが落ちつくという自信がないわけでありますから、政府はしたがってそういう面からは、若干強制的なかまえで、そうして減産対策というものをしていかなければならない、こういう構想が一つあると思う。またそれがだんだん進んでまいりますと、食管制度の改正という形でもって出てまいるのではないかと思う。  そこで私は生産調整の問題についてまずお聞きをしておきたいのは、ことしの状況はそういう状況でございますけれども、このままでは生産調整あるいは減産対策というものは、政府もそのままでは済まされない状況にあると思いますけれども、一体この状況の中から、今後の、来年度の生産を考えたときに、生産の、いわゆる過剰米との関係、さらにはいまやっておるような生産調整の問題、これとの関連において、一体今後の生産調整というものをどういう方針でお進めになるお考えなのか、これをまず私はお尋ねをしておきたいと思うのであります。あとまだ過剰米対策等については、さらにお尋ねをしたいと思いますけれども、まず生産調整の問題についての基本的な方針を、政府のほうから明確に御答弁をいただきたいと思います。

北村暢日本社会党

○北村暢君 その前にちょっと関連……。  いま達田さんから生産調整の問題は、政府のやったのは失敗であったと、まあ結果的に失敗だった、こういう意見がありましたが、私も結果的にはそうだと思うのですがね。しかし生産調整は、いわゆる休耕、転作の百万トン、これは非常な、先ほど大臣のおっしゃったように、地方団体、農業団体、非常に熱心な説得によって、百万トンの分については一四〇何%の成績。したがって五十万トン分の農地転用に関する分は、これは政府の計画どおり確かにいっていないようです。しかしながら、結果的にこれは両方合わせれば生産調整の百五十万トンというものは、まずまず内容的には問題ありますけれども、調整ができたわけですよ。したがって、政府の当初計画した生産調整は、これは失敗でなしに、大体いったと、こういうことなんです。なおかつ豊作という予期せざるものが出てきて、平年作でもって計画したこの百五十万トンの調整額と百万トン余るという結果になったことは、その生産調整の計画そのものが私は甘かったのではないか。その結果が、いま遠田君が結論的に言われた、生産調整が失敗したと同じような結果になっておるということだと思うのです。そうでないというと、地方自治体も農業団体も農林省の指示に従って生産調整をやるために非常な苦労をして、食管の根幹を維持するためには絶対この生産調整は必要だから皆さん協力してくれといってやったことでしょう。そうして説得して、政府の希望どおりの生産調整はできた、それでなおかつ過剰米という問題が出てきた。これは政府の見通しが誤りだったので、生産調整そのものに協力した農民の責任ではない。何か生産調整に失敗したということになると、農民が協力しなかったから失敗したように受け取られたのでは、これは関係者は非常に問題だと思う。  いま農林大臣は、先ほど来まだはっきり食糧管理法——食管法の根本について改正することに取り組むということをなかなか言われなかったようですけれども、新聞報道では、政府は食管法の改正ということに踏み切ったと、そういうふうに報道されているし、また農民はそういうふうに受け取っておる。したがって、生産調整に協力すれば食管の根幹は維持できるのだということを説得した農業団体の幹部なり地方自治体からは、あなた方の新聞記者会見において発表した食管法の改正をやるということに対して非常に大きな反撃がありますよ、地方自治体なり農業団体から。したがって、私は、そういう意味において、この生産調整というものが、政府の計画したものに対して協力したものは、これはまあ一応成功だった、その計画そのものが悪かったのは政府の責任であるから、この辺の責任関係を明らかにしてもらいたいと思うのです。なかなかあなた方責任をとろうとしないわけです。この点を明らかに、計画そのものが誤った、農民はよく協力してくれたけれども、政府の計画が間違いでございました、こうあやまらないとこれはあなたおかしくなりますよ。だから、そういう意味においてひとつこの経過ははっきりしておいていただきたいと思います。そういう意味で、達田君の、生産調整は失敗したということについて、私はそういう理解で失敗した、こういうふうに私は思います。ひとつ食管法を改正するということについての言明と、それから生産調整の失敗の責任を政府は明らかにしてもらいたい。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(倉石忠雄君) 生産調整は、先ほど申し上げましたように、まだ最終的なところまできておりませんが、近く最終的な集約ができましょう。大体新聞等では、各支局等を動員してお調べになったのでありましょう。百四十万トンというふうなことも書かれておるところもありますし、大体まあその辺のところだろうと思いますが、集約されればはっきりいたしますが、とにかく私どもといたしましては、生産調整について、生産者及び農業団体、県知事等がたいへん協力していただいたことについてはよくこれを理解いたしております。ただ、ことしは、御存じのように、たいへん豊作型の好天気が続きましたものですから、そこで平年作を上回るところが各地に出てまいりました。そういう結果が今日の結果を招来いたした、こういうことだろうと思うのであります。私どもといたしましては、当初、一般の生産者に百万トンの生産調整をお願いいたしておったのでありますから、この点においては十分御協力を感謝いたしておるわけであります。  そこで私が先ほど達田さんの御質問にもお答えいたしましたように、私どもとしてはまだ、これから引き続いてどのような生産抑制策を講ずるかということについては、本年の経過等を参考にして何かしなければいけないということは考えておりますが、伝えられるように、ある者は、先ほど達田さんのお尋ねの中にもございましたように、いわゆる古米を考慮に入れて生産調整を今度はやるべきである、こういう意見も確かにあります。そのまた分量についても、そういう考えに基づいて二百万トン説もあり、三百万トン説もあり、もっと大量のことを言っておる国会議員の方もおられます。  要は私どもは、これは国会終了後であると思いますが、佐藤総理大臣がわれわれに向かって申されたことばの中に、農政についていろいろ話し合いをいたした中に、要するに生産者が安心して営農を続けられるように、同時にまた消費者が納得のできるような農政を考えてもらいたいと言っておりましたが、私は要を得たことばだと思っておりますし、私ども農林省もそのような決意でやっておるわけであります。したがって来年度、この次行なうべき生産調整をはじめ、いま皆さま方からも御要望のありましたいわゆる総合農政の一環としての地域分担等についてもいろいろな努力をいたしまして、地方庁や地方の団体等も協力して検討いたしておるわけであります。そういうことも集約をいたしまして、これから何をやるべきかということを、私どもの腹がきまりました場合にはこれを広く世の中に公表してお示しをいたしまして、その上で各方面の御批判をいただいて対処してまいりたい、こう思っておるわけであります。  ただいまのところは、したがって、いろいろな方の意見を伺っておる最中でありまして、まだ、いま北村君、食管法というおことばをお使いになりましたけれども、私どもは法律をいじくるというふうなことを一ぺんも申したことはありませんし、ただその制度について、現状の認識の上に立ってどのようにいまの社会情勢に合うようにしたらよいのかということについてあらゆるデータを集めて、それからまたあらゆる団体その他の方の御意見を徴して鋭意勉強しておると、こういう最中でありますので、さようにひとつ御理解をいただきたいと存じます。

達田龍彦日本社会党

○達田龍彦君 いま農林大臣が非常に重要な問題について勉強中であるというのでありますが、非常に私は不勉強だと思います。この食管制度の改正の問題は、これは農林省はいまそういう立場をとっておられますが、政令の改正で食管制度全体の問題を考えていきたいとか、あるいは食管法を改正する方向だとか、あるいはこれも新聞によりますけれども、特別立法の措置で食管制度の手直しをしていきたい、こういう情勢等も出ておるようですね。これは私は十分検討されておることだと思うのです。  これは一番初めの私の質問に戻りますけれども、渡辺さんの発言に関連して、大臣が記者会見で考え方の方向を全面的に賛成である。この中にはどうしても転作、休耕だとか、あるいはこの生産調整あるいは過剰米処理の問題が完全にいかないとするならば、やはり食管制度というものを法改正をしてやるべきだということに触れておるわけですね。その意味で北村先生から言われたように、食管制度を何らかの形で手直しをしなければならぬということを大臣みずから私は認めている発言だとして理解するわけですね。そうなってまいりますと、食管制度のあり方については大臣が何らかの構想をすでにおまとめになっていると思うのです。少なくとも今日過剰米の問題、生産調整の問題等があって、食管制度をそのままにしておって、この問題が処理できるという段階でないことは農林省は百も承知だろうと思うのです。そのよしあしは私は別ですけれども、別だけれども、そういう観点に立っての今日検討がされていると思うのです。それをいま勉強中だというのは私は議会答弁として逃げの答弁だと思うのでありまして、私は積極的にやるとするならば、この機会にそんな外野席で大臣が人の話を受け継いで、それ賛成だ、それ賛成じゃないということを言わないで、むしろ大臣として国民の前に堂々と国会の場で私はおっしゃるべきじゃないかと思うのです。しかも、勉強中であるならば、渡辺さんの発言に関してそれも一つの意見だとか、そういう考え方もあるという態度、表明ぐらい出して、具体的に来年度は三百万以上の生産調整が必要であるとか、あるいは転作と休耕の奨励金については差をつけなければ生産調整が進まないとか、できれば食管制度全体に対して改正を行なうべきであるという具体的な指摘をして発言をしているものに対して大臣がその方向に全面的に賛成であるといったことはその意向を私は端的に表明しているととるべきだと思う。  ですからいま食管制度全体に対して大臣がいま私の申し上げたように、いわゆる政令の改正だけで食管制度というものを食管法を変えないで持っていこうというおつもりなのか、あるいは食管法を改正されるおつもりなのか、あるいはそれではいけないので、食管法はそのままにしておって、特別法というものをつくって米の生産調整、過剰米処理というものを考えていくのか、この食管法をそのままにしておって特別立法という形がいいのか、あるいは食管制度を改正して、特別立法というものをしないのか、これもまだ議論があるようですけれども、大蔵省あたりの考えでは、食管法は流通面のことが中心であって、生産調整だとか、あるいは過剰米処理の問題についてはきほど重要ではないから特別立法すべきだという意見があるわけです。  したがって、そういうものが大蔵省や農林省ですでに論議をされているのでありますから、しかもそういうものが踏まえられて、大臣がすでに食管法の制度の全体に対して渡辺さんの発言に対して大臣が考え方として賛成であるということを表明されているわけですから、勉強の段階でないと私は思うのです。すでに発表されているわけですから、この国会の場で少なくともそういう方向を明確にして、農業団体や農民やあるいはみんなのそれに対する考え方を、私はそういう形で表明させて、一つの農業の方向というものを確立すべきじゃないか、こう思うのです。どうですか、そういう点について。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(倉石忠雄君) まことにごもっともな御意見でございまして、達田さんのおっしゃる御意見そのとおりだと思います。私どもも、先ほどお話のありました自由民主党の総合農政小委員会で渡辺君が申しましたことを、その席には新聞社の方が入っておいでになったわけではないわけであります。渡辺君からあとできょう小委員会でこういう話をし、これは個人の見解であるが自分はこういうことを述べましたという話を聞きました。それには、やはりただいま御指摘になりましたように、また新聞にもそういう点も書いてあった記事もありましたが、今回やりました生産調整の結果を見て、この次の生産調整はどういうふうにしたらいいかということについていろいろな意見はあるが、生産調整はやらなければならないということについて渡辺君は述べてまいりました。同時にまた、食管制度そのものにも再検討を加えるべきであるというふうなこともそこでお話があったようでありますし、新聞にも出ておりました。私は、渡辺君の考えておられることそれぞれについては、まだ渡辺君自身もきまった結論を持っているわけではありませんで、こういう方向で取り組むべきである、こういうことを党の機関に説明をしてきた、こういうのでありますから、私どもも全く同感である、こう思っております。  したがって、来年度のこの次の生産調整はどのような形ですべきかということについては、先ほど来お答え申し上げておりますように、ことしの結果が完全にあらわれましたときに、そのよって来たった原因等を深く掘り下げて検討いたしまして、先ほどちょっと御質問の中にもありましたように、転作とそれから休耕とを区別すべきであるとかいろんなことがあります。そういうようなことについて再検討すべきであるということで、そういうことをいま鋭意検討中でありますので、私どもは、やはり政府でありますから予算要求をいたしますまでには態度を決定しなければなりません。したがって、いまそういうことのために鋭意努力中である、こういうことでありまして、勉強している最中でありますので、まだ勉強不足だと仰せられましたけれども、勉強の最中でありまして、結論づける段階に至っておりませんので、勉強不足のように見えますけれども、毎日勉強している最中である、こういうふうにひとつ御理解をいただきたいと存じます。

北村暢日本社会党

○北村暢君 関連して……。  もう少し具体的にお尋ねいたしますが、先ほど食管制度の改正は検討すると言ったが、食糧管理法——食管法の改正ということは一度も言ったことはない、こういうふうにおっしゃられましたね。それでは具体的にお伺いしますが、いままでの国会答弁では、政府は、食管制度の根幹は堅持いたしますという答弁をしておりますね、それと、食管制度の改正について検討するということは、食管制度の根幹を維持するということに触れるのか触れないのか、この点をはっきりしていただきたいと思います。  それから食管法を改正することについて、するとか、検討するとか言ったことはない、こうおっしゃられましたが、そうしますと、いまのわれわれの理解は、食管法では全量買い上げが精神だ、こういうふうに理解しておりますが、しかし農林大臣は、法律の解釈からいえば買い入れ制限をすることは食管法を改正しなくても法律の解釈でできるんだ、解釈と買い入れ制限をするということは別で、買い入れ制限をするということはいま考えておらない、こういう従来の御答弁がございましたね。したがって、買い入れ制限をするということが食管法の改正をしなくてもできるということは、これはもう従来の答弁でわかっていますが、二段米価をやる場合に食管法の改正が必要ないかどうか。二段米価というものはいまもう現実の問題として出ているわけですから、これは法制局の意見としては、食管法を改正しなくてもできるということを食糧庁か何かに伝えたと、こう新聞に出ておりますね。二段米価も食管法を改正しないで現在の食管法の中でできるのかどうか、そういう解釈に立っているのかどうか、この点をひとつ明らかにしていただきたい。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(倉石忠雄君) 私は、食管法を改正するということを言ったことはないとさっき申しましたのは一般論的に申したんで、まだそこまでいっておりませんということなんであります。したがって、いろいろ研究の結果どうなるかということについてはまだ結論が出ておりませんので、したがっていま鋭意勉強中である、こういうことでありますから、いまあとのほうで御指摘になりました二段米価は、法改正でなくてもいいのかどうかというふうなことを、私はそういう問い合わせを法制局にしたかどうかよく知りませんけれども、あらゆる機会にあらゆるデータを持ち寄って勉強している最中でありますので、そのわれわれの腹がきまれば、これはこういう席で申し上げていいかどうか、政党ですから党の専門委員会に報告をし、賛成を得られれば、先ほど申し上げましたように、国会の委員会の場なり、あるいはどういう機会にか広く国民各位に訴えたいと思っておるわけであります。その腹をきめる材料をいま集めて勉強中でありますので、途中では結論が出ておりませんので、この点はひとつあしからず御了承をお願いいたしたい、こういうわけであります。

亀長友義農林大臣官房長

○説明員(亀長友義君) 御質問の二段米価ということに相なりますと、政府で買い入れる米の中  で、第一条の目的達成のために買い入れる、直接管理する必要があるものは買い入れる、これはいわゆる第三条に価格の原則を書いてございますから、その原則によって買い入れる。その他のいわゆる低いほうの米は別の原則で価格をきめる。低  いほうの買い入れの趣旨というのは、政府が直接操作をする必要がない米だということに相なりますから、そういう趣旨で別の価格をきめるということをしなければならないわけであります。現在食管法のもとでそういう二つの価格が買い入れの目的に従ってとることができるかどうかという問題でございまして、これは目下法制局と協議中でございます。

達田龍彦日本社会党

○達田龍彦君 私もその問題に触れたいのでありますが、いま先に出てまいりましたから私もそれに関連して質問をしておきたいんですが、いま北村先生おっしゃったように、いまの生産調整の実効をあげるためには私はいろいろな方策、やり方が考えられると思います。たとえばもう少し強制的にやらなければならぬということになれば、作付制限、買い入れ制限あるいは米価の引き下げ、二段米価制、こういうものが私は当然政府の中ではいろいろ検討されておると思います。賛成か反対かは別ですよ。しかし、少なくともいまの生産調整をもう少し実効あるものにするためには、そういうことが一つの方策として私は考えられると思うんですね。そこでそれが私はほんとうはどういう方針でやるのだということを聞きたいんでありますけれども、まあ大臣の答弁は、終始勉強中、検討中ですから、幾ら言ったってこれは出てこないと私は思っている。しかし、腹の中でどれをやろうというぐらいのことはまっているんだと実は思う。  そこで問題になるのは、いま北村先生が御指摘になったように、食管制度の根幹は堅持するというのは自由民主党あるいは政府の国民に対する公約ですね、これは。そこで根幹は何かということが国会でもいろいろ論議がされているわけです。前の国会では買い入れ制限は現行法での適用であるが、本年度産米については適用しないということを国会で答弁しているわけですね。ですから、私は食管制度の根幹というのは一体何が根幹かということになれば、米の生産調整というものを強行するためには買い入れ制限の問題だとか、あるいは二段米価の問題が当然出てくるんですよ。ですから法制局にいま検討中でありますと、こう言ってみたって、法制局はどう言おうとも、国民に対して食管制度の根幹を守ると言っているわけでしょう。そこで根幹になるものは一体何かということをまず明確にしなきゃならぬ。その中に二段米価制度というものが根幹に触れるのか、あるいは買い入れ制限が触れるのかということが明確になれば、それによって法制局がどう言おうたって公約だから、農林省は、あるいは政府は法を守るという姿勢を貫くべきだ。しかし、守れないというならば、これはいままで公約していたけれども、こういう事情で守れませんということを私は国民に国会の場で明らかにすべき重要な問題だと思う。これが筋ですよ。そういう筋を踏まえないで、ただ法解釈だけでもって根幹が守れました、あるいはこれでもって法は改正しなくたってこういう方法がとれますというのは、これはこそくですよ。国民を政府やあるいは大臣がごまかすことになるわけです。そういうことは私は許されぬと思う。  ですから、根本は何かといったら、食管制度の根幹を守りますと国民に公約をしているわけですから、その根幹の中に一体どういうものが入っているのか、特にいま具体的に出てまいりました買い入れ制限の問題や二段米価という問題は一体根幹の中に入るのか、私どもは入らなきゃならぬと思っていますし、また、そういう問題が根本的に論議をされなければ生産調整の問題は政府が思うようにいかないということははっきりしているわけですから、当然検討されている段階だし、また、そういう問題を手がけてくることも明白だと私は思っている。いつまで国民の前に逃げを打ってみたって、これはもう時間の問題だと思います。私は早目にこういう方針を出して、これで一体どうしていくかということを私は国民や各団体に検討すべき段階であると、それを隠しておってそうしてもって人の言った話のあとで大臣がそれはそうだとか言って、新聞の伝えるところによると、いやこれは大臣と政務次官が気脈を通じてやっているのじゃないか、サル芝居じゃないか、言うなれば政務次官が前座をつとめたようなものじゃないか、これは私はそうだと思う、実際は。そのくらいのことはおやりになるだろうと思うんだ。  だから、そういうようなやり方は国民をあざむくものだし、私は非常にこそくな方法だと思う。むしろ国会という場で国民の前に明確にすべきところは正々堂々と言うべきだ。何も逃げ隠れして食管法は変えませんとか、あるいは二段米価はやりません、そんなことを言う必要はないと思う。堂々とやるべきじゃないか、そういう意味で明確にしてもらいたいと思う。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(倉石忠雄君) 達田さんのお話を承っておりまして、何かもう私どもが結論を出しているんだというふうに断定されていらっしゃるように受け取れるのでありますが、そうではないんであります。先ほど来申し上げておりますように、生産調整の結果を見て、この次はどういう手を打つべきであるか、その次打つ手につきましても、まだ政府部内の大蔵と話をする段階に入っていないわけであります。なぜならば私のほうの腹がきまらないからであります。したがって、政府全体としての腹をきめる段階にすらその生産調整の問題も入っていないわけであります。私はまだ決して非常にそれが時期がおくれておるとは思っておりません。しかし何らかの抑制措置を講じなければならないことはもうわかり切っております。  そこでそういう抑制措置を考えますときに、いわゆる食管の問題にも影響してまいるようなことがあるかもしれないし、また現状のままではやっていけないと私は想像いたしますので、あらゆるその条件を想定して事務当局のほうでは勉強しなさいということを命じて、それによっていま鋭意検討を続けておる最中でありますので、いま御質疑の中にありましたように、二段米価制というようなものも、買い入れ制限というふうなものも、私は必要があれば法律の改正もやらなければならぬと思いますし、いろいろなことをしなければならぬと思いますが、要は、私どもいままでずっとやってまいりました農政の中で急激なショックを与えるというふうなことは、農政ばかりじゃなくて、政治の上においては慎むべき態度ではないかと思うのであります。したがって、十分に多くの人々に納得していただけるような考え方をひとつできるだけ模索して掘り出すべきである、こういうことでいま一生懸命で勉強さしておるわけでありますので、きょうは実は皆さん方がここで委員会をお開きになりまして私にも出てこいという御指示がございまして、皆さん方どういうような御質疑があるのだろうということを事務当局から承りまして、実はちょっとまずい日だなあ、こんなことをひとり言言ったのであります。それはまだ私どもお尋ねを受けて一つとしてお答えできる段階に入っていないときでありますので、まことにまずい時期だなあと、こうひとり言を言ったようなわけでありまして、したがって私ども達田さんの御存じのように、逃げ隠れしたって始まらないのでありまして、政府はこの際とるべき手段をやはりきめなければなりません。その決定のためにあらゆる方面の知恵もお借りしたり、御意見も拝聴して、それを基礎にして研究を続けておる、こういうのでありますから、われわれは腹のきまり次第正々堂々と世の中に訴えて多くの国民の御協力を得たいと、こう思っておるわけでありますので、その途中でありますので、せっかくのお尋ねでございますけれどもまだ何も申し上げられる段階にないということを御了解願いたいと思います。

達田龍彦日本社会党

○達田龍彦君 私はいまのような回答を聞きますと、もう質問が続けられなくなっちゃうのでね。まあまだいろいろな角度でこれは検討しなければならぬ重要な問題があります。だけれども、いま大臣がおっしゃられるように、農林省としてまだ確としたものがきまっていない、方針もまだ明確ではないということであれば、いま私どもが聞こうとすることは先行きのことが中心でございますからね、方針がきまらない限り何も政府から態度の表明がない結果になるわけですね。困ったことだと思うのでありますけれども、私もその回答を聞いて実はもう質問する意欲もなくしてしまった。幾らやってみたってこれは同じだなあという気がいたしております。  そこで、私はもう時間もございませんから、あと一点だけこの機会に質問してこれで終わりたいと思います。またいずれ機会を見てやりたいと思っていますけれども、その一点というのは、それは過剰米対策ですね。すでに御承知のとおり、七百三十五万トン十月現在で過剰米が出るだろうと言われていますね。来年度になりますと八百万トンから九百万トンになるんじゃないかと、こう言われておりますが、いまの生産調整ということは生産の調整であって過剰米対策になっていませんね。それで一部の報道によりますと、特別の勘定を設けて五、六年計画で処理する構想があるとかないとかいうことも言われておりますし、輸出対策、消化対策ということがいろいろ検討されておるようでありますけれども、いずれにしてもいまの状態の中で過剰米をどうするかということは緊急の問題だと思います。現段階における過剰米対策というものをどうお考えなのか、これは生産調整と関係があります。先ほど申し上げたように当年度の過剰米だけを対象にするんではなくて、過去の過剰米をどう生産調整の中で調整していくかという問題もあるだろうし、そのためには食管制度をどういうふうに持っていくかということもあると思います。いずれにしても、剰過米一つ取り上げてみても、生産対策一つ取り上げてみても、食管法との関係、食管制度というものとの関係においてやっぱり結論を出さざるを得ないと思う。そうなってきますと、これだけの対策も出てこないんじゃないかと思いますけれども、それでこれも勉強中ということになるのかどうか、その辺一つのプランがあれば、こういう問題をいま検討さしておりますと、これについてこういうものがあればひとつ明確に御説明いただきたいと思います。どうですか。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(倉石忠雄君) 先ほども御質疑の中でお話のありました今度行なうべき生産調整のその数量の中には、現在過剰米として持っておる、つまりことしの米穀年度が済めば古米になります分、これを百万トンか二百万トン、配給の中に加えて計算すべきではないかという意見も出ております。役所の中ではありませんが外からそういう有力な意見もあります。しかし私どもといたしましては、こういうこともやはりもう少し検討してみないとにわかに賛意を表するわけにはいきませんが、そういうことについても検討はいたしております。それから現在かかえておるものは別な会計に移して処理すべきではないかという、ただいまお話のございましたような意見も確かにございます。こういうことも一つの研究の材料にはなりましょうが、これはやはり国としての予算制度その他から見まして、たいへんむずかしいことではないかと思っております。それからまた率直に申しまして、私どもも輸出等について、それから対外援助等についてなるべく米を使いますように努力をいたしまして、最近もインドネシア及びパキスタンに援助及び輸出をいたしました。一番大手は御承知のように韓国でありますが、こういうものも継続して努力を続けてまいりますが、その他のことについて、なかなか大口としては進んでまいりませんが、御存じのようにただいま飼料について、六万トンほど在庫米を出して飼料にどうかと実験的にやることにはいたしておりますが、これができるならば少し大量に使ってもらったらどうかということでありますが、これは申し上げるまでもなく、おわかりのように、飼料として買ってもらうためには、飼料の値段でしか引き取ってもらえませんので、食管会計には大きな赤字をさらに増大することになりますので、そういう点についての政府部内での交渉等も残っておるわけであります。率直に申しまして私どもは在庫米につまきして一生懸命で各方面の専門家を御依頼いたしましていまも研究を続けていただいておるわけでありますが、いま申し上げましたようないろいろな難関を突破しながらも、何とかできるだけ多く処理できるように努力を続けておるというのが今日の状況でございます。

北村暢日本社会党

○北村暢君 いまの過剰米対策についての御答弁がありましたが、まず事務的に食糧庁長官にお伺いしますが、いま過剰米対策として六万トンをえさとして試験的にやっているが、これが成功すれば大量にえさに回す。この場合に人間の食糧として買い上げたものをえさとして払い下げるといった場合に、現在の食管法のどの条項に基づいてそういうことができるのか、まずこれ事務的ですからお伺いいたします。

亀長友義農林大臣官房長

○説明員(亀長友義君) 私どもはえさに売ろうとする場合の根拠規定は食管法の第四条であるというふうに解釈をいたしております。「政府ハ其ノ買入レタル米穀ヲ」 「販売業者又ハ政府ノ指定スル者に売渡スモノトス」と規定されておりまして、主食として買い入れたのでございますけれども、主食で必要のない場合には他の用途に売り渡すことができるというふうにこれを解釈しております。価格につきましては、経済上のしんしゃくという観点から畜産物の価格の安定に役立つと、かような観点から第四条の二項に基づいて売り渡しの価格をきめておるという考えになっております。

北村暢日本社会党

○北村暢君 食管法の四条の解釈というのですか。

亀長友義農林大臣官房長

○説明員(亀長友義君) そのとおりでございます。

北村暢日本社会党

○北村暢君 これは法制局に相談しているんですか。食糧管理法というのは主食とは何かということをきめておりますね。そして、食糧以外のものに——指定の業者というのは、これは食糧を払い下げるときの規定であって、えさを払い下げるときの規定では私はないと思うんです。そんなことを食管法できめてないですよ。ただ食管法の十二条かで輸入の小麦、大麦のえさにするものの規定がありますね。ありますけれども、これは限定してえさとして買い入れることを規定しておりますわね。したがって、これは非常に無理な解釈をしているのだなと思うのですよ、私は。大体食糧でないものは買わない、こういうたてまえをとっているわけでしょう。さっきのカドミウムの一PPMというのは、これは食糧でないから買えないんだ、こう言っている。買えないと言っている。買ったものは食糧なんですよ。主食なんです。主食というのははっきり食管法で定義づけております、主食というものはこういうものだということで。したがって、これは食糧管理法というのはえさの管理法じゃないんで、そういう点から——まあえさの管理ということも若干触れておるけれども、それは輸入の小麦、大麦の問題です。そういう点からいって私は非常に、この四条の解釈でやったとすれば、政府は四条の解釈を言うけれども、一体そういう解釈は食管法制定のときにこんなことまで、えさにして指定業者に払い下げることができるなんて、大体法律を制定したときの精神からいってそんなものは含まれていないですよ。私はそう思う。非常に無理な解釈だと思いますよ。だから、えさにするというなら、何か……輸出をする延べ払いですら特別立法をしてやっているのでしょう。ましてやあなた、食糧でない、えさにするのにかってにえさに切りかえてしまうなんというようなことは、法律を改正して何か特別立法か何かやるか、先ほど言ったように、特別の会計でも設けてやらなければ私は非常に無理があるのじゃないかと思います。それでいいのかどうかはっきりしておいてください。

亀長友義農林大臣官房長

○説明員(亀長友義君) 第四条の解釈に関しましては、法制局と打ち合わせの上、政府として決定をして、そのような処理をしておるわけでございます。それから、もちろん買い入れたときには人間の食糧に充当する十分な品質を有しており、それで買い上げたことは間違いないのでございます。その後において量的な関係から主食に向けることができなくなったということでございまして、買い入れの時点におきましては、人間の食糧としての米であったということは間違いございません。  それからなお、輸出の問題につきまして、延べ払い法をつくって売るようにしたではないかというお話でございますが、先般御審議いただきました法律は、延べ払いの条件をきめただけの法律でございまして、外国に輸出ができるという根拠は依然として食管法の規定に基づいておるわけでございます。

北村暢日本社会党

○北村暢君 まあ、その法制局の解釈がそれでいいというならそういうことになりましょうけれども、何か非常に無理だと思いますよ、これ。いま食糧として買ったのだけれども、食糧でなくなったのじゃなくして、十分食糧に使えるものをえさとして売るわけでしょう。あれは食糧に不適だからではないのでしょう。十分食糧に——搗精度をちょっと上げれば食糧として使えないものではないわけですよね。食糧として使えるものでしょう。使えるものをえさにするというのですから、これはもうとにかく食糧として品質が落ちちゃって人間が食べるのはだめだけれども、えさに向くというものではないわけなんでしょう。百万トンも二百万トンも処理するというのですから、そういうのですから、これはあなたのいまの説明では、食糧に向かなくなったからえさにするのじゃなくて、食糧に向くものをえさにしておるのですよ。おかしいですよ。

亀長友義農林大臣官房長

○説明員(亀長友義君) 私がただいま申し上げましたのは、そのものの性質上、人間の食糧に向かなくなったと申し上げたつもりはございません。量的な関係から人間の食糧に向けることが適当でなくなったということでございまして、(「そんなことはない、生産調整をやればできるのだ」と呼ぶ者あり)そういうような関係で、食糧管理を円滑にするためにはやはり第四条の規定で量的に主食用に向けられるのが適当でないものは売り払いができる、かように解釈しております。

北村暢日本社会党

○北村暢君 そこで法律解釈の問題は、そういうことでまあ一歩譲るとして、食糧で売れなかったからえさにするというけれども、これは先ほど達田さんの意見のように、生産調整の問題と関連してくるのですよ、これは。来年度は徹底的に生産調整をやって、この過剰米を処理するだけ、あなた、減産やってごらんなさい。これはちゃんと食糧にできるじゃないですか。やる方法はあるのですよ。なぜあなた、この食糧でなくてえさにしなければならないという理屈が成り立つのですか。方法はありますよ。来年度直ちに——まあ四十二年度産米はこれは人間が食べるのに不適だから、四十二年産米はこれはえさにでも何でも、投げるかえさにするかどうなのか知りませんが、四十三年産米のものは来年以降生産調整をやって人間の食糧として適当にすることは可能ではないですか。適当でなくなったのではないのじゃないですか、やり方によっては。

亀長友義農林大臣官房長

○説明員(亀長友義君) 生産調整をどのくらいやるか、これは官房長からお答えがあるかと思いますが、もし来年度大幅に生産調整が行なわれ、その結果古米、古々米でも人間の食糧に配給する必要がある、それは食糧として十分食べられるということならば、当然その米はえさとして処分することは実態上も必要でなくなると考えております。

北村暢日本社会党

○北村暢君 だから、そういうふうにきめつけてしまうことはおかしいのですよ。食糧として適当でなくなったからえさにしますということは、そういうきめつけ方は。やり方、方法によってはまた食糧として十分に活用できるわけなのです。だから私は、えさにすることによって、えさは一トン二万円ぐらいでしょう。二万か二万五千か知りませんけれども、そのくらいのえさの値段しか売れない。この来年生産調整をやるのには今年度の十アール当たり三万五千円の奨励金を出すならば、トン当たり大体七万八千円ぐらいの奨励金になりますよ。そうすると、あなた方十四万円弱でもって買い上げて、その金利、倉敷で十六万円ぐらい。二万円でえさに払い下げるよりも、生産調整のための奨励金を出して、休耕、転作でもって奨励金を出したほうが、はるかに食管特別会計にプラスするじゃないですか。そういう結果に明らかになりますよ。だから思い切って生産調整をやったほうが、これは国民の税金をむだ使いしなくて、えさに回さないで食糧として十分生かされるし、食管制度というのは、一年間か二年間の生産調整で、そして食管会計も半分ぐらいの赤字に食いとめて、えさにするよりは生産調整をやったほうが半分で済むのですから、そして食管制度の根幹を維持したほうが、生産者米価の問題が出てこないし、二段米価の問題も出てこないし、非常にスムーズに食管の根幹が維持できるのではないですか。農林大臣どうなのですか、そこら辺。  だから私は先ほど来食管の根幹を維持するということと、食管を改革するということの違いをお伺いしているのは、一体農林省は食管制度の根幹を維持するという考え方で今後の生産調整ということを考えるのか。もうなしくずし的に買い入れ制限をやり、そして二段米価をやり、自由化の方向をたどっていって、そして食管制度というものをなしくずし的に根幹がくずれてしまう、そういうことを期待するのか。そこら辺のけじめというものを私ははっきりしてもらいたいと思う。えさにするということは、最悪の事態として、先ほど言ったように、人間の食糧にどうしても適しなくなって、えさならばまだ使えるというものをえさにするというならわかる。りっぱに人間の食べられるものをあえて二万円のえさになぜする必要があるか。生産調整をやって七万五千円払ったほうが十六、七万円のものを二万円で売るより、七万円の生産調整奨励金を出したほうがはるかに食管会計にプラスになり、しかも食管の根幹は維持できると、こういうことになるのではないですか。私はそういう意味においては農民も協力すると思いますよ。ことしの生産調整について知事なり農業団体が、生産調整をしないというと食管の根幹がくずれるから生産調整に協力してくれと言ったのでしょう。これは大きいか少ないかの差なんです。来年度は三百万トンと言わず、もっと生産調整をして、一回ぐらいもう農民は全部休んでくれ、一年ぐらい休んでくれと言ったら、完全に過剰米は一年間で処理できてしまいますよ。そのために奨励金を出しても、何にも見通しのつかない過剰米を何年も持っているより、はるかに一年間で食管の危機が打開できるのではないですか。どうですか、これは。  一体、きょうは農林大臣は困ったときに委員会が開かれたと言うけれども、こういう意見もやはり聞いてもらわぬと困るのです。あなた方はかってに食管制度の根幹をくずすというようなことをやってもらっちゃ困る。やはりみんなの意見を聞いて、その反映をしてもらわなければ困るのです。それではあなた方はなぜ去年生産調整を協力してくれと言ったのですか。農民はまただまされたと言いますよ。一体、農民はだれを信用したらいいと思うのです。この点はいろいろ意見が出ているのだけれども、過剰米の処理の問題と生産調整の問題と食管の根幹を維持する問題と、これはきわめて重大な問題ですから、ひとつ農林大臣はこれぐらいの腹を持たなければ、あなた農林大臣やめたほうがいいよ、ほんとうに。この重大な問題について成り行きを見ながらあっちうろうろこっちうろうろする段階ではないのですよ。これは農林大臣がじっと腹をきめて、一体何が農民のためになるかということで、また今後の日本の農業のためにどういうふうなのが一番いいか、一年か二年の間に転作のはっきりした条件を示せば、これは三十万ヘクタールぐらいではだめなんだから、五十万ヘクタールか六十万ヘクタールか知らないけれども、これは転作をするということをやれば、来年、再来年からは需給のバランスはちゃんととれるようになるのですよ。二年間おけば需給のバランスをとれるようにできるのではないですか。そういうところまでやはり農林大臣は、各方面の意見を聞くのもいいけれども、もう少し見識を持って、ほんとうに生産調整に協力してくれた農民にこたえる意味における農林大臣の腹というものが私は示されていいと思う。これはどうなんですか。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(倉石忠雄君) さっきから申し上げておるように、いま一生懸命で勉強中、研究中でありますので、北村さんのいまのような御見識も、これは非常にりっぱな御見識だと思うのでありまして、そういうこともひとつ十分われわれの研究課題の中に入れて検討してみたいと思っております。

北村暢日本社会党

○北村暢君 先ほど来、達田さんが言われておるように、検討する、検討するじゃ、だいぶ張り切ってやったけれども、どうも質問の意欲をそがれたような気がします。全く、何だかんだ言ったって、河野さんは、まあ非常に乱暴でもあったけれども、しかしあの人は大臣の見識を持って、ずばり自分の腹というものを言ったですよ。そういう意味においてはぼくはえらいと思うんだ。だけどあんたは少しねえ、農林大臣なんだから、あっちこっちの顔色見ないで、もう少しずばりものを言ったらいいと思うんだ。そういう指導理念なり何なりというものがやっぱりこの重大な時期に非常に大事ですよ、これは。あなたがどっちの方向へ持っていくんだかわからないで、自民党から気合いかけられればそら、国会から気合いかけられればふらふら、どっちへ行くんだか、農民はほんとに信用できないですよ。やることなすこと、政府の言うとおりやったら間違いなんだからね。ここら辺であなたは農民の信頼の置けるような、腹のすわったところを、これで農民安心してついてきてくれというところを示すのは、——それでなければ農林大臣なんて私要らないと思うんだよ。大臣なんて出てこないで、食糧庁長官か政務次官でいいと思う。だてや酔狂で大臣が出てきたんじゃないんだから、やっぱり大臣は大臣らしく、そこら辺の指導理念というものははっきりさせにゃいかんですよ、それは。古米処理だって小委員会でちゃんと結論出てるんでしょう。あなた、農政審議会で諮問してるんでしょう、この食管のあり方について。何にも案なしに、どうなるんでしょうかなんて諮問のしかたはありませんよ。農林省はある程度のやはり腹を持ってやるんじゃないですか。そういうものを達田君も、それは決定するのは、手段方法はあるから、いろいろな手段ありましょう。ありましょうけれども、こういうことで私は行きたいのだ、しかしこれはまだいろいろな機関があるからどうなるかわからんけれども、これを信念として私はやっていきたい、こういうものがあってはじめて政治に対する農民の信頼というものが出てくるんじゃないですか、どうですか。これは精神訓話になりましたけれどもねえ。(笑声)

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(倉石忠雄君) 精神訓話も参考にいたしまして、(笑声)いま実際われわれのほうとしては非常に一生懸命で、あらゆる資料に基づいて、なるべく早く方針をきめるために急がせておる最中でありますので、方針が出ましたならば先ほど申し上げましたように、広く国民に訴えて、その協力を得られるようにいたしたいと、こういうつもりでやってるところであります。

北村暢日本社会党

○北村暢君 まあ、きょうはこれ、何ぼ言ってもだめなようですから、もう少し腹が固まってきたら次の委員会等でまたこの問題、農政の基本の問題ですから、大いに論議することにして、きょうは私質問を終わります。

沢田実公明党

○沢田実君 私がお尋ねをしようと思う大半のことはいまいろいろ議論をきれましたので省略をいたしたいと思います。  ただ、いま大臣のお話ですと、まだこちらの腹がきまっていないので何とも言えないんだと、こういうふうなお考えのようですが、私は、腹がきまってしまって、もうこれ以上何と言われても動かせないという時点になってからわれわれに相談願っても、これはいままでのおやりくださることが全部そうなんですが、ここでいかに議論を申し上げましても、腹がきまってしまってからでは何にもなりません。腹がきまらないうちにこういう方向もある、こういう方針もある、いろいろ議論して御参考にしていただくことが私はいいのじゃないかと思うのですが、いまの大臣のお考えですと、腹がきまって、われわれの考えを言うだけが委員会みたいで、野党の考えなんか全然問題にならないようなお考えのように思いますが、委員会に臨まれる大臣のお考えをひとつお尋ねをしたいと思います。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(倉石忠雄君) 腹のきまる前にはいろいろな方の御意見を承って、参考にいたすわけでございますから、委員会等で十分御意見を述べていただくことは私どもの腹をきめる参考に非常になるわけであります。どうぞひとつそういうことでよろしくお願いをいたしたいと思います。

沢田実公明党

○沢田実君 そこで、大臣のお考えなり、政府の考え方が実は新聞を通じていろいろ出るわけです。いま、いろいろ質問になったことはみな新聞で報道されたことがもとになりまして、政務次官がこういうことを言った、大臣もこれと同じ考えだというようなことが新聞に報道されますので、いろいろなところでおっしゃられるのもけっこうですけれども、こういう公式の委員会で、実は私はこう考えているのだという大臣のお考えを御披瀝願うことによってわれわれの議論ができるのであって、ただ、おまえたちは意見を言え、それを聞いてわれわれが考える、決定したら——ということでは、若干その考え方はどうかと思うのですが、その点どうでしょうか。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(倉石忠雄君) 新聞をよく見ていただけば、私が申し上げておることが御理解いただけると思うのです。私どもはことしの生産調整の経過及びその結果を見て、この次どういうことをやるべきであるかということについて、いまこれから検討いたしますと、たぶんこの次も続けて生産調整はやらなければなるまいと思うが、そのやり方についてはいろいろ各方面と意見の交換をして検討をしなければならない、こういうことであります。  もう一つは、いままでのようなこういう状態で、このままで米の管理の状態がいいかどうかということについても再検討をする必要があるのではないか、また、そういう御意見も出ておる。したがって、それらのいろいろな意見を持っていらっしゃる方の御意見を承って、そして、ただいまの時代に即応し得るように、何らかの検討を続けていく必要があるのではないか、こういうことでありますので、私どもといたしましても米管理の制度をはじめ、農政全体についてまあ鋭意それぞれの省の責任者たちがそれぞれ分担をして、勉強をしておる最中である。来年度予算を編成する時期というものがあるわけであります。それまでには各方面の意見を徴して、われわれの腹づもりをきめたい、こういうことを申しておるわけでありまして、いまこの問題はこう、この問題はこうというふうに、われわれ農林省としての考え方がきまったというわけではないことは新聞の報道等をごらんくださってもよくわかることだと思いますが、そういう段階でございます。

沢田実公明党

○沢田実君 来年も生産調整を行なう考えである、そういうことはわかりましたが、先ほど来議論になっておりますように、その量等についていろいろ議論があると思います。  もう一点お伺いしたいのは、これも新聞に出ておることなんですが、米の小売りを自由化しよう、卸売りの段階までは国は同じ価格で払い下げて、それから先の売買は自由にしたい、統制をはずしていきたいということが新聞等に報道されておるようですが、そういうようなお考え、いままで御議論されなかったので、そういう方向に向かって検討されていらっしゃるか、その点ひとつ伺いたい。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(倉石忠雄君) 制度全体についてそれぞれ専門的立場で検討させておりますので、いまのような問題は私、別にまとまった考えを持っておりませんので、事務当局で研究の過程で何か出ておりますかどうですか、答弁させたいと思います。

沢田実公明党

○沢田実君 そこで、先ほども議論になりましたが、小売りを自由化するということは、一つの方法だとは思いますけれども、生産と需要のバランスのとれない間は、結局、犠牲になるのは農民じゃないか。それで、先ほど抜本的な大幅な生産調整のことも、意見も出ましたけれども、何か一つ、農家が安心して将来農業に励めるという、一つの大きな手を打たぬことにはどうしようもない現況だと思いますので、十分大臣もお考えと思いすが、その点、ひとつ農民が安心して、もうその農林省の方針ならついていける、こういう方針まを、ひとつ確立をしていただきたいと思います。で、そのことはそれだけにしておきます。  次は、農林省では、あるいは政府といたしましては、構造改善、特に圃場整備等については非常に力を入れて、重点政策の一つとしてやっていらっしゃるわけですが、今年度の圃場整備の現況等について、農地局長からお話しいただきたいと思います。——農地局長来てませんか、それならけっこうです。それなら、その状況等については、詳細はけっこうでございます。  そこで、実は昨年生産調整のことが話に出ました。それで、その補償の金額等も議論されました。で、圃場整備の通年施行をやった場合にはこれもひとつ補償の対象にしようというようなことで、大臣も大いに、その議事録等を見ますと、前向きの姿勢でそういう点はおっしゃっているように思います。そこで相当の希望が出ました、通年施行の。ところが実際に予算面から考えるとどうかといいますと、ことし休耕して圃場整備をしたいといって全然たんぼをつくってない農家の方々が、政府の予算不足のために工事ができない、こういうふうに悩んでいるのがあるわけですが、その重点政策の一つである圃場整備については、大臣も大いに予算をとって、これを推進していかなくちゃならないと思うのですが、その点についての大臣のお考えを承りたいと思います。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(倉石忠雄君) 四十五年度の土地改良事業の通年施行につきましては、ただいまお話しのように、休耕面積は約四万一千ヘクタールとなっております。で、通年施行を実施いたします地区に対しましては、重点的に予算を配分することといたしたわけでありますが、新規地区等について大幅な要望がございました。これは御存じのとおりであります。そこで、新規地区に対する初年度予算措置等の通例から、残念ながら、必ずしも要望に応じ切れない面が若干ございました。その面積は約三千ヘクタールといわれておるわけであります。新規地区の初年度予算は着工準備を勘案いたしまして、都道府県営事業につきましては総事業費の一割程度、それから団体営につきましては三割程度を計上いたしておるというのが今日までの実情でございます。

沢田実公明党

○沢田実君 当局のお話を承りますと、最初補償額が大体二万円くらいが予想されておったとき、通年施行の申し込みは少なかった。三万五千というようなことになってから非常に多くなった。ですから、あとから農家でよけい申し込んだんだから、それだけできないというお話でしたけれども、三万五千円の補償ということで、休耕、転作を奨励し、そして通年施行というものを大いにやろうというふうに私は奨励してきたのが農林省の姿勢であったじゃないか。ですから当局のおっしゃるのは、汽車が出てしまってから切符を買ったんだから、それまでは責任持てないというようなことをおっしゃるようですけれども、私は、この点については、農家といたしましては農林省を信用して、信頼して、そして通年施行大いにやろう、休耕したくないけれども、通年施行ということでやむを得ないということで、休耕が非常に多くなったわけです。そういうう事情も勘案いただいて、何かの手をひとつ大臣に打っていただきませんと、私は農林省の信用がますます失墜するんじゃないか、純真な農家の方々が農林省の信頼を失墜するようなことは非常にマイナスじゃないか、こう思うわけです。そこで、現在手持ちの予算は七億ぐらいしかないようなお話でございますが、これも台風が来たりなんかしますと、それに対する予備金ですのであんまり使えないというようなことで、実は余っておる予算の最後の決定もできないでいるわけです。もう稲が刈り取るような段階になって、植えつけしなかったところの工事もできないというようなのが現状でございますので、大臣ひとつ考えていただいて、それらの農民の希望に沿えるような、ひとつ、施策を講じていただきたいと思います。それで何か話によりますと、相当大幅な農林省としては予算を取ったんだけれども、最後の段階で自民党の方々の最高幹部の方々の最後の予算の操作のときに、予算が削られたようなうわさも聞きますが、その辺の真偽のほど等をあわせまして、大臣の今後の考え方等も聞きたいと思います。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(倉石忠雄君) 最後の予算折衝で削られたということはありませんで、最後の予算折衝は、私と大蔵大臣とやっておったわけでございますけれども、そういうことはありませんが、あと土地改良事業の通年施行の実施につきましては、今後事業量の拡充をはかりたいと思っております。したがって、今後とも推進いたしたいと思っておりますので、この次に行なうべき生産調整とにらみ合わせながら、こういう趣旨を体して検討してまいりたいと、こう思っております。

沢田実公明党

○沢田実君 次に畜産局長にお尋ねしたいんですが、総合商社が農業部門に進出をいたしまして、特に畜産の分野で、工場生産方式による農業というのが盛んに行なわれまして、これまでの農業を一変させつつあるような現状でございます。それで雑誌等の報道を見ますと、日本でも有名な商社が、いま全国にわたって相当大規模な工場生産方式による養鶏、養豚——養鶏は鶏卵のほうと食肉のブロイラーのほうといろいろ計画されておるようです。一例を見てみますと、たとえば岩手県の伊藤忠系統の養鶏のところを見てみますと、四十六年末では六十六万羽になる。昭和五十年には三百万羽というような、非常に大規模なことが行なわれておるようです。またブロイラーのほうでは、岡山県等でも、丸紅飯田系統で月二百万羽出荷している。こういうような大工場的な養鶏が全国各地にいま行なわれつつあるように報道されております。こういうような状況でございますが、鶏卵、鶏肉あるいは豚肉、牛肉、こういうものに対するいわゆる需給の見通しというものをどんなふうに立てておられるのか。また生産過剰になって企業が行き詰まったり、国が助成しなくちゃならないというようなことが起こりはしないかというようなことについて——いままでそういうようなことをやったら必ずそういうふうになっておりますので、その点を心配するわけですが、こういう鶏卵、鶏肉豚肉等についての長期の見通しが、計画ができておればお教えをいただきたいと思います。その心配がないかどうかお尋ねをしたいと思います。

増田久農林省畜産局長

○説明員(増田久君) お答えに先立ちまして、私、先月の十八日付をもちまして、畜産局長になりました増田でございます。未熟者でございますけれども、懸命に仕事をしたいと思っておりますので、よろしく御指導願いたいと思います。  今後の畜産物のそれぞれの見通しについてどうかというお尋ねがございました。それぞれにつきまして、まことに申しわけございませんが、ただいま長期計画の数字を持ってきておりませんけれども、全体といたしまして、畜産物は今後の総合農政の中の最も戦略的な部門でございますし、長期的に見まして、その需要というものについては、非常に強いものがある。したがって長期に見た場合において、その需給についてはきほど心配は持っておらないわけでございます。ただし、先生御指摘のとおり短期に見た場合、そういう大規模な生産が一時に市場に出回るあるいは地域市場に出回る、こういうようなことに相なった場合におきましては、それが必要以上に需給を混乱いたさせまして、その結果として価格が低迷を来たす、こういうようなことがあり得る。また現にことしの春等もあったわけでございますが、しかしながら、長期的に物事を考えてみた場合におきまして、そういう生産から流通、消費に至るまでの一つのシステム化というものが漸次結びますことは、それだけ流通経費の節減というようなことに寄与することにもなりましょうし、畜産物の安定的供給、こういうことにも重大な、有利な役割りを果たすものと考えておるわけでございます。しかしながら、現在のいわゆるそういうシステム化が流通段階、特に小売り段階におきましてややパイプが詰まっておった。そういうようなことのために今回の春のような実態が出たわけでございますので、今後はそういう流通機構の整備が当然進むものと期待されますし、当然流通の円滑化もはかられますことと思いますので、長期的には流通価格の安定が期待し得るものと、かように考えているわけでございます。同時に、われわれは、政府といたしましては、需給の動向というものを十分把握いたしまして、生産の適切な誘導をはかるということが必要な行政措置ではなかろうか、かように考えているわけでございます。

沢田実公明党

○沢田実君 政府の考える総合農政というのは、現在五百万の農家が一戸当たり一ヘクタールぐらいしか持っておりませんし、米をつくるだけでは農家が豊かな生活をすることができませんので、総合的に農業を推進して農家の生活をよくするために私は農業政策というものが樹立されるのではなかろうか、こう思うわけです。ところが、いま申し上げましたような総合商社の大企業、これがどんどん伸びていきますと、いわゆる農家の畜産というのは全滅してしまいます。たとえば三百万羽のブロイラーを組織化する商社が十社あれば、日本中の食肉の需要がまかなわれてしまいます。これでは全国の農家の養鶏が全部つぶれてしまうじゃないか。しかも、えさはアメリカから輸入して、商社がそのえさを使って、いまおっしゃるように消費に至るまでの一手販売をやるに至っては、全く日本の農家における畜産は全滅してしまうんじゃないか。政府の考える総合農政というものがそんなものであるならば、規模拡大というものがそんなものであるならば、これはたいへんなことである。あらゆる面で農家が全滅してしまう。ブロイラーだけならまだよろしゅうございますが、それがやがてこれだけではなしに鶏、豚あるいは牛あるいは米や果樹にまでそういうようになったら、日本の農家は一体どうするのだ、そういうことを心配するのですが、このような企業を農林省としては伸ばしていくお考えなのであるかどうか、これは局長と大臣にもお尋ねしたいと思います。

増田久農林省畜産局長

○説明員(増田久君) こういう商社系によるいわゆるインテグレーション、そういうものが進行する結果、零細な農家が切り捨てられるような事態になる可能性があるのではないかという御指摘でございます。御指摘のとおり、そういう心配が大いにあるわけでございますが、そういうためにも、私は系統によるインテグレーションと申しますか、系統というものは本来そういうもののためにあり、そういう組織化に系統が立ち上がるべき時期ではないか。そういう点で私は系統のその面における今後の活躍というものを大きく期待いたしておるわけでございます。

沢田実公明党

○沢田実君 そうおっしゃいますけれども、非常にブロイラー等は、三百万羽の商社ができているのです。詳しく私申し上げませんでしたけれども、ちょっと申し上げますと、青森、岩手、福島、栃木、茨城、千葉、長野、静岡、宮崎、鹿児島、全国にわたってそういう商社が大企業を始めて、あるいは今年にはこれまでになる、四十六年にはこれまでになるという見通しもできている。これができますと、あなたがいまおっしゃるような、系統の中に農家を入れてといっても間に合いません。みなつぶれてしまいます。そういうわけでいま大きな問題に突き当たっているのじゃないか、こういうふうに申し上げたいわけです。その点についての大臣の御意見を承って、私の質問を終わります。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(倉石忠雄君) 私どもいわゆる総合農政を推進してまいるなかで、一つの大きな大事な問題は、今日のような社会になって、農業団体というもののあり方について、これは団体傘下の人人もこれを指導される人々も、やはり私は従来のようなことの上に、さらにもっと日本の農業、産業構造全体の動いていくべき方向を見定めて、農業団体のあり方というものについてほんとうに考え直すべき必要に迫られてきているのではないかと思うのであります。この前の国会で農協法の改正をしていただいたり、農地法の改正をしていただいたりいたしました。そういう考え方の中にも、やはり農業団体というものが従来のあり方の上に、さらに経済団体としての考え方を持って対処していかなければならないのではないかということを、つくづくわれわれも感じ、また多くの人も感じておるようであります。したがって、いま畜産局長が申し上げましたように、これは畜産ばかりじゃございません。ただいま御指摘のように、ほかにもこういう資本が進出してくる可能性は私はあると思います。水田のようなものにつきましては、これはそういうわけにもいきますまい。けれども、他のものについて決してないとは言えないのでありまして、私はそういう中に立って、零細の農業というのはやはりそれ自体がなかなか立ち行くことは困難でありますので、離農その他の方向によって、他に職を求める方向をわれわれは皆さん方とともに検討し、またそういう制度の確立をしていただいておるわけでありますが、全体としては、やはりその業種によって違いますけれども、いま御指摘のようなことにつきましては、これはやはり農業団体自身が農業者と全く一体となって検討して、そうして農業者自身がみずからの手によってやっていかれるようにすべきではないか、こういうふうに考えておるわけであります。また私どもとしましてもそういう方向で指導してまいりたい。たとえば果樹地帯などにおきましても、私はやはりこれからなまの果樹で食わせるということよりも、やはり労働力が不足してまいりますので、ジュース、かん詰め等に進出し、そうして消費を多くする。と同時に、輸出産業等にも進んでいかれるようなことを考える場合に、やはりこれは一方においては商社も考えるでありましょう。しかし、系統団体自身がこういうことについては真剣に取り組むべきではないか。長野県などではすでに農協と生産者とが一体になってそういう方向をとりつつあります。私はそういう面について、農林省としてはできるだけめんどうをみて指導していく必要があるのではないか、このように考えておるわけであります。

河田賢治日本共産党

○河田賢治君 食管制やその他の問題ではだいぶ質問がありまして、大臣もまた勉強中ということで大体答弁は終わっております。ただこの中で聞いておきたいのは、米の生産調整として、減反の手段として、御承知のように休耕それから転作、こういうことがあったわけですが、これについて、だいぶ時間もたっておりますし、一応中間的な意味でもこういう問題についての農林省のお考え、検討されたことがありますか、それをお聞かせ願いたい。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(倉石忠雄君) 私どもは、生産調整をやっていただく方に、なるべく転作をすすめたかったわけでありますが、実際やってみますというと、転作よりも休耕のほうが多いようであります。その割合はおよそわかっておりますから、あとで必要があれば事務当局から申し上げますが、やはり休耕といいますというと、いろいろ草ぼうぼうにしておきまして、あるいは害虫の発生等のこともあるでありましょうし、なるべく転作が望ましいと、こう思っておったわけであります。

河田賢治日本共産党

○河田賢治君 まあこれからの農林省がとられる方策としても、確かに休耕ということは、手入れをしないとネズミが出たり草がぼうぼうとはえて、非常に周囲が困惑したと、かなりこれについては世間いろんな意見もあります。しかし、また同時に、御承知のように野菜に転作しますと、これはかなり市場競争を引き起こして価格の暴落、嬬恋村あたりでは御承知のとおり、キャベツをトラクターで引きつぶしたというような事例もあるわけです。かなりそういう事例が、おそらくこれから秋にかけての野菜その他についても出てくるのじゃないかと思いますが、こういう問題について、一応農林省あたりではこれらの結果について大まかな結論が出ておりますか。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(倉石忠雄君) 農林省はいま、先ほどもちょっとどなたかにお答えいたしましたように、農業というものについて、決して命令とか強制ではありませんが、大体において、地方でどのようなものをその地方で分担していただくことがいいかということについて、非常に詳細に地方と協力して検討をいたしておるわけでありますが、したがって、これからはおよそのガイドコースを農家の方々に示して、それに協力をしていただくような体制をとりたいと思っているわけであります。これから行なうべき生産調整がどのようなものに、どの地方でどういうふうに転換していただいたらいいかということについて、もっときめこまかな御協力を申し上げることのできるようにいたしたいと思っているのであります。野菜も、御指摘のようにこれが五万町歩も六万町歩ももしよけいに出てくるとしたらたいへんなことになるでありましょう。私、いまお話のありましたように、嬬恋村の高原野菜のお話がございましたが、これはまあ試みに四十五年度予算で四千万円余りとりまして、いざというときにはそういうふうにして価格維持を考えようということをいたしたのでありまして、まだ現実につぶしてしまったと、そういうことをしておるわけではないのであります。これはまあ日本だけじゃなくて、外国でもそういうようなことをして価格保持をいたしておるところがありますが、私どもはやはり、いま申し上げましたように、生産調整に続いて、どういうものをどの地域でどういうふうにつくっていただくことが国民全体の需要にマッチする方法であるという、その方法をひとつ十分検討して、それを国民に示してまいりたいと、こう思っているわけであります。

河田賢治日本共産党

○河田賢治君 ことしも、非常に農林省の生産調整の問題の決定がおくれたんで、で、やはり農民は御承知のとおり、米を収穫してしまえばあと何をつくるかということ、また政府のこれからの施策とともに考えるでしょうが、しかし、いずれにしましても、何かつくるとしても、やはりいろんな準備が要るわけですね。種の仕入れとか、それにふさわしい飼料、あるいはまた肥料、こういうやはり手順が相当年内にも行なわれなきゃならぬ。ところがこれがもういつも国会が開かれている最中、春になってこれがきまるということになりますと、農民としてもたいへんこれは農業をどの方向にきめるかということを、かなり政府の政策に従って、御承知のとおり生産調整をやったわけですが、こういうことはやはり早く言う必要があると思うのです。一応政府のほうではこの種の問題について先般来、できるだけ九月——十月ごろにはきめたいというようなことも新聞に出ておりますが、おおよそこれらがどのような方法を今後とられるかは別として、そういう新らしいつまり明年度の生産についての決定をきれる時期、それについて一つ。そうしてそれまでに今日まで生産調整をやって野菜その他の転作をやった、そういうものが市場価格にどのような影響を及ぼしたかということを、できるだけ詳細に、われわれが今後立案について討論のできるような資料をつくって、御提出願いたいと思うのです。そのことをまず農林省にお願いしておきます。  次に、今度は農薬の問題ですが御承知のとおり先日大阪の衛生研究所で分析が行なわれ、関西方面のキュウリですね、従来の、あまり使用されていない、あるいは使用してはならないエンドリンとかディルドリンとか、そういうものが含んでおった、そういう新聞が出ておりました。私も時間の関係上、これらの地域を、これらの現物について詳細に回ることができなかったのですが、これについて一応政府のほうで御存じの点をあらましでけっこうですから御報告願いたいと思うのです。

荒勝巖農林省蚕糸園芸局長

○説明員(荒勝巖君) それではこのたび大阪市で一応発見されましたキュウリにつきましての農薬残留につきましての経緯について簡単に御報告申し上げます。  八月四日、五日に大阪市衛生研究所が大阪中央卸売市場に出荷いたしておりますキュウリについてサンプルを抽出して農薬残留の測定を行ないました。その結果一部の県のキュウリが残留許容量を上回ったという判定がありまして、その旨大阪市衛生研究所から各県に連絡があった次第であります。その結果各県におきましてキュウリの中にドリン系農薬が残留している、それが厚生省で認めております基準以上に残留しているということで、いろいろ問題が出てまいりましたので、その結果中央卸売市場といたしましてはその関係県のキュウリにつきまして出荷の停止方の話があり、またこれに関連しまして、各県ではその出荷の停止についてその指導もしまして、出荷団体・農協が自発的に出荷停止を行なった。その後農林省の、中国、四国農政局が関係県の担当責任者を参集いたしまして、このキュウリの農薬残留についてなお今後とも実情調査を行なうよういろいろ検討した次第でございます。この結果その後出荷停止はいたしましたものの、各県でそれぞれ農薬残留状況について調べましたが、あるいは単協単位程度に農薬の発見できないものについてはその後出荷が少しずつ開始されている次第でございます。これにつきまして、私どものほうとしまして、こういった報告がございましたので、九月五日に、農政局長と蚕糸園芸局長の連名で、このドリン系の農薬についての安全使用について、あらためて再び地方農政局長あてに通達を行ないました次第でございます。以上でございます。

河田賢治日本共産党

○河田賢治君 この新聞で読んだのですけれども、エンドリンなんかは八年前から製造が中止されているということになっておりますが、これは事実なんですか。

中野和仁農林省農地局長

○説明員(中野和仁君) ただいま八年前から製造はされていないというお話でございますが、これは輸入品でございまして、現在でも輸入はされております。

河田賢治日本共産党

○河田賢治君 これらが製造中止されて、鳥取県は四年前からこれは取り扱っていなかったというふうに出ているわけですね、新聞によりますと。そうすると、こういう使用してはならないもの、特にエンドリンなんかは検出されてはいかぬという許容量と使用安全基準になっているわけですが、こういうものも出てきているわけですね。これはどの作物についてはいいということになっておりますか。

中野和仁農林省農地局長

○説明員(中野和仁君) この件につきましては、昭和四十四年の十二月に厚生省が食品衛生法に基づきまして農薬の残留許容量を告示したわけでございます。そこで、農林省といたしましては、それと同時に農林省の調査に基づきまして、農薬残留に関する安全使用基準というのを設定しております。その中で、ただいま御指摘のアルドリン、ディルドリンにつきましては、トマト、キャベツにおける土壌施用、それからキュウリにおける種子に薬をまぶすという以外には使用しないように、それからまたエンドリンにつきましては、ウリ、たばこ等一部の作物以外には一切使用しないようにという使用規制をいたしておるわけでございます。

河田賢治日本共産党

○河田賢治君 これはいろいろ作物によって違うと思いますが、しかしこれが土壌の中に入りますと、やはり短くて二、三年、長いものになると十四、五年も土中に残留するということがいわれているわけです。そうしますと、よほどこれはしっかりと農業協同組合なんかが指導するとか、あるいは各府県の農林部が指導してやらないと、農家の方は、これをやれば何らかの効果があるわけでしょうから、そうすると、やはりそういうものを使いたがる。その結果人体にいろんな影響を及ぼすような残留毒薬が入ってくるということになるわけなんですが、この辺の指導はどういうふうになっているのですか。

中野和仁農林省農地局長

○説明員(中野和仁君) 農薬の使用につきましては、ただいま申し上げましたような安全基準というものをつくりましてそれの周知徹底をはかることが必要なわけでございます。そこで農林省といたしましても、市町村や農業団体がいろいろ病虫害防除に暦をつくっております。その暦の内容にただいまのようなことを盛り込みまして、病虫害の防除あるいは農業改良普及所の講習会なりあるいは現地指導というようなところで十分お話をいたしますし、ポスター、チラシあるいは有線放送等でも注意をしておるわけでございますが、それ以外にも、農薬業界におきましても製品にそういう内容の表示をいたしまして協力をしております。また全購連、これが農薬を相当量扱っております、その農協の系統でも、十分にそれに注意するようにということで、指導といいましょうか、そういう基準の周知徹底につとめておる、そういうような組織になっているわけでございます。

河田賢治日本共産党

○河田賢治君 これが食品衛生の関係から大阪の衛生研究所の抽出で暴露されたわけなんですが、一体こういう残留農薬なんかについて、農林省自体は、こういうものを直接いろんな農業試験場なりその他の方法で調べているということはないのでしょうか。偶然的にこういう事件が起こる、発見されるというようなことですね。

加賀山国雄農林大臣官房技術審議官

○説明員(加賀山国雄君) ただいまの御質問でございますが、残留農薬につきましては最近特に問題が出ておりますので、農林省といたしましても試験研究機関をあげまして残留農薬の問題につきましては対処いたしてまいっておる次第でございます。特に先ほどの農薬の安全使用基準というのは、慢性毒性、要するに残留性の農薬について厚生省の食品衛生法の取り扱いと合わせまして出した基準でございまして、こういう点で前向きに対処いたしておるわけでございます。また、ことしの予算で残留農薬の研究所を特に厚生省と共管で設置いたしまして、今後いろいろと出てまいりますその問題に対処してまいりたい、かように考えておる次第でございます。

河田賢治日本共産党

○河田賢治君 私の言うのはね、こういうふうに、それは食品ですから厚生省の一応役職上任務が与えられておると思うのですけれども、農林省自身は国民の食糧を供給する、動物、いろいろなまた植物等々を生産し、それに責任を持って健全な国民の食糧を供給するということにやはり重点があるはずだと思います。厚生省がやらなければ農林省は何にもこれに対して大した責任を持たぬというようなやり方では、私はちょっと納得できないのですね。さっきの米のカドミ汚染の問題でもそうですが、厚生省が調べなければ農林省は大してそういうことに対して何も関係ないというようなことでは、私はこれは何というか本末転倒していると思うのですよ、ここでも。つまり、一つの小さな部落でも、この農薬を使った人は、出荷が結局不良品を出したということ、しかしそのほかの人はあたりまえのものを出しているわけですね。ところが出荷する機構の中で、農協のちっぽけなところ等々にはそれを検査する器械がない、機構もない、それだけのまた準備もされていないわけですね。そうしますと、それでどかっと値が下がって、いま国民の相当の部分はこういう公害とか農薬とかいうものに非常に神経質にもなっているし、実際にそういう害を受けているわけです。そうしますと、やはり農林省が責任を持って、出荷する前に農協なりが調べるとかそういうことをときどきやりませんと、やはり農民自身も大きな損害を受けるでしょう。結局値が下がる、売れない、こういうことですね。その地方は敬遠されているということがしばしばあるわけですよ。だから、こういう点で農林省あたりはもうちょっとこういうようなことに対して、何も厚生省の人間関係だけでなくて、植物と動物の関係もたくさんあるわけですから、たとえば桑と蚕なんかはそういう関係にあるわけでしょう。そうすると、やはりそういう問題を真剣に、いい農産物をつくり発展させるためにはみずからそういうことを検査もし、さっき土壌の話もありましたけれども、そういうことをやはり責任を持っておやりになるという、こういう考えがないのかどうか、私その点をひとつ伺っておきたいと思うのです。  同時に、これは御承知のように最近千葉県あたりで、新聞にこれも出ておりましたが、奇形のナシなんかができ出した。三角形か四角いような、非常に奇形な農作物、果樹ができておる。これは魚の奇形と同様な、いままさにそういう時期に日本が入ってきているわけです。経済成長の結果、  一面的な成長で、国民の安全、生命、これを重んずるようなやり方の生産方法がとられなかった。したがって農薬なんかについても、できるだけただそのものをつくるのにはいい。しかし大きな害があるというような問題を十分これは考慮しなかった結果だと思うのです。だからこういう点で農林省は積極的に、そういう試験機関、研究機関あるいは検査機関、これらを持っていただいて、そうして何も厚生省との関係ではなしに、やはり農林省が独自の立場でこういう問題をある程度処理していくという立場をとられる必要が私はあるのじゃないかというように考えるわけですがな、この点はいかがでしょう。

中野和仁農林省農地局長

○説明員(中野和仁君) ただいまのお話もっともでございまして、実は農林省といたしましても、昨年と本年にかけまして、分析をするための器械を県に補助をいたしまして、いま必要なところに出動いたしましてそれの測定をやるということも準備しておりますが、最近特に慢性毒性の問題、あるいは残留性の問題、その他の安全性の確保の問題、非常に大きく問題として出てきております。そういう面につきまして必要があれば農薬取締法を改正する等積極的に取り組みたいというふうに考えております。

河田賢治日本共産党

○河田賢治君 一応それを聞きましてそのほうへの努力を願いたいと思うのですが、私は、最近いろいろな公害によって多くの人命が損せられる、非常にまた不安を持つという時期なんですから、できるだけこういう問題ははっきりと農林省が責任を持つような態度とやり方をしながら、先ほどカドミの問題でも出ましたけれども、厚生省がここを要観察地域と指定しなければ何にもしないというようなことでは、あそこの百姓さんが——米についてはいま大きな問題になっておりますけれども、しかし自分たちの食べている野菜、売る野菜、こういうものもいろんな問題をいま含んでいるわけですね。ところがこれらが値下がりをする、あるいは食っても不安である、こういうことが起こっているんですから、この点も考慮して私は積極的にこの問題に取り組まれることを希望して私の質問を終わります。

高橋雄之助自由民主党

○理事(高橋雄之助君) 他に御発言もなければ、本日の調査はこの程度にとどめて、これにて散会いたします。    午後四時二十一分散会

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