農林水産委員会 閉会後第2号
- 発言数
- 192 件
- 登壇者
- 21 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1970/08/13
会議録
○委員長(園田清充君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。 農林水産政策に関する調査を議題といたします。 まず派遣委員の報告に関する件を議題とし、先般当委員会が行ないました農林水産業の実情調査のための委員派遣について、それぞれ派遣委員から御報告を承ることにいたします。 まず第一班北海道の報告を願います。達田君。
○達田龍彦君 第一班は公報掲載のとおり、去る六月十四日から二十一日まで八日間、北海道の農林水産業の実情を調査してまいりました。参りましたのは園田委員長、達田と田口、中村、沢田委員の五名で、現地では高橋、藤原理事のほか、地元の河口、川村委員等もそれぞれの地区で参加され、にぎやかでかつ充実した調査となりました。 まず札幌に到着、横山副知事から道農林水産業の概要と農林業に関する要望事項を、また鹿野道農協中央会会長、田中道開拓者連盟委員長、宮脇道林業協会会長、道水産部長、三好道水産会会長等からそれぞれ農林水産業の振興に関する陳情がありましたが、その内容は最後にまとめて御報告申し上げます。 札幌を辞し、特急列車で道央の水田地帯等を見ながら旭川着、上川支庁で上川農業の概要、上川地方総合開発期成会、地区農協連合会、土地改良事業団体連合会上川支部の陳情を受け、旭川営林局の経営の概況等について説明を聞きました。 第二日目は層雲峡から石北峠に向かい、途中で石狩川大雪ダムの現場で工事の概要を、また大雪営林署の現場で、昭和二十九年台風による風倒木被害の実情とその処理状況、植林による林相の回復状況等を視察いたしました。また石北峠でははるかに大雪山の残雪等を見ながら留辺蘂営林署管内の天然更新林業の実情を視察、峠を下って北見市役所に到着、そこで網走支庁農業の概要と林業水産業の特質等に関する説明を聴取し、支庁管内総合開発期成会、北見地区農協組合長会等から陳情を受け、のち市内の「ホクレン北見はっか工場」を視察、各関係団体代表の方から和種ハッカ価格安定に関する陳情や要請を受けました。北見から美幌町に至り、町長から町内農業の概要、日甜美幌精糖工場の概況、ビート栽培の現況と将来の問題等について説明を聞きました。また幸い天気もよかったので美幌峠から屈斜路湖畔に下りイナセ動植物園、牧場等を視察いたしました。摩周湖を経て阿寒湖畔に宿をとりました。 第三日目は根釧原野を横断、中標別町役場に到着、根室支庁内の農林業の概要、管内水産業特に北方領域における漁船の安全操業問題、根室中部地域開発計画の概要等について説明を聞き、同地方総合開発期成会長から陳情を受け、この機会にぜひ納沙布まで足を伸ばし、漁船操業の実情を見てほしいとの切実な要望があり、予定を変更して実情を視察することといたしました。同役場を辞し、町営の開陽台に登り、同牧野をはじめ広大な根釧原野を展望、途中根釧パイロットファームの一つ伊藤牧場を視察、納沙布に向かいました。同岬の展望台では、はるか歯舞諸島を遠望しながら支庁長、根室市長等から一千隻七千名にのぼる拿捕漁業の苦悩、安全操業、領土問題等の早期解決について要望があり、身につまる思いに包まれるとともに、問題の重要性についてあらためて考え直す必要のあることを痛感したのであります。夜おそく釧路に到着、直ちに釧路支庁長から管内農林水産業の実情と、それら産業開発に関する陳情を聴取し、多忙のこの日の日程を終わりました。 第四日目は早朝七時からの市営漁業荷捌所におけるサケ・マスのせり状況を視察、のち同市の魚類荷さばき、ニシン等の集出荷状況を見学し、釧路市における漁業生産の概要、港湾、水産加工施設等の拡充計画等について説明を受け、釧路西港の建設現場を見てまいりました。次いで昭和三十五年に建設され、ダンボール用のKライナー、セミ中心の大規模生産を行ない、最近米国からチップを輸入している本州製紙工場を視察しました。用地面積百三十八万平方メートルの巨大な工場で、一日千二百立方メートルの原木と千六百立方メートルのチップを消化し、全国ダンボール原紙の三五%を生産しており、生産量も大きいので廃水処理等についても注意して見てまいりました。釧路を出発して帯広市に着き、十勝支庁舎で支庁長から管内農林水産業の実情を、また開発局帯広開発建設部から管内の農業開発事業の概要を聞き、十勝総合開発促進期成会長から農業基盤整備と農家経済の安定、漁業振興について、また十勝地区農協組合長会から、寒地農業の確立に関する陳情を受けました。支庁舎を辞し、音更町にある「四つ葉」じるしの協同乳業工場を視察、芽室町に至り、昭和三十七年の農業構造改善事業として町農協が建設した豆類、小麦等の穀類乾燥調整工場を視察しました。この農協は高橋理事の農協で、この工場にはエレクソーという電光で豆類を選別する機械のほか、コンバイン十五台を持ち、肥料倉庫、クーラーステーション等多くのすぐれた施設を備えている生産力の高い農協でありました。次いでその近くのホクレンのでん粉加工合理化工場を視察しましたが、一日千二百トン一万俵のイモを処理後三時間半で乾燥でん粉にするという優秀な工場ですが、やはり廃水処理費がかさむところに問題があるといわれておりました。 第五日目は帯広を辞し、豆類の裁培で有名な大規模の畑作地帯である十勝平野を南下し、広尾を経て襟裳岬にある襟裳肉牛牧場を視察いたしました。この肉牛牧場は、この庶野地区を活用して一千百ヘクタールに及ぶ草地を造成し、早肥早熟な外国種牛を供給して子牛の生産をはかり、牛肉資源を確保する目的で設定された共同利用模範牧場でありまして、昭和四十四年度アンガス、ヘレフォード各八十頭本年度は百五十頭、目標時六百四十頭を夏期放牧、冬期舎飼で育成し、繁殖配布しようとするものであります。すでに草地で草をはんでいる肉用牛などを視察し、丘をおり百人浜の国有林野海岸緑化事業現場を通り、砂浜にまきつけしたルーサンの花の一面に咲き乱れる景観を見ながら、襟裳岬に到着、日高総合開発期成会会長から道路、港湾、用水、治山をはじめ「日高山系国定公園の指定」等に関する陳情を受け、また軽種馬振興対策推進協議会長から、軽種馬の貿易自由化対策に関する要望、生産基盤の強化についての陳情を聞きました。さらに沿岸漁家の六〇%がコンブ採取に従事しているという幌泉町を経て浦河町に至り、最盛時四、五百隻のイカ釣り漁船等の寄港する浦河港の港湾施設改修拡張計画に対する説明等を聴取、日高地区の特産である競走馬の生産育成牧場である三石町の本桐牧場、静内町の稗田牧場を視察、胆振管内に入り、苦小牧を経て最後の宿舎に入り、翌日帰京の途についた次第であります。 この間全行程千七百キロにわたる現地調査を終え、道庁、営林局、開発庁、支庁並びに関係市町村、関係団体等多くの方にお目にかかり、それぞれ現地の農林水産業が当面しているなまの要望なり陳情なりを聞いてまいりましたので、重複を避けて取りまとめてみますと、まず農業関係では、北海道型の大型農畜産業の育成とそのための基盤整備、大型総合資金の融通措置等が強く要望されました。北海道は七百八十五万ヘクタール、林地五百六十万ヘクタール、耕地面積は九十七万ヘクタールといわれており、天北、根釧、十勝地区には、さきに訪問いたしましたパイロットファームの伊藤牧場のような欧米の農業と比較しても見劣りのしない農場が続々生まれつつあり、農地の移動も、このような地区では、規模拡大、大型自立経営農業育成の方向に動いていることは注目さるべき点であります。このような点から道の農協中央会その他十勝地区の農協組合長会でも、なお百万町歩をこえる開発適地が存在することをも含めて、北海道寒地農業開発法を制定してほしいという要望がありました。 また開拓行政の一般農政移行対策については、道路整備、負債整理対策、融資対策等に一そうの考慮が要望され、米の生産調整に協力しながら上川二百万石の実力を持つ道央米作地帯では、国際競争に耐え得る大型経営の確立と米主産地形成のための金融や基盤整備の推進が要望されました。特に根釧地方では、大型酪農の育成のためにも水、動力用電気、酪農道等の整備が強く陳情されたことが印象的でありました。また地方によっては、圃場整備事業の夏期施行に対し休耕奨励金を支給されたいとか、和種ハッカの価格安定等のほか、軽種馬の貿易自由化対策等が要請されました。 林業振興につきましては、一般及び特定森林地域開発林道の整備拡充、林産振興のための国有林材の安定的供給、防風林等治山事業の拡大、国有林活用の促進等が要望され、水産関係では漁港の整備、大型魚礁の設置等のほか、沿岸漁場開発整備法の早期制定、海難防止、水産流通加工センターの設置等の陳情があり、特に北方海域における安全操業、拿捕船に対する救済措置等が強く要望され、至るところ北方領土問題解決については最も熱心な道民の声が聞かれました。関連港湾の整備とともに北海道民の切実な願いであることを重ねて申し上げ報告を終わります。
○委員長(園田清充君) 次に、第二班福島、宮城及び山形三県の報告を願います。亀井君。
○亀井善彰君 第二班は六月十五日から十九日までの五日間、亀井、武内、河田の三名で、福島、山形、宮城三県を訪れ、米生産調査を中心に、果樹栽培、畜産、養蚕、漁港整備などの実情調査をしてまいりました。 なお、私どものほかに、現地で鈴木、村田両委員も参加をされました。 第一日目は、福島県に入り、まず農林省の白河種畜牧場で産卵用優良種鶏の作出研究を視察いたしました。 わが国では、米国から産卵用種鶏のひなを多数輸入しておりますが、年々、白血病による死亡率が高くなってきている事情などもあって、国産優良品種の早急な実現が強く望まれているとのことでした。特に種畜場関係者の熱心な研究態度にはひとしお深い感銘を受けました。 次に、岩瀬郡に参り、キュウリ栽培を見ました。ここは昨年の米生産調整で転換したところですが、すでに野菜生産出荷安定法に基づく指定産地に指定されており、全国にも名を知られるようになっているということでありました。しかし、本年は他県での生産増加が予想されるので、値くずれ防止のため、県全体でキュウリの作付面積を一五%減らしたとのことでした。これに関連して農家の方々から、暴落時における交付金支給ワクを前年の全国で一万トン分から本年は三万トン分に引き上げてほしいという強い要望を受けました。 次いで北会津郡北会津村に参りました。ここは米の単作地帯のためもあって、生産調整に当たられた関係者の御苦心にはなみなみならぬものがあったようでした。その結果、休耕しなかった農家が、した農家に対して協力金を拠出する措置などを講じ、目標数量を上回るところまでこぎつけたということでした。しかし、その内容を見ますと、九一%が休耕で、しかもその大半が圃場整備事業の通年施行で占められており、来年度以降に問題を残しているようであります。転作は九%にすぎず、その中で、永年作物の占める比率も小さなものであります。これに関連して、農家の方々から、永年作物への転作には施設費などもかかることであり、単年ものとの間に補助金に差を設けてほしかった。また休耕した農家が近所のしなかった農家から米を買うことのできるよう措置してほしいなどの声が出ておりました。 第二日目は、まず福島県庁に参りました。本県の米生産調査実施計画は、数量で五月末現在目標の一二六・六五%だとのことでありました。 次に、福島市内にある県園芸試験場で、本県の果樹生産やその研究の実情等を聴取いたしました。ところで、このあたりはリンゴの産地ですが、本年は開花期の降雨と低温により、ハチなどの昆虫が活動せず、人工授粉もまた十分に行なえなかったため、受精が不完全で結実不良となり、福島市内だけで、四億五千万円に及ぶ被害を出しております。関係者からは災害対策として自作農維持資金ワクの拡大について陳情を受けました。 次いで同市内の湯野農協に参り高原白桃について視察いたしました。ここは大規模な選果場や出荷調整のための冷蔵庫を備えており、白桃の生産ではおそらく日本一だろうということでした。最近、構造改善により、民有林と払い下げを受けた国有林八十町歩を桃園に仕立て上げたばかりでしたが、さらに拡大したいということで、国有林開放の陳情を受けました。 第三日は、山形県に入り、まず米沢市農協のカントリー・エレベーターを視察いたしました。現在工事中でしたが、完成すれば二千トンのもみの乾燥と貯蔵が可能となり、稲作労働時間がかなり短縮されるとのことでした。 次に、山形市南沼原で県営圃場整備事業と米生産調整を見ました。同事業は、市内の耕地を三十アール区画に整備し、大型機械化米作地帯をつくることを目標としておりました。ここでも生産調整は整備事業の通年施行に依存している形となっており、問題をあとに残しているようでした。 このあと県庁に参りました。本県では、生産調整は現在一〇一・四%までいっているということでした。また、県から、地域の特性に応じた農業の地域分担を策定してほしい、調整に協力した農家の意をくんで、食管制度を堅持されたい、企業の地方分散をはかって農工一体化を促進されたい、耕地経営規模拡大のため資金融資ワクを拡大されたい、調整奨励金の早急な交付と減免措置を講じてほしいなどの陳情を受けました。 次に、村山市に参り、稚蚕共同飼育所を訪れました。ここは自動温湿度調整装置を備えたりっぱな建物で、周辺地域の稚蚕を三齢まで飼育管理しているということでした。次いで、そこから少し離れた近代的な集団桑園と、県内で初めて導入されたというベルトで条桑を運んで蚕に与える自動給桑機を視察いたしました。 次に、東根市神町に参り桜桃を見ました。山形県は日本一の桜桃生産県であります。しかし、桜桃は採取期の降雨などにより被害を受けやすい投機性の強い果樹である上に、最近は労働力不足も深刻化しているということで、農家の方々はこもごも経営の苦心を話してくれました。 次に、天童市で、県営圃場整備事業を視察しました。ここは、この事業とともに、水不足解消のための揚水事業と、中心河川である倉津川の改修事業とを総合的に進めているところに特徴がありましたが、ここまでこぎつけるのに指導に当たられた方々はたいへん御苦労されたようでした。 第四日目は宮城県に入りました。まず県庁で米生産調整について説明を受けました。本県の目標は、数量で計画の一〇四・六%だということでした。ここでは、優良品種が多いこともあって、銘柄格差を設けてほしい、東北地方を食糧基地として重視してもらいたい、地域に適した有望転換作物を確立してほしい、今回の調整で、農協や市町村は財政に大きな影響を受けているので、調整奨励金の交付を早くしてもらいたい、調整の実施に当たっては、食管制度維持のためということで農家を説得しているのでこの方向を堅持してもらいたいなどの要望がありました。 次に、石巻市の県水産試験場をたずねました。ここで特に注意を引いたのは淡水産ニジマスの海水養殖事業であります。これはニジマスを稚魚のときから海中の網生簀で飼育する実験で、成長率も淡水の二倍にもなり、海水産のマスの味が出るため市場価値も大きいとのことで、関係者は明るい見通しを持っているようでした。 次いで石巻漁港を訪れました。ここは現在、第四次漁港整備計画に基づき、修築事業を実施中でしたが、北洋底びき網漁船の大型化が著しく進んでいるためもあって、一日も早い完成を関係者は望んでおりました。 第五日目は、まず松島湾の浅海漁場開発事業を船で視察いたしました。ここは、古くからノリやカキの養殖が盛んでしたが、最近は、漁場の老化や水質汚濁が進行して、生産性が低下してきております。本事業は、こうした事態を改善するため、海底に導水路を掘って、外海水を湾の奥まで出入りさせようとするもので、全国初の試みであります。これによってノリ生産は一七〇%程度に増加するということで、大きな期待が寄せられておりました。 このあと、塩釜港に上陸し、魚市場、加工団地等を見たのであります。この漁港も整備中で、完成が急がれておりました。また、北洋機船底びき網業者の方々から、現在資源再生産確保のため、産卵直前のタラを自主的に禁漁しているので、大手会社も同調するよう措置してほしいなどの陳情を受けました。魚市場の関係者からは、産地市場の重要性を認識して、単独立法の措置を講じてほしいという声が聞かれました。次に、水産加工団地でありますが、ここは塩釜市が全国に先がけて公害防止事業に取り組むため、水産加工工場の集約団地化をはかったものであります。ところが、団地化に伴う用地取得費や工場の移転費などに加え、共同公害防止施設費がひどくかさみ、業者の負担は、過重なものになっているようであります。その上、公害防止事業団の開発にかかる同施設は、廃水浄化機能が期待どおりの働きをせず沿岸漁業生産に脅威を与え、地元の大問題となっておりました。しかも全国初のテストケースとして、本事業の成否は、全国の同業者から重大な関心を寄せられているのであります。関係者からは、この共同公害防止施設に対し、国及び地方公共団体の財政的援助措置を講じてほしい、水産加工業の汚水処理に関する技術開発のため、国はすみやかに機関を設けて研究を促進してもらいたいという陳情が寄せられました。私どももその必要性を強く感じた次第であります。 以上で第二班の報告を終わります
○委員長(園田清充君) ただいまの御報告に対し、御質疑はございませんか。——別に御発言もなければ、派遣委員の報告はこれをもって終了いたします。 —————————————
○委員長(園田清充君) 次に、農林水産政策に関する件について調査を行ないます。質疑のある方は順次御発言を願います。
○森八三一君 時間がわずかでありますので、二つの問題点、それは先刻非常に心配をして団体の諸君からも要請、陳情のございました固定資産税の問題と、飼料の問題に集約をして端的にお尋ねをいたしたいと存じます。 それに入ります前に、ただいま達田委員から北海道の視察報告がございましたが、私も北海道には前後十数回参っております。その都度、いままでの北海道に参上いたしました形は、委員の派遣で行きますとかあるいは特別な関係で先方に連絡をして参上したという例であります。その場合にはおおむねどこへ行きましても北海道特産の非常に脂肪率の高いりっぱなおいしい牛乳をいただくことができました。おそらく今度の視察にお越しをいただきました諸君もそういう経験を得られたと思います。ところが今度は私実はプライベートの立場でどこにも通知せずに一人で約一週間ほど回ってきましたが、どこへ行ってもフレッシュ牛乳を飲ましてくれる場所がないんです。ホテルへ行きましても食堂には陳列してあるけれども要求をするというとコーヒー牛乳はございますがなま牛乳はございません。ただ一カ所きり札幌の駅に今度できました十勝の協同酪農の自動販売機がありまして、三十円入れるというと五円のおつりと袋へ入ったフレッシュ牛乳が出てくるという施設が——もちろん全道回ったわけではございませんから必ずしもこれをもって断ずるわけにはいきませんが、おおむね私の回りました約一週間ばかりの旅行の行程を通じて、どこへ行ってもフレッシュ牛乳を飲むちャンスがなかった。いま消費を拡大しなければならぬというときに旅費を使って飲みに行く連中が飲めないという姿というものは実におかしいと思うんですが、こういう点もう少し農林省でも原料乳地帯ですから消費の拡大ということについて格別の配慮があってしかるべきじゃないか、これは強制するわけにいきませんけれども、従前は旅館へ着きますれば朝必ずおいしい牛乳を出してくれたものですが、今回どこでもいただくことができなかったという変化があるわけです。これなんかもう少し心して指導する、奨励するという対策を講じますれば、加工原料乳の限度の問題でもとやかく議論をいたしませんでもいいのではないかという感じを持ちましたが、その消費拡大について、これは一つの例ですけれども、どういうような対策を講じていらっしゃるのか、その辺をちょっと伺っておきたいと思うんです。
○説明員(太田康二君) 牛乳につきましては、昨今の需給事情にかんがみまして、消費の増進についてたいへん力を入れていることは御承知のとおりでございます。政府といたしましても畜産振興事業団を通じまして、生産者、処理業者、販売業者一体となって実施いたしております消費宣伝事業につきまして助成もいたしておるのでございまして、いろいろな形でやっておりますが、かなりきめこまかくパンフレット、リーフレット等による消費宣伝あるいは大会を開いての消費宣伝というようなことを実施いたしておるわけでございまして、特に北海道におきましては先生御指摘のとおりたいへん、牛乳の主産地でもございますので、われわれも北海道における消費の増進ということにつきましては、毎度北海道庁等にも要請をいたしておるような次第でございまして、特に北海道におきましては牛乳がたいへんおいしいというようなことを北海道の生産者自体もおっしゃるわけでございますが、北海道自体の飲用乳消費の水準というのは内地に比べますとまだ非常に少ないというようなことがございまして、実はそういったことにつきましては、かねてわれわれも道庁はじめ関係者にお願いをいたしておるような次第でございます。ただ先生の御指摘のように、特定の場所に全然ないというような問題があるわけでございますが、その点につきましては、われわれももうちょっと調査をしてみなければならぬと思いますが、ざっくばらんに申し上げますと、牛乳の販売の手数料が非常に少ないというようなことから、あまり売る努力をしないという面があろうかと思います。そういった点がなかなかむずかしい問題でもあるわけでございますが、北海道自体もいまたいへん力を入れておりまして、テトラパックを店頭販売で十七円で売っているということで、消費拡大にかなり力を入れておると思いますが、そういった消費宣伝がともすると、やはり大消費地中心に行なわれるというようなことで、先生の御指摘のような場所に物がなかったというようなことがあろうかと思いますが、なお実情を調査いたしまして北海道における消費増進——北海道のみならず全国ではございますが——に力を入れてまいりたい、かように考えております。
○森八三一君 私もこまかく回ったわけではありませんから、これをもって奨励の施策がどうこうという断定をするわけにはまいりませんけれども、とにかく十数カ所、そういうことを経験いたしましたので、特に北海道のおいしい牛乳を旅行者は旅費を使って飲みに行くのですから、その連中に飲むチャンスを与えないということは非常に遺憾だと思いますので、十分心して御推進をいただきたいと思います。 そこで本論に入りまするが、最初に固定資産税の問題で財政局長にお伺いいたしますが、このことは一昨年でしたか、われわれは新都市計画法の審議をいたしましたその際に、農業生産に非常な関係を持ち来たすのではないか、もちろん市街地を開発いたしますること、あるいは住宅用地を確保すること等、経済の高度成長に即応する施策を立てなければならぬ点について、とやかく議論をするものではございませんけれども、相当長年月の計画のもとに線引きが行なわれるということになりますると、その地域内に包含される農地というものはかなり膨大になるであろう、それが、線引きが終わったからすぐ宅地並みに取り扱われるということになりますると、これは農業者にとって非常な問題を起こすということでお尋ねをいたしました。その際には建設省関係、自治省関係、農林省関係各省からお出ましをいただきまして、そういうことについては原則として十分配慮をいたしますという趣旨の御答弁がありましたので、私どもはそういう方向で処置されるものというように理解をし、安心をしながら今回の新都市計画法の施行に伴う線引きの問題についても実態に即応するようにと努力をしてまいったつもりであります。 ところが、最近になりますると、一面に米の生産調整をしなければならぬというようなことなども関連しておるかと思いまするけれども、線引きの中に入った地域における農地については、市街地と申しまするか、宅地と申しまするか、そういうような例に準じて課税をするというような話が新聞にもちらほら出ましたり、巷間そういうことが伝えられておるということで、農家の諸君は非常に心配をしておる。必ずしも土地の値上がりを期待してでたらめなことをやっておるのではない、まじめに国土の有効利用を考えながら自己の生活のために生産を維持しよう、継続しようとしておるときに、税の面からしわ寄せがくるということになりますると、農業を放棄せざるを得ないというようなことに追い込まれるということで非常に心配をしておるという事例を各地で聞くのであります。 おそらくきょうの陳情も、そういうような心配の結果が集約をせられた、その結果の要請であろうと思いまするが、その内容については陳情の要旨もございましてお聞き願ったとおりでありますから、かれこれここで繰り返して、時間もございませんから申し上げることを省略いたしまするが、まあいずれにいたしましても、線引きの中に入った地域で、現に水道が布設されたとか、あるいは道路が開さくされたとか、あるいは下水道が整備したとかいうことで区画整理が行なわれる、あるいは行なわれたかというような具体的な措置がとられるということでございますれば、これは当然そのときの所有者におきましても、市街化されるということを了解の上で進んでおることでございますから、そういう地域についてとやかく議論を展開しようとは思いませんけれども、依然として農業生産用地として活用する以外に手段のないというような地域が線引きの中に当然入っておると思うわけです。私の承っておるところでは、四十万ヘクタールといっておりますが、十年間にやるというのですから、相当膨大な地域が含まれておる。そういう地域の取り扱いについて一昨年の新都市計画法審議の際に原則的な御答弁をいただきました。その趣旨というものは、当然今日の時点におきましても確認をせられ、方針として堅持をせらるべきものであると私は確信をしておる。そういうことでございませんと、農産物の価格を物価の点からそう上げるわけにはいきません。野菜をつくっても何をつくっても、そういうものの値段をぐんぐん上げるということは消費者大衆の生活を確保するために可能なことではございません。できるだけ低廉な優秀なものを供給しなければならぬ。そのときに税金のほうで七十倍も八十倍も高くとられるということになりますと、これはそういう、はさみ打ちにあって農業生産を放棄しなければならぬ。放棄するといっても、その土地をすぐ買ってくれる人もないということになりますと、これはどうやったらいいか非常に心配なことだと思うのです。ですからそういう点について先ほど申し上げたような趣旨によって税金の問題が処理されるというふうに理解をいたしますが、いかがでございましょうか、お尋ねをいたします。
○説明員(降矢敬義君) 市街化区域内の農地の課税につきましていろいろ御意見があるわけでございますけれども、われわれといたしまして現在の段階では、昨年あるいは一昨年でありますか、税制調査会におきまして市街化区域内の農地におきましても都市施設が整備された区域内にある農地についての評価、こういうものを宅地との均衡をとれという答申をいただいておりますし、また昨年におきましてもやはりそういうような御答申を税制調査会において出しておるわけでございます。したがいまして、税制調査会においてさらに税の問題について今後御審議があるわけでございますけれども、市街化区域内の農地でありましても、都市施設が整備された区域にある農地の評価の問題、こういうことで今後も御審議をいただくつもりでおります。
○森八三一君 私のお尋ねいたしました趣旨によっての御答弁と理解をいたします。それで確認をいたしますが、私も引例いたしましたように、道路施設が完備するとか、あるいは上下水道がすでに施設されたとかというような土地区画整備の問題が現実に完了したとか、あるいは予算がついてそういうことをいま実施中であるとかというような、お話のような土地について市街化が具体的に進行をしておるという地域内に存在する土地につきましては市街地の扱いをする、そういうような具体的な施策が進行していないものについては従前どおりの取り扱いをするというような趣旨でお答えがあったと思います。そういうことが当然だと思いますので、そういう御趣旨でお答えいただいたものと理解してよろしいか、お尋ねを再確認の意味でいたしたいと思います。
○説明員(降矢敬義君) 都市施設の整備された地域というものをどういうふうに認定するかという問題がまだ残っておるわけでございまして、いま先生のおっしゃったことも一つの考え方でありましょうが、今後われわれといたしましても税制調査会において四十五年度、具体的にこの問題を検討いたしますので、その一環としてどういうメルクマール、基準というものをお考えになるかという点について検討をさせていただきたいと思っております。
○森八三一君 都市施設の整備された地域ということになれば、私が申し上げましたように、整備されたということは、具体的な姿が出ていなきゃ整備されたということにはならないはずですわね。だから、そういう地域についてわれわれはとやかく論議をしようとするのではありませんし、そういう工作が行なわれる事前において土地所有者との間に了解ができて工事が進むわけですから、そういうところは問題じゃない。けれども、そういうような具体的な施策が進んでおりません地域については、これは当然農業生産を維持するとともに、その農業者の生活を確保するための税制が現行どおり保たれるべきであるというように私は理解をする。そこで、御研究になりますることは当然でありまするが、そういう趣旨で研究をしていただきませんと、これ非常に大きな社会不安を招来したり、問題を起こすというように思いますので、都市施設が整備された地域ということにつきましては、その行動が具体的にあらわれた結果の地域であるというように理解をいたしますので、そういう趣旨で整理をしていただきたいと存じます。よろしゅうございますか。
○説明員(降矢敬義君) もちろん先生の御意見も一つの参考といっては恐縮でございますが、考え方の一つとして取り入れながらこの問題の認定についての研究を進めていきたいと、こう思っております。
○森八三一君 まだ明確ではございませんが、局長の段階ではこれ以上の御答弁をいただくことは、いまの時点ではむずかしいかと思いますけれども、これはまただれが考えても、常識的に市街化の形成についての工作が具体的に完了した地域は問題ではありませんけれども、そうでない地域を宅地並みに取り扱うということになりますると、これは税の面から、農業生産をやめなさいと農家を追い出すという結果が出てくることは必然なんです。そういうような潤いのない、愛情のない行政というものであってはならぬはずでありまするので、その辺を十分心して、今後の整理については私が期待をいたしまするような方向にと善処していただきたいということを希望して、この問題は切っておきます。 次に、畜産関係の問題ですが、これも要請にございまするように、先月あたりから、飼料の輸入価格が上がってきたとか、あるいは船運賃が高騰したとか、いろいろな理由から相当額の引き上げをしようということがすでに通告をされておると、実施になったものはそう多くはないようでありまするけれども、非常に生産農民諸君としては、米の生産過剰ということから、成長部門として畜産が強く指向されておるときに、そっちのほうでまた頭打ちになってしまって、にっちもさっちも動きがとれぬというようなことになるということをおそれておるわけで、これは国内食糧を確保するという点、国民の所得の増大に伴う食生活の多様化、高度化に即応して、十分供給の任を果たすという点から申しましても、非常に重大な問題であろうと思うのです。 そこで、最初にお伺いいたしたいことは、まあ日本のえさがほとんど全部といっていいほど海外に依存をしておるということですから、海外の飼料の生産状況がどうなっておるのか、それに対する将来の輸入価格の見通しなど、国際的な飼料原料の需給の趨勢というものは一体どういうことになっておりまするのか、それを最初にお伺いいたしたいと思います。
○説明員(太田康二君) 御承知のとおり、えさ用の穀物につきましては、トウモロコシ、マイロ等を中心にいたしまして、大部分が輸入に依存をいたしておる次第でございます。そこで、当然海外の市場がどうなるかというような問題になるわけでございますが、海外におきまする飼料穀物の生産はかなり順調ではあるわけでございますが、本年度アメリカにおきます最近の数字によりますと、トウモロコシ、マイロがやや前年に比べて減っておるというような状況にあるようでございます。もちろんこれも毎月発表されておるのでございまして、今後の推移を見てまいらなければならぬかと思いまするが、一応中心になりますアメリカの状況はそういった状況でございますが、われわれといたしましても、できる限りアメリカ依存から脱却して、市場の多角化ということにもつとめておるわけでございまして、まあ絶対量が不足するというようなことはなかろうというふうに考えておる次第でございまして、価格につきましてはそういった意味で現段階におきましてはやや堅調に推移するのではないかというふうに考えておる次第でございます。
○森八三一君 海外における現状の生産事情というものも必ずしも悲観的情勢ではない、総合して考えれば、アメリカは多少減ってもアルゼンチンその他の地域における生産が相当進んできておるので、総体的には日本の要求する原料が量的に不足するわけではない、しかし価格的には必ずしも楽観を許さない、という趣旨の御答弁であったと思うんです。そういうことが織り込まれて先月あたりから飼料の値上げ、特に配合飼料の引き上げということが具体的に登場してきておると思います。これがもし巷間言われておりまするようにトン当たり二千五百円とか三千円の引き上げになるということになりますると、卵価に影響する度合い、あるいは豚肉に影響する度合いというものは、かなりこれは大きなものになるのであろうと思います。そうなりますると、畜産を振興すると申しましても、現在の物価問題から関連して、最終消費者価格がそんなに上がっていくということを期待するわけにはいかぬと思うんです。結局これもはさみ打ちになって、生産農家はその犠牲と負担で処理しなきゃならぬということに追い込められていくことになると思うわけでございまして、これはきわめて重大な問題であると思います。たまたま卵につきましては自主的に安定基金制度ができ、政府もこれに多少の援助をしながら進めておりますので、この安定基金制度が動いておりまする限りにおいては一応生産者との段階は隔絶されるということになりまするけれども、これにもおのずから限度があることですから、その限度一ぱいきてしまうと、これは直接生産農家がかぶらなきゃならぬということになりまするわけでありますので、そういうことを排除いたしますためにこの際具体的に対策をとっていきませんと、鶏の場合、もし、ふ卵のほうが減ってまいりますれば、数ヵ月先に成鶏が減っちまって、そこでまた供給減ということから二百円、二百五十円というような相場が出てきて、物価問題で非常にこれはむずかしい事態を招来すると思うんです。豚にいたしましても、子豚生産の子取り養豚家が、現に一万四、五千円しとった豚が最近では八千円、九千円ということで、子取り生産者も非常にちゅうちょしておるという話も聞きます。そんなことが進んでまいりますると、現在飼育中のやつはこれはもう殺すわけにいきませんから、高いえさ食わしてでも成豚に仕上げてこれは販売するということになろうとは思いまするけれども、肉豚農家は新しい子豚を購入して肉を生産するということについてちゅうちょするということになりますると、ちょうどこの年末ごろに、需要の非常に拡大をするときに供給が減ってきて、また豚肉が四百五十円、五百円というような相場にはね上がってくる、消費者の生活を非常に脅かす、ということにもなりまするし、政策としても非常にまずい結果が生まれてくる。そこで、何といたしましてもそういうようなことになりませんように、育すうにつきましても減退をしないように、子取りについても停とんをしないように進めていくということがこの時点においてはきわめて大切な問題であると思いますので、そういうような育すうの趨勢だとか、あるいは子取りの状況というものはお調べになっておると思いまするが、こういうようなえさの価格が上がるであろうというような不安のさなかにおきまして、どういうような足取りで推移しておるのか、今後の見通しはどういうようにお考えになっておるのかをまず最初に承っておきます。
○説明員(太田康二君) まず最初に卵から申し上げますと、御承知のように、鶏卵につきましては、価格の季節変動が毎年あるわけでございまして、おおむね五月から八月にかけましては非常に卵価が低落する時期でございます。ちなみに四十四年、四十五年を比較いたしますと、四十四年の一−七の価格の平均が百七十八円、四十五年の価格が百八十六円ということでございまして、四十四年に比べますと、四十五年は必ずしも悪くはない状況でございます。もちろん八月に入っての卵価の低卵価というようなこともございますので、その関係でどうなるかということもありますが、われわれの見通しといたしましては、また八月末になりますれば価格も回復するということに現在見ております。いろいろな統計で先行きの見通しも見ておるわけでございますが、卵につきましては、すでに二百八十億個の生産がございまして、大体日本人の消費が年間二百八十個、世界の第二位の水準になっておるのであります。したがいまして、われわれは鶏につきましては、今後あまり伸ばしますると、価格の低落ということになるということで、一つは生産・出荷調整の問題、一つは調整保管の問題、一つは先ほど先生御指摘ございました卵価安定基金の発動の問題、これらによりまして、将来の需要に備えまして安定的に供給してまいるということが、行政に課せられた最大の課題であると思うのであります。ただ卵の場合、過去の趨勢を見てまいりますと、飼養戸数は確実に年々減少いたしておりますが、これをむしろ羽数の増大によって補ってまいっておるわけでございまして、野菜等と違いましてその点はあまり心配はないのではないか。たまたま四十年から四十一年にかけまして卵価が低落いたしましたときに、四十年から四十一年にかけての伸びがほとんど横ばいであった。そのときは卵価高であったというようなことがあるわけでございます。最近におきます実情を見てまいりますと、えさ価格の変動に伴いまして、もちろん養鶏農家が非常に飼料に依存する度合いが高うございますから、経営の受ける影響が大きいわけでございますが、にもかかわらず、確実に規模拡大が行なわれて、供給は十分できるというふうに、いままでの推移で見る限り大体考えられるわけでございます。なお、最近におきまするえさの出荷の動向から見てまいりますると、まだ先行きかなり強気の状況でございまして、先生が御心配になるような、年末に非常に高くなるというようなことはなかろうかと思っております。 それから豚の問題でございますが、豚につきましては、むしろ短期的な価格変動よりも、先生御承知のピッグサイクルによる変動が強いわけでございまして、ピッグサイクルも、価格安定効果もございまして、従来三年周期が四年周期というような形で期間も伸びてきております。最近におきます豚肉の出荷はかなり高い水準で出荷いたしておりまして、これもえさの出荷の動向から見ますると、先行きかなり強気でございます。むしろ、われわれ本年度の需給予測を立てましたときに、本年度は年間通じまして若干供給過剰になるのではないか。むしろ買い上げ等の事態も出てくるのではないかというふうなことも予想いたしておったわけでございますが、現在までのところは、出荷もかなりふえておりますが、消費も着実についていっておりまして、大体安定基準価格の中で安定的に推移いたしているというふうに見ております。将来の見通しといたしまして、年末から正月にかけまして、むしろ生産減少による価格の高騰というようなことよりも、供給過剰による値下がりの問題というようなことのほうが大きいのではないかというようなことを、実は心配をいたしておるようなことでございまして、まあ一応価格安定制度の中でいまのところは安定的に推移をいたしているということを申し上げて差しつかえなかろうかと思っております。
○森八三一君 非常に楽観的な見通しのようでございますが、私の聞きますところでは、もしかりに配合飼料が二千五百円前後値上げになるということになりますと、豚肉にいたしましてキロ当たり七十円近い影響があるようにも聞いておりますが、この計算です。私は聞いた話ですからよくわかりませんが、もしかりにトン二千五百円程度値上げになったということになりますと、卵に与えるキロ当たりの影響はどのくらいになるのか。豚肉一キロに対して、その他の条件がひとしいとすれば、どういうような結果を生み出すかという点について、計算があろうと思いますから、承っておきたい。
○説明員(太田康二君) 先生も他の条件が同じであればというような前提を置かれての御議論でございますが、もし二千五百円上がったらどうなるかということを一応試算したものはございます。それによりますと、豚の場合には肥育豚で一キログラム当たり二%約五円というふうに考えております。それから卵につきましては、先ほど生産者団体からお話しがございましたような、大体キログラム当たり四円ぐらいであろうというふうに考えます。
○森八三一君 そうしますと、金額としては今日の貨幣価値から申しますとたいしたことはないというようには理解できますが、これは生産農家に対しては非常に大きな重圧になると思うのです。そこで、先行き海外における飼料の生産事情は非常に順調である、だから今日までのような、昨今のような状況というものは解消されるのではないかという期待もあるようですが、そうだといたしますれば、当面、現在の時点において価格を調整するための施策というものは講ぜられなければならんと思います。そこで、政府の手持ちの麦を払い下げるとか、あるいは米の過剰ということのために古々米の払い下げをするというようなことで、当面飼料の値下げを抑制するような手段というものを講ずる。その間に海外の市況というものがダウンしてきて、正常な姿に戻ってまいりますれば非常に幸いなことですから、それをひとつ考えていくのが行政として非常に重要な要点であろうと思いますわけでありますが、そういう点についていかなる施策を立てていらっしゃいますのかをお伺いいたします。
○説明員(宮崎正雄君) 今度の飼料穀物の値上がりでございますが、これは海上運賃の上昇が主因となりまして、それに伴いましてトウモロコシとかマイロ等の飼料が、飼料用の穀物を中心といたしまして値上がりが起こった、こういうふうに考えております。したがいまして、農林省といたしましては、最近商系の飼料製造業者の一部において建て値を改定する動きが見られますけれども、中には需要者に対しまして値上げの通知を発したところもあるようでございます。しかし現在、鶏卵やブロイラー等の市況は低迷しております。飼料価格の値上がりは畜産経営に大きく影響するところがありますので、政府といたしましては次のような対策を講じまして、極力飼料価格の上昇を抑止するようにつとめているところでございます。 まず第一に、主要な配合飼料の製造業者を招きまして事情をよく聴取し、いましばらくの間原料事情の動向を注視し、極力値上げを押えると同時に、人件費やあるいは各種の料金等の諸経費の値上がり分は企業努力によって吸収すること、また今後原料価格が値下がりした場合には直ちに製品価格を下げること、さらに過当な販売競争による不必要な経費の節減をはかるべきこと、というようなことを申し入れをした次第でございます。 第二に、飼料需給安定法に基づきまして政府操作飼料のうちで大麦または粒用小麦についてとりあえず五万トン増加売却を行なうことにしております。 第三に、上期におきます大豆、油かす輸入割り当てを二万トン追加発給いたしまして五万トンとしております。 第四に、ふすまの価格安定について関係業界に対しまして協力要請を行なっております。 第五に、配合飼料製品につきましては国内生産量の二%相当量を需要者に輸入割り当てをするように目下準備中でございます。 なお農協系統につきましては政府の指導によりまして四十三年の四月に飼料価格安定基金が設けられまして、農家、農協等によって基金財源が積み立てられてきたところでありますが、本年四月以降農家に対する返戻が行なわれておりまして、配合飼料価格値上がり分の吸収に役立っておる、このようにわれわれは考えております。 さらにただいま御意見がございました過剰米等の問題でございますが、この過剰米の処理に対しましては、とりあえず六万トンを飼料用といたしまして試験的に売却することにしておりますが、過剰米全体の処理のあり方につきましては、現在民間有識者の御参集をいただきまして検討しておるところでございます。大体九月中ごろまでにその全体計画を立てたいと考えておるのでございますが、過剰米の飼料への放出ということもその一環として検討しておるところでございます。 なお、麦につきましては九月末現在推定在庫は十一万トンとなる見込みでございますけれども、四十五年度産の麦の政府買い入れは当初見込みの二十八万トンから十七万トン、約十一万トンの減少となる見込みでございますので、大麦や裸麦の主食用の需給の上から古い麦を飼料用に放出することは現在のところは考えておらないところでございます。 以上、農林省の方針を申し上げた次第でございます。
○森八三一君 時間がなくなりましたので次にいきたいと思いますが、畜産を成長部門として非常に精力的に奨励しよう、これは国民の食糧需要の動向と考え合わせて当然のことだと思います。またやらなければならぬと思いますが、そのために最近の海外の市況に災いをせられて飼料の値上がりということになりますると、これは畜産農家にとっては経済的に非常な打撃であります。先行きそれが安定するであろうということでありますれば非常にけっこうでありまするけれども、とにもかくにも現実の問題として通告をせられて値上げが実行されるという事態を迎えておるわけでありますが、これはどうしても食いとめていかなければならぬと思います。そのために関係の業者をお集めになりまして値上げ措置を中止をするように協議、勧告をせられておるようではありまするけれども、これは企業者としてはその企業の維持のためには採算がとれないということでございますれば、これはいかに勧告をいたしましても命令できることではございませんので値上げの挙に出ると思います。ただ全購連系統のものにつきましてはお話のような調整資金がございます。これもしかし無限に存在するわけではありませんので、それが枯渇をいたしますれば値上げをせざるを得ないということになろうと思います。そういうような諸般の関係を考慮いたしますると、この際何といたしましても飼料価格の安定施策についてはある程度の財政負担を覚悟をして強力に推進をすべきであると私は考えまする次第でありまして、そのためには政府手持ちのものを放出することはもちろん、さらに海外の輸入数量もふやしましてこれに対応すること、古々米の処理が行き詰まっておる現状からしますれば、有効利用の面としての飼料化ということも、感情の上ではいろいろ問題でありましょうけれども、いたずらに持っておって金利や倉敷をかけて最後には捨ててしまうというようなことはやるべきではございませんので、これも試験段階から実施の段階に移すことによって、推進することによって飼料価格の安定をはかり、畜産農家にしわ寄せをしないように最善を尽くしていただきたいということを特に希望いたしまして、政府の善処を求めておきたいと思います。
○櫻井志郎君 市街化区域の線引きの問題ですが、これは全部済んだのか、どこまで済んだのか、これが第一点。全部済んだとすると、あるいは七割済んだとすると、その農地がどのくらいあるか、それが第二点。それから第三点としては、その市街化区域の中で、例の米の生産調整五十万トンは公共用地その他の目的で農地をつぶして五十万トン調整する。その面積はたしか十一万八千ヘクタールですか、その関係が線引き地内でどのくらいあるか、それだけちょっとわかっておったら教えてください。
○説明員(亀長友義君) 担当の農地局長が参っておりませんので私の承知している限りで申し上げますと、市街地の線引きの問題ですが、おそらく全国的には今年一ぱいかかるのじゃないかというふうに私ども聞いております。建設省としても鋭意促進はされているようでありますが、現在のところは線引きの状況はきわめて限られた都市だけであるというふうに承知いたしております。 それから五十万トンの問題でございますが、これは御承知のように十一万八千ヘクタール、水田用以外に転用するということで地方債の拡充によっていろいろ進めておりますが、現在までの見通しといたしましては、大体予定の半分あるいは若干それを上回る程度が大体本年度に可能ではないか。しかし今秋以降の動きによっては若干これが増加することがあり得るかと思いますけれども、十一万八千ヘクタールを達成するということは非常に困難があるというのが私どもの現在の段階の判断でございます。その中に市街化区域内の農地が幾らあるかということはまだ調査ができておりません。 以上でございます。
○櫻井志郎君 たとえば土地改良をやって補助をもらっている。これは線引き地内と線引きの外と両方の問題ですが、土地改良によって、あるいは構造改善によって土地改良をやって補助金をもらう、またそれが農地以外にされるというような場合に補助金をどうするか。今年度の通牒でしたか次官通達でしたか、四十四年度以降は何か返還する、四十四年度以降やった事業について農地以外につぶされたものは返還するという通達がたしかあったと思いますが、それを逆に解釈いたしますと、四十四年度前のものは返還しなくてもいいということになってくるわけですね。ところが農林省は従来慣例として返還させるという方法をとっておったような感じもします。そこのところを線引き地内と外に分けてちょっと農林省の考え方を聞かしてください。
○説明員(亀長友義君) いま農地局長を呼んでまいりますので、参りましてから答弁させます。
○櫻井志郎君 構造改善はどうですか。
○説明員(池田俊也君) 構造改善も農地の場合と扱いは大体同じだろうと思いますが、いま御指摘ございましたように、本年通達を出しまして、四十五年度以降につきましては八年以内に転用になりましたものはこれは補助金の返還をさせる、これはそういう条件でやるわけであります。でございますから問題ございませんが、従来のものをどうするかというお尋ねでございますが、これは実際の指導としては同じような扱いをさせるということで、運用上そういうことをいろいろ配慮しておるところでございます。
○委員長(園田清充君) ちょっと速記とめて。 〔速記中止〕
○委員長(園田清充君) 速記起こして。
○亀井善彰君 長官見えておりますから、この際承りたいと存じますが、現在の予約集荷の受け付け状況、大体の数字は承知いたしておりますけれども、ごく最近の受け付け数字をまずひとつ承りたいと存じます。
○説明員(森本修君) 最近のは八月の八日現在でございますが、全国を総計いたしますと七百九十六万三千トンということになっております。
○亀井善彰君 一部で聞くところによりますというと、予約の受け付けを何か制限をしておる、拒んでおるというようなうわさを聞くところもありますけれども、食糧庁の方針として予約をそういうふうな方向で制約をしておるというような形は少しくあるんですか、ないのですか、露骨過ぎますけれども。
○説明員(森本修君) 私ども本年の産米につきまして、予約を受け付けます前に毎年集荷要領というものを出すわけでございますが、前々からと変わっております点は、予約を受け付けます際にそれぞれ生産者の生産数量その他をよく精査をして、一口に言いますと、適正な申し込みだということをよく確認して予約を受け付けるようにということをこの集荷要領に書いております。そういう意味合いで、ざっくばらんに言いますと、昨年あたり集荷等につきまして若干の事件が地方でも起こっておる。そういう観点からいいまして、予約なりあるいは買い入れなりについて適正な形でやっていただくことが必要だということを本年も痛感をいたしたということ。それから特に本年の特別の事情としては、生産調整が行なわれておるということでありますから、さような本年の情勢をわきまえて適正な形で予約を受け付けるようにということを言っておるわけであります。したがいまして、予約数量を画一的に制限をする、あるいは買い入れ制限をするというふうな気持ちは毛頭ありません。
○亀井善彰君 そういう制限はあるべきものでないと、こう理解をいたしますけれども、しかし作付の調整をした、大体その面積は予定どおりに進行しておる、そうは言いますけれども、作柄の問題は一がいに作付を減らしたからといって、結局それが収穫に直ちに及ぶ、こういうものではないと思うのです。作付を減らした、それが即収穫高の減少、こういうことにはならないではないか。特に私どもはこの夏、福島、山形、宮城等を委員会としての視察をいたしました。その状況を見ましても、作柄は非常によろしい。そうなってまいりますというと、作付を減らしたからと申しまして、直ちにそれが収穫高の減少に及ぶ、こういうことにはならないんではないか。したがって、農家のほうでは作付を減らしましても収穫高は多い。だから、政府のほうでお考えになるように、作付が減ったからといって、そのままそれが収穫高に及ぶというような結果にはならなくて、逆に作柄から申しますと収穫高はふえているのじゃないかという気がしてならない。 そこで問題は、御承知のとおり自主流通の米の問題、これは各団体がそれぞれ協議をして、そうして政府の要請される百万トンをことしは必ずひとつ目的達成しよう、こういう意気込みで進んでおるにもかかわらず、もし政府が予約集荷の関係において幾ぶんそういう手心を加えられるとか、あるいはまたその収穫された米に最後までの責任を当然持たれるべきでありますけれども持たれない、こういうことになりますというと、その米が第二次自主流通米と申しますか、相当横流れがする、いわゆるやみ流通が相当する。お聞き及びのとおり、名古屋であるいは大阪で、そのやみ業者というものが相当な勢いで、われわれの天下が来ると、こういうふうな気持ちで、これが将来への地盤にそれを持ち込んで、そうして商域の伸展をはかろうというような大会まで開いております。したがってそのほうに、政府がもし予約集荷を押え、そうして買い入れを押えられるというようなことが、まあわれわれはあるまいと思いますけれども、あるとするならば、そのほうへ流れる米が非常に多い。特に検査においてそういうふうな関係で手心が加えられる、あるいは水分過多とかあるいは低品位米であるとかいうふうに処置される向きが非常に多い。そのほうに流れる米が非常に多いのではないか。最近私ども農林水産委員としてでなく、他の形で、実際問題として卸の関係、小売りの関係、末端まで自主流通米の自主の浸透をはかるべく参ってまいりますというと、相当にそういう声が聞かれるのであります。実は昨日も浜松に参りまして、三百人ばかりの関係業界の方々が集まって、一生懸命それを行なおう、自主流通米を目標どおり実施しようと、こういう意気込みで燃えておるのでありますけれども、一部の方々がいま私が申し上げたような非常に強い心配をしておられる。自主流通米が流れずに第二次自主流通米が流れてくるのではないか、そういう点を心配するから私はいま申し上げているので、われわれが視察をいたしました際にも、各県ともにこぞって食管制度を堅持してほしい。それがためにわれわれは作付調整にも協力をいたしたのだ。また末端の農家に参りましても、末端の町村に参りましても、そういう声が非常に強く述べられております。そういう趣旨からいたしまして、私は心配のあまり政府がせっかく計画をされ、また関係団体もそれに協力をしようとした自主流通米の制度が途中で目的を達成され得ない、こういう結果になっては、せっかくでありますから実は杞憂のあまり申し上げることなんでありまして、その点十分予約の受け付けあるいは最後の買い入れ、そういう点について十分の配慮を願いたい、かように考えるわけであります。長官、希望だけ申し上げておきます、最後に。
○村田秀三君 農政局長にお伺いいたしますが、農協法の一部改正が成立をいたしまして三カ月たちました。十三日、きょう施行をする、こういうことでしたね。お答えをいただきます。
○説明員(池田俊也君) そのとおりでございます。
○村田秀三君 そこで、この施行に必要な政省令の改正ないしは通達、こういうものが準備をされてすべて決定をしておると思いますが、いかがですか。
○説明員(池田俊也君) 君政令につきましては本日公布に相なったわけでございます。省令は法律改正に直接関係いたす省令はございませんが、別途やや関連のあります、これは共済事業にかかる省令でございますけれども、これもやはり十三日に公布をいたしたわけでございます。なお通達等につきましては、これはまだ準備中でございまして、準備が整い次第通達を出す予定にいたしております。 〔委員長退席、理事亀井善彰君着席〕
○村田秀三君 私も政省令ないしは通達、農協法の施行に関連して必要な諸問題、ずいぶんと私も省のほうに資料要求をいたしておいたわけでありますけれども、なかなかこれが出てこない。そしてきのうまでの段階で私が手元に取れましたのは財務処理基準令で、それから先ほど施行令の一部を改正する政令、あとは通達でありますけれども、その程度であります。それで、そのほかに準備しつつあるのは何ですか。
○説明員(池田俊也君) 先ほど申し上げました法律を施行いたしますときには、通常、事務次官名でその法律の施行に関します方針なり運用の留意事項というものを出すわけでございますが、それを現在準備をいたしておるわけでございます。それからやはり改正に関連いたしまして模範定款の一部を改正する必要がございますんで、模範定款例につきましても改正部分を直す必要がございますが、これにつきましても現在準備中でございます。それから、そのほか定款の付属書といたしまして選挙規程だとか、それから今回新しく入りました農地等の処分に関しまする事業の実施規程、これは定款付属書にいたす予定でございますが、そういうものも現在準備中でございます。それから農業経営の受託も新しく法律でお認めをいただいたわけでございますが、これにつきましても事業の実施規程例というものを示す予定にいたしておりますが、これにつきましても現在準備中でございます。こういうものを、全部整備が終わりましたら、事務次官通達とあわせて知事あてに文書を出したい、こういうふうに考えておるわけでございます。
○村田秀三君 実は私、この農協法の一部改正に伴う諸問題について今回はひとつ質問をいたしまして、 〔理事亀井善彰君退席、委員長着席〕 意見を述べたいと、こう思っておりましたが、実はこれが出てこないとなかなか判断のしようがないわけですね。それで私どもがいままで作業を進めてまいりました内容では、きょうあたりぎりぎりできるんじゃないかというような話も実は聞いております。したがっていまの準備中であるという諸般の事項、これについていま考えておる内容、それをいま公表できるのかできないのか。公表できるとすれば、やはり農協法の一部改正で、少なくとも農地問題とそれから経営受託の問題は大きな改正部分でありますから、そういう意味ではむしろそれが中心の私はきょうの議題だと思って実はおったわけでありますから、でき得るならばその内容を公表してもらいたい。
○説明員(池田俊也君) これは事務的にいろいろ内部で検討いたしまして、ほぼ考え方としてはまとまってきておるわけでございます。そういう意味で、もし御要求がございますならば、この場でごくおおよその考え方を御説明申し上げてもよろしいわけでございますが、文章といたしましてはまだ完全に整理ができておりませんので、ちょっと御遠慮をさしていただきたい。考え方だけでございますならば御説明申し上げることができようかと思います。
○村田秀三君 それではそのまとまっておる考え方、まだまとまらないけれどもこういう角度の検討がなされておる、大体二通りくらいに分けて整理できれば、ひとつそれを公表していただきたい。
○説明員(池田俊也君) かなり内容がたくさんございますんで、一々全部につきましてお話し申し上げるのはちょっと困難かと思うわけでございますが、先生の特に御要望があろうかと思われます点は、新しい事業で、たとえば農地等の処分あるいは転用農地等の扱いが、農協が今回できると、こういうことになりましたので、そういう点でございますとか、あるいは農業経営の受託の関係等が新しい事業でございますので、そういう点が特に問題があろうかと思いますので、そういう点に重点を置きまして申し上げさせていただきますと、農地等の処分事業につきましてはこれは政令にも一部ございまして、政令におきまして一項の規定がございますが、その一つの規定といたしましては、農地等の処分事業は経理を他の事業とは区分してやるようにというふうにひとついたしておるわけでございます。その他の事項は定款付属書でございます。農地等処分事業の実施規程ということで私どもは指導を行なおうと思っておるわけでございますが、その内容といたしましては、この実施規程につきましてはこれは定款付属書にいたすということで、当然総会の議決事項にいたそうと、こういうことでございます。 それからこういう事業をやります場合には、まずその事業をやる前提といたしまして計画をひとつ定めていただいて、そしてその計画を十分練り、その上でやる。単に無計画にそういうことをやるのではなしに、開発計画というようなもので、どういうふうにしてその農地等の処分事業を計画的にやっていくかということを明らかにしていただく、そういうものをきめなさい、こういうようなことをうたっているわけでございます。 それから経理の区分はこれは当然先ほど政令にございますのと同じようなことを規定の中に盛り込むということでございます。 それからこれも法案の審議過程でいろいろ御指摘をいただきました問題でありますが、この事業がいわゆる土地ブローカー的なニュアンスを持って行なわれるということはこれはぜひ避けなければならないということで、そういうことを規制するという意味におきまして、利益金の積み立てについてかなりきつい実は規定を盛り込もうといたしておるわけでございます。たとえば利益を生じたような場合には、これはたてまえは委託によるのをたてまえといたしておるわけでございますけれども、かりに利益を生じたような場合にはこれを積み立て金として積み立てなさい、で、その積み立てをいたしました準備金は損失のてん補に充てる場合を除いては原則的に取りくずしてはいけない。それを取りくずしができるようにいたしますと、これはこの事業が本年の方向と違う方向に動くおそれがありますので、取りくずしてはいかぬ。ただ、十年間を経過したときには総会の議決によって処分してもよい、こういうかなり実はきつい規定を置いているわけでございます。 大体以上のようなことを内容にいたしますものを実施規程として定款に付属書として規定をさせる、こういうことで、その運用につきまして十分適正に行なわれるようにいたしたい、こういうように考えておるわけでございます。 それから農業経営の受託事業でございますが、これにつきましてはこれまた新しい事業でございますので、私どもは農業経営受託規程例というものをきめまして、それに従って事業が行なわれることを確保したいということを考えておりますが、これは新しい事業でございまして、その地方地方の実情に応じた運用がなされるべきであるという御指摘が確かに法案の審議の際にもいろいろあったかと思いますので、そういう線でまいりたいということで、そういうことが当然内容として取り入れられるようなことも配慮いたしておるわけでございますが、内容といたしましてはごく当然の規定を別にいたしますと、たとえば一体その受託料と申しますか、そういうものをどういうふうにしてきめるかということをかなり詳しく計算の方式を規定してございます。考え方といたしましては、ごく一口で申し上げますと、実費によって計算をするということで、その事務に要しますいろいろな作業費でございますとかあるいは資材費でございますとかあるいは関連の管理費等も、カントリーエレベーターの関係の経費でございますとか、こういうものをとるのだと、それでこういう形で計算したものを受託経費の基礎とするというようなことを一応指導いたしたいというふうに考えておるわけでございます。 それからこの事業をやります場合に運営協議会というようなものを設けることが望ましい。この運営協議会といいますのは、委託者でございますとか、普及所でありますとか、それから市町村農業委員会、土地改良区といったような関係の方をメンバーにいたしました運営協議会というものを設けまして、そこで十分ひとつ検討をした上で事業をおやりなさい、こういうことにいたしたいと考えております。 それから経理の区分につきましては、これは農地の場合と同じでございまして、他の事業と区分して経理をする、こういったような内容のことを実は規程例として盛り込みたいということで考えておるわけでございます。 それが新しい事業でございますが、その他のたとえば法律改正によりまして政令に盛り込まれております議決権及び選挙権を、二個以上の議決及び選挙権を与えることができることになったわけでございますが、その限度は、まあ通常の議決権の数までというようなことが政令で定められておるわけでございますけれども、そういうものについてのややこまかいいろいろな具体的な指導等を内容にいたしました次官通達を出したい、こういうようなことでございます。まだその他いろいろこまかい点がたくさんございますが、一応その程度まででございます。
○村田秀三君 私はいまこう、ことばで伺った範囲の中であれやこれや申し上げるのもなんですが、これ以外に何かかんか出てくるのじゃないかというようなことも考えられるのですがね。私どもが法案審議と関連をさせてやはり気にしておりましたといいますか、これから関心を持っておりました問題というのは、農業者年金との関係とか、それから農地法の関係——農地法の関係といいますると、これは経営委託をいたしまして、居住地以外に居住する場合、かりにそれが農地法上不在地主は一ヘクタールと、こう限定をされ、これは施行令が出ないからまだわからないのでございますけれども、いずれにいたしましても大体そういう答弁であった。そして居住地以外に居住をしておった場合の所有権の限度ですね。こういう関係も出てくると思います。 それから農業者年金で、これもまたいまと同じ場合でありますけれども、経営委託をした場合に、一定の年数、長期継続して委託をするもの等については検討の余地があるであろうかというような問題がありましたけれども、これらは農業者年金の際の施行令なり何なりに明示をするのか、どういう扱いでなるのか。その辺のところをひとつお答えをいただきたい。
○説明員(池田俊也君) 前段の問題は、これはあるいは農地局長からお答えがあろうかと思いますが、農地法の施行の問題としておそらく処理をされるように私は思いますが、これは農地局長からまたお答え申し上げますが、後段の農業者年金の関係でございますが、これは前国会におきまして村田先生から御質問があったのを私、記憶しておりますが、これはやはり農業者年金基金法の施行の問題として私どもは処理をいたしたい。その内容といたしましては前回お答え申し上げましたような線に沿いましてやりたい、こういうふうに実は考えているわけでございます。
○村田秀三君 やはりどうも文章化されて明確になりませんと、なかなかこれは質問しにくい点がありますから、おおよそは次の機会にいたしたいと思いますけれども、次の問題、農地の問題ですね、農地の転用処分の問題は、いま二、三の問題に分けて言われたようでありますけれども、それ以外に何か考えておられるのかどうか。たとえば、私は農村住宅団地建設計画の推進に関する調査研究実施要領というのを見せていただいたわけです。そこで考えたわけでありますけれども、これはつまり農地問題——農地の区画形質の変更事業と関連して出されたものだと私は理解しておるわけでありますが、それでよろしゅうございますか。
○説明員(池田俊也君) いまのことにお答えいたします前に、私の先ほどの答弁があまり適切でございませんでしたので訂正させていただきますが、まず当面の農地法の運用の問題に関連いたしますので、農地法の施行の場合の施行通達といいますか、そういうものでも出てまいるわけでありますが、農業経営委託の規程の中でもそれをやはり盛り込むという予定にいたしております。といいますのは、委託をすることができるのはこういう人で、こういう人が委託できるというような関係で、いま先生がお話になりました問題にも関連いたすわけでございますが、そういうものも盛り込むことになろうと思います。 それから、いまのお尋ねでございますが、七月の終わりごろだったかと思いますが、農村住宅団地建設計画の推進に関する調査研究に関します事務次官通達が出ておるわけでございますが、これはいわゆる農協が最近非常に力を入れておられる農住計画といわれておるものと関係いたすわけでございますが、これにつきまして実は四十五年度予算で補助金を計上しておるわけでございます。その補助金は、その場合のいろいろなマスタープランの作成とか、あるいはそれに関連するいろいろな調査研究ということで補助金を計上しておるわけでございますが、それに関する通達でございます。この事業と、それから今回の農協法改正によります農地等の関係の事業との関係についてのお尋ねかと思いますが、これは直接的にまっすぐつながるものではございませんけれども、農住計画を進めていく場合に、農協が土地の関係の事業をやる、あるいはいまのお話のような区画形質の事業をやるということがあるわけでございますので、農住計画の実際の事業の実施にあたり農協法の十条の五項でございますか、これが働く場合があるわけでございます。そういう意味で関係があるというふうに御理解いただければよろしいかと思います。
○村田秀三君 もちろん関係があるものと私も見てはおります。これ自体をよしあし言うのではなくて、私は、農協法に追加する事業といたしまして形質変更の事業ができる、こう実はうたってあるだけなんですね。したがって住宅を建設するというような話までには少し飛び越えているのじゃないかという感じがするわけです。むしろ、その法律の制定を受けて農協自体が、たとえば住宅の建設ということもあり得るだろう、あるいは工場用地をつくるということもあり得るだろう。その場合に、農協自体が事業主体になれるのか、なるのか。あるいは委託を受けて、そうして中間機関として土建業者に請負をさせるとか、いろいろの形態はあろうと思いますけれども、そういう土地の造成、工場団地あるいは住宅団地の造成に対する形質変更の事業に農協自体がどういう役割りを果たすのだという点をむしろ私、明確にすべきじゃないかと、こう実はこれを見まして考えているわけですね。いま、お話いろいろ聞きますと、計画を定めるとか、開発計画をきめなさいとか、経理の区分を明確にするのだとか、利益金の規定というだけでは何かしら私は不十分なような感じがするわけでありますが、この点はどうなんですか。
○説明員(池田俊也君) これは新しい事業でございますので、私どもも率直なことを申し上げて、実際の運用の形がどういう形になるのか、まだ必ずしも明らかではない点が実はございます。で、私どもといたしましては、やはりこの事業をやる場合の本来の趣旨からいって、こういう点だけはぜひとも十分確保してほしいということを定款の付属書の実施規程の中に盛り込みたいというふうに考えておるわけでございますが、実際のこまかい運用の問題になりますと、これだけでなかなかカバーできない点が出てこようかと思います。いまの先生のお話の点も実はなかなか問題の点でございまして、私どもが従来やや抽象的に考えておりますところでは、農住計画というのは、御存じのように、従来農民が持っておりまして農業等をやっております土地の市街化が周辺でかなり進んできて、従来そのままの形で今後も継続するということが非常にむずかしい、その場合に、むしろ積極的に住宅団地を一方で集約して建設をすると同時に、それと緑にマッチした地域をつくろうということで——緑というのは農業をやる、野菜とか果樹、そういったようなたぐいの農業を継続してやる地域とうまくかみ合わせた団地といいますか、そういうものをつくっていこうということでございますので、その段階でいろいろ土地の区画整理が行なわれる。そういう場合に、農民が協同ベースというようなかっこうで、幾つかの土地を出したりするというようなことがございますので、そういう場合に農協が土地を取得いたしまして、その事業の振興の促進をする、こういうことがあり得るというふうに考えておるわけでございまして、その場合に、具体的にどういうやり方をするか。たとえば土地の区画形質の事業につきましても農協みずからがやるか、あるいはそうではなくて、実際にはそれを委託するというようなかっこうでやるということもこれは当然であるわけでございますので、そういう委託をする場合ももちろんあり得る。そういうような場合に、最低これだけは事業の適正な実施ということで確保する、そういうものを実施規程の中に盛り込みたいということでやっているわけで、確かに不十分な点はございます。もし、私どもさらにこういう点につきまして、こまかい点をきめる必要があるということでございますれば、それは現在においては理事会できめていただくというふうに考えておるわけでございますが、それにつきましても法律的な指導がなお必要でございますならば、いつでもこれは新たに通達を出しましてそういう指導をいたしたい、こういうふうに考えております。
○村田秀三君 まだ前段の論議をしておるような気持ちで、どうも具体的にのってこないので、また農林省の方針が確定をいたしましたなら、その確定した事項について見まして、それからまた質問する必要があればすることにいたしまして、そろそろそれをやめようかと思うんですが、そこでこちらの意見ということにこれまたなるわけでありますけれども、この通達の別紙を見ておりまして考えましたことは、この全国農住計画推進研究会、これは中央につくる、そして県段階では県農住計画推進研究会をつくるということでありますけれども、これの性格とか、それから位置づけといいますか、これはどう理解したらいいのか、これを恒久的に設置をするという考え方なのか、これは一つ全国的に農住都市構想というものがどうであるかという試案なるものを作成する段階でその任務は終了するものなのか、そういう点についてひとつお伺いしてみたいんですがね。
○説明員(池田俊也君) これは先ほども申し上げたわけでございますが、直接的には本年度計上いたしております二千三百万の補助金の適正な執行をやるための指導通達でございまして、いまおあげになりました研究会も、そういう基本計画の策定が適正に行なわれるというためには、当然関係機関の方々あるいは学識経験者の御意見を伺う必要があるわけでございますから、そういうものを全国段階では農林省が主催者みたいなかっこうになりましてお集まりいただいていろいろ意見を伺う、それから県の段階では知事さんにそういうことをお願いしようと、こういうことを考えているので、まあ名前は研究会というふうに言っておりますが、しいていえば、要するにいろいろな御意見を伺う一つのチャンスであると、こういうふうにお考えをいただいてよろしかろうと思うわけでございます。したがいまして、もちろんこれは団体でもございませんし、また役所の正式の審議会といったようなものでもないわけでございます。
○村田秀三君 そうしますと、これは非常に性格があいまいであるわけですね。いまのお話を聞きますと、審議会でもなければ諮問機関でもないわけですね。いろいろと寄り集まって話し合いをするという程度の軽いものである。そこで練られたものをもとにしてその計画を立てるというような、そういう性質のものではないわけですね。
○説明員(池田俊也君) 非常に軽いものというと、内容が非常にまあどうでもいいんだという感じになりますが、そうではございませんで、やはりいま現在二十三県ぐらいに農住計画を進めたいという県があるわけでございますけれども、そういう県においてどういうような内容の基本計画をつくっていくかということには、これは実際面においてはかなり重要な意味を持っておるわけでございます。その実施については、ひとつ十分関係団体あるいは学識経験者の意見を聞いた上で基本計画をつくりなさい、こういう意味を持っておるわけでございますから、そういう意味では非常に重要でございますけれども、まあ研究会自体の性格といいますか、それは、ちょっとことばをかえて言いますとさっき申し上げたようなことになるわけでございますが、それだから非常に軽いんだと、こういうふうに私ども実は考えておるわけではないわけでございます。
○村田秀三君 同じ問題でいつまでもやっていることは時間もないし、何でありますが、そうしますと、あくまでもあいまいなもののようであり、なおかつそれを活用するようでもあり、なかなかどう理解していいかわからない。しかもこれは助成をつけておる。そういうことで私は一つの疑問を持ったわけです。仕事を積極的になさろうとすることは、別にとやこう言うものではありませんが、しかしこれを見てまいりますと、これは私はもう、農村は土地を提供して、農協がその土地の活用のためにいろいろサゼスチョンし、いわゆる事業主体になり得ることもあるという範囲のものを、これは農林省がいろいろ規定をして、そうして住宅建設をする、ないしは下水道を完備する、公共施設をつくる、取りつけ道路をつくる、こういう問題になりますと、これは農政の範囲をこえるわけですね。これは建設省の範囲に属するわけですね。そうしますと、農林省もこれは一方的に出したものじゃないと思いますけれども、こういう研究会議を構成して、いろいろと集まって研究をする、そういうところまで農林省の仕事の幅を広げていいものかどうかということを、実は疑問に思っておる。だからここに計画されたものが、建設省も一緒になって、そうしてひとつ完全なものにしていこう、かりに一応の青写真だけではなくて、青写真ができたならば、それを建設省も、県も、国も一緒になって、ひとつ施行していこうじゃないかというほどの気がまえがあれば、私はもちろん問題ないと思うわけでありますが、そういう点についてはどうなんですか。
○説明員(池田俊也君) これは実は法案の段階でも、いろいろ御議論があった問題と関連をいたすと思うわけでありますが、私どもはやはりこの問題の取り上げ方としては、要するに農地が非常に無秩序にスプロール化していく、これを極力防がなければならない。そういっても市街化が進んでおりますような地域で、農地をそのまま確保するのだといいますけれども、これはまあ不可能なことでございますから、その間の調整をやはり農業側としても積極的にやるのが必要なんじゃないか。だから残ります農地は、これはやはり将来も農業を継続するという見地から、それに支障を与えないような配慮をしながら、一方では宅地にしていかなければならないものはしていくと、そこを農業側が、むしろある程度リーダーシップをとってやるほうがかえってよろしいと、こういう踏み切り方をしたわけでございますので、そういうような意味で私どもはこれを進めたい。しかし一方住宅政策とか、宅地政策という観点から見ますと、これは御指摘のとおり、建設省の分野でございまして、いわば両方からの接点がこの問題になってくる、こういうことでございますので、私どもはこういういま先ほどいろいろ御説明申し上げましたようなことも、建設省と十分実は打ち合わせをいたしておりまして、当然この研究会等のメンバーとしても、そういう方面にも入っていただいてやりたい、こういうふうに考えておるわけでございます。
○村田秀三君 そうしますと、いろいろ先ほどからお話を聞きます限りは、何かこういろいろ関係者が集まって話し合いをして、一つのプランをつくる、これはつくりっぱなしてしまうのだというような印象がやはり強いわけですね。これはそうではないのですか。そこでできたプランというものをもとにして、建設省も県も協力してそれを実行しなさい、実行するのだ、こういうことですか。
○説明員(池田俊也君) 後段にお述べになりましたようなことで、むしろ、当然実行につながる一つの前提としてのマスタープランをつくりたいと、こういうことでございます。
○委員長(園田清充君) 櫻井委員の質問に対して政府側からの答弁が留保されておりますのでこの際答弁を願います。
○説明員(中野和仁君) 土地改良事業をやっております場合に、都市計画法との関連がいろいろ出てきておるわけでありますが、その辺の取り扱いについて御答弁申し上げたいと思います。 一つは、整理がされまして市街化区域の中に入りました場合に、そこの農家が負担金を払わなければ市街化調整区域に入ったものがみんなかぶるという問題がございます。そこで、先般、都市計画法が新しく制定されましたあと農地法の施行規則を直しまして、農地転用の許可制度はなくなりましたけれども、届け出制になっておりますが、この届け出る際に、自分の転用しようとする農地が土地改良区の受益地であります場合には、その届け出を農家がする場合に土地改良区のほうにその届け出をしましたという書類を送る。それによって土地改良区は転用があるということを了知いたしまして決済金をいただくとい三原則を一つ立てておるわけであります。 それから二番目には、現に土地改良事業、圃場整備なり灌排事業等が行なわれているのをどうするかという問題が出てくる。で、そういう事業をやっておる最中に市街化区域に入りました場合に、関連の、たとえば圃場整備のような事業は、いずれ市街化するところは農地としての圃場整備をすることはむずかしいわけですから、この場合は地区除外をするという原則を立てております。しかし用排水事業になりますと、途中で用水路を切るというようなこともむずかしい場合がございますし、現に市街化区域の線が引かれましても農地としてはあるわけでございますので、不可避的に農地に受益させなければならぬというような事業は継続してやるということにいたして実施をしております。 それからそういう建設中のものもございますけれども、主としてでき上がりました、維持管理的なことになるわけでございますが、そういう施設をどうするかという問題が非常に実際の線引きにあたっては題問になっております。この場合は線引きの前にあたりまして、当該土地改良区と市町村あるいは県がその中にあっせんに入りまして、その水路等をだれが管理をするかということを協定を結ばせるということで指導しておりますし、現にいま線引きが進んでおりますような地区からの念書それからそういう協定書を見ましても大体そういうふうになっておるということでございます。 それと関連をいたしまして、補助金返還の問題があるわけでございますが、補助金返還の問題は、かつて会計検査院から国会に御報告があり、農地としての補助金を出したものがむやみに転用されているのは国費のむだではないかという御指摘がたびたびありまして、国会に改善意見が出されましたし、大蔵省からも指摘がありましたので、昭和四十四年度新規着工事業から、もし農地を転用いたしました場合には、一定のルールがございまして、補助金をその面積に該当するものを返還させるということにしたわけであります。しかし、これはそれ以前のものについてまで強制的に返還させるということでございません。昭和四十四年度新規事業から補助条件にそういう条件をつけまして返還をさせるということで、県の条例あるいは土地改良区の団体でありますれば、土地改良区の規定に、そういうふうに定款に盛り込むということにしてございます。いまの線引きとの関係で申し上げますれば、線引きされたらすぐ補助金返還ということはございません。最初に御説明申し上げましたように、たまたまその転用いたします場合の土地が四十四年度以降着工の場合には、補助金の返還をしてもらう場合があり得る、こういうふうに考えて実施しておるわけでございます。 以上でございます。
○櫻井志郎君 ちょっと農政局長の答弁と少し食い違う点があるような感じがする。構造改善で土地改良をやった場合には、正式にいえば四十五年度から転用したら補助金を返還せにゃならぬぞという通達が出ている。じゃその前のはどうするか、その前のは運用上ほとんど全部返還させる。ところが農地局長の答弁では、いま四十四年度から着工するのは、これは当然のことです。その前のものに対しては、さかのぼって返還させるということはどうも法的に強制する能力がないからできないと、農地局の土地改良でやったのと農政局の構造改善でやった土地改良、内容が同じようなものでありながら、その補助金の返還のしかた、方針が非常に違うと、これはどうなりますか。
○説明員(中野和仁君) ただいま申し上げましたように、補助に条件をつけましてやりましたケースは、昭和四十四年からこれは農地局でやっております土地改良事業も、農政局の構造改善事業による圃場整備も同様でございます。構造改善事業につきましては、農政局長からお話があったようでございますが、農地局といたしましてもその農地は、大体農地の転用許可基準は一種農地になりますから、転用を認めないわけでございます。しかし、それが一部かかっておりまして、どうしてもそこの分が必要だという場合には、自主的に補助金を返還するという地元の話もありました上で、その補助金の返還を聞くといいましょうか、自主的な返還を受けてやっておる例はございます。
○委員長(園田清充君) これにて午後一時三十分まで休憩いたします。 午後零時三十八分休憩 —————・————— 午後一時五十六分開会
○委員長(園田清充君) ただいまから農林水産委員会を再開いたします。 休憩前に引き続き、農林水産政策に関する調査を議題とし、質疑を行ないます。質疑のある方は順次御発言を願います。
○村田秀三君 まず初めに厚生省とそれから農林省にお伺いいたしますけれども、問題は今日毎日のように新聞に出ていましてそうして大きな問題になっておりますが、今日の状態になりますると厚生、農林各省がそれぞれ何を言っても不安感は除去できないような状態になってきておる、こう私らは感じております。そこでこれは根本的な対策を持ってほんとうに不安感を除去して、生産者は安心をして生産ができる、消費者は安心して米をたべることができるというところに早く持っていく必要があると思います。きょうは時間が限られておりますから相当広範にいろいろお伺いをするというわけにはまいらぬし、ここは農水でもありますから科学的な問題については私どもまだしろうとでもありますし、なかなか判断しにくい面もありますから、それにはあまり触れないと思います。少なくとも行政措置について主としてお伺いしたいと思いますが、ずっとこの不安感をまき散らした理由の一つに、農林省と食糧庁が一つの基準をきめるについて何が食い違いがあるというような印象を少なくとも新聞紙上を見る限りでは私は与えておるような気がいたします。 それは七月の初旬から、これは農林省が十五日に、ずっと新聞を見てまいりますると、配給米は〇・四PPM以上はこれは配給しない、それから一PPM以上は買い上げをしないような方針をきめて厚生省に相談したところが、厚生省が結論を出さないから、即答を避けたからこれを見送った、こういうような内容のものが出ておりますね。そこで二十五日未明の食糧庁幹部会議では、これは〇・四PPM以上は配給しないと決定をいたしまして、では生産米をどうするかということは自後に持ち越された形になっております。そこでこの同じ食糧庁の決定をいたしました際に、厚生省は、大体同じ時期でありますけれども、二十四日午後四時から二十五日午前零時過ぎまで食品衛生調査会——微量重金属調査研究会において結論を出した。そして安全基準を玄米一PPM、白米〇・九PPMという結論をつけた。 そこで、新聞のこれは報ずるところでありますから、その真偽は知るよしもありませんけれども、厚生省としては、何で農林省が早まって決定をしたんだろうなどというような何か煮え切らないような様子が見えるという報道もされておる。農林省が〇・四以上は配給をしないという決定を急いだ理由というのは、これは経過的にはあるような気がいたします。農林省がそれに対して少し行き過ぎだ、白米では〇・九でいいんだというようなものを言っているような印象を与えるというところにこの安全基準に対する信用性も出てこないし、はて〇・四というのがはたして完全に安全なのかどうかというようなむしろ印象さえも持たれておる、こういうように実は見受けられるわけです。で、農林省が主としては直接米の問題については、これは直接担当の省庁でありますからたいへん気をもんで前からいろいろと検討しておるけれども、厚生省の態度がなかなか決定をするに至らないというような、そういうような印象をまた受けたわけでありまして、実際どうなんだろう。厚生省と農林省が何か食い違いを持っておるものだからなおさら不安感を助長しておる。こういう印象なきにしもあらずと、こう実は考えておるわけでありまして、その間の事情について、まずひとつ厚生省と食糧庁のほうからお伺いをしておきたい。
○説明員(浦田純一君) 米に含んでおりますカドミウムの安全基準をめぐりまして、厚生省は農林省、食糧庁のほうからその問い合わせがあったのにもかかわらず確答を避けた、あるいは煮え切らぬ態度であったのではなかろうか、それがひいては農林省と厚生省との間の見解の食い違いがあって、いろいろと不安を起こしておる原因の一つともなっているのではなかろうかといった旨の御質問だと思いますが、この経過を申し上げますと、厚生省で初めカドミウムの汚染状況について出しました数字、これは公害対策の関係から、汚染地域におきます住民の健康を調査するという立場から、一応汚染地域、要観察地域の農家の保有米につきましては、玄米におきましては一・〇PPM未満まではよろしいけれども、一・〇PPM以上の米は食用に供することはそういった地域においては適当でない。つまり純然たる特殊地域における対策として出した数字でございますが、それが米という日本人の主食にかかわります問題でありましただけに、それでは一般の米についてはどうかという疑問、不安が当然起こったわけでございます。これにつきましてさきに食糧庁のほうから、要観察地域における農家の保有米に関する基準は一応わかったけれども、一般米についての基準はどう考えているかということで御照会があったわけでございます。 それに対しまして、私どもが確答を避けたのではございませんで、実は即答を避けたわけでございます。これはもしも、この要観察地域における基準というものは、これはあくまで特殊条件のもとの基準でございますので、これを一般の食品としての米を対象として考えた場合にはまた別の検討が要るわけでございます。しかも残念ながら実は今日までのところカドミウムの、米に含まれましたカドミウムの人体におけるいわゆる慢性毒性というものについてはデータが限られております。また私どもといたしましては、所管しております食品衛生調査会というものがございますが、このような問題につきましては、学問上の問題でございますので、意見を聞くというたてまえにもなっておりますので、さっそくこのような手続上の問題もありますし、こちらとしていろいろと研究すべき問題も多うございますので、しばらくの猶予がほしいということでお待ち願ったわけでございます。 それで、私どもといたしましては、さっそく先ほど村田先生が御指摘の食品衛生調査会、その中に特別に微量重金属に関する調査研究会を設けまして、二回にわたりまして、最終は先ほど先生申しました二十四日の午後から二十五日の未明に至るまで御検討いただきました結果、先ほど発表いたしました一般米に対する米の安全基準というものを考えた場合には、一・〇PPM未満のものについては有害とは認めがたいという食品衛生調査会からの御見解をいただいたわけでございます。これに基づきまして、私どもといたしましてはそれに行政的な判断を加えまして、一般米の安全基準は玄米につきましては一・〇PPM、白米につきましては〇・九PPM、それ未満については安全であるという判断をいたして、さっそく食糧庁のほうにもその旨お伝えしたわけでございます。したがいまして、この間におきまして両省で意見の不一致が出た、あるいは厚生省のほうで煮え切らない態度であったといったような事実はないものと心得ております。
○説明員(森本修君) 厚生省のほうから大体経過のあらましを御説明になりましたので、私のほうからいたすべきことは少ないのでございますけれども、先ほど言われましたように、厚生省のほうで要観察地域における農家の食事のとり方として、一・〇PPM以上のものは注意をするようにという発表があったのでありますが、そういった発表をめぐりまして、一般の配給米について消費者の側からの不安が出てくるというふうな御案内のような情勢が出てまいりました。そういう食品衛生上の問題につきましては、食糧庁としても有権的にこれを判断することがなかなかむずかしいということがございまして、先ほど御説明があったように、厚生省のほうにいかようにやればいいかということを御照会をいたしたのでございます。で、先ほど御説明がありましたような委員会の見解がございまして、それに基づいた厚生省の見解が私どものほうに示されてまいりました。その間若干時日が経過をいたしましたので、消費者のほうでも、御案内のように米についての不安感といいますか、そういうものがかなり消費者の間に醸成をされてくるということでございましたので、私どもとしては、食糧管理なり、日常米の配給を担当しておりますところの役所としては、配給米について一部の不安も消費者に与えることはよくないことであるという考えのもとに、厚生省から御連絡がございましたものをもとにして、がつまた食糧を管理する立場におきまして、いま言いましたように、主食に対して安心感を持って日常を送っていただくという意味合いから、要観察地域で生産をされました米については配給しないということを決定をいたしまして、消費者に対する配給問題についての見解を発表をしたという経緯になっております。
○村田秀三君 これ間違ったらひとつ御指摘いただきますが、こまかいことではありますけれども、これは新聞の限りです。いまお二人の話を聞いていますと、新聞に書かれているものとは若干違うような気がいたします。つまり、食糧庁が最初に〇・四PPM以上のものは配給しない、こういう言い方を新聞に流して、そうしてこれに基づいて厚生省にひとつこれでどうだというような連絡をしておる。厚生省が最終的に結論を出してそれを連絡する前に食糧庁が態度を決定したということが新聞に——一部の新聞ではありますけれども出ておるわけですね。 それを見まして私どもが考えましたのは、これまたひとつ間違いであれば御指摘をいただきますけれども、要観察地域の含有量の暫定基準、これは一PPMというような話をいま聞きましたけれども、これは〇・四PPMということで御発表なさったんじゃないかと私は思っております。その点一PPMと〇・四PPMとどちらかをひとつ正確に答えていただきたい。そこで、〇・四PPMというのが暫定基準であったために、それを一つの基準として現地に指導しておったことは間違いないと思うんですね。そういうものをもとにしながら食糧庁は前もって〇・四PPM以上のものは配給しないんだという態度を決定する一つの、何といいますか、示唆を得た資料とでもいいますか、そういうことがあったんじゃないかと憶測をするわけでありますけれども、その点はどうでありますか。もしもそうでないということになりますると、これは食品衛生は主として厚生省が担当するわけでありますから、この厚生省が、実際の問題は別にいたしまして、〇・九以下であるならば白米の場合影響ない、安全であるということであるならば、食糧庁も〇・九以下は安全であるというような言い方をしないと、これはむしろ国民に不安を与えるということになりはせぬかと、そういう立場でいまものを申し上げておるわけでありますが、〇・九がいいとか、〇・四がいいとかいう問題は別でありますけれども、そういう意味でいま御質問をしておるわけでありますが、その点はどうですか。
○説明員(浦田純一君) 〇・四PPMの持っておる意義についてでございますが、これは私どもが昨年九月に発表いたしましたカドミウム環境汚染暫定対策要領の中に示しておる数字でございますが、この〇・四PPMと申しますのは、玄米を数カ所の水田から採取いたしまして十分に混合いたしまして、その分析値が平均〇・四PPM以上を示す、この場合には人為的な汚染の可能性があると考えまして、そのような地域を対象にしていろいろと精密調査を開始する、その一つの目安とした数字でございます。と申しますのは、カドミウムは実は広く自然界に、土壌の中にも分布しておりまして、また一般のお米の中にも自然の形でもって入っておるものでございます。調査したところによりますと、日本では平均いたしまして〇・〇七ないし八PPMの濃度が得られております。しかし、これには幅がございまして、一番上限の数字で申しますと〇・四PPMをこしておる〇・四八といったような数字も出ております。したがいまして・この分布の幅も考えまして、一応この分析値が〇・四PPM以上の場合には、これは人為的な汚染の可能性があるというふうにしたものでございます。したがいまして、これは全く一般白米の、食品としての白米の中に含まれてカりますおドミウムの量、これを安全基準とかこういったような角度から考えた数字でございませんので、全くこれとは意味が違うものでございます。
○村田秀三君 食糧庁はいまの問題どうですか、〇.四をもとにして、前もって〇・四にきめたんではないか。
○説明員(森本修君) 本件が起こりましてから、生産地あるいは消費地でいろんなリアクションが出てまいりまして、したがいまして、配給上のとりあえずの措置として、そういった疑わしい地域で生産をされておる米については、とりあえず、何といいますか、配給を見合わすというふうな事実上の暫定的な措置は各食糧事務所においてとっておったということはございます。しかし、さような米を最終的に配給に回すか回さないかということは決定をいたしておりません。私が最初に申し上げましたのは、何を配給に回し何を配給に回さないというふうに最終的にきめて発表をいたしましたのは、厚生省のほうで先ほど来委員会等を開かれて御検討をされてその結果私どものほうに御連絡があった以降、もちろんその間にそう日にちはたっておりません、同日でありますが、私どものほうとしてもできるだけ早くかようなことは決定すべきであるということで準備をいたしておりましたから、そういう御通知に接してからその直後に決定をいたしまして発表をした、こういう経緯になっております。
○村田秀三君 どうですか、食糧庁長官ね、〇・四以上のものは配給しないと、こうきめたわけでしょう、食糧庁として。新聞を見る限りはそういうことです。だから、いやそうじゃないのだ、汚染地帯、いま要観察地帯とされておる——推測できる地域のものだけは〇・四以上配給しない、こういう言いようにも先ほどはとれたわけですけれども、そういうことなのか。それはどこでできるか。〇・四以上は配給しないのだと、そういうことなのか。それからまた〇・四ときめたのは——私は〇・四よりも〇・三、安全性を追究する上においては自然米に近いほうがいいわけですから、そういう意味ではこれは別に努力いたします。しかしながら厚生省が〇・九は安全だと言っておる。食糧庁は〇・四以上は配給しないのだ。ここにやはり不安感を与える一つの原因があるではないかということで、その〇・四以上配給しないときめた理由、経過、これは何であるかということを先ほどから質問しているつもりです。
○説明員(森本修君) 先ほどもお答えを申し上げたつもりでございますけれども、要観察地域の農家に対しまして一・〇PPM以上の米は食べないほうがよろしいという厚生省の発表がございましてから生産地においても消費地においても、いろいろな意味で消費者の反応が出てきたわけであります。最終的に厚生省のほうで一・〇以下は安全であるという見解を出されました。しかもまたその見解は私どもとしても医学的な見地に立って食品衛生上の区分としては適正なものであろうということはもちろん信じております。しかし、事実問題としてその間に、消費者の間にいろいろな意味で汚染米に対するリアクションなりあるいは不安感というものが出てきたということはこれは否定できない一つの事実であったわけであります。医学的にも正しいかあるいは正しくないかは別にいたしまして、世の中の反応というものがこれは事実出てきたことは否定できない。 そこで、私が先ほど言いましたように、厚生省の見解を私どもももちろん了承いたします。そういう見解が正しいものであろうということは信じますけれども、現に起こっておる消費者の不安感に対して、食糧管理としての立場からいかに対処すべきかということはまた私どもとしても判断をせざるを得ない事態であったわけです。そういう意味で、できるだけ主食に対して国民の不安感を除くという意味において要観察地域で生産をされた米は配給はしないという措置をとったということを申し上げておるわけであります。
○村田秀三君 そうすると、正確には要観察地域で生産をされた米、〇・四PPM以上の含有量が認められればそれは配給しない、こういう意味ですか。
○説明員(森本修君) 私どもは一々の米を精査するというわけにもまいりませんから、先ほど言いましたように、不安感を除くということからいたしますれば要観察地域というのはさような汚染地区であったというふうに一般的に承認をされておる地域でありますから、そこで出ました米は一々精査をしないで、ともかくもその米については配給は見合わすということにしたということでございます。
○村田秀三君 そうしますと、これはまあ物事の順序からすると生産者の問題、消費者の問題はあとで別途やろうと思ったのですが、ここでひとつ要観察地域と、こう言いますけれども、確かにこれは厚生省がきめた五カ所あります。しかしそれ以外にないということはないと思うのですね。これは現実問題として福島県あたりでもいわきとか磐梯で出ております類似工業、類似産業の地帯を見ますというと、それ以外にも二、三カ所ある。調査はないしょであるいは内密でなさっておるのかもしれませんけれども、公表はされてないという問題もあろうかと思うのですね。そうすると要観察地域の米は含有量のいかんを問わず不安感を除去するためにこれは買い付けても配給には回さないということであって、事実問題として含有量が認められても要観察地域に指定されておらない地域のものはそのまま野放しであるということに結果としてはなるわけですね。そういう扱いでいいかどうかという問題、いわきやあるいは磐梯なんかは、これは要観察地域にはまだ指定されておりません。その辺の見解はどうなんですか。
○説明員(森本修君) さような地区も二、三カ所あるように私どもも聞いておりますが、さような地区の取り扱いについては、まあ語弊がございますけれども、有権的なといいますか、しかるべき正式の機関が十分調査をして、同様に取り扱うべき地域であるということになりますれば、私どもとしても同様の取り扱いをしたいと思っております。
○村田秀三君 それじゃこれはもう新聞に出ておる内容と、食糧庁がとろうとする解釈というのは、いま言っておる理解というのは全然違うように私は感ずるのですね。そうすると汚染地域に、要観察地域に指定されたところのものは配給に回さないのだけれども、一PPM以上であってもこれは全量買い入れをするという、そういう理解をしていいわけですか。きょうの新聞見ますというと、一PPM以上は汚染地帯の生産米は買い付けをしない、こう出ております。それから前の〇・四PPMの米は配給しないということ、これは私どもの理解としては、単に要観察地帯のものばかりではなくて、現に含有している米は配給しないという理解なわけです。実際またそうしないと、これは先ほど申し上げましたように、二、三の地域は除いておるなどというけれども、そんなものじゃありません。福島県だっていま新聞で実際に騒がれているのは二カ所ありますし、それ以外にもあるいは金属鉱山の下流地域一帯だということになりますと疑いを持たれる地域というのは三カ所か四カ所あるわけです。調査してみれば出てくるのです。こういうことになりますと、これは要観察地帯の米だから害があって、いわきは要観察地帯じゃないから含有量は高いけれども、これは食べても差しつかえないということにはならないわけですね。なべてひとつ調査をしてみなければならぬということになるわけです。少なくとも人知の可能な限りの対策をとるという態度がなければこれは国民の不安なんて除去されません。いわきでもあるのならおれのところもあるじゃないかということは、これは一般に常識的に類推できるわけですからね。そこら辺のところはどうですか。
○説明員(森本修君) 理屈から言いますとお説のようなことになろうかと思います。現実問題としてどこの地帯をさように考えるかということは、やはり私が言いましたようなことで、正式の機関において調査をして、先ほど言いましたような地域と同じような取り扱いをすべき場所であるということが認定されればそういう扱いをするということに、事実上の手配なり手順なり、手続としてはさようなことになろうかと思います。
○北村暢君 関連してお伺いしますが、大体食糧庁はその要監視地域の米はカドミウムの含有量について調査することなく無条件にもう配給しない、こういうふうに受け取れるのですがね。大体食糧庁は米を買い上げる際にカドミウムを含有しているかいないかということを調査する能力を持っているのですか持っていないのですか。持っていないでしょう。持っていないから地域の指定されたものだけは配給しないというだけで、買い上げるときにまたカドミウムを含んでいるか含んでいないかを調査しないわけでしょう、買い上げる際。したがって全国的の基準において一PPM以上は買い上げないといっても、監視指定地域以外の米であるのかないのかわからないで、検査しないで買い上げるわけですね。そうなんでしょう。だから、この食糧庁の検査の基準の中でカドミウムを含む含まないなどということはないわけですから、だからいまの検査基準からいえばこれは対象になっておりませんね。だから、あなたのところは、いま言われたような疑問のあるような地域に、監視地域以外のものであってもあるのかないのかわからないで検査しないで全部買っているということになっている。だから、買ったときには一PPMのものがあるのかないのかということを、もしかりにあったとしてもわからないで買っている、こういう結果になっているでしょう、そうでないですか。
○説明員(森本修君) カドミウム問題はかような形で発生をしてきておりますから、私どもとしてカドミウムの検査をして買うということはしておりません。また、さような能力もいま検査課にないということであります。したがいまして、配給上の問題は、いろ御指摘がございましたように、そういった疑いがある地域から買った米は、ともかくも消費者に不安感を与えないということで、配給はしないということにしたわけです。 それから買い入れの問題につきましては、理論的に言いますれば全国のあらゆる米を検査しなければわからないものはわからないということになるだろうと思います。しかし実際的な処理としては、先ほど言いましたように一PPM以上の米が要観察地域の中で調査をして出たという地域がありますから、その地域をいま各県で線引きといいますか、そういうことをやってもらっておる。その中の米は原則として買わない。ただ、その中の米にもあるいは一PPM以下のものもあろうかと思います。さようなものはしかるべき検査をして、一PPM以下であるという証明がつけば買おう、こういうようなことにいたしております。
○北村暢君 そうすると、厚生省も米の買い上げについては、カドミウムを含んでいるか含んでいないかということを全国的にやるなんということは不可能でしょうね。不可能だから、問題の起こっている地域に行って要監視地域だとかなんとか……。ところが、その要監視地域以外に、いま村田君も触れているように次から次へと出てくるのですよ。だから、これは要監視地域だけの米について食糧庁がとっただけでは、これは不安は解消しないわけでしょう。出てこないならいいですよ。ここだけといってきまっているならいいけれども、次から次へと出てくる。あっちでもこうだった、こっちでもこうだったと出てくるでしょう。それじゃこれは指定のしかたをもっと広範囲にやらなければならぬ、全国的に手を伸べてやらなければならぬ。いま問題になっているところだけが、病気の出ているところだけが問題になっているだけのことですね。実際に調べたら、まだほかにもどんどん出てきた。こういうことが次から次へ出てくるものですから、だから不徹底ではないか。だから買うときにそのカドミウムを含んでいるか含んでいないかということを、米全体について検査する対象にしない限り、この不安は解消しないわけですよ。ところがその能力はどっちにもないわけです。またやる気もない。だからこの不安は残るということはこれは事実なんですね。それを盛んに村田君はさっきから言っているのですよ。方法なし、こう言わざるを得ないのですが、そこら辺のところはどういうふうに、今後対処していくかということについて、厚生省なり、農林省、どういう打ち合わせになっているのか、そこら辺のところをはっきりしていただきたい。
○説明員(浦田純一君) お尋ねの点は、カドミウムに汚染されている地域、いわゆる要観察地域というものが現在五カ所ございますけれども、それ以外にも全国でたくさんあるじゃないか、それらについて調査状況はどうか、それの用意があるかという趣旨が一つだと思います。それからもう一点は、検査方法がそういうふうにまうくいくかということじゃないかと思います。 第一の点でございますが、これは私ども厚生省では、カドミウムの発生源につきまして、すでに昨年九月に全国都道府県知事あて、カドミウムによる環境汚染暫定対策要領を通知しまして、カドミウム汚染源を把握し、要領に沿って環境汚染調査を行なうように指示してございます。それで目下この要領指示後、各県におきまする調査の状況について照会中でございます。今日末までにある程度集計ができるという見込みでございます。これによって食糧庁のほうがどのようにお考えになるか、そのときにはまた相御談があるものと思います。 それから米の中のカドミウムの検査方法でございますが、これはいろいろ方法がございます。はっきり申しまして、まだこちらで公定した方法はございません。が、一番精度も高く迅速性にすぐれておるという点におきましては、原子吸光法が非常に重要であろうと考えております。それからもう一つは、全部一粒一粒の米をはかるというわけにはまいりませんで、いわゆるサンプリングの方法でありますが、これにつきましては、昭和四十三年度の厚生省の公害調査研究委託におきまして、サンプリングの方法をいろいろと研究してございます。これをもとといたしまして、早急に実用に間に合うようにサンプリングの方法等も確定してまいりたい、このような段階でございます。
○北村暢君 いま、サンプリングの方法で検査するというのですが、実際に食糧庁が末端で米を買い上げる際に、要観察地域はもちろんですけれども、いま県に依頼をして疑問のあるところが今月末わかるということですが、これからの来年度の産米の買い入れにあたってそのサンプリングの実際の検出調査の方法が実際に現場においてそれを適用して、食糧庁が米を買う際に、厚生省が立ち会ってそのカドミウムを含有しているかどうかということを検査するところまでそれが制度的にできるのかどうなのか。自信があるのかどうなのか、これをお伺いしておきたい。
○説明員(浦田純一君) 実際の測定方法、あるいはサンプリングの問題につきましては、ただいま詳細については打ち合わせ中でございますが、いずれにいたしましても、厚生省といたしましても地方の衛生研究所、あるいはしかるべき研究機関を動員いたしまして、御依頼によりますあるいは共同といいますか、それらの地域はいずれ食糧庁と御相談の上できめていかなくちゃならないわけでありますが、測定の方式あるいはサンプリングの方式については今後早急にきめてまいりたい、検討してまいりたいと思っております。なお、それに基づきましてどのように御判断されますか、それはまた食糧庁の御判断によることになると思います。
○説明員(森本修君) 私どもはこういった日常の業務を扱っておるわけでありますから、厚生省のほうと早急に相談をいたしまして、さような方法の確立につとめたいと思います。
○村田秀三君 それで、次の問題ですが、これは主として買い入れと、それから配給、そういう部分がいままで中心になっておったと思うのですが、今度生産者の不安というものはとてもたいへんなものがあるわけですね。つくったものが売れるのか売れないのか。で、農林省がきのう決定をしたという汚染地帯ということでありましょうが、一PPM以上はこれは買い入れをしないということ、この新聞発表のとおりであるかどうかという点。 それから、買ってもらわないと実は困るわけですね。実際に福島県の場合、磐梯は一PPMをこえております、農家の保有米は。そうしますと、これはおれのところでは、いま一生懸命つくってもこれは買ってもらえない。それじゃ、そのままにしておけということにもなりかねない。しかし、これはまあそのままに農林省が放置しておくということにはならないと思いますが、何か対策があればひとつお聞かせをいただきたい。つまり、買い入れをしないと決定された地域、これも一PPM以上というほどの地域でありますから、場合によれば個別に検討するというのではなくて、その地域一帯というふうに、先ほど来の経過から私は考えるわけでありますが、一地域すぽっと買い入れができないと、こういうことになるわけでありますから、その後の対策、どうお考えになっておるのかをお聞かせいただきたい。
○説明員(森本修君) その後の対策といたしましては、せっかく本年つくりました米が買い入れができないということになるわけでありますから、本年産米に対する補償といいますか、補てんといいますか、農家所得に対する手当てという問題と、それからさような地域については今後米作を続けていただくには必ずしも適当でないのじゃないかという感じがいたします。したがいまして、他の作物に転作をするなり、その他、あるいは農地そのものを転換するといったようなことが起ころうかと思います。さような点について目下関係各省——これは企業の責任というようなものも当然つきまとっておりますから、しかるべき関係各省が政府部内で集まりまして、早急にさような問題について検討して結論を出したいということでございます。
○村田秀三君 それ以上の答えは出ないと思いますけれども、しかし生産農家からすれば当然買い入れられるべきものを買い入れられないわけでありますから、それと等価の補償を要求するものと私は思います。しかし、また、当然しなければいけないと思います。そういう考え方に立って処理をされるのか。これは企業の責任でございますと、こう言ってみましても、その企業に能力がないというときには、新聞で見る限りは国と県がこれは協力して補償すると、こういうような言い方をされておるようでありますけれども、その点のところをもう一つ明確にしていただきたい。 それと同時に、また転作といいましても、これは食料品は生産できないわけですね。食料品ではない加工農産物、イグサであるとか何かというようなことを言っておりましたけれども、イグサがはたして適当な作目であるのかどうかということは地域によっても違うわけであります。場合によったらその地域を一括してこれは買収する、国が。そういう問題も出てこようと思います。その際に、どのような措置をなされるか、これも含めてひとつ考えを聞いておきたい。
○説明員(森本修君) 実はいま詳しくその内容について御説明をする用意はまだないわけでございますが、先ほど申し上げましたような地域の中で、すでに企業との話し合いにおいて、本年の作付をしていないといったようなところもあります。たとえば富山県でありますとか、あるいは群馬県でありますとか、さようなところでは企業が負担しようとしているような実例もあるわけであります。もちろんそれぞれいろいろな理由が、またその因果関係によってこういったものは違ってまいりましょうから、具体的にいまどのようなめどでどうするということを明言するだけの用意はまだできておりませんけれども、さような実例もあるということでありますから、早急に関係各省集まって、それらの点のひとつ妥当な結論に到達したいということ以上にはいま申し上げられないわけであります。 それから、転作なりあるいは用地の収用の問題でありますが、これももちろん現地現地に即した、その実情に応じた対策をとらざるを得ないと思います。もちろん、かわって作付をされるものはなるべく非食料品の作物ということが望ましい。あるいはまた、ところによってはグリーンベルトでありますとか、公園緑地帯といったようなものに市街地に近いところは活用するといったような方法もあろうかと思います、いずれにせよ、現地現地によりまして、具体的な土地の条件に応じてさような問題を早急に詰めて、企業負担といったようなこともあわせて関係各省で調整をして結論を出そうというところでございます。
○北村暢君 関連してお伺いしますがね、厚生省のいまの要監視地域の中で現実にことし作付しておるところがあるのかないのか。それからいま一PPM以上のものは買わないということでございますが、買わないということになれば、これは確かに買わないのですから、配給されないということはあたりまえですが、これは農家の手持ちとして残こる。現実にいまもう全部作付している。そうしてしかも九月——八月末かまでに厚生省が指示して各県がカドミウムの疑いのある地域というものを調査して、次々に出てきた。その場合に、一体もう作付はしておる、買わない——政府は一PPM以上のものは買わない、農家の手持ちに残る。農家は収入が入らないだけではなしに、その一PPMのものは農家に残るわけです。これは一体どういうように管理するんですか。これはやみ米でいくものなのか、農家は保有米がないからカドミウム一PPM以上であっても農家は食べるかもしれない。こういうことは起こり得るでしょう。これは買わないでということで問題の解決にはならない。農家に補償する補償しない以前の問題としてこの一PPM以上の米が絶対に流通しないという保証はない。一体これは厚生省は、農林省が買わなかったものを農民はかってに食べてもいいし、やみ米でいくのは自由である、こういうことになるんですか。私はこれは不徹底だと思いますけれども、一PPMのものを発見したならば、政府は農家の保有米まで全部買い上げてこれは何らかの措置をしなければならないはずではないですか。それでなければ徹底しませんよ、これは。そういういいかげんな措置でいいんですか。農家に一PPMのものを補償するとか補償しない以前の問題として、これは流通したらたいへんなことになる。それは流通しても差しつかえないというんですか。それともこの一PPM以上のものが発見された場合に一体その米はどうするのか。配給米にはならない。政府の買い上げでないからかってにそれは知らぬということになるのかどうか。厚生省はどういう対策を立てるのか。農林省はそれに対して、あなた方は農民に対して、全量買い上げという食管法のたてまえから言っても私は全量買い上げて、政府の責任において処理する。そうすればこれは自後における産米についての補償ということを考えなくともいい、各省で協議するとか何とかではなく、政府の責任でこれは処理できると同時に来年度からの作付については転換するとかしないとかという問題については、これは農政上の問題として、あるいは社会政策上の問題として厚生省なり何なりと、転換するとか何とかということはいいけれども、ことし作付けたものが収穫されてそうして検査したら一PPM以上になった場合には一体どうする。これに対する回答は何も出ていないじゃないですか、どうですか。両方から御答弁を願いたい。
○説明員(森本修君) 昨日発表いたしました文書の中にも、政府買い入れの対象外となった産米については、主食用として流通することのないように規制をし、食用以外の用途に処分するよう適切な指導を行なう、というように出しておりますが、現実にすでにたとえば安中でありますとか、そういうような地区で一PPM以上出ている農家はみずからその米を食べないという地帯がございます。昨年の米についてもそういうところは政府からその他の地域の産米を配給しておるという事態であります。現にやっておりますことは、県が指導いたしましてそういった保有米はすでに農協の倉庫に別途保管をしており、その措置については食糧庁のほうからの指示を待って処分を別途するという体制は、現に四十四年産米についてもとっておるわけです。四十五年産米について同様な事態が起こればそれに準じて私のほうは主食用以外、たとえば工業用アルコールとかあるいは工業用のりでありますとか、そういうような方面に売却するよう十分指導してまいりたいというように考えております。
○説明員(浦田純一君) 国民の健康を守る見地から一PPM以上の米が流通することは望ましくないと思います。それからたとえば保有米であれ、これを食べることは好ましくないことなので、これにつきましてはすでに県に通知をいたしまして食べないように指導をいたしております。また実際問題といたしましては、かわりに配給米を配給して、実際上も一PPM以上の米を食べずに済むような処置をとっております。
○北村暢君 その場合の補償はどうなっておりますか。農民は自分のつくったものすら食べられない。そういういままで食べないように措置をしているとか何とかおっしゃられるけれども、いままでの措置だとこれからどういうふうにされるか。先ほどは協議すると言っておりましたが、それからいま指導をするということを言っておりますね。アルコール原料とか何とかいうような説明がありましたけれども、大体一PPM以上で食糧に適しないというものであるならばこれは全部買い上げて、政府がアルコール原料なり何なりに処分したらいいじゃないですか。そのほうが全く徹底しますよ。それから農家にそういうものを食べないようにと言ってみても、それが実際にどういう措置でやるのか。指導だけでそういうものはいいのか。食糧に適しない有害なものだということははっきりしておるでしょう。そういうものはもう少し徹底して、せっかくある食管制度で米は全部買い上げることになっておる。何らの法律改正も何もなしにできるでしょう。そういうできる方法を、しかもカドミウム米というものは大した量ではないでしょう。そんなものは全部政府で買い上げて処理をしたならば、何らの指導だの何もなしに、心配なしに処理できるんじゃないですか。そんなことがなぜできないのですか。厚生省、それが一番徹底するんじゃないですか。あなたのほうは食べてもらっては困るでしょう。これは指導とか何とかということでなしに、何でそんなことができないのですか、おかしいですよ。指導だけでは徹底しませんよ。国民の不安は解消しません。やみ米にいつ流れるかこれはわからないのです。農協の倉庫に行ったものはいいけれども、農協の倉庫に行かない農家の手元にあるものは一体どうなるのですか。そんなものは食糧庁の役人が行って、一々どうなったか毎日監視しているわけにはいかない。そういう不安を解消するためには、これは全量買い上げて、そして政府はきちんと処理するということをやったら徹底するんじゃないですか。そんなことが財政的にできないのですか。食管会計赤字、それで倒れるのですか、どうなんですか。
○説明員(森本修君) 食管会計の赤字、黒字の問題ではございません。食糧管理としては、食糧として有害であるというものについて買い入れをするわけにはいかない、という立場でございます。
○北村暢君 そんなものではない。農民は有害であるとしてもつくっておる。
○説明員(森本修君) 先ほど申されました配給米についてどういう措置を現にしておるかという点につきましては、先ほど例としてあげました安中あるいは富山におきましては配給米の代金は企業で支払っておるというふうな実情と聞いております。
○北村暢君 厚生省はどうなんですか、何が一番いいですか。
○説明員(浦田純一君) 現実の問題といたしましては、一PPM以上の汚染米につきましては、県において買い上げたり、あるいは企業のほうで、たとえば安中、黒部におきましては買い上げておるということでございますが、これは少しやはりこういったものが現実に流通できないように食品衛生の取り締まりの運営の面でも何らかの措置ができないかということを検討いたしております。
○北村暢君 食糧庁長官は、食糧に適しないものは買うわけにいかないと、こう言った。では、いままで買っている米はあなた、余っている米を買っているわけなんだが、これは工業用原料のアルコールだの何だのに払い下げるのに、業務用米として払い下げているでしょう。先ほどの説明では、その指導として農家のカドミウムを含有しているものは工業用に回するとか何とかで処理するように指導すると、こう言っている。工業用にしようが、何にしようが、アルコール原料にしようが、いままであなた、食糧庁買っているじゃないですか。業務用に払い下げるということをやっていないですか。自主流通米なんていう、われわれから言わせれば食管法に違反するようなものまで平気でやる農林省が、食糧に適しないから買い上げないなんて、そういう理屈成り立ちますかね。どうもこれは政策的にいっても私ちょっと了承しかねる。もっと政府は、食管会計の赤字、赤字でないとかいう問題でなしに、処理するとするならば、これは厚生省とよく連絡とれば、カドミウム米の処理についてはもっと徹底した処理のしかたが私はあると思う。それによって国民の不安を、カドミウム米は市中に流通していませんということをはっきりすることが、いかにあなた民生安定上からいって必要であるかということを、これはかりに食管会計の若干赤字の要素になっても、政府の責任においてやるということは、当然のことじゃないですか。この理屈は私のえてかってな主張ということになりましょうかね。国民一般が聞けば、私の言っていることが一番正しいのではないか、このように思いますが、どうでしょう、政務次官。これは農林大臣とやるつもりだったんだけれどもね、これは大臣おらぬから、政務次官ひとつ政治的な配慮において、これはいま非常に大きな問題になっているカドミウムの問題なんですから、ひとつ責任を持って答弁してください。
○説明員(宮崎正雄君) 御趣旨は全く同感でございます。ただそれをどのような制度でもって実現するか、解決するかということが、残された問題であろうかと思います。そこで、先ほど長官が言いましたように、あらかじめ食品として有害であるとはっきりわかったものを食管で買い入れるかどうかということは、ちょっと問題があるかと思いますけれども、食管でできなければほかの方法でそれを阻止するようなことを政府としては考えるべきであると、このように考えております。 それから一番御心配になっております、その有毒と見られる米がいわゆる自主流通米のごとく流通しないように、こういう対策も私は政府としては真剣に、指導だけでなしに、はっきりとした対策を、法律が必要であればそうした方面も検討してやるべきであると、こういうふうに考えております。
○村田秀三君 それでは前に戻るようですが、きょうの新聞を見ますと、厚生省は安全基準を出したものの、有毒食品とはまだ認めておらない、近く厚生省が決定するであろうから、一PPM以上の買い入れはしない、こういっておりますね。そのとおりですか。同時に厚生省が有毒食品とこれを規定するのかどうか、いままで有毒という観念で論議はしておるわけですがね。
○説明員(森本修君) 私どもがかような決定をいたしましたのは、厚生省のほうとも十分打ち合わせをいたしまして、すでに厚生省のほうで米一般のカドミウム濃度についての安全基準を通達されております。また食品衛生上の措置についてもこういった方針のもとに準備が整い次第、具体的な措置をとるということを内定されたとの連絡を受けております。そういう上に立ってかような決定をし、発表をいたしました。
○説明員(浦田純一君) ただいま食糧庁長官のほうからお答えがありましたように、厚生省といたしましては、いまこのような方向で鋭意結論を出すようにつとめております。一PPM以上については私どもとしては好ましくないという以上は、これはやはり有毒であるという見解のもとに今後の行政措置を考えていく、いろいろと技術的な問題がちょっと残されておりますが、その点は早急にきめまして、はっきりとした形でもって食品衛生法上の取り扱いをいたしたいと、こう考えております。
○村田秀三君 そこで当面、安全基準、安全基準、こういういわれ方をするものですから、われわれ錯覚を持つわけでありますけれども、一PPM以上は有毒であるというのですね。一PPM以下はこれは安全である、こういう解釈ができるわけです。これは一体どういうものであろうかということを実は考えるわけでありますが、この一PPM以上、〇・九PPM以下安全基準であるという発表をされたときに、これが非常に甘いのじゃないかというような世論があったようです。そこで考えてみるわけでありますが、私も科学者じゃありませんから、現実に検査をしておるわけじゃありませんから、これはわかりませんけれども、これは安全基準じゃなくて許容基準である、こう実は理解するわけですね。だから安全基準という言い方はこれからひとつ変えてもらいたいような感じがいたします。 同時にもう一つは消費者がどうしても不安を持つというのは、先ほどもお話がございましたが、自然の条件下における最高値が〇・四PPMであって、それを一応の危険基準というように暫定的にではあるけれども認めた。これにも根拠があるわけでしょう。ところがその根拠が高くなるというのはどうも理解に苦しむわけですね。実際に研究をしてみた結果これはもっと下げるべきである。安全基準を、いうなれば私はゼロが一番いいということだろうと思うのですね。しかもそのゼロから出発して、自然の状態において生産されたものの平均が〇・〇七であり、〇・〇八であるとするならば、むしろそれを私は基準とすべきであって、それ以上はこれは危険である。しかし危険ではあるけれども、許容の限界はぎりぎりここまでなんだという、やっぱり理解が統一されないと、私はほんとうの対策というものができないというふうに感じます。その自然の状態に近づける努力こそが私は必要ではないかと思うのですが、その辺の見解をひとつ聞きたい。
○説明員(浦田純一君) 村田先生の御意見に、ことにできるだけ自然の状態に近づける努力をしろという御意見には全く賛成でございます。安全基準ということばはおかしいじゃないか、許容基準というふうに改めるべきではないかという御意見でありますが、確かにおっしゃるとおりでございまして、これは用語の問題、いろいろと検討しなくてはならない問題であると思いますが、ここはこれがぎりぎり許される限度であるということでございます。それから〇・四を一・〇に上げたのは何だかゆるめたような印象でけしからぬではないかというおしかりでございます。先ほども御説明申し上げましたように、〇・四という数値はこれ以上、もしもこれ以上の数値の場合にはそこは自然のままではない、何かそこに人為的な汚染というものが、土壌の中にあるいは水の中にそういったようなことがあるという疑いが持たれるという目安でございます。したがいまして、一・〇PPMという数字とは、この点が判断、出発点が違うわけでございます。一・〇PPMにつきましては、先ほど御説明申し上げましたように、現在のカドミウムの中毒に関する経験者にお集まりいただきまして微量重金属調査研究会において十分に御審議いただきまして、現在このデータ、科学的な実験の結果から一・〇PPM未満につきましては有害であるということは言えないという御見解をいただきました。はたして、では一・五PPMまではどうなのか、あるいは二PPMまではどうなのか、あるいは五PPMまでもいいんではないかといったようなところの疑問も残っておるわけでございます。現にFAO、あるいはWHOにおきましては、カドミウムの米中におけるカドミウムの許容濃度につきましては、五PPMという数値を示しておるという事実もございます。それに比べてこちらのほうが数値が低いから安全であるといようなことを申すつもりは決してございませんが、そういったようなこともございます。そういうふうないろいろな検討の結果から私どもはやはり安全サイドに立ってものを考えまして、一・〇PPMというものをその限界の数値といたしたわけでございます。確かに自然界におきます汚染の、自然に含まれておるカドミウムの濃度というものが平均いたしまして、〇・〇七ないし八PPMということでございますので、その点を一つのスタンダードにするということも考えとしては成り立つわけでございますけれども、これはあくまで全国平均でございます。 それから〇・四PPMというところは一応自然界に存在する状態の一応ぎりぎりの限界だろうという考えでございますので、努力目標といたしまして、だんだんに今後そのような状態に近づけていくということは必要かと思います。とりあえず、一・〇PPM以上の米を流通に回さない、食用に供しないということによって、それらの最も濃い汚染米が除かれることになりますので、目標に近づく大きな第一歩はこれによって踏み出すことはできたのじゃないかということを考えております。
○村田秀三君 もう一つ、一・〇以上がこれは有毒である。一・〇以下〇・九九九これが安全だというようなこと、むしろそれを許容の最高限度とこう考えて見ても、やはり有毒性が部分的に薄められたという程度の理解しかできない。したがって、〇・九以下と聞かされてもこれは不安は解消しない、食糧庁が〇・四以上、これは汚染地帯の米は全部配給しない、こういうものの言い方に変わってきておりますけれども、いずれにいたしましても〇、四PPM以上は配給しません、食用に供しませんと言うほうがむしろ安全率が高いわけですね。いまの答弁を聞いておりますと、自然界に近づけるための努力はする、こういうことでありますから、当然この〇・九、玄米で一・〇というのは変更さるべき数値である、こう理解していいんですか。
○説明員(浦田純一君) 私どもの説明が足りません、あるいは拙劣なために、あるいはそのような印象を与えておるかもしれませんけれども、ここではっきり申し上げられますことは、現在のあらゆる科学的なデータ等を検討いたしまして一・〇PPM未満であれば、それは安全であるということは御安心願いたいと思います。ただし、それが二でもいいんではないか、あるいは三でもいいのではないかといったような一部の御意見も現にあるわけでございます。先ほど申しましたように、五という数字が一応FAO、WHOでも出ていることでございますが、日本という特殊な国、つまり非常な火山国であり、また米を主食にしているという特殊条件を考えました場合に、私どもは用心のための安全サイドに立って一と、これはもちろん一まではだいじょうぶである、一までは有害とは言えないという学者の、調査研究会の御見解でもございますし、それに立って一PPM未満については安全であるという行政上の判断をいたしておるわけでございます。
○村田秀三君 それではこれで終わりますが、いかように説明を受けましても、どうも私らには理解できない。だから一番いいのは、科学的に責任を持ってこうだというものがあれば、その科学的な検討の過程やら何かで納得できるように公表するというのが私は一番いいんじゃないかと思うのですが、そのデータもなかなか今日のところつかみにくい、こういうことでもあろうかと思います。いずれにいたしましても、これはまあ一応解消する一つの基準としてこの数値を設定したけれども、しかし、それだからそれでよろしいということにはならないわけでありまして、少なくともこれを自然界に近づける努力、これもやはり食糧庁なら食糧庁、あるいは食品衛生基準に基づいて個別に審査をする場合には注意すべき問題ではないか、こう思います。そういうことで今後努力を続けられることを希望してこの際私はやめておきます。
○沢田実君 私も、汚染米の問題についてお尋ねをしたいと思って通告をしておいたわけですが、大体のことはもう質問が出てしまいましたので、一、二だけお尋ねをしたいと思います。なお、厚生省の方に私お願いをしておきませんでしたが、せっかくいらしておりますので一点だけお尋ねしたいのですが、要観察地域をおきめになったのはどういうふうにしておきめになったのかお尋ねをしたいと思います。
○説明員(浦田純一君) 厚生省で要観察地域の範囲を定めるにあたりまして考えました基準は、成人の一日当たりのカドミウム摂取量が、これはいろいろと計算いたしまして〇・三ミリグラム以上の場合、これら地域に住む住民の健康調査を行なう地域というふうにしてそれを要観察地域と、こう呼んでおります。
○沢田実君 そうしますと、先ほどお話がございましたように、磐梯村あるいは小名浜等については要観察地域に早急に指定するお考えがあるのでしょうか。
○説明員(浦田純一君) 福島県の耶麻郡磐梯町でございますかのカドミウム汚染状況につきまして、この八月四日に東京教育大学農学部の助手の方が磐梯町で実施したカドミウム汚染調査の結果についてかなりの濃度のカドミウムが水田土壌中に存在しておる。しかもこれらは白米、玄米中に移行いたしまして、玄米中でも一・六PPM、白米中でも一・二PPMといったような測定結果が発表されております。いずれにいたしましても、これらの値は自然に存する値と比べまして非常に高濃度でございます。厚生省はただいま県に照会しているところでございますが、福島県といたしましても、八月十二日から十四日にかけまして付近住民の健康調査を行なっております。また十三日から十五日におきまして米及び野菜中のカドミウムの調査その他の重金属の分析も行なっております。それから十七日から二十一日まで工場の実態調査というようなことで、これらの結果ともにらみ合わせましてこの基準に相当しているということが判明、確定次第、指定するつもりでございます。
○沢田実君 その確定するにはどのくらい日数を要しますか。
○説明員(浦田純一君) 約一ヵ月ほどでございます。
○沢田実君 聞くところによりますと、福島県ではすでにカドミウムのことを知っていながら厚生省のほうに対しても報告がなかったようなことも聞いておりますが、その点の事実はどうでしょう。
○説明員(浦田純一君) 昨年九月に、私どものほうは全国の都道府県のほうにカドミウムの汚染についての調査をすでに指示してございますので、その結果に基づいての調査の結果はまだ全国的には集まっておりませんが、別に県のほうでそれらについてそれを隠しておいたとかなんとかいうようなことはなかったと聞いております。
○沢田実君 イタイイタイ病で有名な神通川流域については要観察地域に入ってないように聞いておりますが、その点はどういう理由ですか。
○説明員(浦田純一君) イタイイタイ病の発生いたしました地域については、これは要観察ではございませんで、それ以上に厳重に健康管理をする必要があるということで、富山県だけについて別個にイタイイタイ病対策地域というふうにして指示しておるわけでございます。
○沢田実君 そうしてますと、食糧庁としては要観察地域だけでなしに、いまお話のあったような地域は当然買い入れをしないのだ、こういうふうに理解してよろしいですか。
○説明員(森本修君) 先ほど申し上げましたように、要観察地域ということで一応整理をいたしておりますけれども、有権的な調査によりましてそれに準じた取り扱いをすべき地域がございますれば、もちろん、そういう取り扱いをするつもりであります。
○沢田実君 では厚生省の方、けっこうです。 先ほど来のお話で一PPM以上は買い上げをしない、こういうふうに食糧庁としておきめになったのは、それ以上については企業に負担させるんだと、〇・四から〇・九までについては、その損害は国が負担するのだというような感じを受けるのですが、そういう意味で一PPM以上は買い入れをしないというふうにおきめになったのでしょうか。
○説明員(森本修君) 特別にどういう負担関係になるからどういうものを買い、どういうものを買わないというふうなことをきめたつもりはありません。食品衛生上の見解によって私どもは買うものと買わないものをきめるということであります。ただ、その結果、どういうふうな負担関係になってくるかということは、その結果として事後において整理されるというふうに思います。
○沢田実君 そうしますと、その負担関係について、先ほど来これから庁議を開いてというようなお話もございましたが、食糧庁としてのお考え方は一体どうかということをお聞きしたいのですが、〇・四から〇・九までは買い入れる、そして配給はしない、他の方向にこれを活用するというお話ですので、その負担については国が負担するように聞いております。それから一以上については買い入れをしないわけですから、農家はその被害について企業に請求するんだというふうに受け取れますが、基本的には食糧庁はそんなふうにお考えでしょうか。
○説明員(森本修君) 先ほど申し上げましたように、一・〇PMM以上の地域ということになりますと、現にそういった地域の中でことしの作付をしていないというような地域もあるわけでございます。さようなところの実情を見ますというと、その補償といいますか、負担は、企業のほうでしておるという実情にございます。また、おそらく現地におきまして第一次的には企業のほうへ負担を持っていくというような現実の動きが出てくるであろうということは十分想定をいたしております。それから食糧庁のほうで買い入れましたところの一・〇PPM以下の要観察地域の米、それについてまるまる国あるいは食管特別会計の負担になるかということになりますと、私どもとしてもそういったことになる要因というものもございますから、一次的に食糧庁が全部持つべきだということが言い切れるかどうか、今後検討してみたいというふうに思っております。
○沢田実君 一・〇PPM以上については、現在は大体企業が負担しているから心配ないというようなお話ですが、いままでのカドミウムによる人体の被害についての補償等の経過を見ますと、被害者が企業にその負担を請求するということは非常に困難になっております。で、最後には裁判になりますが、そういたしますと、これはもう何年かかるかわかりません。したがって、農民のほうではそれだけ費用をかけてそういうことはできないのが実情です。したがって、先ほど長官がおっしゃったように、一・〇PPM以下についても企業負担については考えているんだという、そういうお考えですと、一・〇PPM以上についても、これは国のほうで企業との交渉をなさるということが私は大事じゃないか、こんなふうに思うのですが、その一・〇PPM以上の買い上げをしない分については農家自身が企業と直接交渉してきめる以外にないというふうにお考えなのか、あるいは食糧庁がその面についても企業と交渉して何とかしてやろうというお考えなのか、その辺はっきりしていただきたいと思います。
○説明員(森本修君) これはそれぞれの地帯によっていろんな様相が出てくるかと思うのです。私どもが承知しておりますところでは、たとえば富山県等の県庁の方から伺いましたところでは、新しく一・〇PPM以上の地域として三十ヘクタールぐらいいま作付をしていない以外に追加があるというふうなところが当然出てくるわけです。さようなところは決定があれば企業のほうとよく話をしたいということを言っております。まあ前例がございますから、さような交渉については私どもとしても十分その成り行きを見ながら、国としてとるべき措置があればとりたいというふうに思っておるわけです。
○沢田実君 汚染米の処分については先ほど若干のお話がございましたが、いつごろまでにその汚染米の処分を決定して公表なさるか、承っておきたいと思うのです。要するに、〇・四PPM以上一・〇PPMまでの自家保有米あるいは政府の保有米等々について今後配給しないということですので、それを何に処分するか——廃棄するのが一番いいと思います、先ほどのお話のように。ところが長官は何かに活用しようというお話ですので、こういうふうに活用するんだということを国民にはっきりすることが先ほどからお話になっている不安を除くことになりますので、いつごろまでに食糧庁としてはこういうふうに活用したいということを公表できるかどうか、承りたいわけです。
○説明員(森本修君) 結論的にはなるべく早くきめて処置の方針をつけたいと思いますが、現在のところは人間の口に入らないような用途ですね、先ほど言いましたように工業用アルコールであるとか、あるいは工業用ののりであるとか、さような方面に処理をしたらどうか、最終的には厚生省とよく打ち合わせをいたしまして決定をいたしたいと思います。
○沢田実君 農地局長にお尋ねをしたいんですが、こういうふうに汚染された農地についてもう再び農地としては不可能なんだというようなことでもないんじゃないかと思うわけです。それはその土地の改良、農地の土質の改良をして農地として使用できるところもあると思うんですが、ということは、相当前にカドミウム、強いカドミウムが放置されておったけれども、最近はそうでないところもあると思いますので、そういう点で農地局としては汚染農地についてどんなふうに考えていらっしゃるか、お尋ねをしたいと思います。
○説明員(中野和仁君) いまお話がありましたように、汚染されている農地の中身にいろいろな形態がございます。そこにつきまして、あるいは前の汚染された土を廃土いたしまして客土して、再び農業、それも米をつくったらいいようなところもございますし、あるいは先ほどからも御議論がありましたように、もはや食用作物はつくらないほうがいいというようなところもございます。農地局といたしましては、そういう要観察地域というものがあるわけでございますから、その辺につきましては本年から具体的に試験圃場等をつくりまして調査をいたしております。その結果を見まして、その農地をどういうふうにもっていったらいいかの結論を出したいというふうに考えているところでございます。
○沢田実君 カドミウムについては以上でございます。 次に農地局長にお尋ねをしたいわけですが、最近かんがい用水が非常に水質汚濁をいたしまして農作物が被害を受けております。そのかんがい用水の水質汚濁のために農作物が被害を受けている状況等について、おわかりであれば、まず御報告をいただきたいと思います。
○説明員(中野和仁君) ただいまお尋ねの水質汚濁にかかります農業被害につきまして、実は私ども昭和四十四年ですから昨年でございますが、全国の概況調査をいたしました。その結果が最近まとまりまして先般公表もいたしたわけでございますが、これによりますと、全国の被害農家戸数は三十四万戸、被害地区数は約千五百地区、被害面積は十八万八千ヘクタールということになっております。で、この調査は同じようなやり方で実は四年ほど前、昭和四十年にもやりました。それの結果と比べてみますと、被害地区数で七割増、被害面積は五割増ということになっております。それは後ほど詳しくごらんいただければと思いますけれども、簡単に概略申し上げますと、汚濁の原因別に言いますと、主たる原因でございますが、工場排水による被害、これが一番多くて十八万八千ヘクタールの中で約四割、その次に大きいのが都市汚水、これが六万ヘクタールということになっております。特に都市汚水はこの四年間で約三倍にふえておるということでございます。なお地域的に見ますと一番多いのは東海地区、その次が関東地区というふうに、やはり都市周辺が多いということになっております。以上であります。
○沢田実君 工場排水による被害から、鉱山の被害、都市下水による被害が一番多いわけですが、その被害について工場排水を規制するようなことは指定水域になっていない限り現在の法律ではできないと思うんですが、この被害はますます大きくなっていくんじゃないか。都市下水については加害者が特定の人というふうにはっきりいたしません。そういうことで補償の問題等もどうしようもない問題じゃないかと思うんですが、将来こういうふうな農作物の被害について農地局としては農家を守るために特別な立法をするとかあるいは工排法を指定水域以外にも適用してもらう方法を講ずるとか、いろいろな考えがあろうと思いますが、その問題について将来どのような対策をお考えになっていらっしゃるかお尋ねしたいと思います。
○説明員(中野和仁君) 基本的には河川等の水質基準が明確にならなければならないわけでございます。この点は経済企画庁のほうで基準をきめていくわけでございますが、農地局の側としましては、農業が被害を受けないように、農業側としてはどういう水質が望ましいかということを、先ほど申し上げました概況調査の中の被害の大きいものについては調べて調査をいたしておりますが、その都度企画庁にも申し入れをするということをやっておるわけでございます。 それからなお対策といたしましては、いまお話しのように不特定多数の主として都市汚水が多いわけでございます。これに対する対策でございますが、基本的にはわれわれ現在、国・県営、団体営を通じてかんがい排水事業をやっておりますが、これによりまして用排水の分離をすることが必要なわけでございますが、特に本年度の予算から用水障害の対策事業といいましょうか、県営事業で五地区ほどそういう事業を取り上げまして用排の分離なりあるいは水源の転換なり、必要があれば客土をやるという事業を五地区ほど取り上げるということで、まだ量的には少ないわけでございますが、そういう方法でいま対処をしつつあるところでございます。この都市汚水の問題はますます広がるというふうにも思いますので、十分それの調査をしながら対策をとっていかなければならぬと考えております。
○沢田実君 この農作物の被害は大体何割ぐらいの減収になっておるかということについては農林省でもお調べになっていないようですが、これはむずかしい問題だと思いますけれども、大体どのくらいの被害を受けているというふうに推定していらっしゃいますか。
○説明員(中野和仁君) 先ほど申し上げました概況調査では被害があるという地域を調べたわけでございますので、具体的に被害が何%のものか、どのくらいのウエートかというところまでは、これは全国一斉の調査でございますためにそこまで手が及びませんでした。いまおっしゃいましたようにどのくらいだということは申せない実情にあるわけでございます。
○沢田実君 いまお話しのように農作物の被害調査については今度初めておやりになったようなことですので、この調査についてもまだまだ不十分な点がたくさんあると思います。具体的に申してみますと、水域の名称と内訳が出ておりますが、実はいま問題になっております静岡県の製紙のヘドロですか、田子ノ浦が非常に問題になっておりますけれども、農地のほうも潤井川からかんがい用水を取っておるために実際にたんぼが二割なり三割なり減収になってる、そういうところが事実ございます。この調査には載ってないようですが、そのように全国的にはまだまだ調査に載ってないところがたくさんある、こういうふうに私には考えられます。そういう点で、農林省における公害の調査についてあるいは予算をもっと取り、組織を拡充して、そして人体の健康が問題になる前に動植物の問題になるわけですから、農林省等で農業被害ということに一生懸命力を入れることが私は非常に今後大事な問題じゃないか、こう思うわけですが、その辺の局長のお考えを承りたいと思います。
○説明員(中野和仁君) ただいまの問題、お話のとおりでございます。農地局といたしましては、すでに数年前からこの水質汚濁の問題につきましてはいわゆる概況調査をいたしました上にも必要なものにつきましては特殊な調査をいたしまして、特にカドミウム問題等が起こりましてからは、先ほど申し上げましたように、試験圃場等もつくってやるということで対策を進めるための調査をやっておりますけれども、お話のように、今後とも調査等はもっと深くと申しますか、そういう調査を進めていく必要があるというふうに考えております。
○沢田実君 次は、農村地帯にこの工場を導入するという考え方はせんだって総合農政の具体的な進め方について大臣が発表なさった項目の一つにもあるわけですが、そのことについてちょっとお尋ねをしたいと思います。 農林省では農地法を改正しあるいは農協法を改正して今後の日本の農業のあり方というものを、いわゆる生産性向上ということを目ざして規模拡大をしていこう、こういうふうな考え方が前の法案の審議で相当議論されました。そこではたして日本の将来の農業が、農家戸数が減って二戸当たりの耕作面積が現在の何倍かにふえていくかどうかということを考えますときに、私はそういう方向にはいかないのじゃないかということが考えられます。ということは、特にその太平洋ベルト地帯等は土地の値上がりということがございますので、農家の人が農地を手放すということは、農業をやらないにしても考えられないというふうに思います。 そこで最近農家がどんな方向に進んでいるかということを見てみますと、大型トラクター等を購入し、少数の農家の方々に他の農地もやりながらその他の仕事を請け負ってやってもらう。そして請負をたのんだほうの人は近くの工場に通勤する。ですから農業を全然やめてしまって工場労働者になるのではなしに、農地を持ちながらしかもどこかの会社に働くという方向が非常に多くなってるようです。農業の分類でいきますと第二種兼業農家というのが今後非常に多くなるのではないか、こんなふうに思うわけです。その点についての農林省としての今後の見通しについてまず承りたいと思います。
○説明員(池田俊也君) 農村に工業を誘致するという考え方が最近かなり各方面に強く出てまいってるようでございますけれども、私どもといたしまして、そういうことは一体農政としてどういう意味があるのかということを当然これは考えなければならぬ。その考え方といたしましては、やはり一つはそういうことで農村におきます土地利用計画といいますか、あるいは人をも含めてもいいかとも思うのでございますが、要するに農業とその他の産業との調整を計画的にはかっていく。さらに端的に申し上げると、工場の入ることによりまして農業で要らないような労働力がそこに行く。そして農業の就業構造の改善に役立つ。それはさらに規模拡大につながる。こういう一点においてこれは意味があり得るわけでございます。 それからもう一つは、やはり兼業農家というものはこれは当然現在も広く存在しておりますし、将来も同じようなことを考えざるを得ませんので、そういう兼業農家の農家所得としての確保と、農業だけではなかなか家計の維持ができませんから、そういう農外所得と合わせまして農家所得として他産業に従事している方との所得の格差を——まあ所得がバランスするようなことを考えていく。 こういう二つの点において意義があるというふうに考えるわけでありますが、しかしこれは御指摘のように、そう理屈どおりうまくいくというわけでもございませんので、やはり私どもはたとえばいまおあげになりました地価の高騰を招くということは極力防がなければいけない。そのためには前々国会で成立いたしました農業振興地域の整備法がございますから、これとの土地利用をはっきり分けましてそういう工場の導入による地価の値上がりというものを遮断していかなければならないわけでございます。で、そういうようなことを確保しながらこういう問題を考えていく必要がある。 で、そういうことをやっていく場合の具体的な問題といたしまして、いまおあげになりましたなかなか完全に農業から離農をいたしませんで土地は一方では持ってて工場に通うということもあるわけでございますので、そういうものに対しましては、これも前国会で成立いたしましたたとえば農協法、これは農業経営の受託という道を開いていただいたわけでありますが、こういうものを通じましてそういう、やや過渡的な意味が強いかという気もありますけれども、そういうものを通じての規模拡大の方向へ誘導していく、こういうことをあわせてやっていかなければならぬだろう、こういうふうに考えているわけでございます。 そういうふうなことをいろいろ配慮しながら農業構造の改善をはかっていくわけでございますが、その場合にどうなるかという見通しの問題につきましては、私どもが一般的に申し上げますならばやはりいろいろ困難はございますけれども、規模拡大を実現する基礎が徐々に養成されるのではないだろうか、こういうふうに実は考えておるわけでございまして、過渡的にはいろいろ問題があろうかと思いますが、そういう方向に私どもは逐次努力をしてまいりたいと、こう考えているわけでございます。
○沢田実君 この工場の誘致について、盛んに工場がどんどん入ってくるような土地はよろしいわけですが、農業以外にもう工場の進出もなくて非常に困っている土地もございます。そういうところに対して具体的に導入の対策が必要だと思うわけですが、どんなふうな具体的な対策を立て、また来年度の予算についてはこんなふうに要求しているというような具体的な政策がありましたらお述べを願いたいと思います。
○説明員(池田俊也君) これは現在いろいろ検討中でございまして、私どもは部内ではある程度の考え方をいま整理しつつあるわけでございますが、なお関係省なりあるいは関係のいろいろな専門家の方の御意見を伺いましてひとつぜひ成案を得たい。通産省のほうでもこれは産業構造審議会というような場でいろいろ具体案を検討をいたしておるわけでございますので、そういうものとも十分調整をいたしまして、できれば次の国会にも御審議をまた願うようなことに持ってまいりたい、そういうふうに考えているわけでございます。 ただ、内容はそういうことでございますが、ごく基本的な考え方といたしましては、私どもは一つは農業振興地域の整備法との調整をまず第一に考えなければならない。農業振興地域が順次指定をされつつあるわけでございますので、そういうものとまず基本的には調整をする。それで農業振興地域において農業地区域というふうに予定されましたものは、これは当然将来も農業地として確保していくわけでございます。それとうまく調和したかっこうで工場が入るということをまず計画面でチェックする必要があるわけでございます。で、その上でそういうようなところに対する企業の誘致企業が立地したいという希望がある場合に、それに対しまして一方ではいろいろ助成策を考える。税制の面でございますとか、あるいは融資という面で助成策を考える。同時に工場用地等につきましてもそういう工場用地を確保するといいますか、そういうような特別の一つのくふうも要るのではないだろうかというふうに考えているわけでございまして、先ほど来御議論になっておりますいろんな公害の問題もありますので、そういうことに対する配慮ももちろん十分要るわけでございます。そういうものを十分整理した上で政府としての考え方をまとめたい、かように考えておるわけでございます。
○沢田実君 具体的に申しますと、たとえば三十戸の部落でどのくらいたんぼを持っているかというと三十ヘクタールしかないわけです。ですから機械化をしましていまのやり方をしますと一軒でできるわけです。そうすると二十九軒の人たちは農業を離れて何かにつかなければならない。それが都会へ出ていきまして工場労働者になろうとするならば遠くへ行かなければならない。そう簡単にいきません。そうしますと、どうしても近くで通える工場が必要になります。そういう点で、私は早急に、せっかく政府のほうでやろうと言っているわけですから、そういう政策をしっかり実現できるように御努力いただきたいと思います。そういうふうにいたしますと、たとえば三十戸の三十ヘクタールを一人でやるということになりますと、いまの機械よりもやや大型の機械が必要になります。愛知県の例を見ますと数十人のグループで六百ヘクタールをやっているというようなことがこの間テレビ等でも報道されておりました。そういうふうになりますと、大型機械を入れなくちゃならないわけですが、さっき局長がおっしゃったように、それが農協でやる場合もあるかと思いますが、この大型機械を購入する場合の助成あるいは金融の方法等についてはどんなふうにお考えでしょうか。
○説明員(池田俊也君) 大型機械の導入につきましては、実は従来から相当な補助金を出しておるわけでございます。これはそういう大型機械導入事業というようなかっこうをとっておりませんので非常に実はわかりにくいわけでございますが、たとえばいろんな、畜産局なりあるいは蚕糸局というようなところでそれぞれが、たとえば畜産の関係でございますれば、畜産関係の大型機械のための助成をいたしておるわけで、そういうものを集約いたしますと、実は相当な金額になるわけでございます。いまちょっと正確な数字を覚えておりませんが、かなり大きな金額になるわけでございます。で、一方制度金融の面でもいろいろ融資の道があるわけでございますが、私どもは従来のそういう体系を整備するというのはもちろん当然でございますが、これはまだ検討の段階でございますけれども、できれば広域営農団地というようなものの育成をここ一両年くらい手がけてきておりますので、そういうものとの関連でも従来のそういう補助体系のほかに考え方が整備できますならば、そういうものもあわせて考えてまいりたいということでございまして、これはもう農林省のずっと前からの考え方でございますが、やはり今後機械化を促進する、機械化体系を整備するというのがやはり構造改善の一つのきめ手になるわけでございますから、ぜひそういう点の実現をしてまいりたい、かように考えております。
○沢田実君 いまの分はことしの営農方針をつくったりなんかして、あるいは農協がバックアップしてやるというような場合のことだと思います。たとえば五十戸の部落で五十ヘクタールを二、三人の人でやろうとか、一人の人でやろうという場合に、いまと同じようなことができるのかどうか、あるいは今後考えていらっしゃるかどうか。
○説明員(池田俊也君) まあ中・小型の機械でございますと、補助の体系に乗せることは非常にむずかしいわけでございますけれども、大型機械で、たとえば数十戸というような比較的小さなグループが大型機械を導入するということは、従来でも補助金によりましては確かにあるはずでございますので、そういうことは考え方としてはもちろん可能でございます。
○沢田実君 次は地域分担のことについてお尋ねしたいのですが、その政策を実現するためにどのような準備をなさっていらっしゃるか、現在の段階でけっこうですからお尋ねしたいと思います。
○説明員(亀長友義君) 地域分担に関しましては、私ども本年国会終了以来、各県の資料の収集をいたしまして、ある程度進捗をいたしております。ただし、この基本になる考え方等についていろいろ問題がございまして、まだ外部には一切発表をし得ない段階でございますけれども、一応全体的なものの長期見通し、これは農林省が五十二年までの見通しをすでに作成をしておりますが、米につきましては若干その後の情勢で修正を要する点があるかと思いますので、そのような長期見通しを基礎にいたしまして、これを地域別、作物別に分担するという作業を行なうたてまえで進んでおります。非常に必要とする資料もたくさん要しますので、その結果進捗状況が必ずしも思ったようにいかないのでございますけれども、現在のところ必要な資料は県から大体収集を終わったという段階でございます。私どもとしまして、さらにその資料の整理をいたしまして、どういう方法でこれを地方別に分解していくかということにつきましては、外国等で研究をした先例もございますし、また外国で研究をして日本に帰っておる学者もございます。そういう方の協力も得まして、電子計算機等を利用いたしまして計数的にこれは明らかにしたいと、かような方向で努力をいたしておるわけでございます。いつごろまでにできるのかという御質問でございますれば、私どもとしては少なくとも年内には作業を終わるような方向で努力したいと考えております。なお、最終的に私どもはある程度進みました段階で農業団体、各府県ともある程度協議をしてから公表するような段取りに考えております。 以上でございます。 〔委員長退席、理事亀井善彰君着席〕
○沢田実君 いまのお話によりますと、米を将来つくることが非常に適当なところとそうでないところと出てくるのだろうと思いますが、今年の生産調整は全国一律に大体やったようです。今年中にそれができますと、来年の生産調整については、この辺の地域はよけいやれとか、ここは少なくてよろしいというようなことがその資料に基づいて生産調整について計画が立てられるのか、ことしと同じように全国一律にある程度の目標をきめて生産調整をおやりになる目標であるのか、その辺について伺います。 〔理事亀井善彰君退席、委員長着席〕
○説明員(亀長友義君) 地域分担は当然各地域において最も適合した作物をつくる、こういう考えでございますので、米につきましても地域的には昨年生産調整をしたときの一割とはかなり違った県別の様相を呈してまいることは当然でございます。ただこれを地域の生産調整にどう織り込むかということにつきましては、これは非常にむずかしい問題でございますので、昨年でもかなり地域的に、私のほうは甘いのがあたりまえである、私のほうは辛いのがあたりまえであるということで、結論的には一律ではないけれども、やや一律に近いような数字を用いざるを得なかったような経済論外のいろいろな要素もございますので、私どもとしましても、この地域分担の作業がかりに明年度、本年度とやや似たような生産調整をやるようになった段階におきまして、どういうような利用のしかたをするかということは、これは各方面の意見を聞きながらなるべく問題を起こさないような形で検討してまいりたいと思っております。
○沢田実君 最後に経済局長にお尋ねをしたいわけですが、国鉄が赤字解消のために農産物の輸送について暫定割引、あるいは特別割引の措置を撤廃するというようなことがいま問題になっているようです。国鉄さんのほうは赤字の関係でそうおやりになるということでしょうけれども、そうなりますと肥料なんかはさっそく問題になると思いますし、午前中に問題になりました飼料等についてもそれだけの値上げの要素が出てくるのではないかと思いますが、それに対して農林省はどういうふうにお考えであるのか、お尋ねをしたいと思います。
○説明員(小暮光美君) 公共政策割引の問題につきましては、御承知のように、国鉄の再建計画との関連で昨年来種々問題になっております。本年に入りまして三月四日でとりあえず当面の暫定割引の期限がまいりますので、私ども国鉄と種々協議いたしまして、この制度が農産物、特に木材、飼料等バルキーであって比較的価格の低廉なものにとりましては遠距離の運賃が非常に問題でございます。そういうことを踏まえて長い期間やってまいりました割引でございますので、これを延期していただきたいということを申し入れました結果、現在、明年の三月四日までこれを継続するということになっております。ただ、四十六年度予算の編成をめぐりまして国鉄運輸省のほうでも種々御検討になっているというふうに聞いております。私どもといたしましては従来からの考え方に変わりございませんので、ただいま暫定割引等の引き続いての実施について関係の方面に種々御意見を申し上げている段階でございます。
○沢田実君 希望としてはたいへんそれでいいと思いますけれども、国鉄の赤字の問題も相当多額に上っておりますので、またまた引き続いて延ばすということははたして可能かどうかまた問題だと思います。ですから、万一国鉄のほうでは再び延ばすことができないという場合には、いまからお考えになっておくことが必要だと思いますが、その点どうでしょうか。
○説明員(小暮光美君) まあこの問題は近年に始まったことではございませんで、非常に長い経過がございますので、私どもとしてはこの延長について非常に強く希望し、かつ努力を続けたいと思います。 なお、国鉄側でも、この問題を割引問題だけとして抜き出して議論しないで、国鉄自身が合理化し、輸送の速度あるいは輸送のサービス面での改善の実をあげたい、そういうものと総合的に判断してほしいといったような御意見もございます。これらの点につきましては、政府部内のことでございますので、引き続き十分お互いに意見を交換し合ってまいりたいというふうに考えております。
○河田賢治君 きょうは問題になっておりました田子の浦の問題、それからあと安中を中心に米並びに農産物に対して、この二つを、時間が非常に限られておりますので、大まかなところだけで、こまかい資料も持ってきておりますけれども、できるだけこれらは省略して、基本的な問題についてお聞きしたいと思うのです。 まず、静岡県の田子の浦貿易港ができまして、また二十六年から用排水路が、岳南排水路ができましたが、このできました後において急速にあそこが工業地帯になり、大気汚染などで今年の三月の国際公害シンポジウムでも外国のこれらの専門学者が来て、まさにこれは世界の最も公害の一番見本だと言われるほどあそこは汚染されているわけですね。こういう事態になるまで一体企画庁はここを指定水域としてなぜ指定しなかったのでしょうか。その点をまず企画庁のほうに聞きたいと思います。
○説明員(西川喬君) 田子の浦の問題につきましては、水質保全法が制定されましてから、当時におきましてもすでに問題になっておりまして、企画庁におきましては、昭和三十六年にすでに潤井川、沼川水系の調査を実施いたしております。当時といたしましては海域のほうの、田子の浦のほうの漁業のほうの被害よりも、潤井川関係の農業被害というものに着目していたわけでございます。そのときちょうど三十六年に調査を実施したわけでございますが、三十七年に当時事業を実施しておりました岳南排水路が第一期工事が完成するということによりまして、いままで川に出しておりました排水を全部岳南排水路に吸収する。そういうことになりますと農業被害はなくなるからということで、県のほうとも協議いたしました結果、県のほうにおきましては、地元といたしましては、しばらく指定水域の基準設定は、規制は保留してくれ、こういうことになりまして、三十六年に調査いたしましたけれども、その後見送った経過がございます。この岳南排水路の第一期工事の建設によりまして、当初の目的といたしました農業被害というものは軽減されたわけなんでございます。その点に関する限りにおきましては岳南排水路の効果はあがったわけでございますが、その後昭和三十九年に工業整備特別地域の指定を受けまして、岳南排水路というものがあるから排水はそちらへ放流すればいいのだということを県のほうで条件といたしまして非常な工業の集積が行なわれてしまった。そういうことで——ところが、岳南排水路そのものに、工事の進捗の順序といたしまして、終末処理場がなかった。終末処理場ができます前に非常な集積が行なわれてしまったということで、問題化してまいりまして、経済企画庁といたしましても、これは早急に水質の規制をかけなければいけないのではないかということを県のほうに要請をしておったわけでございますが、それ以前にどんどん集積が行なわれてしまって、県としてもちょっと手がつかなくなってしまったというようなことで、ここ一、二年の間どうするかこうするかということで、時期がたってしまったというのが実情でございます。その点につきましては、いろいろな事情がございますけれども、企画庁といたしましても、まことに遺憾であったというふうに考えておるような次第でございます。
○河田賢治君 これは八月七日の新聞で、いまおっしゃったことの内容かと思いますが、参事官はこう言われておるのですね。「水質審議会では岳南排水路ができるというのでたな上げした。そこへ大工場ができて、このような状態になった。そういうきざしが見えたときに手を打つべきだった。ただ、県は、岳南排水路の建設を理由に工業整備特別地域だといって企業誘致をやってきた。その後、国がなんとかしなければならないのじゃないか、といったが、県ではこの問題にはふれたくないようだった。静岡県とはだいぶ協議をしていたが、どうにもならなかったというのが正直なところだ。」と、こういうことが新聞に載っておるわけですね。大体これは合っているわけですか。
○説明員(西川喬君) 静岡県につきましては、指定水域といたしましては、御承知のように、本年早々に狩野川水域を指定いたしております。それからさらに本年中に大井川水域も指定する予定でございます。ことし調査をいたしておりますのが浜名湖周辺でございます。そのように県といたしましても順番に順次規制をかけていっているわけでございますけれども、その際私たちといたしましては、狩野川よりも大井川よりも浜名湖よりも、田子の浦のほうがもっと問題ではないかということを非常に強く申したわけでございますけれども、いままでの経過からいたしまして、田子の浦に規制をかけるということのめどが県としてはつきかねたということで、もうしばらく地元との間の調整をはかるから待ってくれ、こういう話がございまして、実は今年度の調査におきましても静岡県分としては浜名湖などのほうの浜松それから浜名湖周辺を優先してやっておるというようなのが実情でございます。
○河田賢治君 そうだとすればなお私は問題だと思うのです。一体水質保全法にはどういうことが書いてありますか。第二条、三条にしましても、五条は特に、「経済企画庁長官は、公共用水域のうち、当該水域の水質の汚濁が原因となって関係産業に相当の損害が生じ、若しくは公衆衛生上看過し難い影響が生じているもの又はそれらのおそれのあるものを、水域を限って、指定水域として指定する。」と、こうなってるんですね。何も静岡県が少々何だかんだといっても、それを政府が、あのような大気汚染があり、そして多くの人々の健康を害する、しかも御承知のとおりあの工場はたれ流しをして、現に問題になっている田子の浦港が、もういまに非常な危機に来ておる、しかも汚水が流れますと、あそこの漁業が大きな今日被害を受けてるわけですね。そういうような、地方の行政機構がこういう問題に対してあまり熱心でない場合は、国のほうが率先してそれをやるべきが私は任務じゃないかと思うんです。そうでしょう。東海パルプは大井川のそばにあるそうですけれども、あそこなぞは早くから五億何ぼの金を今日まで投じて、そして非常に水をきれいにして出してるわけです。ところが、岳南排水路を利用しておる大昭和製紙などは非常に、まあこれまで何一つこれに対して誠意のある回答もしてない、市もまたそうだ、県もそうですね。御承知のとおり漁業組合の連合会は昭和四十一年から十四回にわたって県に対して、この汚水をきれいにしてもらうことや流さないこと、あるいはいろいろな要求を、これに関する問題を出してるわけです。こういう、直にその生活や営業が侵されてる人々は、こういうふうにして早くからこの問題をやってるんです。だから、少し注意すればこの地域がどんな影響を受けるかということはあなた方だってわかるはずなんです。これを県がどう言ってるこう言ってるといっても、現に県の、御承知のとおり昭和四十年ですか、四十二年ごろ出した第二期計画書にも、あの終末処理なんかはせずに、あれは全部海の中へ、海の外へ、駿河湾へほうり出すと、こういうことを書いてるわけですね。現にこういうふうにして大昭和製紙その他を中心にして工場が、非常な今日他の産業に対する迷惑をかけてる。現に大昭和製紙は——北海道、見てごらんなさい。北海道でも地元の「北海道朝日」、それからあとではまた「読売」が出したそうですけれども、排水公害騒動として出してるんです。ここでもやはり漁業はどんどん死滅して、沖合い三百メートルのところはもう貝がとれなくなってきてるんですよ。これはもう単にここだけでなく、瀬戸内海なんかはずっとそういう問題が起きているわけです。それで、被害のある農民はある程度補償の要求をして、それでどうにか済ましておる。ところが、こういうふうに大昭和製紙というようなものは全くこれらに対してあまりに耳を傾けずに、何一つこれまで努力しなかった。この間北海道のほうでは工場長がこういうのを出しでる。外国の技術をだれか視察に行ったと、それでようやく日本の製紙技術では用水量が多過ぎると、これは十分の一ぐらいにすることができる、こういうことを言ってるんですね。最近聞きますと、今度の田子の浦のあの岳南排水路をできるだけ清浄にするとともに、第一次の各製紙会社にいわば処理をさして、これでまあ用水もできるだけ少なくするということを、ちょっと聞きました。いまそういう方向でこの問題の処理が一歩前進したかのように見受けられます。けれども、もうあの辺は全部地下水なんかをくみ上げて、どこでも井戸やその他が塩害のいわゆる被害を受けておる、こういう事態になってきてるんですね。こういう大きな被害が目の前にありながら、この岳南排水路がまあできたから、これでどうにか始末がつくんだといって、こういうものを指定しないというのは、私たちにはどうしてもふに落ちないわけですね。一体企画庁の水質保全法、この法律を適用するにはまあいろんな順序があるでしょうが、しかしあまりにも今日公害問題が騒がれ、また多くの被害が出ておるとき、そしてそれらが漁業や農業、あるいは住民に大きな被害を及ぼしているときに、思い切って手を打たなければ——手を打つことによってそれらの産業企業家は、縛られるからしようがない、何とか少しでもこれをひとつ新しい機械をつくって、あるいは改造して、そうして水質をよくしなければならぬという努力が出るわけです。それをしなければ何もやらないんですよ、率先しては。それが今日の現状でしょう。この点で一体静岡県のことはいま狩野川、大井川、浜名湖というようなところは聞きましたが、この地域はどうするか、ここが一番静岡県では最も問題であり、大きな被害を受けているところなんですね。これに対して近く現在の法律ででもやれる範囲で直ちに手を打つというお考えはないのですか。
○説明員(西川喬君) ただいま先生のおっしゃいましたように、いわゆる行政指導の弱さといいますか、いままで力が足りなかったことは私ども認めざるを得ないかと思いますが、指定水域にしますためには法律の視定といたしまして関係都道府県知事の意見を聞かなければならないことになっております。その観点で指導が十分でございませんで、県のほうを納得させることができなかったことはまことに遺憾だと思っております。今後の対策といたしましては、県のほうも放置できなくなりまして、現在すでに水質審議会において部会を設けまして検討を始めておりますが、当面の施策といたしましては、早急に田子の浦港の埋没の原因となっている浮遊物の質——SSでありますが、これだけを早急に規制しなければならないということで、ことしの大体九月中を目標としまして、九月中にはまずSSに対してだけの規制をかけることに現在予定して作業を進めております。
○河田賢治君 今日こういう法律があるのですから、いろいろやっていく間には手続があるでしょう、だから若干の時間は要りますが、今日どこでもこういう公害問題、特に漁場においては問題があるわけですね。だから、こういう点でやはり今日の公害問題は、御存じのように佐藤総理も対策本部長になって、今度はしっかりやろうといってるんですから、ますますこの機会に、今日住民が要求していることはそれに道理があることなんですから、これはもう政府当局のそれら問題を取り扱う河川やあるいは湖沼その他の公共用水域なんかに対してじゃんじゃんこれを適用していく、これを私たちはやっていく必要があると思うのです。 そこで水産庁にお聞きしますけれども、これは法律そのものをやるのは、なるほど企画庁ですけれども、今日あの瀬戸内海からも、「公害にさらされる瀬戸内海漁業」といった大きな書物が出ています。今日これ以外にもたくさん漁場が荒されているわけです、公害のために。したがってこういう漁場を保護し、しかも最近農林大臣は常に、いまやとる漁業からつくる漁業だと言われている。ところが、つくる漁業の海岸がどんどん汚染されて、そしてノリやあるいはそのほかいろいろな養魚——ハマチその他エビとか、そういうものがどんどん漁場がなくなってくる。特に瀬戸内海あたり、ここしばらく全滅状態になるのじゃないかと心配しているでしょう。そういう場合に水産庁は、国民の蛋白質を供給し、また国民の生活に必要な食糧とする漁業を守るために、もちろん生産性の低いところもあるでしょうし、そうでないところもあるでしょうけれども、しかし一応国民の営業、生活、特に漁民のそれらを守るために、もっと水産庁の立場から企画庁に対して海域の指定やあるいは河口の指定、こういうものをどんどんやる必要があるのじゃないかと思うのですね。あまりに水産庁のほうは受け身に立っているのじゃないかと思うのです。 現にあそこのヘドロ問題で清水の水産庁にも私、行きました。しかし今日あそこでいろいろとれた魚、この間も見ましたけれども、尾ひれが半分になるとか、背のひれがもう形がないほど奇形な魚が、タイやあるいはカレイなんかとれているわけですね。非常に大きな被害をあそこで受けています。ところがこれを試験したり何かする場合、ところがそれがわずか三人しかいないのです、水産庁の科学者は、専門的にやれる人。この間も衆議院でわが党の津川代議士が言っていましたが、青森県あたりは独算制のために水産庁の試験船が全く漁労をやって収入を上げなければ自分たちの部の維持ができない、そこで魚とりばかりやっている、ちっとも漁業の予報をしたり、調査をするという本来の任務から離れた魚とりになっておるという、こんな状態では私はたいへんだと思うのですね。これは水産庁自身も率先して、いまの研究体制、それから地方自治体に対するこれらの指導と、財政的な援助が必要ならば援助を与えるとか、特に公害問題なんか非常に大きな問題になってるんですから、そういう専門家を養成して、いつでもそれにこたえられるような体制をいま水産庁としてもつくる必要があるんじゃないか、こう思うわけですが、この点はいかがですか。
○説明員(大和田啓気君) 水質の汚濁による漁業公害の問題は、これはここ数年のことでございまして、私ども試験研究あるいは調査等、確かに立ちおくれてる面があるわけでございますが、鋭意これを充実して、沿岸漁民の漁業経営を守ると同時に、沿岸漁業からの国民の蛋白資源の供給に遺憾のないように努力をいたしたいと思います。
○河田賢治君 さっき経企庁のほうの話によりますと、なかなか静岡県との間にうまく意見の調整ができぬというような話でしたが、これは、私はいまの段階では御承知のとおり、かなり住民は全く公害に対する防止設備やあるいは防止の政治をやらぬということに対しては不満を持ってるわけですね。だから経企庁は静岡県に対してどういう相談をしたと、その内容は何だったと、これをどんどん公表したら私はいいと思いますよ。幹部だけが取り上げてやらぬと、静岡県民に公表して——漁民やあるいは農民、被害を受ける市民、これらに静岡県の言い分と、そして経企庁の考え方、政府の正しいと思うんならば、それをどんどん公表して、そして経過をたえず公表していく。そうすれば、私は地方自治体の中で、そういう役に立たぬ知事や市長なんかはどんどんこれからほうり出す運動が起こると思うんですよ。そうすりゃもっと民主的にも運営されるでしょうし、そういう、また政治もそれによって浄化される。大部分の、今日企業というものは、御承知のとおり大企業というものは地方自治体のいろんなところをにぎって、そして、政治を全く曇らしておるわけですよ。だからこういう点から、そういう経過なり今後のとるべき方策なんかを、どんどん、地方自治体に示した場合に、その内容を公表すると、こういう態度をおとりになったらどうでしょう。この点はいかがです。
○説明員(西川喬君) まあ、公害問題、これは近年の一番重要な内政問題になってるわけでございますけれども、やはり過去の過程を振り返ってみますと、数年前までといたしましては、いわゆる地方におきましても、工業誘致ということが非常に大きな行政の課題になっていたのではないだろうかと、このように感ぜられるわけでございます。そのときと現状で考えて、現在の時点で考えてみます場合には、従来の過去の問題については、いろいろ問題点が多かったと思うわけでございますけれども、要は、今後これからどう処置したらいいかということの問題でございまして、田子の浦につきましてもそのような観点から、すでに御承知かとも思いますけれども、政府部内におきましても打ち合わせ会を開きまして、さらに中央公害対策本部におきましてこの問題を取り上げまして、緊急的な措置として、港湾の機能を回復するためのヘドロの処置、それからその次の暫定対策といたしましての、先ほど申し上げましたSSの緊急的な規制、さらに恒久的にはSSだけではございませんで、パルプの廃液といたしましてのCODのほうの規制並びに岳南排水路の終末処理場の建設というような恒久対策、この三点の対策を早急に確立して進めたいというふうに、現在協議してる段階でございます。今後はそのような、この緊急、暫定並びに恒久対策につきましては、すでにどんどん県とも協議いたしまして、今後こういう方向でやっていくんだということを公表いたしております。これからの公害問題につきましては、やはりこれは地方的な、地域的な問題でございますし、一番関係の大きいのは、その地域の住民でございますから、私どもといたしましても、公害行政を進めていく上におきましては、そのようないま先生のおっしゃいましたような方向で、今後努力してまいりたい、このように考えておるわけでございます。
○河田賢治君 経企庁のほうは、一応、今後水質汚染というものが、急速に最近進んでおりますから、できるだけ多方面にわたって、いまどんどん問題が起きるわけでございますから、また今後問題起きると思います。そういう点で各漁業者あたりは、土地地域開発によってどんどん漁場が失われる。ちっとも漁業の問題なんかは問題にしていないということを憤慨しているところがたくさんあるわけです。こういう点からしましても、一応の漁民が生活を営み、営業を営めるように水質を保つということがこの法律の精神ですから、これをできるだけ急速に公害日本列島と言われるんですから、単にここだけではなくて、もう日本全体を、そういう立場で努力をしていただきたいと思うんです。 以上で質問を終わりますが、最後にヘドロの海中投棄の問題が出ております。これは私が行きましたときにも、駿河湾に投棄されて、非常に問題になっておる。漁獲量がちょうど半分くらいですね、ちょうど海中投棄されているときに減っておるわけですね。それで駿河湾の、特に由比あたりの漁協の人々あたりは非常に憤慨して、海上投棄反対という態度を示しております。きょうの新聞を見ましてもそういうことが書かれております。今度は何か黒潮の外に持っていくとか、前には二百キロくらいあたりに捨てるという話がありまして、それは三宅島あるいは御蔵島ですか、あの辺にちょうど当たるというので、漁協の幹部諸君が全部反対しておりました。ところが今度は黒潮の外に捨てるということでありますが、しかし、いずれにしても、これは水産庁なり運輸省等々と協議されることだと思うんです、単に静岡県だけの問題ではありませんから。ところがこれには千葉、神奈川、東京湾、これらの漁民に対する捨てる位置、あるいは捨てさせなければ捨てさせない。いずれにしましてもそういう問題が、捨てるとなれば影響を与える。特にいま静岡県の漁業者は、決して補償を、これだけ魚がとれなくなったから、これだけ金をよこせという補償要求をやってないんですよ。ここに私はいまあの人々の運動のほんとうの力強さがあると思うんです。金にかえられない。とにかく水をきれいにして、われわれの漁業を長くやらしてくれという、海をきれいにしてくれというのが要求なんです。金の問題は出るでしょうけれども、まずそれがはっきりしないうちは補償の問題に乗り移るわけにいかない。これは正しいと思うんです。たいていのところは補償問題で頭をなでられて、自分たちの営業生活を縮めてきているわけですから、したがいまして、ヘドロの問題の投棄については、静岡県あるいは神奈川、千葉等の関連漁協や、単に漁協も県段階だけではなく、やはり地元のある程度沿岸で、実際に漁業をやっている漁協ですね、こういう人々の必ず了解を得るというこの立場に立って、水産庁はこの問題の処理をしてもらいたいと思います。この点をお伺いします。
○政府委員(大和田啓気君) 私どももヘドロの海中投棄というのは、原則としては賛成でございせんで、田子の浦の特殊な事情のもとにおいては、湾内からじくじくとヘドロがとにかく浸出して、漁業を害している状態なんでありますから、漁業に被害の与えないような形で海洋に投棄することはやむを得ないというふうに判断しております。御指摘のように黒潮の外に投入すれば、まず漁業にとって被害はないのではないかというふうに思いますけれども、なお、関係漁業地域の漁業、あるいはさらに潮流関係等の検討を慎重にやりまして、最終的な結論に達したいと思います。そうして海中投棄を実施する場合には、この問題いろいろこじれているのが現実でございますので、関連諸団体でよく話し合いをして、できるだけ実施するように努力をいたしたいと思います。
○河田賢治君 相当の時間がかかるのですが、この問題を解決するだけでも、当面の処理だけでも、第一次処理を各企業がやる、あるいは終末処理をつくる、これだけでも五年、六年の時間がかかるというようなことも言われております。したがいまして、やはり現在のようなむちゃな三交代でじゃんじゃん拡大して工場を運営されていますと、出る量はたいへんなものなんです。だから当分ああいうところの操業をうんと縮めて、一時前の状態ぐらいにする、それぐらいの覚悟を持ってやりませんと被害は大きくなる一方なんです。県も一億二千万の予算で海上投棄なんということを考えておりましたけれども、また最近の政府のほうでもこれに八億ばかり足すというようなことで何か考えをまとめられておるようですけれども、しかし実際には個々の問題を当面処理するだけでも時間もかかるし、金も相当かかるわけです。しかし排出をできるだけ規制する。紙は今日必要だと言われますけれども、ずいぶんむだな紙も出ております。御承知のとおり、新聞にしろ、何にしろ。だから少々紙が減ったからといって、国民生活にすぐ影響するわけじゃないわけです。だから、こういう点で水産庁やあるいは企画庁あたりは、操業を一時短縮するというような、やはり強い私は態度をもってこれに接してもらいたいと思うわけです。 次に時間がございませんが、安中の問題に移りたいと思います。安中の問題では、私ちょうど二年前でしたか、秋ごろこの国会が開かれて、前々大臣のとき、あそこの農作物について現物を見せたことがあります。それ以後あまりこれに対する進展はしていないわけです。各企業に対する——東邦亜鉛に対する農民の諸君のいろいろな問題は、補償の問題やあるいは公害の問題として大きく世間にクローズアップされ、今日では指曲がり病、つまりイタイイタイ病の初期の徴候さえあの地域には二十人の人たちがあらわれておる。私が行きましたときにも、一つの部落で二軒だけがその徴候がなくて、ほかの人は全部指曲がり病にかかっておるというようなところでございます。ですからここの問題は、いま農業のこういう公害、特殊なああいうカドミウムその他の金属の汚染に対する、私は一つの先駆的なこの問題の進展に——解決いかんによってなると思うのです。 そういう意味からひとつ伺いますが、厚生省の方おられますね。さっきだいぶんカドミウムの問題についてはお述べになりましたから、私は話されたことについてはあまり触れませんけれども、ずいぶんと厚生省の基準とされる一PPMに対して、長い間このイタイイタイ病やその他カドミウムその他の金属に対する研究をされた学者あたりは、あの一PPMというのは非常に高過ぎる。本来もうコンマ二か三か、この程度が大体において許容量じゃないかという、こういう主張をされているわけです。この一PPMというのは、もうどこへ出しても厚生省のほうは曲げられない、あるいは最も正しい学説のもとにつくられた基準であるというふうにお考えなんでしょうか。
○説明員(浦田純一君) 厚生省がカドミウムの汚染米に関する基準を一PPMと定めたその方法、考え方を申し上げたいと思います。 これらカドミウムの環境汚染の要観察地域における保有米のカドミウム濃度をきめた方法は、次のとおりでございます。 まず第一に、尿中のカドミウムの濃度が、要観察地域の住民検診で二次検診に回わす、回わさないということをめどといたしまして、三十マイクログラム毎リットル以下にすることを目標としております。 第二点といたしまして、昭和四十四年度のカドミウム研究班の成果から、カドミウムの摂取量と尿へのカドミウムの排出量との間に相関関係が見られる。そうしてその回帰直線から、前に述べた三十マイクログラムを出さないということのためには、食べ物からのカドミウム摂取量を一・二五四ミリグラム以下にすることが必要であるという結果を得ております。 第三点といたしまして、食物を地元産とそれ以外、地元産の米とそれ以外の米、米以外の食物と、それから他地方から入ってくる場合のことも考えまして、それぞれの摂取量とカドミウムの含有量を調べる。これらの条件の最も不利な組み合わせ、すなわち最もたくさん地元のもの、特に地元の米を食べており、しかも地元以外の米につきましても考えられるカドミウムの濃度の最高と、それからまず一番問題になります地元の米の摂取量、これらの最悪の、最大の量を考えまして、これからどの程度に地元の米、すなわち保有米の量をどの程度とれば、先ほど述べました一・二五四ミリグラム以下に押えられるかということから計算してまいりますと、一・九四PPM未満にすればできるという数値を得ております。 それからさらにこれをもとといたしまして、米の摂取量と申しますのは幅がございますので、平均の摂取量の二倍ということを考えまして、一・九四PPMの約半分であります、玄米におきましては一・〇PPM、白米におきましては〇・九PPMというものを基準と考えたのでございます。 以上述べましたのが要観察地域における保有米の基準でございますが、これらの設定方法につきましては、実は岡山大学の小林教授らから反論が出ているのは御案内のとおりだと思います。まず第一の点は、三十マイクログラム毎リットルということを出発点としたこと、第二の点は、カドミウム排出量と摂取量との間の回帰直線の勾配、この二点でございます。厚生省といたしましては、カドミウムの人体影響に関する専門学者の方々へ調査研究を委託しているのでございますが、その結果に基づきましてこの数値を出したのでございまして、これらの点につきましては、学問的に論議検討が行なわれていることも私も承知しておりますが、もしもこれらの結果、学問的な別な考え方が出てくれば、それを基礎にしてまた別の基準が採用されるということも決してないとは申せませんが、現時点におきましては、厚生省の研究班の成果が学問的に否定されるというふうには考えられませんので、この数値を変えるということは当面考えていないのでございます。
○河田賢治君 専門的な問題はやはり相当専門家の間で議論してもらうというのが一番正しいと思いますので、われわれもそういう見地から研究を進めていきたいと思うんです。ところで、御承知のように、われわれの食物というのは米だけじゃないですね、麦もあれば野菜もあると、あるいはそのほかのいろんな動植物をとりますが、この安中あたりでも稲株から四八・五、小麦の苗、根から二五・八、小麦の粒から二二・九PPMというカドミウムが検出されておる。これは小林さんが四十三年に四月、六月、十月の三回で工場から五百メートルから二千五百メートルの範囲内でとれた農作物を調べられたわけです。それでここの麦などは百姓さんなどに聞きますと、夜は大体麦を入れて食べる、それからおやつなんかに麦でいろんなこねたものを食べる、だから麦というものはあそこのかなり主食の一部をなしているといわれているんですね。ところが厚生省はいま米については一PPMと言われましたが、一体野菜や麦やらいろんなここでは非常に高度な、先ほども申し上げた稲株からでも四八・五PPMが出ているそうですね。富山の米がイタイイタイ病が発生していて六PPMだといわれているんです。ですからここはもっともっと高いんですね。単に食物だけじゃなく、大気の汚染の中からわれわれは息として吸うわけで、単にあれだけじゃないですね。カドミウムだけじゃない、亜鉛とか鉛とか、これらもあるわけですね。これが非常にまた——私こまかいデータ持ってきておりますけれども、一々ここでは言いませんけれども、とにかくそういうものなども人体の中へ入ってくるわけです。そうすると、第一には米以外の食糧、衛生とかなんとかさっきおっしゃいましたけれども、そういうものについての基準はどういうふうにお考えなんですか。すでにもうきめておるんですか。
○説明員(浦田純一君) 米以外の農作物からやはりカドミウムが人体に入る危険があると、それらを考慮しなければ米の安全基準を幾らきめても意味がないではないかという御趣旨の御質問だと思うんですが、今回汚染地域におきますほかの農作物の最大含有量というものを私どものほうでも一応チェックいたしまして、そして最大の濃度のものをとった場合でも、なおかつ安全であるように米におけるカドミウム含有量を低くおさえるという配慮を加えたものでございます。米以外にいろいろとカドミウムが含まれていることは事実でございますし、ある程度それらの含有の実態についても調査したデータがございますが、一般的に申しました場合に、米というものは日本人の主食でございますし、最も摂取量の高いものでございます。これがほかのものにかわった場合、たとえば御指摘の小麦にかわった場合どうなるかといったようなことはごもっともの御懸念かと思いますけれども、各食物に含まれておりますカドミウムの実際の量、あるいはどのような機構でカドミウムがそれら食物の中に含まれるかということにつきましては、これは実は私どものほうの守備範囲外になることでございますけれども、食品として出回りました場合のことを、やはり私どもとしては国民の保健を守るという立場から当然チェックしなければならない立場でございますのでいろいろとやっております。これらの食物には自然に含まれておるカドミウムもあるわけでございますし、なおそれらについてはひとつ今後とも調査検討を続けていきたいというふうに思っております。
○河田賢治君 だいぶ長いこと御答弁になったんですが、要するに麦や野菜、とにかく直接人間が食べるものですね、こういうものが、米が食品衛生としていま一PPMで規定すると、こうおっしゃったんですが、まだ麦やその他の野菜等々ですね、これらについてはやはり厚生省としておやりになる予定なんですか。またやらなきゃならぬことになっているんですか、どうなんです。
○説明員(浦田純一君) カドミウムをはじめといたしまして、たとえばマンガンあるいは砒素あるいはその他の微量重金属の問題が食保衛生上の問題としてございます。私どもはただいま食品衛生調査会の中の毒性部会にこの問題についての研究、調査を依頼してございまして、その調査結果、御意見を待った上で考えていきたいと思っております。
○河田賢治君 どうも話がよくわからぬのですがね。つまり、人間の生命が大事だ、健康が大事だ、だから厚生省はまず米についてきめた、しかしまだ麦やその他については、野菜等も人間の健康に必要なものですから、動植物もそうです。これらについてもおきめになる予定なのか、あるいはこれはさっき皆さんお話しがありました守備範囲以外だということになるのか、その点をはっきりと聞いておきたいのです。
○説明員(浦田純一君) 現在のところ小麦あるいは野菜等の汚染について特に基準を設けるという考えは持っておりません。しかしながら、現在食品衛生調査会の毒性部会のほうにこれらのこともあわせて調査、研究をお願いしてございますので、その結果を待って慎重に考えていきたいと思います。
○河田賢治君 それから毒性鉱物ですね、これらが一つだけであるときはそうたいして問題ない場合があるわけですね。ところがこれらが合成しましてちょうどこのごろの光化学のようなああいう現象を起こしたりなんかするわけですが、こういう問題についての御研究は相当やっておられるのですか、鉛とかその他なんですが。
○説明員(浦田純一君) 何ぶんにも微量重金属あるいはただいま御指摘の光化学スモッグの原因究明の問題、これらは率直に申しまして近年にわかに起こったとは申しませんけれども、近年になってその問題の所在にだんだんに気がついてまいったといったようなことで、研究、調査の陣営に十分なものがないということを認めざるを得ないと思います。しかしながら、私どもこの問題の重要性ということは十分に認識しておるつもりでございますので、できるだけこれら基礎的な研究も含めまして、いろいろな微量重金属の問題、あるいは公害による人体影響の問題については今後とも努力してまいりたい、この原因の究明、対策について具体的策を早く早く立てるように努力していきたい、かように考えております。
○河田賢治君 私が厚生省と農林省との責任の問題としてさっきお話を聞いたわけです。そうすると蚕なんかが——桑が汚染されている、その蚕がどんどん変死した、こういう事実がたくさんあるわけですね。非常に減収になっている。私の行きましたところも養蚕地帯でもございますが、もう蚕の幼いときは全部よそから買ってきているのですよ、相当離れたところから。そうしてもういよいよ繭をつくる二日ばかり前に自分のところの桑をやるということをやっているのですね。私は一昨年でしたか、あの辺でもやはりこのカドミウムの問題が出まして、そうするともうどんどんそこの桑はつくらぬということですね、群馬県のその辺の諸君は。もう桑を食べさすわけにいかぬというので暴落してしまったんですね。そうすると桑の悪徳商人が出てきてこれを長野県へ持ってきて売った、こういうことがありましたよ。つまり、こうした蚕、桑というような、こういうような関係はあなたのほうの関係じゃなくて、これは人間じゃないのですから、そうすると動物だとすればこれらの影響関係を調べるのはこれは厚生省の管轄になるわけですか。あるいは牛の乳になって人間が飲むときは何でしょうけれども、牛を育てる間は牛の飼料、それから牛のそういう生育の関係、こういうことを調査するのはこれは農林省ですか、どうですか。
○説明員(加賀山国雄君) ただいまのお尋ねにつきまして簡単にお答えいたしますが、先ほどから米以外の作物についてのお尋ねが厚生省側にだいぶあったわけでございますが、米以外の作物につきましてもわれわれは食品衛生上という立場から何かの知見があればそれに応じて対応策をとりたい、かように考えております。ただ米の場合と違いまして、その他の作物はまだ流通の形態あるいは生産の態様等がだいぶ違っておりますものですから、その点は厚生省と十分協議をいたしたいと考えております。 それから第二番目のお尋ねの蚕等につきましては、私のほうの農林省で研究しなければならない問題と考えております。現在農林省関係の研究機関につきまして公害関係の研究の推進をいたしておりますが、特に農水産物の生育環境保全という視点からかなり前向きの予算を計上いたしまして研究いたしておりますので、ただいまの御質問につきましてもいま直ちに明らかな結果を示すことはできませんけれども、できるだけ早急にまとめたい、かように考えております。
○河田賢治君 時間がありませんそうですから、私はごく簡単に聞いているんですけれども、非常に問題のあるこれはいわゆる公害問題なんですね。いま農林省と厚生省の管轄の問題で聞いたわけですが、この米の問題について指定をするんですね。これは要観察ないしは汚染米のできるところの地域を決定するのは大体やはり県がきめるわけですか。すでにあそこでは十二ヘクタールですかきめられているわけですね。
○説明員(浦田純一君) いわゆるカドミウムによる汚染地域の決定でございますが、これは先ほども当委員会で御説明いたしましたが、昨年九月に全国の都道府県知事にカドミウムの汚染状況についての調査を依頼してございます。したがいまして、これらの報告に基づきまして県とよく協議いたしまして厚生省のほうでやりたい。
○河田賢治君 私が行ったときはあそこはもうきまったというのですね。それで従来構造改善事業を昭和四十三、四年等で行なった地域の大体三分の一くらい、これは工場の前ですね。それからずっとうしろのほうの畑に一部があるんですね。その工場を中心にして全部入っているわけじゃない。その水のくるのは上流にあるわけですね、そのきめられたところは。そうすると下流のほうは全然入っていない。しかもこの水は何ら汚染されていない碓氷川から引いてきている。そうすると、汚染されるというのは上からもきますし、それから水を通ってもくるでしょう。そうすると下流のほうに大体汚染された土を流れて通って、なお田を通ってきますから、下流のほうがむしろある程度一定のものがそこはふえる条件もあるわけですね。ところがそこは何にもされていない。こういうことでその土地の人々は非常に不満を持っているわけです、この決定に対して。この間、現地へ行きましたときにそういう事実があったわけなんですが、これは県独自でもやってしまうということになっているんですね。
○説明員(浦田純一君) ただいま御指摘のようなおそれのあるという地域については一応県のほうで漏れなくその辺の調査をやっていると思いますが、なお県の実情に応じまして、県の独自の判断でもっていろいろと行政上のことはあろうかと思います。また要観察地域のこれらの具体的な町名、地番といったようなことにつきましては、やはり県の意見というものを待ってやるべきだというので回答を待っている段階でございます。
○河田賢治君 これは県のほうでかなり中心になりますが、この問題についてはやはり中央の政府がこういう農民に不満のあるようなきめ方をすれば、これに対してはやはり現地へ行ったりしてこれを補正するなり何かしなければならぬと思うんです。第一、この東邦亜鉛という会社はずいぶん前から問題になっている会社なんですよ。御承知のとおり通産省の官僚の一人は死んだでしょう、自殺したんでしょう。それでずいぶん法律上無許可の工場拡張をやって、じゃんじゃん操業している。違反なんです。そういうことで告発されております。たとえば農地につきましては昭和三十三年九月から四十三年七月の十年間に転用件数が十八件ある。百八十九筆、十万六千五百四十二平方米、違反転用が四八%を占めている。そうして去年の三月防毒林をつくるから用地として転用したいという申し出をして、これに対して市の農業委員会が県に出した。県もどうもあやしいということでもう一ぺん許可の取り消しを——運動もありまして植林計画が不十分だということで却下している。それでいよいよ県と市の農業委員会がこれを調べて、農地転用が、全く四八%の違反転用をやっている。原状復帰をやっていない。県も原状復帰しろということを言っているそうですが、原状復帰をやっていない。むしろ逆に今日ではどんどん工場の操業度を高めるような申請を出して、早く許可してくれということをやっている。つまり法を無視して、通産省か何かの法令にも違反したり、農地転用についても違反して、こういうむちゃなことをやっている。しかも厚生省のお役人の、この間国際機構に行かれました橋本公害課長は、四十三年に行きまして、東邦亜鉛は三井の神岡鉱山と違って、いまや近代的な設備を持ち、公害が発生しないよう高度の注意を払っている。この地のカドミウムの量は世界各国のデータに比較してもまず身体に及ぼす影響はないと言って判を押されております。しかし、ないものならば、あそこでかたわの人ができるはずがない。従来規模も小さく吐き出す煙も少なく、汚染もなくって、ある程度きたのですけれども、しかしその間にイタイイタイ病の初発現象が出てきている。こういった所に行って公害課長は大いに会社の看板を持たれているのですが、こういうむちゃな不法な会社に対してわれわれはがまんすることができないのです。 そこで農地関係の方に言いますが、なるほど小規模ですから、これは県が一応認定するに違いないと思う。農林省直轄じゃない。しかしこういう悪徳な、しかも公害問題がいまや非常に全国的な問題になっている、その中の特殊なわずかな所ですが、こういう問題に対しては農地転用が何か不法に行なわれているという事実をつかんだ限りにおいてはもっと強力な県に対する指導をやるべきじゃないか、原状復帰。あそこはこれから世界一の工場をつくると言っている。まだ許可がおりておりませんからそこまではいっておりませんが、五十年にはそれに達すると言っている。とにかく工場の土地の買収を盛んにやっているわけです。まあ農林省はこういうことが耳に入った以上は、この違反事項については適切な県に対して指導をされるべきだと思いますが、この点はいかがでしょうか。
○説明員(中野和仁君) 東邦亜鉛の農地転用の問題につきましてただいまお話がありましたが、われわれも調査を進めておりますが、大体御指摘の事情でございます。その中で転用許可を受けましたにかかわらず着工していないもの、それから転用許可を受けまして転用目的に違反してほかのものに使ったということがあったわけであります。未着工のものにつきましてはその後督促等も県がやりました結果、大体二ヘクタールほどでございますが、これは本年の三月までには許可目的どおりに設置をいたしておるようでございます。ただ、許可目的どおりに転用いたしておりませんものが、たとえば植林をすると言いながら工場用地にしたもの、資材置場にするものを駐車場にしたもの、五件ございます。これにつきましてはわれわれといたしましても、こういう問題が起こってはということから、随時といいますか、半年に一ぺん転用許可どおりやっているかどうか、事業が完成するまで報告を求めております。それで、その結果そうなっていないものにつきましては、その是正方を勧告をしておるわけです。この東邦亜鉛の問題につきましては、そういうことをやりました結果、去年の秋に転用目的違反のものについては、こういう理由でこういうものにしたいという事業計画の変更の申請が現在来ております。それを現に、県におきまして審査をしております段階でございますが、今後この問題につきましても、公害問題等非常にやかましくなっておる段階でございますので、農地転用の面からも十分配慮をした転用許可行政をやりたいというふうに考えております。
○委員長(園田清充君) 速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(園田清充君) 速記を起こして。
○河田賢治君 二つだけです、これは時間の関係上。私たちは、こういうふうに工場の被害が明らかなのはここだけなんですよね。ほかにそういうところはないわけなんです。ですから、従来では会社と農民との間では若干の補償問題もずっと続けてきている。しかし、それがきわめてわずかだったのですね。千円とか二千円とかいうようなものを出したり、いろいろ協定しても、これを外部には公表するなとか、こういう取りきめをしてむちゃな協定をやっているのですが、いずれにしましても、米をつくりましても結局米は売れない。いま政府が買いますからいいようなものの、しかし野菜その他は全くこれはもういやいやながら食うか、あるいは値段が少々下がっても売る、こういう被害を受けているわけです。一応、きょう大臣おりませんけれども、米その他野菜——明らかな公害源というものがわかっている場合、これは企業の責任で本来は農産物を買い上げるなり、食えぬ場合、企業が責任をもってその農産物を買い上げるべきだという原則論ですね、そういうお考えをお持ちでしょうか。これは米のみならず、野菜その他もずいぶん影響を受けているわけです。その工場だけがそういう公害を農村に及ぼしているわけですから、この場合について、責任の所在を、何もこれは全部国家の負担なんということにはいきませんから、今日私企業の責任ということが問われております。ですから、こういう明らかな問題については、農林省はどういうふうにお考えになっているか、今後公害基本法その他が、ずっと内容がもっと企業の責任を問う内容に法律を改正するという話もあります。そうだとすれば、農林省としては、こういう問題について、大体、方向として企業にこれらの明らかなときは負わせると、すべて農産物の収穫等々の軽減、また安値で売らされるというような問題について、こういう点でひとつ農林大臣おられませんから、政務次官からお聞きして質問を終わりたいと思います。
○説明員(宮崎正雄君) この公害の原因が明確である場合には、その原因者といいますか、これの責任において補償すると、この原則はわれわれはいま確認をしておるわけであります。
○委員長(園田清充君) 他に御発言もなければ、本件に関する調査は本日はこの程度にとどめて、本日はこれにて散会いたします。 午後五時五分散会